JP2023544630A - 眼内レンズ用の挿入器 - Google Patents

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Abstract

本発明の主題は、眼内レンズを埋植するための挿入器(1)であって、本体(10)を備え、その本体内に、細長く形成された操作部材(11)が、後端側において部分的に突入しているとともに操作軸線(12)に沿って移動可能に案内されており、操作部材(11)は、操作軸線(12)に沿ったプッシュ操作(P)によるか或いは操作軸線(12)周りのスクリュー操作(S)によるかのいずれかを選択して本体(10)内へと移動させることができ、操作部材(11)は、少なくとも一部の上に螺子山(13)を備えている挿入器である。本発明によれば、本体(10)には、少なくとも一つのスプリングアーム(14)が配置され、当該スプリングアームは、螺子山(13)に面する内面に螺合構造(15)を備え、本体(10)に、切替部材(16)が操作軸線(12)周りに回転可能または操作軸線(12)に沿ってスライド可能に配置され、切替部材(16)は、少なくとも一つのスプリングアーム(14)を備え、当該スプリングアームは、螺子山(13)に面する内面に螺合構造(15)を備え、本体(10)には、スプリングアーム(14)の外面(18)と作用接触する内面(17)が形成され、内面(17)および/または外面(18)は、操作軸線(12)に対して角度(α)で斜めに形成されているか或いは内面(17)は、変化する内半径(Ri)を操作軸線(12)周りの周方向に少なくとも部分的に備えていることで、切替部材(16)の回転またはスライドが、スプリングアーム(14)の、操作軸線(12)へと向かう弾性変形および操作軸線(12)から離れる弾性変形を生じさせることができ、これにより、螺合構造(15)を螺子山(13)に選択的に係合させるか或いは係合解除させることができる。

Description

本発明は、ヒトまたは動物の眼に眼内レンズを埋植するための挿入器であって、本体を備え、その本体内に、細長く形成された操作部材が、後端側で部分的に突入しているとともに、操作軸線に沿って移動可能に案内されており、操作部材は、操作軸線に沿ったプッシュ操作によるか或いは操作軸線周りのスクリュー操作によるかのいずれかを選択して本体内へと移動させることができ、操作部材は、少なくとも一部の上に螺子山を備えている挿入器に関する。
ヒトまたは動物の眼に眼内レンズを埋植するための挿入器はよく知られている。この場合、眼内レンズは、眼に嵌め込まれる少し前に、内部に眼内レンズが組み込まれたレンズカートリッジを用いて挿入器に組み込むことができ、その後、粘弾性物質を加えてから眼内レンズを前側の送出ノズルから眼の後房に送出するようになっている。本体の前側に、挿入器のレンズガイド部が配置されており、送出ノズルは、そのレンズガイド部の開放端を形成している。
本体内には、ピストンが操作軸線に沿って移動可能に案内されており、操作軸線に沿って前後の位置で操作部材に接続している当該ピストンは、操作部材を前進させると、それがピストンに伝わって、送出ノズルに向かう方向で眼内レンズに接触することができ、眼内レンズを送出ノズルを通して送出することができる。
ピストンを挿入器の本体内部において動かすために、そして、ピストンをレンズガイド部をも通して送出ノズルの方に制御しながらさらに前へと動かすために、操作部材が本体内に突入するように設けられており、これにより、その操作部材を前進させると、ピストンが、操作軸線に沿って先ず眼内レンズに接触し且つそのまま進んで行くことで眼内レンズが後房内に送り出されるまで眼内レンズと一緒に送出ノズルの方に移動させられ得るようになっている。
新しい構造の挿入器は、使い捨ての挿入器として利用され、一度使用され、プリロードされた眼内レンズが送り出されると廃棄される。挿入器のこのシステムは、一般にプリロードシステムと呼ばれる。
操作部材は、通常、操作者、特に眼科医によって手動で本体の後方開口部に押し込まれる。ここで、操作部材を操作軸線に沿って動かすために、二つの操作モードの間で切替可能であり、第一の操作モードでは、手動で操作部材に加えられる純粋なスラスト運動が可能になり、第二の操作モードでは、同じ操作部材に加えられる、眼内レンズを送出するための回転運動が可能になる挿入器が知られている。その点では、新しい構造の挿入器は、プッシュ操作とスクリュー操作の両方を可能にすることができ、そのために、挿入器には、操作モード間の切り替えを行うための然るべき仕組みが設けられる。
例えば、特許文献1は、眼内レンズを埋植するための挿入器の一態様を開示し、その操作部材は、そのまま後ろからプッシュすることによって本体内に進入させることができるか或いはスクリュー運動が加えられる切替部材が操作され、その切替部材が操作部材の螺子山と直にネジ結合する。すなわち、操作部材が手動で本体内に押し込まれると、切替部材は自由に回転する。つまり、操作部材を後ろから押すか或いは切替部材を回すかのいずれかによって操作部材が本体内に押し込まれると、操作部材がピストンと接触したまま眼内レンズを前側で送出ノズルから送出することができる。切替部材は、この作用原理を実現するために、操作部材と直にネジ結合していなければならない。
特許文献2は、ヒトまたは動物の眼に眼内レンズを埋植するための挿入器のさらに他の態様であって、本体を備え、その本体内に、細長く形成された操作部材が、後端側で部分的に突入しているとともに、操作軸線に沿って移動可能に案内されており、操作部材は、操作軸線に沿った操作部材のプッシュ操作によるか或いは操作軸線周りの操作部材のスクリュー操作によるかのいずれかを選択して本体内へと移動させることができ、そのために、操作部材は、少なくとも一部の上に螺子山を備えている挿入器を開示する。操作部材のプッシュ操作とスクリュー操作を切り替えるために、折り畳みと展開が可能な対向し合う二つの翼状把持部が設けられており、翼状把持部を展開した姿勢にすることにより操作モードをプッシュ操作に、翼状把持部が畳み込まれた状態ではスクリュー操作に切り替えることができる。
プッシュ操作の操作モードではこのとき、折り畳みと展開が可能な翼状把持部は、フィンガーグリップとして機能することができるため、眼科医は、翼状把持部のところで挿入器を人差し指と中指の間でつかんで親指を使って後端側で操作部材を本体内に押し込むことができるようになる。翼状把持部が畳み込まれている場合、操作部材は、眼科医の一方の手に本体が保持されつつ眼科医の他方の手により操作部材がねじ込まれることで、本体内に螺入させることができる。
挿入器をプッシュ操作にするのかスクリュー操作にするかの設定は、通常は助手により行なわれ、その後、眼科医は、操作モードが予め設定された挿入器を駆使しながら、前方のレンズガイド部における送出ノズルを眼球内に挿入し、次に眼内レンズを後房に入り込ませた状態にするまで操作部材の操作を行うことになる。
欧州特許出願公開第3476375号明細書 国際公開第2019/195951号
本発明の課題は、ヒトの眼に眼内レンズを埋植するための挿入器をさらに発展させ、挿入器が、眼内レンズを前進させるための操作部材のプッシュ操作とスクリュー操作のできる限り簡単な切替性能を持つようにすることである。特に、プッシュ操作とスクリュー操作との間の操作モードの切り替えは、それ以外の点では挿入器を同じように扱える一方、プッシュ操作とスクリュー操作との間の切替が挿入器の使用の直前に設定可能となるようにできなければならない。
この課題は、請求項1のおいて書きに係る挿入器に基づいて、その特徴的な特徴部を組み合わせることにより解決される。本発明の有利な発展態様は、従属請求項に記載されている。
本発明は、本体に、切替部材が操作軸線周りに回転可能または操作軸線に沿ってスライド可能に配置され、切替部材は、少なくとも一つのスプリングアームを備え、当該スプリングアームは、螺子山に面する内面に螺合構造を備え、本体には、スプリングアームの外面と作用接触する内面が形成され、上記の内面および/または上記の外面が操作軸線に対して所定の角度で斜めに形成されているか或いは内面の内半径が周方向において操作軸線周りに少なくとも部分的に変化していることで、切替部材の回転またはスライドが、スプリングアームの、操作軸線へと向かう弾性変形および操作軸線から離れる弾性変形を生じさせることができ、これにより、螺合構造を螺子山に選択的に係合させるか或いは係合解除させることができるという技術的教示を含む。
本発明の中心となる思想は、二つの切替位置の間を手で回すことのできる或いはスライドさせることのできる、挿入器の筐体上の切替部材であり、切替部材の第一の切替位置では、スプリングアーム上の螺合構造を操作部材の螺子山にスクリュー操作のために係合させ、切替部材の第二の切替位置では、スプリングアーム上の螺合構造は、操作部材の螺子山から係合が解除されることで、最終的に、挿入器のプッシュ操作が設定されることになる。
こうして、切替部材が第二の切替位置へと回されるかスライドされると、上記スプリングアーム或いは複数のスプリングアーム(特に、互いに向き合う位置にある二つのスプリングアーム)が、自ら操作軸線に対して弾性的に再び外に向かって弾発することで、螺合構造が操作部材の螺子山を解放する。本体側の内面とスプリングアームとの間の作用結合は、本発明によれば、作用接触により生じ、その作用接触は、本体における切替部材の軸線方向の変位または回転による変位の際に、切替部材上のスプリングアームが、操作軸線に対して半径方向に動かされるように、つまり、スプリングアームが、操作軸線へ、つまり操作部材の螺子山へ動かされ得るとともに、これから再び遠ざけられ得るように形成されている。
軸線方向はここで、操作軸線に沿って延在する方向を表し、半径方向は、その操作軸線に垂直な方向を表す。この限りでは、軸線方向と半径方向は、本発明の意味において互いに垂直になっている。
切替部材の動きによってスプリングアームに動きを生じさせるために、第一の実施形態によれば、作用接触に関わる少なくとも一つの面(関与面)、つまり、本体内または本体上の内面か或いはスプリングアームにおける外面かの少なくともいずれかが傾斜を備えており、その傾斜が、操作軸線の延在する方向に対して所定の角度を有している。この場合、その角度は、操作軸線と、上記関与面にあるベクトル、つまり上記内面および/または上記外面にあるベクトル(このベクトルは、上記内面と上記外面の間の接触点または接触線を通って延在し且つ0°より大きく90°より小さい角度を有する。)との間にとることができる。もちろん、切替部材若しくはスプリングアームの内面および/または外面は、或る角度で作用接触するという本発明の思想から逸脱することなく、湾曲していることも、或いは、その他の態様で平面とは異なるように形成されていることも可能である。
スプリングアームの外面が真っ直ぐ、つまり、操作軸線に対して略平行に、いかなる角度の傾斜も持たずに延在方向に延在するように形成されている一方で、関与面の傾斜が本体側の内面に形成されていてもよい。効果は同じまま、スプリングアームの外面が、操作軸線に対して上記の角度を持って形成されていてもよい。その一方で、上記の内面が真っ直ぐまたは操作軸線に対して略平行に、特に、操作軸線周りに円筒状に延在するように形成されている。この場合、スプリングアームの斜めの外面が、例えば、上記の内面における角部に当たり、軸線方向の変位に伴い同じように半径方向の弾性運動を生じさせる。
もちろん、本体とスプリングアームとの間の本発明による作用原理は、内面と外面のいずれもが傾斜または湾曲を備え、特に、それらが操作軸線に対してそれぞれ同じ角度をなしている場合に特に良好に機能する。しかしながら、内面と外面の形態のどちらの場合であっても、操作軸線に対して相対的に或る角度で傾斜した作用接触となる。切替部材は、一体で構成されている必要はなく、複数の部品によるものであってよいし、同様に、本体もまた、一体または複数の部品で構成されていてよい。その点では、上記の内面は、例えば、本体内の内部貫通路内に固定されるか或いは配置されるだけの環状体の内部に形成されていてもよいが、その環状体は、その場合、なおも本発明の意味での本体の一部である。従って、本体が複数の部品で構成され、その内面が、本体の主要部品にそのまま形成されることなく補助部品などに形成される場合にも、所定の内面は、本体上に形成されている。
バネ要素が切替部材の本体と一体および/または同じ材料で構成されておらず、切替部材上に配置されているか或いは切替部材とともに移動可能である若しくは作用結合していることを除けば、例えば個別にばらすことができるような場合にも、切替部材は、本発明の意味においてバネ要素を備えている。
例えば、切替部材は、スライド部材として構成されていて本体内または本体上を移動可能に配置されている。さらに或いはその代わりに、切替部材は、環状またはスリーブ状に構成されていてもよく、操作部材を部分的にまたは完全に取り囲むことができ、本体上をスライド可能または回転可能とされていてもよい。
本体に内面が設けられることで、スライド部材の形態の切替部材が本体に対して相対的に軸線方向に変位する際、そしてそれに伴って切替部材上に配置された少なくとも一つのスプリングアームも軸線方向に変位する際に、上記の内面に対するスプリングアームの変位も生じるようになっている。こうして、操作軸線に対する所定の角度での作用接触の原理は、回さなくてもよいスライド部材であって且つ一つの周方向位置において筐体内または筐体上でスライドさせることができるスライド部材においても相応に利用することができる。好ましい場合には、切替部材は、環状またはスリーブ状に構成されていてもよく、操作部材を部分的にまたは完全に取り囲むものでもよい。
さらに有利にも、少なくとも、作用接触に関わる面が、つまり内面および/または外面が、コーティング、特に効率的な表面の滑りを互いに可能にするコーティングを備えるのでもよい。
有利には、本体は、貫通路のある受け部を備え、その貫通路を操作部材が貫通して延在し、切替部材は、受け部に接して或いは受け部上を操作軸線に沿って軸線方向に移動可能および/または操作軸線周りに回転可能に受容されている。切替部材は、特に切替部材がスリーブ状に形成されているときには、受け部の内側に組み込まれていてもよいが、ユーザが外側から手を使って調整できる点は保たれなければならない。特に有利にも、切替部材は、スリーブの部分を備えていてもよく、そのスリーブが、外側において受け部上に回転可能またはスライド可能に取り付けられており、一つのスプリングアームまたは複数のスプリングアームは、受け部の開放端の周りを囲み、内側において開放端内に突入していることで、特に、一つのスプリングアームの終端または複数のスプリングアームの複数の終端が操作部材と本体内の内面との間の環状ギャップ内に突入するようになっている。
有利には、上記の内面は、本体の受け部の内側に位置するように本体に形成されている。これにより、スプリングアームを不必要に長く形成する必要がなくなるため、有利な外的形状が得られる。しかしながら、スプリングアームと相互作用する内面は、本発明の範囲内で、挿入器のずっと前方にある本体内の中空部の内側に配置するのでも構わない。
従って、少なくとも一つのスプリングアームは、スプリングアームが、少なくとも部分的に操作部材と本体内の内面との間に入り込むように延在しているか或いは受け部の中に入り込むように延在しているかの少なくともいずれかとなるように、切替部材に配置されている。
第一の可能な実施形態によれば、上記の内面は、少なくとも部分的に、本体内に内側コーン部を形成している。このとき、切替部材が軸線方向に変位することにより、そして、それに伴い少なくとも一つのスプリングアームが操作軸線に沿って変位することにより、少なくとも一つのスプリングアームが半径方向に閉じていく効果と、スプリングアームが弾性的に半径方向外側に向かって戻るように弾発する効果が生じるが、切替部材の軸線方向の変位は、例えば、受け部上での切替部材の回転運動により生じさせることもできる。この場合には、スプリングアームは、切替部材が操作軸線周りに回転するのと一緒に内側コーン部内で連れ回りするが、これは、スプリングアームを半径方向に動かす機能を妨げない。
第二の可能な実施形態によれば、周方向に内半径が変化する内表面が、本体における操作軸線周りの周方向セグメント上に形成され、この周方向セグメントは、中心角が360°の円周上または180°の中心角上または120°の中心角上または90°の中心角上に延在している。周方向セグメントの数に応じて、各周方向セグメントに対して一つのスプリングアームが設けられていることが有利である。このようにして、少なくとも一つのスプリングアーム、互いに対向する二つのスプリングアーム、三つ、四つ又はそれ以上のスプリングアームが、切替部材に配置されているようになっている。
切替部材が第一の切替位置へと回転するときに、この位置で内半径がより小さければ、少なくとも一つのスプリングアームが、半径方向内側に向かって押されることで、螺合構造が螺子山に係合するようになる。この目的のために、スプリングアームの外面は、特に、内側にある螺合構造の裏側で本体の内表面に接触しており、内表面はこのとき、スプリングアームの周りにおいてある意味で縮んでいく。それは、スプリングアームが、切替部材の回転と一緒に内表面の内側で連れ回りし、内表面の様々な周方向位置に接触し、その結果、様々な内半径に接触するようになるためである。反対の回転方向に逆回しするときには、スプリングアームは、内面のより大きな内半径と接触するようになるので、スプリングアームは、自ずと弾性的に再び外に向かって戻るように弾発する。スプリングアームはここで、切替部材の回転と一緒に回転可能であるので、スプリングアームは、切替部材が回転すると、本体上の内表面の領域で同じように操作軸線周りに回転する。スプリングアームはここで、切替部材に間接的に配置されているだけでもよい。
切替部材は、特にネジを用いずに構成されている。このように、この挿入器は、挿入器の外側で一つの部材が折り畳まれて取り扱いが変更されなくても、回転リングまたは回転輪の形態の簡素な切替部材を用いて、プッシュ操作の操作モードと、スクリュー操作の操作モードとの間を切り替えることができる。切替部材は、例えば、“プッシュ”や“スクリュー”などのラベルを付けることができ、切替部材の上に矢印を付すことで、ユーザは、プッシュ操作またはスクリュー操作を選択的に作動させるために、切替部材を本体に配置した状態で操作軸線周りのどの方向に回転させなければならないのかが難なく分かるようになる。本発明による可能な構成の範囲内で、内表面の領域におけるスプリングアームと筐体との間の接触は、直接的な接触である必要はなく、力を伝達する接触が本発明の意味において同じように可能になる部材が中間に配置されていてもよい。
受け部と切替部材との間に、有利にも少なくとも一つの溝部とピンが形成され、そのピンが溝部内を案内されている。好ましくは、例えば、受け部の外周に、少なくとも一つの溝部が設けられ、切替部材には、内周側に少なくとも一つのピンが形成され、そのピンが上記の溝部内を案内されている。特に、切替部材が受け部上にネジ結合により配置され、操作軸線周りに切替部材が回転すると、切替部材が操作軸線に沿って動いていくのでもよい。
第二の可能な実施形態により内半径が変化する周方向セグメントを備えた内表面が形成されている場合、少なくとも一つの溝部が、所定の軸線方向位置において操作軸線周りに周延するようにのみ受け部と切替部材との間に形成されていることが好ましい。
というのも、この変形例の場合、切替部材とそれに伴う少なくとも一つのスプリングアームとが操作軸線に沿って軸線方向には変位せず、ただ軸線方向周りに回転しさえすればよいからである。
切替部材が環状またはスリーブ状に構成されている場合、切替部材は、必ずしもそれに限る必要はないものの、好ましくは、環状またはスリーブ状の切替部材の回転軸線が操作軸線と一致するように本体上に配置されている。
ここで、回転可能な切替部材を備えた挿入器の取り扱いは、スライド部材を二つのスナップ嵌め位置の間で軸線方向にスライドさせるよりも簡単且つ取扱が快適であるのが一般的であるが、環状またはスリーブ状の形態とされた切替部材が、同じように本体上を操作軸線に沿ってスライド可能で、切替部材が二つのスナップ嵌め位置の間で変位できることも考えられる。
要するに、第一の可能な実施形態について、切替部材は、本体上に配置された状態でのスライド回転可動性を備えることにより、つまり、切替部材が、切替部材と本体との間のネジ状のガイド部により本体上で回転に伴い軸線方向に変位できる場合に、最も好ましい変形例が達成されるようにされている。そうして、切替部材を手で回し、切替部材と本体との間の相応のネジ状のガイドを介した作用接続が行なわれる場合に、操作軸線に沿った切替部材の軸線方向の変位は、この方法で極めて快適に実現することができる。
切替部材が軸線方向位置を動かさないように本体上に回転可能に配置され、それでも内側コーン部の形の内面が使用されるということも考えられ得る。この形態が可能になるのは、スプリングアームを軸線方向に変位させるために、例えば、前側または後側の部分をひねる際に芯を引っ込めたり飛び出させたりすることができるボールペンの場合のように、スプリングアームが、切替部材により、切替部材の回転の際に独自の機構(Kulisse)か何かを介して軸線方向に移動させられ得るように、少なくとも一つのスプリングアームが、切替部材につながっていない状態で配置されている場合である。そのような作用接続が、ここでは切替部材における少なくとも一つのスプリングアームの配置にも含まれる。
さらに、本体は、翼状把持部を備えることができ、受け部は、その翼状把持部の後端側で突出部としてつながっている。受け部、翼状把持部およびその他の本体の残りの部分は、限定する訳ではないが一体的に一つの材料だけで作ることができ、特に、射出成形で製造することができる。
さらに、挿入器がレンズカートリッジのための収容手段を備え、そのレンズカートリッジ内に眼内レンズが組み込まれており、このレンズカートリッジが、眼内レンズとともに収容手段内に装着可能とされていれば有利である。この種の挿入器は、挿入器を再滅菌できさえすれば、とりわけ複数回の利用が可能である。もっとも、カートリッジを装填できる挿入器は、一回限りの使い捨て品として形成されていてもよい。
挿入器は、いわゆるプリロードシステムとしても構成することができ、このシステムにより、挿入器が、本体内か或いは本体における前側に配置されたレンズガイド部内の少なくともいずれかに形成された収容室を備え、その中に眼内レンズが予め製造者側で装填されていることで、挿入器が、装填された眼内レンズと一緒にして取扱可能且つ流通可能なユニットを形成する。この限りでは、本発明による挿入器は、プリロードシステムまたはカートリッジシステムとして機能することができる。
最後に、本体内にピストンが収容されており、このピストンは、有利にも、回転変換部を介して操作部材により軸線方向にスライド可能とされている。特に、挿入器のスクリュー操作が開始されると、操作部材は必ず回転運動を行うことになる一方で、ピストンは、操作軸線で回転することなく、操作軸線に沿って直線運動しかしない。
本体は、有利にも、受け部と一体且つ翼状把持部と一体に一つのプラスチック体だけから作られ、本体における前側に配置されたレンズガイド部は、先端側の送出ノズルにより眼内レンズを送出するように形成され、本体上に、特に取り外し可能に配置されている。
以下に、本発明の好ましい実施例の記載により、本発明をさらに良くする手段を図面に基づいて詳細に説明する。
ヒトまたは動物の眼に眼内レンズを埋植するための挿入器の斜視図である。 図1による挿入器の主要構成部の分解図である。 第一の実施例により、内側コーン部を形成した内面が本体内にある挿入器の断面図である。 第二の実施例により、操作軸線の周りを取り巻くようにして周方向に変化する内半径を備えた内面が本体内にある挿入器の断面図である。 第二の実施例により、操作軸線の周りの円周に亘って可変の内半径を備えた内面の部分における挿入器の断面図であって、図示されたスプリングアームが操作部材の螺子山に係合していないときの図である。 図5の内面の部分における挿入器の断面図であって、図示されたスプリングアームが操作部材の螺子山に係合しているときの図である。
図1は、ヒトまたは動物の眼の後房に眼内レンズを埋植するために使用される挿入器1の斜視図を示す。挿入器1は、主要な構造部品として本体10を備え、その本体内に、把手32が終端側にある細長く形成された操作部材11が、後端側において部分的に挿入されている。操作部材11は、その大半の長さにわたって螺子山13を有した部分があり、その操作部材11は、本体10内に後端側において部分的に挿入されていることで、操作部材11の自由端に把手32が形成されるようになっている。
本体10の前方側には、レンズガイド部30が配置され、その中に、詳細には図示していない態様で眼内レンズが収容されている。本体10の主要構成部品は、ほぼ円筒形であるか或いは取り扱いのために人間の手に馴染みやすく作られているとともに、細長く延びた部分を備えており、本体10と、前方側のレンズガイド部30と、後端側に挿入された操作部材11とを備えた挿入器1が、操作軸線12に沿って細長に延在している。操作軸線12はここで、選択的にスライド可能または回転可能な操作部材11のスラスト軸線と回転軸線を同時に形成している。
より取り扱い易くするために、本体10の後側の部分には、翼状把持部23があり、これにより、プッシュ操作が設定されているとき、翼状把持部23を使って挿入器1を人差し指と中指の間に保持しながら、ユーザは、後側で親指を把手32にのせて押すことができる。
翼状把持部23に対して背面側には、操作軸線12周りに回転可能または操作軸線12に沿ってスライド可能に本体10上に受容された、本発明による切替部材16が隣接しており、この切替部材16が貫通路を有し、その中を操作部材11が貫通して延在している。切替部材16はここで、切替部材が、操作部材11とネジ結合で協働しないように本体10上に設置されている。
レンズガイド部30には、投入口33が示されており、ここを通して、挿入器1の使用開始前に粘弾性体を注入することができる。これが、特にレンズガイド部30内の内腔および内在する眼内レンズを湿潤し、これにより、眼内レンズを送出するプロセスがやり易くなるか若しくは眼内レンズの損傷をなくすようにできる。次に、レンズガイド部30の自由先端部における送出ノズル31を介して、眼内レンズが送り出される。
挿入器1は、切替部材16を用いることで、挿入器1の使用のためにプッシュ操作とスクリュー操作の間の切り替えを行なうことができるようにするのに用いられる一つの手段を備えている。切替部材16は、図1の実施例では、プッシュ操作とスクリュー操作の間の切替のために、操作軸線12周りに回転可能に本体10上に形成されており、その切替部材16の、操作部材11との相互作用は、さらに他の図により詳細に示す。以下の実施例によれば、切替部材16は、回転させずに操作軸線12に沿って軸線方向にスライドさせることでも、同じようにスクリュー操作とプッシュ操作の間の切替の効果を得ることができる。
図2は、限定するものではないものの本発明にとって好ましい挿入器1の実施例を分解図で示し、そこには、挿入器1の主要構成部品が例示されているが、本発明を説明するのに必要ないという理由で図示されていないさらに他の挿入器1の構成部品も存在しており、図示されていないとはいえ、それらの部品は、本発明に係る挿入器1の構成部品、特に眼内レンズに作用する手段が分かるものであって、図は限定的に理解されるべきものではない。
この図は、本体10を個別にして示しており、操作軸線12と一列に並んで示された第一のレンズガイド部30は、収容室27を備えて構成され、その中に、(支持部の一つが見えている)眼内レンズ26が装填されており、下側に示された代替的に使用可能な第二のレンズガイド部30は、第一のレンズガイド部30に代わる構成を形成し、レンズカートリッジ25を収容するための収容手段24を備え、その中に、別にして描かれた眼内レンズ26が装填されている。眼内レンズ26がレンズカートリッジ25内に装填され、次にレンズカートリッジ25が収容手段24内に組み込まれると、眼内レンズ26は、ピストン28により、前方側で送出ノズル31からヒトまたは動物の眼の後房内へと送出することができる。挿入器1がプリロードシステムとして構成されている場合、収容室27を備えてその中に眼内レンズ26が予め製造者側で装填されることが可能な上側に描かれたレンズガイド部30を使用することができるので、予め眼内レンズを備えた直ぐに使用できるプリロードシステムを市販ルートで供給できる。
眼内レンズ26を送出するために、ピストン28は、操作軸線12に沿って直線運動を行い、操作部材11がスクリュー操作の操作モードで本体10内に螺入されると、回転変換部29の働きで、操作部材11の回転運動がピストン25に伝わらない。
眼内レンズ26が収容室27にそのまま収容されたレンズガイド部30を用いない場合、眼内レンズ26が中に組み込まれるレンズカートリッジ25を中に装填することのできる収容手段24を備えて構成されたレンズガイド部30を代わりに用いることができる。こうして、収容室27を備えたレンズガイド部30は、眼内レンズ26が既に工場側で装填された挿入器1が販売されるプリロードシステムを形成する。代替的に、挿入器1は、眼内レンズ26をプリロードせずに提供することもでき、そのときには、レンズガイド部30は、挿入器1を使用する直前になって初めて眼内レンズ26を備えたレンズカートリッジ25を中に装着できる収容手段24を備えており、これは、いわゆるカートリッジシステムと呼ばれる。レンズカートリッジを収容するための収容手段24および/または眼内レンズ26をそのまま収容するための収容室27は、レンズガイド部30内の代わりに、代替的に本体10内に設置することもできるし、或いは、レンズガイド部30が本体10に配置された場合には、収容手段24または収容室27は、レンズガイド部30と本体10との間のスペースのある部分に形成されている。
本体10は、翼状把持部23の後ろ側に、射出成形による受け部20を有し、その上に、切替部材16が操作軸線12周りに回転可能および/または軸線方向にスライド可能に取り付けられている。このとき、受け部20の外側表面は、受け部20上の螺旋形状により受け部に設けられている溝部21を備え、これにより、切替部材16を操作軸線12周りに回転すると、切替部材16が同時に操作軸線12に沿った動きをするようになる。溝部21の終端部分には、スナップ嵌め手段34が設けられていてもよく、切替部材16が終位置まで回される度に、ユーザに感触によるフィードバックがあり、切替部材16は、自ずと最終設定位置で動かなくなるが、これが重要であり、それは、スクリュー操作の際にスプリングアーム14を介して軸線方向の力が切替部材16に加わえられなければならないからである。切替部材16の内側には、溝部21との作用接続のためにピンが設けられ、それがスロット21内に係合するが、示された図には描かれていないに過ぎない。
受け部20は、スリーブ状に構成され、特に、翼状把持部23の後端側で本体10に一体的に接続され、受け部20が本体10を構成する一部を形成している。
受け部20の内側には、操作軸線12周りに周延する内面17が形成され、図示された実施例によれば、この内面が、受け部20の開放側に向かって拡径する内側コーン部19を形成している。この内面17は、本体10の内側に一つの表面として形成された状態で図示されている。しかしながら、本体10は、いくつかの部品で形成されていてもよいので、内面17は、本発明の意味において依然として本体10に属し且つ本体を構成する一部を形成する個別部品、例えば、挿入可能なリングの形態の個別部品に設けられていてもよい。
切替部材16には、複数のスプリングアーム14が配置され、これらのスプリングアームは、弾性変形によって、操作軸線12に向かって内向きに、或いは、弾性的に再び自然に操作軸線12から離れるように外向きに動くことができる。力が加わっていないスプリングアーム14の配置では、これらは、互いに若しくは操作軸線12に対して所定の隔たりを有し、それによって、操作部材11上の螺子山13は、スプリングアーム14間の真中を軸線方向に自由に動かすことができる。従って、挿入器1の出荷時の状態は、切替部材がプッシュ操作Pのための切替位置にあることで、スプリングアーム14が継続的に力の加わった状態になく、その戻ろうとする弾性作用が比較的長期の保管期間に亘って保たれることのないような切替部材16の位置に設定されていなければならない。
操作軸線12に沿って切替部材16を軸線方向に変位させることによって、操作軸線12に向かうスプリングアーム14の弾性的なバネの動きが生まれる。特に、好ましくは回転によって切替部材16を翼状把持部23に向かって変位させる場合、操作軸線12に沿った切替部材16の翼状把持部23に向かう変位は、溝部21のガイドによってもたらされる。切替部材16を翼状把持部23に向かって変位させると、スプリングアーム14の外面18が、本体10内の円錐形(コーン状)の内面16と接触することにより、スプリングアーム14が、弾性的に操作軸線12に向かって内向きに撓み込み、これにより、スプリングアーム14の内面上の螺合構造15(ここでは間接的に破線でのみ示されている)が操作部材11の螺子山13に係合して、挿入器1をスクリュー操作S用に設定することができるようになる。
特に逆回転により切替部材16が軸線方向に変位して、スプリングアーム14の外面18が直径のより大きな内面17の領域でこの内面と接触するようになることで、スプリングアーム14が翼状把持部23から離れて再び半径方向外側に弾性的に拡開すると、スプリングアーム14が、もはや操作部材11の螺子山13に係合した状態にないため、挿入器1をプッシュ操作Pに設定することができる。
図3は、挿入器1の第一の実施例を断面図で示す。図示されているのは、翼状把持部23を備えた本体10であり、翼状把持部23の後側に受け部20があり、これが本体10と一体に形成され、本体10とともに操作軸線12に沿って延在している。受け部20上には、切替部材16が受容され、螺子山13を備えた操作部材11が本体10内に後端側において部分的に挿入されている。
受け部20の外側表面には、溝部21が設けられており、切替部材16の内側には、ピン22があり、溝部21内に入り込んで溝内を案内される。図示の回転矢印に従って切替部材16を回転させると、両矢印で示されているように切替部材を操作軸線12に沿って軸線方向に変位させることができる。こうして、切替部材16を第一の回転方向に操作軸線12周りに回転させると、例えば、切替部材16が、操作軸線12に沿って切替部材が左方に変位することで翼状把持部23に近づく。切替部材16を逆向きに回転させると、翼状把持部23までの距離が拡大して、切替部材16は、操作軸線12に沿って右側に変位する。
切替部材16の内側には、本体10と特別な態様で相互作用するスプリングアーム14が成形されている。受け部20の内部において、本体10に内面17が設けられ、この内面が、特には操作軸線12周りを取り巻くように回転対称に延在している。内面17は、内面17上に内側コーン部19が出来るように設けられている。従って、内側コーン部19は、受け部20の自由開口部に向かって円錐が拡がるように受け部20の中に設けられている。この例はここで、受け部20の領域の内面17を示しているが、内面は、本体10内の内側の他の位置に設けられていてもよく、例えば、翼状把持部23の中或いはその高さ位置にあってもよい。
切替部材16は、受け部20を取り囲み、スプリングアーム14は、内面17と作用接触した外面18を備えている。角度αで形成された内面17の傾斜によって、翼状把持部23に向かって切替部材16を変位させると、操作軸線12へと向かうスプリングアーム14の半径方向内側への撓み込みが生じる。翼状把持部23までの距離が増すように切替部材16を変位させると、スプリングアーム14は、再び弾性的に拡開し、操作軸線12までの距離は再び拡大する。
スプリングアーム14は、内側にそれぞれ螺合構造15を備え、回転によって切替部材16を翼状把持部23に向かって変位させると、この螺合構造が操作部材11の螺子山13と係合するようになる。このときには、外面18は、当接した内面17に沿って移動していき、スプリングアーム14は、内側コーン部19の形状に起因して半径方向内側に押される。スプリングアーム14が内側に弾性的に撓み込むことにより、スプリングアーム14が螺子山13と係合した状態にあることで、挿入器1は、スクリュー操作Sにより扱うことができる。スプリングアーム14の内側の螺合構造15はここで、操作部材11の螺子山13のための一種の雌ネジ或いはネジ付きの貫通路を形成し、これにより、操作部材11は、ごく普通に本体10内に螺入することができる。このとき、螺合構造15としては、一つか二つのネジのセグメントで十分なので、スプリングアーム14は一つか二つで足りる。
逆回転により切替部材16を再び右方に変位させることで、翼状把持部23までの距離が増し、それにより、スプリングアーム14は、外面18が、作用接触を保ったまま内側コーン部19の形状による、直径がより大きな内面17へと移行していくことで弾性的に拡開することができる。これにより、スプリングアーム14の内側の螺合構造15は、操作部材11の螺子山13との係合が解除され、操作部材11は、操作部材11にネジの動作を加えなくても、軸線方向に操作軸線12に沿って変位させることができる。従って、挿入器1は、プッシュ操作Pで扱うことができる。
操作軸線12に沿った切替部材16の軸方向の変位が生じるように、溝部21は、ネジ状または螺旋状に受け部20の外周面上に形成することができる。これは、一つの溝部21でも足りるが、切替部材16をより良好にガイドし安定化させるには、受け部20に、いずれも同じとされた二つまたはそれ以上の溝部21を設けることもでき、切替部材16に軸線方向の動きを生じさせるために、操作軸線12周りに所定の傾斜で例えば螺旋形状またはS字形のカーブが設けられていてもよい。
図4は、内面17に変更が加えられた挿入器1の第二の実施例を断面図で示し、その内面は、円周にわたって可変の内半径Riを備えている。可変の内半径Riにより、切替部材16の回転を通じて、切替部材16を軸線方向に変位させることなく受け部20上で回転させるだけで、スプリングアーム14の操作軸線12へと向かう弾性変形および操作軸線12から離れる弾性変形を同じように生じさせることができる。これに合わせ、溝部21が傾きを有することなく周方向に延びていることで、切替部材16が回転する際に、溝部により翼状把持部23までの距離が一定に保たれるようになっている。切替部材16をガイドするために、この例においても、切替部材の内側の少なくとも一つのピン22が用いられ、このピンが溝部21内を走行する。回転による切替部材16の位置調整の終了位置には、溝部21内にスナップ式の段差が設けられていてもよく、これにより、プッシュ操作かスクリュー操作かを決めるそれぞれの終位置に達したことの感触によるフィードバックをユーザが得られるようにする。
スプリングアーム14が半径方向内側に向かって弾性的に撓み込む回転位置に切替部材16が位置する場合、スプリングアーム14の内側の螺合構造15は、操作部材11の螺子山13に係合するようになる。操作軸線12周りに切替部材16を逆回転させると、スプリングアーム14が自身の弾性により再び弾性的に拡開するので、螺合構造15は、操作部材11の螺子山13との係合を再び解除するようになる。
内半径Riが円周に亘ってまたは周方向に変化する内面17は、単なる例として受け部20の内側に示されているに過ぎず、内面17が翼状把持部23の中に或いは本体10のさらに前側においてその貫通路内に設けられていても構わない。内面17はここで、本体10の個別の部品にも組み込むことができ、例えば、本発明の意味において同じく本体10の構成部品である然るべき環状部材に組み込まれてもよい。
図5および図6は、翼状把持部23を通して図示され、本体10を通る横断面図を示す。本体10の内部の貫通路の中に、操作部材11が入り込むように延在し、この操作部材が、図の面に対して操作軸線12が垂直となるように断面で示されている。この断面により、本体10の内面17と操作部材11との間に位置しているスプリングアーム14を少なくとも一部看取することができる。図5では、スプリングアーム14は、操作部材11から半径方向に離れた位置にあり、図6では、スプリングアーム14は、操作部材11の螺子山13に係合している。
円周に亘って内半径Riが可変の図示された内面17は、内面17によりスプリングアーム14を様々な周方向位置にもたらすことによってスプリングアーム14の半径方向の位置調整を行うという可能な一変形例を示している。
図5は、プッシュ操作が可能なスプリングアーム14の切替位置を示し、図6は、スクリュー操作が可能なスプリングアーム14の切替位置を示す。
プッシュ操作を設定するために、スプリングアーム14は、その外側の外面18を介して内半径Riが特に大きい周方向位置で内表面17に接触している。自身の弾性によるスプリングアーム14の拡開により、螺合構造15は、操作部材11上の螺子山13との係合が外れた状態になる。
図6に示されるように、スプリングアーム14は、不図示の切替部材の反時計回りの回転によって、スクリュー操作Sが可能とされる切替位置まで回転させることができる。この位置では、スプリングアーム14の外面18は、内半径Riが特に小さな周方向位置で内表面17に接触しており、その位置では、スプリングアーム14の内側の螺合構造15は、操作部材11上の螺子山13と係合させられる。この位置では、操作部材11は、スクリュー運動によってのみ本体内に螺入させることができる。
本発明は、その構成において、上で述べられた好ましい実施例に限定されない。むしろ、基本的に異なる類の構成であっても、示された解決策を利用する多くの変形例が考えられ得る。請求項、明細書または図面から導かれる全ての特徴および/または長所は、構造的な詳細または空間的な配置も含めて、それ自体でも或いはさまざまな組み合わせでも本発明に本質的であり得る。
1 挿入器
10 本体
11 操作部材
12 操作軸線
13 螺子山
14 スプリングアーム
15 螺合構造
16 切替部材
17 内面
18 外面
19 内側コーン部
20 受け部
21 溝部
22 ピン
23 翼状把持部
24 収容手段
25 レンズカートリッジ
26 眼内レンズ
27 収容室
28 ピストン
29 回転変換部
30 レンズガイド部
31 送出ノズル
32 把手
33 投入口
34 スナップ嵌め手段
P プッシュ操作
S スクリュー操作
α 角度
Ri 内半径

Claims (14)

  1. 眼内レンズを埋植するための挿入器(1)であって、本体(10)を備え、その本体内に、細長く形成された操作部材(11)が、後端側で部分的に突入しているとともに、操作軸線(12)に沿って移動可能に案内されており、前記操作部材(11)は、前記操作軸線(12)に沿ったプッシュ操作(P)によるか或いは前記操作軸線(12)周りのスクリュー操作(S)によるかのいずれかを選択して前記本体(10)内へと動かすことができ、前記操作部材(11)は、少なくとも一部の上に螺子山(13)を備えている挿入器において、
    前記本体(10)に、切替部材(16)が前記操作軸線(12)周りに回転可能または前記操作軸線(12)に沿ってスライド可能に配置され、前記切替部材(16)は、少なくとも一つのスプリングアーム(14)を備え、当該スプリングアームは、前記螺子山(13)に面する内面に螺合構造(15)を備え、前記本体(10)には、前記スプリングアーム(14)の外面(18)と作用接触する内面(17)が形成され、前記内面(17)および/または前記外面(18)が前記操作軸線(12)に対して所定の角度(α)で斜めに形成されているか或いは前記内面(17)の内半径(Ri)が周方向において操作軸線(12)周りに少なくとも部分的に変化していることで、前記切替部材(16)の回転またはスライドが、前記スプリングアーム(14)の、前記操作軸線(12)へと向かう弾性変形および前記操作軸線(12)から離れる弾性変形を生じさせることができ、これにより、前記螺合構造(15)を前記螺子山(13)に選択的に係合させるか或いは係合解除させることができることを特徴とする挿入器。
  2. 請求項1に記載の挿入器(1)において、
    前記切替部材(16)は、スライド部材として構成されていて前記本体(10)内または前記本体(10)上を移動可能に配置されているか、或いは、前記切替部材(16)は、環状またはスリーブ状に構成されていて前記操作部材(11)を部分的にまたは完全に取り囲み、前記本体(10)上をスライド可能または回転可能とされているか、の少なくともいずれかであることを特徴とする挿入器。
  3. 請求項1または2に記載の挿入器(1)において、
    前記本体(10)は、貫通路のある受け部(20)を備え、当該貫通路を操作部材(11)が貫通して延在し、前記切替部材(16)は、前記受け部(20)に接して或いは前記受け部(20)上を前記操作軸線(12)に沿って軸線方向に移動可能および/または前記操作軸線(12)周りに回転可能に受容されていることを特徴とする挿入器。
  4. 請求項3に記載の挿入器(1)において、
    前記内面(17)は、前記本体(10)の前記受け部(20)の内側に形成されていることを特徴とする挿入器。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の挿入器(1)において、
    少なくとも一つの前記スプリングアーム(14)は、前記スプリングアーム(14)が、少なくとも部分的に前記操作部材(11)と前記本体(10)内の前記内面(17)との間に入り込むように延在しているか、或いは、前記受け部(20)の中に入り込むように延在しているかの少なくともいずれかとなるように、前記切替部材(16)に配置されていることを特徴とする挿入器。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の挿入器(1)において、
    前記内面(17)は、少なくとも部分的に、前記本体(10)内に内側コーン部(19)を形成していることを特徴とする挿入器。
  7. 請求項1から5のいずれかに記載の挿入器(1)において、
    周方向に内半径(Ri)が変化する前記内表面(17)が、前記本体(10)における前記操作軸線(12)周りの周方向セグメント(U1,U2)上に形成され、当該周方向セグメント(U1,U2)は、中心角が360°の円周上または180°の中心角または120°の中心角または90°の中心角上に延在していることを特徴とする挿入器。
  8. 請求項1から7のいずれかに記載の挿入器(1)において、
    少なくとも一つのスプリングアーム(14)、互いに対向する二つのスプリングアーム(14)、三つ、四つ又はそれ以上のスプリングアーム(14)が、前記切替部材(16)に配置されていることを特徴とする挿入器。
  9. 請求項1から8のいずれかに記載の挿入器(1)において、
    前記受け部(20)と前記切替部材(13)との間に、少なくとも一つの溝部(21)とピン(22)が形成され、当該ピン(22)は、前記溝部(21)内を案内されていることを特徴とする挿入器。
  10. 請求項1から9のいずれかに記載の挿入器(1)において、
    前記切替部材(16)は、前記受け部(20)上にネジ結合により配置され、前記操作軸線(12)周りに前記切替部材(16)が回転すると、前記切替部材(16)が前記操作軸線(12)に沿って動いていくことを特徴とする挿入器。
  11. 請求項1から10のいずれかに記載の挿入器(1)において、
    前記本体(10)は、翼状把持部(23)を備え、前記受け部(20)は、前記翼状把持部(23)の後端側で突出部としてつながっていることを特徴とする挿入器。
  12. 請求項1から11のいずれかに記載の挿入器(1)において、
    前記挿入器(1)がレンズカートリッジ(25)のための収容手段(24)を備え、前記レンズカートリッジ(25)内に眼内レンズ(26)が組み込まれており、前記レンズカートリッジ(25)が、前記眼内レンズ(26)とともに前記収容手段(24)内に装着可能とされていることを特徴とする挿入器。
  13. 請求項1から12のいずれかに記載の挿入器(1)において、
    前記挿入器(1)が、前記本体(10)内か或いは前記本体(10)における前側に配置されたレンズガイド部(30)内かの少なくともいずれかに形成された収容室(27)を備え、その中に眼内レンズ(26)が装填されていることで、前記挿入器(1)が、装填された前記眼内レンズ(26)と一緒にして個別に取扱可能且つ流通可能なユニットを形成することを特徴とする挿入器。
  14. 請求項1から13のいずれかに記載の挿入器(1)において、
    前記本体(10)内にピストン(28)が収容されており、当該ピストンは、回転変換部(29)を介して前記操作部材(11)により軸線方向にスライド可能とされていることを特徴とする挿入器。
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