JP2023544446A - Sik阻害剤およびその使用方法 - Google Patents

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Abstract

一態様では、塩誘導性キナーゼ(SIK)を阻害することができる化合物、および化合物を使用して疾患または障害を治療する方法が提供される。【選択図】図1

Description

多くの皮膚障害の治療は、様々な副作用および限られた有効性を含む欠点が認識されている。皮膚の色素沈着を増加させる薬剤は、炎症性皮膚障害の改善および日焼け防止の提供から純粋に化粧品用途までの範囲の多くの有益な皮膚科学的効果を有することができる。したがって、皮膚科学的障害および欠陥のための新しい治療法を有することが望ましいであろう。
関連出願の相互参照
本出願は、2020年9月21日に出願された米国特許出願第63/081,089号に関連し、その優先権を主張し、その全開示は参照により本明細書に組み込まれる。
一態様では、本発明者らは、対象の皮膚科学的障害および皮膚関連障害を治療または予防するための塩誘導性キナーゼを阻害する化合物を提供する。
好ましい態様では、以下の式(I)の化合物:
(式中、Wは、SまたはOであり、
は、NまたはCRであり、
は、NまたはCRであり、
環Aは、単環もしくは多環の炭素脂環式基、単環もしくは多環のヘテロ脂環式基、単環もしくは多環の炭素環式アリール基または単環もしくは多環のヘテロアリール基であり、
各Rは、同じまたは異なる置換もしくは非置換アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、置換もしくは非置換アルコキシ、置換もしくは非置換アルキルチオ、置換もしくは非置換アルキルスルホン、または置換もしくは非置換アルキルアミンであり、
zは、0(環Aは非水素環置換基を有しない)から環Aの原子価によって許容される整数値までの整数であり、
およびRは、独立して、H、ハロゲン、-OH、-NH、-CN、または置換もしくは非置換アルキルであり、
は、置換もしくは非置換の単環もしくは多環の炭素脂環式基、置換もしくは非置換の単環もしくは多環のヘテロ脂環式基、置換もしくは非置換の単環もしくは多環の炭素環式アリール基、または置換もしくは非置換の単環もしくは多環のヘテロアリール基であり、
は、Hまたは置換もしくは非置換アルキルである)
およびその薬学的に許容される塩、が提供される。
ある特定の実施形態では、環Aは、単環または多環の炭素環式アリールまたは多環ヘテロアリール基である。例えば、環Aは、任意選択に置換されたフェニル、任意選択に置換されたナフチル、または任意選択に置換されたアントラセニル、任意選択に置換されたピリジル、任意選択に置換されたピリミジル、または任意選択に置換されたプリニルであり得る。ある特定の実施形態では、環Aは、フェニル、ナフチルまたはアントラセニルであり、zは、0~10の整数である。ある特定の好ましい実施形態では、環Aは、任意選択に置換されたフェニルである。
ある特定の好ましい実施形態では、環Aは、単環もしくは多環の炭素脂環式基または単環もしくは多環のヘテロ脂環式基である。ある特定の好ましい実施形態では、環Aは、多環炭素脂環式基または多環ヘテロ脂環式基である。ある特定の好ましい実施形態では、環Aは、多環炭素脂環式基である。
ある特定の好ましい実施形態では、Rは、単環もしくは多環の炭素脂環式基または単環もしくは多環のヘテロ脂環式基である。ある特定の好ましい実施形態では、Rは、多環炭素脂環式基または多環ヘテロ脂環式基である。ある特定の好ましい実施形態では、Rは、多環炭素脂環式基である。
ある特定の実施形態では、Rは、単環または多環の炭素環式アリールまたは多環のヘテロアリール基である。例えば、Rは、任意選択に置換されたフェニル、任意選択に置換されたナフチル、または任意選択に置換されたアントラセニル、任意選択に置換されたピリジル、任意選択に置換されたピリミジル、または任意選択に置換されたプリニルであり得る。ある特定の態様では、Rは、フェニルまたは他の単炭素環式アリールまたは単環炭素脂環式基などの単環基ではない。
式(I)のある特定の実施形態では、zは0~20の整数であり、より典型的には、zは0、1、2、3、4、5、6、7、8、9もしくは10であり、またはある特定の実施形態では、zは0、1、2、3、4、5もしくは6であり、またはある特定の実施形態では、zは0、1、2もしくは3である。
式Iのある特定の実施形態では、Rは、置換または非置換のアルキルまたはハロゲン、例えばF、Cl、BrまたはI、特にClである。式Iのある特定の実施形態では、Rは、メトキシまたはエトキシなどの置換または非置換アルコキシである。
ある特定の態様では、1つ以上のR基は、置換または非置換アルキルであり、いかなる不飽和炭素-炭素結合も含有しない。ある特定の態様では、1つ以上のR基は、C1-6非置換アルキルなどの置換アルキルであり、いかなる不飽和炭素-炭素結合も含有しない。他の態様では、Rは、置換または非置換アルキルであり、1つ以上の不飽和炭素-炭素結合を含有し得る(したがって、そのようなRは、2~6もしくは8つの炭素原子を有するなどの置換もしくは非置換アルケニル、または2~6もしくは8つの炭素原子を有するなどの置換もしくは非置換アルキニルと呼ばれてもよい)。
好ましい態様では、以下の式(II)の化合物:
(式中、WはSまたはOであり、
はNまたはCRであり、
はNまたはCRであり、
およびRは、独立して、H、ハロゲン、-OH、-NH、-CN、または置換もしくは非置換アルキルであり、
は、置換もしくは非置換の多環炭素脂環式基または置換もしくは非置換の多環ヘテロ脂環式基であり、
およびRは、それぞれ独立して、H、置換もしくは非置換アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、置換もしくは非置換アルコキシ、置換もしくは非置換アルキルチオ、置換もしくは非置換アルキルスルホン、または置換もしくは非置換アルキルアミンであり、
は、Hまたは置換もしくは非置換アルキルである)
およびその薬学的に許容される塩、が提供される。
式(I)または(II)の好ましい化合物には、以下の式(III)のもの:
(式(III)中、W、R、R、RおよびRは、それぞれ式(II)について上に定義されるのと同じである)およびその薬学的に許容される塩、が含まれる。
さらなる態様では、以下の式(IV)の化合物:
(式(IV)中、R、R、RおよびRは、それぞれ式(II)について上に定義されるのと同じである)およびその薬学的に許容される塩、が提供される。
ある特定の実施形態では、式(II)、(III)または(IV)のいずれかにおいて、RおよびRのそれぞれは、独立して、H、置換もしくは非置換C-Cアルキル、またはハロゲンであり、Rは、Hまたは置換もしくは非置換C-Cアルキルである。ある特定の実施形態では、RおよびRの少なくとも1つは、置換または非置換C-Cアルキル、例えば任意選択に置換されたメチル、またはハロゲン、例えば-F、-Cl、-Brもしくは-Iである。式(II)、(III)または(IV)のある特定の実施形態では、RおよびRの両方がH以外であり、特定の好ましい態様では、置換または非置換C-Cアルキル、例えば任意選択に置換されたメチル、またはハロゲン、例えば-F、-Cl、-Brもしくは-I、特に-Clであり得る。
特定の実施形態では、式(II)、(III)または(IV)のいずれかにおいて、R、RおよびRは、同じまたは異なり、それぞれ非置換C-Cアルキルである。ある特定の実施形態では、R、RおよびRのうちの1つ以上は、非置換メチルである。ある特定の実施形態では、R、RおよびRのうちの少なくとも2つ以上は、非置換メチルである。ある特定の実施形態では、R、RおよびRのそれぞれは、非置換メチルである。
特定の実施形態では、式(II)、(III)または(IV)のいずれかにおいて、RおよびRは、それぞれ独立して、非置換C-Cアルキルまたはハロゲンである。ある特定の実施形態では、RおよびRの少なくとも1つは、非置換メチルである。ある特定の実施形態では、RおよびRの少なくとも1つは、ハロゲンである。ある特定の実施形態では、RおよびRの少なくとも1つは、-Clである。ある特定の実施形態では、RおよびRの少なくとも1つは、-Brである。ある特定の実施形態では、RおよびRの少なくとも1つは、-Fである。ある特定の実施形態では、RおよびRの少なくとも1つは、-Iである。
ある特定の実施形態では、好ましい化合物には、以下の式(V)の構造を有するもの:
(式(V)中、Rは、上記式(I)または(II)で定義されるものと同じである)およびその薬学的に許容される塩、が含まれる。
ある特定の態様では、上記式(I)、(II)、(III)、(IV)または(V)の好ましい化合物には、Rが任意選択に置換された多環炭素脂環式基であるものが含まれる。
上記式のいずれか1つの好ましい実施形態では、Rは、二環式炭素脂環式基を含む。別の好ましい実施形態では、Rは、三環式炭素脂環式基を含む。
より詳細には、一態様では、Rが以下の式(VIa)の構造を有する、上記式(I)、(II)、(III)、(IV)および/または(V)のいずれかの化合物として定義される式(VI)の化合物が好ましい:
(式(VIa)中、
mは0~5の整数であり、
nは0~3の整数であり、
oは0~3の整数であり、
pは0~5の整数であり、
各Rは、ヒドロキシル、ハロ、任意選択に置換されたアルキルまたは任意選択に置換されたヘテロアルキルなどの同じまたは異なる非水素置換基であり、
gは、0(R基が存在しない場合)または1~10などの正の整数であり、より典型的には、gは、0、1、2、3、4、5または6である。式(VIa)のある特定の実施形態では、nおよびoの少なくとも1つが正の整数であり、nまたはoが0である場合、2つの隣接する炭素原子間に直接結合は形成されず、mまたはpが0である場合、2つの隣接する炭素原子間に直接結合が形成される。ある特定の態様では、gは0であり、すなわち、炭素脂環式環は、環窒素(上記式(VIa)には示されていないが、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)または(VI)の化合物の環窒素へのRの結合である化合物環窒素が、式VIaの波線によって示されると認識される)との結合以外のいかなる非水素置換基も有さない。ある特定の態様では、gは0、1、2もしくは3であるか、またはgは0、1もしくは2である。
式(VI)および(VIa)のある特定の実施形態では、nおよびoの少なくとも1つは、1以上の整数である。
式(VI)および(VIa)を含む上記式の追加のある特定の実施形態では、Rは、任意選択に置換されたアダマンチルであり得る。
式(VI)および(VIa)を含む上記式のなおさらなる実施形態では、Rは、任意選択に置換されたノルボルニルであり得る。
式(VI)および(VIa)を含む上記式のなおさらなる実施形態では、Rは、任意選択に置換されたビシクロ[2,2,2]オクタニルであり得る。
式(VI)および(VIa)を含む上記式の追加の実施形態では、Rは、任意選択に置換されたビシクロ[3,3,1]ノナニルであり得る。
関連する実施形態では、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)および/または(VI)のいずれかにおいて、Rは、以下から選択される部分を含み得る:
(式中、それらの構造において、各Rは、ヒドロキシル、ハロ、任意選択に置換されたC1-6アルキルまたは任意選択に置換されたC1-6ヘテロアルキル、例えば任意選択に置換されたC1-6アルコキシなどの同じまたは異なる非水素置換基であってもよく、gは、0(R基が存在しない場合)または1~10、より典型的には1、2、3、4、5もしくは6などの正の整数であってもよい)。ある特定の実施形態では、gは0であり、すなわち、示された炭素脂環式環は、環窒素への結合以外のいかなる非水素置換基も有さない。理解されるように、上記の構造における波線は、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)および/または(VI)の化合物の環窒素への結合を示す。
ある特定の好ましい実施形態では、gは、上記の構造において0である。そのような実施形態では、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)および/または(VI)の化合物において、Rは、以下から選択される部分を含み得る。
やはり、理解されるように、上記の構造における波線は、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)および/または(VI)の化合物の環窒素への結合を示す。
追加の実施形態では、好ましい化合物には、以下の構造のいずれか:
(式中、上記の構造において、R、RおよびRは、上記式(II)で定義されるのと同じであり、Rおよびgは、上記式(VIa)で定義されるものと同じである)およびその薬学的に許容される塩、が含まれる。R、R、Rおよび各Rは、好ましくは、任意選択に置換されたC1-4アルキル、例えば任意選択に置換されたメチルであり得る。好ましくは、gは0、1、2または3であり得る。
追加の実施形態では、好ましい化合物には、以下の構造のいずれか:
(式中、上記の構造において、R、RおよびRは、上記式(II)で定義されるのと同じである)およびその薬学的に許容される塩、が含まれる。R、RおよびRは、好ましくは、任意選択に置換されたC1-4アルキル、例えば非置換メチルを含む任意選択に置換されたメチルであり得る。ある特定の実施形態では、R、RおよびRは、それぞれ、非置換メチルである。ある特定の実施形態では、RおよびRの少なくとも1つは、非置換メチルである。ある特定の実施形態では、RおよびRの少なくとも1つは、ハロゲンである。
追加の実施形態では、上記式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)および/または(VI)の化合物は、Rが任意選択に置換された多環ヘテロ脂環式基であるものを含む。例えば、好適なR基は、任意選択に置換されたチオノルボニルまたは任意選択に置換されたオキソノルボニルを含む部分を含み得る。
さらなる態様では、上記式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)および/または(VI)のいずれか1つの化合物を含む医薬組成物が提供される。組成物は、好適には、1つ以上の薬学的に許容される担体を含み得る。好ましい実施形態では、組成物は、皮膚の色素沈着関連状態に製剤化されてもよく、または他の方法で適合されてもよく、例えば、組成物は、軟膏、ゲルもしくはローションなどの局所投与、または錠剤もしくはカプセル剤としての経口投与に適合されてもよい。
好ましい態様では、対象の組織の色素沈着を増加させる方法であって、メラニン産生を増加させるのに十分な量で、上記式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)および/または(VI)のいずれか1つの化合物を対象に投与し、それによって対象の組織の色素沈着を増加させることを含む、方法が提供される。
他の好ましい態様では、紅斑性毛細血管拡張性酒さ(サブタイプ1酒さ)、丘疹膿疱性酒さ(サブタイプ2酒さ)、瘤腫型酒さ(サブタイプ3酒さ)および/または眼型酒さ(サブタイプ4酒さ)のいずれかを含む、炎症性皮膚症に罹患しているかまたは罹患しやすい対象を治療する方法が提供される。
好ましい他の態様では、それを必要とする対象の皮膚組織中の細胞DNA安定性を増加させる方法であって、上記式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)および/または(VI)のいずれか1つの化合物を、皮膚組織の細胞DNA中のアポトーシスおよび/またはチミンダイマー形成を減少させるのに十分な量で対象に投与し、それによって対象の皮膚組織中の細胞DNA安定性を増加させることを含む、方法が提供される。
なおさらなる態様では、色素沈着障害、皮膚の色調の不均一性、色素沈着低下、白斑、酒さを含む炎症性皮膚疾患、または他の皮膚関連障害もしくは状態を含む疾患または障害を治療または予防するために使用するためのキットが提供される。本発明のキットは、好適には、1)式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)または(VI)のいずれかの1つ以上の化合物と、2)色素沈着低下、白斑、酒さを含む炎症性皮膚疾患、または他の皮膚関連障害もしくは状態を含む疾患または障害を治療または予防するために1つ以上の化合物を使用するための説明書と、を含み得る。好ましくは、キットは、治療有効量の式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)または(VI)のいずれかの1つ以上の化合物を含む。説明書は、好適には、製品ラベルを含む、書面形式であってもよい。
化粧目的などのために様々な皮膚状態を治療する方法は、本明細書に記載のシステムを使用して実施することができる。そのような方法は、医師によって行うことができるが、審美医および他の好適に訓練された人員などの非医師は、医師の監督の有無にかかわらず、本明細書に記載のシステムを使用して様々な皮膚状態を治療し得ることが理解される。
本発明の他の態様を以下に開示する。
以下の詳細な説明は、例として与えられるが、本発明を記載されたある特定の実施形態に限定することを意図するものではなく、参照により本明細書に組み込まれる添付の図面と併せて理解され得る。
ビヒクル(PEG/エタノール/Transcutol(登録商標))およびSLT-008、3mMのフォンタナ-マッソン染色切片中のメラニン含有量を示す図である。 賦形剤E2処理ストリップバッチSE2J11と比較した、メラニン合成に対するSLT-008の効果を示す図である。黒色:対照、赤色:UV対照、紫色:0.5%のSLT-008および青色:0.9%のSLT-008。 ビヒクル(無水エタノール)およびSLT-008(0.9%)のフォンタナ-マッソン試薬染色切片から決定されたメラニン含有量を示す図である。 異なる用量のSLT-008(0.3μg/ml、0.01μg/ml、0.0033μg/ml)を有する組織を4%のホルムアルデヒドで固定し、脱水し、パラフィン包埋したものを示す図である。表皮の6μmの切片をエオシンおよびヘマトキシリン(H/E)で染色した。スライドガラスに特定の媒体をマウントし、デジタルカメラ(Zeiss)に連結されたLeica DM2000顕微鏡で検査した。 SLT-008をメラニン化再構築表皮に10日間適用した後の乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)放出を示す図である。 フォンタナ-マッソン試薬染色切片におけるメラニン含有量を示す図である。表皮色素沈着は、機能性メラノサイトの樹状形態、およびケラチノサイト核の上に核上メラニンキャップとして組織化されたメラノソームの形成によって示される。図6Aは、未処理対照、ビヒクル(DMSO0.05%)および2つの陽性対照、フォルスコリン(3.33μM)またはIBMX(150μM)対DMSO0.05%を示す図である。図6Bは、DMSO0.005%に対して0.3μg/ml、0.011μg/ml、0.0033μg/mlのSLT-008を示す図である。 フォンタナ-マッソン試薬染色切片(IBMXおよびFSKのDMSO0.05%に対する%;SLT-008処理についてのDMSO0.005%に対する%)から決定されたメラニン含有量を示す図である。150μMで投与したIBMXおよび3.33μMで投与したフォルスコリンを色素沈着促進対照として使用した。結果は、図示の通りである。0.3μg/mlで投与したSLT-008は、129+/-5.7メラニン含有量を記録した。0.011μg/mlで投与したSLT-008は、125.6+/-15.4メラニン含有量を記録した。 1.0μg/ml、0.1μg/mlおよび0.3μg/mlのSLT-008を適用した後の化学抽出によるメラニン含有量を示す図である。 すべての試料について、表皮中のアポトーシス細胞に関連するTUNEL染色について陽性の表面の百分率を示す図である。 すべての試料について、表皮中のチミンダイマーについて陽性の表面の百分率を示す図である。 すべての試料について、表皮中のアポトーシス細胞に関連するTUNEL染色について陽性の表面の百分率を示す図である。
考察されるように、本発明者らはここで、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)および(VI)の化合物を含む新たな化合物および方法を提供する。
具体的に好ましい化合物には、以下の化合物およびこれらの化合物の薬学的に許容される塩:
および上記の化合物の薬学的に許容される塩、が含まれる。
特に好ましい化合物は、
およびその薬学的に許容される塩である。
定義
本明細書で使用される略語は、化学および生物学の分野におけるその従来の意味を有する。本明細書に記載の化学構造および式は、化学分野で知られている化学原子価の標準規則に従って構築される。
「炭素脂環式」という用語は、特に明記しない限り、芳香族ではないが1つ以上の環内炭素-炭素二重結合を含有し得る「アルキル」の環状バージョンを意味する。しかしながら、好ましい態様では、炭素脂環式は、いかなる環内炭素-炭素多重結合も含有しない。炭素脂環部分は、二環式、三環式または他の多環式シクロアルキル環系などの単環式または多環式基を含む。単環式シクロアルキルの例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘプチルおよびシクロオクチルが含まれる。二環式シクロアルキル環系は、架橋単環式環または縮合二環式環である。架橋単環式環は、単環式シクロアルキル環を含有し、単環式環の2つの隣接しない炭素原子は、1~3つの追加の炭素原子のアルキレン架橋によって結合されている(すなわち、形態(CHの架橋基(式中、wは1、2または3である))。二環系の代表的な例には、アダマンチル、ビシクロ[3.1.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.2]オクタン、ビシクロ[3.2.2]ノナン、ビシクロ[3.3.1]ノナンおよびビシクロ[4.2.1]ノナンが含まれるが、これらに限定されない。加えて、縮合二環式シクロアルキル環系は、フェニル、単環式シクロアルキル、単環式シクロアルケニル、単環式ヘテロシクリル、または単環式ヘテロアリールのいずれかに縮合した単環式シクロアルキル環を含有する。ある特定の実施形態では、架橋または縮合二環式炭素脂環式部分は、単環式脂環式環内に含有される任意の炭素原子を介して親分子部分に結合している。ある特定の実施形態では、縮合二環式炭素脂環式部分は、フェニル環、5または6員単環式シクロアルキルのいずれかに縮合した5または6員単環式シクロアルキル環である。
本明細書で使用される「ヘテロ脂環式」または「複素環式」という用語は、単環式、二環式、または多環式複素環を意味する。ヘテロシクリル単環式複素環は、O、N、PおよびSからなる群から独立して選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有する3、4、5、6または7員環であり、環は、飽和または不飽和であるが、芳香族ではない。3または4員環は、O、N、PおよびSからなる群から選択される1つのヘテロ原子を含有する。5員環は、0または1つの二重結合、ならびにO、N、PおよびSからなる群から選択される1、2または3つのヘテロ原子を含有することができる。6または7員環は、0、1または2つの二重結合、ならびにO、N、PおよびSからなる群から選択される1、2または3つのヘテロ原子を含有する。ヘテロシクリル単環式複素環は、ヘテロシクリル単環式複素環内に含有される任意の炭素原子または任意の窒素原子を通して親分子部分に結合している。ヘテロシクリル単環式複素環の代表例には、アゼチジニル、アゼパニル、アジリジニル、ジアゼパニル、1,3-ジオキサニル、1,3-ジオキソラニル、1,3-ジチオラニル、1,3-ジチアニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、イソチアゾリニル、イソチアゾリジニル、イソオキサゾリニル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、オキサジアゾリニル、オキサジアゾリジニル、オキサゾリニル、オキサゾリジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピラニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、ピロリニル、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、チアジアゾリニル、チアジアゾリジニル、チアゾリニル、チアゾリジニル、チオモルホリニル、1,1-ジオキシドチオモルホリニル(チオモルホリンスルホン)、チオピラニル、およびトリチアニルが含まれるが、これらに限定されない。複素環式二環式複素環は、フェニル、単環式シクロアルキル、単環式シクロアルケニル、単環式複素環、または単環式ヘテロアリールのいずれかに縮合した単環式複素環である。ヘテロシクリル二環式複素環は、二環式環系の単環式複素環部分内に含有される任意の炭素原子または任意の窒素原子を通して親分子部分に結合している。二環式ヘテロシクリルの代表的な例には、2,3-ジヒドロベンゾフラン-2-イル、2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル、インドリン-1-イル、インドリン-2-イル、インドリン-3-イル、2,3-ジヒドロベンゾチエン-2-イル、デカヒドロキノリニル、デカヒドロイソキノリニル、オクタヒドロ-1H-インドリル、およびオクタヒドロベンゾフラニルが含まれるが、これらに限定されない。多環式ヘテロシクリル環系は、(i)二環式アリール、二環式ヘテロアリール、二環式シクロアルキル、二環式シクロアルケニル、および二環式ヘテロシクリルからなる群から選択される1つの環系、または(ii)フェニル、二環式アリール、単環式または二環式ヘテロアリール、単環式または二環式シクロアルキル、単環式または二環式シクロアルケニル、および単環式または二環式ヘテロシクリルからなる群から独立して選択される2つの他の環系、のいずれかに縮合した単環式ヘテロシクリル環(塩基環)である。多環式ヘテロシクリルは、塩基環内に含有される任意の炭素原子または窒素原子を通して親分子部分に結合している。多環式ヘテロシクリル基の例には、10H-フェノチアジン-10-イル、9,10-ジヒドロアクリジン-9-イル、9,10-ジヒドロアクリジン-10-イル、10H-フェノキサジン-10-イル、10,11-ジヒドロ-5H-ジベンゾ[b,f]アゼピン-5-イル、1,2,3,4-テトラヒドロピリド[4、3-g]イソキノリン-2-イル、12H-ベンゾ[b]フェノキサジン-12-イルおよびドデカヒドロ-1H-カルバゾール-9-イルが含まれるが、これらに限定されない。
「アルキル」という用語は、それ自体でまたは別の置換基の一部として、特に明記しない限り、完全に飽和、一価または多価不飽和であってもよく、一価、二価および多価のラジカルを含むことができる直鎖(すなわち、非分岐)もしくは分岐炭素鎖(もしくは炭素)またはそれらの組み合わせを意味する。アルキルは、指定された数の炭素(例えば、C-C10は、1~10個の炭素を意味する)を含み得る。アルキルは、非環化鎖である。飽和炭化水素ラジカルの例には、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、t-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、メチル、例えばn-ペンチル、n-ヘキシル、n-ヘプチル、n-オクチルなどのホモログおよび異性体などの基が含まれるが、これらに限定されない。不飽和アルキル基は、1つ以上の二重結合または三重結合を有するものである。不飽和アルキル基(アルケニルとも呼ばれ得る)の例には、ビニル、2-プロペニル、クロチル、2-イソペンテニル、2-(ブタジエニル)、2,4-ペンタジエニル、3-(1,4-ペンタジエニル)、エチニル、1-および3-プロピニル、3-ブチニル、ならびに高級同族体および異性体が含まれるが、これらに限定されない。アルコキシは、酸素リンカー(-O-)を介して分子の残りの部分に結合したアルキルである。アルキル部分は、アルケニル部分であり得る。アルキル部分は、アルキニル部分であり得る。アルキル部分は、完全に飽和していてもよい。以下の「アルケニル」の考察と一致して、アルケニルは、1つ以上の二重結合に加えて、2つ以上の二重結合および/または1つ以上の三重結合を含み得る。以下の「アルキニル」の考察と一致して、アルキニルは、1つ以上の三重結合に加えて、2つ以上の三重結合および/または1つ以上の二重結合を含み得る。ある特定の態様では、アルキル基は、好適には、1~10個の炭素原子、1~8個の炭素原子、または1、2、3、4、5もしくは6個の炭素原子を有する。
本明細書で使用される「炭素環式アリール」という用語は、各芳香環原子が炭素である芳香族基を指し、例えば、とりわけ、フェニル、ナフチル、アントラセニル、アセナフチル、ビフェニル、インデン、インダン、1,2-ジヒドロナフタレン、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレンを含む。
本明細書で使用される「ヘテロ芳香族基」という用語は、少なくとも1つの芳香環原子が炭素以外である(および、例えば、N、OまたはSであってもよい)芳香族基を指す。ヘテロ芳香族基には、例えば、とりわけ、ピリジル、フラニル、ピロール、チオフェン、フラン、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、トリアゾール、フランザン、オキサジアゾール、チアジアゾール、ジチアゾール、テラゾール、ピラン、チオピラン、ジアジン、オキサジン、チアジン、ダイオキシン、ジチン、およびトリアジンが含まれる。
「アルコキシ」は、式-ORのラジカルを指し、式中、Rは、上記で考察され、好適には1~10個の炭素原子、または1、2、3、4、5、6、7もしくは8個の炭素原子を有するアルキルである。アルコキシ基の例には、-O-メチル(メトキシ)、-O-エチル(エトキシ)、-O-プロピル(プロポキシ)、-O-イソプロピル(イソプロポキシ)などが含まれるが、これらに限定されない。
「アルキルチオ」は、式-SRのラジカルを指し、式中、Rは、1~12個の炭素原子、少なくとも1~10個の炭素原子、少なくとも1~8個の炭素原子、少なくとも1~6個の炭素原子、または少なくとも1~4個の炭素原子を含有する上記の定義されたアルキルラジカルである
「スルホン」は、6価の硫黄が二重結合を通して2つの酸素原子のそれぞれに結合し、さらに単共有結合を通して2つの炭素原子に結合している-S(O)-基を指す。
「アルキルスルホン」は、アルキル基、例えば式-S(O)(C1-6アルキル)のラジカルに結合されたスルホン基を指す。
ある特定の態様では、「アルケニル」は、少なくとも1つの二重結合および2~12個の炭素原子(C-C12アルケニル)、2~8個の炭素原子(C-Cアルケニル)または2~6個の炭素原子(C-Cアルケニル)を有し、単結合によって分子の残りに結合している不飽和アルキル基、例えば、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニルなどを指す。
ある特定の態様では、「アルキニル」は、少なくとも1つの三重結合および2~12個の炭素原子(C-C12アルキニル)、2~10個の炭素原子(C-C10アルキニル)、2~8個の炭素原子(C-Cアルキニル)または2~6個の炭素原子(C-Cアルキニル)を有し、単結合によって分子の残りに結合している不飽和アルキル基、例えば、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニルなどを指す。
本明細書で使用される「アミノ」は、特に明記しない限り、-NHを指す。
本明細書で使用される「アルキルアミノ」は、特に明記しない限り、-NR’(R”)ラジカルを指し、R’およびR”は、水素または本明細書で定義される置換もしくは非置換アルキルであり得る。いくつかの実施形態では、アルキルアミノは、メチルアミノ、エチルアミノ、n-、iso-プロピルアミノまたはn-、イソ-、tert-ブチルアミノまたはメチルアミノ-N-オキシドなどのC-C-アルキル-アミノである。
符号
は、分子または化学式の残部に対する化学部分の結合点を示す。
上記式(I)、(II)、(III)、(V)または(V)のいずれかの置換R、R、R、R、RまたはR基を含む「置換」部分は、ヒドロキシル、ハロゲン、-CCl、-CBr、-CF、-CI、CHCl、-CHBr、-CHF、-CHI、-CHCl、-CHBr、-CHF、-CHI、-CN、-OH、-NH、-COOH、-CONH、-NO、-SH、-SOH、-SOH、-SONH、-NHNH、-ONH、-NHC(O)NHNH、-NHC(O)NH、-NHSOH、-NHC(O)H、-NHC(O)OH、-NHOH、-OCCl、-OCF、-OCBr、-OCI、-OCHCl、-OCHBr、-OCHI、-OCHF、-OCHCl、-OCHBr、-OCHI、-OCHF、-N、非置換アルキル(例えば、C-Cアルキル、C-Cアルキル、またはC-Cアルキル)、非置換ヘテロアルキル(例えば、2~8員のヘテロアルキル、2~6員のヘテロアルキル、または2~4員のヘテロアルキル)、非置換シクロアルキル(例えば、C-Cシクロアルキル、C-Cシクロアルキル、またはC-Cシクロアルキル)、非置換ヘテロシクロアルキル(例えば、3~8員ヘテロシクロアルキル、3~6員ヘテロシクロアルキル、または5~6員ヘテロシクロアルキル)、非置換アリール(例えば、C-C10アリール、C10アリールもしくはフェニル)または非置換ヘテロアリール(例えば、5~10員のヘテロアリール、5~9員のヘテロアリール、もしくは5~6員のヘテロアリール)などの非水素置換基によって利用可能な1つ以上で置換される基を指し、これらは、さらに任意選択に置換されていてもよい。
本明細書で使用される「塩誘導性キナーゼ」または「SIK」は、例えば、転写調節因子(例えば、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)およびcAMP調節転写コアクチベーター(CRTC))のリン酸化および細胞内局在の制御(controllin)によるシグナル伝達において役割を果たし得るセリン/トレオニンキナーゼのキナーゼファミリーを含む。SIKは、cAMPの細胞内レベルを増加させる細胞外キュー(例えば、副腎における食事性塩摂取)に応答して遺伝子発現を制御し得る。例示的なSIKには、SIK1(Unipro ID、P57059、Q60670、Q9R1U5)、SIK2(UniPro ID:Q9H0K1、Q8CFH6、またはQ9IA88)、SIK1B(UniPro ID:A0A0B4J2F2)などが含まれ得るが、これらに限定されない。
タンパク質-阻害剤相互作用に関する「阻害」、「阻害する」、「阻害すること」などの用語は、阻害剤の非存在下でのタンパク質の活性または機能に対してタンパク質の活性または機能に悪影響を及ぼす(例えば、減少)ことを意味する。実施形態では、阻害は、阻害剤の非存在下でのタンパク質の濃度またはレベルに対してタンパク質の濃度またはレベルに悪影響を与える(例えば、減少)ことを意味する。実施形態では、阻害は、疾患または疾患の症状の軽減を指す。実施形態では、阻害は、特定のタンパク質標的の活性の低下を指す。したがって、阻害には、刺激を少なくとも一部、部分的または完全に遮断すること、活性化を減少させること、予防すること、もしくは遅延させること、またはシグナル伝達もしくは酵素活性もしくはタンパク質の量を不活性化すること、脱感作すること、もしくはダウンレギュレーションすることが含まれる。実施形態では、阻害は、直接的な相互作用(例えば、阻害剤が標的タンパク質に結合する)に起因する標的タンパク質の活性の低下を指す。実施形態では、阻害は、間接的な相互作用(例えば、阻害剤は、標的タンパク質を活性化するタンパク質に結合し、それによって標的タンパク質の活性化を予防する)からの標的タンパク質の活性の低下を指す。「SIK阻害剤」は、阻害剤の非存在下でのSIKの活性または機能に対してSIKの活性または機能に悪影響を及ぼす(例えば、減少)化合物である。
「阻害剤」、「リプレッサー」または「アンタゴニスト」または「ダウンレギュレーター」という用語は、交換可能に、所与の遺伝子またはタンパク質の発現または活性を検出可能に低下させることができる物質を指す。アンタゴニストは、アンタゴニストの非存在下の対照と比較して、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%以上の発現または活性を減少させることができる。ある特定の場合では、発現または活性は、アンタゴニストの非存在下における発現または活性の1.5倍、2倍、3倍、4倍、5倍、10倍以下である。
本明細書で使用される「1つの(a)」または「1つの(an)」という用語は、1つ以上を意味する。加えて、本明細書で使用される「a[n]で置換された」という語句は、指定された基が、指名された置換基のいずれかの1つ以上またはすべてで置換され得ることを意味する。
本明細書で使用される場合、「約」という用語は、指定された値を含む値の範囲を意味し、当業者は指定された値と合理的に同様であると考えるであろう。実施形態では、約は、当技術分野で一般的に許容される測定値を使用して標準偏差内を意味する。実施形態では、約は、指定された値の+/-10%に及ぶ範囲を意味する。実施形態では、約は、指定された値を含む。
「薬学的に許容される塩」という用語は、本明細書に記載される化合物に見られる特定の置換基に応じて、比較的非毒性の酸または塩基で調製される活性化合物の塩を含むことを意味する。本開示の化合物が比較的酸性の官能基を含有する場合、塩基付加塩は、そのような化合物の中性形態を、ニートまたは好適な不活性溶媒のいずれかで、十分な量の所望の塩基と接触させることによって得ることができる。薬学的に許容される塩基付加塩の例には、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アンモニウム、有機アミノもしくはマグネシウム塩、または同様の塩が含まれる。本開示の化合物が比較的塩基性の官能基を含有する場合、酸付加塩は、そのような化合物の中性形態を、ニートまたは好適な不活性溶媒のいずれかで、十分な量の所望の酸と接触させることによって得ることができる。薬学的に許容される酸付加塩の例には、塩酸、臭化水素酸、硝酸、炭酸、一水素炭酸、リン酸、一水素リン酸、二水素リン酸、硫酸、一水素硫酸、ヨウ化水素酸または亜リン酸などのような無機酸、および酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸、マレイン酸、マロン酸、安息香酸、コハク酸、スベリン酸、フマル酸、乳酸、マンデル酸、フタル酸、ベンゼンスルホン酸、p-トリルスルホン酸、クエン酸、酒石酸、シュウ酸、メタンスルホン酸などのような比較的非毒性の有機酸から誘導されるものが含まれる。例えば、アルギネートなどのアミノ酸の塩、およびグルクロン酸またはガラクツロン酸などのような有機酸の塩も含まれる(例えば、Berge et al.,「Pharmaceutical Salts」,Journal of Pharmaceutical Science,1977,66,1-19を参照されたい)。本開示のある特定の化合物は、化合物を塩基付加塩または酸付加塩のいずれかに変換することを可能にする塩基性官能基および酸性官能基の両方を含有する。
したがって、本開示の式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)または(VI)のいずれかを含む本化合物は、薬学的に許容される酸などとの塩として存在し得る。本開示は、そのような塩を含む。そのような塩の非限定的な例には、塩酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩、硫酸塩、メタンスルホン酸塩、硝酸塩、マレイン酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、プロピオン酸塩、酒石酸塩(例えば、(+)-酒石酸塩、(-)-酒石酸塩、またはラセミ混合物を含むそれらの混合物)、コハク酸塩、安息香酸塩、ならびにグルタミン酸および第4級アンモニウム塩(例えば、ヨウ化メチル、ヨウ化エチルなど)などのアミノ酸との塩が含まれる。これらの塩は、当業者に公知の方法によって調製され得る。
化合物の中性形態は、好ましくは、塩を塩基または酸と接触させ、従来の方法で親化合物を単離することによって再生される。化合物の親形態は、極性溶媒への溶解性などのある特定の物理的特性において様々な塩形態と異なり得る。
塩形態に加えて、本開示は、プロドラッグ形態である化合物を提供する。本明細書に記載される化合物のプロドラッグは、本開示の化合物を提供するために生理学的条件下で容易に化学変化を受けるそれらの化合物である。本明細書に記載される化合物のプロドラッグは、投与後にインビボで変換され得る。さらに、プロドラッグは、例えば、好適な酵素または化学試薬と接触させた場合など、エクスビボ環境における化学的または生化学的方法によって本開示の化合物に変換することができる。
本開示のある特定の化合物は、非溶媒和形態および水和形態を含む溶媒和形態で存在することができる。一般に、溶媒和形態は、非溶媒和形態と等価であり、本開示の範囲内に包含される。本開示のある特定の化合物は、複数の結晶形態または非晶質形態で存在し得る。一般に、すべての物理的形態は、本開示によって企図される使用と同等であり、本開示の範囲内にあることが意図される。
「薬学的に許容される賦形剤」および「薬学的に許容される担体」は、対象への活性薬剤の投与および対象による吸収を補助し、患者に有意な有害毒性作用を引き起こさずに本開示の組成物に含めることができる物質を指す。薬学的に許容される賦形剤の非限定的な例には、水、NaCl、通常の生理食塩水、乳酸加リンガー液、通常のスクロース、通常のグルコース、結合剤、充填剤、崩壊剤、潤滑剤、コーティング、甘味料、香味剤、塩溶液(リンガー液など)、アルコール、油、ゼラチン、ラクトース、アミロースまたはデンプンなどの炭水化物、脂肪酸エステル、ヒドロキシメチルセルロース、ポリビニルピロリジンおよび着色剤などが含まれる。そのような調製物は、滅菌し、所望の場合、例えば潤滑剤、保存剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、浸透圧に影響を及ぼすための塩、緩衝剤、着色剤、および/または本開示の化合物と有害に反応しない芳香族物質などの補助剤と混合することができる。当業者は、他の医薬賦形剤が本開示において有用であることを認識するであろう。
「投与する」という用語は、対象への経口投与、坐剤としての投与、局所接触、静脈内、非経口、腹腔内、筋肉内、病巣内、髄腔内、鼻腔内もしくは皮下投与、または徐放装置、例えばミニ浸透圧ポンプの埋め込みを意味する。投与は、非経口および経粘膜(例えば、頬側、舌下、口蓋、歯肉、鼻、膣、直腸、または経皮)を含む任意の経路によるものである。非経口投与には、例えば、静脈内、筋肉内、細動脈内、皮内、皮下、腹腔内、脳室内および頭蓋内が含まれる。他の送達様式には、リポソーム製剤、静脈内注入、経皮パッチなどの使用が含まれるが、これらに限定されない。実施形態では、投与は、列挙された活性剤以外のいかなる活性剤の投与も含まない。
「共投与する」とは、本明細書に記載される組成物が、1つ以上の追加の療法の投与と同じときに、投与の直前に、または投与の直後に投与されることを意味する。本明細書で提供される化合物は、単独で投与することができ、または患者に共投与することができる。共投与は、化合物を個別にまたは組み合わせて(2つ以上の化合物)同時または逐次投与することを含むことを意味する。したがって、調製物は、必要の場合、他の活性物質(例えば、代謝分解を低下させるために)と組み合わせることもできる。本発明の化合物および組成物は、好ましくは、経皮的に、局所経路によって送達され得るか、またはアプリケータースティック、溶液、懸濁液、エマルジョン、ゲル、クリーム、軟膏、ペースト、ゼリー、塗料、粉末およびエアロゾルとして製剤化され得る。一実施形態では、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)または(VI)のいずれか1つの構造を有する化合物は、日焼け止め剤と共投与される。
「疾患」または「状態」という用語は、本明細書で提供される化合物または方法で治療することができる患者または対象の状態または健康状態を指す。一実施形態では、「疾患」または「状態」は、炎症性疾患または状態である。
本明細書で使用される「治療すること」または「治療」(および当技術分野でよく理解されている)はまた、臨床結果を含む、対象の状態において有益なまたは所望の結果を得るための任意のアプローチを広く含む。有益なまたは所望の臨床結果には、1つ以上の症状または状態の緩和または改善、疾患の程度の縮小、疾患の状態の安定化(すなわち、悪化しない)、疾患の伝播または広がりの予防、疾患の進行の遅延または遅れ、疾患状態の改善または緩和、疾患の再発の減少、および部分的であろうと全体的であろうと、検出可能であろうと検出不能であろうと、寛解が含まれ得る。換言すれば、本明細書で使用される「治療」は、疾患の任意の治癒、改善、または予防を含む。治療は、疾患の発生を予防するか、疾患の広がりを抑制するか、疾患の症状(例えば、眼痛、光の周りにハローが見える、充血眼、非常に高い眼圧)を軽減するか、疾患の根本原因を完全にもしくは部分的に除去するか、疾患の持続期間を短縮するか、またはこれらのことの組み合わせを行い得る。
「患者」または「それを必要とする対象」は、本明細書で提供される医薬組成物の投与によって治療することができる疾患または状態に罹患しているかまたはその傾向がある生物を指す。非限定的な例には、ヒト、他の哺乳動物が含まれる。好ましい実施形態では、患者または対象は、ヒトである。
「有効量」は、化合物が存在しないことに対して、化合物が述べられた目的を成し遂げるのに十分な量である(例えば、それが投与される効果を達成するか、疾患を治療するか、酵素活性を低下させるか、酵素活性を増加させるか、シグナル伝達経路を減少させるか、または疾患もしくは状態の1つ以上の症状を減少させる)。「有効量」の例は、疾患の1つまたは複数の症状の治療、予防、または軽減に寄与するのに十分な量であり、「治療有効量」とも呼ばれ得る。1つまたは複数の症状(およびこの句の文法的等価物)の「減少」は、症状の重症度または頻度の減少、または症状の排除を意味する。薬物の「予防有効量」は、対象に投与された場合に、意図された予防効果、例えば、損傷、疾患、病態もしくは状態の発症(もしくは再発)を予防もしくは遅延させる、または損傷、疾患、病態もしくは状態、またはそれらの症状の発症(もしくは再発)の可能性を低下させる薬物の量である。完全な予防効果は、必ずしも1用量の投与によって生じるわけではなく、一連の用量の投与後にのみ生じ得る。したがって、予防有効量を1回以上の投与で投与し得る。本明細書で使用される「活性低下量」は、アンタゴニストの非存在下に対して酵素の活性を低下させるのに必要なアンタゴニストの量を指す。本明細書で使用される「機能破壊量」は、アンタゴニストの非存在下に対して、酵素またはタンパク質の機能を破壊するのに必要なアンタゴニストの量を指す。正確な量は、治療の目的に依存し、公知の技術を使用して当業者によって確認可能であろう(例えば、Lieberman,Pharmaceutical Dosage Forms(vols.1-3,1992);Lloyd,The Art,Science and Technology of Pharmaceutical Compounding(1999);Pickar,Dosage Calculations(1999);およびRemington:The Science and Practice of Pharmacy,20th Edition,2003,Gennaro,Ed.,Lippincott,Williams&Wilkinsを参照されたい)。
本明細書に記載の任意の化合物について、治療有効量は、細胞培養アッセイなどのインビトロ分析によって最初に決定することができる。目標濃度は、本明細書に記載の方法を使用して測定された、または当技術分野で公知の、本明細書に記載の方法を達成することができる活性化合物の濃度である。
当技術分野で周知のように、ヒトで使用するための治療有効量は、動物モデルから決定することもできる。例えば、ヒトに対する用量は、動物において安全または有効であることが分かっている濃度を達成するように製剤化することができる。ヒトにおける投与量は、上記のように、化合物の有効性を監視し、投与量を上方または下方に調整することによって調整することができる。上記の方法および他の方法に基づいてヒトにおいて最大の有効性を達成するために用量を調整することは、十分に当業者の能力の範囲内である。
本明細書で使用される「治療有効量」という用語は、上記の障害を改良するのに十分な治療薬の量を指す。例えば、所与のパラメータについて、治療有効量は、少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、40%、50%、60%、75%、80%、90%、または少なくとも100%の増加または減少を示す。治療有効性は、「-倍」の増加または減少として表すこともできる。例えば、治療有効量は、対照に対して少なくとも1.2倍、1.5倍、2倍、5倍以上の効果を有することができる。
一実施形態では、「増加」は、参照レベル(例えば、正常なメラニン産生を有する対象またはメラニン産生障害を罹患している対象)と比較してメラニン産生量よりも少なくとも約0.05倍多い(例えば、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、1、5、10、25、50、100、1000、10,000倍以上)メラニン産生量を指す。メラニン産生量を指す「増加した」とは、参照レベル(例えば、正常なメラニン産生を有する対象またはメラニン産生障害を罹患している対象)と比較してメラニン産生量よりも少なくとも約5%多い(例えば、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、99または100%以上)ことも意味する。メラニンの量を決定するための当技術分野で公知の方法に従って、量を測定することができる。
一実施形態では、「増加」はまた、参照レベル(例えば、未治療対象)と比較してDNA安定性のレベルよりも少なくとも約0.05倍多い(例えば、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、1、5、10、25、50、100、1000、10,000倍以上)DNA安定性の量を指す。DNA安定性の量を指す「増加した」とは、参照レベル(例えば、未治療対象)と比較してDNA安定性の量よりも少なくとも約5%多い(例えば、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、99または100%以上)ことも意味する。量は、DNA損傷(例えば、TUNELアッセイおよびチミジンダイマー検出)を決定するための当技術分野で公知の方法に従って測定することができる。
投与量は、患者および用いられる化合物の要件に応じて変動し得る。本開示の文脈において、患者に投与される用量は、経時的に患者において有益な治療応答をもたらすのに十分であるべきである。用量のサイズはまた、任意の有害な副作用の存在、性質および程度によって決定される。特定の状況に対する適正な投与量の決定は、施術者の技能の範囲内である。一般に、治療は、化合物の最適用量未満のより少ない用量で開始される。その後、状況下で最適な効果に達するまで、投与量を少しずつ増加させる。投与量および投与間隔は、治療される特定の臨床適応症に有効な投与化合物のレベルを提供するために個別に調整することができる。これにより、個体の疾患状態の重症度に見合った治療レジメンが提供される。
考察されるように、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)または(VI)の1つ以上の化合物および薬学的に許容される賦形剤を含む本化合物の1つ以上を含む医薬組成物も提供される。医薬組成物は、式(I)、(II)、(III)、(IV)(V)または(VI)の1つ以上の化合物を治療有効量(例えば、治療有効量)で含み得る。
加えて、本発明の医薬組成物は、各製剤のための追加の薬学的に許容され得る担体と共に製造され得る。本発明で使用することができる担体の種類は、特に限定されず、工業分野で従来から使用され、薬学的に許容される任意の担体が使用され得る。
食塩水、滅菌水、IV流体、緩衝食塩水、アルブミン注射液、デキストロース溶液、マルトデキストリン溶液、グリセロール、エタノールは、使用可能な担体の非限定的な例である。これらの担体は、単独で、または2つ以上の組み合わせで使用されてもよい。担体は、天然に存在しない担体を含んでもよい。必要に応じて、酸化防止剤および/または緩衝剤のような他の従来使用されている添加剤
医薬組成物は、好適には、スプレーもしくは液体洗浄剤、またはローション、クリーム、軟膏、ペースト、ゲル、泡、または局所投与について一般に知られている担体としての任意の他の物理的形態などの局所適用のための他の製剤の形態であり得る。そのような増粘局所製剤は、製剤が、材料が配置される皮膚の領域に付着し、したがって局所的な高濃度の本化合物の1つ以上を特定の領域に導入することを可能にするので、特に有利である。例えば、パラフィン系およびラノリン系クリームは、当技術分野で一般的に知られている。ポリマー増粘剤などの他の増粘剤を使用してもよい。製剤はまた、水、防腐剤、活性界面活性剤、乳化剤、酸化防止剤、または溶媒の1つ以上を含み得る。
医薬組成物は、経鼻、経口、非経口、筋肉内、関節内、静脈内、皮下、または経皮投与などの種々の他の投与経路のために製剤化され得る。好適な医薬組成物は、例えば、希釈剤、分散剤、界面活性剤、結合剤、水溶液のような注射液を作製するための潤滑剤と共に、または懸濁液、エマルジョンとして、および丸剤、カプセル剤、顆粒剤または錠剤などとして製剤化され得る。
考察されるように、キットも提供される。例えば、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)または(VI)のいずれか1つの1つ以上の化合物は、例えば、色素沈着障害、皮膚の色調の不均一性、色素沈着低下、酒さを含む炎症性皮膚疾患、白斑または他の皮膚関連障害もしくは疾患を患っている対象を治療するための療法として使用するための、標識された好適な容器に好適に包装することができる。加えて、製品またはキットは、例えば、包装材料、使用説明書、送達装置、指定された状態を治療または監視するためのものをさらに含んでもよい。
キットはまた、凡例(例えば、製品の使用を説明する印刷されたラベルもしくはインサートまたは他の媒体(例えば、オーディオテープもしくはビデオテープ))を含み得る。凡例は、容器(例えば、容器に貼り付けられる)と関連付けることができ、その中の組成物が投与されるべき方法(例えば、投与の頻度および経路)、そのための表示、および他の使用を説明することができる。組成物は、投与の準備ができており(例えば、用量に適切な単位で存在する)、1つ以上の追加の薬学的に許容されるアジュバント、担体または他の希釈剤および/もしくは追加の治療薬を含み得る。あるいは、組成物は、例えば、希釈剤および希釈のための説明書と共に濃縮形態で提供することができる。
考察されるように、塩誘導性キナーゼ(SIK)に関連する疾患または障害、例えば炎症性疾患または障害を、化合物または化合物を含む医薬組成物を対象に投与することによって治療するための方法が提供される。好ましくは、化合物は、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)または(VI)のいずれか1つの構造を有し得る。この方法は、好適には、有効量(例えば、治療有効量)の化合物を投与することを含み得る。好ましい態様では、この方法は、色素沈着障害、皮膚の色調の不均一性、色素沈着低下、酒さを含む炎症性皮膚疾患、白斑または他の皮膚関連疾患もしくは障害を治療または予防するものであり、そのような疾患もしくは障害に罹患しているかまたは罹患しやすい対象に好適である。考察されるように、対象は、好適には男性または女性のヒトであり得る。
対象は、色素沈着欠損に関連する白色斑点の皮膚上の出現を特徴とする障害である白斑に罹患しているかまたは罹患しやすい場合がある。
対象は、紅斑性血管拡張性酒さ(サブタイプ1酒さ)、丘疹膿疱性酒さ(サブタイプ2酒さ)、瘤腫型酒さ(サブタイプ3酒さ)および/もしくは眼型酒さ(サブタイプ4酒さ)のいずれかに罹患しているかまたは罹患しやすい場合がある。いくつかの実施形態では、治療方法は、特定のサブタイプの酒さ、または他の皮膚関連疾患もしくは障害を含む、酒さに罹患している対象を識別および選択するステップをさらに含み得る。紅斑性血管拡張性酒さ(サブタイプ1酒さ)に罹患している対象では、対象は、皮膚および可視血管の発赤および紅潮を示し得る。丘疹膿疱性酒さ(サブタイプ2酒さ)に罹患している対象では、対象は、発赤、腫脹およびざ瘡様の発疹を示し得る。瘤腫型酒さ(サブタイプ3)に罹患している対象では、対象は、顔または他の皮膚の肥厚を示し得、皮膚は、凹凸のある質感を発現し得る。眼型酒さ(サブタイプ4)に罹患している対象では、対象は、充血および涙目、ざらざらした眼、乾燥した眼、かゆみのある眼、視力低下を示し得る。次いで、識別および選択された対象は、本明細書に開示される治療化合物または組成物で治療され得る。
いくつかの実施形態では、治療方法は、それを必要とする対象において皮膚色素沈着を増加させるおよび/または皮膚がんのリスクを低下させる方法を提供し得る。本開示は、化粧目的のために皮膚色素沈着を増加させるための方法を提供する。ある特定の実施形態では、本明細書に提供されるのは、記載される化合物(例えば、記載される化合物の局所投与を介して)を使用して、それを必要とする対象の皮膚の黒ずみの出現を増加させる方法である。
ある特定の実施形態では、本開示は、対象の皮膚色素沈着の出現を増加させる方法であって、式(I)、(II)、(III)(IV)、(V)もしくは(VI)のいずれか1つの構造を有する化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、互変異性体もしくは立体異性体、またはその薬学的組成物を対象の皮膚に局所投与するステップを含む、方法を提供する。
ある特定の実施形態では、本開示は、多形性光疹(例えば、日光過敏症)を治療する方法を提供する。本開示は、ユーメラニン合成を誘導する方法を提供する。本開示は、メラノソームの成熟、輸送および局在化を誘導する方法を提供する。
ある特定の実施形態では、それを必要とする対象の皮膚色素沈着を可逆的に増加させるおよび/または皮膚がんのリスクを減少させる方法であって、有効量の式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)もしくは(VI)のいずれか1つの構造を有する化合物、またはその医薬組成物を対象の皮膚に局所投与することを含む、方法が提供される。ある特定の実施形態では、本明細書に記載される化合物を身体部分の対象の皮膚に局所投与することによって、皮膚色素沈着を増加させるおよび/または皮膚がんのリスクを減少させる方法が提供される。ある特定の実施形態では、身体部分は、対象の顔である。ある特定の実施形態では、身体部分は、対象の首である。ある特定の実施形態では、身体部分は、対象の胸部である。ある特定の実施形態では、身体部分は、対象の背中である。ある特定の実施形態では、身体部分の皮膚は、対象の腕の皮膚である。ある特定の実施形態では、身体部分の皮膚は、対象の脚の皮膚である。ある特定の実施形態では、皮膚は、対象の胴体上にある。
ある特定の実施形態では、本発明は、皮膚および/または体毛および/または頭髪を着色および/または着色するための、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)または(VI)のいずれか1つの構造を有する化合物またはその医薬組成物の化粧品および/または皮膚科学的使用に関する。用途は、色素沈着の欠陥および障害、例えば、加齢過程の目に見える発現(老人性毛)であり得る、または遺伝的素因に関連し得る、のいずれかのヒトにおける白色毛の出現(毛の癌腫または自然な白化)を改善するのに好適である。頭髪および体毛の色素沈着は、毛包の球状部にメラノサイトが存在することを必要とする。ここで、毛顎は、毛軸のメラニン量の減少に関連することが認められている。毛髪の頭部の一定の着色を維持することは、かなりの願望であるため、老化のこれらの目に見える兆候の出現に対抗できること、すなわち体毛および/または頭髪の着色を維持または再確立できることが望ましい。
好ましい化合物は、以下のスキーム1に従って好適に調製することができる:
上記式(I)~(VI)の化合物の環A(式(I))基を変動することは、2-メチル-6-メトキシフェニルアミン、2-メチル-6-エトキシフェニルアミン、2-メチル-6-ヒドロキシフェニルアミン、2-メチル-6-クロロフェニルアミン、2,6-ジ(トリフルオロメチル)フェニルアミン、2,4-ジメチルフェニルアミン、2-(-SOCH)-6-メチルフェニルアミンなどの上記の化合物3を得るステップにおいて適切なアミン(上記の2,6-ジメチルフェニルアミン以外)を使用することによって提供することができる。
様々なR-NH化合物を利用して、アダマンチル-アミンなどの所望のRをステップ4の化合物に組み込むことができる。
以下の非限定的な例は、例示である。
実施例1~4:化合物の合成
実施例1:化合物7の合成
パート1:N-((2,4-ジクロロピリミジン-5-イル)メチル)-2,6-ジメチルアニリン(化合物3、スキーム2)の合成
2,4-ジクロロ-5-(クロロメチル)ピリミジン(1)(40g)を、ヨウ化ナトリウム(30.6g)のアセトン(244mL)中溶液に一度に添加し、混合物を透明な溶液が得られるまで撹拌した(中間体(2)は単離されなかった)。混合物を窒素雰囲気下還流下、室温で15分間、次いで60℃で45分間撹拌した。混合物を冷却し、アセトン(366mL)で希釈した。次いで、2-6ジメチルアニリン(24.9g)および炭酸カリウム(83.9g)を添加し、混合物を還流および窒素雰囲気下で55℃に加熱した。
反応混合物を氷水に注ぎ入れ、酢酸エチルで抽出した。有機層をチオ硫酸ナトリウム水溶液、ブラインで洗浄し、分離し、無水MgSOで乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去して粗固体を得た。固体を酢酸エチルでトリチュレートし、0℃に冷却し、濾過して、N-((2,4-ジクロロピリミジン-5-イル)メチル)-2,6-ジメチルアニリン(3)(46.8g)を白色固体として得た。
パート2:N-((3s,5s,7s)-アダマンタン-1-イル)-2-クロロ-5-(((2,6-ジメチルフェニル)アミノ)メチル)ピリミジン-4-アミン(化合物4、スキーム3)の合成
N-((2,4-ジクロロピリミジン-5-イル)メチル)-2,6-ジメチルアニリン(3)(10g)をTHF(106mL)に溶解した。次いで、ジ-イソプロピルエチルアミン(24.6mL)および1-アダマンタミン(10.7g)を混合物に添加し、48時間撹拌しながら還流した。混合物を密閉管中80℃で一晩撹拌した。酢酸エチルを添加し、水(×3)で洗浄した。分離した有機層を無水MgSOで乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。粗固体をシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィ(ヘプタン/酢酸エチル(85:15)によって精製した。所望の画分を回収し、減圧下で蒸発させて、N-((3s,5s,7s)-アダマンタン-1-イル)-2-クロロ-5-(((2,6-ジメチルフェニル)アミノ)メチル)ピリミジン-4-アミン(4)(7.49g)を白色固体として得た。
パート3.((4-(((3s,5s,7s)-アダマンタン-1-イル)アミノ)-2-クロロピリミジン-5-イル)メチル)(2,6-ジメチルフェニル)カルバミン酸クロリド(化合物5、スキーム3)の合成
トリホスゲン(7.9g)を、CH2Cl2(212mL)に溶解したN-((3s,5s,7s)-アダマンタン-1-イル)-2-クロロ-5-(((2,6-ジメチルフェニル)アミノ)メチル)ピリミジン-4-アミン(4)(7.09g)の溶液に添加し、混合物を1時間撹拌した。水酸化ナトリウム(14.3g)およびテトラブチルアンモニウムヒドロキシド(水中40%)(1.5g)の水(212mL)中溶液を0℃で反応物に滴下し、一晩撹拌した。有機層と水層とを分離し、有機相を無水MgSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で除去した。生成物をCHClで希釈し、飽和NaHCO(×2)および水で洗浄した。有機層を分離し、無水MgSOで乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。粗生成物を、CHClで溶出するシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィによって精製した。所望の画分を回収し、減圧下で蒸発させて、((4-(((3s,5s,7s)-アダマンタン-1-イル)アミノ)-2-クロロピリミジン-5-イル)メチル)(2,6-ジメチルフェニル)カルバミン酸クロリド(5)(7.9g)を白色固体として得た。
パート4.1-((3s,5s,7s)-アダマンタン-1-イル)-7-クロロ-3-(2,6-ジメチルフェニル)-3,4-ジヒドロピリミド[4,5-d]ピリミジン-2(1H)-オン(化合物6、スキーム4)の合成
CsCO(8.4g)を、窒素下、((4-(((3s,5s,7s)-アダマンタン-1-イル)アミノ)-2-クロロピリミジン-5-イル)メチル)(2,6-ジメチルフェニル)カルバミルクロリド(7.9g)(化合物5)の乾燥DMF中溶液に添加した。混合物を室温で一晩撹拌した。次いで、混合物をCH2Cl2で希釈し、水(x2)およびブラインで洗浄した。有機層を分離し、無水MgSOで乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去して、1-((3s,5s,7s)-アダマンタン-1-イル)-7-クロロ-3-(2,6-ジメチルフェニル)-3,4-ジヒドロピリミド[4,5-d]ピリミジン-2(1H)-オン(7.0g)(化合物6)を得、これを精製することなく次のステップに使用した。
パート5.1-((3s,5s,7s)-アダマンタン-1-イル)-3-(2,6-ジメチルフェニル)-7-((4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)-3,4-ジヒドロピリミド[4,5-d]ピリミジン-2(1H)-オン(化合物7、スキーム4)の合成
4-(4-メチルピペラジン-1-イル)アニリン(5.5g)およびトリフルオロ酢酸(6.3mL)を、1-((3s,5s,7s)-アダマンタン-1-イル)-7-クロロ-3-(2,6-ジメチルフェニル)-3、4-ジヒドロピリミド[4,5-d]ピリミジン-2(1H)-オン(6)(7.2g)およびNメチルピロリドン(6.2mL)のイソプロパノール(94mL)中溶液に添加した。混合物を密閉管中、110℃で一晩撹拌した。酢酸エチルを添加し、混合物を重炭酸ナトリウム水溶液およびブラインで洗浄した。分離した有機層を無水MgSO4で乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。粗混合物を、CH2Cl2:MeOH(100:0~70:30)の勾配で溶出するシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィによって精製した。所望の画分を回収し、溶媒を減圧下で除去した。所望の化合物(7)をCH2Cl2-アセトニトリルから再結晶し、濾過して、1-((3s,5s,7s)-アダマンタン-1-イル)-3-(2,6-ジメチルフェニル)-7-((4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)-3,4-ジヒドロピリミド[4,5-d]ピリミジン-2(1H)-オン(6.14g)が白色固体として得た。この化合物(7)は、本明細書ではSLT-008と呼ばれることがある。
分析:LCMS(rt2.647分、m/z578.4)。
溶融温度:283.5℃
H NMR(400MHz,CDCl3)δ7.96(s,1H),7.51-7.44(m,2H),7.15-7.04(m,3H),6.94(d,J=9.0Hz,2H),6.88(s,1H),4.18(s,2H),3.25-3.19(m,4H),2.67(s,4H),2.55(d,J=1.8Hz,6H),2.42(s,3H),2.16(s,J=6.0Hz,6H),2.12(d,J=4.2Hz,3H),1.70(dd,J=27.8,12.0Hz,6H).
実施例2~4:
上記の上記スキーム1の適切なアミン化合物(すなわち、上記のスキーム1の化合物3および4に対応する化合物を生成するアミン)を置換した上記の実施例1の手順により、以下の実施例2~4の化合物を調製する。
実施例2:
実施例3:
実施例4:
実施例5:塩誘導性キナーゼ阻害
塩誘導性キナーゼ(SIK)阻害剤SLT-008(化合物7)は、皮膚色素沈着を誘導することができる局所剤として最適化することができる。
SIK1(h)を8mMのMOPS pH7.0、0.2mMのEDTA、100μMのAMARAASAAALARRR、10mMの酢酸マグネシウムおよび[γ-33P]-ATP(45μM)とインキュベートした。反応をMg/ATP混合物の添加によって開始した。室温で40分間インキュベートした後、0.5%の濃度までリン酸を添加することによって反応を停止させた。次いで、10μLの反応物をP30フィルタマット上にスポットし、乾燥およびシンチレーション計数の前に0.425%リン酸中で4分間4回洗浄し、およびメタノール中で1回洗浄した。
SIK2(h)を8mMのMOPS pH7.0、0.2mMのEDTA、100μMのKKKVSRSGLYRSPSMPENLNRPR、10mMの酢酸マグネシウムおよび[γ-33P-ATP](45μM)とインキュベートした。反応をMg/ATP混合物の添加によって開始した。室温で40分間インキュベートした後、リン酸を0.5%の濃度まで添加して反応を停止させた。次いで、10μLの反応物をP30フィルタマット上にスポットし、乾燥およびシンチレーション計数の前に0.425%リン酸中で4分間4回洗浄し、およびメタノール中で1回洗浄した。
SIK3(h)を8mMのMOPS pH7.0、0.2mMのEDTA、100μMのKKKVSRSGLYRSPSMPENLNRPR、10mMの酢酸マグネシウムおよび[γ-33P-ATP](45μM)とインキュベートした。反応をMg/ATP混合物の添加によって開始した。室温で40分間インキュベートした後、リン酸を0.5%の濃度まで添加して反応を停止させた。次いで、10μLの反応物をP30フィルタマット上にスポットし、乾燥およびシンチレーション計数の前に0.425%リン酸中で4分間4回洗浄し、およびメタノール中で1回洗浄した。
IC50は、SIK1、SIK2およびSIK3についてそれぞれ5、8および20ナノモルを超えると計算された。
表1:推定IC50
実施例6~10:インビトロおよびエクスビボ皮膚組織モデルは、SLT-008の色素沈着有効性を示す(SLT-008は、本明細書において上記のスキーム4の化合物7、1-((3s,5s,7s)-アダマンタン-1-イル)-3-(2,6-ジメチルフェニル)-7-((4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)-3,4-ジヒドロピリミド[4,5-d]ピリミジン-2(1H)-オンと示される)。
実施例6:SLT-008の局所適用は、メラニン色素沈着を誘導する
初代ヒト表皮ケラチノサイト(hEK)を好適な担体マトリックスに播種し、ヒト表皮メラノサイトと共培養した。SLT-8を0.3mM、1mMおよび3mMのPEG/エタノール/Transcutol(登録商標)に可溶化し、メッシュを使用してモデルの表面に局所適用し、4時間後に除去した。試験化合物を4日間にわたって1日1回適用した。未処理モデルおよびビヒクルで処理したモデルは、対照としてのみ機能した。UV照射モデルを陽性対照として使用した。色素沈着効果を視覚化するためにフォンタナ・マッソン染色を行った。フォンタナ-マッソン染色は、メラニン、アルゲンタフィン顆粒およびいくつかの神経分泌顆粒などのアルゲンタフィン物質を視覚化するために日常的に使用されている。メラニンは、非脂質性の非血行性色素である。これは、毛髪、皮膚、網膜、虹彩、および中枢神経系のある特定の部分に通常存在する褐色-黒色顔料である。アルゲンタフィン顆粒は、カルチノイド腫瘍に見られる。アルゲンタフィン細胞顆粒またはメラニンは、黒色に染まる。核は、ピンク色-赤色に染まる。細胞質は、淡いピンク色に染まる。1mM、具体的には3mMで、SLT-008の単回局所適用は、透明帯レベルでメラニン色素ドットを誘導した。3mMでは、単一の局所適用もケラチノサイトへのメラニン移行を誘導し、核キャッピングが観察された(図1)。
実施例7:ヒト生皮膚外植片に対するSLT-008色素沈着活性
2つの濃度のSLT-008の色素沈着活性を、ストリッピングを伴うヒト生体皮膚外植片を使用して皮膚上で評価した。
平均直径11mm(±1mm)のヒト皮膚外植片を、IIIフォトタイプを有する35歳のコーカサス人女性から腹部形成術で調製した。外植片を、BEM培養培地(BIO-ECの外植片培地)中、37℃、高湿度、5%-CO2雰囲気中で生存させた。この研究は、ヘルシンキ宣言およびフランス公衆衛生法の条項L.1243-4に従って手術残渣から得られたヒト皮膚組織で実行した。
0日目に、バッチ「S」の外植片をスコッチ3Mを使用して5回剥ぎ取り、いくつかの角質層を除去して試験製品の浸透を促進した。賦形剤および試験した生成物を外植片あたり2μl(2mg/cm)に基づいて局所的に適用し、小さなスパチュラを使用して0日目(D0、剥離後)、D1、D4、D6およびD8に広げた。
対照外植片Tは、培養培地の更新を除いていかなる処理も受けなかった。培養培地をD0、D1、D4、D6およびD8で半分更新した(1ウェルあたり1ml)。D0、D1、D4、D5、D6、D7およびD8において、照射された外植片の培地(TUV)をHBSS(ハンクス平衡生理食塩水溶液;外植片あたり1ml)で置き換えた。次いで、UVシミュレータVibert Lourmat RMX 3Wを使用して、「TUV」バッチの外植片に、フォトタイプIIドナーの0.5MED(最小紅斑線量)に相当する2.25J/cm2のUVA線量を照射した。UV照射の終了時に、これらの外植片を2mLのBEM培地に戻した。UVA(TUVJ11対TJ11)の照射は、細胞生存率の改変を誘導しないことが決定された。ストリッピングしたバッチと比較して0.5%および0.9%のSLT-008での処理もまた、細胞生存率の改変をもたらさなかった。UVA(TUVJ11対TJ11)の照射は、表皮の基底層におけるメラニン合成の増加を誘導した。
SLT-008の0.9%用量は、36%の有意な(p<0.1)メラニン増加を誘導した(図2)。色素沈着活性は、フォンタナ・マッソン染色によっても検出された(図3)。
実施例8:用量決定およびSLT-008全身曝露
再構成表皮の培養培地中の正常ヒト表皮メラノサイト(NHEMs-MP;Thermo Fisher Scientific、C1025C)に対して全身性細胞毒性を生じない3つの非毒性濃度のSLT-008を決定するために研究を行った。
予備用量決定研究は、ヒトメラノサイト増殖サプリメント(HMGS;Thermo Fisher Scientific、S0025)および抗生物質(ゲンタマイシン、Thermo Fisher Scientific、15710049)を補充したM254培地(Thermo Fisher Scientific、M254500)で増殖させたNHEMの培養物を使用して実行した。細胞を、5%のCO2雰囲気の37℃の加湿インキュベータ中で維持した。
試験化合物による5つの濃度での処理開始の24時間前に、NHEMを24ウェルプレートに三重に播種した(n=3)。試験化合物の可溶化に使用したDMSO 0.003%を並行して試験した。培養培地への合計6回の反復適用を10日間にわたって実行した(播種後1日目~11日目まで、4、5、6、7および8日目に培地をリフレッシュした)。SDS 0.008%を細胞傷害性陽性対照として使用した。処理の終了時に、細胞生存率をMTSアッセイ(3-(4,5-ジメチルチアゾール-2-イル)-5-(3-カルボキシ-メトキシフェニル)-2-(4-スルホフェニル-2H-テトラゾリウム)で評価した。
次に、組織切片のヘマトキシリン/エオシン(H/E)染色によって、再構成されたメラニン化表皮における3つの用量の毒性の非存在を評価した。
試験化合物による処理の終了時に、用量あたり3つの組織(n=3)を4%のホルムアルデヒドで固定し、脱水し、パラフィン包埋した。表皮の6μmの切片をエオシンおよびヘマトキシリン(H/E)で染色した。スライドガラスに特定の媒体をマウントし、デジタルカメラ(Zeiss)に連結されたLeica DM2000顕微鏡で検査した。
分析により、3つの選択された用量のSLT-008による処理後に形態学的変化がないことが明らかになった(図4)。
実施例9:LDH放出アッセイ
選択された用量がメラニン化再構築ヒト表皮に対して細胞傷害性でないことを確実にするために、SLT-008による処理の中間および処理の終了時に、メラニン化組織からの乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)放出の定量化を実行した。培養モデルによるLDHの放出を、製造業者の指示に従って、細胞傷害性検出キットPLUS(Roche-04744926001)による処理の5および10日後に評価した。簡単に説明すると、培養上清を回収し、96ウェルプレート中で30分間LDH検出反応物と混合した後、分光光度計(GloMax-Promega)を使用して600nmの参照波長で490nmの光学密度を測定した。これを3連の培養物で実行した(n=3)。全体として、SLT-008をメラニン化再構築表皮に10日間適用しても、組織の完全性の関連する変化は誘導されなかった。0.3μg/mlのSLT-008の用量での10日間の処理後に、組織からのLDH放出のわずかかつ有意な増加が観察されたが、設定された細胞傷害性レベルに達することはなかった。したがって、これらの濃度の効果を組織色素沈着に対して研究した(図5)。
実施例10:メラニン含有量
用量決定研究の結果に基づいて、0.3μg/ml、0.01μg/mlおよび0.0033μg/ml用量のSLT-008を、再構成されたメラニン化ヒト表皮の培養培地にさらに適用するために選択した。色素沈着効果研究を、3人の新生児コーカサス人ドナーの包皮から単離したNHEK(正常ヒト表皮ケラチノサイト、Lonza 00192906)およびNHEM-MPメラノサイトで再構成した表皮に対して実施した。
組織を、特異的サプリメント(とりわけ、ヒトケラチノサイト増殖因子、Fisher Scientific S0015またはS001K)および抗生物質(ゲンタマイシン、Fisher Scientific、15710049)を含有するEpilife培地(Fisher Scientific、MEPI500CA)中で気液界面で培養した。それらを37℃、5%のCO2の湿潤雰囲気に維持した。
メラノサイトを再構築表皮と共培養し、37℃、CO2 5%の湿潤雰囲気の培養培地中で14日間気液界面で培養した。SLT-008を、空気/液体界面に配置した後の4日目~14日目までの10日間に、5回の培地リフレッシュ(7、8、9、10および11日目)で、3つの濃度で培養培地に適用した(n=6)。表皮の色素沈着を可能にするために、培養培地中のBPE(ウシ下垂体抽出物)中の濃度を処理中に適合させた。化合物の可溶化に使用した0.005%のDMSOを参照対照条件として使用した。150μMのIBMXおよび3.33μMのフォルスコリンを色素沈着促進参照化合物として使用して、実験を検証した。参照化合物の溶媒に対応する0.05%の追加のDMSO対照も実験に加えた。
処理の終了時(14日目)に、形態分析を実行した。表皮色素沈着を可溶抽出後に定量化し、組織切片のフォンタナ・マッソン染色によって定量化した。パラフィンに包埋された表皮の6μm切片を調製し、フォンタナ・マッソン試薬で染色した。フォンタナ・マッソン染色は、表皮内のメラニンを特異的に染色する。メラニンに加えて表皮を可視化するために、ヘマラム/エオシンによる対比染色も実行した。組織切片染色を、各試験化合物について1セットで3回連続して実行した。SLT-008の効果を比較するために、0.005%のDMSOで処理した表皮切片を含むスライドガラスを、フォンタナ・マッソン染色用の各セットに入れた。
各表皮の6μmのパラフィン切片上のメラニン沈着を、フォンタナ-マッソン試薬(VWR-VWRK641295、VWRK641311;クリニパス-641215)によって染色した。スライドガラスに特定の培地をマウントし、デジタルカメラ(Zeiss)を装備したLeica DM2000顕微鏡で検査した。
メラニン定量化のために、各表皮の3枚の写真を撮影し、Leica QWin3ソフトウェアを使用して分析した。2つの測定値を取得した。第1のものは、染色の全体的な強度に対応し、より明るいまたはより暗いメラニンを反映する。第2のものは、写真上の標識表面、したがって表皮中のメラニンが占有する領域を表す。これらの測定値は、角質層を除く表皮のすべての細胞層を検査することによって得た。
次いで、メラニン含有量の分析を観察した。分析は、1用量あたり9枚の写真(合計9枚の写真について、表皮あたり3枚および条件あたり3枚の表皮)から実行した。図6Aは、未処理対照、ビヒクル(DMSO0.05%)および2つの陽性対照を示し、機能性メラノサイトの樹状突起形態、およびケラチノサイト核の上に核上メラニンキャップとして組織化されたメラノソームの形成によって示される完全な表皮色素沈着を示す(図6)。色素沈着は、DMSO0.05%に対してフォルスコリン(3.33μM)またはIBMX(150μM)によって増加した。フォルスコリンおよびIBMXは、メラニン産生の表皮誘導物質として知られており、インビトロ機能性色素沈着を確認するための陽性対照としてここで使用される。図6Bに示すように、色素沈着は、DMSO0.005%に対して0.3μg/mlでSLT-008によって有意に増加した。この増加は、メラノソーム、樹状突起の存在およびメラニンキャッピングの両方で観察される。
メラニン含有量を、フォンタナ-マッソン試薬染色切片から決定した(DMSO0.005%に対する%)。統計分析(スチューデントt検定)を使用して、0.005%のSLT-008対DMSOの効果、および0.05%のIBMXおよびフォルスコリン対DMSOの効果を比較し、0.01<p値<0.05を有意(*)とみなし、0.001<p値<0.01を非常に有意(**)とみなし、p値<0.001を非常に有意(***)とみなした。0.3μg/mlの化合物SLT-008は、0.005%のそれぞれのDMSO対照と比較して、メラニン含有量の有意な増加を誘導した(図7)。
この実施例で前述した同様の方法を使用して、実験を繰り返した。これらの処理の終了時に、組織(n=3)をインサートから取り出し、可溶性抽出溶液(Perkin Elmer-NJTSRN8010060)に浸し、80℃で1時間加熱した。分光光度計(GloMax-Promega)を用いて上清の光学密度を490nmで測定し、メラニン含有量を合成メラニンの標準曲線(Sigma-M8631)と比較することによって決定した。
フォルスコリン(陽性対照)による処理は、その溶媒対照(0.03%のDMSO)と比較して、表皮内のメラニンの産生を有意に増加させた。0.03および0.01%で溶媒として使用したDMSOは、メラニン含有量レベルを改質させず、色素沈着に対するその受動的効果を示した。SLT-008は、用量効果により、1および0.1μg/mlで適用した場合にメラニン含有量を増加させ、0.3μg/mlでさらに増加させた(図8)。これらの研究に基づいて、SLT-008の全身適用は、フォンタナ・マッソン染色および化学抽出定量化の両方によって観察された再構築表皮組織モデルのメラニン含有量をインビトロで増加させた。
実施例11:ストリッピング誘導アポトーシスDNA保護研究
この研究の目的は、TUNEL(アポトーシス細胞マーカー)の相補的免疫染色を実行することであった。
表2:UVA制御照射研究で分析したバッチ:
表3:実験スケジュール
組織学的処理:Leica RM 2125 Minot型ミクロトームを使用して5μm厚の切片を作製し、切片をSuperfrost(登録商標)組織学的ガラススライドにマウントした。顕微鏡観察は、Leica DMLB、Olympus BX43またはBX63顕微鏡を使用して実現した。写真を、CellSensがソフトウェアを保存している数値DP72またはDP74オリンパスカメラでデジタル化した。
TUNELアッセイ:TUNEL試薬をPBS中で1:2に希釈し、室温で1時間、POD変換器を1:4に希釈したIn Situ細胞死検出キット(Roche,参照11 684 817 910)を使用して、ホルモール固定パラフィン包埋皮膚切片でDNA損傷を評価し、次いでVIP(Vector、参照SK-4600)によって明らかにした。染色を画像分析によって半定量化した。
画像分析方法:CellSensソフトウェアを使用して、選択されたバッチのすべての画像に対して画像分析を実行した。染色表面の比較
処理に対する染色表面百分率(Surf%)を未処理条件と比較する=>S対T;SP対S。
表皮中のアポトーシス細胞に関連するTUNEL染色によって占められる表面の百分率を図9に示す。無水エタノール中のSLT-008 0.9.%は、テープストリッピング後に97%のアポトーシス細胞数だけ有意に減少し、それによってDNA保護を実証した。
実施例12:UVB DNA保護研究
この研究の目的は、生きているヒトの皮膚外植片を使用した製品DNA保護の効果を評価することであった。
表4:DNA保護活性(UVB)
平均直径11mm(±1mm)の63個のヒト皮膚外植片を、II-IIIフォトタイプ(Fitzpatrick皮膚色分類による)を有する51歳のコーカサス人女性に由来するアブドプラスティ(abdoplasty)で調製した。外植片を、BEM培養培地(BIO-ECの外植片培地)中、37℃、湿度5%-CO雰囲気中で生存させた。
表5.外植片分布
DNA保護活性(UVB):賦形剤ならびに試験生成物P1およびP2を、外植片あたり2μlの濃度(2mg/cm)で局所的に適用し、小型スパチュラを使用して0日目(D0)、D2、D4およびD6に広げた。D4に、賦形剤ならびに生成物P1およびP2を2回適用した(UV-B照射の前および直後)。対照外植片(T)は、培養培地の更新以外のいかなる処理も受けなかった。培養培地をD2、D3およびD6で半分更新した(1ウェルあたり1ml)。
DNA保護活性(UVB):D4において、放射線照射された外植片の培養培地(UVB)をHBSS(ハンクス平衡塩類溶液;外植片あたり1ml)で置き換えた。次いで、UVシミュレータVibert Lourmat RMX 3Wを使用して、II-IIIフォトタイプを有する皮膚上の2MEDに相当するUVBの0.3J/cmの線量で外植片を照射した。UV照射の終了時に、UVB処理した外植片を2mLのBEM培地に戻した。
サンプリング:D0において、T0からの3つの外植片を回収し、2つの部分に切断した。半分を緩衝ホルマリン溶液中で固定し、半分を-80℃で凍結した。D5、D6、D7およびD10に、関連するバッチから3つの外植片を回収し、D0と同じ方法で処理した。研究計画で述べた配置に従って、処理、照射およびサンプリングの日を稼働日のスケジュールに調整した。
組織学的処理:緩衝ホルマリン中で24時間固定した後、Leica PEARL脱水オートマットを使用して試料を脱水し、パラフィンに含浸した。Leica EG 1160埋め込みステーションを使用して試料を埋め込んだ。Leica RM 2125 Minot型ミクロトームを使用して5μm厚の切片を作製し、切片をSuperfrost(登録商標)組織学的ガラススライドにマウントした。顕微鏡観察は、Leica DMLB、Olympus BX43またはBX63顕微鏡を使用して実現した。写真を、CellSensがソフトウェアを保存している数値DP72またはDP74オリンパスカメラでデジタル化した。
チミンダイマー免疫染色:紫外光は、DNA中のチミン塩基とシトシン塩基の二重結合により吸収される。この付加されたエネルギーは、結合を開き、それが隣接する塩基と反応することを可能にする。隣接基が別のチミンまたはシトシン塩基である場合、隣接基は、2つの塩基を結合するシクロブタン環を形成することができる。これらのシクロブタンダイマーは、拘束され、DNA中に共有結合架橋を形成する。これは、細胞がそのDNAを複製する必要がある場合に問題を引き起こす。DNAポリメラーゼは、活性部位に円滑に適合しないため、ダイマーを読み取るのに問題がある。チミンダイマー免疫染色を、0.05%のPBS-BSA0.3%-Tween20で1:1600に希釈したモノクローナル抗チミンダイマー抗体(Kamiya、参照MC-062、クローンKTM53)を用いてFFPE皮膚切片に対して実行し、Vectastain Kit Vector増幅システムアビジン/ビオチンを使用して室温で1時間インキュベートし、酸化されると紫色のシグナルを与えるペルオキシダーゼ(Vector laboratories、参照SK-4600)の基質であるVIPによって明らかにした。染色を、ソフトウェアCellSensを使用する画像解析によって半定量化した。
未照射バッチでは、チミンダイマーは観察されなかった。すべてのバッチについて表皮中のチミンダイマーが占める表面の百分率を図10に示す。5日目、UVBJ5において、チミンダイマーは、表皮の表面の26.5%を占めた。チミンダイマー形成に対する生成物適用の効果をUVBJ5と比較した。賦形剤は、32%の有意な増加を誘導し、P1は、1%の有意でない増加を誘導し、P2は、35%の有意な減少を誘導した。チミンダイマー形成に対する生成物適用の効果もEUVBJ5と比較した。P1は、24%の有意な減少を誘導し、P2は、51%の有意な減少を誘導した。
TUNELアッセイ:損傷したDNA(アポトーシス細胞)を、PBSで1:2に希釈したTUNEL試薬を使用して室温で1時間、細胞死のためのin situ検出キット(Merck、参照番号11 684 817 910)で染色し、POD変換器をPBSで1:4に希釈し、次いでVIP(Vector Laboratories、参照SK-4600)によって明らかにした。染色を、ソフトウェアCellSensを使用する画像解析によって半定量化した。外植片の各試料について、染色によって覆われた関心領域の百分率(染色された表面百分率)を画像分析によって決定した。処理に対する染色表面百分率(Surf%)を未処理条件と比較した=>P対T。同じ比較を、処理の有無にかかわらず照射したバッチについて行った=>例:PUVA対UVA。
すべての試料について、表皮においてアポトーシス細胞が占める表面の百分率を図11に示す。5日目に、TJ5アポトーシス細胞は、表皮の表面の5.2%を占める。UVB照射(UVBJ5対TJ5)は、表皮におけるアポトーシス細胞形成の142%の有意な増加を誘導した。アポトーシス細胞形成に対する産物適用の効果をUVBJ5と比較した。賦形剤は、78%の有意な増加を誘導し、P1は、13%の非有意な増加を誘導し、P2は、18%の非有意な増加を誘導した。
アポトーシス細胞形成に対する産物適用の効果をEUVBJ5と比較した。P1は、36%の有意な減少を誘導し、P2は、34%の有意な減少を誘導した。
結論として、(SLT-008 0.1%溶液)は、UVB照射(対EUVBJ5)時のチミンダイマーおよびアポトーシス細胞形成のレベルをそれぞれ24%および51%低下させることによって、良好なDNA保護活性を示す。P2(SLT-008 0.5%溶液)はまた、UVB照射(対EUVBJ5)時のチミンダイマーおよびアポトーシス細胞形成のレベルをそれぞれ36%および34%低下させることによって、良好なDNA保護活性を示す。
本明細書に記載された例および実施形態は、例示のみを目的としており、それに照らして様々な修正または変更が当業者に示唆され、本出願の精神および範囲ならびに添付の特許請求の範囲内に含有されるべきであることが理解される。本明細書で引用されるすべての刊行物、特許、および特許出願は、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。

Claims (31)

  1. 以下の式(I)の化合物:
    (式中、Wは、SまたはOであり、
    は、NまたはCRであり、
    は、NまたはCRであり、
    環Aは、単環または多環の炭素脂環式基、単環または多環またはヘテロ脂環式基、単環もしくは多環の炭素環式アリール基または単環もしくは多環の炭素環式アリールヘテロアリール基であり、
    各Rは、同じまたは異なる置換もしくは非置換アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、置換もしくは非置換アルコキシ、置換もしくは非置換アルキルチオ、置換もしくは非置換アルキルスルホン、または置換もしくは非置換アルキルアミンであり、
    zは、0から環Aの価数によって許容される値までの整数であり、
    およびRは、独立して、H、ハロゲン、-OH、-NH、-CN、または置換もしくは非置換アルキルであり、
    は、置換もしくは非置換の単環もしくは多環の炭素脂環式基、置換もしくは非置換の単環もしくは多環のヘテロ脂環式基、置換もしくは非置換の単環もしくは多環の炭素環式アリール基、または置換もしくは非置換の単環もしくは多環のヘテロアリール基であり、
    は、Hまたは置換もしくは非置換アルキルである)
    およびその薬学的に許容される塩。
  2. 各Rが、同じまたは異なる置換または非置換のアルキルまたはハロゲンである、請求項1に記載の化合物。
  3. 各Rが、同じまたは異なる置換または非置換のアルキルまたはクロロである、請求項1に記載の化合物。
  4. 各Rが、同じまたは異なる置換または非置換アルキルである、請求項1に記載の化合物。
  5. 環Aが、単環もしくは多環の炭素脂環式基または単環もしくは多環のヘテロ脂環式基である、請求項1~4のいずれか一項に記載の化合物。
  6. 環Aが、単環もしくは多環の炭素環式アリール基または単環もしくは多環のヘテロアリール基である、請求項1~4のいずれか一項に記載の化合物。
  7. 環Aが、単環または多環の炭素環式アリール基である、請求項1~4のいずれか一項に記載の化合物。
  8. 前記化合物が、以下の式(II):
    (式中、Wは、SまたはOであり、
    は、NまたはCRであり、
    は、NまたはCRであり、
    およびRは、独立して、H、ハロゲン、-OH、-NH、-CN、または置換もしくは非置換アルキルであり、
    は、置換または非置換の多環炭素脂環式基またはヘテロ脂環式基であり、
    およびRは、それぞれ独立して、H、置換もしくは非置換アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、置換もしくは非置換アルコキシ、置換もしくは非置換アルキルチオ、置換もしくは非置換アルキルスルホン、または置換もしくは非置換アルキルアミンであり、
    は、Hまたは置換もしくは非置換アルキルである)およびその薬学的に許容される塩である、請求項1に記載の化合物。
  9. 前記化合物が、以下の式(III):
    (式(III)中、
    Wは、SまたはOであり、
    は、置換または非置換の多環炭素脂環式またはヘテロ脂環式基であり、
    およびRは、それぞれ独立して、それぞれ独立して、H、置換もしくは非置換アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、置換もしくは非置換アルコキシ、置換もしくは非置換アルキルチオ、置換もしくは非置換アルキルスルホン、または置換もしくは非置換アルキルアミンであり、
    は、Hまたは置換もしくは非置換アルキルである)
    およびその薬学的に許容される塩である、請求項1に記載の化合物。
  10. 前記化合物が、以下の式(IV):
    (式(IV)中、
    は、置換または非置換の多環炭素脂環式またはヘテロ脂環式基であり、
    およびRは、それぞれ独立して、それぞれ独立して、H、置換もしくは非置換アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、置換もしくは非置換アルコキシ、置換もしくは非置換アルキルチオ、置換もしくは非置換アルキルスルホン、または置換もしくは非置換アルキルアミンであり、
    は、Hまたは置換もしくは非置換アルキルである)およびその薬学的に許容される塩である、請求項1に記載の化合物。
  11. およびRが、独立して置換または非置換のアルキルまたはハロゲンである、請求項8~10のいずれか一項に記載の化合物。
  12. およびRが、独立して置換または非置換のアルキルまたはクロロである、請求項8~10のいずれか一項に記載の化合物。
  13. およびRが、同じまたは異なる置換または非置換アルキルである、請求項8~10のいずれか一項に記載の化合物。
  14. 前記化合物が、以下の式(V):
    (式(V)中、
    は、置換または非置換の多環炭素脂環式またはヘテロ脂環式基である)およびその薬学的に許容される塩である、請求項1に記載の化合物。
  15. が、任意選択に置換された多環炭素脂環式基である、請求項1~14のいずれか一項に記載の化合物。
  16. が、以下の式(VIa):の構造を有する、請求項1~15のいずれか一項に記載の化合物:
    (式(VIa)中:
    mは0~5の整数であり、
    nは0~3の整数であり、
    oは0~3の整数であり、
    pは0~5の整数であり、
    各Rは、ヒドロキシル、ハロ、任意選択に置換されたアルキルまたは任意選択に置換されたヘテロアルキルなどの同じまたは異なる非水素置換基であり、
    gは0または正の整数であり、
    m、n、o、またはpのうちの少なくとも1つは、正の整数である)。
  17. が、任意選択に置換されたアダマンチル、任意選択に置換されたノルボルニル、任意選択に置換されたシクロ[2,2,2]オクタニルまたは任意選択に置換されたビシクロ[3,3,1]ノナニルである、請求項1~16のいずれか一項に記載の化合物。
  18. が、任意選択に置換された多環ヘテロ脂環式基である、請求項1~14のいずれか一項に記載の化合物。
  19. が、任意選択に置換されたチオノロニルまたは任意選択に置換されたオキソノロニルである、請求項1~14のいずれか一項に記載の化合物。
  20. 以下の化合物:
    またはその薬学的に許容される塩。
  21. 以下の化合物:
    またはその薬学的に許容される塩。
  22. 請求項1~21のいずれか一項に記載の化合物および1つ以上の薬学的に許容される担体を含む、医薬組成物。
  23. 皮膚関連障害または疾患に罹患しているかまたは罹患しやすい対象を治療するための方法であって、
    有効量の請求項1~22のいずれか一項に記載の化合物または組成物を前記対象に投与することを含む、方法。
  24. 前記対象が、皮膚関連障害または疾患を患っていると識別され、前記化合物または組成物が、前記識別された対象に投与される、請求項23に記載の方法。
  25. 酒さに罹患しているまたは罹患しやすい対象を治療するための方法であって、有効量の請求項1~22のいずれか一項に記載の化合物または組成物を対象に投与することを含む、方法。
  26. 前記対象が、酒さに罹患していると識別され、前記化合物または組成物が、前記識別された対象に投与される、請求項25に記載の方法。
  27. 前記対象が、紅斑性血管拡張性酒さ(サブタイプ1)、丘疹膿疱性酒さ(サブタイプ2)、瘤腫型酒さ(サブタイプ3)および/または眼型酒さ(サブタイプ4)に罹患している、請求項25または26に記載の方法。
  28. 前記対象が、紅斑性毛細血管拡張性酒さ(サブタイプ1)、丘疹膿疱性酒さ(サブタイプ2)、瘤腫型酒さ(サブタイプ3)および/または眼型酒さ(サブタイプ4)に罹患していると識別され、前記化合物または組成物が、前記識別された対象に投与される、請求項25または26に記載の方法。
  29. 対象の組織における色素沈着を増加させる方法であって、メラニン産生を増加させるのに十分な量の請求項1~22のいずれか一項に記載の化合物または組成物を前記対象に投与し、それによって前記対象の組織における色素沈着を増加させることを含む、方法。
  30. 前記対象の組織が、皮膚または毛髪である、請求項29に記載の方法。
  31. それを必要とする対象の皮膚組織における細胞DNA安定性を増加させる方法であって、請求項1~22のいずれか一項に記載の化合物または組成物を、前記皮膚組織の前記細胞DNAにおけるアポトーシスおよび/またはチミンダイマー形成を減少させるのに十分な量で前記対象に投与し、それによって前記対象の前記皮膚組織における細胞DNA安定性を増加させることを含む、方法。
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