JP2023543089A - 炎症性障害および自己免疫障害の治療のためのラベキシモド(rabeximod)のチオノエステル誘導体 - Google Patents

炎症性障害および自己免疫障害の治療のためのラベキシモド(rabeximod)のチオノエステル誘導体 Download PDF

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Abstract

炎症、炎症性障害または自己免疫障害の治療における使用のための化合物、2-(9-クロロ-2,3-ジメチル-6H-インドロ[2,3-b]キノキサリン-6-イル)-N-(2-(ジメチルアミノ)エチル)エタンチオアミド。

Description

本発明は、炎症、炎症性障害および自己免疫障害より選択される状態の治療のための化合物ラベキシモド(2-(9-クロロ-2,3-ジメチル-6H-インドロ[2,3-b]キノキサリン-6-イル)-N-(2-(ジメチルアミノ)エチル)アセトアミド)の誘導体に関する。
ラベキシモドは、多発性硬化症(MS)および関節リウマチ(RA)などの自己免疫障害において療法的に活性であるとして、WO2005/123741A1として公表された国際特許出願第PCT/SE2005/000718号に記載された。該化合物は、現在、RAの治療のための薬剤として臨床期にあり、有望な結果が得られている。しかし、RAなどの多様な自己免疫障害の治療のための新規薬剤に関する必要性はなおある。
WO2014/140321A1は、チオノ化(thionated)ラベキシモド、すなわち、2-(9-クロロ-2,3-ジメチル-6H-インドロ[2,3-b]キノキサリン-6-イル)-N-(2-(ジメチルアミノ)エチル)エタンチオアミド、およびその調製法、ならびに抗ウイルス剤としての該化合物の使用を記載する。
国際特許出願第PCT/SE2005/000718号(WO2005/123741A1) WO2014/140321A1
第一の側面は、炎症、および炎症性障害または自己免疫障害より選択される状態の治療における使用のための、化合物2-(9-クロロ-2,3-ジメチル-6H-インドロ[2,3-b]キノキサリン-6-イル)-N-(2-(ジメチルアミノ)エチル)エタンチオアミドまたはその医薬的に許容されうる塩である。
さらなる側面は、炎症、および炎症性障害または自己免疫障害より選択される状態の治療のための医薬品製造における、2-(9-クロロ-2,3-ジメチル-6H-インドロ[2,3-b]キノキサリン-6-イル)-N-(2-(ジメチルアミノ)エチル)エタンチオアミドまたはその医薬的に許容されうる塩の使用である。
さらなる側面は、炎症、および炎症性障害または自己免疫障害より選択される状態の治療における、2-(9-クロロ-2,3-ジメチル-6H-インドロ[2,3-b]キノキサリン-6-イル)-N-(2-(ジメチルアミノ)エチル)エタンチオアミドまたはその医薬的に許容されうる塩の使用である。
さらなる側面は、炎症、および炎症性障害または自己免疫障害より選択される状態の治療のための方法であって、こうした治療を必要とする哺乳動物に、2-(9-クロロ-2,3-ジメチル-6H-インドロ[2,3-b]キノキサリン-6-イル)-N-(2-(ジメチルアミノ)エチル)エタンチオアミドまたはその医薬的に許容されうる塩を投与することによる、前記方法である。
さらなる側面は、炎症、および炎症性障害または自己免疫障害より選択される状態の治療における使用のための、化合物2-(9-クロロ-2,3-ジメチル-6H-インドロ[2,3-b]キノキサリン-6-イル)-N-(2-(ジメチルアミノ)エチル)エタンチオアミドまたはその医薬的に許容されうる塩を含む医薬組成物である。
さらなる側面は、関節リウマチの治療における使用のための、化合物2-(9-クロロ-2,3-ジメチル-6H-インドロ[2,3-b]キノキサリン-6-イル)-N-(2-(ジメチルアミノ)エチル)エタンチオアミドまたはその医薬的に許容されうる塩、あるいは前記化合物または塩および任意選択で医薬的に許容されうる賦形剤を含む医薬組成物である。
さらなる側面は、多発性硬化症の治療における使用のための、化合物2-(9-クロロ-2,3-ジメチル-6H-インドロ[2,3-b]キノキサリン-6-イル)-N-(2-(ジメチルアミノ)エチル)エタンチオアミドまたはその医薬的に許容されうる塩、あるいは前記化合物または塩および任意選択で医薬的に許容されうる賦形剤を含む医薬組成物である。
さらなる側面は、活性酸素種(ROS)が病態形成の役割を果たす状態の治療における使用のための、化合物2-(9-クロロ-2,3-ジメチル-6H-インドロ[2,3-b]キノキサリン-6-イル)-N-(2-(ジメチルアミノ)エチル)エタンチオアミドまたはその医薬的に許容されうる塩、あるいは前記化合物または塩および任意選択で医薬的に許容されうる賦形剤を含む医薬組成物である。
本発明のさらなる側面およびその態様を、本明細書中、以下に記載する。
図1は、異なる濃度の本発明の化合物での処理を伴うまたは伴わない、30ng/mlのPMAで活性化されたPBMCにおける、相対発光単位(RLU)で測定された、活性酸素種(ROS)産生を示すグラフである。結果を3つ組試料平均値+/-SEMとして示す。 図2は、異なる濃度のラベキシモドでの処理を伴うまたは伴わない、30ng/mlのPMAで活性化されたPBMCにおける、相対発光単位(RLU)で測定された、活性酸素種(ROS)産生を示すグラフである。結果を3つ組試料平均値+/-SEMとして示す。 図3は、500ng/mlのLPSでの刺激、および312.5nM~5000nMの範囲の濃度の本発明の化合物(I)またはラベキシモド(R)のいずれかでの処理後の、全血中のTNF-αの濃度を示すグラフである。結果を2つの複製物の平均値+/-SEMとして示す。 図4は、500ng/mlのLPSでの刺激、および312.5nM~5000nMの範囲の濃度の本発明の化合物(I)またはラベキシモド(R)のいずれかでの処理後の、全血中のIL-6の濃度を示すグラフである。結果を2つの複製物の平均値+/-SEMとして示す。 図5は、500ng/mlのLPSでの刺激、および312.5nM~5000nMの範囲の濃度の本発明の化合物(I)またはラベキシモド(R)のいずれかでの処理後の、全血中のIL-1βの濃度を示すグラフである。結果を2つの複製物の平均値+/-SEMとして示す。 図6は、抗体注射の5日、7日、9日、11日、13日および15日後、本発明の化合物5mg/kg、10mg/kgまたは20mg/kg、あるいはビヒクルのみで処置したマウスにおける、コラーゲン抗体誘導性関節炎(CAIA)モデルにおける平均関節炎重症度を示し、そして最大関節炎スコアを60としてマウスの肢の巨視的スコアリング系を用いたグラフである(群あたり8匹の動物)。 図7は、抗体注射の5日、7日、9日、11日、13日および15日後、ラベキシモド5mg/kg、10mg/kgまたは20mg/kg、あるいはビヒクルのみで処置したマウスにおける、コラーゲン抗体誘導性関節炎(CAIA)モデルにおける平均関節炎重症度を示し、そして最大関節炎スコアを60としてマウスの四肢の巨視的スコアリング系を用いたグラフである(群あたり8匹の動物)。 図8は、最大関節炎スコアを3として、ビヒクルのみで、あるいは本発明の化合物またはラベキシモドのいずれか20mg/kgで処置したCAIAモデルにおける、マウスの前足の免疫組織化学的関節炎スコアを示すグラフである。 図9は、疾患誘導の5日、7日、9日、11日、13日および15日後、ラベキシモドまたは本発明の化合物のいずれか20mg/kg、あるいはビヒクルのみで処置したラットにおける、プリスタン誘導性関節炎(PIA)モデルにおける平均関節炎重症度を示し、そして最大関節炎スコアを60としてマウスの肢の巨視的スコアリング系を用いたグラフである(群あたり10匹の動物)。
用語「自己免疫障害」は、体内に通常存在する物質および組織に対する体の不適切な免疫反応(自己免疫)から生じる任意の障害を指す。こうした反応は、特定の臓器に限定されてもよいし、または異なる場所の特定の組織に関与してもよい。例示的な自己免疫障害は、急性散在性脳脊髄炎(ADEM)、アジソン病、無ガンマブロブリン血症、円形脱毛症、筋委縮性側索硬化症、強直性脊椎炎、抗リン脂質症候群、抗シンテターゼ症候群、アトピー性アレルギー、アトピー性皮膚炎、自己免疫再生不良性貧血、自己免疫心筋症、自己免疫腸疾患、自己免疫溶血性貧血、自己免疫肝炎、自己免疫内耳疾患、自己免疫リンパ増殖性症候群、自己免疫末梢性ニューロパチー、自己免疫膵炎、自己免疫多内分泌症候群、自己免疫プロゲステロン皮膚炎、自己免疫血小板減少性紫斑病、自己免疫蕁麻疹、自己免疫ブドウ膜炎、バロ病/バロ同心円性硬化症、ベーチェット病、バージャー病、ビッカースタッフ脳炎、ブラウ症候群、水疱性類天疱瘡、キャッスルマン病、セリアック病、シャーガス病、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー、慢性再発性多巣性骨髄炎、慢性閉塞性肺疾患、チャーグ・ストラウス症候群、瘢痕性類天疱瘡、コーガン症候群、寒冷凝集素病、補体成分2不全、接触性皮膚炎、頭蓋動脈炎、CREST症候群、クローン病(特発性炎症性腸疾患「IBD」の2タイプのうちの1つ)、クッシング症候群、皮膚白血球破砕性血管炎、デゴス病、ダーカム病、疱疹状皮膚炎、皮膚筋炎、I型糖尿病、びまん性皮膚全身性硬化症、ドレッサー症候群、薬剤誘導性ループス、円形状エリテマトーデス、湿疹、子宮内膜症、腱付着部炎関連関節炎、好酸球性筋膜炎、好酸球性胃腸炎、後天性表皮水疱症、結節性紅斑、胎児赤芽球症、本態性混合型クリオグロブリン血症、エバンス症候群、進行性骨化性線維異形成症、線維性肺胞炎(または特発性肺線維症)、胃炎、胃腸類天疱瘡、糸球体腎炎、グッドパスチャー症候群、グレーブス病、ギラン・バレー症候群(GBS)、橋本脳症、橋本甲状腺炎、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病、妊娠性疱疹(別名妊娠性類天疱瘡)、化膿性汗腺炎、ヒューズ・ストービン症候群、低ガンマグロブリン血症、特発性炎症性脱髄疾患、特発性肺線維症、特発性血小板減少性紫斑病、IgA腎症、封入体筋炎、慢性炎症性脱髄性多発性ニューロパチー、間質性膀胱炎、若年性特発性関節炎(別名若年性関節リウマチ)、川崎病、ランバート・イートン筋無力症候群、白血球破砕性血管炎、扁平苔癬、硬化性苔癬、線状IgA病(LAD)、ルポイド肝炎(別名自己免疫肝炎)、エリテマトーデス、マジード症候群、メニエール病、顕微鏡的多発血管炎、混合性結合組織病、モルフェア、ムッハ・ハーベルマン病(別名急性痘瘡状苔癬状粃糠疹)、多発性硬化症、重症筋無力症、筋炎、ナルコレプシー、視神経脊髄炎(デビック病とも)、神経性筋強直症、目の瘢痕性類天疱瘡、眼球クローヌス・ミオクローヌス症候群、オード甲状腺炎、回帰性リウマチ、PANDAS(連鎖球菌関連小児自己免疫神経精神障害)、傍腫瘍性小脳変性症、発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)、パリー・ロンバーグ症候群、パーソネージ・ターナー症候群、毛様体扁平部炎、尋常性天疱瘡、悪性貧血、静脈周囲脳脊髄炎、POEMS症候群、結節性多発動脈炎、リウマチ性多発筋痛症、多発性筋炎、原発性胆汁性肝硬変、原発性硬化性胆管炎、進行性炎症性ニューロパチー、乾癬、乾癬性関節炎、壊疽性膿皮症、赤芽球癆、ラスムッセン脳炎、レイノー現象、再発性多発軟骨炎、ライター症候群、下肢静止不能症候群、後腹膜線維症、関節リウマチ、リウマチ熱、サルコイドーシス、統合失調症、シュミット症候群APS別型、シュニッツァー症候群、強膜炎、強皮症、血清病、シェーグレン症候群、脊椎関節症、スティッフパーソン症候群、亜急性細菌性心内膜炎(SBE)、スザック症候群、スイート症候群、交感性眼炎、全身性エリテマトーデス、高安動脈炎、側頭動脈炎(「巨細胞動脈炎」としても知られる)、血小板減少症、トロサ・ハント症候群、横断性脊髄炎、潰瘍性大腸炎(特発性炎症性腸疾患「IBD」の2タイプのうちの1つ)、混合型結合組織病とは異なる未分化結合組織病、未分化脊椎関節症、蕁麻疹様血管炎、血管炎、回転性めまい、およびウェゲナー肉芽腫症である。
用語「炎症」は、本明細書において使用する際、急性炎症(過剰炎症を含む)および慢性炎症を指してもよい。
慢性炎症は、無効な急性炎症反応に続いてもよいし、または臨床的に明らかな急性期を伴わなくてもよい。慢性炎症は、炎症の主要な徴候(発赤、腫脹、疼痛、および体温上昇)の全般的な欠如によって、そして免疫反応および修復の組織所見を可能にするために十分な期間であることにより、急性炎症とは区別される。慢性炎症には、しばしば、線維症による広範な組織壊死および組織修復が付随する。
用語「炎症性障害」は、典型的には白血球浸潤によって引き起こされる、炎症と関連する病的状態を指す。炎症性障害は、急性または慢性であってもよい。例示的な炎症性障害には、限定なしに、乾癬およびアトピー性皮膚炎を含む炎症性皮膚疾患、全身性強皮症および硬化症、炎症性腸疾患(IBD)と関連する反応(例えばクローン病および潰瘍性大腸炎)、外科的組織再灌流傷害を含む虚血再灌流障害、心筋虚血状態、例えば心筋梗塞、心不全、心臓手術後の再灌流および経皮経管冠状動脈形成術後の収縮、脳卒中、および腹大動脈動脈瘤、脳卒中に続発する脳浮腫、頭蓋外傷、血液量減少性ショック、窒息、成人呼吸促拍症候群、急性肺傷害、ベーチェット病、皮膚筋炎、多発性筋炎、多発性硬化症(MS)、皮膚炎、髄膜炎、脳炎、ブドウ膜炎、変形性関節症、ループス腎炎、自己免疫疾患、例えば関節リウマチ(RA)、シェーグレン症候群、血管炎、白血球血管外漏出を伴う疾患、中枢神経系(CNS)炎症性障害、敗血症または外傷に続発する多臓器傷害症候群、アルコール性肝炎、細菌性肺炎、糸球体腎炎を含む抗原・抗体複合体仲介性疾患、敗血症、サルコイドーシス、組織または臓器移植に対する免疫病原性反応、胸膜炎、肺胞炎、血管炎、肺炎、慢性気管支炎、気管支拡張症、びまん性汎細気管支炎、過敏性間質性肺炎、特発性肺線維症(IPF)、および嚢胞性線維症を含む肺の炎症等が含まれる。
用語、炎症性障害はまた、過剰炎症によって引き起こされるかまたは過剰炎症に関連する障害、例えば過剰炎症症候群も指す。
用語「過剰炎症症候群」には、免疫不全関連過剰炎症症候群、マクロファージ活性化症候群、感染関連症候群(例えばcovid-19関連)、悪性腫瘍関連過剰炎症症候群より選択される症候群が含まれる。
「療法的有効量」は、疾患状態を治療するため、被験体に投与した際、疾患状態の治療において療法効果を達成するために十分である化合物の量を意味する。「療法的有効量」は、化合物、治療されている疾患状態、治療される疾患の重症度、被験体の年齢および相対的健康状態、投与経路および投与型、主治医または獣医師の判断等に応じて多様であろう。療法的効果は、客観的(すなわち何らかのテストまたはマーカーによって測定可能)または主観的(すなわち被験体が効果の徴候を提供し、そして/または効果を感じる)な方式で観察されうる。
用語「賦形剤」は、医学的剤の投与を補助することが薬学業の一般的な当業者に知られるものなどの、医薬的に許容されうる化学物質を指す。賦形剤は、医薬組成物を調製する際に有用であり、一般的に安全で、非毒性であり、そして生物学的にまたはほかの意味で望ましくないものではなく、そして獣医学的使用ならびにヒト医薬的使用に許容されうる賦形剤を含む。例示的な賦形剤には、結合剤、界面活性剤、希釈剤、崩壊剤、抗接着剤、および潤滑剤が含まれる。
「医薬的に許容されうる」は、全般的に安全で、非毒性である医薬組成物を調製する際に有用であることを意味し、そして獣医学的使用ならびにヒト医薬的使用に有用であることを含む。
本発明記載の使用のための化合物、すなわち2-(9-クロロ-2,3-ジメチル-6H-インドロ[2,3-b]キノキサリン-6-イル)-N-(2-(ジメチルアミノ)エチル)エタンチオアミドは、本明細書において、また、「本発明の化合物」(compound of the invention)または「発明化合物」「inventive compound)とも称される。該化合物は、構造式(I)によって示される。
Figure 2023543089000001
本発明の化合物は、本明細書において、上に定義するような状態の治療に有用である。いくつかの態様において、状態は炎症または炎症性障害、例えば慢性炎症または慢性炎症性障害である。いくつかの態様において、状態は炎症、例えば慢性炎症である。いくつかの態様において、状態は急性炎症である。いくつかの態様において、状態は過剰炎症である。いくつかの態様において、状態は炎症性障害、例えば慢性炎症性障害である。いくつかの態様において、状態は過剰炎症症候群、例えば感染関連過剰炎症症候群、例えば呼吸器疾患、例えば肺炎またはcovid-19、特にcovid-19と関連する過剰炎症症候群である。いくつかの態様において、状態は自己免疫障害である。いくつかの特定の態様において、状態は関節リウマチである。いくつかのさらなる特定の態様において、状態は多発性硬化症である。
関節リウマチおよび多発性硬化症は、各々、炎症性障害および自己免疫障害の両方として分類されうることが注目される。
その結果、本発明の1つの側面は、本明細書において言及するような、状態の治療における使用のための、2-(9-クロロ-2,3-ジメチル-6H-インドロ[2,3-b]キノキサリン-6-イル)-N-(2-(ジメチルアミノ)エチル)エタンチオアミド、またはその医薬的に許容されうる塩、および任意選択で医薬的に許容されうる賦形剤を含む、医薬組成物である。
意図される医薬的使用は、哺乳動物、好ましくはヒトの治療のためであるが、また、動物、例えばペット動物、例えばイヌまたはネコ、あるいは農場動物、あるいは実験動物、または例えばウマも含む。いくつかの態様において、哺乳動物は、ヒト、例えば関節リウマチを患うヒトである。いくつかの態様において、哺乳動物は、多発性硬化症を患うヒトである。いくつかの他の態様において、哺乳動物は、ペット動物、例えばイヌである(イヌにおける炎症性障害または自己免疫障害は、例えば関節リウマチ、肉芽腫性髄膜脳脊髄炎、または変性性脊髄症でありうる)。したがって、いくつかの態様において、哺乳動物は、関節リウマチを患うイヌである。いくつかの他の態様において、哺乳動物は、肉芽腫性髄膜脳脊髄炎を患うイヌである。
いくつかのさらなる態様において、哺乳動物は、ウマ、例えば関節リウマチを患うウマである。哺乳動物が動物である態様において、「医薬的に許容されうる」などの表現は、対応する獣医学的使用等に許容されうることを指すと理解されるべきである。
本明細書において、表現「本発明の化合物」または「発明の化合物」または「発明化合物」は、2-(9-クロロ-2,3-ジメチル-6H-インドロ[2,3-b]キノキサリン-6-イル)-N-(2-(ジメチルアミノ)エチル)エタンチオアミドを指すが、別に示すかまたは背景から明らかでない限り、前記化合物の医薬的に許容されうる塩もまた指すと見なされなければならない。いくつかの態様において、化合物は、「遊離塩基」の形、すなわち非塩型で用いられる。
いくつかの態様において、本発明の化合物は、医薬的に許容されうる塩の形で提供されてもよい。本発明の化合物の酸付加塩は、それ自体知られる方式で、アルカリなどの塩基性剤を用いて、またはイオン交換によって、遊離塩基に変換されてもよい。得られた遊離塩基はまた、有機酸または無機酸と塩を形成してもよい。本発明の化合物のアルカリ付加塩は、それ自体知られる方式で、酸性剤を用いることによって、またはイオン交換によって、遊離酸に変換されてもよい。得られた遊離酸はまた、有機塩基または無機塩基と塩を形成してもよい。
酸または塩基付加塩の調製において、好ましくは、適切に療法的に許容されうる塩を形成する酸または塩基を用いる。こうした酸の例は、ハロゲン化水素酸(hydrohalogen acids)、硫酸、リン酸、硝酸、脂肪族、脂環、芳香族または複素環カルボン酸またはスルホン酸、例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、ピルビン酸、p-ヒドロキシ安息香酸、エンボン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ヒドロキシエタンスルホン酸、ハロゲンベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸またはナフタレンスルホン酸である。塩基付加塩には、無機塩基、例えば水酸化、炭酸、重炭酸アンモニウムまたはアルカリまたはアルカリ土類金属等、ならびに有機塩基、例えばアルコキシド、アルキルアミド、アルキルおよびアリールアミン等に由来するものが含まれる。本発明の塩を調製する際に有用な塩基の例には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、炭酸カリウム等が含まれる。
本発明の場合は本発明の化合物である活性物質、またはその医薬的に許容されうる塩を、慣用的医薬賦形剤と合わせることにより、医薬配合物を調製してもよい。顆粒化、圧縮、マイクロカプセル化、スプレーコーティング等の既知の方法によって、配合物をさらに調製してもよい。慣用的方法によって、錠剤、カプセル、顆粒、粉末、シロップ、懸濁物、座薬または注射の投薬型で配合物を調製してもよい。水または他の適切なビヒクル中に活性物質を溶解するかまたは懸濁することによって、液体配合物を調製してもよい。錠剤および顆粒を慣用的方式でコーティングしてもよい。
臨床的使用のため、本発明の化合物を、経口、直腸、非経口または他の投与形式のための医薬配合物に配合する。意図される使用のためのこれらの医薬調製物は、本発明のさらなる目的である。
通常、活性化合物の有効量は、調製物重量の0.1~95%の間、好ましくは非経口使用用の調製物重量の0.2~20%の間、および好ましくは経口投与用の調製物重量の1~50%の間である。
本発明の化合物の用量レベルおよび投薬頻度は、使用する本発明の化合物の強度、その化合物の代謝安定性および作用期間、患者の年齢、体重、全身の健康状態、性別、食餌、投与様式および投与時間、排出率、薬剤組み合わせ、治療しようとする状態の重症度、ならびに療法を経る患者を含む多様な要因に応じて多様であろう。1日投薬量は、例えば、体重キログラムあたり約0.001mg~約100mgの範囲であり、単回用量または複数回用量で投与される、例えば約0.01mgから約25mgであってもよい。通常、こうした投薬は経口で投与されるが、非経口投与もまた選択されてもよい。
経口投与用の投薬単位の形で本発明の化合物を含有する医薬配合物の調製において、化合物を、固体、粉末成分、例えばラクトース、ショ糖、ソルビトール、マンニトール、デンプン、アミロペクチン、セルロース誘導体、ゼラチン、または別の適切な成分、ならびに崩壊剤および潤滑剤、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリルフマル酸ナトリウムおよびポリエチレングリコールワックスと混合してもよい。次いで、混合物を顆粒にプロセシングするか、または錠剤に圧縮する。
ソフトゼラチンカプセルを、本発明の活性化合物、植物油、脂肪、またはソフトゼラチンカプセルに適した他のビヒクルの混合物を含有するカプセルで調製してもよい。ハードゼラチンカプセルは、活性化合物の顆粒を含有してもよい。ハードゼラチンカプセルはまた、固体粉末成分、例えばラクトース、ショ糖、ソルビトール、マンニトール、ジャガイモデンプン、トウモロコシデンプン、アミロペクチン、セルロース誘導体またはゼラチンと組み合わせた本発明の化合物も含有してもよい。
直腸投与のための投薬単位を、(i)中性脂肪ベースと混合された活性物質を含有する座薬の形;(ii)植物油、パラフィン油またはゼラチン直腸カプセルに適した他のビヒクルとの混合物中、活性物質を含有するゼラチン直腸カプセルの形;(iii)既製品マイクロ浣腸剤(micro enema)の形;または(iv)投与直前に適切な溶媒中で再構成される、乾燥マイクロ浣腸配合物の形で、調製してもよい。
経口投与用の液体調製物を、シロップまたは懸濁物の形、例えば重量0.2%~20%の活性成分、ならびに糖または糖アルコールならびにエタノール、水、グリセロール、プロピレングリコールおよびポリエチレングリコールの混合物からなる残りを含有する溶液または懸濁物の形で調製してもよい。所望の場合、こうした液体調製物は、着色剤、フレーバー剤、サッカリンおよびカルボキシメチルセルロースまたは他の増粘剤を含有してもよい。経口投与用の液体調製物をまた、使用前に適切な溶媒で再構成される乾燥粉末の形で調製してもよい。
非経口、例えば静脈内投与用の溶液を、好ましくは重量0.1%~10%の濃度の、医薬的に許容されうる溶媒中の本発明の化合物の溶液として調製してもよい。これらの溶液はまた、安定化成分および/または緩衝成分も含有してもよく、そしてアンプルまたはバイアルの形で、単位用量に分配される。非経口投与用の溶液を、使用直前に適切な溶媒で再構成される乾燥調製物として調製してもよい。
本発明には、少なくとも1つの医薬的に許容されうる賦形剤、例えばキャリアー、および任意選択で他の療法的および/または予防的成分とともに、本明細書に定義されるような状態の治療において使用するための本発明の化合物の療法的有効量を含む、医薬組成物が含まれる。
本発明記載の医薬組成物は、哺乳動物(特にヒト)への、局所(局在性)または全身性投与、例えば経腸投与、例えば直腸または経口投与、あるいは非経口投与用であってもよく、そして医薬的に許容されうる賦形剤、例えば医薬的に許容されうるキャリアーと関連して、活性成分として本発明記載の化合物またはその医薬的に許容されうる塩の療法的有効量を含む。活性成分の療法的有効量は、本明細書において上に定義されるとおりであり、そして、例えば哺乳動物種、体重、年齢、個体の状態、個体の薬力学的データ、治療しようとする疾患および投与様式に応じる。
経腸、例えば経口投与のため、本発明の化合物を非常に多様な投薬型で配合してもよい。医薬的に許容されうるキャリアーは、固体または液体のいずれであってもよい。固体型調製物には、粉末、錠剤、丸剤、ロゼンジ、カプセル、カシェ剤、座薬、および分散性顆粒が含まれる。固体キャリアーは、希釈剤、フレーバー剤、可溶化剤、潤滑剤、懸濁剤、結合剤、保存剤、錠剤崩壊剤、または被包材料としても作用しうる、1つまたはそれより多い物質であってもよい。粉末では、キャリアーは、一般的に、細分割された活性構成要素との混合物である、細分割固体である。錠剤では、活性構成要素を、一般的に、適切な比率で、必要な結合能を有するキャリアーと混合し、そして所望の形状およびサイズで圧縮する。適切なキャリアーには、限定されるわけではないが、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、糖、ラクトース、ペクチン、デキストリン、デンプン、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、低融点ワックス、ココアバター等が含まれる。活性化合物の配合は、キャリアーとしての被包材料を含んでもよく、キャリアーを含みまたは含まず、活性構成要素が、関連するキャリアーに囲まれたカプセルを提供してもよい。
経口投与に適した他の型には、エマルジョン、シロップ、エリキシル、水溶液、水性懸濁物を含む液体型調製物、あるいは使用直前に、液体型調製物に変換されるよう意図される固体型調製物が含まれる。エマルジョンは、溶液中、例えば水性プロピレングリコール溶液中で調製されてもよいし、あるいは乳化剤、例えばレシチン、モノオレイン酸ソルビタンまたはアカシアを含有してもよい。活性構成要素を水に溶解し、そして適切な着色剤、フレーバー、安定化剤、および増粘剤を添加することによって、水溶液を調製してもよい。細分割活性構成要素を、粘性物質、例えば天然ゴムまたは合成ゴム、樹脂、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、および他の周知の懸濁剤を含む水中に分散させることによって、水性懸濁物を調製してもよい。固形型調製物には、溶液、懸濁物、およびエマルジョンが含まれ、そして活性構成要素に加えて、着色剤、フレーバー、安定化剤、緩衝剤、人工甘味料および天然甘味料、分散剤、増粘剤、可溶化剤等を含有してもよい。
直腸投与のための例示的な組成物には、例えば通常の温度では固体であるが、直腸腔で液体化および/または溶解して、薬剤を放出する、適切な非刺激性賦形剤、例えばココアバター、合成グリセリドエステルまたはポリエチレングリコールを含有してもよい座薬が含まれる。
本発明の化合物はまた、例えば吸入、注射または注入によって、例えば静脈内、動脈内、骨内、筋内、脳内、脳室内、滑膜内、胸骨内、クモ膜下腔内、病変内、頭蓋内、皮内および皮下注射または注入によって、非経口的に投与されてもよい。
したがって、非経口投与のため、本発明の医薬組成物は、例えば無菌水性または油性懸濁物として、無菌注射可能または注入可能調製物の形であってもよい。この懸濁物を、適切な分散剤または湿潤剤(例えばTween(登録商標)80)、および懸濁剤を用いて、当該技術分野に知られる技術にしたがって、配合してもよい。無菌注射可能または注入可能調製物はまた、非毒性の非経口的に許容されうる希釈剤または溶媒中の無菌注射可能または注入可能溶液または懸濁物であってもよい。例えば、医薬組成物は、1,3-ブタンジオール中の溶液であってもよい。本発明の組成物において使用されうる、許容されうるビヒクルおよび溶媒の他の例には、限定されるわけではないが、マンニトール、水、リンゲル溶液および等張性塩化ナトリウム溶液が含まれる。さらに、無菌固定油が溶媒または懸濁媒体として慣用的に使用される。この目的のため、合成モノまたはジグリセリドを含む、任意の無刺激固定油を使用してもよい。脂肪酸、例えばオレイン酸およびそのグリセリド誘導体は、注射可能物の調製において有用であり、天然の医薬的に許容されうる油、例えばオリーブオイルまたはひまし油、特にそのポリオキシエチル化型も同様である。これらの油溶液または懸濁物はまた、長鎖アルコール希釈剤または分散剤も含有してもよい。
非経口使用のための溶液はまた、適切な安定化剤、および必要な場合、緩衝剤物質も含有してもよい。適切な安定化剤には、抗酸化剤、例えば、単独または組み合わせのいずれかの、重硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウムまたはアスコルビン酸、クエン酸およびその塩およびナトリウムEDTAが含まれる。非経口溶液はまた、保存剤、例えば塩化ベンザルコニウム、メチルまたはプロピルパラベン、およびクロロブタノールも含有してもよい。
吸入または鼻投与のため、適切な医薬配合物は、粒子、エアロゾル、粉末、ミストまたは小滴であり、例えば直径約10μmまたはそれ未満の平均サイズを持つ。例えば、吸入用の組成物は、ベンジルアルコールまたは他の適切な保存剤、生物学的利用能を増進する吸収促進剤、フルオロカーボン、および/または当該技術分野に知られる他の安定化剤または分散剤を使用して、生理食塩水中の溶液として調製されてもよい。
本発明の医薬組成物はまた、局所で、例えば皮膚にまたは粘膜に投与されてもよい。局所適用のため、医薬組成物は、例えば、ローション、ジェル、ペースト、チンキ剤、経皮パッチ、経粘膜送達のためのジェルであってもよい。
組成物を、キャリアー中に懸濁または溶解された活性構成要素を含有する適切な軟膏で配合してもよい。本発明の化合物の局所投与のためのキャリアーには、限定されるわけではないが、ミネラルオイル、液化石油ガス、白色ワセリン、プロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン化合物、乳化ワックスおよび水が含まれる。あるいは、医薬組成物は、キャリアー中に懸濁または溶解された活性化合物を含有する適切なローションまたはクリームとして配合されてもよい。適切なキャリアーには、限定されるわけではないが、ミネラルオイル、モノステアリン酸ソルビタン、ポリソルベート60、セチルエステルワックス、セタリール(cetaryl)アルコール、2-オクチルドデカノール、ベンジルアルコールおよび水が含まれる。本発明の医薬組成物はまた、直腸座薬配合物によって、または適切な浣腸配合物中で、下部腸管に局所適用されてもよい。
適切な医薬賦形剤、例えばキャリアー、および医薬投薬型を調製する方法は、薬剤配合の技術分野における標準的な参照テキストである、Remington’s Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Companyに記載される。
医薬組成物は、およそ1%~およそ95%、好ましくはおよそ20%~およそ90%の本発明の化合物を、少なくとも1つの医薬的に許容されうる賦形剤とともに含んでもよい。一般的に、本発明の化合物は、類似の有用性を提供する剤に関する投与の許容された任意の様式によって、療法的有効量で投与されるであろう。適切な1日投薬量は、治療しようとする疾患の重症度、患者の年齢および相対的健康状態、用いる化合物の強度、投与経路および投与型、ならびに投与が指示される徴候等に応じて、典型的には、1~1000mg、例えば1日1~500mg、または1日1~50mgの範囲である。こうした疾患を治療する技術分野の一般の当業者は、過度の実験なしに、そして個人的知識および本出願の開示に基づいて、所定の疾患に関する本発明の化合物の療法的有効量を理解可能であろう。本発明の化合物を、経腸または非経口投与に適したものを含む医薬配合物として投与してもよい。投与の好ましい方式は、一般的に、例えば苦痛の度合いにしたがって調整可能な、好適な1日投薬措置を用いた経口投与である。
本発明の化合物を、1つまたはそれより多いさらなる療法活性剤と組み合わせて用いるかまたは投与してもよい。構成要素は、同時にまたは連続して投与するための同じ配合物または別個の配合物中にあってもよい。
したがって、本発明のさらなる側面において:
(A)本明細書に定義するような状態の治療における使用のための本発明の化合物;および
(B)別の療法剤
を含む、組み合わせ産物であって;それによって(A)および(B)が医薬的に許容されうる賦形剤と混合されて配合される、前記組み合わせ産物を提供する。
こうした組み合わせ産物は、他の療法剤と組み合わされた本発明の化合物の投与を提供し、そしてしたがって、こうした配合物の少なくとも1つが本発明の化合物を含み、そして少なくとも1つが他の療法剤を含む、別個の配合物として提示されてもよいし、または組み合わせた調製物として提示され(すなわち配合され)(すなわち本発明の化合物および他の療法剤を含む単一の配合物として提示され)ても、いずれでもよい。
したがって:
(1)本明細書に定義するような状態の治療における使用のための本発明の化合物、別の療法剤、および医薬的に許容されうる賦形剤、例えばアジュバント、希釈剤またはキャリアーを含む医薬配合物;または
(2)パーツのキットであって、構成要素として:
(a)医薬的に許容されうる賦形剤、例えばアジュバント、希釈剤またはキャリアーと混合された、本明細書に定義するような状態の治療における使用のための本発明の化合物を含む医薬配合物;および
(b)医薬的に許容されうる賦形剤、例えばアジュバント、希釈剤またはキャリアーと混合された、別の療法活性剤を含む医薬配合物
を含み、構成要素(a)および(b)が各々、もう一方との組み合わせ投与に適した型で提供される、前記パーツのキット
をさらに提供する。
いくつかの態様において、本発明の化合物は、さらなる療法的に有用な化合物と組み合わされた、炎症または炎症性障害の治療において用いられる。例えば、いくつかの態様において、本発明の化合物は、同じ炎症性障害に関して確立された活性を有するさらなる剤と組み合わされて、炎症性障害の治療のために用いられる。
いくつかの態様において、本発明の化合物は、さらなる療法的に有用な化合物と組み合わされて、自己免疫障害の治療において用いられる。例えば、いくつかの態様において、本発明の化合物は、同じ自己免疫障害に関して確立された活性を有するさらなる剤と組み合わされて、自己免疫障害の治療のために用いられる。
いくつかの態様において:
(1)本明細書に定義するような状態の治療における使用のための本発明の化合物、さらなる療法的活性剤、および医薬的に許容されうる賦形剤、例えばアジュバント、希釈剤またはキャリアーを含む医薬配合物;または
(2)パーツのキットであって、構成要素として:
(a)医薬的に許容されうる賦形剤、例えばアジュバント、希釈剤またはキャリアーと混合された、本明細書に定義するような状態の治療における使用のための本発明の化合物を含む医薬配合物;および
(b)医薬的に許容されうる賦形剤、例えばアジュバント、希釈剤またはキャリアーと混合された、さらなる療法剤を含む医薬配合物
を含み、構成要素(a)および(b)が各々、もう一方との組み合わせ投与に適した型で提供される、前記パーツのキット
をさらに提供する。
いくつかの態様において、状態は関節リウマチであり、そしてこうした態様において、さらなる化合物は、例えば、関節リウマチの治療用の他の剤、疾患修飾抗リウマチ薬剤(DMARD)、例えばメトトレキセート、レフルノミド、ヒドロキシクロロキンまたはスルファサラジン;生物学的治療剤、例えばエタネルセプトまたはインフリキシマブ;JAK阻害剤、例えばトファシチニブまたはバリシチニブより選択されてもよい。いくつかの態様において、さらなる化合物はまた、鎮痛剤、例えばパラセタモール、非ステロイド抗炎症薬剤(NSAID)、例えばイブプロフェン、ナプロキセンまたはジクロフェナク;あるいはステロイド、例えばプレドニゾロンであってもよい。
任意の上記パーツキットの構成要素(a)および(b)は、同時に、連続して、または互いに別個に投与されてもよい。
本明細書に示すように、本発明の化合物は、細胞内活性酸素種が関与する多様な障害、例えば多様な炎症性または自己免疫障害、例えば関節リウマチおよび多発性硬化症の治療において、療法効果に寄与しうる、活性酸素種に対する抗酸化効果を有する。したがって、いくつかの態様において、本発明の化合物は、細胞内活性酸素種が関与する障害、または細胞内活性酸素種が病態形成に役割を果たす障害、例えば関節リウマチまたは多発性硬化症の治療において提供される。
本発明の化合物は、サイトカインが病的影響を有しうる障害の治療に有用性を与える、抗サイトカイン効果をさらに有する。したがって、いくつかの態様において、本発明の化合物は、サイトカイン、例えばTNF-α、IL-1βおよびIL-6が病態形成の影響を有する障害、例えば炎症性障害および/または自己免疫障害、例えば関節リウマチおよび多発性硬化症の治療に有用であるように、抗サイトカイン療法における使用のために提供される。
本明細書に言及するような障害の治療における使用のための本発明の化合物8は、以下の一般的な反応スキーム:
Figure 2023543089000002
にしたがって、チオノ化剤の存在下で、ラベキシモド3のチオノ化によって調製されてもよい。
反応は、任意の適切なチオノ化剤、例えばP・2CNまたはローソン試薬(CAS番号19172-47-5)の使用によって、ラベキシモドのオキソ官能をチオノ官能に変換する(酸素原子を硫黄原子によって置換する)工程を含む。しかし、好ましくは、チオノ化剤として、P・2CNを用いる。チオノ化ラベキシモドは、したがって、9-クロロ-2,3-ジメチル-6H-インドロ[2,3-b]キノキサリンの陰イオンと、α-ハロゲン化(例えばα-臭素付加またはα-塩素付加)メチルアセテートまたはエチルアセテートの反応後、得られたエステルと過剰なN,N-ジメチルエタン-1,2-ジアミンの縮合、および好ましくはスルホランを含む液体反応媒体中、例えばスルホラン中の、適切なチオノ化剤、例えばP・2CNを用いた、得られた産物のチオノ化を含む、多工程プロセスで調製されてもよい。9-クロロ-2,3-ジメチル-6H-インドロ[2,3-b]キノキサリンの陰イオンを、例えば溶媒媒体、例えばアセトン中で、非常に過剰な強塩基、例えば炭酸カリウムと、前記キノキサリンを接触させることによって、調製してもよい。例えば、ラベキシモドを反応スキーム1に例示するような反応で調製してもよい。
Figure 2023543089000003
反応スキーム1に例示する反応において、9-クロロ-2,3-ジメチル-6H-インドロ[2,3-b]キノキサリン(4)を、アセトン中の非常に過剰な炭酸カリウムで、その陰イオンに変換し、そしてクロロ酢酸メチルでアルキル化して、エステル6を得る。6と2-ジメチル-アミノエチルアミンを最終加熱(110℃、1時間)して、高収率でラベキシモド3を得る。化合物8を調製するための多工程プロセスは、酸性媒体、例えば酢酸中、適切な期間、例えば8時間、5-クロロイサチンおよび4,5-ジメチルフェニレンジアミンを加熱する工程を含み、それによって2,3-ジメチル-9-クロロ-6H-インドロ[2,3-b]キノキサリンを得て、この化合物を続いて用いて、本明細書に上述するようなラベキシモドを得た後、ラベキシモドをチオノ化する。したがって、いくつかの場合、多工程プロセスは、反応スキーム2に例示するような反応において、出発物質4として用いられる、2,3-ジメチル-9-クロロ-6H-インドロ[2,3-b]キノキサリンを調製する工程を含む。
Figure 2023543089000004
ラベキシモド3のチオノ化は、スルホランなどの溶媒中、チオノ化剤7としてP・2CNを使用して、化合物8を得ることによって、反応スキーム3で例示されるように行われてもよい。
Figure 2023543089000005
上記に例示する多工程プロセスの反応は、本明細書において、以下により詳細に記載される。
別に示さない限り、すべての反応を空気大気下で行った。すべての商業的に入手可能な試薬は、さらなる精製なしに受け取ったまま用いた。H NMRおよび13N NMRスペクトルを、Bruker Avance/500(H:500MHz、13C:125MHz、25℃)上で記録した。融点をMettler Toledo DSC上で測定した。FT-IRスペクトルを、Thermo Nicolet Nexus 470 FTIR分光計上で記録した。反応を高性能液体クロマトグラフィ(HPLC)(Waters、Symmetry shield RP8、可動相A:95%アセトニトリル、5%水、0.1%ギ酸、可動相A:5%アセトニトリル、95%水、0.1%ギ酸)によって監視した。元素分析を、Mikroanalytisches Laboratorium Kolbe、D-46047 Oberhausenによって行った。
2,3-ジメチル-9-クロロ-6H-インドロ[2,3-b]キノキサリン4
酢酸(50mL)中の4,5-ジメチルフェニレンジアミン(7.42g、0.053mol)の溶液を、酢酸(150mL)中の5-クロロイサチン(10.0g、0.053mol)の溶液に添加した。4の合成のための2つの構成要素を熱酢酸中で混合すると、数分以内に5の沈殿物が形成され、これはゆっくりと4に変換された。こうして形成されたスラリーを、H NMRによって決定されるように、完全に変換されるまで還流で処理した(8時間)。混合物を冷却し、形成された固体を収集し、エタノールで洗浄し、そして乾燥させた。未精製物質をN-メチルピロリドンから再結晶化した。収率53%(7.9g)、mp390~393℃。
Figure 2023543089000006
メチルエステル6
クロロ酢酸メチル(4.1g、37.1mmol)を、アセトン(200mL)中の4のスラリー(10g、33.7mmol)およびKCO(46.5g、333mmol)に添加した。混合物を還流温度でHPLCによる完全変換まで(~8時間)処理した。スラリーを室温に冷却し、そして水に注いだ。こうして形成された黄色固体を収集し、水で洗浄し、そして乾燥させた。未精製産物を次の工程に用いた。少量の試料をテトラヒドロフランから再結晶化した。収率98%(11.9g)、mp 271~274℃。
Figure 2023543089000007
ラベキシモド3
エステル6(0.5g、1.4mol)を、N,N-ジメチルアミノエチルアミン(4mL、17.4mmol)に添加した。還流温度の期間後、反応混合物を濃縮し、そして水を添加した。形成された固体を収集し、熱エタノールで洗浄し、そして再びエタノールで洗浄し、そして乾燥させた。収率:80%(0.45g)、mp 219~224℃。
Figure 2023543089000008
2-(9-クロロ-2,3-ジメチル-6H-インドロ[2,3-b]キノキサリン-6-イル)-N-(2-(ジメチルアミノ)エチル)エタンチオアミド(チオノ化ラベキシモド)
ラベキシモド(5.6g、13.7mmol)および試薬7(5.2g、13.7mmol)およびスルホラン(45mL)を、完全変換まで(~0.5時間)、110℃で処理した。溶液を室温に冷却して、そして水(150mL)に注いだ。形成された固体を収集し、そして水(50mL)で洗浄し、水酸化アンモニウム(1.25%、100mL)および水(50mL)で希釈し、そして乾燥させた。純度:97%(HPLCによる)。収率92%、5.52g、mp 184~188℃。
Figure 2023543089000009
in vitroアッセイ
イソルミノールアッセイ
酸素代謝は、関節リウマチおよび多発性硬化症の両方の病態形成において重要な役割を果たす。細胞性酸化的リン酸化の過程で、そして酸化バースト中の活性化食作用性細胞によって産生される活性酸素種(ROS)は、生理学的緩衝能を超え、そして酸化性ストレスを生じる。ROSの過剰な産生は、タンパク質、脂質、核酸、およびマトリックス構成要素に損傷を与えうる。ROSはまた、滑膜炎症・増殖反応を増幅する重要な細胞内シグナル伝達分子としても働く。酸化性ストレスは、タンパク質およびプロテオソーム分解に対する影響を通じて、RAにおいて、T細胞低反応性を誘導することが示されてきている。最後に、抗酸化剤は、動物モデルにおいて、関節炎を寛解させることが示されてきている。本アッセイは、試験化合物がROSを減少させる能力を示す。
LPSアッセイ
炎症は、多様なサイトカインの放出によって現されるように、LPSでの刺激によってin vitroで誘導されうる。このアッセイは、ヒト全血におけるLPS誘導性サイトカイン放出に対する本発明の化合物のin vitro抗炎症有効性を示す。TNF-α、IL1βおよびIL-6は、RAおよびMSの病態形成において重要なサイトカインであり、そしてしたがって、本アッセイにおいて選択される。
材料および方法
イソルミノールアッセイ
ヒト血液(Blodcentralen、スウェーデン・ルンド)から、Ficollを用いた勾配遠心分離によって単離した凍結PBMCを、迅速に融解し、30ng/mlのPMAで活性化し、そして8段階に渡る1:2用量滴定を伴い、12.5μg/mlからの範囲の異なる濃度のラベキシモドまたは本発明の化合物で処理した。含まれる対照は、DMSO対照、30ng/mlのPMAおよび0μg/mlの試験アイテムであった。イソルミノール緩衝剤をプレートに添加した(HBSS中、0.175mg/mlのイソルミノールおよび1.75U/mlのHRP分画II)。Scepter細胞カウンター(Millipore Merck、米国マサチューセッツ州)を用いて細胞濃度を決定し、そしてアッセイプレートに添加する際に、2x10細胞/mlに希釈した。発光シグナルを25分間に渡って測定した。
LPSアッセイ
成人ボランティアから全血をヘパリンチューブに収集した。採血の60分以内にLPS刺激を開始した。血液をRPMIで希釈し、そして次いでLPSで刺激し、そしてラベキシモドまたは本発明の化合物のいずれかの異なる濃度とインキュベーションした。試料を遠心分離し、そして血漿を採取し、そしてLuminex上で分析して、サイトカインを測定した。
グラフおよび統計
Mac OS X用のPrism8(GraphPad Software、米国カリフォルニア州サンディエゴ)を用いてグラフを作成した。別に言及しない限り、結果を平均値±SEMとして示す。
結果
イソルミノールアッセイ
8段階に渡る1:2用量滴定を伴い、12.5μg/mlからの範囲の異なる濃度の本発明の化合物またはラベキシモドで処理した後、ROS産生を調べた。発光シグナルを25分間に渡って測定した。
図1および2の結果によれば、どちらの化合物も、用量依存方式でROS産生を阻害する。本発明の化合物は、6.25μg/mlから完全にROS産生を阻害する一方、ラベキシモドは、ROS産生を完全に阻害するために12.5μg/mlを必要とする。
LPSアッセイ
LPSでの全血の刺激、および本発明の化合物またはラベキシモドのいずれかでの処理後、サイトカインおよびケモカインの放出を調べた。
TNF-α、IL1βおよびIL-6のレベルは、5000nMでのラベキシモドに比較して、本発明の化合物で処理した試料で有意により低く、より低い濃度でサイトカインレベルが減少する傾向もまた見られた。図3~5を参照されたい。
in vivo実験
CAIAマウスモデル
マウスにおけるコラーゲン抗体誘導性関節炎(CAIA)関節炎は、B細胞およびT細胞の両方から独立のモデルである。CAIAは、関節炎の急性モデルであり、そして疾患は、II型コラーゲンに対する抗体で誘導される。該抗体は軟骨に結合し、免疫系の活性化を導き、その後、マクロファージおよび顆粒球を関節に動員する。第5日のLPSブースト後、疾患進行が開始し、そして第15日頃に最大に到達する。
材料および方法
CAIAモデル:実験中の動物の平均体重を測定し、そして群を編成するため、第-1日に、マウス(DBA/l、8~10週齢)の体重を測定した。ケージの影響を回避するため、群はケージ内で混合された。第0日、マウスに、II型コラーゲンに対する4つのモノクローナル抗体のカクテル(2mg/マウス)をi.v.注射した。第5日、疾患をブーストするため、マウスにLPS(50μg/マウス)をi.p.注射した。試験アイテムの用量調製を、コーン油中で毎日行った。各マウスに関して、60の最大総スコアを生じる、0~15(つま先の腫脹または発赤各々に関して1ポイント、足指中央(mid foot digit)または指関節の腫脹または発赤に関して1ポイント、足首の腫脹に関して5ポイント)の範囲の四肢の巨視的スコアリングシステムを用いて、盲検方式で、第3日から毎日疾患を評価した。倫理的制約のため、45を超えたスコアの動物は、実験から除去した。
免疫組織化学:ビヒクル、ラベキシモド(20mg/kg)および本発明の化合物(20mg/kg)群において、動物屠殺時に、動物から前足を収集した。浸漬固定のため、足を直ちに4%ホルムアルデヒド含有バイアルに移した。組織を24時間固定し(fired)、そして次いで70%EtOHに移し、そして染色するまで+4℃に保存した。足を脱灰し、パラフィン包埋し、切片形成し、そしてヘマトキシリンおよびエオジン(H&E)で染色した。生じたスライドの写真を高解像度で撮影した。形態分析に画像を用いて、関節における軟骨破壊および炎症細胞浸潤を調べた。滑膜炎症、滑膜パンヌス形成および骨破壊の評価を含めて、すべての足に関する全体の評価をスコアリングした(0~3)。
統計
Mac OS X用のPrism8(GraphPad Software、米国カリフォルニア州サンディエゴ)を用いてグラフ作成および統計分析を行った。別に言及しない限り、結果を平均値±SEMとして示す。2テール・ノンパラメトリック・マン・ホイットニー検定を用いて統計を計算し、p<0.05を有意と見なした。はp値<0.05を示し、**はp値<0.01を示し、そして***はp値<0.001を示す。
結果
CIA-MAB-50で免疫し、ビヒクル(第5日、第7日、第9日、第11日、第13日および第15日)、本発明の化合物(5、10および20mg/kg、第5日、第7日、第9日、第11日、第13日および第15日)およびラベキシモド(5、10および20mg/kg、第5日、第7日、第9日、第11日、第13日および第15日)で処置したマウスにおける関節炎発展。本発明のCAIA研究において、CAIA誘導ビヒクル処置マウスは、100%発生率で、中程度から重度の疾患を発展させた。総数6回の投与で、第5日から始まり1日おきでs.c.投与された3つの異なる用量の本発明の化合物およびラベキシモドの有効性をそれぞれ評価した。ビヒクルと比較した際、10および20mg/kgの本発明の化合物(図6)および3つすべての用量のラベキシモド(図7)で、疾患重症度のわずかな減少がみられたが、有意ではなかった。試験した用量のいずれでも、本発明の化合物またはラベキシモドで処置した動物において、処置からのいかなる副作用も観察されなかった。データは、ラベキシモドで処置した動物に比較して、本発明の化合物で処置したマウスにおいて、明らかな用量-反応を示す。
IHC分析からの結果を、0~3の範囲のスコアリングシステムでスコアリングし、ここで、0は炎症が全くない健康な組織を示し、そして3は、重度の炎症を起こした組織を示す。研究終結時、20mg/kg用量の本発明の化合物は、ビヒクル処置動物に比較して、有意により低い組織学的スコアを有した。ビヒクルおよびラベキシモド処置マウス間では有意な相違は見られなかった(図8)。
PIAラットモデル
ラットにおけるプリスタン誘導性関節炎(PIA)は、関節リウマチ(RA)の診断に用いられる基準を模倣する動物モデルである。PIAは、RAのもっとも再現性があるモデルの1つであり、発生率が高く、そして重症度に変動がほとんどない。疾患は、顕著なT細胞依存性炎症反応によって特徴づけられ、末梢関節の炎症を生じる。疾患は、プリスタンの単回注射で誘導され、そして第8日~12日の間で、関節炎の非常に再現性がある開始を有する。最も重度の関節炎期は、しばしば、誘導後、第15日~第25日であり、そして実験は、25~30日後に終了可能である。
材料および方法
疾患誘導のため、ラットをIsoFlo vet(3%)および酸素で麻酔した。尾の付け根をEtOHで清浄にし、そしてプリスタンを、尾の付け根からおよそ0.5cmで、皮下(s.c.)注射した(体積200μl)。注射後10秒間、注射部位にわずかに圧を掛けて、油の漏洩を防いだ。ラットを麻酔から外し、そして回復が確実になるまで呼吸を監視した。ラベキシモド、本発明の化合物またはビヒクルのみを投与されるすべての処置群に関して、第5日から1日おきに総数6回の投与(すなわち第5日、第7日、第9日、第11日、第13日および第15日)で、試験アイテムをs.c.投与した。コーン油中で化合物を配合し、そして投与体積は200μlで、20mg/mlの濃度であった。各ラットに関して、60の最大総スコアを生じる、0~15(つま先の腫脹または発赤各々に関して1ポイント、足指中央または指関節の腫脹または発赤に関しては1ポイント、足首の腫脹に関しては5ポイント)の範囲の四肢の巨視的スコアリングシステムを用いて、盲検方式で、第10日から週3回、疾患を評価した。
統計
Mac OS X用のPrism8(GraphPad Software、米国カリフォルニア州サンディエゴ)を用いてグラフ作成および統計分析を行った。別に言及しない限り、結果を平均値±SEMとして示す。
結果
本発明の化合物で処置したラットは、測定したすべての研究時点で、わずかにより低いRAスコアを示した(図9)。最も重度の関節炎期中、本発明の化合物は、ラベキシモドよりも優れた有効性を有した。

Claims (20)

  1. 炎症、炎症性障害、および自己免疫障害より選択される状態の治療における使用のための、化合物2-(9-クロロ-2,3-ジメチル-6H-インドロ[2,3-b]キノキサリン-6-イル)-N-(2-(ジメチルアミノ)エチル)エタンチオアミド、またはその医薬的に許容されうる塩。
  2. 状態が炎症または炎症性障害である、請求項1記載の使用のための化合物または医薬的に許容されうる塩。
  3. 状態が自己免疫障害である、請求項1記載の使用のための化合物または医薬的に許容されうる塩。
  4. 状態が関節リウマチである、請求項1~3のいずれか一項記載の使用のための化合物またはその医薬的に許容されうる塩。
  5. 状態が多発性硬化症である、請求項1~3のいずれか一項記載の使用のための化合物またはその医薬的に許容されうる塩。
  6. 炎症、炎症性障害、および自己免疫障害より選択される状態の治療における使用のための、2-(9-クロロ-2,3-ジメチル-6H-インドロ[2,3-b]キノキサリン-6-イル)-N-(2-(ジメチルアミノ)エチル)エタンチオアミド、またはその医薬的に許容されうる塩、および任意選択で医薬的に許容されうる賦形剤を含む、医薬組成物。
  7. 状態が炎症または炎症性障害である、請求項6記載の組成物。
  8. 状態が自己免疫障害である、請求項6記載の組成物。
  9. 状態が関節リウマチである、請求項6~8のいずれか一項記載の組成物。
  10. 状態が多発性硬化症である、請求項6~8のいずれか一項記載の組成物。
  11. 炎症、炎症性障害、および自己免疫障害より選択される状態の治療のための医薬品製造における、2-(9-クロロ-2,3-ジメチル-6H-インドロ[2,3-b]キノキサリン-6-イル)-N-(2-(ジメチルアミノ)エチル)エタンチオアミド、またはその医薬的に許容されうる塩の使用。
  12. 状態が炎症または炎症性障害である、請求項11記載の使用。
  13. 状態が自己免疫障害である、請求項11記載の使用。
  14. 状態が関節リウマチである、請求項11~13のいずれか一項記載の使用。
  15. 状態が多発性硬化症である、請求項11~13のいずれか一項記載の使用。
  16. 炎症、炎症性障害、および自己免疫障害より選択される状態の治療のための方法であって、こうした治療を必要とする哺乳動物に、2-(9-クロロ-2,3-ジメチル-6H-インドロ[2,3-b]キノキサリン-6-イル)-N-(2-(ジメチルアミノ)エチル)エタンチオアミドまたはその医薬的に許容されうる塩を投与することによる、前記方法。
  17. 状態が炎症または炎症性障害である、請求項16記載の方法。
  18. 状態が自己免疫障害である、請求項16記載の方法。
  19. 状態が関節リウマチである、請求項16~18のいずれか一項記載の方法。
  20. 状態が多発性硬化症である、請求項16~18のいずれか一項記載の方法。
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