JP2023543013A - 潤滑性または低摩擦特性を有する表面 - Google Patents

潤滑性または低摩擦特性を有する表面 Download PDF

Info

Publication number
JP2023543013A
JP2023543013A JP2023519065A JP2023519065A JP2023543013A JP 2023543013 A JP2023543013 A JP 2023543013A JP 2023519065 A JP2023519065 A JP 2023519065A JP 2023519065 A JP2023519065 A JP 2023519065A JP 2023543013 A JP2023543013 A JP 2023543013A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
formula
base polymer
group
article
friction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2023519065A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2022061465A5 (ja
Inventor
ピオトロウィッツ アレクサンドラ
シレロ ロドリゴ アントニオ
ヅゥオ ジアチン
ホー ジャンネット
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Evonik Canada Inc
Original Assignee
Evonik Canada Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Evonik Canada Inc filed Critical Evonik Canada Inc
Publication of JP2023543013A publication Critical patent/JP2023543013A/ja
Publication of JPWO2022061465A5 publication Critical patent/JPWO2022061465A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61LMETHODS OR APPARATUS FOR STERILISING MATERIALS OR OBJECTS IN GENERAL; DISINFECTION, STERILISATION OR DEODORISATION OF AIR; CHEMICAL ASPECTS OF BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES; MATERIALS FOR BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES
    • A61L29/00Materials for catheters, medical tubing, cannulae, or endoscopes or for coating catheters
    • A61L29/14Materials characterised by their function or physical properties, e.g. lubricating compositions
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61LMETHODS OR APPARATUS FOR STERILISING MATERIALS OR OBJECTS IN GENERAL; DISINFECTION, STERILISATION OR DEODORISATION OF AIR; CHEMICAL ASPECTS OF BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES; MATERIALS FOR BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES
    • A61L29/00Materials for catheters, medical tubing, cannulae, or endoscopes or for coating catheters
    • A61L29/08Materials for coatings
    • A61L29/085Macromolecular materials
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L27/00Compositions of homopolymers or copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by a halogen; Compositions of derivatives of such polymers
    • C08L27/02Compositions of homopolymers or copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by a halogen; Compositions of derivatives of such polymers not modified by chemical after-treatment
    • C08L27/12Compositions of homopolymers or copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by a halogen; Compositions of derivatives of such polymers not modified by chemical after-treatment containing fluorine atoms
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C10PETROLEUM, GAS OR COKE INDUSTRIES; TECHNICAL GASES CONTAINING CARBON MONOXIDE; FUELS; LUBRICANTS; PEAT
    • C10NINDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBCLASS C10M RELATING TO LUBRICATING COMPOSITIONS
    • C10N2050/00Form in which the lubricant is applied to the material being lubricated
    • C10N2050/14Composite materials or sliding materials in which lubricants are integrally molded
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61LMETHODS OR APPARATUS FOR STERILISING MATERIALS OR OBJECTS IN GENERAL; DISINFECTION, STERILISATION OR DEODORISATION OF AIR; CHEMICAL ASPECTS OF BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES; MATERIALS FOR BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES
    • A61L2400/00Materials characterised by their function or physical properties
    • A61L2400/10Materials for lubricating medical devices
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61LMETHODS OR APPARATUS FOR STERILISING MATERIALS OR OBJECTS IN GENERAL; DISINFECTION, STERILISATION OR DEODORISATION OF AIR; CHEMICAL ASPECTS OF BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES; MATERIALS FOR BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES
    • A61L2420/00Materials or methods for coatings medical devices
    • A61L2420/02Methods for coating medical devices

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Composite Materials (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Oil, Petroleum & Natural Gas (AREA)
  • Materials For Medical Uses (AREA)
  • Polyurethanes Or Polyureas (AREA)
  • Dental Preparations (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)

Abstract

物品であって、ベースポリマーと混合されたオリゴフッ素化添加剤を含有する低摩擦表面を含み、前記低摩擦表面の摩擦係数が、前記オリゴフッ素化添加剤を含まないベースポリマーの表面と比較して少なくとも30%低減される、物品。前記オリゴフッ素化添加剤は、式(I)、式(II)、式(III)、または式(IV)に従うものであってよい。低摩擦表面は、オリゴフッ素化添加剤とベースポリマーとの前記混合物を表面に適用することによって形成することができ、オリゴフッ素化添加剤とベースポリマーとを含有する組成物を押し出す、成形する、またはコーティングすることによって、低減された摩擦係数を有する医療機器を形成することができる。

Description

本発明は、表面特性を変更して潤滑性または低摩擦の表面を生成する目的のための、オリゴフッ素化添加剤(表面改質高分子またはSMMとも呼ばれる)の使用に関する。添加剤は、ベースポリマーと混ぜ合わせることで、低い摩擦係数(CoF)が必要とされる機器、コンポーネント、またはコーティングの製造に使用される混合物を形成することができる。
背景の説明
物品の表面の低摩擦係数または潤滑性は、適切なまたは最適な機能のために一方の表面を他方の表面上で動き易くすることが必要とされる様々な用途において望ましい。このことは、医療機器用途に特に重要となる。例えば、カテーテルやガイドワイヤーなどの機器では、潤滑性を有する表面は、より低い挿入力の使用、複雑な血管系を通る容易な追跡、組織の炎症/損傷の低減、および患者の快適性の改善を可能にする。さらに、潤滑性は、医療用導管内の流体を排出し易くするために望ましい場合がある。潤滑性は、医療機器の全ての部品に必要とされる場合もあれば、機器の一部の部品にのみ必要とされる場合もある。
医療機器において低摩擦表面を形成する一般的な方法の1つは、親水性のまたは水を好むコーティングを設けることである。これらは、典型的には大量の水を吸収することができるPVPなどのヒドロゲルポリマーに基づいている。しかしながら、コーティングは摩耗や層間剥離の影響を受けやすい場合があり、これにより機能の低下や、体内での微粒子生成に起因する危険性が生じる可能性がある。例えば、血管内カテーテルのコーティングから生じる微粒子は、塞栓症を引き起こし、患者に致命的な影響を及ぼす可能性がある。また、コーティングは、特定の基材への適用が困難な場合もあり、多くの場合、ベースコート、タイコート、および硬化方法を必要とし、基材の表面にブルーミングを生じさせる可塑剤または着色剤がコーティングの接着に影響を与えないように、コーティング基材に合わせて特別に調整する必要がある場合がある。コーティングプロセスで有機溶剤または重合性モノマーおよび関連する試薬を使用すると、残留試薬が最終的なコーティングから完全に除去されない場合に毒性に関する懸念が生じる可能性がある。さらに、コーティングの適用には、コストがかかる設備投資が必要であり、また大量の試薬廃棄物が生じる。
コーティングのもう1つの制限は、例えば複数のカテーテルルーメンなどの全ての機器構成に適用することが困難であるかまたは不可能である場合があることである。また、特にヒドロゲルコーティングの場合、水を吸収して大きく膨潤するとコーティングの厚さが増加する可能性があり、これは寸法公差が重要な場合に機器の機能に影響を及ぼすことがある。また、特定のヒドロゲルコーティングは急速に乾燥し易く、水和溶液から取り出した後かつ使用前に十分な水和を維持することができずに潤滑性を喪失する可能性もある。
熱可塑性カテーテルチューブ上に低摩擦表面を形成するもう1つの方法は、非常に薄いPTFEライナーと共押出することであるが、このプロセスにはかなりの技術的専門知識が必要なため、費用がかかる。さらに別の方法は、PTFE粉末または潤滑油を、押出に使用される熱可塑性樹脂に配合することである。ただし、これらの表面は、多くの場合、適切に機能させるために表面から一部の材料を除去するという意味で「慣らし」が必要であり、全ての用途に適しているわけではない。さらに、PTFE粉末は、押出プロセスの後工程で接合の問題を生じさせる可能性がある。
低摩擦特性を必要とする医療機器、コンポーネント、またはコーティングを形成するために使用されるポリマーは、特に、ポリウレタン、シリコーン、ポリアミド、ポリエステル、コポリエステル、ポリエーテル、ポリエーテル-ブロック-アミドコポリマー、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリスルホン、ポリエーテルイミド、ポリカーボネート、ポリエーテルエーテルケトン、エチルビニルアセテート、ポリオレフィン、スチレンブロックコポリマー、および加硫ゴムの群から選択することができる。ポリマーは、特に、放射線不透過性フィラー、着色剤、加工助剤、抗菌剤、または防腐剤などの他の添加剤を含み得る。
Santerreの米国特許第6,127,507号明細書には、ポリマー用のフルオロオリゴマー表面改質剤およびそれから製造された物品が開示されている。
Mullickらの米国特許第8,071,683号明細書、米国特許第8,178,620号明細書、および米国特許第8,338,537号明細書には、高い分解温度を有する表面改質高分子およびその使用が報告されている。
Mullickらの米国特許第8,318,867号明細書、米国特許第9,751,972号明細書、米国特許出願公開第2011/0207893号明細書、および米国特許出願公開第2018/0179327号明細書には、熱的に安定なビウレットおよびイソシアヌレートに基づく表面改質高分子ならびにそれらの使用が報告されている。
Mullickらの米国特許出願公開第2017/0369646号明細書には、エステル結合した表面改質高分子が報告されている。
Santerreらの国際公開第2019/169500号には、カーボネート結合した表面改質高分子が報告されている。
Steedmanらの米国特許出願公開第2019/0142317号明細書には、生体安定性表面を有する埋め込み型グルコースセンサーが報告されている。
発明の概要
本発明では、オリゴフッ素化添加剤(SMM)が、低摩擦特性を必要とする医療機器などの物品の製造に使用されるベースポリマーまたは複合材料と混合され、低摩擦表面が、ベースポリマーと混合されたオリゴフッ素化添加剤を含む。
更なる態様では、本発明は、低摩擦特性を備えた表面を有する物品を特徴とする。
本発明の更なる態様は、低摩擦特性を備えた表面を有する医療機器に関する。
本発明の更なる態様は、低摩擦特性を備えた表面を有する医療用カテーテルに関する。
本発明の更なる態様は、オリゴフッ素化添加剤とベースポリマーとを含む混合物を表面に適用することによって、表面の摩擦係数を低減する方法に関する。
本発明の更なる態様は、オリゴフッ素化添加剤とベースポリマーとを含む組成物を溶融押出または成形することによって、物品を製造する方法に関する。
本発明のこれらおよび他の態様は、ベースポリマーと混合されたオリゴフッ素化添加剤を含む表面を有する物品によって提供される。
本発明者らは、オリゴフッ素化添加剤とベースポリマーとの混合物が、低摩擦特性を有する表面を提供することを発見した。
添付の図面と関連付けて検討すると、以下の詳細な説明を参照することで本発明およびそれに付随する多くの利点についてより深く理解されるようになるため、それらのより完全な理解が容易に得られるであろう。
表面改質添加剤を含むおよび含まないポリエーテルブロックアミドコポリマーロッドの摩擦係数を示す。 表面改質添加剤を含むおよび含まないポリウレタンロッドの摩擦係数を示す。 表面改質添加剤を含むおよび含まないポリウレタンロッドの摩擦係数を示す。 表面改質添加剤を含むおよび含まないポリウレタンカテーテルチューブの摩擦係数を示す。 表面改質添加剤を含むおよび含まないシリコーンカテーテルチューブの摩擦係数を示す。 表面改質添加剤を含むおよび含まないポリウレタンフィルムの摩擦係数を示す。 表面改質添加剤を含むおよび含まないポリエーテルブロックアミドコポリマーカテーテルチューブの摩擦係数を示す。 表面改質添加剤を含むおよび含まないポリアミドロッドの摩擦係数を示す。 表面改質添加剤を含むおよび含まないポリ塩化ビニルロッドの摩擦係数を示す。
好ましい実施形態の詳細な説明
フルオロオリゴマー(SMM)
一態様では、本発明は、中心部分と末端基とを有するフルオロオリゴマー(表面改質高分子またはSMMとも呼ばれる)を提供し、中心部分はセグメント化されたオリゴマー状コポリマー単位を含み、末端基はα-ω-末端ポリフルオロオリゴマー基を含む。
添加剤は、その界面活性特性のため、製造中に物品の全ての表面に移行し、ユニークな表面化学を生み出す。
好ましくは、ポリフルオロオリゴマー基はパーフルオロアルキル基であり、極性ハードセグメントは、ウレタン、エステル、アミド、スルホンアミド、およびカーボネートからなる群から選択される。
本発明によるSMMは、ベースポリマー相溶性セグメントと、ベースポリマーと非相溶性である末端疎水性フッ素成分とを含むように合成される。SMMの相溶性セグメントは、混合時にベースポリマー基材内でSMMのアンカーを提供するように選択される。理論に拘束されるものではないが、フッ素尾部がSMMを混合物の表面に運ぶ役割を部分的に担っており、フッ素鎖が表面から露出すると考えられる。後者のプロセスは、フッ素尾部とポリマーベース基材とが熱力学的に非相溶性であること、および混合物の表面で低い表面エネルギーになる傾向があることによって駆動されると考えられる。固定と表面移動のバランスがとれている場合に、SMMはポリマーの表面で安定したままになり、それと同時に表面特性を変更する。他の既知の高分子添加剤に対する本発明の添加剤の有用性は、1)SMM鎖の両親媒性セグメントの分子配置、すなわち各端部1つずつで2つのωフルオロ尾部とそれらの間の中心部分とがあること;および2)中心部分の分子量に対するフッ素尾部の分子量;である。
より具体的には、本発明の化合物は、SMM分子の主鎖に組み込まれた親水性または両親媒性のビルディングブロックを使用して合成された配合物を含む。これらのビルディングブロックは、親水性の反応性モノマーもしくはオリゴマー、または親水性セグメントと疎水性セグメントの両方を有する反応性オリゴマーを含み得る。ビルディングブロックの例としては、ポリエチレンオキシド(PEO)セグメントのみを含むか、またはこれを疎水性ポリエーテルもしくはシロキサンセグメントと交互に含むオリゴマー状ジオールが挙げられる。
適切なフルオロオリゴマーは、以下で示される式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、および(VI)のいずれか1つの構造によって説明することもできる。
(1)式(I):
-[B-A]-B-F (I)
[式中、
(i)Aは、ポリプロピレンオキシド、ポリエチレンオキシド、ポリテトラメチレンオキシド、水添ポリブタジエン(例えばHLBH)、ポリブタジエン(例えばLBHP)、水添ポリイソプレン(例えばHHTPI)、ポリ(ジエチレングリコール)アジペート、ジエチレングリコール-オルト無水フタル酸)ポリエステル、(ネオペンチルグリコール-オルト無水フタル酸)ポリエステル、(1,6-ヘキサンジオール-オルト無水フタル酸)ポリエステル、ポリ(ヘキサメチレンカーボネート)、ポリ((2,2-ジメチル)-1,3-プロピレンカーボネート)、ポリカーボネートポリオール、ポリ(エチレン-co-ブチレン)、ポリスチレン、ポリシロキサン、ポリジメチルシロキサン、ポリプロピレングリコール-ポリエチレングリコールブロックコポリマー、ポリシロキサン-ポリエチレングリコールブロックコポリマー、ポリシロキサン-ポリプロピレングリコールブロックコポリマー、またはポリプロピレンオキシド、ポリエチレンオキシド、ポリテトラメチレンオキシド、ポリシロキサン、およびポリジメチルシロキサンの群から選択されるブロックセグメントを含む他のブロックコポリマーを含み;
(ii)Bは、ウレタンを含むセグメントであり;
(iii)Fは、ポリフルオロオルガノ基であり;
(iv)nは1~10の整数である]。
(2)式(II)または式(III):
Figure 2023543013000002
[式中、
(i)Aは、エーテル結合、エステル結合、カーボネート結合、ポリアルキレンを含むオリゴマーセグメントであり、Aは、ポリプロピレンオキシド、ポリエチレンオキシド、ポリテトラメチレンオキシド、水添ポリブタジエン(例えばHLBH)、ポリブタジエン(例えばLBHP)、水添ポリイソプレン(例えばHHTPI)、ポリ(ジエチレングリコール)アジペート、(ジエチレングリコール-オルト無水フタル酸)ポリエステル、(ネオペンチルグリコール-オルト無水フタル酸)ポリエステル、(1,6-ヘキサンジオール-オルト無水フタル酸)ポリエステル、ポリ(ヘキサメチレンカーボネート)、ポリ((2,2-ジメチル)-1,3-プロピレンカーボネート)、ポリカーボネートポリオール、ポリ(エチレン-co-ブチレン)、ポリスチレン、ポリシロキサン、ポリジメチルシロキサン、ポリプロピレングリコール-ポリエチレングリコールブロックコポリマー、ポリシロキサン-ポリエチレングリコールブロックコポリマー、ポリシロキサン-ポリプロピレングリコールブロックコポリマー、またはポリプロピレンオキシド、ポリエチレンオキシド、ポリテトラメチレンオキシド、ポリシロキサン、およびポリジメチルシロキサンの群から選択されるブロックセグメントを含む他のブロックコポリマーを含み;
(ii)Bは、イソシアヌレート三量体またはビウレット三量体を含むセグメントであり、B’は、存在する場合にはウレタンを含むセグメントであり;
(iii)各Fは、ポリフルオロオルガノ基であり;
(iv)nは0~10の整数である]。
(3)式(IV):
Figure 2023543013000003
[式中、
(i)各Fは、独立して、ポリジメチルシロキサン、炭化水素、およびポリフルオロオルガノ基、およびそれらの組み合わせから選択される界面活性基であり(例えば各Fは独立してポリフルオロオルガノである);
(ii)Xは、H、CH、またはCHCHであり;
(iii)XおよびXのそれぞれは、独立して、H、CH、CHCH、またはFであり;
(iv)LおよびLのそれぞれは、独立して、結合、オリゴマー状連結基、または2つの末端カルボニルを有する連結基であり;
(v)nは5~50の整数である]。
(4)式(V):
Figure 2023543013000004
[式中、
(i)各Fは、独立して界面活性基(例えばポリフルオロオルガノ、ヒドロキシル、またはポリエチレングリコール)であり;
(ii)X、X、およびXのそれぞれは、独立して、H、CH、CHCH、またはFであり;
(iii)LおよびLのそれぞれは、独立して、結合、オリゴマー状連結基、2つの末端カルボニルを有する連結基であり、あるいはジイソシアネートから形成され;
(iv)n1およびn2のそれぞれは、独立して、5~50までの整数である]。
式(I)の一実施形態では、Aは、ポリプロピレンオキシド、ポリエチレンオキシド、またはポリテトラメチレンオキシドである。
式(I)の別の実施形態では、Aは、ポリプロピレンオキシド、ポリエチレンオキシド、またはポリテトラメチレンオキシド、またはそれらの混合であり、200~3,000ダルトン(例えば500~2,000ダルトン、1,000~2,000ダルトン、または1,000~3,000ダルトン)の理論分子量を有する。
式(I)の別の実施形態では、Aは、水添ポリブタジエン(例えばHLBH)、ポリ(ジエチレングリコール)アジペート、または(ジエチレングリコール-オルトフタル酸)無水物ポリエステルからなる群から選択されるセグメントであり、750~3,500ダルトン(例えば750~2,000ダルトン、1,000~2,500ダルトン、または1,000~3,500ダルトン)の理論分子量を有する。
式(I)の別の実施形態では、Aは、ポリプロピレングリコール-ポリエチレングリコールブロックコポリマー(PLNジオール)を含むか、またはポリプロピレンオキシド、ポリエチレンオキシド、ポリテトラメチレンオキシド、もしくはそれらの混合から選択されるブロックセグメントと、ポリシロキサンもしくはポリジメチルシロキサンから選択されるブロックセグメントと有するブロックコポリマーを含み(C10ジオール)、Aは1,000~5,000ダルトン(例えば1,000~3,000ダルトン、2,000~5,000ダルトン、または2,500~5,000ダルトン)の理論分子量を有する。
式(II)または(III)の別の実施形態では、Aは、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリテトラメチレンオキシド、またはそれらの混合を含み、かつ200~3,000ダルトン(例えば500~2,000ダルトン、1,000~2,000ダルトン、または1,000~3,000ダルトン)の理論分子量を有する、オリゴマーセグメントである。
式(II)または(III)の別の実施形態では、Aは、ポリプロピレングリコール-ポリエチレングリコールブロックコポリマー(PLNジオール)を含むか、またはポリプロピレンオキシド、ポリエチレンオキシド、ポリテトラメチレンオキシド、またはそれらの混合から選択されるブロックセグメントと、ポリシロキサンまたはポリジメチルシロキサンから選択されるブロックセグメントと有するブロックコポリマーを含み(C10ジオール)、Aは1,000~5,000ダルトン(例えば1,000~3,000ダルトン、2,000~5,000ダルトン、または2,500~5,000ダルトン)の理論分子量を有する。
式(II)または(III)の別の実施形態では、Aは、水添ポリブタジエン(例えばHLBH)、ポリ(ジエチレングリコール)アジペート、または(ジエチレングリコール-オルトフタル酸)無水物ポリエステルであり、750~3,500ダルトン(例えば750~2,000ダルトン、1,000~2,500ダルトン、または1,000~3,500ダルトン)の理論分子量を有する。
式(I)のSMMは、ジイソシアネート(例えば3-イソシアナトメチル-3,5,5-トリメチル-シクロヘキシルイソシアネート;4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート);4,4’-メチレンビス(フェニルイソシアネート);トルエン-2,4-ジイソシアネート;m-テトラメチルキシレンジイソシアネート;またはヘキサメチレンジイソシアネート)から形成されるBを含み得る。変数nは、1または2であってよい。本発明の医療機器は、ベースポリマーと式(I)のSMMとを含み得る。
式(II)または(III)のSMMにおいて、Bは、トリイソシアネート(例えばヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)ビウレット三量体、イソホロンジイソシアネート(IPDI)三量体、またはヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)三量体)を、オリゴマーセグメントAを含むジオールと反応させることによって形成される。本発明の医療機器は、ベースポリマーと式(II)のSMMとを含み得る。本発明の医療機器は、ベースポリマーと式(III)のSMMとを含み得る。
式(I)のSMMにおいて、Bは、3-イソシアナトメチル-3,5,5-トリメチル-シクロヘキシルイソシアネート;4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート);4,4’-メチレンビス(フェニルイソシアネート);トルエン-2,4-ジイソシアネート;m-テトラメチルキシレンジイソシアネート;およびヘキサメチレンジイソシアネートから形成されるセグメントであってよい。式(I)のSMMにおいて、セグメントAはポリ(エチレンオキシド)であってよい。変数nは、1~3の整数であってよい。本発明の医療機器は、ベースポリマーと式(I)のSMMとを含み得る。
式(II)または(III)のSMMにおいて、BはトリイソシアネートがAのジオールと反応することによって形成されるセグメントである。トリイソシアネートは、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)ビウレット三量体、イソホロンジイソシアネート(IPDI)三量体、またはヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)三量体であってよい。式(II)または(III)のSMMにおいて、セグメントAはポリ(エチレンオキシド)であってよい。変数nは、0、1、2、または3であってよい。本発明の医療機器は、ベースポリマーと式(II)または(III)のSMMとを含み得る。
式(I)のSMMにおいて、Bは、3-イソシアナトメチル-3,5,5-トリメチル-シクロヘキシルイソシアネート;4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート);4,4’-メチレンビス(フェニルイソシアネート);トルエン-2,4-ジイソシアネート;m-テトラメチルキシレンジイソシアネート;およびヘキサメチレンジイソシアネートから形成されるセグメントであってよい。式(I)のSMMにおいて、セグメントAは、ポリ(エチレンオキシド)-b-ポリ(プロピレンオキシド)-b-ポリ(エチレンオキシド)であってよい。変数nは、1~3の整数であってよい。本発明の医療機器は、ベースポリマーと式(I)のSMMとを含み得る。
式(II)または(III)のSMMにおいて、Bは、トリイソシアネートがAのジオールと反応することによって形成されるセグメントである。トリイソシアネートは、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)ビウレット三量体またはヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)三量体であってよい。式(II)または(III)のSMMにおいて、セグメントAは、ポリ(エチレンオキシド)-b-ポリ(プロピレンオキシド)-b-ポリ(エチレンオキシド)であってよい。変数nは、0、1、2、または3であってよい。本発明の医療機器は、ベースポリマーと式(II)または(III)のSMMとを含み得る。
式(I)のSMMにおいて、Bはジイソシアネートから形成されるセグメントである。セグメントAは、ポリシロキサン-ポリエチレングリコールブロックコポリマー(例えばPEG-PDMS-PEG)を含むことができる。セグメントBは、3-イソシアナトメチル-3,5,5-トリメチル-シクロヘキシルイソシアネート;4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート);4,4’-メチレンビス(フェニルイソシアネート);トルエン-2,4-ジイソシアネート;m-テトラメチルキシレンジイソシアネート;およびヘキサメチレンジイソシアネートから形成することができる。変数nは、1、2、または3であってよい。本発明の医療機器は、ベースポリマーと式(I)のSMMとを含み得る。
式(II)または(III)のSMMにおいて、Bは、トリイソシアネートをAのジオールと反応させることによって形成されるセグメントである。セグメントAは、ポリシロキサン-ポリエチレングリコールブロックコポリマー(例えばPEG-PDMS-PEG)を含むことができる。トリイソシアネートは、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)ビウレット三量体、イソホロンジイソシアネート(IPDI)三量体、またはヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)三量体であってよい。変数nは、0、1、2、または3であってよい。本発明の医療機器は、ベースポリマーと式(II)または(III)のSMMとを含み得る。
式(IV)のSMMは、オリゴマー状連結基(例えば50個未満の繰り返し単位(例えば2~40単位、2~30単位、3~20単位、または3~10単位))であるセグメントLを含むことができる。式(IV)の幾つかの実施形態では、Lは、オリゴマー状連結基(例えば50個未満の繰り返し単位(例えば2~40単位、2~30単位、3~20単位、または3~10単位)のもの)である。式(IV)の特定の実施形態では、LおよびLのそれぞれは結合である。式(IV)の特定の実施形態では、SMMは、ポリウレタン、ポリウレア、ポリアミド、ポリアルキレンオキシド(例えばポリプロピレンオキシド、ポリエチレンオキシド、またはポリテトラメチレンオキシド)、ポリエステル、ポリラクトン、ポリシリコーン、ポリエーテルスルホン、ポリオレフィン、ポリビニル誘導体、ポリペプチド、多糖、ポリシロキサン、ポリジメチルシロキサン、ポリ(エチレン-co-ブチレン)、ポリイソブチレン、およびポリブタジエンからなる群から選択されるオリゴマーセグメント(例えばLおよびLのいずれか1つにおいて)を含む。式(IV)の幾つかの実施形態では、SMMは、式(IV-A):
Figure 2023543013000005
[式中、m1およびm2のそれぞれは、独立して0~50の整数である]
の化合物である。式(IV-A)の特定の実施形態では、m1は、5、6、7、8、9、または10である(例えばm1は6である)。式(IV-A)の幾つかの実施形態では、m2は、5、6、7、8、9、または10である(例えばm2は6である)。
式(IV)または(IV-A)の特定の実施形態では、XはFである。別の実施形態では、XはCHまたはCHCHである。式(IV)または(IV-A)の特定の実施形態では、XはFである。別の実施形態では、各Fは、独立して、ポリフルオロオルガノ(例えば-(O)-C(=O)](CH(CFCFなどのポリフルオロアシルであり、式中のqは0であり、rは1であり、oは0~2であり、pは0~10である)。式(IV)または(IV-A)の特定の実施形態では、nは5~40の整数(例えば5、6、7、8、9、または10などの5~20)である。式(IV)または(IV-A)の幾つかの実施形態では、各Fは(CFCFを含む。本発明の医療機器は、ベースポリマーと式(IV)のSMMとを含み得る。本発明の医療機器は、ベースポリマーと式(IV-A)のSMMとを含み得る。
式(V)のSMMは、オリゴマー状連結基(例えば50個未満の繰り返し単位(例えば2~40単位、2~30単位、3~20単位、または3~10単位))であるセグメントLを含むことができる。式(V)の幾つかの実施形態では、Lは、オリゴマー状連結基(例えば50個未満の繰り返し単位(例えば2~40単位、2~30単位、3~20単位、または3~10単位)のもの)である。式(V)の特定の実施形態では、LおよびLのそれぞれは結合である。式(V)の特定の実施形態では、SMMは、ポリウレタン、ポリウレア、ポリアミド、ポリアルキレンオキシド(例えばポリプロピレンオキシド、ポリエチレンオキシド、またはポリテトラメチレンオキシド)、ポリエステル、ポリラクトン、ポリシリコーン、ポリエーテルスルホン、ポリオレフィン、ポリビニル誘導体、ポリペプチド、多糖、ポリシロキサン、ポリジメチルシロキサン、ポリ(エチレン-co-ブチレン)、ポリイソブチレン、およびポリブタジエンから選択されるオリゴマーセグメント(例えばLおよびLのいずれか1つにおいて)を含む。式(V)の幾つかの実施形態では、SMMは、式(V-A):
Figure 2023543013000006
[式中、m1およびm2のそれぞれは、独立して0~50の整数である]
の化合物である。式(V-A)の特定の実施形態では、m1は、5、6、7、8、9、または10である(例えばm1は6である)。式(V-A)の幾つかの実施形態では、m2は、5、6、7、8、9、または10である(例えばm2は6である)。
式(V)または(V-A)の特定の実施形態では、XはFである。式(V)または(V-A)の別の実施形態では、XはCHまたはCHCHである。式(V)または(V-A)の特定の実施形態では、XはFである。式(V)または(V-A)の別の実施形態では、各Fは、独立して、ポリフルオロオルガノ(例えば-(O)-C(=O)](CH(CFCFなどのポリフルオロアシルであり、式中のqは0であり、rは1であり、oは0~2であり、pは0~10である)である。式(V)または(V-A)の幾つかの実施形態では、各Fは(CFCFを含む。本発明の医療機器は、ベースポリマーと式(V)のSMMとを含み得る。
本発明の医療機器は、ベースポリマーと式(V-A)のSMMとを含み得る。
ジイソシアネートから形成される本発明のSMMのいずれについても、ジイソシアネートは、3-イソシアナトメチル-3,5,5-トリメチル-シクロヘキシルイソシアネート;4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)(HMDI);2,2’-、2,4’-、および4,4’-メチレンビス(フェニルイソシアネート)(MDI);トルエン-2,4-ジイソシアネート;1,2-、1,3-、および1,4-キシレンジイソシアネートなどの芳香族脂肪族イソシアネート;メタ-テトラメチルキシレンジイソシアネート(m-TMXDI);パラ-テトラメチルキシレンジイソシアネート(p-TMXDI);ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI);エチレンジイソシアネート;プロピレン-1,2-ジイソシアネート;テトラメチレンジイソシアネート;テトラメチレン-1,4-ジイソシアネート;オクタメチレンジイソシアネート;デカメチレンジイソシアネート;2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート;2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート;ドデカン-1,12-ジイソシアネート;ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート;シクロブタン-1,3-ジイソシアネート;シクロヘキサン-1,2-ジイソシアネート;シクロヘキサン-1,3-ジイソシアネート;シクロヘキサン-1,4-ジイソシアネート;メチルシクロヘキシレンジイソシアネート(HTDI);2,4-ジメチルシクロヘキサンジイソシアネート;2,6-ジメチルシクロヘキサンジイソシアネート;4,4’-ジシクロヘキシルジイソシアネート;2,4’-ジシクロヘキシルジイソシアネート;1,3,5-シクロヘキサントリイソシアネート;イソシアナトメチルシクロヘキサンイソシアネート;1-イソシアナト-3,3,5-トリメチル-5-イソシアナトメチルシクロヘキサン;イソシアナトエチルシクロヘキサンイソシアネート;ビス(イソシアナトメチル)-シクロヘキサン;4,4’-ビス(イソシアナトメチル)ジシクロヘキサン;2,4’-ビス(イソシアナトメチル)ジシクロヘキサン;イソホロンジイソシアネート(IPDI);2,4-ヘキサヒドロトルエンジイソシアネート;2,6-ヘキサヒドロトルエンジイソシアネート;3,3’-ジメチル-4,4’-ビフェニレンジイソシアネート(TODD;ポリメリックMDI;カルボジイミド変性液体4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート;パラ-フェニレンジイソシアネート(PPDI);メタ-フェニレンジイソシアネート(MPDI);ナフチレン-1,5-ジイソシアネート;2,4’-、4,4’-、または2,2’-ビフェニルジイソシアネート;ポリフェニルポリメチレンポリイソシアネート(PMDI);MDIとPMDIとの混合物;PMDIとTDIの混合物;本明細書に記載の任意のイソシアネートの二量体化ウレトジオン、例えばトルエンジイソシアネートのウレトジオン、ヘキサメチレンジイソシアネートのウレトジオン、またはそれらの混合物;またはそれらの置換もしくは異性体混合物であってよい。
イソシアネート三量体から形成される本発明のSMMのいずれについても、イソシアネート三量体は、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)ビウレットまたは三量体、イソホロンジイソシアネート(IPDI)三量体、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)三量体;2,2,4-トリメチル-1,6-ヘキサンジイソシアネート(TMDI)三量体;本明細書に記載の任意のイソシアネートの三量体化イソシアヌレート、例えばトルエンジイソシアネートのイソシアヌレート、ジフェニルメタンジイソシアネートの三量体、テトラメチルキシレンジイソシアネートの三量体、またはそれらの混合物;本明細書に記載の任意のイソシアネートの三量体化ビウレット;上のジイソシアネートから誘導される変性イソシアネート;またはそれらの置換もしくは異性体混合物であってよい。
SMMは、100Da~1,500Daの理論分子量を有するポリフルオロオルガノ基であるF基を含むことができる。例えば、Fは、CF(CF(CHCH-[式中、pは0または1であり、rは2~20である]、およびCF(CF(CHCHO)χ[式中、χは0~10であり、sは1~20である]であってよい。あるいは、Fは、CH(3-m)(CFCHCH-またはCH(3-m)(CF(CHCHO)χ-[式中、mは0、1、2、または3であり、χは0~10の整数であり、rは2~20の整数であり、sは1~20の整数である]であってよい。特定の実施形態では、Fは、1H,1H,2H,2H-パーフルオロ-1-デカノール;1H,1H,2H,2H-パーフルオロ-1-オクタノール;1H,1H,5H-パーフルオロ-1-ペンタノール;または1H,1H-パーフルオロ-1-ブタノール、またはそれらの混合物である。特定の実施形態では、Fは、(CF)(CFCHCHO-、(CF)(CFCHCHO-、(CF)(CFCHCHO-、CHF(CFCHO-、(CF)(CFCHO-、または(CF)(CF-である。さらに別の実施形態では、ポリフルオロアルキル基は(CF)(CF-であり、例えばポリフルオロアルキル基はエステル基のカルボニルに結合している。特定の実施形態では、ポリフルオロオルガノは、-(O)[C(=O)]-(CH(CFCF[式中、qが0かつrが1であるか、またはqが1かつrが0であり、oは0~2であり、pは0~10である]である。
式(VI):
-OC(O)O-B-OC(O)O-[A-OC(O)O-B]-OC(O)O-F(VI)
[式中、
(i)Aはソフトセグメントを含み、カーボネート結合を介してBに共有結合しており;
(ii)Bは、ポリアルキレンオキシドまたは式:
Figure 2023543013000007
で表される部位を含み、カーボネート結合を介してAに共有結合しており;
(iii)FTは、ポリフルオロオルガノ基を含む界面活性基であり、Fは、カーボネート結合を介してBに共有結合しており;
(iv)nは1~10の整数である]
の化合物も適している。
式(I)の化合物であって、
(i)Aが
Figure 2023543013000008
を含み;(ii)Bが、4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)から形成されたウレタンを含むセグメントであり;(iii)Fがポリフルオロオルガノ基であり;(iv)xが8~12の整数であり、yが6~9の整数であり、nが1~10の整数である;化合物も適している。特定の実施形態では、nは1または2である。
本発明は、式(I)の化合物であって、
(i)Aが、式
Figure 2023543013000009
を有するセグメントを含み、前記セグメントが、7,000~9,000DaのMWを有し、75%~85%(w/w)のポリエチレンオキシドを含み、15%~25%(w/w)のポリプロピレンオキシドを含み;(ii)Bが、4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)から形成されたウレタンを含むセグメントであり;(iii)Fが、ポリフルオロオルガノ基であり;(iv)nが1~10の整数である;化合物を特徴とする。特定の実施形態では、nは1または2である。幾つかの実施形態では、Aは、約8,000Daの平均MWを有し、約80%(w/w)のポリエチレンオキシドと約20%(w/w)のポリプロピレンオキシドとを含む。
本発明は、式(II)の化合物であって、
(i)Aが、式
Figure 2023543013000010
を有するセグメントを含み、前記セグメントが、7,000~9,000DaのMWを有し、75%~85%(w/w)のポリエチレンオキシドを含み、15%~25%(w/w)のポリプロピレンオキシドを含み;(ii)Bが、イソホロンジイソシアネート(IPDI)三量体から形成されるイソシアヌレート三量体またはビウレット三量体を含むセグメントであり;(iii)Fが、ポリフルオロオルガノ基であり;(iv)nが0~10の整数である;化合物を特徴とする。
上記化合物の任意の実施形態では、Fは、一般式CH(3-m)(CFCHCH-およびCH(3-m)(CF(CHCHO)χ-[式中、mは0、1、2、または3であり、χは1~10の整数であり、rは2~20の整数であり、sは1~20の整数である]のラジカルからなる群から選択される。特定の実施形態では、mは0または1である。
本発明の具体的なSMMとしては、下記式を有する化合物が挙げられる:
化合物1
Figure 2023543013000011
[PEG含有率は50重量%であり、(x+z):y比は約1.38であり、Mn:約1,900g/molである]
化合物2
[PEG含有率は50重量%であり、(x+z):y比は約1.38であり、Mn:約1,900g/molである]
化合物3
[PEG含有率は40重量%であり、(x+z):y比は約0.88であり、Mn:約2,900g/molである]
化合物4
Figure 2023543013000012
[nは約46である]
化合物5
Figure 2023543013000013
[nは約9である]
化合物6
Figure 2023543013000014
[nは約20~28である]
化合物7
Figure 2023543013000015
適切なフルオロオリゴマーは、米国特許第6,127,507号明細書、米国特許第8,071,683号明細書、米国特許第8,178,620号明細書、米国特許第8,338,537号明細書、米国特許第8,318,867号明細書、米国特許第9,751,972号明細書、米国特許出願公開第2011/0207893号明細書、米国特許出願公開第2018/0179327号明細書、米国特許出願公開第2017/0369646号明細書、国際公開第2019/169500号、および米国特許出願公開第2019/0142317号明細書に記載されており、これらの記載は参照により本明細書に組み込まれる。
SMM化合物は、500Da以上20kDa以下の理論分子量を有し得る。SMMの非限定的な例としては、500~10,000Da、500~9,000Da、500~5,000Da、1,000~10,000Da、1,000~6,000Da、または1,500~8,000Daの理論分子量を有するものが挙げられる。当業者であれば、これらの構造式が理想化された理論構造を表していることを認識するであろう。具体的には、セグメントが特定の化学量論で反応することで、様々な比率のセグメントを有する分子の分布としてオリゴフッ素化添加剤が提供される。したがって、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、および(VI)における変数nは、セグメントの理論上の化学量論を表す。
適切なSMM化合物を調製するための方法は、過度な実験なしで当業者に認識される。
ベースポリマー
本発明による前述したSMMと混合して使用される典型的なベースポリマーの例としては、ポリウレタン(PU)、シリコーン、ポリアミド(PA)、ポリエステル、コポリエステル、ポリエーテル、ポリエーテルブロックアミドコポリマー(PEBA)、ポリエーテルイミド、ポリカーボネート、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、エチルビニルアセテート(EVA)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリアクリルアミド(PAAM)、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリ(エチレンオキシド)-b-ポリ(プロピレンオキシド)-b-ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(ヒドロキシエチルメタクリレート)(ポリHEMA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリスルホン、スチレン系ブロックコポリマー、加硫ゴム、ポリオレフィン、環状オレフィンポリマー(COP)、環状オレフィンコポリマー(COC)、セルロース系ポリマー、またはそれらのコポリマーもしくはブレンドが挙げられる。
ベースポリマーは、20kDa以上(例えば50kDa以上、75kDa以上、100kDa以上、150kDa以上、または200kDa以上)の理論分子量を有する。
更なる実施形態では、ベースポリマーは熱可塑性樹脂である。
ベースポリマーは、フィラー、着色剤、顔料、安定剤、酸化防止剤、可塑剤、強化剤、耐衝撃性改良剤、発泡剤、硬化剤、難燃剤、帯電防止剤、導電剤、加工助剤、抗菌剤、防腐剤、抗生物質、またはその他の機能性添加剤など、当業者に知られている適切な添加剤を含み得る。添加剤は、本質的に有機物であっても無機物であってもよい。フィラーの例としては、硫酸バリウム、次炭酸ビスマス、三酸化ビスマス、またはタングステンなどの放射線不透過性フィラーが挙げられる。可塑剤の例としては、PVC樹脂を可塑化するために使用されるビス(2-エチルヘキシル)フタレート(DEHP)、ジ(2-エチルヘキシル)テレフタレート(DEHT)、またはトリオクチルトリメリテート(TOTM)が挙げられる。抗菌剤、防腐剤、または抗生物質の例としては、トリクロサン、スルファジアジン銀、クロロヘキシジン、リファンピン、またはクリンダマイシンが挙げられる。
好ましい態様では、本発明は、ベースポリマーと、表面改質を強化する量の相溶性表面改質高分子との混合物を含む組成物を提供する。
フルオロオリゴマー/ベースポリマーの量は、ベースポリマー中に0.05~15%w/w、好ましくは0.1~12%w/w、より好ましくは0.5~10%w/w、さらにより好ましくは1~5%w/wのフルオロオリゴマーである。
一実施形態では、オリゴフッ素化添加剤は式(I)のものであり、前記ベースポリマーは、ポリウレタン、シリコーン、およびポリエーテル-ブロック-アミドコポリマー(PEBA)からなる群から選択される。
別の実施形態では、オリゴフッ素化添加剤は式(IV)のものであり、ベースポリマーはポリウレタンである。
別の実施形態では、本発明のオリゴフッ素化添加剤は、以下に示す構造を有する化合物8
Figure 2023543013000016
[PEG含有率は50重量%であり、(x+z):y比は約1.38であり、Mn:約1,900g/molである]
であるオリゴフッ素化添加剤がCarbothane85Aポリウレタンに添加される場合よりも、ベースポリマーの摩擦係数を大きく低減する。
機器
低摩擦特性を必要とする医療機器としては、特に、カテーテル、シャント、外科用カニューレ、ガイドワイヤー、ステント、グラフト、ステントグラフト、体内プロテーゼ、血管形成バルーン、挿入シース、イントロデューサー、スタイレット、埋め込み型バイオセンサー、避妊具、乳房インプラント、足場、鼓膜切開チューブ、眼科用機器、コンタクトレンズ、IOL、角膜インプラント、気管内チューブ、気管切開チューブ、内視鏡、注射器、医療用血液または液体移送チューブ、3Dプリントインプラント、整形外科用インプラント、補綴インプラント、埋め込み型ペースメーカーおよび除細動器リード、LVADドライブライン、構造的心臓インプラント、開創器、内視鏡、大静脈フィルター、機器バルブおよびマニホールド、血管閉鎖機器、および塞栓防止機器を挙げることができる。カテーテルとしては、具体的には、血管カテーテル、ドレナージカテーテル、神経血管カテーテル、注入カテーテル、非経口栄養カテーテル、脳卒中治療カテーテル、泌尿器カテーテル、腹膜透析カテーテル、支持カテーテル、診断カテーテル、粥腫切除カテーテル、電気生理学カテーテル、マイクロカテーテル、血管形成カテーテル、機械的血栓除去カテーテル、吸引カテーテル、イメージングカテーテル、および送達カテーテルを特に挙げることができる。
本発明に関連する機器製造方法としては、特に、押出や成形などの溶融プロセス、またはフィルムキャスト、溶液スピニング、エレクトロスピニング、ディップコーティング、スプレーコーティング、および3D印刷などの溶液プロセス、ならびに過度な実験なしで当業者に認識される技術を挙げることができる。
機器表面へのSMMの移行は、X線光電子分光法などの標準的な分析方法を使用して確認することができ、表面のフッ素は1~50原子パーセントの範囲であってよい。改質された表面の相対的な親水性は、水接触角分析によって決定することができる。
摩擦係数(CoF)は、ASTM D1894-14試験、ピンチ試験、蛇行経路試験、および様々なカスタム化された摩擦学的方法などの、多くの様々な試験方法によって測定することができる。ピンチ試験は、特にカテーテルチューブなどの医療機器の潤滑性を試験するために一般的である。この試験では、カテーテルチューブなどの試験物品の一端が、引張力を測定できる装置に接続される。サンプルは目的の流体に沈められ、所定の基材の2枚のパッドの間に所定の力でクランプされる。その後、サンプルが所定の速度で引っ張られ、サンプルを動かすのに要した力が記録される。CoFは、サンプルを引っ張るのに必要な力を、クランプによってサンプルに加えられる力で割ることによって計算される。表面改質の耐久性を評価するために、繰り返しの試験サイクルを同じサンプルに対して連続して行うことができる。
好ましい実施形態では、ピンチ試験は、Harland FTS 6000試験機を使用して行われ、これにより、長さ15cmのロッドまたはチューブサンプルが装置に取り付けられ、室温で水中に沈められ、シリコーン摩擦パッド(60Aデュロメータ)の間に200gの一定の力でクランプされる。その後サンプルが10cmの移動距離にわたって1cm/sの一定速度で引っ張られ、サンプルを引っ張るのに必要な力が記録される。クランプ力で割った平均の引張力を使用して、動的CoFが計算される。
別の好ましい実施形態では、摩擦係数および表面改質の耐久性を評価するために、同じサンプルに対してピンチ試験が繰り返される(例えば5~25回)。
本発明のSMM添加剤で改質された機器は、乾燥条件下または湿潤条件下の改質されていない同じ表面と比較して低減されたCoFによって示される、改善された潤滑性を有する表面を有することができる。特定の実施形態では、コンディショニング媒体として水またはPBS、クランプ力として100~500g、クランプ基材としてシリコーンまたはPTFEパッド、引張速度として1cm/分、および10cmの移動距離を利用するピンチ試験で試験したときに、SMM改質機器におけるCoFの50%を超える低減を達成することができる。
本発明のSMM添加剤は、機器、コンポーネント、またはコーティングを製造するために使用される様々な樹脂中のCoFを低減するために使用することができ、樹脂としては前述した樹脂が挙げられるがそれらに限定されない。添加剤は、表面間の摩擦を最小限に抑えることが重要な、想定されるあらゆる機器または用途、特に体内に挿入可能または体内で移動可能な医療機器においてCoFを低減するために使用することができる。SMM添加剤は、使い捨て用途で、または表面が繰り返し摩擦力にさらされる可能性がある用途で、CoFを低減するために機能することができる。
本発明を概略的に説明してきたが、特定の具体例を参照することによってさらに理解することができる。それらの具体例は本明細書では例示目的で提供されているにすぎず、別段の明記がない限り限定を意図するものではない。
実施例
実施例1:PEBAロッドにおける摩擦係数の低減
本発明の化合物を2~4重量%含有するポリエーテルブロックアミドコポリマー(PEBA)の試作模型を、実験室用小型混錬機を使用して製造した。具体的には、Arkema製のPEBAX2533を65℃の真空オーブン中で6時間乾燥した。この樹脂を、3分のサイクル時間(樹脂を入れた後)および約160℃の溶融温度で15mL二軸小型混錬機を使用して、バッチ方式で本発明の様々な化合物とブレンドした。混合チャンバーバルブを開いて溶融ポリマーを放出することにより、ブレンドを直径約3.5mmのロッドへと押し出した。得られたロッドを水浴中で急冷し、風乾した。
押し出された試作模型の摩擦係数(CoF)は、Harland FTS6000試験機を使用したピンチ試験によって測定した。長さ15cmのロッドサンプルを装置に取り付け、室温で水中に沈め、シリコーン摩擦パッド(60Aデュロメータ)の間に200gの一定の力でクランプした。その後、サンプルを10cmの移動距離にわたって1cm/sの一定速度で引っ張り、サンプルを引っ張るのに要した力を記録した。クランプ力で割った平均の引張力を使用して、動的CoFを計算した。改質されていないPEBAX対照とSMMで改質された試作模型の5つの独立したサンプルを試験した。平均のCoFは図1に示されており、エラーバーは標準偏差を表している。試験したSMM配合物のうちの2つである化合物2と化合物4は、PEBA試作模型のCoFを30%より大きく(具体的にはそれぞれ97%および83%)低減することが分かった。
実施例2:ポリウレタンロッドにおける摩擦係数の低減
本発明の化合物を2重量%含有するポリウレタンの試作模型を、実施例1に記載した実験室用小型混錬機を使用して製造した。Lubrizol製のCarbothane 3585Aを、処理前に65℃で4時間、真空オーブン中で乾燥し、ポリウレタン樹脂のSMMとのブレンドおよび押出に約230℃の溶融温度を使用した。得られたロッドの試作模型は、直径約3.3mmであった。
押し出された試作模型の摩擦係数(CoF)は、実施例1で記載したHarland FTS6000試験機を使用したピンチ試験によって測定した。510gのクランプ力を使用し、未改質ポリウレタン対照とSMMで改質された試作模型の5つの独立したサンプルを試験した。ピンチ試験は、各サンプルで15回繰り返し、繰り返し試験サイクルにわたって低減が維持されることを確認した。5つのサンプルおよび15サイクルにわたる平均のCoFは図2に示されており、エラーバーは標準偏差を表している。試験したSMM配合物のうちの1つである化合物7は、ポリウレタン試作模型のCoFを30%より大きく(具体的には61%)低減することが分かった。
実施例3:ポリウレタンロッドにおける摩擦係数の低減
本発明の化合物を2重量%含有するポリウレタンの試作模型を、実施例1に記載した実験室用小型混錬機を使用して製造した。Lubrizol製のCarbothane 3585Aを、処理前に65℃で4時間、真空オーブン中で乾燥し、ポリウレタン樹脂のSMMとのブレンドおよび押出に230℃の溶融温度を使用した。得られたロッドの試作模型は、直径約3.3mmであった。
押し出された試作模型の摩擦係数(CoF)は、実施例1で記載したHarland FTS6000試験機を使用したピンチ試験によって測定した。200gのクランプ力を使用し、未改質ポリウレタン対照とSMMで改質された試作模型の5つの独立したサンプルを試験した。ピンチ試験は、各サンプルで5回繰り返し、繰り返し試験サイクルにわたって低減が維持されることを確認した。5つのサンプルおよび5サイクルにわたる平均のCoFは図3に示されており、エラーバーは標準偏差を表している。
試験したSMM配合物である化合物2、化合物4、および化合物3の3つ全てが、ポリウレタン試作模型のCoFを30%より大きく(具体的にはそれぞれ88%、84%、および54%)低減することが分かった。
実施例4:ポリウレタンカテーテルチューブにおける摩擦係数の低減
最初にSMMをLubrizol製のCarbothane 3595A-B20樹脂に工業的な混錬プロセスを使用して配合することによって、20%の硫酸バリウムである放射線不透過性フィラーと2重量%の本発明の化合物2とを含むポリウレタンカテーテルチューブを製造した。次いで、バージンポリウレタン樹脂とSMMを含む配合樹脂の両方を、工業的なチューブ押出プロセスを使用して10Fチューブへと押し出した。
押し出されたチューブの摩擦係数(CoF)は、実施例1で記載したHarland FTS6000試験機を使用したピンチ試験によって測定した。200gのクランプ力を使用し、未改質のポリウレタン対照チューブとSMM改質チューブの3つの独立したサンプルを試験した。ピンチ試験は、各サンプルで5回繰り返し、繰り返し試験サイクルにわたって低減が維持されることを確認した。3つのサンプルおよび5サイクルにわたる平均のCoFは図4に示されており、エラーバーは標準偏差を表している。試験したSMM配合物である化合物2は、20%の硫酸バリウムを含むポリウレタンチューブのCoFを75%低減することが分かった。
実施例5:シリコーンカテーテルチューブにおける摩擦係数の低減
本発明の化合物である化合物6を4重量%含有するシリコーンカテーテルチューブは、SMMをDow CorningのSilasticQ7-4750シリコーンエラストマーと2ロールミルを使用してブレンドし、続いて標準のシリコーンチューブ押出方法に従って15.5Frのチューブへと低温押出し、硬化することによって製造した。対照のシリコーンチューブは同じ方法で製造したが、SMMは添加しなかった。
押し出された試作模型の摩擦係数は、実施例1で記載したHarland FTS6000試験機を使用したピンチ試験によって測定した。200gのクランプ力を使用し、未改質のシリコーン対照チューブおよびSMM改質チューブの5つの独立したサンプルを試験した。ピンチ試験は、各サンプルで25回繰り返し、繰り返し試験サイクルにわたって低減が維持されることを確認した。5つのサンプルおよび25サイクルにわたる平均のCoFは図5に示されており、エラーバーは標準偏差を表している。試験したSMM配合物である化合物6は、シリコーンチューブのCoFを88%低減することが分かった。
実施例6:ポリウレタンフィルムにおける摩擦係数の低減
本発明の化合物である化合物2を2重量%含有するポリウレタンフィルムを、実験室用小型混錬機およびヒートプレスを使用して製造した。具体的には、Lubrizol製のCarbothane 3585Aを、処理前に65℃で4時間、真空オーブン中で乾燥し、実施例1に記載のようにポリウレタン樹脂のSMMとのブレンドおよびロッド形態への押出に約230℃の溶融温度を使用した。続いて、ロッドをモールド内で整列させ、210℃の温度および500psiの圧力で5分間運転されるCarverプレス(2627-5型)を使用して、130×90mm、厚さ1mmのフィルムへと圧縮成形した。圧縮後、モールドを冷水で急冷し、フィルムをすぐに剥がした。
フィルムの摩擦係数(CoF)は、ASTM D1894試験法に従って測定した。試験用に選択された基材は、12インチ×12インチ、厚さ1/32インチのシリコーン60Aシートであった。フィルムサンプルは、23℃±2℃、50%±10%RHで40時間コンディショニングした。コンディショニング期間の後、サンプルを64×64mm四方の試験片に切断し、両面テープを使用して既知の重量(200g)のそりに貼り付けた。このそりを、Instron Series5565装置を使用して150mm/分の速度でシリコーン基材の平面を横切って引っ張り、そりの動きを開始する力(静止力)と動きを維持する力(運動力)を記録した。試験は、室温で乾燥条件および湿潤条件(各湿潤試験の前に基材に水を噴霧した)の両方で行った。乾燥試験と湿潤試験には、フィルムの同じ面を使用した。各試験グループでは、新しいシリコーン基材シートを使用した。静摩擦係数(μ)は、静止力をそりの重量で割ることによって計算した。動摩擦係数(μ)は、シリコーン基材表面を横切るそりの均一な摺動中に得られた平均の力の読み取り値を割ることによって計算した。
未改質のポリウレタン対照フィルムとSMM改質フィルムの5つの独立したサンプルを試験した。平均のCoFは図6に示されており、エラーバーは標準偏差を表している。試験したSMM配合物である化合物2は、ポリウレタンフィルム上の静的CoFを乾燥状態および湿潤状態でそれぞれ37%および68%低減し、動的CoFを乾燥状態および湿潤状態でそれぞれ35%および33%低減することが分かった。
実施例7:PEBAカテーテルチューブにおける摩擦係数の低減
最初にSMMをEvonik製のPEBA(Vestamid(登録商標)ME40)樹脂に工業的な混錬プロセスを用いて配合することによって、本発明の化合物2および化合物4を4重量%含むPEBAカテーテルチューブを製造した。次いで、バージンPEBA樹脂とSMMを含む配合樹脂の両方を、市販のチューブ押出プロセスを使用して8Fのチューブへと押し出した。
押し出されたチューブの摩擦係数(CoF)は、実施例1に記載の通りにHarland FTS6000試験機を使用するピンチ試験によって測定した。200gのクランプ力を使用し、未改質のPEBA対照チューブおよびSMM改質チューブの4つの独立したサンプルを試験した。ピンチ試験は、各サンプルで25回繰り返し、繰り返し試験サイクルにわたって低減が維持されることを確認した。4つのサンプルおよび25サイクルにわたる平均のCoFは図7に示されており、エラーバーは標準偏差を表している。試験したSMM配合物である化合物2および化合物4は、PEBAチューブのCoFを30%より大きく(具体的にはそれぞれ92%および88%)低減することが分かった。
実施例8:ポリアミドロッドにおける摩擦係数の低減
本発明の化合物2、3、および4を6重量%含むポリアミド試作模型を、実施例1に記載した実験室用小型混錬機を使用して製造した。具体的には、Evonik製のVestamid(登録商標)ML24を、処理前に80℃で4時間、真空オーブン中で乾燥し、ポリアミド樹脂のSMMとのブレンドおよび押出に約215℃の溶融温度を使用した。得られたロッドの試作模型は、直径約3.5mmであった。
押し出された試作模型の摩擦係数(CoF)は、実施例1で記載したHarland FTS6000試験機を使用したピンチ試験によって測定した。200gのクランプ力を使用し、未改質ポリアミド対照とSMMで改質された試作模型の5つの独立したサンプルを試験した。ピンチ試験は、各サンプルで25回繰り返し、繰り返し試験サイクルにわたって低減が維持されることを確認した。5つのサンプルおよび25サイクルにわたる平均のCoFは図8に示されており、エラーバーは標準偏差を表している。
試験したSMM配合物である化合物2、化合物3、および化合物4の3つ全てが、ポリアミド試作模型のCoFを30%より大きく(具体的にはそれぞれ83%、77%、および87%)低減することが分かった。
実施例9:PVCロッドにおける摩擦係数の低減
本発明の化合物2および4を2重量%含むPVC試作模型を、実施例1に記載した実験室用小型混錬機を使用して製造した。具体的には、Cary Compounds製の85APVCを、処理前に真空オーブン中で室温で一晩乾燥し、PVC樹脂のSMMとのブレンドおよび押出に、約160℃の溶融温度を使用した。得られたロッドの試作模型は、直径約3.6mmであった。
押し出された試作模型の摩擦係数(CoF)は、実施例1で記載したHarland FTS6000試験機を使用したピンチ試験によって測定した。200gのクランプ力を使用し、未改質PVC対照とSMMで改質された試作模型の4つの独立したサンプルを試験した。ピンチ試験は、各サンプルで25回繰り返し、繰り返し試験サイクルにわたって低減が維持されることを確認した。4つのサンプルおよび25サイクルにわたる平均のCoFは図9に示されており、エラーバーは標準偏差を表している。
試験したSMM配合物である化合物2と化合物4の両方が、PVC試作模型のCoFを30%より大きく(具体的にはそれぞれ62%および87%)低減することが分かった。
上の教示を踏まえると、本発明の多数の修正および変形が可能であることは自明である。したがって、添付の特許請求の範囲内で、本明細書に具体的に記載されている方法以外の方法で本発明が実施され得ることが理解されるべきである。
項目1 物品であって、
ベースポリマーと混合されたオリゴフッ素化添加剤を含有する低摩擦表面を含み、
前記低摩擦表面の摩擦係数が、前記オリゴフッ素化添加剤を含まない前記ベースポリマーの表面と比較して少なくとも30%低減される、
物品。
項目2 前記低摩擦表面の前記摩擦係数が、ピンチ試験によって測定される、項目1記載の物品。
項目3 前記表面が水和状態である、項目1または2記載の物品。
項目4 医療機器である、項目1から3までのいずれか1つ記載の物品。
項目5 前記医療機器が、血管カテーテル、ドレナージカテーテル、神経血管カテーテル、注入カテーテル、非経口栄養カテーテル、および泌尿器カテーテルからなる群から選択されるカテーテルである、項目4記載の物品。
項目6 前記低摩擦表面が外面である、項目1から5までのいずれか1つ記載の物品。
項目7 前記低摩擦表面が内面である、項目1から5までのいずれか1つ記載の物品。
項目8 前記低摩擦表面が、オリゴフッ素化添加剤とベースポリマーとを含むコーティングを適用することによって得られる、項目1から7までのいずれか1つ記載の物品。
項目9 前記ベースポリマーが、ポリウレタン、シリコーン、ポリアミド、ポリエステル、コポリエステル、ポリエーテル、ポリエーテル-ブロック-アミドコポリマー、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリスルホン、ポリエーテルイミド、ポリカーボネート、ポリエーテルエーテルケトン、エチルビニルアセテート、ポリオレフィン、スチレンブロックコポリマー、加硫ゴム、およびそれらの混合物からなる群から選択される、項目1から8までのいずれか1つ記載の物品。
項目10 前記ベースポリマーが、ポリウレタン、シリコーン、ポリエーテルブロックアミドコポリマー、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、およびそれらの混合物からなる群から選択される、項目1から8までのいずれか1つ記載の物品。
項目11 ピンチ試験によって測定される摩擦係数が、前記ベースポリマーの少なくとも50%低減される、項目2記載の物品。
項目12 前記オリゴフッ素化添加剤が、前記ベースポリマーに対して0.05~15重量%の量で存在する、項目1から11までのいずれか1つ記載の物品。
項目13 前記オリゴフッ素化添加剤が、式(I):
-[B-A]-B-F (I)
[式中、
(i)Aは、ポリプロピレンオキシド、ポリエチレンオキシド、ポリテトラメチレンオキシド、水添ポリブタジエン、ポリブタジエン、水添ポリイソプレン、ポリ(ジエチレングリコール)アジペート、ジエチレングリコール-オルト無水フタル酸)ポリエステル、(ネオペンチルグリコール-オルト無水フタル酸)ポリエステル、(1,6-ヘキサンジオール-オルト無水フタル酸)ポリエステル、ポリ(ヘキサメチレンカーボネート)、ポリ((2,2-ジメチル)-1,3-プロピレンカーボネート)、ポリカーボネートポリオール、ポリ(エチレン-co-ブチレン)、ポリスチレン、ポリシロキサン、ポリジメチルシロキサン、ポリプロピレングリコール-ポリエチレングリコールブロックコポリマー、ポリシロキサン-ポリエチレングリコールブロックコポリマー、ポリシロキサン-ポリプロピレングリコールブロックコポリマー、またはポリプロピレンオキシド、ポリエチレンオキシド、ポリテトラメチレンオキシド、ポリシロキサン、およびポリジメチルシロキサンの群から選択されるブロックセグメントを含む他のブロックコポリマーを含み;
(ii)Bは、ウレタンを含むセグメントであり;
(iii)Fは、ポリフルオロオルガノ基であり;
(iv)nは1~10の整数である]
に従う、項目1から12までのいずれか1つ記載の物品。
項目14 前記ベースポリマーが、ポリウレタン、シリコーン、ポリエーテルブロックアミドコポリマー、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、およびそれらの混合物からなる群から選択される、項目13記載の物品。
項目15 前記オリゴフッ素化添加剤が、式(II)または式(III):
Figure 2023543013000017
[式中、
(i)Aは、エーテル結合、エステル結合、カーボネート結合、ポリアルキレンを含むオリゴマーセグメントであり、Aは、ポリプロピレンオキシド、ポリエチレンオキシド、ポリテトラメチレンオキシド、水添ポリブタジエン、ポリブタジエン、水添ポリイソプレン、ポリ(ジエチレングリコール)アジペート、(ジエチレングリコール-オルト無水フタル酸)ポリエステル、(ネオペンチルグリコール-オルト無水フタル酸)ポリエステル、(1,6-ヘキサンジオール-オルト無水フタル酸)ポリエステル、ポリ(ヘキサメチレンカーボネート)、ポリ((2,2-ジメチル)-1,3-プロピレンカーボネート)、ポリカーボネートポリオール、ポリ(エチレン-co-ブチレン)、ポリスチレン、ポリシロキサン、ポリジメチルシロキサン、ポリプロピレングリコール-ポリエチレングリコールブロックコポリマー、ポリシロキサン-ポリエチレングリコールブロックコポリマー、ポリシロキサン-ポリプロピレングリコールブロックコポリマー、またはポリプロピレンオキシド、ポリエチレンオキシド、ポリテトラメチレンオキシド、ポリシロキサン、およびポリジメチルシロキサンの群から選択されるブロックセグメントを含む他のブロックコポリマーを含み;
(ii)Bは、イソシアヌレート三量体またはビウレット三量体を含むセグメントであり、B’は、存在する場合にはウレタンを含むセグメントであり;
(iii)各Fは、ポリフルオロオルガノ基であり;
(iv)nは0~10の整数である]
に従う、項目1から12までのいずれか1つ記載の物品。
項目16 前記オリゴフッ素化添加剤が、式(IV):
Figure 2023543013000018
[式中、
(i)各Fは、独立して、ポリジメチルシロキサン、炭化水素、およびポリフルオロオルガノ基から選択される界面活性基であり;
(ii)Xは、H、CH、またはCHCHであり;
(iii)XおよびXのそれぞれは、独立して、H、CH、CHCH、またはFであり;
(iv)LおよびLのそれぞれは、独立して、結合、オリゴマー状連結基、または2つの末端カルボニルを有する連結基であり;
(v)nは5~50の整数である]
に従う、項目1から12までのいずれか1つ記載の物品。
項目17 前記ベースポリマーが、ポリウレタン、シリコーン、ポリエーテルブロックアミドコポリマー、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、およびそれらの混合物からなる群から選択される、項目16記載の物品。
項目18 表面の摩擦係数を低減する方法であって、
オリゴフッ素化添加剤とベースポリマーとの混合物を、それを必要とする表面に適用することを含む、方法。
項目19 前記混合物が、前記ベースポリマーに対して0.05~15重量%の前記オリゴフッ素化添加剤を含有する、項目18記載の方法。
項目20 低減された摩擦係数を有する医療機器を製造する方法であって、オリゴフッ素化添加剤とベースポリマーとを含有する組成物を押し出すこと、成形すること、またはコーティングすることを含む、方法。
項目21 ポリマー物品または層の摩擦係数を、好ましくはオリゴフッ素化添加剤を含まない前記ポリマー物品または層の摩擦係数と比較して少なくとも30%低減するための前記オリゴフッ素化添加剤の使用であって、前記オリゴフッ素化添加剤が、前記ポリマー物品または層のベースポリマーと混合される、使用。

Claims (20)

  1. 物品であって、
    ベースポリマーと混合されたオリゴフッ素化添加剤を含有する低摩擦表面を含み、
    前記低摩擦表面の摩擦係数が、前記オリゴフッ素化添加剤を含まない前記ベースポリマーの表面と比較して少なくとも30%低減される、
    物品。
  2. 前記低摩擦表面の前記摩擦係数が、ピンチ試験によって測定される、請求項1記載の物品。
  3. 前記表面が水和状態である、請求項1または2記載の物品。
  4. 医療機器である、請求項1から3までのいずれか1項記載の物品。
  5. 前記医療機器が、血管カテーテル、ドレナージカテーテル、神経血管カテーテル、注入カテーテル、非経口栄養カテーテル、および泌尿器カテーテルからなる群から選択されるカテーテルである、請求項4記載の物品。
  6. 前記低摩擦表面が外面である、請求項1から5までのいずれか1項記載の物品。
  7. 前記低摩擦表面が内面である、請求項1から5までのいずれか1項記載の物品。
  8. 前記低摩擦表面が、オリゴフッ素化添加剤とベースポリマーとを含むコーティングを適用することによって得られる、請求項1から7までのいずれか1項記載の物品。
  9. 前記ベースポリマーが、ポリウレタン、シリコーン、ポリアミド、ポリエステル、コポリエステル、ポリエーテル、ポリエーテル-ブロック-アミドコポリマー、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリスルホン、ポリエーテルイミド、ポリカーボネート、ポリエーテルエーテルケトン、エチルビニルアセテート、ポリオレフィン、スチレンブロックコポリマー、加硫ゴム、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1から8までのいずれか1項記載の物品。
  10. 前記ベースポリマーが、ポリウレタン、シリコーン、ポリエーテルブロックアミドコポリマー、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1から8までのいずれか1項記載の物品。
  11. ピンチ試験によって測定される摩擦係数が、前記ベースポリマーの少なくとも50%低減される、請求項2記載の物品。
  12. 前記オリゴフッ素化添加剤が、前記ベースポリマーに対して0.05~15重量%の量で存在する、請求項1から11までのいずれか1項記載の物品。
  13. 前記オリゴフッ素化添加剤が、式(I):
    -[B-A]-B-F (I)
    [式中、
    (i)Aは、ポリプロピレンオキシド、ポリエチレンオキシド、ポリテトラメチレンオキシド、水添ポリブタジエン、ポリブタジエン、水添ポリイソプレン、ポリ(ジエチレングリコール)アジペート、ジエチレングリコール-オルト無水フタル酸)ポリエステル、(ネオペンチルグリコール-オルト無水フタル酸)ポリエステル、(1,6-ヘキサンジオール-オルト無水フタル酸)ポリエステル、ポリ(ヘキサメチレンカーボネート)、ポリ((2,2-ジメチル)-1,3-プロピレンカーボネート)、ポリカーボネートポリオール、ポリ(エチレン-co-ブチレン)、ポリスチレン、ポリシロキサン、ポリジメチルシロキサン、ポリプロピレングリコール-ポリエチレングリコールブロックコポリマー、ポリシロキサン-ポリエチレングリコールブロックコポリマー、ポリシロキサン-ポリプロピレングリコールブロックコポリマー、またはポリプロピレンオキシド、ポリエチレンオキシド、ポリテトラメチレンオキシド、ポリシロキサン、およびポリジメチルシロキサンの群から選択されるブロックセグメントを含む他のブロックコポリマーを含み;
    (ii)Bは、ウレタンを含むセグメントであり;
    (iii)Fは、ポリフルオロオルガノ基であり;
    (iv)nは1~10の整数である]
    に従う、請求項1から12までのいずれか1項記載の物品。
  14. 前記ベースポリマーが、ポリウレタン、シリコーン、ポリエーテルブロックアミドコポリマー、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項13記載の物品。
  15. 前記オリゴフッ素化添加剤が、式(II)または式(III):
    Figure 2023543013000019
    [式中、
    (i)Aは、エーテル結合、エステル結合、カーボネート結合、ポリアルキレンを含むオリゴマーセグメントであり、Aは、ポリプロピレンオキシド、ポリエチレンオキシド、ポリテトラメチレンオキシド、水添ポリブタジエン、ポリブタジエン、水添ポリイソプレン、ポリ(ジエチレングリコール)アジペート、(ジエチレングリコール-オルト無水フタル酸)ポリエステル、(ネオペンチルグリコール-オルト無水フタル酸)ポリエステル、(1,6-ヘキサンジオール-オルト無水フタル酸)ポリエステル、ポリ(ヘキサメチレンカーボネート)、ポリ((2,2-ジメチル)-1,3-プロピレンカーボネート)、ポリカーボネートポリオール、ポリ(エチレン-co-ブチレン)、ポリスチレン、ポリシロキサン、ポリジメチルシロキサン、ポリプロピレングリコール-ポリエチレングリコールブロックコポリマー、ポリシロキサン-ポリエチレングリコールブロックコポリマー、ポリシロキサン-ポリプロピレングリコールブロックコポリマー、またはポリプロピレンオキシド、ポリエチレンオキシド、ポリテトラメチレンオキシド、ポリシロキサン、およびポリジメチルシロキサンの群から選択されるブロックセグメントを含む他のブロックコポリマーを含み;
    (ii)Bは、イソシアヌレート三量体またはビウレット三量体を含むセグメントであり、B’は、存在する場合にはウレタンを含むセグメントであり;
    (iii)各Fは、ポリフルオロオルガノ基であり;
    (iv)nは0~10の整数である]
    に従う、請求項1から12までのいずれか1項記載の物品。
  16. 前記オリゴフッ素化添加剤が、式(IV):
    Figure 2023543013000020
    [式中、
    (i)各Fは、独立して、ポリジメチルシロキサン、炭化水素、およびポリフルオロオルガノ基から選択される界面活性基であり;
    (ii)Xは、H、CH、またはCHCHであり;
    (iii)XおよびXのそれぞれは、独立して、H、CH、CHCH、またはFであり;
    (iv)LおよびLのそれぞれは、独立して、結合、オリゴマー状連結基、または2つの末端カルボニルを有する連結基であり;
    (v)nは5~50の整数である]
    に従う、請求項1から12までのいずれか1項記載の物品。
  17. 前記ベースポリマーが、ポリウレタン、シリコーン、ポリエーテルブロックアミドコポリマー、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項16記載の物品。
  18. 表面の摩擦係数を低減する方法であって、
    オリゴフッ素化添加剤とベースポリマーとの混合物を、それを必要とする表面に適用することを含む、方法。
  19. 前記混合物が、前記ベースポリマーに対して0.05~15重量%の前記オリゴフッ素化添加剤を含有する、請求項18記載の方法。
  20. 低減された摩擦係数を有する医療機器を製造する方法であって、オリゴフッ素化添加剤とベースポリマーとを含有する組成物を押し出すこと、成形すること、またはコーティングすることを含む、方法。
JP2023519065A 2020-09-25 2021-09-24 潤滑性または低摩擦特性を有する表面 Pending JP2023543013A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US202063083305P 2020-09-25 2020-09-25
US63/083,305 2020-09-25
PCT/CA2021/051331 WO2022061465A1 (en) 2020-09-25 2021-09-24 Surfaces having lubricious or low friction properties

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2023543013A true JP2023543013A (ja) 2023-10-12
JPWO2022061465A5 JPWO2022061465A5 (ja) 2024-10-01

Family

ID=80845945

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2023519065A Pending JP2023543013A (ja) 2020-09-25 2021-09-24 潤滑性または低摩擦特性を有する表面

Country Status (9)

Country Link
US (1) US20230338621A1 (ja)
EP (1) EP4217415A1 (ja)
JP (1) JP2023543013A (ja)
KR (1) KR20230074543A (ja)
CN (1) CN116322811A (ja)
AU (1) AU2021349788A1 (ja)
CA (1) CA3193017A1 (ja)
IL (1) IL301383A (ja)
WO (1) WO2022061465A1 (ja)

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2321360B1 (en) * 2008-08-28 2020-11-25 Evonik Canada Inc. Thermally stable biuret and isocyanurate based surface modifying macromolecules and uses thereof
WO2011080543A1 (en) * 2009-12-31 2011-07-07 Becton Dickinson France Medical components having coated surfaces exhibiting low friction and/or low gas/liquid permeability
US9206283B1 (en) * 2013-03-15 2015-12-08 Angiodynamics, Inc. Thermoplastic polyurethane admixtures
AU2019271439A1 (en) * 2018-05-18 2021-01-14 Evonik Canada Inc. Surfaces resistant to bacterial adhesion

Also Published As

Publication number Publication date
AU2021349788A9 (en) 2024-10-17
EP4217415A1 (en) 2023-08-02
WO2022061465A1 (en) 2022-03-31
CA3193017A1 (en) 2022-03-31
CN116322811A (zh) 2023-06-23
KR20230074543A (ko) 2023-05-30
US20230338621A1 (en) 2023-10-26
IL301383A (en) 2023-05-01
AU2021349788A1 (en) 2023-06-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0472413B1 (en) Expandable catheter having hydrophobic surface
EP2493521B1 (en) A medical tube article
JP7411644B2 (ja) 自己潤滑性医療用物品
JP7411643B2 (ja) 自己潤滑性医療用物品
US5059269A (en) Method of making an article having a hemocompatible surface
JPH0632652B2 (ja) 湿潤時に潤滑性のある医療用物品
EP0332065B1 (en) An article having a hemocompatible surface and method for its preparation
JPH0722952B2 (ja) 物品に滑らかな被覆を適用する方法
JPH0811129B2 (ja) 制御されたインビボ軟化性を備えたカテーテルチューブ
JP7129987B2 (ja) 抗菌特性を有する非血栓形成ポリマー組成物
JP2024507934A (ja) ポリウレタンベースの医療用品
JP2024507576A (ja) ポリウレタンベースの医療用物品
JP2023543013A (ja) 潤滑性または低摩擦特性を有する表面
WO2023100827A1 (ja) 医療機器

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20240920

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20240920