JP2023541152A - 鎌状赤血球症を処置するためのビスホスホグリセリン酸ムターゼのモジュレーターとしての化合物 - Google Patents

鎌状赤血球症を処置するためのビスホスホグリセリン酸ムターゼのモジュレーターとしての化合物 Download PDF

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Abstract

本明細書において提供するのは、鎌状赤血球症を処置するための、ビスホスホグリセリン酸ムターゼ(BPGM)をモジュレートする化合物およびその組成物である。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、合衆国法典第35巻第119条(e)に基づき、その全体が参照により本明細書に組み入れられる2020年9月14日に出願された米国仮特許出願第63/077,973号の利益を主張する。
本開示は一般に、鎌状赤血球症を処置するための化合物、組成物および方法に関する。
ビスホスホグリセリン酸ムターゼ(BPGM)は、赤血球(RBC)の内部で2,3-ビス-ホスホグリセレート(2,3-BPG)のレベルを調節する、グルコース代謝経路における酵素である。2,3-BPGは、重合する傾向を有するヘモグロビンの脱酸素化または「T-状態」を安定させる、ヘモグロビンの公知のアロステリックモジュレーターであり、鎌状赤血球の形成をきたす。鎌状赤血球症を処置するための安全かつ有効な経口治療法について、現在満たされていない医学的要求が多大に存在する。2,3-BPGレベルを低減させるBPGMモジュレーターは、既存の治療法から新規な機序を提供し、鎌状赤血球症患者における鎌状化を著しく低減させることができる。
したがって、一態様において、本明細書において提供するのは、鎌状赤血球症の処置に使用するためのBPGMのモジュレーターである化合物である。
本明細書に記載されているのは、ある特定の実施形態では、鎌状赤血球症を処置するためのビスホスホグリセリン酸ムターゼ(BPGM)をモジュレートする化合物およびその組成物である。
以下の実施形態が包含される。
実施形態1aは、式(I):
Figure 2023541152000001
(式中:
環Aは、NおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を含有する5員ヘテロアリーレンであり;
環Bは、フェニレン、またはNおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を含有する5~6員ヘテロアリーレンであり;
環Cは、NおよびOから選択される1~4個のヘテロ原子を含有する、縮合二環式9~10員ヘテロアリールもしくはヘテロシクリル、1~4個の窒素原子を含有する5~6員ヘテロアリール、または1個のRで置換されているフェニルであり;
各Rは、独立に、-OH、ハロ、オキソ、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、-CN、-N(H)C(O)R、-N(H)SO、-SONRまたは-C(O)N(H)SOであり;
各Rは、独立に、C~Cアルキル、C~Cハロアルキルまたはハロであり;
各Rは、独立に、C~Cアルキル、C~CハロアルキルまたはC~Cシクロアルキルであり;
は、-OH、-OP(O)(OH)、-NO、-C(O)N(H)SO、5~6員ヘテロアリールもしくはヘテロシクリル、または-C(O)N(H)-(5~6員ヘテロアリールまたはヘテロシクリル)であり、
ヘテロアリールおよびヘテロシクリルは、N、OおよびSから選択される1~4個のヘテロ原子を含有し、
ヘテロシクリルは、1~2個のオキソ基で場合により置換されており;
mは0~4であり;
nは0~2であり;
oは0~2であり;
は、フェニルまたはC~Cアルキルであり;
Xは、-CR-または結合であり;
Yは、-O-、-N(H)-または結合であり;
各RおよびRは、独立に、HまたはC~Cアルキルであり;
Zは、ZまたはZであり;
は、H、C~Cアルキル、-C(O)(C~Cアルキル)、-CO(C~Cアルキル)、-C(O)NR、-C(O)NR(C~Cアルキレン)NR、-CRC(O)NR、-CRNR、-C(O)(C~Cアルキレン)NR、-NRC(O)(C~Cアルキル)、-NR、-(C~Cアルキル)-COH、-(C~Cアルキル)-OHまたは-C(NR)=N-CNであり、
~Cアルキレンは、1~6個のハロ、C~CアルキルまたはC~Cハロアルキルで場合により置換されており;
は、5~6員ヘテロアリール、-C(O)(5~6員ヘテロアリール)、-CHC(O)(5~6員ヘテロアリール)、4~6員ヘテロシクリル、-C(O)(4~6員ヘテロシクリル)または-CHC(O)(4~6員ヘテロシクリル)であり、
ヘテロアリールおよびヘテロシクリルは、NおよびOから選択される1~3個のヘテロ原子を含有し、
ヘテロアリールおよびヘテロシクリルは、1~3個のRで場合により置換されており;
各Rは、独立に、ハロ、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、-NR、-OH、オキソ、-COH、-O(C~Cアルキル)、-CH-O(C~Cアルキル)または-(C~Cアルキル)-OHである)
の化合物または薬学的に許容されるその塩である。
実施形態1bは、式(I):
Figure 2023541152000002
(式中:
環Aは、NおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を含有する5員ヘテロアリーレンであり;
環Bは、フェニレン、またはNおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を含有する5~6員ヘテロアリーレンであり;
環Cは、NおよびOから選択される1~4個のヘテロ原子を含有する、縮合二環式9~10員ヘテロアリールもしくはヘテロシクリル、1~4個の窒素原子を含有する5~6員ヘテロアリール、または1個のRで置換されているフェニルであり;
各Rは、独立に、-OH、ハロ、オキソ、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、-CN、-N(H)C(O)R、-N(H)SO、-N(H)SO(C)、-SONRまたは-C(O)N(H)SOであり;
各Rは、独立に、C~Cアルキル、C~Cハロアルキルまたはハロであり;
各Rは、独立に、C~Cアルキル、C~CハロアルキルまたはC~Cシクロアルキルであり;
は、-OH、-OP(O)(OH)、-NO、-C(O)N(H)SO、5~6員ヘテロアリールもしくはヘテロシクリル、または-C(O)N(H)-(5~6員ヘテロアリールまたはヘテロシクリル)であり、
ヘテロアリールおよびヘテロシクリルは、N、OおよびSから選択される1~4個のヘテロ原子を含有し、
ヘテロシクリルは、1~2個のオキソ基で場合により置換されており;
mは0~4であり;
nは0~2であり;
oは0~2であり;
は、フェニルまたはC~Cアルキルであり;
Xは、-CR-または結合であり;
Yは、-O-、-N(H)-または結合であり;
各RおよびRは、独立に、HまたはC~Cアルキルであり;
Zは、ZまたはZであり;
は、H、C~Cアルキル、-C(O)(C~Cアルキル)、-CO(C~Cアルキル)、-C(O)NR、-C(O)NR(C~Cアルキレン)NR、-CRC(O)NR、-CRNR、-C(O)(C~Cアルキレン)NR、-NRC(O)(C~Cアルキル)、-NR、-(C~Cアルキル)-COH、-(C~Cアルキル)-OHまたは-C(NR)=N-CNであり、
~Cアルキレンは、1~6個のハロ、C~CアルキルまたはC~Cハロアルキルで場合により置換されており;
は、5~6員ヘテロアリール、-C(O)(5~6員ヘテロアリール)、-CHC(O)(5~6員ヘテロアリール)、4~6員ヘテロシクリル、-C(O)(4~6員ヘテロシクリル)または-CHC(O)(4~6員ヘテロシクリル)であり、
ヘテロアリールおよびヘテロシクリルは、NおよびOから選択される1~3個のヘテロ原子を含有し、
ヘテロアリールおよびヘテロシクリルは、1~3個のRで場合により置換されており;
各Rは、独立に、ハロ、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、-NR、-OH、オキソ、-COH、-O(C~Cアルキル)、-CH-O(C~Cアルキル)または-(C~Cアルキル)-OHである)
の化合物または薬学的に許容されるその塩である。
実施形態2は、環Aが、チアゾリレンである、実施形態1の化合物、または薬学的に許容されるその塩である。
実施形態3は、各Rが、独立に、C~CアルキルまたはC~Cシクロアルキルである、実施形態1もしくは2の化合物、または薬学的に許容されるその塩である。
実施形態4は、各Rが、独立に、-CHまたはシクロプロピルである、実施形態3の化合物、または薬学的に許容されるその塩である。
実施形態5は、oが0または1である、実施形態1~4のいずれか1つの化合物、または薬学的に許容されるその塩である。
実施形態6は、環Bが、フェニレン、ピリジニレン、チアゾリレン、ピラゾリレン、ピリミジニレンまたはチエニレンである、実施形態1~5のいずれか1つの化合物、または薬学的に許容されるその塩である。
実施形態7は、各Rが、独立に、C~Cアルキルまたはハロである、実施形態1~6のいずれか1つの化合物、または薬学的に許容されるその塩である。
実施形態8は、nが0または1である、実施形態1~7のいずれか1つの化合物、または薬学的に許容されるその塩である。
実施形態9は、環Cが、NおよびOから選択される1~4個のヘテロ原子を含有する、縮合二環式9員ヘテロアリールもしくはヘテロシクリル、1~4個の窒素原子を含有する5~6員ヘテロアリール、または1個のRで置換されているフェニルである、実施形態1~8のいずれか1つの化合物、または薬学的に許容されるその塩である。
実施形態10は、Rが、-OH、-OP(O)(OH)、-NO、-C(O)N(H)SO、5~6員ヘテロアリールもしくはヘテロシクリル、または-C(O)N(H)-(5~6員ヘテロアリールまたはヘテロシクリル)であり、
ヘテロアリールおよびヘテロシクリルが、N、OおよびSから選択される1~4個のヘテロ原子を含有し、
ヘテロシクリルが、1~2個のオキソ基で場合により置換されており;
が、フェニルまたはC~Cアルキルである、実施形態1~9のいずれか1つの化合物、または薬学的に許容されるその塩である。
実施形態11は、環C-(Rが、
Figure 2023541152000003
から選択される、実施形態1~10のいずれか1つの化合物、または薬学的に許容されるその塩である。
実施形態12aは、各Rが、独立に、-OH、ハロ、オキソ、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、-CN、-N(H)C(O)R、-N(H)SO、-SONRまたは-C(O)N(H)SOであり;
各RおよびRが、独立に、HまたはC~Cアルキルである、実施形態1~11のいずれか1つの化合物、または薬学的に許容されるその塩である。
実施形態12bは、各Rが、独立に、-OH、ハロ、オキソ、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、-CN、-N(H)C(O)R、-N(H)SO、-N(H)SO(C)、-SONRまたは-C(O)N(H)SOであり;
各RおよびRが、独立に、HまたはC~Cアルキルである、実施形態1~11のいずれか1つの化合物、または薬学的に許容されるその塩である。
実施形態13は、各Rが、独立に、-OH、F、オキソ、-CH、-CN、-N(H)C(O)CH、-N(H)SO(C)、-N(H)SOCH、-SONHまたは-C(O)N(H)SOCHである、実施形態12の化合物、または薬学的に許容されるその塩である。
実施形態14は、mが0~3である、実施形態1~13のいずれか1つの化合物、または薬学的に許容されるその塩である。
実施形態15は、Xが、-CR-である、実施形態1~14のいずれか1つの化合物、または薬学的に許容されるその塩である。
実施形態16は、RおよびRが、それぞれHである、実施形態15の化合物、または薬学的に許容されるその塩である。
実施形態17は、Xが結合である、実施形態1~14のいずれか1つの化合物、または薬学的に許容されるその塩である。
実施形態18は、Yが-O-である、実施形態1~17のいずれか1つの化合物、または薬学的に許容されるその塩である。
実施形態19は、Yが、-N(H)-または結合である、実施形態1~17のいずれか1つの化合物、または薬学的に許容されるその塩である。
実施形態20は、ZがZである、実施形態1~19のいずれか1つの化合物、または薬学的に許容されるその塩である。
実施形態21は、Zが、H、C~Cアルキル、-C(O)(C~Cアルキル)、-CO(C~Cアルキル)、-C(O)NR、-C(O)NR(C~Cアルキレン)NR、-CRC(O)NR、-CRNR、-C(O)(C~Cアルキレン)NR、-NRC(O)(C~Cアルキル)、-NR、-(C~Cアルキル)-COH、-(C~Cアルキル)-OHまたは-C(NR)=N-CNであり、
~Cアルキレンが、1~2個のハロ、C~CアルキルまたはC~Cハロアルキルで場合により置換されており;
各RおよびRが、独立に、HまたはC~Cアルキルである、実施形態20の化合物、または薬学的に許容されるその塩である。
実施形態22は、Zが、H、-COCH、-COC(CH、-C(O)CH、-C(O)C(CH、-C(N(CH)=N-CN、-C(O)N(CH、-CH、-CHCH、-CHC(CH、-CHCOH、-CHC(CHOH、-C(O)N(CH)CHCHN(CH、-CHC(O)N(CH、-CH(CH)C(O)N(CH、-N(CH、-N(CH)C(O)CHまたは-C(O)CH(CH)CHN(CHである、実施形態20もしくは21の化合物、または薬学的に許容されるその塩である。
実施形態23は、ZがZである、実施形態1~19のいずれか1つの化合物、または薬学的に許容されるその塩である。
実施形態24は、Zが、5~6員ヘテロアリール、-C(O)(5~6員ヘテロアリール)、-CHC(O)(5~6員ヘテロアリール)、4~6員ヘテロシクリル、-C(O)(4~6員ヘテロシクリル)または-CHC(O)(4~6員ヘテロシクリル)であり、
ヘテロアリールおよびヘテロシクリルが、NおよびOから選択される1~2個のヘテロ原子を含有し、
ヘテロアリールおよびヘテロシクリルが、1~3個のRで場合により置換されている、実施形態23の化合物、または薬学的に許容されるその塩である。
実施形態25は、Zが、ピリミジニル、ピリダジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピリダジニル、-C(O)(テトラヒドロピラニル)、-C(O)(ピロリジニル)、-C(O)(ピリダジニル)、-C(O)(ピペリジニル)、-C(O)(アゼチジニル)、-C(O)(ピラゾリル)、-C(O)(ピペラジニル)、-CHC(O)(ピロリジニル)、-CHC(O)(ピペリジニル)または-CHC(O)(ピペラジニル)であり、
ヘテロアリールおよびヘテロシクリルが、1~3個のRで場合により置換されている、実施形態23もしくは24の化合物、または薬学的に許容されるその塩である。
実施形態26は、各Rが、独立に、ハロ、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、-NR、-OH、オキソ、-COH、-O(C~Cアルキル)、-CH-O(C~Cアルキル)または-(C~Cアルキル)-OHであり;
各RおよびRが、独立に、HまたはC~Cアルキルである、実施形態1~19および23~25のいずれか1つの化合物、または薬学的に許容されるその塩である。
実施形態27は、各Rが、独立に、-CH、-CHCH、-NH、-OH、オキソ、-N(CH、-OCH、-CHOCH、-CF、-CHCHOH、-COHまたはClである、実施形態26の化合物、または薬学的に許容されるその塩である。
実施形態28は、Z-Y-X-が、
Figure 2023541152000004
である、実施形態1~22のいずれか1つの化合物、または薬学的に許容されるその塩である。
実施形態29は、Z-Y-X-が、
Figure 2023541152000005
Figure 2023541152000006
である、実施形態1~19および23~27のいずれか1つの化合物、または薬学的に許容されるその塩である。
実施形態30は、表1における化合物から選択される化合物、または薬学的に許容されるその塩である。
実施形態31は、表2における化合物から選択される化合物、または薬学的に許容されるその塩である。
実施形態32は、実施形態1~31のいずれか1つの化合物、または薬学的に許容されるその塩、および少なくとも1つの薬学的に許容される添加剤を含む、医薬組成物である。
実施形態33は、ビスホスホグリセリン酸ムターゼ(BPGM)をモジュレートする方法であって、有効量の実施形態1~31のいずれか1つの化合物、もしくは薬学的に許容されるその塩、または実施形態32の医薬組成物を、BPGMと接触させる工程を含む、方法である。
実施形態34は、それを必要とする対象において、鎌状赤血球症を処置する方法であって、対象に治療的有効量の実施形態1~31のいずれか1つの化合物、もしくは薬学的に許容されるその塩、または実施形態32の医薬組成物を投与することを含む、方法である。
発明を実施するための形態
定義
他に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術および科学用語は、請求されている主題が属する当業者により一般に理解されるものと同じ意味を有する。先述の一般的な説明および以下に詳述される説明は、例示的であり、解説に過ぎず、請求されているいかなる主題も制約しないことを理解すべきである。参照により本明細書に組み込むある材料が、本開示の明示的な内容と矛盾する場合、明示的な内容が勝る。本出願では、単数形の使用は、特に明記しない限り複数形を含む。本明細書および添付の特許請求の範囲に使用するように、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈によって明らかにそれ以外のことの指示がない限り、複数の参照対象を含む。本出願では、「または」の使用は、他に明記しない限り「および/または」を意味する。さらに、用語「含む(including)」、また他の形態、例えば「含む(include)」、「含む(includes)」および「含んだ(included)」の使用は、限定的ではない。
本明細書における「一部の実施形態」、「一実施形態(an embodiment)」、「一実施形態(one embodiment)」または「他の実施形態(other embodiments)」への言及は、実施形態に関連して記載される特定の特徴、構造または特性が、少なくとも一部の実施形態に含まれるが、本開示の全ての実施形態には必ずしも含まれないことを意味する。
本明細書において使用する場合、範囲および量は、「約」特定の値または範囲として表現される。約は、正確な量も含む。したがって「約5μL」は、「約5μL」、また「5μL」も意味する。一般に、用語「約」は、例えば15%、10%または5%以内の実験の誤差内と予想される量を含む。
本明細書で使用されるセクションの見出しは、構成上の目的のためのものに過ぎず、記載されている主題を限定すると解釈されるべきではない。
「アルキル」は、枝分かれしていないまたは分岐状の飽和炭化水素鎖を指す。本明細書において使用する場合、アルキルは、1~20個の炭素原子(すなわち、C1~20アルキル)、1~10個の炭素原子(すなわち、C1~10アルキル)、1~6個の炭素原子(すなわち、C1~アルキル)または1~3個の炭素原子(すなわち、C1~アルキル)を有する。アルキル基の例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、イソ-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、2-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、2-ヘキシル、3-ヘキシルおよび3-メチルペンチルを含む。特定の数の炭素を有するアルキル残基が化学名によって名前をつけられるか、または分子式によって同定されるとき、その数の炭素を有する全ての位置異性体を包含し得る;このように、例えば、「ブチル」は、n-ブチル(すなわち、-(CHCH)、イソブチル(すなわち、-CHCH(CH)、sec-ブチル(すなわち、-CH(CH)CHCH)、およびtert-ブチル(すなわち、-C(CH)を含み;「プロピル」は、n-プロピル(すなわち、-(CHCH)およびイソプロピル(すなわち、-CH(CH)を含む。
「アルキル-OH」は、上記に定義されているような枝分かれしていないまたは分岐状のアルキル基を指し、ここで1個またはそれ以上の水素原子は、ヒドロキシル(-OH)で置き換えられている。例えば、「(C~Cアルキル)-OH」は、1個またはそれ以上のヒドロキシル基で置換されているC~Cアルキルを指す。Cアルキル-OHは、1~3個のヒドロキシル基で置換されているメチル基を指し、Cアルキル-OHは、1~5個のヒドロキシル基で置換されているエチル基を指し、Cアルキル-OHは、1~7個のヒドロキシル基で置換されているプロピル基などを指す。アルキル-OHの例は、-CHOH、-CHCHOH、-CHCH(OH)CH(OH)などを含む。
「アルキル-COH」は、上記に定義されているような枝分かれしていないまたは分岐状のアルキル基を指し、ここで1個またはそれ以上の水素原子は、カルボン酸(-COH)で置き換えられている。例えば、「(C~Cアルキル)-COH」は、1個またはそれ以上のカルボン酸基で置換されているC~Cアルキルを指す。Cアルキル-COHは、1~3個のカルボン酸基で置換されているメチル基を指し、Cアルキル-COHは、1~5個のカルボン酸基で置換されているエチル基を指し、Cアルキル-COHは、1~7個のカルボン酸基で置換されているプロピル基などを指す。アルキル-COHの例は、-CHCOH、-CHCHCOH、-CHCH(COH)CH、-CHCH(COH)CHCOHなどを含む。
「ハロアルキル」は、上記に定義されているような枝分かれしていないまたは分岐状のアルキル基を指し、ここで1個またはそれ以上の水素原子は、ハロゲンで置き換えられている。例えば、「C~Cハロアルキル」は、1個またはそれ以上のハロゲン原子で置換されているC~Cアルキルを指す。Cハロアルキルは、1~3個のハロ基で置換されているメチル基を指し、Cハロアルキルは、1~5個のハロ基で置換されているエチル基を指し、Cハロアルキルは、1~7個のハロ基で置換されているプロピル基などを指す。ハロアルキルの例は、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリクロロメチル、2,2,2-トリフルオロエチル、1,2-ジフルオロエチル、3-ブロモ-2-フルオロプロピル、1,2-ジブロモエチルなどを含む。ハロアルキルは、同一である1個またはそれ以上のハロ原子(すなわち、全てフルオロ)、またはハロ原子の混合物(すなわち、クロロおよびフルオロ)を含有し得る。
「シクロアルキル」は、単一の環、または縮合、架橋およびスピロ環系を含めた複数の環を有する飽和または部分不飽和の環状アルキル基を指す。用語「シクロアルキル」は、シクロアルケニル基(すなわち、少なくとも1個の二重結合を有する環式基)を含む。本明細書において使用する場合、シクロアルキルは、3~20個の環炭素原子(すなわち、C~C20シクロアルキル)、3~10個の環炭素原子(すなわち、C~C10シクロアルキル)、または3~6個の環炭素原子(すなわち、C~Cシクロアルキル)を有する。シクロアルキルはまた、同じ炭素原子上の置換のために2つの位置が存在するとき、「スピロシクロアルキル」を含む。単環式ラジカルは、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよびシクロオクチルを含む。多環式ラジカルは、例えば、アダマンチル、ノルボルニル、デカリニル、7,7-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタニルなどを含む。さらに、シクロアルキルという用語は、分子の残部への取り付けに関わらず、アリール環へと縮合し得る任意の非芳香族環を包含することを意図する。
「ハロゲン」または「ハロ」は、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードを含む。
「オキソ」は、原子(=O)または(O)を指す。
「ヘテロアリール」は、窒素、酸素および硫黄から独立に選択される1個もしくはそれ以上の環ヘテロ原子を伴う、単一の環、複数の環またはそれ以上の縮合環を有する芳香族基(例えば、5~14員環系)を指す。本明細書において使用する場合、ヘテロアリールは、1~10個の環炭素原子、ならびに環内の窒素、酸素および硫黄から独立に選択される1~4個のヘテロ原子を含む。ヘテロアリール基の例は、ピロリル、ピラゾリル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、キノリニル、キヌクリジニル、イソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、チアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、トリアジニルおよびチオフェニル(すなわち、チエニル)を含む。ヘテロアリールは、1個またはそれ以上のN-オキシド(N-O-)部分、例えばピリジン-N-オキシドを含み得る。
「ヘテロシクリル」は、窒素、酸素および硫黄から独立に選択される1個もしくはそれ以上の環ヘテロ原子を有する、飽和または不飽和の環状アルキル基を指す。用語「ヘテロシクリル」は、ヘテロシクロアルケニル基(すなわち、少なくとも1個の二重結合を有するヘテロシクリル基)、架橋ヘテロシクリル基、縮合ヘテロシクリル基およびスピロヘテロシクリル基を含む。ヘテロシクリルは、単一の環またはそれ以上の環であり得、ここで、複数の環は、縮合、架橋またはスピロであり得、かつ1個もしくはそれ以上のオキソ(C=O)またはN-オキシド(N-O-)部分を含み得る。少なくとも1個のヘテロ原子を含有する任意の非芳香族環は、取り付け(すなわち、炭素原子またはヘテロ原子を介して結合することができる)に関わらず、ヘテロシクリルと考えられる。さらに、ヘテロシクリルという用語は、少なくとも1個のヘテロ原子を含有する任意の非芳香族環を包含することを意図し、この環は、分子の残部への取り付けに関わらず、アリールまたはヘテロアリール環に縮合し得る。本明細書において使用する場合、ヘテロシクリルは、1~10個の環炭素原子、1~8個の炭素原子、1~6個の炭素原子、または1~4個の炭素原子、ならびに窒素、硫黄および酸素から独立に選択される1~5個の環ヘテロ原子、1~4個のヘテロ原子、1~3個のヘテロ原子または1~2個のヘテロ原子を有する。ヘテロシクリル基の例は、ジオキソラニル、チエニル[1,3]ジチアニル、デカヒドロイソキノリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、イソチアゾリジニル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、オクタヒドロインドリル、オクタヒドロイソインドリル、2-オキソピペラジニル、2-オキソピペリジニル、2-オキソピロリジニル、オキサゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、4-ピペリドニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、キヌクリジニル、チアゾリジニル、テトラヒドロフリル、トリチアニル、テトラヒドロピラニル、チオモルホリニル、1-オキソチオモルホリニルおよび1,1-ジオキソチオモルホリニルを含む。
ある特定の一般に使用される代替の化学名を使用し得る。例えば、二価基、例えば、二価「アルキル」基、二価「フェニル」基、二価「ヘテロアリール」基、二価「ヘテロシクリル」基などはまた、それぞれ「アルキレン」基、「フェニレン」基、「ヘテロアリーレン」基または「ヘテロシクリレン」基と言及し得る。
用語「場合による」または「場合により」は、それに続いて記載する事象または状況が起こり得るか、または起こり得ず、かつ記載が前記事象または状況が起こる場合、および起こらない場合を含むことを意味する。また、用語「場合により置換されている」は、指定された原子または基上の任意の1個もしくはそれ以上の水素原子が、水素以外の部分で置き換えられているか、または置き換えられていないことを指す。
無限に付加されるさらなる置換基を有する置換基(例えば、それ自体が置換アリール基(これは置換ヘテロアルキル基などでさらに置換されている)で置換されている、置換アルキルを有する置換アリール)を定義することによって到達するポリマーまたは同様の不明確な構造は、本明細書において含まれることを意図しない。同様に、上記の定義は、許容されない置換パターン(例えば、5個のフッ素で置換されているメチル、または2個の隣接する酸素環原子を有するヘテロアリール基)を含むことを意図しない。このような許容されない置換パターンは、当業者には周知である。
本明細書に記載されている任意の化合物または式は、化合物の標識されていない形態および同位体的に標識された形態を表すことを意図する。同位体標識化合物は、1個もしくはそれ以上の原子が選択された原子質量または質量数を有する原子で置き換えられていることを除いて、本明細書において示す式によって示される構造を有する。開示された化合物中に組み込むことができる同位体の例は、水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素、塩素およびヨウ素の同位体、例えば、それぞれ、H、H、11C、13C、14C、13N、15N、15O、17O、18O、31P、32P、35S、18F、36Cl、123Iおよび125Iを含む。本開示の様々な同位体標識化合物、例えば、それに放射性同位体、例えば、Hおよび14Cが組み込まれているものは、本開示に含まれる。このような同位体標識された化合物は、薬物もしくは基質組織分布アッセイを含めた、代謝研究、反応速度研究、検出もしくはイメージング技術、例えば、ポジトロン放出断層撮影(PET)もしくは単光子放射型コンピューター断層撮影法(SPECT)において、または患者の放射性処置において有用であり得る。
本開示はまた、炭素原子に取り付けられている1~n個の水素が、重水素で置き換えられている、本明細書に記載されている化合物の「重水素化類似体」を含み、ここで、nは分子中の水素の数である。このような化合物は、代謝に対する抵抗性の増加を示し、したがって、哺乳動物、特に、ヒトに投与したとき、任意の化合物の半減期を増加させるのに有用である。例えば、Foster、「Deuterium Isotope Effects in Studies of Drug Metabolism」、Trends Pharmacol.Sci.5(12):524~527頁(1984年)を参照されたい。このような化合物は、当技術分野で周知の手段によって、例えば、1個もしくはそれ以上の水素が重水素で置き換えられている出発材料を用いることによって合成される。
「薬学的に許容されるその塩」は、獣医学またはヒトの医薬的使用に適する医薬組成物の製造に有用な化合物、塩、組成物、剤形および他の材料を指す。
所与の化合物の「薬学的に許容される塩」という用語は、所与の化合物の生物学的有効性および特性を保持し、かつ生物学的にまたは他の点で望ましくないものではない塩を指す。「薬学的に許容される塩」は、例えば、無機酸を有する塩および有機酸を有する塩を含む。さらに、本明細書に記載されている化合物が酸付加塩として得られる場合、遊離塩基は、酸性塩の溶液を塩基性化することによって得ることができる。逆に、生成物が遊離塩基である場合、付加塩、特に、薬学的に許容される付加塩は、塩基化合物から酸付加塩を製造するための通常の手順によって、遊離塩基を適切な有機溶媒に溶解し、溶液を酸で処理するによって生成し得る。当業者は、無毒性の薬学的に許容される付加塩を製造するために使用し得る様々な合成法論を理解するであろう。薬学的に許容される酸付加塩は、無機酸および有機酸から製造し得る。無機酸に由来する塩は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などを含む。有機酸に由来する塩は、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、リンゴ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエン-スルホン酸、サリチル酸などを含む。同様に、薬学的に許容される塩基付加塩は、無機および有機の塩基から製造することができる。無機塩基に由来する塩は、ほんの一例として、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウムおよびマグネシウム塩を含む。有機塩基に由来する塩には、これらに限定されないが、第一級、第二級および第三級アミンの塩、例えば、アルキルアミンなどが含まれる。適切なアミンの具体例は、ほんの一例として、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエルチアミン、トリ(イソ-プロピル)アミン、トリ(n-プロピル)アミン、エタノールアミン、2-ジメチルアミノエタノール、ピペラジン、ピペリジン、モルホリン、N-エチルピペリジンなどを含む。
本明細書において開示されている化合物、または薬学的に許容されるその塩は不斉中心を含み得、したがって、絶対立体化学配置に関して、アミノ酸について、(R)-もしくは(S)-、または、(D)-もしくは(L)-と定義し得る、エナンチオマー、ジアステレオマー、および他の立体異性体の形態を生じさせ得る。本開示は、全てのこのような可能な異性体、ならびにそれらのラセミ形態および光学的に純粋な形態を含むことを意味する。光学活性な(+)および(-)、(R)-および(S)-、もしくは(D)-および(L)-異性体は、キラルシントンもしくはキラル試薬を使用して製造し得るか、または従来の技術、例えば、クロマトグラフィーおよび分別結晶を使用して分離し得る。個々のエナンチオマーの製造/単離のための従来の技術は、適切な光学的に純粋な前駆体からのキラル合成、または、例えば、キラル高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)を使用したラセミ化合物(または塩もしくは誘導体のラセミ化合物)の分離を含む。
「互変異性体」は、プロトンの位置が異なる化合物の別の形態、例えばエノール-ケトおよびイミン-エナミン互変異性体、または環-NH-部分および環=N部分の両方に取り付けられた環原子を含有するヘテロアリール基の互変異性型、例えばピラゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、トリアゾールおよびテトラゾールを指す。本明細書に記載されている化合物の全ての互変異性型が含まれることを意図する。
「立体異性体」は、同じ結合によって結合されている同じ原子で構成されているが、互換的でない異なる三次元構造を有する化合物を指す。本開示は、様々な立体異性体およびこれらの混合物を意図し、その分子が互いの重ね合わせることができない鏡像である2つの立体異性体を指す「エナンチオマー」を含む。
「ジアステレオ異性体」は、少なくとも2個の不斉原子を有するが、互いの鏡像でない立体異性体である。
本明細書において使用する場合、「薬学的に許容される担体」または「薬学的に許容される添加剤」または「添加剤」は、ありとあらゆる溶媒、分散媒、コーティング、抗菌剤および抗真菌剤、等張剤および吸収遅延剤などを含む。医薬活性物質のためのこのような媒体および薬剤の使用は、当技術分野で周知である。任意の通常の媒体または薬剤が活性成分と不適合性である場合を除いて、治療組成物におけるその使用が意図される。補助的な活性成分をまた組成物中に組み込むことができる。
化合物または組成物の「有効量」または用量は、本明細書の開示に基づき望ましいと意図されている結果を生じる化合物または組成物の量を指す。有効量は、これらに限定されないが、LD50(集団の50%に致死的な用量)およびED50(集団の50%に治療的に有効な用量)の決定によることが含まれる、細胞培養物または実験動物において標準的な薬学的手順により決定される。
化合物または組成物の「治療的有効量」または用量は、対象(すなわちヒト患者)における症状の低減もしくは阻害または生存率の延長を生じる化合物または組成物の量を指す。結果は、化合物または組成物の複数回投与を必要とし得る。
対象における疾患の「処置する」または「処置」は、1)疾患の症状に罹りやすい、もしくはそれをさらに示さない患者において、疾患の発生を防止すること;2)疾患を阻害すること、もしくはその発生を抑止すること;または3)疾患を回復もしくはその退行を引き起こすことを指す。本明細書において使用する場合、「処置」または「処置する」は、臨床結果を含めた有益または所望の結果を得るためのアプローチである。本開示の目的のために、有益または所望の結果は、これらに限定されないが、下記の1つもしくはそれ以上が含まれる:疾患もしくは状態からもたらされる1つもしくはそれ以上の症状を減少させること、疾患もしくは障害の程度を縮小させること、疾患もしくは障害を安定化すること(例えば、疾患もしくは障害の悪化を予防もしくは遅延させること)、疾患もしくは障害の発生もしくは再発を遅延させること、疾患もしくは障害の進行を遅延させるかもしくは遅くすること、疾患または障害状態を回復すること、疾患もしくは障害の寛解を実現すること(部分的または全体的)、疾患もしくは障害を処置するのに必要とされる1種もしくはそれ以上の他の医薬品の用量を減少させること、疾患もしくは障害を処置するのに使用される別の医薬品の効果を増進すること、疾患もしくは障害の進行を遅延させること、生活の質を増加させること、および/または対象の生存を延長すること。疾患または障害の病理学的結果の低減も「処置」に包含される。本開示の方法は、処置のこれらの態様の任意の1つまたはそれ以上を意図する。
本明細書において使用する場合、用語「個体」、「対象」および「患者」は、任意の哺乳動物を意味する。例は、これらに限定されないが、マウス、ラット、ハムスター、モルモット、ブタ、ウサギ、ネコ、イヌ、ヤギ、ヒツジ、ウシ、およびヒトが含まれる。一部の実施形態では、哺乳動物はヒトである。
本開示の様々な特徴は、単一の実施形態の文脈において記載されるが、特徴は、別々に、または任意の適切な組合せで提供してもよい。逆に、本開示は、別の実施形態に関して、明確にするために本明細書に記載されていることがあるが、本開示は、単一の実施形態でも実践される。
化合物
一態様において、本明細書において提供するのは、式(I)の化合物:
Figure 2023541152000007
または薬学的に許容されるその塩であり:
環Aは、NおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を含有する5員ヘテロアリーレンであり;
環Bは、フェニレン、またはNおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を含有する5~6員ヘテロアリーレンであり;
環Cは、NおよびOから選択される1~4個のヘテロ原子を含有する、縮合二環式9~10員ヘテロアリールもしくはヘテロシクリル、1~4個の窒素原子を含有する5~6員ヘテロアリール、または1個のRで置換されているフェニルであり;
各Rは、独立に、-OH、ハロ、オキソ、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、-CN、-N(H)C(O)R、-N(H)SO、-N(H)SO(C)、-SONRまたは-C(O)N(H)SOであり;
各Rは、独立に、C~Cアルキル、C~Cハロアルキルまたはハロであり;
各Rは、独立に、C~Cアルキル、C~CハロアルキルまたはC~Cシクロアルキルであり;
は、-OH、-OP(O)(OH)、-NO、-C(O)N(H)SO、5~6員ヘテロアリールもしくはヘテロシクリル、または-C(O)N(H)-(5~6員ヘテロアリールまたはヘテロシクリル)であり、
ヘテロアリールおよびヘテロシクリルは、N、OおよびSから選択される1~4個のヘテロ原子を含有し、
ヘテロシクリルは、1~2個のオキソ基で場合により置換されており;
mは0~4であり;
nは0~2であり;
oは0~2であり;
は、フェニルまたはC~Cアルキルであり;
Xは、-CR-または結合であり;
Yは、-O-、-N(H)-または結合であり;
各RおよびRは、独立に、HまたはC~Cアルキルであり;
Zは、ZまたはZであり;
は、H、C~Cアルキル、-C(O)(C~Cアルキル)、-CO(C~Cアルキル)、-C(O)NR、-C(O)NR(C~Cアルキレン)NR、-CRC(O)NR、-CRNR、-C(O)(C~Cアルキレン)NR、-NRC(O)(C~Cアルキル)、-NR、-(C~Cアルキル)-COH、-(C~Cアルキル)-OHまたは-C(NR)=N-CNであり、
~Cアルキレンは、1~6個のハロ、C~CアルキルまたはC~Cハロアルキルで場合により置換されており;
は、5~6員ヘテロアリール、-C(O)(5~6員ヘテロアリール)、-CHC(O)(5~6員ヘテロアリール)、4~6員ヘテロシクリル、-C(O)(4~6員ヘテロシクリル)または-CHC(O)(4~6員ヘテロシクリル)であり、
ヘテロアリールおよびヘテロシクリルは、NおよびOから選択される1~3個のヘテロ原子を含有し、
ヘテロアリールおよびヘテロシクリルは、1~3個のRで場合により置換されており;
各Rは、独立に、ハロ、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、-NR、-OH、オキソ、-COH、-O(C~Cアルキル)、-CH-O(C~Cアルキル)または-(C~Cアルキル)-OHである。
本明細書において提供するのは、式(I-a)の化合物:
Figure 2023541152000008
または薬学的に許容されるその塩であり:
環Aは、チアゾリレンであり;
環Bは、フェニレン、またはNおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を含有する5~6員ヘテロアリーレンであり;
環Cは、NおよびOから選択される1~4個のヘテロ原子を含有する、縮合二環式9~10員ヘテロアリールもしくはヘテロシクリル、1~4個の窒素原子を含有する5~6員ヘテロアリール、または1個のRで置換されているフェニルであり;
各Rは、独立に、-OH、ハロ、オキソ、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、-CN、-N(H)C(O)R、-N(H)SO、-SONRまたは-C(O)N(H)SOであり;
各Rは、独立に、C~Cアルキル、C~Cハロアルキルまたはハロであり;
各Rは、独立に、C~Cアルキル、C~CハロアルキルまたはC~Cシクロアルキルであり;
は、-OH、-OP(O)(OH)、-NO、-C(O)N(H)SO、5~6員ヘテロアリールもしくはヘテロシクリル、または-C(O)N(H)-(5~6員ヘテロアリールまたはヘテロシクリル)であり、
ヘテロアリールおよびヘテロシクリルは、N、OおよびSから選択される1~4個のヘテロ原子を含有し、
ヘテロシクリルは、1~2個のオキソ基で場合により置換されており;
mは0~4であり;
nは0~2であり;
oは0~2であり;
は、フェニルまたはC~Cアルキルであり;
Xは、-CR-であり;
Yは、-O-、-N(H)-または結合であり;
各RおよびRは、独立に、HまたはC~Cアルキルであり;
ZはZであり;
は、5~6員ヘテロアリール、-C(O)(5~6員ヘテロアリール)、-CHC(O)(5~6員ヘテロアリール)、4~6員ヘテロシクリル、-C(O)(4~6員ヘテロシクリル)または-CHC(O)(4~6員ヘテロシクリル)であり、
ヘテロアリールおよびヘテロシクリルは、NおよびOから選択される1~3個のヘテロ原子を含有し、
ヘテロアリールおよびヘテロシクリルは、1~3個のRで場合により置換されており;
各Rは、独立に、ハロ、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、-NR、-OH、オキソ、-COH、-O(C~Cアルキル)、-CH-O(C~Cアルキル)または-(C~Cアルキル)-OHである。
本明細書において提供するのは、式(I-a1)の化合物:
Figure 2023541152000009
または薬学的に許容されるその塩であり:
環Aは、チアゾリレンであり;
環Bは、NおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を含有する5~6員ヘテロアリーレンであり;
環Cは、1個のRで置換されている縮合二環式9~10員ヘテロアリールまたはフェニルであり;
各Rは、独立に、-OH、ハロ、オキソ、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、-CN、-N(H)C(O)R、-N(H)SO、-SONRまたは-C(O)N(H)SOであり;
各Rは、独立に、C~Cアルキル、C~Cハロアルキルまたはハロであり;
各Rは、独立に、C~Cアルキル、C~CハロアルキルまたはC~Cシクロアルキルであり;
は、-OH、-OP(O)(OH)、-NO、-C(O)N(H)SO、5~6員ヘテロアリールもしくはヘテロシクリル、または-C(O)N(H)-(5~6員ヘテロアリールまたはヘテロシクリル)であり、
ヘテロアリールおよびヘテロシクリルは、N、OおよびSから選択される1~4個のヘテロ原子を含有し、
ヘテロシクリルは、1~2個のオキソ基で場合により置換されており;
mは0~4であり;
nは0~2であり;
oは0~2であり;
は、フェニルまたはC~Cアルキルであり;
Xは、-CR-であり;
Yは、-O-、-N(H)-または結合であり;
各RおよびRは、独立に、HまたはC~Cアルキルであり;
ZはZであり;
は、5~6員ヘテロアリール、-C(O)(5~6員ヘテロアリール)、-CHC(O)(5~6員ヘテロアリール)、4~6員ヘテロシクリル、-C(O)(4~6員ヘテロシクリル)または-CHC(O)(4~6員ヘテロシクリル)であり、
ヘテロアリールおよびヘテロシクリルは、NおよびOから選択される1~3個のヘテロ原子を含有し、
ヘテロアリールおよびヘテロシクリルは、1~3個のRで場合により置換されており;
各Rは、独立に、ハロ、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、-NR、-OH、オキソ、-COH、-O(C~Cアルキル)、-CH-O(C~Cアルキル)または-(C~Cアルキル)-OHである。
一部の実施形態では、環Aは、NおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を含有する5員ヘテロアリーレンである。一部の実施形態では、環Aは、NおよびSから選択される1~2個のヘテロ原子を含有する5員ヘテロアリーレンである。一部の実施形態では、環Aは、NおよびSから選択される1個のヘテロ原子を含有する5員ヘテロアリーレンである。一部の実施形態では、環Aは、NおよびSから選択される2個のヘテロ原子を含有する5員ヘテロアリーレンである。一部の実施形態では、環Aは、1個の窒素原子および1個の硫黄原子を含有する5員ヘテロアリーレンである。一部の実施形態では、環Aは、チアゾリレンである。
一部の実施形態では、各Rは、独立に、C~Cアルキル、C~CハロアルキルまたはC~Cシクロアルキルである。一部の実施形態では、各Rは、独立に、C~CアルキルまたはC~Cシクロアルキルである。一部の実施形態では、Rは、メチル、エチルまたはプロピルである。一部の実施形態では、Rはメチルである。一部の実施形態では、Rは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルである。一部の実施形態では、Rはシクロプロピルである。一部の実施形態では、各Rは、独立に、-CHまたはシクロプロピルである。
一部の実施形態では、oは0~2である。一部の実施形態では、oは1~2である。一部の実施形態では、oは0または1である。一部の実施形態では、oは0である。一部の実施形態では、oは1である。一部の実施形態では、oは2である。
一部の実施形態では、環Bは、フェニレン、またはNおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を含有する5~6員ヘテロアリーレンである。一部の実施形態では、環Bはフェニレンである。一部の実施形態では、環Bは、NおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を含有する5~6員ヘテロアリーレンである。一部の実施形態では、環Bは、NおよびSから選択される1~2個のヘテロ原子を含有する5~6員ヘテロアリーレンである。一部の実施形態では、環Bは、フェニレン、ピリジニレン、チアゾリレン、ピラゾリレン、ピリミジニレンまたはチエニレンである。
一部の実施形態では、各Rは、独立に、C~Cアルキル、C~Cハロアルキルまたはハロである。一部の実施形態では、各Rは、独立に、C~Cアルキルまたはハロである。一部の実施形態では、Rは、メチル、エチルまたはプロピルである。一部の実施形態では、Rはメチルである。一部の実施形態では、Rは、F、ClまたはBrである。
一部の実施形態では、nは0~2である。一部の実施形態では、nは0または1である。一部の実施形態では、nは0である。一部の実施形態では、nは1である。一部の実施形態では、nは2である。
一部の実施形態では、環Cは、NおよびOから選択される1~4個のヘテロ原子を含有する、縮合二環式9~10員ヘテロアリールもしくはヘテロシクリル、1~4個の窒素原子を含有する5~6員ヘテロアリール、または1個のRで置換されているフェニルである。一部の実施形態では、環Cは、NおよびOから選択される1~4個のヘテロ原子を含有する、縮合二環式9員ヘテロアリールもしくはヘテロシクリル、1~4個の窒素原子を含有する5~6員ヘテロアリール、または1個のRで置換されているフェニルである。一部の実施形態では、環Cは、NおよびOから選択される1~4個のヘテロ原子を含有する、縮合二環式9員ヘテロアリールまたはヘテロシクリルである。一部の実施形態では、環Cは、NおよびOから選択される1~4個のヘテロ原子を含有する縮合二環式9員ヘテロアリールである。一部の実施形態では、環Cは、NおよびOから選択される1~4個のヘテロ原子を含有する縮合二環式9員ヘテロシクリルである。一部の実施形態では、縮合二環式ヘテロアリールまたはヘテロシクリルの一方の環は、0~4個のR基で置換されている。一部の実施形態では、縮合二環式ヘテロアリールまたはヘテロシクリルの両方の環は、0~4個のR基で一緒に置換されている。一部の実施形態では、環Cは、1~4個の窒素原子を含有する5~6員ヘテロアリールである。一部の実施形態では、環Cは、1~4個の窒素原子を含有する5員ヘテロアリールである。一部の実施形態では、環Cは、1~4個の窒素原子を含有する6員ヘテロアリールである。一部の実施形態では、環Cは、1個のRで置換されているフェニルである。
一部の実施形態では、Rは、-OH、-OP(O)(OH)、-NO、-C(O)N(H)SO、5~6員ヘテロアリールもしくはヘテロシクリル、または-C(O)N(H)-(5~6員ヘテロアリールまたはヘテロシクリル)であり、ヘテロアリールおよびヘテロシクリルは、N、OおよびSから選択される1~4個のヘテロ原子を含有し、ヘテロシクリルは、1~2個のオキソ基で場合により置換されている。一部の実施形態では、Rは-OHである。一部の実施形態では、Rは-OP(O)(OH)である。一部の実施形態では、Rは-NOである。一部の実施形態では、Rは-C(O)N(H)SOである。一部の実施形態では、Rは、5~6員ヘテロアリールまたはヘテロシクリルであり、ヘテロアリールおよびヘテロシクリルは、N、OおよびSから選択される1~4個のヘテロ原子を含有し、ヘテロシクリルは、1~2個のオキソ基で場合により置換されている。一部の実施形態では、Rは、N、OおよびSから選択される1~4個のヘテロ原子を含有する、5~6員ヘテロアリールである。一部の実施形態では、Rは、N、OおよびSから選択される1~4個のヘテロ原子を含有し、1~2個のオキソ基で場合により置換されている5~6員ヘテロシクリルである。一部の実施形態では、Rは、-C(O)N(H)-(5~6員ヘテロアリールまたはヘテロシクリル)であり、ヘテロアリールおよびヘテロシクリルは、N、OおよびSから選択される1~4個のヘテロ原子を含有し、ヘテロシクリルは、1~2個のオキソ基で場合により置換されている。一部の実施形態では、Rは、-C(O)N(H)-(5~6員ヘテロアリール)であり、ヘテロアリールは、N、OおよびSから選択される1~4個のヘテロ原子を含有する。一部の実施形態では、Rは、-C(O)N(H)-(5~6員ヘテロシクリル)であり、ヘテロシクリルは、N、OおよびSから選択される1~4個のヘテロ原子を含有し、1~2個のオキソ基で場合により置換されている。一部の実施形態では、Rは、-OH、-OP(O)(OH)、-NO、-C(O)N(H)SO、5~6員ヘテロアリールもしくはヘテロシクリル、または-C(O)N(H)-(5~6員ヘテロアリールまたはヘテロシクリル)であり、ヘテロアリールおよびヘテロシクリルは、N、OおよびSから選択される1~4個のヘテロ原子を含有し、ヘテロシクリルは、1~2個のオキソ基で場合により置換されている。これらのバリエーションのいずれかにおいて、Rは、フェニルまたはC~Cアルキルである。一部の実施形態では、Rは、フェニルまたはC~Cアルキルである。
一部の実施形態では、環C-(Rは、
Figure 2023541152000010
から選択される。
上記に示されているように、ヘテロアリールおよびヘテロシクリル環のある特定の窒素原子は、原子価を完成させるために-NH-として表される。しかし、-NH-基が、R(-NR-)でも置換されることは理解される。-(Rが、縮合二環式ヘテロアリールまたはヘテロシクリルを貫いて描かれている場合、縮合環の一方または両方は、R基で置換されることも理解される。一部の実施形態では、縮合二環式環の一方の環のみが、R基で置換されている。一部の実施形態では、縮合二環式環の両方の環は、R基で置換されており、二環式環を置換するR基の合計数は、0~4である。
一部の実施形態では、各Rは、独立に、-OH、ハロ、オキソ、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、-CN、-N(H)C(O)R、-N(H)SO、-N(H)SO(C)、-SONRまたは-C(O)N(H)SOである。一部の実施形態では、各Rは、独立に、-OH、ハロ、オキソ、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、-CN、-N(H)C(O)R、-N(H)SO、-SONRまたは-C(O)N(H)SOである。一部の実施形態では、各Rは、独立に、-OH、ハロ、オキソ、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、-CN、-N(H)C(O)R、-N(H)SO、-SONRまたは-C(O)N(H)SOである。
一部の実施形態では、Rは-OHである。一部の実施形態では、Rはハロである。一部の実施形態では、Rは、F、ClまたはBrである。一部の実施形態では、Rはオキソである。一部の実施形態では、RはC~Cアルキルである。一部の実施形態では、RはC~Cアルキルである。一部の実施形態では、Rは、メチル、エチルまたはプロピルである。一部の実施形態では、Rは、C~Cハロアルキルである。一部の実施形態では、Rは、C~Cハロアルキルである。一部の実施形態では、Rは-CNである。一部の実施形態では、Rは、-N(H)C(O)Rである。一部の実施形態では、Rは、-N(H)SOである。一部の実施形態では、Rは、-SONRである。一部の実施形態では、Rは、-C(O)N(H)SOである。一部の実施形態では、各Rは、独立に、-OH、ハロ、オキソ、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、-CN、-N(H)C(O)R、-N(H)SO、-SONRまたは-C(O)N(H)SOである。これらのバリエーションのいずれかにおいて、各RおよびRは、独立に、HまたはC~Cアルキルである。一部の実施形態では、各RおよびRは、独立に、HまたはC~Cアルキルである。一部の実施形態では、各Rは、独立に、-OH、F、オキソ、-CH、-CN、-N(H)C(O)CH、-N(H)SO(C)、-N(H)SOCH、-SONHまたは-C(O)N(H)SOCHである。
一部の実施形態では、mは0~4である。一部の実施形態では、mは0~3である。一部の実施形態では、mは0である。一部の実施形態では、mは1~3である。一部の実施形態では、mは1である。一部の実施形態では、mは2である。一部の実施形態では、mは3である。一部の実施形態では、mは4である。
一部の実施形態では、Rは、フェニルまたはC~Cアルキルである。一部の実施形態では、Rは、フェニルまたはC~Cアルキルである。一部の実施形態では、Rはフェニルである。一部の実施形態では、Rは、C~Cアルキルである。一部の実施形態では、Rは、C~Cアルキルである。一部の実施形態では、Rは、メチル、エチルまたはプロピルである。一部の実施形態では、Rはメチルである。一部の実施形態では、Rは、フェニルまたはメチルである。
一部の実施形態では、Xは、-CR-または結合である。一部の実施形態では、Xは、-CR-である。いくつかのバリエーションにおいて、RおよびRは、独立に、HまたはC~Cアルキルである。いくつかのバリエーションにおいて、RおよびRはそれぞれHであり、Xは-CH-である。一部の実施形態では、Xは結合である。
一部の実施形態では、Yは-O-、-N(H)-または結合である。一部の実施形態では、Yは-O-である。一部の実施形態では、Yは-N(H)-である。一部の実施形態では、Yは結合である。
一部の実施形態では、各RおよびRは、独立に、HまたはC~Cアルキルである。一部の実施形態では、各RおよびRは、独立に、HまたはC~Cアルキルである。一部の実施形態では、RおよびRは、それぞれHである。一部の実施形態では、RはHである。一部の実施形態では、RはHである。一部の実施形態では、Rは、C~Cアルキルである。一部の実施形態では、Rは、C~Cアルキルである。一部の実施形態では、RはHであり、Rは、C~Cアルキルである。一部の実施形態では、RはHであり、Rは、C~Cアルキルである。一部の実施形態では、RおよびRはそれぞれ、独立に、C~Cアルキルである。一部の実施形態では、RおよびRはそれぞれ、独立に、C~Cアルキルである。一部の実施形態では、RおよびRはそれぞれ、独立に、メチル、エチルまたはプロピルである。一部の実施形態では、RおよびRはそれぞれ、メチルである。
一部の実施形態では、ZはZである。
一部の実施形態では、Zは、H、C~Cアルキル、-C(O)(C~Cアルキル)、-CO(C~Cアルキル)、-C(O)NR、-C(O)NR(C~Cアルキレン)NR、-CRC(O)NR、-CRNR、-C(O)(C~Cアルキレン)NR、-NRC(O)(C~Cアルキル)、-NR、-(C~Cアルキル)-COH、-(C~Cアルキル)-OHまたは-C(NR)=N-CNである。これらのバリエーションのいずれかにおいて、C~Cアルキレンは、1~6個のハロ、C~CアルキルまたはC~Cハロアルキルで場合により置換されている。一部の実施形態では、Zは、H、C~Cアルキル、-C(O)(C~Cアルキル)、-CO(C~Cアルキル)、-C(O)NR、-C(O)NR(C~Cアルキレン)NR、-CRC(O)NR、-CRNR、-C(O)(C~Cアルキレン)NR、-NRC(O)(C~Cアルキル)、-NR、-(C~Cアルキル)-COHまたは-(C~Cアルキル)-OHまたは-C(NR)=N-CNである。これらのバリエーションのいずれかにおいて、C~Cアルキレンは、1~2個のハロ、C~CアルキルまたはC~Cハロアルキルで場合により置換されている。一部の実施形態では、各RおよびRは、独立に、HまたはC~Cアルキルである。一部の実施形態では、Zは、H、-COCH、-COC(CH、-C(O)CH、-C(O)C(CH、-C(N(CH)=N-CN、-C(O)N(CH、-CH、-CHCH、-CHC(CH、-CHCOH、-CHC(CHOH、-C(O)N(CH)CHCHN(CH、-CHC(O)N(CH、-CH(CH)C(O)N(CH、-N(CH、-N(CH)C(O)CHまたは-C(O)CH(CH)CHN(CHである。
一部の実施形態では、Xが結合であり、Yが結合である場合;Zは水素ではない。
一部の実施形態では、ZはZである。
一部の実施形態では、Zは、5~6員ヘテロアリール、-C(O)(5~6員ヘテロアリール)、-CHC(O)(5~6員ヘテロアリール)、4~6員ヘテロシクリル、-C(O)(4~6員ヘテロシクリル)または-CHC(O)(4~6員ヘテロシクリル)であり、ヘテロアリールおよびヘテロシクリルは、NおよびOから選択される1~3個のヘテロ原子を含有し、ヘテロアリールおよびヘテロシクリルは、1~3個のRで場合により置換されている。一部の実施形態では、Zは、5~6員ヘテロアリール、-C(O)(5~6員ヘテロアリール)、-CHC(O)(5~6員ヘテロアリール)、4~6員ヘテロシクリル、-C(O)(4~6員ヘテロシクリル)または-CHC(O)(4~6員ヘテロシクリル)であり、ヘテロアリールおよびヘテロシクリルは、NおよびOから選択される1~2個のヘテロ原子を含有し、ヘテロアリールおよびヘテロシクリルは、1~3個のRで場合により置換されている。一部の実施形態では、Zは、ピリミジニル、ピリダジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピリダジニル、-C(O)(テトラヒドロピラニル)、-C(O)(ピロリジニル)、-C(O)(ピリダジニル)、-C(O)(ピペリジニル)、-C(O)(アゼチジニル)、-C(O)(ピラゾリル)、-C(O)(ピペラジニル)、-CHC(O)(ピロリジニル)、-CHC(O)(ピペリジニル)または-CHC(O)(ピペラジニル)であり、ヘテロアリールおよびヘテロシクリルは、1~3個のRで場合により置換されている。
一部の実施形態では、各Rは、独立に、ハロ、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、-NR、-OH、オキソ、-COH、-O(C~Cアルキル)、-CH-O(C~Cアルキル)または-(C~Cアルキル)-OHである。一部の実施形態では、各Rは、独立に、ハロ、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、-NR、-OH、オキソ、-COH、-O(C~Cアルキル)、-CH-O(C~Cアルキル)または-(C~Cアルキル)-OHである。いくつかのバリエーションにおいて、各RおよびRは、独立に、HまたはC~Cアルキルである。一部の実施形態では、各Rは、独立に、-CH、-CHCH、-NH、-OH、オキソ、-N(CH、-OCH、-CHOCH、-CF、-CHCHOH、-COHまたはClである。
一部の実施形態では、Z-Y-X-は、
Figure 2023541152000011
である。
一部の実施形態では、Z-Y-X-は、
Figure 2023541152000012
Figure 2023541152000013
である。
一部の実施形態では、式(I)の化合物は、式(II)、(III)、(IV)、(V)または(VI)の化合物であり:
Figure 2023541152000014
、m、R、n、R、o、X、YおよびZは、式(I)について記載されている通りである。
一部の実施形態では、式(I)の化合物は、R、m、R、n、R、o、X、YおよびZが、式(I)について記載されている通りである式(II)の化合物である。一部の実施形態では、式(I)の化合物は、R、m、R、n、R、o、X、YおよびZが、式(I)について記載されている通りである式(III)の化合物である。一部の実施形態では、式(I)の化合物は、R、m、R、n、R、o、X、YおよびZが、式(I)について記載されている通りである式(IV)の化合物である。一部の実施形態では、式(I)の化合物は、R、m、R、n、R、o、X、YおよびZが、式(I)について記載されている通りである式(V)の化合物である。一部の実施形態では、式(VI)の化合物は、R、m、R、n、R、o、X、YおよびZが、式(I)について記載されている通りである式(II)の化合物である。
一部の実施形態では、化合物は、式(II)~(VI)を有し、Xは-CH-である。一部の実施形態では、化合物は、式(II)~(VI)を有し、Yは、-O-または-N(H)-である。一部の実施形態では、化合物は、式(II)~(VI)を有し、Rは、ハロ(例えば、フルオロ)、-CNまたは-OHであり、mは、1、2または3である。一部の実施形態では、化合物は、式(II)~(VI)を有し、oは0である。一部の実施形態では、化合物は、式(II)~(VI)を有し、oは1である。一部の実施形態では、化合物は、式(II)~(VI)を有し、nは0である。一部の実施形態では、化合物は、式(II)~(VI)を有し、Rは、C~Cアルキル(例えば、メチル)であり、oは1である。一部の実施形態では、化合物は、式(II)~(VI)を有し、Zは、C~Cアルキル(例えば、メチル)で場合により置換されている6員ヘテロアリール(例えば、ピリダジニル、ピリミジニルまたはピリジニル)である。一部の実施形態では、化合物は、式(II)~(VI)を有し、Zは、-CO(C~Cアルキル)(例えば、-COCH)または-(C~Cアルキル)-OH(例えば、-CHC(CHOH)である。一部の実施形態では、化合物は、式(II)~(VI)を有し、Rは、-OHまたは6員ヘテロアリールもしくはヘテロシクリル(例えば、テトラゾリル)である。
一部の実施形態では、本明細書において提供するのは、式(I)の化合物であり、これは、Xが-CH-であり;Yが、-O-または-N(H)-であり;Zが、C~Cアルキル、-CO(C~Cアルキル)または-(C~Cアルキル)-OHで場合により置換されている6員ヘテロアリールであり;R、m、R、n、Rおよびoが、式(I)について記載されている通りである式(II)の化合物である。一部の実施形態では、本明細書において提供するのは、式(I)の化合物であり、これは、Xが-CH-であり;Yが、-O-または-N(H)-であり;Zが、C~Cアルキル、-CO(C~Cアルキル)または-(C~Cアルキル)-OHで場合により置換されている6員ヘテロアリールであり;R、m、R、n、Rおよびoが、式(I)について記載されている通りである式(III)の化合物である。一部の実施形態では、本明細書において提供するのは、式(I)の化合物であり、これは、Xが-CH-であり;Yが、-O-または-N(H)-であり;Zが、C~Cアルキル、-CO(C~Cアルキル)または-(C~Cアルキル)-OHで場合により置換されている6員ヘテロアリールであり;R、m、R、n、Rおよびoが、式(I)について記載されている通りである式(IV)の化合物である。一部の実施形態では、本明細書において提供するのは、式(I)の化合物であり、これは、Xが-CH-であり;Yが、-O-または-N(H)-であり;Zが、C~Cアルキル、-CO(C~Cアルキル)または-(C~Cアルキル)-OHで場合により置換されている6員ヘテロアリールであり;R、m、R、n、Rおよびoが、式(I)について記載されている通りである式(V)の化合物である。一部の実施形態では、本明細書において提供するのは、式(I)の化合物であり、これは、Xが-CH-であり;Yが、-O-または-N(H)-であり;Zが、C~Cアルキル、-CO(C~Cアルキル)または-(C~Cアルキル)-OHで場合により置換されている6員ヘテロアリールであり;R、m、R、n、Rおよびoが、式(I)について記載されている通りである式(VI)の化合物である。
一部の実施形態では、本明細書において提供するのは、式(I)の化合物であり、これは、Xが-CH-であり;Yが、-O-または-N(H)-であり;Zが、C~Cアルキルで場合により置換されている6員ヘテロアリールであり;R、m、R、n、Rおよびoが、式(I)について記載されている通りである式(II)の化合物である。一部の実施形態では、本明細書において提供するのは、式(I)の化合物であり、これは、Xが-CH-であり;Yが、-O-または-N(H)-であり;Zが、C~Cアルキルで場合により置換されている6員ヘテロアリールであり;R、m、R、n、Rおよびoが、式(I)について記載されている通りである式(III)の化合物である。一部の実施形態では、本明細書において提供するのは、式(I)の化合物であり、これは、Xが-CH-であり;Yが、-O-または-N(H)-であり;Zが、C~Cアルキルで場合により置換されている6員ヘテロアリールであり;R、m、R、n、Rおよびoが、式(I)について記載されている通りである式(IV)の化合物である。一部の実施形態では、本明細書において提供するのは、式(I)の化合物であり、これは、Xが-CH-であり;Yが、-O-または-N(H)-であり;Zが、C~Cアルキルで場合により置換されている6員ヘテロアリールであり;R、m、R、n、Rおよびoが、式(I)について記載されている通りである式(V)の化合物である。一部の実施形態では、本明細書において提供するのは、式(I)の化合物であり、これは、式(VI)の化合物である、Xが-CH-であり;Yが、-O-または-N(H)-であり;Zが、C~Cアルキルで場合により置換されている6員ヘテロアリールであり;R、m、R、n、Rおよびoが、式(I)について記載されている通りである。
一部の実施形態では、本明細書において提供するのは、式(I)の化合物であり、これは、Xが-CH-であり;Yが、-O-または-N(H)-であり;Zが、-CO(C~Cアルキル)または-(C~Cアルキル)-OHであり;R、m、R、n、Rおよびoが、式(I)について記載されている通りである式(II)の化合物である。一部の実施形態では、本明細書において提供するのは、式(I)の化合物であり、これは、Xが-CH-であり;Yが、-O-または-N(H)-であり;Zが、-CO(C~Cアルキル)または-(C~Cアルキル)-OHであり;R、m、R、n、Rおよびoが、式(I)について記載されている通りである式(III)の化合物である。一部の実施形態では、本明細書において提供するのは、式(I)の化合物であり、これは、Xが-CH-であり;Yが、-O-または-N(H)-であり;Zが、-CO(C~Cアルキル)または-(C~Cアルキル)-OHであり;R、m、R、n、Rおよびoが、式(I)について記載されている通りである式(IV)の化合物である。一部の実施形態では、本明細書において提供するのは、式(I)の化合物であり、これは、Xが-CH-であり;Yが、-O-または-N(H)-であり;Zが、-CO(C~Cアルキル)または-(C~Cアルキル)-OHであり;R、m、R、n、Rおよびoが、式(I)について記載されている通りである式(V)の化合物である。一部の実施形態では、本明細書において提供するのは、式(VI)の化合物であり、これは、Xが-CH-であり;Yが、-O-または-N(H)-であり;Zが、-CO(C~Cアルキル)または-(C~Cアルキル)-OHであり;R、m、R、n、Rおよびoが、式(I)について記載されている通りである式(II)の化合物である。
本明細書の説明では、ある部分のあらゆる記載、変形、実施形態または態様は、記載のそれぞれの、およびあらゆる組合せが、具体的に、および個々に列挙される場合と同一に、他の部分のあらゆる記載、変形、実施形態または態様と組み合わせてよいことが理解される。例えば、式(I)のLに関して、本明細書で提供されるあらゆる記載、変形、実施形態または態様は、それぞれの、およびあらゆる組合せが、具体的に、および個々に列挙される場合と同一の、環A、環B、環C、R、R、R、m、n、o、R、R、R、R、X、Y、Z、Z、ZおよびRのあらゆる記載、変形、実施形態または態様と組み合わせてよい。また、式(I)の全ての記載、変形、実施形態または態様は、適用可能な場合、本明細書で詳述されている他の式にも等しく当てはまり、それぞれの、およびあらゆる記載、変形、実施形態または態様が、全ての式について別々におよび個々に列挙される場合と同一に等しく記載されていることも理解される。例えば、式(I)の全ての記載、変形、実施形態または態様は、適用可能な場合、本明細書で詳述されている任意の式、例えば式(II)~式(VI)に等しく当てはまり、それぞれの、およびあらゆる記載、変形、実施形態または態様が、全ての式について別々に、および個々に列挙される場合と同一に、等しく記載されている。
一部の実施形態では、表1における化合物から選択される化合物、または薬学的に許容されるその塩が提供される。一部の実施形態では、表2における化合物から選択される化合物、または薬学的に許容されるその塩が提供される。表1および表2におけるものを含む、本開示において記載されるある特定の化合物は、特定の立体異性体として、および/または非立体化学形態で提示されるが、表1および表2におけるものを含む、本開示の化合物のいずれかの、任意の鏡像異性体またはジアステレオ異性体形態、および任意の互変異性体またはその他の形態を含む任意または全ての立体化学形態が、本明細書に記載されていることが理解される。
Figure 2023541152000015
Figure 2023541152000016
または薬学的に許容されるその塩。
Figure 2023541152000017
Figure 2023541152000018
Figure 2023541152000019
Figure 2023541152000020
Figure 2023541152000021
Figure 2023541152000022
Figure 2023541152000023
Figure 2023541152000024
Figure 2023541152000025
Figure 2023541152000026
Figure 2023541152000027
Figure 2023541152000028
Figure 2023541152000029
Figure 2023541152000030
Figure 2023541152000031
Figure 2023541152000032
Figure 2023541152000033
Figure 2023541152000034
Figure 2023541152000035
Figure 2023541152000036
Figure 2023541152000037
または薬学的に許容されるその塩。
合成の方法
式(I)の化合物またはそのいずれかのバリエーションは、スキームIA、IB、IIおよびIIIで示されている一般的な反応に従って製造される。
Figure 2023541152000038
スキームIAは、式(I)の化合物を製造するための例示的な経路を示し、Rは、所望のZ-Y-X基(例えば、非限定的な例、スキームIB、IIおよびIIIに示されている)への変換に有用な基であり得、残りの可変物は、本明細書に記載されている通りである。一部の実施形態では、化合物I-Aは誘導体化されて、化合物I-Bを形成でき、これを続いて、適正なジハライド、化合物I-C(式中、Xは、ClまたはBrである)とカップリングして(例えば、Suzukiカップリング条件下で)、化合物I-Dを形成できる。化合物I-Fは、適正なボロン酸エステル、化合物I-Eおよび金属触媒を用いて化合物I-Dから獲得できる。Rは、続いて誘導体化されて、当業界で公知の方法に従って所望のZ-Y-X基を形成できる。一部の実施形態では、環A、BおよびCは、本明細書に記載されているものと同様の方法に従って、あらゆる順番で接続してよい(例えば、スキームIAに示されているように環Aおよび環B、続いて環C;または環Bおよび環C、続いて環A)。
Figure 2023541152000039
スキームIBは、式(I)の化合物を製造するための経路を示し、環Bは、ヘテロアリーレン基、例えば、ピリジニレンであり、ArおよびAr’は、アリール基を表し、Rは、非アリール基、例えば、アルキル基である。一部の実施形態では、化合物I’-Aのヒドロキシル基のエステル化は、標準条件下で、例えば、ArClの存在下で達成されて、化合物I’-Bを形成でき、または、R-LG(例えばR-Cl)の存在下で達成されて、化合物I’-Dを形成できる。適正なパラジウム触媒の存在下での、適正なボロン酸エステルを用いたSuzukiカップリングにより、化合物I’-Bからの化合物I’-C、または化合物I’-Dからの化合物I’-Eが獲得される。
Figure 2023541152000040
スキームIIは、式(I)の化合物を製造するための経路を示し、環AおよびBはそれぞれ、ヘテロアリーレン基、例えば、チアゾリレンであり、環Cは、フェニレンまたはヘテロアリーレン基であり、Arは、アリール基を表し、m、RおよびRは、本明細書で定義されている通りである。一部の実施形態では、例えば、ArClまたはArOHの存在下、標準条件下での化合物II-Aのエステル化により、化合物II-Bが獲得される。化合物II-Bは、適正なボロン酸エステル(例えば、4,4,5,5-テトラメチル-2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1,3,2-ジオキサボロラン)、およびパラジウム触媒の存在下で、化合物II-Cと組み合わせられて、化合物II-Dが得られる。化合物II-Eは、方法、例えば、例S6に記載されているものに従って獲得できる。化合物II-Bは、適正なボロン酸エステル(例えば、4,4,5,5-テトラメチル-2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1,3,2-ジオキサボロラン)およびパラジウム触媒の存在下で化合物II-Eとも組み合わせられる。続いて標準条件下での脱保護により化合物II-Dが得られる。
Figure 2023541152000041
スキームIIIは、式(I)の化合物を製造するための経路を示し、環AおよびBはそれぞれ、ヘテロアリーレン基、例えば、チアゾリレンであり、環Cは、フェニレンまたはヘテロアリーレン基であり、Arは、アリール基を表し、Rは、C1~6アルキルであり、m、RおよびRは、本明細書で定義されている通りである。一部の実施形態では、標準条件下での化合物III-Aおよび化合物III-Bのカップリングにより、化合物II-Bが獲得される。化合物III-Cは、適正なボロン酸エステル(例えば、4,4,5,5-テトラメチル-2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1,3,2-ジオキサボロラン)およびパラジウム触媒の存在下で化合物III-Dと組み合わせられて、化合物III-Eが得られる。化合物III-Cは、適正なボロン酸エステル(例えば、4,4,5,5-テトラメチル-2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1,3,2-ジオキサボロラン)およびパラジウム触媒の存在下で化合物II-Eとも組み合わせられる。標準条件下での後続の脱保護により、化合物III-Gが得られる。
本明細書で開示されている合成プロセスは、適切な試薬および出発材料の選択により、本開示の様々な化合物に到達するように修正されることが理解される。一部の実施形態では、本明細書で開示されている合成プロセスは、適正な試薬および出発材料の選択により、本明細書に記載されているスキームで示されているものとして他の置換基を有する式(I)の化合物に到達するように変更される。
遊離塩基または酸形態で存在する、全ての式(I)の化合物または本明細書に記載されている任意のその変形は、当業者に公知の方法による適切な無機または有機塩基または酸での処理により、薬学的に許容されるその塩に変換される。本開示の化合物の塩は、標準的技術により、その遊離塩基または酸形態に変換される。
医薬組成物および製剤
別の態様において、本明細書において提供するのは、本明細書で詳述されている化合物のいずれかの医薬組成物である。このように、本開示は、本明細書で開示されている化合物、または薬学的に許容されるその塩、および薬学的に許容される担体または添加剤を含む医薬組成物を含む。本開示による医薬組成物は、経口、頬側、非経口、経鼻、局所もしくは直腸投与に適する形態、または吸入による投与に適する形態を取り得る。本開示の医薬組成物は、式(I)の化合物、または薬学的に許容されるその塩、および薬学的に許容される担体、賦形剤または添加剤を含む。
本明細書に記載されている化合物は、活性成分としての化合物を、薬学的に許容される添加剤と組み合わせることにより、組成物、例えば医薬組成物の製造に使用される。薬学的に許容される担体としての役割を果たすことができる材料のいくつかの例は:糖、例えば、ラクトース、グルコースおよびスクロース;デンプン、例えば、トウモロコシデンプンおよびバレイショデンプン;セルロースおよびその誘導体、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロースおよび酢酸セルロース;界面活性剤、例えば、ポリソルベート80(すなわち、Tween80);トラガカント粉末;モルト;ゼラチン;タルク;添加剤、例えば、カカオバターおよび坐剤ワックス;油、例えば、ピーナッツ油、綿実油、サフラワー油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油およびダイズ油;グリコール、例えば、プロピレングリコール;ポリオール、例えば、グリセリン、ソルビトール、マンニトールおよびポリエチレングリコール;エステル、例えば、オレイン酸エチルおよびラウリン酸エチル;寒天;緩衝剤、例えば、水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウム;アルギン酸;発熱物質を含まない水;等張食塩水;リンゲル液;エチルアルコール;pH緩衝溶液;ポリエステル、ポリカーボネートおよび/またはポリ酸無水物;ならびに医薬製剤中で用いられる他の無毒性の適合性物質を含む。医薬製剤は、公知の医薬的方法により製造される。適切な製剤は、例えば、Remington: The ScienceおよびPractice of Pharmacy、Lippincott Williams & Wilkins、第21版(2005年)で見出され、これは参照により本明細書に組み込む。
湿潤剤、乳化剤および滑沢剤、例えば、ラウリル硫酸ナトリウムおよびステアリン酸マグネシウム、ならびに着色剤、離型剤、コーティング剤、甘味剤、香味剤および香料、保存剤および抗酸化剤はまた、組成物中に存在することができる。
薬学的に許容される抗酸化剤の例は:水溶性抗酸化剤、例えば、アスコルビン酸、塩酸システイン、硫酸水素ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウムなど;油溶性抗酸化剤、例えば、パルミチン酸アスコルビル、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、レシチン、没食子酸プロピル、アルファ-トコフェロールなど;および金属キレート剤、例えば、クエン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ソルビトール、酒石酸、リン酸などを含む。
本開示の製剤は、経口、経鼻、局所(口腔内頬側および舌下を含めた)、直腸、腟ならびに/または非経口投与に適したものを含む。製剤は、好都合に単位剤形で提示し得、製剤分野で周知の任意の方法によって製造し得る。単一の剤形を生成するために担体材料と合わせることができる活性成分の量は、処置される宿主、投与の特定のモードによって変化する。単一の剤形を生成するために担体材料と合わせることができる活性成分の量は一般に、治療効果を生じさせる化合物のその量である。一般に、この量は、活性成分の約1%~約99%、または約5%~約70%、またはは、約10%~約30%の範囲である。
ある特定の実施形態では、本開示の製剤は、シクロデキストリン、リポソーム、ミセル形成剤、例えば、胆汁酸、ならびにポリマー担体、例えば、ポリエステルおよびポリ酸無水物からなる群から選択される添加剤;ならびに本開示の化合物を含む。ある特定の実施形態では、上記の製剤は、本開示の化合物を経口的に生体利用可能なものとする。
経口投与に適した本開示の製剤は、それぞれが活性成分として所定の量の本開示の化合物を含有する、カプセル剤、カシェ剤、丸剤、錠剤、ロゼンジ剤(香味付けしたベース、通常、スクロースおよびアカシアもしくはトラガントを使用した)、散剤、顆粒剤の形態、または水性もしくは非水性液体中の溶液剤もしくは懸濁剤として、または水中油型もしくは油中水型液体エマルジョンとして、またはエリキシル剤もしくはシロップ剤として、または香錠(不活性なベース、例えば、ゼラチンおよびグリセリンもしくはスクロースおよびアカシアを使用した)として、ならびに/または口内洗浄剤などであり得る。本開示の化合物はまた、ボーラス、舐剤またはペースト剤として投与し得る。
経口投与のための本開示の固体剤形(カプセル剤、錠剤、丸剤、糖衣錠、散剤、顆粒剤など)において、活性成分を、1つもしくはそれ以上の薬学的に許容される担体、例えば、クエン酸ナトリウムもしくは第二リン酸カルシウムおよび/または下記のいずれか:充填剤または増量剤、例えば、デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトールおよび/またはケイ酸;結合剤、例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギネート、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロースおよび/またはアカシア;保湿剤、例えば、グリセリン;崩壊剤、例えば、寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモまたはタピオカデンプン、アルギン酸、ある特定のシリケートおよび炭酸ナトリウム;溶解遅延剤、例えば、パラフィン;吸収促進剤、例えば、第四級アンモニウム化合物;湿潤剤、例えば、セチルアルコール、モノステアリン酸グリセリンおよび非イオン性界面活性剤;吸収剤、例えば、カオリンおよびベントナイトクレイ;滑沢剤、例えば、タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウムおよびこれらの混合物;ならびに着色剤と混合する。カプセル剤、錠剤および丸剤の場合、医薬組成物はまた、緩衝剤を含み得る。同様のタイプの固体組成物はまた、ラクトースまたは乳糖などの添加剤、および高分子量ポリエチレングリコールなどを使用して、軟殻および硬殻ゼラチンカプセル中の充填剤として用い得る。
錠剤は、場合により、1つもしくはそれ以上の補助成分を伴って、圧縮または成形によって作製し得る。圧縮錠剤は、結合剤(例えば、ゼラチンもしくはヒドロキシプロピルメチルセルロース)、滑沢剤、不活性な賦形剤、保存剤、崩壊剤(例えば、デンプングリコール酸ナトリウムもしくは架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム)、表面活性剤または分散化剤を使用して製造し得る。成形錠剤は、その中で粉末状化合物の混合物が不活性な液体賦形剤で湿らされる適切な機械において作製し得る。
本開示の医薬組成物の錠剤および他の固体剤形、例えば、糖衣錠、カプセル剤、丸剤および顆粒剤は、場合により、コーティングおよびシェル、例えば、腸溶性コーティングおよび医薬製剤化の技術分野において周知の他のコーティングで、刻み目をつけるか、または製造し得る。これらはまた、例えば、所望の放出プロファイルを実現する変動する割合のヒドロキシプロピルメチルセルロース、他のポリマーマトリックス、リポソームおよび/またはミクロスフィアを使用して、その中の活性成分の持続放出または制御放出を実現するために製剤化し得る。これらは、急速な放出のために製剤化し、例えば、凍結乾燥し得る。これらは、例えば、細菌保持フィルターを通す濾過によって、または使用の直前に、滅菌水もしくはいくつかの他の無菌の注射可能な媒体に溶解することができる無菌の固体組成物の形態の滅菌剤を組み込むことによって無菌化し得る。これらの組成物はまた、場合により、乳白剤を含有し得、活性成分のみをもしくは、胃腸管の特定の部分において、場合により、遅延した様式で放出する組成のものであり得る。使用することができる包埋組成物の例は、ポリマー物質およびワックスを含む。活性成分はまた、適正な場合、上記の添加剤の1つもしくはそれ以上を伴うマイクロカプセル化形態であり得る。
本開示の化合物の経口投与のための液体剤形は、薬学的に許容される乳剤、マイクロエマルジョン、溶液剤、懸濁剤、シロップ剤およびエリキシル剤を含む。活性成分に加えて、液体剤形は、当技術分野で一般に使用される不活性な賦形剤、例えば、水または他の溶媒、可溶化剤および乳化剤、例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、油(特に、綿実油、ラッカセイ油、トウモロコシ油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油およびゴマ油)、グリセリン、テトラヒドロフリルアルコール、ポリエチレングリコールおよびソルビタンの脂肪酸エステル、ならびにこれらの混合物を含有し得る。
不活性な賦形剤に加えて、経口組成物はまた、アジュバント、例えば、湿潤剤、乳化剤および懸濁化剤、甘味剤、香味剤、着色剤、芳香剤および保存剤を含むことができる。
懸濁剤は、活性化合物に加えて、懸濁化剤、例えば、エトキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールおよびソルビタンエステル、微結晶性セルロース、メタ水酸化アルミニウム、ベントナイト、寒天およびトラガント、ならびにこれらの混合物を含有し得る。
直腸または腟投与のための本開示の医薬組成物の製剤は、1つもしくはそれ以上の本開示の化合物と、例えば、カカオバター、ポリエチレングリコール、坐剤ワックスまたはサリチレートを含み、かつ室温にて固体であるが、体温にて液体であり、したがって、直腸または腟腔において融解し、活性化合物を放出する1つもしくはそれ以上の適切な非刺激性の添加剤または担体とを混合することによって製造し得る坐剤として提示し得る。
本開示の化合物の局所または経皮的投与のための剤形は、散剤、スプレー剤、軟膏剤、ペースト剤、クリーム剤、ローション剤、ゲル剤、溶液剤、パッチおよび吸入剤を含む。活性化合物は、無菌状態下にて、薬学的に許容される担体と、および必要とし得る任意の保存剤、緩衝液または噴射剤と混合し得る。
軟膏剤、ペースト剤、クリーム剤およびゲル剤は、本開示の活性化合物に加えて、添加剤、例えば、動物性および植物性脂肪、油、ワックス、パラフィン、デンプン、トラガント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、ケイ酸、タルクおよび酸化亜鉛またはこれらの混合物を含有し得る。
散剤およびスプレー剤は、本開示の化合物に加えて、添加剤、例えば、ラクトース、タルク、ケイ酸、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウムおよびポリアミド粉末、またはこれらの物質の混合物を含有することができる。スプレー剤は、通例の噴射剤、例えば、クロロフルオロ炭化水素および揮発性非置換炭化水素、例えば、ブタンおよびプロパンをさらに含有することができる。
非経口投与に適した本開示の医薬組成物は、使用の直前に無菌の注射可能な溶液剤もしくは分散物へと再構成し得、糖、アルコール、抗酸化剤、緩衝液、制菌剤、製剤を意図するレシピエントの血液と等張とする溶質、または懸濁化剤または増粘剤を含有し得る、1つもしくはそれ以上の薬学的に許容される無菌で等張の水溶液もしくは非水溶液、分散物、懸濁剤もしくは乳剤もしくは無菌の散剤と組み合わせた、1つもしくはそれ以上の本開示の化合物を含む。
本開示の医薬組成物中に用い得る適切な水性および非水性担体の例は、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなど)および適切なこれらの混合物、植物性油、例えば、オリーブ油、ならびに注射可能な有機エステル、例えば、オレイン酸エチルを含む。適当な流動性は、例えば、コーティング材料、例えば、レシチンの使用によって、分散物の場合は必要とされる粒径を維持することによって、および界面活性剤を使用することによって、維持することができる。
これらの組成物はまた、アジュバント、例えば、保存剤、湿潤剤、乳化剤および分散化剤を含有し得る。対象化合物による微生物の作用の防止は、様々な抗菌剤および抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェニル、ソルビン酸などを含むことによって確実にし得る。等張剤、例えば、糖、塩化ナトリウムなどを組成物中に含むことがまた望ましい。さらに、注射可能な医薬形態の持続性吸収は、吸収を遅延させる薬剤、例えば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンを含むことによってもたらし得る。
場合によって、薬物の効果を延長するために、皮下または筋肉内注射からの薬物の吸収を遅くすることが望ましい。これは、乏しい水溶解度を有する結晶性またはアモルファス材料の液体懸濁液の使用によって達成し得る。薬物の吸収の速度は、その溶解速度によって決まり、溶解速度は、結晶サイズおよび結晶形態によって決まり得る。代わりに、非経口的に投与される薬物形態の遅延吸収は、薬物を油ビヒクルに溶解または懸濁させることによって達成される。
注射可能なデポー形態は、生分解性ポリマー、例えば、ポリラクチド-ポリグリコリド中で対象化合物のマイクロカプセルマトリックスを形成させることによって作製される。薬物とポリマーの比および用いられる特定のポリマーの性質によって、薬物放出の速度を制御することができる。他の生分解性ポリマーの例は、ポリ(オルトエステル)およびポリ(酸無水物)を含む。デポー注射用製剤はまた、身体組織と適合性であるリポソームまたはマイクロエマルジョン中に薬物を捕捉することによって製造される。
使用方法/処理
本明細書で詳述されている化合物および組成物、例えば本明細書で提供される任意の製剤の化合物を含有する医薬組成物、または薬学的に許容されるその塩、および薬学的に許容される担体もしくは添加剤は、本明細書で提供される投与および処置する方法に使用される。化合物および組成物は、in vitro方法、例えば、スクリーニング目的のため、および/または品質管理アッセイを実施するために、化合物または組成物を細胞に投与するin vitro方法でも使用される。
一態様において、本明細書において提供するのは、ビスホスホグリセリン酸ムターゼ(BPGM)をモジュレートする方法であって、有効量の本明細書に記載されている化合物、もしくは薬学的に許容されるその塩、または本明細書において提供する有効量の医薬組成物のいずれかを、BPGMと接触させる工程を含む、方法である。ある特定の実施形態では、本開示の化合物は、酵素のシンターゼおよびホスファターゼ機能の両方に影響を与えるBPGMのアロステリックモジュレーターである。
別の態様において、本明細書において提供するのは、それを必要とする対象において、鎌状赤血球症を処置する方法であって、対象に、治療的有効量の本明細書に記載されている化合物、もしくは薬学的に許容されるその塩、または治療的有効量の本明細書に記載されている医薬組成物を投与する工程を含む、方法である。一部の実施形態では、鎌状赤血球症は、鎌状赤血球貧血ともいわれるHbSSである。一部の実施形態では、鎌状赤血球症は、HbSCである。一部の実施形態では、鎌状赤血球症は、HbSベータサラセミアである。一部の実施形態では、鎌状赤血球症は、HbSD、HbSEまたはHbSOである。
一部の実施形態では、対象は、哺乳動物である。一部の実施形態では、対象は、霊長類、イヌ、ネコ、ウサギまたはげっ歯類である。一部の実施形態では、対象は、霊長類である。一部の実施形態では、対象は、ヒトである。一部の実施形態では、ヒトは、少なくとも約18、21、30、50、60、65、70、80もしくは85歳、またはそれらのいずれかである。一部の実施形態では、ヒトは、小児である。一部の実施形態では、ヒトは、約21、18、15、10、5、4、3、2もしくは1歳未満、またはそれらのいずれかである。
投与間隔および投与方法
語句「非経口投与」および「非経口的に投与すること」は、本明細書において使用する場合、通常、注射による、経腸および局所投与以外の投与方法を意味し、これらに限定されないが、静脈内、筋内、動脈内、くも膜下腔内、嚢内、眼窩内、心臓内、皮内、腹腔内、経気管、皮下、表皮下、関節内、嚢下、くも膜下、脊髄内および胸骨内の注射および注入を含む。
語句「全身投与」、「全身的に投与された」、「末梢投与」および「末梢的に投与された」は、本明細書において使用する場合、化合物、薬物または他の材料が患者の系に入り、このように、代謝および他の同様のプロセスに供されるような、中枢神経系へ直接以外の、化合物、薬物または他の材料の投与、例えば、皮下投与を意味する。
これらの化合物は、経口的、経鼻、例えば、スプレーによる、直腸、腟内、非経口的、大槽内、ならびに口腔内頬側および舌下を含めて、局所的、例えば、散剤、軟膏剤またはドロップ剤によるものを含めた任意の適切な投与経路によって、治療のためにヒトおよび他の動物に投与し得る。
選択した投与経路に関わらず、本開示の化合物、または本開示の医薬組成物は、当業者には公知の従来の方法によって薬学的に許容される剤形に製剤化される。
本開示の医薬組成物中の活性成分の実際の投与量レベルは、患者に対して毒性であることを伴わずに、特定の患者、組成および投与のモードについて、所望の治療応答を達成するのに有効な活性成分の量を得るために変化し得る。
選択した投与量レベルは、用いられる本開示の特定の化合物、またはそのエステル、塩もしくはアミドの活性、投与経路、投与の時間、用いられる特定の化合物の排泄率または代謝、処置の期間、他の薬物、用いられる特定の化合物と組み合わせて使用される化合物および/または材料、処置される患者の年齢、性別、体重、状態、身体全体の健康および前病歴、ならびに医術において周知の同様の要因を含めた種々の要因によって決まる。毎日、毎週もしくは毎月の投与量(または他の時間間隔)を使用することができる。
当技術分野で通常の技量を有する医師または獣医師は、必要とされる医薬組成物の有効量を容易に決定および処方することができる。例えば、医師または獣医師は、医薬組成物中に用いられる本開示の化合物の用量を、所望の治療効果を達成するのに必要とされるものより低いレベルで開始し、次いで、所望の効果が達成されるまで投与量を徐々に増加させることができる。
一般に、本開示の化合物の適切な1日用量は、治療効果(例えば、壊死の阻害)を生じさせるのに有効である最も低い用量である化合物のその量である。このような有効用量は一般に、上記の要因によって決まる。一般に、患者のための本開示の化合物の用量は、示された効果のために使用されるとき、1日当たり体重1kg当たり約0.0001~約100mgの範囲である。一部の実施形態では、1日投与量は、体重1kg当たり0.001~50mgの化合物、一部の実施形態では、体重1kg当たり0.01~10mgの化合物の範囲である。
必要に応じて、活性化合物の有効な1日用量は、場合により、単位剤形で、1日を通して適正な間隔で別々に投与される、2つ、3つ、4つ、5つ、6つもしくはそれ超の部分用量として投与し得る。
ある特定の実施形態では、本開示は、BPGMをモジュレートするための化合物に関し、化合物は、式(I)により表される。ある特定の実施形態では、本開示の化合物は、酵素のシンターゼおよびホスファターゼ機能の両方に影響を与えるBPGMのアロステリックモジュレーターである。いずれにしても、本開示の化合物は、一部の実施形態では、約50マイクロモル未満の濃度で、または約10マイクロモル未満の濃度で、または1マイクロモル未満の濃度でBPGMをモジュレートすることに対してこれらの効果を発揮する。
本開示の化合物が医薬としてヒトおよび動物に投与されるとき、これらはそれ自体として、または薬学的に許容される担体と組み合わせて、例えば、0.1%~99.5%(または、0.5%~90%)の活性成分を含有する医薬組成物として与えることができる。
本出願の化合物またはその組成物は、上記の任意の適切なモードを使用して、毎日1回、2回、3回または4回投与し得る。また、化合物による投与または処置は、数日間続き得る;例えば、一般に、処置は、1サイクルの処置について少なくとも7日間、14日間または28日間続く。処置サイクルは周知であり、サイクルの間の約1~28日、一般に、約7日または約14日の休止期間と頻繁に交代する。処置サイクルはまた、ある特定の実施形態では、連続的であり得る。
経口的に投与されるとき、ヒト対象のための1日総投与量は、1mg~1,000mg、約1,000~2,000mg/日、約10~500mg/日、約50~300mg/日、約75~200mg/日または約100~150mg/日であり得る。
1日投与量はまた、用量毎または1日毎で投与される、本明細書に記載されている化合物の総量として記載し得る。化合物の1日投与量は、約1mg~4,000mg、約2,000~4,000mg/日、約1~2,000mg/日、約1~1,000mg/日、約10~500mg/日、約20~500mg/日、約50~300mg/日、約75~200mg/日または約15~150mg/日であり得る。
ある特定の実施形態では、方法は、対象に約1~800mgの本明細書に記載されている化合物の最初の1日用量を投与し、臨床的効能が達成されるまで用量を一定量ずつ増やすことを含む。約5mg、10mg、25mg、50mgまたは100mgの増加を使用して、用量を増加させることができる。投与量は、毎日、1日おき、週2回または週1回増加させることができる。
ある特定の実施形態では、化合物または医薬製造物は、経口的に投与される。ある特定の実施形態では、化合物または医薬製造物は、静脈内に投与される。代替の投与経路は、舌下、筋内および経皮的投与を含む。
本開示の製造物は、経口的、非経口的、局所的または直腸に与え得る。これらは当然ながら、それぞれの投与経路に適した形態で与えられる。例えば、これらは、錠剤またはカプセル剤形態、注射、吸入による、目薬、軟膏剤、坐剤など、注射、注入または吸入による投与;ローション剤もしくは軟膏剤によって局所;および坐剤によって直腸に投与される。ある特定の実施形態では、投与は、経口である。
製造キット/製造品
本明細書においてまた提供するのは、本開示の化合物、または薬学的に許容されるその塩、および適切なパッケージングを含むキットである。ある特定の実施形態では、キットはさらに、使用のための説明書を含む。一態様において、キットは、本開示の化合物、またはその薬学的に許容される塩、ならびに本明細書に記載されている疾患もしくは状態を含めた適応症の処置における化合物の使用のためのラベルおよび/もしくは説明書を含む。
本明細書において提供するのはまた、適切な容器中に、本明細書に記載されている化合物、またはその薬学的に許容される塩を含む生産品である。容器は、バイアル、ジャー、アンプル、事前充填されたシリンジおよび静脈内バッグであり得る。
キットはまた、本開示によって化合物を使用するための説明書を含有することができる。キットはコンパートメント化して、容器を厳重に閉じ込めて受けることができる。本明細書において使用する場合、キット、例えば、コンパートメント化されたキットは、化合物または薬剤が別々の容器中に含有される任意のキットを含む。このような容器の説明的な例には、これらに限定されないが、小さなガラス製容器、プラスチック製容器、またはプラスチックもしくは紙のストリップが含まれる。一部の実施形態では、そのタイプの容器は、当業者が試薬を1つのコンパートメントから別のコンパートメントへと効率的に移すことを可能とし、サンプルおよび試薬は相互汚染されておらず、それぞれの容器の薬剤または溶液を1つのコンパートメントから別のコンパートメントへと定量的な様式で加えることができる。このような容器には、これらに限定されないが、本開示の化合物または化合物の組合せおよび/または他の薬剤を受け入れる容器が含まれる。1つもしくはそれ以上の化合物または薬剤は、粉末(例えば、凍結乾燥した粉末)または沈殿物として提供することができる。このような化合物は、投与の前に、キットの部分として提供し得るか、または別々に利用可能であり得る、溶液に再懸濁することができる。キットは、本明細書に記載のように、他の形態、例えば、液体、ゲル、固体の化合物または薬剤を含有することができる。異なる化合物および/または薬剤は、単一のキットにおいて異なる形態で提供し得る。
下記で提供する実施例および製造はさらに、本開示の化合物、およびこのような化合物を試験するための方法を例示および例証する。本開示の範囲は、下記の実施例の範囲によって決して限定されないことを理解すべきである。
記載されている実施例における化学反応は、本明細書で開示されているいくつかの他の化合物の製造に容易に適合させることができ、本開示の化合物を製造するための代替方法は、本開示の範囲内とみなされる。例えば、本開示に従って例証されていない化合物の合成は、当業者に明らかな修正により、例えば干渉基を適正に保護することにより、記載されているもの以外の当業界で公知の他の適切な試薬を利用することにより、または反応条件、試薬および出発材料の日常的な修正を行うことにより行ってよい。代替的に、本明細書で開示されている、または当業界で公知の他の反応は、他の本開示の化合物を製造するための適用性を有すると把握される。
以下の略語は、本出願に関連性があり得る。
略語
ACN:アセトニトリル
Bu:ブチル
DCM:ジクロロメタン
DEAD:アゾジカルボン酸ジエチル
DIAD:アゾジカルボン酸ジイソプロピル
DIEA:N,N-ジイソプロピルエチルアミン
DMF:N,N-ジメチルホルムアミド
DMSO:ジメチルスルホキシド
ES-MS:エレクトロスプレーイオン化質量分析
EtOAcまたはEA:酢酸エチル
EtOH:エタノール
HPLC:高速液体クロマトグラフィー
LCMS:液体クロマトグラフィー-質量分析
Me:メチル
MeOH:メタノール
NBS:N-ブロモスクシンイミド
NMR:核磁気共鳴
OAc:アセテート
Pd(dppf)Cl.CHCl:[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)
PE:石油エーテル
PPh:トリフェニルホスフィン
sat.:飽和
SEM-Cl:2-(トリメチルシリル)エトキシメチルクロリド
TBAF:テトラ-n-ブチルアンモニウムフルオリド
TBSCl:tert-ブチルジメチルシリルクロリド
TFA:トリフルオロ酢酸
THF:テトラヒドロフラン
TLC:薄層クロマトグラフィー
合成例
例S1.4-フルオロ-6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール(1)の製造(重要中間体A)。
Figure 2023541152000042
Figure 2023541152000043
工程1:6-ブロモ-4-フルオロ-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール(1a)の合成。
Figure 2023541152000044
THF(100mL)中の5-ブロモ-7-フルオロ-1H-ベンゾトリアゾール(3g、12.50mmol、1当量)の溶液に、NaH(749.93mg、18.75mmol、60%純度、1.5当量)を添加した。混合物を0℃で15分間撹拌した。次いで混合物に、SEM-Cl(3.13g、18.75mmol、3.32mL、1.5当量)を添加した。混合物を25℃で45分間撹拌した。水(40mL)を混合物に添加した。混合物を酢酸エチル(40mL×2)で抽出した。合わせた有機相をブライン(40mL)で洗浄し、無水NaSOで脱水し、濾過し、真空で濃縮した。残留物をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO(登録商標);20 SepaFlash(登録商標)Silica Flash Column、30mL/分での0~10%石油/酢酸エチルエーテル勾配の溶離液)で精製して、2-[(6-ブロモ-4-フルオロベンゾトリアゾール-1-イル)メトキシ]エチルトリメチルシラン1a(1.4g、3.64mmol、58.2%収率、90%純度)を固体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 7.70 (d, J = 1.2 Hz, 1H), 7.25 (dd, J = 9.2, 1.2 Hz, 1H), 5.96 (s, 2H), 3.56-3.61 (m, 2H), 0.89-0.95 (m, 2H), -0.04 (s, 9H).
工程2:4-フルオロ-6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール(1)の合成。ジオキサン(8mL)中の2-[(6-ブロモ-4-フルオロベンゾトリアゾール-1-イル)メトキシ]エチルトリメチルシラン1a(600.00mg、1.56mmol、1当量)、酢酸カリウム(382.63mg、3.90mmol、2.5当量)、4,4,5,5-テトラメチル-2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1,3,2-ジオキサボロラン(514.82mg、2.03mmol、1.3当量)およびシクロペンチル(ジフェニル)ホスファン;ジクロロメタン;ジクロロパラジウム;鉄(127.35mg、155.95μmol、0.1当量)の混合物を脱気し、Nで3回パージし、次いで混合物をN雰囲気下で、100℃にて12時間撹拌した。水(20mL)を混合物に添加した。混合物を、酢酸エチル(40mL×2)で抽出した。合わせた有機相をブライン(40mL)で洗浄し、無水NaSOで脱水し、濾過し、真空で濃縮した。残留物をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO(登録商標);20g SepaFlash(登録商標)Silica Flash Column、30mL/分での0~30%石油/酢酸エチルエーテル勾配の溶離液)で精製して、2-[[4-フルオロ-6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンゾトリアゾール-1-イル]メトキシ]エチルトリメチルシラン1(800mg、1.42mmol、91.3%収率、70%純度)を固体として得た。1HNMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 7.96 (s, 1H), 7.46 (d, J = 10.2 Hz, 1H), 6.01 (s, 2H), 3.58-3.64 (m, 2H), 1.39 (s, 12H), 0.89-0.95 (m, 2H), -0.05 (s, 9H).
例S2.4,7-ジフルオロ-6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ベンゾトリアゾール(2)(重要中間体B)の製造。
Figure 2023541152000045
Figure 2023541152000046
工程1:3-ブロモ-2,5-ジフルオロ-6-ニトロアニリン(2a)の合成。
Figure 2023541152000047
DMSO(100mL)中の1-ブロモ-2,5-ジフルオロ-4-ニトロベンゼン(5g、21.01mmol、1当量)の溶液に、アミノ(トリメチル)アンモニウムヨージド(5.09g、25.21mmol、1.2当量)を添加し、次いでt-BuOK(9.43g、84.04mmol、4当量)を15℃にて1回で加えた。添加した後、混合物を15℃で15分間撹拌した。TLC(PE/EtOAc=10/1)は、反応が完了したことを示した。反応混合物を10%HCl(30mL)でクエンチして、10℃でpH=4~5とし、次いで混合物を水(400mL)中に注ぎ、EtOAc(300mL×3)で抽出した。合わせた有機層を水(300mL×3)、ブライン(300mL×3)で洗浄し、NaSOで脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO(登録商標);80g SepaFlash(登録商標)Silica Flash Column、60mL/分での0~3.4%酢酸エチル/石油エーテル勾配の溶離液)で精製して、3-ブロモ-2,5-ジフルオロ-6-ニトロアニリン2a(1.8g、6.40mmol、15.2%収率、90%純度)を固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 7.21 (s, 2H), 7.00 (dd, J = 5.6, 11.2 Hz, 1H).
工程2:4-ブロモ-3,6-ジフルオロベンゼン-1,2-ジアミン(2b)の合成。
Figure 2023541152000048
EtOH(25mL)、THF(25mL)およびHO(15mL)中の3-ブロモ-2,5-ジフルオロ-6-ニトロアニリン2a(2.6g、9.25mmol、1当量)の溶液にNHCl(4.95g、92.49mmol、10当量)およびFe粉末(5.17g、92.49mmol、10当量)を添加した。反応混合物を55℃で2時間撹拌した。TLC(PE/EtOAc=10/1)は、反応が完了したことを示した。反応混合物を濾過し、濾液をNaSOで脱水し、濾過し、濃縮して、粗4-ブロモ-3,6-ジフルオロベンゼン-1,2-ジアミン2b(2g、8.07mmol、87.3%収率、90%純度)を固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 6.64 (dd, J = 6.0, 10.0 Hz, 1H), 5.05 (br.s, 2H), 4.89 (br.s, 2H).
工程3:6-ブロモ-4,7-ジフルオロ-1H-ベンゾトリアゾール(2c)の合成
Figure 2023541152000049
HOAc(15mL)およびHO(15mL)中の4-ブロモ-3,6-ジフルオロベンゼン-1,2-ジアミン2b(2g、8.97mmol、1当量)の溶液に、HCl(12M、1.12mL、1.5当量)、およびHO(15mL)中のNaNO(1.55g、22.42mmol、2.5当量)の溶液を0℃で添加した。反応混合物を0℃で30分間撹拌した。TLC(PE/EtOAc=1/1)は、反応が完了したことを示した。反応混合物を水(30mL)中に注ぎ、EtOAc(30mL×3)で抽出した。合わせた有機層を飽和NaHCO(30mL×3)で洗浄し、NaSOで脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO(登録商標);40g SepaFlash(登録商標)Silica Flash Column、40mL/分での0~10%酢酸エチル/石油エーテル勾配の溶離液)で精製して、6-ブロモ-4,7-ジフルオロ-1H-ベンゾトリアゾール2c(1.6g、6.15mmol、68.6%収率、90%純度)を固体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 7.28 (dd, J = 4.4, 8.4 Hz, 1H).
工程4:4,7-ジフルオロ-6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ベンゾトリアゾール(2)の合成。DMSO(70mL)中の6-ブロモ-4,7-ジフルオロ-1H-ベンゾトリアゾール2c(1.5g、5.77mmol、1当量)、4,4,5,5-テトラメチル-2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1,3,2-ジオキサボロラン(8.79g、34.62mmol、6当量)、Pd(dppf)Cl.CHCl(471.14mg、576.92μmol、0.1当量)およびKOAc(4.53g、46.15mmol、8当量)の混合物を脱気し、Nで3回パージし、次いで混合物を100℃で12時間撹拌した。反応混合物を水(200mL)中に注ぎ、EtOAc(100mL×3)で抽出した。合わせた有機層を水(100mL×3)、ブライン(80mL×3)で洗浄し、NaSOで脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO(登録商標);40g SepaFlash(登録商標)Silica Flash Column、40mL/分での0~28%酢酸エチル/石油エーテル勾配の溶離液)で精製して、4,7-ジフルオロ-6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ベンゾトリアゾール2(1.4g、3.74mmol、64.8%収率、75%純度)を油として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 7.37 (d, J = 9.6 Hz, 1H), 1.38 (s, 12H).
例S3.(5-ブロモ-4-メチルチアゾール-2-イル)メタンアミン(3)(重要中間体C)の製造。
Figure 2023541152000050
Figure 2023541152000051
工程1:安息香酸シアノメチル(3a)の合成。
Figure 2023541152000052
DMF(1500mL)中の安息香酸(500g、4.09mol、625.00mL、1当量)の懸濁液に、KCO(700.00g、5.06mol、1.24当量)を添加し、混合物を、ガスの発生が停止するまで撹拌した。反応混合物を0℃に冷却し、DMF(500mL)中の2-ブロモアセトニトリル(491.10g、4.09mol、272.83mL、1当量)の溶液を滴下添加した。反応混合物を室温(25℃)で一晩(12時間)撹拌した。TLC(石油エーテル/酢酸エチル=3/1)は、材料が完全に消費され、新しいスポット1つが形成されたことを示した。反応混合物を濾過し、HO(3000mL)で希釈し、EA(2000mL×2)で抽出した。合わせた有機層をブライン(2000mL×2)で洗浄し、NaSOで脱水し、濾過し、減圧下で濃縮し、残留物を、カラムクロマトグラフィー(SiO、石油エーテル/酢酸エチル=10/1~5/1)により精製して、安息香酸シアノメチル3a(650g、4.03mol、98.51%収率)を油として得た。1H NMR (400 MHz, CHLOROFORM-d) δ = 8.11 - 8.03 (m, 2H), 7.67 - 7.60 (m, 1H), 7.53 - 7.45 (m, 2H), 4.97 (s, 2H).
工程2:(2-アミノ-2-チオキソエチル)ベンゾエート(3b)の合成。
Figure 2023541152000053
安息香酸シアノメチル3a(170g、1.05mol、1当量)およびチオアセトアミド(118.88g、1.58mol、1.5当量)を、DMF(800mL)に溶解した。HCl/ジオキサン(4M、1.02L、3.87当量)を添加し、混合物を100℃で2時間加熱した。TLC(石油エーテル/酢酸エチル=1/1)は、材料が残り、より高い極性を有する主要な新しいスポット1つが検出されたことを示した。反応混合物を減圧下で濃縮して、残留物を得、次いでHO(1.2L)で希釈し、酢酸エチル(1.2L×2)で抽出した。合わせた有機層をブライン(1.2L×2)で洗浄し、NaSOで脱水し、濾過し、減圧下で濃縮し、粗生成物を石油エーテル/酢酸エチル=3/1(300mL)で25℃にて30分間粉砕して、(2-アミノ-2-チオキソエチル)ベンゾエート3b(130g、粗製物)を固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ = 9.95 (br s, 1H), 9.37 (br s, 1H), 8.13 - 8.04 (m, 2H), 7.72 - 7.64 (m, 1H), 7.60 - 7.49 (m, 2H), 4.97 (s, 2H).
工程3:(4-メチルチアゾール-2-イル)メチルベンゾエート(3c)の合成。
Figure 2023541152000054
EtOH(9000mL)中の(2-アミノ-2-チオキソエチル)ベンゾエート3b(900g、4.61mol、1当量)の溶液に、1-クロロプロパン-2-オン(639.77g、6.91mol、1.5当量)を添加した。混合物を90℃で12時間撹拌した。LCMSは、材料が完全に消費され、所望の質量を有する主なピーク1つが検出されたことを示した。反応混合物を減圧下で濃縮して、残留物を得た。反応混合物をHO(1000mL)で希釈し、酢酸エチル(1000mL×2)で抽出した。合わせた有機層をブライン(1000mL×2)で洗浄し、NaSOで脱水し、濾過し、減圧下で濃縮して、(4-メチルチアゾール-2-イル)メチルベンゾエート3c(1000g、粗製物)を油として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ = 8.03 - 7.97 (m, 2H), 7.72 - 7.66 (m, 1H), 7.59 - 7.53 (m, 2H), 7.34 (d, J = 1.0 Hz, 1H), 5.58 (s, 2H), 2.37 (d, J = 0.9 Hz, 3H).
工程4:(4-メチルチアゾール-2-イル)メタノール(3d)の合成。
Figure 2023541152000055
MeOH(1000mL)中の(4-メチルチアゾール-2-イル)メチルベンゾエート3c(250g、1.07mol、1当量)の溶液に、NaOH(2M、1.25L、2.33当量)を添加した。混合物を25℃で2時間撹拌した。TLC(石油エーテル/酢酸エチル=0/1)は、材料が完全に消費され、新しいスポット1つが形成されたことを示した。反応混合物をHO(300mL)で希釈し、EA(300mL×2)で抽出した。合わせた有機層をブライン(300mL×2)で洗浄し、NaSOで脱水し、濾過し、減圧下で濃縮して、(4-メチルチアゾール-2-イル)メタノール3d(340g、粗製物)を油として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ = 7.13 (d, J = 0.7 Hz, 1H), 5.96 (t, J = 5.9 Hz, 1H), 4.67 (d, J = 5.9 Hz, 2H), 2.32 (s, 3H).
工程5:(5-ブロモ-4-メチルチアゾール-2-イル)メタノール(3e)の合成。
Figure 2023541152000056
MeCN(1000mL)中の(4-メチルチアゾール-2-イル)メタノール3d(100g、774.11mmol、1当量)の溶液に、NBS(165.34g、928.94mmol、1.2当量)を0℃で添加した。混合物を25℃で0.5時間撹拌した。LCMSは、材料が完全に消費され、所望の質量を有する主なピーク1つが検出されたことを示した。反応混合物をHO(500mL)で希釈し、EA(500mL×2)で抽出した。合わせた有機層をブライン(500mL×2)で洗浄し、NaSOで脱水し、濾過し、減圧下で濃縮して、残留物を得、カラムクロマトグラフィー(SiO、石油エーテル/酢酸エチル=10/1~5/1)により精製して、(5-ブロモ-4-メチルチアゾール-2-イル)メタノール3e(106g、509.43mmol、65.81%収率)を固体として得た。1H NMR (400 MHz, CHLOROFORM-d) δ = 4.83 (s, 2H), 3.40 - 3.12 (m, 1H), 2.36 (s, 3H).
工程6:2-[(5-ブロモ-4-メチルチアゾール-2-イル)メチル]イソインドリン-1,3-ジオン(3f)の合成。
Figure 2023541152000057
THF(40mL)中の(5-ブロモ-4-メチルチアゾール-2-イル)メタノール3e(3g、14.42mmol、1当量)、イソインドリン-1,3-ジオン(2.76g、18.74mmol、1.3当量)およびトリフェニルホスフィン(4.92g、18.74mmol、1.3当量)の溶液に。混合物を0℃で0.5時間撹拌した。次いでDIAD(3.79g、18.74mmol、3.64mL、1.3当量)を添加した。混合物を25℃で1.5時間撹拌した。完了後、反応混合物を塩化アンモニウム飽和水溶液(50mL)中に注ぎ、酢酸エチル(20mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、濃縮した。残留物を、フラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO(登録商標);40g SepaFlash(登録商標)Silica Flash Column、20mL/分での0~35%酢酸エチル/石油エーテル勾配の溶離液)により精製した。カット分画を減圧下で濃縮して、2-[(5-ブロモ-4-メチルチアゾール-2-イル)メチル]イソインドリン-1,3-ジオン3f(7.5g、10.45mmol、72.51%収率、47%純度)を固体として得た。
工程7:(5-ブロモ-4-メチルチアゾール-2-イル)メタンアミン(3)の合成。MeOH(150mL)中の2-[(5-ブロモ-4-メチルチアゾール-2-イル)メチル]イソインドリン-1,3-ジオン3f(7.5g、10.45mmol、47%純度、1当量)の溶液に、NHNH.HO(7.85g、156.81mmol、7.62mL、15当量)を添加した。混合物を25℃で16時間撹拌した。完了後、反応混合物を濾過し、減圧下で濃縮して、残留物を得た。反応混合物を1N HCl(30mL)中にpH=3まで注いだ。次に、EA(100mL)を混合物に添加した。次いで水性相を2N NaOH(50mL)に添加し、酢酸エチル(100mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、濃縮して、(5-ブロモ-4-メチルチアゾール-2-イル)メタンアミン3(2.5g、粗製物)を固体として得た。1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ = 3.90 (s, 2H), 2.33 (s, 2H), 2.26 (s, 3H).
例S4. 4-(4-ブロモチアゾール-2-イル)-2,3,6-トリフルオロフェノール(4)(重要中間体D)の製造。
Figure 2023541152000058
Figure 2023541152000059
工程1:4-ブロモ-2,3,6-トリフルオロフェノール(4a)の合成。
Figure 2023541152000060
CHCl(500mL)中の2,3,6-トリフルオロフェノール(20g、135.06mmol、1当量)、NBS(27.64g、155.32mmol、1.15当量)の混合物を、N雰囲気下で、0℃にて2時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮した。残留物を、フラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO(登録商標);80g SepaFlash(登録商標)Silica Flash Column、80mL/分での0~15%酢酸エチル/石油エーテル勾配の溶離液)により精製して、4-ブロモ-2,3,6-トリフルオロフェノール4a(30g、118.95mmol、88.1%収率、90%純度)を固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 11.16 (s, 1H), 7.67-7.42 (m, 1H).
工程2:2,3,6-トリフルオロ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェノール(4b)の合成。
Figure 2023541152000061
ジオキサン(250mL)中の4-ブロモ-2,3,6-トリフルオロフェノール4a(10g、39.65mmol、1当量)、Pd(dppf)Cl(1.45g、1.98mmol、0.05当量)、KOAc(9.73g、99.13mmol、2.5当量)、4,4,5,5-テトラメチル-2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1,3,2-ジオキサボロラン(20.14g、79.30mmol、2当量)の混合物を脱気し、Nで3回パージし、次いで混合物を80℃で12時間撹拌した。混合物を濃縮し、次いで水(200mL)を添加し、次いでEtOAc(200mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(200mL)で洗浄し、NaSOで脱水し、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO(登録商標);80g SepaFlash(登録商標)Silica Flash Column、60mL/分での0~20%酢酸エチル/石油エーテル勾配の溶離液)で精製して、2,3,6-トリフルオロ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェノール4b(4g、13.14mmol、33.1%収率、90%純度)を固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 11.23 (s, 1H), 7.05-6.96 (m, 1H), 1.24 (s, 12H).
工程3:4-(4-ブロモチアゾール-2-イル)-2,3,6-トリフルオロフェノール(4)の合成。ジオキサン(8mL)およびHO(2mL)中の2,3,6-トリフルオロ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェノール4b(0.5g、1.64mmol、1当量)、Pd(dppf)Cl(120.15mg、164.21mmol、0.1当量)、KPO.3HO(1.31g、4.93mmol、3当量)、2,4-ジブロモチアゾール(1.20g、4.93mmol、3当量)の混合物を脱気し、Nで3回パージし、次いで混合物を、マイクロ波下(2Bar)で、60℃にて0.5時間撹拌した。TLC(PE/EtOAc=5/1)は、反応が完了したことを示した。混合物を濃縮し、水(200mL)を添加した。混合物をEtOAc(200mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(200mL)で洗浄し、NaSOで脱水し、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO(登録商標);80g SepaFlash(登録商標)Silica Flash Column、60mL/分での0~30%酢酸エチル/石油エーテル勾配の溶離液)で精製して、4-(4-ブロモチアゾール-2-イル)-2,3,6-トリフルオロフェノール4(0.28g、812.67μmol、49.5%収率、90%純度)を固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 11.72 (br s, 1H), 8.05 (s, 1H), 7.74-7.71 (m, 1H).
例S5. 5-(6-クロロ-2-ピリジル)-4-メチル-2-(ピリミジン-2-イルオキシメチル)チアゾール(5)(重要中間体E)の製造。
Figure 2023541152000062
Figure 2023541152000063
工程1:5-ブロモ-2-(((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)-4-メチルチアゾール(5a)の合成。
Figure 2023541152000064
無水DCM(150mL)中の(5-ブロモ-4-メチルチアゾール-2-イル)メタノール3e(40g、173.01mmol、1当量)の溶液に、TBSCl(33.90g、224.92mmol、27.56mL、1.3当量)およびイミダゾール(17.67g、259.52mmol、1.5当量)を0℃で添加した。混合物を25℃に温め、12時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮して、DCMを除去した。残留物をHO(100mL)で希釈し、EtOAc(150mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(100mL×3)で洗浄し、無水NaSOで脱水し、濾過し、減圧下で濃縮して、残留物を得た。残留物を、フラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO(登録商標);40g SepaFlash(登録商標)Silica Flash Column、60mL/分での0~3%酢酸エチル/石油エーテル勾配の溶離液)により精製して、(5-ブロモ-4-メチルチアゾール-2-イル)メトキシ-tert-ブチルジメチルシラン5a(57g、159.15mmol、92.0%収率、90%純度)を油として得た。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ ppm 4.85 (s, 2H), 2.36 (s, 3H), 0.95 (s, 9H), 0.13 (s, 6H).
工程2:2-(((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)-4-メチル-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)チアゾール(5b)の合成。
Figure 2023541152000065
無水THF(200mL)中の(5-ブロモ-4-メチルチアゾール-2-イル)メトキシ-tert-ブチルジメチルシラン5a(10g、27.92mmol、1当量)の溶液に、n-BuLi(2.5M、16.75mL、1.5当量)を、N下で、-78℃にて滴下添加した。反応混合物を-78℃で0.5時間撹拌した。4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(8.93g、69.80mmol、10.13mL、2.5当量)を混合物に-78℃で0.5時間滴下添加した。添加した後、反応を25℃に温め、さらに12時間撹拌した。反応を飽和NHCl(100mL)で0℃にてクエンチし、EtOAc(200mL×3)で抽出し、ブライン(500mL×3)で洗浄した。合わせた有機層を無水NaSOで脱水し、濾過し、濃縮して、粗残留物を得た。残留物を、フラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO(登録商標);80g SepaFlash(登録商標)Silica Flash Column、60mL/分での0~10%酢酸エチル/石油エーテル勾配の溶離液)により精製して、2-(((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)-4-メチル-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)チアゾール5b(6g、14.62mmol、52.4%収率、90%純度)を油として得た。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ ppm 4.95 (s, 2H), 2.60 (s, 3H), 1.34 (s, 12H), 0.96 (s, 9H), 0.13 (s, 6H).
工程3:2-(((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)-5-(6-クロロピリジン-2-イル)-4-メチルチアゾール(5c)の合成。
Figure 2023541152000066
ジオキサン(120mL)、HO(12mL)中の2,6-ジクロロピリジン(2.34g、15.84mmol、1.3当量)の溶液に、2-(((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)-4-メチル-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)チアゾール5b(5g、12.18mmol、1当量)、CsCO(11.91g、36.55mmol、3当量)およびPd(dppf)Cl(534.81mg、730.91mmol、0.06当量)を添加した。混合物を、N雰囲気下で、90℃にて2時間撹拌した。反応を水(100mL)で希釈し、EtOAc(80mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(100mL)で洗浄し、無水NaSOで脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物を、フラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO(登録商標);20g SepaFlash(登録商標)Silica Flash Column、35mL/分での0~10%酢酸エチル/石油エーテル勾配の溶離液)により精製して、2-(((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)-5-(6-クロロピリジン-2-イル)-4-メチルチアゾール5c(1.9g、4.82mmol、39.5%収率、90%純度)を油として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 7.68 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 7.44 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.21 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 4.94 (s, 2H), 2.67 (s, 3H), 0.97 (s, 9H), 0.16 (s, 6H).
工程4:[5-(6-クロロ-2-ピリジル)-4-メチルチアゾール-2-イル]メタノール(5d)の合成。
Figure 2023541152000067
THF(15mL)中の2-(((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)-5-(6-クロロピリジン-2-イル)-4-メチルチアゾール5c(1.9g、4.82mmol、1当量)の溶液に、TBAF(1M、5.78mL、1.2当量)を添加した。混合物を、N雰囲気下で、25℃にて1時間撹拌した。TLC(EtOAc)は、出発材料が消費されたことを示した。反応混合物を減圧下で濃縮して、残留物を得た。残留物を、フラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO(登録商標);12g SepaFlash(登録商標)Silica Flash Column、30mL/分での100%酢酸エチル勾配の溶離液)により精製して、[5-(6-クロロ-2-ピリジル)-4-メチルチアゾール-2-イル]メタノール5d(1g、3.74mmol、77.6%収率、90%純度)を固体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 7.70 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 7.45 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.23 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 4.93 (d, J = 6.0 Hz, 2H), 2.69 (s, 3H).
工程5:5-(6-クロロ-2-ピリジル)-4-メチル-2-(ピリミジン-2-イルオキシメチル)チアゾール(5)の合成。無水DMF(10mL)中の[5-(6-クロロ-2-ピリジル)-4-メチルチアゾール-2-イル]メタノール5d(1g、3.74mmol、1当量)の溶液に、NaH(164.50mg、4.11mmol、60%純度、1.1当量)を添加した。混合物を0℃で15分間撹拌した。次いで2-クロロピリミジン(1.28g、11.22mmol、3当量)を混合物に0℃で添加した。添加した後、混合物を25℃で45分間撹拌した。TLC(石油エーテル/EtOAc=1:1)は、主要な新しいスポット1つが形成されたことを示した。水(40mL)を添加し、酢酸エチル(40mL×2)で抽出した。合わせた有機相をブライン(40mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物を、フラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO(登録商標);12g SepaFlash(登録商標)Silica Flash Column、30mL/分での0~70%EtOAc/PEエーテル勾配の溶離液)により精製して、5-(6-クロロ-2-ピリジル)-4-メチル-2-(ピリミジン-2-イルオキシメチル)チアゾール5(700mg、1.98mmol、52.9%収率、90%純度)を固体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 8.58 (d, J = 4.8 Hz, 2H), 7.68 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 7.44 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.22 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.02 (t, J = 4.8 Hz, 1H), 5.71 (s, 2H), 2.71 (s, 3H).
例S6. 2-[[5-(4-ブロモチアゾール-2-イル)-4,7-ジフルオロベンゾトリアゾール-2-イル]メトキシ]エチルトリメチルシラン(6)(重要中間体F)の製造。
Figure 2023541152000068
Figure 2023541152000069
工程1:4-ブロモ-2-(4,7-ジフルオロ-1H-ベンゾトリアゾール-5-イル)チアゾール(6a)の合成。
Figure 2023541152000070
ジオキサン(100mL)およびHO(25mL)中の4,7-ジフルオロ-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ベンゾトリアゾール、重要中間体B(2)(8g、28.46mmol、1当量)、2,4-ジブロモチアゾール(13.83g、56.93mmol、2当量)、NaCO(9.05g、85.39mmol、3当量)およびPd(dppf)Cl.CHCl(2.32g、2.85mmol、0.1当量)の混合物を脱気し、Nを3回入れた。反応混合物を、N下で、80℃で12時間撹拌した。LCMSは、所望のものの22%が観察されたことを示した。氷水(300mL)を添加し、1N HCl(約180mL)によりpH=5に酸性化し、EtOAc(500mL×2)で抽出し、ブライン(300mL)で洗浄し、無水NaSOで脱水し、濾過し、濃縮して、粗製物を得た。次いで逆相HPLC(0.1%FA条件)により精製して、4-ブロモ-2-(4,7-ジフルオロ-1H-ベンゾトリアゾール-5-イル)チアゾール6a(1.3g、4.10mmol、14.40%収率)を固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ = 8.13 (s, 1H), 7.95 - 7.90 (m, 1H).
工程2:2-[[5-(4-ブロモチアゾール-2-イル)-4,7-ジフルオロベンゾトリアゾール-2-イル]メトキシ]エチルトリメチルシラン(6)の合成。THF(7mL)中のNaH(416.22mg、10.41mmol、60%純度、3当量)の懸濁液に、THF(7mL)中の4-ブロモ-2-(4,7-ジフルオロ-1H-ベンゾトリアゾール-5-イル)チアゾール6a(1.1g、3.47mmol、1当量)の溶液を、N雰囲気下で、0℃にて添加した。混合物を0℃で30分間撹拌し、次いでSEM-Cl(751.82mg、4.51mmol、798.11μL、1.3当量)を添加した。このように得られた混合物を、N雰囲気下で、0℃にて30分間撹拌した。TLCは、材料が消費され、いくつかの新しいスポットが形成されたことを示した。反応混合物を飽和NHCl(20mL)溶液でクエンチし、酢酸エチル(20mL×2)で抽出し、有機層をNaSOで脱水し、濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。残留物をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(0~10%酢酸エチル/石油エーテルの溶離液)で精製して、2-[[5-(4-ブロモチアゾール-2-イル)-4,7-ジフルオロベンゾトリアゾール-2-イル]メトキシ]エチルトリメチルシラン6(550mg、1.23mmol、35.44%収率)を固体として得た。1H NMR (400MHz, CHLOROFORM-d) δ = 8.06 (dd, J=4.6, 10.6 Hz, 1H), 7.44 (s, 1H), 6.03 (s, 2H), 3.84 - 3.77 (m, 2H), 1.03 - 0.97 (m, 2H), 0.00 (s, 9H).
例S7.5-[2-(7-フルオロ-1H-ベンゾトリアゾール-5-イル)チアゾール-4-イル]-4-メチル-2-(ピリダジン-3-イルオキシメチル)チアゾール(7)の製造。
化合物7、10および11の一般スキーム。
Figure 2023541152000071
工程1:5-ブロモ-4-メチル-2-(ピリダジン-3-イルオキシメチル)チアゾール(7a)の合成。
Figure 2023541152000072
THF(15mL)中の(5-ブロモ-4-メチルチアゾール-2-イル)メタノール3e(0.6g、2.60mmol、1当量)の混合物に、NaH(311.39mg、7.79mmol、60%純度、3当量)を添加し、Nで3回パージし、次いで混合物を20℃で0.5時間撹拌した。3-クロロピリダジン(356.68mg、3.11mmol、1.2当量)を反応混合物に添加し、混合物を20℃で12時間撹拌した。反応混合物を、0℃で水(50mL)を添加しながらクエンチした。混合物をEtOAc(50mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(50mL)で洗浄し、NaSOで脱水し、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO(登録商標);20g SepaFlash(登録商標)Silica Flash Column、40mL/分での0~70%酢酸エチル/石油エーテル勾配の溶離液)で精製して、5-ブロモ-4-メチル-2-(ピリダジン-3-イルオキシメチル)チアゾール7a(110mg、345.97μmol、13.3%収率、90%純度)を固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.97 (d, J = 4.4 Hz, 1H), 7.71 (dd, J = 4.4, 9.0 Hz, 1H), 7.36 (dd, J = 1.4, 8.8 Hz, 1H), 5.74 (s, 2H), 2.34 (s, 3H).
工程2:2-[[5-(4-ブロモチアゾール-2-イル)-7-フルオロベンゾトリアゾール-1-イル]メトキシ]エチルトリメチルシラン(7b)の合成。
Figure 2023541152000073
ジオキサン(8mL)およびHO(2mL)中の2-[[7-フルオロ-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンゾトリアゾール-1-イル]メトキシ]エチルトリメチルシラン重要中間体A(1)(0.6g、1.22mmol、1当量)、Pd(dppf)Cl(89.29mg、122.03μmol、0.1当量)、KPO・3HO(974.96mg、3.66mmol、3当量)、2,4-ジブロモチアゾール(741.11mg、3.05mmol、2.5当量)の混合物を脱気し、Nで3回パージし、次いで混合物を、マイクロ波(1bar)下で、60℃で0.5時間撹拌した。混合物を濃縮し、次いで水(100mL)を添加した。混合物をEtOAc(80mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(80mL)で洗浄し、NaSOで脱水し、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO(登録商標);24g SepaFlash(登録商標)Silica Flash Column、40mL/分での0~30%酢酸エチル/石油エーテル勾配の溶離液)で精製して、2-[[5-(4-ブロモチアゾール-2-イル)-7-フルオロベンゾトリアゾール-1-イル]メトキシ]エチルトリメチルシラン7b(0.51g、1.07mmol、87.6%収率、90%純度)を固体として得た。1HNMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.55 (s, 1H), 8.02 (s, 2H), 6.10 (s, 2H), 3.62 (t, J = 8.0 Hz, 2H), 0.85 (t, J = 8.0 Hz, 2H), 0.09 (s, 9H).
工程3:2-[[7-フルオロ-5-[4-[4-メチル-2-(ピリダジン-3-イルオキシメチル)チアゾール-5-イル]チアゾール-2-イル]ベンゾトリアゾール-1-イル]メトキシ]エチルトリメチルシラン(7c)の合成。
Figure 2023541152000074
トルエン(3mL)中のビス(1-アダマンチル)-ブチルホスファン(22.55mg、62.88μmol、0.2当量)およびジアセトキシパラジウム(14.12mg、62.88μmol、0.2当量)の混合物を、N雰囲気下で、20℃で0.5時間撹拌した。混合物を、MeOH(6mL)中の2-[[5-(4-ブロモチアゾール-2-イル)-7-フルオロベンゾトリアゾール-1-イル]メトキシ]エチルトリメチルシラン7b(150mg、314.41μmol、1当量)、4,4,5,5-テトラメチル-2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1,3,2-ジオキサボロラン(319.36mg、1.26mmol、4当量)、CsF(143.27mg、943.22μmol、34.78μL、3当量)、5-ブロモ-4-メチル-2-(ピリダジン-3-イルオキシメチル)チアゾール7a(149.94mg、471.61μmol、1.5当量)の混合物に添加し、これを50℃で0.5時間撹拌し、混合物を80℃で12時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮して、残留物を得た。残留物を分取HPLC(カラム:Boston Prime C18 150×30mm×5μm;移動相:[水(0.05%アンモニア水酸化物v/v)-ACN];B%:75%~95%、10分間)で精製して、2-[[7-フルオロ-5-[4-[4-メチル-2-(ピリダジン-3-イルオキシメチル)チアゾール-5-イル]チアゾール-2-イル]ベンゾトリアゾール-1-イル]メトキシ]エチルトリメチルシラン7c(50mg、80.98μmol、25.8%収率、90%純度)を固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 9.09 (dd, J = 1.2, 4.4 Hz, 1H), 8.68 (d, J = 1.0 Hz, 1H), 8.28-8.12 (m, 2H), 7.83 (dd, J = 4.4, 8.8 Hz, 1H), 7.51 (dd, J = 1.2, 8.8 Hz, 1H), 6.22 (s, 2H), 5.92 (s, 2H), 3.74 (t, J = 8.0 Hz, 2H), 2.78 (s, 3H), 0.96 (t, J = 8.0 Hz, 2H), 0.00 (s, 9H).
工程3:5-[2-(7-フルオロ-1H-ベンゾトリアゾール-5-イル)チアゾール-4-イル]-4-メチル-2-(ピリダジン-3-イルオキシメチル)チアゾール(7)の合成。THF(2mL)中の2-[[7-フルオロ-5-[4-[4-メチル-2-(ピリダジン-3-イルオキシメチル)チアゾール-5-イル]チアゾール-2-イル]ベンゾトリアゾール-1-イル]メトキシ]エチルトリメチルシラン7c(50mg、80.98μmol、1当量)、TBAF(THF中1M、1.07mL、13.23当量)の混合物を脱気し、Nで3回パージし、次いで混合物を60℃で12時間撹拌した。混合物を濃縮し、次いで水(10mL)を添加した。混合物を、DCM(10mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(10mL)で洗浄し、NaSOで脱水し、濾過し、濃縮した。残留物を分取HPLC(カラム:Boston Prime C18 150×30mm×5μm;移動相:[水(0.05%アンモニア水酸化物v/v)-ACN];B%:25%~45%、10分間)で精製して、5-[2-(7-フルオロ-1H-ベンゾトリアゾール-5-イル)チアゾール-4-イル]-4-メチル-2-(ピリダジン-3-イルオキシメチル)チアゾール7(31.4mg、72.37μmol、89.4%収率、98.06%純度)を固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.99 (dd, J = 1.4, 4.4 Hz, 1H), 8.29 (s, 1H), 8.04 (s, 1H), 7.80 (d, J = 10.8 Hz, 1H), 7.72 (dd, J = 4.8, 8.8 Hz, 1H), 7.41 (dd, J = 1.4, 8.8 Hz, 1H), 5.81 (s, 2H), 2.67 (s, 3H); HPLC (98.06% purity); ES-MS m/z 448.0 [M+23]+.
例S8. 5-[6-(4,7-ジフルオロ-3H-ベンゾトリアゾール-5-イル)-2-ピリジル]-4-メチル-2-[(5-メチルピリミジン-2-イル)オキシメチル]チアゾール(8)の製造。
化合物8、9、12、14および15の一般的なスキーム。
Figure 2023541152000075
工程1:5-(6-クロロ-2-ピリジル)-4-メチル-2-[(5-メチルピリミジン-2-イル)オキシメチル]チアゾール(8a)の合成。
Figure 2023541152000076
DMF(10mL)中の[5-(6-クロロ-2-ピリジル)-4-メチルチアゾール-2-イル]メタノール5d(1g、4.15mmol、1当量)の溶液に、NaH(332.32mg、8.31mmol、60%純度、2当量)を0℃で添加し、0.5時間撹拌し、2-クロロ-5-メチルピリミジン(1.34g、10.39mmol、2.5当量)を添加した。混合物を20℃で2時間撹拌した。LCMSは、検出された所望のMSを示した。反応混合物を塩化アンモニウム飽和水溶液(50mL)中に注ぎ、酢酸エチル(50mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、濃縮した。残留物を、カラムクロマトグラフィー(SiO、DCM/MeOH=0/1~10/1)により精製して、5-(6-クロロ-2-ピリジル)-4-メチル-2-[(5-メチルピリミジン-2-イル)オキシメチル]チアゾール8a(0.8g、2.40mmol、57.86%収率)を固体として得た。1H NMR (400 MHz, CHLOROFORM-d) δ = 8.31 (s, 2H), 7.60 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 7.36 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.13 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 5.60 (s, 2H), 2.63 (s, 3H), 2.19 (s, 3H).
工程2:5-[6-(4,7-ジフルオロ-3H-ベンゾトリアゾール-5-イル)-2-ピリジル]-4-メチル-2-[(5-メチルピリミジン-2-イル)オキシメチル]チアゾール(8)の合成。ジオキサン(6mL)およびHO(2mL)中の5-(6-クロロ-2-ピリジル)-4-メチル-2-[(5-メチルピリミジン-2-イル)オキシメチル]チアゾール8a(0.5g、1.50mmol、1当量)、4,7-ジフルオロ-6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ベンゾトリアゾール(2、重要中間体B、760.08mg、2.70mmol、1.8当量)、Pd(dppf)Cl(109.93mg、150.24μmol、0.1当量)およびCsCO(1.22g、3.76mmol、2.5当量)の混合物を脱気し、Nで3回パージし、次いで混合物を、N雰囲気下で、100℃で12時間撹拌した。LCMSは、所望のMSが検出されたことを示した。反応混合物を減圧下で濃縮して、残留物を得た。残留物を、フラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO(登録商標);40g SepaFlash(登録商標)Silica Flash Column、70mL/分での0~15%DCM/MeOHエーテル勾配の溶離液)により精製した。カット分画を減圧下で濃縮して、粗生成物を得た。粗生成物を、MeOH(10mL)で粉砕することにより精製した。次いで濾過ケーキを収集し、減圧下で濃縮して、生成物を得た。粗生成物を、フラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO(登録商標);20g SepaFlash(登録商標)Silica Flash Column、50mL/分での0~15%DCM/EAエーテル勾配の溶離液)により精製した。カット分画を減圧下で濃縮して、5-[6-(4,7-ジフルオロ-3H-ベンゾトリアゾール-5-イル)-2-ピリジル]-4-メチル-2-[(5-メチルピリミジン-2-イル)オキシメチル]チアゾール8(250mg、553.77μmol、36.86%収率、98.20%純度)を固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ = 8.51 (s, 2H), 8.12 - 8.04 (m, 1H), 7.92 (dd, J = 1.5, 7.8 Hz, 1H), 7.86 - 7.75 (m, 2H), 5.64 (s, 2H), 2.71 (s, 3H), 2.21 (s, 3H); HPLC (98.20% purity); ES-MS m/z 452.2 [M+H]+.
例S9. 1-[[5-[6-(4,7-ジフルオロ-3H-ベンゾトリアゾール-5-イル)-2-ピリジル]-4-メチルチアゾール-2-イル]メトキシ]-2-メチルプロパン-2-オール(9)の製造。
工程1:エチル2-[[5-(6-クロロ-2-ピリジル)-4-メチルチアゾール-2-イル]メトキシ]アセテート(9a)の合成。
Figure 2023541152000077
0℃に冷却したDMF(6mL)中の[5-(6-クロロ-2-ピリジル)-4-メチルチアゾール-2-イル]メタノール(例S5から、中間体5d、1g、4.15mmol、1当量)の混合物に、NaH(332.35mg、8.31mmol、60%純度、2当量)を、N雰囲気下で、少しずつ添加した。混合物を、N雰囲気下で、0℃にて15分間撹拌した。次いで2-ブロモ酢酸エチル(901.92mg、5.40mmol、597.30μL、1.3当量)の溶液を混合物に滴下添加した。混合物を、N雰囲気下で、0℃にて1時間全体的に撹拌した。次いで混合物全体を、N雰囲気下で、25℃にて1時間撹拌した。LCMSは、材料が完全に消費され、所望のMSを有する主なピーク1つが検出されたことを示した。TLC(PE:EA=1:1)は、材料が完全に消費され、新しいスポット1つが形成されたことを示した。反応混合物は、NHCl溶液(15mL)を0℃で添加することによりクエンチし、次いで酢酸エチル(10mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(30mL)で洗浄し、NaSOで脱水し、濾過し、減圧下で濃縮して、残留物を得、フラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(0~35%酢酸エチル/石油エーテル勾配の溶離液)により精製して、エチル2-[[5-(6-クロロ-2-ピリジル)-4-メチルチアゾール-2-イル]メトキシ]アセテート9a(600mg、1.84mmol、44.19%収率)を油として得た。1H NMR (400 MHz, CHLOROFORM-d) δ = 7.70 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 7.45 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 7.24 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 4.92 (s, 2H), 4.30 - 4.20 (m, 4H), 2.71 (s, 3H), 1.31 (t, J = 7.2 Hz, 3H).
工程2:1-[[5-(6-クロロ-2-ピリジル)-4-メチルチアゾール-2-イル]メトキシ]-2-メチルプロパン-2-オール(9b)の合成。
Figure 2023541152000078
0℃のTHF(10mL)中のエチル2-[[5-(6-クロロ-2-ピリジル)-4-メチルチアゾール-2-イル]メトキシ]アセテート9a(600mg、1.84mmol、1当量)の溶液に、MeMgBr(3M、1.84mL、3当量)を滴下添加した。混合物を25℃で3時間撹拌した。TLC(PE:EA=0:1)は、材料が完全に消費され、新しい主なスポット1つが形成されたことを示した。LCMSは、材料が完全に消費され、所望のMSを有する主なピーク1つが検出されたことを示した。反応混合物を、NHCl飽和溶液(5mL)を0℃で添加することによりクエンチし、次いで水(15mL)で希釈し、酢酸エチル(20mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(50mL)で洗浄し、NaSOで脱水し、濾過し、減圧下で濃縮して、残留物を得た。次いでフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(10~40%酢酸エチル/石油エーテル勾配の溶離液)により精製して、1-[[5-(6-クロロ-2-ピリジル)-4-メチルチアゾール-2-イル]メトキシ]-2-メチルプロパン-2-オール9b(350mg、1.12mmol、60.94%収率)を油として得た。1H NMR (400 MHz, CHLOROFORM-d) δ = 7.72 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 7.47 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.25 (s, 1H), 4.91 (s, 2H), 3.50 (s, 2H), 2.79 - 2.67 (m, 3H), 1.27 (s, 6H).
工程3:1-[[5-[6-(4,7-ジフルオロ-3H-ベンゾトリアゾール-5-イル)-2-ピリジル]-4-メチルチアゾール-2-イル]メトキシ]-2-メチルプロパン-2-オール(9)の合成。ジオキサン(1mL)/HO(0.2mL)中の1-[[5-(6-クロロ-2-ピリジル)-4-メチルチアゾール-2-イル]メトキシ]-2-メチルプロパン-2-オール9b(87mg、278.12μmol、1当量)、4,7-ジフルオロ-6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ベンゾトリアゾール(2、重要中間体B、156.34mg、556.24μmol、2当量)、CsCO(271.85mg、834.36μmol、3当量)およびPd(dppf)Cl.CHCl(113.56mg、139.06μmol、0.5当量)の混合物を脱気し、Nで3回パージし、次いで混合物を、N雰囲気下で、105℃にて12時間撹拌した。LCMSは、材料が完全に消費され、所望の化合物が検出されたことを示した。反応混合物を濾過し、減圧下で濃縮して、残留物を得、分取HPLC(基本条件:カラム:Waters Xbridge C18 150×50mm×10μm;移動相:[水(0.05%アンモニア水酸化物v/v)-ACN];B%:5%~35%、11分間)により精製した。次いで分取TLC(SiO、酢酸エチル:MeOH=4:1)により再精製して、1-[[5-[6-(4,7-ジフルオロ-3H-ベンゾトリアゾール-5-イル)-2-ピリジル]-4-メチルチアゾール-2-イル]メトキシ]-2-メチルプロパン-2-オール9(35mg、77.79μmol、6.99%収率、95.9%純度)を固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ = 8.10 - 8.03 (m, 1H), 7.91 (dd, J = 1.4, 7.9 Hz, 1H), 7.81 - 7.74 (m, 2H), 4.80 (s, 2H), 4.47 (s, 1H), 3.36 (br s, 2H), 2.69 (s, 3H), 1.13 (s, 6H); HPLC (95.91% purity); ES-MS m/z 432.4 [M+H]+.
例S10. 2,3,6-トリフルオロ-4-[4-[4-メチル-2-(ピリミジン-2-イルオキシメチル)チアゾール-5-イル]チアゾール-2-イル]フェノール(10)の製造。
工程1:5-ブロモ-4-メチル-2-(ピリミジン-2-イルオキシメチル)チアゾール(10a)の合成。
Figure 2023541152000079
THF(12.5mL)中の(5-ブロモ-4-メチルチアゾール-2-イル)メタノール3e(500mg、2.40mmol、1当量)の混合物に、NaH(144.00mg、3.60mmol、60%純度、1.5当量)を0℃で添加し、Nで3回パージし、次いで混合物を15℃で0.5時間撹拌した。2-クロロピリミジン(329.86mg、2.88mmol、1.2当量)を反応混合物に添加し、混合物を15℃で12時間撹拌した。TLC(PE/EtOAc=2:1)は、新しいスポットが形成され、所望のMSがLCMSで観察されたことを示した。反応混合物を氷水(30mL)中に注ぎ、EtOAc(50mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(50mL)で洗浄し、NaSOで脱水し、濾過し、濃縮した。残留物を、カラムクロマトグラフィー(SiO、PE/EtOAc=4:1)により精製して、5-ブロモ-4-メチル-2-(ピリミジン-2-イルオキシメチル)チアゾール10a(534mg、1.87mmol、77.76%収率)を固体として得た。1H NMR (400 MHz, CHLOROFORM-d) δ = 8.58 (d, J = 4.6 Hz, 2H), 7.03 (t, J = 4.8 Hz, 1H), 5.63 (s, 2H), 2.41 (s, 3H).
工程2:2,3,6-トリフルオロ-4-[4-[4-メチル-2-(ピリミジン-2-イルオキシメチル)チアゾール-5-イル]チアゾール-2-イル]フェノール(10)の合成。無水トルエン(30mL)中のビス(1-アダマンチル)-ブチルホスファン(62.44mg、174.14mol、0.2当量)およびPd(OAc)(19.55mg、87.07μmol、0.1当量)の混合物を、N雰囲気下で、20℃にて0.5時間撹拌した。上記溶液を、無水MeOH(100mL)中の4-(4-ブロモチアゾール-2-イル)-2,3,6-トリフルオロフェノール(4、重要中間体D、300mg、870.71μmol、1当量)、4,4,5,5-テトラメチル-2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1,3,2-ジオキサボロラン(884.43mg、3.48mmol、4当量)、CsF(396.78mg、2.61mmol、96.31μL、3当量)、5-ブロモ-4-メチル-2-(ピリミジン-2-イルオキシメチル)チアゾール10a(332.20mg、1.04mmol、1.2当量)の混合物に添加し、次いで混合物を、N雰囲気下で、80℃で12時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、次いで水(200mL)を添加した。混合物を、DCM(200mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(200mL)で洗浄し、NaSOで脱水し、濾過し、濃縮した。残留物を分取HPLC(カラム:Boston Prime C18 150×30mm×5μm;移動相:[水(0.2%FA)-ACN];B%:46%~69%、10分間)で精製して、このバッチの2,3,6-トリフルオロ-4-[4-[4-メチル-2-(ピリミジン-2-イルオキシメチル)チアゾール-5-イル]チアゾール-2-イル]フェノール10(49mg、110.03μmol、12.6%収率、98%純度)を固体として得た。1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.70 (d, J = 4.8 Hz, 2H), 8.03 (s, 1H), 7.75-7.71 (m, 1H), 7.25 (t, J = 4.8 Hz, 1H), 5.66 (s, 2H), 2.63 (s, 3H); HPLC (100.00% purity); ES-MS m/z 437.1 [M+H]+.
例S11. 2,3,6-トリフルオロ-4-[4-[4-メチル-2-(2-ピリジルオキシメチル)チアゾール-5-イル]チアゾール-2-イル]フェノール(11)の製造。
工程1:5-ブロモ-4-メチル-2-(2-ピリジルオキシメチル)チアゾール(11a)の合成。
Figure 2023541152000080
THF(4mL)中の(5-ブロモ-4-メチルチアゾール-2-イル)メタノール3e(0.4g、1.73mmol、1当量)およびピリジン-2-オール(329.07mg、3.46mmol、2当量)の溶液に、N下で、DEAD(602.64mg、3.46mmol、629.06mL、2当量)およびPPh(907.60mg、3.46mmol、2当量)を添加した。反応混合物を、N下で、20℃にて1時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮した。残留物をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO(登録商標);20g SepaFlash(登録商標)Silica Flash Column、35mL/分での0~35%酢酸エチル/石油エーテル勾配の溶離液)で精製して、5-ブロモ-4-メチル-2-(2-ピリジルオキシメチル)チアゾール11a(130mg、410.30mmol、23.7%収率、90%純度)を固体として得た。1HNMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 8.22-8.14 (m, 1H), 7.65-7.57 (m, 1H), 6.96-6.91 (m, 1H), 6.83 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 5.57 (s, 2H), 2.40 (s, 3H).
工程2:2,3,6-トリフルオロ-4-[4-[4-メチル-2-(2-ピリジルオキシメチル)チアゾール-5-イル]チアゾール-2-イル]フェノール(11)の合成。トルエン(6mL)中のビス(1-アダマンチル)-ブチルホスファン(31.22mg、87.07mol、0.2当量)およびジアセトキシパラジウム(19.55mg、87.07μmol、0.2当量)の混合物を、N雰囲気下で、20℃にて0.5時間撹拌し、混合物を、MeOH(4mL)中の5-ブロモ-4-メチル-2-(2-ピリジルオキシメチル)チアゾール11a(169.88mg、565.96mol、1.3当量)、4,4,5,5-テトラメチル-2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1,3,2-ジオキサボロラン(442.21mg、1.74mmol、4当量)、CsF(198.39mg、1.31mmol、48.15μL、3当量)、4-(4-ブロモチアゾール-2-イル)-2,3,6-トリフルオロフェノール(4、重要中間体D、150mg、435.36mol、1当量)の混合物に添加し、混合物を、マイクロ波(2bar)下で、80℃にて1時間撹拌した。混合物を濃縮し、次いで水(50mL)を添加した。混合物を、DCM(50mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(50mL)で洗浄し、NaSOで脱水し、濾過し、濃縮した。残留物を分取HPLC(カラム:YMC-Actus Triart C18 150×30mm×7μm;移動相:[水(0.05%アンモニア水酸化物v/v)-ACN];B%:14%~54%、11分)で精製して、粗生成物を得た。粗生成物を分取HPLC(カラム:Phenomenex Gemini-NX 150×30mm×5μm;移動相:[水(0.05%アンモニア水酸化物v/v)-ACN];B%:12%~52%、10分間)で精製して、2,3,6-トリフルオロ-4-[4-[4-メチル-2-(2-ピリジルオキシメチル)チアゾール-5-イル]チアゾール-2-イル]フェノール11(27.6mg、63.01μmol、14.5%収率、99.41%純度)を固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 11.67 (br s, 1H), 8.23 (dd, J = 1.6, 4.8 Hz, 1H), 8.01 (s, 1H), 7.83-7.67 (m, 2H), 7.07 (dd, J = 5.6, 6.8 Hz, 1H), 6.98 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 5.62 (s, 2H), 2.63 (s, 3H); HPLC (Purity: 99.41%); ES-MS m/z 341.0 [M+H]+.
例S12. 3-フルオロ-2-ヒドロキシ-5-[6-[4-メチル-2-(ピリミジン-2-イルオキシメチル)チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]ベンゾニトリル(12)の製造。
工程1:3-フルオロ-2-ヒドロキシベンゾニトリル(12a)の合成。
Figure 2023541152000081
DMF(15mL)中の2,3-ジフルオロベンゾニトリル(500mg、3.59mmol、400.00μL、1当量)の溶液に、2-メチルスルホニルエタノール(446.29mg、3.59mmol、1当量)およびNaH(287.53mg、7.19mmol、60%純度、2当量)を25℃で少しずつ添加した。反応混合物を25℃で0.5時間撹拌した。反応混合物を水(30mL)中に注ぎ、酢酸エチル(30mL×3)で洗浄し、水性相を1N HClでpH=2に調整し、酢酸エチル(30mL×3)で抽出した。合わせた有機層をNaSOで脱水し、濾過し、濾液を減圧下で濃縮して、3-フルオロ-2-ヒドロキシベンゾニトリル12a(350mg、2.30mmol、63.9%収率、90%純度)を固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 11.45 (br s, 1H), 7.54-7.44 (m, 1H), 7.47-7.42 (m, 1H), 6.94 (dt, J = 4.8, 8.0 Hz, 1H).
工程2:5-ブロモ-3-フルオロ-2-ヒドロキシベンゾニトリル(12b)の合成。
Figure 2023541152000082
CHCN(5mL)中の3-フルオロ-2-ヒドロキシベンゾニトリル12a(350mg、2.30mmol、1当量)の溶液に、NBS(449.78mg、2.53mmol、1.1当量)を20℃で一度に添加した。反応混合物を20℃で1時間撹拌した。反応混合物を飽和NaCO(20mL)中に注ぎ、酢酸エチル(20mL×3)で洗浄した。次いで水性相を1N HClでpH=2に調整し、酢酸エチル(20mL×3)で抽出し、合わせた有機層をNaSOで脱水し、濾過し、濾液を濃縮して、5-ブロモ-3-フルオロ-2-ヒドロキシベンゾニトリル12b(300mg、1.19mmol、52.0%収率、86%純度)を固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 11.87 (br. s, 1H), 7.88-7.85 (m, 1H), 7.77 (d, J = 1.6 Hz, 1H).
工程3:3-フルオロ-2-ヒドロキシ-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンゾニトリル(12c)の合成。
Figure 2023541152000083
1,4-ジオキサン(10mL)中の5-ブロモ-3-フルオロ-2-ヒドロキシベンゾニトリル12b(250mg、995.34μmol、1当量)、4,4,5,5-テトラメチル-2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1,3,2-ジオキサボロラン(631.88mg、2.49mmol、2.5当量)、KOAc(293.05mg、2.99mmol、3当量)およびPd(dppf)Cl.CHCl(81.28mg、99.53μmol、0.1当量)の混合物を脱気し、Nで3回パージし、次いで混合物を、N雰囲気下で、85℃にて12時間撹拌した。TLC(石油エーテル/酢酸エチル=1/1)は、反応が完了したことを示した。反応混合物を減圧下で濃縮して、3-フルオロ-2-ヒドロキシ-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンゾニトリル12c(300mg、粗製物)をガムとして得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 7.75 (s, 1H), 7.64 (d, J = 10.4 Hz, 1H), 7.43-7.38 (m, 1H), 1.33 (s, 12H).
工程4:3-フルオロ-2-ヒドロキシ-5-[6-[4-メチル-2-(ピリミジン-2-イルオキシメチル)チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]ベンゾニトリル(12)の合成。1,4-ジオキサン(9mL)およびHO(3mL)中の5-(6-クロロ-2-ピリジル)-4-メチル-2-(ピリミジン-2-イルオキシメチル)チアゾール(5、重要中間体E、250mg、705.81μmol、1当量)、3-フルオロ-2-ヒドロキシ-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンゾニトリル12c(278.52mg、1.06mmol、1.5当量)、CsCO(459.94mg、1.41mmol、2当量)およびPd(dppf)Cl.CHCl(57.64mg、70.58μmol、0.1当量)の混合物を脱気し、Nで3回パージし、次いで混合物を、N雰囲気下で、85℃にて12時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮した。残留物を逆相HPLC(HO-ACN条件)で精製して、粗生成物を得、これを分取HPLC(カラム:Boston Prime C18 150×30mm×5μm;移動相:[水(0.05%NHO+10mM NHHCO)-ACN];B%:27%~50%、7分間)で精製して、3-フルオロ-2-ヒドロキシ-5-[6-[4-メチル-2-(ピリミジン-2-イルオキシメチル)チアゾール-5-イル]-2-ピリジル]ベンゾニトリル12(71.8mg、166.89μmol、23.6%収率、97.49%純度)を固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.69 (d, J = 4.8 Hz, 2H), 7.79 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 7.78-7.75 (m, 1H), 7.76 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.75-7.70 (m, 1H), 7.67 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.40 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.23 (t, J = 4.8 Hz, 2H), 5.64 (s, 2H), 2.66 (s, 3H); HPLC (Purity: 97.49%); ES-MS m/z 420.2 [M+H]+.
例S13.メチル((4’-メチル-2-(4-((フェニルスルホニル)カルバモイル)フェニル)-[4,5’-ビチアゾール]-2’-イル)メチル)カルバメート(13)の製造。
Figure 2023541152000084
工程1:4-ブロモ-N-(フェニルスルホニル)ベンズアミド(13a)の合成。
Figure 2023541152000085
DCM(30mL)中の塩化4-ブロモベンゾイル(3g、13.67mmol、1当量)およびベンゼンスルホンアミド(2.36g、15.04mmol、1.1当量)の溶液に、DIEA(5.30g、41.01mmol、7.14mL、3当量)を添加した。混合物を25℃で2時間撹拌した。TLC(PE/EtOAc=1/1)は、出発材料が完全に消費され、より高い極性を有する主要な新しいスポット1つが形成されたことを示した。混合物をHO(10mL)に添加し、EtOAc(30mL×3)で抽出した。合わせた有機層をHO(100mL×3)およびブライン(100mL×2)で洗浄し、NaSOで脱水し、濾過し、濃縮した。残留物を、フラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO(登録商標);40g SepaFlash(登録商標)Silica Flash Column、40mL/分での0~50%酢酸エチル/石油エーテル勾配の溶離液)により精製して、N-(ベンゼンスルホニル)-4-ブロモベンズアミド13a(4.5g、11.91μmol、87.1%収率、90%純度)を固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 7.86-7.80 (dd, J = 8, 12 Hz, 4H), 7.53 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.40-7.47 (d, J = 5.6 Hz, 3H).
工程2:N-(フェニルスルホニル)-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンズアミド(13b)の合成。
Figure 2023541152000086
ジオキサン(100mL)中のN-(ベンゼンスルホニル)-4-ブロモベンズアミド13a(5.2g、13.76mmol、1当量)、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’-オクタメチル-2,2’-ビ(1,3,2-ジオキサボロラン)(6.99g、27.51mmol、2当量)、Pd(dppf)Cl(1.01g、1.38mmol、0.1当量)、KOAc(2.70g、27.51mmol、2当量)の混合物を脱気し、Nで3時間パージし、次いで混合物を、N雰囲気下で、80℃にて12時間撹拌した。TLC(PE/EtOAc=1/1)は、出発材料が完全に消費され、より低い極性を有する主要な新しいスポット1つが形成されたことを示した。混合物を濃縮し、次いで水(100mL)を添加した。混合物をEtOAc(100mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(200mL)で洗浄し、NaSOで脱水し、濾過し、濃縮した。残留物を、フラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO(登録商標);40g SepaFlash(登録商標)Silica Flash Column、40mL/分での0~50%酢酸エチル/石油エーテル勾配の溶離液)により精製して、N-(ベンゼンスルホニル)-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンズアミド13b(5.9g、13.71mmol、99.7%収率、90%純度)を固体として得た。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ ppm 8.17 (d, J = 8 Hz, 2H), 7.89-7.83 (m, 2H), 7.80-7.74 (m, 2H), 7.66 (s, 1H), 7.59-7.53 (m, 2H), 1.34 (s, 12H).
工程3:4-(4-ブロモチアゾール-2-イル)-N-(フェニルスルホニル)ベンズアミド(13c)の合成。
Figure 2023541152000087
ジオキサン(10mL)中のN-(ベンゼンスルホニル)-4-ブロモベンズアミド13b(500mg、1.32μmol、1当量)、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’-オクタメチル-2,2’-ビ(1,3,2-ジオキサボロラン)(671.81mg、2.65μmol、2当量)、Pd(dppf)Cl(96.79mg、132.28μmol、0.1当量)、KOAc(259.64mg、2.65μmol、2当量)の混合物を脱気し、Nで3回パージし、次いで混合物を、N雰囲気下で、80℃にて12時間撹拌した。TLC(PE/EtOAc=1/1)は、出発材料が残り、より低い極性を有する主要な新しいスポット1つが形成されたことを示した。混合物を濃縮し、次いで水(10mL)を添加した。混合物をEtOAc(10mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(20mL)で洗浄し、NaSOで脱水し、濾過し、濃縮した。残留物を、フラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO(登録商標);12g SepaFlash(登録商標)Silica Flash Column、25mL/分での0~50%酢酸エチル/石油エーテル勾配の溶離液)により精製して、N-(ベンゼンスルホニル)-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンズアミド13c(510mg、1.19μmol、89.6%収率、90%純度)を固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm = 8.05-7.92 (m, 5H), 7.88-7.47 (m, 5H).
工程4:メチル((4’-メチル-2-(4-((フェニルスルホニル)カルバモイル)フェニル)-[4,5’-ビチアゾール]-2’-イル)メチル)カルバメート(13)の合成。トルエン(17.5mL)中のビス(1-アダマンチル)-ブチルホスファン(45.74mg、127.57μmol、0.2当量)およびジアセトキシパラジウム(28.64mg、127.57μmol、0.2当量)の溶液を、N下で、20℃にて0.5時間撹拌した。混合物を、MeOH(30mL)中のN-(ベンゼンスルホニル)-4-(4-ブロモチアゾール-2-イル)ベンズアミド13c(300mg、637.84μmol、1当量)、4,4,5,5-テトラメチル-2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1,3,2-ジオキサボロラン(647.89mg、2.55mmol、4当量)、メチルN-[(5-ブロモ-4-メチルチアゾール-2-イル)メチル]カルバメート16a(263.06mg、892.98μmol、1.4当量)およびCsF(290.67mg、1.91mmol、70.55μL、3当量)の溶液に、N下で、50℃にて添加した。混合物を80℃で12時間撹拌した。混合物を濃縮し、次いでDMSO(4mL)を添加した。混合物を濾過し、濾液を、分取HPLC(カラム:YMC-Triart Prep C18 150×40mm×7μm;移動相:[水(0.225%FA)-ACN];B%:45%~75%、8分間)により精製して、メチルN-[[5-[2-[4-(ベンゼンスルホニルカルバモイル)フェニル]チアゾール-4-イル]-4-メチルチアゾール-2-イル]メチル]カルバメート13(31.7mg、59.04μmol、9.3%収率、98.45%純度)を固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.07 (d, J = 6.8 Hz, 3H), 8.05-7.97 (m, 5H), 7.76-7.69 (m, 1H), 7.69-7.61 (m, 2H), 4.42 (d, J = 4.0 Hz, 2H), 3.60 (s, 3H), 2.60 (s, 3H); HPLC (98.45% purity); ES-MS m/z 529.1 [M+H]+.
例S14. 5-(6-(1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-6-イル)ピリジン-2-イル)-4-メチル-2-((ピリミジン-2-イルオキシ)メチル)チアゾール(14)の製造。2.0mLマイクロ波チューブに、5-(6-クロロピリジン-2-イル)-4-メチル-2-((ピリミジン-2-イルオキシ)メチル)チアゾール(5、重要中間体E、80mg、250.96μmol)、6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール(67.66mg、276.05μmol)、炭酸カリウム(34.68mg、250.96μmol)、水(0.5ml)およびジオキサン(1.5ml)を添加した。PdCl(dppf)(18.36mg、25.10μmol)を最終的に添加し、バイアルを密封し、撹拌しながら80℃に加熱した。合計26時間後、混合物を室温に冷却し、次いで水で希釈し、EtAcで抽出した。抽出物を次いで水、続いてブライン溶液で1回洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、濾過し、真空で濃縮した。粗生成物をクロマトグラフにかけた(ISCO、乾燥充填、4gシリカカラム、勾配=60%EtAc/ヘプタン~100%EtAc、18分間の実行時間)。生成物を含有する分画を、次いで真空で濃縮して、5-(6-(1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-6-イル)ピリジン-2-イル)-4-メチル-2-((ピリミジン-2-イルオキシ)メチル)チアゾール14(10mg、24.91μmol、9.9%収率)を固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 15.88 (s, 1H), 8.70 (d, J = 4.7 Hz, 3H), 8.41 - 7.94 (m, 4H), 7.73 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 7.24 (t, J = 4.8 Hz, 1H), 5.68 (s, 2H), 2.73 (s, 3H). ES-MS m/z 402.4 [M+H]+.
例S15. 3-(4-(6-(4-メチル-2-((ピリミジン-2-イルオキシ)メチル)チアゾール-5-イル)ピリジン-2-イル)フェニル)-1,2,4-オキサジアゾール-5(4H)-オン(15)の製造。
工程1:3-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)-1,2,4-オキサジアゾール-5(4H)-オン(15a)の合成。
Figure 2023541152000088
5mLマイクロ波バイアルに、ビス(ピナコラト)ジボロン(702.33mg、2.74mmol)、3-(4-ブロモフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール-5(4H)-オン(330mg、1.37mmol)、酢酸カリウム(537.44mg、5.48mmol)およびDMSO(5mL)を入れた。混合物を窒素で5分間パージした後で、PdCl(dppf)(75.13mg、102.68μmol)を20℃で添加した。80℃で20時間後、混合物を水(30mL)中に注ぎ、30分間撹拌し、濾過し、乾燥させて、3-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)-1,2,4-オキサジアゾール-5(4H)-オン15a(540mg、1.87mmol、136.9%収率)を得、これを次の工程にさらなる精製なしで使用した。ES-MS m/z 289.2[M+H]
工程2:3-(4-(6-(4-メチル-2-((ピリミジン-2-イルオキシ)メチル)チアゾール-5-イル)ピリジン-2-イル)フェニル)-1,2,4-オキサジアゾール-5(4H)-オン(15)の合成。5mLマイクロ波バイアルに、5-(6-クロロピリジン-2-イル)-4-メチル-2-((ピリミジン-2-イルオキシ)メチル)チアゾール(5、重要中間体E、30mg、94.11μmol)、3-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)-1,2,4-オキサジアゾール-5(4H)-オン15a(54.23mg、188.22μmol)、炭酸セシウム(76.66mg、235.27μmol)、水(0.6ml)および1,4-ジオキサン(3ml)を入れた。混合物を窒素ガスで5分間バブリングした後で、パラジウムテトラキス(10.88mg、9.41μmol)を20℃で添加した。90℃で15時間後、混合物をEtOAc(20mL)および水(10mL)で希釈し、10%クエン酸で酸性化した。有機層を分離し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、ロータリーエバポレーターで濃縮して、残留物を得、これをHPLCにより精製して、3-(4-(6-(4-メチル-2-((ピリミジン-2-イルオキシ)メチル)チアゾール-5-イル)ピリジン-2-イル)フェニル)-1,2,4-オキサジアゾール-5(4H)-オン15(9.2mg、20.70μmol、22.0%収率)を、凍結乾燥後、固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.72 (d, J = 4.8 Hz, 2H), 8.32 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 8.06 (d, J = 5.8 Hz, 2H), 7.98 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 7.77 (dd, J = 5.8, 2.8 Hz, 1H), 7.26 (t, J = 4.8 Hz, 1H), 5.70 (s, 2H), 2.74 (s, 3H), 2.56 (s, 1H). ES-MS m/z 445.3 [M+H]+.
例S16.メチルN-[[5-[2-(4,7-ジフルオロ-1H-ベンゾトリアゾール-5-イル)チアゾール-4-イル]-4-メチルチアゾール-2-イル]メチル]カルバメート(16)の製造。
工程1:N-[(5-ブロモ-4-メチルチアゾール-2-イル)メチル]カルバメート(16a)の合成メチル。
Figure 2023541152000089
DCM(20mL)中の(5-ブロモ-4-メチルチアゾール-2-イル)メタンアミン(3、重要中間体C、1g、4.83mmol、1当量)の溶液に、TEA(2.44g、24.14mmol、3.36mL、5当量)およびクロロギ酸メチル(1.37g、14.49mmol、1.12mL、3当量)を0℃で添加した。混合物を25℃で2時間撹拌した。LCMSは、所望の質量が検出されたことを示した。反応混合物を濾過し、減圧下で濃縮して、残留物を得た。残留物を塩化アンモニウム飽和水溶液(50mL)中に注ぎ、酢酸エチル(50mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、濃縮した。残留物を、フラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO(登録商標);20g SepaFlash(登録商標)Silica Flash Column、20mL/分での0~70%酢酸エチル/石油エーテル勾配の溶離液)により精製した。カット分画を減圧下で濃縮して、メチルN-[(5-ブロモ-4-メチルチアゾール-2-イル)メチル]カルバメート16a(440mg、1.66mmol、34.37%収率)を固体として得た。1H NMR (400MHz, CHLOROFORM-d) 7.26 (s, 1H), 5.46 - 5.22 (m, 1H), 4.55 (br d, J=6.0 Hz, 2H), 3.72 (s, 3H), 2.36 (s, 3H).
工程2:メチルN-[[5-[2-[4,7-ジフルオロ-1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)ベンゾトリアゾール-5-イル]チアゾール-4-イル]-4-メチルチアゾール-2-イル]メチル]カルバメート(16b)の合成。
Figure 2023541152000090
Tol.(8mL)中のPd(OAc)(19.07mg、84.94μmol、0.1当量)およびビス(1-アダマンチル)-ブチルホスファン(60.91mg、169.88μmol、0.2当量)の混合物を、N下で、20℃にて0.5時間撹拌した。上記の混合物を、MeOH(32mL)中の2-[[5-(4-ブロモチアゾール-2-イル)-4,7-ジフルオロベンゾトリアゾール-1-イル]メトキシ]エチルトリメチルシラン(6、重要中間体F、380mg、849.40μmol、1当量)、メチルN-[(5-ブロモ-4-メチルチアゾール-2-イル)メチル]カルバメート16a(270.24mg、1.02mmol、1.2当量)、4,4,5,5-テトラメチル-2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1,3,2-ジオキサボロラン(862.79mg、3.40mmol、4当量)およびCsF(387.07mg、2.55mmol、93.95μL、3当量)の混合物に添加した。混合物をマイクロ波チューブ中で溶解した。封管を、マイクロ波下、N下で80℃にて1時間加熱した。TLCは、新しいスポット1つが形成されたことを示した。反応混合物を濾過し、減圧下で濃縮して、残留物を得た。残留物をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO(登録商標);20g SepaFlash(登録商標)Silica Flash Column、75mL/分での0~100%PE/EA勾配の溶離液)で精製して、メチルN-[[5-[2-[4,7-ジフルオロ-1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)ベンゾトリアゾール-5-イル]チアゾール-4-イル]-4-メチルチアゾール-2-イル]メチル]カルバメート16b(110mg、199.03μmol、23.43%収率)を固体として得た。
工程3:メチルN-[[5-[2-(4,7-ジフルオロ-1H-ベンゾトリアゾール-5-イル)チアゾール-4-イル]-4-メチルチアゾール-2-イル]メチル]カルバメート(16)の合成。DCM(5mL)中のメチルN-[[5-[2-[4,7-ジフルオロ-1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)ベンゾトリアゾール-5-イル]チアゾール-4-イル]-4-メチルチアゾール-2-イル]メチル]カルバメート16b(100mg、180.93μmol、1当量)の溶液に、TFA(3.08g、27.01mmol、2.00mL、149.29当量)を0℃で添加し、混合物を20℃で2時間撹拌した。LCMSは、所望のMSが検出されたことを示した。反応混合物を減圧下で濃縮して、残留物を得、分取HPLC(カラム:Welch Xtimate C18 150×30mm×5μm;移動相:[水(0.05%アンモニア水酸化物v/v)-ACN];B%:10%~40%、11.5分間)により精製し、さらに分取HPLC(カラム:Welch Xtimate C18 150×30mm×5μm;移動相:[水(0.05%アンモニア水酸化物v/v)-ACN];B%:10%~40%、11.5分間)により精製して、メチルN-[[5-[2-(4,7-ジフルオロ-1H-ベンゾトリアゾール-5-イル)チアゾール-4-イル]-4-メチルチアゾール-2-イル]メチル]カルバメート16(26mg、61.55μmol、34.02%収率、99.67%純度)を固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ = 8.16 - 8.04 (m, 2H), 7.92 (dd, J = 4.4, 10.5 Hz, 1H), 4.44 (d, J = 6.1 Hz, 2H), 3.62 (s, 3H), 2.62 (s, 3H), HPLC (99.67% purity); ES-MS m/z 423.0 [M+H]+.
例S17.化合物17~212は、当業者に公知の適切な試薬および修正を使用して、例S7~S16に記載されている手順に従って製造した。
本明細書に記載されている化合物は、本明細書に記載されている方法および実施例に従って製造でき、当業界で公知の標準的技術、例えば、H NMRおよびマススペクトルを使用して特徴づけられた。
生物学的実施例
例B1. BPGMシンターゼアッセイ。
材料
以下の材料をこのアッセイに使用した:脱イオン水;ビスホスホグリセリン酸ムターゼ(BPGM;標準緩衝液:50mMトリス、0.01%Tween 20、pH7.4);BPGM反応緩衝液(50mMトリス、0.01%Tween 20、3.23mM KHPO、pH7.4);ジチオスレイトール(DTT;ストック溶液:標準緩衝液中100mM);384ウェル黒色アッセイプレート(Corning、P/N 3575);DMSO;BPGMストック溶液(BPGM標準緩衝液中500nM);グリセルアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼ(GAPDH;ストック溶液:20%グリセロール、1mM EDTA、1mM DTTを伴う20mMトリス-HCL緩衝液中40U/mL);グリセルアルデヒド3-ホスフェート(GAP;ストック溶液:BPGM標準緩衝液中20mM);3-PGストック溶液(BPGM標準緩衝液中500μM);ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD;ストック溶液:BPGM標準緩衝液中50mM);コニンギン酸(DMSO中1mMストック);レサズリンストック溶液(DMSO中10mM);ジアホラーゼストック溶液(BPGM標準緩衝液中40U/mL);DTT反応緩衝液(BPGM反応緩衝液中1mM DTT);酵素溶液(DTT反応緩衝液中5nM BPGM、0.4U/mL GAPDH);GAPDH溶液(DTT反応緩衝液中0.4U/mL GAPDH);基質溶液(DTT反応緩衝液中2mM NAD、20μM 3PG、800μM GAP);およびレサズリン溶液(BPGM標準緩衝液中5U/mLジアホラーゼ、500μMレサズリン)。
手順
アッセイプレートに、アッセイプレートのカラム2~22、および24への酵素溶液(20μL)を添加した。カラム1および23に、GAPDH溶液(20μL)を添加した。別の化合物プレートを所望の濃度で製造し、全てのウェルを5%DMSOで標準化した。化合物プレートを室温で30分間インキュベートした。次に、基質溶液(20μL)を全ての反応ウェルに分注し、プレートを室温で60分インキュベートした。コニンギン酸(1μL)を添加し、プレートを室温で10分間インキュベートした。この時間中、NADH蛍光をex:360/em:460で測定した。次に、レサズリン溶液(10μL)を全ての反応ウェルに添加し、プレートを室温で30分間インキュベートした。レゾルフィン蛍光を次いでex:544/em:590で測定した。
例示的な化合物の選択についてのBPGMシンターゼアッセイの結果は、表3に示されている。
Figure 2023541152000091
例B2.BPGMホスファターゼアッセイ。
材料
以下の材料をこのアッセイに使用した:トリス緩衝液(50mMトリス、0.01%Tween 20、pH7.4);2,3-BPGのシクロヘキシルアンモニウム塩(超純粋蒸留水中500mMのストック溶液);ヒトビスホスホグリセリン酸ムターゼ(hBPGM;標準緩衝液中110μMのストック溶液);3-ホスホグリセリン酸(3-PG;超純粋蒸留水中100mMのストック溶液);384ウェルポリスチレンプレート(Fisherbrand(商標)、カタログNo.:12-566-625);BIOMOL GREEN REAGENT(Enzo life sciences、BML-AK111-0250);および例示的な化合物の1mM DMSストック。
手順
3-PG酵素ミックス溶液(最終酵素濃度62.5nM、50μMでの3-PG濃度、14.5μL)を384ウェル透明プレートに添加した。試験化合物の溶液を、次いでプレートに添加し、DMSO含有量をプレート全体で標準化した。プレートを室温で15分間インキュベートした。次に、基質2,3-BPG(5μL)を全てのウェルに添加し、プレートを密封し、室温で24時間インキュベートした。インキュベーション後、BIOMOL緑色色素(40μL)を全てのウェルに添加し、プレートを振とうして混合し、プレートを室温で20~30分インキュベートした。吸光度測定を620nmで記録した。
結果
例示的な化合物の選択についてのBPGMホスファターゼアッセイの結果は、表4に示されている。
Figure 2023541152000092
例B3.ヒト細胞ベースアッセイ。
材料
以下の材料をこのアッセイに使用した:DMSO;Hemox緩衝液(30mM TES、135mM NaCl、5mM KCl、pH7.4);イノシン(hemox緩衝液中の100mM);グルコース(水中1M);ヒト赤血球;LC/MS Optimaグレードのメタノール;LC/MS Optimaグレードの水;およびインキュベーション緩衝液(30mM TES、135mM NaCl、5mM KCl、50mMイノシン、20mMグルコース、pH7.4)。
手順
試験化合物を96ウェルプレートに充填した(DMSOの最終濃度は1%であった)。10mL全血を当量の2×インキュベーション緩衝液で再懸濁して、25%hct&50%血漿溶液を作った。最終溶液は、10mMグルコースおよび25mMイノシンを含有する。血液懸濁液(100μL)をプレートのウェルに添加した。プレートを接着箔カバーおよびプラスチックの蓋で覆い、37℃で24時間インキュベートした。サンプルは、SPEカラムを通して抽出し、代謝産物(2,3-BPG、ATP)をLC/MSにより分析した。
結果
例示的な化合物の選択についての細胞ベースアッセイの結果は、表5に示されている。
Figure 2023541152000093
本明細書に記載されているhBPGMシンターゼおよびhBPGMホスフェートアッセイからのさらなる結果は、表6に示されている。
Figure 2023541152000094
Figure 2023541152000095
Figure 2023541152000096
Figure 2023541152000097
Figure 2023541152000098
Figure 2023541152000099
Figure 2023541152000100
先述の発明は、理解を明瞭にする目的で、例示および例としていくらか詳細に記載されているが、記載および例は、本発明の範囲を限定すると解釈されるべきではない。本明細書で引用される全ての特許の開示および科学文献は、参照によりその全体が本明細書に明らかに組み込まれる。

Claims (36)

  1. 式(I):
    Figure 2023541152000101
    (式中:
    環Aは、NおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を含有する5員ヘテロアリーレンであり;
    環Bは、フェニレン、またはNおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を含有する5~6員ヘテロアリーレンであり;
    環Cは、NおよびOから選択される1~4個のヘテロ原子を含有する、縮合二環式9~10員ヘテロアリールもしくはヘテロシクリル、1~4個の窒素原子を含有する5~6員ヘテロアリール、または1個のRで置換されているフェニルであり;
    各Rは、独立に、-OH、ハロ、オキソ、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、-CN、-N(H)C(O)R、-N(H)SO、-N(H)SO(C)、-SONRまたは-C(O)N(H)SOであり;
    各Rは、独立に、C~Cアルキル、C~Cハロアルキルまたはハロであり;
    各Rは、独立に、C~Cアルキル、C~CハロアルキルまたはC~Cシクロアルキルであり;
    は、-OH、-OP(O)(OH)、-NO、-C(O)N(H)SO、5~6員ヘテロアリールもしくはヘテロシクリル、または-C(O)N(H)-(5~6員ヘテロアリールまたはヘテロシクリル)であり、
    ヘテロアリールおよびヘテロシクリルは、N、OおよびSから選択される1~4個のヘテロ原子を含有し、
    ヘテロシクリルは、1~2個のオキソ基で場合により置換されており;
    mは0~4であり;
    nは0~2であり;
    oは0~2であり;
    は、フェニルまたはC~Cアルキルであり;
    Xは、-CR-または結合であり;
    Yは、-O-、-N(H)-または結合であり;
    各RおよびRは、独立に、HまたはC~Cアルキルであり;
    Zは、ZまたはZであり;
    は、H、C~Cアルキル、-C(O)(C~Cアルキル)、-CO(C~Cアルキル)、-C(O)NR、-C(O)NR(C~Cアルキレン)NR、-CRC(O)NR、-CRNR、-C(O)(C~Cアルキレン)NR、-NRC(O)(C~Cアルキル)、-NR、-(C~Cアルキル)-COH、-(C~Cアルキル)-OHまたは-C(NR)=N-CNであり、
    ~Cアルキレンは、1~6個のハロ、C~CアルキルまたはC~Cハロアルキルで場合により置換されており;
    は、5~6員ヘテロアリール、-C(O)(5~6員ヘテロアリール)、-CHC(O)(5~6員ヘテロアリール)、4~6員ヘテロシクリル、-C(O)(4~6員ヘテロシクリル)または-CHC(O)(4~6員ヘテロシクリル)であり、
    ヘテロアリールおよびヘテロシクリルは、NおよびOから選択される1~3個のヘテロ原子を含有し、
    ヘテロアリールおよびヘテロシクリルは、1~3個のRで場合により置換されており;
    各Rは、独立に、ハロ、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、-NR、-OH、オキソ、-COH、-O(C~Cアルキル)、-CH-O(C~Cアルキル)または-(C~Cアルキル)-OHである)
    の化合物または薬学的に許容されるその塩。
  2. 式(I-a):
    Figure 2023541152000102
    (式中:
    環Aは、チアゾリレンであり;
    環Bは、フェニレン、またはNおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を含有する5~6員ヘテロアリーレンであり;
    環Cは、NおよびOから選択される1~4個のヘテロ原子を含有する、縮合二環式9~10員ヘテロアリールもしくはヘテロシクリル、1~4個の窒素原子を含有する5~6員ヘテロアリール、または1個のRで置換されているフェニルであり;
    各Rは、独立に、-OH、ハロ、オキソ、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、-CN、-N(H)C(O)R、-N(H)SO、-SONRまたは-C(O)N(H)SOであり;
    各Rは、独立に、C~Cアルキル、C~Cハロアルキルまたはハロであり;
    各Rは、独立に、C~Cアルキル、C~CハロアルキルまたはC~Cシクロアルキルであり;
    は、-OH、-OP(O)(OH)、-NO、-C(O)N(H)SO、5~6員ヘテロアリールもしくはヘテロシクリル、または-C(O)N(H)-(5~6員ヘテロアリールまたはヘテロシクリル)であり、
    ヘテロアリールおよびヘテロシクリルは、N、OおよびSから選択される1~4個のヘテロ原子を含有し、
    ヘテロシクリルは、1~2個のオキソ基で場合により置換されており;
    mは0~4であり;
    nは0~2であり;
    oは0~2であり;
    は、フェニルまたはC~Cアルキルであり;
    Xは、-CR-であり;
    Yは、-O-、-N(H)-または結合であり;
    各RおよびRは、独立に、HまたはC~Cアルキルであり;
    ZはZであり;
    は、5~6員ヘテロアリール、-C(O)(5~6員ヘテロアリール)、-CHC(O)(5~6員ヘテロアリール)、4~6員ヘテロシクリル、-C(O)(4~6員ヘテロシクリル)または-CHC(O)(4~6員ヘテロシクリル)であり、
    ヘテロアリールおよびヘテロシクリルは、NおよびOから選択される1~3個のヘテロ原子を含有し、
    ヘテロアリールおよびヘテロシクリルは、1~3個のRで場合により置換されており;
    各Rは、独立に、ハロ、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、-NR、-OH、オキソ、-COH、-O(C~Cアルキル)、-CH-O(C~Cアルキル)または-(C~Cアルキル)-OHである)
    を有する、請求項1に記載の化合物または薬学的に許容されるその塩。
  3. 式(I-a1):
    Figure 2023541152000103
    (式中:
    環Aは、チアゾリレンであり;
    環Bは、NおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を含有する5~6員ヘテロアリーレンであり;
    環Cは、1個のRで置換されている縮合二環式9~10員ヘテロアリールまたはフェニルであり;
    各Rは、独立に、-OH、ハロ、オキソ、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、-CN、-N(H)C(O)R、-N(H)SO、-SONRまたは-C(O)N(H)SOであり;
    各Rは、独立に、C~Cアルキル、C~Cハロアルキルまたはハロであり;
    各Rは、独立に、C~Cアルキル、C~CハロアルキルまたはC~Cシクロアルキルであり;
    は、-OH、-OP(O)(OH)、-NO、-C(O)N(H)SO、5~6員ヘテロアリールもしくはヘテロシクリル、または-C(O)N(H)-(5~6員ヘテロアリールまたはヘテロシクリル)であり、
    ヘテロアリールおよびヘテロシクリルは、N、OおよびSから選択される1~4個のヘテロ原子を含有し、
    ヘテロシクリルは、1~2個のオキソ基で場合により置換されており;
    mは0~4であり;
    nは0~2であり;
    oは0~2であり;
    は、フェニルまたはC~Cアルキルであり;
    Xは、-CR-であり;
    Yは、-O-、-N(H)-または結合であり;
    各RおよびRは、独立に、HまたはC~Cアルキルであり;
    ZはZであり;
    は、5~6員ヘテロアリール、-C(O)(5~6員ヘテロアリール)、-CHC(O)(5~6員ヘテロアリール)、4~6員ヘテロシクリル、-C(O)(4~6員ヘテロシクリル)または-CHC(O)(4~6員ヘテロシクリル)であり、
    ヘテロアリールおよびヘテロシクリルは、NおよびOから選択される1~3個のヘテロ原子を含有し、
    ヘテロアリールおよびヘテロシクリルは、1~3個のRで場合により置換されており;
    各Rは、独立に、ハロ、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、-NR、-OH、オキソ、-COH、-O(C~Cアルキル)、-CH-O(C~Cアルキル)または-(C~Cアルキル)-OHである)
    を有する、請求項1に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
  4. 環Aは、チアゾリレンである、請求項1に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
  5. 各Rは、独立に、C~CアルキルまたはC~Cシクロアルキルである、請求項1~3のいずれか1項に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
  6. 各Rは、独立に、-CHまたはシクロプロピルである、請求項4に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
  7. oは0または1である、請求項1~5のいずれか1項に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
  8. 環Bは、フェニレン、ピリジニレン、チアゾリレン、ピラゾリレン、ピリミジニレンまたはチエニレンである、請求項1~2もしくは4~7のいずれか1項に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
  9. 各Rは、独立に、C~Cアルキルまたはハロである、請求項1~8のいずれか1項に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
  10. nは0または1である、請求項1~9のいずれか1項に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
  11. 環Cは、NおよびOから選択される1~4個のヘテロ原子を含有する、縮合二環式9員ヘテロアリールもしくはヘテロシクリル、1~4個の窒素原子を含有する5~6員ヘテロアリール、または1個のRで置換されているフェニルである、請求項1~2および4~11のいずれか1項に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
  12. は、-OH、-OP(O)(OH)、-NO、-C(O)N(H)SO、5~6員ヘテロアリールもしくはヘテロシクリル、または-C(O)N(H)-(5~6員ヘテロアリールまたはヘテロシクリル)であり、
    ヘテロアリールおよびヘテロシクリルは、N、OおよびSから選択される1~4個のヘテロ原子を含有し、
    ヘテロシクリルは、1~2個のオキソ基で場合により置換されており;
    は、フェニルまたはC~Cアルキルである、請求項1~11のいずれか1項に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
  13. 環C-(Rは、
    Figure 2023541152000104
    から選択される、請求項1~2のいずれか1項に記載の化合物および4-12、または薬学的に許容されるその塩。
  14. 各Rは、独立に、-OH、ハロ、オキソ、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、-CN、-N(H)C(O)R、-N(H)SO、-SONRまたは-C(O)N(H)SOであり;
    各RおよびRは、独立に、HまたはC~Cアルキルである、請求項1~13のいずれか1項に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
  15. 各Rは、独立に、-OH、F、オキソ、-CH、-CN、-N(H)C(O)CH、-N(H)SO(C)、-N(H)SOCH、-SONHまたは-C(O)N(H)SOCHである、請求項1~13のいずれか1項に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
  16. mは0~3である、請求項1~15のいずれか1項に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
  17. Xは、-CR-である、請求項1および4~16のいずれか1項に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
  18. およびRは、それぞれHである、請求項1~3および17のいずれか1項に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
  19. Xは結合である、請求項1および4~16のいずれか1項に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
  20. Yは-O-である、請求項1~19のいずれか1項に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
  21. Yは、-N(H)-または結合である、請求項1~19のいずれか1項に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
  22. ZはZである、請求項1および4~21のいずれか1項に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
  23. は、H、C~Cアルキル、-C(O)(C~Cアルキル)、-CO(C~Cアルキル)、-C(O)NR、-C(O)NR(C~Cアルキレン)NR、-CRC(O)NR、-CRNR、-C(O)(C~Cアルキレン)NR、-NRC(O)(C~Cアルキル)、-NR、-(C~Cアルキル)-COH、-(C~Cアルキル)-OHまたは-C(NR)=N-CNであり、
    ~Cアルキレンは、1~2個のハロ、C~CアルキルまたはC~Cハロアルキルで場合により置換されており;
    各RおよびRは、独立に、HまたはC~Cアルキルである、請求項22に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
  24. は、H、-COCH、-COC(CH、-C(O)CH、-C(O)C(CH、-C(N(CH)=N-CN、-C(O)N(CH、-CH、-CHCH、-CHC(CH、-CHCOH、-CHC(CHOH、-C(O)N(CH)CHCHN(CH、-CHC(O)N(CH、-CH(CH)C(O)N(CH、-N(CH、-N(CH)C(O)CHまたは-C(O)CH(CH)CHN(CHである、請求項22に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
  25. ZはZである、請求項1~21のいずれか1項に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
  26. は、5~6員ヘテロアリール、-C(O)(5~6員ヘテロアリール)、-CHC(O)(5~6員ヘテロアリール)、4~6員ヘテロシクリル、-C(O)(4~6員ヘテロシクリル)または-CHC(O)(4~6員ヘテロシクリル)であり、
    ヘテロアリールおよびヘテロシクリルは、NおよびOから選択される1~2個のヘテロ原子を含有し、
    ヘテロアリールおよびヘテロシクリルは、1~3個のRで場合により置換されている、請求項24に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
  27. は、ピリミジニル、ピリダジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピリダジニル、-C(O)(テトラヒドロピラニル)、-C(O)(ピロリジニル)、-C(O)(ピリダジニル)、-C(O)(ピペリジニル)、-C(O)(アゼチジニル)、-C(O)(ピラゾリル)、-C(O)(ピペラジニル)、-CHC(O)(ピロリジニル)、-CHC(O)(ピペリジニル)または-CHC(O)(ピペラジニル)であり、
    ヘテロアリールおよびヘテロシクリルは、1~3個のRで場合により置換されている、請求項25に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
  28. 各Rは、独立に、ハロ、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、-NR、-OH、オキソ、-COH、-O(C~Cアルキル)、-CH-O(C~Cアルキル)または-(C~Cアルキル)-OHであり;
    各RおよびRは、独立に、HまたはC~Cアルキルである、請求項1~21および25~27のいずれか1項に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
  29. 各Rは、独立に、-CH、-CHCH、-NH、-OH、オキソ、-N(CH、-OCH、-CHOCH、-CF、-CHCHOH、-COHまたはClである、請求項28に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
  30. Z-Y-X-は、
    Figure 2023541152000105
    である、請求項1に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
  31. Z-Y-X-は、
    Figure 2023541152000106
    Figure 2023541152000107
    である、請求項1に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
  32. 表1における化合物から選択される化合物、または薬学的に許容されるその塩。
  33. 表2における化合物から選択される化合物、または薬学的に許容されるその塩。
  34. 請求項1~33のいずれか1項に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩、および少なくとも1つの薬学的に許容される添加剤を含む医薬組成物。
  35. ビスホスホグリセリン酸ムターゼ(BPGM)をモジュレートする方法であって、有効量の請求項1~33のいずれか1項に記載の化合物、もしくは薬学的に許容されるその塩、または請求項34に記載の医薬組成物を、BPGMと接触させることを含む、前記方法。
  36. それを必要とする対象において鎌状赤血球症を処置する方法であって、治療的有効量の請求項1~33のいずれか一項に記載の化合物、もしくは薬学的に許容されるその塩、または請求項34に記載の医薬組成物を対象に投与することを含む、前記方法。
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