JP2023540518A - L-リジン生産能が向上したコリネバクテリウムグルタミクム変異株およびこれを用いたl-リジンの生産方法 - Google Patents

L-リジン生産能が向上したコリネバクテリウムグルタミクム変異株およびこれを用いたl-リジンの生産方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、L-リジン生産能が向上したコリネバクテリウムグルタミクム変異株およびこれを用いたL-リジンの生産方法に関し、前記コリネバクテリウムグルタミクム変異株は、シトレート合成酵素を暗号化する遺伝子の発現を減少または弱化させることにより、オキサロアセテートのクエン酸転換を抑制してL-リジンの生産収率を向上させることができる。

Description

本発明は、L-リジン生産能が向上したコリネバクテリウムグルタミクム変異株およびこれを用いたL-リジンの生産方法に関する。
L-リジンは人間や動物の体内で合成されない必須アミノ酸であって、外部から供給されなければならず、一般的に細菌や酵母のような微生物を用いた発酵によって生産される。L-リジンの生産は、自然状態で得られた野生型菌株やそのL-リジン生産能が向上するように変形された変異株を用いることができる。最近は、L-リジンの生産効率を改善させるために、L-アミノ酸およびその他の有用物質の生産に多く用いられる大膓菌、コリネバクテリウムなどの微生物を対象に遺伝子組換え技術を適用して優れたL-リジン生産能を有する多様な組換え菌株または変異株およびこれを用いたL-リジンの生産方法が開発されている。韓国登録特許第10-0838038号および第10-2139806号によれば、L-リジンの生産に関わる酵素の遺伝子の発現を増加させるか、不必要な遺伝子を除去することにより、L-リジン生産能が向上できる。
L-リジンはアスパルテート(aspartate)由来アミノ酸で、アスパルテートの前駆体であるオキサロアセテート(oxaloacetate)の合成レベルはL-リジンの生産にも影響を及ぼす。オキサロアセテートの場合、微生物の当該過程(glycolysis)で生成され、シトレート合成酵素(citrate synthase)によってアセチルコエー(acetyl CoA)と重合されてシトレート(citrate)として生成される。したがって、オキサロアセテートをシトレートに転換するシトレート合成酵素の発現レベルを調節することにより、L-リジンの生産量も調節できることが期待される。
韓国登録特許第10-0838038号 韓国登録特許第10-2139806号
本発明は、L-リジン生産能が向上したコリネバクテリウムグルタミクム(Corynebacterium glutamicum)変異株を提供することを目的とする。
また、本発明は、前記変異株を用いたL-リジンの生産方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、コリネバクテリウムグルタミクム菌株を用いてL-リジン生産能が向上した新たな変異株を開発するために研究した結果、シトレート合成酵素の活性を弱化させるためにシトレート合成酵素を暗号化する遺伝子の配列、特に、開始コドンATGをGTGまたはTTGに置換した場合、L-リジンの生産量が増加することを確認することにより、本発明を完成した。
本発明の一態様は、シトレート合成酵素の活性が弱化してL-リジン生産能が向上したコリネバクテリウムグルタミクム変異株を提供する。
本発明で使用された「シトレート合成酵素(citrate synthase)」は、TCA回路に作用する酵素であって、当該過程で生成されたアセチルCoAとオキサロアセテートとを重合してシトレートを合成する反応を触媒する酵素を意味する。
本発明の一具体例によれば、前記シトレート合成酵素は、コリネバクテリウム(Corynebacterium)属菌株に由来するものであってもよい。具体的には、前記コリネバクテリウム属菌株は、コリネバクテリウムグルタミクム(Corynebacterium glutamicum)、コリネバクテリウムクルディラクティス(Corynebacterium crudilactis)、コリネバクテリウムデゼルティ(Corynebacterium deserti)、コリネバクテリウムカルナエ(Corynebacterium callunae)、コリネバクテリウムスラナリーエ(Corynebacterium suranareeae)、コリネバクテリウムルブリカンティス(Corynebacterium lubricantis)、コリネバクテリウムドオサネンス(Corynebacterium doosanense)、コリネバクテリウムエフィシエンス(Corynebacterium efficiens)、コリネバクテリウムウテレクイ(Corynebacterium uterequi)、コリネバクテリウムスタチオニス(Corynebacterium stationis)、コリネバクテリウムパケンセ(Corynebacterium pacaense)、コリネバクテリウムシングラレ(Corynebacterium singulare)、コリネバクテリウムヒュミレデュセンス(Corynebacterium humireducens)、コリネバクテリウムマリヌム(Corynebacterium marinum)、コリネバクテリウムハロトレランス(Corynebacterium halotolerans)、コリネバクテリウムスフェニスコルム(Corynebacterium spheniscorum)、コリネバクテリウムフレイブルゲンス(Corynebacterium freiburgense)、コリネバクテリウムストリアツム(Corynebacterium striatum)、コリネバクテリウムカニス(Corynebacterium canis)、コリネバクテリウムアンモニアゲネス(Corynebacterium ammoniagenes)、コリネバクテリウムレナレ(Corynebacterium renale)、コリネバクテリウムポルティソリ(Corynebacterium pollutisoli)、コリネバクテリウムイミタンス(Corynebacterium imitans)、コリネバクテリウムカスピウム(Corynebacterium caspium)、コリネバクテリウムテスツディノリス(Corynebacterium testudinoris)、コリネバクテリウムシュードペラルギ(Corynebacaterium pseudopelargi)、またはコリネバクテリウムフラベセンス(Corynebacterium flavescens)であってもよいし、これに限定されるものではない。
本発明で使用された「活性が弱化」とは、オブジェクトの遺伝子の発現量が本来の発現量より減少することを意味する。このような活性の弱化は、遺伝子を暗号化するヌクレオシド置換、挿入、欠失、またはこれらの組み合わせによりタンパク質自体の活性が本来微生物が持っているタンパク質の活性に比べて減少した場合と、これを暗号化する遺伝子の発現阻害または翻訳阻害などにより、細胞内で全体的な酵素活性の程度が野生型菌株または変形前の菌株に比べて低い場合、これらの組み合わせも含む。
本発明の一具体例によれば、前記シトレート合成酵素の活性の弱化は、シトレート合成酵素を暗号化する遺伝子の開始コドンがGTGに置換されたものであってもよい。
また、本発明の一具体例によれば、前記シトレート合成酵素の活性の弱化は、シトレート合成酵素を暗号化する遺伝子の開始コドンがTTGに置換されたものであってもよい。
本発明の一具体例によれば、前記シトレート合成酵素を暗号化する遺伝子は、配列番号1の塩基配列で表されたものであってもよい。
また、本発明の一具体例によれば、前記シトレート合成酵素を暗号化する遺伝子は、配列番号2のアミノ酸配列で表されるものであってもよい。
本発明の一実施例によれば、コリネバクテリウムグルタミクム菌株のシトレート合成酵素gltA遺伝子を暗号化する配列番号1の塩基配列において開始コドンをATGからGTGに置換して、gltA遺伝子の新しい開始コドンを有するコリネバクテリウムグルタミクム変異株を取得した。このようなコリネバクテリウムグルタミクム変異株は、配列番号3の塩基配列または配列番号4のアミノ酸配列で暗号化されたシトレート合成酵素遺伝子を含むものであってもよい。
また、本発明の一実施例によれば、コリネバクテリウムグルタミクム菌株のシトレート合成酵素gltA遺伝子を暗号化する配列番号1の塩基配列において開始コドンをATGからTTGに置換して、gltA遺伝子の新しい開始コドンを有するコリネバクテリウムグルタミクム変異株を取得した。このようなコリネバクテリウムグルタミクム変異株は、配列番号5の塩基配列または配列番号6のアミノ酸配列で暗号化されたシトレート合成酵素遺伝子を含むことを確認した。
本発明で使用された「生産能が向上した」とは、親菌株に比べてL-リジンの生産性が増加したことを意味する。前記親菌株は、変異の対象になる野生型または変異株を意味し、直接変異の対象になるか、組換えられたベクターなどで形質転換される対象を含む。本発明において、親菌株は、野生型コリネバクテリウムグルタミクム菌株または野生型から変異された菌株であってもよい。例えば、親菌株は、リジンの生産に関与する遺伝子(例えば、lysC、zwfおよびhom遺伝子)の配列に変異が誘発された変異株であって、韓国微生物保存センター(Korean Culture Center of Microorganisms)に2021年4月2日付で受託番号KCCM12969Pで寄託されたコリネバクテリウムグルタミクム菌株(以下、「コリネバクテリウムグルタミクムDS1菌株」という)であってもよい。
本発明の一実施例によれば、前記L-リジン生産能が向上したコリネバクテリウムグルタミクム変異株は、親菌株に比べて増加したL-リジン生産能を示し、特に、親菌株に比べてL-リジンの生産量が5%以上、具体的には5~20%増加して、菌株培養液1lあたり66~80gのL-リジンを生産することができ、好ましくは、68~78gのL-リジンを生産することができる。
本発明の一具体例によるコリネバクテリウムグルタミクム変異株は、親菌株にシトレート合成酵素遺伝子の開始コドンがGTGまたはTTGに置換された変異体を含む組換えベクターにより実現できる。
本発明で使用された「変異体」は、L-リジンの生合成に関与するシトレート合成酵素遺伝子の開始コドンがATGからGTGまたはTTGに置換された遺伝子変異体を意味する。
本発明の一具体例によれば、前記シトレート合成酵素遺伝子の開始コドンがGTGに置換された変異体は、配列番号3の塩基配列または配列番号4のアミノ酸配列を有するものであってもよい。
また、本発明の一具体例によれば、前記シトレート合成酵素遺伝子の開始コドンがTTGに置換された変異体は、配列番号5の塩基配列または配列番号6のアミノ酸配列を有するものであってもよい。
本発明で使用された「ベクター」は、適当な宿主細胞で目的タンパク質を発現できる発現ベクターであって、遺伝子挿入物が発現するように作動可能に連結された(operably linked)必須の調節要素を含む遺伝子製造物を意味する。ここで、「作動可能に連結された」とは、発現が必要な遺伝子とその調節配列が互いに機能的に結合して遺伝子発現を可能にする方式で連結されたことを意味し、「調節要素」は、転写を行うためのプロモーター、転写を調節するための任意のオペレーター配列、好適なmRNAリポソーム結合部位を暗号化する配列、および転写および解読の終結を調節する配列を含む。このようなベクターは、プラスミドベクター、コスミドベクター、バクテリオファージ、ウイルスベクターなどを含むが、これらに限定されるものではない。
本発明で使用された「組換えベクター」は、好適な宿主細胞内に形質転換された後、宿主細胞のゲノムとは無関係に複製可能であるか、ゲノムそのものに縫合される。この時、前記「好適な宿主細胞」は、ベクターが複製可能なものであって、複製が開始される特定の塩基配列である複製原点を含むことができる。
前記形質転換は、宿主細胞によって好適なベクター導入技術が選択されて、目的とする遺伝子を宿主細胞内で発現させることができる。例えば、ベクターの導入は、電気穿孔法(electroporation)、熱衝撃(heat-shock)、リン酸カルシウム(CaPO4)沈殿、塩化カルシウム(CaCl2)沈殿、微細注入法(microinjection)、ポリエチレングリコール(PEG)法、DEAE-デキストラン法、陽イオンリポソーム法、酢酸リチウム-DMSO法、またはこれらの組み合わせによって行われる。形質転換された遺伝子は、宿主細胞内で発現できれば、宿主細胞の染色体内挿入または染色体外に位置しているものでも制限なく含まれる。
前記宿主細胞は、生体内または試験管内で本発明の組換えベクターまたはポリヌクレオチドで形質感染、形質転換、または感染した細胞を含む。本発明の組換えベクターを含む宿主細胞は、組換え宿主細胞、組換え細胞または組換え微生物である。
また、本発明による組換えベクターは、選択マーカー(selection marker)を含むことができるが、前記選択マーカーは、ベクターで形質転換された形質転換体(宿主細胞)を選別するためのものであって、前記選択マーカーが処理された培地で選択マーカーを発現する細胞のみ生存できるため、形質転換された細胞の選別が可能である。前記選択マーカーは、代表例としてカナマイシン、ストレプトマイシン、クロラムフェニコールなどがあるが、これらに限定されるものではない。
本発明の形質転換用組換えベクター内に挿入された遺伝子は、相同性組換え交差によってコリネバクテリウム属微生物のような宿主細胞内に置換されていてもよい。
本発明の一具体例によれば、前記宿主細胞は、コリネバクテリウム属菌株であってもよいし、例えば、コリネバクテリウムグルタミクム(Corynebacterium glutamicum)菌株であってもよい。
また、本発明の他の態様は、a)前記コリネバクテリウムグルタミクム変異株を培地で培養するステップと、b)前記変異株または変異株が培養された培地からL-リジンを回収するステップとを含むL-リジンの生産方法を提供する。
前記培養は、当業界にて知られた適切な培地と培養条件によって行われてもよいし、通常の技術者であれば培地および培養条件を容易に調整して使用可能である。具体的には、前記培地は、液体培地であってもよいが、これに限定されるものではない。培養方法は、例えば、回分式培養(batch culture)、連続式培養(continuous culture)、流加式培養(fed-batch culture)、またはこれらの組み合わせ培養を含むことができるが、これに限定されるものではない。
本発明の一具体例によれば、前記培地は、適切な方式で特定菌株の要件を満たさなければならず、通常の技術者によって適宜変形可能である。コリネバクテリウム属菌株に対する培養培地は、公知の文献(Manual of Methods for General Bacteriology.American Society for Bacteriology.Washington D.C.,USA、1981)を参照できるが、これに限定されるものではない。
本発明の一具体例によれば、培地に多様な炭素源、窒素源および微量元素成分を含むことができる。使用可能な炭素源としては、グルコース、スクロース、ラクトース、フルクトース、マルトース、デンプン、セルロースのような糖および炭水化物、大豆油、ヒマワリ油、ヒマシ油、ココナッツ油などのようなオイルおよび脂肪、パルミチン酸、ステアリン酸、リノール酸のような脂肪酸、グリセロール、エタノールのようなアルコール、酢酸のような有機酸が含まれる。これらの物質は個別的にまたは混合物として使用できるが、これに限定されるものではない。使用可能な窒素源としては、ペプトン、酵母抽出物、肉汁、麦芽抽出物、トウモロコシ浸漬液、大豆麦および尿素または無機化合物、例えば、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、リン酸アンモニウム、炭酸アンモニウムおよび硝酸アンモニウムが含まれる。窒素源も個別的にまたは混合物として使用することができるが、これに限定されるものではない。使用可能なリンの供給源としては、リン酸二水素カリウムまたはリン酸水素二カリウムまたは相応するナトリウム-含有塩が含まれてもよいし、これに限定されるものではない。あるいは、培養培地は、成長に必要な硫酸マグネシウムまたは硫酸鉄のような金属塩を含有することができ、これに限定されるものではない。その他、アミノ酸およびビタミンのような必須成長物質が含まれてもよい。さらに、培養培地に適切な前駆体が使用できる。前記培地または個別成分は、培養過程で培養液に適切な方式によって回分式または連続式で添加できるが、これに限定されるものではない。
本発明の一具体例によれば、培養中に水酸化アンモニウム、水酸化カリウム、アンモニア、リン酸および硫酸のような化合物を微生物培養液に適切な方式で添加して培養液のpHを調整することができる。また、培養中に脂肪酸ポリグリコールエステルのような消泡剤を用いて気泡の生成を抑制することができる。追加的に、培養液の好気状態を維持するために、培養液中に酸素または酸素-含有気体(例、空気)を注入することができる。培養液の温度は、通常20℃~45℃、例えば25℃~40℃であってもよい。培養期間は、有用物質が所望の生産量で得られるまで継続してもよいし、例えば10~160時間であってもよい。
本発明の一具体例によれば、前記培養された変異株および変異株が培養された培地からL-リジンを回収するステップは、培養方法により当該分野にて公知の適した方法を用いて培地から生産されたL-リジンを収集または回収することができる。例えば、遠心分離、濾過、抽出、噴霧、乾燥、蒸発、沈殿、結晶化、電気泳動、分別溶解(例えば、アンモニウムスルフェート沈殿)、クロマトグラフィー(例えば、イオン交換、親和性、疎水性およびサイズ排除)などの方法を用いることができるが、これに限定されない。
本発明の一具体例によれば、リジンを回収するステップは、培養培地を低速遠心分離してバイオマスを除去して得られた上澄液をイオン交換クロマトグラフィーにより分離することができる。
本発明の一具体例によれば、前記L-リジンを回収するステップは、L-リジンを精製する工程を含むことができる。
本発明によるコリネバクテリウムグルタミクム変異株は、シトレート合成酵素を暗号化する遺伝子の発現を減少または弱化させることにより、オキサロアセテートのクエン酸転換を抑制してL-リジンの生産収率を向上させることができる。
本発明の一実施例により開始コドンがATGからGTGに置換されたシトレート合成酵素gltA遺伝子を含むpCGI(gltA-A1G)ベクターの構造を示す図である。 本発明の一実施例により開始コドンがATGからTTGに置換されたシトレート合成酵素gltA遺伝子を含むpCGI(gltA-A1T)ベクターの構造を示す図である。
以下、本発明をより詳細に説明する。しかし、このような説明は本発明の理解のために例として示されたものに過ぎず、本発明の範囲がこのような例示的な説明により制限されるものではない。
実施例1.コリネバクテリウムグルタミクム変異株の製造
コリネバクテリウムグルタミクム変異株を製造するために、コリネバクテリウムグルタミクムDS1菌株およびE.coli DH5a(HIT Competent cellsTM、Cat No.RH618)を使用した。
前記コリネバクテリウムグルタミクムDS1菌株は、蒸留水1Lにグルコース5g、NaCl2.5g、酵母抽出物5.0g、ウレア(urea)1.0g、ポリペプトン10.0gおよびビーフ(beef)抽出物5.0gの組成のCM-broth培地(pH6.8)で30℃の温度で培養した。
前記E.coli DH5aは、蒸留水1Lにトリプトン10.0g、NaCl10.0gおよび酵母抽出物5.0gの組成のLB培地上で37℃の温度で培養した。
抗生剤(Ampicillin、Kanamycin、Chloramphenicol)はシグマ(Sigma)社の製品を使用し、DNAシーケンシング分析はマクロジェン(株)に依頼して分析した。
1-1.組換えベクターの作製
菌株にTCA回路を弱化させ、炭素源の効率性を増加させるために、シトレート合成酵素の弱化を導入した。本実施例で用いた方法は、シトレート合成酵素を暗号化しているgltA遺伝子の発現を減少するために、当該遺伝子の解読開始コドンに特異的変異を誘発した。gltA遺伝子の解読開始コドンをATGからGTGに変異を導入し、コリネバクテリウムグルタミクムゲノム上でgltA遺伝子の真ん中を中心に左アーム478bp部分と右アーム475bp部分をPCRで増幅して、オーバーラップPCR(overlap PCR)方法で連結した後、組換えベクターであるpCGI(文献[Kim et al.,Journal of Microbiological Methods84(2011)128-130]参照)にクローニングした。前記プラスミドをpCGI(gltA-A1G)と名付けた(図1参照)。前記プラスミドを作製るために、それぞれの遺伝子断片を増幅するのに下記表1のプライマーを使用した。
以上のプライマーを用いて、下記の条件下でPCRを行った。Thermocycler(TP600、TAKARA BIO Inc.、日本)を用いて、それぞれのデオキシヌクレオチドトリホスフェート(dATP、dCTP、dGTP、dTTP)100μMが添加された反応液に、オリゴヌクレオチド1pM、コリネバクテリウムグルタミクムATCC13032の染色体DNA10ngを鋳型(template)として用いて、pfu-X DNAポリメラーゼ混合物(Solgent)1ユニットの存在下で25~30周期(cycle)を行った。PCRの実施条件は、(i)変性(denaturation)ステップ:94℃で30秒、(ii)結合(annealing)ステップ:58℃で30秒、および(iii)拡張(extension)ステップ:72℃で1~2分(1kbあたり2分の重合時間付与)の条件で実施した。
このように製造された遺伝子断片を、self-assembly cloningを用いて、pCGIベクターにクローニングした。前記ベクターをE.coli DH5aに形質転換させ、50μg/mlのカナマイシン(kanamycin)を含有するLB-寒天プレート上に塗抹して、37℃で24時間培養した。最終的に形成されるコロニーを分離して挿入物(insert)が正確にベクターに存在するかを確認した後、このベクターを分離してコリネバクテリウムグルタミクム菌株の組換えに使用した。
前記方法で共通して行われた過程として、当該遺伝子の増幅は、コリネバクテリウムグルタミクムATCC13032のgenomic DNAからPCR方法で増幅して、戦略によってself-assembled cloning方法でpCGIベクターに挿入してE.coli DH5aから選別した。染色体の遺伝子塩基置換(Chromosomal base substitution)は、それぞれ断片の遺伝子を個別増幅してオーバーラップPCRで目的DNA断片を製造した。遺伝子組換え時のPCR増幅酵素としてはEx Taq重合酵素(Takara)、Pfu重合酵素(Solgent)を用いており、各種制限酵素およびDNA modifying酵素はNEB製品を使用し、供給されたバッファーおよびプロトコルによって使用した。
1-2.変異株の製造
前記pCGI(gltA-A1G)ベクターを用いて、変異菌株であるDS2菌株を製造した。前記ベクターの最終濃度が1μg/μl以上となるように用意して、コリネバクテリウムグルタミクムDS1菌株に電気穿孔法(文献[Tauch et al.,FEMS Microbiology letters123(1994)343-347]参照)を用いて1次組換えを誘導した。この時、電気穿孔した菌株をカナマイシンが20μg/μl含まれるCM-寒天プレートに塗抹してコロニーを分離した後、ゲノム上の誘導した位置に適宜挿入されたかを、PCRおよび塩基配列の分析により確認した。このように分離された菌株を再度2次組換えを誘導するために、ストレプトマイシン(streptomycine)を含有したCM-寒天液体培地に接種し、一晩以上培養して、同一濃度のストレプトマイシンを含有した寒天培地に塗抹してコロニーを分離した。最終的に分離したコロニー中においてカナマイシンに対する耐性の有無を確認した後、抗生剤耐性がない菌株中においてgltA遺伝子に変異が導入されたかを、塩基配列の分析により確認した(文献[Schafer et al.,Gene145(1994)69-73]参照)。最終的に変異gltA遺伝子が導入されたコリネバクテリウムグルタミクム変異株(DS2)を取得した。
実施例2.コリネバクテリウムグルタミクム変異株の製造
gltA遺伝子の開始コドンをTTGに置換したことを除けば、実施例1と同様の方法でコリネバクテリウムグルタミクム変異株を製造した。
ここで、プラスミドを作製するためにそれぞれの遺伝子断片を増幅するのに下記表2のプライマーを使用し、作製されたプラスミドpCGI(gltA-A1T)ベクターを用いて変異菌株であるDS2-1菌株を製造した。最終的に変異gltA遺伝子が導入されたコリネバクテリウムグルタミクム変異株(DS2-1)を取得した。
実験例1.変異株のL-グルタミン酸の生産性の比較
親菌株コリネバクテリウムグルタミクムDS1菌株と、実施例1および2で製造されたリジン生産変異株であるDS2菌株およびDS2-1菌株のL-リジンの生産性を比較した。
下記表3のような組成を有するリジン培地10mlを含有した100mlのフラスコに、親菌株(DS1)または変異株(DS2またはDS2-1)をそれぞれ接種し、30℃で28時間、180rpmの条件で振盪培養した。培養終了後、リジン分析はHPLC(Shimazu、日本)でL-リジンの生産量を測定し、その結果を下記表4に示した。
前記表4に示しているように、コリネバクテリウムグルタミクム変異株DS2とDS2-1は、リジン生合成経路の強化のために、gltA遺伝子が最適な翻訳開始配列(GTGまたはTTG)に置換されることにより、親菌株コリネバクテリウムグルタミクムDS1菌株に比べてL-リジンの生産性が約6.9%増加したことが確認された。この結果を通して、gltA遺伝子の発現弱化が代謝の炭素源の流れを減少させることにより、菌株のL-リジン生産能を向上させることが分かった。
これまで本発明についてその好ましい実施例を中心に説明した。本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者は、本発明が本発明の本質的な特性を逸脱しない範囲で変形された形態で実現できることを理解するであろう。そのため、開示された実施例は、限定的な観点ではなく、説明的な観点で考慮されなければならない。本発明の範囲は上述した説明ではなく特許請求の範囲に示されており、それと同等の範囲内にあるすべての差異は本発明に含まれたものと解釈されなければならない。
本発明は、L-リジン生産能が向上したコリネバクテリウムグルタミクム変異株およびこれを用いたL-リジンの生産方法に関する。
L-リジンは人間や動物の体内で合成されない必須アミノ酸であって、外部から供給されなければならず、一般的に細菌や酵母のような微生物を用いた発酵によって生産される。L-リジンの生産は、自然状態で得られた野生型菌株やそのL-リジン生産能が向上するように変形された変異株を用いることができる。最近は、L-リジンの生産効率を改善させるために、L-アミノ酸およびその他の有用物質の生産に多く用いられる大膓菌、コリネバクテリウムなどの微生物を対象に遺伝子組換え技術を適用して優れたL-リジン生産能を有する多様な組換え菌株または変異株およびこれを用いたL-リジンの生産方法が開発されている。韓国登録特許第10-0838038号および第10-2139806号によれば、L-リジンの生産に関わる酵素の遺伝子の発現を増加させるか、不必要な遺伝子を除去することにより、L-リジン生産能が向上できる。
L-リジンはアスパルテート(aspartate)由来アミノ酸で、アスパルテートの前駆体であるオキサロアセテート(oxaloacetate)の合成レベルはL-リジンの生産にも影響を及ぼす。オキサロアセテートの場合、微生物の当該過程(glycolysis)で生成され、シトレート合成酵素(citrate synthase)によってアセチルコエー(acetyl CoA)と重合されてシトレート(citrate)として生成される。したがって、オキサロアセテートをシトレートに転換するシトレート合成酵素の発現レベルを調節することにより、L-リジンの生産量も調節できることが期待される。
韓国登録特許第10-0838038号 韓国登録特許第10-2139806号
本発明は、L-リジン生産能が向上したコリネバクテリウムグルタミクム(Corynebacterium glutamicum)変異株を提供することを目的とする。
また、本発明は、前記変異株を用いたL-リジンの生産方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、コリネバクテリウムグルタミクム菌株を用いてL-リジン生産能が向上した新たな変異株を開発するために研究した結果、シトレート合成酵素の活性を弱化させるためにシトレート合成酵素を暗号化する遺伝子の配列、特に、開始コドンATGをGTGまたはTTGに置換した場合、L-リジンの生産量が増加することを確認することにより、本発明を完成した。
本発明の一態様は、シトレート合成酵素の活性が弱化してL-リジン生産能が向上したコリネバクテリウムグルタミクム変異株を提供する。
本発明で使用された「シトレート合成酵素(citrate synthase)」は、TCA回路に作用する酵素であって、当該過程で生成されたアセチルCoAとオキサロアセテートとを重合してシトレートを合成する反応を触媒する酵素を意味する。
本発明の一具体例によれば、前記シトレート合成酵素は、コリネバクテリウム(Corynebacterium)属菌株に由来するものであってもよい。具体的には、前記コリネバクテリウム属菌株は、コリネバクテリウムグルタミクム(Corynebacterium glutamicum)、コリネバクテリウムクルディラクティス(Corynebacterium crudilactis)、コリネバクテリウムデゼルティ(Corynebacterium deserti)、コリネバクテリウムカルナエ(Corynebacterium callunae)、コリネバクテリウムスラナリーエ(Corynebacterium suranareeae)、コリネバクテリウムルブリカンティス(Corynebacterium lubricantis)、コリネバクテリウムドオサネンス(Corynebacterium doosanense)、コリネバクテリウムエフィシエンス(Corynebacterium efficiens)、コリネバクテリウムウテレクイ(Corynebacterium uterequi)、コリネバクテリウムスタチオニス(Corynebacterium stationis)、コリネバクテリウムパケンセ(Corynebacterium pacaense)、コリネバクテリウムシングラレ(Corynebacterium singulare)、コリネバクテリウムヒュミレデュセンス(Corynebacterium humireducens)、コリネバクテリウムマリヌム(Corynebacterium marinum)、コリネバクテリウムハロトレランス(Corynebacterium halotolerans)、コリネバクテリウムスフェニスコルム(Corynebacterium spheniscorum)、コリネバクテリウムフレイブルゲンス(Corynebacterium freiburgense)、コリネバクテリウムストリアツム(Corynebacterium striatum)、コリネバクテリウムカニス(Corynebacterium canis)、コリネバクテリウムアンモニアゲネス(Corynebacterium ammoniagenes)、コリネバクテリウムレナレ(Corynebacterium renale)、コリネバクテリウムポルティソリ(Corynebacterium pollutisoli)、コリネバクテリウムイミタンス(Corynebacterium imitans)、コリネバクテリウムカスピウム(Corynebacterium caspium)、コリネバクテリウムテスツディノリス(Corynebacterium testudinoris)、コリネバクテリウムシュードペラルギ(Corynebacaterium pseudopelargi)、またはコリネバクテリウムフラベセンス(Corynebacterium flavescens)であってもよいし、これに限定されるものではない。
本発明で使用された「活性が弱化」とは、オブジェクトの遺伝子の発現量が本来の発現量より減少することを意味する。このような活性の弱化は、遺伝子を暗号化するヌクレオシド置換、挿入、欠失、またはこれらの組み合わせによりタンパク質自体の活性が本来微生物が持っているタンパク質の活性に比べて減少した場合と、これを暗号化する遺伝子の発現阻害または翻訳阻害などにより、細胞内で全体的な酵素活性の程度が野生型菌株または変形前の菌株に比べて低い場合、これらの組み合わせも含む。
本発明の一具体例によれば、前記シトレート合成酵素の活性の弱化は、シトレート合成酵素を暗号化する遺伝子の開始コドンがGTGに置換されたものであってもよい。
また、本発明の一具体例によれば、前記シトレート合成酵素の活性の弱化は、シトレート合成酵素を暗号化する遺伝子の開始コドンがTTGに置換されたものであってもよい。
本発明の一具体例によれば、前記シトレート合成酵素を暗号化する遺伝子は、配列番号1の塩基配列で表されたものであってもよい。
また、本発明の一具体例によれば、前記シトレート合成酵素を暗号化する遺伝子は、配列番号2のアミノ酸配列で表されるものであってもよい。
本発明の一実施例によれば、コリネバクテリウムグルタミクム菌株のシトレート合成酵素gltA遺伝子を暗号化する配列番号1の塩基配列において開始コドンをATGからGTGに置換して、gltA遺伝子の新しい開始コドンを有するコリネバクテリウムグルタミクム変異株を取得した。このようなコリネバクテリウムグルタミクム変異株は、配列番号3の塩基配列または配列番号4のアミノ酸配列で暗号化されたシトレート合成酵素遺伝子を含むものであってもよい。
また、本発明の一実施例によれば、コリネバクテリウムグルタミクム菌株のシトレート合成酵素gltA遺伝子を暗号化する配列番号1の塩基配列において開始コドンをATGからTTGに置換して、gltA遺伝子の新しい開始コドンを有するコリネバクテリウムグルタミクム変異株を取得した。このようなコリネバクテリウムグルタミクム変異株は、配列番号5の塩基配列または配列番号6のアミノ酸配列で暗号化されたシトレート合成酵素遺伝子を含むことを確認した。
本発明で使用された「生産能が向上した」とは、親菌株に比べてL-リジンの生産性が増加したことを意味する。前記親菌株は、変異の対象になる野生型または変異株を意味し、直接変異の対象になるか、組換えられたベクターなどで形質転換される対象を含む。本発明において、親菌株は、野生型コリネバクテリウムグルタミクム菌株または野生型から変異された菌株であってもよい。例えば、親菌株は、リジンの生産に関与する遺伝子(例えば、lysC、zwfおよびhom遺伝子)の配列に変異が誘発された変異株であって、韓国微生物保存センター(Korean Culture Center of Microorganisms)に2021年4月2日付で受託番号KCCM12969Pで寄託されたコリネバクテリウムグルタミクム菌株(以下、「コリネバクテリウムグルタミクムDS1菌株」という)であってもよい。
本発明の一実施例によれば、前記L-リジン生産能が向上したコリネバクテリウムグルタミクム変異株は、親菌株に比べて増加したL-リジン生産能を示し、特に、親菌株に比べてL-リジンの生産量が5%以上、具体的には5~20%増加して、菌株培養液1lあたり66~80gのL-リジンを生産することができ、好ましくは、68~78gのL-リジンを生産することができる。
本発明の一具体例によるコリネバクテリウムグルタミクム変異株は、親菌株にシトレート合成酵素遺伝子の開始コドンがGTGまたはTTGに置換された変異体を含む組換えベクターにより実現できる。
本発明で使用された「変異体」は、L-リジンの生合成に関与するシトレート合成酵素遺伝子の開始コドンがATGからGTGまたはTTGに置換された遺伝子変異体を意味する。
本発明の一具体例によれば、前記シトレート合成酵素遺伝子の開始コドンがGTGに置換された変異体は、配列番号3の塩基配列または配列番号4のアミノ酸配列を有するものであってもよい。
また、本発明の一具体例によれば、前記シトレート合成酵素遺伝子の開始コドンがTTGに置換された変異体は、配列番号5の塩基配列または配列番号6のアミノ酸配列を有するものであってもよい。
本発明で使用された「ベクター」は、適当な宿主細胞で目的タンパク質を発現できる発現ベクターであって、遺伝子挿入物が発現するように作動可能に連結された(operably linked)必須の調節要素を含む遺伝子製造物を意味する。ここで、「作動可能に連結された」とは、発現が必要な遺伝子とその調節配列が互いに機能的に結合して遺伝子発現を可能にする方式で連結されたことを意味し、「調節要素」は、転写を行うためのプロモーター、転写を調節するための任意のオペレーター配列、好適なmRNAリポソーム結合部位を暗号化する配列、および転写および解読の終結を調節する配列を含む。このようなベクターは、プラスミドベクター、コスミドベクター、バクテリオファージ、ウイルスベクターなどを含むが、これらに限定されるものではない。
本発明で使用された「組換えベクター」は、好適な宿主細胞内に形質転換された後、宿主細胞のゲノムとは無関係に複製可能であるか、ゲノムそのものに縫合される。この時、前記「好適な宿主細胞」は、ベクターが複製可能なものであって、複製が開始される特定の塩基配列である複製原点を含むことができる。
前記形質転換は、宿主細胞によって好適なベクター導入技術が選択されて、目的とする遺伝子を宿主細胞内で発現させることができる。例えば、ベクターの導入は、電気穿孔法(electroporation)、熱衝撃(heat-shock)、リン酸カルシウム(CaPO4)沈殿、塩化カルシウム(CaCl2)沈殿、微細注入法(microinjection)、ポリエチレングリコール(PEG)法、DEAE-デキストラン法、陽イオンリポソーム法、酢酸リチウム-DMSO法、またはこれらの組み合わせによって行われる。形質転換された遺伝子は、宿主細胞内で発現できれば、宿主細胞の染色体内挿入または染色体外に位置しているものでも制限なく含まれる。
前記宿主細胞は、生体内または試験管内で本発明の組換えベクターまたはポリヌクレオチドで形質感染、形質転換、または感染した細胞を含む。本発明の組換えベクターを含む宿主細胞は、組換え宿主細胞、組換え細胞または組換え微生物である。
また、本発明による組換えベクターは、選択マーカー(selection marker)を含むことができるが、前記選択マーカーは、ベクターで形質転換された形質転換体(宿主細胞)を選別するためのものであって、前記選択マーカーが処理された培地で選択マーカーを発現する細胞のみ生存できるため、形質転換された細胞の選別が可能である。前記選択マーカーは、代表例としてカナマイシン、ストレプトマイシン、クロラムフェニコールなどがあるが、これらに限定されるものではない。
本発明の形質転換用組換えベクター内に挿入された遺伝子は、相同性組換え交差によってコリネバクテリウム属微生物のような宿主細胞内に置換されていてもよい。
本発明の一具体例によれば、前記宿主細胞は、コリネバクテリウム属菌株であってもよいし、例えば、コリネバクテリウムグルタミクム(Corynebacterium glutamicum)菌株であってもよい。
また、本発明の他の態様は、a)前記コリネバクテリウムグルタミクム変異株を培地で培養するステップと、b)前記変異株または変異株が培養された培地からL-リジンを回収するステップとを含むL-リジンの生産方法を提供する。
前記培養は、当業界にて知られた適切な培地と培養条件によって行われてもよいし、通常の技術者であれば培地および培養条件を容易に調整して使用可能である。具体的には、前記培地は、液体培地であってもよいが、これに限定されるものではない。培養方法は、例えば、回分式培養(batch culture)、連続式培養(continuous culture)、流加式培養(fed-batch culture)、またはこれらの組み合わせ培養を含むことができるが、これに限定されるものではない。
本発明の一具体例によれば、前記培地は、適切な方式で特定菌株の要件を満たさなければならず、通常の技術者によって適宜変形可能である。コリネバクテリウム属菌株に対する培養培地は、公知の文献(Manual of Methods for General Bacteriology.American Society for Bacteriology.Washington D.C.,USA、1981)を参照できるが、これに限定されるものではない。
本発明の一具体例によれば、培地に多様な炭素源、窒素源および微量元素成分を含むことができる。使用可能な炭素源としては、グルコース、スクロース、ラクトース、フルクトース、マルトース、デンプン、セルロースのような糖および炭水化物、大豆油、ヒマワリ油、ヒマシ油、ココナッツ油などのようなオイルおよび脂肪、パルミチン酸、ステアリン酸、リノール酸のような脂肪酸、グリセロール、エタノールのようなアルコール、酢酸のような有機酸が含まれる。これらの物質は個別的にまたは混合物として使用できるが、これに限定されるものではない。使用可能な窒素源としては、ペプトン、酵母抽出物、肉汁、麦芽抽出物、トウモロコシ浸漬液、大豆麦および尿素または無機化合物、例えば、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、リン酸アンモニウム、炭酸アンモニウムおよび硝酸アンモニウムが含まれる。窒素源も個別的にまたは混合物として使用することができるが、これに限定されるものではない。使用可能なリンの供給源としては、リン酸二水素カリウムまたはリン酸水素二カリウムまたは相応するナトリウム-含有塩が含まれてもよいし、これに限定されるものではない。あるいは、培養培地は、成長に必要な硫酸マグネシウムまたは硫酸鉄のような金属塩を含有することができ、これに限定されるものではない。その他、アミノ酸およびビタミンのような必須成長物質が含まれてもよい。さらに、培養培地に適切な前駆体が使用できる。前記培地または個別成分は、培養過程で培養液に適切な方式によって回分式または連続式で添加できるが、これに限定されるものではない。
本発明の一具体例によれば、培養中に水酸化アンモニウム、水酸化カリウム、アンモニア、リン酸および硫酸のような化合物を微生物培養液に適切な方式で添加して培養液のpHを調整することができる。また、培養中に脂肪酸ポリグリコールエステルのような消泡剤を用いて気泡の生成を抑制することができる。追加的に、培養液の好気状態を維持するために、培養液中に酸素または酸素-含有気体(例、空気)を注入することができる。培養液の温度は、通常20℃~45℃、例えば25℃~40℃であってもよい。培養期間は、有用物質が所望の生産量で得られるまで継続してもよいし、例えば10~160時間であってもよい。
本発明の一具体例によれば、前記培養された変異株および変異株が培養された培地からL-リジンを回収するステップは、培養方法により当該分野にて公知の適した方法を用いて培地から生産されたL-リジンを収集または回収することができる。例えば、遠心分離、濾過、抽出、噴霧、乾燥、蒸発、沈殿、結晶化、電気泳動、分別溶解(例えば、アンモニウムスルフェート沈殿)、クロマトグラフィー(例えば、イオン交換、親和性、疎水性およびサイズ排除)などの方法を用いることができるが、これに限定されない。
本発明の一具体例によれば、リジンを回収するステップは、培養培地を低速遠心分離してバイオマスを除去して得られた上澄液をイオン交換クロマトグラフィーにより分離することができる。
本発明の一具体例によれば、前記L-リジンを回収するステップは、L-リジンを精製する工程を含むことができる。
本発明によるコリネバクテリウムグルタミクム変異株は、シトレート合成酵素を暗号化する遺伝子の発現を減少または弱化させることにより、オキサロアセテートのクエン酸転換を抑制してL-リジンの生産収率を向上させることができる。
本発明の一実施例により開始コドンがATGからGTGに置換されたシトレート合成酵素gltA遺伝子を含むpCGI(gltA-A1G)ベクターの構造を示す図である。 本発明の一実施例により開始コドンがATGからTTGに置換されたシトレート合成酵素gltA遺伝子を含むpCGI(gltA-A1T)ベクターの構造を示す図である。
以下、本発明をより詳細に説明する。しかし、このような説明は本発明の理解のために例として示されたものに過ぎず、本発明の範囲がこのような例示的な説明により制限されるものではない。
実施例1.コリネバクテリウムグルタミクム変異株の製造
コリネバクテリウムグルタミクム変異株を製造するために、コリネバクテリウムグルタミクムDS1菌株およびE.coli DH5a(HIT Competent cellsTM、Cat No.RH618)を使用した。
前記コリネバクテリウムグルタミクムDS1菌株は、蒸留水1Lにグルコース5g、NaCl2.5g、酵母抽出物5.0g、ウレア(urea)1.0g、ポリペプトン10.0gおよびビーフ(beef)抽出物5.0gの組成のCM-broth培地(pH6.8)で30℃の温度で培養した。
前記E.coli DH5aは、蒸留水1Lにトリプトン10.0g、NaCl10.0gおよび酵母抽出物5.0gの組成のLB培地上で37℃の温度で培養した。
抗生剤(Ampicillin、Kanamycin、Chloramphenicol)はシグマ(Sigma)社の製品を使用し、DNAシーケンシング分析はマクロジェン(株)に依頼して分析した。
1-1.組換えベクターの作製
菌株にTCA回路を弱化させ、炭素源の効率性を増加させるために、シトレート合成酵素の弱化を導入した。本実施例で用いた方法は、シトレート合成酵素を暗号化しているgltA遺伝子の発現を減少するために、当該遺伝子の解読開始コドンに特異的変異を誘発した。gltA遺伝子の解読開始コドンをATGからGTGに変異を導入し、コリネバクテリウムグルタミクムゲノム上でgltA遺伝子の真ん中を中心に左アーム478bp部分と右アーム475bp部分をPCRで増幅して、オーバーラップPCR(overlap PCR)方法で連結した後、組換えベクターであるpCGI(文献[Kim et al.,Journal of Microbiological Methods84(2011)128-130]参照)にクローニングした。前記プラスミドをpCGI(gltA-A1G)と名付けた(図1参照)。前記プラスミドを作製るために、それぞれの遺伝子断片を増幅するのに下記表1のプライマーを使用した。
以上のプライマーを用いて、下記の条件下でPCRを行った。Thermocycler(TP600、TAKARA BIO Inc.、日本)を用いて、それぞれのデオキシヌクレオチドトリホスフェート(dATP、dCTP、dGTP、dTTP)100μMが添加された反応液に、オリゴヌクレオチド1pM、コリネバクテリウムグルタミクムATCC13032の染色体DNA10ngを鋳型(template)として用いて、pfu-X DNAポリメラーゼ混合物(Solgent)1ユニットの存在下で25~30周期(cycle)を行った。PCRの実施条件は、(i)変性(denaturation)ステップ:94℃で30秒、(ii)結合(annealing)ステップ:58℃で30秒、および(iii)拡張(extension)ステップ:72℃で1~2分(1kbあたり2分の重合時間付与)の条件で実施した。
このように製造された遺伝子断片を、self-assembly cloningを用いて、pCGIベクターにクローニングした。前記ベクターをE.coli DH5aに形質転換させ、50μg/mlのカナマイシン(kanamycin)を含有するLB-寒天プレート上に塗抹して、37℃で24時間培養した。最終的に形成されるコロニーを分離して挿入物(insert)が正確にベクターに存在するかを確認した後、このベクターを分離してコリネバクテリウムグルタミクム菌株の組換えに使用した。
前記方法で共通して行われた過程として、当該遺伝子の増幅は、コリネバクテリウムグルタミクムATCC13032のgenomic DNAからPCR方法で増幅して、戦略によってself-assembled cloning方法でpCGIベクターに挿入してE.coli DH5aから選別した。染色体の遺伝子塩基置換(Chromosomal base substitution)は、それぞれ断片の遺伝子を個別増幅してオーバーラップPCRで目的DNA断片を製造した。遺伝子組換え時のPCR増幅酵素としてはEx Taq重合酵素(Takara)、Pfu重合酵素(Solgent)を用いており、各種制限酵素およびDNA modifying酵素はNEB製品を使用し、供給されたバッファーおよびプロトコルによって使用した。
1-2.変異株の製造
前記pCGI(gltA-A1G)ベクターを用いて、変異菌株であるDS2菌株を製造した。前記ベクターの最終濃度が1μg/μl以上となるように用意して、コリネバクテリウムグルタミクムDS1菌株に電気穿孔法(文献[Tauch et al.,FEMS Microbiology letters123(1994)343-347]参照)を用いて1次組換えを誘導した。この時、電気穿孔した菌株をカナマイシンが20μg/μl含まれるCM-寒天プレートに塗抹してコロニーを分離した後、ゲノム上の誘導した位置に適宜挿入されたかを、PCRおよび塩基配列の分析により確認した。このように分離された菌株を再度2次組換えを誘導するために、ストレプトマイシン(streptomycine)を含有したCM-寒天液体培地に接種し、一晩以上培養して、同一濃度のストレプトマイシンを含有した寒天培地に塗抹してコロニーを分離した。最終的に分離したコロニー中においてカナマイシンに対する耐性の有無を確認した後、抗生剤耐性がない菌株中においてgltA遺伝子に変異が導入されたかを、塩基配列の分析により確認した(文献[Schafer et al.,Gene145(1994)69-73]参照)。最終的に変異gltA遺伝子が導入されたコリネバクテリウムグルタミクム変異株(DS2)を取得した。
実施例2.コリネバクテリウムグルタミクム変異株の製造
gltA遺伝子の開始コドンをTTGに置換したことを除けば、実施例1と同様の方法でコリネバクテリウムグルタミクム変異株を製造した。
ここで、プラスミドを作製するためにそれぞれの遺伝子断片を増幅するのに下記表2のプライマーを使用し、作製されたプラスミドpCGI(gltA-A1T)ベクターを用いて変異菌株であるDS2-1菌株を製造した。最終的に変異gltA遺伝子が導入されたコリネバクテリウムグルタミクム変異株(DS2-1)を取得した。
実験例1.変異株のL-リジンの生産性の比較
親菌株コリネバクテリウムグルタミクムDS1菌株と、実施例1および2で製造されたリジン生産変異株であるDS2菌株およびDS2-1菌株のL-リジンの生産性を比較した。
下記表3のような組成を有するリジン培地10mlを含有した100mlのフラスコに、親菌株(DS1)または変異株(DS2またはDS2-1)をそれぞれ接種し、30℃で28時間、180rpmの条件で振盪培養した。培養終了後、リジン分析はHPLC(Shimazu、日本)でL-リジンの生産量を測定し、その結果を下記表4に示した。
前記表4に示しているように、コリネバクテリウムグルタミクム変異株DS2とDS2-1は、リジン生合成経路の強化のために、gltA遺伝子が最適な翻訳開始配列(GTGまたはTTG)に置換されることにより、親菌株コリネバクテリウムグルタミクムDS1菌株に比べてL-リジンの生産性が約6.9%増加したことが確認された。この結果を通して、gltA遺伝子の発現弱化が代謝の炭素源の流れを減少させることにより、菌株のL-リジン生産能を向上させることが分かった。
これまで本発明についてその好ましい実施例を中心に説明した。本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者は、本発明が本発明の本質的な特性を逸脱しない範囲で変形された形態で実現できることを理解するであろう。そのため、開示された実施例は、限定的な観点ではなく、説明的な観点で考慮されなければならない。本発明の範囲は上述した説明ではなく特許請求の範囲に示されており、それと同等の範囲内にあるすべての差異は本発明に含まれたものと解釈されなければならない。

Claims (5)

  1. シトレート合成酵素(citrate synthase)の活性が弱化してL-リジン生産能が向上したコリネバクテリウムグルタミクム(Corynebacterium glutamicum)変異株。
  2. 前記シトレート合成酵素の活性の弱化は、シトレート合成酵素を暗号化する遺伝子の開始コドンがGTGに置換されたものである、請求項1に記載のコリネバクテリウムグルタミクム変異株。
  3. 前記シトレート合成酵素の活性の弱化は、シトレート合成酵素を暗号化する遺伝子の開始コドンがTTGに置換されたものである、請求項1に記載のコリネバクテリウムグルタミクム変異株。
  4. 前記シトレート合成酵素を暗号化する遺伝子は、配列番号1の塩基配列で表されるものである、請求項2または3に記載のコリネバクテリウムグルタミクム変異株。
  5. a)請求項1に記載の変異株を培地で培養するステップと、
    b)前記変異株または変異株が培養された培地からL-リジンを回収するステップとを含むL-リジンの生産方法。
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