JP2023540483A - セキュリティマーキング、セキュリティマーキングを読み取る方法及びデバイス、セキュリティマーキングによりマーキングされたセキュリティ文書、並びに該セキュリティ文書を検証する方法及びシステム - Google Patents
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Abstract
本発明は、セキュリティマーキング(100)、セキュリティマーキング(100)を読み取るとともに復号する方法及びデバイス、セキュリティマーキング(100)によりマーキングされたセキュリティ文書(150)、並びに該セキュリティ文書(150)を検証及び認証する方法及びシステムに関する。セキュリティマーキング(100)は、異なる粒子配向の2つのゾーン(120a)及び(120b)を有する、磁気配向した反射性の血小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子を含む材料の磁気誘導層(120)と重なる機械可読マーキング(130)を含む。2つのゾーン(120a)及び(120b)から別個に読み取られたデータが収集された後でのみ、機械可読マーキング(130)内の符号化データが復号可能である。【選択図】 図3
Description
[001]本発明は、磁気誘導層、磁気誘導層を読み取る方法及び装置、並びに磁気誘導層を含む文書を検証及び認証する方法及びシステムに関し、前記磁気誘導層が、配向した磁性又は磁化可能顔料粒子を含む。
[002]例えばセキュリティ文書の分野において、磁気誘導マークの形態のセキュリティ要素を製造するために、配向した磁性又は磁化可能顔料粒子、特に光学的に可変でもある磁性又は磁化可能顔料粒子を含有するインク、組成物、コーティング又は層を使用することが、当該技術分野で知られている。配向した磁性又は磁化可能顔料粒子を含むコーティング又は層は、例えば米国特許第2,570,856号、米国特許第3,676,273号、米国特許第3,791,864号、米国特許第5,630,877号及び米国特許第5,364,689号に開示されている。配向した磁性カラーシフト顔料粒子を含む結果、特に魅力的な光学効果を生じる、セキュリティ文書の保護に有用なコーティング又は層は、国際公開第2002/090002号及び国際公開第2005/002866号に開示されている。
[003]印刷用のインク又はコーティング中の磁性又は磁化可能顔料粒子は、対応する磁界の印加により、未固化のコーティング中の磁性又は磁化可能顔料粒子の局所的な配向を引き起こした後、そのコーティングを固化させることによって、磁気誘導層、デザイン及び/又はパターンの製造を可能にする。その結果は、固定した磁気誘導層、デザイン又はパターンである。コーティング組成物中の磁性又は磁化可能顔料粒子の配向のための材料及び技術は、米国特許第2,418,479号、米国特許第2,570,856号、米国特許第3,791,864号、独国特許出願公開第2006848号、米国特許第3,676,273号、米国特許第5,364,689号、米国特許第6,103,361号、欧州特許第0406667号、米国特許出願公開第2020/0160194号、米国特許出願公開第2004/70062297号、米国特許出願公開第2004/0009308号、欧州特許出願公開第0710508号、国際公開第2002/09002号、国際公開第2003/000801号、国際公開第2005/002866号、国際公開第2006/061301号に開示されており、これらの文献は参照により本明細書に組み込まれる。このような方法で、偽造耐性の高い磁気誘導層を製造することができる。そのようにして得られた磁気誘導層は、それらが施される基材の法線に対して実質的に非対称である角度反射プロファイルを生成する。これは特殊であり、従来の鏡面又はランバート反射/散乱挙動とは異なる。
[004]例えばセキュリティ文書のためのセキュリティ特徴は一般に、一方の「隠れた」セキュリティ特徴と、他方の「明白な」セキュリティ特徴とに分類することができる。隠れたセキュリティ特徴によって与えられる保護は、そのような特徴物が検出困難であり、典型的には検出のために特別な設備及び知識を必要とするという概念に依拠しているのに対し、「明白な」セキュリティ特徴は、助けのない人間の感覚によって容易に検出可能であるという概念に依拠しており、例えば、そのような特徴物は可視であってもよく、及び/又は触覚により検出可能であってもよいが、製造及び/又は複製が依然として困難である。磁気誘導層は、通例、「明白な」(又はレベル1の)セキュリティ特徴として使用され、いかなる外部のデバイス又はツールもなしに人間による直接的で明瞭な認証を可能にするはずである。しかしながら、明白なセキュリティ特徴の有効性は、セキュリティ特徴としてそれらが容易に認識されることに大いに依存し、その理由は、たいていのユーザ、及び、特に、セキュリティ特徴によって保護される文書又は項目のセキュリティ特徴を事前に知らない者は、実際、それらの存在及び性質を実際に知った場合にしか、前記セキュリティ特徴に基づいてセキュリティチェックを実行しないからである。
[005]磁気誘導層のセキュリティレベルが複製に対する耐性に関して高いとしても、平均的な消費者は、所与の製品における特定の明白なセキュリティ要素について正確にどの効果が観察されるべきかに関して混乱する可能性があるかもしれない。特に、類似のパターン又はロゴを生成するフリッピングホログラム(flipping hologram)(低セキュリティ、低コストのセキュリティ要素)は、角度依存性の反射パターンも生成するため、訓練されていない消費者による真正性の誤解釈につながりかねない。
[006]携帯(ハンドヘルド)デバイス、例えばスマートフォンを用いた多くの認証方法が近年現れている。それらのほとんどは、国際公開第0225599号に開示されているもののように、人間の眼の解像度未満の幾何学的又はトポロジー的情報を抽出する、或いは、国際公開第2013071960号に開示されているように、人間の能力を超えてノイズに非常に近い信号を抽出し、又は印刷されたデザインの色又は形状における僅かな変動を解する、スマートフォンカメラの撮像能力に依拠している。これらの方法は、識別のための符号化情報を抽出するという利点を有するが、その一方、高解像度印刷、及び/又は、スマートフォンカメラに附属の拡大光学系を必要とする。
[007]低解像度の印刷特徴物に適用可能な他の認証方法として、米国特許出願公開第2011190920号に開示されているような、セキュリティ特徴の比色分析に依拠するものが開発されており、この比色分析は、ホログラム、又は、国際公開第2015052318号に開示されているSICPASMART(商標)などに基づき、パターンの周りでのスマートフォンの拡張現実支援方位角変位時に測定される光学的可変パターンのカラーシフト特性を分析する。これらの方法は、実現が複雑である、マークに対するスマートフォンカメラの移動に依拠する。さらに、それらは外部光照明に依存し、したがって、環境光条件(例えば直接太陽光、暗環境又は高度に色度不均衡な照明)に対して非常に敏感である。
[008]反射強度の角度依存性を有する特徴物の他の認証方法として、国際公開第2012136902号及び米国特許出願公開第20140224879号に開示されているような、ランダムに配向した薄片、国際公開第2015193152号又は米国特許出願公開第2016378061号に開示されているような、ホログラム又はエンボス3D構造のようなマイクロミラー回析性特徴物などが提案されている。これらは、カメラの2つの角度位置に基づいて2つの画像を捕捉し、次いでこれら画像が分析される。
[009]セキュリティ特徴の反射率の再現性のある測定値を得るために、スマートフォンのカメラ及びサンプル照明の両方を制御することが依然として課題である。スマートフォンカメラは通常、典型的なカメラ使用法(例えば、風景又は肖像写真)に適合された、自動化した露出及び焦点合わせアルゴリズムを使用するが、そのようなアルゴリズムは磁気誘導層を有する高度に反射的なマーキングの撮像には適合されていない。セキュリティ特徴の照明は、屋内又は屋外の環境光からのものとすることができるが、これは一般に、未知であるとともに制御が困難であり、角度反射率などの、磁気誘導層の特定のセキュリティ特徴の信頼性のある検出を妨げる可能性がある。
[010]したがって、現在知られている、スマートフォンに基づく認証技術には、いくつかの欠点として、これら技術が、精細な構造の高解像度印刷を必要とすること、及び/又は色を明らかにするために複雑なスマートフォンの動きに依拠すること、及び/又は厳密な角度依存性を正確に認証するために利用可能な情報が限られているために信頼できないことが挙げられる。
[011]したがって、環境光の擾乱に対してロバストであり、高解像度印刷に、又はスマートフォンの複雑な移動に依拠せず、制御が困難であるとともに非直観的な傾斜位置若しくは方位角位置又は複雑な回転移動を回避する、改良された正確で信頼性のある技術的解決策を、公衆に、場合によっては、関連する検査官にも、提案することが望まれている。
[012]特に、所与の磁気誘導層を、他の磁気誘導層から、又は、他の技法により製造された別の明白なセキュリティ特徴から、及び、セキュリティ特徴又はロゴのトポロジーを再現するとともに反射強度のある程度の角度依存性を有する以外はその効果を模倣又は模擬しようとする別の技術に基づいた模造物から、明瞭に区別することができる、認証方法及びデバイスが必要とされている。
[013]通信ネットワーク(例えば、インターネット又はローカルネットワーク)を通じて(例えば、ウェブサイトを介して)所与のサービスへのユーザのアクセスを許可して、ユーザがいくつかの操作(例えば、ユーザの銀行口座での金銭上の操作)を行うことを可能にすることがよく知られている。一般に、ユーザは、アクセスを管理している権限者に要求するために、暗号鍵及び/又はパスワードを用いることによって自分のID(identity)を「証明」せねばならず、パスワード及び/又は鍵が適正である場合にのみ、サービスへの完全なアクセスが許可される。しかしながら、パスワード又は鍵は盗まれる可能性があり、又は、ユーザも偽のアイデンティティのもとで(例えば、ウェブサイト上で又はその管理権限者により)登録されることがあるため、その類のアクセスに対する信頼度はかなり低い。したがって、個人アクセス認証情報の信頼度を向上させる必要性がある。
[014]他方で、保証された政府発行ID文書(IDカード又はパスポートなど)を使用して、所持者のIDを(例えば、チェックインカウンタにおいて)管理エージェントに対して証明し、その後、いくつかのサービス(又は建物)にアクセスすることがよく知られている。この場合、エージェントは、所持者のID文書に提示された、偽造が困難ないくつかのセキュリティマーキングを管理し、場合によっては、所持者の顔の類似性を生体計測データ及び/又はID写真と照合し、次いで、つまり、エージェントが前記保持者のIDに十分な信頼度を得た場合、前記エージェントは、所持者がいくつかの認可された操作を行うことを許可する。例えば、文献国際公開第2014/160582号は、以下のステップ、すなわち、モバイルデバイスにおいて、ユーザの政府発行ID文書と支払いモードとの間にアソシエーションを生成するステップと、モバイルデバイスにおいて、ユーザの政府発行ID文書の提示を受けて支払いの要求をサポートするステップと、提示された政府発行ID文書がユーザの有効な身分証明書であるかどうかを確認するステップと、提示された政府発行ID文書を確認することに応じて、支払いモードを使用することによって支払いを進めるステップと、を含む方法を提示している。政府発行ID文書は、印刷されたテキスト、磁気媒体及びバーコードを含み得る。
[015]セキュリティ文書に適用可能な認証方法もまた、よく知られており、文献、米国特許出願公開第2007/170248号に開示されている。述べられている認証方法は、カード保持者の顔の画像をリーダによって取り込むことを含む。その画像を顔認識ソフトウェアが処理して、ハッシュを生成する。同じリーダを使用して、デジタル透かし及び/又はバーコードを復号する。デジタル透かし(及び/又はバーコード)は、関連する顔認識ハッシュを含む。ハッシュが一致すれば、その個人及び身分証明書文書が認証される。
[016]本発明の目的は、エージェントを介する予備ID管理の必要性をなくし、ユーザの真のID(したがって、操作を行うための真の権利)に関して高い信頼度をオペレータに提供しつつ、いかなるユーザも、個人又は公衆のオペレータによって提供されるオンラインサービスに直接アクセスすることを可能にすることである。
[017]したがって、本発明の目的は、従来技術の欠点を克服するために、携帯デバイス、好ましくはスマートフォンを使用して、(ラベル、製品又は文書などの)基材に印刷又は固定された明白なセキュリティ特徴として使用される磁気誘導層を認証する方法を提供することである。
[018]本発明のさらなる目的は、制御が容易であり、環境光変動に対する優れた耐性を有し、模造物に対して高い抵抗性があり、他の角度依存性反射マークに対する識別が容易である、基材に施された磁気誘導層を認証するための携帯デバイス、好ましくはスマートフォンを提供することである。
[019]本発明のさらなる目的は、文書の内容を検証すること、及び、本発明による磁気誘導層でマーキングされた前記文書を認証することの両方のための方法及びシステムを提供することである。
[020]本発明のさらなる目的は、本明細書に記載の、読み取り、復号及び認証する方法を、光源及び撮像装置が備わった携帯デバイスに行わせるように、プロセッサによって実行可能なコンピュータコード部分又は命令を含む、対応する非一時的コンピュータ可読媒体を提供することである。
[021]一態様によれば、本発明は、
平らな基材(110)と、
磁気配向した反射性の血小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子を含む材料の磁気誘導層(120)であって、磁気誘導層(120)が、基材(110)に施され、前記磁気配向した反射性の血小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子の平坦面が第1の方向に配向されている、第1のゾーン(120a)と、前記磁気配向した反射性の血小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子の平坦面が第1の方向とは異なる第2の方向に配向されている、第1のゾーン(120a)とは異なる第2のゾーン(120b)と、を含み、第1のゾーン(120a)における血小板状の粒子が、基材(110)の平面に対して仰角γ1を有する平坦面を有し、第2のゾーン(120b)における血小板状の粒子が、基材(110)の平面に対して仰角γ2を有する平坦面を有し、基材(110)の平面に対する平坦面の各鋭角が、約5°~約25°の範囲にある、磁気誘導層(120)と、
基準パターン(133)と、符号化データを表すコードパターン(134)と、を含む、機械可読マーキング(130)であって、機械可読マーキング(130)が、磁気誘導層(120)の上面(121)に又は前記基材と磁気誘導層(120)の裏面(122)との間の基材(110)にそれぞれ施され、コードパターン(134)の第1のエリア(134a)が、第1のゾーン(120a)の前方に配置され、コードパターン(134)の残りの第2のエリア(134b)が、第2のゾーン(120b)の前方に配置される、機械可読マーキング(130)と、
を含む、セキュリティマーキング(100)に関する。
平らな基材(110)と、
磁気配向した反射性の血小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子を含む材料の磁気誘導層(120)であって、磁気誘導層(120)が、基材(110)に施され、前記磁気配向した反射性の血小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子の平坦面が第1の方向に配向されている、第1のゾーン(120a)と、前記磁気配向した反射性の血小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子の平坦面が第1の方向とは異なる第2の方向に配向されている、第1のゾーン(120a)とは異なる第2のゾーン(120b)と、を含み、第1のゾーン(120a)における血小板状の粒子が、基材(110)の平面に対して仰角γ1を有する平坦面を有し、第2のゾーン(120b)における血小板状の粒子が、基材(110)の平面に対して仰角γ2を有する平坦面を有し、基材(110)の平面に対する平坦面の各鋭角が、約5°~約25°の範囲にある、磁気誘導層(120)と、
基準パターン(133)と、符号化データを表すコードパターン(134)と、を含む、機械可読マーキング(130)であって、機械可読マーキング(130)が、磁気誘導層(120)の上面(121)に又は前記基材と磁気誘導層(120)の裏面(122)との間の基材(110)にそれぞれ施され、コードパターン(134)の第1のエリア(134a)が、第1のゾーン(120a)の前方に配置され、コードパターン(134)の残りの第2のエリア(134b)が、第2のゾーン(120b)の前方に配置される、機械可読マーキング(130)と、
を含む、セキュリティマーキング(100)に関する。
[022]上記セキュリティマーキング(100)において、
a)前記顔料粒子が、
コバルト、鉄、ガドリニウム及びニッケルからなる群から選択される磁性金属、
鉄、クロム、マンガン、コバルト、ニッケル若しくはそれらの2つ以上の混合物の磁性合金、
クロム、マンガン、コバルト、鉄、ニッケル若しくはそれらの2つ以上の混合物の磁性酸化物、又は
それらの2つ以上の混合物を含み得、或いは、
b)コードパターンが、1次元バーコード、スタック1次元バーコード、2次元バーコード、及び3次元バーコードのうちのいずれか1つであり得る。
a)前記顔料粒子が、
コバルト、鉄、ガドリニウム及びニッケルからなる群から選択される磁性金属、
鉄、クロム、マンガン、コバルト、ニッケル若しくはそれらの2つ以上の混合物の磁性合金、
クロム、マンガン、コバルト、鉄、ニッケル若しくはそれらの2つ以上の混合物の磁性酸化物、又は
それらの2つ以上の混合物を含み得、或いは、
b)コードパターンが、1次元バーコード、スタック1次元バーコード、2次元バーコード、及び3次元バーコードのうちのいずれか1つであり得る。
[023]磁気誘導層(120)の第1のゾーン(120a)及び第2のゾーン(120b)が、同じ単一材料層に属し得る。代替的に、磁気誘導層(120)の第1のゾーン(120a)及び第2のゾーン(120b)がそれぞれ、磁気誘導層(120)を形成する第1のサブ層及び隣り合う第2のサブ層に属してもよい(「隣り合う」とは、第1のサブ層及び第2のサブ層が直接接触していてもよく又は離間していてもよいことを意味する)。
[024]上記セキュリティマーキング(100)において、機械可読マーキング(130)が、磁気誘導層(120)の上面(121)に施され、暗いシンボルで符号化され得、暗いプライマー層(140)が、基材(110)に施され得、磁気誘導層(120)の裏面(122)が、暗いプライマー層(140)の上面(141)に施され得る。
[025]セキュリティマーキング(100)の別の実施形態によれば、機械可読マーキング(130)が、磁気誘導層(120)の上面(121)に施され、明るいシンボルで符号化され得、暗いプライマー層(140)、好ましくは黒色プライマーが、基材(110)に施され得、磁気誘導層(120)の裏面(122)が、暗いプライマー層(140)の上面(141)に施され得る。
[026]上記セキュリティマーキング(110)において、機械可読マーキング(130)が、基材(110)に施され、暗いシンボルで符号化され得る。
[027]別の態様によれば、本発明は、照明光を送達するように動作可能な光源(201)と、撮像装置(202)と、メモリが備わっているとともに画像処理及び復号動作を行うように構成されたプロセッサと、が備わった携帯デバイス(200)により、上記セキュリティマーキング(100)を読み取るとともに復号する方法であって、
セキュリティマーキング(100)を撮像装置(202)の視野内に配置するステップと、
セキュリティマーキング(100)を、光源(201)によって送達される照明光により照明するステップと、
第1の仰角γ1に関連付けられた第1の視野角θ1で撮像装置(202)によりセキュリティマーキング(100)の第1のデジタル画像を取得するとともに、取得した第1のデジタル画像をメモリに記憶するステップと、
第2の仰角γ2に関連付けられた第2の視野角θ2で撮像装置(202)によりセキュリティマーキング(100)の第2のデジタル画像を取得するとともに、取得した第2のデジタル画像をメモリに記憶するステップと、
プロセッサによる画像処理により、記憶した第1のデジタル画像及び記憶した第2のデジタル画像から、第1のデジタル画像及び第2のデジタル画像において検出された基準パターン(133)に対して、コードパターン(134)のうち、第1のデジタル画像において検出された、コードパターンの第1のエリア(134a)に対応する第1の部分と、コードパターン(134)のうち、第2のデジタル画像において検出された、コードパターンの第2のエリア(134b)に対応する第2の部分と、を位置合わせすることによって、コードパターン(134)の合成デジタル画像を形成するとともに、得た合成デジタル画像をメモリに記憶するステップと、
記憶した合成デジタル画像から、プロセッサによりコードパターン(134)を読み取るとともに復号するステップと、
を含む、方法に関する。
セキュリティマーキング(100)を撮像装置(202)の視野内に配置するステップと、
セキュリティマーキング(100)を、光源(201)によって送達される照明光により照明するステップと、
第1の仰角γ1に関連付けられた第1の視野角θ1で撮像装置(202)によりセキュリティマーキング(100)の第1のデジタル画像を取得するとともに、取得した第1のデジタル画像をメモリに記憶するステップと、
第2の仰角γ2に関連付けられた第2の視野角θ2で撮像装置(202)によりセキュリティマーキング(100)の第2のデジタル画像を取得するとともに、取得した第2のデジタル画像をメモリに記憶するステップと、
プロセッサによる画像処理により、記憶した第1のデジタル画像及び記憶した第2のデジタル画像から、第1のデジタル画像及び第2のデジタル画像において検出された基準パターン(133)に対して、コードパターン(134)のうち、第1のデジタル画像において検出された、コードパターンの第1のエリア(134a)に対応する第1の部分と、コードパターン(134)のうち、第2のデジタル画像において検出された、コードパターンの第2のエリア(134b)に対応する第2の部分と、を位置合わせすることによって、コードパターン(134)の合成デジタル画像を形成するとともに、得た合成デジタル画像をメモリに記憶するステップと、
記憶した合成デジタル画像から、プロセッサによりコードパターン(134)を読み取るとともに復号するステップと、
を含む、方法に関する。
[028]本発明はまた、上記セキュリティマーキング(100)を読み取るとともに復号するための携帯デバイス(200)であって、
照明光を送達するように動作可能な光源(201)と、
撮像装置(202)と、
メモリが備わっているとともに、撮像装置(202)によって取得した、前記セキュリティマーキング(100)のデジタル画像における、セキュリティマーキング(100)を読み取るとともに復号する、上記方法のステップを行うように構成されたプロセッサと、
を備える、携帯デバイス(200)に関する。
照明光を送達するように動作可能な光源(201)と、
撮像装置(202)と、
メモリが備わっているとともに、撮像装置(202)によって取得した、前記セキュリティマーキング(100)のデジタル画像における、セキュリティマーキング(100)を読み取るとともに復号する、上記方法のステップを行うように構成されたプロセッサと、
を備える、携帯デバイス(200)に関する。
[029]本発明のさらなる態様は、権限者によってユーザに交付されたセキュリティ文書(150)であって、
セキュリティ文書(150)に施された、本発明によるセキュリティマーキング(100)であって、セキュリティマーキング(100)のコードパターン(134)内の符号化データが、ユーザに対応するデジタルIDデータと、前記ユーザデジタルIDデータのデジタル署名と、を含み、権限者によって交付されたデジタル署名が、ユーザデジタルIDデータを暗号鍵により署名することによって得られる、セキュリティマーキング(100)を含む、セキュリティ文書(150)に関する。
セキュリティ文書(150)に施された、本発明によるセキュリティマーキング(100)であって、セキュリティマーキング(100)のコードパターン(134)内の符号化データが、ユーザに対応するデジタルIDデータと、前記ユーザデジタルIDデータのデジタル署名と、を含み、権限者によって交付されたデジタル署名が、ユーザデジタルIDデータを暗号鍵により署名することによって得られる、セキュリティマーキング(100)を含む、セキュリティ文書(150)に関する。
[030]本発明の別の態様は、暗号鍵及び対応する復号鍵を記憶するデータベース(DB)に接続された、権限者のサーバ(S)に対して、通信ネットワーク(CN)を通じてデータを送受信するように動作可能な通信ユニットがさらに備わった、上述の携帯デバイス(200)により、ユーザの上記セキュリティ文書(150)を検証する方法であって、
セキュリティマーキング(100)を撮像装置(202)の視野内に配置するステップと、
セキュリティ文書(150)のセキュリティマーキング(100)を、光源(201)により照明するステップと、
第1の仰角γ1に関連付けられた第1の視野角θ1で撮像装置(202)により、照明されたセキュリティマーキング(100)の第1のデジタル画像を取得するとともに、取得した第1のデジタル画像をメモリに記憶するステップと、
第2の仰角γ2に関連付けられた第2の視野角θ2で撮像装置(202)により、照明されたセキュリティマーキング(100)の第2のデジタル画像を取得するとともに、取得した第2のデジタル画像をメモリに記憶するステップと、
プロセッサによる画像処理により、記憶した第1のデジタル画像及び記憶した第2のデジタル画像から、第1のデジタル画像及び第2のデジタル画像において検出された基準パターン(133)に対して、コードパターン(134)のうち、第1のデジタル画像において検出された、コードパターンの第1のエリア(134a)に対応する第1の部分と、コードパターン(134)のうち、第2のデジタル画像において検出された、コードパターンの第2のエリア(134b)に対応する第2の部分と、を位置合わせすることによって、コードパターン(134)の合成デジタル画像を形成するステップと、
合成デジタル画像からコードパターン(134)を読み取るとともに復号し、コードパターン(134)の復号したデータから、プロセッサによる画像処理及び復号動作により、ユーザIDデータ及び前記ユーザIDデータのデジタル署名を抽出し、抽出したユーザIDデータ及びデジタル署名をメモリに記憶するステップと、
メモリに記憶した抽出したユーザIDデータ及びデジタル署名を含む第1のメッセージ(M1)を、通信ユニットを介してサーバ(S)に送信するステップと、
サーバ(S)において、携帯デバイス(200)から第1のメッセージ(M1)において受信した抽出したデジタル署名を、データベース(DB)に記憶された復号鍵で解読するとともに、第1のメッセージ(M1)において受信した抽出したユーザIDデータが、受信した抽出したデジタル署名と一致するかどうかを、確認するステップと、
一致する場合、ユーザIDデータの成功した検証を示すサーバメッセージ(SM)を前記携帯デバイス(200)に返送するステップと、
を含む、方法に関する。
セキュリティマーキング(100)を撮像装置(202)の視野内に配置するステップと、
セキュリティ文書(150)のセキュリティマーキング(100)を、光源(201)により照明するステップと、
第1の仰角γ1に関連付けられた第1の視野角θ1で撮像装置(202)により、照明されたセキュリティマーキング(100)の第1のデジタル画像を取得するとともに、取得した第1のデジタル画像をメモリに記憶するステップと、
第2の仰角γ2に関連付けられた第2の視野角θ2で撮像装置(202)により、照明されたセキュリティマーキング(100)の第2のデジタル画像を取得するとともに、取得した第2のデジタル画像をメモリに記憶するステップと、
プロセッサによる画像処理により、記憶した第1のデジタル画像及び記憶した第2のデジタル画像から、第1のデジタル画像及び第2のデジタル画像において検出された基準パターン(133)に対して、コードパターン(134)のうち、第1のデジタル画像において検出された、コードパターンの第1のエリア(134a)に対応する第1の部分と、コードパターン(134)のうち、第2のデジタル画像において検出された、コードパターンの第2のエリア(134b)に対応する第2の部分と、を位置合わせすることによって、コードパターン(134)の合成デジタル画像を形成するステップと、
合成デジタル画像からコードパターン(134)を読み取るとともに復号し、コードパターン(134)の復号したデータから、プロセッサによる画像処理及び復号動作により、ユーザIDデータ及び前記ユーザIDデータのデジタル署名を抽出し、抽出したユーザIDデータ及びデジタル署名をメモリに記憶するステップと、
メモリに記憶した抽出したユーザIDデータ及びデジタル署名を含む第1のメッセージ(M1)を、通信ユニットを介してサーバ(S)に送信するステップと、
サーバ(S)において、携帯デバイス(200)から第1のメッセージ(M1)において受信した抽出したデジタル署名を、データベース(DB)に記憶された復号鍵で解読するとともに、第1のメッセージ(M1)において受信した抽出したユーザIDデータが、受信した抽出したデジタル署名と一致するかどうかを、確認するステップと、
一致する場合、ユーザIDデータの成功した検証を示すサーバメッセージ(SM)を前記携帯デバイス(200)に返送するステップと、
を含む、方法に関する。
[031]一変形例によれば、セキュリティ文書(150)を検証する上記方法は、サーバメッセージ(SM)を携帯デバイス(200)に返送するステップの前に、以下の予備ステップ、すなわち
磁気誘導層(120)を光源(201)により照明するとともに、照明された磁気誘導層(120)の複数のデジタル画像を、撮像装置(202)により取得するステップであって、撮像装置(202)は、基材(110)の平面に対して平行に磁気誘導層(120)に対して相対的に撮像装置を動かすことによって、各異なるデジタル画像について、磁気誘導層(120)に対して対応する異なる視野角θにある、ステップと、
各取得したデジタル画像について、磁気誘導層(120)によって反射され、対応する視野角θで撮像装置(202)によって収集された光のそれぞれ対応する強度Iをプロセッサにより計算するとともに、反射された光の計算した強度及び対応する視野角を記憶して対応する反射光強度曲線I(θ)を得るステップと、
得た反射光強度曲線I(θ)を含む第2のメッセージ(M2)を、通信ユニットにより通信ネットワーク(CN)を介してサーバ(S)に送信するステップと、
サーバ(S)において、第2のメッセージ(M2)において受信した反射光強度曲線I(θ)を、データベース(DB)に記憶された、前記磁気誘導層(120)についての基準反射光強度曲線Iref(θ)と比較するステップと、
サーバ(S)において、比較の結果に基づいて磁気誘導層(120)が本物であるかどうかを判定するステップと、
磁気誘導層(120)が本物であると判定された場合、ユーザIDデータの成功した検証を示すサーバメッセージ(SM)を、セキュリティマーキング(120)が本物であるという表示とともに携帯デバイス(200)に返送するとともに、サービスへのアクセスをユーザに許可するアクセスデータを含むサーバ許可メッセージ(SAM)を、サーバ(S)によって通信ネットワーク(CN)を介してユーザの通信デバイスに送信するステップと、を含み得る。ユーザの通信デバイスは、携帯デバイス(200)そのものとすることができる。
磁気誘導層(120)を光源(201)により照明するとともに、照明された磁気誘導層(120)の複数のデジタル画像を、撮像装置(202)により取得するステップであって、撮像装置(202)は、基材(110)の平面に対して平行に磁気誘導層(120)に対して相対的に撮像装置を動かすことによって、各異なるデジタル画像について、磁気誘導層(120)に対して対応する異なる視野角θにある、ステップと、
各取得したデジタル画像について、磁気誘導層(120)によって反射され、対応する視野角θで撮像装置(202)によって収集された光のそれぞれ対応する強度Iをプロセッサにより計算するとともに、反射された光の計算した強度及び対応する視野角を記憶して対応する反射光強度曲線I(θ)を得るステップと、
得た反射光強度曲線I(θ)を含む第2のメッセージ(M2)を、通信ユニットにより通信ネットワーク(CN)を介してサーバ(S)に送信するステップと、
サーバ(S)において、第2のメッセージ(M2)において受信した反射光強度曲線I(θ)を、データベース(DB)に記憶された、前記磁気誘導層(120)についての基準反射光強度曲線Iref(θ)と比較するステップと、
サーバ(S)において、比較の結果に基づいて磁気誘導層(120)が本物であるかどうかを判定するステップと、
磁気誘導層(120)が本物であると判定された場合、ユーザIDデータの成功した検証を示すサーバメッセージ(SM)を、セキュリティマーキング(120)が本物であるという表示とともに携帯デバイス(200)に返送するとともに、サービスへのアクセスをユーザに許可するアクセスデータを含むサーバ許可メッセージ(SAM)を、サーバ(S)によって通信ネットワーク(CN)を介してユーザの通信デバイスに送信するステップと、を含み得る。ユーザの通信デバイスは、携帯デバイス(200)そのものとすることができる。
[032]代替的な一変形例によれば、セキュリティ文書(150)を検証する上記方法は、ユーザIDデータの成功した検証を示すサーバメッセージ(SM)をサーバ(S)によって送る場合、以下のさらなるステップ、すなわち
磁気誘導層(120)を光源(201)により照明するとともに、照明された磁気誘導層(120)の複数のデジタル画像を、撮像装置(202)により取得するステップであって、撮像装置(202)は、基材(110)の平面に対して平行に磁気誘導層(120)に対して相対的に撮像装置(202)を動かすことによって、各異なるデジタル画像について、磁気誘導層(120)に対して対応する異なる視野角θにある、ステップと、
各取得したデジタル画像について、磁気誘導層(120)によって反射され、対応する視野角θで撮像装置(202)によって収集された光のそれぞれ対応する強度Iをプロセッサにより計算するとともに、反射された光の計算した強度及び対応する視野角により、対応する反射光強度曲線I(θ)を求めるステップと、
プロセッサにより、反射光強度曲線I(θ)を、メモリに記憶された、前記磁気誘導層(120)についての基準反射光強度曲線Iref(θ)と比較するステップと、
比較の結果に基づいて磁気誘導層(120)が本物であるかどうかを判定するとともに、磁気誘導層(120)が本物であると判定された場合、セキュリティマーキング(100)が本物であることを示すメッセージ(M)を、通信ユニットにより通信ネットワーク(CN)を介してサーバ(S)に送信するステップと、
携帯デバイスからセキュリティマーキング(100)が本物であることを示すメッセージ(M)をサーバ(S)において受信した場合、サービスへのアクセスをユーザに許可するアクセスデータを含むサーバ許可メッセージ(SAM)を、サーバ(S)によって通信ネットワーク(CN)を介してユーザの通信デバイスに返送するステップと、
を含み得る。ユーザの通信デバイスは、携帯デバイス(200)そのものとすることができる。
磁気誘導層(120)を光源(201)により照明するとともに、照明された磁気誘導層(120)の複数のデジタル画像を、撮像装置(202)により取得するステップであって、撮像装置(202)は、基材(110)の平面に対して平行に磁気誘導層(120)に対して相対的に撮像装置(202)を動かすことによって、各異なるデジタル画像について、磁気誘導層(120)に対して対応する異なる視野角θにある、ステップと、
各取得したデジタル画像について、磁気誘導層(120)によって反射され、対応する視野角θで撮像装置(202)によって収集された光のそれぞれ対応する強度Iをプロセッサにより計算するとともに、反射された光の計算した強度及び対応する視野角により、対応する反射光強度曲線I(θ)を求めるステップと、
プロセッサにより、反射光強度曲線I(θ)を、メモリに記憶された、前記磁気誘導層(120)についての基準反射光強度曲線Iref(θ)と比較するステップと、
比較の結果に基づいて磁気誘導層(120)が本物であるかどうかを判定するとともに、磁気誘導層(120)が本物であると判定された場合、セキュリティマーキング(100)が本物であることを示すメッセージ(M)を、通信ユニットにより通信ネットワーク(CN)を介してサーバ(S)に送信するステップと、
携帯デバイスからセキュリティマーキング(100)が本物であることを示すメッセージ(M)をサーバ(S)において受信した場合、サービスへのアクセスをユーザに許可するアクセスデータを含むサーバ許可メッセージ(SAM)を、サーバ(S)によって通信ネットワーク(CN)を介してユーザの通信デバイスに返送するステップと、
を含み得る。ユーザの通信デバイスは、携帯デバイス(200)そのものとすることができる。
[033]本発明のさらなる態様は、権限者によってユーザに交付された本発明によるセキュリティ文書(150)を検証するためのシステムであって、システムが、
データベース(DB)に接続されているとともに、通信ネットワーク(CN)を介してデータを送受信するように動作可能な、権限者のサーバ(S)と、
セキュリティ文書(150)に施された本発明によるセキュリティマーキング(100)を読み取るとともに復号する本発明による携帯デバイス(200)であって、
照明光を送達するように動作可能な光源(201)と、
撮像装置(202)と、
サーバ(S)に対して通信ネットワーク(CN)を通じてデータを送受信するように動作可能な通信ユニットと、
メモリが備わっているとともに、画像処理及び復号動作を行うように構成されて、撮像装置(202)によって撮られた、前記セキュリティマーキングのデジタル画像におけるセキュリティマーキング(100)を読み取るとともに復号する、上記方法のステップを実行するプロセッサと、
を備える、携帯デバイス(200)と、
を備え、
サーバ(S)及び携帯デバイス(200)が、ユーザのセキュリティ文書(150)を検証する方法の以下のステップ、すなわち
セキュリティ文書(150)のセキュリティマーキング(100)を光源(201)により照明するステップであって、セキュリティマーキング(100)が撮像装置(202)の視野内にある、照明するステップと、
照明されたセキュリティマーキング(100)の第1のデジタル画像を、第1の仰角γ1に関連付けられた第1の視野角θ1で撮像装置(202)により取得するとともに、取得した第1のデジタル画像をメモリに記憶するステップと、
照明されたセキュリティマーキング(100)の第2のデジタル画像を、第2の仰角γ2に関連付けられた第2の視野角θ2で撮像装置(202)により取得するとともに、取得した第2のデジタル画像をメモリに記憶するステップと、
記憶した第1のデジタル画像及び記憶した第2のデジタル画像から、プロセッサによる画像処理により、第1のデジタル画像及び第2のデジタル画像において検出された基準パターン(133)に対して、コードパターン(134)のうち、第1のデジタル画像において検出された、コードパターン(134)の第1のエリア(134a)に対応する第1の部分と、コードパターン(134)のうち、第2のデジタル画像において検出された、コードパターン(134)の第2のエリア(134b)に対応する第2の部分と、を位置合わせすることによって、コードパターン(134)の合成デジタル画像を形成するステップと、
プロセッサによる画像処理及び復号動作により、合成デジタル画像からコードパターン(134)を読み取るとともに復号し、コードパターン(134)の復号したデータからユーザIDデータ及び前記ユーザIDデータのデジタル署名を抽出し、抽出したユーザIDデータ及びデジタル署名をメモリに記憶するステップと、
メモリに記憶した抽出したユーザIDデータ及びデジタル署名を含む第1のメッセージ(M1)を、通信ユニット(CN)を介してサーバ(S)に送信するステップと、
サーバ(S)において、携帯デバイス(200)から第1のメッセージ(M1)において受信した抽出したデジタル署名を、データベース(DB)に記憶された前記復号鍵で解読するとともに、第1のメッセージ(M1)において受信した抽出したユーザIDデータが、受信した抽出したデジタル署名と一致するかを、確認するステップと、
一致する場合、ユーザIDデータの成功した検証を示すサーバメッセージ(SM)を携帯デバイス(200)に返送するステップと、
を実行するようにさらに構成されている、システムに関する。
データベース(DB)に接続されているとともに、通信ネットワーク(CN)を介してデータを送受信するように動作可能な、権限者のサーバ(S)と、
セキュリティ文書(150)に施された本発明によるセキュリティマーキング(100)を読み取るとともに復号する本発明による携帯デバイス(200)であって、
照明光を送達するように動作可能な光源(201)と、
撮像装置(202)と、
サーバ(S)に対して通信ネットワーク(CN)を通じてデータを送受信するように動作可能な通信ユニットと、
メモリが備わっているとともに、画像処理及び復号動作を行うように構成されて、撮像装置(202)によって撮られた、前記セキュリティマーキングのデジタル画像におけるセキュリティマーキング(100)を読み取るとともに復号する、上記方法のステップを実行するプロセッサと、
を備える、携帯デバイス(200)と、
を備え、
サーバ(S)及び携帯デバイス(200)が、ユーザのセキュリティ文書(150)を検証する方法の以下のステップ、すなわち
セキュリティ文書(150)のセキュリティマーキング(100)を光源(201)により照明するステップであって、セキュリティマーキング(100)が撮像装置(202)の視野内にある、照明するステップと、
照明されたセキュリティマーキング(100)の第1のデジタル画像を、第1の仰角γ1に関連付けられた第1の視野角θ1で撮像装置(202)により取得するとともに、取得した第1のデジタル画像をメモリに記憶するステップと、
照明されたセキュリティマーキング(100)の第2のデジタル画像を、第2の仰角γ2に関連付けられた第2の視野角θ2で撮像装置(202)により取得するとともに、取得した第2のデジタル画像をメモリに記憶するステップと、
記憶した第1のデジタル画像及び記憶した第2のデジタル画像から、プロセッサによる画像処理により、第1のデジタル画像及び第2のデジタル画像において検出された基準パターン(133)に対して、コードパターン(134)のうち、第1のデジタル画像において検出された、コードパターン(134)の第1のエリア(134a)に対応する第1の部分と、コードパターン(134)のうち、第2のデジタル画像において検出された、コードパターン(134)の第2のエリア(134b)に対応する第2の部分と、を位置合わせすることによって、コードパターン(134)の合成デジタル画像を形成するステップと、
プロセッサによる画像処理及び復号動作により、合成デジタル画像からコードパターン(134)を読み取るとともに復号し、コードパターン(134)の復号したデータからユーザIDデータ及び前記ユーザIDデータのデジタル署名を抽出し、抽出したユーザIDデータ及びデジタル署名をメモリに記憶するステップと、
メモリに記憶した抽出したユーザIDデータ及びデジタル署名を含む第1のメッセージ(M1)を、通信ユニット(CN)を介してサーバ(S)に送信するステップと、
サーバ(S)において、携帯デバイス(200)から第1のメッセージ(M1)において受信した抽出したデジタル署名を、データベース(DB)に記憶された前記復号鍵で解読するとともに、第1のメッセージ(M1)において受信した抽出したユーザIDデータが、受信した抽出したデジタル署名と一致するかを、確認するステップと、
一致する場合、ユーザIDデータの成功した検証を示すサーバメッセージ(SM)を携帯デバイス(200)に返送するステップと、
を実行するようにさらに構成されている、システムに関する。
[034]権限者によってユーザに交付された本発明によるセキュリティ文書(150)を検証する上記システムの第1の変形例では、サーバ(S)が、通信ネットワーク(CN)を介してユーザの通信デバイスにデータを送信するようにさらに構成され、
サーバ(S)及び携帯デバイス(200)は、サーバメッセージ(SM)を携帯デバイスに返送するステップの前に、以下の予備ステップ、すなわち
磁気誘導層(120)を光源(201)により照明するとともに、照明された磁気誘導層(120)の複数のデジタル画像を、撮像装置(202)により取得するステップであって、撮像装置(202)は、基材(110)の平面に対して平行に磁気誘導層(120)に対して相対的に撮像装置(202)を動かすことによって、各異なるデジタル画像について、磁気誘導層(120)に対して対応する異なる視野角θにある、ステップと、
各取得したデジタル画像について、磁気誘導層(120)によって反射され、対応する視野角θで撮像装置(202)によって収集された光のそれぞれ対応する強度Iをプロセッサにより計算するとともに、反射された光の計算した強度及び対応する視野角を記憶して対応する反射光強度曲線I(θ)を得るステップと、
得た反射光強度曲線I(θ)を含む第2のメッセージ(M2)を、通信ユニットにより通信ネットワーク(CN)を介してサーバ(S)に送信するステップと、
サーバ(S)において、第2のメッセージ(M2)において受信した反射光強度曲線I(θ)を、データベース(DB)に記憶された、前記磁気誘導層(120)についての基準反射光強度曲線Iref(θ)と比較するステップと、
サーバ(S)において、比較の結果に基づいて磁気誘導層(120)が本物であるかどうかを判定するステップと、
磁気誘導層(120)が本物であると判定された場合、ユーザIDデータの成功した検証を示すサーバメッセージ(SM)を、セキュリティマーキング(100)が本物であるという表示とともに携帯デバイス(200)に返送するとともに、サービスへのアクセスをユーザに許可するアクセスデータを含むサーバ許可メッセージ(SAM)を、サーバ(S)によって通信ネットワーク(CN)を介してユーザの通信デバイスに送信するステップと、
を実行するようにさらに構成されている。
サーバ(S)及び携帯デバイス(200)は、サーバメッセージ(SM)を携帯デバイスに返送するステップの前に、以下の予備ステップ、すなわち
磁気誘導層(120)を光源(201)により照明するとともに、照明された磁気誘導層(120)の複数のデジタル画像を、撮像装置(202)により取得するステップであって、撮像装置(202)は、基材(110)の平面に対して平行に磁気誘導層(120)に対して相対的に撮像装置(202)を動かすことによって、各異なるデジタル画像について、磁気誘導層(120)に対して対応する異なる視野角θにある、ステップと、
各取得したデジタル画像について、磁気誘導層(120)によって反射され、対応する視野角θで撮像装置(202)によって収集された光のそれぞれ対応する強度Iをプロセッサにより計算するとともに、反射された光の計算した強度及び対応する視野角を記憶して対応する反射光強度曲線I(θ)を得るステップと、
得た反射光強度曲線I(θ)を含む第2のメッセージ(M2)を、通信ユニットにより通信ネットワーク(CN)を介してサーバ(S)に送信するステップと、
サーバ(S)において、第2のメッセージ(M2)において受信した反射光強度曲線I(θ)を、データベース(DB)に記憶された、前記磁気誘導層(120)についての基準反射光強度曲線Iref(θ)と比較するステップと、
サーバ(S)において、比較の結果に基づいて磁気誘導層(120)が本物であるかどうかを判定するステップと、
磁気誘導層(120)が本物であると判定された場合、ユーザIDデータの成功した検証を示すサーバメッセージ(SM)を、セキュリティマーキング(100)が本物であるという表示とともに携帯デバイス(200)に返送するとともに、サービスへのアクセスをユーザに許可するアクセスデータを含むサーバ許可メッセージ(SAM)を、サーバ(S)によって通信ネットワーク(CN)を介してユーザの通信デバイスに送信するステップと、
を実行するようにさらに構成されている。
[035]権限者によってユーザに交付された本発明によるセキュリティ文書(150)を検証する上記システムの第2の変形例では、サーバ(S)が、通信ネットワーク(CN)を介してユーザの通信デバイスにデータを送信するようにさらに構成され、
サーバ(S)及び携帯デバイス(200)が、以下のステップ、すなわち
ユーザIDデータの成功した検証を示すサーバメッセージ(SM)をサーバ(S)によって送る場合、以下のさらなるステップ、すなわち
磁気誘導層(120)を光源により照明するとともに、照明された磁気誘導層(120)の複数のデジタル画像を、撮像装置(202)により取得するステップであって、撮像装置(202)は、基材(110)の平面に対して平行に磁気誘導層(120)に対して相対的に撮像装置(202)を動かすことによって、各異なるデジタル画像について、前記磁気誘導層(120)に対して対応する異なる視野角θにある、ステップと、
各取得したデジタル画像について、磁気誘導層(120)によって反射され、対応する視野角θで撮像装置(202)によって収集された光のそれぞれ対応する強度Iをプロセッサにより計算するとともに、反射された光の計算した強度及び対応する視野角により、対応する反射光強度曲線I(θ)を求めるステップと、
プロセッサにより、反射光強度曲線I(θ)を、メモリに記憶された、前記磁気誘導層(120)についての基準反射光強度曲線Iref(θ)と比較するステップと、
比較の結果に基づいて磁気誘導層(120)が本物であるかどうかを判定するとともに、磁気誘導層(120)が本物であると判定された場合、セキュリティマーキング(100)が本物であることを示すメッセージ(M)を、通信ユニットにより通信ネットワーク(CN)を介してサーバ(S)に送信するステップと、
携帯デバイス(200)からセキュリティマーキング(100)が本物であることを示すメッセージ(M)をサーバ(S)において受信した場合、サービスへのアクセスをユーザに許可するアクセスデータを含むサーバ許可メッセージ(SAM)を、サーバ(S)によって通信ネットワーク(CN)を介してユーザの通信デバイスに返送するステップと、
を実行するようにさらに構成されている。
サーバ(S)及び携帯デバイス(200)が、以下のステップ、すなわち
ユーザIDデータの成功した検証を示すサーバメッセージ(SM)をサーバ(S)によって送る場合、以下のさらなるステップ、すなわち
磁気誘導層(120)を光源により照明するとともに、照明された磁気誘導層(120)の複数のデジタル画像を、撮像装置(202)により取得するステップであって、撮像装置(202)は、基材(110)の平面に対して平行に磁気誘導層(120)に対して相対的に撮像装置(202)を動かすことによって、各異なるデジタル画像について、前記磁気誘導層(120)に対して対応する異なる視野角θにある、ステップと、
各取得したデジタル画像について、磁気誘導層(120)によって反射され、対応する視野角θで撮像装置(202)によって収集された光のそれぞれ対応する強度Iをプロセッサにより計算するとともに、反射された光の計算した強度及び対応する視野角により、対応する反射光強度曲線I(θ)を求めるステップと、
プロセッサにより、反射光強度曲線I(θ)を、メモリに記憶された、前記磁気誘導層(120)についての基準反射光強度曲線Iref(θ)と比較するステップと、
比較の結果に基づいて磁気誘導層(120)が本物であるかどうかを判定するとともに、磁気誘導層(120)が本物であると判定された場合、セキュリティマーキング(100)が本物であることを示すメッセージ(M)を、通信ユニットにより通信ネットワーク(CN)を介してサーバ(S)に送信するステップと、
携帯デバイス(200)からセキュリティマーキング(100)が本物であることを示すメッセージ(M)をサーバ(S)において受信した場合、サービスへのアクセスをユーザに許可するアクセスデータを含むサーバ許可メッセージ(SAM)を、サーバ(S)によって通信ネットワーク(CN)を介してユーザの通信デバイスに返送するステップと、
を実行するようにさらに構成されている。
[036]本発明は、添付の図面を参照しながら以下でさらに十分に説明され、種々の図全体を通じて、同様の符号が同様の要素を表し、発明の顕著な態様及び特徴が決して限定的ではなく例示される。
[037]以下の定義は、本明細書において論じられているとともに特許請求の範囲に記載された用語の意味を解釈するために用いられるものとする。
[038]本明細書において使用される場合、「少なくとも1つ」という用語は、1つ又は1つより多く、例えば、1つ又は2つ又は3つを定義することを意味する。
[039]本明細書において使用される場合、「約」という用語は、当該の量又は値が、指定された特定の値又はその近傍にある何らかの他の値であり得ることを意味する。一般に、特定の値を示す「約」という用語は、値の±5%以内の範囲を示すことを意図する。一例として、「約100」という語句は、100±5の範囲、すなわち、95~105の範囲を示す。一般に、「約」という用語が使用される場合、本発明による同様の結果又は効果を、示された値の±5%の範囲内で得ることできることが期待され得る。
[040]本明細書において使用される場合、「及び/又は」という用語は、前記群の要素のすべて又は1つのみのいずれかが存在し得ることを意味する。例えば、「A及び/又はB」は、「Aのみ、又はBのみ、或いは、A及びBの両方」を意味するものとする。「Aのみ」の場合、その用語は、Bが存在しない、すなわち、「Aのみが存在し、Bは存在しない」可能性も含む。
[041]本明細書において使用される「含む(備える)(comprising)」及び「含有する(containing)という用語は、非排他的であるとともに制約のないことを意図する。したがって、例えば、化合物Aを含む(備える)/含有する混合物は、A以外に他の化合物を含んでもよい。しかしながら、「含む(備える)」及び「含有する」という用語はまた、その特定の実施形態として、「本質的に~からなること」及び「~からなること」のより限定的な意味を含むため、例えば、「A、B及び任意選択でCを含む混合物」が、(本質的に)A及びBからなる、又は、(本質的に)A、B及びCからなることもある。
[042]本明細書に記載のセキュリティマーキング(100)は、好ましくは、紙又は他の繊維性材料(織繊維性及び不織繊維性材料を含む)、例えば、セルロース、紙含有材料、ガラス、金属、セラミック、プラスチック及びポリマー、金属化プラスチック又はポリマー、複合材料、並びにそれらの2つ以上の混合物又は組み合わせからなる群から選択される平らな基材(110)を含む。典型的な紙、紙様又は他の繊維性材料は、以下に限定しないが、マニラ麻、綿、リネン、木材パルプ、及びそれらのブレンドを含む、様々な繊維から作製される。しかしながら、異なる実施形態によれば、基材(110)は、プラスチック及びポリマー、金属化プラスチック又はポリマー、複合材料、並びにそれらの2つ以上の混合物又は組み合わせに基づき得る。プラスチック及びポリマーの適切な例は、ポリオレフィン、例えばポリエチレン(PE)及び二軸配向ポリプロピレン(BOPP)を含むポリプロピレン(PP)、ポリアミド、ポリエステル、例えばポリ(エチレンテレフタレート)(PET)、ポリ(1,4-ブチレンテレフタレート)(PBT)、ポリ(エチレン2,6-ナフトエート)(PEN)、並びにポリ塩化ビニル(PVC)を含む。スパンボンドオレフィン繊維、例えばタイベック(Tyvek)(登録商標)の商標で販売されているものもまた、基材として使用され得る。金属化プラスチック又はポリマーの典型的な例は、表面に連続的又は断続的に配置された金属を有する、上述のプラスチック又はポリマー材料を含む。金属の典型的な例として、以下に限定しないが、アルミニウム(A1)、クロム(Cr)、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)、それらの合金、及び前述の金属の2つ以上の組み合わせが挙げられる。上述のプラスチック又はポリマー材料の金属化は、電着プロセス、高真空コーティングプロセスによって、又はスパッタリングプロセスによって行われ得る。複合材料の典型的な例として、以下に限定しないが、紙及び上述したものなどの少なくとも1つのプラスチック又はポリマー材料の多層構造又はラミネート、並びに、上述したものなどの紙様又は繊維性材料中に組み込まれたプラスチック及び/又はポリマー繊維が挙げられる。当然のことながら、基材は、充填剤、サイズ剤、増白剤、加工助剤、補強又は湿潤強化剤などのような、当業者に既知のさらなる添加剤を含むことができる。
[043]本発明の一実施形態によれば、例えば図2に示すような、セキュリティマーキング(100)は、説明した複数の磁気配向した反射性の血小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子を含む材料から作製された磁気誘導層(120)を含み、前記顔料粒子は、材料内の所定の位置及び配向に固定又は凍結(固定/凍結)される。
図1に示すように、1次元粒子として考えることができる針状の顔料粒子とは対照的に、血小板状の顔料粒子は、それらの寸法の大きなアスペクト比のため準2次元粒子である。血小板状の顔料粒子は、2次元構造として考えることができ、軸線X及びYに沿った寸法が、軸線Z(すなわち、厚さ)に沿った寸法よりも実質的に大きい。血小板状の顔料粒子は、当該技術分野において扁平粒子又は扁平フレークとも呼ばれる。
図1に示すように、1次元粒子として考えることができる針状の顔料粒子とは対照的に、血小板状の顔料粒子は、それらの寸法の大きなアスペクト比のため準2次元粒子である。血小板状の顔料粒子は、2次元構造として考えることができ、軸線X及びYに沿った寸法が、軸線Z(すなわち、厚さ)に沿った寸法よりも実質的に大きい。血小板状の顔料粒子は、当該技術分野において扁平粒子又は扁平フレークとも呼ばれる。
[044]配向した反射性の血小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子は、その平らな形状により、非等方的な反射率を有する。本明細書において使用される場合、「非等方的な反射率」という用語は、第1の角度からの入射放射の、ある特定の(視野)方向(第2の角度)に粒子によって反射される割合が、粒子の配向の関数であること、つまり、第1の角度に対する粒子の配向の変化が視野方向への反射の異なる大きさにつながり得ることを意味する。本明細書に記載の、反射性の血小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子は、約400~約1000nm(すなわち、可視波長からNIR波長)、より好ましくは約400~約700nm(すなわち、可視範囲)の波長範囲のいくつかの部分又は全体で入射電磁放射に関して非等方的な反射率を有することが好ましく、そのため、粒子の配向の変化の結果、その粒子による、ある特定の方向への反射の変化が生じる。したがって、単位表面積あたり(例えば1μm2あたり)の固有反射率が血小板状の粒子の全表面にわたって一様であっても、粒子の可視面積はそれが視認される方向に依存するため、その形状に起因して、粒子の反射率は非等方的である。当業者によって知られているように、本明細書に記載の、反射性の血小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子は、従来の顔料とは以下の点、すなわち、前記従来の顔料粒子が粒子配向とは関係なく同じ色及び反射率を呈するのに対し、本明細書に記載の、磁性又は磁化可能顔料粒子は、反射若しくは色のいずれか又は両方を呈し、それが層の材料内の粒子配向に依存するという点で、異なる。材料層内に最初にランダムに分布した血小板状の顔料粒子を、層中で強い(均一な)磁界の印加によって配向させ、次いで、層の材料を続いて固化させることによって所定の位置に固定/凍結させた。血小板状の顔料粒子を次いで、それらの平らな面が、(例えばガウス分布のような)鋭いピークを有する統計的分布に従って、印加された磁界の(一軸)方向に好ましくは配向させた。したがって、顔料粒子は、統計的に配向し、それらの平坦面が層の平面に対して対応する仰角を有する。2つの平面間の角度は定義上、それぞれの平面に対して垂直であるベクトル間の角度であり、2つの平面の交点における(直)線に対して垂直なそれぞれの平面(panes)の2つの直線間の角度でもある。ここでは、配向した顔料粒子の平坦面に沿った直線は、前記顔料粒子の配向方向と(実質的に統計的分布に従って)整列される。この統計的分布の半値全幅(FWHM)により、磁力線の方向に対する平らな面の配向について対応する標準偏差を推定することが可能となる。したがって、(一軸)配向した血小板状の顔料粒子の面に対する法線方向は、実際には30°未満である、一軸配向方向の周りの傾き角を有し得る。種々の顔料粒子の面のより良好な相対配向を有するために(すなわち、傾き角を低減させ、したがって、面のより良好な相対平行度を有するために)、磁力線が(例えば図1に示すY軸線に沿って)第2の方向に配向している第2の磁界が(固化前に)印加され、すなわち、顔料粒子の面のそのような二軸配向により、上述した標準偏差が大幅に低減し、顔料粒子の面は、仰角に対応する定められた方向に依然として配向したまま(統計的に)互いに平行である。本発明の好ましい実施形態では、磁気誘導層の各ゾーンにおける顔料粒子の面が二軸配向した、二軸磁気誘導層が使用される。
[045]血小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子の適切な例として、以下に限定しないが、コバルト(Co)、鉄(Fe)、及びニッケル(Ni)からなる群から選択される磁性金属、鉄、マンガン、コバルト、ニッケル又はそれらの2つ以上の混合物の磁性合金、クロム、マンガン、コバルト、鉄、ニッケル又はそれらの2つ以上の混合物の磁性酸化物、或いは、それらの2つ以上の混合物を含む、顔料粒子が挙げられる。金属、合金及び酸化物に関する「磁性」という用語は、強磁性又はフェリ磁性の金属、合金及び酸化物を指す。クロム、マンガン、コバルト、鉄、ニッケル又はそれらの2つ以上の混合物の磁性酸化物は、純粋な酸化物であってもよく、又は混合酸化物であってもよい。磁性酸化物の例として、以下に限定しないが、ヘマタイト(Fe2O3)、マグネタイト(Fe3O4)、二酸化クロム(CrO2)、磁性フェライト(MFe2O4)、磁性スピネル(MR2O4)、磁性ヘキサフェライト(MFe12O19)、磁性オルソフェライト(RFeO3)、磁性ガーネットM3R2(AO4)3などの酸化鉄が挙げられ、ここで、Mは二価金属を表し、Rは三価金属を表し、Aは四価金属を表す。
[046]血小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子の他の例として、以下に限定しないが、コバルト(Co)、鉄(Fe)、又はニッケル(Ni)などの磁性金属、及び、鉄、コバルト又はニッケルの磁性合金のうちの1つ又は複数から作製される磁性層Mを含む顔料粒子が挙げられ、前記磁性又は磁化可能顔料粒子は、1つ又は複数の追加層を含む多層構造であり得る。1つ又は複数の追加層は、フッ化マグネシウム(MgF2)などの金属フッ化物、酸化ケイ素(SiO)、二酸化ケイ素(SiO2)、酸化チタン(TiO2)、及び酸化アルミニウム(Al2O3)からなる群から選択される1つ又は複数、より好ましくは二酸化ケイ素(SiO2)から独立して作製される、層A、或いは、金属及び金属合金からなる群から選択され、好ましくは反射性金属及び反射性金属合金からなる群から選択され、より好ましくはアルミニウム(AI)、クロム(Cr)、及びニッケル(Ni)からなる群から選択される1つ又は複数、さらにより好ましくはアルミニウム(AI)から独立して作製される層B、或いは、上述したもののような1つ又は複数の層Aと、上述したもののような1つ又は複数の層Bとの組み合わせであることが好ましい。上述した多層構造である血小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子の典型的な例として、以下に限定しないが、A/M多層構造、A/M/A多層構造、A/M/B多層構造、A/B/M/A多層構造、A/B/M/B多層構造、A/B/M/B/A多層構造、B/M多層構造、B/M/B多層構造、B/A/M/A多層構造、B/A/M/B多層構造、B/A/M/B/A多層構造が挙げられ、ここで、層A、磁性層M及び層Bは、上述したものから選択される。
[047]一実施形態によれば、好ましい血小板状の磁性又は磁化可能粒子の少なくとも一部は、血小板状の光学可変磁性又は磁化可能顔料粒子によって構成される。光学可変顔料とは、照度変化又は照度変化と色調変化との組み合わせを呈する顔料を指す。一実施形態によれば、血小板状の磁性又は磁化可能粒子の少なくとも一部は、金属色、より好ましくは銀色又は金色を呈する粒子によって構成される。
[048]血小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子は、磁性薄膜干渉顔料粒子、磁性コレステリック液晶顔料粒子、磁性材料を含む干渉被覆顔料粒子、及びそれらの2つ以上の混合物からなる群から選択されることが好ましい。
[049]磁性薄膜干渉顔料粒子は当業者に既知であり、例えば米国特許第4,838,648号、国際公開第2002/073250号、欧州特許0686675号、国際公開第2003/000801号、米国特許第6,838,166号、国際公開第2007/131833号、欧州特許出願公開第2402401号、国際公開第2019/103937号、国際公開第2020/006286号、及びこれらに引用されている文献に開示されている。磁性薄膜干渉顔料粒子は、5層ファブリ・ペロー多層構造を有する顔料粒子、及び/又は、6層ファブリ・ペロー多層構造を有する顔料粒子、及び/又は、7層ファブリ・ペロー多層構造を有する顔料粒子、及び/又は、1つ又は複数の多層ファブリ・ペロー構造を含む多層構造を有する顔料粒子を含むことが好ましい。
[050]好ましい5層ファブリ・ペロー多層構造は、吸収体/誘電体/反射体/誘電体/吸収体の多層構造からなり、ここでは反射体及び/又は吸収体は磁性層でもあり、反射体及び/又は吸収体は、ニッケル、鉄及び/又はコバルトを含む磁性層、及び/又は、ニッケル、鉄及び/又はコバルトを含む磁性合金、及び/又は、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)及び/又はコバルト(Co)を含む磁性酸化物であることが好ましい。
[051]好ましい6層ファブリ・ペロー多層構造は、吸収体/誘電体/反射体/磁性体/誘電体/吸収体の多層構造からなる。
[052]好ましい7層ファブリ・ペロー多層構造は、米国特許第4,838,648号に開示されているような吸収体/誘電体/反射体/磁性体/反射体/誘電体/吸収体の多層構造からなる。
[053]1つ又は複数のファブリ・ペロー構造を含む多層構造を有する好ましい顔料粒子は、国際公開第2019/103937号に記載されているものであり、少なくとも2つのファブリ・ペロー構造の組み合わせからなり、前記2つのファブリ・ペロー構造は、反射体層、誘電体層及び吸収体層を独立して含み、反射体及び/又は吸収体層はそれぞれ、1つ又は複数の磁性材料を独立して含むことができ、及び/又は、磁性層は、2つの構造間にサンドイッチされる。国際公開第2020/006/286号及び欧州特許出願公開第3587500号が、多層構造を有するさらに好ましい顔料粒子を開示している。
[054]本明細書に記載の反射体層は、金属及び金属合金からなる群から選択され、好ましくは反射性材料及び反射性金属合金からなる群から選択され、より好ましくはアルミニウム(Al)、銀(Ag)、銅(Cu)、金(Au)、白金(Pt)、スズ(Sn)、チタン(Ti)、パラジウム(pd)、ロジウム(Ph)、ニオブ(Nb)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、及びそれらの合金からなる群から選択され、さらに好ましくはアルミニウム(Al)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)及びそれらの合金からなる群から選択される1つ又は複数、さらにより好ましくはアルミニウム(AI)から独立して作製されることが好ましい。誘電体層は、フッ化マグネシウム(MgF2)、フッ化アルミニウム(AlF3)、フッ化セリウム(CeF3)、フッ化ランタン(LaF3)、フッ化ナトリウムアルミニウム(例えばNa3AlF6)、フッ化ネオジム(NdF3)、フッ化サマリウム(SmF3)、フッ化バリウム(BaF2)、フッ化カルシウム(CaF2)、フッ化リチウム(LiF)などの金属フッ化物、及び、酸化ケイ素(SiO)、二酸化ケイ素(SiO2)、酸化チタン(TiO2)、酸化アルミニウム(Al2O3)などの金属酸化物からなる群から選択され、より好ましくはフッ化マグネシウム(MgF2)及び二酸化ケイ素(SiO2)からなる群から選択される1つ又は複数、さらにより好ましくはフッ化マグネシウム(MgF2)から独立して作製されることが好ましい。吸収体層は、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、鉄(Fe)、スズ(Sn)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、ロジウム(Rh)、ニオブ(Nb)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、それらの金属酸化物、それらの金属硫化物、それらの金属炭化物、及びそれらの金属合金からなる群から選択され、より好ましくはクロム(Cr)、ニッケル(Ni)、それらの金属酸化物、及びそれらの金属合金からなる群から選択され、さらにより好ましくはクロム(Cr)、ニッケル(Ni)、及びそれらの金属合金からなる群から選択される1つ又は複数から独立して作製されることが好ましい。磁性層は、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)及び/又はコバルト(Co)、及び/又は、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)及び/又はコバルト(Co)を含む磁性合金、及び/又は、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)及び/又はコバルト(Co)を含む磁性酸化物を含むことが好ましい。
[055]7層ファブリ・ペロー構造を含む磁性薄膜干渉顔料粒子が好ましい場合、磁性薄膜干渉顔料粒子は、Cr/MgF2/Al/Ni/Al/MgF2/Crの多層構造からなる7層ファブリ・ペロー吸収体/誘電体/反射体/磁性体/反射体/誘電体/吸収体の多層構造を含むことが特に好ましい。
[056]本明細書に記載の磁性薄膜干渉顔料粒子は、人間の健康及び環境に対して安全であると考えられるとともに、例えば5層ファブリ・ペロー多層構造、6層ファブリ・ペロー多層構造及び7層ファブリ・ペロー多層構造に基づく、多層顔料粒子であってもよく、前記顔料粒子は、約40重量%~約90重量%の鉄、約10重量%~約50重量%のクロム及び約0重量%~約30重量%のアルミニウムを含む実質的にニッケルフリーの組成を有する磁性合金を含む1つ又は複数の磁性層を含む。人間の健康及び環境に対して安全であると考えられる多層顔料粒子の典型的な例は、欧州特許出願公開第2402401号に見出すことができ、その内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
[057]光学可変特性を示す適切な磁性コレステリック液晶顔料粒子として、以下に限定しないが、磁性単層コレステリック液晶顔料粒子及び磁性多層コレステリック液晶顔料粒子が挙げられる。そのような顔料粒子は、例えば国際公開第2006/063926号、米国特許第6,582,781号、及び米国特許第6,531,221号に開示されている。国際公開第2006/063926号は、高い輝度及び変色特性を有するほか、磁化可能性などの特定の特性を有する単層及びこの単層から得られた顔料粒子を開示している。開示された単層及び前記単層の粉砕によってこの単層から得られた顔料粒子は、3次元架橋したコレステリック液晶混合物及び磁性ナノ粒子を含む。米国特許第6,582、781号及び米国特許第6,410,130号は、配列A1/B/A2を含む血小板状のコレステリック多層顔料粒子を開示しており、ここで、A1及びA2は、同じであってもよく又は異なっていてもよく、それぞれが、少なくとも1つのコレステリック層を含み、Bは、中間層であって、層A1及びA2によって送られた光の全部又は一部を吸収するとともに磁気特性を前記中間層に付与する中間層である。米国特許第6,531,221号は、配列A/B、及び任意選択でCを含む血小板状のコレステリック多層顔料粒子を開示しており、ここで、A及びCは、磁気特性を付与する顔料粒子を含む吸収層であり、Bは、コレステリック層である。
[058]1つ又は複数の磁性材料を含む適切な干渉被覆顔料粒子は、以下に限定しないが、1つ又は複数の層で被覆されたコアからなる群から選択される基材からなる構造を含み、コア或いは1つ又は複数の層の少なくとも一方は、磁性を有する。例えば、適切な干渉被覆顔料粒子は、上述したもののような磁性材料から形成されたコアであって、1つ又は複数の金属酸化物から形成された1つ又は複数の層で被覆されたコアを含むか、或いは、合成又は天然雲母、層状ケイ酸塩(例えば、タルク、カオリン及び絹雲母)、ガラス(例えば、ホウケイ酸塩)、二酸化ケイ素(SiO2)、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化チタン(TiO2)、グラファイト、及びそれらの2つ以上の混合物から形成されたコアからなる構造を有する。さらに、着色層などの1つ又は複数の追加層が存在してもよい。
[059]本明細書に記載の血小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子は好ましくは、(直接光学粒度分布によって測定された場合)約2μm~約50μmの間のサイズd50を有する。
[060]本明細書に記載の血小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子は、それら粒子をコーティング組成物及びコーティング層中で生じ得るいかなる変質からも保護するために及び/又は前記コーティング組成物及びコーティング層へのそれら粒子の組み込みを容易にするために表面処理されてもよく、典型的に腐食防止材料及び/又は湿潤剤が使用されてもよい。
[061]本明細書に記載の磁気誘導層(120)は、a)本明細書に記載の反射性の血小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子を含むコーティング組成物を塗布するステップと、b)コーティング組成物を磁界発生装置の磁界に曝露することにより、反射性の血小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子の少なくとも一部を配向させるステップと、c)反射性の血小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子をその採用位置及び配向に固定するためにコーティング組成物を固化させるステップと、を含むプロセスによって調製される。
[062]本明細書に記載のコーティング組成物はバインダ材料中に分散した本明細書に記載の反射性の血小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子を含むことが好ましく、前記反射性の血小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子は、約2wt%~40wt%、より好ましくは約4wt%~約30wt%の量で存在し、重量パーセントは、バインダ材料、反射性の血小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子、及びコーティング組成物の他の任意選択的な成分を含むコーティング組成物の総重量に基づいている。本明細書に記載のコーティング組成物は、有機顔料粒子、無機顔料粒子及び有機色素からなる群から選択される1つ又は複数の着色成分、及び/又は、1つ又は複数の添加物をさらに含んでもよい。添加剤として、以下に限定しないが、粘度(例えば、溶剤、増粘剤及び界面活性剤)、堅さ(例えば、沈降防止剤、充填剤及び可塑剤)、発泡特性(例えば、消泡剤)、潤滑特性(ワックス、オイル)、UV安定性(光安定剤)、粘着特性、帯電防止特性、貯蔵安定性(重合抑制剤)などのような、コーティング組成物の物理的、レオロジー的及び化学的パラメータを調整するために使用される化合物及び材料が挙げられる。添加物の大きさの少なくとも1つが1~1000nmの範囲内にあるいわゆるナノマテリアルを含む、本明細書に記載の添加剤は、当該技術分野において既知の量及び形態でコーティング組成物中に存在してもよい。
[063]前の段落に記載した塗布するステップa)は、スクリーン印刷、輪転グラビア印刷及びフレキソ印刷からなる群から好ましくは選択される印刷プロセスによって実行される。これらのプロセスは、当業者によく知られており、例えば、Printing Technology、J.M.Adams及びP.A.Dolin、Delmar Thomson Learning、第5版、293、332、及び352ページに記載されている。本明細書に記載の反射性の血小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子を含むコーティング組成物が、その中の前記顔料粒子が移動及び回転することができるほどに依然として湿っているか又は柔らかい間(すなわち、コーティング組成物が第1の状態にある間)、コーティング組成物は、磁界を受けて粒子の配向を達成する。反射性の血小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子を磁気配向させるステップは、塗布されたコーティング組成物を、「湿っている」(すなわち、依然として液体であるが、粘性があり過ぎない)間に、磁界発生装置が発生させた予め定められた磁界に曝露することにより、例えば配向パターンを形成するために磁界の力線に沿って反射性の血小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子を配向させるステップを含む。
コーティング組成物の塗布に続いて、又は塗布と部分的に同時に、又は同時に、反射性の血小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子は、所望の配向パターンに従ってそれら粒子を配向させるために外部磁界の使用によって配向される。そのように得られる配向パターンは、ランダムな配向を除き、また、反射性の血小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子の磁気軸が層(120)に対して平行又は垂直に配向されているパターンを除き、いかなるパターンであってもよい。
コーティング組成物の塗布に続いて、又は塗布と部分的に同時に、又は同時に、反射性の血小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子は、所望の配向パターンに従ってそれら粒子を配向させるために外部磁界の使用によって配向される。そのように得られる配向パターンは、ランダムな配向を除き、また、反射性の血小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子の磁気軸が層(120)に対して平行又は垂直に配向されているパターンを除き、いかなるパターンであってもよい。
[064]本明細書に記載の磁気誘導層(120)を生成するプロセスは、ステップb)と部分的に同時に、又はステップb)に続いて、部分的に反射性の血小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子を所望のパターンのその採用位置及び配向に固定して磁気誘導層を形成するためにコーティング組成物を固化させることにより、コーティング組成物を第2の状態に変換するステップc)を含む。この固定によって、固体コーティング又は層が形成される。「固化」という用語は、塗布されたコーティング組成物中の、任意選択で存在する架橋剤、任意選択で存在する重合開始剤、及び任意選択で存在するさらなる添加剤を含む、バインダ成分を、表面に付着する本質的に固体の材料が形成されるような方法で、乾燥若しくは固体化、反応、硬化、架橋又は重合させることを含むプロセスを指す。本明細書において述べられるように、固化させるステップc)は、反射性の血小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子も含むコーティング組成物中に含まれる材料に応じて、様々な手段又はプロセスを使用することによって行われ得る。固化させるステップは概して、支持面に付着する実質的に固体の材料が形成されるようにコーティング組成物の粘度を増加させるいかなるステップであってもよい。固化させるステップは、溶媒などの揮発性成分の蒸発、及び/又は水蒸発(すなわち、物理的乾燥)に基づく、物理的プロセスを伴い得る。本明細書において、温風、赤外線又は温風と赤外線との組み合わせが用いられてもよい。代替的に、固化プロセスは、コーティング組成物中に含まれるバインダ及び任意選択的な開始剤化合物及び/又は任意選択的な架橋化合物の硬化、重合又は架橋などの化学反応を含んでもよい。そのような化学反応は、物理的な固化プロセスについて上記で概説したように熱又はIR照射によって開始されてもよいが、好ましくは、以下に限定しないが、紫外-可視光照射硬化(以下、UV-Vis硬化と呼ぶ)及び電子線照射硬化(Eビーム硬化)を含む照射機構、酸化重合(酸素と、コバルト含有触媒、バナジウム含有触媒、ジルコニウム含有触媒、ビスマス含有触媒、及びマンガン含有触媒からなる群から好ましくは選択される1つ又は複数の触媒との協同作用によって一般に引き起こされる酸化細網化)、架橋反応、又はそれらの任意の組み合わせによる、化学反応の開始を含み得る。照射硬化が特に好ましく、UV-Vis光照射硬化がさらに好ましいが、その理由は、これらの技術が有利に、非常に急速な硬化プロセスにつながり、ひいては、本明細書に記載の磁気誘導層を含むあらゆる文書の作製時間を劇的に減らすからである。さらに、照射硬化は、硬化照射線への曝露後にコーティング組成物の粘度の略同時の増加をもたらすため、粒子のそれ以上のいかなる動きも最小限になるという利点を有する。その結果、磁気配向ステップ後のいかなる情報の損失も、本質的に回避することができる。特に好ましいのは、UV-Vis電磁スペクトルの波長成分を有する化学光の影響下での、光重合による照射硬化である。UV可視硬化のための機器は、化学線照射線源として、連続又はパルスレーザ(例えば、GaN)、強力な発光ダイオード(LED)ランプ、又は、中圧水銀アーク(MPMA)若しくは金属蒸気アークランプなどのアーク放電ランプを含み得る。
[065]プライマー(140)、好ましくは暗いプライマー及びより好ましくは黒色プライマーが、基材(110)と磁気誘導層(120)との間に存在する場合、プライマー組成物を塗布するとともに固化させるステップが、前記磁気誘導層(120)の調製前に実行される。本明細書に記載のプライマー組成物は、インクジェット印刷プロセス、オフセット印刷プロセス、フレキソ印刷プロセス、グラビア印刷プロセス、スクリーン印刷プロセス、パッド印刷プロセス及びローラコーティングプロセスからなる群から好ましくは選択される、広く様々なコーティングプロセスによって塗布され得る。
[066]本明細書に記載の磁気誘導層(120)は、(少なくとも)2つのゾーン(図2Aを参照)、すなわち、平坦面が第1の方向に配向されているとともに、基材(110)に対して、前記平坦面と基材(110)の平面との間の角度に対応する第1の仰角γ1を有する、磁気配向した反射性の血小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子を含む、第1のゾーン(120a)と、平坦面が第1の方向とは異なる第2の方向に配向されているとともに、基材(110)に対して、前記平坦面と基材(110)の平面との間の角度に対応する第2の仰角γ2を有する、磁気配向した反射性の血小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子を含む、第1のゾーン(120a)とは異なる第2のゾーン(120b)と、を含む。基材の(上面)の基準平面に画定された何らかの定められた右側直交トライアド(例えば、x及びyが平面内にあり、z軸線が外側に配向している)に対応する共通の反時計回りの回転方向と一致する、磁気誘導層の2つのゾーンにおける仰角の定義を得るために、第1のゾーンにおける顔料粒子の平坦面の仰角γ1は、基材の平面と面の平面との間の、反時計回りと考えられる、すなわち、平坦面と基準平面との交点の(基準平面から平坦面にかけての)直線L1の周りの正回転についての角度であり、その一方、第2のゾーンにおける顔料粒子の平坦面の仰角γ2は、基材の平面と面の平面との間の、依然として反時計回りと考えられるが、今度は、平坦面と基準平面との交点の直線L2を線L1と整列させるためにその直線L2の基準平面における回転によって得られる一致する直線の周りの正回転についての角度である。2つの異なる粒子配向ゾーンにおける仰角を定めるこの方法は、仰角及び配向方向の明瞭な比較を容易にする。磁気誘導層(120)の各ゾーンにおいて、本発明に従って行われた実験的試験と一致して、基材(110)の平面に対する平坦面の鋭角は、好ましくは約5°~約25°の範囲内にある。さらに、前記実験的試験の結果として、照明されたセキュリティマーキング(100)が第1のゾーン及び第2のゾーンからの最良の光反射にそれぞれ対応する2つの視野角で観察した場合に2つのゾーン間に許容可能なコントラストを得るために、2つのゾーン(120a)及び(120b)における平坦面の2つの異なる配向方向は、好ましくは少なくとも30°の角度にある。各ゾーン(120a、120b)において顔料粒子の面が互いに略平行である(すなわち、各ゾーンにおける面に対する法線が略平行である、図2Aを参照)、図2に示す例では、第1の仰角γ1は、上記で規定したように反時計回り方向に測定された場合、約5°~約25°(5°≦γ1≦25°)、好ましくは約5°~約20°(5°≦γ1≦20°)の範囲にある値を有し、第2の仰角γ2は、上記で規定したように反時計回り方向に測定された場合、約155°~約175°(155°≦γ2≦175°)、より好ましくは約160°~約175°(160°≦γ2≦175°)の範囲にある値を有する。したがって、磁気誘導層(120)の第2のゾーン(120b)内の顔料粒子の面によって形成される鋭角、すなわち、仰角γ2に相補的な角度は、約5°(180°-175°=5°として)~約25°(180°-155°=25°として)の範囲内にある。
[067]図2Bに示す実施形態では、磁気誘導層(120)は、平らな基材(110)に塗布された材料の単一層内に、磁気配向した血小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子を含む。図2Cに示す実施形態では、磁気誘導層(120)は、2つのゾーン(120a)及び(120b)をそれぞれ形成する2つの異なるサブ層を含み、前記第1のサブ層及び第2のサブ層は隣り合っている、つまり、共通の境界線を形成する当接縁を有している。別の実施形態(図2Cに示さず)によれば、2つのゾーン(120a)及び(120b)をそれぞれ形成する2つの異なるサブ層は、互いから離間している。
[068]本明細書に記載の仰角を有する磁気配向した反射性の血小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子を含む磁気誘導層を使用する代わりに、例えば、回折格子、及び、マイクロレンズ又はマイクロミラー構造を含む層などの、回折的、反射的、屈折的なマイクロ構造が使用されてもよく、前記構造は、ファセットが本明細書に記載の特定の仰角を有するマイクロミラーを含む。
[069]本発明によれば、図3~図5に示すように、基準パターン(133)と、符号化データを表すコードパターン(134)と、を含む2次元バーコードの形態の、機械可読マーキング(130)が、磁気誘導層(120)の上面(121)、又は、基材(110)において前記基材(110)と磁気誘導層(120)の裏面(122)との間のいずれかに施され、コードパターンの第1のエリア(134a)が第1のゾーン(120a)の前方に配置され、コードパターン(134)の残りの第2のエリア(134b)が第2のゾーン(120b)の前方に配置される。機械可読マーキング(130)を読み取るとともに復号する際、画像処理動作時に基準パターン(133)がコードパターン(134)を正確に配置するために使用される。図5Bは、QRコード、及び、3つの正方形の形態のその特有の基準パターン(133)での実施形態を示す。図5Cは、L字状基準パターン(133)を有するデータマトリックスコードでの実施形態を示す。本発明に他の機械可読コードフォーマット(例えば、ドットマトリックス)をその基準パターンで使用することができる。基準パターンが磁気誘導層の外部のエリアにコードパターンとは別個にマーキングされる(しかしながら、機械可読マーキングを読み取る間、依然としてリーダの視野内になければならない)、機械可読マーキングを使用することも可能である。
[070]本明細書に記載の機械可読マーキング(130)は、印刷プロセス(特にインクジェット印刷)、エッチング法及びアブレーション法(特にレーザエッチング又はレーザ焼き付け)、エンボス法などを含む、任意の適切な手段によって作り出され得る。
[071]図3は、平らな基材(110)と、上面(121)及び裏面(122)を有する、異なる配向の磁気配向した反射性の血小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子を有する2つのゾーン(120a)及び(120b)を有する磁気誘導層(120)と、上面(131)及び裏面(132)を有し、磁気誘導層(120)と部分的に重なる、QRコードの形態の機械可読マーキング(130)と、を備える、本発明の一実施形態によるセキュリティマーキング(100)の分解斜視図である。ここで、機械可読マーキング(130)は、基材(110)に施される磁気誘導層(120)の上面に施される。コードパターン(134)の第1のエリア(134a)は、第1のゾーン(120a)の前方に配置され、コードパターン(134)の第2のエリア(134b)は、第2のゾーン(120b)の前方に配置される。本発明の効果は、コードパターンから十分な符号化データを取得するために、2つの異なる視野角であって、2つのゾーン(120a)及び(120b)内の顔料粒子の仰角及び配向にそれぞれ対応する視野角で、機械可読マーキング(130)の2つの異なる画像を撮る必要があることである。実際、単一の視野角下で撮像される場合、磁気誘導層(120)の2つのゾーン(120a)及び(120b)の光の反射率の差に起因して、撮像されたコードパターンの一部分だけ、すなわち、磁気誘導層のうち、最良のコントラストを与えるゾーンの前方にある、コードパターンのうち、コードパターンのエリアに対応する部分が、確実に検出されることができる(視野角が、前記ゾーン内の顔料粒子の面の仰角に対応する正しい角度である場合、顔料粒子の面の仰角が視野角を設定するため、その視野角において、面からの光の鏡面反射が光源の定められた位置について最大である)。したがって、単一の視野角から、コードパターン(134)のエリア(134a)及び(134b)の両方について同時に符号化データの検出のために所要のコントラストを得ることが可能ではない。完全な符号化データを確実に検出するために、磁気誘導層(120)の第1のゾーン(120a)及び第2のゾーン(120b)における顔料粒子の面のそれぞれの仰角に適合された2つの異なる視野角で、機械可読マーキング(130)の2つの画像を先に取得して、コードパターン(130)のうち、確実に検出することができる対応する部分のみを、各画像において得て、次いで、コードパターンの2つの検出された部分を再び組み立てるためにこれら2つの取得した画像から完全なコードパターンの画像を再構築する必要がある。2つの画像における共通の基準位置要素を得て2つの検出された部分を正確に再び組み立てるとともに完全なコードパターン(130)の復号可能な画像を再構築するために、再構築は、撮像された基準パターン(133)を使用することを必要とする。そのような再構築が可能である場合、撮像動作は、セキュリティマーキングの非常に特殊な構造に従って行われたこと、したがって、セキュリティマーキング(100)は、ほぼおそらく本物であることを暗示的に意味し、これが本発明のさらなる利点である。
[072]図4A~図4Cは、本発明によるセキュリティマーキング(100)の種々の実施形態を示す。セキュリティマーキング(100)の断面を示す図4Aの例では、磁気誘導層(120)が、基材(110)に施され、機械可読マーキング(130)が、磁気誘導(単)層(120)の上面(121)に施されており、機械可読マーキング(130)が磁気誘導層(120)と部分的に重なっている。
[073]セキュリティマーキング(100)の断面を示す図4Bの例では、暗いプライマー(140)(好ましくは黒色プライマー)が、基材(110)と磁気誘導層(120)との間に配置されている、つまり、暗いプライマー(140)は、その裏面(142)が基材(110)の上面に施されており、磁気誘導層(120)の裏面(122)が暗いプライマーの上面(141)に施されており、明るいシンボル又は暗いシンボルのいずれかにより符号化されている可能性がある、機械可読マーキング(130)が、磁気誘導層(120)と部分的に重なっている。
[074]セキュリティマーキング(100)の断面を示す図4Cの例では、機械可読マーキング(130)が、基材(110)の上面に施され、好ましくは暗いシンボルで符号化されており、磁気誘導層(120)の裏面(122)が、機械可読マーキング(130)の上面(113)に施され、機械可読マーキング(130)が磁気誘導層(120)と部分的に重なっている。
[075]上記で説明したように、2ゾーン磁気誘導層(120)を読み取るとともに復号することは、セキュリティマーキング(100)の(少なくとも)2つの画像を撮ることを必要とする。本発明によれば、セキュリティマーキング(100)を読み取るとともに復号する方法は、図6に示すように、好ましくは可視スペクトル又はNIRスペクトル(すなわち、400nm~1000nmの波長)における照明光を送達する光源(201)と、デジタル画像を撮る撮像装置(202)(例えば、スマートフォンのカメラ)と、メモリ(図示せず)が備わっているとともに画像処理及び復号動作を行うように構成されたプロセッサ(図示せず)と、が備わった携帯デバイス(200)(例えば、スマートフォン)を使用し、以下のステップを含む。
(i)撮像装置(202)の視野内に配置されたセキュリティマーキング(100)を、光源(201)によって送達される照明光により照明するステップ。例えば、光源は、スマートフォンのLED(「発光ダイオード」)フラッシュであり、撮像装置(スマートフォンのカメラ)と隣り合っている。
(ii)磁気誘導層(120)の第1のゾーン(120a)における顔料粒子の第1の仰角γ1に関連付けられた第1の視野角θ1で撮像装置(202)によりセキュリティマーキング(100)の第1のデジタル画像を取得するとともに、取得した第1のデジタル画像をメモリに記憶するステップ。上記のスマートフォンの例の場合、(準点状の)光源に非常に近い撮像装置により、第1のゾーン(120a)における顔料粒子の面によって反射される光の強度が最大となる視野角θ1は、第1のゾーン(120a)における顔料粒子の面に対して実質的に垂直な方向での撮像装置の位置に対応する。この視野角θ1により、コードパターン(134)のうち、磁気誘導層(120)の第2のゾーン(120b)に施された部分は、十分な光を反射しない(θ1は仰角γ2に適合されていない)ため、コードパターン(134)のうち、磁気誘導層(120)の第1のゾーン(120a)に施された部分のみが、第1のデジタル画像において(良好なコントラストにより)確実に読み取られることができる。
(iii)磁気誘導層(120)の第2のゾーン(120b)における顔料粒子の第2の仰角γ2に関連付けられた第2の視野角θ2で撮像装置(202)によりセキュリティマーキング(100)の第2のデジタル画像を取得するとともに、取得した第2のデジタル画像をメモリに記憶するステップ。撮像装置が光源に非常に近いスマートフォンの上記例の場合、第2のゾーン(120b)における顔料粒子の面によって反射される光の強度が最大となる視野角θ2は、第2のゾーン(120b)における顔料粒子の面に対して実質的に垂直な方向での撮像装置の位置に対応する。この視野角θ2により、コードパターン(134)のうち、磁気誘導層(120)の第1のゾーン(120a)に施された部分は、十分な光を反射しない(θ2は仰角γ1に適合されていない)ため、コードパターン(134)のうち、磁気誘導層(120)の第2のゾーン(120b)に施された部分のみが、第2のデジタル画像において(良好なコントラストにより)確実に読み取られることができる。
(iv)プロセッサによる画像処理により、記憶した第1のデジタル画像及び記憶した第2のデジタル画像から、(第1のデジタル画像及び第2のデジタル画像において検出された)基準パターン(133)に対して、コードパターン(134)のうち、第1のデジタル画像において検出された、コードパターンの第1のエリア(134a)に対応する第1の部分と、コードパターン(134)のうち、第2のデジタル画像において検出された、コードパターンの第2のエリア(134b)に対応する第2の部分と、を位置合わせすることによって、コードパターン(134)の合成デジタル画像(すなわち、再構築されたデジタル画像)を形成するとともに、得た合成デジタル画像をメモリに記憶するステップ。ここで、コードパターン(134)の第1の部分は、コードパターンのうち、磁気誘導層(120)の第1のゾーン(120a)の上面(121)に施された第1のエリア(134a)における部分であり、コードパターン(134)の第2の部分は、コードパターンのうち、磁気誘導層(120)の第2のゾーン(120b)の上面(121)に施された第2のエリア(134b)における部分である。
(v)記憶した合成デジタル画像から、すなわち、コードパターンの2つのエリアが同時及び確実に検出及び復号されることができる完全なコードパターンの再構築されたデジタル画像から、プロセッサによりコードパターン(134)を読み取るとともに復号するステップ。
(i)撮像装置(202)の視野内に配置されたセキュリティマーキング(100)を、光源(201)によって送達される照明光により照明するステップ。例えば、光源は、スマートフォンのLED(「発光ダイオード」)フラッシュであり、撮像装置(スマートフォンのカメラ)と隣り合っている。
(ii)磁気誘導層(120)の第1のゾーン(120a)における顔料粒子の第1の仰角γ1に関連付けられた第1の視野角θ1で撮像装置(202)によりセキュリティマーキング(100)の第1のデジタル画像を取得するとともに、取得した第1のデジタル画像をメモリに記憶するステップ。上記のスマートフォンの例の場合、(準点状の)光源に非常に近い撮像装置により、第1のゾーン(120a)における顔料粒子の面によって反射される光の強度が最大となる視野角θ1は、第1のゾーン(120a)における顔料粒子の面に対して実質的に垂直な方向での撮像装置の位置に対応する。この視野角θ1により、コードパターン(134)のうち、磁気誘導層(120)の第2のゾーン(120b)に施された部分は、十分な光を反射しない(θ1は仰角γ2に適合されていない)ため、コードパターン(134)のうち、磁気誘導層(120)の第1のゾーン(120a)に施された部分のみが、第1のデジタル画像において(良好なコントラストにより)確実に読み取られることができる。
(iii)磁気誘導層(120)の第2のゾーン(120b)における顔料粒子の第2の仰角γ2に関連付けられた第2の視野角θ2で撮像装置(202)によりセキュリティマーキング(100)の第2のデジタル画像を取得するとともに、取得した第2のデジタル画像をメモリに記憶するステップ。撮像装置が光源に非常に近いスマートフォンの上記例の場合、第2のゾーン(120b)における顔料粒子の面によって反射される光の強度が最大となる視野角θ2は、第2のゾーン(120b)における顔料粒子の面に対して実質的に垂直な方向での撮像装置の位置に対応する。この視野角θ2により、コードパターン(134)のうち、磁気誘導層(120)の第1のゾーン(120a)に施された部分は、十分な光を反射しない(θ2は仰角γ1に適合されていない)ため、コードパターン(134)のうち、磁気誘導層(120)の第2のゾーン(120b)に施された部分のみが、第2のデジタル画像において(良好なコントラストにより)確実に読み取られることができる。
(iv)プロセッサによる画像処理により、記憶した第1のデジタル画像及び記憶した第2のデジタル画像から、(第1のデジタル画像及び第2のデジタル画像において検出された)基準パターン(133)に対して、コードパターン(134)のうち、第1のデジタル画像において検出された、コードパターンの第1のエリア(134a)に対応する第1の部分と、コードパターン(134)のうち、第2のデジタル画像において検出された、コードパターンの第2のエリア(134b)に対応する第2の部分と、を位置合わせすることによって、コードパターン(134)の合成デジタル画像(すなわち、再構築されたデジタル画像)を形成するとともに、得た合成デジタル画像をメモリに記憶するステップ。ここで、コードパターン(134)の第1の部分は、コードパターンのうち、磁気誘導層(120)の第1のゾーン(120a)の上面(121)に施された第1のエリア(134a)における部分であり、コードパターン(134)の第2の部分は、コードパターンのうち、磁気誘導層(120)の第2のゾーン(120b)の上面(121)に施された第2のエリア(134b)における部分である。
(v)記憶した合成デジタル画像から、すなわち、コードパターンの2つのエリアが同時及び確実に検出及び復号されることができる完全なコードパターンの再構築されたデジタル画像から、プロセッサによりコードパターン(134)を読み取るとともに復号するステップ。
[076]上記で説明したように、機械可読マーキング(130)を確実に検出及び復号するために唯一できることは、磁気誘導層(120)の第1のゾーン(120a)及び第2のゾーン(120b)内の磁気配向した反射性の血小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子の特殊な配向に適合された2つの視野角で、コードパターン(134)の第1のエリア(134a)及び第2のエリア(134b)の2つの画像をそれぞれ撮ることである。セキュリティマーキング(100)の機械可読マーキングを復号することができるということは、磁気誘導層(120)の2ゾーン構造が、2つのゾーン(120a)及び(120b)内の顔料粒子の面の正しい仰角(すなわち正しい配向)に対応する視野角により確認されたことを示唆する。したがって、機械可読マーキング(130)を復号することができることは、セキュリティマーキング(100)の第1の認証段階を構成する。
[077]本発明によれば、セキュリティマーキング(100)のさらなる認証段階は、セキュリティマーキング(100)のまさに材料特性をさらに深く利用することによって到達することができる。これは、携帯デバイス(200)の撮像装置(202)をセキュリティマーキング(100)の上に(セキュリティマーキングに対して平行に)動かしながら様々な視野角θi(i=1,...,N)でセキュリティマーキングの複数のデジタル画像を撮ることによって、また、取得したデジタル画像から、磁気誘導層の各ゾーンについて、光源(201)によるセキュリティマーキングの照明時に、前記様々な視野角で前記ゾーンから反射した光の強度Iの対応する「曲線」I(θi)(i=1,...,N)を形成することによって、行われることができる。各曲線I(θ)は、磁気誘導層(120)の対応するゾーン内の磁気配向した反射性の血小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子の反射率を(強度が反射率の関数であるため)より詳細に分析することを可能にする。特に、反射率曲線R(θ)~I(θ)(R(θ)は平均反射率である)の正確な形状が、顔料粒子の性質及び配向と、関連するゾーンについての誘導層の材料とに特徴的であること、及び、そのゾーン内の顔料粒子の仰角値に関連付けられた視野角値の周りで特徴的な形状のピークを示すことは、2つの曲線の形状が曲線の類似性基準に基づいて合理的に一致するかどうかを判定するために、(セキュリティマーキングを交付した権限者に知られている)基準反射率曲線Rref(θ)~Iref(θ)と比較することができる。例えば、曲線は相関度を用いて比較することができる。別の方法は、線形回帰を行って、測定された曲線と基準曲線との線形関係を推定するとともに、傾きがどの程度近く一致に達しているか、また、適合度がどの程度近く一致に達しているかを評価することである。各曲線I(θ)は、対応するゾーンからの反射光の測定された平均強度Iから得られることが好ましい。これは、セキュリティマーキングの材料構造の有力な真正性検証となり、したがって、セキュリティマーキングの機械可読マーキング内の符号化データの真正性の検証ともなる。同様にセキュリティマーキングの認証に寄与する、本発明の別の利点は、磁気誘導層の種々のゾーン内の顔料粒子の相対配置に従って、機械可読マーキングの複数のデジタル画像を適切に取得するために実行される、セキュリティマーキングの上での撮像装置の動きの形式である。例えば、磁気誘導層が図2に示すものである場合、基材(110)の平面に対して垂直な平面内に両方とも含まれる第1のゾーン(120a)及び第2のゾーン(120b)内の顔料粒子の配向方向により、反射率曲線I(θ)を得るために複数のデジタル画像を取得するのに(前記垂直な平面内に含まれる方向に沿った)撮像装置(202)及びセキュリティマーキング(100)の相対的な平行移動の動きが必要とされる。しかしながら、磁気誘導層の顔料粒子の配向の2つ(又はそれ以上)のゾーンの異なる設計により(例えば、180°未満又は180°超の角度での配向方向により)相対的な動きは回転的な動きに対応する。反射率曲線I(θ)は、測定された平均強度Iから得られることが好ましい。しかしながら、セキュリティマーキングの認証に他のメトリックを使用することができる。さらなる実施形態は、真正な強度プロファイル(又は分散プロファイル若しくは画像エントロピーなどのような他の測定若しくは抽出された特徴)を真正でないものと区別することができる分類器又はニューラルネットワークベースの機械学習に基づく認証アルゴリズムを含み得る。
[078]セキュリティマーキングを認証する同等の方法の一例として、反射率曲線について磁気誘導層によって反射された光の強度(場合によっては平均強度)を測定する代わりに、種々の視野角θi(i=1,...,N)で撮られた、セキュリティマーキングの上述した複数のデジタル画像に、機械学習を適用することができる。そのような方法は、以下の3つのステップ、すなわち、特徴抽出、モデル訓練及び選択、並びに予測のステップを含む。
特徴抽出のステップに関して、撮像装置は、一連のRGB画像I(θ)を返し、ここで、θmin≦θ≦θmaxである。必要であれば、セキュリティマーキングの周りの対象領域(RoI)のみが、画像をクロッピングすることによって保存されてもよい。これらの画像は、(R.C.Gonzalez、T.E.Woods、「Digital Image Processing」、第4版、Pearsons、2017年に記載されているように)線形化されるとともにグレイスケールに変換されることができる。しかしながら、カラーチャネルの別個の処理も可能である。
特徴抽出のステップに関して、撮像装置は、一連のRGB画像I(θ)を返し、ここで、θmin≦θ≦θmaxである。必要であれば、セキュリティマーキングの周りの対象領域(RoI)のみが、画像をクロッピングすることによって保存されてもよい。これらの画像は、(R.C.Gonzalez、T.E.Woods、「Digital Image Processing」、第4版、Pearsons、2017年に記載されているように)線形化されるとともにグレイスケールに変換されることができる。しかしながら、カラーチャネルの別個の処理も可能である。
[079]各画像について、1つ又は複数のメトリック関数f(θ)が計算される。画像に適用される画像メトリックの十分な説明は、R.C.Gonzales及びT.E.Woodsの前掲書に見出すことができる。メトリックは、画像強度に対して直接、又は、離散フーリエ変換(DFT)若しくは離散ウェーブレット変換(DWT)などの変換に対しての、いずれかで計算することができる。使用することができる有用なメトリックには、平均、標準偏差及びエントロピーがある。使用されるメトリックに応じて、メトリックを基準の隣り合うRoIの平均強度だけスケールする必要があり得る(この動作により撮像装置の可変曝露時間及びマークの照射のあらゆる変動を補償することが可能となる)。
全ての測定値が同じスケールを有するためには、メトリックを角度の一様なサンプリンググリッドで評価せねばならない。これらの角度は、サンプルに対する法線の周りで対称でなければならない。この一様のグリッドをθ=[θ1...θN]として示すことができ、ここで、Nは角度の数である(例えばN=21)。実際、一様に離隔した角度での走査が常に可能であるとは限らず、メトリックの補間を行わねばならないことがある。走査手順の終了時に、特徴ベクトルxT=[f(θ1)f(θ1)...f(θN)]=[x1x1...xN]が得られる。異なるセキュリティマーキングの変動性を考慮するために、異なるセキュリティマーキングにM回の走査をさらに行うことによって、サイズがN×Mである、データセットXT=[x1...xM]が構築される。
全ての測定値が同じスケールを有するためには、メトリックを角度の一様なサンプリンググリッドで評価せねばならない。これらの角度は、サンプルに対する法線の周りで対称でなければならない。この一様のグリッドをθ=[θ1...θN]として示すことができ、ここで、Nは角度の数である(例えばN=21)。実際、一様に離隔した角度での走査が常に可能であるとは限らず、メトリックの補間を行わねばならないことがある。走査手順の終了時に、特徴ベクトルxT=[f(θ1)f(θ1)...f(θN)]=[x1x1...xN]が得られる。異なるセキュリティマーキングの変動性を考慮するために、異なるセキュリティマーキングにM回の走査をさらに行うことによって、サイズがN×Mである、データセットXT=[x1...xM]が構築される。
[080]モデル訓練及び選択のステップに関して、分類及び検出のための一般的な機械学習技術が、C.M.Bishop、「Pattern Recognition and Machine Learning」、Springer、2009年に記載されている。ここでは、認証問題は、真の特徴ベクトルを偽物又は攻撃と区別することに至る。しかしながら、真の特徴ベクトルが既知であり、入手可能であるのに対し、他の特徴ベクトルは未知であるか、又は希少であるかいずれかである。したがって、2クラスの分類器を直接訓練することは実行不可能である。O.Mazhelis、「One-Class Classifiers:A Review and Analysis of Suitability in the Context of Mobile-Masquerader Detection」、South African Computer Journal、第36欄、29-48ページ、2006年に記載されているように、認証は、1クラスの分類に等価であるように示されることができる。このシナリオでは、分類器モデルは、それらのパラメータ及び判定境界を学習するには真の特徴ベクトルだけに依拠する。これらのうち、サポートベクトルデータ記述(SVDD)、v-サポートベクトル分類(v-SVC)、混合ガウスモデル(GMM)、及び、オートエンコーダなどの深層学習モデルが、実用的に興味深い。モデルの選択は、訓練中のそのパフォーマンスによって決まり、その複雑さによって制約もされる。等価のパフォーマンスでは、より単純なモデルが好ましい。
[081]モデルを訓練する前に、データセットXが以下の図に示すように前処理され、以下のステップが行われる。
-サンプルクリーンアップ。飽和したサンプル又は特徴が欠けているサンプルなどの欠陥サンプルが破棄される。
-サンプル正規化。特徴ベクトルが単位エネルギーに正規化される。
-特徴標準化。特徴平均μ(θd)及び特徴標準偏差σ(θd)が推定されるとともに特徴ごとに取り除かれる。
-サンプルトレンド除去。一定次数Ρの低次多項式トレンドが各サンプルにおいて推定されるとともに取り除かれる。
-特徴削減。特徴間の相関が取り除かれ、問題の次元が削減される。ここでは、例えば、削減はN=21からK=3~5へのものであるとすることができる。より低い次元の最適化問題はより速く収束し、より容易な検査を可能にする。このステップは、サイズがN×Kである、ベクトル部分空間V=[v1...vK]を生成する、主成分分析(PCA)により達成される(C.M.Bishopの書、「Pattern Recognition and Machine Learning」、Springer、2009年を参照)。PCAの後、データセットXを部分空間Vに射影し、その結果、サイズがK×Nである、縮小特徴データセットX’T=[x’1...x’N]が得られる。このデータセットは、候補1クラス分類モデルのパラメータΘを学習するために使用される。最後に、最良の候補が予測のために保持される。
-サンプルクリーンアップ。飽和したサンプル又は特徴が欠けているサンプルなどの欠陥サンプルが破棄される。
-サンプル正規化。特徴ベクトルが単位エネルギーに正規化される。
-特徴標準化。特徴平均μ(θd)及び特徴標準偏差σ(θd)が推定されるとともに特徴ごとに取り除かれる。
-サンプルトレンド除去。一定次数Ρの低次多項式トレンドが各サンプルにおいて推定されるとともに取り除かれる。
-特徴削減。特徴間の相関が取り除かれ、問題の次元が削減される。ここでは、例えば、削減はN=21からK=3~5へのものであるとすることができる。より低い次元の最適化問題はより速く収束し、より容易な検査を可能にする。このステップは、サイズがN×Kである、ベクトル部分空間V=[v1...vK]を生成する、主成分分析(PCA)により達成される(C.M.Bishopの書、「Pattern Recognition and Machine Learning」、Springer、2009年を参照)。PCAの後、データセットXを部分空間Vに射影し、その結果、サイズがK×Nである、縮小特徴データセットX’T=[x’1...x’N]が得られる。このデータセットは、候補1クラス分類モデルのパラメータΘを学習するために使用される。最後に、最良の候補が予測のために保持される。
[082]予測のステップに関して、このステップは、データセットに対して、データクリーンアップ、サンプル正規化、特徴標準化、トレンド除去、部分空間射影、モデル決定関数計算の動作を行う。最後に、部分空間射影による特徴削減の後、学習したパラメータを用いた分類器の決定関数が計算される(I.GoodFellow、Y.Bengio、A.Courville、「Deep Learning」、MIT Press、2016年も参照)。
[083]QRコードとしての機械可読マーキング(130)の例(図3及び図5Aを参照)に関する、反射率曲線I(θ)に基づく上記方法の実施形態の一例では、磁気誘導層(120)と機械可読マーキング(130)との重なりは、コード基準パターン(133)及びクロックの検出を維持するように選択される(このようにして、コードパターン(134)は、必ずしも復号されないがあらゆる視野角で常に配置されることができる)。QRコードは、よく知られた標準化した記号表示法であり、QRコードの画像から得た特徴又はグラフィック要素から以下の3つの基本動作が行われることを可能にするようにグラフィカルに構成されている。
1)適切な画像処理アルゴリズムによってロバスト及び正確に検出可能である特定のグラフィック設計(基準パターン(133))を用いたコードの配置。
2)2つの直交方向に1つ又は複数のライン(複数可)に沿って配置された連続した交互の暗いモジュール及び明るいモジュール(図5Aに見ることができるクロック)からのサンプリンググリッド及びモジュールサイズの抽出。
3)データ、符号化モード及びエラー補正エリアが、図5Aの(右縁側の)他の領域におけるQRコードに含まれる。データは、特定の符号化アルゴリズムによる記号の特定のエリアにおける明るいモジュール及び暗いモジュールとして符号化される。
セキュリティマーキング(100)の機械可読マーキング(130)は、
照明光を送達する光源(201)と、
セキュリティマーキング(100)のデジタル画像を撮る撮像装置(202)(カメラ)と、
メモリが備わっているとともに、撮像装置(202)によって撮られたセキュリティマーキング(100)のデジタル画像に上記方法のステップを行うように構成されたプロセッサと、を備える携帯デバイス(200)により、読み取られるとともに復号される。
1)適切な画像処理アルゴリズムによってロバスト及び正確に検出可能である特定のグラフィック設計(基準パターン(133))を用いたコードの配置。
2)2つの直交方向に1つ又は複数のライン(複数可)に沿って配置された連続した交互の暗いモジュール及び明るいモジュール(図5Aに見ることができるクロック)からのサンプリンググリッド及びモジュールサイズの抽出。
3)データ、符号化モード及びエラー補正エリアが、図5Aの(右縁側の)他の領域におけるQRコードに含まれる。データは、特定の符号化アルゴリズムによる記号の特定のエリアにおける明るいモジュール及び暗いモジュールとして符号化される。
セキュリティマーキング(100)の機械可読マーキング(130)は、
照明光を送達する光源(201)と、
セキュリティマーキング(100)のデジタル画像を撮る撮像装置(202)(カメラ)と、
メモリが備わっているとともに、撮像装置(202)によって撮られたセキュリティマーキング(100)のデジタル画像に上記方法のステップを行うように構成されたプロセッサと、を備える携帯デバイス(200)により、読み取られるとともに復号される。
[084]図7に示すように、復号方法(700)により、セキュリティマーキング(100)の第1のデジタル画像シーケンスが、セキュリティマーキング(100)に対して撮像装置(202)の様々な視野角で取得され(701)、それら視野角は、第1の視野角θ1(磁気誘導層の第1のゾーン(120a)内の顔料粒子の仰角γ1に関連付けられている)に近い。機械可読マーキング(130)に対する撮像装置の姿勢が、以下で説明される方法で、取得したデジタル画像シーケンスを用いて推定される(702)(この情況では、位置と配向との組み合わせがコンピュータビジョンにおける物体の姿勢と呼ばれる)。撮像装置の姿勢は、様々な許容判定基準に対して確認され、例えば、基材(110)の法線に対して15°±3°について、シーケンスからのデジタル画像が十分に鮮明かどうか確認する(703)。例えば、Weberコントラスト、Michelsonコントラスト、RMSコントラストを確認することによる。検討されたデジタル画像が容認されない場合(703、「N」すなわち「いいえ」)、シーケンスの次のデジタル画像が検討される(701)。ある姿勢が許容判定基準に合格すると、その姿勢に対応するデジタル画像がさらに処理される(703、「Y」すなわち「はい」)。そのデジタル画像は次いで、予め定められた解像度を用いてその射影ひずみが補正されるとともにリサンプリングされる(704)。撮像装置の姿勢情報と、セキュリティマーキングの設計における磁気誘導層(120)の場所の演繹的知識とを用いて、デジタル画像のうち、磁気誘導層の第1のゾーンが存在する部分だけを保つようにマスクを形成することができる(705)。
[085]同じ処理が、第2の視野角θ2に近い様々な視野角で撮像装置(202)により繰り返される(706~710)。第2の視野角θ2は、磁気誘導層(120)の第2のゾーン(120b)内の顔料粒子の仰角γ2に関連付けられた視野角である。
[086]ステップ(704)で得られ、その後、ステップ(705)でマスクされたデジタル画像と、ステップ(709)で得られ、その後、(710)でマスクされたデジタル画像とが、ステップ(711)で組み合わされて、その結果、合成デジタル画像を形成する。ステップ(711)で得た合成デジタル画像は次いで、デコーダによりステップ(712)で復号され(エラー補正を含む)、コードパターン(134)のデータ内容が抽出される。2つのデジタル画像をステップ(711)で組み合わせることは、既知のデジタル画像処理アルゴリズムにより達成することができ、このアルゴリズムは、2つのデジタル画像をステッチし、機械可読マーキング全体にわたるコントラスト及び強度を調整する。別の可能性は、上記のようなθ1及びθ2に近い視野角でそれぞれ撮られた、セキュリティマーキング(100)の2つのデジタル画像A及びBに、以下の動作、すなわち、
画像A(コードパターン(134)の第1の部分に対応する)から「部分」コードパターンを配置する動作であって、サンプリンググリッドが標準的なコード検出技術を用いて構築される、配置する動作と、
画像Aの部分コードパターンの2進表現B1を形成する動作と、
画像B(コードパターン(134)の第2の部分に対応する)から「部分」コードパターンを配置する動作であって、サンプリンググリッドが標準的なコード検出技術を用いて構築される、配置する動作と、
画像Bの部分コードパターンの2進表現B2を形成する動作と、
得た、画像A及びBのコードパターンの2進表現B1及びB2を、2進表現のすべての対応するモジュールに真理値表を適用することによって組み合わせる動作(つまり、B1における「黒」モジュール及びB2における黒モジュールが、組み合わさった2進表現CBの黒モジュールをもたらし、B1における「白」モジュール及びB2における「白」モジュールが、CBにおける白モジュールをもたらし、B1における黒(又は白)モジュール及びB2における白(又は黒)モジュールが、CBにおける白モジュールをもたらす)動作と、
得た、(完全な)コードパターンの組み合わさった2進表現CBに、標準的なコードエラー補正アルゴリズムを適用して、存在し得るエラーの可能性を補償し、コードパターン(134)の、エラーのない合成デジタル画像を得る動作と、
を行うことである。
画像A(コードパターン(134)の第1の部分に対応する)から「部分」コードパターンを配置する動作であって、サンプリンググリッドが標準的なコード検出技術を用いて構築される、配置する動作と、
画像Aの部分コードパターンの2進表現B1を形成する動作と、
画像B(コードパターン(134)の第2の部分に対応する)から「部分」コードパターンを配置する動作であって、サンプリンググリッドが標準的なコード検出技術を用いて構築される、配置する動作と、
画像Bの部分コードパターンの2進表現B2を形成する動作と、
得た、画像A及びBのコードパターンの2進表現B1及びB2を、2進表現のすべての対応するモジュールに真理値表を適用することによって組み合わせる動作(つまり、B1における「黒」モジュール及びB2における黒モジュールが、組み合わさった2進表現CBの黒モジュールをもたらし、B1における「白」モジュール及びB2における「白」モジュールが、CBにおける白モジュールをもたらし、B1における黒(又は白)モジュール及びB2における白(又は黒)モジュールが、CBにおける白モジュールをもたらす)動作と、
得た、(完全な)コードパターンの組み合わさった2進表現CBに、標準的なコードエラー補正アルゴリズムを適用して、存在し得るエラーの可能性を補償し、コードパターン(134)の、エラーのない合成デジタル画像を得る動作と、
を行うことである。
[087]撮像装置(202)の姿勢推定は、いくつかの既知の方法を用いて行うことができる。そのうちの2つを図8A及び図8Bにそれぞれ概略的に示す。
[088]姿勢推定の1つの可能な方法は、以下の通りである(図8Aを参照)。
機械可読マーキング(130)が平らな面に施され、取得したデジタル画像シーケンス(801)が、(例えば、Vuforia、ARCore又はARKitなどの)市販の平面抽出ライブラリに送られる(802)。そのライブラリは、施された機械可読マーキングの平面に対する撮像装置の推定した姿勢を返す(803)。
機械可読マーキング(130)が平らな面に施され、取得したデジタル画像シーケンス(801)が、(例えば、Vuforia、ARCore又はARKitなどの)市販の平面抽出ライブラリに送られる(802)。そのライブラリは、施された機械可読マーキングの平面に対する撮像装置の推定した姿勢を返す(803)。
[089]姿勢推定の別の可能な方法は、以下の通りである(図8Bを参照)(基準パターンが姿勢推定に適切でない場合、基準マーク、例えば、CCTagがセキュリティマーキングに加えられ得る)。
取得したデジタル画像(804)は、(従来の画像処理により)処理されて、グラフィックデザイン情報(すなわち、基準パターンの配置)を抽出し(805)、マーキングのタイプ(ここでは、QRコード)に特有の既知のパターンマッチング又は検出器、例えば、CCTag、ARTag、ARToolKitタグなどを使用することによって、基準パターン(133)を検出し(806)、例えば、OpenCVライブラリからのSolvePnPプログラム(例えば、V.Lepetitら、「An accurate o(n) solution to the pnp problem」、International Journal of Computer Vision、81(2)、155~166ページ、2009年からの記事を参照)を使用することによって、基準パターンの検出した配置を用いて姿勢推定を行う(807)。しかしながら、多くの他の姿勢推定方法が当業者に知られている。
取得したデジタル画像(804)は、(従来の画像処理により)処理されて、グラフィックデザイン情報(すなわち、基準パターンの配置)を抽出し(805)、マーキングのタイプ(ここでは、QRコード)に特有の既知のパターンマッチング又は検出器、例えば、CCTag、ARTag、ARToolKitタグなどを使用することによって、基準パターン(133)を検出し(806)、例えば、OpenCVライブラリからのSolvePnPプログラム(例えば、V.Lepetitら、「An accurate o(n) solution to the pnp problem」、International Journal of Computer Vision、81(2)、155~166ページ、2009年からの記事を参照)を使用することによって、基準パターンの検出した配置を用いて姿勢推定を行う(807)。しかしながら、多くの他の姿勢推定方法が当業者に知られている。
[090]本発明を実施するために、他のタイプの機械可読マーキング、例えば、その基準パターンがL字状の形態であるデータマトリックス(図5Cを参照)を使用することができる。
[091]図9は、本発明によるセキュリティ文書(150)の一例、ここでは、ユーザの氏名、住所及び生年月日を示す印刷されたIDデータ(151)を有する、ユーザJohne DoeのIDカードを示す。このセキュリティ文書は、権限者によってユーザに交付されており、この権限者は文書のセキュリティマーキング(100)を適用している。セキュリティマーキング(100)の機械可読マーキング(130)のコードパターン(134)は、ユーザの符号化デジタルIDデータ(ここでは、印刷されたIDデータに対応する)と、これらデジタルIDデータのデジタル署名と、を含む。デジタル署名は、権限者によって交付され、暗号鍵(対応する復号鍵とともに、権限者のデータベースに記憶されている)により得られる。セキュリティマーキング(100)は、図5Cに示すもの(すなわち、2次元GS1データマトリックスバーコード)に対応する。機械可読マーキングのデータ記憶容量に応じて、コードパターン(130)に追加IDデータ(例えば、ユーザの生体認証データ、場合によってはユーザの写真)を符号化することができる。
[092]図10は、図9に示すセキュリティ文書をコントローラによって検証する方法のフローチャートである。図6に示すような携帯デバイス(200)であって、コードパターン(134)内の符号化データをデジタル署名するために使用される暗号鍵Kが対応する復号鍵K’とともに記憶されるデータベース(DB)(図11も参照)に接続された、権限者のサーバ(S)に対して、通信ネットワーク(CN)を通じてデータを送受信するように動作可能な通信ユニットがさらに備わった携帯デバイスを有するコントローラによって、セキュリティ文書(150)を検証するこの方法は、以下のステップ(図6も参照)、すなわち、
セキュリティ文書(150)におけるセキュリティマーキング(100)を携帯デバイス(200)の撮像装置(202)の視野内に(コントローラによって)配置するステップ(1000)と、
セキュリティ文書(150)のセキュリティマーキング(100)を携帯デバイス(200)の光源(201)により照明するステップ(1001)と、
照明された磁気誘導層(120)の第1のデジタル画像を、前記磁気誘導層(120)の第1のゾーン(120a)内の磁気配向した反射性の血小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子の第1の仰角γ1に関連付けられた第1の視野角θ1で撮像装置(202)により取得するとともに、取得した第1のデジタル画像をメモリに記憶するステップ(1002)と、
照明された磁気誘導層(120)の第2のデジタル画像を、前記磁気誘導層(120)の第2のゾーン(120b)内の磁気配向した反射性の血小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子の第2の仰角γ2に関連付けられた第2の視野角θ2で撮像装置(202)により取得するとともに、取得した第2のデジタル画像をメモリに記憶するステップ(1003)と、
記憶した第1のデジタル画像及び記憶した第2のデジタル画像から、プロセッサによる画像処理により、第1のデジタル画像及び第2のデジタル画像において検出された基準パターン(133)(ここでは、L字状のデータマトリックス)に対して、コードパターン(134)のうち、第1のデジタル画像において検出された、コードパターン(134)の第1のエリア(134a)に対応する第1の部分と、コードパターン(134)のうち、第2のデジタル画像において検出された、コードパターン(134)の第2のエリア(134b)に対応する第2の部分と、を位置合わせすることによって、コードパターン(134)の合成デジタル画像を形成するステップ(1004)と、
得た合成デジタル画像からコードパターン(134)を読み取るとともに復号し、コードパターンの復号したデータから、プロセッサによる画像処理及び復号動作により、ユーザIDデータUID及び前記ユーザIDデータのデジタル署名UIDSを抽出し、抽出したユーザIDデータUID及びデジタル署名UIDSをメモリに記憶するステップ(1005)と、
メモリに記憶した抽出したユーザIDデータUID及びデジタル署名UIDSを含む第1のメッセージ(M1)を、通信ユニットを介してサーバ(S)に送信するステップ(1006)と、
サーバ(S)において、携帯デバイス(200)から第1のメッセージ(M1)において受信した抽出したデジタル署名UIDSを、データベース(DB)に記憶された復号鍵K’で解読するとともに、第1のメッセージ(M1)において受信した抽出したユーザIDデータUIDが、解読した抽出したデジタル署名UIDSと一致するかを、確認するステップ(1007)と、
一致する場合、ユーザIDデータの成功した検証を示すサーバメッセージ(SM)を携帯デバイス(200)に返送するステップ(1008)と、
第1のメッセージ(M1)において受信した抽出したユーザIDデータUIDが、解読した抽出したデジタル署名UIDSと一致しない場合、ユーザIDデータの検証が失敗したことを示すサーバアラートメッセージ(SALM)を携帯デバイス(200)に返送するステップ(1009)と、
を含む。
携帯デバイス(200)によってサーバアラートメッセージ(SALM)が受信された場合、この携帯デバイスを使用するコントローラが、セキュリティ文書が本物ではないことを知らせ、例えば、この偽造されたセキュリティ文書を作製したユーザに関して必要な措置をとることがある。
セキュリティ文書(150)におけるセキュリティマーキング(100)を携帯デバイス(200)の撮像装置(202)の視野内に(コントローラによって)配置するステップ(1000)と、
セキュリティ文書(150)のセキュリティマーキング(100)を携帯デバイス(200)の光源(201)により照明するステップ(1001)と、
照明された磁気誘導層(120)の第1のデジタル画像を、前記磁気誘導層(120)の第1のゾーン(120a)内の磁気配向した反射性の血小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子の第1の仰角γ1に関連付けられた第1の視野角θ1で撮像装置(202)により取得するとともに、取得した第1のデジタル画像をメモリに記憶するステップ(1002)と、
照明された磁気誘導層(120)の第2のデジタル画像を、前記磁気誘導層(120)の第2のゾーン(120b)内の磁気配向した反射性の血小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子の第2の仰角γ2に関連付けられた第2の視野角θ2で撮像装置(202)により取得するとともに、取得した第2のデジタル画像をメモリに記憶するステップ(1003)と、
記憶した第1のデジタル画像及び記憶した第2のデジタル画像から、プロセッサによる画像処理により、第1のデジタル画像及び第2のデジタル画像において検出された基準パターン(133)(ここでは、L字状のデータマトリックス)に対して、コードパターン(134)のうち、第1のデジタル画像において検出された、コードパターン(134)の第1のエリア(134a)に対応する第1の部分と、コードパターン(134)のうち、第2のデジタル画像において検出された、コードパターン(134)の第2のエリア(134b)に対応する第2の部分と、を位置合わせすることによって、コードパターン(134)の合成デジタル画像を形成するステップ(1004)と、
得た合成デジタル画像からコードパターン(134)を読み取るとともに復号し、コードパターンの復号したデータから、プロセッサによる画像処理及び復号動作により、ユーザIDデータUID及び前記ユーザIDデータのデジタル署名UIDSを抽出し、抽出したユーザIDデータUID及びデジタル署名UIDSをメモリに記憶するステップ(1005)と、
メモリに記憶した抽出したユーザIDデータUID及びデジタル署名UIDSを含む第1のメッセージ(M1)を、通信ユニットを介してサーバ(S)に送信するステップ(1006)と、
サーバ(S)において、携帯デバイス(200)から第1のメッセージ(M1)において受信した抽出したデジタル署名UIDSを、データベース(DB)に記憶された復号鍵K’で解読するとともに、第1のメッセージ(M1)において受信した抽出したユーザIDデータUIDが、解読した抽出したデジタル署名UIDSと一致するかを、確認するステップ(1007)と、
一致する場合、ユーザIDデータの成功した検証を示すサーバメッセージ(SM)を携帯デバイス(200)に返送するステップ(1008)と、
第1のメッセージ(M1)において受信した抽出したユーザIDデータUIDが、解読した抽出したデジタル署名UIDSと一致しない場合、ユーザIDデータの検証が失敗したことを示すサーバアラートメッセージ(SALM)を携帯デバイス(200)に返送するステップ(1009)と、
を含む。
携帯デバイス(200)によってサーバアラートメッセージ(SALM)が受信された場合、この携帯デバイスを使用するコントローラが、セキュリティ文書が本物ではないことを知らせ、例えば、この偽造されたセキュリティ文書を作製したユーザに関して必要な措置をとることがある。
[093]コントローラがユーザのセキュリティ文書(図9に示すような)を検証することを可能にする上述した動作を行うように構成されたシステムを図11に概略的に示す。図には、暗号鍵K及びその対応する復号鍵K’が記憶されるデータベース(DB)に接続された、セキュリティ文書(150)をユーザに交付した権限者のサーバ(S)が表されている。コントローラの携帯デバイス(200)はスマートフォンである。ここでは、スマートフォンの画面が、セキュリティ文書の検証が成功したことを示すサーバメッセージ(SM)を表示する(例えば、情報OKが表示される)。
[094]本発明による、ユーザのセキュリティ文書を検証する上記方法、及び、前記検証を実行するのに必要な動作を実施する対応するシステムは、セキュリティマーキングの詳細な認証を伴ういくつかの変形例を有してもよい。特に、何らかのオンラインサービス(例えば、銀行取引、オンライン登録、オンライン決済など)へのアクセスをユーザに許可するために検証方法が用いられる場合である。
[095]検証方法の第1の変形例の一実施形態では、図6に示すような本発明による携帯デバイス(200)としても機能するように(例えば、スマートフォンにおいて実行するために画像処理及び復号動作のための適切なアプリケーションをダウンロードしていることによって)適切にプログラムされた自身のスマートフォンを携帯したユーザを考えている。スマートフォンには、図9に示すセキュリティ文書(150)に対応するIDカードをユーザに交付した権限者のサーバ(S)に対して通信ネットワーク(CN)を通じてデータを送受信するように動作可能な通信ユニットが備わっている。サーバ(S)は、IDカードに施されたセキュリティマーキング(100)の機械可読マーキング(130)のコードパターン(134)内の符号化データをデジタル署名するために使用される暗号鍵Kを、対応する復号鍵K’とともに記憶するデータベース(DB)に接続される。以下のステップ、すなわち、
セキュリティ文書(150)におけるセキュリティマーキング(100)をスマートフォン(200)の撮像装置(202)の視野内に(ユーザによって)配置するステップ(1200)と、
セキュリティ文書(150)のセキュリティマーキング(100)をスマートフォン(200)の光源(201)により照明するステップ(1201)であって、照明が、ユーザによるスマートフォンのフラッシュの発光によるものである、照明するステップ(1201)と、
照明された磁気誘導層(120)の第1のデジタル画像を、前記磁気誘導層(120)の第1のゾーン(120a)内の磁気配向した反射性の血小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子の第1の仰角γ1に関連付けられた第1の視野角θ1で撮像装置(202)により(ユーザによって)取得するとともに、取得した第1のデジタル画像をスマートフォンのメモリに記憶するステップ(1202)と、
照明された磁気誘導層(120)の第2のデジタル画像を、前記磁気誘導層(120)の第2のゾーン(120b)内の磁気配向した反射性の血小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子の第2の仰角γ2に関連付けられた第2の視野角θ2で撮像装置(202)により(ユーザによって)取得するとともに、取得した第2のデジタル画像をスマートフォンのメモリに記憶するステップ(1203)と、
記憶した第1のデジタル画像及び記憶した第2のデジタル画像から、スマートフォンのプロセッサによる画像処理により、第1のデジタル画像及び第2のデジタル画像において検出された基準パターン(133)(L字状のデータマトリックス)に対して、コードパターン(134)のうち、第1のデジタル画像において検出された、コードパターン(134)の第1のエリア(134a)に対応する第1の部分と、コードパターン(134)のうち、第2のデジタル画像において検出された、コードパターン(134)の第2のエリア(134b)に対応する第2の部分と、を位置合わせすることによって、コードパターン(134)の合成デジタル画像を形成するステップ(1204)と、
得た合成デジタル画像からコードパターン(134)を読み取るとともに復号し、コードパターンの復号したデータから、スマートフォンのプロセッサによる画像処理及び復号動作により、ユーザIDデータUID及び前記ユーザIDデータのデジタル署名UIDSを抽出し、抽出したユーザIDデータUID及びデジタル署名UIDSをスマートフォンのメモリに記憶するステップ(1205)と、
メモリに記憶した抽出したユーザIDデータUID及びデジタル署名UIDSを含む第1のメッセージ(M1)を、スマートフォン(200)の通信ユニットを介してサーバ(S)に送信するステップ(1206)と、
サーバ(S)において、スマートフォン(200)から第1のメッセージ(M1)において受信した抽出したデジタル署名UIDSを、データベースに記憶された復号鍵K’で解読するとともに、第1のメッセージ(M1)において受信した抽出したユーザIDデータUIDが、解読した抽出したデジタル署名UIDSと一致するかを、確認するステップ(1207)と、
磁気誘導層(120)を光源(201)により照明するとともに、照明された磁気誘導層(120)の複数のデジタル画像、例えば10枚の画像を、撮像装置(202)により取得するステップであって、撮像装置(202)は、各異なるデジタル画像について、基材(110)の平面に対して平行に磁気誘導層(120)に対して相対的に撮像装置(202)を動かすこと(スマートフォンの撮像装置のこの動き、ここでは平行移動が、ユーザによって行われる)によって、前記磁気誘導層(120)に対して対応する異なる視野角θにある、ステップ(1208)と、
各取得したデジタル画像について、磁気誘導層(120)によって反射され、対応する視野角θで撮像装置(202)によって収集された光のそれぞれ対応する平均強度Iをスマートフォンのプロセッサにより計算するとともに、反射された光の計算した平均強度及び対応する視野角を(スマートフォンのメモリに)記憶して対応する反射光強度曲線I(θ)を得るステップ(1209)と、
得た反射光強度曲線I(θ)を含む第2のメッセージ(M2)を、スマートフォン(200)の通信ユニットにより通信ネットワーク(CN)を介してサーバ(S)に送信するステップ(1210)と、
サーバ(S)において、第2のメッセージ(M2)において受信した反射光強度曲線I(θ)を、データベース(DB)に記憶された、前記磁気誘導層(120)についての基準反射光強度曲線Iref(θ)と比較するステップ(1211)と、
サーバ(S)において、比較の結果に基づいて磁気誘導層(120)が本物であるかどうかを判定するステップ(1212)と、
磁気誘導層(120)が本物であると判定された場合、ユーザIDデータの成功した検証を示すサーバメッセージ(SM’)を、セキュリティマーキング(100)が本物であるという表示とともにスマートフォン(200)に返送するとともに、オンラインサービスへのアクセスをユーザに許可するアクセスデータ(例えば、オンライン登録のためのパスワード)を含むサーバ許可メッセージ(SAM)を、サーバ(S)によって通信ネットワーク(CN)を介してユーザのスマートフォン(200)に送信するステップ(1213)と、
第1のメッセージ(M1)において受信した抽出したユーザIDデータUIDが、解読した抽出したデジタル署名UIDSと一致しない場合、又は、磁気誘導層(120)が偽造されたものと判定される場合、ユーザIDデータの検証が失敗したことを示すサーバアラートメッセージ(SALM)をスマートフォン(200)に返送するステップ(1214)と、
が実行される。
セキュリティ文書(150)におけるセキュリティマーキング(100)をスマートフォン(200)の撮像装置(202)の視野内に(ユーザによって)配置するステップ(1200)と、
セキュリティ文書(150)のセキュリティマーキング(100)をスマートフォン(200)の光源(201)により照明するステップ(1201)であって、照明が、ユーザによるスマートフォンのフラッシュの発光によるものである、照明するステップ(1201)と、
照明された磁気誘導層(120)の第1のデジタル画像を、前記磁気誘導層(120)の第1のゾーン(120a)内の磁気配向した反射性の血小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子の第1の仰角γ1に関連付けられた第1の視野角θ1で撮像装置(202)により(ユーザによって)取得するとともに、取得した第1のデジタル画像をスマートフォンのメモリに記憶するステップ(1202)と、
照明された磁気誘導層(120)の第2のデジタル画像を、前記磁気誘導層(120)の第2のゾーン(120b)内の磁気配向した反射性の血小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子の第2の仰角γ2に関連付けられた第2の視野角θ2で撮像装置(202)により(ユーザによって)取得するとともに、取得した第2のデジタル画像をスマートフォンのメモリに記憶するステップ(1203)と、
記憶した第1のデジタル画像及び記憶した第2のデジタル画像から、スマートフォンのプロセッサによる画像処理により、第1のデジタル画像及び第2のデジタル画像において検出された基準パターン(133)(L字状のデータマトリックス)に対して、コードパターン(134)のうち、第1のデジタル画像において検出された、コードパターン(134)の第1のエリア(134a)に対応する第1の部分と、コードパターン(134)のうち、第2のデジタル画像において検出された、コードパターン(134)の第2のエリア(134b)に対応する第2の部分と、を位置合わせすることによって、コードパターン(134)の合成デジタル画像を形成するステップ(1204)と、
得た合成デジタル画像からコードパターン(134)を読み取るとともに復号し、コードパターンの復号したデータから、スマートフォンのプロセッサによる画像処理及び復号動作により、ユーザIDデータUID及び前記ユーザIDデータのデジタル署名UIDSを抽出し、抽出したユーザIDデータUID及びデジタル署名UIDSをスマートフォンのメモリに記憶するステップ(1205)と、
メモリに記憶した抽出したユーザIDデータUID及びデジタル署名UIDSを含む第1のメッセージ(M1)を、スマートフォン(200)の通信ユニットを介してサーバ(S)に送信するステップ(1206)と、
サーバ(S)において、スマートフォン(200)から第1のメッセージ(M1)において受信した抽出したデジタル署名UIDSを、データベースに記憶された復号鍵K’で解読するとともに、第1のメッセージ(M1)において受信した抽出したユーザIDデータUIDが、解読した抽出したデジタル署名UIDSと一致するかを、確認するステップ(1207)と、
磁気誘導層(120)を光源(201)により照明するとともに、照明された磁気誘導層(120)の複数のデジタル画像、例えば10枚の画像を、撮像装置(202)により取得するステップであって、撮像装置(202)は、各異なるデジタル画像について、基材(110)の平面に対して平行に磁気誘導層(120)に対して相対的に撮像装置(202)を動かすこと(スマートフォンの撮像装置のこの動き、ここでは平行移動が、ユーザによって行われる)によって、前記磁気誘導層(120)に対して対応する異なる視野角θにある、ステップ(1208)と、
各取得したデジタル画像について、磁気誘導層(120)によって反射され、対応する視野角θで撮像装置(202)によって収集された光のそれぞれ対応する平均強度Iをスマートフォンのプロセッサにより計算するとともに、反射された光の計算した平均強度及び対応する視野角を(スマートフォンのメモリに)記憶して対応する反射光強度曲線I(θ)を得るステップ(1209)と、
得た反射光強度曲線I(θ)を含む第2のメッセージ(M2)を、スマートフォン(200)の通信ユニットにより通信ネットワーク(CN)を介してサーバ(S)に送信するステップ(1210)と、
サーバ(S)において、第2のメッセージ(M2)において受信した反射光強度曲線I(θ)を、データベース(DB)に記憶された、前記磁気誘導層(120)についての基準反射光強度曲線Iref(θ)と比較するステップ(1211)と、
サーバ(S)において、比較の結果に基づいて磁気誘導層(120)が本物であるかどうかを判定するステップ(1212)と、
磁気誘導層(120)が本物であると判定された場合、ユーザIDデータの成功した検証を示すサーバメッセージ(SM’)を、セキュリティマーキング(100)が本物であるという表示とともにスマートフォン(200)に返送するとともに、オンラインサービスへのアクセスをユーザに許可するアクセスデータ(例えば、オンライン登録のためのパスワード)を含むサーバ許可メッセージ(SAM)を、サーバ(S)によって通信ネットワーク(CN)を介してユーザのスマートフォン(200)に送信するステップ(1213)と、
第1のメッセージ(M1)において受信した抽出したユーザIDデータUIDが、解読した抽出したデジタル署名UIDSと一致しない場合、又は、磁気誘導層(120)が偽造されたものと判定される場合、ユーザIDデータの検証が失敗したことを示すサーバアラートメッセージ(SALM)をスマートフォン(200)に返送するステップ(1214)と、
が実行される。
[096]反射率曲線I(θ)及びIref(θ)が携帯デバイス(200)によって比較される、検証方法の第2の変形例の一実施形態でもやはり、図6に示すような本発明による携帯デバイス(200)としても機能するように適切にプログラムされた自身のスマートフォンを携帯したユーザを考えている。スマートフォンには、図9に示すセキュリティ文書(150)に対応するIDカードをユーザに交付した権限者のサーバ(S)に対して通信ネットワーク(CN)を通じてデータを送受信するように動作可能な通信ユニットが備わっている。サーバ(S)は、IDカードに施されたセキュリティマーキング(100)の機械可読マーキング(130)のコードパターン(134)内の符号化データをデジタル署名するために使用される暗号鍵Kを、対応する復号鍵K’とともに記憶するデータベース(DB)に接続される。以下のステップ、すなわち、
IDカード(150)におけるセキュリティマーキング(100)をスマートフォン(200)の撮像装置(202)の視野内に(ユーザによって)配置するステップ(1300)と、
セキュリティ文書(150)のセキュリティマーキング(100)をスマートフォン(200)の光源(201)により照明するステップ(1301)であって、照明が、ユーザによるスマートフォンのフラッシュの発光によるものである、照明するステップ(1301)と、
照明された磁気誘導層(120)の第1のデジタル画像を、前記磁気誘導層(120)の第1のゾーン(120a)内の磁気配向した反射性の血小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子の第1の仰角γ1に関連付けられた第1の視野角θ1でスマートフォン(200)の撮像装置(202)により(ユーザによる撮像によって)取得するとともに、取得した第1のデジタル画像をスマートフォンのメモリに記憶するステップ(1302)と、
照明された磁気誘導層(120)の第2のデジタル画像を、前記磁気誘導層(120)の第2のゾーン(120b)内の磁気配向した反射性の血小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子の第2の仰角γ2に関連付けられた第2の視野角θ2で撮像装置(202)により(ユーザによって)取得するとともに、取得した第2のデジタル画像をスマートフォン(200)のメモリに記憶するステップ(1303)と、
記憶した第1のデジタル画像及び記憶した第2のデジタル画像から、スマートフォンのプロセッサによる画像処理により、第1のデジタル画像及び第2のデジタル画像において検出された基準パターン(133)(L字状のデータマトリックス)に対して、コードパターン(134)のうち、第1のデジタル画像において検出された、コードパターン(134)の第1のエリア(134a)に対応する第1の部分と、コードパターン(134)のうち、第2のデジタル画像において検出された、コードパターン(134)の第2のエリア(134b)に対応する第2の部分と、を位置合わせすることによって、コードパターン(134)の合成デジタル画像を形成するステップ(1304)と、
得た合成デジタル画像からコードパターン(134)を読み取るとともに復号し、コードパターンの復号したデータから、スマートフォン(200)のプロセッサによる画像処理及び復号動作により、ユーザIDデータUID及び前記ユーザIDデータのデジタル署名UIDSを抽出し、抽出したユーザIDデータUID及びデジタル署名UIDSをスマートフォンのメモリに記憶するステップ(1305)と、
メモリに記憶した抽出したユーザIDデータUID及びデジタル署名UIDSを含む第1のメッセージ(M1)を、スマートフォン(200)の通信ユニットを介してサーバ(S)に送信するステップ(1306)と、
サーバ(S)において、スマートフォン(200)から第1のメッセージ(M1)において受信した抽出したデジタル署名UIDSを、データベース(DB)に記憶された復号鍵K’で解読するとともに、第1のメッセージ(M1)において受信した抽出したユーザIDデータUIDが、解読した抽出したデジタル署名UIDSと一致するかを、確認するステップ(1307)と、
一致する場合、ユーザIDデータの成功した検証を示すサーバメッセージ(SM)をスマートフォン(200)に返送するステップ(1308)と、
ユーザIDデータの成功した検証を示すサーバメッセージ(SM)をサーバ(S)によって送る場合、IDカード(150)における機械可読マーキング(130)の磁気誘導層(120)を光源(201)により(ユーザによって)照明するとともに、照明された磁気誘導層(120)の複数のデジタル画像を、スマートフォン(200)の撮像装置(202)により取得するステップであって、撮像装置(202)は、各異なるデジタル画像について、基材の平面に対して平行に磁気誘導層(120)に対して相対的に撮像装置(202)を動かすこと(ここでは、ユーザが、セキュリティマーキングに対して平行に撮像装置の平行移動を行う)によって、前記磁気誘導層(120)に対して対応する異なる視野角θにある、ステップ(1309)と、
各取得したデジタル画像について、磁気誘導層(120)によって反射され、対応する視野角θで撮像装置(202)によって収集された光のそれぞれ対応する平均強度Iをプロセッサにより計算するとともに、反射された光の計算した平均強度及び対応する視野角により、対応する反射光強度曲線I(θ)を求めるステップ(1310)と、
スマートフォン(200)のプロセッサにより、反射光強度曲線I(θ)を、スマートフォンのメモリに記憶された、前記磁気誘導層(120)についての基準反射光強度曲線Iref(θ)と比較するステップ(1311)と、
スマートフォン(200)のプロセッサにより、比較の結果に基づいて磁気誘導層(120)が本物であるかどうかを判定するとともに、磁気誘導層(120)が本物であると判定された場合、セキュリティマーキング(100)が本物であることを示すメッセージ(M)を、スマートフォンの通信ユニットにより通信ネットワーク(CN)を介してサーバ(S)に送信するステップ(1312)と、
スマートフォン(200)からセキュリティマーキング(100)が本物であることを示すメッセージ(M)をサーバ(S)において受信した場合、オンラインサービスへのアクセスをユーザに許可するアクセスデータを含むサーバ許可メッセージ(SAM)を、サーバ(S)によって通信ネットワーク(CN)を介してユーザのスマートフォン(200)に返送するステップ(1313)と、
が実行される。
IDカード(150)におけるセキュリティマーキング(100)をスマートフォン(200)の撮像装置(202)の視野内に(ユーザによって)配置するステップ(1300)と、
セキュリティ文書(150)のセキュリティマーキング(100)をスマートフォン(200)の光源(201)により照明するステップ(1301)であって、照明が、ユーザによるスマートフォンのフラッシュの発光によるものである、照明するステップ(1301)と、
照明された磁気誘導層(120)の第1のデジタル画像を、前記磁気誘導層(120)の第1のゾーン(120a)内の磁気配向した反射性の血小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子の第1の仰角γ1に関連付けられた第1の視野角θ1でスマートフォン(200)の撮像装置(202)により(ユーザによる撮像によって)取得するとともに、取得した第1のデジタル画像をスマートフォンのメモリに記憶するステップ(1302)と、
照明された磁気誘導層(120)の第2のデジタル画像を、前記磁気誘導層(120)の第2のゾーン(120b)内の磁気配向した反射性の血小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子の第2の仰角γ2に関連付けられた第2の視野角θ2で撮像装置(202)により(ユーザによって)取得するとともに、取得した第2のデジタル画像をスマートフォン(200)のメモリに記憶するステップ(1303)と、
記憶した第1のデジタル画像及び記憶した第2のデジタル画像から、スマートフォンのプロセッサによる画像処理により、第1のデジタル画像及び第2のデジタル画像において検出された基準パターン(133)(L字状のデータマトリックス)に対して、コードパターン(134)のうち、第1のデジタル画像において検出された、コードパターン(134)の第1のエリア(134a)に対応する第1の部分と、コードパターン(134)のうち、第2のデジタル画像において検出された、コードパターン(134)の第2のエリア(134b)に対応する第2の部分と、を位置合わせすることによって、コードパターン(134)の合成デジタル画像を形成するステップ(1304)と、
得た合成デジタル画像からコードパターン(134)を読み取るとともに復号し、コードパターンの復号したデータから、スマートフォン(200)のプロセッサによる画像処理及び復号動作により、ユーザIDデータUID及び前記ユーザIDデータのデジタル署名UIDSを抽出し、抽出したユーザIDデータUID及びデジタル署名UIDSをスマートフォンのメモリに記憶するステップ(1305)と、
メモリに記憶した抽出したユーザIDデータUID及びデジタル署名UIDSを含む第1のメッセージ(M1)を、スマートフォン(200)の通信ユニットを介してサーバ(S)に送信するステップ(1306)と、
サーバ(S)において、スマートフォン(200)から第1のメッセージ(M1)において受信した抽出したデジタル署名UIDSを、データベース(DB)に記憶された復号鍵K’で解読するとともに、第1のメッセージ(M1)において受信した抽出したユーザIDデータUIDが、解読した抽出したデジタル署名UIDSと一致するかを、確認するステップ(1307)と、
一致する場合、ユーザIDデータの成功した検証を示すサーバメッセージ(SM)をスマートフォン(200)に返送するステップ(1308)と、
ユーザIDデータの成功した検証を示すサーバメッセージ(SM)をサーバ(S)によって送る場合、IDカード(150)における機械可読マーキング(130)の磁気誘導層(120)を光源(201)により(ユーザによって)照明するとともに、照明された磁気誘導層(120)の複数のデジタル画像を、スマートフォン(200)の撮像装置(202)により取得するステップであって、撮像装置(202)は、各異なるデジタル画像について、基材の平面に対して平行に磁気誘導層(120)に対して相対的に撮像装置(202)を動かすこと(ここでは、ユーザが、セキュリティマーキングに対して平行に撮像装置の平行移動を行う)によって、前記磁気誘導層(120)に対して対応する異なる視野角θにある、ステップ(1309)と、
各取得したデジタル画像について、磁気誘導層(120)によって反射され、対応する視野角θで撮像装置(202)によって収集された光のそれぞれ対応する平均強度Iをプロセッサにより計算するとともに、反射された光の計算した平均強度及び対応する視野角により、対応する反射光強度曲線I(θ)を求めるステップ(1310)と、
スマートフォン(200)のプロセッサにより、反射光強度曲線I(θ)を、スマートフォンのメモリに記憶された、前記磁気誘導層(120)についての基準反射光強度曲線Iref(θ)と比較するステップ(1311)と、
スマートフォン(200)のプロセッサにより、比較の結果に基づいて磁気誘導層(120)が本物であるかどうかを判定するとともに、磁気誘導層(120)が本物であると判定された場合、セキュリティマーキング(100)が本物であることを示すメッセージ(M)を、スマートフォンの通信ユニットにより通信ネットワーク(CN)を介してサーバ(S)に送信するステップ(1312)と、
スマートフォン(200)からセキュリティマーキング(100)が本物であることを示すメッセージ(M)をサーバ(S)において受信した場合、オンラインサービスへのアクセスをユーザに許可するアクセスデータを含むサーバ許可メッセージ(SAM)を、サーバ(S)によって通信ネットワーク(CN)を介してユーザのスマートフォン(200)に返送するステップ(1313)と、
が実行される。
セキュリティマーキングの実施例
[097]実施例E1~E4を、表1に示した配合のUV-Vis硬化型スクリーン印刷インクと、以下に記載の第1の磁気アセンブリ及び第2の磁気アセンブリと、を使用することによって行った。
[097]実施例E1~E4を、表1に示した配合のUV-Vis硬化型スクリーン印刷インクと、以下に記載の第1の磁気アセンブリ及び第2の磁気アセンブリと、を使用することによって行った。
2軸配向のための磁界発生装置(図12A~図12B)
[099]磁気アセンブリを使用して顔料粒子を2軸配向した。磁気アセンブリは、9つの棒状双極子磁石(M1~M9)を含むものとした。
[099]磁気アセンブリを使用して顔料粒子を2軸配向した。磁気アセンブリは、9つの棒状双極子磁石(M1~M9)を含むものとした。
[0100]9つの棒状双極子磁石(M1~M9)のそれぞれは、以下の寸法、すなわち、100mm(L1)×10mm(L2)×10mm(L3)を有した。磁界発生装置を、以下の寸法、すなわち250mm×150mm×12mmを有する、ポリオキシメチレン(POM)から作製された非磁性ホルダ(図示せず)に埋め込んだ。9つの棒状双極子磁石(M1~M9)は、NdFeB N40から作製した。
[0101]9つの棒状双極子磁石(M1~M9)を、互いから約10mmの距離(d1)で一列に配置し、9つの棒状双極子磁石(M1~M9)の上面を面一とした。9つの棒状双極磁石(M1~M9)のそれぞれの磁気軸は、前記磁石の厚さ(L3)に対して略平行であり、2つの隣り合う磁石(M1~M9)の磁気方位は、反対方向に向いた(交番磁化)。磁界は略均一であり、磁力線はエリアAにおいて略同一平面上にあった。
一軸配向のための磁界発生(図13)
[0102]磁界発生装置を用いて顔料粒子を一軸配向した。磁界発生装置は、2つの棒状双極子磁石(M1、M2)及び2つの極片(P1、P2)を備えるものとした。
[0102]磁界発生装置を用いて顔料粒子を一軸配向した。磁界発生装置は、2つの棒状双極子磁石(M1、M2)及び2つの極片(P1、P2)を備えるものとした。
[0103]2つの棒状双極子磁石(M1、M2)のそれぞれは、以下の寸法、すなわち、40mm(L1)×40mm(L2)×10mm(L3)を有した。2つの棒状双極子磁石(M1、M2)は、NdFeB N42から作製した。
[0104]2つの棒状双極子磁石(M1、M2)は、互いから約40mmの距離(d1)にした。2つの棒状双極子磁石(M1、M2)のそれぞれの磁気軸は、前記磁石の長さ(L1)に対して略平行であり、前記2つの棒状双極子磁石(M1、M2)の磁気方位は同じ方向に向くものとした。2つの極片(P1、P2)のそれぞれは、以下の寸法、すなわち、60mm(L4)×40mm(L5)×3mm(L6)を有した。2つの極片(P1、P2)は、鉄(ARMCO(登録商標))から作製した。
[0105]2つの棒状双極子磁石(M1、M2)及び2つの極片(P1、P2)を、直方体空所が中央にある直方体を形成するように配置し、前記空所は、エリアAを構成し、このエリアAでは、磁界が略均一であり、磁力線が互いに対して略平行であり、そのため、2つの極片(P1、P2)間の距離(d2)は、約40mmであり、つまり、2つの極片(P1、P2)間の距離(d2)は、2つの棒状双極子磁石(M1、M2)の長さ(L1)とした。図13に示すように、磁界はエリアAにおいて略均一とした。
E1(図2、図12A~図12B、図14A)
[0106]表1のUV-Vis硬化型スクリーン印刷インクを、第1のコーティング層(30mm×19mm)(120a)を形成するように一片の黒コート紙(45mm×60mm)(110)に塗布し、前記塗布ステップは、約20μmの厚さを有する層を形成するように90Tスクリーンを用いた実験用スクリーン印刷装置により行った。
[0106]表1のUV-Vis硬化型スクリーン印刷インクを、第1のコーティング層(30mm×19mm)(120a)を形成するように一片の黒コート紙(45mm×60mm)(110)に塗布し、前記塗布ステップは、約20μmの厚さを有する層を形成するように90Tスクリーンを用いた実験用スクリーン印刷装置により行った。
[0107]コーティング層(120a)が依然として湿っており、まだ少なくとも部分的に硬化状態でないうちに、基材(110)を、高密度ポリエチレン(HDPE)から作製された支持プレート(300mm×40mm×1mm)の中央の上に配置した。基材(110)を支える支持プレートを、基材(110)に面する磁界発生装置表面と第1のコーティング層(120a)の最も近い縁との間の約20mmの距離(d5)のところに(図12Aに示すような)磁界発生装置のそばで約10cm/秒の速度で移動させ、最も近い前記第1のコーティング層(120a)縁と磁界発生装置の底面との間の高さは、棒状双極子磁石(M1~M9)の長さの半分(1/2L1)とした。基材(110)を支える支持プレートを、第1のコーティング層(120a)と、磁界発生装置のうち磁界が均一なエリアA内の磁界の磁力線に対する接線と、によって形成された角度αをとりつつ、付随して移動させ、前記角度αは、約20°の値を有することで粒子が約20°の仰角で配向することを可能にし、したがって粒子が約20の仰角γ1で配向することを可能にした。
[0108]第1のコーティング層(120a)を、第1のゾーン(120a)を形成するように少なくとも部分的に硬化させ、前記硬化は、基材経路の上に棒状双極子磁石(M1~M9)の長さ(L1)の中央に対し約15mmの距離(d4)のところに配置した硬化ユニット(UV LEDランプ(Phoseon社製のFireFly 395nm、4W/cm2))によって、8番目の双極子磁石及び9番目の双極子磁石(M8及びM9)間のスペースのそばで、また、約10mmの距離(d3)のところで9番目の棒状双極子磁石(M9)のそばで行った。
[0109]表1のUV-Vis硬化型スクリーン印刷インクを、同じ実験用90Tスクリーン印刷装置を用いて、第1のゾーン(120a)に(19mm縁に沿って)隣り合う第2のコーティング層(30mm×19mm)(120b)を形成するように一片の黒コート紙(110)に塗布した。その結果得た組み合わさったコーティング層(120a及び120b)は、30mm×38mmの総表面を有した。
[0110]第2のコーティング層(120b)が依然として湿っており、まだ少なくとも部分的に硬化状態でないうちに、基材(110)を、高密度ポリエチレン(HDPE)から作製された支持プレート(300mm×40mm×1mm)の中央の上に配置した。基材(110)を支える支持プレートを、基材(110)に面する磁界発生装置表面と第2のコーティング層(120b)の最も近い縁との間の約20mmの同じ距離(d5)のところに(図12A~図12Bに示すような)同じ磁界発生装置のそばで約10cm/秒の速度で移動させ、前記最も近い第2のコーティング層(120b)縁と磁界発生装置の底面との間の高さは、棒状双極子磁石(M1~M9)の長さの半分(1/2L1)とした。基材(110)を支える支持プレートを、コーティング層(120b)と、磁界発生装置のうち磁界が均一なエリアA内の磁界の磁力線に対する接線と、によって形成された角度αをとりつつ付随して移動させ、前記角度αは、約160°の値を有することで粒子が約160°の仰角で配向することを可能にし、したがって粒子が約160°の仰角γ2で配向することを可能にした。
[0111]第2のコーティング層(120b)を、第2のゾーン(120b)を形成するように少なくとも部分的に硬化させ、前記硬化は、基材経路の上に棒状双極子磁石(M1~M9)の長さ(L1)の中央に対し約15mmの距離(d4)のところに配置した硬化ユニット(UV LEDランプ(Phoseon社製のFireFly 395nm、4W/cm2))によって、8番目の双極子磁石及び9番目の双極子磁石(M8及びM9)間のスペースのそばで、また、約10mmの距離(d3)のところで9番目の棒状双極子磁石(M9)にそばで行って、第2のゾーン(120b)を形成するようにすることで、磁気誘導層(120)をもたらした。
[0112]QRコード(25mm×25mm)を、コニカミノルタプリントヘッド(KM1024i)を用いて黒インク(Siegwerk社製のSicurajet SUV Black)により、インクジェット印刷によって、磁気誘導画像(120)に、前記層(120)の中央にQRコードが配置されるように印刷した。インクジェット印刷したQRコードを、水銀ランプ(500mJ/cm2)を用いて少なくとも部分的に硬化させた。
[0113]実施例E1の結果として得たサンプルを図14Aに示す(左側:+22°の視野角θ1;右側:-22°の視野角θ2)。
E2(図2C、図13、図14B)
[0114]表1のUV-Vis硬化型スクリーン印刷インクを、第1のコーティング層(30mm×19mm)(120a)を形成するように一片の黒コート紙(45mm×60mm)(110)に塗布し、前記塗布ステップは、約20μmの厚さを有する層を形成するように90Tスクリーンを用いた実験用スクリーン印刷装置により行った。
[0114]表1のUV-Vis硬化型スクリーン印刷インクを、第1のコーティング層(30mm×19mm)(120a)を形成するように一片の黒コート紙(45mm×60mm)(110)に塗布し、前記塗布ステップは、約20μmの厚さを有する層を形成するように90Tスクリーンを用いた実験用スクリーン印刷装置により行った。
[0115]第1のコーティング層(120a)が依然として湿っており、まだ少なくとも部分的に硬化状態でないうちに、基材(110)を、高密度ポリエチレン(HDPE)から作製された支持プレート(300mm×40mm×1mm)の中央の上に配置した。基材(110)を支える支持プレートを、第1のコーティング層(120a)と、磁界発生装置のうち磁界が均一なエリアA内の磁界の磁力線に対する接線と、によって形成された、約8°の値を有することで粒子が約8°の仰角γ1で配向することを可能にする角度αをとりつつ、図13に示すように磁気アセンブリの空所の中央に配置した。
[0116]約1秒後、第1のコーティング層(120a)を、第1のゾーン(120a)を形成するように少なくとも部分的に硬化させ、前記硬化は、図13に示すように、硬化ユニット(UV LEDランプ(Phoseon社製のFireFly 395nm、4W/cm2))によって行った。
[0117]表1のUV-Vis硬化型スクリーン印刷インクを、同じ実験用90Tスクリーン印刷装置を用いて、第1のゾーン(120a)に(19mm縁に沿って)隣り合う第2のコーティング層(30mm×19mm)(120b)を形成するように一片の黒コート紙(110)に塗布した。その結果得た組み合わさったコーティング層(120a及び120b)は、30mm×38mmの総表面を有した。
[0118]第2のコーティング層(120b)が依然として湿っており、まだ少なくとも部分的に硬化状態でないうちに、基材(110)を、高密度ポリエチレン(HDPE)から作製された支持プレート(300mm×40mm×1mm)の中央の上に配置した。基材(110)を支える支持プレート及び第2のコーティング層(120b)を、第2のコーティング層(120b)と、磁界発生装置のうち磁界が均一なエリアA内の磁界の磁力線に対する接線と、によって形成された、約172°の値を有することで粒子が約172°の仰角γ2で配向することを可能にする角度αをとりつつ、図13に示すように磁気アセンブリの空所の中央に配置した。
[0119]約1秒後、第2のコーティング層(120b)を、第2のゾーン(120b)を形成するように少なくとも部分的に硬化させ、前記硬化は、硬化ユニット(UV LEDランプ(Phoseon社製のFireFly 395nm、4W/cm2))によって行うことで、磁気誘導層(120)を得た。
[0120]QRコード(25mm×25mm)を、コニカミノルタプリントヘッド(KM1024i)を用いて黒インク(Siegwerk社製のSicurajet SUV Black)により、インクジェット印刷によって、磁気誘導層(120)に、前記層(120)の中央にQRコードが配置されるように印刷した。インクジェット印刷したQRコードを、水銀ランプ(500mJ/cm2)を用いて少なくとも部分的に硬化させた。
[0121]実施例E2の結果として得たサンプルを図14Bに示す(左側:+10°の視野角θ1;右側:-10°の視野角θ2)。
E3及びE4(図2C、図12A~図12B、図13、図14C~図14D)
[0122]磁気誘導層(120)(10mm×5mm)を単独で支える、実施例E1又は実施例E2において得た10mm×10mm片の基材(110)を、一片の白コート紙(50mm×50mm)に施し、それぞれ接着した。
[0122]磁気誘導層(120)(10mm×5mm)を単独で支える、実施例E1又は実施例E2において得た10mm×10mm片の基材(110)を、一片の白コート紙(50mm×50mm)に施し、それぞれ接着した。
[0123]QRコード(25mm×25mm)を、コニカミノルタプリントヘッド(KM1024i)を用いて黒インク(Siegwerk社製のSicurajet SUV Black)により、インクジェット印刷によって、磁気誘導層(120)に、図14C及び図14Dに示すように、前記層(120)の上にQRコードのクワイエットゾーンが配置されるように印刷した。インクジェット印刷したQRコードを、水銀ランプ(500mJ/cm2)を用いて少なくとも部分的に硬化させた。
[0124]実施例E3の結果として得たサンプルを図14Cに示す(左側:+22°の視野角θ1;右側:-22°の視野角θ2)。E4の結果として得たサンプルを図14Dに示す(左側:+10°の視野角θ1;右側:-10°の視野角θ2)。
[0125]上記で開示した主題は、例示的であって限定的ではないと考えられるべきであり、独立請求項によって規定される本発明のより良い理解を与える役割を果たす。
Claims (15)
- 平らな基材(110)と、
磁気配向した反射性の血小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子を含む材料の磁気誘導層(120)であって、前記磁気誘導層が、前記基材(110)に施され、前記磁気配向した反射性の血小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子の平坦面が第1の方向に配向されている第1のゾーン(120a)と、前記磁気配向した反射性の血小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子の平坦面が前記第1の方向とは異なる第2の方向に配向されている、前記第1のゾーン(120a)とは異なる第2のゾーン(120b)と、を含み、前記第1のゾーン(120a)における前記血小板状の粒子が、前記基材(110)の平面に対して仰角γ1を有する平坦面を有し、前記第2のゾーン(120b)における前記血小板状の粒子が、前記基材(110)の前記平面に対して仰角γ2を有する平坦面を有し、前記基材の前記平面に対する前記平坦面の各鋭角が、約5°~約25°の範囲にある、磁気誘導層(120)と、
基準パターン(133)と、符号化データを表すコードパターン(134)と、を含む機械可読マーキング(130)であって、前記機械可読マーキング(130)が、前記磁気誘導層(120)の上面(121)に又は前記基材と前記磁気誘導層(120)の裏面(122)との間の前記基材(110)にそれぞれ施され、前記コードパターン(134)の第1のエリア(134a)が、前記第1のゾーン(120a)の前方に配置され、前記コードパターン(134)の残りの第2のエリア(134b)が、前記第2のゾーン(120b)の前方に配置される、機械可読マーキング(130)と、
を備えることを特徴とするセキュリティマーキング(100)。 - a)前記顔料粒子が、
コバルト、鉄、ガドリニウム、及びニッケルからなる群から選択される磁性金属、
鉄、クロム、マンガン、コバルト、ニッケル、若しくはそれらの2つ以上の混合物の磁性合金、
クロム、マンガン、コバルト、鉄、ニッケル、若しくはそれらの2つ以上の混合物の磁性酸化物、又は
それらの2つ以上の混合物を含む、或いは、
b)前記コードパターンが、1次元バーコード、スタック1次元バーコード、2次元バーコード、及び3次元バーコードのうちのいずれか1つである、
請求項1に記載のセキュリティマーキング。 - 前記磁気誘導層(120)の前記第1のゾーン(120a)及び前記第2のゾーン(120b)が、同じ単一材料層に属する、請求項1又は2に記載のセキュリティマーキング。
- 前記磁気誘導層(120)の前記第1のゾーン(120a)及び前記第2のゾーン(120b)がそれぞれ、前記磁気誘導層(120)を形成する第1のサブ層及び隣り合う第2のサブ層に属する、請求項1又は2に記載のセキュリティマーキング。
- 前記機械可読マーキング(130)が、前記磁気誘導層(120)の前記上面(121)に施され、暗いシンボルで符号化され、暗いプライマー層(140)が、前記基材(110)に施され、前記磁気誘導層(120)の前記裏面(122)が、前記暗いプライマー層(140)の上面(141)に施される、請求項1~4のいずれか一項に記載のセキュリティマーキング。
- 前記機械可読マーキング(130)が、前記磁気誘導層(120)の前記上面(121)に施され、明るいシンボルで符号化され、暗いプライマー層(140)、好ましくは黒色プライマーが、前記基材(110)に施され、前記磁気誘導層(120)の前記裏面(122)が、前記暗いプライマー層(140)の上面(141)に施される、請求項1~4のいずれか一項に記載のセキュリティマーキング。
- 前記機械可読マーキング(130)が、前記基材(110)に施され、暗いシンボルで符号化される、請求項1~4のいずれか一項に記載のセキュリティマーキング。
- 照明光を送達するように動作可能な光源(201)と、撮像装置(202)と、メモリが備わっているとともに画像処理及び復号動作を行うように構成されたプロセッサと、が備わった携帯デバイス(200)により、請求項1~7のいずれか一項に記載のセキュリティマーキング(100)を読み取るとともに復号する方法であって、
前記セキュリティマーキング(100)を前記撮像装置(202)の視野内に配置するステップと、
前記セキュリティマーキング(100)を、前記光源(201)によって送達される照明光により照明するステップと、
前記第1の仰角γ1に関連付けられた第1の視野角θ1で前記撮像装置(202)により前記セキュリティマーキング(100)の第1のデジタル画像を取得するとともに、取得した前記第1のデジタル画像を前記メモリに記憶するステップと、
前記第2の仰角γ2に関連付けられた第2の視野角θ2で前記撮像装置により前記セキュリティマーキング(100)の第2のデジタル画像を取得するとともに、取得した前記第2のデジタル画像を前記メモリに記憶するステップと、
前記プロセッサによる画像処理により、記憶した前記第1のデジタル画像及び記憶した前記第2のデジタル画像から、前記第1のデジタル画像及び前記第2のデジタル画像において検出された前記基準パターン(133)に対して、前記コードパターン(134)のうち、前記第1のデジタル画像において検出された前記コードパターンの第1のエリア(134a)に対応する第1の部分と、前記コードパターン(134)のうち、前記第2のデジタル画像において検出された前記コードパターンの前記第2のエリア(134b)に対応する第2の部分と、を位置合わせすることによって、前記コードパターン(134)の合成デジタル画像を形成するとともに、得た前記合成デジタル画像を前記メモリに記憶するステップと、
記憶した前記合成デジタル画像から、前記プロセッサにより前記コードパターン(134)を読み取るとともに復号するステップと、
を含む、方法。 - 請求項1~7のいずれか一項に記載のセキュリティマーキング(100)を読み取るとともに復号するための携帯デバイス(200)であって、
照明光を送達するように動作可能な光源(201)と、
撮像装置(202)と、
メモリが備わったプロセッサと、
を備え、以下のステップ、すなわち
前記セキュリティマーキング(100)を、前記光源(201)によって送達される照明光により照明するステップと、
第1の仰角γ1に関連付けられた第1の視野角θ1で前記撮像装置(202)により前記セキュリティマーキング(100)の第1のデジタル画像を取得するとともに、取得した前記第1のデジタル画像を前記メモリに記憶するステップと、
第2の仰角γ2に関連付けられた第2の視野角θ2で前記撮像装置により前記セキュリティマーキング(100)の第2のデジタル画像を取得するとともに、取得した前記第2のデジタル画像を前記メモリに記憶するステップと、
前記プロセッサによる画像処理により、記憶した前記第1のデジタル画像及び記憶した前記第2のデジタル画像から、前記第1のデジタル画像及び前記第2のデジタル画像において検出された前記基準パターン(133)に対して、前記コードパターン(134)のうち、前記第1のデジタル画像において検出された前記コードパターンの第1のエリア(134a)に対応する第1の部分と、前記コードパターン(134)のうち、前記第2のデジタル画像において検出された前記コードパターンの第2のエリア(134b)に対応する第2の部分と、を位置合わせすることによって、前記コードパターン(134)の合成デジタル画像を形成するとともに、得た前記合成デジタル画像を前記メモリに記憶するステップと、
記憶した前記合成デジタル画像から、前記プロセッサにより前記コードパターン(134)を読み取るとともに復号するステップと、
を行うように構成された、携帯デバイス。 - 権限者によってユーザに交付されたセキュリティ文書(150)であって、
前記セキュリティ文書(150)に施された、請求項1~7のいずれか一項に記載のセキュリティマーキング(100)であり、前記セキュリティマーキング(100)のコードパターン(134)内の符号化データが、前記ユーザに対応するデジタルIDデータと、前記ユーザデジタルIDデータのデジタル署名と、を含み、前記権限者によって交付された前記デジタル署名が、前記ユーザデジタルIDデータを暗号鍵により署名することによって得られる、セキュリティマーキング(100)
を含むことを特徴とする、セキュリティ文書。 - 暗号鍵及び対応する復号鍵を記憶するデータベース(DB)に接続された権限者のサーバ(S)に対して、通信ネットワーク(CN)を通じてデータを送受信するように動作可能な通信ユニットがさらに備わった、請求項9に記載の携帯デバイス(200)により、請求項10に記載のユーザのセキュリティ文書(150)を検証する方法であって、
前記セキュリティマーキング(100)を前記撮像装置(202)の視野内に配置するステップと、
前記セキュリティ文書(150)の前記セキュリティマーキング(100)を、光源(201)により照明するステップと、
第1の仰角γ1に関連付けられた第1の視野角θ1で前記撮像装置(202)により、照明された前記セキュリティマーキング(100)の第1のデジタル画像を取得するとともに、取得した前記第1のデジタル画像を前記メモリに記憶するステップと、
第2の仰角γ2に関連付けられた第2の視野角θ2で前記撮像装置(202)により、照明された前記セキュリティマーキング(100)の第2のデジタル画像を取得するとともに、取得した前記第2のデジタル画像を前記メモリに記憶するステップと、
前記プロセッサによる画像処理により、記憶した前記第1のデジタル画像及び記憶した前記第2のデジタル画像から、前記第1のデジタル画像及び前記第2のデジタル画像において検出された基準パターン(133)に対して、コードパターン(134)のうち、前記第1のデジタル画像において検出された前記コードパターンの第1のエリア(134a)に対応する第1の部分と、前記コードパターン(134)のうち、前記第2のデジタル画像において検出された前記コードパターンの第2のエリア(134b)に対応する第2の部分と、を位置合わせすることによって、前記コードパターン(134)の合成デジタル画像を形成するステップと、
前記合成デジタル画像から前記コードパターン(134)を読み取るとともに復号し、前記コードパターンの復号したデータから、前記プロセッサによる画像処理及び復号動作により、ユーザIDデータ及び前記ユーザIDデータのデジタル署名を抽出し、抽出した前記ユーザIDデータ及び前記デジタル署名を前記メモリに記憶するステップと、
前記メモリに記憶された抽出した前記ユーザIDデータ及び前記デジタル署名を含む第1のメッセージ(M1)を、前記通信ユニット(CN)を介して前記サーバ(S)に送信するステップと、
前記サーバ(S)において、前記携帯デバイス(200)から前記第1のメッセージ(M1)において受信した抽出した前記デジタル署名を、前記データベース(DB)に記憶された前記復号鍵で解読するとともに、前記第1のメッセージ(M1)において受信した抽出した前記ユーザIDデータが、受信した抽出した前記デジタル署名と一致するかどうかを確認するステップと、
一致する場合、前記ユーザIDデータの成功した検証を示すサーバメッセージ(SM)を前記携帯デバイス(200)に返送するステップと、
を含む、方法。 - サーバメッセージを前記携帯デバイス(200)に返送する前記ステップの前に、以下の予備ステップ、すなわち
前記磁気誘導層(120)を前記光源(201)により照明するとともに、照明された前記磁気誘導層(120)の複数のデジタル画像を、前記撮像装置(202)により取得するステップであって、前記撮像装置(202)は、前記基材(110)の平面に対して平行に前記磁気誘導層(120)に対して相対的に前記撮像装置(202)を動かすことによって、各異なるデジタル画像について、前記磁気誘導層(120)に対して対応する異なる視野角θにある、ステップと、
各取得したデジタル画像について、前記磁気誘導層(120)によって反射され、対応する視野角θで前記撮像装置(202)によって収集された光のそれぞれ対応する強度Iを前記プロセッサにより計算するとともに、反射された前記光の計算した前記強度及び対応する視野角を記憶して対応する反射光強度曲線I(θ)を得るステップと、
得た前記反射光強度曲線I(θ)を含む第2のメッセージ(M2)を、前記通信ユニットにより前記通信ネットワーク(CN)を介して前記サーバ(S)に送信するステップと、
前記サーバ(S)において、前記第2のメッセージ(M2)において受信した前記反射光強度曲線I(θ)を、前記データベース(DB)に記憶された、前記磁気誘導層(120)についての基準反射光強度曲線Iref(θ)と比較するステップと、
前記サーバ(S)において、前記比較の結果に基づいて前記磁気誘導層(120)が本物であるかどうかを判定するステップと、
前記磁気誘導層(120)が本物であると判定された場合、前記ユーザIDデータの成功した検証を示す前記サーバメッセージ(SM)を、前記セキュリティマーキング(100)が本物であるという表示とともに前記携帯デバイス(200)に返送するとともに、サービスへのアクセスをユーザに許可するアクセスデータを含むサーバ許可メッセージ(SAM)を、前記サーバ(S)によって前記通信ネットワーク(CN)を介して前記ユーザの通信デバイスに送信するステップと、
を含む、請求項11に記載の方法。 - 前記ユーザIDデータの成功した検証を示すサーバメッセージ(SM)を前記サーバ(S)によって送る場合、以下のさらなるステップ、すなわち
前記磁気誘導層(120)を前記光源(201)により照明するとともに、照明された前記磁気誘導層(120)の複数のデジタル画像を、前記撮像装置(202)により取得するステップであって、前記撮像装置(202)は、前記基材(110)の平面に対して平行に前記磁気誘導層(120)に対して相対的に前記撮像装置(202)を動かすことによって、各異なるデジタル画像について、前記磁気誘導層(120)に対して対応する異なる視野角θにある、ステップと、
各取得したデジタル画像について、前記磁気誘導層(120)によって反射され、対応する視野角θで前記撮像装置(202)によって収集された光のそれぞれ対応する強度Iを前記プロセッサにより計算するとともに、反射された前記光の計算した前記強度及び対応する視野角により、対応する反射光強度曲線I(θ)を求めるステップと、
前記プロセッサにより、前記反射光強度曲線I(θ)を、前記メモリに記憶された、前記磁気誘導層(120)についての基準反射光強度曲線Iref(θ)と比較するステップと、
前記比較の結果に基づいて前記磁気誘導層(120)が本物であるかどうかを判定するとともに、前記磁気誘導層(120)が本物であると判定された場合、前記セキュリティマーキング(100)が本物であることを示すメッセージ(M)を、前記通信ユニットにより前記通信ネットワーク(CN)を介して前記サーバ(S)に送信するステップと、
前記携帯デバイス(200)から前記セキュリティマーキング(100)が本物であることを示すメッセージ(M)を前記サーバ(S)において受信した場合、サービスへのアクセスをユーザに許可するアクセスデータを含むサーバ許可メッセージ(SAM)を、前記サーバ(S)によって前記通信ネットワーク(CN)を介して前記ユーザの通信デバイスに返送するステップと、
を含む、請求項11に記載の方法。 - 権限者によってユーザに交付された請求項10に記載のセキュリティ文書(150)を検証するためのシステムであって、
暗号鍵及び対応する復号鍵を記憶するデータベース(DB)に接続されているとともに、通信ネットワーク(CN)を介してデータを送受信するように動作可能な、前記権限者のサーバ(S)と、
前記セキュリティ文書(150)に施された請求項1~7のいずれか一項に記載のセキュリティマーキング(100)を読み取るとともに復号するための請求項9に記載の携帯デバイス(200)と、
を備え、前記携帯デバイス(200)が、
照明光を送達するように動作可能な光源(201)と、
撮像装置(202)と、
前記通信ネットワーク(CN)を通じて前記サーバ(S)にデータを送受信するように動作可能な通信ユニットと、
メモリが備わっているとともに、画像処理及び復号動作を行うように構成されたプロセッサと、を備え、以下のステップ、すなわち
前記セキュリティマーキング(100)を前記光源(201)によって送達される照明光により照明するステップと、
前記セキュリティマーキング(100)の第1のデジタル画像を、前記第1の仰角γ1に関連付けられた第1の視野角θ1で前記撮像装置(202)により取得するとともに、取得した前記第1のデジタル画像を前記メモリに記憶するステップと、
前記セキュリティマーキング(100)の第2のデジタル画像を、前記第2の仰角γ2に関連付けられた第2の視野角θ2で前記撮像装置により取得するとともに、取得した前記第2のデジタル画像を前記メモリに記憶するステップと、
記憶した前記第1のデジタル画像及び記憶した前記第2のデジタル画像から、前記プロセッサによる画像処理により、前記第1のデジタル画像及び前記第2のデジタル画像において検出された基準パターン(133)に対して、コードパターン(134)のうち、前記第1のデジタル画像において検出された前記コードパターンの第1のエリア(134a)に対応する第1の部分と、前記コードパターン(134)のうち、前記第2のデジタル画像において検出された前記コードパターンの第2のエリア(134b)に対応する第2の部分と、を位置合わせすることによって、前記コードパターン(134)の合成デジタル画像を形成するとともに、得た前記合成デジタル画像を前記メモリに記憶するステップと、
記憶した前記合成デジタル画像から前記コードパターン(134)を前記プロセッサにより読み取るとともに復号するステップと、
を実行するように構成され、
前記システムが、以下のステップ、すなわち、
前記コードパターンの復号したデータから、前記プロセッサによる画像処理及び復号動作により、ユーザIDデータ及び前記ユーザIDデータのデジタル署名を抽出し、抽出した前記ユーザIDデータ及びデジタル署名を前記メモリに記憶するステップと、
前記メモリに記憶された抽出した前記ユーザIDデータ及び前記デジタル署名を含む第1のメッセージ(M1)を、前記通信ユニット(CN)を介して前記サーバ(S)に送信するステップと、
前記サーバ(S)において、前記携帯デバイス(200)から前記第1のメッセージ(M1)において受信した抽出した前記デジタル署名を、前記データベース(DB)に記憶された前記復号鍵で解読するとともに、前記第1のメッセージ(M1)において受信した抽出した前記ユーザIDデータが、受信した抽出した前記デジタル署名と一致するかどうかを確認するステップと、
一致する場合、前記ユーザIDデータの成功した検証を示すサーバメッセージ(SM)を前記携帯デバイス(200)に返送するステップと、
を実行するようにさらに構成されている、システム。 - 前記サーバ(S)が、前記通信ネットワーク(CN)を介して前記ユーザの通信デバイスにデータを送信するようにさらに構成されており、
前記サーバ(S)及び前記携帯デバイス(200)が、前記ユーザの前記セキュリティ文書(150)を検証する請求項12又は13に記載の方法のステップを実行するようにさらに構成されている、請求項14に記載のシステム。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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