JP2023537962A - 眼球組織への薬物送達のためのシステムおよび方法 - Google Patents

眼球組織への薬物送達のためのシステムおよび方法 Download PDF

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Abstract

本開示の1つの態様によれば、強膜を処理して眼の脈絡膜上腔への薬剤の送達を可能にするための装置は、尖った最遠位先端を有する針と、針の近位端に接続された針ハブと、針ハブを取り囲むとともに、針ハブの近位端から延びるハウジングと、針の一部分を取り囲むアダプタとを含み得る。

Description

本開示の様々な態様は一般に、眼球組織への薬物の送達に関する。より詳細には、本開示は、薬物を眼の脈絡膜上腔へ送達するための器具および関連する方法に関する。
眼の異常および疾患は、視神経損傷および視野欠損につながる。薬物、レーザ手術、および/または切開手術は治療介入であり、これらは、眼圧を下げ、被験者の既存の視力を保存し、異常および/または疾患のさらなる進行を遅らせる助けとするために用いられ得る。切開手術に関しては、外科的処置を行うための器具、送達薬物治療用のデバイス、およびそのような器具によって可能になる方法が、改善された結果を使用者および被験者に提供するために非常に求められている。
本開示の1つの態様によれば、薬剤を眼の脈絡膜上腔へ送達するためのシステムは、通路および尖った最遠位先端を有する針と、強膜を処理して眼の脈絡膜上腔への薬剤の送達を可能にするように構成された装置とを備えている。
このシステムの様々な実施形態は、以下の態様のうちの1つまたは複数を含み得る:針は、薬剤を眼の脈絡膜上腔へ送達するように構成され得る;尖った最遠位先端は、複数の開口部を含むことができ、この開口部は、円形構造もしくはスロットを含むことができ、または複数の開口部は、尖った最遠位先端の周囲および全長の少なくとも一部分に存在する;装置は、薬剤を眼の脈絡膜上腔へ送達するように構成され得る;装置は針の通路内に配置されるとともに、針に対して長手方向に並進可能であり得る;装置は、遠位端を有する管状シャフトを含むことができ、この管状シャフトは、剛性材料、半剛性材料、または可撓性材料を備える;遠位端は、非外傷性遠位先端を含むことができ、この非外傷性遠位先端は、複数の開口部を含むことができ、さらにこれらの開口部は、円形構造もしくはスロットを含むことができ、または複数の開口部は、非外傷性遠位先端の周囲および全長の少なくとも一部分に存在し得る;遠位端は、拡張可能部材を含むことができ、この拡張可能部材はステントを含み得る;管状シャフトは、拡張可能部分を含むことができ、この拡張可能部分は、非外傷性遠位先端の近位に位置する一対の湾曲したアームを含み得る;管状シャフトは、通路の断面寸法よりも小さい断面寸法を含み得る;管状シャフトの外面は1つまたは複数のチャンネルを含み得る;管状シャフトの遠位端は、管状シャフトの遠位端が針の通路から展開されるときに選択的に分岐するように構成された少なくとも2つの脚を含む;針は湾曲していてよい;針はU字形状であってよい;針は、尖った最遠位先端の近位に位置する屈曲部を含み得る;針は、使用者に対して触覚フィードバックを与えるように構成された複数の幾何学的特徴を有する外面を含み得る;または、遠位端はアンカを含むことができ、このアンカは湾曲した、平らな、または非外傷性の形状を有し得る。
別の態様において、本開示のシステムは、強膜または脈絡膜の1つまたは複数を変形させるための突起を有する平らな面を備えることができ、その突起は丸みのある面であってよい。別の態様において、本開示のシステムは、強膜の一部を引き込むように構成されたチャンバを含むことができ、装置は、強膜に対して吸引力を適用するように構成され得る;針は、チャンバ内に配置されてよい;チャンバは、チャンバの中への強膜の近位前進を制限するように構成された止め具を含み得る;止め具は、針を取り囲むように構成され得る;止め具は、チャンバの側壁からチャンバの中心に向かって延びる複数の延長部を含み得る;止め具は、強膜に対する吸引力の適用を可能にするように構成された複数の開口部を含み得る;チャンバは円形断面構造を含み得る;または、チャンバは半円断面構造を含み得る。
本開示は、強膜を処理して眼の脈絡膜上腔への薬剤の送達を可能にするための装置を含み、この装置は、遠位端を有する管状シャフトであって、剛性、半剛性、または可撓性の材料を備える管状シャフトと、通路および尖った最遠位先端を有する針とを備え、装置は針内に配置される。装置の様々な実施形態は、以下の態様のうちの1つまたは複数を含み得る:針は、薬剤を眼の脈絡膜上腔へ送達するように構成され得る;尖った最遠位先端は、複数の開口部を含むことができ、この開口部は、円形構造もしくはスロットを含むことができ、または複数の開口部は、尖った最遠位先端の周囲および全長の少なくとも一部分に存在する;装置は、薬剤を眼の脈絡膜上腔へ送達するように構成され得る;装置は、針に対して長手方向に並進可能であり得る;遠位端は、非外傷性遠位先端を含むことができ、この非外傷性遠位先端は、複数の開口部を含むことができ、これらの開口部は、円形構造もしくはスロットを含むことができ、または複数の開口部は、非外傷性遠位先端の周囲および全長の少なくとも一部分に存在し得る;遠位端は、拡張可能部材を含むことができ、この拡張可能部材はステントを含み得る;管状シャフトは、拡張可能部分を含むことができ、この拡張可能部分は、遠位端の近位に位置する一対の湾曲したアームを含み得る;管状シャフトは、通路の断面寸法よりも小さい断面寸法を含み得る;管状シャフトの外面は、1つまたは複数のチャンネルを含み得る;管状シャフトの遠位端は、管状シャフトの遠位端が針の通路から展開されるときに選択的に分岐するように構成された少なくとも2つの脚を含む;針は湾曲していてよい;または、遠位端はアンカを含むことができ、このアンカは湾曲した、平らな、または非外傷性の形状を有する。
別の態様において、本開示は、強膜を処理して眼の脈絡膜上腔への薬剤の送達を可能にするための装置を含み、この装置は、強膜または脈絡膜の1つまたは複数を変形させるための突起を有する平らな面を備え、その突起は丸みのある面であってよい。
別の態様において、本開示は、強膜を処理して眼の脈絡膜上腔への薬剤の送達を可能にするための装置を含み、この装置は、強膜の一部分を引き込むように構成されたチャンバを備える。装置の様々な実施形態は、以下の態様のうちの1つまたは複数を含み得る:装置は、強膜に対して吸引力を適用するように構成され得る;針は、チャンバ内に配置されてよい;チャンバは、チャンバへの強膜の近位前進に対して構成された止め具を含み得る;止め具は、針を取り囲むように構成され得る;止め具は、チャンバの側壁からチャンバの中心に向かって延びる複数の延長部を含み得る;止め具は、強膜に対する吸引力の適用を可能にするように構成された複数の開口部を含み得る;チャンバは円断面構造を含み得る;または、チャンバは半円断面構造を含み得る。
別の態様において、本開示は、強膜を処理して眼の脈絡膜上腔への薬剤の送達を可能にするための装置を含み、この装置は、円筒形状および鋸歯状針先端を有する針管を備え、この鋸歯状針は、振動して強膜の一部分を切り開くことが可能である。
別の態様において、本開示は、強膜を処理して眼の脈絡膜上腔への薬剤の送達を可能にするための装置を含み、この装置は、尖った最遠位先端を有する針と、針の近位端に接続された針ハブと、針ハブを取り囲むとともに、針ハブの近位端から延びるハウジングとを備える。この装置の様々な実施形態は、以下の態様のうちの1つまたは複数を含み得る:ハウジングは円筒形状であってよい;ハウジングは、シリンジ、ばね、ピストン、プランジャ・ロッド、インジケータ、フィードバック機構、またはこれらの組み合わせから選ばれた追加の構成要素を含み得る;または、針の一部分を取り囲むとともに針ハブの遠位端から延びるシャフトであって、針を斜めに挿入することが可能になるように、シャフトの遠位端は角度が付けられているシャフト。
別の態様において、本開示は、薬剤を眼の脈絡膜上腔へ送達するための方法に対して作成されており、この方法は、眼の強膜および脈絡膜層の一方を処理して脈絡膜上腔の寸法を増加させる工程と、薬剤送達デバイスの遠位端を脈絡膜上腔まで前進させる工程と、薬剤送達デバイスの最遠位先端を脈絡膜上腔内に位置決めする工程と、ある量の薬剤を脈絡膜上腔へ送達する工程とを備える。この方法の様々な実施形態は、以下の態様のうちの1つまたは複数を含み得る:薬剤送達デバイスの遠位端を脈絡膜上腔まで前進させる工程は、強膜に貫入する工程を含み得る;薬剤送達デバイスの最遠位先端を位置決めする工程は、脈絡膜に接触せずに最遠位先端を脈絡膜上腔の中に配置する工程を含み得る;薬剤送達デバイスの最遠位先端を位置決めする工程は、脈絡膜の最外面を穿孔することなく最遠位先端を脈絡膜上腔の中に配置する工程を含み得る;薬剤の最遠位先端を位置決めする工程は、ある厚さの脈絡膜に貫入せずに最遠位先端を脈絡膜上腔内に配置する工程を含み得る;脈絡膜上腔へ送達される薬剤の量は、約50μL~500μLであり得る;その量の薬剤の脈絡膜上腔への送達は圧力制御され得る;強膜および脈絡膜層の一方を処理する工程は、薬剤送達デバイスを回転させる工程を含み得る;強膜および脈絡膜層の一方を処理する工程は、強膜層を引っ張って脈絡膜上腔の寸法を増加させる工程を含み得る;その量の薬液を脈絡膜上腔へ送達する工程は、その量を薬液送達デバイスの最遠位先端から送達する工程を含み得る;または、その量の薬剤を脈絡膜上腔へ送達する工程は、その薬剤を薬剤送達デバイスの最遠位先端の近位の位置から送達する工程を含み得る。
別の態様において、本開示は、患者のヒト器官の中への薬剤の定方向送達を可能にする装置を含む。この装置は、針に流体接続された薬剤用の容器であって、針が針シャフト、および斜面を有する尖った最遠位先端とを備え、この針が容器の遠位端に接続されている、容器と、針シャフトの一部分をその長手方向軸に沿って、針の尖った最遠位先端は含まずに取り囲んでいるアダプタであって、尖った最遠位先端の軌道をヒト器官内の所定の深さおよび位置まで導くように構成された最外側傾斜面を含むアダプタとを備え、この最外側傾斜面は、尖った最遠位先端の斜面と同じ方向を向いており、最外側傾斜面の角度が、針の軌道を決定付けており、最外側傾斜面から延びる針の長さが、薬剤送達の深さおよび位置を決定している。この装置の様々な実施形態は、以下の態様のうちの1つまたは複数を含み得る:尖った最遠位先端は、アダプタの遠位端から延びる針の一部分であってよい;杭針などの針の近位端に接続された針ハブ・シャフト;容器と針との間に配置されたハブ;針はハブに取り外し可能に接続される;針は第1の針であり、装置は第2の針をさらに備える;第1の針と第2の針は交換可能である;針は交換可能である;角度は約25度~約75度の範囲にある;角度は約40度~約60度の範囲にある;角度は約45度である;アダプタは、留め具またはねじを介して針シャフトの一部分に接続されている;アダプタは、針シャフトの軸方向経路に対して並進可能である;アダプタは、接着剤を介して針シャフトに取り付けられる;アダプタは、針に対し垂直な第1の平面内に延びる面を有する近位端と、角度付き遠位側面と、近位端と角度付き遠位側面との間に延びる中間面であって、第1の平面に対し垂直な第2の平面内に延びる中間面と、遠位端とを含むことができ、この遠位端は、第1の平面と平行な第3の平面内に延びる実質的に平坦な面を含む;アダプタの少なくとも一部分は実質的に円筒形状の断面を含む;最外側傾斜面は、アダプタの長手方向軸に対して角度が付けられている;針の尖った最遠位先端の一部分は、アダプタの遠位端を越えて延びる;針の尖った最遠位先端は、約600μm~約800μmの範囲の長さを有する;最外側傾斜面は平らな面である;また、最外側傾斜面は眼の外面と結合するように構成された凸面である。
別の態様において、本開示は、薬剤を患者の眼球腔へ送達するためのシステムを含む。このシステムは、約0.5mLと約1.0mLとの間の公称最大充填容積を有するシリンジと、針シャフト、および斜面を有する尖った最遠位先端を備える針と、針シャフトの一部分をその長手方向軸に沿って取り囲んでいるアダプタであって、アダプタの長手方向軸に対して角度が付けられた最外側傾斜面を含み、また、尖った最遠位先端の軌道を所定の眼球の深さおよび位置まで導くように構成されている、アダプタとを含むことができ、シリンジ、針およびアダプタは滅菌され、ブリスター・パック内に収容されている。システムの様々な実施形態は、以下の態様のうちの1つまたは複数をさらに含み得る:アダプタは、眼の脈絡膜上腔の中への最遠位先端の前進を制限するように構成される;尖った最遠位先端は、最外側傾斜面から延びる針の一部分である;最外側傾斜面の角度は約25度~約75度の範囲にある;最外側傾斜面の角度は約40度~約60度の範囲にある;最外側傾斜面の角度は約45度である;また、針の尖った最遠位先端は約600μm~約800μmの範囲の長さを有する。
別の態様において、本開示は、眼疾患の患者を処置するためのキットを含む。このキットは、約0.5mLと約1.0mLとの間の公称最大充填容積を有するシリンジと、針シャフトおよび尖った最遠位先端を有する針と、針シャフトの一部分を針の尖った最遠位先端は含まずにその長手方向軸に沿って取り囲んでいるアダプタであって、尖った最遠位先端の軌道を所定の眼球の深さおよび位置まで導くように構成された最外側傾斜面を含むアダプタと、眼科薬物とを含み得る。
別の態様において、本開示は、眼疾患の患者を処置するためのキットを含む。このキットは、眼科薬物が事前充填されたシリンジであって、眼科薬物の量が約0.5mLと約1.0mLとの間の範囲にあるシリンジと、針シャフト、通路および尖った最遠位先端を有する針と、針シャフトの一部分を、針の尖った最遠位先端は除外して針シャフトの長手方向軸に沿って取り囲んでいるアダプタであって、尖った最遠位先端の軌道を所定の眼球の深さおよび位置まで導くように構成された最外側傾斜面を含む、アダプタとを含み得る。
別の態様において、本開示は、薬剤を患者の眼へ送達する方法を含む。この方法は、薬剤送達デバイスの最遠位先端を所定の眼球の深さおよび位置における眼の脈絡膜上腔内に位置決めすることを含むことができ、この薬剤送達デバイスは、針に流体接続された薬剤用の容器であって、針が針シャフト、および斜面を有する尖った最遠位先端を備え、この針が容器の遠位端に接続されている、容器と、針シャフトの一部分をその長手方向軸に沿って、針の尖った最遠位先端は含まずに、取り囲んでいるアダプタであって、尖った最遠位先端の軌道を所定の眼球の深さおよび位置まで導くように構成された最外側傾斜面を含む、アダプタとを備えることができ、この方法はさらに、ある量の薬剤を脈絡膜上腔へ送達することを含み得る。
別の態様において、本開示は、薬剤デバイスを使用して薬剤を眼の脈絡膜上腔へ送達する方法を含む。この薬剤デバイスは、針に流体接続された薬剤用の容器であって、この針が針シャフト、および斜面を有する尖った最遠位先端を備える、容器と、針シャフトの一部分をその長手方向軸に沿って取り囲むアダプタであって、長手方向軸に対して角度が付けられた最外側傾斜面を含むアダプタとを含み得る。この方法は、尖った最遠位先端が眼の強膜に貫入する工程と、強膜を貫通して針を、その最外側傾斜面が強膜に接触するまで脈絡膜上腔に挿入する工程と、最外側傾斜面が強膜に接触したときに、ある量の薬剤を脈絡膜上腔へ送達する工程とを含み得る。
別の態様において、本開示は、薬剤を眼の脈絡膜上腔へ送達する方法を含む。この方法は、眼の強膜または脈絡膜層の一方を処理して脈絡膜上腔の寸法を増加させる工程と、薬剤送達デバイスの遠位端を脈絡膜上腔まで前進させる工程と、薬剤送達デバイスの最遠位先端を脈絡膜上腔内に位置決めする工程と、ある量の薬剤を脈絡膜上腔へ送達する工程とを含み得る。この方法の様々な実施形態は、以下の態様のうちの1つまたは複数をさらに含み得る:薬剤送達デバイスの遠位端を脈絡膜上腔まで前進させる工程は、強膜に貫入する工程を含み得る;薬剤送達デバイスの最遠位先端を位置決めする工程は、脈絡膜に接触せずに最遠位先端を脈絡膜上腔の中に配置する工程を含む;薬剤送達デバイスの最遠位先端を位置決めする工程は、脈絡膜の最外面を穿孔することなく最遠位先端を脈絡膜上腔の中に配置する工程を含む;薬剤の最遠位先端を位置決めする工程は、ある厚さの脈絡膜に貫入せずに最遠位先端を脈絡膜上腔内に配置する工程を含む;脈絡膜上腔へ送達される薬剤の量は、およそ50μL~500μLである。
本明細書に組み込まれその一部を形成する添付の図面は、様々な例を図示し、一般的な記述とともに、開示された例および実施形態の原理を説明する役割を果たす。
本開示の態様は、添付の図面に図示された実施形態に関連して実施され得る。これらの図面は、本開示の別々の態様を示し、適切な場合には、別々の図中の類似の構造、構成要素、材料、および/または要素を図示する参照数字が同様にラベル付けされる。特に示されたもの以外にも構造、構成要素、および/または要素の様々な組み合わせが企図されており、本開示の範囲内にあることを理解されたい。
さらに、本明細書で説明および図示される多くの実施形態がある。本開示は、これらのどの単一の態様または実施形態にも限定されず、そのような態様および/または実施形態の任意の組み合わせおよび/または順列にもまた限定されない。さらに、本開示のそれぞれの態様、および/またはその実施形態は、単独で、または本開示の他の態様および/またはその実施形態のうちの1つまたは複数と組み合わせて使われてよい。簡潔にするために、特定の順列および組み合わせは、本明細書では別個に説明および/または図示されない。とりわけ、「例示的」として本明細書に記載の実施形態または実施態様は、たとえば、他の実施形態または実施態様よりも好ましい、または有利であると解釈されるべきではなく、むしろ、1つまたは複数の実施形態が1つまたは複数の「例示的」実施形態であることを反映または示すものである。
本開示の実施形態による、眼球組織を処置している例示的な器具の断面図。 本開示の実施形態による、眼球組織を処置している例示的な器具の断面図。 本開示の実施形態による例示的な器具の断面図。 本開示の実施形態による例示的な器具の断面図。 本開示の実施形態による、眼球組織を処置している例示的な器具の断面図。 本開示の実施形態による例示的な器具の断面図。 図6Aは、本開示の実施形態による例示的な器具の断面図であり、図6Bは、本開示の実施形態による図6Aの器具の上面図である。 本開示の実施形態による、眼球組織を処置している例示的な器具を描写する図。 本開示の実施形態による、眼球組織を処置している例示的な器具を描写する図。 本開示の実施形態による、眼球組織を処置している別の例示的な器具を描写する図。 本開示の実施形態による、眼球組織を処置している別の例示的な器具を描写する図。 本開示の実施形態による、眼球組織を処置している別の例示的な器具を描写する図。 本開示の実施形態による、眼球組織を処置している別の例示的な器具を描写する図。 本開示の実施形態による、眼球組織を処置しているさらなる例示的な器具を描写する図。 本開示の実施形態による、別の例示的な器具を描写する図。 本開示の実施形態による、例示的な器具の例示的な管状シャフトの断面図。 本開示の実施形態による、別の例示的な器具の側面図。 本開示の実施形態による、眼球組織を処置しているさらに別の例示的な器具の断面図。 本開示の実施形態による、眼球組織を処置しているさらに別の例示的な器具の断面図。 本開示の実施形態による、眼球組織を処置しているさらに別の例示的な器具の断面図。 本開示の実施形態による、眼球組織を処置しているさらに別の例示的な器具の断面図。 本開示の実施形態による、眼球組織を処置しているさらに別の例示的な器具の断面図。 本開示の実施形態による、眼球組織を処置しているさらに別の例示的な器具の断面図。 本開示の実施形態による、眼球組織を処置している例示的な器具の上面図。 本開示の実施形態による、別の例示的な器具の斜視図。 本開示の実施形態による、さらなる例示的な器具の斜視図。 図23Aは、本開示の実施形態による、さらに別の例示的な器具の断面図であり、図23Bは、本開示の実施形態による、眼球組織を処置している図23Aおよび図23Cの例示的な器具を示す断面図であり、図23Cは、本開示の実施形態による、さらに別の例示的な器具の断面図。 本開示の実施形態による、例示的な器具の部分透視図。 本開示の実施形態による、別の例示的な器具の部分透視図。 本開示の実施形態による、例示的な器具の部分透視図。 本開示の実施形態による、薬物を眼球組織へ送達するために使用されている器具のさらなる実施形態を示す断面図。 本開示の実施形態による、例示的な器具の斜視図。 本開示の実施形態による、例示的な器具の断面図。 本開示の実施形態による、眼球組織を処置している例示的な器具を描写する図。
本明細書で用いられているように、用語の「備える(comprise)」、「備えている(comprising)」、「含む(include)」、「含んでいる(including)」、またはその他のあらゆる変異体は、要素のリストを含むプロセス、方法、物品、または装置がそれらの要素のみを含むのではなく、明示的にリストされていない他の要素またはそのようなプロセス、方法、物品、または装置に固有の要素を含み得るように、非排他的包含に及ぶものである。用語の「例示的(exemplary)」は、「理想的(ideal)」ではなく、「例(example)」の意味で使用される。加えて、用語の「第1」、「第2」などは、本明細書では、どんな順序、量、または重要性も指さず、むしろ、ある要素または構造を他のものと区別するために使用される。さらに、本明細書における用語の「1つの(a)」および「1つの(an)」は、量の制限を指すものではなく、むしろ、参照される項目のうちの1つまたは複数の存在を指すものである。
とりわけ、図示を簡単および明確にするために、図の特定の態様では、様々な実施形態の一般的な構造および/または構造の手法を描写する。よく知られている特徴および技術についての説明および詳細は、他の特徴を不必要に不明瞭にすることを避けるために省略されることがある。図中の要素は必ずしも原寸に比例して描かれていなく、例示的な実施形態の理解を向上させるために、いくつかの特徴の寸法が他の要素に対して誇張されていることがある。たとえば、当業者であれば、側面図が原寸に比例して描かれていないこと、および、別々の構成要素間の比例関係を表していると見られるべきではないことを理解する。側面図は、描写されたアセンブリの様々な構成要素を図示するのを助けるために、また、それらの互いの相対的な配置を示すために提供されている。
次に、添付の図面に図示されている本開示の例が詳細に参照される。可能な限り同じ参照番号が、同一または類似の部分を指すのに図面全体を通して使用される。用語の「遠位」は、デバイスを被験者に導入するときに使用者から最も遠い部分を指す。対照的に、用語の「近位」は、デバイスを被験者に入れるときに使用者に最も近い部分を指す。以下の説明において、「約」、「実質的に」、「およそ」などの相対的な用語は、述べられた数値の±10%の変動を示すために使用される。
本開示の態様は、特に、薬物を眼球組織へ送達するための器具および方法に関する。本明細書に開示された態様のそれぞれは、他の開示された態様のいずれかと関連して説明される特徴のうちの1つまたは複数を含み得る。前述の一般的な説明と以下の詳細な説明は両方とも、例示的かつ説明的なものにすぎず、特許請求されるいかなる発明も限定するものではないと理解され得る。
脈絡膜上腔(SCS:suprachoroidal space)とは、強膜と、眼の後部区域の周囲を横切る脈絡膜との間の潜在的な空間のことである。SCSは、薬物送達のために有用な部位である。その理由は薬物送達が、生体利用性の高い脈絡膜、網膜色素上皮、および網膜を、眼の他の場所では低レベルを維持しながらターゲットにするからである。生理的条件下では、主に眼圧(IOP:intraocular pressure)に起因して、SCSは元来押し縮められた状態にある。SCSは、IOPを維持する役割をぶどう膜強膜路によって果たしており、このぶどう膜強膜路は、房水の代替排出経路であり、眼の前方から後方への自然流路である。IOPを維持するその役割の故に、SCSには、液体の存在に応じて拡張および収縮する潜在力がある。SCSは、異なる量に対応するように、たとえば最大約3.0mmまで、注入量に応じて拡張することが可能である。大量の薬物を注入すると、たとえば、局所的な漿液性網膜上昇、針入口から離れた脈絡膜出血、ならびに脈絡膜浮腫および潜在的な脈絡膜剥離を引き起こす可能性のあるIOP上昇と、針入口からの逆流と、結膜下出血を引き起こし得る液体の逆流、といった悪影響のおそれがある。加えて、注射デバイスの針が強膜を完全に貫通するまで、大量の流体が眼の中に注入され得ない。
たとえば、強膜と脈絡膜を機械的に分離して、強膜と脈絡膜を一緒に保持している繊維を破断することによってSCSを拡張するために、器具が、強膜を貫通して挿入され、強膜層と脈絡膜層との間の適正な深さに最適量の液体(たとえば薬物)がSCSの中に注入され得るように置かれることが可能である。SCSに挿入されるどんな薬物でも、たとえば網膜および/または黄斑を特にターゲットにするために、眼の後方セクションへの直接の薬物送達が可能であり得る。眼の中への挿入および注入のための器具および方法は、眼球層の特定の深さへの拡張のみが可能であり得る。たとえば、強膜層は約500μm~約1100μmの範囲にあり、SCSは約35μmの厚さを有し、脈絡膜層は約50μm~約300μmの範囲にある。眼球層への薬物送達のための器具の挿入の深さは、約1mm~約10mmの範囲であり得る。しかし、このような深さの挿入が、眼球組織の付加的な層に、たとえば、脈絡膜、網膜色素上皮(RPE:retinal pigment epithelium)、および網膜に貫入する、かつ/または影響するおそれがある。このような層への貫入は、所望の薬物が最小の侵襲性処置によって眼のターゲット領域へ導かれ得るように、可能な限り最小限にされるべきである。たとえば、注射処置が外来患者処置として行われることがある。本開示で説明される器具および方法は、上述の欠点に対処し、最適な量、たとえば50μL~500μLの薬物を保持および拡散するSCSの能力を増大させることができる。
本明細書に記載の例示的な実施形態は、眼球の異常を含む様々な異常の治療の際に使用されてよい。たとえば、本開示の実施形態は、屈折異常、黄斑変性、白内障、網膜症、網膜剥離、緑内障、弱視、斜視、他のあらゆる眼疾患、または、眼の組織を介する治療に適している他のあらゆる症状の治療に使用されてよい。
上の説明および例は説明的なものであり、限定的なものではない。当業者であれば、本発明の一般的な範囲から逸脱することなく、多数の修正および/または変更を加えることができる。たとえば、言及されてきたように、上述の実施形態の態様は、互いに任意の適切な組み合わせで使用されてよい。加えて、上述の実施形態の一部分は、本発明の範囲から逸脱することなく除去されることが可能である。加えて、特定の状態または態様を様々な実施形態の教示に適合させるために、その教示の範囲から逸脱することなく、修正が行われてもよい。他の多くの実施形態もまた、上の説明を検討することにより、当業者には明らかになろう。
図1Aおよび図1Bを参照すると、眼の異なる組織および層が、たとえば強膜2、SCS4、および脈絡膜6が表されている。図1A~図4Bは、眼球組織の層を処理して眼の脈絡膜上腔への薬剤の送達を可能にするための器具10の様々な図を示す。器具10は、針12および管状シャフト14を含み得る。針12は、通路16および最遠位先端18を有し得る。管状シャフト14は、針12内に配置されることが可能であり、また、針12に対して長手方向に並進可能とすることができ、それにより器具10は、患者の眼に挿入されて眼の異なる組織間で分離がもたらされること(たとえば、組織を互いに遠ざけて、異なる組織内の繊維および/または接合を破断することによって)、および/または眼内の組織を取り出すことが可能であり、一方、器具10の少なくとも一部分は、使用者によって保持され得る眼の外側にとどまることができる。薬剤、すなわち薬物は、針12もしくは管状シャフト14、または針12と管状シャフト14の両方の内部に収容され得る。器具10が被験者の眼に挿入され、管状シャフト14がSCS4(図1B)を生成および/または増大させるように位置決めされ得る例では、薬剤は、器具挿入部位24からより容易に流れ、組織の一領域および/またはSCS4の拡張領域26に広がって、薬物注入に関連する有害反応を防ぐのに役立ち得る。組織領域の上に薬剤が広がることがまた、器具挿入部位24からの薬物の逆流を防止し、眼の後方セクションの生体利用性(bioavailability)を向上させ得る。
最遠位先端18は、眼の組織層、たとえば強膜2に貫入するように構成された尖った先端または針であってよい。遠位端20は、脈絡膜6(図1A)への貫入に抵抗力のある実質的に非外傷性の、または尖っていない先端22を有し得る。器具10が被験者の眼に挿入されると、管状シャフト14は、通路16中を長手方向に押されて強膜2と脈絡膜6を分離することができ(たとえば、強膜2および/または脈絡膜6を押すことによって、および/またはそれとは別に変形させることによって)、こうすることでSCS4の拡張部分26(図1B)を形成することができる。器具10は、薬物が器具10からSCS4の中に流れることを可能にする複数の開口部150を含み得る。たとえば、開口部150は、円形、スロット、またはそれらの組み合わせであってよい(図11Aおよび図11B)開口部150は、針12もしくは管状シャフト14に、または針12と管状シャフト14の両方に、薬物が器具10から流れることを可能にする任意の適切な構成で配列されてよい。たとえば、開口部150は、針12(たとえば、針12の側壁に)もしくは管状シャフト14、または針12と管状シャフト14の両方の長さに沿って、および/または周囲の径方向に配置されてよい。いくつかの例では、器具10は、2~30個の開口部、または30個よりも多い開口部を含み得る。図11Aおよび図11Bを参照すると、器具10は、薬物が器具10を出てSCS4の一領域にわたって流れて、SCS4に入る薬物に関連する有害反応を防止する助けになるように、SCS4の平面と平行に患者の眼に挿入されることが可能である。
管状シャフト14は、薬物が針12から流れ出て管状シャフト14のまわりに流れることができるように、中実でもよく、すなわち開口部を包含しなくてもよい。このような例では、管状シャフト14は、通路16の断面寸法よりも小さい断面寸法を含むことができ、それにより薬物は、管状シャフト14のまわりに流れることができる。管状シャフト14は、管状シャフト14の周囲の、および挿入部位24(図1B)からの、薬物流を可能にするための様々な構成を有することができる。図12Aおよび図12Bは、管状シャフト14の例示的な幾何学的形状を示す。たとえば、管状シャフト14は星形(図12A)を有してよく、複数のアーム160が半径方向中心162から延び、かつ半径方向中心162に接続されて、チャネル164を収容する管状シャフト14が強膜2と脈絡膜6を緩やかに分離することを可能にする。チャネル164は、薬物が針12を出て、管状シャフト14まわりに、また注射部位24から流れることを可能にし得る。管状シャフト14のアーム160のまわりの薬物流166が図12Aに示されている。別の例では、管状シャフト14は、チャネル164がSCS4の平面内で配向されるように、針12が特定の向きに挿入され得るように、少なくとも一対のチャネル164(図12B)を含み得る。針12を通して薬物が注入されると、薬物は、チャネル164を通って流れることができ、かつ管状シャフト14から外側に/遠くへ押し出され得る。管状シャフト14のこのような構成は、チャネル164が、管状シャフト14の内部領域とは対照的に、管状シャフト14の外面に形成され得るので、器具10の製造プロセス中に有益であり得る。管状シャフト14のチャネル164を通る薬物流166が図12Bに示されている。このような管状シャフト14の構成は、粘度の異なる物質をSCS4に注入するのにさらに有用であり得る。たとえば、低粘度の流体がチャネル164を通して注入されてもよく、これにより有利なことに、低粘度の流体がSCS4の全体にわたって広がる。次いで、管状シャフト14は針12から取り出されて、流路のサイズが効果的に増大し得る。この場合、ゲルなどの粘性の流体が、針12を通して注入されてよい。したがって、管状シャフト14は、高粘性流体の流路を恒久的に妨げずに、低粘性流体の拡散を促進することもまたできる。
さらに別の例では、異なる物質が、管状シャフト14のそれぞれのチャネル164を通って流れるようになることが可能である。たとえば、ある薬物がチャネル164のうちの1つを通って流れるようになり、別の物質がチャネル164のうちの別の1つを通って流れるようになることが可能である。これらの物質は、チャネル164を通って流れるようになり、患者の眼に、順に、または並行して注入されることが可能である。このような構成は、たとえば、薬物がペレット状であり、ペレットから組織の中に放出されるのに水和を必要とする状況において有用であり得る。薬物ペレットは、チャネル164のうちの1つを通して注入されてよく、水和流体は、チャネル164のうちの別の1つを通って流れるようになり得る。流路164を出ると、ペレットと水和液が混合して、薬物がペレットから組織の中に放出されることが可能になり得る。別の例として、多様な粘性の物質が、それぞれ別個のチャネル164を通して眼に注入されることが可能である。さらに別の例として、混合されると重合する物質が、それぞれ別個のチャネル164を通して眼に注入されることが可能である。これらの物質を別個の流路164を通して注入することによって、物質の分離が維持されることが可能であり、また重合が、物質が眼のターゲット空間に入るまで防止されることが可能である。
いくつかの実施形態では、管状シャフト14は、たとえばスポンジなどの吸収性材料で全体的または部分的に形成されてよい。このような構成では、管状シャフト14は、SCS4内、または患者の眼の他の部分に蓄積する流体を吸収するために使用されてよい。流体蓄積は、患者の眼への器具10の挿入、大量出血、出血、または一般的な集積に起因して発生することがある。器具10をSCS4に挿入すると、管状シャフト14は、針12に対してSCS4の方へ選択的に並進されて、SCS4内の最遠位先端18の近くにある流体を吸収することができる。管状シャフト14が吸収性材料で部分的に形成されている実施形態では、管状シャフト14の尖っていない先端22(図1Aおよび図1Bに示されている)が吸収性材料で形成されてよい。尖っていない先端22それ自体が類似して、全体的または部分的に吸収性材料で形成されてもよい。
いくつかの実施形態では、管状シャフト14は、別法として薬物または薬剤で形成されてもよい。たとえば、管状シャフト14は、凍結乾燥薬物などの固化薬物で形成されてよい。器具10がSCS4に挿入されると、管状シャフト14は、針12に対してSCS4に向けて並進され得る。管状シャフト14がSCS4の中に延長されると、管状シャフト14またはその一部分が破断するか、またはそれとは別に器具10から分離し、それによってSCS4の中への薬物の適用が可能になり得る。
遠位端20は、拡張可能部材28(図2)を含み得る。拡張可能部材28は、任意の適切な構成要素、たとえばステントまたはバルーンであってよい。拡張可能部材28は、強膜2と脈絡膜6を分離するように、SCS4および/または水平方向の厚さを増加させるように、SCS4の一領域にわたって拡張するように、垂直方向に拡張することができる。たとえば、拡張可能部材28は強膜2を上向きに、すなわち脈絡膜6から遠ざけるように拡張して、SCS4を増大させることができる。言い換えると、拡張可能部材28は、増加した量の薬物が器具10からSCS4の中へより容易に流れることを可能にするように拡張することができる。図3Aを参照すると、管状シャフト14は、拡張可能部分30を含み得る。拡張可能部分30は、SCS4の一領域にわたって拡張するように垂直方向および/または水平方向に拡張することができる。たとえば拡張可能部分30は、薬物が注射部位24から拡張可能部分30を流れ出てSCS4の拡張領域26に入るように、遠位先端20(図3A)の近位に位置する一対の湾曲アームを含み得る。いくつかの例では、薬物は、管状シャフト14および/または拡張可能部分30の複数の開口部150から流れ出ることができる。他の例では、拡張可能部分30は、複数の糸32(図3B)を含み得る。糸32は、拡張可能部分30が垂直方向および/または水平方向に拡張するときに、強膜2を捕捉することができる。
器具10の構成要素は、任意の適切な金属、ポリマー、ならびに/または金属および/もしくはポリマーの組み合わせで作製されてよい。例示的な金属材料は、ステンレス鋼、ニチノール、チタン、および/またはこれらの金属の合金を含み得る。例示的なポリマー材料は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド、およびポリエーテルスルホン(PES)を含み得る。いくつかの例では、管状シャフト14は、剛性材料、半剛性材料、または可撓性材料で作製されてもよく、このような材料は、拡張可能であり得、かつ/または本明細書で説明される様々な構成が可能であり得る。器具10の材料は、滅菌されることが可能な任意の生体適合性材料であってよい。
図4Aおよび図4Bを参照すると、器具10は、湾曲形状または釣り針形状を有し得る。器具10の湾曲は、使用者が器具10を回転および/または持ち上げて強膜2の一部分をSCS4から引き離せるように、強膜2と脈絡膜6との間の所望の深さに器具10を挿入して、拡張部分26が生成されることを可能にし得る。図4Bに示されるように、SCS4は、内側にではなく、外側に、すなわち、脈絡膜6から遠ざけるよう拡張することができ、こうすることは、眼組織に薬物を注入するときの悪影響を回避する助けになり得る。管状シャフト14は、前進させて強膜2と脈絡膜6をさらに分離することができ(図4B)、こうすることは、注入薬物が強膜2と脈絡膜6との間でより均一に広がることができるようにし得る。針12の斜面または開口部は、器具10の湾曲に対して、湾曲の中心の方へ、湾曲の中心から遠くへ、またはこれらの間の任意の方向を含む、任意の方向に配置されてよい。さらに、器具10は、磁性要素を含むことができ、または全体もしくは一部分が磁性材料から形成されてもよい。SCS4に挿入されるときに、および強膜2と脈絡膜6との間に位置している間に、患者の眼の外部の磁石が、磁性要素または磁性材料に作用することによって器具10を案内するように使用されてよい。たとえば、外部磁石は、強膜2の外面近くの患者の眼の外側に配置されてよい。外部磁石は、磁力を針12に作用させ、それによって、針12を強膜2に向けて動かし、SCS4内にある針12の一部分を、不用意に脈絡膜6に貫入しないように強膜2と平行またはほぼ平行な方向に維持することができる。
器具10の様々な構成、ならびに器具10の構成要素が本明細書で説明される。図5Aおよび図5Bは、代替実施形態を表しており、器具50が、針52およびシャフト54(たとえば、管状シャフト)を含み得る。針52は、通路56および遠位端57を含むことができ、管状シャフト54は、最遠位先端58を含み得る。最遠位先端58は、眼の組織層に貫入するように構成された尖った、または鋭利な先端とすることができる。遠位端57は、実質的に非外傷性の、または尖っていない先端59を有し得る。図5Aおよび図5Bに示されるように、最遠位先端58は、針52が強膜に挿入されると管状シャフト54が通路56中で後方に引かれることが可能なように、複数の角度付き/湾曲した面を含み得る。管状シャフト54が通路56中を引かれている間、最遠位先端58の角度付き/湾曲した面は、遠位端57の一部分を強制的に広げ(図5B)、これにより、強膜層と脈絡膜層を分離して、薬物が注射部位からより容易に流れることが可能になり得る。管状シャフト54はまた、図5Aに示されるように、56中でその元の配向に押し戻されることも可能である。薬物は、図5Bの矢印で描写されているように、遠位先端58の1つまたは複数の開口部から送達され得る。器具50は、器具50が強膜に挿入されている間に管状シャフト54が通路56中で押し戻されるのを防止するための、ロック/アンロック機構を含み得る。他の例では、針52の一部分が、眼の形状または湾曲部に似るように形成または湾曲され得る。
図6Aおよび図6Bは、代替実施形態を表しており、器具60が針61および管状シャフト62を含み得る。針61は、通路63および最遠位先端64を含むことができ、管状シャフト62は、遠位端65を含み得る。最遠位先端64は、眼の組織層に貫入するように構成された尖った先端または針であってよい。遠位端65は、実質的に非外傷性の、または尖っていない先端66を有し得る。図6Aに示されるように、管状シャフト62は、器具60が眼の強膜に挿入されると器具60のくさび67が管状シャフト62と係合し、くさび67が管状シャフト62の一部分をSCSの平面内で強制的に広げて(図6B)強膜層と脈絡膜層を分離し、薬物が注入部位からより容易に流れて広がるように構成され得る。たとえば、管状シャフト62は、図6Bに示されるように、管状シャフトの一部分が広がることを可能にする分割部68を含み得る。図6Bは、管状シャフト62の拡張遠位端65を示す器具60の上面図である。くさび67は、管状シャフト62の一部分と係合し、それを強制的に引き離すように構成された任意の適切な形状であってよい。いくつかの実施形態では、くさび67は省略されてもよく、遠位端65は、遠位端65が通路63の外へ前進させられると直ちに自己拡張して分割部68を形成するように構成され得る。
図7A~図7Cは、針70から延びる管状シャフト76の遠位端の例示的な構成要素を示す。針70は、少なくとも1つの開口部74を含み得る。管状シャフト76の遠位端は、アンカ72を含み得る。アンカ72は、凹湾曲を有し得る。使用者は、針70を強膜2および脈絡膜6に挿入し(図7A)、次に、針70を使用者の方へ、眼の脈絡膜6から引き戻すことができる。針70が後退すると、アンカ72が作動し、強膜2の内面と係合し(図7B)、これにより、針70をSCS4内の所望の深さのところに止めることができる。アンカ72は、強膜2と眼組織の他の柔らかい層との間の機械的特性が異なるので、強膜2に当たると止まることができる。アンカ72はまた、強膜2を脈絡膜6から引き離し、それによってSCS4の一部分を増大させることもできる。いくつかの実施形態では、アンカ72は、患者の眼の外部の磁石が強膜2を脈絡膜6から引き離すのに使用され得るように、全部または一部が磁性材料で形成されてよい。この実施形態では、脈絡膜6への貫入を必要とし得るが、使用者が精密デバイス幾何形状を用いなくても適正な挿入深さに容易に到達することを可能にし得る。別の実施形態では、図7Cに示されるように、アンカ72は、脈絡膜6への貫入を防止するように構成されることが可能である。たとえば、アンカ72は、脈絡膜6に対して組織層に貫入せずに当接するための平らな、またはそれとは別の非外傷性の形状または構成を有し得る。アンカ72は、手動で針70から押し出されることが可能であり、またはアンカ72は、貫入力が減少すると針70から自動的に延びることができる。いくつかの例では、アンカ72は、アンカ72の一部分が曲がり得るように、可撓性材料または半可撓性材料で形成され得る。たとえば、注射が完了すると、針70が組織層から後退させられる/取り出されるにつれて、アンカ72の一部分が脈絡膜6に向かって曲がり得る。
いくつかの実施形態では、アンカ72は、脈絡膜6の内面と係合するように構成され得る。このような実施形態では、使用者は、針70を強膜2および脈絡膜6に挿入し(図7A)、次に、針70を使用者の方に引き戻すことができる。針70が後退すると、アンカ72が作動し、脈絡膜6の内面と係合し、それによって脈絡膜6をその下の網膜から分離することができる。脈絡膜6が軟組織で形成されているので、アンカ72は、脈絡膜6を引き裂いたり破ったりすることなく、脈絡膜6を網膜から分離するように構成されることが可能である。このような構成は、網膜剥離などの様々な異常に対処するために遺伝子治療などの治療を網膜下腔で行うのに特に有用であり得る。
図8A~図8Fは、器具10と、薬剤を眼のSCS4へ送達する方法との例示的な実施形態を示す。器具10は、上記で説明された特徴の全部またはいくつかを含み得る。図8Aに示されるように、器具10は、湾曲形状または釣り針形状を有し得る。器具10の湾曲は、使用者が器具10を回転および/または持ち上げて強膜2の一部分をSCS4から引き離し、それによって拡張部分26が生成され得るように、強膜2と脈絡膜6との間の所望の深さに器具10を挿入することを可能にし得る。図8Bに示されるように、SCS4は、内側ではなく外側に、すなわち、脈絡膜6から遠ざけるように拡張することができ、こうすることは、眼組織に薬物を注入するときの悪影響を回避する助けになり得る。いくつかの例では、針80が拡張部分26に挿入されることがある。針80と組み合わせて器具10を使用するのは、強膜2と脈絡膜6との間の距離、すなわち拡張部分26が増大するため、使用者の正確さをあまり必要としない。しかし、針80と組み合わせて器具10を使用するのは、この方法では2つの挿入部位を、1つは器具10に、2番目は針80に利用するので、正確に制御される必要があり得る。
図8Cは、器具10と組み合わせて使用するための代替の第2の器具、安定化脚82を示す。使用者は、安定化脚82を器具10に、両方の構成要素を使用することにより器具10が強膜2およびSCS4を通り抜けてどれだけ深く挿入されるかを制御できるように、取り付けることができる。図8Bに示されるシステムおよび方法と比較して、安定化脚82の使用では1つの挿入部位を利用し、このことが患者の感染、不快感、および/または外傷のリスクを低減し得る。安定化脚82はさらに、追加の使用者の制御手段を提供する。
図8Dおよび図8Eは、最遠位先端18の近位に位置する屈曲部84を含む、器具10の代替実施形態を示す。屈曲部84は、器具10が強膜2およびSCS4を通り抜けてどれだけ深く挿入されることが可能かを制御することができる。器具10が挿入されると、使用者は、器具10を回転させて、ある量の薬物を拡張部分26に注入しながら、同時に強膜2の一部分を脈絡膜6から引き離すことができる。図8Fは、実質的にU字形状に構成された器具10の代替実施形態を示す。器具10がU字形状であるので、器具10が強膜2、SCS4、および脈絡膜6を通り抜けてどれだけ深く挿入されることが可能かを制御することができる。器具10が挿入されると、使用者は、器具10を押して/回転させて、最遠位先端18が強膜2に向かって上向きにすることができ、強膜2への第2の挿入は行われない。強膜と他の柔らかい層との間の機械的特性の違いが使用者に、針が内側から強膜層に再び貫入する前に使用者が針の前進を止める必要があり得ることを示す触覚フィードバックを付与することができる。U字形状は、超精密デバイス幾何形状を必要とせずに、使用者が適正な注入深さを見つけられるようにし得るが、U字形状の器具を利用すると、いくつかの実施形態では脈絡膜6に貫入する。
いくつかの例では、針12は、2つ以上の最遠位先端18を含み得る。図9を参照すると、針12の1つまたは複数の最遠位先端18は、Y字形状を形成してもよく、この形状は、針12が強膜2に入る2つの注入セットを有することを可能にし得る。1つまたは複数の最遠位先端18は、強膜2の一領域をまたいで、薬物がSCS4のより広い領域に広がることを可能にし得る。1つまたは複数の最遠位先端18の開口部は、針12の主シャフトから外向きに、主シャフトに向かって内向きに、またはこれらの間の様々な方向を含む様々な方向に、配向され得る。開口部は、針12からの薬剤の流れと、薬剤が流れる表面領域とを最大にするように配向されることが可能である。加えて、1つまたは複数の最遠位先端18は、針12からまっすぐに延びているように図9に示されているが、患者の眼の外面の形状に似ている半円形状を全体として形成してもよい。このような構成は、1つまたは複数の最遠位先端18を眼の縁の近くに挿入することと、針12を通して薬物が注入したときに薬物が眼の後方に向かって流れることとを可能にし得る。
本明細書に開示された装置またはシステムを使用すると、硝子体、脈絡膜、および強膜の間の機械的および/または化学的特性の違いにより、使用者は、装置、システム、またはこれらの構成要素が強膜の内表面に到達したときの触覚フィードバックを感じられるようになり得る。言い換えると、組織層の特性に基づいて、使用者は、ひとたび装置、システム、またはこれらの構成要素が適正な深さまで挿入されれば、知ることが可能である。たとえば、強膜は、脈絡膜よりも約10倍堅いことがある。標準的な針は眼の中に、眼の湾曲に従って斜めに挿入され、使用者は、上述のように触覚フィードバックを使用できるが、このような方法は、眼の外傷のリスクを増大させるおそれがある。図13を参照すると、針12は、使用者に触覚フィードバックを与えるように構成された幾何学的特徴170を含み得る。幾何学的特徴170は、ノッチまたはリブであってよく、たとえば100μmごとの設定間隔で配置され得る(図13のAで表されている)。使用者に触覚フィードバックを与えることに加えて、幾何学的特徴170は、使用者に可聴フィードバックをさらに与えることもできる。たとえば、幾何学的特徴170は、眼の中へ1つまたは複数の深さまで挿入するときに、または眼の1つまたは複数の腔の中へ挿入するときに、クリック音を生じさせることができる。いくつかの実施形態では、幾何学的特徴170は、針12の挿入の深さを検出するように構成された1つまたは複数のセンサを含み得る。眼の中の1つまたは複数の深さへの挿入を示す、1つまたは複数のセンサによって生成された信号に基づいて、挿入の深さを使用者に警告するための音声が生成されてもよい。音声は、針12の上、針ハブの上、もしくはシリンジのハウジングの上にあるか、または針12の近くに配置されているが分離している、小型電子スピーカなどの任意の音声発生デバイスによって生成されることが可能である。したがって、幾何学的特徴170は、使用者が針12を、脈絡膜上腔、硝子体液、または他の腔などの眼のいくつかの腔のいずれかへの注入のために使用することを可能にし得る。
組織層の特性の違いはまた、薬物の流れを制御することを支援することもできる。たとえば、針12は、図11Aおよび図11Bに示される複数の開口部150を有し得る。いくつかの例では、開口部150は、針12の周囲に、および/または長さに沿って構成され得る。針12が組織層に挿入されると、組織層の異なる化学的および/または機械的特性により開口部150を塞ぎ、ある量の薬物が針12から流れ出てSCS以外の組織層の領域に入るのを防止することができる。
図10を参照すると、外部部分100が針12とともに利用され得る。外部部分100は、強膜2または脈絡膜4の一方または両方を変形させるための突起を有する平らな面を備え得る。たとえば、突起は丸みのある面であってよい。外部部分100は、眼の外面に適用されて、強膜2または脈絡膜4の一方または両方に変形を生じさせ得る。図10に示されるように、外部部分100が眼の外面に適用されると、針12は、針12が強膜2と脈絡膜4との間でくさび形になり得るように、強膜2および/または脈絡膜4の変形領域から適切な角度および/または距離で挿入されることが可能である。外部部分100の使用は、針12を適正な深さで挿入することを支援し得るが、外部部分100は、薬物送達のためのSCS4の領域を必ずしも増大させない。
図14~図17は、針12とともにチャンバ110を利用する本開示の例示的な実施形態を示す。チャンバ110は、強膜2の一部分を引き寄せる、つかむ、またはつまむように構成され得る。たとえば、チャンバ110は、強膜2の一部分をつかみ、強膜2のその部分をチャンバ110に引き込むことができる、円形状および/または構成要素を有し得る。図14を参照すると、チャンバ110は、部分110aと、部分110aの遠位面から延びるシールド110bとを含み得る。部分110aは、固定テーブル、トレイ、または前部受け台であってよい。針12は、任意の適切な手段、たとえば針ハブ112を介して、チャンバ110に接続され得る。チャンバ110は、チャンバ110が強膜2の一部分をつまんでチャンバ110の中へ、すなわち脈絡膜6から遠くへ引っ張るように(図15に示されるように)、自動的に、または使用者によって手動で作動され得る。いくつかの例では、チャンバ110は、強膜2に吸引力を適用するように構成され得る。たとえば、チャンバ110は、動的真空引きまたは静的真空引きなどの、真空を含み得る。図15を参照すると、チャンバ110は、強膜2の一部分に吸引力を適用するための真空を含み得る。強膜2の一部分がチャンバ110の中へ、かつ脈絡膜6から遠くへ引っ張られると、針12が強膜2のその部分に挿入され得る。図16は、チャンバ110が強膜2の一部分に適用されることが可能である、別の実施形態を示す。チャンバ110は、強膜2の一部分を上向きにチャンバ110の中へ引っ張る真空を含み得る。針12は、チャンバ110の基部に、たとえばシールド110bの遠位の位置に挿入されてよい。
別の実施形態では、チャンバ110は、チャンバ110の中への強膜2の近位前進を制限するように構成された止め具構成要素114を含み得る(図17)。たとえば止め具構成要素114は、針12の一部分を取り囲むことができる。止め具構成要素114は、チャンバ110の側壁からチャンバ110の中心に向かって延びる複数の延長部116を含み得る。止め具構成要素114はまた、たとえば真空からの、強膜2に対する吸引力の適用を可能にするように構成された複数の開口部117を含み得る。止め具構成要素114は、使用者が注入の角度を調整できるようにさらに構成されてもよい。たとえば、止め具構成要素114および/またはチャンバ110を針12の長手方向軸のまわりで回転させると、針12による強膜2への貫入の角度が調整され得る。いくつかの実施形態では、使用者が、止め具構成要素114および/またはチャンバ110を回転させることによって、貫入の角度を強膜2の表面に対して(図17に示される)約90°~約45°まで調整することができる。止め具構成要素114は、たとえば、針12が柔軟な構造を有するか、または柔軟な材料で形成されている場合に、針12を偏向させることによって、貫入の角度が調整されることになり得る。
上述のように、チャンバ110のシールド110bは、円形断面構造を含み得る。図20を参照すると、シールド110bによって囲まれた強膜142の円形断面全体に吸引力を加える代わりに、馬蹄形状または半円形状140で吸引力を加えることができる。このような場合、チャンバ110のシールド110bは、半円断面構造を含み得る。馬蹄形状140で吸引力を適用すると、強膜142の一部分をセクション144の中へ上向きに引き上げることができる。次に、使用者は、針12を水平に(強膜142の中へ、かつ天然の眼の表面の接線に)、馬蹄形状140の中心および2つの側部の間へ挿入することができる。針12のさらなる挿入により、針12を強膜層と脈絡膜層との間にくさび留めすることができる。本明細書に、たとえば図14~図17および図20で開示された使用のシステムおよび方法は、脈絡膜6を乱すことなくSCS4内に追加腔を形成しながら、患者に対しては最小限の侵襲性であり得る。針挿入の精度は、真空の使用によってSCS4の面積が増大しているので、あまり重要ではない。
本明細書に記載の、チャンバ110を備え得るシステムおよび方法は、薬物が針または装置から引き出されるのを防止するために利用されてよい。たとえば、図15を参照すると、針12は、眼の一部分に部分的に挿入されることが可能である。チャンバ110は、強膜2の一部分を吸引し、強膜2のその部分を引き上げて、最遠位先端18を覆うことができる。別の例では、本開示による送達システムおよび/または装置は、チャンバ110が、薬物が針12から流れ出てSCS4に入ることを可能にしながら強膜2の一部分を引き上げることができるように、チャンバ110よりも大きい摩擦力を有し得る。別の例では、弁、たとえば遮断弁が、本開示によるデバイスまたは装置の針12、針ハブ112、または任意の構成要素に存在し得る。この弁は、針12からの薬物の流れを遮断または遮断解除するのに使用されることが可能である。たとえば、チャンバ110が強膜2に適用され、強膜2の一部分が吸引され、かつチャンバ110の中に引き上げられた後に、針12が挿入され、弁が利用されて針12からSCS4への薬物の流れを遮断解除し、次に、遮断されて、針12からの薬物の流れが停止される。
いくつかの実施形態では、チャンバ110は、眼の外面に対して静置して使用者のための案内として機能することができる(図19)。使用者は、チャンバ110のシールド110bを眼の外面に対して静置し、次に、針12を針ハブ112から強膜2の中へ前進させることができる。図19に示されるように、チャンバ110は、針12を前進させるためのダイヤルまたはクランク220を含み得る。本明細書に開示された、たとえば図19の装置および方法は、針挿入深さを細密に制御することができる。
図18に示された別の例では、針ハブ112が針12の一部分を収容することができ、針ハブ112はホルダ210に取り付けられ得る。ホルダ210は、テーブル、トレイ、または前部受け台に取り付けられてよく、これらは安定した外部面に固定されて、使用者を支援することができる。ホルダ210は、針12を前進させるためのダイヤルまたはクランク220を含み得る。針ハブ112は、貫入抵抗の減少を検知したときに、針12がホルダ210から延びるのを止めるためのフィードバック機構、たとえば力センサを含み得る。上記で説明したように、貫入抵抗は、眼球組織層の機械的および/または化学的特性を指すことがある。ダイヤル220は、フィードバック機構が、力および/または貫入抵抗が減少したので止まることを使用者に通知するまで、制御された手法で針12を眼に挿入するのに使用され得る。フィードバック機構は、針12の挿入が自動的に止まり得るようにフィードバックループとすることができる。
図21Aおよび図21Bを参照すると、本明細書に記載のシステムおよび方法は、マイクロニードル・ハブ180を含み得る。マイクロニードル・ハブ180は、実質的に長方形とすることができ、複数の湾曲面を含む。マイクロニードル・ハブ180は、複数のマイクロニードル182を含み得る。図21Aおよび図21Bに示されるように、マイクロニードル182は、長さおよび厚さが多様なものであってよい。別の例では、マイクロニードル182は、角度が多様なものであってよく、マイクロニードル182は、マイクロニードル・ハブ180の表面に対する角度が多様なものであってよい。いくつかの実施形態では、マイクロニードル182は、マイクロニードル・ハブ180に対して約45°だけ角度が付けられてよい。いくつかの実施形態では、マイクロニードル182のそれぞれは、同じ方向に角度が付けられてよい。いくつかの実施形態では、マイクロニードル182のうちの1つまたは複数が、異なる方向に角度が付けられてよい。マイクロニードル・ハブ180は、タトゥー針と類似して、マイクロニードルの異なる設定の段階的発射を提供することができる。この段階的発射は、薬物を眼球組織の広い範囲にわたって広げることができる。マイクロニードル182(図21B)の多様な長さは、眼球組織層(たとえば強膜)の多様な厚さに対処する場合に、使用者に適応性をもたらすことができる。いくつかの実施形態では、マイクロニードル182は、マイクロニードル182のそれぞれの遠位端に開口部(図示せず)を含み得る。マイクロニードル182の開口部は、薬物がマイクロニードル・ハブ180に対して多数の方向に流れることができるように、多様な方向に配向されることが可能である。いくつかの実施形態では、マイクロニードル182は、患者に挿入するとマイクロニードル182が溶解し、それによって薬物が放出され得るように、凍結乾燥薬物で形成されることが可能である。マイクロニードル・ハブ180は、単独で、または本明細書に開示されたデバイス、システム、および方法のいずれかと組み合わせて、利用されることが可能である。
いくつかの実施形態では、マイクロニードル・ハブ180および/またはマイクロニードル182は、ばね留め機構を含み得る。マイクロニードル182が眼に押し付けられると、ばね留め機構は、マイクロニードル182をマイクロニードル・ハブ180に対して角度偏向させることができる。いくつかの実施形態では、マイクロニードル182は、円形または半円形の編成で配列されてよく、この編成に対して外向きに偏向することができる。マイクロニードル182が偏向することは、マイクロニードル182が十分に浅い角度で眼に貫入することを可能にし、強膜2と脈絡膜6の層を分離して、良好で増大した薬物流れを可能にし、また、薬物が分散される領域をさらに最大化することができる。
図22Aおよび図22Bに示される別の実施形態は、針先端192を有する針管190を含む。針管190は円筒形状を有してよく、針先端192は鋸歯状針先端であってよい。針先端192は眼の外面で振動し、この振動は針先端192が、脈絡膜6に貫入しなくても強膜2を切り開くことを可能にし得る。いくつかの例では、針先端192を有する針管190は、上述のようにチャンバ194によって取り囲まれることが可能であり、チャンバ194は真空を含み得る。チャンバ194は、針管190の周囲に円形で適用されて、強膜2をつまみ、つかみ、かつ強膜2の一部分を上方に持ち上げることができる。チャンバ194の真空は、強膜2の外面に封止部を生成し、この封止部は、チャンバ194が強膜2の一部分をつかむことを可能にし得る。
図23A~図23Cは、針12が針ハブ112に接続され得る、別の実施形態を表す。管状シャフト14は、レバー200および止め具202を含み得る。レバー200および止め具202は、管状シャフト14の近位端に配置されることが可能である。管状シャフト14の遠位端は、一対のアーム204を含み得る。針12の最遠位先端18は、強膜2に貫入するように尖っていてよい。図23Aは、注入前のデバイスを示す。注入中(図23B)にレバー200は、管状シャフト14を針12に通してSCS4に押し込むように作動させることができる。レバー200は、送達中にデバイスを密封するために、止め具202が針ハブ112と同一平面になるまで管状シャフトを押すことができる。挿入されると、アーム204は、強膜2と脈絡膜6を機械的に分離して、薬物を注入部位からSCS4の中へ外向きに案内することができる。注入が完了すると(図23C)、レバー200は上に引き上げられて、アーム204を眼球組織層から取り出すことができる。いくつかの例では、アーム204は糸状のヒドロゲルで形成され、SCS4内に位置決めされると管状シャフト14から離脱するように構成され得る。アーム204には、水和すると放出される薬物を装填することが可能である。アーム204は、アーム204の近傍に水和溶液を注入することによって水和されることが可能であり、または眼の中の自然に生じる流体にさらされることにより時間の経過とともに自然に水和されることが可能である。
図24~図27は、針12が針ハブ112に接続され得る本開示の実施形態を表す。デバイスはハウジング240を含む。ハウジング240は円筒形状を有し、針ハブ112と、針ハブ112に接続され得る任意の追加の構成要素、たとえば、シリンジ、コネクタ260(たとえば、シリンジ上のルアーロックアダプタ)またはばね250とを収容し得る。図24を参照すると、ハウジング240は、ピストン252、ハウジング240の近位端にあるプランジャ・ロッド242、インジケータ246、およびフィードバック機構248を収容することができる。ばね250は、使用者が針12を強膜に通して挿入するときにばね250が抵抗を与えるように、針12と一直線上にあるようにすることができる。針12が強膜を貫通して挿入されると、ばね力が低下し、使用者が針12の挿入を停止すべきことを示す信号を使用者に提供することができる。信号は、インジケータ246または任意の適切な信号であってよい。たとえば、インジケータ246は、LED光源でもノイズ音でもよい。フィードバック機構248は、スプリング250がハウジング240の事前設定限界を通り越して針ハブ112を押すことを防止する、止め具またはブレーキとすることができる。いくつかの例では、針ハブ112は、ハウジング240の最遠位先端に向かって移動せずに、ただ単にハウジング240の近位端に向かって戻るように構成され得る。デバイスはまた、針ハブ112にスナップ留めができる外部シャフト280(図26Aおよび図26B)を含み得る。別法として、外部シャフト280は、針12に直接取り付けることもできる。外部シャフト280は、針12の少なくとも一部分を囲む円筒形状を有し得る。いくつかの実施形態では、外部シャフト280は透明な材料で形成されて、使用者が針12を外部シャフト280を通して見ることが可能にされ得る。これにより、使用者が、注入中の針12の配置をより容易に確認することを可能にすることができる。外部シャフト280の遠位端と針12の最遠位先端との間の距離(図26AでBで表されている)は、針挿入の深さを制御するのに使用され得る。距離Bは、調整可能とすることができる。たとえば、外部シャフト280は、距離Bを規定するねじ付き構成要素を有することができ、距離Bを調整可能にする機構を含むことができ、距離Bの長さを使用者に示すマーキング、たとえば、カラー・コードを有することができ、または使い捨て構成要素とすることができる。いくつかの例では、数本の外部シャフト280が使用者に提供されてもよく、外部シャフト280のそれぞれは、使用者が患者の強膜厚さの推定値に基づいて適正なシャフト構成要素を選択することができるように、異なる距離Bを与えることができる。別の例では、外部シャフト280は、所望の角度で針挿入ができるようにするために、角度付き縁部(図26B)を有し得る。別の例では、デバイスは、針12がさらに挿入されるのをフィードバック機構248(図24に示される)が止めるまで針12が眼に挿入されるように、自動的に動作することができる。このような自動動作は、針12の制御を改善することができ、全体的な注入速度をさらに制御することができる。さらに別の例では、外部シャフト280は、患者の眼の強膜に当てられて強膜と結合し得る表面を含むように、アダプタ290(図28~図30に示され、以下でさらに詳細に説明される)と同様に形成され得る。さらに別の例では、外部シャフト280は、針ハブ112および針12に対して並進し、可聴フィードバックを使用者に与えることができる。たとえば、外部シャフト280が並進することにより、並進が所定の限界に到達したときに、使用者に可聴のクリック音を生じさせることができる。所定の限界は、たとえば、針ハブ112が外部シャフト280の遠位端に近付く点であってよい。さらに別の例では、図24~図27に示された実施形態は、針12がターゲット位置に挿入されたかどうかの表示を使用者に提供する、本明細書で以前に説明されたフィードバック機能のいずれかと組み合わされることが可能である。
患者の眼のSCSに薬物を送達する様々な方法が、本明細書のデバイスおよびシステムについての説明全体を通して開示されている。器具10を使用して患者の眼の脈絡膜上腔に薬剤を送達する例が、図27Aおよび図27Bに示されている。器具10は、針12の最遠位先端18が強膜2の一部分を切断できるように、注入部位24から挿入されることが可能である。器具10がSCS4内に入ると、管状シャフト14は、挿入部位24から特定の距離に到達し、強膜2および/または脈絡膜6の一部分を拡張するまでSCS4に挿入され、それによってSCS4の領域を増大させることができる(図27A)。管状シャフト14がSCS4に挿入されると、ある量の薬物がSCS4の領域に注入され得る。管状シャフト14は、図27Bに示されるように、後退可能とすることができる。管状シャフト14が後退されると、ある量の薬物が同時に、その薬物が管状シャフト14によって残された腔内に存在するように、管状シャフト14からSCS4の領域に注入されることが可能である。器具10、針12、および管状シャフト14は、上記で説明された構成要素のいずれかを含み得る。
本明細書で開示された方法は、圧力制御されることが可能である。たとえば、注入または注ぎ込み速度は、圧力フィードバックに基づいてよい。SCS内の圧力は、眼の眼球組織の損傷を引き起こすおそれがある圧力のレベル増大を防止するために、制限され得る。圧力制御された注入はまた、SCS内部の注入部位からの薬物送達のより長い持続時間を可能にすることもできる。他の例では、本明細書で説明される装置および/またはデバイスは、システム全体の圧力を監視できるポンプ/電気機械デバイスに接続され得る。圧力制御注入はまた、SCSへの薬物の流量を、その流量の圧力が特定の圧力(たとえば眼内レンズ圧力)を超えることがないように制御することもできる。
図28~図30を参照すると、本明細書に記載のシステムおよび方法は、アダプタ290を含み得る。アダプタ290は、針12のシャフトを取り取り囲むように構成された構成要素とすることができる。アダプタ290は、針12が接続され得る針ハブ112に対して最遠位先端18の方に配置されてよい。別の構成では、針12は、薬剤用の容器(図示せず)に、たとえばシリンジに接続される。いくつかの例では、針12は杭針(staked needle)であってよい。他の例では、針ハブ112は、容器(図示せず)と針12との間に配置されてよい。アダプタ290は、アダプタ290の実質的に円筒形の部分を画定する中間面292を含み得る。アダプタ290が、針12の一部分を取り囲むように配置される場合、アダプタ290の実質的に円筒形の部分の長手方向軸は、針12の長手方向軸と平行に延び得る。本開示の目的のために、実質的に円筒形の部分の長手方向軸は、アダプタ290の長手方向軸であると理解されるべきものである。
中間面292に隣接して、アダプタ290は、中間面292に対してアダプタ290の遠位端に向けて配置された角度付き遠位面294を含み得る。角度付き遠位面294は、アダプタ290の実質的に円錐台状の部分、または部分的に円錐台状の部分を画定することができる。角度付き遠位面294は、たとえば、アダプタ290の長手方向軸に対して約30度~約60度の範囲の角度で、アダプタ290の長手方向軸に対して約40度~約50度の範囲の角度で、またはアダプタ290の長手方向軸に対して約45度の角度で配向されることが可能である。
アダプタ290は、最外側傾斜面298をさらに含み得る。最外側傾斜面298は、中間面292および/または角度付き遠位面294に隣接する平らな面とすることができる。別法として、最外側傾斜面298は、患者の眼の強膜に当てられて強膜と結合するように構成された凸面とすることができる。図29に示されるように、最外側傾斜面298は、アダプタ290の長手方向軸に対して角度θで配向され得る。角度θは、アダプタ290の長手方向軸に対して約25度~約75度、アダプタ290の長手方向軸に対して約40度~約65度、またはアダプタ290の長手方向軸に対して約30度~約60度の範囲とすることができる。例示的な実施形態では、角度θは、アダプタ290の長手方向軸に対して約45度であり得る。
最外側傾斜面298は、患者の眼の強膜との接触を得るために様々な手法で構成され得る。たとえば、最外側傾斜面298は、強膜の磨耗を最小限にするために平滑であるか、または研磨されている。別法として、最外側傾斜面298が、強膜に対するアダプタ290の動きを最小限にするために粗面化され得る。いくつかの実施形態では、最外側傾斜面298は、突き出ているくぼみ、へこんでいるくぼみ、起伏、他の幾何学的特徴、またはこれらの任意の組み合わせなどの幾何学的特徴を含み得る。加えて、コーティングが最外側傾斜面298に適用されることが可能である。コーティングは、治療用、抗菌性、および/または滅菌性とすることができる。別の例として、最外側傾斜面298は、アダプタ290上に材料をオーバーモールドすることによって形成されてもよい。オーバーモールドされる材料は、たとえば、その表面特性(たとえば、粗面、平滑など)、または研磨などの表面仕上げに対する適合性に基づいて選択され得る。最外側傾斜面298は、幾何学的特徴を有する研磨された面、幾何学的特徴を有する粗表面、コーティングを有するオーバーモールド材料などの、前述の特徴の様々な組み合わせをさらに組み込むことができる。特徴の例示的な組み合わせが本明細書で説明されているが、これらの組み合わせは限定的なものではなく、他の組み合わせが企図される。
アダプタ290は、アダプタ290および/または最外側傾斜面298の位置の視覚的表示を含み得る。たとえば、最外側傾斜面298は、最外側傾斜面298を他の面と区別するために、アダプタ290の他の面とは異なるように着色され得る。アダプタ290はまた、アダプタ290および/または最外側傾斜面298の位置を示すための可視マーキングを含むこともできる。このような可視マーキングは、最外側傾斜面298の、および/またはアダプタ290の他の面の、対照的な色のマーキング、テクスチャ・マーキングなどを含み得る。可視マーキングは、シルクスクリーン、オーバーモールド、エッチング、または他の様々な適切な技法を使用してアダプタ290に適用され得る。可視マーキングは、円、楕円、多角形、不規則な形状、またはこれらの任意の組み合わせを含む、任意の幾何形状であってよい。
アダプタ290は、近位面295および遠位面296を含み得る。近位面295は、中間面292に隣接しているとともに、アダプタ290の長手方向軸に対して垂直な平面内に存在する、実質的に円形の面であり得る。遠位面296もまた、実質的に円形の面であり得る。遠位面296は、角度付き遠位面294に隣接しているとともに、アダプタ290の長手方向軸に対して垂直な別の平面内に存在し得る。したがって、近位面295は遠位面296と平行であり得る。
アダプタ290は、針12が配置されることが可能である針穴302を含み得る。針穴302は、アダプタ290の長手方向軸と平行に、または実質的に平行に延びることができる。針穴302内に配置されると、針12は、近位面295および遠位面296のそれぞれと交差し得る。針穴内に配置されると、針12の最遠位先端18は、遠位面296から距離Cだけ延び得る。距離Cの長さは、最遠位先端18の斜面18aが遠位面296から延びることができるような長さであり得る。距離Cの長さはさらに、最遠位先端18の近位にある針12のシャフトの一部分が遠位面296から延び得るような長さであり得る。距離Cは、たとえば、200μmと1200μmとの間、400μmと1000μmとの間、600μmと800μmとの間、または約700μmであってよい。いくつかの実施態様では、斜面18aと最外側傾斜面298は、アダプタ290の長手方向軸に対して同じ角度で配向されてよい。
アダプタ290は、針12の長手方向軸に沿って針12に対して選択的に並進可能であり得る。アダプタ290の並進は、たとえば、距離Cを調整するのに望ましいことがある。使用のために、アダプタ290は針12に固定されることが可能である。アダプタ290は、ねじ、留め具、ナット、ボルト、または接着剤を含む、任意の適切な手段によって針12に接続され得る。一例として、また図28~図30に示されるように、アダプタ290は、ねじ288を使用して針12に固定され得る。ねじ288は、アダプタ290内部のねじ付き穴304に挿入されることが可能である。締め付けられると、ねじ288は、針12に対して力を、針12の長手方向軸に垂直に作用させることができる。この力により、針12とねじ288との間、ならびに針12と針穴302との間で長手方向に摩擦が生じることになり、それによって、アダプタ290が針12に対して並進するのを防止することができる。使用者が距離Cを調整したい場合、たとえば、遠位面296からの最遠位先端18の距離を延長したい場合に、使用者はボルトを緩めて、針12に対してアダプタ290が並進することを可能にすることができる。図30に示されるように、アダプタ290は、針12の最遠位先端18の軌道をSCS4の中へ強膜2を通して案内するために使用されることが可能である。薬剤をSCS4に注入するために、使用者は、たとえば、強膜2に最遠位先端18で貫入し、強膜2を貫通して針12を挿入することができる。使用者は、最外側傾斜面298が強膜2の外面に接する平面と平行に配向されるように、針12に角度付けすることができる。この場合、使用者は針12を、最外側傾斜面298が強膜2の表面に接触するまで継続して挿入することができる。最外側傾斜面298が平らな面である例示的な方法では、使用者は針12を、最外側傾斜面298が強膜2の表面と接するまで挿入することができる。最外側傾斜面298が凸面である例示的な方法では、使用者は針12を、最外側傾斜面298が強膜2の表面と結合するまで挿入することができる。最外側傾斜面298が強膜2に接触すると、針12は、さらに挿入されることが防止され、場合によって脈絡膜6に貫入することが防止され得る。
いくつかの実施態様では、使用者は、アダプタ290を針12に沿って並進させることによって、距離Cを所望の長さに調整することが可能である。使用者が距離Cおよび/または角度θを所望通りに調整した場合、使用者は、アダプタ290を使用して針12の軌道を、針12が実質的に所定の深さで強膜2に貫入するように、SCS4の中へ案内することができる。それによって、使用者は、薬剤をある程度の精度で脈絡膜上腔4の中に、脈絡膜6に貫入することなく注入することができ得る。
図28~図30に示されるように、アダプタ290は、針12の付近に配置され得る。アダプタ290は、別法として、ハブ112と、針12に接続された薬剤容器(たとえば、シリンジ)とのどちらかまたは両方に取り付けられてもよい。たとえば、アダプタ290は、図26Aおよび図26Bに示されている外部シャフト280と類似した手法で、ハブ112に取り付けられてもよい。さらに、アダプタ290は、ばねがアダプタ290を最遠位先端18に向けて動かすように、ばね留めされてもよい。使用時、使用者は、アダプタ290を患者の強膜に当て、かつばねを押し下げるのに十分な力を作用させ、それによって針12を露出させることができる。ばねは、患者の眼の中への針12の貫入の深さを制御するように構成されることが可能である。
アダプタ290は、任意の適切な金属、ポリマー、ならびに/または金属および/もしくはポリマーの組み合わせで作製されてよい。例示的な金属材料は、ステンレス鋼、ニチノール、チタン、および/またはこれらの金属の合金を含み得る。例示的なポリマー材料は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド、およびポリエーテルスルホン(PES)を含み得る。いくつかの例では、アダプタ290は、剛性材料、半剛性材料、または可撓性材料で作製されてもよい。アダプタ290はさらに、滅菌されることが可能な任意の生体適合性材料で形成されてもよい。いくつかの例では、アダプタ290は、患者の眼の血管のより容易な識別、および/または血管に対するナビゲーションを可能にするために、透明な材料で作られ得る。
アダプタ290の寸法は限定されるものではなく、実際は変化し得ることを理解されたい。たとえば、アダプタ290の長さ(すなわち、近位面295と遠位面296との間の距離)は、異なる長さの針に対応するために変化し得る。また、針穴302の直径も、異なる直径を有する針に対応するために変化し得る。さらに、近位面295および/または遠位面296の直径も変化し得る。
本明細書に記載のように、アダプタ290は、眼球注入処置におけるヒューマンエラーを低減するのに有用であり得る。脈絡膜上腔への注入に有用であることに加えて、アダプタ290は、網膜下腔などの眼の他の腔への注入にも有用であり得る。網膜下の薬物送達のための現在の方法は、侵襲的であり得るとともに、手術をさらに必要とし得る。網膜下薬物送達のための外科的処置は、カニューレが網膜下腔にアクセスすることを可能にするために、網膜表面に裂け目を生成すること、および/または完全な硝子体切除を要することがある。別法として、アダプタ290は、強膜を通して網膜下腔にアクセスすることを可能にし、それによって処置の侵襲性を低下させることができる。光コヒーレンス・トモグラフィ(OCT:optical coherence tomography)および/または超音波などの眼イメージング技術を使用して、強膜の表面と網膜下腔との間の正確な距離が計算され得る。針12の最遠位先端18とアダプタ290の遠位面296または最外側傾斜面298との間の距離は、強膜と網膜下腔との間の距離と一致するように構成されることが可能である。このような構成では、アダプタ290は、針12が網膜下腔を越えて硝子体の中へ延びるのを防止することができる。最外側傾斜面298はまた、網膜下注入が行われる角度を制御することもできる。
アダプタ290は、フライス加工、CNC機械加工、ポリマー鋳造、回転成形、真空成形、射出成形、押出成形、ブロー成形、またはこれらの任意の組み合わせをそれだけには限定されないが含む、任意の適切な製造プロセスによって形成されることが可能である。
本明細書に記載の様々なデバイスおよび構成要素は、本明細書に記載の1つまたは複数の方法を実施するためのキットとして提供され得る。たとえば、シリンジ、針、アダプタ、およびある量の眼科用薬物は、ブリスター・パックに入れて提供され得る。シリンジ、針、アダプタ、および眼科用薬剤のそれぞれは、滅菌された後にブリスター・パック(blister pack)内に封入され得る。いくつかの実施形態において、キットは、多数のアダプタを含み得る。多数のアダプタは、使用者が患者の解剖学的構造に最も適したアダプタを選択できるように、かつ/または針の貫入角度もしくは深さを制御できるように、多様な寸法を有し得る。多数のアダプタはまた、使用者が、特定の処置用および/または患者用の適切な材料を有するアダプタを選ぶことができるように、多様な材料から形成され得る。いくつかの実施形態において、シリンジは、眼科用薬物を収容することができる。シリンジの公称最大充填量は、約0.5mLと約1.0mLとの間であってよい。本明細書に記載の様々な方法において、患者に送達される薬剤(たとえば眼科用薬物)の量は、約50μL~約500μLの範囲であり得る。
様々な薬物および薬物の製剤が、本開示の実施形態とともに使用され得る。1つの例として、本明細書に記載の実施形態は、遅延放出ペレット状の薬物を注入するために使用されてよい。薬物は、ペレットが水和されたときにペレットから放出されることが可能であり、この放出は、ペレットを眼の流体にさらすことによって、別個の水和流体を注入することによって、または前述の組み合わせのどちらかによって達成され得る。生理食塩水などの別個の水和液は、ペレットの前、後、またはペレットと同時に注入され得る。別の例として、本明細書に記載の実施形態は、多数の物質を順に注入するために使用されることが可能である。第1の物質が注入されて、脈絡膜上腔などの眼のターゲット腔が拡張され、次いで第2の物質が、その拡張された脈絡膜上腔に注入され得る。第1の物質は、たとえば生理食塩水であってよく、第2の物質は、たとえば粘性ゲル状の薬物であってよい。さらに別の例として、スポンジ様の材料が最初に眼のターゲット腔に注入または挿入され得る。スポンジ様の材料は、ある時間にわたって薬物を放出するように構成され得る。スポンジ様の材料は、その後の薬物の注入によって薬物でさらに再充填または再浸漬されることが可能である。
本開示の実施形態は、注入の精度を改善するための追加の特徴をさらに含み得る。1つの例として、本明細書に記載の実施形態は、注入部位を照明するように構成されたLED光源などの光源を含み得る。別の例として、本明細書に記載の実施形態は、全部または一部が磁性材料で形成された、またはそれとは別に磁気要素を含む、針を含み得る。患者の眼の外部に配置される、たとえば使用者によって保持される磁石が、針をターゲット注入部位に案内するために使用され得る。磁石はさらに、針を引っ張る、すなわち磁力を作用させるために使用されて、針が所望の深さを越えて貫入するのを防止することができる。さらに別の例として、本明細書に記載の実施形態は、眼に対する針の角度を検知するように構成された機構を含み得る。この機構は、患者の強膜の厚さに応じて較正されることが可能であるセンサを含み得る。強膜の厚さは、光コヒーレンス・トポグラフィ(OCT)、超音波、または他の任意の適切な技法を使用して測定され得る。この機構は、針が眼に対して適切な角度に配向されている場合に針を継続して前進させるべく使用者に警告することができるように、使用者にフィードバックを与えるように構成されることが可能である。針が眼に対して適切な角度で配向されていない場合には、使用者は、針を前進させることを中止して針の配向を調整するように警告され得る。
本開示の実施形態では、針12は第1の針とすることができ、本明細書で開示されたデバイス、装置、および/またはキットは第2の針を含み得る。第1の針と第2の針は、交換可能であり得る。したがって、針12は交換可能であり得る。
以下には、本開示によるさらなる説明的な実施形態が列挙されている。
(1)薬剤を眼の脈絡膜上腔へ送達するためのシステムであって、通路および尖った最遠位先端を有する針と、強膜を処理して眼の脈絡膜上腔への薬剤の送達を可能にするように構成された装置とを備える、システム。
(2)針が、薬剤を眼の脈絡膜上腔へ送達するように構成されている、(1)のシステム。
(3)尖った最遠位先端が複数の開口部を含む、(1)のシステム。
(4)開口部が円形構造を含む、(3)のシステム。
(5)開口部がスロットを含む、(3)のシステム。
(6)複数の開口部が、尖った最遠位先端の周囲および全長の少なくとも一部分に存在する、(3)のシステム。
(7)装置が、薬剤を眼の脈絡膜上腔へ送達するように構成されている、(1)のシステム。
(8)装置が針の通路内に配置されるとともに、針に対して長手方向に並進可能である、(1)のシステム。
(9)装置が、遠位端を有する管状シャフトを含み、この管状シャフトが、剛性材料、半剛性材料、または可撓性材料を備える、(8)のシステム。
(10)遠位端が非外傷性遠位先端を含む、(9)のシステム。
(11)非外傷性遠位先端が複数の開口部を含む、(10)のシステム。
(12)開口部が円形構造含む、(11)のシステム。
(13)開口部がスロットを含む、(11)のシステム。
複数の開口部が、非外傷性遠位先端の周囲および全長の少なくとも一部分に存在する、(11)のシステム。
(15)遠位端が拡張可能部材を含む、(9)のシステム。
(16)拡張可能部材がステントを含む、(15)のシステム。
(17)管状シャフトが拡張可能部分を含む、(10)のシステム。
(18)拡張可能部分が、非外傷性遠位先端の近位に位置する一対の湾曲したアームを含む、(17)のシステム。
(19)管状シャフトが、通路の断面寸法よりも小さい断面寸法を含む、(9)のシステム。
(20)管状シャフトの外面が1つまたは複数のチャンネルを含む、(9)のシステム。
(21)管状シャフトの遠位端が、管状シャフトの遠位端が針の通路から展開されるときに選択的に分岐するように構成された少なくとも2つの脚を含む、(9)のシステム。
(22)針が湾曲している、(1)のシステム。
(23)針がU字形状である、(1)のシステム。
(24)装置が、強膜または脈絡膜の1つまたは複数を変形させるための突起を有する平らな面を備える、(1)のシステム。
(25)突起が丸みのある面である、(24)のシステム。
(26)装置が、強膜の一部を引き込むように構成されたチャンバを含む、(1)のシステム。
(27)装置が、強膜に対して吸引力を適用するように構成されている、(26)のシステム。
(28)針がチャンバ内に配置されている、(27)のシステム。
(29)チャンバが、チャンバの中への強膜の近位前進を制限するように構成された止め具を含む、(27)のシステム。
(30)止め具が、針を取り囲むように構成されている、(29)のシステム。
(31)止め具が、チャンバの側壁からチャンバの中心に向かって延びる複数の延長部を含む、(29)のシステム。
(32)止め具が、強膜に対する吸引力の適用を可能にするように構成された複数の開口部を含む、(29)のシステム。
(33)チャンバが円形断面構造を含む、(26)のシステム。
(34)チャンバが半円断面構造を含む、(26)のシステム。
(35)針が、尖った最遠位先端の近位に位置する屈曲部を含む、(1)のシステム。
(36)針が、使用者に対して触覚フィードバックを与えるように構成された複数の幾何学的特徴を有する外面を含む、(1)のシステム。
(37)遠位端がアンカを含む、(9)のシステム。
(38)アンカが、湾曲した、平らな、または非外傷性の形状を有する、(37)のシステム。
(39)強膜を処理して眼の脈絡膜上腔への薬剤の送達を可能にするための装置であって、遠位端を有する管状シャフトであって、剛性、半剛性、または可撓性の材料を備える管状シャフトと、通路および尖った最遠位先端を有する針とを備え、装置は針内に配置される、装置。
(40)針が、薬剤を眼の脈絡膜上腔へ送達するように構成されている、(39)の装置。
(41)尖った最遠位先端が複数の開口部を含む、(39)に記載の装置。
(42)開口部が円形構造を含む、(41)の装置。
(43)開口部がスロットを含む、(41)の装置。
(44)複数の開口部が、尖った最遠位先端の周囲および全長の少なくとも一部分に存在する、(41)の装置。
(45)装置が、薬剤を眼の脈絡膜上腔へ送達するように構成されている、(39)の装置。
(46)装置が、針に対して長手方向に並進可能である、(39)の装置。
(47)遠位端が非外傷性遠位先端を含む、(39)の装置。
(48)非外傷性遠位先端が複数の開口部を含む、(47)の装置。
(49)開口部が円形構造を含む、(48)の装置。
(50)開口部がスロットを含む、(48)の装置。
(51)複数の開口部が、非外傷性遠位先端の周囲および全長の少なくとも一部分に存在する、(48)の装置。
(52)遠位端が拡張可能部材を含む、(39)の装置。
(53)拡張可能部材がステントを含む、(52)の装置。
(54)管状シャフトが拡張可能部分を含む、(39)の装置。
(55)拡張可能部分が、遠位端の近位に位置する一対の湾曲したアームを含む、(54)の装置。
(56)管状シャフトが、通路の断面寸法よりも小さい断面寸法を含む、(39)の装置。
(57)管状シャフトの外面が1つまたは複数のチャンネルを含む、(39)の装置。
(58)管状シャフトの遠位端が管状シャフトの遠位端が針の通路から展開されるときに選択的に分岐するように構成された少なくとも2つの脚を含む、(39)の装置。
(59)針が湾曲している、(39)の装置。
(60)遠位端がアンカを含む、(39)の装置。
(61)アンカが、湾曲した、平らな、または非外傷性の形状を有する、(60)の装置。
(62)強膜を処理して眼の脈絡膜上腔への薬剤の送達を可能にするための装置であって、強膜または脈絡膜の1つまたは複数を変形させるための突起を有する平らな面を備える、装置。
(63)突起が丸みのある面である、(62)の装置。
(64)強膜を処理して眼の脈絡膜上腔への薬剤の送達を可能にするための装置であって、強膜の一部分を引き込むように構成されたチャンバを備える、装置。
(65)装置が、強膜に対して吸引力を適用するように構成されている、(64)の装置。
(66)針がチャンバ内に配置されている、(64)の装置。
(67)チャンバが、チャンバへの強膜の近位前進に対して構成された止め具を含む、(66)の装置。
(68)止め具が、針を取り囲むように構成されている、(67)の装置。
(69)止め具が、チャンバの側壁からチャンバの中心に向かって延びる複数の延長部を含む、(67)の装置。
(70)止め具が、強膜に対する吸引力の適用を可能にするように構成された複数の開口部を含む、(67)の装置。
(71)チャンバが円断面構造を含む、(67)の装置。
(72)チャンバが半円断面構造を含む、(67)の装置。
(73)強膜を処理して眼の脈絡膜上腔への薬剤の送達を可能にするための装置であって、円筒形状および鋸歯状針先端を有する針管を備える装置。
(74)鋸歯状針先端が振動して強膜の一部分を切り開く、(73)の装置。
(75)強膜を処理して眼の脈絡膜上腔への薬剤の送達を可能にするための装置であって、尖った最遠位先端を有する針と、針の近位端に接続された針ハブと、針ハブを取り囲むとともに針ハブの近位端から延びるハウジングとを備える、装置。
(76)ハウジングが円筒形状である、(75)の装置。
(77)ハウジングが、シリンジ、ばね、ピストン、プランジャ・ロッド、インジケータ、フィードバック機構、またはこれらの組み合わせから選ばれた追加の構成要素を含む、(75)の装置。
(78)針の一部分を取り囲むとともに針ハブの遠位端から延びるシャフトをさらに備える、(75)の装置。
(79)針を斜めに挿入することが可能になるように、シャフトの遠位端は角度が付けられている、(78)の装置。
(80)薬剤を眼の脈絡膜上腔へ送達するための方法であって、眼の強膜および脈絡膜層の一方を処理して脈絡膜上腔の寸法を増加させる工程と、薬剤送達デバイスの遠位端を脈絡膜上腔まで前進させる工程と、薬剤送達デバイスの最遠位先端を脈絡膜上腔内に位置決めする工程と、ある量の薬剤を脈絡膜上腔へ送達する工程とを備える、方法。
(81)薬剤送達デバイスの遠位端を脈絡膜上腔まで前進させる工程が、強膜に貫入する工程を含む、(80)の方法。
(82)薬剤送達デバイスの最遠位先端を位置決めする工程が、脈絡膜に接触せずに最遠位先端を脈絡膜上腔の中に配置する工程を含む、(80)の方法。
(83)薬剤送達デバイスの最遠位先端を位置決めする工程が、脈絡膜の最外面を穿孔することなく最遠位先端を脈絡膜上腔の中に配置する工程を含む、(80)の方法。
(84)薬剤の最遠位先端を位置決めする工程が、ある厚さの脈絡膜に貫入せずに最遠位先端を脈絡膜上腔内に配置する工程を含む、(80)の方法。
(85)脈絡膜上腔へ送達される薬剤の量が約50μL~500μLである、(80)の方法。
(86)上記の量の薬剤の脈絡膜上腔への送達が圧力制御される、(80)の方法。
(87)強膜および脈絡膜層の一方を処理する工程が、薬剤送達デバイスを回転させる工程を含む、(80)の方法。
(88)強膜および脈絡膜層の一方を処理する工程が、強膜層を引っ張って脈絡膜上腔の寸法を増加させる工程を含む、(80)の方法。
(89)上記の量の薬液を脈絡膜上腔へ送達する工程が、その量を薬液送達デバイスの最遠位先端から送達する工程を含む、(80)の方法。
(90)上記の量の薬剤を脈絡膜上腔へ送達する工程が、その薬剤を薬剤送達デバイスの最遠位先端の近位の位置から送達する工程を含む、(80)の方法。
(91)患者のヒト器官の中への薬剤の定方向送達を可能にする装置であって、針に流体接続された薬剤用の容器であって、針が針シャフト、および斜面を有する尖った最遠位先端を備え、この針が容器の遠位端に接続されている、容器と、針シャフトの一部分を針の尖った最遠位先端は含まずにその長手方向軸に沿って取り囲んでいるアダプタとを備え、このアダプタは、尖った最遠位先端の軌道をヒト器官内の所定の深さおよび位置まで導くように構成された最外側傾斜面を含み、この最外側傾斜面は、尖った最遠位先端の斜面と同じ方向を向いており、最外側傾斜面の角度が針の軌道を決定付けており、最外側傾斜面から延びる針の長さが、薬物送達の深さおよび位置を決定している、装置。
(92)尖った最遠位先端が、アダプタの遠位端から延びる針の一部分である、(91)の装置。
(93)杭針などの針の近位端に接続された針ハブ・シャフトをさらに備える、(91)の装置。
(94)容器と針との間に配置されたハブをさらに備える、(91)の装置。
(95)針がハブに取り外し可能に接続される、(94)の装置。
(96)針が第1の針であり、装置が第2の針をさらに備える、(95)の装置。
(97)第1の針と第2の針が交換可能である、(96)の装置。
(98)針が交換可能である、(91)の装置。
(99)角度が約25度~約75度の範囲にある、(91)の装置。
(100)角度が約40度~約60度の範囲にある、(91)の装置。
(101)角度が約45度である、(91)の装置。
(102)アダプタが、留め具またはねじを介して針シャフトの一部分に接続されている、(91)の装置。
(103)アダプタが針シャフトの軸方向経路に対して並進可能である、(102)の装置。
(104)アダプタが接着剤を介して針シャフトに取り付けられる、(91)の装置。
(105)アダプタが、針に対し垂直な第1の平面内に延びる面を有する近位端と、角度付き遠位側面と、近位端と角度付き遠位側面との間に延びる中間面であって、第1の平面に対し垂直な第2の平面内に延びる中間面と、遠位端とを含み、この遠位端が、第1の平面と平行な第3の平面内に延びる実質的に平坦な面を含む、(91)の装置。
(106)アダプタの少なくとも一部分が実質的に円筒形状の断面を含む、(91)の装置。
(107)最外側傾斜面が、アダプタの長手方向軸に対して角度が付けられている、(91)の装置。
(108)針の尖った最遠位先端が約600μm~約800μmの範囲の長さを有する、(91)の装置。
(109)最外側傾斜面が平らな面である、(91)の装置。
(110)最外側傾斜面が眼の外面と結合するように構成された凸面である、(91)の装置。
(111)薬剤を患者の眼球腔へ送達するためのシステムであって、約0.5mLと約1.0mLとの間の公称最大充填容積を有するシリンジと、針シャフト、および斜面を有する尖った最遠位先端を備える針と、針シャフトの一部分をその長手方向軸に沿って取り囲んでいるアダプタであって、アダプタの長手方向軸に対して角度が付けられた最外側傾斜面を含み、また、尖った最遠位先端の軌道を所定の眼球の深さおよび位置まで導くように構成されている、アダプタとを備え、シリンジ、針およびアダプタは滅菌され、ブリスター・パック内に収容されている、システム。
(112)アダプタが、眼の脈絡膜上腔の中への尖った最遠位先端の前進を制限するように構成されている、(111)のシステム。
(113)尖った最遠位先端が、最外側傾斜面から延びる針の一部分である、(111)のシステム。
(114)最外側傾斜面の角度が約25度~約75度の範囲にある、(111)のシステム。
(115)最外側傾斜面の角度が約40度~約60度の範囲にある、(111)のシステム。
(116)最外側傾斜面の角度が約45度である、(111)のシステム。
(117)針の尖った最遠位先端が約600μm~約800μmの範囲の長さを有する、(111)のシステム。
(118)眼疾患の患者を処置するためのキットであって、約0.5mLと約1.0mLとの間の公称最大充填容積を有するシリンジと、針シャフトおよび尖った最遠位先端を有する針と、針シャフトの一部分を針の尖った最遠位先端は含まずにその長手方向軸に沿って取り囲んでいるアダプタであって、尖った最遠位先端の軌道を所定の眼球の深さおよび位置まで導くように構成された最外側傾斜面を含む、アダプタと、眼科薬物とを備える、キット。
(119)眼疾患の患者を処置するためのキットであって、眼科薬物が事前充填されたシリンジであって、眼科薬物の量が約0.5mLと約1.0mLとの間の範囲にあるシリンジと、針シャフト、通路および尖った最遠位先端を有する針と、針シャフトの一部分を、針の尖った最遠位先端は除外して針シャフトの長手方向軸に沿って取り囲んでいるアダプタであって、尖った最遠位先端の軌道を所定の眼球の深さおよび位置まで導くように構成された最外側傾斜面を含む、アダプタとを備える、キット。
(120)薬剤を患者の眼へ送達する方法であって、薬剤送達デバイスの最遠位先端を所定の眼球の深さおよび位置における眼の脈絡膜上腔内に位置決めする工程を含み、この薬剤送達デバイスは、針に流体接続された薬剤用の容器であって、針が針シャフト、および斜面を有する尖った最遠位先端を備え、この針が容器の遠位端に接続されている、容器と、針シャフトの一部分をその長手方向軸に沿って、針の尖った最遠位先端は含まずに、取り囲んでいるアダプタであって、尖った最遠位先端の軌道を所定の眼球の深さおよび位置まで導くように構成された最外側傾斜面を含む、アダプタとを備え、この方法はさらに、ある量の薬剤を脈絡膜上腔へ送達する工程を含む、方法。
(121)薬剤デバイスを使用して薬剤を眼の脈絡膜上腔へ送達する方法であって、この薬剤デバイスは、針に流体接続された薬剤用の容器であって、この針が、針シャフト、および斜面を有する尖った最遠位先端を備える、容器と、針シャフトの一部分をその長手方向軸に沿って取り囲むアダプタであって、長手方向軸に対して角度が付けられた最外側傾斜面を含むアダプタとを備え、この方法は、尖った最遠位先端が眼の強膜に貫入する工程と、強膜を貫通して針を、その最外側傾斜面が強膜に接触するまで脈絡膜上腔に挿入する工程と、最外側傾斜面が強膜に接触したときに、ある量の薬剤を脈絡膜上腔へ送達する工程とを備える、方法。
(122)薬剤を眼の脈絡膜上腔へ送達する方法であって、眼の強膜または脈絡膜層の一方を処理して脈絡膜上腔の寸法を増加させる工程と、薬剤送達デバイスの遠位端を脈絡膜上腔まで前進させる工程と、薬剤送達デバイスの最遠位先端を脈絡膜上腔内に位置決めする工程と、ある量の薬剤を脈絡膜上腔へ送達する工程とを備える、方法。
(123)薬剤送達デバイスの遠位端を脈絡膜上腔まで前進させる工程が、強膜に貫入する工程を含む、(122)の方法。
(124)薬剤送達デバイスの最遠位先端を位置決めする工程が、脈絡膜に接触せずに最遠位先端を脈絡膜上腔の中に配置する工程を含む、(122)の方法。
(125)薬剤送達デバイスの最遠位先端を位置決めする工程が、脈絡膜の最外面を穿孔することなく最遠位先端を脈絡膜上腔の中に配置する工程を含む、(122)の方法。
(126)薬剤の最遠位先端を位置決めする工程が、ある厚さの脈絡膜に貫入せずに最遠位先端を脈絡膜上腔内に配置する工程を含む、(122)の方法。
(127)脈絡膜上腔へ送達される薬剤の量が約50μL~500μLである、(122)の方法。
当業者には、本開示の範囲から逸脱することなく様々な修正および変形が本開示のデバイスおよび方法に加えられ得ることが明らかであろう。本開示の他の態様は、本明細書の検討および本明細書に開示された特徴の実施により、当業者には明らかになろう。本明細書および例は、単に例示的なものとして考えられるべきものである。

Claims (28)

  1. 強膜を処理して眼の脈絡膜上腔への薬剤の送達を可能にするための装置であって、
    尖った最遠位先端を有する針と、
    前記針の近位端に接続された針ハブと、
    前記針ハブを取り囲むとともに、前記針ハブの近位端から延びるハウジングと、
    前記針の一部分を取り囲むアダプタと
    を備える、装置。
  2. 前記針を所望の角度で挿入することが可能になるように、前記アダプタの遠位端は、角度が付けられている、請求項1に記載の装置。
  3. 前記アダプタが、前記針ハブに取り付けられたシャフトである、請求項1に記載の装置。
  4. 前記アダプタが、前記針ハブの遠位端から前記尖った最遠位先端に向かって延びる、請求項3に記載の装置。
  5. 前記アダプタの遠位端が、前記針の最遠位先端から第1の距離だけオフセットされている、請求項3に記載の装置。
  6. 前記アダプタが、前記第1の距離が調整されることを可能にするように構成されている、請求項5に記載の装置。
  7. 前記アダプタが、所望の角度で針を挿入できるように構成された角度付き端部を含む、請求項1に記載の装置。
  8. 前記尖った最遠位先端が、前記アダプタの遠位端から延びる前記針の一部分である、請求項1に記載の装置。
  9. 患者のヒト器官の中への薬剤の定方向送達を可能にする装置であって、
    針に流体接続された薬剤用の容器であって、前記針が針シャフト、および斜面を有する尖った最遠位先端を備え、前記針が前記容器の遠位端に接続されている、前記容器と、
    前記針シャフトの一部分をその長手方向軸に沿って、前記針の前記尖った最遠位先端は含まずに取り囲んでいるアダプタであって、前記尖った最遠位先端の軌道をヒト器官内の所定の深さおよび位置まで導くように構成された最外側傾斜面を含む、前記アダプタとを備え、
    前記最外側傾斜面が、前記尖った最遠位先端の前記斜面と同じ方向を向いており、
    前記最外側傾斜面の角度が、前記針の前記軌道を決定付けており、
    前記最外側傾斜面から延びる前記針の長さが、薬剤送達の前記深さおよび位置を決定している、装置。
  10. 前記尖った最遠位先端が、前記アダプタの遠位端から延びる前記針の一部分である、請求項9に記載の装置。
  11. 杭針などの前記針の近位端に接続された針ハブ・シャフトをさらに備える、請求項9に記載の装置。
  12. 前記角度が約25度~約75度の範囲にある、請求項9に記載の装置。
  13. 前記角度が約40度~約60度の範囲にある、請求項9に記載の装置。
  14. 前記アダプタが、留め具またはねじを介して前記針シャフトの一部分に接続されている、請求項9に記載の装置。
  15. 前記アダプタが前記針シャフトの長手方向軸に対して並進可能である、請求項14に記載の装置。
  16. 前記アダプタが、
    前記針に対し垂直な第1の平面内に延びる面を有する近位端と、
    角度付き遠位側面と、
    前記近位端と前記角度付き遠位側面との間に延びる中間面であって、前記第1の平面に対し垂直な第2の平面内に延びる、前記中間面と、
    遠位端とを含み、前記遠位端が、前記第1の平面と平行な第3の平面内に延びる実質的に平坦な面を含む、請求項9に記載の装置。
  17. 前記最外側傾斜面が、前記アダプタの長手方向軸に対して角度が付けられている、請求項9に記載の装置。
  18. 前記最外側傾斜面が、眼の外面と結合するように構成された凸面である、請求項9に記載の装置。
  19. 薬剤を患者の眼へ送達する方法であって、
    薬剤送達デバイスの最遠位先端を所定の眼球の深さおよび位置における眼の脈絡膜上腔内に位置決めする工程を含み、前記薬剤送達デバイスは、
    針に流体接続された薬剤用の容器であって、前記針が針シャフト、および斜面を有する尖った最遠位先端を備え、前記針が前記容器の遠位端に接続されている、前記容器と、
    前記針シャフトの一部分をその長手方向軸に沿って、前記針の前記尖った最遠位先端は含まずに取り囲んでいるアダプタであって、前記尖った最遠位先端の軌道を所定の眼球の深さおよび位置まで導くように構成された角度付き面を含む、前記アダプタとを備え、前記方法はさらに、
    ある量の薬剤を脈絡膜上腔へ送達する工程を含む、方法。
  20. 前記薬剤送達デバイスの前記最遠位先端を前記脈絡膜上腔内に位置決めする工程が、強膜に貫入する工程を含む、請求項19に記載の方法。
  21. 前記薬剤送達デバイスの前記最遠位先端を位置決めする工程が、脈絡膜の最外面を穿孔することなく前記最遠位先端を前記脈絡膜上腔の中に配置する工程を含む、請求項20に記載の方法。
  22. 前記脈絡膜上腔へ送達される前記薬剤の量が約50μL~500μLである、請求項19に記載の方法。
  23. 薬剤デバイスを使用して薬剤を眼の脈絡膜上腔へ送達する方法であって、前記薬剤デバイスが、
    針に流体接続された薬剤用の容器であって、前記針が針シャフト、および斜面を有する尖った最遠位先端を含む、前記容器と、
    前記針シャフトの一部分をその長手方向軸に沿って取り囲むアダプタであって、長手方向軸に対して傾斜された角度付き面を含む前記アダプタとを備え、前記方法が、
    前記尖った最遠位先端を前記眼の強膜に貫入する工程と、
    前記強膜を貫通した前記針を、前記角度付き面が前記強膜に接触するまで前記脈絡膜上腔に挿入する工程と、
    前記角度付き面が前記強膜に接触したときに、ある量の前記薬剤を前記脈絡膜上腔へ送達する工程とを含む、方法。
  24. 前記強膜を貫通した前記針を前記脈絡膜上腔に挿入する工程が、脈絡膜の最外面を穿孔することなく前記最遠位先端を前記脈絡膜上腔の中に配置する工程を含む、請求項23に記載の方法。
  25. 前記最遠位先端が脈絡膜の最外面を穿孔することを前記アダプタが防止するように、前記アダプタの位置を前記長手方向軸に対して調整する工程をさらに含む、請求項23に記載の方法。
  26. 眼疾患の患者を処置するためのキットであって、
    約0.5mLと約1.0mLとの間の公称最大充填容積を有するシリンジと、
    針シャフトおよび尖った最遠位先端を有する針と、
    針シャフトの一部分をその長手方向軸に沿って、前記針の前記尖った最遠位先端は含まずに取り囲むように構成された第1のアダプタであって、前記尖った最遠位先端の軌道を第1の所定の眼球の深さおよび位置まで導くように構成された、前記第1のアダプタと、
    眼科薬物と
    を備える、キット。
  27. 前記第1のアダプタとは異なる寸法を有する第2のアダプタであって、前記尖った最遠位先端の軌道を第2の所定の眼球の深さおよび位置まで導くように構成され、前記第2の所定の眼球の深度および位置が前記第1の所定の眼球の深さおよび位置とは異なる、前記第2のアダプタをさらに備える、請求項26に記載のキット。
  28. 前記シリンジ、前記針、前記第1のアダプタ、および前記眼科薬物がブリスター・パック内に封入されている、請求項26に記載のキット。
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