JP2023537047A - 眼内レンズを眼内で支持及び位置決めするための装置及び使用方法 - Google Patents
眼内レンズを眼内で支持及び位置決めするための装置及び使用方法 Download PDFInfo
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Abstract
水晶体嚢の前部、虹彩、及び強膜を有する眼に人工眼内レンズを支持するための埋め込み可能な装置。装置は、前方に面する表面と、中央開口を少なくとも部分的に画定する内壁とを有する後部プラットフォームを含む。装置が眼に埋め込まれると、光が眼内レンズ及び後部プラットフォームの中央開口を通過して網膜に向かう。装置は、後部プラットフォームの前方に少なくとも1つの凹部を形成する後部プラットフォームの前方に面する表面上に位置される少なくとも1つのオーニングを含む。装置は、該装置のいかなる部分も埋め込み後に強膜と接触して載置しないように、虹彩の後眼部内で展開されるように構成される。関連するツール、システム、及び方法が提供される。
Description
本出願は、2020年8月7日に出願された同時係属中の米国仮出願第63/063,110号、2020年10月8日に出願された米国仮出願第第63/089,241号、2020年12月22日に出願された米国仮出願第63/129,448号、及び2021年5月3日に出願された米国仮出願第63/183,488号に対する優先権の利益を主張する。これらの出願の全内容は、参照によりその全体が組み込まれる。
また、本出願は、2020年4月29日に出願された米国仮出願第63/017,423号及び2020年7月17日に出願された米国仮出願第63/053,450号に対する優先権の利益を主張する、2020年8月7日に出願された同時係属中の米国特許出願第16/988,519号にも関連する。これらの出願の全内容は、参照によりその全体が組み込まれる。
本開示は、一般に、眼科の分野に関し、より詳細には、眼内レンズを眼内で支持及び位置決めするための眼科装置に関する。
眼内レンズ(IOL)の埋め込みは、眼内レンズを正しい位置に保持するために眼内での支持を必要とする。通常、これは、毛様小帯によって吊り下げられた生来の水晶体嚢(capsular bag)(細い糸のような構造)によって達成される。しかしながら、レンズ支持は、手術時(前眼部手術又は後眼部手術のいずれか)に、又は硝子体内注射などの他の眼処置から、医原的に損なわれる可能性がある。一般に、後嚢が影響を受け、したがって水晶体嚢へのIOLの確実な配置が妨げられる。
後嚢破裂による後嚢支持の欠如を克服するために、外科医は、しばしば、IOL触覚部を毛様溝に向けて、IOLを前嚢の上に置く。しかしながら、市販のIOLはこの位置に最適化されていないため、これは多くの合併症をもたらす可能性がある。具体的には、寸法付けも表面輪郭も、前嚢と虹彩との間の配置には理想的ではない。このため、IOLの光学素子又は触覚部は、虹彩又は毛様体の擦り傷を引き起こし、ブドウ膜炎、緑内障、前房出血(UGH)症候群を含む厄介な合併症を引き起こす可能性がある。これは、ワンピースIOLでは特に問題があるため、このシナリオでは、通常、3ピースIOLが使用される。しかしながら、縁が角ばった光学素子を伴う3ピースIOLは、一般的に使用されるが、虹彩のたるみ、炎症、色素放出、及び緑内障を引き起こす可能性もある。更に、合焦レンズの殆どの円環形、多焦点、三焦点、及び拡張深度は、ワンピース形態でしか利用できない。結果として、これらの技術は、後嚢破裂後の患者にとって安全に埋め込むことができない。
特別な操作(例えば、光学的捕捉)が行われない限り、溝に配置されたIOLは偏心し、視力及び光視症を低下させ、しばしば更なる手術を必要とする。この問題は、偏心したIOLが虹彩、毛様体又は網膜に侵食すると悪化する可能性があり、これは永久的な視力喪失のリスクがある。
後嚢支持の非存在下での二次IOL配置の管理は進化し続けている。現在、FDAが承認した唯一の解決策は、前房IOL(ACIOL)の配置である。ACIOLは、虹彩の前に位置することができるより大きなレンズであるが、経時的に、これらのレンズは、UGH症候群並びに内皮細胞喪失及び角膜代償不全を引き起こす可能性があり、その結果、多くの患者において禁忌である。虹彩縫合IOLなどのオフラベル(off-label)技術を使用することができるが、これは技術的に困難であり、緑内障を引き起こす虹彩色素喪失をもたらし得る。最後に、膵島を伴う強膜縫合IOLは、技術的に複雑であり、回転の危険性があり、縫合糸の耐久性が制限されており、縫合糸の破損及びレンズ亜脱臼のケースに至る。更に、これらの技術の全ては、外科医に、患者にとって好ましいレンズの代わりに代替のレンズタイプを使用することを強いる。最後に、最初の硝子体切除術/水晶体切除術の間はレンズの計算が不十分であることが多いが、更なる手術を避けたいという要望があることから、最適以下のレンズが頻繁に埋め込まれるため、タイミングの決定は重要である。
一態様では、水晶体嚢の前部、虹彩、及び強膜を有する眼の中に人工眼内レンズを支持するための埋め込み可能な装置が提供される。装置は、前方に面する表面と、中央開口を少なくとも部分的に画定する内壁とを有する後部プラットフォームを含む。装置が眼に埋め込まれると、光が眼内レンズ及び後部プラットフォームの中央開口を通過して網膜に向かう。装置は、後部プラットフォームの前方に少なくとも1つの凹部を形成する後部プラットフォームの前方に面する表面上に位置される少なくとも1つのオーニング(awning)を含む。装置は、該装置のいかなる部分も埋め込み後に強膜と接触して載置しないように、虹彩の後眼部内で展開されるように構成される。
後部プラットフォームの前方に面する表面上に位置される少なくとも1つのオーニングは、前部開口を画定することができる。少なくとも1つのオーニングは、前部開口の寸法を狭めるように少なくとも1つのオーニングから内側に突出する視覚化特徴部(visualization feature)を含むことができる。使用中、視覚化特徴部は、眼の瞳孔を通じて直接視覚化され得る。装置は、長軸及び短軸を有する長尺形状を有することができる。狭くなっている前部開口の寸法は、装置の長軸に沿った前部開口の最も中央の縁部間の距離とすることができる。距離は、少なくとも約5.0mmから約7.0mmまでとすることができる。距離は、中央開口の直径よりも大きくすることができる。使用中、眼内レンズの少なくとも一部は、少なくとも1つの凹部内で前方に面する表面に当接して位置され得る。少なくとも1つのオーニングの外面は、装置の埋め込み時に虹彩を眼内レンズから保護するために滑らかな形状を有することができる。少なくとも1つのオーニングの内面は、眼内レンズを前方に面する表面上に位置させる際に眼内レンズの触覚部(haptic)に対抗圧を与えることができる。
装置は、1つ以上の安定化特徴部を更に含むことができる。1つ以上の安定化特徴部は、後部プラットフォームの後面から後方に延びることができ、水晶体嚢の少なくとも一部と係合するように構成される後部安定化特徴部を含むことができる。後部安定化特徴部は、後部プラットフォームの後面から後方に突出する第1の部分と、第1の部分から横方向外側に突出する第2の部分とを含むことができる。1つ以上の安定化特徴部は、装置に結合される複数の径方向延在構造を含むことができる。複数の径方向延在構造のそれぞれは、眼内での装置の無縫合での位置決めのための径方向最外部を含むことができる。径方向最外部は、眼の毛様体組織との非貫通接触をもたらして、視軸の周りの回転を防止し、眼に対する装置の心出しを補助するように構成され得る。後部プラットフォームは、実質的に非円形の外周と、実質的に円形の内周とを含むことができる。外周は、実質的に長方形とすることができ、一対の長尺側及び一対の短側を有することができる。複数の径方向延在構造は、4つの径方向延在構造を含むことができる。4つの径方向延在構造のそれぞれは、長尺側が短側と交わる位置から径方向外側に延在することができる。後部プラットフォームは平面内に位置することができ、複数の径方向延在構造の径方向最外部は後部プラットフォームの平面内に位置する。後部プラットフォームは平面内に位置することができ、複数の径方向延在構造の径方向最外部は、プラットフォームの平面の前方に位置する。少なくとも1つのオーニングは、径方向最外部の前方に突出することができる。
水晶体嚢の前部は、眼のZ軸に沿って装置を支持することができる。後部プラットフォームは、中央開口の周辺に1つ以上の切り欠きを更に含むことができる。後部プラットフォームは、後部プラットフォームの前方に面する表面上で眼内レンズの中心光学素子を支持するように寸法付けられて形成され得ると共に、1つ以上の切り欠きは、眼内レンズが装置の少なくとも1つの凹部内に埋め込まれるときに眼内レンズの触覚部の少なくとも一部を受けるように寸法付けられて形成され得る。装置は、水晶体嚢の少なくとも一部と係合するように構成される1つ以上の安定化特徴部を更に含むことができる。1つ以上の安定化特徴部は、少なくとも1つの凹部の後方に延びることができる。1つ以上の安定化特徴部は、少なくとも1つの凹部の前方に延びることができる。
相互に関連する態様では、眼内に人工眼内レンズを支持するための埋め込み可能な装置と人工眼内レンズとを含むシステムが提供される。眼内レンズは、ワンピース型眼内レンズ又はマルチピース型眼内レンズであり得る。ワンピース型眼内レンズは、単焦点、円環状、多焦点、拡張焦点深度、又は収容型の眼内レンズであり得る。
相互に関連する態様では、人工眼内レンズを支持するための装置を眼に埋め込む方法が提供される。方法は、虹彩の後方の装置を眼の後眼房に挿入するステップと、眼内レンズの少なくとも一部が少なくとも1つのオーニングの下方に位置されて眼内レンズの少なくとも一部が前方に面する表面に当接するように、後部プラットフォームに対してワンピース型眼内レンズを位置決めするステップと、を含む。眼内レンズの触覚部を少なくとも1つのオーニングの下方に位置させることができる。装置を眼の後眼房に挿入するステップは、装置を経強膜的(trans-sclerally)に固定することなく装置を挿入することを含み得る。
相互に関連する態様では、眼に挿入するためのレンズ支持装置を用意するステップを含む、眼の中に人工眼内レンズ(IOL)を支持するための方法が提供される。レンズ支持装置は、前方に面する表面及び後方に面する表面を有する後部プラットフォームと、後部プラットフォームを通じて延びる中央開口であって、レンズ支持装置が眼に埋め込まれるときに光が網膜に向かって中央開口を通過する、中央開口と、後部プラットフォームの前方に面する表面の少なくとも一部上にわたって突出する少なくとも1つのオーニングであって、少なくとも1つのオーニングが内面及び外面を有し、オーニングが、オーニングの内面と後部プラットフォームの前方に面する表面との間に少なくとも1つの凹部を形成する、少なくとも1つのオーニングと、装置に結合されて装置から径方向外側に突出する複数の径方向延在構造であって、径方向延在構造が、眼内でレンズ支持装置を位置決めするための後眼房内に無縫合に位置決めするための径方向最外部を有する、複数の径方向延在構造とを含む。方法は、装置のいずれの部分も眼の強膜と接触させずに後部プラットフォームの後方に面する表面が眼の水晶体嚢の前部の前方に位置されるようにレンズ支持装置を眼の虹彩の後方に配置するステップと、眼の瞳孔の後方に中央開口を位置させるために溝に隣接して径方向延在構造の径方向最外部を位置決めするステップと、IOLの光学部分を中央開口上にわたって後部プラットフォームの前方に面する表面の少なくとも一部の前方に位置決めするステップと、IOLをレンズ支持装置に取り付けるためにIOLの触覚部の少なくとも一部を少なくとも1つの陥凹部(recessed portion)内に位置決めするステップとを含む。
相互に関連する態様では、眼の水晶体嚢の前壁に開口を作成するステップと、眼に挿入するためのレンズ支持装置を用意するステップとを含む、眼に人工眼内レンズ(IOL)を埋め込む方法が提供される。レンズ支持装置は、中央開口を有する本体部と、レンズ支持構造とを含む。レンズ支持構造は、中央開口の周囲を少なくとも部分的に取り囲む実質的に平坦なレンズ支持面と、レンズ支持面の前方の少なくとも1つの凹部とを含む。装置が眼に埋め込まれると、光が網膜に向かって中央開口を通過する。方法は、本体部に結合される複数の径方向延在構造を更に含む。複数の径方向延在構造のそれぞれは、眼の後眼房内に装置を無縫合に位置決めするための径方向最外部と、レンズ支持構造の後面から後方に延在する複数の安定化特徴部とを含む。方法は、レンズ支持装置を眼及び眼の虹彩の後部に挿入し、挿入後、装置のいかなる部分も眼の強膜と接触して載置しないようにするステップを更に含む。方法は、眼の瞳孔の後方に中央開口を安定して位置させるために複数の構造のそれぞれの径方向最外部を後眼房の溝に隣接して位置決めするステップと、装置を水晶体嚢に対して固定するのを補助するために複数の安定化特徴部のそれぞれを水晶体嚢の前壁の開口を通じて挿入するステップと、IOLを眼に挿入するステップと、IOLの光学部分を中央開口上にわたって実質的に平坦なレンズ支持面の少なくとも一部の前方に位置決めするステップと、レンズ支持構造の少なくとも1つの凹部内にIOLの触覚部の少なくとも一部を位置させてIOLをレンズ支持装置に取り付けるステップとを更に含む。
相互に関連する態様では、眼の水晶体嚢の前壁に開口を作成するステップと、眼に挿入するためのレンズ支持装置を用意するステップとを含む、眼に人工眼内レンズ(IOL)を埋め込むための方法が提供される。レンズ支持装置は、中央開口を有する本体部を含み、レンズ支持装置が眼に埋め込まれると、光が網膜に向かって中央開口を通過する。本体部は、中央開口の周囲を少なくとも部分的に取り囲むレンズ支持面と、レンズ支持面の前方の少なくとも1つの凹部とを更に含み、レンズ支持構造の後面から後方に延在する少なくとも1つの安定化特徴部を更に備える。方法は、挿入後に、装置のいかなる部分も眼の強膜と接触して載置しないように、レンズ支持装置を眼及び眼の虹彩の後部に挿入するステップと、水晶体嚢に対してレンズ支持装置を固定して眼の瞳孔の後方に中央開口を位置決めするために水晶体嚢の前壁の開口を通じて少なくとも1つの安定化特徴部を挿入するステップと、IOLを眼に挿入するステップと、IOLの光学部分を中央開口上にわたってレンズ支持面の少なくとも一部の前方に位置決めするステップと、レンズ支持装置にIOLを固定するために少なくとも1つの凹部内にIOLの触覚部の少なくとも一部を位置決めするステップとを含む。
レンズ支持装置は、本体部に結合される複数の径方向延在構造を更に含むことができる。複数の径方向延在構造のそれぞれは、眼内での装置の無縫合の位置決めのための径方向最外部を含むことができる。方法は、視覚軸の周りの回転を防止し、眼に対する装置の心出しを補助するために、複数の径方向延在構造のそれぞれの径方向最外部を眼の溝に隣接して位置決めするステップを更に含むことができる。
幾つかの変形例では、任意選択的に、以下の1つ以上を上記の組成物、方法、装置、及びシステムの任意の実行可能な組み合わせに含めることができる。組成物、方法、装置、及びシステムの更なる詳細は、添付図面及び以下の説明に記載される。他の特徴及び利点は、説明及び図面から明らかになる。
ここで、以下の図面を参照して、これら及び他の態様について詳細に説明する。一般的に言えば、図は、絶対的には又は比較的に原寸に比例していないが、例示となるように意図される。また、特徴及び要素の相対的な配置は、例示的な明確さのために変更されてもよい。
本明細書の図面が、例示のみを目的としており、原寸に比例することを意図していないことを理解すべきである。
本開示は、一般に眼科の分野に関し、より詳細には、「水晶体嚢内」埋め込みが望ましくない場合に眼内レンズ(IOL)又は他の眼科用インプラントを支持するために使用することができる人工支持構造を含む眼科装置に関する。
白内障水晶体の除去によって引き起こされる無水晶体の最も一般的な治療は、生来の水晶体嚢内へのIOLの配置である。水晶体嚢は、前構成要素及び後構成要素を有して内腔を形成し、毛様小帯によって支持され、したがってIOL支持のための安定した構造を提供する。典型的なIOLには、光学素子と、眼内の光学素子を支持する1つ以上の触覚部が含まれる。IOLの設計は、IOLが眼のどこに埋め込みされ得るかを大きく決定する。例えば、マルチフォーカス、円環状、及び収容IOLなどのワンピースIOLは、外科医と患者の両方に好まれることがある。これらのプレミアムレンズは、典型的には、それらの触覚部縁の鋭い形状及び虹彩の損傷を引き起こす可能性があるより大きい前後の触覚部厚さのために、溝内への埋め込みには適していない。しかしながら、場合によっては、例えば、前嚢又は後嚢又は毛様小帯の裂け又は欠落のために、水晶体嚢内への埋め込みは望ましくない。
本明細書に記載の装置は、信頼できる屈折結果を与えるために、様々な触覚部及び光学形態を有する全ての形態のIOL(ワンピース又はマルチピースIOL)を安定して保持するために、眼の後眼房に埋め込まれ、前嚢の上に固定され得る。本明細書に記載の装置は、IOLの向きを維持することによって円環状IOLを収容するように特別に設計された特徴を組み込むことができる。装置はまた、虹彩、前房隅角又は角膜への損傷のリスクを大幅に低減する後眼部配置を可能にする。虹彩及び角膜の後方への埋め込みは、角膜損傷、虹彩出血及び緑内障のリスクを排除又は低減する。本明細書に記載の装置は、ACIOL、虹彩縫合レンズ、又は強膜縫合レンズなどの現在の技術と比較して、又は毛様溝への市販のIOLの配置と比較して、合併症のリスクを低減する。本明細書に記載の装置は、外科医及び患者に全範囲のIOLオプションを提供する。
図1A~図1Dは、眼内でIOL110を支持及び位置決めするためのレンズ支持装置2100の実施態様を示す。図1Aは、IOL110を配置する前の装置2100の斜視図である。図1B~図1Dは、IOL110を装置2100と共に位置決めした後の装置2100を示している。図2Aは、眼のモデル及びIOL110を支持するために展開された装置2100の断面図を示す。図2Bは、透明として示されている虹彩10を通して見る眼を示す。図2Bはまた、虹彩10を通って中心に画定された角膜5、毛様体15、強膜20、毛様溝25、及び瞳孔30を示す。装置2100は、嚢袋の前眼部35に対して、前嚢35と後眼房内の虹彩10との間に、嚢切開40を覆って配置されるように構成される。嚢切開40は、水晶体嚢の前壁に形成された開口である。水晶体嚢前部35は、好ましくは無傷であるが、装置2100の幾つかの実施態様では、水晶体嚢の前部35は部分的に引き裂かれてもよい。装置2100は、水晶体嚢前部35に対して位置決めするための後レンズ支持構造又はプラットフォーム2105と、プラットフォーム2105の一部の上に突出する1つ以上のオーニング2110と、装置の本体部に結合され、眼組織との非貫通接触をもたらすように構成された複数の径方向延在構造又はバンパー2114などの1つ以上の安定化特徴部とを含むことができる。後部プラットフォーム2105は、IOL110を支持し、埋め込み時に後眼房に落下するのを防止することができる。水晶体嚢の前部35は、後部プラットフォーム2105にZ軸支持を行うことができる。プラットフォーム2105と共に、1つ以上のオーニング2110は、虹彩などの周囲の眼組織をIOL110との損傷接触から保護しながら、IOL110をプラットフォーム2105に対して位置決めして固定するのに役立つ本体部を形成する。オーニング2110によって覆われていないIOL110の部分であっても、それらが装置2100の最も前方に面する表面(すなわち、オーニング2110の前側を向いた表面)に対して凹んでいるため、効果的に遮蔽することができる。1つ以上のバンパー2114は、プラットフォーム2105の周囲付近に配置され、毛様体15又は毛様溝25などの毛様体眼組織に非外傷的に接触して装置2100の中心を与えるように、装置2100から外側に突出する。また、1つ以上のバンパー2114は、装置の中心面と眼の視軸との間の適切な位置合わせを維持するために、Z平面内で回転防止機能をもたらし、及び/又はZ平面内での変位を防止することができる。幾つかの実施態様では、1つ以上の安定化特徴部を装置に対して位置決めして、前嚢などの水晶体嚢の少なくとも一部と係合させて、安定化させ、眼に対する装置の心出し及び固定を行うことができる(図5A、図8A~図8F、図9A~図9B、及び図10A~図10Dの安定化特徴部2138参照)。安定化特徴部2138は、嚢の前部において嚢切開と係合することができる。装置は、IOL110を、水晶体嚢の外側の嚢切開の前方又は水晶体嚢の内側の嚢切開の後方に配置するように構成することができる。これらの実施態様のそれぞれは、以下でより詳細に説明される。
IOL110は、典型的には、中心光学素子112と、光学素子112にそれぞれ結合された2つの触覚部114とを含む。装置2100は、マルチピースIOL、ワンピースIOL、及びプレート形態を含む様々な従来の形態のいずれかを有するIOL110を収容することができる。同様に、IOL110の触覚部114は、様々な構成のいずれかとすることができる。触覚部114は、Cループ、Jループ、修正Jループ、又は他の触覚部などの従来の開ループ触覚部とすることができる。ワンピースIOLは、従来のスリーピースIOLと同様の開ループ触覚部を有することができる。ワンピースIOLはまた、モノブロックプレートスタイルの触覚部を組み込んでもよい。装置2100があるタイプのIOL(例えば、マルチピースIOL又はワンピースIOL)と共に示されている場合、別のタイプのIOLを装置と嵌合させることができることを理解されたい。
再び図1Aを参照すると、装置2100の後レンズ支持構造又はプラットフォーム2105は、プラットフォーム2105が使用されているときに眼の前部に向けられた前方に面するレンズ支持面と、プラットフォーム2105が使用されているときに水晶体嚢に対して眼の後部に向けられた後方に面するレンズ支持面とを有することができる。後部プラットフォーム2105は、幾つかの機能を与えることができる。後部プラットフォーム2105は、使用中にIOL110を配置することができる安定したプラットフォームを形成する表面(前方に面する表面又は後方に面する表面)を有することができる。後部プラットフォーム2105は、水晶体嚢の代わりをすることができ、眼内のIOL110の有効レンズ位置を設定することができる。後部プラットフォーム2105の幾何学的及び機械的機能は、使用時にIOL110を支持するだけでなく、非対称の眼又は非対称の外科的処置の場合にIOL110の心出しを補助するのにも役立ち得る。後部プラットフォーム2105は、IOLのための人工的な前嚢支持及び生来の前嚢を再現する眼内の安定なプラットフォーム構造を提供する。後部プラットフォーム2105は、前方に面する表面と後方に面する表面との間で実質的に平坦又は平面であり得る。前方に面する表面と後方に面する表面との間の後部プラットフォーム2105の厚さは、依然としてIOLに十分な支持を行いながら最小限に抑えることができる。厚さは、約0.02mm~1.5mm、又は約0.5mm~1.0mmとすることができる。後部プラットフォーム2105は、約0.2mmとすることができる。後部プラットフォーム2105の厚さは、0.2mmよりも薄くすることができ、それでもなおIOLのための十分な支持を行うことができる。例えば、後部プラットフォーム2105は、それを補強し、わずか0.2mmの厚さであるにもかかわらずその歪みを制限するために、より剛性の高い材料で補強することができる。或いは、後部プラットフォーム2105は、(例えば、約0.50mmから約1.0mmまで)増大した厚さ、並びに張力及び/又は圧縮下に置かれた場合でも装置の歪みを制限するのに十分な材料の厚さを有することができる。レンズ支持構造の剛性を高めることにより、埋め込み後のIOLの挿入を容易にすることができる。これは、以下でより詳細に説明するように、事後確率プラットフォーム2105を通って延びる開口2115のフープ強度を更に増大させることができ、これにより、装置2100内へのIOLの埋め込み時にIOLが誤って開口2115を通過するリスクを制限することができる。歪み及び装置を通過するIOLのリスクを回避するための本明細書に記載の装置の補強については、以下でより詳細に説明する。
図1A~図1Dに示すように、後部プラットフォーム2105は、後部プラットフォーム2105の全体形状を画定する外側領域2111と、前方に面する表面から後方に面する表面まで後部プラットフォーム2105の全厚を通って延びる中央開口又は開口2115を画定する内壁2109とを含むことができる。中央開口2115は、装置2100の後部プラットフォーム2105上に配置されると、IOLの光軸と実質的に同軸になるように構成される。装置が眼に埋め込まれると、光は、中心開口2115を通過し、IOLの光軸を通って網膜に向かって通過する。装置は、IOL110を同軸位置にしっかりと固定する。中央開口2115は、後部プラットフォーム2105にほぼリング形状を与えることができる。しかしながら、後部プラットフォーム2105は、その内周面及び外周面の両方において円形である必要はない。例えば、後部プラットフォーム2105の内壁2109は、実質的に円形であるか、又は均一な実質的に円形の形状を形成する円周を有することができる。後部プラットフォーム2105の外側領域2111は、円形であり得るが、円形である必要はない。後部プラットフォーム2105の外側領域2111は、図1A~図1Dに示されるような角丸長方形、又は楕円形、楕円形、丸みを帯びた三角形、又は他の幾何学的形状もしくは自由曲面形状などを含む様々な非円形形状のいずれかを有することができる。幾つかの実施態様では、外側領域2111の非円形形状は、複数の側面から外側に突出する複数のローブ(lobe)を含む。複数のローブは、中央開口2115から径方向に離れて突出することができる。複数の側面は、実質的に平坦又は凹状であり得る。したがって、後部プラットフォーム2105は、外周の周りで変化する外側領域2111と内壁2109との間の幅を有することができる。後部プラットフォーム2105の外側領域2111の形状及び眼内の装置2100の相互作用については、以下でより詳細に説明する。外周面の非円形形状は、一対の短側2107及び一対の長尺側2108を有する丸みを帯びた長方形とすることができる。
IOL110は、中央開口2115を通って前後に延びる中心軸CAがIOL110の光学素子112を通って延びるように、中央開口2115の上方で後部プラットフォーム2105に対して配置されてもよい(図1B参照)。光は、後部プラットフォーム2105上に配置された開口2115並びにIOL110を通過することができる。IOLが後部プラットフォーム2105に対して配置されると、中央開口2115は、IOL110の光軸と実質的に同軸であり得る。中央開口2115は、IOL110が後眼房に落ちることなく、IOLの光学素子112が後プラットフォーム2105の前方に面する表面上に支持されることを可能にするようなサイズの直径を有する。中央開口2115の直径は、後部プラットフォーム2105がIOL110の光学素子112と実質的に重なり合うのを回避し、それにより、網膜に向かって通過する際に光が光学的障害なしに装置を通過することを可能にする。開口2115の直径は、広範囲のIOLタイプに対して一般的に普遍的であるように設計される。従来のIOLは、典型的には、6mmの外径を有する光学素子を有するが、このサイズは、IOLに応じて変化し得る。5.0mm未満~約4.0mm、好ましくは約4.75mmの直径を有する中央開口2115を、幾つかのIOLと共に使用することができる。5.0mm~約6.0mmの直径を有する中央開口2115は、装置が任意の従来の触覚部安定化IOLでの使用にほぼ汎用であるように、殆どのIOLで使用することができる。開口2115の最小内径は、約4.0mmより大きく、約4.5mmより大きく、約5.0mmより大きく、約5.5mmより大きく、約6.0mmより大きく、約6.5mmより大きく、約7.0mmまで、約8.0mmまで、約9.0mmまで、約10mmまで、約15mmまで、及びそれらの間の任意の範囲とすることができる。中央開口2115の内径は、約4mmから約8mmの間、又は約4mmから6mmまでの間であり得る。中央開口2115の内径は、一般的なIOL光学素子112の外径、例えば少なくとも約5.5mm又は6.0mmに近づくことができる。
開口直径は、特定のフープ強度を維持して、埋め込み時にIOLが開口2115を偶発的に通過するリスクを制限するように選択することができる。より小さい開口直径は、より大きい開口直径と比較してフープ強度を増大させることができる。より堅いIOLハウジングは、張力及び/又は圧縮下に置かれたときに開口2115の歪みを制限する。IOLハウジングの剛性の増大はまた、眼内での固定後のIOLのより容易な挿入を容易にすることができる。
中央開口2115は、IOL直径よりも小さい必要はない。中央開口2115がIOL光学素子112の外径よりも大きい内径を有する場合、後部プラットフォーム2105は、中央開口2115の内径を効果的に減少させるために中央開口2115内に延在する1つ以上の特徴部を組み込むことができ、その結果、プラットフォーム2105はIOL光学素子を支持し、IOL110が中央開口2115を通って落下するのを防止することができる。装置2100は、IOLの光学素子を支持するように構成された複数の弁尖(leaflet)を含むことができる。弁尖は、中央開口2115の開口内に延びるように、プラットフォーム2105の内壁2109に対して内側に突出することができる。弁尖は、それらの前方に面する表面上で光学素子を支持することができ、又は光学素子が弁尖の後方に面する表面に通過してそれによって支持されるように偏向させることができる。IOL110の触覚部114は、プラットフォーム2105の前方に面する表面上に留まることができ、IOL110の光学素子112は、弁尖の後方に面する表面上に配置され、それによってIOL110のZ位置を維持することができる。弁尖は、全厚又は部分厚であり得る。すなわち、弁尖は、プラットフォーム2105と同じ厚さであってもよく、又はプラットフォーム2105よりも薄くてもよい。弁尖は、プラットフォーム2105の前方に面する表面から立ち上がることができる。弁尖はまた、プラットフォーム2105の後方に面する表面から立ち上がることができる。後方に面する表面に由来する場合、IOL110の光学素子112は、中央開口2115及び弁尖の前方に面する表面によって形成された凹部内に配置することができる。装置2100は、1つ、2つ、3つ、又はそれ以上の弁尖を含むことができる。各弁尖は、プラットフォーム2105の周りに対称的に配置することができる。弁尖は、中央開口2115の内径よりも狭い内径を規定することができる。弁尖のより狭い内径は、約4.0mm~6.0mm、又は約5.0mm~5.5mm、又は約5.0mmであり得る。各弁尖は、約0.10mm~0.50mm、又は約0.15mm~約0.35mm、又は約0.25mmの厚さを有することができる。
中央開口2115は、プラットフォーム2105がその全厚を通って延びる単一の光学開口を有するように、後部プラットフォーム2105を通って延びる唯一の開口とすることができる。幾つかの実施態様では、後部プラットフォーム2105は、中央開口2115に加えて全厚開口を組み込んでいる。これらの追加の開口は、IOL110を支持するのに十分な表面積を依然としてもたらしながら、装置2100の全体的な嵩を減少させることができる装置に対する不連続な後面を形成することができる。幾つかの実施態様では、不連続な後面は、後部プラットフォーム2105を通る1つ以上の切り欠き2144を含むことができる(図8A~図8E参照)。他の実施態様では、装置2100は後部支持体2105を有さず、代わりに水晶体嚢前部に依拠してZ平面に沿って中心光学素子112を支持する(図9A~図9B参照)。以下、それぞれについてより詳細に説明する。更に他の実施態様では、後部プラットフォーム2105(不連続面又は連続面を有するかどうかにかかわらず)は、内周2109によって画定される中央開口2115を有さない。中実後部プラットフォーム2105は、硝子体の損失を防ぐのを助けることができる。幾つかの実施態様では、中実後部プラットフォーム2105は、光が通過することを可能にするように構成された平面光学面とすることができる。他の実施態様では、後部プラットフォーム2105は、屈折又は光フィルタリング光学特性を有する。
幾つかの実施態様では、後部プラットフォーム2105の後方に面する表面は、前嚢35に着座するように構成される(図2A参照)。後部プラットフォーム2105の後方に面する表面は、1つ以上の特徴部を含むことができ、又は摩擦を増大させ、埋め込み後の前嚢35に対する装置の不注意な動きを防止するようにテクスチャ加工することができる。摩擦の増大は、前嚢35に対する装置2100の横方向及び/又は回転動作を最小限に抑えるのに役立ち得る。
IOL110は、後部プラットフォーム2105の前方に面する表面に対して配置された図1Bに示されている。状況によっては、装置2100の前面と虹彩10の後面との間に限られた空間が存在し得る。虹彩損傷又は瞳孔ブロックのリスクを低減するために、IOL110は、後部プラットフォーム2105の平面上又は後側に固定することができる。後部プラットフォーム2105は、外科医が装置2100に対するIOL110の埋め込みのために「光学的捕捉」技術を使用することができるように構成することができる。この技術では、IOL110の光学素子112は、中央開口2115を部分的に又は完全に通って後部プラットフォーム2105の後側に通されるが、IOL110の触覚部114は、後部プラットフォーム2105の実質的に前方のままであり得る。この技術は、手術後にIOL110がX軸、Y軸又はZ軸でドリフトすることができず、水晶体の前方の空間のかさを減少させるように、IOLを確実に固定する。この技術は更に、虹彩10の後面とのIOL接触を軽減することによって、「正方形エッジ」IOL形態の安全な使用を可能にする。外科医は、有効レンズ位置の選択を行うことによってIOLパワーを変更する柔軟性を追加している。この技術はまた、IOL回転を制限することによって非点収差補正(円環)IOLの使用を可能にする。更に、その屈折位置の予測可能性を高めながら光学素子を固定することにより、術前のレンズ選択の計算がより正確になる。
光学的捕捉技術の使用を容易にするために、開口2115は、一般的なIOL光学直径の直径と同様の直径、例えば5.5mm又は6.0mmを有することができる。この状況では、外科医は、光軸に平行な力で、又は開口2115を通るIOL110を容易にするためにIOL110をわずかに傾けることによって、IOL110を開口2115を通過させることができる。或いは、装置2100は、IOL110が開口2115を通過することを可能にするために、開口2115の直径を一時的に拡大することを可能にする特徴部を組み込むことができる。前述したように、プラットフォーム2105は、中央開口2115を画定する内壁2109を含むことができる。内壁2109は、プラットフォーム2105がリングの終端間に間隙を有するスプリットリング(split-ring)を形成するように不連続であり得る。この実施態様では、開口2115の内径は、リングの終端が互いに向かって配置されているか、又は離れて広がっているかに応じて変化し得る。別の実施態様では、中央開口2115を画定する内壁2109は不連続であり得る。装置2100は、開口2115の周りに円周方向に配置された内壁2109に1つ以上のスリットを有することができる。スリットは、好ましくは、内壁2109から径方向外側に(例えば、0.25mm-2.0mm)長さを有することができ、それによってプラットフォーム2105の可撓性を高め、中央開口2115の有効直径を拡大して、柔軟なレンズプラットフォーム2105を通って光学素子112を通過させる。或いは、装置2100は、プラットフォーム2105に成形された1つ以上の偏向可能なフラップを組み込むことができる。装置2100は、外科医によって十分な力が加えられたときにIOL110が開口2115を通過するように偏向する複数の偏向可能なフラップ、例えば2から40のフラップを含むことができる。或いは、内壁2109は、外科医によって与えられる十分な力の下で、IOL110を偏向させて通過させるブラシ状構造を有することができる。更に別の実施態様では、プラットフォーム2105の断面厚さプロファイルは、開口2115に向かってテーパ状であってもよい。プラットフォーム2105の外側領域2111は、内壁2109の近くのプラットフォーム2105の内周の厚さよりも大きい厚さ(例えば、装置が眼内に配置されたときに前後に測定された厚さ)を有することができる。したがって、プラットフォーム2105の最も中央の部分(すなわち、内壁2109)は、IOL110が開口2115を通過し、十分な力の下に置かれたときに内壁2109を偏向させることを可能にする厚さの減少に起因して、より大きな可撓性を有することができる。スリット、フラップ、又は厚さの減少に起因するかどうかにかかわらず、内壁2109の近くのより大きな可撓性にもかかわらず、プラットフォーム2105は、プラットフォーム2105の前面に載っているIOL110又はプラットフォーム2105の部分的もしくは完全に後方にあるIOLを支持するのに十分な強度を有する。
再び図1A~図1Bを参照すると、後部プラットフォーム2105の外側領域2111は、外側領域2111から前方に突出する1つ以上の側壁2112に結合することができる。側壁2112は、後部プラットフォーム2105の前方に面する表面上に湾曲して、1つ以上のオーニング2110を形成することができる。側壁2112と組み合わせたオーニング2110は、前方に面するレンズ支持面の前方に1つ以上の凹部2104を画定する本体部を形成することができる。IOL110の少なくとも一部は、本体部の1つ以上の凹部2104内に配置することができる。前述したように、装置2100は、挿入後に装置のいかなる部分も眼の強膜と接触して載置されないように、虹彩の後眼に挿入することができる。複数の径方向延在構造のそれぞれの径方向最外部は、眼の瞳孔の後方に中央開口2115を安定して配置するために、後眼房の溝に隣接して配置することができる。次いで、IOL110を眼に挿入し、IOL110の光学素子112が後部プラットフォーム2105の中央開口2115の上にあり、プラットフォーム2105のレンズ支持面の少なくとも一部の前にあるようにIOL110を配置することができる。光学素子112の後方に面する表面の周囲領域は、後部プラットフォーム2105の前方に面する表面に対して配置され得る。IOL110の触覚部114のそれぞれは、中央開口2115の両側のそれぞれの凹部2104内に実質的に又は少なくとも部分的に配置することができ、IOL110の光学素子112の大部分は、凹部2104の外側に留まり、装置2100の前部開口2127(図1B参照)を通して露出して、IOL110を装置2100に固定する。
長尺前部開口2127は、オーニング2110及び/又は側壁2112の間の空間によって画定することができる。前部開口2127は、全てのIOLタイプ(ワンピース、スリーピース、プレートなど)の容易な通過及び埋め込みを可能にするのに十分な大きさであり得るが、依然として、IOL110の触覚部114の少なくとも一部を凹部2104内のオーニング2110の下で捕捉することができ、その結果、IOL110はオーニング2110の後方に保持される。側壁2112は、後部プラットフォーム2105の前方に面する表面から十分な距離だけ前方に突出することができ、凹部2104までの高さをもたらし、触覚部114がオーニング2110の下を凹部2104内に容易に通過することを可能にする。これは、外科医が患者が好むワンピースIOLを埋め込むことを可能にするために特に有用である。ワンピース型眼内レンズは、単焦点、円環状、多焦点、拡張された焦点深度、及び収容する眼内レンズを含むことができる。しかしながら、前嚢に対する装置の位置決め時に装置と虹彩の裏側との間の接触を緩和するために、凹部2104のサイズ及び装置2100の厚さは最小化される。例えば、装置2100は、約0.3mm~約2.0mmの間である、オーニング2110の前方に面する表面からプラットフォーム2105の後方に面する表面までの厚さを有することができる。装置のこの前後方向の厚さは、オーニング2110と虹彩との間の相互作用又は接触を回避するために最小化され、滑らかな外面形状並びにオーニング2110及び側壁2112の丸い縁は、接触の場合に虹彩外傷を防止する。後部プラットフォーム2105の前方に面する表面とオーニング2110の内側に面する表面との間の凹部2104の高さは、少なくとも約0.65mm、少なくとも約0.70mm、少なくとも約0.75mm、最大約1.00mmとすることができる。凹部2104の高さは、装置に対してIOLを操作することができる空間を与える。幾つかの実施態様では、後部プラットフォーム2105は、約0.20mmの厚さ及び約0.65mmの凹部高さを有する。幾つかの実施態様では、後部プラットフォーム2105は、約0.50mmの厚さ及び約0.75mmの凹部高さを有する。したがって、より厚い後部プラットフォーム2105にもかかわらず、凹部2104の高さをより大きくすることができる。
オーニング2110は、IOL110が装置2100上に配置されると、IOL110の潜在的に外傷性の表面を覆うようなサイズ及び形状にすることができる。例えば、IOL110の触覚部114又はIOL110の触覚部114と光学素子112との間の接合部115、特に水晶体嚢の内側に完全に埋め込まれるように設計されたものは、材料で形成することができ、又は眼組織に外傷性の表面形状を有することができる。例えば、鋭利又は正方形のIOLの縁部は、虹彩のような繊細な眼組織に損傷を引き起こす可能性がある。装置2100のオーニング2110は、虹彩をそれらとの接触から保護するIOL110の少なくともこれらの表面を覆うように設計されている。
更なる実施態様では、オーニング2110は、瞳孔を通る装置の前方視覚化を可能にするために、別のオーニングよりも中心に突出する少なくとも一部を有するようなサイズ及び形状にすることができる。術中の瞳孔径は、IOL埋め込み中は予測不可能となり得ると共に、手術中に変化し得る。オーニング2110の中央に突出する視覚化特徴部2117は、埋め込み後のIOLの光学素子との干渉を回避しながら、瞳孔を通して装置2100を直接視覚化するように設計することができる。中央突出特徴部は、前部開口2127の内径、例えば、装置の長軸に沿った内径を狭くする。装置2100の両側のオーニング2110は、少なくとも約7.0mmから約5.0mmまで、好ましくは約6.0mmまでの、それらの最も中央の縁部間の距離を規定することができる。IOLの埋め込み中の装置2100の直接的な視覚化は、IOLが装置内に適切に固定される可能性を高める。装置の前部視覚化特徴部は、図18E~図18Jに関連して以下により詳細に説明される。
幾つかの実施態様では、装置2100は、プラットフォーム2105の周囲の周りに延在する単一の側壁2112を有し、中央開口2115の周りに360度延在する単一のオーニング2110を形成し、それにより、光学素子112の縁部並びにIOL110の触覚部114が少なくとも部分的に覆われる。他の実施態様では、装置2100は、複数の側壁2112によってプラットフォーム2105に結合された複数のオーニング2110を有する。例えば、図1A~図1Bに示すように、装置2100は、プラットフォーム2105の第1の短側2107の前方に面する表面上に突出する第1のオーニング2110と、プラットフォーム2105の反対側の短側2107の前方に面する表面上に突出する第2のオーニング2110とを有することができる。各オーニング2110は、オーニング2110及び側壁2112の集合表面積が中心開口2115の周りで360度未満であるように、中心開口2115の周りの円弧長を有することができる。各オーニング2110は、IOLの各触覚部114の一部のみを覆うことができ、光学素子112の縁部は露出したままである。オーニング2110は、好ましくは、長尺前部開口2127が光学部分112の直径よりもはるかに大きくなるように、IOL110の光学部分112に張り出さない。これは、IOL110の中心光学部分112の直径に近づく後部プラットフォーム2105のより小さい中央開口2115とは対照的である。前部開口2127は、一般に、中央開口2115よりも著しく大きい。オーニング2110が1つ以上の視覚化特徴部2117を組み込むことができる場合でも、オーニング2110によって画定される前部開口2127は、中央開口2115よりも大きくすることができる(図1E,図3,図15,図18A,図18I等参照)。
図1A~図1Dに示す実施態様は、両長尺側2108及び両短側2107に沿って両オーニング2110の位置でプラットフォーム2105の全周にわたって延在する単一の側壁2112を有する。この実施態様では、対向するオーニング2110は、長尺側2108に沿って互いに完全に接続され、前部開口2127を画定する後部プラットフォーム2105の周りに完全な筐体を形成することができる。しかしながら、側壁2112は、プラットフォーム2105の全周にわたって延在する必要はない。第1の側壁2112は、プラットフォーム2105の短側2107から前方に突出して、オーニング2110に接続することができ、第2の側壁2112は、プラットフォーム2105の反対側の短側2107から前方に突出して、そのそれぞれのオーニング2110に接続することができる。この実施態様では、オーニング2110の間の空間の前部開口2127は、連続開口2127を形成する壁によって全ての側面が境界付けられていない。それにもかかわらず、IOL110を凹部2104に挿入するための開口2127が存在する。
長尺側2108は、比較的直線状又は湾曲していてもよい。幾つかの実施態様では、長尺側2108は、長尺側2108の中央付近で内側に湾曲する窪み2113を組み込むことができる(図19A-19Bを参照されたい)。窪み2113は、バンパー2114の位置の間に配置することができる。窪み2113は、外側のバンパーの曲率半径を反映する内側に曲率半径を有することができ、上方から見たときに各長尺側2108に全体的なS字形の湾曲を与える。長尺側2108上の側壁2112の窪み2113は、シャーシ(chassis)に砂時計形状を与える。
幾つかの実施態様では、後部プラットフォーム2105から突出するオーニング2110の距離は非対称である。例えば、第1のオーニング2110又はオーニング2110の第1の部分は、それぞれの側壁2112から第1の距離だけ突出することができる。第2のオーニング2110又はオーニング2110の第2の部分は、その側壁2112から第1の距離とは異なる第2の距離だけ突出することができる。この非対称性は、IOL110の先頭の触覚部114又は後続の触覚部114のより容易な挿入を可能にすることができる。先頭の触覚部114は、最初に大きなオーニング2110の下に挿入することができ、後続の触覚部114は、次に小さなオーニング2110の下に挿入することができる。オーニング2110(及び任意選択的に側壁2112)によって画定された前部開口2127は、非対称であってもよく、以下でより詳細に説明するように、他の部分に対するIOLの特定の部分の特定の被覆を可能にする。また、オーニング2110は、レンズ挿入のそれぞれの柔軟性を向上させるために、スリット又はブラシ状構造などの断続部又は不連続部を有することができる。
IOL110の少なくとも一部を受け入れるような大きさの凹部2104は、後部プラットフォーム2105の前方に面する表面、側壁2112の内面、及びオーニング2110の内面によって画定することができる。各凹部2104の高さ又は容積は、前後の厚さ、並びに中心開口2115の中心軸CAからの深さ又は距離の両方で、触覚部114のそれぞれの一方又は一方の触覚部114の少なくとも一部を受け入れるのに十分であり得る。側壁2112の内面は、更に、触覚部114のための支持面として機能し、IOL110を装置2100上に心出しするのを助けるために触覚部に対抗圧力を与えることができる。オーニング2110は、触覚部114の前方Z軸移動を制限し、IOL110を装置2100に固定するのを助けることができる。ワンピースIOLを含むIOLの確実な固定は、厳しい心出し公差(例えば、円環状レンズ、多焦点レンズ、拡張焦点深度(EDOF)IOL、及び収容IOL)を必要とするIOLの使用を可能にする。側壁2112及びオーニング2110は、様々な触覚部形態を収容するのに十分な円弧長を有する。
オーニング2110と後部プラットフォーム2105との間の凹部2104(例えば、高さ)のサイズは、オーニング2110に沿って変化することができ、幾つかの実施態様では、IOL触覚部114の前後の厚さよりも少なくとも幾つかの領域で狭くするか短くすることができる。前述したように、後部プラットフォーム2105の前方に面する表面とオーニング2110の内方に面する表面との間の凹部高さは、約0.65mm~約0.75mmとすることができる。この高さは一定である必要はない。オーニング2110の第1の領域は、同じオーニング2110の他の領域(例えば、触覚部114の終端を覆う領域)よりも前方に突出することができる。より高いオーニング2110の第1の領域は、IOL接合部(例えば、接合カバー2130)を収容するのに十分なより広い空間を形成することができる。より低いオーニング2110の第2の領域は、より狭い空間を形成することができる。オーニング2110によって形成されたより狭い空間は、空間内のIOL触覚部114を圧縮し、触覚部114の終端を、触覚部114がそうでなければ達成するように付勢されているよりも後方位置に向かって付勢することができる。以下でより詳細に説明するように、後部プラットフォーム2105は、IOL光学素子112が後部プラットフォーム2105によって支持されるときにIOL110の触覚部114と位置合わせするように配置された周囲切り欠き2144を含むことができる(図8A~図8E参照)。切り欠き2144は、IOL触覚部114を収容するような大きさ及び形状であり、IOL触覚部が後部プラットフォーム2105の前方に面する表面の高さより下の切り欠き2144内に沈むことを可能にする。図8Fは、装置2100の実施態様の側面図を示す。
1つ以上のオーニング2110及び/又は側壁2112の壁厚は、均一又は不均一であり得る。幾つかの実施態様では、オーニング2110及び/又は側壁2112はそれぞれ、約0.35mmの均一な厚さを有することができる。オーニング2110及び/又は側壁2112を形成する材料は、連続的又は不連続的であり得る。不連続材料は、IOL110のための保護表面及び/又は支持表面を依然としてもたらしながら、装置2100の全体的な体積を最小限に抑える足場(scaffold)を形成することができる。
前述したように、プラットフォーム2105の外側領域2111は、長尺側2108を画定する長軸と短側2107を画定する短軸とを有する実質的に非円形(例えば、長方形、楕円形、長円形、砂時計形、自由曲面形)の形状とすることができる。対照的に、内周又は内壁2109は、円形の中央開口2115を画定することができる。この実施態様では、オーニング2110によって形成された凹部2104は、IOL110触覚部114のスパン(span)が凹部2104内に収容され得るように、長軸に対して互いに対向して配置され得る。外側領域2111の非円形形状は、本明細書の他の箇所で説明するように、複数の側面から外側に突出する複数のローブを有する丸みを帯びた三角形形状であってもよい。オーニング2110は、それらが互いにほぼ対向して配置されるように、後部プラットフォーム2105の前方に面する表面上に突出することができる。向きにかかわらず、オーニング2110、側壁2112、及び後部プラットフォーム2105によって画定される凹部2104のスパンは、それらの間のIOL触覚部114のスパンを収容するのに十分である。IOLは、オーニング2110の下及び側壁2112の間の凹部2104内に挿入することができる。第1の対向する側壁2112と第2の対向する側壁との間の直径は、IOL挿入に十分である。IOLは、典型的には折り畳み可能であり、したがって、第1のオーニング2110と第2のオーニングとの間の直径は大きく変化し得る。以下でより詳細に説明する他の実施形態では、プラットフォーム2105は、後部プラットフォーム2105の外側領域2111が装置2100の側壁2112の径方向内側にあるように幅が広い切り欠き2144を有することができる。これにより、装置2100の側壁2112は、後部プラットフォーム2105の形状とは異なる第1の形状を装置2100に提供することができる。例えば、側壁2112は、装置2100に対して多角形の形状を形成することができ、後部プラットフォーム2105は、ほぼ環状(図8C参照)とすることができる。
凹部2104のスパンは、IOL触覚部114のスパンを収容することができるが、凹部のスパンは、触覚部114が側壁2112の内側支持面によってわずかに圧縮されて配置されるように、IOL触覚部114のスパンと比較してわずかに小さくてもよい。IOL110は、触覚部114が少なくとも部分的に屈曲するように、装置2100に対して所定の位置に静止することができる。嵌合が小さすぎるために触覚部114がひどく屈曲すると、IOL110の光学素子112が歪む可能性がある。嵌合が緩すぎるために触覚部114が側壁2112と接触していない場合、IOL110の光学素子112は、装置に対して安定していない可能性があり、その結果、装置2100から移動及び/又は脱落する。図1E及び図1Fは、IOL110を収容するための装置2100の寸法を示す。1つ以上の凹部2105は、IOL110の少なくとも一部を収容するような大きさにすることができ、(例えば、Z軸内の厚さの態様として)、埋め込み中に装置2100に対してIOL回転のためのウィグルルーム(wiggle room)を与えるための弧の長さとして、又は触覚部縁部が虹彩と接触しないようにある程度の被覆率を与える幅として設けることができる。オーニング2110の内面とプラットフォーム2105の前方に面する表面との間の凹部2104の深さ(図1Eの矢印A)は、約0.15mm~約1.50mmとすることができる。短軸に沿った側壁2112の間のプラットフォーム2105を横切る幅(図1Fの矢印B)は、約6.0~約11.0であり得る。対向する凹部2104間のスパン(図1Fの矢印C)は、約8.0mm~約12.5mmであり得る。別の実施態様では、プラットフォームの長さは約10.2mmであり、幅は約7.0mmであり、深さは約0.60mmである。更なる実施態様では、装置の長軸に沿ったプラットフォームは、約9.2mmの外部長さと、側壁の厚さが約0.7mmであるように、約8.5mmである同じ軸に沿った内部長さとを有することができる。更なる実施態様では、長軸に沿ったプラットフォームは、約11mmに増大させることができ、同じ軸に沿った内部長は約9.8mmである。その結果、側壁は約1.2mm厚くなる。増大したキャビティ長は、増大した側壁厚さと組み合わせて増大した装置の全長を与えるIOLを操作することができるより多くの空間をもたらすことができる。装置は、毛様体の頂部の平面を通って、したがって毛様体の頂部の後方で固定することができ、その結果、毛様体の頂部の平面上の装置が広すぎる場合であっても、より大きなIOLハウジング(図18H参照)を埋め込むための空間が依然として存在し得る。
本明細書に記載の装置はまた、光学捕捉技術のために構成される。IOL110は、IOL110の光学素子112が装置2100の最背面の後方に付勢される一方で、IOL110の触覚部114が装置2100の最背面の前方のままであるように、装置2100に対して位置決めすることができる。IOL110の触覚部114は、装置2100の凹部2104内に配置することができ、IOL110の光学素子112の少なくとも一部は、プラットフォーム2105の開口2115を通して装置2100の後側に付勢することができる。IOL光学素子の縁部は、装置2100の最も後側の表面の後方に配置することができ、一方、触覚部114は、装置2100の最も後側の表面の前方に留まるように開口2115を通って前方に延びる。
前述したように、前部開口2127は、後部プラットフォーム2105の中央開口2115の直径よりも大きい直径を有することができる。図1A及び図3は、より大きい前部開口2127を通して見える後部プラットフォーム2105を通って延びる中央開口2115を示す。中央開口2115は円形であることが好ましいが、前部開口2127は円形である必要はない。図3は、円形の中央開口2115と、実質的に楕円形の前部開口2127とを示す。図1Cは、円形の中央開口2115と、実質的に長方形である前部開口2127とを示す。前部開口2127は、様々な幾何学的形状又は自由曲面形状のいずれかを有することができる。幾つかの実施形態では、前部開口2127は、以下でより詳細に説明するように、IOL110の選択された領域の上に延在し、それを覆うように構成された1つ以上の外側クロッピング(cropping)を組み込むことができる。前部開口2127はまた、瞳孔が手術中にサイズが狭くなった場合でも、埋め込み中に瞳孔を通して装置2100を直接視覚化するために、1つ以上の中心に延びる特徴部を組み込むことができる。中央に延びる特徴部は、約7mm未満から約5mm、好ましくは約6mmまでの前部開口2127の周囲の少なくとも1つのより狭い直径を規定するように突出することができる。中心に延びる特徴部は、図18E~図18Jに関連して以下により詳細に説明される。
前部開口2127は、IOLが所定の位置に操作され、凹部2104と共に所定の位置に完全に広げられるように、約6mmより大きくすることができる。前部開口2127の直径は、6mmより大きく約8mmまでとすることができる。図1Cは、矢印Aに沿った側壁2112間の幅及び矢印Cに沿ったオーニング2110間の長さを有する実質的に長方形の前部開口2127を示す。幅及び長さは、約5mm~約10mmとすることができる。ほぼ長方形の開口2127の場合、長さは幅よりも大きい。図1Cの矢印Bに沿った寸法はまた、5mmから10mmの間とすることができる。寸法が周囲全体で5mmであるシナリオの場合、側壁2112及びオーニング2110は前嚢を模倣し、前部開口2127は嚢切開を模倣し、IOL110の中心光学素子112のみが前部開口2127を通して露出される。好ましくは、前部開口2127はこれよりも大きく、図1Cの矢印Aに沿った幅は約6.25mmであり、図1Cの矢印Cに沿った長さは約7.5mmであり、図1Cの矢印Bを横切る寸法は約8.0mmである。
前述したように、前部開口2127は、IOL110の触覚部114の外周領域を受けるようにサイズ決めされた、全周及びオーニング2110が比較的大きくてもよい。この大きなサイズの前部開口2127は、装置2100が様々なIOLのいずれかをほぼ普遍的に受け入れることができるようにする。IOL110の挿入をより容易にするこの大きなサイズはまた、水晶体嚢の前方に埋め込みされたときに覆うことが好ましいかもしれないIOL110の特定の部分を前部開口2127を通して露出させたままにすることができる。図5Aは、一対のオーニング2110及び一対の接合カバー2130によって画定された前部開口2127を有する装置2100の実施態様を示す。この実施態様では、装置2100は、実質的に長方形又は砂時計形の形状を有し、オーニング2110は、長方形の各短側2107の側壁2112から後部プラットフォーム2105上に突出する。第1の接合カバー2130は、第1の長尺側2108が第1の短側2107と交わる場所の近くで側壁2112から突出する装置の第1の角部の近くに配置することができる。第2の接合カバー2130は、反対側の長尺側2108が反対側の短側2107と出会う場所の近くで、反対側の側壁2112から突出する装置の反対側の角の近くに配置することができる。この配置は、接合カバー2130が、触覚部114の主ヒンジ点の位置及び/又は触覚部114がIOL110の光学素子112に接続する接合部115を越えて側壁2112から延在することを保証する。接合カバー2130の存在は、前部開口2127に自由な形状を与える。前部開口2127は、図5Aの矢印Bに沿ってより大きい開口寸法、及び図5Aの矢印Dに沿ってより小さい開口寸法を有することができる。IOL110は、矢印Bに沿ったより大きな開口寸法を利用するために、第1の向きに沿って前部開口2127を通って挿入することができる。IOL110は、前部開口2127を通って配置されると、矢印Dに向かって距離だけ中心軸CAの周りを回転させることができ、触覚部接合部115が接合カバー2130によって覆われることを確実にし、プラットフォーム2105に対するIOL110の固定を確実にする。接合カバー2130の存在によって、オーニング2110のサイズを最小にすることができ、前部開口2127のサイズを最大にすることができる。
前述したように、装置2100は、本体部に結合された複数の径方向延在構造によってもたらされる安定化特徴部を含むことができる。径方向延在構造又はバンパー2114は、装置2100の眼内での心出しを支援し、後眼房などの眼内での装置の無縫合(sutureless)に位置決めするために、装置の径方向最外部を与える。幾つかの実施態様では、装置2100は、後部プラットフォーム2105の後方に面する表面が水晶体嚢の前部34に当接するように埋め込まれるように構成され、水晶体嚢は装置2100にZ軸支持を行うことができる(図2A参照)。バンパー2114は、装置2100にX軸及びY軸支持を行い、Z平面内での装置2100の回転を防止するのに役立つように、装置から外側に延在することができる。毛様体15は略円形又は楕円形であり、縦軸が横軸より平均して0.5mm長い。実質的に円形又は楕円形の装置2100は、同様に円形又は楕円形の毛様体との心出しをもたらすことができる。しかしながら、装置2100と毛様体15との間の360度の接触を得るための形状の一致は、炎症又は損傷をもたらす可能性があり、これは房水産出に悪影響を及ぼし得る。バンパー2114は、プラットフォーム2105の周囲を越えて突出して、毛様体15又は毛様溝25と360度接触することなく、装置2100の眼内での心出しを行うことができる。好ましい実施態様では、装置2100は、実質的に非円形の幾何学的形状を有する外周面を有する。プラットフォーム2105は、実質的に長方形又は砂時計形状の外側領域2111を有することができる。バンパー2114は、プラットフォーム2105の外周を超えて外側に延びることができ、この非円形の幾何学的形状を更に強化する。例えば、図1A~図1Fに示す装置2100の実施態様におけるバンパー2114は、長方形の本体部の各角に配置され、360度未満に沿って毛様体15及び/又は毛様溝25と係合するように構成される。装置2100の非円形の外側形状は、実質的に非円形の外周面に沿って眼組織と360度接触することなく装置2100の心出しを行うことができる。装置2100の形状は、炎症及び損傷を引き起こすことなくIOL110の心出し及び支持を助けるために、バンパー2114と眼組織(例えば、毛様体又は水晶体嚢)との間の十分な接触をもたらすことができる。
バンパー2114は、本体部に対して対称に配置することができる。装置2100は、実質的に長方形の形状とすることができ、各角から外側に突出する4つのバンパー2114を含むことができる。装置2100はまた、各短側2107又は各長尺側2108から外側に突出するわずか2つのバンパー2114を含むことができる。更に別の実施態様では、装置2100は、装置から外側に突出する単一のバンパー2114、又は装置2100の周囲の周りに対称的に配置された別の数のバンパー2114を組み込むことができる。装置2100は、1つ、2つ、3つ、4つ、又はそれ以上を含む任意の数のバンパー2114を組み込むことができる。
幾つかの実施態様では、バンパー2114の形状は、約120度以下、好ましくは20度から40度の間の眼組織との接触を可能にする。各バンパー2114と隣接する眼組織との間の接触は、バンパー構成及び患者の解剖学的構造に応じて変化し得る。幾つかの実施態様では、各バンパー2114は、約5度~約10度、又は好ましくは約30度未満である眼組織と接触することができる。より多くのバンパー2114を有する装置は、より少ないバンパー2114を有する装置よりも大きな眼組織接触度を有することができる。バンパー2114と眼組織との間の接触を最小限に抑えることにより、炎症又は房水産生の障害のリスクが有意に低下する。バンパー2114によって部分的に与えられる装置の実質的に非円形の形状は、装置2100と毛様体との間の穏やかな接触を可能にし、患者の特定の寸法との正確な一致を必要とせずに心出しを行う。バンパー2114の曲率半径は、毛様体突起の曲率半径よりも小さくすることができる。したがって、バンパー2114は、計算可能な範囲にわたってではなく、1つ又は2つ又は3つ又は4つの異なる点で毛様体突起に接触することができる。例えば、使用時に、装置2100の実質的に非円形の外周面は、これらの別個の点で毛様体突起に接触することができる。
他の実施態様では、装置2100のバンパー2114は、埋め込まれた後に眼組織(例えば、毛様体)の近くに配置することができるが、眼組織との接触を回避することができる。この配置は、バンパー2114が装置の心出しを助けることを可能にする。装置2100が一方向にあまりにも遠くに配置された場合、隣接するバンパー2114は、埋め込み中に毛様体に当接し、装置2100を毛様体から離れるように付勢し、装置2100をより中心に位置合わせするように促進することができる。埋め込まれると、装置のバンパー2114は、眼組織に接触して又は接触せずに、眼組織(例えば、毛様体)の近くに配置することができる。バンパー2114は、中央開口2115を通って延びる装置2100の中心軸CAを眼の視軸と実質的に位置合わせすることができ、後部プラットフォーム2105の平面を眼のZ平面(垂直面)に実質的に平行に安定させることを可能にする。装置2100の中心軸CAは、眼の視軸と完全に位置合わせされる(一致する)必要はない。
バンパー2114は、それを貫通して延在する1つ以上の開口を有する不連続又は中断構造とすることができる。例えば、バンパー2114は、内径及び外径を有するトーラス又はリングの一部として成形することができる。バンパー2114は、これらの領域から離れて外側に突出するように、装置2100の後部プラットフォーム2105又は側壁2112に結合することができる。各バンパー2114の両端を装置2100に結合することができ、又は各バンパー2114の一端のみを装置2100に結合して、各バンパー2114にC字形を与えることができる。したがって、バンパー2114は、閉ループ、開ループ、プレート、ケルマン、及びそれらを通って延びる1つ以上の開口の有無にかかわらず、様々な触覚部タイプのいずれかとすることができる。
幾つかの実施形態では、バンパー2114は、毛様体及び/又は毛様溝との接触による心出しを行うのに十分な最大外径を装置2100に形成する。幾つかの実施態様では、バンパー2114は、長方形の後部プラットフォーム2105の各角から外側に突出するトーラス状の特徴部である。バンパー2114は、本体部の領域から、例えば側壁2112から、後部プラットフォーム2105の外側領域2111から、又は装置の別の外面から突出する第1の及び第2の端部2132、2134と、端部2132、2134の間に配置された中間領域2136とを有することができる(図1F参照)。各バンパー2114は、約1.10mm~約1.0mmの径方向断面と、約0.1mm~約1.0mm、又は約0.2mm~約0.4mmの軸方向断面とを有することができる。幾つかの実施形態では、軸方向断面は、バンパー2114が毛様溝内に挿入することを可能にするサイズである。各バンパー2114が本体部の側壁2112を越えて突出する距離は、変化し得る。各バンパー2114は、側壁2112の外面からバンパー2114の中間領域2136の内面まで測定された内径IDを有することができる。内径は、約0.25mm~約3.0mmとすることができる。各バンパー2114は、側壁2112の外面からバンパー2114の中間領域2136の外面まで測定された外径ODを有することができる。外径は、バンパー2114によって形成される装置21000の最大外径を規定することができる。この最大外径は、約12.5mm~約16.0mm、又は9.0mm~約13.0mmとすることができる。装置2100は、後眼房に配置されるように構成される。バンパー2114は、使用中に毛様溝内に配置することができるが、配置する必要はない。幾つかの実施態様では、バンパー2114は、装置が視軸の周りに中心を置いているときに毛様溝内に挿入するような大きさの最大外径を規定することができる。他の実施態様では、バンパー2114は、視軸を中心としたときに毛様溝の外側に留まる大きさの最大外径を規定することができる。装置の周囲から突出するバンパー2114は、それらが毛様体組織に当接又は軽く接触して回転を制限するようなサイズにすることができる。バンパー2114はまた、潜在的に装置の心出しを助けることができる。例えば、バンパー2114は薄く、心出しを補助するが、装置2100が眼に埋め込まれている間は毛様溝内に突出しないように比較的後方に配置されてもよい。
一実施態様では、短側2107上のバンパー2114の外面と反対側の短側2107上のバンパー2114の外面との間の装置2100の長さ(図1Fの矢印L)は、約6mm~約12mmとすることができる。長尺側2108のバンパー2114の外面と反対側の長尺側2108のバンパー2114の外面との間の装置2100の幅(図1Fの矢印W)は、約7mm~約14mmとすることができる。バンパー2114は、装置2100の側壁2112又は後部プラットフォーム2105ではなくバンパー2114が毛様体組織と接触して中心を与え、回転を防止することを可能にする距離だけ外側に突出することができる。図2A~図2Bは、バンパー2114の毛様溝25への突出を示しているが、後部プラットフォーム2105、側壁2112、及びオーニング2110によって形成された本体部は、好ましくは毛様体15に当接することなく、実質的に毛様体15によって画定された空間内に留まる。
バンパー2114は、接触時に装置2100を隣接する眼組織から離れるように付勢することができる。バンパーの不連続部(すなわち、トーラスの内径によって規定される内容積)は、外径が材料の固体片と比較して眼組織に当接したときにバンパー2114により高度の可撓性及びばねを与える。幾つかの実施形態では、バンパー2114は、毛様体構造と接触するとわずかに変形するか、わずかに内側に崩壊することができる。バンパー2114の変形は、バンパー2114が元の形状に戻り、それによって装置2100を眼組織から離れて眼内の集中位置に向かって押し戻すように一時的であり得る。バンパーの圧縮は、装置2100の性能に悪影響を及ぼさない。すなわち、装置2100の残りの部分が適切なIOL捕捉、心出し、傾斜などをもたらしながら、バンパー2114のうちの1つ以上を圧縮することができる。
バンパー2114は、それらが近くに配置されるように装置の外側領域から十分に突出することができるが、好ましくは、装置2100が埋め込まれた後に毛様体構造と接触したままになることを回避する。バンパー2114は、装置2100を眼内に位置決めする際のガイドとして機能し、Z平面内の変位を防止して、埋め込み中に中央開口2115と眼の視軸との間の適切な位置合わせを維持することができる。正方形の縁部を有さないトーラス又は丸みを帯びたリング形状によるバンパー2114の滑らかで凸状の外面はまた、眼組織とバンパー2114との間の接触が非外傷性であるようにする。バンパー2114は、虹彩との相互作用を制限して癒着及び角度閉鎖(angle closure)を回避するために、前後(すなわち、軸方向断面)に最小厚さを有する。
図4A~図4Bは、装置2100及びIOL110を虹彩の後方に維持するために前方バイアスで角度付けされたバンパー2114の実装を示す。前述したように、各バンパー2114は、装置2100から外側に突出するトーラス形状の特徴部とすることができる。バンパー2114の第1及び第2の端部2132、2134は、わずかに前方に延びる各バンパー2114の中間部分2136よりも後方に配置することができる。各バンパー2114の中間部分2136は、眼組織と接触することができ、このわずかな前方バイアスにより、装置2100の残りの部分をより後方の方向に付勢し、虹彩の接触及び擦り傷を回避するのに役立つ。幾つかの実施態様では、バンパー2114は、装置2100の前面から突出することができ、又は各バンパー2114の中間部分が、オーニング2110によって形成された装置2100の前面の前方に突出するように角度を付けることができる。装置2100は、バンパー2114の角度のためにバンパー2114のうちの1つ以上が圧縮されたときに後方に駆動され得る。更に、バンパー2114の1つ以上の表面は、毛様体突起又は毛様溝との摩擦を増大させて、眼に対する装置2100の回転を制限するためにテクスチャ加工されるか、又は特徴部を組み込むことができる。
装置2100は、これに代えて又は加えて、本体部の1つ以上の凹部2104に対して後方又は前方に配置することができる1つ以上の安定化特徴部2138を含むことができ、本体部は、後部プラットフォーム2105、側壁2112、及びオーニング2110によって形成される。図5A~図5C、図6A~図6E、図8A~図8F、図9A~図9B、図18B~図18D及び図19A~図19Bは、凹部2104の後方に配置された後部安定化特徴部2138を有する装置の実施態様を示す。図10A~図10Dは、凹部2104の前方に配置された前部安定化特徴部2138を有する装置の実施態様を示す。装置の様々な実施態様について以下でより詳細に説明する。
安定化特徴部2138は、後部プラットフォーム2105の後方に面する表面2140から後方に突出することができ、後方に面する表面2140に沿って横方向外側に突出することができ、それにより空間2142を画定し、この空間内に、嚢切開40の周りの水晶体嚢の前部35を配置することができる。安定化特徴部2138は、前嚢35の後方に配置されるように構成され、装置2100の残りの部分は、Z軸支持を行う水晶体嚢の前方に位置する。安定化特徴部2138は、装置が埋め込まれた後の装置2100の不注意な動きを防止するために、前嚢35内の嚢切開40と係合することができる。安定化特徴部2138は、水晶体嚢35に対して装置2100の中心軸CAを位置合わせして、眼の視軸に対する装置2100と係合したIOL110の光学素子112の適切な位置決めを確実にすることができる。
安定化特徴部2138の構成は様々であり得る。安定化特徴部2138は、開ループ、閉ループ、プレート、翼、連続楕円特徴部、柔軟な指状突起、又は他の構成を含むことができる。一般に、安定化特徴部2138は、後部プラットフォーム2105の後方に面する表面2140が水晶体嚢35の前側外面に対して固定されるように、嚢切開40を通って挿入し、水晶体嚢35の前部の内面と係合するように構成された1つ以上の突起を含む。本明細書では、装置2100が水晶体嚢35に対して前方に摺動するのを防止する、嚢切開40と係合するように構成された後突出面と周囲突出面の両方を与えることができる安定化特徴部2138について、様々な構造のいずれかが考慮される。
一実施態様では、安定化特徴部2138は、第1の部分2116と、第1の部分2116に結合され、そこから横方向外側に延びる第2の部分2118とを有することができる。第1の部分2116は、中央開口2115を画定する後部プラットフォーム2105の内壁2109の近くに配置することができる。第1の部分2116は、プラットフォーム2105の後方に面する表面2140から後方に距離を置いて突出することができ、それにより、後方に面する表面2140と第2の部分2118との間の空間2142のサイズを規定する。第1の部分2116が突出する距離は、水晶体嚢前部35がプラットフォーム2105の後方に面する表面2140と第2の部分2118との間に挿入することを可能にするのに十分であり、それにより、嚢切開40は第1の部分2116に対して係合する。第1の部分2116は、前部嚢切開40を通過してこれと係合する大きさの外径を規定するリング状構造とすることができる。しかしながら、第1の部分2116は完全にリング状である必要はない。例えば、第1の部分2116は、中央開口2115の両側又は周囲に配置された複数の突起(図5B~図5C、図6A~図6C、図8A~図8F参照)によって形成され得る。
第1の部分2116から横方向外側に突出する安定化特徴部2138の第2の部分2118は、第1の部分2116によって規定される外径よりも大きい外径を規定することができる。前述したように、第1の部分2116は、嚢切開(capsulorhexis)40内に延在し、嚢切開によって受けられる大きさである。第2の部分2118は、前嚢35の内面に沿って、水晶体嚢の内側(又は完全な嚢が存在しないシナリオでは水晶体嚢の前部の後方)にある距離だけ延びるような大きさである。したがって、水晶体嚢の前嚢35は、水晶体嚢の後方に配置された第2の部分2118と、水晶体嚢の前方に配置されたプラットフォーム2105の後方に面する表面2140との間に配置することができる。第2の部分2118は、互いに反対方向に外向きに延びる一対の翼とすることができる。安定化特徴部2138の第2の部分2118は、互いに反対側の後部プラットフォーム2105を越えてある距離だけ外側に突出することができる。例えば、第2の部分2118のそれぞれは、第2の部分2118のそれぞれが対向する両側で外側領域2111を越えてある距離だけ延びるように、内壁2109と外側領域2111との間の距離よりも大きい長さを有することができる(図5A参照)。安定化特徴部2138は、装置2100の短軸に沿った後部プラットフォーム2105のスパンよりも大きい、装置2100の短軸に沿ったスパンを有することができる。典型的には、第2の部分2118は、少なくとも2つの領域において後部プラットフォーム2105の周囲から外側に突出するが、第2の部分2118は、1つ、2つ、3つ、又はそれ以上の領域から外側に、並びにプラットフォーム2105の周囲全体から外側に突出することができる。後部プラットフォーム2105(及び装置2100)は、角丸長方形、長円形、楕円形、三角形などを含む様々な形状のいずれかを有することができる。後部プラットフォーム2105が、長尺側2108及び短側2107を有する長方形又は楕円形、又は砂時計形の形状を有する場合、第2の部分2118は、長尺側2108のそれぞれから外側に突出する2つの翼を形成することができる。外側に突出する第2の部分2118は、長尺側2108上の窪み2113の下の位置にあってもよい。窪み2113によって与えられる砂時計形の輪郭は、安定化特徴部2138が特定の最小直径で装置の後面に接触し、特定の最小径方向距離だけ延びることを可能にするが、上面視(図19A~図19B参照)から依然として見える。第2の部分2118が径方向外側に延びる距離を最小限に抑えることができ、これにより、装置の挿入プロセスが容易になるが、水晶体嚢に対して十分な安定性ももたらす。後部プラットフォーム2105が、3つのローブ又は角度及び3つの辺を有する三角形の形状を有する場合、第2の部分2118は、ローブ間の角丸長方形の各辺から外側に突出する3つの翼を形成することができる。後部プラットフォーム2105が円形形状を有する場合、第2の部分2118は、外側に突出して前嚢に対して360度の支持及び安定化をもたらす完全楕円形又は円形フランジを形成する円の全周に沿って外側に突出することができる。これらは、外周形状と翼付き突起との組み合わせの幾つかの例である。本明細書では他のものが考慮される。
安定化特徴部2138の相対位置は、第2の部分2118のスパンが装置2100の短軸に沿っているか、又は装置の長軸に沿っているように変化し得る。図5Aに示す安定化特徴部2138は、本体部の2つの長尺側2108から外側に突出するように配置され、水晶体嚢と係合するように構成される。安定化特徴部2138は、第2の部分2118によって形成された翼が、IOL110の触覚部114が挿入する対向する凹部2104に対して垂直又は直交するように配置することができる。言い換えれば、対向する凹部2104が装置2100の短側2107に位置する場合、安定化特徴部2138の対向する翼は、装置2100の長尺側2108に位置することができる。しかしながら、安定化特徴部2138の翼は、前嚢35との係合及び安定性をもたらすために、様々な向きのいずれかで装置2100の周りに配置することができる。
後部プラットフォーム2105の周囲から突出する第2の部分2118の外形寸法は、長円形、楕円形、長方形、正方形、三角形、又は他の自由形状を含む様々な形状のいずれかを有することができる。外形寸法はまた、別の寸法に沿って湾曲又は突出することができる。例えば、第2の部分2118は、第1の部分2116の前後方向長さ(図5B参照)に等しい距離だけ離間した後部プラットフォーム2105に平行な平面内にあり得る。或いは、安定化特徴部2138の第2の部分2118はまた、装置2100に後方バイアスを与える前嚢の内面と係合するように構成された角度又は曲率又は外側隆起を有してもよい。安定化特徴部2138は、プラットフォーム2105の周囲から外側に突出するこれらの翼内の中断部を有することができる。例えば、水晶体嚢の内側に配置された第2の部分2118は、翼の領域を通って延びる1つ以上の開口を含むことができる。開口又は中断部はまた、第2の部分2118の外周付近に、1つ以上の窪み又は溝又は他の表面特徴部を含むことができる。これらは、取り扱い中の柔軟性を与えることができ、粘弾性などの流体が水晶体嚢の内側から逃げることも可能にする。
安定化特徴部2138は、装置2100を心出しするために嚢切開40と係合することができる。嚢切開40は、直径が約4mm~約7mmの間、又は約5mm~約6mmの間であり得る。第1の部分2116は、少なくとも中心開口2115の直径と同じ大きさであり、かつ、嚢切開40に対してわずかに大きい距離だけ互いに離間され得る。大きすぎる寸法は、水晶体嚢に対する装置2100の固定を改善するために、わずかな量の張力下で嚢切開40を配置することができる。一実施態様では、嚢切開は約5.5mmであり、第1の部分2116によって規定される外径は、完全に環状であろうと、一対の突起によって形成されようと、約6.0mmであり得る。本明細書では、他のサイズが考慮される。
プラットフォーム2105の後方に面する表面2140は、水晶体嚢の前嚢35の外面に当接することができ、安定化特徴部2138の第1の部分2116は、嚢切開40と係合することができ、安定化特徴部2138の第2の部分2118は、嚢内に挿入され、水晶体嚢の前嚢35の内面に当接することができる。Z軸支持は、水晶体嚢の前嚢35によって行うことができ、装置2100の心出しは、安定化特徴部2138と嚢切開40との間の係合によって行うことができる。装置2100は、心出しのために毛様体突起又は毛様溝と係合又は接触する必要はない。IOL110は、装置2100を強化し、これらの嚢切開係合特徴部の安定性を高めることができる。
図6A~図6Eは、複数のバンパー2114及び安定化特徴部2138を有する装置2100の実施態様を示す。後部プラットフォーム2105は、4つのバンパー2114を有する丸みを帯びた長方形の形状を有し、各バンパーは、長方形の角付近でプラットフォーム2105の周縁から外側に突出している。安定化特徴部2138の第2の部分2118の翼は、バンパー2114の間の長尺側2108から外側に延びる。この実施態様では、第2の部分2118の翼は円形又は楕円形の形状を有するが、様々な形状のいずれかが考慮されることを理解すべきである。図6Bは、装置2100の後側の斜視図を示す。バンパー2114は、バンパー2114全体がプラットフォーム2105の後方に面する表面に平行な単一の平面内にあるように径方向外側に突出する。バンパー2114は、中間部分2136が端部2132、2134よりも前方に配置されるように、前述のようにプラットフォーム2105の後方に面する表面に対して傾斜することができる。バンパー2114の端部2132、2134はまた、側壁2112のより後方の領域に結合される。バンパー2114の端部2132、2134はまた、側壁2112のより前方の領域に結合されてもよい。図6Aに示す実施態様はまた、4つのバンパー2114を有し、各バンパー2114は、長方形の本体部の角から外側に突出している。装置は、中間部分2136が短側2107全体の周りに延在するように、第1の端部2132が第1の長尺側2108の近くで側壁2112に結合され、第2の端部2134が反対側の長尺側2108の近くで側壁2112に結合されるように、長方形の短端部2107にわたって外側に突出する2つのバンパー2114を含むことができることを理解すべきである。
図6B~図6Cは、翼2118の平面がバンパー2114の平面の後方にあるように、後部プラットフォーム2105の後方に面する表面2140から後方に突出する安定化特徴部2138を示す。これにより、バンパー2114が毛様溝25(図6E参照)内に挿入することができる間に、安定化特徴部2138の翼2118を水晶体嚢の前部35の後方に配置することが可能になる。翼2118と後部プラットフォーム2105の後方に面する表面2140との間の空間2142は、内側に前眼部35を受け入れることができ、それにより、嚢切開40が安定化特徴部2138の第1の部分2116を取り囲む。図6Eは、欠落する水晶体嚢の後部を示す。IOL110は、IOLのための部分的なレンズハウジングを形成する本体部内に配置されて示されている。IOL110の光学素子112は、側壁2112の間で、後部プラットフォーム2105の前方に面する表面に対して配置されて示されており、それにより、IOL110の光学素子112は、中央開口2115を覆う。後部プラットフォーム2105の後面2140、安定化特徴部2138、及び中央開口2115を覆うIOL110は、後眼房と硝子体との間にバリアを形成することができる。オーニング2110の前方に面する表面は、虹彩10の後方に配置される。好ましくは、オーニング2110は虹彩10に接触しないが、オーニング2110の滑らかな外面は、接触した場合に虹彩10が損傷又は刺激を受けないように設計される。接合カバー2130は、触覚部114の付加的な被覆をもたらし、そこで、この領域が虹彩10と接触するのを防止するIOL110の光学素子112との接合部115を形成する。
本明細書に記載の装置2100は、安定化特徴部の任意の組み合わせを組み込むことができる。幾つかの実施態様では、装置2100は、毛様体構造に向かって延びるように構成された複数のバンパー2114と、水晶体嚢の少なくとも一部と係合するようにより後方に配置された安定化特徴部2138とを含む(図6A~図6E、図8A~図8F、及び図9A~図9B参照)。他の実施態様では、装置2100は、安定化特徴部2138を有さない複数のバンパー2114のみを含む(図1A~図1F,図2A~図2B,図3,図4A~図4B参照)。幾つかの実施態様では、装置2100は、バンパー2114と、装置の本体に対してより後方に配置された安定化特徴部2138とを含まず、安定化特徴部は、装置の本体が嚢切開の前方に位置する間に、水晶体嚢の少なくとも一部と係合するように構成される(図5A~図5C参照)。更に別の実施態様では、装置2100は、バンパー2114と、装置の本体に対してより前方に配置された安定化特徴部2138とを含まず、安定化特徴部は、装置の本体が嚢切開の後方に位置している間に水晶体嚢の少なくとも一部と係合するように構成される(図10A~図10D参照)。本明細書に記載の装置の幾つかは、装置の大部分が水晶体嚢の前方に位置し、嚢の前部によって支持されるように配置されるように構成される。本明細書に記載の他の装置は、水晶体嚢の前部(例えば、嚢切開)によって依然として支持されながら、装置の大部分が水晶体嚢内に位置するように配置されるように構成される。これについては、以下でより詳細に説明する。
安定化特徴部は、水晶体嚢及び/又は毛様溝に対する確実な位置決めを行い、装置2100が水晶体嚢の前部に接して、又は水晶体嚢の前部に対して固定されたままであるようにすることができる。幾つかの実施態様では、装置2100は、眼のZ平面(垂直平面)内の視軸の周りの装置2100の回転を防止するテザー(tether)2120(本明細書では固定アームとも呼ばれる)を更に組み込むことができる。図7は、側壁2112から突出するテザー2120を組み込んだ装置2100の実施態様を示す。テザー2120は、短側2107、長尺側2108、又は装置2100の角部もしくは角部付近を含む装置2100上の様々な位置のいずれかから突出してもよい。テザー2120は、剛性及び長さを有するように設計されて、剛性のスペーシング要素として挙動することを可能にすることができる。剛性であるか又はばね力を加えることができるテザー2120は、隣接する組織の貫通又は適所に押し込まれることに依存することができる。好ましくは、テザー2120は、テザー2120が装置2100の心出しをもたらさず、IOL位置が患者の強膜直径によって決定されないように、非常に可撓性である。一実施態様では、装置2100は、過度の対抗力を加えることなく回転を制限するための後部安定化特徴部2138及びテザー2120を含むことができる。装置は、図7に示すように単一のテザー2120を含むことができ、又はその全体が参照により本明細書に組み込まれる2020年8月7日に出願された米国特許出願第16/988,519号明細書に記載されているように、外部アンカー2125を使用して経強膜的に固定される1つ、2つ、3つのテザー又は固定アームを組み込むことができる。他の実施態様では、テザー2120は、虹彩又は眼の別の部分に固定することができる。回転防止テザー2120は、装置が円環状IOLと共に使用されるように意図されている場合に特に有用であり得、この場合、視軸を中心としたわずかな量の回転が深刻な歪みをもたらす。テザー2120は、装置を安定させる人工的な小帯固定を行うことができる。
装置は、眼の中に装置を配置し安定させるために張力下に配置されるように構成された少なくとも3つの固定アーム2120を含むことができる。3つの固定アーム2120のそれぞれは、複数の側面のそれぞれから外側に延びることができる。固定アーム2120のうちの1つ以上は、支持構造を有するそれらの起点2103とそれらの終端2102との間で実質的に直線であり得る。直線固定アーム又は前方固定アーム2120は、単一の長手方向軸Lから離れるように屈曲又は湾曲することなく、起点と終端との間で単一の長手方向軸Lに沿って延びることができる(図7参照)。直線固定アームは、支持構造外壁の外周面に直交して延在することができる。直線固定アームの長手方向軸Lは、外壁の外周面に対して直交して配置することができる。支持構造の前方に面する表面の平面及び直線状の固定アームの長手方向軸Lは、支持構造の後方に面する表面の平面及び長手方向軸Lと同様に、互いに平行であり得る。複数の固定アーム2120を有する装置2100の相互に関連する実施態様については、図11A~図11F、図12A~図12C、図13A~図13E、図14、図15、図16A~図16C、図17、図18A~図18D、図18E~図18H、及び図18I~図18Jに関連して以下により詳細に説明する。
図8Aは、中央開口2115及び周辺切り欠き2144を有する後部プラットフォーム2105を有する装置2100の実施態様を示す。図8Eは、IOL110が体内に配置された図8Aの装置2100を示し、図8Dは、装置2100の後側、並びにIOL110の周辺切り欠き2144及び触覚部114の相対的な配置を示す。周辺切り欠き2144は、装置の嵩を最小限に抑え、前後の全体的な厚さの減少を可能にする。装置2100は、水晶体嚢の前方の眼の後眼房内に配置することができる。装置2100の前後の厚さは、装置2100が虹彩の後面と相互作用するかどうかにおいて重要である。装置2100の前後の厚さを最小化することにより、装置2100と虹彩との間の相互作用が制限される。後部プラットフォーム2105は、2つの周辺切り欠き2144を有することができ、一方の切り欠き2144は、装置2100の第1の短側2107に沿って配置することができ、第2の切り欠き2144は、第2の対向する短側2107に沿って配置することができる。この配置は、IOL110が装置2100内に配置されたときにIOL触覚部114の位置の下に各切り欠き2144を配置する。各切り欠き2144は、切り欠き2144の長さが短側2107の長さ程度の長さに延びるように、比較的長くすることができる。例えば、切り欠き2144は、短側2107と第1の長尺側2108とが交わる装置の角から、その短側2107が反対側の長尺側2108と交わる他方の角に向かって延びることができる。切り欠き2144の幅は、切り欠き2144の幅が第1の角部でより広く、反対側の角部でより狭くなるように、その長さに沿って変化することができる。切り欠き2144は、IOL接合部が位置する装置の角部でより広く、触覚部の端部が位置する装置の角部でより狭くすることができる。切り欠き2144の形状は、後部プラットフォーム2105の外壁2111及び側壁2112の後方に面する表面によって画定される。外壁211は、切り欠き2144の第1の側面を画定することができ、装置の側壁2112の後方に面する表面は、切り欠き2144の反対側を画定することができる。切り欠き2144の全体形状は、IOL触覚部114の形状と同様とすることができる。切り欠き2144のより狭い端部は、触覚部114の終端領域を受け入れるようなサイズ及び形状とすることができ、一方、切り欠き2144のより広い端部は、触覚部114が光学素子112に接合する場所の近くにあることができる(図8D参照)。切り欠き2144は、可撓性IOL触覚部114の終端領域が、例えば、オーニング2110によって切り欠き2144の領域に向かって後方方向に付勢されることを可能にする。切り欠き2144の存在は、中央開口2115を形成する円形内壁2109と共に後部プラットフォーム2105への環状形状を形成する、後部プラットフォーム2105への湾曲した外壁2111を形成することができる。幾つかの実施態様では、切り欠き2144は、後部プラットフォーム2105の外側領域2111が装置の側壁2112の径方向内側にあるように幅が広くてもよい。これにより、装置2100の側壁2112が第1の形状を有し、装置2100の後部プラットフォーム2105が第2の異なる形状を有することになり得る。例えば、側壁2112は、装置2100に対して長方形又は多角形の形状を形成することができ、後部プラットフォーム2105は、ほぼ環状の形状である。図8Dは、装置2100の側壁2112が実質的に長方形又は正方形の形状を形成する一方で、切り欠き2144によって形成された後部プラットフォーム2105の形状がより環状であることを示す。図8B~図8Cは、装置2100の別の実施態様を示す。切り欠き2144は、図8Dの切り欠き2144に対してサイズが大きく、より環状の後部プラットフォーム2105を形成する。触覚部114を収容するための切り欠き2144の全体サイズにかかわらず、後部プラットフォーム2105は、中心光学素子112を支持するサイズである。
幾つかの実施態様では、装置2100は後部支持体2105を有さず、代わりに前部水晶体嚢を使用して中心光学素子112を支持する。図9A~図9Bは、内側に湾曲して装置2100の前方に面する表面を形成するオーニング2110を形成する側壁2112を有する装置2100を示す。側壁2112と組み合わせたオーニング2110は、IOL110を配置することができる内部凹状領域を画定する本体部を形成する。本体部は、周囲の眼組織を保護しながら装置2100内にIOL110を位置決めして固定するのに役立つ。装置2100は、後眼房内の水晶体嚢前部と虹彩との間の水晶体嚢の前部に当接して、嚢切開の上に配置されるように構成される。この実施態様における水晶体嚢前部は、好ましくは無傷である。水晶体嚢の前部は、オーニング2110の背後に配置されたIOLのためのZ軸支持を行うことができる。1つ以上のバンパー2114は、毛様体又は毛様溝などの毛様体眼組織に非外傷的に接触して装置2100の心出し及び回転防止を行うように、側壁2112から外側に突出する。
図9A~図9Bに示す装置の実施形態では、側壁2112の後方に面する表面は、IOLのための部分的なシェルを形成する装置2100の後面を形成する。本明細書に記載の他の実施形態と同様に、装置2100は、装置2100の本体が嚢切開の前方に留まり、安定化特徴部2138が嚢切開の後方に延びるように埋め込むことができる。バンパー2114は、側壁2112から毛様溝に向かって外側に延びることができる。装置は後部プラットフォーム2105を欠いているので、IOLの後方に面する表面は、装置2100の後端に露出したままである。したがって、IOLは、例えば、眼に埋め込まれた装置2100内に配置されたときに水晶体嚢の前部の少なくとも一部と接触することができる。IOLの前方に面する表面は、装置2100のオーニング2110及び接合カバー2130によって少なくとも部分的に覆われ、それによって虹彩をIOL110の任意の正方形の縁部から保護する。安定化特徴部2138は、本明細書の他の箇所で説明するように、装置から後方に突出し、横方向に延在する部分2118を含むことができる。装置2100が縁に配置されると、嚢切開の縁は、嚢切開の後方に配置されるように、部分2118の上に延びることができる。装置2100の本体の残りの部分は、嚢切開の前方に留まることができる。側壁2112及びオーニング2110によって画定された凹部内に配置されたIOLは、安定化特徴部2138の側方突起2118が嚢切開の後方に延びる間であっても、水晶体嚢の前部によってZ平面上で支持することができる。本体のサイズ及び形状は、装置2100が嚢切開を通って水晶体嚢に落下することを防止する。更に、側壁2112間の距離は、触覚部114のスパンを収容する。触覚部114はまた、本明細書の他の箇所で説明するように、IOLを所定の位置に保持するのを助けるために、側壁2112の内側支持面によってわずかに圧縮されて配置することができる。
図10A~図10Dは、装置の少なくとも一部が水晶体嚢の前方に留まる間に、嚢切開の後方の眼内に固定されるように構成された装置2100の実施態様を示す。本明細書の他の箇所に記載されている他の実施態様のような装置2100は、固定及び安定化のために嚢切開に係合することができるが、装置の大部分(したがって、IOLは、装置の凹部内に配置される)は、嚢切開40の後方の水晶体嚢内に位置する。この埋め込み方法は、虹彩相互作用のリスクを排除する。
装置2100は、嚢切開との係合が装置2100の形状及び向きの著しい変形を回避するように設計することができる。装置2100は、歪みを防止するために、1つ以上の補強材を組み込むことができる。補強材は、歪みを回避しながら確実な固定を行うように、装置が眼、例えば、嚢切開と係合することを可能にする。本明細書に記載の装置は、水晶体嚢によって加えられる圧縮力に一致するか又はそれを超えるように補強することができる。水晶体嚢によって加えられる圧縮力は、嚢切開の直径、したがって、嚢切開と係合する装置の部分の直径に依存する。水晶体嚢によって加えられる圧縮力は、嚢切開の直径、形状、及び機械的特性にも依存する。嚢切開の直径、形状、及び機械的特性を推定することができるが、正確に予測することはできない。したがって、様々なシナリオに適応することができる装置が好ましい。装置2100の前面及び/又は後面は、装置2100に対する水晶体嚢の力による歪みを防止するために材料で厚くする及び/又は補強することができる。装置2100の側壁2112及び/又は角部は、屈曲を制限するために厚くする及び/又は強化することができる。補強リングは、装置が嚢切開と接触する場所の近くに組み込むことができる。補強リングは、ニチノール又はプラスチックなどの一体化された又は埋め込まれた材料であってもよく、これは、オーニング2110、側壁2112、又は後部プラットフォーム2105などの装置の他の領域を形成するために使用される材料よりも剛性を有する。材料は、いくらかの補強を行いながら、本明細書の他の箇所に記載されているように、小さな切開を通して挿入するのに十分な柔軟性も有する。
図20A~図20Dは、様々なタイプの補強材145を組み込んだ装置を示している。図20Aは、リング2145の形状である装置の後部プラットフォーム2105に組み込まれた補強材を示す。補強リング2145は、開口2115を取り囲むことができ、この領域でプラットフォーム2105の材料厚さを増大させるか、又はより大きなフープ強度を与えるプラスチック又は金属などの二次材料を埋め込むことによって形成することができる。図20Bは、1つ以上の切り欠き2144の存在に起因する不連続面を有する後部プラットフォーム2105内の補強リング2145を示す。本明細書の他の箇所で論じられているように、切り欠き2144は、装置の嵩及び厚さを最小にし、それによって装置の眼へのより容易な挿入を可能にする。しかしながら、切り欠き2144は、装置のフープ強度を低下させ、水晶体嚢の力による歪みをより生じさせやすくすることができる。不連続な後部プラットフォーム2105内の補強リング2145(例えば、プラットフォーム2105の材料よりも大きい剛性を有するポリマー又は材料を埋め込む)、又は不連続な後部プラットフォーム2105の材料特性を変更することによって(例えば、プラットフォームの前後方向の厚さ)、水晶体嚢に対する装置の更なるフープ強度を与えることができる一方で、切り欠き2144は、装置を眼の中に挿入するのに十分な可撓性を確保する。図20Cは、長尺側2108を補強する側壁2112に沿った1つ以上の長尺ビーム2145の形態の補強材の別の構成を示す。図20Dは、補強リング2145がバンパー2114の近くの角に沿って補強ビーム2145と組み合わせて開口2115を取り囲む別の実施態様を示す。本明細書では、小さな切開部を介した装置の挿入を可能にしながら装置を補強するために、様々な補強形状及び配置のいずれかが考慮される。
装置2100は、本明細書の他の箇所に記載されているように、安定化特徴部2138を組み込むことができる。安定化特徴部2138は、装置2100の前方に面する表面から前方に突出することができ、内側に嚢切開40の周囲の水晶体嚢の前部35を配置することができる空間2142を画定する横方向外側に突出することができる。安定化特徴部2138は、前嚢35の前方に配置されるように構成され、装置2100の残りの部分は、嚢切開40の後方にある。安定化特徴部2138は、水晶体嚢35に対して装置2100の中心軸CAを位置合わせして、眼の視軸に対する装置2100と係合したIOL110の光学素子112の適切な位置決めを確実にすることができる。
安定化特徴部2138の構成は様々であり得るが、この実施のための安定化特徴部2138は、一旦装置2100が眼内に配置されると、容易に嚢切開を通過してはならない。安定化特徴部2138は、開ループ、閉ループ、翼、プレート、連続楕円特徴部、可撓性の指状突起、又は他の構成を含むことができる。安定化特徴部2138は、3片IOLの触覚部と同様に毛様溝内に延びる触覚部を形成することができる。図10A~図10Bは、装置(すなわち、オーニング2110)の前方に面する表面が後方に面する水晶体嚢35の内面に当接した状態で毛様溝と係合するように、横方向外側かつ嚢切開40の前側に延びるように構成された2つの開いたループを含む安定化特徴部2138の実施態様を示す。幾つかの実施態様では、安定化特徴部2138は、毛様溝内に、又は前嚢の上部に沿って少なくともある距離だけ延在する厚さ約0.5mm未満の触覚部の形態であってもよい。
安定化特徴部2138はまた、前嚢の上に載置して、前嚢の後方の装置を支持することができる。図10C~図10Dは、装置(すなわち、オーニング2110)の前方に面する表面が後方に面する嚢袋35の内面に当接した状態で、嚢袋35の前面と係合するように、外側及び嚢切開40の前側に横方向に延びるように構成された2つの側方突起を含む安定化特徴部2138の実施態様を示す。
図10A及び図10Cに示す安定化特徴部2138の各実施態様は、第1の部分2116と、第1の部分2116に結合され、そこから横方向外側に延びる第2の部分2118とを有することができる。第1の部分2116は、開口2127を画定するオーニング2110の縁部の近くに配置することができる。第1の部分2116は、オーニング2110の前方に面する表面から一定の距離だけ前方に突出することができ、それによって、オーニング2110と第2の部分2118との間の空間2142のサイズを規定する。第1の部分2116が突出する距離は、水晶体嚢の前嚢35がオーニング2110と第2の部分2118との間に挿入することを可能にするのに十分であり、それにより、嚢切開40は第1の部分2116に対して係合する。第1の部分2116は、前部嚢切開40を通過してこれと係合する大きさの外径を規定するリング状構造とすることができる。しかしながら、第1の部分2116は完全にリング状である必要はない。例えば、第1の部分2116は、開口2127の両側又は周囲に配置された複数の突起によって形成することができる。係合は、キャットアイ嚢切開を用いた従来の光学的捕捉と同様に、わずか2点で行うことができる。係合は、例えば、1辺当たり約2mmから約6mmまでの円弧にわたって広がることができる。安定化特徴部2138は、約4mm~約7mm、又は約5mm~約6mmの様々な大きさの嚢切開と適合するような大きさにすることができる。安定化特徴部2138と嚢切開40との間の係合は、眼内での装置2100の並進動作、軸方向動作、及び回転動作、したがって装置2100と係合したIOLを制限することができる。第2の部分2118は、装置が埋め込まれると、容易には嚢切開を通過しない。
装置2100が嚢切開に対して固定され、安定化されると、IOL110は、嚢切開及び前部開口2127を通過して、オーニング2110の後方の凹部2104内に配置され得る。手術中にIOL110が装置2100の後方を通過するリスクを低減するために、オーニング2110と後部プラットフォーム2105との間の凹部2104の深さは、嚢切開の前方に配置された装置の実装について説明した凹部の深さよりも大きくすることができる。更に、中央開口2115は、嚢切開の前方に配置された装置の他の実装よりも小さい直径を有することができる。例えば、中央開口2115は、IOL110が中央開口2115まで後方に通過するリスクを低減するために、約4.5mmから約5.0mmまでの直径を有することができる。後部プラットフォーム2105の少なくとも一部は、この後面のフープ強度を高め、IOL110が誤って中央開口2115を通過する可能性を低減するために、補強又は厚くすることができる。装置2100は、好ましくは、IOL110を前部開口2127及び嚢切開を通して容易に挿入することを可能にし、IOL110が装置2100の後方の中央開口2115を容易に通過することを防止するように設計される。
嚢切開の後方に配置されるように構成された装置本体を含む、図10A~図10Dに示す装置に関して説明した特徴部のいずれかを、嚢切開の前方に配置されるように構成された装置本体を有する装置実施形態を含む、本明細書に記載の装置の他の実施態様のいずれかにおける様々な組み合わせのいずれかに組み込むことができ、その逆も可能である。
1つ以上の固定アーム2120は経強膜固定アームとすることができ、経強膜固定アームは、非外傷性に外面化されるように設計され、その形状及び機械的特性のみによって所定の位置に保持される、すなわち縫合糸又は接着剤を必要としない。固定アーム2120の周端(本明細書では終端又は終端部分とも呼ばれる)における外側部分又はアンカー2125(本明細書では固定フットプレート(footplate)又はフットプレートとも呼ばれる)は、アーム2120を定位置に固定するために結膜下に着座することができる。幾つかの実施形態では、結膜は、外面化(externalization)後に破壊され、再形成され得る。埋め込みのための器具は、経結膜配置並びに結膜下配置を可能にすることができる。固定アーム2120のアンカー2125は、安定したままであり、眼に再進入せず、結膜を浸食しにくいように、頑丈であるが薄型の幾何学的形状を有することができる。更に、装置2100の固定アーム2120は、手術前の装置の容易な視覚化及び操作を容易にするような方法で製造することができる。固定アーム2120の少なくとも一方は、静止時に実質的に非平面である幾何学的形状を有するように製造され、その後、埋め込み処置中に、例えば張力下に置かれたときに平面構成に操作されてもよい。
装置2100は、1つ、2つ、3つ、又はそれ以上の固定アーム2120を含むことができる。好ましい実施態様では、装置2100は、支持構造2105の周囲に対称的又は等距離に配置された3つの固定アーム2120を含む。固定アーム2120は、レンズ支持構造2105を心出しし、長期安定性のために十分な支持を行うことができる。幾つかの実施態様では、これは単一の固定アーム2120によって達成することができる。他の実施態様では、1つ以上の固定アームは、レンズ支持構造の外周の周りに対称的に配置された3つの固定アーム2120を含む。固定アーム2120は、半剛性材料から構成することができ、又は十分な構造剛性を与える幾何学的形状を有することができる。
装置2100はまた、ただ2つの固定アーム2120を含むことができる。これらの固定アーム2120は、埋め込みされて経強膜的に固定されるとき、等しい反対の張力下にあってもよい。或いは、固定アーム2120は、一方の固定アーム2120が張力を受け、他方の固定アーム2120が剛性のスペーシング要素として機能する剛性及び長さを有するように非対称であってもよい。剛性であるか又はばね力を加えることができる固定要素は、隣接する組織の貫通又は適所に押し込まれることに依存することができる。張力がかけられた固定要素は、配置された後の材料のわずかな伸張又は拡張に依存することができる。固定アーム2120の一方又は両方は、本明細書の他の箇所で説明するように、固定アームが前方突出湾曲又は折り畳み構成に向かって付勢される内向きに付勢された構成で製造されてもよい。固定アーム2120は、眼組織と係合したときに回転に抵抗するパドル状の形状を有することができる。
装置2100はまた、3つ以上の固定アーム2120を含むことができる。3つの固定アーム2120は、眼のZ平面(垂直平面)に実質的に平行な規定の固定平面を装置2100に与えることができる。固定アーム2120は、各固定アーム2120を等しく反対の張力にするように設計及び展開することができる。或いは、1つ以上の固定アーム2120は、剛性及び長さを有し、剛性のスペーシング要素として動作することを可能にするように設計されてもよい。固定アーム2120の0個、1個、2個、又は3個以上の全ては、内向きに付勢された形態で製造することができ、又は装置の中心もしくは装置の中心軸CAに向かって付勢することができる(図11A~図11F、図12A~図12C、図13A~図13E参照)。内側に付勢された固定アーム2120は、支持構造から延在し、埋め込み前に折り畳み構成を有することができる。本明細書に記載されるように、固定アームのうちの少なくとも1つであるが、全てよりも少ない固定アームは、付勢又は湾曲されてもよい。本明細書で説明するように、少なくとも2つであるが、全てよりも少ない数が付勢又は湾曲されてもよい。幾つかの実施態様では、固定アーム2120の全てが付勢又は湾曲されてもよい。装置は、3つの固定アームを含むことができ、3つの固定アームのうちの2つは可撓性であり、折り畳み構成に向かって付勢され、第3の固定アームは他の2つよりも可撓性が低く、展開された構成に向かって付勢される。固定アームのそれぞれの折り畳み構成は、固定アームの終端部分を装置の中心軸CAに向かって付勢することができる。レンズ支持構造は、実質的に平坦又は平面の構成に向かって付勢することができ、一方、固定アームは、実質的に平坦又は平面ではない折り畳み構成に向かって付勢される。
一旦埋め込みされ、経強膜的に固定されると、内側に付勢されたアームは、折り畳まれた内側に付勢された構成から離れるように曲げられないか、又は展開される(広げられる)ことができる。好ましい実施態様では、2つの固定アーム2120は内向きバイアス形状を有し、第3の固定アーム2120は増大した断面積を有し、その剛性を増大させる。内側に付勢された固定アーム2120は、レンズ支持構造2105を有するアームの起点とそれらの終端との間に屈曲部を組み込むことができる。2つの屈曲固定アーム2120は、折り畳み構成に向かって装置の中心軸CAに向かって付勢することができる。
一実施態様では、装置2100は、少なくとも3つの固定アーム2120を含むことができる。静止時及び埋め込み前に、少なくとも3つの固定アームのうちの1つは、支持構造から折り畳まれていない構成で延びることができ、少なくとも3つの固定アームのうちの少なくとも2つは、支持構造から折り畳み構成で延びる。そして、埋め込み前の静止時に、少なくとも3つの固定アームのうちの1つを折り畳まれていない構成に向かって付勢することができ、少なくとも3つの固定アームのうちの少なくとも2つを折り畳み構成に向かって付勢することができる。埋め込み後、折り畳み構成に向かって付勢されたアームのそれぞれを展開することができる。
固定アーム2120のそれぞれは、支持構造2105の起点部分2103と、無縫合経強膜固定のために非外傷性アンカー2125に結合された終端部分2102とを含むことができる。アンカー2125の経強膜固定の前に、複数の固定アーム2120のうちの1つ(最大で固定アーム2120の全て)は、その起点部分2103とその終端2102との間で湾曲して屈曲部B(図11A~図11F、図12A~図12C、図13A~図13E参照)を形成する湾曲固定アーム2120を含むことができ、それにより、眼の瞳孔30を通して湾曲固定アーム2120の少なくとも一部を直接視覚化することを可能にする(図14参照)。アンカー2125の経強膜固定後、複数の固定アーム2120のそれぞれは、眼のZ平面に対して支持構造を位置合わせするために、起点部分と終端との間に張力をかけることができる。支持構造2105は、眼内レンズを支持するように適合されている。支持構造2105の全厚を貫通する中央開口2115は、中央開口2115及び支持構造2105によって支持されたIOLの両方を通る光の通過を可能にするように適合される。湾曲した固定アーム2120は、終端2102及び/又はその非外傷性アンカー2125などのアーム2120の一部が支持構造2105の少なくとも一部の上に配置されるように前方に湾曲することができる(例えば、支持構造2105の上面及び/又は中央開口2115の領域の上)。或いは、湾曲した固定アーム2120は、終端2102及び/又はその非外傷性アンカー2125などのアーム2120の一部が支持構造2105の少なくとも一部の下に配置されるように後方に湾曲することができる(例えば、支持構造2105の下面及び/又は中央開口2115の領域の下)。
図11A~図11F、図12A~図12C、図13A~図13Eは、静止状態かつ埋め込み前の固定アーム2120を有する装置2100の実施態様を示す。3つの固定アーム2120のうちの2つは、静止時に折り畳み構成に向かって付勢されるように内側に湾曲する。アーム2120は、支持構造2105においてそれらの起点2103からなど、支持構造2105から実質的に直交して外側に延在し、起点2103とアーム2120の終端2102との間に湾曲を形成する旋回(前方又は後方)を形成する。アーム2120の湾曲により、アーム2120の終端2102をそれ自体の起点部分2103のより近くに配置することができる。幾つかの実施態様では、アーム2120は、アーム2120の終端2102がアームの起点部分2103の前方に、又はアームの起点部分2103の近くの支持構造2105の前方に面する表面の少なくとも一部の上に配置されるように、前方向に湾曲する。他の実施態様では、アーム2120は、アーム2120の終端2102がアームの起点部分2103の後方に、又はアームの起点部分2103の近くの支持構造2105の後方に面する表面の少なくとも一部の下に配置されるように、後方方向に湾曲することができる。一実施態様では、湾曲した固定アーム2120のアンカー2125は、支持構造の第1の平面(例えば、眼のZ平面)から離れて、第1の平面に平行な第2の平面に湾曲することができる。第2の平面は、アーム2120が前方又は後方に湾曲するかどうかに応じて、第1の平面の前方又は後方とすることができる。湾曲は、レンズ支持構造2105の平面(例えば、Z平面)を実質的に横断する(例えば、X平面)方向とすることができる。拡張瞳孔(成人患者か小児患者かに依存する)は、最大約8mmの直径を有することができる。湾曲は、不透明な虹彩による直接的な視覚化を妨げないように、例えば、約3mmから約7.5mmまでの間、より好ましくは約7mmの間で、拡張瞳孔の直径内で見える第2の平面内の円の直径内に配置されるように、湾曲した固定アーム2120のアンカー2125を配置する。湾曲した固定アーム2120のそれぞれのアンカー2125は、装置の中心からある距離、例えば、装置の中心から約1.5mm、2.0mm、2.5mm、3.0mm、最大約3.5mm以下、又は約4.0mm以下の距離に配置することができる。湾曲アーム2120は、可視化を容易にすることを可能にする装置の中心からこの直径又はこの距離内に終端2102及び/又はアンカー2125を位置決めする。3つの固定アーム2120のうちの3つ目は、静止時に真っ直ぐな構成又は折り畳まれていない構成に付勢される。第3のアーム2120は、支持構造2105においてその起点2103から外向きに直角に延在し、回転も屈曲もしない。むしろ、第3のアーム2120全体は完全に直線状であり、実質的に単一の軸に沿って延びている。静止時に折り畳み構成に向かって付勢された2つの固定アームは、ここでは、例えば、外側にされている経強膜アンカーを介してアーム2120に張力をかけることによって、折り畳まれていない構成にある。
固定アーム2120がなくても、又は固定アーム2120が静止時に折り畳み構成に付勢されていなくても、瞳孔を通して装置2100を直接見ることができることを理解すべきである。例えば、装置2100は、埋め込み中にユーザによって視覚化することができるオーニング2110(図18E~図18H又は図18I~図18J参照)上などの1つ以上の中央に突出する特徴部2117を組み込むことができる。特徴部2117は、中心開口2115の中心に向かって、例えば、中心から少なくとも約2.5mmから約3mmに向かって十分に突出しており、それにより、埋め込み処置中に瞳孔を通して視認可能である。
固定アーム2120は、均一な張力を与えるために装置2100の周りに均一に分布させることができる。或いは、固定アーム2120は、例えば、互いに90度である3つの固定アーム2120を有する不均一な分布で方向付けられてもよい。この状況では、固定アーム2120のうちの2つは互いに180度であり、反対の張力を与える。第3の固定アーム2120は主として装置2100の回転を防止する働きをする。
各固定アーム2120は、荷重下での材料の伸長の関数であるばね力を有することができる。対照的に、開ループの触覚部又はコイルばねは、実質的に固定された長さを有する材料の曲げによって与えられるばね力を有することができる。一旦眼に固定された固定アーム2120は、引張応力及び材料伸長下にあり得る。例えば、各固定アーム2120は、約15mm~約16mmの直径に対応するために、約7.5mm~8.0mmの半径にわたって延在をもたらすことができる。装置は、機能のための動作可能な範囲の張力を有する。一例として、装置は、埋め込まれると第1の量の張力下にあり得る(X張力)。第1の張力量は、最小許容直径における張力量である。言い換えれば、装置は、機能するために最小量の張力下にあるが、より大きな直径に対応するためにより大きな張力下に置くことができる。15mmと16mmの両方の伸張に対応することができる固定アーム2120の例では、各力伝達アームは、第1の張力X下で、かつ少なくとも第2の張力下で動作することができる。第2の張力は、第1の張力Xと張力の距離(例えば、0.5mmの張力)との和とすることができる。固定アームは、各伸長比で利用可能な張力差に耐えることができる。例を更に説明すると、この実施態様における各固定アーム2120の長さが約4mmである場合、第2の張力(X張力+0.5mmの張力)は、直径15mmで機能し、また直径16mmまで機能するために、伸びの12.5%の増大を受けることができる。この例の固定アーム2120の長さが2mmである場合、第2の張力(X張力+0.5mmの張力)は、直径15mmで機能し、また直径16mmまで機能するために、伸びの25%の増大を受けることができる。この実施態様の固定アームの長さが約6mmである場合、第2の張力(X張力+0.5mmの張力)は、直径15mmで機能し、また直径16mmまで機能するために、伸びの6.25%の増大を受けることができる。眼組織上のアンカーの張力は、外科医が評価するのが困難な変数、すなわち眼の固有の寸法及び切開部の特定の位置にあまり依存しないので、固定アーム2120のばね力の減少は、装置の安全性及び機能を高めることができる。更に、固定アームの長さ(例えば、約2mm~6mmの間)並びに少なくとも1つ以上の固定アーム2120の内側への湾曲(前方又は後方)は、外科医が手術中にアームを見つけて固定するためのアクセス及び視覚化を改善する。装置は、約15mm~約20mm、好ましくは約16.50mm~約18.00mmの緩和固定直径Ddを有することができ、円の半径は、中央開口2115の中心から直線固定アーム2120のアンカー2125の内側に面する表面まで測定される(図18E参照)。
固定アーム2120の終端フットプレート又はアンカー2125は、固定アーム2120の外側終端に結合又は配置することができる。アンカー2125は、外科医によって容易に外部に出され、装置の耐用年数全体にわたって装置の張力を安定させるように設計された様々な形状を有することができる。アンカー2125は、一般に薄型を有することができ、結膜びらん及び眼瞼刺激を制限するように設計された幾何学的形状(例えば、丸みを帯びている)を有することができる。固定アーム2120の終端は、レンズ支持構造2105を固定し、求心性の滑りを防止するために強膜20の外側に配置されるように構成されたアンカー2125を有することができる。アンカー2125の形状は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第10,973,624号明細書に記載されているようなアンカー抽出のためのスネア装置を含む、鉗子、トロカール、スネア、又は他の手術器具を使用して、外科医が強膜20の穿刺又は切開を通してアンカー2125を通過させることを可能にする。アンカー2125は、釘頭、Tバー、多枝形状、又は好ましくは強膜20を第1の方向に通過し、アーム2120が装置の耐用年数にわたって予想される張力下に置かれたときにその外部位置を維持するために挿入方向を引き出すのに抵抗することができる任意の他の形状に似た形状を有することができる。アンカー2125は、装置2100の耐用年数を通して眼瞼又は結膜に刺激を引き起こさないプロファイル及び幾何学的形状を有するように設計されている。したがって、好ましい幾何学的形状は、滑らかな、丸みを帯びた、及び/又は先細の縁部を有する最小厚さプロファイルを有する。アンカー2125は、以下でより詳細に説明するように、実質的に一定の厚さを有することができ、又はその長さにわたって様々な厚さを有することができる。
本明細書に記載のアンカー2125は、容易に外面化され、外面化後の再内部移行に耐えるように構成される。アンカーは、眼科用器具(例えば、23、25、又は27ゲージ)を使用して把持可能であるように設計することができる。眼科用器具で把持するのに理想的な形状は、必ずしもしっかりと固定するのに理想的ではない場合がある。図16A~図16Cは、厚さ、幅、及び/又は高さの変化を有するアンカー2125の追加の幾何学的形状を示す。アンカー2125は、中央部分1255と、中央部分の周囲にある1つ以上の把持可能部分1257とを含むことができる。中央部分1255は、アンカー2125が挿入された創傷(強膜切開術)及び創傷に直接隣接して配置された把持可能部分1257の上に位置するように配置することができる。中央部分1255は、周囲の把持可能部分1257と比較して、増大した厚さ、高さ、及び/又は幅を有することができる。中央部分1255の厚さ、高さ、及び/又は幅の増大は、創傷上の領域に嵩を追加することができ、それによって固定アームの張力がアンカー2125を創傷を通して引き戻す可能性を低減する。アンカー2125の中央部分1255は、把持可能部分1257の厚さTgよりも大きいアーム2120の長手方向軸Lに沿った厚さTcを有することができる。例えば、厚さTcは、把持可能部分1257の厚さTgの約1.2~5.0倍の厚さとすることができる。他の実施態様では、中央部分1255は、把持可能部分1257の幅又は高さの約1.2~5.0倍の幅又は高さを有することができる。よりかさばる領域の幾何学的形状は、装置の通常の使用に関連する引張力の下で変形に抵抗するように設計されている。より嵩高な中央部分1255は、外面化中に、それが取り付けられているアーム2120の終端に折り重なるように内側に折り畳むことができる。アーム2120が張力下に置かれると、より嵩高な中央部分1255は、アーム2120の終端からそれ自体の上に折り返されることができず、それにより、外面化されたアンカー2125が創傷を通って引き戻されることが防止される。したがって、中央部分1255は、その嵩が大きいにもかかわらず、創傷を通して第1の方向に(眼から外向きに)引っ張られ得るが、その嵩が大きいために、創傷を通して第2の反対方向に(眼に向かって内向きに)引っ張られることが防止される。
把持可能部分1257は、卵形、長方形、星形のパターン、又は例えば中央部分1255と比較して把持可能部分1257の把持を改善する他の形状又は幾何学的形状を含む様々な形状のいずれかを含むことができる。把持可能部分1257は、中央部分1255から延びる薄くて狭いタブを有することができる。各アンカー2125は、装置の形状に関係なくユーザがアンカーを把持することを可能にするために、1、2、3、4、5、6、又はそれ以上の把持可能部分1257を含むことができる。
幾つかの実施態様では、各固定アーム2120は、複数のアンカー2125を有することができる。装置2100は、3つの固定アーム2120を有することができ、各固定アームは、終端に第1のアンカー2125と、第1のアンカー2125の内部に配置された第2のアンカー2125とを有する。第2のアンカー2125は、遠心滑りを防止することで、レンズ支持構造2105を更に固定することができる。或いは、第2のアンカー2125は、第2のアンカー2125も装置2100を定位置に保持するように、強膜20を介して外に出ることができる。各固定アーム2120は、固定アーム2120の長さに沿って配置することができる複数のアンカー2125を含むことができる。複数のアンカー2125は、その長さに沿って等間隔に配置された2つ、3つ、4つ、5つ、又はそれ以上のアンカー2125を含むことができる。外科医は、装置2100を中央に配置するために必要な数のアンカー2125を外部に配置することができる。強膜20に最も近い外部アンカー2125の周囲の固定アーム2120及びアンカー2125の余分な材料は、トリミングなどによって除去することができる。固定アーム2120のうちの1つ以上、アームのアンカー2125などの材料を装置からトリミングすることにより、患者の眼に対するオンザフライのカスタマイズが可能になる。幾つかの状況では、例えば、固定アーム2120が強膜を通って外に出ている複数のアンカー2125を有する場合、アンカー機能を果たすアンカー2125の周囲の余分なアンカー2125(及びアーム2120の一部)をアーム2120から取り外すことができる。したがって、各固定アーム2120ごとの複数のアンカー2125は、外科医が術中に装置2100を患者の眼に合わせてサイズ調整することを可能にすることができる。アンカー2125及び/又は強膜を介して外部に設けられた固定アーム2120の外側部分をトリミングすることにより、固定アーム2120の長さをオンザフライ(on-the-fly)でカスタマイズ又は調整することが可能になる。外科医はまた、特定の埋め込み処置に複数の固定アーム2120のうちの一方のみが必要であると決定することができる。外科医は、装置を眼に埋め込む前に不要なアーム2120をトリミングすることができる。例えば、外科医は、埋め込み前に屈曲したアームをトリミングし、強膜に対するテザリング(tethering)のための直線アームのみを残すことを決定することができる。一実施態様では、装置2100は複数の固定アーム2120を有する。装置2100が眼に埋め込まれ、固定アーム2120の少なくとも幾つかが眼内での装置の安定化を行うように選択されると、安定化に必要でなかった残りの固定アーム2120のうちの1つ以上は、装置2100からトリミングされ、眼から取り外され得る。したがって、装置2100は、埋め込み処置中にリアルタイムで固定アーム2120の長さ及び固定アームの数をカスタマイズすることができる。
単一の固定アーム2120上の2つのアンカー2125は、異なる外寸を有することができ、内側アンカー2125は最も外側のアンカー2125よりも狭い。単一の固定アーム2120上の複数のアンカー2125も同じ寸法を有することができ、それらのサイズを変える必要がないことを理解すべきである。アンカー2125はまた、第1の方向での強膜の通過を改善するが、第2の反対方向での強膜の通過を損なう形状を有することができる。例えば、アンカー2125は、正方形の縁部を組み込むことができる。しかしながら、アンカー2125は、内側に面する表面上に正方形の縁部を有し、外側に面する表面上に滑らかなテーパ状の縁部を有することができ、これらの縁部は、強膜を外方向に通過するのに役立つ。
眼球壁まで延在する固定アーム2120は、周辺虹彩10、角膜輪部及び強膜20によって視界から遮断され得るため、操作が困難であり得る。前述したように、固定アーム2120のうちの1つ以上は、瞳(図14参照)を通して直接視覚化され得るように、折り畳み構成に向かって内側に付勢され得る。固定アーム2120のそれぞれは、最初に支持構造2105から直交方向に外向きに延在し、次いで、固定アーム2120の終端2102(又はアンカー2125の少なくとも一部分)が、支持構造2105を通って延在する固定アーム2120、支持構造2105、又は中央開口2115の少なくとも一部分の上に配置されるように、前方(又は後方)に湾曲又は折り畳み得る。屈曲した固定アーム(すなわち、終端及び/又はアンカー2125)の少なくとも一部は、拡張瞳孔を通してより容易に視覚化することができ、視覚化は不透明な虹彩10(図14参照)によって妨げられない。この内側(求心性)バイアスはまた、曲げられた固定アーム2120が装置埋め込み中に安全に把持され操作されることを可能にする。装置2100の固定アーム2120のそれぞれは、折り畳み構成に向かって内向きのバイアスを有することができ、又は固定アーム2120の選択のみが内向きのバイアス(例えば、1つ、2つ、全部より少ない固定アーム2120)を有することができる。
固定アーム2120は、その起点とレンズ支持構造2105及び端子アンカー2125との間に屈曲部又は湾曲部を組み込むように成形することもできる(図11A~図11F,図12A~図12C,図13A~図13E及び図15参照)。屈曲した固定アーム2120は、折り畳み構成に向かって付勢することができる。例えば、固定アーム2120のうちの1つ以上は、径方向及び求心方向においてレンズ支持構造2105と共にその起点から90度~270度の間で曲がることができる。したがって、屈曲した固定アーム2120の終端2102は、レンズ支持構造2105の平面とは異なる平面内にある。眼内に配置される前の静止状態にあるとき、複数の固定アーム2120のうちの少なくとも第1の固定アーム2120の終端2120は、その起点2103とレンズ支持構造との間に屈曲部Bを組み込むことができ、その終端2102は屈曲アームを形成する。屈曲アームは、その起点からレンズ支持構造2105に直交する少なくとも第1の距離だけ延在することができる。次いで、屈曲アームは、レンズ支持構造2105の平面から少なくとも別の距離だけ上方に(前方に)湾曲することができる。次いで、屈曲アーム2120は、その起点に向かって、又は装置の中心軸CAに向かって湾曲して戻ることができる。これにより、屈曲アーム2120の終端は、レンズ支持構造2105の平面とは異なる平面にあることになり得る。アーム2120の湾曲部又は屈曲部は、中心軸CAから離れるように、かつアームの起点2103及び終端2102の両方から離れるように外向きに突出することができる。経強膜アンカー2125及び/又は固定アーム2120の終端部分は、レンズ支持構造2105の少なくとも一部の上又は前に配置することができ、又は中央開口2115の少なくとも一部の上に配置することができる。或いは、屈曲アーム2120は、レンズ支持構造2105の平面から少なくともある距離だけ下方に(後方に)湾曲することができ、経強膜アンカー2125又は固定アーム2120の終端部分は、レンズ支持構造2105の少なくとも一部の下又は後に、及び/又は中央開口2115の少なくとも一部の下又は後に配置することができる。折り畳み構成(アーム2120が前方又は後方に湾曲しているかどうかにかかわらず)は、屈曲した固定アーム2120の終端及び/又はそれらのアンカー2125などの屈曲した固定アーム2120の少なくとも一部が、瞳孔を通して視覚化され、不透明な虹彩によって妨げられないことを可能にする。固定アーム2120のただ1つのアーム2120、固定アーム2120の2つのアーム2120、又は固定アーム2120の全てが湾曲を組み込むことができる。或いは、いずれの固定アーム2120も湾曲を組み込むことができない(図18I~図18J参照)。
装置が眼内に配置され固定されると、固定アーム2120は、屈曲アームがこの折り畳み構成から広げられ、もはや屈曲されないように張力下に置かれる。アーム2120の終端は、アーム2120が折り畳み構成にあるこの静止状態から離れるように付勢されて、曲がった固定アームを真っ直ぐな構成又は広げられた構成に付勢する。
折り畳み構成の屈曲部Bは、曲率半径を有する緩やかで滑らかな屈曲部とすることができ、又はアーム2120の長さに沿って1つ以上の別個の角度を形成するように屈曲することができる。屈曲部は、レンズ支持構造2105に過度の応力を与えることなく、比較的容易に広げられるか、又は広げられた構成に配置されることが可能でありながら、過度に前方に突出することを回避するのに十分に緊密であり得る。内側に偏った幾何学的形状は、内側湾曲部(前側)で約0.10mm~約2.5mmの曲率半径であり、外側湾曲部(後側)で約0.6mm~約3.0mmの曲率半径である湾曲部を有することができる。一実施態様では、内側に付勢された固定アームの終端は、間隙G(図13D~13Eを参照されたい)を形成するレンズ支持構造2105から離間することができる。間隙Gは、約0.2mmから約2.5mmの間とすることができる。一実施態様では、付勢された固定アーム2120は、180度の全半径を湾曲させ、内側湾曲上で約0.63mmの曲率半径であり、外側湾曲上で約1.13mmの内側に付勢された幾何学的形状を有し、それにより、レンズ支持構造2105及び付勢された固定アームは、約1.25mmだけ離間される。湾曲の開始点(レンズ支持構造2105を伴う起点2103の近く)及び湾曲の終了点(経強膜アンカー2125における終端2102の近く)は、湾曲が固定アーム2120の長さにわたって変化するように複数の半径を有することができる。付勢された固定アーム2120の湾曲は、内側の湾曲上に約0.15mm~約2mmの平均曲率を有することができる。
屈曲した固定アーム2120は、埋め込み後かつ強膜壁との固定前に、応力を受けていない(静止している)状態(図14参照)のときに瞳孔を通して見ることができる。この視認性は、外科医がアンカー2125に容易に係合することを可能にする。外科医が固定アーム2120又はアンカー2125の本体を把持することによって固定アーム2120に係合すると、外科医は、固定アーム2120をレンズ支持構造2105と実質的に平面上にするように静止した折り畳み構成から広げることができる。これらの固定アーム2120は、展開状態で材料に蓄積された応力が、装置機能を損なうような態様でレンズ支持構造2105にねじり力又は引張力を付与しないような可撓性を有することができる。固定アーム2120は、そのレンズ支持起点から接線方向及び求心方向に90~270度回転するように成形することができる。固定アーム2120は、レンズ支持構造2105の幾何学的形状を実質的に変更することなく、この操作を容易にするために弾性材料又は変形可能なヒンジを組み込むことができる。固定アーム2120は、固定アーム2120がレンズ支持構造2105と共にその起点に向かって180度後方に屈曲するときに、固定アーム2120の終端2102がレンズ支持構造2105の少なくとも一部上にわたって配置され得るような長さを有することができる。装置2100の固定アーム2120のそれぞれは、屈曲部を有することができ、又は固定アーム2120の選択のみが屈曲部(例えば、1つ、2つ、全部より少ない固定アーム2120)を有することができる。図11A~図11F、図12A~図12C、図13A~図13Eは、固定アーム2120のうちの2つが屈曲部Bを有し、一方の固定アームがレンズ支持構造2105の平面と実質的に同一平面上にあることを示している。
本明細書に記載の装置の固定アーム2120のうちの1つ以上は、静止時に非平面形状を有するように製造することができ、装置2100が埋め込まれた後であるがアンカー2125の外面化の前に、瞳を通して固定アーム2120の少なくとも一部を容易に見ることを可能にする折り畳み構成に向かって付勢することができる。このように構成された固定アーム2120は、ユーザがより容易に把持して操作することができ、無縫合の固定のために広げられた構成に付勢することができる。静止状態でバイアスを有するように、又は静止状態で湾曲又は屈曲するように製造された固定アーム2120は、装置2100が眼の外側にあり、埋め込みの準備ができているときにその形状を有する固定アーム2120を含む。幾つかの実施態様では、固定アーム2120は、眼への埋め込み後(例えば、後眼房)であるがアンカーの固定前に、湾曲した、折り畳まれた、又は曲がった形状をとることができる。例えば、1つ以上の固定アーム2120は、眼の外側に第1の形状を有し、眼への埋め込み前のアーム2120の形状とは異なる、眼への埋め込み時に湾曲形状をとり、アンカー2125の外面化時に略直線形状に展開することができる材料から形成され得る。
折り畳まれた又は湾曲した形状(例えば、その起点部分2103とその終端2102との間のその長さに沿って屈曲部を有する)に向かう付勢を有する固定アーム2120は、アーム2120のアンカー2125を経強膜的に固定するために、瞳孔を通して視覚化され、把持され、手動で展開及び/又は伸張され得る。湾曲、屈曲、又は折り畳みの構成及び/又は曲率半径、並びに湾曲、屈曲、又は折り畳みの方向性の向きは、固定アーム2120の少なくとも一部(例えば、アンカー2125及び/又はアンカー2125に結合された終端部分)が患者の瞳孔、好ましくは患者の拡張瞳孔の直径を通してユーザに見える限り変化し得る。幾つかの実施態様では、これは、固定アーム2120の少なくとも一部がレンズ支持構造2105の少なくとも一部上にわたって、その外側領域2111の径方向内側に配置されることを意味する。アーム2120の一部が外側領域2111の径方向内側に延びる距離は、変化し得る。この部分は、中央開口2115を通って前後に延びる中心軸CAの向きで外側領域2111の上にない外側領域2111に隣接する位置の上にわたって延びることができる。この実施態様では、装置の中心軸CAと上に延びる部分との間の距離は、装置の中心軸CAと外側領域2111との間の距離よりも大きい。この部分は、外側領域2111を覆うように延びることができる。この実施態様では、装置の中心軸CAとその部分との間の距離は、装置の中心軸CAと外側領域2111との間の距離と同じである。この部分は、外側領域2111の径方向内側の位置の上にわたって延びることができる。この実施態様では、装置の中心軸CAとその部分との間の距離は、装置の中心軸CAと外側領域2111との間の距離よりも小さい。この部分は、中央開口2115上にわたるように延びることができる。この実施態様では、装置の中心軸CAとその部分との間の距離は、装置の中心軸CAと中央開口2115を画定する内壁2109との間の距離よりも小さい。装置の中心軸CAは、中心開口2115の中心と同軸であり得る。
固定アームの一部(例えば、終端2102及び/又はアンカー2125)は、レンズ支持構造2105の一部上にわたって、同時に中央開口2115の一部上にわたっても配置することができる。例えば、アンカー2125は、アンカー2125の少なくとも一部がレンズ支持構造2105の少なくとも一部上にわたって配置され、アンカー2125の別の部分が中央開口2115の少なくとも一部上にわたって配置されるような寸法を有することができる。
湾曲した構成に向かって付勢された固定アーム2120は、装置の実際の中心又は中心軸CA又は中心開口2115の中心を含むがこれらに限定されない装置の内側又は中心部分に向かって湾曲することができる。装置2100の中心は、中心開口2115によって形成される円の中心である(中心開口2115が円形である場合)。装置の中心軸CAは、その円の中心を通って前後方向(すなわち、上下方向である)に延びる。中央開口2115が実質的に非円形である場合、装置の中心は、前後方向に延びる中心軸CAに沿った中央開口2115の対称中心である。アンカーが装置の中心に向かって、又は装置の中心軸CAに向かって延びるように折り畳み構成又は湾曲した構成に付勢された固定アームは、アームのアンカーを通る軸が装置の実際の中心と交差するか、又は中心軸CAと交差する必要はない。内側に付勢された固定アームに関して「中心に向かって」又は「中心軸に向かって」は、固定アームの終端が、レンズ支持構造から離れてほぼ外側方向に延びる直線状の固定アームの終端とは対照的に、ほぼ内側方向に装置の一部に向かって後方に延びるように、湾曲を有するアームを含む。湾曲した固定アームは、装置の任意の中央部分に向かって付勢することができ、装置の実際の中心を直接指す必要はない。湾曲した固定アームは、実際の中心に対して角度を付けることができる。
装置は、装置の中心に向かって後方に延在する固定アームの少なくとも幾つかを含むことができる。装置2100は、レンズ支持構造2105と、3つの固定アーム2120とを含むことができる。2つの固定アーム2120a、2120bは、アームの起点2103と終端2102との間に屈曲部Bが存在する折り畳み構成に付勢され得る。第3の固定アーム2120cは、実質的に真っ直ぐとすることができ、その起点2103とその終端2102との間に屈曲部Bを有さず、それにより、第3の固定アームは、単一の軸Lに沿ってレンズ支持構造2105に対して実質的に直交して延びる。それぞれの固定アーム2120a、2120bのアンカー2125は、装置の中心に向かって突出して戻ることができる。固定アーム2120a、2120bのアンカー2125は、レンズ支持構造2105の少なくとも一部と重なる少なくとも第1の部分及び/又は中央開口2115の少なくとも一部と重なる少なくとも第2の部分を有することができる。各アーム2120a、2120bのアンカー2125を通る軸を引くことができ、アンカー2125がアームの起点2103とアームの終端2102との間の屈曲部Bから離れて装置の中心に向かって突出している方向を示す。アームの軸は、中心軸CAと交差することができるが、交差する必要はない。したがって、アームは、アンカーが装置の中心に向かって突出して戻る折り畳み構成に向かって付勢することができるが、中心軸CA又は装置の実際の中心と交差する軸に沿って延びる必要はない。
固定アームが「折り畳まれた」もしくは「曲げられた」もしくは「湾曲した」又は「折り畳み」もしくは「曲げ」もしくは「湾曲」構成を有するものとして説明される場合、その長さに沿った長手方向軸に対する固定アームの角度は、徐々にかつ均一に変化することができ、又は角度が形成されるようにより急激にもしくは急激に変化することができる。折り畳み構成は、静止時又は埋め込み前の固定アームの内向きバイアスを表すことができ、固定アームは、第1の軸に沿って支持構造から外向きに延び、支持構造の平面に対して前後に湾曲して装置の中央部分に向かって戻る。埋め込まれたときの装置の支持構造は、眼のZ平面(垂直平面)に実質的に平行に位置するように構成される。折り畳み構成は、固定アームの少なくとも一部が装置の別の部分(例えば、それ自体の上に、レンズ支持構造、及び/又は中央開口)の前方に配置されるように、固定アームが支持構造(例えば、横断面内)のこの平面から離れるように湾曲する形状を含むことができる。折り畳み構成は、固定アーム部分が重なっており、また互いに接触していることを意味する必要はない。好ましくは、固定アームの部分は、互いからある距離だけ離間しており、この距離は、装置の中心軸CAに沿っている。折り畳み構成はまた、折り目付き又は鋭角の折り畳みを意味する必要はない。折り畳み構成は、支持構造における固定アームの起点と固定アームの終端との間に曲率半径が存在することを意味することができる。
折り畳み構成はまた、レンズ支持構造の平面から離れるのではなく、レンズ支持構造の平面内で湾曲する固定アームを含むことができる。それぞれの固定アーム2120a、2120bのアンカー2125は、アンカー2125がレンズ支持構造の平面と実質的に同じ平面内に留まるように、アームの屈曲部Bから内側に突出することができる。各屈曲アーム2120a、2120bのアンカー2125を通る軸を引くことができ、アンカー2125がアームの起点2103とアームの終端2102との間の屈曲部Bから離れて装置の中心に向かって突出している方向を示す。折り畳み構成に向かって付勢された固定アーム2120a、2120bは、装置の中心に向かって突出するアンカー2125を有することができる。アーム2120の軸は、中心軸CAと交差することができるが、交差する必要はない。
支持構造2105の少なくとも一部上にわたって配置されたアーム2120の一部は、支持構造2105の外側領域2111の上にあると共に径方向内側に配置されたその部分を含むことができる。支持構造2105の少なくとも一部上にわたって配置されたアーム2120の部分は、中央開口2115の径方向内側かつその上にわたって配置されたその部分を含むことができる。これらの例では、「径方向内側」は、同じ平面内を意味する必要もない。好ましくは、アーム2120の部分は、支持構造の平面とは異なる平面内で支持構造の部分上にわたって配置される。固定アーム2120の一部(例えば、アンカー2125及び/又は終端2102)は、レンズ支持構造2105の外周の中心となる直径で、レンズ支持構造2105の前方又は後方で終端することができる。この部分は、中央開口2115を通って前後に延びる装置の中心軸CAに対してレンズ支持構造の部分上にわたって配置することができる。固定アーム2120の一部がレンズ支持構造の一部上にわたってあると説明される場合、固定アーム2120の一部はまた、レンズ支持構造2105によって画定された中央開口2115上にわたっていてもよい。
アーム2120の一部が本明細書では装置2100の別の部分(例えば、それ自体、レンズ支持構造2105、及び/又は中央開口2115)の「上にわたって」あると説明される場合、アーム2120の一部は、一般に空間内で装置のその部分に重なることができ、網膜に対して特定の方向を必要としない。したがって、「上にわたって」は、本明細書では一般的に、装置を取り囲む空間内の重なりを指すために使用されてもよく、空間的重なりが網膜に対してほぼ前方向にあることを必要としない。別の部分の「上にわたって」あると記載されている部分は、使用中に、網膜に対してその後方に配置することができる。折り畳み構成へと付勢されたアーム2120は、使用中に網膜に対して装置の別の部分の「下」又は「後方」に配置されても、本明細書では装置の別の部分の「上にわたって」又は別の部分と「重なり合う」とのみ称され得る。簡単にするために、各代替案は、本開示全体を通して各例で繰り返されなくてもよい。アームは、アームの少なくとも一部が中心軸CAに沿って装置の上方に概ねアーチ形になるように、装置の前方に面する部分上にわたってアームの少なくとも一部を配置するように湾曲させることができる。アームは、アームの少なくとも一部が中心軸CAに沿って装置の下にほぼアーチ形になるように、装置の後方に面する部分上にわたってアームの少なくとも一部を配置するように湾曲させることができる。アームは、アームの少なくとも一部分を同じ平面内に配置するように湾曲させることができ、それにより、アームは、装置の前側に面する部分の上にも後側に面する部分上にわたっても存在しない。本明細書では、アームの少なくとも一部が拡張瞳孔を通して見えるように、固定アームの様々な構成のいずれかが考慮される。機構は、折り畳み構成に向かって付勢された屈曲固定アーム2120が真っ直ぐな構成をとるように展開されるように変化することができる。アームは、機械的、電磁的、及び/又は熱的に展開することができる。
幾つかの実施態様では、固定アーム2120は、アームの単一の軸に沿って機械的に展開されてもよい。固定アーム2120は、静止時に、屈曲部を有するか又は湾曲する折り畳み構成に付勢される必要はない。例えば、固定アーム2120は、アーム2120が単一の軸に沿って長手方向に圧縮される折り畳み構成に付勢されてもよい。アーム2120は、その起点部分2103とその終端部分2102との間でレンズ支持構造から直交して外側に単一の軸に沿って延在する。折り畳み構成のアーム2120の長さは、アーム2120のアンカー2125が展開された構成の場合よりも小さい直径内のより中心に配置されるように、起点部分2103と終端部分2102との間で短くすることができる。装置が眼に埋め込まれると、しかしアンカー2125の外面化の前に、アーム2120は、外面化され得るようにその長さを延長するために外側に伸縮され得る。伸縮による機械的展開は、アーム2120の入れ子構成要素が互いに摺動して、展開時にはより長い長さ、又は折り畳まれたときにはより短い長さを与えることに起因し得る。入れ子式による機械的展開はまた、瞳孔を通して視覚化するためにより短い長さでそれ自体に折り畳まれ、外面化中により長い長さでそれ自体から展開されるように構成された単一の弾性構成要素に起因し得る。
幾つかの実施態様では、固定アーム2120は、熱的に展開又は折り畳まれてもよい。例えば、固定アーム2120は、室温では第1の(折り畳まれた又は真っ直ぐな)形状であり、体温又は(35°Cに加熱された)その付近では第2の形状に変化することができる。これは、化学的手段(例えば、水和)又は機械的手段(制限的特徴部を切断する)によっても達成することができる。
固定アーム2120は、弾性又は非弾性材料から製造することができる。例えば、固定アーム2120は、非弾性材料で形成することができ、弾性を与える三次元形状を有することができる。3次元形状は、C形状、Z形状、S形状、又は他の3次元形状を含む、本明細書の他の箇所に記載されているように変化し得る。固定アーム2120は、強膜組織に過度の力を与えずにIOL110又は他の装置を維持するのに十分な支持を行う。最適な設計は、様々な大きさの眼及び様々な場所の切開部の両方のパラメータを満たすことができるように、広い動作可能な範囲の張力及び安定性を有する。固定アームの形態を変更する1つの手段は、ばね状の構造を組み込むことである。これらは、Jループ、Cループ、閉ループ、ケルマン触覚部(Kellman Haptics)、プレート触覚部、又はIOLに共通の他の触覚部形態のような従来の圧縮ベースの触覚部形態を含むことができる。或いは、装置2100は、単純な線形弾性コードなどの張力ベースの触覚部を組み込むことができる。或いは、張力形態は、固定アーム2120の引張抵抗を減少させるために、V字形、Z字形又はS字形の特徴部によって変更することができる。
固定アーム2120は、強膜を通って一方向に引っ張られることを可能にするテクスチャ(texture)又は特徴部を有することができるが、固定アーム2120が滑る可能性を最小限に抑えるために反対方向に抵抗がある。テクスチャ又は特徴部は、材料自体によって与えられ得るか、又は固定アーム2120内に設計され得る。例えば、固定アーム2120は、返しがあり(barbed)、及び、外側構造に組み込まれた材料から形成することができる。このようにして、返し付きの内部構造は、一般に返しに関連する鋭い縁部を隠しながら、返しとして機能することができる。一例は、軟質エラストマー構造に埋め込まれた剛性プラスチック構造である。
固定アーム2120は、記憶を有し、可鍛性ではない可撓性材料で形成することができる。固定アーム2120の可撓性材料としては、ポリウレタン、疎水性アクリル、親水性アクリル、ナイロン、ポリイミド、PVDF、天然ポリイソプレン、シス-1、4-ポリイソプレン天然ゴム(NR)、トランス-1、4-ポリイソプレングッタペルカ、合成ポリイソプレン(イソプレンゴムのIR)、ポリブタジエン(ブタジエンゴムのBR)クロロプレンゴム(CR)、ポリクロロプレン、ネオプレン、バイプレン
などを含む様々なエラストマー、ブチルゴム(イソブチレンとイソプレンとのコポリマー、IIR)、ハロゲン化ブチルゴム(クロロブチルゴム:CIIR、ブロモブチルゴム:BIIR)、スチレン-ブタジエンゴム(スチレンとブタジエンの共重合体、SBR)、ブナN(Buna N)ゴム水素化ニトリルゴム(HNBR)テルバン(Therban)及びゼットポール(Zetpol)とも呼ばれるニトリルゴム(ブタジエンとアクリロニトリルの共重合体、NBR)、EPM(エチレンプロピレンゴム、エチレンとプロピレンとの共重合体)及びEPDMゴム(エチレンプロピレンジエンゴム、エチレンとプロピレンとジエン成分との三元共重合体)、エピクロロヒドリンゴム(ECO)、ポリアクリルゴム(ACM、ABR)、シリコーンゴム(SI,Q,VMQ)、フルオロシリコーンゴム(FVMQ)、フルオロエラストマー(FKM、FEPM)、バイトン、テクノフロン、フルオレル、アフラス及びダイエル、ペルフルオロエラストマー(FFKM)、テクノフロンPFR、カルレズ、ケムラズ、ペラスト、ポリエーテルブロックアミド(PEBA)、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、(ハイパロン)、エチレン-酢酸ビニル(EVA)、熱可塑性エラストマー(TPE)、樹脂及びエラスチン、ポリスルフィドゴム及びエラストオレフィンのいずれかを挙げることができる。
などを含む様々なエラストマー、ブチルゴム(イソブチレンとイソプレンとのコポリマー、IIR)、ハロゲン化ブチルゴム(クロロブチルゴム:CIIR、ブロモブチルゴム:BIIR)、スチレン-ブタジエンゴム(スチレンとブタジエンの共重合体、SBR)、ブナN(Buna N)ゴム水素化ニトリルゴム(HNBR)テルバン(Therban)及びゼットポール(Zetpol)とも呼ばれるニトリルゴム(ブタジエンとアクリロニトリルの共重合体、NBR)、EPM(エチレンプロピレンゴム、エチレンとプロピレンとの共重合体)及びEPDMゴム(エチレンプロピレンジエンゴム、エチレンとプロピレンとジエン成分との三元共重合体)、エピクロロヒドリンゴム(ECO)、ポリアクリルゴム(ACM、ABR)、シリコーンゴム(SI,Q,VMQ)、フルオロシリコーンゴム(FVMQ)、フルオロエラストマー(FKM、FEPM)、バイトン、テクノフロン、フルオレル、アフラス及びダイエル、ペルフルオロエラストマー(FFKM)、テクノフロンPFR、カルレズ、ケムラズ、ペラスト、ポリエーテルブロックアミド(PEBA)、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、(ハイパロン)、エチレン-酢酸ビニル(EVA)、熱可塑性エラストマー(TPE)、樹脂及びエラスチン、ポリスルフィドゴム及びエラストオレフィンのいずれかを挙げることができる。
形状に形成された可撓性材料からなるアーム2120は、形成された形状から離れるように撓むことができるが、形成された形状に戻る記憶を有する。言い換えれば、可撓性固定アーム2120は、それらの折り畳み構成から屈曲又は展開することができるが、何らかの種類の固定なしに保持される異なる形状に付勢することはできない。例えば、可撓性固定アーム2120のうちの1つ以上を屈曲形状に形成することができる。例えば、アームは、支持構造2105を有するその起点2103からアンカー2125の近くの終端2102まで180度の屈曲部又は湾曲部を含むことができる。アーム2120は、装置が静止しており、アーム2120が折り畳み構成に向かって付勢されるようにアーム2120に力が加えられていないときに、この屈曲形状を維持することができる。すなわち、アーム2120は、付勢されていない状態では屈曲される。屈曲した固定アーム2120は、アーム2120全体が延在し、長手方向軸Lに対して真っ直ぐに位置決めされるように、直線形状又は展開構成をとるようにこの屈曲形状から屈曲させることができる。アーム2120は、真っ直ぐな形状に曲げられると、曲げ形状又は折り畳み構成に戻るように付勢される。固定アーム2120に対する撓み力が解放されると、アーム2120はその静止曲げ形状に戻る。しかしながら、使用時には、固定アーム2120は、経強膜的に固定され、アンカー2125は、強膜の外側に位置するアーム2120の終端2102に固定される。アーム2120は、直線形状を維持するように張力がかけられている。
他の実施態様では、固定アーム2120は、固定アーム2120が特定の形状に曲げられ得るか又は形成され得るように、可鍛性の材料から形成され得るか、又はそれを組み込むことができる。可鍛性固定アーム2120は、金、銀、白金、ステンレス鋼、ニチノール、ニッケル、チタン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロン、PVDF、ポリイミド、アセタール、及びPEEKを含むインプラントグレードの金属又はプラスチックなどの材料で形成することができる。固定アーム2120の材料は、本明細書の他の箇所で説明するように、埋め込み処置中に装置2100から切断及び除去されるように構成される。
1つ以上の固定アーム2120は、約1000MPa未満、又は約500MPa未満、又は約250MPa未満、又は約100MPa未満、又は約50MPa未満、又は約25MPa未満のヤング率を有することができる。1つ以上の固定アーム2120は、約20MPa未満、例えば約0.01~約1.0MPaのヤング率を有することができる。固定アーム2120は、支持構造2105を固定するための圧縮ばね力又はバーブ(barb)又は他の固定触覚部が与えることができるより剛性の貫通力を有するのではなく、支持構造2105を固定するために張力下にあるように設計されているため、非常に柔らかく、非常に小さい力を加えることができる。
幾つかの実施態様では、固定アーム2120はそれぞれ、約2mm~約6mmである起点2103と終端2102との間の長さを有することができる。固定アーム2120は、それぞれ同じ長さを有することができる。強膜を通って延びる固定アーム2120の長さは、アーム2120が延びる創傷の全体サイズを縮小するために最小化される厚さ又は幅を有することができる。アンカー2125が配置される終端2120付近の固定アームの経強膜部分の最大幅は、約2.0mm以下、約1.5mm以下、約1.0mm以下、0.75mm以下、0.50mm以下とすることができる。
図11A~図11F、図12A~図12C、図13A~図13Eは、内向きのバイアスを有する2つの固定アーム2120a、2120bと、内向きのバイアスを有さず、直線状である第3の固定アーム2120cとを有する装置2100の実施態様を示す。更に、第3の固定アーム2120cは、他の固定アーム2120a、2120bよりも可撓性が低くなるような形状を有することができる。第3の固定アーム2120cは、他の2つの固定アーム2120a、2120bよりも広く、より高い断面積を有することができる、起点2103と終端2102との間の領域を組み込むことができる。図16A~図16C及び図17は、より広い固定アーム2120の領域を示す。図16Bは、終端2102付近のアーム2120の幅W1が、アーム2120の終端2102から離れたアーム2120の幅W2より小さくなり得ることを示す。終端2102から離れたアーム2120の幅W2は、ある程度の嵩及び安定性をもたらすことができ、終端2102付近の幅W1は、アーム2120の経強膜部分を最小限に抑えることができる。
各固定アーム2120a、2120b、2120cは、外科手技中に一度に1つずつ位置決めすることができる。本明細書の他の箇所で説明するように、前方固定アーム2120cは直線構成とすることができ、後方固定アーム2120a、2120bは湾曲することができる。装置の重量は、装置2100が網膜に向かって後方に傾斜するように、最初に埋め込まれた又は前方固定アーム2120cを外面化後に曲げることができる。このシナリオでは、外科医は、装置をより後方の位置に配置することができる。しかしながら、これは、網膜付近の器具の操作による術中組織損傷のリスクを増大させる可能性がある。幾つかの実施態様では、前方固定アーム2120cは、後方ドリフトの可能性を低減するために機械的及び/又は幾何学的に補強することができる。前方固定アーム2120cは、このような変形に耐える材料から製造することができる。材料は、前方固定アーム2120cのアンカー2125の外面化後に装置を片持ち支持することができる任意のインプラントグレードのプラスチック又は金属とすることができる。適切な材料には、PMMA、剛性シリコーン、ナイロン、親水性及び疎水性アクリル、PEEK、ポリイミド、ステンレス鋼、チタン、ニチノールなどが含まれるが、これらに限定されない。より剛性の高い材料を使用して、前方固定アーム2120c全体又は前方固定アーム2120cの一部のみを形成することができる。前方固定アーム2120cは、より剛性の高い材料で埋め込まれたより柔らかい材料で形成されてもよい。一実施態様では、前方固定アーム2120cは、支持構造2105におけるその起点2103と、アンカー2125(図17参照)に結合されているその終端2102との間に機械的補強の領域1205を含むことができる。領域1205は、固定アーム2120cの厚さを増大させるか、又はプラスチックの剛性部分をより柔らかい材料に埋め込むことによって達成することができる。図17は、支持構造を有するその起点2103付近のアームの厚さ(矢印O)と比較して、機械的補強領域1205における増大した厚さ(矢印T)を示す。領域1205は、支持体2105から距離を置いて、例えば、アンカーの近くに、又はアンカー2125に隣接して配置することができる。領域1205は、固定アーム2120のアンカー2125を外部に露出させる能力に影響を与えずに、装置2100が後方にドリフトする可能性を特に低減するように設計された増大した厚さを有することができる。例えば、固定アーム2120は、後方方向の撓みを制限するように設計されたテーパ状の厚さを有することができる。テーパ形状は、フットプレートアンカー2125の近くで最も薄く、中央で厚くすることができる。固定の後面は、眼に対して装置を前方に付勢するように機能することができる。固定アーム2120の後面と創傷との接触角は、固定アーム2120の後方撓みの実際的なリスクを低減するように装置2100を付勢することができる。更なるバルクは、装置の撓み及び網膜への近接性を更に制限することができる。
図12A~図12Cは、円形の中央開口2115及び非円形の外周2111を有する装置2100の別の実施態様を示す。図12A~図12Cの非円形の外周2111は、2つの実質的に平坦な長尺側2108と、2つの実質的に丸みを帯びた短側又はローブ2107とを有する丸みを帯びた長方形の形状である。オーニング2110によって形成された凹部2104は、それらが長方形の長軸に沿って互いにほぼ対向して配置され、IOL110触覚部114のスパンを収容するように間隔を置いて配置されるように、レンズ支持構造2105の前方に面する表面上に突出してもよい。例えば、オーニング2110は、丸みを帯びた長方形(すなわち、ローブ2107の位置において)の短側においてレンズ支持構造2105の前方に面する表面上に突出して、長尺側2108に沿って凹部2104内にそれらの間のIOL110のスパンを収容することができる(図12C参照)。
3つの固定アーム2120をレンズ支持構造2105に結合することができる。固定アーム2120a、2120bの少なくとも一方は、本明細書の他の箇所で説明するように折り畳み構成に付勢することができる。一方の固定アーム2120cは、アンカー2125に結合されたその終端2102が開口2115の中心軸CAから外方に突出するように、レンズ支持構造2105に対して直交する単一の軸に沿って延びる前方固定アームとすることができる。前方固定アーム2120cは、ローブ2107の位置でレンズ支持構造2105に結合することができ、他の固定アーム2120a、2120bは、反対側のローブ2107がアーム2120a、2120bの間で外側に突出するように、例えば反対の長尺側2108で、前方固定アームのローブ2107から離れて結合することができる(図12A~図12B参照)。
図15は、オーニング2110を有する装置2100の相互に関連する実施態様を示す。装置2100は、装置2100の眼内での心出しを補助するために複数のバンパー2114を更に組み込む。装置2100は、レンズ支持構造2105の各角から外側に突出する4つのバンパー2114を含むことができる。バンパー2114は、C字形を有する実質的にリング状又は不完全なリングであってもよい。リング状バンパー2114は、両方ともレンズ支持構造2105に結合された第1の端部及び第2の端部を含むことができる。C字形バンパー2114は、レンズ支持構造2105に結合された一端部と、レンズ支持構造2105から分離されたままの第2の端部とを有することができる。形状又は構成にかかわらず、バンパー2114は、装置2100を隣接する眼組織から離れるように付勢することができる。幾つかの実施形態では、バンパー2114は、毛様体構造と接触するとわずかに変形することができる。変形は、バンパーがそれらの元の形状に戻り、装置2100を眼内の中心位置に向かって押し戻すように一時的であり得る。本明細書に記載の他の実施と同様に、装置2100は、折り畳み構成に付勢された少なくとも一方を含む複数の固定アーム2120を含むことができる。好ましくは、バンパー2114は、装置2100が埋め込まれた後、毛様体構造と接触したままであることを回避する。バンパー2114は、固定アーム2120の外面化中にガイドとして機能することができる。バンパー2114は、バンパー2114が毛様体15及び/又は毛様溝25内に当接してZ平面内での変位を防止して、固定中に眼の視軸に対する中央開口2115の適切な整列を維持するように、レンズ支持構造2105の外周2111から十分に突出することができる。
本明細書では、眼に埋め込みされ、IOLが光学的整列に維持されるように別個のIOLを支持、安定化、又は他の方法で係合するように構成された装置の様々な実施態様が示されている。本明細書に記載の装置は、任意の合理的な組み合わせで様々な特徴部のいずれかを組み込むことができる。例えば、図1A~図1F、図2A~図2B、図3、図4A~図4Bの装置は、1つ以上のバンパー2114を組み込む文脈で説明されており、装置は、これに加えて又は代えて、1つ以上の固定アーム2120及び/又は後部安定化特徴部2138を組み込むことができる。ここで、図5A~図5Cの装置は、後部安定化特徴部2138を有する文脈で説明されており、これに加えて又は代えて、1つ以上の固定アーム2120及び/又はバンパー2114を組み込んでもよい。図6A~図6Eの装置並びに図8A~図8F及び図9A~図9Bの装置もまた、バンパー2114及び後部安定化特徴部2138の両方を有する文脈で説明されており、これらは追加的又は代替的に、1つ以上の固定アーム2120を組み込むことができる。同じことが、図10A~図10Dに示される装置にも、並びに図11A~図11F、図12A~図12C、図13A~図13E、図15、及び図17に示される装置にも当てはまる。本明細書に記載の特徴部の任意の組み合わせは、様々な機能目的に対処するために、幾つかの組み合わせのいずれかで装置と組み合わせることができる。
図18Aは、後部プラットフォーム2105と、矩形形状を有するシャーシを形成するオーニング2110とを示す装置2100の相互に関連する実施態様を示す。シャーシは、前端部2101及びテーパ状後端部2106を有する。後方固定アーム2120a、2120bの間のシャーシの後端部2106は、前方固定アーム2120cの近くのシャーシの前端部2101の幅よりも狭くてもよい。シャーシの後端部2106は、シャーシの前端部2101の幅よりも少なくとも約0.2mm、約0.3mm、約0.4mm、約0.5mm、約1.0mm、約1.5mm、約2.0mm狭くすることができる。
図18B~図18Cは、後部安定化特徴部2138を更に組み込んだ複数の固定アーム2120(そのうちの1つ以上が折り畳み構成に付勢され得る)を組み込んだ図18Aの装置2100の上面図及び斜視図をそれぞれ示す。図18Dは、複数の固定アーム2120(そのうちの1つ以上が折り畳み構成に付勢されてもよい)と複数のバンパー2114を更に組み込んだ後部安定化特徴部2138とを組み込んでいる図18B~図18Cの装置を示す。
固定アーム2120は、一旦眼に固定されると、装置に対して位置決めされたIOLの光学素子を損なう可能性がある力を装置に加えることができる。例えば、後部プラットフォーム2105、オーニング2110、側壁2112、又は装置2100の他の部分、特にIOLのためのハウジングを形成する部分は、固定アーム2120の張力に応じて歪む可能性がある。装置の歪みはIOLに伝達され、光学素子に悪影響を及ぼす可能性がある。本明細書に記載の装置は、固定アーム2120の張力又は眼によって装置2100に加えられる力に起因するかどうかにかかわらず、装置に加えられる力による歪みに抵抗するように設計された1つ以上の特徴部を組み込むことができる。
装置は、図20A~図20Dに関して前述したように、フープ強度を高めて歪みに抵抗するための補強材料を組み込むことができ、この補強材料は、補強されるべき装置の領域の材料厚さを増大させてもさせなくてもよい。装置2100の1つ以上の領域の材料厚さを増大させて、追加の補強材料の有無にかかわらずフープ強度を高めることもできる。図18E~図18Hは、複数の固定アーム2120を組み込んだ装置2100の実施態様を示す。後部プラットフォーム2105及び側壁2112は、装置のこれらの領域の材料厚さの増大により補強される。図18Fは、後部プラットフォーム2105の増大した断面厚さ(例えば、約0.50mm)及び側壁2112の増大した厚さ(例えば、約0.35mmから約0.60mmまで、又は約1.5mmまで)を示す、矢印F-Fに沿った図18Eの装置2100の断面図である。材料厚さの増大によってもたらされるレンズ支持構造の剛性の増大は、埋め込み後のIOLの挿入を容易にすることができる。材料の厚さの増大は、後部プラットフォーム2105を通って延びる中央開口2115のフープ強度を更に増大させることができ、これにより、IOLを装置2100に埋め込む際にIOLが開口2115を誤って通過するリスクを制限することができる。
中央開口2115の直径Daを小さくして、後部プラットフォーム2105のフープ強度を高めることもできる。例えば、中央開口2115は、IOLの光学素子と干渉しないように、約5.0mm未満から約4.0mmまで、好ましくは約4.75mmまでの直径を有することができる。開口サイズは、単独で、又は後部プラットフォームの厚さ及び/又は側壁の厚さと組み合わせて、張力がかけられた固定アームによって引き起こされ得る装置の歪みに抵抗することができる。開口直径はまた、サイズだけでなく、開口2115のフープ強度の増大に起因して、埋め込み時にIOLが開口2115を誤って通過するリスクを制限することができる。より小さい開口直径は、より大きい開口直径と比較してフープ強度を増大させることができる。より堅いIOLハウジングは、張力及び/又は圧縮下に置かれたときに開口2115の歪みを制限する。IOLハウジングの剛性の増大はまた、眼内での固定後のIOLのより容易な挿入を容易にすることができる。
装置のより厚い側壁2112は、IOLを操作することができる空間を減らすことができる。凹部2104内のIOL操作のためのより多くの空間を与えるために、装置の長軸に沿った外部長さを増大させて、より厚い側壁2112を収容し、IOLの挿入及び操作のために同じ軸に沿って凹部の内部長さを与えることができる(図18G参照)。装置の長軸に沿った後部プラットフォーム2105は、側壁の厚さが約0.7mmであるように、約9.2mmの外部長さLeと、約8.5mmである同じ軸に沿った内部長さLiとを有することができる。装置2100に追加の補強を行うために、側壁断面厚さを約1.2mmに増大させることができる。長軸に沿ったプラットフォームは、同じ軸に沿った内部長さLiが約9.8mmになるように約11mmまで増大させることができる。増大したキャビティ長は、増大した側壁厚さと組み合わせて、増大した装置の外部長さLeを与えるIOLを操作することができるより多くの空間をもたらすことができる。より長い装置は、毛様体の頂部の平面上の装置が広すぎる場合であっても、より大きなIOLハウジング(図18H参照)を埋め込むための空間が依然として存在し得るように、毛様体の頂部の後方の毛様体扁平部を通して固定することができる。短軸幅は、より厚い側壁2112(図18F参照)によっても影響を受ける可能性がある。装置の短軸に沿った後部プラットフォーム2105は、側壁2112の厚さが約0.7mmであるように、約6.60mmの外部幅Weと、約6.60mmである同じ軸に沿った内部幅Wiとを有することができる。側壁2112の断面厚さは、前述のように1.2mmに増大させることができる。短軸に沿ったプラットフォーム2105は、同じ軸に沿った内部幅Wiが約6.2mmであるように、約7.4mmまで増大させることができる。
本明細書に記載の装置は、眼内のIOLを支持するために使用される。本明細書に記載の装置は、眼の心出し又は固定のために水晶体嚢の少なくとも一部と係合するように構成された1つ以上の特徴部を組み込むことができる。本明細書に記載の装置は、水晶体嚢支持体が欠損している場合であっても、例えば、手術時又は以前の手術の後期合併症として医原性に損なわれたレンズ支持に起因して、装置を眼内に固定及び心出しするように構成された1つ以上の特徴部を組み込むことができる。水晶体嚢の支持があるかどうかにかかわらず、埋め込み中の装置の視覚化が重要である。幾つかの実施態様では、湾曲した固定アーム又は付勢された固定アーム2120は、アーム2120がより容易に把持され得るように、瞳孔を通る装置の直接的な視覚化を可能にすることができ、これは眼内での装置の外面化及び固定中に特に有用である。本明細書に記載の装置は、固定アーム2120がなくても瞳孔を通して直接見ることができる。幾つかの実施態様では、装置2100の前方形状は、瞳孔を通る前方の視覚化を改善するように変更される。例えば、前方オーニング2110は、少なくとも一部が別の部分よりも内側又はより中央に(例えば、中央開口2115を通って延びる中心軸に向かって)突出するようなサイズ及び形状にすることができ、それにより、オーニング2110の中央突出部分は、虹彩によって実質的に遮断されることなく、拡張した瞳孔を通して前方に見える。オーニング2110の形状は、IOLの光学素子に影響を与えることなく、埋め込まれているIOLに対して見ることができる。これにより、IOLが装置2100の凹部2104内に適切に固定される可能性を高めることができる。術後の水晶体脱臼は、IOL触覚部が装置2100の前方の位置に残っているときに起こり得る。水晶体の位置の不確実性は、外科医が装置及び/又は組織を操作して装置に対する水晶体の位置を確認する際に、手術時間及び組織外傷の可能性を増大させる可能性がある。瞳孔を通して装置2100を直接視覚化すると、特に術中瞳孔径が手術中に減少する場合に、この不確実性が軽減される。
図18E及び図18I~図18Jも、中央に突出した視覚化特徴部2117を有する前方オーニング2110の例を示している。視覚化特徴部2117は、埋め込み後のIOLの光学素子との干渉を回避しながら、装置2100の直接的な視覚化を可能にするために中央に突出することができる。視覚化特徴部2117は、中央開口2115の中心軸に向かって、例えば、中心軸から少なくとも約2.5mm~約3mm離れて十分に突出することができ、それにより埋め込み処置中に特徴部2117が瞳孔を通して見える。中央に突出する視覚化特徴部2117は、前部開口2127の内側寸法、例えば、装置の長軸に沿った前部開口2127の距離Dl(図18H及び図18G参照)を狭めることができるが、前部開口2127の全体寸法は、内部凹部2104にアクセスするために比較的大きいままである。対向するオーニングの視覚化特徴部2117によって形成された前部開口2127の最も中央の縁部間の装置の長軸に沿った距離Dlは、少なくとも約7.0mmから約5.0mmまで、好ましくは約6.0mmとすることができる。この距離Dlは、中央開口2115の直径Daよりも大きくなるように選択される。例えば、中央開口2115の直径Daは、約4.75mmとすることができ、視覚化特徴部2117間の距離Dlは、約5.00mm、約5.25mm、約5.50mm、約5.75mm、約6.00mmから約7.00mmまでとすることができる。したがって、オーニング2110が1つ以上の視覚化特徴部2117を組み込んでいる場合でも、特徴部2117によって規定される前部開口2127の寸法は、中央開口2115の直径Daよりも大きくすることができる。
図18Eに示す特徴部2117は、前方固定アーム2120cから中央に離れて突出しており、その結果、このアームの近くのオーニング2110によって与えられる被覆率は、短側2107が長尺側2108と交わる装置2100の角の近くのオーニング2110によって与えられる被覆率よりも大きい。したがって、一対の特徴部2117は、装置の短側2107に配置され、長軸に沿って突出することができる。或いは、視覚化特徴部2117は、装置の長尺側2108に配置され、短軸(すなわち、図に示されているものに対して90度回転させた。)に沿って突出することができる。視覚化特徴部2117は、装置が眼内に配置されたときに虹彩縞の背後から見えるように十分に内側に延在する限り、装置の前部領域の周囲の周りのどこにでも配置することができる。個別の視覚化特徴部2117は、プラットフォーム2105の前方の凹部2104内の前部開口2127を通してIOLを位置決めするユーザの能力を著しく損なうことなく、前方の視覚化をもたらすその全周の周りで前部開口2127を狭くすることを回避する。
本明細書に記載の装置の1つ以上の構成要素はまた、装置2100に対するIOL110の位置決めのための案内を行うために視覚的マーカを組み込むことができる。例えば、1つ以上のマーカを、後部プラットフォーム2105、装置の前方に面する表面、オーニング2110、側壁2112、又は装置2100の別の部分に配置することができる。マーカは、装置2100に対する円環状レンズの位置合わせ及び埋め込みを支援することができる。マーカは、装置2100に対する装置及び/又はIOL110の位置の術中評価を可能にすることができる。装置2100の1つ以上の構成要素は、UBMなどの撮像技術を使用した評価中に明確に見えないシリコーンなどの材料で形成されてもよい。1つ以上の可視化マーカは、マーカを可視の材料で形成することができるため、装置の位置の評価を助けることができる。マーカは、IOL110の埋め込み前に装置の正しい平面が達成されようにするのを助けることができる。マーカは、適切な配向を達成するためにIOL110の相対位置をオペレータに知らせるのを助けることができる。幾つかの実施態様では、1つ以上のマーカを使用して、円環状IOL110を装置2100に対して位置合わせすることができる。
本明細書に記載の装置は、鉗子又は他の一般的な眼科器具を使用して角膜又は強膜切開を通して挿入することができる。或いは、眼内レンズ注射器と同様の注射器システムを使用して装置を挿入することができる。注射器は、装置の一部を外科医に順次提示するように装置を広げることを可能にする。或いは、注射器は、外科的エラーのリスクを制限する構成で、完全な装置を前眼房又は後眼房に提示することができる。例えば、注射器は、装置が「右側上方」に挿入されるようにすることができる。更に、注射器は、埋め込み中の虹彩、内皮、嚢、又は毛様小帯の損傷のリスクを制限することができる。IOL110は、眼への埋め込み前又は眼への埋め込み後に装置2100内に配置することができる。同様に、IOL110は、装置2100から取り外され、術後に交換されてもよい。
IOL110は、適切な配向及び光学のためにしっかりと固定されるように、装置2100に対して位置決めすることができる。IOL110は、装置2100に対してしっかりと固定されているにもかかわらず、装置2100から回収可能である。これにより、IOL110を取り外し、装置2100の埋め込み後に別のものと交換することができる。一部の患者は、埋め込み処置中にIOL110を受ける場合があり、これは、適切な視力のために誤った力を有することが判明している。他の患者は、多焦点レンズIOL110を受け、後に視覚的品質が不十分であると判断することがある。更に、患者の屈折は、時間と共にドリフトし続ける可能性がある。これらのシナリオのいずれにおいても、患者は新しいIOLを望むことがある。標準的な場合では、多くのIOLが水晶体周囲の水晶体嚢線維症を受ける水晶体嚢内に挿入されるので、IOL交換は事実上不可能である。装置2100は、既に埋め込まれたIOL110の容易かつ簡単な交換を可能にする。
本明細書に開示される装置の様々な構成要素の調製に適した材料又は材料の組み合わせは、全体を通して提供される。他の適切な材料が考慮されることを理解されたい。装置は、側壁、後部プラットフォーム、バンパー又は安定化特徴部、及び/又はテザーに必要な機能を提供することができる任意のインプラントグレードの材料から構築することができる。この装置に使用され得る材料は、シリコーンエラストマー、フルオロシリコーンエラストマー、ポリウレタン、親水性又は疎水性アクリル、ポリオレフィン、ナイロン、PVDF、PMMA、ポリイミド、ニチノール、チタン、ステンレス鋼、又は他のインプラントグレード材料であり得るが、これらに限定されない。装置は、幾何学的に互いに嵌合され、互いに化学的に結合又は溶接され、オーバーモールドされ、カプセル化され、又は複数の材料を接合するための他の手段である材料の組み合わせから作製されてもよい。所与の装置要素は、複数の材料で作られてもよい。1つ以上の構成要素は、ポリプロピレン、ナイロン、PVDF、ポリイミド、PMMA、ポリウレタン、親水性もしくは疎水性アクリル、又は高デュロメータシリコーンなどの眼科用途に一般的な非弾性又は半剛性材料から構成することができる。1つ以上の構成要素は、埋め込み中の操作を容易にするアクリル、ポリウレタン、シリコーンエラストマー又はそれらのコポリマーなどの弾性材料を組み込むか、又はそれらから形成することができる。更に別の実施態様では、1つ以上の構成要素は、ポリプロピレン、ナイロン、PVDF、ポリイミド、PMMA、ポリウレタン、親水性もしくは疎水性アクリル、又はアクリル、ポリウレタン、シリコーンエラストマーもしくはそれらのコポリマーなどの軟質エラストマー材料で埋め込まれたもしくはコーティングされた高デュロメータシリコーンなどの半硬質又は硬質プラスチック材料から形成することができる。追加の材料は、機械的補強及び/又は視覚化の向上のために、PEG、HEMA、NVP、コラーゲン又は他の親水性生体適合性コーティング、ナイロン、ポリプロピレン、ゴアテックス、PVDF、テフロン、ニチノール、ステンレス鋼、銀、金を含むことができる。装置の1つ以上の構成要素は、様々な適切な方法のいずれかによって互いに結合された別個の構成要素として形成することができる。或いは、装置の1つ以上の構成要素は、比較的シームレスで中断のない表面を与えるために、射出又は圧縮成形などによってモノリシック又は単一の要素として形成することができる。本明細書では、材料の様々な組み合わせのいずれかが考慮される。
様々な実施において、説明は図面に関連して行われる。しかしながら、特定の実施は、これらの特定の詳細のうちの1つ以上を伴わずに又は他の既知の方法及び構成と組み合わせて実行されてもよい。説明では、実施の完全な理解を与えるために、特定の形態、寸法、及び、プロセスなどの多数の特定の詳細が記載される。他の例では、説明を不必要に不明瞭にしないように、周知のプロセス及び製造技術が特に詳細に説明されていない。本明細書全体を通して、「1つの実施形態」、「一実施形態」、「1つの実施態様」、「一実施態様」などへの言及は、記載された特定の特徴、構造、形態、又は、特性が少なくとも1つの実施形態又は実施に含まれることを意味する。したがって、この明細書全体にわたる様々な場所における「1つの実施形態」、「一実施形態」、「1つの実施態様」、「一実施態様」などの句の出現は、必ずしも同じ実施形態又は実施態様を指すとは限らない。更に、特定の特徴、構造、形態、又は、特性は、1つ以上の実施において任意の適切な態様で組み合わされてもよい。
本明細書に記載の装置及びシステムは、様々な特徴のいずれかを組み込むことができる。本明細書に記載の装置及びシステムの一実施態様の要素又は特徴は、代替的に、又は本明細書に記載の装置及びシステムの別の実施態様の要素又は特徴と組み合わせて組み込むことができる。簡潔にするために、本明細書では様々な組み合わせが考慮されるが、それらの組み合わせのそれぞれの明示的な説明は省略されてもよい。更に、本明細書に記載の装置及びシステムは、眼内に配置することができ、図に示すように、又は本明細書に記載のように具体的に埋め込まれる必要はない。様々な装置は、様々な異なる方法に従って、及び様々な異なる装置及びシステムを使用して、埋め込まれ、位置決めされ、調整されるなどすることができる。様々な装置は、埋め込み前、埋め込み中及び埋め込み後の任意の時間に調整することができる。様々な装置がどのように埋め込まれ位置決めされ得るかについての幾つかの代表的な説明が与えられるが、簡潔にするために、各インプラント又はシステムに関する各方法の明示的な説明は省略され得る。
説明全体を通して相対的な用語の使用は、相対的な位置又は方向又は向きを示すことができ、限定することを意図するものではない。例えば、「遠位」は、基準点から離れた第1の方向を示すことができる。同様に、「近位」は、第1の方向とは反対の第2の方向の位置を示し得る。用語「上部(upper)」、「下部(lower)」、「上部(top)」、「底部(bottom)」、「前部(front)」、「側部(side)」、及び「後部(back)」、並びに「前部(anterior)」、「後部(posterior)」、「尾側(caudal)」、「頭側(cephalad)」などの使用、又は相対的な基準フレームを確立するために使用される使用は、様々な実施態様において本明細書に記載された装置のいずれかの使用又は向きを限定することを意図するものではない。
「約」という単語は、当業者が指定された値と合理的に同様であると考える、指定された値を含む値の範囲を意味する。実施形態において、約は、当技術分野で一般的に許容される測定を使用して標準偏差内を意味する。実施形態では、約は、指定された値の+/-10%に及ぶ範囲を意味する。実施形態において、約は、指定された値を含む。
この明細書は多くの詳細を含むが、これらは、特許請求の範囲に記載されるもの又は特許請求の範囲に記載されてもよいものの範囲に対する限定として解釈されるべきではなく、むしろ、特定の実施形態に特有の特徴の説明として解釈されるべきである。別個の実施形態との関連でこの明細書に記載される特定の特徴は、単一の実施形態において組み合わせて実施することもできる。逆に、単一の実施形態との関連で説明される様々な特徴は、複数の実施形態において別々に又は任意の適切な部分的組み合わせで実施することもできる。更に、特徴は、特定の組み合わせで作用するものとして上記で説明されて更にはそのようなものとして最初に特許請求の範囲に記載される場合があるが、特許請求の範囲に記載される組み合わせからの1つ以上の特徴は、場合によっては、組み合わせから切り取られてもよく、また、特許請求の範囲に記載される組み合わせは、部分組み合わせ又は部分組み合わせの変形に向けられてもよい。同様に、動作が特定の順序で図面に示されるが、これは、望ましい結果を達成するために、そのような動作が示された特定の順序で又は連続した順序で実行されること或いは示された全ての動作が実行されることを必要とすると理解されるべきではない。幾つかの例及び実施のみが開示される。記載された例及び実施並びに他の実施に対する変形、修正及び強化は、開示されたものに基づいて行われてもよい。
上記の説明及び特許請求の範囲において、「~のうちの少なくとも1つ」又は「~のうちの1つ以上」などの語句が出現し、その後に連言的な要素又は特徴のリストが続く場合がある。「及び/又は」という用語も2つ以上の要素又は特徴のリストに出現し得る。そのような語句は、それが使用される文脈によって暗黙的又は明示的に矛盾しない限り、列挙された要素又は特徴のいずれかを個別に又は列挙された要素又は特徴のいずれかを他の列挙された要素又は特徴のいずれかと組み合わせて意味することを意図している。例えば、句「A及びBのうちの少なくとも1つ」、「A及びBのうちの1つ以上」及び「A及び/又はB」はそれぞれ、「A単独、B単独、又は、AとBを一緒に」を意味することを意図している。3つ以上の項目を含むリストについても同様の解釈が意図される。例えば、語句「A、B、及びCのうちの少なくとも1つ」、「A、B、及びCのうちの1つ以上」、及び、「A、B、及び/又はC」はそれぞれ、「A単独、B単独、C単独、AとB、AとC、BとC、又は、AとBとC」を意味することが意図される。
上記及び特許請求の範囲における「に基づいて」という用語の使用は、列挙されていない特徴又は要素も許容されるように、「少なくとも部分的に基づいて」を意味することを意図している。
P 実施形態
P 実施形態1.水晶体嚢の前部を有する眼の中に眼内レンズを支持するための埋め込み可能な装置において、中央開口を少なくとも部分的に画定する内壁を備える後部プラットフォームであって、装置が眼の後眼房に埋め込まれるときに光が網膜に向かって中央開口を通過する、後部プラットフォームと、少なくとも1つのオーニングであって、オーニングと後部プラットフォームとの間に少なくとも1つの凹部を形成する後部プラットフォームの前方に面する表面上にわたって位置される、少なくとも1つのオーニングとを備え、装置は、該装置の経強膜固定を伴うことなく後眼房内に展開されるように構成される、装置。
P 実施形態2.少なくとも1つのオーニングは、眼内レンズの周囲又は眼内レンズの1つ以上の触覚部と嵌合(mate)するようになっている、P 実施形態1の装置。
P 実施形態3.眼内レンズの少なくとも一部が少なくとも凹部内に位置される、P 実施形態1又は2の装置。
P 実施形態4.少なくとも1つのオーニングの外面は、後眼房内への装置の埋め込み時に虹彩を眼内レンズから保護するための滑らかな形状を有する、P 実施形態1から3のいずれか1つの装置。
P 実施形態5.少なくとも1つのオーニングの内面は、眼内レンズを装置上に位置させる際に眼内レンズの触覚部に対抗圧を与える、P 実施形態1から3のいずれか1つの装置。
P 実施形態6.眼内レンズを更に備える、P 実施形態1から5のいずれか1つの装置を含むシステム。
P 実施形態7.眼内レンズがワンピース型眼内レンズ又はマルチピース型眼内レンズである、P 実施形態6のシステム。
P 実施形態8.ワンピース型眼内レンズは、単焦点、円環状、多焦点、拡張焦点深度、及び収容型の眼内レンズから成るグループから選択される、P 実施形態6又は7のシステム。
P 実施形態9.P 実施形態1から8の装置を埋め込む方法であって、装置を後眼房に挿入するステップと、眼内レンズの少なくとも一部が少なくとも1つのオーニングの下方に位置されるように後部プラットフォームに対してワンピース型眼内レンズを位置決めするステップと、を含む方法。
P 実施形態10.眼内レンズの触覚部が少なくとも1つのオーニングの下方に位置される、P 実施形態9の方法。
P 実施形態11.P 実施形態9又は10の装置を埋め込む方法であって、装置を後眼房に挿入するステップは、装置を経強膜的に固定することなく装置を挿入することを含む、方法。
P 実施形態12.後部プラットフォームが略リング形状である、P 実施形態1から11のいずれか1つの装置。
P 実施形態13.1つ以上の安定化特徴部を更に備える、P 実施形態1から12のいずれか1つの装置。
P 実施形態14.1つ以上の安定化特徴部は、心出しのために眼内の毛様体組織との非貫通接触をもたらす後部プラットフォームから外側に突出する複数のバンパーを備える、P 実施形態1から13のいずれか1つの装置。
P 実施形態15.後部プラットフォームは、実質的に非円形の外周と、実質的に円形の内周とを備える、P 実施形態1から14のいずれか1つの装置。
P 実施形態16.外周は、実質的に長方形であり、一対の長尺側及び一対の短側を有する、P 実施形態1から15のいずれか1つの装置。
P 実施形態17.複数のバンパーが4つのバンパーを備え、4つのバンパーのそれぞれは、長尺側が短側と交わる位置から径方向外側に延在する、P 実施形態1から16のいずれか1つの装置。
P 実施形態18.1つ以上の安定化特徴部は、水晶体嚢の少なくとも一部と係合するように構成される後部安定化特徴部を備える、P 実施形態1から17のいずれか1つの装置。
P 実施形態19.後部安定化特徴部は、後部プラットフォームの後方に面する表面から後方に突出する第1の部分と、第1の部分から横方向外側に突出する第2の部分とを備える、P 実施形態1から18のいずれか1つの装置。
P 実施形態20.1つ以上の安定化特徴部は、心出しのために眼内の毛様体組織との非貫通接触をもたらす後部プラットフォームから外側に突出する複数のバンパーを備えると共に、水晶体嚢の少なくとも一部と係合するように構成される後部安定化特徴部を備える、P 実施形態1から13のいずれか1つの装置。
P 実施形態21.水晶体嚢の前部が眼のZ軸に沿って装置を支持する、P 実施形態1から20のいずれか1つの装置。
P 実施形態22.人工眼内レンズ(IOL)を眼内で支持するための方法において、眼に挿入するためのレンズ支持装置を用意するステップであって、レンズ支持装置が、前方に面する表面及び後方に面する表面を有する後部プラットフォームと、後部プラットフォームを通じて延びる中央開口であって、レンズ支持装置が眼に埋め込まれるときに光が網膜に向かって中央開口を通過する、中央開口と、後部プラットフォームの前方に面する表面の少なくとも一部上にわたって突出する少なくとも1つのオーニングであって、少なくとも1つのオーニングが内面及び外面を有し、オーニングが、オーニングの内面と後部プラットフォームの前方に面する表面との間に少なくとも1つの凹部を形成する、少なくとも1つのオーニングと、装置から径方向外側に突出するバンパーであって、バンパーが、レンズ支持装置を眼の中に位置決めするための後眼房内の無縫合に位置決めするための径方向最外部を有する、バンパーとを備える、ステップと、装置のいずれの部分も眼の強膜と接触して配置させずに、後部プラットフォームの後方に面する表面が眼の水晶体嚢の前部の前方に位置されるように、レンズ支持装置を眼の虹彩の後方に配置するステップと、眼の瞳孔の後方に中央開口を位置させるために溝(sulcus)に隣接してバンパーの径方向最外部を位置決めするステップと、IOLの光学部分を中央開口上にわたって後部プラットフォームの前方に面する表面の少なくとも一部の前方に位置決めするステップと、IOLをレンズ支持装置に取り付けるためにIOLの触覚部の少なくとも一部を少なくとも1つの陥凹部内に位置決めするステップとを含む方法。
P 実施形態23.眼に人工眼内レンズ(IOL)を埋め込むための方法において、前記眼の水晶体嚢の前壁に開口を作成するステップと、前記眼に挿入するためのレンズ支持装置を用意するステップであって、前記レンズ支持装置が、中央開口及びレンズ支持構造を備える本体部であって、前記レンズ支持構造が、前記中央開口の周囲を少なくとも部分的に取り囲む実質的に平坦なレンズ支持面と、前記レンズ支持面の前方の少なくとも1つの凹部とを備え、前記装置が前記眼に埋め込まれるときに光が網膜に向かって前記中央開口を通過する、本体部と、前記本体部に結合される複数の径方向延在構造であって、前記複数の径方向延在構造のそれぞれが、前記眼の後眼房内に前記装置を無縫合に位置決めするための径方向最外部を備える、複数の径方向延在構造と、前記レンズ支持構造の後面から後方に延在する複数の安定化特徴部とを備える、ステップと、前記レンズ支持装置を前記眼及び前記眼の虹彩の後部に挿入し、挿入後に、前記装置のいかなる部分も前記眼の強膜と接触して載置しないようにするステップと、前記眼の瞳孔の後方に前記中央開口を安定して位置させるために、前記複数の構造のそれぞれの前記径方向最外部を後眼房の溝に隣接して位置決めするステップと、前記装置を前記水晶体嚢に対して固定するのを助けるために前記複数の安定化特徴部のそれぞれを前記水晶体嚢の前記前壁の前記開口を通じて挿入するステップと、IOLを前記眼に挿入するステップと、前記IOLの光学部分を前記中央開口上にわたって前記実質的に平坦なレンズ支持面の少なくとも一部の前に位置決めするステップと、前記レンズ支持構造の前記少なくとも1つの凹部内に前記IOLの触覚部の少なくとも一部を位置決めしてIOLを前記レンズ支持装置に固定するステップとを含む方法。
P 実施形態24.水晶体嚢の前部を有する眼の中に眼内レンズを支持するための埋め込み可能な装置において、中央開口を少なくとも部分的に画定する内壁を備える後部プラットフォームであって、装置が眼の後眼房に埋め込まれるときに光が網膜に向かって中心光学素子及び中央開口を通過する、後部プラットフォームと、少なくとも1つのオーニングであって、オーニングと後部プラットフォームとの間に少なくとも1つの凹部を形成する後部プラットフォームの前方に面する表面上にわたって位置される、少なくとも1つのオーニングとを備え、装置は、該装置の経強膜固定を伴うことなく展開されるように構成される、装置。
P 実施形態25.後部プラットフォームは、中央開口の周辺に1つ以上の切り欠きを更に備える、P 実施形態24の装置。
P 実施形態26.後部プラットフォームは、後部プラットフォームの前方に面する表面上で眼内レンズの中心光学素子を支持するように寸法付けられて形成され、1つ以上の切り欠きは、眼内レンズが装置の少なくとも1つの凹部内に埋め込まれるときに眼内レンズの触覚部の少なくとも一部を受けるように寸法付けられて形成される、P 実施形態24又は25の装置。
P 実施形態27.水晶体嚢の少なくとも一部と係合するように構成される1つ以上の安定化特徴部を更に備える、P 実施形態24から26のいずれか1つの装置。
P 実施形態28.1つ以上の安定化特徴部が少なくとも1つの凹部の後方に延びる、P 実施形態24から27のいずれか1つの装置。
P 実施形態29.1つ以上の安定化特徴部が少なくとも1つの凹部の前方に延びる、P 実施形態24から28のいずれか1つの装置。
P 実施形態30.眼に人工眼内レンズ(IOL)を埋め込むための方法において、前記眼の水晶体嚢の前壁に開口を作成するステップと、前記眼に挿入するためのレンズ支持装置を用意するステップであって、前記レンズ支持装置が、中央開口を備える本体部であって、前記レンズ支持装置が前記眼に埋め込まれるときに光が網膜に向かって前記中央開口を通過し、前記本体部が、前記中央開口の周囲を少なくとも部分的に取り囲むレンズ支持面と、前記レンズ支持面の前方の少なくとも1つの凹部とを更に備える、本体部と、前記レンズ支持構造の後面から後方に延在する少なくとも1つの安定化特徴部とを備える、ステップと、前記レンズ支持装置を前記眼内へと前記眼の虹彩の後部に挿入し、挿入後に、前記装置のいかなる部分も前記眼の強膜と接触して載置しないようにするステップと、前記水晶体嚢に対して前記レンズ支持装置を固定して前記眼の瞳孔の後方に前記中央開口を位置させるために前記水晶体嚢の前記前壁の前記開口を通じて前記少なくとも1つの安定化特徴部を挿入するステップと、IOLを前記眼に挿入するステップと、前記IOLの光学部分を前記中央開口上にわたって前記レンズ支持面の少なくとも一部の前に位置決めするステップと、IOLを前記レンズ支持装置に固定するために前記IOLの触覚部の少なくとも一部を前記少なくとも1つの凹部内に位置決めするステップとを含む方法。
P 実施形態31.レンズ支持装置は、前記本体部に結合される複数の径方向延在構造を更に備え、前記複数の径方向延在構造のそれぞれは、前記眼の中に前記装置を無縫合に位置決めするための径方向最外部を備え、方法は、前記複数の径方向延在構造のそれぞれの前記径方向最外部を前記眼の溝に隣接して位置決めして、視軸の周りの回転を防止し、前記眼に対する装置の心出しを支援するステップを更に含む、P 実施形態30の方法。
Claims (36)
- 水晶体嚢の前部、虹彩、及び強膜を有する眼の中に人工眼内レンズを支持するための埋め込み可能な装置において、
前方に面する表面と、中央開口を少なくとも部分的に画定する内壁とを備える後部プラットフォームであって、前記装置が前記眼に埋め込まれるときに、光が前記眼内レンズ及び前記後部プラットフォームの前記中央開口を通過して網膜に向かう、後部プラットフォームと、
前記後部プラットフォームの前方に少なくとも1つの凹部を形成する、前記後部プラットフォームの前記前方に面する表面上にわたって位置される少なくとも1つのオーニングと、
を備え、前記装置は、前記装置のいかなる部分も埋め込み後に前記強膜と接触して載置しないように、前記虹彩の後眼部内で展開されるように構成される、
装置。 - 前記後部プラットフォームの前記前方に面する表面上にわたって位置される前記少なくとも1つのオーニングが前部開口を画定する、請求項1に記載の装置。
- 前記少なくとも1つのオーニングは、前記前部開口の寸法を狭めるように前記少なくとも1つのオーニングから内側に突出する視覚化特徴部を備える、請求項2に記載の装置。
- 使用時に、前記視覚化特徴部が前記眼の瞳孔を通じて直接に視覚化される、請求項3に記載の装置。
- 前記装置は、長軸及び短軸を備える長尺形状を有し、狭くなっている前記前部開口の前記寸法は、前記装置の前記長軸に沿った前記前部開口の最も中央の縁部間の距離である、請求項3に記載の装置。
- 前記距離が少なくとも約5.0mmから約7.0mmまでである、請求項5に記載の装置。
- 前記距離が前記中央開口の直径よりも大きい、請求項5に記載の装置。
- 使用中、前記眼内レンズの少なくとも一部は、前記少なくとも1つの凹部内で前記前方に面する表面に当接して位置される、請求項1に記載の装置。
- 前記少なくとも1つのオーニングの外面は、前記装置の埋め込み時に前記虹彩を前記眼内レンズから保護するための滑らかな形状を有する、請求項8に記載の装置。
- 前記少なくとも1つのオーニングの内面は、前記眼内レンズを前記前方に面する表面上に位置させる際に前記眼内レンズの触覚部に対抗圧を与える、請求項8に記載の装置。
- 1つ以上の安定化特徴部を更に備える、請求項1に記載の装置。
- 前記1つ以上の安定化特徴部は、前記後部プラットフォームの後面から後方に延びると共に、前記水晶体嚢の少なくとも一部と係合するように構成される後部安定化特徴部を備える、請求項11に記載の装置。
- 前記後部安定化特徴部は、前記後部プラットフォームの後面から後方に突出する第1の部分と、前記第1の部分から横方向外側に突出する第2の部分とを備える、請求項12に記載の装置。
- 前記1つ以上の安定化特徴部は、前記装置に結合される複数の径方向延在構造を備え、前記複数の径方向延在構造のそれぞれは、前記装置を前記眼の中に無縫合に位置決めするための径方向最外部を備え、前記径方向最外部は、前記眼の毛様体組織との非貫通接触をもたらして視軸の周りの回転を防止し、前記装置の前記眼に対する心出しを補助するように構成される、請求項11に記載の装置。
- 前記後部プラットフォームは、実質的に非円形の外周と、実質的に円形の内周とを備える、請求項14に記載の装置。
- 前記外周は、実質的に長方形であり、一対の長尺側及び一対の短側を有する、請求項15に記載の装置。
- 前記複数の径方向延在構造が4つの径方向延在構造を備え、前記4つの径方向延在構造のそれぞれは、長尺側が短側と交わる位置から径方向外側に延在する、請求項16に記載の装置。
- 前記後部プラットフォームが平面内にあり、前記複数の径方向延在構造の前記径方向最外部が前記後部プラットフォームの前記平面内にある、請求項14に記載の装置。
- 前記後部プラットフォームが平面内にあり、前記複数の径方向延在構造の前記径方向最外部が前記プラットフォームの前記平面の前方にある、請求項14に記載の装置。
- 前記少なくとも1つのオーニングは、前記径方向最外部の前方に突出する、請求項19に記載の装置。
- 前記水晶体嚢の前部が前記眼のZ軸に沿って前記装置を支持する、請求項1に記載の装置。
- 前記後部プラットフォームは、前記中央開口の周辺に1つ以上の切り欠きを更に備える、請求項1に記載の装置。
- 前記後部プラットフォームは、前記後部プラットフォームの前方に面する表面上で前記眼内レンズの中心光学素子を支持するように寸法付けられて形成され、前記1つ以上の切り欠きは、前記眼内レンズが前記装置の前記少なくとも1つの凹部内に埋め込まれるときに前記眼内レンズの触覚部の少なくとも一部を受け入るように寸法付けられて形成される、請求項22に記載の装置。
- 前記水晶体嚢の少なくとも一部と係合するように構成される1つ以上の安定化特徴部を更に備える、請求項1に記載の装置。
- 前記1つ以上の安定化特徴部が前記少なくとも1つの凹部の後方に延びる、請求項24に記載の装置。
- 前記1つ以上の安定化特徴部が前記少なくとも1つの凹部の前方に延びる、請求項24に記載の装置。
- 前記眼内レンズを更に備える、請求項1に記載の装置を含むシステム。
- 前記眼内レンズがワンピース型眼内レンズ又はマルチピース型眼内レンズである、請求項27に記載のシステム。
- 前記ワンピース型眼内レンズは、単焦点、円環状、多焦点、拡張焦点深度、及び収容型の眼内レンズから成る群から選択される、請求項28に記載のシステム。
- 請求項1に記載の装置を埋め込む方法において、
虹彩の後側の前記装置を眼の後眼房に挿入するステップと、
前記眼内レンズの少なくとも一部が前記少なくとも1つのオーニングの下方に位置されて前記眼内レンズの少なくとも一部が前記前方に面する表面に当接するように、前記後部プラットフォームに対してワンピース型眼内レンズを位置決めするステップと、
を含む方法。 - 前記眼内レンズの触覚部が前記少なくとも1つのオーニングの下方に位置される、請求項30に記載の方法。
- 前記装置を眼の後眼房に挿入する前記ステップは、前記装置を経強膜的に固定することなく前記装置を挿入することを含む、請求項30に記載の方法。
- 人工眼内レンズ(IOL)を眼内で支持するための方法において、
前記眼に挿入するためのレンズ支持装置を用意するステップであって、前記レンズ支持装置が、
前方に面する表面及び後方に面する表面を有する後部プラットフォームと、
前記後部プラットフォームを通じて延びる中央開口であって、前記レンズ支持装置が前記眼に埋め込まれるときに光が網膜に向かって前記中央開口を通過する、中央開口と、
前記後部プラットフォームの前記前方に面する表面の少なくとも一部上にわたって突出する少なくとも1つのオーニングであって、前記少なくとも1つのオーニングが内面及び外面を有し、前記オーニングが、前記オーニングの前記内面と前記後部プラットフォームの前記前方に面する表面との間に少なくとも1つの凹部を形成する、少なくとも1つのオーニングと、
前記装置に結合されて前記装置から径方向外側に突出する複数の径方向延在構造であって、前記径方向延在構造が、前記レンズ支持装置を前記眼の中に位置決めするための後眼房内の無縫合に位置決めするための径方向最外部を有する、複数の径方向延在構造と、
を備える、ステップと、
前記装置のいずれの部分も前記眼の強膜と接触させずに、前記後部プラットフォームの前記後方に面する表面が前記眼の前記水晶体嚢の前部の前方に位置されるように、前記レンズ支持装置を前記眼の虹彩の後方に配置するステップと、
前記眼の瞳孔の後方に前記中央開口を位置させるために、溝に隣接して前記径方向延在構造の前記径方向最外部を位置決めするステップと、
前記IOLの光学部分を前記中央開口上にわたって前記後部プラットフォームの前記前方に面する表面の少なくとも一部の前方に位置決めするステップと、
前記IOLを前記レンズ支持装置に取り付けるために、前記IOLの触覚部の少なくとも一部を前記少なくとも1つの陥凹部内に位置決めするステップと、
を含む方法。 - 眼に人工眼内レンズ(IOL)を埋め込むための方法において、
前記眼の水晶体嚢の前壁に開口を作成するステップと、
前記眼に挿入するためのレンズ支持装置を用意するステップであって、前記レンズ支持装置が、
中央開口及びレンズ支持構造を備える本体部であって、前記レンズ支持構造が、前記中央開口の周囲を少なくとも部分的に取り囲む実質的に平坦なレンズ支持面と、前記レンズ支持面の前方の少なくとも1つの凹部とを備え、前記装置が前記眼に埋め込まれるときに光が網膜に向かって前記中央開口を通過する、本体部と、
前記本体部に結合される複数の径方向延在構造であって、前記複数の径方向延在構造のそれぞれが、前記眼の後眼房内に前記装置を無縫合に位置決めするための径方向最外部を備える、複数の径方向延在構造と、
前記レンズ支持構造の後面から後方に延在する複数の安定化特徴部と、
を備える、ステップと、
前記レンズ支持装置を前記眼及び前記眼の虹彩の後部に挿入し、挿入後に、前記装置のいかなる部分も前記眼の強膜と接触して載置しないようにするステップと、
前記眼の瞳孔の後方に前記中央開口を安定して位置させるために、前記複数の構造のそれぞれの前記径方向最外部を後眼房の溝に隣接して位置決めするステップと、
前記装置を前記水晶体嚢に対して固定するのを助けるために前記複数の安定化特徴部のそれぞれを前記水晶体嚢の前記前壁の前記開口を通じて挿入するステップと、
IOLを前記眼に挿入するステップと、
前記IOLの光学部分を前記中央開口上にわたって前記実質的に平坦なレンズ支持面の少なくとも一部の前に位置決めするステップと、
前記レンズ支持構造の前記少なくとも1つの凹部内に前記IOLの触覚部の少なくとも一部を位置決めして前記IOLを前記レンズ支持装置に固定するステップと、
を含む方法。 - 眼に人工眼内レンズ(IOL)を埋め込むための方法において、
前記眼の水晶体嚢の前壁に開口を作成するステップと、
前記眼に挿入するためのレンズ支持装置を用意するステップであって、前記レンズ支持装置が、
中央開口を備える本体部であって、前記レンズ支持装置が前記眼に埋め込まれるときに光が網膜に向かって前記中央開口を通過し、
前記本体部が、前記中央開口の周囲を少なくとも部分的に取り囲むレンズ支持面と、前記レンズ支持面の前方の少なくとも1つの凹部とを更に備える、本体部と、
前記レンズ支持構造の後面から後方に延在する少なくとも1つの安定化特徴部と、
を備える、ステップと、
前記レンズ支持装置を前記眼内へと前記眼の虹彩の後部に挿入し、挿入後に、前記装置のいかなる部分も前記眼の強膜と接触して載置しないようにするステップと、
前記水晶体嚢に対して前記レンズ支持装置を固定して前記眼の瞳孔の後方に前記中央開口を位置させるために前記水晶体嚢の前記前壁の前記開口を通じて前記少なくとも1つの安定化特徴部を挿入するステップと、
IOLを前記眼に挿入するステップと、
前記IOLの光学部分を前記中央開口上にわたって前記レンズ支持面の少なくとも一部の前に位置決めするステップと、
前記IOLを前記レンズ支持装置に固定するために前記IOLの触覚部の少なくとも一部を前記少なくとも1つの凹部内に位置決めするステップと、
を含む方法。 - 前記レンズ支持装置は、前記本体部に結合される複数の径方向延在構造を更に備え、前記複数の径方向延在構造のそれぞれは、前記眼の中に前記装置を無縫合に位置決めするための径方向最外部を備え、前記方法は、前記複数の径方向延在構造のそれぞれの前記径方向最外部を前記眼の溝に隣接して位置決めして、視軸の周りの回転を防止し、前記眼に対する前記装置の心出しを支援するステップを更に含む、請求項35に記載の方法。
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