JP2023536462A - 変異体リンパ腫を処置する方法 - Google Patents

変異体リンパ腫を処置する方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、IRAK4分解剤を使用する、MYD88変異体B細胞リンパ腫を処置する方法に関する。一態様において、本発明は、それを必要とする患者におけるMYD88変異体B細胞リンパ腫を処置する方法であって、患者に治療有効量の化合物Aまたは薬学的に受容可能なその塩を投与するステップを含み、化合物Aが、N-(2-((1r,4r)-4-((6-(2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)アミノ)エチル)-2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-2-イル)メチル)シクロヘキシル)-5-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ベンゾ[d]チアゾール-6-イル)-6-(トリフルオロメチル)ピコリンアミドである、方法を提供する。

Description

関連出願への相互参照
本願は、2021年6月2日出願の米国仮出願第63/202,242号、2020年11月4日出願の米国仮出願第63/109,854号および2020年7月30日出願の米国仮出願第63/058,891号の利益を主張し、それらの各々の内容は、本明細書中に参考として援用される。
本発明の技術分野
本発明は、IRAK4分解剤を使用する、MYD88変異体B細胞リンパ腫を処置する方法に関する。
本発明の背景
IRAKIMiD分解剤は、MYD88変異体B細胞リンパ腫を処置するための、IRAK4分解および免疫調節性イミド薬すなわちIMiDの活性を組み合わせた特有のプロファイルを有する、IRAK4分解剤のサブセットである。MYD88の発癌性変異、最も一般には、MYD88L265Pは、B細胞リンパ腫のいくつかのサブセットに共通している。特に、MYD88は、ABC-DLBCL症例のほぼ30~40%、原発性CNSリンパ腫症例の30~70%、原発性節外リンパ腫症例の45~75%、およびワルデンシュトレームマクログロブリン血症症例の90%超において変異していると推定される。MYD88変異の存在は、多くの場合、化学療法に対するより不良な応答と関連しており、他の遺伝サブタイプに比べて全生存が低下しており、MYD88変異リンパ腫を標的とする一層効果的な治療法の必要性が支持される。
B細胞リンパ腫の処置は、通常、リツキシマブを基幹とする第一選択化学療法を含む。第一選択化学療法は、多数の他の患者では有効であるが、ABC-DLBCLでは、生存率は有意に不良である。治療法の追加系列では、ポラツズマブ、ベンダムスチンおよびキメラ抗原受容体T細胞を含む、いくつかの新規な標的化治療が、最近、承認された。これらの薬剤は、いくつかの注目に値する活性を有するが、多数の患者は、第二選択治療に反応しないか、またはこれらの治療から再発し、適正な治療選択肢がない。Brutonチロシンキナーゼ阻害剤であるイブルチニブまたはIMiDレナリドミドなどのNFkB経路に影響を及ぼすいくつかの標的化治療は、単剤で中程度の活性を示し、MYD88変異リンパ腫では、応答の持続期間に乏しい。
腫瘍学では、IRAK4は、MYD88シグナル伝達における必須タンパク質であり、このシグナル伝達について、活性化された変異が腫瘍形成を推進することが十分に特徴付けられており、IMiDは、IkarosおよびAiolosなどのジンクフィンガー転写因子を分解する薬物のクラスであり、リンパ腫にやはり関連するタイプ1 IFNシグナル伝達経路の修復をもたらす。単剤でIMiDの活性とIRAK4分解とを組み合わせることによって、IL-1/TLRおよびタイプ1 IFN経路の両方が相乗的に対処され、同時に、MYD88変異体B細胞リンパ腫に対する幅広い活性も実証される。
MYD88変異体B細胞リンパ腫において、IRAK4およびIMiD基質分解の両方の活性を相乗的に組み合わせたIRAKIMiD分解剤に関する投与およびスケジュールを開発して、補完的経路シグナル伝達を利用し、IRAK4キナーゼ阻害剤および他の治療法の効力を改善し、単剤での活性を実現する必要性がある。
ある種のIRAK4分解剤は、MYD88変異B細胞リンパ腫を処置するための、患者における経腸投与および非経口(parental)投与に好適であることが見出された。したがって、一態様において、本発明は、それを必要とする患者におけるMYD88変異体B細胞リンパ腫を処置する方法であって、患者に治療有効量の化合物Aまたは薬学的に受容可能なその塩を投与するステップを含み、化合物Aが、N-(2-((1r,4r)-4-((6-(2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)アミノ)エチル)-2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-2-イル)メチル)シクロヘキシル)-5-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ベンゾ[d]チアゾール-6-イル)-6-(トリフルオロメチル)ピコリンアミドである、方法を提供する。
一態様において、化合物Aまたは薬学的に受容可能なその塩は、最大で300mg、最大で400mg、最大で900mg、または最大で1600mgの用量で、患者に投与される。他の態様において、化合物Aまたは薬学的に受容可能なその塩は、約300mg~約900mgまたは約100mg~約300mgの用量で投与される。いくつかの例において、化合物Aまたは薬学的に受容可能なその塩は、約30mg/m~約90mg/mまたは約10mg/m~約40mg/mの用量で投与される。
一態様において、化合物Aまたは薬学的に受容可能なその塩は、患者に経口投与される。患者への化合物Aの経口投与は、液剤、懸濁剤、エマルション剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤または持続放出製剤中に化合物Aを含むことができる。他の態様において、化合物Aまたは薬学的に受容可能なその塩は、患者に静脈内投与される。患者への化合物Aの静脈内投与は、注射用滅菌溶液中に化合物Aを含むことができる。
一態様において、化合物Aまたは薬学的に受容可能なその塩は、患者に毎週1回(QW)または毎週2回(BIW)、投与される。週2回の投与の場合、化合物Aまたは薬学的に受容可能なその塩の投与は、週の1日目と2日目、または週の1日目と4日目とすることができる。いくつかの実施形態において、化合物Aまたは薬学的に受容可能なその塩は、3週間の投与サイクルで第1週目および第2週目に、週1回または2回、患者に投与される。いくつかの実施形態において、化合物Aまたは薬学的に受容可能なその塩は、4週間の投与サイクルで第1週目および第2週目に、週1回または2回、患者に投与される。いくつかの実施形態において、化合物Aまたは薬学的に受容可能なその塩は、4週間の投与サイクルで第1週目および第2週目に、週1回または2回、患者に投与される。いくつかの実施形態において、化合物Aまたは薬学的に受容可能なその塩は、4週間の投与サイクルで第1週目および第3週目に、週1回または2回、患者に投与される。いくつかの実施形態において、化合物Aまたは薬学的に受容可能なその塩は、4週間の投与サイクルで第1~3週目に、週1回または2回、患者に投与される。
同様に、化合物Aまたは薬学的に受容可能なその塩、および1種もしくは複数の薬学的に受容可能な添加剤または担体を含む医薬組成物が本明細書において提供される。いくつかの態様において、1種もしくは複数の薬学的に受容可能な添加剤または担体は、1種または複数の希釈剤、保存剤、結合剤、滑沢剤、崩壊剤、膨潤剤、充填剤または安定剤を含む。他の態様において、1種もしくは複数の薬学的に受容可能な添加剤または担体は、1つまたは複数の緩衝液、界面活性剤、分散剤、乳化剤または粘度改変剤を含む。
さらなる態様において、MYD88変異体B細胞リンパ腫は、ABC DLBCL、原発性CNSリンパ腫、原発性節外リンパ腫、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、ホジキンリンパ腫、原発性皮膚T細胞リンパ腫および慢性リンパ球性白血病から選択される。いくつかの実施形態において、MYD88変異体B細胞リンパ腫を処置するための、化合物Aまたは薬学的に受容可能なその塩を受けている患者は、少なくとも1つの以前の治療を受けている。いくつかの実施形態において、患者はヒトである。
本開示のこれらの態様および他の態様が、以下の詳細説明を参照すると明白になろう。この目的のため、ある特定の背景技術情報および手順を一層詳細に記載する、様々な参考文献が本明細書に記載されており、それぞれの全体は、本明細書中に参考として援用される。
図1は、化合物Aが、CTG IC90に関連するIRAK4およびIkarosの両方のほぼ70%の分解を伴う、IRAK4およびIkarosのほぼ等しい効力がある分解剤であることを示している。化合物Aの短い曝露(72時間)は、IMiDとは区別される、in vitroでの細胞殺滅を示す。
図2は、化合物Aが、OCI-Ly10腫瘍ゼノグラフ(xenograph)において、化合物Bよりも強力な退縮をもたらすことを示す。化合物Aは、OCI-Ly10において、3mpk×21dで、退縮を示し、より高い用量(≧10mpk)は、一層迅速かつ完全な退縮を示す。
図3は、OCI-Ly10腫瘍ゼノグラフにおける、化合物AのQWおよびBIWスケジュールに関する最小有効用量を示す。
図4は、化合物Aが、OCI-Ly10において、持続的な腫瘍PD作用をもたらすことを示しており、断続的な投薬からの目標範囲(coverage)を支持する。
図5は、リンパ球の変化がIV投薬とPO投薬との間で一致することを示すリンパ球減少の結果を示している。
図6は、前臨床データによって支持されるいくつかの臨床投薬スケジュールを示す。
図7は、投薬設定(dosing finding)研究設計を示す。
図8は、化合物Aを使用する、OCI-Ly10における、IRAK4およびIMiD基質の分解を示す、ディーププロテオミクス散布図を図示する。
図9は、化合物Aを使用する、患者に由来するMYD88変異体ゼノグラフ(PDX)モデルにおける退縮を示す。
図10は、変異体MYD88 OCI-Ly10ゼノグラフにおいて、化合物Aが、イブルチニブと組み合わせると相加的であることを示す。
図11は、変異体MYD88 OCI-Ly10ゼノグラフにおいて、化合物Aが、ベネトクラックスと組み合わせると超相加的(supra-additive)であることを示す。
図12は、初期R-CHOP処置(下側のグラフ)後に再発した腫瘍を含む、変異体MYD88 OCI-Ly10ゼノグラフ(上側のグラフ)において、化合物Aが、リツキシマブと組み合わせると、超相加的であることを示す。
1.本発明のある特定の実施形態の一般的な記載:
本明細書において提供されるIRAK4分解剤は、CRBN E3リガーゼおよびIRAK4を標的にして、IRAK4タンパク質、ならびにIkarosおよびAiolosを含むIMiD標的の選択的分解を媒介する、ヘテロ二機能性低分子治療剤である。MYD88変異体B細胞リンパ腫において、Myddosome構成成分IRAK4の分解は、IkarosおよびAiolosのIMiD媒介性分解、ならびにその結果生じたIRF4の下方調節、およびインターフェロン様応答の活性化と組み合わさって、相乗作用し、細胞死および抗腫瘍応答を誘導する。ある特定の実施形態において、MYD88変異体B細胞リンパ腫を有する、少なくとも1つの以前の治療を受けている成人患者の処置が、本明細書において提供される。本発明のIRAK4分解剤は、本明細書に記載される用量およびスケジュールで、経口および静脈内投与によって供給される。
以下の開示において、ある特定の具体的な詳細は、様々な実施形態の完全な理解をもたらすために説明される。しかし、当業者は、本明細書に記載される方法および使用は、これらの詳細なしに実施することができることを理解していよう。他の場合において、周知の構造は、実施形態の不必要な曖昧な記載を回避するために、詳細に示されていないか、または説明されていない。文脈上異なる解釈を要する場合を除き、後に続く本明細書および特許請求の範囲の全体を通して、語「含む(comprise)」、ならびに「含む(comprises)」および「含むこと(comprising)」などのその変化形は、オープンな包括的な意味で、すなわち、「含むが、限定されない」として解釈されるべきである。さらに、本明細書において提示されている表題は、便宜的なものに過ぎず、特許請求されている発明の範囲または意味を解釈するものではない。
本明細書全体を通じて、「一実施形態」または「実施形態」への言及は、これらの実施形態に関連して記載される、特定の特質、構造または特徴が、少なくとも1つの実施形態に含まれていることを意味する。したがって、本明細書の全体を通して、様々な場所における、「一実施形態において」または「実施形態において」という言い回しの出現は、必ずしも、すべてが、同じ実施形態を指す訳ではない。さらに、特定の特質、構造または特徴は、1つまたは複数の実施形態における、任意の好適な方法において組み合わされてもよい。同様に、本明細書および添付の特許請求の範囲において使用される場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」は、その内容が特に明確に指示しない限り、複数の指示対象を含む。「または」という用語は、一般に、その内容が特に明白に指示しない限り、「および/または」を含むその意味で使用される。
2.定義:
本明細書および添付の特許請求の範囲において使用される場合、それとは反対に指定されていない限り、以下の用語および略称は、以下の意味を有する。
本明細書で使用される場合、「約」という用語は、所与の値の20%以内であることを指す。いくつかの実施形態において、「約」という用語は、所与の値の20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%または1%の範囲内にあることを指す。
本明細書で使用される場合、「化合物A」という用語は、以下の式:
Figure 2023536462000001
を有する、N-(2-((1r,4r)-4-((6-(2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)アミノ)エチル)-2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-2-イル)メチル)シクロヘキシル)-5-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ベンゾ[d]チアゾール-6-イル)-6-(トリフルオロメチル)ピコリンアミドを指す。いくつかの実施形態において、化合物Aまたは薬学的に受容可能なその塩は、非晶質形態にある。いくつかの実施形態において、化合物Aまたは薬学的に受容可能なその塩は、結晶形態にある。
本明細書で使用される場合、「化合物(R)-A」という用語は、以下の式:
Figure 2023536462000002
を有する、N-(2-((1r,4r)-4-((6-(2-((2-((R)-2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)アミノ)エチル)-2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-2-イル)メチル)シクロヘキシル)-5-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ベンゾ[d]チアゾール-6-イル)-6-(トリフルオロメチル)ピコリンアミドを指す。いくつかの実施形態において、化合物(R)-Aまたは薬学的に受容可能なその塩は、非晶質形態にある。いくつかの実施形態において、化合物(R)-Aまたは薬学的に受容可能なその塩は、結晶形態にある。
本明細書で使用される場合、「化合物(S)-A」という用語は、以下の式:
Figure 2023536462000003
を有する、N-(2-((1r,4r)-4-((6-(2-((2-((S)-2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)アミノ)エチル)-2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-2-イル)メチル)シクロヘキシル)-5-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ベンゾ[d]チアゾール-6-イル)-6-(トリフルオロメチル)ピコリンアミドを指す。いくつかの実施形態において、化合物(S)-Aまたは薬学的に受容可能なその塩は、非晶質形態にある。いくつかの実施形態において、化合物(S)-Aまたは薬学的に受容可能なその塩は、結晶形態にある。
本明細書で使用される場合、「化合物B」という用語は、式
Figure 2023536462000004
の化合物、または薬学的に受容可能なその塩を指す。
本明細書で使用される場合、「阻害剤」という用語は、測定可能な親和性で、IRAKキナーゼに結合する、および/またはこれを阻害する化合物として定義される。ある特定の実施形態において、阻害剤は、約50μM未満、約1μM未満、約500nM未満、約100nM未満、約10nM未満または約1nM未満のIC50および/または結合定数を有する。
本明細書で使用される場合、「IRAK4分解剤」という用語は、IRAK4および他のIMiD標的を分解する薬剤を指す。様々なIRAK4分解剤が、これまでに、例えば、それらの各々の内容の全体が本明細書中に参考として援用される、WO2019/133531およびWO2020/010227に記載されている。ある特定の実施形態において、IRAK4分解剤は、約50μM未満、約1μM未満、約500nM未満、約100nM未満、約10nM未満または約1nM未満のDC50を有する。
「患者」という用語は、本明細書で使用される場合、動物、好ましくは哺乳動物、および最も好ましくはヒトを意味する。
本明細書で使用される場合、「mg/kg」または「mpk」という用語は、医薬を服用する対象の体重1キログラムあたりの医薬(例えば、化合物A)のミリグラムを指す。FDAガイダンスによって提示されている通り、動物におけるmg/kgの用量は、以下の表に示される対応する係数を乗算または除算することによって、mg/mでの用量、および対応するヒト等価用量(HED)に変換することができる:
Figure 2023536462000005
60kgのヒトを仮定する。列挙されていない種の場合、または標準範囲外の体重の場合、HEDは、以下の式から計算することができる:
HED=動物での用量(mg/kg)×(動物の体重(kg)/ヒトの体重(kg))0.33
健常な小児が第1相試験の志願者であることはまれであるので、このk値は、参考のために提示されているに過ぎない。
例えば、カニクイザル、アカゲザルおよびベニガオザル(stumptail)。
本明細書で使用される場合、「薬学的に受容可能な塩」という用語は、過度の毒性、刺激、アレルギー反応などがなく、ヒトおよび下等動物の組織に接触させて使用するのに好適であり、かつ妥当な利益/リスク比に見合う、妥当な医療的判断の範囲内にある塩を指す。薬学的に受容可能な塩は、当分野で周知である。例えば、S.M.Bergeらが、本明細書中に参考として援用される、J. Pharmaceutical Sciences, 1977, 66, 1-19に薬学的に受容可能な塩を詳細に記載している。本発明の化合物の薬学的に受容可能な塩は、好適な無機酸および有機酸、ならびに無機塩基および有機塩基から誘導されるものを含む。薬学的に受容可能な非毒性の酸付加塩の例は、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸および過塩素酸などの無機酸、または酢酸、シュウ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸もしくはマロン酸などの有機酸と共に形成される、またはイオン交換などの当分野において使用される他の方法を使用することにより形成される、アミノ基の塩である。他の薬学的に受容可能な塩には、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、硫酸水素塩、ホウ酸塩、酪酸塩、樟脳酸塩、カンファースルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、二グルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、グルコン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシ-エタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩(pectinate)、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩などが含まれる。
適切な塩基から誘導される塩には、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムおよびN(C1~4アルキル)の塩が含まれる。代表的なアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩には、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどが含まれる。さらに薬学的に受容可能な塩には、適切な場合、非毒性のアンモニウム、第四級アンモニウム、およびハロゲン化物イオン、水酸化物イオン、カルボン酸イオン、硫酸イオン、リン酸イオン、硝酸イオン、低級アルキルスルホン酸イオンおよびアリールスルホン酸イオンなどの対イオンを使用して形成されるアミン陽イオンが含まれる。
特に明記しない限り、本明細書において図示されている構造は、該構造のすべての異性体(例えば、鏡像異性体、ジアステレオマー体および幾何異性体(またはコンフォメーション異性体))、例えば、各不斉中心に関してRおよびS立体配置、ZおよびE二重結合異性体、ならびにZおよびEコンフォメーション異性体を含むことがやはり意図されている。したがって、本化合物の単一立体化学異性体、ならびに鏡像異性体、ジアステレオマー異性体および幾何異性体(またはコンフォメーション異性体)混合物が、本発明の範囲内にある。特に明記しない限り、本発明の化合物のすべての互変異性体は、本発明の範囲内にある。さらに、特に明記しない限り、本明細書において図示されている構造は、1個または複数の同位体に富む原子が存在することしか違いのない化合物を含むことがやはり意図される。例えば、重水素もしくはトリチウムによる水素の置き換え、または13Cもしくは14Cに富む炭素による炭素の置き換えを含む本構造を有する化合物が、本発明の範囲内にある。このような化合物は、例えば、分析用ツールとして、生物学的アッセイにおけるプローブとして、または本発明による治療剤として有用である。
「薬学的に受容可能な添加剤またはキャリア」という用語は、それと共に製剤化される化合物の薬理学的活性を破壊しない、非毒性の添加剤またはキャリアを指す。この発明の組成物において使用することができる薬学的に受容可能な添加剤またはキャリアとして、イオン交換剤、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、ヒト血清アルブミンなどの血清タンパク質、ホスフェートなどの緩衝物質、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、飽和植物脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、塩または硫酸プロタミンなどの電解質、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイド状シリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロース系物質、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリレート、ろう、ポリエチレン-ポリオキシプロピレン-ブロックポリマー、ポリエチレングリコールおよび羊毛脂が挙げられる。
「治療有効量」という用語は、本明細書で使用される場合、対象において、明記した疾患、障害もしくは状態を処置するのに十分な、あるいは疾患、障害もしくは状態または疾患、障害もしくは状態の根底にある1つもしくは複数の機構に及ぼす所望の明記した効果を有する、IRAK4分解剤の量を指す。ある特定の実施形態において、化合物Aが、MYD88変異体B細胞リンパ腫の処置のために投与される場合、治療有効量は、対象に投与されると、対象におけるリンパ腫を処置するもしくは改善する、または対象において、部分的または完全な腫瘍退縮をもたらす、検出可能な治療効果を示す、化合物Aの量を指す。
本明細書において使用する場合、「処置(treatment)」、「処置する(treat)」、および「処置すること(treating)」という用語は、本明細書に記載されるような、疾患もしくは障害、またはその1つもしくは複数の症状の、逆転、軽減、発症の遅延、または進行の阻害を指す。一部の実施形態では、処置は、1つまたは複数の症状が発症した後に施され得る。他の実施形態では、処置は、症状の非存在下で施され得る。例えば、処置は、症状の発症前に、感受性の個体に施され得る(例えば、症状の病歴を考慮しておよび/または遺伝因子もしくは他の感受性因子を考慮して)。処置はまた、症状が消散した後に、例えば、その症状の再発を予防するかまたは遅延させるために、続けられてもよい。
3.例示的な実施形態の記載:
一態様によれば、本発明は、それを必要とする患者における、MYD88変異体B細胞リンパ腫を処置する方法であって、治療有効量のIRAK4分解剤(例えば、化合物A)または薬学的に受容可能なその塩を投与するステップを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態において、方法は、最大で1600mgのIRAK4分解剤(例えば、化合物A)または薬学的に受容可能なその塩を単回用量または分割用量で投与するステップを含む。
薬学的に受容可能な組成物
一実施形態によれば、本発明は、本発明のIRAK4分解剤(例えば、化合物A)または薬学的に受容可能なその誘導体、および薬学的に受容可能な添加剤または担体を含む組成物を提供する。本発明の組成物中のIRAK4分解剤の量は、患者において、IRAK4タンパク質キナーゼもしくはその変異体を測定可能な程度に分解する、および/または阻害するのに有効となるものである。ある特定の実施形態において、本発明の組成物は、このような組成物を必要とする患者に投与するために製剤化される。いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、患者に経口投与するために製剤化される。いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、患者に静脈内投与するために製剤化される。
最も好ましくは、この発明の薬学的に受容可能な組成物は、経口投与のために製剤化される。このような製剤は、食物と共にまたは食物を伴わずに投与されてもよい。一部の実施形態では、この発明の薬学的に受容可能な組成物は、食物を伴わずに投与される。他の実施形態では、この発明の薬学的に受容可能な組成物は、食物と共に投与される。
単一剤形に組成物を生成するためにキャリア材料と組み合わされてもよい本発明の化合物の量は、処置される宿主、特定の投与方式に応じて変わることになる。好ましくは、提供される組成物は、1日に体重1kg当たり0.01~100mgの間の投薬量の化合物が、これらの組成物を受容する患者に投与することができるように製剤化されるべきである。
任意の特定患者に対する具体的な投薬量および処置レジメンは、用いられる具体的化合物の活性、年齢、体重、全身の健康、性別、食事、投与時間、排出速度、薬物の組み合わせ、ならびに処置する医師の判断および処置される特定の疾患の重症度を含む、様々な因子に応じて変わることも理解されるべきである。組成物中の本発明の化合物の量は、組成物中の特定のIRAK4分解剤に応じても変わることになる。
組成物
本明細書において開示される剤形は、IRAK4分解剤(例えば、化合物A)の薬学的に受容可能な塩を含む。いくつかの実施形態において、剤形は、経腸投与または非経口投与のために製剤化され得る。IRAK4分解剤は、安全と見なされる、および本明細書に記載される単位投与量を形成するのに有効な1種または複数の薬学的に受容可能な担体と組み合わされてもよく、望ましくない生物学的副作用または望ましくない相互作用を引き起こすことなく、個体に投与され得る。
これらの剤形は、液剤、懸濁剤、エマルション剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤、持続放出製剤などの形態をとることができる。
好ましい一実施形態において、剤形は、IRAK4分解剤(例えば、化合物A)を含む錠剤の形態にある。この剤形は、患者状態(例えば、MYD88変異体B細胞リンパ腫)を改善するのに有効な期間にわたり、それを必要とする対象に投与される。
添加剤および担体
薬学的担体は、石油起源、動物起源、植物起源または合成起源のもの例えば、ピーナッツ油、ダイズ油、鉱油、ゴマ油などを含む、水および油などの滅菌液体とすることができる。食塩溶液および水性デキストロースおよびグリセロール溶液もまた、特に注射溶液の場合、液体担体として用いることができる。
好適な薬学的添加剤には、デンプン、グルコース、スクロース、ゼラチン、ラクトース、麦芽、米、小麦粉、チョーク、シリカゲル、ステアリン酸ナトリウム、モノステアリン酸グリセロール、タルク、塩化ナトリウム、グリセロール、プロピレン、グリコール、水、エタノールなどが含まれる。本医薬組成物はまた、湿潤剤もしくは乳化剤、または懸濁化剤/希釈剤、またはpH緩衝化剤、または開示されている塩の放出速度を改変もしくは維持するための作用物質を含有してもよく、それらのすべてが、本明細書においてさらに開示されている。
投与および投与量
本明細書に記載されている通り、本明細書において提供されるIRAK4分解剤は、非経口および経腸経路によって投与される。いくつかの実施形態において、IRAK4分解剤(例えば、化合物A)または薬学的に受容可能なその塩は、静脈内投与される。いくつかの実施形態において、IRAK4分解剤(例えば、化合物A)または薬学的に受容可能なその塩は、IV注射によって投与される。いくつかの実施形態において、IRAK4分解剤(例えば、化合物A)または薬学的に受容可能なその塩は、IV注入によって投与される。
本明細書に記載されている通り、IRAK4分解剤(例えば、化合物A)または薬学的に受容可能なその塩は、経腸投与される。いくつかの実施形態において、IRAK分解剤(例えば、化合物A)または薬学的に受容可能なその塩は、非晶質形態または結晶形態(例えば、丸剤に圧縮されるか、またはカプセル剤中)で投与される。いくつかの実施形態において、IRAK4分解剤(例えば、化合物A)または薬学的に受容可能なその塩は、凍結乾燥散剤として投与される。
いくつかの実施形態において、本発明の方法は、IRAK分解剤を含む医薬組成物を患者に経口投与するステップを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、固体医薬組成物である。いくつかの実施形態において、固体医薬組成物は、散剤である。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、凍結乾燥散剤である。いくつかの実施形態において、固体医薬組成物は、顆粒剤である。いくつかの実施形態において、本発明の固体医薬組成物は、錠剤である。いくつかの実施形態において、固体医薬組成物は、カプセル剤である。いくつかの実施形態において、固体医薬組成物は、丸剤である。いくつかの実施形態において、固体医薬組成物は、懸濁剤である。いくつかの実施形態において、固体医薬組成物は、エマルション剤である。いくつかの実施形態において、固体医薬組成物は、液剤である。
いくつかの実施形態において、それを必要とする患者における、MYD88変異体B細胞リンパ腫を処置する際の使用の方法または使用などの本明細書に記載される方法および使用は、単回または多回投与量単位の、最大で1600mgの化合物Aなどの、治療有効量のIRAK4分解剤(例えば、化合物A)を投与(例えば、経口または静脈内)することによって実現される。いくつかの実施形態において、方法は、約50mg、100mg、150mg、200mg、250mg、300mg、350mg、400mg、450mg、500mg、550mg、600mg、650mg、700mg、750mg、800mg、850mg、900mg、950mgまたは約1000mgなどの約10~約1600mg/剤形の範囲の単回または多回投与量単位で、投与(例えば、経口または静脈内)するステップを含むことができる。例えば、腸溶錠剤形態は、100mg、150mg、200mg、250mg、300mg、350mg、400mg、450mgまたは500mg/剤形のIRAK4分解剤(例えば、化合物A)または薬学的に受容可能なその塩を含むことができる。
いくつかの実施形態において、化合物Aまたは薬学的に受容可能なその塩は、患者に、最大で300mgの用量で静脈内投与される。いくつかの実施形態において、化合物Aまたは薬学的に受容可能なその塩は、患者に、最大で400mgの用量で静脈内投与される。いくつかの実施形態において、化合物Aまたは薬学的に受容可能なその塩は、患者に、最大で900mgの用量で経口投与される。いくつかの実施形態において、化合物Aまたは薬学的に受容可能なその塩は、患者に、最大で1600mgの用量で経口投与される。いくつかの実施形態において、化合物Aまたは薬学的に受容可能なその塩は、約300mg~約900mgの用量で経口投与される。いくつかの実施形態において、化合物Aまたは薬学的に受容可能なその塩は、約100mg~約400mgの用量で静脈内投与される。
いくつかの実施形態において、50mg~約600mgの化合物Aまたは薬学的に受容可能なその塩および1種もしくは複数の薬学的に受容可能な添加剤または担体を含む、医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態において、100mg~約400mgの化合物Aまたは薬学的に受容可能なその塩および1種もしくは複数の薬学的に受容可能な添加剤または担体を含む、医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態において、医薬組成物であって、300mg~約900mgの化合物Aまたは薬学的に受容可能なその塩および1種もしくは複数の薬学的に受容可能な添加剤または担体を含む、医薬組成物が提供される。
いくつかの実施形態において(例えば、実施例6に記載されている)、化合物Aもしくは薬学的に受容可能なその塩、またはその医薬組成物は、経口投与するため最大で約60mg/kgの用量で、マウスに投与され、この用量は、上記のFDAガイダンスに準拠すると、最大で約180mg/mに相当する。したがって、いくつかの実施形態において、化合物Aもしくは薬学的に受容可能なその塩、またはその医薬組成物は、最大で約180mg/mの用量で患者に経口投与される。いくつかの実施形態において、化合物Aもしくは薬学的に受容可能なその塩、またはその医薬組成物は、最大で約135mg/m、または最大で約90mg/m、または最大で約60mg/m、または最大で約30mg/mの用量で患者に経口投与される。いくつかの実施形態において、化合物Aもしくは薬学的に受容可能なその塩、またはその医薬組成物は、約10mg/m~約30mg/mまたは約10mg/m~約60mg/mまたは約30mg/m~約60mg/mまたは約10mg/m~約90mg/mまたは約30mg/m~約90mg/mまたは約60mg/m~約90mg/mまたは約10mg/m~約135mg/mまたは約30mg/m~約135mg/mまたは約60mg/m~約135mg/mまたは約90mg/m~約135mg/mまたは約10mg/m~約180mg/mまたは約30mg/m~約180mg/mまたは約60mg/m~約180mg/mまたは約90mg/m~約180mg/mまたは約135mg/m~約180mg/mの用量で、患者に経口投与される。いくつかの実施形態において、化合物Aもしくは薬学的に受容可能なその塩、またはその医薬組成物は、約180mg/m、約165mg/m、約150mg/m、約135mg/m、約120mg/m、約105mg/m、約90mg/m、約75mg/m、約60mg/m、約45mg/m、約30mg/mまたは約15mg/mの用量で患者に経口投与される。
いくつかの実施形態において(例えば、実施例6に記載されている)、化合物Aもしくは薬学的に受容可能なその塩、またはその医薬組成物は、静脈内投与するため最大で約12mg/kgの用量で、マウスに投与され、この用量は、上記のFDAガイダンスに準拠すると、最大で約36mg/mに相当する。したがって、いくつかの実施形態において、化合物Aもしくは薬学的に受容可能なその塩、またはその医薬組成物は、最大で約36mg/mの用量で患者に静脈内投与される。いくつかの実施形態において、化合物Aもしくは薬学的に受容可能なその塩、またはその医薬組成物は、最大で約27mg/m、または最大で約18mg/mまたは最大で約9mg/mの用量で患者に静脈内投与される。いくつかの実施形態において、化合物Aもしくは薬学的に受容可能なその塩、またはその医薬組成物は、約3mg/m~約9mg/mまたは約3mg/m~約18mg/mまたは約9mg/m~約18mg/mまたは約3mg/m~約27mg/mまたは約9mg/m~約27mg/mまたは約18mg/m~約27mg/mまたは約3mg/m~約36mg/mまたは約9mg/m~約36mg/mまたは約18mg/m~約36mg/mまたは約27mg/m~約36mg/mの用量で、患者に静脈内投与される。いくつかの実施形態において、化合物Aもしくは薬学的に受容可能なその塩、またはその医薬組成物は、約36mg/m、約33mg/m、約30mg/m、約27mg/m、約24mg/m、約21mg/m、約18mg/m、約15mg/m、約12mg/m、約9mg/m、約6mg/mまたは約3mg/mの用量で患者に静脈内投与される。
いくつかの実施形態において(例えば、実施例7に記載されている)、化合物Aもしくは薬学的に受容可能なその塩、またはその医薬組成物は、経口投与するため最大で約100mg/kgの用量で、サルに投与され、この用量は、上記のFDAガイダンスに準拠すると、最大で約35mg/kgのヒト等価用量(HED)に相当する。したがって、いくつかの実施形態において、化合物Aもしくは薬学的に受容可能なその塩、またはその医薬組成物は、最大で約35mg/kgの用量で患者に経口投与される。いくつかの実施形態において、化合物Aもしくは薬学的に受容可能なその塩、またはその医薬組成物は、最大で約26mg/kg、または最大で約18mg/kgまたは最大で約9mg/kgの用量で患者に経口投与される。いくつかの実施形態において、化合物Aもしくは薬学的に受容可能なその塩、またはその医薬組成物は、約9mg/kg~約18mg/kgまたは約9mg/kg~約26mg/kgまたは約18mg/kg~約26mg/kgまたは約9mg/kg~約35mg/kgまたは約18mg/kg~約35mg/kgまたは約26mg/kg~約35mg/kgの用量で患者に経口投与される。いくつかの実施形態において、化合物Aもしくは薬学的に受容可能なその塩、またはその医薬組成物は、約35mg/kg、約30mg/kg、約25mg/kg、約20mg/kg、約15mg/kg、約10mg/kgまたは約5mg/kgの用量で患者に経口投与される。
いくつかの実施形態において(例えば、実施例7に記載されている)、化合物Aもしくは薬学的に受容可能なその塩、またはその医薬組成物は、経口投与するため最大で約100mg/kgの用量で、サルに投与され、この用量は、上記のFDAガイダンスに準拠すると、最大で約1200mg/mに相当する。したがって、いくつかの実施形態において、化合物Aもしくは薬学的に受容可能なその塩、またはその医薬組成物は、最大で約1200mg/mの用量で患者に経口投与される。いくつかの実施形態において、化合物Aもしくは薬学的に受容可能なその塩、またはその医薬組成物は、最大で約900mg/m、または最大で約600mg/mまたは最大で約300mg/m、または最大で約150mg/mの用量で患者に経口投与される。いくつかの実施形態において、化合物Aもしくは薬学的に受容可能なその塩、またはその医薬組成物は、約150mg/m~約300mg/mまたは約150mg/m~約600mg/mまたは約300mg/m~約600mg/mまたは約150mg/m~約900mg/mまたは約300mg/m~約900mg/mまたは約600mg/m~約900mg/mまたは約150mg/m~約1200mg/mまたは約300mg/m~約1200mg/mまたは約600mg/m~約1200mg/mまたは約900mg/m~約1200mg/mの用量で、患者に経口投与される。いくつかの実施形態において、化合物Aもしくは薬学的に受容可能なその塩、またはその医薬組成物は、約150mg/m、約200mg/m、約250mg/m、約300mg/m、約350mg/m、約400mg/m、約450mg/m、約500mg/m、約550mg/m、約600mg/m、約650mg/m、約700mg/m、約750mg/m、約800mg/m、約850mg/m、約900mg/m、約950mg/m、約1000mg/m、約1050mg/m、約1100mg/m、約1150mg/mまたは約1200mg/mの用量で、患者に経口投与される。
いくつかの実施形態において(例えば、実施例7に記載されている)、化合物Aもしくは薬学的に受容可能なその塩、またはその医薬組成物は、静脈内投与するため最大で約20mg/kgの用量で、サルに投与され、この用量は、上記のFDAガイダンスに準拠すると、最大で約10mg/kgのHEDに相当する。したがって、いくつかの実施形態において、化合物Aもしくは薬学的に受容可能なその塩、またはその医薬組成物は、最大で約10mg/kgの用量で患者に静脈内投与される。いくつかの実施形態において、化合物Aもしくは薬学的に受容可能なその塩、またはその医薬組成物は、最大で約8mg/kg、最大で約6mg/kg、最大で約5mg/kg、最大で約4mg/kg、または最大で約2mg/kgの用量で患者に静脈内投与される。いくつかの実施形態において、化合物Aもしくは薬学的に受容可能なその塩、またはその医薬組成物は、約2mg/kg~約4mg/kg、約2mg/kg~約6mg/kg、約4mg/kg~約6mg/kg、約2mg/kg~約8mg/kg、約4mg/kg~約8mg/kg、約6mg/kg~約8mg/kg、約2mg/kg~約10mg/kg、約4mg/kg~約10mg/kg、約6mg/kg~約10mg/kgまたは約8mg/kg~約10mg/kgの用量で患者に静脈内投与される。いくつかの実施形態において、化合物Aもしくは薬学的に受容可能なその塩、またはその医薬組成物は、約2mg/kg、約3mg/kg、約4mg/kg、約5mg/kg、約6mg/kg、約7mg/kg、約8mg/kg、約9mg/kgまたは約10mg/kgの用量で患者に静脈内投与される。
いくつかの実施形態において(例えば、実施例7に記載されている)、化合物Aもしくは薬学的に受容可能なその塩、またはその医薬組成物は、静脈内投与するため最大で約20mg/kgの用量で、サルに投与され、この用量は、上記のFDAガイダンスに準拠すると、最大で約240mg/mに相当する。したがって、いくつかの実施形態において、化合物Aもしくは薬学的に受容可能なその塩、またはその医薬組成物は、最大で約240mg/mの用量で患者に静脈内投与される。いくつかの実施形態において、化合物Aもしくは薬学的に受容可能なその塩、またはその医薬組成物は、最大で約180mg/m、最大で約120mg/mまたは最大で約60mg/mの用量で患者に静脈内投与される。いくつかの実施形態において、化合物Aもしくは薬学的に受容可能なその塩、またはその医薬組成物は、約60mg/m~約120mg/m、約60mg/m~約180mg/m、約120mg/m~約180mg/m、約60mg/m~約240mg/m、約120mg/m~約240mg/mまたは約180mg/m~約240mg/mの用量で患者に静脈内投与される。いくつかの実施形態において、化合物Aもしくは薬学的に受容可能なその塩、またはその医薬組成物は、約240mg/m、約220mg/m、約200mg/m、約180mg/m、約160mg/m、約140mg/m、約120mg/m、約100mg/m、約80mg/m、約60mg/m、約40mg/m、約20mg/mまたは約10mg/mの用量で患者に静脈内投与される。
いくつかの実施形態において、化合物Aもしくは薬学的に受容可能なその塩、またはその医薬組成物は、実施例に記載されている薬物動態特性の1つまたは複数、例えば、実施例7における表11および12に列挙されているAUCを達成するための投与量で経口または静脈内投与される。
投薬スケジュール
本明細書に記載されている前臨床データを鑑みて提示される通り、IRAK4分解剤(例えば、化合物A)もしくは薬学的に受容可能なその塩またはその医薬組成物は、最小限の副作用で、所望の腫瘍退縮効果をもたらすために適切な投薬スケジュールで患者に投与される。いくつかの実施形態において、IRAK分解剤またはその医薬組成物は、1、2、3、4、5、6または7日ごとに1回、患者に投与される。いくつかの実施形態において、本発明の医薬組成物は、週2回(BIW)患者に投与される。週2回の用量は、数時間(例えば、1、3、6、12時間)空けて、または数日間(例えば、1、2、3または4日間)空けて、投与することができる。いくつかの実施形態において、週2回の用量は、1日目および2日目に投与される。いくつかの実施形態において、週2回の用量は、1日目および4日目に投与される。いくつかの実施形態において、本発明の医薬組成物は、毎週(QW)に患者に投与される。
化合物Aは、単回用量後、血漿に対して高い組織曝露、および持続的なPD効果をもたらすこと、および腫瘍は、血漿に類似したCを有する脾臓に比べて、比較的より緩徐なクリアランス(例えば、実施例6および図4を参照されたい)を示すことが、やはり見出された。したがって、いくつかの実施形態において、化合物Aもしくは薬学的に受容可能なその塩、またはその医薬組成物は、1、2、3または4週間ごとに1回、または7、10、14、17、21、24もしくは28日ごとに1回、患者に経口または静脈内投与される。
本明細書に記載されている通り、いくつかの実施形態において、IRAK4分解剤(例えば、化合物A)または薬学的に受容可能なその塩は、4週間のうち2週間または3週間、毎週1回、投与される。いくつかの実施形態において、IRAK4分解剤(例えば、化合物A)または薬学的に受容可能なその塩は、4週間のうち2週間または3週間、毎週2回、投与される。いくつかの実施形態において、IRAK4分解剤(例えば、化合物A)または薬学的に受容可能なその塩は、3週間のうち2週間、毎週1回、投与される。いくつかの実施形態において、IRAK4分解剤(例えば、化合物A)または薬学的に受容可能なその塩は、3週間のうち2週間、毎週2回、投与される。いくつかの実施形態において、IRAK4分解剤(例えば、化合物A)または薬学的に受容可能なその塩は、4週間のうち隔週に1週間あたり1回、投与される。いくつかの実施形態において、IRAK4分解剤(例えば、化合物A)または薬学的に受容可能なその塩は、4週間のうち隔週に1週間あたり2回、投与される。
いくつかの実施形態において、IRAK4分解剤(例えば、化合物A)または薬学的に受容可能なその塩は、3週間の投与サイクルで第1週目および第2週目に、週1回、患者に投与される。いくつかの実施形態において、IRAK4分解剤(例えば、化合物A)または薬学的に受容可能なその塩は、4週間の投与サイクルで第1週目および第2週目に、週1回、患者に投与される。いくつかの実施形態において、IRAK4分解剤(例えば、化合物A)または薬学的に受容可能なその塩は、4週間の投与サイクルで第1週目および第2週目に、週1回、患者に投与される。いくつかの実施形態において、IRAK4分解剤(例えば、化合物A)または薬学的に受容可能なその塩は、4週間の投与サイクルで第1週目および第3週目に、週1回、患者に投与される。いくつかの実施形態において、IRAK4分解剤(例えば、化合物A)または薬学的に受容可能なその塩は、4週間の投与サイクルで第1~3週目に、週1回、患者に投与される。
いくつかの実施形態において、IRAK4分解剤(例えば、化合物A)または薬学的に受容可能なその塩は、3週間の投与サイクルで第1週目および第2週目に、週2回、患者に投与される。いくつかの実施形態において、IRAK4分解剤(例えば、化合物A)または薬学的に受容可能なその塩は、4週間の投与サイクルで第1週目および第2週目に、週2回、患者に投与される。いくつかの実施形態において、IRAK4分解剤(例えば、化合物A)または薬学的に受容可能なその塩は、4週間の投与サイクルで第1週目および第2週目に、週1回、患者に投与される。いくつかの実施形態において、IRAK4分解剤(例えば、化合物A)または薬学的に受容可能なその塩は、4週間の投与サイクルで第1週目および第3週目に、週2回、患者に投与される。いくつかの実施形態において、IRAK4分解剤(例えば、化合物A)または薬学的に受容可能なその塩は、4週間の投与サイクルで第1~3週目に、週2回、患者に投与される。
いくつかの実施形態において、投薬スケジュールは、図5に示されているもののいずれか1つである。いくつかの実施形態において、投薬スケジュールは、図6に示されているもののいずれか1つである。
いくつかの実施形態において、本発明の医薬組成物のIV注入は、約5~30分間、続く。いくつかの実施形態において、本発明の医薬組成物のIV注入は、約30~90分間、続く。いくつかの実施形態において、本発明の医薬組成物のIV注入は、約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85または90分間続く。いくつかの実施形態において、本発明の医薬組成物のIV注入は、約2、2.5、3、3.5または4時間、続く。
いくつかの実施形態において、本発明の医薬組成物は、約10mg/m~約40mg/mの用量で、毎週2回、静脈内投与される。いくつかの実施形態において、本発明の医薬組成物は、約30mg/m~約90mg/mの用量で、毎週2回、経口投与される。
いくつかの実施形態において、化合物Aもしくは薬学的に受容可能なその塩、またはその医薬組成物は、実施例に記載されている薬物動態特性の1つまたは複数、例えば、実施例7における表11および12に列挙されているAUCを達成するための投与スケジュールで経口または静脈内投与される。
医薬組成物の製剤
本発明のIRAK4分解剤の投与は、他の構成成分と組み合わせて、患者の状態(例えば、MYD88変異体リンパ腫)を改善することができる、薬物の濃度をもたらす、任意の好適な手段によるものであってもよい。
組み合わせの活性成分を純粋な化学物質として投与することが可能であるが、この文脈では医薬製剤とも称される医薬組成物として活性成分を供するのが好ましい。可能な組成物は、経口、直腸、局所(経皮、口内および舌下を含む)または非経口(皮下、筋肉内、静脈内および皮内を含む)投与に好適なものを含む。
より一般には、これらの医薬製剤は、いくつかの投薬単位を含有する「患者用パック」中で、または単一包装、通常、ブリスターパックで、異なる処置期間に使用するよう計量された単位用量を投与するための他の手段で患者に処方される。患者用パックは、薬剤師がバルク供給品から医薬品の患者の供給量を分割する慣用的処方よりも、患者が、通常、伝統的な処方箋にはない、患者用パック中に入れられた添付文書を、常にアクセスする点において利点を有する。添付文書を含めることは、医師の指示への患者の服薬遵守の改善を示す。したがって、本発明は、前記製剤に好適な包装用材料と組み合わせて、本明細書の先に記載した医薬製剤をさらに含む。このような患者用パックでは、併用処置のための製剤の意図された使用は、指示、施設、規定、適応、および/または処置に最適な製剤の使用の一助となる他の手段によって推定することができる。このような手段によって、患者用パックは、本発明の組み合わせを用いる処置における使用のために特に好適かつ適合したものになる。
薬物は、任意の好適な担体物質で任意の適量で含有されてもよく、組成物の総重量の1~99重量%の量で存在することができる。組成物は、経口、非経口(例えば、静脈内、筋肉内)、直腸、皮膚、鼻腔、膣、吸入、皮膚(パッチ剤)または眼投与経路に好適な剤形で供給されてもよい。したがって、組成物は、例えば、錠剤、カプセル剤、丸剤、散剤、顆粒剤、懸濁剤、エマルション剤、液剤、ヒドロゲルを含むゲル剤、ペースト剤、軟膏剤、クリーム剤、硬膏剤、ドレンチ剤(drench)、浸透圧送達デバイス、坐剤、浣腸剤、注射剤、インプラント、噴霧剤またはエアロゾルの形態にあることができる。
医薬組成物は、従来の薬務(例えば、Remington: The Science and Practice of Pharmacy (20th ed.), ed. A. R. Gennaro, Lippincott Williams & Wilkins, 2000およびEncyclopedia of Pharmaceutical Technology, eds. J. Swarbrick and J. C. Boylan, 1988-1999, Marcel Dekker, New Yorkを参照されたい)に準拠して製剤化することができる。
本発明による医薬組成物は、活性薬を、投与時に実質的に直ちに、または投与後の任意の所定の時間もしくは期間に放出するよう製剤化され得る。
制御放出製剤は、(i)身体内で、長期間にわたり薬物の実質的に一定濃度を生じる製剤、(ii)所定の遅延時間の後に、身体内で、長期間にわたり、薬物の実質的に一定濃度を生じる製剤、(iii)活性原薬の血漿中レベルの変動に伴う望ましくない副作用の同時最小化を伴って、身体内において、比較的一定の有効薬物レベルを維持することによって、所定期間の間、薬物作用を持続する製剤、(iv)例えば、罹患組織もしくは器官に隣接部、またはこれらにおいて、制御放出組成物の空間的な配置によって、薬物作用を局在化させる製剤、および(v)特定の標的細胞タイプに薬物を送達するための担体または化学誘導体を使用することによって、薬物作用を標的化させる製剤を含む。
制御放出製剤の形態の薬物の投与は、組み合わせでの薬物が、(i)狭い治療指数(すなわち、有害な副作用または毒性反応をもたらす血漿中濃度と治療効果をもたらす血漿中濃度との間の差異が小さい;一般に、治療指数TIは、メジアン有効用量(ED50)に対するメジアン致死用量(LD50)の比として定義される)、(ii)胃腸管での狭い吸収ウィンドウ、または(iii)血漿中レベルを治療レベルに持続するため、1日の間に頻度の高い投与が必要となるような非常に短い生物学的半減期を有する場合に、とりわけ好ましい。
いくつかの戦略のいずれも、放出速度が、問題の薬物の代謝速度を上回る制御放出を得るために探求され得る。制御放出は、例えば、様々なタイプの制御放出組成物およびコーティングを含む、様々な製剤化パラメータおよび成分の適切な選択によって得ることができる。したがって、薬物は、投与時に、制御様式(単回または多回単位錠剤またはカプセル剤組成物、油状溶液、懸濁物、エマルション、マイクロカプセル、マイクロスフィア、ナノ粒子、パッチおよびリポソーム)で薬物を放出する医薬組成物に適切な添加剤と共に製剤化される。
経腸使用のための固形剤形
経口製剤は、例えば、医薬品グレードのマンニトール、ラクトース、サッカリンナトリウム、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、セルロース、炭酸マグネシウムなどの標準担体を含むことができる。そのような組成物は、使用される投与様式に基づいて、患者に適正な形態をもたらすよう、好適な量の担体を含む、治療有効量の開示された塩を含有する。
好適な経口剤形は、錠剤、カプセル剤、液剤、懸濁剤、シロップ剤およびロゼンジ剤を含む。錠剤は、当分野で周知の圧縮技法または成形技法を使用して作製され得る。ゼラチンまたは非ゼラチンカプセルは、硬質または軟質カプセルシェルとして調製することができ、これらのシェルは、当分野で周知の技法を使用して、液体、固体および半固体充填材料を封入することができる。好ましい製剤は、1:1の比のマンニトール対活性剤でマンニトールを好ましくは含む、錠剤である。しかし活性剤の場合、マンニトールは、2:1~1:2の比の範囲の比を含むことができる。マンニトールの濃度は、製剤を安定化させるのに有効である。例えば、マンニトールは、製剤の40~70重量%の間、例えば、40%、45%、50%、55%、60%、65%および70%を構成することができる。具体的に開示されているものの中間値、例えば、61、62、63、64、65、66、67、69および69%も企図される。好ましい製剤は、10~30%w/w、好ましくは15~26%w/wの間の範囲の濃度で微結晶性セルロースを含む。
製剤は、薬学的に受容可能な担体を使用して調製することができる。本明細書において一般に使用される通り、「担体」には、希釈剤、保存剤、結合剤、滑沢剤、崩壊剤、膨潤剤、充填剤、安定剤、およびそれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。
担体はまた、コーティング用組成物のすべての構成成分を含み、これらには、可塑剤、顔料、着色剤、安定化剤および流動促進剤(glidant)が含まれ得る。好適なコーティング材料の例には、セルロースポリマー、例えば、酢酸フタル酸セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよび酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース;ポリ酢酸ビニルフタレート、アクリル酸ポリマーおよびコポリマー、ならびにEUDRAGIT(登録商標)(Roth Pharma、Westerstadt、Germany)という商標名で市販されているメタクリル樹脂、ゼイン、シェラック、ならびに多糖が含まれるが、これらに限定されない。
さらに、コーティング材料は、可塑剤、顔料、着色剤、流動促進剤、安定化剤、細孔形成剤および界面活性剤などの従来の担体を含有してもよい。
「充填剤」とも称される「希釈剤」は、通常、錠剤の圧縮、またはビーズおよび顆粒の形成のために実用サイズが得られるよう、固形剤形の嵩を増大するために必要である。好適な希釈剤には、リン酸二カルシウム二水和物、硫酸カルシウム、ラクトース、スクロース、マンニトール、ソルビトール、セルロース、微結晶性セルロース、カオリン、塩化ナトリウム、乾燥デンプン、加水分解デンプン、アルファ化デンプン、二酸化ケイ素、酸化チタン、ケイ酸アルミニウムマグネシウムおよび粉砂糖が含まれるが、これらに限定されない。
「結合剤」は、固形投与製剤に粘着特性を付与するために使用され、こうして、錠剤またはビーズまたは顆粒剤は、剤形の形成後、無傷のままであることが確実となる。好適な結合剤材料には、デンプン、アルファ化デンプン、ゼラチン、糖(スクロース、グルコース、デキストロース、ラクトースおよびソルビトールを含む)、ポリエチレングリコール、ワックス、天然および合成ゴム、例えば、アカシア、トラガカント、アルギン酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、AVCEL(登録商標)(微結晶性セルロース)、エチルセルロースを含むセルロース、ならびにビーガム、ならびに合成ポリマー、例えば、アクリル酸およびメタクリル酸コポリマー、メタクリル酸コポリマー、メタクリル酸メチルコポリマー、メタクリル酸アミノアルキルコポリマー、ポリアクリル酸/ポリメタクリル酸およびポリビニルピロリドンが含まれるが、これらに限定されない。
「滑沢剤」は、錠剤製造を容易にするために使用される。好適な滑沢剤の例には、製剤の0.5~2.6%w/wの間、好ましくは1~2.0%の間の範囲の濃度の、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、ベヘン酸グリセロール、ポリエチレングリコール、タルクおよび鉱油が含まれるが、これらに限定されない。
「崩壊剤」は、投与後の剤形崩壊を促すか、または「崩壊させる」ために使用され、一般に、デンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、ナトリウムカルボキシメチルデンプン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、アルファ化デンプン、クレイ、セルロース、アルギニン、ゴム、または架橋PVP(GAF Chemical Corp製のPolyplasdone(登録商標)XL)などの架橋ポリマーを含むが、これらに限定されない。
「安定剤」は、例として、酸化反応を含む、薬物分解反応を阻害または遅延させるために使用される。好適な安定剤には、抗酸化剤、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT);アスコルビン酸、その塩およびエステル;ビタミンE、トコフェロールおよびその塩;メタ重亜硫酸ナトリウムなどの亜硫酸塩;システインおよびその誘導体;クエン酸;没食子酸プロピルならびにブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)が含まれるが、これらに限定されない。
経口投与のための液体
経口投与用の液体剤形として、これらに限定されないが、薬学的に受容可能なエマルション、マイクロエマルション、液剤、懸濁剤、シロップ剤およびエリキシル剤が挙げられる。活性化合物に加え、液体剤形は、例えば、水または他の溶媒などの当技術分野で一般的に使用される不活性希釈剤、可溶化剤および乳化剤、例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油(特に、綿実油、落花生油、トウモロコシ油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油、およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコールおよびソルビタンの脂肪酸エステル、ならびにこれらの混合物を含有してもよい。不活性希釈剤の他に、経口組成物は、湿潤剤、乳化剤および懸濁化剤などのアジュバントと、甘味剤、矯味矯臭剤、および芳香剤も含むことができる。好適な懸濁化剤は、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、アルギン酸ナトリウムなどである。
非経口組成物
医薬組成物はまた、注射、注入もしくは埋め込み(静脈内、筋肉内、皮下など)によって、剤形、製剤で、または従来の慣用的な非毒性の薬学的に受容可能な担体および佐剤を含有する任意の好適な送達デバイスもしくはインプラントにより非経口投与されてもよい。このような組成物の製剤および調製物は、医薬製剤の当業者に周知である。
非経口使用のための組成物は、単位剤形中(例えば、単回用量アンプル中)で、または数回の用量を含有し、好適な保存剤が添加されていてもよい(以下を参照されたい)バイアル中で提供されてもよい。通常、このような組成物は、注射可能な製剤、例えば、溶液または懸濁物;注射前に再構成媒体を添加して溶液または懸濁物を調製するために使用するのに好適な、固体形態;油中水型(w/o)エマルション、水中油型(o/w)エマルション、およびそれらのマイクロエマルション、リポソーム、またはエマルソーム(emulsome)などのエマルションとして調製され得る。
静脈内投与の場合、組成物は、滅菌等張性水性緩衝液の溶液中にパッケージされる。必要な場合、組成物は、可溶化剤をやはり含んでもよい。組成物の構成成分は、例えば、乾燥凍結乾燥粉末(これは、使用前に、食塩水などの担体で再構成することができる)として、または活性剤の量を表示したアンプルまたはサシェ(sachet)などの気密密閉容器中の濃縮溶液として、単位剤形中で別個に存在することができるか、または一緒に混合され得る。組成物が、注入によって投与される場合、滅菌医薬品グレードの水または食塩水を含有する注入用ボトルで分注することができる。組成物が注射によって投与される場合、滅菌水または食塩水のアンプルは、注射前に成分を混合することができるように提供され得る。
担体は、例えば、水、エタノール、1種または複数のポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコールおよび液体ポリエチレングリコール)、植物油(例えば、ピーナッツ油、トウモロコシ油、ゴマ油など)などの油、およびそれらの組み合わせを含有する溶媒または分散媒とすることができる。適切な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティング剤の使用によって、分散物の場合、必要な粒子サイズを維持することによって、および/または界面活性剤の使用によって維持され得る。多くの例において、等張剤、例えば、糖または塩化ナトリウムを含めるのが好ましいであろう。
遊離酸もしくは塩基、または薬理学的に受容可能なその塩としての活性化合物の溶液および分散物は、好適には、緩衝液、界面活性剤、分散剤、乳化剤、粘度改変剤およびそれらの組み合わせを含むがこれらに限定されない1種または複数の薬学的に受容可能な添加剤と混合された、水または別の溶媒または分散媒中で調製することができる。
好適な界面活性剤は、陰イオン性、陽イオン性、両性または非イオン性表面活性剤とすることができる。好適な陰イオン性界面活性剤には、カルボン酸イオン、スルホン酸イオンおよび硫酸イオンを含有するものが含まれるが、これらに限定されない。陰イオン性界面活性剤の例には、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどの長鎖アルキルスルホン酸およびアルキルアリールスルホン酸のナトリウム、カリウム、アンモニウム;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのスルホコハク酸ジアルキルナトリウム;ナトリウムビス-(2-エチルチオキシル)-スルホスクシネートなどのスルホコハク酸ジアルキルナトリウム;およびラウリル硫酸ナトリウムなどのアルキル硫酸塩が含まれる。陽イオン性界面活性剤には、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、臭化セトリモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウムなどの第四級アンモニウム化合物、ポリオキシエチレンおよびココナッツアミンが含まれる。非イオン性界面活性剤の例には、モノステアリン酸エチレングリコール、ミリスチン酸プロピレングリコール、モノステアリン酸グリセリル、ステアリン酸グリセリル、ポリグリセリル-4-オレート、ソルビタンアシレート、スクロースアシレート、ラウリン酸PEG-150、モノラウリン酸PEG-400、モノラウリン酸ポリオキシエチレン、ポリソルベート、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、PEG-1000セチルエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリプロピレングリコールブチルエーテル、ポロキサマー(登録商標)401、ステアロイルモノイソプロパノールアミドおよびポリオキシエチレン水素化獣脂アミドが含まれる。両性界面活性剤の例には、ナトリウムN-ドデシル-.ベータ.-アラニン、N-ラウリルβイミノ二プロピオン酸ナトリウム、ミリストアンホアセテート、ラウリルベタインおよびラウリルスルホベタインが含まれる。製剤は、微生物の増殖を防止するための保存剤を含有することができる。好適な保存剤には、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸およびチメロサールが含まれるが、これらに限定されない。製剤はまた、活性剤の分解を防止するための抗酸化剤を含有してもよい。
製剤は、通常、再構成時に、非経口投与のため、pH3~8に緩衝化される。好適な緩衝液には、リン酸緩衝液、酢酸緩衝液およびクエン酸緩衝液が含まれるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態において、緩衝化剤は、本発明の医薬組成物のpHを約6~8に調節する量で存在する。いくつかの実施形態において、緩衝化剤は、IRAK4分解剤(例えば、化合物A)またはその薬学的に受容可能なもの1mgあたり、約0.1~5mgの量で添加される。
いくつかの実施形態において、本発明の液体医薬組成物は、約6~8のpHにある。いくつかの実施形態において、本発明の液体医薬組成物は、約6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9または8.0のpHにある。
水溶性ポリマーは、非経口投与のための製剤中に使用されることが多い。好適な水溶性ポリマーには、ポリビニルピロリドン、デキストラン、カルボキシメチルセルロースおよびポリエチレングリコールが含まれるが、これらに限定されない。
注射用滅菌溶液は、適切な溶媒または分散媒中、必要量の活性化合物に上で列挙した1種または複数の添加剤を必要に応じて組み込み、次いで滅菌濾過することにより調製することができる。一般に、分散物は、基礎分散媒、および上で列挙されているものから必要な他の成分を含有する滅菌ビヒクルに様々な滅菌済み活性成分を組み込むことによって調製される。注射用滅菌溶液を調製するための滅菌粉末の場合、好ましい調製方法は、活性成分および任意のさらなる所望の成分の粉末を予め滅菌濾過されたその溶液から得る真空乾燥技法および凍結乾燥技法である。散剤は、粒子が多孔質の性質となるように調製することができ、これによって、粒子の溶解を増大することができる。多孔質粒子を作製するための方法は、当分野で周知である。
本明細書に記載されている非経口製剤は、即時放出、遅延放出、延長放出、パルス放出およびそれらの組み合わせを含め、制御放出のために製剤化され得る。
いくつかの実施形態において、本発明は、水中に本発明の固体医薬組成物を溶解することにより調製される液体医薬組成物を提供する。いくつかの実施形態において、本発明は、注射可能な媒体(例えば、食塩水または5%デキストロース)中に本発明の固体医薬組成物を溶解することによって調製される液体医薬組成物を提供する。いくつかの実施形態において、本発明は、水中で本発明の固体医薬組成物を再構成し、次いで、5%デキストロースにより希釈することによって調製される液体医薬組成物を提供する。いくつかの実施形態において、液体医薬組成物は、IV投与のための5%デキストロースIVバッグに希釈される。いくつかの実施形態において、5%デキストロースIVバッグ中の液体医薬組成物は、IV投与前の最大で約4時間、室温(約20~25℃)下で保管される。いくつかの実施形態において、5%デキストロースIVバッグ中の液体医薬組成物は、IV投与前の最大で約20時間、冷蔵(約2~8℃)条件下で保管される。いくつかの実施形態において、5%デキストロースIVバッグ中の液体医薬組成物は、最大で約20時間、冷蔵(約2~8℃)条件下で保管され、次いで、IV投与前の最大で約4時間、室温(約20~25℃)下で保管される。
化合物および薬学的に受容可能な組成物の使用
本明細書に記載されている化合物および組成物は、1種または複数の酵素のキナーゼ活性の分解に一般に有用である。
いくつかの実施形態において、本発明は、1つまたは複数のIRAKキナーゼの標的化ユビキチン化および分解を調節するIRAK分解剤を提供する。いくつかの実施形態において、提供されるIRAK分解剤は、1つまたは複数のIRAKキナーゼおよび1種または複数の追加のタンパク質の標的化ユビキチン化および分解を調節する。いくつかの例では、提供されたIRAK分解剤は、IRAK4、および1つ、2つ、3つ、4つまたは5つの追加のタンパク質の標的化ユビキチン化ならびに分解を調節する。
ある特定の実施形態において、本発明は、IRAKキナーゼ分解をIKZF1およびIKZF3分解と組み合わせた、IRAK分解剤を提供する。最も一般に用いられるE3リガーゼリガンドの一部は、IMiD(免疫調節性イミド薬)と一般に称される、サリドマイドおよびその誘導体、レナリドミドおよびポマリドミドである。これらの薬剤は、普遍的に発現されるカリンリングリガーゼ4(CUL4)-RBX1-DDB1-CRBN(CUL4CRBN)E3リガーゼに対する基質アダプターであるセレブロン(CRBN)の低分子リガンド(Ito et al. ”Identification of a primary target of thalidomide teratogenicity” Science 2010, 327(5971):1345-1350)である。サリドマイドは、CRBNと相互作用して、新しい表面を形成し、Ikaros(IKZF1)およびAiolos(IKZF3)などのネオ基質との相互作用、ならびにそれらのユビキチン化、ならびにその後のプロテアソーム分解をもたらすことが示されている(Kroenke et al. ”Lenalidomide causes selective degradation of IKZF1 and IKZF3 in multiple myeloma cells” Science 2014, 343(6168):301-305;およびLu et al. ”The myeloma drug lenalidomide promotes the cereblon-dependent destruction of Ikaros proteins” Science, 2014; 343(6168):305-309)。この活性は、単独で、一部の液体悪性疾患において、強力な抗腫瘍効果を有し、レナリドミド(Revlimid(登録商標))は、MCL、多発性骨髄腫および染色体5qの欠失を伴う骨髄異形成症候群の処置に、米国食品医薬品局により承認されている。レナリドミドはまた、MCL、およびびまん性大細胞型B細胞リンパ腫の活性化B細胞サブタイプ(ABC DLBCL)を含む、いくつかのリンパ腫に関する後期段階の臨床試験を受けている。
MYD88変異の活性化により、ABC-DLBCL細胞における、アポトーシス促進性サイトカインであるベータ-IFNの産生が増大することが示されている(Yang et al. ”Exploiting synthetic lethality for the therapy of ABC diffuse large B cell lymphoma” Cancer Cell 2012, 21(6):723-737)。これらの細胞は、CARD11をトランス活性化するIRF4およびSPIBにより、NFkBシグナル伝達の同時に起こる、MYD88により推進される活性化によって、この効果に対する抵抗性が付与される(Yang, Cancer Cell 2012)。IMiDはまた、MYD88変異体ABC-DLBCLにおけるIFN応答を、アポトーシスを増大するのに十分なレベルまで増大することが知られている(Yang, Cancer Cell 2012;およびHagner et al. ”CC-122, a pleiotropic pathway modifier, mimics an interferon response and has antitumor activity in DLBCL” Blood 2015, 126:779-789)。この効果は、NFkBシグナル伝達の阻害と相乗作用して、DLBCL細胞死をさらに推進することが示されている(Yang, Cancer Cell 2012)。
いくつかの例において、IMiDと低分子IRAK4キナーゼ阻害剤との組み合わせは、OCI-LY10などのMYD88変異体ABC DLBCL細胞系の生存度に及ぼす相加効果をほとんどまたはまったく示さない。いくつかの実施形態において、IRAK4阻害剤とIMiDとの組み合わせは、本明細書において提供されるIRAK分解剤よりも活性が低い。
ある特定の実施形態において、IRAK4分解とIKZF1およびIKZF3分解とを組み合わせると、in vitroにおけるMYD88変異体ABC DLBCL細胞系およびin vivoにおけるOCI-LY10異種移植片に対して、強力な単剤活性を示す。いくつかの実施形態において、IMiDベースのIRAK4分解剤は、ポマリドミド単独に比べて、インターフェロン応答を一層強力に誘発しつつ、Ikaros(IKZF1)および他の公知のIMiDネオ基質の分解を保持する。いくつかの実施形態において、IMiDベースのIRAK4分解剤は、in vitroにおいて、MYD88変異体ABD-DLBCL細胞系の殺滅に効力があり、IRAK4阻害剤とIMiDとを単剤として組み合わせることから得られるものと比べて活性の増大が実証される。
ある特定の実施形態において、提供されるIMiDベースのIRAK4分解剤は、MYD88変異体ABC DLBCL細胞系異種移植片において、IRAK4、IkarosおよびAiolosをin vivoで分解し、IFIT1(インターフェロン誘導性転写1)およびIFIT3(インターフェロン誘導性転写3)によって例示されるインターフェロン推進性タンパク質のシグネチャを強力に誘導する。いくつかの実施形態において、提供されるIMiDベースのIRAK4分解剤は、単剤として、腫瘍ゼノグラフの退縮を推進する。
いくつかの実施形態において、本発明の提供される化合物は、MYD88変異体DLBCLにおいて、および恐らく他のヘム悪性疾患において、IRAK4分解とインターフェロン応答のIMiD誘発とを組み合わせることによって得られる相乗作用を強調して、単剤での抗腫瘍活性を推進する。ある特定の実施形態において、提供されたIMiDベースのIRAK4分解剤は、IRAK4、IkarosおよびAiolosを分解し、相乗的に作用する。いくつかの実施形態において、提供されたIMiDベースのIRAK4分解剤は、単剤として、同じIRAK4結合剤および非IMiDベースのE3リガーゼおよび同じIMiDベースのE3リガーゼを含む、提供されるIRAK4分解剤と比べて活性の増大を伴い、IRAK4、IkarosおよびAiolosを分解する。
いくつかの実施形態において、本発明の方法により処置され得る増殖性疾患は、MyD88駆動性障害である。いくつかの実施形態において、本発明の方法により処置され得るMyD88駆動性障害は、ABC DLBCL、原発性CNSリンパ腫、原発性節外性リンパ腫、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、ホジキンリンパ腫、原発性皮膚T細胞リンパ腫および慢性リンパ球性白血病から選択される。
いくつかの実施形態において、本発明は、それを必要とする患者における、ABC DLBCLを処置する方法であって、本発明のIRAK4分解剤(例えば、化合物A)または薬学的に受容可能なその塩を投与するステップを含む、方法を提供する。
いくつかの実施形態において、本発明は、それを必要とする患者における、原発性CNSリンパ腫を処置する方法であって、本発明のIRAK4分解剤(例えば、化合物A)または薬学的に受容可能なその塩を投与するステップを含む、方法を提供する。
いくつかの実施形態において、本発明は、それを必要とする患者における、ホジキンリンパ腫を処置する方法であって、本発明のIRAK4分解剤(例えば、化合物A)または薬学的に受容可能なその塩を投与するステップを含む、方法を提供する。
いくつかの実施形態において、本発明は、それを必要とする患者における、原発性皮膚T細胞リンパ腫を処置する方法であって、本発明のIRAK4分解剤(例えば、化合物A)または薬学的に受容可能なその塩を投与するステップを含む、方法を提供する。
いくつかの実施形態において、本発明は、それを必要とする患者における、慢性リンパ球性白血病を処置する方法であって、本発明のIRAK4分解剤(例えば、化合物A)または薬学的に受容可能なその塩を投与するステップを含む、方法を提供する。
いくつかの実施形態において、本発明は、それを必要とする患者における、固形および液体腫瘍を処置する方法であって、本発明のIRAK4分解剤(例えば、化合物A)または薬学的に受容可能なその塩を投与するステップを含む、方法を提供する。
いくつかの実施形態において、本発明は、それを必要とする患者における、MyD88変異体ワルデンシュトレームマクログロブリン血症を処置する方法であって、本発明のIRAK4分解剤(例えば、化合物A)または薬学的に受容可能なその塩を投与するステップを含む、方法を提供する。
いくつかの実施形態において、本発明は、それを必要とする患者における、AMLまたはそのサブセットを処置する方法であって、本発明のIRAK4分解剤(例えば、化合物A)または薬学的に受容可能なその塩を投与するステップを含む、方法を提供する。
いくつかの実施形態において、本発明は、それを必要とする患者における、NSCLCを処置する方法であって、本発明のIRAK4分解剤(例えば、化合物A)または薬学的に受容可能なその塩を投与するステップを含む、方法を提供する。
いくつかの実施形態において、本発明の方法により処置され得る増殖性疾患は、IL-1駆動性障害である。いくつかの実施形態において、このIL-1駆動性障害は、無痛性の多発性骨髄腫のくすぶりである。
いくつかの実施形態において、本発明は、1つの以前の治療を受けている、MYD88変異体B細胞リンパ腫を有する成人患者を処置するための方法を提供する。
いくつかの実施形態において、本発明は、2つの以前の治療を受けている、MYD88変異体B細胞リンパ腫を有する成人患者を処置するための方法を提供する。
いくつかの実施形態において、本発明は、少なくとも1つの以前の治療を受けている、MYD88変異体B細胞リンパ腫を有する成人患者を処置するための方法を提供する。
いくつかの実施形態において、本発明は、少なくとも2つの以前の治療を受けている、MYD88変異体B細胞リンパ腫を有する成人患者を処置するための方法を提供する。
併用療法
処置される特定のMYD88変異体B細胞リンパ腫に依存して、その状態を処置するために通常投与される追加の治療剤を、この発明の化合物および組成物と組み合わせて投与することができる。本明細書において使用する場合、特定のMYD88変異体B細胞リンパ腫を処置するために通常投与される追加の治療剤は、「処置される疾患、または状態のために適切である」として公知である。
ある特定の実施形態では、提供される組み合わせ、またはその組成物は、別の治療剤と組み合わせて投与される。
いくつかの実施形態において、本発明は、開示される疾患または状態を処置する方法を提供し、この方法は、その必要場ある患者に、有効量の本明細書中に開示される化合物またはその薬学的に受容可能な塩を投与する工程、および有効量の1種または複数種の追加の治療剤、例えば、本明細書中に記載されるものを、同時にまたは逐次的に共投与する工程を包含する。いくつかの実施形態において、この方法は、1つの追加の治療剤を共投与する工程を包含する。いくつかの実施形態において、この方法は、2つの追加の治療剤を共投与する工程を包含する。いくつかの実施形態において、開示される化合物と追加の治療剤(複数可)との組み合わせ物は、相乗的に作用する。
この発明の組み合わせが組み合わされてもよい薬剤の例として、限定されないが:抗炎症剤、例えば、コルチコステロイド、TNF遮断薬、IL-1 RA、アザチオプリン、シクロホスファミド、およびスルファサラジン;免疫調節剤および免疫抑制剤、例えば、シクロスポリン、タクロリムス、ラパマイシン、ミコフェノール酸モフェチル、インターフェロン、コルチコステロイド、シクロホスファミド(cyclophophamide)、アザチオプリン、およびスルファサラジン;神経栄養因子、例えば、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤、MAO阻害剤、インターフェロン、抗痙攣薬、イオンチャネル遮断薬、リルゾール、および抗パーキンソン病剤(anti-Parkinsonian agent);心臓血管疾患を処置するための薬剤、例えば、ベータ遮断薬、ACE阻害剤、利尿薬、ニトレート、カルシウムチャネル遮断薬、およびスタチン;肝臓疾患を処置するための薬剤、例えば、コルチコステロイド、コレスチラミン、インターフェロン、および抗ウイルス剤;血液障害を処置するための薬剤、例えば、コルチコステロイド、抗白血病剤、および増殖因子;薬物動態を延長または改善する薬剤、例えば、シトクロムP450阻害剤(すなわち、代謝分解の阻害剤)およびCYP3A4阻害剤(例えば、ケトコナゾールおよびリトナビル)、ならびに免疫不全障害を処置するための薬剤、例えば、ガンマグロブリンが挙げられる。
ある特定の実施形態では、本発明の併用療法、またはその薬学的に受容可能な組成物は、モノクローナル抗体またはsiRNA治療薬と組み合わせて投与される。
これらの追加の薬剤は、提供される併用療法とは別に、複数投薬レジメンの一部として投与されてもよい。あるいは、これらの薬剤は、この発明の化合物と一緒に単一組成物として混合された、単一剤形の一部であってもよい。複数投薬レジメンの一部として投与される場合、2つの活性な薬剤は、同時に、逐次的にまたは互いからある期間以内に、通常、互いから5時間以内に与えられてもよい。
本明細書において使用する場合、「組み合わせ」、「組み合わせた」という用語、および関連する用語は、この発明による治療剤の同時または逐次的な投与を指す。例えば、本発明の組み合わせは、別の治療剤と、別々の単位剤形中で同時または逐次的に、または単一の単位剤形中で一緒に投与されてもよい。
この発明の組成物中に存在する追加の治療剤の量は、その治療剤を唯一の活性な薬剤として含む組成物中で通常投与される量以下である。好ましくは、本開示の組成物中の追加の治療剤の量は、その薬剤を唯一の治療上活性な薬剤として含む組成物中に通常存在する量の約50%から100%の範囲である。
1つまたはそれより多くの他の治療剤は、本発明の化合物または組成物とは別に、複数投薬レジメンの一部として投与され得る。あるいは、1つまたはそれより多くの他の治療剤は、単一の組成物中で、この発明の化合物と一緒に混合された単一の剤形の一部であり得る。複数投薬レジメンとして投与される場合、1つまたはそれより多くの他の治療剤と本発明の化合物または組成物とは、同時に、逐次的にまたは互いからある期間以内に、例えば、互いから1時間以内、2時間以内、3時間以内、4時間以内、5時間以内、6時間以内、7時間以内、8時間以内、9時間以内、10時間以内、11時間以内、12時間以内、13時間以内、14時間以内、15時間以内、16時間以内、17時間以内、18時間以内、18時間以内、20時間以内、21時間以内、22時間以内、23時間以内、または24時間以内に投与され得る。いくつかの実施形態において、1つまたはそれより多くの他の治療剤および本発明の化合物または組成物は、複数投薬レジメンとして、24時間より長時間以内離して投与される。
一実施形態では、本発明は、提供されるIRAK4分解剤またはその薬学的に受容可能な塩および1種または複数種の追加の治療剤を含む組成物を提供する。治療剤は、提供されるIRAK4分解剤またはその薬学的に受容可能な塩と一緒に投与することができるか、または提供されるIRAK4分解剤またはその薬学的に受容可能な塩の投与前もしくは投与後に投与することができる。好適な治療剤は、以下にさらに詳細に記載される。ある特定の実施形態では、提供されるIRAK4分解剤またはその薬学的に受容可能な塩は、治療剤の5分前、10分前、15分前、30分前、1時間前、2時間前、3時間前、4時間前、5時間前、6時間前、7時間前、8時間前、9時間前、10時間前、11時間前、12時間前、13時間前、14時間前、15時間前、16時間前、17時間前、または18時間前までに投与することができる。他の実施形態では、提供されるIRAK4分解剤またはその薬学的に受容可能な塩は、治療剤の最大5分後、10分後、15分後、30分後、1時間後、2時間後、3時間後、4時間後、5時間後、6時間後、7時間後、8時間後、9時間後、10時間後、11時間後、12時間後、13時間後、14時間後、15時間後、16時間後、17時間後、または18時間後に投与することができる。
別の実施形態では、本発明は、固形腫瘍を処置する方法であって、それを必要とする患者に、提供されるIRAK4分解剤またはその薬学的に受容可能な塩ならびにリツキシマブ(Rituxan(登録商標))、シクロホスファミド(Cytoxan(登録商標))、ドキソルビシン(Hydrodaunorubicin(登録商標))、ビンクリスチン(Oncovin(登録商標))、プレドニゾン、ヘッジホッグシグナル伝達阻害剤、BTK阻害剤、JAK/汎JAK阻害剤、TYK2阻害剤、PI3K阻害剤、SYK阻害剤、およびこれらの組み合わせから選択される1種または複数種の追加の治療剤を投与するステップを含む、方法を提供する。
別の実施形態では、本発明は、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)を処置する方法であって、それを必要とする患者に、提供されるIRAK4分解剤またはその薬学的に受容可能な塩ならびにリツキシマブ(Rituxan(登録商標))、シクロホスファミド(Cytoxan(登録商標))、ドキソルビシン(Hydrodaunorubicin(登録商標))、ビンクリスチン(Oncovin(登録商標))、プレドニゾン、ヘッジホッグシグナル伝達阻害剤、およびこれらの組み合わせから選択される1種または複数種の追加の治療剤を投与するステップを含む、方法を提供する。
いくつかの実施形態において、本発明は、DLBCLを処置する方法を提供し、この方法は、その必要がある患者に、提供されるIRAK4分解剤またはその薬学的に受容可能な塩、ならびにCHOP(シクロホスファミド、Hydrodaunorubicin(登録商標)、Oncovin(登録商標)、およびプレドニゾンもしくはプレドニゾロン)、またはR-CHOP(リツキシマブ、シクロホスファミド、Hydrodaunorubicin(登録商標)、Oncovin(登録商標)、およびプレドニゾンもしくはプレドニゾロン)化学療法レジメンを投与する工程を包含する。
いくつかの実施形態において、本発明は、DLBCLを処置する方法を提供し、この方法は、その必要がある患者に、提供されるIRAK4分解剤またはその薬学的に受容可能な塩、およびリツキシマブまたはベンダムスチン化学療法レジメンを投与する工程を包含する。
いくつかの実施形態において、本発明は、DLBCLを処置する方法を提供し、この方法は、その必要がある患者に、提供されるIRAK4分解剤またはその薬学的に受容可能な塩、およびBTK阻害剤(例えば、イブルチニブ)を投与する工程を包含する。
いくつかの実施形態において、本発明は、DLBCLを処置する方法を提供し、この方法は、その必要がある患者に、提供されるIRAK4分解剤またはその薬学的に受容可能な塩、および抗CD20抗体(例えば、リツキシマブ)を投与する工程を包含する。
いくつかの実施形態において、本発明は、DLBCLを処置する方法を提供し、この方法は、その必要がある患者に、提供されるIRAK4分解剤またはその薬学的に受容可能な塩、および抗CD79B ADC(例えば、ポラツズマブ)を投与する工程を包含する。
いくつかの実施形態において、本発明は、DLBCLを処置する方法を提供し、この方法は、その必要がある患者に、提供されるIRAK4分解剤またはその薬学的に受容可能な塩、およびBCL2阻害剤(例えば、ベネトクラクス)を投与する工程を包含する。
いくつかの実施形態において、本発明は、DLBCLを処置する方法を提供し、この方法は、その必要がある患者に、提供されるIRAK4分解剤またはその薬学的に受容可能な塩、およびレナリドミドまたはポマリドミドを投与する工程を包含する。
いくつかの実施形態において、本発明は、DLBCLを処置する方法を提供し、この方法は、その必要がある患者に、提供されるIRAK4分解剤またはその薬学的に受容可能な塩、およびPI3K阻害剤(例えば、ウムブラリシブ)を投与する工程を包含する。
いくつかの実施形態において、本発明は、本明細書に記載されるT細胞疾患または欠乏症を処置する方法であって、それを必要とする患者に、提供されるIRAK4分解剤または薬学的に受容可能なその塩およびPI3K阻害剤(例えば、ウムブラリシブ)を投与するステップを含む、方法を提供する。
いくつかの実施形態において、本発明は、DLBCLを処置する方法を提供し、この方法は、その必要がある患者に、提供されるIRAK4分解剤またはその薬学的に受容可能な塩、およびプロテアソーム阻害剤(例えば、ボルテゾミブ)を投与する工程を包含する。
いくつかの実施形態において、本発明は、DLBCLを処置する方法を提供し、この方法は、その必要がある患者に、提供されるIRAK4分解剤またはその薬学的に受容可能な塩、およびキメラ抗原受容体T細胞を投与する工程を包含する。
いくつかの実施形態において、本発明は、MYD88変異体B細胞リンパ腫を処置する方法であって、それを必要とする患者に、提供されるIRAK4分解剤(例えば、化合物A)または薬学的に受容可能なその塩およびBTK阻害剤(例えば、イブルチニブ)を投与するステップを含む、方法を提供する。
いくつかの実施形態において、本発明は、MYD88変異体B細胞リンパ腫を処置する方法を提供し、この方法は、その必要がある患者に、提供されるIRAK4分解剤(例えば、化合物A)またはその薬学的に受容可能な塩、および抗CD20抗体(例えば、リツキシマブ)を投与する工程を包含する。
いくつかの実施形態において、本発明は、MYD88変異体B細胞リンパ腫を処置する方法を提供し、この方法は、その必要がある患者に、提供されるIRAK4分解剤(例えば、化合物A)またはその薬学的に受容可能な塩、およびBCL2阻害剤(例えば、ベネトクラクス)を投与する工程を包含する。
別の実施形態では、本発明は、多発性骨髄腫を処置する方法であって、それを必要とする患者に、提供されるIRAK4分解剤またはその薬学的に受容可能な塩ならびにボルテゾミブ(Velcade(登録商標))、およびデキサメタゾン(Decadron(登録商標))、ヘッジホッグシグナル伝達阻害剤、BTK阻害剤、JAK/汎JAK阻害剤、TYK2阻害剤、PI3K阻害剤、SYK阻害剤の、レナリドミド(Revlimid(登録商標))と組み合わせたものから選択される1種または複数種の追加の治療剤を投与するステップを含む、方法を提供する。
別の実施形態において、本発明は、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症を処置する方法を提供し、この方法は、その必要がある患者に、提供されるIRAK4分解剤またはその薬学的に受容可能な塩、ならびにクロラムブシル(Leukeran(登録商標))、シクロホスファミド(Cytoxan(登録商標)、Neosar(登録商標))、フルダラビン(Fludara(登録商標))、クラドリビン(Leustatin(登録商標))、リツキシマブ(Rituxan(登録商標))、ヘッジホッグシグナル伝達阻害剤、BTK阻害剤、JAK/汎-JAK阻害剤、TYK2阻害剤、PI3K阻害剤、およびSYK阻害剤から選択される1種または複数種の追加の治療剤を投与する工程を包含する。
いくつかの実施形態において、1つまたはそれより多くの他の治療剤は、ヘッジホッグ経路のアンタゴニストである。本発明において使用され得る、承認されたヘッジホッグ経路阻害剤としては、ソニデジブ(sonidegib)(Odomzo(登録商標)、Sun Pharmaceuticals);およびビスモデギブ(vismodegib)(Erivedge(登録商標)、Genentech)が挙げられ、これらの両方は、基底細胞癌の処置のためのものである。
いくつかの実施形態において、1つまたはそれより多くの他の治療剤は、ポリADPリボースポリメラーゼ(PARP)阻害剤である。いくつかの実施形態において、PARP阻害剤は、オラパリブ(Lynparza(登録商標)、AstraZeneca);ルカパリブ(rucaparib)(Rubraca(登録商標)、Clovis Oncology);ニラパリブ(niraparib)(Zejula(登録商標)、Tesaro);タラゾパリブ(talazoparib)(MDV3800/BMN 673/LT00673、Medivation/Pfizer/Biomarin);ベリパリブ(veliparib)(ABT-888、AbbVie);およびBGB-290(BeiGene,Inc.)から選択される。
いくつかの実施形態において、1つまたはそれより多くの他の治療剤は、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)阻害剤である。いくつかの実施形態において、HDAC阻害剤は、ボリノスタット(Zolinza(登録商標)、Merck);ロミデプシン(Istodax(登録商標)、Celgene);パノビノスタット(Farydak(登録商標)、Novartis);ベリノスタット(belinostat)(Beleodaq(登録商標)、Spectrum Pharmaceuticals);エンチノスタット(SNDX-275、Syndax Pharmaceuticals)(NCT00866333);およびチダミド(chidamide)(Epidaza(登録商標)、HBI-8000、Chipscreen Biosciences、China)から選択される。
いくつかの実施形態において、1つまたはそれより多くの他の治療剤は、CDK4/CDK6阻害剤などのCDK阻害剤である。いくつかの実施形態において、CDK 4/6阻害剤は、パルボシクリブ(Ibrance(登録商標)、Pfizer);リボシクリブ(ribociclib)(Kisqali(登録商標)、Novartis);アベマシクリブ(Ly2835219、Eli Lilly);およびトリラシクリブ(trilaciclib)(G1T28、G1 Therapeutics)から選択される。
いくつかの実施形態において、1つまたはそれより多くの他の治療剤は、葉酸阻害剤である。本発明において有用な承認されている葉酸阻害剤には、ペメトレキセド(Alimta(登録商標)、Eli Lilly)が含まれる。
いくつかの実施形態において、1つまたはそれより多くの他の治療剤は、CCケモカイン受容体4(CCR4)阻害剤である。本発明において有用となり得る、現在検討中のCCR4阻害剤には、モガムリズマブ(Poteligeo(登録商標)、協和発酵キリン、日本)が含まれる。
いくつかの実施形態において、1つまたはそれより多くの他の治療剤は、イソクエン酸デヒドロゲナーゼ(IDH)阻害剤である。本発明において使用することができる、現在検討中のIDH阻害剤には、AG120(Celgene;NCT02677922);AG221(Celgene、NCT02677922;NCT02577406);BAY1436032(Bayer、NCT02746081);IDH305(Novartis、NCT02987010)が含まれる。
いくつかの実施形態において、1つまたはそれより多くの他の治療剤は、アルギナーゼ阻害剤である。本発明において使用することができる現在検討中のアルギナーゼ阻害剤には、急性骨髄性白血病および骨髄異形成症候群(NCT02732184)および固形腫瘍(NCT02561234)に関して第1相臨床試験において現在検討中のAEB1102(ペグ化組換えアルギナーゼ、Aeglea Biotherapeutics);ならびにCB-1158(Calithera Biosciences)が含まれる。
いくつかの実施形態において、1つまたはそれより多くの他の治療剤は、グルタミナーゼ阻害剤である。本発明において使用することができる現在検討中のグルタミナーゼ阻害剤には、CB-839(Calithera Biosciences)が含まれる。
いくつかの実施形態において、1つまたはそれより多くの他の治療剤は、腫瘍抗原に結合する抗体、すなわち、腫瘍細胞の細胞表面に発現するタンパク質である。本発明において使用することができる、腫瘍抗原に結合する、承認を受けている抗体には、リツキシマブ(Rituxan(登録商標)、Genentech/BiogenIdec);オファツムマブ(抗CD20、Arzerra(登録商標)、GlaxoSmithKline);オビヌツズマブ(抗CD20、Gazyva(登録商標)、Genentech)、イブリツモマブ(抗CD20およびイットリウム-90、Zevalin(登録商標)、Spectrum Pharmaceuticals);ダラツムマブ(抗CD38、Darzalex(登録商標)、Janssen Biotech)、ジヌツキシマブ(抗糖脂質GD2、Unituxin(登録商標)、United Therapeutics);トラスツズマブ(抗HER2、Herceptin(登録商標)、Genentech);アド-トラスツズマブエムタンシン(抗HER2、エムタンシンに融合、Kadcyla(登録商標)、Genentech);およびペルツズマブ(抗HER2、Perjeta(登録商標)、Genentech);およびブレンツキシマブベドチン(抗CD30-薬物コンジュゲート、Adcetris(登録商標)、Seattle Genetics)が含まれる。
いくつかの実施形態において、1つまたはそれより多くの他の治療剤はトポイソメラーゼ阻害剤である。本発明において有用な承認を受けているトポイソメラーゼ阻害剤には、イリノテカン(Onivyde(登録商標)、Merrimack Pharmaceuticals);トポテカン(Hycamtin(登録商標)、GlaxoSmithKline)が含まれる。本発明において使用することができる、現在検討中のトポイソメラーゼ阻害剤には、ピクサントロン(Pixuvri(登録商標)、CTI Biopharma)が含まれる。
いくつかの実施形態において、1つまたはそれより多くの他の治療剤は、BCL-2などの抗アポトーシスタンパク質の阻害剤である。本発明において使用することができる、承認されている抗アポトーシス剤には、ベネトクラックス(Venclexta(登録商標)、AbbVie/Genentech);およびブリナツモマブ(Blincyto(登録商標)、Amgen)が含まれる。臨床試験を受けており、本発明において使用することができる、アポトーシスタンパク質を標的とする他の治療剤には、ナビトクラックス(ABT-263、Abbott)、BCL-2阻害剤(NCT02079740)が含まれる。
いくつかの実施形態において、1つまたはそれより多くの他の治療剤は、アンドロゲン受容体阻害剤である。本発明において有用な承認されているアンドロゲン受容体阻害剤には、エンザルタミド(Xtandi(登録商標)、Astellas/Medivation)が含まれる。承認を受けているアンドロゲン合成の阻害剤には、アビラテロン(Zytiga(登録商標)、Centocor/Ortho);承認を受けている性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)受容体のアンタゴニスト(デガラリクス、Firmagon(登録商標)、Ferring Pharmaceuticals)が含まれる。
いくつかの実施形態において、1つまたはそれより多くの他の治療剤は、エストロゲンの合成または活性を妨害する、選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)である。本発明において有用な承認されているSERMには、ラロキシフェン(Evista(登録商標)、Eli Lilly)が含まれる。
いくつかの実施形態において、1つまたはそれより多くの他の治療剤は骨吸収の阻害剤である。骨吸収を阻害する承認を受けている治療剤は、デノスマブ(Xgeva(登録商標)、Amgen)(RANKLに結合し、破骨細胞、その前駆体および破骨細胞様巨細胞の表面に見出され、骨転移を伴う固形腫瘍における骨病理を媒介する、RANKLの受容体RANKへの結合を阻害する抗体である)である。骨吸収を阻害する、他の承認を受けている治療剤には、ゾレドロン酸(Zometa(登録商標)、Novartis)などの、ビスホスホネートが含まれる。
いくつかの実施形態において、1つまたはそれより多くの他の治療剤は、2つの主要なp53抑制タンパク質であるMDMXとMDM2との間の相互作用の阻害剤である。本発明に使用することができる、現在検討中のp53抑制タンパク質の阻害剤には、MDMXおよびMDM2に等価に結合して、これらとp53との相互作用を撹乱するステープルペプチドである、ALRN-6924(Aileron)が含まれる。ALRN-6924は、AML、進行性骨髄異形成症候群(MDS)および末梢T細胞リンパ腫(PTCL)(NCT02909972;NCT02264613)の処置に関して、臨床試験において現在評価中である。
いくつかの実施形態において、1つまたはそれより多くの他の治療剤は、トランスフォーミング成長因子-ベータ(TGF-ベータまたはTGFβ)の阻害剤である。本発明において使用することができる、現在検討中のTGF-ベータタンパク質の阻害剤には、乳房、肺、肝細胞、結腸直腸、膵臓、前立腺および腎がん(NCT02947165)を含めた、様々ながんの処置に関して外来診療所において現在試験されている抗TGF-ベータ抗体であるNIS793(Novartis)が含まれる。いくつかの実施形態において、TGF-ベータタンパク質の阻害剤は、黒色腫(NCT00923169);腎細胞癌(NCT00356460);および非小細胞肺がん(NCT02581787)について現在検討中の、フレソリムマブ(GC1008;Sanofi-Genzyme)である。さらに、いくつかの実施形態において、追加の治療剤は、Connolly et al.(2012)Int’l J.Biological Sciences 8:964-978に記載されているものなどの、TGF-ベータ捕捉剤である。固形腫瘍の処置に関して、現在、臨床試験中の治療用化合物の1つは、二特異性抗PD-L1/TGFβ捕捉化合物(NCT02699515)である、M7824(Merck KgaA-以前のMSB0011459X);および(NCT02517398)である。M7824は、TGFβ「捕捉剤」として機能する、ヒトTGF-ベータ受容体IIの細胞外ドメインに融合したPD-L1に対する、完全ヒトIgG1抗体からなる。
いくつかの実施形態において、1つまたはそれより多くの他の治療剤は、グレムバツムマブベドチン-モノメチルオーリスタチンE(MMAE)(Celldex)(細胞毒性MMAEに連結している抗グリコタンパク質NMB(gpNMB)抗体(CR011))から選択される。gpNMBは、がん細胞が転移する能力に関連する複数の腫瘍タイプにより過剰発現されるタンパク質である。
いくつかの実施形態において、1つまたはそれより多くの他の治療剤は、抗増殖性化合物である。このような抗増殖性化合物には、以下に限定されないが、アロマターゼ阻害剤;抗エストロゲン薬;トポイソメラーゼI阻害剤;トポイソメラーゼII阻害剤;微小管活性化合物;アルキル化化合物;ヒストンデアセチラーゼ阻害剤;細胞分化過程を誘発する化合物;シクロオキシゲナーゼ阻害剤;MMP阻害剤;mTOR阻害剤;抗新生物抗代謝拮抗物質;白金化合物;タンパク質または脂質キナーゼ活性を標的とする/低下させる化合物、およびさらには抗血管新生化合物;タンパク質または脂質ホスファターゼを標的とする、その活性を低下させるまたは阻害する化合物;ゴナドレリンアゴニスト;抗アンドロゲン薬;メチオニンアミノペプチダーゼ阻害剤;マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤;ビスホスホネート;生物学的応答調節剤;抗増殖抗体;ヘパラナーゼ阻害剤;Ras発がんアイソフォームの阻害剤;テロメラーゼ阻害剤;プロテアソーム阻害剤;血液悪性疾患の処置に使用される化合物;Flt-3を標的とする、その活性を低下させるまたは阻害する化合物;Hsp90阻害剤(17-AAG(17-アリルアミノゲルダナマイシン、NSC330507)、17-DMAG(17-ジメチルアミノエチルアミノ-17-デメトキシ-ゲルダナマイシン、NSC707545)、IPI-504、CNF1010、CNF2024、CNF1010(Conforma Therapeuticsから)など);テモゾロミド(Temodal(登録商標));キネシンスピンドルタンパク質阻害剤(GlaxoSmithKlineからのSB715992もしくはSB743921、またはCombinatoRxからのペンタミジン/クロルプロマジンなど);MEK阻害剤(Array BioPharmaからのARRY142886、AstraZenecaからのAZd244、PfizerからのPD181461およびロイコボリンなど)が含まれる。
いくつかの実施形態において、1つまたはそれより多くの他の治療剤は、細胞分裂に必須である微小管の破壊を引き起こす、タキサン化合物である。いくつかの実施形態において、タキサン化合物は、パクリタキセル(Taxol(登録商標)、Bristol-Myers Squibb)、ドセタキセル(Taxotere(登録商標)、Sanofi-Aventis;Docefrez(登録商標)、Sun Pharmaceutical)、アルブミン結合パクリタキセル(Abraxane(登録商標);Abraxis/Celgene)、カバジタキセル(Jevtana(登録商標)、Sanofi-Aventis)、およびSID530(SK Chemicals,Co.)(NCT00931008)から選択される。
いくつかの実施形態において、1つまたはそれより多くの他の治療剤は、ヌクレオシド阻害剤、または正常なDNA合成、タンパク質合成、細胞複製を妨害するか、もしくは急速に増殖する細胞を他の方法で阻害する、治療剤である。
いくつかの実施形態において、ヌクレオシド阻害剤は、トラベクテジン(グアニジンアルキル化剤、Yondelis(登録商標)、Janssen Oncology)、メクロレタミン(アルキル化剤、Valchlor(登録商標)、Aktelion Pharmaceuticals);ビンクリスチン(Oncovin(登録商標)、Eli Lilly;Vincasar(登録商標)、Teva Pharmaceuticals;Marqibo(登録商標)、Talon Therapeutics);テモゾロミド(アルキル化剤である5-(3-メチルトリアゼン-1-イル)-イミダゾール-4-カルボキサミド(MTIC)に対するプロドラッグ、Temodar(登録商標)、Merck);シタラビン注射剤(ara-C、代謝拮抗性シチジンアナログ、Pfizer);ロムスチン(アルキル化剤、CeeNU(登録商標)、Bristol-Myers Squibb;Gleostine(登録商標)、NextSource Biotechnology);アザシチジン(シチジンのピリミジンヌクレオシドアナログ、Vidaza(登録商標)、Celgene);オマセタキシンメペスクシネート(セファロタキシンエステル)(タンパク質合成阻害剤、Synribo(登録商標);Teva Pharmaceuticals);アスパラギナーゼErwinia chrysanthemi(アスパラギンを枯渇する酵素、Elspar(登録商標)、Lundbeck;Erwinaze(登録商標)、EUSA Pharma);エリブリンメシレート(微小管阻害剤、チューブリンをベースとする抗有糸分裂剤、Halaven(登録商標)、エーザイ);カバジタキセル(微小管阻害剤、チューブリンをベースとする抗有糸分裂剤、Jevtana(登録商標)、Sanofi-Aventis);カパセトリン(チミジル酸シンターゼ阻害剤、Xeloda(登録商標)、Genentech);ベンダムスチン(二官能性メクロレタミン誘導体、鎖間DNA架橋を形成すると考えられる、Treanda(登録商標)、Cephalon/Teva);イキサベピロン(エポチロンBの半合成アナログ、微小管阻害剤、チューブリンをベースとする抗有糸分裂剤、Ixempra(登録商標)、Bristol-Myers Squibb);ネララビン(デオキシグアノシンアナログのプロドラッグ、ヌクレオシド代謝阻害剤、Arranon(登録商標)、Novartis);クロファラビン(リボヌクレオチドレダクターゼ阻害剤のプロドラッグ、デオキシシチジンの競合阻害剤、Clolar(登録商標)、Sanofi-Aventis);ならびにトリフリジンおよびチピラシル(チミジンをベースとするヌクレオシドアナログおよびチミジンホスホリラーゼ阻害剤、Lonsurf(登録商標)、Taiho Oncology)から選択される。
いくつかの実施形態において、1つまたはそれより多くの他の治療剤は、キナーゼ阻害剤またはVEGF-Rアンタゴニストである。本発明において有用な、承認を受けたVEGF阻害剤およびキナーゼ阻害剤には、ベバシズマブ(Avastin(登録商標)、Genentech/Roche)(抗VEGFモノクローナル抗体);ラムシルマブ(Cyramza(登録商標)、Eli Lilly)(抗VEGFR-2抗体)およびziv-アフリベルセプト(VEGF捕捉剤としても公知)(Zaltrap(登録商標);Regeneron/Sanofi)が含まれる。VEGFR阻害剤(レゴラフェニブ(Stivarga(登録商標)、Bayer);バンデタニブ(Caprelsa(登録商標)、AstraZeneca);アキシチニブ(Inlyta(登録商標)、Pfizer);およびレンバチニブ(Lenvima(登録商標)、Eisai)など);Raf阻害剤(ソラフェニブ(Nexavar(登録商標)、Bayer AGおよびOnyx);ダブラフェニブ(Tafinlar(登録商標)、Novartis);およびベムラフェニブ(Zelboraf(登録商標)、Genentech/Roche)など);MEK阻害剤(コビメタニブ(cobimetanib)(Cotellic(登録商標)、Exelexis/Genentech/Roche);トラメチニブ(Mekinist(登録商標)、Novartis)など);Bcr-Ablチロシンキナーゼ阻害剤(イマチニブ(Gleevec(登録商標)、Novartis);ニロチニブ(Tasigna(登録商標)、Novartis);ダサチニブ(Sprycel(登録商標)、BristolMyersSquibb);ボスチニブ(Bosulif(登録商標)、Pfizer);およびポナチニブ(Inclusig(登録商標)、Ariad Pharmaceuticals)など);Her2およびEGFR阻害剤(ゲフィチニブ(Iressa(登録商標)、AstraZeneca);エルロチニブ(Tarceeva(登録商標)、Genentech/Roche/Astellas);ラパチニブ(Tykerb(登録商標)、Novartis);アファチニブ(Gilotrif(登録商標)、Boehringer Ingelheim);オシメルチニブ(活性化EGFRを標的とする、Tagrisso(登録商標)、AstraZeneca));およびブリガチニブ(Alunbrig(登録商標)、Ariad Pharmaceuticals)など);c-MetおよびVEGFR2阻害剤(カボザンチニブ(cabozanitib)(Cometriq(登録商標)、Exelexis)など);およびマルチキナーゼ阻害剤(スニチニブ(Sutent(登録商標)、Pfizer);パゾパニブ(Votrient(登録商標)、Novartis)など);ALK阻害剤(クリゾチニブ(Xalkori(登録商標)、Pfizer);セリチニブ(Zykadia(登録商標)、Novartis);およびアレクチニブ(Alecenza(登録商標)、Genentech/Roche)など);ブルトン型チロシンキナーゼ阻害剤(イブルチニブ(Imbruvica(登録商標)、Pharmacyclics/Janssen)など);およびFlt3受容体阻害剤(ミドスタウリン(Rydapt(登録商標)、Novartis)など)。
開発中にある、および本発明において使用することができる他のキナーゼ阻害剤およびVEGF-Rアンタゴニストには、チボザニブ(Aveo Pharmaecuticals);バタラニブ(Bayer/Novartis);ルシタニブ(Clovis Oncology);ドビチニブ(TKI258、Novartis);チアウアニブ(Chiauanib)(Chipscreen Biosciences);CEP-11981(Cephalon);リニファニブ(Abbott Laboratories);ネラチニブ(HKI-272、Puma Biotechnology);ラドチニブ(Supect(登録商標)、IY5511、Il-Yang Pharmaceuticals、S.韓国);ルキソリチニブ(Jakafi(登録商標)、Incyte Corporation);PTC299(PTC Therapeutics);CP-547,632(Pfizer);フォレチニブ(Exelexis、GlaxoSmithKline);クイザルチニブ(第一三共)およびモテサニブ(Amgen/Takeda)が含まれる。
別の実施形態では、本発明は、疾患を処置するかまたはその重症度を低下させる方法であって、それを必要とする患者に、提供されるIRAK4分解剤またはその薬学的に受容可能な塩およびBTK阻害剤を投与するステップを含み、疾患が、B細胞増殖性障害(例えば、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫)、濾胞性リンパ腫、慢性リンパ球性リンパ腫、慢性リンパ球性白血病、急性リンパ球性白血病、B細胞前リンパ球性白血病、リンパ形質細胞性リンパ腫/ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、脾臓辺縁層リンパ腫、多発性骨髄腫(形質細胞骨髄腫としても公知)、非ホジキンリンパ腫、ホジキンリンパ腫、形質細胞腫、節外性辺縁層B細胞リンパ腫、結節性辺縁層B細胞リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、縦隔(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫、血管内大細胞型B細胞リンパ腫、原発性滲出性リンパ腫、バーキットリンパ腫/白血病、またはリンパ腫様肉芽腫症から選択される、方法を提供する。
別の実施形態では、本発明は、疾患を処置するかまたはその重症度を低下させる方法であって、それを必要とする患者に、提供されるIRAK4分解剤またはその薬学的に受容可能な塩およびPI3K阻害剤を投与するステップを含み、疾患が、リンパ腫(例えば、非ホジキンリンパ腫(NHL)およびホジキンリンパ腫(ホジキンまたはホジキン病とも呼ばれる)を含む)から選択される、方法を提供する。
いくつかの実施形態において、1つまたはそれより多くの他の治療剤は、イデラリシブ(Zydelig(登録商標)、Gilead)、アルペシリブ(BYL719、Novartis);タセリシブ(GDC-0032、Genentech/Roche);ピクチリシブ(GDC-0941、Genentech/Roche);コパンリシブ(BAY806946、Bayer);デュベリシブ(以前のIPI-145、Infinity Pharmaceuticals);PQR309(Piqur Therapeutics、スイス);およびTGR1202(以前のRP5230、TG Therapeutics)から選択されるホスファチジルイノシトール3キナーゼ(PI3K)阻害剤である。
本発明の化合物はまた、他の抗増殖化合物と組み合わせて、有利に使用され得る。このような抗増殖化合物として、これらに限定されないが、アロマターゼ阻害剤;抗エストロゲン;トポイソメラーゼI阻害剤;トポイソメラーゼII阻害剤;微小管活性化合物;アルキル化化合物;ヒストンデアセチラーゼ阻害剤;細胞分化プロセスを誘発する化合物;シクロオキシゲナーゼ阻害剤;MMP阻害剤;mTOR阻害剤;抗腫瘍性代謝拮抗物質;プラチン化合物;プロテインキナーゼ活性または脂質キナーゼ活性を標的化/低下させる化合物およびさらなる抗血管形成化合物;プロテインホスファターゼまたは脂質ホスファターゼの活性を標的化する、低下させるまたは阻害する化合物;ゴナドレリンアゴニスト;抗アンドロゲン;メチオニンアミノペプチダーゼ阻害剤;マトリクスメタロプロテイナーゼ阻害剤;ビスホスホネート;生体応答修飾物質;抗増殖性抗体;ヘパラナーゼ阻害剤;Ras発癌性アイソフォームの阻害剤;テロメラーゼ阻害剤;プロテアソーム阻害剤;血液学的悪性疾患の処置において使用される化合物;Flt-3の活性を標的化する、低下させるまたは阻害する化合物;Hsp90阻害剤(例えば、17-AAG(17-アリルアミノゲルダナマイシン、NSC330507)、17-DMAG(17-ジメチルアミノエチルアミノ-17-デメトキシ-ゲルダナマイシン、NSC707545)、IPI-504、CNF1010、CNF2024、CNF1010(Conforma Therapeutics製));テモゾロミド(Temodal(登録商標));キネシン紡錘体タンパク質阻害剤(例えば、SB715992またはSB743921(GlaxoSmithKline製)、またはペンタミジン/クロルプロマジン(CombinatoRx製));MEK阻害剤(例えば、ARRY142886(Array BioPharma製)、AZD6244(AstraZeneca製)、PD181461(Pfizer製)およびロイコボリン)が挙げられる。
「アロマターゼ阻害剤」という用語は、本明細書において使用する場合、エストロゲン産生、例えば、基質であるアンドロステンジオンおよびテストステロンの、それぞれ、エストロンおよびエストラジオールへの転換を阻害する化合物に関する。この用語は、これらに限定されないが、ステロイド、とりわけ、アタメスタン、エキセメスタンおよびフォルメスタン、ならびに特に、非ステロイド、とりわけ、アミノグルテチミド、ログレチミド、ピリドグルテチミド、トリロスタン、テストラクトン、ケトコナゾール、ボロゾール、ファドロゾール、アナストロゾールおよびレトロゾールを含む。エキセメスタンは、商品名Aromasin(商標)のもとで市販されている。フォルメスタンは、商品名Lentaron(商標)のもとで市販されている。ファドロゾールは、商品名Afema(商標)のもとで市販されている。アナストロゾールは、商品名Arimidex(商標)のもとで市販されている。レトロゾールは、商品名Femara(商標)またはFemar(商標)のもとで市販されている。アミノグルテチミドは、商品名Orimeten(商標)のもとで市販されている。アロマターゼ阻害剤である化学療法剤を含む本発明の組み合わせは、ホルモン受容体陽性腫瘍、例えば、乳房腫瘍の処置のために特に有用である。
いくつかの実施形態において、1つまたはそれより多くの他の治療剤はmTOR阻害剤であり、これは、細胞増殖、血管新生およびグルコース取り込みを阻害する。いくつかの実施形態において、mTOR阻害剤は、エベロリムス(Afinitor(登録商標)、Novartis);テムシロリムス(temsirolimus)(Torisel(登録商標)、Pfizer);およびシロリムス(Rapamune(登録商標)、Pfizer)である。
いくつかの実施形態において、1つまたはそれより多くの他の治療剤はアロマターゼ阻害剤である。いくつかの実施形態において、アロマターゼ阻害剤は、エキセメスタン(Aromasin(登録商標)、Pfizer);アナスタゾール(anastazole)(Arimidex(登録商標)、AstraZeneca)およびレトロゾール(Femara(登録商標)、Novartis)から選択される。
「抗エストロゲン」という用語は、本明細書において使用する場合、エストロゲンの効果をエストロゲン受容体レベルで拮抗する化合物に関する。この用語は、これらに限定されないが、タモキシフェン、フルベストラント、ラロキシフェンおよびラロキシフェン塩酸塩を含む。タモキシフェンは、商品名Nolvadex(商標)のもとで市販されている。ラロキシフェン塩酸塩は、商品名Evista(商標)のもとで市販されている。フルベストラントは、商品名Faslodex(商標)のもとで投与することができる。抗エストロゲンである化学療法剤を含む本発明の組み合わせは、エストロゲン受容体陽性腫瘍、例えば、乳房腫瘍の処置のために特に有用である。
「抗アンドロゲン」という用語は、本明細書において使用する場合、アンドロゲンの生物学的効果を阻害することが可能な任意の物質に関し、これらに限定されないが、ビカルタミド(Casodex(商標))を含む。「ゴナドレリンアゴニスト」という用語は、本明細書において使用する場合、これらに限定されないが、アバレリクス、ゴセレリンおよび酢酸ゴセレリンを含む。ゴセレリンは、商品名Zoladex(商標)のもとで投与することができる。
「トポイソメラーゼI阻害剤」という用語は、本明細書において使用する場合、これらに限定されないが、トポテカン、ギマテカン、イリノテカン、カンプトテシン(camptothecian)およびそのアナログ、9-ニトロカンプトテシンならびに高分子カンプトテシンコンジュゲートPNU-166148を含む。イリノテカンは、例えば、Camptosar(商標)の商標のもとで、例えば、市販されている形態で、投与することができる。トポテカンは、商品名Hycamptin(商標)のもとで市販されている。
「トポイソメラーゼII阻害剤」という用語は、本明細書において使用する場合、これらに限定されないが、アントラサイクリン(例えば、ドキソルビシン(Caelyx(商標)などのリポソーム製剤を含む)、ダウノルビシン、エピルビシン、イダルビシンおよびネモルビシン、アントラキノンであるミトキサントロンおよびロソキサントロン、ならびにポドフィロトキシンであるエトポシドおよびテニポシドを含む。エトポシドは、商品名Etopophos(商標)のもとで市販されている。テニポシドは、商品名VM 26-Bristolのもとで市販されている。ドキソルビシンは、商品名Acriblastin(商標)またはAdriamycin(商標)のもとで市販されている。エピルビシンは、商品名Farmorubicin(商標)のもとで市販されている。イダルビシンは、商品名Zavedos(商標)のもとで市販されている。ミトキサントロンは、商品名Novantronのもとで市販されている。
「微小管活性剤」という用語は、微小管安定化化合物、微小管不安定化化合物およびミクロチューブリン(microtublin)重合阻害剤に関し、これらに限定されないが、タキサン類、例えば、パクリタキセルおよびドセタキセル;ビンカアルカロイド類、例えば、ビンブラスチンまたは硫酸ビンブラスチン、ビンクリスチンまたは硫酸ビンクリスチン、およびビノレルビン;ディスコデルモリド;コルヒチン(cochicine)およびエポチロンならびにこれらの誘導体を含む。パクリタキセルは、商品名Taxol(商標)のもとで市販されている。ドセタキセルは、商品名Taxotere(商標)のもとで市販されている。硫酸ビンブラスチンは、商品名Vinblastin R.P(商標)のもとで市販されている。硫酸ビンクリスチンは、商品名Farmistin(商標)のもとで市販されている。
「アルキル化剤」という用語は、本明細書において使用する場合、これらに限定されないが、シクロホスファミド、イホスファミド、メルファランまたはニトロソ尿素(BCNUまたはGliadel)を含む。シクロホスファミドは、商品名Cyclostin(商標)のもとで市販されている。イホスファミドは、商品名Holoxan(商標)のもとで市販されている。
「ヒストンデアセチラーゼ阻害剤」または「HDAC阻害剤」という用語は、ヒストンデアセチラーゼを阻害し、抗増殖活性を有する化合物に関する。これには、これらに限定されないが、スベロイルアニリドヒドロキサム酸(SAHA)が挙げられる。
「抗腫瘍性代謝拮抗物質」という用語は、これらに限定されないが、5-フルオロウラシルすなわち5-FU、カペシタビン、ゲムシタビン、DNA脱メチル化合物(例えば、5-アザシチジンおよびデシタビン)、メトトレキサートおよびエダトレキサート、ならびに葉酸アンタゴニスト(例えば、ペメトレキセド)を含む。カペシタビンは、商品名Xeloda(商標)のもとで市販されている。ゲムシタビンは、商品名Gemzar(商標)のもとで市販されている。
「プラチン化合物」という用語は、本明細書において使用する場合、これらに限定されないが、カルボプラチン、シスプラチン、シスプラチナムおよびオキサリプラチンを含む。カルボプラチンは、例えば、Carboplat(商標)の商標のもとで、例えば、市販されている形態で投与することができる。オキサリプラチンは、例えば、Eloxatin(商標)の商標のもとで、例えば、市販されている形態で投与することができる。
「Bcl-2阻害剤」という用語は、本明細書において使用する場合、これらに限定されないが、B細胞リンパ腫2タンパク質(Bcl-2)に対する阻害活性を有する化合物(これらに限定されないが、ABT-199、ABT-731、ABT-737、アポゴシポール(apogossypol)、Ascentaの汎Bcl-2阻害剤、クルクミン(およびそのアナログ)、二重Bcl-2/Bcl-xL阻害剤(Infinity Pharmaceuticals/Novartis Pharmaceuticals)、Genasense(G3139)、HA14-1(およびそのアナログ;WO2008/118802、US 2010/0197686を参照のこと)、ナビトクラックス(navitoclax)(およびそのアナログ、US7,390,799を参照のこと)、NH-1(Shenayng Pharmaceutical University)、オバトクラックス(およびそのアナログ、WO2004/106328、US 2005/0014802を参照のこと)、S-001(Gloria Pharmaceuticals)、TW系列の化合物(Univ.of Michigan)、およびベネトクラックスを含む)を含む。一部の実施形態では、Bcl-2阻害剤は、小分子治療薬である。一部の実施形態では、Bcl-2阻害剤は、ペプチド模倣物である。
「プロテインキナーゼもしくは脂質キナーゼの活性を標的化する/低下させる化合物;またはプロテインホスファターゼもしくは脂質ホスファターゼの活性を標的化する/低下させる化合物;またはさらなる抗血管形成化合物」という用語は、本明細書において使用する場合、これらに限定されないが、プロテインチロシンキナーゼならびに/またはセリンおよび/もしくはトレオニンキナーゼ阻害剤、あるいは脂質キナーゼ阻害剤、例えば、a)血小板由来増殖因子受容体(PDGFR)の活性を標的化する、低下させるまたは阻害する化合物(例えば、PDGFRの活性を標的化する、低下させるまたは阻害する化合物、特に、PDGF受容体を阻害する化合物、例えば、N-フェニル-2-ピリミジン-アミン誘導体、例えば、イマチニブ、SU101、SU6668およびGFB-111);b)線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)の活性を標的化する、低下させるまたは阻害する化合物;c)インスリン様増殖因子受容体I(IGF-IR)の活性を標的化する、低下させるまたは阻害する化合物(例えば、IGF-IRの活性を標的化する、低下させるまたは阻害する化合物、特に、IGF-I受容体のキナーゼ活性を阻害する化合物、またはIGF-I受容体もしくはその増殖因子の細胞外ドメインを標的化する抗体);d)Trk受容体型チロシンキナーゼファミリーの活性を標的化する、低下させるもしくは阻害する化合物、またはエフリンB4阻害剤;e)AxI受容体型チロシンキナーゼファミリーの活性を標的化する、低下させるまたは阻害する化合物;f)Ret受容体型チロシンキナーゼの活性を標的化する、低下させるまたは阻害する化合物;g)Kit/SCFR受容体型チロシンキナーゼの活性を標的化する、低下させるまたは阻害する化合物、例えば、イマチニブ;h)PDGFRファミリーの一部である、C-kit受容体型チロシンキナーゼの活性を標的化する、低下させるまたは阻害する化合物(例えば、c-Kit受容体型チロシンキナーゼファミリーの活性を標的化する、低下させるまたは阻害する化合物、特に、c-Kit受容体を阻害する化合物、例えば、イマチニブ);i)c-Ablファミリーのメンバー、それらの遺伝子融合産物(例えば、BCR-Ablキナーゼ)および変異体の活性を標的化する、低下させるまたは阻害する化合物(例えば、c-Ablファミリーメンバーおよびそれらの遺伝子融合産物の活性を標的化する、低下させるまたは阻害する化合物、例えば、N-フェニル-2-ピリミジン-アミン誘導体、例えば、イマチニブまたはニロチニブ(AMN107);PD180970;AG957;NSC 680410;PD173955(ParkeDavis製);またはダサチニブ(BMS-354825));j)セリン/トレオニンキナーゼのプロテインキナーゼC(PKC)およびRafファミリーのメンバー、MEK、SRC、JAK/汎JAK、FAK、PDK1、PKB/Akt、Ras/MAPK、PI3K、SYK、TYK2、BTKおよびTECファミリーのメンバー、ならびに/またはサイクリン依存性キナーゼファミリー(CDK)のメンバーの活性を標的化する、低下させるまたは阻害する化合物(スタウロスポリン誘導体、例えば、ミドスタウリンを含む)であり;さらなる化合物の例として、UCN-01、サフィンゴール、BAY 43-9006、ブリオスタチン1、ペリホシン;イルモホシン(llmofosine);RO 318220およびRO 320432;GO 6976;lsis 3521;LY333531/LY379196;イソキノリン(isochinoline)化合物;FTI;PD184352またはQAN697(P13K阻害剤)またはAT7519(CDK阻害剤)が挙げられる;k)プロテイン-チロシンキナーゼ阻害剤の活性を標的化する、低下させるまたは阻害する化合物であり、例えば、プロテイン-チロシンキナーゼ阻害剤の活性を標的化する、低下させるまたは阻害する化合物は、メシル酸イマチニブ(Gleevec(商標))またはチルホスチン(例えば、チルホスチンA23/RG-50810;AG 99;チルホスチンAG 213;チルホスチンAG 1748;チルホスチンAG 490;チルホスチンB44;チルホスチンB44(+)鏡像異性体;チルホスチンAG 555;AG 494;チルホスチンAG 556、AG957)およびアダホスチン(4-{[(2,5-ジヒドロキシフェニル)メチル]アミノ}-安息香酸アダマンチルエステル;NSC 680410、アダホスチン)を含む;l)受容体型チロシンキナーゼの上皮増殖因子ファミリー(ホモ二量体またはヘテロ二量体としての、EGFR ErbB2、ErbB3、ErbB4)およびそれらの変異体の活性を標的化する、低下させるまたは阻害する化合物であり、例えば、上皮増殖因子受容体ファミリーの活性を標的化する、低下させるまたは阻害する化合物は、特に、EGF受容体型チロシンキナーゼファミリー、例えば、EGF受容体、ErbB2、ErbB3およびErbB4のメンバーを阻害するか、またはEGFもしくはEGF関連リガンドに結合する化合物、タンパク質または抗体(例えば、CP 358774、ZD 1839、ZM 105180;トラスツズマブ(Herceptin(商標))、セツキシマブ(Erbitux(商標))、Iressa、Tarceva、OSI-774、Cl-1033、EKB-569、GW-2016、E1.1、E2.4、E2.5、E6.2、E6.4、E2.11、E6.3もしくはE7.6.3、および7H-ピロロ-[2,3-d]ピリミジン誘導体)であり;m)c-Met受容体の活性を標的化する、低下させるまたは阻害する化合物、例えば、c-Metの活性を標的化する、低下させるまたは阻害する化合物、特に、c-Met受容体のキナーゼ活性を阻害する化合物、またはc-Metの細胞外ドメインを標的化するもしくはHGFに結合する抗体、n)1種または複数種のJAKファミリーメンバー(JAK1/JAK2/JAK3/TYK2および/または汎JAK)のキナーゼ活性を標的化する、低下させるまたは阻害する化合物(これらに限定されないが、PRT-062070、SB-1578、バリシチニブ、パクリチニブ、モメロチニブ、VX-509、AZD-1480、TG-101348、トファシチニブ、およびルキソリチニブを含む);o)PI3キナーゼ(PI3K)のキナーゼ活性を標的化する、低下させるまたは阻害する化合物(これらに限定されないが、ATU-027、SF-1126、DS-7423、PBI-05204、GSK-2126458、ZSTK-474、ブパルリシブ、ピクトレリシブ、PF-4691502、BYL-719、ダクトリシブ、XL-147、XL-765、およびイデラリシブを含む);ならびにq)ヘッジホッグタンパク質(Hh)またはスムーズンド受容体(SMO)経路のシグナル伝達効果を標的化する、低下させるまたは阻害する化合物(これらに限定されないが、シクロパミン、ビスモデギブ、イトラコナゾール、エリスモデギブ、およびIPI-926(サリデギブ)を含む)を含む。
プロテインホスファターゼまたは脂質ホスファターゼの活性を標的化する、低下させるまたは阻害する化合物は、例えば、ホスファターゼ1の阻害剤、ホスファターゼ2Aの阻害剤、またはCDC25の阻害剤(例えば、オカダ酸またはその誘導体)である。
いくつかの実施形態において、1つまたはそれより多くの他の治療剤は、血小板由来成長因子(PDGF)、または上皮成長因子(EGF)もしくはその受容体(EGFR)のアンタゴニストなどの成長因子アンタゴニストである。本発明において使用することができる承認を受けたPDGFアンタゴニストには、オララツマブ(Lartruvo(登録商標);Eli Lilly)が含まれる。本発明において使用することができる承認を受けたEGFRアンタゴニストには、セツキシマブ(Erbitux(登録商標)、Eli Lilly);ネシツムマブ(Portrazza(登録商標)、Eli Lilly)、パニツムマブ(Vectibix(登録商標)、Amgen);およびオシメルチニブ(活性化EGFRを標的とする、Tagrisso(登録商標)、AstraZeneca)が含まれる。
「PI3K阻害剤」という用語は、本明細書において使用する場合、これらに限定されないが、ホスファチジルイノシトール-3-キナーゼファミリーの1種または複数種の酵素(これらに限定されないが、PI3Kα、PI3Kγ、PI3Kδ、PI3Kβ、PI3K-C2α、PI3K-C2β、PI3K-C2γ、Vps34、p110-α、p110-β、p110-γ、p110-δ、p85-α、p85-β、p55-γ、p150、p101、およびp87を含む)に対する阻害活性を有する化合物を含む。この発明において有用なPI3K阻害剤の例として、これらに限定されないが、ATU-027、SF-1126、DS-7423、PBI-05204、GSK-2126458、ZSTK-474、ブパルリシブ、ピクトレリシブ、PF-4691502、BYL-719、ダクトリシブ、XL-147、XL-765、およびイデラリシブが挙げられる。
「BTK阻害剤」という用語は、本明細書において使用する場合、これらに限定されないが、ブルトンチロシンキナーゼ(BTK)に対する阻害活性を有する化合物(これらに限定されないが、AVL-292およびイブルチニブを含む)を含む。
「SYK阻害剤」という用語は、本明細書において使用する場合、これらに限定されないが、脾臓チロシンキナーゼ(SYK)に対する阻害活性を有する化合物(これらに限定されないが、PRT-062070、R-343、R-333、エキセライア(Excellair)、PRT-062607、およびフォスタマチニブを含む)を含む。
さらなる抗血管形成化合物として、その活性について別の機序、例えば、プロテインキナーゼ阻害または脂質キナーゼ阻害に関連しない機序を有する化合物、例えば、サリドマイド(Thalomid(商標))およびTNP-470が挙げられる。
本発明の化合物との組み合わせにおいて使用するために有用なプロテアソーム阻害剤の例として、これらに限定されないが、ボルテゾミブ、ジスルフィラム、エピガロカテキン-3-ガレート(EGCG)、サリノスポラミドA、カルフィルゾミブ、ONX-0912、CEP-18770、およびMLN9708が挙げられる。
プロテインホスファターゼまたは脂質ホスファターゼの活性を標的化する、低下させるまたは阻害する化合物は、例えば、ホスファターゼ1の阻害剤、ホスファターゼ2Aの阻害剤、またはCDC25の阻害剤(例えば、オカダ酸またはその誘導体)である。
細胞分化プロセスを誘発する化合物として、これらに限定されないが、レチノイン酸、α-トコフェロール、γ-トコフェロールもしくはδ-トコフェロール、またはα-トコトリエノール、γ-トコトリエノールもしくはδ-トコトリエノールが挙げられる。
シクロオキシゲナーゼ阻害剤という用語は、本明細書において使用する場合、これらに限定されないが、Cox-2阻害剤、5-アルキル置換2-アリールアミノフェニル酢酸および誘導体、例えば、セレコキシブ(Celebrex(商標))、ロフェコキシブ(Vioxx(商標)、エトリコキシブ、バルデコキシブ、または5-アルキル-2-アリールアミノフェニル酢酸、例えば、5-メチル-2-(2’-クロロ-6’-フルオロアニリノ)フェニル酢酸、ルミラコキシブを含む。
「mTOR阻害剤」という用語は、哺乳動物ラパマイシン標的(mTOR)を阻害し、抗増殖活性を有する化合物、例えば、シロリムス(Rapamune(登録商標))、エベロリムス(Certican(商標))、CCI-779およびABT578に関する。
「ヘパラナーゼ阻害剤」という用語は、本明細書において使用する場合、硫酸ヘパリン分解を標的化する、低下させるまたは阻害する化合物を指す。この用語は、これらに限定されないが、PI-88を含む。「生体応答修飾物質」という用語は、本明細書において使用する場合、リンホカインまたはインターフェロンを指す。
「Ras発癌性アイソフォームの阻害剤」(例えば、H-Ras、K-Ras、またはN-Ras)という用語は、本明細書において使用する場合、Rasの発癌性活性を標的化する、低下させるまたは阻害する化合物;例えば、L-744832、DK8G557またはR115777(Zarnestra(商標))などの「ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤」を指す。「テロメラーゼ阻害剤」という用語は、本明細書において使用する場合、テロメラーゼの活性を標的化する、低下させるまたは阻害する化合物を指す。テロメラーゼの活性を標的化する、低下させるまたは阻害する化合物は、特に、テロメラーゼ受容体を阻害する化合物、例えば、テロメスタチンである。
「プロテアソーム阻害剤」という用語は、本明細書において使用する場合、プロテアソームの活性を標的化する、低下させるまたは阻害する化合物を指す。プロテアソームの活性を標的化する、低下させるまたは阻害する化合物として、これらに限定されないが、ボルテゾミブ(Velcade(商標));カルフィルゾミブ(Kyprolis(登録商標)、Amgen);およびイキサゾミブ(Ninlaro(登録商標)、武田)、およびMLN 341が挙げられる。
「マトリクスメタロプロテイナーゼ阻害剤」または(「MMP」阻害剤)という用語は、本明細書において使用する場合、これらに限定されないが、コラーゲンペプチド模倣物および非ペプチド模倣物阻害剤、テトラサイクリン誘導体(例えば、ヒドロキサメートペプチド模倣物阻害剤であるバチマスタットおよびその経口で生体利用可能なアナログであるマリマスタット(BB-2516)、プリノマスタット(AG3340)、メタスタット(NSC 683551)BMS-279251、BAY 12-9566、TAA211、MMI270BまたはAAJ996)を含む。
「血液学的悪性疾患の処置において使用される化合物」という用語は、本明細書において使用する場合、これらに限定されないが、FMS様チロシンキナーゼ受容体(Flt-3R)の活性を標的化する、低下させるまたは阻害する化合物であるFMS様チロシンキナーゼ阻害剤;インターフェロン、1-β-D-アラビノフラノシルシトシン(arabinofuransylcytosine)(ara-c)およびブスルファン(bisulfan);ならびに未分化リンパ腫キナーゼを標的化する、低下させるまたは阻害する化合物であるALK阻害剤を含む。
FMS様チロシンキナーゼ受容体(Flt-3R)の活性を標的化する、低下させるまたは阻害する化合物は、特に、Flt-3R受容体型キナーゼファミリーのメンバーを阻害する化合物、タンパク質または抗体、例えば、PKC412、ミドスタウリン、スタウロスポリン誘導体、SU11248およびMLN518である。
「HSP90阻害剤」という用語は、本明細書において使用する場合、これらに限定されないが、HSP90の内因性ATPase活性を標的化する、低下させるまたは阻害する化合物;ユビキチンプロテオソーム経路を介してHSP90クライアントタンパク質を分解する、標的化する、低下させるまたは阻害する化合物を含む。HSP90の内因性ATPase活性を標的化する、低下させるまたは阻害する化合物は、特に、HSP90のATPase活性を阻害する化合物、タンパク質または抗体、例えば、17-アリルアミノ,17-脱メトキシゲルダナマイシン(17AAG)、ゲルダナマイシン誘導体;他のゲルダナマイシン関連化合物;ラディシコールおよびHDAC阻害剤である。
「抗増殖性抗体」という用語は、本明細書において使用する場合、これらに限定されないが、トラスツズマブ(Herceptin(商標))、トラスツズマブ-DM1、アービタックス(erbitux)、ベバシズマブ(Avastin(商標))、リツキシマブ(Rituxan(登録商標))、PRO64553(抗CD40)および2C4抗体を含む。抗体とは、インタクトなモノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、少なくとも2つのインタクトな抗体から形成された多重特異性抗体、および所望の生体活性を示す限り、抗体断片を意味する。
EDG結合剤およびリボヌクレオチドレダクターゼ阻害剤もまた含まれる。「EDG結合剤」という用語は、本明細書において使用する場合、リンパ球再循環をモジュレートする免疫抑制薬のクラス、例えば、FTY720を指す。「リボヌクレオチドレダクターゼ阻害剤」という用語は、これらに限定されないが、フルダラビンおよび/またはシトシンアラビノシド(ara-C)、6-チオグアニン、5-フルオロウラシル、クラドリビン、6-メルカプトプリン(特に、ALLに対してara-Cと組み合わせて)および/またはペントスタチンを含むピリミジンヌクレオシドアナログまたはプリンヌクレオシドアナログを指す。リボヌクレオチドレダクターゼ阻害剤は、特に、ヒドロキシ尿素または2-ヒドロキシ-1H-イソインドール-1,3-ジオン誘導体である。
特に、1-(4-クロロアニリノ)-4-(4-ピリジルメチル)フタラジンまたはその薬学的に受容可能な塩、1-(4-クロロアニリノ)-4-(4-ピリジルメチル)フタラジンスクシネート;Angiostatin(商標);Endostatin(商標);アントラニル酸アミド;ZD4190;ZD6474;SU5416;SU6668;ベバシズマブ;または抗VEGF抗体もしくは抗VEGF受容体抗体(例えば、rhuMAbおよびRHUFab)、VEGFアプタマー(例えば、Macugon);FLT-4阻害剤、FLT-3阻害剤、VEGFR-2 IgGI抗体、Angiozyme(RPI 4610)およびベバシズマブ(Avastin(商標))などのVEGFの化合物、タンパク質またはモノクローナル抗体もまた、含まれる。
光ダイナミック療法とは、本明細書において使用する場合、がんを処置または予防するために、光感作化合物として公知のある特定の化学物質を使用する治療を指す。光ダイナミック療法の例として、Visudyne(商標)およびポルフィマーナトリウムなどの化合物を用いる処置が挙げられる。
血管新生抑制ステロイドとは、本明細書において使用する場合、血管新生を遮断または阻害する化合物、例えば、アネコルタブ、トリアムシノロン、ヒドロコルチゾン、11-α-エピヒドロコルチゾール、コルテキソロン、17α-ヒドロキシプロゲステロン、コルチコステロン、デスオキシコルチコステロン、テストステロン、エストロンおよびデキサメタゾンを指す。
他の化学療法化合物として、これらに限定されないが、植物アルカロイド、ホルモン化合物およびアンタゴニスト;生体応答修飾物質、好ましくは、リンホカインまたはインターフェロン;アンチセンスオリゴヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチド誘導体;shRNAまたはsiRNA;あるいは多種多様な化合物または他の作用機序もしくは未知の作用機序を有する化合物が挙げられる。
本発明の化合物と抗炎症薬物との他の有用な組み合わせは、ケモカイン受容体、例えば、CCR-1、CCR-2、CCR-3、CCR-4、CCR-5、CCR-6、CCR-7、CCR-8、CCR-9およびCCR10、CXCR1、CXCR2、CXCR3、CXCR4、CXCR5のアンタゴニスト、特に、CCR-5アンタゴニスト、例えば、Schering-PloughのアンタゴニストSC-351125、SCH-55700およびSCH-D、ならびにTakedaのアンタゴニスト、例えば、N-[[4-[[[6,7-ジヒドロ-2-(4-メチルフェニル)-5H-ベンゾ-シクロヘプテン-8-イル]カルボニル]アミノ]フェニル]-メチル]テトラヒドロ-N,N-ジメチル-2H-ピラン-4-アミニウムクロリド(TAK-770)との組み合わせである。
コード番号、一般名または商品名により特定される活性化合物の構造は、標準的な概説書「The Merck Index」の現行の版またはデータベース(例えば、Patents International(例えば、IMS World Publications))から得られ得る。
本発明の化合物はまた、公知の治療プロセス、例えば、ホルモンまたは放射線の投与と組み合わせて使用され得る。ある特定の実施形態では、提供されるIRAK4分解剤は、放射線増感剤として、特に、放射線治療に対して乏しい感受性を示す腫瘍の処置のために使用される。
本発明の化合物は、単独で投与するか、または1種もしくは複数種の他の治療化合物と組み合わせて投与することができ、可能な併用療法は、一定の組み合わせの形態、または本発明の化合物と1種もしくは複数種の他の治療化合物との投与が交互であるか、または互いに独立している形態、または一定の組み合わせと1種もしくは複数種の他の治療化合物との組み合わせた投与の形態をとり得る。本発明の化合物は、それ以外に、またはそれに加えて、特に、腫瘍治療のために、化学療法、放射線療法、免疫療法、光線療法、外科手術介入、またはこれらの組み合わせと組み合わせて、投与することができる。上で記載されたように、他の処置ストラテジーの文脈で、補助的な治療と同様に、長期間の治療が可能である。他の可能な処置は、腫瘍退縮後の患者の状態を維持するための治療、またはさらに、例えばリスクがある患者における化学予防治療である。
例示的な腫瘍免疫剤(immuno-oncology agent)
いくつかの実施形態において、1つまたはそれより多くの他の治療剤は、腫瘍免疫剤である。本明細書中で使用される場合、用語「腫瘍免疫剤」とは、被験体における免疫反応を増強し、刺激し、そして/または上方調節するために有効な薬剤をいう。いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤の、本発明の化合物との投与は、MYD88変異体B細胞リンパ腫の処置において相乗効果を有する。
腫瘍免疫剤は、例えば、低分子薬物、抗体、または生物学的もしくは低分子であり得る。生物学的腫瘍免疫剤の例としては、がんワクチン、抗体、およびサイトカインが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、抗体は、モノクローナル抗体である。いくつかの実施形態において、モノクローナル抗体は、ヒト化抗体またはヒト抗体である。
いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、T細胞の(i)刺激(共刺激を含む)受容体のアゴニスト、または(ii)阻害(共阻害を含む)シグナルのアンタゴニストであり、これらの両方が、抗原特異的T細胞応答の増幅をもたらす。
刺激分子および阻害分子の特定のものは、免疫グロブリンスーパーファミリー(IgSF)のメンバーである。共刺激受容体または共阻害受容体に結合する膜結合リガンドの1つの重要なファミリーは、B7ファミリーであり、これは、B7-1、B7-2、B7-H1(PD-L1)、B7-DC(PD-L2)、B7-H2(ICOS-L)、B7-H3、B7-H4、B7-H5(VISTA)、およびB7-H6を含む。共刺激受容体または共阻害受容体に結合する膜結合リガンドの別のファミリーは、コグネイトTNF受容体ファミリーメンバーに結合する分子のTNFファミリーであり、これは、CD40およびCD40L、OX-40、OX-40L、CD70、CD27L、CD30、CD30L、4-1BBL、CD137(4-1BB)、TRAIL/Apo2-L、TRAILR1/DR4、TRAILR2/DR5、TRAILR3、TRAILR4、OPG、RANK、RANKL、TWEAKR/Fn14、TWEAK、BAFFR、EDAR、XEDAR、TACI、APRIL、BCMA、LTβR、LIGHT、DcR3、HVEM、VEGI/TL1A、TRAMP/DR3、EDAR、EDA1、XEDAR、EDA2、TNFR1、リンホトキシンα/TNFβ、TNFR2、TNFα、LTβR、リンホトキシンα1β2、FAS、FASL、RELT、DR6、TROY、NGFRを含む。
いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、T細胞活性化を阻害するサイトカイン(例えば、IL-6、IL-10、TGF-β、VEGF、および他の免疫抑制性サイトカイン)、または免疫反応を刺激するための、T細胞活性化を刺激するサイトカインである。
いくつかの実施形態において、本発明の化合物と腫瘍免疫剤との組み合わせ物は、T細胞応答を刺激し得る。いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、(i)T細胞活性化を阻害するタンパク質のアンタゴニスト(例えば、免疫チェックポイント阻害剤)(例えば、CTLA-4、PD-1、PD-L1、PD-L2、LAG-3、TIM-3、ガレクチン9、CEACAM-1、BTLA、CD69、ガレクチン-1、TIGIT、CD113、GPR56、VISTA、2B4、CD48、GARP、PD1H、LAIR1、TIM-1、およびTIM-4);または(ii)T細胞活性化を刺激するタンパク質のアゴニスト(例えば、B7-1、B7-2、CD28、4-1BB(CD137)、4-1BBL、ICOS、ICOS-L、OX40、OX40L、GITR、GITRL、CD70、CD27、CD40、DR3およびCD28H)である。
いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、NK細胞の阻害受容体のアンタゴニスト、またはNK細胞の活性化受容体のアゴニストである。いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、リリルマブなどの、KIRのアンタゴニストである。
いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、マクロファージまたは単球を阻害または枯渇する薬剤であり、CSF-1Rアンタゴニスト(例えば、RG7155(WO 2011/070024、US 2011/0165156、WO 2011/0107553、US 2012/0329997、WO 2011/131407、US 2013/0005949、WO 2013/087699、US 2014/0336363、WO 2013/119716、WO 2013/132044、US 2014/0079706)またはFPA-008(WO 2011/140249、US 2011/0274683;WO 2013/169264;WO 2014/036357、US 2014/0079699)が挙げられるCSF-1Rアンタゴニスト抗体)が挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、正の共刺激受容体を連結するアゴニスト性剤、阻害性の受容体、アンタゴニスト、および抗腫瘍T細胞の頻度を全身的に増大させる1つまたはそれより多くの薬剤を介してシグナル伝達を減衰させる遮断剤、腫瘍微小環境内の異なる免疫抑制経路に打ち勝つ(例えば、阻害受容体の関与を遮断する(例えば、PD-L1/PD-1相互作用)、Tregsを枯渇もしくは阻害する(例えば、抗CD25モノクローナル抗体(例えば、ダクリズマブ(daclizumab))を使用して、またはエキソビボ抗CD25ビーズ枯渇により)、IDOなどの代謝酵素を阻害する、あるいはT細胞のエネルギーまたは枯渇を逆転/防止する)薬剤、ならびに先天性免疫活性化および/または炎症を腫瘍部位で誘発する薬剤から選択される。
いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、CTLA-4アンタゴニストである。いくつかの実施形態において、CTLA-4アンタゴニストは、アンタゴニスト性CTLA-4抗体である。いくつかの実施形態において、アンタゴニスト性CTLA-4抗体は、YERVOY(イピリムマブ)またはトレメリムマブ(tremelimumab)である。
いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、PD-1アンタゴニストである。いくつかの実施形態において、PD-1アンタゴニストは、注入により投与される。いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、プログラム細胞死-1(PD-1)受容体に特異的に結合し、そしてPD-1活性を阻害する、抗体またはその抗原結合部分である。いくつかの実施形態において、PD-1アンタゴニストは、アンタゴニスト性PD-1抗体である。いくつかの実施形態において、アンタゴニスト性PD-1抗体は、OPDIVO(ニボルマブ)、KEYTRUDA(ペムブロリズマブ)、またはMEDI-0680(AMP-514;WO2012/145493)である。いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、ピディリズマブ(pidilizumab)(CT-011)であり得る。いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、IgG1のFc部分に融合したPD-L2(B7-DC)の細胞外ドメインからなる、AMP-224と呼ばれる組換えタンパク質である。
いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、PD-L1アンタゴニストである。いくつかの実施形態において、PD-L1アンタゴニストは、アンタゴニスト性PD-L1抗体である。いくつかの実施形態において、PD-L1抗体は、MPDL3280A(RG7446;WO2010/077634、US 2010/0203056)、デュルバルマブ(durvalumab)(MEDI4736)、BMS-936559(WO2007/005874、US 2009/0055944)、およびMSB0010718C(WO2013/079174、US 2014/0341917)である。
いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、LAG-3アンタゴニストである。いくつかの実施形態において、LAG-3アンタゴニストは、アンタゴニスト性LAG-3抗体である。いくつかの実施形態において、LAG3抗体は、BMS-986016(WO 2010/019570、US 2010/0150892、WO 2014/008218、US 2014/0093511)、またはIMP-731もしくはIMP-321(WO 2008/132601、US 2010/0233183、WO 2009/044273、US 2011/0008331)である。
いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、CD137(4-1BB)アゴニストである。いくつかの実施形態において、CD137(4-1BB)アゴニストは、アゴニスト性CD137抗体である。いくつかの実施形態において、CD137抗体は、ウレルマブ(urelumab)またはPF-05082566(WO12/32433)である。
いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、GITRアゴニストである。いくつかの実施形態において、GITRアゴニストは、アゴニスト性GITR抗体である。いくつかの実施形態において、GITR抗体は、BMS-986153、BMS-986156、TRX-518(WO 2006/105021、US 2007/0098719、WO 2009/009116、US 2009/0136494)、またはMK-4166(WO 2011/028683、US 2012/0189639)である。
いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、インドールアミン(2,3)-ジオキシゲナーゼ(IDO)アンタゴニストである。いくつかの実施形態において、IDOアンタゴニストは、エパカドスタット(INCB024360、Incyte);インドキシモド(NLG-8189、NewLink Genetics Corporation);カプマチニブ(INC280、Novartis);GDC-0919(Genentech/Roche);PF-06840003(Pfizer);BMS:F001287(Bristol-Myers Squibb);Phy906/KD108(Phytoceutica);キヌレニンを分解する酵素(Kynase、Kyn Therapeutics);およびNLG-919(WO 2009/073620、US 2011/053941、WO 2009/132238、US 2011/136796、WO 2011/056652、US 2012/277217、WO 2012/142237、US 2014/066625)から選択される。
いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、OX40アゴニストである。いくつかの実施形態において、OX40アゴニストは、アゴニスト性OX40抗体である。いくつかの実施形態において、OX40抗体は、MEDI-6383またはMEDI-6469である。
いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、OX40Lアンタゴニストである。いくつかの実施形態において、OX40Lアンタゴニストは、アンタゴニスト性OX40抗体である。いくつかの実施形態において、OX40Lアンタゴニストは、RG-7888(WO2006/029879、US 7,501,496)である。
いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、CD40アゴニストである。いくつかの実施形態において、CD40アゴニストは、アゴニスト性CD40抗体である。いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、CD40アンタゴニストである。いくつかの実施形態において、CD40アンタゴニストは、アンタゴニスト性CD40抗体である。いくつかの実施形態において、CD40抗体は、ルカツムマブ(lucatumumab)またはダセツズマブ(dacetuzumab)である。
いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、CD27アゴニストである。いくつかの実施形態において、CD27アゴニストは、アゴニスト性CD27抗体である。いくつかの実施形態において、CD27抗体は、バーリルマブ(varlilumab)である。
いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、MGA271(B7H3)(WO2011/109400、US 2013/0149236)である。
いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、アバゴボマブ(abagovomab)、アデカツムマブ(adecatumumab)、アフツズマブ(afutuzumab)、アレムツズマブ、アナツモマブマフェナトクス(anatumomab mafenatox)、アポリズマブ(apolizumab)、アテゾリマブ(atezolimab)、アベルマブ(avelumab)、ブリナツモマブ(blinatumomab)、BMS-936559、カツマキソマブ(catumaxomab)、デュルバルマブ、エパカドスタット(epacadostat)、エプラツズマブ(epratuzumab)、インドキシモド(indoximod)、イノツズマブオゾガマイシン、インテルムマブ(intelumumab)、イピリムマブ、イサツキシマブ(isatuximab)、ランブロリズマブ(lambrolizumab)、MED14736、MPDL3280A、ニボルマブ、オビヌツズマブ(obinutuzumab)、オカラツズマブ(ocaratuzumab)、オファツムマブ、オラタツマブ(olatatumab)、ペムブロリズマブ、ピディリズマブ、リツキシマブ、チシリムマブ(ticilimumab)、サマリズマブ(samalizumab)、またはトレメリムマブである。
いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、免疫刺激薬である。例えば、PD-1およびPD-L1阻害性軸を遮断する抗体は、活性化された腫瘍反応性T細胞を開放することができ、免疫療法に感受性があるとは従来、考えられていなかった一部の腫瘍タイプを含めた、増加している数の腫瘍組織学における永続的な抗腫瘍応答を誘発することが臨床試験において示された。例えば、Okazaki,T.et al.(2013)Nat.Immunol.14,1212-1218;Zou et al.(2016)Sci.Transl.Med.8を参照されたい。抗PD-1抗体であるニボルマブ(Opdivo(登録商標)、Bristol-Myers Squibb、ONO-4538、MDX1106およびBMS-936558としても公知)は、以前の抗血管新生治療法の間またはその後に、疾患進行を経験したRCCを有する患者における、全生存率を改善させる可能性を示した。
いくつかの実施形態において、免疫調節治療剤は、腫瘍細胞のアポトーシスを特異的に誘発する。本発明において使用することができる承認を受けている免疫調節治療剤には、ポマリドミド(Pomalyst(登録商標)、Celgene);レナリドマイド(Revlimid(登録商標)、Celgene);インゲノールメブテート(Picato(登録商標)、LEO Pharma)が含まれる。
いくつかの実施形態において、免疫調節治療剤はがんワクチンである。いくつかの実施形態において、がんワクチンは、シプリューセル-T(Provenge(登録商標)、Dendreon/Valeant Pharmaceuticals)(無症候性または最小限の症候性転移性の去勢抵抗性(ホルモン不応性)前立腺がんの処置に承認を受けている);およびタリモジンラヘルパレプベク(Imlygic(登録商標)、BioVex/Amgen、以前はT-VECとして公知であった)(黒色腫における、切除不能な皮膚、皮下および節病巣の処置に承認を受けた、遺伝子修飾した腫瘍溶解性ウイルス治療法)から選択される。いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、肝細胞癌(NCT02562755)および黒色腫(NCT00429312)に対する、GM-CSFを発現するよう操作されているチミジンキナーゼ-(TK-)欠損ワクシニアウイルスである、ペキサスチモジンデバシレプベク(PexaVec/JX-594、SillaJen/以前のJennerex Biotherapeutics)などの腫瘍溶解性ウイルス治療法;ペラレオレップ(Reolysin(登録商標)、Oncolytics Biotech)(結腸直腸がん(NCT01622543);前立腺がん(NCT01619813)、頭頚部扁平上皮細胞がん(NCT01166542)、膵臓腺癌(NCT00998322)および非小細胞肺がん(NSCLC)(NCT00861627)を含めた多数のがんにおける、RASにより活性化されていない細胞では複製しない呼吸器腸管孤立ウイルス(レオウイルス)の変異体);卵巣がん(NCT02028117)、結腸直腸がん、膀胱がん、頭頚部扁平上皮癌および唾液腺がん(NCT02636036)などの転移性または進行性上皮腫瘍における、エナデノツシレブ(NG-348、PsiOxus、以前はColoAd1として公知であった)(T細胞受容体CD3タンパク質に特異的な完全長CD80および抗体断片を発現するよう操作されているアデノウイルス);黒色腫(NCT03003676)、および腹膜疾患、結腸直腸がんまたは卵巣がん(NCT02963831)における、ONCOS-102(Targovax/以前のOncos)(GM-CSFを発現するよう操作されているアデノウイルス);GL-ONC1(GLV-1h68/GLV-1h153、Genelux GmbH)(癌性腹膜炎(NCT01443260);卵管がん、卵巣がん(NCT02759588)において、それぞれ、ベータ-ガラクトシダーゼ(ベータ-gal)/ベータ-グルコロニダーゼまたはベータ-gal/ヒトナトリウムヨウ素共輸送体(hNIS)を発現するよう操作されているワクシニアウイルスが検討された);あるいは膀胱がん(NCT02365818)における、CG0070(Cold Genesys)(GM-CSFを発現するよう操作されているアデノウイルス)から選択される。
いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、JX-929(SillaJen/以前のJennerex Biotherapeutics)(プロドラッグである5-フルオロシトシンを細胞毒性薬5-フルオロウラシルに変換することが可能な、シトシンデアミナーゼを発現するよう操作されている、TKおよびワクシニア成長因子欠損ワクシニアウイルス);TG01およびTG02(Targovax/以前のOncos)(難治性RAS変異を標的とするペプチドをベースとする免疫療法剤);およびTILT-123(TILT Biotherapeutics)(Ad5/3-E2F-デルタ24-hTNFα-IRES-hIL20と表される操作されたアデノウイルス);およびVSV-GP(ViraTherapeutics)(リンパ球性脈絡髄膜炎ウイルス(LCMV)のグリコタンパク質(GP)を発現するよう操作されており、抗原特異的CD8T細胞応答を向上するよう設計されている抗原を発現するようさらに操作され得る、水泡性口内炎ウイルス(VSV))から選択される。
いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、キメラ抗原受容体すなわちCARを発現するよう操作されているT細胞である。このようなキメラ抗原受容体を発現するよう操作されているT細胞は、CAR-T細胞と呼ばれる。
結合ドメインからなるCARが構築され、このドメインは、細胞表面抗原に特異的なモノクローナル抗体から誘導される、天然リガンドである一本鎖可変断片(scFv)であって、Tリンパ球において活性化シグナルを生じることが可能な、TCRに由来するCD3-ゼータシグナル伝達ドメインなどの、T細胞受容体(TCR)の機能端部であるエンドドメインに融合している、一本鎖可変断片(scFv)から誘導され得る。抗原に結合すると、このようなCARは、エフェクター細胞における内因性シグナル伝達経路にリンクし、TCR複合体により開始されるものと類似の活性シグナルを生じる。
例えば、いくつかの実施形態において、CAR-T細胞は、米国特許第8,906,682号(その各々の全体が参照により本明細書に組み込まれている)に記載されているものの1つであり、この特許は、抗原結合ドメイン(CD19に結合するドメインなど)を有する細胞外ドメインであって、T細胞抗原受容体複合体ゼータ鎖(CD3ゼータなど)の細胞内シグナル伝達ドメインに融合している、細胞外ドメインを含むよう操作されているCAR-T細胞を開示している。CARは、T細胞において発現する場合、抗原結合特異性に基づいて、抗原認識の方向を変えることができる。CD19の場合、抗原は、悪性B細胞上で発現する。200を超える臨床試験が、現在、幅広い範囲の適応症において、CAR-Tを使用して、進行中である[https://clinicaltrials.gov/ct2/results?term=chimeric+antigen+receptors&pg=1]。
いくつかの実施形態において、免疫刺激剤は、レチノイン酸受容体関連オーファン受容体γ(RORγt)のアクチベーターである。RORγtは、CD4+(Th17)およびCD8+(Tc17)T細胞のタイプ17エフェクターサブセットの分化および維持、ならびにNK細胞などの、IL-17を発現する自然免疫細胞部分集合の分化において、重要な役割を有する転写因子である。いくつかの実施形態において、のアクチベーターは、固形腫瘍(NCT02929862)の処置に関する臨床試験において現在評価されているLYC-55716(Lycera)である。
いくつかの実施形態において、免疫刺激剤は、toll様受容体(TLR)のアゴニストまたはアクチベーターである。TLRの好適なアクチベーターは、SD-101(Dynavax)などのTLR9のアゴニストまたはアクチベーターを含む。SD-101は、濾胞性B細胞および他のリンパ腫(NCT02254772)に関して現在、検討されている免疫刺激性CpGである。本発明において使用することができるTLR8のアゴニストまたはアクチベーターには、頭頚部の扁平上皮細胞がん(NCT02124850)および卵巣がん(NCT02431559)に関して、現在、検討中のモトリモド(VTX-2337、VentiRx Pharmaceuticals)が含まれる。
本発明において使用され得る他の腫瘍免疫剤としては、ウレルマブ(BMS-663513、Bristol-Myers Squibb)、抗CD137モノクローナル抗体;バーリルマブ(CDX-1127、Celldex Therapeutics)、抗CD27モノクローナル抗体;BMS-986178(Bristol-Myers Squibb)、抗OX40モノクローナル抗体;リリルマブ(IPH2102/BMS-986015、Innate Pharma、Bristol-Myers Squibb)、抗KIRモノクローナル抗体;モナリズマブ(monalizumab)(IPH2201、Innate Pharma、AstraZeneca)抗NKG2Aモノクローナル抗体;アンデカリキシマブ(andecaliximab)(GS-5745、Gilead Sciences)、抗MMP9抗体;MK-4166(Merck & Co.)、抗GITRモノクローナル抗体が挙げられる。
いくつかの実施形態において、免疫刺激剤は、エロツズマブ、ミファムルチド、toll様受容体のアゴニストまたはアクチベーター、およびRORγtのアクチベーターから選択される。
いくつかの実施形態において、免疫刺激治療剤は、組換えヒトインターロイキン15(rhIL-15)である。rhIL-15は、診療所において、黒色腫および腎細胞癌(NCT01021059およびNCT01369888)、ならびに白血病(NCT02689453)に対する治療剤として、試験されている。いくつかの実施形態において、免疫刺激剤は、組換えヒトインターロイキン12(rhIL-12)である。いくつかの実施形態において、IL-15ベースの免疫治療剤は、ヘテロ二量体IL-15(hetIL-15、Novartis/Admune)であり、これは、可溶性IL-15結合タンパク質IL-15受容体α鎖に複合体化した、内因性IL-15の合成形態からなる融合複合体(IL15:sIL-15RA)であり、これは、黒色腫、腎細胞癌、非小細胞肺がんおよび頭頚部扁平上皮癌(NCT02452268)に関して、第1相臨床試験で試験されている。いくつかの実施形態において、組換えヒトインターロイキン12(rhIL-12)は、NM-IL-12(Neumedicines、Inc.)、NCT02544724、またはNCT02542124である。
いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、Jerry L.Adams ET.AL.,「Big opportunities for small molecules in immuno-oncology,」Cancer Therapy 2015,Vol.14,pages 603-622に記載されるものから選択され、その内容は、その全体が本明細書中に参考として援用される。いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、Jerry L.Adams ET.ALの表1に記載される例から選択される。いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、Jerry L.Adams ET.ALの表2に列挙されるものから選択される腫瘍免疫的(immuno-oncoloby)標的を標的化する、低分子である。いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、Jerry L.Adams ET.ALの表2に列挙されるものから選択される低分子薬剤である。
いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、Peter L.Toogood,「Small molecule immuno-oncology therapeutic agents,」Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters 2018,Vol.28,pages 319-329に記載される低分子腫瘍免疫剤から選択され、その内容は、その全体が本明細書中に参考として援用される。いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、Peter L.Toogoodに記載される経路を標的化する薬剤である。
いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、Sandra L.Ross et al.,「Bispecific T cell engager(BiTE(R))antibody constructs can mediate bystander tumor cell killing」,PLoS ONE 12(8):e0183390に記載されるものから選択され、その内容は、その全体が本明細書中に参考として援用される。いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、二重特異的T細胞エンゲージャー(BiTE(登録商標))抗体構築物である。いくつかの実施形態において、二重特異的T細胞エンゲージャー(BiTE(登録商標))抗体構築物は、CD19/CD3二重特異的抗体構築物である。いくつかの実施形態において、二重特異的T細胞エンゲージャー(BiTE(登録商標))抗体構築物は、EGFR/CD3二重特異的抗体構築物である。いくつかの実施形態において、二重特異的T細胞エンゲージャー(BiTE(登録商標))抗体構築物は、T細胞を活性化させる。いくつかの実施形態において、二重特異的T細胞エンゲージャー(BiTE(登録商標))抗体構築物は、T細胞を活性化させ、これは、細胞間接着分子1(ICAM-1)および巻き添え(bystander)細胞のFASの上方調節を誘導するサイトカインを放出する。いくつかの実施形態において、二重特異的T細胞エンゲージャー(BiTE(登録商標))抗体構築物は、T細胞を活性化させ、これは、巻き添え細胞溶解の誘導をもたらす。いくつかの実施形態において、巻き添え細胞は、固形腫瘍内にある。いくつかの実施形態において、溶解する巻き添え細胞は、BiTE(登録商標)により活性化されたT細胞の近隣にある。いくつかの実施形態において、巻き添え細胞は、腫瘍関連抗原(TAA)ネガティブがん細胞を含む。いくつかの実施形態において、巻き添え細胞は、EGFRネガティブがん細胞を含む。いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、PD-L1/PD1軸および/またはCTLA4を遮断する抗体である。いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、エキソビボで増殖した腫瘍浸潤T細胞である。いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、T細胞を腫瘍関連表面抗原(TAAs)と直接接続させる、二重特異的抗体構築物またはキメラ抗体受容体(CAR)である。
例示的な免疫チェックポイント阻害剤
いくつかの実施形態において、腫瘍免疫剤は、本明細書中に記載されるような免疫チェックポイント阻害剤である。
用語「チェックポイント阻害剤」は、本明細書で使用する場合、がん細胞が患者の免疫系を回避するのを阻止するのに有用な作用剤に関する。抗腫瘍免疫破壊の主な機序の1つは「T細胞の疲弊」として公知であり、これは、阻害性受容体の上方調節をもたらす抗原への長期曝露に起因する。これらの阻害性受容体は、無差別な免疫反応を予防するために、免疫チェックポイントとして働く。
PD-1、および細胞毒性T-リンパ球抗原4(CTLA-4、BおよびTリンパ球アテニュエータ(BTLA;CD272)、T細胞免疫グロブリンおよびムチンドメイン-3(Tim-3)、リンパ球活性化遺伝子-3(Lag-3;CD223)などの共阻害性受容体は、チェックポイント調節因子と称されることが多い。それらは、細胞周期進行および他の細胞内シグナル伝達過程が進行するべきかを細胞外情報が指令することを可能にする、分子「ゲートキーパー」として働く。
いくつかの実施形態において、免疫チェックポイント阻害剤はPD-1への抗体である。PD-1は、プログラム細胞死1受容体(PD-1)に結合して、この受容体が阻害性リガンドPDL-1に結合するのを阻止し、こうして、腫瘍が宿主の抗腫瘍免疫応答を抑制する能力を無効にする。
1つの態様において、チェックポイント阻害剤は、生物学的治療剤または低分子である。別の態様において、チェックポイント阻害剤は、モノクローナル抗体、ヒト化抗体、完全ヒト抗体、融合タンパク質またはそれらの組み合わせである。さらなる態様において、チェックポイント阻害剤は、CTLA-4、PDL1、PDL2、PD1、B7-H3、B7-H4、BTLA、HVEM、TIM3、GAL9、LAG3、VISTA、KIR、2B4、CD160、CGEN-15049、CHK1、CHK2、A2aR、B-7ファミリーのリガンドまたはそれらの組み合わせから選択されるチェックポイントタンパク質を阻害する。追加的な態様において、チェックポイント阻害剤は、CTLA-4、PDL1、PDL2、PD1、B7-H3、B7-H4、BTLA、HVEM、TIM3、GAL9、LAG3、VISTA、KIR、2B4、CD160、CGEN-15049、CHK1、CHK2、A2aR、B-7ファミリーのリガンドまたはそれらの組み合わせから選択されるチェックポイントタンパク質のリガンドと相互作用する。ある態様において、チェックポイント阻害剤は、免疫刺激剤、T細胞成長因子、インターロイキン、抗体、ワクチンまたはそれらの組み合わせである。さらなる態様において、インターロイキンはIL-7またはIL-15である。特定の態様において、インターロイキンは、グリコシル化IL-7である。追加的な局面において、ワクチンは樹状細胞(DC)ワクチンである。
チェックポイント阻害剤には、免疫系の阻害経路を統計的に有意な方法で、遮断または阻害する任意の薬剤が含まれる。このような阻害剤は、低分子阻害剤を含むことができる、あるいは免疫チェックポイント受容体に結合して遮断または阻害する抗体またはその抗原結合断片、あるいは免疫チェックポイント受容体リガンドに結合して遮断または阻害する抗体を含むことができる。遮断または阻害のために標的とされ得る例示的な免疫チェックポイント分子には、以下に限定されないが、CTLA-4、PDL1、PDL2、PD1、B7-H3、B7-H4、BTLA、HVEM、GAL9、LAG3、TIM3、VISTA、KIR、2B4(CD2ファミリーの分子に属し、NK、γδおよびメモリCD8(αβ)T細胞のすべてに発現する)、CD160(BY55とも称される)、CGEN-15049、CHK1およびCHK2キナーゼ、A2aRおよび様々なB-7ファミリーのリガンドが含まれる。B7ファミリーのリガンドには、以下に限定されないが、B7-1、B7-2、B7-DC、B7-H1、B7-H2、B7-H3、B7-H4、B7-H5、B7-H6およびB7-H7が含まれる。チェックポイント阻害剤には、CTLA-4、PDL1、PDL2、PD1、BTLA、HVEM、TIM3、GAL9、LAG3、VISTA、KIR、2B4、CD160およびCGEN-15049のうちの1つまたは複数に結合して、その活性を遮断または阻害する、抗体もしくはその抗原結合断片、他の結合タンパク質、生物治療剤または低分子が含まれる。例示的な免疫チェックポイント阻害剤には、トレメリムマブ(CTLA-4ブロッキング抗体)(抗OX40)、PD-L1モノクローナル抗体(抗B7-H1;MEDI4736)、MK-3475(PD-1ブロッカー)、ニボルマブ(抗PD1抗体)、CT-011(抗PD1抗体)、BY55モノクローナル抗体、AMP224(抗PDL1抗体)、BMS-936559(抗PDL1抗体)、MPLDL3280A(抗PDL1抗体)、MSB0010718C(抗PDL1抗体)およびイピリムマブ(抗CTLA-4チェックポイント阻害剤)が含まれる。チェックポイントタンパク質リガンドには、以下に限定されないが、PD-L1、PD-L2、B7-H3、B7-H4、CD28、CD86およびTIM-3が含まれる。
特定の実施形態において、免疫チェックポイント阻害剤は、PD-1アンタゴニスト、PD-L1アンタゴニストおよびCTLA-4アンタゴニストから選択される。いくつかの実施形態において、チェックポイント阻害剤は、ニボルマブ(Opdivo(登録商標))、イピリムマブ(Yervoy(登録商標))およびペムブロリズマブ(Keytruda(登録商標))からなる群より選択される。いくつかの実施形態において、チェックポイント阻害剤は、ニボルマブ(抗PD-1抗体、Opdivo(登録商標)、Bristol-Myers Squibb);ペムブロリズマブ(抗PD-1抗体、Keytruda(登録商標)、Merck);イピリムマブ(抗CTLA-4抗体、Yervoy(登録商標)、Bristol-Myers Squibb);デュルバルマブ(抗PD-L1抗体、Imfinzi(登録商標)、AstraZeneca);およびアテゾリズマブ(抗PD-L1抗体、Tecentriq(登録商標)、Genentech)から選択される。
いくつかの実施形態において、チェックポイント阻害剤は、ランブロリズマブ(MK-3475)、ニボルマブ(BMS-936558)、ピディリズマブ(CT-011)、AMP-224、MDX-1105、MEDI4736、MPDL3280A、BMS-936559、イピリムマブ、リリルマブ(lirlumab)、IPH2101、ペムブロリズマブ(Keytruda(登録商標))またはトレメリムマブからなる群より選択される。
いくつかの実施形態において、免疫チェックポイント阻害剤は、REGN2810(Regeneron)(基底細胞癌(NCT03132636);NSCLC(NCT03088540);皮膚扁平上皮癌(NCT02760498);リンパ腫(NCT02651662);および黒色腫(NCT03002376)を有する患者において試験された抗PD-1抗体);びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫および多発性骨髄腫に関する臨床試験中の、ピジリズマブ(CureTech)(CT-011としても公知であり、PD-1に結合する抗体);非小細胞肺がん、メルケル細胞癌、中皮腫、固形腫瘍、腎がん、卵巣がん、膀胱がん、頭頚部がん、および胃がんに関する臨床試験中の、アベルマブ(Bavencio(登録商標)、Pfizer/Merck KGaA)(MSB0010718Cとしても公知であり、完全ヒトIgG1抗PD-L1抗体);または非小細胞肺がん、黒色腫、トリプルネガティブ乳がんおよび進行性、転移性固形腫瘍に関する臨床試験中の、PDR001(Novartis)(PD-1に結合する阻害性抗体)である。トレメリムマブ(CP-675,206;Astrazeneca)は、中皮腫、結腸直腸がん、腎臓がん、乳がん、肺がんおよび非小細胞肺がん、膵臓導管腺癌、膵臓がん、生殖細胞がん、頭頚部の扁平上皮細胞がん、肝細胞癌、前立腺がん、子宮内膜がん、肝臓における転移性がん、肝臓がん、大細胞型B細胞性リンパ腫、卵巣がん、子宮頚がん、転移性未分化甲状腺がん、尿路上皮がん、卵管がん、多発性骨髄腫、膀胱がん、軟組織肉腫および黒色腫を含めた、いくつかの適応症に関する臨床試験において検討された、CTLA-4に対する完全ヒトモノクローナル抗体である。AGEN-1884(Agenus)は、進行性固形腫瘍(NCT02694822)について、第1相臨床試験において現在検討中の、抗CTLA4抗体である。
いくつかの実施形態において、チェックポイント阻害剤は、T細胞免疫グロブリンムチン含有タンパク質-3(TIM-3)の阻害剤である。本発明において使用することができるTIM-3阻害剤には、TSR-022、LY3321367およびMBG453が含まれる。TSR-022(Tesaro)は、固形腫瘍(NCT02817633)において現在、検討中の抗TIM-3抗体である。LY3321367(Eli Lilly)は、固形腫瘍(NCT03099109)において現在、検討中の抗TIM-3抗体である。MBG453(Novartis)は、進行性悪性腫瘍(NCT02608268)において現在、検討中の抗TIM-3抗体である。
いくつかの実施形態において、チェックポイント阻害剤は、ある種のT細胞およびNK細胞上の免疫受容体である、IgおよびITIMドメインを有するT細胞免疫受容体、すなわちTIGITの阻害剤である。本発明において使用することができるTIGIT阻害剤には、BMS-986207(Bristol-Myers Squibb)、抗TIGITモノクローナル抗体(NCT02913313);OMP-313M32(Oncomed);および抗TIGITモノクローナル抗体(NCT03119428)が含まれる。
いくつかの実施形態において、チェックポイント阻害剤は、リンパ球活性化遺伝子-3(LAG-3)の阻害剤である。本発明において使用することができるLAG-3阻害剤には、BMS-986016およびREGN3767およびIMP321が含まれる。抗LAG-3抗体である、BMS-986016(Bristol-Myers Squibb)は、神経膠芽腫および膠肉腫(NCT02658981)において、現在、検討されている。REGN3767(Regeneron)もまた、抗LAG-3抗体であり、悪性腫瘍(NCT03005782)において現在、検討中である。IMP321(Immutep S.A.)は、LAG-3-Ig融合タンパク質であり、黒色腫(NCT02676869);腺癌(NCT02614833);および転移性乳がん(NCT00349934)において検討されている。
本発明において使用することができるチェックポイント阻害剤は、OX40アゴニストを含む。臨床試験において現在検討中のOX40アゴニストには、転移性腎臓がん(NCT03092856)ならびに進行性がんおよび新生物(NCT02554812;NCT05082566)における、PF-04518600/PF-8600(Pfizer)(アゴニスト性抗OX40抗体);がんの第1相臨床試験(NCT02528357)におけるGSK3174998(Merck)(アゴニスト性抗OX40抗体);進行性固形腫瘍(NCT02318394およびNCT02705482)におけるMEDI0562(Medimmune/AstraZeneca)(アゴニスト性抗OX40抗体);結腸直腸がん(NCT02559024)、乳がん(NCT01862900)、頭頚部がん(NCT02274155)および転移性前立腺がん(NCT01303705)を有する患者における、MEDI6469(アゴニスト性抗OX40抗体)(Medimmune/AstraZeneca);ならびに進行性がん(NCT02737475)におけるBMS-986178(Bristol-Myers Squibb)(アゴニスト性抗OX40抗体)が含まれる。
本発明において使用することができるチェックポイント阻害剤は、CD137(4-1BBとも呼ばれる)アゴニストを含む。臨床試験において現在検討中のCD137アゴニストには、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫(NCT02951156)、ならびに進行性がんおよび新生物(NCT02554812およびNCT05082566)における、ウトミルマブ(PF-05082566、Pfizer)(アゴニスト性抗CD137抗体);黒色腫および皮膚がん(NCT02652455)ならびに神経膠芽腫および膠肉腫(NCT02658981)におけるウレルマブ(BMS-663513、Bristol-Myers Squibb)(アゴニスト性抗CD137抗体)が含まれる。
本発明において使用することができるチェックポイント阻害剤は、CD27アゴニストを含む。臨床試験において現在検討中のCD27アゴニストには、扁平上皮細胞頭頚部がん、卵巣癌、結腸直腸がん、腎細胞がんおよび神経膠芽腫(NCT02335918)、リンパ腫(NCT01460134)、ならびに神経膠腫および星状細胞腫(NCT02924038)におけるバルリルマブ(CDX-1127、Celldex Therapeutics)(アゴニスト性抗CD27抗体)が含まれる。
本発明において使用することができるチェックポイント阻害剤は、グルココルチコイド誘発性腫瘍壊死因子受容体(GITR)アゴニストを含む。臨床試験において現在検討中のGITRアゴニストには、悪性黒色腫および他の悪性固形腫瘍(NCT01239134およびNCT02628574)におけるTRX518(Leap Therapeutics)(アゴニスト性抗GITR抗体);固形腫瘍およびリンパ腫(NCT02740270)におけるGWN323(Novartis)(アゴニスト性抗GITR抗体);進行性がん(NCT02697591およびNCT03126110)におけるINCAGN01876(Incyte/Agenus)(アゴニスト性抗GITR抗体);固形腫瘍(NCT02132754)におけるMK-4166(Merck)(アゴニスト性抗GITR抗体)、ならびに進行性固形腫瘍(NCT02583165)におけるMEDI1873(Medimmune/AstraZeneca)(ヒトIgG1 Fcドメインを有するアゴニスト性六量体GITRリガンド分子)が含まれる。
本発明において使用することができるチェックポイント阻害剤は、誘発性T細胞共刺激剤(ICOS、CD278としても公知)アゴニストを含む。臨床試験において現在検討中のICOSアゴニストには、リンパ腫(NCT02520791)におけるMEDI-570(Medimmune)(アゴニスト性抗ICOS抗体);第1相試験(NCT02723955)における、GSK3359609(Merck)(アゴニスト性抗ICOS抗体);第1相試験(NCT02904226)における、JTX-2011(Jounce Therapeutics)(アゴニスト性抗ICOS抗体)が含まれる。
本発明において使用することができるチェックポイント阻害剤は、キラーIgG様受容体(KIR)阻害剤を含む。臨床試験において現在検討中のKIR阻害剤には、白血病(NCT01687387、NCT02399917、NCT02481297、NCT02599649)、多発性骨髄腫(NCT02252263)およびリンパ腫(NCT01592370)における、リリルマブ(IPH2102/BMS-986015、Innate Pharma/Bristol-Myers Squibb)(抗KIR抗体);骨髄腫(NCT01222286およびNCT01217203)における、IPH2101(1-7F9、Innate Pharma);ならびにリンパ腫(NCT02593045)における、IPH4102(Innate Pharma)(長い細胞質尾部の3つのドメイン(KIR3DL2)に結合する抗KIR抗体)が含まれる。
本発明において使用することができるチェックポイント阻害剤は、CD47とシグナル調節タンパク質アルファ(SIRPa)との間の相互作用のCD47阻害剤を含む。臨床試験において現在検討中のCD47/SIRPa阻害剤には、第1相試験(NCT03013218)における、ALX-148(Alexo Therapeutics)(CD47に結合してCD47/SIRPa媒介性シグナル伝達を阻止する(SIRPa)のアンタゴニスト性変異体);第1相の臨床試験(NCT02890368およびNCT02663518)における、TTI-621(SIRPa-Fc、Trillium Therapeutics)(SIRPaのN末端CD47結合ドメインとヒトIgG1のFcドメインとを連結させることにより生成する可溶性組換え融合タンパク質は、ヒトCD47に結合して、ヒトCD47がその「私を食べないで(do not eat」)シグナルをマクロファージに送るのを阻止することにより作用する);白血病(NCT02641002)における、CC-90002(Celgene)(抗CD47抗体);ならびに結腸直腸の新生物および固形腫瘍(NCT02953782)、急性骨髄性白血病(NCT02678338)およびリンパ腫(NCT02953509)における、Hu5F9-G4(Forty Seven,Inc.)が含まれる。
本発明において使用することができるチェックポイント阻害剤は、CD73阻害剤を含む。臨床試験において現在検討中のCD73阻害剤には、固形腫瘍(NCT02503774)における、MEDI9447(Medimmune)(抗CD73抗体);および固形腫瘍(NCT02754141)における、BMS-986179(Bristol-Myers Squibb)(抗CD73抗体)が含まれる。
本発明において使用することができるチェックポイント阻害剤は、インターフェロン遺伝子タンパク質の刺激因子(STING、膜貫通タンパク質173またはTMEM173としても公知)のアゴニストを含む。臨床試験において現在検討中のSTINGのアゴニストには、リンパ腫(NCT03010176)における、MK-1454(Merck)(アゴニスト性合成環式ジヌクレオチド);ならびに第1相試験(NCT02675439およびNCT03172936)における、ADU-S100(MIW815、Aduro Biotech/Novartis)(アゴニスト性合成環式ジヌクレオチド)が含まれる。
本発明において使用することができるチェックポイント阻害剤は、CSF1R阻害剤を含む。臨床試験において現在検討中のCSF1R阻害剤には、結腸直腸がん、膵臓がん、転移性および進行性がん(NCT02777710)ならびに黒色腫、非小細胞肺がん、扁平上皮細胞頭頚部がん、消化管間質腫瘍(GIST)および卵巣がん(NCT02452424)における、ペキシダルチニブ(PLX3397、Plexxikon)(CSF1R低分子阻害剤);ならびに膵臓がん(NCT03153410)、黒色腫(NCT03101254)および固形腫瘍(NCT02718911)における、IMC-CS4(LY3022855、Lilly)(抗CSF-1R抗体);ならびに進行性固形腫瘍(NCT02829723)における、BLZ945(4-[2((1R,2R)-2-ヒドロキシシクロヘキシルアミノ)-ベンゾチアゾール-6-イルオキシル]-ピリジン-2-カルボン酸メチルアミド、Novartis)(CSF1Rの経口利用可能な阻害剤)が含まれる。
本発明において使用することができるチェックポイント阻害剤は、NKG2A受容体阻害剤を含む。臨床試験において現在検討中のNKG2A受容体阻害剤には、頭頚部の新生物(NCT02643550)および慢性リンパ球性白血病(NCT02557516)における、モナリズマブ(IPH2201、Innate Pharma)(抗NKG2A抗体)が含まれる。
いくつかの実施形態において、免疫チェックポイント阻害剤は、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、イピリムマブ、アベルマブ、デュルバルマブ、アテゾリズマブ(atezolizumab)、またはピディリズマブから選択される。
一般合成法
以下の実施例は、本発明の例示を意図するものであり、本発明に対する制限として解釈されるべきではない。温度は、摂氏度で示されている。特に明記されていない場合、蒸発はすべて、減圧下で、好ましくは約15mmHg~100mmHg(=20~133mbar)の間で行った。最終生成物、中間体および出発材料の構造は、標準分析方法、例えば、微量分析および分光学的特徴、例えばMS、IR、NMRにより確認した。使用されている略称は、当分野において慣用的なものである。
本発明の化合物を合成するために利用した出発材料、構成要素、試薬、酸、塩基、溶媒および触媒は、市販されていたか、または当業者に公知の有機合成法(Houben-Weyl 4th Ed. 1952, Methods of Organic Synthesis, Thieme, Volume 21)により生成することができる。さらに、本発明の化合物は、以下の実施例に示されている通り、当業者に公知の有機合成法によって生成することができる。
反応はすべて、特に明記しない限り、窒素またはアルゴン下で行った。
プロトンNMR(H NMR)は、重水素化溶媒中で行った。本明細書に開示されているある特定の化合物において、1つまたは複数のHシフトは、残留プロテオ溶媒(proteo solvent)シグナルと重なる。これらのシグナルは、本明細書のこれ以降に提示されている実験には報告していない。
Figure 2023536462000006
酸性LCMSデータの場合:LCMSは、エレクトロ-スプレーイオン化および四重極MS検出器[MHを与えるES+ve]を備え、水中の0.0375体積%のTFA(溶媒A)およびアセトニトリル中の0.01875体積%のTFA(溶媒B)で溶出する、Chromolith Flash RP-18e 25*2.0mmを備えた、Agilent 1200 Series LC/MSDまたはShimadzu LCMS2020で記録した。他のLCMSは、Agilent 6120質量検出器を取り付けたAgilent 1290 Infinity RRLCで記録した。使用したカラムは、BEH C18 50*2.1mm、1.7ミクロンであった。カラム流量は、0.55ml/分とし、移動相は、(A)水中の0.1%ギ酸中の2mMの酢酸アンモニウム、および(B)アセトニトリル中の0.1%ギ酸を使用する。
塩基性LCMSデータの場合:LCMSは、エレクトロ-スプレーイオン化および四重極MS検出器[MHを与えるES+ve]を備え、水中の0.05体積%NH・HO(溶媒A)およびアセトニトリル(溶媒B)で溶出する、5mm C18コーティングシリカを充填したXbridge C18、2.1×50mmのカラムまたは5mm C18コーティングシリカを充填したKinetex EVO C18 2.1×30mmのカラムを備えたAgilent 1200 Series LC/MSDまたはShimadzu LCMS2020で記録した。
HPLC分析法:HPLCは、X Bridge C18 150*4.6mm、5ミクロンで行った。カラム流量は、1.0ml/分とし、移動相は、(A)水中の0.1%アンモニア、および(B)アセトニトリル中の0.1%アンモニアを使用する。
分取HPLC分析法:化合物を、Shimadzu LC-20APおよびUV検出器で精製した。使用したカラムは、X-BRIDGE C18(250*19)mm、5μとした。カラム流量は、16.0mL/分とした。使用した移動相は、(A)水中の0.1%ギ酸、および(B)アセトニトリルとした。使用した塩基性方法は、(A)水中の5mM炭酸水素アンモニウムおよび0.1%NHおよび(B)アセトニトリル、または(A)水中の0.1%水酸化アンモニウムおよび(B)アセトニトリルとした。UVスペクトルは、202nmおよび254nmで記録した。
NMR方法:1H NMRスペクトルは、Bruker Ultra Shield Advance 400MHz/5mmプローブ(BBFO)で記録した。化学シフトは、百万分率で報告する。
以下の実施例に示されるように、ある特定の例示的実施形態では、化合物は、下記の一般手順に従って調製される。一般的方法は、本発明のある特定の化合物の合成を示すが、以下の一般的方法、および当業者に公知である他の方法が、すべての化合物ならびに本明細書に記載されるようなこれらの化合物の各々のサブクラスおよび種に適用され得ることが、理解される。
中間体
2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-フルオロイソインドリン-1,3-ジオン(中間体R)
Figure 2023536462000007
工程1 - 5-アミノ-2-(4-フルオロ-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-5-オキソペンタン酸
DMF(100mL)中の4-フルオロイソベンゾフラン-1,3-ジオン(25g、150mmol、CAS番号652-39-1)の撹拌溶液に、L-グルタミン(22g、150mmol)を室温で添加した。得られた反応混合物を90℃まで加熱し、2時間撹拌した。次に、この反応混合物を減圧下で蒸発させ、4N HCl水溶液に移し、得られた混合物を室温で36時間撹拌した。次に、固体沈殿物を濾別し、冷水で洗浄し、減圧下で乾燥させて、5-アミノ-2-(4-フルオロ-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-5-オキソペンタン酸を白色固体(28g、63%)として得た。LC-MS(ESI)m/z 295(M+H)
工程2 - 2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-フルオロイソインドリン-1,3-ジオン
アセトニトリル(200mL)中の5-アミノ-2-(4-フルオロ-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-5-オキソペンタン酸(28g、95mmol)の撹拌溶液に、室温で、CDI(19g、110mmol)およびDMAP(0.14g、1.1mmol)を添加した。次に、得られた反応混合物を90℃まで加熱し、5時間撹拌した。次に、反応混合物を減圧下で蒸発させた。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(2%MeOH-DCM)を使用して精製して、2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-フルオロイソインドリン-1,3-ジオンを黄色固体(12g、46%)として得た。H NMR (400 MHz, DMSO) δ ppm 11.16 (s, 1H), 7.98-7.93 (m, 1H), 7.80-7.76 (m, 2H), 5.19-5.14 (m, 1H), 2.94-2.85 (m, 1H), 2.63-2.54 (m, 2H), 2.09-2.04 (m, 1H).
tert-ブチル6-(2-アミノエチル)-2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボキシレート(中間体ATG)
Figure 2023536462000008
工程1 - tert-ブチル6-(シアノメチレン)-2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボキシレート
t-BuOK(3.98g、35.5mmol)のTHF(35mL)中の溶液に、0℃で、2-ジエトキシホスホリルアセトニトリル(6.29g、35.5mmol)のTHF(70mL)中の溶液を滴下により添加し、反応物を25℃で0.5時間撹拌した。その後、混合物を0℃まで冷却し、tert-ブチル6-オキソ-2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボキシレート(5.00g、23.7mmol、CAS番号1147557-97-8)のTHF(35mL)中の溶液を添加し、反応物を25℃で16時間撹拌した。完了したら、反応物を水(10mL)でクエンチし、溶媒を真空中で除去して残渣を得た。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE:EAは、5:1~1:1)によって精製して、表題化合物(4.10g、収率66%)を黄色油状物として得た。H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ 5.55 (t, J = 2.4 Hz, 1H), 3.91 (d, J = 2.0 Hz, 4H), 3.17 - 3.01 (m, 4H), 1.37 (s, 9H).
工程2 - tert-ブチル6-(2-アミノエチル)-2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボキシレート
tert-ブチル6-(シアノメチレン)-2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボキシレート(4.10g、17.5mmol)のMeOH(80mL)およびNH・HO(8mL)中の溶液に、Raney-Ni(1.50g、17.5mmol)を添加した。混合物を脱気し、Hガスを3回、パージし、次に、50psiのH下、25℃で3時間撹拌した。完了したら、反応物をセライトに通して濾過し、濾過したケーキをMeOH(3×5ml)で洗浄し、濾液を真空中で濃縮して、表題化合物(3.10g、収率66%)を黄色油状物として得た。H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ 3.82 (d, J = 7.6 Hz, 4H), 2.47 - 2.00 (m, 5H), 1.79 - 1.67 (m, 2H), 1.46 - 1.38 (m, 2H), 1.36 (s, 9H).
4-[2-(2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-6-イル)エチルアミノ]-2-(2,6-ジオキソ-3-ピペリジル)イソインドリン-1,3-ジオン(中間体ATH)
Figure 2023536462000009
工程1 - tert-ブチル6-[2-[[2-(2,6-ジオキソ-3-ピペリジル)-1,3-ジオキソ-イソインドリン-4-イル]アミノ]エチル]-2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボキシレート
tert-ブチル6-(2-アミノエチル)-2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボキシレート(3.00g、12.5mmol、中間体ATG)および2-(2,6-ジオキソ-3-ピペリジル)-4-フルオロ-イソインドリン-1,3-ジオン(3.79g、13.7mmol、中間体R)のDMSO(30mL)中の溶液に、DIPEA(4.84g、37.5mmol)を添加した。混合物を130℃で1時間撹拌した。完了したら、反応物をEA(150mL)で希釈し、水(3×50mL)およびブライン(100mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して粗生成物を得、これを逆相(0.1%FA条件)によって精製して、表題化合物(3.20g、収率46%)を黄色固体として得た。H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ 11.10 (s, 1H), 7.59 (dd, J = 7.2, 8.4 Hz, 1H), 7.11 - 6.97 (m, 2H), 6.49 (t, J = 5.6 Hz, 1H), 5.06 (dd, J = 5.6, 12.8 Hz, 1H), 3.84 (s, 2H), 3.73 (s, 2H), 3.22 (q, J = 6.4 Hz, 2H), 2.91 - 2.83 (m, 1H), 2.65 - 2.54 (m, 2H), 2.32 - 2.22 (m, 2H), 2.16 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 2.04 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 1.86 - 1.78 (m, 2H), 1.65 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 1.36 (s, 9H); LC-MS (ESI) m/z 497.3 (M+H)
工程2 - 4-[2-(2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-6-イル)エチルアミノ]-2-(2,6-ジオキソ-3-ピペリジル)イソインドリン-1,3-ジオン
tert-ブチル6-[2-[[2-(2,6-ジオキソ-3-ピペリジル)-1,3-ジオキソ-イソインドリン-4-イル]アミノ]エチル]-2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボキシレート(0.30g、604umol)のDCM(3mL)中の溶液に、TFA(2.31g、20.3mmol)を添加した。混合物を25℃で1時間撹拌した。完了したら、反応物を真空中で濃縮し、表題化合物(0.18g、TFA、収率58%)を黄色固体として得た。
(1R,4r)-4-((ベンジルオキシ)メチル)シクロヘキサンカルボニルクロリド(中間体BAU)
Figure 2023536462000010
工程1 - (1R,4r)-メチル4-(ヒドロキシメチル)シクロヘキサンカルボキシレート
4-メトキシカルボニルシクロヘキサンカルボン酸(20.0g、107mmol、CAS番号15177-67-0)のTHF(200mL)中の溶液に、0℃でEtN(21.7g、215mmol、29.9mL)およびイソプロピルカルボノクロリデート(19.7g、161mmol、22.4mL)を添加した。混合物を25℃で1時間撹拌した。次に、混合物を濾過し、0℃でLiBH(11.7g、537mmol)を小分けにして添加した。混合物を25℃で4時間撹拌した。完了したら、混合物を水(500mL)によってクエンチし、EA(3×1000mL)で抽出した。有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物(9.70g、収率52%)を無色油状物として得た。H NMR (400 MHz, CDCl) δ 3.67 (s, 3H), 3.47 (d, J = 6.0 Hz, 2H), 2.26 (tt, J = 3.6, 12.4 Hz, 1H), 2.06 - 1.99 (m, 2H), 1.88 (dd, J = 3.2, 13.6 Hz, 2H), 1.56 - 1.39 (m, 3H), 1.07 - 0.93 (m, 2H).
工程2 - (1R,4r)-メチル4-((ベンジルオキシ)メチル)シクロヘキサンカルボキシレート
メチル4-(ヒドロキシメチル)シクロヘキサンカルボキシレート(9.70g、56.3mmol)のTHF(100mL)中の溶液に、KOH(4.74g、84.5mmol)、TBAI(4.16g、11.3mmol)、KI(1.87g、11.3mmol)およびBnBr(14.5g、84.5mmol、10.0mL)を添加した。混合物を25℃で12時間撹拌した。完了したら、反応混合物を濾過し、真空中で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物(11.0g、収率74%)を無色油状物として得た。H NMR (400 MHz, CDCl) δ 7.39 - 7.27 (m, 5H), 4.50 (s, 2H), 3.67 (s, 3H), 3.29 (d, J = 6.4 Hz, 2H), 2.25 (tt, J = 3.6, 12.4 Hz, 1H), 2.04 - 1.98 (m, 2H), 1.91 (br dd, J = 3.6, 13.6 Hz, 2H), 1.71 - 1.61 (m, 1H), 1.45 - 1.42 (m, 2H), 1.08 - 0.94 (m, 2H).
工程3 - (1R,4r)-4-((ベンジルオキシ)メチル)シクロヘキサンカルボン酸
メチル4-(ベンジルオキシメチル)シクロヘキサンカルボキシレート(11.0g、41.9mmol)のTHF(100mL)、MeOH(20mL)およびHO(20mL)中の溶液に、LiOH(5.02g、210mmol)を添加した。混合物を25℃で12時間撹拌した。完了したら、反応混合物を真空中で濃縮した。残渣を水(100mL)で希釈し、PE(200mL)で洗浄した。水相をpH=4までHCl(水性、1M)によって酸性にした。次に、混合物をDCM(3×200mL)で抽出した。有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して、表題化合物(10.1g、収率97%)を無色油状物として得た。H NMR (400 MHz, CDCl) δ 7.41 - 7.26 (m, 5H), 4.50 (s, 2H), 3.30 (d, J = 6.4 Hz, 2H), 2.28 (tt, J = 3.6, 12.4 Hz, 1H), 2.05 (dd, J = 2.8, 13.6 Hz, 2H), 1.92 (dd, J = 2.8, 13.6 Hz, 2H), 1.65 - 1.62 (m, 1H), 1.46 (dq, J = 3.6, 12.8 Hz, 2H), 1.11 - 0.95 (m, 2H).
工程4 - (1R,4r)-4-((ベンジルオキシ)メチル)シクロヘキサンカルボニルクロリド
4-(ベンジルオキシメチル)シクロヘキサンカルボン酸(10.0g、40.3mmol)のDCM(100mL)中の溶液に、0℃でDMF(294mg、4.03mmol)および(COCl)(7.67g、60.4mmol、5.29mL)を小分けにして添加した。混合物を0℃で2時間撹拌した。完了したら、反応混合物を真空中で濃縮して、表題化合物(10.7g、収率99%)を黄色油状物として得た。
メチル5-アミノ-2-ブロモ-4-ヨード-ベンゾエート(中間体BAV)
Figure 2023536462000011
メチル3-アミノ-4-ヨード-ベンゾエート(5.00g、18.1mmol、CAS番号412947-54-7)のDMF(25mL)中の溶液に、NBS(3.28g、18.4mmol)を添加した。混合物を0℃で2時間撹拌した。完了したら、混合物を500mLの水に注ぎ、固体を得た。混合物を濾過し、次に濾過したケーキを水(3×50mL)で洗浄し、真空中で乾燥させて、表題化合物(6.00g、収率93%)を黄色固体として得た。H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ 7.84 (s, 1H), 7.13 (s, 1H), 5.66 (br s, 2H), 3.81 (s, 3H).
メチル6-ブロモ-2-[4-(ヒドロキシメチル)シクロヘキシル]-1,3-ベンゾチアゾール-5-カルボキシレート(中間体BAW)
Figure 2023536462000012
工程1 - メチル5-[[4-(ベンジルオキシメチル)シクロヘキサンカルボニル]アミノ]-2-ブロモ-4-ヨード-ベンゾエート
メチル5-アミノ-2-ブロモ-4-ヨード-ベンゾエート(707mg、1.9mmol、中間体BAV)のDCM(10mL)中の溶液に、EtN(603mg、5.96mmol)を添加した。次に、反応混合物にDCM(20mL)中の4-(ベンジルオキシメチル)シクロヘキサンカルボニルクロリド(530mg、1.99mmol、中間体BAU)の混合物を添加した。混合物を0℃で2時間撹拌した。完了したら、混合物を真空中で濃縮した。残渣を水(50mL)で希釈し、EA(3×100mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(50mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、大部分の溶媒を濃縮した。次に、固体を沈殿させ、次に、濾過し、ケーキを真空中で乾燥させ、表題化合物(660mg、収率56%)を白色固体として得た。H NMR (400 MHz, CDCl) δ 8.76 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 8.09 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 7.52 (s, 1H), 7.41 - 7.27 (m, 5H), 4.52 (d, J = 1.6 Hz, 2H), 3.92 (d, J = 1.6 Hz, 3H), 3.34 (dd, J = 1.6, 6.0 Hz, 2H), 2.35 - 2.24 (m, 1H), 2.12 (d, J = 13.2 Hz, 2H), 2.00 (d, J = 13.2 Hz, 2H), 1.77 - 1.58 (m, 3H), 1.19 - 1.05 (m, 2H).
工程2 - 2-[4-(ベンジルオキシメチル)シクロヘキシル]-6-ブロモ-1,3-ベンゾチアゾール-5-カルボン酸
メチル5-[[4-(ベンジルオキシメチル)シクロヘキサンカルボニル]アミノ]-2-ブロモ-4-ヨード-ベンゾエート(5.60g、9.55mmol)のDMF(50mL)中の溶液に、CuI(363mg、1.91mmol)およびNaS・9HO(13.7g、57.3mmol)を添加した。混合物を80℃で6時間撹拌し、次に、室温まで冷却した。次に、混合物にTFA(15.4g、135mmol)を添加し、混合物を25℃で6時間撹拌した。完了したら、この残渣を水(100mL)で希釈し、EA(3×100mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(100mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して、表題化合物(4.00g、収率56%)を黄色油状物として得た。LC-MS(ESI+)m/z 462.1(M+3)
工程3 - メチル2-[4-(ベンジルオキシメチル)シクロヘキシル]-6-ブロモ-1,3-ベンゾチアゾール-5-カルボキシレート
2-[4-(ベンジルオキシメチル)シクロヘキシル]-6-ブロモ-1,3-ベンゾチアゾール-5-カルボン酸(4.00g、8.69mmol)のDMF(20mL)中の溶液に、CHI(2.47g、17.3mmol)およびKCO(2.40g、17.3mmol)を添加した。混合物を15℃で2時間撹拌した。完了したら、混合物を濾過して、真空中で濃縮した。残渣をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(PE:EA 3:1)によって精製して、表題化合物(3.00g、収率72%)を白色固体として得た。H NMR (400 MHz, CDCl) δ 8.31 (s, 1H), 8.05 (s, 1H), 7.31 - 7.21 (m, 5H), 4.44 (s, 2H), 3.88 (s, 3H), 3.27 (d, J = 6.0 Hz, 2H), 2.97 (t, J = 12.0 Hz, 1H), 2.87 (s, 5H), 2.80 (s, 5H), 2.19 (d, J = 12.4 Hz, 2H), 1.95 (d, J = 13.6 Hz, 2H), 1.73 - 1.65 (m, 1H), 1.58 (q, J = 12.8 Hz, 2H), 1.20 - 1.07 (m, 2H).
工程4 - メチル6-ブロモ-2-[4-(ヒドロキシメチル)シクロヘキシル]-1,3-ベンゾチアゾール-5-カルボキシレート
メチル2-[4-(ベンジルオキシメチル)シクロヘキシル]-6-ブロモ-1,3-ベンゾチアゾール-5-カルボキシレート(2.00g、4.22mmol)のDCM(40mL)中の溶液に、BCl(9.88g、84.3mmol)を添加した。混合物を25℃で2時間撹拌した。完了したら、混合物に飽和NaHCO(水溶液)(50mL)を添加し、次に、DCM(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(100mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して、表題化合物(1.60g、収率90%)を白色固体として得た。H NMR (400 MHz, CDCl) δ 8.48 (s, 1H), 8.21 - 8.13 (m, 1H), 3.98 (s, 3H), 3.55 (d, J = 6.0 Hz, 2H), 3.25 - 3.12 (m, 1H), 2.42 - 2.26 (m, 2H), 2.09 - 1.98 (m, 2H), 1.78 - 1.62 (m, 3H), 1.29 - 1.16 (m, 2H).
6-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-カルボキサミド(中間体ATI)
Figure 2023536462000013
工程1 - 6-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-カルボニルクロリド
DCM(300mL)中の6-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-カルボン酸(21.0g、109mmol、CAS番号131747-42-7)およびDMF(401mg、5.49mmol)の混合物に、0℃で(COCl)(27.9g、219mmol)を添加した。混合物を、25℃で1時間撹拌した。完了したら、反応混合物を真空中で濃縮して、表題化合物(22g、収率95%)を薄黄色油状物として得た。
工程2 - 6-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-カルボキサミド
6-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-カルボニルクロリド(21.5g、102mmol)のTHF(100mL)中の溶液に、0℃でNH・HO(143g、1.03mol、158mL、25%溶液)を添加した。混合物を25℃で1時間撹拌した。完了したら、反応混合物を真空中で濃縮してTHFを除去し、次に、濾過し、濾過したケーキを表題生成物(19g、収率90%)として、薄黄色固体として得た。H NMR (400MHz, DMSO-d) δ 8.35 - 8.24 (m, 2H), 8.08 (dd, J = 1.6, 6.8 Hz, 1H), 8.05 - 7.78 (m, 2H); LC-MS (ESI) m/z 191.0 (M+H)
N-[2-(4-ホルミルシクロヘキシル)-5-(1-ヒドロキシ-1-メチル-エチル)-1,3-ベンゾチアゾール-6-イル]-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-カルボキサミド(中間体BAX)
Figure 2023536462000014
工程1 - メチル2-[4-(ヒドロキシメチル)シクロヘキシル]-6-[[6-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-カルボニル]アミノ]-1,3-ベンゾチアゾール-5-カルボキシレート
メチル6-ブロモ-2-[4-(ヒドロキシメチル)シクロヘキシル]-1,3-ベンゾチアゾール-5-カルボキシレート(300mg、780umol、中間体BAW)および6-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-カルボキサミド(163mg、858umol、中間体ATI)のジオキサン(30mL)中の溶液に、25℃でキサントホス(90.3mg、156umol)、CsCO(763mg、2.34mmol)およびPd(dba)(71.4mg、78.1umol)を添加した。混合物を、N下、80℃で12時間撹拌した。完了したら、混合物をセライトで濾過し、真空中で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物(120mg、収率31%)を黄色固体として得た。H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ 12.82 (s, 1H), 9.44 (s, 1H), 8.54 (s, 1H), 8.50 - 8.46 (m, 1H), 8.45 - 8.38 (m, 1H), 8.23 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 4.53 - 4.40 (m, 1H), 3.98 (s, 3H), 3.27 (t, J = 5.6 Hz, 2H), 3.08 (s, 1H), 2.19 (d, J = 13.0 Hz, 2H), 1.93 - 1.83 (m, 2H), 1.66 - 1.51 (m, 2H), 1.48 - 1.38 (m, 1H), 1.18 - 1.05 (m, 2H).
工程2 - N-[2-[4-(ヒドロキシメチル)シクロヘキシル]-5-(1-ヒドロキシ-1-メチル-エチル)-1,3-ベンゾチアゾール-6-イル]-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-カルボキサミド
メチル2-[4-(ヒドロキシメチル)シクロヘキシル]-6-[[6-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-カルボニル]アミノ]-1,3-ベンゾチアゾール-5-カルボキシレート(120mg、243umol)のTHF(10mL)中の溶液に、MeMgBr(3M、405uL)を添加した。混合物を0℃で2時間撹拌した。反応混合物を0℃で飽和NHCl(10mL)の添加によりクエンチし、次に、水(50mL)で希釈し、EA(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(100mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して、残渣を得た。残渣を分取HPLC(カラム:Phenomenex Synergi C18 150*25*10um;移動相:[水(0.225%FA)-ACN];B%:44%~74%、10分間)によって精製して、表題化合物(80.0mg、収率60%)を白色固体として得た。H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ 12.56 (s, 1H), 9.07 (s, 1H), 8.51 - 8.45 (m, 1H), 8.39 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 8.20 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.94 - 7.88 (m, 1H), 6.08 (s, 1H), 4.46 (t, J = 5.2 Hz, 1H), 3.28 (t, J = 5.6 Hz, 2H), 3.10 - 3.00 (m, 1H), 2.19 (d, J = 11.2 Hz, 2H), 1.94 - 1.84 (m, 2H), 1.64 (s, 6H), 1.61 - 1.53 (m, 2H), 1.50 - 1.40 (m, 1H), 1.19 - 1.06 (m, 2H).
工程3 - N-[2-(4-ホルミルシクロヘキシル)-5-(1-ヒドロキシ-1-メチル-エチル)-1,3-ベンゾチアゾール-6-イル]-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-カルボキサミド
N-[2-[4-(ヒドロキシメチル)シクロヘキシル]-5-(1-ヒドロキシ-1-メチル-エチル)-1,3-ベンゾチアゾール-6-イル]-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-カルボキサミド(50.0mg、101umol)のDCM(10mL)中の溶液に、DMP(51.5mg、121umol)を添加した。混合物を25℃で2時間撹拌した。完了したら、混合物に10mLの飽和NaHCOおよび10mLの飽和Naを添加し、次に、DCM(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(100mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し真空中で濃縮して、表題化合物(60.0mg、収率90%)を黄色固体として得た。LC-MS(ESI)m/z 492.2(M+1)
(実施例1)
N-[2-[4-[[6-[2-[[2-(2,6-ジオキソ-3-ピペリジル)-1,3-ジオキソ-イソインドリン-4-イル]アミノ]エチル]-2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-2-イル]メチル]シクロヘキシル]-5-(1-ヒドロキシ-1-メチル-エチル)-1,3-ベンゾチアゾール-6-イル]-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-カルボキサミド(化合物A)の合成
Figure 2023536462000015
4-[2-(2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-6-イル)エチルアミノ]-2-(2,6-ジオキソ-3-ピペリジル)イソインドリン-1,3-ジオン(75.8mg、148umol、TFA塩、中間体ATH)のTHF(2mL)中の溶液に、TEA(15.0mg、148umol)を添加し、次に、混合物を25℃で10分間撹拌した。次に、混合物に、HOAc(8.92mg、148umol)およびN-[2-(4-ホルミルシクロヘキシル)-5-(1-ヒドロキシ-1-メチル-エチル)-1,3-ベンゾチアゾール-6-イル]-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-カルボキサミド(73.0mg、148umol、中間体BAX)を添加し、混合物を25℃で20分間撹拌し、次に、混合物に、0℃でNaBH(OAc)(62.9mg、297umol)を添加した。反応混合物を0~25℃で2時間撹拌した。完了したら、反応混合物をHO(1mL)でクエンチし、真空中で濃縮した。残渣を分取HPLC(カラム:Phenomenex Synergi C18 150*25*10um;移動相:[水(0.225%FA)-ACN];B%:31%~58%、9分間)によって精製して、表題化合物(59.1mg、収率41%)を黄色固体として得た。H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ 12.54 (s, 1H), 11.09 (s, 1H), 9.06 (s, 1H), 8.49 - 8.44 (m, 1H), 8.38 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 8.19 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.88 (s, 1H), 7.58 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 7.10 - 6.99 (m, 2H), 6.47 (t, J = 5.6 Hz, 1H), 6.07 (s, 1H), 5.05 (dd, J = 5.6, 12.8 Hz, 1H), 3.54 - 3.47 (m, 2H), 3.25 - 3.18 (m, 4H), 3.06 - 2.99 (m, 1H), 2.93 - 2.83 (m, 1H), 2.63 - 2.56 (m, 1H), 2.54 (s, 3H), 2.30 - 2.21 (m, 2H), 2.30 - 2.21 (m, 3H), 2.06 - 1.99 (m, 1H), 1.88 - 1.77 (m, 4H), 1.68 - 1.61 (m, 8H), 1.58 - 1.49 (m, 2H), 1.45 - 1.36 (m, 1H), 1.15 - 1.02 (m, 2H); LC-MS (ESI+) m/z 872.2 (M+H)
(実施例2)
N-[2-[4-[[6-[2-[[2-[(3R)-2,6-ジオキソ-3-ピペリジル]-1,3-ジオキソ-イソインドリン-4-イル]アミノ]エチル]-2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-2-イル]メチル]シクロヘキシル]-5-(1-ヒドロキシ-1-メチル-エチル)-1,3-ベンゾチアゾール-6-イル]-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-カルボキサミドおよびN-[2-[4-[[6-[2-[[2-[(3S)-2,6-ジオキソ-3-ピペリジル]-1,3-ジオキソ-イソインドリン-4-イル]アミノ]エチル]-2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-2-イル]メチル]シクロヘキシル]-5-(1-ヒドロキシ-1-メチル-エチル)-1,3-ベンゾチアゾール-6-イル]-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-カルボキサミドの合成
Figure 2023536462000016
N-[2-[4-[[6-[2-[[2-(2,6-ジオキソ-3-ピペリジル)-1,3-ジオキソ-イソインドリン-4-イル]アミノ]エチル]-2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-2-イル]メチル]シクロヘキシル]-5-(1-ヒドロキシ-1-メチル-エチル)-1,3-ベンゾチアゾール-6-イル]-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-カルボキサミド(600mg、688umol、実施例I-3)をSFCによって分離した。反応体をSFC(カラム:DAICEL CHIRALPAK IA(250mm*30mm、10um);移動相:[0.1%NHOIPA];B%:50%~50% 9.5分間;200分間)によって分離して、純粋ではないピーク1およびピーク2を得た。純粋ではないピーク1およびピーク2を逆相(0.1%FA)によって精製し、N-[2-[4-[[6-[2-[[2-[(3R)-2,6-ジオキソ-3-ピペリジル]-1,3-ジオキソ-イソインドリン-4-イル]アミノ]エチル]-2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-2-イル]メチル]シクロヘキシル]-5-(1-ヒドロキシ-1-メチル-エチル)-1,3-ベンゾチアゾール-6-イル]-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-カルボキサミド(204mg、収率64%、純度99%、FA塩)を黄色固体として:H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ 12.54 (s, 1H), 11.09 (s, 1H), 9.06 (s, 1H), 8.49 - 8.44 (m, 1H), 8.38 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 8.18 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.88 (s, 1H), 7.62 - 7.54 (m, 1H), 7.06 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.02 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 6.47 (t, J = 5.6 Hz, 1H), 6.22 - 5.96 (m, 1H), 5.08 - 5.02 (m, 1H), 3.25 (s, 2H), 3.21 (d, J = 6.0 Hz, 2H), 3.15 (s, 2H), 3.05 - 2.98 (m, 1H), 2.94 - 2.82 (m, 1H), 2.63 - 2.51 (m, 3H), 2.34 - 2.29 (m, 2H), 2.24 - 2.11 (m, 5H), 2.07 - 1.98 (m, 1H), 1.89 - 1.80 (m, 2H), 1.80 - 1.72 (m, 2H), 1.65 (s, 1H), 1.63 (s, 6H), 1.58 - 1.47 (m, 2H), 1.40 - 1.27 (m, 1H), 1.13 - 0.98 (m, 2H); LC-MS (ESI) m/z 872.6 (M+H);およびN-[2-[4-[[6-[2-[[2-[(3S)-2,6-ジオキソ-3-ピペリジル]-1,3-ジオキソ-イソインドリン-4-イル]アミノ]エチル]-2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-2-イル]メチル]シクロヘキシル]-5-(1-ヒドロキシ-1-メチル-エチル)-1,3-ベンゾチアゾール-6-イル]-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-カルボキサミド(233mg、収率73%、純度99%、FA塩)を黄色固体として得た。H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ 12.54 (s, 1H), 11.20 - 10.94 (m, 1H), 9.06 (s, 1H), 8.50 - 8.44 (m, 1H), 8.38 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 8.18 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.88 (s, 1H), 7.63 - 7.55 (m, 1H), 7.06 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.02 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 6.47 (t, J = 6.0 Hz, 1H), 6.16 - 5.99 (m, 1H), 5.09 - 5.01 (m, 1H), 3.27 (s, 2H), 3.21 (d, J = 6.8 Hz, 2H), 3.17 (s, 2H), 3.05 - 2.98 (m, 1H), 2.94 - 2.83 (m, 1H), 2.64 - 2.51 (m, 3H), 2.32 (d, J = 6.4 Hz, 2H), 2.25 - 2.10 (m, 5H), 2.06 - 1.98 (m, 1H), 1.84 (d, J = 11.6 Hz, 2H), 1.80 - 1.73 (m, 2H), 1.68 - 1.64 (m, 1H), 1.63 (s, 6H), 1.58 - 1.46 (m, 2H), 1.43 - 1.28 (m, 1H), 1.13 - 1.00 (m, 2H); LC-MS (ESI) m/z 872.6 (M+H).立体異性体の絶対配置は、任意に帰属した。
(実施例3)
OCI-LY10におけるIRAK4 MSD分解
OCI-Ly10におけるIRAK4の分解を、Meso Scale Discovery(MSD)技術を使用して定量的に測定した。OCI-LY10細胞を96ウェルプレート(Corning 3799)に、1ウェルあたり300,000個の細胞の密度で、100μLの新鮮な培地中で播種した。次いで、化合物を1:3の希釈系列中で、これらのアッセイプレートに、1~10μMの最終最高濃度で、合計8用量で添加した。次いで、これらのアッセイプレートを4~24時間、37℃で5%のCO下でインキュベートした。次いで、これらのアッセイプレートを5分間遠心分離し、そして細胞ペレットをプロテイナーゼ阻害剤を含む100μL/ウェルのRIPA溶解緩衝液(Boston BioProducts BP-115D)で処理した。MSDアッセイプレート(Meso Scale Discoveryカタログ番号L15XA-3)を準備するために、これらのプレートをPBS中2μg/mLの捕捉抗体(マウス抗IRAK4抗体[2H9]、ab119942)で、40μL/ウェルでコーティングした。次いで、これらのプレートを4℃で一晩インキュベートし、150μL/ウェルのTBST緩衝液(Cell Signaling Technology、カタログ番号9997S)で3回洗浄し、そして150μL/ウェルのブロッキング緩衝液(Meso Scale Discoveryカタログ番号R93BA-4)でブロックした。次いで、細胞溶解物をMSDアッセイプレートに添加し、そしてこれらのプレートを室温で1時間インキュベートした。次いで、これらのプレートを150μL/ウェルのTBST緩衝液、および25μL/ウェルの一次検出抗体(ウサギ抗IRAK4抗体[Y279]、Abcam.から、カタログ番号ab32511、1μg/mL)で3回洗浄した。次いで、これらのアッセイプレートを室温で1時間インキュベートし、150μL/ウェルのTBST緩衝液および25μL/ウェルの二次検出抗体で3回洗浄し、SULFO-TAG抗ウサギ抗体を添加した(Meso Scale Discoveryからの抗ウサギ抗体、カタログ番号R32AB-1、1μg/mL)。次いで、これらのアッセイプレートを室温で1時間インキュベートし、150μL/ウェルのTBST緩衝液で3回洗浄し、そして150μL/ウェルのMSD読取り緩衝液(Meso Scale Discoveryカタログ番号R92TC-2)を添加した。次いで、これらのプレートをMSDリーダー(Meso Scale Discovery、Model Quick Plex SQ 120)により分析した。次いで、このデータを、GraphPad製のソフトウェアPrism 7.0により分析し、そしてその用量依存的IRAK4分解に対して、3パラメータのロジスティック方程式を使用して当てはめを行い、DC50を計算した。
本発明の化合物に関するOCI-LY10細胞におけるIRAK4 MSD分解結果を表5に提示する。IRAK4 DC50に関する文字コードは、A(<0.05μM);B(0.05~0.1μM);C(0.1~0.5μM);D(0.5~1.0μM);およびE(>1.0μM)を含む。
Figure 2023536462000017
(実施例4)
OCI-Ly10およびSUDHL-2を用いる細胞生存度アッセイ
OCI-Ly10またはSUDHL-2に及ぼす化合物により媒介される生存度の影響を、製造業者の推奨手順に準拠して、Promega製のCellTiter-Glo(登録商標)Luminescent Cell Viability Assayキット(カタログ番号G7570)を使用して定量的に決定した。手短に述べると、OCI-Ly10またはSUDHL-2細胞を、ウェルあたり10,000個の細胞密度で、384ウェルプレート(Grenier Bio-One、カタログ番号781080)に播種した。次に、最終上限濃度を10μM、および合計で9種の用量の1:3希釈系列で、化合物をアッセイプレートに添加した。最終DMSO濃度を0.2%に対して正規化した。アッセイプレートを5%CO下、4日間、37℃でインキュベートした。次に、アッセイプレートを室温で10分間、平衡化した。細胞生存度を決定するため、各ウェルに30μLのCellTiter Glo試薬を添加し、アッセイプレートを30秒間、1000rpmで遠心分離し、室温で10分間インキュベートし、マルチモードプレートリーダー(EnVision2105、PerkinElmer)を使用して発光を検出することによって分析した。次に、データをGraphPad製のソフトウェアPrism7.0によって分析し、3パラメータロジスティック式を使用して用量応答曲線のあてはめを行って、IC50を計算した。
CTG細胞生存度アッセイ - 本発明の化合物に関するOCI-Ly10およびSUDHL-2の結果を表6に提示する。IRAK4 IC50に関する文字コードは、A(<0.05μM);B(0.05~0.1μM);C(0.1~0.5μM);D(0.5~1.0μM);およびE(>1.0μM)を含む。
Figure 2023536462000018
(実施例5)
IkarosおよびAiolos分解の定量。
Ikaros(遺伝子IKZF1のタンパク質産生物)およびAiolos(遺伝子IKZF3のタンパク質産生物)の分解は、以下の通り、定量的イムノブロッティングによって決定した。OCI-Ly10細胞の2×10個の細胞/ウェルを6ウェルプレート中、列挙されている濃度のIRAK4分解剤または対照化合物で6時間、処理した。細胞を収集し、冷PBSで洗浄し、プロテアーゼ/ホスファターゼ阻害剤カクテル(Roche 05892791001/Roche 04906837001)を含むRIPA緩衝液(Boston BioProducts BP-115D)に溶解し、13000RPMで20分間、遠心分離して、不溶性物質を沈殿させた。上清画分をSDS-PAGEローディング緩衝液(Beyotime Bio P0015)中に希釈し、各サンプル20μLを4~12%Bis-Tris SDS-PAGEゲル(Novex、WG1402BOX)で分離した。分離したサンプルを、250mV、1.5時間で、湿式電気泳動転写法によってニトロセルロース膜に移した。膜をLICORブロッキング緩衝液(LI-COR、927-50000)により1時間、ブロッキングし、TBST(CST#9997S)で3回、それぞれ5分間、洗浄し、0.1%Tween-20(Solarbio、P8220)を含むブロッキング緩衝液中で調製した一次抗体と共に4℃で一晩、インキュベートした。Ikaros抗体は、1:1000の希釈でのウサギモノクローナルD6N9Y(CST#14859)とした。Aiolos抗体は、1:1000の希釈のウサギモノクローナルD1C1E(CST#15103)とした。シグナルは、1:10,000の希釈で使用したマウス抗ベータ-アクチンモノクローナル8H10D10(CST#3700)に対して正規化した。一次抗体中でのインキュベート後、膜をTBSTで3回、それぞれ5分間、洗浄し、蛍光標識した、1:5000の希釈の二次抗体抗ウサギIgG(Licor、926-32211)、1:5000の希釈の抗マウスIgG(LI-COR、926-68070)と共に、室温で1時間、インキュベートした。二次抗体中でのインキュベート後、膜をTBSTで3回、それぞれ5分間、洗浄し、LICOR Odyssey画像化装置で読み取りを行った。データは、アクチンのシグナルに対する、IkarosまたはAiolosのシグナルとして報告し、DMSO処置対照に対して正規化した。
本発明の化合物に関するOCI-Ly10細胞におけるIkarosおよびAiolos分解アッセイ結果を表7に提示する。IkarosおよびAiolosのDC50の文字コードは、A(<0.05μM);B(0.05~0.1μM);C(0.1~0.5μM);D(0.5~1.0μM);およびE(>1.0μM)を含む。
Figure 2023536462000019
図8は、化合物Aを使用する、OCI-Ly10における、IRAK4およびIMiD基質の分解を示す、ディーププロテオミクス散布図を図示する。タイプ1 IFNシグナル伝達は、OCI-Ly10 MYD88MT DLBCLにおいて活性化された。分解の時間経過は、処置後の16~24時間の間に、IRAK4の>80%分解を伴って、階層的基質分解およびIMiD基質の急速分解を示す。
(実施例6)
ゼノグラフ腫瘍の研究
細胞培養:OCI-LY10腫瘍細胞は、10%ウシ胎仔血清、100U/mLペニシリンおよび100μg/mLストレプトマイシンを追加補充したRPMI1640培地中の懸濁物として、空気中、5%COの雰囲気中、37℃で維持した。腫瘍細胞は、トリプシンEDTA処理によって、毎週2回、慣用的に継代培養した。対数増殖期で増殖した細胞を収集し、腫瘍接種のために計数した。
動物:ほぼ16~18gと秤量したC.B.17 SCID(雌、6~8週齢)を使用した。動物を収容し、IACUCプロトコルに準拠して、維持した。
腫瘍接種:腫瘍発生のために、各マウスの右脇腹の皮下に、マトリゲルを含むPBS 0.2mL中のOCI-LY10腫瘍細胞(10×10)を接種した。研究のために、腫瘍サイズがほぼ150~450mmに到達したら、処置を開始した。
群への割り当て:処置の開始前に、すべての動物を秤量し、腫瘍体積を測定した。腫瘍体積は、化合物のPK/PDに影響を及ぼし得るので、マウスを、その腫瘍体積に基づいた層別化した無作為化を行う、Excelをベースとする無作為化手順を使用して、群に割り当てる。
観察:腫瘍接種の後、動物の病的状態および死亡について毎日、確認した。慣用的なモニタリング中に、動物は、運動性、食物および水の消費、体重増加/減少、眼/毛の艶(matting)、ならびに任意の他の異常などの挙動に及ぼす、腫瘍増殖および処置のなんらかの影響を確認した。死亡および観察された臨床的徴候は、個々の動物について詳細に記録した。
データ収集:腫瘍体積は、キャリパーを使用して、2つの寸法で測定し、体積は、以下の式を使用して、mm単位で表した:V=(L×W×W)/2(式中、Vは、腫瘍体積であり、Lは、腫瘍の長さ(最長腫瘍寸法)であり、Wは、腫瘍幅(Lに垂直な最長の腫瘍寸法)である)。
終了時:研究設計に基づいた所定の時点において、動物をCOによって人道的に屠殺した。血液は、血漿を分離するため、心穿刺によって得、あらゆる残留腫瘍を取り出し、1部分(最小限)は、化合物の最終曝露用に、および1部分はIRAK4およびアクチンを決定するため、2部分に分割した。較正した標準を使用するLC/MSを使用して、腫瘍および血漿中の化合物を決定した。
インターロイキン-1受容体関連キナーゼ4(IRAK4)を、ヒトOCI-LY10異種移植片腫瘍において、マウス脾臓細胞および末梢血単核球細胞(PBMC)と共に、超高速液体クロマトグラフィー-タンデム質量分析法(UPLC-MS/MS)によって定量した。IRAK4の濃度は、それぞれのサンプル中のアクチンの濃度によって正規化した。腫瘍、脾臓細胞およびPBMCを、組織タンパク質抽出試薬(T-PER、ThermoFisher)に溶解した。サンプルを10分間、10,000rpmで遠心分離にかけた。上清(細胞溶解物)を別の管に移した。細胞溶解物を変性させ、還元し、ヨードアセトアミドでアルキル化した。アルキル化サンプルをトリプシンで処理して、IRAK4ペプチドLAVAIKおよびアクチンペプチドGYSFTTTAERを生成した。ヒト、ラットおよびマウスの間で配列が保存されているので、これらの種の細胞および組織中では、これらのペプチドは、それぞれ、IRAK4およびアクチンに特有かつ特異的である。
シグネチャペプチド濃度は、感度が高く、かつ特異的な標的化LC-MS/MS法を使用して定量した。対応する質量のシフトした、安定な同位体標識ペプチド(LAV(d8)AIKおよびGYSF(d8)TTTAE(d6)R)を内部標準(IS)として使用した。較正標準は、90/10の水 アセトニトリル(v/v)中、0.1%ギ酸に合成LAVAIKおよびGYSF(d8)TTTAERペプチドを希釈することによって、分析日に新しく調製した。標準および研究サンプルを96ウェルプレートにアリコートに分け、ISスパイク溶液と混合した。サンプルプレートを加熱ホイルで覆った。
シグネチャペプチドレベル(LAVAIK、GYSFTTTAER)をUPLC-MS/MSによって定量した。注入は、Shimadzu超高速液体クロマトグラフ(UPLC)プラットフォームを使用して行った。移動相Aは、水中の0.1%ギ酸とした。移動相Bは、90:10アセトニトリル/水(v/v)中の0.1%のギ酸とした。SCIEXトリプルTOF6600 LC-MS/MSシステムを検体の検出および定量に使用した。検体およびISの強度は、Analyst and MultiQuant3.0ソフトウェアを使用して、抽出したイオンピーク面積を積分することによって決定した。較正曲線は、濃度に対して、検体 対 ISのピーク面積比をプロットすることによって調製した。較正曲線のモデルは、1/x重み付けで線形とした。消化した細胞溶解物中では、このアッセイの適用範囲は、LAVAIKの場合、0.02~50ng/mLであり、GYSFTTTAERの場合、1~2500ng/mLであった。測定したペプチドレベルは、サンプル後処理に対して補正し、細胞溶解物の総タンパク質1mgあたりngでの実際のタンパク質濃度に変換した。IRAK4の濃度は、アクチン濃度によってサンプル全体に対して正規化した。
図2は、化合物Aが、OCI-Ly10腫瘍ゼノグラフにおいて、強力な退縮をもたらすことを示す。化合物Aは、OCI-Ly10において、3mpk×21dで退縮を示し、より高い用量(≧10mpk)は、一層迅速かつ完全な退縮を示す。OCI-Ly10における効力の標的曝露は、3mpkまたは10mpkの用量のいずれかに基づくと、10~80nMの定常状態C24hである。迅速な退縮は、IRAK4およびIMiD基質の両方の強力な分解と関連している。表8および表9は、得られたPKおよびPDパラメータを示す。
Figure 2023536462000020
TGI(腫瘍成長阻害)=(1-T/C)100; PR(部分奏効)≧50%腫瘍収縮; CR(完全奏効)開始体積からの>95%腫瘍収縮
Figure 2023536462000021
図3は、OCI-Ly10腫瘍ゼノグラフにおける、化合物AのQWおよびBIWスケジュールに関する最小有効用量結果、および断続的な投薬スケジュールが、in vivoで有効であることを示している。化合物Aは、3週間ごとにBIWで投与すると、退縮を誘発し、IVおよびPO投薬は、どちらも、QWおよびBIWスケジュールに関して等しく活性であった。BIWでの投薬は、QWよりも毎週、少ない曝露しか必要としない。
図4は、化合物Aが、単回用量後、血漿よりも組織への高い曝露をもたらし、PD効果を持続させることを示している。腫瘍は、脾臓に比べ、比較的、緩徐なクリアランスを示し、これは、血漿と類似したCを有する。効力は、IRAK4およびIkarosの強力な分解と一致し、Ikaros分解の方が、IRAK4よりも速い。同様のデータが、OCI-LY10を使用して、上記の通り実質的に調製したSUDHL2ゼノグラフにおいて観察された。
表10は、様々なスケジュールに関するOCI-Ly10腫瘍ゼノグラフの結果を列挙する。
Figure 2023536462000022
ROA(投与経路); TGI(腫瘍成長阻害); PR(部分奏効); CR(完全奏効); SD(安定病態); PD(進行性疾患)。
図9は、化合物Aを使用する、MYD88変異体患者に由来するゼノグラフ(PDX)モデルにおける退縮を示す。表10Aは、PDXモデルの結果を示す。
Figure 2023536462000023
経口投薬した化合物Aは、4/5MYD88変異体DLBCL PDXモデルにおいて、強力な腫瘍増殖阻害(>85%TGI)を示す。活性は、NFkBおよびIRF4経路を活性化する共変異にかかわらず、観察される。非応答性MYD88MTモデルLY0257は、Aiolosにおける変異を有しており、レナリドミドに対して感受性が低いことが報告される。MYD88野生型PDXにおいて観察されたより低い腫瘍増殖阻害は、化合物AのIMiD活性と一致し得る。
(実施例7)
探索的非ヒト霊長類安全性
7.1 雄および雌のカニクイザルへの単回静脈内ボーラス投与
研究プロトコル
Figure 2023536462000024
Figure 2023536462000025
1日目、4日目、7日目、14日目に投薬前の体重測定。投薬後14日間、動物の臨床観察をモニタリングする。
PKは血漿サンプルを指す。
PDに関する全血溶解物を調製する手順:
(2)アリコートを有するよう、十分な血液を収集する。アリコートはそれぞれ、200uLになる。
1) BD溶解/固定緩衝液5×を調製する
BD製品インサート「必要量のBD Phosflow(商標)溶解/固定緩衝液(5×濃縮物)を1:5で脱イオン水または蒸留水(室温)により希釈し、次に、溶液を37℃に予め温める。1×作業溶液は、実験ごとに新しく作製するべきであり、実験の終了時のあらゆる残留溶液は、廃棄すべきである」から。
2) 1.8mLのBD溶解/固定緩衝液に200uLの血液を移すことによって、細胞を固定する(*1:10希釈)。
3) 室温で、10分間、インキュベートする。
4) 5分間、1400rpmで細胞を遠心分離して沈殿させる。吸引し、10mM PBS/0.5%BSA(10mLの最終体積になるようこの緩衝液を添加し、遠心分離により沈殿させる)で洗浄する。
5) 1.0mLのPBS/0.5%BSA緩衝液を有する1.5mLの遠心管に細胞を移し、細胞を1400rpmで5分間、遠心分離して沈殿させる。
6) 吸引し、細胞ペレットを凍結する。(液体を含まない純粋な細胞ペレット)
* 溶解が不完全に見える場合、1:20の希釈に調節することができる(200uLの血液を3.8mLのBD/溶解/固定緩衝液に添加する)。
血液学のための血液収集
投薬後の168時間時に、室温(RT)で、実験動物から全血(少なくとも、1.0mL)をカリウム(K2)EDTAを含む市販の管に収集する。血液サンプルは、室温で臨床病理検査室に送付し、血液学パラメータを検査する。
血液学的検査項目は、以下の通り行う:
Figure 2023536462000026
臨床化学のための血清処理
投薬後168時間時に、抗血液凝固剤を含まない全血サンプル(ほぼ1.0mL)を収集し、室温で保持し、少なくとも30分間、直立させ、分析のため臨床病理検査室に送付する。
臨床化学検査項目は、以下の通り行う:
Figure 2023536462000027
研究目的
この研究の目的は、雄および雌のカニクイザルにおける、化合物Aの単回静脈内ボーラス投与後の、化合物Aの薬物動態を決定することである。試験物品は、投薬後の最大で14日間まで、選択した時点において、血漿中で測定する。
試験物品およびビヒクルの情報
試験物品
Figure 2023536462000028
検査システムの特定
動物規格
Figure 2023536462000029
動物の世話
環境条件
部屋は、10~20回の空気交換/時で、相対湿度(目標平均範囲40%~70%であり、3時間を超えるこの範囲からのあらゆる逸脱は、逸脱として文書化する)および温度(目標平均範囲は、18℃~26℃であり、この範囲からのあらゆる逸脱は、逸脱として文書化する)に制御し、これをモニタリングする。部屋は、研究作業によって中断を必要とする場合を除き、12時間の明/暗サイクルにおく。
収容
動物は、ステンレス鋼製メッシュケージにおいて、生存中、個々に収容される。
食事および給餌
動物は、1日2回、給餌される。ストックのサルには、毎日、承認済みサル食およそ120グラムが与えられる。これらの量は、群の食物消費、または群もしくは個体の個々の体重変化、および/または承認済み食事の変更に基づいて、必要に応じて調節することができる。さらに、動物は、栄養強化として、毎日、果実を摂食する。
給餌設計は、表7-1-1を参照する。
飲料水
すべての動物に、RO(逆浸透)水が自由摂取可能である。
餌および水の分析
RO水を3か月ごとに分析し、餌を使用前にバッチごとに分析する。餌および水の分析は、施設の記録に維持される。
環境エンリッチメント(environmental enrichment)
エンリッチメントトイが与えられる。ヒト食物供給業者から購入した新鮮な果実を、絶食期間の間を除き、毎日与える。
用量製剤の投与
Figure 2023536462000030
観察および試験
臨床観察
1日2回(ほぼ午前9:30および午後4:00)、一般的な健康および外見について、ケージ横での観察を行う。動物は、動物の健康を確認するために、最初に研究前に身体検査を受ける。投薬日:投薬前および投薬後、ならびに24時間までのPKサンプルの各PKサンプルの時点前および後。これ以降、1日2回。研究全体を通して確認される、一般的な状態、挙動、活動、排泄、呼吸または他の通常でない観察は、生データに記録する。必要な場合、追加の臨床観察を行い、記録する。
体重
動物はすべて、投薬日の投薬前に秤量し、投与する用量体積を決定し、これ以降、毎週再度行う。
血液および尿サンプルの収集
血液:血液サンプルはすべて、鎮静していない拘束した動物の末梢血管から収集する。
動物:すべての利用可能な、すべての群
ブランク血漿:全血は、湿った氷上で、カリウム(K2)EDTAを含有する市販の管に利用可能なストックの動物から収集し、血漿のために処理する。血漿は、プールして、ブランク血漿とする。
投薬前および投薬後
血液体積:各時点について、ほぼ0.5mL
抗血液凝固剤:カリウム(K)EDTA
頻度:表7-1-2を参照。実際のサンプルの収集時間を研究記録に記録する。投薬の最初の1時間内に収集したサンプルの場合、±1分間が許容される。残りの時点に関しては、スケジュール時間の5%以内に採取したサンプルは許容され、プロトコル逸脱と見なさない。
サンプル処理
血漿の場合:12.5μLの20%Tween20を、湿った氷の上の、カリウム(K2)EDTA(0.85~1.15mg)を含有する市販の管に添加し、0.4~0.5mlの血液を、これらの管に収集し、血漿のために処理する。サンプルは、収集して1時間以内に、遠心分離する(2~8℃で10分間、3,000×g)。血漿サンプル(0.2mL/サンプル)を標識したポリプロピレン製マイクロ遠心管にそれぞれ移し、-60℃またはそれ未満に維持するよう設定した冷凍庫内に凍結保管する。
サンプルアッセイおよび保管
用量製剤濃度の検証
・ LC/UVまたはLC/MS/MS法は、6つの較正標準からなる較正曲線を用いて開発する。
・ 用量製剤サンプル中の試験化合物の濃度は、LC/UVまたはLC/MS/MS法によって決定する。
・ 分析試行のための受け入れ基準:6つの較正標準のうちの少なくとも5つは、LC/UV法を使用することにより、名目値の20%以内、およびLC/MS/MS法を使用することによって、名目値の30%以内にあるべきである。
生物学的分析法の開発およびサンプル分析
LC-MS/MS法の開発:
1. 生物学的マトリックスにおける試験化合物の定量的決定に関するLC-MS/MS法は、非GLPコンプライアンス下で開発される。
2. 少なくとも7つの非ゼロ較正標準による較正曲線は、LLOQを含む方法に適用する。
3. 低濃度、中濃度および高濃度からなる一連のQCサンプルをこの方法に適用する。
4. Nイン1カセット(N in 1 cassette)LC-MS/MS法は、これらの研究が、同じ治験依頼者に属する限り、およびすべてのカセット検体間の干渉が、方法の開発中に評価される限り、異なる研究に由来するサンプルのために開発することができる。
5. 異なる検体間の質量差(Δ質量)が、4Daより大きい場合、カセット投与アッセイを行うことができる。この場合、干渉評価は必要ではない。
異なる検体間のΔ質量が、4Da未満である場合、干渉がLC-MS/MS分析の間に起こるという潜在リスクが存在する。このような種類のカセットアッセイが、依然として、研究治験依頼者によって要求される場合、検体間の干渉は評価されないが、それらの検体の一般的な方法を使用することによるLC分離を試みる。これらの検体を分離することができない場合、依頼者への通知が行われ、実験記録に関する文書化が必要となる。
6. 血漿以外のマトリックス中の生体サンプルは、まず、血漿で希釈し、次に、血漿較正曲線に対して定量することができる。そして、希釈精度およびマトリックスの差異を保証するための対応する希釈QCを分析試行に組み入れる。
サンプル分析:
1. バッチ内のサンプル数が≦12である場合、この順序の最初から最後まで、2つの部分で分離された少なくとも1組の標準曲線がこの試行に含まれるべきであり、QCは必要ではない。推奨される注入順序は、C8、C6、C4、C2、研究サンプル、C7、C5、C3、C1である。
2. >12のバッチ内のサンプル数である場合、1つの標準曲線、ならびに低濃度、中濃度および高濃度を含む2組のQCサンプルを生体分析に適用し、その間、QCサンプル数は、研究サンプル数の5%超であるべきである。
3. 同じタイプのマトリックスを用いるが、異なる研究における、1件の依頼者に由来するサンプルは、開発されたNイン1カセットLC-MS/MS法を使用することによって1回の分析試行において定量することが可能となる。
4. 血漿以外のマトリックス中の生体サンプルは、血漿で希釈し、次に、血漿較正曲線に対して定量するよう推奨される。希釈精度およびマトリックスの差異を保証するための対応する希釈QCを分析試行に組み入れる。治験依頼者が、特別に要求する場合、生体サンプルは、それ自体の対応するマトリックスにおける較正曲線に対して定量されることになる。
受け入れ基準:
1. 線形性:≧75%STDは、生物流体(biofluid)中のそれらの名目値の±20%以内、ならびに組織および糞便サンプルにおけるそれらの名目値の25%以内まで逆算する。
2. 精度:≧67%のすべてのQCサンプルは、生物流体の場合、それらの名目値の±20%以内、ならびに組織および糞便サンプルの場合、それらの名目値の25%以内まで逆算する。
3. 特異度:単一ブランクマトリックスにおける平均計算濃度は、≦50%LLOQであるべきである。
4. 感度:
4.1 血漿以外のマトリックスにおける生体サンプルを血漿で希釈し、血漿較正曲線に対して定量した場合、血漿較正曲線のLLOQは、≦2ng/mLを目標とするように試み、このLLOQは、血漿以外の生物マトリックスでは、≦4ng/mLに等しい(2倍希釈が適用される場合)。
4.2 生体サンプルを、その対応するマトリックスによって調製される較正曲線に対して定量する場合、LLOQは、≦3ng/mLを目標とするよう試みる。
LLOQのいずれの調節も、事前に治験依頼者に知らせる。
5. キャリーオーバー:最高標準注入の直後のブランクマトリックスにおける、計算されたキャリーオーバーピーク面積の平均値は、LLOQのピーク面積よりも小さくあるべきである。キャリーオーバーが、基準を満たさない場合、未知サンプルに対するキャリーオーバーの影響は、以下の手順に準拠して評価すべきである:
キャリーオーバー評価は、絶対キャリーオーバーに従い推定されるべきである。キャリーオーバー寄与は、最小計算値(ULOQの最小面積)を含むULOQに対する、最高キャリーオーバー(キャリーオーバーブランクの最大面積)を含むブランクの面積比によって計算される。キャリーオーバー影響は、後続の注入(後続の注入の面積)に対する1回の注入(1回の注入の面積)の面積比によって計算される。絶対キャリーオーバーは、キャリーオーバー寄与をキャリーオーバー影響と乗算することによって計算され、絶対キャリーオーバーの値は、20%未満であるべきである。
キャリーオーバー寄与=キャリーオーバーブランクの最大面積/ULOQの最小面積
キャリーオーバー影響=1回の注入の面積/後続の注入の面積
絶対キャリーオーバー=キャリーオーバー寄与*キャリーオーバー影響
7.2 雄および雌のカニクイザルへの静脈内ボーラス投与後の薬物動態および耐容性の特徴付け
研究プロトコル
Figure 2023536462000031
Figure 2023536462000032
Figure 2023536462000033
1日目、4日目、7日目、14日目に投薬前の体重測定。投薬後14日間、動物の臨床観察をモニタリングする。
PKは血漿サンプルを指す。
PDに関する全血溶解物を調製する手順:
(2)アリコートを有するよう、十分な血液を収集する。アリコートはそれぞれ、200uLになる。
1) BD溶解/固定緩衝液5×を調製する
BD製品インサート「必要量のBD Phosflow(商標)溶解/固定緩衝液(5×濃縮物)を1:5で脱イオン水または蒸留水(室温)により希釈し、次に、溶液を37℃に予め温める。1×作業溶液は、実験ごとに新しく作製するべきであり、実験の終了時のあらゆる残留溶液は、廃棄すべきである」から。
2) 1.8mLのBD溶解/固定緩衝液に200uLの血液を移すことによって、細胞を固定する(*1:10希釈)。
3) 室温で、10分間、インキュベートする。
4) 5分間、1400rpmで細胞を遠心分離して沈殿させる。吸引し、10mM PBS/0.5%BSA(10mLの最終体積になるようこの緩衝液を添加し、遠心分離により沈殿させる)で洗浄する
5) 1.0mLのPBS/0.5%BSA緩衝液を有する1.5mLの遠心管に細胞を移し、細胞を1400rpmで5分間、遠心分離して沈殿させる。
6) 吸引し、細胞ペレットを凍結する。(液体を含まない純粋な細胞ペレット)
* 溶解が不完全に見える場合、1:20の希釈に調節することができる(200uLの血液を3.8mLのBD/溶解/固定緩衝液に添加する)
血液学のための血液収集
投薬後の168時間時に、室温(RT)で、実験動物から全血(少なくとも、1.0mL)をカリウム(K2)EDTAを含む市販の管に収集する。血液サンプルは、室温で臨床病理検査室に送付し、血液学パラメータを検査する。
血液学的検査項目は、以下の通り行う:
Figure 2023536462000034
臨床化学のための血清処理
投薬後168時間時に、抗血液凝固剤を含まない全血サンプル(ほぼ1.0mL)を収集し、室温で保持し、少なくとも30分間、直立させ、分析のため臨床病理検査室に送付する。
臨床化学検査項目は、以下の通り行う:
Figure 2023536462000035
研究目的
この研究の目的は、雄および雌のカニクイザルにおける、単一日または2日間連続して、化合物Aの静脈内ボーラス投与後の、化合物Aの薬物動態および耐容性を決定することである。試験物品は、投薬後の最大で14日間まで、選択した時点において、血漿中で測定する。
試験物品およびビヒクル情報
試験物品
Figure 2023536462000036
ビヒクルおよび製剤調製
20%:80%の化合物A:HPBCD SDD溶液調製プロトコル:
目的:NHPにおいてIV投薬するのに好適な、0.1M酢酸塩中の5重量%TPGSで構成される水性ビヒクル中の20%:80%の化合物A:HPBCD SDDの20mgA/mL溶液を調製すること。
Figure 2023536462000037
*試験物品は、20%の有効成分(化合物A)および80%の添加剤(HPBCD)で構成される
材料:
・ 精製水、タイプIIまたはHPLCグレード
・ 氷酢酸
・ TPGS
・ 試験物品:20%:80%の化合物A:HP-β-CD SDD(DBR-KY1-004-A)
ビヒクル調製
5重量%のTPGS、0.1M 酢酸塩、pH3.5
a. 0.572mLの氷酢酸を85mLの精製水に添加し、完全に溶解するまで、混合する
b. pHをNaOHでpH3.5に調節する
c. 適量の水で100mLにする
d. 5.26gのTPGSを添加し、完全に溶解するまで、混合する
IV溶液調製
a. 適切なサイズにした容器に、製剤表に指定されている試験物品を秤量する
b. ビヒクルを添加し、直ちに、試験物品が完全に溶解するまで、徹底的に混合する
a. 溶液は、目に見える粒子を含まず明黄色で半透明に見えるべきである
b. 気泡形成を防止するため、過度のボルテックスは避ける
c. 5N NaOHを使用して、pH6.0まで一定で激しく撹拌しながら、溶液をゆっくりとpH調節する
検査システムの特定
動物規格
Figure 2023536462000038
動物の世話
環境条件
部屋は、10~20回の空気交換/時で、相対湿度(目標平均範囲40%~70%であり、3時間を超えるこの範囲からのあらゆる逸脱は、逸脱として文書化する)および温度(目標平均範囲は、18℃~26℃であり、この範囲からのあらゆる逸脱は、逸脱として文書化する)に制御し、これをモニタリングする。部屋は、研究作業によって中断を必要とする場合を除き、12時間の明/暗サイクルにおく。
収容
動物は、ステンレス鋼製メッシュケージにおいて、生存中、個々に収容される。
食事および給餌
動物は、1日2回、給餌される。ストックのサルには、毎日、承認済みサル食およそ120グラムが与えられる。これらの量は、群の食物消費、または群もしくは個体の個々の体重変化、および/または承認済み食事の変更に基づいて、必要に応じて調節することができる。さらに、動物は、栄養強化として、毎日、果実を摂食する。
給餌設計は、表7-1-2を参照する。
飲料水
すべての動物に、RO(逆浸透)水が自由摂取可能である。
餌および水の分析
RO水を3か月ごとに分析し、餌を使用前にバッチごとに分析する。餌および水の分析は、施設の記録に維持される。
環境エンリッチメント
エンリッチメントトイが与えられる。ヒト食物供給業者から購入した新鮮な果実を、絶食期間の間を除き、毎日与える。
用量製剤の投与
Figure 2023536462000039
観察および試験
臨床観察
1日2回(ほぼ午前9:30および午後4:00)、一般的な健康および外見について、ケージ横での観察を行う。動物は、動物の健康を確認するために、最初に研究前に身体検査を受ける。投薬日:投薬前および投薬後、ならびに24時間までのPKサンプルの各PKサンプルの時点前および後。これ以降、1日2回。研究全体を通して確認される、一般的な状態、挙動、活動、排泄、呼吸または他の通常でない観察は、生データに記録する。必要な場合、追加の臨床観察を行い、記録する。
体重
動物はすべて、投薬日の投薬前に秤量し、投与する用量体積を決定し、これ以降、毎週再度行う。
血液および尿サンプルの収集
血液:血液サンプルはすべて、鎮静していない拘束した動物の末梢血管から収集する。
動物:すべての利用可能な、すべての群
ブランク血漿:全血は、湿った氷上で、カリウム(K2)EDTAを含有する市販の管に利用可能なストックの動物から収集し、血漿のために処理する。血漿は、プールして、ブランク血漿とする。
投薬前および投薬後
血液体積:各時点について、ほぼ0.5mL
抗血液凝固剤:カリウム(K)EDTA
頻度:表7-2-2を参照。実際のサンプルの収集時間を研究記録に記録する。投薬の最初の1時間内に収集したサンプルの場合、±1分間が許容される。残りの時点に関しては、スケジュール時間の5%以内に採取したサンプルは許容され、プロトコル逸脱と見なさない。
サンプル処理
血漿の場合:12.5μLの20%Tween20を、湿った氷の上の、カリウム(K2)EDTA(0.85~1.15mg)を含有する市販の管に添加し、0.4~0.5mlの血液を、これらの管に収集し、血漿のために処理する。サンプルは、収集して1時間以内に、遠心分離する(2~8℃で10分間、3,000×g)。血漿サンプル(0.2mL/サンプル)を標識したポリプロピレン製マイクロ遠心管にそれぞれ移し、-60℃またはそれ未満に維持するよう設定した冷凍庫内に凍結保管する。
サンプルアッセイおよび保管
用量製剤濃度の検証
LC/UVまたはLC/MS/MS法は、6つの較正標準からなる較正曲線を用いて開発する。
用量製剤サンプル中の試験化合物の濃度は、LC/UVまたはLC/MS/MS法によって決定する。
分析試行のための受け入れ基準:6つの較正標準のうちの少なくとも5つは、LC/UV法を使用することにより、名目値の20%以内、およびLC/MS/MS法を使用することによって、名目値の30%以内にあるべきである。
生物学的分析法の開発およびサンプル分析
LC-MS/MS法の開発:
1. 生物学的マトリックスにおける試験化合物の定量的決定に関するLC-MS/MS法は、非GLPコンプライアンス下で開発される。
2. 少なくとも7つの非ゼロ較正標準による較正曲線は、LLOQを含む方法に適用する。
3. 低濃度、中濃度および高濃度からなる一連のQCサンプルをこの方法に適用する。
4. Nイン1カセット(N in 1 cassette)LC-MS/MS法は、これらの研究が、同じ治験依頼者に属する限り、およびすべてのカセット検体間の干渉が、方法の開発中に評価される限り、異なる研究に由来するサンプルのために開発することができる。
5. 異なる検体間の質量差(Δ質量)が、4Daより大きい場合、カセット投与アッセイを行うことができる。この場合、干渉評価は必要ではない。
異なる検体間のΔ質量が、4Da未満である場合、干渉がLC-MS/MS分析の間に起こるという潜在リスクが存在する。このような種類のカセットアッセイが、依然として、研究治験依頼者によって要求される場合、検体間の干渉は評価されないが、それらの検体の一般的な方法を使用することによるLC分離を試みる。これらの検体を分離することができない場合、依頼者への通知が行われ、実験記録に関する文書化が必要となる。
6. 血漿以外のマトリックス中の生体サンプルは、まず、血漿で希釈し、次に、血漿較正曲線に対して定量することができる。そして、希釈精度およびマトリックスの差異を保証するための対応する希釈QCを分析試行に組み入れる。
サンプル分析:
1. バッチ内のサンプル数が≦12である場合、この順序の最初から最後まで、2つの部分で分離された少なくとも1組の標準曲線がこの試行に含まれるべきであり、QCは必要ではない。推奨される注入順序は、C8、C6、C4、C2、研究サンプル、C7、C5、C3、C1である。
2. >12のバッチ内のサンプル数である場合、1つの標準曲線、ならびに低濃度、中濃度および高濃度を含む2組のQCサンプルを生体分析に適用し、その間、QCサンプル数は、研究サンプル数の5%超であるべきである。
3. 同じタイプのマトリックスを用いるが、異なる研究における、1件の依頼者に由来するサンプルは、開発されたNイン1カセットLC-MS/MS法を使用することによって1回の分析試行において定量することが可能となる。
4. 血漿以外のマトリックス中の生体サンプルは、血漿で希釈し、次に、血漿較正曲線に対して定量するよう推奨される。希釈精度およびマトリックスの差異を保証するための対応する希釈QCを分析試行に組み入れる。治験依頼者が、特別に要求する場合、生体サンプルは、それ自体の対応するマトリックスにおける較正曲線に対して定量されることになる。
受け入れ基準:
1. 線形性:≧75%STDは、生物流体(biofluid)中のそれらの名目値の±20%以内、ならびに組織および糞便サンプルにおけるそれらの名目値の25%以内まで逆算する。
2. 精度:≧67%のすべてのQCサンプルは、生物流体の場合、それらの名目値の±20%以内、ならびに組織および糞便サンプルの場合、それらの名目値の25%以内まで逆算する。
3. 特異度:単一ブランクマトリックスにおける平均計算濃度は、≦50%LLOQであるべきである。
4. 感度:
4.1 血漿以外のマトリックスにおける生体サンプルを血漿で希釈し、血漿較正曲線に対して定量した場合、血漿較正曲線のLLOQは、≦2ng/mLを目標とするように試み、このLLOQは、血漿以外の生物マトリックスでは、≦4ng/mLに等しい(2倍希釈が適用される場合)。
4.2 生体サンプルを、その対応するマトリックスによって調製される較正曲線に対して定量する場合、LLOQは、≦3ng/mLを目標とするよう試みる。
LLOQのいずれの調節も、事前に治験依頼者に知らせる。
5. キャリーオーバー:最高標準注入の直後のブランクマトリックスにおける、計算されたキャリーオーバーピーク面積の平均値は、LLOQのピーク面積よりも小さくあるべきである。キャリーオーバーが、基準を満たさない場合、未知サンプルに対するキャリーオーバーの影響は、以下の手順に準拠して評価すべきである:
キャリーオーバー評価は、絶対キャリーオーバーに従い推定されるべきである。キャリーオーバー寄与は、最小計算値(ULOQの最小面積)を含むULOQに対する、最高キャリーオーバー(キャリーオーバーブランクの最大面積)を含むブランクの面積比によって計算される。キャリーオーバー影響は、後続の注入(後続の注入の面積)に対する1回の注入(1回の注入の面積)の面積比によって計算される。絶対キャリーオーバーは、キャリーオーバー寄与をキャリーオーバー影響と乗算することによって計算され、絶対キャリーオーバーの値は、20%未満であるべきである。
キャリーオーバー寄与=キャリーオーバーブランクの最大面積/ULOQの最小面積
キャリーオーバー影響=1回の注入の面積/後続の注入の面積
絶対キャリーオーバー=キャリーオーバー寄与*キャリーオーバー影響
7.3 雄および雌のカニクイザルへの単回経口投与または反復経口投与後の化合物Aの薬物動態特徴付け
研究プロトコル
Figure 2023536462000040
Figure 2023536462000041
Figure 2023536462000042
1日目、4日目、7日目、14日目に投薬前の体重測定。投薬後14日間、動物の臨床観察をモニタリングする。
PKは血漿サンプルを指す。
PDに関する全血溶解物を調製する手順:
(2)アリコートを有するよう、十分な血液を収集する。アリコートはそれぞれ、200uLになる。
1) BD溶解/固定緩衝液5×を調製する
BD製品インサート「必要量のBD Phosflow(商標)溶解/固定緩衝液(5×濃縮物)を1:5で脱イオン水または蒸留水(室温)により希釈し、次に、溶液を37℃に予め温める。1×作業溶液は、実験ごとに新しく作製するべきであり、実験の終了時のあらゆる残留溶液は、廃棄すべきである」から。
2) 1.8mLのBD溶解/固定緩衝液に200uLの血液を移すことによって、細胞を固定する(*1:10希釈)。
3) 室温で、10分間、インキュベートする。
4) 5分間、1400rpmで細胞を遠心分離して沈殿させる。吸引し、10mM PBS/0.5%BSA(10mLの最終体積になるようこの緩衝液を添加し、遠心分離により沈殿させる)で洗浄する
5) 1.0mLのPBS/0.5%BSA緩衝液を有する1.5mLの遠心管に細胞を移し、細胞を1400rpmで5分間、遠心分離して沈殿させる。
6) 吸引し、細胞ペレットを凍結する。(液体を含まない純粋な細胞ペレット)
* 溶解が不完全に見える場合、1:20の希釈に調節することができる(200uLの血液を3.8mLのBD/溶解/固定緩衝液に添加する)
血液学のための血液収集
投薬後の168時間時に、室温(RT)で、実験動物から全血(少なくとも、1.0mL)をカリウム(K2)EDTAを含む市販の管に収集する。血液サンプルは、室温で臨床病理検査室に送付し、血液学パラメータを検査する。
血液学的検査項目は、以下の通り行う:
Figure 2023536462000043
臨床化学のための血清処理
投薬後168時間時に、抗血液凝固剤を含まない全血サンプル(ほぼ1.0mL)を収集し、室温で保持し、少なくとも30分間、直立させ、分析のため臨床病理検査室に送付する。
臨床化学検査項目は、以下の通り行う:
Figure 2023536462000044
研究目的
この研究の目的は、雄および雌のカニクイザルにおける、化合物Aの単回経口投与または反復経口投与後の、化合物Aの薬物動態を決定することである。試験物品は、投薬後の最大で14日間まで、選択した時点において、血漿中で測定する。
試験物品およびビヒクル情報
試験物品
Figure 2023536462000045
ビヒクルおよび製剤調製
製剤:pH3.5(w/v)の水中の10% HP-β-CD
・ (w/v)基準での10%HP-β-CDビヒクルを調製する
・ 撹拌しながら化合物を添加する
・ 10分間、約50Cまで加熱する。超音波処理を行うこともできる。
・ pHを3.5に調節する。
・ 約50Cでさらに10~20分間、加熱する。
・ 必要に応じて、pHを確認し、調節する。
・ 測定した溶解度が、25Cにおいて10mg/mLであったため、溶液を予想する。
検査システムの特定
動物規格
Figure 2023536462000046
動物の世話
環境条件
部屋は、10~20回の空気交換/時で、相対湿度(目標平均範囲40%~70%であり、3時間を超えるこの範囲からのあらゆる逸脱は、逸脱として文書化する)および温度(目標平均範囲は、18℃~26℃であり、この範囲からのあらゆる逸脱は、逸脱として文書化する)に制御し、これをモニタリングする。部屋は、研究作業によって中断を必要とする場合を除き、12時間の明/暗サイクルにおく。
収容
動物は、ステンレス鋼製メッシュケージにおいて、生存中、個々に収容される。
食事および給餌
動物は、1日2回、給餌される。ストックのサルには、毎日、承認済みサル食およそ120グラムが与えられる。これらの量は、群の食物消費、または群もしくは個体の個々の体重変化、および/または承認済み食事の変更に基づいて、必要に応じて調節することができる。さらに、動物は、栄養強化として、毎日、果実を摂食する。
給餌設計は、表7-1-3を参照する。
飲料水
すべての動物に、RO(逆浸透)水が自由摂取可能である。
餌および水の分析
RO水を3か月ごとに分析し、餌を使用前にバッチごとに分析する。餌および水の分析は、施設の記録に維持される。
環境エンリッチメント
エンリッチメントトイが与えられる。ヒト食物供給業者から購入した新鮮な果実を、絶食期間の間を除き、毎日、与える。
用量製剤の投与
Figure 2023536462000047
観察および試験
臨床観察
1日2回(ほぼ午前9:30および午後4:00)、一般的な健康および外見について、ケージ横での観察を行う。動物は、動物の健康を確認するために、最初に研究前に身体検査を受ける。投薬日:投薬前および投薬後、ならびに24時間までのPKサンプルの各PKサンプルの時点前および後。これ以降、1日2回。研究全体を通して確認される、一般的な状態、挙動、活動、排泄、呼吸または他の通常でない観察は、生データに記録する。必要な場合、追加の臨床観察を行い、記録する。
体重
動物はすべて、投薬日の投薬前に秤量し、投与する用量体積を決定し、これ以降、毎週再度行う。
血液および尿サンプルの収集
血液:血液サンプルはすべて、鎮静していない拘束した動物の末梢血管から収集する。
動物:すべての利用可能な、すべての群
ブランク血漿:全血は、湿った氷上で、カリウム(K2)EDTAを含有する市販の管に利用可能なストックの動物から収集し、血漿のために処理する。血漿は、プールして、ブランク血漿とする。
投薬前および投薬後
血液体積:各時点について、ほぼ0.5mL
抗血液凝固剤:カリウム(K)EDTA
頻度:表7-3-2を参照。実際のサンプルの収集時間を研究記録に記録する。投薬の最初の1時間内に収集したサンプルの場合、±1分間が許容される。残りの時点に関しては、スケジュール時間の5%以内に採取したサンプルは許容され、プロトコル逸脱と見なさない。
サンプル処理
血漿の場合:12.5μLの20%Tween20を、湿った氷の上の、カリウム(K2)EDTA(0.85~1.15mg)を含有する市販の管に添加し、0.4~0.5mlの血液を、これらの管に収集し、血漿のために処理する。サンプルは、収集して1時間以内に、遠心分離する(2~8℃で10分間、3,000×g)。血漿サンプル(0.2mL/サンプル)を標識したポリプロピレン製マイクロ遠心管にそれぞれ移し、-60℃またはそれ未満に維持するよう設定した冷凍庫内に凍結保管する。
サンプルアッセイおよび保管
用量製剤濃度の検証
LC/UVまたはLC/MS/MS法は、6つの較正標準からなる較正曲線を用いて開発する。
用量製剤サンプル中の試験化合物の濃度は、LC/UVまたはLC/MS/MS法によって決定する。
分析試行のための受け入れ基準:6つの較正標準のうちの少なくとも5つは、LC/UV法を使用することにより、名目値の20%以内、およびLC/MS/MS法を使用することによって、名目値の30%以内にあるべきである。
生物学的分析法の開発およびサンプル分析
LC-MS/MS法の開発:
1. 生物学的マトリックスにおける試験化合物の定量的決定に関するLC-MS/MS法は、非GLPコンプライアンス下で開発される。
2. 少なくとも7つの非ゼロ較正標準による較正曲線は、LLOQを含む方法に適用する。
3. 低濃度、中濃度および高濃度からなる一連のQCサンプルをこの方法に適用する。
4. Nイン1カセット(N in 1 cassette)LC-MS/MS法は、これらの研究が、同じ治験依頼者に属する限り、およびすべてのカセット検体間の干渉が、方法の開発中に評価される限り、異なる研究に由来するサンプルのために開発することができる。
5. 異なる検体間の質量差(Δ質量)が、4Daより大きい場合、カセット投与アッセイを行うことができる。この場合、干渉評価は必要ではない。
異なる検体間のΔ質量が、4Da未満である場合、干渉がLC-MS/MS分析の間に起こるという潜在リスクが存在する。このような種類のカセットアッセイが、依然として、研究治験依頼者によって要求される場合、検体間の干渉は評価されないが、それらの検体の一般的な方法を使用することによるLC分離を試みる。これらの検体を分離することができない場合、依頼者への通知が行われ、実験記録に関する文書化が必要となる。
6. 血漿以外のマトリックス中の生体サンプルは、まず、血漿で希釈し、次に、血漿較正曲線に対して定量することができる。そして、希釈精度およびマトリックスの差異を保証するための対応する希釈QCを分析試行に組み入れる。
サンプル分析:
1. バッチ内のサンプル数が≦12である場合、この順序の最初から最後まで、2つの部分で分離された少なくとも1組の標準曲線がこの試行に含まれるべきであり、QCは必要ではない。推奨される注入順序は、C8、C6、C4、C2、研究サンプル、C7、C5、C3、C1である。
2. >12のバッチ内のサンプル数である場合、1つの標準曲線、ならびに低濃度、中濃度および高濃度を含む2組のQCサンプルを生体分析に適用し、その間、QCサンプル数は、研究サンプル数の5%超であるべきである。
3. 同じタイプのマトリックスを用いるが、異なる研究における、1件の依頼者に由来するサンプルは、開発されたNイン1カセットLC-MS/MS法を使用することによって1回の分析試行において定量することが可能となる。
4. 血漿以外のマトリックス中の生体サンプルは、血漿で希釈し、次に、血漿較正曲線に対して定量するよう推奨される。希釈精度およびマトリックスの差異を保証するための対応する希釈QCを分析試行に組み入れる。治験依頼者が、特別に要求する場合、生体サンプルは、それ自体の対応するマトリックスにおける較正曲線に対して定量されることになる。
受け入れ基準:
1. 線形性:≧75%STDは、生物流体(biofluid)中のそれらの名目値の±20%以内、ならびに組織および糞便サンプルにおけるそれらの名目値の25%以内まで逆算する。
2. 精度:≧67%のすべてのQCサンプルは、生物流体の場合、それらの名目値の±20%以内、ならびに組織および糞便サンプルの場合、それらの名目値の25%以内まで逆算する。
3. 特異度:単一ブランクマトリックスにおける平均計算濃度は、≦50%LLOQであるべきである。
4. 感度:
4.1 血漿以外のマトリックスにおける生体サンプルを血漿で希釈し、血漿較正曲線に対して定量した場合、血漿較正曲線のLLOQは、≦2ng/mLを目標とするように試み、このLLOQは、血漿以外の生物マトリックスでは、≦4ng/mLに等しい(2倍希釈が適用される場合)。
4.2 生体サンプルを、その対応するマトリックスによって調製される較正曲線に対して定量する場合、LLOQは、≦3ng/mLを目標とするよう試みる。
LLOQのいずれの調節も、事前に治験依頼者に知らせる。
5. キャリーオーバー:最高標準注入の直後のブランクマトリックスにおける、計算されたキャリーオーバーピーク面積の平均値は、LLOQのピーク面積よりも小さくあるべきである。キャリーオーバーが、基準を満たさない場合、未知サンプルに対するキャリーオーバーの影響は、以下の手順に準拠して評価すべきである:
キャリーオーバー評価は、絶対キャリーオーバーに従い推定されるべきである。キャリーオーバー寄与は、最小計算値(ULOQの最小面積)を含むULOQに対する、最高キャリーオーバー(キャリーオーバーブランクの最大面積)を含むブランクの面積比によって計算される。キャリーオーバー影響は、後続の注入(後続の注入の面積)に対する1回の注入(1回の注入の面積)の面積比によって計算される。絶対キャリーオーバーは、キャリーオーバー寄与をキャリーオーバー影響と乗算することによって計算され、絶対キャリーオーバーの値は、20%未満であるべきである。
キャリーオーバー寄与=キャリーオーバーブランクの最大面積/ULOQの最小面積
キャリーオーバー影響=1回の注入の面積/後続の注入の面積
絶対キャリーオーバー=キャリーオーバー寄与*キャリーオーバー影響
7.4 結果
表11および表12は、IVおよびPO投薬レジメンの両方が支持されることを示している。
Figure 2023536462000048
ラットにおいて、≧100mpk(IVボーラス)で、血尿(hematourea)が観察されたが、NHPでは、観察されなかった(緩徐なIVプッシュ)。
Figure 2023536462000049
下痢はすべての化合物A群において観察され、そして嘔吐は、より高い用量(100 QDおよび>25BID)で観察された。
(実施例8)
リンパ球減少研究
断続的投薬に対するリンパ球減少は、一過的(7~14日目までに回復)であり、用量/曝露に依存する傾向があり(一層少ない用量では、一層浅い底(nadir)および一層速い回復がある)、IV投薬とPO投薬の両方において類似したことが見出された。
図5は、化合物Aが、OCI-Ly10において、持続的な腫瘍PD作用をもたらすことを示しており、断続的な投薬からの目標範囲を支持する。
(実施例9)
臨床投薬スケジュール
前臨床データは、様々な強度および休薬日を含む、いくつかの臨床投薬スケジュールを支持する。非GLP毒性研究は、好ましいスケジュールおよび休薬日/サイクルの長さの選択を支援する。
図6は、高強度、中強度および低強度のスケジュールを含む、全臨床データによって支持されるいくつかの臨床投薬スケジュールを示す。スケジュールは、3週間または4週間のサイクルにおいて、2週間または3週間連続で、または隔週のQWまたはBIW投薬を支持することができる。
(実施例10)
投薬設定研究設計
図7は、投薬設定研究設計を示す。主要な研究は、ラットおよびNHPにおける、安全性、毒物動態学(TK)および血液PDを評価する。サテライト群は、NHPでの投薬に近い組織におけるPDおよびPKを評価する。
(実施例11)
ヒト用量予測
断続投薬からのヒト用量予測は、IVおよびPO投薬の両方に対する用量目標を支持する。表13は、マウスモデルにおいて、AUCを対応する断続的な投薬レジメンと一致させることによる、ヒト用量予測を示す。
Figure 2023536462000050
最大で300mg/用量までのIV製剤が、実現可能である(効力に対する曝露は、100~300mg/用量である)。≧400mgまでの投薬が可能である可能性が高い(初期製剤評価に基づくと、>80%POS)。900mg/日の推定されるPO上限用量が、実現可能である。曝露を達成するため、BID投薬に分割してもよい。高い丸剤負荷または通常ではない製剤戦略(例えば、混合物および飲料)が必要となることがある。PO対IV投薬を表14に比較する。
Figure 2023536462000051
MED(メジアン有効用量); POS(成功確率)。
(実施例12)
組み合わせゼノグラフ研究
研究目的:目的は、雌CB-17 SCIDマウスにおける、OCI-LY10ヒトびまん性大細胞型B細胞リンパ腫モデルにおける、化合物Aの組み合わせの効力を評価することであった。
細胞培養:OCI-LY10腫瘍細胞は、10%ウシ胎仔血清および100μg/mLペニシリン/100μg/mLストレプトマイシン(研究1)または1%抗生物質-抗真菌剤(研究2)を追加補充したRPMI1640培地中の懸濁物として、空気中、5%COの雰囲気中、37℃で維持した。腫瘍細胞は、トリプシンEDTA処理によって、毎週2回、慣用的に継代培養した。対数増殖期で増殖した細胞を収集し、腫瘍接種のために計数した。
動物:ほぼ18~22gと秤量したCB-17 SCID(雌、6~8週齢)。合計で、56匹の動物(研究1)および66匹の動物(研究2)をこの研究に使用した。
腫瘍接種:腫瘍発生のために、各マウスの右脇腹の皮下に、マトリゲルを含むPBS0.2mL中のOCI-LY10腫瘍細胞(10×10)を接種した。研究のために、腫瘍サイズが100mmに到達したら、処置を開始した。試験物品の投与/製剤、および各群における動物数は、以下の表に示されている。
Figure 2023536462000052
Figure 2023536462000053
Figure 2023536462000054
n=動物数; 投薬体積=体重に基づいて投薬体積を調節する。
Figure 2023536462000055
処置開始の3日前に、すべての研究動物に食事ゲル/補給物を増やす。化合物は、0.9%食塩水を用いて、必要な投薬体積まで希釈する。
R-CHOP投薬順序:リツキサン、IP;リツキサンの15分後にドキソルビシン、IV;ドキソルビシンの15分後にビンクリスチン、IV;ビンクリスチンの15分後にシクロホスファミド、IV;シクロホスファミドの15分後にプレドニゾン、PO。
Figure 2023536462000056
Figure 2023536462000057
n=動物数; 投薬体積=体重に基づいて投薬体積を調節する。
群への割り当て:処置の開始前に、すべての動物を秤量し、腫瘍体積を測定した。腫瘍体積は、化合物の効力に影響を及ぼし得るので、マウスを、その腫瘍体積に基づいた層別化無作為化を行う、Excelベースの無作為化手順を使用して、群に割り当てた。
動物の収容:実験室環境に動物を慣れさせるため、動物の受け取り時と腫瘍接種との間にほぼ1週間の順化期間を設けた。マウスは、特定病原体を含まない環境および個々の換気ケージ(ケージあたり3匹のマウス)に維持した。ケージ、寝床および水はすべて、使用前に殺菌した。マウス部屋で作業する場合、治験責任医師は、白衣、およびラテックス製またはビニル製の手袋を着用した。各ケージは、動物の数、性別、系統、入手日、処置、研究番号、群番号および処置の開始日を表示するケージカードで明確に標識した。食物および水を備えるケージは、1週間に2回、取り替えた。動物室環境および光周期(photoperiod)に関する目標条件は、以下の通りとした:温度20~26℃;湿度40~70%;光サイクル、12時間の明、および12時間の暗。
食事材料:動物はすべて、標準的な承認済みの市販の研究室食を自由に利用できた。食事内の汚染物質の最大許容濃度は、製造業者によって管理され、日常的に分析された。ヒト消費に好適な、オートクレーブ処理した上水道水は、動物に自由に利用可能であった。
結果:図10~12は、組み合わせ研究の結果を示す。
図10は、変異体MYD88 OCI-Ly10ゼノグラフにおいて、化合物Aが、イブルチニブと組み合わせると相加的であることを示す。データは、断続的なスケジュールで投与された化合物Aは、BTK阻害剤(例えば、イブルチニブ)と組み合わせると、強力な退縮を伴う相加的な活性があることを実証したことを示す。
図11は、変異体MYD88 OCI-Ly10ゼノグラフにおいて、化合物Aが、ベネトクラックスと組み合わせると超相加的(ブリス独立性方法(Bliss independent method)によって決定される)であることを示す。データは、断続的なスケジュールで投与された化合物Aは、BCL-2阻害剤(例えば、ベネトクラックス)と組み合わせると、強く(deep)かつ持続的な退縮を伴う超相加的な活性があることを実証したことを示している。
図12は、初期R-CHOP処置(下側のグラフ)後に再発した腫瘍を含む、変異体MYD88 OCI-Ly10ゼノグラフ(上側のグラフ)において、化合物Aが、リツキシマブと組み合わせると、超相加的(ブリス独立性方法によって決定される)であることを示す。データは、断続的なスケジュールで投与した化合物Aが、抗CD20抗体(例えば、リツキシマブ)と組み合わせると、強くかつ持続的な退縮があることを実証したこと、およびこの組み合わせがまた、初期R-CHOP処置後に再発した腫瘍において、強力な腫瘍退縮を示したことを示している。
本発明者らは、本発明のいくつかの実施形態を記載しているが、本発明者らの基本的な実施例を改変して、本発明の化合物および方法を利用する他の実施形態を提供することができることは明白である。したがって、本発明の範囲は、例として表されている特定の実施形態によってよりもむしろ、添付の特許請求の範囲によって規定されることが理解されよう。

Claims (66)

  1. MYD88変異体B細胞リンパ腫の処置を必要とする患者における、MYD88変異体B細胞リンパ腫を処置する方法であって、前記患者に治療有効量の化合物Aまたは薬学的に受容可能なその塩を投与するステップを含み、
    化合物Aが、N-(2-((1r,4r)-4-((6-(2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)アミノ)エチル)-2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-2-イル)メチル)シクロヘキシル)-5-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ベンゾ[d]チアゾール-6-イル)-6-(トリフルオロメチル)ピコリンアミドである、
    方法。
  2. 化合物Aまたは薬学的に受容可能なその塩が、前記患者に、最大で1600mgの用量で投与される、請求項1に記載の方法。
  3. 化合物Aまたは薬学的に受容可能なその塩が、前記患者に、最大で900mgの用量で投与される、請求項1または請求項2に記載の方法。
  4. 化合物Aまたは薬学的に受容可能なその塩が、前記患者に、最大で400mgの用量で投与される、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 化合物Aまたは薬学的に受容可能なその塩が、前記患者に、最大で300mgの用量で投与される、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 化合物Aまたは薬学的に受容可能なその塩が、約300mg~約900mgの用量で投与される、請求項1に記載の方法。
  7. 化合物Aまたは薬学的に受容可能なその塩が、約100mg~約300mgの用量で投与される、請求項1に記載の方法。
  8. 化合物Aまたは薬学的に受容可能なその塩が、約30mg/m~約90mg/mの用量で投与される、請求項1に記載の方法。
  9. 化合物Aまたは薬学的に受容可能なその塩が、約10mg/m~約40mg/mの用量で投与される、請求項1に記載の方法。
  10. 化合物Aまたは薬学的に受容可能なその塩が、前記患者に経口投与される、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記患者への化合物Aの前記経口投与が、液剤、懸濁剤、エマルション剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤または持続放出製剤を含む、請求項10に記載の方法。
  12. 化合物Aまたは薬学的に受容可能なその塩が、前記患者に静脈内投与される、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記患者への化合物Aの前記静脈内投与が、注射用滅菌溶液を含む、請求項12に記載の方法。
  14. 化合物Aまたは薬学的に受容可能なその塩が、前記患者に、毎週1回、投与される、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 化合物Aまたは薬学的に受容可能なその塩が、前記患者に、毎週2回、投与される、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
  16. 化合物Aまたは薬学的に受容可能なその塩の前記投与が、1週間の1日目および2日目である、請求項15に記載の方法。
  17. 化合物Aまたは薬学的に受容可能なその塩の前記投与が、1週間の1日目および4日目である、請求項15に記載の方法。
  18. 化合物Aまたは薬学的に受容可能なその塩が、前記患者に、3週間の投与サイクルで第1週目および第2週目に、週1回、投与される、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
  19. 化合物Aまたは薬学的に受容可能なその塩が、前記患者に、3週間の投与サイクルで第1週目および第2週目に、週2回、投与される、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
  20. 化合物Aまたは薬学的に受容可能なその塩が、前記患者に、4週間の投与サイクルで第1週目および第2週目に、週1回、投与される、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
  21. 化合物Aまたは薬学的に受容可能なその塩が、前記患者に、4週間の投与サイクルで第1週目および第2週目に、週2回、投与される、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
  22. 化合物Aまたは薬学的に受容可能なその塩が、前記患者に、4週間の投与サイクルで第1週目および第2週目に、週1回、投与される、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
  23. 化合物Aまたは薬学的に受容可能なその塩が、前記患者に、4週間の投与サイクルで第1週目および第2週目に、週2回、投与される、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
  24. 化合物Aまたは薬学的に受容可能なその塩が、前記患者に、4週間の投与サイクルで第1週目および第3週目に、週1回、投与される、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
  25. 化合物Aまたは薬学的に受容可能なその塩が、前記患者に、4週間の投与サイクルで第1週目および第3週目に、週2回、投与される、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
  26. 化合物Aまたは薬学的に受容可能なその塩が、前記患者に、4週間の投与サイクルで第1~3週目に、週1回、投与される、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
  27. 化合物Aまたは薬学的に受容可能なその塩が、前記患者に、4週間の投与サイクルで第1~3週目に、週2回、投与される、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
  28. 化合物Aまたは薬学的に受容可能なその塩が、1種もしくは複数の薬学的に受容可能な添加剤または担体を含む医薬組成物として投与される、請求項1~27のいずれか一項に記載の方法。
  29. 前記1種もしくは複数の薬学的に受容可能な添加剤または担体が、1種または複数の希釈剤、保存剤、結合剤、滑沢剤、崩壊剤、膨潤剤、充填剤または安定剤を含む、請求項28に記載の医薬組成物。
  30. 前記1種もしくは複数の薬学的に受容可能な添加剤または担体が、1種または複数の緩衝液、界面活性剤、分散剤、乳化剤または粘度改変剤を含む、請求項28に記載の医薬組成物。
  31. 前記MYD88変異体B細胞リンパ腫が、ABC DLBCL、原発性CNSリンパ腫、原発性節外リンパ腫、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、ホジキンリンパ腫、原発性皮膚T細胞リンパ腫および慢性リンパ球性白血病から選択される、請求項1~30のいずれか一項に記載の方法。
  32. 前記患者が、少なくとも1つの以前の治療を受けている、請求項1~31のいずれか一項に記載の方法。
  33. 前記患者がヒトである、請求項1~32のいずれか一項に記載の方法。
  34. MYD88変異体B細胞リンパ腫の処置を必要とする患者におけるMYD88変異体B細胞リンパ腫の処置のための医薬の製造における、化合物Aまたは薬学的に受容可能なその塩の使用であって、
    化合物Aが、N-(2-((1r,4r)-4-((6-(2-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)アミノ)エチル)-2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-2-イル)メチル)シクロヘキシル)-5-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ベンゾ[d]チアゾール-6-イル)-6-(トリフルオロメチル)ピコリンアミドである、
    使用。
  35. 化合物Aまたは薬学的に受容可能なその塩が、前記患者に、最大で1600mgの用量で投与される、請求項34に記載の使用。
  36. 化合物Aまたは薬学的に受容可能なその塩が、前記患者に、最大で900mgの用量で投与される、請求項34または請求項35に記載の使用。
  37. 化合物Aまたは薬学的に受容可能なその塩が、前記患者に、最大で400mgの用量で投与される、請求項34~36のいずれか一項に記載の使用。
  38. 化合物Aまたは薬学的に受容可能なその塩が、前記患者に、最大で300mgの用量で投与される、請求項34~37のいずれか一項に記載の使用。
  39. 化合物Aまたは薬学的に受容可能なその塩が、約300mg~約900mgの用量で投与される、請求項34に記載の使用。
  40. 化合物Aまたは薬学的に受容可能なその塩が、約100mg~約300mgの用量で投与される、請求項34に記載の使用。
  41. 化合物Aまたは薬学的に受容可能なその塩が、約30mg/m~約90mg/mの用量で投与される、請求項34に記載の使用。
  42. 化合物Aまたは薬学的に受容可能なその塩が、約10mg/m~約40mg/mの用量で投与される、請求項34に記載の使用。
  43. 化合物Aまたは薬学的に受容可能なその塩が、前記患者に経口投与される、請求項34~42のいずれか一項に記載の使用。
  44. 前記患者への化合物Aの前記経口投与が、液剤、懸濁剤、エマルション剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤または持続放出製剤を含む、請求項43に記載の使用。
  45. 化合物Aまたは薬学的に受容可能なその塩が、前記患者に静脈内投与される、請求項34~42のいずれか一項に記載の使用。
  46. 前記患者への化合物Aの前記静脈内投与が、注射用滅菌溶液を含む、請求項45に記載の使用。
  47. 化合物Aまたは薬学的に受容可能なその塩が、前記患者に、毎週1回、投与される、請求項34~46のいずれか一項に記載の使用。
  48. 化合物Aまたは薬学的に受容可能なその塩が、前記患者に、毎週2回、投与される、請求項34~46のいずれか一項に記載の使用。
  49. 化合物Aまたは薬学的に受容可能なその塩の前記投与が、1週間の1日目および2日目である、請求項48に記載の使用。
  50. 化合物Aまたは薬学的に受容可能なその塩の前記投与が、1週間の1日目および4日目である、請求項48に記載の使用。
  51. 化合物Aまたは薬学的に受容可能なその塩が、前記患者に、3週間の投与サイクルで第1週目および第2週目に、週1回、投与される、請求項34~46のいずれか一項に記載の使用。
  52. 化合物Aまたは薬学的に受容可能なその塩が、前記患者に、3週間の投与サイクルで第1週目および第2週目に、週2回、投与される、請求項34~46のいずれか一項に記載の使用。
  53. 化合物Aまたは薬学的に受容可能なその塩が、前記患者に、4週間の投与サイクルで第1週目および第2週目に、週1回、投与される、請求項34~46のいずれか一項に記載の使用。
  54. 化合物Aまたは薬学的に受容可能なその塩が、前記患者に、4週間の投与サイクルで第1週目および第2週目に、週2回、投与される、請求項34~46のいずれか一項に記載の使用。
  55. 化合物Aまたは薬学的に受容可能なその塩が、前記患者に、4週間の投与サイクルで第1週目および第2週目に、週1回、投与される、請求項34~46のいずれか一項に記載の使用。
  56. 化合物Aまたは薬学的に受容可能なその塩が、前記患者に、4週間の投与サイクルで第1週目および第2週目に、週2回、投与される、請求項34~46のいずれか一項に記載の使用。
  57. 化合物Aまたは薬学的に受容可能なその塩が、前記患者に、4週間の投与サイクルで第1週目および第3週目に、週1回、投与される、請求項34~46のいずれか一項に記載の使用。
  58. 化合物Aまたは薬学的に受容可能なその塩が、前記患者に、4週間の投与サイクルで第1週目および第3週目に、週2回、投与される、請求項34~46のいずれか一項に記載の使用。
  59. 化合物Aまたは薬学的に受容可能なその塩が、前記患者に、4週間の投与サイクルで第1~3週目に、週1回、投与される、請求項34~46のいずれか一項に記載の使用。
  60. 化合物Aまたは薬学的に受容可能なその塩が、前記患者に、4週間の投与サイクルで第1~3週目に、週2回、投与される、請求項34~46のいずれか一項に記載の使用。
  61. 化合物Aまたは薬学的に受容可能なその塩が、1種もしくは複数の薬学的に受容可能な添加剤または担体を含む医薬組成物として投与される、請求項34~60のいずれか一項に記載の使用。
  62. 前記1種もしくは複数の薬学的に受容可能な添加剤または担体が、1種または複数の希釈剤、保存剤、結合剤、滑沢剤、崩壊剤、膨潤剤、充填剤または安定剤を含む、請求項61に記載の医薬組成物。
  63. 前記1種もしくは複数の薬学的に受容可能な添加剤または担体が、1種または複数の緩衝液、界面活性剤、分散剤、乳化剤または粘度改変剤を含む、請求項61に記載の医薬組成物。
  64. 前記MYD88変異体B細胞リンパ腫が、ABC DLBCL、原発性CNSリンパ腫、原発性節外リンパ腫、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、ホジキンリンパ腫、原発性皮膚T細胞リンパ腫および慢性リンパ球性白血病から選択される、請求項34~63のいずれか一項に記載の使用。
  65. 前記患者が、少なくとも1つの以前の治療を受けている、請求項34~64のいずれか一項に記載の使用。
  66. 前記患者がヒトである、請求項34~65のいずれか一項に記載の使用。
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