JP2023535399A - プロスタミドが高充填された眼内インプラント - Google Patents
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Abstract
眼圧を即時かつ持続的に低下させるためのプロスタミド化合物を高充填した生分解性眼内インプラント及び患者の眼における緑内障の治療を記載する。
Description
関連出願の相互参照
本出願は、2021年7月21日に出願された米国仮特許出願63/054,620号に対する優先権を主張し、該米国仮特許出願の内容全体は参照により本明細書に組み込まれる。
プロスタミドが高充填された眼内インプラントが本明細書に記載される。特に、患者の眼を治療するためのデバイス及び方法、より具体的には、眼圧(IOP)を低下又は少なくとも維持するなどによって高眼圧症を治療するためにインプラントが留置される眼において治療剤の延長放出を提供する眼内インプラント、並びにそのようなインプラントを製造及び使用する方法が本明細書に記載される。
本出願は、2021年7月21日に出願された米国仮特許出願63/054,620号に対する優先権を主張し、該米国仮特許出願の内容全体は参照により本明細書に組み込まれる。
プロスタミドが高充填された眼内インプラントが本明細書に記載される。特に、患者の眼を治療するためのデバイス及び方法、より具体的には、眼圧(IOP)を低下又は少なくとも維持するなどによって高眼圧症を治療するためにインプラントが留置される眼において治療剤の延長放出を提供する眼内インプラント、並びにそのようなインプラントを製造及び使用する方法が本明細書に記載される。
眼圧降下剤は、多くの様々な高眼圧症の状態、例えば、手術後及びレーザー線維柱帯形成術後の高眼圧症の発病、緑内障の治療において、並びに手術前補助剤として有用である。
緑内障は、眼圧上昇をしばしば特徴とする眼の疾患である。緑内障は、その病因に基づいて原発性又は続発性に分類される。例えば、成人の原発性緑内障(先天性緑内障)は、開放隅角又は急性若しくは慢性閉塞隅角のいずれかであり得る。続発性緑内障は、ブドウ膜炎、眼内腫瘍、又は進行した白内障などの既存の眼疾患に起因する。
緑内障における眼圧上昇は、房水の流出が妨げられることによるものである。慢性開放隅角緑内障では、前眼房及びその解剖学的構造は本質的に正常に見えるが、房水の排出が妨げられている。急性又は慢性閉塞隅角緑内障では、前眼房が浅く、濾過隅角が狭くなり、虹彩がシュレム管の入口で小柱網を閉塞し得る。瞳孔の散大は、虹彩根部を隅角に逆らって前方に押し出し、瞳孔ブロックを生じさせ、したがって急性発作を引き起こし得る。前眼房隅角が狭い眼は、様々な重症度の急性閉塞隅角緑内障発作を起こしやすい。
緑内障は、眼圧上昇をしばしば特徴とする眼の疾患である。緑内障は、その病因に基づいて原発性又は続発性に分類される。例えば、成人の原発性緑内障(先天性緑内障)は、開放隅角又は急性若しくは慢性閉塞隅角のいずれかであり得る。続発性緑内障は、ブドウ膜炎、眼内腫瘍、又は進行した白内障などの既存の眼疾患に起因する。
緑内障における眼圧上昇は、房水の流出が妨げられることによるものである。慢性開放隅角緑内障では、前眼房及びその解剖学的構造は本質的に正常に見えるが、房水の排出が妨げられている。急性又は慢性閉塞隅角緑内障では、前眼房が浅く、濾過隅角が狭くなり、虹彩がシュレム管の入口で小柱網を閉塞し得る。瞳孔の散大は、虹彩根部を隅角に逆らって前方に押し出し、瞳孔ブロックを生じさせ、したがって急性発作を引き起こし得る。前眼房隅角が狭い眼は、様々な重症度の急性閉塞隅角緑内障発作を起こしやすい。
続発性緑内障は、後眼房から前眼房へ、続いてシュレム管への房水の流れが妨げられることによって引き起こされる。前眼部の炎症性疾患は、膨隆虹彩において完全な後癒着を引き起こすことによって房水の流出を妨げ、滲出液によって排出チャネルが塞がれ得る。他の一般的な原因は、眼内腫瘍、進行した白内障、網膜中心静脈閉塞症、眼の外傷、手術、及び眼内出血である。
眼圧の低下は、緑内障又は緑内障による失明の予防に役立ち得る。現在、眼圧を低下させるための治療活性剤を含む点眼薬が多くの患者に付与されており、該患者は、緑内障に伴う眼圧上昇を低下させるために1日に1回又は複数回、点眼し得る。
眼圧の低下は、緑内障又は緑内障による失明の予防に役立ち得る。現在、眼圧を低下させるための治療活性剤を含む点眼薬が多くの患者に付与されており、該患者は、緑内障に伴う眼圧上昇を低下させるために1日に1回又は複数回、点眼し得る。
降圧剤(又はIOP低下剤)などの治療剤を、持続的な又は制御された速度で、延長された期間にわたって、負の副作用が殆ど又は全くなく、ある量(すなわち、バースト放出ではなく、延長放出)で放出し、それによって緑内障を患っている又は緑内障を発症するリスクのある患者を含むがこれらに限定されない患者の眼における眼圧を低下することができる、眼内インプラントなどの眼内埋め込み可能薬物送達システム及びそのようなシステムの使用方法を提供することが有利である。治療剤は、前眼房内空間又は硝子体液中に送達することができ、ヒトの眼の前部又は後部において有効であり得る。また、延長された期間にわたって直線的な薬物放出プロファイルを得ることが有利である。送達される薬物の有効量を減らさずにインプラントのサイズを小さくすることができるので、比較的高充填のインプラント送達システムが望ましい。
インプラント送達システムを製剤化する際に考慮すべき追加のパラメーターには、持続放出インプラントからの薬物放出の速度及び程度、水性媒体中に留置されたときに持続放出インプラントが膨潤する程度(初期サイズと比較して)、並びに薬物放出完了後のインプラントの生分解時間が含まれる。
インプラントの質量、寸法、及び注入頻度を最小化するために、薬物充填、ポリマー浸食速度、及び薬物放出持続時間を同時に最大化する必要がある。典型的には、1つの成分/要因を最適化すると他のものが損なわれるため、これを実際に達成することはしばしば困難である。
インプラント送達システムを製剤化する際に考慮すべき追加のパラメーターには、持続放出インプラントからの薬物放出の速度及び程度、水性媒体中に留置されたときに持続放出インプラントが膨潤する程度(初期サイズと比較して)、並びに薬物放出完了後のインプラントの生分解時間が含まれる。
インプラントの質量、寸法、及び注入頻度を最小化するために、薬物充填、ポリマー浸食速度、及び薬物放出持続時間を同時に最大化する必要がある。典型的には、1つの成分/要因を最適化すると他のものが損なわれるため、これを実際に達成することはしばしば困難である。
本開示は、1つ又は複数の生分解性眼内インプラントの眼内投与によって提供される眼における眼圧の延長された長期低下に関する。生分解性眼内インプラントは、生分解性ポリマー材料及び生分解性ポリマー材料と会合した治療剤を含むか、又はそれらからなる。インプラントは、単剤療法として眼に投与することができ、眼における眼圧上昇(高眼圧症)を延長された期間にわたって低下させるのに有効な量で眼の眼領域に直接的に治療剤を提供することができる。インプラントはまた、緑内障又は眼圧上昇に関連する眼の他の医学的状態を治療又は予防するために使用することができる。
本開示の眼内インプラントに含まれる治療剤は、高眼圧の眼における眼圧を低下させるのに有効な化合物を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなることができる。いくつかの実施形態では、治療剤は、化合物1を含むか、又はそれからなる。
本開示の眼内インプラントに含まれる治療剤は、高眼圧の眼における眼圧を低下させるのに有効な化合物を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなることができる。いくつかの実施形態では、治療剤は、化合物1を含むか、又はそれからなる。
したがって、本開示は、患者の眼における眼圧を延長された期間にわたって低下させるのに有効な生分解性眼内インプラントであって、該インプラントが、生分解性ポリマー材料及び化合物1又はその薬学的に許容される塩を含むか、又はそれらからなり、化合物1が、インプラントの8質量%超、例えば、8~20質量%(20質量%を含む、例えば、9~18%、9~17%、9~16%、9~15%、及び10~15%)、11質量%超、12質量%超、又は15質量%超の量で存在する、インプラントを記載する。
いくつかの実施形態では、生分解性眼内インプラントは、生分解性ポリマー材料及び薬学的に活性な薬剤としての化合物1を含み、眼内インプラントは、化合物1以外の薬学的に活性な薬剤又はIOP低下剤を含まない。
化合物1は、生分解性ポリマー材料と会合させることができる。したがって、化合物は、生分解性ポリマー材料と混合され、該材料内で溶解及び/若しくは分散させ、該材料によって封入され、又は該材料と結合させることができる。化合物1は、生分解性ポリマー材料内に均一又は不均一に分散し、又は該材料全体に分布することができる。眼に留置した後のインプラントからの化合物1の放出は、化合物1の拡散、ポリマー材料の浸食若しくは分解、溶解性、浸透性、又はそれらの任意の組合せによって生じ得る。
本明細書に記載の生分解性眼内インプラントは、緑内障を治療し、例えば、眼における眼圧上昇(又は高眼圧症)を含む眼圧を低下させるため、例えば、眼の硝子体又は前眼房などの眼の眼領域に留置するために具体的にサイズ決定し、製剤化することができる。
いくつかの実施形態では、生分解性眼内インプラントは、患者の眼に留置した後に、化合物1又はその薬学的に許容される塩を1カ月超、例えば約1~約3カ月以上、約3~約6カ月、又は約6カ月以上にわたってインビトロ及び/又はインビボで連続的に眼に放出することができる。
本開示のインプラントは、制御された様式で化合物1を放出するように設計される。いくつかの形態では、インプラントは、化合物1の直線的な又はほぼ一定の放出率を1カ月超、例えば、2カ月超、1~3カ月、3~6カ月、又は6~12カ月以上にわたって提供する。
いくつかの実施形態では、生分解性眼内インプラントは、患者の眼に留置した後に、化合物1又はその薬学的に許容される塩を1カ月超、例えば約1~約3カ月以上、約3~約6カ月、又は約6カ月以上にわたってインビトロ及び/又はインビボで連続的に眼に放出することができる。
本開示のインプラントは、制御された様式で化合物1を放出するように設計される。いくつかの形態では、インプラントは、化合物1の直線的な又はほぼ一定の放出率を1カ月超、例えば、2カ月超、1~3カ月、3~6カ月、又は6~12カ月以上にわたって提供する。
一実施形態は、約8~約20質量%(20%を含む、例えば、約9~約18%、約9~約17%、約9~16%、約9~約15%、及び約10~約15%)、例えば、約11質量%、約12質量%、又は約15質量%の化合物1、及び任意選択で約2~約6質量%のヘキサデカン-1-オール(ヘキサデカノール)を含む、押出前眼房内生分解性インプラントであり、該インプラントは、リン酸緩衝生理食塩水中、37℃で、インビトロで2~5カ月間にわたって化合物1を連続的に放出する。
生分解性眼内インプラントは、生分解性ポリマー材料及び化合物1を含むことができ、i)化合物1は、インプラントの約8~約20質量%(20%を含む、例えば、約9~約18%、約9~約17%、約9~約16%、約9~約15%、及び約10~約15質量%)の量であり、ii)インプラントは、インビトロ及び/又はインビボで眼において1カ月超にわたって化合物1を連続的に放出し、iii)インプラントは、ポリエチレングリコールを含まない。
このインプラントのいくつかの形態では、生分解性ポリマー材料は、酸末端基及び0.16~0.24dl/gの固有粘度を有するポリ(D,L-ラクチド)(ポリマー1)、エステル基及び0.25~0.35dl/gの固有粘度を有するポリ(D,L-ラクチド)(ポリマー2)、並びにエステル末端基、約75:25(例えば、73:27~77:23)のD,L-ラクチドとグリコリドのモル比、及び0.16~0.24dl/gの固有粘度を有するポリ(D,L-ラクチド-co-グリコリド)コポリマー(ポリマー3)を含み、各ポリマー及びコポリマーの固有粘度は、25℃でのクロロホルム中のポリマー又はコポリマーの0.1%溶液について測定される。このインプラントのいくつかの形態では、ポリマー1は、約0~約20質量%(例えば、約4~約10質量%又は約4~約20質量%、例えば、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約11、約12、約13、約14、約15、約16、約17、約18、又は約20質量%)の量で存在する。このインプラントのいくつかの形態では、ポリマー2は、ポリマー3よりも少ない量であり、約20~約40質量%(例えば、約20~約30質量%、例えば、約20、約25、約30、約35、又は約40質量%)の量で存在する。このインプラントのいくつかの形態では、ポリマー3は、約30~約70質量%(例えば、約35~約50質量%、例えば、約30、約35、約40、約45質量%)の量で存在する。このインプラントのいくつかの形態では、ポリマー2とポリマー3との質量比は、2:5~4:3、例えば、1:2~1:1、1:2、5:9、5:8、2:3、3:4、6:7、又は1:1である。
生分解性インプラントは、直径約100~約200μmのインプラント(例えば、直径約150μmのインプラント)中に少なくとも約3~約10μg(例えば、約5又は約7.5μg)の化合物1を含むように製剤化することができる。
生分解性インプラントは、直径約100~約200μmのインプラント(例えば、直径約150μmのインプラント)中に少なくとも約3~約10μg(例えば、約5又は約7.5μg)の化合物1を含むように製剤化することができる。
一実施形態は、眼圧の低下を必要とする患者において眼圧を低下させる方法であって、医薬組成物を患者の眼に投与することを含み、該医薬組成物が、治療有効量の化合物1又はその薬学的に許容される塩を含む、方法を提供する。いくつかの実施形態は、眼圧の低下を必要とする患者において眼圧を低下させる方法であって、治療有効量の化合物1を含む医薬組成物を患者の眼に投与することを含む、方法を提供する。眼圧を低下させるための医薬組成物は、一般に眼と生体適合性であり、治療有効量の化合物1及び薬学的に許容される賦形剤を含む。生体適合性インプラント及びポリマーは、毒性作用を殆ど又は全く生じさせず、有害ではないか又は生理学的に反応せず、免疫反応を引き起こさない。
他の実施形態は、患者の眼圧を低下させるのに有効な生分解性眼内インプラントを製造する方法であって、インプラントは、治療剤、生分解性ポリマー材料、及び任意選択で1つ又は複数の賦形剤を含むか、又はそれらからなり、方法は、順に、a)治療剤を1つの生分解性ポリマー又は2つ以上の生分解性ポリマー及び存在する場合は1つ又は複数の賦形剤とブレンドして、混合物を形成すること、b)混合物を押し出してフィラメントを形成すること、及びc)眼圧上昇を患っている患者の眼に留置するのに好適な長さにフィラメントを切断し、それによって眼内インプラントを形成することを含む、方法を提供する。特定の実施形態では、フィラメントは、眼の前眼房に留置するのに好適な長さに切断される。治療剤は、本明細書で定義される化合物1を含むことができる。いくつかの場合では、ポリマーとのブレンド(ステップa)に使用される治療剤は、固体形態であり得る。混合物は、約60℃~約150℃の温度で押し出すことができる。
さらに他の実施形態は、本明細書に記載の実施形態のいずれかによる生分解性眼内インプラントを緑内障又は高眼圧症(すなわち、眼圧上昇)を患っている患者の眼の眼領域に埋め込む又は注入するための装置であって、装置は、長手方向の軸を有する細長いハウジング及びハウジングから長手方向に延びるカニューレを含み、カニューレは、該カニューレを通って延びる管腔を有し、管腔は、眼内インプラントを受容するように構成され、装置は、本明細書に記載の実施形態のいずれかによる眼内インプラントをさらに含む、装置を提供する。インプラントは、カニューレ管腔内又はカニューレ管腔に近い位置に留置することができる。装置の特定の形態では、カニューレの寸法は、21、22、25、27、28、又は30ゲージ針の寸法と同じか、又はそれ以下であり、カニューレは、眼組織の貫通を容易にするために斜角の又は鋭い先端を有する。いくつかの形態では、カニューレの外径及び内径は、25又は27ゲージ針の外径及び内径以下である。
緑内障又は眼圧上昇を患っている患者の眼に眼内インプラントを上記の装置を使用して送達するための方法であって、装置は、近位端、遠位の鋭い端、及びそれらを通って延びる管腔を有するカニューレ、本明細書の記載のもののいずれかから選択される眼内インプラント、並びにアクチュエータを含み、該アクチュエータの動作によってインプラントが装置から排出され、カニューレ管腔は、眼内インプラントを受容し、かつ、該管腔を通るインプラントの移動を可能にするようにサイズ決定され、方法は、カニューレを患者の眼の眼領域に挿入するステップと、アクチュエータを押し下げ又は作動させ、それによってインプラントをカニューレから患者の眼に排出するステップとを含む、方法も本開示の範囲内にある。いくつかの実施形態では、インプラントが注入される眼の眼領域は、眼の前眼房又は硝子体であり得る。
いくつかの非限定的な例示的な実施形態を以下に示す。
例示的実施形態1:生分解性ポリマー材料及び化合物1を含む生分解性眼内インプラントであって、
いくつかの非限定的な例示的な実施形態を以下に示す。
例示的実施形態1:生分解性ポリマー材料及び化合物1を含む生分解性眼内インプラントであって、
化合物1が、インプラントの10~20質量%の量であり、インプラントが、インビトロで2~6カ月間にわたって化合物1を連続的に放出する、生分解性眼内インプラント。
例示的実施形態2:生分解性ポリマー材料及び化合物1を含む生分解性眼内インプラントであって、
例示的実施形態3:インプラントが、最初の24時間中に35%未満の化合物1をインビトロで放出する、例示的実施形態2の生分解性眼内インプラント。
例示的実施形態4:インプラントが、最初の24時間中に化合物1の20%未満をインビトロで放出する、例示的実施形態2の生分解性眼内インプラント。
例示的実施形態5:インプラントが、最初の24時間中に化合物1の15%未満をインビトロで放出する、例示的実施形態2の生分解性眼内インプラント。
例示的実施形態6:化合物1のインビトロ放出が、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)溶液中、pH7.4±0.05、及び37℃で測定され、PBS溶液が、マグネシウム及びカルシウムを含まず、25℃で7.4±0.05のpHを有するPBS溶液である、例示的実施形態1~5のいずれか1つの生分解性眼内インプラント。
例示的実施形態7:生分解性ポリマー材料及び化合物1を含む生分解性眼内インプラントであって、
例示的実施形態4:インプラントが、最初の24時間中に化合物1の20%未満をインビトロで放出する、例示的実施形態2の生分解性眼内インプラント。
例示的実施形態5:インプラントが、最初の24時間中に化合物1の15%未満をインビトロで放出する、例示的実施形態2の生分解性眼内インプラント。
例示的実施形態6:化合物1のインビトロ放出が、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)溶液中、pH7.4±0.05、及び37℃で測定され、PBS溶液が、マグネシウム及びカルシウムを含まず、25℃で7.4±0.05のpHを有するPBS溶液である、例示的実施形態1~5のいずれか1つの生分解性眼内インプラント。
例示的実施形態7:生分解性ポリマー材料及び化合物1を含む生分解性眼内インプラントであって、
i)化合物1が、インプラントの10~20質量%の量であり、ii)インプラントが、インビトロ及び/又はインビボで眼において1カ月超にわたって化合物1を連続的に放出し、iii)インプラントが、ポリエチレングリコールを含まない、生分解性眼内インプラント。
例示的実施形態8:生分解性ポリマー材料が、酸末端基及び約0.16~0.24dl/gの固有粘度を有するポリ(D,L-ラクチド)である第1のポリマーと、エステル末端基及び約0.25~0.35dl/gの固有粘度を有するポリ(D,L-ラクチド)である第2のポリマーと、エステル末端基、約0.16~0.24dl/gの固有粘度、及び約75:25のD,L-ラクチド:グリコリド比を有するポリ(D,L-ラクチド-co-グリコリド)である第3のポリマーとを含み、各ポリマー及びコポリマーの固有粘度が、25℃でのクロロホルム中のポリマー又はコポリマーの0.1%溶液について測定される、例示的実施形態1~7のいずれか1つの生分解性眼内インプラント。
例示的実施形態9:生分解性ポリマー材料及び化合物1を含む生分解性眼内インプラントであって、
例示的実施形態9:生分解性ポリマー材料及び化合物1を含む生分解性眼内インプラントであって、
i)化合物1が、インプラントの10~20質量%の量であり、ii)生分解性ポリマー材料が、酸末端基及び約0.16~0.24dl/gの固有粘度を有するポリ(D,L-ラクチド)である第1のポリマーと、エステル末端基及び約0.25~0.35dl/gの固有粘度を有するポリ(D,L-ラクチド)である第2のポリマーと、エステル末端基、約0.16~0.24dl/gの固有粘度、及び約75:25のD,L-ラクチド:グリコリド比を有するポリ(D,L-ラクチド-co-グリコリド)である第3のポリマーとを含み、各ポリマー及びコポリマーの固有粘度が、25℃でのクロロホルム中のポリマー又はコポリマーの0.1%溶液について測定され、(iii)第2のポリマーが、第3のポリマーの量以下の量であり、20~40質量%の量で存在する、生分解性眼内インプラント。
例示的実施形態10:生分解性ポリマー材料及び化合物1を含む生分解性眼内インプラントであって、
i)化合物1が、インプラントの10~20質量%の量であり、ii)生分解性ポリマー材料が、酸末端基及び約0.16~0.24dl/gの固有粘度を有するポリ(D,L-ラクチド)である第1のポリマーと、エステル末端基及び約0.25~0.35dl/gの固有粘度を有するポリ(D,L-ラクチド)である第2のポリマーと、エステル末端基、約0.16~0.24dl/gの固有粘度、及び約75:25のD,L-ラクチド:グリコリド比を有するポリ(D,L-ラクチド-co-グリコリド)である第3のポリマーとを含み、各ポリマー及びコポリマーの固有粘度が、25℃でのクロロホルム中のポリマー又はコポリマーの0.1%溶液について測定され、(iii)第2のポリマーと3のポリマーとの質量比が、2:5~4:3である、生分解性眼内インプラント。
例示的実施形態11:第3のポリマーが、約30~70質量%の量で存在する、例示的実施形態10の生分解性眼内インプラント。
例示的実施形態12:第1のポリマーが、約4~20質量%の量で存在する、例示的実施形態10又は11の生分解性眼内インプラント。
例示的実施形態13:インプラントが、最初の24時間中に化合物1の30%未満をインビトロで放出する、例示的実施形態9~12のいずれか1つの生分解性眼内インプラント。
例示的実施形態14:インプラントが、最初の24時間中に化合物1の25%未満をインビトロで放出する、例示的実施形態13の生分解性眼内インプラント。
例示的実施形態12:第1のポリマーが、約4~20質量%の量で存在する、例示的実施形態10又は11の生分解性眼内インプラント。
例示的実施形態13:インプラントが、最初の24時間中に化合物1の30%未満をインビトロで放出する、例示的実施形態9~12のいずれか1つの生分解性眼内インプラント。
例示的実施形態14:インプラントが、最初の24時間中に化合物1の25%未満をインビトロで放出する、例示的実施形態13の生分解性眼内インプラント。
例示的実施形態15:インプラントが、最初の24時間中に化合物1の20%未満をインビトロで放出する、例示的実施形態13の生分解性眼内インプラント。
例示的実施形態16:インプラントが、最初の24時間中に化合物1の15%未満をインビトロで放出する、例示的実施形態13の生分解性眼内インプラント。
例示的実施形態17:インプラントが、セチルアルコールをさらに含む、例示的実施形態1~16のいずれかの生分解性眼内インプラント。
例示的実施形態18:インプラントが、ブチル化ヒドロキシアニソールをさらに含む、例示的実施形態1~17のいずれかの生分解性眼内インプラント。
例示的実施形態19:化合物1が、インプラントの11、12、又は15質量%の量で存在する、例示的実施形態1~19のいずれかの生分解性眼内インプラント。
例示的実施形態20:約12質量%の化合物1と、
例示的実施形態16:インプラントが、最初の24時間中に化合物1の15%未満をインビトロで放出する、例示的実施形態13の生分解性眼内インプラント。
例示的実施形態17:インプラントが、セチルアルコールをさらに含む、例示的実施形態1~16のいずれかの生分解性眼内インプラント。
例示的実施形態18:インプラントが、ブチル化ヒドロキシアニソールをさらに含む、例示的実施形態1~17のいずれかの生分解性眼内インプラント。
例示的実施形態19:化合物1が、インプラントの11、12、又は15質量%の量で存在する、例示的実施形態1~19のいずれかの生分解性眼内インプラント。
例示的実施形態20:約12質量%の化合物1と、
約16質量%の、酸末端基及び約0.16~0.24dl/gの固有粘度を有するポリ(D,L-ラクチド)である第1のポリマーと、約25質量%の、エステル末端基及び約0.25~0.35dl/gの固有粘度を有するポリ(D,L-ラクチド)である第2のポリマーと、約40質量%の、エステル末端基及び約0.16~0.24dl/gの固有粘度及び約75:25のD,L-ラクチド:グリコリド比を有するポリ(D,L-ラクチド-co-グリコリド)である第3のポリマーと、約5質量%のセチルアルコールと、約2質量%のブチル化ヒドロキシアニソールとを含み、第1、第2、及び第3のポリマーの固有粘度が、25℃でのクロロホルム中のポリマーの0.1%溶液について測定されたものに対応する、例示的実施形態1~19のいずれか1つの生分解性眼内インプラント。
例示的実施形態21:約12質量%の化合物1と、
約6質量%の、酸末端基及び約0.16~0.24dl/gの固有粘度を有するポリ(D,L-ラクチド)である第1のポリマーと、約30質量%の、エステル末端基及び約0.25~0.35dl/gの固有粘度を有するポリ(D,L-ラクチド)である第2のポリマーと、約45質量%の、エステル末端基及び約0.16~0.24dl/gの固有粘度及び約75:25のD,L-ラクチド:グリコリド比を有するポリ(D,L-ラクチド-co-グリコリド)である第3のポリマーと、約5質量%のセチルアルコールと、約2質量%のブチル化ヒドロキシアニソールとを含み、第1、第2、及び第3のポリマーの固有粘度が、25℃でのクロロホルム中のポリマーの0.1%溶液について測定されたものに対応する、例示的実施形態1~20のいずれか1つの生分解性眼内インプラント。
例示的実施形態22:約15質量%の化合物1と、
約15質量%の、酸末端基及び約0.16~0.24dl/gの固有粘度を有するポリ(D,L-ラクチド)である第1のポリマーと、約25質量%の、エステル末端基及び約0.25~0.35dl/gの固有粘度を有するポリ(D,L-ラクチド)である第2のポリマーと、約40質量%の、エステル末端基及び約0.16~0.24dl/gの固有粘度及び約75:25のD,L-ラクチド:グリコリド比を有するポリ(D,L-ラクチド-co-グリコリド)である第3のポリマーと、約3質量%のセチルアルコールと、約2質量%のブチル化ヒドロキシアニソールとを含み、第1、第2、及び第3のポリマーの固有粘度が、25℃でのクロロホルム中のポリマーの0.1%溶液について測定されたものに対応する、例示的実施形態1~21のいずれか1つの生分解性眼内インプラント。
例示的実施形態23:約15質量%の化合物1と、
約5質量%の、酸末端基及び約0.16~0.24dl/gの固有粘度を有するポリ(D,L-ラクチド)である第1のポリマーと、約30質量%の、エステル末端基及び約0.25~0.35dl/gの固有粘度を有するポリ(D,L-ラクチド)である第2のポリマーと、約45質量%の、エステル末端基及び約0.16~0.24dl/gの固有粘度及び約75:25のD,L-ラクチド:グリコリド比を有するポリ(D,L-ラクチド-co-グリコリド)である第3のポリマーと、約3質量%のセチルアルコールと、約2質量%のブチル化ヒドロキシアニソールとを含み、第1、第2、及び第3のポリマーの固有粘度が、25℃でのクロロホルム中のポリマーの0.1%溶液について測定されたものに対応する、例示的実施形態1~22のいずれか1つの生分解性眼内インプラント。
例示的実施形態24:約11質量%の化合物1と、
約14質量%の、酸末端基及び約0.16~0.24dl/gの固有粘度を有するポリ(D,L-ラクチド)である第1のポリマーと、約35質量%の、エステル末端基及び約0.25~0.35dl/gの固有粘度を有するポリ(D,L-ラクチド)である第2のポリマーと、約35質量%の、エステル末端基及び約0.16~0.24dl/gの固有粘度及び約75:25のD,L-ラクチド:グリコリド比を有するポリ(D,L-ラクチド-co-グリコリド)である第3のポリマーと、約3質量%のセチルアルコールと、約2質量%のブチル化ヒドロキシアニソールとを含み、第1、第2、及び第3のポリマーの固有粘度が、25℃でのクロロホルム中のポリマーの0.1%溶液について測定されたものに対応する、例示的実施形態1~23のいずれか1つの生分解性眼内インプラント。
例示的実施形態25:約11質量%の化合物1と、
約12質量%の、酸末端基及び約0.16~0.24dl/gの固有粘度を有するポリ(D,L-ラクチド)である第1のポリマーと、約30質量%の、エステル末端基及び約0.25~0.35dl/gの固有粘度を有するポリ(D,L-ラクチド)である第2のポリマーと、約40質量%の、エステル末端基及び約0.16~0.24dl/gの固有粘度及び約75:25のD,L-ラクチド:グリコリド比を有するポリ(D,L-ラクチド-co-グリコリド)である第3のポリマーと、約5質量%のセチルアルコールと、約2質量%のブチル化ヒドロキシアニソールとを含み、第1、第2、及び第3のポリマーの固有粘度が、25℃でのクロロホルム中のポリマーの0.1%溶液について測定されたものに対応する、例示的実施形態1~24のいずれか1つの生分解性眼内インプラント。
例示的実施形態26:インプラントが、最初の24時間中に化合物1の30%未満をインビトロで放出する、例示的実施形態20~25のいずれか1つの生分解性眼内インプラント。
例示的実施形態27:インプラントが、最初の24時間中に化合物1の25%未満をインビトロで放出する、例示的実施形態26の生分解性眼内インプラント。
例示的実施形態28:インプラントが、最初の24時間中に化合物1の20%未満をインビトロで放出する、例示的実施形態26の生分解性眼内インプラント。
例示的実施形態29:インプラントが、最初の24時間中に化合物1の15%未満をインビトロで放出する、例示的実施形態26の生分解性眼内インプラント。
例示的実施形態27:インプラントが、最初の24時間中に化合物1の25%未満をインビトロで放出する、例示的実施形態26の生分解性眼内インプラント。
例示的実施形態28:インプラントが、最初の24時間中に化合物1の20%未満をインビトロで放出する、例示的実施形態26の生分解性眼内インプラント。
例示的実施形態29:インプラントが、最初の24時間中に化合物1の15%未満をインビトロで放出する、例示的実施形態26の生分解性眼内インプラント。
例示的実施形態30:化合物1のインビトロ放出が、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)溶液中、pH7.4±0.05、及び37℃で測定され、PBS溶液が、マグネシウム及びカルシウムを含まず、25℃で7.4±0.05のpHを有するPBS溶液である、例示的実施形態7、13~16、及び26~29のいずれか1つの生分解性眼内インプラント。
例示的実施形態31:インプラントが、眼の前眼房に留置するためにサイズ決定される、例示的実施形態1~30のいずれか1つの生分解性眼内インプラント。
例示的実施形態32:インプラントの直径が、約150μmであり、インプラントが、約5μg又は約7.5μgの化合物1を含む、例示的実施形態1~31のいずれか1つの生分解性眼内インプラント。
例示的実施形態33:患者の眼圧を低下させる方法であって、例示的実施形態1~32のいずれか1つの生分解性眼内インプラントを患者の眼に留置することを含む、方法。
例示的実施形態34:患者が、眼圧上昇又は緑内障を患っているか、それと診断されるか、又はそれを発症するリスクがある、例示的実施形態33の方法。
例示的実施形態31:インプラントが、眼の前眼房に留置するためにサイズ決定される、例示的実施形態1~30のいずれか1つの生分解性眼内インプラント。
例示的実施形態32:インプラントの直径が、約150μmであり、インプラントが、約5μg又は約7.5μgの化合物1を含む、例示的実施形態1~31のいずれか1つの生分解性眼内インプラント。
例示的実施形態33:患者の眼圧を低下させる方法であって、例示的実施形態1~32のいずれか1つの生分解性眼内インプラントを患者の眼に留置することを含む、方法。
例示的実施形態34:患者が、眼圧上昇又は緑内障を患っているか、それと診断されるか、又はそれを発症するリスクがある、例示的実施形態33の方法。
例示的実施形態35:眼内インプラントが患者の眼の前眼房に留置される、例示的実施形態33又は34の方法。
例示的実施形態36:患者がヒトである、例示的実施形態33~35のいずれか1つの方法。
例示的実施形態37:患者の眼圧を低下させる方法で使用するための例示的実施形態1~32のいずれか1つの生分解性眼内インプラントであって、方法が、眼内インプラントを患者の眼に留置することを含む、生分解性眼内インプラント。
例示的実施形態38:患者が、眼圧上昇又は緑内障を患っているか、それと診断されるか、又はそれを発症するリスクがある、例示的実施形態37の使用のための生分解性眼内インプラント。
例示的実施形態39:眼内インプラントが患者の眼の前眼房に留置される、例示的実施形態37又は38の使用のための生分解性眼内インプラント。
例示的実施形態36:患者がヒトである、例示的実施形態33~35のいずれか1つの方法。
例示的実施形態37:患者の眼圧を低下させる方法で使用するための例示的実施形態1~32のいずれか1つの生分解性眼内インプラントであって、方法が、眼内インプラントを患者の眼に留置することを含む、生分解性眼内インプラント。
例示的実施形態38:患者が、眼圧上昇又は緑内障を患っているか、それと診断されるか、又はそれを発症するリスクがある、例示的実施形態37の使用のための生分解性眼内インプラント。
例示的実施形態39:眼内インプラントが患者の眼の前眼房に留置される、例示的実施形態37又は38の使用のための生分解性眼内インプラント。
例示的実施形態40:患者がヒトである、例示的実施形態37~39のいずれか1つの使用のための生分解性眼内インプラント。
例示的実施形態41:患者の眼圧を低下させるための医薬の製造における、例示的実施形態1~32のいずれか1つの生分解性眼内インプラントの使用。
例示的実施形態42:患者が、眼圧上昇又は緑内障を患っているか、それと診断されるか、又はそれを発症するリスクがある、例示的実施形態41の使用。
例示的実施形態43:生分解性眼内インプラントが、患者に投与される場合、患者の眼の前眼房に留置される、例示的実施形態41又は42の使用。
例示的実施形態44:患者がヒトである、例示的実施形態41~43のいずれか1つの使用。
例示的実施形態41:患者の眼圧を低下させるための医薬の製造における、例示的実施形態1~32のいずれか1つの生分解性眼内インプラントの使用。
例示的実施形態42:患者が、眼圧上昇又は緑内障を患っているか、それと診断されるか、又はそれを発症するリスクがある、例示的実施形態41の使用。
例示的実施形態43:生分解性眼内インプラントが、患者に投与される場合、患者の眼の前眼房に留置される、例示的実施形態41又は42の使用。
例示的実施形態44:患者がヒトである、例示的実施形態41~43のいずれか1つの使用。
例示的実施形態45:患者の眼圧を低下させるための方法における例示的実施形態1~32のいずれか1つの生分解性眼内インプラントの使用であって、方法が、眼内インプラントを患者の眼に留置することを含む、使用。
例示的実施形態46:患者が、眼圧上昇又は緑内障を患っているか、それと診断されるか、又はそれを発症するリスクがある、例示的実施形態45の使用。
例示的実施形態47:生分解性眼内インプラントが患者の眼の前眼房に留置される、例示的実施形態45又は46の使用。
例示的実施形態48:患者がヒトである、例示的実施形態45~47のいずれか1つの使用。
例示的実施形態49:実質的に本明細書に記載される生分解性眼内インプラント。
例示的実施形態50:化合物1:
例示的実施形態46:患者が、眼圧上昇又は緑内障を患っているか、それと診断されるか、又はそれを発症するリスクがある、例示的実施形態45の使用。
例示的実施形態47:生分解性眼内インプラントが患者の眼の前眼房に留置される、例示的実施形態45又は46の使用。
例示的実施形態48:患者がヒトである、例示的実施形態45~47のいずれか1つの使用。
例示的実施形態49:実質的に本明細書に記載される生分解性眼内インプラント。
例示的実施形態50:化合物1:
定義
「累積放出プロファイル」とは、インプラントから、インビボで眼領域に経時的に放出されるか、又はインビトロで特定の放出媒体(例えばPBS)に経時的に放出される化合物1の累積総パーセントを指す。
「プロドラッグ」は、インビボで変換されて化合物の活性形態を生じる化合物(例えば、薬物前駆体)を意味する。変換は、例えば加水分解などの様々な作用機序によって(例えば、代謝又は化学プロセスによって)起こり得る。
「累積放出プロファイル」とは、インプラントから、インビボで眼領域に経時的に放出されるか、又はインビトロで特定の放出媒体(例えばPBS)に経時的に放出される化合物1の累積総パーセントを指す。
「プロドラッグ」は、インビボで変換されて化合物の活性形態を生じる化合物(例えば、薬物前駆体)を意味する。変換は、例えば加水分解などの様々な作用機序によって(例えば、代謝又は化学プロセスによって)起こり得る。
「眼内インプラント」とは、眼に留置されるように構成されたデバイス又は要素を指す。例には、生分解性ポリマー材料及び該ポリマー材料に会合した化合物1などの薬学的活性剤を含み、かつ、眼に留置するのに好適な長さに切断された、押出フィラメントが含まれる。眼内インプラントは、一般に、眼の生理学的状態と生体適合性があり、眼に有害反応を引き起こさない。本明細書に記載の特定の実施形態では、眼内インプラントは、眼の前眼房又は硝子体に留置するためにサイズ決定し、製剤化することができる。眼内インプラントは、眼の視力を著しく損なうことなく眼に留置することができる。1つ若しくは複数の生分解性ポリマー及び化合物1又はその薬学的に許容される塩を含む眼内インプラントは、本開示の範囲内の眼内インプラント(薬物送達システム)の例である。
「前眼房内」インプラントは、眼の前眼房に留置するためにサイズ決定され、製剤化される眼内インプラントである。非限定的な例には、表2に記載されているインプラント2~6が含まれる。
「硝子体内」インプラントは、眼の硝子体に留置するためにサイズ決定され、製剤化される眼内インプラントである。
インプラントに関して、「眼領域若しくは眼部における(又はそれらへの)挿入、埋め込み、又は留置のために好適であり、構成され、サイズ決定され、又は構造化される」とは、過度の組織損傷を引き起こすことなく、又はインプラントが埋め込まれ若しくは挿入される患者の既存の視力を著しく損なうことなく、眼の前眼房又は硝子体などの眼領域に挿入され、埋め込まれ、又は留置されるようなサイズ(例えば、寸法及び質量)を有するインプラントを意味する。
「硝子体内」インプラントは、眼の硝子体に留置するためにサイズ決定され、製剤化される眼内インプラントである。
インプラントに関して、「眼領域若しくは眼部における(又はそれらへの)挿入、埋め込み、又は留置のために好適であり、構成され、サイズ決定され、又は構造化される」とは、過度の組織損傷を引き起こすことなく、又はインプラントが埋め込まれ若しくは挿入される患者の既存の視力を著しく損なうことなく、眼の前眼房又は硝子体などの眼領域に挿入され、埋め込まれ、又は留置されるようなサイズ(例えば、寸法及び質量)を有するインプラントを意味する。
本明細書で使用される「治療する」及び「治療」には、本方法によってもたらされる患者の眼における任意の有益な効果が含まれる。高眼圧症若しくは眼圧上昇又は緑内障などの眼の状態の治療によって、眼の状態を軽減若しくは解決することができ、又は眼の状態の若しくはこれに関連する1つ又は複数の徴候、症状、若しくは危険因子の進行を軽減し若しくは遅らせることができる。治療によってプラスの影響を受ける徴候又は症状は、特定の状態によって異なる。本方法によってもたらされる有益な(したがってプラスの)効果の例には、眼圧、眼痛(すなわち眼の痛み)、眼腫脹、及び/又は眼炎症の低減が含まれ得る。本明細書に記載の眼内インプラントのうちの1つ又は複数を使用する本明細書に記載の方法のいずれかによる治療は、いくつかの場合では、眼の一般的な健康状態、快適さ、及び/又は視覚性能を改善することもできる。
「活性剤」、「薬物」、「治療剤」、「治療活性剤」、及び「薬学的活性剤」は、化合物1を指す。
「患者」は、治療を必要とするヒト又は非ヒト哺乳動物であり得る。
「眼」は、視覚の感覚器官であり、光を受容して視覚情報を中枢神経系に伝達する眼窩部感覚器官である眼球(eyeball)又は眼球(globe)を含む。大まかに言えば、眼は、眼球、眼球を構成する眼領域、組織、及び体液、眼周囲の筋肉(斜筋及び直筋など)、並びに眼球内の又は眼球に隣接する視神経部分を含む。
「治療有効量」又は「有効量」という用語は、一般に、薬剤が投与される眼又は眼領域に重大な負の又は有害な副作用を引き起こすことなく、眼の状態を治療するために必要な活性剤のレベル又は量を指す。
「生分解性ポリマー」という用語は、インビボで分解する1つ以上のポリマーを指し、1つ以上のポリマーの経時的な分解は、治療剤の放出と同時に又はその後に起こる。生分解性ポリマーは、ホモポリマー、コポリマー、又は2より大きい異なる構造繰返し単位を含むポリマーであり得る。
「患者」は、治療を必要とするヒト又は非ヒト哺乳動物であり得る。
「眼」は、視覚の感覚器官であり、光を受容して視覚情報を中枢神経系に伝達する眼窩部感覚器官である眼球(eyeball)又は眼球(globe)を含む。大まかに言えば、眼は、眼球、眼球を構成する眼領域、組織、及び体液、眼周囲の筋肉(斜筋及び直筋など)、並びに眼球内の又は眼球に隣接する視神経部分を含む。
「治療有効量」又は「有効量」という用語は、一般に、薬剤が投与される眼又は眼領域に重大な負の又は有害な副作用を引き起こすことなく、眼の状態を治療するために必要な活性剤のレベル又は量を指す。
「生分解性ポリマー」という用語は、インビボで分解する1つ以上のポリマーを指し、1つ以上のポリマーの経時的な分解は、治療剤の放出と同時に又はその後に起こる。生分解性ポリマーは、ホモポリマー、コポリマー、又は2より大きい異なる構造繰返し単位を含むポリマーであり得る。
「眼領域」又は「眼部」という用語は、眼球の任意の領域を一般に指し、これには、眼の前部及び後部が含まれ、一般に、眼球に見られる任意の機能的組織(例えば、視覚)若しくは構造的組織、又は眼球の内部若しくは外部を部分的若しくは完全に覆う組織若しくは細胞層が含まれるがこれらに限定されない。眼の眼領域の具体例には、前眼房、後眼房、硝子体腔(硝子体(vitreous body)又は硝子体(vitreous))、脈絡膜、脈絡膜上腔(suprachoroidal space)、結膜、結膜下腔(subconjunctival space)、テノン嚢下腔(sub-Tenon space)、上強膜隙(episcleral space)、角膜内隙(intracorneal space)、上角膜隙(epicorneal space)、強膜、毛様体扁平部、外科的に誘発された無血管領域、黄斑、及び網膜が含まれる。
本明細書で使用される場合、「眼の状態」は、眼、又は眼の部分若しくは領域のうちの1つに罹患しているか又は関与する疾患、病気、又は状態である。大まかに言えば、眼は、眼球、眼球を構成する組織及び体液、眼周囲の筋肉(斜筋及び直筋など)、並びに眼球内の又は眼球に隣接する視神経の部分を含む。
本明細書で使用される場合、「眼の状態」は、眼、又は眼の部分若しくは領域のうちの1つに罹患しているか又は関与する疾患、病気、又は状態である。大まかに言えば、眼は、眼球、眼球を構成する組織及び体液、眼周囲の筋肉(斜筋及び直筋など)、並びに眼球内の又は眼球に隣接する視神経の部分を含む。
本明細書で別段で示していない限り、値(例えば、質量パーセンテージ)に関して使用される場合の「約」という用語は、個々の成分(例えば、活性成分又は賦形剤)、組成物、又は実施形態の機能に関して同等である(例えば、生物学的に同等である)、記載された値(及び/又は値の範囲)に近い値を含む。さらに、当業者に理解されるように、成分の量、分子量などの特性、反応条件などを表す数字を含む全ての数字は、近似値であり、全ての場合において「約」という用語によって任意選択で修飾されると理解される。これらの値は、本明細書の説明の教示を利用して当業者が得ようとする所望の特性に応じて変動し得る。そのような値にはまた、それぞれの試験測定で見出される標準偏差から必然的に生じる変動が固有に含まれていること、並びに一部の値及び量は、別の値又は量と「おおよそ同じ」になるように切り上げ又は切り下げ得ることも理解される。
前眼部の状態は、眼周囲の筋肉、瞼、又は水晶体嚢の後壁若しくは毛様体筋に対して前方に位置する眼球の組織若しくは液体などの前眼領域又は部位(すなわち、眼の前部)に罹患している又は関与する疾患、病気、又は状態である。したがって、前眼部の状態は、結膜、角膜、前眼房、虹彩、後眼房(網膜の後ろであるが、水晶体嚢の後壁の前方にある)、水晶体又は水晶体嚢、及び前眼部領域又は部位の血管を新生するか又はその神経を発達させる血管及び神経に主に罹患している又は関与する。緑内障治療の臨床目標は、眼の前眼房における房水の高圧を低下させること(すなわち、眼圧を低下させること)であるため、緑内障は、前眼部の状態とみなすことができる。
後眼部の状態は、脈絡膜又は強膜(水晶体嚢の後壁を通る平面に対して後方に位置する)、硝子体、硝子体房、網膜、視神経(すなわち、視神経乳頭)、及び後眼領域又は部位の血管を新生するか又はその神経を発達させる血管及び神経などの後眼領域又は部位(すなわち、眼の後部)に主に罹患している又は関与する疾患、病気、又は状態である。治療目標は、網膜細胞又は視神経細胞の損傷又は喪失による視力喪失の発生を予防又は低減すること(すなわち、神経保護)であるため、緑内障は、後眼部の状態とみなすこともできる。
後眼部の状態は、脈絡膜又は強膜(水晶体嚢の後壁を通る平面に対して後方に位置する)、硝子体、硝子体房、網膜、視神経(すなわち、視神経乳頭)、及び後眼領域又は部位の血管を新生するか又はその神経を発達させる血管及び神経などの後眼領域又は部位(すなわち、眼の後部)に主に罹患している又は関与する疾患、病気、又は状態である。治療目標は、網膜細胞又は視神経細胞の損傷又は喪失による視力喪失の発生を予防又は低減すること(すなわち、神経保護)であるため、緑内障は、後眼部の状態とみなすこともできる。
生分解性眼内インプラントのサイズ及び構成
患者の眼に留置するためにサイズ決定し、製剤化され(眼内インプラント)、かつ、生分解性ポリマー材料(又はマトリックス)中に分散された化合物1を含む、生分解性インプラントは、眼圧を低下させ、緑内障を治療するのに有用であり得る。化合物1は、眼の前眼房に直接投与された場合、眼における眼圧を低下させるのに特に有効である。生分解性インプラントは、この化合物を前眼房に投与するための安全かつ非毒性の有効な手段となり得る。
患者の眼に留置するためにサイズ決定し、製剤化され(眼内インプラント)、かつ、生分解性ポリマー材料(又はマトリックス)中に分散された化合物1を含む、生分解性インプラントは、眼圧を低下させ、緑内障を治療するのに有用であり得る。化合物1は、眼の前眼房に直接投与された場合、眼における眼圧を低下させるのに特に有効である。生分解性インプラントは、この化合物を前眼房に投与するための安全かつ非毒性の有効な手段となり得る。
この送達部位と一致して、本明細書に記載のインプラントは、眼、特に、角膜内皮に対する有害な影響が殆ど又は全くなく、かつ、患者の視力を妨げるか又は著しく損なうことなく、眼(例えば、ヒトの眼)の前眼房内、特に、眼の前眼房隅角内で受容されるようにサイズ決定し、製剤化することができる。インプラントを受ける患者は、治療有効量の化合物1を受け、理想的には、インプラントを眼に留置した後、眼における充血又は炎症を殆ど又は全く経験しない。これに関して、眼の前眼房内に留置するためにサイズ決定し、製剤化され、眼と生体適合性があり、眼において免疫反応又は炎症を殆ど又は全く引き起こさず、延長された時間にわたって眼において眼圧を低下するのに有効であり得る、眼内インプラントが本明細書に開示される。例えば、IOPを低下させるための化合物1の非常に大きな効力により、前眼房などの眼の標的組織及び部位に治療有効用量のIOP低下剤を送達するために必要な眼内インプラントのサイズを小さくことが可能になり、これにより、眼の組織への刺激又は損傷の可能性を最小限に抑え、より一般的には、より高い安全性並びにより大きな全体的利益及び快適性を患者に提供する。さらに、より小さなインプラントを使用することにより、薬物放出後に眼内のインプラントを完全に分解するのに必要な時間を短くすることができる。さらに、化合物1を含む他のインプラントに見られる化合物1の初期バースト放出を伴わずに、より多量(例えば、8質量%以下などの少量とは異なり、15質量%)の化合物1をインプラントに充填する能力によっても、より有益な、より小さいインプラントを得ることができる。
インプラントは、眼の前眼房、後眼房、又は硝子体などの眼領域又は眼部への挿入、留置、又は埋め込みに好適なサイズを有することができる。インプラントのサイズは、放出率、治療期間、及び治療組織における化合物1の濃度に影響を与え得る。活性剤の充填が等しい場合、インプラントが大きいほど、それに比例してより多くの用量を送達することができる。
前眼房に留置するためにサイズ決定されたインプラント(前眼房内インプラント)は、一般に、約100~約400μmの直径(又は非円筒状フィラメントに適切な他の寸法)及び約0.5~約6mmの長さを有することができる。インプラントは、一般に、単軸又は二軸押出プロセスによって形成することができ、円筒形又は非円筒形にすることができ、約10μg~約500μgの範囲の総質量を有することができる。質量は、所望の投与量に部分的に依存し得る。いくつかの実施形態では、眼の前眼房内に留置するのに好適であり、かつ、本開示に従って使用するのに好適であるインプラントは、約100μm~約300μmの直径、約0.5mm~約3mm(例えば、約2mm)の長さ、及び約10μg~約200μg又は約10μg~約100μgの総質量を有することができる。いくつかの場合では、IOPを低下させるための前眼房内インプラントは、約10μg~約100μg、より具体的には約30μg~約100μgの総質量を有し、活性化合物(例えば、化合物1)の用量は、本明細書に記載の活性化合物の質量パーセンテージに依存する(例えば、化合物1の質量パーセンテージが約15%の場合、約33.3μgのインプラントは約5μgの量の化合物1を含み、約50μgのインプラントは約7.5μgの量の化合物1を含む)。一実施形態は、眼の前眼房内に留置するのに好適であり、かつ、約200μm又は約150μmの直径及び約1.5mm又は約2mmの長さである、押出生分解性眼内インプラントである。
緑内障又はより一般的には高眼圧症を患っている一部の患者の眼は、眼の硝子体における生分解性インプラントの留置に対してより受け入れ可能であり得る。硝子体は、同じ一般的な製剤のより大きなインプラントを受け入れることができる。例えば、硝子体内インプラントは、約1mm~約10mmの長さ、約0.5mm~約1.5mmの直径、及び約50μg~約5000μgの総質量を有することができる。インプラントは、眼の投与部位及び患者のサイズ又は硝子体容積に応じて、スケールを拡大又は縮小することができる。ほとんどの場合、単一のインプラントが眼における眼圧を持続的な期間にわたって低下させることが見出されるが、いくつかの場合では、医療専門家は、治療効果を改善するために、本明細書に記載されるインプラントのうちの2つ以上を眼の眼領域に留置することが有用であることを見出し得る。
構成に関して、眼内インプラントは、上述の寸法を有する押出ロッドの形態又は非円筒形フィラメントの形態であり得る。ウェーハ、シート、又はフィルム、及びいくつかの場合では圧縮錠剤もまた、本開示による用途を見出すことができる。
構成に関して、眼内インプラントは、上述の寸法を有する押出ロッドの形態又は非円筒形フィラメントの形態であり得る。ウェーハ、シート、又はフィルム、及びいくつかの場合では圧縮錠剤もまた、本開示による用途を見出すことができる。
生分解性ポリマー材料及び他のインプラント成分
一般に、本開示によるインプラントは、生分解性ポリマー材料及び化合物1又はその薬学的に許容される塩を含むか、又はそれらからなる。ポリマー材料は、インプラントの安定性及び/又は放出特性をさらに改善するために、1つ、2つ、3つ、又はそれ以上の生分解性ポリマー、及び任意選択で1つ又は複数の賦形剤を含むか、それらからなるか、又は本質的にそれらからなることができる。
一般に、本開示によるインプラントは、生分解性ポリマー材料及び化合物1又はその薬学的に許容される塩を含むか、又はそれらからなる。ポリマー材料は、インプラントの安定性及び/又は放出特性をさらに改善するために、1つ、2つ、3つ、又はそれ以上の生分解性ポリマー、及び任意選択で1つ又は複数の賦形剤を含むか、それらからなるか、又は本質的にそれらからなることができる。
有用な生分解性ポリマーの例には、ポリラクチド(乳酸)及びポリグリコリド(グリコール酸)ポリマー、並びにそれらのコポリマー(例えば、ポリ(ラクチド-co-グリコリド)コポリマー)が含まれる。いくつかの実施形態では、生分解性ポリマー材料は、ポリラクチド、ポリ(ラクチド-co-グリコリド)、2つ以上のポリラクチドポリマー(例えば、第1及び第2のポリラクチドポリマー)の混合物、2つ以上のポリ(ラクチド-co-グリコリド)コポリマー、又はポリラクチドとポリ(ラクチド-co-グリコリド)ポリマーとの混合物を含むことができる。これらのインプラントのいずれかの特定の形態では、ポリラクチドポリマーは、ポリ(D,L-ラクチド)であり得、ポリ(ラクチド-co-グリコリド)コポリマーは、ポリ(D,L-ラクチド-co-グリコリド)であり得る。前述の組合せのいずれかにおいて、2つ以上のポリマーは、それらの末端基(例えば、酸及びエステル末端基)、繰返し単位、固有粘度、又はそれらの任意の組合せに基づいて互いに異なり得る。本発明のインプラントで使用されるポリラクチド及びポリ(ラクチド-co-グリコリド)ポリマーは、カルボキシル(-COOH)又はエステル末端基のいずれかを有することができる。さらに、2つ以上のポリ(ラクチド-co-グリコリド)ポリマーは、各ポリマーにおけるラクチド:グリコリド比が互いに異なることができ、この比は、ポリマーに依存して、約85:15から約50:50~約75:25まで変動し得る。
ポリ(D,L-ラクチド)又はPLAは、CAS番号26680-10-4で特定することができ、次のように表すことができる。
ポリ(D,L-ラクチド)又はPLAは、CAS番号26680-10-4で特定することができ、次のように表すことができる。
PLGAコポリマー中の各モノマー又は繰返し単位のモルパーセントは、0~100%、約15~85%、約25~75%、又は約35~65%であり得る。いくつかの実施形態では、D,L-ラクチドは、モルベースで、PLGAポリマーの約50%~約75%、約48%~約52%、若しくは約50%、約73%~約77%、又は約75%であり得る。ポリマーの残りは、本質的にグリコリド繰返し単位であり得る。例えば、グリコリドは、モルベースで、PLGAポリマーの約25%~約50%、約23%~約27%、若しくは約25%、約48%~約52%、又は約50%であり得る。末端基(terminal group)又はキャッピング基(末端基(end group))などの他の基が少量で存在し得る。上述のように、いくつかの実施形態では、PLGAコポリマーは、PLAポリマーと組み合わせて使用される。いくつかのインプラントでは、エステル末端基を有する75/25PLGAポリマーが使用される。
末端基の親水性又は疎水性は、ポリマー材料の分解を様々に異なるようにするのに有用であり得る。親水性末端基を有するポリマーは、親水性基が水を吸収することができるため、疎水性末端基を有するポリマーよりも速く分解することができる。好適な親水性末端基の例には、カルボキシル(酸末端基)、ヒドロキシル、及びポリエチレングリコールが含まれるが、これらに限定されない。これらの基は、適切な開始剤を使用して導入することができる。重合完了後に末端基を導入して、末端ヒドロキシル基を他の末端基に変換することもできる。例えば、エチレンオキシドは、ヒドロキシルをポリエチレングリコールに変換することができる。疎水性末端(キャップ又は末端キャップとも称される)ポリマーは、ポリマー末端に本質的に疎水性のエステル結合を有する。
対象の他のポリマーには、ヒドロキシ脂肪族カルボン酸、ホモポリマー又はコポリマーのいずれか、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、ポリカプロラクトン、多糖類、ポリエーテル、アルギン酸カルシウム、セルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリエステル、及びそれらの組合せが含まれるか、又はそれらから選択することができる。
有用な多糖類には、例えば、アルギン酸カルシウム、及び水不溶性であることを特徴とし、かつ、約5kD~約500kDの分子量を有するカルボキシメチルセルロースエステルなどの官能化セルロースが含まれ得るが、これらに限定されない。
対象の他のポリマーには、ヒドロキシ脂肪族カルボン酸、ホモポリマー又はコポリマーのいずれか、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、ポリカプロラクトン、多糖類、ポリエーテル、アルギン酸カルシウム、セルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリエステル、及びそれらの組合せが含まれるか、又はそれらから選択することができる。
有用な多糖類には、例えば、アルギン酸カルシウム、及び水不溶性であることを特徴とし、かつ、約5kD~約500kDの分子量を有するカルボキシメチルセルロースエステルなどの官能化セルロースが含まれ得るが、これらに限定されない。
生分解性ポリマー材料からの薬物の放出は、いくつかの作用機序又は作用機序の組合せの結果である。これらの作用機序のいくつかには、インプラント表面からの脱離、溶解、多孔性チャネルを通したポリマー水和物の拡散、及びマトリックスを構成するポリマーの侵食が含まれる。侵食は、バルク若しくは表面、又は両方の組合せであり得る。ポリマーマトリックスは、眼に埋め込まれた後、1カ月超、2~3カ月、3~6カ月、又は6カ月以上にわたって、ある量の薬剤(例えば、化合物1)の放出を持続するのに有効な速度で治療剤を放出することができる。例えば、インプラントは、化合物1を含むことができ、インプラントのポリマー材料(又はマトリックス)は、インビトロで、又は眼に留置された後、若しくはより具体的には眼の前眼房に留置された後、1カ月超、例えば、2、3、4、5、又は6カ月にわたって、治療有効量の化合物1の放出を持続するのに有効な速度で分解することができる。
マトリックス(インプラントのポリマー材料)を形成するために使用される1つ又は複数の生分解性ポリマーは、望ましくは酵素又は加水分解による不安定性を享受する。ポリマーの追加の特徴には、生体適合性、治療成分との適合性、本開示のインプラントの製造におけるポリマーの使用の容易さ、生理学的環境での少なくとも約6時間、例えば約1日超の半減期、及び水不溶性が含まれる。
生分解性ポリマー材料は、点眼製剤で投与された場合の薬剤のインビボ寿命よりも有意に長い期間にわたって治療有効量の治療剤を放出する様式で、インビボで分解する。上記で論じた通り、ポリマー材料は、単一ポリマー若しくはコポリマー、又はいくつかの場合では、生分解性ポリマー及び/若しくはコポリマーの組合せ若しくはブレンドであり得る。
生分解性ポリマー及び化合物1又はその薬学的に許容される塩に加えて、本開示による眼内インプラントは、最終インプラントにおける治療剤の安定性(例えば、貯蔵寿命)、インプラントの製造及び取り扱いの容易さ、並びに/又はインプラントの放出特性を改善するための1つ又は複数の賦形剤を含むことができる。例えば、化合物1は、様々な製造、製剤化、及び保存条件下で酸化分解を受けやすい。本発明者らは、主な分解生成物はC-15ケトンであると考えている。
これらの目的のいずれかのための賦形剤の例には、防腐剤、抗酸化剤、キレート剤、電解質、又は他の賦形剤が含まれ得る。一般に、賦形剤は、存在する場合、インプラントの0.001~10質量%又は最大15質量%を構成することができ、以下に挙げるもののいずれかから選択することができる。
生分解性ポリマー及び化合物1又はその薬学的に許容される塩に加えて、本開示による眼内インプラントは、最終インプラントにおける治療剤の安定性(例えば、貯蔵寿命)、インプラントの製造及び取り扱いの容易さ、並びに/又はインプラントの放出特性を改善するための1つ又は複数の賦形剤を含むことができる。例えば、化合物1は、様々な製造、製剤化、及び保存条件下で酸化分解を受けやすい。本発明者らは、主な分解生成物はC-15ケトンであると考えている。
これらの目的のいずれかのための賦形剤の例には、防腐剤、抗酸化剤、キレート剤、電解質、又は他の賦形剤が含まれ得る。一般に、賦形剤は、存在する場合、インプラントの0.001~10質量%又は最大15質量%を構成することができ、以下に挙げるもののいずれかから選択することができる。
有用な水溶性防腐剤には、重亜硫酸ナトリウム、重硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、塩化ベンザルコニウム、クロロブタノール、チメロサール、酢酸フェニル水銀、硝酸フェニル水銀、メチルパラベン、ベンジルアルコール、ポリビニルアルコール、及びフェニルエチルアルコールが含まれ得る。
好適な電解質には、MgCl2を含む、塩化ナトリウム、塩化カリウムなどが含まれ得る。亜鉛塩も対象であり得る。
抗酸化剤の例には、アスコルビン酸塩、アスコルビン酸、L-アスコルビン酸、メラトニン、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、チオール、ポリフェノール、α-トコフェロールなどのトコフェロール、マンニトール、還元型グルタチオン、各種カロテノイド、システイン、タウリン、チロシン、スーパーオキシドジスムターゼ、ルテイン、ゼアキサンチン、クリプトキサンチン、アスタキサンチン、リコペン、N-アセチルシステイン、カルノシン、γ-グルタミルシステイン、ケルシチン、ラクトフェリン、ビタミンE又はビタミンEのエステル、パルミチン酸レチニル、及びそれらの誘導体が含まれる。
好適な電解質には、MgCl2を含む、塩化ナトリウム、塩化カリウムなどが含まれ得る。亜鉛塩も対象であり得る。
抗酸化剤の例には、アスコルビン酸塩、アスコルビン酸、L-アスコルビン酸、メラトニン、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、チオール、ポリフェノール、α-トコフェロールなどのトコフェロール、マンニトール、還元型グルタチオン、各種カロテノイド、システイン、タウリン、チロシン、スーパーオキシドジスムターゼ、ルテイン、ゼアキサンチン、クリプトキサンチン、アスタキサンチン、リコペン、N-アセチルシステイン、カルノシン、γ-グルタミルシステイン、ケルシチン、ラクトフェリン、ビタミンE又はビタミンEのエステル、パルミチン酸レチニル、及びそれらの誘導体が含まれる。
有用なキレート剤は、例えば、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、エチレンジアミン、ポルフィン、及びビタミンB-12から選択することができる。
他の賦形剤には、例えば、ヘキサデカノール(セチルアルコール及びヘキサデカン-1-オールとも称され、C16-OHと示される場合もある)などのアルコールが含まれ得る。いくつかの実施形態では、インプラントは、長さが10炭素を超える直鎖状又は分枝状アルコールを含むことができる。
本明細書に記載のインプラントは、上記の賦形剤の2つ以上の組合せを含むことができる。
酸素は、化合物1などの治療剤の分解経路における重要な要素であり得る。製造されたインプラントの貯蔵寿命を延ばし、その効力を維持するための他の又は追加の手段は、酸素吸収剤パックを含む密封パウチ(例えば、アルミニウムパウチ)内などの酸素枯渇又は酸素欠乏雰囲気中にインプラントを保存するステップを含み得る。追加のステップは、パウチから酸素をさらに除去するために、パウチを密封する前に窒素若しくはアルゴンガス又は他の不活性ガスでパウチを充填することを含むことができる。
他の賦形剤には、例えば、ヘキサデカノール(セチルアルコール及びヘキサデカン-1-オールとも称され、C16-OHと示される場合もある)などのアルコールが含まれ得る。いくつかの実施形態では、インプラントは、長さが10炭素を超える直鎖状又は分枝状アルコールを含むことができる。
本明細書に記載のインプラントは、上記の賦形剤の2つ以上の組合せを含むことができる。
酸素は、化合物1などの治療剤の分解経路における重要な要素であり得る。製造されたインプラントの貯蔵寿命を延ばし、その効力を維持するための他の又は追加の手段は、酸素吸収剤パックを含む密封パウチ(例えば、アルミニウムパウチ)内などの酸素枯渇又は酸素欠乏雰囲気中にインプラントを保存するステップを含み得る。追加のステップは、パウチから酸素をさらに除去するために、パウチを密封する前に窒素若しくはアルゴンガス又は他の不活性ガスでパウチを充填することを含むことができる。
一実施形態は、押出インプラントを酸素吸収剤及び/又は不活性ガスを含む密封パウチ中で25℃で1カ月間又は3カ月間にわたって保存した後、初期効力の少なくとも約85%、少なくとも約90%、又は約95%超、又は少なくとも約98%を保持する(又はその初期効力の約5%以下若しくは約2%以下を喪失する)抗酸化剤を含む本開示による眼内インプラントである。初期効力は、インプラント製造直後のインプラントに存在する質量対質量ベース(w/w)での活性剤化合物1の実際の又は理論上の量に基づくことができる。いくつかの実施形態では、パウチ中の先端に針を備えた(needle-tipped)眼用インプラント送達デバイスにインプラントをさらに含めることができ、パウチは乾燥剤をさらに含むことができる。
一実施形態では、生分解性ポリマー材料は、第1、第2、及び第3の生分解性ポリマーを含むか、それらから本質的になるか、又はそれらからなる。第1及び第2のポリマーは、末端基(エステル又は酸)及び/又は固有粘度(25℃でクロロホルム中の0.1%溶液について決定される)が互いに異なるポリ(D,L-ラクチド)ポリマーであり得、第3のポリマーは、ポリ(D,L-ラクチド-co-グリコリド)であり得る。インプラントは、任意選択で、ヘキサデカノール及び/又はブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)をさらに含むことができる。
一実施形態では、第1のポリマーは、エステル末端基及び0.25~0.35dl/gの固有粘度(25℃でのクロロホルム中の0.1%w/v溶液について測定される)を有するポリ(D,L-ラクチド)(例えば、R203S)であり、第2のポリマーは、酸末端基(すなわち、カルボキシル末端基)及び0.25~0.35dl/gの固有粘度(25℃でのクロロホルム中の0.1%w/v溶液について測定される)を有するポリ(D,L-ラクチド)(例えば、R203H)であり、第3のポリマーは、エステル末端基、0.16~0.24dl/gの固有粘度(25℃でのクロロホルム中の0.1%w/v溶液について測定される)、及び約75:25のD,L-ラクチド:グリコリド比を有するポリ(D,L-ラクチド-co-グリコリド)(例えば、RG752S)である。
いくつかの実施形態では、第1、第2、及び第3の生分解性ポリマーは、以下からなる群から独立して選択される:
酸末端基及び25℃でのクロロホルム中の0.1%溶液について測定される0.16~0.24dl/gの固有粘度を有するポリ(D,L-ラクチド)である、R202H;
エステル末端基及び25℃でのクロロホルム中の0.1%溶液について測定される0.16~0.24dl/gの固有粘度を有するポリ(D,L-ラクチド)である、R202S;
酸末端基及び25℃でのクロロホルム中の0.1%溶液について測定される0.25~0.35dl/gの固有粘度を有するポリ(D,L-ラクチド)である、R203H;
エステル末端基及び25℃でのクロロホルム中の0.1%溶液について測定される0.25~0.35dl/gの固有粘度を有するポリ(D,L-ラクチド)である、R203S;並びに
エステル末端基、0.16~0.24dl/gの固有粘度(25℃でのクロロホルム中の0.1%溶液について測定される)、及び約75:25のD,L-ラクチド:グリコリドのモル比を有するポリ(D,L-ラクチド-co-グリコリド)である、RG752S。
上記のR202H、R202S、R203H、R203S、及びRG752S PLA及びPLGAポリマーは、Evonik Industries AG(ドイツ)によって製造され、かつ、Sigma-Aldrich/Millipore Sigmaなどの化学供給業者から入手可能である、RESOMER(登録商標)ポリマー製品ラインからのもの、及び本開示を読むことによって当業者に識別可能な他のものである。
酸末端基及び25℃でのクロロホルム中の0.1%溶液について測定される0.16~0.24dl/gの固有粘度を有するポリ(D,L-ラクチド)である、R202H;
エステル末端基及び25℃でのクロロホルム中の0.1%溶液について測定される0.16~0.24dl/gの固有粘度を有するポリ(D,L-ラクチド)である、R202S;
酸末端基及び25℃でのクロロホルム中の0.1%溶液について測定される0.25~0.35dl/gの固有粘度を有するポリ(D,L-ラクチド)である、R203H;
エステル末端基及び25℃でのクロロホルム中の0.1%溶液について測定される0.25~0.35dl/gの固有粘度を有するポリ(D,L-ラクチド)である、R203S;並びに
エステル末端基、0.16~0.24dl/gの固有粘度(25℃でのクロロホルム中の0.1%溶液について測定される)、及び約75:25のD,L-ラクチド:グリコリドのモル比を有するポリ(D,L-ラクチド-co-グリコリド)である、RG752S。
上記のR202H、R202S、R203H、R203S、及びRG752S PLA及びPLGAポリマーは、Evonik Industries AG(ドイツ)によって製造され、かつ、Sigma-Aldrich/Millipore Sigmaなどの化学供給業者から入手可能である、RESOMER(登録商標)ポリマー製品ラインからのもの、及び本開示を読むことによって当業者に識別可能な他のものである。
一実施形態では、第1のポリマーは、エステル末端基及び0.25~0.35dl/gの固有粘度を有するポリ(D,L-ラクチド)であり、第2のポリマーは、酸末端基及び0.16~0.24dl/gの固有粘度を有するポリ(D,L-ラクチド)であり、第3のポリマーは、エステル末端基、0.16~0.24dl/gの固有粘度、及び約75:25のD,L-ラクチド:グリコリド比を有するポリ(D,L-ラクチド-co-グリコリド)であり、各ポリマー又はコポリマーの固有粘度は、25℃でのクロロホルム中のポリマー又はコポリマーの0.1%溶液について測定される。
1つの特定の実施形態では、第1のポリマーは、R203Sであり、第2のポリマーは、R202Hであり、第3のポリマーは、RG752Sであり、インプラントは、賦形剤であるヘキサデカン-1-オール及び/又はBHAをさらに含む。特定の形態では、インプラントは、0.001質量%~10質量%のヘキサデカン-1-オールを含む。
別の実施形態では、生分解性ポリマー材料は、第1及び第2の生分解性ポリマーを含むか、それらから本質的になるか、又はそれらからなり、第1のポリマーは、エステル末端基及び0.25~0.35dl/gの固有粘度(25℃でのクロロホルム中の0.1%w/v溶液について測定される)を有するポリ(D,L-ラクチド)(例えば、R203S)であり、第2のポリマーは、酸末端基(例えば、カルボキシル)及び0.25~0.35dl/gの固有粘度(25℃でのクロロホルム中の0.1%w/v溶液について測定される)を有するポリ(D,L-ラクチド)(例えば、R203H)である。
別の実施形態では、生分解性ポリマー材料は、第1及び第2の生分解性ポリマーを含むか、それらから本質的になるか、又はそれらからなり、第1のポリマーは、エステル末端基及び0.25~0.35dl/gの固有粘度(25℃でのクロロホルム中の0.1%w/v溶液について測定される)を有するポリ(D,L-ラクチド)(例えば、R203S)であり、第2のポリマーは、酸末端基(例えば、カルボキシル)及び0.25~0.35dl/gの固有粘度(25℃でのクロロホルム中の0.1%w/v溶液について測定される)を有するポリ(D,L-ラクチド)(例えば、R203H)である。
別の実施形態では、生分解性ポリマー材料は、酸末端基(すなわち、カルボキシル末端基)及び0.16~0.24dl/gの固有粘度(25℃でのクロロホルム中の0.1%w/v溶液について測定される)を有するポリ(D,L-ラクチド)(例えば、R202H)を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる。
別の実施形態では、生分解性ポリマー材料は、酸末端基(すなわち、カルボキシル末端基)及び0.25~0.35dl/gの固有粘度(25℃でのクロロホルム中の0.1%w/v溶液について測定される)を有するポリ(D,L-ラクチド)(例えば、R203H))を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる。
別の実施形態では、生分解性ポリマー材料は、酸末端基(すなわち、カルボキシル末端基)及び0.25~0.35dl/gの固有粘度(25℃でのクロロホルム中の0.1%w/v溶液について測定される)を有するポリ(D,L-ラクチド)(例えば、R203H))を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる。
一実施形態は、化合物1、ヘキサデカン-1-オール(ヘキサデカノール)、及び生分解性ポリマー材料を含む、押出生分解性前眼房内インプラントであり、生分解性ポリマー材料は、第1、第2、及び第3のポリマーを含むか、それらから本質的になるか、又はそれらからなり、第1のポリマーは、R203Sであり、第2のポリマーは、R202Hであり、第3のポリマーは、RG752Sである。インプラントは、抗酸化剤をさらに含むことができる。非限定的な例には、インプラント2~7が含まれ、それらの製剤は以下の表2に記載されている。
一実施形態は、生分解性ポリマー材料、ヘキサデカン-1-オール、BHA、及び約15質量%の化合物1:
一実施形態は、生分解性ポリマー材料、ヘキサデカン-1-オール、BHA、及び約15質量%の化合物1:
を含む生分解性眼内インプラントであり、生分解性ポリマー材料は、i)エステル末端基及び約0.25~0.35dl/gの固有粘度を有するポリ(D,L-ラクチド)(例えば、R203S)、ii)酸末端基及び約0.16~0.24dl/gの固有粘度を有するポリ(D,L-ラクチド)(例えば、R202H)、並びにiii)エステル末端基、約0.16~0.24dl/gの固有粘度、及び約75:25のD,L-ラクチド:グリコリド比を有するポリ(D,L-ラクチド-co-グリコリド)(例えば、R752S)を含み、上記で示される各ポリ(D,L-ラクチド)及びポリ(D,L-ラクチド-co-グリコリド)の固有粘度は、25℃でのクロロホルム中のポリマーの0.1%溶液について測定される。いくつかの実施形態では、インプラントは、押出インプラントである。
一実施形態では、インプラントは、抗酸化剤、キレート剤、又は抗酸化剤及びキレート剤の両方をさらに含む。特定の形態では、抗酸化剤は、ブチル化ヒドロキシアニソール又はアスコルビン酸であり、キレート剤は、EDTAである。眼内インプラントは、眼の前眼房に留置するためにサイズ決定することができる。
上記で列挙した実施形態のいずれかによるインプラントは、約8質量%超であるが約20質量%以下の化合物1を含むことができる。例えば、化合物1は、インプラントの約11、約12、又は約15質量%の量でインプラント中に存在することができる。インプラントは、約15質量%の化合物1を含むことができる。
1つの例示的な実施形態は、約12質量%の化合物1と、約16質量%の、酸末端基及び約0.16~0.24dl/gの固有粘度を有するポリ(D,L-ラクチド)である第1のポリマーと、約25質量%の、エステル末端基及び約0.25~0.35dl/gの固有粘度を有するポリ(D,L-ラクチド)である第2のポリマーと、約40質量%の、エステル末端基、約0.16~0.24dl/gの固有粘度、及び約75:25のD,L-ラクチド:グリコリド比を有するポリ(D,L-ラクチド-co-グリコリド)である第3のポリマーと、約5質量%のセチルアルコールと、約2質量%のブチル化ヒドロキシアニソールとを含む眼内インプラントであり、第1、第2、及び第3のポリマーの固有粘度が、25℃でのクロロホルム中のポリマーの0.1%溶液について測定されたものに対応する。
上記で列挙した実施形態のいずれかによるインプラントは、約8質量%超であるが約20質量%以下の化合物1を含むことができる。例えば、化合物1は、インプラントの約11、約12、又は約15質量%の量でインプラント中に存在することができる。インプラントは、約15質量%の化合物1を含むことができる。
1つの例示的な実施形態は、約12質量%の化合物1と、約16質量%の、酸末端基及び約0.16~0.24dl/gの固有粘度を有するポリ(D,L-ラクチド)である第1のポリマーと、約25質量%の、エステル末端基及び約0.25~0.35dl/gの固有粘度を有するポリ(D,L-ラクチド)である第2のポリマーと、約40質量%の、エステル末端基、約0.16~0.24dl/gの固有粘度、及び約75:25のD,L-ラクチド:グリコリド比を有するポリ(D,L-ラクチド-co-グリコリド)である第3のポリマーと、約5質量%のセチルアルコールと、約2質量%のブチル化ヒドロキシアニソールとを含む眼内インプラントであり、第1、第2、及び第3のポリマーの固有粘度が、25℃でのクロロホルム中のポリマーの0.1%溶液について測定されたものに対応する。
別の例示的な実施形態は、約12質量%の化合物1と、約6質量%の、酸末端基及び約0.16~0.24dl/gの固有粘度を有するポリ(D,L-ラクチド)である第1のポリマーと、約30質量%の、エステル末端基及び約0.25~0.35dl/gの固有粘度を有するポリ(D,L-ラクチド)である第2のポリマーと、約45質量%の、エステル末端基、約0.16~0.24dl/gの固有粘度、及び約75:25のD,L-ラクチド:グリコリド比を有するポリ(D,L-ラクチド-co-グリコリド)である第3のポリマーと、約5質量%のセチルアルコールと、約2質量%のブチル化ヒドロキシアニソールとを含むインプラントであり、第1、第2、及び第3のポリマーの固有粘度が、25℃でのクロロホルム中のポリマーの0.1%溶液について測定されたものに対応する。
別の例示的な実施形態は、約15質量%の化合物1と、約15質量%の、酸末端基及び約0.16~0.24dl/gの固有粘度を有するポリ(D,L-ラクチド)である第1のポリマーと、約25質量%の、エステル末端基及び約0.25~0.35dl/gの固有粘度を有するポリ(D,L-ラクチド)である第2のポリマーと、約40質量%の、エステル末端基、約0.16~0.24dl/gの固有粘度、及び約75:25のD,L-ラクチド:グリコリド比を有するポリ(D,L-ラクチド-co-グリコリド)である第3のポリマーと、約3質量%のセチルアルコールと、約2質量%のブチル化ヒドロキシアニソールとを含むインプラントであり、第1、第2、及び第3のポリマーの固有粘度が、25℃でのクロロホルム中のポリマーの0.1%溶液について測定されたものに対応する。
別の例示的な実施形態は、約15質量%の化合物1と、約5質量%の、酸末端基及び約0.16~0.24dl/gの固有粘度を有するポリ(D,L-ラクチド)である第1のポリマーと、約30質量%の、エステル末端基及び約0.25~0.35dl/gの固有粘度を有するポリ(D,L-ラクチド)である第2のポリマーと、約45質量%の、エステル末端基、約0.16~0.24dl/gの固有粘度、及び約75:25のD,L-ラクチド:グリコリド比を有するポリ(D,L-ラクチド-co-グリコリド)である第3のポリマーと、約3質量%のセチルアルコールと、約2質量%のブチル化ヒドロキシアニソールとを含むインプラントであり、第1、第2、及び第3のポリマーの固有粘度が、25℃でのクロロホルム中のポリマーの0.1%溶液について測定されたものに対応する。
別の例示的な実施形態は、約11質量%の化合物1と、約14質量%の、酸末端基及び約0.16~0.24dl/gの固有粘度を有するポリ(D,L-ラクチド)である第1のポリマーと、約35質量%の、エステル末端基及び約0.25~0.35dl/gの固有粘度を有するポリ(D,L-ラクチド)である第2のポリマーと、約35質量%の、エステル末端基、約0.16~0.24dl/gの固有粘度、及び約75:25のD,L-ラクチド:グリコリド比を有するポリ(D,L-ラクチド-co-グリコリド)である第3のポリマーと、約3質量%のセチルアルコールと、約2質量%のブチル化ヒドロキシアニソールとを含むインプラントであり、第1、第2、及び第3のポリマーの固有粘度が、25℃でのクロロホルム中のポリマーの0.1%溶液について測定されたものに対応する。
別の例示的な実施形態は、約11質量%の化合物1と、約12質量%の、酸末端基及び約0.16~0.24dl/gの固有粘度を有するポリ(D,L-ラクチド)である第1のポリマーと、約30質量%の、エステル末端基及び約0.25~0.35dl/gの固有粘度を有するポリ(D,L-ラクチド)である第2のポリマーと、約40質量%の、エステル末端基、約0.16~0.24dl/gの固有粘度、及び約75:25のD,L-ラクチド:グリコリド比を有するポリ(D,L-ラクチド-co-グリコリド)である第3のポリマーと、約5質量%のセチルアルコールと、約2質量%のブチル化ヒドロキシアニソールとを含むインプラントであり、第1、第2、及び第3のポリマーの固有粘度が、25℃でのクロロホルム中のポリマーの0.1%溶液について測定されたものに対応する。
治療剤
化合物1は、当技術分野で既知の方法によって調製することができる。例えば、米国特許第6,602,900号、同6,124,344号、同5,741,810号、及び同5,834,498号を参照のこと。
本開示は、延長された期間にわたって患者の眼における眼圧を低下させるのに有効であり得る、押出プロセスによって製造される生分解性眼内インプラントを含む。一般に、インプラントは、生分解性ポリマー材料及び化合物1を含む治療剤を含むか、それらから本質的になるか、又はそれらからなり、眼内インプラントは、眼の前眼房に留置するのに好適である。眼内インプラントは、インビトロで少なくとも1カ月間にわたって、1日当たり約10~約50ngの治療剤を放出することができる。
化合物1は、当技術分野で既知の方法によって調製することができる。例えば、米国特許第6,602,900号、同6,124,344号、同5,741,810号、及び同5,834,498号を参照のこと。
本開示は、延長された期間にわたって患者の眼における眼圧を低下させるのに有効であり得る、押出プロセスによって製造される生分解性眼内インプラントを含む。一般に、インプラントは、生分解性ポリマー材料及び化合物1を含む治療剤を含むか、それらから本質的になるか、又はそれらからなり、眼内インプラントは、眼の前眼房に留置するのに好適である。眼内インプラントは、インビトロで少なくとも1カ月間にわたって、1日当たり約10~約50ngの治療剤を放出することができる。
一般に、インプラントの治療剤は、インプラントの総質量の1%~約90%を構成することができる。いくつかの実施形態では、治療剤は、インプラントの総質量の8%超~20%を占めることができる。いくつかの実施形態では、質量対質量ベース(w/w)でのインプラント中の化合物1の量は、インプラントの総質量の15%以下である。したがって、化合物1を含むインプラントにおいて、化合物1は、インプラントの8質量%超~15質量%を構成することができ、特定の形態では、インプラントの11、12、又は15質量%を構成する。インプラント中のこれらの所定のレベル(例えば、15%)の質量パーセントの化合物1は、眼などの液体環境にインプラントを留置した際に、薬物の望ましくない急速な放出又はバースト様の放出を回避することができる。
本開示によるインプラントにおいて、化合物1は、生分解性ポリマー材料中に分散若しくは分布し、及び/又はそれによって包囲され、及び/又はそれによって取り込まれ得る。インプラントがインビボで眼液(例えば、房水)などの生理学的液体と接触するときに、生理学的液体はインプラントの表面にある化合物1の部分と接触することができるが、ポリマー材料中に分散されている化合物の部分との接触がなくてもよい。埋め込まれた際に、生分解性ポリマーは水和され始め得る。インプラントの水和は、化合物1の拡散及び放出を改善することができる。さらに、インプラントは、経時的に分解又は浸食し始めることができる。分解によって、水和が増加し、ポリマー鎖の可動性が高まり、より速い拡散のための細孔が作られる。したがって、インプラントは、ポリマー材料がインビボで水和及び/又は分解するにつれて化合物がポリマー材料から放出されるように構成することができる。インプラントの水和分解及び/又は分解にはかなりの時間を要することができ、通常の点眼製剤によって投与された場合における化合物の通常の崩壊寿命よりも大幅に長くなることができ、インプラントは徐放性を提供することができる。徐放は、化合物1の少なくとも一部を含む生分解性ポリマー材料の少なくとも一部が無傷のままである限り、継続することができる。
本開示によるインプラントにおいて、化合物1は、生分解性ポリマー材料中に分散若しくは分布し、及び/又はそれによって包囲され、及び/又はそれによって取り込まれ得る。インプラントがインビボで眼液(例えば、房水)などの生理学的液体と接触するときに、生理学的液体はインプラントの表面にある化合物1の部分と接触することができるが、ポリマー材料中に分散されている化合物の部分との接触がなくてもよい。埋め込まれた際に、生分解性ポリマーは水和され始め得る。インプラントの水和は、化合物1の拡散及び放出を改善することができる。さらに、インプラントは、経時的に分解又は浸食し始めることができる。分解によって、水和が増加し、ポリマー鎖の可動性が高まり、より速い拡散のための細孔が作られる。したがって、インプラントは、ポリマー材料がインビボで水和及び/又は分解するにつれて化合物がポリマー材料から放出されるように構成することができる。インプラントの水和分解及び/又は分解にはかなりの時間を要することができ、通常の点眼製剤によって投与された場合における化合物の通常の崩壊寿命よりも大幅に長くなることができ、インプラントは徐放性を提供することができる。徐放は、化合物1の少なくとも一部を含む生分解性ポリマー材料の少なくとも一部が無傷のままである限り、継続することができる。
化合物1がインプラントから放出される速度、及びインプラントが化合物1を放出する持続時間は、インプラントのサイズ及び形状、化合物の粒子サイズ、化合物の溶解度、化合物とポリマー材料との比率、使用されるポリマー(使用されるポリマー中のモノマー比率、ポリマー末端基、及びポリマー分子量を含む)、ポリマーの結晶化度、製造方法、露出表面積、ポリマー材料の侵食速度、並びに投与後にインプラントが存在する生物学的環境などを含むがこれらに限定されない、様々な要因に依存し得る。
上記のタイプの生分解性ポリマー材料を含むインプラントは、化合物1の一定の安定した放出を1カ月超、例えば、2、3カ月、4~5カ月、又は6カ月などの延長された期間にわたって提供することができる。特に、驚くべきことに、本発明者らは、本明細書に記載のインプラント製剤が、例えば15%(w/w)で薬物充填された化合物1の低バーストの制御放出を提供することを見出した。
上記のタイプの生分解性ポリマー材料を含むインプラントは、化合物1の一定の安定した放出を1カ月超、例えば、2、3カ月、4~5カ月、又は6カ月などの延長された期間にわたって提供することができる。特に、驚くべきことに、本発明者らは、本明細書に記載のインプラント製剤が、例えば15%(w/w)で薬物充填された化合物1の低バーストの制御放出を提供することを見出した。
特に、生分解性眼内インプラントは、生分解性ポリマー材料及び化合物1を含み、化合物1は、インプラントの約8~約20質量%(例えば、約9~約18質量%、約9~約17質量%、約9~約16質量%、約9~約15質量%、及び約10~約15質量%)の量であり、インプラントは、1日目(例えば、埋め込み後の最初の24時間)に、約30%未満、例えば、約1%未満、約2%未満、約3%未満、約4%未満、約5%未満、約6%未満、約7%未満、約8%未満、約9%未満、約10%未満、約11%未満、約12%未満、約13%未満、約14%未満、約15%未満、約16%未満、約17%未満、約18%未満、約19%未満、約20%未満、約21%未満、約22%未満、約23%未満、約24%未満、約25%未満、約26%未満、約27%未満、約28%未満、約29%未満、及びこれらの量の間の範囲の薬物充填をインビトロで放出する。1日目に約30%超の薬物充填のインビトロ放出は、バースト放出であるとみなされる。
したがって、いくつかの実施形態では、1日目の薬物充填のインビトロ放出率は、約1%~約30%、約2%~約30%、約3%~約30%、約4%~約30%、約5%~約30%、約6%~約30%、約7%~約30%、約8%~約30%、約9%~約30%、約10%~約30%、約11%~約30%、約12%~約30%、約13%~約30%、約14%~約30%、約15%~約30%、約16%~約30%、約17%~約30%、約18%~約30%、約19%~約30%、約20%~約30%、約21%~約30%、約22%~約30%、約23%~約30%、約24%~約30%、約25%~約30%、約26%~約30%、約27%~約30%、約28%~約30%、約29%~約30%、及びこれらの間の範囲であり得る。
他の実施形態では、1日目の薬物充填のインビトロ放出率は、約1%~約25%、約2%~約25%、約3%~約25%、約4%~約25%、約5%~約25%、約6%~約25%、約7%~約25%、約8%~約25%、約9%~約25%、約10%~約25%、約11%~約25%、約12%~約25%、約13%~約25%、約14%~約25%、約15%~約25%、約16%~約25%、約17%~約25%、約18%~約25%、約19%~約25%、約20%~約25%、約21%~約25%、約22%~約25%、約23%~約25%、約24%~約25%、及びこれらの間の範囲であり得る。
他の実施形態では、1日目の薬物充填のインビトロ放出率は、約1%~約20%、約2%~約20%、約3%~約20%、約4%~約20%、約5%~約20%、約6%~約20%、約7%~約20%、約8%~約20%、約9%~約20%、約10%~約20%、約11%~約20%、約12%~約20%、約13%~約20%、約14%~約20%、約15%~約20%、約16%~約20%、約17%~約20%、約18%~約20%、約19%~約20%、及びこれらの間の範囲であり得る。
他の実施形態では、1日目の薬物充填のインビトロ放出率は、約1%~約15%、約2%~約15%、約3%~約15%、約4%~約15%、約5%~約15%、約6%~約15%、約7%~約15%、約8%~約15%、約9%~約15%、約10%~約15%、約11%~約15%、約12%~約15%、約13%~約15%、約14%~約15%、及びこれらの間の範囲であり得る。
他の実施形態では、1日目の薬物充填のインビトロ放出率は、約1%~約20%、約2%~約20%、約3%~約20%、約4%~約20%、約5%~約20%、約6%~約20%、約7%~約20%、約8%~約20%、約9%~約20%、約10%~約20%、約11%~約20%、約12%~約20%、約13%~約20%、約14%~約20%、約15%~約20%、約16%~約20%、約17%~約20%、約18%~約20%、約19%~約20%、及びこれらの間の範囲であり得る。
他の実施形態では、1日目の薬物充填のインビトロ放出率は、約1%~約15%、約2%~約15%、約3%~約15%、約4%~約15%、約5%~約15%、約6%~約15%、約7%~約15%、約8%~約15%、約9%~約15%、約10%~約15%、約11%~約15%、約12%~約15%、約13%~約15%、約14%~約15%、及びこれらの間の範囲であり得る。
米国特許第9,889,142号(’142特許)は、化合物1を含む1つ又は複数の生分解性眼内インプラントの眼内投与によって提供される眼における眼圧の延長された長期の低下を記載している。しかしながら、’142特許は、8.0質量%以下の量の化合物1を含むインプラントと比較して、’142特許に記載された生分解性ポリマー量とともに8.0質量%超の量の治療剤を含むインプラントは、化合物1の顕著な初期バースト放出を示し、及び/又は非常に速い放出率(例えば、12%の薬物充填を有するインプラントについては1日目に約55%の放出)を提供し、これらは、意図する治療用途に概して好適ではないとみなされる。そのような初期バースト放出は、驚くべきことに、本明細書に記載のインプラント製剤では、8質量%超(例えば、15質量%)の薬物充填でも見られなかった。
インプラントからの化合物1のインビトロ放出率は、USP承認の溶解又は放出試験方法(USP23;NF18(1995)1790~1798頁)に従って測定することができる。例えば、インフィニット・シンク(infinite sink)法を使用して、重量測定したインプラントのサンプルを0.9%NaCl(水溶液)又はリン酸緩衝生理食塩水を含む測定された体積の溶液(放出媒体)に添加し、溶液の体積は、放出後の治療活性剤の濃度が飽和の20%未満、いくつかの実施形態では飽和の5%未満となるものである。混合物を37℃に維持し、ゆっくりと攪拌又は振盪して、治療活性剤をインプラントから確実に拡散させる。時間の関数としての溶液又は放出媒体中の治療活性剤の出現は、分光測光法、HPLC、質量分析法などの当技術分野で既知の様々な方法によって追跡することができる。
特に、いくつかの実施形態では、化合物1のインビトロ放出率は、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)溶液中、pH7.4±0.05及び37℃で測定され、PBS溶液は、マグネシウム及びカルシウムを含まず、かつ、25℃で7.4±0.05のpHを有するPBS溶液である。当業者には明らかであるように、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)は、リン酸水素二ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、及びリン酸二水素カリウムを含む緩衝生理食塩水である。PBSは、上記の塩化ナトリウム及び塩化カリウムに加えて、塩化カルシウム及び塩化マグネシウムを含むように調製することもでき、又は塩化カルシウム及び塩化マグネシウムなしで(すなわち、マグネシウム及びカルシウムを含まないように)調製することができる。PBSは、約7.4(例えば、7.4±0.05)のおおよその生理的pHを模擬することができるだけでなく、眼内の生理的液体を含む多くの生理的液体のおおよその浸透圧及びイオン濃度を模擬することができる緩衝液である。したがって、化合物1のインビトロ放出率を測定するために使用されるPBSは、リン酸水素二ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、及びリン酸二水素カリウムを含み、マグネシウム及びカルシウムを含まず、25℃で7.4±0.05のpHを有し、Cold Spring Harborレシピなどの既知のレシピ(例えば、www web頁cshprotocols.cshlp.org/content/2006/1/pdb.rec8247を参照のこと)に従って調製することができるPBSであるか、又は、製造元の指示に従って水で再構成することができる粉末(又は非水成分の他の固体混合物)として購入することができる(例えば、Sigma-Aldrich/Millipore-Sigmaカタログ番号P5368を参照のこと)。
化合物のインビトロ放出率は、ガラスシンチレーションバイアル中の約1mL~約3mLの上記のPBS(pH7.4)中で、穏やかな攪拌(50rpm)下、37℃でインプラントをインキュベートすることによって測定することができる。指定された時点で放出媒体を完全に取り出し、新鮮なPBSに置き換えることができる。回収された放出媒体中の薬物の量は、例えばHPLCにより、必要に応じて3回で分析することができる。
本開示による眼内インプラントは、約5~約100ナノグラム、1日あたり約5~約200ナノグラムの化合物1、1日あたり約10~約200ナノグラムの化合物1、1日あたり約5~約100ナノグラムの化合物1、1日あたり約10~約100ナノグラムの化合物1、1日あたり約10~約50ナノグラムの化合物1、1日あたり少なくとも約10ngであるが約50ng以下の化合物1、1日当たり10~約35ngの化合物1、又は1日当たり約20~約35ナノグラムの化合物1を、約1カ月超、約2カ月超、約1カ月~約3カ月、約3カ月~約6カ月、又は約6カ月~約12カ月以上にわたって放出することができる。
特定の実施形態には、眼の前眼房に留置するためにサイズ決定され、かつ、表2のインプラント番号2~7について与えられた製剤のいずれか1つを含む押出眼内インプラントが含まれるが、これらに限定されない。
本開示による眼内インプラントは、約5~約100ナノグラム、1日あたり約5~約200ナノグラムの化合物1、1日あたり約10~約200ナノグラムの化合物1、1日あたり約5~約100ナノグラムの化合物1、1日あたり約10~約100ナノグラムの化合物1、1日あたり約10~約50ナノグラムの化合物1、1日あたり少なくとも約10ngであるが約50ng以下の化合物1、1日当たり10~約35ngの化合物1、又は1日当たり約20~約35ナノグラムの化合物1を、約1カ月超、約2カ月超、約1カ月~約3カ月、約3カ月~約6カ月、又は約6カ月~約12カ月以上にわたって放出することができる。
特定の実施形態には、眼の前眼房に留置するためにサイズ決定され、かつ、表2のインプラント番号2~7について与えられた製剤のいずれか1つを含む押出眼内インプラントが含まれるが、これらに限定されない。
製造方法
本明細書に記載の眼内インプラントを製造するために、様々な技術を使用することができる。有用な技術には、ロッド形状(又は繊維状)のインプラントを製造するための押出法(例えば、ホットメルト押出法)、錠剤、ウェーハ、又はペレットを製造するための圧縮法、生分解性シート、フィルム、及び乾燥粉末を製造するための溶媒キャスト法が含まれ得る。複数のミクロスフェアを生成するためのエマルジョン法もまた、患者の眼に化合物1を持続放出するための生分解性眼内薬物送達システムの調製に使用することができる。したがって、一実施形態は、眼の眼領域に留置するのに好適であり、かつ、化合物1又はその薬学的に許容される塩を封入する複数の生分解性ミクロスフェアを含む、医薬組成物を提供する。
本明細書に記載の眼内インプラントを製造するために、様々な技術を使用することができる。有用な技術には、ロッド形状(又は繊維状)のインプラントを製造するための押出法(例えば、ホットメルト押出法)、錠剤、ウェーハ、又はペレットを製造するための圧縮法、生分解性シート、フィルム、及び乾燥粉末を製造するための溶媒キャスト法が含まれ得る。複数のミクロスフェアを生成するためのエマルジョン法もまた、患者の眼に化合物1を持続放出するための生分解性眼内薬物送達システムの調製に使用することができる。したがって、一実施形態は、眼の眼領域に留置するのに好適であり、かつ、化合物1又はその薬学的に許容される塩を封入する複数の生分解性ミクロスフェアを含む、医薬組成物を提供する。
押出インプラントは、一軸又は二軸押出法によって製造することができ、例えば、ピストン又は二軸スクリュー押出機で製造することができる。技術の選択、及びインプラントの製造に使用される技術パラメーターの操作は、薬物の放出率に影響を与え得る。押出法により、インプラントの大規模な製造が可能となり、製造温度が上昇するにつれて連続ポリマーマトリックス内での薬物の分散が漸次的により均一になるインプラントを得ることができる。押出法では、約50℃~約150℃、若しくは約70℃~約100℃、又は必要に応じてそれ以下の温度を使用することができる。
一実施形態では、本開示による眼内インプラントは、押出プロセスによって製造される。ポリマー及び存在する場合には賦形剤は、一般に治療剤とブレンドされ、次いで選択された温度で共押出されて、生分解性ポリマーマトリックス(又は材料)並びにマトリックス(又は材料)内に分散した及び/又はそれ全体に分布した治療剤を含むフィラメントを形成する。所望する場合、フィラメントを粉砕し、再押出して、二軸押出インプラントを形成することができる。
一実施形態では、本開示による眼内インプラントは、押出プロセスによって製造される。ポリマー及び存在する場合には賦形剤は、一般に治療剤とブレンドされ、次いで選択された温度で共押出されて、生分解性ポリマーマトリックス(又は材料)並びにマトリックス(又は材料)内に分散した及び/又はそれ全体に分布した治療剤を含むフィラメントを形成する。所望する場合、フィラメントを粉砕し、再押出して、二軸押出インプラントを形成することができる。
押出プロセスによってインプラントを製造する一形態では、治療剤、生分解性ポリマー、及び任意選択で1つ又は複数の賦形剤を最初に室温で混合し(容器中でブレンドし)、次いで、1分間~60分間、例えば、1分間~30分間、5分間~15分間、又は10分間の期間にわたって50℃~150℃の温度範囲に加熱する。次いで、混合物を60℃~130℃、又は80℃の温度でノズルを通して押し出す。次に、押出フィラメントを所望の長さに切断して、特定の質量を有する眼内インプラントを製造する。混合物が押し出されるノズルの開口部は、一般にインプラントの所望の直径に適した直径を有するが、必要に応じて、押出フィラメントをノズルから引き出して、インプラントの直径をさらに小さくすることができる。押出インプラントは、一般に円筒形又は非円筒形であり得、前眼房又は硝子体などの眼の眼領域に留置するのに好適な長さ及び直径(又は非円筒形繊維に適した他の寸法)を有する。
本開示の眼内インプラントを製造するための1つの可能な方法は、溶媒キャスト法とホットメルト押出との組合せを使用する。例えば、US2010/0278897を参照のこと。この方法では、最初に酢酸エチルなどの適切な溶媒に全ての材料(活性剤、ポリマー、及び存在する場合には賦形剤)を溶解して溶液を形成することにより、乾燥粉末又はフィルムを調製する。次いで、溶液を好適な容器(例えば、TEFLON(登録商標)皿)にキャストし、次いで真空オーブン中で一晩乾燥させて、乾燥フィルムを形成する。次いで、フィルムを粉砕して粒子にし、これを収集し、ホットメルト押出によって押し出して、活性剤及び1つ又は複数の生分解性ポリマーを含むフィラメントを調製する。フィラメントは、眼に留置するのに好適な長さ及びそれにより好適な質量に切断することができる。このプロセスの押出温度は、50℃~150℃の範囲であり得る。
したがって、本開示は、眼における眼圧上昇を含む眼圧を低下させるために患者の眼に留置するのに好適な、押出生分解性インプラント(一般に、押出ロッド又は繊維と称することができる)を製造及び使用する方法を包含する。
したがって、本開示は、眼における眼圧上昇を含む眼圧を低下させるために患者の眼に留置するのに好適な、押出生分解性インプラント(一般に、押出ロッド又は繊維と称することができる)を製造及び使用する方法を包含する。
投与様式及び部位、並びに治療方法
緑内障を患っている患者を含む患者において意図された治療効果(例えば、眼圧の長期低下)を提供するために、本開示によるインプラントを眼の前眼房に留置することができる。前眼房とは、虹彩と角膜の最も内側の表面(内皮)との間の目の内部の空間を指す。しかしながら、一部の患者では、インプラントを眼の硝子体に留置する必要があり得る。後眼房とは、虹彩の後部と硝子体の前面との間の眼の内側の空間を指す。後眼房は、水晶体と毛様体突起との間の空間を含み、該毛様体突起は、角膜、虹彩、及び水晶体に栄養を与え、眼圧を維持する房水を産生する。図1を参照すると、図1では、眼(100)のこれら及び他の眼領域が断面で示されている。眼(100)の特定の領域は、前眼房(106)を取り囲む角膜(102)及び虹彩(104)を含む。虹彩(104)の後ろには、後眼房(108)及び水晶体(110)がある。前眼房内には、前眼房隅角(112)及び小柱網(114)がある。角膜上皮(118)、強膜(116)、硝子体(119)、毛様体小帯(120)、及び毛様体突起(121)も示されている。後眼部は、眼球の後方3分の2(水晶体の後ろ)であり、硝子体、網膜、及び視神経が含まれる。
緑内障を患っている患者を含む患者において意図された治療効果(例えば、眼圧の長期低下)を提供するために、本開示によるインプラントを眼の前眼房に留置することができる。前眼房とは、虹彩と角膜の最も内側の表面(内皮)との間の目の内部の空間を指す。しかしながら、一部の患者では、インプラントを眼の硝子体に留置する必要があり得る。後眼房とは、虹彩の後部と硝子体の前面との間の眼の内側の空間を指す。後眼房は、水晶体と毛様体突起との間の空間を含み、該毛様体突起は、角膜、虹彩、及び水晶体に栄養を与え、眼圧を維持する房水を産生する。図1を参照すると、図1では、眼(100)のこれら及び他の眼領域が断面で示されている。眼(100)の特定の領域は、前眼房(106)を取り囲む角膜(102)及び虹彩(104)を含む。虹彩(104)の後ろには、後眼房(108)及び水晶体(110)がある。前眼房内には、前眼房隅角(112)及び小柱網(114)がある。角膜上皮(118)、強膜(116)、硝子体(119)、毛様体小帯(120)、及び毛様体突起(121)も示されている。後眼部は、眼球の後方3分の2(水晶体の後ろ)であり、硝子体、網膜、及び視神経が含まれる。
眼圧を低下させ、患者における緑内障を治療するために、本明細書に記載のインプラントを哺乳動物の眼の前眼房(又は他の眼領域)に単剤療法として埋め込み、点眼薬を必要とすることなく、治療剤(化合物1など)を眼の前眼房に送達することができる。或いは、インプラントはまた、補助療法としての点眼薬とともに使用することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のインプラントを眼の前眼房に挿入することにより、眼における眼圧をベースラインIOPと比較して例えば少なくとも約20%又は30%以上低下させることができる。患者は、眼圧上昇又は緑内障を患っており、したがって治療が必要なヒト又は非ヒト哺乳動物であり得る。いくつかの実施形態では、インプラントは、インプラントを眼に留置した後、少なくとも1カ月間にわたって、直線的又は疑似ゼロ次動力学に従って化合物1を放出することができる。
生分解性インプラントは、鉗子、トロカール、又は針を備えた(又は先端に針を備えた)ハンドヘルド送達デバイス(アプリケーター)による留置を含む様々な方法によって眼に挿入することができる。いつくかのハンドヘルドアプリケーターを1つ又は複数の生分解性インプラントを眼に挿入するために使用することができる。ハンドヘルドアプリケーターは、18~30GA(ゲージ)のステンレス鋼針、レバー、アクチュエータ、及びインプラントの排出を容易にするプランジャー又はプッシュロッドを含むことができる。インプラントは、前眼房にアクセスするために、強膜、角膜縁、又は角膜経路で挿入することができる。或いは、標的部位へのアクセス及びインプラントの送達に好適な長さの針又はカニューレを備えた適切なアプリケーターを使用して、インプラントを硝子体に挿入することができる。インプラントを挿入するいくつかの方法には、針、トロカール、又は埋め込みデバイスを用いて眼領域内の標的領域にアクセスすることが含まれる。標的領域内、例えば、前眼房内又は硝子体内に入れた際に、ハンドヘルドデバイスのレバーを押し下げて、アクチュエータにプランジャー又はプッシュロッドを前方に押し込むことができる。プランジャーが前方に移動するにつれ、プランジャーがデバイス又はインプラントを標的領域(硝子体又は前眼房など)に押し込むことができる。眼用インプラント送達デバイスの一例は、米国特許出願公開第2004/0054374号に開示されている。別の例は、米国特許6,899,717号に見出すことができる。
したがって、本明細書で論じる患者の眼の緑内障を治療し、眼圧を低下させるための方法は、眼の前眼房への注入(眼房内注入)又は眼の硝子体への注入(硝子体内注入)によって本開示のタイプの生分解性眼内インプラントを眼に投与することを含むことができる。適切なサイズの針(例えば、22、25、27、28、又は30ゲージの針)を含むシリンジ装置は、眼内のこれらの領域に1つ又は複数のインプラントを注入するのに有用であり得る。したがって、インプラントの幅又は直径は、選択された針ゲージの管腔中にインプラントが受容され、該管腔を通って移動することが可能となるように選択することができる。
対象において使用する前に、インプラントは、好適な線量、例えば、β放射線量で滅菌することができる。好ましくは、滅菌方法は、インプラント中の治療剤の治療活性を実質的に低下させないか、又は初期活性の少なくとも50%若しくは80%以上を保持する。
対象において使用する前に、インプラントは、好適な線量、例えば、β放射線量で滅菌することができる。好ましくは、滅菌方法は、インプラント中の治療剤の治療活性を実質的に低下させないか、又は初期活性の少なくとも50%若しくは80%以上を保持する。
前眼房に直接送達又は放出される場合、約5~約100ナノグラム、約5~約200ナノグラム、約10~約100ナノグラム、又は約5~約50ナノグラムの範囲の化合物1の1日用量は、患者の眼における眼圧を低下するのに治療上有効な量であり得る。
患者は、典型的には、片眼又は両眼において眼圧上昇又は高眼圧症を経験しているか又はそれと診断された、ヒト又は非ヒト哺乳動物である。緑内障はしばしば眼圧上昇を伴うため、患者は、緑内障を患っている患者としてさらに定義することができる。したがって、本明細書に記載のインプラントは、一般に、眼における眼圧上昇を低下させ、患者における緑内障を治療するために使用することができる。これに関して、一実施形態は、高眼圧症又は高眼圧上昇の低減を必要とする患者における高眼圧症又は眼圧上昇を低減させる方法であって、本開示による生分解性眼内インプラントを患者の眼に留置することを含む方法である。
患者は、典型的には、片眼又は両眼において眼圧上昇又は高眼圧症を経験しているか又はそれと診断された、ヒト又は非ヒト哺乳動物である。緑内障はしばしば眼圧上昇を伴うため、患者は、緑内障を患っている患者としてさらに定義することができる。したがって、本明細書に記載のインプラントは、一般に、眼における眼圧上昇を低下させ、患者における緑内障を治療するために使用することができる。これに関して、一実施形態は、高眼圧症又は高眼圧上昇の低減を必要とする患者における高眼圧症又は眼圧上昇を低減させる方法であって、本開示による生分解性眼内インプラントを患者の眼に留置することを含む方法である。
化合物1又はその薬学的に許容される塩を含む生分解性前眼房内インプラントで有効に治療することができる患者には、緑内障、開放隅角緑内障、閉塞隅角緑内障、慢性閉塞隅角、緑内障、虹彩切開術、高眼圧症、眼圧上昇、偽落屑緑内障、又は色素性緑内障を有するか、それを患っているか、又はそれと診断された患者が含まれ得る。本開示によるインプラントは、低い、正常な、又は上昇した眼圧を有する眼における眼圧を低下させるのに有効であり得る。したがって、本開示によるインプラントは、眼圧上昇を特徴とする緑内障及び低い眼圧又は正常な眼圧の緑内障を含む全ての形態の緑内障を治療するのに有効であり得るが、その理由は、これらの患者も、眼圧のさらなる低下から潜在的に利益を得ることができるためである。治療有効量の化合物1などの強力な眼圧低下剤を持続的な期間にわたって放出することが可能であるため、本開示のインプラントは、局所治療で必要になり得る眼表面への点眼薬の頻繁な眼内注入又は定期的な滴下を必要とせずに、これらの患者の眼圧を長期にわたって低下させることができると予想される。さらに、他のいくつかのプロスタミド及び抗緑内障剤と比較してIOPを低下させるための化合物1のより大きな効力により、眼、ひいては患者により安全かつ良好な、より長い投与期間を有するより小さなインプラントを製造することが可能になる。
したがって、本開示の一実施形態は、眼における眼圧(IOP)を低下させる方法であって、方法が、本明細書に開示される生分解性眼内インプラントを眼に留置することを含み、インプラントが、延長された期間にわたって眼の眼圧を低下させる、方法である。インプラントは、眼の眼領域に留置することができ、したがって、眼の眼領域に留置するためにサイズ決定することができる。患者は、低眼圧若しくは正常な眼圧を有するか、又は高眼圧症と時折称される眼圧上昇を患っていてもよく、或いは、患者は、緑内障を有していてもよい。より具体的な形態では、患者は、緑内障又は眼圧上昇を患っているか、又はそれと診断されており、インプラントは、罹患した眼の前眼房又は硝子体に留置される。特定の実施形態では、インプラントは、罹患した眼の前眼房隅角(又は虹彩角膜角)、より具体的には、罹患した眼の下部虹彩角膜角(inferior iridocorneal angle)に留置される。これらの方法のいずれにおいても、インプラント中の化合物(すなわち、治療剤)は、化合物1、化合物1の薬学的に許容される塩、又はそれらの任意の混合物を含むか、それらから本質的になるか、又はそれらからなることができ、インプラントは、前眼房内又は硝子体内注入によって眼の前眼房又は硝子体に留置することができる。特定の実施形態では、インプラントは、眼の前眼房隅角(又は虹彩角膜角)に留置される。インプラントは、眼の結膜下領域に留置することもできる。
したがって、本開示は、患者における緑内障を治療する方法であって、本明細書に記載の生分解性眼内インプラントを患者の眼に留置するステップを含む、方法を提供する。インプラントは、眼の前眼房又は眼の他の眼領域に留置され、それによって緑内障を治療することができる。
いくつかの実施形態は、点眼薬なしで化合物1を投与する方法であって、本明細書に記載のインプラントをそれを必要とする患者の眼に挿入することを含む、方法を含む。インプラントは、眼の前眼房に留置することができる。
治療方法の特定の形態では、化合物1又はその薬学的に許容される塩を含む1つ又は複数の眼内インプラントを眼の前眼房内に留置し、又はより具体的にはそれに注入して、それにより眼における眼圧及び高眼圧症を低減することができる。したがって、眼内インプラントは、例えば、眼の前眼房に留置するためにサイズ決定し、製剤化することができる。そのようなインプラントは、「前眼房内」インプラントと称することができる。
いくつかの実施形態は、点眼薬なしで化合物1を投与する方法であって、本明細書に記載のインプラントをそれを必要とする患者の眼に挿入することを含む、方法を含む。インプラントは、眼の前眼房に留置することができる。
治療方法の特定の形態では、化合物1又はその薬学的に許容される塩を含む1つ又は複数の眼内インプラントを眼の前眼房内に留置し、又はより具体的にはそれに注入して、それにより眼における眼圧及び高眼圧症を低減することができる。したがって、眼内インプラントは、例えば、眼の前眼房に留置するためにサイズ決定し、製剤化することができる。そのようなインプラントは、「前眼房内」インプラントと称することができる。
本開示のインプラントは、治療有効量の化合物1又はその任意の薬学的に許容される塩を眼の前眼房などの眼の患部に直接持続的かつ連続的に放出することにより、眼圧上昇(又は高眼圧症)の長期に持続する低減を提供するように設計されている。これに関連して、化合物1の治療有効量は、約5~約100ng/日、約5~約200ng/日、約10~約200ng/日、約5~約50ng/日、又はより具体的には約10~約50ng/日、又はさらにより具体的には約15ng/日、約20ng/日、約30ng/日、約40ng/日、若しくは約50ng/日の投与量であり得る。患者は、高眼圧症(眼圧上昇)又は緑内障の治療を必要とするヒト又は非ヒト哺乳動物であり得る。インプラントは、押出フィラメント又は圧縮錠剤の形態であり得る。他の形態には、ウェーハ、フィルム、又はシートが含まれ得る。押出フィラメントは、眼の前眼房又は硝子体などの眼に留置するのに好適な直径を有し、かつ、それに好適な長さに切断された円筒形又は非円筒形のロッドであり得る。
以下の実施例は、本開示の方法を例示することのみを意図しており、決して本開示の方法を限定するものと決して解釈されるべきではない。
(実施例1)
インプラントの製造
表2のインプラント1~6を以下のように製造した。薬物物質、ポリマー、及び添加剤を2つの10mmのSSボールを含むステンレス鋼(SS)容器に添加した。粉末をTurbulaミキサーで15分間にわたってブレンドし、スパチュラを使用して手で混合し、次いでTurbulaミキサーでさらに15分間にわたって再びブレンドした。次いで、二軸スクリューマイクロコンパウンダー/押出機を使用して、得られた粉末ブレンドをフィラメントへと加工した。押出を表1に纏めたプロセス設定で行った。
インプラントの製造
表2のインプラント1~6を以下のように製造した。薬物物質、ポリマー、及び添加剤を2つの10mmのSSボールを含むステンレス鋼(SS)容器に添加した。粉末をTurbulaミキサーで15分間にわたってブレンドし、スパチュラを使用して手で混合し、次いでTurbulaミキサーでさらに15分間にわたって再びブレンドした。次いで、二軸スクリューマイクロコンパウンダー/押出機を使用して、得られた粉末ブレンドをフィラメントへと加工した。押出を表1に纏めたプロセス設定で行った。
製剤組成及び参考文献を表2に纏めている。
押出フィラメントを無作為に選択し、オートカッターを使用して切断して、特定の質量のインプラントを製造した。各インプラント番号について、合計50のインプラントを切断した。直径150μmのフィラメントの目標インプラント質量は、50±2.5μg(5%)であった。インプラントをガラスバイアルに保存し、乾燥剤を含むホイルパウチ中に密封し、試験前に25±10%kGyの電子ビームで滅菌した。
押出フィラメントを無作為に選択し、オートカッターを使用して切断して、特定の質量のインプラントを製造した。各インプラント番号について、合計50のインプラントを切断した。直径150μmのフィラメントの目標インプラント質量は、50±2.5μg(5%)であった。インプラントをガラスバイアルに保存し、乾燥剤を含むホイルパウチ中に密封し、試験前に25±10%kGyの電子ビームで滅菌した。
(実施例2)
インビトロ薬物放出率アッセイ
10mlのガラスバイアル中の2mlの水性インキュベーション緩衝液(放出媒体)に各インプラントを入れることにより、インビトロ薬物放出研究を行った。振とう水浴中、37℃及び50rpmでバイアルを維持した。このインキュベーション緩衝液は、pH7.4のリン酸緩衝生理食塩水(PBS)(137mM NaCl、2.7mM KCl、及び10mMリン酸緩衝液)から構成された。指定された各時点で、各バイアル中の2mlの放出培地の全てをサンプリングし、等量の新鮮な放出培地と交換した。放出媒体中の沈み込み条件は、研究を通して維持された。
インビトロ薬物放出率アッセイ
10mlのガラスバイアル中の2mlの水性インキュベーション緩衝液(放出媒体)に各インプラントを入れることにより、インビトロ薬物放出研究を行った。振とう水浴中、37℃及び50rpmでバイアルを維持した。このインキュベーション緩衝液は、pH7.4のリン酸緩衝生理食塩水(PBS)(137mM NaCl、2.7mM KCl、及び10mMリン酸緩衝液)から構成された。指定された各時点で、各バイアル中の2mlの放出培地の全てをサンプリングし、等量の新鮮な放出培地と交換した。放出媒体中の沈み込み条件は、研究を通して維持された。
表1に規定された条件下で押し出された表2のインプラントの薬物放出プロファイルを図2及び3に示す。この図はまた、比較インプラントとしての8質量%の化合物1を含むインプラント1製剤を含む。データポイントは、相対的な質量に対して正規化されていない3つの複製のインプラントサンプルの平均放出を表す。15%の薬物充填であるインプラント5は、インプラント1と同様の放出プロファイルを有し(図4)、1日放出率はインプラント1と同様か又はそれより高く(図5)、化合物1の放出は1日目では30%未満である。しかしながら、インプラント5は、インプラント中にほぼ2倍の量の化合物1を含むことができる一方で、このバースト放出がないことを示した。ポリマーとして単にR202Hを用いて製造されたインプラントと比較して見ることができるように(図6)、表2のインプラントは、R202Hインプラントにおける8(質量)%超の薬物充填で見られる初期のバースト放出を示さなかったという点で、より良好な放出プロファイルを示した(図6)。例えば、図6に見られるように、表2のポリマー混合物とは対照的に、15%の薬物装填を有するインプラントにおいてR202Hのみを使用した場合、1日目の放出率は約28%であった。一方、図3及び図4に見ることができるように、インプラント4及び5(両方とも15%の薬物装填を有する)は、1日目に約12%の放出率を示した。さらに、米国特許第9,889,142号も参照のこと、該特許では、8%超の充填を有するインプラントにおけるバースト放出が示されており、これは1日目に約55%の薬物放出というように高くあり得る。
上記に基づいて、本明細書に記載のインプラント製剤では、同様の許容可能な薬物放出プロファイル(例えば、初期バースト放出がなく、非常に安定した放出)が8質量%のインプラントで見ることができるが、本発明のインプラントは、8質量%(例えば、15質量%)よりも有意に高い薬物充填でこの許容可能な放出を示す。
(実施例3)
インプラントの膨潤
ポリマーインプラント膨潤操作の指示説明書に従って、膨潤研究を行った。インプラントのサンプルの物理的外観及び寸法測定をKeyenceデジタル顕微鏡(モデルVHX-600)を使用して研究した。押出インプラントについて100倍及び150倍の倍率で画像を取得した。この研究に使用した培地は、0.01MPBS、pH7.4、37℃であった。全てのインプラントの膨潤挙動を図7に纏めている。インプラント1及びインプラント5の最大膨潤直径の比較を図8に示す。インプラント5の最大膨潤直径は、インプラント1の最大膨潤直径よりも小さく、インプラント5の最大膨潤直径は、インプラント1の最大膨潤直径の約75%~約85%である。
インプラントの膨潤
ポリマーインプラント膨潤操作の指示説明書に従って、膨潤研究を行った。インプラントのサンプルの物理的外観及び寸法測定をKeyenceデジタル顕微鏡(モデルVHX-600)を使用して研究した。押出インプラントについて100倍及び150倍の倍率で画像を取得した。この研究に使用した培地は、0.01MPBS、pH7.4、37℃であった。全てのインプラントの膨潤挙動を図7に纏めている。インプラント1及びインプラント5の最大膨潤直径の比較を図8に示す。インプラント5の最大膨潤直径は、インプラント1の最大膨潤直径よりも小さく、インプラント5の最大膨潤直径は、インプラント1の最大膨潤直径の約75%~約85%である。
(実施例4)
インビトロでのポリマー分解
インプラント2~6のインビトロでのポリマー寿命をインプラント1と比較した。緩衝水溶液(0.01M PBS、pH7.4)中、37℃で24週間にわたって研究を行った。分解速度定数は、経時的なポリマーマトリックスの平均分子量(MWpeak)の減少を一次動力学にフィッティングすることによって推定された。総動力学速度定数及び推定インビトロ寿命(1000g/molのMWpeakに到達する時間であるt1000)に基づく製剤の順位を表3に纏めている。報告された分子量データは、ポリスチレン標準物に対するものである。
インビトロでのポリマー分解
インプラント2~6のインビトロでのポリマー寿命をインプラント1と比較した。緩衝水溶液(0.01M PBS、pH7.4)中、37℃で24週間にわたって研究を行った。分解速度定数は、経時的なポリマーマトリックスの平均分子量(MWpeak)の減少を一次動力学にフィッティングすることによって推定された。総動力学速度定数及び推定インビトロ寿命(1000g/molのMWpeakに到達する時間であるt1000)に基づく製剤の順位を表3に纏めている。報告された分子量データは、ポリスチレン標準物に対するものである。
本明細書全体を通して、米国及び外国特許出願、雑誌記事、書籍の章などの刊行物を参照する。そのような刊行物は全て、別段で示していない限り、対応する参考文献とともに公開された補足/サポート情報の項目を含め、あらゆる目的でそれらの全体が参照により明示的に組み込まれる。
多くの例示的な態様及び実施形態を上記で論じているが、当業者は、それらの特定の修正、変更、追加、及びサブコンビネーションを認識するであろう。したがって、以下に付随する特許請求の範囲及び後に示される特許請求の範囲は、その趣旨及び範囲内の全ての修正、変更、追加、及びサブコンビネーションを含むように解釈されることが意図される。
Claims (50)
- 前記インプラントが、最初の24時間中に化合物1の35%未満をインビトロで放出する、請求項2に記載の生分解性眼内インプラント。
- 前記インプラントが、最初の24時間中に化合物1の20%未満をインビトロで放出する、請求項2に記載の生分解性眼内インプラント。
- 前記インプラントが、最初の24時間中に化合物1の15%未満をインビトロで放出する、請求項2に記載の生分解性眼内インプラント。
- 化合物1の前記インビトロ放出が、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)溶液中、pH7.4±0.05及び37℃で測定され、前記PBS溶液が、マグネシウム及びカルシウムを含まず、25℃でpH7.4±0.05を有するPBS溶液である、請求項1~5のいずれか1項に記載の生分解性眼内インプラント。
- 前記生分解性ポリマー材料が、酸末端基及び約0.16~0.24dl/gの固有粘度を有するポリ(D,L-ラクチド)である第1のポリマーと、エステル末端基及び約0.25~0.35dl/gの固有粘度を有するポリ(D,L-ラクチド)である第2のポリマーと、エステル末端基、約0.16~0.24dl/gの固有粘度、及び約75:25のD,L-ラクチド:グリコリド比を有するポリ(D,L-ラクチド-co-グリコリド)である第3のポリマーとを含み、各ポリマー及びコポリマーの前記固有粘度が、25℃でのクロロホルム中の前記ポリマー又はコポリマーの0.1%溶液について測定される、請求項1~7のいずれか1項に記載の生分解性眼内インプラント。
- 生分解性ポリマー材料及び化合物1を含む生分解性眼内インプラントであって、
(i)化合物1が、前記インプラントの10~20質量%の量であり、(ii)前記生分解性ポリマー材料が、酸末端基及び約0.16~0.24dl/gの固有粘度を有するポリ(D,L-ラクチド)である第1のポリマーと、エステル末端基及び約0.25~0.35dl/gの固有粘度を有するポリ(D,L-ラクチド)である第2のポリマーと、エステル末端基、約0.16~0.24dl/gの固有粘度、及び約75:25のD,L-ラクチド:グリコリド比を有するポリ(D,L-ラクチド-co-グリコリド)である第3のポリマーとを含み、各ポリマー及びコポリマーの前記固有粘度が、25℃でのクロロホルム中の前記ポリマー又はコポリマーの0.1%溶液について測定され、(iii)前記第2のポリマーが、前記第3のポリマーの量以下の量であり、20~40質量%の量で存在する、生分解性眼内インプラント。 - 生分解性ポリマー材料及び化合物1を含む生分解性眼内インプラントであって、
(i)化合物1が、前記インプラントの10~20質量%の量であり、(ii)前記生分解性ポリマー材料が、酸末端基及び約0.16~0.24dl/gの固有粘度を有するポリ(D,L-ラクチド)である第1のポリマーと、エステル末端基及び約0.25~0.35dl/gの固有粘度を有するポリ(D,L-ラクチド)である第2のポリマーと、エステル末端基、約0.16~0.24dl/gの固有粘度、及び約75:25のD,L-ラクチド:グリコリド比を有するポリ(D,L-ラクチド-co-グリコリド)である第3のポリマーとを含み、各ポリマー及びコポリマーの前記固有粘度が、25℃でのクロロホルム中の前記ポリマー又はコポリマーの0.1%溶液について測定され、(iii)前記第2のポリマーと前記第3のポリマーの質量比が、2:5~4:3である、生分解性眼内インプラント。 - 前記第3のポリマーが、約30~70質量%の量で存在する、請求項10に記載の生分解性眼内インプラント。
- 前記第1のポリマーが、約4~20質量%の量で存在する、請求項10又は11に記載の生分解性眼内インプラント。
- 前記インプラントが、最初の24時間中に化合物1の30%未満をインビトロで放出する、請求項9~12のいずれか1項に記載の生分解性眼内インプラント。
- 前記インプラントが、最初の24時間中に化合物1の25%未満をインビトロで放出する、請求項13に記載の生分解性眼内インプラント。
- 前記インプラントが、最初の24時間中に化合物1の20%未満をインビトロで放出する、請求項13に記載の生分解性眼内インプラント。
- 前記インプラントが、最初の24時間中に化合物1の15%未満をインビトロで放出する、請求項13に記載の生分解性眼内インプラント。
- 前記インプラントが、セチルアルコールをさらに含む、請求項1~16のいずれかに記載の生分解性眼内インプラント。
- 前記インプラントが、ブチル化ヒドロキシアニソールをさらに含む、請求項1~17のいずれかに記載の生分解性眼内インプラント。
- 化合物1が、前記インプラントの11、12、又は15質量%の量で存在する、請求項1~18のいずれかに記載の生分解性眼内インプラント。
- 約12質量%の化合物1と、
約16質量%の、酸末端基及び約0.16~0.24dl/gの固有粘度を有するポリ(D,L-ラクチド)である第1のポリマーと、約25質量%の、エステル末端基及び約0.25~0.35dl/gの固有粘度を有するポリ(D,L-ラクチド)である第2のポリマーと、約40質量%の、エステル末端基、約0.16~0.24dl/gの固有粘度、及び約75:25のD,L-ラクチド:グリコリド比を有するポリ(D,L-ラクチド-co-グリコリド)である第3のポリマーと、約5質量%のセチルアルコールと、約2質量%のブチル化ヒドロキシアニソールとを含み、前記第1、第2、及び第3のポリマーの前記固有粘度が、25℃でのクロロホルム中の前記ポリマーの0.1%溶液について測定されたものに対応する、請求項1~19のいずれか1項に記載の生分解性眼内インプラント。 - 約12質量%の化合物1と、
約6質量%の、酸末端基及び約0.16~0.24dl/gの固有粘度を有するポリ(D,L-ラクチド)である第1のポリマーと、約30質量%の、エステル末端基及び約0.25~0.35dl/gの固有粘度を有するポリ(D,L-ラクチド)である第2のポリマーと、約45質量%の、エステル末端基、約0.16~0.24dl/gの固有粘度、及び約75:25のD,L-ラクチド:グリコリド比を有するポリ(D,L-ラクチド-co-グリコリド)である第3のポリマーと、約5質量%のセチルアルコールと、約2質量%のブチル化ヒドロキシアニソールとを含み、前記第1、第2、及び第3のポリマーの前記固有粘度が、25℃でのクロロホルム中の前記ポリマーの0.1%溶液について測定されたものに対応する、請求項1~20のいずれか1項に記載の生分解性眼内インプラント。 - 約15質量%の化合物1と、
約15質量%の、酸末端基及び約0.16~0.24dl/gの固有粘度を有するポリ(D,L-ラクチド)である第1のポリマーと、約25質量%の、エステル末端基及び約0.25~0.35dl/gの固有粘度を有するポリ(D,L-ラクチド)である第2のポリマーと、約40質量%の、エステル末端基、約0.16~0.24dl/gの固有粘度、及び約75:25のD,L-ラクチド:グリコリド比を有するポリ(D,L-ラクチド-co-グリコリド)である第3のポリマーと、約3質量%のセチルアルコールと、約2質量%のブチル化ヒドロキシアニソールとを含み、前記第1、第2、及び第3のポリマーの前記固有粘度が、25℃でのクロロホルム中の前記ポリマーの0.1%溶液について測定されたものに対応する、請求項1~21のいずれか1項に記載の生分解性眼内インプラント。 - 約15質量%の化合物1と、
約5質量%の、酸末端基及び約0.16~0.24dl/gの固有粘度を有するポリ(D,L-ラクチド)である第1のポリマーと、約30質量%の、エステル末端基及び約0.25~0.35dl/gの固有粘度を有するポリ(D,L-ラクチド)である第2のポリマーと、約45質量%の、エステル末端基、約0.16~0.24dl/gの固有粘度、及び約75:25のD,L-ラクチド:グリコリド比を有するポリ(D,L-ラクチド-co-グリコリド)である第3のポリマーと、約3質量%のセチルアルコールと、約2質量%のブチル化ヒドロキシアニソールとを含み、前記第1、第2、及び第3のポリマーの前記固有粘度が、25℃でのクロロホルム中の前記ポリマーの0.1%溶液について測定されたものに対応する、請求項1~22のいずれか1項に記載の生分解性眼内インプラント。 - 約11質量%の化合物1と、
約14質量%の、酸末端基及び約0.16~0.24dl/gの固有粘度を有するポリ(D,L-ラクチド)である第1のポリマーと、約35質量%の、エステル末端基及び約0.25~0.35dl/gの固有粘度を有するポリ(D,L-ラクチド)である第2のポリマーと、約35質量%の、エステル末端基、約0.16~0.24dl/gの固有粘度、及び約75:25のD,L-ラクチド:グリコリド比を有するポリ(D,L-ラクチド-co-グリコリド)である第3のポリマーと、約3質量%のセチルアルコールと、約2質量%のブチル化ヒドロキシアニソールとを含み、前記第1、第2、及び第3のポリマーの前記固有粘度が、25℃でのクロロホルム中の前記ポリマーの0.1%溶液について測定されたものに対応する、請求項1~23のいずれか1項に記載の生分解性眼内インプラント。 - 約11質量%の化合物1と、
約12質量%の、酸末端基及び約0.16~0.24dl/gの固有粘度を有するポリ(D,L-ラクチド)である第1のポリマーと、約30質量%の、エステル末端基及び約0.25~0.35dl/gの固有粘度を有するポリ(D,L-ラクチド)である第2のポリマーと、約40質量%の、エステル末端基、約0.16~0.24dl/gの固有粘度、及び約75:25のD,L-ラクチド:グリコリド比を有するポリ(D,L-ラクチド-co-グリコリド)である第3のポリマーと、約5質量%のセチルアルコールと、約2質量%のブチル化ヒドロキシアニソールとを含み、前記第1、第2、及び第3のポリマーの前記固有粘度が、25℃でのクロロホルム中の前記ポリマーの0.1%溶液について測定されたものに対応する、請求項1~24のいずれか1項に記載の生分解性眼内インプラント。 - 前記インプラントが、最初の24時間中に化合物1の30%未満をインビトロで放出する、請求項20~25のいずれか1項に記載の生分解性眼内インプラント。
- 前記インプラントが、最初の24時間中に化合物1の25%未満をインビトロで放出する、請求項26に記載の生分解性眼内インプラント。
- 前記インプラントが、最初の24時間中に化合物1の20%未満をインビトロで放出する、請求項26に記載の生分解性眼内インプラント。
- 前記インプラントが、最初の24時間中に化合物1の15%未満をインビトロで放出する、請求項26に記載の生分解性眼内インプラント。
- 化合物1の前記インビトロ放出が、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)溶液中、pH7.4±0.05及び37℃で測定され、前記PBS溶液が、マグネシウム及びカルシウムを含まず、25℃でpH7.4±0.05を有するPBS溶液である、請求項7、13~16、及び26~29のいずれか1項に記載の生分解性眼内インプラント。
- 前記インプラントが、眼の前眼房内に留置するためにサイズ決定される、請求項1~30のいずれか1項に記載の生分解性眼内インプラント。
- 前記インプラントの直径が、約150μmであり、前記インプラントが、約5μg又は約7.5μgの化合物1を含む、請求項1~31のいずれか1項に記載の生分解性眼内インプラント。
- 患者の眼圧を低下させるための方法であって、請求項1~32のいずれか1項に記載の生分解性眼内インプラントを前記患者の眼に留置することを含む、方法。
- 前記患者が、眼圧上昇又は緑内障を患っているか、それと診断されるか、又はそれを発症するリスクがある、請求項33記載の方法。
- 前記眼内インプラントが、前記患者の眼の前眼房に留置される、請求項33又は34に記載の方法。
- 前記患者が、ヒトである、請求項33~35のいずれか1項に記載の方法。
- 患者の眼圧を低下させる方法において使用するための請求項1~32のいずれか1項に記載の生分解性眼内インプラントであって、前記方法が、前記眼内インプラントを前記患者の眼に留置することを含む、生分解性眼内インプラント。
- 前記患者が、眼圧上昇又は緑内障を患っているか、それと診断されるか、又はそれを発症するリスクがある、請求項37に記載の使用のための生分解性眼内インプラント。
- 前記眼内インプラントが、前記患者の眼の前眼房に留置される、請求項37又は38に記載の使用のための生分解性眼内インプラント。
- 前記患者が、ヒトである、請求項37~39のいずれか1項に記載の使用のための生分解性眼内インプラント。
- 患者の眼圧を低下させるための医薬の製造における、請求項1~32のいずれか1項に記載の生分解性眼内インプラントの使用。
- 前記患者が、眼圧上昇又は緑内障を患っているか、それと診断されるか、又はそれを発症するリスクがある、請求項41に記載の使用。
- 前記生分解性眼内インプラントが、前記患者に投与される場合、前記患者の眼の前眼房に留置される、請求項41又は42に記載の使用。
- 前記患者が、ヒトである、請求項41~43のいずれか1項に記載の使用。
- 患者の眼圧を低下させる方法における請求項1~32のいずれか1項に記載の生分解性眼内インプラントの使用であって、前記方法が、前記眼内インプラントを前記患者の眼に留置することを含む、使用。
- 前記患者が、眼圧上昇又は緑内障を患っているか、それと診断されるか、又はそれを発症するリスクがある、請求項45に記載の使用。
- 前記生分解性眼内インプラントが、前記患者の眼の前眼房に留置される、請求項45又は46に記載の使用。
- 前記患者が、ヒトである、請求項45~47のいずれか1項に記載の使用。
- 実質的に本明細書に記載される生分解性眼内インプラント。
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