JP2023535361A - ピリミジン系化合物の塩、結晶形およびその調製方法 - Google Patents
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Abstract
ピリミジン系化合物の塩、結晶形、およびその調製方法を提供する。具体的に化合物Iの塩および前記塩の結晶形を含む結晶形、およびこれらの調製方法を提供する。TIFF2023535361000031.tif4276【選択図】図1
Description
本発明は、ピリミジン系化合物の塩、結晶形およびその調製方法に関する。具体的に、本発明は、様々な結晶形であり得る2-(6-(6-((6-(4-フルオロ-1H-ピラゾール-1-イル)ピリジン-3-イル)メチル)-3,6-ジアザビシクロ[3.1.1]ヘプタン-3-イル)ピリジン-3-イル)-6-メチル-N-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)ピリミジン-4-アミン(化合物I)の塩、結晶形およびその調製方法に関する。
プロテインキナーゼは、タンパク質のリン酸化反応を触媒する酵素の1種である。タンパク質のリン酸化は、細胞のシグナル伝達プロセスを媒介することにより、例えば細胞の生存、増殖、分化、アポトーシス、代謝などの細胞の生理活動を調節する。プロテインキナーゼの機能障害は、腫瘍、自己免疫疾患、炎症性反応、中枢神経系疾患、心血管疾患、糖尿病などを含む多くの疾患と密接に関連している。
RETは原癌遺伝子であり、それによってコードされるRETタンパク質は膜貫通受容体型チロシンプロテインキナーゼであり、(リガンドを結合するための)システインに富むカルノシン様細胞外ドメイン、膜貫通ドメイン、およびチロシンキナーゼ活性を持つ細胞内構造ドメインという3つの部分で構成されている。活性化されたRETタンパク質は、RAS/RAF/ERK経路、PI3K/Akt経路およびJNK経路などを含む複数の下流シグナル経路を活性化させることができ、細胞の増殖、移動、分化を引き起こす。RET遺伝子の変化(突然変異または融合)と野生型RET遺伝子の異常な発現は、RETタンパク質の異常な活性化につながり、シグナル経路を過剰に活性化し、これは発がんの主なメカニズムの1つである。異常に活性化されたRETタンパク質は、さまざまなシグナル伝経路を介してさまざまな腫瘍細胞の増殖と侵入に関与し、腫瘍の発生と発達に影響を与える。RET遺伝子の変化は下流のカスケード反応に対する作用がより顕著であり、そのうち、RET遺伝子の突然変異は、主に甲状腺髄様癌と乳頭甲状腺癌に関連し、RET遺伝子の融合は主に非小細胞肺癌と慢性骨髄性白血病に関連している。したがって、RET活性の阻害は大きな医学的価値がある(Nature Reviews Cancer、2014、14(3):173-86)。
RET阻害剤は、(例えば腫瘍、過敏性腸症候群などの)さまざまな疾患の治療と予防に大きな可能性を備える。現在、臨床試験段階にある化合物は、5つがあり、かつ、複数の企業の化合物は、前臨床研究段階にある。ただし、RETを主な標的とする阻害剤はまだ市場に出回っていない。したがって、臨床ニーズを満たすために、高効率で低毒性の新規なRET阻害剤を開発する必要がある。
また、結晶形態は、バイオアベイラビリティ、物理的および/または化学的安定性、純度および/または製造可能性など、特定の条件下での医学的および薬学的用途により適した特性を有し得るため、本分野では、RET阻害剤の様々な結晶形態の開発が期待されている。
本発明の第1の方面は、化合物Iのフマル酸塩および化合物Iのパラトルエンスルホン酸塩を含む化合物Iの塩を提供する。
本発明の第1の方面に係る化合物Iの塩は、化合物Iフマル酸塩結晶形および化合物Iパラトルエンスルホン酸塩結晶形を含む様々な結晶形であり得、例えば、化合物Iフマル酸塩結晶形A、化合物Iフマル酸塩結晶形B、化合物Iフマル酸塩結晶形C、化合物Iフマル酸塩結晶形D、化合物Iフマル酸塩タイプF、化合物Iフマル酸塩タイプG、および化合物Iパラトルエンスルホン酸塩結晶形Aがある。
本発明の第2の方面は、結晶形態またはアモルファスである化合物Iを提供し、好ましくは結晶形I、結晶形II、結晶形III、結晶形IV、結晶形Vまたは結晶形VIである。
本発明の第3の方面は、任意の固体形態の化合物Iを無機酸または有機酸と反応させて固体を析出し、そして、析出された固体を分離かつ乾燥することを含む化合物Iの塩を調製する方法を提供する。
本発明の第4の方面は、前述した化合物Iの塩(例えば、化合物Iフマル酸塩または化合物Iパラトルエンスルホン酸塩、特に化合物Iフマル酸塩の結晶形A、結晶形B、結晶形C、結晶形D、結晶形Fまたは結晶形G、あるいは、化合物Iパラトルエンスルホン酸塩結晶形A)、または、前述した結晶形態の化合物I(例えば、結晶形I、結晶形II、結晶形III、結晶形IV、結晶形Vまたは結晶形VI)、および、1種または複数種の薬学的に許容される担体を含む薬物組成物を提供する。
本発明の第5の方面は、RET活性に関連する疾患または症候を予防または治療するための方法であって、これを必要とする個体に、治療有効量の前述した化合物Iの塩(例えば、化合物Iフマル酸塩または化合物Iパラトルエンスルホン酸塩、特に化合物Iフマル酸塩の結晶形A、結晶形B、結晶形C、結晶形D、結晶形Fまたは結晶形G、あるいは、化合物Iパラトルエンスルホン酸塩結晶形A)、または、前述した結晶形態の化合物I(例えば、結晶形I、結晶形II、結晶形III、結晶形IV、結晶形Vまたは結晶形VI)、または、それらの任意の組み合わせを投与することを含むRET活性に関連する疾患または症候を予防または治療するための方法を提供する。前記RET活性に関連する疾患または症候は、過敏性腸症候群、あるいは、肺癌(例えば非小細胞肺癌)、乳癌、頭頸部癌、直腸癌、肝臓癌、リンパ腫、甲状腺癌(例えば甲状腺髄様癌又は乳頭甲状腺癌)、大腸がん、多発性骨髄腫、黒色腫、神経膠腫、脳腫瘍又は肉腫を含む癌または腫瘍である。
本発明の第6の方面は、前述した化合物Iの塩(例えば、化合物Iフマル酸塩または化合物Iパラトルエンスルホン酸塩、特に化合物Iフマル酸塩の結晶形A、結晶形B、結晶形C、結晶形D、結晶形Fまたは結晶形G、あるいは、化合物Iパラトルエンスルホン酸塩結晶形A)、または、前述した結晶形態の化合物I(例えば、結晶形I、結晶形II、結晶形III、結晶形IV、結晶形Vまたは結晶形VI)、または、それらの任意の組み合わせ、あるいは、それらを含む薬物組成物の、RET活性に関連する疾患または症候を予防または治療する薬物の調製への使用を提供する。前記RET活性に関連する疾患または症候は、過敏性腸症候群、あるいは、肺癌(例えば非小細胞肺癌)、乳癌、頭頸部癌、直腸癌、肝臓癌、リンパ腫、甲状腺癌(例えば甲状腺髄様癌又は乳頭甲状腺癌)、大腸がん、多発性骨髄腫、黒色腫、神経膠腫、脳腫瘍又は肉腫を含む癌または腫瘍である。
本発明の第7の方面は、RET活性に関連する疾患または症候を予防または治療するための、前述した化合物Iの塩(例えば、化合物Iフマル酸塩または化合物Iパラトルエンスルホン酸塩、特に化合物Iフマル酸塩の結晶形A、結晶形B、結晶形C、結晶形D、結晶形Fまたは結晶形G、あるいは、化合物Iパラトルエンスルホン酸塩結晶形A)、または、前述した結晶形態の化合物I(例えば、結晶形I、結晶形II、結晶形III、結晶形IV、結晶形Vまたは結晶形VI)、または、それらの任意の組み合わせ、あるいは、それらを含む薬物組成物を提供する。前記RET活性に関連する疾患または症候は、過敏性腸症候群、あるいは、肺癌(例えば非小細胞肺癌)、乳癌、頭頸部癌、直腸癌、肝臓癌、リンパ腫、甲状腺癌(例えば甲状腺髄様癌又は乳頭甲状腺癌)、大腸がん、多発性骨髄腫、黒色腫、神経膠腫、脳腫瘍又は肉腫を含む癌または腫瘍である。
本発明に係る化合物Iは、RETに対して優れた阻害作用を有し、かつ、良好な薬物代謝ダイナミクス、安全性などの特性を有する。また、特定の溶媒および/または方法を使用して化合物Iまたはその塩の結晶形態を製造する方法が見出されている。これらの結晶形態は、基本的に純粋な形態および基本的に純粋な形態の混合物を含み、1つまたは複数の有利な特徴を示す。例えば、それらはバイオアベイラビリティおよび安定性の面の利点を提供することができ、薬物製剤における活性成分として用いることに適している。特に化合物Iおよびそのフマル酸塩およびパラトルエンスルホン酸塩の複数な結晶形態は、化合物Iの調製プロセスの改善、化合物Iのバイオアベイラビリティおよび/または安定性の向上、化合物Iの溶解度の改善、化合物の吸湿性の改善および/または化合物Iを含む薬物製剤の安定性の改善およびその貯蔵寿命(shelf-life)の延長などの1種または複数種の利点を提供する。
以下、本発明についてさらに説明するが、下記の用語は、説明することを意図しており、本発明を限定するものではないことを理解されたい。
定義
特に説明しない限り、本明細書で使用される全ての技術用語および科学用語は、本願に係る当業者が一般的に理解するものと同じ意味を有する。矛盾がある場合は、本明細書の定義に準じる。ある量、濃度、または他の値またはパラメータが、範囲、好ましい範囲または好ましい数値上限、および好ましい数値下限の形式で表現される場合、1対の任意の範囲上限または好ましい数値と任意の範囲下限または好ましい数値とを組み合わせてなる任意の範囲を具体的に開示することに相当することが理解されるべきである。特に明記されていない限り、本明細書にリストされている数値範囲は、範囲の端点および当該範囲内のすべての整数および分数(小数)を含むことを意図している。
特に説明しない限り、本明細書で使用される全ての技術用語および科学用語は、本願に係る当業者が一般的に理解するものと同じ意味を有する。矛盾がある場合は、本明細書の定義に準じる。ある量、濃度、または他の値またはパラメータが、範囲、好ましい範囲または好ましい数値上限、および好ましい数値下限の形式で表現される場合、1対の任意の範囲上限または好ましい数値と任意の範囲下限または好ましい数値とを組み合わせてなる任意の範囲を具体的に開示することに相当することが理解されるべきである。特に明記されていない限り、本明細書にリストされている数値範囲は、範囲の端点および当該範囲内のすべての整数および分数(小数)を含むことを意図している。
「約」という用語は、数値変数と併用される場合、通常、当該変数の数値および当該変数のすべての数値が、試験誤差内(例えば、平均値に対する95%信頼区間内)または指定された数値の±20%、±10%、±5%、または±2%の範囲内にあることを意味する。
「含む」という用語またはこれと同義の類似表現である「包含する」、「含有する」および「有する」などはオープン式であり、列挙されていない他の要素、ステップ、または成分を除外するものではない。「……からなる」という表現は、指定されていない要素、ステップ、または成分のいずれを除外する。「基本的に……からなる」という用語とは、指定された要素、ステップ、または成分と、保護を請求しようとする主題の基本的および新しい特徴に実質的に影響を与えない任意に存在する要素、ステップ、または成分とに限定される範囲を意味する。「含む」およびそれと類似する用語は、用語「基本的に……からなる」および用語「……からなる」をカバーすることを理解されたい。
本明細書で使用される「任意的な」または「任意に」という用語は、その後に説明されるイベントまたは状況が発生する可能性があること、または、発生しない可能性があることを意味し、当該説明は、イベントまたは状況が発生することおよび発生しないことを含む。
特に説明しない限り、本明細書における百分率、部数などは、いずれも重量で計算される。
本明細書で使用されるように、「結晶形」または「結晶」という用語は、アモルファス固体物質とは対照的に、明確な境界を有するピークを有する特徴的なXRPDパターンを生成する、3次元配列を示す任意の固体物質を指す。
本明細書で使用されるように、「種結晶」という用語は、結晶化法で結晶核を形成して結晶形や立体配置と同じエナンチオマー結晶の成長を加速または促進することができる添加物を指す。
本明細書で使用されるように、「X線粉末回折パターン」または「XRPDパターン」という用語は、試験で観察された回折パターンまたはこれに由来するパラメータ、データ、または値を意味する。XRPDパターンは、通常、ピーク位置(横軸)および/またはピーク強度(縦軸)によって特徴づけられる。
本明細書で使用されるように、「回折角」または「2θ」という用語は、X線回折試験で設定された度数(°)で表されるピーク位置に基づいて、かつ通常は回折パターンにおける横軸単位を指す。入射ビームがある格子面に対してθ角を形成するときに反射が回折される場合、反射ビームを2θ角で記録するように試験を設定する必要がある。ここで言及されている特定の結晶形の特定の2θ値とは、本明細書で説明されているX線回折試験条件を使用して測定された2θ値(度数で表される)を表すことを意図していることを理解すべきである。例えば、本明細書に説明されているように、Cu-Kα(Kα1(Å):1.5406)単色放射が使用される。本明細書中のXRPDパターンは、好ましくは、PANalytacal X’Pert3 Powder X線粉末回折分析装置で取得され、透過モードは、好ましくは、PANalytacal X’Pert3 Powder X線粉末回折分析装置で取得される。
本明細書で使用されるように、X線回折ピークに関する「基本的に同じ」または「基本的に図×で示される」という用語とは、代表的なピーク位置および強度の変化を考慮に入れることを意味する。例えば、ピーク位置(2θ)がいくつかの変化を示し、通常は最大0.1度~0.2度に達し、かつ、回折を測定するために使用される機器もいくつかの変化を引き起こすことは、当業者に理解されべきである。さらに、相対ピーク強度が、機器間の差異、ならびに結晶性の程度、好ましい配向、調製されたサンプル表面、および当業者に知られている他の要因によって変化することは、当業者に理解されべきである。
類似に、本明細書で使用されるように、DSCチャートおよびTGAチャートについて記載される「基本的に図×で示される」も、これらの分析技術に関連して当業者に知られている変化をカバーすることが意図される。たとえば、DSCチャートにおける明確な境界を有するピークについて、通常、最大±0.2℃の変化があり、広いピークの場合はさらに大きくなる(たとえば、最大±1℃)。
本明細書で使用されるように、「室温」という用語は、20℃±5℃を意味する。
本明細書で使用されるように、「予防」という用語には、病気の発症を抑制し、遅延させることが含まれ、かつ、病気を発展する前の予防だけでなく、治療後の病気の再発を防ぐことも含まれる。
本明細書で使用されるように、「治療」という用語は、対象となる疾患または症候を逆転、軽減、または取り除くことを意味する。被験者が治療量の本発明の化合物の塩またはその結晶形の化合物または本発明の薬物組成物を受け、当該被験者の少なくとも1つの指標および症状が観察可能および/または検出可能な緩和および/または改善を示したことを示す場合、当該被験者がうまく「治療」されたことを表明する。治療には完全な治療だけでなく、完全な治療に達していないが、生物学的または医学的に関連する結果を実現したことも含まれることは理解できる。具体的には、「治療」とは、本発明の化合物の塩、その結晶形の化合物または本発明の薬物組成物が(1)疾患病理学または症候学を経験または示している動物における疾患の阻害(すなわち、病理学および/または症候学のさらなる発展の阻止)、(2)疾患病理学または症候学を経験または示している動物における疾患の改善(すなわち、病理学および/または症候学的な逆転)のうちの少なくとも1つ効果を達成することができることを意味する。
塩およびその結晶形態
本発明は、化合物Iの塩を提供し、そのうち、前記塩は、フマル酸塩およびパラトルエンスルホン酸塩から選ばれたものである。
本発明は、化合物Iの塩を提供し、そのうち、前記塩は、フマル酸塩およびパラトルエンスルホン酸塩から選ばれたものである。
化合物Iフマル酸塩結晶形A
いくつかの実施形態において、化合物Iの塩は、化合物Iフマル酸塩結晶形Aであり、そのXRPDパターンは、最大強度で少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、または少なくとも6つの回折角2θ(°)を示す。
いくつかの実施形態において、化合物Iの塩は、化合物Iフマル酸塩結晶形Aであり、そのXRPDパターンは、最大強度で少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、または少なくとも6つの回折角2θ(°)を示す。
いくつかの実施形態において、化合物Iフマル酸塩結晶形AのXRPDパターンは、約5.44±0.2°、9.75±0.2°および/または18.43±0.2°の2θにおける回折ピークを含む。好ましくは、化合物Iフマル酸塩結晶形AのXRPDパターンが、約17.28±0.2°、18.13±0.2°、26.55±0.2°および/または27.86±0.2°の2θにおける回折ピークをさらに含む。より好ましくは、化合物Iフマル酸塩結晶形AのXRPDパターンが、約10.99±0.2°、12.09±0.2°、13.89±0.2°、14.87±0.2°、16.25±0.2°および/または19.11±0.2°の2θにおける回折ピークをさらに含む。さらに好ましくは、化合物Iフマル酸塩結晶形AのXRPDパターンが、約15.63±0.2°、20.48±0.2°、21.55±0.2°、22.14±0.2°、22.55±0.2°、23.56±0.2°、23.83±0.2°および/または29.86±0.2°の2θにおける回折ピークをさらに含む。よりさらに好ましくは、化合物Iフマル酸塩結晶形AのXRPDパターンが、約12.84±0.2°、16.56±0.2°、16.74±0.2°、17.02±0.2°、19.70±0.2°、21.08±0.2°および/または25.64±0.2°の2θにおける回折ピークをさらに含む。
いくつかの実施形態において、化合物Iフマル酸塩結晶形AのXRPDパターンは、基本的に図1に示され、かつ、好ましくは、図1に示される通りである。
いくつかの実施形態において、化合物Iフマル酸塩結晶形AのXRPDパターンは、基本的に図2に示され、かつ好ましくは、図2に示される通りである。
いくつかの実施形態において、化合物Iフマル酸塩結晶形Aの吸熱ピークの開始温度は、約206.5℃±5℃であり、好ましくは、約206.5℃±2℃であり、好ましくは、化合物Iフマル酸塩結晶形AのDSCチャートが基本的に図3Aに示され、好ましくは図3Aに示される通りである。
いくつかの実施形態において、化合物Iフマル酸塩結晶形AのTGAチャートは、基本的に図3Bに示され、好ましくは図3Bに示される通りである。
いくつかの実施形態において、化合物Iフマル酸塩結晶形Aは、無水物である。
いくつかの実施形態において、化合物Iフマル酸塩結晶形Aにおける化合物Iとフマル酸とのモル比は1:1である。
いくつかの実施形態において、化合物Iフマル酸塩結晶形Aは、下記の特性の2つまたはすべてを有する。
(a)基本的に図2に示すXRPDパターン、
(b)基本的に図3Aに示すDSCチャート、および、
(c)基本的に図3Bに示すTGAチャート。
(a)基本的に図2に示すXRPDパターン、
(b)基本的に図3Aに示すDSCチャート、および、
(c)基本的に図3Bに示すTGAチャート。
化合物Iフマル酸塩結晶形B
いくつかの実施形態において、化合物Iの塩は、化合物Iフマル酸塩結晶形Bであり、そのXRPDパターンは、最大強度で少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、または少なくとも6つの回折角2θ(°)を示す。
いくつかの実施形態において、化合物Iの塩は、化合物Iフマル酸塩結晶形Bであり、そのXRPDパターンは、最大強度で少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、または少なくとも6つの回折角2θ(°)を示す。
いくつかの実施形態において、化合物Iフマル酸塩結晶形BのXRPDパターンは、約9.12±0.2°、16.57±0.2°、24.78±0.2°および/または25.74±0.2°の2θにおける回折ピークを含む。好ましくは、化合物Iフマル酸塩結晶形BのXRPDパターンが、約15.64±0.2°、18.05±0.2°、21.13±0.2°および/または22.08±0.2°の2θにおける回折ピークをさらに含む。より好ましくは、化合物Iフマル酸塩結晶形BのXRPDパターンが、約13.62±0.2°、15.29±0.2°、21.81±0.2°、25.58±0.2°および/または26.91±0.2°の2θにおける回折ピークをさらに含む。さらに好ましくは、化合物Iフマル酸塩結晶形BのXRPDパターンが、約5.70±0.2°、11.50±0.2°、16.26±0.2°、17.31±0.2°、19.64±0.2°、23.87±0.2°および/または27.24±0.2°の2θにおける回折ピークをさらに含む。
いくつかの実施形態において、化合物Iフマル酸塩結晶形BのXRPDパターンは、基本的に図4に示され、かつ、好ましくは図4に示される通りである。
いくつかの実施形態において、化合物Iフマル酸塩結晶形Bの吸熱ピークの開始温度は、約202.21℃±5℃であり、かつ、好ましくは約202.21℃±2℃である。より好ましくは、化合物Iフマル酸塩結晶形BのDSCチャートが、基本的に図5に示され、好ましくは図5に示される通りである。
いくつかの実施形態において、化合物Iフマル酸塩結晶形Bは、下記の2つの特性を有する。
(a)基本的に図4に示すXRPDパターン、および、
(b)基本的に図5に示すDSCチャート。
(a)基本的に図4に示すXRPDパターン、および、
(b)基本的に図5に示すDSCチャート。
化合物Iフマル酸塩結晶形C
いくつかの実施形態において、化合物Iの塩は、化合物Iフマル酸塩結晶形Cであり、そのXRPDパターンは、最大強度で少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、または少なくとも6つの回折角2θ(°)を示す。
いくつかの実施形態において、化合物Iの塩は、化合物Iフマル酸塩結晶形Cであり、そのXRPDパターンは、最大強度で少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、または少なくとも6つの回折角2θ(°)を示す。
いくつかの実施形態において、化合物Iフマル酸塩結晶形CのXRPDパターンは、約9.13±0.2°および/または26.08±0.2°の2θにおける回折ピークを含む。好ましくは、化合物Iフマル酸塩結晶形CのXRPDパターンが、約11.09±0.2°、17.63±0.2°、18.08±0.2°、20.21±0.2°、22.31±0.2°および/または27.92±0.2°の2θにおける回折ピークをさらに含む。より好ましくは、化合物Iフマル酸塩結晶形CのXRPDパターンが、約10.05±0.2°、13.27±0.2°、13.78±0.2°、14.39±0.2°および/または17.24±0.2°の2θにおける回折ピークをさらに含む。さらに好ましくは、化合物Iフマル酸塩結晶形CのXRPDパターンが、約8.58±0.2°、16.84±0.2°、23.12±0.2°および/または25.13±0.2°の2θにおける回折ピークをさらに含む。
いくつかの実施形態において、化合物Iフマル酸塩結晶形CのXRPDパターンは、基本的に図6に示され、かつ好ましくは図6に示される通りである。
いくつかの実施形態において、化合物Iフマル酸塩結晶形CのXRPDパターンは、基本的に図38に示され、好ましくは図38に示される通りである。
いくつかの実施形態において、化合物Iフマル酸塩結晶形CのDSCチャートは、基本的に図39に示され、好ましくは図39に示される通りである。
いくつかの実施形態において、化合物Iフマル酸塩結晶形CのTGAチャートは、基本的に図40に示され、好ましくは図40に示される通りである。
化合物Iフマル酸塩結晶形D
いくつかの実施形態において、化合物Iフマル酸塩結晶形DのXRPDパターンは、基本的に図13に示され、好ましくは図13に示される通りである。
いくつかの実施形態において、化合物Iフマル酸塩結晶形DのXRPDパターンは、基本的に図13に示され、好ましくは図13に示される通りである。
いくつかの実施形態において、化合物Iフマル酸塩結晶形DのDSCチャートは、基本的に図14に示され、好ましくは図14に示される通りである。
いくつかの実施形態において、化合物Iフマル酸塩結晶形DのTGAチャートは、基本的に図15に示され、好ましくは図15に示される通りである。
化合物Iフマル酸塩結晶形F
いくつかの実施形態において、化合物Iフマル酸塩結晶形FのXRPDパターンは、基本的に図16に示され、かつ好ましくは図16に示される通りである。
いくつかの実施形態において、化合物Iフマル酸塩結晶形FのXRPDパターンは、基本的に図16に示され、かつ好ましくは図16に示される通りである。
いくつかの実施形態において、化合物Iフマル酸塩結晶形FのDSCチャートは、基本的に図17に示され、好ましくは図17に示される通りである。
いくつかの実施形態において、化合物Iフマル酸塩結晶形FのTGAチャートは、基本的に図18に示され、好ましくは図18に示される通りである。
化合物Iフマル酸塩結晶形G
いくつかの実施形態において、化合物Iフマル酸塩結晶形GのXRPDパターンは、基本的に図19に示され、かつ好ましくは図19に示される通りである。
いくつかの実施形態において、化合物Iフマル酸塩結晶形GのXRPDパターンは、基本的に図19に示され、かつ好ましくは図19に示される通りである。
いくつかの実施形態において、化合物Iフマル酸塩結晶形GのDSCチャートは、基本的に図20に示され、好ましくは図20に示される通りである。
いくつかの実施形態において、化合物Iフマル酸塩結晶形GのTGAチャートは、基本的に図21に示され、好ましくは図21に示される通りである。
化合物Iパラトルエンスルホン酸塩結晶形A
いくつかの実施形態において、化合物Iの塩は、化合物Iパラトルエンスルホン酸塩結晶形Aであり、そのXRPDパターンは、最大強度で少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、または少なくとも6つの回折角2θ(°)を示す。
いくつかの実施形態において、化合物Iの塩は、化合物Iパラトルエンスルホン酸塩結晶形Aであり、そのXRPDパターンは、最大強度で少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、または少なくとも6つの回折角2θ(°)を示す。
いくつかの実施形態において、化合物Iパラトルエンスルホン酸塩結晶形AのXRPDパターンは、約4.69±0.2°および/または13.87±0.2°の2θにおける回折ピークを含む。好ましくは、化合物Iパラトルエンスルホン酸塩結晶形AのXRPDパターンが、約16.98±0.2°、18.23±0.2°、19.27±0.2°、19.98±0.2°、22.08±0.2°、23.35±0.2°および/または25.78±0.2°の2θにおける回折ピークをさらに含む。より好ましくは、化合物Iパラトルエンスルホン酸塩結晶形AのXRPDパターンが、約8.25±0.2°、12.23±0.2°、15.60±0.2°、17.83±0.2°、22.49±0.2°、24.30±0.2°、25.17±0.2°および/または28.13±0.2°の2θにおける回折ピークをさらに含む。さらに好ましくは、化合物Iパラトルエンスルホン酸塩結晶形AのXRPDパターンが、約10.65±0.2°、12.77±0.2°および/または20.84±0.2°の2θにおける回折ピークをさらに含む。
いくつかの実施形態において、化合物Iパラトルエンスルホン酸塩結晶形AのXRPDパターンは、基本的に図7に示され、かつ好ましくは図7に示される通りである。
いくつかの実施形態において、化合物Iパラトルエンスルホン酸塩結晶形Aの吸熱ピークの開始温度は、約43.71℃±5℃であり、かつ好ましくは約43.71℃±2℃である。より好ましくは、化合物Iパラトルエンスルホン酸塩結晶形AのDSCチャートが、基本的に図8に示され、好ましくは図8に示される通りである。
いくつかの実施形態において、化合物Iパラトルエンスルホン酸塩結晶形AのTGAチャートは、基本的に図9に示され、好ましくは図9に示される通りである。
いくつかの実施形態において、化合物Iパラトルエンスルホン酸塩結晶形Aは、下記の特性の2つまたはすべてを有する。
(a)基本的に図7に示すXRPDパターン、
(b)基本的に図8に示すDSCチャート、および、
(c)基本的に図9に示すTGAチャート。
(a)基本的に図7に示すXRPDパターン、
(b)基本的に図8に示すDSCチャート、および、
(c)基本的に図9に示すTGAチャート。
化合物I結晶形態
本発明は、結晶形態である化合物Iを提供する。
本発明は、結晶形態である化合物Iを提供する。
化合物I結晶形I
いくつかの実施形態において、化合物Iは、化合物I結晶形Iであり、そのXRPDパターンが、最大強度で少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、または少なくとも6つの回折角2θ(°)を示す。
いくつかの実施形態において、化合物Iは、化合物I結晶形Iであり、そのXRPDパターンが、最大強度で少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、または少なくとも6つの回折角2θ(°)を示す。
いくつかの実施形態において、化合物I結晶形IのXRPDパターンは、約18.00±0.2°、19.55±0.2°、22.62±0.2°および/または27.20±0.2°の2θにおける回折ピークを含む。好ましくは、化合物I結晶形IのXRPDパターンが、約5.53±0.2°、15.95±0.2°および/または18.77±0.2°の2θにおける回折ピークをさらに含む。より好ましくは、化合物I結晶形IのXRPDパターンが、約14.12±0.2°、14.89±0.2°、16.89±0.2°、20.13±0.2°、20.36±0.2°、21.71±0.2°、24.86±0.2°および/または25.67±0.2°の2θにおける回折ピークをさらに含む。さらに好ましくは、化合物I結晶形IのXRPDパターンが、約11.18±0.2°、12.33±0.2°、12.67±0.2°、12.95±0.2°、14.46±0.2°、18.36±0.2°、20.87±0.2°、25.13±0.2°、26.16±0.2°、26.84±0.2°、27.80±0.2°および/または28.28±0.2°の2θにおける回折ピークをさらに含む。
いくつかの実施形態において、化合物I結晶形IのXRPDパターンは、基本的に図10に示され、かつ好ましくは図10に示される通りである。
いくつかの実施形態において、化合物I結晶形Iの吸熱ピークの開始温度は、約190.79℃±5℃であり、かつ好ましくは約190.79℃±2℃である。より好ましくは、化合物I結晶形IのDSCチャートは、基本的に図11に示され、好ましくは図11に示される通りである。
いくつかの実施形態において、化合物I結晶形IのTGAチャートは、基本的に図12に示され、好ましくは図12に示される通りである。
いくつかの実施形態において、化合物I結晶形Iは無水物である。
いくつかの実施形態において、化合物I結晶形Iは、下記の特性の2つまたはすべてを有する。
(a)基本的に図10に示すXRPDパターン、
(b)基本的に図11に示すDSCチャート、および、
(c)基本的に図12に示すTGAチャート。
(a)基本的に図10に示すXRPDパターン、
(b)基本的に図11に示すDSCチャート、および、
(c)基本的に図12に示すTGAチャート。
化合物I結晶形II
いくつかの実施形態において、化合物Iは、化合物I結晶形IIであり、そのXRPDパターンは、最大強度で少なくとも2つ、少なくとも3つ、または少なくとも4つの回折角2θ(°)を示す。
いくつかの実施形態において、化合物Iは、化合物I結晶形IIであり、そのXRPDパターンは、最大強度で少なくとも2つ、少なくとも3つ、または少なくとも4つの回折角2θ(°)を示す。
いくつかの実施形態において、化合物I結晶形IIのXRPDパターンは、約15.03±0.2°、16.25±0.2°、20.61±0.2°、21.69±0.2°および/または22.61±0.2°の2θにおける回折ピークを含む。
いくつかの実施形態において、化合物I結晶形IIのXRPDパターンは、基本的に図22に示され、かつ好ましくは図22に示される通りである。
いくつかの実施形態において、化合物I結晶形IIの吸熱ピークの開始温度は、約128.4℃±5℃であり、好ましくは約128.4℃±2℃である。より好ましくは、化合物I結晶形IIのDSCチャートは、基本的に図23に示され、好ましくは図23に示される通りである。
いくつかの実施形態において、化合物I結晶形IIのTGAチャートは、基本的に図24に示され、好ましくは図24に示される通りである。
化合物I結晶形III
いくつかの実施形態において、化合物I結晶形IIIのXRPDパターンは、基本的に図25に示され、かつ好ましくは図25に示される通りである。
いくつかの実施形態において、化合物I結晶形IIIのXRPDパターンは、基本的に図25に示され、かつ好ましくは図25に示される通りである。
いくつかの実施形態において、化合物I結晶形IIIのDSCチャートは、基本的に図26に示され、好ましくは図26に示される通りである。
いくつかの実施形態において、化合物I結晶形IIIのTGAチャートは、基本的に図27に示され、好ましくは図27に示される通りである。
化合物I結晶形IV
いくつかの実施形態において、化合物I結晶形IVのXRPDパターンは、基本的に図28に示され、かつ好ましくは図28に示される通りである。
いくつかの実施形態において、化合物I結晶形IVのXRPDパターンは、基本的に図28に示され、かつ好ましくは図28に示される通りである。
いくつかの実施形態において、化合物I結晶形IVのDSCチャートは、基本的に図29に示され、好ましくは図29に示される通りである。
いくつかの実施形態において、化合物I結晶形IVのTGAチャートは、基本的に図30に示され、好ましくは図30に示される通りである。
化合物I結晶形V
いくつかの実施形態において、化合物I結晶形VのXRPDパターンは、基本的に図31に示され、かつ好ましくは図31に示される通りである。
いくつかの実施形態において、化合物I結晶形VのXRPDパターンは、基本的に図31に示され、かつ好ましくは図31に示される通りである。
いくつかの実施形態において、化合物I結晶形VのDSCチャートは、基本的に図32に示され、好ましくは図32に示される通りである。
いくつかの実施形態において、化合物I結晶形VのTGAチャートは、基本的に図33に示され、好ましくは図33に示される通りである。
化合物I結晶形VI
いくつかの実施形態において、化合物Iは、化合物I結晶形VIであり、そのXRPDパターンは、最大強度で少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、または少なくとも6つの回折角2θ(°)を示す。
いくつかの実施形態において、化合物Iは、化合物I結晶形VIであり、そのXRPDパターンは、最大強度で少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、または少なくとも6つの回折角2θ(°)を示す。
いくつかの実施形態において、化合物I結晶形VIのXRPDパターンは、約18.04±0.2°、19.56±0.2°、22.63±0.2°および/または27.24±0.2°の2θにおける回折ピークを含む。好ましくは、化合物I結晶形VIのXRPDパターンが、約5.53±0.2°、15.91±0.2°および/または18.70±0.2°の2θにおける回折ピークをさらに含む。より好ましくは、化合物I結晶形VIのXRPDパターンが、約14.14±0.2°、14.88±0.2°、16.90±0.2°および/または20.37±0.2°の2θにおける回折ピークをさらに含む。さらに好ましくは、化合物I結晶形VIのXRPDパターンが、約11.17±0.2°、12.95±0.2°、20.89±0.2°、25.15±0.2°、26.21±0.2°、26.93±0.2°および/または27.81±0.2°の2θにおける回折ピークをさらに含む。
いくつかの実施形態において、化合物I結晶形VIのXRPDパターンは、基本的に図34に示され、かつ好ましくは図34に示される通りである。
いくつかの実施形態において、化合物I結晶形VIの吸熱ピークの開始温度は、約199.5℃±5℃であり、好ましくは約199.5℃±2℃である。より好ましくは、化合物I結晶形VIのDSCチャートは、基本的に図35に示され、好ましくは図35に示される通りである。
いくつかの実施形態において、化合物I結晶形VIのTGAチャートは、基本的に図36に示され、好ましくは図36に示される通りである。
いくつかの実施形態において、化合物I結晶形VIは無水物である。
結晶形の調製方法
本発明に係る化合物Iおよびその塩、各結晶形の形成は、特定の溶媒または溶媒の組み合わせの選択にある程度依存し、溶媒を組み合わせる方法も結晶形の形成に影響を与える可能性がある。本発明に係る各結晶形を調製するために用いられる溶媒には、限定されないが、例えば、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、アセトニトリル、酢酸エチル、N,N-ジメチルホルムアミドおよびそれらの任意の混合物が含まれる。
本発明に係る化合物Iおよびその塩、各結晶形の形成は、特定の溶媒または溶媒の組み合わせの選択にある程度依存し、溶媒を組み合わせる方法も結晶形の形成に影響を与える可能性がある。本発明に係る各結晶形を調製するために用いられる溶媒には、限定されないが、例えば、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、アセトニトリル、酢酸エチル、N,N-ジメチルホルムアミドおよびそれらの任意の混合物が含まれる。
不純物の存在は、化合物の1種の結晶形態に対して他方の結晶形態の形成を比較的助長する影響を与える可能性がある。したがって、本発明に係る化合物Iの塩(例えば、フマル酸塩)の場合、化合物Iと酸(例えば、フマル酸)との塩形成反応において、系内の不純物の存在は、形成される特定の結晶形に影響を与える。
本発明は、化合物Iまたはその塩の前述した1種または複数種の結晶形の調製方法を提供する。
いくつかの実施形態において、化合物Iをフマル酸と溶媒に反応させ、そして得られた固体を分離することを含む化合物Iフマル酸塩結晶形Aを調製するための方法であって、前記溶媒がメタノール、テトラヒドロフランまたは2-メチルテトラヒドロフランである方法を提供する。好ましくは、前記反応は、昇温した温度(例えば、約40~70℃、好ましくは約50~60℃、例えば、約55℃)で行う。
いくつかの実施形態において、化合物Iに溶媒を加え、そしてフマル酸を添加して反応させ、そして得られた固体を分離することを含む化合物Iフマル酸塩結晶形Aを調製するための方法であって、前記溶媒がメタノール、テトラヒドロフランまたは2-メチルテトラヒドロフランである方法を提供する。
いくつかの実施形態において、化合物Iをフマル酸と溶媒に反応させ、そして得られた固体を分離することを含む化合物Iフマル酸塩結晶形Bを調製するための方法であって、前記溶媒がメタノールである方法を提供する。好ましくは、前記反応は、昇温した温度(例えば、約40~70℃、好ましくは約50~60℃、例えば、約55℃)で行う。
いくつかの実施形態において、フマル酸に溶媒を加え、そして化合物Iを添加して反応させ、そして得られた固体を分離することを含む化合物Iフマル酸塩結晶形Bを調製するための方法であって、前記溶媒がメタノールである方法を提供する。
いくつかの実施形態において、化合物Iフマル酸塩(フマル酸塩結晶形Aまたはフマル酸塩結晶形B)を溶媒と混合し、そして攪拌し、かつ得られた固体を分離することを含む化合物Iフマル酸塩結晶形Cを調製するための方法であって、前記溶媒がエタノールと水の混合物である方法を提供する。好ましくは、攪拌は、結晶形Aまたは結晶形Bから結晶形Cへ変換するのに十分な時間、例えば、1~5日間、好ましくは2~4日間、例えば、3日間(72h)続く。攪拌は、室温で行ってもよい。
いくつかの実施形態において、化合物Iフマル酸塩(例えば、フマル酸塩結晶形A)を溶媒と混合し、そして攪拌し、かつ得られた固体を分離することを含む化合物Iフマル酸塩結晶形Dを調製するための方法であって、前記溶媒がN,N-ジメチルホルムアミドである方法を提供する。好ましくは、攪拌が、結晶形Aから結晶形Dへ変換するのに十分な時間、例えば、1~5日間、好ましくは2~4日間、例えば、3日間(72h)続く。攪拌は、温度20~40℃(例えば、20℃、30℃、40℃)で行ってもよい。
いくつかの実施形態において、化合物Iフマル酸塩(例えば、フマル酸塩結晶形A)を溶媒と混合し、そして貧溶媒を滴下し、かつ得られた固体を分離することを含む化合物Iフマル酸塩結晶形Fを調製するための方法であって、前記溶媒がN,N-ジメチルホルムアミドであり、貧溶媒が水である方法を提供する。
いくつかの実施形態において、化合物Iフマル酸塩(例えば、フマル酸塩結晶形F)を溶媒と混合し、そして攪拌し、かつ得られた固体を分離することを含む化合物Iフマル酸塩結晶形Gを調製するための方法であって、前記溶媒がn-ヘプタンである方法を提供する。好ましくは、攪拌が、結晶形Fから結晶形Gへ変換するのに十分な時間、例えば、1~5日間、好ましくは2~4日間、例えば、3日間(72h)続く。攪拌は、温度20~40℃(例えば、20℃、30℃、40℃)で行ってもよい。
いくつかの実施形態において、化合物Iをp-トルエンスルホン酸と溶媒に反応させ、そして得られた固体を分離することを含む化合物Iパラトルエンスルホン酸塩結晶形Aを調製するための方法であって、前記溶媒がアセトニトリルである方法を提供する。好ましくは、前記反応は室温または昇温した温度、例えば、約20~45℃の温度で行う。
いくつかの実施形態において、化合物Iを溶媒と混合し、そして攪拌し、かつ得られた固体を分離することを含む化合物I結晶形Iを調製するための方法であって、前記溶媒が酢酸エチルである方法を提供する。好ましくは、攪拌が、結晶形Iを生成するのに十分な時間、例えば、1~5日間、好ましくは2~4日間、例えば、3日間(72h)続く。攪拌は、室温で行ってもよい。
いくつかの実施形態において、化合物I結晶形(例えば、結晶形I)を溶媒と混合し、そして攪拌し、かつ得られた固体を分離することを含む化合物I結晶形IIを調製するための方法であって、前記溶媒がN,N-ジメチルホルムアミドである方法を提供する。好ましくは、攪拌は、結晶形Iから結晶形IIへ変換するのに十分な時間、例えば、1~5日間、好ましくは2~4日間、例えば、3日間(72h)続く。攪拌は、温度20~40℃(例えば、20℃、30℃、40℃)で行ってもよい。
いくつかの実施形態において、化合物Iを溶媒と混合し、そして攪拌し、かつ得られた固体を分離することを含む化合物I結晶形IIIを調製するための方法であって、前記溶媒がn-プロパノールである方法を提供する。好ましくは、攪拌は、結晶形IIIを生成するのに十分な時間、例えば、1~5日間、好ましくは2~4日間、例えば、3日間(72h)続く。攪拌は、室温で行ってもよい。
いくつかの実施形態において、化合物Iを溶媒と混合し、そして攪拌し、かつ得られた固体を分離することを含む化合物I結晶形IVを調製するための方法であって、前記溶媒がジクロロメタンである方法を提供する。好ましくは、攪拌は、結晶形IVを生産するのに十分な時間、例えば、1~5日間、好ましくは2~4日間、例えば、3日間(72h)続く。攪拌は、室温で行ってもよい。
いくつかの実施形態において、化合物Iを溶媒と混合し、そして攪拌し、かつ得られた固体を分離することを含む化合物I結晶形Vを調製するための方法であって、前記溶媒がアセトニトリルである方法を提供する。好ましくは、攪拌は、結晶形Vを生産するのに十分な時間、例えば、1~5日間、好ましくは2~4日間、例えば、3日間(72h)続く。攪拌は、室温で行ってもよい。
いくつかの実施形態において、化合物Iを溶媒と混合し、そして室温で放置し、かつ、得られた固体を分離することを含む化合物I結晶形VIを調製するための方法であって、前記溶媒がメタノールである方法を提供する。好ましくは、室温で結晶形VIを生成するのに十分の時間例えば、1h~5日間、例えば、5h、10h、1日間、3日間、5日間放置する。
以下、実施例によって本発明をさらに説明するが、その目的は、本発明をよりよく理解するための例示にすぎず、本発明の範囲を限定することを意図していない。
結晶形態の特徴づけ
X線粉末回折(XRPD)、示差走査熱量測定法(DSC)、熱重量分析法(TGA)および核磁気共鳴(NMR)スペクトルで、実施例で調製された各結晶形またはアモルファスに対し特徴づけを行う。
X線粉末回折(XRPD)、示差走査熱量測定法(DSC)、熱重量分析法(TGA)および核磁気共鳴(NMR)スペクトルで、実施例で調製された各結晶形またはアモルファスに対し特徴づけを行う。
特徴づけ方法
(1)XRPD
透過モードを採用してPANalytacal X’Pert3 Powder X線粉末回折分析メーターで各結晶形のXRPDパターンを取得する。スキャンされた2θ範囲は、3.5°~40°(CuKαエミッタ、波長1.5206Å)であり、スキャン電流は40mAであり、スキャン電圧は40KVである。室温でAbsolute scanを採用してステップサイズ0.013°、滞留時間50sの連続透過スキャンを実行する。
(1)XRPD
透過モードを採用してPANalytacal X’Pert3 Powder X線粉末回折分析メーターで各結晶形のXRPDパターンを取得する。スキャンされた2θ範囲は、3.5°~40°(CuKαエミッタ、波長1.5206Å)であり、スキャン電流は40mAであり、スキャン電圧は40KVである。室温でAbsolute scanを採用してステップサイズ0.013°、滞留時間50sの連続透過スキャンを実行する。
(2)DSC
TA DSC2500示差走査熱量計を採用して各結晶形のDSCチャートを取得する。テスト温度範囲は35℃~250℃であり、昇温速度は10℃/minである。テスト中、窒素ガスで50ml/minの流量でパージする。
TA DSC2500示差走査熱量計を採用して各結晶形のDSCチャートを取得する。テスト温度範囲は35℃~250℃であり、昇温速度は10℃/minである。テスト中、窒素ガスで50ml/minの流量でパージする。
(3)TGA
METTLER TOLEDO TGA1を採用して各結晶形のTGAチャートを取得する。テスト温度範囲は35℃~500℃であり、昇温速率は10℃/minである。テスト中に、窒素ガスで50ml/minの流量でパージする。
METTLER TOLEDO TGA1を採用して各結晶形のTGAチャートを取得する。テスト温度範囲は35℃~500℃であり、昇温速率は10℃/minである。テスト中に、窒素ガスで50ml/minの流量でパージする。
(4)核磁気共鳴(NMR)スペクトル
1H NMRは、Bruker超伝導核磁気共鳴分光計(番型AVACE III HD 400MHz)で取得する。
1H NMRは、Bruker超伝導核磁気共鳴分光計(番型AVACE III HD 400MHz)で取得する。
実施例
実施例1:2-(6-(6-((6-(4-フルオロ-1H-ピラゾール-1-イル)ビリジン-3-イル)メチル)-3,6-ジアザビシクロ[3.1.1]ヘプタン-3-イル)ビリジン-3-イル)-6-メチル-N-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)ピリミジン-4-アミン(化合物I)の調製
実施例1:2-(6-(6-((6-(4-フルオロ-1H-ピラゾール-1-イル)ビリジン-3-イル)メチル)-3,6-ジアザビシクロ[3.1.1]ヘプタン-3-イル)ビリジン-3-イル)-6-メチル-N-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)ピリミジン-4-アミン(化合物I)の調製
第1のステップ:3-(5-ブロモピリジン-2-イル)-3,6-ジアザビシクロ[3.1.1]ヘプタン-6-カルボン酸tert-ブチル(化合物1c)の調製
100mLの片口ボトルに化合物1a(1.50g)および1b(1.77g)を順番に加え、そして順番にDMSO(20.0mL)およびK2CO3(5.83g)を添加し、かつ窒素保護下で90℃に加熱し、20h攪拌した。反応が終了した後、反応液を室温まで冷却し、水(100mL)を添加して希釈し、かつEAで抽出した。有機相を合併し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した後減圧濃縮し、シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(PE:EA=5:1)で分離精製して、化合物1c(2.03g)を得た。MS m/z(ESI):354.1[M+H]+。
100mLの片口ボトルに化合物1a(1.50g)および1b(1.77g)を順番に加え、そして順番にDMSO(20.0mL)およびK2CO3(5.83g)を添加し、かつ窒素保護下で90℃に加熱し、20h攪拌した。反応が終了した後、反応液を室温まで冷却し、水(100mL)を添加して希釈し、かつEAで抽出した。有機相を合併し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した後減圧濃縮し、シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(PE:EA=5:1)で分離精製して、化合物1c(2.03g)を得た。MS m/z(ESI):354.1[M+H]+。
第2のステップ:3-(5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ビリジン-2-イル)-3,6-ジアザビシクロ[3.1.1]ヘプタン-6-カルボン酸tert-ブチル(化合物1d)の調製
100mLの片口ボトルに化合物1c(2.03g)、B2(pin)2(4.01g)、KOAc(1.55g)、1,4-ジオキサン(15.0mL)およびPd(dppf)Cl2・DCM(644.67mg)を順番に加え、かつ窒素保護下で90℃に加熱して反応させた。反応が終了した後、反応液を室温まで冷却し、水(30mL)を添加して希釈し、かつEAで抽出した(40mLx3)。有機相を合併し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した後乾燥まで減圧濃縮し、シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH=15:1)で分離精製して、化合物1d(2.11g)を得た。MS m/z(ESI):402.3[M+H]+。
100mLの片口ボトルに化合物1c(2.03g)、B2(pin)2(4.01g)、KOAc(1.55g)、1,4-ジオキサン(15.0mL)およびPd(dppf)Cl2・DCM(644.67mg)を順番に加え、かつ窒素保護下で90℃に加熱して反応させた。反応が終了した後、反応液を室温まで冷却し、水(30mL)を添加して希釈し、かつEAで抽出した(40mLx3)。有機相を合併し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した後乾燥まで減圧濃縮し、シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH=15:1)で分離精製して、化合物1d(2.11g)を得た。MS m/z(ESI):402.3[M+H]+。
第3のステップ:3-(5-(4-メチル-6-((5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)アミノ)ピリミジン-2-イル)ビリジン-2-イル)-3,6-ジアザビシクロ[3.1.1]ヘプタン-6-カルボン酸tert-ブチル(化合物1f)の調製
化合物1e(950mg)を1,4-ジオキサン(50.0mL)に溶解し、化合物1d(2.11g)、Cs2CO3(3.15g)および水(5.0mL)を順番に加え、そしてPd(dppf)Cl2・DCM(477.83mg)を添加し、かつ、窒素保護下で90℃に加熱して14h反応させた。反応が終了した後、反応液を室温まで冷却し、水(100mL)を添加して希釈し、かつEAで抽出した(60mLx3)。有機相を合併し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した後乾燥まで減圧濃縮して、化合物1f(587.0mg)を得た。MS m/z(ESI):463.3[M+H] +。
化合物1e(950mg)を1,4-ジオキサン(50.0mL)に溶解し、化合物1d(2.11g)、Cs2CO3(3.15g)および水(5.0mL)を順番に加え、そしてPd(dppf)Cl2・DCM(477.83mg)を添加し、かつ、窒素保護下で90℃に加熱して14h反応させた。反応が終了した後、反応液を室温まで冷却し、水(100mL)を添加して希釈し、かつEAで抽出した(60mLx3)。有機相を合併し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した後乾燥まで減圧濃縮して、化合物1f(587.0mg)を得た。MS m/z(ESI):463.3[M+H] +。
第4のステップ:2-(6-(3,6-ジアザビシクロ[3.1.1]ヘプタン-3-イル)ビリジン-3-イル)-6-メチル-N-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)ピリミジン-4-アミン(化合物1g)の調製
化合物1f(1.36g)をDCM(20.0mL)に溶解し、そしてTFA(20.0mL)を添加し、かつ、窒素保護下、室温で反応させた。反応が終了した後、反応液を乾燥まで減圧濃縮し、かつPrep-HPLCで分離精製して、化合物1gのトリフルオロ酢酸塩(587.0mg)を得た。MS m/z(ESI):363.3[M+H] +。
化合物1f(1.36g)をDCM(20.0mL)に溶解し、そしてTFA(20.0mL)を添加し、かつ、窒素保護下、室温で反応させた。反応が終了した後、反応液を乾燥まで減圧濃縮し、かつPrep-HPLCで分離精製して、化合物1gのトリフルオロ酢酸塩(587.0mg)を得た。MS m/z(ESI):363.3[M+H] +。
第5のステップ:2-(6-(6-((6-(4-フルオロ-1H-ピラゾール-1-イル)ビリジン-3-イル)メチル)-3,6-ジアザビシクロ[3.1.1]ヘプタン-3-イル)ビリジン-3-イル)-6-メチル-N-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)ピリミジン-4-アミン(化合物I)の調製
化合物1gのトリフルオロ酢酸塩(22.82mg)および化合物2a(27.47mg)をメタノール(1.0mL)に加え、そしてトリエチルアミン(4.45mg)およびシアノ水素化ホウ素ナトリウム(13.86mg)を順番に添加し、かつ室温で14h反応させた。反応が終了した後、反応液を乾燥まで減圧濃縮し、かつPrep-HPLCで分離精製して、アモルファス形態の化合物I(7.0mg)を得た。MS m/z(ESI):538.3[M+H] +。
化合物1gのトリフルオロ酢酸塩(22.82mg)および化合物2a(27.47mg)をメタノール(1.0mL)に加え、そしてトリエチルアミン(4.45mg)およびシアノ水素化ホウ素ナトリウム(13.86mg)を順番に添加し、かつ室温で14h反応させた。反応が終了した後、反応液を乾燥まで減圧濃縮し、かつPrep-HPLCで分離精製して、アモルファス形態の化合物I(7.0mg)を得た。MS m/z(ESI):538.3[M+H] +。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ11.98(s,1H),9.66(s,1H),9.12(d,J=2.16Hz,1H),8.67(dd,J=4.54,0.64Hz,1H),8.43(dd,J=8.94,2.28Hz,1H),8.41(d,J=1.68Hz,1H),7.98(dd,J=8.48,2.12Hz,1H),7.92(d,J=4.28Hz,1H),7.87(d,J=8.4Hz,1H),6.78(d,J=9.0Hz,2H),6.31(br,1H),3.78-3.71(m,4H),3.68-3.52(m,4H),2.59-2.52(m,1H),2.33(s,3H),2.25(s,3H),1.60(d,J=8.36Hz,1H).
実施例2:化合物Iフマル酸塩結晶形Aの調製
方法1:実施例1で調製された化合物I(10.0g)をガラスびんに入れ、テトラヒドロフラン200mLを添加し、かつ55℃に昇温した。フマル酸(2.59g)を添加し、55℃保温して反応させ、そしてろ過して化合物Iフマル酸塩結晶形Aを得た。
方法1:実施例1で調製された化合物I(10.0g)をガラスびんに入れ、テトラヒドロフラン200mLを添加し、かつ55℃に昇温した。フマル酸(2.59g)を添加し、55℃保温して反応させ、そしてろ過して化合物Iフマル酸塩結晶形Aを得た。
得られた化合物Iフマル酸塩結晶形AのXRPDパターンは図1に示され、XRPDピーク位置と相対ピーク強度は、表1にリストされた。
方法2:実施例1で調製された化合物I(10.0g)をガラスびんに入れ、メタノール200mLを添加し、かつ55℃に昇温した。種結晶としての化合物Iアモルファス粉を添加し、フマル酸(2.59g)を添加し、55℃保温して反応させ、そしてろ過して化合物Iフマル酸塩結晶形Aを得た。
方法3:実施例1で調製された化合物I(10.0g)をガラスびんに入れ、2-メチルテトラヒドロフラン200mLを加え、かつ55℃に昇温した。フマル酸(2.59g)を添加し、55℃保温して反応させ、そしてろ過して化合物Iフマル酸塩結晶形Aを得た。
方法2および方法3で得られた化合物Iフマル酸塩結晶形AのXRPDパターンは、基本的に図1に示される通りであった。
実施例3:化合物Iフマル酸塩結晶形Bの調製
フマル酸(3.24g)をガラスびんに入れ、メタノール200mLを加え、かつ55℃に昇温した。実施例1で調製された化合物I(10.0g)をバッチで添加し、55℃保温して反応させ、そしてろ過して化合物Iフマル酸塩結晶形Bを得た。
フマル酸(3.24g)をガラスびんに入れ、メタノール200mLを加え、かつ55℃に昇温した。実施例1で調製された化合物I(10.0g)をバッチで添加し、55℃保温して反応させ、そしてろ過して化合物Iフマル酸塩結晶形Bを得た。
得られた化合物Iフマル酸塩結晶形BのXRPDパターンは、図4に示され、XRPDピーク位置および相対ピーク強度は、表2にリストされた。
得られた化合物Iフマル酸塩結晶形BのDSCチャートは、図5に示され、サンプル吸熱ピークの開始温度は、約202.21℃±2℃であった。
実施例4:化合物Iフマル酸塩結晶形Cの調製
方法1:化合物Iフマル酸塩結晶形A(200mg)をガラスびんに入れ、エタノール4mLおよび水2mLを添加し、室温で72h攪拌し、そしてろ過して化合物Iフマル酸塩結晶形Cを得た。
方法1:化合物Iフマル酸塩結晶形A(200mg)をガラスびんに入れ、エタノール4mLおよび水2mLを添加し、室温で72h攪拌し、そしてろ過して化合物Iフマル酸塩結晶形Cを得た。
得られた化合物Iフマル酸塩結晶形CのXRPDパターンは、図6に示され、XRPDピーク位置および相対ピーク強度は、表3にリストされた。
方法2:化合物Iフマル酸塩結晶形B(200mg)をガラスびんに入れ、エタノール4mLおよび水2mLを添加し、かつ室温で72h攪拌し、そしてろ過して化合物Iフマル酸塩結晶形Cを得た。得られた化合物Iフマル酸塩結晶形CのXPRDパターンは、基本的に図6にされる通りであった。
実施例5:化合物Iパラトルエンスルホン酸塩結晶形Aの調製
実施例1で調製された化合物I(50mg)をガラスびんに入れ、アセトニトリル2mLおよびp-トルエンスルホン酸(37.2mg)を添加し、かつ20~45℃で48h攪拌し、そしてろ過して化合物Iパラトルエンスルホン酸塩結晶形Aを得た。
実施例1で調製された化合物I(50mg)をガラスびんに入れ、アセトニトリル2mLおよびp-トルエンスルホン酸(37.2mg)を添加し、かつ20~45℃で48h攪拌し、そしてろ過して化合物Iパラトルエンスルホン酸塩結晶形Aを得た。
化合物Iパラトルエンスルホン酸塩結晶形AのXRPDパターンは、図7に示され、XRPDピーク位置および相対ピーク強度は、表4にリストされた。
化合物Iパラトルエンスルホン酸塩結晶形AのDSCチャートは、図8に示され、サンプル吸熱ピークの開始温度は約43.71℃±2℃であった。
化合物Iパラトルエンスルホン酸塩結晶形AのTGAチャートは、図9に示され、当該結晶形は、無水物であった。
実施例6:化合物I結晶形Iの調製
実施例1で調製された化合物I(1.0g)をガラスびんに入れ、酢酸エチル20mLを添加し、かつ室温で72h攪拌し、そしてろ過して化合物I結晶形Iを得た。
実施例1で調製された化合物I(1.0g)をガラスびんに入れ、酢酸エチル20mLを添加し、かつ室温で72h攪拌し、そしてろ過して化合物I結晶形Iを得た。
化合物I結晶形IのXRPDパターンは、図10に示され、XRPDピーク位置および相対ピーク強度は、表5にリストされた。
化合物I結晶形IのDSCチャートは、図11に示され、サンプル吸熱ピークの開始温度は、約190.79℃±2℃であった。
化合物I結晶形IのTGAチャートは、図12に示され、当該結晶形は無水物であった。
実施例7:化合物Iフマル酸塩結晶形Aの調製
化合物Iフマル酸塩結晶形C(6g)を45℃で無水エタノールに12h以上攪拌して化合物Iフマル酸塩結晶を得た。当該結晶は、核磁気共鳴スペクトルによって特徴づけを行い、1H NMRデータは、以下の通りであった。
化合物Iフマル酸塩結晶形C(6g)を45℃で無水エタノールに12h以上攪拌して化合物Iフマル酸塩結晶を得た。当該結晶は、核磁気共鳴スペクトルによって特徴づけを行い、1H NMRデータは、以下の通りであった。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ12.68(br,3H),9.65(s,1H),9.13(d,J=2.0Hz,1H),8.66(d,J=4.4Hz,1H),8.44(dd,J=8.8,2.0Hz,1H),8.41(d,J=1.2Hz,1H),7.97(dd,J=8.4,1.6Hz,1H),7.91(d,J=4.4Hz,1H),7.86(d,J=8.4Hz,1H),6.81(br,1H),6.77(d,J=8.8Hz,1H),6.62(s,2H),6.30(br,1H),3.79-3.76(m,4H),3.67-3.60(m,4H),2.62-2.56(m,1H),2.33(s,3H),2.25(s,3H),1.61(d,J=8.4Hz,1H).
得られた結晶のXRPDパターンは、図2に示され、XRPDピーク位置および相対ピーク強度は、表6にリストされた。得られたXRPDデータから分かるように、得られた結晶は、化合物Iフマル酸塩結晶形Aであった。
得られた結晶のXRPDパターンは、図2に示され、XRPDピーク位置および相対ピーク強度は、表6にリストされた。得られたXRPDデータから分かるように、得られた結晶は、化合物Iフマル酸塩結晶形Aであった。
DSCチャートは、図3Aに示され、サンプル吸熱ピークの開始温度は、約206.5℃±2℃であった。
TGAチャートは、図3Bに示され、当該結晶形は無水物であった。
実施例8:化合物Iフマル酸塩結晶形Dの調製
化合物Iフマル酸塩結晶形A(約200mg)をDMF(約1ml)に20℃または40℃で72h懸濁攪拌して化合物Iフマル酸塩結晶形Dを得た。得られた結晶形DのXRPDパターンは、図13に示され、XRPDピーク位置および相対ピーク強度は、表7にリストされた。DSCチャートは、図14に示され、サンプル吸熱ピークの開始温度(onset)は、約159.0℃±2℃であった。TGAチャートは、図15に示され、180℃に加熱されたときの重量減少は、約11%であった。
化合物Iフマル酸塩結晶形A(約200mg)をDMF(約1ml)に20℃または40℃で72h懸濁攪拌して化合物Iフマル酸塩結晶形Dを得た。得られた結晶形DのXRPDパターンは、図13に示され、XRPDピーク位置および相対ピーク強度は、表7にリストされた。DSCチャートは、図14に示され、サンプル吸熱ピークの開始温度(onset)は、約159.0℃±2℃であった。TGAチャートは、図15に示され、180℃に加熱されたときの重量減少は、約11%であった。
実施例9:化合物Iフマル酸塩結晶形Fの調製
化合物Iフマル酸塩結晶形A(4.0g)を熱いDMF(60ml)に溶解し、精製水140mlを添加した。化合物Iフマル酸塩結晶形Fの種結晶(約100mg/ml化合物Iフマル酸塩500μlの溶液に水1.5mlを添加し、結晶形Fの種結晶を析出した)を添加した後精製水40mlを滴下した。固体をろ過し、乾燥して化合物Iフマル酸塩結晶形F(2.67g)を得た。得られた結晶形FのXRPDパターンは、図16に示され、XRPDピーク位置および相対ピーク強度は、表8にリストされた。DSCパターンは、図17に示されるように、40~150℃で広い吸熱ピークを有した。TGAチャートは、図18に示され、100℃に加熱されたときの重量減少は、約10%であった。
化合物Iフマル酸塩結晶形A(4.0g)を熱いDMF(60ml)に溶解し、精製水140mlを添加した。化合物Iフマル酸塩結晶形Fの種結晶(約100mg/ml化合物Iフマル酸塩500μlの溶液に水1.5mlを添加し、結晶形Fの種結晶を析出した)を添加した後精製水40mlを滴下した。固体をろ過し、乾燥して化合物Iフマル酸塩結晶形F(2.67g)を得た。得られた結晶形FのXRPDパターンは、図16に示され、XRPDピーク位置および相対ピーク強度は、表8にリストされた。DSCパターンは、図17に示されるように、40~150℃で広い吸熱ピークを有した。TGAチャートは、図18に示され、100℃に加熱されたときの重量減少は、約10%であった。
実施例10:化合物Iフマル酸塩結晶形Gの調製
化合物Iフマル酸塩結晶形F(約100mg)を40℃でn-ヘプタン1mlに72h懸濁攪拌した。固体をろ過、乾燥して化合物Iフマル酸塩結晶形Gを得た。得られた結晶形GのXRPDパターンは、図19に示され、XRPDピーク位置および相対ピーク強度は、表9にリストされた。DSCチャートは、図20に示されるように、40~140℃で広い吸熱ピークを有した。TGAチャートは、図21に示され、100℃に加熱されたときの重量減少は、約10%であった。
化合物Iフマル酸塩結晶形F(約100mg)を40℃でn-ヘプタン1mlに72h懸濁攪拌した。固体をろ過、乾燥して化合物Iフマル酸塩結晶形Gを得た。得られた結晶形GのXRPDパターンは、図19に示され、XRPDピーク位置および相対ピーク強度は、表9にリストされた。DSCチャートは、図20に示されるように、40~140℃で広い吸熱ピークを有した。TGAチャートは、図21に示され、100℃に加熱されたときの重量減少は、約10%であった。
実施例11:化合物Iアモルファスの調製
化合物I結晶形I(3.3g)をテトラヒドロフラン(100ml)に溶解し、50℃にロータリーエバポレーターで溶媒を速やかに除去して化合物Iアモルファスを得た。得られたアモルファスのXRPDパターンは、図37に示される通りであった。
化合物I結晶形I(3.3g)をテトラヒドロフラン(100ml)に溶解し、50℃にロータリーエバポレーターで溶媒を速やかに除去して化合物Iアモルファスを得た。得られたアモルファスのXRPDパターンは、図37に示される通りであった。
実施例12:化合物I結晶形IIの調製
化合物I結晶形I(約100mg)のDMF 1mlに40℃で72h懸濁攪拌した後遠心し、固体をn-ヘプタンで洗浄した後、乾燥して化合物I結晶形IIを得た。得られた結晶形IIのXRPDパターンは、図22に示され、XRPDピーク位置および相対ピーク強度は、表10にリストされた。DSCチャートは、図23に示される通りであった。TGAチャートは、図24に示され、160℃に加熱されたときの重量減少は、13.6%であった。
化合物I結晶形I(約100mg)のDMF 1mlに40℃で72h懸濁攪拌した後遠心し、固体をn-ヘプタンで洗浄した後、乾燥して化合物I結晶形IIを得た。得られた結晶形IIのXRPDパターンは、図22に示され、XRPDピーク位置および相対ピーク強度は、表10にリストされた。DSCチャートは、図23に示される通りであった。TGAチャートは、図24に示され、160℃に加熱されたときの重量減少は、13.6%であった。
実施例13:化合物I結晶形IIIの調製
化合物Iアモルファス(約100mg)をn-プロパノール 1mlに20℃で72h懸濁攪拌した後遠心し、乾燥して化合物I結晶形IIIを得た。得られた結晶形IIIのXRPDパターンは、図25に示され、XRPDピーク位置および相対ピーク強度は、表11にリストされた。DSCチャートは、図26に示される通りであった。TGAチャートは、図27に示され、160℃に加熱されたときの重量減少は、10.4%であった。
化合物Iアモルファス(約100mg)をn-プロパノール 1mlに20℃で72h懸濁攪拌した後遠心し、乾燥して化合物I結晶形IIIを得た。得られた結晶形IIIのXRPDパターンは、図25に示され、XRPDピーク位置および相対ピーク強度は、表11にリストされた。DSCチャートは、図26に示される通りであった。TGAチャートは、図27に示され、160℃に加熱されたときの重量減少は、10.4%であった。
実施例14:化合物I結晶形IVの調製
化合物Iアモルファス(約100mg)をジクロロメタン 1mlに20℃で72h懸濁攪拌した後遠心し、乾燥して化合物I結晶形IVを得た。得られた結晶形IVのXRPDパターンは、図28に示され、XRPDピーク位置および相対ピーク強度は、表12にリストされた。DSCチャートは、図29にリストされる通りであった。TGAチャートは、図30にリストされ、220℃に加熱されたときの重量減少は、約4%であった。
化合物Iアモルファス(約100mg)をジクロロメタン 1mlに20℃で72h懸濁攪拌した後遠心し、乾燥して化合物I結晶形IVを得た。得られた結晶形IVのXRPDパターンは、図28に示され、XRPDピーク位置および相対ピーク強度は、表12にリストされた。DSCチャートは、図29にリストされる通りであった。TGAチャートは、図30にリストされ、220℃に加熱されたときの重量減少は、約4%であった。
実施例15:化合物I結晶形Vの調製
化合物Iアモルファス(約100mg)をアセトニトリル1mlに20℃で72h懸濁攪拌した後遠心し、乾燥して化合物I結晶形Vを得た。得られた結晶形VのXRPDパターンは、図31に示され、XRPDピーク位置および相対ピーク強度は、表13にリストされた。DSCチャートは、図32に示される通りであった。TGAチャートは、図33に示され、80℃に加熱されたときの重量減少は、約5%であった。
化合物Iアモルファス(約100mg)をアセトニトリル1mlに20℃で72h懸濁攪拌した後遠心し、乾燥して化合物I結晶形Vを得た。得られた結晶形VのXRPDパターンは、図31に示され、XRPDピーク位置および相対ピーク強度は、表13にリストされた。DSCチャートは、図32に示される通りであった。TGAチャートは、図33に示され、80℃に加熱されたときの重量減少は、約5%であった。
実施例16:化合物I結晶形VIの調製
化合物Iアモルファス(約100mg)を無水メタノール1mgに溶解し、ゆっくりと揮発させて化合物I結晶形VIを得た。得られた結晶形VIのXRPDパターンは、図34に示され、XRPDピーク位置および相対ピーク強度は、表14にリストされた。DSCチャートは、図35に示され、サンプル吸熱ピークの開始温度(onset)は、約199.5℃であった。TGAチャートは、図36に示され、サンプルは、融解前に重量減少が基本的になし、結晶形VIが無水結晶形であると表明された。
化合物Iアモルファス(約100mg)を無水メタノール1mgに溶解し、ゆっくりと揮発させて化合物I結晶形VIを得た。得られた結晶形VIのXRPDパターンは、図34に示され、XRPDピーク位置および相対ピーク強度は、表14にリストされた。DSCチャートは、図35に示され、サンプル吸熱ピークの開始温度(onset)は、約199.5℃であった。TGAチャートは、図36に示され、サンプルは、融解前に重量減少が基本的になし、結晶形VIが無水結晶形であると表明された。
実施例17:化合物Iフマル酸塩結晶形Cの調製
化合物Iフマル酸塩結晶形A(6g)をガラスびんに入れ、エタノール30mLおよび水30mLを添加し、45℃で12h攪拌し、ろ過して化合物Iフマル酸塩結晶形Cを得た。得られた結晶形CのXRPDパターンは、図38に示され、XRPDピーク位置および相対ピーク強度は、表15にリストされた。DSCチャートは、図39に示される通りであった。TGAチャートは、図40に示され、100℃に加熱されたときの重量減少は、約7%であった。
化合物Iフマル酸塩結晶形A(6g)をガラスびんに入れ、エタノール30mLおよび水30mLを添加し、45℃で12h攪拌し、ろ過して化合物Iフマル酸塩結晶形Cを得た。得られた結晶形CのXRPDパターンは、図38に示され、XRPDピーク位置および相対ピーク強度は、表15にリストされた。DSCチャートは、図39に示される通りであった。TGAチャートは、図40に示され、100℃に加熱されたときの重量減少は、約7%であった。
試験例1:化合物Iフマル酸塩結晶形Aの溶解度測定
化合物Iフマル酸塩結晶形Aの異なるpHでの溶解度データを表16にリストした。
化合物Iフマル酸塩結晶形Aの異なるpHでの溶解度データを表16にリストした。
試験例2:化合物Iフマル酸塩結晶形Aの安定性試験
化合物Iフマル酸塩結晶形Aの影響要因の条件下での安定性データを、表17(HPLC純度:面積で規格化された純度)にリストした。
化合物Iフマル酸塩結晶形Aの影響要因の条件下での安定性データを、表17(HPLC純度:面積で規格化された純度)にリストした。
試験結果は、化合物I結晶形Aが高温/高湿度条件下で優れた安定性を持っていることを示した。
試験例3:化合物Iフマル酸塩結晶形Aの動的水分吸着試験
設備情報:SMS(Surface Measurement Systems)Intrinsic
試験方法:温度25℃、保護ガスN2、最大バランス時間120min、RH範囲0%-90%-0%。
設備情報:SMS(Surface Measurement Systems)Intrinsic
試験方法:温度25℃、保護ガスN2、最大バランス時間120min、RH範囲0%-90%-0%。
化合物Iフマル酸塩結晶形AのDVSプロットは、図41に示され、湿度が90%まで上昇したとき、化合物Iフマル酸塩結晶形Aは、水分約0.7%を吸着し、湿度90%から湿度0%まで下げたとき、吸着された水分は、完全に脱着できた。DVS試験の前後で結晶形は変化しなかった。
試験例4:化合物I結晶形VIの動的水分吸着試験
設備情報:SMS(Surface Measurement Systems)Intrinsic
試験方法:温度25℃、保護ガスN2、最大バランス時間120min、RH範囲0%-90%-0%。
設備情報:SMS(Surface Measurement Systems)Intrinsic
試験方法:温度25℃、保護ガスN2、最大バランス時間120min、RH範囲0%-90%-0%。
化合物I結晶形VIのDVSプロットは、図42に示され、湿度が90%まで上昇したとき、化合物Iフマル酸塩結晶形VIは、水分約0.6%を吸着し、湿度90%から湿度0%まで下げたとき、吸着された水分は、完全に脱着できた。DVS試験の前後で結晶形は変化しなかった。
試験例5:RET酵素に対する化合物Iフマル酸塩結晶形Aの阻害作用
HTRF KinEASE-TK(Cisbio)キットを採用してRET野生型、RET突然変異型(RETV804M、RETV804LおよびRETM918T)およびRET融合型(CCDC6-RETおよびKIF5B-RET)に対する化合物Iフマル酸塩結晶形Aの活性阻害作用を測定した。
HTRF KinEASE-TK(Cisbio)キットを採用してRET野生型、RET突然変異型(RETV804M、RETV804LおよびRETM918T)およびRET融合型(CCDC6-RETおよびKIF5B-RET)に対する化合物Iフマル酸塩結晶形Aの活性阻害作用を測定した。
前述した異なるタイプのRET酵素を異なる濃度の測定化合物(9つの濃度点)と室温で30min予備インキュベートした後、基質とアデノシン三リン酸(ATP)を添加して反応を開始した。室温で40minインキュベートした後TK抗体-クリプテートとアビジンストレプトシン-XL665を添加し、室温で60minインキュベートして検出した。異なるタイプのRET酵素の反応条件を次の表に示した。
溶媒群(DMSO)を陰性対照とし、緩衝液群(RET酵素を含まない)をブランク対照として、異なる濃度の化合物の相対的な阻害活性百分率を次の式に従って計算した。
相対的な阻害活性百分率=1-(異なる濃度の化合物群-ブランク対照)/(陰性対照-ブランク対照)*100%
異なる濃度の化合物の相対的な阻害活性百分率を化合物濃度に対してプロットし、曲線を4パラメーターモデルに従ってフィッティングしてIC50値を次の式で計算した。
異なる濃度の化合物の相対的な阻害活性百分率を化合物濃度に対してプロットし、曲線を4パラメーターモデルに従ってフィッティングしてIC50値を次の式で計算した。
野生型RET酵素、RETV804M酵素、RETV804L酵素、RETM918T酵素、CCDC6-RET酵素、KIF5B-RET酵素に対する本願に係る化合物Iフマル酸塩結晶形Aの阻害作用を、次の表に示した。
前記の表のデータは、化合物Iフマル酸塩結晶形Aが測定された6つのタイプのRETキナーゼ(RET、RETV804M、RETV804L、RETM918T、CCDC6-RETおよびKIF5B-RET)の酵素活性に対して明らかな阻害作用を有することを示した。
試験例6:マウスにおける化合物Iフマル酸塩結晶形Aの薬物動態研究
雌のBalb/cマウス(6匹)に1mg/kgの化合物Iフマル酸塩結晶Aを経口浣腸で投与した。化合物は、まず0.5%メチルセルロース溶液で溶解し、かつ超音波をかけ、化合物が完全に溶解または均一に懸濁していることを確認した。投与した後30min、1h、2h、4h、8h、12h、16h、24hで0.2mlの血液(EDTA-K2抗凝固)を静脈から採取した。採取した全血をアイスボックスに一時的に保管し、2h以内に10min遠心して血漿を分離し(4℃)、収集された血漿を-80℃の冷蔵庫で保存し、測定に用いられた。
雌のBalb/cマウス(6匹)に1mg/kgの化合物Iフマル酸塩結晶Aを経口浣腸で投与した。化合物は、まず0.5%メチルセルロース溶液で溶解し、かつ超音波をかけ、化合物が完全に溶解または均一に懸濁していることを確認した。投与した後30min、1h、2h、4h、8h、12h、16h、24hで0.2mlの血液(EDTA-K2抗凝固)を静脈から採取した。採取した全血をアイスボックスに一時的に保管し、2h以内に10min遠心して血漿を分離し(4℃)、収集された血漿を-80℃の冷蔵庫で保存し、測定に用いられた。
化合物Iの血中濃度はLC-MS/MSで検出され、線形範囲は10~10000ng/mlであった。計算された薬物動態パラメータを下の表に示した。
上記の表のデータは、化合物Iフマル酸塩結晶形Aがマウスにおいて、優れた薬物動態特性を有することを示した。
前述した具体的な実施形態は、本発明をさらに詳細に説明するものである。しかし、これは、本発明の前述した主題の範囲が列挙された実施例に限定されると解釈されるべきではなく、本発明の内容に基づいて実施されるすべての技術案はすべて本発明の範囲に含まれる。
Claims (18)
- 化合物Iフマル酸塩結晶形Aであって、前記結晶形AのXRPDスペクトルは、約5.44±0.2°、9.75±0.2°および/または18.43±0.2°の2θにおける回折ピークを含み、好ましくは、約17.28±0.2°、18.13±0.2°、26.55±0.2°および/または27.86±0.2°の2θにおける回折ピークをさらに含み、より好ましくは、約10.99±0.2°、12.09±0.2°、13.89±0.2°、14.87±0.2°、16.25±0.2°および/または19.11±0.2°の2θにおける回折ピークをさらに含み、さらに好ましくは、約15.63±0.2°、20.48±0.2°、21.55±0.2°、22.14±0.2°、22.55±0.2°、23.56±0.2°、23.83±0.2°および/または29.86±0.2°の2θにおける回折ピークを含み、かつ、よりさらに好ましくは、約12.84±0.2°、16.56±0.2°、16.74±0.2°、17.02±0.2°、19.70±0.2°、21.08±0.2°および/または25.64±0.2°の2θにおける回折ピークをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の化合物Iの塩。
- 前記結晶形AのXRPDパターンは、基本的に図1または図2に示され、かつ好ましくは、図1または図2に示される通りであり、
好ましくは、前記結晶形Aにおける化合物Iとフマル酸とのモル比が1:1であることを特徴とする、請求項2に記載の化合物Iの塩。 - 化合物Iフマル酸塩結晶形Bであって、前記結晶形BのXRPDパターンは、約9.12±0.2°、16.57±0.2°、24.78±0.2°および/または25.74±0.2°の2θにおける回折ピークを含み、好ましくは、約15.64±0.2°、18.05±0.2°、21.13±0.2°および/または22.08±0.2°の2θにおける回折ピークをさらに含み、より好ましくは、約13.62±0.2°、15.29±0.2°、21.81±0.2°、25.58±0.2°および/または26.91±0.2°の2θにおける回折ピークをさらに含み、かつ、さらに好ましくは、約5.70±0.2°、11.50±0.2°、16.26±0.2°、17.31±0.2°、19.64±0.2°、23.87±0.2°および/または27.24±0.2°の2θにおける回折ピークをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の化合物Iの塩。
- 前記結晶形BのXRPDパターンは、基本的に図4に示され、かつ、好ましくは、図4に示される通りであることを特徴とする、請求項4に記載の化合物Iの塩。
- 化合物Iフマル酸塩結晶形Cであって、前記結晶形CのXRPDパターンは、約9.13±0.2°および/または26.08±0.2°の2θにおける回折ピークを含み、好ましくは、約11.09±0.2°、17.63±0.2°、18.08±0.2°、20.21±0.2°、22.31±0.2°および/または27.92±0.2°の2θにおける回折ピークをさらに含み、より好ましくは、約10.05±0.2°、13.27±0.2°、13.78±0.2°、14.39±0.2°および/または17.24±0.2°の2θにおける回折ピークをさらに含み、かつ、さらに好ましくは、約8.58±0.2°、16.84±0.2°、23.12±0.2°および/または25.13±0.2°の2θにおける回折ピークをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の化合物Iの塩。
- 前記結晶形CのXRPDパターンは、基本的に図6または図38に示され、かつ、好ましくは、図6または図38に示される通りであることを特徴とする、請求項6に記載の化合物Iの塩。
- 化合物Iフマル酸塩結晶形Dであって、前記結晶形DのXRPDパターンが、基本的に図13に示され、かつ、好ましくは、図13に示される通りである化合物Iのフマル酸塩の結晶形D、
化合物Iフマル酸塩結晶形Fであって、前記結晶形FのXRPDパターンが、基本的に図16に示され、かつ、好ましくは、図16に示される通りである化合物Iのフマル酸塩の結晶形F、または、
化合物Iフマル酸塩結晶形Gであって、前記結晶形GのXRPDパターンが、基本的に図19に示され、かつ、好ましくは、図19に示される通りである化合物Iのフマル酸塩の結晶形G、
であることを特徴とする、請求項1に記載の化合物Iの塩。 - 化合物Iパラトルエンスルホン酸塩結晶形Aであって、前記結晶形AのXRPDパターンは、約4.69±0.2°および/または13.87±0.2°の2θにおける回折ピークを含み、好ましくは、約16.98±0.2°、18.23±0.2°、19.27±0.2°、19.98±0.2°、22.08±0.2°、23.35±0.2°および/または25.78±0.2°の2θにおける回折ピークをさらに含み、より好ましくは、約8.25±0.2°、12.23±0.2°、15.60±0.2°、17.83±0.2°、22.49±0.2°、24.30±0.2°、25.17±0.2°および/または28.13±0.2°の2θにおける回折ピークをさらに含み、かつ、さらに好ましくは、約10.65±0.2°、12.77±0.2°および/または20.84±0.2°の2θにおける回折ピークをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の化合物Iの塩。
- 前記結晶形AのXRPDパターンは、基本的に図7に示され、かつ、好ましくは、図7に示される通りであることを特徴とする、請求項9に記載の化合物Iの塩。
- 結晶形態であり、好ましくは結晶形Iであり、
- 前記結晶形IのXRPDパターンは、基本的に図10に示され、かつ、好ましくは、図10に示される通りであることを特徴とする、請求項11に記載の化合物I。
- 結晶形態であり、好ましくは化合物I結晶形VIであり、
- 前記結晶形VIのXRPDパターンは、基本的に図34に示され、好ましくは図34に示される通りであることを特徴とする請求項15に記載の化合物I。
- 請求項1~10のいずれか一項に記載の化合物Iの塩(例えば、化合物Iフマル酸塩またはパラトルエンスルホン酸塩、特に化合物Iフマル酸塩の結晶形A、結晶形B、結晶形C、結晶形D、結晶形Fまたは結晶形G、あるいは、パラトルエンスルホン酸塩結晶形A)、あるいは、請求項11~16のいずれか一項に記載の結晶形態の化合物I(例えば、結晶形I、結晶形II、結晶形III、結晶形IV、結晶形Vまたは結晶形VI)、および、1種または複数種の薬学的に許容される担体を含む、薬物組成物。
- RET活性に関連する疾患または症候を予防または治療する方法であって、これを必要とする個体に、治療有効量の請求項1~10のいずれか一項に記載の化合物Iの塩(例えば、化合物Iフマル酸塩またはパラトルエンスルホン酸塩、特に化合物Iフマル酸塩の結晶形A、結晶形B、結晶形C、結晶形D、結晶形Fまたは結晶形G、あるいは、パラトルエンスルホン酸塩結晶形A)、あるいは、請求項11~16のいずれか一項に記載の結晶形態の化合物I(例えば、結晶形I、結晶形II、結晶形III、結晶形IV、結晶形Vまたは結晶形VI)、またはそれらの任意の組み合わせを投与することを含み、前記RET活性に関連する疾患または症候は、過敏性腸症候群、あるいは、肺癌(例えば非小細胞肺癌)、乳癌、頭頸部癌、直腸癌、肝臓癌、リンパ腫、甲状腺癌(例えば甲状腺髄様癌又は乳頭甲状腺癌)、大腸がん、多発性骨髄腫、黒色腫、神経膠腫、脳腫瘍又は肉腫を含む癌または腫瘍である、RET活性に関連する疾患または症候を予防または治療する方法。
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