JP2023535356A - 有機ケイ素化合物、リン酸エステルおよび染色化合物を使用することを含むケラチン物質の染色方法 - Google Patents

有機ケイ素化合物、リン酸エステルおよび染色化合物を使用することを含むケラチン物質の染色方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、以下の工程:ケラチン物質への剤(a)の適用工程、ここで前記剤(a)は以下を含む:(a1)1、2または3つのケイ素原子を有するシランを含む群からの少なくとも1つの有機ケイ素化合物、および(a2)少なくとも1つのリン酸エステル、およびケラチン物質への剤(b)の適用工程、ここで前記剤(b)は以下を含む:(b1)少なくとも1つのシーリング試薬を含む、ケラチン物質、特にヒトの毛髪の染色方法であって、前記剤(a)および(b)の少なくとも1つは、顔料および/または直接染料の群からの少なくとも1つの染色化合物をさらに含む方法に関する。

Description

本出願の主題は、2つの剤(a)および(b)の適用を含む、ケラチン物質、特にヒトの毛髪を処理するための方法である。前記剤(a)は、少なくとも1つの有機ケイ素化合物(a1)および少なくとも1つのリン酸エステル(a2)を含有することを特徴とする。前記剤(b)は、少なくとも1つのシーリング試薬(b1)を含有する。さらに、剤(a)または剤(b)のいずれか、または剤(a)および(b)の両方が、顔料および/または直接染料からなる群から選択される少なくとも1つの着色剤化合物を含有する。
本出願のさらなる主題は、別々に調製された少なくとも3つの剤(a’)、(a’’)および(b)を含む、ケラチン物質、特にヒトの毛髪を染色するための多成分パッケージユニット(キット・オブ・パーツ)である。剤(a’)および(a’’)は、上記方法で使用される剤(a)を調製するために使用できる。
また、本出願のさらなる主題は、別々に調製された少なくとも5つの剤(a’)、(a’’)、(b’)および(b’’)を含む、ケラチン物質、特にヒトの毛髪を染色するための多成分パッケージユニット(キット・オブ・パーツ)である。剤(a’)および(a’’)から、上記の方法で使用される剤(a)を調製でき、剤(b’)および(b’’)から、上記の方法で使用される剤(b)を調製できる。
ケラチン繊維、特に毛髪の形状および色を変えることは現代の化粧料の重要な領域である。毛髪の色を変えるために、専門家は、着色要件に応じた種々の着色システムを知っている。酸化染料は通常、永続的で、良好な堅牢性を有し、良好に白髪がカバーされる、強い染色のために使用される。かかる染料は通常、酸化染料前駆体、いわゆる顕色剤成分とカプラー成分を含有しており、これらは過酸化水素などの酸化剤の影響下において互いに実際の染料を形成する。酸化染料は非常に長持ちする染色結果を特徴とする。
直接染料を使用する場合、既製の染料は着色剤から毛髪繊維内へと拡散する。酸化的な毛染めと比べて、直接染料で得られる染色は色持ちが短く、すぐに洗い流される。直接染料での染色が毛髪上に残存する期間は、通常、5回~20回の洗浄までである。
着色顔料の使用は、毛髪および/または皮膚に対して短期間の色変化をもたらすことが知られている。着色顔料は不溶性の着色物質であると理解される。これらは、小粒子の形態で染料配合物中に未溶解の状態で存在し、毛髪繊維および/または皮膚表面の外面に堆積されているにすぎない。したがって、これらは、通常、界面活性剤含有洗浄剤で数回洗い流すことによって、残存することなく、除去できる。このタイプの種々の製品が、ヘアマスカラという名称で市場において入手可能である。
ユーザーが特に長持ちする染色を望む場合、これまでは酸化的染料の使用が唯一の選択肢であった。しかしながら、数多くの最適化の試みにもかかわらず、酸化的毛染めにおける不快なアンモニア臭やアミン臭は完全には回避することができない。酸化的染料の使用に依然として伴う毛髪へのダメージもユーザーの毛髪に対してマイナス効果を有する。
欧州特許第2168633B1号明細書では、顔料を用いた長持ちする髪の着色をもたらすための課題に取り組んでいる。この文書には、顔料、有機ケイ素化合物、フィルム形成性ポリマーおよび溶剤の組合せを毛髪に対して使用した場合、摩擦および/またはシャンプーに対して特に耐久性がある着色を生成することが可能であることが教示されている。
欧州特許第2168633 B1号明細書
有機ケイ素化合物に基づく染色原理の大きな利点は、このクラスの化合物の高い反応性が迅速なコーティングを可能にすることである。これは、わずか数分間の短い適用時間で、非常に優れた着色結果が得られることを意味する。
着色剤化合物の混合物は、ケラチン物質、特にヒトの毛髪の着色によく使用される。染色中の不均等を避けるために、異なる着色剤化合物の浸透挙動があまり似ていてはいけない。さらに、着色剤化合物のピックアップ挙動は、剤中の着色剤化合物の状態(溶解、凝集、分散)、剤中の局所濃度などの、多数の影響要因に依存する。
一方では高い洗浄堅牢性および摩擦堅牢性を有し、他方では強烈で均一な着色を与える、顔料を有する染毛剤を提供する必要がある。
驚くべきことに、この課題は、ケラチン物質、特にヒトの毛髪を、少なくとも2つの剤(a)および(b)をケラチン部質(毛髪)に適用する方法によって着色すると見事に解決できることがわかった。ここで、第1の剤(a)は1、2または3つのケイ素原子を有するシランの群からの少なくとも1つの有機ケイ素化合物、および少なくとも1つのリン酸エステル(a2)を含む。第2の剤(b)は少なくとも1つのシーリング試薬(b1)を含む。
この2つの剤(a)および(b)を染色方法において使用した場合、驚くべきことに、特に高い均一性、摩擦堅牢性、および洗浄堅牢性を備えた染色を生み出すことができた。
本発明の第1の目的は、ケラチン物質、特にヒトの毛髪を着色する方法であって、以下の工程:
・ケラチン物質への剤(a)の適用工程、ここで前記剤(a)は以下を含む:
(a1)1、2または3つのケイ素原子を有するシランからなる群から選択される少なくとも1つの有機ケイ素化合物、および
(a2)少なくとも1つのリン酸エステル、
・前記ケラチン物質への剤(b)の適用工程、ここで前記剤(b)は以下を含む:
(b1)少なくとも1つのシーリング試薬
を含み
前記剤(a)および(b)の少なくとも1つは、顔料および/または直接染料からなる群から選択される少なくとも1つの着色剤化合物をさらに含む。
本発明に至る研究において、剤(a)および(b)の優先的な連続適用は、ケラチン物質上に非常に安定した耐洗浄性の着色の生成を可能にすることが見出された。この理論に限定されないが、この文脈において、有機ケイ素化合物(a1)とリン酸エステル(a2)の同時適用は、ケラチン物質上に特に耐性のあるフィルムの形成をもたらすと思われる。第2の剤(b)の適用は、ケラチン物質に適用されたフィルムを密閉し、洗浄および/または摩耗に対する耐性をより高める。剤(a)および剤(b)の少なくとも一方に、顔料および/または直接染料からなる群から選択される少なくとも1つの着色剤化合物を用いることにより、着色フィルムを得ることができる。
このようにして、着色剤化合物をケラチン物質に永久に固定できるので、摩耗および/またはシャンプーに対する良好な耐性を有する極めて耐洗浄性のある着色を得ることができた。
リン酸エステル(a2)の助けにより、均一で強い着色を得ることもできた。
ケラチン物質
ケラチン物質としては、毛髪、皮膚、爪(例えば、指の爪および/または足の指の爪)が挙げられる。ウール、毛皮および羽毛もケラチン物質の定義に含まれる。
好ましくは、ケラチン物質は、人毛、人間の皮膚ならびに人間の爪、特に指の爪および足の指の爪であると理解される。ケラチン物質は人毛であると理解される。
剤(a)および(b)
記載された方法において、剤(a)および(b)は、ケラチン物質、特にヒトの毛髪に適用される。2つの剤(a)および(b)は互いに異なる。
換言すれば、本発明の第1の目的は、ケラチン物質、特にヒトの毛髪を処理する方法であって、以下の工程:
ケラチン物質への剤(a)の適用工程、ここで前記剤(a)は以下を含む:
(a1)1、2または3つのケイ素原子を有するシランからなる群から選択される少なくとも1つの有機ケイ素化合物、および
(a2)少なくとも1つのリン酸エステル、および
前記ケラチン物質への剤(b)の適用工程、ここで前記剤(b)は以下を含む:
(b1)少なくとも1つのシーリング試薬
を含み、
前記剤(a)および(b)の少なくとも1つは、顔料および/または直接染料からなる群から選択される少なくとも1つの着色剤化合物をさらに含む。
剤(a)
剤(a)は、本発明に必須の成分(a1)および(a2)を含む。
剤(a)は、化粧料担体、特に好ましくは水性化粧料担体中に、前記2つの成分(a1)および(a2)を含んでよい。この化粧料担体は、液体、ゲル、またはクリームであり得る。ペースト状、固体または粉末状の化粧料担体も、剤(a)の調製に使用することができる。ヘアトリートメント、特にヘアカラーリングの場合、かかる担体は、例えばクリーム、エマルション、ゲルあるいは、界面活性剤含有起泡性溶液、例えばシャンプー、エアロゾルフォーム、フォーム配合物または毛髪への適用に適した他の調製物でもある。
好ましくは、化粧料用担体は、その重量に基づいて少なくとも2重量%の水を含む。さらに好ましくは、前記水分含有量は好ましくは10重量%超、なおさらに好ましくは20重量%超、特に好ましくは40重量%超である。
シランの群からの有機ケイ素化合物(a1)
本発明の必須成分(a1)として、剤(a)は、1、2または3つのケイ素原子を有するシランの群からの少なくとも1つの有機ケイ素化合物を含む。
特に好ましくは、前記剤(a)は、1、2または3つのケイ素原子を有するシランから選択される少なくとも1つの有機ケイ素化合物(a1)を含み、該有機ケイ素化合物は、1分子あたり1つ以上のヒドロキシル基および/または加水分解性基を含む。
これらの有機ケイ素化合物(a1)または剤(a)に含まれる有機シランは反応性化合物である。
有機ケイ素化合物(あるいはオルガノシリコン化合物とも称される)は、ケイ素-炭素直接結合(Si-C)を有するか、または炭素がケイ素原子に酸素、窒素もしくは硫黄原子を介して結合しているかのいずれかである化合物である。本発明の有機ケイ素化合物は1~3つのケイ素原子を含む化合物である。有機ケイ素化合物は好ましくは1つまたは2つのケイ素原子を含有する。
IUPAC規則によれば、シラン化学化合物という用語は、ケイ素骨格と水素に基づく。有機シランでは、水素原子が完全に、または部分的に、有機基、例えば(置換)アルキル基および/またはアルコキシ基で置き換えられている。また、有機シランでは、一部の水素原子がヒドロキシ基で置き換えられてもよい。
特に好ましい一実施形態において、前記方法は、剤(a)をケラチン物質に適用することを特徴とし、前記剤(a)は、1、2または3つのケイ素原子を有するシランから選択される少なくとも1つの有機ケイ素化合物(a1)を含み、前記有機ケイ素化合物は1分子あたり1つ以上のヒドロキシル基または加水分解性基をさらに含む。
非常に特に好ましい実施形態において、前記方法は、剤(a)をケラチン物質に適用することを特徴とし、前記剤(a)は、1、2または3つのケイ素原子を有するシランから選択される少なくとも1つの有機ケイ素化合物(a1)を含み、前記有機ケイ素化合物は1分子あたり1つ以上の塩基性化学官能基と1つ以上のヒドロキシル基または加水分解性基をさらに含む。
この塩基性基または塩基性化学官能基は、例えば、アミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基またはトリアルキルアミノ基であってよく、これは好ましくはケイ素原子にリンカーを介して結合している。好ましくは、該塩基性基はアミノ基、C-Cアルキルアミノ基またはジ(C-C)アルキルアミノ基である。
加水分解性基は、好ましくはC-Cアルコキシ基、特にエトキシ基またはメトキシ基である。加水分解性基がケイ素原子に直接結合している場合が好ましい。例えば、加水分解性基がエトキシ基である場合、有機ケイ素化合物は好ましくは、構造単位R'R’’R’’’Si-O-CH-CHを含む。基R'、R’’およびR’’’は、ケイ素原子の残りの3つの自由原子価を表す。
非常に特に好ましい方法は、前記剤(a)が、1、2または3つのケイ素原子を有するシランから選択される少なくとも1つの有機ケイ素化合物を含み、該有機ケイ素化合物は好ましくは1分子あたり1つ以上の塩基性化学官能基と1つ以上のヒドロキシル基または加水分解性基を含むことを特徴とする。
特に満足な結果が、剤(a)が式(I)および/または(II)の少なくとも1つの有機ケイ素化合物(a1)を含む場合に得られた。
式(I)および(II)の化合物は、1、2または3つのケイ素原子を有するシランから選択される有機ケイ素化合物であり、有機ケイ素化合物は、1分子あたり1つ以上のヒドロキシル基および/または加水分解性基を含む。
別の非常に特に好ましい実施形態では、該方法は、剤がケラチン物質(またはヒトの毛髪)に適用され、前記剤(a)が、式(I)および/または(II)の少なくとも1つの有機ケイ素化合物を含むことを特徴とする:
Figure 2023535356000001
[式中
・R、Rは、独立して、水素原子またはC-Cアルキル基を表し、
・Lは、直鎖状または分枝状の二価C-C20アルキレン基であり、
・Rは、水素原子またはC-Cアルキル基であり、
・Rは、C-Cアルキル基を表し
・aは、1~3の整数を表し、
・bは、整数3-aを表す]
Figure 2023535356000002
[式中、
・R、R’、R’’は、独立して、水素原子またはC-Cアルキル基を表し
・R、R’およびR’’は、互いに独立して、C-Cアルキル基を表し、
・A、A’、A’’、A’’’およびA’’’’は、独立して、直鎖状または分枝状の二価C-C20アルキレン基を表し、
・RおよびRは、独立して、水素原子、C-Cアルキル基、ヒドロキシC-Cアルキル基、C-Cアルケニル基、アミノC-Cアルキル基または式(III):
Figure 2023535356000003
〔式中
・cは、1~3の整数を表し
・dは、整数3-cを表し
・c’は、1~3の整数を表し
・d’は、整数3-c’を表し
・c’’は、1~3の整数を表し
・d’’は、整数3-c’’を表し
・eは、0または1を表し
・fは、0または1を表し
・gは、0または1を表し
・hは、0または1を表す
(ただし、基e、f、gおよびhの少なくとも1つは0とは異なることを条件とする)〕の基を表す]。
式(I)および(II)の化合物内の置換基R、R、R、R、R、R'、R''、R、R'、R''、R、R、L、A、A'、A''、A'''およびA''''を以下に一例として説明する:
-Cアルキル基の例は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、s-ブチル基およびt-ブチル基、n-ペンチル基ならびにn-ヘキシル基である。プロピル、エチルおよびメチルが好ましいアルキル基である。C-Cアルケニル基の例はビニル、アリル、ブト-2-エニル、ブト-3-エニルおよびイソブテニルであり、好ましいC-Cアルケニル基はビニルおよびアリルである。ヒドロキシC-Cアルキル基の好ましい例はヒドロキシメチル、2-ヒドロキシエチル、2-ヒドロキシプロピル、3-ヒドロキシプロピル、4-ヒドロキシブチル基、5-ヒドロキシペンチルおよび6-ヒドロキシヘキシル基であり;2-ヒドロキシエチル基が特に好ましい。アミノC-Cアルキル基の例はアミノメチル基、2-アミノエチル基、3-アミノプロピル基である。2-アミノエチル基が特に好ましい。直鎖の二価のC-C20アルキレン基の例として、メチレン基(-CH-)、エチレン基(-CH-CH-)、プロピレン基(-CH-CH-CH-)およびブチレン基(-CH-CH-CH-CH-)が挙げられる。プロピレン基(-CH-CH-CH-)が特に好ましい。3個のC原子の鎖長から、二価のアルキレン基は分枝鎖であることができる。分枝鎖の二価の、二価のC~C20アルキレン基の例は(-CH-CH(CH)-)および(-CH-CH(CH)-CH-)である。
式(I)の有機ケイ素化合物において、
基RおよびRは、互いに独立して水素原子またはC-Cアルキル基を表す。最も好ましくは、前記基RおよびRはともに水素原子を表す。
有機ケイ素化合物の中央部分には、直鎖または分岐鎖の、二価のC-C20アルキレン基を表す構造単位またはリンカー-L-が存在する。
二価のC-C20アルキレン基は、二価または二価のC-C20アルキレン基とも呼ばれ得、これは、各L基が2つの結合を形成し得ることを意味する。第1の結合はアミノ基R1R2NからリンカーLへの結合であり、第2の結合はリンカーLとケイ素原子の間にある。
好ましくは、-L-は直鎖の、二価の(すなわち、二価の)C-C20アルキレン基を表す。さらに好ましくは-L-は直鎖の二価のC-Cアルキレン基を表す。特に好ましい-Lは、メチレン基(-CH-)、エチレン基(-CH-CH-)、プロピレン基(-CH-CH-CH-)またはブチレン(-CH-CH-CH-CH-)を表す。Lはプロピレン基(-CH-CH-CH-)を表す。
直鎖プロピレン基(-CH-CH-CH-)は、プロパン-1,3-ジイル基と呼ばれることもある。
式(I)の有機ケイ素化合物:
は、それぞれの一端が、ケイ素含有基-Si(OR(Rを有している。
末端の構造単位-Si(OR(Rでは、Rは水素またはC-Cアルキル基であり、RはC-Cアルキル基である。RおよびRは互いに独立して、メチル基またはエチル基を表す。
ここで、aは1~3の整数を表し、bは3-aの整数を表す。aが数値3を表すならば、bは0となる。aが数値2を表すならば、bは1となる。aが数値1を表すならば、bは2となる。
剤(a)が、基R、Rが互いに独立してメチル基またはエチル基を表す式(I)の少なくとも1つの有機ケイ素化合物(a1)を含む場合、特に耐性のあるフィルムを得ることができた。
ケラチン物質を染色する方法を使用する場合、剤(a)が、基R、Rが互いに独立してメチル基またはエチル基を表す式(I)の少なくとも1つの有機ケイ素化合物を含む場合に、最高の洗浄堅牢性を備えた染色を同様に得ることができた。
さらに、剤(a)が、基aが数値3を表す式(I)の少なくとも1つの有機ケイ素化合物を含む場合、最良の洗浄堅牢性を備えた染色を得ることができた。この場合、残りの基bは数値0を表す。
さらなる好ましい実施形態では、前記方法で使用される剤(a)は、式(I)の少なくとも1つの有機ケイ素化合物(a1)を含むことを特徴とし、式中
・R、Rは互いに独立して、メチル基またはエチル基を表し、
・aは数値3を表し、
・bは数値0を表す。
別の好ましい実施形態では、方法は、剤(a)が式(I):
Figure 2023535356000006
[式中
・R、Rは、ともに水素原子を表し、
・Lは直鎖の二価のC-C-アルキレン基、好ましくはプロピレン基(-CH-CH-CH-)またはエチレン基(-CH-CH-)を表し、
・Rは、水素原子、エチル基またはメチル基を表し、
・Rは、メチル基またはエチル基を表し、
・aは、数値3を表し、
・bは、数値0を表す]
の少なくとも1種の有機ケイ素化合物(a1)を含むことを特徴とする。
本発明の課題を解決するのに特に適した式(I)の有機ケイ素化合物は、以下である。
・(3-アミノプロピル)トリエトキシシラン
・(3-アミノプロピル)トリメトキシシラン
・1-(3-アミノプロピル)シラントリオール
・(2-アミノエチル)トリエトキシシラン
・(2-アミノエチル)トリメトキシシラン
・1-(2-アミノエチル)シラントリオール
・(3-ジメチルアミノプロピル)トリエトキシシラン
・(3-ジメチルアミノプロピル)トリメトキシシラン
・1-(3-ジメチルアミノプロピル)シラントリオール
・(2-ジメチルアミノエチル)トリエトキシシラン
・(2-ジメチルアミノエチル)トリメトキシシラン、および
・1-(2-ジメチルアミノエチル)シラントリオール
さらなる好ましい実施形態では、方法は、剤(a)が、
・(3-アミノプロピル)トリエトキシシラン
・(3-アミノプロピル)トリメトキシシラン
・1-(3-アミノプロピル)シラントリオール
・(2-アミノエチル)トリエトキシシラン
・(2-アミノエチル)トリメトキシシラン
・1-(2-アミノエチル)シラントリオール
・(3-ジメチルアミノプロピル)トリエトキシシラン
・(3-ジメチルアミノプロピル)トリメトキシシラン
・1-(3-ジメチルアミノプロピル)シラントリオール
・(2-ジメチルアミノエチル)トリエトキシシラン
・(2-ジメチルアミノエチル)トリメトキシシラン、および/または
・1-(2-ジメチルアミノエチル)シラントリオール
からなる群から選択される少なくとも1つの有機ケイ素化合物(a1)を含むことを特徴とする。
式(I)の有機ケイ素化合物は市販されている。
例えば、(3-アミノプロピル)トリメトキシシランはSigma-Aldrichから購入することができる。また、(3-アミノプロピル)トリエトキシシランもSigma-Aldrichから市販されている。
さらなる実施形態では、剤は、式(II)の少なくとも1つの有機ケイ素化合物(a1)を含む。
Figure 2023535356000019
式(II)の有機ケイ素化合物は各々、その2つの末端でケイ素含有基(RO)(RSi-および-Si(R’)d’(OR’)c’を有している。
式(II)の分子の中心部分には、-(A)-基および-[NR-(A’)]-基および-[O-(A’’)]-基および-[NR-(A’’’)]-基が存在している。ここで、e、f、gおよびh基の各々は互いに独立して、数値0または1を表すことができるが、e、f、gおよびh基のうちの少なくとも1つは0と異なるものとする。換言すると、式(II)の有機ケイ素化合物は、-(A)-および-[NR-(A’)]-および-[O-(A’’)]-および-[NR-(A’’’)]-からなる群から選択される少なくとも1つの基を含む。
2つの末端の構造単位(RO)(RSi-および-Si(R’)d’(OR’)c’において、R、R’、R’’の基は互いに独立して、水素原子またはC-Cアルキル基を表す。R、R’およびR’’の基は独立して、C-Cアルキル基を表す。
ここで、cは1~3の整数を表し、dは3-cの整数を表す。cが数値3を表すならば、dは0となる。cが数値2を表すならば、dは1となる。cが数値1を表すならば、dは2となる。
同様に、c’は整数1~3を表し、d’は3-c’の整数を表す。c’が数値3を表すならば、d’は0である。c’が数値2を表すならば、d’は1である。c’が数値1を表すならば、d’は2である。
基cおよびc’がともに数値3を表す場合に、最高の安定性を備えたフィルムまたは最高の洗浄堅牢性を備える染色を得ることができた。この場合、dおよびd’はともに数値0を表す。
別の好ましい実施形態では、方法は、剤(a)が式(II):
Figure 2023535356000020
[式中、
・RおよびR’は、独立して、メチル基またはエチル基を表し、
・cおよびc’は、ともに数値3を表し、
・dおよびd’は、ともに数値0を表す]
の少なくとも1つの有機ケイ素化合物(a1)を含むことを特徴とする。
cおよびc’がともに数値3を表し、dおよびd’がともに数値0を表す場合、本発明の有機ケイ素化合物は式(IIa):
Figure 2023535356000021
に対応する。
基e、f、gおよびhは独立して、数値0または1を表すことができ、このとき、基e、f、gおよびhのうち少なくとも1つはゼロと異なる。したがって、略号e、f、gおよびhにより、-(A)-および-[NR-(A’)]-および-[O-(A’’)]-および-[NR-(A’’’)]-のうちのどの基が、式(II)の有機ケイ素化合物の中央部分に存在するかが規定される。
この文脈において、ある基の存在が耐水洗性の増大の点において特に有益であることが証明された。基e、f、gおよびhのうち少なくとも2つが数値1を表す場合に、特に満足な結果が、得られた。特に好ましくは、eおよびfはともに数値1を表す。さらに、gおよびhはともに数値0を表す。
eおよびfがともに数値1を表し、gおよびhがともに数値0を表す場合、本発明による有機ケイ素化合物は、式(IIb):
Figure 2023535356000022
に対応する。
基A、A’、A’’、A’’’およびA’’’’は独立して、直鎖または分岐鎖の、二価C-C20アルキレン基を表す。好ましくは、基A、A’、A’’、A’’’およびA’’’’は互いに独立して、直鎖の二価C-C20アルキレン基を表す。さらに好ましくは、基A、A’、A’’、A’’’およびA’’’’は独立して、直鎖の二価C-Cアルキレン基を表す。特に、基A、A’、A’’、A’’’およびA’’’’は互いに独立して、メチレン基(-CH-)、エチレン基(-CH-CH-)、プロピレン基(-CH-CH-CH-)またはブチレン基(-CH-CH-CH-CH-)を表す。非常に好ましくは、基A、A’、A’’、A’’’およびA’’’’は、プロピレン基(-CH-CH-CH-)を表す。
二価C-C20アルキレン基は、二価または二価のC-C20アルキレン基とも呼ばれることがあり、これは、各基A、A’、A’’、A’’’およびA’’’’が2つの結合を形成し得ることを意味する。
直鎖プロピレン基(-CH-CH-CH-)は、プロパン-1,3-ジイル基と呼ばれることもある。
基fが数値1を表すならば、式(II)の有機ケイ素化合物は構造-[NR-(A’)]-の基を含む。
基hが数値1を表すならば、式(II)の有機ケイ素化合物は構造-[NR-(A’’’)]-の基を含む。
式中において、基Rおよび基Rは独立して、水素原子、C-Cアルキル基、ヒドロキシ-C-Cアルキル基、C-Cアルケニル基、アミノ-C-Cアルキル基または式(III):
Figure 2023535356000023
の基を表す。
非常に好ましくは、基Rおよび基Rは互いに独立して、水素原子、メチル基、2-ヒドロキシエチル基、2-アルケニル基、2-アミノエチル基または式(III)の基を表す。
基fが数値1を表し、基hが数値0を表すならば、有機ケイ素化合物は[NR-(A’)]基を含むが-[NR-(A’’’)]基は含まない。また、基Rが式(III)の基を表す場合、剤(a)は、3つの反応性シラン基を有する有機ケイ素化合物を含む。
別の好ましい実施形態では、方法は、剤(a)が、式(II):
Figure 2023535356000024
[式中
・eおよびfは、ともに数値1を表し、
・gおよびhは、ともに数値0を表し、
・AおよびA’は、独立して、直鎖の二価C-Cアルキレン基を表し、
・Rは、水素原子、メチル基、2-ヒドロキシエチル基、2-アルケニル基、2-アミノエチル基または式(III)の基を表す]
の少なくとも1つの有機ケイ素化合物(a1)を含むことを特徴とする。
さらに好ましい実施形態では、方法は、剤(a)が、式(II):
[式中、
・eおよびfは、ともに数値1を表し、
・gおよびhは、ともに数値0を表し、
・AおよびA’は、互いに独立して、メチレン基(-CH-)、エチレン基(-CH-CH-)またはプロピレン基(-CH-CH-CH)を表し、
・Rは、水素原子、メチル基、2-ヒドロキシエチル基、2-アルケニル基、2-アミノエチル基または式(III)の基を表す]
の少なくとも1つの有機ケイ素化合物を含むことを特徴とする。
本発明の課題を解決するのによく適した式(II)の有機ケイ素化合物は以下である。
・3-(トリメトキシシリル)-N-[3-(トリメトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミン
・3-(トリエトキシシリル)-N-[3-(トリエトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミン
・N-メチル-3-(トリメトキシシリル)-N-[3-(トリメトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミン
・N-メチル-3-(トリエトキシシリル)-N-[3-(トリエトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミン
・2-[ビス[3-(トリメトキシシリル)プロピル]アミノ]-エタノール
・2-[ビス[3-(トリエトキシシリル)プロピル]アミノ]エタノール
・3-(トリメトキシシリル)-N,N-ビス[3-(トリメトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミン
・3-(トリエトキシシリル)-N,N-ビス[3-(トリエトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミン
・N1,N1-ビス[3-(トリメトキシシリル)プロピル]-1,2-エタンジアミン
・N1,N1-ビス[3-(トリエトキシシリル)プロピル]-1,2-エタンジアミン
・N,N-ビス[3-(トリメトキシシリル)プロピル]-2-プロペン-1-アミン
・N,N-ビス[3-(トリエトキシシリル)プロピル]-2-プロペン-1-アミン

上記の式(II)の有機ケイ素化合物は市販されている。
CAS番号82985-35-1を有するビス(トリメトキシシリルプロピル)アミンはSigma-Aldrichから購入することができる。
CAS番号13497-18-2を有するビス[3-(トリエトキシシリル)プロピル]アミンは、例えばSigma-Aldrichから購入することができる。
N-メチル-3-(トリメトキシシリル)-N-[3-(トリメトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミンはビス(3-トリメトキシシリルプロピル)-N-メチルアミンとも称され、市販品としてSigma-AldrichまたはFluorochemから購入することができる。
CAS番号18784-74-2を有する3-(トリエトキシシリル)-N,N-ビス[3-(トリエトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミンは、例えばFluorochemまたはSigma-Aldrichから購入することができる。
さらなる好ましい実施形態では、方法は、剤(a)が、
・3-(トリメトキシシリル)-N-[3-(トリメトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミン
・3-(トリエトキシシリル)-N-[3-(トリエトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミン
・N-メチル-3-(トリメトキシシリル)-N-[3-(トリメトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミン
・N-メチル-3-(トリエトキシシリル)-N-[3-(トリエトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミン
・2-[ビス[3-(トリメトキシシリル)プロピル]アミノ]-エタノール
・2-[ビス[3-(トリエトキシシリル)プロピル]アミノ]エタノール
・3-(トリメトキシシリル)-N,N-ビス[3-(トリメトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミン
・3-(トリエトキシシリル)-N,N-ビス[3-(トリエトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミン
・N1,N1-ビス[3-(トリメトキシシリル)プロピル]-1,2-エタンジアミン
・N1,N1-ビス[3-(トリエトキシシリル)プロピル]-1,2-エタンジアミン
・N,N-ビス[3-(トリメトキシシリル)プロピル]-2-プロペン-1-アミン、および/または
・N,N-ビス[3-(トリエトキシシリル)プロピル]-2-プロペン-1-アミン
からなる群より選択される少なくとも1つの有機ケイ素化合物(a1)を含むことを特徴とする。
さらなる試験、特に染色試験において、前記方法においてケラチン物質に適用される剤(a)が、式(IV):
の少なくとも1つの有機ケイ素化合物を含む場合、特に有利であることも見出された。
式(IV)の化合物は、1、2、または3つのケイ素原子を有するシランから選択される有機ケイ素化合物であり、該有機ケイ素化合物は、1分子あたり1つ以上のヒドロキシル基および/または加水分解性基を含む。
式(IV):
Figure 2023535356000038
[式中
・Rは、C-C18アルキル基を表し、
・R10は、水素原子またはC-Cアルキル基を表し、
・R11は、C-Cアルキル基を表し、
・kは、1~3の整数であり、
・mは、3-kの整数を表す]
の有機ケイ素化合物は、アルキルアルコキシシランまたはアルキルヒドロキシシラン型のシランと呼ばれることもある。
さらに好ましい実施形態では、方法は、剤(a)が、式(IV):
[式中
・Rは、C-C18アルキル基を表し、
・R10は、水素原子またはC-Cアルキル基を表し、
・R11は、C-Cアルキル基を表し、
・kは、1~3の整数であり、
・mは、3-kの整数を表す]
の少なくとも1つの有機ケイ素化合物(a1)を含むことを特徴とする。
さらに好ましい実施形態では、方法は、剤(a)が、式(I)の有機ケイ素化合物に加えて、少なくとも1つのさらなる式(IV):
[式中
・Rは、C-C18アルキル基を表し、
・R10は、水素原子またはC-Cアルキル基を表し、
・R11は、C-Cアルキル基を表し、
・kは、1~3の整数であり、
・mは、3-kの整数を表す]
の有機ケイ素化合物を含有することを特徴とする。
さらに好ましい実施形態では、方法は、剤(a)が、式(II)の有機ケイ素化合物に加えて、少なくとも1つのさらなる式(IV):
[式中
・Rは、C-C18アルキル基を表し、
・R10は、水素原子またはC-Cアルキル基を表し、
・R11は、C-Cアルキル基を表し、
・kは、1~3の整数であり、
・mは、3-kの整数を表す]
の有機ケイ素化合物を含有することを特徴とする。
さらに好ましい実施形態では、方法は、剤(a)が、式(I)および/または(II)の有機ケイ素化合物に加えて、式(IV):
[式中
・Rは、C-C18アルキル基を表し、
・R10は、水素原子またはC-Cアルキル基を表し、
・R11は、C-Cアルキル基を表し、
・kは、1~3の整数であり、
・mは、3-kの整数を表す]
の少なくとも1つのさらなる有機ケイ素化合物を含有することを特徴とする。
式(IV)の有機ケイ素化合物において、基RはC-C18アルキル基を表す。このC-C18アルキル基は飽和型であり、直鎖または分枝鎖であることができる。好ましくは、Rは直鎖C-C18アルキル基を表す。好ましくは、Rは、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-オクチル基、n-ドデシル基またはn-オクタデシル基を表す。特に好ましくは、Rは、メチル基、エチル基、n-ヘキシル基またはn-オクチル基を表す。
式(IV)の有機ケイ素化合物において、基R10は水素原子またはC-Cアルキル基を表す。特に好ましくはR10はメチル基またはエチル基を表す。
式(IV)の有機ケイ素化合物において、基R11はC-Cアルキル基を表す。特に好ましくは、R11はメチル基またはエチル基を表す。
さらに、kは整数1~3を表し、mは3-kの整数を表す。kが数値3を表すならば、mは0となる。kが数値2を表すならば、mは1となる。kが数値1を表すならば、mは2となる。
式中において基kが数値3である式(IV)に相当する少なくとも1つの有機ケイ素化合物(a1)を含有している剤(a)を方法に使用した場合に、特に安定なフィルム、すなわち、特に良好な洗浄堅牢特性を備えた染色を得ることができた。この場合、基mは数値0を表す。
本発明の課題を解決するのに特に適した式(IV)の有機ケイ素化合物は以下である:
・メチルトリメトキシシラン
・メチルトリエトキシシラン
・エチルトリメトキシシラン
・エチルトリエトキシシラン
・n-ヘキシルトリメトキシシラン
・n-ヘキシルトリエトキシシラン
・n-オクチルトリメトキシシラン
・n-オクチルトリエトキシシラン
・n-ドデシルトリメトキシシラン
・n-ドデシルトリエトキシシラン
およびオクタデシルトリメトキシシランおよび/またはオクタデシルトリエトキシシラン。
別の好ましい実施形態では、方法は、剤(a)が、
・メチルトリメトキシシラン
・メチルトリエトキシシラン
・エチルトリメトキシシラン
・エチルトリエトキシシラン
・プロピルトリメトキシシラン
・プロピルトリエトキシシラン
・ヘキシルトリメトキシシラン
・ヘキシルトリエトキシシラン
・オクチルトリメトキシシラン
・オクチルトリエトキシシラン
・ドデシルトリメトキシシラン
・ドデシルトリエトキシシラン
・オクタデシルトリメトキシシランおよび/または
・オクタデシルトリエトキシシラン
からなる群から選択される式(IV)の少なくとも1つの有機ケイ素化合物(a1)を含むことを特徴とする。
上記の有機ケイ素化合物は反応性化合物である。この文脈において、剤(a)が、剤(a)の総重量に基づいて、1つ以上の有機ケイ素化合物(a1)を総量で0.1~20重量%、好ましくは1~15重量%、特に好ましくは2~8重量%含む場合に好ましいことが見出された。
さらに好ましい実施形態では、方法は、剤(a)が、剤(a)の総重量に基づいて、1つ以上の有機ケイ素化合物(a1)を総量で0.1~20重量%、好ましくは1~15重量%、特に好ましくは2~8重量%含むことを特徴とする。
特に良好な染色結果を達成するために、式(I)および/または(II)の有機ケイ素化合物を剤(a)上で特定の量範囲で使用することが特に有利である。特に好ましくは、剤(a)は、剤(a)の総重量に基づいて、式(I)および/または(II)の1つ以上の有機ケイ素化合物を総量で0.1~10重量%、好ましくは0.5~5重量%、特に好ましくは0.5~3重量%含む。
さらに好ましい実施形態では、方法は、剤(a)が、剤(a)の総重量に基づいて、式(I)および/または(II)の1つ以上の有機ケイ素化合物を、総量で0.1~10重量%、好ましくは0.5~5重量%、特に好ましくは0.5~3重量%含むことを特徴とする。
さらに、式(IV)の有機ケイ素化合物が剤(a)中に特定の量範囲で存在する場合も、特に好ましいことが証明されている。特に好ましくは、剤(a)は、剤(a)の総重量に基づいて、式(IV)の1つ以上の有機ケイ素化合物を総量で0.1~20重量%、好ましくは2~15重量%、特に好ましくは4~9重量%含む。
さらに好ましい実施形態では、方法は、剤(a)が、剤(a)の総重量に基づいて、式(IV)の1つ以上の有機ケイ素化合物を総量で0.1~20重量%、好ましくは2~15重量%、特に好ましくは3.2~10重量%含有することを特徴とする。
本発明に至る研究の過程において、剤(a)が互いに構造的に異なる2種の有機ケイ素化合物を含む場合であっても、ケラチン物質上に特に安定で均一なフィルムを得ることできることがわかった。
別の好ましい実施形態では、方法は、剤(a)が少なくとも2種の構造的に異なる有機ケイ素化合物を含むことを特徴とする。
好ましい実施形態において、方法は、式(I)の少なくとも1つの有機ケイ素化合物および式(IV)の少なくとも1つの有機ケイ素化合物を含む剤(a)をケラチン物質に適用することを特徴とする。
明らかに非常に特に好ましい実施形態では、方法は、ケラチン物質に、(3-アミノプロピル)トリエトキシシランおよび(3-アミノプロピル)トリメトキシシランからなる群から選択される式(I)の少なくとも1つの有機ケイ素化合物を含み、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシランおよびヘキシルトリエトキシシランからなる群から選択される式(IV)の少なくとも1つの有機ケイ素化合物をさらに含む剤(a)が適用されることを特徴とする。
さらなる好ましい一実施形態において、方法は、剤(a)が、剤(a)の総重量に基づいて:
・0.5~5重量%の、(3-アミノプロピル)トリメトキシシラン、(3-アミノプロピル)トリエトキシシラン、(2-アミノエチル)トリメトキシシラン、(2-アミノエチル)トリエトキシシラン、(3-ジメチルアミノプロピル)トリメトキシシラン、(3-ジメチルアミノプロピル)トリエトキシシラン(2-ジメチルアミノエチル)トリメトキシシランおよび(2-ジメチルアミノエチル)トリエトキシシランからなる群から選択される少なくとも1つの第1の有機ケイ素化合物(a1)、ならびに
・3.2~10重量%の、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、ドデシルトリエトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシランおよびオクタデシルトリエトキシシランからなる群から選択される少なくとも1つの第2の有機ケイ素化合物(a1)
を含むことを特徴とする。
この実施形態において、剤(a)は第1の群の1つ以上の有機ケイ素化合物を総量で0.5~5重量%含む。この第1の群の有機ケイ素化合物は、(3-アミノプロピル)トリメトキシシラン、(3-アミノプロピル)トリエトキシシラン、(2-アミノエチル)トリメトキシシラン、(2-アミノエチル)トリエトキシシラン、(3-ジメチルアミノプロピル)トリメトキシシラン、(3-ジメチルアミノプロピル)トリエトキシシラン (2-ジメチルアミノエチル)トリメトキシシランおよび/または(2-ジメチルアミノエチル)トリエトキシシランからなる群から選択される。
この実施形態において、剤(a)は第2の群の1つ以上の有機ケイ素化合物を総量で3.2~10重量%含む。この第2の群の有機ケイ素化合物は、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、ドデシルトリエトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシランおよびオクタデシルトリエトキシシランからなる群から選択される。
取るに足らない量の水の添加であっても、少なくとも1つの加水分解性基を有する有機ケイ素化合物の加水分解がもたらされる。加水分解生成物および/または少なくとも1つのヒドロキシ基を有する有機ケイ素化合物は、縮合反応において互いに反応し得る。この理由で、少なくとも1つの加水分解性基を有する有機ケイ素化合物とその加水分解生成物および/または縮合生成物の両方が、剤(a)中に存在し得る。少なくとも1つのヒドロキシル基を有する有機ケイ素化合物を使用する場合は、該少なくとも1つのヒドロキシル基を有する有機ケイ素化合物とその縮合生成物の両方が、剤(a)中に存在し得る。
縮合生成物は、各々が1分子あたり少なくとも1つのヒドロキシル基または加水分解性基を有する少なくとも2種の有機ケイ素化合物の水の脱離および/またはアルカノールの脱離による反応によって形成される生成物であると理解される。縮合生成物は例えば二量体であってもよいが、三量体またはオリゴマーであってもよく、縮合生成物はモノマーと平衡状態である。加水分解において使用または消費される水の量に応じて、平衡はモノマー型の有機ケイ素化合物から縮合生成物にシフトする。
式(I)および/または(II)の有機ケイ素化合物を方法において使用した場合に、特に満足な結果が得られた。既に上述したように、加水分解/縮合は既に微量の水分で開始されるため、有機ケイ素化合物(I)および/または(II)の加水分解および/または縮合生成物も、この実施形態に含まれる。
リン酸エステル(a2)
剤(a)がケラチン物質に適用される場合、1分子あたり1つ以上のヒドロキシル基または加水分解性基を好ましくは含む有機ケイ素化合物(a1)は、水の存在下で最初に加水分解され、オリゴマー化または重合する。このようにして形成された加水分解生成物またはオリゴマーは、ケラチン物質の表面に対して特に高い親和性を有する。リン酸エステル(a2)が剤(a)中に同時に存在する場合、それらは得られるオリゴマーまたはポリマーに組み込まれると推定される。剤(a)が少なくとも1つの着色剤化合物をさらに含む場合、ケラチン物質上に形成されるフィルムは着色フィルムである。剤(a)の適用に続いて、次に剤(b)が適用され、それによって、この剤(b)に含まれるシーリング試薬が、その着色されたフィルムをシールする。剤(b)が少なくとも1つの着色剤化合物をさらに含む場合、使用された着色剤化合物に応じて、第1工程で生成された未着色フィルムが密封されて着色されるか、または第1工程で生成された着色フィルムの色印象が増強または変更される。または、第1の着色フィルム上に第2の着色フィルムを形成することによって、第1のフィルムの色の印象が増強または変更される。剤(b)が着色剤化合物を含まない場合、第1工程で調製した着色フィルムがシールされる。剤(a)と(b)とを連続して適用すると、外部の影響に対して特に耐性のある着色が生成される。
本発明の必須成分(a2)として、染色方法で使用される剤(a)は、少なくとも1つのリン酸エステルを含有する。
リン酸エステルは着色化合物の吸尽挙動を改善し、したがって特に均一で安定した着色が得られることが示されている。
リン酸エステルは、オルトリン酸のエステルであり、それは酸とアルコールとの水の除去による反応によって形式的にまたは形成される。モノエステル、ジエステル、およびトリエステルが区別される。モノエステルは、アルコールとポリリン酸との反応によって形成され、モノエステルとジエステルの混合物は、アルコールと五酸化リンとの反応によって調製される。
オルトリン酸と脂肪族アルコールとのエステルは、リン酸エステルとして使用できる。脂肪族アルコールは、1~22個の炭素原子および0、1、2または3個の二重結合を有する直鎖または分枝の飽和または不飽和アルコールである。典型的な代表は、例えば、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、sec-ブタノール、tert.ブタノール、n-ペンタノール、カプリンアルコール、カプリルアルコール、2-エチルヘキサノール、カプリンアルコール、ミリスチルアルコール、ラウリルアルコール、セチルアルコール、パルミトレイルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、エライジルアルコール、石油アルコール、リノリルアルコール、リノレニルアルコール、ベヘニルアルコールまたはエルシルアルコールである。好ましくは、脂肪族アルコールは、11~14個の炭素原子を有する分枝および飽和アルコールである。非常に好ましくは、脂肪族アルコールは、イソトリデカノールの割合が高い、11~14個の炭素原子を有する分枝および飽和アルコールの混合物である。
したがって、好ましい実施形態では、方法は、剤(a)が、オルトリン酸と脂肪族アルコールとのエステルからなる群から選択される少なくとも1つのリン酸エステル(a2)を含むことを特徴とする。
特に好ましい実施形態では、方法は、剤(a)が、オルトリン酸と11~14個の炭素原子を有する分枝脂肪族アルコールとのエステルを含む少なくとも1つのリン酸エステル(a2)を含むことを特徴とする。
この方法で使用できる特に適切なリン酸エステル(a2)は、Zschimmer & Schwarzから入手可能なphosfetal 218(CAS番号:154518-38-4、リン酸、C11-14-イソアルキルエステル、C13-リッチ)である。
あるいは、オルトリン酸とアルコキシル化脂肪族アルコールとのエステル、またはオルトリン酸とアルコキシル化フェノールとのエステルをリン酸エステルとして使用できる。アルコキシル化アルコールは、1~22個の炭素原子を有するエトキシル化アルコールである。
したがって、同等に好ましい実施形態では、方法は、剤(a)が、1~22個の炭素原子を有するエトキシル化されたものとオルトリン酸とのエステルからなる群から選択される少なくとも1つのリン酸エステル(a2)を含むことを特徴とする。
特に好ましい実施形態では、方法は、剤(a)が、オルトリン酸と8~18個の炭素原子を有するエトキシル化脂肪族アルコールとのエステルを含む少なくとも1つのリン酸エステル(a2)を含むことを特徴とする。
脂肪族アルコールの平均エトキシル化度は、好ましくは2~80の範囲、より好ましくは5~25の範囲である。
この方法で使用できる特に適切なリン酸エステル(a2)は、Crodaから入手可能なCrodafos SP(INCI:セテス-20リン酸(Ceteth-20 Phosphate))である。
アルコキシル化フェノールは、好ましくはエトキシル化フェノールまたはエトキシル化アルキルフェノールである。
剤(a)が、剤(a)の総重量に基づいて、1つ以上のリン酸エステル(a2)を総量で0.1~30重量%、好ましくは0.5~25重量%、非常に好ましくは0.75~20重量%含む場合、特に満足のいく結果を得ることができた。
剤(a)中のリン酸エステル(a2)の総量は、使用するリン酸エステルの種類にも依存し得る。
オルトリン酸と脂肪族アルコールとのエステルからなる群から選択されるリン酸エステル(a2)を使用する場合、特にオルトリン酸と11~14個の炭素原子を有する分枝脂肪族アルコールとのエステルを使用する場合、剤(a)が、顔料懸濁液の総重量に基づいて、リン酸エステル(a2)を総量で1~30重量%、好ましくは5~25重量%、非常に特に好ましくは10~20重量%含む場合、特に良好な結果を得ることができた。
別の特に好ましい実施形態では、方法は、剤(a)が、剤(a)の総重量に基づいて、オルトリン酸と11~14個の炭素原子を有する分枝脂肪族アルコールとのエステルからなる群から選択される1つ以上のリン酸エステル(a2)を総量で1~30重量%、好ましくは5~25重量%、最も好ましくは10~20重量%含むことを特徴とする。
オルトリン酸と1~22個の炭素原子を有するエトキシル化脂肪族アルコールとのエステルからなる群から選択されるリン酸エステル(a2)を使用する場合、特にINCI名:セテス-20リン酸を有するリン酸エステル(a2)を使用する場合、剤(a)が、顔料懸濁液の総重量に基づいて、リン酸エステル(a2)を総量で0.1~10重量%、好ましくは0.5~7.5重量%、より好ましくは0.75~5重量%、最も好ましくは1~2.5重量%含む場合に、特に良好な結果を達成することができた。
さらに特に好ましい実施形態では、方法は、剤(a)が、顔料懸濁液の総重量に基づいて、オルトリン酸と1~22個の炭素原子を有するエトキシル化脂肪族アルコールとのエステルからなる群から選択される1つまたは複数のリン酸エステル(a2)、好ましくはINCI名:セテス-20リン酸を有するリン酸エステル(a2)を総量で0.1~10重量%、好ましくは0.5~7.5重量%、より好ましくは0.75~5重量%、最も好ましくは1~2.5重量%含むことを特徴とする。
剤(b)
ケラチン物質の処理方法は、剤(a)の適用に加えて、剤(b)の適用を含む。剤(b)は、少なくとも1つのシーリング試薬(b1)を含むことを特徴とする。
剤(b)は後処理剤であり、剤(a)で処理されたケラチン物質への剤(b)の適用は、該方法で得られた着色をより耐久性のあるものにする効果を有する。特に、剤(b)の使用は、方法で得られた染色の洗浄に対する堅牢性および摩擦に対する堅牢性を改善できる。
シーリング試薬は、フィルム形成性ポリマー、アルカリ化剤、酸性化剤、およびそれらの混合物からなる群から選択される化合物を含むことが好ましい。
シーリング試薬がフィルム形成性ポリマーを含むことが好ましい場合がある。
ポリマーは、少なくとも1000g/mol、好ましくは少なくとも2500g/mol、特に好ましくは少なくとも5000g/molの分子量を有し、同一の反復有機単位からなる巨大分子である。本発明のポリマーは、1つの型のモノマーの重合によって、または互いに構造的に異なる種々の型のモノマーの重合によって製造される、合成により製造されたポリマーであってよい。ポリマーが、ある1つの型のモノマーを重合させることによって製造される場合、これはホモポリマーと称される。構造的に異なるモノマー型が重合において使用される場合、得られるポリマーはコポリマーと称される。
ポリマーの最大分子量は重合度(重合されているモノマーの数)およびバッチサイズに依存し、重合方法によって決定される。本発明に関して、シーリング試薬(b1)としてのフィルム形成性ポリマーの最大分子量は10g/mol以下、好ましくは10g/mol以下、特に好ましくは10g/mol以下である場合が好ましい。
本発明の意味において、フィルム形成性ポリマーは、基材上、例えばケラチン物質またはケラチン繊維上にフィルムを形成することができるポリマーである。フィルムの形成は、例えば、ポリマーで処理されたケラチン物質を顕微鏡下で見ることによって実証できる。
剤(b)におけるフィルム形成性ポリマー(b1)は親水性または疎水性であり得る。
第1の実施形態では、剤(b)中の少なくとも1つの疎水性フィルム形成性ポリマーを使用することが好ましい場合がある。
疎水性ポリマーは、25℃(760mmHg)において1重量%未満の水への溶解度を有するポリマーである。
フィルム形成性の疎水性ポリマーの水への溶解度は、例えば以下のようにして測定できる。1gのポリマーをビーカー内に入れる。水で100gにする。攪拌子を添加し、混合物を磁気攪拌機で撹拌しながら25℃まで加熱する。これを60分間撹拌する。次いで、この水性混合物を目視評価する。ポリマー-水混合物が混合物の高濁度のため視認評価できない場合、混合物を濾過する。ある割合の未溶解ポリマーが濾紙上に残存している場合、ポリマーの溶解度は1重量%未満である。
このようなものとして、アクリル酸型ポリマー、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレア、セルロースポリマー、ニトロセルロースポリマー、シリコーンポリマー、アクリルアミド型ポリマーおよびポリイソプレンが挙げられる。
特に適切なフィルム形成性疎水性ポリマーは、例えば、アクリル酸のコポリマー、メタクリル酸のコポリマー、アクリル酸エステルのホモポリマーまたはコポリマー、メタクリル酸エステルのホモポリマーまたはコポリマー、アクリル酸アミドのホモポリマーまたはコポリマー、メタクリル酸アミドのホモポリマーまたはコポリマー、ビニルピロリドンのコポリマー、ビニルアルコールのコポリマー、酢酸ビニルのコポリマー、エチレンのホモポリマーまたはコポリマー、プロピレンのホモポリマーまたはコポリマー、スチレンのホモポリマーまたはコポリマー、ポリウレタン、ポリエステルおよび/またはポリアミドの群からのポリマーである。
さらなる好ましい実施形態において、組成物(b)は、それがアクリル酸のコポリマー、メタクリル酸のコポリマー、アクリル酸エステルのホモポリマーまたはコポリマー、メタクリル酸エステルのホモポリマーまたはコポリマー、アクリル酸アミドのホモポリマーまたはコポリマー、メタクリル酸アミドのホモポリマーまたはコポリマー、ビニルピロリドンのコポリマー、ビニルアルコールのコポリマー、酢酸ビニルのコポリマー、エチレンのホモポリマーまたはコポリマー、プロピレンのホモポリマーまたはコポリマー、スチレンのホモポリマーまたはコポリマー、ポリウレタン、ポリエステルおよび/またはポリアミドからなる群より選択される少なくとも1つのフィルム形成性疎水性ポリマー(b1)を含むことを特徴とする。
合成ポリマー、ラジカル重合によって得られるポリマーまたは天然のポリマーの群から選択されるフィルム形成性疎水性ポリマーは、本発明による課題を解決するのに特に好適であることが証明された。
他の特に適切なフィルム形成性疎水性ポリマーは、オレフィン、例えばシクロオレフィン、ブタジエン、イソプレンまたはスチレン、ビニルエーテル、ビニルアミド、少なくとも1つのC-C20アルキル基、アリール基もしくはC-C10ヒドロキシアルキル基を有する(メタ)アクリル酸のエステルまたはアミドのホモポリマーまたはコポリマーから選択できる。
他のフィルム形成性疎水性ポリマーは、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸イソペンチル、(メタ)アクリル酸n-ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸tert-ブチル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3-ヒドロキシプロピルおよび/またはその混合物のホモポリマーまたはコポリマーから選択されてもよい。
さらなるフィルム形成性疎水性ポリマーは、(メタ)アクリルアミド、N-アルキル(メタ)アクリルアミド、C2-C18アルキル基を有するもの、例えばN-エチルアクリルアミド、N-tert-ブチルアクリルアミド、le N-オクチルアクリルアミド、N-ジ(C1-C4)アルキル(メタ)アクリルアミドのホモポリマーまたはコポリマーから選択できる。
他の好ましいアニオン性コポリマーは、例えば、アクリル酸、メタクリル酸またはそのC-Cアルキルエステルのコポリマーであり、これらはINCI名アクリレートコポリマーで販売されている。好適な市販品は例えば、Rohm&Haas製のAculyn(登録商標)33である。アクリル酸、メタクリル酸またはそれらのC-Cアルキルエステルならびにエチレン性不飽和酸とアルコキシル化脂肪族アルコールのエステルのコポリマーもまた好ましい。好適なエチレン性不飽和酸は特に、アクリル酸、メタクリル酸およびイタコン酸であり;好適なアルコキシル化脂肪族アルコールは特に、ステアレス-20またはセテス-20である。
非常に特に好ましい市販のポリマーは、例えば、Aculyn(登録商標)22(アクリレート/ステアレス-20メタクリレートコポリマー)、Aculyn(登録商標)28(アクリレート/ベヘネス-25メタクリレートコポリマー)、Structure 2001(登録商標)(アクリレート/ステアレス-20イタコネートコポリマー)、Structure 3001(登録商標)(アクリレート/セテス-20イタコネートコポリマー)、Structure Plus(登録商標)(アクリレート/アミノアクリレートC10-30アルキルPEG-20イタコネートコポリマー)、Carbopol(登録商標)1342、1382、Ultrez 20、Ultrez 21(アクリレート/C10-30アルキルアクリレートクロスポリマー)、Synthalen W 2000(登録商標)(アクリレート/パルメス-25アクリレートコポリマー)またはRohme und Haas製の流通品Soltex OPT(アクリレート/C12-22アルキルメタクリレートコポリマー)である。
ビニルモノマーに基づく好適なポリマーとして、例えば、N-ビニルピロリドン、ビニルカプロラクタム、ビニル-(C1-C6)アルキル-ピロール、ビニルオキサゾール、ビニルチアゾール、ビニルピリミジンまたはビニルイミダゾールのホモポリマーおよびコポリマーが挙げられる。
また、特に好適であるのは、コポリマーのオクチルアクリルアミド/アクリレート/ブチルアミノエチルメタクリレートコポリマー、例えばNATIONAL STARCHによって商品名AMPHOMER(登録商標)もしくはLOVOCRYL(登録商標)47で市販されているものまたはNATIONAL STARCHによって商品名DERMACRYL(登録商標)LTおよびDERMACRYL(登録商標)79で販売されているアクリレート/オクチルアクリルアミドのコポリマーである。
好適なオレフィンに基づくポリマーとして、エチレン、プロピレン、ブテン、イソプレンおよびブタジエンのホモポリマーおよびコポリマーが挙げられる。
別の実施形態において、フィルム形成性疎水性ポリマーは、スチレンまたはスチレンの誘導体の少なくとも1つのブロックを含むブロックコポリマーであってよい。これらのブロックコポリマーは、スチレンブロックに加えて1つ以上のブロック、例えばスチレン/エチレン、スチレン/エチレン/ブチレン、スチレン/ブチレン、スチレン/イソプレン、スチレン/ブタジエンを含むコポリマーであってよい。そのようなポリマーはBASFによって商品名「Luvitol HSB」で市販されている。
驚くべきことに、剤(b)が、アクリル酸のホモポリマーおよびコポリマー、メタクリル酸のホモポリマーおよびコポリマー、アクリル酸エステルのホモポリマーおよびコポリマー、メタクリル酸エステルのホモポリマーおよびコポリマー、アクリル酸アミドのホモポリマーおよびコポリマー、メタクリル酸アミドのホモポリマーおよびコポリマー、ビニルピロリドンのホモポリマーおよびコポリマー、ビニルアルコールのホモポリマーおよびコポリマー、酢酸ビニルのホモポリマーおよびコポリマー、エチレンのホモポリマーおよびコポリマー、プロピレンのホモポリマーおよびコポリマー、スチレンのホモポリマーおよびコポリマー、ポリウレタン、ポリエステルおよびポリアミドからなる群より選択される少なくとも1種のフィルム形成性ポリマーをシーリング試薬(b1)として含む場合、特に強くて洗浄堅牢性の着色を得ることができることがわかった。
さらなる好ましい実施形態において、方法は、剤(b)が、アクリル酸のホモポリマーおよびコポリマー、メタクリル酸のホモポリマーおよびコポリマー、アクリル酸エステルのホモポリマーおよびコポリマー、メタクリル酸エステルのホモポリマーおよびコポリマー、アクリル酸アミドのホモポリマーおよびコポリマー、メタクリル酸アミドのホモポリマーおよびコポリマー、ビニルピロリドンのホモポリマーおよびコポリマー、ビニルアルコールのホモポリマーおよびコポリマー、酢酸ビニルのホモポリマーおよびコポリマー、エチレンのホモポリマーおよびコポリマー、プロピレンのホモポリマーおよびコポリマー、スチレンのホモポリマーおよびコポリマー、ポリウレタン、ポリエステルおよびポリアミドからなる群より選択される少なくとも1つのフィルム形成性ポリマーをシーリング試薬(b1)として含むことを特徴とする。
さらなる実施形態において、剤(b)中のシーリング試薬(b1)として、少なくとも1つの親水性フィルム形成性ポリマーを使用することが好ましい場合がある。
親水性ポリマーは、25℃(760mmHg)において1重量%より大きい、好ましくは2重量%より大きい水への溶解度を有するポリマーである。
フィルム形成性の親水性ポリマーの水への溶解度は、例えば以下のようにして測定できる。1gのポリマーをビーカー内に入れる。水で100gにする。攪拌子を添加し、混合物を磁気攪拌機で撹拌しながら25℃まで加熱する。これを60分間撹拌する。次いで、この水性混合物を目視評価する。完全に溶解したポリマーは巨視的には均質に見える。ポリマー-水混合物が混合物の高濁度のため視認評価できない場合、混合物を濾過する。未溶解ポリマーが濾紙上に残存していない場合、ポリマーの溶解度は1重量%より大きい。
非イオン性、アニオン性およびカチオン性のポリマーは、フィルム形成性親水性ポリマーとして使用できる。
好適なフィルム形成性親水性ポリマーは、例えば、ポリビニルピロリドン(コ)ポリマー、ポリビニルアルコール(コ)ポリマー、酢酸ビニル(コ)ポリマー、カルボキシビニル(コ)ポリマー、アクリル酸(コ)ポリマー、メタクリル酸(コ)ポリマー、天然のガム、多糖類および/またはアクリルアミド(コ)ポリマーからなる群から選択されてよい。
さらに、ポリビニルピロリドン(PVP)および/またはビニルピロリドン含有コポリマーをフィルム形成性親水性ポリマーとして使用することが特に好ましい。
別の非常に特に好ましい実施形態において、剤(b)は、ポリビニルピロリドン(PVP)およびポリビニルピロリドンのコポリマーからなる群から選択される少なくとも1つのフィルム形成性親水性ポリマーを含むことを特徴とする。
該剤が、ポリビニルピロリドン(PVP)をフィルム形成性親水性ポリマーとして含む場合がさらに好ましい。驚くべきことに、PVP含有剤(b)を用いて得られた染色の洗浄堅牢性もまた特に良好であった。
特に適切なポリビニルピロリドンは、例えばLuviskol(登録商標)Kの名称でBASF SEから、特にLuviskol(登録商標)K 90またはLuviskol(登録商標)K 85でBASF SEから入手可能である。
ポリマーPVP K 30は、Ashland(ISP,POI Chemical)によって販売されており、これもまた、別の明白に非常に適切なポリビニルピロリドン(PVP)として使用できる。PVP K 30は冷水中への溶解性が高いポリビニルピロリドンであり、CAS番号9003-39-8を有する。PVP K 30の分子量は約40000g/molである。
他の特に好適なポリビニルピロリドンは、商品名LUVITEC K 17、LUVITEC K 30、LUVITEC K 60、LUVITEC K 80、LUVITEC K 85、LUVITEC K 90およびLUVITEC K 115で知られる物質であり、BASFから入手可能である。
ポリビニルピロリドンコポリマーの群からのフィルム形成性親水性ポリマー(b1)の使用もまた、特に良好で洗浄堅牢性のカラーリング結果をもたらした。
ビニルピロリドン-ビニルエステルコポリマー、例えば商標Luviskol(登録商標)(BASF)で販売されているものは特に好適なフィルム形成性親水性ポリマーである。Luviskol(登録商標)VA 64およびLuviskol(登録商標)VA 73は、ともにビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマーであり、特に好ましい非イオン性ポリマーである。
ビニルピロリドン含有コポリマーのうち、スチレン/VPコポリマーおよび/またはビニルピロリドン-酢酸ビニルコポリマーおよび/またはVP/DMAPAアクリレートコポリマーおよび/またはVP/ビニルカプロラクタム/DMAPAアクリレートコポリマーが化粧料組成物において特に好ましい。
ビニルピロリドン-酢酸ビニルコポリマーは、Luviskol(登録商標)VAの名称でBASF SEによって販売されている。例えば、VP/ビニルカプロラクタム/DMAPAアクリレートコポリマーは、商品名Aquaflex(登録商標)SF-40でAshland Incによって販売されている。例えば、VP/DMAPAアクリレートコポリマーは、AshlandによってStyleze CC-10の名称で販売されており、非常に好ましいビニルピロリドン含有コポリマーである。
ポリビニルピロリドンの他の好適なコポリマーは、N-ビニルピロリドンを、V-ビニルホルムアミド、酢酸ビニル、エチレン、プロピレン、アクリルアミド、ビニルカプロラクタム、ビニルカプロラクトンおよび/またはビニルアルコールからなる群からの少なくとも1つのさらなるモノマーと反応させることにより得られるものであってもよい。
別の非常に特に好ましい実施形態において、剤(b)は、ポリビニルピロリドン(PVP)、ビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー、ビニルピロリドン/スチレンコポリマー、ビニルピロリドン/エチレンコポリマー、ビニルピロリドン/プロピレンコポリマー、ビニルピロリドン/ビニルカプロラクタムコポリマー、ビニルピロリドン/ビニルホルムアミドコポリマーおよび/またはビニルピロリドン/ビニルアルコールコポリマーからなる群から選択される少なくとも1つのフィルム形成性親水性ポリマー(b1)を含むことを特徴とする。
ビニルピロリドンの別の好適なコポリマーは、INCI名マルトデキストリン/VPコポリマーで知られるポリマーである。
さらに、非イオン性フィルム形成性親水性ポリマーをフィルム形成性親水性ポリマーとして使用した場合、特に良好な洗浄堅牢性を有する強く着色されたケラチン物質、特に毛髪を得ることができた。
別の実施形態において、剤(b)は少なくとも1つの非イオン性フィルム形成性親水性ポリマー(b1)を含んでもよい。
本発明によれば、非イオン性ポリマーは、プロトン性溶剤中、例えば水中において標準的な条件下で、対イオンによって補われるはずである永続的なカチオン基またはアニオン基を有する構造単位を担持しておらず、電子中性を維持したままであるポリマーであると理解される。カチオン基としては第四級化アンモニウム基が挙げられるが、プロトン化アミンは含まれない。アニオン基としてはカルボン酸基およびスルホン酸基が挙げられる。
非イオン性のフィルム形成性親水性ポリマーとして、
・ポリビニルピロリドン、
・N-ビニルピロリドンおよびN-ビニルピロリドンの2~18個の炭素原子を含むカルボン酸のビニルエステルおよび酢酸ビニルのコポリマー、
・N-ビニルピロリドンおよびN-ビニルイミダゾールおよびメタクリルアミドのコポリマー、
・N-ビニルピロリドンおよびN-ビニルイミダゾールおよびアクリルアミドのコポリマー、
・N-ビニルピロリドンおよびN,N-ジ(C1~C4)アルキルアミノ-(C2~C4)アルキルアクリルアミドのコポリマー
からなる群から選択される少なくとも1つのポリマーを含む製品が好ましい。
N-ビニルピロリドンと酢酸ビニルのコポリマーが使用される場合、この場合も、モノマーのN-ビニルピロリドンに含まれる構造単位とモノマーの酢酸ビニルに含まれるポリマーの構造単位とのモル比は20:80~80:20、特に30:70~60:40の範囲である場合が好ましい。好適なビニルピロリドンと酢酸ビニルのコポリマーは、例えば商標Luviskol(登録商標)VA 37、Luviskol(登録商標)VA 55、Luviskol(登録商標)VA 64およびLuviskol(登録商標)VA 73でBASF SEから入手可能である。
別の特に好ましいポリマーはINCI名VP/メタクリルアミド/ビニルイミダゾールコポリマーから選択され、これは商品名Luviset ClearでBASF SEから入手可能である。
別の非常に特に好ましい非イオン性のフィルム形成性親水性ポリマーはN-ビニルピロリドンとN,N-ジメチルアミニオプロピルメタクリルアミドのコポリマーであり、これは、例えば、ISP社によりINCI名VP/DMAPA アクリレートコポリマーで、例えば商品名Styleze(登録商標)CC 10で販売されている。
カチオン性ポリマーは、N-ビニルピロリドン、N-ビニルカプロラクタム、N-(3-ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミドおよび3-(メタクリロイルアミノ)プロピルラウリルジメチルアンモニウムクロリドのコポリマー(INCI名:ポリクオタニウム-69)であり、これは、例えば商品名AquaStyle(登録商標)300(エタノール-水混合物中28~32重量%の活性物質、分子量350000)でISPにより販売されている。
他の適切なフィルム形成性親水性ポリマーとして、
・呼称Luviquat(登録商標)FC 370、FC 550およびINC名ポリクオタニウム-16ならびにFC 905およびHM 552の名称で提供されるビニルピロリドン-ビニルイミダゾリウムメトクロリドコポリマー、
・第3のモノマー成分としてアクリル酸エステルおよびアクリル酸アミドと共に、例えばAquaflex(登録商標)SF 40の名称で市販されている、ビニルピロリドン-ビニルカプロラクタム-アクリレートターポリマー
が挙げられる。
ポリクオタニウム-11は、硫酸ジエチルとビニルピロリドンおよびメタクリル酸ジメチルアミノエチルのコポリマーとの反応生成物である。好適な市販品は、Dehyquart(登録商標)CC 11およびLuviquat(登録商標)PQ 11 PNの名称でBASF SEから、またはGafquat 440、Gafquat 734、Gafquat 755もしくはGafquat 755Nの名称でAshland Inc.から入手可能である。
ポリクオタニウム-46は、ビニルカプロラクタムおよびビニルピロリドンとメチルビニルイミダゾリウムメトサルフェートとの反応生成物であり、例えばLuviquat(登録商標)Holdの名称でBASF SEから入手可能である。ポリクオタニウム-46は、好ましくは化粧料組成物の総重量に対して1~5重量%の量で使用される。ポリクオタニウム-46をカチオン性グア化合物と組合せて使用することが特に好ましい。ポリクオタニウム-46をカチオン性グア化合物およびポリクオタニウム-11と組合せて使用することがいっそう非常に好ましい。
好適なアニオン性フィルム形成性親水性ポリマーは例えばアクリル酸ポリマーであってよく、これは非架橋形態であっても架橋形態であってもよい。このような生成物は、商品名Carbopol 980、981、954、2984および5984でLubrizolにより、またはSynthalen MおよびSynthalen Kの名称で3V Sigma(The Sun Chemicals,Inter Harz)により市販されている。
天然ガムの群からの好適なフィルム形成性親水性ポリマーの例は、キサンタンガム、ゲランガム、カロブガムである。
多糖類の群からの好適なフィルム形成性親水性ポリマーの例はヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロースである。
アクリルアミド群からの好適なフィルム形成性親水性ポリマーは、例えば、(メタ)アクリルアミド-C1-C4-アルキルスルホン酸またはその塩のモノマーから調製されるポリマーである。対応するポリマーは、ポリアクリルアミドメタンスルホン酸、ポリアクリルアミドエタンスルホン酸、ポリアクリルアミドプロパンスルホン酸、ポリ2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、ポリ-2-メチルアクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸および/またはポリ-2-メチルアクリルアミド-n-ブタンスルホン酸のポリマーから選択されてよい。
ポリ(メタ)アクリルアミド-C1-C4-アルキル-スルホン酸の好ましいポリマーは架橋型であり、少なくとも90%が中和されている。このようなポリマーは架橋型であっても非架橋型であってもよい。
ポリ-2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸型の架橋された完全中和または部分中和ポリマーは、INCI名「アンモニウムポリアクリルアミド-2-メチル-プロパンスルホネート」または「アンモニウムポリアクリルジメチルタウラミド(ammonium polyacryldimethyltauramides)」で知られている。
このタイプの別の好ましいポリマーは、Clariantにより商品名Hostacerin AMPSで販売されている架橋型ポリ-2-アクリルアミド-2メチル-プロパンスルホン酸ポリマーであり、アンモニアで部分的に中和されている。
別の明白に非常に特に好ましい実施形態において、方法は、剤(b)が少なくとも1つのアニオン性のフィルム形成性ポリマー(b1)を含むことを特徴とする。
この文脈において、剤(b)が、シーリング試薬(b1)として、少なくとも1つの式(P-I)の構造単位および少なくとも1つの式(P-II)の構造単位:
[式中、Mは水素原子またはアンモニウム(NH)、ナトリウム、カリウム、1/2マグネシウムまたは1/2カルシウムである]
を含む少なくとも1つのフィルム形成性ポリマーを含む場合、最良の結果が得られた
別の好ましい実施形態では、方法は、剤(b)が、シーリング試薬(b1)として、少なくとも1つの式(P-I)の構造単位および少なくとも1つの式(P-II)の構造単位:
[式中、Mは水素原子またはアンモニウム(NH)、ナトリウム、カリウム、1/2マグネシウムまたは1/2カルシウムである]
を含む少なくとも1つのフィルム形成性ポリマーを含むことを特徴とする。
Mが水素原子を表す場合、式(P-I)の構造単位はアクリル酸単位に基づく。
Mがアンモニウム対イオンを表す場合、式(P-I)の構造単位はアクリル酸のアンモニウム塩に基づく。
Mがナトリウム対イオンを表す場合、式(P-I)の構造単位はアクリル酸のナトリウム塩に基づく。
Mがカリウム対イオンを表す場合、式(P-I)の構造単位はアクリル酸のカリウム塩に基づく。
Mが半当量のマグネシウム対イオンを表す場合、式(P-I)の構造単位はアクリル酸のマグネシウム塩に基づく。
Mが半当量のカルシウム対イオンを表す場合、式(P-I)の構造単位はアクリル酸のカルシウム塩に基づく。
フィルム形成性ポリマー(b1)は好ましくは、剤(b)においてある範囲の量で使用される。この文脈において、剤(b)が、剤(b)の総重量に基づいて、1つ以上のフィルム形成性ポリマー(b1)を、0.1~18重量%、好ましくは1~16重量%、より好ましくは5~14.5重量%、非常に特に好ましくは8~12重量%の総量で含む場合、7本発明による課題を解決するために特に好ましいことがわかった。
さらなる好ましい一実施形態において、方法は、剤(b)が、剤(b)の総重量に基づいて、1つ以上のフィルム形成性ポリマー(b1)を、0.1~18重量%、好ましくは1~16重量%、より好ましくは5~14.5重量%、非常に特に好ましくは8~12重量%の総量で含むことを特徴とする。
シーリング試薬(b1)としてフィルム形成性ポリマーを含む剤(b)の適用は、剤(a)の適用によって最初に生成された着色フィルムをシールおよび/または固定することを意図している。シーリング試薬(b1)としてフィルム形成性ポリマーを有する第2の剤(b)を適用すると、フィルム形成性ポリマー(b1)は、さらなるフィルムの形態で第1の層で生成された着色フィルム上に堆積される。このようにして作られた多層フィルムシステムは、外部の影響に対する改善された耐性を示す。
ここで、シーリング試薬(b1)としてフィルム形成性ポリマーを含む剤(b)によって作られたフィルムは、それ自体は着色されていないことが好ましい。このようにして、剤(b)によって形成された第2のフィルムのある程度の摩耗が、フィルムシステム全体の色の変化を引き起こさないことも保証され得る。したがって、剤(b)が着色化合物を全く含まないか、またはより少ない量しか含まない場合が特に好ましい。
別の実施形態では、シーリング試薬(b1)はアルカリ化剤を含む。
特に好ましくは、アルカリ化剤は、アンモニア、C-Cアルカノールアミン、塩基性アミノ酸、アルカリ金属水酸化物およびアルカリ土類金属水酸化物からなる群から選択される。
別の特に好ましい実施形態では、方法は、剤(b)がシーリング試薬(b1)として少なくとも1つのアルカリ化剤を含むことを特徴とし、これは、アンモニア、C-Cアルカノールアミン、塩基性アミノ酸、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属ケイ酸塩、アルカリ金属メタケイ酸塩、アルカリ土類金属ケイ酸塩、アルカリ土類金属メタケイ酸塩、アルカリ金属炭酸塩およびアルカリ土類金属炭酸塩からなる群から選択される。
アンモニアを含む剤(b)による後処理は、方法で得られた染色の洗浄堅牢性および摩擦堅牢性の改善に特に良好な影響を与えることが見出された。
さらに非常に特に好ましい実施形態の文脈において、方法は、剤(b)がシーリング試薬(b1)としてアンモニアを含むことを特徴とする。
剤(b)にシーリング試薬(b1)として少なくとも1つのC-Cアルカノールアミンが含まれている場合にも、満足のいく結果が得られた。
剤(b)において使用できるアルカノールアミンは、例えば、少なくとも1つのヒドロキシル基を有しているC-Cアルキルペアレント(C-C alkyl parent)を有する第1級アミンの群から選択される。好ましいアルカノールアミンは、2-アミノエタン-1-オール(モノエタノールアミン)、3-アミノプロパン-1-オール、4-アミノブタン-1-オール、5-アミノペンタン-1-オール、1-アミノプロパン-2-オール、1-アミノブタン-2-オール、1-アミノペンタン-2-オール、1-アミノペンタン-3-オール、1-アミノペンタン-4-オール、3-アミノ-2-メチルプロパン-1-オール、1-アミノ-2-メチルプロパン-2-オール、3-アミノプロパン-1,2-ジオール、2-アミノ-2-メチルプロパン-1,3-ジオールによって形成される群から選択される。
さらに好ましい実施形態において、本発明による方法は、剤(b)が、シーリング試薬(b1)として、2-アミノエタン-1-オール(モノエタノールアミン)、3-アミノプロパン-1-オール、4-アミノブタン-1-オール、5-アミノペンタン-1-オール、1-アミノプロパン-2-オール、1-アミノブタン-2-オール、1-アミノペンタン-2-オール、1-アミノペンタン-3-オール、1-アミノペンタン-4-オール、3-アミノ-2-メチルプロパン-1-オール、1-アミノ-2-メチルプロパン-2-オール、3-アミノプロパン-1,2-ジオールおよび2-アミノ-2-メチルプロパン-1,3-ジオールからなる群から好ましくは選択される、アルカノールアミンの群からの少なくとも1つのアルカリ化剤を含むことを特徴とする。
同様に、剤(b)がシーリング試薬(b1)として少なくとも1つの塩基性アミノ酸を含む場合、満足のいく結果が得られた。
本発明の目的のために、アミノ酸は、その構造内に少なくとも1つのプロトン化性アミノ基と少なくとも1つの-COOHまたは1つの-SOH基を含む有機化合物である。好ましいアミノ酸はアミノカルボン酸、特にα-(アルファ)-アミノカルボン酸およびω-アミノカルボン酸であり、このとき、α-アミノカルボン酸が特に好ましい。
本発明によれば、塩基性アミノ酸は、7.0より大きい等電点pIを有するアミノ酸である。
塩基性α-アミノカルボン酸は少なくとも1個の不斉炭素原子を含む。本発明の文脈において、両方のエナンチオマーが具体的な化合物として、またはその混合物、特にラセミ体として等しく使用できる。しかしながら、天然状態で好ましい異性体形態、通常、L体を使用することが特に有利である。
塩基性アミノ酸は好ましくは、アルギニン、リシン、オルニチンおよびヒスチジン、特に好ましくはアルギニンおよびリシンによって形成される群から選択される。さらに特に好ましい実施形態において、したがって、方法は、シーリング試薬(b1)がアルギニン、リシン、オルニチンおよび/またはヒスチジンからなる群から選択される塩基性アミノ酸を含むアルカリ化剤であることを特徴とする。
さらに好ましい実施形態では、方法は、剤(b)がシーリング試薬(b1)として、アルギニン、リジン、オルニチンおよびヒスチジンの群から好ましくは選択される塩基性アミノ酸の群から選択される少なくとも1つのアルカリ化剤を含むことを特徴とする。
剤(b)がシーリング試薬(b1)として少なくとも1つのアルカリ金属水酸化物を含んでいた場合にも、満足のいく結果が得られた。適切なアルカリ金属水酸化物の例は、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムである。
剤(b)がシーリング試薬(b1)として、少なくとも1つのアルカリ土類金属水酸化物を含むアルカリ化剤を含む場合にも、満足のいく結果が得られた。適切なアルカリ土類金属水酸化物には、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、および水酸化バリウムが含まれる。
剤(b)がシーリング試薬(b1)として少なくとも1つのアルカリ金属ケイ酸塩および/またはアルカリ金属メタケイ酸塩を含む場合にも、満足のいく結果が得られた。適切なアルカリ金属ケイ酸塩には、ケイ酸ナトリウムおよびケイ酸カリウムが含まれる。適切なアルカリ金属メタケイ酸塩には、メタケイ酸ナトリウムおよびメタケイ酸カリウムが含まれる。
剤(b)がシーリング試薬(b1)として少なくとも1つのアルカリ金属炭酸塩および/またはアルカリ土類金属炭酸塩を含んでいた場合にも、満足のいく結果が得られた。適切なアルカリ金属炭酸塩には、炭酸ナトリウムおよび炭酸カリウムが含まれる。適切なアルカリ土類金属炭酸塩には、炭酸マグネシウムおよび炭酸カルシウムが含まれる。
アルカリ化剤の形態のシーリング試薬(b1)の群において、アンモニア、C-Cアルカノールアミン、塩基性アミノ酸、およびアルカリ金属水酸化物が特に適していることが証明されている。
さらに特に好ましい実施形態の文脈において、方法は、剤(b)が、シーリング試薬(b1)として、アンモニア、C-Cアルカノールアミン、塩基性アミノ酸およびアルカリ金属水酸化物からなる群から選択される少なくとも1つのアルカリ化剤を含むことを特徴とする。
別の特に好ましい実施形態では、この方法は、剤(b)が、シーリング試薬(b1)として、アンモニア、2-アミノエタン-1-オール、3-アミノプロパン-1-オール、4-アミノブタン-1-オール、5-アミノペンタン-1-オール、1-アミノプロパン-2-オール、1-アミノブタン-2-オール、1-アミノペンタン-2-オール、1-アミノペンタン-3-オール、1-アミノペンタン-4-オール、3-アミノ-2-メチルプロパン-1-オール、1-アミノ-2-メチルプロパン-2-オール、3-アミノプロパン-1,2-ジオール、2-アミノ-2-メチルプロパン-1,3-ジオール、アルギニン、リシン、オルニチン、ヒスチジン、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムからなる群から選択される少なくとも1つのアルカリ化剤を含むことを特徴とする。
剤(b)は、化粧料担体、好ましくは水性化粧料担体中にシーリング試薬(b1)としてアルカリ化剤を含む。
この文脈において、剤(b)が、剤(b)の総重量に基づいて、5.0~99.0重量%、好ましくは15.0~97.0重量%、より好ましくは25.0~97.0重量%、さらにより好ましくは35.0~97.0重量%、非常に特に好ましくは45.0~97.0重量%の水を含む場合、好ましいことが見出された。
さらなる実施形態の文脈において、方法は、剤(b)が、剤(b)の総重量に基づいて、5.0~99.0重量%、好ましくは15.0~97.0重量%、より好ましくは25.0~97.0重量%、さらにより好ましくは35.0~97.0重量%、特に好ましくは45.0~97.0重量%の水を含むことを特徴とする。
剤(b)に含まれるアルカリ化剤は、剤(b)のpH値に影響を及ぼす。特定のアルカリ性pH値は、方法で達成可能な染色性能と染色の堅牢性に有益な効果があることがわかった。
このため、シーリング試薬(b1)としてアルカリ化剤を含む剤(b)は、7.0~12.0、好ましくは7.5~11.5、より好ましくは8.0~11.0、最も好ましくは8.5~9.5のpHを有することが好ましい。
pH値は、組み合わせ電極を介したガラス電極を使用するか、またはpH試験紙を使用するなど、当技術分野から知られている通常の方法を使用して測定できる。
別の非常に特に好ましい実施形態では、方法は、剤(b)がシーリング試薬(b1)としてアルカリ化剤を含み、7.0~12.0、好ましくは7.5~11.5、より好ましくは8.0~11.0、最も好ましくは8.5~9.5のpHを有することを特徴とする。
本発明の目的のためのpH値は、22℃の温度で測定されたpH値である。
さらに別の実施形態では、シーリング試薬(b1)は酸性化剤を含む。
特に好ましくは、酸性化剤は、無機酸、有機酸およびそれらの混合物からなる群から選択される。
剤(b)にシーリング試薬(b1)として少なくとも1つの無機酸が含まれている場合、満足のいく結果を得ることができた。適切な無機酸は、例えば、リン酸、硫酸および/または塩酸であり、硫酸が特に好ましい。
さらに好ましい実施形態では、方法は、剤(b)が、シーリング試薬(b1)として、無機酸からなる群から選択される少なくとも1つの酸性化剤を含み、これが、好ましくは、リン酸、硫酸、塩酸およびそれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする。
さらに、さらにより好ましい実施形態では、方法は、剤(b)がシーリング試薬(b1)として硫酸を含むことを特徴とする。
剤(b)にシーリング試薬(b1)として少なくとも1つの有機酸が含まれている場合にも、満足のいく結果が得られた。有機酸は、好ましくは、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、ピバル酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、グリセリン酸、グリオキシル酸、アジピン酸、ピメリン酸、コルク酸(corkic acid)、アゼライン酸、セバシン酸、プロピオール酸、クロトン酸、イソクロトン酸、エライジン酸、マレイン酸、フマル酸、ムコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、カンフル酸、安息香酸、o,m,p-フタル酸、ナフトエ酸、トルオイル酸、ヒドロアトロパ酸、アトロパ酸、桂皮酸、イソニコチン酸、ニコチン酸、ビカルバミン酸、4,4’-ジシアノ-6,6’-ビニコチン酸、8-カルバモイルオクタン酸、1,2,4-ペンタントリカルボン酸、2-ピロールカルボン酸、1,2,4,6,7-ナフタレンペンタ酢酸、マロンアルデヒド酸、4-ヒドロキシ-フタルアミド酸、1-ピラゾールカルボン酸、没食子酸またはプロパントリカルボン酸、グリコール酸、グルコン酸、乳酸、マレイン酸、アスコルビン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸およびそれらの混合物からなる群から選択される。
さらに好ましい実施形態では、方法は、剤(b)がシーリング試薬(b1)として、有機酸からなる群から選択される少なくとも1種の酸性化剤を含み、有機酸が、好ましくは、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、ピバル酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、グリセリン酸、グリオキシル酸、アジピン酸、ピメリン酸、コルク酸(corkic acid)、アゼライン酸、セバシン酸、プロピオール酸、クロトン酸、イソクロトン酸、エライジン酸、マレイン酸、フマル酸、ムコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、カンフル酸、安息香酸、o,m,p-フタル酸、ナフトエ酸、トルオイル酸、ヒドロアトロパ酸、アトロパ酸、桂皮酸、イソニコチン酸、ニコチン酸、ビカルバミン酸、4,4’-ジシアノ-6,6’-ビニコチン酸、8-カルバモイルオクタン酸、1,2,4-ペンタントリカルボン酸、2-ピロールカルボン酸、1,2,4,6,7-ナフタレンペンタ酢酸、マロンアルデヒド酸、4-ヒドロキシ-フタルアミド酸、1-ピラゾールカルボン酸、没食子酸またはプロパントリカルボン酸、グリコール酸、グルコン酸、乳酸、マレイン酸、アスコルビン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸およびそれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする。
さらに、さらにより好ましい実施形態では、方法は、剤(b)がシーリング試薬(b1)として酢酸を含むことを特徴とする。
また、適切な酸性化剤には、メタンスルホン酸および/または1-ヒドロキシエタン-1,1-ジホスホン酸が含まれる。
酸性化剤の形態の上記のシーリング試薬(b1)の群の中で、硫酸および/または酢酸が特に適切であることが証明されている。
さらに特に好ましい実施形態の文脈において、方法は、剤(b)がシーリング試薬(b1)として、硫酸、酢酸およびそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの酸性化剤を含むことを特徴とする。
剤(b)は、化粧料担体、好ましくは水性化粧料担体中に、シーリング試薬(b1)として酸性化剤を含む。
剤(b)に含まれる酸性化剤は、剤(b)のpHに影響を与える。酸性のpH値も、この方法で達成可能な染色性能および染色の堅牢性に有益な効果を有することが見出された。
このため、シーリング試薬(b1)として酸性化剤を含む剤(b)は、2.0~6.5、好ましくは3.0~6.0、より好ましくは4.0~6.0、最も好ましくは4.5~5.5のpHを有することが好ましい。
pH値は、組み合わせ電極を介したガラス電極を使用するか、またはpH指示紙を使用するなど、当技術分野から知られている通常の方法を使用して測定できる。
別の非常に特に好ましい実施形態において、方法は、剤(b)がシーリング試薬(b1)として酸性化剤を含み、2.0~6.5、好ましくは3.0~6.0、より好ましくは4.0~6.0、最も好ましくは4.5~5.5のpHを有することを特徴とする。
本発明の目的のためのpH値は、22℃の温度で測定されたpH値である。
剤(a)および(b)中の他の成分
上記の剤(a)および(b)は、1つ以上の任意の成分を含有してもよい。しかし、剤(a)および(b)の少なくとも1つが、顔料および/または直接染料からなる群から選択される少なくとも1つの着色剤化合物をさらに含むことが本発明にとって必須である。
剤(a)は、1、2または3つのケイ素原子を有するシランからなる群から選択される少なくとも1つの有機ケイ素化合物(a1)および少なくとも1つのリン酸エステル(a2)に加えて、顔料および/または直接染料からなる群から選択される少なくとも1つの着色化合物をさらに含むことが好ましい場合がある。
あるいは、剤(b)は、シーリング試薬(b1)に加えて、顔料および/または直接染料からなる群から選択される少なくとも1つの着色剤化合物をさらに含むことが好ましい場合がある。
方法の同様に好ましい実施形態において、剤(a)および剤(b)はそれぞれ、顔料および/または直接染料からなる群から選択される少なくとも1つの着色剤化合物をさらに含む。
剤(a)および/または(b)に関係なく、顔料の使用はこの文脈において特に好ましいことが証明された。
別の非常に特に好ましい実施形態では、方法は、剤(a)および/または剤(b)が、顔料からなる群から選択される少なくとも1つの色付与化合物をさらに含むことを特徴とする。
本発明の意味の範囲に含まれる顔料は、25℃において0.5g/L未満、好ましくは0.1g/L未満、なおより好ましくは0.05g/L未満の水への溶解度を有する着色化合物である。水への溶解度は、例えば下記の方法によって測定できる:0.5gの顔料をビーカー内に量り入れる。攪拌子を添加する。次いで、1リットルの蒸留水を添加する。この混合物を、磁気攪拌機で撹拌しながら25℃まで1時間加熱する。この期間後、顔料の未溶解成分が混合物中にまだみられる場合、顔料の溶解度は0.5g/L未満である。微細分散された顔料の高強度のため顔料-水の混合物を視認的に評価できない場合、混合物を濾過する。ある割合の未溶解顔料が濾紙上に残存している場合、顔料の溶解度は0.5g/L未満である。
好適な着色顔料は無機および/または有機起源のものであり得る。
好ましい実施形態において、方法は、剤(a)および/または剤(b)が、無機および/または有機顔料からなる群から選択される少なくとも1つの着色剤化合物をさらに含むことを特徴とする。
好ましい顔料は合成または天然の無機顔料から選択される。天然起源の無機顔料は、例えば、胡粉、黄土、アンバー、緑土、赤土(fired Terra di Siena)またはグラファイトから製造できる。さらに、黒色顔料、例えば黒色酸化鉄、着色顔料、例えばウルトラマリンまたは赤色酸化鉄および蛍光またはリン光顔料が無機顔料として使用できる。
特に好適であるのは、有色金属酸化物、水酸化物および酸化物水和物、混相顔料、含硫シリケート、シリケート、金属硫化物、金属シアン化物錯体、金属硫酸塩、クロメートおよび/またはモリブデートである。特に好ましい顔料は黒色酸化鉄(CI 77499)、黄色酸化鉄(CI 77492)、赤褐色酸化鉄(CI 77491)、マンガンバイオレット(CI 77742)、ウルトラマリン(スルホケイ酸アルミニウムナトリウム、CI 77007、ピグメントブルー29)、酸化クロム水和物(CI 77289)、アイアンブルー(フェロシアン化第二鉄、CI 77510)および/またはカーマイン(コチニール)である。
また、特に好ましい顔料は、有色の真珠光沢顔料である。このようなものは通常、雲母(Mica)および/または雲母ベース(Glimmerbasis)であり、1つ以上の金属酸化物でコーティングされ得る。雲母は層状シリケートに属する。このようなシリケートのうち最も重要な代表例はマスコバイト、フロゴパイト、パラゴナイト、黒雲母、鱗雲母および真珠雲母である。金属酸化物との組合せでの真珠光沢顔料を製造するためには、雲母、マスコバイトまたはフロゴパイトを金属酸化物でコーティングする。
したがって、好ましい方法は、剤(a)および/または剤(b)が、有色金属酸化物、金属水酸化物、金属酸化物水和物、シリケート、金属硫化物、金属シアン化物錯体、金属硫酸塩、ブロンズ顔料および/または少なくとも1つの金属酸化物および/または金属オキシ塩化物で被覆された天然または合成雲母に基づく着色顔料の群から選択される顔料の群から選択される少なくとも1つの着色剤化合物をさらに含むことを特徴とする。
さらに好ましい実施形態では、方法は、剤(a)および/または剤(b)が、二酸化チタン(CI 77891)、黒色酸化鉄(CI 77499)、黄色酸化鉄(CI 77492)、赤色および/または褐色酸化鉄(CI 77491、CI 77499)、マンガンバイオレット(CI 77742)、ウルトラマリン(スルホケイ酸アルミニウムナトリウム、CI 77007、ピグメント ブルー29)、酸化クロム水和物(CI 77289)、酸化クロム(CI 77288)および/またはアイアンブルー(フェロシアン化第二鉄、CI 77510)からなる群からの1つ以上の金属酸化物と反応した、天然または合成雲母に基づく顔料から選択される顔料の群からの少なくとも1つの着色剤化合物を含むことを特徴とする。
さらに好ましい実施形態では、方法は、剤(a)が、酸化鉄顔料からなる群から選択される着色化合物を含むことを特徴とする。この実施形態において、酸化鉄顔料は、黒色酸化鉄(CI 77499)、黄色酸化鉄(CI 77492)、赤色酸化鉄(CI 77491)およびそれらの混合物からなる群から選択され、100~1,000nmの範囲、より好ましくは150nm~700nmの範囲の粒子直径を有することが特に好ましい。
この文脈において、驚くべきことに、INCI名:セテス-20リン酸を有するエステルを含むリン酸エステル(a2)を、粒子直径が100~1000nmの範囲の酸化鉄顔料の群からの顔料を含む着色化合物と組み合わせて使用すると、特に強烈で均一な着色につながることが分かった。
合成雲母に基づく好ましい適切な顔料は、例えば、MerckのTimiron SynWhite Satinである。
他の好適な顔料は、金属酸化物コートプレートレット形状ボロシリケートに基づくものである。このようなものは、例えば酸化スズ、酸化鉄、二酸化ケイ素および/または二酸化チタンでコーティングされる。そのようなボロシリケートに基づく顔料は、例えばMIRAGEという名称でEckartから、またはReflecksという名称でBASF SEから入手可能である。
特に好適な顔料の例は、Merck製のRona(登録商標)、Colorona(登録商標)、Xirona(登録商標)、Dichrona(登録商標)およびTimiron(登録商標)、Sensient製のAriabel(登録商標)およびUnipure(登録商標)、Eckart Cosmetic Colors製のPrestige(登録商標)またはSynCrystal、BASF SE製のFlamenco(登録商標)、Cellini(登録商標)、Cloisonne(登録商標)、Duocrome(登録商標)、Gemtone(登録商標)、Timica(登録商標)、MultiReflections、Chione、およびSunstar製のSunshine(登録商標)の商品名で市販されているものである。
商品名Colorona(登録商標)を有する非常に特に好ましい顔料は、例えば:
Colorona Copper, Merck, 雲母、CI 77491(酸化鉄)
Colorona Passion Orange, Merck, 雲母、CI 77491(酸化鉄)、アルミナ
Colorona Patina Silver, Merck, 雲母、CI 77499(酸化鉄)、CI 77891(二酸化チタン)
Colorona RY, Merck, CI 77891(二酸化チタン)、雲母、CI 75470(カーマイン)
Colorona Oriental Beige, Merck, 雲母、CI 77891(二酸化チタン)、CI 77491(酸化鉄)
Colorona Dark Blue, Merck, 雲母、二酸化チタン、フェロシアン化第二鉄
Colorona Chameleon, Merck, CI 77491(酸化鉄)、雲母
Colorona Aborigine Amber, Merck, 雲母、CI 77499(酸化鉄)、CI 77891(二酸化チタン)
Colorona Blackstar Blue, Merck, CI 77499(酸化鉄)、雲母
Colorona Patagonian Purple, Merck, 雲母、CI 77491(酸化鉄)、CI 77891(二酸化チタン)、CI 77510(フェロシアン化第二鉄)
Colorona Red Brown, Merck, 雲母、CI 77491(酸化鉄)、CI 77891(二酸化チタン)
Colorona Russet, Merck, CI 77491(二酸化チタン)、雲母,CI 77891(酸化鉄)
Colorona Imperial Red, Merck, 雲母、二酸化チタン(CI 77891)、D&C RED NO.30(CI 73360)
Colorona Majestic Green, Merck, CI 77891(二酸化チタン)、雲母,CI 77288(酸化クロムグリーン)
Colorona Light Blue, Merck, 雲母、二酸化チタン(CI 77891)、フェロシアン化第二鉄(CI 77510)
Colorona Red Gold, Merck, 雲母、CI 77891(二酸化チタン)、CI 77491(酸化鉄)
Colorona Gold Plus MP 25, Merck, 雲母、二酸化チタン(CI 77891)、酸化鉄(CI 77491)
Colorona Carmine Red, Merck, 雲母、二酸化チタン、カーマイン
Colorona Blackstar Green, Merck, 雲母、CI 77499(酸化鉄)
Colorona Bordeaux, Merck, 雲母、CI 77491(酸化鉄)
Colorona Bronze, Merck, 雲母、CI 77491(酸化鉄)
Colorona Bronze Fine, Merck, 雲母、CI 77491(酸化鉄)
Colorona Fine Gold MP 20, Merck, 雲母、CI 77891(二酸化チタン)、CI 77491(酸化鉄)
Colorona Sienna Fine, Merck, CI 77491(酸化鉄)、雲母
Colorona Sienna, Merck, 雲母、CI 77491(酸化鉄)
Colorona Precious Gold, Merck, 雲母、CI 77891(二酸化チタン)、シリカ、CI 77491(酸化鉄)、酸化スズ
Colorona Sun Gold Sparkle MP 29, Merck, 雲母、二酸化チタン、酸化鉄、雲母、CI 77891, CI 77491(EU)
Colorona Mica Black, Merck, CI 77499(酸化鉄)、雲母、CI 77891(二酸化チタン)
Colorona Bright Gold, Merck, 雲母、CI 77891(二酸化チタン)、CI 77491(酸化鉄)
Colorona Blackstar Gold, Merck, 雲母、CI 77499(酸化鉄)
Colorona SynCopper, Merck, 合成フルオロフロゴパイト(および)酸化鉄
Colorona SynBronze, Merck, 合成フルオロフロゴパイト(および)酸化鉄
である。
商品名Xirona(登録商標)を有するさらに特に好ましい顔料は、例えば:
Xirona Golden Sky, Merck,シリカ、CI 77891(二酸化チタン)、酸化スズ
Xirona Caribbean Blue, Merck, 雲母、CI 77891(二酸化チタン)、シリカ、酸化スズ
Xirona Kiwi Rose, Merck, シリカ、CI 77891(二酸化チタン)、酸化スズ
Xirona Magic Mauve, Merck, シリカ、CI 77891(二酸化チタン)、酸化スズ
Xirona Le Rouge, Merck, 酸化鉄(および)シリカ
である。
また、商品名Unipure(登録商標)を有する特に好ましい顔料は、例えば:
Unipure Red LC 381 EM, Sensient CI 77491(酸化鉄)、シリカ
Unipure Black LC 989 EM, Sensient, CI 77499(酸化鉄)、シリカ
Unipure Yellow LC 182 EM, Sensient, CI 77492(酸化鉄)、シリカ
である。
また、商品名Flamenco(登録商標)を有する特に好ましい顔料は、例えば:
Flamenco(登録商標)Summit Turquoise T30D, BASF, 二酸化チタン(および)雲母
Flamenco(登録商標)Super Violet 530Z, BASF, 雲母(および)二酸化チタン
である。
さらなる実施形態では、方法で使用される剤(a)および/または剤(b)は、有機顔料の群からの1つ以上の着色化合物も含有し得る。
有機顔料は、相応して不溶性の有機系の染料または着色剤であり、例えば、ニトロソ、ニトロ、アゾ、キサンテン、アントラキノン、イソインドリノン、イソインドリン、キナクリドン、ペリノン、ペリレン、ジケトピロロピオロール(diketopyrrolopyorrole)、インジゴ、チオインジド(thioindido)、ジオキサジンおよび/またはトリアリールメタン化合物の群から選択してよい。
特に好適な有機顔料の例はカーマイン、キナクリドン、フタロシアニン、ソルガム、カラーインデックス番号CI 42090、CI 69800、CI 69825、CI 73000、CI 74100、CI 74160を有する青色顔料、カラーインデックス番号CI 11680、CI 11710、CI 15985、CI 19140、CI 20040、CI 21100、CI 21108、CI 47000、CI 47005を有する黄色顔料、カラーインデックス番号CI 61565、CI 61570、CI 74260を有する緑色顔料、カラーインデックス番号CI 11725、CI 15510、CI 45370、CI 71105を有する橙色顔料、カラーインデックス番号CI 12085、CI 12120、CI 12370、CI 12420、CI 12490、CI 14700、CI 15525、CI 15580、CI 15620、CI 15630、CI 15800、CI 15850、CI 15865、CI 15880、CI 17200、CI 26100、CI 45380、CI 45410、CI 58000、CI 73360、CI 73915および/またはCI 75470を有する赤色顔料である。
別の特に好ましい実施形態では、方法は、剤(a)および/または剤(b)が、カーマイン、キナクリドン、フタロシアニン、ソルガム、カラーインデックス番号CI 42090、CI 69800、CI 69825、CI 73000、CI 74100、CI 74160を有する青色顔料、カラーインデックス番号CI 11680、CI 11710、CI 15985、CI 19140、CI 20040、CI 21100、CI 21108、CI 47000、CI 47005を有する黄色顔料、カラーインデックス番号CI 61565、CI 61570、CI 74260を有する緑色顔料、カラーインデックス番号CI 11725、CI 15510、CI 45370、CI 71105を有する橙色顔料、カラーインデックス番号CI 12085、CI 12120、CI 12370、CI 12420、CI 12490、CI 14700、CI 15525、CI 15580、CI 15620、CI 15630、CI 15800、CI 15850、CI 15865、CI 15880、CI 17200、CI 26100、CI 45380、CI 45410、CI 58000、CI 73360、CI 73915、CI 75470を有する赤色顔料およびそれらの混合物からなる群から選択される有機顔料の群からの少なくとも1つの着色剤化合物を含むことを特徴とする。
有機顔料はカラーラッカーであってもよい。本発明の意味において、カラーラッカーという用語は、吸収された染料の層を含む粒子を意味し、粒子および染料のユニットは、上述の条件下で不溶性である。粒子は、例えば無機基材であってよく、これはアルミニウム、シリカ、ホウケイ酸カルシウム、ホウケイ酸カルシウムアルミニウムであってよく、またはアルミニウムであってもよい。
例えば、アリザリンカラーワニスを使用できる。
さらに好ましい実施形態では、方法は、剤(a)が、有機顔料からなる群から選択される着色化合物を含むことを特徴とする。この実施形態において、有機顔料は、100~1,000nm、より好ましくは150nm~700nmの範囲の粒径を有することが特に好ましい。
この文脈において、驚くべきことに、INCI名:セテス-20リン酸を有するエステルを含むリン酸エステル(a2)を、100~1000nmの範囲の粒径を有する有機顔料を含む着色化合物と組み合わせて使用すると、特に強烈で均一な着色につながることが示された。
顔料の群からの同様に適切な着色化合物は、ポリマーで修飾された無機および/または有機顔料である。ポリマー修飾は、例えば、少なくとも1つの層のそれぞれの物質に対する顔料の親和性を高めることができる。
剤(a)および/または剤(b)において、いわゆる金属エフェクト顔料を着色剤として使用することも可能である。
特に、金属エフェクト顔料は、ラメラ状基材プレートレットに基づく顔料、レンズ状基材プレートレットに基づく顔料、および/または「真空金属化顔料」(VMP)を含む基材プレートレットに基づく顔料を含み得る。これらの金属エフェクト顔料において、基材プレートレットは、金属、好ましくはアルミニウム、または合金を含む。金属基材プレートレットに基づく金属エフェクト顔料は、とりわけ保護層として機能するコーティングを有することが好ましい。
適切な金属エフェクト顔料には、例えば、Schlenk Metallic Pigments製のAlegrace(登録商標)Marvelous、Alegrace(著作権)GorgeousまたはAlegrace(登録商標)Aurous顔料が含まれる。
また、適切な金属エフェクト顔料は、EckartのSILVERDREAMシリーズのアルミニウムに基づく顔料、およびVISIONAIREシリーズのアルミニウムまたは銅/亜鉛含有金属合金に基づく顔料である。
驚くべきことに、オルトリン酸と11~14個の炭素原子を有する分枝脂肪族アルコールとのエステルを含むリン酸エステル(a2)を本発明による方法で使用すると、アルミニウム系顔料のレベリングが改善されることが示された。その結果、得られた着色は特に均一で強烈であった。
同様に、適切なエフェクト顔料は、好ましくは少なくとも1つの金属酸化物(水和物)層でコートされた、天然または人工の雲母の基材プレートレットに基づく。このような顔料は、例えば、MerckからTimiron SynWhite Satinの名前で入手可能である。
その優れた光安定性および温度安定性のため、上記の顔料を剤(a)および/または剤(b)に使用することが特に好ましい。使用される顔料が、ある粒子サイズを有する場合も好ましい。この粒子サイズは、一方において、形成されたポリマーフィルム中における顔料の一様な分布をもたらし、他方において、化粧料製品の適用後の毛髪または肌のざらざら感を回避する。したがって、本発明によれば、前記少なくとも1つの顔料が、1~50μm、好ましくは5~45μm、好ましくは10~40μm、14~30μmの平均粒子サイズD50を有する場合が有利である。平均粒子サイズD50は、例えば動的光散乱(DLS)を用いて測定できる。
さらに好ましい実施形態では、方法は、剤(a)が、剤(a)の総重量に基づいて、顔料の形態の1つ以上の着色付与化合物を0.01~10重量%、好ましくは0.1~8重量%、より好ましくは0.2~6重量%、最も好ましくは0.5~4.5重量%の総量でさらに含有することを特徴とする。
さらに同様に好ましい実施形態では、方法は、剤(b)が、剤(b)の総重量に基づいて、顔料の形態の1つ以上の着色付与化合物を0.01~10重量%、好ましくは0.1~8重量%、より好ましくは0.2~6重量%、非常に特に好ましくは0.5~4.5重量%の総量でさらに含むことを特徴とする。
着色化合物として、方法に使用される剤(a)および/または剤(b)は、1つ以上の直接染料を含有してもよい。直接作用染料は、毛髪に直接塗り、色形成のための酸化的プロセスを必要としない染料である。直接染料は通常、ニトロフェニレンジアミン、ニトロアミノフェノール、アゾ染料、アントラキノン類、トリアリールメタン染料またはインドフェノールである。
本発明の意味に含まれる直接染料は、25℃(760mmHg)において0.5g/Lより大きい水への溶解度を有するものであり、したがって顔料とみなされるものではない。
好ましくは、本発明の意味の範囲に含まれる直接染料は、25℃(760mmHg)において1g/Lより大きい水への溶解度を有する。
直接染料は、アニオン性直接染料、カチオン性直接染料および非イオン性直接染料に分けることができる。
さらなる好ましい実施形態において、方法は、剤(a)および/または剤(b)が、着色化合物として少なくとも1つのアニオン性直接染料、カチオン性直接染料および/または非イオン性直接染料をさらに含むことを特徴とする。
さらに好ましい実施形態では、方法は、剤(a)および/または剤(b)が、アニオン性、非イオン性、および/またはカチオン性の直接染料からなる群から選択される少なくとも1つの着色剤化合物をさらに含むことを特徴とする。
好適なカチオン性直接染料として、ベーシックブルー7、ベーシックブルー26、ベーシックバイオレット2およびベーシックバイオレット14、ベーシックイエロー57、ベーシックレッド76、ベーシックブルー16、ベーシックブルー347(カチオンブルー347/Dystar)、HCブルーNo.16、ベーシックブルー99、ベーシックブラウン16、ベーシックブラウン17、ベーシックイエロー57、ベーシックイエロー87、ベーシックオレンジ31、ベーシックレッド51、ベーシックレッド76が挙げられる。
非イオン性直接染料として、非イオン性のニトロ染料およびキノン染料ならびに中性アゾ染料が使用できる。好適な非イオン性直接染料は、国際指定呼称または商品名HCイエロー2、HCイエロー4、HCイエロー5、HCイエロー6、HCイエロー12、HCオレンジ1、ディスパースオレンジ3、HCレッド1、HCレッド3、HCレッド10、HCレッド11、HCレッド13、HCレッドBN、HCブルー2、HCブルー11、HCブルー12、ディスパースブルー3、HCバイオレット1、ディスパースバイオレット1、ディスパースバイオレット4、ディスパースブラック9で列挙される既知化合物のもの、ならびに1,4-ジアミノ-2-ニトロベンゼン、2-アミノ-4-ニトロフェノール、1,4-ビス-(2-ヒドロキシエチル)-アミノ-2-ニトロベンゼン、3-ニトロ-4-(2-ヒドロキシエチル)-アミノフェノール2-(2-ヒドロキシエチル)アミノ-4,6-ジニトロフェノール、4-[(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-3-ニトロ-1-メチルベンゼン、1-アミノ-4-(2-ヒドロキシエチル)-アミノ-5-クロロ-2-ニトロベンゼン、4-アミノ-3-ニトロフェノール、1-(2’-ウレイドエチル)アミノ-4-ニトロベンゼン、2-[(4-アミノ-2-ニトロフェニル)アミノ]安息香酸、6-ニトロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノキサリン、2-ヒドロキシ-1,4-ナフトキノン、ピクラミン酸およびその塩、2-アミノ-6-クロロ-4-ニトロフェノール、4-エチルアミノ-3-ニトロ安息香酸ならびに2-クロロ-6-エチルアミノ-4-ニトロフェノールである。
本発明に至る研究の過程において、少なくとも1つのアニオン直接染料を含む剤(a)および/または剤(b)により、特に高い色強度の染色を作り出せることがわかった。
したがって、明白に極めて特に好ましい実施形態において、方法は、剤(a)および/または剤(b)が、着色化合物として少なくとも1つのアニオン性直接染料をさらに含むことを特徴とする。
アニオン性直接染料は酸性染料とも称される。酸性染料は、少なくとも1つのカルボン酸基(-COOH)および/または1つのスルホン酸基(-SOH)を有する直接染料である。pH値に応じて、カルボン酸基またはスルホン酸基のプロトン化形態(-COOH、-SOH)は、その脱プロトン化形態(-OO、-SO-で存在)と平衡状態になる。プロトン化形態の割合はpHの低下にともなって増大する。直接染料がその塩の形態で使用される場合、カルボン酸基またはスルホン酸基は脱プロトン化形態で存在し、対応する化学量論当量のカチオンで中和され、電気的中性が維持される。酸性染料は、そのナトリウム塩および/またはカリウム塩の形態でも使用できる。
本発明の意味の範囲に含まれる酸性染料は、25℃(760mmHg)で、0.5g/Lを超える水への溶解度を有するものであり、したがって顔料とみなされるものではない。好ましくは、本発明の意味の範囲に含まれる酸性染料は、25℃(760mmHg)で1g/Lを超える水への溶解度を有する。
酸性染料のアルカリ土類塩(例えば、カルシウム塩およびマグネシウム塩)またはアルミニウム塩は、多くの場合、対応するアルカリ塩より低い溶解度を有する。これらの塩の溶解度が0.5g/L(25℃、760mmHg)未満である場合は直接染料の定義に含まれない。
酸性染料の必須の特徴はアニオン電荷形成能であり、これにより、これを担うカルボン酸基またはスルホン酸基は通常、異なる発色団系に連結される。好適な発色団系は、例えば、ニトロフェニレンジアミン、ニトロアミノフェノール、アゾ染料、アントラキノン染料、トリアリールメタン染料、キサンテン染料、ローダミン染料、オキサジン染料および/またはインドフェノール染料の構造に見出すことができる。
一実施形態の文脈において、ケラチン物質を染色するための方法は、したがって、剤(a)および/または剤(b)が、ニトロフェニレンジアミン、ニトロアミノフェノール、アゾ染料、アントラキノン染料、トリアリールメタン染料、キサンテン染料、ローダミン染料、オキサジン染料および/またはインドフェノール染料からなる群より選択される少なくとも1つのアニオン性直接染料をさらに含むことを特徴とするものが好ましく、上記の群に由来する染料は各々、少なくとも1つのカルボン酸基(-COOH)、カルボン酸ナトリウム基(-COONa)、カルボン酸カリウム基(-COOK)、スルホン酸基(-SOH)、スルホン酸ナトリウム基(-SONa)および/またはスルホン酸カリウム基(-SOK)を含む。
例えば、以下の群からの1つ以上の化合物を、特によく適した酸性染料として選択することができる:アシッドイエロー1(D&Cイエロー7、Citronin A、Ext.D&CイエローNo.7、ジャパンイエロー403、CI 10316、COLIPA n° B001)、アシッドイエロー3(COLIPA n°:C 54、D&CイエローN 10、Quinoline Yellow、E104、食用黄色13号)、アシッドイエロー9(CI 13015)、アシッドイエロー17(CI 18965)、アシッドイエロー23(COLIPA n° C 29、Covacap Jaune W 1100(LCW)、Sicovit Tartrazine 85 E 102(BASF)、Tartrazine、食用黄色4号、ジャパンイエロー4、FD&CイエローNo.5)、アシッドイエロー36(CI 13065)、アシッドイエロー121(CI 18690)、アシッドオレンジ6(CI 14270)、アシッドオレンジ7(2-Naphthol orange、Orange II、CI 15510、D&Cオレンジ4、COLIPA n° C015)、アシッドオレンジ10(C.I.16230;Orange G sodium salt)、アシッドオレンジ11(CI 45370)、アシッドオレンジ15(CI 50120)、アシッドオレンジ20(CI 14600)、アシッドオレンジ24(BROWN 1; CI 20170; KATSU201; nosodiumsalt; Brown No.201; RESORCIN BROWN;アシッドオレンジ24;ジャパンブラウン201;D&C ブラウン No.1)、アシッドレッド14(C.I.14720)、アシッドレッド18(E124、Red 18;CI 16255)、アシッドレッド27(E 123、CI 16185、C-Rot 46、Real red D、FD&CレッドNr.2、食用赤色9号、Naphthol red S)、アシッドレッド33(Red 33、Fuchsia Red、D&Cレッド33、CI 17200)、アシッドレッド35(CI C.I.18065)、アシッドレッド51(CI 45430、Pyrosin B、テトラヨードフロオレセイン、Eosin J、Iodeosin)、アシッドレッド52(CI 45100、食用赤色106号、Solar Rhodamine B、Acid Rhodamine B、Red n° 106 Pontacyl Brilliant Pink)、アシッドレッド73(CI CI 27290)、アシッドレッド87(Eosin、CI 45380)、アシッドレッド92(COLIPA n° C53、CI 45410)、アシッドレッド95(CI 45425、Erythtosine、Simacid Erythrosine Y)、アシッドレッド184(CI 15685)、アシッドレッド195、アシッドバイオレット43(Jarocol Violet 43、Ext.D&Cバイオレットn° 2、C.I.60730、COLIPA n° C063)、アシッドバイオレット49(CI 42640)、アシッドバイオレット50(CI 50325)、アシッドブルー1(Patent Blue、CI 42045)、アシッドブルー3(Patent Blue V、CI 42051)、アシッドブルー7(CI 42080)、アシッドブルー104(CI 42735)、アシッドブルー9(E 133、Patent Blue AE、Amido blue AE、Erioglaucin A、CI 42090、C.I.食用青色2号)、アシッドブルー62(CI 62045)、アシッドブルー74(E 132、CI 73015)、アシッドブルー80(CI 61585)、アシッドグリーン3(CI 42085、食用緑色1号)、アシッドグリーン5(CI 42095)、アシッドグリーン9(C.I.42100)、アシッドグリーン22(C.I.42170)、アシッドグリーン25(CI 61570、ジャパングリーン201、D&CグリーンNo.5)、アシッドグリーン50(Brilliant Acid Green BS、C.I.44090、Acid Brilliant Green BS、E 142)、アシッドブラック1(Black n 401、Naphthalene Black 10B、Amido Black 10B、CI 20 470、COLIPA n B15)、アシッドブラック52(CI 15711)、食用黄色8号(CI 14270)、食用青色5号、D&Cイエロー8、D&Cグリーン5、D&Cオレンジ10、D&Cオレンジ11、D&Cレッド21、D&Cレッド27、D&Cレッド33、D&Cバイオレット2および/またはD&Cブラウン1。
例えば、アニオン性直接染料の水への溶解度は以下のようにして測定できる。0.1gのアニオン直接染料をビーカー内に入れる。攪拌子を添加する。次いで100mlの水を添加する。この混合物を磁気攪拌機で撹拌しながら25℃まで加熱する。これを60分間撹拌する。次いで、この水性混合物を目視評価する。まだ未溶解残渣がある場合、水の量を、例えば10mlずつ増やす。使用した量の染料が完全に溶解するまで水を添加する。染料-水混合物が染料の高強度のため視認評価できない場合、混合物を濾過する。ある割合の未溶解染料が濾紙上に残存している場合、水の量をより多くして溶解度試験を繰り返す。0.1gのアニオン直接染料が25℃において100mlの水に溶解する場合、染料の溶解度は1g/Lである。
アシッドイエロー1は8-ヒドロキシ-5,7-ジニトロ-2-ナフタレンスルホン酸二ナトリウム塩と称され、水への溶解度は少なくとも40g/L(25℃)である。
アシッドイエロー3は2-(2-キノリル)-1H-インデン-1,3(2H)-ジオンのモノスルホン酸のナトリウム塩とジスルホン酸のナトリウム塩の混合物であり、水への溶解度は20g/L(25℃)である。
アシッドイエロー9は8-ヒドロキシ-5,7-ジニトロ-2-ナフタレンスルホン酸の二ナトリウム塩であり、その水への溶解度は40g/L(25℃)より大きい。
アシッドイエロー23は4,5-ジヒドロ-5-オキソ-1-(4-スルホフェニル)-4-((4-スルホフェニル)アゾ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸の三ナトリウム塩であり、25℃で水に非常に溶けやすい。
アシッドオレンジ7は4-[(2-ヒドロキシ-1-ナフチル)アゾ]ベンゼンスルホン酸ナトリウム塩である。その水への溶解度は7g/L(25℃)より大きい。
アシッドレッド18は7-ヒドロキシ-8-[(E)-(4-スルホナト-1-ナフチル)-ジアゼニル)]-1,3-ナフタレンジスルホン酸三ナトリウム塩であり、水への溶解度は顕著に大きく20重量%より大きい。
アシッドレッド33は5-アミノ-4-ヒドロキシ-3-(フェニルアゾ)-ナフタレン-2,7-ジスルホン酸二ナトリウム塩であり、その水への溶解度は2.5g/L(25℃)である。
アシッドレッド92は3,4,5,6-テトラクロロ-2-(1,4,5,8-テトラブロモ-6-ヒドロキシ-3-オキソキサンテン-9-イル)安息香酸の二ナトリウム塩であり、その水への溶解度は10g/L(25℃)より大きいと示されている。
アシッドブルー9は2-({4-[N-エチル(3-スルホナトベンジル]アミノ]フェニル}{4-[(N-エチル(3-スルホナトベンジル)イミノ]-2,5-シクロヘキサジエン-1-イリデン}メチル)-ベンゼンスルホン酸二ナトリウム塩であり、水への溶解度は20重量%(25℃)より大きい
い。
したがって、非常に好ましい方法は、剤(a)および/または剤(b)が、アシッドイエロー1、アシッドイエロー3、アシッドイエロー9、アシッドイエロー17、アシッドイエロー23、アシッドイエロー36、アシッドイエロー121、アシッドオレンジ6、アシッドオレンジ7、アシッドオレンジ10、アシッドオレンジ11、アシッドオレンジ15、アシッドオレンジ20、アシッドオレンジ24、アシッドレッド14、アシッドレッド27、アシッドレッド33、アシッドレッド35、アシッドレッド51、アシッドレッド52、アシッドレッド73、アシッドレッド87、アシッドレッド92、アシッドレッド95、アシッドレッド184、アシッドレッド195、アシッドバイオレット43、アシッドバイオレット49、アシッドバイオレット50、アシッドブルー1、アシッドブルー3、アシッドブルー7、アシッドブルー104、アシッドブルー9、アシッドブルー62、アシッドブルー74、アシッドブルー80、アシッドグリーン3、アシッドグリーン5、アシッドグリーン9、アシッドグリーン22、アシッドグリーン25、アシッドグリーン50、アシッドブラック1、アシッドブラック52、食用黄色8号、食用青色5号、D&Cイエロー8、D&Cグリーン5、D&Cオレンジ10、D&Cオレンジ11、D&Cレッド21、D&Cレッド27、D&Cレッド33、D&Cバイオレット2および/またはD&Cブラウン1からなる群より選択されるアニオン性直接染料からなる群から選択される少なくとも1つの着色化合物をさらに含むことを特徴とする。
直接染料、特にアニオン性直接染料は、所望の色強度に応じて剤(a)および/または剤(b)中に様々な量で使用できる。剤(a)および/または剤(b)が、それぞれの場合にその総重量に対して、1つ以上の直接染料を着色化合物として0.01~10重量%、好ましくは0.1~8重量%、より好ましくは0.2~6重量%、非常に特に好ましくは0.5~4.5重量%の総量で含む場合、特に良好な結果が得られた。
さらなる好ましい実施形態において、方法は、剤(a)および/または剤(b)が、剤(a)および/または剤(b)の総重量に基づいて、着色化合物として1つ以上の直接染料を0.01~10重量%、好ましくは0.1~8重量%、より好ましくは0.2~6重量%、最も好ましくは0.5~4.5重量%の総量でさらに含むことを特徴とする。
着色剤化合物に関する方法の好ましい実施形態を以下に開示する:
1.以下の工程:
・剤(a)のケラチン物質への適用であって、剤(a)は以下を含む:
(a1)1、2または3つのケイ素原子を有するシランからなる群から選択される少なくとも1つの有機ケイ素化合物
(a2)少なくとも1つのリン酸エステル、および
有色金属酸化物、金属水酸化物、金属酸化物水和物、ケイ酸塩、金属硫化物、金属シアン化物錯体、金属硫酸塩、ブロンズ顔料、およびそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの無機顔料を含む少なくとも1つの着色化合物
・剤(b)のケラチン物質への適用であって、剤(b)は以下を含む:
(b1)少なくとも1つのシーリング試薬
を含む、ケラチン物質、特にヒトの毛髪の染色方法。
2.以下の工程:
・剤(a)のケラチン物質への適用であって、剤(a)は以下を含む:
(a1)1、2または3つのケイ素原子を有するシランからなる群から選択される少なくとも1種の有機ケイ素化合物、
(a2)少なくとも1つのリン酸エステル、および
有色金属酸化物、金属水酸化物、金属酸化物水和物、ケイ酸塩、金属硫化物、複合金属シアン化物、金属硫酸塩、ブロンズ顔料およびそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの無機顔料と、ラメラ状金属基材プレートレットに基づく顔料、レンチキュラー金属基材プレートレットに基づく顔料、真空金属化顔料(VMP)を含む金属基材プレートレットに基づく顔料、およびそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの顔料とを含む少なくとも1つの着色化合物
・剤(b)のケラチン物質への適用であって、剤(b)は以下を含む:
(b1)少なくとも1つのシーリング試薬
を含む、ケラチン物質、特にヒトの毛髪の染色方法。
3.以下の工程:
・剤(a)のケラチン物質への適用であって、剤(a)は以下を含む:
(a1)1、2または3つのケイ素原子を有するシランからなる群から選択される少なくとも1つの有機ケイ素化合物、
(a2)少なくとも1つのリン酸エステル、および
有色金属酸化物、金属水酸化物、金属酸化物水和物、ケイ酸塩、金属硫化物、錯体金属シアン化物、金属硫酸塩、ブロンズ顔料、およびそれらの混合物の群から選択される少なくとも1つの無機顔料と、α)雲母を含む基材プレートレット、およびβ)TiO、SnOおよび/または酸化鉄を含む少なくとも第1の金属酸化物(水和物)層を含むコーティングを含む少なくとも1つの顔料とを含む少なくとも1つの着色剤化合物
・剤(b)のケラチン物質への適用であって、剤(b)は以下を含む:
(b1)少なくとも1つのシーリング試薬
を含む、ケラチン物質、特にヒトの毛髪の染色方法。
4.以下の工程:
・剤(a)のケラチン物質への適用であって、剤(a)は以下を含む:
(a1)1、2または3つのケイ素原子を有するシランからなる群から選択される少なくとも1つの有機ケイ素化合物、
(a2)少なくとも1つのリン酸エステル、および
有色金属酸化物、金属水酸化物、金属酸化物水和物、ケイ酸塩、金属硫化物、錯体金属シアン化物、金属硫酸塩、ブロンズ顔料、およびそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの無機顔料を含む少なくとも1つの着色化合物
・剤(b)のケラチン物質への適用であって、剤(b)は以下を含む:
(b1)フィルム形成性ポリマーを含む少なくとも1つのシーラント試薬、および
ラメラ状金属基材プレートレットに基づく顔料、レンチキュラー金属基材プレートレットに基づく顔料、真空金属化顔料(VMP)を含む金属基材プレートレットに基づく顔料、およびそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの顔料を含む少なくとも1つの着色剤化合物
を含む、ケラチン物質、特にヒトの毛髪の染色方法。
5.以下の工程:
・剤(a)のケラチン物質への適用であって、剤(a)は以下を含む:
(a1)1、2または3つのケイ素原子を有するシランからなる群から選択される少なくとも1つの有機ケイ素化合物、
(a2)少なくとも1つのリン酸エステル、および
有色金属酸化物、金属水酸化物、金属酸化物水和物、ケイ酸塩、金属硫化物、錯体金属シアン化物、金属硫酸塩、ブロンズ顔料、およびそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの無機顔料を含む少なくとも1つの着色化合物
・剤(b)のケラチン物質への適用であって、剤(b)は以下を含む:
(b1)フィルム形成性ポリマーを含む少なくとも1つのシーラント試薬、および
α)雲母を含む基材プレートレット、およびβ)TiO、SnOおよび/または酸化鉄を含む少なくとも第1の金属酸化物(水和物)層を含むコーティングを含む顔料を含む少なくとも1つの着色剤化合物
を含む、ケラチン物質、特にヒトの毛髪の染色方法。
6.以下の工程:
・剤(a)のケラチン物質への適用であって、剤(a)は以下を含む:
(a1)1、2または3つのケイ素原子を有するシランからなる群から選択される少なくとも1つの有機ケイ素化合物、
(a2)少なくとも1つのリン酸エステル、および
有色金属酸化物、金属水酸化物、金属酸化物水和物、ケイ酸塩、金属硫化物、錯体金属シアン化物、金属硫酸塩、ブロンズ顔料、およびそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの無機顔料を含む少なくとも1つの着色化合物
・剤(b)のケラチン物質への適用であって、剤(b)は以下を含む:
(b1)フィルム形成性ポリマーを含む少なくとも1つのシーラント試薬、および
α)ホウケイ酸ガラスを含む基材プレートレット、およびβ)TiO、SnO、SiO、および/または酸化鉄を含む少なくとも第1の金属酸化物(水和物)層を含むコーティングを含む、顔料を含む少なくとも1つの着色剤化合物
を含む、ケラチン物質、特にヒトの毛髪の染色方法。
7.以下の工程:
・剤(a)のケラチン物質への適用であって、剤(a)は以下を含む:
(a1)1、2または3つのケイ素原子を有するシランからなる群から選択される少なくとも1つの有機ケイ素化合物、
(a2)少なくとも1つのリン酸エステル、および
カーマイン、キナクリドン、フタロシアニン、ソルガム、カラーインデックス番号CI 42090、CI 69800、CI 69825、CI 73000、CI 74100、CI 74160を有する青色顔料、カラーインデックス番号CI 11680、CI 11710、CI 15985、CI 19140、CI 20040、CI 21100、CI 21108、CI 47000、CI 47005を有する黄色顔料、カラーインデックス番号CI 61565、CI 61570、CI 74260を有する緑色顔料、カラーインデックス番号CI 11725、CI 15510、CI 45370、CI 71105を有する橙色顔料、カラーインデックス番号CI 12085、CI 12120、CI 12370、CI 12420、CI 12490、CI 14700、CI 15525、CI 15580、CI 15620、CI 15630、CI 15800、CI 15850、CI 15865、CI 15880、CI 17200、CI 26100、CI 45380、CI 45410、CI 58000、CI 73360、CI 73915、CI 75470を有する赤色顔料、およびそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの有機顔料を含む少なくとも1つの着色剤化合物
・剤(b)のケラチン物質への適用であって、剤(b)は以下を含む:
(b1)少なくとも1つのシーリング試薬
を含む、ケラチン物質、特にヒトの毛髪の染色方法。
8.以下の工程:
・剤(a)のケラチン物質への適用であって、剤(a)は以下を含む:
(a1)1、2または3つのケイ素原子を有するシランからなる群から選択される少なくとも1つの有機ケイ素化合物、
(a2)少なくとも1つのリン酸エステル、および
カーマイン、キナクリドン、フタロシアニン、ソルガム、カラーインデックス番号CI 42090、CI 69800、CI 69825、CI 73000、CI 74100、CI 74160を有する青色顔料、カラーインデックス番号CI 11680、CI 11710、CI 15985、CI 19140、CI 20040、CI 21100、CI 21108、CI 47000、CI 47005を有する黄色顔料、カラーインデックス番号CI 61565、CI 61570、CI 74260を有する緑色顔料、カラーインデックス番号CI 11725、CI 15510、CI 45370、CI 71105を有する橙色顔料、カラーインデックス番号CI 12085、CI 12120、CI 12370、CI 12420、CI 12490、CI 14700、CI 15525、CI 15580、CI 15620、CI 15630、CI 15800、CI 15850、CI 15865、CI 15880、CI 17200、CI 26100、CI 45380、CI 45410、CI 58000、CI 73360、CI 73915、CI 75470を有する赤色顔料、およびそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの有機顔料と、ラメラ状金属基材プレートレットに基づく顔料、レンチキュラー金属基材プレートレットに基づく顔料、真空金属化顔料(VMP)を含む金属基材プレートレットに基づく顔料、およびそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの顔料とを含む少なくとも1つの着色剤化合物
・剤(b)のケラチン物質への適用であって、剤(b)は以下を含む:
(b1)少なくとも1つのシーリング試薬
を含む、ケラチン物質、特にヒトの毛髪の染色方法。
9.以下の工程:
・剤(a)のケラチン物質への適用であって、剤(a)は以下を含む:
(a1)1、2または3つのケイ素原子を有するシランからなる群から選択される少なくとも1つの有機ケイ素化合物、
(a2)少なくとも1つのリン酸エステル、および
カーマイン、キナクリドン、フタロシアニン、ソルガム、カラーインデックス番号CI 42090、CI 69800、CI 69825、CI 73000、CI 74100、CI 74160を有する青色顔料、カラーインデックス番号CI 11680、CI 11710、CI 15985、CI 19140、CI 20040、CI 21100、CI 21108、CI 47000、CI 47005を有する黄色顔料、カラーインデックス番号CI 61565、CI 61570、CI 74260を有する緑色顔料、カラーインデックス番号CI 11725、CI 15510、CI 45370、CI 71105を有する橙色顔料、カラーインデックス番号CI 12085、CI 12120、CI 12370、CI 12420、CI 12490、CI 14700、CI 15525、CI 15580、CI 15620、CI 15630、CI 15800、CI 15850、CI 15865、CI 15880、CI 17200、CI 26100、CI 45380、CI 45410、CI 58000、CI 73360、CI 73915、CI 75470を有する赤色顔料、およびそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの有機顔料と、α)雲母を含む基材プレートレット、およびβ)TiO、SnOおよび/または酸化鉄を含む少なくとも第1の金属酸化物(水和物)層を含むコーティングを含む少なくとも1つの顔料とを含む少なくとも1つの着色剤化合物
・剤(b)のケラチン物質への適用であって、剤(b)は以下を含む:
(b1)少なくとも1つのシーリング試薬
を含む、ケラチン物質、特にヒトの毛髪の染色方法。
10.以下の工程:
・剤(a)のケラチン物質への適用であって、剤(a)は以下を含む:
(a1)1、2または3つのケイ素原子を有するシランからなる群から選択される少なくとも1つの有機ケイ素化合物、
(a2)少なくとも1つのリン酸エステル、および
カーマイン、キナクリドン、フタロシアニン、ソルガム、カラーインデックス番号CI 42090、CI 69800、CI 69825、CI 73000、CI 74100、CI 74160を有する青色顔料、カラーインデックス番号CI 11680、CI 11710、CI 15985、CI 19140、CI 20040、CI 21100、CI 21108、CI 47000、CI 47005を有する黄色顔料、カラーインデックス番号CI 61565、CI 61570、CI 74260を有する緑色顔料、カラーインデックス番号CI 11725、CI 15510、CI 45370、CI 71105を有する橙色顔料、カラーインデックス番号CI 12085、CI 12120、CI 12370、CI 12420、CI 12490、CI 14700、CI 15525、CI 15580、CI 15620、CI 15630、CI 15800、CI 15850、CI 15865、CI 15880、CI 17200、CI 26100、CI 45380、CI 45410、CI 58000、CI 73360、CI 73915、CI 75470を有する赤色顔料、およびそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの有機顔料を含む少なくとも1つの着色剤化合物
・剤(b)のケラチン物質への適用であって、剤(b)は以下を含む:
(b1)フィルム形成性ポリマーを含む少なくとも1つのシーラント試薬、および
ラメラ状金属基材プレートレットに基づく顔料、レンチキュラー金属基材プレートレットに基づく顔料、真空金属化顔料(VMP)を含む金属基材プレートレットに基づく顔料、およびそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの顔料を含む少なくとも1つの着色剤化合物
を含む、ケラチン物質、特にヒトの毛髪の染色方法。
11.以下の工程:
・剤(a)のケラチン物質への適用であって、剤(a)は以下を含む:
(a1)1、2または3つのケイ素原子を有するシランからなる群から選択される少なくとも1つの有機ケイ素化合物、
(a2)少なくとも1つのリン酸エステル、および
カーマイン、キナクリドン、フタロシアニン、ソルガム、カラーインデックス番号CI 42090、CI 69800、CI 69825、CI 73000、CI 74100、CI 74160を有する青色顔料、カラーインデックス番号CI 11680、CI 11710、CI 15985、CI 19140、CI 20040、CI 21100、CI 21108、CI 47000、CI 47005を有する黄色顔料、カラーインデックス番号CI 61565、CI 61570、CI 74260を有する緑色顔料、カラーインデックス番号CI 11725、CI 15510、CI 45370、CI 71105を有する橙色顔料、カラーインデックス番号CI 12085、CI 12120、CI 12370、CI 12420、CI 12490、CI 14700、CI 15525、CI 15580、CI 15620、CI 15630、CI 15800、CI 15850、CI 15865、CI 15880、CI 17200、CI 26100、CI 45380、CI 45410、CI 58000、CI 73360、CI 73915、CI 75470を有する赤色顔料、およびそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの有機顔料を含む少なくとも1つの着色剤化合物
・剤(b)のケラチン物質への適用であって、剤(b)は以下を含む:
(b1)フィルム形成性ポリマーを含む少なくとも1つのシーラント試薬、および
α)雲母を含む基材プレートレット、およびβ)TiO、SnOおよび/または酸化鉄を含む少なくとも第1の金属酸化物(水和物)層を含むコーティングを含む顔料を含む少なくとも1つの着色剤化合物
を含む、ケラチン物質、特にヒトの毛髪の染色方法。
12.以下の工程:
・剤(a)のケラチン物質への適用であって、剤(a)は以下を含む:
(a1)1、2または3つのケイ素原子を有するシランからなる群から選択される少なくとも1つの有機ケイ素化合物、
(a2)少なくとも1つのリン酸エステル、および
カーマイン、キナクリドン、フタロシアニン、ソルガム、カラーインデックス番号CI 42090、CI 69800、CI 69825、CI 73000、CI 74100、CI 74160を有する青色顔料、カラーインデックス番号CI 11680、CI 11710、CI 15985、CI 19140、CI 20040、CI 21100、CI 21108、CI 47000、CI 47005を有する黄色顔料、カラーインデックス番号CI 61565、CI 61570、CI 74260を有する緑色顔料、カラーインデックス番号CI 11725、CI 15510、CI 45370、CI 71105を有する橙色顔料、カラーインデックス番号CI 12085、CI 12120、CI 12370、CI 12420、CI 12490、CI 14700、CI 15525、CI 15580、CI 15620、CI 15630、CI 15800、CI 15850、CI 15865、CI 15880、CI 17200、CI 26100、CI 45380、CI 45410、CI 58000、CI 73360、CI 73915、CI 75470を有する赤色顔料、およびそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの有機顔料を含む少なくとも1つの着色剤化合物
・剤(b)のケラチン物質への適用であって、剤(b)は以下を含む:
(b1)フィルム形成性ポリマーを含む少なくとも1つのシーラント試薬、および
α)ホウケイ酸ガラスを含む基材プレートレット、およびβ)TiO、SnO、SiO、および/または酸化鉄を含む少なくとも第1の金属酸化物(水和物)層を含むコーティングを含む顔料を含む少なくとも1つの着色剤化合物
を含む、ケラチン物質、特にヒトの毛髪の染色方法。
13.以下の工程:
・剤(a)のケラチン物質への適用であって、剤(a)は以下を含む:
(a1)1、2または3つのケイ素原子を有するシランからなる群から選択される少なくとも1つの有機ケイ素化合物、および
(a2)少なくとも1つのリン酸エステル
・剤(b)のケラチン物質への適用であって、剤(b)は以下を含む:
(b1)フィルム形成性ポリマーを含む少なくとも1つのシーラント試薬、および
ラメラ状金属基材プレートレットに基づく顔料、レンチキュラー金属基材プレートレットに基づく顔料、真空金属化顔料(VMP)を含む金属基材プレートレットに基づく顔料、およびそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの顔料を含む少なくとも1つの着色剤化合物
を含む、ケラチン物質、特にヒトの毛髪の染色方法。
項目13による実施形態では、剤(b)が、少なくとも1つのリン酸エステルをさらに含むことがさらに好ましい場合がある。
剤は、1つ以上の界面活性剤を含んでもよい。活性剤という用語は、表面活性物質を指す。疎水性残基と負荷電の親水性頭部基からなるアニオン性界面活性剤、負電荷と相殺性の正電荷の両方を担持している両性界面活性剤、疎水性残基に加えて正荷電の親水性基を有するカチオン性界面活性剤、および電荷をもたないが強い双極子モーメントを有し、水溶液中で強く水和される非イオン性界面活性剤に区別される。
双性イオン性界面活性剤は、分子内に少なくとも1つの第四級アンモニウム基と少なくとも1つの-COO(-)-または-SO (-)基を有する表面活性化合物である。特に好適な双性イオン界面活性剤はいわゆるベタイン、例えばN-アルキル-N,N-ジメチルアンモニウム-グリシネート、例えばココアルキル-ジメチルアンモニウムグリシネート、N-アシルアミノプロピル-N,N-ジメチルアンモニウムグリシネート、例えば、各々、アルキル基またはアシル基内に8~18個のC原子を有するココアシルアミノプロピルジメチルアンモニウムグリシネートおよび2-アルキル-3-カルボキシメチル-3-ヒドロキシエチルイミダゾリン、ならびにココアシルアミノエチルヒドロキシエチルカルボキシメチルグリシネートである。好ましい双性イオン界面活性剤は、INCI名コカミドプロピルベタインで知られる脂肪酸アミド誘導体である。
両性界面活性剤は、分子内のC-C24アルキルまたはアシル基に加えて、少なくとも1つの遊離アミノ基と少なくとも1つの-COOHまたは-SOH基を含み、分子内塩を形成することができる表面活性化合物である。好適な両性界面活性剤の例は、各々、アルキル基内に約8~24個のC原子を有するN-アルキルグリシン、N-アルキルプロピオン酸、N-アルキルアミノ酪酸、N-アルキルイミノジプロピオン酸、N-ヒドロキシエチル-N-アルキルアミドプロピルグリシン、N-アルキルタウリン、N-アルキルサルコシン、2-アルキルアミノプロピオン酸およびアルキルアミノ酢酸である。両性または双性イオン界面活性剤の典型的な例はアルキルベタイン、アルキルアミドベタイン、アミノプロピオネート、アミノグリシネート、イミダゾリニウムベタインおよびスルホベタインである。
特に好ましい両性界面活性剤はN-ココス(cocos)アルキルアミノプロピオネート、ココスアシルアミノエチルアミノプロピオネートおよびC12-C18-アシルサルコシンである。
該剤は少なくとも1つの非イオン性界面活性剤をさらに含有してもよい。好適な非イオン性界面活性剤は、アルキルポリグリコシドならびに脂肪族アルコールまたは脂肪酸1molに対して2~30molのエチレンオキシドの脂肪族アルコールおよび脂肪酸に対するアルキレンオキシド付加生成物である。好適な特性を有する調製物は、非イオン性界面活性剤として、少なくとも2molのエチレンオキシドと反応させたエトキシル化グリセロールの脂肪酸エステルを含有させた場合にも得られる。
また、該剤は少なくとも1つのカチオン性界面活性剤を含有してもよい。カチオン性界面活性剤は、各々、1個以上の正電荷を有する界面活性剤、すなわち表面活性化合物である。カチオン性界面活性剤は正電荷のみを含む。通常、このような界面活性剤は疎水性部と親水性頭部基で構成されており、疎水性部は通常、炭化水素主鎖からなり(例えば、1つまたは2つの直鎖または分枝鎖のアルキル鎖からなる)、正電荷は親水性頭部基に存在する。カチオン性界面活性剤の例は、
・疎水性基として8~28個の炭素原子の鎖長を有する1つまたは2つのアルキル鎖を有し得る第四級アンモニウム化合物、
・8~28個の炭素原子の鎖長を有する1つ以上のアルキル鎖で置換された第四級ホスホニウム塩または
・第三級スルホニウム塩
である。
さらに、カチオン電荷もまた、オニウム構造の形態の複素環(例えば、イミダゾリウム環またはピリジニウム環)の一部であり得る。カチオン電荷を担持している官能部単位に加えて、カチオン性界面活性剤は、例えばエステルクアットの場合のように他の無電荷官能基を含んでもよい。カチオン性界面活性剤は、それぞれの剤の総重量に基づいて0.1~45重量%、好ましくは1~30重量%、最も好ましくは1~15重量%の総量で使用される。
さらに、剤(a)および/または剤(b)は、少なくとも1つのアニオン性界面活性剤を含有してもよい/含有することができる。アニオン界面活性剤は、排他的にアニオン電荷(対応する対カチオンによって中和される)を有する表面活性剤である。アニオン性界面活性剤の例は脂肪酸、アルキルスルフェート、アルキルエーテルスルフェートおよびエーテルカルボン酸であり、アルキル基内のC原子は12~20個であり、分子内のグリコールエーテル基は最大16個までである。特に適切なアニオン性界面活性剤には、硫酸化植物油、特に硫酸化ヒマシ油(「Turkish red oil」)が含まれる。
アニオン性界面活性剤は、それぞれの剤の総重量に基づいて0.1~45重量%、好ましくは1~30重量%、最も好ましくは1~15重量%の総量で使用される。
剤(a)および/または剤(b)はマット剤をさらに含んでもよい。好適なマット剤として、例えば、(加工)デンプン、ワックス、タルクおよび/または(修飾)ケイ酸が挙げられる。マット剤の量は、剤(a)または剤(b)の総量に基づいて好ましくは0.1~10重量%の間である。好ましくは、剤(a)はマット剤を含む。
剤(a)および/または剤(b)は、増粘剤をさらに含んでもよい。
剤(a)および/または剤(b)を使用する場合、それらは薄すぎてケラチン物質から滴り落ちてはいけない。このため、剤(a)および/または剤(b)が増粘剤を含有することが好ましい場合がある。
したがって、一実施形態の文脈では、剤(a)および/または剤(b)が増粘剤をさらに含むことを特徴とするケラチン物質の染色方法が好ましい。
適切な増粘剤としては、例えば化学修飾セルロース、例えばプロピルセルロース、メチルエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース、スルホエチルセルロース、カルボキシメチルスルホエチルセルロース、ヒドロキシプロピルスルホエチルセルロース、ヒドロキシエチルスルホエチルセルロース、メチルエチルヒドロキシエチルセルロース、メチルスルホエチルセルロースおよび/またはエチルスルホエチルセルロースなどが挙げられる。
好ましい実施形態において、ケラチン物質の染色方法は、剤(a)および/または剤(b)が、プロピルセルロース、メチルエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース、スルホエチルセルロース、カルボキシメチルスルホエチルセルロース、ヒドロキシプロピルスルホエチルセルロース、ヒドロキシエチルスルホエチルセルロース、メチルエチルヒドロキシエチルセルロース、メチルスルホエチルセルロース、エチルスルホエチルセルロース、およびそれらの混合物からなる群から選択される増粘剤をさらに含むことを特徴とする。
特に適切な増粘剤は、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびそれらの混合物から選択される。
特に好ましい実施形態では、ケラチン物質を染色する方法は、剤(a)および/または剤(b)が、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびそれらの混合物からなる群から選択される増粘剤をさらに含むことを特徴とする。
増粘剤の量は、それぞれの場合、剤(a)および/または剤(b)の総量に基づいて、好ましくは0.1~10重量%の間である。
剤(a)が、少なくとも1つのC-C10アルコールをさらに含むことがさらに好ましい場合がある。
-C10アルコールは、好ましくはC-C10脂肪族アルコールであり、これは直鎖状または分枝状であってよく、飽和または不飽和であってよい。
好ましいC-C10アルコールは、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、2-メチルプロパン-1-オール、2-メチルプロパン-1-オール(tert.ブタノール)、1-ペンタノール、2-ペンタノール、3-ペンタノール、3-メチルブタン-1-オール、2-メチルブタン-1-オール、2,2-ジメチルプロパン-1-オール、3-メチルブタン-2-オール、2-メチルブタン-2-オール、1-ヘキサノール、2-ヘキサノール、3-ヘキサノール、2-メチルペンタン-1-オール、3-メチルペンタン-1-オール、4-メチルペンタン-1-オール、2-メチルペンタン-2-オール、3-メチルペンタン-2-オール、4-メチルペンタン-2-オール、2-メチルペンタン-3-オール、3-メチルペンタン-3-オール、2,2-ジメチルブタン-1-オール、2,3-ジメチルブタン-1-オール、3,3-ジメチルブタン-1-オール、2,3-ジメチルブタン-2-オール、3,3-ジメチルブタン-2-オール、2-エチルブタン-1-オール、1-ヘプタノール、2-ヘプタノール、3-ヘプタノール、4-ヘプタノール、1-オクタノール、2-オクタノール、1-ノナノール、1-デカノール、2-メチルヘキサン-2-オール、2-メチルヘプタン-2-オール、3-メチル-3-ペンタノール、およびそれらの混合物からなる群から選択される。
-C10アルコールのうち、剤(a)は、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、2-メチルプロパン-1-オール、2-メチルプロパン1-オール(tert-ブタノール)、およびそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つのC-C10アルコールを好ましくは含む。
非常に好ましい実施形態において、方法は、剤(a)が、エタノール、2-プロパノール、およびそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つのC-C10アルコールをさらに含むことを特徴とする。
剤(a)が、少なくとも1つのジオールをさらに含むことも好ましい場合がある。
顔料懸濁液が少なくとも1つのジオールをさらに含むことも好ましい場合がある。脂肪族ジオールは、グリコールとしても知られている。
好ましいジオールは、2つのヒドロキシル基を有するC-Cアルカノールおよび3~20のエチレンオキシド単位を有するポリエチレングリコールである。剤(a)は、2つのヒドロキシル基を有する少なくとも1つのC-Cアルカノール、または3~20のエチレンオキシド単位を有する少なくとも1つの水溶性ポリエチレングリコール、または2つのヒドロキシル基を有する少なくとも1つのC-Cアルカノールと、3~20のエチレンオキシド単位を有する少なくとも1つの水溶性ポリエチレングリコールとの混合物をさらに含み得る。
好ましくは、2つのヒドロキシル基を有するC-Cアルカノールは、エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、1,2-ブチレングリコール、1、3-ブチレングリコール、1,4-ブチレングリコール、1,2-ペンタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,2-オクタンジオール、1,8-オクタンジオール、シス-1,4-ジメチロールシクロヘキサン、トランス-1,4-ジメチロールシクロヘキサン、シス-およびトランス-1,4-ジメチロールシクロヘキサンの任意の異性体混合物、およびこれらのジオールの混合物から選択される。また、適切なジオールは、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコールおよび/またはPPG-10ブタンジオール(INCI)である。適切な水溶性ポリエチレングリコールは、PEG-3、PEG-4、PEG-6、PEG-7、PEG-8、PEG-9、PEG-10、PEG-12、PEG-14、PEG-16、PEG-18およびPEG-20、およびそれらの混合物から選択される。PEG-9は、9個のエチレンオキシド単位を有するポリエチレングリコールを表す。これは平均分子量が400ダルトンで、PEG 400とも呼ばれる。
上記ジオールのうち、剤(a)は、エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、1,2-ブチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、1,4-ブチレングリコール、1,2-ペンタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,6-ヘキサンジオール、PEG-8、PEG-9、およびPPG-10ブタンジオール(INCI)からなる群から選択される少なくとも1つのジオールを好ましくは含有する。
非常に好ましい実施形態では、方法は、剤(a)が、エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、PEG-9、およびそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つのジオールをさらに含むことを特徴とする。
剤は、他の活性成分、助剤および添加剤、例えば溶剤;脂肪族成分、例えばC-C30脂肪酸トリグリセリド、C-C30脂肪酸モノグリセリド、C-C30脂肪酸ジグリセリドおよび/または炭化水素;構造化剤、例えばグルコース、マレイン酸、乳酸、ヘアコンディショニング化合物、例えばリン脂質、例えばレシチンおよびセファリン(cephalins);香油、ジメチルイソソルビドおよびシクロデキストリン;繊維構造改善活性成分、特に単糖類、二糖類およびオリゴ糖、例えばグルコース、ガラクトース、フルクトース、フルクトースおよびラクトース;製品を着色するための染料;フケ防止活性成分、例えばピロクトン オラミン、亜鉛オマジンおよびクリンバゾール;アミノ酸およびオリゴペプチド;動物系および/または植物系ならびに脂肪酸縮合生成物または任意にアニオン修飾型もしくはカチオン修飾型誘導体の形態のタンパク質加水分解物;植物油;光安定剤およびUVブロッカー;活性成分、例えばパンテノール、パントテン酸、パントラクトン、アラントイン、ピロリジノンカルボン酸およびその塩およびビサボロール;ポリフェノール、特にヒドロキシ桂皮酸、6,7-ジヒドロキシクマリン、ヒドロキシ安息香酸、カテキン、タンニン、ロイコアントシアニジン、アントシアニジン、フラバノン、フラボンおよびフラボノール;セラミドまたは疑似セラミド;ビタミン類、プロビタミンおよびビタミン前駆体;植物エキス;脂肪およびワックス、例えば脂肪族アルコール、ミツロウ、モンタンワックスおよびケロシン;膨潤剤および浸透剤、例えばグリセロール、プロピレングリコールモノエチルエーテル、カーボネート、炭酸水素塩、グアニジン、尿素および第一級、第二級および第三級ホスフェート;乳白剤、例えばラテックス、スチレン/PVPおよびスチレン/アクリルアミドコポリマー;真珠光沢薬剤、例えばエチレングリコールモノ-およびジステアレートならびにPEG-3-ジステアレート;ならびに発泡剤、例えばプロパン-ブタン混合物、NO、ジメチルエーテル、COおよび空気を含有してもよい。
専門家は、剤の所望の特性に従って、このような他の物質を選択するであろう。他の任意の成分およびこのような成分の使用量に関して、その専門家に知られた関連マニュアルが明示的に参照される。さらなる活性成分および補助物質は、本発明による調製物中に、それぞれの剤の総重量に基づいて各場合において0.0001~25重量%、0.0005~15重量%の量で好ましくは使用される。
ケラチン物質を染色する方法
本発明による方法では、剤(a)および(b)をケラチン物質、人毛に適用する。したがって、剤(a)および(b)は即時使用可能の剤である。剤(a)と(b)は異なる。
原則的に、剤(a)および(b)は同時または連続的に適用することができ、このとき、連続的に適用することが好ましい。
まず、第1の工程で剤(a)をケラチン物質に適用し、第2の工程で剤(b)を適用した場合に、最良の結果が得られた。
したがって、非常に特に好ましいのは、示された順序で以下の工程を含む、ケラチン物質を処理するための、ケラチン物質、特にヒトの毛髪を着色するための方法である:
〇第1の工程において、ケラチン物質へ剤(a)を適用する工程、ここで剤(a)は以下を含む:
(a1)1、2または3つのケイ素原子を有するシランからなる群から選択される少なくとも1つの有機ケイ素化合物、および
(a2)少なくとも1つのリン酸エステル;
〇第2の工程において、ケラチン物質へ剤(b)を適用する工程、ここで剤(b)は以下を含む:
(b1)少なくとも1つのシーリング試薬
ここで、剤(a)および(b)の少なくとも1つは、顔料および/または直接染料からなる群から選択される少なくとも1つの着色剤化合物をさらに含む。
さらに、染色されたケラチン物質に対して長期間にわたって高い溶出耐久性を付与するため、剤(a)および(b)は、特に好ましくは、剤(a)の適用と剤(b)の適用の間の期間が最大数時間であることを意味する同じ染色方法において適用する。
さらなる好ましい実施形態において、方法は、剤(a)を最初に適用し、その後に剤(b)を適用し、剤(a)の適用と剤(b)の適用の間の期間が最大24時間、好ましくは最大12時間、特に好ましくは最大6時間であることを特徴とする。
剤(a)の際立った特徴は、少なくとも1つの反応性有機ケイ素化合物(a1)という内容物である。反応性有機ケイ素化合物(a1)は、オリゴマー化または重合反応を起こし、毛髪の表面に遭遇するとすぐにそれを機能化する。このようにして、最初にフィルムが形成される。方法の第2の工程では、第2の剤(b)が毛髪に適用される。シーリング試薬(b1)として少なくとも1つのフィルム形成性ポリマーを含む剤(b)の適用中に、後者はシランフィルムと相互作用し、したがってケラチン物質に結合する。シーリング試薬(b1)として少なくとも1つのアルカリ化剤または酸性化剤を含む剤(b)の適用中、シランフィルムの形成はプラスの影響を受ける。ケラチン物質の所望の着色は、剤(a)および/または剤(b)中の着色化合物によって達成される。着色は、着色シランフィルム(着色剤化合物は剤(a)のみに含まれる)、着色ポリマーフィルム(着色化合物は剤(b)のみに含まれ、これはシーリング試薬(b1)としてフィルム形成性ポリマーを含む)、または着色シランフィルムおよび着色ポリマーフィルム(剤(a)および(b)はそれぞれ少なくとも1つの着色化合物を含み、剤(b)はシーリング試薬(b1)としてフィルム形成性ポリマーを含む)によって達成できる。
さらなる実施形態の文脈では、示された順序で以下の工程:
(1)剤(a)をケラチン物質に適用する工程、
(2)剤(a)を10秒~10分、好ましくは10秒~5分の期間作用させる工程、
(3)必要であれば、ケラチン物質を水ですすぎ洗いする工程、
(4)剤(b)をケラチン物質に適用する工程、
(5)剤(b)を30秒~30分、好ましくは30秒~10分の期間作用させる工程、
(6)ケラチン物質を水ですすぐ工程
を含む方法が非常に特に好ましい。
方法の工程(3)および(6)でのケラチン物質の水でのすすぎ洗いは、本発明によれば、すすぎ洗い工程に、剤(a)および(b)以外になんら他の剤を伴わずに水だけを使用することを意味すると理解される。
工程(1)では、剤(a)が最初にケラチン物質、特にヒトの毛髪に適用される。
適用後、剤(a)をケラチン物質に作用させるようにする。この文脈において、毛髪への10秒~10分、好ましくは20秒~5分、特に好ましくは30秒~2分の適用時間が特に有益であることが証明された。
該方法の好ましい実施形態において、剤(a)を次に、後続の工程で剤(b)を毛髪に適用する前にケラチン物質からすすぎ洗いすることができる。
まだ剤(a)に曝露されているケラチン物質に剤(b)を適用した場合に、等しく良好な洗浄堅牢性を有する染色が得られた。
工程(4)では、剤(b)が次にケラチン物質に適用される。適用後、剤(b)を毛髪に対して作用させる。
剤(b)との接触時間が短くても、該方法により、特に良好な強度および洗浄堅牢性を有する染色をもたらすことが可能となる。毛髪上での10秒~10分、好ましくは20秒~5分、最も好ましくは30秒~3分の適用時間が特に有益であることが証明された。
工程(6)では、剤(b)(およびまだ存在していれば剤(a))が次にケラチン物質から水ですすぎ洗い流される。
この実施形態では、一連の工程(1)から(6)は、好ましくは、24時間以内に行われる。
剤(a)は、有機ケイ素化合物とともに、使用された際に加水分解またはオリゴマー化および/または重合を受け得る類型の高反応性化合物を含有する。その高い反応性の結果、このような有機ケイ素化合物はケラチン物質上にフィルムを形成する。
未成熟なオリゴマー化または重合を回避するため、即時使用可能の剤(a)を適用の直前に調製することがユーザーにとって非常に有利である。
また別の実施形態において、好ましいのは、示した順に以下の工程を含む方法である。
(1)第1の剤(a’)と第2の剤(a’’)を混合することによって剤(a)を調製する工程、ここで
〇第1の剤(a’)は、1、2または3つのケイ素原子を有するシランの群からの少なくとも1つの有機ケイ素化合物(a1)を含み、
第2の剤(a’’)は、少なくとも1つのリン酸エステル(a2)および顔料および/または直接染料からなる群から選択される少なくとも1つの着色剤化合物を含む、
(2)剤(a)をケラチン物質に適用する工程、
(3)剤(a)を10秒~10分、好ましくは10秒~5分の期間、作用させる工程、
(4)必要であれば、ケラチン物質を水ですすぎ洗いする工程、
(5)剤(b)をケラチン物質に適用する工程、
(6)剤(b)を30秒~30分、好ましくは30秒~10分の期間、作用させる工程、
(7)ケラチン物質を水ですすぎ洗いする工程。
ユーザーは、まず有機ケイ素化合物(a1)を含有する剤(a’)を剤(a’’)と共に攪拌または振とうしてよい。
貯蔵において可能な限り安定な配合物を得ることができるように、剤(a’)自体は好ましくは低水分量または無水となるように配合される。
好ましい実施形態において、方法は、剤(a’)が、剤(a’)の総重量に基づいて、0.001~10重量%、好ましくは0.5~9重量%、より好ましくは1~8重量%、非常に特に好ましくは1.5~7重量%の水分含有量を含むことを特徴とする。
したがって、さらなる実施形態の文脈において、示した順に以下の工程を含む方法が好ましい場合がある。
(1)第1の剤(a’)、第2の剤(a’’)および第3の剤(a’’’)を混合することによって剤(a)を調製する工程、ここで
〇第1の剤(a’)は、1、2または3個のケイ素原子を有するシランの群からの少なくとも1つの有機ケイ素化合物(a1)を含み、
第2の剤(a’’)は、少なくとも1つのリン酸エステル(a2)および顔料および/または直接染料からなる群から選択される少なくとも1つの着色剤化合物を含み、および
第3の剤(a’’’)は、剤(a’’’)の総重量に基づいて、少なくとも30重量%の水を含み、および任意に、顔料および/または直接染料からなる群からの少なくとも1つの着色剤化合物を含む
(2)剤(a)をケラチン物質に適用する工程、
(3)剤(a)を10秒~10分、好ましくは10秒~5分の期間、作用させる工程、
(4)必要であれば、ケラチン物質を水ですすぎ洗いする工程、
(5)剤(b)をケラチン物質に適用する工程、
(6)剤(b)を30秒~30分、好ましくは30秒~10分の期間、作用させる工程、
(7)ケラチン物質を水ですすぎ洗いする工程。
この実施形態において、即時使用可能な剤(a)は、剤(a’)、(a’’)および(a’’’)を混合することによって調製される。
例えば、ユーザーは、まず、有機ケイ素化合物(a1)を含有する剤(a’)と、剤(a’’)および含水剤(a’’’)とを混合または振とうしてよい。ユーザーは、(a’)、(a’’)、および(a’’’)のこの混合物を、その調製直後、または10秒から20分の短い反応時間の後のいずれかにケラチン物質に適用できる。その後、ユーザーは、上記のように剤(b)を適用できる。
または、ユーザーは、最初に剤(a’’)と含水剤(a’’’)を混合または振とうし、その後、得られた混合物を、有機ケイ素化合物(a1)を含む剤(a’)と混合できる。この(a’)、(a’’)および(a’’’)の混合物は、その調製直後、または10秒から20分の短い反応時間のいずれかの後に、ユーザーによってケラチン物質に適用できる。その後、ユーザーは、上記のように剤(b)を適用できる。
剤(a’’)および/または剤(a’’’)は、増粘剤をさらに含み得る/含むことができる。この実施形態において、剤(a’’)は、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、およびそれらの混合物からなる群から選択される増粘剤を含むことが好ましい。
剤(b)が顔料および/または直接染料の群からの少なくとも1つの着色剤化合物を含有する場合、2つの剤(b’)および(b’’)を混合することによって即時使用可能な剤(b)を調製することも好ましい場合がある。この実施形態では、剤(b’)はシーリング試薬(b1)を含み、剤(b’’)は、顔料および/または直接染料からなる群から選択される少なくとも1つの着色剤化合物を含む。
多成分包装ユニット(キット・オブ・パーツ)
ユーザーの快適性を高めるため、好ましくはユーザーに必要とされるすべての剤が多成分包装ユニット(キット・オブ・パーツ)の形態で提供される。
したがって、本発明の第2の主題は、ケラチン物質を着色するための多成分包装ユニット(キット・オブ・パーツ)であり、以下が互いに別個に包括的に包装されている:
・剤(a’)を含む第1の容器、ここで、剤(a’)は以下を含む:
(a1)1、2または3つのケイ素原子を有するシランからなる群から選択される少なくとも1つの有機ケイ素化合物、
・剤(a’’)を含む第2の容器、ここで、剤(a’’)は以下を含む:
(a2)少なくとも1つのリン酸エステル
・剤(b)を含む第3の容器、ここで、剤(b)は以下を含む:
(b1)少なくとも1つのシーリング試薬、
ここで、該成分(a1)、(a2)および(b1)は上記に詳細に開示されており、剤(a’’)および(b)の少なくとも1つは顔料および/または直接染料からなる群から選択される少なくとも1つの着色剤化合物をさらに含む。
本発明の別の実施形態は、ケラチン物質を染色するための多成分包装ユニット(キット・オブ・パーツ)であり、別個に調整された以下を含む:
・剤(a’)を含む第1の容器、ここで、剤(a’)は以下を含む:
(a1)1、2または3つのケイ素原子を有するシランからなる群より選択される少なくとも1種の有機ケイ素化合物、
・剤(a’’)を含む第2の容器、ここで、剤(a’’)は以下を含む:
(a2)少なくとも1つのリン酸エステル、
・剤(a’’’)を含む第3の容器、ここで、剤(a’’)は以下を含む:
剤(a’’’)の総重量に基づいて、少なくとも30重量%の水;および
・剤(b)を含む第4の容器であり、剤(b)は以下を含む:
(b1)少なくとも1つのシーリング試薬
ここで、成分(a1)、(a2)および(b1)は上記で詳細に開示されており、剤(a’’)、(a’’’)および(b)の少なくとも1つは、顔料および/または直接染料からなる群から選択される少なくとも1つの着色剤化合物をさらに含む。
キットの剤(a’)に含まれる1、2または3個のケイ素原子を有するシランの群からの有機ケイ素化合物(a1)は、先に記載した方法の剤(a)においても使用された有機ケイ素化合物に対応する。
キットの剤(a’’)に含まれるリン酸エステル(a2)は、上記方法の剤(a)にも使用したリン酸エステル(a2)に対応する。
キットの剤(b)に含まれるシーリング試薬(b1)は、上記方法の剤(b)にも使用したシーリング試薬(b1)に対応する。
さらなる実施形態の文脈において、ケラチン物質を着色するための多成分包装ユニット(キット・オブ・パーツ)は、好ましくは互いに別々に包装される
・剤(a’)を含む第1の容器、ここで、剤(a’)は以下を含む:
1、2または3個のケイ素原子を有するシランの群からの少なくとも1つの有機ケイ素化合物(a1)
・剤(a’’)を含む第2の容器、ここで、剤(a’’)は以下を含む:
(a2)少なくとも1つのリン酸エステル
・剤(a’’’)を含む第3の容器、ここで、剤(a’’’)は以下を含む:
剤(a’’’)の総重量に基づいて、少なくとも30重量%の水、および
・剤(b)を含む第4の容器、ここで、剤(b)は以下を含む:
(b1)フィルム形成性ポリマー、およびさらに顔料および/または直接染料からなる群から選択される着色化合物を含む少なくとも1つのシーリング試薬
ここで、成分(a1)、(a2)および(b1)は上に詳細に開示されている。
さらに別の実施形態の文脈では、好ましいものは、別々に調整された以下を含むケラチン物質を染色するための多成分包装ユニット(キット・オブ・パーツ)である:
・剤(a’)を含む第1の容器、ここで、剤(a’)は以下を含む:
1、2または3個のケイ素原子を有するシランの群からの少なくとも1つの有機ケイ素化合物(a1)
・剤(a’’)を含む第2の容器、ここで、剤(a’’)は以下を含む:
(a2)少なくとも1つのリン酸エステル
・剤(a’’’)を含む第3の容器、ここで、剤(a’’’)は以下を含む:
剤(a’’’)の総重量に基づいて、少なくとも30重量%の水
・剤(b’)を含む第4の容器、ここで、剤(b’)は以下を含む:
(b1)フィルム形成性ポリマーを含む少なくとも1つのシーラント試薬、および
・剤(b’’)を含む第5の容器、ここで、剤(b’)は以下を含む:
顔料および/または直接染料からなる群から選択される少なくとも1つの着色剤化合物
ここで、成分(a1)、(a2)および(b1)は上に詳細に開示されている。
この実施形態では、即時使用可能な剤(b)は、剤(b’)および(b’’)を混合することによって調製される。
さらに別の実施形態の文脈では、好ましいものは、別々に調整された以下を含むケラチン物質を染色するための多成分包装ユニット(キット・オブ・パーツ)である:
・剤(a’)を含む第1の容器、ここで、剤(a’)は以下を含む
1、2または3個のケイ素原子を有するシランの群からの少なくとも1つの有機ケイ素化合物(a1)
・剤(a’’)を含む第2の容器、ここで、剤(a’’)は以下を含む:
(a2)少なくとも1つのリン酸エステル、
・剤(a’’’)を含む第3の容器、ここで、剤(a’’’)は以下を含む:
剤(a’’’)の総重量に基づいて、少なくとも30重量%の水
・剤(b’)を含む第4の容器、ここで、剤(b’)は以下を含む:
(b1)フィルム形成性ポリマーを含む少なくとも1つのシーラント試薬、および
・剤(b’’)を含む第5の容器、ここで、剤(b’)は以下を含む:
顔料および/または直接染料からなる群から選択される少なくとも1つの着色剤化合物
ここで、成分(a1)、(a2)および(b1)は上に詳細に開示されている。
この実施形態では、即時使用可能な剤(b)は、剤(b’)および(b’’)を混合することによって調製される。
本発明のさらに別の実施形態は、別々に調整された以下を含むケラチン物質を染色するための多成分包装ユニット(キット・オブ・パーツ)である:
・剤(a’)を含む第1の容器、ここで、剤(a’)は以下を含む:
(a1)1、2または3個のケイ素原子を有するシランの群から選択される少なくとも1つの有機ケイ素化合物
・剤(a’’)を含む第2の容器、ここで、剤(a’’)は以下を含む:
(a2)少なくとも1つのリン酸エステル、顔料および/または直接染料からなる群から選択される少なくとも1つの着色剤化合物、および剤(a’’)の総重量に基づいて、少なくとも30重量%の水
・顔料および/または直接染料からなる群から選択される少なくとも1つの着色剤化合物を含む剤(a’’’)を含む第3の容器
・剤(b)を含む第4の容器、ここで、剤(b)は以下を含む:
(b1)少なくとも1つのシーラント試薬
ここで、成分(a1)、(a2)および(b1)は上に詳細に開示されている。
この実施形態では、剤(a’’’)が少なくとも1つのリン酸エステル(a2)をさらに含むことが好ましい場合がある。
多成分包装ユニットの任意の実施形態において、剤(a’’)、(a’’’)および/または(b)が増粘剤をさらに含むことが好ましい場合がある。特に好ましくは、剤(a’’)および/または(b)はさらに増粘剤を含む。
特に好ましいのは、別々に調整された以下を含むケラチン物質を染色するための多成分包装ユニット(キット・オブ・パーツ)である
・剤(a’)を含む第1の容器、ここで、剤(a’)は以下を含む:
(a1)1、2または3個のケイ素原子を有するシランの群から選択される少なくとも1つの有機ケイ素化合物
・剤(a’’)を含む第2の容器、ここで、剤(a’’)は以下を含む:
(a2)少なくとも1つのリン酸エステル、剤(a’’)の総重量に基づいて、少なくとも30重量%の水、および任意に顔料および/または直接染料からなる群から選択される少なくとも1つの着色剤化合物
・剤(a’’’)を含む第3の容器、ここで、剤(a’’’)は以下を含む:
顔料および/または直接染料からなる群から選択される少なくとも1つの着色剤化合物
・剤(b)を含む第4の容器、ここで、剤(b)は以下を含む:
(b1)少なくとも1つのシーラント試薬
多成分包装ユニットの別の好ましい実施形態に関しては、同じことが方法に必要な変更を加えて適用される。
剤(a’)および(a’’)の混合時、または剤(a’)、(a’’)および(a’’’)の混合時に、有機ケイ素化合物(a1)のオリゴマー化および重合反応は既に開始している。
有機ケイ素化合物(a1)のオリゴマー化および重合速度、すなわちシランフィルムがケラチン物質上に形成される速度を、適用条件に最適に調整することは、主要な課題であることが判明した。
例えば、ヒトの毛髪に適用する場合、オリゴマー化と重合の速度が速すぎると、毛髪のすべての部分が処理される前に重合が完了することになる。重合が速すぎると、全頭処理が不可能になる。染色プロセスでは、過度に速い重合が色むらの結果として現れるため、最後に処理されたセクションは不十分に着色される。
一方、重合が遅すぎると、ケラチン物質のすべての領域を時間のプレッシャーなしで処理できるが、これにより適用時間が長くなる。
驚くべきことに、剤(a)中のリン酸エステルの存在は、ケラチン物質への着色剤化合物の適用を改善するだけでなく、有機ケイ素化合物(a1)の最適なオリゴマー化および重合速度ももたらすことが示されている。これにより、適切な塗布時間が得られるだけでなく、着色の強さと触覚が大幅に改善される。

Claims (15)

  1. 以下の工程:
    ・ケラチン物質への剤(a)の適用工程、ここで前記剤(a)は以下を含む:
    (a1)1、2または3つのケイ素原子を有するシランからなる群から選択される少なくとも1つの有機ケイ素化合物、および
    (a2)少なくとも1つのリン酸エステル
    ・ケラチン物質への剤(b)の適用工程、ここで前記剤(b)は以下を含む:
    (b1)少なくとも1つのシーリング試薬
    を含む、ケラチン物質、特にヒトの毛髪の染色方法であって
    前記剤(a)および(b)の少なくとも1つは、顔料および/または直接染料からなる群から選択される少なくとも1つの着色剤化合物をさらに含む、方法。
  2. 前記剤(a)は、式(I)および/または(II)の少なくとも1つの有機ケイ素化合物(a1)を含むことを特徴とし、
    Figure 2023535356000055
    式中
    ・R、Rは、独立して、水素原子またはC-Cアルキル基を表し、
    ・Lは、直鎖状または分枝状の二価C-C20アルキレン基であり、
    ・R、Rは、互いに独立して、C-Cアルキル基を表し、
    ・aは、1~3の整数を表し、
    ・bは、整数3-aを表し、および
    式(II):
    Figure 2023535356000056
    の有機ケイ素化合物において、
    ・R5、R5’、R5’’、R6、R6’およびR6’’は、独立して、C-Cアルキル基を表し、
    ・A、A’、A’’、A’’’およびA’’’’は、独立して、直鎖状または分枝状の二価C-C20アルキレン基を表し、
    ・RおよびRは、独立して、水素原子、C-Cアルキル基、ヒドロキシC-Cアルキル基、C-Cアルケニル基、アミノC-Cアルキル基または式(III):
    Figure 2023535356000057
    [式中
    ・cは、1~3の整数を表し
    ・dは、整数3-cを表し
    ・c’は、1~3の整数を表し
    ・d’は、整数3-c’を表し
    ・c’’は、1~3の整数を表し
    ・d’’は、整数3-c’’を表し
    ・eは、0または1を表し
    ・fは、0または1を表し
    ・gは、0または1を表し
    ・hは、0または1を表す
    (ただし、基e、f、gおよびhの少なくとも1つは0とは異なることを条件とする)]
    の基を表す、請求項1に記載の方法。
  3. 前記剤(a)は、式(I):
    Figure 2023535356000058
    [式中
    ・R、Rは、ともに水素原子を表し
    ・Lは、直鎖状の2価C-C-アルキレン基、好ましくはプロピレン基(-CH-CH-CH-)またはエチレン基(-CH-CH-)を表し
    ・R、Rは、独立して、メチル基またはエチル基を表し
    ・aは、数3を表し、
    ・bは、数0を表す]
    の少なくとも1つの有機ケイ素化合物(a1)を含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記剤(a)は、
    ・(3-アミノプロピル)トリエトキシシラン
    ・(3-アミノプロピル)トリメトキシシラン
    ・1-(3-アミノプロピル)シラントリオール
    ・(2-アミノエチル)トリエトキシシラン
    ・(2-アミノエチル)トリメトキシシラン
    ・1-(2-アミノエチル)シラントリオール
    ・(3-ジメチルアミノプロピル)トリエトキシシラン
    ・(3-ジメチルアミノプロピル)トリメトキシシラン
    ・1-(3-ジメチルアミノプロピル)シラントリオール
    ・(2-ジメチルアミノエチル)トリエトキシシラン
    ・(2-ジメチルアミノエチル)トリメトキシシランおよび/または
    ・1-(2-ジメチルアミノエチル)シラントリオール
    からなる群から選択される式(I)の少なくとも1つの有機ケイ素化合物(a1)を含むことを特徴とする、請求項1~3のいずれかに記載の方法。
  5. 前記剤(a)は、式(II):
    Figure 2023535356000059
    [式中
    ・eおよびfは、ともに数1を表し
    ・gおよびhは、ともに数0を表し
    ・AおよびA’は、独立して、直鎖状の二価C-Cアルキレンを表し
    ・R7は、水素原子、メチル基、2-ヒドロキシエチル基、2-アルケニル基、2-アミノエチル基または式(III)の基を表す]
    の少なくとも1つの有機ケイ素化合物(a1)を含むことを特徴とする、請求項1~4のいずれかに記載の方法。
  6. 前記剤(a)は、式(IV):
    Figure 2023535356000060
    [式中
    ・Rは、C-C18アルキル基を表し
    ・R10は、水素原子またはC-Cアルキル基を表し
    ・R11は、C-Cアルキル基を表し
    ・kは、1~3の整数であり
    ・mは、整数3-kを表す]
    の少なくとも1つの有機ケイ素化合物(a1)を含むことを特徴とする、請求項1~5のいずれかに記載の方法。
  7. 前記剤(a)は、
    ・メチルトリメトキシシラン
    ・メチルトリエトキシシラン
    ・エチルトリメトキシシラン
    ・エチルトリエトキシシラン
    ・プロピルトリメトキシシラン
    ・プロピルトリエトキシシラン
    ・ヘキシルトリメトキシシラン
    ・ヘキシルトリエトキシシラン
    ・オクチルトリメトキシシラン
    ・オクチルトリエトキシシラン
    ・ドデシルトリメトキシシラン
    ・ドデシルトリエトキシシラン
    ・オクタデシルトリメトキシシラン
    ・オクタデシルトリエトキシシランおよび
    ・これらの混合物
    からなる群から選択される式(IV)の少なくとも1つの有機ケイ素化合物(a1)を含むことを特徴とする、請求項1~6のいずれかに記載の方法。
  8. 前記剤(a)は、少なくとも2つの構造的に異なる有機ケイ素化合物(a1)を含むことを特徴とする、請求項1~7のいずれかに記載の方法。
  9. 前記シーリング試薬は、フィルム形成性ポリマー、アルカリ化剤、酸性化剤、およびそれらの混合物からなる群から選択される化合物を含むことを特徴とする、請求項1~8のいずれかに記載の方法。
  10. 前記剤(a)は、リン酸エステル(a2)として、オルトリン酸と脂肪族アルコールとのエステル、好ましくはオルトリン酸と11~14個の炭素原子を有する分枝脂肪族アルコールとのエステルを含むことを特徴とする、請求項1~9のいずれかに記載の方法。
  11. 前記剤(a)は、リン酸エステル(a2)として、オルトリン酸と1~22個の炭素原子を有するエトキシル化脂肪族アルコールとのエステル、好ましくはセテス-20リン酸のINCI名を有するリン酸エステル(a2)を含むことを特徴とする、請求項1~10のいずれかに記載の方法。
  12. 前記剤(a)および剤(b)がそれぞれ、顔料および/または直接染料からなる群から選択される少なくとも1つの着色剤化合物をさらに含む、請求項1~11のいずれかに記載の方法。
  13. 前記剤(b)は、ラメラ状金属基材プレートレット(eines lamellaren, metallischen Substratplattchens)に基づく顔料、レンチキュラー金属基材プレートレット(eines lentikularen, metallischen Substratplattchens)に基づく顔料 レンチキュラー金属基材プレートレット、「真空金属化顔料」(VMP)を含む金属基材プレートレットに基づく顔料およびそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの顔料、および/または少なくとも1つの金属酸化物および/または金属オキシ塩化物でコーティングされた天然または合成雲母に基づく少なくとも1つの顔料を含む、顔料および/または直接染料からなる群から選択される着色剤化合物をさらに含むことを特徴とする、請求項1~12のいずれかに記載の方法。
  14. 前記剤(a)は、カーマイン、キナクリドン、フタロシアニン、ソルガム、カラーインデックス番号CI 42090、CI 69800、CI 69825、CI 73000、CI 74100、CI 74160を有する青色顔料、カラーインデックス番号CI 11680、CI 11710、CI 15985、CI 19140、CI 20040、CI 21100、CI 21108、CI 47000、CI 47005を有する黄色顔料、カラーインデックス番号CI 61565、CI 61570、CI 74260の緑色顔料、カラーインデックス番号CI 11725、CI 15510、CI 45370、CI 71105の橙色顔料、カラーインデックス番号CI 12085、CI 12120、CI 12370、CI 12420、CI 12490、CI 14700、CI 15525、CI 15580、CI 15620、CI 15630、CI 15800、CI 15850、CI 15865、CI 15880、CI 17200、CI 26100、CI 45380、CI 45410、CI 58000、CI 73360、CI 73915、CI 75470の赤色顔料およびそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの有機顔料および/または有色金属酸化物、金属水酸化物、金属酸化物水和物、ケイ酸塩、金属硫化物、錯体金属シアン化物、金属硫酸塩、ブロンズ顔料およびそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの無機顔料を含む顔料および/または直接染料からなる群から選択される着色剤化合物をさらに含むこと、および
    前記剤(a)が、ラメラ状金属基材プレートレットに基づく顔料、レンチキュラー金属基材プレートレットに基づく顔料、「真空金属化顔料」(VMP)を含む金属基材プレートレットに基づく顔料およびそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの顔料および/または少なくとも1つの金属酸化物および/または金属オキシ塩化物でコーティングされた天然または合成雲母に基づく少なくとも1つの顔料を含む顔料および/または直接染料からなる群から選択される着色剤化合物をさらに含むことを特徴とする、請求項1~13のいずれかに記載の方法。
  15. 別々に包装された
    ・剤(a’)を含む第1の容器、ここで剤(a’)は以下を含む:
    (a1)1、2または3つのケイ素原子を有するシランからなる群から選択される少なくとも1つの有機ケイ素化合物
    ・剤(a’’)を含む第2の容器、ここで剤は(a’’)は以下を含む:
    (a2)少なくとも1つのリン酸エステル
    ・剤(b)を含む第3の容器、ここで剤(b)は以下を含む:
    (b1)少なくとも1つのシーリング試薬
    を含み、
    剤(a’’)および(b)の少なくとも1つは、顔料および/または直接染料からなる群から選択される少なくとも1つの着色剤化合物をさらに含む、
    ケラチン物質を染色するためのキット・オブ・パーツ。
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