JP2023535204A - コロナウイルス感染症の治療におけるカンナビジオールの応用 - Google Patents

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Abstract

本出願は、コロナウイルス感染症を治療するための薬物の調製におけるカンナビジオールの使用に関する。特に、本発明は、コロナウイルスによって引き起こされる疾患若しくは感染症の予防及び/又は治療のための薬物の調製における、カンナビジオール、又はその幾何異性体、医薬的に許容される塩、溶媒和物若しくは水和物、又は上記成分のいずれか1つ以上を含む医薬組成物の使用に関する。【選択図】図1

Description

本出願は、出願日が2020年7月24日である中国特許出願第202010722697.9号に基づいており、その優先権を主張する。この中国特許出願の開示内容は、その全体が本出願に組み込まれる。
本出願は、化学薬品の分野に関し、特に、コロナウイルス、特にSARS-CoV-2によって引き起こされる疾患又は感染症の治療のための医薬の製造における、カンナビジオール(その構造が式Iに示される)、又はその幾何異性体、医薬的に許容される塩、溶媒和物若しくは水和物、又はその医薬組成物の使用に関する。
コロナウイルスは、エンベロープがあり、かつセグメント化されていない一本鎖プラス鎖RNAウイルスであり、広範な動物宿主を有する。動物の感染性疾患に由来するSARS及びMERSのようなコロナウイルスは、ヒトの死を引き起こす可能性がある。2020年2月11日、国際ウイルス分類委員会(International Committee on Taxonomy of Viruses、ICTV)は、新たなコロナウイルスである重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)を発表した。現在、新型コロナウイルス感染症の治療は、クリニックでの支持療法が主であり、利用できる特異的な抗ウイルス薬はまだない。
(-)-2-[(3R,4R)-p-メンタ-1,8-ジエン-3β-イル]-5-ペンチルレゾルシノールという化学名を持つカンナビジオール(式Iの化合物)は、様々な生物活性を持つカンナビノイド化合物である。この薬物は、てんかんに対して有意な治療効果を有し、米国ではカンナビジオールを有効成分とする抗てんかん薬(Epidiolex)が上市されている。
1940年に初めてマリファナから単離されたカンナビジオールは、幻覚を誘発せず、身体依存を引き起こさない非精神活性成分である。近年、その幅広い生物学的効果により、カンナビジオールは国際社会からますます注目されている。カンナビジオールは様々な薬理活性を有し、不安、統合失調症、依存症、神経変性疾患などを含む神経系疾患に対して一定の治療効果を有する。更に、カンナビジオールは、抗てんかん活性、抗痙攣活性、抗腫瘍活性、抗痙攣活性、鎮吐活性、抗糖尿病活性、及び肝臓保護などの薬理活性を有する。カンナビジオールを主な有効成分とする薬物、化粧品、ヘルスケア製品、及び他の製品が海外で上市されており、幅広い応用展望がある。
現在、カンナビジオールの抗ウイルス活性及びウイルス性疾患の治療に関する関連研究は、十分に実施されていない。
本出願の1つの目的は、単純感染症(例えば、発熱、咳、及び咽喉炎)、肺炎、急性若しくは重症急性呼吸器感染症、低酸素性呼吸不全、急性呼吸窮迫症候群、敗血症若しくは敗血症性ショックなどのコロナウイルス、特にSARS-CoV-2によって引き起こされる疾患又は感染症の治療のための、当該ウイルスに対する阻害活性を有する医薬を提供することである。研究によれば、カンナビジオールは、SARS-CoV-2に感染した細胞のウイルス核酸負荷を有意に低減することができ、SARS-CoV-2の複製を阻害する機能を有する。いくつかの実験では、カンナビジオールは、Vero E6細胞中で、SARS-CoV-2に対して、0.62μMのEC50、4.10μMのCC50、及び6.61のSIを有し、これは、カンナビジオールがSARS-CoV-2によって引き起こされる疾患又は感染症の治療に非常に有益であることを示す。
したがって、第1の態様において、本出願は、コロナウイルスによって引き起こされる疾患若しくは感染症の予防及び/又は治療のための医薬の製造における、式Iの化合物、又はその幾何異性体、医薬的に許容される塩、溶媒和物若しくは水和物、又は上記成分のいずれか1つ以上を含む医薬組成物の使用を提供する。
第2の態様において、本出願は、コロナウイルスによって引き起こされる疾患若しくは感染症の予防及び/又は治療のために使用される、式Iの化合物、又はその幾何異性体、医薬的に許容される塩、溶媒和物若しくは水和物、又は上記成分のいずれか1つ以上を含む医薬組成物を提供する。
第3の態様において、本出願は、コロナウイルスによって引き起こされる疾患若しくは感染症を予防及び/又は治療するための方法であって、それを必要とする対象に、有効量の式Iの化合物、又はその幾何異性体、医薬的に許容される塩、溶媒和物若しくは水和物、又は上記成分のいずれか1つ以上を含む医薬組成物を投与するステップを含む、方法を提供する。
第4の態様において、本出願は、呼吸器疾患の予防及び/又は治療のための医薬の製造における、式Iの化合物、又はその幾何異性体、医薬的に許容される塩、溶媒和物若しくは水和物、又は上記成分のいずれか1つ以上を含む医薬組成物の使用を提供する。
第5の態様において、本出願は、呼吸器疾患の予防及び/又は治療のための医薬における使用のための、式Iの化合物、又はその幾何異性体、医薬的に許容される塩、溶媒和物若しくは水和物、又は上記成分のいずれか1つ以上を含む医薬組成物を提供する。
第6の態様において、本出願は、呼吸器疾患を予防及び/又は治療するための方法であって、それを必要とする対象に、有効量の式Iの化合物、又はその幾何異性体、医薬的に許容される塩、溶媒和物若しくは水和物、又は上記成分のいずれか1つ以上を含む医薬組成物を投与するステップを含む、方法を提供する。
第7の態様において、本出願は、コロナウイルス阻害剤の製造における、式Iの化合物、又はその幾何異性体、医薬的に許容される塩、溶媒和物若しくは水和物、又は上記成分のいずれか1つ以上を含む医薬組成物の使用を提供する。
第8の態様において、本出願は、コロナウイルスの阻害において使用するための、式Iの化合物、又はその幾何異性体、医薬的に許容される塩、溶媒和物若しくは水和物、又は上記成分のいずれか1つ以上を含む医薬組成物を提供する。
第9の態様において、本出願は、コロナウイルスを阻害するための方法であって、それを必要とする細胞又は対象に、有効量の式Iの化合物、又はその幾何異性体、医薬的に許容される塩、溶媒和物若しくは水和物、又は上記成分のいずれか1つ以上を含む医薬組成物を投与するステップを含む、方法を提供する。
第10の態様において、本出願は、細胞におけるコロナウイルスの複製及び/又は再生を阻害するための医薬の製造における、式Iの化合物、又はその幾何異性体、医薬的に許容される塩、溶媒和物若しくは水和物、又は上記成分のいずれか1つ以上を含む医薬組成物の使用を提供する。
第11の態様において、本出願は、細胞におけるコロナウイルスの複製及び/又は再生の阻害に使用するための、式Iの化合物、又はその幾何異性体、医薬的に許容される塩、溶媒和物若しくは水和物、又は上記成分のいずれか1つ以上を含む医薬組成物を提供する。
第12の態様において、本出願は、細胞におけるコロナウイルスの複製及び/又は再生を阻害するための方法であって、当該細胞を、有効量の式Iの化合物、又はその幾何異性体、医薬的に許容される塩、溶媒和物若しくは水和物、又は上記成分のいずれか1つ以上を含む医薬組成物と接触させるステップを含む、方法を提供する。
本明細書における図面の説明は、本発明を更に説明するために提供され、本出願の一部を構成する。例示的な実施形態及び説明は、本発明を説明することを意図しており、本発明に対するいかなる不適切な限定としても理解されるべきではない。図面において、
SARS-CoV-2感染vero E6細胞上のウイルス核酸負荷に対するカンナビジオールの効果を示す。カンナビジオールは、細胞がSARS-CoV-2に感染してから48時間後に細胞上のウイルスRNA負荷を阻害することができ、阻害活性は用量依存的であった。ここで、左縦軸は、試料中のウイルスRNAのコピー数に基づいて計算された%阻害(図中の点及びその適合線に対応)を表し、右縦軸は、細胞生存率に基づいて計算された%毒性(図中の四角及びその適合線に対応)を表し、横軸は、薬物濃度を表す。
臨床研究により、SARS-CoV-2感染症の症状は主に肺炎であり、疾患の重症度に応じて、単純感染症、軽症肺炎、重症肺炎、急性呼吸窮迫症候群、敗血症、及び敗血症性ショックなどに分類できることが分かっている。単純感染症患者は、発熱、咳、咽喉炎、鼻づまり、疲労、頭痛、筋肉痛、又は不快感などの非特異的症状を有する場合があり、高齢及び免疫抑制された個体は、非定型症状を経験する場合がある。軽症肺炎患者の主な症状は、咳、呼吸困難、及び息切れである。重症肺炎は、青年、成人、又は子供に見られ、主な症状は、呼吸数の増加、重度の呼吸不全若しくは呼吸困難、中心性チアノーゼ、無気力、錯乱、又は痙攣、あえぎなどである。急性呼吸窮迫症候群の肺画像は、主な症状として肺水腫を伴う、浸出液(effusion)、肺葉浸出液(lobar exudation)、無気肺、又は肺腫瘤では完全に説明できない両側すりガラス陰影である。敗血症患者は、しばしば致命的な臓器機能不全を有し、敗血症性ショックは、死亡の可能性が高い最も危険な患者である。
いくつかの実施形態では、本明細書におけるいずれかの態様の疾患又は感染症は、呼吸器疾患又は感染症である。
いくつかの実施形態では、本明細書におけるいずれかの態様の疾患又は感染症は、単純感染症、肺炎、急性若しくは重症急性呼吸器感染症、低酸素性呼吸不全、急性呼吸窮迫症候群、敗血症、敗血症性ショック、又は重症急性呼吸器症候群(SARS)である。いくつかの実施形態では、単純感染症は、発熱、咳、又は咽喉炎などである。
いくつかの実施形態では、本明細書におけるいずれかの態様の疾患又は感染症は、単純感染症、肺炎、急性若しくは重症急性呼吸器感染症、低酸素性呼吸不全、急性呼吸窮迫症候群、敗血症、敗血症性ショック、及び重症急性呼吸器症候群からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、単純感染症は、発熱、咳、又は咽喉炎などである。
いくつかの実施形態では、本明細書におけるいずれかの態様の疾患又は感染症は、COVID-19である。
いくつかの実施形態では、本明細書におけるいずれかの態様の細胞は、哺乳動物細胞である。いくつかの実施形態では、哺乳動物は、ウシ類、ウマ類、ヒツジ類、ブタ類、イヌ類、ネコ類、げっ歯類、及び霊長類からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、哺乳動物は、ヒト、ネコ、ブタ、又はイヌである。いくつかの実施形態では、哺乳動物は、ヒトである。
いくつかの実施形態では、本明細書におけるいずれかの態様のコロナウイルスは、HCoV-229E、HCoV-OC43、HCoV-NL63、HCoV-HKU1、SARS-CoV、MERS-CoV、及びSARS-CoV-2からなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、本明細書におけるいずれかの態様のコロナウイルスは、SARS-CoV-2である。
いくつかの実施形態では、医薬組成物中の式Iの化合物、又はその幾何異性体、医薬的に許容される塩、溶媒和物若しくは水和物は、唯一の活性医薬成分である。
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、追加の抗ウイルス活性成分を更に含む。
いくつかの実施形態では、式Iの化合物、又はその幾何異性体、医薬的に許容される塩、溶媒和物若しくは水和物、又はその医薬組成物は、追加の抗ウイルス活性成分と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、式Iの化合物、又はその幾何異性体、医薬的に許容される塩、溶媒和物若しくは水和物は、追加の抗ウイルス活性成分と同じ製剤単位内に存在する。
いくつかの実施形態では、式Iの化合物、又はその幾何異性体、医薬的に許容される塩、溶媒和物若しくは水和物、及び追加の抗ウイルス活性成分は、異なる製剤単位内に存在する。
いくつかの実施形態では、式Iの化合物、又はその幾何異性体、医薬的に許容される塩、溶媒和物若しくは水和物は、追加の抗ウイルス活性成分と同時に、個別に、又は連続して投与される。
いくつかの実施形態では、追加の抗ウイルス活性成分は、アマンタジン、リマンタジン、エンフビルチド、マラビロク、アシクロビル、ガンシクロビル、バラシクロビル、ファムシクロビル、ホスカルネットナトリウム、ラミブジン、ジドブジン、エムトリシタビン、テノホビル、アデホビルジピボキシル、エファビレンツ、ネビラピン、サキナビル、オセルタミビル、ザナミビル、リバビリン、及びインターフェロンからなる群から選択される1つ以上である。
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、医薬的に許容される担体又は賦形剤を更に含んでもよい。担体とは、送達中の薬物の選択性、有効性、及び/又は安全性を改善するために使用される物質を指す。担体は、主に薬物放出を制御するために使用され、薬物の薬物動態特性、特にバイオアベイラビリティを改善するためにも使用できる。賦形剤とは、医薬製剤中の有効成分以外の物質を指し、主に長期安定性、固形調製物の充填(したがって、特に「充填剤」を指すためにしばしば使用される)、又は製品の効能の増強(例えば、吸収の促進、粘度の低減、若しくは溶解性の増加)のために使用される。投与経路又は投与形態に応じて、当業者は、既知の理論及び経験に基づいて好適な担体及び賦形剤を選択することができる。
本明細書に記載の医薬組成物は、異なる投与経路に従って様々な形態に調製することができる。
本発明によれば、医薬組成物は、以下の方法のいずれかで投与することができる:経口投与、噴霧吸入、直腸投与、経鼻投与、口腔投与、膣投与、局所投与、非経口投与(例えば、皮下、静脈内、筋肉内、腹腔内、髄腔内、脳室内(intraventricular)、胸骨内及び頭蓋内注射若しくは注入)、又は移植リザーバー(explanted reservoir)を介して。これらのうち、経口、腹腔内又は静脈内投与が好ましい。
経口投与の場合、式Iの化合物、又はその幾何異性体、医薬的に許容される塩、溶媒和物若しくは水和物は、錠剤、カプセル、水溶液又は懸濁液を含むがこれらに限定されない任意の経口的に許容される調製物にすることができる。これらのうち、錠剤のために一般的に使用される担体としては、乳糖及びコーンスターチが挙げられ、ステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤を添加してもよい。カプセル調製物のために一般的に使用される希釈剤としては、乳糖及び乾燥コーンスターチが挙げられる。水性懸濁液は、通常、有効成分を好適な乳化剤及び懸濁化剤と混合することによって調製される。また、必要に応じて、いくつかの甘味料、香味料、又は着色剤を上記経口調製物に添加してもよい。
直腸投与の場合、式Iの化合物、又はその幾何異性体、医薬的に許容される塩、溶媒和物若しくは水和物は、一般に、薬物を好適な非刺激性賦形剤と混合することによって調製される坐剤の形態にすることができる。賦形剤は室温では固体であるが、直腸温度で溶けて薬物を放出する。このような賦形剤としては、ココアバター、蜜蝋、及びポリエチレングリコールが挙げられる。
局所投与の場合、特に、眼、皮膚又は下部腸神経系疾患などの、局所投与によって容易にアクセスできる患部表面又は臓器を治療する場合、式Iの化合物、又はその幾何異性体、医薬的に許容される塩、溶媒和物又は水和物は、異なる患部表面又は臓器に応じて、異なる局所調製物にすることができる。具体的な指示は次のとおりである。
眼への局所投与の場合、式Iの化合物、又はその幾何異性体、医薬的に許容される塩、溶媒和物若しくは水和物、式Iの化合物、又はその幾何異性体、医薬的に許容される塩、溶媒和物若しくは水和物を、微粉化された懸濁液又は溶液の形態に製剤化することができ、使用される担体は、特定のpHの等張滅菌生理食塩水であり、これには塩化ベンジルアルコキシドなどの防腐剤が添加されても、されなくてもよい。更に、眼での(ophthalmic)使用の場合、化合物を、ワセリン軟膏などの軟膏の形態に製剤化することができる。
皮膚への局所投与の場合、式Iの化合物、又はその幾何異性体、医薬的に許容される塩、溶媒和物若しくは水和物は、有効成分が1つ以上の担体に懸濁又は溶解された好適な軟膏、ローション、又はクリームの形態にすることができる。ここで軟膏に使用できる担体としては、鉱油、流動ワセリン、白色ワセリン、プロピレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、乳化ワックス、及び水が挙げられるが、これらに限定されない。ローション又はクリームに使用できる担体としては、鉱物油、モノステアリン酸ソルビタン、Tween(登録商標)60、セチルエステルワックス、セテニルアリールアルコール、2-オクチルドデカノール、ベンジルアルコール、及び水が挙げられるが、これらに限定されない。
下部腸管への局所投与の場合、式Iの化合物、又はその幾何異性体、医薬的に許容される塩、溶媒和物若しくは水和物を、上記の直腸坐剤調製物又は浣腸調製物の好適な形態にすることができる。更に、局所経皮パッチを使用することもできる。
式Iの化合物、又はその幾何異性体、医薬的に許容される塩、溶媒和物若しくは水和物は、滅菌注射用水性若しくは油懸濁液、又は滅菌注射用溶液を含む滅菌注射用調製物の形態で投与することもできる。それらの中で、使用できる担体及び溶媒は、水、リンゲル液、及び等張塩化ナトリウム溶液である。更に、モノグリセリド又はジグリセリドなどの滅菌不揮発性油も、溶媒又は懸濁媒として使用することができる。
上記の各種剤形のいずれか1つの医薬は、製薬分野における従来の方法に従って調製することができる。
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、固形調製物又は液体調製物である。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、錠剤、注射剤(injection)、又はスプレー剤(spray)である。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、注射剤である。
本出願において、別段の指示がない限り、本明細書で使用される科学用語及び技術用語は、当業者によって一般に理解される意味を有する。また、本明細書で使用される細胞培養、分子遺伝学、核酸化学、免疫学の実験操作の手順は全て従来のものであり、対応分野で広く使用されている。一方、本発明をよりよく理解するために、関連用語の定義及び説明を以下に提供する。
本明細書で使用される場合、「医薬的に許容される塩」という用語は、無機酸塩又は有機酸塩、及び無機塩基塩又は有機塩基塩、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、リチウム塩、メグルミン塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、ニトレート、サルフェート、ホスフェート、リン酸水素塩、アセテート、プロピオネート、ブチレート、オキサレート、酢酸トリメチル、アジペート、アルギネート、ラクテート、シトレート、タルトレート、スクシネート、マレエート、フマレート、ピクラート、アスパルテート、グルコネート、ベンゾエート、メタンスルホネート、エタンスルホネート、ベンゼンスルホネート、p-トルエンスルホネート、又はパモエートなどが挙げられる。
本明細書で使用される場合、「幾何異性体」という用語は、シス/トランス異性体などの、二重結合又は環に接続した原子又は原子群の自由回転の障害に起因する二重結合又は環構造を有する分子中の異なる空間配置から生じる立体異性体を指す。
本開示における式Iの化合物は、溶媒和物(好ましくは水和物)の形態で存在してもよく、格子の構造要素として極性溶媒、特に水、メタノール、又はエタノールを含む。極性溶媒の量は、化学量論的又は非化学量論的である。本出願で定義される疾患又は感染症の治療に使用される式Iの化合物の溶媒和物は、異なる特性(薬物動態特性を含む)を有してもよいが、対象に吸収されると、式Iの化合物が得られるので、式Iの化合物の使用には、式Iの化合物の任意の溶媒和物の使用が含まれる。
本出願において、「2019新型コロナウイルス(2019-nCoV)」という用語の正式な分類名は、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)である。
本出願において、「2019新型コロナウイルス(2019-nCoV)によって引き起こされる疾患」という用語は、正式にはCOVID-19と命名されている。
本出願において、「治療有効量」又は「予防有効量」という用語は、合理的な医学的判断の範囲内で、患者の疾患を治療又は予防するのに十分であるが、重篤な副作用を回避するのに十分低い(合理的なベネフィット/リスク比)量を指す。化合物の治療有効量は、(例えば、化合物の効力、有効性及び半減期を考慮して)選択された特定の化合物、選択された投与経路、治療される疾患、治療される疾患の重症度、治療されている患者の年齢、体格、体重及び身体疾患、治療されている患者の病歴、治療期間、併用療法の性質、所望の治療効果などを含む要因に基づいて様々であってもよいが、それでも当業者によって常套的に決定することができる。
更に、式Iの化合物、又はその幾何異性体、医薬的に許容される塩、溶媒和物若しくは水和物の特定の投与量及び投与経路は、患者の年齢、体重、性別、健康状態、栄養状態、薬物の効力、服用時間、代謝率、疾患の重症度、及び医師の主観的判断を含む多くの要因によって決定されることを指摘しておく必要があろう。好ましい用量は、0.001~1000mg/kg体重/日である。
発明を実施するための具体的なモデル
本発明の実施形態の技術的解決策は、以下の実施例及び図面において更に明確かつ完全に説明される。明らかに、これらは一部にすぎず、全ての例ではない。以下の実施例のうちの少なくとも1つは、説明のためのものであり、本発明、並びにその応用及び使用に対するいかなる限定としても理解されるべきではない。また、本発明に照らして創造的な作業を伴わずに当業者によってなされる他の実施形態は全て、本発明の保護範囲内に含まれる。
実施例1:SARS-CoV-2に感染した細胞のウイルス核酸負荷の減少におけるカンナビジオールの実験
(1)ウイルス感染細胞の薬物処置
Vero E6細胞(ATCCから購入、カタログ番号1586)を24ウェルプレートに入れ、24時間インキュベートした後、ウイルス感染を実施した。具体的には、SARS-CoV-2(2019-nCoV)ウイルス(nCoV-2019BetaCoV/Wuhan/WIV04/2019株、中国科学院武漢ウイルス研究所(Wuhan Institute of Virology, Chinese Academy of Sciences)により提供)を2%細胞維持液(製剤化:FBS(Gibcoから購入、カタログ番号16000044)をMEM(Gibcoから購入、製品番号:10370021)に2%の体積比で添加し、それにより、2%細胞維持溶液を得た)で、対応する濃度に希釈し、次いで、各ウェルが100TCID50のウイルス負荷を含むように24ウェルプレートに添加した。次に、カンナビジオール(Selleck Chemicalsから購入、製品番号:S7975)を2%細胞維持溶液で対応する濃度に希釈し、最終薬物濃度が、それぞれ100μM、33μM、11μM、3.7μM、1.23μM、0.41μM、0.14μMとなるように対応するウェルに添加し、次いで、プレートを37℃、5%COインキュベーターに入れ、48時間連続培養し、細胞ビヒクル対照群には、いかなる試験薬物も含ませず、2%細胞維持液のみを添加した。
(2)RNA抽出
RNA抽出キットは、Qiagenから購入した(製品番号:74106)。以下のRNA抽出ステップに関与する消耗材料(スピンカラム、RNaseフリー2ml収集チューブなど)及び試薬(RLT、RW1、RPE、RNaseフリー水など)は全て、キットの一部であった。次の抽出手順は全て、キットの説明書で推奨されているものとした。
1)試験プレートから100μLの上清を採取し、ヌクレアーゼフリーのEPチューブに添加し、350μLのBuffer RLTを添加し、トランスファーリキッドガンによって混合して完全に溶解させ、遠心分離して上清を採取した。
2)ステップ1)で得られた上澄に等量の70%エタノールを添加し、よく混合した。
3)ステップ2)で得られた混合溶液をRNaseフリーのスピンカラムに移し、12000rpmで15秒間遠心分離し、廃液を捨てた。
4)700μLのBuffer RW1をスピンカラムに添加し、12000rpmで15秒間遠心分離を実施してスピンカラムを洗浄し、廃液を捨てた。
5)500μLのBuffer RPEをスピンカラムに添加し、12000rpmで15秒間遠心分離を実施してスピンカラムを洗浄し、廃液を捨てた。
6)スピンカラムに500μLのBuffer RPEを添加し、12000rpmで2分間遠心分離を実施してスピンカラムを洗浄し、廃液を捨てた。
7)スピンカラムを新しいRNaseフリーの2ml収集チューブに入れ、12000rpmで1分間遠心分離を実施してスピンカラムを乾燥させ、その後、スピンカラム全体をステップ8)の1.5ml収集チューブに移した。
8)ステップ7)で乾燥させたスピンカラムを新しい1.5ml収集チューブに入れ、30μlのRNaseフリー水を添加し、12000rpmで2分間遠心分離した。得られた溶離液は、対応するRNAを含有しており、これに、RNase阻害剤(NEBから購入、製品番号:M0314L)を添加し、Nano Drop(Thermo Scientificから購入、Nano Drop One)で検出して、各RNA濃度を決定した。
(3)RNA逆転写
実験では、RNAの逆転写のために、TaKaRa Company製の逆転写キット(gDNA Eraserを備えたPrimeScript(商標)RT試薬キット、カタログ番号RR047Q)を使用した。ステップは以下のとおりであった。
1)gDNAの除去:各実験群からRNA試料を収集し、そのうちの1μgを採取し、逆転写に供した。まず、2μlの5×gDNA Eraser Bufferを各実験群のRNA試料に添加し、反応系にRNaseフリー水を10μlまで補充し、よく混合し、42℃の水浴に2分間供して、試料中に存在する可能性のあるgDNAを除去した。
2)逆転写:1)で得られた試料に適量の酵素、プライマーミックス、及び反応緩衝液を添加し、20μlの体積までRNase Free水を補充し、37℃の水浴下で15分間反応させ、その後、85℃の水浴に5秒間入れ、それにより、転写を経てcDNAを得た。
(4)リアルタイムPCR
蛍光定量PCRを使用して、元のウイルス溶液1ml当たりのコピー数を検出した。
TB Green Premix(Takara、カタログ番号RR820A)を用いて反応系を混合し、StepOne PlusリアルタイムPCR機器(ブランド:ABI)を用いて増幅反応及び読み取りを実施した。元のウイルス溶液1ml当たりに含まれるコピー数を計算した。ステップは以下のとおりであった。
1)標準の確立:プラスミドpMT-RBD(プラスミドは中国科学院武漢ウイルス研究所により提供)を5×10コピー/μL、5×10コピー/μL、5×10コピー/μL、5×10コピー/μL、5×10コピー/μL、5×10コピー/μL、5×10コピー/μLに希釈した。qPCR反応のために、2μLの標準又はcDNAテンプレートを採取した。
2)実験で使用したプライマーの配列は、次のとおりであった(全て、5’-3’方向で示す):
RBD-qF:CAATGGTTTAACAGGCACAGG
RBD-qR:CTCAAGTGTCTGTGGATCACG
3)反応手順は、次のとおりであった:
プレ変性(Pre-denaturation):95℃で5分間。
サイクルパラメータ:95℃で15秒間、54℃で15秒間、72℃で30秒間、合計40サイクル。
(5)薬物の細胞毒性試験
薬物細胞毒性の検出は、CCK-8キット(Beoytime)を用いて実行した。具体的なステップは、次のとおりであった。
1)1×10のVero E6(ATCC)細胞を96ウェルプレートに入れ、37℃で8時間インキュベートした。
2)薬物をDMSOで適切な母液濃度に希釈し、次いで、2%FBS(Gibcoから購入、カタログ番号16000044)を含有するMEM培地(Gibcoから購入、カタログ番号10370021)で、薬物処置の場合と同濃度に希釈した。96ウェルプレート内の元の培地を捨て、100μLの薬物含有MEM培地を細胞に添加し、濃度ごとに3つの複製ウェルを用意した。陰性対照(ビヒクル群、DMSO及び培地を、薬物を添加していない細胞ウェルに添加)及びブランク対照(DMSO及び培地を、細胞を含まないウェルに添加)を設定した。薬剤添加後、細胞を37℃で48時間培養した。
3)20μLのCCK-8溶液(Beoytime)を被験ウェルに添加し、気泡を発生させずに穏やかに混合し、37℃で2時間連続的にインキュベートした。OD450をマイクロプレートリーダー(Molecular Devicesから購入、モデル:SpectraMax M5)で読み取り、細胞生存率を計算した:
細胞活性(%)=(A(薬物処置群)-A(ブランク対照))/(A(ビヒクル対照)-A(ブランク対照))×100%
式中、Aは、マイクロプレートリーダーの読み取り値である。
(6)実験結果
ウイルス増殖阻害実験の結果は、10μM、3.3μM、1.1μM、及び0.37μMの濃度での試験化合物が、感染した上清中でのSARS-CoV-2ウイルスゲノムの複製を効果的に阻害できることを示した(表1及び図1)。
細胞毒性の結果は、試験化合物(カンナビジオール)による処置が1.56μM及び0.78μMの濃度で細胞の生存率を変化させないこと、つまり、試験化合物が全ての濃度で細胞に毒性作用を有しないことを示した(表2及び図1)。
本明細書に記載されたものに加えて、上記の記載によれば、当業者には本発明の様々な変更が明らかであろう。そのような変更もまた、添付の特許請求の範囲内に入る。本出願で引用された各参考文献(全ての特許、特許出願、雑誌論文、書籍、及びその他の刊行物を含む)は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。

Claims (19)

  1. コロナウイルスによって引き起こされる疾患若しくは感染症の予防及び/又は治療のための医薬の製造における、式Iの化合物、又はその幾何異性体、医薬的に許容される塩、溶媒和物若しくは水和物、又は前記成分のいずれか1つ以上を含む医薬組成物の使用。
  2. 前記疾患又は感染症が、呼吸器疾患若しくは感染症であり、
    好ましくは、前記疾患又は感染症が、単純感染症、肺炎、急性若しくは重症急性呼吸器感染症、低酸素性呼吸不全、急性呼吸窮迫症候群、敗血症、敗血症性ショック、又は重症急性呼吸器症候群(SARS)であり、好ましくは、前記単純感染症が、発熱、咳、又は咽喉炎である、請求項1に記載の使用。
  3. 前記疾患又は感染症が、COVID-19である、請求項1又は2に記載の使用。
  4. コロナウイルス阻害剤の製造における、式Iの化合物、又はその幾何異性体、医薬的に許容される塩、溶媒和物若しくは水和物、又は前記成分のいずれか1つ以上を含む医薬組成物の使用。
  5. 細胞におけるコロナウイルスの複製及び/又は再生を阻害するための医薬の製造における、式Iの化合物、又はその幾何異性体、医薬的に許容される塩、溶媒和物若しくは水和物、又は上記成分のいずれか1つ以上を含む医薬組成物の使用。
  6. 前記細胞が、哺乳動物細胞であり、好ましくは、前記哺乳動物が、ウシ類、ウマ類、ヒツジ類、ブタ類、イヌ類、ネコ類、げっ歯類、及び霊長類からなる群から選択され、好ましくは、前記哺乳動物が、ヒト、ネコ、ブタ、又はイヌであり、好ましくは、前記哺乳動物が、ヒトである、請求項5に記載の使用。
  7. 前記医薬組成物が、医薬的に許容される担体又は賦形剤を更に含み、
    好ましくは、前記医薬組成物が、固形調製物又は液体調製物であり、更に好ましくは、前記医薬組成物が、錠剤、注射剤(injection)、又はスプレー剤(spray)である、請求項1~6のいずれか一項に記載の使用。
  8. 前記式Iの化合物、又はその幾何異性体、医薬的に許容される塩、溶媒和物若しくは水和物が、前記医薬組成物中の唯一の医薬活性成分として使用され、
    好ましくは、前記医薬組成物が、追加の抗ウイルス活性成分を更に含み、
    好ましくは、前記式Iの化合物、又はその幾何異性体、医薬的に許容される塩、溶媒和物若しくは水和物、又は前記医薬組成物が、前記追加の抗ウイルス活性成分と組み合わせて(例えば、同時、個別、又は逐次投与によって)投与され、
    好ましくは、前記追加の抗ウイルス活性成分が、アマンタジン、リマンタジン、エンフビルチド、マラビロク、アシクロビル、ガンシクロビル、バラシクロビル、ファムシクロビル、ホスカルネットナトリウム、ラミブジン、ジドブジン、エムトリシタビン、テノホビル、アデホビルジピボキシル、エファビレンツ、ネビラピン、サキナビル、オセルタミビル、ザナミビル、リバビリン、及びインターフェロンからなる群から選択される1つ以上である、請求項1~7のいずれか一項に記載の使用。
  9. 前記コロナウイルスが、HCoV-229E、HCoV-OC43、HCoV-NL63、HCoV-HKU1、SARS-CoV、MERS-CoV、及びSARS-CoV-2からなる群から選択される、請求項1~8のいずれか一項に記載の使用。
  10. 前記コロナウイルスが、SARS-CoV-2である、請求項1~9のいずれか一項に記載の使用。
  11. コロナウイルスによって引き起こされる疾患若しくは感染症を予防及び/又は治療するための方法であって、それを必要とする対象に、有効量の式Iの化合物、又はその幾何異性体、医薬的に許容される塩、溶媒和物若しくは水和物、又は前記成分のいずれか1つ以上を含む医薬組成物を投与するステップを含む、方法。
  12. 前記疾患又は感染症が、呼吸器疾患若しくは感染症であり、
    好ましくは、前記疾患又は感染症が、単純感染症、肺炎、急性若しくは重症急性呼吸器感染症、低酸素性呼吸不全、急性呼吸窮迫症候群、敗血症、敗血症性ショック、又は重症急性呼吸器症候群(SARS)であり、好ましくは、前記単純感染症が、発熱、咳、又は咽喉炎である、請求項11に記載の方法。
  13. 前記疾患又は感染症が、COVID-19である、請求項11又は12に記載の方法。
  14. 細胞におけるコロナウイルスの複製及び/又は再生を阻害するための方法であって、前記細胞を、有効量の式Iの化合物、又はその幾何異性体、医薬的に許容される塩、溶媒和物若しくは水和物、又は前記成分のいずれか1つ以上を含む医薬組成物と接触させるステップを含む、方法。
  15. 前記細胞が、哺乳動物細胞であり、好ましくは、前記哺乳動物が、ウシ類、ウマ類、ヒツジ類、ブタ類、イヌ類、ネコ類、げっ歯類、及び霊長類からなる群から選択され、好ましくは、前記哺乳動物が、ヒト、ネコ、ブタ、又はイヌであり、好ましくは、前記哺乳動物が、ヒトである、請求項14に記載の方法。
  16. 前記医薬組成物が、医薬的に許容される担体又は賦形剤を更に含み、
    好ましくは、前記医薬組成物が、固形調製物又は液体調製物であり、更に好ましくは、前記医薬組成物が、錠剤、注射剤、又はスプレー剤である、請求項11~15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 前記医薬組成物中の前記式Iの化合物、又はその幾何異性体、医薬的に許容される塩、溶媒和物若しくは水和物が、唯一の医薬活性成分であり、
    好ましくは、前記医薬組成物が、追加の抗ウイルス活性成分を更に含み、
    好ましくは、前記式Iの化合物、又はその幾何異性体、医薬的に許容される塩、溶媒和物若しくは水和物、又は前記医薬組成物が、前記追加の抗ウイルス活性成分と組み合わせて(例えば、同時、個別、又は逐次投与によって)投与され、
    好ましくは、前記追加の抗ウイルス活性成分が、アマンタジン、リマンタジン、エンフビルチド、マラビロク、アシクロビル、ガンシクロビル、バラシクロビル、ファムシクロビル、ホスカルネットナトリウム、ラミブジン、ジドブジン、エムトリシタビン、テノホビル、アデホビルジピボキシル、エファビレンツ、ネビラピン、サキナビル、オセルタミビル、ザナミビル、リバビリン、及びインターフェロンからなる群から選択される1つ以上である、請求項11~16のいずれか一項に記載の方法。
  18. 前記コロナウイルスが、HCoV-229E、HCoV-OC43、HCoV-NL63、HCoV-HKU1、SARS-CoV、MERS-CoV、及びSARS-CoV-2からなる群から選択される、請求項11~17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 前記コロナウイルスが、SARS-CoV-2である、請求項11~18のいずれか一項に記載の方法。
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