JP2023533755A - ヒトido-2に対する抗体を含む組成物 - Google Patents

ヒトido-2に対する抗体を含む組成物 Download PDF

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Abstract

ヒトIDO2に特異的又は優先的に結合する抗体、エピトープ結合断片、及びこのような抗体又は断片のうちの1種又は2種以上を含有する組成物、並びに自己免疫疾患等の疾患を治療するためのこれらの組成物の使用が開示される。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、参照により本明細書中に全体が記載されているかのように組み込まれている、2020年7月9日に出願した米国仮出願第63/049,819号明細書の優先権を主張するものである。
電子形式で提出した資料の参照による組み込み
本出願人は、本明細書と共に電子形式で提出した配列表資料を参照により本明細書に組み込む。このファイルは、2020年7月7日に作成された、ファイル名「MLH125P_ST25.txt」のものであり、サイズは12kbである。
インドールアミン2,3-ジオキシゲナーゼ(IDO(indoleamine 2, 3-dioxygenase)1及びIDO2)は、トリプトファンのキヌレニンへの変換を触媒するトリプトファン異化酵素である。IDO1は、肝臓におけるトリプトファンの代謝処理(metabolic processing)とは独立して、必須アミノ酸であるトリプトファンを異化する肝外酵素である。眼障害の治療のためのIDO1単剤療法が、国際公開第2016/100851号に記載されている。また、参照により本明細書に組み込まれている米国特許第10,535,035号明細書も参照されたい。
IDO2はIDO1と密接に関連するタンパク質である。ヒト及びマウスのIDO2並びに種々のアイソフォーム、スプライスバリアント及び変異体配列の核酸配列及びアミノ酸配列は、参照により本明細書に組み込まれている米国特許第8,436,151号明細書において特定された。IDO2は、ヒトIDO1と約45%の配列同一性を有し、ヘム結合及びトリプトファン異化活性に不可欠であることが公知であるIDO1の構造的特徴を共有する。実際に、ヘム結合に必要とされるヒスチジン及びアスパラギン酸残基はIDO1とIDO2の間で保存されている。IDO2は、免疫調節及び/又はタンパク質のミスフォールディングに関連する疾患及び障害、例えば、がん、ウイルス感染症及び他の病態の治療標的候補である。参照により本明細書中に組み込まれているMetz, R. Cancer Res. 2007 Aug., 76(15): 7082-7を参照されたい。IDO2の活性化は、免疫応答の制御のための明確で重要な性質を有する。米国特許第8,436,151号は、IDO2に対して免疫学的に特異的であって、IDO1には顕著な程度には結合しない、抗体を特許請求している。
参照により本明細書に組み込まれている、米国特許出願公開第2019/0062452号(また、国際特許出願公開第2017/019756号)に論じられているように、少なくとも1種の抗IDO2抗体若しくはその断片及び/又は抗IDO2アプタマーを含有する組成物は、対象において自己抗体関連疾患又は障害(例えば、自己免疫疾患)を抑制、治療及び/又は予防するのに有用である。
国際公開第2016/100851号パンフレット 米国特許第10,535,035号明細書 米国特許第8,436,151号明細書 米国特許出願公開第2019/0062452号明細書 国際特許出願公開第2017/019756号パンフレット
Metz, R. Cancer Res. 2007 Aug., 76(15): 7082-7
追加の標的選択性を示すことによって対象においてこのような自己免疫疾患を治療するための新たな組成物が、治療的適用のために必要とされている。
一態様において、ヒトIDO2エピトープに結合する組換え、合成若しくはモノクローナル抗体、又は前記抗体のヒトIDO2エピトープに結合する断片が提供される。一態様において、抗体又は断片は、配列番号10、12若しくは14からなる群から選択されるアミノ酸配列又は配列番号10、12若しくは14と少なくとも80%同一のアミノ酸配列である、重鎖可変ドメイン配列を含む。別の態様において、抗体又は断片は、配列番号2からなる群から選択されるアミノ酸配列又はこの配列と少なくとも80%同一のアミノ酸配列である、軽鎖可変ドメイン配列を含む。さらに別の実施形態において、これらの配列、配列番号2又は10、12若しくは14のトランケーション及び/又は修飾が記載される。別の態様において、同じ組換え、合成又はモノクローナル抗体は、ヒトIDO2エピトープ及びマウスIDO2エピトープの両方に結合する。
別の態様において、ヒトIDO2エピトープに結合する、組換え、合成若しくはモノクローナル抗体又は組換え、合成若しくは組換えペプチドコンストラクト、或いはヒトIDO2エピトープに結合する前記抗体の断片は、1つ又は2つ以上の相補性決定領域(CDR,complementarity determining region)を含む。一実施形態において、CDRは、配列番号16のアミノ酸配列である。別の実施形態において、CDRは、配列番号18のアミノ酸配列である。別の実施形態において、CDRは、配列番号20のアミノ酸配列である。さらに別の実施形態において、これらのCDRのうちの2つ又は3つが、抗体又はペプチドコンストラクト中に存在する。
さらに別の態様において、ヒトIDO2エピトープに結合する、抗体若しくは断片又は組換え、合成若しくは組換えペプチドコンストラクトは、本明細書中で特定されるそれらの配列番号の中からの重鎖可変領域と軽鎖可変領域の両方を含む。さらなる実施形態において、抗体は、配列番号10及び2の重鎖及び軽鎖配列を含み、抗体13-3と称する。さらなる実施形態において、抗体は、配列番号12及び2の重鎖及び軽鎖配列を含み、抗体18-1と称する。さらなる実施形態において、抗体は、配列番号14及び2の重鎖及び軽鎖配列を含み、抗体20-10と称する。
別の態様において、それを必要とする対象において自己抗体関連疾患又は障害(例えば、自己免疫疾患)を抑制、治療及び/又は予防するための医薬組成物であって、本明細書中に記載の少なくとも1種の抗体若しくはエピトープ結合断片又はその修飾体、或いはヒトIDO2エピトープに結合する少なくとも1種の組換え、合成又は組換えペプチドコンストラクトと、薬学的に許容される担体とを含む、医薬組成物が提供される。別の態様において、それを必要とする対象において自己抗体産生を低減するための医薬組成物であって、本明細書中に記載の少なくとも1種の抗体若しくはエピトープ結合断片又はその修飾体と、薬学的に許容される担体とを含む、医薬組成物が提供される。
別の態様において、抗体断片をコードする核酸配列、及びコード配列を含有するコンストラクト(例えば、ベクター又はプラスミド)、並びに核酸配列、ベクター又はプラスミドを含有する組成物も提供される。
別の態様において、必要とする対象において自己抗体関連疾患又は障害(例えば、自己免疫疾患)を抑制、治療及び/又は予防するための方法は、本明細書中に記載の、ヒトIDO2エピトープに結合する、少なくとも1種の抗体若しくはエピトープ結合断片又はその修飾体或いは少なくとも1種の組換え、合成又は組換えペプチドコンストラクト、並びに薬学的に許容される担体を投与するステップを含む。一実施形態において、本明細書中に記載の単一抗体若しくはエピトープ結合断片又はその修飾体の有効量を投与する。別の態様において、本明細書中に記載の抗体若しくは断片又はコンストラクトの混合物の有効量を投与する。
抗体若しくはペプチドコンストラクト又はそれらをコードする核酸配列を作製する方法、及び医薬組成物を製剤化する方法も開示される。
これらの方法及び組成物の他の態様及び利点は、以下の詳細な説明においてさらに説明する。
本明細書中に記載の3種の抗ヒトIDO2モノクローナル抗体13-3、18-1及び20-10並びにそれらの結合濃度対ヒトIDO2組換えタンパク質の結合曲線を示すグラフである。ヒトIDO2アミノ酸#331~351(NP_919270;配列番号23)に対して、3種のクローン化ハイブリドーマを作製した。ELISA解析により、組換えヒトIDO2タンパク質への抗ヒトIDO2抗体(mAb)の結合を比較する(100ngの組換えヒトIDO2タンパク質を使用して、ELISAプレートをコーティングした)。漸増濃度のmAbを、コーティングしたタンパク質と共にインキュベートし、固定タンパク質を結合した抗IDO2 Igを、抗マウスIgG Fc特異的HRP二次抗体及びABTS基質で検出した。データは、平均値±SDとして示す。データは、抗体がヒトIDO2タンパク質を認識することを示している。 図2A及び2Bは、抗体の特異性を試験するために開発された競合ELISAの結果を示すグラフである。100ngの組換えヒトIDO2タンパク質を使用して、ELISAプレートをコーティングした。一定量(1μg/ml)のIDO2抗体を、指定された濃度の可溶性ペプチドを含む溶液中でインキュベートした。抗体が可溶性ペプチドと相互作用した場合には、抗体はコーティングされた抗原を結合するために利用できなかった。固定タンパク質を結合した抗IDO2 Igは、抗マウスIgG FC特異的HRP二次抗体及びABTS基質で検出した。データは、平均値±SDとして示す。データは、抗体がヒトIDO2タンパク質及び対応するマウス配列を認識することを示している。図2Aは、ヒトエピトープに対する図1の3種の抗ヒトIDO2 mAbの認識を比較する競合ELISAのグラフであり、吸光度対エピトープペプチド濃度をプロットしている。図2Bは、マウスエピトープに対する図1の3種の抗ヒトIDO2 mAbの認識を比較する競合ELISAのグラフであり、吸光度対エピトープペプチド濃度をプロットしている。 IDO発現Trex細胞を使用したウエスタンブロット解析を示す図である。全てのIDO発現タンパク質、マウス及びヒトのIDO1及びIDO2はV5タグを含有する。ウエスタンブロット解析は、ヒト又はマウスのIDO1を認識しない、抗ヒトIDO2抗体のヒト及びマウスIDO2に対する特異性を実証する。IDO発現細胞又は親T-REX株の細胞抽出物を、前述のようにして調製し、分画した(PMID: 17671174 & 26717206)。表示したタンパク質の検出は、標準ブロッティング法、HRPコンジュゲート二次抗体及び化学発光検出試薬を使用して行った。 図4Aは、抗マウスIDO2 mAb 4-3と比較した、抗ヒトIDO2 mAbの結合のELISA解析を示すグラフである。コーティングされたペプチドはヒト又はマウスIDO2配列に相当する。図4Bは、抗ヒトIDO2 mAbで検出されたIDO発現細胞株20-10のウエスタンブロット解析を示す図である。全てのIDO発現タンパク質は、V5タグを含有する。 図5A~5Cは、抗ヒトIDO2ハイブリドーマ13-3、18-1、20-10が実質的に同じ軽鎖可変領域(LCV,light chain variable region)を有することを示す図である。図5Aは、3種の例示的抗IDO2 mAb、13-13、18-1及び20-10の軽鎖可変領域LCVの核酸アライメント 配列番号1を示す。図5Bは、同一の配列番号2である、3種の例示的抗IDO2 mAb、13-13、18-1及び20-10のアミノ酸アライメントを示す。図5Cは、LCV配列のFR及びCDR領域の特定を示す:FR1 配列番号3、CDR1 配列番号4、FR2 配列番号5、CDR2(GIS)、FR3 配列番号6、CDR3 配列番号7、及びFR4 配列番号8。核酸及びアミノ酸アライメントは、ログ予測による複数配列比較(MUSCLE,Multiple Sequence Comparison by Log-Expectation)-ウェブベースのソフトウェア(https://www.ebi.ac.uk/Tools/msa/ muscle)を使用して行った。イムノグロブリン可変ドメイン配列のための解析ツールIgBLASTを使用して、フレームワーク領域(FR、framework region)及び相補性決定領域(CDR)を描写した(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/igblast/)。 図6A~6Cは、mAb 13-3、18-1及び20-10の重鎖可変領域(HCV,heavy chain variable region)核酸及びアミノ酸配列を示す図である。図6Aは、3種の例示的抗IDO2 mAb、13-13 配列番号9、18-1 配列番号11及び20-10 配列番号13の重鎖可変領域の核酸アライメントを示す。図6Bは、3種の例示的抗IDO2 mAb、13-13 配列番号10、18-1 配列番号12及び20-10 配列番号14のアミノ酸アライメントを示す。図6Cは、HCV配列のFR及びCDR領域の特定を示し、これらは、3種の抗体全てについて同一である:FR1 配列番号15、CDR1 配列番号16、FR2 配列番号17,CDR2 配列番号18、FR3 配列番号19、CDR3 配列番号20、及びFR4 配列番号21。HCVはほとんど同一であるが、N又はC末端が異なる。これらの差異は、フレームワーク領域(FR)及び相補性決定領域(CDR)には反映されない。核酸及びアミノ酸アライメントは、ログ予測による複数配列比較MUSCLE-ウェブベースのソフトウェア(https://www.ebi.ac.uk/Tools/msa/ muscle)を使用して行った。イムノグロブリン可変ドメイン配列のための解析ツールIgBLASTを使用して、フレームワーク領域(FR)及び相補性決定領域(CDR)を描写した(www.ncbi.nlm.nih.gov/igblast/)。
ヒトのインドールアミン2,3-ジオキシゲナーゼ2(IDO2)を認識する、抗体、その断片、抗体コンストラクト及び医薬組成物が本明細書中に記載される。ヒト及びマウスIDO2を認識する抗体配列は、IDO2標的生物製剤の臨床開発に不可欠である。一実施形態において、以下で詳述するように、ヒトIDO2を認識するモノクローナル抗体を分泌するハイブリドーマ細胞株を作製した。一実施形態において、これらの抗体のDNA及びアミノ酸配列は、治療用生体分子として使用するために「ヒト化」する。以下に記載するように、これらの抗体、断片及びコンストラクトは、抗IDO2治療薬による治療を受ける他の状態の中でも、自己免疫疾患又はがんを有する対象の治療において有用である。
本明細書に開示するように、エピトープに結合する組換え、合成及び/若しくはモノクローナル抗体、又はヒトIDO2エピトープに結合する抗体の断片が提供される。ある特定の実施形態において、抗体はマウス抗体である。他の実施形態において、抗体はヒト抗体である。さらに他の実施形態において、抗体又は断片は、適切なフレームワークにおいて特異的可変領域CDR配列を用いる合成コンストラクトである。ある特定の実施形態において、抗体はIgGクラスのヒト抗体である。一実施形態において、抗ヒトIDO2抗体は、配列番号10を含むアミノ酸配列又はそれと少なくとも80%同一のアミノ酸配列である、重鎖可変ドメイン配列を含む。別の実施形態において、抗ヒトIDO2抗体は、配列番号10と少なくとも81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%又は100%同一である重鎖可変ドメイン配列を含む。別の実施形態において、抗ヒトIDO2抗体は、配列番号12を含むアミノ酸配列又はそれと少なくとも80%同一のアミノ酸配列である、重鎖可変ドメイン配列を含む。別の実施形態において、抗ヒトIDO2抗体は、配列番号12と少なくとも81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%又は100%同一である重鎖可変ドメイン配列を含む。別の実施形態において、抗ヒトIDO2抗体は、配列番号14を含むアミノ酸配列又はそれと少なくとも80%同一のアミノ酸配列である、重鎖可変ドメイン配列を含む。別の実施形態において、抗ヒトIDO2抗体は、配列番号14と少なくとも81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%又は100%同一である重鎖可変ドメイン配列を含む。このような抗体又は抗原結合断片(複数可)はまた、配列番号2を含むアミノ酸配列又はそれと少なくとも80%同一のアミノ酸配列である、軽鎖可変ドメイン配列を含み得る。別の実施形態において、抗ヒトIDO2抗体は、配列番号2と少なくとも81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90% 91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%又は100%同一である軽鎖可変ドメイン配列を含む。
組成物及び方法において利用される構成成分
ヒトIDO2、そのアミノ酸及びヌクレオチド配列並びにそれらのアイソフォーム/バリアントは、GeneBank Gene ID:169355及びGeneBank受託番号NM194294.2及びNP919270.2で提供される。ヒトIDO2の例示的アミノ酸配列(例えば、420アミノ酸)
MLHFHYYDTS NKIMEPHRPN VKTAVPLSLE SYHISEEYGF LLPDSLKELP
DHYRPWMEIA NKLPQLIDAH QLQAHVDKMP LLSCQFLKGH REQRLAHLVL
SFLTMGYVWQ EGEAQPAEVL PRNLALPFVE VSRNLGLPPI LVHSDLVLTN
WTKKDPDGFL EIGNLETIIS FPGGESLHGF ILVTALVEKE AVPGIKALVQ
ATNAILQPNQ EALLQALQRL RLSIQDITKT LGQMHDYVDP DIFYAGIRIF
LSGWKDNPAM PAGLMYEGVS QEPLKYSGGS AAQSTVLHAF DEFLGIRHSK
ESGDFLYRMR DYMPPSHKAF IEDIHSAPSL RDYILSSGQD HLLTAYNQCV
QALAELRSYH ITMVTKYLIT AAAKAKHGKP NHLPGPPQAL KDRGTGGTAV
MSFLKSVRDK TLESILHPRG(配列番号22)。
「抗体」又は「抗体分子」は、特異的抗原に結合する、抗体及びその断片を含む任意のイムノグロブリンである。一実施形態において、抗体又は抗体分子は、インタクトなイムノグロブリン分子、イムノグロブリン分子の免疫活性部分及びイムノグロブリン分子の免疫活性部分の融合物を企図する。本明細書中に記載の抗体は、抗原のエピトープ、例えば、ヒトIDO2エピトープと特異的に複合体を形成し、それに結合し、それを特定又は検出することができる。特に指示のない限り、「抗体」という用語は、2つの全長重鎖(各鎖は可変領域及び定常領域を含む)及び2つの全長軽鎖(各鎖は可変領域及び定常領域を含む)を含む抗体に加えて、修飾体、抗原若しくはエピトープ結合断片及び「抗体模倣物」若しくは「抗体均等物」又はそれらのムテインを含む。一実施形態において、「抗体」は、特に指定しない限り、インタクトなイムノグロブリン、例えば、IgA、IgD、IgE、IgG及びIgM、又は特異的結合をインタクトな抗体と競合するその抗原結合部分を指す。一実施形態において、インタクトな抗体は、IgG1、IgG2、IgG3又はIgG4である。重鎖及び軽鎖可変ドメイン配列並びにCDRは、図及び配列表を含む本明細書中に記載のもの、例えば、配列番号1~21から選択することができる。ある特定の実施形態において、抗ヒトIDO2抗体は、配列番号1~21と少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%又は100%同一である少なくとも1つの重鎖又は軽鎖配列を含む。
本明細書中で使用する場合、本明細書中における「抗体」又は「抗原/エピトープ結合断片」は最も広い意味で使用され、それらが望ましい抗原結合活性を示す限り、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、多重特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)及び抗体断片を含むがこれらに限定されない種々の抗体構造物を包含する。本明細書中で使用する場合、用語は、重鎖の少なくとも相補性決定領域(CDR)1、CDR2及びCDR3並びに軽鎖の少なくともCDR1、CDR2及びCDR3を含む分子であって、抗原に結合することができる分子を指す。抗体という用語は、抗原と結合することができる断片、例えば、Fv、単鎖Fv(scFv,single-chain Fv)、Fab、Fab’及び(Fab’)を含むが、これらに限定されるものではない。抗体という用語はまた、キメラ抗体、ヒト化抗体、ヒト抗体、及び種々の種、例えば、マウス、カニクイザル等の抗体を含むが、これらに限定されるものではない。
より具体的には、本明細書中に記載の抗体は、本明細書中で定義される配列に基づく抗ヒトIDO2抗体又はその断片を指す。このような抗体又は断片としては、以下が挙げられる:モノクローナル抗体、合成抗体、組換え抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、ヒト抗体、CDR-grafted抗体、2つ若しくは3つ以上のエピトープを結合することができる多重特異性結合コンストラクト、二重特異的抗体、二重特異性抗体、多重特異性抗体、親和性成熟抗体、単一抗体鎖若しくはscFv断片、ダイアボディ、相補的scFv(タンデムscFv)若しくは二重特異性タンデムscFvを含む単鎖、Fvコンストラクト、ジスルフィド結合Fv、Fabコンストラクト、Fab’コンストラクト、F(ab’)コンストラクト、Fcコンストラクト、モノクローナル抗体機能に非必須のドメインが除去されている一価若しくは二価コンストラクト;1つのVL(軽鎖の可変領域)、1つのVH(重鎖の可変領域)抗原結合ドメイン、及びリンカードメインにより接続されていてもよい1つ若しくは2つの定常「エフェクター」ドメインを含有する単鎖分子;ヒンジ領域を欠いている一価抗体、単一ドメイン抗体、二重可変ドメインイムノグロブリン(DVD-Ig)結合タンパク質、若しくはナノボディ、又はそれらの任意の組換え変種。これらのタイプの構造の定義及び例は、当技術分野において、例えば、参照により本明細書に組み込まれている米国特許第9,902,772号明細書に見出される。
「重鎖」という用語は、リーダー配列を含む又は含まない、少なくとも重鎖可変領域を含むポリペプチドを指す。一部の実施形態において、重鎖は、重鎖定常領域の少なくとも一部を含む。「全長重鎖」という用語は、リーダー配列を含む又は含まない、重鎖可変領域及び重鎖定常領域を含むポリペプチドを指す。
「重鎖可変領域」という用語は、重鎖の重鎖相補性決定領域(CDR)1、フレーム領域(FR)2、CDR2、FR3及びCDR3を含む領域を指す。一部の実施形態において、重鎖可変領域はまた、FR1の少なくとも一部及び/又はFR4の少なくとも一部を含む。一部の実施形態において、重鎖CDR1はKabat残基31~35に対応し;重鎖CDR2はKabat残基50~65に対応し;重鎖CDR3はKabat残基95~102に対応する。例えば、Kabat Sequences of Proteins of Immunological Interest(1987 and 1991, NIH, Bethesda, Md.)を参照されたい。
「軽鎖」という用語は、リーダー配列を含む又は含まない,少なくとも軽鎖可変領域を含むポリペプチドを指す。一部の実施形態において、軽鎖は、軽鎖定常領域の少なくとも一部を含む。「全長軽鎖」という用語は、リーダー配列を含む又は含まない、軽鎖可変領域及び軽鎖定常領域を含むポリペプチドを指す。「軽鎖可変領域」という用語は、軽鎖CDR1、FR2、HVR2、FR3及びHVR3を含む領域を指す。一部の実施形態において、軽鎖可変領域はまた、FR1及び/又はFR4を含む。一部の実施形態において、軽鎖CDR1はKabat残基24~34に対応し;軽鎖CDR2はKabat残基50~56に対応し;軽鎖CDR3はKabat残基89~97に対応する。例えば、Kabat Sequences of Proteins of Immunological Interest(1987 and 1991, NIH, Bethesda, Md.)を参照されたい。
本明細書中で使用する「ヒト抗体」は、ヒトにおいて産生される抗体、ヒトイムノグロブリン遺伝子を含む非ヒト動物において産生される抗体、例えば、XenoMouse(登録商標)、及びファージディスプレイ等のインビトロの方法を使用して選択される抗体を指し、抗体レパートリーは、ヒトイムノグロブリン配列に基づく。
「キメラ抗体」は、重鎖及び/又は軽鎖の一部が特定の供給源又は種に由来し、重鎖及び/又は軽鎖の残りが異なる供給源又は種に由来する、抗体を指す。一部の実施形態において、キメラ抗体は、第1の種(例えば,マウス、ラット、カニクイザル等)に由来する少なくとも1つの可変領域と第2の種(例えば、ヒト、カニクイザル等)に由来する少なくとも1つの定常領域とを含む抗体を指す。一部の実施形態において、キメラ抗体は、少なくとも1つのマウス可変領域と少なくとも1つのヒト定常領域とを含む。一部の実施形態において、キメラ抗体は、少なくとも1つのカニクイザル可変領域と少なくとも1つのヒト定常領域とを含む。一部の実施形態において、キメラ抗体の可変領域の全てが第1の種に由来し、キメラ抗体の定常領域の全てが第2の種に由来する。
「ヒト化抗体」は、非ヒト可変領域のフレームワーク領域における少なくとも1つのアミノ酸が、ヒト可変領域に由来する対応するアミノ酸で置き換えられている抗体を指す。一部の実施形態において、ヒト化抗体は、少なくとも1つのヒト定常領域又はその断片を含む。一部の実施形態において、ヒト化抗体は、Fab、scFv、(Fab’)等である。
「組換え抗体」は、抗体のコード配列を含む1つ又は2つ以上の発現ベクターがトランスフェクトされた細胞又は細胞株から発現される抗体を指し、前記コード配列は、天然では細胞と関連もしていないし、天然では細胞内に存在もしないものである。前記細胞は宿主細胞と称することができる。ある特定の実施形態において、宿主細胞は、非ヒト細胞又は非ヒト細胞株であり得る。ある特定の実施形態において、宿主細胞は、非哺乳動物細胞若しくは細胞株、例えば、昆虫細胞若しくは細胞株、酵母細胞若しくは細胞株、又は大腸菌(E. coli)細胞若しくは細胞株であり得る。ある特定の実施形態において、宿主細胞は、哺乳動物細胞又は細胞株であり得る。ある特定の実施形態において、宿主細胞は、非ヒト哺乳動物細胞又は細胞株であり得る。ある特定の実施形態において、宿主細胞は、ヒト細胞若しくは細胞株、例えばヒト胎児由来腎臓293細胞又はハイブリドーマ細胞若しくは細胞株であり得る。一実施形態において、組換え抗体は、もし天然に存在するならば同じ配列を有する抗体のグリコシル化パターンとは異なるグリコシル化パターンを有する。一実施形態において、組換え抗体は、ヒト宿主細胞でない哺乳動物宿主細胞で発現される。注目すべきことに、個々の哺乳動物宿主細胞は独特のグリコシル化パターンを有する。
このような抗体を産生させる方法は当技術分野において周知である。実際に、ある特定の抗体及び抗体断片コンストラクトのための商業的ベクターは入手可能である。抗体はまた、少なくとも1種の抗体又は抗体断片を含むタンパク質(例えば、融合タンパク質)であり得る。一実施形態において、抗体はFc領域を含む。ある特定の実施形態において、抗体のFc領域は、FγRIIb受容体を結合する。特定の実施形態において、これらの抗-抗体及びその断片は、エピトープに対して少なくとも10Mの結合親和性(K)を有する。他の実施形態において、抗原結合タンパク質は、少なくとも10M、少なくとも10M、少なくとも10、又は少なくとも10のKを示す。
本明細書中で使用する場合、「抗体模倣物」又は「抗体均等物」は、抗原を特異的に結合するが構造的には抗体と関連しない分子(例えば、アミノ酸配列、タンパク質又はそれらの修飾された若しくはコンジュゲートされた変種)を指す。例えば、アフィボディ、すなわち、改変された親和性タンパク質の一種、任意の所与の標的に対する高い親和性及び特異性のために単離することができる一般に小さい(約6.5kDa)単一ドメインタンパク質、アプタマー、特定の標的に結合するポリペプチド分子、アフィリン、アフィチン、アフィマー、アルファボディ、アンチカリン、アビマー、DARPin(designed ankyrin repeat protein(設計されたアンキリンリピートタンパク質))、Fynomer、Kunitzドメインペプチド、モノボディ、ペプタボディ、及び当技術分野において公知の他のもの。
本明細書中で使用する場合、アミノ酸配列(例えば、抗体又はその断片)の「修飾体」は、1つ又は2つ以上のアミノ酸残基が参照アミノ酸配列、例えば、可変軽鎖若しくは重鎖をコードするアミノ酸配列のいずれか及び/又は抗体13-3、18-1若しくは20-10のCDRに挿入されている、それから欠失している又はそれに置換されているアミノ酸配列を含む。このような修飾体の1つは、このような配列、例えば、配列番号1~21のいずれかにおける1つのアミノ酸が保存的アミノ酸で置き換えられたものである。他の修飾体としては、例えば、選択された抗体の重鎖をIg骨格に融合させることによって形成される融合タンパク質が挙げられる。さらに別の修飾体としては、別の化学部分(例えば、ポリエチレングリコール又はアルブミン、例えば、ヒト血清アルブミン等)へのコンジュゲーション、又は翻訳後修飾、例えば、リン酸化、グリコシル化、アシル化、アセチル化、ホルミル化、アルキル化、アミド化、アルギニル化、ポリグルタミル化、ポリグリシル化、ブチリル化、ガンマ-カルボキシル化、ポリシアリル化、マロニル化、ヒドロキシル化、ヨウ素化、ヌクレオチド付加、リン酸エステル又はホスホロアミデート、プロピオニル化、ピログルタメート形成、S-グルタチオン化、S-ニトロシル化、S-スルフィニル化、S-スルホニル化、リジンへのスクシニル基のスクシニル化付加、及び硫酸化によって修飾されている抗-抗体が挙げられる。別の実施形態において、抗体13-3、18-1又は20-10のいずれかの修飾体は、重鎖からの可変ドメイン領域及び軽鎖からの可変ドメイン領域並びに重鎖可変ドメイン領域と軽鎖可変ドメイン領域とを接続するペプチドリンカーを有する、単鎖ヒト抗体である。
本明細書中で使用する場合、抗体コンストラクト(例えば、抗体、抗体重鎖、抗体軽鎖又はそれらの任意の断片若しくは修飾体)は、3つの相補性決定領域(超可変領域(HV,hypervariable region)としても知られるCDR、すなわち、対応する核酸配列を参照する場合、N末端からC末端へ又は5’から3’へ、CDR1、CDR2、CDR3)、及び4つのフレームワーク領域(FR、すなわち、対応する核酸配列を参照する場合、N末端からC末端へ又は5’から3’へ、FR1、FR2、FR3及びFR4)を含む。例えば、その全体が本明細書中に組み込まれている、Janeway, Charles A Jr; Travers, Paul; Walport, Mark; Shlomchik, Mark J (2001). Immunobiology: The Immune System in Health and Disease (5 ed.). New York: Garland Science. ISBN 0-8153-3642-Xを参照されたい。抗体コンストラクトにおいて、CDRは非連続的に配列されており、互いに直接隣接しておらず、FRによって分離され得ることが理解されるであろう。抗体コンストラクト並びにB細胞及びT細胞によってそれぞれ生成されるT細胞受容体中の可変鎖の一部として、CDRは抗原が特異的に結合する場所である。
図5A~6C、組み込まれている配列表及び以下の記載は、抗体コンストラクトのいくつかの例をそれらのアミノ酸配列、核酸コード配列及び他の領域によって提供している。フレームワーク領域(FR)1~4及びCDR1~3もまた、配列表において特定される。加えて、V(D)J組換えの観点からのV領域、D領域及びJ領域は、この情報から導き出すことができる。
V(D)J組換え又は再構成は、多くの異なるタイプの抗原を集合的に認識することができる独特の受容体(抗原受容体として知られる)を生成するために、T細胞及びB細胞が異なる遺伝子セグメント-可変(V)、多様性(D)及び連結(J)遺伝子(又は本明細書中で使用される場合、領域若しくはセグメント)として知られる-をランダムに組み立てるプロセスである。簡潔には、イムノグロブリン重鎖遺伝子座の生殖系(再構成されていない)ゲノムDNA配置は、V、D及びJ遺伝子セグメントのタンデムアレイを含む。生殖系カッパ又はラムダ軽鎖遺伝子座は、再構成されていないV及びJセグメントを含む。生殖系DNAの段階的な再構成により、重鎖D及びJ遺伝子セグメントが連結され、それに続いてD-J産物にVセグメントが連結されて、重鎖可変領域をコードするDNAが生成される。再構成のプロセスにおいて、遺伝子セグメントの末端が可変量のエキソヌクレアーゼ消化を受け、ランダム化非鋳型化塩基がセグメント末端に付加されて、相補性決定領域3(CDR3)をコードするVDJ接合領域において追加の配列多様性を生じ、これは、抗原特異性に対して最も大きい影響を有する抗体重鎖の領域であることが多い。VJ接合部の多様化を伴うV及びJ遺伝子再構成の同様なプロセスが軽鎖遺伝子座で起こって、再構成された軽鎖遺伝子が生成される。例えば、その全体が本明細書中に組み込まれている、Boyd et al, High-Throughput DNA Sequencing Analysis of Antibody Repertoires Microbiology Spectrum. 2. 10.1128/microbiolspec.AID-0017-2014を参照されたい。
本明細書中に記載の抗体コンストラクト、断片又は修飾体及びCDRを、本明細書中にやはり記載したものを含む任意の実施形態、組成物、試薬又は方法において使用することができることは、当業者には理解されるであろう。本明細書中に提供の抗体、抗体コンストラクト、断片又は修飾体は、組み込まれている配列表中に提供の特定されているもの以外のFR又は非CDR J領域を含み得ることも理解されるであろう。このような抗体、抗体コンストラクト、断片又は修飾体は、そのヒトIDO2エピトープ又は抗原に対して、本明細書中に記載の任意の抗体コンストラクトのものの約20%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%、約97%、約99%、約100%、約100%超、約200%、約300%又は約500%の結合親和性及び/又は特異性を有し得る。酵素結合免疫吸着測定法(ELISA,enzyme-linked immunosorbent assay)、ラジオイムノアッセイ(RIA,radioimmunoassay)、MSDアッセイ及び抗体ファージディスプレイライブラリーを含む従来の方法を使用して、このような結合親和性及び/又は特異性を決定することができる。
本明細書中で使用する場合、「免疫学的に特異的」という用語は、所望のタンパク質又は化合物の1種又は2種以上のエピトープに結合するが抗原性生物学的分子の混合集団を含有する試料中の他の分子を実質的に認識も結合もしない、タンパク質又はポリペプチド、特に抗体を指す。
本明細書中で使用する「エピトープ」は、本明細書中に記載の抗体13-1、18-1若しくは20-10又は断片若しくは修飾抗体のうちの1種又は2種以上と特異的に複合体を形成することができる、ヒトIDO2タンパク質又は任意の天然に存在する若しくは合成若しくは組換えアミノ酸配列の部分を指す。エピトープは、分子の非連続部分(例えば、ポリペプチドにおいて、ポリペプチドの一次配列では連続していないが、ポリペプチドの三次及び四次構造の文脈では、抗原結合タンパク質によって結合されるのに互いに十分に近いアミノ酸残基)を含み得る。抗ヒトIDO2抗体の具体的実施形態は、以下の詳細に定義する。一実施形態において、本明細書中に記載の抗ヒトIDO2抗体が結合するエピトープは、ヒトIDO2のアミノ酸331~351、すなわち、配列RDYILSSGQDHLLTAYNQCVQ 配列番号23のものである。別の実施形態において、抗ヒトIDO2抗体がやはり結合するエピトープは、マウスIDO2のアミノ酸331~351、すなわち、配列RDYILASGPGDCLMAYNQCVE 配列番号24のものである。
アミノ酸配列又はヌクレオチド配列の文脈における「同一性パーセント(%)」、「配列同一性」、「配列同一性パーセント」又は「同一のパーセント」という用語は、対応のためにアライメントさせた場合に同じである2つの配列中の残基を指す。同一性パーセントは、アミノ酸配列又はヌクレオチド配列について、タンパク質、ポリペプチド若しくはそれらのコード領域、例えば、約15アミノ酸、約150アミノ酸、又はそのペプチド断片若しくは対応する核酸配列をコードする配列の全長にわたって容易に決定することができる。適切なアミノ酸断片は、少なくとも4アミノ酸長であればよく、最長約200アミノ酸若しくは最長約700アミノ酸又は約12ヌクレオチドから約600~2100ヌクレオチドまでのヌクレオチド断片であり得る。一般に、2つの異なる配列間の「同一性」、「相同性」又は「類似性」に言及する場合、「同一性」、「相同性」又は「類似性」は、「アライメントされた」配列を参照して決定する。「アライメントされた」配列又は「アライメント」は、複数の核酸配列又はタンパク質(アミノ酸)配列を指し、参照配列と比較して欠損している又は追加の塩基又はアミノ酸の補正を含有することが多い。アライメントは、公的に又は商業的に入手可能な様々な多重配列アライメントプログラムのいずれかを使用して行う。アミノ酸配列について配列アライメントプログラム、例えば、「Clustal Omega」、「Clustal X」、「MAP」、「PIMA」、「MSA」、「BLOCKMAKER」、「MEME」及び「Match-Box」プログラムが入手可能である。一般に、これらのプログラムはいずれもデフォルト設定で使用されるが、当業者は、必要に応じてこれらの設定を変化させることができる。或いは、当業者は、参照アルゴリズム及びプログラムによって提供されるもののようなレベルの同一性又はアライメントを少なくとも提供する別のアルゴリズム又はコンピュータプログラムを利用することができる。例えば、(THOMPSON et al. 1999)を参照されたい。
本明細書中で使用する場合、「保存的アミノ酸置き換え」又は「保存的アミノ酸置換」は、類似した生化学的性質(例えば、電荷、疎水性及びサイズ)を有する異なるアミノ酸へのアミノ酸の変更、置き換え又は置換を指し、これは当業者に公知である。例えば、FRENCH et al. 1983及びYAMPOLSKY et al. 2005も参照されたい。ある特定の実施形態において、開示した抗体又はその断片のCDRは、保存的アミノ酸置き換えを含まない。
本明細書中で使用する「患者」又は「対象」又は「宿主」は、ヒト、家畜若しくは農場動物(veterinary or farm animal)、飼育動物又はペット及び臨床研究に通常使用される動物を含む、雄又は雌の哺乳動物を意味する。一実施形態において、これらの方法及び組成物の対象はヒトである。
「阻害」又は「阻害する」という用語は、任意の事象若しくは疾患症状(例えば、タンパク質リガンド結合)の減少若しくは休止、又は任意の表現型特性の減少若しくは休止、又はその特性の発生、程度若しくは可能性の減少若しくは休止を指す。「低減する」又は「阻害する」ことは、参照と比較して、活性、機能及び/又は量を減少させる、低減する又は抑止することである。阻害又は低減が完全であることは必ずしも必要ない。例えば、ある特定の実施形態において、「低減する」又は「阻害する」とは、20%以上の全体的な減少を引き起こすことができることを意味する。別の実施形態において、「低減する」又は「阻害する」とは、50%以上の全体的な減少を引き起こすことができることを意味する。さらに別の実施形態において、「低減する」又は「阻害する」とは、75%、85%、90%、95%又はそれ以上の全体的な減少を引き起こすことができることを意味する。
「予防する」という用語は、状態を発症するリスクのある対象の予防的治療であって、対象がその状態を発症する確率を減少させることを指す。
本明細書中で使用する「治療する」という用語は、疾患を患っている患者に、患者の状態(例えば、1つ又は2つ以上の症状)の改善、状態の進行の遅延又は疾患及びその症状の重症度の低減を含む利益を与える任意のタイプの治療を指す。
本明細書中で使用する場合、「疾患」、「障害」及び「状態」は、対象における異常な状態を示すのに互換的に使用する。本明細書中で使用する場合、「自己免疫疾患」という用語は、対象において自己免疫応答(自己抗原(autoantigen)又は自己抗原(self-antigen)に対する免疫応答)が存在することを指す。自己免疫疾患としては、適応免疫系が自己抗原(self-antigen)に応答しかつ細胞及び組織損傷を媒介するような、自己寛容の破綻によって引き起こされる疾患が挙げられる。特定の実施形態において、自己免疫疾患は、少なくとも部分的には体液性免疫応答の結果と特徴づけられる。特定の実施形態において、自己免疫疾患はT細胞依存性(例えば、自己抗体産生のためのT細胞のヘルプ又はB細胞に対するクロストーク)である。自己免疫疾患の例としては、限定するものではないが、以下を挙げることができる:急性散在性脳脊髄炎(ADEM,acute disseminated encephalomyelitis)、急性壊死性出血性白質脳炎、アジソン病、無ガンマグロブリン血症、アレルギー性喘息、アレルギー性鼻炎、円形脱毛症、アミロイド症、強直性脊椎炎、抗体媒介性移植拒絶、抗GBM/抗TBM腎炎、抗リン脂質症候群(APS,antiphospholipid syndrome)、自己免疫性血管浮腫、自己免疫性再生不良性貧血、自己免疫性自律神経障害、自己免疫性肝炎、自己免疫性高脂血症、自己免疫性免疫不全、自己免疫性内耳疾患(AIED,autoimmune inner ear disease)、自己免疫性心筋炎、自己免疫性膵炎、自己免疫性網膜症、自己免疫性血小板減少性紫斑病(ATP,autoimmune thrombocytopenic purpura)、自己免疫性甲状腺疾患、自己免疫性じんま疹、軸索性及び神経性ニューロパチー、バロー病、ベーチェット病、類天疱瘡、心筋症、キャッスルマン病、セリアック病、シャーガス病、慢性疲労症候群、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー(CIDP,chronic inflammatory demyelinating polyradiculoneuropathy)、慢性再発性多病巣性骨脊髄炎(CRMO,chronic recurrent multifocal ostomyelitis)、チャーグ-ストラウス症候群、瘢痕性類天疱瘡/良性粘膜類天疱瘡、クローン病、コーガン症候群、寒冷凝集素症、先天性心ブロック、コクサッキー心筋炎、CREST疾患、本態性混合型クリオグロブリン血症(essential mixed cryoglobulinemia)、脱髄性ニューロパチー、疱疹状皮膚炎、皮膚筋炎、デビック病(視神経脊髄炎)、円板状ループス、ドレスラー症候群、子宮内膜症、好酸球性筋膜炎、結節性紅斑、実験的アレルギー性脳脊髄炎、エバンス症候群、線維筋痛症、線維化性肺胞炎、巨細胞性動脈炎(側頭動脈炎)、糸球体腎炎、グッドパスチャー症候群、多発血管炎性肉芽腫症(GPA,granulomatosis with polyangiitis)、グレーブス病、ギラン-バレー症候群、橋本脳症、橋本病、溶血性貧血、ヘノッホ-シェーンライン紫斑病、妊娠性疱疹、低ガンマグロブリン血症、高ガンマグロブリン血症、特発性血小板減少性紫斑病(ITP,idiopathic thrombocytopenic purpura)、IgA腎症、IgG4関連硬化性疾患、免疫調節性リポタンパク質、封入体筋炎、炎症性腸疾患、インシュリン依存性糖尿病(1型)、間質性膀胱炎、若年性関節炎、若年性糖尿病、川崎症候群、ランバート-イートン症候群、白血球破砕性血管炎、扁平苔癬、硬化性苔癬、木質性結膜炎、線状IgA病(LAD,linear IgA disease)、ループス(SLE)、ライム病、メニエール病、顕微鏡的多発血管炎、混合性結合組織病(MCTD,mixed connective tissue disease)、意義不明のモノクローナルガンマグロブリン血症(MGUS,monoclonal gammopathy of undetermined significance)、モーレン潰瘍、ムッカ-ハーベルマン病、多発性硬化症、重症筋無力症、筋炎、ナルコレプシー、視神経脊髄炎(デビック病)、好中球減少症、眼部瘢痕性類天疱瘡、視神経炎、回帰性リウマチ、小児自己免疫性溶連菌関連性精神神経障害(PANDAS,Pediatric Autoimmune Neuropsychiatric Disorders Associated with Streptococcus)、傍腫瘍性小脳変性症、傍腫瘍性神経症候群、発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH,paroxysmal nocturnal hemoglobinuria)、パリーロンバーグ症候群、パーソネイジ-ターナー症候群(Parsonnage-Turner syndrome)、周辺部ブドウ膜炎(周辺性ブドウ膜炎)、天疱瘡(尋常性天疱瘡)、末梢性ニューロパチー、静脈周囲性脳脊髄炎、悪性貧血、POEMS症候群、結節性多発動脈炎、I型、II型及びIII型多腺性自己免疫症候群、リウマチ性多発筋痛(polymyalgia rheumatic)、多発性筋炎、心筋梗塞後症候群、心膜切開後症候群、プロゲステロン皮膚炎、原発性胆汁性肝硬変、原発性硬化性胆管炎、乾癬、乾癬性関節炎、特発性肺線維症、壊疽性膿皮症、赤芽球癆、レイノー現象、反射性交感神経性ジストロフィー、ライター症候群、再発性多発性軟骨炎、下肢静止不能症候群、後腹膜線維症、リウマチ熱、関節リウマチ、サルコイドーシス、シュミット症候群、強膜炎、硬皮症、シェーグレン症候群、精子精巣自己免疫、全身硬直症候群、亜急性細菌性心内膜炎(SBE,subacute bacterial endocarditis)、スザック症候群、交感性眼炎、高安動脈炎、側頭動脈炎/巨細胞動脈炎、血小板減少性紫斑病(TTP,thrombocytopenic purpura)、トロサ-ハント症候群、横断性脊髄炎、潰瘍性大腸炎、未分化結合織疾患(UCTD,undifferentiated connective tissue disease)、ブドウ膜炎、脈管炎、水疱性皮膚病、白斑、ワルデンストレームマクログロブリン血症(WM,Waldenstrom's macroglobulinemia)並びにヴェゲナー肉芽腫症(多発血管炎性肉芽腫症(GPA,Granulomatosis with Polyangiitis))。特定の実施形態において、自己免疫疾患は、関節リウマチ、I型糖尿病、全身性エリテマトーデス、重症筋無力症、多発性硬化症、硬皮症、アジソン病、類天疱瘡、尋常性天疱瘡、ギラン-バレー候群、シェーグレン症候群、皮膚筋炎、血小板減少性血栓性紫斑病、意義不明のモノクローナルガンマグロブリン血症、ワルデンストレームマクログロブリン血症、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー、橋本脳症、橋本病、グレーブス病、ヴェゲナー肉芽腫症及び抗体媒介性移植拒絶からなる群から選択される。特定の実施形態において、自己免疫疾患は関節リウマチである。自己免疫疾患が関節リウマチである場合、これらの方法は、少なくとも1種の他の関節リウマチ治療薬(例えば、抗炎症薬(例えば、メトトレキセート)、B細胞枯渇治療薬及び/又はIDO経路の低分子阻害薬(例えば、1-メチル-トリプトファン))の投与をさらに含み得る。
化合物又は医薬組成物の「治療有効量」は、特定の障害又は疾患の症状を予防する、阻害する、治療する又は和らげるのに有効な量を指す。本明細書中における眼障害の治療は、眼障害、その症状又はそれに対する素因を治癒、軽減及び/又は予防することを指し得る。
「薬学的に許容される」は、連邦政府若しくは州政府の規制機関による、又は米国薬局方若しくは他の一般的に認められた、動物、より特にはヒトでの使用のための薬局方に記載されている承認を示す。
「担体」とは、例えば、本発明の活性剤が一緒に投与される希釈剤、補助剤、賦形剤、助剤又は媒体を指す。薬学的に許容される担体は、滅菌液体、例えば、水並びに石油、動物、植物若しくは合成起源の油を含む油、例えば、ピーナッツ油、ダイズ油、鉱油、ゴマ油等であることができる。水又は生理食塩水溶液並びにデキストロース及びグリセロール水溶液が好ましくは、特に注射剤の担体として用いられる。適切な医薬担体は、例えば、E.W. Martinによる「Remington's Pharmaceutical Sciences」に記載されている。薬学的に許容される担体は、滅菌液体、例えば、水並びに石油、動物、植物若しくは合成起源の油を含む油、例えば、ピーナッツ油、ダイズ油、鉱油、ゴマ油等であることができる。水又は生理食塩水溶液並びにデキストロース及びグリセロール水溶液が好ましくは、特に注射剤の担体として用いられる。適切な医薬担体は、例えば、E.W. Martinによる「Remington's Pharmaceutical Sciences」に記載されている。一般に、組成物の薬学的に許容される担体は、希釈剤、保存剤、溶解剤、乳化剤、補助剤及び/又は担体の群から選択される。組成物は、種々の緩衝剤含有量(例えば、Tris-HCl、酢酸塩、リン酸塩)、pH及びイオン強度の希釈剤;並びに添加剤、例えば、界面活性剤及び可溶化剤(例えば、Tween 80、ポリソルベート80)、酸化防止剤(例えば、アスコルビン酸、メタ重亜硫酸ナトリウム)、保存剤(例えば、チマーソール(Thimersol)、ベンジルアルコール)、並びに増量物質(例えば、ラクトース、マンニトール)を含むことができる。組成物はまた、ポリマー化合物、例えば、ポリ乳酸、ポリグリコール酸等の粒子状調製物に又はリポソーム若しくはナノ粒子に組み込むことができる。このような組成物は、本明細書中に記載の医薬組成物の構成成分の物理的状態、安定性、インビボ放出速度及びインビボクリアランス速度に影響を与える可能性がある。
本明細書中で使用する場合、「免疫抑制薬(immunosuppressant)」及び「免疫抑制剤(immunosuppressive agent)」という用語は、免疫応答又はそれに関連する症状を抑制する化合物又は組成物を含む。免疫抑制薬の例としては、限定するものではないが、以下が挙げられる:プリンアナログ(例えば、アザチオプリン)、メトトレキセート、シクロスポリン(例えば、シクロスポリンA)、シクロホスファミド、レフルノミド、ミコフェノレート(ミコフェノール酸モフェチル)、ステロイド(例えば、グルココルチコイド、コルチコステロイド)、メチルプレドニゾン、プレドニゾン、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID,non-steroidal anti-inflammatory drug)、クロロキン、ヒドロキシクロロキン、クロラムブシル、CD20アンタゴニスト(例えば、リツキシマブ、オクレリズマブ、ベルツズマブ又はオファツムマブ)、アバタセプト、TNFアンタゴニスト(例えば、インフリキシマブ、アダリムマブ、エタネルセプト)、マクロライド類(例えば、ピメクロリムス、タクロリムス(FK506)及びシロリムス)、デヒドロエピアンドロステロン、レナリドミド、CD40アンタゴニスト(例えば、抗CD40L抗体)、アベチムスナトリウム、BLysアンタゴニスト(例えば、抗BLyS(例えば、ベリムマブ)、ダクチノマイシン、ブシラミン、ペニシラミン、レフルノミド、メルカプトプリン、ピリミジンアナログ(例えば、シトシンアラビノシド)、ミゾリビン、アルキル化剤(例えば、ナイトロジェンマスタード、フェニルアラニンマスタード、ブスルファン及びシクロホスファミド)、葉酸アンタゴニスト(antagonsist)(例えば、アミノプテリン及びメトトレキセート)、抗生物質(例えば、ラパマイシン、アクチノマイシンD、マイトマイシンC、ピューロマイシン及びクロラムフェニコール)、ヒトIgG、抗リンパ球グロブリン(ALG,antilymphocyte globulin)、抗体(例えば、抗CD3(OKT3)、抗CD4(OKT4)、抗CDS、抗CD7、抗IL-2受容体(例えば、ダクリズマブ及びバシリキシマブ)、抗アルファ/ベータTCR、抗ICAM-1、ムロモナブ-CD3、抗IL-12、アレムツズマブ及びイムノトキシンに対する抗体)、並びにそれらの誘導体及びアナログ。
本明細書中で使用する場合、「抗炎症剤」は、炎症性疾患又はそれに関連する症状の治療のための化合物を指す。抗炎症剤としては、これらに限定するものではないが、以下のものが挙げられる:非ステロイド性抗炎症薬(NSAID;例えば、アスピリン、イブプロフェン、ナプロキセン、サリチル酸メチル、ジフルニサル、インドメタシン、スリンダク、ジクロフェナク、ケトプロフェン、ケトロラク、カルプロフェン、フェノプロフェン、メフェナム酸、ピロキシカム、メロキシカム、メトトレキセート、セレコキシブ、バルデコキシブ、パレコキシブ、エトリコキシブ及びニメスリド)、コルチコステロイド(例えば、プレドニゾン、ベタメタゾン、ブデソニド、コルチゾン、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン、トリアムシノロン(tramcinolone)及びフルチカゾン)、ラパマイシン、アセトアミノフェン、グルココルチコイド、ステロイド、ベータ-アゴニスト、抗コリン作用薬、メチルキサンチン、金注射薬(例えば、金チオリンゴ酸ナトリウム)、スルファサラジン及び15ダプソン。
「細胞透過性ペプチド」はインビトロ及び/又はインビボで別のペプチド、タンパク質又は核酸を細胞に導入することができるペプチドを指す-すなわち、それは分子の細胞取込を容易にする。細胞透過性ペプチドの例としては、限定するものではないが、Tatペプチド、ペネトラチン、トランスポータン等が挙げられる。
本明細書中の種々の実施形態は、種々の状況下で「~を含む(comprising)」という言い回しを使用して提示されているが、関連実施形態もまた、「~からなる(consisting of)」又は「~から本質的になる(consisting essentially of)」という言い回しを使用して記載されることを理解すべきである。「~を含む(comprising)」は、他の構成成分又は方法ステップを含むことを意味する用語である。「~を含む(comprising)」が使用される場合、関連実施形態は、他の構成成分又は方法ステップを除外する「~からなる(consisting of)」という用語法及び実施形態又は本発明の性質を実質的に変更するいかなる構成成分も方法ステップも排除する「~から本質的になる(consisting essentially of)」という用語法を使用した説明を含むこと理解すべきである。
これらの発明の説明に関して、本明細書中に記載される組成物のそれぞれは、別の実施形態で、本発明の方法において有用であることが意図される。加えて、これらの方法において有用であると本明細書中に記載される組成物のそれぞれは、別の実施形態で、それ自体が本発明の一実施形態であることも意図される。
「1つ(a)」又は「1つ(an)」という用語は1つ又は2つ以上を指し、例えば、「1つの(a)標的」は1つ又は2つ以上の標的を表すことが理解されることに留意すべきである。したがって、「1つ(a)」(又は「1つ(an)」)、「1つ又は2つ以上」及び「少なくとも1つ」という用語は、本明細書では互換的に使用される。
本明細書で使用する場合、「約」という用語は、特に指定しない限り、示された基準から±10%のばらつきを意味する。
本明細書中において特に定義しない限り、本明細書で使用する技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって及び本出願に使用される用語の多くに対する一般的指針を当業者に提供する公表されているテキストを参照することによって、一般的に理解されるのと同じ意味を有する。
抗体、断片及び抗体を産生する方法
ヒトIDO2エピトープに特異的に結合する抗体又は断片の産生には、重鎖及び軽鎖可変領域、CDRのアミノ酸配列若しくはそれらをコードするヌクレオチド配列、すなわち、配列番号1~21のいずれか、又は記載されているエピトープ結合断片若しくはその修飾体を含む、本明細書で特定される抗体の他の断片を利用することができる。一実施形態において、ポリクローナル抗体組成物は典型的には、特異的なエピトープを含有するペプチド/ポリペプチド組成物で、選択された哺乳動物、例えば、霊長類、齧歯動物又はヒトを免疫化することによって、産生される。高力価、高親和性のポリクローナル抗体の選択は、標準的な技術によって、例えば、酵素結合免疫吸着測定法及び表面プラズモン共鳴法(surface plasma resonance)によって監視することができる。望ましい場合には、ポリクローナル抗体分子は、哺乳動物から、例えば、全血、血漿又は血清から単離し、免疫化された哺乳動物の血漿又は血清から従来の技術によってさらに精製することができる。従来の採取技術としては、とりわけ、血奨交換、プロテインA及びGクロマトグラフィーを挙げることができる。このようなポリクローナル抗体組成物はそれ自体、本明細書中に記載の医薬組成物として用いることができる。
別の実施形態において、免疫化された哺乳動物から得られた抗体産生細胞を使用して、今では一般に用いられる技術によって、他のヒトIDO2エピトープに対するモノクローナル抗体を作製し、これを、IgGを産生しない骨髄腫細胞と融合させてハイブリドーマを形成することもできるし、又は公知の分子生物学的技術による抽出によって活性化免疫B細胞から選択することによって作製することもできる。これらのモノクローナル抗体は、他の形態の抗体、例えば、キメラ抗体、ヒト化抗体、ヒト抗体を調製するのにさらに使用することができる。他の抗体断片又はリガンドは、ファージディスプレイライブラリー、抗体断片及びそれらの混合物をスクリーニングすることによって産生させることができる。これらのタイプの抗体及びリガンドを作製するための技術は、当技術分野において周知であり、リガンド自体は、上で特定されたエピトープの開示されたアミノ酸配列を使用して作製することができる。32,35~39
キメラ抗体は、公知の技術を使用して同様にして開発することができる。キメラ抗体は、異なる部分が異なる動物種に由来する分子である。単鎖抗体はまた、本発明に従って産生されたポリクローナル又はモノクローナル抗体の可変部分を使用して、米国特許第4,946,778号明細書及び第4,704,692号明細書に記載されるような従来の方法によって調製することができる。抗体断片、例えば、Fab、F(ab)及びscFv断片並びにそれらのライブラリーも、本明細書中に記載の選択的抗TNFモノマー特異的抗体又はリガンドの作製に用いることができる。
2つ又は3つ以上の選択されたエピトープに特異的に結合する二重特異性抗体又はリガンドの産生には、従来の技術を用いることができる。例えば、Hornig N, Farber-Schwarz A., "Production of bispecific antibodies: diabodies and tandem scFv.", 2012, Methods Mol Biol., 907:713-27;Speiss, C. et al, "Bispecific antibodies with natural architecture produced by co-culture of bacteria expressing two distinct half-antibodies, Jul 7, 2013, Nature Biotechnology, 31:753-758;及びJonathan S Martin and Zhenping Zhu, "Recombinant approaches to IgG-like bispecific antibodies", 2005 Acta Pharmacologica Sinica, 26: 649-658を参照されたい。
ヒトIDO2結合抗体の重鎖及び軽鎖をコードする又はCDRをコードする核酸分子は入手可能であるため、当技術分野において公知のインビトロ発現方法及び無細胞発現系を使用した組換え抗体、断片又は修飾体の産生も可能である。インビトロ転写及び翻訳系は、例えば、Promega Biotech社(Madison、WI)又はGibco-BRL社(Gaithersburg、MD)から商業的に入手可能である。抗体、エピトープ結合断片又はそれらの修飾体もまた、適切な原核細胞系又は真核細胞系における発現によって産生させることができる。同様に、修飾体は、アミノ酸及びヌクレオチド配列を修飾するための様々なCRISPR技術及び他の関連する、例えばジンクフィンガーの、方法論を使用して、挿入することができる。抗体組換え改変技術は、全て参照により本明細書に組み込まれている、公表文献、テキスト及び総説、例えば、以下に含まれる、当技術分野において十分に教示されている:Edwards, W. B., Xu, B., Akers, W., Cheney, P. P., Liang, K., Rogers, B. E., et al. (2008). Agonist-antagonist dilemma in molecular imaging: evaluation of a monomolecular multimodal imaging agent for the somatostatin receptor. Bioconjug. Chem. 19, 192-200;Roque, A. C., Lowe, C. R., and Taipa, M. A. (2004). Antibodies and genetically engineered related molecules: production and purification. Biotechnol. Prog. 20, 639-654;Smith, G. P. (1985). Filamentous fusion phage: novel expression vectors that display cloned antigens on the virion surface. Science 228, 1315-1317;Saeed, AFUH et al, Antibody Engineering for Pursuing a Healthier Future, Front. Microbiol., 28 March 2017; 8:495;Green, MR and Sambrook, J., 2012, Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor, NY: Cold Spring Harbor Laboratory Press。
ヒト化抗体
「ヒト化抗体」という用語は一般に、非ヒト種(例えば、ラビット、マウス等)に由来する重鎖及び軽鎖可変領域配列を含むが、VH及び/又はVL配列の少なくとも一部がより「ヒト様」である、すなわち、ヒト生殖系列可変配列により類似するように変化させられている、抗体を指す。1つのタイプのヒト化抗体は、ヒトCDR配列が非ヒトVH及びVL配列に導入されて、対応する非ヒトCDR配列に置き換わっている、CDR-grafted抗体である。別のタイプのヒト化抗体は、少なくとも1つの非ヒトCDRがヒトフレームワークに挿入されている、CDR-grafted抗体である。典型的には、後者が本発明の中心である。
特に、本明細書中で使用する「ヒト化抗体」という用語は、所望の抗原に免疫特異的に結合しかつ実質的にヒト抗体のアミノ酸配列を有するフレームワーク(FR)領域と実質的に非ヒト抗体のアミノ酸配列を有する相補性決定領域(CDR)とを含む、抗体又はそのバリアント、派生物、アナログ若しくは断片である。本明細書中で使用する場合、CDRの文脈における「実質的に」という用語は、非ヒト抗体CDRのアミノ酸配列と少なくとも50、55、60、65、70、75又は80%、好ましくは少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%又は少なくとも99%同一のアミノ酸配列を有するCDRを指す。一実施形態において、ヒト化抗体は、非ヒト抗体CDRと比較して、1つ又は2つ以上(例えば、1つ、2つ、3つ又は4つ)のアミノ酸置換、付加及び/又は欠失を有するCDR領域を有する。さらに、非ヒトCDRは、公知の技術を使用して、より「ヒト様」である又はヒト抗体と適合するように改変することができる。ヒト化抗体は、実質的に全ての又は少なくとも1つの、典型的には2つの可変ドメイン(Fab、Fab’、F(ab’)、F(ab’)c、Fv)を含み、全ての又は実質的に全てのCDR領域は非ヒトイムノグロブリン(すなわち、ドナー抗体)のものに相当しかつ全ての又は実質的に全てのフレームワーク領域はヒトイムノグロブリンコンセンサス配列のものである。好ましくは、ヒト化抗体はまた、イムノグロブリン定常領域(Fc)、典型的にはヒトイムノグロブリンのFcの少なくとも一部を含む。一部の実施形態において、ヒト化抗体は、軽鎖と、重鎖の少なくとも可変ドメインの両方を含有する。抗体はまた、重鎖のCH1、ヒンジ、CH2及びCH3、又はCH1、CH2、CH3及びCH4を含み得る。一部の実施形態において、ヒト化抗体は、ヒト化軽鎖のみを含有する。一部の実施形態において、ヒト化抗体は、ヒト化重鎖のみを含有する。具体的実施形態において、ヒト化抗体は、軽鎖のヒト化可変ドメイン及び/又はヒト化重鎖のみを含有する。
ヒト化抗体は、IgY、IgM、IgG、IgD、IgA及びIgEを含む任意のクラスのイムノグロブリン、並びに限定するものではないがIgA1、IgA2、IgG1、IgG2、IgG3及びIgG4を含む任意のアイソタイプから選択され得る。ヒト化抗体は、2つ以上のクラス又はアイソタイプに由来する配列を含んでいてもよく、特定の定常ドメインは、当技術分野において周知の技術を使用して、望ましいエフェクター機能を最適化するように選択してもよい。
ヒト化抗体のフレームワーク及びCDR領域は、親配列、例えば、ドナー抗体CDRに正確に対応する必要はなく、又はコンセンサスフレームワークは、少なくとも1つのアミノ酸残基の置換、挿入及び/若しくは欠失によって変異誘発されて、その結果、その部位のCDR若しくはフレームワーク残基がドナー抗体又はコンセンサスフレームワークのいずれにも厳密には対応していなくてもよい。しかし、好ましい一実施形態においては、このような変異は広範ではない。ヒト化抗体残基の、通常は少なくとも50、55、60、65、70、75又は80%、好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%、98%又は99%が、親FR及びCDR配列のものに相当する。一実施形態において、親FR及びCDR配列と比較して、1つ又は2つ以上(例えば、1つ、2つ、3つ又は4つ)のアミノ酸置換、付加及び/又は欠失が、ヒト化抗体に存在し得る。本明細書中で使用する場合、「コンセンサスフレームワーク」という用語は、コンセンサスイムノグロブリン配列中のフレームワーク領域を指す。本明細書中で使用する場合、「コンセンサスイムノグロブリン配列」という用語は、関連イムノグロブリン配列のファミリーにおいて最も頻繁に出現するアミノ酸(又はヌクレオチド)から形成される配列を指す(例えば、Winnaker, From Genes to Clones (Verlagsgesellschaft, Weinheim, Germany 1987を参照されたい)。イムノグロブリンの1つのファミリーにおいて、コンセンサス配列の各位置は、ファミリー内のその位置で最も頻繁に出現するアミノ酸によって占有されている。2つのアミノ酸が等しい頻度で出現する場合、いずれもコンセンサス配列に含めることができる。
ヒト化形態の抗体は、ヒト由来の少なくとも何らか配列と非ヒト由来の少なくとも何らかの配列とを含み得るキメラ抗体であり得る。ヒト化抗体はモノクローナル抗体であり得る。それは、少なくとも部分的に非ヒト供給源に由来することができる抗原結合領域(すなわち、CDR)で構築することができる。ヒト化抗体は、少なくとも部分的に非ヒト供給源に由来することができる少なくとも1つのCDRを含有し得る。CDRは、抗体の軽鎖又は抗体の重鎖に由来し得る。残りの可変領域は、ヒト供給源に由来することができる。定常領域はヒト供給源に由来することができる。ヒト化抗IDO2抗体は、CDR又はその断片を非ヒト抗IDO2抗体に由来するCDR又はその断片で置き換えることができるヒト抗体であり得る。或いは、ヒト化抗IDO2抗体は、定常領域又はその断片をヒト抗体に由来する定常領域又はその断片で置き換えることができる非ヒト抗IDO2抗体であり得る。例えば、非ヒト抗IDO2 CDR又はその断片は、少なくとも部分的にマウス抗IDO2 CDR又はその断片を含み得る。
抗体をヒト化するための方法としては、例えば、「リシェイプ」(Verhoeyen, et al., 1988 Science 239:1534-1536;Riechmann, et al., 1988 Nature 332:323-337;Tempest, et al., Bio/Technol 1991 9:266-271)、「超キメラ化(hyperchimerization)」(Queen, et al., 1989 Proc Natl Acad Sci USA 86:10029-10033;Co, et al., 1991 Proc Natl Acad Sci USA 88:2869-2873;Co, et al., 1992 J Immunol 148:1149-1154)、及び「ベニアリング」(Mark, et al., B W Metcalf, B J Dalton (Eds.) Cellular adhesion: molecular definition to therapeutic potential. Plenum Press, New York; 1994:291-312)を含む、CDR grafting(Jones et al., Nature 15 321:522 (1986))及びそのバリアントを使用するヒト化を挙げることができる。超ヒト化(Tan, et al., 2002 J Immunol 169: 1119-25)は、非ヒトCDRを、類似のCDRカノニカル構造を有するヒト生殖系列抗体配列にグラフトするのに使用することができる別の異なるヒト化方法である。ヒト化抗体は、非ヒトである供給源に由来する抗体に導入された1つ又は2つ以上のアミノ酸残基を含有し得る。この非ヒトアミノ酸残基は、移入残基と称することができ、非ヒト抗体の可変ドメインから得ることができる。この場合、移入残基は、ヒト抗体中の対応する残基の超可変領域アミノ酸残基の代わりとして使用することができる。したがって、このようなヒト化抗体はキメラ抗体であり得る。キメラ抗体は、非ヒト種由来の対応する配列によって置換されていてもよい、実質的にインタクトとは言えないヒト可変ドメインを含有し得る。キメラ抗体はまた、標的へのキメラ抗体の結合を回復させるため、キメラ抗体の不均一性を低減するため、又はT細胞エピトープを除去するいずれかのために、非ヒト抗体の類似部位からの残基によって置換されたFR残基を含有することができる。
ヒト化抗体を作製するための1つの方法は、トランスジェニック非ヒト動物を利用し得る。トランスジェニック非ヒト動物は、トランスジェニック非ヒト動物において遺伝子再構成及び遺伝子変換を受けて多様なヒト化イムノグロブリンを産生することができる、1つ又は2つ以上のヒト化イムノグロブリン遺伝子座位を含有するように遺伝子改変することができる。
ヒト化抗体を作製するための方法の別の例は、マウスハイブリドーマ細胞株を利用し得る。望ましい非ヒト抗体は、マウスハイブリドーマ細胞株によって発現させることができる。これらの細胞は採取することができ、全RNAを単離することができる。ヒト化しようとするマウス抗体の可変ドメインをコードする相補的DNA(cDNA)を作製し得る。これは、マウスリーダー配列の5’末端及びマウス定常領域の5’末端にハイブリダイズすることができるポリメラーゼ連鎖反応(PCR)プライマーを使用して行うことができる。軽鎖及び重鎖可変領域はクローン化することができる。cDNAのPCR増幅は、軽鎖及び重鎖特異的プライマーを使用して行うことができる。PCR産物はベクターに直接クローン化することができる。このベクターは細菌に形質転換することができる。細菌は、マウス可変領域を有するベクターを含有するコロニーについて選択することができる。次いで、PCRプライマーを使用して、マウス可変領域を5’及び3’末端で修飾して、発現ベクターへの簡便な挿入のために制限酵素部位を作成し、可変及び定常領域のRNAスプライシングのためにスプライス-ドナー部位を組み込みことができる。修飾されたマウス可変領域は、ヒト抗体のFRに挿入することができる。最終的なベクターは、ヒト可変領域のFR及びヒト定常領域にグラフトされた又はヒト化されたCDRをコードすることができる。これらのベクターは、転写のためのヒトサイトメガロウイルスエンハンサー及びプロモーター、形質転換細胞の選択のための遺伝子、並びにCOS細胞のためのサルウイルス40複製開始点を含有し得る。次いで、ヒト化抗体の発現は、哺乳動物細胞のトランスフェクションによって行うことができる。
或いは、抗体をヒト化するための断片を、インタクトな非ヒト抗体のタンパク質分解性消化によって得ることができる。断片はまた、いくつかの異なる方法によって、組換え宿主細胞によって産生され得る。例えば、抗体断片は、抗体ファージライブラリーから単離することができる。Fab’-SH断片を大腸菌から直接回収し、次いで、別のFab’-SHと化学的にカップリングさせてF(ab’)断片を形成することができる。F(ab’)断片は、組換え宿主細胞培養物から直接単離することができる。抗体断片の作製のための他の技術は、当業者には明らかであろう。抗体は単鎖Fv断片(scFv)であることができる。抗体断片はまた、線状抗体であることもできる。
ヒト化抗体の作製に使用する、軽鎖及び重鎖の両方のヒトドメインの選択は、抗原性を低減するために非常に重要であり得る。例えば、非ヒト抗体の可変ドメインの配列は、公知のヒト可変ドメイン配列のライブラリー全体に対してスクリーニングすることができる。その場合、非ヒトの配列に最も近いヒト配列を、ヒト化抗体のためのヒトFRとして受け入れることができる。別の方法は、特定のサブグループの軽鎖又は重鎖の全てのヒト抗体のコンセンサス配列に由来する特定のFRを使用し得る。同じFRを、いくつかの異なるヒト化抗体に使用することができる。
抗原に対する高い親和性及び他の生物学的性質を保持するために、ヒト化抗体は、親配列及びヒト化配列の三次元モデルを使用して、親配列及び種々の概念的ヒト化産物の解析のプロセスによって調製することができる。三次元イムノグロブリンモデルは一般に入手可能であり、当業者にはよく知られている。選択された候補イムノグロブリン配列の確度の高い三次元コンホメーション構造を説明及び表示することができるコンピュータプログラムが入手可能である。これらの表示の精査することにより、候補イムノグロブリン配列の機能における残基の、可能性の高い役割の解析が可能になり得る。例えば、この精査により、候補イムノグロブリンがその抗原を結合する能力に影響を与える残基の解析が可能になり得る。このようにして、望ましい抗体特性、例えば、標的抗原に対する親和性の増大を達成することができるように、レシピエント及び移入配列からFR残基を選択し、組み合わせることができる。
抗IDO2抗体を産生する別の例示的方法は、少なくとも1つの相補性決定領域を有する非ヒト抗IDO2抗体を選択するステップと、ヒト抗体重鎖を選択するステップと、ヒト抗体重軽鎖を選択するステップと、非ヒト抗IDO2抗体重鎖に由来する少なくとも1つの相補性決定領域又はその断片を導入して、組換え重鎖を形成するステップと、非ヒト抗IDO2抗体に由来する少なくとも1つの相補性決定領域又はその断片をヒト抗体軽鎖に導入して、組換え軽鎖を形成するステップとを含むことができ、ヒト抗体重鎖及び軽鎖のそれぞれの選択がそれぞれ、非ヒト抗IDO2抗体重鎖及び軽鎖との配列相同性のみによって決定することができることを特徴とする。ヒト化抗体は、非ヒトアミノ酸供給源又はヒトアミノ酸供給源のいずれとも異なり得るアミノ酸残基修飾を含有することができ、修飾は、抗体の親和性を維持又は改善することができる。例えば、所望の抗体バリアントは、組換え重鎖配列に約1つ~約5つ又は約7つのアミノ酸置換を有し得る。別の例として、所望の抗体バリアントは、組換え軽鎖配列に約1つ~約5つ又は約7つのアミノ酸置換を有し得る。このような抗体バリアントは、親和性成熟によって調製することができる。
抗体13-3
一実施形態において、1つ又は2つ以上のヒトIDO2エピトープに結合する、組換え、合成、モノクローナル又は他の抗体又は断片は、重鎖可変ドメイン配列 配列番号10及び/若しくは軽鎖可変ドメイン配列 配列番号2(抗体13-3)、又はそれと少なくとも80%(例えば、約85%、約86%、約87% 約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%又は100%)同一の配列を含む。ある特定の実施形態において、1つ又は2つ以上のヒトIDO2エピトープに結合する抗体又は断片は、抗体13-3の重鎖のいずれか1つ若しくは2つ又は3つ全てのCDRを含む。ある特定の実施形態において、1つ又は2つ以上のエピトープに結合する抗体又は断片は、抗体13-3の軽鎖のいずれか1つ若しくは2つ又は3つ全てのCDRを含む。ある特定の実施形態において、1つ又は2つ以上のエピトープに結合する抗体又は断片は、抗体13-3のいずれか1つ若しくは2つ若しくは3つ若しくは4つ若しくは5つ又は6つ全てのCDRを含む。ある特定の実施形態において、記載される抗体又はその断片をコードする核酸配列 配列番号9(HCV)及び1(LCV)が本明細書中で提供される。ある特定の実施形態において、核酸配列は、宿主細胞における抗体又はその断片の発現に適切である。
抗体13-3重鎖ヌクレオチド配列 配列番号9及びアミノ酸配列 配列番号10の断片は、以下の表において特定される配列を含む。
抗体13-3軽鎖ヌクレオチド配列 配列番号1及びアミノ酸配列 配列番号2の断片は、以下の表において特定される配列を含む。
抗体18-1
一実施形態において、1つ又は2つ以上のヒトIDO2エピトープに結合する、組換え、合成、モノクローナル又は他の抗体又は断片は、重鎖可変ドメイン配列 配列番号12及び/若しくは軽鎖可変ドメイン配列 配列番号12及び2(抗体18-1)、又はそれと少なくとも80%(例えば、約85%、約86%、約87% 約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%又は100%)同一の配列を含む。ある特定の実施形態において、1つ又は2つ以上のヒトIDO2エピトープに結合する抗体又は断片は、抗体18-1の重鎖のいずれか1つ若しくは2つ又は3つ全てのCDRを含む。ある特定の実施形態において、1つ又は2つ以上のエピトープに結合する抗体又は断片は、抗体18-1の軽鎖のいずれか1つ若しくは2つ又は3つ全てのCDRを含む。ある特定の実施形態において、1つ又は2つ以上のエピトープに結合する抗体又は断片は、抗体18-1のいずれか1つ若しくは2つ若しくは3つ若しくは4つ若しくは5つ又は6つ全てのCDRを含む。18-1の軽鎖可変配列は、13-3の軽鎖可変配列と同じである。加えて、18-1の重鎖CDR及びフレームワーク領域は、13-3のものと同じであり、上記表に示されている。ある特定の実施形態において、記載される抗体又はその断片をコードする核酸配列 配列番号11(HCV)及び1(LCV)が本明細書中で提供される。ある特定の実施形態において、核酸配列は、宿主細胞における抗体又はその断片の発現に適切である。
抗体20-10
一実施形態において、1つ又は2つ以上のヒトIDO2エピトープに結合する、組換え、合成、モノクローナル又は他の抗体又は断片は、重鎖可変ドメイン配列 配列番号14及び/若しくは軽鎖可変ドメイン配列 配列番号2(抗体20-10)、又はそれと少なくとも80%(例えば、約85%、約86%、約87% 約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%又は100%)同一の配列を含む。ある特定の実施形態において、1つ又は2つ以上のヒトIDO2エピトープに結合する抗体又は断片は、抗体20-10の重鎖のいずれか1つ若しくは2つ又は3つ全てのCDRを含む。ある特定の実施形態において、1つ又は2つ以上のエピトープに結合する抗体又は断片は、抗体20-10の軽鎖のいずれか1つ若しくは2つ又は3つ全てのCDRを含む。ある特定の実施形態において、1つ又は2つ以上のヒトIDO2エピトープに結合する抗体又は断片は、抗体20-10のいずれか1つ若しくは2つ若しくは3つ若しくは4つ若しくは5つ又は6つ全てのCDRを含む。20-10の軽鎖可変配列は、13-3の軽鎖可変配列と同じである。加えて、20-10の重鎖CDR及びフレームワーク領域は、13-3のものと同じであり、上記表に示されている。ある特定の実施形態において、記載される抗体又はその断片をコードする核酸配列 配列番号11(HCV)及び1(LCV)が本明細書中で提供される。ある特定の実施形態において、核酸配列は、宿主細胞における抗体又はその断片の発現に適切である。
1つ又は2つ以上のヒトIDO2(及び場合により、マウスIDO2)エピトープに結合する、抗体及びその抗体断片は、前述の抗体に由来する少なくとも1つのドメインを含み得る。例えば、抗体又は抗体断片は、抗ヒトIDO2抗体13-3、18-1又は20-10の重鎖可変CDRドメインの少なくとも1つ、2つ又は3つを含み得る。別の実施形態において、抗体又は抗体断片は、13-3、18-1又は20-10の軽鎖可変CDRドメインの1つ、2つ又は3つを含み得る。特定の実施形態において、抗体又は抗体断片は、重鎖及び軽鎖CDR3ドメインの少なくとも一方又は両方を含む。
抗体及び抗体コンストラクトは、例示されたものからさらに修飾することができる。特定の実施形態において、抗体又は抗体断片のドメインは、抗モノクローナル抗体13-3、18-1及び20-10中に存在するドメインと少なくとも90%、95%、97%、99%又は100%の相同性又は同一性を有し、図5A~6C、配列表及び上記表において特定される配列で例示されている。表中のドメインは、ドメインのN末端及び/又はC末端において、表において特定されるドメインより、約1、2、4又は5アミノ酸、特に1又は2アミノ酸長い又は短いものであってもよい。ドメインは、ドメインをコードする配列の5’末端及び/又は3’末端において、配列表のヌクレオチド配列より3、6、9、12又は15ヌクレオチド、特に3又はヌクレオチド長い又は短いヌクレオチド配列によりコードされてもよい。
ある特定の実施形態において、抗体のCDRは、当業者によって、例えば、種々のデータベース、ソフトウェア又はアルゴリズムによって決定され得る。www.imgt.org/を参照されたい。ある特定の実施形態において、CDRは図5C及び6C並びに本明細書中の表に示されるものである。ある特定の実施形態において、CDRは、本明細書中に示されるCDRのN末端側及び/又はC末端側に、1つ又は2つ又は3つ又は4つ又は5つ又は6つ多い又は少ないアミノ酸を含む。ある特定の実施形態において、CDRは、本明細書中の図及び表中に示されるものと比較して、N末端側又はC末端側に向かって、1又は2又は3又は4又は5又は6又は7又は8又は9又は10アミノ酸分シフトしている。
修飾体の一実施形態において、抗体はヒト化することができる。特定の実施形態において、本明細書中に開示された抗体(又はその一部)のいずれかの重鎖又は軽鎖の選択された配列を、抗体又は抗体断片コンストラクトの骨格に挿入する。例えば、本明細書中に記載の抗体の可変軽ドメイン及び/又は可変重ドメインを、別の抗体コンストラクトに挿入することができる。さらに別の実施形態は、配列番号10、12若しくは14のアミノ酸配列と少なくとも80、85、90、95若しくは99%の同一性を有する重鎖可変ドメイン配列を有する、又は配列番号2のアミノ酸配列と少なくとも80、85、90、95若しくは99%の同一性を有する軽鎖可変ドメイン配列を有する、又はそれらの組合せである、完全ヒトFab抗体断片を含む。抗体のさらに別の修飾体は、配列番号16、18又は20のアミノ酸配列と少なくとも80、85、90、95又は99%の同一性を有する重鎖可変ドメイン配列、及び配列番号2、4又は7のアミノ酸配列と少なくとも80、85、90、95又は99%の同一性を有する軽鎖可変ドメイン配列、及びペプチドリンカーが重鎖と軽鎖を接続しているそれらの組合せを有する、単鎖抗体である。これらの同じ組合せは、対応する鎖をコードするヌクレオチド配列又はそれと少なくとも80、85、90、95又は99%の同一性を有する配列を使用することによって作製することができる。
さらに別の実施形態において、抗体は、前述の表の重鎖可変ドメインCDR配列及び軽鎖可変ドメインCDR配列からなる群から選択される重鎖CDR配列及び軽鎖CDR配列を含む。
IDO2は、細胞表面タンパク質、リガンド又は受容体ではなく、細胞内タンパク質である。したがって、一実施形態において、抗IDO2抗体は、Fc受容体を通って細胞に侵入し得る。ある特定の実施形態において、この受容体はFγRIIb受容体である。Fc受容体を発現する細胞のみが抗IDO2抗体に感受性である場合、この侵入メカニズムにより、毒性又は副作用が低減する可能性がある。したがって、本発明の特定の実施形態において、抗IDO2抗体断片はFc領域を含む。特定の実施形態において、特に抗体断片がFc領域を含有しない場合、抗体又はその断片は、細胞透過性ペプチドにコンジュゲート又は連結される。本発明はまた、イムノグロブリンを模倣する合成タンパク質を包含する。例としては、限定するものではないが、Affibody(登録商標)分子(Affibody社、Bromma、Sweden)、DARPin(設計されたアンキリンリピートタンパク質;Kawe et al. (2006) J. Biol. Chem., 281:40252-40263)、及びペプタボディ(Terskikh et al. (1997) PNAS 94:1663-1668)が挙げられる。内部移行のための抗体の構造的要件を含む、抗体の前記内部移行の他のメカニズムは、当業者に周知である。
本発明の抗体はさらに修飾することができる。例えば、抗体はヒト化することができる。特定の実施形態において、ハイブリッド抗体(又はその一部)を、抗体又は抗体断片コンストラクトの骨格に挿入する。例えば、本発明の抗体の可変軽ドメイン及び/又は可変重ドメインを別の抗体コンストラクトに挿入することができる。抗体を組換えによって産生させるための方法は当技術分野において周知である。実際に、ある特定の抗体及び抗体断片コンストラクトのための商業的ベクターが入手可能である。
本発明の抗体はまた、他の構成成分にコンジュゲート/連結することができる。例えば、抗体は、少なくとも1種の検出可能な薬剤、イメージング剤、コントラスト剤、又は治療用化合物(例えば、上記を参照されたい)に作動可能に連結する(例えば、任意でリンカーを介して、共有結合する)ことができる。本発明の抗体はまた、少なくとも1種の精製用タグ(例えば、His-タグ)を含み得る。本発明の抗体分子は、当技術分野において公知の様々な方法を使用して調製することができる。ポリクローナル抗体及びモノクローナル抗体は、Current Protocols in Molecular Biology, Ausubel et al. eds.に記載されるようにして調製することができる。抗体は、化学的架橋、ハイブリッドハイブリドーマ技術によって、及び宿主細胞、例えば、細菌又は酵母細胞において発現される組換え抗体断片の発現によって、調製することができる。本発明の一実施形態において、抗体分子は、宿主細胞における組換え抗体又は抗体断片の発現によって産生される。抗体をコードする核酸分子を発現ベクターに挿入し、宿主細胞に導入することができる。次いで、得られた抗体分子を発現系から単離及び精製する。抗体は、抗体を精製することができる精製用タグを含んでいてもよい。本発明の抗体分子の純度は、これらに限定されるものではないが、ELISA、免疫組織化学的検査、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、固定化金属アフィニティークロマトグラフィー(IMAC,immobilized metal affinity chromatography)、サイズ排除クロマトグラフィー、ポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE,polyacrylamide gel electrophoresis)、ウエスタンブロッティング、表面プラズモン共鳴法及び質量分析を含む、当業者に公知の標準的な方法を使用して査定することができる。
例えば、参照により本明細書に組み込まれている、上で引用した米国特許公開第2019/0062452号明細書において言及される技術によって教示されるようにして、本明細書に開示される配列番号を用いるさらに他の抗体修飾体。
ある特定の実施形態において、本明細書中に記載の抗体及び機能的断片は、前記抗体をコードする核酸の送達後に細胞によって構築され得る。好ましい実施形態において、核酸は、以下で論じるようにmRNAワクチンによって送達される。
医薬組成物
少なくとも1種の抗ヒトIDO2抗体を含む組成物もまた、本明細書中に記載されている。特定の実施形態において、組成物は、少なくとも1種の抗IDO2抗体又は抗体断片と、少なくとも1種の薬学的に許容される担体とを含む。組成物は、治療される疾患又は障害(例えば、上記を参照されたい)の阻害、治療及び/又は予防のための少なくとも1種の他の治療用化合物をさらに含んでいてもよい。或いは、少なくとも1種の治療用化合物は、少なくとも1種の薬学的に許容される担体と共に、1種の別個の組成物中に含有されていてもよい。本発明はまた、少なくとも1種の抗IDO2抗体又は抗体断片を含む第1の組成物と、治療される疾患又は障害の阻害、治療及び/又は予防のための少なくとも1種の他の治療用化合物を含む第2の組成物とを含むキットを包含する。第1の及び第2の組成物は、少なくとも1種の薬学的に許容される担体をさらに含み得る。上記で説明したように、本発明の組成物は、自己抗体関連疾患又は障害を治療するために有用である。治療有効量の組成物を対象に投与することができる。投与の投与量、方法及び時期は、本明細書中に示される教示を参酌すれば、当業者が容易に決定可能である。
さらに別の態様において、本明細書中で言及する自己免疫疾患等の、IDO2が関与する疾患の治療のための医薬組成物は、前述の少なくとも1種の抗体又はエピトープ結合断片と、薬学的に許容される担体とを含む。一実施形態において、組成物は、前述の抗体13-3、18-1又は20-10のうちの1種又は2種以上を含有する。別の実施形態において、組成物は、1種又は2種以上のこれらの抗体の、ヒト化等の上記修飾体の断片等を含有する。さらに別の実施形態において、医薬組成物は、配列番号10、12若しくは14の重鎖可変ドメイン配列又は配列の1つと少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%若しくは少なくとも99%の同一性を有する配列;或いは配列番号2のアミノ酸配列と少なくとも80、85、90、95又は99%の同一性を有する軽鎖可変ドメイン配列、或いはそれらの組合せのうちの1つ又は2つ以上を含む。他の医薬組成物は、例えば、ベクター、ウイルス等における送達のための、ヌクレオチド配列 配列番号9、11、13若しくは1又はそれらと少なくとも80、85、90、95若しくは99%の同一性を有する配列をコードする、対応する鎖の使用によって作製することができる。
さらに別の医薬組成物は、前述の抗体又はエピトープ結合抗体断片のうちの2種又は3種以上の混合物と、薬学的に許容される担体とを含有する。一実施形態において、組成物は、前述の抗体13-3、18-1又は20-10のうちの2種又は3種以上を含有する。一実施形態において、組成物は抗体13-3及び18-1又はそれらの修飾体若しくは断片を含有する。一実施形態において、組成物は抗体18-1及び20-10又はそれらの修飾体若しくは断片を含有する。一実施形態において、組成物は抗体13-3及び20-10又はそれらの修飾体若しくは断片を含有する。
他の実施形態において、組成物は13-3、18-1又は20-10のエピトープ結合抗体断片を追加的に含有する。
一実施形態において、組成物は前述の3種の抗体13-3、18-1及び20-10を全て含有する。別の実施形態において、さらに他の抗ヒトIDO2抗体も導入することができる。
これらの組成物において、抗体、断片又は修飾体は、選択されたヒトIDO2エピトープを結合し、IDO2の効果を中和又は阻害するのに有効な量で存在する。
別の実施形態において、組成物は、1種又は2種以上のこれらの抗体の上記修飾体の断片等を含有する。さらに別の実施形態において、医薬組成物は、本明細書中で特定される1種若しくは2種以上の重鎖可変ドメイン配列、本明細書中で特定される1種若しくは2種以上の軽鎖可変ドメイン配列、又はこれらの配列の1つと少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%若しくは少なくとも95%の同一性を有する配列、或いはそれらの断片又は修飾体を含む。
さらに別の実施形態において、医薬組成物は、本明細書中に記載のもの以外の追加の抗ヒトIDO2抗体若しくは抗体断片、又は別のウイルスを結合する抗体若しくは抗体断片を含む。本明細書中に記載の医薬組成物中に含まれ得るさらに他の薬剤としては、特に限定するものではないが、1種又は2種以上の追加の免疫刺激性抗体、例えば、抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体及び/又は抗CTLA-4抗体が挙げられる。抗体は薬剤に連結することもできるし(免疫複合体として)、又は薬剤とは別個に投与することもできる。後者(別個の投与)の場合、抗体は、薬剤の前に、薬剤の後に若しくは薬剤と時を同じくして投与することもできるし、又は他の公知の治療薬と併用投与することもできる。
このような組成物に適切な医薬担体又は賦形剤としては、限定するものではないが、抗体、断片又はそれらの修飾体が一緒に投与される、前述のような希釈剤、補助剤、賦形剤、助剤、担体又は媒体が挙げられる。
使用の方法
酵素インドールアミン2,3-ジオキシゲナーゼ2(IDO2)は、自己抗体産生の駆動に関与する。特に、IDO2は、関節リウマチ(RA,rheumatoid arthritis)の前臨床モデルにおいて自己抗体産生を駆動する。参照により本明細書に組み込まれている米国特許公開第2019/0062452号明細書に示されるように、RAのマウスモデルへの抗IDO2抗体の投与は、IDO2機能を遮断にし、疾患を緩和した。抗IDO2抗体治療は、対照抗体で治療されたマウスと比較して、自己抗体レベルの低減する、及び発症を遅延させる、及び関節炎の全体的な重症度を減弱するのに効果的であった。抗体の特異性は、IDO2が遺伝的に欠損しているマウスにおける応答の欠如によって確認された。
抗ヒトIDO2抗体を使用して、自己抗体の産生を低減する、及び/又は患者の自身の組織若しくは細胞に対する抗体(又は複数の抗体)(すなわち、自己抗体)の蓄積-自己免疫疾患の一般的な特性によって引き起こされる若しくは悪化する任意の疾患若しくは障害を治療することができる。このような疾患は、抗体を分泌する自己反応性免疫B細胞の発生によって媒介される。B細胞を根絶する又はそれらの作用を鈍らせるアプローチは開発されているが、本発明の抗IDO2抗体アプローチの使用は、自己反応性B細胞による抗体分泌を制限する独特な方法を提供する。自己免疫自己抗体の産生を鈍らせることによって、本発明の方法は、開発及び利用され得る疾患特異的なアプローチに取って代わるものではない。例えば、自己免疫応答によって誘導される炎症反応を緩和する治療薬を抗IDO2抗体治療薬と併用投与して、疾患に対する協力効果又はさらには相乗効果を提供することができる。したがって、抗IDO2抗体での治療方法は、その単純さ及び一般的有用性の点で著しい利益を提供するが、その独特なメカニズム及び他の治療アプローチと組み合わせられる能力の点でも著しい利益を提供する。抗IDO2抗体テクノロジーは、自己免疫自己抗体の産生における異常なB細胞機能を遅延させるが、カノニカル抗原感作後に正常なB細胞機能を破壊することは示されていない。
場合によっては、抗IDO2抗体の適用は、疾患治療のための非標的化側面にもかかわらず忍容性がある他の抗体ベース治療薬と同様であり得る。例としては、それらに限定されるものではないが、抗体治療薬、抗TNFα(インフリキシマブ、アダリムマブ、エタネルセプト)、抗CD20(リツキシマブ)及び抗BLyS(ベリムマブ)が挙げられ、これらは全て、一般に炎症を鈍らせるか又はB細胞若しくはB細胞機能を根絶する。これらの治療薬に対して忍容性が低い患者には、抗IDO2抗体が別の治療選択肢を提供する。
これらの抗ヒトIDO2抗体を含む組成物は、自己免疫疾患の阻害、予防及び/又は治療のための方法において使用することができる。方法は、少なくとも1種の抗IDO2抗体(及び/又は抗IDO2アプタマー(以下を参照)を対象に投与するステップを含む。本発明の方法は、治療中の疾患のための少なくとも1種の他の治療薬の投与をさらに含むことができる。例えば、抗IDO2抗体は、抗炎症剤及び/又は免疫抑制薬と併用投与することができる。対象に投与される薬剤は、少なくとも1種の薬学的に許容される担体を含む組成物内に含有されていてもよい。2種以上の薬剤を(例えば、抗IDO2抗体を追加の治療薬と共に)投与している場合、薬剤は連続的に(前又は後に)及び/又は同時に(時を同じくして)投与することができる。薬剤は、同じ組成物で、又は別個の組成物で投与してもよい。
本明細書中に記載の組成物はまた、抗体分泌(例えば、血腫(例えば、多発性骨髄腫)又は固形腫瘍(例えば、抗体分泌が支持的炎症プロセスに寄与するもの)(例えば、扁平上皮がん5(SCC,squamous cell carcinoma)(Affara et al., Cancer Cell (2014) 25(6):809-821)によって持続されるがんの阻害、予防及び/又は治療に有用である。これらの方法は、少なくとも1種の抗IDO2抗体を対象に投与するステップを含む。本明細書中に記載の方法は、治療中のがんのための少なくとも1種の他の治療薬の投与をさらに含む。例えば、方法は、少なくとも1種の化学療法剤を投与するステップ及び/又は抗がん療法(例えば、放射線療法及び/又はがん性細胞若しくは腫瘍を除去するための手術(例えば、切除術))を施すステップをさらに含むことができる。対象に投与される薬剤は、少なくとも1種の薬学的に許容される担体を含む組成物内に含有されていてもよい。2種以上の薬剤を(例えば、抗IDO2抗体を追加の化学療法薬と共に)投与している場合、薬剤は連続的に(前又は後に)及び/又は同時に(時を同じくして)投与することができる。薬剤は、同じ組成物で、又は別個の組成物で投与してもよい。
組成物はまた、抗体媒介性腫瘍随伴症候群の阻害、予防及び/又は治療に有用である。腫瘍随伴症候群は、直接浸潤、転移又は治療の帰結によっては引き起こされない、がんと関連する障害である。方法は、少なくとも1種の抗IDO2抗体を対象に投与するステップを含む。抗体媒介性腫瘍随伴症候群の例としては、限定するものではないが、全身硬直症候群(例えば、乳がんにおける)、皮膚筋炎(例えば、乳がんにおける)、眼球クローヌス-ミオクローヌス運動失調(opsoclonus myoclonus)(例えば、乳がんにおける)、末梢性脳脊髄炎(peripheral encephalomyelitis)(例えば、肺がんにおける)及び網膜症(例えば、肺がんにおける)が挙げられる。これらの方法は、治療中の腫瘍随伴症候群又はがんのための少なくとも1種の他の治療薬の投与をさらに含む。例えば、方法は、少なくとも1種の他の治療剤の投与をさらに含む。対象に投与される薬剤は、少なくとも1種の薬学的に許容される担体を含む組成物内に含有されていてもよい。2種以上の薬剤を(例えば、抗IDO2抗体を追加の治療薬と共に)投与している場合、薬剤は連続的に(前又は後に)及び/又は同時に(時を同じくして)投与することができる。薬剤は、同じ組成物で、又は別個の組成物で投与してもよい。
抗体媒介性炎症性疾患の阻害、予防及び/又は治療のための組成物及び方法はまた、本明細書中に記載の抗体コンストラクトを利用する。方法は、少なくとも1種の抗IDO2抗体を対象に投与するステップを含む。抗体媒介性炎症性疾患の例としては、限定するものではないが、アレルギー応答、セリアック病、クローン病、炎症性腸疾患、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、重症筋無力症、硬皮症、I型糖尿病、意義不明のモノクローナルガンマグロブリン血症(MGUS)、シェーグレン症候群、ワルデンストレームマクログロブリン血症及び橋本病が挙げられる。
方法は、治療中の炎症性疾患のための少なくとも1種の他の治療薬の投与をさらに含む。例えば、方法は、少なくとも1種の他の抗炎症剤の投与をさらに含むことができる。対象に投与される薬剤は、少なくとも1種の薬学的に許容される担体を含む組成物内に含有されていてもよい。2種以上の薬剤を(例えば、抗IDO2抗体を追加の治療薬と共に)投与している場合、薬剤は連続的に(前又は後に)及び/又は同時に(時を同じくして)投与することができる。薬剤は、同じ組成物で、又は別個の組成物で投与してもよい。
上記で述べたように、本明細書中に記載の方法(及び組成物)は、IDO2(インドールアミン2,3-ジオキシゲナーゼ2;抗IDO2抗体)に免疫学的に特異的である及び/又はヒトIDO2に結合する、少なくとも1種の抗体又は抗体断片を対象に投与するステップを含む。特定の実施形態において、抗IDO2抗体は、ヒトIDO2に免疫学的に特異的である。特定の実施形態において、抗IDO2抗体は、IDO1除いて、ヒトIDO2に免疫学的に特異的である。
本明細書中に記載の抗ヒトIDO2抗体の抗体、断片及び修飾体は、対象におけるIDO2関連疾患、例えば、自己免疫疾患を治療するための方法であって、単一抗体若しくはエピトープ結合断片又は抗体若しくは断片の混合物の有効量を投与するステップを含む、方法において有用である。別の態様において、自己免疫疾患又は他のIDO-2関連疾患を有する疑いのある対象を治療するための方法は、本明細書中に記載の単一抗体若しくはエピトープ結合断片又は抗体若しくは断片の混合物の有効量を投与するステップを含む。
別の態様において、このような疾患を有する対象を治療するための方法は、本明細書中に記載の単一抗体若しくはエピトープ結合断片又は抗体若しくは断片の混合物の有効量を投与するステップを含む。別の態様において、このような自己免疫又は他のIDO2関連疾患を有する対象を特定するための方法は、本明細書中に記載の単一抗体若しくはエピトープ結合断片又は抗体若しくは断片の混合物を、対象の生体試料(例えば、血液試料、血清試料又は唾液試料)に適用するステップを含む。
一実施形態において、抗体は、抗体13-3、18-1若しくは20-10又はその断片若しくは修飾体のいずれかを含む。別の実施形態において、抗体は、配列番号10、12若しくは14の重鎖配列、エピトープ結合断片又はそれらの修飾体のいずれかを含む。別の実施形態において、抗体は、配列番号2の軽鎖配列、エピトープ結合断片又はそれらの修飾体のいずれかを含む。さらに別の実施形態において、抗体は、配列番号10と2、12と2若しくは14と2のHC/LC対又はそれらの断片若しくは修飾体から選択される。
一実施形態において、抗体及び抗体断片は、本明細書中に記載の1種又は2種以上の抗ヒトIDO2モノクローナル抗体に由来する少なくとも1つのドメインを含むことができる。上で言及したこれらの抗体の重鎖、軽鎖、CDR、フレームワーク領域の配列及び核酸配列をコードする配列については、図5A~6Cを参照されたい。これらの例示した配列を使用して、同じ抗体又はその修飾体若しくは断片を作製することができる。
例えば、抗体又は抗体断片は、抗ヒトIDO-2モノクローナル抗体13-3、18-1若しくは20-10又はそれらのヒト化若しくは修飾変種の少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、5つ又は6つ全ての相補性決定領域(CDR)ドメインを含み得る。別の実施形態において、抗体又は抗体断片は、これらの抗体に由来するCDRを含み得る。一実施形態において、抗体又は抗体断片は、CDR3ドメインの少なくとも一方又は両方を含む。一実施形態において、抗体又は抗体断片のドメインは、上で論じた抗ヒトIDO2抗体又は修飾体中に存在するドメインと少なくとも90%、95%、97%、99%又は100%の相同性又は同一性を有する。
本明細書中に記載の抗体(例えば、ヒトモノクローナル抗体、多重特異性及び二重特異性分子並びに免疫コンジュゲート、断片又は修飾体)の組成物の適切なインビボ及びインビトロの投与経路は、当技術分野において周知であり、当業者によって選択され得る。一実施形態において、抗体組成物は、注射(例えば、静脈内又は皮下)によって投与することができる。使用する分子の適切な投与量は、対象の年齢及び体重並びに抗体組成物の濃度及び/又は製剤によって異なる。
一般に、規制機関は、治療薬として使用するタンパク質試薬が、許容可能に低レベルの発熱物質を有するように製剤化されることを要求している。したがって、治療用製剤は一般に、発熱物質を実質的に含まないか、又は適当な規制機関(例えば、FDA)によって決定された許容レベル以下の発熱物質しか少なくとも含有しないという点で、他の製剤とは区別される。
治療用組成物は、薬学的に許容される希釈剤、担体又は賦形剤と共に単位剤形で投与することができる。投与は、非限定的な例として、非経口(例えば、静脈内、皮下)、経口、若しくは局所、若しくは静脈内であってもよいし、又は吸入によってもよい。加えて、本発明のポリペプチドをコードする核酸を使用する任意の遺伝子療法技術、例えば、ネイキッドDNA送達、組換え遺伝子及びベクター、患者の細胞のイクスビボ操作を含む細胞ベースの送達等を用いることができる。製剤中の化合物の濃度は、投与される薬物の投与量及び投与経路を含むいくつかの因子によって異なる。
本明細書中に記載の抗体は一般に、医薬調製物として患者に投与する。本明細書中で使用する「患者」という用語は、ヒト又は動物対象を指す。これらの抗体は、適応となる疾患又は障害の治療のために医師の指導の下で治療的に用いることができる。本発明の抗体分子を含む医薬調製物は、許容される媒体(例えば、薬学的に許容される担体)、例えば、水、緩衝生理食塩水、エタノール,ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングリコール等)、ジメチルスルホキシド(DMSO,dimethyl sulfoxide)、油、界面活性剤、懸濁化剤又はそれらの適切な混合物と共に投与のために都合よく製剤化することができる。選択された媒体中の薬剤の濃度は変更することでき、媒体は、医薬調製物の望ましい投与経路に基づいて選択することができる。従来の媒体又は薬剤が投与される薬剤と不適合でない限りは、医薬調製物におけるその使用が企図される。
特定の患者への投与に適切な本発明による抗体の用量及び投薬レジメンは、患者の年齢、性別、体重、全身の医学的状態、並びに抗体が投与されている特定の状態及びその重症度を考慮して医師によって決定され得る。医師はまた、抗体の投与経路、抗体を合わせる可能性のある医薬担体、及び抗体の生物活性を考慮し得る。
適切な医薬調製物の選択は、選択される投与の方法によって異なる。例えば、本発明の抗体は、任意の望ましい組織又は周囲エリアへの直接注射によって投与してもよい。この場合、医薬調製物は、標的組織と適合する媒体に分散された抗体分子を含む。抗体はまた、非経口的に、血流への静脈内注射によって又は皮下、筋肉内若しくは腹腔内注射によって投与してもよい。非経口注射のための医薬調製物は、当技術分野において公知である。抗体を投与するための方法として非経口注射が選択される場合、十分な量の分子がその標的細胞に到達して生物学的効果を発揮するのを保証するため方策を講じなければならない。分子がその標的位置に到達することができるように、抗体又は抗体が送達される医薬調製物の親油性を増加させる必要がある場合がある。さらに、十分な数の分子が標的細胞に到達するように、抗体を細胞標的担体で送達する必要がある場合もある。分子の親油性を増加させるための方法は、当技術分野において公知である。これらに限定されるものではないが、Fab断片、Dab、scFv又はダイアボディを含む小さい形態の抗体を投与しようとする場合、O血液(O blood)中におけるその保持を延長するための第2の(担体)分子、例えば、限定するものではないが、ポリエチレングリコール(PEG,polyethylene glycol)又はアルブミン結合抗体若しくはペプチドにコンジュゲートさせることができる。
有効成分としての本発明の化合物を医薬担体と均質混合させて含有する医薬組成物は、従来の医薬調合技術に従って調製することができる。担体は、例えば、静脈内、経口又は非経口的投与に望ましい調製物の形態に応じて多種多様な形態を取ることができる。経口剤形で抗体を調製する際は、経口液体調製物(例えば、懸濁剤、エリキシル剤及び溶液剤等)の場合、例えば、水、グリコール、油、アルコール、矯味矯臭剤、保存剤、着色剤等のような通常の医薬媒体のいずれかを、又は経口固体調製物(例えば、散剤、カプセル剤及び錠剤等)の場合、デンプン、糖、希釈剤、造粒剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤等のような担体を、用いてもよい。投与が容易であるため、錠剤及びカプセル剤が最も有利な経口投与量単位形態に相当し、その場合、固体医薬担体が用いられるのは明白である。望ましい場合、錠剤は標準的な技術によって糖衣又は腸溶コーティングされていてもよい。非経口剤の場合、担体は通常、滅菌水を含むが、他の成分が、例えば、溶解性を補助するため又は保存の目的で含まれていてもよい、注射用懸濁剤も調製することができ、その場合、適当な液体担体、懸濁化剤等を用いてもよい。本発明の医薬調製物は、投与を容易にするため及び投与量を均一にするために、投与量単位形態で製剤化することができる。本明細書中で使用する場合、投与量単位形態は、治療を受けている患者に適当な医薬調製物の物理的に個別の単位を指す。各投与量は、選択された医薬担体と関連して望ましい効果を生じるように計算された量の有効成分を含有するべきである。適当な投与量単位を決定するための手順は、当業者に周知である。投与量単位は、患者の体重に基づいて比例的に増加又は減少させることができる。特定の病態の緩和に適当な濃度は、当業界で公知なように、投与量濃度曲線計算によって決定することができる。
抗IDO2抗体分子の投与に適当な投与量単位は、動物モデルにおいて抗体分子の毒性を評価することによって決定することができる。種々の濃度の抗体医薬調製物を、疾患又は障害のマウスモデルに投与することができ、最小及び最大投与量を、治療の結果としての成果及び副作用に基づいて決定することができる。適当な投与量単位はまた、他の標準薬物と組み合わせた抗体分子治療の有効性を査定することによって決定することもできる。抗IDO2抗体分子の投与量単位は、個々に又は別の治療と組み合わせて決定することができる。
抗IDO2抗体分子を含む医薬調製物は、適当な間隔で、例えば、病的症状が低減又は緩和されるまで1日に少なくとも2回又はそれ以上投与することができ、その後は投与量を維持レベルまで低減することができる。特定の症例における適当な間隔は通常、患者の状態によって異なる。
本発明の方法は、本明細書中に記載の組成物の投与後に対象における疾患又は障害を監視して、方法の有効性を監視するステップをさらに含むことができる。
ヌクレオチドの投与
一部の態様において、本発明は、1種又は2種以上のポリヌクレオチド、例えば、本明細書中に記載の1種又は2種以上の抗体をコードするものを宿主細胞に送達するステップを含む方法を提供する。本明細書中で提供されるタンパク質配列をヌクレオチド配列に変換するための方法は、当業者に周知である。従来のウイルス及び非ウイルスベースの遺伝子移入方法を使用して、哺乳動物細胞又は標的組織において核酸を導入することができる。
非ウイルス性ベクター送達系としては、DNAプラスミド、RNA、ネイキッド核酸、及び送達媒体と複合体を形成する核酸、例えば、リポソームが挙げられる。遺伝子療法手順の総説については、以下を参照されたい:Anderson, Science 256:808-813 (1992);Nabel & Felgner, TIBTECH 11:211-217 (1993);Mitani & Caskey, TIBTECH 11:162-166 (1993);Dillon, TIBTECH 11:167-175 (1993);Miller, Nature 357:455-460 (1992);Van Brunt, Biotechnology 6(10):1149-1154 (1988);Vigne, Restorative Neurology and Neuroscience 8:35-36 (1995);Kremer & Perricaudet, British Medical Bulletin 51(1):31-44 (1995);Haddada et al., in Current Topics in Microbiology and Immunology Doerfler and Bihm (eds) (1995);及びYu et al., Gene Therapy 1:13-26 (1994)。
核酸の非ウイルス性送達の方法としては、リポフェクション、ヌクレオフェクション、マイクロインジェクション、遺伝子銃、ビロソーム、リポソーム、イムノリポソーム、ポリカチオン又は脂質:核酸コンジュゲート、ネイキッドDNA、人工ビリオン、及び薬剤によって増強されるDNA取込が挙げられる。リポフェクションは、例えば、米国特許第5,049,386号明細書、第4,946,787号明細書及び第4,897,355号明細書に記載されており、リポフェクション試薬は商業的に販売されている(例えば、Transfectam(商標)及びLipofectin(商標))。ポリヌクレオチドの効率的な受容体認識リポフェクションに適切なカチオン性及び中性脂質としては、Feigner、国際公開第91/17424号パンフレット、国際公開第91/16024号パンフレットのものが挙げられる。送達は細胞(例えば、インビトロ又はイクスビボ投与)又は標的組織(例えば、インビボ投与)に対してであり得る。
ある特定の実施形態において、前記抗体を産生する細胞を、患者に投与する。ある特定の好ましい実施形態において、前記抗体をコードする核酸又はその機能的断片を、mRNAワクチンを使用して送達する。
mRNAワクチン
本明細書中の上記の情報は、前述の方法を使用して患者に投与することができるmRNAワクチンに適用することができる。この方法は、生組織へのmRNAの投与によってインビボでタンパク質を産生させるステップを含む。
mRNAワクチンの作成及び構造は、当業者に周知である。Rosa, S. S. et al. "mRNA vaccines manufacturing: Challenges and bottlenecks." Vaccine 39 (2021): 2190 - 2200を参照されたい。mRNAワクチンの構築には、mRNAがインビトロで転写されるDNA鋳型にコード化抗体を挿入することが必要である。DNAとは異なり、mRNAは、サイトゾルに到達するだけでよく、サイトゾルにおいてmRNAは、細胞機構を使用してインビボで抗原に転写される。このように、任意の望ましい配列を設計し、インビトロで産生させ、任意の型の細胞に送達することができる。
mRNAワクチンの構造は、真核細胞mRNAに類似している-50末端のキャップ、30末端のポリ(A)テール、及び非翻訳領域(UTR,untranslated region)に隣接するオープンリーディングフレーム(ORF,open reading frame)を有する一本鎖分子。50キャップは、真核細胞翻訳開始因子(eIF4E)に結合することによって翻訳を開始することができるので、重要な構成成分である。50キャップには、種々の構造が可能である。Cap 0構造は、50三リン酸を介して50位に連結されたメチル-7グアニンヌクレオチドを特徴として備え、最も単純である。Cap 1構造は、リボース20-O位におけるmRNAの第1のヌクレオチドのメチル化によって達成される。いずれのキャップも、合成キャップアナログ又は有標CapジヌクレオチドCleanCap(登録商標)を使用してインビトロでのmRNA転写中に付加され得る。別のキャッピングアプローチは、ワクシニアキャピング系に基づく転写後酵素反応を使用する。この修飾は、翻訳開始因子をリクルートすることによって翻訳開始を改善し、合成mRNAをエキソヌクレアーゼ分解から保護しかつ自然免疫過剰活性化応答を回避するので、いくつかの利点をもたらす。30ポリ(A)テールの付加は、ポリ(A)結合タンパク質(PABP,poly(A)-binding protein)によるヌクレアーゼ分解からmRNAを保護するので、これもまた、mRNA安定性及び翻訳活性を改善する。このテールは、DNA鋳型にポリ(A)配列を挿入することによって又は酵素反応によって、転写物に付加され得る。テールサイズの最適化は、mRNAの安定化及び発現の重要な因子である。ポリ-Aテールが長いほど、mRNA安定性及び翻訳を改善することができる。しかし、この効果は直線的でなく、最良のテールサイズは細胞型に依存する。非翻訳領域(UTR)は、転写制御及びmRNA安定性に関与する。これらの領域は、使用される配列が翻訳機構認識、リクルートメント及びmRNA輸送に関与するので、翻訳効率に強く影響する。非天然ヌクレオシド(NTP)の導入等の自然免疫応答を調節する戦略、及びコドン最適化を使用することによって翻訳効率を改善する戦略もまた、mRNA産生に一般に使用される。
2つの形態のmRNA構造:従来の又は非複製mRNA及び自己増幅mRNAが、ワクチン応用のために広く研究されている。従来のmRNA形態では、最適の抗原は、UTR領域、30ポリ(A)テール及び50キャップにのみ隣接している。この形態には、いくつかの利点がある-分子が単純で小さい、及び他のタンパク質がコードされないので望ましくない免疫応答の可能性がより低い。しかし、このmRNA発現は、その一時的性質に限定され、高発現を達成するためにはより高いmRNA用量が必要である可能性がある。配列の最適化及び製剤化を使用することによって、このボトルネックを克服する努力がなされてきた。自己増幅mRNA(saRNA,self-amplifying mRNA)は、mRNAの自己複製を可能にするためのウイルスレプリカーゼ遺伝子の付加に基づく。通常、一本鎖RNAウイルス、例えば、アルファウイルス、フラビウイルス及びピコルナウイルスの配列を使用する。細胞質に送達されると、このタイプのmRNAは高レベルの所望の抗原を産生する。ウイルス遺伝子の使用にもかかわらず、発現中にウイルス感染性粒子又はウイルス様粒子は観察されず、安全性の懸念が低減される。H1N1/PR8感染に対するマウスモデルの保護のためのsaRNAワクチンの評価により、免疫学的応答を誘導するのに必要な用量が、従来のmRNAワクチン対応物と比較して64倍低いことが示された。
トランス-増幅mRNA(taRNA,trans-amplifying mRNA)は、mRNAワクチンの新しい構造様式である。taRNAは、2つの鋳型、所望の遺伝子を含有する1つの鋳型とレプリカーゼ系を含有する第2の鋳型を有する系における自己増幅mRNAの分割によって生じる。増幅は、細胞質内のレプリカーゼによってトランスで行われる。この系は、より短いRNAを高収率及び高品質で産生させることがそれほど困難でないのでより安全で、より汎用性がありかつ製造のコスト効率がより高いため、saRNAよりもいくつかの点で有利である。taRNAは、マウスをインフルエンザから保護するために既に使用されており、抗体の誘導及び保護を示す結果が得られている。
送達
mRNAは、サイトゾルに到達するには細胞膜を横断しなければならない。細胞膜の受動的通過を妨げる可能性がある、分子の負電荷、その比較的大きなサイズ(300~5000kDa)及び分解性のために、これは困難である。これを克服するために、mRNAは、以下を含む種々の戦略を使用して送達することができる:i)ネイキッドmRNAの直接注射;ii)脂質ベースの担体、ポリマー又はペプチドとのコンジュゲーション;iii)樹状細胞(DC,dendritic cell)のトランスフェクションによる。
従来の及び自己増幅形態のネイキッドmRNAの注射による免疫応答の誘導は、広く報告されている。しかし、mRNA送達は、標的組織における細胞外エキソヌクレアーゼの存在、不十分な細胞取込又はエンドソーム放出の失敗によって制限される可能性がある。リポソーム又は脂質ナノ粒子(LNP,lipid nanoparticle)は、最も有望なmRNA送達ツールの1つである。例えば、ジカ(Zika)及びインフルエンザに対するmRNAワクチンのLNP媒介送達は、心強い結果を示している。あまり探求されていないが、ポリマーベースの送達系も使用することができる。ポリエチレンイミン(PEI,polyethylenimine)系は、mRNAを細胞及び鼻腔内に送達するための戦略として成功裏に実施された。加えて、PEIベースの系は、皮膚外植片及びマウスにおいてsa-mRNAワクチンに対する応答を改善した。プロタミンのみが臨床試験で評価されているので、ペプチドーベースの送達は、あまり探求されていない系である。新しい送達アプローチとしては、カチオン性細胞透過性ペプチド(CPP,cell-penetrating peptide)及びアニオン性ペプチドの使用が挙げられる。CPP系は、インビボでT細胞免疫性応答を改善し、自然免疫応答を調節し、DC及びヒトがん細胞の両方においてインビトロでタンパク質発現を増強することが判明している。アニオン性ペプチドとコンジュゲートしたmRNAポリプレックスは、DC細胞において細胞毒性を誘導することなく、細胞取込の増加を示した。
キット及び製造品
前述の産物のいずれかを、オリゴヌクレオチド、ポリペプチド、ペプチド、抗体、検出可能な標識、マーカー、レポーター、薬学的に許容される担体、生理学的に許容される担体、使用説明書、コンテナ、投与用容器、アッセイ基質又はそれらの任意の組合せを含有していてもよいキットに組み込むことができる。
[実施例]
ここで、本発明を以下の実施例を参照して説明する。これらの実施例は、説明のみを目的として提供するものであり、本発明は、決してこれらの実施例に限定されるものと解釈するべきではなく、本明細書中で提供される教示の結果として明らかになるありとあらゆる変形形態を包含すると解釈するべきである。
ヒトIDO2を認識する抗体の開発
ヒトIDO2アミノ酸#331~351(NP_919270;配列番号23)に対して、3種のクローン化ハイブリドーマを作製した。ELISA解析により、抗ヒトIDO2抗体(mAb)の組換えヒトIDO2タンパク質への結合を比較する(100ngの組換えヒトIDO2タンパク質を使用してELISAプレートをコーティングした)。漸増濃度のmAbを、コーティングしたタンパク質と共にインキュベートし、固定タンパク質を結合した抗IDO2 Igを、抗マウスIgG Fc特異的HRP二次抗体及びABTS基質で検出した。
結果を図1に示す。図1は、3種の抗ヒトIDO2モノクローナル抗体13-3、18-1及び20-10並びにそれらの結合濃度対ヒトIDO2組換えタンパク質の結合曲線を示すグラフである。これらのデータは、抗体がヒトIDO2タンパク質を認識することを示している。
抗体の特異性
抗体の特異性を試験するために、競合ELISAを開発した。100ngの組換えヒトIDO2タンパク質を使用して、ELISAプレートをコーティングした。一定量(1μg/ml)のIDO2抗体を、指定された濃度の可溶性ペプチドを含む溶液中でインキュベートした。抗体が可溶性ペプチドと相互作用した場合には、抗体はコーティングされた抗原を結合することができなかった。固定タンパク質を結合した抗IDO2 Igを、抗マウスIgG FC特異的HRP二次抗体及びABTS基質で検出した。
結果を図2A及び2Bに示す。これらのデータは、抗体がヒトIDO2タンパク質及び対応するマウス配列を認識することを示している。図2Aは、ヒトエピトープに対する3種の抗ヒトIDO2 mAbの認識を比較し、吸光度対エピトープペプチド濃度をプロットしている。図2Bは、マウスエピトープに対する3種の抗ヒトIDO2 mAb 1の認識を比較し、吸光度対エピトープペプチド濃度をプロットしている。抗マウスIDO2 mAbは、4-3であった。コーティングされたペプチドは、ヒト又はマウスIDO2配列に相当する。
ウエスタンブロット
ウエスタンブロット解析は、IDO発現Trex細胞を使用して行った。全てのIDO発現タンパク質マウス及びヒトIDO1及びIDO2はV5タグを含有する。ウエスタンブロット解析は、ヒト及びマウスIDO2に対する抗ヒトIDO2抗体の特異性を実証し、同じ抗体がヒト又はマウスIDO1を認識しないことを実証する。IDO発現細胞又は親T-REX株の細胞抽出物を、前述のようにして調製し、分画した(参照により本明細書に組み入れられている米国特許第2019/0062452号明細書を参照されたい)。表示したタンパク質の検出は、標準ブロッティング法、HRPコンジュゲート二次抗体及び化学発光検出試薬を使用して行った。
本明細書中に挙げた公表文献を含む、ありとあらゆる特許、特許出願及び公表文献並びに開示全体を通じて引用されている、公的に入手可能な核酸及びアミノ酸配列は、参照によってその全体が本明細書中に明示的に組み込まれている。本発明を、具体的実施形態を参照して開示したが、本発明の真の趣旨及び範囲から逸脱することなく、本発明の他の実施形態及び変形形態が当業者によって考案されることは明らかである。添付した特許請求の範囲は、このような実施形態及び均等な変形形態を含む。
臨床治療
本明細書中の上記の情報は、治療的介入のために患者に臨床的に適用することができる。本発明の好ましい一実施形態は、本明細書中に記載の医薬組成物の患者への臨床適用を含む。これは、患者が診療所に到着しかつ上で特定したIDO2関連疾患の症状を示した後に行うことができる。
成人に対して導き出される抗IDO2抗体の治療用量は、患者の年齢、性別、体重、全身の医学的状態並びに抗体が投与されている特定の状態及びその重症度を考慮して、医師によって決定され得る。医師はまた、抗体の投与経路、抗体を合わせる可能性のある医薬担体、及び抗体の生物活性を考慮し得る。
本明細書中に記載の配列をコードするmRNAワクチンの導き出される治療用量は、患者の年齢、性別、体重、全身の医学的状態並びに抗体が投与されている特定の状態及びその重症度を考慮して、医師によって決定され得る。医師はまた、ワクチンの投与経路、ワクチンを合わせる可能性のある医薬担体、及びワクチンの生物活性を考慮し得る。
抗IDO2抗体及びmRNAワクチンは忍容性が高いことが示されており、症状を、臨床スコア基準を使用して査定した。
本発明のある特定の特徴を本明細書中に記載したが、ここで、当業者は、多くの修正形態、置換形態、変更形態及び均等形態を考え付くであろう。したがって、添付した特許請求の範囲は、本発明の真の趣旨に含まれるような全てのこのような修正形態及び変更形態を網羅するよう意図することを理解すべきである。

Claims (26)

  1. エピトープに結合する組換え、合成若しくはモノクローナルヒト抗体若しくは抗体コンストラクト、又はヒトIDO2に特異的若しくは優先的に結合する前記抗体の断片であって、前記抗体又はコンストラクトが、配列番号16、18又は20から選択される少なくとも1つの重鎖可変領域CDRを含む、前記組換え、合成若しくはモノクローナルヒト抗体又は抗体コンストラクト。
  2. 配列番号10、12又は14からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも80%同一である少なくとも1つの重鎖可変ドメイン配列をさらに含む、請求項1に記載の組換え、合成若しくはモノクローナルヒト抗体又は抗体コンストラクト。
  3. 配列番号2からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも80%同一である軽鎖可変ドメイン配列をさらに含む、請求項1に記載の組換え、合成若しくはモノクローナルヒト抗体又は抗体コンストラクト。
  4. 抗体が、キメラ抗体、ヒト化抗体、ヒト抗体、CDR-grafted抗体、2つ若しくは3つ以上の標的を結合することができる多重特異性結合コンストラクト、二重特異的抗体、二重特異性抗体若しくは多重特異性抗体、又は親和性成熟抗体である、請求項1に記載の組換え、合成若しくはモノクローナルヒト抗体又は抗体コンストラクト。
  5. 断片が、単一ドメイン抗体(sdAb)、単一抗体鎖若しくはscFv断片、ダイアボディ、相補的scFv(タンデムscFv)若しくは二重特異性タンデムscFvを含む単鎖、Fvコンストラクト、ジスルフィド結合Fv、Fabコンストラクト、Fab’コンストラクト、F(ab’)2コンストラクト、モノクローナル抗体機能に非必須のドメインが除去されている一価若しくは二価コンストラクト;1つのVL、1つのVH抗原結合ドメイン及びリンカードメインにより接続されていてもよい1つ若しくは2つの定常「エフェクター」ドメインを含有する単鎖分子;ヒンジ領域を欠いている一価抗体、単一ドメイン抗体、二重可変ドメインイムノグロブリン(DVD-Ig)結合タンパク質、又はナノボディ、アプタマー、Affibody、アフィリン、アフィチン、アフィマー、アルファボディ、アンチカリン、アビマー、DARPin、Fynomer、Kunitzドメインペプチド若しくはモノボディである、請求項1に記載の組換え、合成若しくはモノクローナルヒト抗体又は抗体コンストラクト。
  6. 抗体が、配列番号10及び配列番号2からなる群から選択される重鎖及び軽鎖可変ドメイン配列を含む、請求項1に記載の組換え、合成若しくはモノクローナルヒト抗体又は抗体コンストラクト。
  7. 抗体が、配列番号12及び配列番号2からなる群から選択される重鎖及び軽鎖可変ドメイン配列を含む、請求項1に記載の組換え、合成若しくはモノクローナルヒト抗体又は抗体コンストラクト。
  8. 抗体が、配列番号14及び配列番号2からなる群から選択される重鎖及び軽鎖可変ドメイン配列を含む、請求項1に記載の組換え、合成若しくはモノクローナルヒト抗体又は抗体コンストラクト。
  9. IgGである、請求項2~6のいずれかに記載の組換え、合成若しくはモノクローナルヒト抗体又は抗体コンストラクト。
  10. IgG1アイソタイプである、請求項9に記載の組換え、合成若しくはモノクローナルヒト抗体又は抗体コンストラクト。
  11. エピトープに結合するIgGクラスの組換え、合成若しくはモノクローナルヒト抗体、又はエピトープに結合する前記抗体の断片であって、前記抗体が、
    (a)配列番号9、11及び13からなる群から選択されるヌクレオチド配列と少なくとも80%同一である重鎖可変ドメイン配列をコードするヌクレオチド配列と、
    (b)配列番号1からなる群から選択されるヌクレオチド配列と少なくとも80%同一である軽鎖可変ドメイン配列をコードするヌクレオチド配列と
    を含む、前記抗体又はエピトープ結合断片。
  12. 抗体が、配列番号9及び配列番号1又はそれと少なくとも80%同一の配列によってコードされる重重鎖及び軽鎖可変ドメイン配列鎖及び軽鎖可変ドメイン配列を含む、請求項11に記載の抗体又はエピトープ結合断片。
  13. 抗体が、配列番号11及び配列番号1又はそれと少なくとも80%同一の配列によってコードされる重鎖及び軽鎖可変ドメイン配列を含む、請求項11に記載の抗体又はエピトープ結合断片。
  14. 抗体が、配列番号13及び配列番号1又はそれと少なくとも80%同一の配列によってコードされる重鎖及び軽鎖可変ドメイン配列を含む、請求項11に記載の抗体又はエピトープ結合断片。
  15. 配列番号16、18又は20のアミノ酸配列から選択される1つ又は2つ以上の重鎖CDRを含み、配列番号4若しくは7から選択される1つ若しくは2つ以上の軽鎖CDR又は配列GISを含んでいてもよい、その抗原結合断片。
  16. 抗体が、mAb 13-3の重鎖及び軽鎖のCDR1/CDR2/CDR3配列組合せを有する、請求項1~15のいずれかに記載の抗体又はエピトープ結合断片。
  17. 抗体が、mAb 13-3の重鎖及び軽鎖のFR1/CDR1/FR2/CDR2/FR3CDR3/FR4配列組合せを有する、請求項1~15のいずれかに記載の抗体又はエピトープ結合断片。
  18. 抗体が、mAb 18-1の重鎖及び軽鎖のCDR1/CDR2/CDR3配列組合せを有する、請求項1~15のいずれかに記載の抗体又はエピトープ結合断片。
  19. 抗体が、mAb 18-1の重鎖及び軽鎖のFR1/CDR1/FR2/CDR2/FR3CDR3/FR4配列組合せを有する、請求項1~15のいずれかに記載の抗体又はエピトープ結合断片。
  20. 抗体が、mAb 20-10の重鎖及び軽鎖のCDR1/CDR2/CDR3配列組合せを有する、請求項1~15のいずれかに記載の抗体又はエピトープ結合断片。
  21. 抗体が、mAb 20-10の重鎖及び軽鎖のFR1/CDR1/FR2/CDR2/FR3CDR3/FR4配列組合せを有する、請求項1~15のいずれかに記載の抗体又はエピトープ結合断片。
  22. 請求項1~21のいずれかに記載の抗体又はエピトープをコードする、単離された核酸。
  23. mRNAである、請求項22に記載の単離された核酸。
  24. 請求項23に記載のmRNAを含む、mRNAワクチン。
  25. 請求項1~21のいずれかに記載の抗体又はエピトープをコードするメッセンジャーリボ核酸(mRNA,messenger ribonucleic acid)ワクチン。
  26. 自己免疫疾患の予防又は治療のための医薬組成物であって、請求項1に記載の少なくとも1種の抗体若しくはエピトープ結合断片又は請求項11に記載の少なくとも1種の抗体若しくはエピトープ結合断片をコードする核酸配列と、薬学的に許容される担体とを含む、前記医薬組成物。
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