JP2023532978A - 細胞培養培地調製および細胞培養を行うためのデバイスおよびプロセス - Google Patents

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Abstract

本発明は、細胞培養のための液体培地を製造するためのデバイスおよびプロセスに関し、それにより、成分を水中で溶解することにより、液体培地が自動的に製造される。本発明はまた、細胞培養において用いられる培地を製造するためのデバイス、バイオリアクタープロセスを用いて細胞培養により製造される物質に関する。

Description

本発明は、哺乳動物細胞培養の増殖のための培地を調製するため、および好ましくは連続的にまたは半連続的にかかる細胞培養を行うためのデバイスおよびプロセスに関する。特に、本発明は、バイオリアクター中でのプロセスのための液体細胞培養培地を製造するためのデバイスおよびプロセスに関し、これは、粉末化および/または顆粒化された成分を水中で溶解することにより製造することができるものであって、細胞培養の連続的または半連続的なプロセッシングを可能にするものである。
バイオマニュファクチャリングにおいて使用される最も一般的な培養モードは、バッチ培養、流加培養および灌流培養である。これらの技術のうちの1つを選択するための理由は、タンパク質および/または宿主に関連する異なる因子にある。細胞は、表面上に付着してまたは懸濁してのいずれかで培養される。操作するための最も簡単なモードは、おそらく、バッチバイオリアクターである。接種後、細胞は、培地消費に起因する制限に達するまで、および、細胞密度が減少し始めるまで、増殖および産生する。第二の極めて一般的なプロセスは、流加培養であり、ここで、栄養素制限は、培養の間に異なる時点で、高度に濃縮されたフィード(feed)を添加することによって防止される。培養期間は、したがって、バッチモードにおけるよりも長く、および、最終生産性は増大する。
灌流培養プロセスは、バイオリアクターが、高い生存細胞数を保持しながら、培養の間ずっと新鮮な培地を絶えず灌流させることによって、細胞に新鮮な栄養素を同時に提供することによって、および、消費された培地および任意に死細胞および標的生成物を取り出すことによって、数か月までの延長された期間にわたり、継続的に実行するのを可能にする。灌流技術の重要な利点は、バイオリアクター容積あたりのより高い収率、増大した柔軟性およびより一定の生成物品質を包含する。これを達成するためには、システムおよびプロセスは、極めて慎重に設定する必要がある。バッチ供給システムとは違って、灌流システムは、廃棄物を蓄積しない。発現されたタンパク質は、迅速に取り出され、および、精製に利用可能とすることができる。これは、不安定の傾向があるタンパク質にとって有意な利点である。培養中の細胞を維持しながら消費された培地を取り除くことは、濾過、例として、交互接線流濾過(ATF)および標準的な接線流濾過(TFF)などの異なる技術を使用して行うことができる。他の方法は、沈降デバイス、遠心分離または音響デバイスの使用を包含する。別の選択肢は、細胞をバイオリアクター中の表面(キャピラリーファイバー、膜、固定された床におけるマイクロ担体など)に結合させることによって、細胞を保持することである。
灌流バイオリアクターの利点および技術は、D. KompalaおよびS. Ozturkによる、「Optimization of High Cell Density Perfusion Bioreactors」、Cell culture technology for pharmaceutical and cell-based therapies、Taylor & Francis Group、2006年、ISBN-10: 0-8247-5334-8、387~416頁において議論される。
好ましい設定についての詳細を提供する灌流培養についての総説は、”Perfusion mammalian cell culture for recombinant protein manufacturing - A critical review”, Jean-Marc Bielser et al., Biotechnology Advances 36 (2018) 1328-1340において見出され得る。死細胞のみをブリーディングの間中ずっとシステムから取り出すことができる、濾過ベースの灌流システムは、”Potential of Cell Retention Techniques for Large-Scale High-Density Perfusion Culture of Suspended Mammalian Cells”, D. Voisard, F. Meuwly, P.-A. Ruffieux, G. Baer, A. Kadouri, Cytotechnology 28: 163-175, 1998において記載されている。いくつかの灌流プロセスにおいて、限外濾過膜は、バイオリアクター中の生成物を保持するために使用される。これらのプロセスはまた、「濃縮供給バッチ」またはCFBと呼ばれる。濃縮流加細胞培養は、追加の容積能力なしで、製造能力を増大させる。この特別な灌流プロセスについての情報は、William C. Yang, Daniel F. Minkler, Rashmi Kshirsagar, Thomas Ryll, Yao-Ming Huang, Journal of Biotechnology 217 (2016) 1-11において見出される。
図1は、技術水準の細胞培養バイオリアクターの概略図を示す。液体細胞培養培地および細胞を包含する細胞培養物(2)を含むバイオリアクター(1)は、攪拌器3によって任意に攪拌される。新しい新鮮な培地は、Q-イン(Pとも呼ばれる)を介して添加され得る。細胞、液体培地および標的生成物を包含する収穫ストリームは、Q収穫線を介して、バイオリアクター(1)を去る。Q収穫は、しばしばHとも呼ばれる。細胞保持デバイス(4)は、細胞フリーまたは細胞低減収穫が回収できるように、例として上に記載の方法によって細胞を保持する。典型的には、灌流培養において、培地は、Q-収穫を介して、絶え間なく供給され、収穫は、Qを介して絶え間なく取り除かれる。一旦、細胞密度が所望される指定地点に達すると、過剰細胞は、定常細胞濃度を維持するために、および、定常状態の操作を達成するために、取り除かれる必要がある。これは、ブリードストリームQ-ブリード(Bとも呼ばれる)を介して行われる。バイオリアクター中の一定の容積を維持するために、典型的には、Q-イン = Q-収穫 + Q-ブリード(またP=H+Bと呼ばれる)であり、これは、Q-インを介してバイオリアクターに新たに添加された細胞培養培地の容積は、Q-収穫およびQ-ブリードを介して取り除かれる容積と等しい必要があることを意味する。改善された灌流細胞培養バイオリアクターは、WO21089661として公開される、未公開のEP 19207666.9において開示される。
フレッシュな培地は、栄養と他の成分との混合物の粉末または顆粒または他の乾燥形式を、水中で溶解することにより生成される。成分の溶解の間に、水様処方物のpHは、他の成分に影響を及ぼすことなく、成分が完全にかつ最適に溶解されることが可能となるように、制御および調整される必要がある。このことは、研究室の技術者または他の資格のあるスタッフにより制御される。溶解は、成分のうちのどれほどの量が溶解しているかについての印象を得るために、水様処方物の濁度を観察することにより制御される。かかる粉末および顆粒の製造者は、それらがどのようにして正確に溶解されるべきであるかを定義する。例えば、欧州およびアジアにおいてはMerck KGaA、ならびに米国およびカナダにおいてはMilliporeSigmaによるEX-CELL(登録商標)Advanced HD Perfusion Medium(Lit. No. DS3980EN00; 2017-04512;04/2017公開)の製品情報において、かかるレシピが提供される。
粉末化された形態における細胞培養培地の技術的液化のための現在の最先端技術は、技術的な混合の指示に従って、スタッフにより純粋に手作業で行われる。これらの混合の指示は、通常、攪拌プロセス、pHの変更、液体および固体成分の添加、ならびに保持時間を含む。細胞培養培地の調製は、細胞培養培地が多成分混合物であり、これが強く異なる化学的および物理的特徴を有し、溶解プロセスを複雑にする成分を含むという点において、一般的な一成分粉末の水中での溶解とは異なる。
培地調製は、バイオマニュファクチャリング設備内での「コアオペレーション」である。多製品で高回転(rapid-turnover)の設備のために、培地の調製および保存が、ボトルネックとなり得る。複雑性は、スケジューリング、ならびに培地を定刻におよび要求された仕様においてプロセスに送達することにおいて存在する。
最先端技術は、スタッフは、フレッシュな培地の調製を制御することができるように、常に手が空いていなければならないという欠点を有する。加えて、水様処方物の濁度および成分が添加される時間は標準化されておらず、したがってバッチごとに異なる場合があるため、調製されるフレッシュな培地のバッチにばらつきがあるリスクが存在する。このことは、フレッシュな培地を用いるバイオリアクター中の細胞培養物の増殖速度の変化をもたらす場合がある。さらに、フレッシュな培地の新たなバッチの調製のために必要とされる時間に起因して、または要求されたスタッフを待つために必要な時間のために、バイオリアクターにおける細胞培養物の生成が妨害される場合がある。最先端技術のさらなる欠点は、人的過誤による、または水様処方物を制御するためもしくは水様処方物に物質を添加するためにフレッシュな培地のためのコンテナを開ける間の、フレッシュな培地の潜在的な混入である。
示されるとおり、バイオプロセスのステップは、現在、典型的には手作業により行われ、これは、混入、オペレーターの過誤および再現性についてのリスクを有する。工業的規模における灌流プロセスのための手作業による培地調製は、現在、製造コストに対して著しい影響を有し得る。オペレーターの過誤に起因する偏差は、製造されるものが灌流のための基底の細胞培養培地であるか、バッチ、流加培養またはフィード溶液であるかに非依存的に、バイオ医薬品の製造に重大な影響を有し得る。
したがって、フレッシュな培地を製造するプロセスをさらに標準化するため、または調製プロセスにおける変動性および混入のリスクを低下させるための方法を見出すことは、有利であろう。本発明のさらなる目的は、より信頼し得るフレッシュな培地調製を可能にし、より再現可能な結果を可能にするデバイスを見出すことである。製造のためのコスト、資金、材料および労働力についての懸念を低下させることに対する必要性は、常に存在する。
本発明の別の目的は、要求される労働力および培地調製における負荷(footprint)を最少化しつつ、正しい培地を、正しい時間に、および正しい仕様において提供することである。
本発明は、したがって、バイオリアクター、保持タンク、および細胞培養のための液体培地を製造するためのデバイスを含む、細胞培養を行うための系に向けられ、それにより、成分を水中で溶解することにより、液体培地が製造され、デバイスは、以下を含む:
水様処方物を保持および混合するための混合容器(10);
水様処方物を混合容器(10)中で混合するための攪拌装置(18);
混合容器(10)中、または混合容器(10)との流体接続中の少なくとも1つのpH計(24);
任意に、しかし好ましくは、水様処方物中の溶解していない成分の存在を検出するための、少なくとも1つの溶解センサー(26);
少なくとも1つの成分の、または成分の少なくとも1つの混合物の、特定の量を、混合容器(10)中に充填するための、混合容器(10)に接続された投与装置(30);好ましくは、成分または成分の混合物は、乾燥粉末または乾燥顆粒化成分である;
水を混合容器(10)中に添加するための水供給(40);
塩基または水様の塩基の特定の量を混合容器(10)に添加するための塩基供給(46);
酸または水様の酸の特定の量を混合容器(10)に添加するための酸供給(42);
混合容器からの水様処方物の流れを発生させるかまたは可能にするための流動発生装置(48);好ましくは、流れは、混合容器から保持タンクへ、またはバイオリアクターへの流れである;
pH計(24)および溶解センサー(26)の測定値が制御系(50)によりアクセス可能となるように、pH計(24)に、および存在する場合は溶解センサー(26)に、接続された制御系(50)、混合容器(10)中に充填されている水の量を制御するために水供給(40)に接続されている制御系(50)、混合容器中に充填されている塩基または水様の塩基の量を制御するために塩基供給(46)に接続されている制御系(50)、混合容器(10)中に充填されている酸または水様の酸の量を制御するために酸供給(42)に接続されている制御系(50)、混合容器(10)中に充填されている少なくとも1つの成分または成分の少なくとも1つの混合物の量を制御するために投与装置(30)に接続されている制御系(50)、それにより、制御系(50)は、pH計(24)、および存在する場合は溶解センサー(26)の、少なくとも1つの測定値に依存して、投与装置(30)、水供給(40)、塩基供給(46)、酸供給(42)、および好ましくは、流動発生装置(48)を制御するようにプログラムされる。
投与装置は、少なくとも1つの成分または成分の少なくとも1つの混合物を混合容器中に正確に投与するために用いられる。それは、少なくともコンテナおよび出口を含む。好ましくは、コンテナは、好ましくは固体の、少なくとも1つの成分または成分の混合物を含む、シングルユースのバッグである。投与装置は、好ましくは、成分の正確な量が測定されて投与装置から混合容器中に充填されることができるように、コンテナの重量を測定するための重量センサーをさらに含む。投与装置は、好ましくは、混合容器の上に位置する。その出口は、直接的に、または固体成分を混合容器に輸送するための管を介して、混合容器に接続される。投与装置は、好ましくは、少なくとも1つの固体成分または成分の混合物の混合容器への流れを可能にし、これを停止させ、ならびに流速を調節するための弁を含む。この弁および重量センサーは、好ましくは、制御系が重量センサーから受信した情報に基づいて弁を制御することができるように、制御系に連結されている。
デバイスはまた、水、塩基、酸および緩衝剤供給に加えて、固体成分の一部として添加することができない液体細胞培養補助剤のような他の液体の供給のための、液体供給を含んでもよい。
成分は、通常は、細胞培養物、特に哺乳動物細胞培養物を増殖させるために必要とされるか、またはこれを補助する、栄養である。それらは、典型的には、固体成分、例えば、粉末、コンパクテート、ペレット、錠剤、顆粒状材料、例えば、湿性の顆粒化材料、および/または濃縮された粉末粒子の形態であり、それにより、粉末、コンパクテート、ペレット、および/または顆粒状材料が好ましい。
少なくとも1つのpH計は、少なくとも1つの一般的なpHプローブであってよい。
製造された液体培地は、水中に溶解した少なくとも1つの成分または成分の少なくとも1つの混合物を含む、水様処方物である。
好ましくは、デバイスは、少なくとも1つの無菌フィルターを含み、それを通して、混合容器からの流れが伝導可能であり、それにより、好ましくは、デバイスは、交換可能な、特に好ましくは、実際に用いられる無菌フィルターのうちの1つを通る流れの量に依存して、または実際に用いられた無菌フィルターを通る流れを維持するために必要とされる混合容器からの溶液の流れの流動抵抗に依存して、自動的に交換可能な、多数の無菌フィルターを含む。
デバイスは、1つ以上の動作パラメーターをリアルタイムで検出するための、1つ以上のセンサーまたはプローブを含んでもよく、動作パラメーターとして、これらに限定されないが、以下が挙げられる:混合容器中への入口ポートの状態、混合容器から出る出口ポートの状態、混合容器からの体積流量を測定するための体積流量センサー、混合容器中の内容物の重量および/または混合容器中に充填されるべき少なくとも1つの成分のもしくは成分の少なくとも1つの混合物の量を測定するための重量センサー、混合容器中の液体のレベルを測定するための液体レベルセンサー、少なくとも1つの温度計、酸素プローブ、乳酸プローブ、アンモニアプローブ、質量分析、ガスクロマトグラフィー、それらの組み合わせなど。重量センサーは、好ましくは、秤(scale)である。
水様処方物は、液体である。水様処方物は、水様溶液または水様分散、または水様溶液と水様分散との混合物であってよい。
デバイスは、混合容器からの水様処方物の流れを制御するための流動制御器を含んでもよく、それにより、制御系は、混合容器からの溶液の流れを制御するために、流動制御器に接続されている。
少なくとも1つの溶解センサーは、好ましくは、水様処方物中の溶解していない成分の濃度を測定するための溶解センサーであってよい。
好ましくは、水供給は、水の特定の量を混合容器中に添加するための水供給である。これにより、水様処方物の水含有量を調節し、したがって、水様溶液の濃度を調節することが、より容易となる。
デバイスは、それを通して混合容器からの流れが伝導可能である少なくとも1つの無菌フィルターを含み、それにより、好ましくは、デバイスは、多数の無菌フィルターを含み、これらは、交換可能であり、特に好ましくは、実際に用いられる無菌フィルターのうちの1つを通る流れの量に依存して、または実際に用いられた無菌フィルターを通る流れを維持するために必要とされる混合容器からの溶液の流れの流動抵抗に依存して、自動的に交換可能であることが提供され得る。
少なくとも1つの無菌フィルターにより、製造された液体培地としての水様処方物が、細胞培養物の再生産のために好適であることが保証され得る。さらに、これにより、製造された培地に、所望される細胞培養物の増殖を妨害する細菌が混入することが予防される。
また、デバイスは、水様処方物の電気伝導度を測定するための少なくとも1つのセンサーを含み、それにより、水様処方物の電気伝導度を測定するための少なくとも1つのセンサーは、混合容器からの流れを伝導するために、混合容器においておよび/またはパイプにおいて位置し、それにより、水様処方物の電気伝導度を測定するための少なくとも1つのセンサーの測定値が制御系によりアクセス可能となるように、かつ制御系が水様処方物の電気伝導度を測定するための少なくとも1つのセンサーの測定値に依存して少なくとも流動発生装置を制御するように設計されるように、制御系が、水様処方物の電気伝導度を測定するための少なくとも1つのセンサーに接続されていることが提供され得る。
電気伝導度は、水様処方物中に溶解しているイオンの濃度の指標であり、また、電気伝導度を測定するための少なくとも1つのセンサーの一における水様処方物の存在の指標である。したがって、電気伝導度を測定するための少なくとも1つのセンサーは、両方の目的のために用いることができる。
パイプは、可撓性の壁を有するホースであってよい。実際に、パイプが可撓性のホースであることが好ましい。
デバイスは、水様処方物のモル浸透圧濃度を測定するためのセンサーを含み、それにより、水様処方物のモル浸透圧濃度を測定するためのセンサーが、混合容器からの流れを伝導するために、混合容器においておよび/またはパイプにおいて位置し、それにより、水様処方物のモル浸透圧濃度を測定するためのセンサーの測定値が制御系によりアクセス可能となるように、かつ制御系が水様処方物のモル浸透圧濃度を測定するためのセンサーの測定値に依存して少なくとも流動発生装置を制御するように設計されるように、制御系が、水様処方物のモル浸透圧濃度を測定するためのセンサーに接続されていることが提供され得る。
モル浸透圧濃度は、水様処方物中に溶解しているイオンの濃度の指標であり、また、電気伝導度を測定するための少なくとも1つのセンサーの位置において水様処方物が存在することの指標である。
流動発生装置は、処方物を混合容器から吸い出して、それにより混合容器からの処方物の流れを発生させるためのポンピングデバイスであるか、またはこれを含み、ならびに/あるいは、流動発生装置は、混合容器からの処方物の流れを制御するための制御可能な弁であるか、またはこれを含み、それにより、好ましくは、処方物の流れは、重力および/またはポンピングデバイスにより駆動されることが提供され得る。
これにより、液体培地の流れ(容積流れ)は、粉末を吸い出すことを制御することにより、または制御可能な弁のフリーの断面を制御することにより、制御することができる。少なくとも、ポンプは、スイッチをオンおよびオフすることができ、制御可能な弁は、開閉することができる。
少なくとも1つの成分または成分の少なくとも1つの混合物は、粉末、コンパクテート、ペレット、錠剤、顆粒状材料および/または濃縮粉末粒子として提供することができ、それにより、粉末、コンパクテート、ペレットおよび/または顆粒状材料が好ましい。
コンパクテートとは、乾燥粉末細胞培養培地の顆粒化された形態である。
これにより、少なくとも1つの成分または成分の少なくとも1つの混合物の量を用量決定することが容易に可能となり、それにより混合容器中の水様処方物中のこれらの濃度を用量決定することが容易に可能となる。
デバイスは、さらに、時限素子を含み、それにより、制御系は、時限素子にアクセスを有し、制御系は、時限素子から取得される時間の情報に依存して、投与装置、攪拌装置、水供給、塩基供給、酸供給および流動発生装置のうちのの少なくとも1つを制御するようにプログラムされることが提供され得る。
時限素子により、少なくとも1つの成分または成分の少なくとも1つの混合物が、水中で徹底的に混合および溶解されることを保証することが可能である。例えば、混合は、pHが特定の値に達するまで、および/または少なくとも1つの溶解センサーが、所望される溶解のレベル(すなわち、所望される低量の水様処方物中の溶解していない成分)を測定するまで行われ、その後、または独立して、時限素子を用いて制御系により制御される一定期間の混合が行われてもよいことが、提供され得る。
制御系は、pH計の少なくとも1つおよび溶解センサーの測定値に依存して、好ましくは、存在する場合には、水様処方物の電気伝導度を測定するための少なくとも1つのセンサーの測定値、水様処方物のモル浸透圧濃度を測定するためのセンサーの測定値および/または時限素子により提供される時間の情報に依存して、攪拌装置を制御するようにプログラムされることが、提供され得る。
これにより、液体培地を高い品質において製造するために、徹底的な混合であるが、必要より長い時間を要しない混合を行うことができることを保証することができる。
制御系は、少なくとも2つの異なる細胞培養物の培養、または同じ細胞培養プロセスの異なるプロセス相のために、少なくとも2つの異なる型の液体培地を製造するようにプログラムされることが、提供され得る。
例えば、細胞増殖および同じ細胞培養を用いるタンパク質生成の間に用いられる培地は、異なる場合がある。
このことにより、本発明によるデバイスを用いて、1つより多くの型の液体培地を製造することができる。
デバイスは、制御系に接続されている少なくとも1つのインターフェイスを含み、それにより、少なくとも1つのインターフェイスを介する制御系に対するシグナルまたは要求を介して、液体培地の新たなバッチの混合の開始を誘発可能であり、それにより、好ましくは、制御系に対する少なくとも1つのインターフェイスを介して、要求された液体培地容積または量、液体培地の組成物、および液体培地の型のうちの少なくとも1つが誘発可能であることが提供され得る。
これにより、バイオリアクターへの液体培地の十分な供給を保証するために、液体培地の調製は、バイオリアクターにより自動的に誘発されてもよい。
自動的にとは、デバイスまたは系が、例えば、直接的な人的制御なしで、特定のプロセスステップを行うことを意味し、これは、このプロセスステップを開始している人間がいないことを意味する。無論、いずれかの時点において、人間が系またはデバイスを開始しており、したがって、系またはデバイスのさらなる自動実行を可能にしているのであるが、プロセスステップは、その後、特定のプロセスステップを開始させる制御系により自動的に誘発されて、例えば、例えばシグナル受信ユニットから受信されたシグナルにより、または1つ以上のセンサーからの測定値により誘発されて、行われる。
デバイスは、いずれも制御系に接続されているヒーターおよび温度センサーをさらに含むことが提供され得、それにより、制御系は、温度センサーにより与えられる値に依存して、ヒーターを制御するようにプログラムされ、それにより、好ましくは、制御系は、温度センサーにより測定される温度に依存して、投与装置、水供給、塩基供給、酸供給、攪拌装置および流動発生装置のうちの少なくとも1つを制御するようにプログラムされる。
ヒーターおよび温度センサーにより温度を制御することにより、水または水様処方物中の少なくとも1つの成分の、または成分の少なくとも1つの混合物の溶解プロセスを、さらに最適化することが可能となる。それにより、徹底的かつ時間的に効率的な溶解を得ることができる。
デバイスは、混合容器において、および/または混合容器との流体接続において、少なくとも2つのpH計を含むことが、提供され得る。
これにより、pHを、連続的に、かつより高い正確性をもって、測定することができる。pH計のうちの1つの第1のものをリンスすることによりリセットしつつ、少なくとも1つの他の第2のpH計を用いてpHの測定を持続することができる。加えて、1つより多くのpH計の測定値を用いることにより、pHの平均値を得ることができる。
デバイスは、好ましくは無菌フィルターの後ろに、混合容器からの流れの一部を引き出すことを可能にする出口を含むことが、提供され得る。
かかる出口により、液体培地の試料を、品質管理のために取っておくことができる。出口は、採取点(tapping point)であってよい。
デバイスの内部部品は、混合容器からの液体培地の容積流れの流出を除いて、デバイスの周囲に対して機能的に閉じている、好ましくは、混合容器からの液体培地の容積流れの流出を除いて、デバイスの周囲に対して密閉して閉じていることが、提供され得る。
病原菌ならびに気体および液体の入口および出口による液体培地の汚染および/または混入は、デバイスを外側から機能的に閉鎖して、したがってデバイスを外側から単離することにより、防止することができる。
デバイスは、混合容器内部の水様処方物のレベル表示についてのセンサーを含み、それにより、レベル表示についてのセンサーの測定値が制御系によりアクセス可能となり、制御系がレベル表示についてのセンサーの測定値に依存して少なくとも流動発生装置を制御するように設計されるように、好ましくは制御系がレベル表示についてのセンサーの測定値に依存して投与装置、水供給、塩基供給および酸供給のうちの少なくとも1つを制御するように設計されるように、制御系が、レベル表示についてのセンサーに接続されていることが提供され得る。
レベル表示についてのセンサーは、添加される水、塩基、酸および成分の量についての決定を可能にする混合容器中の水様処方物のレベルについての情報を考慮することにより、液体培地を製造および提供するプロセスをより良好に制御するために用いることができる。
デバイスの水様処方物と接触することになる全てのパイプおよびコンテナは、シングルユースの部品であるか、および/またはシングルユースの部品により被覆され、好ましくは、水様処方物、水、塩基または水様の塩基、酸または水様の酸と接触することになるデバイスの全ての部品(適用可能な場合には、少なくとも1つの無菌フィルターを除く)は、シングルユースの部品であり、特に好ましくはまた、投与装置を含む、またはこれを含まない、成分と接触することになる全ての部品は、シングルユースの部品であることが、提供され得る。
これにより、製造された液体培地により早く製造された液体培地が混入したり、製造された液体培地がより早く製造された液体培地により損なわれたりする恐れを伴うことなく、デバイスを用いて1つより多くの型の液体培地を製造することができることが、保証され得る。
全てのシングルユースの部品は、プラスチック製であるか、および/またはプラスチックにより被覆され、それにより、好ましくは、混合容器の壁、ならびに液体を伝達する全てのパイプおよび管は、プラスチック製であるか、および/またはプラスチックにより被覆されることが、提供され得る。
これにより、シングルユースの部品を、高いコストなしで容易に交換することができ、用いられ、混入を生じたシングルユースの部品を、焼却により衛生的に廃棄することができる。
シングルユースの部品は、ポリエチレンのようなプラスチック材料製、特に、HDPE(高密度ポリエチレン)またはLDPE(低密度ポリエチレン)またはLLDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)製であってよい。シングルユースの部品は、バッグ、パイプ、ホースおよび/またはホイルであってよい。シングルユースの部品は、糊付けおよび/または溶接により接続されていてよい。かかるシングルユースの部品は、米国およびカナダにおいてはMilliporeSigmaから、欧州およびアジアにおいてはMerck KGaAから、Mobius(登録商標)バッグとして市販されている。
水供給、塩基供給および酸供給は、各々ポンプおよびタンクを含み、それにより、各々のポンプは別々に制御系により制御され、それにより、好ましくはポンプは蠕動ポンプであることが、提供され得る。
これにより、水、塩基および酸の供給を容易に制御することができ、これらの物質の予め決定された量のインプットを容易に制御することができる。
水様処方物、水、塩基、水様の塩基、酸または水様の酸のうちのいずれかと接触することになるデバイスの全ての弁は、ピンチ弁であることが、提供され得る。
これにより、その中を水様処方物、水、塩基、水様の塩基、酸または水様の酸が伝達される管またはホースは、ピンチ弁においてまた、完全に変更することができる。このことは、新たな型の液体培地への、衛生的かつ混入フリーの変更を可能にする。
混合容器は、プラスチック、ガラスまたはステンレススチール製であることが、提供され得る。それは、タンク、フラスコ、容器またはバッグであってもよい。好ましくは、それは、5リットル以上かつ1000リットル以下の容積を有し、より好ましくは、混合容器は、50リットル以上かつ200リットル以下の容積を有する。
これらの容積は、バイオリアクターのための液体培地バッチを製造するために十分である。
溶解していない成分の濃度を測定するための1つ以上の溶解センサーのうちの少なくとも1つは、混合容器に接続されたパイプにおいて、好ましくは、混合容器に接続されたループにおいて位置することが、提供され得る。
この配置により、より高い正確性およびより良好な再現性をもって、溶解の値を測定することができる。
攪拌装置は、混合翼に対して垂直な軸の周囲を回転可能である混合翼を含み、好ましくは、混合翼に接続されたモーター駆動式のシャフトをさらに含み、それにより、特に好ましくは、シャフトに接続されたモーター、および混合翼に接続されたシャフトを駆動することは、制御系により制御されることが提供され得る。
これにより、混合プロセスを、容易に制御することができ、水様処方物の徹底的な混合を、容易に得ることができる。
一態様において、デバイスは、細胞培養物の増殖のための液体培地を、水溶性成分を水中で溶解することにより連続的にまたは半連続的に製造するためのデバイスである。
デバイスは、混合容器中の水様処方物の容積を測定するための容積センサーおよび/または液体レベルセンサーを含み、それにより、制御系は、混合容器中の水様処方物の量を制御するために、容積センサーおよび/または液体レベルセンサーに接続されており、ならびに、容積センサーおよび/または液体レベルセンサーの測定値に依存して、水および/または少なくとも1つの成分または成分の少なくとも1つの混合物を混合容器中に充填するようにプログラムされていることが、提供され得る。
これらのセンサーの使用により、成分の溶解、および混合容器中の水様処方物の混合を、制御および最適化することができる。
デバイスは、混合容器中の内容物の重量、および/または投与装置により混合容器中に充填されるべき少なくとも1つの成分の、もしくは成分の少なくとも1つの混合物の量を測定するための、少なくとも1つの重量センサーを含み、それにより、制御系が、混合容器中の水様処方物の量を制御するために、少なくとも1つの重量センサーに連結されており、ならびに、少なくとも1つの重量センサーの測定値に依存して、水および/または少なくとも1つの成分または成分の少なくとも1つの混合物を混合容器中に充填するようにプログラムされており、ならびに/あるいは、制御系が、投与装置により混合容器中に充填されるべき、少なくとも1つの成分の、もしくは成分の少なくとも1つの混合物の重量を制御するために、少なくとも1つの重量センサーに連結されており、少なくとも1つの重量センサーにより測定された重量に依存して、水および/または少なくとも1つの成分もしくは成分の少なくとも1つの混合物の追加分を混合容器中に充填するようにプログラムされていることが、提供され得る。
少なくとも1つの重量センサーの少なくとも1つは、投与装置により混合容器中に充填されるべき、少なくとも1つの成分のうちの、または成分の少なくとも1つの混合物のいずれか1つの重量を測定するために、投与装置の一部であってもよい。
好ましい態様において、デバイスは、2つの重量センサーを含む。一方の重量センサーは、混合容器の内容物の重量を測定し、他方の重量センサーは、投与装置を介して混合容器に添加されるべき少なくとも1つの成分の重量を測定する。これら2つの重量センサーは、異なる動作範囲を有していてもよい。なぜならば、混合容器の内容物の重量は、典型的には、200~2000kgの範囲であり、少なくとも1つの成分の重量は、典型的には、5~100kgであるためである。
これにより、水様処方物中の少なくとも1つの成分の、または成分の少なくとも1つの混合物の濃度を、正確に調整することができる。
溶解していない成分の濃度を測定するための少なくとも1つの溶解センサーは、少なくとも1つの濁度センサー、および/または少なくとも1つの不透明度計、および/または少なくとも1つの散乱光センサーまたは類似のセンサーであることが、提供され得る。
これらのセンサーは、市販されており、水様処方物中の溶解していない成分の量を測定するために好適である。例えば、少なくとも1つの濁度センサーとして、optek-Danulate GmbH(Essen、ドイツ)製の少なくとも1つのAS56-N濁度プローブを用いることができる。インライン濁度プローブもまた、Pyxis(モデルST-730、ST-730B、ST-730SS、ST-731およびSZ-735)から入手可能であり、これらを、少なくとも1つの濁度センサーとして用いてもよい。
一態様において、デバイスは、特定の量の1つ以上の緩衝剤溶液を混合容器に添加するための緩衝剤溶液供給をさらに含み、それにより、制御系は、混合容器中に充填されている1つ以上の緩衝剤溶液の量を制御するために緩衝剤溶液供給に接続されており、それにより、好ましくは、制御系は、pH計の少なくとも1つおよび溶解センサーの測定値に依存して、緩衝剤溶液供給を制御するようにプログラムされる。
これにより、水様処方物の緩衝化を達成することができる。例えば、リンガー溶液を、緩衝剤溶液として用いることができる。重炭酸(bicarb)とグッド緩衝液(HEPES、MOPSなど)との組み合わせを、緩衝剤溶液として用いることができる。しかし、好適な緩衝剤溶液はまた、リンガー溶液の全ての構成要素を含んでもよい。
緩衝剤タンクは、デバイスによりフィードされる、混合容器とバイオリアクターとの間の液体ラインにおいて配置することができる。
デバイスは、水様処方物の自動ろ過機能性を可能にすることが、提供され得る。
pH計は、市販されている。例えば、applikon(登録商標)BIOTECHNOLOGY製のAppliSens pH+センサーをpH計として用いることができ、またはHanna Instruments PP pH分析電極を、pH計として用いることができる。
本発明による細胞培養のための液体培地を製造するためのデバイスはまた、細胞を培養するため、および任意に、それを用いて物質、例えばバイオ医薬品を製造するため用いられる、細胞培養を行うための系の一部であってもよい。本発明は、したがって、細胞培養を行うためおよび/または細胞培養により製造される物質を製造するための系に向けられ、当該系は、細胞培養のための液体培地を製造するためのデバイスおよびバイオリアクター、特に灌流リアクターを含み、それにより、流動発生装置により発生させられるかまたは可能となった混合容器からの水様処方物の流れが、直接的に、または保持タンクを介して間接的に、バイオリアクター中に流れ、それにより、制御系は、バイオリアクターからのシグナルを受信することができるシグナル受信ユニットに接続されており、制御系は、シグナル受信ユニットを介してバイオリアクターから受信したシグナルに応答して、水様処方物の流れを制御するようにプログラムされ、それにより、好ましくは、少なくとも1つの無菌フィルターは、混合容器から液体培地の流れをバイオリアクターへ伝達するためのパイプラインにおいて配置される。細胞培養のための液体培地を製造するためのデバイスは、したがって、少なくとも混合容器とバイオリアクターとの間のパイプラインまたは管を介してバイオリアクターと接続されており、当該パイプラインまたは管は、少なくとも1つの無菌フィルターを含み、保持タンクにより断続されている場合もある。
それにより、デバイスは、直接的に細胞培養を行うために、および/または要求に応じてこれらの細胞培養により製造される物質を製造するために、液体培地を活用することができる。バイオリアクターは、シグナルをシグナル受信ユニットに送信することができるシグナル送信ユニットを含んでもよい。好ましくは、バイオリアクターのコントローラーは、水様処方物の量が特定の値より下に低下した場合、または一般的には、バイオリアクター中の細胞培養を維持するためにフレッシュな水様処方物が必要とされる場合に、シグナル送信ユニットを介してシグナルを送信するようにプログラムされる。バイオリアクターにおいてフレッシュな水様処方物が必要とされる場合を定義するために、バイオリアクター中のフレッシュな水様処方物の残りの容積、水様処方物の消費の速度、細胞培養物の製造の進行、およびこれらの組み合わせなどの、いくつかの異なる基準を用いることができる。
特に、バイオ医薬品製造において細胞培養プロセスが用いられる場合、プロセスは、確実に、かつ有利に実行されなければならない。加えて、いくつかの製品は、製品の安定性に起因して、またはプロセスの経済的理由のために、連続的または半連続的な運転を要求する。本発明の系およびプロセスは、それぞれの細胞培養のために必要とされる量、組成、および質における、自動化された培地の再構成およびフレッシュな培地の供給を提供する。制御系を、バイオリアクター、保持タンクおよび細胞培養のための液体培地を製造するためのデバイスに連結することにより、制御系は、バイオリアクターおよび/または保持タンクにおける水様処方物の量が特定の値より下に低下したか否か、または一般にフレッシュな水様処方物が必要とされるか否かを示すシグナルを受信することができる。制御系は、調製の特定のタイミング、および/または混合容器中の水様処方物の調節された調製の容積、および/または保持タンク中への流れ、および/または細胞培養のための液体培地を製造するためのデバイス中の新たな水様処方物の製造により、バイオリアクターおよび/または保持タンクからのそれぞれのシグナルが自動的に引き起こされるようにプログラムされ、そのため、細胞培養プロセスの間の任意の時間において、十分な水様処方物が利用可能となる。系は、自動的に実行され、制御系のプログラミング、および細胞培養のための液体培地を製造するためのデバイスのために十分な試薬を提供することを別として、一旦開始した系は、人的な相互作用なしで、12時間より長く、好ましくは24時間より長く、実行されることができる。
好ましくは、細胞培養のための液体培地を製造するためのデバイス、保持タンクおよびバイオリアクターは、混合容器から保持タンクへ、および保持タンクからバイオリアクターへの水様処方物の流れが開始され得るように、管またはパイプラインを介して接続される。典型的には、制御系は、流れを可能にし、流れを停止させるために、それぞれのポンプおよび/または弁の動作を開始することができる。好ましくは、制御系は、バイオリアクターおよび保持タンクにおいて、シグナル送信ユニットに連結される。かかるシグナル送信ユニットは、バイオリアクターおよび/または保持タンクの充填の高さのレベル表示についてのセンサーであってよい。シグナル送信ユニットはまた、かかるセンサーにカップリングされていてもよい。それらはまた、容積センサー、伝導度センサー、濁度センサー、流れセンサー、水様処方物の特定の成分の濃度についてのセンサー、pHセンサー、重量センサー、圧力センサーなどのような、フレッシュな培地についての要求を測定または検出するために好適な他の型のセンサーであるか、または他の型のセンサーに連結されていてもよい。バイオリアクターにおける、および保持タンクにおける、シグナル送信ユニットおよびセンサーは、同一であっても異なっていてもよい。典型的には、系は、センサーが特定の閾値の下または上である値を測定した場合に、シグナル送信ユニットがシグナルを制御系に、より正確には、制御系のシグナル受信ユニットに送信し、制御系が自動的に動作を開始するようにプログラムされる。かかる動作は、保持タンクからバイオリアクターへの水様処方物の流れであってよい。それはまた、混合容器から保持タンクへの水様処方物の流れであってもよい。それはまた、細胞培養のための液体培地を製造するためのデバイスにおける新たな水様処方物の製造の開始であってもよい。好ましくは、バイオリアクターは、灌流バイオリアクターである。好ましくは、保持タンクは、500~2000Lの容積を有する。好ましくは、混合容器から保持タンクへ、および保持タンクからバイオリアクターへの液体の流れは、蠕動ポンプおよび/またはピンチ弁により制御される。
本発明の系は、その部品、例えば、液体培地を製造するためのデバイスなどが、また、バイオリアクター、保持タンクおよび/または制御系が系に対して培地要求をシグナル伝達するまで、一時的にアイドル状態であってもよいように、プログラムされる。デバイスは、その後、系により、より正確には制御系により、アイドル状態から製造状態に移行して、要求に応じて要求された量の細胞培養培地を調製するように、誘導されるであろう。人的な相互作用は、典型的には、要求されない。系は、培地を製造してこれをバイオリアクターに提供するために要求される全てのステップを自動的に行うようにプログラムされる。
本発明により解決される課題はまた、細胞培養を行うためのプロセスにより解決される。
プロセスは、好ましくは、連続的または半連続的な様式において作動する。プロセスは、バイオリアクター中で細胞を培養することを含む。例えば、灌流細胞培養において、フレッシュな細胞培養培地は、連続的にまたは半連続的に、バイオリアクターに添加される。このことはまた、フレッシュな培養培地の連続的なアベイラビリティを要求する。本発明により、このことは、細胞培養を行うための系の一部である細胞培養のための液体培地を製造するためのデバイスにおいて、フレッシュな培地を連続的にまたは半連続的に製造することにより行われる。典型的には、製造は、半連続的に行われ、そのため、細胞培養プロセスの間の任意の時間において、保持タンクにおいてフレッシュな培地が利用可能であり、したがって、フレッシュな培地を連続的にまたは半連続的にバイオリアクターに提供することができる。
フレッシュな培地は、無菌ろ過され、細胞培養においてすぐ使用することができる、液体細胞培養培地である。
このプロセスは、細胞培養のための液体培地を製造するためのプロセスを含み、当該プロセスは、混合容器を保持および混合するための混合容器、混合容器におけるまたは混合容器との流体接続における少なくとも1つのpH計、ならびに任意に少なくとも1つの水様処方物中の溶解していない成分の存在を検出するための溶解センサー、少なくとも1つの成分の、または成分の少なくとも1つの混合物の、特定の量を、混合容器中に充填するための、混合容器に接続された投与装置、ならびに、pH計および溶解センサーに接続された制御系を含む、デバイスを用いる。
細胞培養のための液体培地を半連続的に製造するためのプロセスは、以下の方法ステップを含む:
A)水、および少なくとも1つの成分の少なくとも1つ、または成分の少なくとも1つの混合物の少なくとも1つの特定の量を、混合容器中に充填し、それらをその中で混合して水様処方物にすること;
B)制御系により、1回または繰り返して、少なくとも1つのpH計により、混合容器中の水様処方物のpHを測定すること、および少なくとも1つの溶解センサーによりその溶解していない成分の存在を検出すること;
C)制御系により、少なくとも1回、測定されたpH値および/または溶解していない成分の存在に依存して、水、塩基、水様の塩基、酸、水様の酸または1つ以上の緩衝剤溶液の特定の量を、混合容器中に、自動的に充填すること;
D)要求された少なくとも1つの成分または成分の少なくとも1つの混合物の全てが、混合容器中に充填され、最終的な水様処方物へと混合された後、制御系が、溶解していない成分の測定された濃度に依存して、最終的な水様処方物中の少なくとも1つの成分または成分の少なくとも1つの混合物が溶解したことを決定した後で、制御系により制御される混合容器からの最終的な水様処方物の容積流れを提供すること。
本発明によるデバイスを用いてプロセスが行われることが、提供され得る。プロセスは、デバイスの利点を共有する。
プロセスは、以下の方法ステップをさらに含むことが、提供され得る:
C2)方法ステップD)の前に、測定されたpH値、および/または溶解していない成分の測定された濃度に依存して、少なくとも1つの成分の少なくとも1つの追加分、または成分の少なくとも1つの混合物の少なくとも1つの追加分の特定の量を、制御系により制御される混合容器中に自動的に充填すること。
これにより、水様処方物に、様々な成分を、様々な時間において、様々な物理的特性(例えばpH値、温度など)を有する水様処方物中に添加することができる。このことは、成分を、それらに負の影響を及ぼすことなく溶解するために、役立ち得る。
水、塩基、水様の塩基、1つ以上の緩衝剤溶液、酸または水様の酸が、ポンプおよび/または弁により、制御系により制御される混合容器中に充填されることが、提供され得る。
それにより、制御系により、自動的溶解プロセスを制御することができる。
デバイスは、水様処方物の電気伝導度を測定するための少なくとも1つのセンサーを含み、それにより、
ステップB)において、制御系は、水様処方物の電気伝導度を制御し、ステップC)において、電気伝導度の測定値に依存して、水、塩基、水様の塩基、酸または水様の酸の特定の量が、混合容器中に充填され、
ステップD)において、制御系は、測定された電気伝導度に依存して、少なくとも1つの成分または成分の少なくとも1つの混合物が水様処方物中で溶解したか否かを決定する
ことが、提供され得る。
これにより、液体培地を高い質において製造するために、徹底的な混合であるが必要以上の時間を要しない混合が行われることを保証することができる。
ステップC2)において、少なくとも1つの成分の少なくとも1つの追加分の、または成分の少なくとも1つの混合物の少なくとも1つの追加分の特定の量が混合容器中に自動的に充填される時点は、電気伝導度の測定値において決定され、制御系により制御されることを、規定することができる。
デバイスは、水様処方物のモル浸透圧濃度を測定するためのセンサーを含み、それにより、
ステップB)において、制御系は、水様処方物のモル浸透圧濃度を制御し、ステップC)において、モル浸透圧濃度の測定値に依存して、水、塩基、水様の塩基、酸または水様の酸の特定の量が、混合容器中に充填され、および/または
ステップD)において、制御系は、測定されたモル浸透圧濃度に依存して、少なくとも1つの成分または成分の少なくとも1つの混合物が水様処方物中で溶解したか否かを決定する
ことが、提供され得る。
これにより、液体培地を高い質において製造するために、徹底的な混合であるが必要以上の時間を要しない混合が行われることを保証することができる。
ステップC2)において、少なくとも1つの成分の少なくとも1つの追加分の、または成分の少なくとも1つの混合物の少なくとも1つの追加分の特定の量が混合容器中に自動的に充填される時点は、モル浸透圧濃度の測定値において決定され、制御系により制御されることを、規定することができる。
デバイスは、混合容器中の液体の容積を測定するための容積センサーおよび/または液体レベルセンサーを含み、それにより、
ステップB)において、制御系は、水様処方物の容積および/または液体レベルを制御し、ステップA)において、混合容器中に充填される水および少なくとも1つの成分の少なくとも1つまたは成分の少なくとも1つの混合物の少なくとも1つの特定の量は、容積および/または液体レベルの測定値に依存して制御され、および/または
ステップB)において、制御系は、水様処方物の容積および/または液体レベルを制御し、ステップC)において、容積および/または液体レベルの測定値に依存して、水、塩基、水様の塩基、酸または水様の酸の特定の量が、混合容器中に充填される
ことが、提供され得る。
これらのセンサーの使用により、混合容器中の水様処方物の溶解および混合を、制御し、最適化することができる。
デバイスは、混合容器中の内容物の重量を測定するための重量センサーを含み、それにより、
ステップB)において、制御系は、混合容器中の内容物の水様処方物の重量を制御し、および/または
ステップC)において、混合容器中に充填される水、塩基、水様の塩基、酸または水様の酸の特定の量は、混合容器中の内容物の測定された重量の測定値に依存して制御される
ことが、提供され得る。
これにより、水様処方物中の少なくとも1つの成分の、または成分の少なくとも1つの混合物の濃度を、正確に調整することができる。
デバイスは、投与装置により混合容器中に充填されるべき少なくとも1つの成分の、または成分の少なくとも1つの混合物の量を測定するための重量センサーを含み、それにより、
ステップA)において、混合容器中に充填される水および少なくとも1つの成分の少なくとも1つまたは成分の少なくとも1つの混合物の少なくとも1つの特定の量は、投与装置により混合容器中に充填されるべき少なくとも1つの成分の、または成分の少なくとも1つの混合物の、測定された量の測定値に依存して制御される
ことが、提供され得る。
これにより、水様処方物中の少なくとも1つの成分の、または成分の少なくとも1つの混合物の濃度を、正確に調整することができる。
混合容器からの容積流れは、少なくとも1つの無菌フィルターを通して伝達され、それにより、好ましくは、少なくとも1つの無菌フィルターを通過する容積流れは、制御系により制御され、制御系は、測定された容積流れが予め定義された値よりも下に低下する場合、自動的に少なくとも1つの無菌フィルターを変更または浄化するか、または少なくとも1つの無菌フィルターを変更または浄化するようにシグナルを示すことが、提供され得る。
少なくとも1つの無菌フィルターにより、製造された液体培地としての水様処方物は、哺乳動物細胞培養物の再生産のために好適であることを保証することができる。さらに、これにより、製造された培地に、所望される細胞培養物の増殖を妨害する細菌が混入することが防止される。
プロセスは、インターフェイスを介して受信されるフレッシュな培地についてのシグナルまたは要求を受信した後、制御系により開始され、それにより、好ましくは、シグナルまたは要求は、混合容器からの水様処方物の容積流れを受けとるバイオリアクターにより送信されることが、提供され得る。
これにより、液体培地の調製を、バイオリアクターによる要求に応じて自動的に引き起こし、バイオリアクターへの液体培地の十分な供給を保証することができる。
水様処方物と接触するパイプ、バッグ、包装および外装材のようなシングルユースの部品は、新たな型の液体培地の製造のための新たなプロセスが開始される前に、取り除かれて、新たなシングルユースの部品で交換されることが、提供され得る。
これにより、製造された液体培地により早い液体培地の混入が生じたり、製造された液体培地がより早い液体培地により損なわれたりする恐れを伴うことなく、デバイスを用いて、1つより多くの型の液体培地を製造することができることを保証することができる。
細胞培養を行うためのプロセスは、好ましくは、以下の方法ステップを含む:
- バイオリアクター、保持タンクおよび細胞培養のための液体培地を製造するためのデバイスを含む、細胞培養を行うための系を提供すること、
- バイオリアクターにおいて細胞培養を行うこと、
- 無菌ろ過された本発明による細胞培養のための液体培地を自動的に製造するために、細胞培養の間、連続的に、または1回もしくは数回、上記のとおり、デバイスを用いて、細胞培養のための液体培地を製造するためのプロセスを行うこと、
- 細胞培養の間、連続的に、または1回もしくは数回、デバイスの混合容器から保持タンクへ、および/または保持タンクからバイオリアクターへ、水様処方物(これは典型的には細胞培養のための液体培地を製造するためのデバイスにおいて製造される細胞培養のための液体培地である)を流動させること。
好ましい態様において、プロセスは、細胞培養を行うための系の制御系が、バイオリアクターにおける、および/または保持タンクにおける、シグナル送信ユニットからのシグナルを受信することを含み、それにより、かかるシグナルは、制御ユニットが、細胞培養のための液体培地を製造するためのプロセスを行うこと、ならびに/あるいは、混合容器から保持タンクへ、および/または保持タンクからバイオリアクターへの水様処方物の流れを開始することを引き起こす。
プロセスは、細胞培養物の灌流のためのプロセスであり、これは、フレッシュな液体培地の入口および生産物の出口を有するバイオリアクター中で細胞を培養することをさらに含み、これは、以下の方法ステップ:
i.細胞培養プロセスの間、連続的にまたは1回もしくは数回、デバイスからのフレッシュな液体培地が、灌流入口を介してバイオリアクター中に挿入される;および
ii.細胞培養プロセスの間、連続的にまたは1回もしくは数回、生産物が、生産物出口を介してバイオリアクターから取り除かれる
を含むことが、提供され得る。
細胞培養物の灌流のためのプロセスは、液体培地を製造するためのプロセスを、本発明による細胞培養物の灌流のために活用することにより、着実に、かつ一定に、実行され続けられ得る。
プロセスステップiおよびiiは、バイオリアクター中の細胞培養物の容積が、一定のレベルに保たれるように制御されることが、提供され得る。
これにより、プロセスは、安定に実行される。
バイオリアクター中の液体レベルを測定するためのセンサーは、液体培地のレベルが予め定義された値より下に低下する場合、または生産物がバイオリアクターから取り除かれる場合、フレッシュな液体培地についてのシグナルまたは要求を制御系に対して自動的に送信し、それにより、制御系は、シグナルまたは要求を受信することにより、フレッシュな液体培地の調製を開始することが、提供され得る。
これにより、細胞培養を製造するために十分な液体培地がバイオリアクター中に常に存在することを保証することができる。
本発明は、フレッシュな培地を製造するプロセスは、pH値を測定する少なくとも1つのpH計に対する、および水様処方物中の溶解していない成分の存在を検出するための少なくとも1つの溶解センサーに対するアクセスを有する制御系により自動化することができ、一方で、制御系は、調製プロセスの間に測定値に基づいて物質および/または成分を水様処方物中に添加するようにプログラムされ、かつ、バイオリアクターをフィードするために用いることができる水様処方物の流れを提供するようにさらにプログラムされるという、驚くべき知見に基づく。さらに、本発明によるデバイスおよびプロセスは、水様処方物または水様溶液の形態におけるフレッシュな液体培地の調製を時間内に可能にすることにより、細胞培養の連続的製造を保持することを可能にする。デバイスおよびプロセスは、高品質かつ再現可能な品質および高い純度における、水様処方物の調製を可能にする。
本発明は、乾燥粉末培地またはそのコンパクテートからの、または顆粒および水からの、哺乳動物細胞の培養のための無菌ろ過された液体培地(細胞培養培地)の自動化された調製を可能にする。最先端の技術による混入、オペレーター過誤、およびプロセスの再現性についてのリスクは、本発明による機械の形態におけるデバイスにより克服され、これは、自動化により、水、他の液体、粉末、顆粒、コンパクテート、または他の乾燥形式の成分、および/または緩衝剤溶液を投与し、培地形成の後でpHセットポイントのレシピおよび混合期間に依存して水様処方物のpHを調整する。さらに、本発明によるデバイスおよびプロセスは、無菌ろ過の前にオンライン品質管理を行うことを可能にする。プロセスは、この後に、デバイスおよび/またはフィルターの自動化されたクリーニングを行ってもよい。デバイスおよびプロセスは、完全に自動化された様式において、オペレーターによる相互作用なしで、数日間にわたり、連続的灌流バイオリアクターに、要求に応じてフレッシュに調製された培地を供給することを可能にするように設計される。
本発明は、よりコスト効率的で、再現可能であり、かつしたがってより安全なバイオ医薬の製造を可能にする。本発明は、多成分細胞培養培地の成分についての複雑な溶解プロセスを自動的に単純化するために、溶解プロセスを行うことを可能にすることに向けられる。このことは、プロセスの各々および全ての単一の手動ステップを、技術的デバイスおよび手段により行われる自動化されたプロセスにより置き換えることにより、ならびにこれらのステップをこれらの技術的デバイスおよび手段により行うことにより、達成される。本発明の利点は、特定のセンサーを用い、これを評価することにより、細胞培養培地を調製するプロセス全体を加速させることである。自動化は、要求に応じて細胞培養培地の液状化を可能にする。
本発明によるデバイスおよびプロセスは、灌流培地調製のためのオペレーター作業を減少させることを可能にし、自動化を通して、再現性を増大させ、在庫切れ(out of stock)イベントおよび人的過誤を減少させることを可能にし、本明細書に従って培地が常に調製されることを保証する。
本発明のさらなる態様は、ここで、下の3つの模式図2~4を参照して説明されるであろうが、これらは、本発明を限定するものではない。ここで:
図1は、技術水準の細胞培養バイオリアクターの概略図を示す。液体細胞培養培地および細胞を包含する細胞培養物(2)を含むバイオリアクター(1)は、攪拌器3によって任意に攪拌される。新しい新鮮な培地は、Q-イン(Pとも呼ばれる)を介して添加され得る。細胞、液体培地および標的生成物を包含する収穫ストリームは、Q収穫線を介して、バイオリアクター(1)を去る。Q収穫は、しばしばHとも呼ばれる。細胞保持デバイス(4)は、細胞フリーまたは細胞低減収穫が回収できるように、例として上に記載の方法によって細胞を保持する。典型的には、灌流培養において、培地は、Q-収穫を介して、絶え間なく供給され、収穫は、Qを介して絶え間なく取り除かれる。一旦、細胞密度が所望される指定地点に達すると、過剰細胞は、定常細胞濃度を維持するために、および、定常状態の操作を達成するために、取り除かれる必要がある。これは、ブリードストリームQ-ブリード(Bとも呼ばれる)を介して行われる。バイオリアクター中の一定の容積を維持するために、典型的には、Q-イン = Q-収穫 + Q-ブリード(またP=H+Bと呼ばれる)であり、これは、Q-インを介してバイオリアクターに新たに添加された細胞培養培地の容積は、Q-収穫およびQ-ブリードを介して取り除かれる容積と等しい必要があることを意味する。
図2は、細胞培養のための液体培地を製造するための本発明によるデバイスについての模式図を示す。
図3は、細胞培養のための液体培地を製造するためのプロセスの間の、測定された水様処方物のpHを示す。
図4は、細胞培養のための液体培地を製造するためのプロセスの間の、水様処方物の測定されたpHおよび測定された電気伝導度を示す。
図5は、細胞培養のための液体培地を製造するためのプロセスの間の、水様処方物の測定された塩度および電気伝導度を示す。
細胞培養は、細胞が培養される任意のセットアップである。細胞培養は、典型的には、バイオリアクターにおいて行われ得る。
バイオリアクターは、瓶、管、槽、バッグ、フラスコおよび/またはタンクなどの、細胞の培養に好適な任意の容器であってよい。典型的には、容器は、使用に先立ち滅菌されてもよい。細胞培養は、典型的には、環境からの微生物の混入を制限する、好適な温度、pH、浸透圧、通気、攪拌等々などの、細胞の増殖および/または維持に好適な条件下で水性細胞培養培地中の細胞のインキュベーションによって実施されてもよい。当業者は、細胞の培養のための好適なインキュベーション条件を知っている。本発明に従って使用されるバイオリアクターは、好ましくは、灌流細胞培養に好適なバイオリアクターである。
水性の細胞培養培地は、水様処方物または水様溶液の形態における液体培地である。水様処方物および水様溶液は、本発明による液体培地を製造するためのデバイスおよびプロセスにより、デバイスに由来し、流動発生装置により制御され、発生し、または可能となった流れにおいて提供され、好ましくは、水様溶液を無菌フィルターでろ過した後で、最終生成物として製造することができる。
本発明により使用される好適なバイオリアクターシステムは、バイオリアクターおよび以下の1以上のような該バイオリアクター中で灌流細胞培養を実行するのに必要なさらなる装置を含む。
- 攪拌のためのデバイス
- バイオリアクターへのおよびバイオリアクターからの構成要素の供給および放出のためのデバイス(例として、管、ポンプ、バルブ、保管タンク)
- 細胞保持デバイス(上記参照)
- バイオリアクターの容積をモニタリングするためのシステム(例として、バイオリアクターバランス、レベルセンサ等々)
- 温度、浸透圧、通気、攪拌等々を制御および維持するためのデバイス
- 細胞培養バイオリアクターの自動化されたまたは部分的に自動化された操作のためのコンピュータ制御システム。
液体培地および細胞培養培地という用語は、同義的に用いられ、さらに、培養培地という用語もまた、本発明において同義的に用いられる。本発明による液体培地または細胞培養培地は、構成要素の任意の混合物であって、in vitroでの細胞の増殖を維持および/もしくは支持する、ならびに/または特に生理学的状態を支持または維持するものであってよい。デバイスにより、およびプロセスにより製造される、本発明による水様処方物についても同様であり得る。本発明による液体培地を製造するためのデバイスおよびプロセスにより製造された水様溶液は、細胞培養培地であってよい。
液体培地または細胞培養培地は、血漿、血清、胚抽出物、または他の定義されない生物学的抽出物もしくはペプトンなどの、定義されない構成要素を含んでもよい。液体培地または細胞培養培地はまた、好ましくは、化学的に定義された培地であってもよい。液体培地または細胞培養培地は、in vitroでの細胞の増殖を維持および/もしくは支持するために、または、別に添加されるさらなる構成要素(培地補助剤)と組み合わせて、またはこれと組み合わせることなく、選択された構成要素の添加のために用いられるために、必要な全ての構成要素を含んでもよい。液体培地または細胞培養培地の構成要素はまた、細胞培養培地成分または水様処方物のための成分とも称される。
本発明による細胞培養のデバイスおよびプロセスは、細菌細胞のような原核細胞ならびに酵母、真菌、藻類、植物、昆虫および/または哺乳動物細胞のような真核細胞、ならびに任意に古細菌を増殖させるために好適であるか、またはこれらの増殖を維持および/または支持するために好適であるように、設計することができる。好ましい細胞は、哺乳動物細胞である。
化学的に定義された細胞培養培地または液体培地、および化学的に定義された水様処方物は、化学的によく特徴づけられた「定義された」粗材料を含んでなる細胞培養培地および水様処方物であってよい。このことは、培地中で用いられる全ての化学物質の化学的組成が既知であることを意味する。化学的に定義された培地および水様処方物は、化学的に不明確な酵母、動物または植物組織のような化学的に不明確な物質を含んでなるものではない;それらは、ペプトン、フィーダー細胞、血清、不明確な抽出物もしくは消化物、または培地に対して化学的にあまり定義されていないタンパク質および/またはペプチドおよび/または加水分解物を提供し得る他の構成要素を含まない。いくつかの場合において、化学的に定義された培地および処方物は、化学的に定義されたタンパク質またはペプチドを含んでもよい(一例は、インスリンである)。
液体(細胞培養)培地および水様処方物は、典型的には、粉末化および/または顆粒化された成分または成分の混合物を水中で溶解することにより、製造される。
粉末化されたもしくは粉状の成分または乾燥粉末成分または脱水された培養培地は、典型的には、製粉プロセスまたは凍結乾燥プロセスから生じる。それは、粉末化された成分は、典型的には、微細に顆粒状である、微粒子の培地であってよい(液体培地ではない)ことを意味する。用語「乾燥粉末」とは、用語「粉末」と交換可能に用いることができるが、しかし、「乾燥粉末」は、本明細書において用いられる場合、単純に、顆粒化された材料の総じての外見を指し、別段に示されない限り、当該材料が、複合体化または凝集体化された溶媒を完全に含まないことを意図しない。顆粒化された成分、例えば、乾燥顆粒は、ローラー圧縮により得るか、または流動床スプレー造粒により湿式造粒されてもよい。かかる成分はまた、スプレー乾燥または凍結乾燥によって調製することもできる。
細胞の添加の前の水様処方物または液体(細胞培養)培地のpHは、典型的には、pH2~12、より好ましくはpH4~10、さらにより好ましくはpH6~8、および最も好ましくはpH6.5~7.5、および理想的にはpH6.8~7.3である。
水様処方物およびしたがって液体培地を製造するために用いられる成分は、典型的には、少なくとも1つまたはそれより多くの糖構成要素、1つ以上のアミノ酸、1つ以上のビタミンまたはビタミン前駆体、1つ以上の塩、1つ以上の緩衝剤構成要素、1つ以上の補因子、および1つ以上の核酸構成要素(窒素塩基)またはそれらの前駆体および誘導体を含む。水様処方物およびしたがって液体培地のための成分はまた、組み換えタンパク質、例えば、rインスリン、rBSA、rトランスフェリン、rサイトカイン、その他などの化学的に定義された生化学物質を含んでもよい。
成分、ならびにしたがって水様処方物および液体培地はまた、ピルビン酸ナトリウム、高度に純化されおよびひいては化学的によく定義された抽出物、脂肪酸および/または脂肪酸誘導体および/またはポロキサマー製品構成要素(エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドに基づいたブロックコポリマー)、特に、時々Pluronic F 68と呼ばれるPoloxamer 188、またはKolliphor P 188またはLutrol F 68、および/または、化学的に調製された非イオン界面活性剤などの表面活性化構成要素、も含んでもよい。好適な非イオン界面活性剤の一例は、ポロキサマーとも呼ばれる、一級ヒドロキシル基を末端に持つ二官能性ブロックコポリマー界面活性剤であり、例として、BASF、ドイツ国、から商標名pluronic(登録商標)のもとで入手可能である。かかるポロキサマー製品の構成要素は、以下においては単に、プルロニックと呼ばれる。キレーター、ホルモンおよび/または成長因子もまた加えられてもよい。
水様処方物および液体培地が含んでもよい他の構成要素は、乳酸、チオグリコール酸、チオ硫酸塩、テトラチオン酸塩、ジアミノブタン、ミオイノシトール、ホスファチジルコリン(レシチン)、スフィンゴミエリン、鉄含有化合物(鉄硫黄クラスターを伴う化合物を包含する)、尿酸、リン酸カルバモイル、コハク酸、チオレドキシン(単数または複数)、オロト酸、ホスファチジン酸、ポリアミン(プトレシン、スペルミジン、スペルミンおよび/またはカダベリンなど)、トリグリセリド、ステロイド(コレステロールを包含するがこれに限られない)、メタロチオニン、酸素、グリセロール、尿素、アルファ-ケトグルタル酸、アンモニア、グリセロリン酸、デンプン、グリコーゲン、グリオキシル酸、イソプレノイド、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、アセトン、脂質(ミセルにおけるものを包含するがこれに限られない)、トリブチリン、ブチリン、コール酸、デオキシコール酸、ポリリン酸塩、酢酸塩、酒石酸塩、リンゴ酸塩および/またはシュウ酸塩の純粋化合物、塩、コンジュゲートおよび/または誘導体である。
糖成分は、全て、グルコース、ガラクトース、リボースもしくはフルクトース(単糖の例)またはスクロース、ラクトースもしくはマルトース(二糖の例)のような、単糖もしくは二糖、または、糖アルコールのようなそれらの誘導体である。糖構成要素はまた、オリゴ糖または多糖であってもよい。
本発明によるアミノ酸の例は、特に、タンパク質構成アミノ酸、とりわけ必須アミノ酸、ロイシン、イソロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、トレオニン、トリプトファンおよびバリン、ならびに、D-アミノ酸などの非タンパク質構成アミノ酸である。S-スルホシステインおよびホスホチロシンのようなアミノ酸前駆体およびアナログ、ならびに対応するケト酸またはラクトイルアミノ酸もまた、包含され得る。
ビタミンの例は、ビタミンA(レチノール、レチナール、様々なレチノイド、および4種のカロテノイド)、ビタミンB1(チアミン)、ビタミンB2(リボフラビン)、ビタミンB3(ナイアシン、ナイアシンアミド)、ビタミンB5(パントテン酸)、ビタミンB6(ピリドキシン、ピリドキサミン、ピリドキサール)、ビタミンB7(ビオチン)、ビタミンB9(葉酸、フォリン酸)、ビタミンB12(シアノコバラミン、ヒドロキシコバラミン、メチルコバラミン)、ビタミンC(アスコルビン酸)(アスコルビン酸のリン酸塩を包含する)、ビタミンD(エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロール)、ビタミンE(トコフェロール、トコトリエノール)およびビタミンK(フィロキノン、メナキノン)である。ビタミン前駆体およびアナログもまた包含される。
塩の例は、重炭酸塩、カルシウム、クロリド、マグネシウム、リン酸塩、カリウムおよびナトリウムなどの無機イオンまたはCo、Cu、F、Fe、Mn、Mo、Ni、Se、Si、Ni、Bi、VおよびZnなどの微量元素を含む構成要素である。例は、硫酸銅(II)五水和物(CuSO4・5H2O)、塩化ナトリウム(NaCl)、塩化カルシウム(CaCl・2HO)、塩化カリウム(KCl)、硫酸鉄(II)、リン酸一ナトリウム(無水)(NaHPO)、硫酸マグネシウム(無水)(MgSO)、リン酸二ナトリウム(無水)(NaHPO)、塩化マグネシウム六水和物(MgCl2・6HO)、硫酸亜鉛七水和物(ZnSO・7HO)である。
緩衝剤の例は、炭酸塩、クエン酸塩、リン酸塩、HEPES、PIPES、ACES、BES、TES、MOPSおよびTRISである。緩衝剤溶液は、少なくとも1つの緩衝剤の水様溶液である。
補因子の例は、チアミン、ビオチン、ビタミンC、カルシフェロール、コリン、NAD/NADP(還元および/または酸化)、コバラミン、ビタミンB12、フラビンモノヌクレオチドおよび誘導体、フラビンアデニンジヌクレオチドおよび誘導体、グルタチオン(還元および/または酸化および/または二量体として)、ヘム、ヘミン、ヘモグロビン、フェリチン、ヌクレオチドリン酸および/または誘導体(例として、アデノシンリン酸)、補酵素F420、s-アデノシルメチオニン、補酵素B、補酵素M、補酵素Q、アセチルCo-A、モリブドプテリン、ピロロキノリンキノン、テトラヒドロビオプテリンの、化合物、塩、複合体および/または誘導体である。
核酸構成要素は、シトシン、グアニン、アデニン、チミン、ウラシル、キサンチンおよび/またはヒオキサンチンのような核酸塩基、シチジン、ウリジン、アデノシン、キサントシン、イノシン、グアノシンおよびチミジンのようなヌクレオシド、ならびに、RNAおよび/またはDNAのような、そのデオキシ-および/またはリン酸塩誘導体および/または二量体、三量体および/またはポリマーを包含するがこれに限られない、アデノシン一リン酸もしくはアデノシン二リン酸もしくはアデノシン三リン酸などのヌクレオチド、である。
使用される濃度で細胞成長特性に有意に悪影響を及ぼすことなしに、水様処方物および/またはその構成要素の1以上の清澄性および/または溶解性を増加させるような、しかしこれに限られない、水様処方物および液体の物理化学的特性を改善する特定の成分を添加してもよい。かかる構成要素は、これに限られるものではないが、キレート化剤(例として、EDTA)、抗酸化剤、洗浄剤、界面活性剤、乳化剤(ポリソルベート80のような)、中和剤、(ポリソルベート80のような)、ミセル形成剤、ミセル阻害剤および/またはポリプロピレングリコール、ポリエチレンアルコールおよび/またはカルボキシメチルセルロースを包含する。
用語「灌流」または「灌流プロセス」とは、標的生成物、例えば抗体または組み換えタンパク質を製造するために用いられる細胞培養プロセスであって、バイオリアクター中の高濃度の細胞が、細胞培養の間に連続的にまたは1回以上、フレッシュな増殖培地を受け取り、それにより、標的生成物を含み得る使用済みの培地を収穫する(これは、細胞培養の間に連続的にまたは1回以上、バイオリアクターから取り除かれることを意味する)ものを指す。好ましくは、フレッシュな液体培地または水様処方物が、バイオリアクター中に連続的にフィードされ、標的生成物を含み得る使用済の培地が、連続的に収穫される。
灌流細胞培養に好適な例示のバイオリアクターは、収穫の間にバイオリアクター中に細胞を維持する細胞保持デバイスを含む。この細胞保持デバイスは、音響性交互接線流濾過(ATF)、セトラー、遠心分離等であり得る。いくつかの例において、使い捨ての、再利用可能なまたは半使い捨てのバイオリアクターが使用され得る。ハードウェア設計の任意の組み合わせが使用され得る。一例において、使い捨ての細胞保持デバイスが使用され得る。いくつかの態様において、使い捨て導管、チューブ、ポンプ、バッグアセンブリおよび細胞保持デバイスが、ハードパイプおよび再利用可能なデバイスの代わりに、使用される。
本発明による混合容器および/またはバイオリアクターは、任意の好適な容積を有していてよく、これは、これらに限定されないが、約1L~約5000Lを含み、しかし、この例示的な範囲に限定されない。ある例示的な混合容器の容積および/またはバイオリアクターの容積として、これらに限定されないが、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、500、1000、1500、2500、4000L、任意の中間の容積などが挙げられる。
バイオリアクターは、1以上のフィード(例として、液体培地、細胞培養培地、水様処方物)、化学物質(例として、pH緩衝剤)、抗泡剤等の導入のための、1以上の入口(入口ポートとも呼ばれる)を包含する。それはまた、バイオリアクターからの細胞および/または液体の除去のための、1以上の出口(出口ポートとも呼ばれる)を包含し得る。バイオリアクター中の各入口および/または出口は、これらに限定されないが、1以上の蠕動ポンプ、1以上の加圧機構等を包含する、入口および/または出口を通る流体の流れを開始および実行するための任意の好適な機構を提供され得る。各入口および/または出口は、これらに限定されないが、1以上のマスフローメーター、1以上のフロー制御バルブ等を包含する、入口を通る流体の流れをモニタリングおよび制御するための任意の好適な機構を提供され得る。例えば、バイオリアクターは、バイオリアクターへ入るおよびこれから出ていく物質の流速を制御するためのフロー制御機構を包含し得る。バイオリアクターはまた、容積および/またはレベル制御のための手段を含んでいてもよい。
バイオリアクターは、別々の時間において、または連続的に、液体培地を製造するためのデバイスから細胞培養中に新たな液体培地または水様処方物を導入するように作動し得る、培地入口を含む。バイオリアクターは、使用済の細胞培養物、細胞および/または標的生成物を放出するための、1つ以上の生産物出口を含んでもよい。生産物出口は、収穫の速度を制御するための、流れ制御弁を含んでもよい。
弁は、液体培地または水様処方物または一般的に液体の流れを、妨害するか、これを可能にするか、またはこれを指揮することができるように、位置する。好適な弁の例は、例えば、ソレノイド弁またはピンチ弁である。ピンチ弁が好ましい。なぜならば、それらは、シングルユースのホースを備えることができ、そのため、液体培地または水様処方物と接触することになるピンチ弁の部品を、容易に交換することができるからである。これにより、デバイスを、新たな、および異なる液体培地のために準備することができ、汚染および/または混入を防ぐことができる。
図2は、本発明による細胞培養のための液体培地を製造するためのデバイスについての模式図を示す。デバイスは、混合容器10を含み、その中で、水様処方物(図2においては示されない)を混合して、細胞培養物の増殖のための液体培地を製造することができる。混合容器10の上部は、蓋12により閉じることができ、これは、開閉式であってよい。蓋12は、好ましくは、気密性の様式において、および/または耐圧式の様式において、混合容器10を密封してもよい。混合容器10の底部は、出口を介してパイプ14に接続されていてもよい。パイプ14への出口は、混合容器10からの全ての液体が、混合容器10から排出されるかまたは汲み出されることを可能にするために、混合容器10の最も低い部分に配置される。パイプ14への接続は、好ましくは、出口弁16により開閉することができ、これは、自動的に、または手動で制御することができる。
攪拌装置18は、混合容器10の中の水様処方物(示されない)を混合するために混合容器10の中に配置されていてもよい。攪拌装置18は、軸22を介してモーター20により駆動されてもよい。攪拌装置18は、多くの混合翼を含んでもよい。混合翼は、軸22条に配置され、これに固定されていてもよい。あるいは、攪拌装置18はまた、永久磁石を含んでもよく、したがって、混合容器10を透過するか、混合容器10内で作られる磁場を変更することにより、駆動されてもよい。
pH計24および溶解センサー26は、混合容器10の中の水様処方物の状態を測定するために、混合容器10の中に配置されてもよい。さらに、混合容器10の中の液体のモル浸透圧濃度を測定するためのモル浸透圧濃度センサー28が、その中に配置されていてもよい。溶解センサー26は、好ましくは、濁度センサーであってよい。温度センサー、伝導度センサー、粘度センサー、濁度センサー、クロマトグラフ、圧力センサー、液体レベルセンサーその他などの、混合容器10中の水様処方物を特徴づけるために有用なさらなるセンサーが、加えて提供されてもよい。
粉末化されたまたは顆粒状の成分または成分の混合物の特定の量を投与するための投与装置30は、混合容器10に接続されていてもよい。投与装置30は、成分を貯蔵するための少なくとも1つのコンテナ32を含んでもよい。投与装置30は、成分または成分の混合物の特定の量を、混合容器10の中の水様処方物または水と混合されるために、混合容器10中に投与するように設計される。投与装置30は、出口36を介して混合容器10に接続されていてもよい。投与装置は、投与装置内で、粉末化されたまたは顆粒状の成分または成分の混合物を動かすために要求される動きを発生させるための、モーター34を含む。
水供給40は、混合容器10に接続されている。水供給40は、特定の量の水を混合容器10に充填させるように設計されていてもよい。さらに、特定の量の酸、水様の酸、緩衝剤、緩衝剤溶液、塩基、および/または水様の塩基を混合容器10の中の水様処方物に添加するために、酸供給42、緩衝剤供給44および塩基供給46が、混合容器10に接続されていてもよい。混合容器10からの水様処方物の流れを制御するために、パイプ14が流動発生装置48に接続されている。流動発生装置48は、混合容器10からバイオリアクターへの容積流れを発生させるためのポンプを含んでもよい(図2においては示されないが、図1において示されるものと類似し得る)。
制御系50は、モーター20の速度、投与装置30により混合容器10中に提供される成分の種類、混合物および量、水供給40により混合容器10中に供給される水の量、酸供給42により混合容器10中に適用される酸または水様の酸の量、緩衝剤供給44により混合容器10中に適用される緩衝剤溶液の量、ならびに塩基供給46により混合容器10中に適用される塩基または水様の塩基の量を制御するために提供されてもよい。この場合について、制御系50は、モーター20、投与装置30、水供給40、酸供給42、緩衝剤供給44および塩基供給46に接続されていてもよく、それらの機能を制御するようにプログラムされていてもよい。加えて、制御系50は、pHの測定値、(例えば、溶解センサーとしての濁度センサーにより、水様処方物の濁度の値を読むことにより)溶解を表す溶解センサー26からの測定値、および水様処方物のモル浸透圧濃度の測定値を読むために、pH計24、溶解センサー26およびモル浸透圧濃度センサー28に接続されていてもよい。制御系50は、時間の情報に依存してデバイスの機能を制御するために、時限素子(示されない)へのアクセスを有してもよく、またはこれを含んでもよい。
制御系50は、それがアクセスを有する全てのセンサー測定値に依存して、デバイスの機能を制御するようにプログラムされていてもよい。それにより、混合容器10の中での水様処方物の混合プロセスを制御すること、および流動発生装置48を介した水様処方物または混合済み(ready mixed)の液体(細胞培養)培地の供給を制御することが可能になる。
水様処方物は、2つの弁52、54、および2つの弁52、54の間に取り付けられた無菌フィルター56を通して、流動発生装置48により吸い出すことができる。2つの弁52、54は、無菌フィルター56を交換することを容易に可能にするために用いることができる。接続パイプ60を有する出口58が、無菌フィルター56の後ろのラインにおいて取り付けられていてもよい。出口58は、ろ過された液体培地の試料を引き出すための採取点として用いることができる。
デバイスの全ての部品は、保持枠62により保持することができ、これに対して、全ての部品が固定される。部品を保護するために、筐体(示されない)を用いることができる。
フラッシュ弁64が、無菌フィルター56の後ろのラインにおいて配置されて、混合容器10、パイプ16、ならびにフラッシュ弁64を、混合容器10に、および水供給40に接続するラインを、水および/または緩衝剤供給44からの緩衝剤溶液により、これらの部品をより以前の混合プロセスの残渣から浄化することを可能にしてもよい。ろ過された液体培地は、流動発生装置48により出口パイプ66を通して吸い出すことができ、これにより、液体培地をバイオリアクターに送達することができる(図2においては示されない)。
以下において、本発明による細胞培養物の増殖のための液体培地を製造するためのプロセスについての態様が記載される。プロセスは、図2によるデバイスを用いて記載される。プロセス全体は、制御系50により制御されてもよく、好ましくは制御系50により制御され、これは、したがって、記載されるようなプロセスを制御するようにプログラムされる。
初めに、水供給40により、混合容器10中に水が充填される。より後の段階において、水様処方物および液体培地の所望される量を正確に制御するために、所望される最終容積の一部のみが、混合容器10中に充填される。典型的には、これは、所望される最終容積の50~90%、より好ましくは約70%~85%である。次に、攪拌装置18を混合容器10中で回転させることにより、攪拌を開始することができる。攪拌しながら、混合容器10中の水、1つ以上の成分の乾燥粉末または乾燥顆粒を、投与装置30により混合容器10中に注入することができる。成分は、少なくとも部分的に、攪拌された水中に溶解して、水様処方物を形成する。
成分を水様処方物中に溶解しつつ、pH計24によりpHを測定することができ、溶解センサー26により(例えば、濁度を測定することにより)溶解の進行を測定することができる。モル浸透圧濃度は、モル浸透圧濃度センサー28により測定することができる。加えてまた、温度、電気伝導度、ならびに粘度、圧力、液体レベルその他のような他の物理的特性もまた、測定することができる。全ての測定値は、pHを適応させ、攪拌(速度および/または時間)、ならびに水様処方物へのさらなる成分の添加を制御する(時点、成分の混合物および量)ために、制御系50により評価することができる。
例えば、成分の第1のバッチを導入した後でしばらく攪拌した後で、酸供給42により酸または水様の酸を混合容器10に充填することにより、pHを、例えば4.5まで、低くすることができる。水様処方物のより低いpHは、成分の別の第2の部分を水様処方物中に溶解することを可能にするか、これを補助する。酸または水様の酸の量は、水様溶液において特定のpHを正確に設定するために、pH計からのデータにより制御される。溶解センサー26および/またはモル浸透圧濃度センサーからのシグナルが、制御系50に、成分の第2の部分が水様処方物中に溶解したことをシグナル伝達したらすぐに、塩基または水様の塩基または重炭酸溶液を、塩基供給46または緩衝剤供給44により、水様処方物に添加することができる。このことは、溶解するためにより高いpHを要求する成分を溶解することを可能にするであろう。センサーからのこれらのシグナルに基づいて、また、投与装置30により、混合容器10中の水様処方物に、酸、水様の酸、塩基、水様の塩基または緩衝剤溶液を添加する前に、またはこれらを添加している間ですら、さらなる成分を添加することも可能である。
次のステップにおいて、攪拌している時間の期間に依存して、ならびに/または、溶解センサー26からの、もしくはモル浸透圧濃度センサー28からのデータに依存して、再び、酸または水様の酸を混合容器10中に充填することができる。次のステップにおいて水様処方物のpHを調整するために、緩衝剤供給44により、緩衝剤溶液を水様処方物に添加することができる。
図3は、本発明による細胞培養のための液体培地を製造するためのプロセスの間の、水様処方物のpHの測定された例を示し、図4は、本発明による細胞培養のための液体培地の製造のためのプロセスの間の、水様処方物のpHおよび電気伝導度の測定された例を示し、図5は、本発明による細胞培養のための液体培地の製造のための例示的なプロセスの間の、測定された水様処方物の塩度および電気伝導度についての例を示す。
例えば、全ての成分が溶解されている(溶解センサー26により測定される)、pHが要求された値を有する(pH計24により測定される)、電気伝導度が要求された値を有する(水様処方物の電気伝導度を測定するためのセンサーにより測定される)、および/またはモル浸透圧濃度が、所望される値を有する(モル浸透圧濃度センサー28により測定される)ことから、混合容器10中の水様処方物が満足なものである場合、水供給40により、水様処方物の最終容積を、所望される量または容積まで満たす。次いで、再び、水様処方物または水様溶液の品質を制御するために、センサー24、26、28により水様処方物を制御することができる。
次のステップにおいて、流動発生装置48により無菌フィルター56を通して水様処方物または水様溶液を吸い出すことにより、無菌ろ過を行うことができる。流動発生装置48は、伝導ポンプを含んでもよいが、水様処方物はまた、重力によって駆動されてもよく、流動発生装置48は、したがって、伝導ポンプの代わりにまたはこれに加えて、制御可能な弁を含んでもよい。ろ過された水様処方物または水様溶液は、図1において示されるもののようなバイオリアクターにおいて細胞培養培地として用いることができる。記録のために、水様処方物または水様溶液の一部を出口58から採取することにより、液体培地の一部をとっておいてもよい。
全ての水様溶液または水様処方物(残りの残渣を別として)が混合容器10から汲み出された後で、デバイスは、浄化することができ、混合容器10および全てのパイプ14、弁16、52、54、および流動発生装置48をリンスすることにより、生物汚染度を低下させることができる。混入を防ぐために、同じデバイスを用いて新たな型の液体培地を製造すべきである場合は特に、全てのシングルユースの部品を、交換することができる。好ましくは、水様処方物と接触することになるパイプ14および弁16、52、54は、シングルユースの部品であってもよいか、またはこれを含む。
上の説明、請求の範囲、図面および例示的な態様において開示される本発明の特徴は、本発明の多様な態様を実施するために、個々に、および任意の組み合わせにおいて、本質的であり得る。
参照記号のリスト
1 バイオリアクター
2 細胞培養
3 攪拌器
4 細胞保持デバイス
10 混合容器
12 蓋
14 パイプ
16 出口弁
18 攪拌装置/混合翼
20 モーター
22 軸
24 pH計
26 溶解センサー
28 モル浸透圧濃度センサー
30 投与装置
32 コンテナ
34 モーター
40 水供給/水入口
42 酸供給
44 緩衝剤供給
46 塩基供給
48 流動発生装置
50 制御系
52 弁
54 弁
56 無菌フィルター
58 出口
60 接続パイプ
62 保持枠
64 フラッシュ弁
66 出口パイプ
上および下において引用される全ての出願、特許および刊行物、ならびに2020年7月6日に出願された欧州特許出願EP20184241.6の全開示は、本明細書により参考として援用される。

Claims (15)

  1. バイオリアクター、保持タンク、細胞培養のための液体培地を製造するためのデバイス、ならびにバイオリアクター、保持タンクおよび細胞培養のための液体培地を製造するためのデバイスに接続された制御系を含む、細胞培養を行うための系であって、それにより、成分を水中で溶解することにより、液体培地が製造され、細胞培養のための液体培地を製造するためのデバイスが、以下:
    混合容器を保持および混合するための混合容器;
    水様処方物を混合容器中で混合するための攪拌装置;
    混合容器中、または混合容器との流体接続中の少なくとも1つのpH計;
    少なくとも1つの固体成分の、または固体成分の少なくとも1つの混合物の特定の量を、混合容器中に充填するための、混合容器に接続された投与装置;
    水を混合容器中に添加するための水供給;
    塩基または水様の塩基の特定の量を混合容器に添加するための塩基供給;
    酸または水様の酸の特定の量を混合容器に添加するための酸供給;
    混合容器からの水様処方物の流れを発生させるかまたは可能にするための流動発生装置;
    pH計の測定値が制御系によりアクセス可能であるようにpH計に接続されている制御系、混合容器中に充填されている水の量を制御するために水供給に接続されている制御系、混合容器中に充填されている塩基または水様の塩基の量を制御するために塩基供給に接続されている制御系、混合容器中に充填されている酸または水様の酸の量を制御するために酸供給に接続されている制御系、混合容器中に充填されている少なくとも1つの成分または成分の少なくとも1つの混合物の量を制御するために投与装置に接続されている制御系、
    それにより、制御系は、pH計の少なくとも1つの測定値に依存して、投与装置、水供給、塩基供給、酸供給、および好ましくは流動発生装置を制御するようにプログラムされる;
    ならびに、それにより、バイオリアクターと、細胞培養のための液体培地を製造するためのデバイスの混合容器とは、少なくとも、少なくとも1つの保持タンクにより断続される、パイプラインまたは管を介して、接続される、
    を含む、前記細胞培養を行うための系。
  2. 少なくとも1つの無菌フィルターが、前記パイプラインまたは管において配置されることにおいて特徴づけられる、請求項1に記載の細胞培養を行うための系。
  3. 系が、バイオリアクターからのシグナルを受信することができるシグナル受信ユニットを含み、および、制御系は、シグナル受信ユニットを介してバイオリアクターから受信したシグナルに応答して、水様処方物の流れを制御するようにプログラムされることにおいて特徴づけられる、請求項1または請求項2に記載の細胞培養を行うための系。
  4. バイオリアクターが、コントローラー、および水様処方物の量が特定の値より下に低下するか、またはフレッシュな水様処方物が必要とされる場合に、シグナルをシグナル受信ユニットに送信するシグナル送信ユニットを含むことにおいて特徴づけられる、請求項1~3のいずれか一項に記載の細胞培養を行うための系。
  5. 保持タンクが、コントローラー、および水様処方物の量が特定の値より下に低下するか、またはフレッシュな水様処方物が必要とされる場合に、シグナルをシグナル受信ユニットに送信するシグナル送信ユニットを含み、および、制御系が、シグナル受信ユニットを介して保持タンクから受信したシグナルに応答して、水様処方物の製造を制御するようにプログラムされることにおいて特徴づけられる、請求項1~4のいずれか一項に記載の細胞培養を行うための系。
  6. バイオリアクターが、灌流モードにおいて作動される、請求項1~5のいずれか一項に記載の細胞培養を行うための系。
  7. 水様処方物中の溶解していない成分の存在を検出するための少なくとも1つの溶解センサーを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の系であって、それにより、制御系が、少なくとも1つの溶解センサーの測定値が、制御系によりアクセス可能となるように、少なくとも1つの溶解センサーに接続される、前記系。
  8. デバイスが、以下:
    水様処方物の電気伝導度を測定するための少なくとも1つのセンサー、それにより、水様処方物の電気伝導度を測定するための少なくとも1つのセンサーが、混合容器からの流れを伝導するために、混合容器においておよび/またはパイプにおいて位置し、それにより、水様処方物の電気伝導度を測定するための少なくとも1つのセンサーの測定値が制御系によりアクセス可能となり、および水様処方物の電気伝導度を測定するための少なくとも1つのセンサーの測定値に依存して制御系が少なくとも流動発生装置を制御するように設計されるように、制御系が、水様処方物の電気伝導度を測定するための少なくとも1つのセンサーに接続される、ならびに/あるいは
    水様処方物のモル浸透圧濃度を測定するためのセンサー、それにより水様処方物のモル浸透圧濃度を測定するためのセンサーが、混合容器からの流れを伝導するために、混合容器においておよび/またはパイプにおいて位置し、それにより、水様処方物のモル浸透圧濃度を測定するためのセンサーの測定値が制御系によりアクセス可能となり、および水様処方物のモル浸透圧濃度を測定するためのセンサーの測定値に依存して制御系が少なくとも流動発生装置を制御するように設計されるように、制御系が、水様処方物のモル浸透圧濃度を測定するためのセンサーに接続されている、ならびに/あるいは
    混合容器内部の水様処方物のレベル表示についてのセンサー、それにより、レベル表示についてのセンサーの測定値が制御系によりアクセス可能となり、およびレベル表示についてのセンサーの測定値に依存して制御系が少なくとも流動発生装置を制御するように設計されるように、制御系が、レベル表示についてのセンサーに接続されている、ならびに/あるいは
    混合容器中の水様処方物の容積を測定するための容積センサーおよび/または液体レベルセンサー、それにより、制御系が、混合容器中の水様処方物の量を制御するために、容積センサーおよび/または液体レベルセンサーに接続されており、ならびに、容積センサーおよび/または液体レベルセンサーの測定値に依存して、水および/または少なくとも1つの成分または成分の少なくとも1つの混合物を混合容器中に充填するようにプログラムされている、ならびに/あるいは
    混合容器中の内容物の重量、および/または投与装置により混合容器中に充填されるべき少なくとも1つの成分の、または成分の少なくとも1つの混合物の量を測定するための、少なくとも1つの重量センサー、それにより、
    制御系が、混合容器中の水様処方物の量を制御するために、少なくとも1つの重量センサーに接続されており、ならびに、少なくとも1つの重量センサーの測定値に依存して、水および/または少なくとも1つの成分または成分の少なくとも1つの混合物を混合容器中に充填するようにプログラムされている、ならびに/あるいは、制御系が、投与装置により混合容器中に充填されるべき、少なくとも1つの成分の、または成分の少なくとも1つの混合物の重量を制御するために、少なくとも1つの重量センサーに接続されており、および、少なくとも1つの重量センサーにより測定された重量に依存して、水および/または少なくとも1つの成分もしくは成分の少なくとも1つの混合物の追加分を混合容器中に充填するようにプログラムされている、
    を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の系。
  9. 流動発生装置が、混合容器から保持タンクへ、および/または保持タンクからバイオリアクター中へ処方物を吸い出して、それにより混合容器からの処方物の流れを発生させるための、ポンピングデバイスであるか、またはこれを含み、および、ならびに/あるいは、流動発生装置が、混合容器から保持タンクへ、および/または保持タンクからバイオリアクター中への処方物の流れを制御するための、制御可能な弁であるか、またはこれを含み、それにより、好ましくは、処方物の流れが、重力および/またはポンピングデバイスにより駆動される、請求項1~8のいずれか一項に記載の系。
  10. 請求項1~9のいずれか一項に記載の系であって、それにより、制御系が、以下のプログラミング:
    - 制御系が、pH計の、および/または、存在する場合には、溶解センサーの、および/または水様処方物の電気伝導度を測定するための少なくとも1つのセンサーの、および/または水様処方物のモル浸透圧濃度を測定するためのセンサーの、少なくとも1つの測定値、ならびに/あるいは時限素子により提供される時間の情報に依存して、攪拌装置を制御するようにプログラムされる;
    - 制御系が、少なくとも2つの異なる細胞培養の増殖、または同じ細胞培養プロセスの異なるプロセス相のための、少なくとも2つの異なる型の液体培地を製造するようにプログラムされる;
    - 制御系が、シグナルまたは少なくとも1つのインターフェイスを介する制御系への要求を介して誘発される、液体培地の新たなバッチの製造を開始するようにプログラムされる、
    の1つ以上を含む、前記系。
  11. 請求項1~10のいずれか一項に記載の系であって、それにより、系の水様処方物と接触している全てのパイプおよびコンテナが、シングルユースの部品である、前記系。
  12. 請求項1~11のいずれか一項に記載の系であって、それにより、流動発生装置により発生したかまたは可能となった混合容器からの水様処方物の流れが、保持タンク中に、および/またはバイオリアクター中に流れ、それにより、制御系が、バイオリアクターおよび/または保持タンクからのシグナルを受信することができるシグナル受信ユニットに接続され、ならびに、制御系が、シグナル受信ユニットを介してバイオリアクターおよび/または保持タンクから受信したシグナルに応答して、水様処方物の流れを制御するようにプログラムされる、前記系。
  13. 細胞培養を行うためのプロセスであって、以下の方法ステップ:
    - 請求項1~12のいずれか一項に記載の、バイオリアクター、保持タンクおよび細胞培養のための液体培地を製造するためのデバイスを含む、細胞培養を行うための系を提供すること、
    - バイオリアクターにおいて細胞培養を行うこと、
    - 細胞培養の間、連続的に、または1回もしくは数回、細胞培養のための液体培地を製造するためのデバイスを用いて、細胞培養のための液体培地を製造するためのプロセスを行うこと、
    - 細胞培養の間、連続的に、または1回もしくは数回、典型的には細胞培養のための液体培地を製造するためのデバイスにおいて製造された細胞培養のための液体培地である水様処方物を、デバイスの混合容器から保持タンクへ、および/または保持タンクからバイオリアクターへ、流動させること、
    を含み、
    それにより、細胞培養のための液体培地を製造するためのプロセスは、以下:
    A)水、および少なくとも1つの成分または成分の少なくとも1つの混合物の特定の量を、混合容器中に充填し、それらをそれの中で水様処方物へと混合すること;
    B)1回または繰り返して、少なくとも1つのpH計により混合容器中の水様処方物のpHを測定すること、および任意に、少なくとも1つの溶解センサーにより、制御系により、混合容器中の水様処方物中の溶解していない成分の存在を検出すること;
    C)少なくとも1回、測定されたpH値および/または溶解していない成分の存在に依存して、制御系により、特定の量の水、塩基、水様の塩基、酸、水様の酸および/または1つ以上の緩衝剤溶液を、混合容器中に、自動的に充填すること;
    D)要求された少なくとも1つの成分または成分の少なくとも1つの混合物の全てが、混合容器中に充填され、最終的な水様処方物へと混合された後、制御系により制御される混合容器からの最終的な水様処方物の容積流れを提供すること;
    のステップを含む、前記プロセス。
  14. 請求項13に記載のプロセスであって、それにより、培地を製造するためのプロセスが、方法ステップ:
    C2)方法ステップD)の前に、追加成分、成分の追加混合物、水、塩基、水様の塩基、1つ以上の緩衝剤溶液、酸および水様の酸から選択される1つ以上の特定の量を、制御系により制御される混合容器中に、自動的に充填すること
    をさらに含む、前記プロセス。
  15. 請求項13または14に記載に記載のプロセスを含む、細胞培養のためのプロセスであって、
    液体培地入口および生産物出口を有するバイオリアクター中で細胞を培養することをさらに含み、これは、以下:
    i.細胞培養プロセスの間、連続的にまたは1回もしくは数回、デバイスからバイオリアクター中に、液体培地入口を介して、フレッシュな液体培地を挿入すること;ならびに
    ii.細胞培養プロセスの間、連続的にまたは1回もしくは数回、バイオリアクターから、生産物出口を介して、生産物を取り除くこと;
    の方法ステップを含み、およびここで、好ましくは、プロセスステップiおよびiiは、バイオリアクター中の細胞培養物の容積が、一定のレベルに保たれるように制御される、ならびに
    バイオリアクター中の液体レベルを測定するためのセンサーは、液体培地のレベルが予め定義された値より下に低下する場合、または生産物がバイオリアクターから取り除かれる場合、シグナルを制御系へと自動的に送信し、それにより、制御系は、シグナルを受信した後、請求項13または14に記載のプロセスにより、フレッシュな液体培地の調製を開始する、
    前記プロセス。
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