JP2023532747A - ブレミアラクツカエ(Bremia lactucae)耐性SG01 - Google Patents

ブレミアラクツカエ(Bremia lactucae)耐性SG01 Download PDF

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Abstract

本発明は、ブレミアラクツカエ(Bremia lactucae)に対する耐性を示す新規レタス植物に関する。本発明は、前記植物の種子及び部位、例えば葉及び頭状花にも関する。本発明は、このような種子及び植物を作成及び使用する方法にさらに関する。本発明は、ブレミアラクツカエ(Bremia lactucae)に対する前記耐性に関連する新規遺伝子配列及び前記新規遺伝子配列に関連する分子マーカーにも関する。

Description

本発明は、ブレミアラクツカエ(Bremia lactucae)に対する耐性を示す新規レタス植物に関する。本発明は、前記植物の種子及び部位、例えば葉及び頭状花にも関する。本発明は、このような種子及び植物を作成及び使用する方法にさらに関する。本発明は、ブレミアラクツカエ(Bremia lactucae)に対する前記耐性に関連する新規遺伝子配列及び前記新規遺伝子配列に関連する分子マーカーにも関する。
植物病原体は、重要な作物に対して甚大な被害をもたらし、食品の供給及び植物材料に依存する他の産業の両方に対して広く影響を伴う顕著な農業上の損失をもたらすことが知られている。そのため、作物の生産に対する農業有害生物の発生及び/又は影響を低減させる必要性が長年にわたって存在する。
このような病原体の例は、べと病を引き起こす真菌であるブレミアラクツカエ(Bremia lactucae)である。B.ラクツカエ(B.lactucae)は、世界中で発生し、栽培レタス(レタス(Lactuca sativa))の収量及び品質の両方について大きい問題となっている。この真菌は、レタス植物に成長段階のいずれでも感染可能であり、その後、べと病の初期症状が葉の表面上で退緑黄斑として視認可能となる。24~48時間以内に、胞子形成の兆候として葉の下面に白色の綿毛状の真菌の成長が視認可能となる。感染中、病斑は、一層大きくなると共に、葉が完全に褐色になるまで退緑化が進行する。
ブレミアラクツカエ(Bremia lactucae)は、比較的原始的な真菌分類である卵菌(Oomycetes)群に属する。この群における他の構成種は、例えば、ピシウム属(Pythium)及びフィトフトラ属(Phytophthora)である。B.ラクツカエ(B.lactucae)は、異なる生理的種(「フィジオス(physios)」)を含有し、極めて多様な病原体であり、且つ宿主特異的である。新しいフィジオスは、B.ラクツカエ(B.lactucae)の増殖に先行する胞子形成中における非病原性遺伝子の突然変異により、比較的頻繁に生じる。
栽培レタスであるレタス(L.sativa)が属するラクツカエ属(Lactucae)では、B.ラクツカエ(B.lactucae)に対する耐性が多く知られている。これらの耐性は、一般に、レース特異的であり、且つDm(べと病)耐性遺伝子として公知である定性的な遺伝子に基づいている。耐性メカニズムは、レタス植物に耐性をもたらす、Dm耐性遺伝子及び病原体特異的非病原性遺伝子の産生物間の特異的相互作用(HR反応)に基づく遺伝子対遺伝子メカニズムとして知られている。
B.ラクツカエ(B.lactucae)の高い変異性及び新たなフィジオスの頻繁な出現により、種々のDm耐性遺伝子を介するレース特異的耐性は、ブレミア属(Bremia)病原体の新たに出現するフィジオスによって直ちに失われる可能性がある。
真菌性病原体であるブレミアラクツカエ(Bremia lactucae)に対する新規耐性であって、特にこの真菌性病原体に対する幅広い耐性に対する要求が引き続き存在する。
本発明は、「SG01」と表記されるブレミア属(Bremia)耐性形質を有する新規レタス植物並びにその部位及び種子を提供することにより、ブレミアラクツカエ(Bremia lactucae)に対する追加的な向上した耐性に対する要求に対処する。ブレミア属(Bremia)耐性形質を有するレタス植物(例えば、レタス(L.sativa)植物)並びにその部位及び種子を同定及び生成するための核酸マーカーも提供される。特定の実施形態において、本発明は、ブレミア属(Bremia)に対する耐性の新規供給源:CGN23091、野生トゲチシャ(Lactuca serriola)系統種を開示する。野生供給源由来のブレミア属(Bremia)耐性付与配列を栽培レタス植物(例えば、レタス(L.sativa))に遺伝子移入することにより、定性的ブレミア属(Bremia)耐性が栽培レタス植物に付与された。2番染色体に位置するブレミア属(Bremia)耐性付与遺伝子移入配列は、優性の性質を有し;従ってこの配列の1回のコピーでブレミア属(Bremia)耐性表現型が得られる。
全体として、本発明において開示されるブレミア属(Bremia)耐性レタス植物の特徴により、ブレミア属(Bremia)による圧力下にある圃場にレタス品種を展開する際に経済的及び商業的効率を高める新規解決法がレタス栽培者に提供される。さらに、当業者によく理解されているとおり、新規ブレミア属(Bremia)耐性は、単一の植物において他のブレミア属(Bremia)耐性とスタックすることが可能であり、複数のレース/分離株に対する向上した耐性範囲を提供し、新たに出現するレース/分離株に対する保護を提供し、且つ既存のブレミア属(Bremia)耐性の損失を遅延させることが可能である。
第1の実施形態において、本発明は、ブレミアラクツカエ(Bremia lactucae)に対する定性的及び優性な耐性を付与する、トゲチシャ(Lactuca serriola)由来の遺伝子移入配列を含む、ブレミアラクツカエ(Bremia lactucae)に耐性のレタス植物(例えば、レタス(Lactuca sativa)植物などの栽培レタス植物)を提供し、前記遺伝子移入配列は、トゲチシャ(Lactuca serriola)系統種CGN23091又はレタス(Lactuca sativa)系統18LEN002364に含まれ、前記遺伝子移入配列は、2番染色体に位置し、且つ以下のSNPマーカー:
a)配列番号1のSNPマーカーSL1831に係るヘテロ接合又はホモ接合状態のG遺伝子型;
b)配列番号6のSNPマーカーSL1847に係るヘテロ接合又はホモ接合状態のA遺伝子型;
c)配列番号11のSNPマーカーSL1887に係るヘテロ接合又はホモ接合状態のG遺伝子型;及び/又は
d)配列番号16のSNPマーカーSL1883に係るヘテロ接合又はホモ接合状態のC遺伝子型
の1つ以上を含む。
さらなる実施形態において、本発明は、ブレミアラクツカエ(Bremia lactucae)に対する定性的及び優性な耐性を付与する、トゲチシャ(Lactuca serriola)由来の遺伝子移入配列を含む、ブレミアラクツカエ(Bremia lactucae)に対する増強された耐性を有するレタス植物(例えば、レタス(Lactuca sativa)植物などの栽培レタス植物)を提供し、前記遺伝子移入配列は、トゲチシャ(Lactuca serriola)系統種CGN23091又はレタス(Lactuca sativa)系統18LEN002364に含まれ、前記遺伝子移入配列は、2番染色体に位置し、且つ以下のSNPマーカー:
a)配列番号1のSNPマーカーSL1831に係るヘテロ接合又はホモ接合状態のG遺伝子型;
b)配列番号6のSNPマーカーSL1847に係るヘテロ接合又はホモ接合状態のA遺伝子型;
c)配列番号11のSNPマーカーSL1887に係るヘテロ接合又はホモ接合状態のG遺伝子型;及び/又は
d)配列番号16のSNPマーカーSL1883に係るヘテロ接合又はホモ接合状態のC遺伝子型
の1つ以上を含み、B.ラクツカエ(B.lactucae)に対する前記レタス植物の耐性は、前記遺伝子移入配列を含まない対照レタス植物(例えば、レタス(L.sativa)植物)と比べて増強されている。
代表的な実施形態において、
a)マーカーSL1831のG遺伝子型は、配列番号2のフォワードプライマー及び配列番号5のリバースプライマーのオリゴヌクレオチドプライマーの対並びに配列番号3のプローブを伴う核酸フラグメントの増幅によるPCRで同定され得;
b)SNPマーカーSL1847のA遺伝子型は、配列番号7のフォワードプライマー及び配列番号10のリバースプライマーのオリゴヌクレオチドプライマーの対並びに配列番号8のプローブを伴う核酸フラグメントの増幅によるPCRで同定され得;
c)SNPマーカーSL1887のG遺伝子型は、配列番号12のフォワードプライマー及び配列番号15のリバースプライマーのオリゴヌクレオチドプライマーの対並びに配列番号13のプローブを伴う核酸フラグメントの増幅によるPCRで同定され得;及び
d)SNPマーカーSL1883のC遺伝子型は、配列番号17のフォワードプライマー及び配列番号20のリバースプライマーのオリゴヌクレオチドプライマーの対並びに配列番号18のプローブを伴う核酸フラグメントの増幅によるPCRで同定され得る。
実施形態において、本発明に係る植物は、栽培植物である。
実施形態において、本発明の遺伝子移入配列は、位置112において、ヌクレオチドGによって表される耐性マーカー対立遺伝子を有する配列番号1、位置112において、ヌクレオチドAによって表される耐性マーカー対立遺伝子を有する配列番号6、位置99において、ヌクレオチドGによって表される耐性マーカー対立遺伝子を有する配列番号11及び/若しくは位置41において、ヌクレオチドCによって表される耐性マーカー対立遺伝子を有する配列番号16の1つ以上又は前述の配列の1つ以上と少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%以上同一であり、且つ耐性マーカー対立遺伝子を含む配列を含む。
実施形態において、本発明に係る植物は、1つ以上のSNPマーカーについてヘテロ接合体である(例えば、遺伝子移入配列及びSG01ブレミア属(Bremia)耐性についてヘテロ接合体である)。
実施形態において、本発明に係る植物は、1つ以上のSNPマーカーについてホモ接合体である(例えば、遺伝子移入配列及びSG01ブレミア属(Bremia)耐性についてホモ接合体である)。
実施形態において、本発明に係る植物は、SNPマーカーSL1831、SL1847、SL1887及び/又はSL1883の2つ以上、3つ以上又は4つすべてを含む(それぞれヘテロ接合又はホモ接合形態)。
代表的な実施形態において、本発明に係る植物は、少なくとも以下のSNPマーカーを含む(ヘテロ接合又はホモ接合形態のマーカーのいずれか又は両方):
・SL1831及びSL1847;
・SL1831及びSL1883;
・SL1831及びSL1887;
・SL1847及びSL1883;
・SL1847及びSL1887;又は
・SL1883及びSL1887。
例えば、マーカーSL1883及びSL1887を一緒に使用することが可能であり、任意に他のマーカーを追加することが可能である。他の例示として、マーカーSL1847及びSL1887を組み合わせて使用することが可能であり、任意に他のマーカーを追加することが可能である。
実施形態において、本発明の遺伝子移入配列は、少なくともブレミアラクツカエ(Bremia lactucae)レースBl 16-36EUに対する耐性を付与する。
実施形態において、本発明に係る植物は、トゲチシャ(Lactuca serriola)系統種CGN23091又はレタス18LEN002364を、ブレミアラクツカエ(Bremia lactucae)に対する耐性を付与する前記遺伝子移入配列を含まない(例えば、SG01ブレミア属(Bremia)耐性を含まない)第2のレタス植物と交配させることによって得られる。
実施形態において、本発明に係る植物は、近交系、二ゲノム性半数体又は雑種植物である。一般に、本発明の植物は、2倍体である。
さらなる態様として、本発明は、レタス(Lactuca sativa)系統18LEN002364の植物を提供する。
特にこれらに限定されないが、遺伝子移入配列を含む、頭状花、葉、芯、茎、根、花若しくは花部、苗条、配偶体、胞子体、花粉、葯、小胞子、卵細胞、接合子、胚芽、成長領域、カルス組織、種子、挿木、細胞若しくは組織培養物又は植物のいずれかの他の部位若しくは生産物を含む、本明細書に記載の実施形態のいずれかに係るレタス植物から得られる植物部位、器官又は組織を提供することがさらなる実施形態である。実施形態において、植物部位、器官又は組織は、特に、レタスの葉及び/又は頭状花をもたらすレタス植物に成長したとき、本発明に係るブレミア属(Bremia)耐性を示す。
本発明に係る植物を生成する種子がさらに提供される。
本発明に係る植物によって生成される種子がさらに提供される。
他の実施形態では、レタスの頭状花及び/又は葉を生産及び収穫するための本発明の実施形態のいずれかに係るレタス植物、植物部位又は種子の使用が考慮される。
他の実施形態において、本発明は、本発明のブレミア属(Bremia)耐性を有するさらなるレタス植物、植物部位又は種子を得るための、本明細書に記載の実施形態のいずれかに係るレタス植物、植物部位(例えば、頭状花又は葉)又は種子の使用に関する。
他の実施形態において、本発明は、本発明の実施形態のいずれかに係るレタス植物、植物部位又は種子の使用に関し、レタス植物、植物部位又は種子は、レタス(L.sativa)18LEN002364又はその子孫若しくは祖先である。
さらなる実施形態において、本発明は、本発明の実施形態のいずれかに係るレタス植物、植物部位又は種子の使用に関し、レタス植物、植物部位又は種子は、トゲチシャ(L.serriola)系統種CGN23091又はその子孫若しくは祖先である。
他の実施形態として、本発明は、ブレミアラクツカエ(Bremia lactucae)に対して耐性である、増強された耐性(例えば、対照植物と比べて)を有するレタス植物を生成する方法を提供し、方法は、
a)本発明に係るレタス植物を、ブレミアラクツカエ(Bremia lactucae)に対する耐性を付与する前記遺伝子移入配列を含まない第2のレタス植物と交配させて、子孫植物を生成するステップ;
b)ブレミアラクツカエ(Bremia lactucae)に対する耐性を付与する前記遺伝子移入配列を含む子孫植物を選択するステップであって、以下のSNPマーカー:
i)配列番号1のSNPマーカーSL1831に係るヘテロ接合又はホモ接合状態のG遺伝子型;
ii)配列番号6のSNPマーカーSL1847に係るヘテロ接合又はホモ接合状態のA遺伝子型;
iii)配列番号11のSNPマーカーSL1887に係るヘテロ接合又はホモ接合状態のG遺伝子型;及び/又は
iv)配列番号16のSNPマーカーSL1883に係るヘテロ接合又はホモ接合状態のC遺伝子型
の1つ以上を(例えば、遺伝子型決定により)検出するステップを含むステップ
を含み、それによりブレミアラクツカエ(Bremia lactucae)に対する増強された耐性を有する植物を生成する。
任意に、この方法は、
c)選択された子孫を自配させるか、又は選択された子孫植物を別のレタス植物と交配させて、さらなる子孫を生成するステップ
をさらに含む。実施形態において、さらなる子孫は、2~10超の世代にわたって選択され、且つ自配/交配される。
実施形態において、b)の前記選択するステップは、SNPマーカーSL1831、SL1847、SL1887及び/又はSL1883の2つ以上、3つ以上又は4つすべてを(例えば、遺伝子型決定により)検出するステップを含む。任意に、前記選択するステップは、少なくとも以下のSNPマーカー(ヘテロ接合又はホモ接合形態のマーカーのいずれか又は両方):
・SL1831及びSL1847;
・SL1831及びSL1883;
・SL1831及びSL1887;
・SL1847及びSL1883;
・SL1847及びSL1887;又は
・SL1883及びSL1887
を検出するステップを含む。
実施形態において、マーカーSL1883及びSL1887を一緒に使用することが可能であり、任意に他のマーカーを追加することが可能である。他の例示として、マーカーSL1847及びSL1887を組み合わせて使用することが可能であり、任意に他のマーカーを追加することが可能である。
実施形態において、第1及び/又は第2のレタス植物は、レタス(L.sativa)植物である。
さらなる実施形態は、ブレミアラクツカエ(Bremia lactucae)に対する増強された耐性(例えば、対照植物と比べて)を有するレタス植物を生成する方法を提供し、方法は、
a)トゲチシャ(Lactuca serriola)系統種CGN23091の植物を、トゲチシャ(L.serriola)系統種CGN23091由来の、ブレミアラクツカエ(Bremia lactucae)に対する耐性を付与する遺伝子移入配列を含まない第2のレタス植物(例えば、レタス(L.sativa)植物)と交配させて、子孫植物を生成するステップ;
b)ブレミアラクツカエ(Bremia lactucae)に対する耐性を付与する、トゲチシャ(L.serriola)系統種CGN23091からの2番染色体における遺伝子移入を含む子孫植物を選択するステップであって、以下のSNPマーカー:
i)配列番号1のSNPマーカーSL1831に係るヘテロ接合又はホモ接合状態のG遺伝子型;
ii)配列番号6のSNPマーカーSL1847に係るヘテロ接合又はホモ接合状態のA遺伝子型;
iii)配列番号11のSNPマーカーSL1887に係るヘテロ接合又はホモ接合状態のG遺伝子型;及び/又は
iv)配列番号16のSNPマーカーSL1883に係るヘテロ接合又はホモ接合状態のC遺伝子型
の1つ以上を(例えば、遺伝子型決定により)検出するステップを含むステップ
を含み、それによりブレミアラクツカエ(Bremia lactucae)に耐性のレタス植物を生成するステップを含む。
任意に、この方法は、
c)選択された子孫植物を自配させるか、又は選択された子孫を別のレタス植物(例えば、レタス(L.sativa)植物)と交配させて、さらなる子孫を生成するステップ
をさらに含む。実施形態において、さらなる子孫は、2~10超の世代にわたって選択され、且つ自配/交配される。
実施形態において、b)の前記選択するステップは、SNPマーカーSL1831、SL1847、SL1887及び/又はSL1883の2つ以上、3つ以上又は4つすべてを(例えば、遺伝子型決定により)検出するステップを含む。任意に、前記選択するステップは、少なくとも以下のSNPマーカー(ヘテロ接合又はホモ接合形態のマーカーのいずれか又は両方):
・SL1831及びSL1847;
・SL1831及びSL1883;
・SL1831及びSL1887;
・SL1847及びSL1883;
・SL1847及びSL1887;又は
・SL1883及びSL1887
を検出するステップを含む。
実施形態において、マーカーSL1883及びSL1887を一緒に使用することが可能であり、任意に他のマーカーを追加することが可能である。他の例示として、マーカーSL1847及びSL1887を組み合わせて使用することが可能であり、任意に他のマーカーを追加することが可能である。
さらなる実施形態において、本発明は、ブレミアラクツカエ(Bremia lactucae)に対する増強された耐性(例えば、対照植物と比べて)を有するF1雑種レタス植物を生成する方法を提供し、方法は、近交系レタス(例えば、レタス(Lactuca sativa))植物である本発明に係る植物を、異なる近交系レタス(例えば、レタス(L.sativa))植物と交配させて、F1雑種レタス子孫を生成するステップを含む。方法によれば、第2の近交系レタス植物は、ブレミア属(Bremia)耐性を付与する本発明に係る遺伝子移入配列を含んでも又は含まなくてもよい。
実施形態において、本発明は、ブレミアラクツカエ(Bremia lactucae)に対する増強された耐性(例えば、対照植物と比べて)を有するレタス植物(例えば、レタス(L.sativa)植物)を同定する方法を提供し、前記方法は、以下のSNPマーカー:
a)配列番号1のSNPマーカーSL1831に係るヘテロ接合又はホモ接合状態のG遺伝子型;
b)配列番号6のSNPマーカーSL1847に係るヘテロ接合又はホモ接合状態のA遺伝子型;
c)配列番号11のSNPマーカーSL1887に係るヘテロ接合又はホモ接合状態のG遺伝子型;及び/又は
d)配列番号16のSNPマーカーSL1883に係るヘテロ接合又はホモ接合状態のC遺伝子型
の1つ以上を(例えば、遺伝子型決定により)検出するステップを含み、それによりブレミアラクツカエ(Bremia lactucae)に対する増強された耐性を有するレタス植物を同定する。
実施形態において、前述の方法は、前記1つ以上のSNPマーカーを含むレタス植物を選択するステップと、選択されたレタス植物を、同じであるか又は異なり得るレタス植物である第2のレタス植物(例えば、レタス(L.sativa)植物)と交配させて、1つ以上の分子マーカーを含み、且つブレミアラクツカエ(Bremia lactucae)に対する増強された耐性を有する子孫レタス植物を生成するステップとをさらに含む。実施形態において、前記検出するステップは、SNPマーカーSL1831、SL1847、SL1887及び/又はSL1883の2つ以上、3つ以上又は4つすべてを遺伝子型決定により検出するステップを含む。任意に、前記検出するステップは、少なくとも以下のSNPマーカー(ヘテロ接合又はホモ接合形態のマーカーのいずれか又は両方):
・SL1831及びSL1847;
・SL1831及びSL1883;
・SL1831及びSL1887;
・SL1847及びSL1883;
・SL1847及びSL1887;又は
・SL1883及びSL1887
を検出するステップを含む。
実施形態において、マーカーSL1883及びSL1887を一緒に使用することが可能であり、任意に他のマーカーを追加することが可能である。他の例示として、マーカーSL1847及びSL1887を組み合わせて使用することが可能であり、任意に他のマーカーを追加することが可能である。
さらに他の実施形態として、本発明は、レタス種子(例えば、レタス(L.sativa)種子)を生成する方法を提供し、方法は、本発明に係る種子からレタス植物を成長させるステップと、植物にさらなるレタス種子を生成させるステップと、任意に、さらなるレタス種子を収集するステップとを含む。
他の実施形態において、本発明は、ブレミア属(Bremia)に対する増強された耐性を有するレタス植物、植物部位(例えば、葉及び/又は頭状花)又は種子を提供する方法に関し、前記方法は、
a)本発明のブレミア属(Bremia)耐性付与遺伝子移入配列を含まない第1のレタス植物(例えば、レタス(L.sativa)植物)を、本発明の実施形態のいずれかに係る第2のレタス植物(例えば、レタス(L.sativa)植物)と交配させるステップと、
b)子孫レタス植物を得るステップと、
c)任意に、ブレミア属(Bremia)耐性に対する増強された耐性を示すことを特徴とする前記子孫の植物を選択するステップと
を含む。
前述の実施形態によれば、任意に、第2のレタス植物は、トゲチシャ(L.serriola)系統種CGN23091の植物若しくはレタス(L.sativa)18LEN002364又はその子孫若しくは祖先である。
他の実施形態において、本発明は、本発明のブレミア属(Bremia)耐性付与遺伝子移入配列を含むレタス植物(例えば、レタス(L.sativa)植物)を同定する方法に関し、前記方法は、
a)ブレミア属(Bremia)耐性形質に係るレタス(例えば、レタス(L.sativa))分離集団を提供するステップと;
b)ブレミア属(Bremia)に対する耐性を示す植物に係る分離集団をスクリーニングするステップであって、前記耐性形質は、本発明のブレミア属(Bremia)耐性付与遺伝子移入配列の存在によって同定され得る、ステップと;
c)分離集団由来の植物を選択するステップであって、前記植物は、ブレミア属(Bremia)耐性形質を含む、ステップと
を含む。
本発明のこれら及び他の態様を以下の本発明の記載においてより詳細に説明する。
この記載は、本発明を実施し得るすべての異なる方法又は本発明に追加され得るすべての特徴の詳細なカタログとなることを意図されない。例えば、一実施形態に関して例示されている特徴は、他の実施形態に組み込まれ得、また特定の実施形態に関して例示されている特徴は、その実施形態から削除され得る。そのため、本発明では、本発明のいくつかの実施形態において、本明細書で既定されているいずれかの特徴又は特徴の組み合わせが除外又は省略され得ることが予期されている。加えて、本明細書において示唆されている種々の実施形態に対する数多くの変形形態及び追加形態は、本開示の観点から当業者に明らかであり、本発明から逸脱するものではない。従って、以下の記載では、本発明のいくつかの特定の実施形態を例示することが意図され、そのすべての順列、組み合わせ及び変形形態を網羅的に既定することを意図されない。
本明細書において引用されているすべての刊行物、特許出願、特許及び他の文献は、参考文献が提示されている文章及び/又は段落に関連する教示について、その全体が参照により援用される。
本明細書で提供されるヌクレオチド配列は、左から右に5’から3’の方向に示されており、米国特許法施行規則第1.821~1.825条及び世界知的所有権機関(WIPO)標準ST.25に規定されているようなヌクレオチド塩基を表す標準的なコードを用いて表されている(例えば、アデニン(A)、シトシン(C)、チミン(T)及びグアニン(G))。
アミノ酸は、同様に、WIPO標準ST.25を用いて表記されており、例えばアラニン(Ala;A)、アルギニン(Arg;R)、アスパラギン(Asn;N)、アスパラギン酸(Asp;D)、システイン(Cys;C)、グルタミン(Gln;Q)、グルタミン酸(Glu;E)、グリシン(Gly;G)、ヒスチジン(His;H)、イソロイシン(Ile;1)、ロイシン(Leu;L)、リシン(Lys;K)、メチオニン(Met;M)、フェニルアラニン(Phe;F)、プロライン(Pro;P)、セリン(Ser;S)、スレオニン(Thr;T)、トリプトファン(Trp;W)、チロシン(Tyr;Y)及びバリン(Val;V)である。
文脈に他の記載がない限り、本明細書に記載されている本発明の種々の特徴は、いずれかの組み合わせで使用可能であることが特に意図される。さらに、本発明では、本発明のいくつかの実施形態において、本明細書において規定されているいずれかの特徴又は特徴の組み合わせは、除外又は省略が可能であることも予期されている。例示のために、本明細書中において組成物がコンポーネントA、B及びCを含むと規定されている場合、A、B若しくはCのいずれか又はこれらの組み合わせを単独又はいずれかの組み合わせで省略及び放棄し得ることが特に意図される。
定義
本出願の範囲内で使用される技術用語及び表現は、一般に、本明細書において以下に特に示されない場合、植物の育種及び栽培の関連技術においてそれらに一般的に適用される意味を与えられるべきである。
本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用される際、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」及び「その」は、文脈上特に明記されない限り、複数の指示対象を含む。従って、例えば、「植物」への言及は、1つ又は複数の植物を含み、「細胞」への言及は、細胞、組織などの混合物を含む。
本明細書において用いられる場合、「約」という用語は、値又は質量の量、重量、時間、体積、濃度若しくは割合に言及している場合、特定の量からの、いくつかの実施形態では±20%、いくつかの実施形態では±10%、いくつかの実施形態では±5%、いくつかの実施形態では±1%、いくつかの実施形態では±0.5%及びいくつかの実施形態では±0.1%の変動値を含むことを意味している(このような変動量は、本開示の方法の実施に適切であるため)。
本明細書において用いられる場合、「レタス」植物とは、アキノノゲシ属(Lactuca)に属するいずれかの植物を指し、特にこれらに限定されないが、レタス(L.sativa)、L.サリグナ(L.saligna)、ワイルドレタス(L.virosa)及びトゲチシャ(L.serriola)が挙げられる。実施形態において、レタス植物はレタス(L.sativa)である。実施形態において、レタス植物は、栽培種である。
「栽培レタス」植物は、本発明の範囲内において、もはや自然の状態にはなく、人間の手によって農業用途及び/又は人間による消費のために開発及び栽培植物化された植物を指し、トゲチシャ(L.serriola)系統種CGN23091などの野生レタス系統種は除外されると理解される。一例として、実施形態において、栽培レタス植物の茎及び/又は葉は、棘を有さず、閉じた花を有する。代わりに又は追加的に、栽培レタス植物は、雑種植物である。代わりに又は追加的に、栽培レタス植物は、レタス(L.sativa)植物である。レタス(L.sativa)植物と野生種レタスとの種間交配に関連して、前記種間交配の子孫植物は、前記子孫植物がレタス(L.sativa)植物に対して少なくとも3回戻し交配された場合、「栽培レタス」植物とみなされる。
「対立遺伝子」は、本発明の範囲内において、遺伝子又は他の遺伝要素の代替型又は異型を指すものと理解される。このような代替型又は異型は、一塩基多型、挿入、反転、転座若しくは欠失の結果であり得るか、又は例えば化学的若しくは構造的修飾、転写調節若しくは翻訳後修飾/調節によって引き起こされる遺伝子調節の結果であり得る。二倍体細胞又は生物において、所与の遺伝子又は遺伝要素の2つの対立遺伝子は、典型的に、相同染色体の対上の対応する遺伝子座を占有する。
「ブレミアラクツカエ(Bremia lactucae)」。特に寒冷栽培地域において、レタスにべと病を引き起こす卵菌。
本明細書において用いられる場合、「耐性(resistance)」及び「耐性(resistant)」(及び同様の用語)という用語は、同様の環境条件下及び病原体による圧力下で感受性の植物と比べた場合、特定の病原体及び/又は病原体により引き起こされる損傷の成長及び発生を制限する植物の能力を指す。耐性は、定性的又は定量的であり得る。実施形態において、「耐性」植物は、特定の病原体に対して示す症状が低減されるか、実質的に皆無であるか又はさらに皆無である。いくつかの実施形態において、「耐性」植物は、いくつかの症状を示すが、許容可能な収量で市場性の高い産物をもたらすことが可能であり、例えば病原体が不在である場合の収量及び/又は成長と比べて収量が低くてもよく、及び/又は植物が発育不全であり得る。実施形態において、本発明に係るレタス植物は、IBEB(International Bremia Evaluation Board)によるSEXTETコードに準拠して特徴付けられ且つ分類されるブレミアラクツカエ(Bremia lactucae)レースBl 16-36EUに対して少なくとも耐性である。実施形態において、本発明のブレミア属(Bremia)耐性レタス植物は、例えば、いずれかのブレミア属(Bremia)レースBl 16-36EUが播種された場合、例えば以下の実施例1に定義されているテスト条件といった標準的なテスト条件下において、胞子形成をまったく又はほとんど伴うことなく、壊死をまったく又はほとんど示さない。実施形態において、本発明のブレミア属(Bremia)耐性は、優性である。実施形態において、ブレミア属(Bremia)耐性は定性的である。実施形態において、本発明のブレミア属(Bremia)耐性は、単性遺伝を示す。
「増強されたブレミア属(Bremia)耐性」(及び同様の用語)という用語は、本明細書において、植物は、少なくとも1種のブレミア属(Bremia)レース又は分離株(例えば、スチューデントの検定を用いて、p<0.1、p<0.05又はp<0.01で、本発明の遺伝子移入配列を含まない対照レタス植物と比べたブレミア属(Bremia)耐性の統計的に顕著な向上)に対してより耐性であり、且つ/又は本発明の遺伝子移入配列を含まない対照レタス植物と比べて幅広い範囲のブレミア属(Bremia)耐性を有する(例えば、1種以上の追加のブレミア属(Bremia)レース/分離株に対する耐性を有する)ことを意味すると理解される。実施形態において、「増強されたブレミア属(Bremia)耐性」は、植物が既に有していた可能性があるものに対する1種以上のブレミア属(Bremia)レース又は分離株に対する追加の耐性の提供を指し(すなわち耐性のスタッキング)、それにより前記遺伝子移入配列(すなわち耐性管理の形態として)を伴わない植物と比べてブレミア属(Bremia)耐性が破られるリスクが低下する。
「対照レタス植物」は、本発明の範囲内において、本発明のレタス植物(例えば、レタス(L.sativa))と同一の種であり、且つブレミア属(Bremia)耐性と関連付けられた本発明の遺伝子移入配列を含まないレタス植物(例えば、本発明の遺伝子移入配列を含まない親レタス植物の1種)を意味すると理解される。実施形態において、対照レタス植物は、本発明のレタス植物と同一の遺伝的背景を有し、且つ任意に本発明の遺伝子移入配列を含まない同一の植物品種に属する植物である。本明細書において、植物品種は、UPOVの定義に従って理解される。そのため、対照レタス植物は、準同質遺伝子系統、近交系系統又は雑種であり得るが、ただし、対照植物がブレミア属(Bremia)耐性に関連付けられた本発明の遺伝子移入配列を含まないことを除き、本発明のレタス植物と同一の遺伝的背景を有する。対照レタス植物は、本発明のレタス植物と同一の期間及び同一の条件下栽培される。
「形質」という用語は、特徴又は表現型(例えば、ブレミア属(Bremia)耐性などの病害耐性)を指す。形質は、優性若しくは劣勢であるか、又は部分若しくは不完全優性で遺伝し得る。本発明に関連して、本発明のブレミア属(Bremia)耐性は、優性形質である。本発明のレタス植物は、従って、形質に対してホモ接合体又はヘテロ接合体であり得る。さらに、形質は、単遺伝子性若しくは多遺伝子性であり得るか、又は1つ以上遺伝子と環境との相互作用に起因し得る。本発明に関連して、2番染色体に位置するブレミア属(Bremia)耐性付与遺伝子移入配列は、単性遺伝を示し、且つブレミア属(Bremia)耐性形質を付与するのに十分である。
「雑種」、「雑種植物」及び「雑種子孫」という用語は、遺伝的に異なる親から生成された個体(例えば、遺伝的にヘテロ接合性又はほぼヘテロ接合性の個体)を指す。
「近交系」という用語は、遺伝的にホモ接合性又はほぼホモ接合性の集団を指す。近交系は、例えば、兄弟/姉妹育種若しくは自殖のいくつかの周期を通して又は二ゲノム性半数体生成によって得られる。
「二ゲノム性半数体系統」という用語は、別の培養物に由来する安定した近交系を指す。特定の培地及び環境で栽培されたいくつかの花粉粒(半数体)は、n個の染色体を含有する胚を発達させ得る。次に、これらの胚は、「倍化」され、2n個の染色体を含有する。これらの胚の子孫は、「二ゲノム性半数体」と呼ばれ、本質的にもはや分離しない(安定している)。
「栽培品種」又は「品種」という用語は、天然の品種と区別される、園芸のために作られる品種を指す。本発明のある実施形態において、栽培品種又は品種は、市販されている。
「遺伝的に固定される」という用語は、遺伝要素を通常含有しない植物のゲノム中に安定的に組み込まれた遺伝要素を指す。遺伝的に固定される場合、遺伝要素は、有性交配によって容易且つ予測可能な形式で他の植物に伝達され得る。
「植物」又は「植物部位」という用語は、本明細書において、本発明に係る植物から得られる植物部位、器官又は組織を指し、特に限定されないが、葉、茎、根、花若しくは花部、果実、苗条、配偶体、胞子体、花粉、葯、小胞子、卵細胞、接合子、胚芽、成長領域、カルス組織、種子、挿木、頭状花、芯、細胞若しくは組織培養物(カルス培養物を含む)又は植物のいずれかの他の部位若しくは生産物を含む。実施形態において、植物部位は、本発明の遺伝子移入配列を含む。実施形態において、植物部位は、特に、レタスの葉及び/又は頭状花をもたらす植物に成長したとき、本発明に係るブレミア属(Bremia)耐性形質を示す。
「植物」は、任意の発達段階における任意の植物である。
植物「種子」は、実施形態にいずれかに記載の植物へと成長する種子である。
「植物細胞」は、プロトプラスト及び細胞壁を含む植物の構造的及び生理的単位である。植物細胞は、単離された単一の細胞若しくは培養された細胞の形態であり得るか、又は例えば植物組織、植物器官若しくは植物全体などの高度に組織化された単位の一部としてのものであり得る。
「植物細胞培養物」は、例えば、プロトプラスト、細胞培養細胞、植物組織中の細胞、花粉、花粉管、胚株、胚嚢、接合子及び様々な発達段階における胚などの植物単位の培養物を意味する。
「植物器官」は、根、茎、葉、花芽又は胚など、明確で視覚的に構造化された植物の分化した部分である。
本明細書において使用される際、「植物組織」は、構造的及び機能的単位へと組織化された植物細胞の群を意味する。植物中又は培養物中の任意の植物組織が含まれる。この用語は、限定はされないが、植物全体、植物器官、植物種子、組織培養物並びに構造的及び/又は機能的単位へと組織化された植物細胞の任意の群を含む。上に列挙されるか又はこの定義によって包含される任意の特定のタイプの植物組織と併せた又はそれを伴わないこの用語の使用は、任意の他のタイプの植物組織を除外することが意図されない。
「加工食品」は、本発明の範囲内において、その自然の状態から変化された食品を意味すると理解される。食品の加工に用いられる方法としては、これらに限定されないが、切断、スライス、ダイシング、研磨、缶詰め、冷凍、冷蔵、脱水、加熱及び防腐処理が挙げられる。
「生鮮カット市場」は、本発明の範囲内において、市場における最低限にのみ加工された野菜を意味すると理解される。
本明細書において用いられる場合、「マーカー対立遺伝子」又は「マーカー遺伝子座の対立遺伝子」(及び類似の用語)という用語は、表現型形質の変異性に寄与する1つ以上の遺伝的に関連する遺伝子座(例えば、ブレミア属(Bremia)耐性遺伝子座)の存在を探し出し且つ/又は指し示すマーカーとして用いられる多型遺伝子座における対立遺伝子(本明細書において定義されているとおり)を指す。
本明細書において用いられる場合、「マーカー遺伝子座」は、固体のゲノムに存在し、且つ形質に寄与する遺伝子又はいずれかの他の遺伝的決定基若しくは因子を含み得る関心のある1つ以上の遺伝子座に遺伝的に関連するヌクレオチド又はポリヌクレオチド配列を含む染色体における領域を指す。「マーカー遺伝子座」は、プローブとして用いられる核酸配列などのゲノム配列に相補的ポリヌクレオチド配列を含む染色体における領域も指す。マーカー遺伝子座は、例えば、表現型形質の発現をコードするか又はそれに寄与する連鎖遺伝子座といった第2の連鎖遺伝子座の存在を追跡するために用いることが可能である。例えば、マーカー遺伝子座は、遺伝的又は物理的にマーカー遺伝子座に関連付けられるQTL又は単一の遺伝子などの遺伝子座における対立遺伝子の分離を監視するために用いることが可能である。
本明細書において使用される際、「育種」という用語及びその文法的変化形は、子孫の個体を生成する任意のプロセスを指す。育種は、有性若しくは無性又はそれらの任意の組合せであり得る。例示的な非限定的な育種のタイプは、交配、自殖、倍加半数体の派生的生成及びそれらの組合せを含む。
本明細書において使用される際、「確立された育種集団」という語句は、育種計画、例えば商業的育種計画において親によって生成され、且つ/又は親として使用される潜在的育種パートナーの集合を指す。確立された育種集団のメンバーは、典型的に、遺伝子的に及び/又は表現型的に十分に特性決定されている。例えば、対象とするいくつかの表現型形質は、例えば、異なる環境条件下、複数の場所及び/又は異なる時間で評価され得る。代わりに又は加えて、表現型形質の発現に関連する1つ又は複数の遺伝子座が同定され得、育種集団のメンバーの1つ又は複数は、1つ又は複数の遺伝子座及び1つ又は複数の遺伝子座に関連する1つ又は複数の遺伝子マーカーに関して遺伝子型を決定され得る。
本明細書において使用される際、「二倍体」植物という用語は、2組の染色体を有する植物を指し、典型的に、1つは、その2つの親のそれぞれからのものである。しかしながら、ある実施形態において、二倍体植物は、例えば、植物が自殖して植物の次の世代を生成する場合、同じ単一の生物からその「母親」及び「父親」の染色体の組を受け継ぎ得ることが理解される。
「ホモ接合」とは、本発明の範囲内において、相同染色体における1つ以上の対応する遺伝子座における同様の対立遺伝子を指すと理解される。
「ヘテロ接合」とは、本発明の範囲内において、相同染色体における1つ以上の対応する遺伝子座における異なる対立遺伝子を指すと理解される。
「優勢な」対立遺伝子は、本発明の範囲内において、ヘテロ接合又はホモ接合状態で存在する場合に表現型を決定する対立遺伝子を指すと理解される。
「劣勢」対立遺伝子は、ホモ接合状態で存在する場合のみに表現型を決定する対立遺伝子を指す。
「戻し交配」は、本発明の範囲内において、雑種の子孫が元の親の一方(反復親)と繰り返し交配されるプロセスを指すものと理解される。異なる反復親が後の戻し交配において使用され得る。
「遺伝子座」は、本発明の範囲内において、遺伝子又は形質に寄与する任意の他の遺伝要素若しくは因子を含む染色体上の領域を指すものと理解される。
「遺伝的連鎖」は、本発明の範囲内において、遺伝子座間での組換え率により計測される(センチモルガン、cM)、同一の染色体における近接した遺伝子の位置による遺伝における形質の関連性を指すと理解される。
本発明の目的のために、「共分離」という用語は、形質に対する対立遺伝子及びマーカーに対する対立遺伝子は、同一の染色体において物理的に近接しているために一緒に伝達される傾向にあり(すなわち物理的に近接しているためにこれらの間での組換えが減少する)、同一の染色体におけるこれらの近接性の結果として、対立遺伝子の非無作為な関連性がもたらされることを指す。「関連する」という用語は、同等の意味で使用可能である。
本明細書において用いられる場合、「定量的/定性的形質遺伝子座における遺伝的構造」という用語は、関心のある表現型形質に統計的に相間し、且つ関心のある表現型形質の根底にある遺伝学的基礎を表すゲノム領域を指す。
本明細書において使用される際、「遺伝子マーカー」又は「分子マーカー」という語句は、対象とする1つ又は複数の遺伝子座に関連する個体のゲノムの特徴(例えば、個体のゲノムに存在するヌクレオチド又はポリヌクレオチド配列)を指す。ある実施形態において、遺伝子マーカーは、文脈に応じて、対象とする集団において多型であるか、又は多型によって占有される遺伝子座である。遺伝子マーカーとしては、多くの他の例の中でも、例えば一塩基多型(SNP)、インデル(すなわち挿入/欠失)、単純反復配列(SSR)、制限酵素断片長多型(RFLP)、ランダム増幅多型DNA(RAPD)、切断増幅多型配列(CAPS)マーカー、多様性アレイ技術(DArT)マーカー及び増幅断片長多型(AFLP)が挙げられる。遺伝子マーカーは、例えば、表現型形質の変動性に寄与する染色体上の対立遺伝子を含有する遺伝子座の位置を特定するのに使用され得る。「遺伝子マーカー」という語句は、プローブとして使用される核酸の配列などのゲノム配列と相補的なポリヌクレオチド配列も指し得る。実施形態において、遺伝子マーカーは、それが関連する遺伝子座内又は遺伝子座外にある(すなわちそれぞれ遺伝子内又は遺伝子外の)染色体上の位置に物理的に位置し得る。
本明細書において使用される際、「遺伝子型」という用語は、細胞又は生物の遺伝子構成を指す。個体の「一連の遺伝子マーカーに対する遺伝子型」は、個体のハプロタイプに存在する1つ又は複数の遺伝子マーカー遺伝子座に対する特定の対立遺伝子を含む。当技術分野において公知であるように、遺伝子型は、遺伝子座が関連しているか若しくは関連していないか、及び/又は連鎖しているか若しくは連鎖していないかにかかわらず、単一の遺伝子座又は複数の遺伝子座に関連し得る。ある実施形態において、個体の遺伝子型は、1つ又は複数の遺伝子が、対象とする表現型(例えば、本明細書に定義される量的形質)の発現に関与するという点で関連する1つ又は複数の遺伝子に関連する。従って、ある実施形態において、遺伝子型は、1つ又は複数の遺伝子座における個体内に存在する1つ又は複数の対立遺伝子を含む。ある実施形態において、遺伝子型は、ハプロタイプ(本明細書においても定義される)に関して発現される。
本明細書において使用される際、「遺伝資源」という用語は、集団又は他の個体群(例えば、種)の遺伝子型の全体を指す。「遺伝資源」という用語は、植物材料、例えば様々な対立遺伝子のレポジトリとして機能する植物の群も指し得る。「適合された遺伝資源」という語句は、例えば、所与の環境的又は地理的領域に対して遺伝子的優位性が証明された植物材料を指す一方、「非適合遺伝資源」、「原遺伝資源」及び「外来遺伝資源」という語句は、例えば、所与の環境的又は地理的領域に対して遺伝的価値が未知であるか又は証明されていない植物材料を指す。従って、「非適合遺伝資源」という語句は、ある実施形態において、確立された育種集団の一部ではなく、確立された育種集団のメンバーに対する公知の関係を有さない植物材料を指す。
「ハプロタイプ」は、複数の遺伝子座、すなわち対立遺伝子の組み合わせにおける個々の遺伝子型である。典型的には、ハプロタイプを定義する遺伝子座は、物理的及び遺伝的に関連しており、すなわち同一の染色体セグメントに沿った複数の遺伝子座である。
本明細書において用いられる場合、「遺伝子移入」、「遺伝子移入」及び「遺伝子移入」(及びその文法的変形)という用語は、遺伝的背景の一方から他方への、所望の対立遺伝子又は1つの遺伝子座若しくは複数の遺伝子座を含有する所望の対立遺伝子の自然及び人工的な伝達の両方を指す。例えば、特定の遺伝子座における所望の対立遺伝子は2つの親間の性的交配を介した少なくとも1つの子孫に伝達可能であり、親の少なくとも一方は、所望の対立遺伝子をそのゲノムに有する(「ドナー」親)。代わりに、例えば、対立遺伝子の伝達は、例えば、融合原形質体中の2つのドナーゲノム間の組換えによって生じることが可能であり、ドナー原形質体の少なくとも一方が所望の対立遺伝子をそのゲノムに有する。所望の対立遺伝子を含む子孫を反復親と反復戻し交配させて、所望の遺伝的背景を有し、且つ所望の対立遺伝子について選択された系統を形成することが可能であり、結果として、所望の対立遺伝子は所望の遺伝的背景に固定化される。例えば、増強されたブレミア属(Bremia)耐性に関連するマーカーは、ドナー親から遺伝子移入配列を含まない反復親に遺伝子移入され得る。得られる子孫は、任意に、反復親に反復戻し交配が可能であり、子孫が反復親の背景にブレミア属(Bremia)耐性を付与する遺伝子移入配列を有するまで選択が可能である。
本明細書において用いられる場合、「連鎖」という用語及びその文法的変形は、対立遺伝子が、同一の染色体における異なる遺伝子座で、伝達が独立していた場合に意図せずに想定されるより高頻度で分離する傾向を指し、いくつかの実施形態では物理的近接性の結果である。
本明細書において使用される際、「核酸」という語句は、ヌクレオチドのポリマー(例えば、典型的なDNA、cDNA又はRNAポリマー)、修飾オリゴヌクレオチド(例えば、2’-O-メチル化オリゴヌクレオチドなど、生物学的RNA又はDNAに典型的ではない塩基を含むオリゴヌクレオチド)などを含む、ヌクレオチドの鎖に対応し得るモノマー単位の任意の物理的鎖を指す。ある実施形態において、核酸は、一本鎖、二本鎖、複数鎖又はそれらの組合せであり得る。特に示されない限り、本開示の主題の特定の核酸配列は、任意に、明示的に示される任意の配列に加えて相補的な配列を含み、且つ/又はそれをコードする。
本明細書において使用される際、「複数」という用語は、2つ以上を指す。従って、「複数の個体」は、少なくとも2つの個体を指す。ある実施形態において、複数という用語は、全体の半分超を指す。例えば、ある実施形態において、「複数の集団」は、その集団のメンバーの半分超を指す。用語「複数の」のこれらの使用は、文脈に応じて当業者に明らかであろう。
本明細書において使用される際、「子孫」という用語は、特定の交配の子孫を指す。典型的に、子孫は、2つの個体の育種から生じるが、いくつかの種(特にいくつかの植物及び雌雄同体の動物)は、自殖し得る(すなわち同じ植物が雄性及び雌性配偶子の両方のドナーとしての役割を果たす)。子孫は、任意の世代、例えばF1、F2又は任意の次世代のものであり得る。
本明細書において使用される際、「質的形質」という語句は、主要な表現型効果を示す1つ又はいくつかの遺伝子によって制御される表現型形質を指す。このため、質的形質は、典型的に単純に遺伝する。植物における例としては、これらに限定されないが、花の色及び例えば本発明のブレミア属(Bremia)耐性などの数々の既知の病害耐性が挙げられる。
本明細書において用いられる場合、「定量的形質」という語句は、数値的に記載(すなわち定量化又は数量化)可能な表現型形質を指す。定量的形質は、典型的には、個体群の個々間に連続的な変異を示し;すなわち、表現型形質の数値の差異は、わずかであり、相互に段階的である。頻繁に、定量的表現型形質の個体群における頻度分布は、ベル形状の曲線を示す(すなわち2つの極値の間で正規分布を示す)。「定量的形質」は、典型的には、環境と相互作用する遺伝子座の結果であるか、又は互いに相互作用し且つ/若しくは環境と相互作用する複数の遺伝子座の結果である。定量的形質の例としては、植物の高さ及び収量が挙げられる。
本明細書において用いられる場合、「定量的形質遺伝子座」(QTL)及び「マーカー形質関連」という用語は、遺伝マーカーと、関心のある形質の表現型に影響を与える染色体領域及び/又は遺伝子との間の関連性を指す。典型的には、これは、例えば文献において公開されている1つ以上の方法に基づいて統計的に決定される。QTLは、表現型形質(定量的形質又は定性的形質のいずれか)に異なって影響を与える少なくとも2つの対立遺伝子を伴う染色体領域及び/又は遺伝子座であり得る。
「レシピエント植物」という用語は、本明細書において、関心のある形質(例えば、ブレミア属(Bremia)耐性)に係る遺伝子移入配列を含むドナー植物から得られたDNAを受け取る植物を示すために用いられる。前記「レシピエント植物」は、ブレミア属(Bremia)耐性に対する1つ以上のネイティブ又は遺伝子移入配列を既に含んでも又は含まなくてもよく、この場合、この用語は、追加の遺伝子移入配列を異なる遺伝子座で受け取る植物を示す。
「天然の遺伝的背景」という用語は、本明細書において、関心のある遺伝子配列の本来の遺伝的背景を示すために用いられる。このような遺伝的背景は、例えば野生系統種のゲノムであり得る。例えば、本発明の遺伝子配列は、トゲチシャ(L.serriola)植物の2番染色体における特定の位置で見出された。反対に、例えば育種を介した、この遺伝子配列を含むDNAの例えばトゲチシャ(L.serriola)植物の2番染色体から他のレタス種(例えば、レタス(L.sativa))の2番染色体の同一位置への移植を含む方法では、この遺伝子配列は、天然遺伝的背景にないことになる。本発明の遺伝子配列がトゲチシャ(L.serriola)背景から他のレタス種(例えば、レタス(L.sativa))に移入される場合、これらは、「遺伝子移入配列」又は「遺伝子移入遺伝子配列」(又は類似の用語)と称される。
「ドナー植物」は、本発明の範囲内において、増強されたブレミア属(Bremia)耐性に対する少なくとも1つの配列を提供する(すなわちレシピエント植物に遺伝子移入される)植物を意味すると理解される。
「マーカーによる選択」は、本発明の範囲内において、例えば植物由来の1つ又は複数の核酸を検出する遺伝子マーカーの使用を指すものと理解され、選択的育種計画においてそれらの植物が使用(又は回避)され得るように、核酸は、望ましい(又は望ましくない)形質を付与する対立遺伝子を有する植物を同定するように所望の形質に関連している。
DNA中の単一部位における変異である一塩基多型(SNP)は、ゲノムの変異の最もよく見られるタイプである。SNPは、ゲノム(又は他の共有配列)中の一塩基(A、T、C又はG)が生物学的種のメンバー間又は個体の対合染色体間で異なるときに起こるDNA配列の変異である。例えば、異なる個体由来の2つの配列決定されたDNA断片、AAGCCTAと、AAGCTTAとは、一塩基の相違を含む。この場合、2つの対立遺伝子:C及びTがある。SNPアレイの基本原理は、DNAマイクロアレイと同じである。これらは、DNAハイブリダイゼーション、蛍光顕微鏡法及びDNA捕捉の集合である。SNPアレイの3つの構成要素は、核酸配列(例えば、増幅配列又は標的)を含むアレイ、1つ又は複数の標識された対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドプローブ及びハイブリダイゼーションシグナルを記録し、それを解釈する検出システムである。所望の対立遺伝子の有無は、例えば、二本鎖DNA色素又は蛍光レポータープローブ法を用いるリアルタイムPCRにより判定され得る。
「PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)」は、本発明の範囲内において、ゲノムのDNAの特定の領域又はサブセットを比較的大量に生成し、それにより、それらの領域に基づく様々な分析を可能にする方法を指すものと理解される。
「PCRプライマー」は、本発明の範囲内において、DNAの特定領域のPCR増幅において使用される一本鎖DNAの比較的短い断片を指すものと理解される。
「表現型」は、本発明の範囲内において、遺伝的に制御される形質の区別できる特性を指すものと理解される。
本明細書において使用される際、「表現型形質」という語句は、そのゲノム、プロテオーム及び/又はメタボロームと環境との相互作用から生じる個体の外見又は他の検出可能な特性を指す。
「多型」は、本発明の範囲内において、2つ以上の異なる形態の遺伝子、遺伝子マーカー若しくは遺伝した形質又は例えば選択的スプライシング、DNAメチル化などによって得ることができる遺伝子産物の集団の存在を指すものと理解される。
本明細書において使用される際、「プローブ」は、特定の標的分子又は細胞構造を認識しそれに結合することができ、従って標的分子又は構造の検出を可能にする原子又は分子の群を指す。実施形態において、「プローブ」は、分子ハイブリダイゼーションによって相補的な配列の存在を検出し、それを定量化するのに使用され得る標識されたDNA又はRNA配列を指す。
本明細書において用いられる場合、本開示の主題に関連して、「性的交配」及び「性的生殖」という語句は、子孫をもたらす配偶子の融合を指す(例えば、植物における受粉による種子の生成など、受精による)。「性的交配」又は「交雑」は、いくつかの実施形態において、一の固体と他の固体との受精(例えば、植物における他家受粉)である。
「選択的育種」は、本発明の範囲内において、望ましい形質を有するか又はそれを示す植物を親として用いる育種プログラムを指すと理解される。
「自配」という用語は、いくつかの実施形態において、自家受精又は自家受粉による種子の生成を指し、すなわち、花粉及び胚珠は、同一の植物に由来する。
「テスター」植物は、本発明の範囲内において、テストされる植物における形質を遺伝的に特徴付けるために用いられるナス属(Solanum)の植物を指すと理解される。典型的には、テストされる植物は、「テスター」植物と交配され、交配の子孫における形質の分離比が採点される。
本明細書において使用される際、「ハイブリダイズする」という用語は、従来のハイブリダイゼーション条件、好ましくは5×SSPE、1%のSDS、1×デンハート液が溶液として使用され、且つ/又はハイブリダイゼーション温度が35℃~70℃、好ましくは65℃であるハイブリダイゼーション条件を指す。ハイブリダイゼーション後、好ましくは、まず2×SSC、1%のSDSを用いて、続いて0.2×SSCを用いて、35℃~75℃、特に45℃~65℃であるが、特に59℃の温度で洗浄が行われる(SSPE、SSC及びデンハート液の定義に関しては、Sambrook et al.の引用箇所を参照されたい)。例えば、Sambrook et al(上記)に記載される高ストリンジェンシーのハイブリダイゼーション条件が特に好ましい。特に好ましいストリンジェントなハイブリダイゼーション条件は、例えば、ハイブリダイゼーション及び洗浄が上で示されるように65℃で行われる場合に存在する。例えば、45℃で行われるハイブリダイゼーション及び洗浄を用いた非ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件は、より好ましくなく、35℃ではさらにより好ましくない。
本発明によれば、「前記位置Xに対応する位置」という用語(Xは、本出願中のそれぞれの文脈において見出されるいずれかの数字である)は、後述される配列番号におけるそれぞれの位置を含むのみならず、本発明の遺伝子配列をコードするいずれかの配列も含み、基準配列番号とのアライメント後、それぞれの位置は、異なるが、基準配列番号について示されたものに対応する数字を有し得る。遺伝子配列のアライメントは、当業者に公知の種々のアライメントツールを適用することにより行うことが可能である。
サザン及びノーザンハイブリダイゼーションなどの核酸ハイブリダイゼーション実験に関する「ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件」及び「ストリンジェントなハイブリダイゼーション洗浄条件」は、配列依存的であり、異なる環境パラメータ下で異なる。より長い配列は、より高い温度で特異的にハイブリダイズする。核酸のハイブリダイゼーションの広範囲にわたる指針は、Tijssen(1993)Laboratory Techniques in Biochemistry and Molecular Biology-Hybridization with Nucleic Acid Probes part I chapter 2“Overview of principles of hybridization and the strategy of nucleic acid probe assays”Elsevier,New Yorkに見られる。一般に、高度にストリンジェントなハイブリダイゼーション及び洗浄条件は、規定のイオン強度及びpHで特定の配列について熱的融点より約5℃低くなるように選択される。典型的に、「ストリンジェントな条件」下において、プローブは、その標的部分配列にハイブリダイズするが、他の配列にハイブリダイズしない。
「熱的融点」は、(規定のイオン強度及びpHで)標的配列の50%が完全に一致するプローブにハイブリダイズする温度である。非常にストリンジェントな条件は、特定のプローブの溶融温度(Tm)に等しくなるように選択される。サザン又はノーザンブロットにおいてフィルタ上に100個を超える相補的残基を有する相補的核酸のハイブリダイゼーションのためのストリンジェントなハイブリダイゼーション条件の例は、42℃で、1mgのヘパリンを含む50%のホルムアミドであり、ハイブリダイゼーションは、一晩行われる。高度にストリンジェントな洗浄条件の例は、約15分間にわたって72℃で0.15MのNaClである。ストリンジェントな洗浄条件の例は、15分間にわたって65℃で0.2倍のSSC洗浄である(SSC緩衝液の説明については、Sambrook(下記)を参照されたい)。多くの場合、高ストリンジェンシー洗浄前に、バックグラウンドプローブシグナルを除去するための低ストリンジェンシー洗浄が行われる。例えば、100個を超えるヌクレオチドの二重鎖に対する中程度ストリンジェンシー洗浄の例は、15分間にわたって45℃で1倍のSSCである。例えば、100個を超えるヌクレオチドの二重鎖に対する低ストリンジェンシー洗浄の例は、15分間にわたって40℃で4~6倍のSSCである。短いプローブ(例えば、約10~50個のヌクレオチド)の場合、ストリンジェントな条件は、典型的に、pH7.0~8.3で約1.0M未満のNaイオンの塩濃度、典型的に約0.01~1.0MのNaイオン濃度(又は他の塩)を含み、温度は、典型的に、少なくとも約30℃である。ストリンジェントな条件は、ホルムアミドなどの不安定化剤の添加によっても達成され得る。一般に、特定のハイブリダイゼーションアッセイにおいて無関係のプローブについて観察されるものの2倍(又はそれを超える)の信号対雑音比は、特定のハイブリダイゼーションの検出を示す。ストリンジェントな条件下で互いにハイブリダイズしない核酸は、それらがコードするタンパク質が実質的に同一である場合、依然として実質的に同一である。これは、例えば、核酸のコピーが、遺伝子コードによって許容される最大のコドンの縮退を用いて形成される場合に生じる。
植物、種子、生成物。
第1の実施形態において、本発明は、ブレミアラクツカエ(Bremia lactucae)に対する耐性を付与する、トゲチシャ(Lactuca serriola)由来の遺伝子移入配列を含む、ブレミアラクツカエ(Bremia lactucae)に対する増強された耐性(例えば、対照植物と比べて)を有するレタス植物(例えば、レタス(Lactuca sativa)植物)を提供し、前記遺伝子移入配列は、トゲチシャ(Lactuca serriola)系統種(例えば、目録CGN23091)又は寄託されたレタス(Lactuca sativa)系統18LEN002364に含まれ、前記遺伝子移入配列は、2番染色体に位置する。実施形態において、耐性は、定性的耐性である。実施形態において、耐性は、定性的耐性である。実施形態において、耐性は、単性遺伝を示す。
実施形態において、本発明の植物は、栽培植物、任意に栽培レタス(L.sativa)植物である。
実施形態において、前記遺伝子移入配列は、少なくともブレミアラクツカエ(Bremia lactucae)レースBl 16-36EUに対する耐性を付与する。
実施形態において、遺伝子移入配列は、本明細書中における表3に示されているSNPマーカーの1つ以上を含む。実施形態において、遺伝子移入は、以下のSNPマーカー:
a)配列番号1のSNPマーカーSL1831に係るヘテロ接合又はホモ接合状態のG遺伝子型;
b)配列番号6のSNPマーカーSL1847に係るヘテロ接合又はホモ接合状態のA遺伝子型;
c)配列番号11のSNPマーカーSL1887に係るヘテロ接合又はホモ接合状態のG遺伝子型;及び/又は
d)配列番号16のSNPマーカーSL1883に係るヘテロ接合又はホモ接合状態のC遺伝子型
の1つ以上、2つ以上、3つ以上又は4つすべてを含む。
さらなる実施形態において、
a)マーカーSL1831のG遺伝子型は、配列番号2のフォワードプライマー及び配列番号5のリバースプライマーのオリゴヌクレオチドプライマーの対並びに配列番号3のプローブを伴う核酸フラグメントの増幅によるPCRで同定され得;
b)SNPマーカーSL1847のA遺伝子型は、配列番号7のフォワードプライマー及び配列番号10のリバースプライマーのオリゴヌクレオチドプライマーの対並びに配列番号8のプローブを伴う核酸フラグメントの増幅によるPCRで同定され得;
c)SNPマーカーSL1887のG遺伝子型は、配列番号12のフォワードプライマー及び配列番号15のリバースプライマーのオリゴヌクレオチドプライマーの対並びに配列番号13のプローブを伴う核酸フラグメントの増幅によるPCRで同定され得;及び
d)SNPマーカーSL1883のC遺伝子型は、配列番号17のフォワードプライマー及び配列番号20のリバースプライマーのオリゴヌクレオチドプライマーの対並びに配列番号18のプローブを伴う核酸フラグメントの増幅によるPCRで同定され得る。
代表的な実施形態において、本発明の植物は、少なくとも以下のSNPマーカー(個別のマーカーは、それぞれヘテロ接合又はホモ接合形態で存在する):
・SL1831及びSL1847;
・SL1831及びSL1883;
・SL1831及びSL1887;
・SL1847及びSL1883;
・SL1847及びSL1887;
・SL1883及びSL1887;
・SL1831、SL1847及びSL1883;
・SL1831、SL1847及びSL1887;
・SL1847、SL1883及びSL1887;又は
・SL1831、SL1847、SL1883及びSL1887
を含む。
例えば、マーカーSL1883及びSL1887を一緒に使用することが可能であり、任意に他のマーカーを追加することが可能である。他の例示として、マーカーSL1847及びSL1887を組み合わせて使用することが可能であり、任意に他のマーカーを追加することが可能である。
代表的な実施形態において、遺伝子移入配列は、位置112において、ヌクレオチドGによって表される耐性マーカー対立遺伝子を有する配列番号1、位置112において、ヌクレオチドAによって表される耐性マーカー対立遺伝子を有する配列番号6、位置99において、ヌクレオチドGによって表される耐性マーカー対立遺伝子を有する配列番号11及び/若しくは位置41において、ヌクレオチドCによって表される耐性マーカー対立遺伝子を有する配列番号16の1つ以上、2つ以上、3つ以上若しくは4つすべて又は前述の配列の1つ以上と少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%若しくは99%同一であり、且つ耐性マーカー対立遺伝子を含む配列を含む。
さらなる実施形態において、本発明は、本明細書に記載の実施形態のいずれかに係る植物を提供し、前記植物は、前記ブレミア属(Bremia)耐性付与遺伝子移入配列の少なくとも1つのコピー(例えば、ヘテロ接合体である)を含む。
さらなる実施形態において、本発明は、前述の実施形態のいずれかに係る植物を提供し、前記植物は、前記ブレミア属(Bremia)耐性付与遺伝子移入配列の2つのコピー(例えば、前記植物は、ホモ接合体である)を含む。
さらなる実施形態において、本発明の植物は、近交系、二ゲノム性半数体又は雑種植物である。
実施形態において、本発明は、寄託されたレタス(Lactuca sativa)系統18LEN002364の植物を提供する。
さらなる実施形態において、本発明は、本発明に係る植物を生成する種子を提供する。
さらなる実施形態において、本発明は、本発明に係る植物によって生成された種子を提供する。
さらなる実施形態において、本発明のレタス植物は、本明細書に記載の実施形態のいずれかに係るレタス植物であり、レタス(L.sativa)系統18LEN002364又はその子孫若しくは祖先は、前記ブレミア属(Bremia)耐性付与遺伝子移入配列の供給源である。
さらなる実施形態において、本発明のレタス植物は、前述の実施形態のいずれかに係るレタス植物であり、トゲチシャ(L.serriola)系統種CGN23091又はその子孫若しくは祖先は、前記ブレミア属(Bremia)耐性付与遺伝子移入配列の供給源である。
さらなる実施形態において、本発明のレタス植物は、前述の実施形態のいずれかに係るレタス植物であり、前記植物は、トゲチシャ(L.serriola)系統種CGN23091若しくはレタス(L.sativa)18LEN002364又はその子孫若しくは祖先を、前記ブレミア属(Bremia)耐性付与遺伝子移入配列を含まないレタス植物と交配させることによって得られる。
特に限定されないが、葉、芯、頭状花、茎、根、花若しくは花部、苗条、配偶体、胞子体、花粉、葯、小胞子、卵細胞、接合子、胚芽、成長領域、カルス組織、種子、挿木、細胞若しくは組織培養物又は植物のいずれかの他の部位若しくは生産物を含む、前述の実施形態のいずれかに係るレタス植物から得られる植物部位、器官又は組織を提供することがさらなる実施形態である。実施形態において、植物部位、器官又は組織は、ブレミア属(Bremia)耐性を付与する遺伝子移入配列を含む。実施形態において、植物部位、器官又は組織は、特に、レタス頭状花及び/又は葉をもたらす植物に成長した際、本発明に係るブレミア属(Bremia)耐性を示す。
他の実施形態では、レタスの頭状花及び/又は葉を生成及び任意に収穫するための、前述の実施形態のいずれかに係るレタス植物、植物部位又は種子の使用が考慮される。
他の実施形態において、本発明は、本発明の実施形態のいずれかに係るレタス植物、植物部位又は種子の使用に関し、レタス植物、植物部位又は種子は、レタス(L.sativa)18LEN002364又はその子孫若しくは祖先である。
さらなる実施形態において、本発明は、圃場、温室又はビニールハウスに播種するための、本発明の実施形態のいずれかに係るレタス植物、植物部位又は種子の使用に関する。
他の実施形態において、本発明に係る植物は、雄性不稔である。
他の実施形態において、本発明に係る植物は、成熟したレタス頭状花及び/又は葉を成長させる。
一実施形態において、本発明は、本発明の実施形態のいずれかに係るレタス植物によって生成されたレタス葉及び頭状花を提供する。
本発明は、本発明の実施形態のいずれかに係るレタス植物に成長する、レタス植物種子、特に栽培レタス植物種子(例えば、レタス(L.sativa)種子)にさらに関する。
本発明は、本発明のブレミア属(Bremia)耐性形質を、前記ブレミア属(Bremia)耐性形質を有さないレタス植物(例えば、レタス(L.sativa)植物)に導入(例えば、遺伝子移入)するための、実施形態のいずれかに係るレタス植物の使用にさらに関する。
遺伝子配列、マーカー。
本発明は、レタス植物におけるブレミア属(Bremia)耐性形質の発現を指示又は制御する遺伝子配列にさらに関する。さらなる実施形態において、本発明の遺伝子配列は、2番染色体に位置する。本発明のさらなる実施形態において、遺伝子配列は、レタス(L.sativa)18LEN002364の遺伝的背景を有するドナー植物又はその子孫若しくは祖先から入手可能であり、且つ前記遺伝子配列を含む。
さらなる実施形態において、本発明の遺伝子配列は、ブレミア属(Bremia)耐性形質と共分離する1つ以上のマーカー遺伝子座と遺伝的又は物理的に関連付けられている。
他の実施形態において、本発明の前記遺伝子配列は、表3に記載されているSNPマーカーの1つ以上、例えば、
a)配列番号1のSNPマーカーSL1831に係るヘテロ接合又はホモ接合状態のG遺伝子型;
b)配列番号6のSNPマーカーSL1847に係るヘテロ接合又はホモ接合状態のA遺伝子型;
c)配列番号11のSNPマーカーSL1887に係るヘテロ接合又はホモ接合状態のG遺伝子型;及び/又は
d)配列番号16のSNPマーカーSL1883に係るヘテロ接合又はホモ接合状態のC遺伝子型
を含む、SNPマーカーSL1831、SL1847、SL1883及びSL1887の1つ以上、2つ以上、3つ以上又は4つすべてによって特徴付けられる。
代表的な実施形態において、
a)マーカーSL1831のG遺伝子型は、配列番号2のフォワードプライマー及び配列番号5のリバースプライマーのオリゴヌクレオチドプライマーの対並びに配列番号3のプローブを伴う核酸フラグメントの増幅によるPCRで同定され得;
b)SNPマーカーSL1847のA遺伝子型は、配列番号7のフォワードプライマー及び配列番号10のリバースプライマーのオリゴヌクレオチドプライマーの対並びに配列番号8のプローブを伴う核酸フラグメントの増幅によるPCRで同定され得;
c)SNPマーカーSL1887のG遺伝子型は、配列番号12のフォワードプライマー及び配列番号15のリバースプライマーのオリゴヌクレオチドプライマーの対並びに配列番号13のプローブを伴う核酸フラグメントの増幅によるPCRで同定され得;及び
d)SNPマーカーSL1883のC遺伝子型は、配列番号17のフォワードプライマー及び配列番号20のリバースプライマーのオリゴヌクレオチドプライマーの対並びに配列番号18のプローブを伴う核酸フラグメントの増幅によるPCRで同定され得る。
さらなる実施形態において、本発明は、レタス植物、任意に栽培レタス(L.sativa)レタス植物における本発明のブレミア属(Bremia)耐性形質遺伝子座を(例えば、遺伝子型決定により)検出するためのキットを開示し、前記キットは、
i.配列番号2のフォワードプライマー及び配列番号5のリバースプライマーによって表されるプライマーの対並びに配列番号3のプローブ;
ii.配列番号7のフォワードプライマー及び配列番号10のリバースプライマーによって表されるプライマーの対並びに配列番号8のプローブ;
iii.配列番号12のフォワードプライマー及び配列番号15のリバースプライマーによって表されるプライマーの対並びに配列番号13のプローブ;及び/又は
iv.配列番号17のフォワードプライマー及び配列番号20のリバースプライマーによって表されるプライマーの対並びに配列番号18のプローブ
から選択される少なくとも1つのPCRオリゴヌクレオチドプライマーの対及びプローブを含む。
本発明は、レタス植物、特に栽培レタス植物(例えば、レタス(L.sativa))におけるブレミア属(Bremia)耐性形質遺伝子座の診断上の選択及び/又は遺伝子型決定のための本発明に係るSNPマーカーの使用も開示する。
本発明は、レタス植物、特に栽培レタス植物、より具体的には本発明に係るレタス(L.sativa)レタス植物において、ブレミア属(Bremia)耐性形質遺伝子座の存在を同定し、且つ/又はレタス植物、特に栽培レタス植物、特に本発明に係る及び本明細書に記載のレタス(L.sativa)レタス植物におけるブレミア属(Bremia)耐性形質遺伝子座の遺伝子移入を監視するための、これらのDNAマーカーのいくつか又はすべての使用をさらに開示する。
本発明は、本明細書に開示の少なくとも1つのオリゴヌクレオチドプライマー:配列番号2、配列番号5、配列番号7、配列番号10、配列番号12、配列番号15、配列番号17又は配列番号20を伴い、且つ配列番号3、配列番号8、配列番号13及び/又は配列番号配列番号18のプローブとそれぞれ反応させるPCR反応において入手可能であるポリヌクレオチド(増幅産物)をさらに開示する。本発明は、配列番号2及び配列番号5;配列番号7及び配列番号10;配列番号12及び配列番号15;又は配列番号17及び配列番号20から選択されるPCRオリゴヌクレオチドプライマーの対を伴い、且つ配列番号3、配列番号8、配列番号13又は配列番号配列番号18のプローブとそれぞれ反応させるPCR反応において入手可能であるポリヌクレオチド(増幅産物)も提供する。
上記のPCR反応において入手可能である前記増幅産物のヌクレオチド配列にハイブリダイズするヌクレオチド配列を示す前記増幅産物及び/又はポリヌクレオチドの配列に対して、少なくとも90%、特に少なくとも95%、特に少なくとも96%、特に少なくとも97%、特に少なくとも98%、特に少なくとも99%の配列同一性を有するポリヌクレオチドも本明細書において予期されている。
実施形態において、増幅産物は、本発明のブレミア属(Bremia)耐性付与遺伝子移入配列を含むレタス(L.sativa)18LEN002364又はその子孫若しくは祖先から入手可能である同一のプライマー/プライマーの対を用いた増幅産物に相当するか、又はそれと少なくとも90%、95%、96%、97%、98%若しくは99%同一である。
本発明に係るものであって、本明細書に記載の増幅産物は、本発明のブレミア属(Bremia)耐性形質遺伝子座の同定に使用可能である新規プライマー及び/又はプローブの生成又は開発に使用可能である。
本発明は、従って、一実施形態において、本発明に係るものであって、本明細書に記載の増幅産物から及び技術分野において公知である方法によって開発された派生マーカー、特に派生プライマー又はプローブにさらに関し、この派生マーカーは、本発明のブレミア属(Bremia)耐性形質遺伝子座に遺伝的に関連付けられている。
育種方法。
本発明は、ブレミアラクツカエ(Bremia lactucae)に対する増強された耐性(例えば、対照と比べて)を有するレタス植物を生成する方法も提供する。実施形態において、この方法は、
a)本発明に係る第1のレタス植物(例えば、レタス(L.sativa)植物、特に栽培レタス(L.sativa)植物)を、ブレミアラクツカエ(Bremia lactucae)に対する耐性を付与する本発明の遺伝子移入配列を含まない第2のレタス植物と交配させて、子孫植物を生成するステップと;
b)ブレミアラクツカエ(Bremia lactucae)に耐性を付与する前記遺伝子移入配列を含む子孫植物を選択するステップと
を含み、それによりブレミアラクツカエ(Bremia lactucae)に対する増強された耐性を有する植物を生成する。
実施形態において、前記選択するステップは、以下のSNPマーカー:
i)配列番号1のSNPマーカーSL1831に係るヘテロ接合又はホモ接合状態のG遺伝子型;
ii)配列番号6のSNPマーカーSL1847に係るヘテロ接合又はホモ接合状態のA遺伝子型;
iii)配列番号11のSNPマーカーSL1887に係るヘテロ接合又はホモ接合状態のG遺伝子型;及び/又は
iv)配列番号16のSNPマーカーSL1883に係るヘテロ接合又はホモ接合状態のC遺伝子型
の1つ以上、2つ以上、3つ以上又は4つすべてを(例えば、遺伝子型決定により)検出するステップを含む。
実施形態において、第1のレタス植物は、栽培レタス植物である。実施形態において、第1のレタス植物は、レタス(L.sativa)植物である。実施形態において、第2のレタス植物は、レタス(L.sativa)植物である。
本発明に係る方法の実施形態において、この方法は、以下のSNPマーカー(個別のマーカーは、それぞれヘテロ接合又はホモ接合形態で存在する):
・SL1831及びSL1847;
・SL1831及びSL1883;
・SL1831及びSL1887;
・SL1847及びSL1883;
・SL1847及びSL1887;
・SL1883及びSL1887;
・SL1831、SL1847及びSL1883;
・SL1831、SL1847及びSL1887;
・SL1847、SL1883及びSL1887;又は
・SL1831、SL1847、SL1883及びSL1887
において耐性関連遺伝子型(本明細書に記載のとおり)を(例えば、遺伝子型決定により)検出するステップを含む。
例えば、マーカーSL1883及びSL1887を一緒に使用することが可能であり、任意に他のマーカーを追加することが可能である。他の例示として、マーカーSL1847及びSL1887を組み合わせて使用することが可能であり、任意に他のマーカーを追加することが可能である。
さらなる実施形態において、本発明は、本明細書に記載の実施形態のいずれか1つの方法に関し、ステップa)の第1のレタス植物は、本発明の遺伝子移入配列を含むトゲチシャ(L.serriola)系統種CGN23091又はその子孫若しくは祖先であり、及び第2のレタス植物は、ブレミアラクツカエ(Bremia lactucae)に対する耐性を付与する本発明の遺伝子移入配列を含まない。
さらなる実施形態において、本発明は、本明細書に記載の実施形態のいずれか1つの方法に関し、ステップa)の第1のレタス植物は、本発明の遺伝子移入配列を含むレタス(L.sativa)18LEN002364又はその子孫若しくは祖先であり、及び第2のレタス植物は、ブレミアラクツカエ(Bremia lactucae)に対する耐性を付与する本発明の遺伝子移入配列を含まない。
実施形態において、本発明の実施形態のいずれかによれば、この方法は、
c)選択された子孫植物を自配させるステップ又は他のレタス植物と交配させて、さらなる子孫を生成するステップ
をさらに含む。実施形態において、さらなる子孫は、2~10超の世代にわたって選択され、且つ自配/交配される。
さらなる実施形態として、本発明は、ブレミアラクツカエ(Bremia lactucae)に対する増強された耐性(例えば、対照植物と比べて)を有するF1雑種レタス植物を生成する方法を提供し、方法は、本発明の近交系(二ゲノム性半数体を含む)レタス植物を、異なる近交系レタス植物と交配させて、F1雑種子孫を生成するステップを含む。本方法によれば、第2のレタス植物は、本発明のブレミア属(Bremia)耐性を付与する遺伝子移入配列を含んでも又は含まなくもよい。
実施形態において、第1のレタス植物は、栽培レタス植物である。実施形態において、第1のレタス植物は、レタス(L.sativa)植物である。実施形態において、第2のレタス植物は、レタス(L.sativa)植物である。
選択方法。
さらなる実施形態において、本発明は、ブレミアラクツカエ(Bremia lactucae)に耐性であり、且つ本発明の遺伝子移入配列の少なくとも1つのコピー(すなわち、植物は、ヘテロ接合体又はホモ接合体)を含むレタス植物を同定する方法を提供し、前記方法は、以下のSNPマーカー:
a)配列番号1のSNPマーカーSL1831に係るヘテロ接合又はホモ接合状態のG遺伝子型;
b)配列番号6のSNPマーカーSL1847に係るヘテロ接合又はホモ接合状態のA遺伝子型;
c)配列番号11のSNPマーカーSL1887に係るヘテロ接合又はホモ接合状態のG遺伝子型;及び/又は
d)配列番号16のSNPマーカーSL1883に係るヘテロ接合又はホモ接合状態のC遺伝子型;
の1つ以上、2つ以上、3つ以上又は4つすべてを(例えば、遺伝子型決定により)検出するステップを含み、それによりブレミアラクツカエ(Bremia lactucae)に耐性のレタス植物を同定する。
実施形態において、植物は、栽培植物(例えば、栽培レタス(L.sativa))である。
実施形態では、前記1つ以上のSNPマーカーを含むレタス植物を選択するステップと、選択されたレタス植物を第2のレタス植物と交配させて、1つ以上の分子マーカーを含み、且つブレミアラクツカエ(Bremia lactucae)に耐性である(例えば、ブレミア属(Bremia)耐性を付与する本発明の遺伝子移入配列を含む)子孫レタス植物を生成するステップとがさらに含まれる。実施形態において、第2のレタス植物は、選択されたレタス植物と異なる。実施形態において、第2のレタス植物は、レタス(L.sativa)である。実施形態において、第2のレタス植物は、本発明のブレミア属(Bremia)耐性を付与する遺伝子移入配列を含まない。実施形態において、第2のレタス植物は、前記遺伝子移入配列を含まない。
他の実施形態において、本発明は、本発明のブレミア属(Bremia)耐性付与遺伝子移入配列を含むレタス植物を同定する方法に関し、前記方法は、
a)ブレミア属(Bremia)耐性形質に係る分離集団を提供するステップと;
b)ブレミア属(Bremia)に対する耐性を示す構成要素について分離集団をスクリーニングするステップであって、前記形質は、本発明のブレミア属(Bremia)耐性付与遺伝子移入配列の存在によって同定され得る、ステップと;
c)分離集団の1つの構成要素を選択するステップであって、前記構成要素は、ブレミア属(Bremia)耐性形質を含む、ステップと
を含む。
他の実施形態において、本発明は、本発明のブレミア属(Bremia)耐性付与遺伝子移入配列を含むレタス植物を同定する方法に関し、前記方法は、
a)ブレミア属(Bremia)耐性形質に係る分離集団を提供するステップと、
b)ブレミア属(Bremia)に対する耐性を示す構成要素について分離集団をスクリーニングするステップであって、前記形質は、本発明のブレミア属(Bremia)耐性付与遺伝子移入配列の存在によって同定され得、前記本発明の遺伝子移入配列は、マーカーSL1831、SL1847、SL1883及び/又はSL1883(本明細書に記載のとおり)の1つ以上、2つ以上、3つ以上又は4つすべてのブレミア属(Bremia)耐性関連対立遺伝子を(例えば、遺伝子型決定により)検出することによって同定され得る、ステップと;
c)分離集団の1つの構成要素を選択するステップであって、前記構成要素は、ブレミア属(Bremia)耐性形質を含む、ステップと
を含む。
さらなる実施形態において、本発明は、遺伝子移入配列を2番染色体に含むレタス植物(例えば、レタス(L.sativa)、特に栽培レタス(L.sativa))を同定する方法を提供し、前記遺伝子移入配列は、ブレミア属(Bremia)に対する耐性を付与し、方法は、
a)ブレミア属(Bremia)耐性に係る分離集団を提供するステップ;
b)以下:
i)配列番号1のSNPマーカーSL1831に係るヘテロ接合又はホモ接合状態のG遺伝子型;
ii)配列番号6のSNPマーカーSL1847に係るヘテロ接合又はホモ接合状態のA遺伝子型;
iii)配列番号11のSNPマーカーSL1887に係るヘテロ接合又はホモ接合状態のG遺伝子型;及び/又は
iv)配列番号16のSNPマーカーSL1883に係るヘテロ接合又はホモ接合状態のC遺伝子型
を(例えば、遺伝子型決定により)検出するキットを用いて、前記個体群をスクリーニングするステップ;
c)(b)の遺伝子型の1つ以上を含む植物を同定するステップ
を含む。
さらなる実施形態において、本発明は、2番染色体におけるブレミア属(Bremia)耐性の野生種レタス供給源を同定する方法であって、
a)野生レタス系統種又は複数の野生レタス系統種を提供するステップと;
b)以下:
i)配列番号1のSNPマーカーSL1831に係るヘテロ接合又はホモ接合状態のG遺伝子型;
ii)配列番号6のSNPマーカーSL1847に係るヘテロ接合又はホモ接合状態のA遺伝子型;
iii)配列番号11のSNPマーカーSL1887に係るヘテロ接合又はホモ接合状態のG遺伝子型;及び/又は
iv)配列番号16のSNPマーカーSL1883に係るヘテロ接合又はホモ接合状態のC遺伝子型
を(例えば、遺伝子型決定により)検出するキットを用いて、前記レタス系統種又は複数の野生レタス系統種をスクリーニングするステップと;
c)(b)の遺伝子型の1つ以上を含む野生レタス系統種を同定するステップと
を含む方法を提供する。
さらに他の実施形態において、本発明は、前述の実施形態のいずれかに係るレタス植物のゲノム、好ましくはレタス(L.sativa)18LEN002364又はその子孫若しくは祖先のゲノムから、オリゴヌクレオチドプライマーの対:配列番号2のフォワードプライマー及び配列番号5のリバースプライマー並びに配列番号3のプローブ;配列番号7のフォワードプライマー及び配列番号10のリバースプライマー並びに配列番号8のプローブ;配列番号12のフォワードプライマー及び配列番号15のリバースプライマー並びに配列番号13のプローブ;又は配列番号17のフォワードプライマー及び配列番号20のリバースプライマー並びに配列番号18のプローブを伴うPCR増幅により増幅されたDNAマーカーの使用であって、前記DNAフラグメントは、レタス植物におけるブレミア属(Bremia)耐性形質の存在を示し、それによりブレミア属(Bremia)耐性形質を含み、且つそれを発現するレタス植物を同定するための使用に関する。
本発明に係る方法の実施形態において、この方法は、以下のSNPマーカー(個別のマーカーは、それぞれヘテロ接合又はホモ接合形態で存在する):
・SL1831及びSL1847;
・SL1831及びSL1883;
・SL1831及びSL1887;
・SL1847及びSL1883;
・SL1847及びSL1887;
・SL1883及びSL1887;
・SL1831、SL1847及びSL1883;
・SL1831、SL1847及びSL1887;
・SL1847、SL1883及びSL1887;又は
・SL1831、SL1847、SL1883及びSL1887
において耐性関連遺伝子型(本明細書に記載のとおり)を(例えば、遺伝子型決定により)検出するステップを含む。
例えば、マーカーSL1883及びSL1887を一緒に使用することが可能であり、任意に他のマーカーを追加することが可能である。他の例示として、マーカーSL1847及びSL1887を組み合わせて使用することが可能であり、任意に他のマーカーを追加することが可能である。
使用。
本発明は、ブレミア属(Bremia)耐性レタス植物、種子、頭状花及び/又は葉を生成するためレタス植物を成長させるための、本発明の実施形態のいずれかに係るレタス植物から入手可能であるブレミア属(Bremia)耐性植物繁殖材料の使用にも関し、前記ブレミア属(Bremia)耐性は、標準的なアッセイ、特に以下の実施例1に記載のアッセイにおいて評価され得る。
実施形態において、本発明は、レタス種子を生成する方法を提供し、方法は、請求項13に記載の種子からレタス植物を成長させるステップと、植物にさらなるレタス種子を生成させるステップと、任意に、種子を収集するステップとを含む。
本発明は、レタス頭状花及び/又は葉を生成するための、本発明の実施形態のいずれかに係るレタス植物から入手可能であるブレミア属(Bremia)耐性植物繁殖材料の使用にも関する。
本発明は、ブレミア属(Bremia)耐性に関連する他の遺伝子配列、例えば国際公開第2011/003783号に開示されている遺伝子配列に関連した本発明のブレミア属(Bremia)耐性遺伝子配列の使用も企図する。
本発明の記載に基づいて、本明細書に記載のとおり、前記遺伝子移入された遺伝子配列を含むレタス(L.sativa)18LEN002364又はその子孫若しくは祖先を所有する当業者にとって、技術分野において公知である育種技術を用いて、例えば本明細書に開示されるSNPマーカー遺伝子座を使用することで、種々のタイプの他のレタス植物に本発明の前記遺伝子移入された遺伝子配列を移入することは容易である。
種子寄託情報
本出願人は、2020年6月12日に、NCIMB Accession No.NCIMB43625で、NCIMB(NCIMB Limited,Ferguson Building,Craibstone Estate,Bucksburn,Aberdeen AB21 9YA,Scotland)に対して、少なくとも2500粒のレタス(Lactuca sativa)系統18LEN002364の種子の寄託を行った。
本出願人は、専門家の解決策を選択し、本特許の付与の告示が公告されるまで、又は本出願が拒絶されるか、取り下げられるか若しくはみなし取り下げとされた場合、出願日から20年間にわたり、EPC規則32(1)若しくは対応する他の国々の法規若しくは条約(専門家証人条項)に従い、寄託した材料は専門家のみに公開されることを要求する。
このレタス(Lactuca sativa)系統18LEN002364の寄託は、30年間若しくは直近の請求から5年間又は特許の有効期間のいずれかの長い期間公的な寄託機関であるNCIMB寄託機関に維持され、この期間中に寄託された種子のいずれかが生育不能となった場合には交換が行われる。また、本出願人は、サンプルの発芽力の表示の提供を含む、米国特許法施行規則第1.801~1.809条によるすべての要件を満たしている。本出願の継続中、長官への請求により本寄託の入手が可能となる。本品種に特許が発行された際には、NCIMBに対する本品種の少なくとも2500粒の種子の寄託の入手が提供されることにより、本品種は、取消不可能且つ無制限に公開される。本出願人は、NCIMBからの寄託された材料の利用可能性について制限をするものではないが、しかしながら、本出願人は、商業上の生物学的材料の移送又はその輸送に係る法律によって課せられる制限のいずれかを適用外とする権限を有さない。本出願人は、本特許又はいずれかの植物品種保護権(例えば、米国植物品種保護法(7米連邦法規集2321以降を参照されたい)において付与された権限に係るいかなる侵害に対しても権利放棄しない。
ここで、本発明を以下の実施例を参照して記載する。これらの実施例は、本発明に係る特許請求の範囲を限定するものではなく、むしろ一定の実施形態の例示であることを意図するものであることを当業者は理解するであろう。本発明の他の実施形態は、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく実施され得、この範囲は、本開示及び添付の特許請求の範囲により定義される。
実施例1.ブレミアラクツカエ(Bremia lactucae)に対する病害テスト
ブレミアラクツカエ(Bremia lactucae)病害テストは、高湿度の気候チャンバ中において行われる。日長は16時間であり、日中の温度は18℃であり、相対湿度(RH)は約85%である。夜間の温度は15℃であり、RHは約100%である。テストの播種前に、ブレミア属(Bremia)病原体の胞子を、特定の分離株に感受性の品種で増殖させる。ブレミア属(Bremia)耐性に対する病害テストは、種々のブレミア属(Bremia)分離株及びレースを用いて行った。
ブレミア属(Bremia)分離株は、IBEB(International Bremia Evaluation Board;表1を参照されたい)によるC-set Sextetコードに準拠して特徴付けられ且つ分類される。
Figure 2023532747000001
テスト材料の播種前に、胞子を伴う葉を収穫し、胞子を葉から水ですすぐ。胞子懸濁液の濃度を100,000胞子/mlに調節する。胞子懸濁液を1週齢の植物(子葉上)に噴霧する。播種から7~10日間後、観察/選択を行うことが可能である。普通、感受性の植物の子葉は胞子で完全に覆われている。用いられるブレミア属(Bremia)分離株に応じて、耐性植物の子葉は、胞子形成を伴って又は伴うことなく、壊死を示さないか又は低いレベルで示すであろう。
実施例2.野生トゲチシャ(Lactuca serriola)由来のブレミア属(Bremia)耐性を含むレタス(Lactuca sativa)の育種履歴
本発明者らは、野生トゲチシャ(Lactuca serriola)系統種CGN23091が、「SG01」耐性と表記される幅広いブレミアラクツカエ(Bremia lactucae)に対する耐性を有することを確認した。最初の戻し交配サイクルを行って、SG01ブレミア属(Bremia)耐性を野生トゲチシャ(L.serriola)系統種から感受性のレタス(Lactuca sativa)に導入した。これに続いて、レタス(L.sativa)Dm0栽培品種への戻し交配、自配及びさらに4回の戻し交配並びに最後に3回の自配を行った。得られた系統を18LEN002364とし、2020年6月12日に、寄託番号NCIMB43625でNCIMBに寄託した。寄託したB6F4育種系統の完全な育種履歴を以下の表2に示す。この系統は、野生トゲチシャ(L.serriola)供給源由来のブレミア属(Bremia)耐性が固定されており、すなわち、系統18LEN002364は、野生トゲチシャ(L.serriola)系統種由来のSG01ブレミア属(Bremia)耐性付与遺伝子移入配列をホモ接合状態で含む。
Figure 2023532747000002
実施例3.レタス(L.sativa)に移入された野生トゲチシャ(L.serriola)由来のブレミア属(Bremia)耐性の表現型決定
実施例2に記載のレタス(L.sativa)B6F4系統は、SG01ブレミア属(Bremia)耐性遺伝子座を含む野生トゲチシャ(L.serriola)系統種CGN23091からの遺伝子移入を含み、且つブレミアラクツカエ(Bremia lactucae)のすべてのテストしたレース及び分離株に対して耐性を示した。
少なくとも6年間の期間にわたり、SG01耐性をおよそ400圃場の分離株に対してテストしたところ、評価したすべての分離株に対して保護をもたらした。加えて、SG01耐性は、すべての現在の公式な欧州ブレミア属(Bremia)分離株(Bl:16-36EU)に対しても保護をもたらした。
SG01により付与された前述のB.ラクツカエ(B.lactucae)分離株及びレースに対する耐性は、植物に観察可能な壊死をもたらさない迅速で、高レベルの耐性である。さらに、耐性は、優性(ヘテロ接合子及びホモ接合子の両方で認められる高耐性)であり、単遺伝子性として分離され、且つ定性的性質であると特徴付けられる。
実施例4.SG01ブレミア属(Bremia)耐性は、固定されており、他の遺伝背景で保護をもたらす
トゲチシャ(L.serriola)系統種CGN23091由来のSG01ブレミア属(Bremia)耐性は、上記の表1に示されているBC6及びそれ以降の世代から固定されている。SG01耐性は、他のレタス(L.sativa)遺伝的背景に成功裏に移入されている。寄託した系統を市販のバターヘッド品種にさらに戻し交配させ、続いて最後に2回自配させた。最終戻し交配系統を供給源として用いて、ブレミア属(Bremia)耐性を複数のレタスセグメント(ベビーリーフ、マルチリーフ、ロメイン、アイスバーグ並びに屋内及び屋外バターヘッドを含む)に導入した。育種プロセスの各ステップにおいて、次の世代に選択した植物を(遺伝子型決定及び表現型決定により)テストし、耐性の存在をブレミア属(Bremia)分離株のパネルに対して確認した。迅速で高レベルの定性的ブレミア属(Bremia)耐性は、テストした分離株のサブセットに対して且つすべての遺伝的背景及び評価したすべての環境条件下で維持された。これらの結果は、SG01耐性の相続可能な遺伝学的基礎を確認する。
実施例5.トゲチシャ(L.serriola)由来のSG01ブレミア属(Bremia)耐性遺伝子座のマッピング及び遺伝子型同定
トゲチシャ(L.serriola)からのSG01ブレミア属(Bremia)耐性遺伝子移入をレタス(L.sativa)Dm0栽培品種に、B6世代(上記の表1)まで戻し交配させる。このB6系統は、圃場条件下(実施例2)で、リンケージドラッグを伴うことなく、ブレミア属(Bremia)耐性を有することが示された。
材料及び方法
A:アッセイ開発
ステップ1:マイクロアレイ開発
レタス(L.sativa)ゲノムに散在する2500個のSNPからなるアレイを開発した。変種を、異なるセグメント(バタヴィア、バターヘッド、コス、アイスバーグ及びマルチリーフを含む)に係る17のレタス(L.sativa)品種/系統種のパネルの縮小シーケンスによって得られる配列を比較することにより同定した。
アレイを、ブレミア属(Bremia)プログラムに由来する戻し交配(BC)系統及び反復親のフィンガープリントに用いた。
ステップ2:フィンガープリント法:遺伝子移入の同定
フィンガープリントスクリーンは、BC系統(CGN23091:B7F2)は反復親に対して96~98%同一であることを示した。SG01ブレミア属(Bremia)耐性は、CGN23091由来のBC系統に見出される遺伝子移入領域に関連していた。
遺伝子移入サイズの最初の推定は、基準レタス(Lactuca sativa)v5物理マップを用いた位置4119137~37019114bpのリンケージグループ2で33MBであった(Reyes-Chin-Wo et al.,(2017)Nat.Commun.8,14953)。この領域は、Dm3を有する主耐性遺伝子クラスターと同位置とされるが、SG01は、Dm3と異なる遺伝子座であり、異なる耐性スペクトルを有する。
ステップ3:2番染色体SG01ブレミア属(Bremia)耐性特異的マーカーの発生
次世代シーケンス(Mardis,(2008)Annual Review of Genomics and Human Genetics 9:387)を用いて、全ゲノムDNAシーケンス(WGS)又は縮小ゲノムシーケンス(RGS)を、反復Dm0親及び市販品種のパネル並びに2番染色体におけるブレミア属(Bremia)耐性遺伝子移入を有する野生トゲチシャ(L.serriola)系統種に行った。
基準レタス(Lactuca sativa)v5配列と反復感受性Dm0親とのアライメントで、リンケージグループ2(LG2)における4119137nt~10787672ntに147,465の変異を同定した。さらに、94,376の変異が、関心のある遺伝子移入領域における感受性Dm0反復親と耐性戻し交配系統との間の異なる対立遺伝子状態を反映していた。
ステップ4:マッピング及びファイン-マッピング
SG01遺伝子移入にわたる耐性戻し交配系統と感受性DM0反復親とで対立遺伝子状態が異なるステップ3からの変種を選択し、Taqman(商標)PCRアッセイに変換してSNPを検出した。ブレミア属(Bremia)耐性に対する表現型決定を補完するために、マーカーを用いて、反復Dm0親由来の大型のCGN23091 B7F4個体群(295個体)をテストした。37の推定上のSNP候補から、2つのSNP、SL1847及びSL1831は、JoinMap(登録商標)による計算でブレミア属(Bremia)耐性と100%の共分離を示した(表3)。SNPマーカーSL1883及びSL1887は、耐性にも密接に関連していた。マーカーの特異性は、表3からの2つ以上のマーカーから構成されるハプロタイプ(例えば、耐性遺伝子座からおよそ1cMの距離)を用いることによりさらに高めることが可能である(例えば、いずれかの2つ又はいずれかの3つのマーカーSL1887、SL1883、SL1847及びSL1831又はこれらのマーカーの4つすべて)。
これらのマーカーは、単独で又はいずれかの組み合わせで用いて、SG01ブレミア属(Bremia)耐性を含むレタス植物を同定し、新たな系統への遺伝子移入に係る耐性を追跡するなどすることが可能である。例えば、マーカーSL1883及びSL1887を一緒に使用することが可能であり、任意に他のマーカーを追加することが可能である。他の例示として、マーカーSL1847及びSL1887を組み合わせて使用することが可能であり、任意に他のマーカーを追加することが可能である。
Figure 2023532747000003
SNPマーカーSL1831、SL1847、SL1883及びSL1887の物理的位置並びにこれらのSNPを検出するためのPCRプライマー/プローブを以下に示す。
LG2における9 490 680bpでのSNP SL1831(基準レタス(L.sativa)v5配列に基づく)
標的配列(配列番号1):
Figure 2023532747000004
>耐性対立遺伝子:G
>フォワードプライマー(下線)
AGATACAGGGCAGGGAGGAATG(配列番号2)
>プローブ(二重下線)
Figure 2023532747000005
>リバースプライマー(下線)
TGATGTGGATGGCTTCATGGAAT(配列番号5)
LG2における8 893 684bpでのSNP SL1847(基準レタス(L.sativa)v5配列に基づく)
標的配列(配列番号6):
Figure 2023532747000006
>耐性対立遺伝子:A
>フォワードプライマー(下線)
CGCAGTGAAAGCCTTGGAGAT(配列番号7)
>プローブ(二重下線)
Figure 2023532747000007
>リバースプライマー(下線)
CACTTGATGGTGTAGAGGTGGA(配列番号10)
LG2における9 514 233bpでのSL1887(基準レタス(L.sativa)v5配列に基づく)
標的配列(配列番号11)
Figure 2023532747000008
>耐性対立遺伝子:G
>フォワードプライマー(下線)
GCATGAGACAGCTCGAAGAGT(配列番号12)
>プローブ(二重下線)
Figure 2023532747000009
>リバースプライマー(下線)
TGAGGCAAGACCACAACC(配列番号15)
LG2における8 857 531bpでのSL1883(基準レタス(L.sativa)v5配列に基づく)
標的配列(配列番号16)
Figure 2023532747000010
>耐性対立遺伝子:C
>フォワードプライマー(下線)
ACGACCTGGCCCAACATTCC(配列番号17)
>プローブ(二重下線)
Figure 2023532747000011
>リバースプライマー(下線)
GTACCCGACTAAATTGCCCAAA(配列番号20)
上記の情報を以下の表4にまとめる。
Figure 2023532747000012
一定の実施形態の特定詳細を参照して本発明を記載したが、このような詳細は、添付の特許請求の範囲に包含される範囲を除き、特許請求される本発明の範囲に対する限定としてみなされることを意図されない。

Claims (27)

  1. ブレミアラクツカエ(Bremia lactucae)に対する定性的及び優性な耐性を付与する、トゲチシャ(Lactuca serriola)由来の遺伝子移入配列を含む、ブレミアラクツカエ(Bremia lactucae)に対する増強された耐性を有するレタス(Lactuca sativa)植物であって、前記遺伝子移入配列は、トゲチシャ(Lactuca serriola)系統種CGN23091又はレタス(Lactuca sativa)系統18LEN002364に含まれ、レタス(L.sativa)18LEN002364の代表種子は、NCIMBに受入番号NCIMB43625で寄託されており、前記遺伝子移入配列は、2番染色体に位置し、且つ以下のSNPマーカー:
    a)配列番号1のSNPマーカーSL1831に係るヘテロ接合又はホモ接合状態のG遺伝子型;
    b)配列番号6のSNPマーカーSL1847に係るヘテロ接合又はホモ接合状態のA遺伝子型;
    c)配列番号11のSNPマーカーSL1887に係るヘテロ接合又はホモ接合状態のG遺伝子型;及び/又は
    d)配列番号16のSNPマーカーSL1883に係るヘテロ接合又はホモ接合状態のC遺伝子型
    の1つ以上を含み、ブレミアラクツカエ(Bremia lactucae)に対する前記植物の前記耐性は、前記遺伝子移入配列を含まないレタス(L.sativa)植物と比べて増強されている、レタス(Lactuca sativa)植物。
  2. a)マーカーSL1831の前記G遺伝子型は、配列番号2のフォワードプライマー及び配列番号5のリバースプライマーのオリゴヌクレオチドプライマーの対並びに配列番号3のプローブを伴う核酸フラグメントの増幅によるPCRで同定され得;
    b)SNPマーカーSL1847の前記A遺伝子型は、配列番号7のフォワードプライマー及び配列番号10のリバースプライマーのオリゴヌクレオチドプライマーの対並びに配列番号8のプローブを伴う核酸フラグメントの増幅によるPCRで同定され得;
    c)SNPマーカーSL1887の前記G遺伝子型は、配列番号12のフォワードプライマー及び配列番号15のリバースプライマーのオリゴヌクレオチドプライマーの対並びに配列番号13のプローブを伴う核酸フラグメントの増幅によるPCRで同定され得;及び
    d)SNPマーカーSL1883の前記C遺伝子型は、配列番号17のフォワードプライマー及び配列番号20のリバースプライマーのオリゴヌクレオチドプライマーの対並びに配列番号18のプローブを伴う核酸フラグメントの増幅によるPCRで同定され得る、請求項1に記載の植物。
  3. 栽培植物である、請求項1又は2に記載の植物。
  4. 前記遺伝子移入配列は、位置112において、ヌクレオチドGによって表される耐性マーカー対立遺伝子を有する配列番号1、位置112において、ヌクレオチドAによって表される耐性マーカー対立遺伝子を有する配列番号6、位置99において、ヌクレオチドGによって表される耐性マーカー対立遺伝子を有する配列番号11及び/若しくは位置41において、ヌクレオチドCによって表される耐性マーカー対立遺伝子を有する配列番号16の1つ以上又は前述の配列の1つ以上と少なくとも95%同一であり、且つ前記耐性マーカー対立遺伝子を含む配列を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の植物。
  5. 前記1つ以上のSNPマーカーについてヘテロ接合体である、請求項1~4のいずれか一項に記載の植物。
  6. 前記1つ以上のSNPマーカーについてホモ接合体である、請求項1~5のいずれか一項に記載の植物。
  7. 前記SNPマーカーSL1831、SL1847、SL1887及び/又はSL1883の2つ以上を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の植物。
  8. 少なくとも以下のSNPマーカー:
    ・SL1831及びSL1847;
    ・SL1831及びSL1883;
    ・SL1831及びSL1887;
    ・SL1847及びSL1883;
    ・SL1847及びSL1887;又は
    ・SL1883及びSL1887
    を含む、請求項7に記載の植物。
  9. 前記遺伝子移入配列は、少なくともブレミアラクツカエ(Bremia lactucae)レースBl 16-36EUに対する耐性を付与する、請求項1~8のいずれか一項に記載の植物。
  10. トゲチシャ(Lactuca serriola)系統種CGN23091又はレタス(L.sativa)系統18LEN002364を、ブレミアラクツカエ(Bremia lactucae)に対する耐性を付与する前記遺伝子移入配列を含まない第2のレタス植物と交配させることによって得られる、請求項1~9のいずれか一項に記載の植物。
  11. 近交系、二ゲノム性半数体又は雑種植物である、請求項1~10のいずれか一項に記載の植物。
  12. レタス(Lactuca sativa)系統18LEN002364の植物であって、レタス(L.sativa)系統18LEN002364の代表種子は、NCIMBに受入番号NCIMB43625で寄託されている、植物。
  13. 請求項1~12のいずれか一項に記載の植物を生成する種子。
  14. 請求項1~12のいずれか一項に記載の植物の植物部位。
  15. ブレミアラクツカエ(Bremia lactucae)に対する増強された耐性を有するレタス植物を生成する方法であって、
    a)請求項1~12のいずれか一項に記載のレタス(Lactuca sativa)植物を、ブレミアラクツカエ(Bremia lactucae)に対する耐性を付与する前記遺伝子移入配列を含まない第2のレタス植物と交配させて、子孫植物を生成するステップ;
    b)ブレミアラクツカエ(Bremia lactucae)に対する耐性を付与する前記遺伝子移入配列を含む子孫植物を選択するステップであって、以下のSNPマーカー:
    i)配列番号1のSNPマーカーSL1831に係るヘテロ接合又はホモ接合状態のG遺伝子型;
    ii)配列番号6のSNPマーカーSL1847に係るヘテロ接合又はホモ接合状態のA遺伝子型;
    iii)配列番号11のSNPマーカーSL1887に係るヘテロ接合又はホモ接合状態のG遺伝子型;及び/又は
    iv)配列番号16のSNPマーカーSL1883に係るヘテロ接合又はホモ接合状態のC遺伝子型
    の1つ以上を検出するステップを含むステップ
    を含み、それによりブレミアラクツカエ(Bremia lactucae)に対する増強された耐性を有する植物を生成する方法。
  16. 前記レタス(L.sativa)植物は、レタス(L.sativa)系統18LEN002364である、請求項15に記載の方法。
  17. ブレミアラクツカエ(Bremia lactucae)に対する増強された耐性を有するレタス植物を生成する方法であって、
    a)トゲチシャ(Lactuca serriola)系統種CGN23091の植物を、トゲチシャ(L.serriola)系統種CGN23091由来の、ブレミアラクツカエ(Bremia lactucae)に対する耐性を付与する遺伝子移入配列を含まない第2のレタス植物と交配させて、子孫植物を生成するステップ;
    b)ブレミアラクツカエ(Bremia lactucae)に対する耐性を付与する、トゲチシャ(L.serriola)系統種CGN23091からの2番染色体における遺伝子移入を含む子孫植物を選択するステップであって、以下のSNPマーカー:
    i)配列番号1のSNPマーカーSL1831に係るヘテロ接合又はホモ接合状態のG遺伝子型;
    ii)配列番号6のSNPマーカーSL1847に係るヘテロ接合又はホモ接合状態のA遺伝子型;
    iii)配列番号11のSNPマーカーSL1887に係るヘテロ接合又はホモ接合状態のG遺伝子型;及び/又は
    iv)配列番号16のSNPマーカーSL1883に係るヘテロ接合又はホモ接合状態のC遺伝子型
    の1つ以上を検出するステップを含むステップ
    を含み、それによりブレミアラクツカエ(Bremia lactucae)に対する増強された耐性を有するレタス植物を生成する方法。
  18. c)前記選択された子孫を自配させるか、又は前記選択された子孫を別のレタス植物と交配させて、さらなる子孫を生成するステップ
    をさらに含む、請求項15~17のいずれか一項に記載の方法。
  19. さらなる子孫は、2~10超の世代にわたって選択され、且つ自配及び/又は交配される、請求項18に記載の方法。
  20. b)の前記選択するステップは、前記SNPマーカーSL1831、SL1847、SL1887及び/又はSL1883の2つ以上を検出するステップを含む、請求項15~19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 前記選択するステップは、少なくとも以下のSNPマーカー:
    ・SL1831及びSL1847;
    ・SL1831及びSL1883;
    ・SL1831及びSL1887;
    ・SL1847及びSL1883;
    ・SL1847及びSL1887;又は
    ・SL1883及びSL1887
    を検出するステップを含む、請求項20に記載の方法。
  22. ブレミアラクツカエ(Bremia lactucae)に対する増強された耐性を有するF1雑種レタス植物を生成する方法であって、請求項1~12のいずれか一項に記載の植物である近交系レタス(Lactuca sativa)植物を、異なる近交系レタス(L.sativa)植物と交配させて、F1雑種子孫を生成するステップを含む方法。
  23. ブレミアラクツカエ(Bremia lactucae)に対する増強された耐性を有するレタス植物を同定する方法であって、以下のSNPマーカー:
    a)配列番号1のSNPマーカーSL1831に係るヘテロ接合又はホモ接合状態のG遺伝子型;
    b)配列番号6のSNPマーカーSL1847に係るヘテロ接合又はホモ接合状態のA遺伝子型;
    c)配列番号11のSNPマーカーSL1887に係るヘテロ接合又はホモ接合状態のG遺伝子型;及び/又は
    d)配列番号16のSNPマーカーSL1883に係るヘテロ接合又はホモ接合状態のC遺伝子型
    の1つ以上を検出するステップを含み、それによりブレミアラクツカエ(Bremia lactucae)に対する増強された耐性を有するレタス植物を同定する方法。
  24. 前記1つ以上のSNPマーカーを含むレタス植物を選択するステップと、前記選択されたレタス植物を第2のレタス植物と交配させて、前記1つ以上の分子マーカーを含み、且つブレミアラクツカエ(Bremia lactucae)に対する増強された耐性を有する子孫レタス植物を生成するステップとをさらに含む、請求項23に記載の方法。
  25. 前記検出するステップは、前記SNPマーカーSL1831、SL1847、SL1887及び/又はSL1883の2つ以上を検出するステップを含む、請求項23又は24に記載の方法。
  26. 前記検出するステップは、少なくとも以下のSNPマーカー:
    ・SL1831及びSL1847;
    ・SL1831及びSL1883;
    ・SL1831及びSL1887;
    ・SL1847及びSL1883;
    ・SL1847及びSL1887;又は
    ・SL1883及びSL1887
    を検出するステップを含む、請求項25に記載の方法。
  27. レタス種子を生成する方法であって、請求項13に記載の種子からレタス植物を成長させるステップと、前記植物にさらなるレタス種子を生成させるステップとを含む方法。
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