JP2023532377A - 医療用内視鏡プランジャ - Google Patents

Abstract

本発明は、前面の１つに開口する少なくとも部分的に中空の中央流路を有する中央ロッド（４０）と、流体ダクトに接続するためのシートを画定するヘッドとからなり、ヘッド（４１）及びチャネル（４０）は、弾性的手段によって接合される滅菌可能な医療内視鏡プランジャに関し、アセンブリは、可撓性の弾性ポリマーで作られる一体構造の単一部品からなることを特徴とする。

Description

本発明は、内臓の空洞を調べるための医療機器である内視鏡のプランジャに関するものである。

より詳細には、空気又は水の流れを制御する、一般に使い捨てのプランジャに関するものである。吸引及び送気送水プランジャは、異なるタイプの複数の部品、特に円筒形プランジャ、内視鏡のハンドルに取り付けるための本体、及び、ハンドル本体に設けられた管腔を閉鎖又は開放する機能、並びに使用者が人間工学的に制御された方法で圧力を発揮することを可能にする戻り力を確保するために本体とプランジャの間に挿入されたばねから構成される構成要素である。

先行技術では、米国特許第９４０８５２３号明細書が知られており、この特許は、主ロッドの中央穴を通る空気の通過を可能にする主ロッドからなり得る使い捨ての送気送水バルブを記載する。主ロッドは成形され、金型に入れられて、ジョイントを主ロッドにオーバーモールドする。次のステップの前に、保持リング、ボタンキャップ、保護シールの成形が可能である。主ロッドの後端は、保持リングと弾力性のある要素（例えば、ばね）の中心を通るように配置される。そして、ボタンキャップは主ロッドに配置して固定される。

米国特許第９５８５５４５号明細書は、使い捨ての吸引プランジャに関するものである。使い捨ての吸引プランジャは、ロッドを通る空気の通路を提供するロッドと、ばねと、ばね支柱キャップと、保護シールとから構成される。

使い捨ての吸引プランジャを製造する方法は、複数のステップからなる。ロッドとばね支柱キャップが成形され、ロッドの下端がばねの中心を通って配置される。ロッドの下端は、ばね支柱キャップのロッド開口部を介して配置され、タブ又はばね支柱キャップは、ロッドの中空になった開口部に配置される。保護シールは、ばね支柱キャップ上にオーバーモールドされてもよいし、成形されてばね支柱キャップ上に配置されてもよい。

米国特許出願公開第２０１２／０３１５１５号明細書は、流体ライン継手用の遮断バルブを記載する。この遮断バルブは、ハウジングと、このハウジングの内部に配置された一体成形の遮断バルブとから構成される。一体成形の遮断バルブは、管腔を画定するばね領域と、１つ又は２つの端部にシール機能を備える。ばね領域は、一体成型の遮断バルブの外面と内面の間の１つ以上の流体通路を画定する。ばね領域は、らせん状のコイル又は穴あきチューブの形態であってもよい。シール機能は、ハウジングと一体成形の遮断バルブとの間に配置された密閉性に関する。

当該文献は、管状流路の２つの同軸セグメントを接続するための流体コネクタに関するものであり、内視鏡用のプランジャ、あるいは一般的なプランジャに関するものではない。

国際公開第２０１２／１７５４１２号は、凹部の第１端と第２端との間に流路を画定する凹部を備えるバルブを記載する。このバルブはさらに、流路内の液体の流れを阻止する閉鎖位置から、流路内の液体の流れを許容する開口位置に移動されることができる可動部分を有するプランジャ装置を備える。可動部分には、プランジャ装置の閉鎖位置で、凹部の内側シール面に当接するように設計されたシール部がある。プランジャ装置は、さらに、可動部分を閉鎖位置に向けて偏向させるように設計されたばね部を備える。ばね部は、プランジャ装置の不可欠な部分である。

米国特許出願公開第２０１５／１４４２１５号明細書は、内視鏡又は医療機器の別のアイテムで使用されることを意図した送気送水バルブアセンブリの別の実施例を記載する。バルブは、スプールと、複数のシールリングからなる一体型シール部材とから構成される。コイルを射出成形し、シール部材をコイルにオーバーモールドすることができる。また、バルブアセンブリを形成するために、ばね、保持部材、凹部が含まれる。このように、送気送水バルブアセンブリは、単一の医療処置で使用され、その後、費用対効果の高い方法で廃棄されるように製造することができる。

先行技術の解決策は、金属（ばね）とプラスチック材料（本体、ロッド、支持基部）の部品の組み立てで構成される。このような部品の組み立ては、基本的に手作業が必要であり、滅菌部品の準備とは特に相性が悪い。また、接続部の滅菌が困難である。滅菌は、一般に、ＥＴＯ（エチレンオキサイド）滅菌装置によって、ガスがすべての亀裂に浸透するのに十分な時間にわたって達成される。

本発明は、好ましくは使い捨てであり、製造が容易であり、製造コストが低減され、使用者に人間工学的な取り扱いを提供する内視鏡用プランジャを提案することによって、先行技術の欠点を克服することを目的とし、このバルブは、ＥＴＯを用いて滅菌することが可能である。

その最も一般的な解釈によれば、本発明は、内視鏡のハンドル本体に設けられた管腔の閉鎖又は開口機能を確保するためのプランジャに関するものであり、
一方では近位前面に開口し、他方では横方向流路に開口する中央流路を有するロッドと、
２つの同軸の環状スカートによって形成された一体成形ボタンであって、外側スカートは、ハンドル本体上に係合するように設計された環状基部を含み、スカートは、スカート間の軸方向の相対移動を可能にするように、少なくとも１つの弾性変形可能な接続によって接続される、一体成形ボタンと、
ロッドの近位部分にはめ込まれる、ボタンの内側スカートと、により形成される。

好ましくは、ロッドは、環状溝上にオーバーモールドされた接合部を含む。好ましくは、接合部は、レンズ形状であり、ロッドの材料よりも硬度の低いオーバーモールド材料で形成される。

好ましい実施形態によれば、スカート間の接続は、２つの径方向に対向する接続によって確保される。有利には、弾性変形可能な接続は、湾曲したタブによって形成され、そのうちの一方の横方向縁部は、外側スカートに剛性的に接続され、他方の横方向縁部は、内側スカートに剛性的に接続される。

変形例によれば、外側スカートは、スカートの相対的な軸方向移動の間に、タブの横方向移動を可能にするための周辺管腔を備える。

変形例によれば、内側スカートは、周辺窓を構成し、タブが、外側スカート（６０）の管腔の横方向縁部を内側スカートの管腔の横方向縁部に接続する。

好ましくは、プランジャは、内視鏡のハンドルの吸引バルブの本体と協働するように設計される。有利には、プランジャは、内視鏡のハンドルの送気送水バルブ本体と協働するように設計される。

本発明はまた、内視鏡のための吸引プランジャと送気送水プランジャとによって形成される使い捨てアセンブリに関し、プランジャの各々は、
一方では近位前面に開口し、他方では横方向流路に開口する中央流路を有するロッドと、
２つの同軸の環状スカートによって形成された一体成形ボタンであって、外側スカートは、ハンドル本体上に係合するように設計された環状基部を含み、スカートは、スカート間の軸方向の相対移動を可能にするように、少なくとも１つの弾性変形可能な接続によって接続される、一体成形ボタンと、
ロッドの近位部分にはめ込まれる、ボタンの内側スカートと、により形成される。

本発明はまた、以下の構成からなる、内視鏡用の使い捨てプランジャの製造方法に関し、
第１の成形空洞において、一方では近位前面に、他方では横方向流路に開口する中央流路を有するロッドを成形するための金型に、第１のエラストマープラスチック材料を射出し、接合部をオーバーモールドするための金型に、第２のエラストマープラスチック材料を射出するステップと、
第２の成形空洞において、ボタンの内側スカートを形成するためのエラストマープラスチック材料を射出するステップと、
ロッドの近位部分にボタンをはめ込むステップと、から形成される。

有利には、ロッドの成形及びボタンの成形は、同じ射出サイクル中に実施され、ボタンは、成形部品の冷却前に、ロッドの近位部分にはめ込まれる。

本発明は、非限定的な例として、添付の図面を参照しながら、以下に説明される。
図１は、本発明に係るプランジャ継手からなる内視鏡ハンドルの部分分解視図である。 図２は、本発明による吸引プランジャの斜視図である。 図３は、本発明に係る吸引プランジャの分解斜視図である。 図４は、本発明に係る吸引プランジャの断面図である。 図５は、本発明による吸引ピストンのボタンの斜視図である。 図６は、本発明に係る吸引プランジャのボタンの断面図である。

図１は、公知の内視鏡の一例を示す図である。ハンドル（１）からは柔軟なチューブ（２）が延びており、遠位端又は操作端（３）が調査対象の空洞に導入され、偏向スリーブ（４）によってその方向を制御することができる。スリーブは、内視鏡のハンドル（１）に設けられたプランジャホイール又はボタン（５，６，７）の手動操作に従って制御された方法で引っ張られるワイヤによって制御される。可動レバーの操作部では、医師が内視鏡の全ての機能を制御することができる。偏向（空間における向き）レバー（５、６、７）は、偏向ケーブルを誘導し、挿入チューブの遠位端の偏向可能な部分を制御するので、２次元の向きを可能にする。遮断機構（ブレーキ）により、偏向可能な部分を所望の位置に固定することが可能である。

光は、光ファイバー（８）によって伝送され、その近位端（９）は光コネクタに結合される。接続ユニット（１１）は、吸気口（１０）をさらに備える。

空気圧接続部（１２）は、遠位端（３）の送気又は吸引を制御するために、真空ポンプ又は可逆的空気ポンプに接続することを意図する。また、接続ユニット（１１）は、電気コネクタ（１３）と、安全ライン及び給水（１５）の接続支持部（１４）と、から構成される。

ハンドル（１）は、スリーブ（１７）によって延長されたシース（１６）によってチューブ（２）に接続される。ハンドルは、使い捨ての生検プランジャバルブ（１９）を備えたオペレーター流路（１８）の開口部を備える。

ハンドルは、洗浄流路を制御するプランジャ（２０）と、ハンドル（１）と遠位端（３）との間に延びる、２本のチューブによって吸引又は送気の制御を行うプランジャ（３０）と、備え、一方は、空気と水を遠位端に輸送し、他方は、生検又は吸引を実行する。吸引の適用は、ハンドルに設けられたプランジャ（３０）により制御される。プランジャは、隣接する流路と溶接で接続される。プランジャ（２０，３０）は、環状基部（３２）によって、ハンドル本体に結合される。

プランジャ（３０）は、吸引流路を、挿入チューブ内のオペレーター流路に接続する。プランジャのボタン（３１）を押すことで、オペレーター流路の吸引を行うことができる。送気送水プランジャ（２０）は、プランジャと吸引プランジャ（３０）と同等であるが、２つの経路を有するボタンからなるプランジャをデュアル流路装置で使用することを除いて、視力を向上させるために、遠位端のレンズまで空気又は水を搬送し、洗浄又は送気することが可能である。２つのプランジャ（２０，３０）は、使い捨ての場合は交換のために、それ以外の場合は洗浄のために、取り外すことができる。

プランジャ（２０，３０）の詳細な説明
図２～図４は、本発明による吸引プランジャの異なる図である。本発明の一態様によれば、内視鏡用プランジャのロッド（４０）は、合成プラスチック材料の成形品からなり、横方向流路（３３）に開口する矩形流路（４２）から構成される。部品は円筒形であり、複数の環状溝（５０～５３）を有し、そこに第２のプラスチック材料が射出され、オーバーモールドにより接合部（８０～８３）が形成される。これにより、内視鏡に設けられた流路を密閉及び開放するために必要な機能を備えたオーバーモールドされた一体型部品が形成される。プランジャのロッド（４０）は、従来、ポリプロピレンで成形される。

ボタン（３１）は、第２の一体型部品を構成し、同じく成形によって形成される。図５から図６に見られるように、環状外側スカート（６０）と環状内側スカート（６１）とからなり、これらのスカートは同軸上にある。

２つのスカート（６０，６１）は、２つのスカート（６０，６１）の軸方向による相対的な移動を可能にするために、２つの弾性変形可能なタブ（６３）によって接続される。

タブ（６３）は湾曲しており、Ｕ字形状であり、第１の横方向縁部（６５）は、外側スカート（６０）に接続され、第２の横方向縁部（６４）は、内側スカート（６１）に接続される。スカートは、ボタン（３１）に力が加えられたときに、タブの移動を可能にする窓を備える。タブ（６３，６６）は、ボタン（３１）の弾力的なガイドを確実にするばねを形成する。

製造方法
プランジャの製造は、ロッド（４０）の成形のために、ルーズ・ディテール・金型で成形し、その後、ロッドのコアの射出に使用した材料よりも硬度の低い材料の第２の射出によるオーバーモールドで接合部（８０～８３）を形成することによって実現することができる。

ボタンは、同じ射出サイクル中に、別の金型で形成される。その後、ロボットアームで移動させ、ロッド（４０）に係合させ、近位部分にはめ込んでから、部品を冷却する。

本発明によるプランジャは、滅菌バッグの中で組み合わせて、使い捨てプランジャのキットを形成することができる。

Claims (12)

1. 内視鏡の前記ハンドル本体に設けられた管腔の閉塞又は開口機能を確保するためのプランジャ（２０，３０）であって、
   一方では、前記近位前面（３２）に開口し、他方では、横方向流路（３３）に開口する中央流路を有するロッド（４０）と、
   ２つの同軸の環状スカート（６０，６１）によって形成された一体成形ボタン（３１）であって、前記外側スカート（６０）は、前記ハンドル本体上に係合するように設計された環状基部（３２）を含み、前記スカート（６０，６１）は、前記スカート間の軸方向の相対移動を可能にするように、少なくとも１つの弾性変形可能な接続部（６３）によって接続される、一体成形ボタン（３１）と、
   前記ロッド（４０）の前記近位部分（４１）にはめ込まれる、前記ボタン（３１）の前記内側スカート（６１）と、
   により形成される、プランジャ。
2. 前記ロッド（４０）は、環状溝（５０～５３）にオーバーモールドされる接合部（８０～８３）からなる、請求項１に記載の内視鏡の前記ハンドル本体に設けられた管腔の閉塞又は開口機能を確保するためのプランジャ。
3. 前記接合部（８０～８３）は、レンズ形状であり、前記ロッド（４０）の材料よりも硬度の低いオーバーモールド材料で作られる、請求項２に記載の内視鏡の前記ハンドル本体に設けられた管腔の閉塞又は開口機能を確保するためのプランジャ。
4. 前記スカート（６０，６１）間の接続は、直径方向に対向する２つの接続部（６３）によって確保される、請求項１に記載の内視鏡の前記ハンドル本体に設けられた管腔の閉塞又は開口機能を確保するためのプランジャ。
5. 前記弾性変形可能な接続部（６３）は、湾曲したタブによって形成され、前記横方向縁部の一方が、前記外側スカート（６０）に剛性的に接続され、前記横方向縁部の他方が、前記内側スカート（６１）に剛性的に接続される、請求項１に記載の内視鏡の前記ハンドル本体に設けられた管腔の閉塞又は開口機能を確保するためのプランジャ。
6. 前記外側スカート（６０）が、前記スカート（６０，６１）の相対的な軸方向移動の間に、前記タブ（６３）の横方向の移動を可能にするための周辺管腔（６４）を備える、請求項５に記載の内視鏡の前記ハンドル本体に設けられた管腔の閉塞又は開口機能を確保するためのプランジャ。
7. 前記内側スカート（６１）が、周辺窓をさらに構成し、前記タブ（６３）が、前記外側スカート（６０）の管腔（６３）の前記横方向縁部を前記内側スカート（６１）の前記管腔（６３）の前記横方向縁部に接続する、請求項６に記載の内視鏡の前記ハンドル本体に設けられた管腔の閉塞又は開口機能を確保するためのプランジャ。
8. 内視鏡のハンドルの前記吸引バルブ本体と協働するように設計される、請求項１に記載の内視鏡の前記ハンドル本体に設けられた管腔の閉塞又は開口機能を確保するためのプランジャ。
9. 内視鏡のハンドルの前記送気送水バルブ本体と協働するように設計される、請求項１に記載の内視鏡の前記ハンドル本体に設けられた管腔の閉塞又は開口機能を確保するためのプランジャ。
10. 内視鏡のための吸引プランジャと送気送水プランジャによって形成される使い捨てアセンブリであって、
    前記プランジャのそれぞれは、
    一方では、前記近位前面（３２）に開口し、他方では、横方向流路（３３）に開口する中央流路を有するロッド（４０）と、
    ２つの同軸の環状スカート（６０，６１）によって形成された一体成形ボタン（３１）であって、前記外側スカート（６０）は、前記ハンドル本体上に係合するように設計された環状基部（３２）を含み、前記スカート（６０，６１）は、前記スカート間の軸方向の相対移動を可能にするように、少なくとも１つの弾性変形可能な接続部（６３）によって接続される、一体成形ボタン（３１）と、
    前記ロッド（４０）の前記近位部分（４１）にはめ込まれる、前記ボタン（３１）の前記内側スカート（６１）と、
    により形成される、使い捨てアセンブリ。
11. 請求項１に記載の内視鏡用の使い捨てプランジャの製造方法であって、
    第１の成形空洞において、一方では、前記近位前面（３２）に開口し、他方では、横方向流路（３３）に開口する中央流路を有するロッド（４０）を成形するための金型に、第１のエラストマープラスチック材料を射出し、オーバーモールド継手（８０～８３）のための金型に、第２のエラストマープラスチック材料を射出するステップと、
    第２の成形空洞において、前記ボタン（３１）の前記内側スカート（６１）を形成するためのエラストマープラスチック材料を射出するステップと、
    前記ロッド（４０）の前記近位部分（４１）に前記ボタン（３１）をはめ込むステップと、
    を備える、製造方法。
12. 前記ロッド（４０）の成形及び前記ボタン（３１）の成形は、前記同じ射出サイクル中に実施され、前記ボタン（３１）は、前記成形部品の冷却前に、前記ロッド（４０）の前記近位部分（４１）にはめ込まれる、請求項１１に記載の使い捨てプランジャの製造方法。

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