JP2023532216A - ウルトラミクロトームを使用して一連の超薄切片を生成する方法、顕微鏡サンプルを3次元再構成する方法、ウルトラミクロトームシステムおよびコンピュータプログラム - Google Patents
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Abstract
顕微鏡サンプル(10)の一連の超薄切片を生成する方法が提案され、この方法では、ウルトラミクロトーム(100)を使用してサンプル(10)から切片(11)を切り取り、サンプル(10)から切り取った切片(11)を液面において浮遊させて、その後、固体支持要素(20)に転送する。サンプル(10)から切り取った少なくともいくつかの切片(11)について、カメラ(410)を有する監視システム(400)を使用し、固体支持要素(20)への切片(11)の配置を監視して、監視データを得ることにより、固体支持要素(20)における位置および配向を特定する。顕微鏡サンプル(10)を3次元再構成する方法(2000)、ミクロトームシステムおよびコンピュータプログラムも本発明の一部である。
Description
本発明は、独立請求項の特徴を有する、ウルトラミクロトームを使用して顕微鏡サンプルの一連の超薄切片を生成する方法と、一連の切片から顕微鏡サンプルを3次元再構成する方法と、ウルトラミクロトームシステムと、コンピュータプログラムと、に関する。
特に電子顕微鏡法による一連の切片の検査およびこのような一連の切片から3次元サンプル情報を再構成することは、特に神経科学において、また生物学および医学の分野においても極めて重要である。
対応する方法には、とりわけssSEM(serial section scanning electron microscopy、S3EM)およびssTEM(serial section transmission electron microscopy)が含まれている。本発明は特に、ssSEMと共に利用可能である。しかしながら、以下に説明する方式は特に、相当のタイプの別の方法にも適用可能である。しかしながら本発明およびその全ての実施形態は、ウルトラミクロトーム法に関しており、このウルトラミクロトーム法では、当業者には一般に公知であるように、電子顕微鏡におけるサンプルの検査に必要のものとして、いわゆる超薄切片が準備される。約5μmの一般的な厚さを有する、光学顕微鏡法用の普通のミクロトームを使用して生成されるいわゆる薄片とは異なり、ウルトラミクロトーム法における切片厚さは一般に、電子顕微鏡の異なるタイプと共にこれらを使用できるようにするため、一般に1μm未満または500nm未満であり、例えば10~200nmまたは25nm~100nmである。ウルトラミクロトーム法では、ガラスまたはダイヤモンドブレードが一般に使用される。超薄切片は、以下に説明するように水槽において集められ、そこから集められる。
特に、サンプルの厚さが小さいことと、使用される装置の特別な設計と、により、ウルトラミクロトーム法は、例えば、国際公開第2018/094290号等に開示されている別のサンプル切片生成法等とは大きく異なり、ここでは切断処理には、ワックス、樹脂、氷またはゲル等の支持材料に組織を埋め込み、次いでミクロトームを使用してスライスするかまたはブレードミクロトームを振動させて、数マイクロメートル~数百マイクロメートルのオーダの厚さにすることを含まれ、またここでは、水槽においてサンプルブロックから組織片が切断されるときに、吸引力により、組織片が支持基体またはパレットと接触させられる。
例えば、Horstmann, H.等によるSerial Section Scanning Electron Microscopy (S3EM) on Silicon Wafers for Ultra-Structural Volume Imaging of Cells and Tissues, PLoS ONE 7(4), 2012, e35172に記載されているように、ssSEMにより、組織微細構造の高解像3次元(3D)の描画を提供することが可能である。限定された細胞以下のボリュームの検査を可能にするが、大きなボリューム、全体細胞または全体組織の完全な微細構造の再構成では決してない(以下に説明する)ssTEMとは異なり、後者は、ssSEMを使用して可能である。
ssSEMでは、組織の連続の切断は、特に支持体として導電性ウェーハを使用して、走査電子顕微鏡(SEM:scanning electron microscopy)と組み合わされる。ssSEMでは、例えば35nmの厚さの数百の切片を有する切片リボンが、生成可能であり、例えば3.7nmの横方向ピクセル解像度を有するウェーハにイメージングされる。後方散乱電子は、SEMの「インレンズ」検出器を使用して記録可能である。このような方法によって結果的に得られる画像は、従来のTEMの画像の品質に相当する。ssSEMの本質的な利点は、例えば数十~数百の立方マイクロメートルの範囲の比較的大きな構造をこれによって再構成できることである。
より普通のssTEM法は、例えば、Harris, K.M.等によるUniform Serial Sectioning for Transmission Electron Microscopy, J. Neurosci. 26(47), 2006, 12101-12103に記載されている。ssTEMはまた、特に解像度が高いことにより、3次元サンプル情報を再構成する別の方法、例えば共焦点顕微鏡法等よりも優れている可能性がある。
ssSEMおよびssTEM用のサンプルは、処理のために公知の仕方で準備され、例えば、アガロースまたは適切なプラスチックに埋め込まれる。個別の切片が互いに付着する切片リボンは、ウルトラミクロトームを使用し、適切な進行速度を設定することにより、埋込サンプルから作製される。対応する切片リボンは、液槽において浮遊し、引き続きの検査のために適切な転送装置(「スロットグリッド」または、ssSEMの場合にはウェーハでもある)を使用して除去される。結果的に得られる切片リボンが液槽において浮遊できないようにし、その代わりに適切な支持体、例えばウェーハにこれらを直接に転送することも可能である。
検査対象の試料における個別の切片の位置は、生成した切片リボンにおけるその位置に対応しており、またこの逆も同様である。したがって極めて重要であるのは、対応する方法において、可能な限りに長くかつ途切れのない切片リボンを生成して、これにより、サンプルにおける個別の切片の位置が全体として表されるようにすることである。しかしながら、引用した技術文献に示されているように、例えば、特定の埋込材料により、このことを補償することはつねに可能ではない。長い切片リボンには、対応して長い液槽、または収容装置が必要であり、切片の取り扱いは困難になる。複数の切片リボンの所望の生成もまた一般に、実践において簡単でないことが示されており、スキルおよび長い経験が必要である。さらなる詳細については、引用した専門文献を参照されたい。これらの問題は、生成される切片の極めて薄い厚さに起因し、ウルトラミクロトーム法に関連して特に重要である。
切片リボンの生成に関連して上述した処理の不都合を克服するために、切片リボンではなく個別の切片を生成し、これらの切片が流れ出てしまい得る前にコンベヤベルトを使用して液槽から成功裏にこれらを捕らえることも公知である。コンベヤベルトは、本発明では実質的に無限に実施可能であり、ベルトにおける切片の順序付けは、個別の切片は一般的に液槽から1つずつ捕らえられるため、切片順序に対応する。
国際公開第2008/066846号には、例えば、ATLUM(automatic tape collecting lathe ultramicrotome)が提案されており、これは、様々な幾何学形状を有する組織サンプルのブロックを薄い組織の連続リボンまたは複数の薄い組織薄片にスライスし、スライスした薄い組織を適切な基体に配置して、スライスした薄い組織の後続のイメージングを容易にする。スライスした薄い組織切片またはリボンの切片厚さの閉ループ制御は、より薄くスライスした組織切片またはリボンを作製して、厚さを厳格に制御するために実装される。特に、SEM(scanning electron microscope)によるイメージングを容易にするために、組織切片またはリボンを処理/準備することができる。収集される薄い組織切片またはリボンは、SEMにおける完全自動化されかつ時間効率のよいイメージングを可能にして広範な組織研究を容易にする、超薄切片ライブラリ(UTSL:Ultra-Thin Section Library)を作成するために使用可能である。
Li等による”Large scale three-dimensional reconstruction of an entire Caenorhabditis elegans larva using AutoCUTS-SEM”,J Struct Biol 200 (2007) 87には、”automatic collector of ultra-thin sections scanning electron microscopy”と称される方法が報告されており、この方法は、100nmの軸方向解像度および15nmの横方向解像度で線虫C.elegans全体の3D再構成を生成するために使用される。現在利用可能なATUM(automated tape-collecting ultramicrotome)技術と比べると、この方法は、組織の広範にわたる3D微細構造を得るために適用可能な択一的な完全な解決手段になることが意図されている。
数多くの埋込組織サンプルを含む円筒形状のブロックの表面から極めて薄い細片を旋盤加工によって連続した組織のリボンを作製する自動テープ加工旋盤ミクロトームも米国特許第7677289号明細書に開示されている。支持テープの対の間に組織の壊れやすいこのリボンをサンドイッチするための機構が含まれている。それぞれ組織片の上方および下方では支持テープに覗き穴が切り込まれており、これにより、テープは、TEM(transmission electron microscope)においてそれぞれの組織片を直接に視ることができるようにするスロットグリッドとして作用する。結果的に得られる組織テーブは、スプール機構に配置され、ほとんど映画プロジェクタにおけるフィルムのようにTEMのビームに送られる。これにより、TEMの真空状態を中断することを要求することなく、テープにおける任意の切片のランダムアクセスイメージングが可能になる。このシステムが意図しているのは、神経組織の大きなボリュームを微細構造イメージングして、マルチスケールシナプス回路をトレースするためのツールを神経科学者に提供することである。
米国特許出願公開第5746855号明細書には、ミクロトームブレードによってサンプルブロックからカットされた組織切片のアーカイバル保存のための方法および装置が開示されており、ここでは組織サンプルブロックの表面とほぼ同じサイズの、順次に間隔を置いて配置された接着材部分を支えるテープが設けられている。テープは、送りローラ機構によって送りリールから繰り出し可能である。それぞれのカットの間では、テープは、テープ上の接着領域と組織サンプルとが位置合わせされるように前進させられる。圧着ローラにより、接着剤がサンプルに圧着され、切片がカットされ、巻き取りローラにより、テープおよび切片がブレードから持ち上げられる。次いで、テープは、アーカイバル保存のために巻き取りリールに巻き取り可能である。全体処理は、顕微鏡イメージング中に組織サンプルから装置を移動するための搬送機構の操作を含めて自動化可能である。
国際公開第2012/033842号には、ミクロトームによってカットした組織サンプルの自動または半自動での収集を容易にするための方法、装置およびシステムが開示されている。1つの実施例において、カットした組織サンプルを収集するように収集装置がミクロトームに作用可能に結合されているそれぞれの位置の間でこの収集装置が、往復運動可能であるか、またはミクロトームへのアクセスルーチンが提供されている。液体リザーバは、ミクロトームによってカットされたサンプルを収容し、収集装置は、リザーバの近傍/リザーバ内に配置されたコンベヤ状の基体を介してサンプルを収集することが可能である。基体の直線運動は、ミクロトームのカット速度に基づいて制御可能であり、リザーバにおける液面レベルは、効果的なサンプル収集を容易にするために自動的に維持可能である。
本発明は特に、今述べたケースのように、テープ状、ベルト状またはリボン状の支持要素が、組織切片を収集するために使用される方法およびシステムに関するが、一般に、(ss)SEMおよび(ss)TEMを含むが、これらに限定されない、超薄切片を使用する全てのタイプの顕微鏡における検査のために、一時的または永続的に組織切片を保存するために使用可能な全てのタイプの固体支持要素と共に使用可能である。本発明によると、まず切片を水槽において収集するかまたは浮遊させて、その後、自動化された、または半自動化されたまたは手動のシステムによってこれらの切片を水槽から出すように「捕らえ」て、これらの切片を固体支持要素に配置することにより、切片を上記のような固体支持要素に転送する。固体支持要素は、連続または無限の支持要素として使用可能であり、これらは後にスロットグリッドまたはウェーハ等の転送装置に配置される切片にカット可能であるが、本発明の文脈では任意のタイプの別の処理が可能である。
リボン状支持要素を使用する先行技術のいくつかのシステムが、数多くの埋込組織サンプルを含む円筒形状ブロックの表面から切片をはがすのに対し、上述のように、本発明は、超薄切片を生成するためにサンプルブロックが上下にまたは前後に動かされる、より古典的なウルトラミクロトームにおける切断の仕方のような別の切断の仕方にも使用可能である。個別の超薄切片が互いに付着している切片リボンだけでなく、個別の切片も、相次いでリボン状の固体支持要素に配置可能である。
上記のことを鑑みると、本発明の目的は、ウルトラミクロトームを使用して一連の超薄切片を作製するための改善された解決手段であって、対応するサンプルの3次元再構成に適している解決手段を提供することである。
上述のことを鑑みると、本発明によって提案されるのは、独立請求項の特徴を有する、ウルトラミクロトームを使用して顕微鏡サンプルの一連の超薄切片を生成する方法と、顕微鏡サンプルを3次元再構成する方法と、ウルトラミクロトームシステムと、コンピュータプログラムと、である。有利な実施形態は、従属請求項および以下の説明の対象である。
発明の利点
本発明にしたがって提案される、顕微鏡サンプルの一連の超薄切片を生成する方法では、この点について一般に公知のように、適切なブレードを有するウルトラミクロトームによってサンプルから切片を切り取り、次いで固体支持要素に配置する。
本発明にしたがって提案される、顕微鏡サンプルの一連の超薄切片を生成する方法では、この点について一般に公知のように、適切なブレードを有するウルトラミクロトームによってサンプルから切片を切り取り、次いで固体支持要素に配置する。
対応する方法は既に、上でいくらか詳しく説明されている。本発明は特に、電子顕微鏡法と共に利用可能であり、ウルトラミクロトームに関連して使用される。ウルトラミクロトームではいわゆる超薄切片を生成する。一般に、本発明の文脈において生成される切片は、対応する装置を使用して生成可能な任意の厚さを有していてよく、一般に「超薄片」と称される。例えば、固体支持要素に配置される前に、個別にまたはグルーブで切片が収集可能な液槽を利用して、ダイヤモンドナイフによって生成される切片は、一般に約10nm~300nmの厚さを有する。これらの切片厚さ、特に約10nm~100nmまたは約10nm~50nmの切片厚さは、前述のように、ssSEMの文脈において使用可能である。したがって、以下で「切片」という場合、超薄切片についての全ての一般的な切片厚さの顕微鏡切片が含まれることが仮定されており、「切片」についての任意の言及は、超薄切片への言及と考えられるべきである。一般に、本発明によると、1μm未満でありかつ例えば1nmよりも大きい、特に500nm未満でありかつ特に10nmよりも大きい、さらに特に300nmまたは100nm未満でありかつ20nmよりも大きい切片厚さが使用可能である。同様に、「ミクロトーム」への任意の言及は、ウルトラミクロトームへの言及と考えるべきである。ウルトラミクロトームは特に、超薄切片を作製するように適合させられており、特にダイヤモンドナイフを使用して切片を作製し、液面に切片を浮遊させるように適合させられているという特徴を有する。
国際公開第2018/094290号には、上述のように、大きなサンプルを切断し、本発明によって予想される厚さよりも格段に厚い切片を作製するためのシステムが提供されている。本発明とは異なり、上記の開示によると、サンプルは水中で切断され、得られた切片は次いで直接、すなわちそれぞれの切片はその切断の後、支持テープに転送される。切片の厚さは、上記の開示によると、10μm~1000μmの範囲にあり、一般に50μm~100μmにあることが示されており、これは、本発明によるものとは大きさが1桁大きい。上述のように、カッティング装置の特定の動作には特に、それぞれのカットが作製直後に、支持テープに、特に接着力によって転送されることが含まれている。
水中で大きなサンプルから比較的厚い切片を形成するように特に適合させられた、国際公開第2018/094290号におけるカッティング処理の特定の設計に起因し、切片のギャップのない転送が、動作方式によって保証される。したがって切片の損失が実質的に回避され、これによってユーザーはつねに、カッティングテープに相次いで位置決めされる切片が、対応する、とりわけギャップのない順序でサンプルから切り取られているという事実に依拠することができる。サンプル厚さが大きいことにより、しわくちゃの切片、またはブレードに付着し得る切片を作製する不揃いのカットは、一層行われなくなる。すなわち、ブレードの運動毎に切片の作製も行われることにもなることを確実に仮定することができる。切片は、これらが転送される支持リボンのすぐ近くで作製され、これらが作製された後、直ちに支持リボンに配置される。このようにして、カットの流れ出しまたは別の損失が事実上、取り除かれる。さらに、ここで作製される切片は、その厚さに起因して機械的に格段に安定しており、例えば、これらがめくり上がるかまたは破れてしまう傾向を有しない。したがって、カッティング処理の監視および支持リボンへのカットの転送はここでは必要ない。
本発明の目的であるウルトラミクロトーム法であって、切片がサンプルから分離されかつ液面において浮遊させられるウルトラミクロトーム法によって作製される切片は、一方で、格段に壊れやすく、またその作製は誤りを生じ易くなる可能性があり、またこれらの切片はより、破れ、めくれ上がり、および一般に分解し易くなる。液面において切片を浮遊させるのは一般に、サンプルを「広げる」、すなわち切断処理によって生じる変形に対処するために必要である。ウルトラミクロトーム法は一般に、国際公開第2018/094290号に開示されているようなミクロトーム法の別の形態とは実質的に異なる技術分野であるため、ウルトラミクロトーム法に適用可能な解決手段を含むミクロトーム法のそのような別の形態を当業者は考察していなかったと思われる。
上述のように、本発明にしたがって使用される固体支持要素は、リボン状構造体であってよく、この構造体は、本発明にしたがって構成されるミクロトームシステムの一部を形成し得る対応する送り出しユニットを使用して、供給および位置決め可能である。このようなケースでは、固体支持要素は特に、リールまたはロールの形態で構成可能であり、ある程度の構造的なフレキシビリティを有する。しかしながら別のケースでは、本発明はまたより硬い固体支持要素と共に使用されてもよい。したがって本発明において使用される「固体」という用語は、液槽とは異なり、固形物の形態であるがフレキシブルであってよい材料を特徴付けるために使用される。
本発明は特に、さらに以下で説明するように切片が顕微鏡でイメージングされ、対応してイメージングされる切片から3次元データ(ボリューム画像データ)の再構成が達成される方法に対し、切片を生成することに関する。上述のように、このタスクには特に、途切れのない一連の切片を生成すること、およびそれぞれの切片とサンプルからこれらを切り取った順序、ひいてはボリューム画像データにおける位置とを関連付けることが必要である。本発明は、監視データを生成することにより、特に動画データ(ビデオデータ)を検出することにより、また動画データにおいて、生成した切片を追跡することにより、これを可能にする。
さらに、高速、確実かつ再現可能な仕方で3次元データを生成するために、特に好ましいのは、固体支持要素においてイメージングされる切片の位置および/または配向を記述するデータが利用できるようにし、3次元データに組み立てることである。このような情報は理論的には、切片画像だけから、例えば、適切な画像認識アルゴリズムおよびレジストレーションアルゴリズムによって得ることできる。しかしながら、画像レジストレーションまたは3次元再構成の実際のタスクが行われる前に、このようなパラメータに関する独立した情報が存在する場合には、3次元画像データの生成は大きく改善されて容易になる。これは、本発明によって達成され、本発明では、サンプルから切断した少なくともいくつかの切片について、監視システムを使用し、支持要素におけるこれらの切片の配置を監視することにより、固体支持要素における位置および配向を特定する。したがって、3次元画像データの生成をサポートするために、対応する情報を得ることができ、これにより、上記の生成がより確実になる。したがって可能になるのは、固体支持要素への切片の配置中の、浮遊、回転またはずれ運動、切片リボンの崩壊等にもかかわらず、試料全体における、または対応するボリューム画像におけるそれらの位置の点において、個別の切片をつねに確実に関連付け、3次元表現への挿入について必要な調整を提供することである。連続の切片は極めて似ていることが多く、したがって任意の別の関連付けはほとんど不可能であることが公知である。
基本的に、本発明の文脈では、生成した切片を収集するために種々異なる装置が利用可能である。上述のように、特にこの点について液槽を使用することが公知であり、対応する液面において切片が収集される。典型的な液体は、(脱イオン)水である。しかしながら本発明では、切片は、これらが最初のうちは水槽において収集されるとしても、その後は固体支持体に、またはより正確にはその表面に配置される。以下の説明は、単に明確にするために、液面における切片の収集または配置に言及しており、これらの切片は次いでこの液面から固体支持要素に配置され、この固体支持要素は、本発明にしたがって構成されており、この固体支持要素については、本発明により、特に有利な解決手段が提供される。本発明では、生成される超薄切片は、液面において浮遊させられ、そこから固体支持要素に転送される。
本発明は特に、水槽において前もって切片を収集することなく、固体支持要素に切片を直接に配置することを含む方法に関連していない。上述のように、水槽の使用は、切片を「広げて」、カッティング処理によって生じたしわまたは別の変形を取り除くことができるという特別な利点を有する。しかしながら、水槽の使用は、切片が流れ出す、壁構造体に付着する等を引き起こす可能もある。本発明によって大きな利点が提供されるのはこの文脈である。
本発明の文脈では、少なくともいくつかの切片について特定される、固体支持要素における位置および配向には、これらの切片の回転、変位、歪み、折り畳み、反転の少なくとも1つが含まれている。これらのパラメータのそれぞれは、切片画像を3次元画像に組み立てることができる仕方に影響を与える可能性がある。例えば、いくつかの切片について回転が特定される場合、このことは、切片の画像データを取得するときに、切片または画像取得それ自体に使用されるカメラシステムを逆回転させることによるか、また得られる画像を相応に回転させることにより、逆回転運動または命令によって補償可能である。これに対応して、回転を大きく減らした画像を含む画像スタックを作成することができ、これにより、3次元画像データを生成する処理が大きく改善されて単純化される。また、切片への機械的な力または特定の不揃いの結果であり得る切片の歪みも相応に補償可能である。極端なケースでは、例えば、本発明にしたがって切片の折り畳みまたは反転が特定される場合、これらの切片は、後のイメージングおよび/または3次元画像データの生成から除外することも可能である。要約すれば、本発明によると、固体支持要素における位置および配向を特定することにより、後のイメージングおよび3次元再構成について、極めて有利なプリセット値が提供可能である。
前述のように、液面における切片の流れ出し、ブレードまたは壁構造体への切片の付着、使用可能な切片を生成することのないカッティング動作等のエラーにより、保証することができるのは、本発明を使用して、サンプル支持体に続いて配置される2つの切片が実際に、サンプルから直接に相次いで作製された2つの切片であり、すなわち、作製されたが、どのような理由であれ、サンプル支持体に「間に合う」ことのなかった別の切片はないことである。換言すると、本発明により、サンプル支持体に配置される切片が途切れないこと、およびこれらの正しい順序を証明することができる。
したがって、本発明の文脈では一般に、切片をサンプルから切り取った順序も検出可能であり、サンプルからの切片の切り取り、および/または切片の収集、および/または固体支持要素への、かつ/または後続の転送装置への切片の配置は、固体支持要素における位置および配向を特定するケース等のように、動画データの取得を伴う、1つまたはいくつかの観察カメラによって監視可能である。好ましくは、前述の3つの全てのステップは、説明した方法で監視される。
本発明にしたがって使用される監視システムは、本明細書では略して「カメラ」と称される1つの観察カメラを有するが、いくつかの観察カメラを有することも可能である。このような観察カメラは、様々な観察モダリティについて、例えば、可視スペクトルまたは赤外スペクトルにおける観察について、異なる視野、異なる観察角度、異なる焦平面等をカバーするように構成可能である。「観察カメラ」とは、本発明の文脈において、任意のカメラ、または平坦に、特に、切片が収集される表面、例えば、水槽の表面または固体支持体の表面等を検出できるようにする別の光学装置のことであると理解される。しかしながら、対応する観察カメラは、例えば、使用されるミクロトームのブレードを監視し、この文脈において、それぞれの切片を生成するときに、対応してこれを識別して引き続いて追跡するようにも構成可能である。1つまたは複数のカメラは、サンプルからの切片の切り取りから、固体支持要素、またはスロットグリッドもしくはウェーハ等のサンプル転送装置における最終的な配置までのその完全な動きを追跡するために使用可能である。必要であれば、再合焦もしくは拡大率の変更を行うことができるか、または異なる平面に集束される複数の観察カメラを使用することができる。1つまたは複数の観察カメラは、ウルトラミクロトームシステムを装備した顕微鏡ステレオ観察ユニットを介して画像を記録するように適合させられていてもよい。後者は、本発明による観察タスクまたはその任意のステップのために、再合焦、拡大率の変更等を行うようにされてよい。
本明細書で使用されるように、「カメラ」または「観察カメラ」という用語は、完備しかつ独立して動作可能な光学ユニットまたはモジュール、例えば、公知のデジタルカメラまたは顕微鏡のカメラアタッチメント等に限定されると理解すべきでなく、単独で、またはこれに関連付けられている任意の別のコンポーネントに関連して、または本発明にしたがって構成される別の技術的なユニットに関連して、2次元画像データを取得するように適合させられている全てのセンサまたは検出ユニットを含むと理解すべきであり、これらには、CCDセンサまたはCMOSセンサのようなセンサと、選択的に関連付けられている光学系および/または電子回路と、が含まれるが、これらには限定されない。本発明にしたがって使用される1つまたは複数のカメラは、いずれにせよウルトラミクロトームに設けられているステレオ顕微鏡ユニットに関連付けられていてもいなくてもよい。このような顕微鏡ユニットは、異なる焦平面における物体を検出するために必要に応じて再合焦可能である。Li等による論文等の先行技術からわかるように、ブレード領域および切片形成を監視するのに適した解決手段それ自体は公知である。しかしながら先行技術では、対応する観察は、カッティング処理それ自体を最適化するためだけに行われる。このような解決手段は、単独でも、また別の観察モダリティ、付加的なカメラ等との組み合わせにおいても、固体支持要素における転送処理および/またサンプルのデポジットの追跡全体の監視に使用可能である。特に、本発明による処理には、ブレードを使用してサンプルから超薄切片を切り取ることと、このようにして形成された切片を液面に転送することと、液面に切片を浮遊させることと、支持体に切片を転送することと、の処理を含む少なくとも2つのステップまたは部分ステップを監視することが含まれていてよい。
本発明の文脈では、切片は動画データにおいて追跡可能であり、固体支持要素における切片の位置はそれぞれ、動画データにおけるそれらの追跡に基づいて、それらをサンプルから切り取った順序に相関付け可能である。その結果、サンプルからの切片の切り取り順序にしたがい、転送装置におけるそれぞれの切片を位置特定することが可能である。既に述べたように、これにより、転送装置におけるそれぞれの切片と、切断したサンプルにおけるそれらの位置と、を、またはボリューム画像における画像と、を関連付けることができる。配向も同様に検出可能であり、全ての情報は、関連付けまたは相関付け可能である。
一般に、本明細書において「追跡」という場合、この用語は、サンプル支持体における切片の位置が、これが作製されたサンプルにおけるほとんど同じ切片の位置と明確に関連付けられ、かつ/または、先行および/または引き続きの処理において切片が追跡され続ける任意の方法のことを指し得る。「追跡」という用語はまた、画像解析の分野において一般に公知であるように動画において、または一連の画像において物体を追跡し続ける画像解析の処理のことを指し得る。換言すると、1つまたは複数の切片の追跡は、画像処理ベースの追跡アルゴリズムを使用して実行可能である。Wu等(編)による”Microscope Image Processing”, Academic Press, 2008, ISBN 9780123725783の教科書において、”Chapter 15”, ”Time Lapse Imaging”等に論じられているように、特に、細胞追跡に関連して古典的に適用されるこのような処理には特に、画像前処理が含まれていてよく、実際の追跡は、上記の教科書における15.6.1項”Cell Tracking”に開示されている方法等を使用して実行可能である。最も広範囲にわって研究されているアプローチは、一般に公知のように、レベルセットベースのアプローチである。しかしながら、本発明にしたがって使用可能な追跡法は、必ずしもこのような方法に限定されず、例えば、15.6.2項の”Particle Pracking”に論じられているような処理も含むことができ、またこの項の最後に述べられている項目が考慮される。追跡は、適切な照明モダリティおよび検出モダリティによって見えるようになり得る蛍光特徴等の付加的な特徴または本来の特徴に基づいていてもよい。異なる追跡法の別の開示は、Rietdorf J.(編纂)の”Microscopy Techniques”, Advances in Biochemical Engineering, vol. 95m Springer, 2005のMiura Kによる”Tracking Movement in Cell Biology”および当業者の一般的な技術的知識を表す他の書籍および論文にも見つけることができる。追跡は、複数の画像または異なるカメラからの画像データを跨いで、特に画像レジストレーションの後に実行することも可能である。
追跡は、切片の幾何学形状に基づいていてもよく、追跡は、切片に特定の形状を与えることにより、特に、サンプルブロックに埋め込まれるサンプル材料の特定の幾何学形状を選択することにより、または切断の前に特定の仕方でサンプルブロックをトリミングすることによって単純化することが可能であり、これにより、切断時に結果的に特定の幾何学形状が得られる。この点について使用可能な幾何学形状には、特に、切片を回転させた量の決定を単純化する不規則な形状が含まれていてよい。形状には、多角形、または不規則な形状の曲線によって取り囲まれる形状が含まれていてよい。より一般的には、回転対称でない任意の形状が使用可能である。回転対称という用語は本明細書において、通常の定義にしたがって使用される。
前に監視処理について既に述べたように、本発明には、ブレードを使用したサンプルからの超薄切片を切り取ることと、このようにして形成された切片を液面に転送することと、液面に切片を浮遊させることと、支持体に切片を転送することと、の処理を含む少なくとも2つのステップまたは部分ステップで切片を追跡することが含まれていてよい。
本発明による方法では、サンプルから切り取った切片を固体支持要素に配置した後、いくつかの支持要素部分に固体支持要素を分解することができる。次いでこのような支持要素部分は、上述のスロットグリッド等の転送装置、または(電子)顕微鏡法と共に使用するのに適した任意の別の転送装置に配置可能である。切片それ自体についてのように、支持要素を分解することによって生成される支持要素部分の少なくともいくかについて、本発明にしたがって設けられる監視システム、または同様に本発明の対応する実施形態にしたがって設けられる別の監視システムを使用して、転送装置へのこれらの支持要素部分の配置を監視することにより、転送装置における位置および/または配向を特定することができる。したがってこの実施形態では、サンプルブロックの切り取りから、切片が観察されるそれらの最終的な位置まで切片を追跡することができる。これに対応して、本発明のこの実施形態によると、3次元画像データの形成をさらに単純化することができる。
固体支持要素への切片の配置を監視するために、本発明にしたがって使用される監視システムは、転送装置への支持要素部分の配置を監視するために使用される監視システムと必ずしも同じでなくてよいが、上述のように、さらに、代わりに少なくとも部分的に独立している監視システムが使用可能であり、後者は特に少なくとも1つの別のカメラを有する。したがって上述の監視システムは、物理的、機能的または空間的に分かれた要素またはユニットであってよいか、または少なくとも、物理的、機能的、または空間的に分かれた、特に対応するカメラであるコンポーネントを有していてよい。しかしながら択一な実施形態では、同じ監視システム、すなわち1つの機能ユニットも使用可能であるが、この機能ユニットは、複数の機能または構成上のサブユニット、例えば特定の監視タスク専用のカメラ等を有していてよい。
ssSEMの場合、転送装置は特に、走査電子顕微鏡における検査に使用されるシリコンウェーハ、または顕微鏡検査システムにおいて、対応するサンプルを検査するために、または顕微鏡計算検査システムにこれを転送するために構成されている別の任意の転送装置であってよい。ssTEMの場合は特に、公知のグリッドが使用可能である。対応する転送装置において切片は特に、適切なコントラスト付け法、例えば、染料または重金属塩による蒸着または浸透によって処理される。しかしながら対応するコントラスト付けは、本発明による方法がサンプルに適用される前に、前もって既に実施されていてもよい。
本発明の文脈において、支持要素部分に配置される個別の切片を有する転送装置全体は、顕微鏡法で検査可能であり、それぞれの切片は、これらの先行の追跡および位置特定に基づき、生成されるボリューム画像に関連付けることができる。換言すると、開始から終了までの途切れのない追跡が可能である。
換言すると、本発明による方法では、監視システムを使用する監視は、動画データを取得することを有していてよく、動画データにおいて切片を追跡することができる。したがって、固体支持要素における切片の位置は、動画データにおける追跡に基づき、切片がサンプルから切り取られた順序に相関付け可能である。
本発明の文脈において、サンプルからの少なくともいくつかの切片の切り取りには、基本的に前に説明したように切片リボンの生成が含まれていてよい。しかしながら固体支持要素に個別の切片を配置することも可能である。換言すると、本発明の1つの実施形態によると、サンプルからの少なくともいくつかの切片の取りには、切片が互いに付着する切片リボンの生成が含まれ、切片を、このような切片リボンの形態で少なくとも部分的に固体支持要素に配置する。別の1つの実施形態では、サンプルからの少なくともいくつかの切片の取りには、互いに付着しない個別の切片の生成が含まれ、切片をこのような個別の切片の形態で、少なくとも部分的に固体支持要素に配置する。同様に、切片リボンの、または個別の切片の形態で部分的な収集および配置が可能である。
この場合に切片は、固体支持要素における配置の前に、例えば、液面において形成される場合、少なくとも部分的に切片リボンの形態で収集可能である。サンプル切片は、生成される動画データにおいて追跡されるため、これらの切片リボンも同様にそれぞれ対応して関連付け可能である。前に説明した公知の方法とは異なり、この文脈において、定められた順序で、例えば、固体支持要素に、または最終的に転送装置に切片リボンを被着する必要はない。切片リボンは、可変の切片リボン長で生成することも可能であり、これにより、最大長の切片リボンの複雑な生成はもはや不要であり、これに伴う問題が回避可能である。特に、これによって過度に長い切片リボンの曲げおよび破断を回避することができる。さらに、サンプルに応じて多かれ少なかれ発生する切片リボンの崩壊は、切片の追跡によってもはや問題ではない。
本発明の文脈では、既存の技術の場合よりも、転送装置において、対応する切片をかなり密に詰めることができる。これは、例えば、転送装置の領域において、またそれに先立って、例えば液面において、最大限に密な切片リボンクラスタまたは切片リボン詰めを達成するために、対応する1つの切片リボンにおいて、または対応するいくつかの切片リボンにおいて、切片の個数が適合させられるという事実によって達成可能である。
本発明の文脈において、切片の位置の追跡には、切片をサンプルから切り取ったとき、かつ/または例えば液面においてこれらを収集したとき、かつ/または切片を支持要素に、またはこれに続いて転送装置に配置したときの切片の動きの検出が含まれていてよい。これにより、従来、それぞれの切片と、サンプルにおけるこれらの位置と、の関連付けの消失を結果的に生じ得る、または位置もしくは配向を変化させ得る全ての動きの過程は、本発明の文脈において検出可能である。本発明の文脈では、例えば、既存の技術から基本的に公知の異なる追跡アルゴリズムが使用可能である。追跡アルゴリズムは、例えば、少なくとも部分的に、動画が記録されるという事実と、2つの動画を取得する間の切片の変位が小さく、これにより、動画が比較される場合に、重なりに基づいて、関連付けが明確であるという事実と、に基づいていてよい。この実施形態では、時間的に互いに接近している画像ペアは、繰り返して比較され、これにより、それぞれの切片と、サンプルにおける位置と、の関連付けが保持される。他方では、例えば、移動する切片内の形状、色または構造等の個別の特徴も、追跡のための関連付けを支援することができる。ここでも当業者の一般的な知識を参照されたい。
本発明の文脈において、特にそれぞれの切片は、サンプルからの切り取りと同時に番号付け可能であり、切片の位置および/または配向の追跡は、これらの番号付けを維持しながら実行可能である。転送装置における切片の位置と、サンプルから切り取った順序と、の間の関連付けは、この番号付けに基づいて行うことができる。これにより、特に簡単な関連付けを達成することができる。
特に、本発明の文脈では、監視データは、データセットを有することができるか、またはデータセットの生成に使用されることが可能であり、このデータセットは、固体支持要素における位置および配向が特定される、サンプルから切り取った少なくともいくつかの切片について、特に基準位置または基準配向または基準系またはフレーム枠に対する位置インジケータおよび配向インジケータのうちの少なくとも1つを有する。すなわち、観察する切片の全ての位置および配向を実質的に記述し、引き続いて検査される対応するデータセットが供給可能である。本発明の1つの実施形態では、切片の位置マップを作成することが可能であり、切片は、サンプルから切り取った順序と、付加的にはそれらの位置および配向と、にしたがって、位置マップにおいて番号付けされている。したがって位置マップは、転送装置における切片の位置をそれらの切り取り順序にしたがって記述し、前述の関連付けに使用可能である。番号付けは、リアルタイムに、すなわちそれぞれの番号は、切片を生成するときにまたはそれを生成した後にそれぞれの切片に関連付けることができ、この場合にこの番号を使用してそれぞれの切片を追跡することができる。対応する位置マップにおけるそれぞれの切片には、切片の配向が対応付け可能である。しかしながら、これとは択一的に、切断操作が完了した後にのみ、記録された動画データを使用して番号付けを行うことができる。この場合も同様に、それぞれの番号を使用して追跡が可能である。
本発明では、固体支持要素に配置される切片の目標位置および/または基準位置についての機械読取可能識別子を含むように固体支持要素を構成することが可能である。このような機械読取可能識別子は付加的に、定められたイメージングモダリティ下で人間が読み取れるかまたは検出できるように構成することが可能であり、これらは、例えば、ラインコード、QR(quick response)コード、幾何学形状、文字、数字およびマーキングカラーのうちの少なくとも1つを含むように構成可能である。対応する識別子を使用して、単純に識別子を検出することにより、配向が既に関連付けられているそれぞれの切片を識別することができる。
上述のように、本発明の文脈では、切片は、半薄切片または超薄切片として使用または生成可能であり、ガラスまたはダイヤモンドブレードをブレードとして使用することが可能である。これらのブレードは、切片を収集することが可能な液面を構成するために使用される液体を収容するためのトラフも有し得る、対応するブレードユニットの一部であってよい。
本発明はまた、サンプルの超薄切片を顕微鏡で検査し、切片画像データを取得し、切片画像データをボリューム画像に組み立てる、顕微鏡サンプルを3次元再構成する方法に関する。本発明によると、異なる実施形態において上で説明した方法により、サンプルの超薄切片を生成し、監視システムを使用して得た監視データに基づいて、またはこのような監視データから導出したデータに基づいて、ボリューム画像に切片画像データを組み立てる。対応する方法およびその有利な実施形態の特徴および利点に関しては、これらは、3次元サンプル再構成についての本発明による方法にも関連しているため、上述の説明を特に参照されたい。
顕微鏡検査には特に、光学顕微鏡法または電子顕微鏡法を使用する検査が含まれていてよい。
本発明によると、切片画像データは、画像取得および/または解析システムを使用することによって取得し、かつ/またはボリューム画像に組み立てることができ、監視データまたは監視データから導出したデータは、監視システムから画像取得および/または解析システムに転送可能である。検出ユニットの回転、顕微鏡テーブルの横方向の変位等の、顕微鏡装置のパラメータは、監視システムを使用して得た監視データまたは監視データから導出したデータに基づいて調整可能である。
本発明はさらに、顕微鏡サンプルの一連の超薄切片を生成するためのウルトラミクロトームシステムに関しており、このミクロトームシステムは、サンプルから切片を切り取り、サンプルから切り取った超薄切片を固体支持要素に配置するように適合させられている。本発明によると、ウルトラミクロトームシステムは、カメラを有する監視システムを有し、監視システムは、サンプルから切り取った少なくともいくつかの切片について、固体支持要素におけるこれらの切片の配置を監視して、監視データを得ることにより、固体支持要素における位置および配向を特定するように適合させられている。対応するミクロトームシステムおよびその有利な実施形態の特徴および利点に関しても、上述の説明を特に参照されたい。繰り返し述べたように、切片は支持要素に転送される前に、液面において浮遊させられる。
本発明にしたがって構成されるウルトラミクロトームシステムは特に、送り出しシステムを有していてよく、この送り出しシステムは、上述のように、リボン状構造体の形態で固体支持要素を構成し、サンプルから切り取った切片をこれに配置するために固体支持要素を位置決めするように適合させられている。
本明細書で使用されるように、用語「および/または(かつ/または)」は、関連する記載項目のうちの1つまたは複数の項目のあらゆる全ての組み合わせを含んでおり、「/」として略記されることがある。いくつかの態様を装置の文脈において説明してきたが、これらの態様が、対応する方法の説明も表していることが明らかであり、ここではブロックまたは装置がステップまたはステップの特徴に対応している。同様に、ステップの文脈において説明された態様は、対応する装置の対応するブロックまたは項目または特徴の説明も表している。
ステップの一部または全部は、例えば、プロセッサ、マイクロプロセッサ、プログラマブルコンピュータまたは電子回路等のハードウェア装置(またはハードウェア装置を使用すること)によって実行されてもよい。いくつかの実施形態では、極めて重要なステップのいずれか1つまたは複数が、そのような装置によって実行されてもよい。
一定の実装要件に応じて、本発明の実施形態は、ハードウェアまたはソフトウェアで実装され得る。この実装は、非一過性の記録媒体によって実行可能であり、非一過性の記録媒体は、各方法を実施するために、プログラマブルコンピュータシステムと協働する(または協働することが可能である)、電子的に読取可能な制御信号が格納されている、デジタル記録媒体等であり、これは例えば、HDD、SSD、フロッピーディスク、DVD、ブルーレイ、CD、ROM、PROMおよびEPROM、EEPROMまたはFLASHメモリである。したがって、デジタル記録媒体は、コンピュータ読取可能であってもよい。本発明のいくつかの実施形態は、コンピュータシステムを使用して、本明細書に記載のいずれかの方法が実施されるように、プログラマブルコンピュータシステムと協働することができる、電子的に読取可能な制御信号を有するデータ担体を含んでいる。
一般的に、本発明の実施形態は、プログラムコードを備えるコンピュータプログラム製品として実装可能であり、このプログラムコードは、コンピュータプログラム製品がコンピュータ上で実行されるときにいずれかの方法を実施するように作動する。このプログラムコードは、例えば、機械読取可能担体に格納されていてもよい。別の実施形態は、機械読取可能担体に格納されている、本明細書に記載のいずれかの方法を実施するためのコンピュータプログラムを含んでいる。
したがって、換言すれば、本発明の実施形態は、コンピュータプログラムがコンピュータ上で実行されるときに本明細書に記載のいずれかの方法を実施するためのプログラムコードを有するコンピュータプログラムである。
したがって、本発明の別の実施形態は、プロセッサによって実行されるときに本明細書に記載のいずれかの方法を実施するために、格納されているコンピュータプログラムを含んでいる記録媒体(またはデータ担体またはコンピュータ読取可能な媒体)である。データ担体、デジタル記録媒体または被記録媒体は、典型的に、有形である、かつ/または非一過性である。本発明の別の実施形態は、プロセッサと記録媒体を含んでいる、本明細書に記載されたような装置である。
したがって、別の1つの実施形態は、本明細書に記載のいずれかの方法を実施するためのコンピュータプログラムを表すデータストリームまたは信号シーケンスである。データストリームまたは信号シーケンスは例えば、データ通信接続、例えばインターネットを介して転送されるように構成されていてもよい。
別の実施形態は、処理手段、例えば、本明細書に記載のいずれかの方法を実施するように構成または適合されているコンピュータまたはプログラマブルロジックデバイスを含んでいる。別の実施形態は、本明細書に記載のいずれかの方法を実施するために、インストールされたコンピュータプログラムを有しているコンピュータを含んでいる。
本発明の別の実施形態は、本明細書に記載のいずれかの方法を実施するためのコンピュータプログラムを(例えば、電子的にまたは光学的に)受信機に転送するように構成された装置またはシステムを含んでいる。受信機は、例えば、コンピュータ、モバイル機器、記憶装置等であってもよい。装置またはシステムは、例えば、コンピュータプログラムを受信機に転送するために、ファイルサーバを含んでいてもよい。
いくつかの実施形態では、プログラマブルロジックデバイス(例えばフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ)が、本明細書に記載された方法の機能の一部または全部を実行するために使用されてもよい。いくつかの実施形態では、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイは、本明細書に記載のいずれかの方法を実施するためにマイクロプロセッサと協働してもよい。一般的に、有利には、任意のハードウェア装置によって方法が実施される。
以下では、本発明の実施形態を示す添付の図面を参照して、さらに詳細に本発明を説明する。
図において、互いに物理的または機能的に対する要素は、同じ参照符号によって示されており、明瞭化のために繰り返して説明されていない。
図1A~図1Cには、極めて簡略化された一組の斜視図において、本発明の一部を形成しない方法に使用される装置およびその部分が示されている。図1A~図1Cも同様に、このような装備を使用して実施されるステップに対応する。
図1Aにしたがって使用されるミクロトームシステムは、ミクロトーム100と、固体サンプル支持体用の送り出しユニット200と、を有する。このシステムは、本発明の1つの実施形態によるものではない。ミクロトームシステムは全体として900とラベル付けされている。
図示した実施例では、ミクロトーム100において、サンプル10がサンプルホルダ102に固定されている。(一般性を失わないようにするという理由で簡略化された形態で示されている)水槽104は、特に示されておらずかつそれ自体一般に公知のように使用されるブレードを使用して、サンプル10の切片11を収集するように構成されている。ミクロトーム100は、サンプル位置決め要素106と、サンプル送り出しシステム108と、光学調整要素112および位置調整要素114を備えた顕微鏡110と、安全シールド116と、を有する。液体供給システム120も設けられている。ミクロトームは、ウルトラミクロトームとして実現されており、先行技術において公知の任意の仕方で構成されていてよい。
この実施例では切片11は、台形で示されているが、これらは、考えられる任意の幾何学形状、例えば、円形、矩形、多角形または不規則形等を実質的にサンプルの形状にしたがって有していてよい。これらの切片は必ずしも正確な見え方またはスケールで示されていない。
フレーム310およびグリッド320を有するサンプル転送要素300に切片11を転送するために、これらの切片11はまず、図1Aにおいて矢印で示したステップにおいて、送り出しユニット200によってリール210の形態で設けられているリボン状、ベルト状または帯状の固体サンプル支持要素20に配置される。送り出しユニット200は、ミクロトーム100の一部であってよく、すなわちこれは同じ機能ユニットに組み込まれていても、または別体で設けられていてもよい。送り出しユニット200も同様に、切片11を固体サンプル支持体20に配置するのに適した位置に固体サンプル支持体20を位置決めするための位置決め手段を有していてよい。図示した特定の実施例において示したのとは異なり、サンプル支持体20は、実質的に無限に構成することも可能であり、例えば、水槽104から切片11を捕らえるように適合させられていてもよく、水槽104では、またはより正確にいうと、(個別にはラベル付けされていない)その表面では、切片11はまず収集されるかまたは浮遊させられる。固体サンプル支持要素用の対応する送り出しユニット200を有するミクロトーム100の実施例については、専門文献および上で既に示した説明を参照されたい。
固体サンプル支持要素20は次いで、図1Bに示したステップによると、ライン24にしたがい、例えば、手で複数の切れ端または支持要素部分22に切断され、これらは、ここでも矢印で示したように、公知のスロットグリッド等のサンプル転送要素300に配置される。サンプル転送要素300においてまだ使用されていない位置は、破線表示で示されている。図示した実施例では、サンプル転送要素300は、円形フレーム310およびグリッド320を有するが、サンプル転送要素300は、任意の考えられ得る仕方で実施可能である。サンプル転送要素300は、例えば、ウェーハの形態で構成することも可能である。同様に図示されていないように、サンプル転送要素300または支持要素部分22における切片は、適切な仕方で、例えば、着色、コントラスト付けまたはメタライゼーションによって処理することも可能である。
図1Cに示したように、支持要素部分22および切片11を上に含むサンプル転送要素300は、引き続きの検査のために、また例えば3次元情報を再構成するために、顕微鏡検査装置500に、例えば光学顕微鏡または電子顕微鏡、またはこのような装置を含む顕微鏡検査装置500に移動させられる。顕微鏡検査装置500には、切片11の画像を供給して、このような切片画像を3次元画像またはボリューム画像に組み立てるために、当該技術分野において公知の任意の種類の画像取得手段および/または処理手段が含まれていてよい。
図1A~図1Cに示したのと同じ説明は、図2A~図2Cに実質的に当てはまり、簡潔さのためだけに繰り返しを回避する。図2A~図2Cには、極めて簡略化された一組の側面斜視図において、本発明の1つの実施形態による方法に使用される装置およびその部分が示されている。図2A~図2Cも同様に、このような装備を使用して実施される、本発明の1つの実施形態によるステップに対応する。
図2Aにしたがって使用されるミクロトームシステムは、実質的に図1Aについて既に説明したように、ミクロトーム100、特にウルトラミクロトームと、固体サンプル支持体用の送り出しユニット200と、を有する。ミクロトームシステムは全体として1000とラベル付けされており、図示した実施例では、カメラ410を有する監視システム400に関連付けられている。「カメラ」という用語に関しては上述の説明を参照されたい。監視システム400は、コンピュータ等の制御ユニット420を備えているかまたはこれに接続されており、この制御ユニット420もミクロトームシステム1000の別の機能を制御するように適合させられていてよい。上述のように、本発明によると、1つまたは複数のカメラ410の任意の個数および配置が使用可能である。
本発明の1つの実施形態によると、図示したように、サンプル10から切り取った切片11の少なくともいくかについて、固体支持要素20における位置および配向は、図2Aによると、監視システム400を使用して、固体支持要素20におけるこれらの切片11の配置を監視して、監視データを得ることによって特定される。これらは、ローカルネットワークまたはインターネットを介して、ローカルにまたはリモートに格納することができるか、または別のシステムに通信可能である。
図2Cに示したように、監視データは、好ましい仕方で切片を検出するために、かつ/または画像処理ユニットにおいて切片画像から3次元画像データに再構成するのを支援するために、顕微鏡検査装置500に関連付けられている制御ユニット510、特にコンピュータと交換可能である。制御ユニット510は特に、検出または画像位置または回転等のイメージングパラメータまたは顕微鏡パラメータを設定するために使用可能である。制御ユニット420および制御ユニット510は、単一の装置に統合することも可能である。
いくつかの実施形態は、ミクロトームシステム1000または顕微鏡検査装置500に関する。例えば、ミクロトームシステム1000および/または顕微鏡検査装置500は、画像を撮像するように構成可能であり、かつ制御ユニット510および/または制御ユニット420に接続可能である。制御ユニット510および/または制御ユニット420は、本明細書で説明する方法の少なくとも一部を実施するように構成されていてよい。制御ユニット510および/または制御ユニット420は、機械学習アルゴリズムを実行するように構成されていてよい。制御ユニット510および/または制御ユニット420も、図示した別の全てのコンポーネントも同様に、別の存在物であってよいが、共通の1つのハウジングに一緒に統合されていてもよい。制御ユニット510および/または制御ユニット420は、中央処理システムの一部であってもよく、かつ/または制御ユニット510および/または制御ユニット420は、ミクロトームシステム1000および/または顕微鏡検査装置500のセンサ、アクター、カメラまたは照明ユニット等の、ミクロトームシステム1000および/または顕微鏡検査装置500の従属部品の一部であってもよい。
制御ユニット510および/または制御ユニット420は、1つまたは複数のプロセッサおよび1つまたは複数のストレージデバイスを備えるローカルコンピュータデバイス(例えば、パーソナルコンピュータ、ラップトップ、タブレットコンピュータまたは携帯電話)であってもよく、または分散コンピュータシステム(例えば、ローカルクライアントおよび/または1つまたは複数のリモートサーバファームおよび/またはデータセンター等の様々な場所に分散されている1つまたは複数のプロセッサおよび1つまたは複数のストレージデバイスを備えるクラウドコンピューティングシステム)であってもよい。制御ユニット510および/または制御ユニット420は、任意の回路または回路の組み合わせを含んでいてもよい。1つの実施形態では、制御ユニット510および/または制御ユニット420は、任意の種類のものとすることができる、1つまたは複数のプロセッサを含んでいてもよい。本明細書で使用されるように、プロセッサは、例えば、顕微鏡または顕微鏡部品(例えばカメラ)のマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、複合命令セットコンピューティング(CISC)マイクロプロセッサ、縮小命令セットコンピューティング(RISC)マイクロプロセッサ、超長命令語(VLIW)マイクロプロセッサ、グラフィックプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、マルチコアプロセッサ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または任意の他の種類のプロセッサまたは処理回路等のあらゆる種類の計算回路を意図していてもよいが、これらに限定されない。制御ユニット510および/または制御ユニット420に含まれ得る他の種類の回路は、カスタム回路、特定用途向け集積回路(ASIC)等であってもよく、例えばこれは、携帯電話、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、双方向無線機および類似の電子システム等の無線装置において使用される1つまたは複数の回路(通信回路等)等である。制御ユニット510および/または制御ユニット420は、ランダムアクセスメモリ(RAM)の形態のメインメモリ等の特定の用途に適した1つまたは複数の記憶素子を含み得る1つまたは複数のストレージデバイス、1つまたは複数のハードドライブおよび/またはコンパクトディスク(CD)、フラッシュメモリカード、デジタルビデオディスク(DVD)等のリムーバブルメディアを扱う1つまたは複数のドライブ等を含んでいてもよい。制御ユニット510および/または制御ユニット420はディスプレイ装置、1つまたは複数のスピーカーおよびキーボードおよび/またはマウス、トラックボール、タッチスクリーン、音声認識装置を含み得るコントローラ、またはシステムのユーザーが制御ユニット510および/または制御ユニット420に情報を入力すること、ならびに制御ユニット510および/または制御ユニット420から情報を受け取ることを可能にする任意の他の装置も含んでいてもよい。
図3は、本発明の有利な1つの実施形態による方法に使用されるサンプル支持要素20を示す簡略化された平面図である。図示したように、切片11が配置されているサンプル支持要素20は、図示した実施例において、QRコードを含む機械読取可能識別子25を有する。これとは付加的に人間が読み取れる数字が設けられている。
図4は、本発明の有利な1つの実施形態による方法を示す概略フローチャートであり、この方法は全体が3000で示されている。方法3000は、実質的に前に示した切片11等の切片をイメージングすることにより、前に示したサンプル10等の顕微鏡サンプルの3次元再構成に使用される。
したがって顕微鏡サンプル10の一連の切片11を生成する方法2000は、方法3000の一部を形成する。方法2000において、ステップ2100では、前に示したミクロトーム100等のミクロトームを使用して、サンプル10から切片11を切り取り、ステップ2200では、前に示した固体支持要素20等の固体支持要素に、サンプル10から切り取った切片11を配置する。図示したように、ステップ2100およびステップ2200は、固体支持要素20に十分な個数の切片が配置されるまで繰り返し可能である。この後、ステップ2300では、固体支持要素は、支持要素部分22について前に示したようにいくつかの支持要素部分に選択的に分解可能であり、支持要素部分は、前に示した転送装置300等の転送装置に配置可能である。
方法2000では、サンプルから切り取った少なくともいくつかの切片について、2400で示したように、前に示した監視システム400等の、カメラを有する監視システムを使用し、固体支持要素におけるこれらの切片の配置を監視して、監視データを得ることによって固体支持要素における位置および配向を特定する。同様に、ステップ2300において、支持要素を分解することによって生成される支持要素部分の少なくともいくつかについて、監視システムを使用して、転送装置300へのこれらの支持要素部分の配置を監視することにより、転送装置300における位置および配向を特定することもできる。
中間のステップ4000では、前に示した顕微鏡検査システム500等の顕微鏡検査システムに、転送装置300に配置された支持要素またはその一部を転送する。
ステップ3100では、顕微鏡装置を使用してサンプルの切片を顕微鏡で調べ、切片画像データを取得し、監視システムを使用して得た監視データに基づいて、または監視データから導出したデータに基づいて、切片画像データをボリューム画像に組み立てる。
Claims (14)
- 顕微鏡サンプル(10)の一連の超薄切片(11)を生成する方法(2000)であって、ウルトラミクロトーム(100)を使用して前記サンプル(10)から前記切片(11)を切り取り、前記サンプル(10)から切り取った前記超薄切片(11)を液面において浮遊させて、その後、固体支持要素(20)に転送する方法において、
前記サンプル(10)から切り取った少なくともいくつかの前記切片(11)について、カメラ(410)を有する監視システム(400)を使用し、前記固体支持要素(20)への前記切片(11)の配置を監視して、監視データを得ることにより、前記固体支持要素(20)における位置および配向を特定する、
方法(2000)。 - 少なくともいくつかの前記切片(11)について特定される、前記固体支持要素(20)における前記位置および前記配向は、前記切片(11)の回転、変位、歪み、折り畳み、反転の少なくとも1つを含む、
請求項1記載の方法(2000)。 - 前記サンプル(10)から切り取った前記切片(11)を前記固体支持要素(20)に配置した後、複数の支持要素部分(22)に前記固体支持要素(20)を分解し、前記支持要素部分(22)を転送装置(300)に配置するか、または、前記支持要素(20)を分解することによって生成した少なくともいくつかの支持要素部分(22)について、同じ前記監視システム(400)または別の監視システムを使用し、前記転送装置(300)への前記支持要素部分(22)の前記配置を監視することにより、前記転送装置(300)における位置および/または配向を特定する、
請求項1または2記載の方法(2000)。 - 前記監視システム(400)を使用する監視には、動画データを取得することが含まれ、前記動画データにおいて前記切片(11)を追跡する、
請求項1から3までのいずれか1項記載の方法(2000)。 - 前記サンプル(10)からの少なくともいくつかの前記切片(11)の切り取りには、前記切片(11)が互いに付着する切片リボンの生成が含まれ、前記切片(11)を前記切片リボンの形態で、少なくとも部分的に前記固体支持要素(20)に配置する、
請求項1から4までのいずれか1項記載の方法(2000)。 - 前記サンプル(10)からの少なくともいくつかの前記切片(11)の切り取りには、互いに付着しない個別の切片の生成が含まれ、前記切片(11)を前記個別の切片(11)の形態で、少なくとも部分的に前記固体支持要素(20)に配置する、
請求項1から5までのいずれか1項記載の方法(2000)。 - 前記監視データは、データセットを有するかまたはデータセットの生成に使用され、前記データセットは、前記固体支持要素(20)における前記位置および前記配向が特定される、前記サンプル(10)から切り取った少なくともいくつかの前記切片(11)について、基準位置または基準配向に対する位置インジケータまたは配向インジケータのうちの少なくとも1つを有する、
請求項1から6までのいずれか1記載の方法(2000)。 - 前記固体支持要素(20)に配置される前記切片(11)の目標位置および/または基準位置についての機械読取可能識別子(25)を含むように前記固体支持要素(20)が構成されている、
請求項1から7までのいずれか1項記載の方法(2000)。 - 顕微鏡サンプル(10)を3次元再構成する方法(3000)であって、顕微鏡装置(500)を使用して前記サンプル(10)の切片(11)を検査し、切片画像データを取得し、前記切片画像データをボリューム画像に組み立てる方法において、
請求項1から8までのいずれか1項記載の方法によって前記サンプル(10)の前記切片(11)を生成し、前記監視システム(400)を使用して得た前記監視データに基づいてまたは前記監視データから導出したデータに基づいて、前記ボリューム画像に切片画像データを組み立てる、
方法(3000)。 - 画像取得および/または解析システム(510)を使用することによって前記切片画像データを取得しかつ/または前記ボリューム画像に組み立て、前記監視システム(400)から前記画像取得および/または解析システム(510)に、前記監視データまたは前記監視データから導出した前記データを転送する、
請求項9記載の方法(3000)。 - 前記監視システム(400)を使用して得た前記監視データまたは前記監視データから導出したデータに基づいて、前記顕微鏡装置(500)のパラメータを調整する、
請求項9または請求項10記載の方法(3000)。 - 顕微鏡サンプル(10)の一連の超薄切片(11)を生成するためのウルトラミクロトームシステム(1000)であって、前記ウルトラミクロトームシステムは、前記サンプル(10)から前記超薄切片(11)を切り取り、前記超薄切片(11)を液面において浮遊させ、その後、前記超薄切片(11)を固体支持要素(20)に転送するように適合させられているウルトラミクロトームシステム(1000)において、
前記ウルトラミクロトームシステム(1000)は、カメラ(410)を有する監視システム(400)を有し、前記監視システム(400)は、前記サンプル(10)から切り取った少なくともいくつかの前記切片(11)について、前記固体支持要素(20)への前記切片(11)の配置を監視して、監視データを得ることにより、前記固体支持要素(20)における位置および配向を特定するように適合させられている、
ウルトラミクロトームシステム(1000)。 - 送り出しシステム(200)を有し、前記送り出しシステム(200)は、リボン状構造体の形態で前記固体支持要素(20)を構成し、前記サンプル(10)から切り取った前記切片(11)を前記固体支持要素(20)に配置するために前記固体支持要素(20)を位置決めするように適合させられている、
請求項12記載のウルトラミクロトームシステム(1000)。 - コンピュータプログラムがプロセッサ上で動作する場合に、請求項1から11までのいずれか1項記載の方法(2000,3000)を実施するプログラムコードを備えたコンピュータプログラム。
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