JP2023530932A - ガイドデバイスおよびこのようなデバイスを備える機械システム - Google Patents

Abstract

本発明は、滑り摩擦接触をする嵌合部分（２）を受け入れるように意図された摩擦面（２２）を備える金属構成要素（２０）と、摩擦面（２２）の摩耗、または摩擦面（２２）と嵌合部分（２）との間の間隙の検出システム（３０）であって、１つまたは複数のセンサ（３２）を備える検出システム（３０）と、検出システム（３０）に接続され、かつ摩耗または間隙に関する情報をガイドデバイス（１０）の外部に送信するように構成された無線通信システム（４０）と、を備えるガイドデバイス（１０）に関する。

Description

本発明は、金属構成要素、検出デバイス、および無線通信デバイスを備えるガイドデバイスに関する。本発明の分野は、滑り摩擦接触する可動部品をガイドするためのデバイスのものである。

本発明によるガイドデバイスは、例えば、建設機械の関節部を形成する軸をガイドするベアリングタイプのものである。

機械に取り付けられたデバイスは、高い機械的ストレスを受ける。経費のかかる作業休止時間を回避するために、予防的かつ予測的に保守する解決策が導入される。

本発明の目的は、予測的な保守作業を実行できるようにするガイドデバイスを提案することである。

このために、本発明の主題は、
－ 滑り摩擦接触をする嵌合部分を受け入れるように意図された摩擦面を備える金属構成要素と、
－ 摩擦面の摩耗、または摩擦面と嵌合部分との間の間隙の感知システムであって、１つまたは複数のセンサを備える感知システムと、
－ 検出システムに接続され、かつ摩耗または間隙に関する情報をガイドデバイスの外部に送信するように構成された無線通信システムと、
を備えるガイドデバイスに関する。

したがって、本発明は、デバイスを、重大な動作不良を生ずる前に取り換えるために、金属製の摩擦構成要素の摩耗または間隙のレベルを伝達すべく使用できるようにする。

本発明の他の有利な特徴によれば、個々に見て、または組み合わせたとき、
－ 金属構成要素は、少なくとも５ミリメートルの半径厚さを有する環状ブッシュにより形成される。
－ 金属構成要素は、最大で１５ミリメートルの半径方向厚さを有する環状ブッシュにより形成される。
－ ガイドデバイスは、摩擦面上に配置した潤滑剤を備える。
－ 摩擦面は、潤滑剤に対する貯蔵器として働く機構を備える。
－ 機構は空洞部を備える。
－ 機構は溝を備える。
－ 検出システムは、金属構成要素の中心軸周りで少なくとも３°の角度範囲にわたる摩擦面の摩耗の検出を行うように構成される。
－ 検出システムは、中心軸周りで摩耗の３６０°検出を行うように構成される。この場合、ガイドデバイスおよびその嵌合部分の取付けを実施する操作者は、検出システムが正しく方向付けられていることを確認する必要はない。実際に、最大負荷のゾーンは、角度検出範囲に必ず含まれている。したがって、デバイスの組立は、簡単化される。
－ 検出システムは、中心軸周りに分布され、また少なくとも１２０°の角度範囲に対する摩耗の検出を確実に行う複数のセンサを備える。
－ センサは、複数の角度範囲にわたる摩耗の検出を確実に行う。
－ センサは、中心軸周りで３６０°にわたり分布される。
－ 検出システムは、中心軸周りで１２０°に分布される３つのセンサを備える。
－ 検出システムは、中心軸周りで９０°に分布される４つのセンサを備える。
－ 検出システムは、少なくとも３°の単一の角度範囲にわたる、すなわち、単一の角度方向に摩耗の検出を行うように構成される。この場合、ガイドデバイスおよびその嵌合部分を取り付ける操作者は、検出の角度範囲を最大の負荷ゾーンと一致させて、確実に、検出システムが正しく方向付けられるようにしなければならない。デバイスは、より簡単になり、費用がかからなくなるが、その組立には、より精度を必要とする。
－ 検出システムは、少なくとも６０°の角度範囲、好ましくは、少なくとも１２０°の角度範囲に対する摩耗の検出を行うように構成される。こうすることは、デバイスのコスト、検出の精度、および組立の精度の間の良好な妥協点を提供する。
－ 検出システムは、単一のセンサを備え、それは、少なくとも３°の角度範囲に対する摩擦面の摩耗を確実に検出する。
－ 検出システムは、少なくとも６０°の角度範囲に対する摩耗を確実に検出する複数のセンサを備える。センサは、６０°のこの単一の角度範囲に、またはより限定された範囲に対して配置することができる。
－ １つまたは複数のセンサは、ブッシュの１つの長手方向側面上に、または２つの長手方向側面上にだけ配置され、各長手方向側面は、環状ブッシュの長さの最大で５分の２にわたって画定される。
－ 各長手方向側面は、環状ブッシュの長さの３分の１にわたって画定される。
－ １つまたは複数のセンサは、ブッシュの１つの長手方向側面上にだけ配置される。
－ １つまたは複数のセンサは、ブッシュの２つの長手方向側面にわたって分布される。
－ センサまたは各センサは、摩擦面下の所与の深さに配置された一端を有する少なくとも１つの導電性ワイヤを備える。
－ 検出システムは、摩擦面の異なる摩耗閾値を検出するように構成される。
－ センサまたは各センサは、摩擦面下の異なる深さに配置された端部を有するいくつかの導電性ワイヤを備える。
－ 各センサは、中心軸周りでその角度位置を割り出す（ｉｎｄｅｘｉｎｇ）ための手段を備える。
－ 各センサは、摩擦面に沿ってその軸方向位置を割り出すための手段を備える。
－ 各センサは、摩擦面に対してその半径方向位置を割り出すための手段を備える。
－ センサまたは各センサは、摩擦面と反対側の面との間の金属構成要素を貫通する開口部に収容された円筒形の外囲を備える。
－ 半径方向の割出し手段は、センサの円筒形の外囲上に形成されたカラーを備える。
－ 検出システムは、一方で、摩擦面とは反対側の金属構成要素の表面上に形成された環状の溝に配置され、他方では、各センサに、また無線通信システムに接続される導電性の帯片を備える。
－ 通信システムは、１０ミリメートルを超える全厚を有する金属構成要素を通って情報を送信するように構成された送信機を含む。

本発明の主題はまた、機械システムに関し、それは、上記で述べられた少なくとも１つのガイドデバイスと、好ましくは、振動を伴う滑り摩擦である、摩擦面と滑り摩擦接触して取り付けられる嵌合部分と、を備えることを特徴とする。

本発明は、単に非限定的な例として与えられ、かつ添付図面を参照して行われる以下の記述からよく理解されよう。

ガイドデバイスおよびデバイスに取り付けられた軸を備える、本発明による機械システムの斜視図である。 半径方向におけるデバイスの側面図である。 図２の線ＩＶ－ＩＶに沿った断面図である。 図２の線ＩＩＩ－ＩＩＩに沿った断面図である。 図４の細部Ｖの拡大図である。 両側にセンサを備えるガイドデバイスの変形形態を示す、図４に類似した断面図である。

図１および図５は、本発明による機械システム１を示しており、それは、本発明によるガイドブッシュ（１０）と、デバイス（１０）に取り付けられる軸（２）と、を備える。簡単化のため、軸（２）は、２本の破線により示されている。デバイス（１０）は、特に、振動を伴った摺動である、滑り摩擦接触において軸（２）をガイドするように設計される。

振動運動は、中心軸周りの前後方向の不完全な回転に相当する。軸（２）は、デバイス（１０）内で振動する。またはデバイス（１０）が、軸（２）周りで振動する。両方の場合、デバイス（１０）に加えられる負荷は、特定の角度位置に対応する、最大負荷の領域を画定する。

好ましくはグリースである潤滑剤が、デバイス（１０）と軸（２）との間の摩擦界面に配置される。

デバイス（１０）は、金属製の摩擦構成要素（２０）と、検出システム（３０）と、無線通信システム（４０）と、を備える。

金属構成要素（２０）は、円筒形の輪郭を有する内側面（２２）および外側面（２３）を備える環状ブッシュ（２１）により形成される。内側面（２２）は、滑り摩擦接触で軸（２）を受け入れるように意図された摩擦面を構成する。有利には、表面（２２）は、潤滑剤のための貯蔵器として働く機構を備えることができる。機構は、空洞部、溝、および／または他のタイプの機構を備えることができる。

表面（２２、２３）は、ブッシュ（２１）を貫通する開口部（２６）を介して接続された、中心部分に環状の溝（２４、２５）を備える。要素（２４、２５、２６）は、表面（２２）を潤滑するための手段を構成する。変形形態では、例えば、軸による、または側面による潤滑の場合、ブッシュ（２１）は、要素（２４、２５、２６）を欠くことができる。表面（２２）を潤滑するための手段は、意図された用途に適合される任意のタイプのものとすることができる。

表面（２３）は、溝（２５）の一側面上に形成された環状の溝（２７）を備える。表面（２２、２３）が、溝（２７）の境界において、ブッシュ（２１）を貫通する開口部（２８）を介して接続される。要素（２７、２８）は、検出システム（３０）を受け入れるための手段を構成する。変形形態では、ブッシュ（２１）が、要素（２４、２５、２６）を欠いている場合、要素（２７、２８）を中心に配置することができる。

別の変形形態によれば、溝（２７）は中心部分に配置することができる。さらなる変形形態によれば、溝（２７）は、中心部分に配置することができ、一方、開口部（２８）は側面（２９）上に配置される。

ブッシュ（２１）の長手方向において、中心部分と中心部分を囲む２つの長手方向側面（２９）とを区別することができる。各長手方向側面（２９）は、ブッシュ（２１）の長さの最大で５分の２にわたって画定される。各長手方向側面（２９）は、ブッシュ（２１）の長さの３分の１にわたって画定されることが好ましい。

ブッシュ（２１）の厚さは、想定される用途に依存する。ブッシュ（２１）は、５から１５ミリメートル、またはそれ以上の範囲の厚さを有することができる。この厚さは、側面（２９）上に形成される何らかの肩部を除く、摩擦面（２２）の機能範囲に対して画定される。

検出システム（３０）は、摩擦面（２２）の摩耗を検出するように構成される。代替として、検出システム（３０）は、摩擦面（２２）と軸（２）の表面との間の間隙を検出するように構成することもできる。

検出システム（３０）は、導電性の帯片（３１）と、導電性ワイヤ（３３）を介して帯片（３１）に接続された複数のセンサ（３２）と、システム（３０）をシステム（４０）に接続するように適合されたコネクタ（３４）と、を含む。帯片（３１）は、ワイヤ（３３）を組み込む導電性ワイヤのレイヤにより構成される。コネクタ（３４）は、電力損失に関する情報を摩耗深さ情報へと変換するように構成された電子チップを含むことができる。代替として、コネクタ（３４）は、帯片（３１）に属する簡単なワイヤを含むことができる。

導電性の帯片（３１）は、金属構成要素（２０）の外側面（２３）上に形成された環状の溝（２７）に配置される。導電性の帯片（３１）は、一方で、導電性ワイヤ（３３）を介して各センサ（３２）に接続され、また他方では、コネクタ（３４）を介して、無線通信システム（４０）に接続される。

諸図の例において、検出システム（３０）は、構成要素（２０）の中心軸（Ｘ２０）周りの９０°に分布された４つのセンサ（３２）を備える。したがって、検出システム（３０）は、中心軸（Ｘ２０）周りの３６０°の角度範囲にわたって確実に摩耗を検出することができる。

有利には、センサ（３２）は、中心部分の上に突き出すことなく、ブッシュ（２１）の長手方向側面（２９）上にだけ配置される。実際に、機械システム（１）が動作状態にあるとき、機械的なストレスは、概して、ブッシュ（２１）の側面（２９）上に集中される。

センサ（３２）を中心部分ではなく側面（２９）上に配置することは、システム（１）が重大な動作不良を被る前に、摩耗を検出すること、および予測的な保守作業を実行する機会を向上させることができる。

各センサ（３２）は、複数の導電性ワイヤ（３５、３６、３７）を備え、それぞれは、摩擦面（２２）の下に所与の深さで配置される一端を有する。導電性ワイヤ（３５、３６、３７）の摩耗は、表面（２２）の摩耗に応じたものである。導電性ワイヤ（３５、３６、３７）の端部は、摩擦面（２２）の下の異なる深さに配置される。導電性ワイヤ（３５、３６、３７）の連続的な摩耗は、異なる閾値に従って、摩擦面（２２）の進行する摩耗にリンクされる。したがって、検出システム（３０）は、摩擦面（２２）の異なる摩耗閾値を検出するように構成される。

各センサ（３２）は、摩擦面（２２）と外側面（２３）との間の金属構成要素（２０）を貫通する開口部（２８）内に収容された円筒形の外囲（３８）を備える。この外囲（３８）は、センサ（３２）の角度的かつ軸方向位置を割り出すための手段を構成する。角度的かつ／または軸方向の割出し手段を形成するための他の解決策を考えることもできる。開口部（２８）内に収容される外囲（３８）は、実施するのが簡単な解決策である利点を有する。

好ましくは、各センサ（３２）は、摩擦面（２２）に対するその半径方向位置を割り出すための手段を備える。例として、半径方向割出し手段は、センサ（３２）の円筒形の外囲（３８）上に形成されたカラー（３９）を備えることができる。半径方向割出し手段を形成するための他の解決策を考えることもでき、それは、ワイヤ（３５、３６、３７）が、表面（２２）に対して、確実に正しい深さに位置決めされ得るようにする。

無線通信システム（４０）は、感知システム（３０）に接続され、かつ摩耗または間隙に関する情報をガイドデバイス（１０）の外部に送信するように構成される。

システム（４０）は、無線信号を全方向に送る送信機（４２）を備える。デバイス（４０）が閉じられた環境に配置される場合、送信機（４２）は、１０ミリメートルを超える全厚を有する金属構成要素を通して情報を送信するように構成され得る。実際には、信号は、その環境のいくつかの部分を通って、ブッシュ（２１）の近傍に配置された外部の読取り機へと、軸方向に送信され得る。

特定の実施形態によれば、送信機（４２）は、ＲＦＩＤチップにより構成することができる。本発明の範囲を逸脱することなく、他の技術を使用することもできる。

加えて、通信システム（４０）は、検出システム（３０）に電力を与えるためのエネルギー源を含むことができる。

図６は、中心部分ではなく、２つの長手方向側面（２９）上に配置されたセンサ（３２）を備えるガイドデバイス（１０）の変形形態を示す。デバイス（１０）は、操作者がその方向付けに注意を払う必要なく、２つの方向に取り付けることができて有利であり得る。この構成はまた、２つの側面（２９）の間の機械的なストレスの分布が非対称である場合に有用である。好ましくは、通信システム（４０）は、各側面上に１つ、２つの送信機（４２）を備える。こうすることは、センサ（３２）と放出源（４２）との間の接続を容易にし、放出源（４２）が、常に、デバイス（１０）の近傍に配置された外部の読取り機の近くにあることを保証する。

さらに、デバイス（１）は、特許請求の範囲で定義される本発明の範囲から逸脱することなく、図１から図６のものとは異なる形態を有することができる。さらに、上記で述べられた様々な実施形態および変形形態の技術的な特性は、その全体的に、または部分的にだけ組み合わせることができる。したがって、デバイス（１０）を、コスト、機能、および性能に関して適合させることができる。

１ 機械システム、デバイス
２ 軸
１０ ガイドブッシュ、デバイス、ガイドデバイス
２０ 金属構成要素
２１ ブッシュ
２２ 内側面、摩擦面
２３ 外側面
２４ 環状の溝
２５ 環状の溝
２６ 開口部
２７ 環状の溝
２８ 開口部
２９ 長手方向側面
３０ 検出システム
３１ 導電性の帯片
３２ センサ
３３ 導電性ワイヤ
３４ コネクタ
３５ 導電性ワイヤ
３６ 導電性ワイヤ
３７ 導電性ワイヤ
３８ 外囲
３９ カラー
４０ 無線通信システム
４２ 送信機、放出源
Ｘ２０ 中心軸

Claims (10)

1. ガイドデバイス（１０）であって、
   － 滑り摩擦接触をする嵌合部分（２）を受け入れるように意図された摩擦面（２２）を備える金属構成要素（２０）と、
   － 前記摩擦面（２２）の摩耗、または前記摩擦面（２２）と前記嵌合部分（２）との間の間隙の検出システム（３０）であって、１つまたは複数のセンサ（３２）を備える検出システム（３０）と、
   － 前記検出システム（３０）に接続され、かつ摩耗または間隙に関する情報を前記ガイドデバイス（１０）の外部に送信するように構成された無線通信システム（４０）と、
   を備えるガイドデバイス（１０）。
2. 前記摩擦面（２２）に配置された潤滑剤を備えることを特徴とする、請求項１に記載のガイドデバイス（１０）。
3. 前記摩擦面（２２）は、潤滑剤のための貯蔵器として働く機構を備えることを特徴とする、請求項１または２に記載のガイドデバイス（１０）。
4. 前記検出システム（３０）は、前記金属構成要素（２０）の中心軸（Ｘ２０）周りで少なくとも３°の角度範囲にわたって、前記摩擦面（２２）の摩耗を検出するように構成されることを特徴とする、請求項１から３のいずれか一項に記載のガイドデバイス（１０）。
5. 前記検出システム（３０）は、少なくとも３°の角度範囲にわたって、前記摩擦面（２２）の摩耗を確実に検出する単一のセンサ（３２）を備えることを特徴とする、請求項４に記載のガイドデバイス（１０）。
6. 前記検出システム（３０）は、前記金属構成要素（２０）の前記中心軸（Ｘ２０）周りで分布された、かつ少なくとも６０°の角度範囲にわたる、好ましくは３６０°の角度範囲にわたる摩耗を確実に検出する複数の前記センサ（３２）を備えることを特徴とする、請求項４に記載のガイドデバイス（１０）。
7. １つまたは複数の前記センサ（３２）は、前記金属構成要素（２０）の１つの長手方向側面（２９）上にだけ、または２つの長手方向側面（２９）上にだけ配置され、前記長手方向側面（２９）は、環状ブッシュ（２１）の長さの最大で５分の２に対して画定されることを特徴とする、請求項１から６のいずれか一項に記載のガイドデバイス（１０）。
8. 前記金属構成要素（２０）は、少なくとも５ミリメートルの半径方向厚さを有する環状ブッシュ（２１）により形成されることを特徴とする、請求項１から７のいずれか一項に記載のガイドデバイス（１０）。
9. 前記金属構成要素（２０）は、最大で１５ミリメートルの半径方向厚さを有する環状ブッシュ（２１）により形成されることを特徴とする、請求項１から８のいずれか一項に記載のガイドデバイス（１０）。
10. 請求項１から９のいずれか一項に記載の少なくとも１つのガイドデバイス（１０）と、前記摩擦面（２２）と滑り摩擦接触を、好ましくは振動を伴う滑り摩擦接触をして取り付けられる嵌合部分（２）と、を備えることを特徴とする機械システム（１）。

Images