JP2023530253A - 併用療法 - Google Patents

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Abstract

ミトコンドリア阻害剤とBcl-2阻害剤とを含む、がんを処置するための組成物、方法およびキットが本明細書で提供される。【選択図】図1A

Description

相互参照
本出願は、参照によってその全体が本明細書に組み込まれる、2020年6月11日に出願された米国仮特許出願第63/037,750号の優先権を主張するものである。
がんは、世界的に死亡の主要な原因である。様々ながんの処置における満たされていない需要に対処するため、新規の有効な治療が本明細書で提供される。
医薬組成物、疾患を処置する方法およびキットが本明細書で提供される。ある特定の実施形態では、組成物が本明細書で提供され、組成物は、酸化的リン酸化阻害剤とBcl-2ファミリー阻害剤とを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、薬学的に許容される賦形剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、組成物は液体ビヒクルを含み、腸管外投与のための、生理学的に許容される調合物を提供する。酸化的リン酸化阻害剤とBcl-2ファミリー阻害剤とを、それを必要とする個体に投与することを含む併用療法も本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、酸化的リン酸化阻害剤は、ミトコンドリアル・オキシゲナーゼ阻害剤である。いくつかの実施形態では、酸化的リン酸化阻害剤は、ベンゾピラン誘導体である。いくつかの実施形態では、併用療法は、ベンゾピラン誘導体とBcl-2ファミリー阻害剤との投与を含む。本発明のいくつかの実施形態では、がん治療を必要とする個体への組成物の投与を含む、がんの処置のための方法を提供する。
本明細書で提供されるいくつかの実施形態には、がんを処置する方法であって、それを必要とする対象に、有効量の
(i)Bcl-2ファミリー阻害剤と、
(ii)式(II)の化合物またはその薬学的に許容される塩であって、
Figure 2023530253000002
式中、
は、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロアルキルまたはハロであり、
は、ヒドロキシまたはアルコキシであり、
、R、RおよびRは独立して、水素、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロ、ハロアルキルまたはアルキルであり、
は、アルキルまたは水素であり、および、
は、ヒドロキシまたはアルコキシである、化合物またはその薬学的に許容される塩と
を投与することを含む方法を記載している。
いくつかの実施形態では、Rは、ヒドロキシまたはアルコキシである。いくつかの実施形態では、Rはヒドロキシである。いくつかの実施形態では、R、R、RおよびRは独立して、水素またはアルキルである。いくつかの実施形態では、R、RおよびRは独立して水素である。いくつかの実施形態では、Rは、メチルまたは水素である。いくつかの実施形態では、Rはヒドロキシまたはアルコキシであり、Rはヒドロキシまたはアルコキシであり、R、R、RおよびRは独立して、水素、ヒドロキシ、アルコキシまたはアルキルであり、Rはアルキルまたは水素であり、Rはヒドロキシまたはアルコキシである。他の実施形態では、Rはヒドロキシまたはアルコキシであり、Rはヒドロキシまたはアルコキシであり、R、R、RおよびRは独立して水素であり、Rはアルキルまたは水素であり、Rはヒドロキシである。いくつかの実施形態では、Rはヒドロキシまたはメトキシであり、Rはヒドロキシまたはメトキシであり、R、R、RおよびRは独立して、水素、ヒドロキシ、メトキシ、メチルであり、Rはメチルまたは水素であり、Rはヒドロキシまたはメトキシである。他の実施形態では、Rはヒドロキシまたはメトキシであり、Rはヒドロキシまたはメトキシであり、R、R、RおよびRは独立して水素であり、Rはメチルまたは水素であり、Rはヒドロキシである。
いくつかの実施形態では、式(II)の化合物は、3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-ヒドロキシフェニル)-8-メチルクロマン-7-オールである。他の実施形態では、式(II)の化合物は、cis-3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-ヒドロキシフェニル)-8-メチルクロマン-7-オールである。なおも他の実施形態では、式(II)の化合物は、d-cis-3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-ヒドロキシフェニル)-8-メチルクロマン-7-オールである。
いくつかの実施形態では、Bcl-2ファミリー阻害剤は、Bcl-2、Bcl-xL、Bcl-x、Bcl-w、Bcl-b、BH3-onlyまたはMCL-1の阻害剤である。いくつかの実施形態では、Bcl-2ファミリー阻害剤はBcl-2の阻害剤である。特定的な実施形態では、Bcl-2ファミリー阻害剤はBH3ミメティックである。いくつかの実施形態では、Bcl-2ファミリー阻害剤は、ベネトクラクス、ナビトクラックス、オバトクラックスメシレート、ABT-737、APG2575、APG1252またはAT-101である。いくつかの実施形態では、Bcl-2ファミリー阻害剤はベネトクラクスである。
いくつかの実施形態では、がんは、白血病、リンパ腫、肺がんまたは血液学的悪性疾患である。いくつかの実施形態では、がんは、白血病またはリンパ腫である。いくつかの実施形態では、白血病は、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、急性リンパ性白血病(ALL)または慢性リンパ性白血病(CLL)である。いくつかの実施形態では、白血病は急性骨髄性白血病(AML)である。他の実施形態では、がんは肺がんである。いくつかの実施形態では、肺がんは、非小細胞肺がん(NSCLC)、小細胞肺がん(SCLC)、肺カルチノイド腫瘍または腺様嚢胞がん腫である。いくつかの実施形態では、非小細胞肺がん(NSCLC)は、肺腺がん腫、扁平上皮細胞がん腫、大細胞(未分化型)がん腫、腺扁平上皮がん腫または肉腫様がん腫である。いくつかの実施形態では、がんは、Bcl-2阻害剤に非応答性または耐性である。いくつかの実施形態では、Bcl-2ファミリー阻害剤と式(II)の化合物とが同時に投与される。いくつかの実施形態では、Bcl-2ファミリー阻害剤と式(II)の化合物とが逐次的に投与される。
本明細書で提供されるいくつかの実施形態には、白血病を処置する方法であって、それを必要とする対象に、有効量の
(i)Bcl-2ファミリー阻害剤と、
(ii)式(II)の化合物またはその薬学的に許容される塩であって、
Figure 2023530253000003
式中、
は、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロアルキルまたはハロであり、
は、ヒドロキシまたはアルコキシであり、
、R、RおよびRは独立して、水素、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロ、ハロアルキルまたはアルキルであり、
は、アルキルまたは水素であり、および、
は、ヒドロキシまたはアルコキシである、化合物またはその薬学的に許容される塩と
を投与することを含む方法を記載している。
いくつかの実施形態では、白血病は、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、急性リンパ性白血病(ALL)または慢性リンパ性白血病(CLL)である。ある特定の実施形態では、白血病は急性骨髄性白血病(AML)である。いくつかの実施形態では、Bcl-2ファミリー阻害剤は、ベネトクラクス、ナビトクラックス、オバトクラックスメシレート、ABT-737、APG2575、APG1252またはAT-101である。ある特定の実施形態では、Bcl-2ファミリー阻害剤はベネトクラクスである。
いくつかの実施形態では、式(II)の化合物は、3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-ヒドロキシフェニル)-8-メチルクロマン-7-オールである。他の実施形態では、式(II)の化合物は、cis-3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-ヒドロキシフェニル)-8-メチルクロマン-7-オールである。いくつかの実施形態では、式(II)の化合物は、d-cis-3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-ヒドロキシフェニル)-8-メチルクロマン-7-オールである。
本明細書で提供されるいくつかの実施形態には、肺がんを処置する方法であって、それを必要とする対象に、有効量の
(i)Bcl-2ファミリー阻害剤と、
(ii)式(II)の化合物またはその薬学的に許容される塩であって、
Figure 2023530253000004
式中、
は、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロアルキルまたはハロであり、
は、ヒドロキシまたはアルコキシであり、
、R、RおよびRは独立して、水素、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロ、ハロアルキルまたはアルキルであり、
は、アルキルまたは水素であり、および、
は、ヒドロキシまたはアルコキシである、化合物またはその薬学的に許容される塩と
を投与することを含む方法を記載している。
いくつかの実施形態では、肺がんは、非小細胞肺がん(NSCLC)、小細胞肺がん(SCLC)、肺カルチノイド腫瘍または腺様嚢胞がん腫である。いくつかの実施形態では、非小細胞肺がん(NSCLC)は、肺腺がん腫、扁平上皮細胞がん腫、大細胞(未分化型)がん腫、腺扁平上皮がん腫または肉腫様がん腫である。いくつかの実施形態では、Bcl-2ファミリー阻害剤は、ベネトクラクス、ナビトクラックス、オバトクラックスメシレート、ABT-737、APG2575、APG1252またはAT-101である。いくつかの実施形態では、Bcl-2ファミリー阻害剤はベネトクラクスである。いくつかの実施形態では、式(II)の化合物は、3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-ヒドロキシフェニル)-8-メチルクロマン-7-オールである。他の実施形態では、式(II)の化合物は、cis-3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-ヒドロキシフェニル)-8-メチルクロマン-7-オールである。なおも他の実施形態では、式(II)の化合物は、d-cis-3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-ヒドロキシフェニル)-8-メチルクロマン-7-オールである。
本明細書で提供されるいくつかの実施形態には、
(i)Bcl-2ファミリー阻害剤と、
(ii)式(II)の化合物またはその薬学的に許容される塩であって、
Figure 2023530253000005
式中、
は、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロアルキルまたはハロであり、
は、ヒドロキシまたはアルコキシであり、
、R、RおよびRは独立して、水素、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロ、ハロアルキルまたはアルキルであり、
は、アルキルまたは水素であり、および、
は、ヒドロキシまたはアルコキシである、化合物またはその薬学的に許容される塩と
(iii)薬学的に許容される賦形剤と
を含む医薬組成物を記載している。
いくつかの実施形態では、Bcl-2ファミリー阻害剤は、ベネトクラクス、ナビトクラックス、オバトクラックスメシレート、ABT-737、APG2575、APG1252またはAT-101である。いくつかの実施形態では、Bcl-2ファミリー阻害剤はベネトクラクスである。いくつかの実施形態では、式(II)の化合物は、3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-ヒドロキシフェニル)-8-メチルクロマン-7-オールである。他の実施形態では、式(II)の化合物は、cis-3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-ヒドロキシフェニル)-8-メチルクロマン-7-オールである。なおも他の実施形態では、式(II)の化合物は、d-cis-3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-ヒドロキシフェニル)-8-メチルクロマン-7-オールである。
本明細書で提供されるいくつかの実施形態には、Bcl-2ファミリー阻害剤を充填された1つまたは複数の容器と、式(II)の化合物またはその薬学的に許容される塩であって、
Figure 2023530253000006
式中、
は、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロアルキルまたはハロであり、
は、ヒドロキシまたはアルコキシであり、
、R、RおよびRは独立して、水素、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロ、ハロアルキルまたはアルキルであり、
は、アルキルまたは水素であり、および、
は、ヒドロキシまたはアルコキシである、化合物またはその薬学的に許容される塩を充填された1つまたは複数の容器とを含むキットを記載している。
いくつかの実施形態では、Bcl-2阻害剤はベネトクラクスである。いくつかの実施形態では、少なくとも1種の式(II)の化合物は、3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-ヒドロキシフェニル)-8-メチルクロマン-7-オールである。いくつかの実施形態では、少なくとも1種の式(II)の化合物は、cis-3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-ヒドロキシフェニル)-8-メチルクロマン-7-オールである。いくつかの実施形態では、少なくとも1種の式(II)の化合物は、d-cis-3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-ヒドロキシフェニル)-8-メチルクロマン-7-オールである。
MOLM-13 AML細胞株を、ベネトクラクス(VEN)およびd-cis-3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-ヒドロキシフェニル)-8-メチルクロマン-7-オール(化合物A)によって、単独または併用で24時間処置し、次いで、アネキシンV-FITC/Pl染色およびフローサイトメトリー分析に供した場合のMOLM-13 AML細胞のアポトーシスを図示したグラフである。***p<0.001。アネキシンV/Plは初期のアポトーシス細胞を表し、アネキシンV/Plは、中期および後期のアポトーシス細胞またはネクローシス細胞を表す。 MV4-11小児AML細胞株を、ベネトクラクス(VEN)およびd-cis-3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-ヒドロキシフェニル)-8-メチルクロマン-7-オール(化合物A)によって、単独または併用で24時間処置し、次いで、アネキシンV-FITC/Pl染色およびフローサイトメトリー分析に供した場合のMV4-11小児AML細胞のアポトーシスを図示したグラフである。***p<0.001。アネキシンV/Plは初期のアポトーシス細胞を表し、アネキシンV/Plは、中期および後期のアポトーシス細胞またはネクローシス細胞を表す。 THP-1小児AML細胞株を、ベネトクラクス(VEN)およびd-cis-3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-ヒドロキシフェニル)-8-メチルクロマン-7-オール(化合物A)によって、単独または併用で24時間処置し、次いで、アネキシンV-FITC/Pl染色およびフローサイトメトリー分析に供した場合のTHP-1小児AML細胞のアポトーシスを図示したグラフである。***p<0.001。アネキシンV/Plは初期のアポトーシス細胞を表し、アネキシンV/Plは、中期および後期のアポトーシス細胞またはネクローシス細胞を表す。 araC-R U937細胞を、ベネトクラクス(VEN)およびd-cis-3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-ヒドロキシフェニル)-8-メチルクロマン-7-オール(化合物A)によって、単独または併用で24時間処置し、次いで、アネキシンV-FITC/Pl染色およびフローサイトメトリー分析に供した場合のシタラビン耐性(araC-R)U937急性単球性白血病(AMoL)細胞のアポトーシスを図示したグラフである。***p<0.001。アネキシンV/Plは初期のアポトーシス細胞を表し、アネキシンV/Plは、中期および後期のアポトーシス細胞またはネクローシス細胞を表す。 MOLM-13 AML細胞株を、ベネトクラクス(VEN)およびd-cis-3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-ヒドロキシフェニル)-8-メチルクロマン-7-オール(化合物A)によって、単独または併用で24時間処置し、次いで、アネキシンV-FITC/PI染色およびフローサイトメトリー分析に供した後のMOLM-13 AML生細胞のパーセンテージを図示したグラフである。生細胞(アネキシンV陰性かつPI陰性)をゲートした。無薬剤処置対照からの生細胞カウントを100%に設定し、サンプルの残りは、無薬剤処置対照に対して標準化した。三重反復からの生細胞の平均百分率として、標準誤差とともに、データを提示した。 MV4-11小児AML細胞株を、ベネトクラクス(VEN)およびd-cis-3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-ヒドロキシフェニル)-8-メチルクロマン-7-オール(化合物A)によって、単独または併用で24時間処置し、次いで、アネキシンV-FITC/PI染色およびフローサイトメトリー分析に供した後のMV4-11小児AML生細胞のパーセンテージを図示したグラフである。生細胞(アネキシンV陰性かつPI陰性)をゲートした。無薬剤処置対照からの生細胞カウントを100%に設定し、サンプルの残りは、無薬剤処置対照に対して標準化した。三重反復からの生細胞の平均百分率として、標準誤差とともに、データを提示した。 THP-1小児AML細胞株を、ベネトクラクス(VEN)およびd-cis-3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-ヒドロキシフェニル)-8-メチルクロマン-7-オール(化合物A)によって、単独または併用で24時間処置し、次いで、アネキシンV-FITC/PI染色およびフローサイトメトリー分析に供した後のTHP-1小児AML生細胞のパーセンテージを図示したグラフである。生細胞(アネキシンV陰性かつPI陰性)をゲートした。無薬剤処置対照からの生細胞カウントを100%に設定し、サンプルの残りは、無薬剤処置対照に対して標準化した。三重反復からの生細胞の平均百分率として、標準誤差とともに、データを提示した。 d-cis-3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-ヒドロキシフェニル)-8-メチルクロマン-7-オール(化合物A)によって、単独で、またはベネトクラクス(VEN)との併用で、48時間処置した後の、薬剤耐性H596肺がん細胞株における生細胞のパーセンテージを図示したグラフである。細胞の生存度は、MTTアッセイによって測定した。生存度(%生存細胞)は、非処置対照細胞に対して計算した。
本発明の好ましい実施形態が本明細書で示され、記載されているが、このような実施形態は例として提供されるにすぎないことは、当業者には明らかであろう。複数の変形、変更および置換が、今や当業者には、本発明から逸脱することなく思いつくであろう。本明細書で記載される本発明の実施形態に対する様々な代替形態が、本発明の実施において用いられうることは、理解されるべきである。後続の特許請求の範囲が本発明の範囲を定義することと、これにより、これらの特許請求の範囲内の方法および構造、ならびにこれらの均等物が含まれることとが意図される。
がんの処置のための有効な治療を開発し、提供することが継続的に必要とされている。がんの処置のための組合せ組成物および併用療法が本明細書で提供される。本明細書で記載される組成物および治療は、ベンゾピラン誘導体(例えば、置換ジアリールクロマン誘導体)とBcl-2ファミリー阻害剤とを含む。白血病を処置する方法、肺がんを処置する方法、ならびにベンゾピラン誘導体(例えば式(II)のもの)およびBcl-2ファミリー阻害剤が充填された1つまたは複数の容器を含むキットも本明細書で提供される。
ある特定の定義
別段の注記がない限り、ここで使用される術語は、当業者に理解される通常の意味を与えられるべきである。
ここで使用される「アルキル」という用語は、単独でまたは組み合わせて、1~約10個の炭素原子、より好ましくは1~6個の炭素原子を有する、任意選択で置換された直鎖または任意選択で置換された分枝状鎖の飽和炭化水素一価基を指す。例としては、限定するものではないが、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、2-メチル-1-プロピル、2-メチル-2-プロピル、2-メチル-1-ブチル、3-メチル-1-ブチル、2-メチル-3-ブチル、2,2-ジメチル-1-プロピル、2-メチル-1-ペンチル、3-メチル-1-ペンチル、4-メチル-1-ペンチル、2-メチル-2-ペンチル、3-メチル-2-ペンチル、4-メチル-2-ペンチル、2,2-ジメチル-1-ブチル、3,3-ジメチル-1-ブチル、2-エチル-1-ブチル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、t-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert-アミルおよびヘキシル、ならびにより長いアルキル基、例えばヘプチルおよびオクチル等が挙げられる。ここで出現する場合は常に、「C~Cアルキル」または「Cアルキル」等の数値範囲は、アルキル基が、1個の炭素原子、2個の炭素原子、3個の炭素原子、4個の炭素原子、5個の炭素原子または6個の炭素原子からなってもよいことを意味するが、本定義は、数値範囲が指定されない「アルキル」の用語の存在も含むものである。
ここで使用される「C~Cアルキル」および「C~Cアルキル」という用語は、それぞれ1個から3個の間、1個から6個の間、および1個から12個の間の炭素原子を含有する炭化水素部分から、単一の水素原子の除去によって誘導される、飽和した直鎖または分枝状鎖の炭化水素基を指す。C~Cアルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピルおよびイソプロピルが挙げられる。C~Cアルキル基の例としては、限定するものではないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、tert-ブチル、ネオペンチルおよびn-ヘキシルが挙げられる。
ここで使用される「シクロアルキル」という用語は、3個から20個の間の炭素原子を含有する単環式または二環式飽和炭素環式環化合物から、単一の水素原子の除去によって誘導される一価の基を指す。
「C~Cシクロアルキル」という用語は、単環式または二環式飽和炭素環式環化合物から、単一の水素原子の除去によって誘導される一価の基を表す。例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルが挙げられる。
アルキル基またはシクロアルキル基は、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、カルボキシル、C1~4アルコキシカルボニル、C1~4アルキルアミノカルボニル、ジ-(C1~4アルキル)-アミノカルボニル、ヒドロキシル、C1~4アルコキシ、ホルミルオキシ、C1~4アルキルカルボニルオキシ、C1~4アルキルチオ、C3~6シクロアルキルまたはフェニルの1つまたは複数によって、任意選択で置換されていてもよい。
ここで使用される「アルコキシ」という用語は、単独でまたは組み合わせて、-O-脂肪族および-O-カルボシクリル基を含むアルキルエーテル基、-O-アルキルを指し、アルキル、脂肪族およびカルボシクリル基は任意選択で置換されていてもよく、アルキル、脂肪族およびカルボシクリルという用語は、ここで定義される通りである。アルコキシ基の非限定例としては、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシおよびtert-ブトキシ等が挙げられる。
ここで使用される「C~Cアルコキシ」および「C~Cアルコキシ」という用語は、以前に定義した通り、酸素原子を通じて親分子部分に結合しているC~Cアルキル基およびC~Cアルキル基を指す。C~Cアルコキシ基の例としては、限定するものではないが、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、tert-ブトキシ、ネオペントキシおよびn-ヘキソキシが挙げられる。
ここで使用される「ハロ」および「ハロゲン」という用語は、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素から選択される原子を指す。
「ハロアルキル」という用語は、水素の1つまたは複数、例えば、1、2、3、4または5つが、ハロ原子によって置き換えられている「アルキル」を含む。ハロアルキルは、直鎖または分枝状鎖の「アルキル」単位でありうる。非限定例としては、-CHF、-CHF、-CF、-CHCHF、-CHCHF、-CHCF、-CFCHF、-CFCHF、-CFCF、-CHCl、-CHCl、-CCl、-CHBr、-CHBrおよび-CBrが挙げられる。
「フルオロアルキル」という用語は、水素の1つまたは複数、例えば、1、2、3、4または5つが、フルオロによって置き換えられている「アルキル」を含む。フルオロアルキルは、直鎖または分枝状鎖の「アルキル」単位でありうる。好ましいフルオロアルキル基としては、トリフルオロメチルおよびペンタフルオロエチルが挙げられる。
ここで使用される調合物、組成物または成分についての「許容される」という用語は、処置される対象の全体的な健康に対する持続的な有害効果を有しないことを意味する。
ここで使用される「薬学的に許容される」という用語は、限定するものではないが、塩、担体または希釈剤を含む、化合物の生物学的活性または特性を無効化せず、比較的無毒である材料を指し、すなわち、望ましくない生物学的効果、またはこれを含有する組成物の構成要素のいずれかと有害な様式での相互作用を生じることなく、材料が個体に投与されうる。
「薬学的に許容される塩」という用語は、適切な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激およびアレルギー反応等を伴わずに、ヒトおよび下等動物の組織と接触して使用するのに好適であり、合理的な利益/リスク比に対応する塩を指す。例えば、S.M.Bergeらは、この目的について、参照によって本明細書に組み込まれる、J.Pharmaceutical Sciences、66:1~19(1977)に、薬学的に許容される塩を詳細に記載している。塩は、本明細書で記載される化合物の最後の単離および精製中にin situで、またはフリーの塩基官能基を好適な有機酸と反応させることによって別途調製される。薬学的に許容される非毒性の酸付加塩の例は、無機酸、例えば、塩化水素酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸および過塩素酸を用いて、または有機酸、例えば、酢酸、シュウ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸もしくはマロン酸を用いて、あるいはイオン交換等の他の文書化された方法論を使用することによって形成されるアミノ基の塩である。他の薬学的に許容される塩としては、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、ショウノウ酸塩、ショウノウスルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、グルコン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシ-エタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩および吉草酸塩等が挙げられる。代表的なアルカリまたはアルカリ土類金属の塩としては、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウムおよびマグネシウム等が挙げられる。さらなる薬学的に許容される塩としては、適当な場合、ハロゲン化物イオン、水酸化物イオン、カルボン酸イオン、硫酸イオン、リン酸イオン、硝酸イオン、低級アルキルスルホン酸イオンおよびアリールスルホン酸イオン等の対イオンを使用して形成される非毒性アンモニウム、第四級アンモニウムおよびアミンカチオンが挙げられる。
塩への言及は、その溶媒付加形態または結晶形態、特に溶媒和物または多形を含むものと理解されるべきである。溶媒和物は、化学量論的または非化学量論的量のいずれかの溶媒を含有し、しばしば、薬学的に許容される溶媒、例えば、水およびエタノール等との結晶化のプロセス中に形成される。溶媒が水である場合には水和物が形成され、または溶媒がアルコールである場合にはアルコール和物が形成される。多形としては、化合物の同じ元素組成の相異なる結晶パッキング配置が挙げられる。多形は通常、相異なるX線回折パターン、赤外線スペクトル、融点、密度、硬度、結晶形状、光学的および電気的特性、安定性ならびに溶解性を有する。再結晶化溶媒、結晶化の速度および保存温度等の様々な要因によって、単一の結晶形状が支配的になりうる。
ここで使用される「シクロデキストリン」という用語は、環配列における少なくとも6~8個の糖分子からなる環式炭水化物を指す。環の外側部分は水溶性基を含有し、環の中心には、小分子を収容できる相対的に非極性のキャビティがある。
ここで使用される「投与する」、「投与すること」および「投与」等の用語は、所望される生物学的作用の箇所への化合物または組成物の送達を可能にするために使用されうる方法を指す。これらの方法としては、限定するものではないが、経口経路、十二指腸内経路、腸管外注射(静脈内、皮下、腹腔内、筋肉内、血管内または注入を含む)、局所および直腸投与が挙げられる。当業者は、本明細書で記載される化合物および方法とともに用いることができる投与技法に精通している。いくつかの実施形態では、本明細書で記載される化合物および組成物は経口投与される。
ここで使用される「共投与」等の用語は、選択された複数の治療剤を単一の患者に投与することを包含することを意味し、同じもしくは異なる投与の経路によって、または同時にもしくは異なる時点で薬剤が投与される処置レジメンを含むことが意図される。
ここで使用される「有効量」という用語は、処置する疾患または状態の症状の1つまたは複数をある程度軽減するのに十分な、投与される薬剤または化合物の量を指す。その結果は、徴候、症状もしくは疾患の原因の減少および/もしくは緩和、または生物学的系の任意の他の所望の変化でありうる。任意の個々の症例における適当な「有効」量は、用量漸増研究等の技法を使用して決定されうる。
本明細書で使用される「薬学的組合せ」という用語は、2つ以上の活性成分を混合するまたは組み合わせることから生じる成果を意味し、活性成分の固定の組合せと非固定の組合せとの両方を含む。「固定の組合せ」という用語は、活性成分、例えば、本明細書で記載される化合物またはその薬学的に許容される塩と、副剤とが両方、単一の実体または投与量の形態で、患者に同時に投与されることを意味する。「非固定の組合せ」という用語は、活性成分、例えば、本明細書で記載される化合物またはその薬学的に許容される塩と、副剤とが、同時に、並行して、または特定的な時間制限が介在せず逐次的にのいずれかで、別々の実体として患者に投与されることを意味し、このような投与は、有効なレベルの2種の化合物を患者の体内に提供する。後者はまた、カクテル療法、例えば、3種以上の活性成分の投与にも当てはまる。
「患者」、「対象」または「個体」という用語は、互換的に使用される。ここで使用される場合、これらは障害を患う個体等を指し、哺乳類と非哺乳類とを包含する。いずれの用語も、個体が医療専門職の看護下および/または監督下にあることを要求しない。哺乳類は、哺乳動物クラスの任意のメンバーであり、限定するものではないが、ヒト、非ヒト霊長類、例えば、チンパンジー、ならびに他の類人猿およびサル種;ウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ブタ等の家畜;ウサギ、イヌおよびネコ等の飼育動物;ラット、マウスおよびモルモット等のげっ歯類を含む実験動物等が挙げられる。非哺乳類の例としては、限定するものではないが、鳥および魚等が挙げられる。本明細書で提供される方法および組成物のいくつかの実施形態では、個体は哺乳類である。好ましい実施形態では、個体はヒトである。
ここで使用される「処置する」、「処置すること」および「処置」という用語は、疾患もしくは状態、またはその1つもしくは複数の症状を緩和、寛解または回復すること、さらなる症状を予防すること、根底にある症状の代謝的原因を回復または予防すること、疾患または状態を防止すること、例えば、疾患または状態の発現を阻止すること、疾患または状態を軽減すること、疾患または状態を後退させること、疾患または状態によって生じる状態を軽減すること、あるいは疾患または状態の症状を停止することを含み、予防法を含むことが意図される。これらの用語は、治療的利益および/または予防的利益を達成することをさらに含む。治療的利益は、根底にある、処置される障害の根治または回復を意味する。その上、治療的利益は、根底にある障害に関係する生理学的症状の1つまたは複数の根治または回復によって達成され、その結果、個体が依然として根底にある障害に苦しんでいるとはいえ、個体における改善が観察される。予防的利益については、組成物は、特定の疾患を発現するリスクのある個体に、またはこの疾患の診断がなされていないにもかかわらず、疾患の生理学的症状の1つもしくは複数を報告している個体に投与される。
「予防すること」または「予防」という用語は、疾患または障害を得るリスクの低減(すなわち、疾患に曝露したかもしれない、またはかかりやすいが、疾患の症状をまだ体験していない、または呈していない対象において、疾患の臨床症状の少なくとも1つを発現させないこと)を指す。
ここで使用される「担体」という用語は、細胞または組織への化合物の組み込みを促進する、相対的に非毒性の化学化合物または薬剤を指す。
酸化的リン酸化阻害剤またはBcl-2ファミリー阻害剤の投与量は、絶対的な用語において表現しても、相対的な用語において表現してもよい。例えば、酸化的リン酸化阻害剤またはBcl-2ファミリー阻害剤のいずれかの投与量は、ある特定の数値のミリグラム(mg)の、患者に投与される酸化的リン酸化阻害剤もしくはBcl-2ファミリー阻害剤、またはその薬学的に許容される塩として表現されうる。相対的な用語では、酸化的リン酸化阻害剤またはBcl-2ファミリー阻害剤の投与量は、ここでは「mg/kg」として表現されてもよく、これは、患者に投与される酸化的リン酸化阻害剤もしくはBcl-2ファミリー阻害剤、またはその薬学的に許容される塩の、患者の体重1kg当たりのミリグラム数を表す。投与量はまた、患者の推定表面積1平方メートル当たりの投与された活性成分の質量を示す、mg/mの用語において表現されることもある。
ベンゾピラン誘導体化合物
本発明のいくつかの実施形態には、ベンゾピラン誘導体を記載している。いくつかの実施形態では、ベンゾピラン誘導体は、置換ジアリールクロマン誘導体、スーパーベンゾピランまたはこれらの組合せである。いくつかの実施形態では、ベンゾピラン誘導体は、酸化的リン酸化阻害剤である。いくつかの実施形態では、酸化的リン酸化阻害剤は、電子伝達系に関与するミトコンドリア複合体、例えば、複合体I、II、IIIまたはIVの阻害剤である。いくつかの実施形態では、酸化的リン酸化阻害剤は、ミトコンドリア複合体Iの阻害剤である。いくつかの実施形態では、ミトコンドリア複合体I阻害剤は、ミトコンドリアにおけるATPの産生を阻害する。いくつかの実施形態では、ミトコンドリア複合体I阻害剤は、(例えば、がん細胞における)細胞死を誘導する。いくつかの実施形態では、ミトコンドリア複合体I阻害剤は、がん細胞における細胞死を選択的に誘導する。いくつかの実施形態では、ミトコンドリア複合体I阻害剤は、(例えば破壊性オートファジーを介して、)ミトコンドリア代謝における損傷に感受性または感作性である、がん細胞における細胞死を誘導する。いくつかの実施形態では、ミトコンドリア複合体I阻害剤は、酸化的リン酸化依存性がん細胞において、細胞死を誘導する。いくつかの実施形態では、ミトコンドリア複合体I阻害剤は、本明細書で記載されるベンゾピラン誘導体である。
本発明のいくつかの実施形態には、式(II)の構造を有するベンゾピラン誘導体
Figure 2023530253000007
[Rは、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロアルキルまたはハロであり、
は、ヒドロキシまたはアルコキシであり、
、R、RおよびRは独立して、水素、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロ、ハロアルキルまたはアルキルであり、
は、アルキルまたは水素であり、
は、ヒドロキシまたはアルコキシである]
またはその薬学的に許容される塩を記載している。
いくつかの実施形態では、Rは、ヒドロキシまたはアルコキシである。いくつかの実施形態では、Rはヒドロキシである。他の実施形態では、RはC~Cアルコキシである。さらなる、または追加の実施形態では、RはC~Cアルコキシである。他の実施形態では、RはC~Cアルコキシである。特定的な実施形態では、Rはメトキシである。特定的な実施形態では、Rはエトキシである。特定的な実施形態では、Rはプロポキシである。特定的な実施形態では、Rはイソプロポキシである。特定的な実施形態では、Rはブトキシである。特定的な実施形態では、Rはイソブトキシである。特定的な実施形態では、Rはsec-ブトキシである。特定的な実施形態では、Rはtert-ブトキシである。特定的な実施形態では、Rはペンチルオキシである。特定的な実施形態では、Rはヘキシルオキシである。さらなる、または代替的な実施形態では、Rはフルオロである。他の実施形態では、Rはクロロである。他の実施形態では、Rはヨードである。他の実施形態では、Rはブロモである。他の実施形態では、Rはハロアルキルである。他の実施形態では、RはハロC1~6アルキルである。他の実施形態では、RはハロC1~3アルキルである。他の実施形態では、RはハロC1~2アルキルである。特定的な実施形態では、Rはモノフルオロメチルである。特定的な実施形態では、Rはジフルオロメチルである。特定的な実施形態では、Rはトリフルオロメチルである。
いくつかの実施形態では、Rはヒドロキシである。いくつかの実施形態では、RはC~Cアルコキシである。さらなる、または追加の実施形態では、RはC~Cアルコキシである。さらなる、または追加の実施形態では、RはC~Cアルコキシである。特定的な実施形態では、Rはメトキシである。特定的な実施形態では、Rはエトキシである。特定的な実施形態では、Rはプロポキシである。特定的な実施形態では、Rはイソプロポキシである。特定的な実施形態では、Rはブトキシである。特定的な実施形態では、Rはイソブトキシである。特定的な実施形態では、Rはsec-ブトキシである。特定的な実施形態では、Rはtert-ブトキシである。特定的な実施形態では、Rはペンチルオキシである。特定的な実施形態では、Rはヘキシルオキシである。
いくつかの実施形態では、R、R、RおよびRは独立して、水素、アルコキシまたはアルキルである。いくつかの実施形態では、R、R、RおよびRは独立して、水素またはアルキルである。他の実施形態では、R、R、RおよびRは独立して水素である。
いくつかの実施形態では、Rは水素である。いくつかの実施形態では、RはC~Cアルキルである。他の実施形態では、RはC~Cアルキルである。他の実施形態では、RはC~Cアルキルである。特定的な実施形態では、Rはメチルである。特定的な実施形態では、Rはエチルである。特定的な実施形態では、Rはプロピルである。特定的な実施形態では、Rはイソプロピルである。特定的な実施形態では、Rはブチルである。特定的な実施形態では、Rはイソブチルである。特定的な実施形態では、Rはsec-ブチルである。特定的な実施形態では、Rはtert-ブチルである。特定的な実施形態では、Rはペンチルである。特定的な実施形態では、Rはヘキシルである。いくつかの実施形態では、RはC~Cアルコキシである。さらなる、または追加の実施形態では、RはC~Cアルコキシである。さらなる、または追加の実施形態では、RはC~Cアルコキシである。特定的な実施形態では、Rはメトキシである。特定的な実施形態では、Rはエトキシである。特定的な実施形態では、Rはプロポキシである。さらなる、または代替的な実施形態では、Rはフルオロである。他の実施形態では、Rはクロロである。他の実施形態では、Rはヨードである。他の実施形態では、Rはブロモである。他の実施形態では、Rはハロアルキルである。他の実施形態では、RはハロC1~6アルキルである。他の実施形態では、RはハロC1~3アルキルである。他の実施形態では、RはハロC1~2アルキルである。特定的な実施形態では、Rはモノフルオロメチルである。特定的な実施形態では、Rはジフルオロメチルである。特定的な実施形態では、Rはトリフルオロメチルである。
いくつかの実施形態では、Rは水素である。いくつかの実施形態では、RはC~Cアルキルである。他の実施形態では、RはC~Cアルキルである。他の実施形態では、RはC~Cアルキルである。特定的な実施形態では、Rはメチルである。特定的な実施形態では、Rはエチルである。特定的な実施形態では、Rはプロピルである。特定的な実施形態では、Rはイソプロピルである。特定的な実施形態では、Rはブチルである。特定的な実施形態では、Rはイソブチルである。特定的な実施形態では、Rはsec-ブチルである。特定的な実施形態では、Rはtert-ブチルである。特定的な実施形態では、Rはペンチルである。特定的な実施形態では、Rはヘキシルである。いくつかの実施形態では、RはC~Cアルコキシである。さらなる、または追加の実施形態では、RはC~Cアルコキシである。さらなる、または追加の実施形態では、RはC~Cアルコキシである。特定的な実施形態では、Rはメトキシである。特定的な実施形態では、Rはエトキシである。特定的な実施形態では、Rはプロポキシである。さらなる、または代替的な実施形態では、Rはフルオロである。他の実施形態では、Rはクロロである。他の実施形態では、Rはヨードである。他の実施形態では、Rはブロモである。他の実施形態では、Rはハロアルキルである。他の実施形態では、RはハロC1~6アルキルである。他の実施形態では、RはハロC1~3アルキルである。他の実施形態では、RはハロC1~2アルキルである。特定的な実施形態では、Rはモノフルオロメチルである。特定的な実施形態では、Rはジフルオロメチルである。特定的な実施形態では、Rはトリフルオロメチルである。
いくつかの実施形態では、Rは水素である。いくつかの実施形態では、RはC~Cアルキルである。他の実施形態では、RはC~Cアルキルである。他の実施形態では、RはC~Cアルキルである。特定的な実施形態では、Rはメチルである。特定的な実施形態では、Rはエチルである。特定的な実施形態では、Rはプロピルである。特定的な実施形態では、Rはイソプロピルである。特定的な実施形態では、Rはブチルである。特定的な実施形態では、Rはイソブチルである。特定的な実施形態では、Rはsec-ブチルである。特定的な実施形態では、Rはtert-ブチルである。特定的な実施形態では、Rはペンチルである。特定的な実施形態では、Rはヘキシルである。いくつかの実施形態では、RはC~Cアルコキシである。さらなる、または追加の実施形態では、RはC~Cアルコキシである。さらなる、または追加の実施形態では、RはC~Cアルコキシである。特定的な実施形態では、Rはメトキシである。特定的な実施形態では、Rはエトキシである。特定的な実施形態では、Rはプロポキシである。さらなる、または代替的な実施形態では、Rはフルオロである。他の実施形態では、Rはクロロである。他の実施形態では、Rはヨードである。他の実施形態では、Rはブロモである。他の実施形態では、Rはハロアルキルである。他の実施形態では、RはハロC1~6アルキルである。他の実施形態では、RはハロC1~3アルキルである。他の実施形態では、RはハロC1~2アルキルである。特定的な実施形態では、Rはモノフルオロメチルである。特定的な実施形態では、Rはジフルオロメチルである。特定的な実施形態では、Rはトリフルオロメチルである。
いくつかの実施形態では、Rは水素である。いくつかの実施形態では、RはC~Cアルキルである。他の実施形態では、RはC~Cアルキルである。他の実施形態では、RはC~Cアルキルである。特定的な実施形態では、Rはメチルである。特定的な実施形態では、Rはエチルである。特定的な実施形態では、Rはプロピルである。特定的な実施形態では、Rはイソプロピルである。特定的な実施形態では、Rはブチルである。特定的な実施形態では、Rはイソブチルである。特定的な実施形態では、Rはsec-ブチルである。特定的な実施形態では、Rはtert-ブチルである。特定的な実施形態では、Rはペンチルである。特定的な実施形態では、Rはヘキシルである。いくつかの実施形態では、RはC~Cアルコキシである。さらなる、または追加の実施形態では、RはC~Cアルコキシである。さらなる、または追加の実施形態では、RはC~Cアルコキシである。特定的な実施形態では、Rはメトキシである。特定的な実施形態では、Rはエトキシである。特定的な実施形態では、Rはプロポキシである。さらなる、または代替的な実施形態では、Rはフルオロである。他の実施形態では、Rはクロロである。他の実施形態では、Rはヨードである。他の実施形態では、Rはブロモである。他の実施形態では、Rはハロアルキルである。他の実施形態では、RはハロC1~6アルキルである。他の実施形態では、RはハロC1~3アルキルである。他の実施形態では、RはハロC1~2アルキルである。特定的な実施形態では、Rはモノフルオロメチルである。特定的な実施形態では、Rはジフルオロメチルである。特定的な実施形態では、Rはトリフルオロメチルである。
いくつかの実施形態では、RはC~Cアルキルである。他の実施形態では、RはC~Cアルキルである。他の実施形態では、RはC~Cアルキルである。特定的な実施形態では、Rはメチルである。特定的な実施形態では、Rはエチルである。特定的な実施形態では、Rはプロピルである。特定的な実施形態では、Rはイソプロピルである。代替的な実施形態では、Rは水素である。いくつかの実施形態では、Rは、メチルまたは水素である。
いくつかの実施形態では、Rはヒドロキシである。いくつかの実施形態では、RはC~Cアルコキシである。さらなる、または追加の実施形態では、RはC~Cアルコキシである。さらなる、または追加の実施形態では、RはC~Cアルコキシである。特定的な実施形態では、Rはメトキシである。特定的な実施形態では、Rはエトキシである。特定的な実施形態では、Rはプロポキシである。特定的な実施形態では、Rはイソプロポキシである。特定的な実施形態では、Rはブトキシである。特定的な実施形態では、Rはイソブトキシである。特定的な実施形態では、Rはsec-ブトキシである。特定的な実施形態では、Rはtert-ブトキシである。特定的な実施形態では、Rはペンチルオキシである。特定的な実施形態では、Rはヘキシルオキシである。
ある特定の実施形態では、Rはヒドロキシまたはアルコキシであり、Rはヒドロキシまたはアルコキシであり、R、R、RおよびRは独立して、水素、ヒドロキシ、アルコキシまたはアルキルであり、Rはアルキルまたは水素であり、Rはヒドロキシまたはアルコキシである。
ある特定の実施形態では、Rはヒドロキシまたはアルコキシであり、Rはヒドロキシまたはアルコキシであり、R、R、RおよびRは独立して水素であり、Rはアルキルまたは水素であり、Rはヒドロキシである。
いくつかの実施形態では、Rはヒドロキシまたはメトキシであり、Rはヒドロキシまたはメトキシであり、R、R、RおよびRは独立して、水素、ヒドロキシ、メトキシ、メチルであり、Rはメチルまたは水素であり、Rはヒドロキシまたはメトキシである。
いくつかの実施形態では、Rはヒドロキシまたはメトキシであり、Rはヒドロキシまたはメトキシであり、R、R、RおよびRは独立して水素であり、Rはメチルまたは水素であり、Rはヒドロキシである。
実施形態のいずれかまたはすべてについて、置換基は、列挙された代替の部分集合の中から選択される。
様々な可変基について上に記載された基の任意の組合せが、本明細書で企図される。明細書全体を通じて、基およびその置換基は、当業者によって、安定な部分および化合物を提供するように選択される。
いくつかの実施形態では、式(II)の化合物は、次の化合物
Figure 2023530253000008










Figure 2023530253000009












Figure 2023530253000010
またはその塩もしくは誘導体から選択される。
いくつかの実施形態では、式(II)の化合物は、次の化合物
3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-メトキシ-3-メチルフェニル)クロマン-7-オール;
3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)クロマン-7-オール;
3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-フルオロ-3-メチルフェニル)クロマン-7-オール;
3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-メトキシ-3-フルオロフェニル)クロマン-7-オール;
3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-ヒドロキシフェニル)-8-メチルクロマン-7-オール;
3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)-8-メチルクロマン-7-オール;
3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-メトキシ-3-メチルフェニル)-8-メチルクロマン-7-オール;
3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-メトキシ-3,5-ジメチルフェニル)-8-メチルクロマン-7-オール;
3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-フルオロ-3-メチルフェニル)-8-メチルクロマン-7-オール;
3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-メトキシ-3-フルオロフェニル)-8-メチルクロマン-7-オール;
3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-メトキシフェニル)クロマン-7-オール;
3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-ヒドロキシフェニル)クロマン-7-オール;
3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-メトキシフェニル)-8-メチルクロマン-7-オール;
3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-メトキシフェニル)-7-メトキシ-8-メチルクロマン;
3-(4-メトキシフェニル)-4-(4-メトキシフェニル)-7-メトキシ-8-メチルクロマン-7-オール;
3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-フェニルクロマン-7-オール;
3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(3-メトキシフェニル)クロマン-7-オール;
3-(3,4-ジメトキシフェニル)-4-(4-メトキシフェニル)-8-メチルクロマン-7-オール;
3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-p-トリルクロマン-7-オール;
3-(4-メトキシフェニル)-4-(4-メトキシフェニル)-7-メトキシクロマン;
4-(4-ヒドロキシ-2,6-ジメトキシフェニル)-3-(4-ヒドロキシフェニル)クロマン-7-オール;
3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(2-ヒドロキシフェニル)クロマン-7-オール;
3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(3-アシル-2-ヒドロキシ-4-メトキシフェニル)クロマン-7-オール;
3-(3-ヒドロキシフェニル)-4-(3-メトキシフェニル)クロマン-7-オール;
3-(4-ブロモフェニル)-4-(4-メトキシフェニル)クロマン-7-オール;
3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(3-メトキシフェニル)クロマン-7-オール;
4-(3-アミノフェニル)-3-(4-ヒドロキシフェニル)クロマン-7-オール;および
3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-フェノキシフェニル)クロマン-7-オール
から選択される。
本発明のある特定の実施形態による化合物において、複素環式環上のアリール置換基が、互いに対してcisであってもtransであってもよいことは、当業者には明らかであろう。本発明のある特定の実施形態では、これらの置換基はcisであることになる。
いくつかの実施形態では、式(II)の化合物は、次の化合物

















































Figure 2023530253000011












Figure 2023530253000012












Figure 2023530253000013













またはその塩もしくは誘導体から選択され、複素環式環上のアリール置換基は、互いに対してcisである。
いくつかの実施形態では、式(II)の化合物は、次の化合物
cis-3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-メトキシ-3-メチルフェニル)クロマン-7-オール;
cis-3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)クロマン-7-オール;
cis-3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-フルオロ-3-メチルフェニル)クロマン-7-オール;
cis-3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-メトキシ-3-フルオロフェニル)クロマン-7-オール;
cis-3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-ヒドロキシフェニル)-8-メチルクロマン-7-オール;
cis-3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)-8-メチルクロマン-7-オール;
cis-3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-メトキシ-3-メチルフェニル)-8-メチルクロマン-7-オール;
cis-3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-メトキシ-3,5-ジメチルフェニル)-8-メチルクロマン-7-オール;
cis-3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-フルオロ-3-メチルフェニル)-8-メチルクロマン-7-オール;
cis-3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-メトキシ-3-フルオロフェニル)-8-メチルクロマン-7-オール;
cis-3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-メトキシフェニル)クロマン-7-オール;
cis-3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-ヒドロキシフェニル)クロマン-7-オール;
cis-3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-メトキシフェニル)-8-メチルクロマン-7-オール;
cis-3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-メトキシフェニル)-7-メトキシ-8-メチルクロマン;
cis-3-(4-メトキシフェニル)-4-(4-メトキシフェニル)-7-メトキシ-8-メチルクロマン-7-オール;
cis-3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-フェニルクロマン-7-オール;
cis-3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(3-メトキシフェニル)クロマン-7-オール;
cis-3-(3,4-ジメトキシフェニル)-4-(4-メトキシフェニル)-8-メチルクロマン-7-オール;
cis-3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-p-トリルクロマン-7-オール;
cis-3-(4-メトキシフェニル)-4-(4-メトキシフェニル)-7-メトキシクロマン;
cis-4-(4-ヒドロキシ-2,6-ジメトキシフェニル)-3-(4-ヒドロキシフェニル)クロマン-7-オール;
cis-3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(2-ヒドロキシフェニル)クロマン-7-オール;
cis-3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(3-アシル-2-ヒドロキシ-4-メトキシフェニル)クロマン-7-オール;
cis-3-(3-ヒドロキシフェニル)-4-(3-メトキシフェニル)クロマン-7-オール;
cis-3-(4-ブロモフェニル)-4-(4-メトキシフェニル)クロマン-7-オール;
cis-3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(3-メトキシフェニル)クロマン-7-オール;
cis-4-(3-アミノフェニル)-3-(4-ヒドロキシフェニル)クロマン-7-オール;および
cis-3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-フェノキシフェニル)クロマン-7-オール
から選択される。
この発明のいくつかの実施形態による化合物は、2つのキラル中心を含む。本発明は、すべての鏡像異性体およびジアステレオマー、ならびに任意の割合におけるこれらの混合物を含む。本発明はまた、単離された鏡像異性体、または鏡像異性体のペアにも及ぶ。ここでの化合物のいくつか(限定するものではないが、ベンゾピラン誘導体、および前述の化合物を生成するための試薬を含む)は、不斉炭素原子を有し、そのため、鏡像異性体またはジアステレオマーとして存在することがある。ジアステレオマー混合物は、クロマトグラフィーおよび/または分別結晶化等の方法によって、物理的化学的差異に基づいて、個々のジアステレオマーに分離することができる。鏡像異性体は、適当な光学活性化合物(例えばアルコール)との反応によって、鏡像異性混合物をジアステレオマー性混合物に変換し、ジアステレオマーを分離し、個々のジアステレオマーを対応する純粋な鏡像異性体に変換(例えば加水分解)することによって、分離することができる。ジアステレオマー、鏡像異性体およびこれらの混合物を含む、すべてのこのような異性体は、本明細書で記載される組成物の部分として考えられる。
いくつかの実施形態による化合物は、ラセミ混合物である。他の実施形態では、本明細書で記載される任意の化合物は、光学的に純粋な形態(例えば、光学活性(+)および(-)、(R)-および(S)-、d-およびl-、または(D)-および(L)-異性体)である。ある特定の好ましい実施形態では、式(II)の化合物はd-異性体である。したがって、いくつかの実施形態では、鏡像体過剰で式(II)の構造を有する、光学活性d-異性体が本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、式(I)、(II)、(III)または(IV)の化合物のd-異性体は、少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、88%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、95%または99.9%の鏡像体過剰率で提供される。他の実施形態では、式(II)の化合物のd-異性体は、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、88%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%または99.9%超の鏡像体過剰率で提供される。特定的な実施形態では、式(II)の化合物は、90%超の鏡像体過剰率を有する。特定的な実施形態では、式(II)の化合物は、95%超の鏡像体過剰率を有する。特定的な実施形態では、式(II)の化合物は、96%超の鏡像体過剰率を有する。特定的な実施形態では、式(II)の化合物は、97%超の鏡像体過剰率を有する。特定的な実施形態では、式(II)の化合物は、98%超の鏡像体過剰率を有する。特定的な実施形態では、式(II)の化合物は、99%以上の鏡像体過剰率を有する。特定的な実施形態では、式(II)の化合物は、99%超の鏡像体過剰率を有する。特定的な実施形態では、式(II)の化合物は、99.5%以上の鏡像体過剰率を有する。特定的な実施形態では、式(II)の化合物は、99.5%超の鏡像体過剰率を有する。特定的な実施形態では、式(II)の化合物は、99.8%以上の鏡像体過剰率を有する。特定的な実施形態では、式(II)の化合物は、99.8%超の鏡像体過剰率を有する。
いくつかの実施形態では、式(II)の化合物は、次の化合物

















































Figure 2023530253000014













Figure 2023530253000015












Figure 2023530253000016
またはその塩もしくは誘導体から選択される。
いくつかの実施形態では、式(II)の化合物は、次の化合物
d-cis-3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-メトキシ-3-メチルフェニル)クロマン-7-オール;
d-cis-3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)クロマン-7-オール;
d-cis-3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-フルオロ-3-メチルフェニル)クロマン-7-オール;
d-cis-3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-メトキシ-3-フルオロフェニル)クロマン-7-オール;
d-cis-3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-ヒドロキシフェニル)-8-メチルクロマン-7-オール;
d-cis-3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)-8-メチルクロマン-7-オール;
d-cis-3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-メトキシ-3-メチルフェニル)-8-メチルクロマン-7-オール;
d-cis-3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-メトキシ -3,5-ジメチルフェニル)-8-メチルクロマン-7-オール;
d-cis-3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-フルオロ-3-メチルフェニル)-8-メチルクロマン-7-オール;
d-cis-3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-メトキシ-3-フルオロフェニル)-8-メチルクロマン-7-オール;
d-cis-3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-メトキシフェニル)クロマン-7-オール;
d-cis-3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-ヒドロキシフェニル)クロマン-7-オール;
d-cis-3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-メトキシフェニル)-8-メチルクロマン-7-オール;
d-cis--(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-メトキシフェニル)-7-メトキシ-8-メチルクロマン;
d-cis--(4-メトキシフェニル)-4-(4-メトキシフェニル)-7-メトキシ-8-メチルクロマン-7-オール;
d-cis-3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-フェニルクロマン-7-オール;
d-cis-3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(3-メトキシフェニル)クロマン-7-オール;
d-cis-3-(3,4-ジメトキシフェニル)-4-(4-メトキシフェニル)-8-メチルクロマン-7-オール;
d-cis-3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-p-トリルクロマン-7-オール;
d-cis-3-(4-メトキシフェニル)-4-(4-メトキシフェニル)-7-メトキシクロマン;
d-cis-4-(4-ヒドロキシ-2,6-ジメトキシフェニル)-3-(4-ヒドロキシフェニル)クロマン-7-オール;
d-cis-3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(2-ヒドロキシフェニル)クロマン-7-オール;
d-cis-3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(3-アシル-2-ヒドロキシ-4-メトキシフェニル)クロマン-7-オール;
d-cis-3-(3-ヒドロキシフェニル)-4-(3-メトキシフェニル)クロマン-7-オール;
d-cis-3-(4-ブロモフェニル)-4-(4-メトキシフェニル)クロマン-7-オール;
d-cis-3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(3-メトキシフェニル)クロマン-7-オール;
d-cis-4-(3-アミノフェニル)-3-(4-ヒドロキシフェニル)クロマン-7-オール;および
d-cis-3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-フェノキシフェニル)クロマン-7-オール
から選択される。
いくつかの実施形態では、式(II)の化合物は、次の化合物


Figure 2023530253000017












Figure 2023530253000018





Figure 2023530253000019
またはその塩もしくは誘導体から選択される。
いくつかの実施形態では、式(II)の化合物は、次の化合物
l-cis-3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-メトキシ-3-メチルフェニル)クロマン-7-オール;
l-cis-3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)クロマン-7-オール;
l-cis-3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-フルオロ-3-メチルフェニル)クロマン-7-オール;
l-cis-3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-メトキシ-3-フルオロフェニル)クロマン-7-オール;
l-cis-3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-ヒドロキシフェニル)-8-メチルクロマン-7-オール;
l-cis-3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)-8-メチルクロマン-7-オール;
l-cis-3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-メトキシ-3-メチルフェニル)-8-メチルクロマン-7-オール;
l-cis-3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-メトキシ-3,5-ジメチルフェニル)-8-メチルクロマン-7-オール;
l-cis-3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-フルオロ-3-メチルフェニル)-8-メチルクロマン-7-オール;
l-cis-3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-メトキシ-3-フルオロフェニル)-8-メチルクロマン-7-オール;
l-cis-3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-メトキシフェニル)クロマン-7-オール;
l-cis-3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-ヒドロキシフェニル)クロマン-7-オール;
l-cis-3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-メトキシフェニル)-8-メチルクロマン-7-オール;
l-cis--(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-メトキシフェニル)-7-メトキシ-8-メチルクロマン;
l-cis--(4-メトキシフェニル)-4-(4-メトキシフェニル)-7-メトキシ-8-メチルクロマン-7-オール;
l-cis-3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-フェニルクロマン-7-オール;
l-cis-3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(3-メトキシフェニル)クロマン-7-オール;
l-cis-3-(3,4-ジメトキシフェニル)-4-(4-メトキシフェニル)-8-メチルクロマン-7-オール;
l-cis-3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-p-トリルクロマン-7-オール;
l-cis-3-(4-メトキシフェニル)-4-(4-メトキシフェニル)-7-メトキシクロマン;
l-cis-4-(4-ヒドロキシ-2,6-ジメトキシフェニル)-3-(4-ヒドロキシフェニル)クロマン-7-オール;
l-cis-3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(2-ヒドロキシフェニル)クロマン-7-オール;
l-cis-3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(3-アシル-2-ヒドロキシ-4-メトキシフェニル)クロマン-7-オール;
l-cis-3-(3-ヒドロキシフェニル)-4-(3-メトキシフェニル)クロマン-7-オール;
l-cis-3-(4-ブロモフェニル)-4-(4-メトキシフェニル)クロマン-7-オール;
l-cis-3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(3-メトキシフェニル)クロマン-7-オール;
l-cis-4-(3-アミノフェニル)-3-(4-ヒドロキシフェニル)クロマン-7-オール;および
l-cis-3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-フェノキシフェニル)クロマン-7-オール
から選択される。
他の実施形態では、式(II)の化合物は、3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-ヒドロキシフェニル)-8-メチルクロマン-7-オール
Figure 2023530253000020
である。
他の実施形態では、式(II)の化合物は、cis-3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-ヒドロキシフェニル)-8-メチルクロマン-7-オール
Figure 2023530253000021
であり、
複素環式環上のアリール置換基は、互いに対してcisである。
他の実施形態では、式(II)の化合物は、d-cis-3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-ヒドロキシフェニル)-8-メチルクロマン-7-オール
Figure 2023530253000022
である。
ある特定の実施形態では、式(II)の化合物はd-異性体である。したがって、いくつかの実施形態では、鏡像体過剰で式(II)の構造を有する、光学活性d-異性体が本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、d-異性体は、少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、88%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、95.5%または99.9%の鏡像体過剰率で提供される。他の実施形態では、d-異性体は、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、88%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%または99.9%超の鏡像体過剰率で提供される。いくつかの実施形態では、式(II)の化合物は、90%超の鏡像体過剰率を有する。特定的な実施形態では、式(II)の化合物は、95%超の鏡像体過剰率を有する。特定的な実施形態では、式(II)の化合物は、96%超の鏡像体過剰率を有する。特定的な実施形態では、式(II)の化合物は、97%超の鏡像体過剰率を有する。特定的な実施形態では、式(II)の化合物は、98%超の鏡像体過剰率を有する。特定的な実施形態では、式(II)の化合物は、99%超の鏡像体過剰率を有する。特定的な実施形態では、式(II)の化合物は、99.9%超の鏡像体過剰率を有する。
追加のまたはさらなる実施形態では、本明細書で記載される化合物は、プロドラッグの形態で使用される。追加のまたはさらなる実施形態では、本明細書で記載される化合物は、必要とする有機体への投与時に代謝されて代謝産物を生じ、これは次いで、所望の治療効果を含む所望の効果を生じるために使用される。
本明細書で記載される任意の化合物は、スキーム1に示される例示的な合成に従って合成されうる。
Figure 2023530253000023
合成をWO2006/032085に見出すことができる、中間体A-1を2つ口丸底フラスコに加え、窒素下でフラッシングする。無水THFを加え、コンデンサを反応容器に取り付け、次いで、これを0℃に冷却する。市販の4-メトキシフェニルマグネシウムブロミド(THF中0.5M溶液)を反応混合物に、10分にわたって滴加する。湿潤エーテルを窒素下で滴加することによって反応をクエンチすると、クエンチが進行するにつれて白色沈殿が形成される。追加の水を反応混合物に加えた後、ジエチルエーテルによって抽出する。有機層同士を組み合わせ、水およびブラインで洗浄し、次いで、無水硫酸マグネシウムで乾燥させる。溶媒を減圧下で除去して、透明な黄色油として中間体A-2を得るが、これは一晩固化するとオフホワイト固体となる。
中間体A-2(4.2g)、パラトルエンスルホン酸(pTsOH)、沸騰石(4.5g)およびエタノール(200mL)を、コンデンサを取り付けた2つ口500mL丸底フラスコ中で組み合わせる。反応物を加熱して3時間還流させた後、減圧下で約20mLに濃縮する。反応混合物を、冷えた撹拌されている水(約100mL)に注ぎ込む。次いで、混合物を酢酸エチルによって抽出し、組み合わせた有機層を水(3×100mL)、次いでブライン(1×100mL)で洗浄し、次いで、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過する。溶媒を減圧下で除去する。残った油をメタノール(15mL)中での再結晶化によって精製し、中間体A-3が提供される。
中間体A-4は、中間体A-3(2.5g)、10%Pd/Al(0.4g)およびエタノール(50mL)から調製することができる。試薬を2つ口100mL丸底フラスコ中で組み合わせ、標準条件を使用して、3時間、低圧において反応物を水素化する。反応物をセライトを通じて濾過して触媒を除去し、次いで、エタノール(100mL)によってよくすすぐ。濾液を約15mLに濃縮した後、冷えた撹拌されている水(約300mL)に注ぎ込む。薄橙色沈殿が形成され、次いで、これは褐色油となる。混合物をジエチルエーテルによって抽出し、組み合わせた有機層を水(3×100mL)、次いでブライン(1×100mL)で洗浄し、次いで、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過する。溶媒を減圧下で除去して、赤褐色油を得る。生成物をジエチルエーテル(約15mL)から再結晶化して褐色固体を得て、これを冷えたジエチルエーテルによってさらにすすいで、中間体A-4を得る。
単離された中間体A-4を、窒素でパージしたフラスコに移す。酢酸中の臭化水素(33重量%)を、反応混合物に滴加する。混合物を加熱して、130℃で7時間還流させる。反応混合物を氷浴に載置し、pHを6に調整する。反応混合物をEtOAcによって抽出し、有機層を水、ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。得られた残渣をカラムクロマトグラフィーによって精製して、中間体A-5を得る。化合物Aは、公知の方法に従ったキラルクロマトグラフィーによって、中間体A-5から単離される。いくつかの実施形態では、化合物Aは、99%の鏡像体過剰率で単離される。
いくつかの実施形態では、本明細書で記載される化合物は、プロドラッグとして調製される。「プロドラッグ」とは、in vivoで親薬物に変換される薬剤を指す。プロドラッグは、いくつかの状況では親薬物よりも投与するのが容易であるため、しばしば有用である。例えば、プロドラッグは経口投与によって生物が利用可能であるが、一方で親薬物はそうでない。さらには、または代わりに、プロドラッグはまた、医薬組成物において、親薬物よりも改善した溶解性を有する。いくつかの実施形態では、プロドラッグの設計によって、有効水溶性が上昇する。限定するものではないが、プロドラッグの例は本明細書で記載される化合物であり、エステル(「プロドラッグ」)として投与されるが、次いで、代謝的に加水分解されて活性実体を提供する。プロドラッグのさらなる例は、酸基に結合した短鎖ペプチド(ポリアミノ酸)であり、ペプチドが代謝されて活性部分が露出する。ある特定の実施形態では、in vivo投与の際に、プロドラッグが化学的に変換されて、化合物の生物学的、薬学的または治療的に活性な形態となる。ある特定の実施形態では、プロドラッグは、1つまたは複数のステップまたはプロセスによって酵素的に代謝されて、化合物の生物学的、薬学的または治療的に活性な形態となる。
本明細書で記載される化合物のプロドラッグとしては、限定するものではないが、エステル、エーテル、カーボネート、チオカーボネート、N-アシル誘導体、N-アシルオキシアルキル誘導体、第三級アミンの第四級誘導体、N-マンニッヒ塩基、シッフ塩基、アミノ酸抱合体、リン酸エステルおよびスルホン酸エステルが挙げられる。例えば、各々が参照によって本明細書に組み込まれる、Design of Prodrugs、Bundgaard,A.編、Elseview、1985およびMethod in Enzymology、Widder,K.ら編;Academic、1985、vol.42、p.309~396;A Textbook of Drug Design and Development中のBundgaard,H.「Design and Application of Prodrugs」、Krosgaard-LarsenおよびH.Bundgaard編、1991、Chapter 5、p.113~191;ならびにBundgaard,H.、Advanced Drug Delivery Review、1992、8、1~38を参照されたい。いくつかの実施形態では、本明細書で開示される化合物中のヒドロキシル基が、プロドラッグを形成するために使用され、ヒドロキシル基は、アシルオキシアルキルエステル、アルコキシカルボニルオキシアルキルエステル、アルキルエステル、アリールエステル、リン酸エステル、糖エステルおよびエーテル等に組み込まれる。いくつかの実施形態では、本明細書で開示される化合物中のヒドロキシル基はプロドラッグであり、ヒドロキシルは次いで、in vivoで代謝されてカルボン酸基を提供する。いくつかの実施形態では、エステルまたはアミド(すなわちプロドラッグ)を提供するためにカルボキシル基が使用され、これは次いで、in vivoで代謝されてカルボン酸基を提供する。いくつかの実施形態では、本明細書で記載される化合物は、アルキルエステルプロドラッグとして調製される。
本明細書で説明されるように、プロドラッグがin vivoで代謝されて、本明細書で記載される化合物を生じる、本明細書で記載される化合物のプロドラッグ形態が特許請求の範囲内に含まれる。いくつかの場合、本明細書で記載される化合物のいくつかは、別の誘導体または活性化合物のためのプロドラッグである。
追加のまたはさらなる実施形態では、本明細書で記載される化合物は、必要とする有機体への投与時に代謝されて代謝産物を生じ、これは次いで、所望の治療効果を含む所望の効果を生じるために使用される。
本明細書で開示される化合物の「代謝産物」とは、化合物が代謝された場合に形成される、その化合物の誘導体である。「活性代謝産物」という用語は、化合物が代謝された場合に形成される、化合物の生物学的に活性な誘導体を指す。ここで使用される「代謝された」という用語は、特定の物質が有機体によって変化するプロセスの総和(限定するものではないが、加水分解反応および酵素によって触媒される反応を含む)を指す。したがって、酵素は、化合物に特異的な構造的変化を生じうる。例えば、シトクロムP450は、多様な酸化および還元反応を触媒し、ウリジン二リン酸グルクロニルトランスフェラーゼは、活性化グルクロン酸分子の芳香族アルコール、脂肪族アルコール、カルボン酸、アミンおよびフリーのスルフィドリル(sulphydryl)基への転移を触媒する。本明細書で開示される化合物の代謝産物は、ホストへの化合物の投与およびホストからの組織サンプルの分析によって、または化合物を肝細胞とともにin vitroでインキュベーションし、得られた化合物を分析することによってのいずれかで、任意選択で識別されうる。
Bcl-2ファミリー阻害剤
本明細書で提供されるいくつかの実施形態には、Bcl-2タンパク質のファミリーの少なくとも1つのメンバーを阻害することができる、Bcl-2ファミリー阻害剤を記載している。いくつかの実施形態では、Bcl-2ファミリー阻害剤は、ドセタキセル、ベネトクラクス、ナビトクラックス、サブトクラックス(sabutoclax)、オバトクラックス、アポプトン(apoptone)、イソソルビド、ラサギリン、エリブリン、デキシブプロフェン、グリシンベタイン、ABT-263、ABT-737、APG2575、APG1252、AT-101、G3139(ゲナセンスもしくはオブリメルセン)、HA14-1、TW-37、アンチマイシンA、アポゴシポール、S44563、またはこれらの薬学的に許容される塩である。いくつかの実施形態では、Bcl-2ファミリー阻害剤は、ベネトクラクス、ナビトクラックス、オバトクラックスメシレート、ABT-737、APG2575、APG1252、AT-101、またはこれらの薬学的に許容される塩である。いくつかの実施形態では、Bcl-2ファミリー阻害剤はベネトクラクスである。いくつかの実施形態では、Bcl-2ファミリー阻害剤は、Bcl-2ファミリータンパク質と相互作用する。いくつかの実施形態では、Bcl-2ファミリー阻害剤は、カスパーゼと相互作用する。いくつかの実施形態では、Bcl-2ファミリー阻害剤は、ミトコンドリア外膜透過化(MOMP)と相互作用する。いくつかの実施形態では、Bcl-2ファミリー阻害剤は、BAX、BAKまたは2つの組合せと相互作用する。いくつかの実施形態では、Bcl-2阻害剤は、BH1ドメイン、BH2ドメイン、BH3ドメイン、BH4ドメインまたはこれらの任意の組合せと相互作用する。いくつかの実施形態では、Bcl-2阻害剤は、BH1ドメイン、BH2ドメイン、BH3ドメイン、BH4ドメインまたはこれらの組合せを模倣している。いくつかの実施形態では、Bcl-2ファミリー阻害剤は、BH3ドメインを模倣している。いくつかの実施形態では、Bcl-2ファミリー阻害剤は、Bcl-2ファミリー内の1種のタンパク質について選択的である。好ましい実施形態では、Bcl-2ファミリー阻害剤は、他のBcl-2ファミリータンパク質よりも、Bcl-2タンパク質について選択的である。他の実施形態では、Bcl-2ファミリー阻害剤は、Bcl-2ファミリー内のタンパク質の部分集合(例えば抗アポトーシスタンパク質)について選択的である。なおも他の実施形態では、Bcl-2ファミリー阻害剤は非選択的である。いくつかの実施形態では、Bcl-2ファミリー阻害剤は、Bcl-2ファミリータンパク質および非Bcl-2ファミリータンパク質と相互作用する。いくつかの実施形態では、Bcl-2ファミリー阻害剤は、AMRA1、APR、B2L11-2、B2L11、B2L13、B2L14、B2CL2、B2L10、B2CL1、BAD、CISD2、BECN1、BIK、BIM、P53、B2L11-1、BBC3、BAX、BAP31、BRCA1、SIVA、NLRP1、LRRK2、BAK、NR4A1、ITPR1、BCLF1、BMF、BAD、ASPP2、BID、BNI3L、MDM4、RAF1、EGLN3またはこれらの任意の組合せ等のシグナル伝達パートナーを通じて、Bcl-2ファミリータンパク質を阻害する。いくつかの実施形態では、Bcl-2ファミリー阻害剤は、タンパク質-タンパク質相互作用を阻害する。いくつかの実施形態では、Bcl-2ファミリー阻害剤によって妨害されるタンパク質-タンパク質相互作用は、Bcl-2/Bcl-2二量体、Bcl-2/BAD複合体、Bcl-2/BID複合体、Bcl-2/PUMA複合体、Bcl-2/BIM複合体またはこれらの組合せである。好ましい実施形態では、Bcl-2ファミリー阻害剤によって阻害されるタンパク質-タンパク質相互作用は、Bcl-2/BIM相互作用である。いくつかの実施形態では、Bcl-2ファミリー阻害剤はアロステリック調節因子である。いくつかの実施形態では、Bcl-2ファミリー阻害剤は共有結合性阻害剤である。いくつかの実施形態では、Bcl-2ファミリー阻害剤は、ペプチドを模倣している(例えばペプチドミメティック)。特定的な例では、Bcl-2ファミリー阻害剤は、BH3ドメインを模倣している。いくつかの実施形態では、Bcl-2ファミリー阻害剤はオルソステリックリガンドである。いくつかの実施形態では、Bcl-2ファミリー阻害剤は、内在性リガンドを模倣している。
いくつかの実施形態では、Bcl-2ファミリータンパク質は、抗アポトーシスタンパク質、アポトーシス促進性ポアフォーマー、アポトーシス促進性BH3-onlyタンパク質またはこれらの任意の組合せである。いくつかの実施形態では、Bcl-2ファミリータンパク質は、Bcl-1、Bcl-2、Bcl-b、Bcl-x、Bcl-xL、Bcl-w、Bcl-g、Bcl-RAMBO、MCL-1、BNIP-3、BFL-1/A1、BAX、BAK、BOK、BAD、BID、BIK、BIM、BMF、HRK、NOXA、PUMA、BAP31、BECLIN-1、BFK、BOK、SPIKE、BBC3、B2L13、B2L14、B2CL2、B2L10、B2L11、B2CL1、B2LA1、B2L12またはこれらの任意の組合せである。
いくつかの実施形態では、Bcl-2ファミリー阻害剤は、Bcl-2ファミリータンパク質の代替形態、またはBcl-2ファミリータンパク質のシグナル伝達パートナーと相互作用する(例えば阻害する)。いくつかの実施形態では、代替形態としては、変異体、耐性変異体、バリアントタンパク質スプライス、ホモログ、アイソフォーム、フラグメント、二量体、複合体、ドメイン転座またはこれらの任意の組合せが挙げられる。いくつかの実施形態では、Bcl-2ファミリータンパク質は、1種または複数の化学療法剤に耐性である。いくつかの実施形態では、Bcl-2ファミリータンパク質は、Bcl-2ファミリー阻害剤に耐性である。いくつかの実施形態では、Bcl-2ファミリータンパク質は、酸化的リン酸化阻害剤(例えば式(II)の化合物)に耐性である。いくつかの実施形態では、Bcl-2ファミリータンパク質の阻害は、酸化的リン酸化の阻害と相乗的である。いくつかの実施形態では、Bcl-2ファミリータンパク質の阻害は、酸化的リン酸化の阻害に相加的である。いくつかの実施形態では、Bcl-2ファミリー阻害剤は、BIM相互作用(例えば、Bcl-2、Mcl-1との相互作用)を減少させて、がん細胞におけるアポトーシスを促進する。
いくつかの実施形態では、Bcl-2ファミリータンパク質はミトコンドリアタンパク質である。いくつかの実施形態では、Bcl-2ファミリータンパク質は核である。いくつかの実施形態では、Bcl-2ファミリータンパク質は、小胞体に局在している。いくつかの実施形態では、Bcl-2ファミリータンパク質は、B細胞リンパ腫2タンパク質(Bcl-2)である。
方法
本明細書で提供されるいくつかの実施形態には、がん治療を必要とする個体において、がんを処置する方法を記載している。特定的な実施形態では、この方法は、がんまたはがん細胞を、酸化的リン酸化阻害剤(例えばベンゾピラン誘導体)およびBcl-2ファミリー阻害剤と接触させることを含む。ある特定の実施形態では、がんまたはがん細胞は、個体内に存在する。特定的な実施形態では、個体は、がん治療を必要とする。
他の実施形態では、細胞増殖の調節不全に関係する疾患または障害を処置する方法が本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、疾患または障害はがんである。いくつかの実施形態では、疾患または障害は、正常な細胞と比較して、Bcl-2ファミリータンパク質を過剰発現することを特徴とする。いくつかの実施形態では、疾患または障害は、正常な細胞と比較して、Bcl-2ファミリータンパク質を過剰発現することを特徴とするがんである。他の実施形態では、個体におけるがん治療への感受性を上昇させる、誘導する、または復活させる方法が本明細書で提供される。本明細書で提供されるいくつかの実施形態には、化学療法耐性がんを処置する方法を記載している。特定的な実施形態では、この方法は、がんまたはがん細胞を、酸化的リン酸化阻害剤(例えば、式(II)のベンゾピラン誘導体)およびBcl-2ファミリー阻害剤と接触させることを含む。ある特定の実施形態では、がんまたはがん細胞は、個体内に存在する。特定的な実施形態では、個体は、がん治療を必要とする。
いくつかの実施形態では、がんまたはがん細胞は、化学療法剤、抗がん剤または放射線療法への感受性を失っている。いくつかの実施形態では、がんは、化学療法剤(例えば、酸化的リン酸化阻害剤)に耐性であり、すなわち、「化学療法耐性」である。いくつかの実施形態では、がんは、標準治療(「SOC」)に耐性である。いくつかの実施形態では、SOCは、シタラビンおよびアントラサイクリンによる導入療法である。いくつかの実施形態では、がんは、酸化的リン酸化阻害剤、ヌクレオシド化学療法薬、Bcl-2ファミリー阻害剤またはこれらの組合せに耐性である。いくつかの実施形態では、がんは、酸化的リン酸化阻害剤に耐性である。いくつかの実施形態では、がんは、シタラビンまたはアザシチジンに耐性である。いくつかの実施形態では、がんは、シタラビン(ara-C)に耐性である。いくつかの実施形態では、がんは、アザシチジンに耐性である。いくつかの実施形態では、がんは、複数の化学療法剤(例えば、Bcl-2阻害剤およびヌクレオシドアナログ)に耐性である。いくつかの実施形態では、がんは、ベネトクラクスおよびアザシチジン、またはベントクラクス(ventoclax)およびシタラビンに耐性である。いくつかの実施形態では、がんまたはがん細胞は、化学療法剤、抗がん剤または放射線療法に耐性でない、またはこれらへの感受性を失っていない。
いくつかの実施形態では、酸化的リン酸化阻害剤(例えばベンゾピラン誘導体)とBcl-2ファミリー阻害剤との併用は、増強された効果を有する。他の実施形態では、酸化的リン酸化阻害剤(例えばベンゾピラン誘導体)と、Bcl-2ファミリー阻害剤と、追加の抗がん剤との併用は、増強された効果を有する。いくつかの実施形態では、本明細書で記載されるBcl-2ファミリー阻害剤とベンゾピラン誘導体(例えば式(II)の化合物)との併用療法は、相乗効果を提供する。いくつかの実施形態では、本明細書で記載されるBcl-2ファミリー阻害剤とベンゾピラン誘導体(例えば式(II)の化合物)との併用療法は、相乗的な抗腫瘍または抗がん活性を提供する。いくつかの実施形態では、本明細書で記載される併用療法によって観察される相乗効果は、がん(例えば、白血病または肺がん)の予防、管理、処置または回復において、治療の効力の改善をもたらす。いくつかの実施形態では、本明細書で記載される併用療法および/または組成物は、がん細胞を化学増感し、併用療法および/または組成物は、がん細胞を死滅させるために要求される抗がん剤の量を低下させる。他の実施形態では、本明細書で記載される併用療法および/または組成物は、がん細胞を化学増感し、併用療法および/または組成物は、がん細胞を、化学療法耐性から化学療法感受性の様相に変換する。さらなる、または追加の実施形態では、本明細書で記載される併用療法および/または組成物は、がん細胞を放射線増感し、併用療法および/または組成物は、がん細胞を死滅させるために要求されるガンマ線照射の量を低下させる。他の実施形態では、本明細書で記載される併用療法および/または組成物は、がん細胞を放射線増感し、併用療法および/または組成物は、がん細胞を、放射線耐性から放射線感受性の様相に変換する。
いくつかの実施形態では、本明細書で記載される併用療法、処置、組成物、方法およびキットは、単独で投与される化学療法剤と比較して、機構的利点をがんの処置に提供する。いくつかの実施形態では、Bcl-2ファミリータンパク質と酸化的リン酸化阻害剤とを併用した阻害は、細胞(例えばがん細胞)における化学療法耐性を予防する、低減する、阻害する、後退させる、または別の方法で無効にする。他の実施形態では、Bcl-2タンパク質と酸化的リン酸化阻害剤とを併用した阻害は、Bcl-2タンパク質が媒介する酸化的リン酸化阻害剤への耐性を低減する。なおも他の実施形態では、Bcl-2ファミリータンパク質と酸化的リン酸化阻害剤とを併用した阻害は、Bcl-xLタンパク質が媒介する酸化的リン酸化阻害剤への耐性を低減する。いくつかの実施形態では、本明細書で開示される併用療法は、化学療法耐性を低減する。他の実施形態では、本明細書で開示される併用療法は、非化学療法耐性細胞(例えばがん細胞)における、化学療法上の利益を増強する(例えばアポトーシスまたはネクローシスの増強)。好ましい実施形態では、併用療法は、がん性細胞におけるアポトーシス、ネクローシス、または他の細胞死経路を誘導する。いくつかの実施形態では、治療効果(例えば、がん細胞における細胞死の誘導、がん細胞の増殖または生存の低減)は、併用療法の場合には、いずれかの薬剤単独よりも高い。
いくつかの実施形態では、本明細書で開示される併用療法は、Bcl-2ファミリータンパク質が酸化的リン酸化を増加させる能力を低減する。他の実施形態では、併用療法は、Bcl-2ファミリータンパク質が、細胞のミトコンドリア機能と相互作用する能力を低減する。他の実施形態では、本明細書で開示される併用療法は、少なくとも部分的に、がんの処置における抗がん剤の効能を復活させる、または増強する。いくつかの実施形態では、Bcl-2ファミリータンパク質の阻害は、酸化的リン酸化の低減をもたらす。いくつかの実施形態では、本明細書で開示される組合せは、酸化的リン酸化を相乗的に低減し、これによって、がん細胞の生存が低減する。
いくつかの実施形態では、がんは、薬物耐性または化学療法耐性である。いくつかの実施形態では、がんは多剤耐性である。ここで使用される場合、「薬物耐性がん」とは、従来の一般に知られるがん治療に耐性のがんである。従来のがん治療の例としては、例えば、メトトレキサート、ドキソルビシン、5-フルオロウラシル、ビンクリスチン、ビンブラスチン、パミドロン酸二ナトリウム、アナストロゾール、エキセメスタン、シクロフォスファミド、エピルビシン、トレミフェン、レトロゾール、トラスツズマブ、メゲストロール、タモキシフェン、パクリタキセル、ドセタキセル、カペシタビン、ゴセレリン酢酸塩等の薬剤によるがんの処置が挙げられる。「多剤耐性がん」とは、2つ以上のタイプまたはクラスのがん用薬剤に耐えるがんであり、すなわち、このがんは、第1の作用の機構を有する第1の薬物と、第2の作用の機構を有する第2の薬物とに耐えることができる。
いくつかの実施形態では、がん細胞(例えば白血病幹細胞)は、エネルギー産生について、酸化的リン酸化に依存している。いくつかの実施形態では、標準治療(「SOC」)処置レジメン、例えば、標準導入化学療法は、酸化的リン酸化依存性がん細胞を排除しない。いくつかの実施形態では、酸化的リン酸化阻害剤(例えば式IIのベンゾピラン誘導体)とBcl-2阻害剤(例えばベネトクラクス)との併用は、ミトコンドリア代謝に依存するがん細胞における細胞死を誘導する。いくつかの実施形態では、酸化的リン酸化阻害剤(例えば式IIのベンゾピラン誘導体)とBcl-2阻害剤(例えばベネトクラクス)との併用は、SOC治療に耐性または非応答性であるがんの処置において有効である。いくつかの実施形態では、SOC治療は、ヌクレオシドアナログ(例えば、シタラビンおよびゲムシタビン等)と、アントラサイクリン薬物(例えば、ダウノルビシンおよびイダルビシン等)とを含む。
いくつかの実施形態では、がんは、ヌクレオシドアナログおよびアントラサイクリン薬物に耐性または非応答性である。いくつかの実施形態では、がんは、シタラビンおよびアントラサイクリン薬物に耐性または非応答性である。いくつかの実施形態では、がんは、シタラビンおよびダウノルビシンに耐性または非応答性である。いくつかの実施形態では、がんは、シタラビンおよびイダルビシンに耐性または非応答性である。いくつかの実施形態では、酸化的リン酸化阻害剤(例えば式IIのベンゾピラン誘導体)とBcl-2阻害剤(例えばベネトクラクス)との併用は、SOC治療と併用して提供される。
いくつかの実施形態では、個体におけるがんを処置する方法が本明細書で提供され、この方法は、個体に、酸化的リン酸化阻害剤(例えばベンゾピラン誘導体)とBcl-2ファミリー阻害剤とを投与することを含み、化学療法、放射線治療またはがん治療に関係する副作用が低減する、または最小化される。いくつかの例では、本明細書で記載される併用療法および/または組成物は、化学療法保護および/または放射線保護特性を、非がん性細胞に提供する。さらなる、または追加の実施形態では、より少量の酸化的リン酸化阻害剤(例えばベンゾピラン誘導体)、Bcl-2ファミリー阻害剤または追加の抗がん剤によって、化学療法に関係する一切の望ましくない副作用が低減する、または最小化される。化学療法、放射線療法治療またはがん治療に関係する副作用の非限定例としては、疲労、貧血、食欲の変化、出血性異常、下痢、便秘、毛髪の喪失、吐き気、嘔吐、疼痛、末梢神経障害、浮腫、皮膚および爪の変化、尿および膀胱の変化、ならびに嚥下困難が挙げられる。いくつかの実施形態では、併用療法は、患者の適合性または処置の許容性の増強を提供する。いくつかの実施形態では、併用療法は、単独療法の有効用量に対して低減した毒性を提供する。いくつかの実施形態では、有害事象の発生率は、標準治療療法または他の単独療法と比較して、本明細書で記載される併用療法を受けている患者において減少する。
いくつかの例では、がん細胞は、ミトコンドリア阻害剤(例えば酸化的リン酸化阻害剤)を逃れるための機構として、Bcl-2ファミリータンパク質(例えば、Bcl-2、Bcl-xL)を過剰発現する。Bcl-2ファミリータンパク質は、酸化的リン酸化からエネルギーを単独で発生させる細胞の能力を増強しうる。Bcl-2の過剰発現によって酸化的リン酸化が増強されるいくつかの例では、本明細書で開示される併用療法は、細胞内代謝を阻止し、したがって、がん細胞を死滅させるのに特に有効でありうる。一例では、AML幹細胞は、生存について酸化的リン酸化に大きく依存しており、酸化的リン酸化が阻害された後は、解糖を十分に上方調節できない。そのため、いくつかの場合、AML幹細胞は、本明細書で記載される酸化的リン酸化阻害剤の影響を特に受けやすい。追加の例では、AML細胞(例えば幹細胞)は、抗アポトーシスBcl-2タンパク質を過剰発現しており、本明細書で記載される酸化的リン酸化阻害剤とBcl-2阻害剤との相乗的併用が、化学療法耐性AML細胞を破壊することにおいて、類を見ないほど有効となる。いくつかの実施形態では、この類を見ない代謝およびミトコンドリアの生物学によって、化学療法耐性AMLは、酸化的リン酸化とBcl-2とを標的とする戦略に対して脆弱となる。
いくつかの場合、Bcl-2ファミリー阻害剤を、酸化的リン酸化阻害剤と並行して投与することは有利である。他の場合、Bcl-2ファミリー阻害剤と酸化的リン酸化阻害剤とは、並行して投与されない。いくつかの実施形態では、Bcl-2ファミリー阻害剤の投与が、酸化的リン酸化阻害剤による処置に先行する。他の実施形態では、酸化的リン酸化阻害剤による処置が、Bcl-2ファミリー阻害剤による処置に先行する。いくつかの実施形態では、本明細書で開示される併用療法は、いずれかの薬剤単独よりも少ない用量という点で有効である。追加の実施形態では、がんを処置するために必要な化学療法剤の有効量が低減することによって、化学療法の副作用が低減しうる。
いくつかの実施形態では、がんは、白血病、肺がん(小細胞と非小細胞との両方)、扁平上皮非小細胞肺がん、非扁平上皮非小細胞肺がん、ルイス肺がん腫、非ホジキンリンパ腫および骨髄腫からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、がんは、非限定例として、白血病または肺がんから選択される。いくつかの実施形態では、がんは、小児白血病、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、急性リンパ性白血病(ALL)、慢性リンパ性白血病(CLL)、ヘアリーセル白血病(HCL)、脊髄形成異常性症候群(MDS)またはこれらの組合せである。特定的な実施形態では、がんは急性骨髄性白血病(AML)である。いくつかの実施形態では、がんは、難治性または再発性の急性骨髄性白血病(r/r AML)である。いくつかの実施形態では、AMLまたはr/r AMLは、骨髄芽球性(例えば、M0、M1もしくはM2)、前骨髄球性(M3)、骨髄単球性(M4)、単球性M5)、赤白血病(M6)または巨核球性(M7)タイプのものである。いくつかの実施形態では、AMLは、急性単球性白血病(AMoL)タイプのものである。いくつかの実施形態では、r/r AMLは、急性単球性白血病(r/r AMoL)タイプのものである。いくつかの実施形態では、r/r AMoLは、シタラビンに耐性である。いくつかの実施形態では、がんは、非ホジキンリンパ腫、B細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、小リンパ球性リンパ腫(SLL)、マントル細胞リンパ腫または濾胞性リンパ腫である。他の実施形態では、肺がんは、小細胞肺がん(SCLC)、非小細胞肺がん(NSCLC)、肺の腺がん、扁平上皮がん腫、大細胞未分化がん腫、転移性肺がん、肺の腺扁平上皮がん腫、大細胞神経内分泌がん腫、唾液腺型肺がん腫、肺カルチノイド、中皮腫、肺の肉腫様がん腫、悪性顆粒細胞肺腫瘍またはこれらの組合せである。いくつかの実施形態では、がんは、大腸がん、腎細胞がん、肝がん、胃および胃食道接合部腺がん、消化管間質腫瘍(GIST)、甲状腺がん、非扁平上皮肺がん、卵巣がん、子宮頸がん、未分化神経外胚葉性腫瘍(pNET)および膠芽腫である。いくつかの実施形態では、がんは、大腸がんまたは肝細胞がんである。本明細書で開示される組成物、方法またはキットの使用によって処置されるがんは、非限定例として、ステージI、ステージII、ステージIII、ステージIV、限局型、進展型でありうる。
対象または個体における腫瘍細胞は、本明細書で記載される任意のタイプのがんの一部でありうる。いくつかの実施形態では、本明細書で記載される方法は、限定するものではないが、小児白血病、急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、ヘアリーセル白血病、急性前骨髄球性白血病、形質細胞白血病、赤白血病、骨髄腫;骨髄異形成症候群、骨髄増殖性障害、再生不良性貧血、ファンコニ貧血、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、リヒター症候群、芽球性形質細胞様樹状細胞腫瘍(BPDCN)、多発性骨髄腫、形質細胞骨髄腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、小リンパ球性リンパ腫(SLL)、マントル細胞リンパ腫または濾胞性リンパ腫を含む血液学的障害、ホジキン疾患、非ホジキンリンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、末梢T細胞リンパ腫、成熟T細胞およびNK細胞非ホジキンリンパ腫、AIDS関連リンパ腫、B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、小細胞肺がん、非小細胞肺がん、扁平上皮細胞肺がん、ルイス肺がん腫、中皮腫、肺の腺がん、扁平上皮細胞がん腫、大細胞未分化がん腫、転移性肺がん、肺の腺扁平上皮がん腫、大細胞神経内分泌がん腫、唾液腺型肺がん腫、肺カルチノイド、肺の肉腫様がん腫、ならびに悪性顆粒細胞肺腫瘍を含む様々ながんの処置に有用である。
いくつかの実施形態では、がんは血液学的悪性疾患である。いくつかの実施形態では、がんは、化学療法(例えば酸化的リン酸化阻害剤)に耐性である。いくつかの実施形態では、がんは、化学療法剤(例えばBcl-2阻害剤)に耐性である。いくつかの実施形態では、耐性がんは、再発性または難治性(r/r)である。いくつかの実施形態では、がんは、再発性/難治性の血液学的悪性疾患である。いくつかの実施形態では、血液学的悪性疾患は、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性単球性白血病、血栓溶解性白血病、骨髄異形成症候群(MDS)、骨髄増殖性障害、難治性貧血、前白血病症候群、リンパ性白血病、リンパ腫、非ホジキンリンパ腫または未分化白血病である。いくつかの特定的な実施形態では、がんは、骨髄異形成症候群(MDS)または急性骨髄性白血病(AML)である。いくつかの実施形態では、がんは急性骨髄性白血病(AML)である。いくつかの実施形態では、AMLは、化学療法(例えば酸化的リン酸化阻害剤)に耐性である。いくつかの実施形態では、がんは、再発性/難治性の急性骨髄性白血病(r/r AML)である。いくつかの実施形態では、がんは、再発性/難治性の急性単球性白血病(r/r AMoL)である。いくつかの実施形態では、がんは非ホジキンリンパ腫(NHL)である。いくつかの実施形態では、がんは、再発性/難治性の非ホジキンリンパ腫(r/r NHL)である。非ホジキンリンパ腫の非限定例としては、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、急性リンパ性白血病(ALL)および慢性リンパ性白血病(CLL)が挙げられる。いくつかの実施形態では、再発性/難治性の非ホジキンリンパ腫は、r/r DLBCL、r/r MCL、r/r ALLまたはr/r CLLである。
本明細書で記載される方法によって処置されうる他の例示的ながんとしては、限定するものではないが、白血病、例えば、赤白血病、急性前骨髄球白血病、急性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、急性T細胞白血病、ならびにリンパ腫、例えば、B細胞リンパ腫(例えばバーキットリンパ腫)、皮膚T胞リンパ腫(CTCL)および末梢T細胞リンパ腫が挙げられる。
調合
本明細書で提供されるいくつかの実施形態には、1種または複数の医薬担体、賦形剤、助剤、バインダおよび/または希釈剤をさらに含む医薬組成物を記載している。医薬組成物は、従来の方法において、活性化合物を薬学的に使用される調製物に加工することを円滑にする、1種または複数の薬学的に許容される不活性成分を使用して調合される。適切な調合は、選択される投与の経路に依存する。本明細書で記載される医薬組成物の概要は、例えば、このような開示のための参照によって本明細書に組み込まれる、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,Nineteenth Ed(Easton,Pa.:Mack Publishing Company、1995);Hoover,John E.、Remington’s Pharmaceutical Sciences、Mack Publishing Co.、Easton、Pennsylvania 1975;Liberman,H.A.およびLachman,L.編、Pharmaceutical Dosage Forms、Marcel Decker、New York、N.Y.、1980;ならびにPharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems、Seventh Ed.(Lippincott Williams & Wilkins1999)に見出される。
本明細書で記載される任意の組成物は、微量の非毒性補助物質、例えば、湿潤または乳化剤、pH緩衝剤、安定剤、溶解性増強剤、ならびに他のこのような薬剤、例えば、酢酸ナトリウム、モノラウリン酸ソルビタン、オレイン酸トリエタノールアミンおよびシクロデキストリン等を任意選択で含む。いくつかの実施形態では、組成物は、ラクトース、デキストロース、マンニトール、pH緩衝剤、抗酸化剤、保存剤、等張化剤の1種もしくは複数、またはこれらの組合せをさらに含む。任意選択で使用される薬学的に許容される担体の例としては、限定するものではないが、水性ビヒクル、非水性ビヒクル、抗菌剤、局所麻酔薬、懸濁剤および分散剤、乳化剤、金属イオン封鎖剤またはキレート剤、ならびに他の薬学的に許容される物質が挙げられる。
いくつかの実施形態では、本明細書で記載される化合物は、薬学的に許容される塩として存在する。いくつかの実施形態では、本明細書で開示される方法は、このような薬学的に許容される塩を投与することによって、疾患を処置する方法を含む。いくつかの実施形態では、本明細書で開示される方法は、このような薬学的に許容される塩を医薬組成物として投与することによって、疾患を処置する方法を含む。
いくつかの実施形態では、本明細書で記載される化合物は、酸性基または塩基性基を有し、そのため、複数の無機または有機塩基、ならびに無機および有機酸のいずれかと反応して、薬学的に許容される塩を形成する。いくつかの実施形態では、これらの塩は、本発明の化合物の最後の単離および生成中にin situで、または遊離形態の精製した化合物を好適な酸または塩基と別途反応させ、このようにして形成された塩を単離することによって調製される。
薬学的に許容される塩の例としては、本明細書で記載される化合物と、鉱酸、有機酸または無機塩基との反応によって調製される塩が挙げられ、このような塩としては、酢酸塩、アクリル酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、重亜硫酸塩、臭化物塩、酪酸塩、ブチン-1,4-二酸塩、ショウノウ酸塩、ショウノウスルホン酸塩、カプロン酸塩、カプリル酸塩、クロロ安息香酸、塩化物塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸、デカン酸塩、ジグルコン酸、リン酸二水素塩、ジニトロ安息香酸、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸、グリコール酸、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヘキシン-1,6-二酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、γ-ヒドロキシ酪酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化塩素酸塩、2-ヒドロキシエタンスルホン酸塩、ヨウ化物塩、イソ酪酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、マンデル酸塩、メタリン酸塩、メタンスルホン酸塩、メトキシ安息香酸塩、メチル安息香酸、リン酸一水素塩、1-ナフタレンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、パルモエート(palmoate)、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ピロ硫酸塩、ピロリン酸塩、プロピオル酸塩、フタル酸塩、フェニル酢酸塩、フェニル酪酸塩、プロパンスルホン酸塩、サリチル酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、亜硫酸塩、コハク酸塩、スベリン酸塩、セバシン酸塩、スルホン酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トシル酸塩、ウンデコネート(undeconate)およびキシレンスルホン酸塩が挙げられる。
さらに、本明細書で記載される化合物は、いくつかの実施形態では、化合物の遊離塩基形態を、薬学的に許容される無機または有機酸と反応させることによって形成される、薬学的に許容される塩として調製され、無機または有機酸としては、限定するものではないが、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸およびメタリン酸等の無機酸;ならびに酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、シクロペンタンプロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、Q-トルエンスルホン酸、酒石酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸、安息香酸、3-(4-ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、アリールスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2-エタンジスルホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、2-ナフタレンスルホン酸、4-メチルビシクロ-[2.2.2]オクタ-2-エン-1-カルボン酸、グルコヘプトン酸、4,4’-メチレンビス-(3-ヒドロキシ-2-エン-1-カルボン酸)、3-フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、第三級ブチル酢酸、ラウリル硫酸、グルコン酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸およびムコン酸等の有機酸が挙げられる。いくつかの実施形態では、シュウ酸等の他の酸は、それ自体は薬学的に許容されないが、本発明の化合物またはその薬学的に許容される酸付加塩を得ることにおいて、中間体として有用な塩の調製に用いられる。
いくつかの実施形態では、フリーの酸基を含む本明細書で記載される化合物は、好適な塩基、例えば、薬学的に許容される金属カチオンの水酸化物塩、炭酸塩、重炭酸塩、硫酸塩、アンモニア、または薬学的に許容される有機第一級、第二級もしくは第三級アミンと反応する。代表的なアルカリまたはアルカリ土類塩としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムおよびアルミニウムの塩等が挙げられる。塩基の実例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化コリン、炭酸ナトリウムおよびN+(C1~4アルキル)4等が挙げられる。
塩基付加塩の形成に有用な代表的な有機アミンとしては、エチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミンおよびピペラジン等が挙げられる。本明細書で記載される化合物には、これらが含有する任意の塩基性窒素含有基の第四級化物も含まれることが理解されるべきである。いくつかの実施形態では、このような第四級化によって、水または油に溶解性または分散性の生成物が得られる。本明細書で記載される化合物は、親化合物中に存在する酸性プロトンが、金属イオン、例えば、アルカリ金属イオン、アルカリ土類イオンもしくはアンモニウムイオンによって置き換えられる場合、または有機塩基と配位結合する場合のいずれかに形成される、薬学的に許容される塩として調製することができる。塩基付加塩は、本明細書で記載される化合物の遊離酸形態を、限定するものではないが、例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トロメタミンおよびN-メチルグルカミン等の有機塩基、ならびに例えば、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウムおよび水酸化ナトリウム等の無機塩基を含む、薬学的に許容される無機または有機塩基と反応させることによって調製される。加えて、開示される化合物の塩形態は、出発材料または中間体の塩を使用して調製することができる。
いくつかの実施形態では、本明細書で記載される化合物は、単独で、または医薬組成物における、薬学的に許容される担体、賦形剤もしくは希釈剤との組合せのいずれかで投与される。本明細書で記載される化合物および組成物の投与は、化合物を作用の箇所へ送達することができる任意の方法による影響を受けることがある。これらの方法としては、限定するものではないが、経腸経路(口、胃または十二指腸への栄養管、直腸坐薬および直腸浣腸を含む)、腸管外経路(動脈内、心臓内、皮内、十二指腸内、髄内、筋肉内、骨内、腹腔内、くも膜下腔内、血管内、静脈内、硝子体内、硬膜外および皮下を含む、注射または注入)、吸入、経皮、経粘膜、舌下、頬側および局所(皮表、皮膚、注腸、点眼、点耳、鼻腔内、膣を含む)投与による送達が挙げられるが、最も好適な経路は、例えば、レシピエントの状態および障害に依存しうる。例として挙げるにすぎないが、本明細書で記載される化合物は、例えば、外科手術中の局所注入、クリームもしくは軟膏等の局所塗布、注射、カテーテルまたは埋没によって、処置を必要とする領域に局所的に投与することができる。投与はまた、疾患のある組織または器官の箇所への直接的な注射によるものであってもよい。
いくつかの実施形態では、経口投与に好適な医薬組成物は、各々が所定の量の活性成分を含有する個別の単位、例えば、カプセル、カシェもしくはタブレットとして、粉末もしくは顆粒として、水性液体もしくは非水性液体中の溶液もしくは懸濁液として、または水中油型液体エマルションもしくは油中水型液体エマルションとして与えられる。いくつかの実施形態では、活性成分は、ボーラス、舐剤またはペーストとして与えられる。
経口で使用することができる医薬組成物としては、タブレット、ゼラチンで作製された押込嵌めカプセル、ならびにゼラチンと、グリセロールまたはソルビトール等の可塑剤とで作製された軟質の密封カプセルが挙げられる。タブレットは、任意選択で1種または複数の付属成分とともに、圧縮または成形によって作製されうる。圧縮タブレットは、好適な機械において、自由流動形態の活性成分、例えば、粉末または顆粒を、任意選択でバインダ、不活性希釈剤、または潤滑剤、界面活性剤もしくは分散剤と混合して、圧縮することによって調製されうる。成形タブレットは、好適な機械において、不活性液体希釈剤によって加湿した粉末化化合物の混合物を成形することによって作製されうる。いくつかの実施形態では、タブレットは、コーティングされており、または刻み目が付けられており、その中の活性成分をゆっくりとまたは制御して放出するように調合される。タブレットは、タブレットの製造に好適であり、非毒性の薬学的に許容される賦形剤と混和された活性成分を含有する。これらの賦形剤は、例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウムまたはリン酸ナトリウム等の不活性希釈剤;微結晶性セルロース、クロスカルメロースナトリウム、コーンスターチまたはアルギン酸等の顆粒剤および崩壊剤;結合剤、例えば、デンプン、ゼラチン、ポリビニルピロリドンまたはアカシア、ならびに潤滑剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルクであってもよい。タブレットは、コーティングされていなくてもよく、薬物の味を隠すため、または崩壊および胃腸管における吸収を遅延させ、これによってより長い期間にわたる持続的作用を提供するために、公知の技法によってコーティングされていてもよい。例えば、味を隠す水溶性材料、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロースもしくはヒドロキシプロピルセルロース、または時間遅延材料、例えば、エチルセルロースもしくは酢酸酪酸セルロースが、しかるべく用いられうる。経口使用のための調合物はまた、活性成分が不活性固体希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウムまたはカオリンと混合された硬質ゼラチンカプセルとして与えられてもよく、活性成分が水溶性担体、例えばポリエチレングリコール、または油媒体、例えば、ピーナッツ油、液体パラフィンもしくはオリーブ油と混合された軟質ゼラチンカプセルとして与えられてもよい。
経口投与のためのすべての調合物は、このような投与に好適な投与量であるべきである。押込嵌めカプセルは活性成分を、ラクトース等の充填剤、デンプン等のバインダ、および/またはタルクもしくはステアリン酸マグネシウム等の潤滑剤、ならびに任意選択で安定剤と混和された状態で含有することができる。軟質カプセル中では、活性化合物は、好適な液体、例えば、脂肪油、液体パラフィンまたは液体ポリエチレングリコールに溶解または懸濁していてもよい。いくつかの実施形態では、安定剤が加えられる。糖剤の核には、好適なコーティングが提供される。この目的のために、アラビアガム、タルク、ポリビニルピロリドン、カーボポールゲル、ポリエチレングリコールおよび/または二酸化チタン、ラッカー溶液、ならびに好適な有機溶媒または溶媒混合物を任意選択で含有しうる、濃縮糖溶液を使用してもよい。識別のため、または活性化合物用量の異なる組合せを特徴付けるために、タブレットまたは糖剤のコーティングに染料物質または顔料を加えてもよい。
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、注射による、例えば、ボーラス注射または持続注入による腸管外投与のために調合される。注射のための調合物は、単位投与量形態、例えばアンプルにおいて、または多用量容器において、保存料を加えて与えられてもよい。組成物は、油性または水性ビヒクル中の懸濁液、溶液またはエマルション等の形態をとってもよく、懸濁剤、安定剤および/または分散剤等の調合剤を含有してもよい。組成物は、単位用量または多用量容器、例えば、封止されたアンプルおよびバイアルにおいて与えられてもよく、使用の直前に滅菌液体担体、例えば、塩水または発熱性物質不含水を加えることのみを必要とする、粉末形態または冷凍乾燥(凍結乾燥)状態で保存されてもよい。即時注射溶液および懸濁液は、既に記載された種類の滅菌粉末、顆粒およびタブレットから調製されうる。
腸管外投与のための医薬組成物としては、抗酸化剤、緩衝剤、静菌剤、および意図されるレシピエントの血液と調合物を等張にする溶質を含有しうる、活性化合物の水性および非水性(油性)滅菌注射溶液;ならびに懸濁剤および増粘剤を含んでもよい、水性および非水性の滅菌懸濁液が挙げられる。好適な親油性溶媒またはビヒクルとしては、ゴマ油等の脂肪油、またはオレイン酸エチルもしくはトリグリセリド等の合成脂肪酸エステル、またはリポソームが挙げられる。水性注射懸濁液は、懸濁液の粘度を上昇させる物質、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトールまたはデキストランを含有してもよい。任意選択で、懸濁液はまた、高濃縮溶液の調製を可能にするために、好適な安定剤、または化合物の溶解性を上昇させる薬剤を含有してもよい。
医薬組成物はまた、デポ製剤として調合されてもよい。このような長期作用調合物は、埋没によって(例えば、皮下もしくは筋肉内に)、または筋肉内注射によって投与されうる。したがって、例えば、化合物は、好適なポリマー性もしくは疎水性材料(例えば、許容される油中のエマルションとして)、またはイオン交換樹脂とともに、あるいは溶解性が乏しい誘導体として、例えば溶解性が乏しい塩として調合されうる。
頬側または舌下投与のためには、組成物は、従来の方法で調合されたタブレット、ロゼンジ、パステル剤またはゲルの形態をとりうる。このような組成物は、活性成分を、スクロースおよびアカシアまたはトラガカント等の風味付き基剤中に含みうる。
医薬組成物はまた、坐薬または保留浣腸等の直腸用組成物において調合され、例えば、カカオバター、ポリエチレングリコールまたは他のグリセリド等の従来の坐薬基体を含有してもよい。
医薬組成物は局所的に、すなわち、非全身投与によって投与されうる。非全身投与としては、本発明の化合物を外部から表皮または口腔に塗布すること、ならびにこのような化合物を耳、目および鼻に点滴することが挙げられ、その結果、化合物は、血流に有意には入らない。対照的に、全身投与とは、経口、静脈内、腹腔内および筋肉内投与を指す。
局所投与に好適な医薬組成物としては、皮膚を通じた炎症の箇所への浸透に好適な液体または半液体調製物、例えば、ゲル、擦剤、ローション、クリーム、軟膏またはペースト、および目、耳または鼻への投与に好適なドロップ剤が挙げられる。活性成分は、局所投与の場合、調合物の0.001%w/w~10%w/w、例えば、1重量%~2重量%を構成しうる。
吸入による投与のための医薬組成物は、好都合には、吹送器、ネブライザー加圧パックまたは他の都合のよいエアロゾルスプレーを送達する手段から送達される。加圧パックは、好適な噴射剤、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロメタン、二酸化炭素または他の好適な気体を含んでもよい。加圧エアロゾルの場合、投与量単位は、計量された量を送達するためのバルブを提供することによって決定されうる。あるいは、吸入または吹送による投与の場合、医薬調製物は、乾燥粉末組成物、例えば、化合物と、好適な粉末基体、例えばラクトースまたはデンプンとの粉末ミックスの形態をとってもよい。粉末組成物は、単位投与量形態において、例えば、カプセル、カートリッジ、ゼラチンまたはブリスターパックにおいて与えられてもよく、これらから、吸入器または吹送器を用いて粉末が投与されうる。
水性懸濁液は、水性懸濁液の製造に好適な賦形剤と混和された活性材料を含有する。このような賦形剤は、懸濁剤、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントガムおよびアカシアガムであり、分散剤または湿潤剤は、天然に発生するリン脂質、例えば、レシチン、または酸化アルキレンと脂肪酸との縮合生成物、例えば、ステアリン酸ポリオキシエチレン、または酸化エチレンと長鎖脂肪族アルコールとの縮合生成物、例えば、ヘプタデカエチレンオキシセタノール、または酸化エチレンと、脂肪酸およびヘキシトールから誘導される部分エステルとの縮合生成物、例えば、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビトール、または酸化エチレンと、脂肪酸およびヘキシトール無水物から誘導される部分エステルとの縮合生成物、例えば、モノオレイン酸ポリエチレンソルビタンであってもよい。水性懸濁液はまた、1種または複数の保存剤、例えば、p-ヒドロキシ安息香酸エチルもしくはp-ヒドロキシ安息香酸n-プロピル、1種または複数の着色剤、1種または複数の風味剤、および1種または複数の甘味剤、例えば、スクロース、サッカリンまたはアスパルテームを含有してもよい。
好適な医薬担体としては、不活性の希釈剤または充填剤、水および様々な有機溶媒が挙げられる。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、追加の成分、例えば、風味料、バインダおよび賦形剤等を含有する。したがって、経口投与の場合、クエン酸等の様々な賦形剤を含有するタブレットは、様々な崩壊剤、例えば、デンプン、アルギン酸およびある特定の複合型ケイ酸塩と一緒に、ならびに結合剤、例えば、スクロース、ゼラチンおよびアカシアと一緒に用いられる。加えて、潤滑剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウムおよびタルクは、タブレット形成目的のためにしばしば有用である。他の実施形態では、同様のタイプの固体組成物が、軟質および硬質充填ゼラチンカプセルに用いられる。そのため、好ましい材料としては、ラクトースまたは乳糖、および高分子量ポリエチレングリコールが挙げられる。経口投与のために水性懸濁液またはエリキシルが所望されるある特定の実施形態では、中の活性化合物は、水、エタノール、プロピレングリコール、グリセリンまたはこれらの組合せ等の希釈剤と一緒に、様々な甘味剤または風味剤、着色物質または染料、および所望される場合、乳化剤または懸濁液と組み合わせられる。
いくつかの実施形態では、油性懸濁液は、活性成分を、植物油、例えば、落花生油、オリーブ油、ゴマ油もしくはココナッツ油中に、または鉱物油、例えば液体パラフィン中に懸濁させることによって調合される。ある特定の実施形態では、油性懸濁液は、増粘剤、例えばビーズワックス、硬質パラフィンまたはセチルアルコールを含有する。さらなる、または追加の実施形態では、上に述べたもの等の甘味剤、および風味剤が加えられて、味の良い経口調製物を提供する。他の実施形態では、これらの組成物は、抗酸化剤、例えば、ブチル化ヒドロキシアニソールまたはアルファ-トコフェロールを加えることによって保存処理される。
水を加えることによる水性懸濁液の調製に好適な分散性粉末および顆粒は、分散剤または湿潤剤、懸濁剤および1種または複数の保存料と混和した活性成分を提供する。好適な分散剤または湿潤剤および懸濁剤は、上で既に言及したものによって例示される。いくつかの実施形態では、追加の賦形剤、例えば、甘味剤、風味剤および着色剤も存在する。さらなる、または追加の実施形態では、これらの組成物は、抗酸化剤、例えばアスコルビン酸を加えることによって保存処理される。
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、水中油型エマルションの形態である。いくつかの実施形態では、油性相は、植物油、例えば、オリーブ油もしくは落花生油、もしくは鉱物油、例えば液体パラフィン、またはこれらの混合物である。好適な乳化剤としては、限定するものではないが、天然に発生するリン脂質、例えばダイズレシチン、および脂肪酸とヘキシトール無水物とから誘導されるエステルまたは部分エステル、例えばモノオレイン酸ソルビタン、および前記部分エステルと酸化エチレンとの縮合生成物、例えばモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタンが挙げられる。さらなる、または追加の実施形態では、エマルションは、甘味剤、風味剤、保存料および抗酸化剤を含有する。
いくつかの実施形態では、本明細書で記載される医薬組成物は、滅菌注射用水性溶液の形態である。用いられる許容されるビヒクルおよび溶媒としては、限定するものではないが、水、リンゲル溶液、リン酸緩衝生理食塩水、U.S.P.、ならびに等張塩化ナトリウム溶液、エタノールおよび1,3-ブタンジオールが挙げられる。
加えて、溶媒または懸濁媒体として、滅菌不揮発性油が任意選択で用いられる。この目的のため、合成モノまたはジグリセリドを含む任意の無刺激不揮発性油が、任意選択で用いられる。好適な親油性溶媒またはビヒクルとしては、ゴマ油等の脂肪油、またはオレイン酸エチルもしくはトリグリセリド等の合成脂肪酸エステル、またはリポソームが挙げられ、あるいは薬剤を血液成分または1つもしくは複数の器官に導くための他の微細粒子状系が使用されてもよい。いくつかの実施形態では、滅菌注射用調製物は、活性成分が油性相に溶解している、滅菌注射用水中油型マイクロエマルションである。ある特定の実施形態では、活性成分をまず、ダイズ油とレシチンとの混合物中に溶解させる。次いで、油性溶液を水とグリセロールとの混合物に導入し、マイクロエマルションを形成するための処理をする。さらなる、または追加の実施形態では、注射用溶液またはマイクロエマルションは、局所ボーラス注射によって、個体の血流に導入される。あるいは、いくつかの実施形態では、溶液またはマイクロエマルションは、当該化合物の一定の循環濃度を維持するように投与することが有利である。このような一定濃度を維持するために、連続静脈内送達装置が利用される。このような装置の例は、Deltec CADD-PLUS(商標)モデル5400静脈内ポンプである。
他の実施形態では、医薬組成物は、筋肉内および皮下投与のための滅菌注射用水性または油脂性懸濁液の形態である。さらなる、または追加の実施形態では、この懸濁液は、上で言及した好適な分散剤または湿潤剤、および懸濁剤を使用して調合される。いくつかの実施形態では、滅菌注射用調製物は、非毒性の腸管外で許容される希釈剤または溶媒中の滅菌注射用溶液または懸濁液であり、例えば1,3-ブタンジオール中溶液としてのものである。加えて、滅菌不揮発性油は、溶媒または懸濁媒体として従来用いられる。この目的のため、いくつかの実施形態では、合成モノまたはジグリセリドを含む任意の無刺激不揮発性油が、任意選択で用いられる。加えて、脂肪酸、例えばオレイン酸は、注射液の調製における使用が見出されている。
ある特定の実施形態では、医薬組成物は、薬物を直腸投与するために、坐薬の形態で投与される。これらの組成物は、活性成分を、通常の温度では固体であるが直腸温度では液体となる、好適な非刺激性賦形剤と混合することによって調製され、そのため、直腸内で溶解して薬物を放出することになる。このような材料としては、カカオバター、グリセリン化ゼラチン、水素化植物油、様々な分子量のポリエチレングリコールの混合物、およびポリエチレングリコールの脂肪酸エステルが挙げられる。
いくつかの実施形態では、本明細書で記載される化合物または組成物は、リポソーム等のビヒクルにおいて送達される。さらなる、または代替的な実施形態では、本明細書で記載される化合物および医薬組成物は、制御放出システムにおいて送達され、または制御放出システムを、治療標的に近接して配置することができる。一実施形態では、ポンプが使用される。
局所使用の場合、活性剤を含有するクリーム、軟膏、ゼリー、溶液または懸濁液等が使用される。ここで使用される場合、局所適用には、口の洗浄およびうがいが含まれる。
ある特定の実施形態では、医薬組成物は、好適な鼻腔内ビヒクルおよび送達装置の局所使用を通じて鼻腔内形態で、または経皮用皮膚パッチを使用して経皮経路を通じて投与される。経皮送達系の形態で投与されるため、この投与量の投与は、投与量レジメン全体を通じて、断続的ではなく連続的であることになる。
いくつかの実施形態では、本明細書で記載される医薬組成物は、シクロデキストリンをさらに含む。いくつかの実施形態では、シクロデキストリンは、約0.001%~約50%の範囲内の濃度(w/v)を有する。他の実施形態では、シクロデキストリンは、約2%~約48%の範囲内の濃度(w/v)を有する。他の実施形態では、シクロデキストリンは、約4%~約45%の範囲内の濃度(w/v)を有する。他の実施形態では、シクロデキストリンは、約10%~約43%の範囲内の濃度(w/v)を有する。他の実施形態では、シクロデキストリンは、約15%~約40%の範囲内の濃度(w/v)を有する。他の実施形態では、シクロデキストリンは、約20%~約38%の範囲内の濃度(w/v)を有する。他の実施形態では、シクロデキストリンは、約22%~約37%の範囲内の濃度(w/v)を有する。他の実施形態では、シクロデキストリンは、約25%~約35%の範囲内の濃度(w/v)を有する。好ましい実施形態では、シクロデキストリンは、約28%~約32%の範囲内の濃度(w/v)を有する。
本明細書で記載されるいくつかの実施形態は、シクロデキストリンをさらに含む組成物を提供し、シクロデキストリン誘導体がSBE7-β-CD(Captisol(登録商標))である場合、シクロデキストリンは、約15%、18%、20%、22%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%または38%の濃度(w/v)を有する。一実施形態では、シクロデキストリンは、シクロデキストリン誘導体がSBE7-β-CD(Captisol(登録商標))である場合、約30%の濃度(w/v)を有する。別の実施形態では、溶解性増強剤は、シクロデキストリン誘導体がSBE7-β-CD(Captisol(登録商標))である場合、約29.4%の濃度(w/v)を有する。
本明細書で記載される静脈内組成物における使用に好適な追加のシクロデキストリン誘導体は、当技術分野において公知であり、例えば、このような開示について各々が参照によって本明細書に組み込まれる、米国特許第5,134,127号および同第5,376,645号に記載されている。加えて、好適なシクロデキストリン誘導体の例を、以下に記載する。
本明細書で記載される組成物、方法およびキットのある特定の実施形態に有用である、好適なシクロデキストリンおよび誘導体としては、例えば、このような開示について各々が参照によって本明細書に組み込まれる、Challaら、AAPS PharmSciTech 6(2):E329-E357 (2005)、米国特許第5,134,127号、同第5,376,645号、同第5,874,418号に記載されているものが挙げられる。いくつかの実施形態では、本明細書で記載される組成物、方法およびキットのある特定の実施形態における使用に好適なシクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体としては、限定するものではないが、α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン、γ-シクロデキストリン、SAE-CD誘導体(例えば、SBE-α-CD、SBE-β-CD、SBE1-β-CD、SBE4-β-CD、SBE7-β-CD(Captisol(登録商標))およびSBE-γ-CD)(Cydex,Inc.Lenexa、KS)、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル(2-および3-ヒドロキシプロピルを含む)ならびにジヒドロキシプロピルエーテル、これらの対応する混合エーテル、ならびにメチル基またはエチル基を有するさらなる混合エーテル、例えば、α-、β-およびγ-シクロデキストリンのメチルヒドロキシエチル、エチル-ヒドロキシエチルおよびエチル-ヒドロキシプロピルエーテル;ならびに1つまたは複数の糖残基、例えば、グルコシルまたはジグルコシル、マルトシルまたはジマルトシルを含有してもよい、α-、β-およびγ-シクロデキストリンのマルトシル、グルコシルおよびマルトトリオシル(maltotriosyl)誘導体、ならびにこれらの様々な混合物、例えば、マルトシルおよびジマルトシル誘導体の混合物が挙げられる。本明細書で使用するための特定的なシクロデキストリン誘導体としては、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、ヒドロキシエチル-β-シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル-γ-シクロデキストリン、ヒドロキシエチル-γ-シクロデキストリン、ジヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、グルコシル-α-シクロデキストリン、グルコシル-β-シクロデキストリン、ジグルコシル-β-シクロデキストリン、マルトシル-α-シクロデキストリン、マルトシル-β-シクロデキストリン、マルトシル-γ-シクロデキストリン、マルトトリオシル-β-シクロデキストリン、マルトトリオシル-γ-シクロデキストリン、ジマルトシル-β-シクロデキストリン、ジエチル-β-シクロデキストリン、グルコシル-α-シクロデキストリン、グルコシル-β-シクロデキストリン、ジグルコシル-β-シクロデキストリン、トリ-O-メチル-β-シクロデキストリン、トリ-O-エチル-β-シクロデキストリン、トリ-O-ブチリル-β-シクロデキストリン、トリ-O-バレリル-β-シクロデキストリンおよびジ-O-ヘキサノイル-β-シクロデキストリン、ならびにメチル-β-シクロデキストリン、ならびにこれらの混合物、例えば、マルトシル-β-シクロデキストリン/ジマルトシル-β-シクロデキストリンが挙げられる。このようなシクロデキストリンを調製するために、例えば、このような開示について参照によって本明細書に組み込まれる、米国特許第5,024,998号に記載されている手順を含む、任意の好適な手順を利用してよい。本明細書で記載される組成物、方法およびキットのある特定の実施形態における使用に好適な他のシクロデキストリンとしては、カルボキシアルキルチオエーテル誘導体、例えば、ORGANON(AKZO-NOBEL)によるORG 26054およびORG 25969、EASTMANによるヒドロキシブテニルエーテル誘導体、例えば、このような開示について各々が参照によって本明細書に特定的に組み込まれる、米国特許出願第2002/0128468号、同第2004/0106575号、同第2004/0109888号および同第2004/0063663号、または米国特許第6,610,671号、同第6,479,467号、同第6,660,804号または同第6,509,323号に記載されているスルホアルキル-ヒドロキシアルキルエーテル誘導体、スルホアルキル-アルキルエーテル誘導体および他の誘導体が挙げられる。
ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンは、Research Diagnostics Inc.(Flanders、NJ)から入手することができる。例示的なヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン製品としては、Encapsin(登録商標)(置換度約4)およびMolecusol(登録商標)(置換度約8)が挙げられるが、しかしながら、他の置換度を含む実施形態も利用可能であり、本発明の範囲内である。
ジメチルシクロデキストリンは、FLUKA Chemie(Buchs、CH)またはWacker(Iowa)から入手可能である。本発明における使用に好適な他の誘導体化シクロデキストリンとしては、水溶性誘導化シクロデキストリンが挙げられる。例示的な水溶性誘導体化シクロデキストリンとしては、カルボキシ化誘導体;硫酸化誘導体;アルキル化誘導体;ヒドロキシアルキル化誘導体;メチル化誘導体;およびカルボキシ-β-シクロデキストリン、例えばスクシニル-β-シクロデキストリン(SCD)が挙げられる。これらの材料のすべては、当技術分野において公知の方法によって作製することができ、かつ/または商業的に入手可能である。好適な誘導体化シクロデキストリンは、Modified Cyclodextrins:Scaffolds and Templates for Supramolecular Chemistry(編Christopher J.Easton、Stephen F.Lincoln、Imperial College Press、London、UK、1999)およびNew Trends in Cyclodextrins and Derivatives(編Dominique Duchene、Editions de Sante、Paris、France、1991)に開示されている。
投薬および処置レジメン
一実施形態では、本明細書で記載される阻害剤および薬剤、またはその薬学的に許容される塩は、疾患または状態を処置するための医薬品の調製に使用される。このような処置を必要とする個体において、本明細書で記載される疾患または状態のいずれかを処置するための方法には、前記個体への本明細書で記載される医薬組成物の投与が関与する。
ある特定の実施形態では、本明細書で記載される組成物は、予防的および/または治療的処置のために投与される。ある特定の治療用途では、組成物は、疾患または状態を既に患っている患者に、疾患または状態の症状の少なくとも1つを治癒する、または少なくとも部分的に阻止するのに十分な量で投与される。この使用のために十分な量は、疾患または状態の重症度および経過、以前の治療、患者の健康状況、体重および薬物への反応、ならびに処置をする医師の判断に依存する。治療有効量は、限定するものではないが、用量漸増および/または用量範囲探索臨床試験を含む方法によって、任意選択で決定される。
予防的用途では、本明細書で記載される化合物を含有する組成物が、特定の疾患、障害または状態の影響を受けやすい、または他の点でリスクのある患者に投与される。このような量は、「予防的有効量または用量」であると定義される。この使用において、正確な量は、患者の健康の様相および体重等にも依存する。患者に使用する場合、この使用のための有効量は、疾患、障害または状態の重症度および経過、以前の治療、患者の健康状況および薬物への反応、ならびに処置をする医師の判断に依存することになる。一態様では、予防的処置は、疾患または状態の症状が戻ることを予防するために、処置される疾患の少なくとも1つの症状を以前に経験しており、現在は鎮静状態にある哺乳類に、本明細書で記載される化合物またはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を投与することを含む。
患者の状況が改善しているある特定の実施形態では、投与される薬物の用量は、ある特定の長さの時間(すなわち、「休薬期間」)の間、一時的に低減または一時的に中断される。特定的な実施形態では、休薬期間の長さは、1日から1年の間であり、例として挙げるにすぎないが、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、15日、16日、17日、18日、19日、20日、21日、28日、35日、50日、70日、100日、120日、150日、180日、200日、250日、280日、300日、320日、350日または365日が挙げられる。休薬期間中の用量の低減は、例として挙げるにすぎないが、10%~100%であり、例として挙げるにすぎないが、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%および100%が挙げられる。
ひとたび患者の状態の改善が起これば、必要な場合、維持用量が投与される。続いて、特定的な実施形態では、症状の関数としての投与量もしくは投与の頻度、または両方を、改善した疾患、障害または状態が保持されるレベルまで低減する。しかしながら、ある特定の実施形態では、患者は、いずれかの症状の再発の際には、長期間を基本とする断続的処置を必要とする。
このような量に対応する所与の薬剤の量は、特定の化合物、疾患の状態および重症度、ならびに処置を必要とする対象またはホストのアイデンティティ(例えば、体重、性)等の要因に応じて変動するが、それにもかかわらず、例えば、特定的な薬剤が投与されること、投与の経路、処置される状態、および処置される対象またはホストを含む、症例を取り巻く特定の状況によって決定される。
一実施形態では、式(II)の化合物またはその薬学的に許容される塩について適当な投与量は、1キログラムの体重当たり約1ミリグラム(「mg/kg」)~約20mg/kg(例えば、約1.25、2.5、5、10、15または20mg/kg)である。いくつかの実施形態では、投与量は約5mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与量は約10mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与量は約15mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与量は約20mg/kgである。
いくつかの実施形態では、投与量、または投与量形態中の活性成分の量は、個々の処置レジメンに関する複数の変数に基づいて、ここで指示される範囲よりも少ないまたは多い。様々な実施形態では、単位投与量は、限定するものではないが、使用する化合物の活性、処置する疾患または状態、投与のモード、個々の対象の要求事項、処置する疾患または状態の重症度、および実務者の判断を含む、複数の変数に応じて変化する。
いくつかの実施形態では、Bcl-2ファミリー阻害剤の投与量は、約5mgから約600mgの間である。いくつかの実施形態では、Bcl-2ファミリー阻害剤(例えばベネトクラクス)の投与量は、約10mg、約20mg、約50mg、約100mg、約200mg、約300mgまたは約400mである。いくつかの実施形態では、Bcl-2ファミリー阻害剤(例えばベネトクラクス)は、約10mgの用量で提供される。いくつかの実施形態では、Bcl-2ファミリー阻害剤(例えばベネトクラクス)は、約50mgの用量で提供される。いくつかの実施形態では、Bcl-2ファミリー阻害剤(例えばベネトクラクス)は、約100mgの用量で提供される。いくつかの実施形態では、Bcl-2ファミリー阻害剤(例えばベネトクラクス)は、約200mgの用量で提供される。いくつかの実施形態では、Bcl-2ファミリー阻害剤(例えばベネトクラクス)は、約400mgの用量で提供される。いくつかの実施形態では、Bcl-2ファミリー阻害剤(例えばベネトクラクス)は、約600mgの用量で提供される。いくつかの実施形態では、1用量のBcl-2ファミリー阻害剤が、1日当たり1回投与される。いくつかの実施形態では、1用量が毎日投与される。いくつかの実施形態では、1用量のBcl-2ファミリー阻害剤は、毒性または有害な副作用に応答して、控えられる、または低減させる。いくつかの実施形態では、1用量もない期間(例えば日)が予定される(例えば休薬期間)。いくつかの実施形態では、Bcl-2阻害剤は、休薬期間によって割り込まれて、1日1回投与される。いくつかの実施形態では、休薬期間は1日である。いくつかの実施形態では、休薬期間は2日である。いくつかの実施形態では、休薬期間は3日である。いくつかの実施形態では、休薬期間は7日である。いくつかの実施形態では、休薬期間の継続期間は、1つまたは複数の副作用の存在に基づいて決定される。いくつかの実施形態では、Bcl-2阻害剤は、用量を限定する毒性または副作用が低減または排除されるまで控えられる。いくつかの実施形態では、増加スケジュールに従った用量が投与される(例えば、最大用量に達するまで、用量を経時的に増加させ、次いで、その後の期間は一定に保持する)。いくつかの実施形態では、用量は毎週、20mgから50mgに、100mgに、200mgに、次いで最終的に400mgに増加させ、その後は毒性または有害事象の結果が出るまで、用量を400mgで一定に保持する。有効量の本明細書で記載される化合物、またはその薬学的に許容される塩が、(a)個体に全身的に投与される、および/または(b)個体に経口投与される、および/または(c)個体に静脈内投与される、および/または(d)個体に注射によって投与される、および/または(e)個体に局所的に投与される、および/または(f)個体に非全身的もしくは局所的に投与されるさらなる実施形態は、前述の態様のいずれかのうちである。
有効量の化合物の多重投与を含むさらなる実施形態は、(i)化合物が単一用量として、連続的または断続的に投与される、(ii)多重投与の間の時間が6時間毎である、(iii)化合物が個体に8時間毎に投与される、(iv)化合物が個体に12時間毎に投与される、(v)化合物が個体に24時間毎に投与される、さらなる実施形態が挙げられ、前述の態様のいずれかのうちである。さらなる、または代替的な実施形態では、この方法は休薬期間を含み、化合物の投与が一時的に中断され、または投与される化合物の用量を一時的に低減させ、休薬期間の終わりに化合物の投薬が再開される。一実施形態では、休薬期間の長さは1日から1年まで変動する。いくつかの実施形態では、両方の薬剤を同時に、組合せが投与される。いくつかの実施形態では、各薬剤を別々に、組合せが投与される。いくつかの実施形態では、酸化的リン酸化阻害剤(例えば、「ミトコンドリア阻害剤」、「ベンゾピラン誘導体」、または「式(II)の化合物もしくはその薬学的に許容される塩」)が、Bcl-2ファミリー阻害剤の前に投与される。いくつかの実施形態では、式(II)の化合物またはその薬学的に許容される塩が、Bcl-2阻害剤の前に投与される。いくつかの実施形態では、式(II)の化合物またはその薬学的に許容される塩が、Bcl-2阻害剤の約6時間~約10時間以内に投与される。いくつかの実施形態では、式(II)の化合物またはその薬学的に許容される塩が、Bcl-2阻害剤の約8時間以内に投与される。いくつかの実施形態では、式(II)の化合物またはその薬学的に許容される塩が、Bcl-2阻害剤に約8時間先立って投与される。
いくつかの実施形態では、酸化的リン酸化阻害剤(例えばベンゾピラン誘導体)またはその薬学的に許容される塩は、対象に1週間当たり3回投与され、Bcl-2ファミリー阻害剤は対象に毎日投与される。
いくつかの実施形態では、本明細書で記載される医薬組成物は、正確な投与量の単回投与に好適な単位投与量形態である。単位投与量形態において、調合物は、適当な量の1種または複数の活性成分を含有する単位用量に分割される。いくつかの実施形態では、単位投与量は、別個の量の調合物を含有する包装の形態である。非限定例は、包装されたタブレットまたはカプセル、およびバイアルまたはアンプル中の粉末である。いくつかの実施形態では、水性懸濁液組成物は、単回用量の最封不可能な容器に包装される。あるいは、多回用量の最封可能な容器が使用され、この場合、組成物中に保存料を含むことが典型的である。例として挙げるにすぎないが、腸管外注射のための調合物は、限定するものではないが、アンプルを含む単位投与量形態で、または加えられた保存料とともに多回用量容器で与えられる。
本明細書で記載されるいくつかの実施形態は、本明細書で記載されるがんの処置のための、本明細書で記載されるBcl-2ファミリー阻害剤を含む医薬組成物と組み合わせて使用するための、本明細書で記載される式(II)の化合物またはその鏡像異性体を含む医薬組成物を提供する。
本明細書で記載されるいくつかの実施形態は、本明細書で記載されるがんの処置のための、本明細書で記載される式(II)の化合物またはその鏡像異性体と、本明細書で記載されるBcl-2ファミリー阻害剤とを含む医薬組成物を提供する。
いくつかの実施形態は、本明細書で記載されるがんの処置のための、本明細書で記載される式(II)の化合物またはその鏡像異性体を含む医薬組成物と組み合わせて使用するための、Bcl-2ファミリー阻害剤を含む医薬組成物を提供する。
いくつかの好ましい実施形態は、本明細書で記載されるがんの処置のための、本明細書で記載されるBcl-2ファミリー阻害剤を含む医薬組成物と組み合わせて使用するための、式(II)の化合物を含む医薬組成物を含む。いくつかの好ましい実施形態では、本明細書で記載されるがんの処置のための、本明細書で記載されるBcl-2ファミリー阻害剤を含む医薬組成物と組み合わせて使用するための、3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-ヒドロキシフェニル)-8-メチルクロマン-7-オールを含む医薬組成物が提供される。いくつかの好ましい実施形態では、本明細書で記載されるがんの処置のための、本明細書で記載されるBcl-2ファミリー阻害剤を含む医薬組成物と組み合わせて使用するための、cis-3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-ヒドロキシフェニル)-8-メチルクロマン-7-オールを含む医薬組成物が提供される。いくつかの好ましい実施形態では、本明細書で記載されるがんの処置のための、本明細書で記載されるBcl-2ファミリー阻害剤を含む医薬組成物と組み合わせて使用するための、d-cis-3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-ヒドロキシフェニル)-8-メチルクロマン-7-オールを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、Bcl-2ファミリー阻害剤は、本明細書で記載される通り、ベネトクラクス、ナビトクラックス、オバトクラックス、ドセタキセル、ABT-737、APG2575、APG1252またはAT-101である。
ある特定の実施形態では、本明細書で記載される細胞増殖の調節不全に関係する疾患または障害の処置のための、少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、88%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%もしくは99.9%の、またはこれらを超える鏡像体過剰率における、本明細書で記載される式(II)の化合物のd-異性体を含む医薬組成物と組み合わせた、Bcl-2ファミリー阻害剤を含む医薬組成物が提供される。ある特定の実施形態では、本明細書で記載されるがんの処置のための、少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、88%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%もしくは99.9%の、またはこれらを超える鏡像体過剰率における、3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-ヒドロキシフェニル)-8-メチルクロマン-7-オールを含む医薬組成物と組み合わせるための、本明細書で記載されるBcl-2ファミリー阻害剤を含む医薬組成物が提供される。ある特定の実施形態では、本明細書で記載されるがんの処置のための、少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、88%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%もしくは99.9%の、またはこれらを超える鏡像体過剰率における、cis-3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-ヒドロキシフェニル)-8-メチルクロマン-7-オールを含む医薬組成物と組み合わせるための、本明細書で記載されるBcl-2ファミリー阻害剤を含む医薬組成物が提供される。ある特定の実施形態では、本明細書で記載されるがんの処置のための、少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、88%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%もしくは99.9%の、またはこれらを超える鏡像体過剰率における、d-cis-3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-ヒドロキシフェニル)-8-メチルクロマン-7-オールを含む医薬組成物と組み合わせるための、本明細書で記載されるBcl-2ファミリー阻害剤を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、Bcl-2ファミリー阻害剤はベネトクラクス(ABT-199、ベネクレクスタ)である。
本明細書で記載されるいくつかの実施形態は、本明細書で記載されるがんの処置のための、本明細書で記載されるBcl-2ファミリー阻害剤を含む医薬組成物と組み合わせて使用するための医薬品の製造のための、本明細書で記載される式(II)の化合物またはその鏡像異性体の使用を提供する。いくつかの実施形態では、Bcl-2ファミリー阻害剤はベネトクラクスである。
本明細書で記載されるいくつかの実施形態は、本明細書で記載されるがんの処置に使用するための医薬品の製造のための、本明細書で記載される式(II)の化合物またはその鏡像異性体とBcl-2ファミリー阻害剤との使用を提供する。
本明細書で記載されるいくつかの実施形態は、本明細書で記載されるがんの処置のための、本明細書で記載される式(II)の化合物またはその鏡像異性体を含む医薬組成物と組み合わせて使用するための、医薬品の製造のためのBcl-2ファミリー阻害剤の使用を提供する。
いくつかの好ましい実施形態は、本明細書で記載されるがんの処置のために、本明細書で記載されるBcl-2ファミリー阻害剤を含む医薬組成物と組み合わせて使用するための医薬品の製造のための、式(II)の化合物またはその鏡像異性体の使用を含む。いくつかの実施形態では、医薬品は、3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-ヒドロキシフェニル)-8-メチルクロマン-7-オールを含む。いくつかの実施形態では、医薬品は、cis-3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-ヒドロキシフェニル)-8-メチルクロマン-7-オールを含む。いくつかの実施形態では、医薬品は、d-cis-3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-ヒドロキシフェニル)-8-メチルクロマン-7-オールを含む。
以下の実施例は、説明目的のために提供されるにすぎず、本明細書で提供される特許請求の範囲を限定するものではない。
材料および方法
本明細書で記載されるように使用したAML細胞株としては、MOLM-13、MV4-11およびTHP-1が挙げられる。MOLM-13細胞は、AddexBio(San Diego、CA、USA)から購入する。MV4-11およびTHP-1細胞株は、American Type Culture Collection(Manassas、VA、USA)から購入する。細胞株を、10~20%のウシ胎仔血清(Thermo Fisher Scientific、Waltham、MA、USA)、2mMのL-グルタミン、100U/mLのペニシリンおよび100μg/mLのストレプトマイシンを含むRPMI 1640中で培養する。すべての細胞は、5%CO/95%空気を含有する37℃の加湿雰囲気において培養する。細胞株は、Karmanos Cancer InstituteにおけるGenomics Coreにおいて、Promega(Madison、WI、USA)製のPower-Plex 16 Systemを使用して認証されている。細胞株は、月に1回、PCRによってマイコプラズマの存在について試験する。
ベネトクラクス+化合物Aは細胞死を誘導し、AML細胞株における生存度が低下する
ヒト成人AML細胞株(MOLM-13)、ヒト小児AML細胞(MV4-11およびTHP-1)ならびにシタラビン耐性(araC-R)急性単球性白血病(AMoL)細胞株(U937)を、ベネトクラクスおよびd-cis-3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-ヒドロキシフェニル)-8-メチルクロマン-7-オール(化合物A)によって、単独または併用で処置し、アネキシンV-フルオレセインイソチオシアネート(FITC)/ヨウ化プロピジウム(PI)アポトーシスキット(Beckman Coulter、Brea、CA)を使用してフローサイトメトリー分析に供する。結果を、百分率アネキシンV陽性(アネキシンV+)細胞として表す。AML/AMoL細胞株について、実験を三重反復で独立して3回行い、提示するデータは、1つの代表的な実験からのものである。ベネトクラクスと化合物Aとの間の抗白血病相互作用の範囲および方向性は、併用指数(CI)を計算することによって決定する。CI<1は相乗効果を指し、CI=1は相加効果を指し、CI>1は拮抗効果を指す。***は、対照と比較してp<0.001を指す。
ベネトクラクスおよび化合物Aの抗白血病活性を、単独または併用において、臨床上達成可能な濃度で、MOLM-13、MV4-11、THP-1およびU937細胞株において評価する。単一の薬物処置は、アネキシンV+染色およびフローサイトメトリー分析によって測定される、高レベルのアポトーシスを誘導する。そしてさらに、ベネトクラクスと化合物Aとを併用する場合、任意の単一の薬物処置に対して、アポトーシスが有意に増加する(P<0.001)。加えて、ヨウ化プロピジウムによる染色(PI+)によって測定されるネクローシスは、がん細胞株における細胞死の追加的測定として挙げられる。相乗作用は、試験したすべての細胞株において、ベネトクラクスと化合物Aとの併用によって観察される。MOLM-13 AML細胞株におけるCIは0.68未満であり(図1A)、MV4-11 AML細胞株におけるCIは0.63未満であり(図1B)、THP-1 AML細胞株におけるCIは0.46未満であり(図1C)、シタラビン耐性U937細胞株におけるCIは0.64未満である(図1D)。
ベネトクラクスおよび化合物Aについて、単独または併用において、臨床上達成可能な濃度で、MOLM-13 AML細胞(図2A)、MV4-11 AML細胞(図2B)およびTHP-1 AML細胞(図2C)における生存率も決定する。単一薬物処置は一般に、対照と比較して、用量に依存する生存率の減少を示すが、その一方、ベネトクラクス+化合物Aの併用は、試験したすべての組合せにおいて、24時間後に評価した3種すべての細胞株における生存率において、統計的に有意な減少(P<0.001)を提供した。
H596扁平上皮肺がん細胞株におけるベネトクラクス+化合物A
H596扁平上皮肺がん細胞を、0μM(対照)、5μMおよび10μMの濃度における化合物Aによって、単独で、または30nMのベネトクラクスと一緒のいずれかで処置する。48時間後、百分率生存細胞によって測定される生存率を、各濃度の化合物Aにおいて、ベネトクラクスありまたはなしの両方で評価する。生存率は、MTT[3-(4,5-ジメチルチアゾール-2-イル)-2,5-ジフェニルテトラゾリウムブロミド]アッセイによって決定した。簡潔に述べれば、1×PBS中のMTT溶液を、0.5mg/mLの最終濃度において、各ウェルに加える。プレートを37℃において4時間インキュベートする。MTT媒体を注意深く吸引し、暗青色ホルマザンをDMSO(Sigma-Aldrich)に溶解させる。分光光度計(BioRad、Hercules、CA)によって、550/690nmにおける光学密度を測定する。各実験は三重反復で実施し、独立して3回繰り返す。結果(%生存度)は、非処置対照細胞に対して計算する。30nMのベネトクラクス+5μMおよび10μM濃度の化合物Aの併用の場合、対照に対して、細胞生存度における相乗的減少が観察される。30nMの用量のベネトクラクスは、対照(0μMの化合物A)における生存度の減少に有効ではなかったが、5μMおよび10μMの濃度の化合物Aにおいては、この併用は有効であった。H596細胞は、化合物A等の化合物による単独療法処置に耐性であることが、以前に見出されている。これらのデータは、この併用がベネトクラクス単独よりも優れていたため、薬物耐性細胞株においてさえ、ベネトクラクスと化合物Aとの併用についての相乗的利益を示唆している(図3)。

Claims (68)

  1. がんを処置する方法であって、前記方法は、それを必要とする対象に、有効量の
    (i)Bcl-2ファミリー阻害剤と、
    (ii)式(II)の化合物またはその薬学的に許容される塩であって、
    Figure 2023530253000024
    式中、
    は、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロアルキルまたはハロであり、
    は、ヒドロキシまたはアルコキシであり、
    、R、RおよびRは独立して、水素、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロ、ハロアルキルまたはアルキルであり、
    は、アルキルまたは水素であり、および、
    は、ヒドロキシまたはアルコキシである、化合物またはその薬学的に許容される塩と
    を投与することを含む、方法。
  2. が、ヒドロキシまたはアルコキシである、請求項1に記載の方法。
  3. がヒドロキシである、請求項1または2に記載の方法。
  4. 、R、RおよびRが独立して、水素またはアルキルである、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 、R、RおよびRが独立して水素である、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  6. が、メチルまたは水素である、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
  7. がヒドロキシまたはアルコキシであり、
    がヒドロキシまたはアルコキシであり、
    、R、RおよびRが独立して、水素、ヒドロキシ、アルコキシまたはアルキルであり、
    がアルキルまたは水素であり、および、
    がヒドロキシまたはアルコキシである、
    請求項1に記載の方法。
  8. がヒドロキシまたはアルコキシであり、
    がヒドロキシまたはアルコキシであり、
    、R、RおよびRが独立して水素であり、
    がアルキルまたは水素であり、および、
    がヒドロキシである、
    請求項1に記載の方法。
  9. がヒドロキシまたはメトキシであり、
    がヒドロキシまたはメトキシであり、
    、R、RおよびRが独立して、水素、ヒドロキシ、メトキシ、メチルあり、
    がメチルまたは水素であり、および、
    がヒドロキシまたはメトキシである、
    請求項1に記載の方法。
  10. がヒドロキシまたはメトキシであり、
    がヒドロキシまたはメトキシであり、
    、R、RおよびRが独立して水素であり、
    がメチルまたは水素であり、および、
    がヒドロキシである、
    請求項1に記載の方法。
  11. 式(II)の化合物が3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-ヒドロキシフェニル)-8-メチルクロマン-7-オールである、請求項1に記載の方法。
  12. 式(II)の化合物がcis-3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-ヒドロキシフェニル)-8-メチルクロマン-7-オールである、請求項1に記載の方法。
  13. 式(II)の化合物がd-cis-3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-ヒドロキシフェニル)-8-メチルクロマン-7-オールである、請求項1に記載の方法。
  14. Bcl-2ファミリー阻害剤が、Bcl-2、Bcl-xL、Bcl-x、Bcl-w、Bcl-b、BH3-onlyまたはMCL-1の阻害剤である、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
  15. Bcl-2ファミリー阻害剤がBcl-2の阻害剤である、請求項1から14のいずれか一項に記載の方法。
  16. Bcl-2ファミリー阻害剤がBH3ミメティックである、請求項1から15のいずれか一項に記載の方法。
  17. Bcl-2ファミリー阻害剤が、ベネトクラクス、ナビトクラックス、オバトクラックスメシレート、ABT-737、APG2575、APG1252またはAT-101である、請求項1から16のいずれか一項に記載の方法。
  18. Bcl-2ファミリー阻害剤がベネトクラクスである、請求項1から17のいずれか一項に記載の方法。
  19. がんが、白血病、リンパ腫、肺がんまたは血液学的悪性疾患である、請求項1から18のいずれか一項に記載の方法。
  20. がんが、白血病またはリンパ腫である、請求項1から19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 白血病が、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、急性リンパ性白血病(ALL)または慢性リンパ性白血病(CLL)である、請求項1から20のいずれか一項に記載の方法。
  22. 白血病が急性骨髄性白血病(AML)である、請求項21に記載の方法。
  23. がんが肺がんである、請求項1から19のいずれか一項に記載の方法。
  24. 肺がんが、非小細胞肺がん(NSCLC)、小細胞肺がん(SCLC)、肺カルチノイド腫瘍または腺様嚢胞がん腫である、請求項23に記載の方法。
  25. 非小細胞肺がん(NSCLC)が、肺腺がん腫、扁平上皮細胞がん腫、大細胞(未分化型)がん腫、腺扁平上皮がん腫または肉腫様がん腫である、請求項24に記載の方法。
  26. がんが、Bcl-2阻害剤に非応答性または耐性である、請求項1から25のいずれか一項に記載の方法。
  27. Bcl-2ファミリー阻害剤と式(II)の化合物とが同時に投与される、請求項1から26のいずれか一項に記載の方法。
  28. Bcl-2ファミリー阻害剤と式(II)の化合物とが逐次的に投与される、請求項1から26のいずれか一項に記載の方法。
  29. 白血病を処置する方法であって、前記方法は、それを必要とする対象に、有効量の
    (i)Bcl-2ファミリー阻害剤と、
    (ii)式(II)の化合物またはその薬学的に許容される塩であって、
    Figure 2023530253000025
    式中、
    は、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロアルキルまたはハロであり、
    は、ヒドロキシまたはアルコキシであり、
    、R、RおよびRは独立して、水素、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロ、ハロアルキルまたはアルキルであり、
    は、アルキルまたは水素であり、および、
    は、ヒドロキシまたはアルコキシである、化合物またはその薬学的に許容される塩と
    を投与することを含む方法。
  30. 白血病が、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、急性リンパ性白血病(ALL)または慢性リンパ性白血病(CLL)である、請求項29に記載の方法。
  31. 白血病が急性骨髄性白血病(AML)である、請求項29または30に記載の方法。
  32. Bcl-2ファミリー阻害剤が、ベネトクラクス、ナビトクラックス、オバトクラックスメシレート、ABT-737、APG2575、APG1252またはAT-101である、請求項29から31のいずれか一項に記載の方法。
  33. Bcl-2ファミリー阻害剤がベネトクラクスである、請求項29から32のいずれか一項に記載の方法。
  34. 式(II)の化合物が、3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-ヒドロキシフェニル)-8-メチルクロマン-7-オールである、請求項29から33のいずれか一項に記載の方法。
  35. 式(II)の化合物が、cis-3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-ヒドロキシフェニル)-8-メチルクロマン-7-オールである、請求項29から33のいずれか一項に記載の方法。
  36. 式(II)の化合物が、d-cis-3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-ヒドロキシフェニル)-8-メチルクロマン-7-オールである、請求項29から33のいずれか一項に記載の方法。
  37. 肺がんを処置する方法であって、前記方法は、それを必要とする対象に、有効量の
    (i)Bcl-2ファミリー阻害剤と、
    (ii)式(II)の化合物またはその薬学的に許容される塩であって、
    Figure 2023530253000026
    式中、
    は、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロアルキルまたはハロであり、
    は、ヒドロキシまたはアルコキシであり、
    、R、RおよびRは独立して、水素、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロ、ハロアルキルまたはアルキルであり、
    は、アルキルまたは水素であり、および、
    は、ヒドロキシまたはアルコキシである、化合物またはその薬学的に許容される塩と
    を投与することを含む方法。
  38. 肺がんが、非小細胞肺がん(NSCLC)、小細胞肺がん(SCLC)、肺カルチノイド腫瘍または腺様嚢胞がん腫である、請求項7に記載の方法。
  39. 非小細胞肺がん(NSCLC)が、肺腺がん腫、扁平上皮細胞がん腫、大細胞(未分化型)がん腫、腺扁平上皮がん腫または肉腫様がん腫である、請求項38に記載の方法。
  40. Bcl-2ファミリー阻害剤が、ベネトクラクス、ナビトクラックス、オバトクラックスメシレート、ABT-737、APG2575、APG1252またはAT-101である、請求項37から39のいずれか一項に記載の方法。
  41. Bcl-2ファミリー阻害剤がベネトクラクスである、請求項37から40のいずれか一項に記載の方法。
  42. 式(II)の化合物が、3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-ヒドロキシフェニル)-8-メチルクロマン-7-オールである、請求項37から41のいずれか一項に記載の方法。
  43. 式(II)の化合物が、cis-3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-ヒドロキシフェニル)-8-メチルクロマン-7-オールである、請求項37から41のいずれか一項に記載の方法。
  44. 式(II)の化合物が、d-cis-3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-ヒドロキシフェニル)-8-メチルクロマン-7-オールである、請求項37から41のいずれか一項に記載の方法。
  45. (i)Bcl-2ファミリー阻害剤と、
    (ii)式(II)の化合物またはその薬学的に許容される塩であって、
    Figure 2023530253000027
    式中、
    は、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロアルキルまたはハロであり、
    は、ヒドロキシまたはアルコキシであり、
    、R、RおよびRは独立して、水素、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロ、ハロアルキルまたはアルキルであり、
    は、アルキルまたは水素であり、および、
    は、ヒドロキシまたはアルコキシである、化合物またはその薬学的に許容される塩と
    (iii)薬学的に許容される賦形剤と
    を含む医薬組成物。
  46. Bcl-2ファミリー阻害剤が、ベネトクラクス、ナビトクラックス、オバトクラックスメシレート、ABT-737、APG2575、APG1252またはAT-101である、請求項45に記載の医薬組成物。
  47. Bcl-2ファミリー阻害剤がベネトクラクスである、請求項45または46に記載の医薬組成物。
  48. 式(II)の化合物が、3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-ヒドロキシフェニル)-8-メチルクロマン-7-オールである、請求項45から47のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  49. 式(II)の化合物が、cis-3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-ヒドロキシフェニル)-8-メチルクロマン-7-オールである、請求項45から47のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  50. 式(II)の化合物が、d-cis-3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-ヒドロキシフェニル)-8-メチルクロマン-7-オールである、請求項45から47のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  51. Bcl-2ファミリー阻害剤を充填された1つまたは複数の容器と、式(II)の化合物またはその薬学的に許容される塩であって、
    Figure 2023530253000028
    式中、
    は、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロアルキルまたはハロであり、
    は、ヒドロキシまたはアルコキシであり、
    、R、RおよびRは独立して、水素、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロ、ハロアルキルまたはアルキルであり、
    は、アルキルまたは水素であり、および、
    は、ヒドロキシまたはアルコキシである、化合物またはその薬学的に許容される塩を充填された1つまたは複数の容器とを含むキット。
  52. Bcl-2阻害剤がベネトクラクスである、請求項51に記載のキット。
  53. 少なくとも1種の式(II)の化合物が、3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-ヒドロキシフェニル)-8-メチルクロマン-7-オールである、請求項51または52に記載のキット。
  54. 少なくとも1種の式(II)の化合物が、cis-3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-ヒドロキシフェニル)-8-メチルクロマン-7-オールである、請求項51または52に記載のキット。
  55. 少なくとも1種の式(II)の化合物が、d-cis-3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-ヒドロキシフェニル)-8-メチルクロマン-7-オールである、請求項51または52に記載のキット。
  56. Bcl-2ファミリー阻害剤と組み合わせて使用するための、式(II)の化合物またはその薬学的に許容される塩であって、
    Figure 2023530253000029
    式中、
    は、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロアルキルまたはハロであり、
    は、ヒドロキシまたはアルコキシであり、
    、R、RおよびRは独立して、水素、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロ、ハロアルキルまたはアルキルであり、
    は、アルキルまたは水素であり、および、
    は、ヒドロキシまたはアルコキシである、化合物またはその薬学的に許容される塩。
  57. がんの処置に使用するための、請求項56に記載の化合物。
  58. 白血病、リンパ腫、肺がんまたは血液学的悪性疾患の処置に使用するための、請求項56に記載の化合物。
  59. 白血病またはリンパ腫の処置に使用するための、請求項56に記載の化合物。
  60. 急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、急性リンパ性白血病(ALL)または慢性リンパ性白血病(CLL)の処置に使用するための、請求項56に記載の化合物。
  61. 急性骨髄性白血病(AML)の処置に使用するための、請求項56に記載の化合物。
  62. 急性骨髄性白血病(AML)の処置に使用するための化合物であって、AMLが再発性または難治性(r/r AML)である、請求項56に記載の化合物。
  63. 標準治療療法に耐性であるAMLまたはr/r AMLの処置に使用するための、請求項56に記載の化合物。
  64. AMLまたはr/r AMLが、シタラビン、ベントクラクス、または酸化的リン酸化阻害剤に耐性である、請求項62に記載の化合物。
  65. 式(II)の化合物が、3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-ヒドロキシフェニル)-8-メチルクロマン-7-オールである、請求項56に記載の化合物。
  66. 式(II)の化合物が、cis-3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-ヒドロキシフェニル)-8-メチルクロマン-7-オールである、請求項56に記載の化合物。
  67. 式(II)の化合物が、d-cis-3-(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-ヒドロキシフェニル)-8-メチルクロマン-7-オールである、請求項56に記載の化合物。
  68. Bcl-2ファミリー阻害剤がベネトクラクスである、請求項56から67のいずれか一項に記載の化合物。
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