JP2023530123A - 射出成形装置内の不動作金型空洞を検出及び補償する方法 - Google Patents

Abstract

複数の金型空洞と、射出成形ねじ又はラムとを有する射出成形装置内の不動作金型空洞を検出及び補償する方法は、射出成形ねじ又はラムを介して、溶融熱可塑性材料を複数の金型空洞内に射出することを含む。方法は、射出中又は射出後の所定の時間に、射出成形装置の第１のプロセスパラメータを測定することを含む。方法はまた、第１のプロセスパラメータに基づいて、複数の金型空洞のうちの１つ以上の金型空洞が不動作であるかどうかを判定することを含む。次いで、１つ以上の金型空洞が不作動であると判定されると、方法は、射出成形装置の第１のプロセスパラメータ又は第２のプロセスパラメータを自動的に調整することを含む。

Description

本開示は、概して、射出成形のための装置及び方法、より具体的には、金型内の不動作（例えば、ブロックされた）空洞を検出及び補償するための装置及び方法に関する。

関連出願の相互参照
本出願は、２０２０年６月１５日に出願された米国仮出願第６３／０３９，３５６号の利益を主張し、その全内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。

射出成形は、熱可塑性材料から作製される部品の大量生産に一般的に使用される技術である。反復射出成形プロセス中、ほとんどの場合、小さなビーズ又はペレットの形態の熱可塑性樹脂が、熱及び圧力下で樹脂ビーズを溶融させる射出成形装置に導入される。ここで溶融した樹脂は、特定の空洞形状を有する金型空洞内に強制的に射出される。射出されたプラスチックは、金型空洞内に圧力下で保持され、冷却され、次いで、基本的に金型の空洞形状を複製する形状を有する固化部品として、取り出される。金型自体は、単一の空洞又は複数の空洞を有し得る。

本明細書で使用される場合、射出成形サイクル、又は単に「サイクル」は、（１）ポリマー材料のショットを溶融させるステップと、（２）（典型的には、金型空洞内への射出前に溶融熱可塑性材料が加熱される温度に対して、金型壁が冷却状態にある間に）１つ以上の金型空洞を画定する金型壁を一緒に形成する金型コア及び金型空洞プレートなどの金型の２つ（又はそれ以上）の部分を一緒にクランプするステップと、（３）溶融ポリマー材料を１つ以上の金型空洞内に射出するステップと、（４）材料をパック又は保持する、すなわち、金型が満杯になった後に、材料に１つ以上の設定圧力を印加して、空洞内での十分な緻密化を確実にし、ゲート又はランナー内の材料の固化を待って、材料が、ゲート又はランナーを通って反対方向に流れるのを防止するステップと、（５）取り出されたときに部品がその成形形状を維持するように、成形部品の少なくとも外面が十分に堅固であるように、成形されたポリマー材料が、部品を取り出すのに十分な温度まで冷却する、すなわち、温度がその溶融温度を下回るまで、ある期間待つステップと、（６）１つ以上の金型空洞を画定する金型の部分を開放するステップと、（７）成形部品を１つ以上の金型空洞から取り出すステップと、（８）２つ（又はそれ以上）の金型セクションを（後続のサイクルのために）閉じるステップと、を含み得る。

本開示は、射出成形サイクル中に多空洞金型内の少なくとも１つの不動作空洞を検出し、射出成形サイクルのプロセスパラメータを自動的に調整して、少なくとも１つの不動作空洞を補償する方法を記載する。

新規であると考えられる本開示の特徴は、添付の特許請求の範囲に詳細に記載されている。本開示は、同様の参照番号が、いくつかの図面において同様の要素を識別する添付の図面と併せて、以下の説明を参照することによって最良に理解され得る。

本開示の教示に従って構成された射出成形装置の一例の概略図を例解する。 図１の定圧射出成形装置の多空洞金型内の不動作空洞を検出し、自動的に調整する方法の一例を表すフローチャートである。 図１の射出成形装置のバレルの断面図であり、射出成形装置の往復ねじの実際の位置を示す。 図３Ａと同様であるが、往復ねじの予想される位置を示す。 図１の射出成形装置のバレルの断面図であり、実際のクッションを示す。 図４Ａと同様であるが、予想されるクッションを示す。

本発明の実施形態は、概して、射出成形によって部品を生産するシステム、機械、製品、及び方法に関し、より具体的には、多空洞金型内の不動作空洞を検出し、プロセスパラメータを自動的に調整して、少なくとも１つの空洞が不動作であるにもかかわらず、良品質の部品を生産し続けるシステム、部品、及び方法に関する。

本明細書で使用される場合、「プロセスパラメータ」という語句は、概して、射出成形装置の多空洞金型を使用して作成される部品の品質に少なくとも部分的に関与する、射出成形装置のパラメータを指す。例えば、「プロセスパラメータ」としては、射出成形装置の射出ノズルのノズル圧力、射出成形装置内に配設された往復ねじの位置、溶融熱可塑性材料のクッション、射出成形装置の多空洞金型内に射出されている溶融熱可塑性材料の溶融圧力、往復ねじの予想される移動量、熱可塑性材料のショットサイズ、ねじ位置設定点及び時間設定点などの充填終了遷移点、又はサイクル中の射出成形装置の動作若しくは製品の品質に影響を与える可能性のある任意の他のパラメータが挙げられ得るが、これらに限定されない。

本明細書で使用される場合、「空洞充填率（ｃａｖｉｔｙ ｐｅｒｃｅｎｔ ｆｉｌｌ）」という用語は、体積ベースで充填される空洞の割合、又は溶融材料の重量若しくは質量に関連して充填される空洞の割合を指し得る。例えば、空洞が９５％充填されている場合、充填されている金型空洞の総体積は、金型空洞の総体積容量の９５％である。代替的に、空洞が９５％充填されている場合、金型内の材料の総重量は、完全な部品の重量仕様の９５％に等しい。

本明細書で使用される場合、「クッション」という用語は、射出成形サイクルの終わりにおいて、チェックリングの前面からバレルの端部までの距離を指す。クッションは、概して、金型の体積及び目標ショットサイズの両方に基づく。一定の体積を有する所与の金型では、目標ショットサイズを増加させると、クッションも増加する。逆に、目標ショットサイズを減少させると、クッションも減少する。

本明細書で使用される場合、「サイクルタイム」という用語は、射出成形部品を完全に形成するために必要な射出成形プロセスの単一の反復として定義される。サイクルタイムは、溶融熱可塑性材料を金型空洞内に前進させるステップと、金型空洞を熱可塑性材料で実質的に充填するステップと、空洞内の熱可塑性材料をパックする、及び／又は熱可塑性材料にかかる圧力を保持するステップと、熱可塑性材料を冷却するステップと、第１及び第２の金型側を分離して、冷却した熱可塑性材料を露出させるステップと、熱可塑性材料を取り出すステップと、第１及び第２の金型側を閉じるステップと、を実行するのにかかる総合時間（ｃｏｌｌｅｃｔｉｖｅ ｔｉｍｅ）を含む。

本明細書で使用される場合、「充填された」及び「満杯の」という用語は、熱可塑性材料を含む金型空洞に関して使用されるとき、交換可能であり、両方の用語とも、熱可塑性材料が、金型空洞の最大体積容量に達したことを意味する。

本明細書で使用される場合、「流頭」という語句は、溶融ポリマー材料が、金型空洞のノズル又はゲート（すなわち、溶融ポリマー材料の金型空洞内への１つ又は複数の導入点）から金型空洞の充填終了場所に向かって、及び最終的に充填終了位置に進行しているときに、金型空洞を画定する金型の表面によって経験される、溶融ポリマー材料のショットの前縁部を指す。

本明細書で使用される場合、「流量」という語句は、概して、射出ノズルで測定されるポリマーの体積流量を指す。この流量は、射出速度、熱可塑性材料の圧縮性、射出ノズルで測定される、熱可塑性材料によって経験された圧力、及びノズルの断面積に基づいて計算されるか、又は射出ノズル内に位置する好適なセンサで測定され得る。

本明細書で使用される場合、「溶融温度」という語句は、概して、ポリマーを溶融状態に維持する、射出ユニット／バレル内、及びホットランナーシステムが使用される場合には材料供給システム内で維持されるポリマーの温度を指す。溶融温度は、材料によって異なる。しかしながら、所望の溶融温度は、概して、材料製造業者によって推奨される範囲内に収まると理解される。

本明細書で使用される場合、「金型シミュレータ」という用語は、射出成形サイクルをシミュレート又はモデル化して、射出成形装置を使用して実行される後続の実際の射出成形サイクル中の射出成形装置の予測又は予想されるパラメータを判定するために使用される、ＡＵＴＯＤＥＳＫ，ＩＮＣ．（Ｓａｎ Ｒａｆｅａｌ，Ｃａｌｉｆｏｒｎｉａ）によるＡＵＴＯＤＥＳＫ（登録商標）ＭＯＬＤＦＬＯＷ（登録商標）ＡＤＶＩＳＥＲ（商標）などのソフトウェアシミュレータとして定義される。「金型シミュレータ」は、例えば、一定の時間間隔で、往復ねじの予想される位置、又は溶融熱可塑性材料の流頭の予想される場所を判定し得る。「金型シミュレータ」は、圧力プロファイルも生成し得、それに従って、射出成形システムは、選択された流頭速度プロファイルを達成するために動作し得る。より具体的には、「金型シミュレータ」は、金型空洞であって、その長さに沿って離間され、正確な間隔が、選択されたプロファイルに依存する輪郭線を有する、金型空洞、のモデルを生成し得る。輪郭線は、例えば、所望の最大値を超えない、金型空洞の充填全体にわたる流頭速度、又はカスタム流頭プロファイルに基づいて、金型空洞の充填全体にわたって変化する流頭速度を描写し得る。

本明細書で使用される場合、「生産バージョン」という用語は、「良品質の成形部品」である射出成形部品を指す。

本明細書で使用される場合、「良品質の成形部品」という用語は、定義された許容範囲内で、１つ以上の所定の寸法要件、性能要件、及び／又は審美的要件を満たし、かつ概して欠陥がない成形部品を指す。そのような寸法要件としては、部品の長さ、幅、経路長若しくは周囲長、厚さ、偏心度、平坦度若しくは反り、平行度、直角度、及び／又は同心度が挙げられ得るが、これらに限定されない。そのような性能要件としては、引張荷重、圧縮荷重、ねじり荷重などの負荷に耐える及び／又は負荷を吸収すること、振動への曝露、電気負荷に耐える及び／又は電気負荷を吸収すること、並びに定格期間にわたって環境曝露に耐えることが挙げられ得るが、これらに限定されない。追加の性能要件としては、共振周波数、高調波、及び減衰挙動などの音響特性、並びに透過率、分散、鏡面性、反射率、及び許容収差などの光学性能が挙げられ得る。審美的要件としては、色、質感、表面質感、ニットライン、赤み、ギャップトラップの痕跡（ｇａｐ ｔｒａｐ ｖｅｓｔｉｇｅｓ）、マーキング、例えば、焼け跡若しくは望ましくないマーキングが存在しないこと、及び可視のヒケが挙げられ得るが、これらに限定されない。良品質の部品はまた、欠陥を実質的に含まず、内部空隙を欠くか、又は機械的、電気的、若しくは光学的性能を損なわない内部空隙のみを含むこと、モールドイン応力を実質的に含まないか、又は所与の許容範囲内のモールドイン応力を有すること、並びに成形プロセス中にショートショット又はフリーズｆ（ｆｒｅｅｚｅ－ｆ）から生じる欠陥を実質的に含まないことが挙げられるが、これらに限定されない。部品の顧客によって指定される他の要件又は部品仕様も、この定義の企図内である。例えば、顧客は、成形部品が、所与の引張弾性率及び／若しくは曲げ弾性率、耐衝撃性、硬度、耐薬品性及び／若しくは薬品適合性、耐摩耗性、熱伝導性及び／若しくは熱抵抗率、電気伝導性及び／若しくは電気抵抗率、反射率、鏡面性、透明度、透過率、屈折率、並びに／又は摩擦係数を有することを要求し得る。

本明細書で使用される場合、「ショットサイズ」という用語は、概して、１つ又は複数の金型空洞を完全に充填するために、射出ユニット／バレルから射出されるポリマーの体積を指す。ショットサイズは、射出直前の射出ユニット／バレル内のポリマーの温度及び圧力に基づいて判定される。言い換えれば、ショットサイズは、所与の温度及び圧力で、射出成形ねじ又はラムのストロークで射出される溶融プラスチック材料の総体積である。ショットサイズは、１つ以上のゲートを通して、溶融プラスチック材料を１つ以上の射出空洞内に射出することを含み得る。溶融プラスチック材料のショットはまた、１つ以上の射出ユニット／バレルによって調製及び射出され得る。

図面を詳細に参照すると、図１は、概して、射出システム１２とクランプシステム１４と、を含む、例示的な射出成形装置１０を例解する。熱可塑性材料は、熱可塑性ペレット１６の形態で射出システム１２に導入され得る。熱可塑性ペレット１６は、熱可塑性ペレット１６を射出システム１２の加熱バレル２０に供給するホッパー１８に入れることができる。熱可塑性ペレット１６は、加熱バレル２０に供給された後、往復ねじ２２によって、加熱バレル２０の端部まで駆動され得る。加熱バレル２０の加熱及び往復ねじ２２による熱可塑性ペレット１６の圧縮により、熱可塑性ペレット１６が溶融し、溶融熱可塑性材料２４が形成される。

往復ねじ２２は、溶融熱可塑性材料２４をノズル２６に向かって押して、プラスチック材料のショットを形成し、プラスチック材料のショットは、溶融熱可塑性材料２４の流れを金型空洞３２に導く１つ以上のゲート３０、好ましくは３つ以下のゲートを介して、金型２８の金型空洞３２内に射出される。他の実施形態では、ノズル２６は、供給システム（図示せず）によって１つ以上のゲート３０から分離され得る。金型空洞３２は、金型２８の第１の金型側２５と第２の金型側２７との間に形成され、第１の金型側２５及び第２の金型側２７は、プレス又はクランプユニット３４による圧力下で、一緒に保持される。プレス又はクランプユニット３４は、成形プロセス中に２つの金型半分２５、２７を分離するように作用する射出圧力によって加えられる力よりも大きいクランプ力を適用し、それによって溶融熱可塑性材料２４が金型空洞３２に射出される間、第１及び第２の金型側２５、２７を一緒に保持する。これらのクランプ力を支持するために、クランプシステム１４は、金型フレーム及び金型ベースを含み得る。

溶融熱可塑性材料２４のショットが金型空洞３２に射出されると、往復ねじ２２は前方への移動を停止する。溶融熱可塑性材料２４は、材料が金型空洞３２を充填するとき、金型空洞３２の形態を採る。溶融熱可塑性材料２４は、熱可塑性材料２４が固化するまで、金型空洞３２内で冷却する。熱可塑性材料２４が固化すると、プレス３４は、第１及び第２の金型側２５、２７を解放し、第１及び第２の金型側２５、２７は、互いに分離され、完成部品は、金型２８から取り出され得る。金型２８は、全体の生産速度を高めるために、複数の金型空洞３２（例えば、８個、１６個、２４個、４８個、７２個の金型空洞）を含み得る。参照を容易にするために、複数の金型空洞３２を有する金型２８は、「多空洞金型」と称され得る。複数の金型空洞３２の空洞の形状は、同一、類似、又は互いに異なり得る。（後者は、金型空洞３２のファミリーとみなされ得る）。

コントローラ５０は、ノズル２６の近くに位置するセンサ５２及びねじ制御３６と通信可能に接続される。コントローラ５０は、マイクロプロセッサと、記憶された少なくとも１つのデータベースを有するメモリと、１つ以上の通信リンクと、を含み得る。センサ５２は、熱可塑性材料が、金型空洞３２内への充填の終わりに近づいているときの表示を提供し得る。センサ５２は、熱可塑性材料の存在を光学的に、音響的に、空気圧的に、機械的に、電気機械的に、又は別様に熱可塑性材料の圧力及び／若しくは温度を感知することによって、感知し得る。熱可塑性材料の圧力又は温度がセンサ５２によって測定されると、このセンサ５２は、圧力又は温度を示す信号をコントローラ５０に送信して、充填が完了するときに、コントローラ５０が、金型空洞３２内（又はノズル２６内）に維持する目標圧力を提供し得る。信号は、概して、材料の粘度、金型温度、溶融温度の変動、及び充填速度に影響を与える他の変動がコントローラ５０によって調整されるように、成形プロセスを制御するために使用され得る。これらの調整は、成形サイクル中に即座に行われ得るか、又は補正が、後続のサイクルで行われ得る。更に、いくつかの信号が、いくつかのサイクルにわたって計算で使用され得、次いで、成形サイクルへの調整を計算するために、コントローラ５０によって使用され得る。コントローラ５０は、それぞれ有線接続５４、５６を介して、センサ５２及びねじ制御３６に接続され得る。他の実施形態では、コントローラ５０は、無線接続、機械的接続、油圧接続、空気圧接続、又はコントローラ５０がセンサ５２及びねじ制御３６と通信することを可能にする、当業者に既知の任意の他タイプの通信接続を介して、センサ５２及びねじ制御３６に接続され得る。

図１の実施形態では、センサ５２は、ノズル２６の近くの溶融熱可塑性材料２４の溶融圧力を（直接的又は間接的に）測定する圧力センサである。センサ５２は、コントローラ５０に送信される信号を生成する。次いで、コントローラ５０は、ねじ制御３６に、ノズル２６内の溶融熱可塑性材料２４の所望の溶融圧力を維持する速度で、ねじ２２を前進させるように命令する。センサ５２は、溶融圧力を直接測定し得る一方、センサ５２はまた、溶融圧力を示す、温度、粘度、流量などの溶融熱可塑性材料２４の他の特性を測定することによって、溶融圧力を間接的に測定することができる。同様に、センサ５２は、ノズル２６内に直接位置する必要はなく、むしろセンサ５２は、ノズル２６と流体接続されている射出システム１２又は金型２８内の任意の場所に位置し得る。一例として、センサ５２は、往復ねじ２２の位置、往復ねじ２２の移動量、クッション、又は別のプロセスパラメータを測定するために、バレル２０内に位置し得る。センサ５２がノズル２６内に位置しない場合、適切な補正係数を、測定された特性に適用して、ノズル２６内の溶融圧力の推定値を計算し得る。センサ５２は、射出された流体と直接接触する必要はなく、代替的に、流体と動的に連通して、流体の圧力及び／又は他の流体特性を感知することが可能であり得る。更に他の実施形態では、センサ５２は、ノズルと流体接続されている場所に配設される必要はない。むしろ、センサ５２は、第１の金型部分２５と第２の金型部分２７との間の金型分割ラインにおいて、クランプシステム１４によって生成されるクランプ力を測定し得る。一態様では、コントローラ５０は、センサ５２からの入力に従って、圧力を維持し得る。代替的に、センサ５２は、電気プレスによる電力需要を測定し得、この電気需要を使用して、ノズル内の圧力の推定値を計算し得る。

射出成形システムでは、溶融ポリマー材料の流頭の場所を、金型空洞３２内の所望の場所で検出することができる。上述のように、流頭が、金型空洞３２内の特定の場所に到達したという事実は、センサ５２によって検出され得る。例えば、センサ５２は、圧力トランスデューサの形態をとり得、真空圧力を使用し得る。熱抵抗器などの１つ以上の温度センサを、圧力センサの代わりに又はそれに加えて使用して、流頭が、金型空洞３２の所与の場所に到達したことを判定又は検証することができる。そのようなセンサ５２は、温度若しくは圧力を感知するか、又はその欠如を感知するかのいずれかによって、動作し得る。例えば、センサは、空気の流れを感知し得、中断時には、センサ５２は、その中断を検出し、空気の流れが中断されたことをコントローラ５０に通信し得る。代替的又は追加的に、流頭の場所は、時間、ねじの位置（例えば、ポテンショメータを使用して監視される）、油圧、流頭の速度、又は何らかの他のプロセス特性に基づいて、判定され得る。一例として、流頭の場所は、ねじの位置を監視することによって判定され得、ねじの位置は、経時的に分析される場合、金型２８内の熱可塑性材料の体積を計算するために使用され得る。図１に例解されるように、圧力射出成形装置１０は、バレル２０内の往復ねじ２２の一部分に結合された（例えば、取り付けられた）チェックリング６０を更に含む。図１に例解される例では、チェックリング６０は、往復ねじ２２の端部６２に近接する位置で、往復ねじ２２に結合されている。チェックリング６０は、概して、溶融熱可塑性材料２４の逆流、すなわち、溶融熱可塑性材料２４が、ノズル２６からホッパー１８に向かう方向に流れるのを防止するか、又は少なくとも制限するように構成される。一例として、チェックリング６０は、溶融熱可塑性材料２４の目標ショットサイズの１０％未満、９％未満、８％未満、７％未満、６％未満、５％未満、４％未満、３％未満、２％未満、又は１％未満の逆流を可能にするように構成され得る。

圧力射出成形装置１０の動作中、多空洞金型２８内の１つ以上の空洞３２が不動作になり得る（例えば、ブロックされる）可能性がある。例えば、多空洞金型２８に入る溶融熱可塑性材料２４が、予想よりも迅速に冷却して、空洞全体が溶融熱可塑性材料２４で充填される前に、固化することがある。その結果、溶融熱可塑性材料２４が、空洞３２のうちの１つのゲート内、又はゲートに近接する空洞３２のうちの１つ内の領域内で冷却及び固化し得、それにより、その空洞３２をブロックする。しかしながら、いくつかの従来の多空洞金型２８は、不動作空洞３２内に配設されて、空洞３２が不動作であることを示すフィードバック機構を含まない。このため、いくつかの従来の多空洞金型２８は、そのようなフィードバック機構を、多空洞金型２８の各空洞３２に配設されたセンサの形態で有する。しかしながら、多空洞金型２８の各空洞３２内にセンサを配設することは、設置、維持、及び修理にかなりの費用がかかる。

いずれにせよ、射出システム１２のコントローラ５０が、空洞３２のうちの１つ以上が不動作であることの表示を欠くと、射出システム１２の往復ねじ２２は、これらの空洞３２のうちの１つ以上が不動作であるにもかかわらず、同じ量の溶融熱可塑性材料２４を多空洞金型２８の各空洞３２内に射出し続ける。その結果、往復ねじ２２は、往復ねじ２２の最前方の位置に向かって前進し続け、それにより、材料を残りの動作可能な空洞３２内に射出するか、又は射出しようとする。これは、ひいては、過剰量の材料が、動作可能な空洞３２のうちの１つ以上内に射出されることにつながり、それにより、多空洞金型２８によって生成された１つ以上の部品にバリ発生をもたらす可能性がある。本開示は、多空洞金型２８において、空洞３２の各々内に配設されたセンサの使用なしに、又は空洞３２のいずれか内に配設されたセンサの使用なしに、１つ以上の空洞３２が不動作であるときを検出すること、及び射出システム１２のプロセスパラメータを自動的に調整して不動作空洞を補償し、それにより製品の品質を維持し、かつ修理のためのダウンタイムを制限することによって、この問題を防止することを目的とする。

図２は、それぞれ、射出成形装置１０内の１つ以上の不動作金型空洞を検出及び補償する方法１００の例を例解する。方法１００は、概して、（１）往復ねじ３２を介して、溶融熱可塑性材料を金型空洞３２内に射出するステップ（ブロック１０８）と、（２）射出中又は射出後の所定の時間に、射出成形装置の第１のプロセスパラメータを測定するステップ（ブロック１１２）と、（３）第１のプロセスパラメータに基づいて、１つ以上の金型空洞３２が不動作であるかどうかを判定するステップ（ブロック１１６）と、（４）１つ以上の金型空洞が不動作であると判定されたときに、射出成形装置１０の第１のプロセスパラメータ又は第２のプロセスパラメータを自動的に調整するステップ（ブロック１２０）と、を含む。

いくつかの例では、方法１００は、コントローラ５０又は別のコンピューティングデバイスを使用して、射出中の１つ以上の所定の時間に、１つ以上の予想される（又は所望される）プロセスパラメータを判定すること（例えば、計算すること、記録すること）を含む。予想されるプロセスパラメータは、概して、例えば、部品が作製される熱可塑性材料のタイプ、製品の全体的な寸法（例えば、高さ、幅、長さ、半径、直径など）、作製される部品の数（すなわち、多空洞金型内の空洞の数）、射出成形装置１０の仕様、良品質の成形部品を生産するために、射出成形装置１０（又は別の射出成形装置）を使用して実行された１つ以上の以前の射出サイクル、金型シミュレータを使用して実行されたシミュレートされた射出サイクル、又はそれらの組み合わせなど、生産される部品の仕様に基づいて判定される。例えば、コントローラ５０は、射出中のノズル２６内の溶融熱可塑性材料２４の予想される（又は所望される）溶融圧力を判定し得る。別の例として、コントローラ５０は、射出の開始前、及び射出中又は射出後の別の時点において、往復ねじ２２の予想される（又は所望される）位置を判定し得る。更に別の例として、コントローラ５０は、予想されるクッション（すなわち、チェックリング６０と、射出の終わりにおけるバレル２０の端部との間に配設されるべき溶融熱可塑性材料２４の量）を判定し得る。プロセスパラメータはまた、ねじ位置設定点又は時間設定点などの充填終了遷移点であり得る。例えば、プロセスパラメータを調整することは、充填終了遷移点を第１の圧力から第２の圧力に調整することを伴い得る。第２の圧力は、第１の圧力よりも低い。

予想されるプロセスパラメータが判定されると、予想されるプロセスパラメータは、コントローラ５０（又は別のコンピューティングデバイス）のメモリに記憶された、予想されるパラメータデータベースに記憶されて、コントローラ５０によって後でアクセスされ得る。場合によっては、予想されるパラメータデータベースに、複数の異なる予想されるプロセスパラメータ及び／又は１つ以上のプロセスパラメータの複数の予想される値を入力することが、有益であり得る。例えば、予想されるパラメータデータベースには、複数の予想されるクッション値が入力され得る。そうすることにより、オペレータ、プログラマ、又はコントローラ５０に、様々なプロセスパラメータについて許容可能な又は予想されるパラメータの範囲を提供することができる。場合によっては、コントローラ５０は、タイムスタンプを各予想されるパラメータに関連付けることができる。

例えば、実質的に一定の低圧に基づいて実行され得る射出の間、溶融熱可塑性材料２４が、空洞３２に射出され、そのうちの１つ以上が不動作である場合がある。射出中又は射出後、コントローラ５０は、場合によっては、予想されるパラメータデータベースに記憶された予想されるプロセスパラメータと関連付けられた所定の時間に対応する１つ以上の所定の時間に、射出成形装置１０の複数のプロセスパラメータを測定する。コントローラ５０は、センサ５２及び射出成形装置１０に用いられる任意の他のセンサを使用して、複数のプロセスパラメータを測定する。コントローラ５０は、例えば、射出中又は射出後の１つ以上の所定の時間に（例えば、コントローラ５０が、往復ねじ２２の予想される位置を判定した各タイムスタンプにおいて）、往復ねじ２２の実際の位置を測定することができる。コントローラ５０は、射出中又は射出後の１つ以上の所定の時間に（例えば、コントローラ５０が、溶融熱可塑性材料２４の予想されるクッション６４を判定した各タイムスタンプにおいて）、溶融熱可塑性材料２４の実際のクッション６４を測定することができる。同様に、コントローラ５０は、射出中又は射出後の１つ以上の所定の時間に（例えば、コントローラ５０が、溶融熱可塑性材料２４の予想される溶融圧力を判定した各タイムスタンプにおいて）、ノズル２６に向かう溶融熱可塑性材料２４の実際の溶融圧力を測定することができる。最後に、コントローラ５０は、射出中又は射出後の１つ以上の所定の時間に（例えば、コントローラ５０が、往復ねじ２２の予想される移動量を判定した各タイムスタンプにおいて）、往復ねじ２２の実際の移動量を測定することができる。

上記で考察されたように、フィードバックシステムを含まないか、又は機能不全であるフィードバックシステムを有し得る従来の射出成形プロセスとは異なり、本開示の射出成形装置１０は、空洞３２内に配設された任意のセンサを使用することなく、複数の空洞２８内の１つ以上の空洞３２が不動作であるかどうかを判定することができる。より具体的には、コントローラ５０（又は別のコンピューティングデバイス）は、測定されたプロセスパラメータに基づいて、１つ以上の空洞３２が不動作であるかどうかを判定する。場合によっては、この判定は、測定されたプロセスパラメータのみに基づき得る。一例として、この判定は、射出中のいくつかの異なる時点で測定されたプロセスパラメータのうちの１つを比較することによって行われ得、それにより、測定されたプロセスパラメータ間の値の偏差が、１つ以上の空洞３２が不動作であることを示し得る。一例として、射出中、溶融熱可塑性材料２４の溶融圧力は、射出を通してずっと安定しているか、又は一貫していなければならず、したがって、射出中の様々な所定の時間における溶融圧力値の変動は、少なくとも１つの空洞３２が不動作であることを示し得る。他の場合には、この判定は、予想されるパラメータデータベースに記憶された１つ以上の予想されるパラメータと、コントローラ５０によって測定された１つ以上の対応する実際のプロセスパラメータとの間の比較に基づき得る。具体的には、コントローラ５０は、１つ以上の予想されるパラメータを、測定された１つ以上の対応する実際のパラメータと比較し、その比較に基づいて、予想されるパラメータと、対応する実際のパラメータとの間に差が存在するかどうかを判定する。場合によっては、任意の量の差は、１つ以上の空洞３２が不動作であることを示す。一例として、実際のクッション６４が、予想されるクッション６４よりも大きいとき、コントローラ５０は、１つ以上の空洞３２が不動作であると判定する。特に、実際のクッション６４が、予想されるクッション６４よりも大きい場合、２つの間の差は、いくつの空洞３２が不動作であるかを示し得る。他の場合には、コントローラ５０は、差を閾値差と比較し得、差が閾値差を超えるとき、コントローラ５０は、１つ以上の空洞３２が不動作であると判定する一方、差が閾値差未満であるとき、コントローラ５０は、空洞３２の全てが動作可能であると判定する。

コントローラ５０が、空洞３２のうちの１つ以上が不動作であると判定すると、コントローラ５０（又は別のコンピューティングデバイス）は、射出成形装置１０の１つ以上のプロセスパラメータ（例えば、溶融熱可塑性材料２４の溶融圧力）を自動的に調整して、生産を減速させるか又は成形部品の品質を犠牲にすることなく、不動作空洞３２を補償する。場合によっては、コントローラ５０は、最初に、空洞３２のうちの１つ以上が不動作であることを判定するために使用された同じパラメータを自動的に調整し得る。しかしながら、他の場合には、コントローラ５０は、空洞３２のうちの１つ以上が不動作であることを判定するために使用されたパラメータとは異なる１つ以上のパラメータを自動的に調整し得る。

図３Ａ～図４Ｂは、上記の射出成形装置１０が、どのようにして、１つ以上の空洞３２が不動作であるかどうかを判定し、検出することに応答して、プロセスパラメータを調整し、少なくとも１つの不動作空洞を補償し得るかの例を例解する。図３Ａ及び図３Ｂは、それぞれ、往復ねじ２２の実際の位置及び往復ねじ２２の予想される位置を例解する。図４Ａ及び図４Ｂは、それぞれ、溶融熱可塑性材料２４の実際のクッション６４及び溶融熱可塑性材料２４の予想されるクッション６４を例解する。

図３Ａは、射出中の所定の時間における、往復ねじ２２の実際の位置の形態の例示的な実際のパラメータを例解する。言い換えれば、往復ねじ２２は、実際には、射出中のこの所定の時間において、図３Ａに例解される場所にある。次に、コントローラ５０は、往復ねじ２２の実際の位置を、図３Ｂに例解される、射出中の同じ所定の時間における往復ねじ２２の予想される位置と比較する。図３Ｂによって明白に示されるように、往復ねじ２２の予想される位置は、図３Ａに例解される往復ねじ２２の実際の位置とは異なる。実際には、往復ねじ２２の実際の位置は、予想されるよりもバレル２０の端部から離れている。したがって、コントローラ５０は、１つ以上の空洞３２が不動作であると判定し得、複数のプロセスパラメータのうちのプロセスパラメータを調整して、不動作空洞を補償することによって対応し得る。コントローラ５０は、機械学習アルゴリズムを使用して、調整されるプロセスパラメータに基づいて射出成形装置の動作を調整して、不動作空洞を補償し得る。

図４Ａは、射出中の所定の時間における、往復ねじ２２の前端６２から射出成形装置１０のバレル２２の端部６８までの距離によって測定される、溶融熱可塑性材料２４の例示的な実際のクッション６４を例解する。溶融熱可塑性材料２４のクッション６４は、射出中のこの所定の時間において、図４Ｂに例解される特定の長さを有することが予想される。次に、コントローラ５０は、溶融熱可塑性材料２４の実際のクッション６４を、図４Ｂに例解される、射出中の溶融熱可塑性材料２４の予想されるクッション６４と比較する。図４Ａによって明白に示されるように、溶融熱可塑性材料２４の実際のクッション６４は、図４Ｂに例解される溶融熱可塑性材料２４の予想されるクッション６４とは異なる。実際、溶融熱可塑性材料２４の実際のクッション６４は、予想されるよりも大きい。したがって、コントローラ５０は、１つ以上の空洞３２が不動作であると判定し得、複数のプロセスパラメータのうちのプロセスパラメータを調整して、不動作空洞を補償することによって対応し得る。コントローラ５０は、機械学習アルゴリズムを使用して、調整されるプロセスパラメータに基づいて射出成形装置の動作を調整して、不動作空洞を補償することができる。

多空洞金型２８の少なくとも１つの空洞３２が不動作であるか、又は不動作になり得るという事実にもかかわらず、本明細書に記載の射出成形装置１０は、残りの動作可能な空洞３２内で同じ射出成形部品の生産バージョンを作製又は産出し続けながら、現在の射出成形サイクル及び後続の射出成形サイクルを、同じ射出成形ランの一部として実行し続け得ることが、上記から理解されるであろう。

熱可塑性射出成形プロセスが本明細書に記載されているが、本開示の実施形態は、他の射出成形プロセスにも関連し得る。他の射出成形プロセスとしては、金属射出成形（「ＭＩＭ」）、反応射出成形（「ＲＩＭ」）、液体射出成形（「ＬＩＭ」）、構造用発泡成形、及び液晶ポリマー（「ＬＣＰ」）成形が、挙げられる。

Claims (36)

1. 複数の金型空洞と、射出成形ねじ又はラムとを有する射出成形装置内の不動作金型空洞を検出及び補償する方法であって、前記方法が、
   前記射出成形ねじ又はラムを介して、溶融熱可塑性材料を前記複数の金型空洞内に射出することと、
   前記射出中又は前記射出後の所定の時間に、前記射出成形装置の第１のプロセスパラメータを測定することと、
   前記第１のプロセスパラメータに基づいて、前記複数の金型空洞のうちの１つ以上の金型空洞が不動作であるかどうかを判定することと、
   １つ以上の金型空洞が不動作であると判定されると、前記射出成形装置の前記第１のプロセスパラメータ又は第２のプロセスパラメータを自動的に調整することと、を含む、方法。
2. 前記第１のプロセスパラメータを測定することが、前記射出成形装置内に配設されたセンサを介して、前記射出成形装置の射出ノズルのノズル圧力を測定することを含む、請求項１に記載の方法。
3. 前記測定されたノズル圧力を、前記複数の金型空洞の全てに対応する予想されるノズル圧力と比較することと、
   前記測定されたノズル圧力と、前記予想されるノズル圧力との差が所定の閾値よりも大きいとき、前記複数の金型空洞のうちの少なくとも１つの金型空洞が不動作であることを示す信号を生成することと、を更に含む、請求項２に記載の方法。
4. 前記センサが、前記射出ノズルに近接して配設されている、請求項２に記載の方法。
5. 前記第１のプロセスパラメータを測定することが、前記射出成形ねじ又はラムの位置を測定することを含む、請求項１に記載の方法。
6. 前記測定された位置を、前記複数の金型空洞の全てに対応する予想される位置と比較することと、
   前記測定された位置と、前記予想される位置との間の差が所定の閾値よりも大きいとき、前記複数の金型空洞のうちの少なくとも１つの金型空洞が不動作であることを示す信号を生成することと、を更に含む、請求項４に記載の方法。
7. 前記第１のプロセスパラメータを測定することが、前記射出成形ねじ又はラムの前面から前記射出成形装置のバレルの端部まで測定される、前記溶融熱可塑性材料のクッションを測定することを含む、請求項１に記載の方法。
8. 前記測定されたクッションを、前記複数の金型空洞の全てに対応する予想されるクッションと比較することと、
   前記測定されたクッションと、前記予想されるクッションとの間の差が所定の閾値よりも大きいとき、前記複数の金型空洞のうちの少なくとも１つの金型空洞が不動作であることを示す信号を生成することと、を更に含む、請求項７に記載の方法。
9. 前記第１のパラメータ又は前記第２のパラメータを自動的に調整することが、前記溶融熱可塑性材料の溶融圧力を調整することを含む、請求項１～８のいずれか一項に記載の方法。
10. 前記溶融熱可塑性材料の前記溶融圧力を自動的に調整することが、前記溶融熱可塑性材料の前記溶融圧力を低下させることを含む、請求項９に記載の方法。
11. 前記第１のパラメータ又は前記第２のパラメータを自動的に調整することが、充填終了遷移点を第１の圧力から第２の圧力に調整することを含み、前記第２の圧力が、前記第１の圧力よりも低い、請求項１～８のいずれか一項に記載の方法。
12. 前記充填終了遷移点を自動的に調整することが、ねじ位置設定点、時間設定点、又は前記充填終了遷移点が依存する他の制御方法を調整することを含む、請求項１１に記載の方法。
13. 前記１つ以上の金型空洞が不動作であるかどうかを判定することが、前記複数の金型空洞内の任意の空洞圧力センサを使用せずに、前記１つ以上の金型空洞が不動作であるかどうかを判定することを含む、請求項１に記載の方法。
14. 前記調整後、前記射出成形ねじ又はラムを介して、前記溶融熱可塑性材料を前記複数の金型空洞内に、前記調整されたプロセスパラメータで射出することを更に含む、請求項１に記載の方法。
15. 複数の金型空洞と、射出成形ねじ又はラムとを有する射出成形装置内の不動作金型空洞を検出及び補償する方法であって、前記方法が、
    溶融熱可塑性材料を前記複数の金型空洞内に射出することを含む射出成形サイクル中又は射出成形サイクル後の所定の時間における、前記射出成形装置の予想されるパラメータを判定することと、
    前記射出成形ねじ又はラムを介して、前記溶融熱可塑性材料を前記複数の金型空洞内に射出することと、
    前記射出中又は前記射出後の前記所定の時間における、前記射出成形装置の実際のパラメータを判定することと、
    前記実際のパラメータを判定することに基づいて、前記予想されるパラメータと、前記実際のパラメータとの間のパラメータ差を判定することと、
    前記予想されるパラメータと、前記実際のパラメータとの間のパラメータ差に基づいて、前記複数の金型空洞のうちの１つ以上の金型空洞が不動作であるかどうかを判定することと、
    １つ以上の金型空洞が不動作であると判定されるとき、前記パラメータ差に少なくとも部分的に基づいて、前記射出成形装置のプロセスパラメータを調整することと、を含む、方法。
16. 前記予想されるパラメータを判定することが、前記射出の前に、フローモデルシミュレータを使用して前記射出をシミュレートすることと、前記シミュレートされた射出に基づいて、前記所定の時間における前記予想されるパラメータを判定することと、を含む、請求項１５に記載の方法。
17. 前記射出成形装置の前記プロセスパラメータを調整することが、前記溶融熱可塑性材料の溶融圧力を調整することを含む、請求項１５に記載の方法。
18. 前記溶融熱可塑性材料の前記溶融圧力を調整することが、前記パラメータ差に少なくとも部分的に基づいて、前記溶融熱可塑性材料の前記溶融圧力を減少させることを含む、請求項１７に記載の方法。
19. 前記射出成形装置の前記プロセスパラメータを調整することが、充填終了遷移点を第１の圧力から第２の圧力に調整することを含み、前記第２の圧力が、前記第１の圧力よりも低い、請求項１５に記載の方法。
20. 前記充填終了遷移点を調整することが、ねじ位置設定点、時間設定点、又は前記充填終了遷移点が依存する他の制御方法を調整することを含む、請求項１９に記載の方法。
21. 前記予想されるパラメータを判定することが、前記所定の時間における前記射出成形装置の射出ノズルの予想されるノズル圧力を判定することを含み、前記実際のパラメータを判定することが、前記射出ノズルに近接して配設されたセンサを介して、前記所定の時間における前記射出成形装置の前記射出ノズルの実際のノズル圧力を判定することを含む、請求項１５に記載の方法。
22. 前記予想されるパラメータを判定することが、前記射出成形装置の前記射出成形ねじ又はラムの予想される位置を判定することを含み、前記実際のパラメータを判定することが、前記射出成形装置の前記射出成形ねじ又はラムの実際の位置を判定することを含む、請求項１５に記載の方法。
23. 前記予想されるパラメータを判定することが、前記射出成形ねじ又はラムの前面から前記射出成形装置のバレルの端部まで測定される、前記所定の時間における前記溶融熱可塑性材料の予想されるクッションを判定することを含み、前記実際のパラメータを判定することが、前記所定の時間における前記溶融熱可塑性材料の実際のクッションを判定することを含む、請求項１５に記載の方法。
24. 前記予想されるパラメータを判定することが、前記所定の時間における予想される溶融圧力を判定することを含み、前記実際のパラメータを判定することが、前記射出成形ねじ又はラムに近接して配設されたセンサを介して、前記所定の時間における実際の溶融圧力を判定することを含む、請求項１５に記載の方法。
25. 前記１つ以上の金型空洞が不動作であるかどうかを判定することが、前記複数の金型空洞内の任意の空洞圧力センサを使用せずに、前記１つ以上の金型空洞が不動作であるかどうかを判定することを含む、請求項１５に記載の方法。
26. 前記予想されるパラメータを前記実際のパラメータと比較することを更に含み、前記１つ以上の金型空洞が不動作であるかどうかを判定することが、前記比較に基づく、請求項１５に記載の方法。
27. 前記調整後、前記射出成形ねじ又はラムを介して、前記溶融熱可塑性材料を前記複数の金型空洞内に、前記調整されたプロセスパラメータで射出することを更に含む、請求項１５に記載の方法。
28. 複数の金型空洞と、射出成形ねじ又はラムとを有する射出成形装置内の不動作金型空洞を検出及び補償する方法であって、前記方法が、
    溶融熱可塑性材料を前記複数の金型空洞内に射出することを含む射出成形サイクル中又は射出成形サイクル後の所定の時間における、前記射出成形ねじ又はラムの予想される位置を判定することと、
    前記射出成形ねじ又はラムを介して、前記溶融熱可塑性材料を前記複数の金型空洞内に射出することと、
    前記射出中の前記所定の時間における前記射出成形ねじ又はラムの実際の位置を判定することと、
    前記予想される位置と、前記実際の位置との間の位置差に基づいて、前記複数の金型空洞のうちの１つ以上の金型空洞が不動作であるかどうかを判定することと、
    １つ以上の金型空洞が不動作であると判定されるとき、前記位置差に少なくとも部分的に基づいて、前記射出成形装置のプロセスパラメータを調整することと、を含む、方法。
29. 前記予想される位置を判定することが、前記射出の前に、フローモデルシミュレータを使用して前記射出をシミュレートすることと、前記シミュレートされた射出に基づいて、前記所定の時間における前記予想される位置を判定することと、を含む、請求項２８に記載の方法。
30. 前記射出成形装置の前記プロセスパラメータを調整することが、前記溶融熱可塑性材料の溶融圧力を調整することを含む、請求項２８に記載の方法。
31. 前記溶融圧力を調整することが、前記溶融圧力を減少させることを含む、請求項３０に記載の方法。
32. 前記射出成形装置の前記プロセスパラメータを調整することが、前記射出中に前記射出成形ねじ又はラムの速度を調整することを含む、請求項２８に記載の方法。
33. 前記射出成形装置の前記プロセスパラメータを調整することが、充填終了遷移点を第１の圧力から第２の圧力に調整することを含み、前記第２の圧力が、前記第１の圧力よりも低い、請求項２８に記載の方法。
34. 前記充填終了遷移点を調整することが、ねじ位置設定点、時間設定点、又は前記充填終了遷移点が依存する他の制御方法を調整することを含む、請求項３３に記載の方法。
35. 前記１つ以上の金型空洞が不動作であると判定されたときに、警報を発することを更に含む、請求項２８に記載の方法。
36. 前記１つ以上の金型空洞が不動作であるかどうかを判定することが、前記複数の金型空洞内の任意の空洞圧力センサを使用せずに、前記１つ以上の空洞が不動作であるかどうかを判定することを含む、請求項２８に記載の方法。

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