JP2023528220A - がんを含む加齢関連疾患の治療法として使用するためのミトコンドリア由来ペプチドおよびそのアナログ - Google Patents

がんを含む加齢関連疾患の治療法として使用するためのミトコンドリア由来ペプチドおよびそのアナログ Download PDF

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Abstract

本明細書において、新規なミトコンドリアペプチドが記載される。この短いペプチドは、オートファジー/アポトーシスを含むさまざまなメカニズムを通じて、がんを調節する能力、腫瘍細胞の生存率を低下させる能力、老化細胞において炎症性応答を誘導する能力、およびマクロファージの細胞型を変換する能力を有する。該ペプチド、そのアナログ、およびその誘導体の投与は、がんの治療のために有効な処置である可能性が高く、これは、該ペプチドと比較して、活性をより増強するか、または活性をより妨げる、合成アナログの作製を含む。TIFF2023528220000034.tif104134

Description

関連出願の相互参照
本出願は、35 U.S.C. §119(e)のもとで、2020年5月15日に提出された米国特許仮出願第63/025,495号に対する優先権の主張を包含し、該仮出願は、その全体が参照により本明細書に組み入れられる。
連邦政府の支援を受けた研究または開発についての声明
本発明は、国立衛生研究所(National Institutes of Health)によって授与された助成番号AG034430およびGM090311のもとで、政府の支援を受けてなされた。政府は、本発明において一定の権利を有する。
配列表の参照
2021年5月14日に作成されかつ82,684バイトのサイズを有する「SequenceListing-065715-000103WO00_ST25」との名称のテキストファイルとして、2021年5月14日に提出された配列表は、参照により本明細書に組み入れられる。
発明の分野
本明細書において、がんを含む加齢関連疾患の治療法として使用するための、ミトコンドリアペプチド、そのアナログ、およびその誘導体に関連する、方法および組成物が記載される。
背景
ミトコンドリアペプチドは、ヒト疾患の処置のための、新規なクラスの分子である。エネルギーの産生および細胞死の調節においてミトコンドリアが重要な役割を果たしている点は、今や十分に立証されている。その核ゲノムにコードされるかまたはミトコンドリア代謝の2次産物である逆行性シグナルを介して、ミトコンドリアは、逆向きの通信を細胞と行っている。より最近になって、これらの調節プロセスにおいて、ミトコンドリアゲノムによってコードされるミトコンドリア由来ペプチドが重要な役割を果たしていることが確認された。ミトコンドリアに由来する逆行性シグナルペプチドは、ヒト疾患を処置するための治療用および診断用の遺伝子およびペプチドを同定するのに役立つと、広く考えられている。
したがって、がんを含む加齢関連疾患を処置するための、ミトコンドリア由来ペプチドに基づく組成物を提供することは、本発明の目的の1つである。
NOSH(ヒトにおけるND-1 ショートオープンリーディングフレーム(sORF)(ND-One short open reading frames (sORF) in Humans))は、マウスにおいて安全である。NOSHは、MRLFGLLLAVRRSGRSLSLMLTLIRGLSKRLG(SEQ ID NO:215)という配列を有する。 NOSHはオートファジーを増加させる。5 μMのNOSHで6時間にわたり処理されたPC3細胞において、LC3のレベルは増加する。 NOSHはミトコンドリアの機能を変化させる。膜電位は、JC-1染色によって測定された。 NOSHは腫瘍細胞の生存率を低下させる。生存率は、培地へのLDHの放出によって測定された。 図5A~5Eは、NOSHがセノリティックペプチドとして作用し、老化細胞の生存率を優先的に低下させることを示す。図5Aおよび5BはMTTアッセイに基づいている。図5Cは、非老化(NS)細胞および老化細胞における、24時間にわたる10 μMのNOSHでの処理である。図5Aおよび5Bの別の表現が、それぞれ図5Dおよび5Eに示される。 図5Aの説明を参照。 図5Aの説明を参照。 図5Aの説明を参照。 図5Aの説明を参照。 老化細胞(初代皮膚線維芽細胞(HDFa))において、NOSHは炎症性応答を誘導する。ドキソルビシンにより、老化細胞が誘導された。非老化細胞および老化細胞は、10μMのNOSHで24時間にわたり処理された。24時間後、条件培地が採取され、そしてメソスケールディスカバリー(MSD)アッセイによって、サイトカインのレベルが測定された。 増加した有効性を有するNOSHアナログ。 図8Aおよび8Bは、NOSHが、いくつかの異なるがん細胞株の生存率を低下させるのに有効であることを示す。図8Aは、J82細胞、OVCAR3細胞、SHSY5Y細胞、HepG2細胞の生存率を示す。図8Bは、HCT116細胞およびMCF7細胞の生存率を示す(上段:10 μMで24時間;下段:100 μM)。 図8Aの説明を参照。 M2マクロファージにおける遺伝子発現を示し、これは、NOSHがM2マクロファージをM1マクロファージに変換することを証明する。THP-1細胞は、PMA(200 ng/ml)で24時間にわたり処理された。続いて培地が交換され、そしてPMAが除去された。細胞は、PBSを用いて3回洗浄された。細胞は次に、LPS(100 ng/ml)またはIL-4(20 ng/ml)と、さまざまな用量のNOSHとで、24時間にわたり処理された。 NOSHは、マウスにおいて腫瘍のサイズを低下させる。 NOSHと比較した、DU145細胞における214種類のNOSHアナログの有効性を示すグラフである。 NOSHと比較した、DU145細胞におけるNOSHアナログ(NOSH-1~NOSH-78)の有効性を示し、これは図11Aにおける当該データの拡大バージョンである。 NOSHと比較した、DU145細胞におけるNOSHアナログ(NOSH-78~NOSH-153)の有効性を示し、これは図11Aにおける当該データの拡大バージョンである。 NOSHと比較した、DU145細胞におけるNOSHアナログ(NOSH-153~NOSH-214)の有効性を示し、これは図11Aにおける当該データの拡大バージョンである。 A549細胞におけるNOSHアナログの有効性。 NOSHの構造。NOSHは、予測される2つのα-ヘリックス構造を有し、ここで該α-ヘリックスは、アミノ酸3~11位およびアミノ酸18~30位にあると予測される。ヘリックス間のヒンジ領域は、この領域における変異が機能を顕著に変化させることから、重要であると考えられる。 誘導された炎症性マーカーをNOSHが強力に阻害することを示しており、マウスの血漿における、IFNγ、TNF-α、IL-12、IL-10、IL-1β、IL-2、IL-4、およびIL-6のレベルが示されている。10週齢であって雄のC57Bl6/Jマウスは、LPS処置(10 mg/kg)を伴うかまたは伴わずに、水またはNOSH(10 mg/kg)で処置され(n = 8/群)、2時間後に血漿が採取された。
発明の詳細な説明
本明細書において引用される全ての参考文献は、それらの全体が本明細書に記載されているのと同じように、それらの全体が参照によって組み入れられる。別途定義されない限り、本明細書において使用される技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって通常理解されるものと、同じ意味を有する。Singleton et al., Dictionary of Microbiology and Molecular Biology 3rd ed., Revised, J. Wiley & Sons (New York, NY 2006);およびSambrook and Russel, Molecular Cloning: A Laboratory Manual 4th ed., Cold Spring Harbor Laboratory Press (Cold Spring Harbor, NY 2012)は、本出願において使用される多くの用語についての一般的な指針を、当業者に提供するものである。
当業者は、本明細書において記載されるものと類似または等価の多くの方法および材料であって、本発明を実施する際に使用され得る方法および材料を、認識するであろう。実際、本発明は、記載される方法および材料には決して限定されない。
「投与する(administering)」および/または「投与する(administer)」とは、本明細書において使用される場合、薬学的組成物を患者へと送達するための、任意の経路を指す。送達経路は、非侵襲的な、経口の経路(口を経由するもの)、局所の経路(皮膚)、経粘膜の経路(鼻、頬/舌下、膣、目、および直腸の経路)ならびに吸入の経路を含み得、かつ非経口の経路、および当技術分野において公知の他の方法を含み得る。非経口とは、一般的には注射を伴う送達経路を指し、これは、眼窩内、注入、動脈内、頸動脈内、嚢内、心腔内、皮内、筋肉内、腹腔内、肺内、脊髄内、胸骨内、髄腔内、子宮内、静脈内、くも膜下、嚢下、皮下、経粘膜、または経気管の経路を含む。非経口の経路を介する場合、組成物は、注入用もしくは注射用の、溶液もしくは懸濁液の形態であってよく、または凍結乾燥された粉末の形態であってもよい。
「調節」または「調節する(modulate)」または「調節する(modulating)」とは、本明細書において使用される場合、応答の上方制御(すなわち活性化もしくは刺激)、応答の下方制御(すなわち阻害もしくは抑制)、または組み合わせられているもしくは別々の、それら両者を指す。
「薬学的に許容される賦形剤」とは、薬学的組成物を調製する際に役立つ賦形剤であって、概して安全であり、非毒性であり、かつ望ましいものである賦形剤を指し、かつ、ヒトのための薬学的用途に許容される賦形剤のみならず、獣医学的用途に許容される賦形剤をも含む。そのような賦形剤は、固体、液体、または半固体であってもよく、またはエアロゾル組成物の場合には、気体であってもよい。賦形剤の例は以下を含むが、これらに限定されない:デンプン、糖、微結晶セルロース、希釈剤、造粒剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤、湿潤剤、乳化剤、着色剤、放出剤、コーティング剤、甘味剤、香味剤、芳香剤、保存剤、酸化防止剤、可塑剤、ゲル化剤、増粘剤、硬化剤(hardener)、硬化剤(setting agent)、懸濁化剤、界面活性剤、保湿剤、担体、安定剤、pH緩衝剤、およびそれらの組み合わせ。
「促進する(promote)」および/または「促進する(promoting)」とは、本明細書において使用される場合、細胞または生物のある特定の挙動の増加を指す。
「対象」、「個体」、または「患者」とは、本明細書において使用される場合、全ての動物を包含し、該動物には、伴侶動物、家畜、および動物園の動物を含むがこれらに限定されない、哺乳動物および他の動物が含まれる。「動物」との用語は、多細胞性で脊椎動物である任意の生きている生物や、たとえば、哺乳動物、鳥類、サル、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、げっ歯類等を含むカテゴリーを、含み得る。同様に、「哺乳動物」との用語は、ヒトおよび非ヒト哺乳動物の両方を含む。さまざまな態様において、対象、個体、または患者とは、ヒトを指す。
特定の疾患、障害、または状態の処置を「必要とする患者」または「必要とする対象」とは、該疾患、障害、もしくは状態を有することが疑われる対象であってよく、該疾患、障害、もしくは状態を有すると診断されている対象であってよく、該疾患、障害、もしくは状態についてすでに処置を受けたかもしくはそれらについて処置を受けている対象であってよく、該疾患、障害、もしくは状態について処置を受けていない対象であってよく、または、該疾患、障害、もしくは状態を発症するリスクを有する対象であってよい。
「治療的有効量」とは、本明細書において使用される場合、処置を受けている対象において所望の効果を達成するのに十分な、特定の組成物の量、または組成物中の特定の活性な作用物質の量を指す。治療的有効量はさまざまな因子に応じて変化し得、該因子は以下を含むが、これらに限定されない:対象の生理学的状態(年齢、性別、疾患のタイプおよびステージ、全身の健康状態、所与の投薬量への応答性、所望の臨床的効果を含む)、ならびに投与経路。臨床分野および薬理学分野の当業者は、一般的な実験によって、治療的有効量を決定することが可能である。
「処置する(treat)」、「処置する(treating)」、および「処置」とは、本明細書において使用される場合、治療的処置と、予防または阻止のための手段との両方を指し、ここでその目標は、たとえ該処置が最終的に不成功であったとしても、標的である状態、疾患、または障害(総称して「病気」)を、阻止することまたは遅らせること(軽減すること)である。処置を必要とする対象は、すでに病気を有している対象を含んでよく、かつ、病気を有する傾向のある対象、または病気が予防されるべきである対象を含んでもよい。
「老化」は、細胞が、分裂を継続できないほどにダメージを受け、かつしたがって、その増殖が制限される際に生じる。老化細胞からは、その周辺の細胞にダメージを与え得る、有害なタンパク質および他の化合物が浸出してくるようになり得、これは、炎症および最終的には細胞死をもたらす。セノリティック薬とは、老化細胞の死を選択的に誘導する、薬剤の1クラスである。いくつかの態様において、セノリティック薬は、老化細胞によってなされたダメージを回復させる。
「逆行性シグナル伝達」とは、標的側である源から、その元来の源へと、シグナルが逆向きに移動するプロセスを指す。たとえば、ミトコンドリアの逆行性シグナル伝達とは、ミトコンドリアから核へと向かう通信経路である。
ミトコンドリアは、核へのミトコンドリアDNA移行(Nuclear Mitochondrial DNA-Transfer)、すなわちミトコンドリア起源DNA(NUMT)の核への挿入のプロセスにより、そのゲノムを宿主の核に移行させて、染色体上に「ドッペルゲンガー」を置いていると考えられている。NUMTは、ミトコンドリアDNA(mtDNA)のあらゆる部分から、さまざまなサイズで生じ、元の配列に対する相同性の程度もさまざまである。mtDNAは、その全体が核ゲノム上に見いだされ得るが、多くの場合、それらは配列がかなり変化している。大部分のNUMTは、<500 bpの短い挿入物であり、かつわずか12.85%のみが、>1500 bpである。パーセンテージ同一性はサイズと逆相関しており、かつNUMTとmtDNAとの間の平均パーセンテージは、63.5%~100%の範囲の同一性を有するものが79.2%である。
ミトコンドリアDNA(mtDNA)の複製および転写の開始は、核がコードするタンパク質によって調節されており、かつ、単一のポリシストロニック前駆体、これは、戦略的に配置された22個のtRNAを切除することによって(tRNA句読点モデル(tRNA punctuation model))、個々の遺伝子へとプロセシングされ、2個のrRNAおよび13個のmRNAを生じさせるが、このような単一のポリシストロニック前駆体として転写されると考えられている。
ヒトのミトコンドリアは、重鎖においてごく近い位置にある2つのプロモーター(主(major)および副(minor))、ならびに軽鎖において1つのプロモーターを有しており、それにより、3種類の異なる単一のポリシストロニック転写物を生じさせる。重鎖の主プロモーターは、全てのミトコンドリアRNA(mtRNA)転写物の80%に関与する。遺伝子全体が1つの転写物として転写されると考えられているが、個々のrRNA、tRNA、およびmRNAの転写物の存在量は大きく異なっており、かつrRNAの量が最も多い。このプロセシング構造物は、ミトコンドリアにおいて、未発見のクラスの翻訳後プロセシングがあることを意味している。
重要なことに、ミトコンドリアから同定された多くのmRNA種は、ミトコンドリアタンパク質をコードする従来の遺伝子にはマッピングされない、ばらばらのより短い長さのものである。たとえば、そのようなmRNAの複数は、16S rRNAから観察される。RNA末端の並行分析(Parallel analysis of RNA ends)(PARE)により、ミトコンドリアに関し多数の切断部位が明らかにされている。tRNAおよびmRNAの大半は、5’末端において、別々の優勢な切断部位を有するが、遺伝子内の切断部位は、rRNAにおいて特に多い。特に、短いペプチドという新興分野からは、ポリシストロニックmRNA由来の短いオープンリーディングフレーム(sORF)によってコードされる、11~32アミノ酸の長さの、生物学的に活性なペプチドを示す、説得力のある証拠が出てきている。
本明細書において、新規なミトコンドリア由来ペプチドおよびその合成アナログの、方法および組成物、ならびにがん細胞において、炎症細胞において、またはがんおよび/もしくは炎症性疾患を有する対象において、それらを使用する方法が記載される。生物学的に活性であって、短い、ミトコンドリアに由来するペプチド(ミトコンドリア由来ペプチドまたはミトコンドリアペプチドとも称される)を探索している際に、本発明者らは、がん細胞に対しては強力な生物学的活性を有するが、健全な細胞に対しては安全である、NOSH(ヒトにおけるND-1 sORF(ND-One sORF in Humans))を同定した。NOSH(ヒトにおけるND-1 sORF)は、ミトコンドリアにコードされるオープンリーディングフレームであり、これは、本発明者らがNOSHと称する新規なポリペプチドであって、ミトコンドリア、細胞増殖、および細胞死に影響を及ぼす生物学的作用を有するポリペプチドの産生をもたらす。このペプチドは、がん、老化、および加齢に関連している。そのため、NOSH、および合成NOSHアナログは、がんの進行を遅らせるために、腫瘍のサイズを低下させるために、ならびに他の加齢関連疾患、たとえば、炎症性疾患、肥満、および代謝障害などを処置するために、使用することができる。これらのペプチドは、ミトコンドリアの逆行性シグナル伝達、およびミトコンドリアの遺伝子発現における、重要な因子である。ヒトの核ゲノムと比較して、ミトコンドリアは、約16,570 bpという小さなサイズの環状ゲノムを有し、これはわずか13個のタンパク質をコードする遺伝子を含むとされていて、これらのタンパク質は全て、電子伝達系の構造的要素である。
本発明は、NOSHのペプチドアナログのファミリーの、組成物を含む。本発明は、前述の適応症において、前述のペプチドを使用する方法を含む。本発明はまた、ヒトの循環および組織におけるNOSHペプチドのレベルを検出するための、抗体およびアッセイを含む。
さまざまな態様によって、ミトコンドリア由来ペプチドまたはその合成アナログもしくはその組み換えアナログを含む組成物が、提供される。いくつかの態様において、組成物は、SEQ ID NO:215のアミノ酸配列を有するもしくはSEQ ID NO:215に記載のアミノ酸配列を有するペプチドを含むか、またはそのようなペプチドからなる、ミトコンドリア由来ペプチドを含む。いくつかの態様において、組成物は、SEQ ID NO: 1~SEQ ID NO: 215から選択される、2種以上のミトコンドリア由来ペプチドを含む。いくつかの態様において、組成物は、SEQ ID NO:215のペプチドアナログ、SEQ ID NO:215のペプチド誘導体、またはそれらの組み合わせを含む。
1つの態様において、ミトコンドリアペプチドは、約12~65、14~40、16~35、18~32、20~32、または25~32アミノ酸の長さである。特定の態様において、ミトコンドリアペプチドは約32アミノ酸の長さである。1つの態様において、ミトコンドリアペプチドは合成アミノ酸を含む。1つの態様において、ミトコンドリアペプチドは、
Figure 2023528220000002
に対して少なくとも25%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、またはより高いパーセンテージの同一性を有する。いくつかの態様において、ミトコンドリアペプチドは、SEQ ID NO:215に対して少なくとも87.5%の同一性を有する;またはミトコンドリアペプチドは、28~36アミノ酸の長さであるか、もしくはSEQ ID NO: 215と比較して、4アミノ酸以下の差異(置換、欠失、および/もしくは挿入を含む)を含む。いくつかの態様において、ミトコンドリアペプチドは、SEQ ID NO:215に対して少なくとも93%の同一性を有する;またはミトコンドリアペプチドは、30~34アミノ酸の長さであるか、もしくはSEQ ID NO: 215と比較して、2アミノ酸以下の差異(置換、欠失、および/もしくは挿入を含む)を含む。いくつかの態様において、ミトコンドリアペプチドは、SEQ ID NO:215に対して少なくとも80%の同一性を有する;またはミトコンドリアペプチドは、26~38アミノ酸の長さであるか、もしくはSEQ ID NO: 215と比較して、6アミノ酸以下の差異(置換、欠失、および/もしくは挿入を含む)を含む。いくつかの態様において、SEQ ID NO:215において、アミノ酸の3~11位およびアミノ酸の18~30位は、置換も欠失もされない。さまざまな態様において、α-ヘリックスを破壊するアミノ酸(グリシン、プロリン)への置換は、活性に対して不利益であり;かつしたがって、いくつかの局面において、SEQ ID NO:215のアミノ酸残基は、グリシンには置換されないか、プロリンには置換されないか、またはグリシンとプロリンのいずれにも置換されず;かつ、さらなる局面において、SEQ ID NO:215のアミノ酸残基3~11位および残基18~30位は、グリシンには置換されないか、プロリンには置換されないか、またはグリシンとプロリンのいずれにも置換されない。さまざまな態様において、α-ヘリックスエンハンサー(アラニン、ロイシン)での置換は、NOSH(SEQ ID NO:215)の活性を改善し;かつしたがって、いくつかの局面において、SEQ ID NO:215の1つまたは複数の残基は、独立して、アラニン、ロイシン、またはそれらの両方と置換され;かつ、さらなる局面において、SEQ ID NO:215の残基3~11位および残基18~30位の1つまたは複数は、独立して、アラニン、ロイシン、またはそれらの両方と置換される。
SEQ ID NO: 215のミトコンドリア由来ペプチドは、いくつかの態様において、SEQ ID NO: 1~SEQ ID NO: 214のうちの1種または複数種のペプチドの、アナログとみなされ得る。いくつかの態様において、SEQ ID NO: 1~SEQ ID NO: 214のうちのいずれかのペプチドを含む組成物が提供されるとともに、該ペプチドのアナログまたは誘導体を含む組成物もまた、提供される。1つの態様において、組成物は、SEQ ID NO:1のペプチド、および/または(SEQ ID NO:1)に対して少なくとも25%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、もしくはより高いパーセンテージの同一性を有するペプチドを含む。1つの態様において、組成物は、SEQ ID NO:2のペプチド、および/または(SEQ ID NO:2)に対して少なくとも25%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、もしくはより高いパーセンテージの同一性を有するペプチドを含む。
当業者は、当技術分野において公知の方法にしたがって、パーセンテージ同一性を確認することが可能であり、これは、パーセンテージ同一性の程度を確認するために、参照アミノ酸配列と第2のアミノ酸配列との間の比較ウィンドウを確認することを含む。
いくつかの局面において、ミトコンドリア由来ペプチドおよび/またはそのアナログは、翻訳後修飾、または、たとえば人為的な修飾などの、他のタイプの修飾を有する。さまざまな態様において、これはたとえば、とりわけ、PEG化、脂肪酸コンジュゲーションによる脂質化、反復性のポリペプチド伸長、免疫グロブリンGのフラグメント結晶化可能領域(IgG-Fc)、カンプトテシン(CPT)、ヒト血清アルブミン(HAS)、エラスチン様ポリペプチド(ELP)、トランスフェリン、またはアルブミンでの修飾を含む。
本明細書において、さまざまな態様においてペプチドが記載され、かつ該ペプチドは、12~65アミノ酸の長さである。さまざまな態様において、ペプチドの第1位(すなわち、アミノ酸のN末端の1番目)はX1であり、第2位は(X2)であり、以下同様であり(X3、X4、X5、X6等)、ここで、X1、X2、X3、X4、X5、X6等は、天然のまたは合成のアミノ酸からなる群から独立して選択される。いくつかの態様において、ミトコンドリアペプチド(たとえばSEQ ID NO:215)は、翻訳後修飾、または、たとえば人為的な修飾などの、他のタイプの修飾を有する。たとえば修飾は、該ペプチドのアナログの、X1、X2、X3、X4、X5、および/またはX6等に対応する位置における、ホルミル化や、リン酸化や、アセチル化を含み得る。さまざまな態様において、ペプチドは、
Figure 2023528220000003
に対して少なくとも25%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、またはより高いパーセンテージの同一性を有する。さまざまな態様において、ペプチドは、
Figure 2023528220000004
の一部分に対して75%、80%、85%、90%、95%、またはより高いパーセンテージの同一性があり、該一部分は、
Figure 2023528220000005
のアミノ酸を、たとえば3個以上、5個以上、10個以上、15個以上、20個以上、25個以上、またはより多く含み、該一部分はX1、X2、X3、X4等から開始される。これは、表1中のいずれの配列をも包含する。さまざまな態様において、ペプチドは、
Figure 2023528220000006
の上述の一部分の1つまたは複数を含み、
Figure 2023528220000007
のX11~X18の約6~9アミノ酸をさらに含む。
さまざまな態様によって、ミトコンドリア由来ペプチドおよび/またはそのアナログやその誘導体を用いて、疾患および/または状態を処置する方法が提供され、該方法は、ミトコンドリア由来ペプチドおよび/またはそのアナログやその誘導体のある量を、たとえば、1種または複数種の薬学的に許容される賦形剤を伴った薬学的組成物として、処置を必要とする対象へと投与する段階を含む。1つの態様において、ミトコンドリアペプチドは、
Figure 2023528220000008
である、そのアナログである、またはその誘導体である。1つの態様において、ペプチドは約12~65アミノ酸の長さである。1つの態様において、ミトコンドリアペプチドは約32アミノ酸の長さである。他の態様において、投与されるペプチドは、SEQ ID NO:215に対して少なくとも80%、87.5%、90%、93%の配列同一性を有する。1つの態様において、投与されるペプチドは、表1から選択される。
1つの態様において、投与されるミトコンドリアペプチドの量は、該ミトコンドリアペプチドの治療的有効量である。1つの態様において、対象は哺乳動物である。1つの態様において、対象はヒトである。
さまざまな態様において、NOSHまたはそのアナログの投与は、ミトコンドリアの機能を低下させる。
さまざまな態様において、NOSHおよび/またはそのアナログの投与は、がん細胞の生存率を低下させる。
さまざまな態様において、健康なマウスへのNOSHまたはそのアナログの投与は、顕著な毒性作用を有さない。
さまざまな態様において、NOSHまたはそのアナログの投与は、オートファジーを誘導する。
さまざまな態様において、NOSHおよびそのアナログの1種または複数種は、セノリティック薬として投与され、これは、老化した細胞を選択的に殺傷する。
さまざまな態様において、NOSHおよびそのアナログの1種または複数種は、免疫調節剤として投与されて、免疫応答を増加させる。
さまざまな態様において、記載されるミトコンドリアペプチドまたはアナログの組成物を用いた処置に適した疾患および/または状態は、がんを含む。さまざまな態様において、がんは、とりわけ、肺がん、前立腺がん、結腸直腸がん、胃がん、乳がん、結腸直腸がん、子宮頸がん、黒色腫、皮膚がんである。
さまざまな態様において、記載されるミトコンドリアペプチドまたはアナログの組成物を用いた処置に適した疾患および/または状態は、がんを含む。さまざまな態様において、がんは、とりわけ、肺がん、前立腺がん、結腸直腸がん、胃がん、乳がん、結腸直腸がん、子宮頸がん、黒色腫、皮膚がんである。いくつかの態様において、記載されるミトコンドリアペプチドまたはアナログの組成物を用いて処置されるがんは、前立腺がんを含む。いくつかの態様において、記載されるミトコンドリアペプチドまたはアナログの組成物を用いて処置されるがんは、卵巣がんを含む。いくつかの態様において、記載されるミトコンドリアペプチドまたはアナログの組成物を用いて処置されるがんは、膠芽腫;または悪性膠芽腫(たとえばグレードIV)を含む。いくつかの態様において、記載されるミトコンドリアペプチドまたはアナログの組成物を用いて処置されるがんは、神経芽腫を含む。いくつかの態様において、記載されるミトコンドリアペプチドまたはアナログの組成物を用いて処置されるがんは、膀胱がんを含む。いくつかの態様において、記載されるミトコンドリアペプチドまたはアナログの組成物を用いて処置されるがんは、肝臓がんを含む。いくつかの態様において、記載されるミトコンドリアペプチドまたはアナログの組成物を用いて処置されるがんは、結腸がんを含む。いくつかの態様において、記載されるミトコンドリアペプチドまたはアナログの組成物を用いて処置されるがんは、乳がんを含む。
いくつかの態様において、記載されるミトコンドリアペプチドまたはアナログの組成物を用いた処置に適した対象は、卵巣がん、膠芽腫、神経芽腫、膀胱がん、肝臓がん、結腸がん、および乳がんの1種または複数種を有している、それらの1種または複数種を患っている、またはそれらの1種または複数種を有する、と診断されている。
他の態様において、記載されるミトコンドリアペプチドまたはアナログの組成物を用いた処置に適した対象は、前立腺がん、膠芽腫、神経芽腫、膀胱がん、肝臓がん、および結腸がんの1種または複数種を有している、それらの1種または複数種を患っている、またはそれらの1種または複数種を有する、と診断されている。
さらなる態様において、記載されるミトコンドリアペプチドまたはアナログの組成物を用いた処置に適した対象、または記載される処置、診断、および/もしくはアッセイを必要とする対象は、40歳より上の、50歳より上の、55歳より上の、60歳より上の、65歳より上の、70歳より上の、75歳より上の、80歳より上の、または85歳より上の年齢の、ヒトである。
さらなる態様において、記載されるミトコンドリアペプチドまたはアナログの組成物を用いた処置に適した疾患および/または状態は、炎症性疾患を含む。いくつかの態様において、炎症性疾患は、炎症性腸疾患、骨盤内炎症性疾患、クローン病、肋軟骨炎、結膜炎、滑液包炎、接触皮膚炎、サルコイドーシス、細気管支炎、漿液腫、または慢性副鼻腔炎である。他の態様において、炎症性疾患は、神経系、心血管系、呼吸器系、消化器系、付属消化器官、外皮系、筋骨格系、泌尿器系、生殖器系、内分泌系、またはリンパ系におけるものである。
追加の態様において、記載されるミトコンドリアペプチドまたはアナログの組成物を用いた処置に適した疾患および/または状態は、加齢に関連する疾患または状態を含む。さまざまな態様において、加齢に関連する疾患または状態は、神経変性障害である。いくつかの態様において、加齢関連疾患は、アテローム性動脈硬化症および心血管疾患、関節炎、白内障、骨粗鬆症、2型糖尿病、高血圧、またはアルツハイマー病である。
さまざまな態様において、対象は、ペプチド
Figure 2023528220000009
を発現していない。さまざまな態様において、対象は、健康な正常対象と比較して、少ない量の
Figure 2023528220000010
を発現している。他の態様において、対象は、低いNOSH活性という代謝シグネチャーを有する。他の態様において、対象は、高いかまたは異常なNOSH活性という代謝シグネチャーを有する。さまざまな態様において、対象は、ドミナントネガティブ作用を有する、NOSHのアナログおよび/または誘導体の投与を受ける。ドミナントネガティブ作用を有するアナログまたは誘導体とは、一般的には、同じ細胞中の正常な野生型分子に対して有害な影響をもたらす変異/置換/修飾を有する、アナログまたは誘導体を指す。これは通常、該産物が、野生型産物が相互作用するのと同じエレメントに対して相互作用することが依然として可能であるが、野生型産物の機能のいくつかの局面をブロックすることが可能である場合に生じる。
本明細書において、疾患および/または状態に関して個体を診断する方法が記載される。さまざまな態様において、該方法は以下の段階を含む:対象を選択する段階、1種または複数種のバイオマーカーの、存在、非存在、または発現レベルを検出する段階、ならびに1種または複数種のバイオマーカーの、存在、非存在、または発現レベルに基づいて、疾患および/または状態に関して対象を診断する段階。さまざまな態様において、バイオマーカーはミトコンドリアペプチドを含む。さまざまな態様において、バイオマーカーは、
Figure 2023528220000011
、またはSEQ ID NO: 1~SEQ ID NO: 214におけるそれらのペプチドの任意のものを含む。たとえば、健康な正常対象と比較して、少ない、多い、または異常な量の
Figure 2023528220000012
を対象が発現している場合に、対象は診断され得る。さまざまな態様において、バイオマーカーの、存在、非存在、または発現レベルの検出は、1種または複数種のバイオマーカーの、抗体による検出を含み、これはたとえば、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、抗血清、免疫原性による他の検出法、および質量分析法による検出方法の使用を含む。
別の態様において、バイオマーカーは一塩基多型(SNP)を含む。当業者は、SNPを検出することが可能な方法を認識している。
本発明は、ミトコンドリアペプチドを用いて、疾患および/または状態の処置の有効性を増強する方法をさらに提供し、該方法は以下の段階を含む:処置を必要とする対象を選択する段階、ならびに疾患および/または状態の処置を受けている対象に、ある量のミトコンドリア由来ペプチドを投与する段階であって、ミトコンドリアペプチドが、疾患および/または状態についての有効性を増強し、それにより、処置の有効性が増強される、段階。1つの態様において、ミトコンドリアペプチドは、がんを処置する能力を有する組成物と、同時に投与される。1つの態様において、ミトコンドリアペプチドは、疾患および/または状態を処置する能力を有する組成物の投与の前または後に、連続的に投与される。1つの態様において、対象はヒトである。たとえば、本発明の、ミトコンドリアペプチドおよびアナログの組成物は、がんを処置するための他の治療薬と共投与され得、ここでがんはたとえば、とりわけ、肺がん、前立腺がん、結腸直腸がん、胃がん、乳がん、結腸直腸がん、子宮頸がん、黒色腫、皮膚がんなどのがんを含む。共投与は、たとえば、1つの薬学的組成物として、または別々の組成物として、同時に行われ得る。本発明の組成物はまた、たとえば独立した投薬スケジュールにおいて、他の治療薬とは別に投与され得る。
さまざまな態様において、本発明は、薬学的組成物をさらに提供する。1つの態様において、薬学的組成物は、ミトコンドリアペプチド、および薬学的に許容される担体を含む。1つの態様において、ミトコンドリアペプチドは、
Figure 2023528220000013
である。さまざまな態様において、ペプチドは、
Figure 2023528220000014
の一部分に対して75%、80%、85%、またはより高いパーセンテージの同一性があり、該一部分は、
Figure 2023528220000015
のアミノ酸を、たとえば3個以上、5個以上、10個以上、15個以上、20個以上、25個以上、またはより多く含み、該一部分はX1、X2、X3、X4等から開始される。これは、表1中のいずれの配列をも包含する。さまざまな態様において、ペプチドは、
Figure 2023528220000016
の上述の一部分の1つまたは複数を含み、
Figure 2023528220000017
のX11~X18の約6~9アミノ酸をさらに含む。
いくつかの態様において、生物活性を有するミトコンドリアペプチドは、約6~9アミノ酸、約9~15アミノ酸、約15~20アミノ酸、約20~25アミノ酸、約25~35アミノ酸、約30~40アミノ酸ほどの短さであり、かつそのいくつかは、約12~65アミノ酸の長さである。1つの態様において、ミトコンドリアペプチドは約32アミノ酸の長さである。1つの態様において、薬学的組成物中のミトコンドリアペプチドは、治療的有効量のミトコンドリアペプチドを含む。1つの態様において、薬学的組成物は、1種または複数種のミトコンドリアペプチド、および薬学的に許容される担体を含む。いくつかの態様において、0.1~20 μMの量のミトコンドリア由来ペプチドが、投与される、または腫瘍細胞を含む試料に添加される。いくつかの態様において、0.1~0.5 μM、0.5~1 μM、1~2 μM、2~3 μM、3~4 μM、4~5 μM、5~6 μM、6~7 μM、7~8 μM、8~9 μM、9~10 μM、10~12 μM、12~14 μM、14~16 μM、16~18 μM、もしくは18~20 μMの量が、またはこれらの数値から選択される上限および下限を含む任意の範囲の量が、投与されるか、または試料に添加される。いくつかの態様において、薬学的組成物は、1~10 mg、10~50 mg、50~100 mg、100~300 mg、300~500 mg、500 mg~1 g、1 g~5 g、または5 g~10 gのミトコンドリア由来ペプチドを含む。いくつかの態様において、ミトコンドリア由来ペプチドの量は、0.1~1 mg/kg、1~10 mg/kg、10~50 mg/kg、50~100 mg/kg、100~200 mg/kg、200~300 mg/kg、300~400 mg/kg、400~500 mg/kg、500~600 mg/kg、600~700 mg/kg、700~800 mg/kg、800~900 mg/kg、0.9~1 g/kg、1~5 g/kg、5~10 g/kgの用量で、対象に投与される。
さまざまな態様において、本発明は、ミトコンドリアペプチドを製造する方法を、さらに提供する。1つの態様において、該製造方法は以下の段階を含む:ミトコンドリアペプチドをコードする1種または複数種のポリヌクレオチドを提供する段階、宿主細胞において該1種または複数種のポリヌクレオチドを発現させる段階、および該宿主細胞からミトコンドリアペプチドを抽出する段階。1つの態様において、該製造方法は以下の段階を含む:宿主細胞において該1種または複数種のポリヌクレオチドを発現させる段階、および該宿主細胞からミトコンドリアペプチドを抽出する段階。1つの態様において、該1種または複数種のポリヌクレオチドは、
Figure 2023528220000018
をコードする配列であるか、または
Figure 2023528220000019
に対して少なくとも25%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、もしくはより高いパーセンテージの同一性を有するミトコンドリアペプチドをコードする配列である。さまざまな態様において、ペプチドは、
Figure 2023528220000020
の一部分に対して75%、80%、85%、90%、95%、またはより高いパーセンテージの同一性があり、該一部分は、
Figure 2023528220000021
のアミノ酸を、たとえば3個以上、5個以上、10個以上、15個以上、20個以上、25個以上、またはより多く含み、該一部分はX1、X2、X3、X4等から開始される。
別の態様において、該製造方法は、液相合成法または固相合成法を用いたペプチド合成の段階を含む。1つの態様において、固相合成法は、Fmoc法またはBOC法での合成である。
本明細書において、特許請求する発明の非限定的な例が記載される。
実施例1
がんを含む加齢関連疾患の治療法として使用するために、新規なペプチドアナログのファミリーが調製された。生物学的に活性であって、短い、ミトコンドリアに由来するペプチドを探索している際に、本発明者らは、強力な生物学的活性を有するNOSH(ヒトにおけるND-1 sORF)を発見した。
実施例2
予備的結果
図1に示されるように、NOSHはマウスにおいて安全であった。さらに、NOSHはオートファジーを増加させた。オートファジー関連タンパク質である、微小管関連タンパク質1軽鎖3(LC3)のレベルは、5 μMのNOSHで6時間にわたり処理されたPC3細胞において増加した。図2。
実施例3
ミトコンドリアの機能
いかなる理論にも拘束されるものではないが、予備的結果により、Noshがミトコンドリアの機能を変化させたことが示された。これは、JC-1染色による膜電位の測定によって、さらに裏付けられた。図3。
さらに、培地への乳酸脱水素酵素(LDH)の放出によって測定されたように、NOSHは腫瘍細胞の細胞生存率を低下させた。図4。PC-3はヒト前立腺がんの細胞株である。OV90は卵巣がん細胞である。U251細胞株は、悪性膠芽腫の腫瘍に由来するものであった。
実施例4
機能的特性
NOSHはセノリティックペプチドとして作用し、老化細胞の生存率を優先的に低下させる。図5Aおよび5B。非老化(NS)細胞および老化細胞における、24時間にわたる10 μMのNDDP4での処理により、非老化細胞と比較して、老化細胞において、カスパーゼ-3/カスパーゼ-7のより高度な活性化が示された。カスパーゼ-3の活性化は、アポトーシスにおいて必須のイベントである。図5C。
老化細胞において、たとえば、ドキソルビシンで誘導された老化した初代皮膚線維芽細胞(HDFa)において、NOSHにより炎症性応答が誘導された。10 μMのNOSHが、非老化細胞および老化細胞の両方において、24時間にわたりインキュベートされた。24時間後、条件培地が採取され、そしてメソスケールディスカバリー(MSD)アッセイによって、サイトカインのレベルが測定された。図6。
実施例5
アナログ
増加した有効性を有するNOSHアナログの作製が、修飾により可能となった。図7。配列を添えたアナログの表が、表1に示される。これらのアナログは、本明細書において記載されるプラットフォームに適用された。
実施例6
がん生物学における役割
記載されるように、NOSHは、いくつかの異なるがん細胞株の生存率を低下させるのに有効であった。図8Aおよび8B。J82細胞は、ヒト膀胱がん細胞であり;OVCAR3は、卵巣がんのモデルとなっている細胞株であり;SHSY5Yは、神経芽腫細胞株であるSK-N-SHに由来する、3回サブクローニングされた細胞株であり;HepG2は、ヒト肝臓がんの細胞株であり;HCT116はHCT116は、ヒト結腸がんの細胞株であり;かつMCF7は、69歳の女性から単離された、乳がんの細胞株である。さらに、M2マクロファージにおける遺伝子発現によって測定されたように、NOSHは、M2マクロファージをM1マクロファージへと変換した。急性単球性白血病の患者に由来する単球系細胞、すなわちTHP-1細胞は、ホルボール12-ミリスタート13-アセタート(PMA)(200 ng/ml)で、24時間にわたり処理された。この濃度のPMAは、THP-1単球のマクロファージへの分化を誘導する。培地が交換され、そしてPMAが除去された。細胞は、PBSを用いて3回洗浄された。細胞は次に、リポ多糖(LPS)(100 ng/ml)またはIL-4(20 ng/ml)と、さまざまな用量のNOSHとで、24時間にわたり処理された。図10。
これらの結果は、マウスにおいてNOSHが腫瘍のサイズを低下させたとの観察によって確認された。図11A。細胞株の全体にわたって適用された場合に、さまざまな細胞株におけるNOSHアナログの効果を観察することが可能であったが、これには、DU145細胞におけるNOSHアナログの効果、およびA549細胞におけるNOSHアナログの効果が含まれる。それぞれ図11Aおよび12。
実施例7
NOSHの生化学的構造
図13はNOSHの構造を示す。NOSHは、予測される2つのα-ヘリックス構造を有し、ここで該α-ヘリックスは、AA3~11位およびAA18~30位にあると予測される。ヘリックス間のヒンジ領域は、この領域における変異が機能を顕著に変化させることから、重要であると考えられる。
実施例8
NOSHは炎症性マーカーを阻害する
図14は、NOSH(10 mg/kg)を伴うかまたは伴わないLPS(10 mg/kg)の投与後のマウスにおいて誘導された、炎症性マーカーの血漿でのレベルを示す。LPSで処置されたマウスと比較して、LPSの後で/LPSと同時にNOSHの投与を受けたマウスは、統計学的に有意に低いレベルの炎症性マーカーを有していた。
(表1)NOSHアナログ
Figure 2023528220000022
Figure 2023528220000023
Figure 2023528220000024
Figure 2023528220000025
Figure 2023528220000026
Figure 2023528220000027
Figure 2023528220000028
Figure 2023528220000029
上述のさまざまな方法および技術によって、本発明を実施するための多数の様式が提供される。当然のことながら、本明細書において記載される任意の特定の態様にしたがった場合に、記載される全ての目的または利点が必ずしも達成されない可能性がある点が、理解されるべきである。したがって、たとえば、1つの利点、または1群の利点が、本明細書において教示されるように達成または最適化されるが、他の目的または利点が、本明細書において教示または示唆され得るようには必ずしも達成されない様式で、該方法が実施され得ることを、当業者は認識するであろう。好都合な代替物および不都合な代替物のさまざまなものが、本明細書において言及されている。いくつかの好ましい態様が、1つの、別の、またはいくつかの好都合な特徴を特異的に包含し、一方で他の好ましい態様が、1つの、別の、またはいくつかの不都合な特徴を特異的に除外し、一方でさらなる他の好ましい態様が、1つの、別の、またはいくつかの好都合な特徴を包含することによって存在する不都合な特徴を、特異的に軽減することが理解されるべきである。
さらに当業者は、異なる態様からのさまざまな特徴の適用可能性を認識するであろう。同様に当業者は、本明細書において記載される原理にしたがって方法を実施するために、上で論じられるさまざまな要素、特徴、および段階、ならびにそのような要素、特徴、および段階のそれぞれについての公知の他の等価物を、混合することができ、かつそれらを適合させることができる。多様な態様において、さまざまな要素、特徴、および段階のうちのいくつかは、特異的に包含され得、かつ他のものは特異的に除外され得る。
本発明はいくつかの態様および例にしたがって開示されているが、本発明の態様は、具体的に開示されている態様を超えて、他の代替の態様および/または他の代替の用途へと、ならびにその改変物およびその等価物へと、拡張されることを、当業者は理解するであろう。
本発明の態様においては、多くのバリエーションおよび代替の要素が開示されている。よりさらなるバリエーションおよび代替の要素は、当業者にとって明らかであろう。これらのバリエーションには、ペプチド、ミトコンドリアペプチド、そのアナログ、およびその誘導体に関連する組成物および方法についてのもの、上述の組成物の用途に関連する方法および組成物についてのもの、そこで使用される解決策の、技術および構成および用途についてのもの、ならびに本発明の教示によって作り出された産物の特定の用途についてのものがあるが、これらに限定されない。本発明のさまざまな態様は、これらのバリエーションまたは要素の任意のものを、特異的に包含または除外し得る。
いくつかの態様において、本発明の態様を記載するためおよび特許請求するために使用される、成分の量や、たとえば濃度、反応条件等の特性を表現する数値は、いくつかの例においては、「約」との用語によって修飾されていることが理解されるべきである。したがって、いくつかの態様において、本説明および添付の特許請求の範囲に記載の数値パラメーターは、特定の態様によって入手しようとする所望の特性に応じて変動し得る、近似値である。いくつかの態様において、数値パラメーターは、記載される有効数字の数を考慮し、かつ通常の丸め技法を適用することによって、解釈されるべきである。本発明のいくつかの態様の広大な範囲を記載する数値範囲および数値パラメーターは、近似値であるものの、特定の例に記載の数値は、実行可能な限り正確に記載されている。本発明のいくつかの態様において示される数値は、それらそれぞれを試験した測定値において見いだされる標準偏差に必然的に起因するいくらかの誤差を、包含し得る。
いくつかの態様において、本発明の特定の態様を記載する文脈において(特に、添付の特許請求の範囲のうちのいくつかの請求項の文脈において)使用される、「1つの(a)」および「1つの(an)」および「その(the)」との用語、ならびに類似のものへの言及は、その単数形および複数形の両方を包含すると解釈され得る。本明細書における、値の範囲の記載は、該範囲内に含まれるそれぞれの別個の値を個々に記載することの省略方法としての役割を果たすことのみを意図する。本明細書において別途指定されない限り、それぞれの個々の値は、該値が本明細書において個々に記載されているのと同じように、本明細書に組み入れられる。本明細書において記載される全ての方法は、本明細書において別途指定されない限り、または文脈と明らかに矛盾しない限り、任意の適切な順序で実行可能である。本明細書において、いくつかの態様に関して提供される、あらゆる例示の使用、またはあらゆる例示的表現(たとえば、「たとえば」)の使用は、本発明のより良い理解を容易にすることのみを意図しており、別途特許請求される本発明の範囲に対する限定を表すものではない。本明細書におけるいかなる表現も、本発明の実施に必須である、特許請求の範囲にない何らかの要素を示していると解釈されるべきではない。
本明細書において開示される本発明の、選択肢となっている要素または態様の群分けは、限定として解釈されるべきものではない。群の各メンバーは、個々に、または該群の他のメンバーとの任意の組み合わせとして、もしくは本明細書において見いだされる他の要素との任意の組み合わせとして、言及されることおよび特許請求されることが可能である。群の1つまたは複数のメンバーは、利便性および/または特許性を理由として、群に包含されてよく、または群から削除されてもよい。任意のそのような包含または削除が生じた場合、本明細書は改変された群を含むものとして、本明細書においてみなされ、したがって本明細書は、添付の特許請求の範囲において使用される、全てのマーカッシュ群のための説明を満たすものである。
本発明の好ましい態様は、本明細書において記載されており、これには、本発明者らが知る、本発明を実施するための最良の態様が含まれる。それらの好ましい態様のバリエーションは、上述の説明を読むことによって、当業者に明らかとなるであろう。当業者は、適切なものとしてそのようなバリエーションを採用することが可能であり、かつ、本明細書において具体的に記載されるもの以外の本発明も、実施されることが可能であると考えられる。したがって、本発明の多数の態様は、適用法令によって認められるとおり、本明細書に添付される特許請求の範囲に列挙される内容の、改変物および等価物の全てを含む。さらに、その可能な全てのバリエーションにおいて、上述の要素の任意の組み合わせが、本明細書において別途指定されない限り、または文脈と明らかに矛盾しない限り、本発明に包含される。
さらに、本明細書の全体を通して、特許および刊行物に対し多数の参照がなされている。上で引用される参考文献および刊行物のそれぞれは、それらの全体がそれぞれ、参照により本明細書に組み入れられる。
最後に、本明細書において開示される本発明の態様は、本発明の原理の例示であることが、理解されるべきである。採用可能な他の改変は、本発明の範囲内であり得る。したがって、限定というわけではなく一例としてであるが、本発明の代替の構成が、本明細書における教示にしたがって利用され得る。したがって、本発明の態様は、示されかつ記載されているとおりのものに限定されるわけではない。

Claims (20)

  1. SEQ ID NO:215およびSEQ ID NO:1~SEQ ID NO:214のうちのいずれかのアミノ酸配列を含むミトコンドリア由来ペプチド、またはその誘導体もしくはそのアナログ
    を含む、組成物。
  2. ミトコンドリア由来ペプチドが、
    Figure 2023528220000030
    のアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の組成物。
  3. ミトコンドリア由来ペプチドが、
    Figure 2023528220000031
    に対して約75%、80%、85%、90%、95%、またはより高いパーセンテージの同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の組成物。
  4. ミトコンドリア由来ペプチドが、約12~65アミノ酸の長さである、請求項1または3に記載の組成物。
  5. ミトコンドリア由来ペプチドが、翻訳後修飾、または人為的な修飾を有し、人為的な修飾が、PEG化、脂肪酸コンジュゲーション、ポリペプチド伸長、IgG-Fc、カンプトテシン(CPT)、ヒト血清アルブミン(HSA)、エラスチン様ポリペプチド(ELP)、トランスフェリン、またはアルブミンでの修飾を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物。
  6. 請求項1~5のいずれか一項に記載のミトコンドリア由来ペプチド、および薬学的に許容される賦形剤を含む、薬学的組成物。
  7. 疾患および/または状態を処置する方法であって、以下の段階を含む、方法:
    処置を必要とする対象を選択する段階;ならびに
    処置を必要とする対象に、ある量のミトコンドリア由来ペプチドを投与する段階であって、ミトコンドリア由来ペプチドが、疾患および/または状態を処置する能力を有し、かつミトコンドリア由来ペプチドが、SEQ ID NO:215および SEQ ID NO:1~SEQ ID NO:214のうちのいずれかのアミノ酸配列、またはその誘導体もしくはそのアナログを含む、段階。
  8. 前記ミトコンドリアペプチドが、アミノ酸配列
    Figure 2023528220000032
    を含む、請求項7に記載の方法。
  9. ミトコンドリア由来ペプチドが、
    Figure 2023528220000033
    に対して約75%、80%、85%、90%、95%、またはより高いパーセンテージの同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項7に記載の方法。
  10. ミトコンドリア由来ペプチドが、12~65アミノ酸の長さである、請求項7に記載の方法。
  11. 疾患および/または状態が、がんまたは炎症性疾患を含む、請求項7~10のいずれか一項に記載の方法。
  12. がんが、肺がん、前立腺がん、結腸直腸がん、胃がん、乳がん、結腸直腸がん、子宮頸がん、黒色腫、または皮膚がんである、請求項11に記載の方法。
  13. 腫瘍細胞の生存率を低下させるのに有効な量で、ミトコンドリア由来ペプチドが投与される、請求項7~12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 少なくとも50%の老化細胞のアポトーシスを増加させる一方で、非老化細胞の少なくとも80%の生存率を維持するのに有効な量で、ミトコンドリア由来ペプチドが投与される、請求項7~12のいずれか一項に記載の方法。
  15. 老化細胞において炎症性応答を誘導するのに有効な量で、ミトコンドリア由来ペプチドが投与される、請求項7~12のいずれか一項に記載の方法。
  16. ミトコンドリア由来ペプチドが、M2マクロファージをM1マクロファージへと変換する能力を有する、請求項7~12のいずれか一項に記載の方法。
  17. ミトコンドリア由来ペプチドが、SEQ ID NO: 1~SEQ ID NO: 214からなる群より選択される、請求項7および9~16のいずれか一項に記載の方法。
  18. それを必要とする個体においてミトコンドリア由来ペプチドを検出する方法であって、以下の段階を含む、方法:
    個体から得られた生物学的試料において、SEQ NO:215およびSEQ ID NO:1~SEQ ID NO:214から選択される1種または複数種のミトコンドリア由来ペプチドの、存在、非存在、または発現レベルを検出する段階。
  19. 個体が、がんおよび/または炎症を有している、請求項18に記載の方法。
  20. 存在、非存在、または発現レベルの検出が、イムノアッセイ、RNA配列決定、ノーザンブロット、インサイチューハイブリダイゼーション、ハイブリダイゼーションアレイ、遺伝子発現連鎖解析(serial analysis of gene expression)(SAGE)、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、リアルタイムPCR、リアルタイム逆転写PCR、定量PCR、マイクロアレイ、質量分析、およびそれらの組み合わせを含む、請求項18に記載の方法。
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