JP2023527102A - 負圧キャビティを有するマッサージ装置 - Google Patents

Abstract

本発明は、ユーザによって把持可能な把持部３を有する本体２と、マッサージヘッド４と、マッサージヘッド（４）を把持部（３）に対して往復移動させるよう構成されるアクチュエータ（５）とを備えるマッサージ装置（１）に関する。マッサージヘッド（４）は、吸引ポンプ（７）に接続される負圧キャビティ（６）を備える。【選択図】図１

Description

本発明は、ユーザによって把持可能な把持部を有する本体と、マッサージヘッドと、マッサージヘッドを把持部に対して往復移動させるよう構成されるアクチュエータとを備えるマッサージ装置に関する。

叩打法マッサージでは、人体の一部を高速に叩いたり、平手で打ったり、カッピング（ｃｕｐｐｉｎｇ：吸引）したりすることがある。マッサージヘッドの往復移動により体に圧力を加えるマッサージ装置は、ＵＳ１０，３１４，７６２Ｂ１から公知である。ＵＳ５，９０２，２９３には、内部から空気を抜く吸引ポンプに接続される缶体が開示され、この缶体には振動子が取り付けられる。筐体と、皮膚にあてられる吸引端部と、モーターに接続される吸引ポンプと、振動子と、電源とを備えるスキンケア組成物塗布用装置がＵＳ２０１６／００７４６４１Ａ１から公知である。

本発明は、ユーザーフレンドリーなマッサージ装置と、マッサージ装置の操作方法とを提供することを目的とする。

本発明は、ユーザによって把持可能な把持部を有する本体と、マッサージヘッドと、マッサージヘッドを把持部に対して往復移動させるよう構成されるアクチュエータと、吸引ポンプとを備え、マッサージヘッドが吸引ポンプに接続される負圧キャビティを備える携帯型マッサージ装置を提供する。

マッサージヘッドの往復移動により行われる叩打法マッサージ療法では、強く、高速な、かつ短時間のストロークが加えられる。この動作により筋肉の張りが和らげられ、作用を受けた領域の血流が増加し、軟質組織の痛みが緩和される。局所的な負圧を皮膚に生じさせるカッピング療法では、カップが置かれた場所の血液循環が増加する。これにより、筋肉の張りが和らぎ、全体の血流が改善され、細胞修復が促進されることが知られている。

本発明によれば、マッサージヘッドの強力なストロークとともに負圧が同時に加えられ、カッピングと叩打法マッサージ療法とを一つの装置に組み合わせるのに役立つ。これにより、スポーツに関連する筋肉の回復及び痛み治療の効率が向上する。好ましい実施形態において、負圧キャビティはマッサージヘッドの前端に向けて開口し、マッサージ動作中に被マッサージ者に負圧を加える。特に、負圧キャビティの体積は、把持部に対するマッサージヘッドの往復移動中に一定のままである。

負圧キャビティは、チューブを介して吸引ポンプに接続され、吸引ポンプは本体上に配置されてもよい。吸引ポンプがマッサージヘッドと独立して配置されることにより、マッサージヘッドを比較的コンパクトかつ頑丈に設計することが可能である。特に、吸引ポンプは電気的駆動装置を備えてもよく、またはマッサージヘッドを往復移動させるアクチュエータによって駆動されてもよい。吸引ポンプは、電気ダイアフラムエアポンプであってよい。

特に、負圧キャビティはチューブを介して吸引ポンプに直接接続される。特に、チューブの体積は、マッサージヘッドの往復移動中に略一定のままである。この構成により、負圧キャビティに供給される負圧の圧力変化を低減することが容易になる。

特に、把持部はマッサージヘッドの下方に配置される。把持部は、マッサージヘッドに対して下方に延びてもよい。把持部はマッサージヘッドの往復移動の方向に傾斜するピストルグリップの形状に構成されてもよい。把持部は、マッサージヘッドの往復移動の方向に直交してもよい。これにより、マッサージ装置の精確な取り扱いが容易となり、精確なマッサージ加療が確保される。さらに、これにより負圧キャビティを気密に被マッサージ者の皮膚にあてることが容易となり、負圧を実現することが可能となる。

把持部の延伸方向とマッサージヘッドの往復移動の方向との間の角度は４５度から９０度の間であるのが好ましく、４５度から８５度の間であるのがより好ましく、７０度から８０度の間であるのがさらに好ましい。

一実施形態において、吸引ポンプは本体の把持部内に配置される。吸引ポンプは、アクチュエータに対して把持部の反対側に配置される。この真空ポンプとアクチュエータとは所定の重量を有し、これらを把持部の反対側に配置することで重量を有益に配分することができる。特に、この構成により装置の回転慣性が増加し、これにより往復移動からのバックラッシュを相殺することができる。

装置は、好ましくは把持部内に配置されるバッテリーを備えるのが好ましい。バッテリーは、吸引ポンプとアクチュエータとの間に配置されてもよい。これにより、重量配分がさらに向上される。バッテリーは、吸引ポンプとアクチュエータと比べて、マッサージヘッドとより離れて配置されてもよい。

マッサージ装置は、負圧のレベル調整を可能とする空気弁を備えてもよい。空気弁は吸引ポンプの一部であってもよく、あるいは吸引ポンプとマッサージヘッドとの間に設けられてもよい。

これはすなわち、空気圧センサにより負圧レベルを測定し、フィードバックループにより空気弁の開口を制御して負圧を所望のレベルに調整することにより実現可能である。これにより、ユーザが負圧レベルを、例えばスポーツ活動の種類及び強度、またはマッサージを受ける体に応じて個別に設定可能となる。

好ましくは、空気圧センサが負圧を測定可能であり、空気弁の開口が、測定された負圧に基づき、コントローラによってフィードバックループにより制御可能である。一実施形態において、空気弁は、負圧システムから、周囲圧力の環境への接続部を比例的に開閉してもよい。この弁は、コントローラによって周囲圧力の環境に比例的に開放されて負圧キャビティ内の圧力を上昇させ、またコントローラによって環境に比例的に閉じられ、負圧キャビティ内の圧力を上昇させてもよい。

別の実施形態において、空気弁は、吸引ポンプと負圧キャビティの間の接続を比例的に開閉してもよい。この弁は、コントローラによって比例的に閉じられて負圧キャビティ内の圧力を上昇させ、コントローラによって環境に比例的に開放され、負圧キャビティ内の圧力を上昇させてもよい。圧力を上昇させるとは、負圧キャビティ内の圧力を周囲圧力に近くなるように変化させることを意味し、圧力を低下させるとは、負圧キャビティ内の圧力を真空に近くなるように変化させることを意味する。

空気圧センサは負圧キャビティ内、または吸引ポンプに配置されてよく、またはチューブに接続されてもよい。

ユーザによって駆動されて空気弁を開放し、これにより負圧キャビティ内の負圧を急速に周囲圧力と等しくすることの可能な解放スイッチが設けられてもよい。これにより負圧印加を即座に終了させることができ、マッサージ装置を被マッサージ者から容易に引き離すことが可能となる。解放スイッチは、把持部に配置されてもよい。解放スイッチをオンにすることで、吸引ポンプの排出口に設けられた弁が開かれてもよい。

本発明の一実施形態によれば、マッサージヘッドは、インサートとベース本体とを備え、インサートはベース本体内に脱着可能に配置される。異なるインサートをベース本体に装着することで、単一の装置でユーザに異なるマッサージオプションが提供される。ユーザは、所望のマッサージに応じて異なるインサートを選択することができる。

特に、インサートは往復移動の方向にベース本体から突出する。特に、この構成によりインサートのみを被マッサージ者に接触させることが可能となる。インサートは負圧キャビティの一部を形成するのが好ましい。特に、負圧キャビティは、ベース本体とインサートとの双方に形成される。被マッサージ者から遠い負圧キャビティの部分はベース本体内のキャビティとして形成されてもよく、被マッサージ者に近い負圧キャビティの部分はインサートによって形成されてもよい。特に、チューブは、被マッサージ者から遠い負圧キャビティの部分に接続される。被マッサージ者に近い負圧キャビティの部分は、異なる近傍の負圧キャビティ形状を有するインサートを交換することにより異なる要求に対応可能とされてもよい。

ベース本体から突出するインサートの形状は、略ボール状、平坦、フォーク状、または円錐状であってもよい。ユーザが叩打法マッサージのみを行うことを好む場合には、負圧キャビティのない純粋な叩打式マッサージ用インサートを用いてもよい。本発明によれば、負圧キャビティを有するカッピングマッサージ用インサートが設けられてもよい。このカッピングマッサージ用インサートは断面がＵ字状であるか、または円錐状開口を備えてもよい。このカッピングマッサージ用インサートは吸引ポンプのみを駆動したときのカッピングマッサージ用途に用いてもよい。吸引ポンプとアクチュエータとを駆動すると、カッピングと叩打法マッサージとの組み合わせが提供される。

さらに、インサート、またはベース本体内のインサートを収容する負圧キャビティにはコネクタが設けられ、これにより別のインサートとの交換を容易とし、マッサージ中にこれらをベース本体内に保持することができる。

特に、インサートは、ポリマー、金属、ガラス、複合材料等各種の材料からなってよく、異なる剛性値を有してよい。

インサートは、被マッサージ者に当接し、インサートの残部よりも柔らかい材料からなる当接要素を備えてもよい。特に、当接要素はインサートの辺縁部を形成し、被マッサージ者に当接可能とされる。当接要素はシリコーンからなってもよい。当接要素は、特にインサートの開口部に沿って負圧キャビティに向けて形成される。この柔らかい、したがって変形しやすい当接要素により、被マッサージ者への当接時に負圧キャビティをより良好に密閉可能となる。また、柔らかい辺縁部によって、被マッサージ者にとっての快適さが向上する。

インサートは少なくとも部分的に負圧キャビティ内に配置されるのが好ましい。特に、負圧キャビティは、インサートが挿入された場合でも部分的に空隙を備えてよい。これにより、インサートの大きさ、重さ、および製造コストを低減可能であり、負圧生成体積が増加し、圧力の大きさを低減できる。さらに、インサートは往復移動の方向に負圧キャビティを覆って突出してよい。

一実施形態において、インサートは負圧キャビティの一部を形成する。これにより、インサートは負圧キャビティの外壁を形成して負圧キャビティの形状を規定する。したがって、マッサージヘッドのベース本体内のインサートを交換することで異なる形状の負圧キャビティを設けることができる。

密閉部材がマッサージヘッドのインサートとベース本体との間に設けられるのが好ましい。これにより、特にインサートとベース本体との間の摩擦力を増加させることでマッサージヘッドのベース本体にインサートを固定しやすくできる。また、密閉部材により空気漏れを減らしたり、空気漏れを防いだりすることができる。

インサートは、機械的接手などのコネクタによって、マッサージヘッドのベース本体に保持されてよい。

一実施形態において、負圧キャビティ中の負圧により、ベース本体にインサートを保持可能である。これにより、マッサージヘッドのベース本体にインサートを固定するためのコネクタを用いる必要がなくなる。

一実施形態において、アクチュエータは、少なくとも部分的に把持部に配置される。これにより、省スペースかつコンパクトなマッサージ装置が得られ、ユーザによって扱いやすい。

別の実施形態において、アクチュエータは把持部の上方に配置される。

本発明の一実施形態によれば、アクチュエータはクランク本体内に偏心して固定される駆動軸を有するクランク駆動装置を備え、クランク本体はピストンロッド用の軸受を構成する。軸受の直径は、クランク本体内の駆動軸の固定位置の偏心距離（ｒａｄｉｕｓ ｏｆ ｅｃｃｅｎｔｒｉｃｉｔｙ）の二倍よりも大きいことが好ましい。てこの原理に基づき、偏心度が小さいと、モーターの駆動軸からより大きな叩打力を得ることができ、結果的にモーターの力をより効率的に利用することができる。偏心度と比べて比較的大きな軸受は、高い機械的耐久性を持ちうる。さらに、本発明の軸受設計では、摩擦が低減し、これにより、より高速及び／またはより強いマッサージ力で装置を動作させることができる。

本発明の好ましい実施形態によれば、少なくともマッサージヘッドの後端はブッシュに案内されるピストンとして形成され、アクチュエータは、ピストンの後端の中空部にピンを介して接続される。これにより、マッサージ装置の可動部品を小型化し、これらをコンパクトに設計することが可能となる。さらに、マッサージヘッドに作用する力を本体に均一に分散させることができる。

マッサージ装置は、マッサージヘッドの加速度またはマッサージヘッドによって加えられる圧力を検出するよう構成される加速度センサまたは圧力センサまたは双方を備えるのが好ましい。マッサージ装置は、マッサージヘッドによって加えられ、圧力センサまたは加速度センサから得られる圧力を示す表示部をさらに備えてもよい。これにより、ユーザは所望の圧力レベルを制御し、調整可能である。この表示部は、測定された加速度から得られるマッサージ装置の向きを表示可能とされてもよい。特に、表示される向きは、マッサージ装置と被マッサージ者の体の一部の上の接触面との間の相対的な向きである。マッサージヘッドと体の一部との間の接触面を最大化できる場合、この向きは有効であると考えられる。この有効な向きが表示部上に示されてもよい。これにより、このマッサージ装置を最も良く利用可能とする形で装置の位置を最適化するようユーザに案内可能である。これらのセンサは、マッサージ用インサート上、またはマッサージ用インサート内に配置されるのが好ましい。

マッサージヘッドは、２０ｇから１００ｇ、好ましくは４０ｇから６０ｇの重量を有してもよい。

本発明では、さらに負圧キャビティの一部を形成するマッサージ用インサートが提供される。特に、負圧キャビティはマッサージ用インサートの前部に向けて開口し、その後端に向けて開口接続部を備え、マッサージ用インサートがベース本体に接続された際にマッサージヘッドのベース本体内で生じた負圧が負圧キャビティに接続される。

さらに、本発明は、ユーザによって把持可能な把持部を有する本体と、マッサージヘッドと、把持部に対してマッサージヘッドを往復移動させるアクチュエータとを備え、アクチュエータがクランク本体内に偏心して固定される駆動軸を有するクランク駆動装置を備えるマッサージ装置であって、クランク本体がピストンロッド用の軸受を構成し、軸受の直径がクランク本体内の駆動軸の固定位置の偏心距離の二倍よりも大きいものを提供する。マッサージ装置は、上記に示された特徴のいずれかを備えてもよい。アクチュエータは、少なくとも部分的に把持部内に配置されてもよい。

本発明は、さらに特に非治療マッサージ用途のマッサージ装置の動作方法であって、マッサージヘッドを把持部に対して往復移動させ、マッサージヘッド内のキャビティ内を負圧とする方法を提供する。マッサージ装置は、上記に示された特徴のいずれかを備えてもよい。

本発明は、さらにマッサージ装置のマッサージヘッド内の負圧の、叩打式、特に非治療マッサージ用途への使用を提供する。特に、負圧は、吸引ポンプによって生じる。

本発明を、図面に示される例示的実施形態を参照しつつ以下に説明する。

本発明の一実施形態にかかるマッサージ装置の側面図を示す。 本発明の一実施形態にかかるインサート付マッサージヘッドの側面断面図を示す。 本発明の別の実施形態にかかるインサート付マッサージヘッドの側面断面図を示す。 本発明の別の実施形態にかかるインサート付マッサージヘッドの側面断面図を示す。 本発明にかかるアクチュエータの側面断面図を示す。 図５にかかるアクチュエータの上面図を示す。 本発明の別の実施形態にかかるマッサージ装置の側面図を示す。

図１は、本発明の一実施形態にかかるマッサージ装置１を示す。このマッサージ装置１は、高速ストローク、吸引、および高速ストロークと吸引との組み合わせという複数の動作モードを有する叩打式治療マッサージ用途に使用可能な携帯型電気機械装置である。

マッサージ装置１は、体接開口部２３を有する負圧キャビティ６が設けられたマッサージヘッド４用のブッシュ１７と吸引ポンプ７とが配置されたプラットホーム２００を有する本体２を備える。マッサージヘッド４のブッシュ１７は、プラットホーム２００上にねじを介して配置され固定される。吸引ポンプ７は、プラットホーム２００に固定して取り付けられる。吸引ポンプ７は、空気弁２７を備えてもよい。マッサージヘッド４は、マッサージヘッド４の吸引開口部６０上のチューブ８を介して吸引ポンプ７に接続される。

マッサージ装置１は、ユーザによって駆動されて空気弁を開放可能であり、これにより負圧キャビティ６内の負圧を急速に周囲圧力と等しくする負圧解放スイッチ２９を備えてもよい。

本体２は、ユーザがマッサージ装置１を保持するための把持部３を備える。把持部３はプラットホーム２００の下方に配置される。マッサージヘッド４を把持部３に対して往復移動させるよう構成されるアクチュエータ５が把持部３に部分的に配置され、かつプラットホーム２００の上方に延びる。アクチュエータ５は、プラットホーム２００の上方かつ本体２上に配置されてもよい。マッサージヘッド４の往復部分の長さ２６は、５０ｍｍから２００ｍｍの間とされてよく、好ましくは略１００ｍｍとされてよい。

後退した第一位置から突出した第二位置にわたるマッサージヘッド４の往復移動により、マッサージヘッド４は、被マッサージ者の選択された体の領域に、ストロークレベルを規定する可変速度で高速ストロークを加えることができる。マッサージヘッド４の体接開口部２３を被マッサージ者の体にあてた後、吸引ポンプ７を動作させることで、マッサージヘッド４の負圧キャビティ６内の空気が部分的に排出され、被マッサージ者の体表面上に吸引力が生じる。このようにして、高速ストロークモードと吸引モードとを同時に動作させることができる。

マッサージ装置１は、加速度センサ１９と、空気圧センサ２０と、機械的圧力センサ２１とを備えてもよく、これらはマッサージヘッド４のアクチュエータ５の近傍に配置されてもよい。空気圧センサ２０はマッサージヘッド４の負圧キャビティ６内部に設けられてキャビティ６内の空気圧を検出してもよい。加速度センサ１９を用いて、マッサージヘッド４の速度および位置を推定してもよい。機械的圧力センサ２１はアクチュエータ５と把持部３との間に配置されてもよく、これによりアクチュエータ５によって加えられる力を測定し、被マッサージ者に加えられる圧力を推定可能としてもよい。空気圧センサ２０はマッサージヘッド内、特にベース本体１０とベース本体１０のインサート９との間に設けられてもよい。

マッサージ装置１は、把持部３、またはプラットホーム２００の上方の本体の一部を覆う筐体（図示略）上に配置される、例えばタッチスクリーンであるユーザーインターフェース２２を備えてもよい。ユーザーインターフェース２２を通じて、ユーザは高速ストローク、吸引、または同時の高速ストローク及び吸引マッサージなどの異なるマッサージ処置オプションを選択することができる。また、ユーザは、ランニング、サイクリング、ヨガ等の、マッサージ前に被マッサージ者によって行われる活動に応じて、圧力レベルに関する異なるマッサージオプションを選択してもよい。ユーザに提供されるマッサージオプションは、例えば被マッサージ者が怪我をしているか否かなど、ユーザの健康（ｈｅａｌｔｈ ａｎｄ ｗｅｌｌｎｅｓｓ）に応じたものであってもよい。また、マッサージオプションは、筋肉痛のレベル、および筋肉が硬くまたは柔らかく感じられる度合いに応じて選択可能とされてもよい。ユーザは、異なる負圧レベルおよびストロークレベルを備えるマッサージオプションを選択してもよい。ユーザーインターフェース２２は、対応するアプリケーションソフトウェアを含むリモートデバイス（例：スマートフォン）に設けられてもよい。ユーザーインターフェース２２上で所望のマッサージ処置オプション、負圧レベルおよびストロークレベルを選択することで、被マッサージ者の体にマッサージヘッド４の体接開口部２３をあてると、マッサージ装置１は選択されたパラメータに応じて負圧およびストロークレベルを自動的に調節することになる。

マッサージヘッド４の体接開口部２３が被マッサージ者の現在の体の箇所から離され、同じ、または別の体の箇所にあてられたとき、負圧は自動的に減少する。

図２はインサート９を有するマッサージヘッド４の側面断面図を示す。マッサージヘッド４は、インサート９とベース本体１０とを備え、インサート９はベース本体１０内のマッサージヘッド４の前端４０に脱着可能に配置される。マッサージヘッド４の後端４１は、ピストン２８として形成される。アクチュエータ５のピストンロッド１６がマッサージヘッド４に配置されたピン１８により接続される。

複数のインサート９が、異なる大きさ、形状、材質特性および機能を備えてもよい。例えば、インサート９は、インサート９をベース本体１０にその形状または摩擦ばめにより係止可能なコネクタを備えてもよい。これにより、インサート９は、ツールないしねじ止め工程を要することなく装着可能である。インサート９の後部挿入部９１は、その全体がベース本体１０に挿入される。後部挿入部９１は、柔軟性のあるポリマーからなる円筒状部材であるのが好ましい。インサート９の前部挿入部９２は、往復移動の方向１００にベース本体１０から突出する。この前部挿入部９２は円形開口部９３を備えてもよい。

図３は、円錐状開口９３を有する前部挿入部９２を備えたインサート９を有するマッサージヘッド４の側面断面図を示す。インサート９の後部挿入部９１は、その全体がベース本体１０に挿入される。当接要素９４としてのシリコーンリングが開口９３の周囲に設けられる。

マッサージヘッド４のベース本体１０とインサート９との間に密閉部材１１が設けられてもよい。開口９３の直径、マッサージヘッド４の外部にあるインサート９の円錐の長さおよび角度は変更可能である。

図４は、開口を有しない先端を備えるインサート９付きのマッサージヘッド４の側面断面図を示す。このインサート９は負圧キャビティ６内の負圧によってのみ保持されるが、何らカッピング機能を提供しない。ベース本体１０から突出するインサート９の前部挿入部９２は、ボール状、平坦状、またはフォーク状の先端を備えてもよい。

マッサージヘッド４のベース本体１０内部を延びる後部挿入部９１の長さも変更可能とされてよい。この長さは、負圧キャビティ６の長さと略等しくされても、または負圧キャビティ６の長さよりも小さくてもよい。前者の場合、インサート９はマッサージヘッド４の吸引開口部６０と同じ箇所に対応する吸引開口部（図示略）を後部挿入部９１内に備えてもよい。

図５は、図１に部分的に示されるアクチュエータ５の側面断面図を示す。このアクチュエータは、マッサージヘッド４を往復移動させるように構成される。アクチュエータ５は、好ましくはブラシレスＤＣモーターであるモーター２４に接続される駆動軸１３を有するクランク駆動装置１２を備える。駆動軸１３は、クランク本体１４に偏心して固定される。クランク本体１４により、ピストンロッド１６の軸受１５が構成される。ピストンロッド１６は、図２、３、および４に示されるように、ピン１８によってマッサージヘッド４に機械的に接続される。

図６はアクチュエータ５の上面図を示す。クランク本体１４の中心と駆動軸１３との間の距離として定義される偏心度（ｅｃｃｅｎｔｒｉｃｉｔｙ）２５は、３ｍｍから９ｍｍの間、好ましくは略６ｍｍであってよい。

図７は、マッサージ装置１の他の実施形態を示す。吸引ポンプ７は、アクチュエータ５に対して把持部３の反対側に配置される。バッテリー３０が把持部３に配置され、アクチュエータ５と吸引ポンプ７との双方に電気的に接続される。チューブ８は、吸引ポンプ７と負圧キャビティ６とを直接接続する。空気弁３１が吸引ポンプ７の一部として設けられる。コントローラにより空気圧センサ２０からのフィードバック信号を受信し、空気弁３１をフィードバックループで制御してもよい。具体的に、設定目標圧力と空気圧センサからの測定圧力との差に応じて、コントローラによりバルブを開閉してもよい。このコントローラは、ＰＩＤコントローラまたはオン／オフコントローラであってよい。

解放スイッチを駆動して、空気弁３１を周囲環境に対して開放し、これにより負圧キャビティを周囲圧力と等圧としてもよい。把持部３は、マッサージヘッド４の往復移動の方向１００に対しておよそ８５度の角度で延びる。

マッサージ装置１は、空気品質センサ（図示略）を備えてもよい。空気品質センサにより、ユーザは、自身がマッサージ装置１により処置を行う部屋または領域の空気品質を正確に測定可能である。これは、ユーザが場所を替えたり、部屋を換気してできる限り良好なリラックスできる経験を得ることができるよう、ユーザーインターフェース２２を介してユーザに示されてもよい。

マッサージ装置１は、マッサージ装置内の通信インターフェースを介して、リモートデバイス、具体的には健康またはフィットネスアプリ等の対応アプリケーションソフトウェア（アプリ）に接続されてもよい。ユーザには、フィットネスアプリに登録されたスポーツの種類および継続時間に応じて、適切なマッサージ動作オプションが通知されてもよい。ユーザは、例えばマッサージ装置１のタッチスクリーン、またはリモートデバイスのアプリ等のユーザーインターフェース２２を通じて、マッサージ動作後に、スポーツ活動の動作、種類、健康問題、または現在のマッサージ動作後に特定の筋肉群に残る痛みの種類およびレベルに関するパラメータに関する情報を入力してもよい。この情報に応じて、ユーザは追加のマッサージ処置についての提案を受け取ることができる。この各ユーザ用の入力データはマッサージ装置１、またはリモートデバイスのアプリに記憶されてもよい。具体的な回復プログラムがユーザーインターフェース２２上に表示され、選択可能とされてもよい。マッサージ装置１の使用についてのトレーニングビデオがユーザーインターフェース２２上に表示されてもよい。

Claims (26)

1. マッサージ装置（１）であって、
   把持部（３）を備え、ユーザによって保持可能な本体（２）と、
   マッサージヘッド（４）と、
   前記把持部（３）に対して前記マッサージヘッド（４）を往復移動させるよう構成されるアクチュエータ（５）と、
   吸引ポンプ（７）とを備え、
   前記マッサージヘッド（４）は、前記吸引ポンプ（７）に接続される負圧キャビティ（６）を備えることを特徴とするマッサージ装置。
2. 請求項１に記載のマッサージ装置において、前記負圧キャビティ（６）は前記マッサージヘッド（４）の前端（４０）に向けて開口し、マッサージ動作中に被マッサージ者に負圧を加えることを特徴とするマッサージ装置。
3. 請求項１または請求項２に記載のマッサージ装置において、前記負圧キャビティ（６）はチューブ（８）を介して前記吸引ポンプ（７）に直接接続されることを特徴とするマッサージ装置。
4. 前記請求項のいずれか一項に記載のマッサージ装置において、前記把持部（３）は、前記マッサージヘッド（４）の下方に配置されることを特徴とするマッサージ装置。
5. 前記請求項のいずれか一項に記載のマッサージ装置において、前記把持部（３）の延伸方向と前記マッサージヘッド（４）の往復移動の方向（１００）との間の角度は４５度から９０度の間であり、より好ましくは７０度から８０度の間であることを特徴とするマッサージ装置。
6. 前記請求項のいずれか一項に記載のマッサージ装置において、前記吸引ポンプ（７）は前記把持部（３）に、特に前記アクチュエータ（５）に対して前記把持部（３）の反対側に配置されることを特徴とするマッサージ装置。
7. 前記請求項のいずれか一項に記載のマッサージ装置において、バッテリー（３０）が前記把持部（３）に配置されることを特徴とするマッサージ装置。
8. 前記請求項のいずれか一項に記載のマッサージ装置において、負圧のレベルを調整可能な空気弁（３１）を備え、前記空気弁（３１）は前記吸引ポンプ（７）の一部である、または前記吸引ポンプ（７）とマッサージヘッド（４）との間に設けられることを特徴とするマッサージ装置。
9. 請求項８に記載のマッサージ装置において、空気圧センサ（２０）は前記負圧を測定可能であり、前記空気弁（３１）の開口は、フィードバックループにより制御可能であることを特徴とするマッサージ装置。
10. 請求項８に記載のマッサージ装置において、前記空気弁（３１）を駆動し、これにより前記負圧キャビティ（６）内の負圧を急速に周囲圧力と等しくすることが可能な解放スイッチ（２９）が設けられることを特徴とするマッサージ装置。
11. 前記請求項のいずれか一項に記載のマッサージ装置において、前記マッサージヘッド（４）は、インサート（９）とベース本体（１０）とを備え、前記インサート（９）は前記ベース本体（１０）内に脱着可能に配置されることを特徴とするマッサージ装置。
12. 請求項１１に記載のマッサージ装置において、前記インサート（９）は前記往復移動の方向（１００）に前記ベース本体（１０）から突出し、前記インサート（９）は前記負圧キャビティ（６）の一部を形成することを特徴とするマッサージ装置。
13. 請求項１１または請求項１２に記載のマッサージ装置において、前記インサート（９）は少なくとも部分的に前記負圧キャビティ（６）内に配置されることを特徴とするマッサージ装置。
14. 請求項１１から請求項１３のいずれか一項に記載のマッサージ装置において、前記インサート（９）は前記負圧キャビティ（６）の一部を形成することを特徴とするマッサージ装置。
15. 請求項１１から請求項１４のいずれか一項に記載のマッサージ装置において、密閉部材（１１）が前記インサート（９）と前記マッサージヘッド（４）の前記ベース本体（１０）との間に設けられることを特徴とするマッサージ装置。
16. 請求項１１から請求項１５のいずれか一項に記載のマッサージ装置において、前記負圧キャビティ（６）内の前記負圧（６）により、前記インサート（９）を前記ベース本体（１０）に保持可能であることを特徴とするマッサージ装置。
17. 請求項１１から請求項１６のいずれか一項に記載のマッサージ装置において、前記インサート（９）は被マッサージ者に当接する当接要素（９４）を備え、前記当接要素（９４）は前記インサート（９）の残部よりも柔らかい素材からなることを特徴とするマッサージ装置。
18. 前記請求項のいずれか一項に記載のマッサージ装置において、前記アクチュエータ（５）は、少なくとも部分的に前記把持部（３）内に配置されることを特徴とするマッサージ装置。
19. 前記請求項のいずれか一項に記載のマッサージ装置において、前記アクチュエータ（５）はクランク本体（１４）内に偏心して固定される駆動軸（１３）を有するクランク駆動装置（１２）を備え、前記クランク本体（１４）はピストンロッド（１６）の軸受（１５）を構成し、前記軸受（１５）の直径は、前記クランク本体（１４）内の前記駆動軸の固定位置の偏心距離（２５）の二倍より大きいことを特徴とするマッサージ装置。
20. 前記請求項のいずれか一項に記載のマッサージ装置において、少なくとも前記マッサージヘッド（４）の後端（４１）はブッシュ（１７）内で案内されるピストン（２８）として形成され、前記アクチュエータ（５）はピン（１８）を介して前記マッサージヘッド（４１）の後端の中空部に接続されることを特徴とするマッサージ装置。
21. 前記請求項のいずれか一項に記載のマッサージ装置において、前記マッサージ装置（１）は、前記マッサージヘッド（４）の加速度または前記マッサージヘッド（４）によって加えられる圧力を検出するよう構成される加速度センサ（１９）または圧力センサ（２１）を備えることを特徴とするマッサージ装置。
22. 前記請求項のいずれか一項に記載のマッサージ装置において、前記マッサージ装置（１）はさらに、前記マッサージヘッド（４）の検出された加速度に応じて前記マッサージ装置（１）の向き、または、前記マッサージヘッド（４）によって加えられる検出された圧力を示す表示部（２１）を備えることを特徴とするマッサージ装置。
23. 前記請求項のいずれか一項に記載のマッサージ装置（１）用のマッサージ用インサート（９）であって、前記負圧キャビティ（６）の一部を形成することを特徴とするマッサージ用インサート。
24. マッサージ装置であって、ユーザによって保持可能な把持部（３）を有する本体（２）と、マッサージヘッド（４）と、前記マッサージヘッド（４）を前記把持部（３）に対して往復移動させるよう構成されるアクチュエータ（５）とを備え、前記アクチュエータ（５）はクランク本体（１４）に偏心して固定される駆動軸（１３）を有するクランク駆動装置（１２）を備え、前記クランク本体（１４）はピストンロッド（１６）用の軸受（１５）を構成し、前記軸受（１５）の直径は前記クランク本体（１４）内の前記駆動軸（１３）の固定位置の偏心距離（２５）の二倍より大きいことを特徴とするマッサージ装置。
25. 特に非治療マッサージ用途かつ特に前記いずれか一項に記載のマッサージ装置を用いるマッサージ装置（１）の動作方法であって、
    把持部（３）に対して前記マッサージヘッド（４）を往復移動させ、
    前記マッサージヘッド（４）内のキャビティ（６）内に負圧を加えることを特徴とする方法。
26. マッサージ装置（１）のマッサージヘッド（４）内の負圧の、叩打式、特に非治療マッサージ用途への使用。
    

Images