JP2023527087A - 敗血症状態の予測 - Google Patents

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Abstract

対象における敗血症状態を予測する方法であって、a.前記対象の試料におけるバイオマーカーのレベルを決定するステップであり、バイオマーカーが構造(I):式(I)のものまたはその塩である、ステップと、b.前記レベルを、バイオマーカーの所定の参照値と比較するステップとを含み、上昇したバイオマーカーレベルが、敗血症状態のリスクを示す、方法。【化1】JPEG2023527087000018.jpg81170

Description

本発明は、対象における敗血症状態を予測する方法であって、バイオマーカーを決定する工程を含む、方法に関する。
敗血症は、感染症に対する宿主の調節不全応答によって生じる、生命に関わる臓器機能不全として定義される。最近の推定によれば、世界で敗血症症例は4900万人と概算され、敗血症関連死は1100万人と概算されている。現在の敗血症の定義では、敗血症の2つの段階、すなわち、敗血症と敗血症性ショックとが認識されている。敗血症とその進行とを予測することは難題であり、生命に関わる臓器機能不全およびそれに続く死亡を防止するためのそれぞれの処置について、診断は頻繁に手遅れとなる。高リスク集団、例えば入院中の患者、特にICUの患者において、患者が敗血症を発現する可能性を早期に正確に識別することは、著しい臨床上の価値がある。反対に、敗血症の発現を除外することは、抗生物質(二次的な抗生物質耐性感染症の発現を回避するため)および追加の敗血症関連検査の実施を控えるという観点から、等しく重要である。
現在の診断方法は、全身性炎症反応症候群(SIRS)と敗血症とを区別することを目的としている。プロカルシトニン(PCT)は、細菌感染症を診断し、細菌感染症を非感染性SIRS様状態から区別するために使用される、一般的なバイオマーカーである。しかしながら、疾患の重症度の正確な測定法は未だ開発されておらず、もっぱらAPACHE、SAPSおよびSOFA等の臨床スコアに依存している。細菌感染症の確度を示すPCTのカットオフレベルは議論されており、臨床における適用に関しては定まっていない。現在の実務によれば、臨床ICUは、抗生物質介入を開始するため、および感染症をルールイン/除外するための閾値として、血漿中0.25ng/mL、0.5ng/mLまたは1.0ng/mLのいずれかというまちまちのPCTカットオフを使用している。まちまちのカットオフでは、感度と特異性との間でトレードオフとなり、例えば、敗血症を診断するためにより低いカットオフでPCTを使用すると、とりわけ複数の外傷、重度の火傷、大手術、マラリア患者の場合および新生児(少なくとも生後4日まで)において、大幅な偽陽性(PCT上昇にもかかわらず細菌感染症はない)のリスクが持ち越される。
WO84/04168A1は、ヒトにおけるがんを診断するための方法および試験キットを開示している。例示的な試験キットは、N-[9-(β-D-リボフラノシル)プリン-6-イルカルバモイル]-L-トレオニンを特異的に認識するモノクローナル抗体を含む。
Ludwig et al.(Molecular Biosystems 2017,13(4):648-664)には、敗血症のバイオマーカーの発見のための質量分光分析による方法が記載されている。
WO2004/044554A2は、バイオマーカープロファイルを使用した敗血症またはSIRSの診断を開示している。
敗血症の早期診断のため(特に、敗血症を発現するリスクが高い患者において)、ならびに感染性疾患を患い、1種または複数の抗生剤による処置を受けている患者の抗生物質治療ガイダンス(開始と中断との両方)、層別化および/またはモニタリングを目的として、信頼の置ける診断試験を提供することは重要でありうる。
特にリスク集団の患者、例えば、感染性疾患を患う患者および先存する併存症を呈する患者における、敗血症の判定および/または敗血症疾患の発症の判定のための手段および方法を提供することが目的である。
この目的は、本特許請求の範囲であり、ここでさらに記載される主題事項によって解決される。
本発明は、対象における敗血症状態を予測する方法であって、
a.前記対象の試料におけるバイオマーカーのレベルを決定するステップであり、ここでさらに記載されるように、バイオマーカーが構造(I)のものまたはその塩である、ステップと
b.前記レベルを、バイオマーカーの所定の参照値と比較するステップと
を含み、
上昇したバイオマーカーレベルが、敗血症状態のリスクを示す、方法を提供する。
具体的には、バイオマーカーは、試料中に内在する、または自然に発生する小分子化合物である。構造(I)のバイオマーカーまたはその塩は、試料において決定される、任意のそれぞれの光学異性体、鏡像異性体、ジアステレオマーまたはラセミ化合物(の1つまたは複数、例えばすべて)でありうる。
具体的には、参照レベルは、前記リスクのない対象もしくは対象の群におけるバイオマーカーのレベル、または敗血症状態を示す閾値レベルである。
参照レベルは、疾患または疾患のリスクがわかっている患者の試料に対する、この方法の較正から得られる値であってもよい。
具体的には、ここで記載される方法は、試料におけるバイオマーカーレベルが参照または閾値レベルを上回るかを判定することなど、定量的または半定量的方法であってもよい。
閾値レベル(カットオフレベルとも称される)は、健康な対象と、疾患を発現するリスクが高い対象、疾患発症時の対象、または疾患を既に患っている対象とを区別しうる。
具体的には、ここで記載される方法は、治療ガイダンス、層別化および/または制御のために、特に抗生物質治療のために使用される。この目的のために、ここで記載される方法は、具体的には、対象に前記リスクがあるかに基づいて、治療を適用すること、維持すること、軽減すること、強めることまたは適用しないことをさらに含む。
具体的には、敗血症状態は、全身性炎症反応症候群(SIRS)、敗血症、敗血症性ショックおよび多臓器不全症候群(MODS)からなる群から選択される敗血症疾患のいずれか1つまたは複数である。
具体的な態様によれば、ここで記載される方法は、前記敗血症状態を患っていない対象におけるバイオマーカーを決定するために使用され、試料におけるバイオマーカーのレベルに基づいて、このような敗血症状態の発症が予測される。
敗血症として理解される具体的な敗血症状態としては、例えば、(異なる発生源からの、または異なる起源の)敗血症、敗血症性ショック、および多臓器不全症候群(MODS;新しいSepsis-3の定義、Singer et al.,2016において基礎となる構成要素)からなる群から選択される敗血症疾患のいずれか1つまたは複数が挙げられる。
具体的には、対象は感染した患者であり、すなわち、感染症と診断された患者、または感染症を患う可能性の高い、もしくは確認された患者である。
ある特定の実施形態では、敗血症状態のリスクは感染した患者において、バイオマーカーレベルがこのような感染症を患っていないまたはこのような敗血症状態を発現していない患者集団に通常見られる所定の参照レベルよりも高い場合に、示される。
ある特定のアッセイにおける、正常レベルよりも高い所定の参照レベルは、例えば、正常レベルの測定の標準偏差よりも、少なくとも2倍、3倍、4倍または5倍高いレベルでありうる。
例えば、血液、血漿または血清試料における所定の参照レベルは、約15~40ng BM1/mL、例えば、約15、20、25、30、35または40ng BM1/mLの閾値でありうる。
このような閾値よりも有意に高い(または少なくとも標準偏差よりも高い)値は、敗血症状態のリスクを示すことになる。ある特定のBM1試験を用いて、敗血症を患うヒト患者を心不全を患う対照群に対して比較した本発明の実施例では、血漿または血清の約32ng BM1/mLという閾値を確立している(実施例4、マトリックス:感度/特異性)。
ヒト新生児の血漿または血清試料における所定の参照レベルは、約80~120ng BM1/mLでありうる。敗血症のヒト新生児は、血漿または血清において、最大300ng/mLという上昇したレベルを有しうる。
子ウシ、ラマ、アルパカ、ヤギまたは肉牛の血液、血漿または血清試料における所定の参照レベルは約10~30ng/mLであり、敗血症の子ウシは、BM1について約40~80ng/mLの濃度レベルを示した。
ヒトの滑液における所定の参照レベルは約15~40ng BM1/mLであることもあり、敗血症のヒトは、BM1について約40~160ng/mLの濃度レベルを示した。
ヒトの尿における所定の参照レベルは、約2500~4500ng BM1/mgクレアチニンの閾値でありうる。
敗血症のヒト患者は、典型的に、約5000~16000ng BM1/mgクレアチニンという上昇したレベルを有する。
敗血症性ショックの症例は、具体的には、バイオマーカーレベルが、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%または100%のいずれか1つだけ、敗血症を示す参照レベルよりも高い場合に示される。
本発明はさらに、敗血症状態を、前記敗血症状態を患っていない対象において予測する方法であって、
a.前記対象の試料における小分子バイオマーカーのレベルを決定するステップと、
b.前記レベルを、バイオマーカーの所定の参照値と比較するステップと
を含み、
上昇したバイオマーカーレベルが、敗血症状態発症のリスクを示す、方法を提供する。
本発明はさらに、敗血症状態を、前記敗血症状態を患っていない対象においてモニタリングする方法であって、
a.第1の時点において、対象の試料における小分子バイオマーカーのレベルを決定するステップと、
b.後の第2の時点において、同じ対象の試料におけるバイオマーカーのレベルを決定するステップと
を含み、
第1の時点と第2の時点との間のバイオマーカーのレベルの増加が、敗血症状態発症を示す、
方法を提供する。
具体的には、敗血症状態発症のリスクは、バイオマーカーレベルが対象に予想されるよりも高い場合に示される。特に、対象が感染した患者であるならば、試料におけるバイオマーカーレベルが、細菌感染症を患っていない、またはこのような敗血症状態を発現していない患者集団に通常見られる所定の参照レベルよりも高い場合に、敗血症状態の発症が示されるまたは予測される。このような所定の参照レベルは、ここでさらに記載されるように使用することができる。
通常、試験試料におけるバイオマーカーレベルが高いほど、疾患の迅速な発症または疾患進行についての確度が高い。
具体的には、ここでさらに記載されるように、バイオマーカーは、対象から発生する試料に内在性の小分子バイオマーカー、好ましくは構造(I)のものまたはその塩である。
具体的には、ここで記載されるバイオマーカーは、構造(I)のものまたはその塩であり、構造(I)の異性体(立体異性体)のいずれか1つもしくは複数(もしくはすべて)またはその塩、あるいはそれぞれ、構造(I)またはその塩によって特徴付けられる、このような異性体、例えば、光学異性体、鏡像異性体、ジアステレオマーまたはラセミ化合物の1つまたは複数の混合物であってもよい。特定の例によれば、バイオマーカーのすべての構造配座が決定され、それぞれのバイオマーカーレベルは、構造(I)の化合物またはその塩の合計濃度を表す。
具体的には、バイオマーカーは、イムノアッセイ、クロマトグラフィー、好ましくはHPLCクロマトグラフィー、UPLCクロマトグラフィー、ガスクロマトグラフィー(GC)もしくは薄層クロマトグラフィー、キャピラリー電気泳動、質量分光分析またはNMR分光分析からなる群から選択される分析方法を適用して決定される。
具体的には、この分析方法では、UV、蛍光、MSもしくはMS/MS検出、または標識、好ましくは酵素標識、蛍光標識もしくは放射性同位体標識の検出を用いる。
具体的には、質量分光分析は、SELDI、MALDI、MALDI-Q TOF、MS/MS、TOF-TOFおよびESI-Q-TOFからなる群から選択される。
具体的には、イムノアッセイは、酵素イムノアッセイ、例えばELISA(例えばサンドイッチELISA)、ラテラルフローイムノクロマトグラフィックアッセイ、蛍光イムノアッセイ、ラジオイムノアッセイおよび磁気イムノアッセイからなる群から選択される。
具体的には、試料は生物学的試料、例えば、血液、血漿、血清、尿、便、痰、滑液および唾液からなる群から選択される体液である。
具体的には、試料は、試料を純化するための、もしくは一切の妨害物質を分離するための1つもしくは複数の好適な技法、例えば、細胞の分離、例えばタンパク質沈殿によるタンパク質の除去によって、または希釈によって、試験する前に調製される。
尿試料は、試験する前に、例えば、1:20または1:50希釈に希釈してもよい。
血清または血漿試料は、試験する前に、タンパク質を沈殿させるための処理をしてもよい。
血液試料は、試験する前に、タンパク質を沈殿させるための処理をしてもよい。
HPLC-MS/MS決定のために、血清(または血漿または血液)タンパク質を、例えばアセトニトリルを使用した沈殿によって除去してもよい。遠心分離後、したがって、透明な上澄みからの沈殿の分離後、上澄みの部分をHPLC-MS/MS決定のために使用することができる。
試料は、異なる時点、例えば、病院での管理時または感染症の臨床症状の発症時に収集することもでき、保存せずに使用すること、または例えば、室温でもしくは凍結状態で、分析するまで貯蔵することもできる。
具体的には、試料は前記対象から、感染した患者に見られる少なくとも1つまたは2つの敗血症の早期症状、少なくとも1点または2点のqSOFA点を示した後、48時間以内、好ましくは24時間以内、より好ましくは6時間以内に単離される。
具体的には、対象は、ヒトまたは非ヒト動物対象、特に脊椎動物、好ましくはイヌ、ウマ、ラクダ、雌ウシ、ネコ、ウサギ、ブタまたはラットである。
具体的な実施形態によれば、対象は、敗血症または敗血症性ショックを発現するリスクの高い患者群であるヒト患者、特に入院中の患者である。具体的には、ヒト患者は成人、子供、小児または新生児である。
具体的な実施形態によれば、対象は非ヒト動物、例えば、疾患処置の実験方法のために使用される、例えば動物モデルに使用される動物である。
本バイオマーカーは、モニタリングまたは監督のために使用してもよい。例えば、バイオマーカーは、医師の予測を裏付ける監督目的のために使用することができ、または疾患の進行をモニタリングすることができる。
本発明は、対象における敗血症疾患をモニタリングする方法であって、
a.第1の時点において、対象の試料におけるバイオマーカーのレベルを決定するステップであり、ここでさらに記載されるように、バイオマーカーが構造(I)のものまたはその塩である、ステップと、
b.後の第2の時点において、同じ対象の試料におけるバイオマーカーのレベルを決定するステップと
を含み、
第1の時点と第2の時点との間のバイオマーカーのレベルの増加が、敗血症疾患の進行の示す、または任意の後の敗血症発現のリスクがより高いことを示す、
方法をさらに提供する。
具体的には、このような方法では、試料は、従来の手段によって低リスク患者として識別されている感染性疾患患者のものであり、バイオマーカーのレベルの増加は、より深刻な敗血症状態のリスク、または敗血症疾患の発現を示すか、あるいは特に患者が、このような疾患進行を防止するための処置を適当にされていない場合、例えば、第1または第2の試料採取後の短い時間枠内、例えば数時間以内、または1、2、3もしくは4日以内に予想される、後の敗血症事象を示す。
本発明は、敗血症状態について、対象に適用された少なくとも1つの処置の有効性をモニタリングする方法であって、
a.第1の時点において、対象の試料におけるバイオマーカーのレベルを決定するステップであり、ここでさらに記載されるように、バイオマーカーが構造(I)のものまたはその塩である、ステップと、
b.後の第2の時点において、同じ対象の試料におけるバイオマーカーのレベルを決定するステップと
を含み、
第1の時点と第2の時点との間のバイオマーカーのレベルの減少が、処置成功を示す、または任意の後の敗血症発現のリスクがより低いことを示す、
方法をさらに提供する。
具体的には、このような方法では、試料は、従来の手段によって高リスク患者または敗血症患者として識別されている感染性疾患患者のものであり、バイオマーカーのレベルの減少は、敗血症状態のリスクがより深刻でないこと、または敗血症疾患もしくは状態の改善を示すか、あるいは特に処置を継続する場合、例えば、第1または第2の試料採取後の短い時間枠内、例えば数時間以内、または1、2、3もしくは4日以内に予想される、後に敗血症疾患もしくは状態が治癒することを示す。
具体的には、処置は医療処置であり、例えば、静脈内抗生物質、経口抗生物質、局所抗生物質による抗生物質処置等である。
具体的には、第1および第2の試料は、同じタイプの試料、例えば、血液、血漿、血清、尿、便、痰、滑液および唾液の1つの試料である。
具体的には、第2の試料は、後の時点、例えば、第1の試料の後、数時間以内、または1、2、3もしくは4日以内に対象から採取される。
具体的には、ここで記載される方法は、任意選択的に、タンパク質沈殿またはタンパク質除去の前に、試料に加えられる、内部標準を用いてもよい。
具体的には、試料のアリコートに内部標準化合物が添加され、バイオマーカーの量は、バイオマーカーのレベルを内部標準化合物のレベルと比較することによって決定される。
このような内部標準は、同じ試料中のバイオマーカーと一緒に決定され、異なる検出信号を生じて、バイオマーカーから区別できることが好ましい。このような内部標準は、陽性対照としての役割を果たし、アッセイが好適に行われたかを判定しうる。内部標準は、例えば、所定の量の内部標準の検出信号を、試料におけるバイオマーカーの検出信号と比較することによって、試料中のバイオマーカーの量を推定または決定するための参照としての役割も果たしうる。
具体的には、内部標準化合物は、バイオマーカーのある特定の立体異性体もしくは誘導体、または標識バイオマーカーであり、この方法では、試料に含まれる内在性バイオマーカーとこのような内部標準とが区別される。
具体的には、内部標準化合物は、例えば、HPLC-MSまたはHPLC-MS/MS分析に好適な同位体標識を含むバイオマーカーである。好ましくは、内部標準化合物は、C13、D、N15、O17もしくはO18、またはこれらの組み合わせから選択される1種または複数の安定重同位体を含み、特に、これらは構造(I)におけるそれぞれの原子の1つまたは複数を置き換えている。例えば、C13がC12を置き換えていてもよく、DがHを置き換えていてもよく、N15がN14を置き換えていてもよく、O17またはO18がO16を置き換えていてもよい。
本発明は、ここでさらに記載されるように、敗血症状態を判定する方法における、構造(I)のバイオマーカーまたはその塩を特異的に認識する免疫剤を含む診断用製剤の使用であって、診断用製剤が、免疫剤および/またはバイオマーカーと結合している免疫剤の反応生成物と特異的に反応する、検出可能な標識または試薬である診断試薬をさらに含む、使用をさらに提供する。例えば、標識は、免疫剤と検体との間の免疫反応を示す、酵素標識、蛍光標識、または放射性同位体標識もしくはタグであってもよい。
具体的には、診断用製剤は、組成物またはパーツのキットとして提供され、免疫剤または診断試薬の少なくとも一方を固定する固体担体をさらに任意選択的に含む。
本発明は、ここでさらに記載されるように、敗血症状態を判定するための、構造(I)またはその塩のバイオマーカーを特異的に認識する免疫剤の使用であって、免疫剤が検出可能な標識を含む、使用をさらに提供する。
具体的には、ここで記載されるバイオマーカーは、敗血症状態のin vitroマーカーとして使用され、このマーカーは、例えば、患者のex vivo生物学的試料において、in vitro方法によって都合よく判定される。
本発明は、ここで記載される方法における、ここで記載される診断用製剤、免疫剤または標識化合物のin vitro使用をさらに提供する。
本発明は、ここでさらに記載されるように、疾患のバイオマーカーとしての、構造(I)の化合物またはその塩の新たな使用をさらに提供する。
健康なヒトの血漿試料において測定した、BM1ピークを示すクロマトグラムである。 敗血症患者の血漿試料において測定した、BM1ピークを示すクロマトグラムである。 実施例4、ROC曲線下面積を示すグラフである。
別段の指示または定義がない限り、ここで使用されるすべての用語は、当業者には明らかであろう、当技術分野における通常の意味を有する。明細書全体を通じて使用される具体的な用語は、以下の意味を有する。
別段の指示がない限り、ここで使用される「約」という用語は、同じ値、または所与の値の最大±20%だけ異なる値を指す。
より正確な記載を提供するため、ここで与えられる量的表現のいくつかは、「約」という用語によって修飾されていない。「約」という用語が明示的に使用されるか否かによらず、ここで与えられるすべての量は、実際の所与の値を指すことを意味し、このような所与の値についての実験条件および/または測定条件に起因する近似を含む、当技術分野における通常の技能に基づいて合理的に推量されるであろう、このような所与の値への近似を指すことも意味することが理解される。
ここで使用される「含む(comprise)」、「含有する」、「有する」および「含む(include)」という用語は、同義的に使用することができ、非排他的定義として理解され、さらなる部材またはパーツまたは要素を許容するものとする。「からなる」は、からなるの定義の特色のうちにさらなる要素を伴わない、最も近い定義とみなされる。したがって、「含む(comprising)」はより広く、「からなる」の定義を含有する。
本発明は、対象、例えば高リスク患者において、敗血症状態または敗血症関連合併症が後に発現することの診断、予後、予測、リスク評価および/またはリスク層別化のための方法および手段の準備を提供する。具体的には、バイオマーカーレベルは、後の敗血症状態の発現の確度と相関がある。
ここで使用される「のリスクのある」という用語は、以下のように理解される。
敗血症状態のリスクとは、ここでは、特に、リスク集団、または感染性疾患と診断されているが、敗血症の症状をまだ示していない患者を含む群の対象、および/または感染症のリスクの高い対象、特に入院中の患者、および先存する併存症を有する患者、外傷患者、および免疫系機能不全の患者において、ここで記載される方法を用いた試験の後、短い時間枠、例えば、数時間以内、または1、2、3もしくは4日以内に、敗血症状態の確度が上昇していること、またはこのような敗血症状態の発生として理解される。
具体的には、敗血症状態の発生の確度は、試料におけるバイオマーカーのレベルと参照との比較によって評価することができる。
「疾患の発症」という用語は、ここでは、診断に至る疾患の症状を対象が発現した時点として理解される。疾患の発症を予測することによって、高い確度で疾患を有している対象を熟練者が識別することを可能にするリスク判定が提供され、対象は、疾患が正式に診断される前でさえ、それぞれの治療を受けることができる。疾患の発症は、具体的には、敗血症状態の発現に直接的に帰することができる徴候および/または症状が初めて現れることである。
本発明によって、小分子バイオマーカーを用いて、疾患の発症または疾患進行を予測することができる。小分子バイオマーカーは、具体的には、生物学的プロセスから生じる細胞代謝産物である、低分子量(900ダルトン未満)の有機化合物として理解される。特に、構造(I)または前述のいずれか1つの塩のバイオマーカー。
特定の場合では、状態が敗血症である、および対象が感染性疾患を患っているかもしれないが、対象が敗血症の早期症状を少なくとも2つ示さない、または敗血症を患っていない。しかしながら、このような対象は、敗血症の1つの早期症状のみを示すこともあり、かつ/または敗血症を発現するリスクがあることもある。このような場合、対象が明らかな敗血症の症状を示す前に抜き出された対象の試料におけるバイオマーカーレベルは、敗血症または敗血症性ショックを発現する、上昇したリスクを示すことができ、敗血症発現を防止する、かつ/また敗血症の進行を停止するための早期治療が推奨されうる。
敗血症の早期症状としては、例えば、
・(38℃)超の発熱または36℃未満の体温
・およそ毎分90拍よりも高い安静時心拍
・毎分20呼吸よりも高い呼吸数
・蒼白/斑状の皮膚
・精神状態の変化(altered mentation)
が挙げられる。
このような症状のそれぞれは、特に、高リスク患者群の対象に見られる場合、敗血症のリスクを示し得る。高リスク患者は、特に入院中の患者は、典型的には、より高い感染症のリスクを有する。「リスク集団」としても理解される高リスク患者群の中には、例えば、
・生体組織検査および/または手術を受けた人
・外傷を受けた/事故に遭った人
・先存する疾患(例えば、糖尿病、心血管不全)を有する人
・幼児(1歳未満の年齢)および高齢者(65歳超の年齢)
・免疫系が弱い人、例えば、HIVを有する人またはがんのために化学療法処置中の人
・任意の原因のために集中治療室(ICU)で処置されている人
・侵襲的装置、例えば、静脈内カテーテルまたは呼吸管に曝露されている人
がある。
次の徴候の1つまたは複数が対象に見られる場合、進行した敗血症の症状が示される。
・変色した皮膚の変色部
・排尿の減少
・精神的能力の変化
・血小板(血液凝固細胞)数の低下
・呼吸困難(problems breathing)
・心機能異常
・体温低下に起因する悪寒
・意識消失
・極度の衰弱
Quick SOFAスコア(quickSOFAまたはqSOFA)は、ヘルスケア提供者による、罹患率および敗血症に起因する死亡率のリスク推定を支援し、感染症による不良な結果について、リスクの高い患者を識別するための一般に受け入れられている方法である。
評価 qSOFAスコア
低血圧(SBP≦100mmHg) 1
高い呼吸数(22呼吸/分以上) 1
精神状態の変化(GCS≦14) 1
スコアは0~3点にわたる。感染症の発症付近で2以上のqSOFA点の存在(および先存するゼロでないSOFAレベルから2点の変化)は、死亡または長期の集中治療室滞在のリスクが大きいことに関係する。これらは、無併発性感染症の患者よりも、敗血症性でありうる感染患者において一般的な結果である。これらの知見に基づいて、the Third International Consensus Definitions for Sepsisでは、敗血症性でありそうなICU外の感染患者を識別するための単純なプロンプトとして、qSOFAを推奨している。
Singer et al.(The Third International Consensus Definitions for Sepsis and Septic Shock (Sepsis-3);JAMA.2016;315(8):801-10)によれば、Sepsis-3の定義は次の通りである。
・敗血症は、感染症への宿主の調節不全応答によって生じる、生命に関わる臓器機能不全として定義される。
・臓器機能不全は、感染の結果、合計SOFAスコア2点以上の急性の変化として識別することができる。
・ベースラインSOFAスコアは、先存する臓器機能不全を有することが知られていない患者においては、ゼロであると仮定することができる。
・2以上のASOFAスコアは、感染症が疑われる一般的な入院集団においては、およそ10%の包括的な死亡率のリスクを表す。ほどほどの機能不全を呈する患者であっても、さらに悪化することがあり、この状態の深刻さ、および既に開始されていない場合、速やかかつ適当な介入の必要性が強調されている。
・一般用語では、敗血症は、体の感染症への反応が自身の組織および臓器を損傷する場合に起こる、生命に関わる状態である。
・長期間ICUに滞在しそうなまたは入院中に死亡しそうな、感染症が疑われる患者は、qSOFA、精神状態の変化、100mmHg以上の収縮期血圧、または22/分以上の呼吸数によって、ベッドサイドで速やかに識別することができる。
・敗血症性ショックは敗血症の部分集合であり、背後にある循環および細胞/代謝の異常は、死亡率が有意に増加するには十分に重大である。
・敗血症性ショックの患者は、十分な量の蘇生にもかかわらず、65mmHg以上のMAPを維持するために昇圧剤を要し、2mmol/L(18mg/dL)超の血清乳酸レベルを有する、持続的な低血圧を伴う敗血症の臨床的構成によって識別することができる。これらの基準によれば、入院死亡率は40%を上回る。
省略形:MAPは動脈圧を意味し、qSOFAはquick SOFAを意味し、SOFAはSequential [Sepsis-related] Organ Failure Assessment(連続[敗血症関連]臓器不全評価)を意味する。
ここで使用される「バイオマーカー」という用語は、正常な生物学的プロセス、病原性プロセス、または治療的介入に対する薬理学的反応の指標として客観的に測定および評価される、生物学的マーカーである目的の分子を指すものとする。ここで言及されるバイオマーカーは小分子有機バイオマーカーであり、特に、式(I)に描かれる構造を有する分子またはその塩であり、特定の立体配座を有する式(I)の分子を含み、例えば1種または複数の異性体を含む。
具体的には、ここで記載されるバイオマーカーは、下に示す構造(I)
Figure 2023527087000002
のものまたはその塩である。
バイオマーカーは、BM1とも称され、式(I)の構造のものまたはその塩であると理解される。例えば、BM1は、酸またはその塩、例えば生理学的塩、例えばナトリウム塩として決定することができる。
名称:N6-カルバモイルトレオニル-D-アデノシン
他の名称:N6-(N-トレオニルカルボニル)アデノシン
N6-トレオニルカルバモイルアデノシン
N-{[(9-β-D-リボフラノシル-9H-プリン-6-イル)アミノ]カルボニル}-L-トレオニン
分子式:C1520
CAS番号:24719-82-2
Deutsch et al.(J.Biol.Chem.2012,287:13666-13673);Miyauchi K et al.Nat Chem Biol.2013 Feb;9(2):105-11.
バイオマーカーとしては、内在する、または自然に発生する化合物として試料中に場合により含まれる、任意のそれぞれの光学異性体、鏡像異性体、ジアステレオマーまたはラセミ化合物、特に1種または複数の構造(I)の化合物を挙げることができる。
ここで記載されるバイオマーカーは、1つまたは複数の標識、具体的には1つまたは複数の質量タグまたは質量標識を含んでもよい。本文脈において使用される標識という用語は、決定のための検体を標識するのに好適な部分を指すことが意図される。標識という用語は、タグという用語と同義である。具体的には、質量標識という用語は、質量分光分析によって検出できる部分を指すことが意図される。
具体的には、ここで記載されるバイオマーカーは、非放射性安定同位体である同位体標識を含む。具体的には、同位体標識は、C13、D、N15、O17もしくはO18、またはこれらの組み合わせから選択される1種または複数の安定重同位体でありうる。
具体的には、同位体標識を含むバイオマーカーは、内部標準化合物として使用されうる。好ましい内部標準化合物を試料に加え、試料中の標的バイオマーカーから分析的に区別することができる。
具体的には、内部標準化合物は、アイソトポログであってもよく、C13、D、N15、O17もしくはO18、またはこれらの組み合わせから選択される1種または複数の安定重同位体を含み、特に、これらが構造(I)におけるそれぞれの原子の1つまたは複数を置き換えている、構造(I)の化合物またはその塩であってもよい。例えば、C13がC12を置き換えていてもよく、DがHを置き換えていてもよく、N15がN14を置き換えていてもよく、O17またはO18がO16を置き換えていてもよい。
正確な結果を生じるように、適当な内部標準を選択することができる。具体的には、MS分析のためには、アイソトポログはしばしば最良の選択でありうる。バイオマーカーの保持時間に非常に密接に適合することができ、MS検出器の異なる質量チャネル上に信号を生成することができ、これによってバイオマーカー信号の積分に干渉しないためである。あるいは、同様の結果を生成するために、バイオマーカー構造の構造異性体を使用することができ、または同じもしくは非常に類似した化学クラスにおける、密接に関連する構造を利用することもできる。理論によって束縛されることを望むものではないが、内部標準がバイオマーカー構造に構造的に類似するほど、結果はより正確となる。
例示的なBM1の内部標準は、次の構造(II)
Figure 2023527087000003
(例えば、Toronto Research Chemical(カナダ)、製品番号:T405562により入手可能)
化学名:N6-(N-トレオニルカルボニル)アデノシン-13C4,15N
CAS番号:1195030-28-4
分子式:C11 1320 15NO
を含む。
ここで使用される場合、「診断」は敗血症状態に結びついた、対象の臨床的状態の認識および(早期)検出に関する。敗血症状態の重症度の評価も、「診断」という用語に包含されてもよい。「予後」は、対象についての結果または特定のリスクの予測に関する。これはまた、前記対象についての回復の公算または疾患進行の公算の推定を含んでもよい。
本発明の方法はまた、モニタリング、治療モニタリング、治療ガイダンスおよび/または治療制御のために使用されてもよい。「モニタリング」は、例えば、治癒プロセスの進行、または患者の健康状態に関する特定の処置もしくは治療の影響を分析するために、対象、例えば感染患者または敗血症患者、および潜在的に起こりうる疾患進行または合併症の記録を取ることに関する。
ここで使用される「示す」という用語は、例えば、疾患状態、疾患状態のリスク、疾患の進行または処置の成功等の事象を示すという文脈では、ここでは、リスクおよび/または確度の尺度として理解される。好ましくは、事象の有無の「徴候」はリスク評価として意図され、典型的には、絶対的な前記事象の有無を決定的に示すことについて、限定的に解釈されるべきではない。
バイオマーカーレベルの高低の判定は、ここで記載される参照値を使用する場合、敗血症のリスクまたは敗血症状態の有無の判定について、非常に信頼できることが判明しており、リスクの推定によって、医療専門職による適当な行動が可能になる。
そのバイオマーカーのレベルを、高リスク集団における、例えばICU患者における、後の敗血症状態の発現の有無の確度に相関させられることは、まったくもって驚きであった。バイオマーカーが高レベルであることは高い重症度レベルを示し、低いレベルは低い重症度レベルを示す。それぞれの重症度レベルを割り当てるために使用されうる参照値を決定するそれぞれの濃度は、複数のパラメータ、例えば、細菌感染後に試料を単離する時点、敗血症の早期症状の有病率、および前記試料におけるバイオマーカーレベルを決定するために使用された方法に依存しうる。したがって、ここで記載される方法によれば、試料単離の状況およびその時点で入手可能なさらなる情報、例えば、敗血症状態、敗血症または特定の敗血症関連合併症を発現するリスクの増加に応じて、患者の予後/リスクのより正確な評価が可能になる。
ここで使用される「免疫剤」という用語は、抗原と特異的に結合する、または免疫反応する、抗原結合サイトを含有する分子として理解される。好ましい免疫剤は、抗体またはその抗原結合フラグメント、例えば、モノクローナルもしくはポリクローナル抗体、またはそれぞれの抗体フラグメントである。特に、バイオマーカーと特異的に結合する抗体は、バイオマーカーを決定するためのイムノアッセイに用いられる。
具体的な免疫剤は、標的分子または目的の分子、すなわち、試料からのバイオマーカー等の検体と結合するために使用されうる分子として理解される、捕捉分子または分子スキャホールドでありうる。このような分子は、標的分子と特異的に結合するために、空間的ならびに表面の特色、例えば、表面電荷、疎水性、親水性、ルイスドナーおよび/またはアクセプターの有無の観点の両方で、適切に形作られている。ここで、結合は、捕捉分子または分子スキャホールドと標的分子との間の、例えば、イオン性、ファンデルワールス、パイ-パイ、シグマ-パイ、疎水性もしくは水素結合の相互作用、または前述の相互作用の2つ以上の組み合わせ、あるいは共有結合性相互作用によって媒介されうる。捕捉分子または分子スキャホールドは、例えば、核酸分子、炭水化物分子、PNA分子、タンパク質、ペプチドおよびグリコタンパク質、例えば、アプタマー、DARpin(Designed Ankyrin Repeat Protein(設計アンキリンリピートタンパク質))、アフィマー等からなる群から選択されうる。
具体的には、免疫剤は、標的抗原に対する親和性が、バイオマーカーを含有する試料に含まれる他の分子に対するよりも、少なくとも100倍または1000倍高い場合、標的抗原、例えばここで記載されるバイオマーカーを特異的に認識しているとみなされる。標的抗原を認識するための所与の特異性を有する抗体を開発および選択する方法は、当技術分野において周知である。
具体的な態様によれば、イムノアッセイでは、少なくとも1種の標識された抗体と、固相と結合している、または固相と選択的に結合することができる別の抗体とを用いうる。第1の抗体および第2の抗体は、液体反応混合物中に分散して存在することができ、第1の標識成分を第1の抗体と結合させることができ、前記標識系の第2の標識成分を第2の抗体と結合させることができ、その結果、検出されるバイオマーカーに両方の抗体が結合した後、測定溶液中に得られるサンドイッチ複合体の検出を可能にする測定可能な信号が発生する。
具体的な態様によれば、ここで記載される方法は、
a)試料を、バイオマーカーの第1のエピトープに特異的な第1の抗体またはその抗原結合に接触させ、バイオマーカーの第2のエピトープに特異的な第2の抗体またはその抗原結合フラグメントに接触させるステップ、ならびに
b)第1および第2の抗体またはその抗原結合フラグメントの、バイオマーカーへの結合を検出するステップ
を含むイムノアッセイとして実行されうる。
特に、第1の抗体および第2の抗体は、液体反応混合物中に分散して存在してもよく、第1の標識成分は第1の抗体と結合し、かつ/または前記標識系の第2の標識成分は第2の抗体と結合し、その結果、少なくとも1種のバイオマーカーまたはそのフラグメントと両方の抗体が結合した後、測定溶液中に得られるサンドイッチ複合体の検出を可能にする測定可能な信号が発生する。
具体的な場合では、この方法はサンドイッチイムノアッセイとして行われ、具体的には、抗体の一方が固相、例えば、コーティングされた試験管の壁、マイクロタイタープレートまたは磁気粒子上に固定され、別の抗体は、検出可能な標識、または標識への選択的な結合を可能にする手段を含み、これが、形成されたサンドイッチ構造を検出する役割を果たす。
ここで使用される場合、本発明の範囲内の「感染症」は、病原性または潜在的に病原性の作用因子/病原体、生物および/または微生物が、正常なら無菌の組織または流体に侵入することによって起こる病理学的プロセスを意味し、具体的には、好ましくは細菌、ウィルス、真菌および/または寄生生物による感染症に関する。
ここで記載されるバイオマーカーおよび/または免疫試薬は、標識されてもよい。ここで使用される場合、「標識」という用語は検出可能な化合物または組成物を指し、これを別の化合物に直接または間接的にコンジュゲートさせて、「標識」化合物を生じる。標識は、検出可能な部分を含む。検出可能な部分は、直接的または間接的のいずれかで、検出可能な信号を生成することができうる。標識は、それ自体検出可能であってもよく(例えば、放射性同位体標識もしくは蛍光標識)、酵素標識の場合、検出可能な基質化合物または組成物の化学変化を触媒してもよい。
ここで記載されるバイオマーカーまたは免疫試薬は、検出可能な信号を提供する標識、例えば、放射性同位体、蛍光体、酵素、抗体、磁気粒子等の粒子、化学発光体、量子ドットまたは特定の結合分子等に、直接または間接的にコンジュゲートさせることができる。好ましい標識としては、限定するものではないが、蛍光標識、標識酵素および放射性同位体が挙げられる。好適な標識としては、例えば、蛍光または化学発光化合物、例えば、ルシフェリン、フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、テトラメチルローダミン、エオシン、エリスロシン、クマリン、メチルクマリン、ピレン、マラカイトグリーン、スチルベン、Lucifer Yellow、CASCADE BLUE(登録商標)、TEXAS RED(登録商標)、IAEDANS、EDANS、BODIPY FL、LC Red 640、Cy 5、Cy 5.5、LC Red 705およびOREGON GREEN(商標)が挙げられる。
好適な標識としては、安定同位体標識(例えば、H(Dと同一)、13C、15N等)、放射性同位体標識とも呼ばれる放射性標識(例えば、125I、35S、32P、18F、14C、H等)、特異的結合分子を含む生物学的標識(例えば、ビオチン、ストレプトアビジン、ジゴキシンおよび抗ジゴキシン等)、酵素、例えば、アルカリ性ホスファターゼ、β-ガラクトシダーゼまたはホースラディッシュペルオキシダーゼ、ならびに他の標識も挙げられる。
ここで使用される「質量分光分析」または「MS」という用語は、化合物を質量によって識別する分析技法を指す。試料におけるバイオマーカーのレベルを質量によって定量する、周知の技法がある。
一般に、MSでは、質量電荷比および気相イオンの存在量を測定することによって、試料中に存在する化合物(例えば分子)の量およびタイプを識別することができる。MSでは、化学化合物をイオン化し、荷電分子または分子フラグメントを発生させて、質量電荷比を測定する。分子状イオンおよび/または分子フラグメントは、実際には、ある特定の質量を有する荷電イオンである。分子状イオンおよび/またはフラグメントの質量を電荷によって除算したものは、「質量電荷比」(m/z)と呼ばれる。ポジティブイオンモードにおける大部分の分子状イオンおよび/またはフラグメントは+1の電荷を保持するため、質量電荷比は通常、分子状イオンおよび/またはフラグメントの分子量を表す。MSでは、衝突セルを使用して分析された各化合物についての質量スペクトルが生成し(MS/MSモードまたはMRMモードと呼ばれる)、ここで、x軸は質量電荷比を表し、y軸は検出されたフラグメントのそれぞれについての信号強度(存在量)を表す。この開示の支援によって、当業者は理解するであろうが、MS/MSモードまたはMRMモードにおいて、所与の化合物によって生成する質量スペクトルおよび生成物イオンスペクトルは、いつも本質的に同じであり、化合物の「指紋」とみなすことができる。この指紋は、化合物を識別するため、および定量するために、信頼性をもって再現性よく使用することができる。
質量スペクトルにおけるy軸は、相対存在量の軸としてもよい。存在量が最も大きいピークは通常、「ベースピーク」と称され、相対存在量軸を作成する目的のため、ベースピーク強度が100%に設定され、質量スペクトルの全体がベースピークに対して標準化される。いくつかの実施形態では、分子状イオンのピークがベースピークであってもよい。このような実施形態では、質量スペクトル全体を分子状イオンピークに対して標準化することができ、分子状イオンピークは100%の相対存在量を有する。
ここで記載される方法の具体的な実施形態によれば、内部標準が、対象または患者からの試料に加えられる。前記内部標準を試料に加えること、すなわち試料への添加によって、試料中の内部標準の濃度が既知であり、例えばHPLC-質量分光クロマトグラムにおける、例えば、内部標準のピークより下の面積、すなわちピーク面積を決定することによって、例えば内部標準および/またはここで記載されるバイオマーカーの、ピーク面積と物質の濃度との間の関係を、例えば、ここで記載されるバイオマーカーのピーク面積と、内部標準のピーク面積との比を計算することによって、こうして計算することができ、内部標準は具体的には、同位体標識を含むここで記載されるバイオマーカーであってもよいことが認められることになる。
質量分光分析の具体的な場合では、試料をMS分析の前に処理することができ、例えば、試料調製および/またはクロマトグラフィー方法に関する方法である免疫濃縮技法、例えば、MSを、液体クロマトグラフィー(LC)、例えば高速液体クロマトグラフィー(HPLC)または超高速液体クロマトグラフィー(UHPLC)と組み合わせることができる。
任意選択的な試料調製方法は、溶解、分画、試料のペプチドへの消化、除去、濃縮、透析、脱塩、アルキル化、ペプチド低減、タンパク質沈殿ならびに/または抽出(液相/液相および固相)のための技法を含む。
検体の選択的検出は、タンデム質量分光分析(MS/MS)によって実施されうる。
ここで使用される場合、「対象」または「個体」または「患者」という用語は、温血哺乳動物、特にヒトを指すものとする。
具体的には、「患者」という用語は、哺乳動物、特にヒト、特定の疾患または障害、特にここでさらに記載される状態の処置を受けた、またはリスクがある、または診断された対象を含む。「処置」という用語は、予防処置と治療処置との両方を含むことを意味する。
具体的には、対象は、任意の疾患状態を患う、および敗血症を発現するリスクのある患者である。特に、対象は、感染性疾患を患うと既に診断されていてもよく、任意選択的に、抗生物質処置を受けている。そのため、ここで記載される方法は、敗血症状態の発症を判定するため、および/または敗血症疾患もしくは疾患の進行を防止するために開始された抗生物質処置の成功をモニタリングするために使用することができる。このような場合、バイオマーカーレベルは、抗生物質処置の成功の確度の指標として使用することができる。効いている、もしくは患者の健康状態が改善しているようであるため、抗生物質処置を継続するべきか、または抗生物質処置を変更するべきかを決定することもできる。
ここで使用される「参照レベル」という用語は、以下のように理解される。
「レベル」という用語は、ここでは、バイオマーカーの絶対的もしくは相対的な量もしくは濃度、バイオマーカーの有無、バイオマーカーの量もしくは濃度の範囲、バイオマーカーの最小および/もしくは最大の量もしくは濃度、バイオマーカーの平均量もしくは平均濃度、ならびに/またはバイオマーカーのメジアン量もしくはメジアン濃度として理解される。具体的なレベルは、濃度を表す量の値として提供され、具体的には重量/容量;w/vとして表現され、または試料中のバイオマーカーの倍数の変化として表現される。
具体的には、参照レベルは閾値であり、それぞれのリスクまたは疾患の重症度についてのバイオマーカー濃度を示すカットオフ値としても理解される。閾値を決定するそれぞれの濃度は、複数のパラメータ、例えば、試料を単離する時点、および前記試料におけるバイオマーカーレベルを決定するために使用されるアッセイもしくは検出に依存する。
上昇したまたは「より高い」レベルは、例えば、参照よりも有意に高い。ここで使用される「有意に」という用語は、標準偏差の少なくとも2倍高い量、好ましくは少なくとも3倍の差を指すものとする。例えば標準、訓練データまたは閾値から誘導される具体的な参照値について、有意な上昇または増加量とは、特に、少なくとも1.5倍高い量、好ましくは少なくとも2倍または3倍の差を指すものと理解される。
ここで使用される場合、「カットオフ値」という用語は、疾患または疾患状態を患う対象を、疾患または疾患状態を患っていない患者および/または対象から区別する閾値、特に、疾患または疾患進行のある特定の(例えば高いリスク)のある対象を、疾患または疾患進行のこのようなリスクのない患者および/または対象、例えば、健康な対象、または病原体に感染していない対象から区別する閾値を指す。
ここで使用される場合、「参照」または「対照」という用語は、このような診断アッセイの結果に対する比較を可能にし、観測される差または類似性に基づいて結論を合理的に導くことを可能にする、因子または値でありうる。好適な値は、例えば、深刻な症状の疾患または疾患進行を後に発現した1人または複数の患者の生物学的試料から得られる、例えば、疾患または疾患進行についての所定のレベルの予測可能性である。この点について、陽性予測値または陰性予測値が、参照として使用されうる。
関連する参照レベルは周知の方法によって、例えば、疾患患者からの試料を、健康な対象またはこのような疾患を患っていない対象からの試料と比較することによって機械的に得ることができる、大規模なデータに基づいて決定することができる。このような参照は、集団の平均レベル、例えば平均バイオマーカー集団値として理解され、ここで、敗血症患者として診断されている患者を、対照集団と比較してもよく、対照集団は好ましくは、10人超、20人超、30人超、40人超、50人超またはそれを超える対象を含む。異なる集団(コーカサス人、アジア人、アフリカ人等)の血漿/血清/血液における非疾患濃度レベルは、種族によって変動しうる。
バイオマーカーの適当な正常参照レベルは、1人または複数の適当な対象における所望のバイオマーカーのレベルを測定することによって決定してもよく、このような参照レベルは、特定の対象の集団に合わせて調整してもよい(例えば、ある特定の年齢または性別群における敗血症状態の様相、表現型、またはその欠如について、ある特定の年齢または性別の対象からの試料におけるバイオマーカーレベルと参照レベルとの間で比較されうるように、参照レベルを年齢に適合または性別に適合させてもよい)。
典型的には、前記疾患状態を患っていない患者の試料における疾患状態を予測するための参照値は、疾患の進行を予測するための参照値よりも低い。後者は、例えば、少なくとも2倍、3倍、4倍、5倍、10倍、15倍またはさらには少なくとも20倍の増加でありうる。
機能アッセイは、確立された技法によって、参照レベルまたはカットオフとして使用するための統計的に有意な値を示すために使用することができる。研究所は、臨床的な関連プロトコールによって、アッセイの機能選択性を独立して確立することができる。
「試料」または「生物学的試料」または「被検物」という用語は、対象から単離された生物学的材料を意味する。生物学的試料は、所望のバイオマーカーを検出するのに好適な任意の生物学的材料を含有してもよく、対象からの細胞および/または非細胞材料を含んでもよい。試料は、任意の好適な生物学的組織または流体、例えば、血液、血漿、血清、皮膚、上皮組織、脂肪組織、大静脈組織、肝組織、尿、皮脂、細胞試料、痰、滑液または唾液などから単離することができる。
本バイオマーカーは、例えば、単独型診断尺度として、またはさらなる診断尺度、例えば、さらなるマーカーの決定(例えば、診断組み合わせキットにおける)と組み合わせて、予測マーカーとして使用することができる。
ある特定の実施形態によれば、ここで記載される方法は、前記患者からの試料における少なくとも1種の追加のバイオマーカーのレベルを決定することを追加で含み、少なくとも1種の追加のバイオマーカーは、好ましくはプロカルシトニン(PCT)もしくはそのフラグメント、および/またはラクテートである。
試料中のバイオマーカーを検出する具体的な方法は、質量分光分析(MS)と組み合わせた(特に、UV検出または蛍光検出と組み合わせた)HPLC、UHPLCまたはUPLC、発光イムノアッセイ(LIA)、ラジオイムノアッセイ(RIA)、化学発光および蛍光イムノアッセイ、酵素イムノアッセイ(EIA)、酵素結合イムノアッセイ(ELISA)、発光ベースビーズアッセイ、磁気ビーズベースアッセイ、タンパク質マイクロアレイアッセイ、迅速試験フォーマット、例えば、イムノクロマトグラフィーストリップ試験および自動システム/分析器からなる群から選択されうる。
特に、サンドイッチフォーマットを使用することができる。例えば、1種または複数のバインダ(例えば、これらの中でも、バイオマーカーを特異的に認識する免疫剤)は、生物学的試料に接触する前の基材にコンジュゲートする。この1種または複数のバインダが検出可能な標識にコンジュゲートして、検出分子としての役割を果たしうる。他の実施形態では、1種または複数のバインダは、検出可能な標識にコンジュゲートする。この構成では、1種または複数のバインダは、生物学的試料に接触する前の基材にコンジュゲートして、捕捉剤としての役割を果たしてもよい。さらに、1種もしくは複数のバインダは、生物学的試料に接触する前の基材にコンジュゲートすることができ、かつ/または1種もしくは複数のバインダは検出可能な標識にコンジュゲートする。このような場合、1種または複数のバインダは、捕捉剤および検出剤のいずれかまたは両方として作用することができる。
具体的な態様によれば、機械学習アルゴリズムが明らかな、ソフトウェアシステムを用いることができ、好ましくは、電子健康記録(EHR)からのデータを使用して、敗血症状態または敗血症性ショックのリスクのある入院患者を識別する。機械学習アプローチは、患者からのEHRデータ(例えば、研究所、バイオマーカー表現、バイタルおよび個体群統計)を使用して、ランダムフォレスト分類器において訓練することができる。機械学習は、より単純なルールベースのシステムとは異なり、明示的にプログラムすることなく、データにおける複雑なパターンを学習する能力をコンピュータに提供する、人工知能のタイプである。
ここでさらに記載される診断用製剤は、ここで記載されるバイオマーカーを特異的に認識する免疫剤と、検出可能な標識である、または免疫剤および/もしくはバイオマーカーと結合している免疫剤の反応生成物と特異的に反応する試薬である、さらなる診断試薬とを含んでもよい。
診断用製剤は、組成物またはパーツのキット中に、本発明のバイオマーカーを特異的に認識する免疫剤と、さらなる診断試薬とを任意選択的に含む。
ここで使用される「診断用キット」という用語は、組み合わせまたは混合物において、1種または複数の検体またはマーカーの測定/検出を行うために使用して、疾患もしくは疾患状態を判定する、または疾患、および特に疾患の発症もしくは疾患の進行を予測することができる、パーツのキットまたはセットを指す。特に、キットは、少なくとも検出分子および/またはバインダ(例えば免疫剤)を含有し、検出分子および/またはバインダは、マーカーもしくはそれぞれの検体、またはこのようなマーカーもしくは検体の反応生成物を特異的に認識する。加えて、様々な試薬またはツールが、キットに含まれてもよい。診断用キットは、任意選択的に、好都合には分析を実行するときに加えてもよい、一般的または非特異的な物質または成分、例えば、水、緩衝剤または賦形剤を伴わず、好ましくは、生物学的試料中のバイオマーカーの量を決定するためのすべての必須成分を含む。診断用キットは、マイクロビーズまたは平面状アレイまたはウェル等の基材、バイオマーカーの単離のための試薬、特定の標的を対象とする検出分子、検出可能な標識、溶媒、緩衝剤、リンカー、様々なアッセイ成分、ブロッカー等を含む、主題の方法を行うために有用な任意の試薬を含んでもよい。
キットはまた、診断方法に使用するための指示を含んでもよい。このような指示は、例えば、キットに含まれる装置、例えば、診断目的の生物学的試料を調製する、例えば、マーカーを決定する前に細胞および/またはタンパク質を含有する画分を分離する、ツールまたは装置において提供することができる。キットは、好都合には、貯蔵安定な形態、例えば、少なくとも6カ月の保存期間を有する市販のキットの形態で提供されうる。貯蔵安定なキットは、好ましくは少なくとも6カ月、より好ましくは少なくとも1または2年貯蔵することができる。それは乾燥(例えば凍結乾燥)成分から構成されてもよく、かつ/または保存剤を含んでもよい。
好ましい診断用キットは、例えば、成分がただ1つの包装に収容され、機械的な実験が容易となる、包装単位または事前包装単位として提供される。このような包装は、例えば、一連の生物学的試料の試験を実行するのに好適な、1つまたは複数の試験に必要な試薬を含んでもよい。キットは、さらに好適には、標準または参照対照として、標識を含むバイオマーカーであってもよい、バイオマーカー製剤を含有してもよい。
診断組成物は、生物学的試料との反応混合物中でそのまま使用できる試薬、またはこのような試薬の保存形態、例えば、凍結乾燥等の貯蔵安定形態;瞬間凍結(例えば液体窒素中)、超低温貯蔵(-70℃および-80℃)、冷温貯蔵(-20℃および5℃)ならびに制御された室温(15℃~27℃);例えばグリセロールストック、組織パラフィンブロック、(口腔)スワブとしての標準的な試料貯蔵および他の標準的な生物学的試料貯蔵方法であってもよく、これらの試薬の保存形態は、再構成または調製して、そのまま使用できる試薬を得ることができる。このようなそのまま使用できる試薬は、典型的には、水性溶液の形態、具体的には、(生理学的)緩衝剤状態(例えば、EDTA緩衝、リン酸緩衝剤、HBSS、クエン酸緩衝剤等)である。
診断用製剤(特に、組成物または診断キット)に含まれるさらなる診断試薬は、免疫剤、および/またはバイオマーカーと結合している免疫剤の反応生成物に特異的に反応する試薬であってもよい、適当な診断試薬は、対象において、敗血症状態を診断またはモニタリングするためのイムノアッセイを実行するために、好適に使用される。適当な診断試薬は、溶媒、緩衝剤、染料、抗凝固剤、免疫剤と特異的に結合するリガンドおよび/またはここで記載されるバイオマーカーと結合している免疫剤の反応生成物でありうる。
具体的には、本発明は、標識を有する免疫剤、および/または標識を有するさらなる診断試薬、例えば、免疫剤、もしくは免疫剤とバイオマーカーとの免疫複合体を特異的に認識する試薬、および/または免疫剤と診断試薬との少なくとも一方を固定する固相を任意選択的に含有する、ここで記載されるバイオマーカーと結合する免疫剤の診断用製剤を提供する。
免疫剤または診断試薬は、直接標識することも、間接的に標識することもできる。間接的な標識は、免疫剤または診断試薬との複合体を形成する、標識結合剤を含んでもよい。
好ましい診断用製剤またはアッセイは、例えば、試験される試料中のバイオマーカーの存在および量を試験するために、固相、例えば、ラテックスビーズ、金粒子等に固定された、ここで記載されるバイオマーカーを特異的に認識する免疫剤を含む。
本発明は以下の実施例によってさらに説明されるが、これらに限定されるものではない。
[実施例1]
血清、血漿および尿中のBM1を検出するための材料および方法
ここで記載される構造(I)のバイオマーカーは、ここではBM1とも称される。この実施例によれば、BM1は、例えばアセトニトリルもしくはメタノールによる血清、血漿もしくは血液からのタンパク質沈殿後、逆相(RP)カラムにおけるHPLC-MS/MSによって、または尿の希釈によって検出された。
設備
対象の試料中のBM1を検出するため、以下の設備を使用する。
Figure 2023527087000004
試料調製
健康なヒト対象におけるBM1の濃度を決定するため、ヒトまたは非ヒト動物対象から血清、血漿および尿の試料を得る。試料は、次の通り調製する。
a)試料調製手順
Figure 2023527087000005
b)クロマトグラフィー
a)に記載した通り、分析のために調製した試料を、続いて、以下のパラメータに準拠してHPLCクロマトグラフィーに供する。
Figure 2023527087000006
質量分光分析を使用したBM1の検出
調製した試料を、続いて、表4に記載するパラメータに準拠してUPLC-質量分光分析に供する。
Figure 2023527087000007
結果の評価および計算
健康なヒトの血漿試料におけるBM1含有量を示す例示的なクロマトグラムを、図1として提供する。敗血症を患うヒトの血漿試料におけるBM1含有量を示す例示的なクロマトグラムを、図2として提供する。
丸め手順
クロマトグラフィーデータシステム(CDS)に供給され、システムから読み出される濃度データは、有効数字5桁に丸められる。スプレッドシートにおけるさらなる計算が実行された後、有効数字3桁に丸められて報告される。正確度および変動係数(CV)は、1桁で報告される。
丸め手順に関する注:報告される最後の桁は、後続の数字が「5」以上である場合、切り上げである。
回帰および統計
較正標準に基づいて、較正曲線の適合性は、データ処理ソフトウェアを使用して、ピーク面積比(検体BM1/内部標準)によって確立する。検体BM1濃度は、内部標準法を使用して評価する。
HPLC-MS/MS分析については、適切かつ安定な回帰モデルを使用する。そのため、加重因子1/濃度による四重極回帰モデルを、デフォルトとして設定する。これはとりわけ、ある方法が異なるプロジェクトにおいて数カ月または数年にわたって使用される場合に起こりうる、回帰モデルにおける変化を回避するために使用される。
検体BM1の濃度は、次の回帰モデル、加重因子および式を使用して決定する。
Figure 2023527087000008
これに基づいて、平均値、精度結果(CVの観点から)および正確度(下に示す式)を、スプレッドシートを使用して計算する。
Figure 2023527087000009
統計モデルについての適当な刊行物は、例えば、
・Green,J.R.,Statistical Treatment of Experimental Data (Elsevier,New York,1977),page 210 ff
・Lothar Sachs,Angewandte Statistik - Anwendung statistischer Methoden (Springer,Berlin,Heidelberg,New York,Tokyo 1984)
において紹介されている。
ソフトウェア
Figure 2023527087000010
PCTの検出
PCTレベルと比較するために、市販のアッセイ、例えば、Elecsys BRAHMS PCT、Procalcitonin(Roche Diagnostics GmbH、マンハイム、ドイツ)によってPCTを決定した。
[実施例2]
健康なヒトまたは非ヒト動物対象におけるBM1レベルの決定
健康なヒト対象におけるBM1レベル
上に記載した通りに試料を調製し、実施例1に記載した方法に従って、前記試料におけるBM1のレベルを決定した。
健康なヒト対象において、尿中のBM1の濃度は、血漿濃度におけるBM1の濃度よりも約20~100倍高い。そのため、尿における参照レベルは、血清または血漿よりも約20~100高い。
健康なまたは非敗血症の参照(陰性対照-心不全)集団から得たデータに基づく参照レベルは、次の通りである。
尿における参照レベルは、約2500~4500ng BM1/mgクレアチニンである。
血漿または血清における参照レベルは、約15~40ng BM1/mLである。
健康な非ヒト動物対象におけるBM1レベル
健康な非ヒト動物の血漿または血清におけるBM1の濃度を試験し、健康なヒトのレベルと比較した。ラット、イヌ、ウサギ、ハムスター、サルおよびマウスの2もしくは3体の異なる個体、またはプールを試験した。ラット、イヌ、ウサギ、ハムスター、サルおよびマウスは、ヒトと比較して、非常に類似したレベルを有していた。
子ウシ、ラマ、アルパカ、ヤギおよび肉牛の試料は、約10~30ng/mLの濃度レベルを示し、敗血症の子ウシは、BM1について約40~80ng/mLの濃度レベルを示した。
[実施例3]
健康な対象と、敗血症を患うリスクのある対象とにおけるBM1レベルの比較
392の血漿/血清試料を、敗血症もしくは敗血症性ショックを患う129人のヒト患者から、または心不全と診断された非敗血症患者(=対照群)から得た。
上に記載した通りに試料を調製し、実施例1に記載した方法に従って、前記試料におけるBM1のレベルを決定した。
患者数、敗血症対心臓性疾患(対照)
Figure 2023527087000011
結果
敗血症または敗血症性ショックを患う患者の血漿または血清におけるBM1のレベルは、敗血症状態を患っていない患者のそれぞれの試料よりも有意に高かった。
[実施例4]
BM1とPCTとの性能の比較
実施例1に記載した通りに、BM1レベルおよびPCTレベルを決定した。
受信者応答特性
ROC曲線下面積(図3)
Figure 2023527087000012
マトリックス:感度/特異性-バイオマーカー1
使用したカットオフ値:32ng/mL(計算)
Figure 2023527087000013
マトリックス:感度/特異性-プロカルシトニン
使用したカットオフ値:0.5ng/mL(文献による)
Figure 2023527087000014
指標のまとめ
Figure 2023527087000015
[実施例5]
バイオマーカーとしてのBM1の生物学分析による特性評価
血漿対尿の比較(ng BM1/mgクレアチニン)
次の同位体標識内部標準:
N6-(N-トレオニルカルボニル)アデノシン-13C4,15N(構造/式(II)の化合物)
を使用して、BM1(1000ng/mL)の量を決定する。
敗血症患者および対照患者からの血漿(もしくは血清)および尿試料を分析し、定量する。
BM1は非常に親水性であることがわかり、健康な志願者における尿濃度は、血漿/血清における濃度よりも約20~100倍高い。敗血症患者における尿濃度は、非常に高いことがある。敗血症患者の尿におけるBM1の参照レベルは、約5000~16000ng/mgクレアチニンである(健康な場合は実施例2を参照されたい)。
敗血症である、および敗血症でないヒト新生児におけるBM1レベル
敗血症でないおよび敗血症の新生児(1~10日齢)の血漿試料を分析した。BM1は、信頼の置ける疾患のマーカーであることが立証された。PCTレベルは、誕生直後は血漿または血清において非常に高く(約10~30ng/mL)、4~6日以内に正常濃度(PCTについて、敗血症の場合のカットオフは、血漿/血清において0.5ng/mL)まで低下し、したがって、PCTレベルは生後最初の4~6日以内は安定ではなく、それゆえ特徴的ではないため、新生児におけるPCTは、この患者群については、臨床家によって実務上使用されない。
BM1を新生児試料(敗血症である、および敗血症でない)において決定した。健康な場合の濃度レベルは、80~120ng/mL前後(n=6)であり、敗血症の新生児ではレベルが最大300ng/mL(n=7)に上昇した。
さらなる研究
以下の特定の患者群における、同じ患者のPCT結果に匹敵するBM1の決定。
複数の外傷を有する患者
重症の火傷を患う患者
大手術後の患者
マラリア患者
特定の腫瘍患者
[実施例6]
BM1の検出のためのELISA
迅速な分析のための臨床研究所の設備に適合する免疫学的試験が提供される。この例示的なELISAを使用すると、BM1特異性免疫剤を使用して、血漿または尿中のBM1を決定することができる。BM1を特異的に認識するモノクローナル抗体は、商業的供給源によって、例えば注文設計によって、提供することができる。あるいは、ポリクローナル非ヒト動物(例えばウサギまたはヒツジ)抗体を使用することもできる。
[実施例7]
HPLC-MS/MSのための内部標準
同位体標識BM1を、上で言及した、分析用ヒト血漿および尿試料(実施例1)の定量的生化学分析のための内部標準として使用する:
1315-BM1(5質量単位大きい分子量)。
構造は、ここでさらに記載されるように、式(II)のものである。

Claims (14)

  1. 対象における敗血症状態を予測する方法であって、
    a.前記対象の試料におけるバイオマーカーのレベルを決定するステップであり、前記バイオマーカーが構造(I)
    Figure 2023527087000016
    のものまたはその塩である、ステップと、
    b.前記レベルを、前記バイオマーカーの所定の参照値と比較するステップと
    を含み、
    上昇したバイオマーカーレベルが、前記敗血症状態のリスクを示す、
    方法。
  2. 前記参照レベルが、前記リスクのない対象もしくは対象の群における前記バイオマーカーのレベル、または前記敗血症状態を示す閾値レベルである、請求項1に記載の方法。
  3. 前記敗血症状態が、全身性炎症反応症候群(SIRS)、敗血症、敗血症性ショックおよび多臓器不全症候群(MODS)からなる群から選択される敗血症疾患のいずれか1つまたは複数である、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記バイオマーカーが、
    (i)イムノアッセイ、例えば、酵素イムノアッセイ、ラテラルフローイムノクロマトグラフィックアッセイ、蛍光イムノアッセイ、ラジオイムノアッセイおよび磁気イムノアッセイ、
    (ii)クロマトグラフィー、例えば、HPLCクロマトグラフィー、UPLCクロマトグラフィー、ガスクロマトグラフィー(GC)または薄層クロマトグラフィー、
    (iii)キャピラリー電気泳動、ならびに
    (iv)質量分光分析、例えば、SELDI、MALDI、MALDI-Q TOF、MS/MS、TOF-TOFおよびESI-Q-TOF、またはNMR分光分析
    からなる群から選択される分析方法を適用して決定される、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 対象における敗血症疾患をモニタリングする方法であって、
    a.第1の時点において、対象の試料におけるバイオマーカーのレベルを決定するステップであり、前記バイオマーカーが請求項1において定義される通りである、ステップと、
    b.後の第2の時点において、同じ対象の試料における前記バイオマーカーのレベルを決定するステップと
    を含み、
    前記第1の時点と前記第2の時点との間の前記バイオマーカーのレベルの増加が、前記敗血症疾患の進行を示す、
    方法。
  6. 敗血症状態について、対象に適用された少なくとも1つの処置の有効性をモニタリングする方法であって、
    a.第1の時点において、対象の試料におけるバイオマーカーのレベルを決定するステップであり、前記バイオマーカーが請求項1において定義される通りである、ステップと、
    b.後の第2の時点において、同じ対象の試料における前記バイオマーカーのレベルを決定するステップと
    を含み、
    前記第1の時点と前記第2の時点との間の前記バイオマーカーのレベルの減少が、処置成功を示す、
    方法。
  7. 前記試料が、血液、血漿、血清、尿、便、痰、滑液および唾液からなる群から選択される体液である、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記試料に内部標準化合物が添加され、前記バイオマーカーの量が、前記バイオマーカーのレベルを前記内部標準化合物のレベルと比較することによって決定され、好ましくは、前記内部標準化合物が、同位体標識を含む前記バイオマーカーである、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記内部標準が、検出可能な標識を含む構造(I)のものまたはその塩であり、好ましくは、原子C、H、NまたはOの少なくとも1個が、それぞれの重同位体C13、D、N15、O17およびO18で置換されている、請求項8に記載の方法。
  10. 敗血症状態を判定する方法における診断用製剤の使用であって、前記診断用製剤が、組成物またはパーツのキットとして提供され、次の成分:
    a.請求項1に定義されるバイオマーカーを特異的に認識する免疫剤、
    b.検出可能な標識であるさらなる診断試薬、または前記免疫剤および/もしくは前記バイオマーカーと結合している前記免疫剤の反応生成物と特異的に反応する試薬
    を含み、
    c.任意選択的に、さらに、前記免疫剤または前記診断試薬の少なくとも一方を固定するための固体担体を含む、使用。
  11. 敗血症状態を判定する方法における、請求項1に定義されるバイオマーカーを特異的に認識する免疫剤の使用であって、前記免疫剤が検出可能な標識を含む、使用。
  12. 敗血症状態のバイオマーカーとしての、構造(I)
    Figure 2023527087000017
    の化合物またはその塩の使用。
  13. 敗血症状態を、前記敗血症状態を患っていない対象において予測する方法であって、
    a.前記対象の試料における小分子バイオマーカーのレベルを決定するステップと、
    b.前記レベルを、前記バイオマーカーの所定の参照値と比較するステップと
    を含み、
    上昇したバイオマーカーレベルが、前記敗血症状態発症のリスクを示し、前記バイオマーカーが請求項1に定義される通りである、
    方法。
  14. 敗血症状態を、前記敗血症状態を患っていない対象においてモニタリングする方法であって、
    a.第1の時点において、対象の試料における小分子バイオマーカーのレベルを決定するステップと、
    b.後の第2の時点において、同じ対象の試料における前記バイオマーカーのレベルを決定するステップと
    を含み、
    前記第1の時点と前記第2の時点との間の前記バイオマーカーのレベルの増加が、敗血症状態発症を示し、前記バイオマーカーが請求項1に定義される通りである、
    方法。
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