JP2023525738A - 高度に精製されたセルロース繊維を含むフィルムを製造するための方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、抄紙機において高度に精製されたセルロース繊維を含むウェブ又はフィルムを製造するための方法であって、a)高度に精製されたセルロース繊維を含む水性パルプ懸濁液をワイヤ上に施用することによって湿潤ウェブを形成する工程、及びb)ワイヤ上の湿潤ウェブを脱水して、高度に精製されたセルロース繊維を含む脱水ウェブを得る工程を含み、脱水が、湿潤ウェブに一時的に施用されたガス透過性膜を使用する膜支援脱水を含み、ガス透過性膜がワイヤよりも低い透過性を有する、方法に関する。【選択図】なし
Description
本開示は、例えば紙及び板紙ベースの包装材料に有用なガスバリアフィルムに関する。より具体的には、本開示は、高度に精製されたセルロース繊維を含むフィルム、特にミクロフィブリル化セルロース(MFC)を含むフィルムを製造するための方法に関する。
感受性製品を遮蔽するために、効果的なガス、芳香及び/又は水分バリアが包装産業において必要とされている。特に、酸素感受性製品は、貯蔵寿命を延ばすために酸素バリアを必要とする。酸素感受性製品には、多くの食品が含まれるが、医薬品及び電子産業製品も含まれる。酸素バリア特性を有する公知の包装材料は、通常は多層コーティング構造の一部として、1つもしくは複数のポリマーフィルム、又は酸素バリアポリマーの1つもしくは複数の層でコーティングされた繊維状の紙もしくは板から構成され得る。食品包装のための別の重要な特性は、グリース及び油に対する耐性である。
より最近では、ミクロフィブリル化セルロース(MFC)フィルムが開発されており、これは、脱フィブリル化セルロースフィブリルが、例えば水に懸濁され、再組織化され、互いに再結合して連続フィルムを形成している。MFCフィルムは、良好なガスバリア特性並びにグリース及び油に対する良好な耐性を提供することが分かっている。
MFCフィルムは、ポリマー又は金属基材などの非多孔質鋳造基材上にMFC分散体を施用すること、及びエバポレーションによって上記フィルムを乾燥させることを含む鋳造技術を使用することによって製造することができる。この技術の利点としては、均一な厚さ分布及びフィルムの滑らかな表面が挙げられる。欧州特許出願公開第2771390A4号明細書は、MFCフィルムの調製を記載しており、この場合、水性セルロースナノファイバー分散体が紙又はポリマー基材上にコーティング、乾燥され、最終的にナノファイバーフィルムシートとして剥離される。
鋳造プロセスに関連する問題は、フィルムが乾燥工程において形成されているとき、低速の水の拡散が乾燥速度を制限することである。フィルムを通る水蒸気の拡散は、プロセス効率に悪影響を及ぼす低速のプロセスである。乾燥速度が増加した場合、フィルムにピンホールが形成され、バリア特性を低下させる可能性がある。鋳造プロセスのさらなる問題は、形成されたフィルムに収縮張力が形成されることであり、これは破断歪み又は引張強度などの強度特性に悪影響を及ぼす可能性がある。
あるいは、フィルムは、ウェブを形成する多孔質基材上にMFC懸濁液を施用し、続いてフィルムを形成するために基材を通して水を排出することによってウェブを脱水することによって製造することができる。多孔質基材は、例えば、膜又はワイヤファブリックであってもよく、又は紙又は板紙基材であってもよい。ウェブの形成は、例えば、抄紙機又は板紙機型のプロセスの使用によって達成することができる。米国特許出願公開第20120298319A1号明細書は、MFCを含む完成紙料を多孔質基材上に直接施用し、したがってMFCの脱水及び濾過を可能にして、MFCフィルムを製造する方法を教示している。
高度に精製されたセルロース又は懸濁液から非常に低速の排水を伴ってフィルム及びバリア基材を製造することは、ピンホールの発生に起因して良好なバリアを作成することが困難であるため、抄紙機では困難である。ピンホールは、形成プロセス中にウェブに出現する可能性がある微細な穴である。ピンホールが出現する理由の例としては、例えばフィブリルのフロキュレーション又は再フロキュレーションによって形成されるパルプ懸濁液の不規則性、ファブリックの粗い脱水、ワイヤ上の不均一なパルプ分布、又は低すぎるウェブ坪量が挙げられる。ピンホール形成は、典型的には脱水速度の増加と共に増加する。しかし、ピンホールのない領域では、坪量が20~40g/m2超である場合、酸素透過率の値は良好である。
バリア特性を改善するための1つの手法は、いくつかのピンホールを含む薄いベース基材を作製し、次いで基材をポリマーコーティング組成物でコーティングすることであった。しかしながら、この手法は、表面充填と同時にバリアを提供するという点で最適化されたコーティング概念及びコーティング配合物を必要とする。薄いウェブのコーティングはまた、コーティングがウェブの破断を引き起こす可能性があるため、困難である。各追加の工程はコストを追加するので、基板が再湿潤及び乾燥される回数も最小限に保たれるべきである。ポリマーコーティングはまた、フィルムの再パルプ化性(repulpability)を低減し、それによってフィルムを含む製品のリサイクル性を低減し得る。
先行技術で議論されている別の可能性は、非常に低速の脱水時間を有することであるが、これは高速で集約的な排水の概念では実現可能ではない。
別の解決策は、フィルムの坪量又は粗さを増加させることであるが、これはそれぞれ、脱水時間を大幅に増加させ、ピンホールのリスクを増加させる。
技術的及び経済的な観点から、迅速な脱水を可能にし、同時にフィルムの機械的特性もしくはバリア特性、又はその両方を改善する解決策を見出すことが好ましい。
本開示の目的は、先行技術の方法に関連する上述の問題の少なくともいくつかを軽減する、ミクロフィブリル化セルロース(MFC)などの高度に精製されたセルロース繊維を含むフィルムを製造するための方法を提供することである。
本開示のさらなる目的は、ピンホール形成が低減された高度に精製されたセルロース繊維を含むフィルムを製造するための方法を提供することである。
本開示のさらなる目的は、高度に精製されたセルロース繊維を含むフィルムを抄紙機又は板紙機型のプロセスで製造するための改善された方法を提供することである。
本開示のさらなる目的は、再生可能原料に基づく紙又は板紙ベースの包装材料におけるガスバリアとして有用なフィルムを提供することである。
本開示のさらなる目的は、フィルムを含む包装製品の高いリサイクル性を提供する、高い再パルプ化性を有する紙又は板紙ベースの包装材料のガスバリアとして有用なフィルムを提供することである。
上述の目的、並びに本開示に照らして当業者によって実現される他の目的は、本開示の様々な態様によって達成される。
本明細書に示す第1の態様によれば、抄紙機において高度に精製されたセルロース繊維を含むウェブ又はフィルムを製造するための方法であって、
a)高度に精製されたセルロース繊維を含む水性パルプ懸濁液をワイヤ上に施用することによって湿潤ウェブを形成する工程、及び
b)ワイヤ上の湿潤ウェブを脱水して、高度に精製されたセルロース繊維を含む脱水ウェブを得る工程
を含み、
脱水が、湿潤ウェブに一時的に施用されたガス透過性膜を使用する膜支援脱水を含み、ガス透過性膜がワイヤよりも低い透過性を有する、
方法が提供される。
a)高度に精製されたセルロース繊維を含む水性パルプ懸濁液をワイヤ上に施用することによって湿潤ウェブを形成する工程、及び
b)ワイヤ上の湿潤ウェブを脱水して、高度に精製されたセルロース繊維を含む脱水ウェブを得る工程
を含み、
脱水が、湿潤ウェブに一時的に施用されたガス透過性膜を使用する膜支援脱水を含み、ガス透過性膜がワイヤよりも低い透過性を有する、
方法が提供される。
本発明は、高度に精製されたセルロース繊維を含むパルプを抄紙機のワイヤ上で脱水するときに遭遇する問題の多くが、膜支援脱水と呼ばれる技術の使用によって解決又は改善され得るという認識に基づく。膜支援脱水では、ガス透過性膜、典型的には薄いポリマーファブリックもしくはポリマー不ファブリック又は多孔質ポリマーフィルムが、脱水工程中に湿潤ウェブに一時的に施用される。次いで、ガス透過性膜が湿潤ウェブに押圧される。負のガス圧、すなわち真空をワイヤの底面に印加することによって圧力を印加することができ、それによって湿潤ウェブ及びガス透過性膜の両方がワイヤに向かって吸引される。負圧を使用する場合、脱水は膜支援真空脱水と呼ぶことができる。圧力はまた、例えば空気又は蒸気の形態の正のガス圧をガス透過性膜の上面に印加し、ガス透過性膜及び湿潤ウェブをワイヤに向かって押圧することによって印加することができる。ガス透過性膜は、湿潤ウェブを通るガス流を低減する。印加される正又は負のガス圧は、好ましくは効率的な脱水を達成するのに十分高くなければならないが、湿潤ウェブを通る高いガス流が新しいピンホールの形成又は既存のピンホールの拡大を引き起こす可能性があるため、湿潤ウェブを通るガス流が非常に低くなるように十分に低くなければならない。いくつかの実施形態では、印加される正又は負のガス圧は、湿潤ウェブを通るガス流が0又は0に近いように選択される。湿潤ウェブを通る低いガス流はまた、正又は負のガス圧を維持するために必要なエネルギーを最小にするので利点がある。
ガス透過性膜の圧力は、脱水速度が増加するにつれて、湿潤ウェブにおけるピンホールの形成を効果的に打ち消すことが分かった。ワイヤよりも低い透過性を有するガス透過性膜を施用することは、湿潤ウェブを通るガス流を制限し、ワイヤの下に強い真空を維持することを可能にする。いかなる特定の科学理論にも束縛されることを望むものではないが、ピンホール形成の減少は、ガス流の低減と、湿潤ウェブの形状を保持し、ウェブを通るガス流をウェブ表面にわたってより均一に分配するのを助けるガス透過性膜との組み合わせに起因し得ると考えられる。
ガス透過性膜の使用は、フィルム特性を低下させることなく著しく高い真空及び/又はウェブを通るガス流を使用することができるので、湿潤ウェブのより迅速な脱水を可能にする。膜支援脱水は、依然として高い生産速度を可能にしながら、完成したフィルムにおけるピンホールの発生を実質的に排除することが分かった。先行技術では、プロセスのウェットエンドで大量の保持及び排水化学物質を使用することによって脱水速度の増加が達成されることがあり、フロキュレーションの増加を引き起こす。しかしながら、保持及び排水化学物質はまた、より多孔性のウェブ構造を引き起こす可能性があり、したがって、そのような化学物質の使用を最小限に抑える必要がある。本発明の方法は、脱水速度を増加させる代替の方式を提供し、これは、保持及び排水化学物質の添加にあまり依存しない。
本明細書で使用される「フィルム」という用語は、一般に、薄い連続シート形成材料を指す。パルプ懸濁液の組成に応じて、フィルムは薄い紙又はさらには膜と考えることもできる。本発明の方法は、抄紙機型のプロセスで高度に精製されたセルロース繊維を含むフィルムを製造することを可能にする。より重要なことには、本方法は、20~100g/m2の範囲の比較的高い坪量を有するフィルムの製造を可能にし、このフィルムは、ピンホールの発生が非常に少ないか、又は実質的にピンホールがない。高度に精製されたセルロース繊維の含有量のために、得られたフィルムは、典型的には600kg/m3超、好ましくは900kg/m3超の密度を有する。そのようなフィルムは、例えば包装用途において、ガスバリアフィルムとして非常に有用であることが分かった。フィルムは、紙又は板紙包装製品のリサイクル性を低減する合成ポリマーフィルムなどの従来のバリアフィルムを置き換えるために使用することができる。本発明のフィルムは、高い再パルプ化性を有し、フィルム及びフィルムを含む紙又は板紙包装製品の高いリサイクル性を提供する。
本発明の方法の工程を実行するための異なる構成が当業者によって企図され得るが、本発明の方法は、有利には抄紙機、より好ましくは長網抄紙機で実行され得る。
抄紙機(製紙機)は、パルプ及び紙産業で使用され、高速で大量に紙を作成する産業機械である。現代の製紙機は、典型的には、織られたメッシュのエンドレスベルト、「ワイヤ」を使用して、パルプ懸濁液に保持された繊維を濾別し、連続的に移動する繊維の湿潤ウェブを生成することによって連続ウェブを作成する長網機の原理に基づいている。「湿潤ウェブ」又は「ウェブ」という用語は、本明細書では、水性パルプ懸濁液がワイヤ上に形成されるときに形成される中間生成物を示すために使用される。次いで、湿潤ウェブは機械内で脱水及び乾燥されて、繊維を含む紙又はフィルムが得られる。
本発明の方法の形成及び脱水工程は、好ましくは、一般にウェットエンドと呼ばれる抄紙機の形成部で実行される。湿潤ウェブは、抄紙機の形成部においてワイヤ上に形成される。本発明の方法で使用されるワイヤは、迅速な脱水及び高い排水能力を可能にするために、比較的高い多孔性を有することが好ましい。ワイヤの透過性は、典型的には、100Paで5000m3/m2/時間を超える。ワイヤは、繊維マーキングを低減するために、好ましくは少なくとも500ナックル/cm2、より好ましくは少なくとも1000ナックル/cm2を含むことができる。
膜支援脱水は、好ましくは、湿潤ウェブにガス透過性膜を一時的に施用し、ワイヤとガス透過性膜との間で湿潤ウェブを押圧することを含む。ワイヤよりも低い透過性を有する膜は、湿潤ウェブを通るガス流を制限し、ワイヤの下に強い真空を維持することを可能にする。いくつかの実施形態では、ガス透過性膜の下の湿潤ウェブを通るガス流は、ガス透過性膜のない同じ条件下で湿潤ウェブを通るガス流よりも少なくとも50%低く、好ましくは少なくとも75%低い。いくつかの実施形態では、膜が施用されたときの湿潤ウェブを通るガス流は、0又は0に近い。
ガス透過性膜は、好ましくは、ポリマーファブリック、ポリマー不ファブリック及び多孔質ポリマーフィルムからなる群から選択される。ポリマーファブリックは、例えば、湿潤ウェブを形成するために使用されるワイヤの透過性よりも著しく低い透過性を有する非常に微細な紙ワイヤであってもよい。ポリマー不ファブリックは、例えば、Tyvek(登録商標)などの圧縮ポリエチレン繊維不ファブリックであってもよい。多孔質ポリマーフィルムは、例えば、モノリシックePTFEポリマーフィルムなどであってもよい。
ガス透過性膜の厚さは、好ましくは0.01~4mmの範囲、より好ましくは0.01~2mmの範囲である。膜の強度を改善するために、湿潤ウェブと接触しない表面上の担体材料に膜を積層してもよい。ガス透過性膜は、好ましくは非吸水性であるが、いくつかの実施形態では、膜は、膜を通過する水を吸収して除去することができるように、湿潤ウェブと接触しない表面上の吸水性材料と組み合わされるか、又はこれに積層されてもよい。
湿潤ウェブ上にガス透過性膜を施用することは、湿潤ウェブの形状を保持し、ウェブを通るガス流をウェブ表面にわたってより均一に分配するのに役立つ。
ガス透過性膜は、好ましくは、ガス、特に空気及び蒸気が膜を通過することを可能にする透過性を有するが、高度に精製されたセルロース繊維及び湿潤ウェブ中に存在する他の固体の通過を阻止する。透過性膜は、液体形態の水に対して透過性又は非透過性であり得る。ほとんどの場合、特に膜が液体形態の水に対して非透過性である場合、ウェブから除去された水の大部分又は全部は、ワイヤ側でウェブから去る。膜が液体形態の水に対して透過性である実施形態では、ウェブからの水のいくらかの除去も膜側で可能であり得る。
いくつかの実施形態では、ガス透過性膜は、空気及び蒸気に対して透過性であるが、湿潤ウェブの液体水及び高度に精製されたセルロース繊維に対して非透過性又は実質的に非透過性である。膜の透過性は、ウェブの脱水中に空気が膜を通過することを可能にする。
いくつかの実施形態では、ガス透過性膜は、空気、蒸気及び液体水に対して透過性であるが、湿潤ウェブの高度に精製されたセルロース繊維に対して非透過性又は実質的に非透過性である。
ガス透過性膜の透過性は、ワイヤの透過性よりも著しく低いことが好ましい。ワイヤよりもガス透過性膜の透過性が低いと、ワイヤの底面に負のガス圧(真空)が印加されたとき、又はガス透過性膜の上面に正のガス圧が印加されたときに、ガス透過性膜が湿潤ウェブに押圧される。ガス透過性膜によって湿潤ウェブに加えられる圧力は、湿潤ウェブの形状をさらに保持し、ウェブを通るガス流をウェブ表面にわたってより均一に分配するのに役立つ。
いくつかの実施形態では、ガス透過性膜の透過性は、ワイヤの透過性の75%未満である。好ましい実施形態では、ガス透過性膜の透過性は、ワイヤの透過性の50%未満である。
本発明の方法で使用されるワイヤは、迅速な脱水及び高い排水能力を可能にするために、比較的高い透過性を有することが好ましい。ワイヤは、好ましくは、100Paで5000m3/m2/時間を超える透過性を有する。
ガス透過性膜は、好ましくは、100Paで5000m3/m2/時間より十分に低い透過性を有する。いくつかの実施形態では、ガス透過性膜は、100Paで3500m3/m2/時間未満、好ましくは100Paで3000m3/m2/時間未満の透過性を有する。
ガス透過性膜の施用は、ワイヤに印加される負のガス圧(真空)の印加と組み合わされる。負のガス圧は、湿潤ウェブ及び膜が配置されている表面とは反対側のワイヤの表面に印加される。したがって、従来の水平ワイヤ構成では、負のガス圧がワイヤの底面に印加され、湿潤ウェブ及び膜はワイヤの上面に配置される。この膜支援脱水における真空は、当該技術分野で公知の真空支援脱水のための様々な方法のいずれかによって提供することができる。いくつかの実施形態では、正のガス圧がガス透過性膜にも印加され、すなわち、負圧(真空)及び正圧の両方を印加することができる。
したがって、いくつかの実施形態では、湿潤ウェブは、ガス透過性膜とワイヤとの間で押圧される。この圧力により、湿潤ウェブ内に存在する水がワイヤに向かって移動し、ワイヤを通って除去される。水の移動は、ワイヤ側の真空と、膜、ウェブ、最後にワイヤを通過するいくらかのガスと、ガス透過性膜とワイヤとの間の透過性の差によって引き起こされるウェブの圧縮との組み合わせに起因する。ガス透過性膜の透過性は、いくらかの空気が膜を通過することを可能にし、ウェブが破砕されるのを防止する。
いくつかの実施形態では、湿潤ウェブは、ワイヤに負のガス圧を印加することによってワイヤとガス透過性膜との間で押圧される。負のガス圧は、例えば、1つ以上の吸引ボックス又は吸引ロール、箔又はテーブルロールを使用して印加することができる。
従来の真空脱水(膜なし)でワイヤに印加される負のガス圧(すなわち、吸引圧力)は、典型的には5~40kPaの範囲、より好ましくは5~25kPaの範囲である。本発明の膜支援脱水においてワイヤに印加される負のガス圧(すなわち、吸引圧力)は、典型的には15~90kPaの範囲であり得る。いくつかの実施形態では、ワイヤに印加される負のガス圧は、30~90kPaの範囲又は45~90kPaの範囲である。
本発明の膜支援脱水においてワイヤに印加される負のガス圧は、好ましくは効率的な脱水を達成するのに十分高いが、湿潤ウェブを通る高いガス流が新しいピンホールの形成又は既存のピンホールの拡大を引き起こす可能性があるため、湿潤ウェブを通るガス流が非常に低くなるように十分に低い。いくつかの実施形態では、本発明の膜支援脱水においてワイヤに印加される負のガス圧は、湿潤ウェブを通るガス流が0又は0に近いように選択される。湿潤ウェブを通る低いガス流はまた、負のガス圧を維持するために必要なエネルギーを最小にするので利点がある。
真空脱水は、典型的には非常にエネルギー集約的であり、抄紙機の総電気エネルギー消費の大部分を占める可能性がある。膜がウェブを通るガス流を低減したので、膜支援脱水は、より低いエネルギー消費でワイヤの下に強い真空を維持することを可能にする。
いくつかの実施形態では、膜の下のワイヤに印加される負のガス圧は、順に配置された2つの異なる負のガス圧ゾーンに印加され、各ゾーンの負のガス圧は独立して制御することができる。例えば、ウェブの含水量が減少するにつれて真空が増加するように、第1の圧力ゾーンは、より低い負のガス圧(より弱い真空)を有することができ、後続の第2の圧力ゾーンは、より高い負のガス圧(より強い真空)を有することができる。
膜支援脱水中の湿潤ウェブの温度は、好ましくは40℃超、好ましくは45℃超、より好ましくは50℃超に保たれる。膜支援脱水は、典型的には、湿潤ウェブの温度を低下させる。したがって、いくつかの実施形態では、ウェブは、膜支援脱水の前、間及び/又は後に加熱される。ウェブの加熱は、例えば蒸気ボックスなどを介して蒸気を使用して、当該技術分野で公知の様々な様式で行うことができる。
いくつかの実施形態では、湿潤ウェブは、ガス透過性膜に正のガス圧を印加することによってガス透過性膜とワイヤとの間でさらに押圧される。ガス透過性膜に印加される正のガス圧は、膜の下のワイヤに印加される負のガス圧の代替又は補完として使用することができる。正のガス圧は、例えば、1つ以上の圧力ボックス又は蒸気ボックスを使用して加圧空気又は蒸気の形態で印加されてもよい。加圧蒸気の形態で圧力を印加することは、真空脱水によって引き起こされる温度低下を打ち消すためにウェブを加熱するという付加的な利益を有する。
本発明の膜支援脱水においてワイヤに印加される正のガス圧は、湿潤ウェブを通る高いガス流が新しいピンホールの形成又は既存のピンホールの拡大を引き起こす可能性があるため、湿潤ウェブを通るガス流が非常に低くなるように選択されることが好ましい。
いくつかの実施形態では、膜の下のワイヤに印加される正のガス圧は、順に配置された2つの異なる正のガス圧ゾーンに印加され、各ゾーンの正のガス圧は独立して制御することができる。例えば、ウェブの含水量が減少するにつれて正のガス圧が増加するように、第1の圧力ゾーンはより低い正のガス圧を有することができ、後続の第2の圧力ゾーンはより高い正のガス圧を有することができる。
圧力(負又は正)はパルス状であってもよい。
本発明の方法の工程を実行するための異なる構成が当業者によって企図され得るが、本発明の方法は、有利には抄紙機、より好ましくは長網抄紙機で実行され得る。したがって、本発明の方法は、典型的には連続的方法である。
ワイヤ及びガス透過性膜は、好ましくはエンドレスベルトの形態で提供される。2つの透過性ベルト間、例えば2つのメッシュワイヤ間で湿潤ウェブを脱水するための構成は、製紙の当業者に公知である。
湿潤ウェブは、好ましくは、1つ以上の接触ゾーンにおいてワイヤとガス透過性膜との間で押圧される。ワイヤ及びガス透過性膜は、接触ゾーン内で同じ方向に、同じ又は実質的に同じ速度で移動する。接触ゾーンのサイズ及び構成は、ワイヤのサイズ及び所望の脱水度に依存し得る。接触ゾーンの幅は、好ましくは、湿潤ウェブの幅に対応する。機械方向、すなわち湿潤ウェブの移動方向における接触ゾーンの長さは、所望の脱水度に依存する。接触ゾーンの長さは、接触ゾーンに配置することができる正及び負のガス圧ゾーンの数及びサイズを決定する。いくつかの実施形態では、機械方向における接触ゾーンの長さは、0.3~10mの範囲、好ましくは1~5mの範囲である。当然ながら、膜ベルトの全長は、湿潤ウェブとの各接触間の膜の洗浄又はクリーニングを可能にするために、接触ゾーンよりもはるかに長い。膜ベルトの全長は、例えば、接触ゾーンよりも少なくとも3~5倍長くてもよく、典型的にはさらに長くてもよい。
接触ゾーンにおけるワイヤ及びガス透過性膜の機械方向の速度は、好ましくは250m/分超、好ましくは350m/分超、より好ましくは500m/分超である。
湿潤ウェブの含水量が膜支援脱水に入るときに高すぎる場合、ウェブの破砕のリスクがある。したがって、場合によっては、膜支援脱水の前に、ガス透過性膜を使用せずに湿潤ウェブを最初に部分脱水に供することが好ましい場合がある。ワイヤ上のウェブの部分脱水は、当該技術分野で公知の方法及び装置を使用して実行することができる。例としては、限定されないが、重力脱水、吸引ボックス、吸引ロール、テーブルロール及び箔、無摩擦脱水及び超音波支援真空脱水が挙げられる。部分脱水は、湿潤ウェブの乾燥固形分がパルプ懸濁液の乾燥固形分と比較して低減されるが、脱水されたウェブが依然としてかなりの量の水を含むことを意味する。
部分脱水の目的は、湿潤ウェブの乾燥固形分を膜支援脱水に適したレベルまで増加させることである。したがって、いくつかの実施形態では、脱水工程b)は、膜支援脱水の前に湿潤ウェブを部分的に脱水することを含む。
パルプ懸濁液の乾燥固形分は、典型的には0.1~0.7重量%の範囲である。いくつかの実施形態では、湿潤ウェブの部分脱水は、部分的に脱水されたウェブの乾燥固形分が0.5重量%を超えるが15重量%未満であることを意味する。いくつかの実施形態では、湿潤ウェブの部分脱水は、部分的に脱水されたウェブの乾燥固形分が0.5重量%を超えるが10重量%未満であることを意味する。
いくつかの実施形態では、膜支援脱水前の湿潤ウェブの乾燥固形分は、0.5重量%超、好ましくは2重量%超、より好ましくは4重量%超である。いくつかの実施形態では、膜支援脱水前の湿潤ウェブの乾燥固形分は、0.5~10重量%の範囲、好ましくは2~10重量%の範囲、より好ましくは4~10重量%の範囲である。
パルプ懸濁液がワイヤ上で脱水されたとき、ウェブが反射水層を有するところからこの反射層が消失するところに目に見える境界線が現れる。反射ウェブと非反射ウェブとの間のこの境界線は、水位線と呼ばれる。水位線は、ウェブの特定の固形分を示す。いくつかの実施形態では、膜支援脱水は、水位線の後に配置される。
いくつかの実施形態では、膜支援脱水後の湿潤ウェブの乾燥固形分は、12重量%超、好ましくは14重量%超、より好ましくは16重量%超である。いくつかの実施形態では、膜支援脱水後の湿潤ウェブの乾燥固形分は、12~20重量%の範囲、好ましくは14~20重量%の範囲、より好ましくは16~20重量%の範囲である。
脱水工程b)は、膜支援脱水後に湿潤ウェブをさらに脱水することをさらに含んでもよい。さらなる脱水は、典型的には、ウェブを押圧して可能な限り多くの水を絞り出すことを含む。さらなる脱水は、例えば、形成されたウェブを抄紙機の押圧部に通過させることを含んでもよく、ウェブは、可能な限り多くの水を絞り出すために高圧下で負荷された大きなロールの間を通過する。除去された水は、典型的には、ファブリック又はフェルトによって受け取られる。さらなる脱水後のフィルムの乾燥固形分は、可能な限り高くなければならない。いくつかの実施形態では、さらなる脱水後のフィルムの乾燥固形分は、20~70重量%の範囲、好ましくは30~60重量%の範囲である。
いくつかの実施形態では、本方法は、
c)脱水ウェブを乾燥させて、高度に精製されたセルロース繊維を含むフィルムを得ること
をさらに含む。
c)脱水ウェブを乾燥させて、高度に精製されたセルロース繊維を含むフィルムを得ること
をさらに含む。
乾燥は、例えば、ウェブを一連の加熱乾燥シリンダの周りに通過させることによってウェブを乾燥させることを含むことができる。乾燥は、典型的には、含水量を約1~15重量%、好ましくは約2~10重量%のレベルまで低下させることができる。
最終フィルムの乾燥固形分は、フィルムの使用目的に応じて変動し得る。例えば、独立した製品として使用するためのフィルムは、85~99重量%の範囲、好ましくは90~98重量%の範囲の乾燥固形分を有し得るが、紙又は板紙ベースの包装材料を形成するためのさらなる積層に使用するためのフィルムは、90重量%未満、好ましくは85重量%未満の範囲、例えば30~85重量%の範囲の乾燥固形分を有し得る。
パルプ懸濁液は、セルロースベースの繊維状材料及び場合により非繊維状添加剤の水懸濁混合物を含む水性懸濁液である。本発明の方法は、高度に精製されたセルロース繊維を含むパルプ懸濁液を使用する。セルロースパルプの精製又は叩解は、セルロース繊維に所望の特性を提供するためのセルロース繊維の機械的処理及び改質を指す。高度に精製されたセルロース繊維は、異なる原料、例えば針葉樹パルプ又は広葉樹パルプから製造することができる。高度に精製されたセルロース繊維は、乾燥されていないセルロース繊維であることが好ましい。
いくつかの実施形態では、パルプ懸濁液は、パルプ懸濁液の総乾燥重量に基づいて、少なくとも50重量%の高度に精製されたセルロース繊維を含む。
本明細書で使用される高度に精製されたセルロース繊維という用語は、好ましくは、規格ISO 5267-1によって決定して、65以上、好ましくは70以上のショッパーリーグラー(SR)値を有する精製されたセルロース繊維を指す。
いくつかの実施形態では、パルプ懸濁液は、70~99の範囲のショッパーリーグラー(SR)値を有するセルロース完成紙料から形成される。
パルプ懸濁液の乾燥固形分は、典型的には0.1~0.7重量%の範囲、好ましくは0.15~0.5重量%の範囲、より好ましくは0.2~0.4重量%の範囲である。
パルプ懸濁液の乾燥固形分は、高度に精製されたセルロース繊維のみから構成されてもよく、又は高度に精製されたセルロース繊維と他の成分又は添加剤との混合物を含むことができる。パルプ懸濁液は、パルプ懸濁液の総乾燥重量に基づいて、高度に精製されたセルロース繊維を主成分として含むことが好ましい。いくつかの実施形態では、パルプ懸濁液は、パルプ懸濁液の総乾燥重量に基づいて、少なくとも50重量%、好ましくは少なくとも70重量%、より好ましくは少なくとも80重量%又は少なくとも90重量%の高度に精製されたセルロース繊維を含む。
いくつかの実施形態では、パルプ懸濁液の高度に精製されたセルロース繊維は、精製クラフトパルプである。精製クラフトパルプは、典型的には、少なくとも10%のヘミセルロースを含む。したがって、いくつかの実施形態では、パルプ懸濁液は、高度に精製されたセルロース繊維の量の少なくとも10%、例えば10~25%の範囲の量のヘミセルロースを含む。
パルプ懸濁液は、天然デンプン又はデンプン誘導体などの添加剤、カルボキシメチルセルロースナトリウムなどのセルロース誘導体、充填剤、保持及び/又は排水化学物質、フロキュレーション添加剤、解フロキュレーション(deflocculating)添加剤、乾燥強度添加剤、軟化剤、架橋助剤、サイジング化学物質、染料及び着色剤、湿潤強度樹脂、固定剤、消泡助剤、微生物及びスライム制御助剤、又はそれらの混合物をさらに含み得る。パルプ懸濁液は、フィルムの延性を高めるために、混合物及び/又は製造されたフィルムの異なる特性を改善する添加剤、例えばラテックス及び/又はポリビニルアルコール(PVOH)をさらに含んでもよい。本発明の方法は、脱水速度を増加させる代替方法を提供し、これは、保持及び排水化学物質の添加にあまり依存しないが、より少量の保持及び排水化学物質が依然として使用され得る。
本発明の方法は、いわゆるミクロフィブリル化セルロース(MFC)のフィルムを製造するのに特に有用である。したがって、いくつかの実施形態では、高度に精製されたセルロース繊維はMFCである。
ミクロフィブリル化セルロース(MFC)は、特許出願の文脈において、100nm未満の少なくとも一次元を有するナノスケールのセルロース粒子繊維又はフィブリルを意味すると理解されるべきである。MFCは、部分的又は全体的にフィブリル化セルロース又はリグノセルロース繊維を含む。遊離されたフィブリルは100nm未満の直径を有するが、実際のフィブリルの直径又は粒径分布及び/又はアスペクト比(長さ/幅)は供給源及び製造方法に依存する。最小のフィブリルは、基本フィブリル(elementary fibril)と呼ばれ、約2~4nmの直径を有するが(例えば、Chinga-Carrasco,G.,Cellulose fibres,nanofibrils and microfibrils,:The morphological sequence of MFC components from a plant physiology and fibre technology point of view,Nanoscale research letters 2011,6:417を参照されたい)、ミクロフィブリルとしても定義される基本フィブリルの凝集形態(Fengel,D.,Ultrastructural behavior of cell wall polysaccharides,Tappi J.,March 1970,Vol 53,No.3.)は、例えば、拡張精製プロセス又は圧力降下分解プロセスを使用することによってMFCを製造するときに得られる主生成物であることが一般的である。供給源及び製造プロセスに応じて、フィブリルの長さは、約1マイクロメートルから10マイクロメートル超まで変動し得る。粗MFCグレードは、フィブリル化繊維、すなわち仮道管から突出したフィブリル(セルロース繊維)のかなりの画分を含み、一定量のフィブリルが仮道管から遊離している(セルロース繊維)。
セルロースミクロフィブリル、フィブリル化セルロース、ナノフィブリル化セルロース、フィブリル凝集体、ナノスケールセルロースフィブリル、セルロースナノファイバー、セルロースナノフィブリル、セルロースミクロファイバー、セルロースフィブリル、ミクロフィブリルセルロース、ミクロフィブリル凝集体及びセルロースミクロフィブリル凝集体などのMFCには、異なる頭字語が存在する。MFCはまた、大きな表面積、又は水に分散したときに低固形分(1~5重量%)でゲル状材料を形成する能力などの、様々な物理的又は物理化学的特性によっても特徴を明らかにすることができる。
MFCを製造するための様々な方法、例えば、単回又は複数回の精製(single or multiple pass refining)、予備加水分解、その後の精製又は高剪断分解又はフィブリルの遊離などが存在する。MFCの製造をエネルギー効率的かつ持続可能にするためには、通常、1つ又は複数の前処理工程が必要である。したがって、利用されるパルプのセルロース繊維は、繊維を加水分解又は膨潤させるために、又はヘミセルロースもしくはリグニンの量を低減するために、例えば酵素的又は化学的に前処理され得る。セルロース繊維は、フィブリル化の前に、セルロース分子が天然セルロースに見られる以外の(又はそれ以上の)官能基を含有するように化学的に修飾されてもよい。そのような基としては、とりわけ、カルボキシメチル(CMC)、アルデヒド及び/又はカルボキシル基(N-オキシル媒介酸化、例えば「TEMPO」によって得られるセルロース)、第4級アンモニウム(カチオン性セルロース)又はホスホリル基が挙げられる。上記の方法の1つで修飾又は酸化した後、繊維をMFC又はナノフィブリルに分解することがより容易である。
ナノフィブリルセルロースは、いくらかのヘミセルロースを含み得るが、その量は植物源に依存する。前処理された繊維、例えば加水分解された、予め膨潤された、又は酸化されたセルロース原料の機械的分解は、リファイナ、グラインダ、ホモジナイザ、コロイダ、摩擦グラインダ、超音波ソニケータ、マイクロフルイダイザ、マクロフルイダイザ又はフルイダイザ型ホモジナイザなどのフルイダイザなどの適切な装置を用いて行われる。MFC製造方法に応じて、生成物はまた、木部繊維又は製紙プロセスに存在する微粉又はナノ結晶セルロース又は他の化学物質を含有し得る。生成物はまた、効率的にフィブリル化されていない様々な量のミクロンサイズの繊維粒子を含有し得る。
MFCは、広葉樹繊維及び針葉樹繊維の両方からの木部セルロース繊維から製造される。また、微生物源、農業繊維、例えば麦稈パルプ、竹、バガス、又は他の非木部繊維源から製造することもできる。バージン繊維からのパルプ、例えば機械パルプ、化学パルプ及び/又は熱機械パルプを含むパルプから製造されることが好ましい。また、損紙又は再生紙から製造することもできる。
パルプ懸濁液の乾燥固形分は、MFCのみから構成されてもよく、又はMFCと他の成分又は添加剤との混合物を含むことができる。パルプ懸濁液は、パルプ懸濁液の総乾燥重量に基づいて、その主成分としてMFCを含むことが好ましい。いくつかの実施形態では、パルプ懸濁液は、パルプ懸濁液の総乾燥重量に基づいて、50~99重量%、好ましくは少なくとも70~99重量%、より好ましくは少なくとも80~99重量%のMFCを含む。
いくつかの実施形態では、MFCの少なくとも一部は、MFC破損物から得られる。
高度に精製されたセルロース繊維に加えて、パルプ懸濁液はまた、一定量の未精製又はわずかに精製されたセルロース繊維を含んでもよい。本明細書で使用される未精製又はわずかに精製された繊維という用語は、好ましくは、規格ISO 5267-1によって決定して、30未満、好ましくは28未満のショッパーリーグラー(SR)値を有するセルロース繊維を指す。未精製又はわずかに精製されたセルロース繊維は、脱水を促進するのに有用であり、フィルムの強度及び破壊靱性も改善し得る。いくつかの実施形態では、パルプ懸濁液は、パルプ懸濁液の総乾燥重量に基づいて、0.1~50重量%、好ましくは0.1~30重量%、より好ましくは0.1~10重量%の未精製又はわずかに精製されたセルロース繊維を含む。未精製又はわずかに精製されたセルロース繊維は、例えば、漂白もしくは未漂白、機械的もしくは化学機械的パルプ、又は他の高収率パルプから得ることができる。未精製又はわずかに精製されたセルロース繊維は、乾燥されていないセルロース繊維であることが好ましい。
パルプ懸濁液のpH値は、典型的には4~10の範囲、好ましくは5~8の範囲、より好ましくは5.5~7.5の範囲であり得る。
パルプ懸濁液の温度は、典型的には30~70℃の範囲、好ましくは40~60℃の範囲、より好ましくは45~55℃の範囲であり得る。
ウェブの総乾燥重量に基づく、湿潤ウェブ及び完成ウェブ又はフィルムの坪量は、典型的には100g/m2未満、好ましくは60g/m2未満、より好ましくは40g/m2未満である。いくつかの実施形態では、ウェブの総乾燥重量に基づく湿潤ウェブの坪量は、10~100g/m2の範囲、好ましくは10~60g/m2の範囲、より好ましくは10~40g/m2の範囲である。これらの範囲の坪量を有するピンホールのないフィルムは、良好な酸素バリア特性を有することが分かった。
大量の高度に精製されたセルロース繊維を含むフィルムは、典型的には、可視光に対して透明又は半透明である。したがって、いくつかの実施形態では、フィルムは、可視光に対して透明又は半透明である。
フィルムは、典型的には、グリース及び油に対する良好な耐性を示す。フィルムの耐グリース性を、規格ISO 16532-2に従ってKIT試験によって評価した。試験は、ヒマシ油、トルエン及びヘプタンの一連の混合物を使用する。溶媒に対する油の比が低下するにつれて、粘度及び表面張力も低下し、継続した混合物はより耐えにくくなる。性能は、15秒後にシートを暗くしない最も高い番号の溶液によって評価される。破損を引き起こすことなく紙の表面に残る最も高い番号の溶液(最もアグレッシブ)が、「kitレーティング」として報告される(最大12)。いくつかの実施形態では、フィルムのKIT値は、規格ISO 16532-2に従って測定して、少なくとも10である。
ピンホールは、形成プロセス中にウェブに出現する可能性がある微細な穴である。ピンホールが出現する理由の例としては、例えばフィブリルのフロキュレーション又は再フロキュレーションによって形成されるパルプ懸濁液の不規則性、ファブリックの粗い脱水、ワイヤ上の不均一なパルプ分布、又は低すぎるウェブ坪量が挙げられる。いくつかの実施形態では、フィルムは、規格EN 13676:2001に従って測定して、10ピンホール/m2未満、好ましくは8ピンホール/m2未満、より好ましくは2ピンホール/m2未満を含む。測定は、フィルムを着色溶液(例えばエタノール中の染料E131 Blue)で処理し、表面を顕微鏡で検査することを含む。
いくつかの実施形態では、フィルムは、規格ISO 5636/6に従って測定して、少なくとも30000秒/100mlのガーリーヒル値を有する。
フィルムは、再パルプ化性が高いことが好ましい。いくつかの実施形態では、フィルムは、PTS-RH 021/97試験方法に従ってカテゴリーII材料として試験した場合、30%未満、好ましくは20%未満、より好ましくは10%未満の残留物を示す。
いくつかの実施形態では、フィルムは、50%相対湿度及び23℃で規格ASTM D-3985に従って測定して、150cc/m2/24h/atm未満の酸素移動速度(OTR)を有する。
本明細書に示される第2の態様によれば、高度に精製されたセルロースを含むウェブ又はフィルムが提供され、このウェブ又はフィルムは本発明の方法によって得ることができる。
本明細書で使用されるフィルムという用語は、一般に、薄い連続シート形成材料を指す。パルプ懸濁液の組成に応じて、フィルムは薄い紙又はさらには膜と考えることもできる。フィルムは、100g/m2未満、好ましくは20~100g/m2の範囲の坪量を有するのが好ましい。フィルムは、典型的には比較的高密度である。いくつかの実施形態では、フィルムは、600kg/m3超、好ましくは900kg/m3超の密度を有する。
本発明のフィルムは、熱可塑性樹脂ポリマーの1つ以上の層でコーティング又は積層される場合、薄い包装フィルムとして特に適している。したがって、フィルムは、好ましくは、1つ以上のポリマー層でコーティング又は積層され得る。
フィルムは、片面又は両面にポリマー層を設けることができる。
ポリマー層は、一般に紙又は板紙ベースの包装材料に一般的に使用される熱可塑性樹脂ポリマー、又は特に液体包装板に使用されるポリマーのいずれかを含み得る。例としては、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、ポリ乳酸(PLA)、ポリグリコール酸(PGA)、デンプン及びセルロースが挙げられる。ポリエチレン、特に低密度ポリエチレン(LDPE)及び高密度ポリエチレン(HDPE)は、液体包装板に使用される最も一般的で汎用的なポリマーである。
熱可塑性樹脂ポリマーは、押出コーティング技術によって好都合に加工して、良好な液体バリア特性を有する非常に薄く均質なフィルムを形成することができるので有用である。いくつかの実施形態では、ポリマー層は、ポリプロピレン又はポリエチレンを含む。好ましい実施形態では、ポリマー層はポリエチレン、より好ましくはLDPE又はHDPEを含む。
ポリマー層は、同じポリマー樹脂又は異なるポリマー樹脂から形成された1つ以上の層を含んでもよい。いくつかの実施形態では、ポリマー層は、2つ以上の異なるポリマー樹脂の混合物を含む。いくつかの実施形態では、ポリマー層は、2つ以上の層から構成される多層構造であり、第1の層は第1のポリマー樹脂から構成され、第2の層は第1のポリマー樹脂とは異なる第2のポリマー樹脂から構成される。
いくつかの実施形態では、ポリマー層は、フィルムの表面上へのポリマーの押出コーティングによって形成される。押出コーティングは、溶融プラスチック材料を基材に施用して、非常に薄く、滑らかで均一な層を形成するプロセスである。コーティングは、押出プラスチック自体によって形成することができ、又は溶融プラスチックを接着剤として使用して、固体プラスチックフィルムを基材上に積層することができる。押出コーティングに使用される一般的なプラスチック樹脂としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)及びポリエチレンテレフタレート(PET)が挙げられる。
フィルムの各ポリマー層の坪量は、好ましくは50g/m2未満である。連続的で実質的に欠陥のないフィルムを達成するために、典型的には、少なくとも8g/m2、好ましくは少なくとも12g/m2のポリマー層の坪量が必要とされる。いくつかの実施形態では、ポリマー層の坪量は、8~50g/m2の範囲、好ましくは12~50g/m2の範囲である。
本発明のフィルムは、好ましくは、紙又は板紙ベースの包装材料、例えば液体又は液体含有製品の包装に使用するための液体包装板(LPB)のガスバリア層として使用することができる。
したがって、本明細書に示される第3の態様によれば、
紙又は板紙基材、及び
本発明の方法によって得ることができるフィルム
を含む、紙又は板紙ベースの包装材料が提供される。
紙又は板紙基材、及び
本発明の方法によって得ることができるフィルム
を含む、紙又は板紙ベースの包装材料が提供される。
紙は、一般に、木材又はセルロース繊維を含む他の繊維状物質のパルプからシート又はロールで製造された材料を指し、例えば、包装材料上に筆記、描画、又は印刷するために、又は包装材料として使用される。紙は、最終用途の要件に応じて、漂白又は未漂白、コーティング又は未コーティングのいずれかであり、様々な厚さで製造することができる。
板紙は、一般に、例えば平坦な基材、トレイ、箱及び/又は他の種類の包装として使用されるセルロース繊維を含む強力な厚紙又はボール紙を指す。板紙は、最終用途の要件に応じて、漂白又は未漂白、コーティング又は未コーティングのいずれかであり、様々な厚さで製造することができる。
第2の態様による紙又は板紙ベースの包装材料のフィルムは、第1の態様を参照して上述したようにさらに定義することができる。
いくつかの実施形態では、フィルムは、例えばフィルムが基材上に湿式で置かれるとき、紙又は板紙基材に直接取り付けられる。したがって、いくつかの実施形態では、フィルムは基材と直接接触している。
他の実施形態では、フィルムは、例えば、基材とフィルムとの間に配置された接着剤層を使用してフィルムが基材上に積層されるとき、紙又は板紙基材に間接的に取り付けられる。したがって、いくつかの実施形態では、紙又は板紙ベースの包装材料は、基材とフィルムとの間に配置された接着剤層をさらに含む。
いくつかの実施形態では、紙又は板紙ベースの包装材料は、50%相対湿度及び23℃で規格ISO 15106-2/ASTM F1249に従って測定して、200g/m2/24h未満の水蒸気移動速度(WVTR)を有する。
いくつかの実施形態では、紙又は板紙ベースの包装材料は、50%相対湿度及び23℃で規格ASTM D-3985に従って測定して、150cc/m2/24h/atm未満、好ましくは100cc/m2/24h/atm未満、より好ましくは50cc/m2/24h/atm未満の酸素移動速度(OTR)を有する。
一般に、製品、ポリマー、材料、層及びプロセスは、様々な構成要素又は工程を「含む」ことに関して記載されているが、製品、ポリマー、材料、層及びプロセスはまた、様々な構成要素及び工程「から本質的になる」又は「からなる」ことができる。
膜支援脱水が良好なバリア特性を有する、すなわちピンホールの数が低減された製品をもたらすことを示すために、実験をパイロットマシンで実施した。
繊維の総量に基づいて100重量%のミクロフィブリル化セルロースを含む完成紙料を、ヘッドボックスを通してワイヤに導いた。その後、ワイヤ上の形成されたウェブの上に膜を施用した。真空ボックスをワイヤの下に置き、負圧によってウェブを脱水した。形成されたフィルムの坪量は30gsmであり、MFCのSR値は94であった。
表1.ASTM D-3985に従って測定した、測定されたフィルムのOTR値。
表1.ASTM D-3985に従って測定した、測定されたフィルムのOTR値。
結果は、良好なOTR値、すなわち10未満の値を有するフィルムが、本発明による脱水方法を用いて製造されたことを示す。
本発明を様々な例示的な実施形態を参照して説明したが、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更を行うことができ、その要素を等価物で置き換えることができることが当業者には理解されよう。さらに、本発明の本質的な範囲から逸脱することなく、特定の状況又は材料を本発明の教示に適合させるために多くの修正を行うことができる。したがって、本発明は、本発明を実施するために企図される最良の形態として開示された特定の実施形態に限定されず、本発明は、添付の特許請求の範囲内に入るすべての実施形態を含むことが意図される。
Claims (32)
- 抄紙機において高度に精製されたセルロース繊維を含むウェブ又はフィルムを製造するための方法であって、
a)65以上のショッパーリーグラー(SR)値を有する高度に精製されたセルロース繊維を含む水性パルプ懸濁液をワイヤ上に施用することによって湿潤ウェブを形成する工程、及び
b)ワイヤ上の湿潤ウェブを脱水して、高度に精製されたセルロース繊維を含む脱水ウェブを得る工程
を含み、
脱水が、湿潤ウェブに一時的に施用されたガス透過性膜を使用する膜支援脱水を含み、ガス透過性膜がワイヤよりも低い透過性を有する、
方法。 - ガス透過性膜が、ポリマーファブリック、ポリマー不ファブリック及び多孔質ポリマーフィルムからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
- ガス透過性膜の厚さが、0.01~4mmの範囲、より好ましくは0.01~2mmの範囲である、請求項1又は2に記載の方法。
- ガス透過性膜が、空気及び蒸気に対して透過性であるが、湿潤ウェブの液体水及び高度に精製されたセルロース繊維に対して実質的に非透過性である、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
- ガス透過性膜が、空気、蒸気及び液体水に対して透過性であるが、湿潤ウェブの高度に精製されたセルロース繊維に対して実質的に非透過性である、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
- ガス透過性膜の透過性が、ワイヤの透過性の75%未満、好ましくは50%未満である、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
- ガス透過性膜が、100Paで3500m3/m2/時間未満、好ましくは100Paで3000m3/m2/時間未満の透過性を有する、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
- ワイヤが、100Paで5000m3/m2/時間を超える透過性を有する、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
- 湿潤ウェブが、ガス透過性膜とワイヤとの間で押圧される、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
- 湿潤ウェブが、ワイヤに負のガス圧を印加することによってワイヤとガス透過性膜との間で押圧される、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
- 湿潤ウェブが、ガス透過性膜に正のガス圧を印加することによって、ワイヤとガス透過性膜との間で押圧される、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
- 方法が連続的である、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
- ワイヤ及びガス透過性膜が、エンドレスベルトの形態で提供される、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
- 湿潤ウェブが、接触ゾーンにおいて、ガス透過性膜とワイヤとの間で押圧される、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
- ワイヤ及びガス透過性膜が、接触ゾーン内で同じ方向に、同じ又は実質的に同じ速度で移動する、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
- 機械方向における接触ゾーンの長さが、0.3~10mの範囲、好ましくは1~5mの範囲である、請求項1~15のいずれか一項に記載の方法。
- ワイヤ及びガス透過性膜の速度が、250m/分超、好ましくは350m/分超、より好ましくは500m/分超である、請求項1~16のいずれか一項に記載の方法。
- 脱水工程b)が、膜支援脱水の前に、ガス透過性膜を使用せずに湿潤ウェブを部分的に脱水することを含む、請求項1~17のいずれか一項に記載の方法。
- 脱水工程b)が、膜支援脱水の後に、湿潤ウェブをさらに脱水することを含む、請求項1~18のいずれか一項に記載の方法。
- パルプ懸濁液が、パルプ懸濁液の総乾燥重量に基づいて、少なくとも50重量%の高度に精製されたセルロース繊維を含む、請求項1~19のいずれか一項に記載の方法。
- パルプ懸濁液が、70~99の範囲のショッパーリーグラー(SR)値を有するセルロース完成紙料から形成される、請求項1~20のいずれか一項に記載の方法。
- 高度に精製されたセルロース繊維がミクロフィブリル化セルロース(MFC)である、請求項1~21のいずれか一項に記載の方法。
- ウェブの総乾燥重量に基づく湿潤ウェブの坪量が、10~100g/m2の範囲、好ましくは10~60g/m2の範囲、より好ましくは10~40g/m2の範囲である、請求項1~22のいずれか一項に記載の方法。
- 膜支援脱水前の湿潤ウェブの乾燥固形分が、0.5重量%超、好ましくは2重量%超、より好ましくは4重量%超である、請求項1~23のいずれか一項に記載の方法。
- 膜支援脱水後の湿潤ウェブの乾燥固形分が、12重量%超、好ましくは14重量%超、より好ましくは16重量%超である、請求項1~24のいずれか一項に記載の方法。
- c)脱水ウェブを乾燥させて、高度に精製されたセルロース繊維を含むフィルムを得ること
をさらに含む、請求項1~25のいずれか一項に記載の方法。 - フィルムが、可視光に対して透明又は半透明である、請求項26に記載の方法。
- フィルムが、規格ISO 16532-2に従って測定して、少なくとも10のKIT値を有する、請求項26又は27に記載の方法。
- フィルムが、規格EN13676:2001に従って測定して、10ピンホール/m2未満、好ましくは8ピンホール/m2未満、より好ましくは2ピンホール/m2未満を含む、請求項26~28のいずれか一項に記載の方法。
- フィルムが、規格ISO 5636/6に従って測定して、少なくとも30000秒/100mlのガーリーヒル値を有する、請求項26~29のいずれか一項に記載の方法。
- フィルムが、50%相対湿度及び23℃で規格ASTM D-3985に従って測定して、150cc/m2/24時間/atm未満の酸素移動速度(OTR)を有する、請求項26~30のいずれか一項に記載の方法。
- 請求項1~31のいずれか一項に記載の方法によって得ることができる高度に精製されたセルロースを含むウェブ又はフィルム。
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