JP2023525437A - 高含水量の固形石けん - Google Patents

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Abstract

本発明は、固形石けん組成物に関する。より詳細には、多量の水を混ぜ込むことができ、少量の石けんを含む固形石けん組成物に関する。これは、固形石けん組成物に選択的ポリマーを含めることによって達成される。本発明の固形石けんは、押出し及び刻印が容易である。

Description

本発明は、固形石けん(ソープバー)組成物に関する。本発明は、特に、迅速な押出プロセスによって作製された脂肪酸固形石けんに関する。より詳細には、約20~40%の多量の水を含み、それでいて押出し及び刻印が容易である固形石けん組成物に関する。また、それにより、良質な固形石けんの特性も確実に維持される。
界面活性剤は、長い間、身体の洗浄用途に使用されてきた。身体洗浄市場には多くの種類の製品、例えばボディウォッシュ、洗顔料、ハンドウォッシュ、固形石けん、シャンプー等がある。ボディウォッシュ、洗顔料、及びシャンプーとして市販されている製品は、一般に液体形態であり、合成アニオン性界面活性剤で作製されている。それらは、一般に、プラスチックボトル/容器で販売されている。固形石けん及びハンドウォッシュ製品は、一般に石けんを含有する。固形石けんは、プラスチック容器で販売される必要はなく、剛性固体の形態で構造化されることにより、独自の形状を保持することができる。固形石けんは、通常、厚紙製のカートンで販売されている。
固形石けんは、一般に、2つの経路のうちの1つによって調製される。一方はキャストバー成型経路と呼ばれ、他方は粉砕押出経路(押出経路としても知られる)と呼ばれる。キャストバー経路は、本質的に、総脂肪物質(total fatty matter:TFM)が低い固形石けんの調製に非常に適している。TFMは、鉱酸、通常は塩酸で分割した後に石けんの試料から分離することができる脂肪物質、主に脂肪酸の総量として定義される。固形石けんキャスト成型では、石けん混合物を多価アルコールと混合し、鋳型に注ぎ、冷却し、次いで固形石けんを鋳型から取り出す。キャストバー経路により、比較的低いスループット速度での生成が可能である。
粉砕押出経路では、石けんは高い含水量で調製され、次いで噴霧乾燥されて水分含有量を減少させ、石けんを冷却し、その後に他の成分が添加され、次いで石けんは押出機(plodder)を通して押出され、任意に切断及び刻印されて、最終的な固形石けんが調製される。粉砕及び押出された石けんは、一般に、60~80重量パーセントの範囲の高いTFMを有する。
粉砕及び押出された固形石けんは、押出成形固形石けんとしても知られている。その固形石けんは、非常に多くの異なる種類の石けんから構成される。ほとんどの石けん組成物は、水不溶性石けん及び水溶性石けんの両方を含む。それらの構造は、一般に、れんがモルタル型構造を特徴とする。不溶性石けん(れんがと呼ばれる)は、通常、より長い鎖のC16及びC18の石けん(パルミチン酸塩及びステアリン酸塩の石けん)からなる。それらは、一般に、構造化を有利にするために固形石けんに含まれており、すなわちそれらが固形石けんを形状化している。固形石けんはまた、水溶性石けん(モルタルとして作用する)からなり、水溶性石けんは、短鎖脂肪酸(一般にC8~C12の石けん又はさらには最長C14までの石けん)と組み合わさった一般に不飽和のC18:1及びC18:2のナトリウム石けん(オレイン酸塩石けん)である。一般に、水溶性石けんが洗浄に役立っている。
約60~80wt%のTFMに加えて、現在、身体洗浄のために押出経路を通して調製されている固形石けんは、約14~22wt%の水を含有する。1つのアプローチとして、洗浄効力を損なうことなく、含水量を増加させることによってTFM含有量がより低い石けんを開発するといった、持続可能な技術を開発する必要がある。脂肪物質含有量を低減するための本出願人及び他者による様々な試みについて、本発明者らは承知している。これらの技術には、ベントナイト又はカオリナイトのような天然アルミノケイ酸塩粘土を含むような固形石けんを構造化するための手法があるが、それらは少量で固形石けんを構造化するのにあまり効率的ではないことが分かっている。単にTFMをより多量の水で置き換えると、石けん塊を押出す間に問題が起こり、さらに押出された固形石けんが粘着質になり、容易に刻印することができない。
増加させた水分レベルの影響に対応するために、石けんに電解質を添加することも可能である。電解質は、石けんを「さくさくにする」働きをするが、これは固形石けんの硬度が増加し、粘着性が低くなることを意味する。しかし、電解質の添加は、それ自体の一連の負の特質をもたらす。例えば、押出された固形石けんの亀裂又は割れの程度が大きくなり(消費者が許容できないレベルまで)、さらに、「白華」と呼ばれる現象である、固形石けん表面上に肉眼で見える電解質層が形成され得る。
このように、高レベルの水を有し、毎分200個以上の速度で押出すことができ、同時に固形石けんの貯蔵中に望ましくない亀裂及び/又は白華(電解質形成)の問題を被ることがない主に脂肪酸石けん界面活性剤をベースとした固形石けんを提供することは、極めて困難である。
ここで予想外にも、出願人らは、とりわけ制御された量の特定の電解質の存在下で特定のポリマーを使用することにより、特に貯蔵時に、固形石けんの亀裂及び固形石けんの白華の問題を回避するとともに、高い押出性、高水分固形石けんを提供することが可能であることを見出した。ポリマー、例えばアクリレートポリマーを含む固形石けんは既知であり、例えば米国特許第5703026号明細書(P&G、1997年)は皮膚クレンジング固形石けん組成物を開示しており、当該組成物は、(a)脂肪酸石けん及び/又は合成界面活性剤を含む約40~約95%の界面活性剤構成成分と(当該組成物は(i)0~95%の脂肪酸石けんと(ii)0%~約50%の合成界面活性剤とを含む)、(b)吸収性ゲル化剤材料の粒子であって、吸収性ゲル化剤材料は約25%未満の抽出可能なポリマー含有量を有し、組成物において乾燥重量基準で約0.02%~約5%である吸収性ゲル化剤材料の粒子と、(c)約5~約35%の水及び他のさらなる任意選択の成分とを含む。
国際公開第2019/025257号は、石けんと、少なくとも1つの香料油と、少なくとも1つのポリマーと、任意に水と、任意に石けん、香料油、ポリマー及び水以外にさらに既知の化粧品成分とを含む固形石けんを開示しており、少なくとも1つのポリマーは水溶性ポリマーであり、ポリマーは、20℃で少なくとも0.01gのポリマーの100gの水への水溶性を、(4)と(9)との間の範囲内の1つ又は複数のpH値で有し、少なくとも1つのポリマーは、ポリマーの繰り返し単位の20wt%超が、少なくとも1つの酸基を有する少なくとも1つのエチレン性不飽和重合性モノマーに由来する繰り返し単位であるポリマー、及びN-ビニルピロリドンに由来する繰り返し単位を含むポリマーからなる群から選択され、ポリマーにおけるこれらの繰り返し単位の割合は少なくとも50wt%である。
本発明者らは、一般的に入手可能なアクリレートポリマーの含有では、本発明で特許請求される特定のポリマーと比較して、固形石けんに良好な構造化特性が提供されないことが分かった。
米国特許第5703026号明細書 国際公開第2019/025257号
したがって、本発明の目的は、押出経路を用いて調製することができ、容易にかつ都合よく刻印することができる低TFM固形石けんを提供することである。
本発明の別の目的は、都合よく押出すことができ、かつ刻印することができることに加えて、固形石けんの完全性又は感覚特性を損なわない低TFM固形石けんを提供することである。
本発明は固形石けん組成物に関し、前記固形石けん組成物は、
(i)20~75wt%の無水石けんと、
(ii)ポリマーであって、
(a)前記ポリマーの39~59重量%のCアルキルアクリレートの構造単位、
(b)前記ポリマーの40~60重量%の(メタ)アクリル酸の構造単位、及び
(c)前記ポリマーの1~10重量%の、式1を有する特殊会合性モノマーの構造単位
Figure 2023525437000001
(ここで、Rは直鎖C10-28アルキル基、好ましくはC18-26であり、
各Rが独立して、水素又はメチル基であり、
nは、20~28の範囲の値を有する。)
を含む、ポリマーと、
(iii)20~40wt%の水と
を含む。
これら及び他の態様、特徴及び利点は、以下の詳細な説明及び添付の特許請求の範囲を読むことによって当業者には明らかになるであろう。疑義を回避するためであるが、本発明の一態様のいかなる特徴も、本発明の他のいかなる態様においても利用され得る。「含む(comprising)」という用語は、「含む(including)」を意味することを意図しているが、必ずしも「からなる(consisting of)」又は「から構成される(composed of)」を意味するものではない。言い換えれば、列挙された工程又は選択肢は網羅的である必要はない。下記で与えられる実施例は、本発明を明確にすることを意図しており、本発明をそれらの実施例自体に限定することを意図していないことに留意されたい。同様に、別段の指示がない限り、すべてのパーセンテージは重量/重量パーセンテージである。操作例及び比較例、又は他に明示的に示されている場合を除いて、材料の量又は反応の条件、材料の物理的特性及び/又は使用を示す本明細書及び特許請求の範囲のすべての数字は、「約」という語によって修飾されると理解されるべきである。「x~y」の形式で表される数値範囲は、x及びyを含むと理解されたい。特定の特徴について、複数の好ましい範囲が「x~y」の形式で記載されている場合、異なる終点を組み合わせたすべての範囲も企図されると理解されたい。
本発明は、固形石けん組成物に関する。固形石けん組成物とは、成形された固体の形態の石けんを含むクレンジング組成物を意味する。本発明の固形石けんは、任意の表面の洗浄に有用であり、例えば、衣類を洗浄(例えば洗濯)するために、又は身体を清潔にするために使用されるものである。本発明の固形石けんは、身体を清潔にするのにとりわけ有用である。本発明の固形石けんは、固形石けん組成物の重量で20~75%の石けん、好ましくは40~75%、より好ましくは40~60wt%の石けんを含む。石けんという用語は、脂肪酸の塩を意味する。好ましくは、石けんはC8~C24脂肪酸の石けんである。好ましくは、本発明の固形石けん組成物は押出固形石けんである。
カチオンは、アルカリ金属、アルカリ土類金属又はアンモニウムイオン、好ましくはアルカリ金属であり得る。好ましくは、カチオンは、ナトリウム又はカリウムから選択され、より好ましくはナトリウムである。石けんは、飽和であっても不飽和であってもよい。飽和石けんは、安定性のために不飽和石けんよりも好ましい。油又は脂肪酸は、植物由来又は動物由来であってもよい。
石けんは、油、脂肪又は脂肪酸のけん化によって得ることができる。固形石けんを作製するために一般に使用される脂肪又は油は、獣脂、獣脂ステアリン、パーム油、パームステアリン、ダイズ油、魚油、ヒマシ油、米ぬか油、ヒマワリ油、ココナツ油、ババス油及びパーム核油から選択されてもよい。脂肪酸は、ココナツ、米ぬか、落花生、獣脂、パーム、パーム核、綿実油又はダイズ由来であってもよい。
脂肪酸石けんはまた、合成で調製されてもよい(例えば、石油の酸化によって、又はフィッシャー・トロプシュ法による一酸化炭素の水素添加によって)。トール油中に存在するものなど、樹脂酸も使用されてもよい。ナフテン酸も使用されてもよい。
固形石けんは、アニオン性、非イオン性、カチオン性又は双性イオン性の界面活性剤のクラスから、好ましくはアニオン性界面活性剤からの1つ又は複数から選択される合成界面活性剤を、さらに含んでもよい。これらの合成界面活性剤は、本発明によれば、8%未満、好ましくは4%未満、より好ましくは1%未満で含まれ、場合により、当該組成物に存在しない。
本発明の組成物は、成形された固体、例えばバーの形態である。当該洗浄石けん組成物は、一般に、局所表面、例えば全身、毛髪及び頭皮又は顔のような所望の表面を清潔にするために使用されるのに十分な量の界面活性剤が含まれる洗い流し製品である。これを局所表面に塗布し、そこで数秒間又は数分間だけ放置し、その後多量の水で洗い流す。あるいは、衣類を洗濯するために使用されてもよい。通常、固形石けんを濡れた衣類にこすりつけ、ブラッシングしてもよく、次いで水ですすいで、残留する石けん及び汚れを除去する。
本発明の固形石けんは、好ましくは、一般に水溶性であり、組成物の2~20重量%の範囲にある低分子量石けん(C8~C14石けん)を含む。固形石けんは、一般に水不溶性石けんであるC16~C24脂肪酸の石けんを15~55wt%含むことが好ましい。好ましくは15~35%の不飽和脂肪酸石けんもまた、組成物の石けん総含有量に含まれてもよい。不飽和石けんは、好ましくはオレイン酸石けんである。
とりわけ好ましい態様では、固形石けんは、20~75wt%、好ましくは低レベルの25又は30又は31又は32又は35又は40wt%から、高レベルの70wt%又は65wt%までの無水石けんを含む。このような固形石けん組成物中のC16~C24飽和石けんは、固形石けん全体の12~45wt%を構成する。
好ましくは、短鎖C~C14脂肪酸石けんは、固形石けん全体の2~20wt%で含まれる。また、好ましくは、C18鎖中に1個、2個又は3個の不飽和基を有する不飽和C18脂肪酸は、固形石けん全体の6wt%~35wt%、より好ましくは12~35wt%を構成する。
クレンジング効力を損なうことなく、石けんの一部を溶媒(例えばグリセリン)で置き換えることも可能である。これはまた、固形石けんのコストを低減することができ、マイルドさなどのさらなる利点を消費者にもたらすこともできる。そのような固形石けんにおいて、[石けん]と、存在し得る[水+あらゆる水溶性溶媒](グリセリン又はソルビトールなどのポリオール)との比は、0.5:1~5:1、好ましくは1:1~3:1の比であることが好ましい。概して、石けんが少なく、水が多いことが好ましいため、下端の比(1:1~2:1)が特に好ましい。
本発明の固形石けん中の新規な構造化剤はポリマーであり、前記ポリマーは、
(a)前記ポリマーの39~59重量%(好ましくは44~58%、より好ましくは47~55%、最も好ましくは48~52%)のC1-4アルキルアクリレートの構造単位と、
(b)前記ポリマーの40~60重量%(好ましくは40.5~55%、より好ましくは41~50%、最も好ましくは41.5~45%)の(メタ)アクリル酸の構造単位と、
(c)前記ポリマーの1~10重量%(好ましくは2.5~7.5%、より好ましくは3~7%、最も好ましくは3.5~6%)の、式1を有する特殊会合性モノマーの構造単位と
を含む。
Figure 2023525437000002
ここで、R1は直鎖C10-28アルキル基、好ましくはC18-26、より好ましくはC20-24、最も好ましくはC21-23であり、
各R2が独立して、水素又はメチル基であり、好ましくはR2基の少なくとも80mol%がメチル基であり、より好ましくは、R2基の少なくとも95mol%がメチル基であり、さらにより好ましくは、R2基の少なくとも99mol%がメチル基であり、
nは、20~28(好ましくは22~26、より好ましくは23~27、最も好ましくは24~26)の範囲の値を有する。
nが20~28の範囲の値を有するとは、nの平均値がこの範囲にあることを意味する。上記式1の会合性モノマーは、(OCHCH)基の鎖長が一定の範囲で変わるが、鎖長の平均値が20~28の範囲の値であるプロセスによって調製することが可能である。
本発明の固形石けんを構造化するための最も好ましいポリマーは、
(a)ポリマーの重量で49.7~51.8%のエチルアクリレートの構造単位と、
(b)41.5~43.3wt%の(メタ)アクリル酸の構造単位であって、(メタ)アクリル酸の構造単位の95~100wt%はメタクリル酸の構造単位である、(メタ)アクリル酸の構造単位と、
(c)4.5~4.7wt%の式1を有する特殊会合性モノマーの構造単位と
を有する。
Figure 2023525437000003
ここで、Rは直鎖C22アルキル基であり、
各Rが水素又はメチル基であり、R基の80~100mol%がメチル基であり、
nは、24~26の範囲の値を有する。
ポリマーは、好ましくは、固形石けん組成物の0.01~5重量%、より好ましくは0.05~3重量%、最も好ましくは0.1~2重量%で含まれる。
本発明のポリマーが石けん中の水を構造化するものの、当該組成物は電解質を含むことが好ましい。電解質は、固形石けんを硬くすることが知られているが、概して、その電解質により、押出された固形石けんが非常に硬くて脆く、過度の亀裂があるものになり、かつ/又は、特に貯蔵時に固形石けんの表面に白華(電解質の層)が生じる。
本発明者らは、本明細書に開示されるポリマーは、固形石けんが特定の種類及び量の電解質を含むととりわけ有用であることを見出した。下記の電解質系により、過度の亀裂及び白華を回避しながら、固形石けんを高速で押出し、刻印することができる。その固形石けんは、規定の最小硬度及び低粘着性スコアを有する。
本発明による電解質としては、水中でイオンに実質的に解離する化合物が挙げられる。本発明による電解質は、イオン性界面活性剤ではない。石けん作製プロセスに含めるのに適した電解質は、アルカリ金属塩である。本発明の組成物に含めるための好ましいアルカリ金属塩としては、硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、塩化カリウム、硫酸カリウム、炭酸ナトリウム及び他のアルカリ土類金属のモノ塩又はジ塩又はトリ塩が挙げられ、より好ましい電解質は塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、塩化カリウムであり、とりわけ好ましい電解質は塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウム若しくは硫酸ナトリウム又はそれらの組合せである。疑義を回避するために、電解質は非石けん材料であることを明らかにしておく。本発明の固形石けん組成物は、下記に規定する電解質系を含むことがとりわけ好ましい。
電解質系は、アルカリ金属塩化物(規定量)と、アルカリ金属クエン酸塩、アルカリ金属硫酸塩、又は前記クエン酸塩及び硫酸塩の混合物であり得る二次電解質との特定の組合せであり、(1つ又は複数の)二次電解質はまた、単独又は混合物であるかにかかわらず、特定の規定量で使用される。アルカリ金属は、ナトリウム又はカリウム、好ましくはナトリウムであってもよい。
この利点をもたらす電解質の量は、以下のように規定される。
1.[アルカリ金属塩化物]%=0.075×[水]-0.626、及び
2.[アルカリ金属クエン酸塩]%=-0.0023×[水]+0.312×[水]-4.34、
[アルカリ金属硫酸塩]%=-0.0023×[水]+0.312×[水]-4.34、又は
[アルカリ金属クエン酸塩+アルカリ金属硫酸塩]%=-0.0023×[水]+0.312×[水]-4.34、
ここで、電解質の濃度の計算量は、プラス又はマイナス15%である(例えば、塩化ナトリウムの計算された濃度が上記式に基づいて0.86である場合、計算量は0.86±0.129wt%のレベルに基づき得る)。電解質の濃度の計算量は、好ましくはプラス又はマイナス10%、さらに好ましくはプラス又はマイナス5%である。
本発明者らによる広範な実験で導き出された上記の式に基づいて、様々な好ましい範囲の水に対する電解質の好ましい量を以下にまとめる。
固形石けんの20~40wt%の水:
塩化ナトリウムは、固形石けんの0.74~2.73重量%、好ましくは0.79~2.61重量%、最も好ましくは0.83~2.49重量%の範囲で含まれ得る。
硫酸ナトリウム若しくはクエン酸ナトリウム又はこれら2つの組合せは、固形石けんの0.83~5.13重量%、好ましくは0.88~4.91重量%、最も好ましくは0.93~4.68重量%で含まれ得る。
固形石けんの20~35wt%の水:
塩化ナトリウムは、固形石けんの0.74~2.30重量%、好ましくは0.79~2.20重量%、最も好ましくは0.83~2.10重量%の範囲で含まれ得る。
硫酸ナトリウム若しくはクエン酸ナトリウム又はこれら2つの組合せは、固形石けんの0.83~4.33重量%、好ましくは0.88~4.14重量%、最も好ましくは0.93~3.95重量%で含まれ得る。
固形石けんの25~35wt%の水:
塩化ナトリウムは、固形石けんの1.06~2.30重量%、好ましくは1.12~2.20重量%、最も好ましくは1.19~2.10重量%の範囲で含まれ得る。
硫酸ナトリウム若しくはクエン酸ナトリウム又はこれら2つの組合せは、固形石けんの1.72~4.33重量%、好ましくは1.82~4.14重量%、最も好ましくは1.92~3.95重量%で含まれ得る。
本発明の固形石けん組成物は、好ましくは電解質を含む。
総計で、電解質は、好ましくは当該組成物の0.1~8重量%、より好ましくは0.5~6重量%、さらにより好ましくは0.5~5重量%、さらに好ましくは0.5~3重量%、最も好ましくは1~3重量%で含まれる。電解質は、石けんを形成するためのけん化工程中に固形石けんに含まれることが好ましい。
本発明の固形石けんに使用される高レベルの水は、20%~40%、好ましくは25%~40%の範囲であり、好ましくは、下限として26wt%又は27wt%又は28wt%又は29wt%又は30wt%、上限として39又は38又は37又は36又は35%であり、任意の下限を任意の上限と互換的に用いることができる。このような多量の水を当技術分野で以前から知られている固形石けんに使用すると、概して、(特定の最小硬度及び低粘着性スコアによって規定される我々の発明の固形石けんと比較して)結果的に、柔らかく粘ついた固形石けんになる。当技術分野で以前から知られているこのような固形石けんは、毎分200個以上の高い押出速度で押出し及び刻印することが困難である。
このような規定された構成成分(石けん、ポリマー、電解質の量、また、石けんと水及び任意溶媒との比)を用いることにより、200個以上/分で押出され、1.2Kg~5.0Kgの硬度値(40℃で測定)を有し、粘着性が低くかつ亀裂が少ない固形石けんを得ることができ、固形石けんには目に見える白華がない。
構造化剤として作用する長い飽和石けんに加えて、本発明の固形石けんは、0.05~35%の構造化剤を含んでもよい。より多くの構造化剤を使用することによって、必要に応じて、[水溶性溶媒、例えばポリオール+水]に対する[石けん]の比をより低くすることが可能である。
構造化剤は、デンプン類、カルボキシメチルセルロースナトリウム、無機微粒子物質(例えば、タルク、炭酸カルシウム、ゼオライト及びこれらのような微粒子の混合物)並びにそれらの混合物などの1つ又は複数の構造化剤を含んでもよい。C16~C24長鎖構造化剤及び上記の構造化剤の合計レベルは、好ましくは25%超、好ましくは25%~40%である。
本発明の組成物は、組成物の3~20重量%、好ましくは5~15重量%の範囲の選択的な量のゼオライトを含んでもよい。ゼオライトは、水和アルミノケイ酸塩である。その構造は、酸素原子によって配位されたAlO及びSiOの相互結合四面体の三次元骨格で構成される。ゼオライトは、アルミニウム、酸素、及びケイ素の元素から構築された比較的開いた三次元結晶構造を有する固体であり、アルカリ金属又はアルカリ土類金属(例えば、ナトリウム、カリウム又はマグネシウムなど)を有し、それらのすき間に水分子が捕捉されている。ゼオライトは、多くの異なる結晶構造で形成され、非常に規則的な配置で、小分子とほぼ同じサイズの大きな開孔(空洞と呼ばれることもある)を有する。
その結晶単位格子に基づくゼオライトの構造式(SiOとAlOの両方を可変的とする)は、以下によって表すことができる。
a/n(AlO(SiO.wH
ここで、Mはカチオン(例えば、ナトリウム、カリウム又はマグネシウム)であり、wは単位格子あたりの水分子の数であり、a及びbはそれぞれ単位格子あたりのAl及びSiの四面体の総数であり、nは金属イオンの価数である。b/aの比は、通常、1~5まで変わる。
例えばモルデナイトの場合、化学式はNa(AlO(SiO40であり、
a=8、b=40であり、b/aは5である。
ゼオライト4Aの場合、化学式はNa96(AlO96(SiO96であり、
a=96、b=96であり、b/aは1である。
いくつかのゼオライトは、例えばZSM-5型のゼオライトの場合、b/a値は10~100又はそれ以上まで変わる。
本発明によれば、石けん組成物に使用するのに好ましいゼオライトとしては、ゼオライト4A、ゼオライト5A、ゼオライト13A又はゼオライト3Aが挙げられる。最も好ましいゼオライトは、ゼオライト4Aである。
本発明の組成物は、好ましくはケイ酸塩化合物を含み、好ましくはケイ酸ナトリウム又はケイ酸カルシウム、より好ましくはケイ酸ナトリウムを含む。ケイ酸ナトリウムは、式(NaO)・SiOを有する化合物を含む。NaO対SiOの重量比は、1:2~1:3.75まで変わり得る。比が約1:2~1:2.85のケイ酸ナトリウムの類はアルカリ性ケイ酸塩と呼ばれ、比が1:2.85~約1:3.75のケイ酸ナトリウムの類は中性ケイ酸塩と呼ばれる。入手可能なケイ酸ナトリウムの形態としては、メタケイ酸ナトリウム(NaSiO)、ピロケイ酸ナトリウム(NaSi)及びオルトケイ酸ナトリウム(NaSiO)が挙げられる。本発明によれば、アルカリ性ケイ酸ナトリウムが使用されることが好ましい。比が1:2のアルカリ性ケイ酸ナトリウムがとりわけ好ましい。固形石けんは、乾燥重量基準で0.1%~10wt%のケイ酸ナトリウム又はケイ酸カルシウムを含むことが好ましい。
固形石けん組成物は、いくつかの遊離脂肪酸を含有してもよい。遊離脂肪酸が含まれる場合、遊離脂肪酸は、0.1~15重量%、好ましくは0.5~12重量%の遊離脂肪酸を含む。遊離脂肪酸とは、炭化水素鎖と、Hに結合した末端カルボキシル基とを含むカルボン酸を意味する。適切な脂肪酸は、C8~C22脂肪酸である。好ましい脂肪酸は、C12~C18、好ましくは主に飽和直鎖脂肪酸である。しかし、いくつかの不飽和脂肪酸も使用することができる。
当該組成物は、好ましくは、多価アルコール(ポリオールとも呼ばれる)、又はポリオール類の混合物を含む。ポリオールは、高度に水溶性である複数のヒドロキシル基(少なくとも2つ、好ましくは少なくとも3つ)を有する化合物を表すために本明細書で使用される用語である。多くの種類のポリオールが入手可能であり、例えば、グリセロール及びプロピレングリコールなどの比較的低分子量の短鎖ポリヒドロキシ化合物;ソルビトール、マンニトール、スクロース及びグルコースなどの糖;加水分解デンプン、デキストリン及びマルトデキストリンなどの修飾炭水化物;並びにポリアルキレングリコール、例えばポリオキシエチレングリコール(polyoxyethylene glycol:PEG)及びポリオキシプロピレングリコール(polyoxypropylene glycol:PPG)などのポリマー合成ポリオールが挙げられる。とりわけ好ましいポリオールは、グリセロール、ソルビトール及びそれらの混合物である。最も好ましいポリオールはグリセロールである。好ましい実施形態では、本発明の固形石けんは、0~8wt%、好ましくは1~7.5wt%のポリオールを含む。
石けん組成物は、最初に脂肪充填物(fat charge)をアルカリでけん化し、続いてポリマー及び水に混合し、次いで従来の押出機でその混合物を押出すことを含むプロセスによって固形石けんにしてもよい。次いで、押出された塊を所望のサイズに切断し、望ましい印を刻印してもよい。本発明のとりわけ重要な利点は、固形石けんの含水量が高いにもかかわらず、このように押出しによって調製された組成物が、望ましい印での刻印が容易であると認められることである。
「押出しが容易」とは、押出されるときの固形石けんの硬度が、剛性固形石けんと呼ぶことができるほど十分硬い形態で押出機を出るほど、十分に高いことを意味する。固形石けんの硬度は、好ましくは1.2kg超、より好ましくは1.2~5.0kg(40℃で)の範囲である。硬度は、好ましくは、Stable Micro Systemsから入手可能なTA-XT Express装置を使用して測定される。硬度は、貫入が15mmまでの30°円錐形プローブ-Part #P/30cを用いたこの装置を使用して測定される。石けん塊が柔らかすぎる状態で押出機を通過すると、固形石けんと呼ぶのに十分な凝集塊で押出機から押出されない。「刻印が容易」とは、固形石けんが、固形石けんに任意の所望の印を刻印するために使用されるダイに粘着しないような稠度及び十分に低い粘着性であることを意味する。したがって、本発明のプロセスによって調製された固形石けんは、好ましくは、その上に刻印された印を含む。
最終的な固形石けん組成物を構成する様々な任意選択の成分は、下記の通りである。
有機及び無機の補助材料
固形石けん組成物に使用される補助材料の総レベルは、固形石けん組成物の50wt%以下、好ましくは1~50wt%、より好ましくは3~45wt%の量とするべきである。
使用されてもよい適切なデンプン質材料としては、天然デンプン(トウモロコシ、小麦、米、ジャガイモ、タピオカなどから)、アルファ化デンプン、物理的及び化学的に修飾された様々なデンプン、並びにそれらの混合物が挙げられる。天然デンプンという用語は、化学的又は物理的な修飾を受けていないデンプンを意味し、生デンプン又は天然デンプンとしても知られている。生デンプンは直接使用することができ、又はデンプンが部分的に若しくは完全に糊化されるように固形石けん組成物を作製するプロセス中に修飾して、使用することができる。
補助剤の系は、材料の1つ又は組合せを含む不溶性粒子を含んでもよい。不溶性粒子とは、固体微粒子の形態で存在し、身体洗浄に適切な材料を意味する。好ましくは、鉱物(例えば無機)又は有機の粒子がある。
不溶性粒子は、ざらざら感又は粒状感として知覚されるべきではなく、したがって、300ミクロン未満、より好ましくは100ミクロン未満、最も好ましくは50ミクロン未満の粒径を有するべきである。
好ましい無機微粒子材料としては、タルク及び炭酸カルシウムが挙げられる。タルクは、層状ケイ酸塩構造及びMgSi(OH)22の組成を有するケイ酸マグネシウム鉱物材料であり、水和形態で入手可能であり得る。これは板状の形態を有し、本質的に親油性/疎水性であり、すなわち水ではなく油で濡れる。
炭酸カルシウム又はチョークは、カルサイト、アラゴナイト及びバテライトの3つの結晶形態で存在する。カルサイトの天然の形態は、菱面体状又は立方状であり、アラゴナイトについては針状又は樹枝状であり、バテライトについては球状である。
任意選択の他の不溶性無機微粒子材料の例としては、アルミン酸塩、ケイ酸塩、リン酸塩、不溶性硫酸塩、及び粘土(例えば、カオリン、陶土)、並びにそれらの組合せが挙げられる。
有機微粒子材料としては、高架橋デンプン又は不溶化デンプン(例えば、コハク酸オクチルなどの疎水性物質との反応による)及びセルロースなどの不溶性多糖類、様々なポリマー格子及び懸濁ポリマーなどの合成ポリマー、不溶性石けん、並びにそれらの混合物が挙げられる。
固形石けん組成物は、固形石けん組成物の好ましくは0.1~25wt%、好ましくは5~15wtのこれらの鉱物又は有機粒子を含む。
パーソナルケア組成物中には、乳濁剤が存在してもよい。乳濁剤が存在する場合、クレンジング固形石けんは一般に不透明である。乳濁剤の例としては、二酸化チタン、酸化亜鉛などが挙げられる。不透明な石けん組成物が所望である場合に使用することができる特に好ましい乳濁剤は、モノステアリン酸エチレングリコール又はジステアリン酸エチレングリコールの、例えばラウリルエーテル硫酸ナトリウム20%溶液の形態である。代替の乳濁化剤はステアリン酸亜鉛である。
当該製品は、無色透明な、すなわち透き通った石けんの形態をとることができ、この場合、製品は乳濁剤を含有しない。
本発明の好ましい固形石けんのpHは8~11、より好ましくは9~11である。
好ましい固形石けんは、最大30wt%までの有益剤をさらに含んでもよい。好ましい有益剤としては、保湿剤、皮膚軟化剤、日焼け止め剤及び老化防止化合物が挙げられる。これらの作用剤は、固形石けんを作るプロセス中の適当な工程で添加されてもよい。いくつかの有益剤は、マクロドメインとして導入されてもよい。
酸化防止剤、香料、ポリマー、キレート剤、着色剤、デオドラント、染料、酵素、泡ブースタ、殺菌剤、抗菌剤、泡立ち剤、真珠光沢剤、皮膚コンディショナ、安定剤又は過脂肪剤のような他の任意成分を、本発明のプロセスにおいて適切な量で添加してもよい。好ましくは、上記成分はけん化工程の後に添加される。メタ重亜硫酸ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸(ethylene diamine tetra acetic acid:EDTA)、又はエチレンヒドロキシジホスホン酸(ethylene hydroxy diphosphonic acid:EHDP)が、好ましくは配合物に添加される。
本発明の組成物は、抗菌効果を得るために使用することが可能である。この効果を得るために好ましく含まれる抗菌剤としては、微量作用金属又はその化合物が挙げられる。好ましい金属は、銀、銅、亜鉛、金又はアルミニウムである。銀が特に好ましい。イオンの形態では、銀は、任意の妥当な酸化状態で塩又は任意の化合物として存在し得る。好ましい銀化合物は、酸化銀、硝酸銀、酢酸銀、硫酸銀、安息香酸銀、サリチル酸銀、炭酸銀、クエン酸銀又はリン酸銀であり、酸化銀、硫酸銀及びクエン酸銀は、1つ又は複数の実施形態において特に着目されるものである。少なくとも1つの好ましい実施形態では、銀化合物は酸化銀である。微量作用金属又はその化合物は、好ましくは組成物の重量で0.0001~2%、好ましくは0.001~1%で含まれる。あるいは、精油抗菌活性物質が本発明の組成物に含まれてもよい。含まれてもよい好ましい精油活性物質は、テルピネオール、チモール、カルバコル、(E)-2(プロパ-1-エニル)フェノール、2-プロピルフェノール、4-ペンチルフェノール、4-sec-ブチルフェノール、2-ベンジルフェノール、オイゲノール又はそれらの組合せである。さらに、好ましい精油活性物質は、テルピネオール、チモール、カルバクロール又はチモールであり、最も好ましくはテルピネオール又はチモールであり、理想的にはこれら2つの組合せである。精油活性物質は、好ましくは組成物の重量で0.001~1%、好ましくは0.01~0.5%で含まれる。
ここで、本発明を以下の非限定的な実施例によって説明する。
[実施例]
例A~C及び1~3:固形石けんの硬度に対する本発明の範囲外及び範囲内の固形石けんの効果
表-1に示す以下の6つの固形石けん組成物を調製した。以下の手順を用いて各固形石けんの硬度を測定した。
硬度試験プロトコル
原理
石けん/合成洗剤の試料に、30°円錐形プローブを所定の深さまで指定された速度で貫入させる。特定の深さで生じた抵抗を記録する。バー/ビレットが円錐体(15mm)の貫入よりも大きく、十分な面積を有すること以外に、試験試料のサイズ又は重量の要件はない。記録された抵抗数は降伏応力にも関係し、応力は下記のように計算することができる。硬度(及び/又は計算された降伏応力)は、様々な異なる針入度計の方法によって測定することができる。本発明では、上記のように、15mmの深さまで貫入するプローブを使用する。
装置及び器具
TA-XT Express(Stable Micro Systems)
30°円錐形プローブ-Part #P/30c(Stable Micro Systems)
サンプリング技術
この試験は、押出機からのビレット、完成したバー、又は石けん/合成洗剤の小片(ヌードル、ペレット又はビット)に適用することができる。ビレットの場合、TA-XTに適したサイズ(9cm)の片をより大きな試料から切り出すことができる。小さすぎてTA-XTに取り付けられないペレット又はビットの場合、圧縮固定具を使用して、いくつかのヌードルを、試験するのに十分な大きさの単一のパスティルに形成する。
手順
TA-XT Expressの設定
これらの設定は、システムに一度だけ挿入される必要がある。設定は保存され、機器が再びオンになるたびに読み込まれる。これにより、確実に、設定が一定になり、すべての実験結果が容易に再現可能になる。
試験方法の設定
MENUを押す。
TEST SETTINGSを選択する(1を押す)。
TEST TPEを選択する(1を押す)。
オプション1(CYCLE TEST)を選択し、OKを押す。
MENUを押す。
TEST SETTINGSを選択する(1を押す)。
PARAMETERSを選択する(2を押す)。
PRE TEST SPEEDを選択する(1を押す)。
2(mm s-1)を入力し、OKを押す。
TRIGGER FORCEを選択する(2を押す)。
5(g)を入力し、OKを押す。
TEST SPEEDを選択する(3を押す)。
1(mm s-1)を入力し、OKを押す。
RETURN SPEEDを選択する(4を押す)。
10(mm s-1)を入力し、OKを押す。
DISTANCEを選択する(5を押す)。
石けんビレットの場合は15(mm)を入力し、石けんパスティルの場合は3(mm)を入力し、OKを押す。
TIMEを選択する(6を押す)。
1(CYCLE)を入力する。
較正
プローブをプローブキャリアにねじ込む。
MENUを押す。
OPTIONSを選択する(3を押す)。
CALIBRATE FORCEを選択する(1を押す)-この機器は、較正プラットフォームがクリアであるかどうかを確認するようにユーザに求める。
OKを押して続行し、機器の準備ができるまで待つ。
2kgの較正重りを較正プラットフォーム上に置き、OKを押す。
「calibration completed」というメッセージが表示されるまで待ち、プラットフォームから重りを取り除く。
試料測定
ビレットを試験プラットフォーム上に置く。
上向き矢印又は下向き矢印を押すことによって、(ビレットに触れずに)ビレットの表面にプローブを近づける。
RUNを押す。
目標距離(Fin)で表示値(g又はkg)を読み取る。
計測が実施された後、プローブはその元の位置に戻る。
プラットフォームから試料を取り除き、その温度を記録する。
計算及び結果の表記
出力値
この試験からの出力値は、試料温度測定値と組み合わせた、目標貫入距離におけるg又はkgの単位の「力」(R)としてのTA-XTの読出し値である。(本発明では、力は、40℃、15mmの距離においてKgで測定される。)
力の表示値は、下の式に従って伸長応力に変換することができる。
TX-XT読出し値を伸長応力に変換する式は、以下である。
Figure 2023525437000004
式中、σ=伸長応力
C=「拘束係数」(30°円錐体の場合は1.5)
=重力加速度
A=円錐体の投影面積=
Figure 2023525437000005
d=貫入深さ
θ=円錐角
15mmの貫入での30°円錐体の場合、式2は以下のようになる。
Figure 2023525437000006
この応力は、針入度計によって測定される静的降伏応力と同等である。
伸長速度は、以下である。
Figure 2023525437000007
温度補正
皮膚クレンジング固形石けん配合物の硬度(降伏応力)は、温度感受性である。意味のある比較のために、目標距離(R)での表示値は、以下の式に従って標準基準温度(普通は40℃)に補正されるべきである。
Figure 2023525437000008
式中、R40=基準温度(40℃)での表示値
=温度Tでの表示値
α=温度補正のための係数
T=試料を分析した温度
この補正は、伸長応力に適用することができる。
生データ及び処理データ
最終的な結果は温度補正された力又は応力であるが、機器の表示値及び試料温度も記録することが望ましい。
少なくとも1.2Kgの硬度値(40℃で測定)が許容可能である。
Figure 2023525437000009
上の表のデータは、周知の市販のポリアクリレートポリマー(Aculyn 28)(例A~C)の代わりに本発明のポリマーが、それぞれ同じ水濃度で使用される場合、本発明の範囲内の組成物(例1~3)がより硬い石けんを提供することを示している。

Claims (12)

  1. 固形石けん組成物であって、
    (i)20~75wt%の無水石けんと、
    (ii)ポリマーであって、
    (a)前記ポリマーの39~59重量%のCアルキルアクリレートの構造単位、
    (b)前記ポリマーの40~60重量%の(メタ)アクリル酸の構造単位、及び
    (c)前記ポリマーの1~10重量%の、式1を有する特殊会合性モノマーの構造単位
    Figure 2023525437000010
    (ここで、Rは直鎖C10-28アルキル基であり、
    各Rが独立して、水素又はメチル基であり、
    nは、20~28の範囲の値を有する。)
    を含む、ポリマーと、
    (iii)20~40wt%の水と
    を含む、固形石けん組成物。
  2. 請求項1に記載の固形石けんであって、
    前記ポリマーが、
    (a)前記ポリマーの49.7~51.8重量%のエチルアクリレートの構造単位と、
    (b)前記ポリマーの41.5~43.3重量%の(メタ)アクリル酸の構造単位であって、前記(メタ)アクリル酸の構造単位の95~100wt%がメタクリル酸の構造単位である、(メタ)アクリル酸の構造単位と、
    (c)前記ポリマーの4.5~4.7重量%の、式1を有する特殊会合性モノマーの構造単位と
    Figure 2023525437000011
    (ここで、Rは直鎖C22アルキル基であり、
    各Rが水素又はメチル基であり、R基の80~100mol%がメチル基であり、
    nは、24~26の範囲の値を有する。)
    を含む、固形石けん。
  3. 0.1~8%の電解質をさらに含む、請求項1又は2に記載の固形石けん。
  4. 請求項3に記載の固形石けんであって、前記電解質が、アルカリ金属塩化物と、アルカリ金属クエン酸塩及びアルカリ金属硫酸塩からなる群から選択される二次電解質との組合せであり、アルカリ金属塩化物の濃度([アルカリ金属塩化物])、及びアルカリ金属クエン酸塩の濃度([アルカリ金属クエン酸塩])、アルカリ金属硫酸塩の濃度([アルカリ金属硫酸塩])が、使用する水のレベルによって以下のように規定され、
    1.[アルカリ金属塩化物]%=0.075×[水]-0.626、及び
    2.[アルカリ金属クエン酸塩]%=-0.0023×[水]+0.312×[水]-4.34、
    3.[アルカリ金属硫酸塩]%=-0.0023×[水]+0.312×[水]-4.34、又は
    4.[アルカリ金属クエン酸塩及びアルカリ金属硫酸塩]=-0.0023×[水]+0.312×[水]-4.34、
    前記電解質の濃度の計算量がプラス又はマイナス15%である、
    固形石けん。
  5. 5~15wt%のゼオライトをさらに含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の固形石けん。
  6. 0.1~10wt%のケイ酸ナトリウム又はケイ酸カルシウムをさらに含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の固形石けん。
  7. 前記固形石けんの総重量で12~45%のC16~C24飽和石けんを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の固形石けん。
  8. デンプン、カルボキシメチルセルロース、又は無機微粒子から選択される1つ又は複数の構造化剤をさらに含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の固形石けん。
  9. 前記固形石けんの重量で0.01~5%のポリマーを含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の固形石けん。
  10. 前記固形石けんが1.2Kg~5.0Kgの硬度値(規定されたプロトコルにより40℃で測定)を有する、請求項1~9のいずれか一項に記載の固形石けん。
  11. 脂肪充填物をアルカリでけん化し、続いて前記ポリマー及び水と混合し、次いで混合物を押出機で押出す工程を含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の固形石けんを調製する方法。
  12. 前記固形石けんは、押出し及び刻印が容易であり、前記固形石けんの硬度が40℃で1.2kgより高く、好ましくは1.2~5.0kgである、請求項11に記載の方法。
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