JP2023525254A - セルピン産生細菌を使用する方法及び組成物 - Google Patents

セルピン産生細菌を使用する方法及び組成物 Download PDF

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Abstract

グルテン消化の阻害における使用のための、セルピンタンパク質産生ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガム及びその組成物。セルピンタンパク質産生ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガムを含む組成物を使用して、グルテンフリーダイエットに従う個体における隠れたグルテンの影響を軽減し得る。【選択図】 なし

Description

本発明は、セルピン産生細菌、及びそれらの使用に関する。
グルテン関連障害には、グルテン(グルテン中に存在するグリアジン及び他のタンパク質/ペプチドを含む)、小麦及び他の関連する穀物によって誘発される全ての疾患が含まれる。それらの病態生理の中でも、セリアック病(CD)、及び非セリアックグルテン/小麦過敏症(NCGS)が挙げられる。現在、広いスペクトラムのグルテン関連障害、特にCD及びNCGSの発生率が世界中で上昇している。いずれの障害も、グルテン(又は小麦)の摂取によって誘発される。自然免疫及び適応免疫のいずれもがCDに関与する一方で、NCGSには自然免疫のみが関与する。両事象では、腸バリア機能の変化も観察された。
小麦及び他の穀物由来のグルテン及び他の関連するタンパク質は、腸内で様々なペプチドへと消化される。最も特性評価がなされているペプチドは、グルテンの消化に由来するものである。グルテン内のある特定のアミノ酸配列は、消化後のグルテンの断片(グルテン由来のペプチド)中に存在する場合、宿主によって毒性及び/又は免疫原性を有するとして認識され、グルテンの摂取に感受性を有する人々にとっては避けるべきものである(Caminero et al.,2015,British Journal of Nutrition,114,1157-1167)。
生涯にわたるグルテンフリーダイエット(gluten-free diet、GFD)は、CD患者及びNCGS患者に対するゴールドスタンダードな治療である。しかし偶発的なグルテン摂取が起こり得るため、GFDに厳密に従うことは非常に困難である。低レベルでの相互混入を回避することは困難であり、穀物の生育から製造加工までの食品生産の過程全体でそれは発生し得る(Mitchison et al.,1991,Gut,32(3),260-265)。GFDに従う人々の食事によるグルテン摂取の殆どが、隠れたグルテンとして知られているもの、すなわち、混入又は微量の意図しない誤食によって日々の食事中に存在することとなった少量のグルテンに由来する。厳密なグルテンフリーダイエット下であっても、毎日最大3gの隠れたグルテンを摂取している可能性があることが報告されている(Aziz et al.,2014,The American journal of gastroenterology,109(9),1498)。したがって、厳密なGFDに従う人々における隠れたグルテンの影響を軽減するための解決手段が喫緊に必要とされている。
セリアック病(CD)は、特に米国及び欧州で広がっており、被験者の約1%が抗体検査で陽性であった(Dube et al.,2005,Gastroenterology,128(4),S57-S67)。セリアック病は、様々な免疫学的要因、遺伝的要因、及び環境的要因の間での複雑な相互作用から生じる複雑な疾患である(Alaedini&Green,2005)。この疾患は、小麦グルテン、並びにライ麦タンパク質及び大麦タンパク質などの関連するその他の穀類タンパク質の消化によって誘導される。CDに関連する症状には、子供の発育遅延、易怒性、及び思春期遅延、並びに不快感、下痢、潜伏便(occult stool)、脂肪便及び鼓腸などの多くの胃腸の症状がある(Dube et al.,2005;Sedghizadeh et al.,2002)。
非セリアックグルテン過敏症(NCGS)は、新たに出現した状態である。この状態は、グルテンの摂取によって誘導される腸症状及び/又は腸外症状を引き起こす臨床単位として定義され、食事からグルテン含有食品を除去することで改善される可能性がある(Lundin&Alaedini,2012)。グリアジン(グルテンの主要な細胞毒性抗原)に加えて、グルテン及びグルテン含有穀物(小麦、ライ麦、大麦、及びそれらの誘導体)中に存在する他のタンパク質/ペプチドが症状の出現に関与し得る。NCGSは、一般集団において0.5~13%(平均5%)の有病率を示す、グルテン関連障害の中でも最も一般的な症候群である(Catassi et al.,2013,Nutrients,5(10),3839-3853)。
グルテンを分解する消化酵素を含むダイエタリーサプリメントは市販されており、NCGSを有する個体における時折のグルテンへの曝露に対処するための手段として提案されている。しかしながら、実際に症状を低減するか否かは、ヒトにおいて臨床的に示されていない。かかる消化酵素ベースのサプリメントの目的は、グルテンを加水分解することである。これらの酵素が上部の腸において迅速に作用せず、グルテンが十分に加水分解されない場合には、毒素原性/免疫原性を有するグルテンペプチドの存在を増加させ得る。
セリンプロテアーゼ阻害剤(セルピン)は、真核生物(Gettins,2002 Chemical Reviews,102(12),4751-4804)及び原核生物(Kantyka et al.,Biochimie,92(11),1644-1656)に存在するタンパク質のスーパーファミリーである。
近年では、ヒトセリンプロテアーゼ阻害剤が、グルテン関連障害において重要な役割を果たしていることが示されている。エラフィンは、様々な形態のエラスターゼ及びプロテイナーゼに対し強力な阻害能を示すヒトセリンプロテアーゼ阻害剤である(Ying&Simon,1993,Biochemistry,32(7),1866-1874)。エラフィンは、胃腸管の上皮全体で発現し、炎症性腸疾患及びCDを有する患者の腸では、その発現及び誘導は低下する(Baranger,Zani,Labas,Dallet-Choisy,&Moreau,2011;Motta et al.,2012)。真核生物のセルピンは、抗炎症特性を有することが知られており、この特性は、膵臓エラスターゼを阻害するそれらの能力に関連している。近年では、エラフィンは、トランスグルタミナーゼ2(TG2)の架橋活性の基質として同定されている(Baranger et al.,2011,PloS one,6(6),e20976;Motta et al.,Science translational medicine,4(158),158ra144-158ra144)。インビトロのデータでは、エラフィンは、トランスグルタミナーゼ2(TG2)を適度に阻害し、すなわち、CDにおける適応免疫反応の引き金の1つであると考えられる消化抵抗性の33-merのグリアジンペプチドの脱アミド化を阻害することが示されている(McCarville et al.2015,Current opinion in pharmacology,25,7-12)。
組換えラクトコッカスラクティス(Lactococcus lactis)によって産生されたエラフィンの送達により、グルテン過敏症のマウスモデルにおいてグルテン誘発性の病状が軽減し、腸の炎症が正常化されることが示されている(Galipeau et al.,2014,The American journal of gastroenterology,109(5),748-756)。しかしながら、この提案された療法は、遺伝子組み換え微生物(GMO)に基づくものであり、消費者によるGMOの受容は非常に低いことから、食品用途に適さない。
より最近では、原核生物のセルピンが報告されている。インシリコ分析では、様々なビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)種、特にビフィドバクテリウム・ロンガム(Bifidobacterium longum)種亜種ロンガムの細菌に、セルピン様タンパク質をコードする遺伝子が存在していることが明らかになった。B.ロンガム亜種ロンガム(B.ロンガムと命名)NCC 2705によりコードされるタンパク質は、ヒトセルピンの抗プロテアーゼ活性と類似するインビトロ抗プロテアーゼ活性を示しているが、それでも、それらは30%の同一性しか有さない(Ivanov et al 2006,Journal of Biological Chemistry,281(25),17246-17252)。
B.ロンガムNCC 2705は、2001年1月29日にブダペスト条約によりパスツール研究所(28 rue Dr Roux,75724 Paris Cedex 15,France)に寄託され、寄託番号CNCM I-2618を付されている。B.ロンガムNCC2705(CNCM I-2618)は、Nestec S.A.,Avenue Nestle 55,1800 Vevey,Switzerland、によって寄託された。その後、Nestec S.A.はSociete des Produits Nestle S.Aに合併されているため、ブダペスト条約第2条(ix)により、Societe des Produits Nestle S.A.がNestec S.A.の権利承継者である。
最近では、B.ロンガムNCC2705(CNCM I-2618)の野生型株及びセルピンを恒常的に過剰発現するその由来組換え株が、グルテン感受性のマウスモデル(NOD/DQ8マウス)においてグリアジン誘発性の免疫的病理を減弱させ、セルピンノックアウト変異体ではこれが見られないことが示された(McCarville et al.,2017,Appl.Environ.Microbiol.Vol.83,no.19,e01323-17)。
本発明者らは、驚くべきことに、B.ロンガムNCC2705(CNCM I-2618)が、ヒトにおける、グルテンの消化、及び毒素原性/免疫原性ペプチドの産生を効果的に阻害することを見出した。
本発明者らは、B.ロンガムNCC2705(CNCM I-2618)が、消費者によるその摂取を通じて、セリンプロテアーゼ阻害剤(セルピン)を消化管に送達し、グルテンの消化を阻害することを初めて実証した。
有利なことに、本発明者らは、セリンプロテアーゼ阻害剤を産生できる細菌の、ヒトによる消費により、グルテンに対する腸のタンパク質分解活性を効果的に低減することができることを初めて実証した。驚くべきことに、ビフィドバクテリウム属は主に結腸に存在する嫌気性細菌であるにもかかわらず、仮定された作用部位(すなわち、十二指腸)においてグルテン分解活性の阻害の存在を実証することができた。
本発明の明らかな利点は、ヒトの複雑な腸内環境下の、作用部位にて、グルテンに対するタンパク質分解活性を低減することである。
更に、驚くべきことに、B.ロンガムNCC2705(CNCM I-2618)は、比較的低いセルピンレベルでもグルテン消化を効果的に阻害することが見出された。セルピンが不可逆的な阻害剤(自殺阻害剤としても知られる)として分類され、1回しか機能できないことを考えると(Gettins PG.2002 Chem Rev.102(12):4751-804)、グルテンの消化を低減するためには、比較的大量のプロテアーゼ阻害剤(例えば、阻害剤:プロテアーゼの比が約1:1)が必要とされることになるものと想定され得る。本発明の更なる利点は、B.ロンガムNCC2705(CNCM I-2618)が、作用部位におけるセルピンが比較的少量であってもグルテンの消化を効果的に低減することができるということである。
したがって、本発明の第1の態様では、グルテンの消化の阻害における、それを必要とする個体での使用のための、治療有効量のセルピンタンパク質産生ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガムを含む組成物が提供される。
関連する態様では、グルテンからの毒素原性/免疫原性ペプチドの産生の阻害における使用のための、治療有効量のセルピンタンパク質産生ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガムを含む組成物が提供される。
本発明の一実施形態では、GFD中の個体での偶発的/隠れたグルテン摂取に関する症状の防止及び/又は治療における使用のための、治療有効量のセルピンタンパク質産生ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガムを含む組成物が提供される。一実施形態では、個体は、CDを有する個体である。
本発明の別の態様では、CDの治療におけるGFDと組み合わせた使用のための、治療有効量のセルピンタンパク質産生ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガムを含む組成物が提供される。
組成物は、経腸投与用、好ましくは経口投与用である。一実施形態では、組成物は、食品、医療用食品、経管栄養剤又はダイエタリーサプリメントである。一つの具体的実施形態では、組成物は、ダイエタリーサプリメントである。
一実施形態では、食品は、乳、ヨーグルト、カード、チーズ、発酵乳、乳ベースの発酵製品、米及び他の非グルテン含有穀物ベースの製品、乳ベースの粉末、乳児用フォーミュラ及びペットフードから選択される。
一実施形態では、組成物は、医薬組成物であり、この医薬組成物は、1種以上の医薬的に許容される担体、希釈剤、及び/又は添加物を含む。
一実施形態では、組成物は、ダイエタリーサプリメントであり、ダイエタリーサプリメントは、錠剤、カプセル、ロゼンジ又は粉末の形態である。
驚くべきことに、B.ロンガムNCC2705(CNCM I-2618)は、比較的低いセルピンレベルでもグルテン消化を効果的に阻害することが見出された。本発明の更なる利点は、少量のセルピンを産生するビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガムが、グルテンの消化を効果的に低減することができるということである。
一実施形態では、組成物は、組成物の用量あたり約10cfu(コロニー形成単位)~1012cfuのセルピンタンパク質産生ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガム株、好ましくは、組成物の用量あたり約10cfu~約1012cfu、より好ましくは約10cfu~約1011cfu、例えば約1010cfuのセルピンタンパク質産生ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガム株を提供する。一実施形態では、組成物は、組成物の用量あたり約10cfu~約1012cfuのビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガムCNCM I-2618(NCC2705)株、好ましくは、組成物の用量あたり約10cfu~約1012cfu、より好ましくは約10cfu~約1011cfuのビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガムCNCM I-2618(NCC2705)株を提供する。一実施形態では、組成物は、組成物の用量あたり約1010cfuのビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガムCNCM I-2618(NCC2705)株を提供する。
組成物は、10~1012cfuのセルピンタンパク質産生ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガム株、好ましくは約10cfu~約1012cfu、より好ましくは約10cfu~約1011cfu、例えば約1010cfuのセルピンタンパク質産生ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガムを含む1日用量で個体に投与することができる。
一実施形態では、組成物は、10~1012cfuのビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガムCNCM I-2618(NCC2705)株、好ましくは約10cfu~約1012cfu、より好ましくは約10cfu~約1011cfuのビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガムCNCM I-2618(NCC2705)株を含む1日用量で個体に投与することができる。一実施形態では、組成物は、約1010cfuのビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガムCNCM I-2618(NCC2705)株の1日用量で個体に投与される。
一実施形態において、組成物は、少なくとも3日間、好ましくは少なくとも4日間の期間中、毎日個体に投与される。
組成物の1日用量は、1日1回の投与、1日2回の投与、1日3回の投与、又は1日4回の投与で、個体に投与することができる。
一実施形態では、組成物は、例えば朝及び夕方で、個体に1日2回投与される。
本発明の別の態様では、CDを有する個体でのグルテン消化の阻害における使用のための、セルピンタンパク質産生ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガムが提供される。
本発明の別の態様では、CDを有する個体でのグルテンからの毒素原性/免疫原性ペプチドの産生の阻害における使用のための、セルピンタンパク質産生ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガムが提供される。
一実施形態では、個体はGFD中である。
一実施形態では、CDを有する個体での偶発的/隠れたグルテン摂取に関する症状の防止及び/又は治療における使用のための、セルピンタンパク質産生ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガムが提供される。
セルピンタンパク質産生ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガムは、好ましくは、ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガムCNCM I-2169株、ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガムCNCM I-2171株、ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガムATCC BAA-999株、ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガムATCC 15708株、ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガムDSM 20097株、ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガムNCIMB 8809株、ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガムCNCM I-2618(NCC 2705)株、ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガムCNCM I-2170株、ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガムATCC 15707(T)株、又はこれらの組み合わせから選択される。好ましい実施形態では、セルピンタンパク質産生ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガムは、ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガムCNCM I-2618(NCC2705)株である。
本発明の別の態様では、CDの治療における使用のための、(i)セルピンタンパク質産生ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガムと、(ii)GFDとの組み合わせが提供される。
一実施形態では、本発明による組み合わせ又は組成物は、GFDに従っていて、症状が持続している、CDを有する個体におけるCDの治療のために使用され得る。
一実施形態では、本発明による組成物又は組み合わせは、CDを有する個体において、少量のグルテン(例えば、消費行為あたり、グルテンが最大5g、好ましくはグルテンが最大3g)の消費に起因する症状の防止又は予防のために使用され得る。
一実施形態では、本発明による組成物又は組み合わせは、CDを有する個体において、グルテンの偶発的/意図しない消費に起因する症状の防止又は予防に使用され得る。
他の態様では、CDを有する個体においてグルテン消化を阻害することが二重盲検・プラセボ対照・二重交差試験で臨床的に実証されている量でセルピンタンパク質産生ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガムを含む組成物が提供される。
一実施形態では、グルテンフリーダイエット中の隠れたグルテン消費に対応する量のグルテンの摂取後のCDを有する個体においてグルテン消化を阻害することが二重盲検プラセボ対照試験で臨床的に実証されている量でセルピンタンパク質産生ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガムを含む組成物が提供される。
別の態様では、グルテン消化の阻害を、それを必要とする個体において行うための方法であって、それを必要とする個体に、治療有効量のセルピンタンパク質産生ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガムを投与することを含む方法が提供される。
一実施形態では、毒素原性/免疫原性グルテンペプチドの産生の阻害を、それを必要とする個体において行うための方法であって、それを必要とする個体に、治療有効量のセルピンタンパク質産生ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガムを投与することを含む方法が提供される。
別の態様では、CDの治療のための方法であって、それを必要とする個体に、グルテン消化を阻害することが二重盲検・プラセボ対照・交差試験で臨床的に実証されている治療有効量のセルピンタンパク質産生ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガムを投与することを含む方法が提供される。
一実施形態では、個体は、GFD中であり、症状の持続を患っているCD患者である。
一部の実施形態では、ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガムは、ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガムCNCM I-2169株、ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガムCNCM I-2171株、ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガムATCC 15708株、ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガムDSM 20097株、ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガムNCIMB 8809株、ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガムCNCM I-2618(NCC 2705)株、ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガムCNCM I-2170株、ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガムATCC 15707(T)株、又はこれらの組み合わせから選択され得る。
一部の好ましい実施形態では、ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガムは、ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガムCNCM I-2169株、ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガムCNCM I-2171株、ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガムATCC 15708株、ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガムDSM 20097株、ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガムNCIMB 8809株、ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガムCNCM I-2618(NCC 2705)株、ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガムCNCM I-2170株、ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガムATCC 15707(T)株、又はこれらの組み合わせから選択され得る。
一部の好ましい実施形態では、ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガムCNCM I-2618(NCC 2705)株が使用される。
本開示によって提供される1つ以上の実施形態の利点は、有効であり、かつ望ましくない副作用を伴わずに、投与するのに安全である、細菌株を含む組成物であり、当該組成物は、CDを有する個体における、グルテンの偶発的な消費の悪影響を治療又は防止するために使用することができる。
本開示の更なる利点は、GFD中のCD患者が、隠れたグルテンに対処することを可能にすることである。
本開示により提供される1つ以上の実施形態の別の利点は、既知の酵素サプリメントと比較して、良好な安全性プロファイルが得られることである。
本開示により提供される1つ以上の実施形態の更なる利点は、偶発的/隠れたグルテン消費による副作用が、最小限に抑えられる又は完全に回避されることである。
本開示によって提供される1つ以上の実施形態の更なる利点は、CDの治療において、GFDの効果が改善されることである。
本開示により提供される1つ以上の実施形態の更に別の利点は、ヘルスケアの補助に関連する不必要なコストが、最小限に抑えられる又は回避されることである。
本開示によって提供される1つ以上の実施形態の別の利点は、低レベルのセルピンを産生するビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガム・プロバイオティクスによる、グルテン消化の効果的な阻害が達成されることである。
追加の特徴及び利点を本明細書に記載する。これらは、以降の発明を実施するための形態及び図面から明らかとなろう。
臨床試験デザインの概略図を示す。 セリアック病(CD)及び非セリアックグルテン過敏症(NCGS)の個体における、B.ロンガムNCC2705又はプラセボの投与後の、ヒト十二指腸吸引液中の、B.ロンガムNCC2705(A)及びB.ロンガムセルピンタンパク質(B)のレベルを示す。 CD又はNCGSの個体におけるグルテン分解活性に対するB.ロンガムNCC2705の影響を示す。値を、AUC T0~T370として示す。
本開示及び添付の特許請求の範囲において使用されるとき、単数形「a」、「an」及び「the」には、別段の指示がない限り、複数の参照物も含まれる。したがって、例えば、「微生物株(a bacterial strain)」又は「微生物株(the bacterial strain)」についての言及は、2種以上の微生物株を含む。
用語「含む/備える(comprise)」、「含む/備える(comprises)」、及び「含んでいる/備えている(comprising)」は、排他的なものではなく、他を包含し得るものとして解釈されるべきである。同様にして、用語「含む(include)」、「含む(including)」及び「又は(or)」は全て、このような解釈が文脈から明確に妨げられない限りは他を包含し得るものであると解釈されるべきである。
しかしながら、本明細書に開示されている組成物は、具体的に開示されていない要素を含まない場合がある。したがって、「含む/備える(comprising)」という用語を用いた実施形態の開示は、特定されている構成要素「を本質的に含む(consisting essentially of)」実施形態、及び特定されている構成要素「を含む(consisting of)」実施形態の開示を含む。同様にして、本明細書で開示される方法には、本明細書において具体的に開示されない任意の工程が存在しない場合がある。したがって、「を含む」という用語を用いた実施形態の開示は、特定されている工程「を本質的に含む」実施形態、及び特定されている工程「を含む」実施形態の開示を含む。
「X及び/又はY」の文脈で使用される用語「及び/又は」は、「X」、又は「Y」、又は「X及びY」と解釈されるべきである。本明細書において使用する場合、用語「例(example)」及び「などの(such as)」は、特に後に用語の掲載が続く場合は、単に例示的なものであり、かつ説明のためのものであり、排他的又は包括的なものであると判断すべきではない。別途記載のない限り、本明細書で開示される任意の実施形態を、本明細書で開示される任意の別の実施形態と組み合わせることができる。
本明細書で使用するとき、「約(about)」及び「およそ(approximately)」は、数値範囲内、例えば、参照されている数の-10%から+10%の範囲、好ましくは参照されている数の-5%から+5%の範囲内、より好ましくは、参照されている数の-1%から+1%の範囲内、最も好ましくは参照されている数の-0.1%から+0.1%の範囲内の数を指すものと理解される。
更に、本明細書における全ての数値範囲は、その範囲内の全ての整数(integers)、整数(whole)又は分数、を含むものと理解されたい。用語「間(between)」は、特定されている範囲の終点を含む。更に、これらの数値範囲は、この範囲内の任意の数又は数の部分集合を対象とする請求項をサポートすると解釈されたい。例えば、1~10という開示は、1~8、3~7、1~9、3.6~4.6、3.5~9.9などの範囲をサポートするものと解釈されたい。
本明細書で使用するとき、用語「個体」及び「患者」は、本明細書において定義されるとおりの治療を受けている又は治療を受けることが意図される動物、特に哺乳動物、及び更にはヒトを含むものと理解される。「個体」及び「患者」という用語は、本明細書ではヒトを指すために使用される。したがって、「個体」及び「患者」という用語は、治療が有益となり得るあらゆるヒトを指す。
用語「治療/処置(treatment)」及び「治療/処置すること」には、状態又は疾患(障害)の改善をもたらす任意の効果、例えば状態又は疾患を和らげること、軽減すること、制御すること、又は解消させることが含まれる。この用語は、必ずしも完治するまで対象が治療されることを意味するものではない。状態又は疾患を「治療すること」又は「その治療」の非限定的な例としては、(1)状態又は疾患を阻害すること、すなわち状態若しくは疾患又はその臨床症状の発症を止めること、及び(2)状態又は疾患を緩和すること、すなわち状態若しくは疾患又はその臨床症状の一時的又は永続的な消退を生じさせることが挙げられる。治療は患者に関連するものであってもよく、又は医師に関連するものであってもよい。
用語「防止」又は「防止すること」は、状態又は疾患にさらされ得る又はそれに罹り易い傾向があり得るが、まだ状態又は疾患の症状を呈していない又はそれが現れていない個体において、言及される状態又は疾患の臨床症状を発症させないことを意味する。用語「状態」及び「疾患/障害」は、任意の疾患、状態、症状、又は徴候を意味する。
用語「食品」、「食品製品」、及び「食品組成物」は、ヒトなどの個体による摂取が意図され、かかる個体に対して少なくとも1種の栄養素を提供する、製品又は組成物を意味する。本明細書に記載の多くの実施形態を含む本開示の組成物は、本明細書に記載の必須要素及び制限に加え、本明細書に記載の、又はそうでなければ食事療法に有用な、任意の追加の若しくは任意選択的な原材料、構成要素、又は制限を含んでよい、これらから構成されてよい、又は本質的にこれらから構成されてよい。
組成物
組成物は、経口投与可能及び/又は経腸投与可能であり得る。本発明の組成物は、食品、医療用食品、経管栄養、栄養組成物、又は栄養補助食品の形態であり得る。用語「ダイエタリーサプリメント」とは、対象の普段の食生活を補助することを意図する製品を指す。
一実施形態では、食品は、乳、ヨーグルト、カード、チーズ、発酵乳、乳ベースの発酵製品、米及び他の非グルテン含有穀物ベースの製品、乳ベースの粉末、乳児用フォーミュラ及びペットフードから選択される。
組成物は、医療用食品の形態であってもよい。本明細書で使用するとき、用語「医療用食品」は、医学的疾患又は状態の食事療法のために特別に配合された食料製品を指す。医療用食品は、医学的管理下で投与される場合がある。医療用食品は、経口摂取又は経管栄養のためのものであってもよい。
組成物は、経管栄養の形態であってもよい。用語「経管栄養」とは、栄養を栄養管によって対象の胃腸管に直接導入することを意図する製品を指す。経管栄養は、例えば、対象の鼻を通して配置された栄養管(経鼻胃管、経鼻十二指腸管、及び経鼻空腸管など)、又は対象の腹部内へと直接配置された栄養管(胃瘻栄養管、胃空腸瘻栄養管、又は空腸瘻栄養管など)によって投与される場合がある。
組成物は医薬組成物の形態であってもよく、薬学的に許容される1種以上の好適な担体、希釈剤、及び/又は添加物を含んでもよい。
本明細書に記載の組成物のそのような好適な添加物の例は、A Wade及びPJ Weller編の「Handbook of Pharmaceutical Excipients」、2nd Edition(1994)に見出すことができる。治療用途に許容される担体又は希釈剤は、医薬分野において既知であり、例えば、”Remington’s Pharmaceutical Sciences”,Mack Publishing Co.(A.R.Gennaro edit.1985)に記載されている。
好適な担体の例としては、ラクトース、デンプン、グルコース、メチルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、マンニトール、ソルビトールなどが挙げられる。好適な希釈剤の例としては、エタノール、グリセロール、及び水が挙げられる。
医薬担体、添加物又は希釈剤の選定にあたっては、意図した投与経路及び標準的な医薬業務に関連して選択することができる。医薬組成物は、担体、添加物、若しくは希釈剤として、又はそれに加え、任意の好適な結合剤、潤滑剤、懸濁剤、コーティング剤、及び/若しくは可溶化剤を含んでもよい。
好適な結合剤の例としては、デンプン、ゼラチン、天然糖、例えばグルコース、無水ラクトース、流動性ラクトース、β-ラクトースなど、コーン甘味料、天然及び合成ガム、例えばアカシア、トラガカント、又はアルギン酸ナトリウムなど、カルボキシメチルセルロース、及びポリエチレングリコールが挙げられる。好適な潤滑剤の例としては、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウムなどが挙げられる。
防腐剤、安定剤、染料、及び更には香味剤を組成物に含ませてもよい。防腐剤の例としては、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、及びp-ヒドロキシ安息香酸のエステルが挙げられる。酸化防止剤及び懸濁剤もまた使用することができる。
栄養学的に許容される担体、希釈剤、及び添加物としては、食品業界で規格として使用されるヒト又は動物の摂取に好適なものが挙げられる。典型的な栄養学的に許容される担体、希釈剤、及び添加物は、当業者によく知られている。
組成物は、錠剤、糖衣錠、ロゼンジ、カプセル、ゲルキャップ、粉末、顆粒、溶液、エマルジョン、懸濁液、被覆粒子、噴霧乾燥粒子、又はピルの形態とすることができる。
一実施形態において、組成物は、ダイエタリーサプリメントである。
代替の実施形態では、組成物は、局所投与用のゲル、クリーム、軟膏、エマルジョン、懸濁液、又は溶液などの局所投与用組成物の形態であってもよい。
理想的な用量は、治療する対象、例えばその健康状態、性別、年齢、又は体重、及び投与経路によって異なることは、当業者には明らかである。その結果、理想的に使用される用量は、様々であり得るが、当業者によって容易に決定することができる。
しかしながら、一般に、本発明の組成物が、1日用量当たり10~1010cfuの、及び/又は細胞10~1010個のビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガムを含む場合が好ましい。本発明の組成物はまた、組成物の乾燥重量1g当たり10~1011cfuの、及び/又は細胞10~1011個のビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガムを含んでもよい。
ビフィドバクテリウム・ロンガム
ビフィドバクテリウム・ロンガムは、任意のビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガム株であってもよい。一部の実施形態では、ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガム株は、ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガムCNCM I-2169株、ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガムCNCM I-2171株、ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガムATCC 15708株、ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガムDSM 20097株、ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガムNCIMB 8809株、ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガムCNCM I-2618(NCC 2705)株、ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガムCNCM I-2170株、ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガムATCC 15707(T)株、ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガムCNCM I-103株、ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガムCNCM I-2334株、ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガムCNCM I-3864株、ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガムCNCM I-3853株、又はそれらの組み合わせから選択され得る。
菌株は、下の表(表1)に示される寄託機関に寄託され、以下の寄託日及アクセッション番号を付されている:
Figure 2023525254000001
CNCMは、Collection nationale de cultures de micro-organismes(パスツール研究所、28,rue du Dr Roux,F-75724 Paris Cedex 15,France)を指す。ATCCは、American Type Culture Collection 10801 University Blvd.,Manassas,Virginia 20110-2209,U.S.A.を指す。DSMは、Leibniz Institute DSMZ-German Collection of Microorganisms and Cell Cultures(Inhoffenstr.7B,D-38124 Braunschweig,Germany)を指す。NCIMBは、NCIMB Ltd(Ferguson Building,Craibstone Estate,Buckburn,Aberdeen AB21 9YA,Scotland)を指す。
株1、株2、株6、株7、株9、株11~株13は、Nestec S.A.(avenue Nestle 55,1800 Vevey,Switzerland)によって寄託されている。その後、Nestec S.A.はSociete des Produits Nestle S.Aに合併されているため、ブダペスト条約第2条(ix)により、Societe des Produits Nestle S.A.がNestec S.A.の権利承継者である。他の株は全て市販されている。
一部の好ましい実施形態では、ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガムは、ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガム株CNCM I-2169、ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガム株CNCM I-2171、ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガム株ATCC 15708、ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガム株DSM 20097、ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガム株NCIMB 8809、ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガム株CNCM I-2618(NCC 2705)、ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガム株CNCM I-2170、ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガム株ATCC 15707(T)、又はこれらの組み合わせから選択され得る。
好ましい実施形態では、ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガムCNCM I-2618(NCC 2705)株が使用される。
一実施形態では、本発明によるセルピンタンパク質産生ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガムの少なくとも一部は、組成物中で生存し、好ましくは腸内に生存状態で到達する。例えば、セルピンタンパク質産生ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガムの少なくとも5%、好ましくは少なくとも10%、より好ましくは少なくとも15%は、組成物中で生存することができる。結果として、ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガムの生菌は、腸内にとどまり、増殖することにより有効性を増強し得る。ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガムの生菌はまた、共生細菌及び/又は宿主と相互作用することによって有効なものにもなり得る。
治療用途では、組成物は、状態及びその合併症の症状のうち少なくとも一部を治癒する、又は進行停止するのに十分な量で投与される。この目的を達成するのに適した量を、「治療有効用量」として定義する。この目的のための有効量は、状態の重症度並びに患者の体重及び全身状態など、当業者に公知のいくつもの要因によって異なり得る。
予防用途では、組成物は、特定の状態に対して感受性のある又はかかるリスクのある患者に、かかる状態の発症リスクを少なくとも一部低減するのに十分な量で投与され得る。かかる量が「予防有効用量」である。ここでも、正確な量は、患者の健康状態及び体重などの患者に固有のいくつもの要因によって異なる。
組成物は、好ましくは、治療有効用量及び/又は予防有効用量のセルピンタンパク質産生ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガムを提供する量で投与される。
組成物の1日用量は、好ましくは、10~1012cfu(コロニー形成単位)、より好ましくは10~1012cfu、最も好ましくは10~1011cfuのセルピンタンパク質産生ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガムを提供する。組成物は、組成物の用量あたり、10~1012cfu、好ましくは10~1012cfu、より好ましくは10~1011cfuのセルピンタンパク質産生ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガムを含み得る。
組成物は、0.2未満、好ましくは0.15未満の水分活性を有する粉末であり得る。組成物は、常温保存可能な粉末であり得る。低い水分活性は、この保存安定性をもたらすことができ、ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガムを、長期間の保存後であっても生菌のままで確実に維持することができる。水分活性(aw)とは、系に含まれる水のエネルギー状態の測定値であり、水蒸気圧を同一温度下での純粋な水の水蒸気圧により除したものとして定義される。したがって、純粋な蒸留水の有する水分活性はちょうど1である。
追加的又は代替的に、セルピンタンパク質産生ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガムは、カプセル化された形態で提供され得る。細菌のカプセル化は、治療上及び技術上の利点を有し得る。例えば、カプセル化は、細菌の生存率を上昇させ、ひいては腸内にたどり着く生菌数を増加させることができる。更に、細菌を徐々に放出させることにより、対象の健康に対する細菌の作用を延長させることが可能となる。例えば、細菌は、凍結又は噴霧乾燥されてゲル中に組み込まれたものであってよい。
培養粉末の製造方法
B.ロンガム種に属する株を嫌気性条件下で増殖させる。嫌気性条件下での発酵方法は周知である。当業者は、増殖させる微生物に応じて、その一般知識に基づき、発酵培地の好適な構成要素を特定し、発酵条件を調節することができる。発酵培地は典型的には、
酵母抽出物などの窒素源と、
糖などの炭素源と、
微生物に必要な様々な増殖因子(例えば、ミネラル、ビタミンなど)と、
水と、を含む。
B.ロンガムの典型的な増殖培地の非限定例は、0.05%のシステインを添加したMRS(De Man,Rogosa and Sharpe)培地(MRSc)である。
発酵は、好ましくは2工程で実施され、主発酵工程の前にスターター発酵が実施される。発酵培地は、スターター発酵及び主発酵で異なっても、同一であってもよい。
この方法の第2の工程は、バイオマスの濃縮である。これもまた、例えば遠心分離又は濾過などの、当業者に既知の方法を使用して実施することができる。濃縮後のバイオマスの総固形分は、バイオマス(すなわち、発酵培地及び調製された微生物の総量)の総乾燥重量に基づいて、好ましくは10~35重量%、好ましくは14~35重量%を構成する。
任意選択的に、濃縮は、発酵培地の残留物及び/又は発酵中に生成された化合物を除去するために、洗浄工程の後に行ってもよい又は洗浄工程と組み合わせてもよい。例えば、洗浄は、バイオマスを濃縮し、濃縮したバイオマスをリン酸緩衝液又は同様の組成物などの緩衝液に再懸濁させ、バイオマスを再濃縮することによって行うことができる。
例えば、参照により全体が組み込まれる国際公開第2017/001590号に記載されている方法を適用することができる。
治療
セリアック病(CD)
CDは、最も一般的な免疫介在性疾患のうちの1つである。この疾患は世界中で見られ、特に米国及び欧州で顕著であり、被検者の約1%が抗体検査で陽性である。CDは、様々な免疫学的要因、遺伝的要因、及び環境的要因の間での複雑な相互作用から生じる複雑な疾患である。この疾患は、小麦グルテン、並びにライ麦タンパク質及び大麦タンパク質などの関連するその他の穀類タンパク質の消化によって誘導されるCDに関連する症状は、子供の発育遅延、易怒性、及び思春期遅延、並びに不快感、下痢、潜伏便、脂肪便、鼓腸などの多くの胃腸の症状である。
臨床的証拠としては、CDの病理に強く関連するクラスIIのヒト白血球型抗原(HLA-DQII)が、CD患者の約95%で発現することが示されている。腸内腔において、グルテンタンパク質は部分的に消化され、タンパク質分解に耐性のある免疫原性の33-merグルテンペプチドを形成する。小腸バリアを通過した後、それらのペプチドは、負電荷を有するトランスグルタミナーゼ2(TG2)によって脱アミド化され(Sollid,2000,Annual review of immunology,18(1),53-81)、次いでHLA-DQ2.5/8の正に帯電する結合部位に結合する(Dieterich et al.,1997,Nature medicine,3(7),797-801)。HLA-DQ2.5/8は、これらの特異的グルテンペプチドシグナルをヘルパーT細胞に提示し、他の免疫細胞が、小腸において更なる損傷を引き起こす。グルテンタンパク質に対する抗体及び結合組織成分(TG2)に対する自己抗体もまた、CDの進行に関連している(Alaedini&Green,2005,Annals of internal medicine,142(4),289-298)。
グルテンフリーダイエット(GFD)
GFDとは、グルテンを完全に除いた食事のことを指す。GFDは、グルテン感受性個体の標準的な治療である。GFDに厳密に従うことは容易なことではない。GFDを受けている患者は、それでも、相互混入又は誤食のために、様々な量のグルテンに曝露され得る。グルテン感受性を有する者の間では、グルテンに対する個々の感受性に関して顕著な変動があり、一部の患者では、非常に低い日常のグルテン曝露によって組織学的変化が生じている。GFDに従う人々によるグルテンの食事摂取の殆どが、隠れたグルテンとして知られているもの、すなわち、混入又は軽度の意図しない誤食によって日々の食事中に存在することとなった少量のグルテンに由来する。本発明は、厳密なGFDに従う人々における隠れたグルテンの影響を軽減するための解決策を提供するものである。
本発明によるビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガム株、又はそれを含む組成物を使用して、CDを有する個体などの、厳密なGFDに従う個体における、隠れたグルテンの影響を軽減し得る。
本発明によるビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガム株、又はそれを含む組成物は、グルテンの消化の阻害を、それを必要とする個体において行い、及びそれによってグルテンからの毒素原性/免疫原性ペプチドの産生を阻害するために使用され得る。
本発明による本発明のビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガム株、又はそれを含む組成物は、CDを有する個体における偶発的/隠れたグルテン摂取に関する症状の防止及び/又は治療に使用され得る。
例えば、治療有効量の本発明によるセルピンタンパク質産生ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガムを含む組成物は、CDの治療においてGFDと組み合わせて使用され得る。
(i)本発明によるセルピンタンパク質産生ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガム株と、(ii)GFDとの組み合わせは、CDの治療に、例えば、GFDに従っていて、症状が持続しているCDを有する個体におけるCDの治療に、使用され得る。
本発明によるビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガム株、又はそれを含む組成物は、CDを有する個体において、グルテンの偶発的/意図しない消費による症状の防止又は予防に使用され得る。
投与
ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガム又は本明細書に記載の組成物は、好ましくは経腸的に投与される。
経腸的投与は、経口、経胃、及び/又は経直腸投与であってよい。
一般論として、本明細書に記載される組み合わせ又は組成物の投与は、例えば、経口経路又は別の経路による胃腸管への投与であってもよく、例えば、投与は経管栄養によるものであってもよい。好ましくは、投与は経口によるものである。
代替的な実施形態では、本明細書に記載の組み合わせ又は組成物の投与は、局所投与であってもよい。
対象は、ヒト、イヌ、ネコ、ウマ、ヤギ、ウシ、ヒツジ、ブタ、シカ、及び霊長類などの哺乳動物であってもよい。好ましくは、対象は、ヒトである。
本発明の好ましい特徴及び実施形態を、非限定的な例によってこれより記述する。
グルテン感受性個体における、セルピン生成ビフィドバクテリウム・ロンガムNCC2705(CNCM I-2618)のインビボでの生物学的活性
試験デザイン:
セルピン産生ビフィドバクテリウム・ロンガムNCC2705(CNCM I-2618)の生物学的活性を、≧1年間にわたりGFDを維持している18名のCD対象、及び≧6週間にわたりGFDを維持している20名の自己報告によるNCGS対象において、二重盲検・ランダム化・プラセボ対照・交差試験により評価した。対象は18歳~65歳であり、18~30kg/mの範囲のBMIを有していた。B.ロンガムNCC2705の1つのカプセル(担体であるマルトデキストリンと予備混合したプロバイオティクス株B.ロンガムNCC2705を1.0×1010コロニー形成単位(cfu)含有する1つのカプセル)又はプラセボ(マルトデキストリン)を、それぞれ3日間、2度の期間にわたって、食事と共に1日2回(朝及び夕方)投与した。それぞれの交差期間の4日目に、遠位十二指腸に到達する経鼻十二指腸吸引カテーテルを、胃十二指腸検鏡法によって配置した。カテーテルの配置後、参加者に対し、プラセボ又はB.ロンガムNCC2705の最終投与(T0)、続いて3gのグルテン感作を行った。十二指腸からの吸引液を20分間隔で370分間にわたり回収した。吸引液中のB.ロンガムNCC2705のレベル(ゲノムコピー/mL吸引液)を、qPCRによって決定し、吸引液中のセルピンタンパク質のレベル(pg/mL吸引液)をELISAによって決定した。吸引液中のグルテン分解活性を、グルテンを基質として使用して決定した。試験デザインの概略図を図1に示す。
結果:
プロバイオティクス及びプラセボの胃腸忍容性は、群間で差異がなかった。
十二指腸吸引液中のB.ロンガムNCC2705の出現は、付随するセルピン濃度の増加と関連している。経時的なセルピンの累積は、CDのプラセボ群よりもプロバイオティクス(活性)群でより高かった(AUCT0-T370 2884.7±936.0 対 1842.7±65.4(pg/mL)*分;p=0.063)(図2)。NCGSにおいては、有意差は観察されなかった。十二指腸吸引液中の、B.ロンガムNCC2705のゲノムコピー(gc)及びセルピン(pg)の出現は、プラセボと比較して、プロバイオティクス群(プールされたCD及びNCGS群)において有意に高かった(BL NCC2705 AUCT0-T370 1426.8±507.2 対 132.1±182.9(gc/mL)*分、p=0.016;セルピン AUCT0-T370 2654.6±821.2 対 1860.7±137.3(pg/mL)*分、p=0.016)。
B.ロンガムNCC2705 gcの濃度ピーク(Cmax)は、CD(6.3±1.9gc/mL)及びNCGS(6.9±1.2gc/mL)の両方で、平均して製品摂取後90分で現れた。同様に、セルピンCmaxには、CDにおいて、平均して製品摂取後90分で到達した(22.5±49.3 対 4.9±0.0pg/mL、p<0.05)。NCGSでは、セルピンCmaxも、プラセボと比較して有意に高かった(25.6±24.8 対 7.4±3.9pg/mL、p<0.05)。
図2に示すように、B.ロンガムCNCM I-2618(B.ロンガムNCC2705)消費の後及びそれと並行して、驚くべきことに、セリアック病患者の十二指腸においてセルピンが存在した。十二指腸内のB.ロンガムCNCM I-2618(B.ロンガムNCC2705)及び/又はセルピンの存在は、グルテン特異的なタンパク質分解活性の低減による、グルテンの消化の低減などの、有利な特性をもたらし得る。
十二指腸吸引液中のグルテン分解活性を決定するために、試料を1%グルテン(Sigma-Aldrich)含有寒天プレート上でインキュベートした。タンパク質分解活性は、接種部位を取り囲むハロ(halo)の存在によって決定した。
十二指腸吸引液におけるグルテン分解活性は、CD対象におけるプロバイオティクス(活性)群において、プラセボ群よりも低かった(AUCT0-T370 2091.6±1362.5 対 4165.7±1475.4mm*分)。NCGS対象では、統計的に有意な差は観察されなかった。図3を参照されたい。これらの結果は、プロバイオティクスであるセルピン産生B.ロンガムNCC2705が、CD対象においてグルテン消化を低減する効果を示すものである。B.ロンガムCNCM I-2618(B.ロンガムNCC2705)の消費及びグルテン分解活性の低減は、グルテン特異的なタンパク質分解活性の低減によるグルテン消化の低減などの、有利な特性をもたらし得る。
これらの結果は、偶発的なグルテン摂取による症状を依然として経験している患者において、GFDへの相補的処置としてB.ロンガムNCC2705を使用することが有望である根拠を提供する。

Claims (21)

  1. セリアック病を有する個体でのグルテンの消化の阻害における使用のための、セルピンタンパク質産生ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガム。
  2. グルテンからの毒素原性及び/又は免疫原性ペプチドの産生の阻害における使用のための、セルピンタンパク質産生ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガム。
  3. 治療有効量のセルピンタンパク質産生ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガムを含む組成物であって、グルテンの消化の阻害における、それを必要とする個体での使用のための組成物。
  4. グルテンからの毒素原性及び/又は免疫原性ペプチドの産生の阻害における使用のための、請求項3に記載の使用のための組成物。
  5. 前記個体が、セリアック病を有する個体である、請求項3又は4に記載の使用のための組成物。
  6. セリアック病を有する個体でのグルテン摂取の症状の防止及び/又は治療における使用のための、請求項3~5のいずれか一項に記載の使用のための組成物、又は請求項1若しくは2に記載の使用のためのセルピンタンパク質産生ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガム。
  7. 前記個体が、グルテンフリーダイエット中である、請求項3~6のいずれか一項に記載の使用のための組成物又は請求項1、2若しくは6のいずれか一項に記載のセルピンタンパク質産生ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガム。
  8. セリアック病の治療において、グルテンフリーダイエットと組み合わせて使用するための、治療有効量のセルピンタンパク質産生ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガムを含む組成物。
  9. 食品、医療用食品、ダイエタリーサプリメント又は医薬組成物である、請求項3~8のいずれか一項に記載の使用のための組成物。
  10. 錠剤、カプセル、ロゼンジ又は粉末の形態である、請求項3~9のいずれか一項に記載の使用のための組成物。
  11. 前記組成物の用量あたり10cfu~1012cfuのビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガムCNCM I-2618(NCC2705)株を提供する、請求項3~10のいずれか一項に記載の使用のための組成物。
  12. 1日2回の投与用である、請求項11に記載の使用のための組成物。
  13. セリアック病の治療における使用のための、(i)セルピンタンパク質産生ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガムと、(ii)グルテンフリーダイエットとの組み合わせ。
  14. セリアック病患者における隠れたグルテンの消費後の症状の防止又は予防のための、請求項13に記載の使用のための組み合わせ、又は請求項3~12のいずれか一項に記載の使用のための組成物。
  15. グルテンフリーダイエットに従っていて、セリアック病の症状が持続している個体における、セリアック病の治療のための、請求項13に記載の使用のための組み合わせ、又は請求項3~12のいずれか一項に記載の使用のための組成物。
  16. セリアック病を有する個体においてグルテン消化を阻害することが二重盲検・プラセボ対照試験で臨床的に実証されている量のセルピンタンパク質産生ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガムを含む組成物。
  17. グルテン消化の阻害、並びに/又は毒素原性及び/若しくは免疫原性グルテンペプチドの産生の阻害を、それを必要とする個体において行うための方法であって、前記それを必要とする個体に、治療有効量のセルピンタンパク質産生ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガムを投与することを含む、方法。
  18. セリアック病の治療のための方法であって、それを必要とする個体に、グルテン消化を阻害することが二重盲検・プラセボ対照試験で臨床的に実証されている治療有効量のセルピンタンパク質産生ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガムを投与することを含む、方法。
  19. 前記個体が、セリアック病患者であり、任意選択的に、グルテンフリーダイエット中であり、症状の持続を患っているセリアック病患者である、請求項17又は18に記載の方法。
  20. 前記セルピンタンパク質産生ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガムが、ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガムCNCM I-2169株、ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガムCNCM I-2171株、ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガム ATCC 15708株、ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガムDSM 20097株、ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガムNCIMB 8809株、ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガムCNCM I-2618(NCC2705)株、ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガムCNCM I-2170株、ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガムATCC 15707(T)株、ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガムCNCM I-103株、ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガムCNCM I-2334株、ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガムCNCM I-3864株、ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガムCNCM I-3853株、又はそれらの組み合わせから選択される、請求項1若しくは2に記載の使用のためのセルピンタンパク質産生ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガム、請求項3~12若しくは14~16のいずれか一項に記載の使用のための組成物、請求項13~15のいずれか一項に記載の組み合わせ、又は請求項17~19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 前記セルピンタンパク質産生ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガムが、ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガムCNCM I-2618(NCC2705)株である、請求項1、2若しくは20のいずれか一項に記載の使用のためのセルピンタンパク質産生ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガム、請求項3~12、14~16若しくは20のいずれか一項に記載の組成物、請求項13~15若しくは20のいずれか一項に記載の組み合わせ、又は請求項17~20のいずれか一項に記載の方法。
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