JP2023524603A - Gif受容体アゴニストペプチド化合物及びその使用 - Google Patents

Gif受容体アゴニストペプチド化合物及びその使用 Download PDF

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Abstract

本開示は、1週に1回の投薬(QW)に好適なGIP受容体アゴニストペプチド化合物であって、前記ペプチド化合物は、GIP受容体に対して活性化作用を有する、化合物、ならびに嘔吐症、または嘔吐症に関連する症状もしくは状態の処置及び/または予防のための医薬としてのGIP受容体アゴニストペプチドの使用を提供する。具体的には、式(I)~(V)のいずれかによって表される配列を含有するGIP受容体アゴニストペプチドまたはその塩、及びそれを含む医薬が提供される。【選択図】なし

Description

関連出願の相互参照
本出願は、米国仮出願整理番号62/994,721の優先権を主張し、その内容全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
本開示は、GIP受容体に対して活性化作用を有する新規ペプチド化合物及び週1回の投薬レジメンで投薬され得る医薬としてのペプチド化合物の使用に関する。
本節の記載は、単に本開示に関連する背景情報を提供するだけにすぎず、先行技術を構成するものではない場合がある。
グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)及びグルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド(GIP)は両方とも、インクレチンと呼ばれるペプチドである。GLP-1及びGIPは、それぞれ小腸L細胞及びK細胞から分泌される。
GLP-1は、GLP-1受容体を介して作用し、グルコース依存性インスリン分泌刺激作用及び摂食抑制作用を有することが知られている。一方で、GIPは、GIP受容体(GIPr)を介するグルコース依存性インスリン分泌刺激作用を有することが知られているが、摂食に対するGIPのみの影響は明らかではない。
GLP-1受容体/GIP受容体コアゴニストまたはグルカゴン受容体/GLP-1受容体/GIP受容体トリアゴニスト活性及びその修飾を有するペプチドを探求し、天然のグルカゴン、GIP、またはGLP-1の構造に基づいてこれらのペプチドを抗肥満薬として、糖尿病の治療薬として、または神経変性障害の治療薬として開発する試みがなされてきた。しかしながら、嘔吐症ならびに悪心及び嘔吐と関連する類似した症状の処置に使用するための本開示のペプチド化合物及びGIP受容体に対して選択的活性化作用を有する化合物は、開示されていない。
悪心及び嘔吐を経験する患者は、しばしば、それらの医薬を規則的に服用することを嫌がり、またはそれができない;いくつかの研究は、より少ない頻度の投薬が、より高い程度のコンプライアンスをもたらし、よって、最終的に患者のより良好な処置をもたらすことを示した。そのため、制吐薬の長期作用型調製物のアンメットニーズが存在する。特に、投薬レジメン、服用の頻度または服用のタイプにおける変更をよりフレキシブルにするために、1日2回(BID)の投薬製剤の代替手段を提供する制吐GIP受容体アゴニストペプチドの長期作用型調製物が必要とされている。作用の継続期間を延長させることはまた、嘔吐症エピソードの継続期間がより長い疾患において利益を提供する。
本明細書で引用されるすべての刊行物、特許、及び特許出願は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本開示の目的は、GIP受容体活性化作用を有し、糖尿病、肥満のための予防/治療剤、及び/または嘔吐または悪心を伴う疾患を予防/処置するための制吐剤として有用であるGIP受容体アゴニストペプチド化合物を提供することである。
本開示は、本明細書に記載される嘔吐症の予防または処置のための治療剤として有用である式(I)~(V)によって表される配列を含むGIPrアゴニストペプチド化合物を提供する。驚くべきことに、式(I)~(V)の化合物は、優れたGIP受容体活性化作用、より長い消失1/2期及び改善された溶解性を示す。予期しないことに、いくつかの例では、当該技術分野における他の既知のGIPrアゴニストペプチドと比べて式(I)~(V)のペプチドは、(1)血清における安定性、(2)消失半減期及び(3)溶解性のうちの1つ以上における改善された特性を有する。本開示の所定の実施形態では、嘔吐症を処置するために1週に1回投薬され、または悪心及び/または嘔吐ならびに嘔吐症の他の症状の予防剤として有用であり得る他の既知のGIPrアゴニストペプチドと比べて式(I)~(V)のペプチドは、(1)血清における安定性、(2)消失半減期及び(3)溶解性のうちの1つ以上における改善された特性を有する。
より具体的には、本開示には、以下の実施形態が含まれる:
実施形態(1).式(I):
-Tyr-A2-Glu-Gly-Thr-Phe-Ile-Ser-A9-Tyr-Ser-Ile-A13-A14-Asp-A16-A17-A18-Gln-A20-A21-Phe-Val-A24-Trp-Leu-Leu-Ala-Gln-A30-A31-A32-A33-A34-A35-A36-A37-A38-A39-A40-A41-A42-Pによって表されるGIP受容体アゴニストペプチド、またはその薬学的に許容される塩;
(式中、
は、式
-RA1
-CO-RA1
-CO-ORA1
-CO-CORA1
-SO-RA1
-SO-RA1
-SO-ORA1
-CO-NRA2A3
-SO-NRA2A3
-C(=NRA1)-NRA2A3
によって表される基を表し、または
非存在であり、
A1、RA2、及びRA3は、それぞれ独立して、水素原子、場合により置換される炭化水素基、または場合により置換される複素環基を表し;
は、-NHまたは-OHを表し;
A2は、Aib、D-Ala、Ala、Gly、またはProを表し;
A9は、AspまたはLeuを表し;
A13は、Aib、またはAlaを表し;
A14は、Leu、Aib、Ile、またはNleを表し;
A16は、Arg、Ser、またはLysを表し;
A17は、Aib、Ala、またはIleを表し;
A18は、Ala、His、またはLysを表し;
A19は、Gln、またはAlaを表し;
A20は、Aib、Gln、またはAlaを表し;
A21は、Asp、Asn、またはLysを表し;
A24は、Asn、Gln、またはGluを表し;
A30は、Arg、Ser、Gln、またはLysを表し;
A31は、Gly、Pro、または欠失を表し;
A32は、Ser、Lys、Pro、Gly、または欠失を表し;
A33は、Ser、Lys、Gly、または欠失を表し;
A34は、Gly、Asn、または欠失を表し;
A35は、Ala、Asp、Ser、Asn、または欠失を表し;
A36は、Pro、Trp、または欠失を表し;
A37は、Pro、Lys、または欠失を表し;
A38は、Pro、His、または欠失を表し;
A39は、Ser、Asn、または欠失を表し;
A40は、Ile、または欠失を表し;
A41は、Thr、または欠失を表し;
A42は、Gln、または欠失を表す)。
実施形態(2).式(II):
-Tyr-A2-Glu-Gly-Thr-Phe-Ile-Ser-Asp-Tyr-Ser-Ile-A13-A14-Asp-A16-A17-A18-A19-A20-A21-Phe-Val-A24-Trp-Leu-Leu-Ala-A29-A30-A31-A32-A33-A34-A35-A36-A37-A38-A39-A40-A41-A42-Pによって表されるGIP受容体アゴニストペプチド、またはその薬学的に許容される塩(式中、
は、式
-RA1
-CO-RA1
-CO-ORA1
-CO-CORA1
-SO-RA1
-SO-RA1
-SO-ORA1
-CO-NRA2A3
-SO-NRA2A3、または
-C(=NRA1)-NRA2A3
によって表される基を表し、
A1、RA2、及びRA3は、それぞれ独立して、水素原子、場合により置換される炭化水素基、または場合により置換される複素環基を表し;
は、-NHまたは-OHを表し;
A2は、Aib、D-Ala、またはGlyを表し;
A13は、Aib、またはAlaを表し;
A14は、Leu、Aib、Ile、Nle、またはLys(R)を表し;
A16は、Arg、Ser、またはLysを表し;
A17は、Aib、Ala、Ile、またはLys(R)を表し;
A19は、GlnまたはAlaを表し;
A18は、Ala、His、またはLys(R)を表し;
A20は、Aib、Gln、Arg、またはAlaを表し;
A21は、Asp、Asn、またはLys(R)を表し;
A24は、Asn、Gln、またはGluを表し;
A29は、Gln、またはLys(R)を表し
A30は、Arg、Lys、Ser、Gln、またはLys(R)を表し;
A31は、Gly、Pro、または欠失を表し;
A32は、Ser、Lys、Pro、Gly、または欠失を表し;
A33は、Ser、Lys、Gly、または欠失を表し;
A34は、Gly、Asn、または欠失を表し;
A35は、Ala、Asp、Ser、Asn、または欠失を表し;
A36は、Pro、Trp、または欠失を表し;
A37は、Pro、Lys、または欠失を表し;
A38は、Pro、His、または欠失を表し;
A39は、Ser、Asn、または欠失を表し;
A40は、Ile、または欠失を表し;
A41は、Thr、または欠失を表し;
A42は、Gln、または欠失を表し、
前記残基Lys(R)において、前記(R)部分は、X-L-を表し、Lは、リンカーを表し、以下の2OEGgEgE、OEGgEgE、2OEGgE、3OEGgEgE、G5gEgE、2OEGgEgEgE、2OEG及びG5gEgEからなる群から選択され;Xは、脂質を表す)。
実施形態(3).式(IV):
-Tyr-Aib-Glu-Gly-Thr-Phe-Ile-Ser-Asp-Tyr-Ser-Ile-A13-A14-Asp-A16-A17-A18-A19-A20-A21-Phe-Val-A24-Trp-Leu-Leu-Ala-A29-A30-A31-A32-A33-A34-A35-A36-A37-A38-A39-Pによって表されるGIP受容体アゴニストペプチド、またはその薬学的に許容される塩(式中、
は、HまたはC1-6アルキルを表し;
は、-NHまたは-OHを表し;
A13は、Aib、Ala、またはLysを表し;
A14は、Leu、Aib、Lys、またはLys(R)を表し;
A16は、Arg、Ser、またはLysを表し;
A17は、Aib、Ala、Ile、Glu、Lys、またはLys(R)を表し;
A18は、Ala、His、Glu、Lys、またはLys(R)を表し;
A19は、GlnまたはAlaを表し;
A20は、Aib、Ala、Gln、Arg、またはLysを表し;
A21は、Asp、Asn、Lys、またはLys(R)を表し;
A24は、AsnまたはGluを表し;
A29は、Gln、Lys、またはLys(R)を表し;
A30は、Arg、Ser、Gln、Lys、Lys(Ac)、またはLys(R)を表し;
A31は、Gly、Pro、または欠失を表し;
A32は、Ser、Gly、または欠失を表し;
A33は、Ser、Gly、または欠失を表し;
A34は、Glyまたは欠失を表し;
A35は、Ala、Ser、または欠失を表し;
A36は、Proまたは欠失を表し;
A37は、Proまたは欠失を表し;
A38は、Proまたは欠失を表し;
A39は、Serまたは欠失を表し;
前記残基Lys(R)において、前記(R)部分は、X-L-を表し、Lは、リンカーを表し、2OEGgE、2OEGgEgE、G4gE、GGGGG、G5gE、G5gEgE、G6、gEgEgE、OEGgEgE、OEGgEOEGgE、GGPAPAP、及びGGPAPAPgEからなる群から選択され;Xは、C17~C22一酸またはC17~C22二酸を表す)。
実施形態(4).
A17は、Aib、Ala、Ile、Glu、またはLys(R)を表し;
A18は、Ala、His、Glu、またはLys(R)を表し;
A21は、Asp、Asn、またはLys(R)を表し;
A29は、GlnまたはLys(R)を表す、
実施形態(3)に記載のGIP受容体アゴニストペプチドまたはその薬学的に許容される塩。
実施形態(5).リン酸緩衝液においてpH7.4で少なくとも15mg/mLの溶解性を有する、実施形態(4)に記載のGIP受容体アゴニストペプチドまたはその薬学的に許容される塩。
実施形態(6).リン酸緩衝液においてpH7.4で少なくとも30mg/mLの溶解性を有する、実施形態(4)に記載のGIP受容体アゴニストペプチドまたはその薬学的に許容される塩。
実施形態(7).
A13は、AibまたはAlaを表し;
A14は、Leu、Lys、またはLys(R)を表し;
A16は、Argを表し;
A17は、Aib、Lys、またはLys(R)を表し;
A18は、Ala、Lys、またはLys(R)を表し;
A20は、Aibを表し;
A29は、Glnを表し;
A30は、Arg、Ser、またはLysを表し;
A31は、GlyまたはProを表し;
A33は、Serまたは欠失を表し;
A35は、Alaまたは欠失を表し;
Lは、2OEGgE、2OEGgEgE、OEGgEgE、OEGgEOEGgE、G5、GGPAPAP、及びGGPAPAPgEからなる群から選択される、
実施形態(3)に記載のGIP受容体アゴニストペプチドまたはその薬学的に許容される塩。
実施形態(8).
A14は、LeuまたはLys(R)を表し;
A17は、AibまたはLys(R)を表し;
A18は、AlaまたはLys(R)を表し;
A21は、Asp、Asn、またはLys(R)を表す、
実施形態(7)に記載のGIP受容体アゴニストペプチドまたはその薬学的に許容される塩。
実施形態(9).リン酸緩衝液においてpH7.4で少なくとも60mg/mLの溶解性を有する、実施形態(8)に記載のGIP受容体アゴニストペプチドまたはその薬学的に許容される塩。
実施形態(10).A31は、Glyであり、A32~A41は、欠失である;またはA32は、Glyであり、33~A41は、欠失である、
実施形態(1)または(2)に記載のGIP受容体アゴニストペプチドまたはその薬学的に許容される塩。
実施形態(11).Pは、OHである、実施形態(1)~(10)のいずれか1つに記載のGIP受容体アゴニストペプチドまたはその薬学的に許容される塩。
実施形態(12).Lys(R)は、Lys残基であり、前記Lys残基の側鎖は、(R)で置換されている、実施形態(2)~(12)のいずれか1つに記載のGIP受容体アゴニストペプチドまたはその薬学的に許容される塩。
実施形態(13).Lys(R)またはKm(本明細書で互換的に使用される)は、(R)で置換されたLys残基であり、(R)は、X-L-によって表され、Lは、2OEGgE、2OEGgEgE、G4gE、GGGGG、G5gE、G5gEgE、G6、gEgEgE、OEGgEgE、OEGgEOEGgE、GGPAPAP、及びGGPAPAPgEから選択され;Xは、C17~C22二酸である、実施形態(12)に記載のGIP受容体アゴニストペプチドまたはその薬学的に許容される塩。
実施形態(14).Lは、2OEGgEgE、OEGgEgE、2OEGgE、GGGGG、またはG5gEgEであり;Xは、C18二酸である、実施形態(2)~(13)のいずれか1つに記載のGIP受容体アゴニストペプチドまたはその薬学的に許容される塩。
実施形態(15).前記リンカー(L)は、2OEGgEgEまたはGGGGGであり、(R)は、2OEGgEgE-C18二酸であり、または(R)は、GGGGG-C18二酸である、実施形態(14)に記載のGIP受容体アゴニストペプチドまたはその薬学的に許容される塩。
実施形態(16).式(V):
Me-Tyr-Aib-Glu-Gly-Thr-Phe-Ile-Ser-Asp-Tyr-Ser-Ile-A13-A14-Asp-Arg-A17-Ala-Gln-Aib-A21-Phe-Val-Asn-Trp-Leu-Leu-Ala-Gln-A30-A31-A32-A33-A34-A35-A36-A37-A38-A39-Pによって表される、実施形態(2)~(4)のいずれか1つに記載のGIPRアゴニストペプチド、またはその薬学的に許容される塩(式中、
は、-NHまたは-OHを表し;
A13は、AibまたはAlaを表し;
A14は、Leu、Lys、またはLys(R)を表し;
A17は、Aib、Lys、またはLys(R)を表し;
A21は、Asp、Asn、Lys、またはLys(R)を表し;
A30は、Arg、Ser、Lys、またはLys(R)を表し;
A31は、GlyまたはProを表し;
A32は、Ser、Gly、または欠失を表し;
A33は、Serまたは欠失を表し;
A34は、Glyまたは欠失を表し;
A35は、Alaまたは欠失を表し;
A36は、Proまたは欠失を表し;
A37は、Proまたは欠失を表し;
A38は、Proまたは欠失を表し;
A39は、Serまたは欠失を表し、
Lは、2OEGgEgEまたはGGGGGであり;Xは、C18二酸を表す)。
実施形態(17).
A14は、LeuまたはLys(R)を表し;
A17は、AibまたはLys(R)を表し;
A21は、Asp、Asn、またはLys(R)を表し;
A30は、Arg、Ser、Lys、またはLys(R)を表す、
実施形態(16)に記載のGIPRアゴニストペプチドまたはその薬学的に許容される塩。
実施形態(18).前記アミノ酸配列は、P-Y-Aib-E-G-T-F-I-S-D-Y-S-I-A-Km-D-R-Aib-A-Q-Aib-D-F-V-N-W-L-L-A-Q-S-P-G-P(式中、Kmは、Lys-GGGGG-C18二酸である)を含む、実施形態(16)または(17)に記載のGIP受容体アゴニストペプチドまたはその薬学的に許容される塩。
実施形態(19).前記アミノ酸配列は、
Me-Y-Aib-E-G-T-F-I-S-D-Y-S-I-A-Km-D-R-Aib-A-Q-Aib-D-F-V-N-W-L-L-A-Q-S-P-G-OH(式中、Kmは、Lys-GGGGG-C18二酸である)を含む、実施形態(18)に記載のGIPRアゴニストペプチドまたはその薬学的に許容される塩。
実施形態(20).前記アミノ酸配列は、P-Y-Aib-E-G-T-F-I-S-D-Y-S-I-A-Km-D-R-Aib-A-Q-Aib-N-F-V-N-W-L-L-A-Q-S-P-S-S-G-A-P-P-P-S-P(式中、Kmは、Lys-GGGGG-C18二酸である)を含む、実施形態(16)または(17)に記載のGIP受容体アゴニストペプチドまたはその薬学的に許容される塩。
実施形態(21).前記アミノ酸配列は、
Me-Y-Aib-E-G-T-F-I-S-D-Y-S-I-A-Km-D-R-Aib-A-Q-Aib-N-F-V-N-W-L-L-A-Q-S-P-S-S-G-A-P-P-P-S-OH(式中、Kmは、Lys-GGGGG-C18二酸である)を含む、実施形態(20)に記載のGIPRアゴニストペプチドまたはその薬学的に許容される塩。
実施形態(22).前記アミノ酸配列は、P-Y-Aib-E-G-T-F-I-S-D-Y-S-I-A-L-D-R-Km-A-Q-Aib-D-F-V-N-W-L-L-A-Q-S-P-S-S-G-A-P-P-P-S-P(式中、Kmは、Lys-GGGGG-C18二酸である)を含む、実施形態(16)または(17)に記載のGIP受容体アゴニストペプチドまたはその薬学的に許容される塩。
実施形態(23).前記アミノ酸配列は、
Me-Y-Aib-E-G-T-F-I-S-D-Y-S-I-A-L-D-R-Km-A-Q-Aib-D-F-V-N-W-L-L-A-Q-S-P-S-S-G-A-P-P-P-S-NH(式中、Kmは、Lys-GGGGG-C18二酸である)を含む、実施形態(22)に記載のGIPRアゴニストペプチドまたはその薬学的に許容される塩。
実施形態(24).前記アミノ酸配列は、P1-Y-Aib-E-G-T-F-I-S-D-Y-S-I-A-L-D-R-Aib-A-Q-Aib-Km-F-V-N-W-L-L-A-Q-K-G-P2(式中、Kmは、Lys-2OEGgEgE-C18二酸である)を含む、実施形態(16)または(17)に記載のGIP受容体アゴニストペプチドまたはその薬学的に許容される塩。
実施形態(25).前記アミノ酸配列は、
Me-Y-Aib-E-G-T-F-I-S-D-Y-S-I-A-L-D-R-Aib-A-Q-Aib-Km-F-V-N-W-L-L-A-Q-K-G-OH(式中、Kmは、Lys-2OEGgEgE-C18二酸である)を含む、実施形態(24)に記載のGIPRアゴニストペプチドまたはその薬学的に許容される塩。
実施形態(26).前記アミノ酸配列は、P-Y-Aib-E-G-T-F-I-S-D-Y-S-I-Aib-L-D-R-Aib-A-Q-Aib-Km-F-V-N-W-L-L-A-Q-R-G-P(式中、Kmは、Lys-2OEGgEgE-C18二酸である)を含む、実施形態(16)または(17)に記載のGIP受容体アゴニストペプチドまたはその薬学的に許容される塩。
実施形態(27).前記アミノ酸配列は、
Me-Y-Aib-E-G-T-F-I-S-D-Y-S-I-Aib-L-D-R-Aib-A-Q-Aib-Km-F-V-N-W-L-L-A-Q-R-G-OH(式中、Kmは、Lys-2OEGgEgE-C18二酸である)を含む、実施形態(26)に記載のGIPRアゴニストペプチドまたはその薬学的に許容される塩。
実施形態(28).前記アミノ酸配列は、P-Y-Aib-E-G-T-F-I-S-D-Y-S-I-Aib-L-D-R-Aib-A-Q-Aib-N-F-V-N-W-L-L-A-Q-Km-P-S-S-G-A-P-P-P-S-P(式中、Kmは、Lys-2OEGgEgE-C18二酸である)を含む、実施形態(16)または(17)に記載のGIP受容体アゴニストペプチドまたはその薬学的に許容される塩。
実施形態(29).前記アミノ酸配列は、
Me-Y-Aib-E-G-T-F-I-S-D-Y-S-I-Aib-L-D-R-Aib-A-Q-Aib-N-F-V-N-W-L-L-A-Q-Km-P-S-S-G-A-P-P-P-S-NH(式中、Kmは、Lys-2OEGgEgE-C18二酸である)を含む、実施形態(28)に記載のGIPRアゴニストペプチドまたはその薬学的に許容される塩。
実施形態(30).前記アミノ酸配列は、P-Y-Aib-E-G-T-F-I-S-D-Y-S-I-A-L-D-R-Aib-Km-Q-Aib-N-F-V-N-W-L-L-A-Q-S-P-S-S-G-A-P-P-P-S-P(式中、Kmは、Lys-2OEGgEgE-C18二酸である)を含む、実施形態(16)または(17)に記載のGIP受容体アゴニストペプチドまたはその薬学的に許容される塩。
実施形態(31).前記アミノ酸配列は、P-Y-Aib-E-G-T-F-I-S-D-Y-S-I-Aib-Km-D-R-Aib-A-Q-Aib-D-F-V-N-W-L-L-A-Q-R-G-P(式中、Kmは、Lys-GGGGG-C18二酸である)を含む、実施形態(16)または(17)に記載のGIP受容体アゴニストペプチドまたはその薬学的に許容される塩。
実施形態(32).Pは、メチル-(Me)であり、Pは、-OHまたはNHである、実施形態(1)~(31)のいずれか1つに記載のGIP受容体アゴニストペプチドまたはその薬学的に許容される塩。
実施形態(33).前記GIP受容体アゴニストペプチドは、10超、または100超、または1,000超、または100,000超の(GLP1R EC50/GIPR EC50)の比として表される選択性比を有する、実施形態(1)~(32)のいずれか1つに記載のGIP受容体アゴニストペプチドまたはその薬学的に許容される塩。
実施形態(34).実施形態(1)~(33)のいずれか1つに記載のGIP受容体アゴニストペプチド、またはその薬学的に許容される塩を含む医薬。
実施形態(35).実施形態(1)~(33)のいずれか1つに記載のGIP受容体アゴニストペプチド、またはその薬学的に許容される塩を含む薬学的組成物。
実施形態(36).単独療法としてまたは補助療法として嘔吐症を処置するために1週に1回(QW)投与される、実施形態(1)~(33)のいずれか1つに記載のGIP受容体アゴニストペプチドもしくはその薬学的に許容される塩、または実施形態(34)に記載の医薬、または実施形態(35)に記載の薬学的組成物。
実施形態(37).嘔吐または悪心のための抑制剤の製造のための、実施形態(1)~(33)のいずれか1つに記載のGIP受容体アゴニストペプチド、もしくはその塩、または実施形態(34)に記載の医薬、または実施形態(35)に記載の薬学的組成物の使用。
実施形態(38).嘔吐または悪心を抑制する際に使用するための、実施形態(1)~(33)のいずれか1つに記載のペプチド、もしくはその塩、または実施形態(34)に記載の医薬、または実施形態(35)に記載の薬学的組成物。
実施形態(39).対象における嘔吐症を予防または処置するための方法であって、有効量の実施形態(1)~(33)のいずれか1つに記載のペプチド、もしくはその塩、または実施形態(34)に記載の医薬、または実施形態(35)に記載の薬学的組成物を前記対象に投与することを含む、前記方法。
実施形態(40).前記嘔吐症、嘔吐または前記悪心は、以下の(1)~(10)から選択される1つ以上の状態または原因によって引き起こされる、実施形態(34)に記載の医薬、実施形態(37)に記載の使用、実施形態(38)に記載のペプチド、医薬、もしくは薬学的組成物、実施形態(39)に記載の方法:
(1)嘔吐または悪心を伴う疾患、例えば、胃不全まひ、胃腸運動低下、腹膜炎、腹部腫瘍、便秘、胃腸閉塞、慢性偽腸閉塞症、機能性ディスペプシア、周期性嘔吐症候群、化学療法誘発悪心及び嘔吐(CINV)、胃不全まひに関連する悪心及び/または嘔吐、慢性原因不明悪心及び嘔吐、急性膵炎、慢性膵炎、肝炎、高カリウム血症、脳浮腫、頭蓋内病変、代謝障害、感染症によって引き起こされる胃炎、術後疾患、心筋梗塞、片頭痛、頭蓋内圧亢進症、及び脳圧低下症(例えば、高山病);
(2)化学療法薬、例えば、(i)アルキル化剤(例えば、シクロホスファミド、カルムスチン、ロムスチン、クロラムブシル、ストレプトゾシン、ダカルバジン、イホスファミド、テモゾロミド、ブスルファン、ベンダムスチン、及びメルファラン)、細胞傷害性抗生物質(例えば、ダクチノマイシン、ドキソルビシン、マイトマイシン-C、ブレオマイシン、エピルビシン、アクチノマイシンD、アムルビシン、イダルビシン、ダウノルビシン、及びピラルビシン)、代謝拮抗剤(例えば、シタラビン、メトトレキサート、5-フルオロウラシル、エノシタビン、及びクロファラビン)、ビンカアルカロイド(例えば、エトポシド、ビンブラスチン、及びビンクリスチン)、他の化学療法剤、例えば、シスプラチン、プロカルバジン、ヒドロキシ尿素、アザシチジン、イリノテカン、インターフェロンα、インターロイキン-2、オキサリプラチン、カルボプラチン、ネダプラチン、及びミリプラチンなど、(ii)オピオイド鎮痛薬(例えば、モルヒネ)、(iii)ドーパミン受容体D1D2アゴニスト(例えば、アポモルヒネ)、(iv)大麻悪阻症候群を含む大麻及びカンナビノイド製品などによって誘発される嘔吐及び/または悪心;
(3)放射線宿酔またはがんの処置に使用される胸部、腹部などへの放射線療法によって引き起こされる嘔吐または悪心;
(4)有毒物質または毒素によって引き起こされる嘔吐または悪心;
(5)妊娠悪阻を含む妊娠によって引き起こされる嘔吐及び悪心;ならびに
(6)前庭障害、例えば、乗り物酔いまたはめまいなどによって引き起こされる嘔吐及び悪心
(7)オピオイド離脱;
(8)慢性原因不明悪心及び嘔吐によって引き起こされる嘔吐及び悪心;
(9)前庭障害、例えば、乗り物酔いまたはめまいなど;ならびに
(10)局所的、全身的、急性または慢性疼痛を引き起こす身体的損傷。
実施形態(41).嘔吐症は、メタボリックシンドローム障害を制御するための医薬を服用していない対象において処置される、実施形態(39)に記載の方法。
実施形態(42).前記ペプチドは、GIP受容体を選択的に活性化し、インビボで制吐作用を実証し、前記制吐作用は、前記ペプチドをそれを必要とする対象に1週に1回、または5~7日に1回、または1ヶ月に4~6回投薬することによって達成される、実施形態(1)~(33)のいずれか1つに記載のGIP受容体アゴニストペプチドまたはその塩。
本開示は、本明細書に記載される特定の方法論、プロトコール、及び試薬などに限定されず、したがって変化し得ると理解すべきである。本明細書で使用される専門用語は、特定の実施形態について記載することのみを目的とし、本開示の範囲を限定することを意図するものではなく、それは特許請求の範囲によってのみ定義される。本開示の他の特徴及び利点は、以下の発明を実施するための形態、図面、及び特許請求の範囲から明らかとなる。
式(I)~(V)のいずれか1つによって表される本開示の例示的なGIP受容体アゴニストペプチド。 式(I)~(V)のいずれか1つによって表される本開示の例示的なGIP受容体アゴニストペプチド。 式(I)~(V)のいずれか1つによって表される本開示の例示的なGIP受容体アゴニストペプチド。 式(I)~(V)のいずれか1つによって表される本開示の例示的なGIP受容体アゴニストペプチド。 式(I)~(V)のいずれか1つによって表される本開示の例示的なGIP受容体アゴニストペプチド。 式(I)~(V)のいずれか1つによって表される本開示の例示的なGIP受容体アゴニストペプチド。 式(I)~(V)のいずれか1つによって表される本開示の例示的なGIP受容体アゴニストペプチド。 式(I)~(V)のいずれか1つによって表される本開示の例示的なGIP受容体アゴニストペプチド。 式(I)~(V)のいずれか1つによって表される本開示の例示的なGIP受容体アゴニストペプチド。
本明細書で使用される各置換基の定義は、以下で詳細に記載される。別段特定されない限り、各置換基は、以下の定義を有する。
本明細書では、「ハロゲン原子」の例としては、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素が挙げられる。
本明細書では、「C1-6アルキル基」の例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、1-エチルプロピル、ヘキシル、イソヘキシル、1,1-ジメチルブチル、2,2-ジメチルブチル、3,3-ジメチルブチル及び2-エチルブチルが挙げられる。
本明細書では、「場合によりハロゲン化されるC1-6アルキル基」の例としては、場合により1~7個、または1~5個のハロゲン原子を有するC1-6アルキル基が挙げられる。その具体的な例としては、メチル、クロロメチル、ジフルオロメチル、トリクロロメチル、トリフルオロメチル、エチル、2-ブロモエチル、2,2,2-トリフルオロエチル、テトラフルオロエチル、ペンタフルオロエチル、プロピル、2,2-ジフルオロプロピル、3,3,3-トリフルオロプロピル、イソプロピル、ブチル、4,4,4-トリフルオロブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、5,5,5-トリフルオロペンチル、ヘキシル及び6,6,6-トリフルオロヘキシルが挙げられる。
本明細書では、「C2-6アルケニル基」の例としては、エテニル、1-プロペニル、2-プロペニル、2-メチル-1-プロペニル、1-ブテニル、2-ブテニル、3-ブテニル、3-メチル-2-ブテニル、1-ペンテニル、2-ペンテニル、3-ペンテニル、4-ペンテニル、4-メチル-3-ペンテニル、1-ヘキセニル、3-ヘキセニル及び5-ヘキセニルが挙げられる。
本明細書では、「C2-6アルキニル基」の例としては、エチニル、1-プロピニル、2-プロピニル、1-ブチニル、2-ブチニル、3-ブチニル、1-ペンチニル、2-ペンチニル、3-ペンチニル、4-ペンチニル、1-ヘキシニル、2-ヘキシニル、3-ヘキシニル、4-ヘキシニル、5-ヘキシニル及び4-メチル-2-ペンチニルが挙げられる。
本明細書では、「C3-10シクロアルキル基」の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、ビシクロ[3.2.1]オクチル及びアダマンチルが挙げられる。
本明細書では、「場合によりハロゲン化されるC3-10シクロアルキル基」の例としては、1~7、または1~5個のハロゲン原子を場合により有するC3-10シクロアルキル基が挙げられる。その具体的な例としては、シクロプロピル、2,2-ジフルオロシクロプロピル、2,3-ジフルオロシクロプロピル、シクロブチル、ジフルオロシクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル及びシクロオクチルが挙げられる。
本明細書では、「C3-10シクロアルケニル基」の例としては、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル及びシクロオクテニルが挙げられる。
本明細書では、「C6-14アリール基」の例としては、フェニル、1-ナフチル、2-ナフチル、1-アントリル、2-アントリル及び9-アントリルが挙げられる。
本明細書では、「C7-16アラルキル基」の例としては、ベンジル、フェネチル、ナフチルメチル及びフェニルプロピルが挙げられる。
本明細書では、「C1-6アルコキシ基」の例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ、ペンチルオキシ及びヘキシルオキシが挙げられる。
本明細書では、「場合によりハロゲン化されるC1-6アルコキシ基」の例としては、1~7、または1~5個のハロゲン原子を場合により有するC1-6アルコキシ基が挙げられる。その具体的な例としては、メトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、エトキシ、2,2,2-トリフルオロエトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、4,4,4-トリフルオロブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、ペンチルオキシ及びヘキシルオキシが挙げられる。
本明細書では、「C3-10シクロアルキルオキシ基」の例としては、シクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ、シクロヘプチルオキシ及びシクロオクチルオキシが挙げられる。
本明細書では、「C1-6アルキルチオ基」の例としては、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、sec-ブチルチオ、tert-ブチルチオ、ペンチルチオ及びヘキシルチオが挙げられる。
本明細書では、「場合によりハロゲン化されるC1-6アルキルチオ基」の例としては、1~7、または1~5個のハロゲン原子を場合により有するC1-6アルキルチオ基が挙げられる。その具体的な例としては、メチルチオ、ジフルオロメチルチオ、トリフルオロメチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、4,4,4-トリフルオロブチルチオ、ペンチルチオ及びヘキシルチオが挙げられる。
本明細書では、「C1-6アルキル-カルボニル基」の例としては、アセチル、プロパノイル、ブタノイル、2-メチルプロパノイル、ペンタノイル、3-メチルブタノイル、2-メチルブタノイル、2,2-ジメチルプロパノイル、ヘキサノイル及びヘプタノイルが挙げられる。
本明細書では、「場合によりハロゲン化されるC1-6アルキル-カルボニル基」の例としては、1~7、または1~5個のハロゲン原子を場合により有するC1-6アルキル-カルボニル基が挙げられる。その具体的な例としては、アセチル、クロロアセチル、トリフルオロアセチル、トリクロロアセチル、プロパノイル、ブタノイル、ペンタノイル及びヘキサノイルが挙げられる。
本明細書では、「C1-6アルコキシ-カルボニル基」の例としては、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、sec-ブトキシカルボニル、tert-ブトキシカルボニル、ペンチルオキシカルボニル及びヘキシルオキシカルボニルが挙げられる。
本明細書では、「C6-14アリール-カルボニル基」の例としては、ベンゾイル、1-ナフトイル及び2-ナフトイルが挙げられる。
本明細書では、「C7-16アラルキル-カルボニル基」の例としては、フェニルアセチル及びフェニルプロピオニルが挙げられる。
本明細書では、「5~14員芳香族ヘテロシクリルカルボニル基」の例としては、ニコチノイル、イソニコチノイル、テノイル及びフロイルが挙げられる。
本明細書では、「3~14員非芳香族ヘテロシクリルカルボニル基」の例としては、モルホリニルカルボニル、ピペリジニルカルボニル及びピロリジニルカルボニルが挙げられる。
本明細書では、「モノ-またはジ-C1-6アルキル-カルバモイル基」の例としては、メチルカルバモイル、エチルカルバモイル、ジメチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル及びN-エチル-N-メチルカルバモイルが挙げられる。
本明細書では、「モノ-またはジ-C7-16アラルキル-カルバモイル基」の例としては、ベンジルカルバモイル及びフェネチルカルバモイルが挙げられる。
本明細書では、「C1-6アルキルスルホニル基」の例としては、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、イソプロピルスルホニル、ブチルスルホニル、sec-ブチルスルホニル及びtert-ブチルスルホニルが挙げられる。
本明細書では、「場合によりハロゲン化されるC1-6アルキルスルホニル基」の例としては、1~7、または1~5個のハロゲン原子を場合により有するC1-6アルキルスルホニル基が挙げられる。その具体的な例としては、メチルスルホニル、ジフルオロメチルスルホニル、トリフルオロメチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、イソプロピルスルホニル、ブチルスルホニル、4,4,4-トリフルオロブチルスルホニル、ペンチルスルホニル及びヘキシルスルホニルが挙げられる。
本明細書では、「C6-14アリールスルホニル基」の例としては、フェニルスルホニル、1-ナフチルスルホニル及び2-ナフチルスルホニルが挙げられる。
本明細書では、「置換基」の例としては、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、場合により置換される炭化水素基、場合により置換される複素環基、アシル基、場合により置換されるアミノ基、場合により置換されるカルバモイル基、場合により置換されるチオカルバモイル基、場合により置換されるスルファモイル基、場合により置換されるヒドロキシ基、場合により置換されるスルファニル(SH)基及び場合により置換されるシリル基が挙げられる。
本明細書では、「炭化水素基」(「場合により置換される炭化水素基」の「炭化水素基」を含む)の例としては、C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、C2-6アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルケニル基、C6-14アリール基及びC7-16アラルキル基が挙げられる。
本明細書では、「場合により置換される炭化水素基」の例としては、以下の置換基Aから選択される置換基(複数可)を場合により有する炭化水素基が挙げられる。
[置換基A]
(1)ハロゲン原子、
(2)ニトロ基、
(3)シアノ基、
(4)オキソ基、
(5)ヒドロキシ基、
(6)場合によりハロゲン化されるC1-6アルコキシ基、
(7)C6-14アリールオキシ基(例えば、フェノキシ、ナフトキシ)、
(8)C7-16アラルキルオキシ基(例えば、ベンジルオキシ)、
(9)5~14員芳香族ヘテロシクリルオキシ基(例えば、ピリジルオキシ)、
(10)3~14員非芳香族ヘテロシクリルオキシ基(例えば、モルホリニルオキシ、ピペリジニルオキシ)、
(11)C1-6アルキル-カルボニルオキシ基(例えば、アセトキシ、プロパノイルオキシ)、
(12)C6-14アリール-カルボニルオキシ基(例えば、ベンゾイルオキシ、1-ナフトイルオキシ、2-ナフトイルオキシ)、
(13)C1-6アルコキシ-カルボニルオキシ基(例えば、メトキシカルボニルオキシ、エトキシカルボニルオキシ、プロポキシカルボニルオキシ、ブトキシカルボニルオキシ)、
(14)モノ-またはジ-C1-6アルキル-カルバモイルオキシ基(例えば、メチルカルバモイルオキシ、エチルカルバモイルオキシ、ジメチルカルバモイルオキシ、ジエチルカルバモイルオキシ)、
(15)C6-14アリール-カルバモイルオキシ基(例えば、フェニルカルバモイルオキシ、ナフチルカルバモイルオキシ)、
(16)5~14員芳香族ヘテロシクリルカルボニルオキシ基(例えば、ニコチノイルオキシ)、
(17)3~14員非芳香族ヘテロシクリルカルボニルオキシ基(例えば、モルホリニルカルボニルオキシ、ピペリジニルカルボニルオキシ)、
(18)場合によりハロゲン化されるC1-6アルキルスルホニルオキシ基(例えば、メチルスルホニルオキシ、トリフルオロメチルスルホニルオキシ)、
(19)C1-6アルキル基によって場合により置換されるC6-14アリールスルホニルオキシ基(例えば、フェニルスルホニルオキシ、トルエンスルホニルオキシ)、
(20)場合によりハロゲン化されるC1-6アルキルチオ基、
(21)5~14員芳香族複素環基、
(22)3~14員非芳香族複素環基、
(23)ホルミル基、
(24)カルボキシ基、
(25)場合によりハロゲン化されるC1-6アルキル-カルボニル基、
(26)C6-14アリール-カルボニル基、
(27)5~14員芳香族ヘテロシクリルカルボニル基、
(28)3~14員非芳香族ヘテロシクリルカルボニル基、
(29)C1-6アルコキシ-カルボニル基、
(30)C6-14アリールオキシ-カルボニル基(例えば、フェニルオキシカルボニル、1-ナフチルオキシカルボニル、2-ナフチルオキシカルボニル)、
(31)C7-16アラルキルオキシ-カルボニル基(例えば、ベンジルオキシカルボニル、フェネチルオキシカルボニル)、
(32)カルバモイル基、
(33)チオカルバモイル基、
(34)モノ-またはジ-C1-6アルキル-カルバモイル基、
(35)C6-14アリール-カルバモイル基(例えば、フェニルカルバモイル)、
(36)5~14員芳香族ヘテロシクリルカルバモイル基(例えば、ピリジルカルバモイル、チエニルカルバモイル)、
(37)3~14員非芳香族ヘテロシクリルカルバモイル基(例えば、モルホリニルカルバモイル、ピペリジニルカルバモイル)、
(38)場合によりハロゲン化されるC1-6アルキルスルホニル基、
(39)C6-14アリールスルホニル基、
(40)5~14員芳香族ヘテロシクリルスルホニル基(例えば、ピリジルスルホニル、チエニルスルホニル)、
(41)場合によりハロゲン化されるC1-6アルキルスルフィニル基、
(42)C6-14アリールスルフィニル基(例えば、フェニルスルフィニル、1-ナフチルスルフィニル、2-ナフチルスルフィニル)、
(43)5~14員芳香族ヘテロシクリルスルフィニル基(例えば、ピリジルスルフィニル、チエニルスルフィニル)、
(44)アミノ基、
(45)モノ-またはジ-C1-6アルキルアミノ基(例えば、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、ブチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジブチルアミノ、N-エチル-N-メチルアミノ)、
(46)モノ-またはジ-C6-14アリールアミノ基(例えば、フェニルアミノ)、
(47)5~14員芳香族ヘテロシクリルアミノ基(例えば、ピリジルアミノ)、
(48)C7-16アラルキルアミノ基(例えば、ベンジルアミノ)、
(49)ホルミルアミノ基、
(50)C1-6アルキル-カルボニルアミノ基(例えば、アセチルアミノ、プロパノイルアミノ、ブタノイルアミノ)、
(51)(C1-6アルキル)(C1-6アルキル-カルボニル)アミノ基(例えば、N-アセチル-N-メチルアミノ)、
(52)C6-14アリール-カルボニルアミノ基(例えば、フェニルカルボニルアミノ、ナフチルカルボニルアミノ)、
(53)C1-6アルコキシ-カルボニルアミノ基(例えば、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、プロポキシカルボニルアミノ、ブトキシカルボニルアミノ、tert-ブトキシカルボニルアミノ)、
(54)C7-16アラルキルオキシ-カルボニルアミノ基(例えば、ベンジルオキシカルボニルアミノ)、
(55)C1-6アルキルスルホニルアミノ基(例えば、メチルスルホニルアミノ、エチルスルホニルアミノ)、
(56)C1-6アルキル基によって場合により置換されるC6-14アリールスルホニルアミノ基(例えば、フェニルスルホニルアミノ、トルエンスルホニルアミノ)、
(57)場合によりハロゲン化されるC1-6アルキル基、
(58)C2-6アルケニル基、
(59)C2-6アルキニル基、
(60)C3-10シクロアルキル基、
(61)C3-10シクロアルケニル基及び
(62)C6-14アリール基。
「場合により置換される炭化水素基」における上述した置換基の数は、例えば、1~5個、または1~3個である。置換基の数が2個以上である場合、各々の置換基は同じまたは異なる場合がある。
本明細書では、「複素環基」(「場合により置換される複素環基」の「複素環基」を含む)の例としては、(i)芳香族複素環基、(ii)非芳香族複素環基及び(iii)7~10員架橋複素環基が挙げられ、各々が炭素原子以外の環構成原子として、窒素原子、硫黄原子及び酸素原子から選択される1~4個のヘテロ原子を含有する。
本明細書では、「芳香族複素環基」(「5~14員芳香族複素環基」を含む)の例としては、炭素原子以外の環構成原子として、窒素原子、硫黄原子及び酸素原子から選択される1~4個のヘテロ原子を含有する、5~14員(例えば、5~10員)芳香族複素環基が挙げられる。
「芳香族複素環基」の例としては、5員または6員単環式芳香族複素環基、例えば、チエニル、フリル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、1,2,4-オキサジアゾリル、1,3,4-オキサジアゾリル、1,2,4-チアジアゾリル、1,3,4-チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、トリアジニルなど、及び8~14員縮合多環式(例えば、二または三環式)芳香族複素環基、例えば、ベンゾチオフェニル、ベンゾフラニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾトリアゾリル、イミダゾピリジニル、チエノピリジニル、フロピリジニル、ピロロピリジニル、ピラゾロピリジニル、オキサゾロピリジニル、チアゾロピリジニル、イミダゾピラジニル、イミダゾピリミジニル、チエノピリミジニル、フロピリミジニル、ピロロピリミジニル、ピラゾロピリミジニル、オキサゾロピリミジニル、チアゾロピリミジニル、ピラゾロトリアジニル、ナフト[2,3-b]チエニル、フェノキサチイニル、インドリル、イソインドリル、1H-インダゾリル、プリニル、イソキノリル、キノリル、フタラジニル、ナフチリジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、シンノリニル、カルバゾリル、β-カルボリニル、フェナントリジニル、アクリジニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニルなどが挙げられる。
本明細書では、「非芳香族複素環基」(「3~14員非芳香族複素環基」を含む)の例としては、炭素原子以外の環構成原子として、窒素原子、硫黄原子及び酸素原子から選択される1~4個のヘテロ原子を含有する、3~14員(例えば、4~10員)非芳香族複素環基が挙げられる。
「非芳香族複素環基」の例としては、3~8員単環式非芳香族複素環基、例えば、アジリジニル、オキシラニル、チイラニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、テトラヒドロチエニル、テトラヒドロフラニル、ピロリニル、ピロリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、オキサゾリニル、オキサゾリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、チアゾリニル、チアゾリジニル、テトラヒドロイソチアゾリル、テトラヒドロオキサゾリル、テトラヒドロイソオキサゾリル、ピペリジニル、ピペラジニル、テトラヒドロピリジニル、ジヒドロピリジニル、ジヒドロチオピラニル、テトラヒドロピリミジニル、テトラヒドロピリダジニル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、モルホリニル、チオモルホリニル、アゼパニル、ジアゼパニル、アゼピニル、オキセパニル、アゾカニル、ジアゾカニルなど、及び9~14員縮合多環式(例えば、二または三環式)非芳香族複素環基、例えば、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロベンゾイミダゾリル、ジヒドロベンゾオキサゾリル、ジヒドロベンゾチアゾリル、ジヒドロベンゾイソチアゾリル、ジヒドロナフト[2,3-b]チエニル、テトラヒドロイソキノリル、テトラヒドロキノリル、4H-キノリジニル、インドリニル、イソインドリニル、テトラヒドロチエノ[2,3-c]ピリジニル、テトラヒドロベンゾアゼピニル、テトラヒドロキノキサリニル、テトラヒドロフェナントリジニル、ヘキサヒドロフェノチアジニル、ヘキサヒドロフェノキサジニル、テトラヒドロフタラジニル、テトラヒドロナフチリジニル、テトラヒドロキナゾリニル、テトラヒドロシンノリニル、テトラヒドロカルバゾリル、テトラヒドロ-β-カルボリニル、テトラヒドロアクリジニル、テトラヒドロフェナジニル、テトラヒドロチオキサンテニル、オクタヒドロイソキノリルなどが挙げられる。
本明細書では、「7~10員架橋複素環基」の例としては、キヌクリジニル及び7-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタニルが挙げられる。
本明細書では、「含窒素複素環基」の例としては、少なくとも1つの窒素原子を環構成原子として含有する「複素環基」が挙げられる。
本明細書では、「場合により置換される複素環基」の例としては、上述した置換基Aから選択される置換基(複数可)を場合により有する複素環基が挙げられる。
「場合により置換される複素環基」における置換基の数は、例えば、1~3個である。置換基の数が2個以上である場合、各々の置換基は同じまたは異なる場合がある。
本明細書では、「アシル基」の例としては、ホルミル基、カルボキシ基、カルバモイル基、チオカルバモイル基、スルフィノ基、スルホ基、スルファモイル基及びホスホノ基が挙げられ、各々が場合により有するのは、「C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルケニル基、C6-14アリール基、C7-16アラルキル基、5~14員芳香族複素環基及び3~14員非芳香族複素環基から選択される1個または2個の置換基であり、その各々はハロゲン原子、場合によりハロゲン化されるC1-6アルコキシ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基及びカルバモイル基から選択される1~3個の置換基を場合により有する」。
「アシル基」(「Ac」とも称される)の例としてはまた、炭化水素-スルホニル基、ヘテロシクリルスルホニル基、炭化水素-スルフィニル基及びヘテロシクリルスルフィニル基も挙げられる。
いくつかの実施形態では、炭化水素-スルホニル基とは、炭化水素基結合スルホニル基を意味し、ヘテロシクリルスルホニル基とは、複素環基結合スルホニル基を意味し、炭化水素-スルフィニル基とは、炭化水素基結合スルフィニル基を意味し、ヘテロシクリルスルフィニル基とは、複素環基結合スルフィニル基を意味する。
「アシル基」の例としては、ホルミル基、カルボキシ基、C1-6アルキル-カルボニル基、C2-6アルケニル-カルボニル基(例えば、クロトノイル)、C3-10シクロアルキル-カルボニル基(例えば、シクロブタンカルボニル、シクロペンタンカルボニル、シクロヘキサンカルボニル、シクロヘプタンカルボニル)、C3-10シクロアルケニル-カルボニル基(例えば、2-シクロヘキセンカルボニル)、C6-14アリール-カルボニル基、C7-16アラルキル-カルボニル基、5~14員芳香族ヘテロシクリルカルボニル基、3~14員非芳香族ヘテロシクリルカルボニル基、C1-6アルコキシ-カルボニル基、C6-14アリールオキシ-カルボニル基(例えば、フェニルオキシカルボニル、ナフチルオキシカルボニル)、C7-16アラルキルオキシ-カルボニル基(例えば、ベンジルオキシカルボニル、フェネチルオキシカルボニル)、カルバモイル基、モノ-またはジ-C1-6アルキル-カルバモイル基、モノ-またはジ-C2-6アルケニル-カルバモイル基(例えば、ジアリルカルバモイル)、モノ-またはジ-C3-10シクロアルキル-カルバモイル基(例えば、シクロプロピルカルバモイル)、モノ-またはジ-C6-14アリール-カルバモイル基(例えば、フェニルカルバモイル)、モノ-またはジ-C7-16アラルキル-カルバモイル基、5~14員芳香族ヘテロシクリルカルバモイル基(例えば、ピリジルカルバモイル)、チオカルバモイル基、モノ-またはジ-C1-6アルキル-チオカルバモイル基(例えば、メチルチオカルバモイル、N-エチル-N-メチルチオカルバモイル)、モノ-またはジ-C2-6アルケニル-チオカルバモイル基(例えば、ジアリルチオカルバモイル)、モノ-またはジ-C3-10シクロアルキル-チオカルバモイル基(例えば、シクロプロピルチオカルバモイル、シクロヘキシルチオカルバモイル)、モノ-またはジ-C6-14アリール-チオカルバモイル基(例えば、フェニルチオカルバモイル)、モノ-またはジ-C7-16アラルキル-チオカルバモイル基(例えば、ベンジルチオカルバモイル、フェネチルチオカルバモイル)、5~14員芳香族ヘテロシクリルチオカルバモイル基(例えば、ピリジルチオカルバモイル)、スルフィノ基、C1-6アルキルスルフィニル基(例えば、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル)、スルホ基、C1-6アルキルスルホニル基、C6-14アリールスルホニル基、ホスホノ基及びモノ-またはジ-C1-6アルキルホスホノ基(例えば、ジメチルホスホノ、ジエチルホスホノ、ジイソプロピルホスホノ、ジブチルホスホノ)が挙げられる。
本明細書では、「場合により置換されるアミノ基」の例としては、「C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、C3-10シクロアルキル基、C6-14アリール基、C7-16アラルキル基、C1-6アルキル-カルボニル基、C6-14アリール-カルボニル基、C7-16アラルキル-カルボニル基、5~14員芳香族ヘテロシクリルカルボニル基、3~14員非芳香族ヘテロシクリルカルボニル基、C1-6アルコキシ-カルボニル基、5~14員芳香族複素環基、カルバモイル基、モノ-またはジ-C1-6アルキル-カルバモイル基、モノ-またはジ-C7-16アラルキル-カルバモイル基、C1-6アルキルスルホニル基及びC6-14アリールスルホニル基から選択される1個または2個の置換基であって、その各々が置換基Aから選択される1~3個の置換基を場合により有するもの」を場合により有するアミノ基が挙げられる。
場合により置換されるアミノ基の例としては、アミノ基、モノ-またはジ-(場合によりハロゲン化されるC1-6アルキル)アミノ基(例えば、メチルアミノ、トリフルオロメチルアミノ、ジメチルアミノ、エチルアミノ、ジエチルアミノ、プロピルアミノ、ジブチルアミノ)、モノ-またはジ-C2-6アルケニルアミノ基(例えば、ジアリルアミノ)、モノ-またはジ-C3-10シクロアルキルアミノ基(例えば、シクロプロピルアミノ、シクロヘキシルアミノ)、モノ-またはジ-C6-14アリールアミノ基(例えば、フェニルアミノ)、モノ-またはジ-C7-16アラルキルアミノ基(例えば、ベンジルアミノ、ジベンジルアミノ)、モノ-またはジ-(場合によりハロゲン化されるC1-6アルキル)-カルボニルアミノ基(例えば、アセチルアミノ、プロピオニルアミノ)、モノ-またはジ-C6-14アリール-カルボニルアミノ基(例えば、ベンゾイルアミノ)、モノ-またはジ-C7-16アラルキル-カルボニルアミノ基(例えば、ベンジルカルボニルアミノ)、モノ-またはジ-5~14員芳香族ヘテロシクリルカルボニルアミノ基(例えば、ニコチノイルアミノ、イソニコチノイルアミノ)、モノ-またはジ-3~14員非芳香族ヘテロシクリルカルボニルアミノ基(例えば、ピペリジニルカルボニルアミノ)、モノ-またはジ-C1-6アルコキシ-カルボニルアミノ基(例えば、tert-ブトキシカルボニルアミノ)、5~14員芳香族ヘテロシクリルアミノ基(例えば、ピリジルアミノ)、カルバモイルアミノ基、(モノ-またはジ-C1-6アルキル-カルバモイル)アミノ基(例えば、メチルカルバモイルアミノ)、(モノ-またはジ-C7-16アラルキル-カルバモイル)アミノ基(例えば、ベンジルカルバモイルアミノ)、C1-6アルキルスルホニルアミノ基(例えば、メチルスルホニルアミノ、エチルスルホニルアミノ)、C6-14アリールスルホニルアミノ基(例えば、フェニルスルホニルアミノ)、(C1-6アルキル)(C1-6アルキル-カルボニル)アミノ基(例えば、N-アセチル-N-メチルアミノ)及び(C1-6アルキル)(C6-14アリール-カルボニル)アミノ基(例えば、N-ベンゾイル-N-メチルアミノ)が挙げられる。
本明細書では、「場合により置換されるカルバモイル基」の例としては、「C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、C3-10シクロアルキル基、C6-14アリール基、C7-16アラルキル基、C1-6アルキル-カルボニル基、C6-14アリール-カルボニル基、C7-16アラルキル-カルボニル基、5~14員芳香族ヘテロシクリルカルボニル基、3~14員非芳香族ヘテロシクリルカルボニル基、C1-6アルコキシ-カルボニル基、5~14員芳香族複素環基、カルバモイル基、モノ-またはジ-C1-6アルキル-カルバモイル基及びモノ-またはジ-C7-16アラルキル-カルバモイル基から選択される1個または2個の置換基であって、その各々が置換基Aから選択される1~3個の置換基を場合により有するもの」を場合により有するカルバモイル基が挙げられる。
場合により置換されるカルバモイル基の例としては、カルバモイル基、モノ-またはジ-C1-6アルキル-カルバモイル基、モノ-またはジ-C2-6アルケニル-カルバモイル基(例えば、ジアリルカルバモイル)、モノ-またはジ-C3-10シクロアルキル-カルバモイル基(例えば、シクロプロピルカルバモイル、シクロヘキシルカルバモイル)、モノ-またはジ-C6-14アリール-カルバモイル基(例えば、フェニルカルバモイル)、モノ-またはジ-C7-16アラルキル-カルバモイル基、モノ-またはジ-C1-6アルキル-カルボニル-カルバモイル基(例えば、アセチルカルバモイル、プロピオニルカルバモイル)、モノ-またはジ-C6-14アリール-カルボニル-カルバモイル基(例えば、ベンゾイルカルバモイル)及び5~14員芳香族ヘテロシクリルカルバモイル基(例えば、ピリジルカルバモイル)が挙げられる。
本明細書では、「場合により置換されるチオカルバモイル基」の例としては、「C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、C3-10シクロアルキル基、C6-14アリール基、C7-16アラルキル基、C1-6アルキル-カルボニル基、C6-14アリール-カルボニル基、C7-16アラルキル-カルボニル基、5~14員芳香族ヘテロシクリルカルボニル基、3~14員非芳香族ヘテロシクリルカルボニル基、C1-6アルコキシ-カルボニル基、5~14員芳香族複素環基、カルバモイル基、モノ-またはジ-C1-6アルキル-カルバモイル基及びモノ-またはジ-C7-16アラルキル-カルバモイル基から選択される1個または2個の置換基であって、その各々が置換基Aから選択される1~3個の置換基を場合により有するもの」を場合により有するチオカルバモイル基が挙げられる。
場合により置換されるチオカルバモイル基の例としては、チオカルバモイル基、モノ-またはジ-C1-6アルキル-チオカルバモイル基(例えば、メチルチオカルバモイル、エチルチオカルバモイル、ジメチルチオカルバモイル、ジエチルチオカルバモイル、N-エチル-N-メチルチオカルバモイル)、モノ-またはジ-C2-6アルケニル-チオカルバモイル基(例えば、ジアリルチオカルバモイル)、モノ-またはジ-C3-10シクロアルキル-チオカルバモイル基(例えば、シクロプロピルチオカルバモイル、シクロヘキシルチオカルバモイル)、モノ-またはジ-C6-14アリール-チオカルバモイル基(例えば、フェニルチオカルバモイル)、モノ-またはジ-C7-16アラルキル-チオカルバモイル基(例えば、ベンジルチオカルバモイル、フェネチルチオカルバモイル)、モノ-またはジ-C1-6アルキル-カルボニル-チオカルバモイル基(例えば、アセチルチオカルバモイル、プロピオニルチオカルバモイル)、モノ-またはジ-C6-14アリール-カルボニル-チオカルバモイル基(例えば、ベンゾイルチオカルバモイル)及び5~14員芳香族ヘテロシクリルチオカルバモイル基(例えば、ピリジルチオカルバモイル)が挙げられる。
本明細書では、「場合により置換されるスルファモイル基」の例としては、「C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、C3-10シクロアルキル基、C6-14アリール基、C7-16アラルキル基、C1-6アルキル-カルボニル基、C6-14アリール-カルボニル基、C7-16アラルキル-カルボニル基、5~14員芳香族ヘテロシクリルカルボニル基、3~14員非芳香族ヘテロシクリルカルボニル基、C1-6アルコキシ-カルボニル基、5~14員芳香族複素環基、カルバモイル基、モノ-またはジ-C1-6アルキル-カルバモイル基及びモノ-またはジ-C7-16アラルキル-カルバモイル基から選択される1個または2個の置換基であって、その各々が置換基Aから選択される1~3個の置換基を場合により有するもの」を場合により有するスルファモイル基が挙げられる。
場合により置換されるスルファモイル基の例としては、スルファモイル基、モノ-またはジ-C1-6アルキル-スルファモイル基(例えば、メチルスルファモイル、エチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、ジエチルスルファモイル、N-エチル-N-メチルスルファモイル)、モノ-またはジ-C2-6アルケニル-スルファモイル基(例えば、ジアリルスルファモイル)、モノ-またはジ-C3-10シクロアルキル-スルファモイル基(例えば、シクロプロピルスルファモイル、シクロヘキシルスルファモイル)、モノ-またはジ-C6-14アリール-スルファモイル基(例えば、フェニルスルファモイル)、モノ-またはジ-C7-16アラルキル-スルファモイル基(例えば、ベンジルスルファモイル、フェネチルスルファモイル)、モノ-またはジ-C1-6アルキル-カルボニル-スルファモイル基(例えば、アセチルスルファモイル、プロピオニルスルファモイル)、モノ-またはジ-C6-14アリール-カルボニル-スルファモイル基(例えば、ベンゾイルスルファモイル)及び5~14員芳香族ヘテロシクリルスルファモイル基(例えば、ピリジルスルファモイル)が挙げられる。
本明細書では、「場合により置換されるヒドロキシ基」の例としては、「C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、C3-10シクロアルキル基、C6-14アリール基、C7-16アラルキル基、C1-6アルキル-カルボニル基、C6-14アリール-カルボニル基、C7-16アラルキル-カルボニル基、5~14員芳香族ヘテロシクリルカルボニル基、3~14員非芳香族ヘテロシクリルカルボニル基、C1-6アルコキシ-カルボニル基、5~14員芳香族複素環基、カルバモイル基、モノ-またはジ-C1-6アルキル-カルバモイル基、モノ-またはジ-C7-16アラルキル-カルバモイル基、C1-6アルキルスルホニル基及びC6-14アリールスルホニル基から選択される置換基であって、その各々が置換基Aから選択される1~3個の置換基を場合により有するもの」を場合により有するヒドロキシル基が挙げられる。
場合により置換されるヒドロキシ基の例としては、ヒドロキシ基、C1-6アルコキシ基、C2-6アルケニルオキシ基(例えば、アリルオキシ、2-ブテニルオキシ、2-ペンテニルオキシ、3-ヘキセニルオキシ)、C3-10シクロアルキルオキシ基(例えば、シクロヘキシルオキシ)、C6-14アリールオキシ基(例えば、フェノキシ、ナフチルオキシ)、C7-16アラルキルオキシ基(例えば、ベンジルオキシ、フェネチルオキシ)、C1-6アルキル-カルボニルオキシ基(例えば、アセチルオキシ、プロピオニルオキシ、ブチリルオキシ、イソブチリルオキシ、ピバロイルオキシ)、C6-14アリール-カルボニルオキシ基(例えば、ベンゾイルオキシ)、C7-16アラルキル-カルボニルオキシ基(例えば、ベンジルカルボニルオキシ)、5~14員芳香族ヘテロシクリルカルボニルオキシ基(例えば、ニコチノイルオキシ)、3~14員非芳香族ヘテロシクリルカルボニルオキシ基(例えば、ピペリジニルカルボニルオキシ)、C1-6アルコキシ-カルボニルオキシ基(例えば、tert-ブトキシカルボニルオキシ)、5~14員芳香族ヘテロシクリルオキシ基(例えば、ピリジルオキシ)、カルバモイルオキシ基、C1-6アルキル-カルバモイルオキシ基(例えば、メチルカルバモイルオキシ)、C7-16アラルキル-カルバモイルオキシ基(例えば、ベンジルカルバモイルオキシ)、C1-6アルキルスルホニルオキシ基(例えば、メチルスルホニルオキシ、エチルスルホニルオキシ)及びC6-14アリールスルホニルオキシ基(例えば、フェニルスルホニルオキシ)が挙げられる。
本明細書では、「場合により置換されるスルファニル基」の例としては、「C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、C3-10シクロアルキル基、C6-14アリール基、C7-16アラルキル基、C1-6アルキル-カルボニル基、C6-14アリール-カルボニル基及び5~14員芳香族複素環基から選択される置換基であって、その各々が置換基Aから選択される1~3個の置換基を場合により有するもの」を場合により有するスルファニル基ならびにハロゲン化スルファニル基が挙げられる。
場合により置換されるスルファニル基の例としては、スルファニル(-SH)基、C1-6アルキルチオ基、C2-6アルケニルチオ基(例えば、アリルチオ、2-ブテニルチオ、2-ペンテニルチオ、3-ヘキセニルチオ)、C3-10シクロアルキルチオ基(例えば、シクロヘキシルチオ)、C6-14アリールチオ基(例えば、フェニルチオ、ナフチルチオ)、C7-16アラルキルチオ基(例えば、ベンジルチオ、フェネチルチオ)、C1-6アルキル-カルボニルチオ基(例えば、アセチルチオ、プロピオニルチオ、ブチリルチオ、イソブチリルチオ、ピバロイルチオ)、C6-14アリール-カルボニルチオ基(例えば、ベンゾイルチオ)、5~14員芳香族ヘテロシクリルチオ基(例えば、ピリジルチオ)及びハロゲン化チオ基(例えば、ペンタフルオロチオ)が挙げられる。
本明細書では、「場合により置換されるシリル基」の例としては、「C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、C3-10シクロアルキル基、C6-14アリール基及びC7-16アラルキル基から選択される1~3個の置換基であって、その各々が置換基Aから選択される1~3個の置換基を場合により有するもの」を場合により有するシリル基が挙げられる。
場合により置換されるシリル基の例としては、トリ-C1-6アルキルシリル基(例えば、トリメチルシリル、tert-ブチル(ジメチル)シリル)が挙げられる。
アミノ酸残基の説明については、以下の規則が例示される場合がある:Asp=D=アスパラギン酸、Ala=A=アラニン、Arg=R=アルギニン、Asn=N=アスパラギン、Cys=C=システイン、Gly=G=グリシン、Glu=E=グルタミン酸、Gln=Q=グルタミン、His=H=ヒスチジン、Ile=I=イソロイシン、Leu=L=ロイシン、Lys=K=リジン、Met=M=メチオニン、Phe=F=フェニルアラニン、Pro=P=プロリン、Ser=S=セリン、Thr=T=トレオニン、Trp=W=トリプトファン、Tyr=Y=チロシン、及びVal=V=バリン。
また、便宜のため、及び容易に当業者に知られているように、以下の略語または記号は、本開示において使用される部位、試薬などを表すために使用される:
Aibは、アルファ-アミノイソ酪酸である;
モノ-ハロPhe-モノ-ハロフェニルアラニン;
ビス-ハロPhe-ビス-ハロフェニルアラニン;
モノ-ハロTyr-モノ-ハロチロシン;
ビス-ハロTyr-ビス-ハロチロシン;
(D)-Tyr-D-チロシン;
(D)-Ala-D-アラニン
DesNH-Tyr-デスアミノチロシン;
(D)-Phe-D-フェニルアラニン;
DesNH-Phe-デスアミノフェニルアラニン;
(D)-Trp-D-トリプトファン;
(D)Pya-D-3-ピリジルアラニン;
2-Cl-(D)Phe-D-2-クロロフェニルアラニン;
3-Cl-(D)Phe-D-3-クロロフェニルアラニン;
4-Cl-(D)Phe-D-4-クロロフェニルアラニン;
2-F-(D)Phe-D-2-フルオロフェニルアラニン;
3-F(D)Phe-D-3-フルオロフェニルアラニン;
3,5-DiF-(D)Phe-D-3,5-ジフルオロフェニルアラニン;
3,4,5-TriF-(D)Phe-D-3,4,5-トリフルオロフェニルアラニン;
D-Iva-D-イソバリン
SSA-スクシンイミジルスクシンアミド;
PEG-ポリエチレングリコール;
PEG-(メトキシ)ポリエチレングリコール;
PEG(12,000)-約12kDの分子量を有する(メトキシ)ポリエチレングリコール;
PEG(20,000)-約20kDの分子量を有する(メトキシ)ポリエチレングリコール;
PEG(30,000)-約30kDの分子量を有する(メトキシ)ポリエチレングリコール;
Fmoc-9-フルオレニルメチルオキシカルボニル;
DMF-ジメチルホルムアミド;
DIPEA-N,N-ジイソプロピルエチルアミン;
TFA-トリフルオロ酢酸;
HOBT-N-ヒドロキシベンゾトリアゾール;
BOP-ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ-トリス-(ジメチルアミノ)ホスホニウム-ヘキサフルオロホスフェート;
HBTU-2-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウム-ヘキサフルオロホスフェート;
NMP-N-メチル-ピロリドン;
FAB-MS高速原子衝撃質量分析;
ES-MS-エレクトロスプレー質量分析。
Abu:α-アミノ酪酸;
Acc:1-アミノ-1-シクロ(C-C)アルキルカルボン酸;
A3c:1-アミノ-1-シクロプロパンカルボン酸;
A4c:1-アミノ-1-シクロブタンカルボン酸;
A5c:1-アミノ-1-シクロペンタンカルボン酸;
A6c:1-アミノ-1-シクロヘキサンカルボン酸;
Act:4-アミノ-4-カルボキシテトラヒドロピラン;
Ado:12-アミノドデカン酸;
Aib:アルファ-アミノイソ酪酸;
Aic:2-アミノインダン-2-カルボン酸;
β-Ala:ベータ-アラニン;
Amp:4-アミノ-フェニルアラニン;
Apc:4-アミノ-4-カルボキシピペリジン;
hArg:ホモアルギニン;
Aun:11-アミノウンデカン酸;
Ava:5-アミノ吉草酸;
Cha:β-シクロヘキシルアラニン;
Dhp:3,4-デヒドロプロリン;
Dmt:5,5-ジメチルチアゾリジン-4-カルボン酸;
Gaba:γ-アミノ酪酸;
4Hppa:3-(4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸;
Hyp:-ヒドロキシプロリン
3Hyp:3-ヒドロキシプロリン;
4Hyp:4-ヒドロキシプロリン;
hPro:ホモプロリン;
4Ktp:4-ケトプロリン;
Nle:ノルロイシン;
NMe-Tyr:N-メチル-チロシン;
1Nalまたは1-Nal:β-(1-ナフチル)アラニン;
2Nalまたは2-Nal:β-(2-ナフチル)アラニン;
Nva:ノルバリン;
Orn:オルニチン;
2Palまたは2-Pal:β-(2-ピリジニル)アラニン;
3Palまたは3-Pal:β-(3-ピリジニル)アラニン;
4Palまたは4-Pal:β-(4-ピリジニル)アラニン;
Pen:ペニシラミン;
(3,4,5F)Phe:3,4,5-トリフルオロフェニルアラニン;
(2,3,4,5,6)Phe:2,3,4,5,6-ペンタフルオロフェニルアラニン;
Psu:N-プロピルスクシンイミド;
Iva:イソバリン;
Sar:サルコシン;
Taz:β-(4-チアゾリル)アラニン;
3Thi:β-(3-チエニル)アラニン;
Thz:チオプロリン;
Tic:テトラヒドロイソキノリン-3-カルボン酸;
Tle:tert-ロイシン;
Act:アセトニトリル;
Boc:tert-ブチルオキシカルボニル;
BSA:ウシ血清アルブミン;
DCM:ジクロロメタン;
DTT:ジチオトレイトール;
ESI:エレクトロスプレーイオン化;
Fmoc:9-フルオレニルメチルオキシカルボニル;
HBTU:2-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート;
HPLC:高速液体クロマトグラフィー;
IBMX:イソブチルメチルキサンチン;
LC-MS:液体クロマトグラフィー-質量分析;
Mtt:メチルトリチル;
NMP:N-メチルピロリドン;
5K PEG:他の官能基または部位、例えば、リンカーを含み得、約5,000ダルトンの重量平均分子量を有する、本明細書で以下で定義される線状または分岐状のいずれかであるポリエチレングリコール。
10K PEG:他の官能基または部位、例えば、リンカーを含み得、約10,000ダルトンの重量平均分子量を有する、本明細書で以下で定義される線状または分岐状のいずれかであるポリエチレングリコール。
20K PEG:他の官能基または部位、例えば、リンカーを含み得、約20,000ダルトンの重量平均分子量を有する、本明細書で以下で定義される線状または分岐状のいずれかであるポリエチレングリコール。
30K PEG:他の官能基または部位、例えば、リンカーを含み得、約30,000ダルトンの重量平均分子量を有する、本明細書で以下で定義される線状または分岐状のいずれかであるポリエチレングリコール。
40K PEG:他の官能基または部位、例えば、リンカーを含み得、約40,000ダルトンの重量平均分子量を有する、本明細書で以下で定義される線状または分岐状のいずれかであるポリエチレングリコール。
50K PEG:他の官能基または部位、例えば、リンカーを含み得、約50,000ダルトンの重量平均分子量を有する、本明細書で以下で定義される線状または分岐状のいずれかであるポリエチレングリコール。
60K PEG:他の官能基または部位、例えば、リンカーを含み得、約60,000ダルトンの重量平均分子量を有する、本明細書で以下で定義される線状または分岐状のいずれかであるポリエチレングリコール。
PEGは、分子内のエチレンオキシド(すなわち、-OCHCH-)の反復サブユニットの数に基づく多様な分子量で利用可能である。mPEG製剤には通常、それらの平均分子量に対応する数が続く。例えば、PEG-200は、200ダルトンの重量平均分子量を有し、190~210ダルトンの分子量範囲を有し得る。PEGなどの水溶性ポリマーの文脈の分子量は、数平均分子量または重量平均分子量のいずれかとして表される。別段示されない限り、本明細書におけるmPEGの分子量に対するすべての言及は、重量平均分子量を指す。数平均及び重量平均の両方の分子量決定は、ゲル浸透クロマトグラフィーまたは他の液体クロマトグラフィー技術を使用して測定され得る。数平均分子量を決定するための束一性(例えば、凝固点降下、沸点上昇、または浸透圧)の末端基分析または測定の使用、または重量平均分子量を決定するための光散乱技術、超遠心分離または粘度測定の使用などの、分子量値を測定するための他の方法も使用され得る。
tBu:tert-ブチル
TIS:トリイソプロピルシラン
Trt:トリチル
Z:ベンジルオキシカルボニル
本明細書で使用される場合、「PEG部位」は、ポリエチレングリコール(PEG)またはその誘導体、例えば(メトキシ)ポリエチレングリコール(PEG)を指す。
本明細書で使用される場合、「PEG化ペプチド」は、少なくとも1個のアミノ酸残基、例えば、Lys、またはCysがPEG部位と複合化されているペプチドを指す。「複合化される」とは、PEG部位が前記残基に直接連結されるか、またはスペーサー部分、例えば、架橋剤によって残基に連結されるかのいずれかを意味する。前記複合化がリジン残基で行われる場合、そのリジン残基は、本明細書では「PEG化Lys」と称される。1つのMPEG部位のみに複合化されるペプチドは、「モノPEG化」されていると言われる。
本明細書で使用される場合、「Lys-PEG」及び「Lys-PEG」は、それぞれPEGと複合化されているリジン残基を指す。「Lys(イプシロン-SSA-PEGn)」は、適切に官能化されたSSAを使用してイプシロンアミノ基がMPEGで架橋されているリジン残基を指す。
本明細書では、「ヒト天然GIPペプチド」という用語は、天然に存在するヒトGIPペプチドを指す。このヒトネイティブGIPペプチド(42アミノ酸)は、アミノ酸配列:YAEGTFISDYSIAMDKIHQQDFVNWLLAQKGKKNDWKHNITQ(配列番号1)を有し、National Center for Biotechnology Information (NCBI)参照配列:NP_004114.1;REFSEQ:アクセッションNM_004123.2に記載されている親前駆体に由来する機能的に活性な分子である。この全長前駆体は、ヒト胃阻害性ポリペプチド(GIP)、mRNA;ACCESSION:NM_004123;VERSION;NM_004123.2のmRNA配列からコードされる。
参照ポリペプチド配列に対する「パーセント(%)アミノ酸配列同一性」は、配列をアライメントし、最大のパーセント配列同一性を得るために必要であればギャップを導入した後、いかなる保存的置換も配列同一性の一部として考慮せずに、参照ポリペプチド配列におけるアミノ酸残基と同一である、候補ポリペプチド配列におけるアミノ酸残基のパーセンテージとして定義される。パーセントアミノ酸配列同一性を決定するためのアラインメントは、当該技術分野における技術の範囲内である様々な方法で、例えば、BLAST、BLAST-2、ALIGNまたはMegalign(DNASTAR)ソフトウェアなどの公的に入手可能なコンピュータソフトウェアを使用して達成され得る。当業者であれば、比較されている配列の全長にわたって最大のアラインメントを達成するのに必要な任意のアルゴリズムを含む、配列をアライメントするための適切なパラメータを決定することができる。
本明細書で使用される場合、「処置」(及び「処置する」または「処置すること」などの変化形)は、処置されている個体の自然経過を変化させようと試みる臨床的介入を指し、予防のために、または臨床病理の過程におけるいずれかで実施され得る。処置の望ましい効果としては、状態の発症または再発を予防すること、症状の緩和、状態または処置の直接的または間接的な任意の病理学的帰結の減少、嘔吐症を予防すること、すなわち、特定の処置に伴うことが知られている状態または副作用と全体的または部分的に関連する症状の発症を予防することによるもの、進行速度を減少させること、嘔吐症、例えば、悪心及び/または嘔吐などと関連する症状の改善または一時的緩和、ならびに寛解または予後の改善が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、本開示のGIP受容体アゴニストペプチドは、嘔吐症、すなわち、悪心もしくは嘔吐の発症を阻害もしくは遅延させるために、または嘔吐症もしくは嘔吐症と関連する症状の進行を鈍化させるために、または積極的に処置されている異なる疾患の処置に関連する嘔吐症、悪心及び/または嘔吐の発症を予防、遅延もしくは阻害するために使用される。
「減少させる」または「阻害する」とは、20%、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、またはそれを超えて全体的な低減を引き起こす能力を意味する。いくつかの実施形態では、減少させる、または阻害するとは、参照(例えば、生物活性の参照レベル(例えば、所定量の化学療法、例えば、嘔吐症を引き起こすことが知られている所定用量の化学療法剤を対象に投与した後の、悪心及び/または嘔吐のエピソード数)と比較した相対的な減少を指し得る。いくつかの実施形態では、減少させる、または阻害するとは、状態または疾患の処置と関連する副作用(すなわち、悪心及び/または嘔吐)の相対的な減少を指し得る。
比較のための最適な配列のアラインメントは、例えば、Smith and Waterman(Adv.Appl.Math.2:482(1981)(参照により本明細書に組み込まれる))の局所相同性アルゴリズムによって、Needleman and Wunsch(J.MoI.Biol.48:443-53(1970)(参照により本明細書に組み込まれる))の相同性アラインメントアルゴリズムによって、Pearson and Lipman(Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:2444-48(1988)(参照により本明細書に組み込まれる))の類似法の検索によって、これらのアルゴリズム(例えば、Wisconsin Genetics Software Package,Genetics Computer Group,575 Science Dr.,Madison,Wis.のGAP、BESTFIT、FASTA、及びTFASTA)のコンピュータによる実行によって、または目視検査によって実施され得る。(一般に、Ausubel et al.(eds.),Current Protocols in Molecular Biology,4th ed.,John Wiley and Sons,New York(1999)を参照されたい)。
パーセント配列同一性及び配列類似性を決定するのに好適なアルゴリズムの例示的な一例は、BLASTアルゴリズムであり、これはAltschul et al.(J.MoI.Biol.215:403-410(1990)(参照により本明細書に組み込まれる)によって記載されている。(Zhang et al.,Nucleic Acid Res.26:3986-90(1998);Altschul et al.,Nucleic Acid Res.25:3389-402(1997)(参照により本明細書に組み込まれる)も参照されたい)。BLAST分析を実施するためのソフトウェアは、米国立生物工学情報センターのインターネットウェブサイトから公的に入手可能である。このアルゴリズムは、最初にクエリー配列中で短いワード長Wを特定することによって高スコア配列対(HSP)を特定することを含み、これは、データベース配列中の同じ長さのワードとアラインメントされる場合に、ある正値の閾値スコアTと一致するか、またはそれを満たすかのいずれかである。Tは、隣接ワードスコア閾値と称される(Altschul et al.(1990)、上記)。これらの最初の隣接ワードヒットは、それらを含有するより長いHSPを見出すために検索を開始するためのシード値として機能する。次いで、ワードヒットは、累積アラインメントスコアが増加し得る限り、各配列に沿って両方向に延長される。各方向でのワードヒットの延長は、以下の場合に停止される:累積アラインメントスコアがその最大達成値から量Xだけ減少する場合、累積スコアが負のスコアである1つ以上の残基アラインメントの蓄積に起因してゼロ以下になる場合、またはいずれかの配列の末端に達する場合。BLASTアルゴリズムパラメータW、T、及びXは、アラインメントの感度及び速度を決定する。BLASTプログラムは、11のワード長(W)、BLOSUM62スコアリングマトリックス(Henikoff and Henikoff,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:10915-9(1992)を参照。これは参照によって本明細書に組み込まれる)の50のアラインメント(B)、10の期待値(E)、M=5、N=-4、及び両鎖の比較をデフォルトとして使用する。
パーセント配列同一性の算出に加えて、BLASTアルゴリズムはまた、2つの配列間における類似性の統計分析を実施する(例えば、Karlin and Altschul,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:5873-77(1993)を参照。これは参照によって本明細書に組み込まれる)。BLASTアルゴリズムによって提供される類似性の1つの指標は最小合計確率(P(N))であり、これは2つのヌクレオチドまたはアミノ酸配列間の一致が偶然に起こる確率の指標を提供する。例えば、アミノ酸配列は、試験アミノ酸と参照アミノ酸との比較における最小合計確率が約0.1未満、より典型的には約0.01未満、最も典型的には約0.001未満である場合に、参照アミノ酸配列に類似していると見なされる。
バリアントはまた、当該技術分野において周知の方法を使用して単離または生成される、合成、組換え、または化学修飾ポリヌクレオチドまたはポリペプチドであり得る。バリアントは、以下に記載されるように、保存的または非保存的アミノ酸変化を含み得る。ポリヌクレオチドの変化は、参照配列によってコードされるポリペプチドのアミノ酸置換、付加、欠失、融合及び切断をもたらし得る。バリアントはまた、バリアントの基礎であるペプチド配列中に通常は生じないアミノ酸の挿入、欠失または置換、例えば、アミノ酸及び他の分子の挿入及び置換、例えば、これに限定されないが、ヒトタンパク質では通常生じないオルニチンの挿入も含み得る。「保存的置換」という用語は、ポリペプチドについて記載する場合、ポリペプチドの活性を実質的には変化させないポリペプチドのアミノ酸組成の変化を指す。例えば、保存的置換は、アミノ酸残基で、類似した化学的特性を有する異なるアミノ酸残基を置換することを指す。保存的アミノ酸置換は、ロイシンとイソロイシンもしくはバリンとの置換、アスパラギン酸塩とグルタミン酸塩との置換、またはトレオニンとセリンとの置換を含む。
「保存的アミノ酸置換」は、本明細書で言及される場合、あるアミノ酸を類似した構造的及び/または化学的特性を有する別のアミノ酸に置換すること、例えば、ロイシンをイソロイシンもしくはバリンに、アスパラギン酸塩をグルタミン酸塩に、またはトレオニンをセリンに置換することなどによって生じる。したがって、特定のアミノ酸配列の「保存的置換」は、重要なアミノ酸の置換であってもペプチドの活性(すなわち、ペプチドが血液脳関門(BBB)を通過する能力)を減少させないような、ポリペプチド活性に重要ではないそれらのアミノ酸の置換またはアミノ酸と、類似した特性(例えば、酸性、塩基性、正もしくは負荷電、極性もしくは非極性など)を有する他のアミノ酸との置換を指す。機能的に類似したアミノ酸を提供する保存的置換の表が、当該技術分野において周知である。例えば、以下の6つの群は各々、互いに保存的置換であるアミノ酸を含有する:1)アラニン(A)、セリン(S)、トレオニン(T)、2)アスパラギン酸(D)、グルタミン酸(E)、3)アスパラギン(N)、グルタミン(Q)、4)アルギニン(R)、リジン(K)、5)イソロイシン(I)、ロイシン(L)、メチオニン(M)、バリン(V)、及び6)フェニルアラニン(F)、チロシン(Y)、トリプトファン(W)。(Creighton,Proteins,W.H.Freeman and Company(1984)も参照。その全体が参照によって組み込まれる)。いくつかの実施形態では、単一アミノ酸またはわずかな割合のアミノ酸を変更、付加または欠失させる個々の置換、欠失または付加が、その変化によってペプチドの活性が減少しない場合に「保存的置換」とも見なされ得る。挿入または欠失は通常、約1~5アミノ酸の範囲内である。保存的アミノ酸の選択は、ペプチド中で置換されるアミノ酸の位置、例えば、アミノ酸がペプチドの外側に存在し、溶媒に曝露される場合、または内側に存在し、溶媒に曝露されない場合に基づいて選択されてよい。
代替的な実施形態では、タンパク質またはペプチドの内側にあるアミノ酸に好適な包含される保存的アミノ酸置換も選択することができ、例えば、タンパク質またはペプチドの内側にある(すなわち、アミノ酸は溶媒に曝露されない)アミノ酸の好適な保存的置換を使用することができ、例えば、以下の保存的置換を使用することができるが、これらに限定されない:YがFで置換され、TはAまたはSで、IはLまたはVで、WはYで、MはLで、NはDで、GはAで、TはAまたはSで、DはNで、IはLまたはVで、FはYまたはLで、SはAまたはTで、及びAはS、G、TまたはVで置換される。いくつかの実施形態では、非保存的アミノ酸置換もバリアントの用語に包含される。
本明細書で使用される場合、第2受容体と比較した第1受容体に対する分子の「選択性」という用語は、以下の比を指す:第2受容体の分子のEC50を第1受容体の分子のEC50で除したもの。例えば、第1受容体で1nMのEC50及び第2受容体で100nMのEC50を有する分子は、第2受容体と比較して第1受容体に対して100倍の選択性を有する。
当業者によって理解されるように、本明細書における「約」の値またはパラメータへの言及は、その値もしくはパラメータそれ自体を対象とするか、または記載値よりも10%未満、もしくは9%未満、もしくは8%未満、もしくは7%未満、もしくは6%未満、もしくは5%未満、もしくは4%未満、もしくは3%未満、もしくは2%未満、もしくは1%未満、もしくは0.1%未満の範囲であるその値のプラスもしくはマイナスの変動を有する実施形態を含む(かつ記載する)。例えば、「約X」に言及している記載は「X」の記載を含む。
本明細書に記載される本開示の態様及び実施形態は、態様及び実施形態から「なる」及び/または「本質的になる」ことを含むと理解される。本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、別段の指示がない限り、複数の指示対象を含む。
A.GIP受容体アゴニストペプチド
本開示の様々な実施形態では、GIP受容体アゴニストペプチドが提供される。また、糖尿病(例えば、2型糖尿病)肥満、メタボリックシンドローム及び嘔吐症の予防及び/または処置を、それを必要とする対象において行う方法が提供される。様々な実施形態では、方法は、1週に1回またはQW(例えば、Q1W、本明細書で互換的に使用される)の治療有効量のGIP受容体アゴニストペプチドの対象への投与を提供する。
本明細書で使用される場合、本開示のGIPrアゴニストペプチドは、GLP受容体などの他の受容体と比較して、GIP受容体に選択的に結合するペプチドを指す。いくつかの実施形態では、本開示の例示的なGIPrアゴニストペプチドは、10超、または100超、または1,000超、または10,000超、または100,000超の比(EC50 GLP1R/EC50 GIPR)として定義されるような選択比を有するGIPrアゴニストペプチドである。例示的なGIP受容体アゴニストペプチドは、ペプチドが10、または100、または1,000、もしくは10,000超、または約100~1,000,000以上の(EC50 GLP1R/EC50 GIPR)の選択比を有する場合のGIPrアゴニストペプチドである。
本明細書で使用される場合、「Lys(R)」は、「Km」と同義であり、互換的に使用される。
いくつかの実施形態では、GIP受容体アゴニストペプチド、またはその塩が提供される。GIP受容体アゴニストペプチドは、式(I):
-Tyr-A2-Glu-Gly-Thr-Phe-Ile-Ser-A9-Tyr-Ser-Ile-A13-A14-Asp-A16-A17-A18-Gln-A20-A21-Phe-Val-A24-Trp-Leu-Leu-Ala-Gln-A30-A31-A32-A33-A34-A35-A36-A37-A38-A39-A40-A41-A42-Pによって表され、またはその薬学的に許容される塩である;
(式中、
は、式
-RA1
-CO-RA1
-CO-ORA1
-CO-CORA1
-SO-RA1
-SO-RA1
-SO-ORA1
-CO-NRA2A3
-SO-NRA2A3
-C(=NRA1)-NRA2A3
によって表される基を表し、または
非存在であり、
A1、RA2、及びRA3は、それぞれ独立して、水素原子、場合により置換される炭化水素基、または場合により置換される複素環基を表し;
は、-NHまたは-OHを表し;
A2は、Aib、D-Ala、Ala、Gly、またはProを表し;
A9は、AspまたはLeuを表し;
A13は、Aib、またはAlaを表し;
A14は、Leu、Aib、Ile、またはNleを表し;
A16は、Arg、Ser、またはLysを表し;
A17は、Aib、Ala、またはIleを表し;
A18は、Ala、His、またはLysを表し;
A19は、Gln、またはAlaを表し;
A20は、Aib、Gln、またはAlaを表し;
A21は、Asp、Asn、またはLysを表し;
A24は、Asn、Gln、またはGluを表し;
A30は、Arg、Ser、Gln、またはLysを表し;
A31は、Gly、Pro、または欠失を表し;
A32は、Ser、Lys、Pro、Gly、または欠失を表し;
A33は、Ser、Lys、Gly、または欠失を表し;
A34は、Gly、Asn、または欠失を表し;
A35は、Ala、Asp、Ser、Asn、または欠失を表し;
A36は、Pro、Trp、または欠失を表し;
A37は、Pro、Lys、または欠失を表し;
A38は、Pro、His、または欠失を表し;
A39は、Ser、Asn、または欠失を表し;
A40は、Ile、または欠失を表し;
A41は、Thr、または欠失を表し;
A42は、Gln、または欠失を表す)。
関連する実施形態では、式(I)によるGIP受容体アゴニストペプチドは、式(I)のアミノ酸配列(式中、A31は、Glyであり、A32~A42は、欠失である、またはA32は、Glyであり、33~A42は、欠失である)を有する。
様々な実施形態では、式(I)のGIP受容体アゴニストペプチドは、Pが-OHであるペプチドを含む。
他の実施形態では、式(I)のGIP受容体アゴニストペプチドは、Pがメチル(Me)であるペプチドを含む。
様々な実施形態では、式(I)のGIP受容体アゴニストペプチドは、Pがメチル(Me)であり、Pが-OHであるペプチドを含む。
いくつかの実施形態では、GIP受容体アゴニストペプチド、またはその塩が提供される。GIP受容体アゴニストペプチドは、式(II):
-Tyr-A2-Glu-Gly-Thr-Phe-Ile-Ser-Asp-Tyr-Ser-Ile-A13-A14-Asp-A16-A17-A18-A19-A20-A21-Phe-Val-A24-Trp-Leu-Leu-Ala-A29-A30-A31-A32-A33-A34-A35-A36-A37-A38-A39-A40-A41-A42-Pによって表され、またはその薬学的に許容される塩である(式中、
は、式
-RA1
-CO-RA1
-CO-ORA1
-CO-CORA1
-SO-RA1
-SO-RA1
-SO-ORA1
-CO-NRA2A3
-SO-NRA2A3、または
-C(=NRA1)-NRA2A3
によって表される基を表し、
A1、RA2、及びRA3は、それぞれ独立して、水素原子、場合により置換される炭化水素基、または場合により置換される複素環基を表し;
は、-NHまたは-OHを表し;
A2は、Aib、D-Ala、またはGlyを表し;
A13は、Aib、またはAlaを表し;
A14は、Leu、Aib、Ile、Nle、またはLys(R)を表し;
A16は、Arg、Ser、またはLysを表し;
A17は、Aib、Ala、Ile、またはLys(R)を表し;
A19は、GlnまたはAlaを表し;
A18は、Ala、His、またはLys(R)を表し;
A20は、Aib、Gln、Arg、またはAlaを表し;
A21は、Asp、Asn、またはLys(R)を表し;
A24は、Asn、Gln、またはGluを表し;
A29は、Gln、またはLys(R)を表し
A30は、Arg、Lys、Ser、Gln、またはLys(R)を表し;
A31は、Gly、Pro、または欠失を表し;
A32は、Ser、Lys、Pro、Gly、または欠失を表し;
A33は、Ser、Lys、Gly、または欠失を表し;
A34は、Gly、Asn、または欠失を表し;
A35は、Ala、Asp、Ser、Asn、または欠失を表し;
A36は、Pro、Trp、または欠失を表し;
A37は、Pro、Lys、または欠失を表し;
A38は、Pro、His、または欠失を表し;
A39は、Ser、Asn、または欠失を表し;
A40は、Ile、または欠失を表し;
A41は、Thr、または欠失を表し;
A42は、Gln、または欠失を表し、
残基Lys(R)において、(R)部分は、X-L-を表し、Lは、リンカーを表し、以下のgE、GGGGG、GGEEE、G2E3、G3gEgE、2OEGgEgE、OEGgEgE、GGPAPAP、2OEGgE、3OEGgEgE、G4gE、G5gE、2OEGgEgEgE、2OEG及びG5gEgEからなる群から選択され;Xは、脂質を表す)。
いくつかの実施形態では、GIP受容体アゴニストペプチド、またはその薬学的に許容される塩が提供される。GIP受容体アゴニストペプチドは、式(III):
-Tyr-A2-Glu-Gly-Thr-Phe-Ile-Ser-Asp-Tyr-Ser-Ile-A13-A14-Asp-A16-A17-A18-A19-A20-A21-Phe-Val-A24-Trp-Leu-Leu-Ala-A29-A30-A31-A32-A33-A34-A35-A36-A37-A38-A39-Pによって表され、またはその薬学的に許容される塩である(式中、
は、式
-RA1
-CO-RA1
-CO-ORA1
-CO-CORA1
-SO-RA1
-SO-RA1
-SO-ORA1
-CO-NRA2A3
-SO-NRA2A3、または
-C(=NRA1)-NRA2A3
によって表される基を表し、
A1、RA2、及びRA3は、それぞれ独立して、水素原子、場合により置換される炭化水素基、または場合により置換される複素環基を表し;
は、-NHまたは-OHを表し;
A2は、Aib、D-Ala、またはGlyを表し;
A13は、Aib、またはAlaを表し;
A14は、Leu、Aib、またはLys(R)を表し;
A16は、Arg、Ser、またはLysを表し;
A17は、Aib、Ile、Ala、またはLys(R)を表し;
A18は、Ala、His、またはLys(R)を表し;
A19は、GlnまたはAlaを表し;
A20は、Aib、Gln、Arg、またはAlaを表し;
A21は、Asp、Asn、またはLys(R)を表し;
A24は、Asn、またはGluを表し;
A29は、Gln、またはLys(R)を表し
A30は、Arg、Lys、Ser、Gln、またはLys(R)を表し;
A31は、Gly、Pro、または欠失を表し;
A32は、Ser、Gly、Lys、または欠失を表し;
A33は、Ser、Lys、Gly、または欠失を表し;
A34は、Gly、Asn、または欠失を表し;
A35は、Ala、Asp、Ser、Asn、または欠失を表し;
A36は、Pro、Trp、または欠失を表し;
A37は、Pro、Lys、または欠失を表し;
A38は、Pro、His、または欠失を表し;
A39は、Ser、Asn、または欠失を表し;
残基Lys(R)において、(R)部分は、X-L-を表し、Lは、リンカーを表し、以下のgE、GGGGG、GGEEE、G2E3、G3gEgE、2OEGgEgE、OEGgEgE、GGPAPAP、2OEGgE、3OEGgEgE、G4gE、G5gE、2OEGgEgEgE、2OEG及びG5gEgEからなる群から選択され;Xは、脂質を表す)。
いくつかの実施形態では、GIP受容体アゴニストペプチド、またはその塩が提供される。GIP受容体アゴニストペプチドは、式(IV):
-Tyr-Aib-Glu-Gly-Thr-Phe-Ile-Ser-Asp-Tyr-Ser-Ile-A13-A14-Asp-A16-A17-A18-A19-A20-A21-Phe-Val-A24-Trp-Leu-Leu-Ala-A29-A30-A31-A32-A33-A34-A35-A36-A37-A38-A39-Pによって表され、またはその薬学的に許容される塩である(式中、
は、HまたはC1-6アルキルを表し;
は、-NHまたは-OHを表し;
A13は、Aib、Ala、またはLysを表し;
A14は、Leu、Aib、Lys、またはLys(R)を表し;
A16は、Arg、Ser、またはLysを表し;
A17は、Aib、Ala、Ile、Glu、Lys、またはLys(R)を表し;
A18は、Ala、His、Glu、Lys、またはLys(R)を表し;
A19は、GlnまたはAlaを表し;
A20は、Aib、Ala、Gln、Arg、またはLysを表し;
A21は、Asp、Asn、Lys、またはLys(R)を表し;
A24は、AsnまたはGluを表し;
A29は、Gln、Lys、またはLys(R)を表し;
A30は、Arg、Ser、Gln、Lys、Lys(Ac)、またはLys(R)を表し;
A31は、Gly、Pro、または欠失を表し;
A32は、Ser、Gly、または欠失を表し;
A33は、Ser、Gly、または欠失を表し;
A34は、Glyまたは欠失を表し;
A35は、Ala、Ser、または欠失を表し;
A36は、Proまたは欠失を表し;
A37は、Proまたは欠失を表し;
A38は、Proまたは欠失を表し;
A39は、Serまたは欠失を表し;
残基Lys(R)において、(R)部分は、X-L-を表し、Lは、リンカーを表し、2OEGgE、2OEGgEgE、G4gE、GGGGG、G5gE、G5gEgE、G6、gEgEgE、OEGgEgE、OEGgEOEGgE、GGPAPAP、及びGGPAPAPgEからなる群から選択され;Xは、C17~C22一酸またはC17~C22二酸を表す)。
いくつかの実施形態では、A13は、AibまたはAlaを表す。
いくつかの実施形態では、A16は、ArgまたはLysを表す。
いくつかの実施形態では、A19は、Glnを表す。
いくつかの実施形態では、A20は、Aibを表す。
いくつかの実施形態では、A31は、GlyまたはProを表し、A32~A30は、欠失である。
式(IV)のいくつかの実施形態では、A14は、Leu、Aib、またはLys(R)を表す。
式(IV)のいくつかの実施形態では、A14は、LeuまたはLys(R)を表す。
式(IV)のいくつかの実施形態では、A17は、Aib、Ala、Ile、Glu、またはLys(R)を表す。
式(IV)のいくつかの実施形態では、A17は、AibまたはLys(R)を表す。
式(IV)のいくつかの実施形態では、A18は、Ala、His、Glu、またはLys(R)を表す。
式(IV)のいくつかの実施形態では、A18は、AlaまたはLys(R)を表す。
式(IV)のいくつかの実施形態では、A21は、Asp、Asn、またはLys(R)を表す。
式(IV)のいくつかの実施形態では、A29は、GlnまたはLys(R)を表す。
式(IV)のいくつかの実施形態では、A30は、Arg、Ser、Gln、Lys、Lys(Ac)、またはLys(R)を表す。
式(IV)のいくつかの実施形態では、A30は、Arg、Ser、Gln、Lys(Ac)、またはLys(R)を表す。
式(IV)のいくつかの実施形態では、
A14は、Leu、Aib、Lys、またはLys(R)を表し;
A17は、Aib、Ala、Ile、Glu、またはLys(R)を表し;
A18は、Ala、His、Glu、またはLys(R)を表し;
A21は、Asp、Asn、またはLys(R)を表し;
A29は、GlnまたはLys(R)を表し;
A30は、Arg、Ser、Gln、Lys、Lys(Ac)、またはLys(R)を表す。
式(IV)のいくつかの実施形態では、
A13は、AibまたはAlaを表し;
A14は、Leu、Lys、またはLys(R)を表し;
A16は、Argを表し;
A17は、Aib、Lys、またはLys(R)を表し;
A18は、Ala、Lys、またはLys(R)を表し;
A20は、Aibを表し;
A29は、Glnを表し;
A30は、Arg、Ser、またはLysを表し;
A31は、GlyまたはProを表し;
A33は、Serまたは欠失を表し;
A35は、Alaまたは欠失を表し;
Lは、2OEGgE、2OEGgEgE、OEGgEgE、OEGgEOEGgE、G5、GGPAPAP、及びGGPAPAPgEからなる群から選択され;Xは、C17~C22一酸またはC17~C22二酸を表す。
式(IV)のいくつかの実施形態では、
A13は、AibまたはAlaを表し;
A14は、LeuまたはLys(R)を表し;
A16は、Argを表し;
A17は、AibまたはLys(R)を表し;
A18は、AlaまたはLys(R)を表し;
A20は、Aibを表し;
A21は、Asp、Asn、またはLys(R)を表し、
A29は、Glnを表し;
A30は、Arg、Ser、またはLysを表し;
A31は、GlyまたはProを表し;
A33は、Serまたは欠失を表し;
A35は、Alaまたは欠失を表し、
Lは、2OEGgE、2OEGgEgE、OEGgEgE、OEGgEOEGgE、G5、GGPAPAP、及びGGPAPAPgEからなる群から選択され;Xは、C17~C22一酸またはC17~C22二酸を表す。いくつかの実施形態では、GIP受容体アゴニストペプチドは、Pが-OHであるペプチドを含む。いくつかの実施形態では、GIP受容体アゴニストペプチドは、Pが-NHであるペプチドを含む。
いくつかの実施形態では、GIP受容体アゴニストペプチドは、PがC1-6アルキル基であるペプチドを含む。いくつかの実施形態では、GIP受容体アゴニストペプチドは、Pがメチル(Me)であるペプチドを含む。
いくつかの実施形態では、GIP受容体アゴニストペプチドは、PがMeであり、Pが-OHであるペプチドを含む。
いくつかの実施形態では、GIP受容体アゴニストペプチドは、Lが2OEGgEgEまたはGGGGGであるペプチドを含む。
いくつかの実施形態では、GIP受容体アゴニストペプチドは、XがC18二酸であるペプチドを含む。
いくつかの実施形態では、GIP受容体アゴニストペプチドは、式(V):
Me-Tyr-Aib-Glu-Gly-Thr-Phe-Ile-Ser-Asp-Tyr-Ser-Ile-A13-A14-Asp-Arg-A17-Ala-Gln-Aib-A21-Phe-Val-Asn-Trp-Leu-Leu-Ala-Gln-A30-A31-A32-A33-A34-A35-A36-A37-A38-A39-Pによって表され、またはその薬学的に許容される塩である(式中、
は、-NHまたは-OHを表し;
A13は、AibまたはAlaを表し;
A14は、Leu、Lys、またはLys(R)を表し;
A17は、Aib、Lys、またはLys(R)を表し;
A21は、Asp、Asn、Lys、またはLys(R)を表し;
A30は、Arg、Ser、Lys、またはLys(R)を表し;
A31は、GlyまたはProを表し;
A32は、Ser、Gly、または欠失を表し;
A33は、Serまたは欠失を表し;
A34は、Glyまたは欠失を表し;
A35は、Alaまたは欠失を表し;
A36は、Proまたは欠失を表し;
A37は、Proまたは欠失を表し;
A38は、Proまたは欠失を表し;
A39は、Serまたは欠失を表し、
Lは、2OEGgEgEまたはGGGGGであり;Xは、C18二酸を表す)。
式(V)のいくつかの実施形態では、A14は、LeuまたはLys(R)を表す。
式(V)のいくつかの実施形態では、A17は、AibまたはLys(R)を表す。
式(V)のいくつかの実施形態では、A21は、Asp、Asn、またはLys(R)を表す。
式(V)のいくつかの実施形態では、A30は、Arg、Ser、Lys、またはLys(R)を表す。
式(V)のいくつかの実施形態では、
A14は、LeuまたはLys(R)を表し;
A17は、AibまたはLys(R)を表し;
A21は、Asp、Asn、またはLys(R)を表し;
A30は、Arg、Ser、Lys、またはLys(R)を表す。
様々な実施形態では、本明細書で例示される方法、組成物及び医薬において使用するための例示的なGIP受容体アゴニストペプチドは、式(I)、(II)、(III)、(IV)、または(V)によって定義される任意のGIP受容体アゴニストペプチドと少なくとも80%、または少なくとも85%、または少なくとも90%、または少なくとも95%、または少なくとも96%、または少なくとも97%、または少なくとも98%、または少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する。
様々な実施形態では、本明細書で例示される方法、組成物及び医薬において使用するための例示的なGIP受容体アゴニストペプチドは、式(I)、(II)、(III)、(IV)、または(V)によって定義される任意のGIP受容体アゴニストペプチドと100%の配列同一性を有する。
様々な実施形態では、式(I)、(II)、(III)、(IV)、または(V)によって定義されるGIP受容体アゴニストペプチドは、ヒドロキシル(-OH)基によって定義されるPを有する。様々な実施形態では、式(I)、(II)、(III)、(IV)、または(V)によって定義されるGIP受容体アゴニストペプチドは、アミノ(-NH)基によって定義されるPを有する。様々な実施形態では、式(I)、(II)、(III)、(IV)、または(V)によって定義されるGIP受容体アゴニストペプチドは、メチル(Me)基によって定義されるPを有する。
式(I)、(II)、(III)、(IV)、または(V)によって定義される上記GIP受容体アゴニストペプチドに関して、様々な実施形態では、GIP受容体アゴニストペプチドは、アミノ酸の側鎖に共有結合した、二価置換基を有する少なくとも1つのアミノ酸を有する。例えば、いくつかの実施形態では、GIP受容体アゴニストペプチドは、置換基(R)に共有結合している、GIP受容体アゴニストペプチドの少なくとも1個のアミノ酸、または修飾アミノ酸、例えば、Lys残基の側鎖を有するアミノ酸配列を有する。様々な実施形態では、GIP受容体アゴニストペプチドのLys残基は、Lys(R)として本開示に示されているように置換基(R)と共有結合している場合がある。
例えば、本開示の選択的GIP受容体アゴニストペプチドは、アミノ酸位置A14~A30で、例えば、アミノ酸位置:A14、またはA17、A18、A21、A29、またはA30で(R)基によって置換されたLys残基を有し得る。様々な実施形態では、(R)基は、X-L-(式中、Lは、二価リンカーを表す)を表す。いくつかの実施形態では、二価リンカーには、PEG、Abu-、(Gly)(2-8)-、gGlu(1-3)-、gE、GGGGG、GGEEE、G2E3、G3gEgE、2OEGgEgE、OEGgEgE、GGPAPAP、2OEGgE、3OEGgEgE、G4gE、G5gE、2OEGgEgEgE、2OEG及びG5gEgE、1~10アミノ酸、例えば、2~10個のグリシン残基、2~6個または5~6個の連結されたグリシンを有するグリシンリンカー、または前述のリンカーの組合せが含まれ得る。様々な実施形態では、OEG=PEG3及び2OEG=(PEG3)2である。これらの実施形態では、Xは、置換基、例えば、脂質を表す。様々な実施形態では、Xは、長さがC17~C22炭素を有する一酸または二酸脂質、例えば、C17、C18、C20一酸または二酸脂質を表す。いくつかの実施形態では、Xは、C18二酸である。
様々な実施形態では、GIP受容体アゴニストペプチドは、X-L-置換基で置換された1または2つのLys残基を含み得る。いくつかの実施形態では、Lys残基は、X-L-置換基で置換されており、Lは、(PEG3)2-、Abu-、(Gly)(2-8)-、gGlu(1-3)-、またはそれらの組合せ、例えば、(PEG3)2-gGlu-、Abu-gGlu-、(Gly)-gGlu-、または(Gly)-gGlu-、GGGGG-、(PEG3)2-、PEG3)2-(Gly)5-6-、gE、GGGGG、GGEEE、G2E3、G3gEgE、2OEGgEgE、OEGgEgE、GGPAPAP、2OEGgE、3OEGgEgE、G4gE、G5gE、2OEGgEgEgE、2OEG、G5gEgE、またはそれらの組合せを表す。
いくつかの実施形態では、GIP受容体アゴニストペプチドは、置換された側鎖を有する1つ、または2つのLys残基を有する。例えば、選択的GIPrアゴニストペプチドは、X-L-によって置換されたLys残基を有し得、Lは、本明細書で論述される二価リンカーを表し、例えば、Lは、結合または二価置換基を表し得、Xは、場合により置換される炭化水素基、例えば一酸または二酸脂質、またはその塩を表す。いくつかの実施形態では、二価置換基は、アルキレン基、カルボニル基、オキシカルボニル基、イミノ基、アルキルイミノ基、スルホニル基、オキシ基、スルフィド基、エステル結合、アミド結合、カーボネート結合またはそれらの組合せを含む。
様々な実施形態では、GIP受容体アゴニストペプチドは、X-L-置換基として定義される(R)基で置換され得る1つ、または2つのLys残基を含み得る。いくつかの実施形態では、Lys(R)は、X-L-で置換された側鎖を有するLys残基である。関連する実施形態では、GIP受容体アゴニストペプチド、X部位は、場合により置換される炭化水素であり得る。いくつかの実施形態では、X-L-置換基におけるX部位には、C17~C22一酸、C17~C22二酸、アセチル基、またはそれらの組合せが含まれ得る。いくつかの例示的なX部位には、(Hepda:C17二酸)、(Oda:C18二酸)、または(Eda:C20二酸)が含まれ得る。
様々な実施形態では、式(I)~(V)のGIP受容体アゴニストペプチド、X-L-基のL部位には、二価リンカーが含まれ得る。いくつかの例では、二価リンカーには、PEG、Abu-、(Gly)(2-8)-、gGlu(1-3)-、1~10個のアミノ酸、またはそれらの組合せが含まれ得る。X-Lのこれらの例では、Xは、置換基を表し得る。
いくつかの実施形態では、(R)は、X-L-を表し、Lは、(PEG3)2-、Abu-、(Gly)(2-8)-、gGlu(1-3)-、またはそれらの組合せを表す。いくつかの実施形態では、Lは、(PEG3)2-gGlu-、Abu-gGlu-、(Gly)-gGlu、(Gly)-gGlu-、GGGGG-、GGGGGG-、(PEG3)2-、または(PEG3)2-(Gly)5-6-、gE、GGGGG、GGEEE、G2E3、G3gEgE、2OEGgEgE、OEGgEgE、GGPAPAP、2OEGgE、3OEGgEgE、G4gE、G5gE、2OEGgEgEgE、2OEG及びG5gEgE、またはそれらの組合せを表す。
いくつかの関連する実施形態では、Lは、結合または二価置換基を表し、Xは、場合により置換される炭化水素基、またはその塩を表す。例えば、例示的なGIP受容体アゴニストペプチドは、Lys(R)残基を有し、Lys(R)残基の(R)部分は、X-L-として表され、Xは、アルキレン基、カルボニル基、オキシカルボニル基、イミノ基、アルキルイミノ基、スルホニル基、オキシ基、スルフィド基、エステル結合、アミド結合、カーボネート結合またはそれらの組合せを含む二価置換基である。
いくつかの実施形態では、例示的なLys(R)は、X-L-基として定義される(R)基を含み得、二価置換基Xは、C17~C22一酸、C17~C22二酸またはアセチル基である。いくつかの例示的なX部位は、(Hepda:C17二酸)、(Oda:C18二酸)、(Eda:C20二酸)を含み得る。
いくつかの実施形態では、式(I)、(II)、(III)、(IV)、または(V)の例示的なGIP受容体アゴニストペプチドは、残基A14~A30の範囲のペプチドのアミノ酸配列に位置する1~2つのLys(R)脂質付加アミノ酸を有するペプチドを含み得、Lys(R)残基は、X-L-によって定義される置換された側鎖を含み得る。例示的な実施形態では、式(I)、(II)、(III)、(IV)、または(V)の例示的なGIP受容体アゴニストペプチドにおけるLys(R)残基のX-L-基には、-(g-Glu)-Oda、-(g-Glu)-Eda、-(g-Glu)-Heda、-(PEG3)2-gGlu-Eda、-(PEG3)2-gGlu-Heda、-(PEG3)2-gGlu-Oda、-(PEG3)2-gGlu-Ida、-(PEG3)-gGlu-Eda、-(PEG3)-gGlu-Heda、-(PEG3)-gGlu-Oda、-Abu-gGlu-Oda、-(Gly)-gGlu-Eda、-(Gly)-gGlu-Heda、-(Gly)-gGlu-Oda、-(Gly)-Heda、-(Gly)-Oda、-(Gly)-Eda、-(PEG3)2-Heda、-(PEG3)2-Eda、-(PEG3)2-Oda、2OEGgEgE-Hepda:C17二酸、OEGgEgE-Hepda:C17二酸、2OEGgE-Hepda:C17二酸、3OEGgEgE-Hepda:C17二酸、G5gEgE-Hepda:C17二酸、2OEGgEgEgE-Hepda:C17二酸、2OEG-Hepda:C17二酸、G5gEgE-Hepda:C17二酸、2OEGgEgE-Oda:C18二酸、OEGgEgE-Oda:C18二酸、2OEGgE-Oda:C18二酸、3OEGgEgE-Oda:C18二酸、G5gEgE-Oda:C18二酸、2OEGgEgEgE-Oda:C18二酸、2OEG-Oda:C18二酸、G5gEgE-Oda:C18二酸、2OEGgEgE-Eda:C20二酸、OEGgEgE-Eda:C20二酸、2OEGgE-Eda:C20二酸、3OEGgEgE-Eda:C20二酸、G5gEgE-Eda:C20二酸、2OEGgEgEgE-Eda:C20二酸、2OEG-Eda:C20二酸、G5gEgE-Eda:C20二酸、またはそれらの組合せが含まれ得る。
いくつかの例示的な例では、(R)基は、Lysアミノ酸の側鎖に共有結合され得る。いくつかの例では、例示的な(R)基は、X-L-を表し、Lは、PEG及び/または2つ以上のアミノ酸を含む二価リンカーを表し、Xは、置換基、またはその塩を表す。様々な実施形態では、式(I)~(V)のGIP受容体アゴニストペプチドまたはその塩は、A14~A30の間の位置に位置する1つまたは2つのLys(R)残基を有し、(R)は、置換基を表す。
いくつかの例では、Rは、X-L-を表し、Lは、gE、GGGGG、GGEEE、G2E3、G3gEgE、2OEGgEgE、OEGgEgE、GGPAPAP、2OEGgE、3OEGgEgE、G4gE、G5gE、2OEGgEgEgE、2OEG及びG5gEgEから選択される1つまたは複数の組合せであり、Xは、C17~C20一酸もしくは二酸脂質、またはアセチル基を表す。いくつかの実施形態では、X-L-、Lは、gE、GGGGG、GGEEE、G2E3、G3gEgE、2OEGgEgE、OEGgEgE、GGPAPAP、2OEGgE、3OEGgEgE、G4gE、G5gE、2OEGgEgEgE、2OEG及びG5gEgEから選択される1つまたは複数の組合せであり、Xは、C18二酸を表す。
代替的には、いくつかの実施形態では、(R)は、X-L-を表し、Lは、gE、GGGGG、GGEEE、G2E3、G3gEgE、2OEGgEgE、OEGgEgE、GGPAPAP、2OEGgE、3OEGgEgE、G4gE、G5gE、2OEGgEgEgE、2OEG及びG5gEgEから選択されるリンカーを表し、Xは、C17~C20線状飽和ジカルボン酸を表す。
様々な実施形態では、式(I)~(V)のGIP受容体アゴニストペプチドの例の各々において、A14~A30の間の少なくとも1つのアミノ酸、またはA14~A21、またはA14もしくはA21は、Lys(R)であり、(R)は、X-L-を表し、Lは、二価リンカーLを表し、Lは、2OEGgEgE、OEGgEgE、2OEGgE、3OEGgEgE、G5gEgE、2OEGgEgEgE、2OEG、またはG5gEgEを表す。いくつかの関連する実施形態では、(R)は、X-L-を表し、Lは、結合または二価置換基を表し、Xは、場合により置換される炭化水素基、またはその塩を表す。様々なL部位の例示に関連する様々な実施形態では、(R)は、X-Lを表し、Lは、上で論述されており、Xは、C17~C22一酸、またはC17~C22二酸またはアセチル基である。例えば、いくつかの実施形態では、Xは、(Hepda:C17二酸)、(Oda:C18二酸)、または(Eda:C20二酸)である。様々な実施形態では、式(I)~(V)の例示的なGIP受容体アゴニストペプチドは、A14~A30の間、またはA14~A21、例えば、ペプチドのアミノ酸位置A14、またはA17、A18、A20、A21、AA26、A29、またはA30で少なくとも1つのLysアミノ酸を有するペプチドを含む。Lys(R)残基の(R)置換基部分は、X-L-を表し、Lは、二価リンカーLを表し、例えば、Lは、gE、GGGGG、GGEEE、G2E3、G3gEgE、2OEGgEgE、OEGgEgE、GGPAPAP、2OEGgE、3OEGgEgE、G4gE、G5gE、2OEGgEgEgE、2OEG及びG5gEgEを表し、Xは、C17~C22一酸、またはC17~C22二酸またはアセチル基、例えば、C17一酸またはC17二酸またはC18一酸またはC18二酸またはC20一酸またはC20二酸である。様々な実施形態では、式(I)~(V)の例示的なGIP受容体アゴニストペプチドは、A14~A30の間、またはA14~A21、またはA14もしくはA21に位置する少なくとも1つのLysアミノ酸を含み、(R)は、X-L-を表し、Lは、二価リンカーLを表し、Lは、2xγGlu-2xOEG(ミニPEG)を表し、Xは、C18一酸またはC18二酸である。
いくつかの実施形態では、(R)は、X-L-を表し、Lは、PEG及び/またはアミノ酸を含むまたはPEG及び/または1つ以上のアミノ酸からなる二価リンカー、例えば、Gly2-10-リンカーを表し、Xは、置換基を表す。既知のPEGリンカー、アミノ酸リンカーまたはそれらの組合せは、それがLysを置換基に連結できる限り、二価リンカーの例示的な例として使用されてよい。代替的には、いくつかの実施形態では、Rは、X-L-を表し、Lは、結合または二価置換基を表し、Xは、場合により置換される炭化水素基、またはその塩を表す。アルキレン基、カルボニル基、オキシカルボニル基、イミノ基、アルキルイミノ基、スルホニル基、オキシ基、スルフィド基、エステル結合、アミド結合、カーボネート結合またはそれらの組合せを含み得るが、これらに限定されない既知の二価置換基が使用されてよい。
いくつかの実施形態では、Lは、(PEG3)2-、Abu-、(Gly)(2-10)-、gGlu(1-3)-、またはそれらの組合せを表す。いくつかの実施形態では、Lは、(PEG3)2-gGlu-を表す。いくつかの例では、Lは、Abu-gGlu-を表す。他の例では、Lは、(Gly)-gGlu-、または(Gly)-gGlu-を表す。いくつかの実施形態では、Lは、約2~約10個の連結されたグリシン、または約2~約7個の連結されたグリシンを有するグリシンペプチドを表す。いくつかの例では、Lは、(Gly)5-6-、または(Gly)-、GGGGG-、またはGGGGG-gGlu-を表す。いくつかの例では、Lは、gE、GGGGG、GGEEE、G2E3、G3gEgE、2OEGgEgE、OEGgEgE、GGPAPAP、2OEGgE、3OEGgEgE、G4gE、G5gE、2OEGgEgEgE、2OEG及びG5gEgEを表す。
いくつかの実施形態では、Lは、(PEG3)2-を表す。いくつかの実施形態では、Lは、(Gly)2-10-、例えば、(Gly)(5-6)を表す。いくつかのさらなる実施形態では、Lは、グリシンペプチド:Gly2-10に連結された1つ以上のPEG分子などの基の組合せを表し、例えば、Lは、(PEG3)2-(Gly)5-6-、または(PEG3)2-(Gly)-であり得る。
いくつかの実施形態では、アミノ酸、例えば、Lys残基に結合した(R)基は、X-L-を表し、Lは、PEG及び/または1つ以上のアミノ酸を含むまたはPEG及び/または1つ以上のアミノ酸からなる二価リンカーを表し、Xは、置換基を表す。既知のPEGリンカー、アミノ酸リンカーまたはそれらの組合せは、それがLys残基を置換基に連結できる限り、二価リンカーとして使用されてよい。代替的には、Rは、X-L-を表し、Lは、結合または二価置換基を表し、Xは、場合により置換される炭化水素基、またはその塩を表す。アルキレン基、カルボニル基、オキシカルボニル基、イミノ基、アルキルイミノ基、スルホニル基、オキシ基、スルフィド基、エステル結合、アミド結合、カーボネート結合またはそれらの組合せを含むが、これらに限定されない既知の二価置換基が使用されてよい。いくつかの例では、(R)は、X-L-を表し、Lは、
Figure 2023524603000001


1個または2~9個の連結されたグリシン(複数可)を含むグリシンリンカーまたは単結合から選択される1つまたは複数の組合せであり、Xは、C17~C22一酸または二酸、またはアセチル基を表す。いくつかの実施形態では、リンカーLは、少なくとも1つのアミノ酸、または修飾アミノ酸、例えば、置換基に共有結合しているGIP受容体アゴニストペプチドのLys残基の側鎖に連結または共有結合され得る。実施形態では、選択的GIP受容体アゴニストペプチドは、(R)基に共有結合しており、(R)基は、親水性ポリマーであり、Lys(R)残基は、A14~A30の範囲のアミノ酸位置に位置している。実施形態では、選択的GIP受容体アゴニストペプチドは、親水性ポリマーに共有結合しており、例えば、親水性ポリマーは、ポリエチレングリコール(PEG)分子またはそのバリアントである。
いくつかの実施形態では、リンカーLは、PEG分子、例えば、PEG3(n)、PEG(2)(n)、または約5~30kDaの重量平均分子量を有するmPEGである。いくつかの実施形態では、Lは、PEG3(n)、PEG(2)(n)、gGlu(n)、D-gGlu(n)、AMBZ(n)、GABA(n)、G(x)、NpipAc(n)、Tra(n)、eLya(n)(式中、n=1~5及びx=1~10)の任意の組合せであり得る。例示的なPEGリンカーは、例えば、A14~A30の1つ以上、例えば、アミノ酸位置:A14、A17、A18、A20、A21、AA26、A29、またはA30に位置する置換されたLys残基における(R)基の一部として使用され得、MPEGリンカーは、以下の追加的なMPEGリンカーうちの1つ以上を含み得る:

Figure 2023524603000002


いくつかの実施形態では、置換基XをCysアミノ酸に連結するために使用され得る例示的なMPEGリンカーは、約5~30kDaの重量平均分子量を有するMPEG分子を含み得る。いくつかの実施形態では、Cys側鎖への結合のための例示的なPEGリンカーには、

Figure 2023524603000003


が含まれ得る。
様々な例では、Rは、X-L-を表し、X-L-は、Hepda-GGGG-(Hepda:C17二酸)、Hepda-GGGGG-、Hepda-GGGGGG-、Oda-GGGG-(Oda:C18二酸)、Oda-GGGGG-、Oda-GGGGGG-、Eda-GGGG-(Eda:C20二酸)、Eda-GGGGG-、Eda-GGGGGG-、Eda-GGGGGGGGG-を表す。
代替的には、(R)基は、X-L-を表し、Lは、5または6個の連結されたグリシンを含むグリシンリンカーを表し、Xは、C17~C20線状飽和ジカルボン酸を表す。
代替的には、(R)基は、X-L-を表し、Lは、結合または二価置換基を表し、Xは、C17~C22脂肪酸、またはC17~C22アシル化脂肪酸またはC17~C22ジカルボン酸、またはその塩を表す。いくつかの実施形態では、Xは、パルミトイル基をLys残基、例えば、GIP受容体アゴニストペプチドにおけるLys残基のイプシロンアミン側基に加えるために使用されるパルミチン脂肪酸を表す。
他の実施形態では、GIP受容体アゴニストペプチドは、1個、または2個の修飾リジン残基、すなわち、Lys(R)を有し、(R)基は、X-L-を表し、Lは、3、4、5または6個の連結されたグリシンを含むグリシンリンカーを表し、Xは、C17~C22線状飽和ジカルボン酸を表す。実施形態では、アシル基は、C17~C22脂肪アシル基、例えばパルミトイルまたはミリストイル脂肪アシル基である。
実施形態では、GIP受容体アゴニストペプチドは、(R)基に共有結合しており、(R)基は、A14~A30の範囲の任意のアミノ酸位置における親水性ポリマーである。実施形態では、GIP受容体アゴニストペプチドは、アミノ酸位置A14、A17、A18、A20、A21、AA26、A29、もしくはA30、またはそれらの組合せで、例えば、位置A14~A30またはA14~A21で親水性ポリマーに共有結合している。例えば、親水性ポリマーは、GIP受容体アゴニストペプチドのLys残基の側鎖に結合されてよい。実施形態では、親水性ポリマーは、ポリエチレングリコール(mPEG)である。mPEGポリマーはまた、グリシンリンカー、すなわち、(Gly)(2-8)-、または1つ以上のgGlu-残基、例えば、gGlu(1-3)-にさらに複合化され得る。いくつかの例では、mPEGは、約1,000ダルトン~約60,000ダルトン、例えば、約5,000ダルトン~約40,000ダルトン、または約1,000ダルトン、または5,000ダルトン、または10,000ダルトン、または12,000ダルトン、または14,000ダルトン~約20,000ダルトンの重量平均分子量を有する。
いくつかの実施形態では、ポリエチレングリコール(mPEG)ポリマーを反応性アミンまたはスルフヒドリル基と複合化する方法は、当該技術分野において周知である。例えば、mPEGは、アミン反応性PEG化架橋剤を使用してリジンアミン側鎖に複合化され得る。ビス(スクシンイミジル)ペンタ(エチレングリコール)スペーサーアームは、mPEGスペーサーアームの両端にN-ヒドロキシ-スクシンイミド(NHS)エステルを含有するホモ二官能性アミン間架橋剤として使用され得る。アミン反応性架橋剤は、PEGスペーサーアームを含有する。ビス-スクシンイミドエステル活性化mPEG化合物は、本開示のGIP受容体アゴニストペプチドにおける一級アミン(-NH)間の架橋に使用されてよい。mPEGスペーサーのいずれかの末端におけるN-ヒドロキシスクシンイミドエステル(NHS)基は、pH7~9でリジン及びN末端アミノ基と特異的かつ効率的に反応し、安定したアミド結合を形成する。PEGスペーサーのいずれかの末端にマレイミド基を含有する他のホモ二官能性スルフヒドリル反応性架橋剤が、PEGをGIP受容体アゴニストペプチドのCysアミノ酸に結合させるために使用されてよい。2つの異なる反応性基が連結基として使用される場合(例えば、アミン基及びスルフヒドリル基)、ヘテロ官能性架橋スペーサーアームも使用されてよい。PEGスペーサーアームを含有するスルフヒドリル反応性架橋剤が、PEGポリマーをGIP受容体アゴニストペプチドに結合させるために使用されてよい。いくつかの実施形態では、ビスマレイミド活性化PEG化合物は、タンパク質中のスルフヒドリル(-SH)基及び他のチオール分子間の架橋に使用されてよい。PEGスペーサーのいずれかの末端におけるマレイミド基は、pH6.5~7.5で還元スルフヒドリルと特異的かつ効率的に反応し、安定したチオエーテル結合を形成する場合がある。他の実施形態では、PEG分子とGIP受容体アゴニストペプチドとの直接結合は、当該技術分野において既知の方法を使用して達成されてよい。例えば、周知の技術とは、一端に反応性または標的化可能な官能基を含有するPEG化合物を必要とする、ペプチドがPEG基で共有結合的に修飾される場合がある技術である。表面一級アミンを豊富に含むペプチドをPEG化する最も簡単な方法は、一端にNHSエステル基を含有するPEG化合物、例えば、メチル-(PEG)n-NHSエステルを使用することである。同様に、メチル-(PEG)n-マレイミド(式中、nは20~300であり得る)が、PEG分子を本開示のCys含有ペプチドに結合させるために使用されてよい。1,000ダルトン~20,000ダルトンまたはそれ以上の範囲の様々な長さのポリエチレングリコールポリマーの複合化のための当該技術分野で知られている方法は、1.Hermanson,G.T.(2013).3rd Edition.Bioconjugate Techniques,Academic Press,Veronese,F.and Harris,J.M.Eds.(2002).Peptide and protein PEGylation.Advanced Drug Delivery Review 54(4),453-609,Zalipsky,S.,et al.,“Use of Functionalized Poly(Ethylene Glycols)for Modification of Polypeptides” in Polyethylene Glycol Chemistry:Biotechnical and Biomedical Applications,J.M.Harris,Plenus Press,New York(1992)、及びZalipsky(1995)Advanced Drug Reviews 16:157-182(本明細書におけるこれらの参考文献のすべての開示は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる)に提供されている。
様々な実施形態では、アミノ酸A14とA30との間、例えば、アミノ酸位置A14、A17、A18、A20、A21、AA26、A29、またはA30に位置する脂質付加されたLys(R)残基を有する本明細書に開示されるGIP受容体アゴニストペプチドは、当該技術分野におけるGIPRアゴニストペプチドと比較した場合、向上した消失1/2期、血清における48時間後の残存%、及び様々な媒体における溶解性を有するGIPRアゴニストペプチドを提供する。いくつかの実施形態では、脂質付加されたリジン残基の位置、GIPRペプチドの配列及びLys残基上の(R)置換基で使用される脂質の長さは、GIPRペプチドの改善した半減期及び溶解性において役割を果たし、これによりGIPRアゴニストペプチドを1週に1回(Q1W)、例えば、4~7日に1回、または4~5日に1回、または4日ごとに1回、または5日ごとに1回、または6日ごとに1回、または7日ごとに1回、または8日ごとに1回日、または9日ごとに1回、または10日ごとに1回で制吐活性を必要とする対象に治療的に有効な方法で投薬することが可能となる。向上した消失1/2期、血清における48時間後の残存%、様々な媒体における溶解性は、本開示の実施例のセクションに示されている。
様々な実施形態では、悪心及び/または嘔吐を含む嘔吐症を処置するためにQ1W、または1週に1回の投薬、例えば、4~6日ごと、または5~8日ごと、または6~7日ごとに1回の投薬に好適な本明細書に開示されるGIP受容体アゴニストペプチドは、40~160時間の間の範囲、または例えば、50~140時間の間の範囲の、ヒト血清におけるヒト静脈内消失T1/2期を有する。様々な実施形態では、悪心及び/または嘔吐を含む嘔吐症を処置するためにQ1W投薬、または1週に1回の投薬に好適な本明細書に開示されるGIP受容体アゴニストペプチドは、10mg/mL超、または15mg/mL超、または20mg/mL超、または30mg/mL超、または40mg/mL超、または50mg/mL超、または60mg/mL超、または75mg/mL超、または100mg/mL超、または125mg/mL超の溶解性(例えば、37℃で実施されるpH7.4でのリン酸緩衝液を使用する溶解試験で試験した場合);及び40~160時間の間の範囲、または例えば、50~150時間の間の範囲、または90~145時間のヒト血清におけるヒト静脈内消失T1/2期を有する。様々な実施形態では、哺乳動物、例えば、ヒトにおける悪心及び/または嘔吐を含む嘔吐症を処置するためにQ1W投薬、または1週に1回の投薬、例えば、4~6日ごと、または5~8日ごと、または6~7日ごとに1回の投薬に好適な本明細書に開示されるGIP受容体アゴニストペプチドは、15mg/mL以上の溶解性;及び50~160時間の間の範囲、または例えば、60~160時間の間の範囲のヒト静脈内消失T1/2期を有する。様々な実施形態では、本開示のGIPRアゴニストペプチドは、以下の実施例の方法で決定される場合、60時間~160時間の範囲のヒトにおける消失T1/2期、及び25mg/mL超、例えば、30mg/mL超、または40mg/mL超、または45mg/ml超、または50mg/mL超またはそれ以上の溶解性を有する。
様々な実施形態では、哺乳動物、例えば、ヒトにおける悪心及び/または嘔吐を含む嘔吐症を処置するためにQ1W投薬、または1週に1回の投薬、例えば、4~6日ごと、または5~8日ごと、または6~7日ごとに1回の投薬に好適な本明細書に開示されるGIP受容体アゴニストペプチドは、15~100mg/mL、またはそれ以上の溶解性;及び以下の実施例の方法で決定した場合の100~150時間の範囲のヒト静脈内消失T1/2期、及び30~32または39アミノ酸のアミノ酸配列長、14、17、21、または30のアミノ酸位置に位置する置換されたLys(R)リジン残基、C18二酸として特性化される脂質及び2OEGgEgEまたはGGGGGから選択されるリンカーを有する。
GIPRペプチドの溶解性は、リン酸緩衝液への溶解と、それに続く液体クロマトグラフィー、例えば、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を使用する定量によって決定され得る。例示的な方法が提供される。GIPrアゴニストペプチドの溶解性の決定のため、3mgのペプチドを小さなガラスバイアル内に秤量する。100μLの200mMリン酸緩衝液pH7.4を添加し、バイアルを必要に応じて最大で1分間超音波処理/ボルテックスする。視覚検査を実施し、サンプルが十分に溶解した場合、溶解性を30mg/mLとして記録する。不溶性物質がチューブ内で確認される場合、100μLの緩衝液の添加及び混合が完全に溶解するまで繰り返される。ペプチドが500μLの緩衝液に可溶性ではない場合、それは、溶解性<6mg/mLとして表示される。溶解性は、40℃で維持されるKinetexカラム形態Phenomenex(登録商標)(2.6μm EVO C18 100Å、LCカラム50x3.0mm)を有するAgilent 1200システムでの0.2μmフィルターでの濾過後にRP-HPLCによって確認され得、溶離液Aは、水中の0.05%TFAであり、Bは、アセトニトリル中の0.035%TFAであり、0.6ml/分の流速である。グラジエントは、5分にわたって20から70までであり、次いでカラムを90%のBで1分間洗浄する。215nmでのUVモニタリングを使用してペプチド濃度をモニタリングする。標準もまた、同じクロマトグラフィー実験で実行して215nmでの標準測定値を得、それから、標準曲線が計算され得、可溶性ペプチド濃度が標準曲線から外挿され得る。
様々な実施形態では、例えば、医薬、組成物の調製において使用される場合の、または病態、もしくは障害の予防及び/または処置において、または本明細書に開示される予防及び/または処置の方法において使用するための本明細書に開示されるGIP受容体アゴニストペプチドは、GIP受容体アゴニストペプチドによって表されるように、式(I)、(II)、(III)、(IV)、及び(V)のいずれか1つに提供されるアミノ酸配列を有する。
様々な実施形態では、嘔吐症を有するまたは嘔吐症の1つ以上の症状を示す対象の治療的に有効な処置のため、またはQ1W、または1週に1回、4~7日に1回、または4~5日に1回、または4日ごとに1回、または5日ごとに1回、または6日ごとに1回、または7日ごとに1回、または8日ごとに1回、または9日ごとに1回、または10日ごとに1回の投薬によって嘔吐症を予防するために使用するために必要とされる適切な薬物動態及び薬力学を有する好適なGIPRアゴニストペプチドは、以下のアミノ酸配列及び脂質-リンカーの特徴を有する:

Figure 2023524603000004

様々な実施形態では、式(I)、(II)、(III)、(IV)、及び(V)のいずれか1つで定義される構造を有する例示的なGIP受容体アゴニストペプチドが図1に提供されている。
B.合成GIPRアゴニストペプチド
GIP受容体アゴニストペプチドは、組換えて合成されてよいか、または当該技術分野において既知のペプチド合成法に従って生成され得る。ペプチド合成法は、例えば、固相合成プロセス及び液相合成プロセスのいずれかであってよい。すなわち、目的のGIP受容体アゴニストペプチドは、GIP受容体アゴニストペプチドを構成できる部分ペプチドまたはアミノ酸と、残りの部分(2個以上のアミノ酸によって構成される場合がある)との縮合を所望の配列に従って反復することによって生成され得る。所望の配列を有する生成物が保護基を有する場合、目的のGIP受容体アゴニストペプチドは、保護基を脱離させることによって生成され得る。縮合法及び既知の保護基の脱離法に関する例としては、以下の(1)~(5)に記載される方法が挙げられる。
(1)M.Bodanszky and M.A.Ondetti:Peptide synthesis,Interscience Publishers,New York(1966)
(2)Schroeder and Luebke:The Peptide,Academic Press,New York(1965)
(3)Nobuo Izumiya,et al.:Peptide Gosei-no-Kiso to Jikken(Basics and experiments of peptide synthesis),published by Maruzen Co.(1975)
(4)Haruaki Yajima and Shunpei Sakakibara:Seikagaku Jikken Koza(Biochemical Experiment)1,Tanpakushitsu no Kagaku(Chemistry of Proteins)IV,205(1977)
(5)Haruaki Yajima,ed.:Zoku Iyakuhin no Kaihatsu(A sequel to Development of Pharmaceuticals),Vol.14,peptide synthesis(Hirokawa Shotenにより出版)。
反応後、GIP受容体アゴニストペプチドは、従来の精製方法、例えば、溶媒抽出、蒸留、カラムクロマトグラフィー、液体クロマトグラフィー、再結晶などを、それらを組み合わせて使用し、精製かつ単離され得る。上述した方法で得られたペプチドが遊離形態である場合、それは既知の方法によって好適な塩に変換され得、逆に、ペプチドが塩の形態で得られる場合、塩は既知の方法によって遊離形態または他の塩に変換され得る。
出発化合物は塩であってもよい。そのような塩の例としては、以下で言及される例示的な選択的GIPrアゴニストの塩として例示されるものが挙げられる。
保護アミノ酸またはペプチドの縮合には、ペプチド合成に使用可能な様々な活性化試薬が使用され得、それらは、トリスホスホニウム塩、テトラメチルウロニウム塩、カルボジイミドなどを含む。トリスホスホニウム塩の例としては、ベンゾトリアゾール-1-イルオキシトリス(ピロリジノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(PyBOP)、ブロモトリス(ピロリジノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(PyBroP)、7-アザベンゾトリアゾール-1-イルオキシトリス(ピロリジノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(PyAOP)が挙げられ、テトラメチルウロニウム塩の例としては、2-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)、2-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)、2-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TBTU)、2-(5-ノルボルナン-2,3-ジカルボキシイミド)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TNTU)、O-(N-スクシミジル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TSTU)が挙げられ、カルボジイミドの例としては、N、N’-ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、N、N’-ジイソプロピルカルボジイミド(DIPCDI)、N-エチル-N’-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDCI・HCl)などが挙げられる。これらを使用する縮合には、ラセミ化阻害剤[例えば、N-ヒドロキシ-5-ノルボルネン-2,3-ジカルボン酸イミド(HONB)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)、1-ヒドロキシ-7-アザベンゾトリアゾール(HOAt)、3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-4-オキソ-1,2,3-ベンゾトリアジン(HOOBt)、2-シアノ-2-(ヒドロキシイミノ)酢酸エチル(Oxyma)など]の添加が例である。縮合に使用される溶媒は、ペプチド縮合反応に使用可能なことが知られている溶媒から適切に選択され得る。例えば、無水または含水N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドンなどの酸アミド、塩化メチレン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素、トリフルオロエタノール、フェノールなどのアルコール、ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド、ピリジンなどの三級アミン、ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル、アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル、酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル、それらの適切な混合物などが使用され得る。反応温度は、ペプチド結合反応に使用可能なことが知られている範囲から適切に選択され、通常は約-20℃~90℃の範囲から選択される。活性化アミノ酸誘導体は通常、1.5~6倍過剰に使用される。固相合成では、ニンヒドリン反応を使用する試験によって縮合が不十分であることが明らかな場合、保護基を脱離させることなく縮合反応を反復することによって十分な縮合が行われ得る。反応を反復した後であっても縮合がまだ不十分である場合は、後続反応に対する影響が回避され得るように、未反応のアミノ酸が無水酢酸、アセチルイミダゾールなどでアシル化され得る。
出発アミノ酸のアミノ基に対する保護基の例としては、ベンジルオキシカルボニル(Z)、tert-ブトキシカルボニル(Boc)、tert-ペンチルオキシカルボニル、イソボルニルオキシカルボニル、4-メトキシベンジルオキシカルボニル、2-クロロベンジルオキシカルボニル(Cl-Z)、2-ブロモベンジルオキシカルボニル(Br-Z)、アダマンチルオキシカルボニル、トリフルオロアセチル、フタロイル、ホルミル、2-ニトロフェニルスルフェニル、ジフェニルホスフィノチオイル、9-フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)、トリチルなどが挙げられる。
出発アミノ酸のカルボキシル保護基の例としては、上述したC1-6アルキル基、C3-10シクロアルキル基、C7-14アラルキル基に加えて、アリール、2-アダマンチル、4-ニトロベンジル、4-メトキシベンジル、4-クロロベンジル、フェナシル及びベンジルオキシカルボニルヒドラジド、tert-ブトキシカルボニルヒドラジド、トリチルヒドラジドなどが挙げられる。
セリンまたはトレオニンのヒドロキシル基は、例えば、エステル化またはエーテル化によって保護され得る。エステル化に好適な基の例としては、アセチル基などの低級(C2-4)アルカノイル基、ベンゾイル基などのアロイル基、及び有機酸に由来する基などが挙げられる。加えて、エーテル化に好適な基の例としては、ベンジル、テトラヒドロピラニル、tert-ブチル(Bu)、トリチル(Trt)などが挙げられる。
チロシンのフェノール性水酸基に対する保護基の例としては、Bzl、2,6-ジクロロベンジル、2-ニトロベンジル、Br-Z、tert-ブチルなどが挙げられる。
ヒスチジンのイミダゾールに対する保護基の例としては、p-トルエンスルホニル(Tos)、4-メトキシ-2,3,6-トリメチルベンゼンスルホニル(Mtr)、ジニトロフェニル(DNP)、ベンジルオキシメチル(Bom)、tert-ブトキシメチル(Bum)、Boc、Trt、Fmocなどが挙げられる。
アルギニンのグアニジノ基に対する保護基の例としては、Tos、Z、4-メトキシ-2,3,6-トリメチルベンゼンスルホニル(Mtr)、p-メトキシベンゼンスルホニル(MBS)、2,2,5,7,8-ペンタメチルクロマン-6-スルホニル(Pmc)、メシチレン-2-スルホニル(Mts)、2,2,4,6,7-ペンタメチルジヒドロベンゾフラン-5-スルホニル(Pbf)、Boc、Z、NOなどが挙げられる。
リジンの側鎖アミノ基に対する保護基の例としては、Z、Cl-Z、トリフルオロアセチル、Boc、Fmoc、Trt、Mtr、4,4-ジメチル-2,6-ジオキソシクロヘキシリデネイル(Dde)などが挙げられる。
トリプトファンのインドリルに対する保護基の例としては、ホルミル(For)、Z、Boc、Mts、Mtrなどが挙げられる。
アスパラギン及びグルタミンに対する保護基の例としては、Trt、キサンチル(Xan)、4,4’-ジメトキシベンズヒドリル(Mbh)、2,4,6-トリメトキシベンジル(Tmob)などが挙げられる。
出発物質中の活性化カルボキシル基の例としては、対応する酸無水物、アジド、活性エステル[アルコール(例えば、ペンタクロロフェノール、2,4,5-トリクロロフェノール、2,4-ジニトロフェノール、シアノメチルアルコール、パラニトロフェノール、HONB、N-ヒドロキシスクシミド、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)、1-ヒドロキシ-7-アザベンゾトリアゾール(HOAt))とのエステル]などが挙げられる。出発物質中の活性化アミノ基の例としては、対応する亜リン酸アミドが挙げられる。
保護基を除去(脱離)する方法の例としては、Pd-黒またはPd-炭素などの触媒の存在下における水素気流中の接触還元、無水フッ化水素、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸(TFA)、トリメチルシリルブロミド(TMSBr)、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル、テトラフルオロホウ酸、トリス(トリフルオロ)ホウ酸、三臭化ホウ素、またはそれらの混合溶液を使用する酸処理、ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン、ピペリジン、ピペラジンなどを使用する塩基処理、及び液体アンモニア中のナトリウムによる還元などが挙げられる。上記酸処理による脱離反応は一般に、-20℃~40℃の温度で実施され、酸処理は、カチオン捕捉剤、例えば、アニソール、フェノール、チオアニソール、メタクレゾール及びパラクレゾール、ジメチルスルフィド、1,4-ブタンジチオール、1,2-エタンジチオール、トリイソプロピルシランなどを添加することによって効率的に行われる。また、ヒスチジンのイミダゾールの保護基として使用される2,4-ジニトロフェニル基は、チオフェノール処理によって除去され、トリプトファンのインドールの保護基として使用されるホルミル基は、1,2-エタンジチオール、1,4-ブタンジチオールなどの存在下における酸処理による脱保護に加えて、希水酸化ナトリウム、希アンモニアなどを用いるアルカリ処理による脱保護によって除去される。
出発物質と保護基との反応に関与すべきではない官能基の保護、保護基の脱離、反応に関与する官能基の活性化などは、既知の保護基及び既知の手段から適切に選択され得る。
ペプチドのアミドを調製する方法では、アミドはアミド合成用の樹脂を使用して固相合成によって形成されるか、またはカルボキシ末端アミノ酸のα-カルボキシル基がアミド化され、ペプチド鎖が、アミノ基側へと所望の鎖長となるように伸長され、その後、ペプチド鎖のN末端α-アミノ基に対する保護基のみが除去されたペプチド及びペプチド鎖のC末端カルボキシル基に対する保護基のみが除去されたペプチドが調製され、両方のペプチドが上に記載される混合溶媒中で縮合される。縮合反応についての詳細は、上記と同じである。縮合によって得られた保護ペプチドが精製された後、全ての保護基が上記の方法によって除去され、所望の粗ポリペプチドを得ることができる。様々な公知の精製手段を使用してこの粗ペプチドを精製し、主要画分を凍結乾燥することによって、ペプチドの所望のアミドが調製され得る。
GIP受容体アゴニストペプチドが、エナンチオマー、ジアステレオマーなどの立体配置異性体、配座異性体などとして存在する場合、それらはまた、GIP受容体アゴニストペプチドの記載に包含され、各々が、それ自体既知の手段または必要に応じて上記の分離及び精製方法によって単離され得る。加えて、GIP受容体アゴニストペプチドがラセミ体の形態である場合、それは従来の光学分割によってS体及びR体に分離され得る。
GIP受容体アゴニストペプチドが立体異性体を含む場合、異性体のみ及び各異性体の混合物の両方とも、GIP受容体アゴニストペプチドの意味に包含される。GIP受容体アゴニストペプチドは、それ自体既知の方法に従い、置換基及びポリエチレングリコールを使用して化学修飾され得る。例えば、化学修飾GIP受容体アゴニストペプチドは、GIP受容体アゴニストペプチドのCys残基、Asp残基、Glu残基、Lys残基などに置換基を導入すること、及び/またはそれらにポリエチレングリコールを共役的に結合させることによって生成され得る。さらに、GIP受容体アゴニストペプチドのアミノ酸と置換基及びポリエチレングリコールとの間にリンカー構造が存在してもよい。
置換基及び/またはポリエチレングリコール(PEG)によって修飾されるGIP受容体アゴニストペプチドは、例えば、治療上及び診断上重要なペプチドの生物活性の促進、血液循環時間の延長、消失に対する耐性、免疫原性の減少、溶解度の増強、及び代謝に対する抵抗性の増強に関連する1つ以上の効果をもたらす。
PEGの分子量は特に限定されず、通常は約1K~約1000Kダルトン、または約10K~約100Kダルトン、または約20K~約60Kダルトンである。
(R)置換基の付加による本開示の選択的GIPrアゴニストの修飾は、既知の酸化反応及び還元反応に基づいて(R)置換基を導入することによって行われ得る。
GIP受容体アゴニストペプチドをPEGによって修飾するための方法として当該技術分野でよく知られている方法が使用され得、例えば、上に列挙された例示的な方法に加えて、以下に記載される方法が使用され得る。
(1)活性エステルを有するPEG化試薬(例えば、SUNBRIGHT MEGC-30TS(商品名),NOF Corp.)をGIP受容体アゴニストペプチドのアミノ基に結合させる。
(2)アルデヒドを有するPEG化試薬(例えば、SUNBRIGHT ME-300AL(商品名),NOF Corp.)をGIP受容体アゴニストペプチドのアミノ基に結合させる。
(3)二価架橋試薬(例えば、GMBS(Dojindo Laboratories)、EMCS(Dojindo Laboratories)、KMUS(Dojindo Laboratories)、SMCC(Pierce))を、GIP受容体アゴニストペプチドのアミノ酸(例えば、Lys及び/またはCys)に結合させ、次いでこれにチオール基を有するPEG化試薬(例えば、SUNBRIGHT ME-300-SH(商品名),NOF Corp.)を結合させる。
(4)チオール基を、SH導入剤(例えば、D-システイン残基、L-システイン残基、トラウト試薬)を介してGIP受容体アゴニストペプチドに導入し、このチオール基を、マレイミド基を有するPEG化試薬(例えば、SUNBRIGHT ME-300MA(商品名),NOF Corp.)と反応させる。
(5)チオール基を、SH導入剤(例えば、D-システイン残基、L-システイン残基、トラウト試薬)を介してGIP受容体アゴニストペプチドに導入し、このチオール基を、ヨードアセトアミド基を有するPEG化試薬(例えば、SUNBRIGHT ME-300IA(商品名),NOF Corp.)と反応させる。
(6)ω-アミノカルボン酸、α-アミノ酸などを、リンカーとしてGIP受容体アゴニストペプチドのN末端アミノ基に導入し、このリンカーに由来するアミノ基を、活性エステルを有するPEG化試薬(例えば、SUNBRIGHT MEGC-30TS(商品名),NOF Corp.)と反応させる。
(7)ω-アミノカルボン酸、α-アミノ酸などを、リンカーとしてGIP受容体アゴニストペプチドのN末端アミノ基に導入し、このリンカーに由来するアミノ基を、アルデヒド基を有するPEG化試薬(例えば、SUNBRIGHT ME-300AL(商品名),NOF Corp.)と反応させる。
加えて、GIP受容体アゴニストペプチドは、溶媒和物(例えば、水和物)または非溶媒和物(例えば、非水和物)であってよい。
GIP受容体アゴニストペプチドは、同位体(例えば、H、14C、35S、125I)などで標識されてよい。
さらに、GIP受容体アゴニストペプチドは、HがH(D)に変換されている重水素変換体であってよい。
いくつかの実施形態では、同位体で標識した、またはそれで置換したGIP受容体アゴニストペプチドは、例えば、陽電子放出断層撮影(PET)に使用するためのトレーサー(PETトレーサー)として使用され得、医療診断などの分野で有用である。
本明細書で言及されるGIP受容体アゴニストペプチドでは、従来のペプチドマーキングに従って、左端がN末端(アミノ末端)であり、右端はC末端(カルボキシル末端)である。ペプチドのC末端は、アミド(-CONH)、カルボキシル基(-COOH)、カルボキシレート(-COO)、アルキルアミド(-CONHR)、及びエステル(-COOR)のいずれかであってよい。いくつかの実施形態では、ペプチドのC末端は、アミド(-CONH)である。
本開示のGIP受容体アゴニストペプチドは、塩の形態であってよい。そのような塩の例としては、金属塩、アンモニウム塩、有機塩基との塩、無機酸との塩、有機酸との塩、塩基性または酸性アミノ酸との塩などが挙げられる。
金属塩の例としては、アルカリ金属塩、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩など、アルカリ土類金属塩、例えば、カルシウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩など、アルミニウム塩などが挙げられる。
有機塩基との塩の例としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、2,6-ルチジン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N-ジベンジルエチレンジアミンなどとの塩が挙げられる。
無機酸との塩の例としては、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸などとの塩が挙げられる。
有機酸との塩の例としては、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フタル酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸などとの塩が挙げられる。
塩基性アミノ酸との塩の例としては、アルギニン、リジン、オルニチンなどとの塩が挙げられる。酸性アミノ酸との塩の例としては、アスパラギン酸、グルタミン酸などとの塩が挙げられる。
上述した塩の中でも、薬学的に許容される塩が興味深い。例えば、化合物が酸性官能基を有する場合、無機塩、例えば、アルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩など)、アルカリ土類金属塩(例えば、カルシウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩など)など、アンモニウム塩など、及び化合物が塩基性官能基を有する場合、例えば、無機酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸などとの塩、または有機酸、例えば、酢酸、フタル酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、メタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸などとの塩が使用され得る。
いくつかの実施形態では、GIP受容体アゴニストペプチドは、本開示の疾患、例えば、糖尿病、肥満及び/または嘔吐症を処置または予防するためにプロドラッグ形態で合成及び/または使用されてよい。プロドラッグとは、生体内の生理学的条件下で酵素、胃酸などに起因する反応によりGIP受容体アゴニストペプチドに変換される化合物、すなわち、酵素による酸化、還元、加水分解などによりGIP受容体アゴニストペプチドに変換される化合物、胃酸に起因する加水分解などによってGIP受容体アゴニストペプチドに変換されるポリペプチドなどを意味する。
GIP受容体アゴニストペプチドのプロドラッグの例としては、GIP受容体アゴニストペプチドのアミノ基が、アシル化、アルキル化またはリン酸化される化合物(例えば、GIP受容体アゴニストペプチドのアミノ基が、エイコサノイル化、アラニル化、ペンチルアミノカルボニル化、(5-メチル-2-オキソ-1,3-ジオキソレン-4-イル)メトキシカルボニル化、テトラヒドロフラニル化、ピロリジルメチル化、ピバロイルオキシメチル化またはtert-ブチル化される化合物など)、GIP受容体アゴニストペプチドのヒドロキシ基が、アシル化、アルキル化、リン酸化またはホウ酸化されている化合物(例えば、GIP受容体アゴニストペプチドのヒドロキシ基が、アセチル化、パルミトイル化、プロパノイル化、ピバロイル化、スクシニル化、フマリル化、アラニル化またはジメチルアミノメチルカルボニル化される化合物)、GIP受容体アゴニストペプチドのカルボキシ基が、エステル化またはアミド化される化合物(例えば、GIP受容体アゴニストペプチドのカルボキシ基が、C1-6アルキルエステル化、フェニルエステル化、カルボキシメチルエステル化、ジメチルアミノメチルエステル化、ピバロイルオキシメチルエステル化、エトキシカルボニルオキシエチルエステル化、フタリジルエステル化、(5-メチル-2-オキソ-1,3-ジオキソレン-4-イル)メチルエステル化、シクロヘキシルオキシカルボニルエチルエステル化またはメチルアミド化される化合物)などが挙げられてよい。とりわけ、GIP受容体アゴニストペプチドのカルボキシ基が、C1-6アルキル、例えば、メチル、エチル、tert-ブチルなどでエステル化される化合物が使用され得る。これらの化合物、ペプチド及びポリペプチドは、それ自体既知の方法によってGIP受容体アゴニストペプチドから生成され得る。
GIP受容体アゴニストペプチドのプロドラッグはまた、生理学的条件下でGIP受容体アゴニストペプチドに変換されるプロドラッグであり、IYAKUHIN no KAIHATSU(Development of Pharmaceuticals),Vol.7,Design of Molecules,p.163-198,HIROKAWA SHOTENにより出版(1990)に記載されているものなどであってもよい。
本明細書では、プロドラッグは塩を形成する場合がある。そのような塩の例としては、GIP受容体アゴニストペプチドの塩として例示されるものが挙げられる。
いくつかの実施形態では、本開示のGIP受容体アゴニストペプチドは、結晶として合成及び/または使用されてよい。単一の結晶形または複数の結晶形の混合物を有する結晶もまた、GIP受容体アゴニストペプチドの例に包含される。結晶は、それ自体既知の晶析法に従ってGIP受容体アゴニストペプチドを結晶化することによって生成され得る。
加えて、GIP受容体アゴニストペプチドは、薬学的に許容される共結晶または共結晶塩であってよい。本明細書では、共結晶または共結晶塩とは、室温で固体である2つ以上の特定の物質からなる結晶質を意味し、各々が異なる物理的特性(例えば、構造、融点、融解熱、吸湿性、溶解度、安定性など)を有する。共結晶及び共結晶塩は、それ自体既知の共結晶化によって生成され得る。
本開示のGIP受容体アゴニストペプチドの結晶は、物理化学的特性(例えば、融点、溶解度、安定性)及び生物学的特性(例えば、薬物動態(吸収、分布、代謝、排出)、有効性発現)において優れているため、それは医薬として極めて有用である。
いくつかの実施形態では、GIP受容体アゴニストペプチド及び/またはそのプロドラッグ(以下、本開示のGIP受容体アゴニストペプチドと略されることがある)はGIP受容体活性化作用を有し、GLP1Rなどの他の受容体よりも、GIP受容体のアゴニストとして選択性を有する場合がある。本開示の化合物は、インビボで高いGIP受容体選択的活性化作用を有する。
C.GIP媒介病態、疾患、及び障害の予防及び処置の方法
GIPは、インクレチンと呼ばれる胃腸ホルモンであり、膵臓からのインスリン分泌に対する促進作用を有する。インクレチンはグルコース代謝と密接に関連しているため、GIP受容体活性化作用を有する化合物は、糖尿病及び肥満を含むグルコース代謝異常に関連する症状の予防及び処置に有用である。さらに、本開示の化合物は、GIP受容体選択的活性化作用を有し、最後野におけるGABA作動性ニューロンを活性化することによって嘔吐を抑制する。
より具体的には、本開示のGIP受容体アゴニストペプチドは、血糖降下作用、制吐作用などを有する。
本開示のGIP受容体アゴニストペプチドは、高い化学的安定性及びインビボでの優れた効果持続性を有する。
本開示のGIP受容体アゴニストペプチドは、GIP受容体活性化因子として使用されてよい。
本開示では、GIP受容体活性化因子(GIP受容体アゴニスト)は、GIP受容体活性化作用を有する薬剤を意味する。さらに、GIP受容体選択的活性化因子(GIP受容体ペプチドアゴニスト)は具体的には、GLP-1受容体のEC50よりも1/10倍以下、または1/100倍以下、または1/1000倍以下、または1/10000倍以下のGIP受容体のEC50を有する薬剤を意味する。
本開示のGIP受容体アゴニストペプチドは、その毒性が低く(例えば、急性毒性、慢性毒性、遺伝毒性、生殖毒性、心毒性、発がん性)、示される副作用はわずかであり、以下に記述される様々な疾患などを予防または処置するための薬剤として哺乳動物(例えば、ヒト、ウシ、ウマ、イヌ、ネコ、サル、マウス、ラット)に安全に投与され得る。
本開示のGIP受容体アゴニストペプチドは、GIP受容体に対する上記の活性化作用により、糖尿病及び肥満を含む様々な疾患の処置または予防のための薬剤として使用され得る。本開示のGIP受容体アゴニストペプチドは、例えば、症候性肥満、単純性肥満に基づく肥満、肥満に関連する疾患状態または疾患、摂食障害、糖尿病(例えば、1型糖尿病、2型糖尿病、妊娠糖尿病、肥満糖尿病)、高脂血症(例えば、高トリグリセリド血症、高コレステロール血症、高LDL-コレステロール血症、低HDL-コレステロール血症、食後高脂血症)、高血圧、心不全、糖尿病性合併症[例えば、ニューロパシー、腎症、網膜症、糖尿病性心筋症、白内障、大血管症、骨減少症、高浸透圧性糖尿病昏睡、感染性疾患(例えば、呼吸器感染症、尿路感染症、胃腸感染症、皮膚軟部組織感染症、下肢感染症)、糖尿病性壊疽、口腔乾燥症、聴力障害、脳血管障害、末梢血循環障害]、メタボリックシンドローム(高トリグリセリド血症(TG)、低HDLコレステロール(HDL-C)血症、高血圧、腹部肥満及び耐糖能異常から選択される3つ以上を有する疾患状態)、サルコペニアなどの予防または処置のための薬剤として使用され得る。
症候性肥満の例としては、内分泌肥満(例えば、クッシング症候群、甲状腺機能低下症、インスリノーマ、肥満II型糖尿病、偽性副甲状腺機能低下症、性腺機能低下症)、中心性肥満(例えば、視床下部肥満、前頭葉症候群、クライネ・レヴィン症候群)、遺伝性肥満(例えば、プラダー・ウィリ症候群、ローレンス・ムーン・ビードル症候群)、薬物誘発肥満(例えば、ステロイド、フェノチアジン、インスリン、スルホニル尿素(SU)剤、β-ブロッカー誘発肥満)などが挙げられる。
肥満に関連する疾患状態または疾患の例としては、耐糖能障害、糖尿病(特に2型糖尿病(T2DM)、肥満糖尿病)、脂質代謝異常(上記高脂血症と同義)、高血圧、心不全、高尿酸血症、痛風、脂肪肝(非アルコール性脂肪性肝炎を含む)、冠動脈心疾患(心筋梗塞、狭心症)、脳梗塞(脳血栓症、一過性脳虚血発作)、骨/関節疾患(変形性膝関節症、変形性股関節症、変形性脊椎炎、腰痛)、睡眠時無呼吸症候群/ピックウィック症候群、月経障害(異常な月経周期、月経出血及び周期の異常、無月経、異常な月経症状)、メタボリックシンドロームなどが挙げられる。
糖尿病の診断基準について新たな診断基準が1999年にThe Japan Diabetes Societyによって報告された。
この報告によれば、糖尿病は、126mg/dl以上の空腹時血中グルコースレベル(静脈血漿におけるグルコース濃度)、75g経口グルコース負荷試験(75g OGTT)における200mg/dl以上の2時間値(静脈血漿におけるグルコース濃度)、及び200mg/dl以上の随時血中グルコースレベル(静脈血漿におけるグルコース濃度)のいずれかを満たす状態を指す。また、上記糖尿病に適用されず、「110mg/dl未満の空腹時血中グルコースレベル(静脈血漿におけるグルコース濃度)または75g経口グルコース負荷試験(75g OGTT)における140mg/dl未満の2時間値(静脈血漿におけるグルコース濃度)」(正常なタイプ)を示す状態ではない状態は、「境界型」と呼ばれる。
その上、糖尿病の診断基準に関して新たな診断基準が、1997年にAmerican Diabetes Association(ADA)によって及び1998年に世界保健機関(WHO)によって報告された。
これらの報告によれば、糖尿病は、126mg/dl以上の空腹時血中グルコースレベル(静脈血漿におけるグルコース濃度)及び75g経口グルコース負荷試験における200mg/dl以上の2時間値(静脈血漿におけるグルコース濃度)を満たす状態を指す。
上記報告によれば、耐糖能異常は、126mg/dl未満の空腹時血中グルコースレベル(静脈血漿におけるグルコース濃度)及び75g経口グルコース負荷試験における140mg/dl以上及び200mg/dl未満の2時間値(静脈血漿におけるグルコース濃度)を満たす状態を指す。ADAの報告によれば、110mg/dl以上及び126mg/dl未満の空腹時血中グルコースレベル(静脈血漿におけるグルコース濃度)を示す状態は、IFG(空腹時グルコース異常)と呼ばれる。一方、WHOの報告によれば、75g経口グルコース負荷試験における140mg/dl未満の2時間値(静脈血漿におけるグルコース濃度)を示すIFG(空腹時グルコース異常)の状態は、IFG(空腹時血糖異常)と呼ばれる。
本開示のGIP受容体アゴニストペプチドはまた、上記新たな診断基準に従って決定された糖尿病、境界型糖尿病、耐糖能異常、IFG(空腹時グルコース異常)及びIFG(空腹時血糖異常)の予防または処置のための薬剤として使用され得る。その上、本開示のGIP受容体アゴニストペプチドは、境界型、耐糖能異常、IFG(空腹時グルコース異常)またはIFG(空腹時血糖異常)の糖尿病への進行を予防し得る。
本開示のGIP受容体アゴニストペプチドはまた、メタボリックシンドロームの予防または処置のための薬剤として有用であり得る。心臓血管疾患の発生率は、ひとり暮らしに関連する疾患を有する患者と比較して、メタボリックシンドローム患者において有意に高い。よって、メタボリックシンドロームの予防または処置は、心臓血管疾患を予防するために非常に重要である。
メタボリックシンドロームの診断基準は、1999年にWHOによって及び2001年にNCEPによってアナウンスされた。WHOの診断基準によれば、要件として高インスリン血症または異常な耐糖能ならびに内臓肥満、脂質異常症(高TGまたは低HDL)及び高血圧のうちの2つ以上を有する個体は、メタボリックシンドロームを有すると診断される(World Health Organization:Definition,Diagnosis and Classification of Diabetes Mellitus and Its Complications.Part I:Diagnosis and Classification of Diabetes Mellitus,World Health Organization,Geneva,1999)。米国におけるNational Cholesterol Education Program(虚血性心疾患のガイドライン)のAdult Treatment Panel IIIの診断基準によれば、内臓肥満、高トリグリセリド血症、低HDL-コレステロール血症、高血圧及び異常な耐糖能のうちの3つ以上を有する個体は、メタボリックシンドロームを有すると診断される(National Cholesterol Education Program:Executive Summary of the Third Report of National Cholesterol Education Program(NCEP)Expert Panel on Detection,Evaluation,and Treatment of High Blood Cholesterol in Adults(Adults Treatment Panel III).The Journal of the American Medical Association,Vol.285,2486-2497,2001)。
より具体的には、本開示のGIP受容体アゴニストペプチドは制吐作用を有し、本明細書に開示される様々な刺激と関連する場合に、例えば、対象が周期性嘔吐症候群を有するか、または化学療法薬、例えば、嘔吐症を伴う可能性がある化学療法薬、例えば、がんの処置に使用される白金系化学療法薬、例えば、シスプラチン、オキサリプラチン、及びカルボプラチンなど、イリノテカン及び他のトポイソメラーゼ阻害剤などが投与される場合に悪心、及び/または嘔吐の発症の数及び重症度を阻害または減少させる可能性がある。本開示のGIP受容体アゴニストペプチドは、高い化学的安定性及びインビボでの優れた効果持続性を有する。
本開示のGIP受容体アゴニストペプチドは、GIP受容体活性化因子として使用されてよい。本開示では、GIP受容体活性化因子(GIP受容体アゴニスト)は、GIP受容体活性化作用を有する薬剤を意味する。さらに、GIP受容体選択的活性化因子(すなわち、本明細書で使用されるGIP受容体アゴニスト)は特に、GLP-1受容体のEC50よりも1/1000倍以下、または1/10000倍以下のGIP受容体のEC50を有する薬剤を意味するか、または言い換えると、EC50 GLP1R/EC50 GIPRの比が、10超、100超、または1,000超、または10,000超、または100~1,000,000またはそれ以上である。
本開示のGIP受容体アゴニストペプチドは、毒性が低く(例えば、急性毒性、慢性毒性、遺伝毒性、生殖毒性、心毒性、発がん性)、示される副作用はわずかであり、嘔吐症を予防または処置するための薬剤として哺乳動物(例えば、ヒト、ウシ、ウマ、イヌ、ネコ、サル、マウス、ラット)に安全に投与され得る。
「処置」は、本明細書に開示されるGIP受容体アゴニストペプチドの少なくとも1つを投与することによって嘔吐症を処置する文脈においては、予防的処置及び対象が嘔吐症を経験した後における嘔吐症の処置の両方を含む。予防的処置としては、対象が嘔吐症を経験する前、例えば、対象が悪心を経験する場合などにGIP受容体アゴニストペプチドを投与することに加えて、対象が物質、薬剤、もしくはイベントに曝露される前、または対象が状態に罹患し、その対象が嘔吐症を経験する結果となる、もしくは経験する結果となる可能性がある前にGIP受容体アゴニストペプチドを投与することが挙げられる。本明細書で使用される場合、「治療有効量」は、所望の生物学的応答を誘発するのに十分なGIP受容体アゴニストペプチドの量を指す。本開示では、所望の生物学的反応は、対象における、例えば、糖尿病及び肥満を含む、グルコース代謝異常の処置及び/または予防を、それを必要とする対象において行うこと、または嘔吐症の予防及び/または処置を、それを必要とする対象において行うことである。
本発明の化合物はまた、上記の様々な疾患(例えば、心臓血管事象、例えば、心筋梗塞など)の進行の二次的予防または抑制のために使用され得る。また、本発明の化合物はまた、摂取抑制剤及び減量剤として有用である。本発明の化合物はまた、食餌療法(例えば、糖尿病のための食餌療法)、及び運動療法と組み合わせて使用され得る。本開示のGIP受容体アゴニストペプチドは、糖尿病及び/または肥満、糖尿病及び/または肥満に関連する病態生理学的状態、例えば、対象が悪心及び/または嘔吐などの嘔吐症を経験するまたは経験しようとしている場合は嘔吐症を処置または予防するために使用され得る。様々な実施形態では、対象、例えば、哺乳動物、例えば、ヒト、非ヒト霊長類、類人猿、サル、実験用哺乳動物、例えば、マウス、ラット、ウサギ、モルモット、フェレット、馴化哺乳動物、例えば、伴侶哺乳動物、イヌ、ネコ及びウマなど、ならびに家畜哺乳動物、例えば、ウシ、ブタ、ヒツジ及びヤギなど(これらが純粋に例として挙げられるが、網羅的一覧を意図するものではない)は、本開示のGIP受容体アゴニストペプチドで処置され得る。これらの場合の各々では、本開示の方法は、糖尿病、肥満、もしくは嘔吐症の処置もしくは予防を、それを必要とする対象において行うために、糖尿病、肥満、もしくは嘔吐症を減少もしくは阻害するために、糖尿病、肥満、もしくは嘔吐症に関連する症状を減少もしくは阻害するために、または糖尿病、肥満、もしくは嘔吐症に関連する病理学的状態もしくは症状、例えば、悪心及び/または嘔吐を減少もしくは阻害するために提供される。
嘔吐症を予防または処置するために、薬学的組成物中の有効量の本化合物のうち1つ以上が、それを必要とする対象/患者(本明細書では交換可能に使用される)に投与される。対象は、対象による嘔吐の観察によって、または対象の嘔吐症の自己報告(ヒト対象の場合)のいずれかによって本GIP受容体アゴニストペプチドを用いた処置を必要としていると決定される。患者が、別の病状に起因して、あるいは嘔吐症と関連することが知られている薬剤、例えば、ウイルスもしくは細菌による感染症または化学薬剤もしくは放射線などへの曝露に起因して嘔吐症を経験するリスクがあるかを評価することによって、患者は予防療法を必要としていると決定される。
本GIP受容体アゴニストペプチドは、急性、遅延性または予測性嘔吐、例えば、化学療法、放射線、毒素、ウイルスまたは細菌感染、妊娠、前庭障害(例えば、乗り物酔い、めまい症、めまい及びメニエール病)、外科手術、疼痛、オピオイド使用及び離脱、片頭痛、ならびに頭蓋内圧の変動によって誘発される嘔吐症の治療に有益である。本発明の使用は、例えば、がんの処置、または放射線宿酔中に放射線によって誘発される嘔吐症の治療に、ならびに術後の悪心及び嘔吐の処置に特に有益である。とりわけ、本発明の使用は、がん化学療法で日常的に使用されるものを含む抗腫瘍(細胞傷害)剤によって誘発される嘔吐症、他の薬剤、例えば、アルファ-2アドレナリン受容体アンタゴニスト、例えば、ヨヒンビン、MK-912及びMK-467など、ならびにIV型環状ヌクレオチドホスホジエステラーゼ(PDE4)阻害剤、例えば、RS14203、CT-2450及びロリプラムなどによって誘発される嘔吐症の治療に有益である。
化学療法剤の特定の例は、例えば、D.J.StewartによってNausea and Vomiting:Recent Research and Clinical Advances,ed.J.Kucharczyk et al.,CRC Press Inc.,Boca Raton,Fla.,USA,1991,pages 177-203の特に188ページに記載されている。一般的に使用される化学療法剤としては、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、シクロホスファミド、ダカルバジン(DTIC)、ダクチノマイシン、メクロレタミン(ナイトロジェンマスタード)、ストレプトゾシン、シクロホスファミド、カルムスチン(BCNU)、イリノテカン、及び他のトポイソメラーゼ阻害剤、ロムスチン(CCNU)、ドキソルビシン(アドリアマイシン)、ダウノルビシン、プロカルバジン、マイトマイシン、シタラビン、エトポシド、メトトレキサート、5-フルオロウラシル、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ブレオマイシン、パクリタキセルならびにクロランブシル(R.J.Gralle et al.Cancer Treatment Reports,1984,68,163-172において)が挙げられる。他の化学薬剤、例えば、毒素ソマンもしくはサリンなど、またはオピオイド薬の使用及び/または離脱、例えば、モルヒネ、ヘロイン、オキシコドンなどに起因する嘔吐症も、予防及び/または処置され得る。
本化合物は、患者の嘔吐症と関連する症状及び/または基礎となる病因を処置または予防するのに十分な量で患者に投与される。好ましい実施形態では、GIP受容体アゴニストペプチドは、嘔吐症を引き起こす可能性がある薬剤、例えば、上に記載される化学療法剤のうち1つ以上などの投与前に投与される。本GIP受容体アゴニストペプチドはまた、そのような薬剤と組み合わせて、物理的組合せで、または本化合物及び薬剤を連続して(任意の順序で)投与することによる併用療法のいずれかで投与され得る。本発明は嘔吐症に罹患している任意の哺乳動物に有用であるが、好ましい対象はヒトである。
いくつかの実施形態では、本開示の選択的GIPrアゴニストは、対象が糖尿病及び/または肥満について同時に処置されている場合に嘔吐症を処置するために投与されてよい。いくつかの既知の抗糖尿病薬、例えば、メトホルミン(Glucophage、Glumetza、他のもの)、スルホニル尿素、メグリチニド、チアゾリジンジオン、DPP-4阻害剤、SGLT2阻害剤、及びGLP-1受容体アゴニストが、嘔吐症を引き起こすことが知られている。いくつかの実施形態では、対象、例えば、嘔吐症の処置を必要とする対象の嘔吐症を処置する方法は、2型糖尿病を有しない対象または嘔吐症を経験しているが、2型糖尿病を処置するための医薬を服用していない対象に有効量のGIP受容体アゴニストペプチドを投与することを含む場合がある。
悪心は、対象の喉及び胃の奥にある主観的な不快感であり、嘔吐を引き起こす可能性がある。悪心について説明する言葉は多く存在し、吐き気がする、胃がむかつく、または胃のむかつきを含むが、これらに限定されない。悪心は、同時に生じる他の症状、例えば、唾液(つば)の増加、めまい、意識朦朧、嚥下困難、皮膚温度の変化、及び頻拍などを有し得る。嘔吐は「吐く」とも記載される。対象が嘔吐する場合、対象の胃の筋肉が収縮し(圧迫され)、その胃の内容物を口から押し出す。対象が悪心を感じる場合、または感じない場合もある。吐き気とは、対象が嘔吐しようとした場合にその胃から何も排出されないことである。吐き気について説明するために使用される他の用語は、空嘔吐または空吐きである。悪心及び嘔吐は多くの場合に同時に生じるが、それらは相互に排他的または相互に関連している場合がある2つの異なる状態であり得る。一部の化学療法薬は、他の薬よりも悪心及び嘔吐を引き起こす可能性が高い。医師は、化学療法薬をそれらの催吐可能性(薬物が悪心または嘔吐を引き起こすことになる可能性がどの程度か)によって高、中、低、または最小リスクに分類する。
様々な実施形態では、GIPRアゴニストペプチド化合物は、嘔吐症及び嘔吐症に関連する症状に対する処置及び予防処置を提供するために1週に1回(本明細書で互換可能に使用されるQWまたはQ1W)投薬され得る。特に、本開示のGIPRアゴニストペプチド化合物は、化学療法誘発悪心及び嘔吐(CINV)、慢性原因不明悪心及び/または嘔吐、周期性嘔吐症候群(CVS)、及び胃不全まひに関連する悪心及び/または嘔吐を優先的に処置するために使用され得る。周期性嘔吐症候群は、成人において認識されつつある慢性機能性胃腸障害である。それは、一過性悪心及び嘔吐を特徴とし、有意な罹患率に関連する。
がんを有する推定で80%の患者は、化学療法誘発悪心及び嘔吐(CINV)を経験する。CINVという用語には、食欲喪失を伴い、水分及びカロリーの経口摂取の減少をもたらし得る嘔吐症及び悪心が含まれる。5つの異なるタイプのCINVが定義されており、それには、急性型、遅延型、ブレークスルー型、予期型、及び難治型CINVが含まれる。
例示的な実施形態では、本開示は、化学療法誘発悪心及び嘔吐(CINV)、慢性原因不明悪心及び/または嘔吐、周期性嘔吐症候群(CVS)、及び胃不全まひに関連する悪心及び/または嘔吐のための予防処置または維持療法であって、本開示の1つ以上のGIPRアゴニストペプチド化合物、例えば、化合物84、45、50、41、72、及び27から選択されるGIPRアゴニストペプチド化合物を治療有効量でそれを必要とする対象に投与することを含む、予防処置または維持療法を提供する。
本開示のGIP受容体アゴニストペプチドは、例えば、以下の(1)~(10)に記載される臨床的病態または原因によって引き起こされる嘔吐及び/または悪心の予防/治療剤、すなわち、予防処置または維持療法として使用されてよい。さらに、本開示のGIP受容体アゴニストペプチドは、原因不明の慢性悪心及び嘔吐の予防/治療剤として使用されてよい。嘔吐または悪心は、胃のむかつき及び吐き気を感じるなどの胃の内容物を口から排出したいという切迫した不快感も含み、自律神経症状、例えば、顔面蒼白、冷汗、唾液分泌、頻脈、及び下痢などを伴う場合もある。嘔吐は、急性嘔吐、遷延性嘔吐、及び予測性嘔吐も含む。
(1)嘔吐または悪心を伴う疾患、例えば、胃不全まひ、胃腸運動低下、腹膜炎、腹部腫瘍、便秘、胃腸閉塞、慢性偽腸閉塞症、機能性ディスペプシア、周期性嘔吐症候群、化学療法誘発悪心及び嘔吐(CINV)、胃不全まひに関連する悪心及び/または嘔吐、慢性原因不明悪心及び嘔吐、急性膵炎、慢性膵炎、肝炎、高カリウム血症、脳浮腫、頭蓋内病変、代謝障害、感染症によって引き起こされる胃炎、術後疾患、心筋梗塞、片頭痛、頭蓋内圧亢進症、及び脳圧低下症(例えば、高山病);
(2)化学療法薬、例えば、(i)アルキル化剤(例えば、シクロホスファミド、カルムスチン、ロムスチン、クロラムブシル、ストレプトゾシン、ダカルバジン、イホスファミド、テモゾロミド、ブスルファン、ベンダムスチン、及びメルファラン)、細胞傷害性抗生物質(例えば、ダクチノマイシン、ドキソルビシン、マイトマイシン-C、ブレオマイシン、エピルビシン、アクチノマイシンD、アムルビシン、イダルビシン、ダウノルビシン、及びピラルビシン)、代謝拮抗剤(例えば、シタラビン、メトトレキサート、5-フルオロウラシル、エノシタビン、及びクロファラビン)、ビンカアルカロイド(例えば、エトポシド、ビンブラスチン、及びビンクリスチン)、他の化学療法剤、例えば、シスプラチン、プロカルバジン、ヒドロキシ尿素、アザシチジン、イリノテカン、インターフェロンα、インターロイキン-2、オキサリプラチン、カルボプラチン、ネダプラチン、及びミリプラチンなど、(ii)オピオイド鎮痛薬(例えば、モルヒネ)、(iii)ドーパミン受容体D1D2アゴニスト(例えば、アポモルヒネ)、(iv)大麻悪阻症候群を含む大麻及びカンナビノイド製品などによって誘発される嘔吐及び/または悪心;
(3)放射線宿酔またはがんの処置に使用される胸部、腹部などへの放射線療法によって引き起こされる嘔吐または悪心;
(4)有毒物質または毒素によって引き起こされる嘔吐または悪心;
(5)妊娠悪阻を含む妊娠によって引き起こされる嘔吐及び悪心;ならびに
(6)前庭障害、例えば、乗り物酔いまたはめまいなどによって引き起こされる嘔吐及び悪心
(7)オピオイド離脱;
(8)慢性原因不明悪心及び嘔吐によって引き起こされる嘔吐及び悪心;
(9)前庭障害、例えば、乗り物酔いまたはめまいなど;ならびに
(10)局所的、全身的、急性または慢性疼痛を引き起こす身体的損傷。
嘔吐症、または悪心、または嘔吐のこれらの原因は、網羅的であることを意味するものではない。他の状態、活性、副作用が、嘔吐症、例えば、悪心及び/または嘔吐を引き起こす場合がある。悪心は、視覚的アナログスケール(VAS)の使用などによって当該技術分野に既知の方法で測定され得る。
D.製剤
本開示のGIP受容体アゴニストペプチドを含有する医薬は毒性が低く、医薬調製物の生成方法として一般的に使用されるそれ自体既知の方法(例えば、日本薬局方に記載されている方法)に従って本開示の化合物を単独で使用して、または薬理学的に許容される担体と混合して使用して得られ、医薬調製物、例えば、錠剤(糖衣錠、フィルムコーティング錠、舌下錠、口腔内崩壊錠を含む)、散剤、顆粒、カプセル(軟カプセル、マイクロカプセルを含む)、液体、トローチ、シロップ、エマルジョン、懸濁液、注射(例えば、皮下注射、静脈内注射、筋肉内注射、腹腔内注射など)、外用製剤(例えば、経鼻製剤、皮膚製剤、軟膏)、坐剤(例えば、直腸坐剤、膣坐剤)、ペレット、鼻製剤、肺製剤(吸入剤)、輸血などとして安全に経口または非経口投与(例えば、局所、経直腸、静脈内投与)される。
これらの調製物は、制御放出調製物、例えば、急速放出調製物、徐放性調製物など(例えば、徐放性マイクロカプセル)であってよい。医薬調製物中における本開示の化合物の含有量は、調製物全体の約0.01~約100wt%である。
上述した薬学的に許容される担体は、調製材料として従来から使用されている様々な有機または無機担体材料、例えば、固体調製物用の賦形剤、滑沢剤、結合剤及び崩壊剤、または液体調製物用の溶媒、可溶化剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝剤、無痛化剤などによって例示されてよい。さらに、必要であれば、一般的な添加剤、例えば、防腐剤、酸化防止剤、着色剤、甘味剤、吸着剤、湿潤剤なども好適な量で適切に使用され得る。
賦形剤の例としては、ラクトース、スクロース、D-マンニトール、デンプン、コーンスターチ、結晶セルロース、軽質無水ケイ酸などが挙げられる。
滑沢剤の例としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、コロイド状シリカなどが挙げられる。
結合剤の例としては、結晶セルロース、スクロース、D-マンニトール、デキストリン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、デンプン、スクロース、ゼラチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムなどが挙げられる。
崩壊剤の例としては、デンプン、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルデンプンナトリウム、L-ヒドロキシプロピルセルロースなどが挙げられる。
溶媒の例としては、注射用水、アルコール、プロピレングリコール、マクロゴール、ゴマ油、コーン油、オリーブ油などが挙げられる。
可溶化剤の例としては、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、D-マンニトール、安息香酸ベンジル、エタノール、トリスアミノメタン、コレステロール、トリエタノールアミン、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムなどが挙げられる。
懸濁化剤の例としては、界面活性剤、例えば、ステアリルトリエタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸、レシチン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、モノステアリン酸グリセリンなど、親水性ポリマー、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどが挙げられる。
等張化剤の例としては、グルコース、D-ソルビトール、塩化ナトリウム、グリセリン、D-マンニトールなどが挙げられる。
緩衝剤の例としては、緩衝液、例えば、リン酸塩、酢酸塩、炭酸塩、クエン酸塩などが挙げられる。
無痛化剤の例としては、ベンジルアルコールなどが挙げられる。
防腐剤の例としては、パラヒドロキシ安息香酸エステル、クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、デヒドロ酢酸、ソルビン酸などが挙げられる。
酸化防止剤の例としては、亜硫酸塩、アスコルビン酸、α-トコフェロールなどが挙げられる。
着色剤の例としては、水溶性食用コールタール色素(例えば、食用色素、例えば、食用赤色2号及び3号、食用黄色4号及び5号、食用青色1号及び2号など)、水不溶性レーキ色素(例えば、上述した水溶性食用コールタール色素のアルミニウム塩)、天然色素(例えば、β-カロテン、クロロフィル、赤色酸化第二鉄)などが挙げられる。
甘味剤の例としては、サッカリンナトリウム、グリチルリチン酸二カリウム、アスパルテーム、ステビアなどが挙げられる。
吸着剤の例としては、有孔デンプン、ケイ酸カルシウム(商標名:Florite RE)、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム(商標名:Neusilin)及び軽質無水ケイ酸(商標名:Sylysia)が挙げられる。
湿潤剤の例としては、モノステアリン酸プロピレングリコール、ソルビタンモノオレエート、ジエチレングリコールモノラウレート及びポリオキシエチレンラウリルエーテルが挙げられる。
経口調製物の製造中、味のマスキング、腸溶性または耐久性を目的として、必要に応じてコーティングが適用されてよい。
コーティングに使用されるコーティング基剤の例としては、糖衣基剤、水性フィルムコーティング基剤、腸溶性フィルムコーティング基剤及び徐放性フィルムコーティング基剤が挙げられる。
糖衣基剤としては、スクロースが使用される。さらに、タルク、沈降炭酸カルシウム、ゼラチン、アラビアゴム、プルラン、カルナウバロウなどから選択される1種以上が組み合わせて使用されてよい。
水性フィルムコーティング基剤の例としては、セルロースポリマー、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロースなど、合成ポリマー、例えば、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、アミノアルキルメタクリレートコポリマーE[Eudragit E(商標名)]、ポリビニルピロリドンなど、及び多糖類、例えば、プルランなどが挙げられる。
腸溶性フィルムコーティング基剤の例としては、セルロースポリマー、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、カルボキシメチルエチルセルロース、セルロースアセテートフタレートなど、アクリルポリマー、例えば、メタクリル酸コポリマーL[Eudragit L(商標名)]、メタクリル酸コポリマーLD[Eudragit L-30D55(商標名)]、メタクリル酸コポリマーS[Eudragit S(商標名)]など、及びシェラックなどの天然に存在する物質などが挙げられる。
徐放性フィルムコーティング基剤の例としては、エチルセルロースなどのセルロースポリマー、及びアクリルポリマー、例えば、アミノアルキルメタクリレートコポリマーRS[Eudragit RS(商標名)]、アクリル酸エチル-メタクリル酸メチルコポリマー懸濁液[Eudragit NE(商標名)]などが挙げられる。
上述したコーティング基剤は、その2種類以上を適切な比率で混合した後に使用されてよい。コーティングには、例えば、遮光剤、例えば、酸化チタン、赤色酸化第二鉄などが使用され得る。
E.投与
対象に投与されるGIP受容体アゴニストペプチドを含有する組成物または医薬の治療有効量または用量は、患者の年齢、性別及び体重、ならびに患者の現在の病状に依存することになる。当業者は、これらの及び他の要因に応じて適切な投与量を決定し、所望の生物学的応答を達成することができることになる。
本開示のGIP受容体アゴニストペプチドの投与量は、投与対象、症状、投与方法などによって適切に決定される。例えば、本開示のGIP受容体アゴニストペプチドが、嘔吐症を引き起こす可能性がある行為に従事する前に、またはヒト対象(体重およそ60kg)の嘔吐症の発症後に対象に経口投与される場合、本開示の化合物の1日用量は、約0.01~100mg、約1.0~50mg、または約1.0~20mgである。本開示の化合物が肥満もしくは糖尿病患者または胃不全麻痺(体重60kg)に非経口投与される場合、本開示の化合物の1日用量は、約0.001~30mg、約0.01~20mg、約0.1~10mgである。これらの量は、1日に約1回~数回に分けて投与され得る。いくつかの実施形態では、嘔吐症の処置を必要とする対象の嘔吐症を予防及び/または処置するための治療有効量のGIP受容体アゴニストペプチドは、約0.01~0.5mg/kg/日、0.1~5mg/kg/日、5~10mg/kg/日、10~20mg/kg/日、20~50mg/kg/日、10~100mg/kg/日、10~120mg/kg/日、50~100mg/kg/日、100~200mg/kg/日、200~300mg/kg/日、300~400mg/kg/日、400~500mg/kg/日、500~600mg/kg/日、600~700mg/kg/日、700~800mg/kg/日、800~900mg/kg/日または900~1000mg/kg/日の範囲であってよい。
本開示のGIP受容体アゴニストペプチドは、例えば、1週に1回(QW)、または4日ごと、5日ごと、6日ごと、7日ごと、週に2回、隔週、3週間ごと、毎月、2か月ごと、3か月ごと、4か月ごと、5か月ごと、または6か月ごとに投与され得る。いくつかの実施形態では、本開示のGIP受容体アゴニストペプチドは、1週に1~2回、または10日に1~2回で1~5週間、1~5ヶ月間、または1~5年間、対象に投与され得る。
本開示のGIP受容体アゴニストペプチドは、例えば、本開示のGIP受容体アゴニストペプチドの作用(制吐作用)を促進すること、本開示のGIP受容体アゴニストペプチドの用量を減らすことなどを目的として、本開示のGIP受容体アゴニストペプチドに悪影響を及ぼさない別の薬物と組み合わせて使用され得る。
本開示のGIP受容体アゴニストペプチドと組み合わせて使用され得る薬物(以下、併用薬と略されることがある)の例としては、抗肥満剤、糖尿病の治療剤、糖尿病合併症の治療剤、高脂血症の治療剤、降圧剤、利尿薬、化学療法薬、免疫療法薬、抗炎症薬、抗血栓剤、骨粗鬆症の治療剤、ビタミン、抗認知症薬、勃起不全薬、尿意頻数または尿失禁の治療薬、排尿困難の治療剤、中枢D2受容体アンタゴニスト、消化管運動促進剤、抗ヒスタミン剤、ムスカリン受容体アンタゴニスト、セロトニン5HT3受容体アンタゴニスト、ソマトスタチン類似体、コルチコステロイド、ベンゾジアゼピン抗不安薬、NK-1受容体アンタゴニスト、高カルシウム血症治療薬などが挙げられる。併用薬の具体例としては、以下で言及されるものが挙げられる。
抗肥満剤の例としては、モノアミン取込み阻害剤(例えば、フェンテルミン、シブトラミン、マジンドール、フルオキセチン、テソフェンシン)、セロトニン2C受容体アゴニスト(例えば、ロルカセリン)、セロトニン6受容体アンタゴニスト、ヒスタミンH3受容体調節薬、GABA調節薬(例えば、トピラマート)、ニューロペプチドYアンタゴニスト(例えば、ベルネペリット)、カンナビノイド受容体アンタゴニスト(例えば、リモナバン(rimonabant)、タラナバン(taranabant))、グレリンアンタゴニスト、グレリン受容体アンタゴニスト、グレリンアシル化酵素阻害剤、オピオイド受容体アンタゴニスト(例えば、GSK-1521498)、オレキシン受容体アンタゴニスト、メラノコルチン4受容体アゴニスト、11β-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ阻害剤(例えば、AZD-4017)、膵リパーゼ阻害剤(例えば、オルリスタット、セチリスタット)、β3アゴニスト(例えば、N-5984)、ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ1(DGAT1)阻害剤、アセチルCoAカルボキシラーゼ(ACC)阻害剤、ステアロイル-CoA不飽和化酵素阻害剤、ミクロソームトリグリセリド輸送タンパク質阻害剤(例えば、R-256918)、Na-グルコース共輸送体阻害剤(例えば、JNJ-28431754、レモグリフロジン)、NFκ阻害剤(例えば、HE-3286)、PPARアゴニスト(例えば、GFT-505、DRF-11605)、ホスホチロシンホスファターゼ阻害剤(例えば、バナジン酸ナトリウム、トロダスケミン)、GPR119アゴニスト(例えば、PSN-821、MBX-2982、APD597)、グルコキナーゼ活性化因子(例えば、AZD-1656)、レプチン、レプチン誘導体(例えば、メトレレプチン)、CNTF(毛様体神経栄養因子)、BDNF(脳由来神経栄養因子)、コレシストキニンアゴニスト、アミリン調製物(例えば、プラムリンチド、AC-2307)、ニューロペプチドYアゴニスト(例えば、PYY3-36、PYY3-36の誘導体、オビネプタイド(obineptide)、TM-30339、TM-30335)、オキシントモジュリン調製物:FGF21調製物(例えば、ウシまたはブタの膵臓から抽出された動物FGF21調製物、Escherichia coliまたは酵母を使用して遺伝子合成されたヒトFGF21調製物、FGF21の断片または誘導体)、食欲抑制剤(例えば、P-57)、GLP-1受容体アゴニスト、GLP-1受容体/GIP受容体コアゴニスト、グルカゴン受容体/GLP-1受容体/GIP受容体トリアゴニストなどが挙げられる。
本明細書では、糖尿病の治療剤として、例えば、インスリン調製物(例えば、ウシまたはブタの膵臓から抽出された動物インスリン調製物、Escherichia coliまたは酵母を使用して遺伝子合成されたヒトインスリン調製物、亜鉛インスリン、プロタミン亜鉛インスリン、インスリンの断片または誘導体(例えば、INS-1)、経口インスリン調製物)、インスリン抵抗性改善薬(例えば、ピオグリタゾンまたはその塩(例えば、塩酸塩)、ロシグリタゾンまたはその塩(好ましくは、マレイン酸塩)、メタグリダセン、AMG-131、バラグリタゾン、MBX-2044、リボグリタゾン、アレグリタザール、チグリタザール、ロベグリタゾン、PLX-204、PN-2034、GFT-505、THR-0921、WO007/013694、WO2007/018314、WO2008/093639またはWO2008/099794に記載されている化合物)、α-グルコシダーゼ阻害剤(例えば、ボグリボース、アカルボース、ミグリトール、エミグリテート)、ビグアナイド(例えば、メトホルミン、ブホルミンまたはその塩(例えば、塩酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩))、インスリン分泌促進剤(例えば、スルホニル尿素(例えば、トルブタミド、グリベンクラミド、グリクラジド、クロルプロパミド、トラザミド、アセトヘキサミド、グリクロピラミド、グリメピリド、グリピジド、グリブゾール)、レパグリニド、ナテグリニド、ミチグリニドまたはそのカルシウム塩水和物)、ジペプチジルペプチダーゼIV阻害剤(例えば、アログリプチンまたはその塩(例えば、安息香酸塩)、ビルダグリプチン、シタグリプチン、サクサグリプチン、BI1356、GRC8200、MP-513、PF-00734200、PHX1149、SK-0403、ALS2-0426、TA-6666、TS-021、KRP-104、トレラグリプチンまたはその塩(例えば、コハク酸塩))、β3アゴニスト(例えば、N-5984)、GPR40アゴニスト(例えば、ファシグリファムまたはその水和物、WO2004/041266、WO2004/106276、WO2005/063729、WO2005/063725、WO2005/087710、WO2005/095338、WO2007/013689またはWO2008/001931に記載されている化合物)、SGLT2(ナトリウム-グルコース共輸送体2)阻害剤(例えば、ダパグリフロジン、AVE2268、TS-033、YM543、TA-7284、レモグリフロジン、ASP1941)、SGLT1阻害剤、11β-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ阻害剤(例えば、BVT-3498、INCB-13739)、アディポネクチンまたはそのアゴニスト、IKK阻害剤(例えば、AS-2868)、レプチン抵抗性改善薬、ソマトスタチン受容体アゴニスト、グルコキナーゼ活性化因子(例えば、ピラグリアチン、AZD1656、AZD6370、TTP-355、WO006/112549、WO007/028135、WO008/047821、WO008/050821、WO008/136428またはWO008/156757に記載されている化合物)、GPR119アゴニスト(例えば、PSN821、MBX-2982、APD597)、FGF21、FGF類似体、ACC2阻害剤、GLP-1受容体アゴニスト、GLP-1受容体/GIP受容体コアゴニスト、グルカゴン受容体/GLP-1受容体/GIP受容体トリアゴニストなどが言及され得る。
含まれる場合がある糖尿病合併症の治療剤として、アルドース還元酵素阻害剤(例えば、トルレスタット、エパルレスタット、ゾポルレスタット、フィダレスタット、CT-112、ラニレスタット(AS-3201)、リドレスタット)、神経栄養因子及びその増加剤(例えば、NGF、NT-3、BDNF、WO01/14372に記載されている神経栄養因子産生/分泌促進剤(例えば、4-(4-クロロフェニル)-2-(2-メチル-1-イミダゾリル)-5-[3-(2-メチルフェノキシ)プロピル]オキサゾール)、WO2004/039365に記載されている化合物)、PKC阻害剤(例えば、ルボキシスタウリンメシレート)、AGE阻害剤(例えば、ALT946、N-フェナシルチアゾリウムブロミド(ALT766)、EXO-226、ピリドリン、ピリドキサミン)、GABA受容体アゴニスト(例えば、ガバペンチン、プレガバリン)、セロトニン及びノルアドレナリン再取込み阻害剤(例えば、デュロキセチン)、ナトリウムチャネル阻害剤(例えば、ラコサミド)、活性酸素消去剤(例えば、チオクト酸)、脳血管拡張薬(例えば、チアプリド、メキシレチン)、ソマトスタチン受容体アゴニスト(例えば、BIM23190)、アポトーシスシグナル調節キナーゼ-1(ASK-1)阻害剤、GLP-1受容体アゴニスト、GLP-1受容体/GIP受容体コアゴニスト、グルカゴン受容体/GLP-1受容体/GIP受容体トリアゴニストなどが言及され得る。
高脂血症の治療剤として、HMG-CoAレダクターゼ阻害剤(例えば、プラバスタチン、シンバスタチン、ロバスタチン、アトルバスタチン、フルバスタチン、ロスバスタチン、ピタバスタチンまたはその塩(例えば、ナトリウム塩、カルシウム塩))、スクアレンシンターゼ阻害剤(例えば、WO97/10224に記載されている化合物、例えば、N-[[(3R,5S)-1-(3-アセトキシ-2,2-ジメチルプロピル)-7-クロロ-5-(2,3-ジメトキシフェニル)-2-オキソ-1,2,3,5-テトラヒドロ-4,1-ベンゾオキサゼピン-3-イル]アセチル]ピペリジン-4-酢酸)、フィブラート化合物(例えば、ベザフィブラート、クロフィブラート、シンフィブラート、クリノフィブラート)、陰イオン交換樹脂(例えば、コレスチラミン)、プロブコール、ニコチン酸薬(例えば、ニコモール、ニセリトロール、ニアスパン)、イコサペント酸エチル、フィトステロール(例えば、ソイステロール、ガンマオリザノール(γ-オリザノール))、コレステロール吸収阻害剤(例えば、ゼキア)、CETP阻害剤(例えば、ダルセトラピブ、アナセトラピブ)、ω-3脂肪酸調製物(例えば、ω-3-脂肪酸エチルエステル90(ω-3-酸エチルエステル90))などが言及され得る。
降圧剤の例としては、アンジオテンシン変換酵素阻害剤(例えば、カプトプリル、エナラプリル、デラプリルなど)、アンジオテンシンIIアンタゴニスト(例えば、カンデサルタンシレキセチル、カンデサルタン、ロサルタン、ロサルタンカリウム、エプロサルタン、バルサルタン、テルミサルタン、イルベサルタン、タソサルタン、オルメサルタン、オルメサルタンメドキソミル、アジルサルタン、アジルサルタンメドキソミルなど)、カルシウムアンタゴニスト(例えば、マニジピン、ニフェジピン、アムロジピン、エホニジピン、ニカルジピン、シルニジピンなど)、β遮断薬(例えば、メトプロロール、アテノロール、プロプラノロール、カルベジロール、ピンドロールなど)、クロニジンなどが挙げられる。
利尿薬として、例えば、キサンチン誘導体(例えば、サリチル酸ナトリウムテオブロミン、サリチル酸カルシウムテオブロミンなど)、チアジド調製物(例えば、エチアジド、シクロペンチアジド、トリクロロメチアジド、ヒドロクロロチアジド、ヒドロフルメチアジド、ベンジルヒドロクロロチアジド、ペンフルチアジド、ポリ5チアジド、メチクロチアジドなど)、抗アルドステロン調製物(例えば、スピロノラクトン、トリアムテレンなど)、炭酸脱水酵素阻害剤(例えば、アセタゾラミドなど)、クロロベンゼンスルホンアミド剤(例えば、クロルタリドン、メフルシド、インダパミドなど)、アゾセミド、イソソルビド、エタクリン酸、ピレタニド、ブメタニド、フロセミドなどが言及され得る。
化学療法薬の例としては、アルキル化剤(例えば、シクロホスファミド、イホスファミド)、代謝拮抗薬(例えば、メトトレキサート、5-フルオロウラシル)、抗がん抗生物質(例えば、マイトマイシン、アドリアマイシン)、植物由来抗がん剤(例えば、ビンクリスチン、ビンデシン、Taxol)、シスプラチン、カルボプラチン、エトポシドなどが挙げられる。とりわけ、5-フルオロウラシル誘導体FurtulonまたはNeofurtulonなどが例である。また、本開示のGIP受容体アゴニストペプチドを含む組成物は、以下の抗がん剤の投与前、投与後または投与中に投与され得る:シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、シクロホスファミド、ダカルバジン(DTIC)、ダクチノマイシン、メクロレタミン(ナイトロジェンマスタード)、ストレプトゾシン、シクロホスファミド、カルムスチン(BCNU)、ロムスチン(CCNU)、ドキソルビシン(アドリアマイシン)、ダウノルビシン、プロカルバジン、マイトマイシン、シタラビン、エトポシド、メトトレキサート、5-フルオロウラシル、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ブレオマイシン、パクリタキセル及びクロランブシル。
免疫療法薬の例としては、微生物または細菌成分(例えば、ムラミルジペプチド誘導体、ピシバニール)、免疫増強活性を有する多糖類(例えば、レンチナン、シゾフィラン、Krestin)、遺伝子工学アプローチによって得られるサイトカイン(例えば、インターフェロン、インターロイキン(IL))、コロニー刺激因子(例えば、顆粒球コロニー刺激因子、エリスロポエチン)などが挙げられる。とりわけ、IL-1、IL-2、IL-12などのインターロイキンがいくつかの例である。
抗炎症薬の例としては、非ステロイド性抗炎症薬、例えば、アスピリン、アセトアミノフェン、インドメタシンなどが挙げられる。
抗血栓剤として、例えば、ヘパリン(例えば、ヘパリンナトリウム、ヘパリンカルシウム、エノキサパリンナトリウム、ダルテパリンナトリウム)、ワルファリン(例えば、ワルファリンカリウム)、抗トロンビン薬(例えば、アルガトロバン、ダビガトラン)、FXa阻害剤(例えば、リバーロキサバン、アピキサバン、エドキサバン、YM150、WO02/06234、WO2004/048363、WO2005/030740、WO2005/058823またはWO2005/113504に記載されている化合物)、血栓溶解剤(例えば、ウロキナーゼ、チソキナーゼ、アルテプラーゼ、ナテプラーゼ、モンテプラーゼ、パミテプラーゼ)、血小板凝集阻害剤(例えば、塩酸チクロピジン、クロピドグレル、プラスグレル、E5555、SHC530348、シロスタゾール、イコサペント酸エチル、ベラプロストナトリウム、塩酸サルポグレラート)などが言及され得る。
骨粗鬆症の治療剤の例としては、アルファカルシドール、カルシトリオール、エルカトニン、サケカルシトニン、エストリオール、イプリフラボン、パミドロン酸二ナトリウム、アレンドロン酸ナトリウム水和物、インカドロン酸二ナトリウム、リセドロン酸二ナトリウムなどが挙げられる。
ビタミンの例としては、ビタミンB1、ビタミンB12などが挙げられる。
抗認知症薬の例としては、タクリン、ドネペジル、リバスチグミン、ガランタミンなどが挙げられる。
勃起不全薬の例としては、アポモルヒネ、クエン酸シルデナフィルなどが挙げられる。
尿意頻数または尿失禁の治療薬の例としては、塩酸フラボキサート、塩酸オキシブチニン、塩酸プロピベリンなどが挙げられる。
排尿困難の治療剤の例としては、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤(例えば、ジスチグミン)などが挙げられる。
中枢D2受容体アンタゴニストの例としては、典型的な向精神薬(プロクロルペラジン、ハロペリドール、クロルプロマジンなど)、セロトニンドーパミンアンタゴニスト(ペロスピロン、リスペリドンなど)、及び多元受容体標的抗精神病薬(オランザピンなど)が挙げられる。
消化管運動促進剤の例としては、末梢D2受容体アンタゴニスト(メトクロプラミド、ドンペリドンなど)及び5HT4受容体アゴニスト(モサプリドなど)が挙げられる。
抗ヒスタミン剤の例としては、ヒドロキシジン、ジフェンヒドラミン、及びクロルフェニラミンが挙げられる。
ムスカリン受容体アンタゴニストの例としては、中枢ムスカリン受容体アンタゴニスト(スコポラミンなど)及び末梢ムスカリン受容体アンタゴニスト(ブチルスコポラミンなど)が挙げられる。
セロトニン5HT3受容体アンタゴニストの例としては、グラニセトロン、オンダンセトロン、アザセトロン、インジセトロン、パロノセトロン、及びラモセトロンが挙げられる。
ソマトスタチン類似体の例としては、オクトレオチドが挙げられる。
コルチコステロイドの例としては、デキサメタゾン、ベタメタゾン、及びメチルプレドニゾロンが挙げられる。
ベンゾジアゼピン抗不安薬の例としては、ロラゼパム及びアルプラゾラムが挙げられ、NK-1受容体アンタゴニストの例としては、アプレピタント及びホスアプレピタントが挙げられ、高カルシウム血症治療薬の例としては、ビスホスホネートが挙げられる。
さらに、動物モデルまたは臨床のいずれかで悪液質改善作用を有すると確認されている薬物、すなわち、シクロオキシゲナーゼ阻害剤(例えば、インドメタシン)、プロゲステロン誘導体(例えば、酢酸メゲストロール)、グルココルチコイド(例えば、デキサメタゾン)、メトクロプラミド系薬物、テトラヒドロカンナビノール系薬物、脂肪代謝改善剤(例えば、エイコサペンタエン酸)、成長ホルモン、IGF-1、または悪液質誘導因子TNF-α、LIF、IL-6もしくはオンコスタチンMに対する抗体なども、本開示の化合物と組み合わせて使用され得る。
あるいは、糖化阻害剤(例えば、ALT-711)、神経再生促進薬(例えば、Y-128、VX853、プロサプチド)、抗うつ薬(例えば、デシプラミン、アミトリプチリン、イミプラミン)、抗てんかん薬(例えば、ラモトリジン、Trileptal、Keppra、Zonegran、プレガバリン、ハーコセライド、カルバマゼピン)、抗不整脈薬(例えば、メキシレチン)、アセチルコリン受容体リガンド(例えば、ABT-594)、エンドセリン受容体アンタゴニスト(例えば、ABT-627)、モノアミン取込み阻害剤(例えば、トラマドール)、麻薬性鎮痛薬(例えば、モルヒネ)、GABA受容体アゴニスト(例えば、ガバペンチン、ガバペンチンのMR調製物)、α2受容体アゴニスト(例えば、クロニジン)、局所鎮痛薬(例えば、カプサイシン)、抗不安薬(例えば、ベンゾチアゼピン)、ホスホジエステラーゼ阻害剤(例えば、シルデナフィル)、ドーパミン受容体アゴニスト(例えば、アポモルヒネ)、ミダゾラム、ケトコナゾールなどが、本開示の化合物と組み合わせて使用されてよい。
本開示のGIP受容体アゴニストペプチドの投与時間及び併用薬の投与時間は限定されず、それらは同時にまたは時間をずらして投与対象に投与されてよい。
そのような投与様式の例としては、以下が挙げられる:
(1)本開示のGIP受容体アゴニストペプチド及び併用薬を同時に処理することによって得られる単一調製物の投与、(2)別個に生成されている、本開示のGIP受容体アゴニストペプチド及び併用薬の2種の調製物の、同じ投与経路による同時投与、(3)別個に生成されている、本開示のGIP受容体アゴニストペプチド及び併用薬の2種の調製物の、同じ投与経路による時間をずらした投与、(4)別個に生成されている、本開示のGIP受容体アゴニストペプチド及び併用薬の2種の調製物の、異なる投与経路による同時投与、(5)別個に生成されている、本開示の化合物及び併用薬の2種の調製物の、異なる投与経路による時間をずらした投与(例えば、本開示のGIP受容体アゴニストペプチド及び併用薬の順序での投与、または逆の順序での投与)など。
併用薬の用量は、臨床状況で用いられる用量に基づいて適切に決定され得る。本開示のGIP受容体アゴニストペプチドと併用薬との混合比は、投与対象、症状、投与方法、標的疾患、組合せなどに応じて適切に決定され得る。例えば、投与の対象がヒトである場合、併用薬は、本開示のGIP受容体アゴニストペプチドの1重量部に対して0.01~100重量部で使用され得る。
本開示のGIP受容体アゴニストペプチド及び併用薬を組み合わせることにより、(1)本開示のGIP受容体アゴニストペプチドまたは併用薬の用量が、本開示のGIP受容体アゴニストペプチドまたは併用薬の単一投与と比較して減少し得る、
(2)本開示のGIP受容体アゴニストペプチドと組み合わせて使用される薬物は、患者の病態(軽度、重度など)に応じて選択され得る、
(3)処置の期間は、本開示のGIP受容体アゴニストペプチドのものとは異なる作用及びメカニズムを有する併用薬を選択することによってより長く設定され得る、
(4)持続した処置効果が、本開示のGIP受容体アゴニストペプチドのものとは異なる作用及びメカニズムを有する併用薬を選択することによって設計され得る、及び
(5)相乗効果が、本開示のGIP受容体アゴニストペプチド及び併用薬などの組み合わされた使用によってもたらされ得ることが達成され得る。
F.実施例
本明細書で使用した略語は、以下(表2)を意味する。本明細書に記載したようなα-MePheなどの用語のハイフンは省略してよく、省略した場合も同じ意味を表す。
本明細書で使用したアミノ酸配列では、左末端はN末端を表し、右末端はC末端を表す。
表2.本開示において共通して使用される略語。
Figure 2023524603000005

Figure 2023524603000006

Figure 2023524603000007

Figure 2023524603000008

Figure 2023524603000009

Figure 2023524603000010

Figure 2023524603000011


Figure 2023524603000012

Cysのために使用されるPEGリンカー。PEG=5~30kDaのPEG

Figure 2023524603000013

本明細書では、塩基、アミノ酸などをそれらのコードで示す場合、それらは、IUPAC-IUB Commission on Biochemical Nomenclatureに従った従来のコードに基づくか、または当該技術分野における一般的なコードによるものであり、その例を以下に示す。光学異性体を有する可能性のあるアミノ酸については、別段の指示がない限り、L体を提示する(例えば、「Ala」はAlaのL体である)。加えて、「D-」はD体を意味し(例えば、「D-Ala」は、AlaのD体である)、「DL-」はD体及びL体のラセミ体を意味する(例えば、「DL-Ala」は、AlaのDLラセミ体である)。
以下の参照例、実施例、試験実施例及び製剤実施例を参照することによって本開示を以下で詳細に説明するが、これらは単なる実施形態であり、限定するものとして解釈されるべきではない。加えて、本発明の範囲から逸脱することなく本開示を修正してよい。
「室温」という用語は、以下の実施例において概して約10℃~約35℃の範囲を示す。「%」に関しては、収率はmol/mol%単位であり、クロマトグラフィーに使用する溶媒は体積%単位であり、他の「%」は重量%単位である。
NMP:メチルピロリドン
THF:テトラヒドロフラン
DMF:N,N-ジメチルホルムアミド
WSC:1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩
DCC:N,N’-ジシクロヘキシルカルボジイミド
DIPCDI:N,N’-ジイソプロピルカルボジイミド
HOBt:1-ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物
Oxyma:エチル2-シアノ-2-(ヒドロキシイミノ)アセテート
実施例1.合成スキーム
GIP受容体アゴニストペプチドを合成する例示的な方法は、例えば、2018年3月30日出願の出願人らの国際PCT出願第PCT/JP2018/013540号の162~213ページの範囲に開示され、その開示全体が参照によって本明細書に具体的に組み込まれる。
実施例2.本開示の選択的GIP受容体アゴニストペプチドの合成。化合物番号72;配列番号73
ペプチド化合物72を標準的なFmoc化学を使用して合成した。
1.樹脂調製:1-クロロ-2-[クロロ-フェニル-(p-トリル)メチル]ベンゼン(35mmol、1.00eq)をDCM(600mL)中のDIEA(27.2g、210mmol、36.6mL、6.0eq)及びFMOC-GLY-OH(10.4g、35mmol、1.00eq)に添加した。混合物をNと共に20℃で2時間撹拌し、次いでMeOH(70.0mL)を添加し、さらに30分間Nと共に撹拌した。樹脂をDMF(900mL×5)で洗浄した。次いでDMF(600mL)中の20%ピペリジンを添加し、混合物を20℃でNと共に15分間(5分+10分)撹拌した。次いで樹脂をDMF(900mL×5)で洗浄し、混合物を濾過して樹脂を得た。
2.カップリング:DMF(400mL)中のFMOC-ARG(PBF)-OH(68.1g、105mmol、3.00eq)、HBTU(37.8g、99.8mmol、2.85eq)及びDIEA(27.2g、210mmol、36.6mL、6.0eq)の溶液を樹脂に添加し、Nと共に20℃で30分間撹拌した。次いで樹脂をDMF(900mL×5)で洗浄した。
3.脱保護:DMF(600mL)中の20%ピペリジンを樹脂に添加し、混合物をNと共に20℃で15分間(5分+10分)撹拌した。樹脂をDMF(900mL×5)で洗浄し、濾過して樹脂を得た。
4.次のアミノ酸カップリングのために工程2~3を繰り返す。
Figure 2023524603000014
5.3%HN・NH/DMFを添加し、700mLで30分間(10分+20分)反応させる。排水し、DMF(900mL)で5回洗浄する。
6.すべての他のアミノ酸:1-(9H-フルオレン-9-イル)-3-オキソ-2,7,10-トリオキサ-4-アザドデカン-12-オイック酸、1-(9H-フルオレン-9-イル)-3-オキソ-2,7,10-トリオキサ-4-アザドデカン-12-オイック酸、FMOC-GLU-OTBU、FMOC-GLU-OTBU、18-(tert-ブトキシ)-18-オキソオクタデカン酸について工程2及び3を繰り返す。
ペプチド切断及び精製:
1.カップリング後、樹脂をDMF(900mL)で5回で洗浄した。最後の工程の後、樹脂をMeOH(500mL)で4回洗浄し、真空下で乾燥させた。次いでペプチド樹脂(270g)を切断カクテル(2.5L、92.5%TFA/2.5%3-メルカプトプロピオン酸/2.5%TIS/2.5%HO)で20℃で2.5時間処理した。切断カクテルを減圧下で約900mLまで濃縮した。次いで残渣を低温イソプロピルエーテル(9.0L)で沈殿させ、濾過し、イソプロピルエーテル(500mL)で2回洗浄した。粗製ペプチドを真空下で2時間乾燥させて150gを得、LCMS(EW15791-26-P1A1、Rt=1.586分)は、所望のMSが検出されたことを示した。
2.粗製ペプチドをPrep-HPLC(A:HO中の0.075%TFA、B:ACN)によって精製し、次いでPrep-HPLC(A:HO中の0.5%HOAc、B:ACN)によって2回目の精製を行ってペプチド化合物72(15.89g、3.46mmol、9.87%の収率、96.79%の純度、HOAC)を得、これは白色の固体として得られ、これをLCMS(Rt=1.567分)及びHPLC(Rt=10.095分)によって確認した。
精製条件:
Figure 2023524603000015

実施例3.本開示の選択的GIP受容体アゴニストペプチドの合成。化合物番号293;配列番号294
ペプチド化合物293を標準的なFmoc化学を使用して合成した。
1.樹脂調製:DMF(50mL)中のRink Amine MBHA樹脂(1.20mmol、1.00eq、6.00g、Sub0.20mmol/g)をNと共に20℃で2時間撹拌した。次いでDMF(80mL)中の20%ピペリジンを添加し、混合物をNと共に20℃で15分間撹拌した。次いで混合物を濾過して樹脂を得た。樹脂をDMF(80mL*5)で洗浄し、濾過して樹脂を得た。
2.カップリング:DMF(50mL)中のFMOC-SER(TBU)-OH(3.00eq)及びHBTU(2.85eq)、DIEA(6.00eq)の溶液を樹脂に添加し、Nと共に20℃で30分間撹拌した。次いで樹脂をDMF(80mL*3)で洗浄した。
3.脱保護:DMF(80mL)中の20%ピペリジンを樹脂に添加し、混合物をNと共に20℃で15分間撹拌した。樹脂をDMF(80mL*5)で洗浄し、濾過して樹脂を得た。
4.以下のアミノ酸:(1~38)のカップリングのために工程2~3を繰り返す

Figure 2023524603000016

Figure 2023524603000017

5.DMF(50mL)中のDIEA(10.00eq)及びBoc2O(10.00eq)の溶液に樹脂を添加し、Nと共に20℃で1時間撹拌した。次いで樹脂をDMF(80mL*3)で洗浄した。
6.3%N・HO/DMFを添加し、20分反応させ、次いでそれをもう一度繰り返す。排水し、DMF(80mL*5)で洗浄する。
7.以下のアミノ酸:(1~4)のカップリングのために工程2~3を繰り返す

Figure 2023524603000018

8.カップリング:DMF(50mL)中の18-(tert-ブトキシ)-18-オキソオクタデカン酸(2.00eq)及びHOBt(2.00eq)、DIC(2.00eq)の溶液を樹脂に添加し、Nと共に20℃で12時間撹拌した。次いで樹脂をDMF(80mL*3)で洗浄した。
9.カップリング反応をニンヒドリン呈色反応によってモニタリングした。
ペプチド切断及び精製:
1.樹脂をMeOH(80mL*3)で洗浄し、真空下で乾燥させて12gのペプチド樹脂を得た。次いで100mLの切断緩衝液(90%TFA/3%3-メルカプトプロピオン酸/3%TIS/4%H2O)を、20℃で側鎖保護されたペプチド樹脂を含有するフラスコに添加し、混合物を2時間撹拌した。ペプチドを低温イソプロピルエーテル(1000mL)で沈殿させ、遠心分離した(3000rpmで3分)。ペプチド沈殿物をイソプロピルエーテルでさらに2回洗浄する。粗製ペプチドを真空で2時間乾燥させる。
2.粗製ペプチドをPrep-HPLC(A:H2O中の0.075%TFA、B:ACN)によって精製し、次いでPrep-HPLC(A:H2O中の0.5%HOAc、B:ACN)によって2回目の精製を行ってペプチド化合物293(423.7mg、95.73%の純度、HOAC)を得、これは白色の固体として得られ、これをLCMS(Rt=1.605分)及びHPLCによって確認した。
精製条件:
Figure 2023524603000019

実施例4.本開示の選択的GIP受容体アゴニストペプチドの合成。化合物番号45;配列番号46
ペプチド化合物45を標準的なFmoc化学を使用して合成した。
1.樹脂調製:2-CTC樹脂(800mg、0.400mmol、1.00eq、Sub0.50mmol/g)をDCM(5.00mL)中のFmoc-Ser(tBu)-OH(153mg、0.400mmol、1.00eq)及びDIEA(207mg、1.60mmol、0.279mL、4.00eq)に添加した。混合物をNと共に25℃で2時間撹拌し、次いでMeOH(0.800mL)を添加し、さらに30分間Nと共に撹拌した。樹脂をDMF(30.0mL*5)で洗浄した。次いでDMF(30.0mL)中の20%ピペリジンを添加し、混合物をNと共に25℃で15分間撹拌した。次いで混合物を濾過して樹脂を得た。樹脂をDMF(30.0mL*5)で洗浄し、濾過して樹脂を得た。
2.カップリング:DMF(5.00mL)中のFmoc-Pro-OH(4.5mg、1.20mmol、3.00eq)、DIEA(310mg、2.40mmol、0.418mL、6.00eq)及びHBTU(432mg、1.14mmol、2.85eq)の溶液を樹脂に添加し、Nと共に25℃で30分間撹拌した。次いで樹脂をDMF(30.0mL*5)で洗浄した。
3.脱保護:DMF(30.0mL)中の20%ピペリジンを樹脂に添加し、混合物をNと共に25℃で15分間撹拌した。
4.以下のアミノ酸:(1~37)のカップリングのために工程2~3を繰り返す:
Figure 2023524603000020

5.カップリング:30分間Boc2O/DIPEA/DMF(10/5/85)30.0mL、次いで樹脂をDMF(30.0mL*5)で洗浄した。
6.脱保護:Ddeをヒドラジン水和物/DMF(3/97)30.0mLで30分間処理し、次いで樹脂をDMF(30.0mL*5)で洗浄した。
7.以下のアミノ酸:(1~3)のカップリングのために工程2~3を繰り返す:

Figure 2023524603000021

ペプチド切断及び精製:
1.樹脂をMeOH(30.0mL*3)で洗浄し、真空下で乾燥させて3.20gのペプチド樹脂を得た。次いで32.0mLの切断緩衝液(92.5%TFA/2.5%3-メルカプトプロピオン酸/2.5%TIS/2.5%H2O)を、25℃で側鎖保護されたペプチド樹脂を含有するフラスコに添加し、混合物を2.5時間撹拌した。ペプチドを低温イソプロピルエーテル(200mL)で沈殿させ、遠心分離した(3000rpmで3分)。ペプチド沈殿物をtert-ブチルメチルエーテルでさらに2回(200mL)洗浄する。粗製ペプチドを真空で2時間乾燥させて粗製ペプチド(1.40g)を得る。
2.粗製ペプチドをprep-HPLC(TFA条件;A:H2O中の0.075%TFA、B:CH3CN)によって精製してペプチドを得、次いでペプチド化合物45をprep-HPLC(HOAC条件;A:H2O中の0.5%HOAC、B:ACN)によって精製して最終生成物ペプチド化合物45(181mg、99.21%の純度、HOAC)を得、これは白色の固体として得られた。
精製条件:
Figure 2023524603000022

実施例5.本開示の選択的GIP受容体アゴニストペプチドの合成。化合物番号27;配列番号28
ペプチド化合物27を標準的なFmoc化学を使用して合成した。
1.樹脂調製:DMF(50mL)中のRink Amine MBHA樹脂(1.20mmol、1.00eq、6.00g、Sub0.20mmol/g)をNと共に20℃で2時間撹拌した。次いでDMF(80mL)中の20%ピペリジンを添加し、混合物をNと共に20℃で15分間撹拌した。次いで混合物を濾過して樹脂を得た。樹脂をDMF(80mL*5)で洗浄し、濾過して樹脂を得た。
2.カップリング:DMF(50mL)中のFMOC-SER(TBU)-OH(3.00eq)及びHBTU(2.85eq)、DIEA(6.00eq)の溶液を樹脂に添加し、Nと共に20℃で30分間撹拌した。次いで樹脂をDMF(80mL*3)で洗浄した。
3.脱保護:DMF(80mL)中の20%ピペリジンを樹脂に添加し、混合物をNと共に20℃で15分間撹拌した。樹脂をDMF(80mL*5)で洗浄し、濾過して樹脂を得た。
4.以下のアミノ酸:(1~38)のカップリングのために工程2~3を繰り返す
Figure 2023524603000023

5.DMF(50mL)中のDIEA(10.00eq)及びBoc2O(10.00eq)の溶液に樹脂を添加し、Nと共に20℃で1時間撹拌した。次いで樹脂をDMF(80mL*3)で洗浄した。
6.3%N・HO/DMFを添加し、20分反応させ、次いでそれをもう一度繰り返す。排水し、DMF(80mL*5)で洗浄する。
7.以下のアミノ酸:(1~4)のカップリングのために工程2~3を繰り返す

Figure 2023524603000024

7.カップリング:DMF(50mL)中の18-(tert-ブトキシ)-18-オキソオクタデカン酸(2.00eq)及びHOBt(2.00eq)、DIC(2.00eq)の溶液を樹脂に添加し、Nと共に20℃で12時間撹拌した。次いで樹脂をDMF(80mL*3)で洗浄した。
8.カップリング反応をニンヒドリン呈色反応によってモニタリングした。
ペプチド切断及び精製:
1.樹脂をMeOH(80mL*3)で洗浄し、真空下で乾燥させて12gのペプチド樹脂を得た。次いで100mLの切断緩衝液(90%TFA/3%3-メルカプトプロピオン酸/3%TIS/4%H2O)を、20℃で側鎖保護されたペプチド樹脂を含有するフラスコに添加し、混合物を2時間撹拌した。ペプチドを低温イソプロピルエーテル(1000mL)で沈殿させ、遠心分離した(3000rpmで3分)。ペプチド沈殿物をイソプロピルエーテルでさらに2回洗浄する。粗製ペプチドを真空で2時間乾燥させる。
2.粗製ペプチドをPrep-HPLC(A:H2O中の0.075%TFA、B:ACN)によって精製し、次いでPrep-HPLC(A:H2O中の0.5%HOAc、B:ACN)によって2回目の精製を行ってペプチド化合物27(267.3mg、97.25%の純度、HOAC)を得、これは白色の固体として得られ、これをLCMS(Rt=1.637分)及びHPLCによって確認した。
精製条件:
Figure 2023524603000025
実施例6.本開示の選択的GIP受容体アゴニストペプチドの合成。化合物番号50;配列番号51
ペプチド化合物50を標準的なFmoc化学を使用して合成した。
1.樹脂調製:DMF(20mL)中のRink Amine MBHA樹脂(0.6mmol、1.00eq、1.88g、Sub0.32mmol/g)をNと共に20℃で2時間撹拌した。次いでDMF(20mL)中の20%ピペリジンを添加し、混合物をNと共に20℃で15分間撹拌した。次いで混合物を濾過して樹脂を得た。樹脂をDMF(20mL*5)で洗浄し、濾過して樹脂を得た。
2.カップリング:DMF(10mL)中のFMOC-SER(TBU)-OH(3.00eq)及びHBTU(2.85eq)、DIEA(6.00eq)の溶液を樹脂に添加し、Nと共に20℃で40分間撹拌した。次いで樹脂をDMF(20mL*5)で洗浄した。
3.脱保護:DMF(20mL)中の20%ピペリジンを樹脂に添加し、混合物をNと共に20℃で15分間撹拌した。樹脂をDMF(20mL*5)で洗浄し、濾過して樹脂を得た。
4.以下のアミノ酸:(1~38)のカップリングのために工程2~3を繰り返す
Figure 2023524603000026

5.DMF(17mL)中のDIEA(1mL)及びBoc2O(2mL)の溶液に樹脂を添加し、Nと共に20℃で1時間撹拌した。次いで樹脂をDMF(30mL*3)で洗浄した。
6.3%N・HO/DMFを添加し、20分反応させ、次いでそれをもう一度繰り返す。排水し、DMF(30mL*5)で洗浄する。
7.以下のアミノ酸:(1~2)のカップリングのために工程2~3を繰り返す

Figure 2023524603000027

8.カップリング:DMF(15mL)中の18-(tert-ブトキシ)-18-オキソヘキサデカン酸(3.00eq)及びDIEA(6.00eq)、HBTU(2.85eq)の溶液を樹脂に添加し、Nと共に20℃で1時間撹拌した。次いで樹脂をDMF(30mL*3)で洗浄した。
9.カップリング反応をニンヒドリン呈色反応によってモニタリングした。
ペプチド切断及び精製:
1.カップリング後、樹脂をDMFで5回で洗浄した。最後の工程の後、樹脂をMeOHで3回洗浄し、真空下で乾燥させた。次いでペプチド樹脂(4g)を切断カクテル(40mL、92.5%TFA/2.5%3-メルカプトプロピオン酸/2.5%TIS/2.5%H2O)で2.5時間処理した。ペプチドを減圧下で濃縮し、低温イソプロピルエーテルで沈殿させ、濾過し、イソプロピルエーテルで2回洗浄して1.5gの残渣を得た。
2.粗製ペプチドをPrep-HPLC(A:H2O中の0.075%TFA、B:ACN)によって精製し、次いでPrep-HPLC(A:H2O中の0.5%HOAc、B:ACN)によって2回目の精製を行ってペプチド化合物50(88mg、98.60%の純度、HOAC)を得、これは白色の固体として得られ、これをLCMS(Rt=1.630分)及びHPLC(Rt=13.029分)によって確認した。
精製条件:
Figure 2023524603000028
実施例7.本開示の選択的GIP受容体アゴニストペプチドの合成。化合物番号41;配列番号42
ペプチド化合物41を標準的なFmoc化学を使用して合成した。
1.樹脂調製:2-CTC樹脂(800mg、0.400mmol、1.00eq、Sub0.50mmol/g)をDCM(5.00mL)中のFmoc-Gly-OH(119mg、0.400mmol、1.00eq)及びDIEA(207mg、1.60mmol、0.279mL、4.00eq)に添加した。混合物をNと共に25℃で2時間撹拌し、次いでMeOH(0.800mL)を添加し、さらに30分間Nと共に撹拌した。樹脂をDMF(30.0mL*5)で洗浄した。次いでDMF(30.0mL)中の20%ピペリジンを添加し、混合物をNと共に25℃で15分間撹拌した。次いで混合物を濾過して樹脂を得た。樹脂をDMF(30.0mL*5)で洗浄し、濾過して樹脂を得た。
2.カップリング:DMF(5.00mL)中のFmoc-Lys(Boc)-OH(562mg、1.20mmol、3.00eq)、DIEA(310mg、2.40mmol、0.418mL、6.00eq)及びHBTU(432mg、1.14mmol、2.85eq)の溶液を樹脂に添加し、Nと共に25℃で30分間撹拌した。次いで樹脂をDMF(30.0mL*5)で洗浄した。
3.脱保護:DMF(30.0mL)中の20%ピペリジンを樹脂に添加し、混合物をNと共に25℃で15分間撹拌した。
4.以下のアミノ酸:(1~29)のカップリングのために工程2~3を繰り返す:
Figure 2023524603000029

5.カップリング:30分間Boc2O/DIPEA/DMF(10/5/85)30.0mL、次いで樹脂をDMF(30.0mL*5)で洗浄した。
6.脱保護:Ddeをヒドラジン水和物/DMF(3/97)30.0mLで30分間処理し、次いで樹脂をDMF(30.0mL*5)で洗浄した。
7.以下のアミノ酸:(1~5)のカップリングのために工程2~3を繰り返す:
Figure 2023524603000030

ペプチド切断及び精製:
1.樹脂をMeOH(30.0mL*3)で洗浄し、真空下で乾燥させて3.00gのペプチド樹脂を得た。次いで30.0mLの切断緩衝液(92.5%TFA/2.5%3-メルカプトプロピオン酸/2.5%TIS/2.5%H2O)を、25℃で側鎖保護されたペプチド樹脂を含有するフラスコに添加し、混合物を2.5時間撹拌した。ペプチドを低温イソプロピルエーテル(200mL)で沈殿させ、遠心分離した(3000rpmで3分)。ペプチド沈殿物をtert-ブチルメチルエーテルでさらに2回(200mL)洗浄する。粗製ペプチドを真空で2時間乾燥させて粗製ペプチド(1.20g)を得る。
2.粗製ペプチドをprep-HPLC(TFA条件;A:H2O中の0.075%TFA、B:CH3CN)によって精製してペプチドを得、次いでペプチドをprep-HPLC(HOAC条件;A:H2O中の0.5%HOAC、B:ACN)によって精製して最終生成物ペプチド化合物41(120mg、96.8%の純度、HOAC)を得、これは白色の固体として得られた。
精製条件:
Figure 2023524603000031

実施例8.本開示の選択的GIP受容体アゴニストペプチドの合成。化合物番号294;配列番号295
ペプチド化合物294を標準的なFmoc化学を使用して合成した。
1.樹脂調製:2-CTC樹脂(1.20g、0.600mmol、1.00eq、Sub0.50mmol/g)をDCM(10mL)中のFMOC-GLY-OH(179mg、0.600mmol、1.00eq)及びDIEA(310mg、2.40mmol、0.40mL、4.00eq)に添加した。混合物をNと共に25℃で2時間撹拌し、次いでMeOH(1.20mL)を添加し、さらに30分間Nと共に撹拌した。樹脂をDMF(20mL*5)で洗浄した。次いでDMF(20mL)中の20%ピペリジンを添加し、混合物をNと共に25℃で15分間撹拌した。次いで混合物を濾過して樹脂を得た。樹脂をDMF(20mL*5)で洗浄し、濾過して樹脂を得た。
2.カップリング:DMF(10mL)中のFMOC-ARG(PBF)-OH(1.17g、1.80mmol、3.00eq)、DIEA(465mg、3.60mmol、0.60mL、6.00eq)及びHBTU(646mg、1.71mmol、2.85eq)の溶液を樹脂に添加し、Nと共に25℃で35分間撹拌した。次いで樹脂をDMF(20mL*5)で洗浄した。
3.脱保護:DMF(20mL)中の20%ピペリジンを樹脂に添加し、混合物をNと共に25℃で15分間撹拌した。
4.以下のアミノ酸:(1~29)のカップリングのために工程2~3を繰り返す
Figure 2023524603000032

5.DMF(34mL)中のDIEA(2mL)及びBoc2O(4mL)の溶液に樹脂を添加し、Nと共に20℃で1時間撹拌した。次いで樹脂をDMF(30mL*3)で洗浄した。
6.3%N・HO/DMFを添加し、20分反応させ、次いでそれをもう一度繰り返す。排水し、DMF(30mL*5)で洗浄する。
7.以下のアミノ酸:(1~2)のカップリングのために工程2~3を繰り返す

Figure 2023524603000033

8.カップリング:DMF(15mL)中の18-(tert-ブトキシ)-18-オキソヘキサデカン酸(3.00eq)及びDIEA(6.00eq)、HBTU(2.85eq)の溶液を樹脂に添加し、Nと共に20℃で1時間撹拌した。次いで樹脂をDMF(30mL*3)で洗浄した。
9.カップリング反応をニンヒドリン呈色反応によってモニタリングした。
ペプチド切断及び精製:
1.カップリング後、樹脂をDMFで5回で洗浄した。最後の工程の後、樹脂をMeOHで3回洗浄し、真空下で乾燥させた。次いでペプチド樹脂(3.8g)を切断カクテル(40mL、92.5%TFA/2.5%3-メルカプトプロピオン酸/2.5%TIS/2.5%H2O)で2.5時間処理した。ペプチドを減圧下で濃縮し、低温イソプロピルエーテルで沈殿させ、濾過し、イソプロピルエーテルで2回洗浄して1.4gの残渣を得た。
2.粗製ペプチドをPrep-HPLC(A:H2O中の0.075%TFA、B:ACN)によって精製し、次いでPrep-HPLC(A:H2O中の0.5%HOAc、B:ACN)によって2回目の精製を行ってペプチド化合物294(287.2mg、98.74%の純度、HOAC)を得、これは白色の固体として得られ、これをLCMS(Rt=1.605分)及びHPLC(Rt=11.541分)によって確認した。
精製条件:
Figure 2023524603000034
以下の表3は、実施例1~8に記載の方法に従って作製された例示的なGIP受容体アゴニストペプチドを列挙している。
Figure 2023524603000035

Figure 2023524603000036

Figure 2023524603000037

Figure 2023524603000038

Figure 2023524603000039

Figure 2023524603000040

Figure 2023524603000041

Figure 2023524603000042

Figure 2023524603000043

Figure 2023524603000044

Figure 2023524603000045

Figure 2023524603000046

生物学的実施例
GIP及びGLP受容体結合アッセイ、薬物または化学療法誘発嘔吐症を含む、様々な刺激によって引き起こされる嘔吐症、嘔吐及び悪心を阻害するためのアッセイを実施する方法は、2018年3月30日出願の出願人らの国際PCT出願第PCT/JP2018/013540号の213~255ページの範囲に具体的に記載され、その全体が参照によって本明細書に具体的に組み込まれる。
実施例9.細胞内cAMP蓄積を測定することによるヒトGIPR及びヒトGLP1Rに対するペプチドアゴニスト活性の評価
GIPRアッセイ
N末端FLAGタグを有するGenBankアクセッション番号NM_000164と同一の配列を有する全長ヒトGIPRを過剰発現するHEK-293T細胞を、Multispan,Inc(Hayward,CA)から購入する。細胞を、製造業者のプロトコールに従って、10%ウシ胎児血清及び1μg/mLピューロマイシンを含むDMEM中で培養し、アッセイ用細胞として使用するために凍結アリコートで保存する。アッセイ日に、細胞を凍結保存から取り出し、1倍クレブスリンゲル緩衝液(Zenbio,Research Triangle Park,NC)中で2回洗浄し、1倍クレブスリンゲル緩衝液中で4×10細胞/mLの濃度まで再懸濁させる。3×10-10~5.08×10-15Mの最終濃度範囲にわたる100%DMSO中の50nLの試験化合物を、低容量の白色384ウェルポリプロピレンプレート(Corning,Tewksbury,MA)に音響的に分注し、続いて10μLの総体積でウェルあたり4×10細胞を添加する。細胞を試験化合物と共に室温で1時間、暗所においてインキュベートし、cAMP蓄積を、Cisbio HiRange cAMPアッセイキット(Bedford,MA)を使用し、製造業者のプロトコールに従って測定する。溶解/検出緩衝液で希釈した抗cAMP抗体及びd2-cAMPトレーサー試薬を暗所で1時間インキュベートし、結果をEnvisionプレートリーダー(Perkin Elmer,Waltham,MA)上で測定する。データを、1nM GIPを100%活性として、及びDMSOのみを0%活性として使用して正規化する。
N末端FLAGタグを有するGenBankアクセッション番号NM_002062と同一の配列を有する全長ヒトGLP-1Rを過剰発現するHEK-293T細胞を、Multispan,Inc(Hayward,CA)から購入し得る。細胞を、製造業者のプロトコールに従って、10%ウシ胎児血清及び1μg/mLピューロマイシンを含むDMEM中で培養し、アッセイ用細胞として使用するために凍結アリコートで保存する。アッセイ日に、細胞を凍結保存から取り出し、1倍クレブスリンゲル緩衝液(Zenbio,Research Triangle Park,NC)中で2回洗浄し、1倍クレブスリンゲル緩衝液中で4×10細胞/mLの濃度まで再懸濁させる。1×10-6~1.69×10-11Mの最終濃度範囲にわたる100%DMSO中の50nLの試験化合物を、低容量の白色384ウェルポリプロピレンプレート(Corning,Tewksbury,MA)に音響的に分注し、続いて10μLの総体積でウェルあたり4×10細胞を添加する。細胞を試験化合物と共に室温で1時間、暗所においてインキュベートし、cAMP蓄積を、Cisbio HiRange cAMPアッセイキット(Bedford,MA)を使用し、製造業者のプロトコールに従って測定する。溶解/検出緩衝液で希釈した抗cAMP抗体及びd2-cAMPトレーサー試薬を暗所で1時間インキュベートし、結果をEnvisionプレートリーダー(Perkin Elmer,Waltham,MA)上で測定する。データを、1nM GLP-1を100%活性として、及びDMSOのみを0%活性として使用して正規化する。
Figure 2023524603000047

Figure 2023524603000048

Figure 2023524603000049

Figure 2023524603000050

Figure 2023524603000051

Figure 2023524603000052

表4は、本開示のGIPRアゴニストペプチドの選択的結合活性を提供する。分かるように、本明細書で提供されるペプチド化合物は、約800~約10,000,000の範囲のヒトGLP1R cAMP EC50/ヒトGIPR cAMP EC50比を有し、よって、非常に選択的なGIPRアゴニスト結合活性を示している。GIPRアゴニストペプチド化合物のほとんどは、1,000超、または5,000超、または10,000超、または50,000超、または100,000超、または500,000超のヒトGLP1R cAMP EC50/ヒトGIPR cAMP EC50比を示す。
実施例10.経口グルコース負荷試験
5ml/kgで投薬される50%デキストロース溶液を用いてC57BL/6Jマウスを使用して経口グルコース負荷試験(OGTT)を行った。0.1nmol/kg、0.3nmmol/kg、3nmol/kgまたは10nmol/kgの試験濃度をペプチドに応じて選択した。各ペプチドまたはビヒクル(対照群)を、グルコース負荷の24時間(別段示されない限り)前に皮下注射し、血中グルコースをグルコース投薬から0、15、30、及び60分後に測定した。化合物の作用を以下の計算式によって計算し、AUCを使用して60分にわたって測定された場合のグルコースの低下%として表した。
%阻害=(1-(AUC cpd-AUCナイーブ/AUC veh-AUCナイーブ))x100。結果が表5に示されている。表5に示されているように、本発明の化合物は、経口グルコース負荷によって引き起こされる血中グルコースレベルの増加を抑制することが確認される。
Figure 2023524603000053

Figure 2023524603000054

Figure 2023524603000055
表5に示されているように、本開示のGIPRアゴニストペプチド化合物は、経口グルコース負荷によって引き起こされる血中グルコースレベルの増加を抑制する。
実施例11:イヌにおけるPYY-1119誘発嘔吐
神経ペプチドY2受容体(Y2R)アゴニスト化合物PYY-1119(4-イミダゾールカルボニル-Ser-D-Hyp-Iva-Pya(4)-Cha-Leu(Me)-Asn-Lys-Aib-Thr-Arg-Gln-Arg-Cha-NH2)(10μg/kg[約5nmol/kg]、皮下)誘発嘔吐症に対する本開示のGIPRアゴニスト化合物の単回皮下投与の効果をイヌにおいて評価した。本開示のGIPRアゴニストペプチド化合物またはビヒクル(0.09%[w/v]Tween80/10%DMSO/PBS)を3~10nmol/kgで雌のビーグル犬(10ヶ月齢)に皮下(sc)投与し、続いてY2Rアゴニスト((4-イミダゾールカルボニル-Ser-D-Hyp-Iva-Pya(4)-Cha-Leu(Me)-Asn-Lys-Aib-Thr-Arg-Gln-Arg-Cha-NH2)、10μg/kg)、10μg/kg)を投薬後1時間または表中の特定の時間で皮下注射した。嘔吐症エピソードを投与後2時間計数した(盲検分析によって)。
表6は、化合物がPYY-1119誘発嘔吐症症状を抑制したことを示している。以下の表において、結果は、(1-(ペプチド化合物での嘔吐症エピソードの数/ビヒクルでの嘔吐症エピソードの数))X100として計算された、PYY-1119の投薬後の時間(複数可)での、示されたペプチド化合物の用量(nmol/kg)での阻害率(%)として示されている。
Figure 2023524603000056

Figure 2023524603000057

表6に示されるように、本発明のペプチド化合物は、イヌにおける嘔吐の症状を含む、PYY-1119誘発嘔吐症を阻害したことが確認される。
実施例12:フェレットにおける嘔吐抑制試験
1.モルヒネ誘発急性嘔吐症モデルにおける皮下投与されたGIP受容体アゴニストペプチドの効果。
制吐効果を評価するために、天然ヒトGIP以外のGIP受容体アゴニストペプチドを、モルヒネ投与の24時間前に雄フェレットに皮下投与する。モルヒネ投与後60分まで、フェレットの状態をモニターし、生じている腹部収縮運動、嘔吐行動、舌で舐める行動、及び落ち着きのない行動の発生の頻度及び時点を記録する。0.3~10nmol/kgで投薬された本開示のGIP受容体アゴニストペプチド化合物は、フェレットにおけるモルヒネ(0.6mg/kg、皮下)誘発嘔吐症を減弱させた。
GIP受容体アゴニストペプチドを、それぞれビヒクル(0.09w/v% tween 80/10%DMSO/生理食塩水)で溶解し、試験溶液を調製する。0.5mg/kgの試験溶液及びビヒクルを、それぞれフェレット(各群に4匹)に皮下投与する。投与後、4または24時間それぞれの時点で0.6mg/kgのモルヒネを皮下投与する。モルヒネ投与後60分まで、フェレットの状態をモニターし、もしあれば嘔吐しなかった動物の数、嘔吐症エピソードの数、嘔吐症エピソードを観察するまでの潜伏期(分単位)、観察した嘔吐症の持続時間を記録する。
表7.本開示のGIPrアゴニストペプチドで処置されたフェレットにおけるモルヒネによって誘発された嘔吐症症状のパーセント阻害。

Figure 2023524603000058

上記例の結果は、ペプチド化合物72、84、及び50が、モルヒネが投薬されたフェレットにおける嘔吐の頻度を含む、嘔吐症の頻度を完全に阻害するのに有効であることを明らかに示している。
実施例13:イヌにおけるアポモルヒネ誘発嘔吐症症状のアポモルヒネ(ApoM)試験観察プロトコール
イヌを各アポモルヒネ負荷の1日前に観察ケージ(700mm W×700mm D×700mm H[W×D×H]、餌なし)に移す。イヌを電子天秤を使用して計量し、次いで試験ペプチド化合物及びビヒクルを皮下経路を介して投与する。投与後8時間の時点でアポモルヒネを負荷し、嘔吐症事象を映像記録によって1時間モニタリングする。第2のアポモルヒネ負荷は投与から72時間後であり、嘔吐症事象を同じプロトコールによって記録する。嘔吐症症状をビデオカメラを使用して継続的に記録し、ブルーレイディスクに保存する。症状の観察には、吐気(腹部の律動的収縮)及び嘔吐(嘔吐物の排出または同様の挙動を含む、嘔吐挙動)が含まれる。さらに、吐気及び嘔吐の組み合わせは、嘔吐症として定義され、これらの症状の各々のエピソードの数、潜伏(モルヒネ投与から最初の嘔吐症症状の発症までの経過時間)、継続期間(嘔吐症の最初のエピソードの発症と最後のエピソードの発症との間の経過時間)、及び頻度(嘔吐症を示す動物の数/実験動物の数)を計算する。嘔吐症症状が認められない場合の潜伏は、観察の最後に最大値(アポモルヒネ負荷の場合は1時間)として解釈される。嘔吐症症状の継続期間が1分未満である場合、継続期間は、便宜上、1分として記録する。表8は、ApoM試験の結果を示している:

Figure 2023524603000059

上記の例からの結果は、化合物36、45、50、及び85が、アポモルヒネが投薬されたフェレットにおける嘔吐症事象の頻度を阻害(≧70%阻害)するのに有効であることを明らかに示している。
実施例14:血清半減期及び48時間での残存割合
血清半減期分析
ヒト血漿(性別混合:抗凝固剤としてヘパリンナトリウムが使用される;pH7.4に事前調整する-NB代替種が使用され得る)に各試験ペプチド(500nM)をスパイクし、37℃で5%CO環境中で48時間インキュベートする・cn=3)。アリコートを0.1、2、4、7、24及び46時間の時点で採取し、分析前に20%ギ酸でpH3にpH調整する。適切な陽性対照化合物を、血漿なし対照と共に、並行にインキュベートし、0及び8時間の時点でサンプリングする。すべてのサンプルを、内部標準を含有する氷冷アセトニトリル/メタノール(4:1(v/v))で処理してから、2000g及び4℃で10分間遠心分離し、LC-MS/MS分析に供する。
サンプル分析
サンプルを、適切な液体クロマトグラフィー(LC)システムに連結された6500(または同等物)トリプル四重極質量分析計(AB Sciex)を使用してLC-MS/MSによって分析する。タンパク質結合及び安定性値を、化合物最適化後に多重反応モニタリング(MRM)パラメータを使用してピーク面積比を介して決定する。多重反応モニタリング(MRM)は、特定の前駆体ペプチドから断片イオンへの移行のスクリーニングに基づいてペプチドを選択的に検出及び定量するために使用され得る標的化質量分析(MS)の高感度方法である。
表9は、化合物の血清半減期及び48時間で残存する割合の結果を示している:

Figure 2023524603000060

表9は、本開示のGIPRアゴニストペプチドの薬物動態活性に関連するデータ点の2つのセットを提供する。本開示のGIPRアゴニストペプチドの使用のための最適値は、週1回の投薬について>48時間の血清T1/2(半減期)の間の範囲である。表9から分かるように、血清におけるT1/2が48時間以上に近づく場合、48時間後に残存する量は90%を超え、これは、ペプチドが、5~7日の継続期間中その薬理学的活性を発揮するために利用可能であることを示している。
実施例15:ヒト及びイヌPPB
ヒト血漿タンパク質結合(PPB)
ストック溶液
ストック溶液:(1000μM)のペプチドをDMSO中で調製する。
血漿タンパク質結合(PPB)分析
ヒト血漿(性別混合;抗凝固剤としてK2-EDTAを含有する;pH7.4に事前調整する-NB代替種が使用され得る)に各試験ペプチド(1000nmol/L)を個々にスパイクし、分析のためにサンプリングし、次いで37℃で水浴中で30分間インキュベートする(n=4)。インキュベート期間後、血漿を分析のためにサンプリングし、次いで超遠心分離管に移し、-450,000g及び4℃で3時間遠心分離し(n=3)、その後、上清を分析のためにサンプリングする。遠心分離期間の最後に上清の追加のアリコートを採取して、総タンパク質濃度を測定する。インキュベートされた血漿のアリコートを4℃で3時間保存し、次いで分析のためにサンプリングする。サンプリング時に、すべてのサンプルをマトリックスマッチさせ、内部標準を含有する氷冷アセトニトリル/メタノール(4:1(vfv))で処理し、2000g及び4℃で10分間遠心分離し、LC-MS/MS分析の前に保存する。適切な陽性対照化合物対照を並行してインキュベートし、遠心分離する;対照血漿も遠心分離して、マトリックスマッチングのためのサンプルを生成する。血漿中の未結合画分(Fu血漿)値は、ピーク面積反応比を介して決定される、血漿中の分析物反応と上清中の分析物反応との比較によって決定される。
血漿安定性分析
ヒト血漿(性別混合:抗凝固剤としてヘパリンナトリウムが使用される;pH7.4に事前調整する-NB代替種が使用され得る)に各試験ペプチド(500nM)をスパイクし、37℃で5%CO環境中で48時間インキュベートする・cn=3)。アリコートを0.1、2、4、7、24及び46時間の時点で採取し、分析前に20%ギ酸でpH3にpH調整する。適切な陽性対照化合物を、血漿なし対照と共に、並行にインキュベートし、0及び8時間の時点でサンプリングする。すべてのサンプルを、内部標準を含有する氷冷アセトニトリル/メタノール(4:1(v/v))で処理してから、2000g及び4℃で10分間遠心分離し、LC-MS/MS分析に供する。
サンプル分析
サンプルを、適切な液体クロマトグラフィー(LC)システムに連結された6500(または同等物)トリプル四重極質量分析計(AB Sciex)を使用してLC-MS/MSによって分析する。タンパク質結合及び安定性値を、化合物最適化後に多重反応モニタリング(MRM)パラメータを使用してピーク面積比を介して決定する。多重反応モニタリング(MRM)は、特定の前駆体ペプチドから断片イオンへの移行のスクリーニングに基づいてペプチドを選択的に検出及び定量するために使用され得る標的化質量分析(MS)の高感度方法である。
以下に提示されるイヌPPB値は、イヌ血清がヒト血清の代わりに使用されるという違いがあるが、本質的にヒトPPBサンプルについて記載されているように得られる。表10には、結合率と比較した割合として表される未結合画分としての(Fu,血漿)の値が提供されており、すなわち、値が0.0123である場合、そのとき未結合画分は(0.0123/100)%であり、これは、1.23%のペプチドが未結合であり、98.77%が血漿中で結合している。イヌPPBプロトコールを実施するための方法及び分析ならびに結果は、ヒトPPBプロトコール及び分析に関して本明細書に記載されているものと同じである。
表10は、イヌPBB及びヒトPBBの結果を示している:

Figure 2023524603000061

表10で分かるように、本開示のGIPRアゴニストペプチドは、約0.1%~約0.4%の範囲である、制吐活性のためのヒト血清における未結合または活性薬物の割合を提供する。GIPRアゴニストペプチドの有効性は、血漿における未結合薬物の量への曝露、すなわち、周囲組織に浸透する遊離ペプチドの割合に関連する。血漿における結合ペプチドはまた、様々な消失プロセスよって除去される遊離ペプチドのためのリザーバとして機能し、作用の継続期間を延長し得る。これらのGIPRアゴニストペプチドはまた、高い割合の薬物がヒトにおいて結合しているため(例えば、99.9%~98.9%)、作用の継続期間は、より長い期間延長され得ることを実証している。本開示のGIPRアゴニストペプチドは、0.5%未満の未結合間のヒト対象への週1回の投薬のための血漿タンパク質に結合していない最適な範囲を提供する。約0.1%~約0.5%の遊離割合を有する本開示のGIPRアゴニストペプチドは、所望のpKプロファイルを有するペプチドに変換し、過剰な蓄積を防止するための好適な吸収及び所望の消失を実証していると考えられる。表10におけるいくつかの化合物は、ヒト血漿における最適な遊離未結合ペプチド、例えば、週に1回(QW)の投薬に好適な化合物8、11、15、16、27、41、50、72、84、293及び294を実証している。
実施例16:化合物の溶解性
溶解性測定pH7.4
GIPRアゴニスト化合物の溶解性
3mgのペプチドを小さなガラスバイアル内に秤量する。100uLの200mMリン酸緩衝液pH7.4を添加し、バイアルを必要に応じて最大で1分間超音波処理/ボルテックスする。視覚検査を実施し、サンプルが十分に溶解した場合、溶解性を30mg/mLとして記録する。不溶性物質がチューブ内で確認される場合、100uLの緩衝液の添加及び混合が完全に溶解するまで繰り返される。ペプチドが500uLの緩衝液に可溶性ではない場合、それは、溶解性<6mg/mLとして表示される。溶解性は、40℃で維持されるKinetexカラム形態Phenomenex(登録商標)(2.6μm EVO C18 100Å、LCカラム50x3.0mm)を有するAgilent 1200システムでの0.2μmフィルターでの濾過後にRP-HPLCによって確認され得、溶離液Aは、水中の0.05%TFAであり、Bは、アセトニトリル中の0.035%TFAであり、0.6ml/分の流速である。グラジエントは、5分にわたって20から70までであり、次いでカラムを90%のBで1分間洗浄する。215nmでのUVモニタリングを使用してペプチド濃度をモニタリングする。
表11は、pH7.4でのリン酸緩衝液における化合物の溶解性の結果を示している。
Figure 2023524603000062

Figure 2023524603000063

Figure 2023524603000064

Figure 2023524603000065

Figure 2023524603000066

Figure 2023524603000067

表11に示されるように、試験されたGIPRアゴニストペプチドの一部は、15mg/mL以上の生理的緩衝液(pH7.4のリン酸緩衝液)における高い溶解性を実証している。化合物1~180、293、及び294は、15mg/mL以上のpH7.4でのリン酸緩衝液における溶解性を示し、これは、1週に1回、すなわち、QW投薬を容易化する体積での投薬のための好ましい化合物である。化合物及び243~292は、15mg/mL未満の溶解性を有し、例えば、15mg/mL未満、または10mg/mL~15mg/mLはあまり好ましくなく、実施例16に記載される10mg/mL未満の溶解性を有するペプチド化合物は、QW投薬に好適なGIPRアゴニストペプチドから除外される。いくつかの実施形態では、実施例16に記載される15mg/mL未満の溶解性を有する本開示のGIPRアゴニストペプチド化合物は、QW投薬に好適なGIPRアゴニストペプチドから除外される。
実施例17:選択的GIP受容体アゴニストペプチドの薬物動態(PK)及び薬力学的(PD)研究の概要
薬物動態(PK)は、IV及びSC投薬後の半減期を決定するためにイヌにおいて行った。ペプチドを10%DMSO/0.09%ポリソルベート/PBS pH7.4に3nmol/mLの濃度まで溶解し、動物に1mL/kgの体積でSCまたはIV投薬した。血液サンプルを、IV投薬の場合は0、0.033、0.083、0.25、0.5、1、2、4、6、8、12、24、48、72、96、120、168、336時間の時点及びSC投薬の場合は0.25、0.5、1、2、4、6、8、12、24、48、72、96、120、168、336時間の時点で収集し、EDTA-K2を抗凝固剤として使用した。ペプチドの血漿濃度を、LCMSを使用して測定した。T1/2及びMRTを含む、脂質付加されたペプチド薬物動態のアロメトリースケーリングは、当該技術分野でげっ歯類からイヌ及びミニブタならびにヒトまで知られている。1つの例示的な実施形態では、脂質付加されたペプチドは、イヌにおいて皮下投薬後にMRT=145時間を有することが示され、ヒトにおいてQWで投薬される。例えば、Discovery and Development of Liraglutide and Semaglutide.Knudsen,L.B.;Lau,J.Frontiers in Endocrinology,2019,vol 10,Article 155を参照されたい。
表12は、選択的化合物のPK及びPDデータを示している:
Figure 2023524603000068

上の表12に示されているように、ペプチド化合物45、15、84、50、41、72、27、293、及び294はすべて、1週に1回の投薬(QW)のための最適な曝露を提供する例示的な薬物動態活性を実証している。表12に示されるように、IV T1/2期(イヌについて提供されたデータ)は、3nmol/kgで投薬された場合、57~115時間の範囲のIV T12期の範囲である。比較において、化合物番号16は、1週に1回の投薬について59時間の許容できないほど短い平均滞留時間(MRT)を実証している。本開示のGIPRアゴニスト化合物は、表12に示されるMRTが、実施例17に示される条件下で試験された場合に60時間超、または70時間超、または80時間超である場合、1週に1回のQW投薬について治療的に有効である。
製剤実施例1
(1)化合物10 10.0mg
(2)ラクトース 70.0mg
(3)コーンスターチ 50.0mg
(4)可溶性デンプン 7.0mg
(5)ステアリン酸マグネシウム 3.0mg
化合物10(10.0mg)及びステアリン酸マグネシウム(3.0mg)を可溶性デンプン水溶液(0.07mL)(可溶性デンプンとして7.0mg)で顆粒化し、乾燥させてラクトース(70.0mg)及びコーンスターチ(50.0mg)と混合する。混合物を圧縮して錠剤を得る。
製剤実施例2
(1)化合物5 5.0mg
(2)塩化ナトリウム 20.0mg
(3)総量2mLまでの蒸留水
化合物5(5.0mg)及び塩化ナトリウム(20.0mg)を蒸留水中に溶解し、水を添加して総量を2.0mlとする。溶液を濾過し、無菌条件下で2mlのアンプルに充填する。アンプルを滅菌し、緊密に密封して注射液を得る。
産業上の利用可能性
本開示のGIP受容体アゴニストペプチドは、優れたGIP受容体選択的アゴニスト活性を有し、GIP受容体活性と関連することによって引き起こされる嘔吐症及び状態、例えば、嘔吐症及び嘔吐または悪心と関連する疾患などの予防または処置のための薬物として有用である。一実施形態では、選択的GIP受容体アゴニストペプチドは、薬物もしくは医薬として有用であるか、またはGIP受容体活性と関連することによって引き起こされる嘔吐症及び状態、例えば、周期性嘔吐症候群、ならびに本明細書に示されるような化学療法剤もしくは抗がん剤の投与と関連する悪心及び/または嘔吐の予防もしくは処置に使用するのに有用である。
本明細書で引用されるすべての刊行物、特許、及び特許出願は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
[配列表のためのフリーテキスト]
配列番号1:天然ヒトGIP(1-42ペプチド)
配列番号2~295合成ペプチド(式(I)-(V)
他の実施形態
本発明はその詳細な説明に関連して記載されてきたが、前述の記載は、本発明の範囲を示すことを意図するものであり、限定するものではなく、それは添付の特許請求の範囲で定義されると理解されるべきである。他の態様、利点、及び修正は、特許請求の範囲内である。

Claims (57)

  1. 式(I):
    -Tyr-A2-Glu-Gly-Thr-Phe-Ile-Ser-A9-Tyr-Ser-Ile-A13-A14-Asp-A16-A17-A18-Gln-A20-A21-Phe-Val-A24-Trp-Leu-Leu-Ala-Gln-A30-A31-A32-A33-A34-A35-A36-A37-A38-A39-A40-A41-A42-Pによって表されるGIP受容体アゴニストペプチド、またはその薬学的に許容される塩;
    (式中、
    は、式
    -RA1
    -CO-RA1
    -CO-ORA1
    -CO-CORA1
    -SO-RA1
    -SO-RA1
    -SO-ORA1
    -CO-NRA2A3
    -SO-NRA2A3
    -C(=NRA1)-NRA2A3
    によって表される基を表し、または
    非存在であり、
    A1、RA2、及びRA3は、それぞれ独立して、水素原子、場合により置換される炭化水素基、または場合により置換される複素環基を表し;
    は、-NHまたは-OHを表し;
    A2は、Aib、D-Ala、Ala、Gly、またはProを表し;
    A9は、AspまたはLeuを表し;
    A13は、Aib、またはAlaを表し;
    A14は、Leu、Aib、Ile、またはNleを表し;
    A16は、Arg、Ser、またはLysを表し;
    A17は、Aib、Ala、またはIleを表し;
    A18は、Ala、His、またはLysを表し;
    A19は、Gln、またはAlaを表し;
    A20は、Aib、Gln、またはAlaを表し;
    A21は、Asp、Asn、またはLysを表し;
    A24は、Asn、Gln、またはGluを表し;
    A30は、Arg、Ser、Gln、またはLysを表し;
    A31は、Gly、Pro、または欠失を表し;
    A32は、Ser、Lys、Pro、Gly、または欠失を表し;
    A33は、Ser、Lys、Gly、または欠失を表し;
    A34は、Gly、Asn、または欠失を表し;
    A35は、Ala、Asp、Ser、Asn、または欠失を表し;
    A36は、Pro、Trp、または欠失を表し;
    A37は、Pro、Lys、または欠失を表し;
    A38は、Pro、His、または欠失を表し;
    A39は、Ser、Asn、または欠失を表し;
    A40は、Ile、または欠失を表し;
    A41は、Thr、または欠失を表し;
    A42は、Gln、または欠失を表す)。
  2. A31は、Glyであり、A32~A42は、欠失である;またはA32は、Glyであり、A33~A42は、欠失である、請求項1に記載のGIP受容体アゴニストペプチドまたはその薬学的に許容される塩。
  3. A31は、Proであり、A32は、Glyであり、A33~A42は、欠失である、請求項1に記載のGIP受容体アゴニストペプチドまたはその薬学的に許容される塩。
  4. は、OHである、請求項1~3のいずれか1項に記載のGIP受容体アゴニストペプチドまたはその薬学的に許容される塩。
  5. 式(II):
    -Tyr-A2-Glu-Gly-Thr-Phe-Ile-Ser-Asp-Tyr-Ser-Ile-A13-A14-Asp-A16-A17-A18-A19-A20-A21-Phe-Val-A24-Trp-Leu-Leu-Ala-A29-A30-A31-A32-A33-A34-A35-A36-A37-A38-A39-A40-A41-A42-Pによって表されるGIP受容体アゴニストペプチド、またはその薬学的に許容される塩(式中、
    は、式
    -RA1
    -CO-RA1
    -CO-ORA1
    -CO-CORA1
    -SO-RA1
    -SO-RA1
    -SO-ORA1
    -CO-NRA2A3
    -SO-NRA2A3、または
    -C(=NRA1)-NRA2A3
    によって表される基を表し、
    A1、RA2、及びRA3は、それぞれ独立して、水素原子、場合により置換される炭化水素基、または場合により置換される複素環基を表し;
    は、-NHまたは-OHを表し;
    A2は、Aib、D-Ala、またはGlyを表し;
    A13は、Aib、またはAlaを表し;
    A14は、Leu、Aib、Ile、Nle、またはLys(R)を表し;
    A16は、Arg、Ser、またはLysを表し;
    A17は、Aib、Ala、Ile、またはLys(R)を表し;
    A18は、Ala、His、またはLys(R)を表し;
    A19は、GlnまたはAlaを表し;
    A20は、Aib、Gln、Arg、またはAlaを表し;
    A21は、Asp、Asn、またはLys(R)を表し;
    A24は、Asn、Gln、またはGluを表し;
    A29は、Gln、またはLys(R)を表し
    A30は、Arg、Lys、Ser、Gln、またはLys(R)を表し;
    A31は、Gly、Pro、または欠失を表し;
    A32は、Ser、Lys、Pro、Gly、または欠失を表し;
    A33は、Ser、Lys、Gly、または欠失を表し;
    A34は、Gly、Asn、または欠失を表し;
    A35は、Ala、Asp、Ser、Asn、または欠失を表し;
    A36は、Pro、Trp、または欠失を表し;
    A37は、Pro、Lys、または欠失を表し;
    A38は、Pro、His、または欠失を表し;
    A39は、Ser、Asn、または欠失を表し;
    A40は、Ile、または欠失を表し;
    A41は、Thr、または欠失を表し;
    A42は、Gln、または欠失を表し、
    前記残基Lys(R)において、前記(R)部分は、X-L-を表し、Lは、リンカーを表し、以下の2OEGgEgE、OEGgEgE、2OEGgE、3OEGgEgE、G5gEgE、2OEGgEgEgE、2OEG及びG5gEgEからなる群から選択され;Xは、脂質を表す)。
  6. 式(IV):
    -Tyr-Aib-Glu-Gly-Thr-Phe-Ile-Ser-Asp-Tyr-Ser-Ile-A13-A14-Asp-A16-A17-A18-A19-A20-A21-Phe-Val-A24-Trp-Leu-Leu-Ala-A29-A30-A31-A32-A33-A34-A35-A36-A37-A38-A39-Pによって表されるGIP受容体アゴニストペプチド、またはその薬学的に許容される塩(式中、
    は、HまたはC1-6アルキルを表し;
    は、-NHまたは-OHを表し;
    A13は、Aib、Ala、またはLysを表し;
    A14は、Leu、Aib、Lys、またはLys(R)を表し;
    A16は、Arg、Ser、またはLysを表し;
    A17は、Aib、Ala、Ile、Glu、Lys、またはLys(R)を表し;
    A18は、Ala、His、Glu、Lys、またはLys(R)を表し;
    A19は、GlnまたはAlaを表し;
    A20は、Aib、Ala、Gln、Arg、またはLysを表し;
    A21は、Asp、Asn、Lys、またはLys(R)を表し;
    A24は、AsnまたはGluを表し;
    A29は、Gln、Lys、またはLys(R)を表し;
    A30は、Arg、Ser、Gln、Lys、Lys(Ac)、またはLys(R)を表し;
    A31は、Gly、Pro、または欠失を表し;
    A32は、Ser、Gly、または欠失を表し;
    A33は、Ser、Gly、または欠失を表し;
    A34は、Glyまたは欠失を表し;
    A35は、Ala、Ser、または欠失を表し;
    A36は、Proまたは欠失を表し;
    A37は、Proまたは欠失を表し;
    A38は、Proまたは欠失を表し;
    A39は、Serまたは欠失を表し;
    前記残基Lys(R)において、前記(R)部分は、X-L-を表し、Lは、リンカーを表し、2OEGgE、2OEGgEgE、G4gE、GGGGG、G5gE、G5gEgE、G6、gEgEgE、OEGgEgE、OEGgEOEGgE、GGPAPAP、及びGGPAPAPgEからなる群から選択され;Xは、C17~C22一酸またはC17~C22二酸を表す)。
  7. A17は、Aib、Ala、Ile、Glu、またはLys(R)を表し;
    A18は、Ala、His、Glu、またはLys(R)を表し;
    A21は、Asp、Asn、またはLys(R)を表し;
    A29は、GlnまたはLys(R)を表す、
    請求項6に記載のGIP受容体アゴニストペプチドまたはその薬学的に許容される塩。
  8. A13は、AibまたはAlaを表し;
    A14は、Leu、Lys、またはLys(R)を表し;
    A16は、Argを表し;
    A17は、Aib、Lys、またはLys(R)を表し;
    A18は、Ala、Lys、またはLys(R)を表し;
    A20は、Aibを表し;
    A29は、Glnを表し;
    A30は、Arg、Ser、またはLysを表し;
    A31は、GlyまたはProを表し;
    A33は、Serまたは欠失を表し;
    A35は、Alaまたは欠失を表し;
    Lは、2OEGgE、2OEGgEgE、OEGgEgE、OEGgEOEGgE、G5、GGPAPAP、及びGGPAPAPgEからなる群から選択される、
    請求項6に記載のGIP受容体アゴニストペプチドまたはその薬学的に許容される塩。
  9. A14は、LeuまたはLys(R)を表し;
    A17は、AibまたはLys(R)を表し;
    A18は、AlaまたはLys(R)を表し;
    A21は、Asp、Asn、またはLys(R)を表す、
    請求項8に記載のGIP受容体アゴニストペプチドまたはその薬学的に許容される塩。
  10. 前記脂質Xは、C17~C20一酸またはC17~C20二酸である、請求項5~9のいずれか1項に記載のGIPRアゴニストペプチドまたはその薬学的に許容される塩。
  11. 前記脂質Xは、C18二酸である、請求項10に記載のGIPRアゴニストペプチドまたはその薬学的に許容される塩。
  12. 前記リンカーLは、2OEGgEgEまたはGGGGGである、請求項5~11のいずれか1項に記載のGIPRアゴニストペプチドまたはその薬学的に許容される塩。
  13. (R)は、2OEGgEgE-C18二酸またはGGGGG-C18二酸である、請求項5~12のいずれか1項に記載のGIPRアゴニストペプチドまたはその薬学的に許容される塩。
  14. 前記ペプチドは、アミノ酸位置A14でLys(R)アミノ酸残基を有し、(R)は、GGGGG-C18二酸である、請求項5~13のいずれか1項に記載のGIPRアゴニストペプチドまたはその薬学的に許容される塩。
  15. 前記ペプチドは、アミノ酸位置A18またはA21でLys(R)アミノ酸残基を有し、(R)は、2OEGgEgE-C18二酸である、請求項5~13のいずれか1項に記載のGIPRアゴニストペプチドまたはその薬学的に許容される塩。
  16. 式(V):
    Me-Tyr-Aib-Glu-Gly-Thr-Phe-Ile-Ser-Asp-Tyr-Ser-Ile-A13-A14-Asp-Arg-A17-Ala-Gln-Aib-A21-Phe-Val-Asn-Trp-Leu-Leu-Ala-Gln-A30-A31-A32-A33-A34-A35-A36-A37-A38-A39-Pによって表される請求項5または6に記載のGIPRアゴニストペプチド、またはその薬学的に許容される塩(式中、
    は、-NHまたは-OHを表し;
    A13は、AibまたはAlaを表し;
    A14は、Leu、Lys、またはLys(R)を表し;
    A17は、Aib、Lys、またはLys(R)を表し;
    A21は、Asp、Asn、Lys、またはLys(R)を表し;
    A30は、Arg、Ser、Lys、またはLys(R)を表し;
    A31は、GlyまたはProを表し;
    A32は、Ser、Gly、または欠失を表し;
    A33は、Serまたは欠失を表し;
    A34は、Glyまたは欠失を表し;
    A35は、Alaまたは欠失を表し;
    A36は、Proまたは欠失を表し;
    A37は、Proまたは欠失を表し;
    A38は、Proまたは欠失を表し;
    A39は、Serまたは欠失を表し、
    Lは、2OEGgEgEまたはGGGGGであり;Xは、C18二酸を表す)。
  17. A14は、LeuまたはLys(R)を表し;
    A17は、AibまたはLys(R)を表し;
    A21は、Asp、Asn、またはLys(R)を表し;
    A30は、Arg、Ser、Lys、またはLys(R)を表す、請求項16に記載のGIPRアゴニストペプチドまたはその薬学的に許容される塩。
  18. 式:
    Me-Y-Aib-E-G-T-F-I-S-D-Y-S-I-A-Km-D-R-Aib-A-Q-Aib-D-F-V-N-W-L-L-A-Q-S-P-G-OH;
    Me-Y-Aib-E-G-T-F-I-S-D-Y-S-I-A-Km-D-R-Aib-A-Q-Aib-N-F-V-N-W-L-L-A-Q-S-P-S-S-G-A-P-P-P-S-OH;
    Me-Y-Aib-E-G-T-F-I-S-D-Y-S-I-A-L-D-R-Km-A-Q-Aib-D-F-V-N-W-L-L-A-Q-S-P-S-S-G-A-P-P-P-S-NH
    Me-Y-Aib-E-G-T-F-I-S-D-Y-S-I-A-L-D-R-Aib-A-Q-Aib-Km-F-V-N-W-L-L-A-Q-K-G-OH;
    Me-Y-Aib-E-G-T-F-I-S-D-Y-S-I-Aib-L-D-R-Aib-A-Q-Aib-Km-F-V-N-W-L-L-A-Q-R-G-OH;
    Me-Y-Aib-E-G-T-F-I-S-D-Y-S-I-Aib-L-D-R-Aib-A-Q-Aib-N-F-V-N-W-L-L-A-Q-Km-P-S-S-G-A-P-P-P-S-NH
    によって表される、請求項16または17に記載のGIPRアゴニストペプチドまたはその薬学的に許容される塩。
  19. 式:
    Me-Y-Aib-E-G-T-F-I-S-D-Y-S-I-A-Km-D-R-Aib-A-Q-Aib-D-F-V-N-W-L-L-A-Q-S-P-G-OH(式中、Kmは、Lys-GGGGG-C18二酸である)
    によって表される、請求項18に記載のGIPRアゴニストペプチドまたはその薬学的に許容される塩。
  20. 式:
    Me-Y-Aib-E-G-T-F-I-S-D-Y-S-I-A-Km-D-R-Aib-A-Q-Aib-N-F-V-N-W-L-L-A-Q-S-P-S-S-G-A-P-P-P-S-OH(式中、Kmは、Lys-GGGGG-C18二酸である)
    によって表される、請求項18に記載のGIPRアゴニストペプチドまたはその薬学的に許容される塩。
  21. 式:
    Me-Y-Aib-E-G-T-F-I-S-D-Y-S-I-A-L-D-R-Km-A-Q-Aib-D-F-V-N-W-L-L-A-Q-S-P-S-S-G-A-P-P-P-S-NH(式中、Kmは、Lys-GGGGG-C18二酸である)
    によって表される、請求項18に記載のGIPRアゴニストペプチドまたはその薬学的に許容される塩。
  22. 式:
    Me-Y-Aib-E-G-T-F-I-S-D-Y-S-I-A-L-D-R-Aib-A-Q-Aib-Km-F-V-N-W-L-L-A-Q-K-G-OH(式中、Kmは、Lys-2OEGgEgE-C18二酸である)
    によって表される、請求項18に記載のGIPRアゴニストペプチドまたはその薬学的に許容される塩。
  23. 式:
    Me-Y-Aib-E-G-T-F-I-S-D-Y-S-I-Aib-L-D-R-Aib-A-Q-Aib-Km-F-V-N-W-L-L-A-Q-R-G-OH(式中、Kmは、Lys-2OEGgEgE-C18二酸である)
    によって表される、請求項18に記載のGIPRアゴニストペプチドまたはその薬学的に許容される塩。
  24. 式:
    Me-Y-Aib-E-G-T-F-I-S-D-Y-S-I-Aib-L-D-R-Aib-A-Q-Aib-N-F-V-N-W-L-L-A-Q-Km-P-S-S-G-A-P-P-P-S-NH(式中、Kmは、Lys-2OEGgEgE-C18二酸である)
    によって表される、請求項18に記載のGIPRアゴニストペプチドまたはその薬学的に許容される塩。
  25. 前記GIP受容体アゴニストペプチドは、10超、または100超、または1,000超、または100,000超の(GLP1R EC50/GIPR EC50)の比として表される選択性比を有する、請求項1~24のいずれか1項に記載のGIP受容体アゴニストペプチドまたはその薬学的に許容される塩。
  26. 前記GIP受容体アゴニストペプチドは、50時間超のヒトIV消失T1/2期を有する、請求項1~24のいずれか1項に記載のGIP受容体アゴニストペプチドまたはその薬学的に許容される塩。
  27. 前記GIP受容体アゴニストペプチドは、15mg/mL以上の溶解性を有する、請求項7及び9~15のいずれか1項に記載のGIP受容体アゴニストペプチドまたはその薬学的に許容される塩。
  28. 請求項1~27のいずれか1項に記載のGIP受容体アゴニストペプチド、またはその薬学的に許容される塩を含む医薬。
  29. 請求項1~27のいずれか1項に記載のGIP受容体アゴニストペプチド、またはその薬学的に許容される塩を含む薬学的組成物。
  30. 単独療法として嘔吐症を処置するために投与される、請求項1~27のいずれか1項に記載のGIP受容体アゴニストペプチドもしくはその薬学的に許容される塩、または請求項28に記載の医薬、または請求項29に記載の薬学的組成物。
  31. Q1W、または4~7日に1回、または4~5日に1回、または4日ごとに1回、または5日ごとに1回、または6日ごとに1回、または7日ごとに1回、または8日ごとに1回、または9日ごとに1回、または10日ごとに1回投与される、請求項1~27のいずれか1項に記載のGIP受容体アゴニストペプチドもしくはその薬学的に許容される塩、または請求項28に記載の医薬、または請求項29に記載の薬学的組成物。
  32. GIP受容体の活性化因子である、請求項28に記載の医薬。
  33. 嘔吐または悪心のための抑制剤である、請求項32に記載の医薬。
  34. 嘔吐または悪心のための抑制剤の製造のための、請求項1~27のいずれか1項に記載のGIP受容体アゴニストペプチド、もしくはその塩、または請求項28に記載の医薬、または請求項29に記載の薬学的組成物の使用。
  35. 嘔吐または悪心を抑制する際に使用するための、請求項1~27のいずれか1項に記載のGIP受容体アゴニストペプチド、もしくはその塩、または請求項28に記載の医薬、または請求項29に記載の薬学的組成物。
  36. 対象における嘔吐症を予防または処置するための方法であって、有効量の請求項1~27のいずれか1項に記載のペプチド、もしくはその塩、または請求項28に記載の医薬、または請求項29に記載の薬学的組成物を前記対象に投与することを含む、前記方法。
  37. 前記嘔吐症は、悪心及び/または嘔吐である、請求項36に記載の方法。
  38. 前記嘔吐症、嘔吐または前記悪心は、以下の(1)~(10)から選択される1つ以上の状態または原因によって引き起こされる、請求項33に記載の医薬、請求項34に記載の使用、請求項35に記載のペプチド、医薬、もしくは薬学的組成物、または請求項37に記載の方法:
    (1)嘔吐または悪心を伴う疾患、例えば、胃不全まひ、胃腸運動低下、腹膜炎、腹部腫瘍、便秘、胃腸閉塞、慢性偽腸閉塞症、機能性ディスペプシア、化学療法誘発悪心及び嘔吐(CINV)、慢性原因不明悪心及び/または嘔吐、周期性嘔吐症候群(CVS)、胃不全まひに関連する悪心及び/または嘔吐、急性膵炎、慢性膵炎、肝炎、高カリウム血症、脳浮腫、頭蓋内病変、代謝障害、感染症によって引き起こされる胃炎、術後疾患、心筋梗塞、片頭痛、頭蓋内圧亢進症、及び脳圧低下症(例えば、高山病);
    (2)化学療法薬、例えば、(i)アルキル化剤(例えば、シクロホスファミド、カルムスチン、ロムスチン、クロラムブシル、ストレプトゾシン、ダカルバジン、イホスファミド、テモゾロミド、ブスルファン、ベンダムスチン、及びメルファラン)、細胞傷害性抗生物質(例えば、ダクチノマイシン、ドキソルビシン、マイトマイシン-C、ブレオマイシン、エピルビシン、アクチノマイシンD、アムルビシン、イダルビシン、ダウノルビシン、及びピラルビシン)、代謝拮抗剤(例えば、シタラビン、メトトレキサート、5-フルオロウラシル、エノシタビン、及びクロファラビン)、ビンカアルカロイド(例えば、エトポシド、ビンブラスチン、及びビンクリスチン)、他の化学療法剤、例えば、シスプラチン、プロカルバジン、ヒドロキシ尿素、アザシチジン、イリノテカン、インターフェロンα、インターロイキン-2、オキサリプラチン、カルボプラチン、ネダプラチン、及びミリプラチンなど、(ii)オピオイド鎮痛薬(例えば、モルヒネ)、(iii)ドーパミン受容体D1D2アゴニスト(例えば、アポモルヒネ)、(iv)大麻悪阻症候群を含む大麻及びカンナビノイド製品などによって誘発される嘔吐及び/または悪心;
    (3)放射線宿酔またはがんの処置に使用される胸部、腹部などへの放射線療法によって引き起こされる嘔吐または悪心;
    (4)有毒物質または毒素によって引き起こされる嘔吐または悪心;
    (5)妊娠悪阻を含む妊娠によって引き起こされる嘔吐及び悪心;ならびに
    (6)前庭障害、例えば、乗り物酔いまたはめまいなどによって引き起こされる嘔吐及び悪心
    (7)オピオイド離脱;
    (8)妊娠悪阻を含む妊娠;
    (9)前庭障害、例えば、乗り物酔いまたはめまいなど;または
    (10)局所的、全身的、急性または慢性疼痛を引き起こす身体的損傷。
  39. 前記嘔吐症は、化学療法誘発悪心及び嘔吐(CINV)、慢性原因不明悪心及び/または嘔吐、周期性嘔吐症候群(CVS)、及び胃不全まひに関連する悪心及び/または嘔吐の結果である、請求項36に記載の方法。
  40. 前記対象は、非2型糖尿病対象である、請求項36に記載の方法。
  41. 前記嘔吐症は、遅延性嘔吐症または予測性嘔吐症である、請求項36に記載の方法。
  42. 嘔吐症は、前記対象において不安または鎮静を誘発することなく前記対象において処置される、請求項36~41のいずれか1項に記載の方法。
  43. 嘔吐症は、血漿グルコースレベルが空腹時レベルを超える場合にグルカゴン分泌の抑制を誘発することなく前記対象において処置される、請求項36~42のいずれか1項に記載の方法。
  44. 嘔吐症は、GLP-1受容体を実質的に活性化することなく前記対象において処置される、請求項36~43のいずれか1項に記載の方法。
  45. 嘔吐症は、GLP-1受容体アゴニストを同時に、その後に、または事前に投与することなく前記対象において処置される、請求項43または44に記載の方法。
  46. 嘔吐症は、メタボリックシンドローム障害を制御するための医薬を服用していない対象において処置される、請求項36~45のいずれか1項に記載の方法。
  47. 嘔吐症は、メタボリックシンドローム障害を制御するための医薬を服用している対象において処置される、請求項36~45のいずれか1項に記載の方法。
  48. 前記メタボリックシンドローム障害は、2型糖尿病または肥満である、請求項47に記載の方法。
  49. 前記嘔吐症は、周期性嘔吐症候群、または化学療法に関連する悪心もしくは嘔吐によって引き起される、またはそれを引き起こす、請求項36~48のいずれか1項に記載の方法。
  50. 前記化学療法または化学療法剤は、(i)アルキル化剤(例えば、シクロホスファミド、カルムスチン、ロムスチン、クロラムブシル、ストレプトゾシン、ダカルバジン、イホスファミド、テモゾロミド、ブスルファン、ベンダムスチン、及びメルファラン)、細胞傷害性抗生物質(例えば、ダクチノマイシン、ドキソルビシン、マイトマイシン-C、ブレオマイシン、エピルビシン、アクチノマイシンD、アムルビシン、イダルビシン、ダウノルビシン、及びピラルビシン)、代謝拮抗剤(例えば、シタラビン、メトトレキサート、5-フルオロウラシル、エノシタビン、及びクロファラビン)、ビンカアルカロイド(例えば、エトポシド、ビンブラスチン、及びビンクリスチン)、他の化学療法剤、例えば、シスプラチン、プロカルバジン、ヒドロキシ尿素、アザシチジン、イリノテカン、インターフェロンα、インターロイキン-2、オキサリプラチン、カルボプラチン、ネダプラチン、及びミリプラチン;(ii)オピオイド鎮痛剤(例えば、モルヒネ);(iii)ドーパミン受容体D1D2アゴニスト(例えば、アポモルヒネ);(iv)大麻悪阻症候群を含む大麻及びカンナビノイド製品を含む、請求項38または49に記載の方法。
  51. 前記対象は、2型糖尿病を有する、請求項36に記載の方法。
  52. 前記GIP受容体アゴニストペプチドまたは医薬は、皮下に、静脈内に、筋肉内に、腹腔内に、経口でまたは吸入を介して投与される、請求項36~51のいずれか1項に記載の方法。
  53. 前記対象に投与される前記GIP受容体アゴニストペプチドの前記有効量は、約0.01~0.5mg/kg/日、0.1~5mg/kg/日、5~10mg/kg/日、10~20mg/kg/日、20~50mg/kg/日、10~100mg/kg/日、10~120mg/kg/日、50~100mg/kg/日、100~200mg/kg/日、200~300mg/kg/日、300~400mg/kg/日、400~500mg/kg/日、500~600mg/kg/日、600~700mg/kg/日、700~800mg/kg/日、800~900mg/kg/日または900~1000mg/kg/日である、請求項36~52のいずれか1項に記載の方法。
  54. 前記対象は、ヒトである、請求項36~53のいずれか1項に記載の方法。
  55. 前記GIP受容体アゴニストペプチドまたは医薬は、前記対象が疾患状態を発症する前、発症している間、または発症した後に前記対象に投与される、請求項36~54のいずれか1項に記載の方法。
  56. 前記GIP受容体アゴニストペプチドまたは医薬は、1週に1回、または5~7日に1回、または1ヶ月に4~6回前記対象に投与される、請求項36~55のいずれか1項に記載の方法。
  57. 前記GIP受容体アゴニストペプチドまたは医薬は、1~5週間、1~5ヶ月間、または1~5年間前記対象に投与される、請求項36~56のいずれか1項に記載の方法。
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