JP2023524578A - 長寿命な耐熱性酵母および発酵飲料を生産する際のその使用 - Google Patents

長寿命な耐熱性酵母および発酵飲料を生産する際のその使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、発酵飲料の生産に使用される酵母菌株に関するものであり、酵母菌株は、サッカロミセスセレビシエ株Y927、株Y115、株WI011、株WI017、および株WI018から選択された一倍体胞子間の集団交配ハイブリダイゼーションプロセスにより取得されたハイブリッドである、または酵母菌株は、前記ハイブリッドの近交系である。本発明は、酵母スラリー、発酵飲料を醸造する方法、および発酵プロセスに基づいて取得された麦芽または茶系飲料に更に関する。

Description

本発明は、発酵飲料の生産に使用される酵母菌株に関するものであり、酵母菌株は、親酵母菌株の一倍体胞子間のハイブリダイゼーションプロセスにより取得されるハイブリッドである、または、酵母菌株は、前記ハイブリッドの近交系である。本発明は、酵母スラリー、発酵飲料を醸造する方法、および発酵プロセスに基づいて取得される飲料に更に関する。
ビールなどの発酵飲料は、ひとたび醸造所を離れると、味わいおよび全体の品質に変化をもたらす一連の化学的、物理的、および感覚的変質を経る。英語で「staling(劣化)」と呼ばれるこれらの変化を制御し、遅延させることは、ビールのランドスケープを含む、発酵飲料のランドスケープにおける多くの研究の主題である。「劣化」の兆候の1つは、飲料における不快な味の成分の増加による品質の低下である。これらの飲料の「老化」を遅延させることは、すなわち、これらの製品の保存可能期間を延ばすことであり、結果として、商業上の利益および製品の耐久性へのプラス効果の両方が得られる。
ビールを醸造するプロセスは、大体以下のように要約できる:第1工程は、モルティングであり、ここで、オオムギを湿らせ、発芽させ、続いて乾燥させる。本工程により得られるものを麦芽と呼ぶ。次の工程である、マッシング工程中、続いて、麦芽を砕き(ミリングとも呼ばれる)、温水と混ぜて麦芽を酵素活性にさらす。これらの酵素は、澱粉を単糖に、タンパク質をペプチドおよびアミノ酸に変換する。マッシング工程で溶解された生成物は、「麦汁」と呼ばれ、ろ過によりビールかすと呼ばれる不溶性の残留物(主にオオムギの殻)と分離される。このようにして取得された麦汁を、続いて、ホップを加えて沸騰させる。沸騰させることにより、酵素が不活性化し、麦汁が滅菌され、所望のホップ成分が抽出され、いくつかのタンパク質が凝固する。沸騰している混合物にホップが追加され、苦味およびアロマが添えられる。麦汁を冷却した後、酵母が追加され、発酵中、糖がアルコールおよび二酸化炭素に変換される。発酵後、酵母のほとんどは収集され、いわゆる「グリーンビール」が残る。このグリーンビールを、残った酵母細胞と共に低温で数週間保存する(「ラガーリング」と呼ばれるプロセス)。ラガーリングが終わる頃、タンクに酵母細胞および沈殿したタンパク質およびポリフェノールから成る沈殿物が生じる。この混合物をろ過し、最後に、ビールがボトル詰め機またはケグ充填機に運ばれ、それぞれ、ボトルおよびケグで保存される。
ビールの老化または劣化に対抗する有望な戦略として、いわゆる「ボトルコンディショニング」の使用があり、ビールをパッケージングする前に、酵母細胞をビールに接種する。正確なメカニズムは不明だが、生酵母細胞の還元代謝が、一方では、ボトルの残留酸素を除去して酸化的分解反応を防ぎ、他方では、「劣化する」アルデヒドをそれらに対応する味わいが悪くないアルコールに変換するなど、「劣化する」成分の化学変換を確実にすることが期待されている。
これらのアルデヒドの1つが、フルフラールという、酵母によりフルフリルアルコールに還元されうる成分である。フルフラールは、アルデヒド指標として、かつ飲料の老化および品質を予測および/または判定するのに、よく使用される。発酵飲料内で酵母菌株が長く生きたままでいるほど、フルフラールその他のアルデヒドの蓄積に長く対抗でき、飲料の味わいおよび品質が長く良好に保たれ、保存可能期間が長くなる。
しかしながら、輸送中の高温および高いアルコール度数など、飲料ボトル内の環境条件は、酵母細胞にとって非常にストレスが多いものであり、細胞死ひいては劣化防止特性の逓減につながる。
本発明の目的は、長期間にわたり、広範な環境条件でビールの「劣化」を低減できるように、少なくともこれらの環境条件のいくつかに耐性がある酵母菌株を提供すること、およびこれらの酵母細胞によってアルコール発酵飲料を醸造する方法を提供することである。
本発明は、請求項1に記載の、発酵飲料の生産に使用される酵母菌株に関する。より具体的には、本発明は、サッカロミセスセレビシエ株Y927、株Y115、株WI011、株WI017、および株WI018から選択された一倍体胞子間の集団交配ハイブリダイゼーションプロセスにより取得されるハイブリッド、またはこのハイブリッドの近交系に関する。この酵母菌株は、熱耐性があり、長寿命である。第2態様においては、本発明は、請求項8に記載の酵母スラリーに関する。好適な実施形態は、請求項2~7および請求項9~12に、それぞれ記されている。
更なる態様においては、本発明は、請求項13に記載の、発酵飲料を醸造する方法に関するものであり、好適な実施形態は、請求項14~20に記されている。加えて、本発明は、請求項21に記載の、発酵プロセスに基づいて取得される麦芽または茶系飲料にも関するものであり、好適な実施形態は、請求項22~25に記されている。
酵母菌株、酵母スラリー、または方法におけるその使用、または麦芽もしくは茶系飲料におけるその使用は、その劣化防止特性により、発酵飲料の品質を改善し、保存可能期間を延ばす。発酵飲料の市場は世界規模であり、これらの飲料は、さまざまな環境条件で世界中に輸送されることを考えると、もっと極端な環境条件に対する酵母菌株の耐性だけでなく、長寿も、結果として商業上の利益をもたらす。
経時的なビール1mlあたりの2つの酵母菌株の生酵母細胞の数を模式的に示す図である。 図2aは、3つの異なるビール製法における0日後のフルフラールの量を模式的に示す図である。図2bは、3つの異なるビール製法における81日後のフルフラールの量を模式的に示す図である。図2cは、3つの異なるビール製法における114日後のフルフラールの量を模式的に示す図である。 さまざまな酵母菌株のユニークな遺伝子フィンガープリントを模式的に描写する図である。 さまざまな設定における、本発明にかかる4つの酵母菌株、および参照/ベンチマーク酵母菌株についての、時間に対してプロットされた、ビール1mlあたりの生酵母細胞の数を模式的に示す図である。 本発明にかかる酵母菌株、または参照/ベンチマーク酵母菌株のいずれかにより再発酵された6カ月のビールの味わいの新鮮さに対してプロットされた味わいテストの結果を示す図である。 本発明にかかる酵母菌株、または参照/ベンチマーク酵母菌株のいずれかにより再発酵された新鮮なビールと、古いビールによる対照とを比較した味わいテストの結果を示す図である。
デポジット情報
本発明の酵母菌株は、ブダペスト条約に基づいて、デポジットID番号:58105および58106により、2021年3月17日に、the Belgian Coordinated Collection of Microorganisms (BCCM) - Universite catholique de Louvain-Mycotheque de l’Universite catholique de Louvain (MUCL), Croix du Sud 2, box L7. 05.06, 1348 Louvain-la-Neuve, Belgiumにデポジットされている。
本発明は、発酵飲料の生産に使用される酵母菌株、酵母スラリー、発酵飲料を醸造する方法、および発酵プロセスに基づいて取得される麦芽または茶系飲料に関する。
他で定義されない限り、技術用語および科学用語を含む、本発明の説明で使用される全ての用語は、本発明が属する分野の技術に精通している者により、一般に理解されるような意味を有する。本発明の説明をよく理解するため、以下の用語について、明確に説明される。
本文書において、「a」および「the」は、文脈上、他の意味に解釈すべき場合を除いて、単数形および複数形の両方を指す。例えば、「セグメント(a segment)」は、1つまたは複数のセグメントを意味する。
「約(around)」または「約(about)」という用語が、測定可能な量、パラメータ、期間または時期などと共に本文書において使用されるとき、変動は、記載された発明においてそのような変動が適用可能である限り、引用された値のおよそ20%以下、好ましくはおよそ10%以下、より好ましくはおよそ5%以下、さらにより好ましくはおよそ1%以下、およびさらにより好ましくはおよそ0.1%以下を意味する。しかしながら、「about」または「around」という用語が使用される場合に使用される量の値それ自体は、具体的に開示されるということが理解されなければならない。
「~を含む(comprise)」、「~を含む(comprising)」、「~から成る(consist of)」、「~から成る(consisting of)」、「~が設けられる(provided with)」、「~を有する(have)」、「~を有する(having)」、「~を含む(include)」、「~を含む(including)」、「~を含む(contain)」、「~を含む(containing)」という用語は、同義語であり、次に続くものの存在を示す、包括的な用語、またはオープンな用語であり、先行技術で知られる、または先行技術に開示されるような他の成分、特徴、要素、メンバー、工程の存在を除外または阻止しない。
引用している終点による数値区間は、終点間の全ての整数、分数、および/または実数を含み、これらの終点も含まれる。
本文脈において「発酵」という用語は、1つまたは複数の酵母の作用による液体または飲料内の糖の酵素変換を指す。ビールの文脈において、「発酵」という用語は、醸造酵母中の酵素による、麦汁内の糖のアルコール(例えばエタノール)および二酸化炭素への変換を指し、有機酸およびエステルを含む他の発酵副産物の形成を伴う。
「麦汁」という用語は、ビールまたは他の蒸留されたモルトリカーもしくは麦芽飲料の醸造の際など、醸造中に麦芽、コムギ、または他の穀物から生成される、糖が豊富な未発酵の液体を指す。
「酵母(yeast)」という用語は、真菌に属する単細胞真核生物を意味する。醸造所で使用される主な酵母は、「酵母(barm)」または「醸造用酵母(brewer’s yeast)」とも呼ばれ、サッカロミセスユーバヤヌス(Saccharomyces eubayanus)(サッカロミセスカールスベルゲンシス(Saccharomyces carlsbergensis)とも呼ばれる)およびサッカロミセスセレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)である。これらは共に、SaccharomycetaceaeファミリーおよびSaccharomycetoideaeサブファミリーに属す。このサブファミリーは、子嚢内での胞子の発生により、かつ発芽繁殖により、特徴付けられる。S.と略されるサッカロミセス属は、主にアルコール発酵の発生により特徴付けられる。2つの酵母間の区別は、発酵中に酵母が浮かび上がるか下に沈むかに基づいている。下に沈む酵母は「低」酵母と呼ばれ、浮かび上がる酵母は「高」酵母と呼ばれる。S.カールスベルゲンシスは低酵母であり、S.セレヴィシエは高酵母である。
「再発酵」は、「二次発酵」、「後発酵(after-fermentation)」、または「後発酵(post-fermentation)」とも呼ばれ、第1発酵または一次発酵工程後、通常、新たな発酵槽で、麦汁の第2発酵または時には第3発酵が継続することを意味する。これにより、飲料から酵母の一部が除去されることになる。この第2発酵中、残留酵母のほとんどが発酵容器の底に沈み、濁りが少ない製品が作り出される。これにより、発酵している飲料が熟成する機会も提供される。サッカロミセスまたは別の酵母を追加することによる再発酵は、ビールにそれ特有の味わいおよび色をもたらすことになる。酵母の還元性により、酸化プロセスも阻止されることになる。
本文脈における「ハイブリッド」は、2つの異なる親酵母の有性生殖の結果を意味する。「ハイブリダイゼーションプロセス」は、ハイブリッドを形成する異なる酵母の交雑であり、3つの主な工程を伴う。第一に、胞子の形成が誘導され(胞子形成)、その後、これらの胞子は分離され、最後に、実際のハイブリダイゼーションが続くが、これは、これらの胞子の融合、または発芽により胞子から生み出される一倍体細胞の融合に依存する。
2つのタイプのハイブリダイゼーション、すなわち異系交配および近親交配が起こりうる。
「異系交配」は、1つまたは複数の興味深い特徴(例えば、熱耐性および/または生存性)に基づいて2つの親株が選択され、それらの胞子が形成される場合である。これは、親酵母細胞(「2倍の」DNA量を有する、または「二倍体」)が活性化され、元のDNA量の半分のみの細胞(「一倍体」)が形成されることを意味する。反対の交配型(aまたはα)を有する、それらの異なる親細胞の一倍体胞子がくっ付けられ、新たな二倍体に融合される。これらの酵母菌株は、その時点で、両方の親からのDNAを有し、結果として異なる特性を有する細胞が得られる。そのうちのいくつかは、元の親よりも優良な、ハイブリッドである。
「近親交配」は、同一の方法で実施されるが、1つの親酵母菌株のみが想定される。一倍体の形成によりDNAが再構成されるため、単一の親からの胞子は、全て異なるものになる。そのため、これらの胞子を交配させることにより、それらの親株とは異なる(そして親株よりも優良な可能性がある)他の酵母菌株も生み出されることになる。これらの酵母菌株は、本文脈において「近交系」と呼ばれる。
酵母菌株は、ユニークな遺伝子フィンガープリントまたはユニークな遺伝子プロファイルを有する。このプロファイル、および2つの親株のプロファイルに基づいて、新たな酵母菌株が近親交配の結果であるか、異系交配の結果であるかが判定できる。代替的に、DNA塩基配列決定法を使用して、どのタイプのハイブリダイゼーションが生じたかを判定することもできる。加えて、当業者には既知の他の技術も使用できる。
「長寿命」は、本発明の文脈において、少なくとも100日間、代謝および/または酵素活性を実施できることと定義される。このことを容易に測定可能で、視覚的である例としては、成長および/または細胞分裂があるが、この代謝および/または酵素活性は、成長および/または細胞分裂に限定されない。「長寿」、「長期間にわたって生存できる~」、「長期間にわたって生存する~」、および当業者には明らかであろう類似する用語も、本文脈における本定義に含まれる。
「麦芽系飲料」は、主成分が、処理される前に「モルティング」と呼ばれる伝統的な方法で発芽させたオオムギ植物の粒子または種子である、発酵飲料である。最も有名な麦芽系飲料は、ビールである。加えて、麦芽系飲料という用語は、麦芽粒子から作られた多くの他の風味付けされた飲料、およびそれらに天然または人工の香料(および時には色)を追加し、ワイン、果実、コーラ、天然のシードル、または他の飲料の味がするように、これらに似せた飲料にも適用される。
「茶系飲料」は、そのベースが茶である飲料である。茶は、葉、果実、種子、草本、またはそれらの組み合わせを浸出させることにより作られる暖かい飲料である。
発酵された茶系飲料の一例は、「コンブチャ」である。これは、酢酸菌および酵母培養液による甘みを付けた茶の発酵により得られる飲料である。コンブチャは、微生物、すなわち酵母および細菌の共生の作用により作られ、厚いゼラチン状の、光沢のある真菌のメッシュ膜の形状を有し、これが酵母細胞と、異なる細菌との共生を生み出す。コンブチャは、主に、飲料内のグルクロン酸、乳酸、酢酸、およびさまざまなビタミンを成長させる。
第1態様において、本発明は、発酵飲料の生産に使用される酵母菌株に関するものであり、酵母菌株は、サッカロミセスセレビシエ株Y927、株Y115、株WI011、株WI017、および株WI018から選択された一倍体胞子間の集団交配ハイブリダイゼーションプロセスにより取得されたハイブリッドである、または酵母菌株は、前記ハイブリッドの近交系である。
サッカロミセスセレビシエは、工業的な発酵に非常に適したものになる、多くの興味深い生理的特徴を有した酵母である。第一に、この酵母は、ワイン、ビール、シードルなどの工業的な発酵における他のほとんどの酵母と比べても、効率が良い。この適応度の利点は、(例えば、エタノールおよび高温に対する)高いストレス耐性、早くて効率的な炭素代謝、および好気的条件および嫌気的条件下での成長能力を含む、いくつかの特徴に起因しうる。第二に、S.セレヴィシエ酵母は、揮発性エステルおよび高級アルコールなどの多くの望ましい風味を生み出し、異臭はほんのわずかである。最後に、これらの酵母細胞は、ヒトに有害な特定の毒物を生み出さず、S.セレヴィシエの「安全食品認定(GRAS)」および「安全性適格推定(QPS)」のステータスから明らかなように、食品発酵で安全に使用できる。
「サッカロミセスセレビシエ株Y927」は、文献(Meersman他、2015年)で既知の酵母菌株であり、長期間にわたって生存でき、高温に高い耐性がある。これは、「熱耐性」とも呼ばれる。「基本的な熱耐性」は、事前の順化なしに高温に耐える有機体の能力を指す。「獲得された熱耐性」は、温度を調節するための事前の露出後に高温に耐える能力を指す。加えて、この株は、胞子を効率的に生み出し、エタノールに耐性がある。
「サッカロミセスセレビシエ株Y115」も、文献(Meersman他、2015年)で既知、かつバイオエタノール産業で既知の酵母菌株であり、高い熱耐性、長寿、エタノールに対する耐性、および効率的な胞子形成を伴う。
加えて、酵母菌株「サッカロミセスセレビシエ株WI011、株WI017、および株WI018」は、ワイン産業由来の酵母菌株として、文献(Gallone他、2016年)で既知である。先のS.セレヴィシエ株Y115およびY927と同様、これらの3つの酵母菌株も、熱耐性があり、長寿命である。
本発明の耐熱性酵母株は、42℃の温度で成長できる。
本発明のハイブリダイゼーションプロセスの一部として、S.セレヴィシエ酵母菌株Y927、Y115、WI011、WI017、およびWI018をテストまたはアッセイし、一連のハイブリッド酵母菌株を生成した。これは、例えば、集団交配アッセイでありうる。
「集団交配」は、3つ以上の胞子が交配されること、または互いにハイブリダイズすることを意味する。
これに関して、前記酵母菌株の胞子が形成され、(一倍体)胞子が取集された。これらは、二倍体ハイブリッドにハイブリダイズされた。
この後、新たに形成されたハイブリッドのプールを、例えば、高温インキュベーション(例えば、特定の期間、42℃)にさらし、高温耐性を有するハイブリッドを選択してよい。長寿その他のストレス要因を随意にここに追加し、それらの特徴を有するハイブリッドを選択できる。これらのストレス要因、および酵母菌株をそれらにさらす方法は、当業者には既知である。可能性のあるストレス要因のリストには、完全に網羅してはいないが、既に上述したような高温、および低温、エタノール、乾燥、好気的環境、嫌気的環境、栄養源の不足などが含まれる。
遺伝子フィンガープリント法または塩基配列決定法を使用することにより、二倍体が、同一の親からの細胞の交配の結果であるか、2つの異なる親株からの細胞の交配の結果であるかを判定できる。これにより、S.セレヴィシエ酵母菌株Y927、Y115、WI011、WI017、およびWI018の異系交配の結果得られる二倍体の選択が可能になる。これらは、本発明の「ハイブリッド」である。
続いて、これらのハイブリッドについて、当業者には既知の集団交配アッセイまたは任意の他のアッセイを再度行うことにより、これらの株の胞子を交配させることができる。この場合、遺伝子フィンガープリント法、塩基配列決定法、または当業者には既知の別の技術により、近親交配の結果得られる二倍体が選択される。これらは、本発明の「ハイブリッドの近交系」である。
本発明の酵母菌株の利点は、両方の親株の特徴(ハイブリッド)、または1つの親ハイブリッド株より強い特徴(近交系)の組み合わせを有することである。これらの特徴には、熱耐性、長寿、効率的な胞子形成、エタノール耐性、早くて効率的な炭素代謝、好気的条件および嫌気的条件下での成長能力、多くの望ましい風味を生み出し、異臭がほとんどないこと、および/またはヒトに有害な毒物を生み出さないことが含まれる。
親株Y927、Y115、WI011、WI017、および/またはWI018と同様に、この酵母菌株も長寿命で、熱耐性がある。
先に示したように、本発明の文脈において、「長寿命」または類似の用語は、少なくとも100日間、代謝および/または酵素活性を実施できることと定義される。このことを容易に測定可能で、視覚的である例としては、成長および/または細胞分裂があるが、この代謝および/または酵素活性は、成長および/または細胞分裂に限定されない。
長寿および熱耐性は、特に、結果として得られる製品の保存可能期間に関して、いくつかの利点をもたらす。例えば、ビール市場は世界規模であり、長い保存可能期間およびより極端な環境条件に対する耐性は重要である。
一実施形態において、本発明の酵母菌株は、栄養分に富んだ環境において、42℃の温度で、少なくとも5日間にわたって成長できる。
更なる実施形態において、この栄養分に富んだ環境は、水、酵母エキス(1%w/v)、細菌性ペプトン(2%w/v)、グルコース(2%w/v)、および寒天(2%w/v)から成る固形の培地から成る。
更なる好適な実施形態においては、そのような培地に10の細胞が接種され、5日間培養され、成長が観察される。
一実施形態において、酵母菌株は、アルデヒドをそれらの対応するアルコールに変換できる。アルデヒドは、ビールなどの飲料の味わいに対する、その強い影響力で知られており、メチルプロパナールおよびベンズアルデヒドなど、過度のある種のアルデヒドは、不快な味と関係することが多い。よって、ある種のアルデヒドの形成または蓄積は、避けることができる。アルデヒドは、それらの対応するアルコールに変換されうる。
一実施形態において、アルデヒドのフルフラールは、酵母菌株により、この株の還元的性質によって変換される。例えば、フルフラールは、フルフリルアルコールに還元される。
フルフラールは、ビール内で形成されるアルデヒドであり、特に、飲料の齢を予測および/または判定するために使用される。フルフラールは、そのため、齢指標とも呼ばれ、保存可能期間を判定するために使用できる。飲料内に存在するフルフラールが多いほど、不快な味を生じさせることが多い他のアルデヒドも飲料内に多く存在する。
フルフラールは、ビール醸造プロセスの一部である「マッシング」および「ホッピング」プロセス中、かなり大量に形成される。しかしながら、ほとんど全てのフルフラールは、発酵プロセス中に酵母により還元される。フルフラールは、ビールまたは別のアルコール発酵飲料の保管および熟成中、再び生成される。
酵母菌株が、対応するアルコールへの還元など、フルフラールを別の化合物に変換できる場合、この酵母菌株は、いくつかの他のアルデヒドも還元でき、それにより関連する不快な味を打ち消すことは広く認識されている。このような酵母菌株が長寿命であることは、長期間にわたるフルフラールその他のアルデヒドの蓄積に対抗でき、飲料の保存可能期間にプラス効果を有することになるため、重要である。
フルフラール含有量は、抽出工程により測定でき、後に、ガスクロマトグラフィー工程および質量分析工程が続く。例えば、この成分は、固相微量抽出(SPME)により測定でき、後にガスクロマトグラフィーおよび質量分析が続く。
ビールに関して、より詳細には、固相微量抽出中、ビールの化学物質は繊維に付着する。ただし、繊維はまず、例えば、ペンタフルオロベンジルヒドロキシルアミン(PFBHA)でコーティングされ、これにより、アルデヒドの検出が促進される。このことが必要なのは、アルデヒドが非常に低濃度で存在しているためである。続いて、ガスクロマトグラフィーにより、繊維に吸着された化合物が分離される。最後に、フルフラールを含む、分泌された化合物が、質量分析により検出されうる。
フルフラールを検出し、測定する他の技術も存在し、当業者には既知である。
本発明の一実施形態において、酵母菌株は、ビールなどのアルコールに富んだ環境において、少なくとも100日の寿命を有する。
本文脈において、「アルコールに富んだ環境」は、少なくとも0.2%(v/v)のアルコール度を有する環境を意味する。アルコールに富んだ環境におけるアルコールは、好ましくはエタノールである。
「寿命」は、この場合、株が代謝および/または酵素活性を実施できる期間と定義される。これは、成長および/または細胞分裂でありうるが、成長および/または細胞分裂に限定する必要はない。本発明の酵母の寿命は、平均的な商業用の(ビール)酵母菌株の平均生存時間(または、従って、代謝的におよび/または酵素的に活性な期間)(50~60日)の2倍の長さである。酵母菌株がより長く生存すると、前述のとおり、不快な味の成分をより長期間低減させることができ、味わいおよび品質をより長期間良好に保ち、よって、飲料の保存可能期間を延ばすことができる。この酵母菌株が熱耐性も有するとき、既に上述したように、酵母菌株は、世界市場への輸送中など、より高い温度でもなお機能し、より長期間飲料の品質を高く保持できる。
本発明の一実施形態において、先の実施形態の1つにおいて上述したような酵母菌株は、デポジットID番号58105および58106として、Belgian Coordinated Collection of Microorganisms (BCCM) - Universite catholique de Louvain - Mycotheque de l’Universite catholique de Louvain(MUCL)にデポジットされた酵母菌株である。
本発明の一実施形態において、酵母菌株は、デポジットID番号58105および58106として、Belgian Coordinated Collection of Microorganisms(BCCM) - Universite catholique de Louvain - Mycotheque de l’Universite catholique de Louvain(MUCL)にデポジットされた株の変異体である。好ましくは、この変異体の酵母菌株は、なお、養分に富んだ環境において、42℃の温度で、少なくとも5日間にわたって成長できる。同様に好ましくは、この変異体の酵母菌株は、なお、アルデヒドをそれらの対応するアルコールに変換できる。
本発明の一実施形態において、酵母菌株は、デポジットID番号58105および58106として、Belgian Coordinated Collection of Microorganisms(BCCM) - Universite catholique de Louvain - Mycotheque de l’Universite catholique de Louvain(MUCL)にデポジットされたような酵母菌株と少なくとも95%の配列同一性を示す。好ましくは、酵母菌株は、デポジットID番号58105および58106として、Belgian Coordinated Collection of Microorganisms(BCCM) - Universite catholique de Louvain - Mycotheque de l’Universite catholique de Louvain(MUCL)にデポジットされたような酵母菌株と、少なくとも95.5%、より好ましくは96%、より好ましくは96.5%、より好ましくは97%、より好ましくは97.5%、より好ましくは98%、より好ましくは98.1%、より好ましくは98.2%、より好ましくは98.3%、より好ましくは98.4%、より好ましくは98.5%、より好ましくは98.6%、より好ましくは98.7%、より好ましくは98.8%、最も好ましくは98.9%、より好ましくは99.0%、より好ましくは99.1%、より好ましくは99.2%、より好ましくは99.3%、より好ましくは99.4%、より好ましくは99.5%、より好ましくは99.6%、より好ましくは99.7%、より好ましくは99.8%、最も好ましくは99.9%のゲノム配列同一性を有する。好ましくは、この酵母菌株は、なお、栄養分に富んだ環境において、42℃の温度で、少なくとも5日間にわたって成長できる。同様に好ましくは、この酵母菌株は、なお、アルデヒドをそれらの対応するアルコールに変換できる。
第2態様において、本発明は、少なくとも10細胞/mlの上記の実施形態の少なくとも1つに記載されたような本発明の酵母菌株を含む、酵母スラリーに関する。好ましくは、酵母スラリーは、少なくとも2*10細胞/ml(2×10細胞/ml)、より好ましくは少なくとも3*10細胞/ml、より好ましくは少なくとも4*10細胞/ml、より好ましくは少なくとも5*10細胞/ml、より好ましくは少なくとも6*10細胞/ml、より好ましくは少なくとも7*10細胞/ml、より好ましくは少なくとも8*10細胞/ml、より好ましくは少なくとも9*10細胞/ml、より好ましくは少なくとも10細胞/mlを含み、より好ましくは、酵母スラリーは、少なくとも2*10細胞/ml、より好ましくは少なくとも3*10細胞/ml、より好ましくは少なくとも4*10細胞/ml、より好ましくは少なくとも5*10細胞/ml、より好ましくは少なくとも6*10細胞/ml、より好ましくは少なくとも7*10細胞/ml、より好ましくは少なくとも8*10細胞/ml、より好ましくは少なくとも9*10細胞/ml、より好ましくは少なくとも10細胞/mlを含む。より好ましくは、酵母スラリーは、少なくとも2*10細胞/ml、より好ましくは少なくとも3*10細胞/ml、より好ましくは少なくとも4*10細胞/ml、より好ましくは少なくとも5*10細胞/ml、より好ましくは少なくとも6*10細胞/ml、より好ましくは少なくとも7*10細胞/ml、より好ましくは少なくとも8*10細胞/ml、より好ましくは少なくとも9*10細胞/ml、より好ましくは、少なくとも10細胞/mlの上記の実施形態の少なくとも1つに記載されたような本発明の酵母菌株を含む。当業者であれば、スラリー内ではより高濃度な酵母細胞も考えられることを理解するであろう。この酵母スラリーは、飲料発酵プロセスに使用されうる。
一実施形態において、スラリーは、細胞を麦汁に追加することにより、特に、酵母菌株を麦汁に接種することにより、取得される。
更なる実施形態において、この接種された麦汁に、細胞を成長させ、分割させるための時間が与えられる。好ましくは、これは、酵母菌株が成長し、分割するのに理想的な温度で実施される。
言い換えれば、酵母細胞は、麦汁内で繁殖することになる。「繁殖」とは、発酵に使用することを主な目的として、最短時間で既知の起源の酵母の大きなバイオマスを生み出すために酵母を培養することと理解される。既知の起源とは、培養された酵母が所望の特定の株のものであることを意味する。好ましくは、麦汁は、酵母菌株が最も繁殖できる温度に加熱される。
本発明の酵母菌株は、糖が豊富な非発酵飲料に追加されうる。これは、麦汁でありうる。麦汁は、酵母を繁殖させるため、糖を含む十分な栄養分を含む。
一実施形態において、1mlの飲料あたり、少なくとも10の細胞の酵母が追加される。
本発明に関して、一実施形態においては、飲料または麦汁は、24℃の温度まで予熱される。酵母菌株は、このように、十分な数の酵母細胞、ひいては十分に大きな密度またはバイオマスに達するまで、成長に理想的な環境に置かれ、それにより酵母スラリーが形成される。
酵母スラリーの利点は、既に大量の濃縮された酵母細胞を含んでおり、それにより、このスラリーは、ビールなどの飲料内などでの発酵プロセスにおいて、接種のためのスターター培養物として容易に使用できることである。
一実施形態において、酵母スラリーは、前記ハイブリッドまたは近交系酵母菌株とは異なる、少なくとも1つの更なる酵母菌株を更に含む。
2つ以上の酵母菌株が一緒に接種されるとき、同時接種と呼ばれる。そのため、本発明の酵母菌株は、典型的な醸造用酵母と同時接種されうる。例えば、典型的な醸造用酵母が、味わい、アルコール度数などのその典型的な特徴を飲料に与えることができる一方、本発明の酵母菌株は、典型的な醸造用酵母に比べて、例えば、より高温での輸送中、またはより長時間の輸送中、「劣化する」成分を変換し続けることができる。
更なる実施形態において、酵母スラリーは、追加的なサッカロミセスセレビシエ株、ブレタノマイセス(Brettanomyces)株、または前記酵母の混合物を更に含む。
一実施形態において、本発明のハイブリッドまたは近交系酵母菌株と、更なる酵母菌株との比率は、本発明の酵母菌株が全酵母細胞の0.1~10%で存在できるように、1:1000~1:10である。
更なる態様において、本発明は、発酵飲料を醸造する方法に関するものであり、本発明の酵母菌株または酵母スラリーは、飲料に追加される。
当業者であれは、本発明の酵母菌株および/または酵母スラリーを、上および下で説明するような、方法において、および飲料において使用することができることを理解するであろう。従って、本発明の全ての態様は、相互に関連する。上および下の両方で説明するような、酵母菌株、酵母スラリー、方法、または飲料に関する態様で説明されるような特徴および利点の全ては、特定の態様と併せて説明されていたとしても、これらの態様のいずれとも関連してよい。
本発明の酵母菌株は、糖が豊富な非発酵飲料に追加されうる。これは、麦汁でありうる。このように、酵母菌株は、糖などの十分な栄養分を有し、十分な数の酵母細胞、ひいては十分に高い密度に達するまで成長する。これにより、濃縮された酵母スラリーが作り出される。
飲料は、アルコール発酵飲料または非アルコール発酵飲料でありうる。
方法の一実施形態において、酵母菌株は、酵母スラリーの形態であるかに関わらず、接種により飲料に追加される。
方法の一実施形態において、酵母菌株または酵母スラリーは、約10~約10細胞/mlの密度まで追加される。酵母菌株または酵母スラリーは、約10細胞/mlの密度まで、または約2*10細胞/mlまで、または約3*10細胞/mlまで、または約4*10細胞/mlまで、または約5*10細胞/mlまで、または約6*10細胞/mlまで、または約7*10細胞/mlまで、または約8*10細胞/mlまで、または約9*10細胞/mlまで追加される。酵母菌株または酵母スラリーは、約10細胞/mlの密度まで、または約2*10細胞/mlまで、または約3*10細胞/mlまで、または約4*10細胞/mlまで、または約5*10細胞/mlまで、または約6*10細胞/mlまで、または約7*10細胞/mlまで、または約8*10細胞/mlまで、または約9*10細胞/mlまで追加される。酵母菌株または酵母スラリーは、約10細胞/mlの密度まで、または約2*10細胞/mlまで、または約3*10細胞/mlまで、または約4*10細胞/mlまで、または約5*10細胞/mlまで、または約6*10細胞/mlまで、または約7*10細胞/mlまで、または約8*10細胞/mlまで、または約9*10細胞/mlまで追加される。酵母菌株または酵母スラリーは、約10細胞/mlの密度まで、または約2*10細胞/mlまで、または約3*10細胞/mlまで、または約4*10細胞/mlまで、または約5*10細胞/mlまで、または約6*10細胞/mlまで、または約7*10細胞/mlまで、または約8*10細胞/mlまで、または約9*10細胞/mlまで追加される。酵母菌株または酵母スラリーは、約10細胞/mlの密度まで、または約2*10細胞/mlまで、または約3*10細胞/mlまで、または約4*10細胞/mlまで、または約5*10細胞/mlまで、または約6*10細胞/mlまで、または約7*10細胞/mlまで、または約8*10細胞/mlまで、または約9*10細胞/mlまで追加される。酵母菌株または酵母スラリーは、約10細胞/mlの密度まで、または約2*10細胞/mlまで、または約3*10細胞/mlまで、または約4*10細胞/mlまで、または約5*10細胞/mlまで、または約6*10細胞/mlまで、または約7*10細胞/mlまで、または約8*10細胞/mlまで、または約9*10細胞/mlまで、または約10細胞/mlまで追加される。
方法の一実施形態において、本発明の前記ハイブリッドまたは近交系酵母菌株とは異なる、少なくとも1つの更なる酵母菌株が、飲料に接種される。
よって、本発明の酵母菌株は、上述したような、典型的な醸造用酵母と同時接種されうる。
更なる実施形態において、この追加的な酵母菌株は、サッカロミセスセレビシエ株、ブレタノマイセス株、または前記酵母の混合物である。
一実施形態において、本発明のハイブリッドまたは近交系酵母菌株と、更なる酵母菌株との比率は、本発明の酵母菌株が全酵母細胞の0.1~10%で存在するように、1:1000~1:10である。
方法の一実施形態において、酵母菌株または酵母スラリーは、飲料の発酵に使用されうる。
この場合、本発明の酵母菌株または酵母スラリーは、飲料に追加され、好ましくは約10~約10細胞/mlの密度まで接種により発酵されうる。
好ましくは、酵母菌株または酵母スラリーは、約10細胞/mlの密度まで、または約2*10細胞/ml(約2×10細胞/ml)まで、または約3*10細胞/mlまで、または約4*10細胞/mlまで、または約5*10細胞/mlまで、または約6*10細胞/mlまで、または約7*10細胞/mlまで、または約8*10細胞/mlまで、または約9*10細胞/mlまで追加される。酵母菌株または酵母スラリーは、約10細胞/mlの密度まで、または約2*10細胞/mlまで、または約3*10細胞/mlまで、または約4*10細胞/mlまで、または約5*10細胞/mlまで、または約6*10細胞/mlまで、または約7*10細胞/mlまで、または約8*10細胞/mlまで、または約9*10細胞/mlまで追加される。酵母菌株または酵母スラリーは、約10細胞/mlの密度まで、または約2*10細胞/mlまで、または約3*10細胞/mlまで、または約4*10細胞/mlまで、または約5*10細胞/mlまで、または約6*10細胞/mlまで、または約7*10細胞/mlまで、または約8*10細胞/mlまで、または約9*10細胞/mlまで、または約10細胞/mlまで追加される。
方法の一実施形態において、酵母菌株または酵母スラリーは、飲料の再発酵に使用されうる。好ましくは、酵母菌株または酵母スラリーは、その際、約10~10細胞/mlの密度まで追加される。
好ましくは、酵母菌株または酵母スラリーは、約10細胞/mlの密度まで、または約2*10細胞/mlまで、または約3*10細胞/mlまで、または約4*10細胞/mlまで、または約5*10細胞/mlまで、または約6*10細胞/mlまで、または約7*10細胞/mlまで、または約8*10細胞/mlまで、または約9*10細胞/mlまで追加される。酵母菌株または酵母スラリーは、約10細胞/mlの密度まで、または約2*10細胞/mlまで、または約3*10細胞/mlまで、または約4*10細胞/mlまで、または約5*10細胞/mlまで、または約6*10細胞/mlまで、または約7*10細胞/mlまで、または約8*10細胞/mlまで、または約9*10細胞/mlまで追加される。酵母菌株または酵母スラリーは、約10細胞/mlの密度まで、または約2*10細胞/mlまで、または約3*10細胞/mlまで、または約4*10細胞/mlまで、または約5*10細胞/mlまで、または約6*10細胞/mlまで、または約7*10細胞/mlまで、または約8*10細胞/mlまで、または約9*10細胞/mlまで追加される。酵母菌株または酵母スラリーは、約10細胞/mlの密度まで、または約2*10細胞/mlまで、または約3*10細胞/mlまで、または約4*10細胞/mlまで、または約5*10細胞/mlまで、または約6*10細胞/mlまで、または約7*10細胞/mlまで、または約8*10細胞/mlまで、または約9*10細胞/mlまで追加される。酵母菌株または酵母スラリーは、約10細胞/mlの密度まで、または約2*10細胞/mlまで、または約3*10細胞/mlまで、または約4*10細胞/mlまで、または約5*10細胞/mlまで、または約6*10細胞/mlまで、または約7*10細胞/mlまで、または約8*10細胞/mlまで、または約9*10細胞/mlまで、または約10細胞/mlまで追加される。
先に述べたように、「再発酵」は、第1発酵または一次発酵工程後、通常、新たな発酵槽で、麦汁の第2発酵または第3発酵が継続することを意味する。この第2発酵中、残留酵母の多くは発酵容器の底に沈み、結果として、濁りが少ない製品が得られる。これは、発酵している飲料を熟成させる機会も提供する。サッカロミセスまたは別の酵母を追加することによる再発酵は、ビールにその特有の味わいおよび色を与えることになる。酵母の還元性により、酸化プロセスも阻止されることになる。
再発酵は、酵母生細胞(集団)の追加から開始される。発酵性残存糖がもはや存在しないと、糖または麦汁またはその両方は、プライミングとして知られるプロセスに追加されうる。
好ましくは、本発明において、糖は、プライミングのために約0.05°P~約5.0°P(ロー)の密度まで追加される。好ましくは、密度は、約0.07~5.0°P、より好ましくは0.09~5.0°P、より好ましくは0.11~5.0°P、より好ましくは0.13~5.0°P、より好ましくは0.15~5.0°P、より好ましくは0.17~5.0°P、より好ましくは0.19~5.0°P、より好ましくは0.20~5.0°Pである。より好ましくは0.05~4.5°P、より好ましくは0.07~4.5°P、より好ましくは0.09~4.5°P、より好ましくは0.11~4.5°P、より好ましくは0.13~4.5°P、より好ましくは0.15~4.5°P、より好ましくは0.17~4.5°P、より好ましくは0.19~4.5°P、より好ましくは0.20~4.5°Pである。より好ましくは、密度は、約0.05~4.0°P、より好ましくは0.07~4.0°P、より好ましくは0.09~4.0°P、より好ましくは0.11~4.0°P、より好ましくは0.13~4.0°P、より好ましくは0.15~4.0°P、より好ましくは0.17~4.0°P、より好ましくは0.19~4.0°P、より好ましくは0.20~4.0°Pである。より好ましくは0.05~3.5°P、より好ましくは0.07~3.5°P、より好ましくは0.09~3.5°P、より好ましくは0.11~3.5°P、より好ましくは0.13~3.5°P、より好ましくは0.15~3.5°P、より好ましくは0.17~3.5°P、より好ましくは0.19~3.5°P、より好ましくは0.20~3.5°Pである。より好ましくは、密度は、約0.05~3.0°P、より好ましくは0.07~3.0°P、より好ましくは0.09~3.0°P、より好ましくは0.11~3.0°P、より好ましくは0.13~3.0°P、より好ましくは0.15~3.0°P、より好ましくは0.17~3.0°P、より好ましくは0.19~3.0°P、より好ましくは0.20~3.0°Pである。より好ましくは0.05~2.5°P、より好ましくは0.07~2.5°P、より好ましくは0.09~2.5°P、より好ましくは0.11~2.5°P、より好ましくは0.13~2.5°P、より好ましくは0.15~2.5°P、より好ましくは0.17~2.5°P、より好ましくは0.19~2.5°P、より好ましくは0.20~2.5°Pである。より好ましくは、密度は、0.05~2.0°P、より好ましくは0.07~2.0°P、より好ましくは0.09~2.0°P、より好ましくは0.11~2.0°P、より好ましくは0.13~2.0°P、より好ましくは0.15~2.0°P、より好ましくは0.17~2.0°P、より好ましくは0.19~2.0°P、より好ましくは0.20~2.0°Pである。より好ましくは、糖は、0.05~1.75°Pの密度まで追加される。より好ましくは0.07~1.75°P、より好ましくは0.09~1.75°P、より好ましくは0.11~1.75°P、より好ましくは0.13~1.75°P、より好ましくは0.15~1.75°P、より好ましくは0.17~1.75°P、より好ましくは0.19~1.75°P、より好ましくは0.20~1.75°Pである。より好ましくは0.005~1.5°P、より好ましくは0.07~1.5°P、より好ましくは0.09~1.5°P、より好ましくは0.11~1.5°P、より好ましくは0.13~1.5°P、より好ましくは0.15~1.5°P、より好ましくは0.17~1.5°P、より好ましくは0.19~1.5°P、より好ましくは0.20~1.5°Pである。より好ましくは、密度は、約0.05~1.25°P、より好ましくは0.07~1.25°P、より好ましくは0.09~1.25°P、より好ましくは0.11~1.25°P、より好ましくは0.13~1.25°P、より好ましくは0.15~1.25°P、より好ましくは0.17~1.25°P、より好ましくは0.19~1.25°P、より好ましくは0.20~1.25°Pである。より好ましくは、密度は、約0.07~1.0°P、より好ましくは0.09~1.0°P、より好ましくは0.11~1.0°P、より好ましくは0.13~1.0°P、より好ましくは0.15~1.0°P、より好ましくは0.17~1.0°P、より好ましくは0.19~1.0°P、より好ましくは0.20~1.0°Pである。より好ましくは、糖は、0.05~0.75°Pの密度まで追加される。より好ましくは0.07~0.75°P、より好ましくは0.09~0.75°P、より好ましくは0.11~0.75°P、より好ましくは0.13~0.75°P、より好ましくは0.15~0.75°P、より好ましくは0.17~0.75°P、より好ましくは0.19~0.75°P、より好ましくは0.20~0.75°Pである。より好ましくは0.05~0.5°P、より好ましくは0.07~0.5°P、より好ましくは0.09~0.5°P、より好ましくは0.11~0.5°P、より好ましくは0.13~0.5°P、より好ましくは0.15~0.5°P、より好ましくは0.17~0.5°P、より好ましくは0.19~0.5°P、より好ましくは0.20~0.5°Pである。より好ましくは0.05~0.25°P、より好ましくは0.07~0.25°P、より好ましくは0.09~0.25°P、より好ましくは0.11~0.25°P、より好ましくは0.13~0.25°P、より好ましくは0.15~0.25°P、より好ましくは0.17~0.25°P、より好ましくは0.19~0.25°P、より好ましくは0.20~0.25°Pである。より好ましくは0.05~0.22°P、より好ましくは0.07~0.22°P、より好ましくは0.09~0.22°P、より好ましくは0.11~0.22°P、より好ましくは0.13~0.22°P、より好ましくは0.15~0.22°P、より好ましくは0.17~0.22°P、より好ましくは0.19~0.22°P、より好ましくは0.20~0.22°P、最も好ましくは0.19~0.21°Pである。
これは、本発明の酵母菌株を使用する飲料の再発酵のための、酵母菌株に対する栄養源としての、糖の理想的な量である。
好適な実施形態において、発酵は、ボトル内、ケグ内、またはコンテナ内で継続する。
ボトル内での再発酵は、「ボトル発酵」、「ボトル再発酵」、「ボトルコンディショニング」、または「ボトルクラウゼニング」と呼ばれうる。発酵飲料によっては、新たな発酵槽の代わりにボトル内での追加的な発酵を経る。これは、第2発酵および/または第3発酵でありうる。ボトル内での二次発酵により、飲料は、COで飽和状態になる。泡の生成が促進され、アルコール度もわずかに上昇する。ボトルコンディショニングされた飲料は、ろ過されずに発酵またはコンディショニングタンクから直接ボトル詰めされ、またはろ過されてボトル詰めされ、続いて、酵母で再封入されうる。
ビールのボトル詰めは、酸化が生じないように、好ましくは真空下で実施される。詰められて、封入されたボトルは、続いて、通常、20~25℃の温度など、酵母がボトル内で最適に再発酵できる温度で、数日間暖かい部屋に置かれる。
この再発酵がケグ内で継続するとき、「ケグコンディショニング」、「ケグ発酵」、または「ケグ再発酵」と呼ばれる。加えて、再発酵は、コンテナ内でも継続しうる。そこで、「コンテナコンディショニング」、「コンテナ発酵」、または「コンテナ再発酵」と言われる。
最後の態様において、本発明は、発酵プロセスから取得された麦芽または茶系飲料に関するものであり、飲料は、本発明にかかる酵母菌株を含む。
好適な実施形態において、このアルコール飲料は、本発明の方法により取得される。
当業者であれば、方法において、および記載された飲料において、ならびに本発明の麦芽または茶系飲料の生産のため、本発明の酵母菌株および/または酵母スラリーが使用できることを理解するであろう。従って、本発明の全ての態様は、相互に関連する。上および下で説明するような、酵母菌株、酵母スラリー、方法、または飲料に関する態様で説明されたような特徴および利点の全ては、特定の態様と併せて説明されていたとしても、これらの態様のいずれとも関連してよい。
本発明の酵母菌株を含む飲料は、生産中にこの酵母菌株が使用されない飲料と区別されうる。酵母菌株は、ユニークな遺伝子フィンガープリントまたはユニークな遺伝子プロファイルを有する。加えて、DNA塩基配列決定法を使用して、飲料内の酵母菌株を特定することもできる。
麦芽または茶系飲料の一実施形態において、本発明の酵母菌株は、飲料の発酵に責任を負う。
麦芽または茶系飲料の別のまたは更なる実施形態において、酵母菌株は、飲料の発酵に責任を負う。この再発酵は、既に上述したように、ボトル内、ケグ内、またはコンテナ内で継続しうる。
本発明の麦芽または茶系飲料は、アルコール入りであっても、アルコールを含まなくてもよい。
本発明の飲料は、コンブチャでありうる。
「コンブチャ」は、酢酸菌および酵母培養液による甘みを付けた茶の発酵により得られる飲料である。コンブチャは、微生物、すなわち酵母および細菌の共生の作用により作り出され、厚いゼラチン状の、光沢のある真菌のメッシュ膜の形状を有し、これが酵母細胞と、異なる細菌との共生を生み出す。コンブチャは、主に、飲料内のグルクロン酸、乳酸、酢酸、およびさまざまなビタミンを成長させる。
本発明の飲料は、ビールでありうる。
好適な実施形態において、本発明の飲料は、ビールである。酵母菌株は、好ましくは、飲料の発酵またはビールの発酵に責任を負う。
好適な実施形態において、アルコール飲料は、7.5~10.5%のアルコール度数、13.0~18.0°Pの初期比重、明るいブロンドの色および9未満のEBC値、ならびに25~45EBUの苦味を有する。
一実施形態において、アルコール飲料のアルコール度数は、約7.5~10.5%、好ましくは約8~10.5%、より好ましくは約8.5~10.5%である。より好ましくは、アルコール度数は、約7.5~10.0%、より好ましくは約8~10.0%、より好ましくは約8.5~10.0%である。より好ましくは、アルコール度数は、約7.5~9.5%、より好ましくは約8~9.5%、より好ましくは約8.5~9.5%である。
一実施形態において、本発明の飲料は、13.0~18.0°Pの初期比重を有する。
「初期比重」は、ビールへの発酵前の麦汁内の固形分の割合の指標である。これは、溶液の密度の尺度であり、ビールの重さがどれぐらいか、ビールの密度について言うものである。初期比重は、ビールの消費税の計算の基準としての役目を果たす。麦汁混合物の固形分のほとんどが糖である。これらの糖がアルコールに発酵される限りにおいて、元の麦汁含有量は、その後のアルコール度数の指標ともなる。ただし、酵母および状況(温度、空気圧、既に形成されているアルコールの量など)によって発酵の程度が異なりうるため、これは必ずしも正しくない。初期比重は、現在、欧州連合では、20℃で測定されたプラート度を標準として表されている。プラートスケールは、チェコ共和国で伝統的に使用されているバリングスケールを改良したものである。スケールは、特に醸造産業のために設計され、麦汁溶液内の発酵性糖の比率を測定する。
一実施形態において、本発明の飲料は、13.0~18.0°Pの初期比重を有する。より好ましくは、初期比重は、13.5~18.0°P、より好ましくは14.0~18.0°P、より好ましくは14.5~18.0°P、より好ましくは15.0~18.0°Pである。より好ましくは、初期比重は、13.5~17.5°P、より好ましくは14.0~17.5°P、より好ましくは14.5~17.5°P、より好ましくは15.0~17.5°Pである。より好ましくは、初期比重は、13.5~17.0°P、より好ましくは14.0~17.0°P、より好ましくは14.5~17.0°P、より好ましくは15.0~17.0°Pである。より好ましくは、初期比重は、13.5~16.5°P、より好ましくは14.0~16.5°P、より好ましくは14.5~16.5°P、より好ましくは15.0~16.5°Pである。より好ましくは、初期比重は、13.5~16.0°P、より好ましくは14.0~16.0°P、より好ましくは14.5~16.0°P、最も好ましくは15.0~16.0°Pである。
ビールの品質は、多くの異なるパラメータで表されうる。味わいおよび経時的な味わいの進化に加えて、色などの視覚的な特性も、消費者にとって重要な特性となる。
「明るいブロンドの色」は、内側が9未満のEBC値の色であることを指す。
ビールの色は、EBC値で表されうる。EBC値の判定は、1cmのビールを通過した後の、一定の波長(430nm)を有する光の減衰を測定することにより実施される。ここで、減衰は、ビールによる光の吸収の尺度であり、減衰は、出射光束の強度に対する入射光束の強度の比率の対数として測定される。この比率に係数を掛けることにより、EBC値が得られる。EBC値は、ビールの吸収スペクトルの一点を表す。EBC測定を実施する前提条件は、ビール試料が濁っていないことである。ビールのEBC値を判定する別の方法には、標準ディスクコンパレーターによるビールの色の比較がある。麦汁の着色に大きな影響力を持つ重要な反応は、メイラード反応である。実際、これは、アルデヒド機能またはケトン機能により、タンパク質、ペプチド、アミノ酸、および還元糖を含む混合物の加熱中に起こる一連の反応のことある。メイラード反応により、結果として、非酵素的褐変および有機化合物の複雑さがもたらされる。これらの有機化合物は、ビールの味わいおよび香りの印象に責任を負う。
一実施形態において、本発明の飲料は、9.0未満のEBC値の色を有し、好ましくは、EBC値は8.5未満、好ましくは、EBC値は8.0未満、好ましくは、EBC値は7.5未満、好ましくは、EBC値は7.0未満、好ましくは、EBC値は6.5未満、好ましくは、EBC値は6.0未満、好ましくは、EBC値は5.5未満、好ましくは5.0未満である。
加えて、「苦味」もビールの重要な特徴である。苦味は、欧州苦味単位(EBU)で表される。1EBUは、ビール1リットルあたり1mgのイソアルファ酸と同等に見なされる。5~15のEBU値のビールは、わずかに苦味のあるビールと分類される。強い苦味のあるビールは、40以上のEBU値を有する。ビールの種類も当然重要であり、25EBUの苦味のラガーは、既に多くの人が非常に苦味のあるものとわかっている。
一実施形態において、本発明の飲料は、25~45EBUの苦味を有する。好ましくは、苦味は、30~45EBU、好ましくは35~45EBU、好ましくは40~45EBUである。好ましくは、苦味は、25~40EBU、好ましくは30~40EBU、好ましくは35~40EBUである。好ましくは、苦味は、25~35EBU、好ましくは30~35EBUである。
以下、本発明を、本発明を例示する非限定的な例により説明するが、本発明の範囲を制限する意図はなく、本発明の範囲が制限されると解釈すべきではない。
実施例1:
酵母がビールの老化および劣化を防ぐことができることは、既に示されている。正確なメカニズムは完全には知られていないが、生酵母細胞の還元代謝が、特に、ボトル内の残留酸素を除去し、酸化的分解反応を阻止し、劣化するアルデヒドをそれらの対応する(不快な味が少ない)アルコールに変換すると考えられている。この一例が、フルフラールのフルフリルアルコールへの変換である。フルフラールは、ビールの齢指標として使用される。ビール内のフルフラールが多いと、不快な味を生じさせる他のアルデヒドも多く存在する。酵母による、フルフラールのフルフリルアルコールへの還元、および他のアルデヒドのそれらの対応するアルコールへの還元により、味わいおよび品質が改善されることにより、ビールの保存可能期間が延びる。
しかしながら、再発酵酵母は、ビール内での長期的な生存のために選択されているわけではなく、そのため、ビールの長期的な老化を阻止できない。加えて、死んだ酵母細胞または「溶解」酵母細胞自体も、ビールの味わいに悪影響を与えうる。
長寿命の酵母が再発酵ビールの香味安定性を向上させることができるかを調査するため、ビールを高温プロファイルにさらしながら、より長期間、ビール内で生存できる酵母を選択し、生成した。ますますグローバル化した市場における輸送中に経るような高温は、通常、老化を加速させ、ビールの味わいひいては品質に悪影響を及ぼす。
本文脈において、「生きている」は、酵母が、なお、代謝および/または酵素活性を実施できることを意味することに気付くことが重要である。
サッカロミセスセレビシエ株Y927およびサッカロミセスセレビシエ株Y115の一倍体胞子間のハイブリダイゼーションプロセスにより取得された、ハイブリッド酵母菌株が生成された。加えて、このハイブリッドの近親交配により取得された、近交系も生成された。
サッカロミセスセレビシエ株Y927は、文献(Meersman他、2015年)で既知の酵母菌株であり、長期間にわたって生存でき、熱耐性がある。加えて、この株は、胞子を効率的に生み出し、エタノールに耐性がある。サッカロミセスセレビシエ株Y115は、文献(Meersman他、2015年)で既知、かつバイオエタノール産業から既知である酵母菌株であり、長期間にわたって生存でき、高い熱耐性、エタノールに対する耐性、および効率的な胞子形成を伴う。
ハイブリッドおよびこのハイブリッドの近交系は、二次発酵とも呼ばれるビール再発酵に使用される。
これに関して、本発明の株、より具体的にはデポジットID番号:58106は、まず、糖が豊富な麦汁(非発酵ビール)内で成長することで、十分な細胞を得る。その後、この濃縮された酵母スラリーは、2*10細胞/mlの密度までビールに接種される。続いて、糖が、0.2°Pの密度(すなわち、100gのビールあたり0.2g)まで追加され、ボトル内、ケグ内、またはコンテナ内での再発酵のための、酵母に対する栄養源としての役割を果たす。
対照として、商業用の醸造用酵母の株、より具体的には、ビール醸造プロセスにおいて商業的に使用されているLalBrew(登録商標)Nottinghamが使用される。
両方の株の生存は、10、43、52、64、81、93、および114日目に評価される。ハイブリッド株の結果を図1に示す。対照ビール(b)には、52日目に、なお、1mlあたり(またはCFU-コロニー形成単位)約10の生細胞が見られるが、64日後には、ビール内に検出可能な生細胞は1つも存在しない。本発明の酵母菌株(デポジットID番号:58106)を有するビール(a)は、81日後に、なお、1mlあたり10の生細胞、93日後には、なお、10、114日後には、なお、ビール1mlあたり10より多い生細胞を含んでいる。(c)は、検出の限界を示す。
これは、本発明の酵母菌株が、商業用のビールで現在使用されている対照の酵母菌株よりもずっと長く、ビール内で生存することを示している。
商業用の酵母菌株を有する対照のビール、および本発明の酵母菌株を有するビールは、酵母菌株によるフルフラールの変換をモニタリングするのにも使用された。両方のビールは、これらの酵母菌株の追加により、再発酵を経る。加えて、ビールに酵母菌株が追加されず、ひいては再発酵が開始されないブランクビールが、対照として追加された。
フルフラールの蓄積の結果を図2a~図2cに示す。図は、3つの異なる老化の期間(0日目-図2a、81日目-図2b、および114日目-図2c)における、3つの異なるビール製法(ブランク-酵母菌株なし(c)、商業用の株LalBrew(登録商標) Nottingham(b)、および本発明の株(デポジットID番号:58106)(a))におけるフルフラールの量を示す。
老化の開始前(0日目)、フルフラールの量は、3つ全てのビールでよく似ている。
81日後、ブランクビールのフルフラールの量が著しく増加した一方、再発酵ビールは、互いにそれほど変わらない(NS)フルフラール量を示している。これは、再発酵ビールの方が、非再発酵ビールより風味が安定していることを示す。
114日後、ブランクビールのフルフラール量がなお最も多いが、商業用の酵母(平均で約50目に死んでいる)により再発酵されたビールのフルフラール量もかなり多く、本発明の酵母菌株(なお生きている)により発酵されたビールよりも著しく多い(**:p<0.01)。これは、酵母菌株が多く生存することにより、ビールの香味安定性が向上することを示している。
実施例2:
一次発酵プロセスにより取得されたビールは、サッカロミセスセレビシエ株Y927およびサッカロミセスセレビシエ株Y115の一倍体胞子間のハイブリダイゼーションプロセスにより取得されたハイブリッド酵母菌株によって再発酵される。これに関して、この酵母菌株を、まず糖が豊富な麦汁内で成長させ、濃縮された酵母スラリーを得る。この酵母スラリーは、続いて、2*10細胞/mlの密度までビールに接種される。続いて、糖も、酵母細胞のための栄養源として、0.2°Pの密度(100gのビールあたり0.2gの糖)までビールに追加される。再発酵は、ビールボトル内で継続する。
実施例3:
実施例2において取得されたようなビールは、以下の特性:8.5%のアルコール度数、15.5°Pの初期比重、EBC値5.7の明るいブロンドの色、および32EBUの苦味を有する。
実施例4:
実施例2において取得されたようなビールは、以下の特性:9.5%のアルコール度数、15.5°P以上の初期比重、明るいブロンドの色、および40EBUの苦味を有する。
実施例5:
実施例2で説明されたような酵母菌株を含むビール、またはこの酵母菌株を含む別の飲料は、生産中にこの酵母菌株が使用されなかった飲料と区別されうる。酵母菌株は、図3に示すように、ユニークな遺伝子フィンガープリントまたはプロファイルを有する。
図は、ゲル電気泳動により分離されたPCRフラグメントのイメージである。マーカー(ラダー-M)は、第1レーンにロードされた。さまざまなPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)フラグメントまたはマーカーのフラグメントのサイズが、塩基対(bp)のゲルの左に示されている。マーカーの隣の6つのレーンは、6つの酵母菌株の「インターデルタ(interdelta)」DNAのPCRフラグメントを表す。これは、酵母ゲノムに点在しているさまざまなトランスポゾン間に存在するDNAである。
例えば、第2レーンは、ビール醸造プロセスにおいて商業的に使用されている酵母菌株(LalBrew(登録商標) Nottingham)の遺伝子フィンガープリントを示す。レーン3、4、および5は、それぞれ、実施例2において説明されたような、3つの異なるハイブリッド酵母菌株、すなわち、デポジットID番号:58105、ハイブリッド_2、およびデポジットID番号:58106のプロファイルを示す。レーン6および7は、それぞれ、親酵母菌株であるサッカロミセスセレビシエ株Y115およびサッカロミセスセレビシエ株Y927のフィンガープリントを描写する。
本例に示すように、飲料内の酵母菌株を、それらの遺伝子フィンガープリントに基づいて区別することが可能である。代替的に、DNA塩基配列決定法を使用して、飲料内の酵母菌株を特定し、それにより、全ゲノムまたはゲノムの一部に対する核酸配列(ヌクレオチドの配列、DNAの構成要素)を判定することもできる。
実施例6:
この実験の目的は、ビール内の本発明にかかる酵母菌株の長寿を調査することである。
0日目に、再発酵のため、参照の醸造用酵母菌株(ベンチマーク、LalBrew(登録商標)Nottingham)がビールに接種され、随意に、本発明の酵母菌株がビールに同時接種される。ビールは、続いて、12日目まで24℃で、13日目から49日目までは7℃で、50日目から237日目の実験の終了まではおよそ20℃で保管される。
以下の3つの異なる構成がテストされる。
- 参照/ベンチマーク:参照株LalBrew(登録商標)Nottinghamのみの接種(10酵母細胞/mlのビール)、
- 低同時接種:参照株LalBrew(登録商標)Nottingham(10酵母細胞/mlのビール)および本発明にかかる4つの酵母菌株(ハイブリッド_1、ハイブリッド_2、ハイブリッド_3、またはハイブリッド_4)の1つ(5*10酵母細胞/mlのビール)による4つの同時接種、および
- 高同時接種:参照株LalBrew(登録商標)Nottingham(10酵母細胞/mlのビール)および本発明にかかる4つの酵母菌株(ハイブリッド_1、ハイブリッド_2、ハイブリッド_3、またはハイブリッド_4)の1つ(10酵母細胞/mlのビール)による4つの同時接種。
ハイブリッド_1およびハイブリッド_3は、それぞれ、デポジットID番号:58106および58105によりデポジットされた酵母菌株である。
結果は、図4に示す。これから、参照株が約3ヵ月後に死亡する一方、本発明にかかる酵母菌株は、低同時接種の場合でさえ、約8ヵ月後にもなお生きていることが明らかである。
本発明の酵母菌株は、上記の条件下において、参照の醸造用酵母菌株よりもビール内で長く生きる。
実施例7:
この実験の目的は、参照ビール株による再発酵を経た同一のビールと比較して、本発明にかかる酵母菌株による再発酵を経た6カ月のビールの味わいに起こりうる劣化を調査することであった。
20人のテストパネルが、本発明にかかる酵母菌株(ハイブリッド_1またはハイブリッド_3)により発酵された6カ月のビール、および参照株/ベンチマークにより発酵された同一のビールの味わいを比較した。ハイブリッド_1およびハイブリッド_3は、それぞれ、デポジットID番号:58106および58105によりデポジットされた酵母菌株であり、参照株は、LalBrew(登録商標) Nottinghamである。
味わいテストの結果は、Bradley-Terryペアワイズテストにより分析され、図5に示される(**:p値<0.01、***:p値<0.001)。テスターの圧倒的多数(ハイブリッド_1については17/20、およびハイブリッド_3については16/20)が、本発明にかかる酵母菌株により再発酵されたビールのほうが、参照株/ベンチマークにより再発酵された同一のビールより新鮮な味わいであったという意見であった。
これは、本発明にかかる酵母菌株によるビールの再発酵が、ビールの劣化および味の損ないを軽減または低減できることを示している。
実施例8:
この実験の目的は、参照ビール株による再発酵を経た同一のビールと、実施例7と異なりまだ古くはないが、本発明にかかる酵母菌株による再発酵を経たビールとの味わいを比較することであった。
33人のテストパネルが、本発明にかかる酵母菌株(ハイブリッド_1またはハイブリッド_3)により再発酵された新鮮なビール、または参照の醸造用酵母菌株/ベンチマークにより再発酵された新鮮なビールを味見し、他の製品とは異なる製品を指摘しなければならない、トライアングルテストがセットされた。ハイブリッド_1およびハイブリッド_3は、それぞれ、デポジットID番号:58106および58105によりデポジットされた酵母菌株であり、参照株は、LalBrew(登録商標) Nottinghamである。
対照として、古いビールが、新鮮なビールと比較された。33人のテスターの内17人以上が、他の2つとは異なる正しいビールを特定したとき、味わいの違いが確かに存在すると考えられた。
結果は、図6に示す(NS:有意ではない、*:有意、参照/ベンチマークと比較されたトライアングルテスト、アルファ=0.1、ベータ=0.05、Pd=0.4)。これは、参照の酵母菌株により発酵された新鮮なビールと比較して、本発明の酵母菌株により発酵された新鮮なビールに味わいの著しい相違はないことを示している。しかしながら、老化した対照のビールは、はっきりと認識された。
実施例7および8の実験の組み合わせにより、本発明の酵母菌株により再発酵された新鮮なビールは、参照の酵母菌株により再発酵された新鮮なビールと同様の味わいを有するのに対して、本発明の酵母菌株により再発酵された古いビールにおいては、参照の酵母菌株により再発酵された古いビールよりも劣化または味の損ないが少ないことが示されている。
本発明は、上述の実施形態に限定されると解釈されるべきではなく、添付の特許請求の範囲を再評価する必要なく、一定の修正または変更が、説明した例に追加されてよい。

Claims (25)

  1. サッカロミセスセレビシエ株Y927、株Y115、株WI011、株WI017、および株WI018から選択された一倍体胞子間の集団交配ハイブリダイゼーションプロセスにより取得されるハイブリッドである、または前記ハイブリッドの近交系である、発酵飲料の生産に使用される酵母菌株。
  2. 熱耐性である、請求項1に記載の酵母菌株。
  3. 栄養分に富んだ環境において、42℃の温度で、少なくとも5日間にわたって成長できる、請求項1または2に記載の酵母菌株。
  4. アルデヒドをそれらの対応するアルコールに変換できる、請求項1~3のいずれか一項に記載の酵母菌株。
  5. フルフラールをフルフリルアルコールに変換できる、請求項4に記載の酵母菌株。
  6. ビールなどのアルコールに富んだ環境において、少なくとも100日の寿命を有する、請求項1~5のいずれか一項に記載の酵母菌株。
  7. a.前記株の参照株が、それぞれ、デポジットID番号:58105または58106として、Belgian Coordinated Collection of Microorganisms(BCCM)-Universite catholique de Louvain - Mycotheque de l’Universite catholique de Louvain(MUCL)にデポジットされている、または
    b.前記株は、デポジットID番号:58105または58106としてデポジットされた酵母菌株の変異体であって、前記変異体の酵母菌株は、なお、栄養分に富んだ環境において、42℃の温度で、少なくとも5日間にわたって成長でき、なお、アルデヒドをそれらの対応するアルコールに変換できる、または
    c.前記酵母菌株は、デポジットID番号:58105または58106としてデポジットされた株と少なくとも98%の配列同一性を示し、なお、栄養分に富んだ環境において、42℃の温度で、少なくとも5日間にわたって成長でき、なお、アルデヒドをそれらの対応するアルコールに変換できる、請求項1~6のいずれか一項に記載の酵母菌株。
  8. 少なくとも10細胞/mlの、請求項1~7のいずれか一項に記載の酵母菌株を含む酵母スラリー。
  9. 請求項1~6のいずれか一項に記載の酵母菌株の細胞を麦汁に追加し、続いて、それらを少なくとも10細胞/mlの密度まで培養することにより取得される、請求項8に記載の酵母スラリー。
  10. 前記ハイブリッドまたは近交系酵母菌株とは異なる、少なくとも1つの更なる酵母菌株を更に含む、請求項8または9に記載の酵母スラリー。
  11. 追加的なサッカロミセスセレビシエ株、ブレタノマイセス株、または前記酵母の混合物を更に含む、請求項10に記載の酵母スラリー。
  12. 前記ハイブリッドまたは近交系酵母菌株と、前記更なる酵母菌株との比率は、1:1000~1:10である、請求項10または11に記載の酵母スラリー。
  13. 請求項1~12のいずれか一項に記載の酵母菌株または酵母スラリーが飲料に追加される、発酵飲料を醸造する方法。
  14. 前記発酵飲料は、アルコール飲料である、請求項13に記載の方法。
  15. 前記酵母菌株または酵母スラリーは、接種によって飲料に追加される、請求項13または14に記載の方法。
  16. 酵母菌株または酵母スラリーは、10~10細胞/mlの密度まで前記飲料に接種される、請求項15に記載の方法。
  17. 前記酵母菌株または酵母スラリーは、前記飲料の発酵に使用される、請求項13~16に記載の方法。
  18. 前記酵母菌株または酵母スラリーは、前記飲料の再発酵に使用される、請求項13~17に記載の方法。
  19. 前記酵母菌株の栄養源として、0.05~5.0°Pの密度まで糖が追加される、請求項18に記載の方法。
  20. 前記再発酵は、ボトル内、ケグ内、またはコンテナ内で継続する、請求項18または19に記載の方法。
  21. 請求項1~7のいずれか一項に記載の酵母菌株を含む、発酵プロセスに基づいて取得された麦芽または茶系飲料。
  22. アルコール入りの、またはアルコールを含まない、請求項21に記載の麦芽または茶系飲料。
  23. コンブチャである、請求項21または22に記載の麦芽または茶系飲料。
  24. ビールである、請求項21または22に記載の麦芽または茶系飲料。
  25. 前記ビールは、7.5~10.5%のアルコール度数、13.0~18.0°Pの初期比重、明るいブロンドの色および9未満のEBC値、ならびに25~45EBUの苦味を有する、請求項24に記載の麦芽または茶系飲料。
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