JP2023521799A - GLRB遺伝子のCpGメチル化の変化を利用した結腸癌、直腸癌、又は大腸腺腫診断用組成物、及びその使用 - Google Patents

GLRB遺伝子のCpGメチル化の変化を利用した結腸癌、直腸癌、又は大腸腺腫診断用組成物、及びその使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、GLRB遺伝子のCpG部位のメチル化水準を検出することで、結腸癌、直腸癌、又は大腸腺腫を診断することができる組成物、キット、核酸チップ、及び方法に関するものであり、結腸癌、直腸癌、又は大腸腺腫を正確で速やかに診断するだけではなく、早期に診断することができる。【選択図】 図2

Description

本出願は、2020年4月8日に出願された大韓民国特許出願第10-2020-0042726号に基づく優先権を主張し、前記明細書全文は参照により本出願に援用する。
本発明は、GLRB遺伝子のCpG部位のメチル化水準を検出することで、結腸癌、直腸癌、又は大腸腺腫を診断することができる組成物、キット、核酸チップ、及び方法に関するものである。
大腸は消化器官の最後の部分であり、長さは略2mであり、盲腸、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸、直腸で分けられる。大腸癌(colorectal cancer)は、この領域に発生する癌であり、大部分は腺癌(adenocarcinoma)であり、領域別には大きく、結腸癌(colon cancer)と直腸癌(rectal cancer)に区分される。
大腸癌は、結腸/直腸のどの部分でも発生することがあるが、直腸で発生する場合が略40%で一番高く、その次には直腸隣近であるS字結腸で発生する場合が略30%である。食事習慣の変化により、韓国では大腸癌の発生率とそれによる死亡率が著しく増加しており、また、アメリカ及びヨーロッパでも癌関連死の主要な要因となっている(非特許文献1)。
大腸癌の診断は、簡易には健康検診時に便潜血反応検査を実施するが、実際に大腸癌を確認するためには追加的な診察と検査が必要である。検査は主に、直腸指診、S字結腸鏡検査、大腸浣腸写真(バリウム浣腸写真)、大腸内視鏡検査を通じて行われるが、診断時の癌の進行状態によって予後が大きく変わるので、大腸癌患者の早期発見は、患者の生存率を高めるのに非常に重要である。
一方、エピジェネティクス(epigenetics)は、DNAの塩基配列が変化しない状態でなされる遺伝子の発現調節を研究する分野である。エピジェネティクスは、DNAメチル化、miRNA又はヒストンのアセチル化、メチル化、リン酸、及びユビキチン化などのようなエピジェネティック変異を通じた遺伝子発現調節を研究する。
この中でも、DNAメチル化が一番多く研究されているエピジェネティック変異である。エピジェネティック変異は、遺伝子機能変異及び腫瘍細胞への変化をもたらしうる。したがって、DNAメチル化は、細胞内疾患調節遺伝子の発現(又は抑制及び誘導)と関連しており、最近ではDNAメチル化測定を通じた癌診断方法が提示されている。特に、前癌段階の組織でも癌特異的メチル化現象が事前に発生する場合が多く、癌特異的メチル化の検出は、癌の診断に利用される可能性が高い。
したがって、類似する特徴を有する結腸癌、直腸癌、及び大腸腺腫の危険予測が可能な、効果的な結腸癌、直腸癌、又は大腸腺腫特異的メチル化マーカーの開発が必要である。
American Cancer Society statics for 2009
[発明の開示]
[技術的課題]
本発明者らは、結腸癌、直腸癌、又は大腸腺腫において、特定遺伝子のCpG部位が過剰メチル化された状態であることを見出し、メチル化水準を検出することで結腸癌、直腸癌、又は大腸腺腫を診断することができる組成物、キット、核酸チップ、及び方法を開発して、本発明を完成した。
したがって、本発明の目的は、特定遺伝子のCpG部位のメチル化水準の測定剤を含む結腸癌、直腸癌、又は大腸腺腫診断用組成物を提供することである。
また、本発明の目的は、特定遺伝子のCpG部位のメチル化水準の測定剤からなる結腸癌、直腸癌、又は大腸腺腫診断用組成物を提供することである。
また、本発明の目的は、本質的に、特定遺伝子のCpG部位のメチル化水準の測定剤からなる結腸癌、直腸癌、又は大腸腺腫診断用組成物を提供することである。
また、本発明の他の目的は、特定遺伝子のCpG部位を含む断片を増幅するためのPCRプライマーペアと、前記プライマーペアによって増幅されたPCR産物をパイロシーケンシングするためのシーケンシングプライマーとを含む結腸癌、直腸癌、又は大腸腺腫診断用キットを提供することである。
また、本発明のさらに他の目的は、特定遺伝子のCpG部位を含む断片と厳格な条件下でハイブリダイズ(hybridization)することができるプローブが固定されている結腸癌、直腸癌、又は大腸腺腫診断用核酸チップを提供することである。
また、本発明のさらに他の目的は、患者の試料から特定遺伝子のCpG部位のメチル化水準を測定し、これを基準として、結腸癌、直腸癌、又は大腸腺腫の有無を判断する段階を含む、結腸癌、直腸癌、又は大腸腺腫診断のための情報を提供する方法を提供することである。
また、本発明のさらに他の目的は、結腸癌、直腸癌、又は大腸腺腫診断用製剤を製造するための、GLRB遺伝子のCpG部位のメチル化水準の測定剤の使用を提供することである。
また、本発明のさらに他の目的は、
a)個体から試料を取得する段階と、
b)前記試料からGLRB遺伝子のCpG部位のメチル化水準を測定する段階と、
c)測定された前記メチル化水準を基準として、結腸癌、直腸癌、又は大腸腺腫の有無を判断する段階と、を含む結腸癌、直腸癌、又は大腸腺腫診断方法を提供することである。
[技術的解決手段]
前記のような目的を達成するために、本発明は、GLRB遺伝子のCpG部位のメチル化水準の測定剤を含む、結腸癌、直腸癌、又は大腸腺腫診断用組成物を提供する。
また、本発明は、GLRB遺伝子のCpG部位のメチル化水準の測定剤からなる結腸癌、直腸癌、又は大腸腺腫診断用組成物を提供する。
また、本発明は、本質的に、GLRB遺伝子のCpG部位のメチル化水準の測定剤からなる結腸癌、直腸癌、又は大腸腺腫診断用組成物を提供する。
本発明の他の目的を達成するために、本発明は、GLRB遺伝子のCpG部位を含む断片を増幅するためのプライマーペアを含む、結腸癌、直腸癌、又は大腸腺腫診断用キットを提供する。
また、本発明のさらに他の目的を達成するために、本発明は、GLRB遺伝子のCpG部位を含む断片とハイブリダイズ(hybridization)することができるプローブが固定されている結腸癌、直腸癌、又は大腸腺腫診断用核酸チップを提供する。
また、本発明のさらに他の目的を達成するために、結腸癌、直腸癌、又は大腸腺腫発生が疑われる患者の試料からGLRB遺伝子のCpG部位のメチル化水準を測定する段階と、
測定された前記メチル化水準を基準として、結腸癌、直腸癌、又は大腸腺腫の有無を判断する段階と、を含む、結腸癌、直腸癌、又は大腸腺腫診断のための情報を提供する方法を提供する。
本発明のさらに他の目的を達成するために、本発明は、結腸癌、直腸癌、又は大腸腺腫診断用製剤を製造するための、GLRB遺伝子のCpG部位のメチル化水準の測定剤の使用を提供する。
本発明のさらに他の目的を達成するために、本発明は、
a)個体から試料を取得する段階と、
b)前記試料からGLRB遺伝子のCpG部位のメチル化水準を測定する段階と、
c)測定された前記メチル化水準を基準として、結腸癌、直腸癌、又は大腸腺腫の有無を判断する段階と、を含む結腸癌、直腸癌、又は大腸腺腫診断方法を提供する。
他の定義がない限り、本明細書に使用されたすべての技術的及び科学的用語は当業者らによって通常的に理解される意味と同一な意味を有する。次の参考文献は本発明の明細書に使用された多くの用語の一般的な定義を有する技術(skill)の一つを提供する: Singleton et al., DICTIONARY OF MICROBIOLOGY AND MOLECULAR BIOLOTY (2th ed. 1994); THE CAMBRIDGE DICTIONARY OF SCIENCE AND TECHNOLOGY (Walkered., 1988); 及び Hale & Marham, THE HARPER COLLINS DICTIONARY OF BIOLOGY.
以下、本発明を詳しく説明する。
本発明は、GLRB遺伝子のCpG部位のメチル化水準の測定剤を含む、結腸癌、直腸癌、又は大腸腺腫診断用組成物を提供する。
本発明において、用語“メチル化”は、DNAを構成する塩基にメチル基が付着されることを言う。望ましくは、本発明においてメチル化の有無は、特定遺伝子の特定CpG部位シトシンで生じるメチル化の有無を意味する。メチル化が生じた場合、それによって転写因子の結合が邪魔を受けるようになって特定遺伝子の発現が抑制され、反対に、非メチル化、又は低メチル化が生じる場合、特定遺伝子の発現が増加するようになる。
哺乳動物細胞のゲノムDNAには、A、C、G、及びTに加えて、シトシンリングの5位の炭素にメチルグループが付着された5-メチルシトシン(5-methylcytosine、5-mC)という5番目の塩基が存在する。5-メチルシトシンのメチル化は、CpGと呼ばれるCGジヌクレオチド(5'-mCG-3')のCのみで生じ、CpGのメチル化は、alu、又はトランスポゾンとゲノムの繰り返し配列が発現されることを抑制する。また、CpGの5-mCが自然的に脱アミノ化してチミン(T)になりやすいために、CpGは哺乳動物細胞で大部分のエピジェネティクス的変化がよく生じる部位である。
本発明において、用語“メチル化水準の測定”は、GLRB遺伝子のCpG部位のメチル化水準を測定するものであり、バイサルファイト処理による検出法、又はバイサルファイトフリー検出法を通じて測定することができる。メチル化水準の測定は、メチル化特異的なPCR、例えば、メチル化特異的PCR(methylation-specific polymerasechain reaction、MSP)、リアルタイムメチル化特異的PCR(real time methylation-specific polymerase chain reaction)、メチル化DNA特異的結合タンパク質を利用したPCR、又は定量PCRなどを通じて測定することができる。あるいは、パイロシーケンシング及びバイサルファイトシーケンシングのような自動塩基分析で測定することができるが、これに制限されるものではない。また、バイサルファイトフリー検出法としてTETタンパク質(ten-eleven translocation protein)を利用して測定することができる。TETタンパク質はDNAに作用する酵素であり、塩基の化学的変化に関与し、バイサルファイトを処理する場合は、メチル化されたCを除いたすべてのCがT塩基に変わるのとは異なり、TETタンパク質の場合は、メチル化されたCだけがTに変わり、より効率的な検出が可能である。
望ましくは、GLRB遺伝子のCpG部位とは、前記遺伝子のDNA上に存在するCpG部位を言う。前記遺伝子のDNAは、前記遺伝子が発現することに必要で互いに作動可能に連結されている一連の構成単位をすべて含む概念であり、例えば、プロモーター領域、タンパク質コーディング領域(open reading frame、ORF)、及びターミネーター領域を含む。よって、GLRB遺伝子のCpG部位は、対応する遺伝子のプロモーター領域、タンパク質コーディング領域(open reading frame、ORF)、又はターミネーター領域などに存在することができる。
望ましくは、本発明において、GLRB遺伝子のCpG部位のメチル化水準を測定することは、下記表1に記載した遺伝子のCpG部位のシトシンメチル化水準を測定することを意味することができる。
Figure 2023521799000002
本発明において、前記GLRB遺伝子のCpG部位は、遺伝子の転写開始部位(transcription start site、TSS)から+/-2000塩基(base)(2kb)の間に位置することを特徴とする。
本発明において、ヒトゲノム染色体領域の塩基配列は、The February 2009 Human reference sequence(GRCh37)によって表現したが、ヒトゲノム染色体領域の具体的配列は、ゲノム配列研究結果がアップデートされることによってその表現が少し変更されることがあるし、このような変更によって本発明のヒトゲノム染色体領域の表現が相異になることがある。よって、本発明のThe February 2009 Human reference sequence(GRCh37)によって表現されたヒトゲノム染色体領域は、本発明の出願日以後、ヒト標準塩基配列(human reference sequence)がアップデートされてヒトゲノム染色体領域の表現が今と異なるように変更されるといえど、本発明の範囲が変更されたヒトゲノム染色体領域に及ぶようになることは自明であると言えるであろう。このような変更内容は、本発明が属する技術分野の通常の知識を有した者なら誰でも容易に分かる事項である。
本発明において、CpG部位のメチル化水準の測定剤は、シトシン塩基を修飾する化合物、又はメチル化感受性制限酵素、GLRB遺伝子のメチル化された対立形質配列に特異的なプライマー、及び非メチル化対立形質配列に特異的なプライマーを含むことができる。
シトシン塩基を修飾する化合物は、非メチル化シトシンを修飾する化合物、又はメチル化シトシンを修飾する化合物であり、非メチル化シトシンを修飾するバイサルファイト(bisulfite)、又はこれの塩、望ましくは、亜硫酸水素ナトリウムであるか、又はメチル化シトシンを修飾するTETタンパク質でもよいが、これに制限されない。このようなシトシン塩基を修飾してCpG部位のメチル化の有無を検出する方法は、当業界に広く公知されている(WO01/26536、US2003/0148326A1)。
また、メチル化感受性制限酵素は、CpG部位のメチル化を特異的に検出することができる制限酵素として、制限酵素の認識部位でCGを含む制限酵素であってよい。例えば、SmaI、SacII、EagI、HpaII、MspI、BssHII、BstUI、NotIなどがあり、これに制限されない。制限酵素認識部位のCでのメチル化、又は非メチル化によって制限酵素による切断の有無が変化し、これをPCR、又はサザンブロッティング(Southern Blot)分析を通じて検出することができるようになる。前記制限酵素以外の他のメチル化感受性制限酵素は、当業界によく知られている。
プライマーは、GLRB遺伝子のメチル化された対立形質配列に特異的なプライマー及び非メチル化された対立形質配列に特異的なプライマーを含むことができる。
本発明において、用語“プライマー”は、短い遊離3’末端ヒドロキシ基を有する核酸配列で、相補的なテンプレート(template)と塩基対を形成することができ、テンプレート鎖コピーのための起点となる短い核酸配列を意味する。プライマーは、適切な緩衝溶液及び温度で重合反応(すなわち、DNAポリメラーゼ、又は逆転写酵素)のための試薬と4種のヌクレオチド三リン酸の存在下で、DNA合成を開始することができる。また、プライマーは、7個乃至50個のヌクレオチド配列を有したセンス及びアンチセンス核酸として、DNA合成の開始点として作用するプライマーの基本性質を変化させない追加の特徴を取り込むことができる。
本発明のプライマーは、メチル化の有無を分析する対象になる特定のCpG部位の配列によって望ましくデザインされてよく、より望ましくは、メチル化されてバイサルファイトによって修飾されなかったシトシンを特異的に増幅することができるプライマーペア、メチル化されずバイサルファイトによって修飾されたシトシンを特異的に増幅することができるプライマーペア、メチル化されてTET系列のタンパク質によって修飾されたシトシンを特異的に増幅することができるプライマーペア、及びメチル化されずTET系列のタンパク質によって修飾されなかったシトシンを特異的に増幅することができるプライマーペアからなる群から選択されるいずれか1つ以上であってよい。
したがって、本発明は、GLRB遺伝子のCpG部位を含む断片を増幅するためのプライマーペアを含む結腸癌、直腸癌、又は大腸腺腫診断用キットを提供する。
前記組成物及びキットには、前記剤以外にも、ポリメラーゼアガロース、電気泳動に必要な緩衝溶液などが追加で含まれてよい。
また、本発明は、GLRB遺伝子のCpG部位を含む断片とハイブリダイズ(hybridization)することができるプローブが固定されている結腸癌、直腸癌、又は大腸腺腫診断用核酸チップを提供する。
本発明において用語、“核酸”とは、オリゴヌクレオチド、ヌクレオチド、ポリヌクレオチド、又はこれらの断片、ゲノム起源又は合成起源の単一鎖もしくは二重鎖のDNA又はRNA、ゲノム起源又は合成起源のセンスもしくはアンチセンス鎖のDNA又はRNA、PNA(peptide nucleic acid)、又は天然起源又は合成起源のDNA様又はRNA量物質を言う。核酸がRNAならば、デオキシヌクレオチドA、G、C、及びTの代わりに、それぞれリボヌクレオチドA、G、C、及びUに置換されていることは、当該分野の通常の知識を有した者において自明である。
メチル化は、遺伝子調節部位の外郭から始まって内部に進行するため、調節部位の外郭でメチル化を検出することで、細胞形質組み替えに関与する遺伝子を早期診断することができる。
したがって、前記メチル化遺伝子マーカーを利用して結腸癌、直腸癌、又は大腸腺腫を形成する可能性がある細胞の早期診断が可能である。癌細胞においてメチル化されることが確認された遺伝子が、臨床的に又は形態学的に正常に見える細胞においてメチル化される場合、この正常に見える細胞は癌化が進行しているものである。そこで、正常に見える細胞における結腸癌、直腸癌、又は大腸腺腫の特異的遺伝子のメチル化を確認することで、結腸癌、直腸癌、又は大腸腺腫を早期診断することができる。
また、本発明は、結腸癌、直腸癌、又は大腸腺腫発生が疑われる患者の試料からGLRB遺伝子のCpG部位のメチル化水準を測定する段階と、
測定されたメチル化水準を基準として、結腸癌、直腸癌、又は大腸腺腫の有無を判断する段階と、を含む、結腸癌、直腸癌、又は大腸腺腫診断のための情報を提供する方法を提供する。
前記メチル化水準を測定する方法は、PCR、メチル化特異的PCR(methylation specific PCR)、リアルタイムメチル化特異的PCR(real time methylation specific PCR)、メチル化DNA特異的結合タンパク質を利用したPCR、メチル化感受性制限酵素を使ったメチル化の有無測定、定量PCR、DNAチップ、パイロシーケンシング及びバイサルファイトシーケンシングからなる群から選択されるが、これに制限されるものではない。
具体的に、メチル化特異的PCR(methylation-specific PCR)の方法は、試料DNAにバイサルファイトを処理した後、PCRを遂行するプライマーとして、CpGジヌクレオチドのメチル化の有無によって異なるプライマーをデザインして使用する方法である。プライマー結合部位がメチル化された場合、メチル化されたプライマーによってPCRが進行され、メチル化がされなかった場合、正常プライマーによってPCRが進行される。すなわち、試料DNAにバイサルファイトを処理した後、2つの種類のプライマーを同時に使ってPCRを行った後、結果を比べる方法である。
リアルタイムメチル化特異的PCRは、メチル化特異的PCR法をリアルタイム測定方法で切り替えたものであり、ゲノムDNAにバイサルファイトを処理した後、メチル化された場合に対応するPCRプライマーをデザインして、これらプライマーを利用してリアルタイムPCRを遂行するものである。このとき、増幅された塩基配列と相補的なTaqManプローブを利用して検出する方法と、SYBRgreenを利用して検出する2つの方法がある。よって、リアルタイムメチル化特異的PCRは、メチル化されたDNAのみを選択的に定量分析することができる。この時、インビトロメチル化(in vitro methylated)DNAサンプルを利用して標準曲線を作成し、標準化のために塩基配列内に5'-CpG-3'配列がない遺伝子を陰性対照群として一緒に増幅して、メチル化水準を定量分析する方法である。
メチル化感受性制限酵素を使ってメチル化の有無を測定する方法では、メチル化感受性制限酵素は、CpGジヌクレオチドを作用部位にし、この部位がメチル化された場合には酵素として作用することができない。よって、試料DNAをメチル化感受性制限酵素で処理した後、酵素ターゲット部位を含むようにPCRで増幅すれば、メチル化された場合には制限酵素が作用されずPCR増幅されるが、メチル化されない正常部位は制限酵素によって切断されてPCR増幅されないため、特定DNA領域のメチル化の有無を測定することができる。
メチル化DNA特異的結合タンパク質を利用したPCR、又はDNAチップ法は、メチル化DNAだけに特異的に結合するタンパク質をDNAと混合することで、メチル化DNAだけに特異的にタンパク質が結合するため、メチル化DNAのみを選択的に分離することができる。ゲノムDNAをメチル化DNA特異的結合タンパク質と混合した後、メチル化されたDNAのみを選択的に分離する。これら分離したDNAをイントロン部位に対応するPCRプライマーを利用して増幅した後、アガロース電気泳動でメチル化の有無を測定する方法である。また、定量PCR方法でもメチル化の有無を測定することができ、メチル化DNA特異的結合タンパク質で分離したメチル化DNAは、蛍光染料で標識した相補的なプローブが集積されたDNAチップにハイブリダイズ(hybridization)させることでメチル化の有無を測定することができる。ここで、メチル化DNA特異的結合タンパク質はMBD2btに制限されない。
また、バイサルファイト処理されたDNAのパイロシーケンシング(bisulfite pyrosequencing)は、次のような原理に基づく。CpGジヌクレオチド部位においてメチル化が起こると、5-メチルシトシン(5-mC)が形成され、この修飾された塩基は、亜硫酸水素ナトリウム処理によりウラシル(uracil)に変化する。試料から抽出されたDNAにバイサルファイトを処理すると、CpGジヌクレオチドがメチル化された場合はシトシン(cytosine)として保存され、残りのメチル化されないシトシンはウラシルに変化する。バイサルファイト処理されたDNAの配列分析は、望ましくは、パイロシーケンシング(pyrosequencing)法を使って行うことができる。パイロシーケンシングに対する詳細な説明は先行文献に公知されている。[Ronaghi et al, Science 1998 Jul 17, 281(5375), 363-365; Ronaghi et al,Analytical Biochemistry 1996 Nov 1, 242(1), 84-9; Ronaghi et al. Analytical Biochemistry 2000 Nov 15, 286(2): 282-288; Nyr, P. Methods Mol Biology 2007, 373, 114].
一方、TETタンパク質を利用したバイサルファイトフリー検出法において、TETタンパク質を用いることで、メチル化されたCのみがTに変換され、メチル化領域の塩基を検出することもできる。(LIU, Yibin, et al., Nature Biotechnology volume 37, pages 424-429 (2019) 参照).
CpGジヌクレオチド部位においてメチル化が起き、シトシンから5-メチルシトシン(5-mC)が形成された場合、TET(ten-eleven translocation)タンパク質を処理すると、CpGジヌクレオチドがメチル化された場合はウラシルに変化し、メチル化されないシトシンは保存される。TET処理されたDNAの配列分析は、パイロシーケンシング法のみに制限されたものではなく、メチル化感受性PCR(methylation-sensitive PCR、MSP)、マイクロアレイ(microarray)、次世代シーケンシング(next generation sequencing、NGS)などの方法を使って分析することができる。
望ましくは、本発明の結腸癌、直腸癌、又は大腸腺腫診断のための情報を提供する方法は、a)個体から試料を取得する段階、b)試料からゲノムDNAを取得する段階、c)取得されたゲノムDNAを、メチル化されないシトシン塩基を修飾する化合物で処理する段階、d)前記処理されたDNAを、GLRB遺伝子のプロモーターを増幅することができるパイロシーケンシング用プライマーを利用してPCRによって増幅させることでPCR生産物を得る段階、及びe)前記PCR生産物をシーケンシングプライマー(sequencing primer)を利用してパイロシーケンシング(pyrosequencing)することで、メチル化水準を測定する段階を含むことを特徴とする方法によって遂行することができる。
前記b)段階のゲノムDNA取得は、当業界で通常的に使用されるフェノール/クロロホルム抽出法、SDS抽出法、CTAB分離法、又は商業的に販売されるDNA抽出キットを利用して遂行することができる。
本発明において“測定されたメチル化水準を基準として、結腸癌、直腸癌、又は大腸腺腫の有無を判断”とは、結腸癌、直腸癌、又は大腸腺腫発生が疑われる患者の試料からGLRB遺伝子のCpG部位のメチル化水準を測定することと同時に、あるいは順次に、正常対照群の試料から前記と等しい遺伝子のCpG部位のメチル化水準を測定した後、両者を比べることで判断するものであってよい。また、正常対照群の試料からGLRB遺伝子のCpG部位のメチル化水準をあらかじめ測定してしきい値を設定した後、そのしきい値と患者の試料からメチル化水準を測定した値を比べることで判断するものであってよい。あらかじめ正常対照群の試料からGLRB遺伝子のCpG部位のメチル化水準を測定してしきい値を設定しておけば、それぞれの診断のために毎回正常対照群のメチル化水準を測定する必要なしに、患者の試料でGLRB遺伝子のCpG部位のメチル化水準を測定することができ、対応する患者の結腸癌、直腸癌、又は大腸腺腫の有無診断のための情報を迅速に提供することができる。
本発明において用語“試料”は、遂行される分析の種類によって、個体、体液、細胞株、組織培養などで得られるすべての生物学的体液を含む幅広い範囲の体液を意味するものである。哺乳動物から体液及び組織生検を獲得する方法は、通常的に広く知られており、本発明において前記試料は、望ましくは、組織、細胞、血液、血漿、血清、大便、及び小便を含むヒト由来物質からなる群から選択できる。癌組織の非正常的なメチル化変化は、細胞、全血、血清、血漿、唾液、喀痰、脳脊樺液、又は尿のような生物学的試料から得たゲノムDNAのメチル化変化と相当な類似性を見せるので、本発明のマーカーを利用することで、結腸癌、直腸癌、又は大腸腺腫発生予測に対して、血液や体液などを通じた手軽い診断が可能であるという長所がある。
本発明は、結腸癌、直腸癌、又は大腸腺腫診断用製剤を製造するためのGLRB遺伝子のCpG部位のメチル化水準の測定剤の使用を提供する。
本発明は、
a)個体から試料を取得する段階と、
b)前記試料からGLRB遺伝子のCpG部位のメチル化水準を測定する段階と、
c)測定された前記メチル化水準を基準として、結腸癌、直腸癌、又は大腸腺腫の有無を判断する段階と、を含む結腸癌、直腸癌、又は大腸腺腫診断方法を提供する。
一つの実施様態において、本発明は、下記段階を含む個体の結腸癌、直腸癌、又は大腸腺腫を診断及び治療する方法を提供する。
i)個体から試料を取得する段階と、
ii)前記試料からGLRB遺伝子のCpG部位のメチル化水準を測定する段階と、
iii)測定された前記メチル化水準を基準として、結腸癌、直腸癌、又は大腸腺腫の有無を判断する段階と、
iv)前記判断された個体に膀胱癌を治療するための治療薬物を投与するか、又は手術を通じて結腸癌、直腸癌、又は大腸腺腫を治療する段階。
前記i)乃至iv)段階を含む方法は、前述したa)乃至c)段階を含む方法に準して理解される。
前記iv)段階は、前記iii)段階で疾患が診断された個体に治療薬物を投与、又は手術などの手段を通じて前記疾患の治療を遂行する段階である。
本発明の前記“治療”は、結腸癌、直腸癌、又は大腸腺腫、又は前記疾患の症状を改善させることを包括的に指称し、これは前記疾患を治癒するか、又は実質的に予防するか、又は状態を改善させることを含むことができ、結腸癌、直腸癌、又は大腸腺腫から始まった一つの症状、又は大部分の症状を緩和させるか、又は治癒するか、又は予防することを含むが、これに制限されるものではない。
前記“治療薬物”は、通常的に結腸癌、直腸癌、又は大腸腺腫の治療に対して使用される薬物種であれば、その種類が特別に制限されない。また、前記治療薬物は、“治療学的で有効な量”で個体に投与され、前記治療学的で有効な量は、当業者が薬物の固有性質、投与経路、及び治療回数だけではなく、患者の年齢、体重、健康状態、性別、疾患の重症度、食事、及び排泄率など、多様な要因を考慮して患者に対する有効投与量を決めることができる。前記治療薬物の投与経路は、特別に制限されず、経口又は非経口的に投与されてよく、局所的投与だけではなく、全身的経路の投与をすべて含む。前記非経口的投与は、これに制限されないが、一例で鼻腔内薬物塗布、皮下注射などであってよく、また、他の一例で筋肉内注射、静脈注射などの方法を使用するものであってもよい。
本発明の“試料”は、疾患が疑われる個体から分離取得されるものであり、これに制限されないが、細胞、組織、血液、血清、血漿、唾液、喀痰、粘膜液、及び尿からなる群から選択され、“個体”とは、動物、望ましくは、哺乳動物、特に、ヒトを含む動物であってよく、動物から由来した細胞、組織、器官などであってもよい。個体は、前記治療効果が必要な患者(patient)であることがある。
本明細書で用語“を含む(comprising)”とは、“含有する(including)”、又は“特徴とする(characterized by)”と同一な意味で使用され、本発明による組成物、又は方法において、具体的に言及されない追加的な構成成分、又は方法の段階などを排除しない。また、用語“からなる(consisting of)”とは、別に記載しない追加的な要素、段階、又は成分などを除くことを意味する。用語“本質的に~からなる(essentially consisting of)”とは、組成物、又は方法の範囲において、記載された物質、又は段階と併せてこれの基本的な特性に実質的に影響を及ぼさない物質、又は段階などを含むことができることを意味する。
[有利な効果]
詳しく上述したように、GLRB遺伝子のCpG部位過剰メチル化は、結腸癌、直腸癌、又は大腸腺腫で特異的に現われるので、本発明による組成物、キット、チップ、又は方法を利用して、結腸癌、直腸癌、又は大腸腺腫を正確で速やかに診断することができ、併せて早期に診断することができる。
図1は、全32種の癌類型でGLRB遺伝子のメチル化情報を確認した結果である。 図2は、本発明によって選別されたGLRB遺伝子の大腸癌診断の正確さを確認した結果である。 図3は、大腸癌腫瘍組織(tumor)細胞株グループと非大腸癌腫瘍組織(others)細胞株グループ間のメチル化の差を確認した結果である。 図4は、大腸腺腫(adenoma)において、腫瘍組織(cancer)、大腸腺腫組織(adenoma)、正常組織(normal)でのメチル化の差を確認した結果である。 図5は、大腸腺腫(adenoma)において、腫瘍組織(cancer)、腫瘍周辺正常組織(nontumor)でのqMSPに基づくメチル化の差を確認した結果である。 図6は、比較例として、OPLAH遺伝子のメチル化情報を確認した結果である。 図7は、大腸腺腫(Adenoma)、腫瘍組織(Tumor)、腫瘍周辺正常組織(Non-tumor)でのドロップレットデジタル遺伝子増幅法(Droplet digital PCR、ddPCR)に基づくメチル化の差を確認した結果である。 図8は、正常なヒト及び大腸癌患者の血漿において、ドロップレットデジタル遺伝子増幅法(Droplet digital PCR、ddPCR)を使ってメチル化の差を分析した結果である。
[発明を実施するための最良の態様]
以下、本発明の理解を助けるために望ましい実施例を提示する。しかし、下記の実施例は、本発明をより易しく理解するために提供されるものであるだけで、これによって本発明の内容が限定されるものではない。
実施例1:大腸癌特異的メチル化遺伝子選別
大腸癌に特異的に見られるメチル化遺伝子を選別するため、2個の大規模メチル化マイクロアレイチップ(methylation microarray chip)データを利用して、大腸癌患者の癌手術から得た癌組織と、正常組織との大規模メチル化比較研究を遂行した(表2参照)。対応する研究で使用された腫瘍組織(tumor tissue)は、大腸癌の癌組織を意味し、非腫瘍組織(non-tumor tissue)は、正常組織を含んだ癌組織以外の組織を意味する。
Figure 2023521799000003
大腸癌特異的メチル化遺伝子選別するために、各組織でDNAを抽出し、Infinium Human Methylation 450 Beadchip microarrayを利用して遺伝子領域のメチル化水準を確認した。
各組織から抽出されたDNAは、バイサルファイト処理を通じて変換される。これを通じて、DNA領域のメチル化の有無によってシトシン塩基の修飾がなされる。対応するマイクロアレイ試験に使用されるプローブは、遺伝子メチル化領域のシトシン塩基修飾の有無を確認するためにメチル化(methylation)、非メチル化(unmethylation)特異的にデザインされた。
このマイクロアレイ試験は、それぞれ遺伝子のメチル化領域を示す略45万個(450k)のプローブ(probe)を通じて遺伝子のメチル化水準を測定し、試験を通じて導出された各プローブの結果は、ベータ値(beta value)で提示される。ベータ値は0から1までの値を有し、1に近いほど対応する遺伝子領域のメチル化水準が高いと判断される。
腫瘍グループと非腫瘍グループとの間の特異的なメチル化領域(differentially methylated regions、DMRs)を確認するため、経験ベイズt-テスト(empirical Bayes t-test)であるLimma(Linear Models for Microarray Data)法を用いて、グループ間の統計的に有意なメチル化差を見せる遺伝子部位を確認した。
Limma法は、グループの間の差を確認する多くのメチル化統計分析法の中で、外れ値(outlier)に受ける影響が最も少ないことが知られている。したがって、一部サンプルの非正常的測定値からの影響が少なく、癌特異的マーカーを探索するのに好適な方法である。本実験では、Limma法を通じて導出された、補正されたp値(adjusted p-value)値が少ないほど、2つのグループの間に有意なメチル化差があると判断した。
特に、腫瘍特異的メチル化領域探索のために、腫瘍と非腫瘍グループの間の有意なベータ値の差がある遺伝子領域のうち、腫瘍組織において非腫瘍組織よりさらに高いメチル化を示す領域を、癌特異的バイオマーカー候補として選定した。
その結果、2個のdatasetそれぞれにおいて、Limmaの分析結果が非腫瘍グループに比べて、腫瘍グループの間で比較したときに有意に低いp値(一番低いP値を有する上位10%)と、グループ間でベータ値0.2以上の大きい差とを有する遺伝子領域を、腫瘍特異的過剰メチル化領域(hypermethyalted regions)として選別した。これを通じて、略45万個の遺伝子領域のうちで、両方のdatasetで共通して腫瘍特異的過剰メチル化を見せる3878個の遺伝子領域を、バイオマーカー候補として選別した。
実施例2:大腸癌特異的過剰メチル化遺伝子選別
実施例1で確認したバイオマーカー3878個の遺伝子領域において、大腸癌以外の腫瘍における各対応領域のメチル化水準を確認して比較し、バイオマーカーのうちで大腸癌又は大腸腺腫に特異的な遺伝子領域を見出した。公共の癌遺伝子データベースであるTCGA(The Cancer Genome Atlas)のDNA methylation 450k array試験結果を分析し、32種の癌型(cancer type)に対応する遺伝子領域メチル化情報を確認することができた。このうち、大腸癌及び直腸癌以外の30種の癌と比較して、結腸癌、直腸癌、又は大腸腺腫で有意に高いベータ値を示す遺伝子領域を確認した結果、3878個の遺伝子領域のうちで、GLRB遺伝子の遺伝子領域が、結腸癌、直腸癌、又は大腸腺腫において特異的メチル化が発生することを確認することができた。
前記遺伝子に対する腫瘍組織(tumor tissue:大腸癌の癌組織)及び非腫瘍組織(non-tumor tissue、正常組織を含んだ癌組織以外の組織)に対するマイクロアレイ試験を通じた遺伝子のメチル化水準は、図1に示すとおりである。メチル化水準は、試験を通じて導出された各プローブの結果をベータ値(beta value)で示しており、ベータ値は0から1までの値を有し、1に近いほど対応する遺伝子領域のメチル化水準が高いと判断した。
一方、結腸癌、直腸癌、又は大腸腺腫の腫瘍組織と、非腫瘍組織とを比較したときにメチル化差が観察される遺伝子領域の場合、結腸癌、直腸癌、又は大腸腺腫以外の他の癌に対してもメチル化が発生されることがある。すなわち、結腸癌、直腸癌、又は大腸腺腫特異的メチル化は確認されなかった。
例えば、OPLAH(5-oxoprolinase、ATP-hydrolysing)遺伝子の場合、実施例1で確認した3878個の遺伝子領域のうちで最大の腫瘍組織と非腫瘍組織との間のメチル化差が確認された領域のうちで一つであったが、図5からわかるように、急性骨髄性白血病(Acute Myeloid Leukemia)、眼球黒色腫(Ocular melanomas)、茶色細胞腫瘍/副腎結節腫(Pheochromocytoma&paraganglioma)、胸腺腫(Thymoma)、甲状腺癌(Thyroidcancer)などを除いたすべての種類の癌種において高いメチル化が発生することを確認した。
前記32種の癌は次のとおりである:急性骨髄性白血病(Acute Myeloid Leukemia)、副腎皮質癌(Adrenocortical cancer)、胆管癌(Bile Duct cancer)、乳房癌(Breast cancer)、子宮頸部癌(Cervical Cancer)、結腸癌(Coloncancer)、子宮内膜癌(Endometrioid Cancer)、食道癌(Esophageal Cancer)、膠芽細胞腫(Glioblastoma)、頭頸部癌(Head and neck cancer)、嫌色素性腎細胞癌(Kidney chromophobe)、腎細胞癌(Kidney Clear cell carcinoma)、乳頭状腎細胞癌腫 (Kidney Papillary cell carcinoma)、肝臓癌(Liver cancer)、低悪性度神経膠腫(Lower Grade Glioma)、肺腺癌(Lung adenocarcinoma)、黒色腫(Melanoma)、中皮腫(Mesothelioma)、眼球黒色腫(Ocular melanomas)、卵巣癌(Ovarian cancer)、膵臓癌(Pancreatic cancer)、茶色細胞腫瘍/副腎結節腫(Pheochromocytoma&paraganglioma)、前立腺癌(Prostate cancer)、直腸癌(Rectal cancer)、肉腫(Sarcoma)、胃癌(Stomach cancer)、睾丸癌(Testicular cancer)、胸腺腫(Thymoma)、甲状腺癌(Thyroid cancer)、子宮肉腫(Uterine carcinosarcoma)。
このような遺伝子領域のうちで、対応する領域が偽遺伝子(pseudogene)ではなく、CpGアイランド(CpG island)部位に存在し、遺伝子の転写開始部位(transcription start site、TSS)から+/-2000塩基(base)(2kb)の間に選別された遺伝子領域にあり、常染色体(autosome)に存在する場合に、大腸癌特異的過剰メチル化遺伝子として選別した。その結果、下記表3のように、1個の遺伝子が選別された(図1参照)。
Figure 2023521799000004
実施例3:細胞株において選別された遺伝子の大腸癌特異性の確認
選別されたGLRB遺伝子が、他の癌と区別される大腸癌又は直腸癌特異的なメチル化を示すかを確認するために、公共データベースを活用して、大きく14個の組織に由来する1022個の癌細胞株(cancer cell lines)におけるメチル化パターンを分析した。対応するデータは、製造社の標準化されたメチル化分析試験手順に従って、各細胞株から抽出したDNAをInfinium Human Methylation 450 Beadchip microarray試験した結果である。
遂行された試験の結果値は、実施例1と同様に、略45万個のプローブを通じて遺伝子メチル化水準を測定して、各プローブのメチル化値はベータ値で提示される。ベータ値は0から1までの値を有し、1に近いほど対応する遺伝子領域のメチル化水準が高いと判断する。
前記14個の組織は次のとおりである:呼吸消化管(aerodigestive tract)、血液(blood)、骨(bone)、乳房(breast)、消化器系統(digestive system)、腎臓(kidney)、肺(lung)、神経系(nervoussystem)、膵臓(pancreas)、肌(skin)、軟部組織(soft tissue)、甲状腺(thyroid)、泌尿生殖器系(urogenital system)、その他の組織(other tissue)。
選別されたGLRB遺伝子の結腸癌、直腸癌、又は大腸腺腫特異的メチル化を確認するために、1022個の細胞株に由来するメチル化データは、大きく大腸癌細胞株グループ(n=51)と非大腸癌細胞株グループ(n=971)で分類した。
分類された二つのグループの間の差別的なメチル化領域(differentially methylated regions、DMRs)を確認するため、経験ベイズt-テスト(empirical Bayes t-test)であるLimma(Linear Models for Microarray Data)法を用いて、グループ間の統計的に有意なメチル化差を示す遺伝子領域を確認した。
Figure 2023521799000005
細胞株を使った分析でも、GLRB遺伝子は、他の癌細胞株に比べて結腸癌、直腸癌細胞株において確実に低い調整されたp値(adjusted p-value)を有しており、大腸癌特異的ということが確認された。
実施例4:結腸癌、直腸癌、又は大腸腺腫診断マーカー候補の診断性能評価
選別された遺伝子の大腸癌における診断マーカーとしての有用性を確認するために、メチル化水準による大腸癌診断の正確さを評価した。
診断の正確さを評価するため、感度(sensitivity)と特異度(specificity)を使用する。連続的な診断検査測定値の実行可能なカットオフ値(cut-off value)に対する感度と特異度の値の計算を通じて、カットオフ値による感度と特異度の変化を提示するROC(Receiver Operating Characteristic)曲線を示すことができる。診断の正確さは、ROC曲線の下の面積(area under the ROC curve、AUC)によって測定することができる。AUC値は、0.5から1間の値を有し、その値が大きいほど診断正確さが高いと評価する。仮に、AUC値が1ならば、診断結果が完壁に正確な検査であることを意味するが、0.5の場合は、無作為結果と等しいと判断する。
選別された遺伝子を利用した非腫瘍組織と腫瘍組織との間のメチル化水準による癌分類の正確さを、収集されたメチル化データセットを利用して分析した結果、図2のように、すべての選別された遺伝子は、0.920以上のAUC(Area Under Curve)値を有しており、高い診断正確さを示し、選別された遺伝子が大腸癌診断に有用なことを確認した。
実施例5:選別された遺伝子の腺腫(adenoma)でのメチル化確認
腺腫(adenoma)は、大腸癌に進行する前段階の疾患で、大部分の大腸癌は、腺腫から発生する。したがって、早い腺腫の発見は、大腸癌の早期診断のために必須である。先行研究を通じて選別された過剰メチル化バイオマーカーが、腺腫においても過剰メチル化の特徴が現われるかを確認するために、大腸癌(colorectal cancer)の腫瘍組織64個、大腸腺腫(colorectal adenoma)組織42個、非腫瘍(non-tumor)組織41個から選別された遺伝子の過剰メチル化特性を評価した。
Human Methylation 450 Beadchip microarray試験を通じて導出されたメチル化データを分析した結果、図4に示すように、選別された遺伝子は、非腫瘍組織と比較した有意な過剰メチル化の特性が、大腸癌だけでなく、大腸腺腫でも等しい様相で現われるということを確認することができた。
このような結果から、選別された遺伝子が大腸癌のみならず、大腸腺腫の診断にも活用されることができることが分かった。
実施例6:選別された遺伝子の組織でのqMSP基盤メチル化測定
癌組織においてGLRB遺伝子の大腸癌及び腺腫特異的メチル化を確認するために、メチル化特異的PCR(quantitative methylation specific PCR、qMSP)法を利用して、癌組織と非癌組織との間のメチル化差を測定した。このために12名の大腸癌患者と4名の腺腫患者について、癌組織と癌周辺組織の組からゲノムDNAを分離し、バイサルファイト処理をした後、一般化されたqMSP法によって、GLRB特異的遺伝子領域の増幅及びメチル化水準を観察した。
また、バイサルファイトで修飾されて増幅される遺伝子領域に特異的に結合し、メチル化して対応する領域の増幅された値を標準化することに関与しないACTB遺伝子を使った。
前記バイサルファイトで修飾されたDNAをPCRで増幅させたメチル化水準は、内部基準(internal control)として用いたACTBのCt(Cycle of throshold)値で補正した値であるΔCtで示す。ΔCtは次のように定義される:
ΔCt=ACTB遺伝子のCt値-検出対象遺伝子のCt値
図5に示されるように、GLRB遺伝子のメチル化は、癌周辺正常組織と比べて、大腸癌組織において、病期と関係なく相対的に高いΔCt値を有し、特に、前癌段階である腺腫(Adenoma)で非常に高いΔCt値を示し、大腸癌及び大腸腺腫でGLRB遺伝子が過剰メチル化(hypermethylation)されたことを確認することができた。これは、選別されたGLRB遺伝子のメチル化が、大腸癌の診断、特に、早期診断のバイオマーカーとして効果的であることを実際に示す結果である。
このような結果から、選別された遺伝子が、大腸癌のみならず、大腸腺腫の診断にも活用されることができることが分かった。
実施例7:組織における選別された遺伝子のデジタルPCR基盤メチル化測定
一般なリアルタイムPCR法と比較してすぐれた検出感度を示すデジタルPCR法を利用して、癌組織と非癌組織との間のメチル化差を測定した。このために16名の大腸癌患者と5名の腺腫患者について、癌組織と癌周辺組織との組(病期別4組)からゲノムDNAを分離し、バイサルファイト処理した後、ドロップレットデジタルPCR(Droplet digital PCR、ddPCR)法を利用して、GLRB特異的遺伝子領域の増幅及びメチル化水準を観察した。
バイサルファイトによる遺伝子領域の修飾と、PCRを利用した遺伝子領域増幅の対照群(internal control)は、ACTB遺伝子を使った。
前記バイサルファイトに転換されたcfDNAをddPCRで増幅させたメチル化水準を、コピー数で算出した
図7からわかるように、GLRB遺伝子のメチル化は、癌周辺正常組織と比べて、大腸癌組織において病期と関係なく相対的に高いコピー数を有し、特に、前癌段階である腺腫で非常に高いコピー数を示し、リアルタイムPCRを利用した結果のように、大腸癌及び大腸腺腫でGLRB遺伝子が過剰メチル化(Hypermethylation)されたことを確認することができた。これは選別されたGLRB遺伝子のメチル化をリアルタイムPCRのみならずデジタルPCR法でも効果的に検出することができることを示す結果である。
このような結果で、選別された遺伝子が多様な分子生物学的技法を利用して診断することができることが分かった。
実施例8:血漿におけるデジタルPCR基盤メチル化測定
血液検体における大腸癌の特異的メチル化を確認するために、ddPCR法を利用して、大腸癌患者と正常な人のメチル化差を測定した。このために10個の大腸癌患者の血漿検体と正常な人の血漿検体とを収集して、セルフリーDNA(Cell-free DNA、cfDNA)を分離し、バイサルファイト処理した後、ddPCR法によってGLRB特異的遺伝子領域の増幅及びメチル化水準を観察した。
図8からわかるように、GLRB遺伝子のメチル化は、正常な人の血漿検体と比べて、大腸癌患者の血漿検体において高いメチル化水準を見せ、100%の正確さで測定することができることが示された。これは選別されたGLRB遺伝子のメチル化が、組織だけではなく、血液基盤の大腸癌の診断に効果的であることを示す結果である。
以上詳述したように、GLRB遺伝子のCpG部位過剰メチル化は、結腸癌、直腸癌、又は大腸腺腫において特異的に現われるので、本発明による組成物、キット、チップ、又は方法を利用して、結腸癌、直腸癌、又は大腸腺腫を正確で速やかに診断することだけではなく、早期に診断することができる。

Claims (12)

  1. GLRB遺伝子のCpG部位のメチル化水準の測定剤を含む、結腸癌、直腸癌、又は大腸腺腫診断用組成物。
  2. 前記CpG部位が、前記遺伝子の転写開始部位から+/-2000塩基(2kb)の間に位置することを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記遺伝子のCpG部位のメチル化水準の測定剤が、非メチル化シトシン塩基を修飾する化合物、又はメチル化シトシン塩基を修飾する化合物;
    前記GLRB遺伝子のCpG部位のメチル化された配列に特異的なプライマー;及び
    非メチル化配列に特異的なプライマーからなる群から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
  4. 前記非メチル化シトシン塩基を修飾する化合物が、バイサルファイト(bisulfite)又はその塩であり、前記メチル化シトシン塩基を修飾する化合物が、TETタンパク質であることを特徴とする、請求項3に記載の組成物。
  5. 前記メチル化水準を測定する方法が、バイサルファイトフリー(bisulfite-free)検出法、メチル化特異的ポリメラーゼ連鎖反応(methylation-specific polymerase chain reaction)、リアルタイムメチル化特異的ポリメラーゼ連鎖反応(real time methylation-specific polymerase chain reaction)、メチル化DNA特異的結合タンパク質又はメチル化感受性制限酵素を利用したPCR、定量PCR、パイロシーケンシング、バイサルファイトシーケンシング、及び次世代シーケンシング(Next Generation Sequencing, NGS)からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
  6. GLRB遺伝子のCpG部位を含む断片を増幅するためのプライマーペアを含む、結腸癌、直腸癌、又は大腸腺腫診断用キット。
  7. GLRB遺伝子のCpG部位を含む断片とハイブリダイズ(hybridization)できるプローブが固定されている、結腸癌、直腸癌、又は大腸腺腫診断用核酸チップ。
  8. 結腸癌、直腸癌、又は大腸腺腫発生が疑われる患者の試料からGLRB遺伝子のCpG部位のメチル化水準を測定する段階と、
    測定された前記メチル化水準を基準として、結腸癌、直腸癌、又は大腸腺腫の有無を判断する段階と、を含む、結腸癌、直腸癌、又は大腸腺腫診断のための情報を提供する方法。
  9. 前記メチル化水準を測定する方法が、バイサルファイトフリー(bisulfite-free)検出法、メチル化特異的ポリメラーゼ連鎖反応(methylation-specific polymerase chain reaction)、リアルタイムメチル化特異的ポリメラーゼ連鎖反応(real time methylation-specific polymerase chain reaction)、メチル化DNA特異的結合タンパク質又はメチル化感受性制限酵素を利用したPCR、定量PCR、パイロシーケンシング及びバイサルファイトシーケンシング、及び次世代シーケンシング(Next Generation Sequencing, NGS)からなる群から選択されることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
  10. 前記試料が、組織、細胞、血液、血漿、血清、大便、及び小便からなる群から選択されることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
  11. 結腸癌、直腸癌、又は大腸腺腫診断用製剤を製造するための、GLRB遺伝子のCpG部位のメチル化水準の測定剤の使用。
  12. a)個体から試料を取得する段階と、
    b)前記試料からGLRB遺伝子のCpG部位のメチル化水準を測定する段階と、
    c)測定された前記メチル化水準を基準として、結腸癌、直腸癌、又は大腸腺腫の有無を判断する段階と、を含む結腸癌、直腸癌、又は大腸腺腫診断方法。

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