JP2023519516A - 選択的gip受容体アゴニストとしてのペプチド - Google Patents

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Abstract

本出願は、GIP受容体選択性を有するペプチドアゴニストとその医学的使用、例えば、糖尿病、肥満、及び高血糖症を含むメタボリックシンドローム障害の治療、ならびに吐き気と嘔吐に関連する疾患の治療のための医学的使用に関する。

Description

本出願は、選択的GIP受容体アゴニストとしての新規ペプチド化合物及びその医学的使用、例えば、糖尿病、肥満、及び高血糖症を含むメタボリックシンドローム障害の治療、ならびに吐き気と嘔吐に関連する疾患の治療のための使用に関する。本願の化合物は、構造的にエキセンジン-4(exendin-4)から誘導され、生理学的条件下及びm-クレゾールまたはフェノールなどの抗菌(微生物)防腐剤の存在下の両方で高い溶解性及び安定性を示し、これにより、他の抗糖尿病化合物との組み合わせに特に適している。エキセンジン-4ペプチド類似体は、GIP受容体に対する高いインビトロ効力を示し、他のGPCRsに対する優れた選択性を有し、好ましい物理化学的特性、改善された薬物動態特性、及び関連する動物モデルにおける有益なインビボ効果がある。
GIPとGLP-1は2つの腸内分泌細胞由来のホルモンであり、インクレチンの作用に寄与し、経口ブドウ糖負荷に反応するインスリンの70%超えを占める(Baggio et al,Gastroenterology 2007,132,2131)。
GIP(グルコース依存性インスリン分泌性ポリペプチド)は、hGIPまたはhGIP(1-42)とも呼ばれ、食物摂取後に腸のK細胞から放出される42アミノ酸のペプチドである。
GIPのアミノ酸配列は配列番号1に示される。
N-YAEGTFISDYSIAMDKIHQQDFVNWLLAQKGKKNDWKHNITQ-OH
GIPとその類似体は、ベータ細胞からのグルコース依存性インスリン分泌を生成し、それによって低血糖のリスクなしにグルコース制御作用を発揮する。GIPは、膵島への直接的な影響により血糖調節作用を示す(Taminato et al.,Diabetes 1977,26,480;Adrianet al.,Diabetologia 1978,14,413;Lupi et al.,Regul Pept 2010,165,129)。さらに、GIP類似体は、正常なヒト及び糖尿病患者のアルファ細胞からグルカゴン分泌を生成する(Chia et al.,Diabetes 2009,58,1342;Christensen et al.,Diabetes 2011,60,3103)。この効果は、低血糖に対する認識が不足している糖尿病患者の低血糖のリスクをさらに低下させる可能性がある。前臨床モデルでは、GIPペプチドは骨と神経保護に有益な効果があることも示されており、ヒトに転化される場合、これらの効果は高齢の糖尿病患者に価値がある可能性がある(Ding et al,J Bone Miner Res 2008,23,536;Verma et al,Expert Opin Ther Targets 2018,22,615;Christensen et al,J Clin Endocrinol Metab 2018,103,288)。さらに、前臨床データは、前臨床動物モデルでは、GIPが制吐効果を持ち、吐き気と嘔吐を誘発するメカニズム(例えば、PYY)によって引き起こされる嘔吐を防ぐことができることを示している(US2018/0298070)。
GLP-1(グルカゴン様ペプチド1)は、腸上皮の内分泌L細胞によって産生される30アミノ酸のペプチドである。
GLP-1(7-36)-アミドのアミノ酸配列は配列番号2に示される。
N-HAEGTFTSDVSSYLEGQAAKEFIAWLVKGR-NH
Holst(Physiol.Rev.2007,87,1409)及びMeier(Nat.Rev.Endocrinol.2012,8,728)は、GLP-1受容体アゴニストが、空腹時及び食後の血糖値(FPG及びPPG)レベルを低下させることにより、2型糖尿病(T2DM)患者の血糖コントロールを改善することを指摘した。
エキセンジン-4(Exendin-4)(配列番号3)は、アメリカドクトカゲ(Gila monster)(ヘロデルマ・サスペクタム、Heloderma suspectum)の唾液腺によって産生される39アミノ酸のペプチドである。エキセンジン-4はGLP-1受容体の活性化因子であるが、GIP受容体に対して非常に低い活性化のみを示し、グルカゴン受容体を活性化しない(Finan et al,Sci.Transl.Med.2013,5(209),151)。
エキセンジン-4のアミノ酸配列は配列番号3に示される。
N-HGEGTFTSDLSKQMEEEAVRLFIEWLKNGGPSSGAPPPS-NH
エキセンジン-4は、GLP-1(GLP-1(7-36)アミド:配列番号:2)で観察される血糖調節効果の多くを共有する。臨床的及び非臨床的研究により、エキセンジン-4には、インスリン合成及び分泌のグルコース依存性の増強、グルカゴン分泌のグルコース依存性の阻害、胃内容排出の遅延、食物摂取量及び体重の減少、ベータ細胞数及びベータ細胞機能のマーカーの増加など、いくつかの有益な抗糖尿病特性があることが示されている。
これらの効果は、糖尿病患者だけでなく、肥満患者にも有益である。肥満患者は、糖尿病、高血圧、高脂血症、心血管及び筋骨格障害のリスクがより高い。
GLP-1、グルカゴン、及びオキシントモジュリンと比較して、エキセンジン-4は、溶液中及び生理学的条件下での溶解性及び安定性(DPP4またはNEPなどの酵素による分解に対する酵素安定性を含む)などの有益な物理化学的特性を持っているため、インビボでの作用持続時間が長くなる。
それにもかかわらず、エキセンジン-4は、14位でのメチオニンの酸化(Hargrove et al.,Regul.Pept.2007,141,113)及び28位でのアスパラギンの脱アミド化および異性化の役割により、化学的に不安定であることが示されている(WO2004/035623A2)。したがって、14位のメチオニンを置換し、アスパラギン形成による分解を受けやすいことが知られている配列(特に28位と29位のAsp-GlyまたはAsn-Gly)を避けることにより、安定性を向上させることができる。
GLP-1とGIP受容体の共活性化
GLP-1とGIP受容体の二重活性化は、例えば、GLP-1とGIPの効果を1つの製剤で組み合わせることによって、市販のGLP-1アゴニストであるリラグルチドと比較してT2DMと肥満マウスにおける血糖値の低下、インスリン分泌の増加、及び体重の減少をもたらす治療原理が報告されている(例えば、Gault et al,Clin Sci(Lond)2011,121,107)。これをヒトに転化する場合、この効果は、肥満や代謝障害の治療に役立つ可能性がある。ネイティブGLP-1とGIPは、同時注入後にヒトで相加的に相互作用し、GLP-1単独と比較して有意に増加したインスリン分泌促進効果を有することが示された(Nauck et al.,J.Clin.Endocrinol.Metab.1993,76,912)。
Finanら(Sci.Transl.Med.2013,5,151)、Friasら(Cell Metab.2017,26,343)、Portronら(Diabetes Obes.Metab.2017,19,1446)及びCoskunら(Mol.Metab.2018,18,3)は、GLP-1とGIPの作用を1つの分子で組み合わせることによる、GLP-1とGIP受容体のデュアルアゴニストについて説明している。とりわけ、これは、GIP受容体によって媒介されるインスリン分泌の増加により、抗糖尿病効果、体重減少、及び、純粋なGLP-1アゴニストよりも有意に優れた血糖降下効果を有する治療原理につながる。
エキセンジン-4の類似体として設計され、脂肪酸側鎖で置換されたGLP-1受容体及びGIP受容体のデュアルペプチドアゴニストは、特許出願WO2014/096145A1、WO2014/096150A1、WO2014/096149A1及びWO2014/096148A1、ならびに特許出願WO2011/119657A1、WO2016/111971A1、WO2016/131893A1、WO2020/023386A1に記載されている。エキセンジン-4に基づき、遺伝的にコードされていないアミノ酸によって安定化されたGLP-1及びGIP受容体アゴニストも、特許出願WO2015/086730A1、WO2015/086729A1及びWO2015/086728A1に記載されている。
特異的GIP受容体アゴニスト
前臨床モデルでは、GIP受容体アゴニストは、GLP-1類似体と同時投与した場合、血糖コントロールと体重減少に対する選択的GLP-1Rアゴニストの有効性を高めることができる。GIP受容体とGLP-1受容体の活性化の理想的な比率を決定できるようにするため、例えば、患者の体重減少に対する最大の効果を達成するため、及び対応するGPCR受容体アゴニストの理想的な用量で患者を治療するために、GIP受容体を選択的に活性化する化合物が必要である。
GIP受容体に対する親和性が高く、GIP受容体に対するアゴニスト活性が高いが、GLP-1受容体に対する親和性が低下し、物理化学的特性が良好で半減期が延長されたペプチドを見つける試みがなされてきた。GIP自体は水溶液中で凝集及び線維化する傾向があり、半減期はわずか2分と非常に短い(Meier et al.,Diabetes 2004,53,654)。
遺伝的にコードされていないアミノ酸及び/または脂質側鎖の置換によって安定化された特異的GIP受容体アゴニストは、TatarkiewiczらのDiabetes Obes.Metab.2014,16,75に記載されている。特定の脂質側鎖の置換による拡張された活性スペクトルを有するGIP受容体アゴニスト、及び治療薬としてのそれらの使用は、WO2012/055770及びWO2018/181864に記載されている。天然のヒトGIP配列に基づくGIP受容体アゴニストは、WO2019/211451などの特許出願に開示されている。エキセンジン-4配列に基づくGIP受容体アゴニスト及びそれらの潜在的な医療用途は、Piotr A. Mroz et al.,Molecular Metabolism,vol.20,2018,51-62及びWO2016/066744A2などの特許出願に開示されている。
しかしながら、GLP-1受容体とは対照的に、GIP受容体結合に対する高い選択性がこれらのペプチドで達成されたことは開示されていない。GIP受容体の非常に高い活性化を達成するには、高用量のGIPペプチドを投与する必要がある。高用量では、GLP-1受容体に対する結合親和性が低下しない場合、GLP-1受容体に対するこれらのペプチドの拮抗作用を排除することはできない。
したがって、可溶性が高く、溶液中で安定であり、インビボ半減期が長い、選択性が高く、GIP受容体選択性が高いペプチドアゴニストが依然として必要とされている。
本願の発明者らは、驚くべきことに、GLP-1受容体と比較して、本願のペプチドがGIP受容体に対して高い結合選択性を有し、GIP受容体を選択的に活性化し、高い溶解性などの良好な物理化学的特性、及び、m-クレゾールやフェノールなどの抗菌防腐剤の有無にかかわらず、水溶液中での化学的及び物理的安定性を有することを発見した。さらに、本願のペプチドは、血糖降下活性及び延長したインビボ半減期を有する。
第1の態様では、本願のペプチドは、高い親和性でGIP受容体に結合する。別の態様では、本願のペプチドは、GLP-1受容体への結合と比較して、少なくとも100倍の差(split)でGIP受容体に選択的に結合する。
別の態様では、本願のペプチドは、GIP受容体を活性化する。さらに別の態様では、本願のペプチドは、GLP-1受容体よりもGIP受容体を活性化する能力が高く、少なくとも1000倍の差がある。
さらに、本願のペプチドは、改善したインビボ薬物動態プロファイルを有する。
また、本願のペプチドは、水溶液中で改善された物理的及び/または化学的安定性を有する。
さらに、本願のペプチドは、単独で、またはGLP-1受容体アゴニストと組み合わせて、インビボで活性である。
ポリペプチド化合物を糖尿病、肥満、メタボリックシンドローム及び他の適応症の治療薬として使用する場合の関連する問題は、インビボ半減期が限られていることである。したがって、ペプチド配列は、遺伝子にコードされていないアミノ酸を導入してプロテアーゼに対する安定性を高めることによって安定化され、及び/または脂肪酸側鎖で置換されて血漿タンパク質(アルブミンなど)との相互作用を可能にし、血漿中の滞留時間を延長し、及び/または循環中の活性化合物の持続的なレベルを可能にするためにデポ製剤の形態で投与される。
したがって、新しい治療薬分子の開発では、改善された薬学的特性、特にプロテアーゼに対する安定性の向上、及び/または化学的または物理的安定性の向上、及び/またはインビボ半減期の延長、及び/またはインビボでの効力/有効性の増加を有する変異体が必要である。
さらに、追加の血糖降下療法、特にフェノール系防腐剤の存在下で有益な物理化学的特性も示す治療薬の使用も必要である。
また、GLP-1に基づく治療の一般的な胃腸の副作用(すなわち、吐き気及び嘔吐)を回避または軽減する血糖降下治療の必要性が依然として存在し、それによって強力で忍容性の高い血糖降下効果を達成する。
以上で引用した先行技術は、生理的pHで調製されたGIP受容体に対するペプチドアゴニストを開示している。本出願の発明者らは、驚くべきことに、本出願の化合物が、高い溶解性及び良好な化学的及び物理的安定性、GIP受容体への高い結合活性、GLP-1受容体と比較して高い選択性、長い半減期、及び良好な生体内活性など、フェノール系防腐剤の存在下でも好ましい物理化学的特性を示すことを見出した。
天然のエキセンジン-4は、グルカゴン受容体に対する活性がなく、GIP受容体に対する活性が非常に低い純粋なGLP-1受容体アゴニストである。本願の化合物は、天然のエキセンジン-4の構造に基づくが、配列番号3と比較して16箇所が異なる。これらの違いは、GIP受容体に対するアゴニスト活性の増強、GLP-1受容体に対する親和性の減衰、及びGLP-1受容体に対するアゴニスト活性の無効化に寄与する。
本願の化合物の特徴的な構造モチーフは、位置1Tyr、位置2Aib、位置7Ile、位置10Leu、位置12Ile、位置13Aib、位置15Asp、位置16Arg、位置17Ile、位置18His、位置19Gln、位置20GluまたはAib、位置27Leu、位置28Ala及び位置29Glnである。
他の置換では、14位のメチオニンが、側鎖に-NH基を持つアミノ酸に置き換えられ、このアミノ酸はさらに親油性残基(例えば、リンカー結合脂肪酸)に置き換えられる。1位でTyr、2位でAib、7位でIle、12位でIle、13位でAib、15位でAsp、16位でArg、17位でIle、18位でHis、19位でGln、20位でGluまたはAib、及び27位でLeu、28位でAla、及び29位でGlnによる、1、2、7、12、13、15、16、17、18、19、20、及び27、28、29位のエキセンジン-4アミノ酸の追加置換は、GIP受容体に対して高い活性を持つが、GLP-1受容体に対してはアゴニスト活性を持たないペプチドを提供する。
通常、天然のヒトGIPホルモン(配列番号:1)の連続的なストレッチを組み込むと、10~13位のTyr-Ser-Ile-Ala及び16~19位のLys-Ile-His-Glnなど、GIP受容体アゴニスト活性が高いペプチドが得られる。これにより、ペプチドの物理的安定性が低下し、ThT結合アッセイでフィブリル化が発生する可能性がある(「方法」セクションで説明)。驚くべきことに、10、13、16、20、及び21位に天然のGIPホルモン由来のアミノ酸を含まない本願のペプチドは、各実施例に示されたように、非常に高いGIP受容体アゴニズム及び良好な溶解性を有し、化学的及び物理的に安定であり、フェノール系防腐剤の存在下でもそうであることが見出された。
したがって、本願は、GIP受容体アゴニスト活性のみを有する新規のエキセンジン-4由来ペプチドを提供する。本願のペプチドは、フェノール系抗菌防腐剤の存在下でも、生理的pH(例えば、pH7.4)で高い化学的安定性、溶解性、及び物理的安定性を示す。また、係るペプチドの医学的使用も提供される。
本願は、式Iの化合物:
-HN-Tyr-Aib-Glu-Gly-Thr-Phe-lle-Ser-Asp-Leu-Ser-lle-Aib-X14-Asp-Arg-lle-His-Gln-X20-Glu-Phe-lle-Glu-Trp-Leu-Leu-Ala-Gln-Gly-Pro-Ser-Ser-Gly-Ala-Pro-Pro-Pro-Ser-R
式中、
はHまたはC~Cアルキル基であり、
X14はLysを表し、ここで、-NH側鎖基は-Z1-Z2-C(O)-Rによって官能化されており、ここで、
-Z1-Z2は、すべての立体異性体形態のリンカーを表し、
は、最大70個の炭素原子と、N及びOから選択されるヘテロ原子とを含む部分であり、
X20は、Glu及びAibから選ばれるアミノ酸残基を表し、
はNHまたはOHである、
前記化合物、またはその塩もしくは溶媒和物に係る。
-NH側鎖基を有するLys残基は官能化され、-NH側鎖基の少なくとも1つのH原子は-Z1-Z2-C(O)-Rで置換されており、ここで、
は親油性部分、例えば、非環式直鎖状または分岐状(C~C30)飽和または不飽和炭化水素基であり、置換されていないか、または例えばハロゲン(F、Cl、Br、I)、-OH及び/または-COHで置換されており、
Z1-Z2は、すべての立体異性体形態のリンカーを含み、例えば、γ-グルタミン酸(gGlu)、グリシン(Gly)、N-メチル-グリシン(N-MeGly)、及び8-アミノ-3,6-ジオキサオクタン酸(AEEA)から選択される1~5個、好ましくは1つ、2つまたは3つのアミノ酸リンカー基を含む。
好ましい基Rは、置換されていないか、またはCOHで置換されている、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシルまたはノナデシルなどの非環式直鎖状または分岐状(C12~C20)飽和または不飽和炭化水素基などの親油性部分を含み、より好ましくは17-カルボキシ-ヘプタデカノイルまたは19-カルボキシノナデカノイルを含む。一実施形態では、アミノ酸リンカー基はAEEA-AEEA-gGluである。別の実施形態では、アミノ酸リンカー基はAEEA-AEEA-AEEA-gGluである。別の実施形態では、アミノ酸リンカー基はAEEA-AEEA-gGlu-gGluである。別の実施形態では、アミノ酸リンカー基はGly-Gly-Gly-gGluである。別の実施形態では、アミノ酸リンカー基は(N-MeGly)-(N-MeGly)-(N-MeGly)-gGluである。
本願の化合物はGIP活性を有する。この用語は、GIP受容体に結合し、インスリン分泌促進効果または当技術分野で知られている他の生理学的効果につながるシグナル伝達経路を開始する能力を指す。例えば、本願の化合物のGIP受容体親和性または活性は、本明細書の実施例10~12に示される方法及び結果に記載されるアッセイを使用して測定することができる。
本願の化合物は、「方法」(HEK細胞アゴニズム)に記載のアッセイ系において細胞内cAMP形成を刺激する能力を観察することによって決定される選択的GIP受容体アゴニストである。
別の実施形態によれば、本願の化合物、特に、14位で親油性残基によってさらに置換されたリジンを有する化合物は、アルブミンなしの実施例10に記載のそれぞれのアッセイ系-HEK細胞アゴニズムにおいて、アルブミンなしの実施例10の方法を用いて測定した場合、GIP受容体に対して少なくとも10pM(すなわちEC50≦10pM)、より好ましくは5pM(すなわちEC50≦5pM)、より好ましくは1pM(すなわちEC50≦1.0pM)、さらにより好ましくは0.36pM(すなわち、EC50≦0.36pM)の活性を示す。
さらに、本願の化合物は、「方法」に記載のアッセイ系において、ヒト脂肪細胞における細胞内cAMP形成を刺激できることを観察することによって決定されるGIP受容体アゴニストである。
別の実施形態によれば、本願の化合物、特に、14位で親油性残基によってさらに置換されたリジンを有する化合物は、実施例11に記載のそれぞれのアッセイ系-ヒト脂肪細胞アゴニズムにおいて、GIP受容体に対して、実施例11の方法を用いて測定された10nM(すなわち、EC50≦10nM)、より好ましくは8nM(すなわち、EC50≦8.0nM)、より好ましくは4.6nM(すなわち、EC50≦4.6nM)、さらにより好ましくは2nM(すなわち、EC50≦2.0nM)の活性を示す。
別の態様では、本願の化合物は、ヒトGLP-1受容体の活性化よりも、ヒトGIP受容体の活性化に対してより選択的である。
別の実施形態によれば、本願の化合物、特に、14位で親油性残基によってさらに置換されたリジンを有する化合物は、GLP-1受容体に対して活性がないか、または弱い活性を示し、アルブミンなしの実施例10に記載のそれぞれのアッセイ系-HEK細胞アゴニズムにおいて、実施例10の方法を用いて測定したEC50は、100pMを超え(すなわち、EC50>100pM)、より好ましくは1000pMを超え(すなわち、EC50>1000pM)、より好ましくは5000pMを超え(すなわち、EC50>5000pM)、さらに好ましくは10000pM(すなわち、EC50>10000pM)を超える。
本願の化合物は、「方法」に記載のアッセイ系においてGIP受容体から[125I]-GIPを置換できることを観察することによって決定されるように、GIP受容体に結合する。
実施例12の方法を用いて決定されるように、本願の化合物は、hGIP受容体に結合するIC50が、10nM以下(すなわち、IC50≦10nM)、より好ましくは8nM以下(すなわち、IC50≦8.0nM)、より好ましくは5nM以下(すなわちIC50≦5.0nM)、より好ましくは3.13nM以下(すなわちIC50≦3.13nM)、さらにより好ましくは1nM以下(すなわちIC50≦1.0nM)である。
さらに、本出願の化合物は、「方法」に記載のアッセイ系においてGLP-1受容体から[125I]GLP-1を置換できることを観察することによって決定されるように、GLP-1受容体のみに弱く結合する。
実施例12の方法を用いて決定されるように、本願の化合物は、hGLP-1受容体に弱く結合し、IC50が10nMを超え(すなわちIC50>10nM)、より好ましくは50nMを超え(すなわちIC50>50nM)、さらにより好ましくは100nMを超える(すなわち、IC50>100nM)。
別の態様では、本願の化合物は、ヒトGLP-1受容体への結合と比較して、ヒトGIP受容体への結合に選択的である。
本明細書で使用される「活性」という用語は、好ましくは、化合物がヒトGIP受容体またはヒトGLP-1受容体を活性化する能力、特にGIP受容体を選択的に活性化するがGLP-1受容体は活性化しない能力を指す。より好ましくは、本明細書で使用される「活性」という用語は、細胞内cAMP形成を刺激する化合物の能力を指す。本明細書で使用される「相対活性」という用語は、別の受容体アゴニストまたは別の受容体と比較して一定の比率で受容体を活性化する化合物の能力を指す。本明細書に記載されるアゴニストによる(例えば、cAMPレベルの測定による)受容体の活性化は、例えば、実施例に記載されるように決定される。場合によっては、「活性」ではなく「効力」または「インビトロ効力」という用語を参考することもある。したがって、「効力」は、細胞ベースのアッセイにおいてGLP-1またはGIP受容体を活性化する化合物の能力の尺度である。数値的には、「EC50値」または「EC50値」として表される。これは、化合物が濃度応答実験において応答(細胞内cAMP形成など)の最大増加の半分を誘発する有効濃度である。
別の特定の実施形態では、本願の誘導体は、ヒトGLP-1受容体を活性化することと比較して、GIP受容体を選択的に活性化することができる。GLP-1受容体に対するGIP受容体の活性化に関連して使用される場合、用語「選択性」は、例えば「方法」に記載のように、インビトロ受容体機能において測定されるGIP受容体に対する効力が、GLP-1受容体に対する効力よりも少なくとも10倍高く、例えば少なくとも50倍、少なくとも500倍、または少なくとも1000倍高い誘導体を指し、EC50値によって比較する。
アルブミンなしの実施例10の方法を用いて決定された本出願の化合物のhGIP受容体に対するEC50は、好ましくは10pM以下、好ましくは5pM以下、より好ましくは1pM以下、さらにより好ましくは0.36pM以下である。hGLP-1受容体における前記化合物のEC50は100pM以上、好ましくは1000pM以上、より好ましくは5000pM以上、さらに好ましくは10000pM以上である。hGLP-1受容体及びhGIP受容体のEC50は、本明細書の「方法」に記載されているように測定することができ、実施例10に記載の結果を得るために使用することができる。
式Iの化合物はGIP受容体に対して高い活性を示すが、GLP-1受容体に対しては活性を示さない。GIP受容体での高い活性は、血糖コントロールと体重減少の有効性を高め、GLP-1関連の副作用(胃腸障害など)の可能性を減らすことを目的としている。
本明細書で使用される「結合」という用語は、好ましくは、化合物がヒトGIP受容体またはヒトGLP-1受容体に結合する能力、特にGIP受容体に選択的に結合する能力を指す。場合によっては、「結合」の代わりに「親和性」という用語を使用することもある。より好ましくは、本明細書で使用される「結合」という用語は、結合アッセイにおいてそれぞれの受容体から放射性標識化合物を置換する化合物の能力を指し、例えば、「方法」に記載され、実施例に示されているように、GIP受容体から[125I]GIPを置換する能力を指す。数値的には、「IC50値」として表される。これは、用量応答実験で受容体から放射性標識化合物の半分を置換する化合物の有効濃度である。
hGIP受容体に対する本願の化合物のIC50は、好ましくは10nM以下、好ましくは8nM以下、より好ましくは5nM以下、より好ましくは3.13nM以下、さらにより好ましくは1nM以下である。GLP-1受容体に対するIC50は、10nM以上、好ましくは50nM以上、より好ましくは100nM以上である。hGLP-1受容体及びhGIP受容体のIC50は、本明細書の「方法」に記載のとおりに測定でき、実施例12に記載の結果を生成するために使用できる。
一実施形態では、本願の化合物は、生理学的pH、例えばpH6~8の生理学的範囲、特に25℃、pH7.0またはpH7.4の場合、高い溶解度を有し、別の実施形態では少なくとも1mg/mlであり、別の実施形態では、少なくとも5mg/mlであり、特定の実施形態では、少なくとも10mg/mlである。
一実施形態では、抗菌防腐剤(フェノールまたはm-クレゾールなど)の存在下、本願の化合物は、生理学的pH値、例えばpH6~8の生理学的範囲、特に25℃、pH7.0またはpH7.4の場合、高い溶解度を有し、別の実施形態では少なくとも1mg/mlであり、別の実施形態では少なくとも5mg/mlであり、特定の実施形態では少なくとも10mg/mlである。
さらに、本出願の化合物は、好ましくは、溶液中で保存されたときに高い化学的安定性を有する。安定性を決定するための好ましいアッセイ条件は、pH7~8、特にpH7.4の生理学的範囲で、25°Cまたは40°Cの溶液で28日間保存することである。本出願の化合物の安定性は、「方法」に記載のクロマトグラフィー分析によって決定する。好ましくは、40℃、pH7.4の溶液中で28日間保存した後、純度の損失は15%以下、より好ましくは10%以下、さらにより好ましくは8%以下である。
さらに、本出願の化合物は、好ましくは抗菌防腐剤(フェノールまたはm-クレゾールなど)の存在下で高い化学的安定性を有する。安定性を決定するための好ましいアッセイ条件は、pH7~8、特にpH7.4の生理学的範囲で、25°Cまたは40°Cの溶液で28日間保存することである。本出願の化合物の安定性は、「方法」に記載のクロマトグラフィー分析によって決定する。好ましくは、40℃、pH7.4の溶液中で28日間保存した後、純度の損失は15%以下、より好ましくは10%以下、さらにより好ましくは8%以下である。
さらに、本出願の化合物は、好ましくは、溶液中で保存されたときに高い物理的安定性を有する。安定性を決定するための好ましいアッセイ条件は、pH7~8、特にpH7.4の生理学的範囲で、25℃または40℃の溶液で28日間保存することである。
一実施形態では、蛍光プローブとしてチオフラビンTを使用する場合、3mg/mlの濃度の本出願の化合物は、「方法」に記載のThTアッセイによって測定されるように、例えば37℃、pH7~8、特にpH7.4の生理的範囲で、5時間を超え、より好ましくは10時間を超え、より好ましくは20時間を超え、より好ましくは30時間を超え、より好ましくは40時間を超え、さらにより好ましくは45時間を超えて蛍光強度の増加を示さない。
一実施形態では、蛍光プローブとしてチオフラビンTを使用し、かつ抗菌防腐剤(フェノールまたはm-クレゾールなど)の存在下で、3mg/mlの濃度の本出願の化合物は、「方法」に記載のThTアッセイによって測定されるように、例えば37℃、pH7~8、特にpH7.4の生理的範囲で、5時間を超え、より好ましくは10時間を超え、より好ましくは20時間を超え、より好ましくは30時間を超え、より好ましくは40時間を超え、さらにより好ましくは45時間を超えて蛍光強度の増加を示さない。
一実施形態では、本願の化合物は、中性エンドペプチダーゼ(NEP)及びジペプチジルペプチダーゼ-4(DPP4)による切断に対してより抵抗性であり、その結果、天然のGIPまたはエキセンジン-4と比較して、より長いインビボ半減期及び作用持続時間を有する。
一実施形態では、本願の化合物は、ヒトアルブミンに強く結合し、これによって、天然のヒトGIPと比較してより長いインビボ半減期及び作用持続時間をもたらす。
本願の化合物の薬物動態特性は、インビボ薬物動態(PK)試験で決定することができる。このような研究は、薬物化合物が体内でどのように吸収、分布、排泄されるか、及びこれらのプロセスが時間の経過とともに体内の化合物の濃度にどのように影響するかを評価するために実施される。医薬品開発の探索的及び前臨床段階では、マウス、ラット、サル、イヌ、ブタなどの動物モデルをこの特性評価に使用できる。これらのモデルのいずれかを使用して、本願の誘導体の薬物動態特性をテストできる。そのような研究では、通常、関連する製剤の形で単回用量の薬剤を静脈内(i.v.)または皮下(s.c.)で動物に投与する。
投与後の所定の時点で血液サンプルを採取し、関連する定量的アッセイによってサンプルの薬物濃度を分析する。これらの測定値に基づいて、研究される化合物の時間-血漿濃度曲線を描き、データに対して、いわゆる非コンパートメント薬物動態分析を行う。
一実施形態において、薬物動態プロファイル(薬物動態特性)は、例えば、本明細書の実施例13に記載されるように、ミニブタにおける静脈内(i.v.)または皮下(s.c.)投与後のインビボでの終末半減期(T1/2)として決定され得る。
特定の実施形態では、ミニブタにおける終末半減期は、少なくとも24時間、好ましくは少なくとも40時間、より好ましくは少なくとも60時間である。
一実施形態では、薬物動態プロファイルは、例えば、本明細書の実施例13に記載されるように、カニクイザルにおける静脈内(i.v.)または皮下(s.c.)投与後のインビボでの終末半減期(T1/2)として決定することができる。
特定の実施形態では、サルにおける終末半減期は、少なくとも24時間、好ましくは少なくとも40時間、より好ましくは少なくとも50時間である。
一実施形態では、本願の化合物は、単独で、またはGLP-1受容体アゴニストと組み合わせて、インビボで活性である。
耐糖能に対する本願の化合物の効果は、例えば本明細書の実施例14に記載のように、C57Bl/6マウスにおいて、経口または腹腔内(i.p.)耐糖能試験(oGTTまたはipGTT)を実施することにより、マウスのインビボ試験で決定することができる。これらの試験は、半絶食させた動物にグルコース負荷を経口または腹腔内(i.p)投与し、続いて血糖を測定することによって行う。マウスモデルを使用して、DIOマウスなどの体重、食物摂取、耐糖能への影響を評価することもできる。
一実施形態では、本願の化合物は、39個のアミノカルボン酸、特にペプチド(すなわち、カルボキサミド結合)によって連結されたα-アミノカルボン酸の直鎖配列であるペプチド部分を含む。
本願の一実施形態は、式Iの化合物:
-HN-Tyr-Aib-Glu-Gly-Thr-Phe-lle-Ser-Asp-Leu-Ser-lle-Aib-X14-Asp-Arg-lle-His-Gln-X20-Glu-Phe-lle-Glu-Trp-Leu-Leu-Ala-Gln-Gly-Pro-Ser-Ser-Gly-Ala-Pro-Pro-Pro-Ser-R
式中、
は、Hまたはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチルまたはtert-ブチルから選択され、
X14はLysを表し、ここで、-NH側鎖基は-Z1-Z2-C(O)-Rによって官能化されており、ここで、
-Z1-Z2は、すべての立体異性体形態のリンカーを表し、
は、最大70個の炭素原子と、N及びOから選択されるヘテロ原子とを含む部分であり、
X20は、Glu及びAibから選ばれるアミノ酸残基を表し、
はNHまたはOHである、
前記化合物、またはその塩もしくは溶媒和物である。
式Iの化合物の一実施形態では、RはHまたはメチルである。
式Iの化合物の一実施形態では、RはHである。
式Iの化合物の一実施形態では、Rはメチルである。
式Iの化合物の一実施形態では、RはNHまたはOHである。
式Iの化合物の一実施形態では、RはNHである。
式Iの化合物の一実施形態では、RはOHである。
別の実施形態は、式Iの化合物:
-HN-Tyr-Aib-Glu-Gly-Thr-Phe-lle-Ser-Asp-Leu-Ser-lle-Aib-X14-Asp-Arg-lle-His-Gln-X20-Glu-Phe-lle-Glu-Trp-Leu-Leu-Ala-Gln-Gly-Pro-Ser-Ser-Gly-Ala-Pro-Pro-Pro-Ser-R
式中、
はHまたはC~Cアルキル基であり、
X14はLysを表し、ここで、-NH側鎖基は-Z1-Z2-C(O)-Rによって官能化されており、ここで、
-Z1-Z2は、γ-グルタミン酸(gGlu)、グリシン(Gly)、N-メチル-グリシン(N-MeGly)、及び8-アミノ-3,6-ジオキサオクタン酸(AEEA)から選択される1~5個のアミノ酸リンカー基を含むすべての立体異性体形態のリンカーを表し、
は非環式直鎖状または分岐状(C~C30)飽和または不飽和炭化水素基であり、置換されていないか、ハロゲン、-OH及び/または-COHで置換されており、
X20は、Glu及びAibから選ばれるアミノ酸残基を表し、
はNHまたはOHである、
前記化合物、またはその塩もしくは溶媒和物に係る。
別の実施形態は、式Iの化合物に係り、ここで、
前記X14は、-NH側鎖基が-Z1-Z2-C(O)R基によって官能化されているLysを表し、ここで、
Z1は、AEEA、{AEEA}2、{AEEA}3、Gly、Gly-Gly、{Gly}3、N-MeGly、{N-MeGly}2、{N-MeGly}3から選ばれる基を表し、
Z2はgGluまたはgGlu-gGluから選択される基を表し、
前記Rは基-(CH2)x-COOHを表し、ここでxは15から22までの整数である。
別の実施形態は、式Iの化合物に係り、ここで、
前記X14は、-NH側鎖基が-Z1-Z2-C(O)R基によって官能化されているLysを表し、ここで、
Z1は、{AEEA}2、{AEEA}3、{Gly}3、{N-MeGly}3から選ばれる基を表し、
Z2はgGluまたはgGlu-gGluから選択される基を表し、
前記Rは基-(CH2)x-COOHを表し、ここでxは15から22までの整数である。
別の実施形態は、式Iの化合物に係り、ここで、
前記X14は、-NH側鎖基が-Z1-Z2-C(O)R基によって官能化されているLysを表し、ここで、
Z1は、AEEA、{AEEA}2、{AEEA}3、Gly、Gly-Gly、{Gly}3、N-MeGly、{N-MeGly}2、{N-MeGly}3から選ばれる基を表し、
Z2はgGluまたはgGlu-gGluから選択される基を表し、
前記Rは17-カルボキシ-1-オキソヘプタデシルまたは19-カルボキシ-1-オキソノナデシルを表す。
別の実施形態は、式Iの化合物に係り、ここで、
前記X14は、-NH側鎖基が-Z1-Z2-C(O)R基によって官能化されているLysを表し、ここで、
Z1は、{AEEA}2、{AEEA}3、{Gly}3、{N-MeGly}3から選ばれる基を表し、
Z2はgGluまたはgGlu-gGluから選択される基を表し、
前記Rは17-カルボキシ-1-オキソヘプタデシルまたは19-カルボキシ-1-オキソノナデシルを表す。
前記-Z1-Z2-C(O)R基の具体的な好ましい例を下記表1に示し、
[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル-/N-(17-カルボキシ-1-オキソヘプタデシル)-L-γ-グルタミル-2-[2-(2-アミノエトキシ)エトキシ]アセチル-2-[2-(2-アミノエトキシ)エトキシ]アセチル-、
[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)ブチリル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル-/N-(19-カルボキシ-1-オキソノナデシル)-L-γ-グルタミル-2-[2-(2-アミノエトキシ)エトキシ]アセチル-2-[2-(2-アミノエトキシ)エトキシ]アセチル-、
[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル-、
[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリル]アミノ]ブチリル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル-、
[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)ブチリル]アミノ]ブチリル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル-、
[2-[[2-[[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリル]アミノ]アセチル]アミノ]アセチル]アミノ]アセチル]-、
[2-[メチル-[2-[メチル-[2-[メチル-[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリル]アミノ]アセチル]アミノ]アセチル]アミノ]アセチル]-
から選択される。
さらに好ましいのは、立体異性体、特にこれらの基の鏡像異性体、S-またはR-鏡像異性体である。表1の「R」という用語は、ペプチド主鎖上の-Z-C(O)-Rの結合部位、例えばLysのε-アミノ基を指すことを意図している。
Figure 2023519516000002
Figure 2023519516000003
Figure 2023519516000004
別の実施形態は、式Iの化合物に係り、ここで、
前記X14は、-NH側鎖基が-Z1-Z2-C(O)R基によって官能化されているLysを表し、ここで、
Z1-Z2-は、AEEA-AEEA-gGluを表し、
前記Rは、ペンタデセノイル、ヘプタデセノイル、ノナデカイル、17-カルボキシ-1-オキソヘプタデシルまたは19-カルボキシ-1-オキソノナデシルから選択される基を表す。
別の実施形態は、式Iの化合物に係り、ここで、
前記X14は、-NH側鎖基が-Z1-Z2-C(O)R基によって官能化されているLysを表し、ここで、
-Z1-Z2-は、AEEA-AEEA-gGluを表し、
前記Rは、17-カルボキシ-1-オキソヘプタデシルまたは19-カルボキシ-1-オキソノナデシルから選択される基を表す。
別の実施形態は、式Iの化合物に係り、ここで、
前記X14は、-NH側鎖基が以下の基:
2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル-または
2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)ブチリル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル-
によって官能化されているLysを表す。
別の実施形態は、式Iの化合物に係り、ここで、
前記X14は、-NH側鎖基が2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル-によって官能化されているLysを表す。
別の実施形態は、式Iの化合物に係り、ここで、
前記X14は、-NH側鎖基が-Z1-Z2-C(O)R基によって官能化されているLysを表し、ここで、
-Z1-Z2-は、AEEA-AEEA-AEEA-gGlu-を表し、
前記Rは、17-カルボキシ-1-オキソヘプタデシルまたは19-カルボキシ-1-オキソノナデシルから選択される基を表す。
別の実施形態は、式Iの化合物に係り、ここで、
前記X14は、-NH側鎖基が-Z1-Z2-C(O)R基によって官能化されているLysを表し、ここで、
-Z1-Z2-は、AEEA-AEEA-gGlu-gGlu-を表し、
前記Rは、17-カルボキシ-1-オキソヘプタデシルまたは19-カルボキシ-1-オキソノナデシルから選択される基を表す。
別の実施形態は、式Iの化合物に係り、ここで、
前記X14は、-NH側鎖基が以下の基:
[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル-、
[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)ブチリル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル-、
[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル-、
[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリル]アミノ]ブチリル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル-、
[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)ブチリル]アミノ]ブチリル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル-、
[2-[[2-[[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリル]アミノ]アセチル]アミノ]アセチル]アミノ]アセチル]-または
[2-[メチル-[2-[メチル-[2-[メチル-[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリル]アミノ]アセチル]アミノ]アセチル]アミノ]アセチル]-
から選択される基によって官能化されているLysを表し、
はNHを表し、
または前記化合物の塩もしくは溶媒和物に係る。
別の実施形態は、式Iの化合物に係り、ここで、
前記X14は、-NH側鎖基が以下の基:
[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル-、
[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)ブチリル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル-、
[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル-、
[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリル]アミノ]ブチリル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル-、
[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)ブチリル]アミノ]ブチリル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル-、
[2-[[2-[[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリル]アミノ]アセチル]アミノ]アセチル]アミノ]アセチル]-または
[2-[メチル-[2-[メチル-[2-[メチル-[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリル]アミノ]アセチル]アミノ]アセチル]アミノ]アセチル]-
から選択される基によって官能化されているLysを表し、
はOHを表し、
または前記化合物の塩もしくは溶媒和物に係る。
本願の一実施形態は、前記RがHまたはメチルから選択され、前記X20がGluであり、前記RがNHまたはOHである、式Iの化合物、またはその塩もしくは溶媒和物である。
本願の一実施形態は、前記RがHであり、前記X20がGluであり、前記RがNHまたはOHである、式Iの化合物、またはその塩もしくは溶媒和物である。
本願の一実施形態は、前記RがHであり、前記X20がGluであり、前記RがNHである、式Iの化合物、またはその塩もしくは溶媒和物である。
本願の一実施形態は、前記RがHであり、前記X20がGluであり、前記RがOHである、式Iの化合物、またはその塩もしくは溶媒和物である。
本願の一実施形態は、前記Rがメチルであり、前記X20がGluであり、前記RがNHまたはOHである、式Iの化合物、またはその塩もしくは溶媒和物である。
本願の一実施形態は、前記Rがメチルであり、前記X20がGluであり、前記RがNHである、式Iの化合物、またはその塩もしくは溶媒和物である。
本願の一実施形態は、前記Rがメチルであり、前記X20がGluであり、前記RがOHである、式Iの化合物、またはその塩もしくは溶媒和物である。
本願の一実施形態は、前記RがHまたはメチルから選択され、前記X20がAibであり、前記RがNHまたはOHである、式Iの化合物、またはその塩もしくは溶媒和物である。
本願の一実施形態は、前記RがHであり、前記X20がAibであり、前記RがNHまたはOHである、式Iの化合物、またはその塩もしくは溶媒和物である。
本願の一実施形態は、前記RがHであり、前記X20がAibであり、前記RがNHである、式Iの化合物、またはその塩もしくは溶媒和物である。
本願の一実施形態は、前記RがHであり、前記X20がAibであり、前記RがOHである、式Iの化合物、またはその塩もしくは溶媒和物である。
本願の一実施形態は、前記Rがメチルであり、前記X20がAibであり、前記RがNHまたはOHである、式Iの化合物、またはその塩もしくは溶媒和物である。
本願の一実施形態は、前記Rがメチルであり、前記X20がAibであり、前記RがNHである、式Iの化合物、またはその塩もしくは溶媒和物である。
本願の一実施形態は、前記Rがメチルであり、前記X20がAibであり、前記RがOHである、式Iの化合物、またはその塩もしくは溶媒和物である。
式Iの化合物の具体例として、配列番号9~17の化合物、またはその塩もしくは溶媒和物が挙げられる。
式Iの化合物の具体例として、配列番号4~8及び18~20の化合物、またはその塩もしくは溶媒和物が挙げられる。
式Iの化合物の具体例として、配列番号11及び20の化合物、またはその塩もしくは溶媒和物が挙げられる。
式Iの化合物の具体例として、配列番号8及び13の化合物、またはその塩もしくは溶媒和物が挙げられる。
式Iの化合物の具体例として、配列番号4~10及び12~19の化合物、またはその塩もしくは溶媒和物が挙げられる。
式Iの化合物の具体例として、配列番号4~17の化合物、またはその塩もしくは溶媒和物が挙げられる。
式Iの化合物の具体例として、配列番号4~20の化合物、またはその塩もしくは溶媒和物が挙げられる。
式Iの化合物の1つの具体例として、配列番号4の化合物、またはその塩もしくは溶媒和物が挙げられる。
式Iの化合物の1つの具体例として、配列番号7の化合物、またはその塩もしくは溶媒和物が挙げられる。
式Iの化合物の1つの具体例として、配列番号9の化合物、またはその塩もしくは溶媒和物が挙げられる。
別の実施形態は、ペプチド化合物が、HEK細胞アゴニストアッセイにおいて少なくともGIP受容体対してヒトGIP活性を有する、式Iの化合物に係る。
別の実施形態は、ペプチド化合物が、HEK細胞アゴニストアッセイにおいて、GLP-1(7-36)-アミドと比較してGLP-1受容体に対して10%未満の活性を示す、式Iの化合物に係る。
別の実施形態は、ペプチド化合物が、ヒト脂肪細胞アゴニストアッセイにおいて少なくともGIP受容体対してヒトGIP活性を有する、式Iの化合物に係る。
別の実施形態は、ペプチド化合物が、HEK細胞結合アッセイにおいて少なくともhGIP受容体対するヒトGIPの結合親和性を有する、式Iの化合物に係る。
別の態様では、本出願は、本明細書に記載の本出願の化合物またはその塩もしくは溶媒和物を担体と混合して含む組成物に係る。
本願はまた、本願の化合物の医薬としての、特に明細書に記載の障害の治療のための使用にも係る。
本出願はまた組成物にも係り、前記組成物は薬学的に許容される組成物であり、担体は薬学的に許容される担体である。
本願のペプチド化合物
本明細書において、アミノ酸は、それらの名前、それらの一般的に知られている三文字記号、またはIUPAC-IUB生化学命名委員会によって推奨される一文字記号によって言及される。したがって、本願のアミノ酸配列は、天然に存在するアミノ酸についての従来の1文字及び3文字コード、ならびにAib(α-アミノイソ酪酸)などの他のアミノ酸について一般的に認められている3文字コードを含む。
本願のペプチド化合物は、ペプチドによって連結されたアミノカルボン酸の直鎖骨格、すなわちカルボキサミド結合を含む。好ましくは、アミノカルボン酸はα-アミノカルボン酸であり、より好ましくはL-α-アミノカルボン酸であり、特に明記しない限り、例えばD-アラニン(d-AlaまたはdAla)である。ペプチド化合物は、好ましくは、39個のアミノカルボン酸の骨格配列を含む。
本願のペプチド化合物は、官能化アミノ酸、例えばN-メチル化アミノ酸、例えばN-Me-L-チロシン(N-MeTyr)を含み得る。
ペプチド部分(式I)のアミノ酸は、従来のN末端からC末端への方向に1から39まで連続して番号付けされていると考えることができる。ペプチド部分Iの「位置」への言及は、天然のエキセンジン-4及び他の分子の位置への言及と同様に、例えば、エキセンジン-4で、1位のHis、2位のGly、...、14位のMet、...及び39位のSerのように、それに応じて構築する必要がある。
ペプチド合成
当業者は、ペプチドを調製する多くの異なる方法を知っている。これらの方法は、合成法及び組換え遺伝子発現を含むが、これらに限定されない。したがって、ペプチドを調製する1つの方法は、溶液中または固体支持体上での合成及びその後の単離及び精製である。ペプチドを調製する別の方法は、前記ペプチドをコードするDNA配列が導入された宿主細胞における遺伝子発現によるものである。あるいは、細胞系を使用せずに遺伝子発現を達成することができる。上記の方法は、任意の方法で組み合わせることもできる。
本願の化合物を調製する好ましい方法は、適切な樹脂での固相合成である。固相ペプチド合成は確立された一連の方法である(例えば、Stewart & Young,Solid Phase Peptide Synthesis,Pierce Chemical Co.,Rockford, Ill.,1984;E. Atherton & R.C. Sheppard,Solid Phase Peptide Synthesis.A Practical Approach,Oxford-IRL Press,New York,1989を参照)。固相合成は、N末端保護アミノ酸のカルボキシ末端を、切断可能なリンカーを有する不活性固体支持体に付加することによって開始される。この固体支持体は、トリチル樹脂、クロロトリチル樹脂、Wang樹脂、またはRink樹脂などの最初のアミノ酸カップリングを可能にする任意のポリマーであり得、樹脂へのカルボキシル基(またはリンク(Rink)樹脂のカルボキサミド)の結合は酸に敏感である(Fmocストラテジーを使用する場合)。ペプチド合成中、ポリマー支持体は、α-アミノ基の脱保護に使用される条件下で安定している必要がある。
N末端で保護された最初のアミノ酸が固体支持体にカップリングされた後、アミノ酸のα-アミノ保護基が除去される。残りの保護されたアミノ酸は、適切なカップリング試薬により、ペプチド配列によって表される順序で1つずつ、または事前に形成されたジペプチド、トリペプチド、テトラペプチド、またはN-α-(9-フルオレニルメトキシカルボニル)-N-ε-(N-α’-パルミトイル-L-グルタミン酸α’-tert-ブチルエステル)-L-リジンなどの修飾された側鎖を持つアミノ酸ビルディングブロック(building block)とカップリングされ、前記カップリング試薬は、例えば、BOP、HBTU、HATUまたはDIC/HOBt/HOAtであり、ここで、BOP、HBTU、及びHATUは3級アミン塩基とともに使用される。必要に応じて、釈放されたN末端は、カルボン酸などのアミノ酸以外の基で官能化することができる。
通常、アミノ酸の反応性側鎖基は、適切な保護基で保護されている。これらの保護基は、目的のペプチドが組み立てられた後に除去される。これらの保護基は、同じ条件下での樹脂からの所望の生成物の開裂により除去される。保護基及び保護基を導入するための手順は、Protective Groups in Organic Synthesis,3 ed.,Greene,T.W. & Wuts,P.G.M.,Wiley & Sons(New York:1999)に記載されている。
場合によっては、他の側鎖保護基をそのまま残しながら、側鎖保護基を選択的に除去することが望ましい。この場合、釈放された官能化は、選択的に官能化することができる。例えば、リシンはivDde([1-(4,4-ジメチル-2,6-ジオキソシクロヘキサ-1-イリデン)-3-メチルブチル)保護基(S.R. Chhabra et al.,Tetrahedron Lett.39,(1998),1603)で保護でき、それは、DMF(ジメチルホルムアミド)中の4%ヒドラジンなどの非常に求核性の塩基に対して不安定である。したがって、N末端アミノ基及びすべての側鎖官能基が酸に不安定な保護基で保護されている場合、ivDde基は、4%ヒドラジンのDMF溶液を使用して選択的に除去でき、次いで、例えばアシル化により、対応する遊離アミノ基をさらに修飾することができる。
例えば、リジンはMmt[(4-メトキシフェニル)ジフェニルメチル]保護基で保護することができるが(G.M.Dubowchik et al.,Tetrahedron Lett.1997,38(30),5257)、この保護基は、酢酸やトリフルオロエタノールのジクロロメタン溶液などの非常に穏やかな酸に対して不安定である。したがって、N末端アミノ基及びすべての側鎖官能基が、強酸に対してのみ不安定な保護基で保護されている場合、酢酸とトリフルオロエタノールのジクロロメタン溶液の混合物(1:2:7)を使用してMmt基を選択的に除去することができ、次いで、例えばアシル化により、対応する遊離アミノ基をさらに修飾することができる。
あるいは、リジンを保護されたアミノ酸にカップリングさせ、アミノ酸のアミノ基を脱保護して、アシル化または他のアミノ酸に付加できる別の遊離アミノ基を生成することができる。あるいは、N-α-(9-フルオレニルメトキシカルボニル)-N-ε-(N-α’-パルミトイル-L-グルタミン酸α’-tert-ブチルエステル)-L-リジンまたはFmoc-L-Lys[{AEEA}2-gGlu(OtBu)-C18OtBu]-OH[=(2S)-6-[[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[((4S)-5-tert-ブトキシ-4-[(18-tert-ブトキシ-18-オキソ-オクタデカノイル)アミノ]-5-オキソペンタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]-2-(9H-フルオレン-9-イルメトキシカルボニル-アミノ)ヘキサン酸(CAS Reg. No.1662688-20-1)]などの事前に官能基化されたビルディングブロックをカップリングパートナーとして使用し、ペプチド合成中に側鎖とリジンを一緒に導入することができる。
最後に、ペプチドを樹脂から切断する。これは、King’sカクテル混合剤(cocktail)(D.S.King,C.G.Fields,G.B.Fields,Int.J.Peptide Protein Res.36,1990,255-266)または当業者に知られている類似のカットカクテルを使用することによって達成することができる。例えば、EDTをDODTに置き換えたり、TIS、水、及びTFAの混合物を使用したりできる。次いで、必要に応じて、出発物質をクロマトグラフィー、例えば分取RP-HPLCによって精製することができる。
効力
本明細書で使用される「効力」または「インビトロ効力」という用語は、細胞ベースのアッセイにおいてGLP-1、GIPまたはグルカゴン受容体を活性化する化合物の能力の尺度である。数値的には、「EC50値」として表される。これは、用量応答実験において化合物が応答の最大増加(例えば細胞内cAMP形成)の半分を誘発する有効濃度である。
治療用途
ペプチドインクレチンホルモンであるGLP-1とGIPは、食物に応答して腸内分泌細胞から分泌され、食事刺激によるインスリン分泌の最大70%を占める。GIP受容体は、膵島、脂肪組織、胃、小腸、心臓、骨、肺、腎臓、精巣、副腎皮質、下垂体、内皮細胞、気管、脾臓、胸腺、甲状腺、脳などの末梢組織で広く発現している。インクレチンとしての生物学的機能と一致して、膵臓ベータ細胞はヒトで最高レベルのGIP受容体を発現する。
T2DM患者ではGIP受容体を介したシグナル伝達が損なわれる可能性があるが、GIP作用の障害は可逆的であり、糖尿病状態の改善につれて回復できることを示す臨床的証拠がいくつかある。特に、GIPによるインスリン分泌の刺激は厳密にグルコース依存性であり、低血糖のリスクが低いフェイルセーフメカニズムを保証する。
膵臓のベータ細胞レベルでは、GIPはグルコース感受性、新生、増殖、プロインスリンの転写と肥大、及びアポトーシスへの耐性を促進することが示されている。
膵臓以外の末梢組織におけるその他のGIP効果には、骨形成の増加と骨吸収の減少、及び骨粗鬆症や認知障害(例えば、アルツハイマー病)の治療に有益な神経保護効果が含まれる。
GLP-1及びGIPは抗糖尿病効果で知られており、GLP-1は摂食抑制効果で知られているため、これら2つのホルモンの活性を組み合わせることで、メタボリックシンドローム、特にその構成要素である糖尿病と肥満の治療に強力な薬を産生することができることが想像し得る。GLP-1受容体とGIP受容体の両方を同時に刺激すると、相加的または相乗的な抗糖尿病効果が期待できる。
したがって、適切なアゴニスト単独またはGLP-1Rアゴニストに加えてGIP受容体を標的とすることは、糖尿病を含む代謝障害の治療に魅力的なアプローチを提供する。
したがって、本願の化合物は、耐糖能障害、インスリン抵抗性、糖尿病前症、空腹時血糖値の上昇(高血糖)、2型糖尿病、高血圧症、脂質異常症、動脈硬化症、冠動脈疾患、末梢動脈疾患、脳卒中またはこれらの個々の疾患要素の任意の組み合わせの治療に使用できる。
さらに、それらは、食欲制御、食物及びカロリー摂取、体重増加の防止、体重減少の促進、過剰体重の減少及び肥満、病的肥満の全体的な治療を含むすべての肥満の治療に使用である。
本願の化合物は、GIP受容体のアゴニストであり、糖尿病及び肥満の同時治療を可能にすることにより、メタボリックシンドロームを標的とする臨床的必要性に対処するための治療的利益を提供し得る。
本願の化合物で治療できる他の疾患状態及び健康状態は、肥満関連炎症、肥満関連胆嚢疾患、及び肥満誘発性睡眠時無呼吸である。
これらの状態はすべて肥満に直接的または間接的に関連している可能性があるが、本願の化合物の効果は、体重への作用を通じて、または体重とは無関係に、全体的または部分的に媒介され得る。
本願の化合物は、GLP-1受容体アゴニストと組み合わせて(同じ医薬製剤の一部として、または別の製剤として)投与すると、血糖コントロールの改善及び体重の減少に特に有効である。
さらに、治療される疾患は、アルツハイマー病またはパーキンソン病などの神経変性疾患、あるいは上記の他の変性疾患であってもよい。
本願の化合物はまた、糖尿病関連の骨粗鬆症、または骨折リスクの増加を含む、骨粗鬆症の任意の疾患、障害、または状態の治療及び/または予防にも使用である(N.B.Khazai et al.,Current Opinion in Endocrinology,Diabetes and Obesity 2009,16(6),435)。
一実施形態では、化合物は、高血糖、2型糖尿病及び/または肥満の治療または予防に使用である。
本願の化合物は、患者の血中グルコースレベル及び/またはHbA1cレベルを低下させる能力を有する。本願の化合物のこれらの活性は、当業者に知られている動物モデルで評価することができ、本明細書の「方法」及び実施例に記載されている。
本願の化合物は、患者の体重を減少させる能力を有し得る。本願の化合物のこれらの活性は、当業者に知られている動物モデルで評価することができる。
本願の化合物は、肝硬変、好ましくは非アルコール性肝疾患(NAFLD)及び非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)の治療または予防に使用である。本願の化合物のこれらの活性は、当業者に知られている動物モデルで評価することができる。
本願の化合物は、患者の吐き気を軽減し、嘔吐を回避する能力を有し得る。本願の化合物のこれらの活性は、当業者に知られている動物モデルで評価することができる。
「治療」または「処理」は、化合物もしくは組成物、または化合物もしくは組成物の組み合わせを被験者に投与して、疾患または障害を排除する、被験者における疾患または障害を阻止または遅延させる、被験者における新しい疾患または障害の発症疾患を阻害または遅延させる、現在に疾患または障害を罹患しているまたは以前に疾患または障害を罹患した被験者の症状及び/または再発の頻度または重篤度を軽減する、及び/または被験者の寿命を延長することを指す。特に、「疾患または障害を処理する/治療する」という用語は、疾患もしくは障害またはその症状の進行もしくは悪化を治療する、期間を短縮する、軽減する、遅延させる、または阻害することを含む。
「防止する」または「予防する」とは、具体的には、化合物もしくは組成物、または化合物もしくは組成物の組み合わせを被験者に投与して、被験者における疾患または障害の発症を阻害または遅延させることを指す。
本出願によれば、「被験者」という用語は、治療される被験者、特に疾患のある被験者(「患者」ともいう)を指し、これは、ヒト、ヒト以外の霊長類または他の動物、特にウシ、ウマ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、イヌ、ネコ、ウサギ、またはマウス、ラット、モルモット、ハムスターなどのげっ歯類などの哺乳動物を含む。一実施形態では、被験者/患者はヒトである。
式Iの化合物は、炭水化物及び/または脂質代謝障害によって引き起こされる、それに関連する、及び/または付随する疾患または障害の治療または予防、例えば、高血糖症、2型糖尿病、耐糖能障害、1型糖尿病、肥満及びメタボリックシンドロームの治療または予防に特に適している。また、本願の化合物は、変性疾患、特に神経変性疾患の治療または予防に適し得る。さらに、本願の化合物は、悪心または嘔吐を伴う疾患の治療または予防に使用でき、または悪心または嘔吐の制吐剤として使用できる。
記載された化合物は、体重増加の防止または体重減少の促進に特に有用である。治療を行わない場合と比較して、「予防」は抑制または軽減を意味し、必ずしも疾患を完全にブロックするわけではない。
体重に対するそれらの効果とは無関係に、本願の化合物は、循環コレステロールレベルに有益な効果を有し、脂質レベル、特にLDL及びHDLレベルを改善することができる(例えば、HDL/LDL比を増加させる)。
したがって、本願の化合物は、肥満、病的肥満、肥満関連炎症、肥満関連胆嚢疾患、肥満誘発性睡眠時無呼吸の治療及び/または予防など、過剰体重によって引き起こされる、またはそれを特徴とする任意の疾患を直接的または間接的に治療するために使用することができる。また、メタボリックシンドローム、糖尿病、高血圧、アテロームを引き起こす脂質異常症、アテローム性動脈硬化症、動脈硬化症、冠状動脈性心疾患または脳卒中の治療及び予防にも使用できる。これらの疾患における影響は、体重への影響、またはそれに関連しているからかもしれないが、それに関連していない場合もある。
医療用途には、2型糖尿病の疾患進行の遅延または予防、メタボリックシンドロームの治療、肥満の治療または過体重の予防、食物摂取量の減少、体重の減少、耐糖能異常(IGT)から2型糖尿病への進行の遅延、2型糖尿病からインスリン依存性糖尿病及び脂肪肝への進行の遅延が含まれる。
「疾患または障害」とは、任意の病理学的または不健康な状態、特に肥満、過体重、メタボリックシンドローム、糖尿病、高血糖、脂質異常症及び/またはアテローム性動脈硬化症を指す。
「メタボリックシンドローム」は、以下の医学的状態の少なくとも3つの集まりとして定義できる:腹部(中心部)肥満(例えば、ウエスト周囲径がヨーロッパ人男性で94cmを超え、ヨーロッパ人女性で80cmを超えると定義され、他のグループには人種固有の値がある)、血圧上昇(例えば、130/85mmHg以上)、空腹時血漿グルコースの上昇(例えば、少なくとも100mg/dL)、高血清トリグリセリド(例えば、少なくとも150mg/dL)、及び高密度リポタンパク質(HDL)レベルが低い(例えば、男性で40mg/dL未満、女性で50mg/dL未満)ことである。
肥満は、過剰な体脂肪が健康と寿命に悪影響を及ぼす可能性があるまで蓄積している病状であり、成人と子供での罹患率が増加しているため、現代世界における主要な予防可能な死因の1つになっている。肥満は、心臓病、2型糖尿病、閉塞性睡眠時無呼吸症候群、特定の種類のがん、変形性関節症など、他のさまざまな病気の可能性を高め、そして、最も一般的には、過剰な食物摂取、エネルギー消費の減少、及び遺伝的感受性の組み合わせによって引き起こされる。
ヒト(成人)被験者の場合、肥満は、30kg/m以上のボディマス指数(BMI)(BMI>30kg/m)として定義できる。BMIは、成人の過体重と肥満を分類するために一般的に使用される単純な体重-身長指数である。これは、人の体重(kg)を身長(メートル)の2乗で割った値(kg/m)として定義される。
「過体重」という用語は、体脂肪の量が最適な健康状態よりも高い病状を指す。ヒト(成人)被験者について、肥満は、25kg/m以上のボディマス指数(BMI)として定義することができる(例えば、25kg/m<BMI<30kg/m)。
単に糖尿病(diabetes)と呼ばれることが多い真性糖尿病(Diabetes mellitus)は、体が十分なインスリンを産生できないか、産生されたインスリンに細胞が反応しないために、血糖値が高くなる代謝性疾患のグループである。最も一般的なタイプの糖尿病は、(1)体がインスリンを産生できない1型糖尿病、(2)体がインスリンを適切に使用できず、経時的なインスリン欠乏の増加を伴う2型糖尿病(T2DM)、及び(3)妊娠の結果として女性が糖尿病を発症する妊娠糖尿病である。あらゆる形態の糖尿病は、通常は何年にもわたって発症する長期合併症のリスクを高める。これらの長期的な合併症のほとんどは、血管の損傷に基づいており、太い血管のアテローム性動脈硬化によって引き起こされる「大血管」疾患と、細い血管の損傷によって引き起こされる「微小血管」疾患の2つのカテゴリーに分けることができる。大血管疾患状態の例としては、虚血性心疾患、心筋梗塞、脳卒中及び末梢血管疾患が挙げられる。微小血管疾患の例としては、糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症、及び糖尿病性神経障害が挙げられる。
糖尿病についての現在のWHO診断基準は次のとおりである:空腹時血漿グルコース15≧7.0mmol/l(126mg/dL)または2時間血漿グルコース≧11.1mmol/l(200mg/dL)である。
「高血糖」という用語は、血液中の糖(グルコース)が過剰であること、例えば、11.1mmol/l(200mg/dL)を超えることを指す。
「低血糖症」という用語は、正常レベルよりも低い、例えば、3.9mmol/L(70mg/dL)よりも低い血中グルコースレベルを指す。
「脂質異常症」という用語は、リポタンパク質の過剰産生(「高脂血症」)または欠乏(「低脂質血症」)を含む、リポタンパク質代謝の障害を指す。脂質異常症は、総コレステロール、低密度リポタンパク質(LDL)コレステロール、及び/またはトリグリセリド濃度の上昇、及び/または血中高密度リポタンパク質(HDL)コレステロール濃度の低下によって表される。
「アテローム性動脈硬化症」は、動脈の内腔が狭くなり、線維化及び石灰化に発展する可能性がある、大規模及び中規模の動脈の内膜におけるプラークと呼ばれる脂質沈着が不規則に分布することを特徴とする血管疾患である。通常、病変は限局性であり、緩慢かつ断続的に進行する。偶にはプラークが破裂して血液の閉塞を引き起こし、閉塞の遠位の組織の死亡を引き起こすことがある。血流制限は、ほとんどの臨床症状の原因であり、閉塞の分布と重症度によって異なる。
式Iの化合物は、「嘔吐」または「悪心」阻害剤として特に適している。
式Iの化合物は、以下の(1)~(6)から選択される1つまたは複数の状態または原因によって引き起こされる嘔吐または悪心の治療または予防に特に適している:
(1)胃不全麻痺、胃腸の運動の低下、腹膜炎、腹部腫瘍、便秘、消化管閉塞、周期性嘔吐症候群、慢性原因不明の悪心及び嘔吐、急性・慢性膵炎、高カリウム血症、脳浮腫、頭蓋内病変、代謝異常、感染による胃炎、術後疾患、心筋梗塞、片頭痛、頭蓋内圧亢進症、及び頭蓋内低圧症(高山病など)。
(2)薬剤、例えば、(i)アルキル化剤(例えば、シクロホスファミド、カルムスチン、シクロヘキシルニトロソウレア、クロラムブシル、ストレプトゾトシン、ダカルバジン、イホスファミド、テモゾロミド、ブスルファン、ベンダムスチン、及びメルファン(meiphaian));細胞毒性抗生物質(例えば、ダクチノマイシン、ドキソルビシン、マイトマイシンC、ブレオマイシン、エピルビシン、アクチノマイシンD、アムルビシン、ダウノルビシン、ダウノルビシン、エリスロマイシン及びピラルビシン);代謝拮抗剤(例えば、シタラビン、メトトレキセート、S-フルオロウラシル、エノキサビン、及びシファラビン);ビンカアルカロイド(例えば、エトポシド、ビンブラスチン、及びビンクリスチン);シスプラチン、プロカルバジン、ヒドロキシ尿素、アズシチジン、イリノテカン、インターフェロンU、インターロイキン-2、オキサリプラチン、カルボプラチン、ネダプラチン、メプラチンなどの他の化学療法剤;(ii)オピオイド鎮痛薬(例えば、モルヒネ);(iii)ドーパミン受容体D1D2アゴニスト(例えば、アポモルヒネ);(iv)大麻及びカンナビノイド製品(大麻悪阻症候群を含む);
(3)胸部、腹部または同様の放射線疾患またはがん治療のための放射線療法;
(4)有毒物質または毒素;
(5)妊娠悪阻を含む妊娠;及び
(6)乗り物酔い、目まいなどの前庭障害。
さらに、本願の化合物は、原因不明の慢性悪心及び嘔吐の予防/治療剤として有用である。この嘔吐または悪心には、吐き気やむかつきなど、胃の内容物を口から吐き出したいという切迫した不快感も含まれ、顔蒼白、冷や汗、流涎、頻脈、下痢などの自律神経症状を伴うこともある。嘔吐には、急性嘔吐、持続性嘔吐、及び予測性嘔吐も含まれる。
医薬組成物
別の態様では、本出願は、本出願の化合物を担体と混合して含む組成物に関する。好ましい実施形態では、前記組成物は薬学的に許容される組成物であり、担体は薬学的に許容される担体である。本願の化合物は、薬学的に許容される塩または溶媒和物、例えば、水和物、などの塩の形態であってもよい。別の態様では、本出願は、医学的治療方法、特にヒト医療で使用するための組成物に関する。
「医薬組成物」という用語は、混合した場合に相溶し、投与される成分を含む混合物を意味する。医薬組成物は、1つまたは複数の医薬品を含むことができる。さらに、医薬組成物は、担体、緩衝液、酸性化剤、アルカリ化剤、溶媒、アジュバント、等張化剤、皮膚軟化剤(emollients)、膨張剤、防腐剤、界面活性剤などの物理的及び化学的安定剤、酸化防止剤及び他の成分を含むことができ、それらの成分が活性または非活性と見なされるにも関わらない。医薬組成物を調製する当業者のためのガイダンスは、例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,(20th ed.) ed.A.R.Gennaro A.R.,2000, Lippencott Williams & Wilkins and R.C.Rowe et al.(Ed)、Handbook of Pharmaceutical Excipients、PhP、2013年5月更新を参照できる。
本願のエキセンジン-4ペプチド誘導体またはその塩は、薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤と一緒に、医薬組成物の一部として投与することができる。
「薬学的に許容される担体」は、一緒に投与される物質の治療特性を維持しながら、生理学的に許容される(例えば、生理学的に許容されるpH)担体である。標準的に許容される薬学的担体及びそれらの製剤は、当業者に知られており、例えば、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, (20th ed.) ed. A.R. Gennaro A.R., 2000, Lippencott Williams & Wilkins and R.C. Rowe et al (Ed), Handbook of Pharmaceutical excipients, PhP、2013年5月更新に記載されている。薬学的に許容される担体の例の1つは、生理食塩水である。
一実施形態において、担体は、緩衝剤(例えば、クエン酸塩/クエン酸、酢酸塩/酢酸、リン酸塩/リン酸)、酸性化剤(例えば、塩酸)、アルカリ化剤(例えば、水酸化ナトリウム)、防腐剤(例えば、フェノール、m-クレゾール、ベンジルアルコール)、共溶媒(例えば、ポリエチレングリコール400)、等張化剤(例えば、マンニトール、グリセロール、塩化ナトリウム、プロピレングリコール)、安定剤(例えば、界面活性剤、酸化防止剤、アミノ酸)からなる群から選択される。
使用される濃度は、生理学的に許容される範囲内である。
許容される薬学的担体または希釈剤は、経口、直腸、経鼻または非経口(皮下、筋肉内、静脈内、皮内及び経皮を含む)投与に適した製剤で使用されるものを含む。本願の化合物は、典型的には非経口投与することができる。
「薬学的に許容される塩」という用語は、酢酸塩、塩化物塩またはナトリウム塩など、哺乳動物での使用に安全かつ有効な本願の化合物の塩を意味する。
「溶媒和物」という用語は、本願の化合物またはその塩と溶媒分子(例えば、有機溶媒分子及び/または水)との複合体を意味する。
医薬組成物において、エキセンジン-4誘導体は、単量体またはオリゴマー形態であり得る。
化合物の「治療有効量」という用語は、非毒性であるが、所望の効果を提供するのに十分な化合物の量を指す。所望の生物学的効果を達成するのに必要な式Iの化合物の量は、選択した特定の化合物、使用目的、投与経路、及び患者の臨床状態などのいくつかの要因に依存する。任意の個々の状況における適切な「有効な」量は、通常の実験を使用して当業者によって決定され得る。例えば、式Iの化合物の「治療有効量」は、約0.01~100mg/回、好ましくは1~30mg/回である。
本願の医薬組成物は、非経口(例えば、皮下、筋肉内、皮内または静脈内)、直腸、局所及び経口(例えば、舌下)投与に適したものであるが、投与の最も適切な経路は、個々の場合において、治療される状態の性質及び重症度、ならびに各場合に使用される式Iの化合物の性質に依存する。一実施形態では、適用は非経口、例えば皮下である。
非経口適用の場合、投与間の微生物及び細菌の増殖を阻害するために、対応する製剤が少なくとも1つの抗菌防腐剤を含むことが有利である。非経口適用の場合、対応する製剤は、複数回投与装置を使用する場合、投与間の微生物及び細菌の増殖を阻害するために、少なくとも1つの抗菌防腐剤を含まなければならない。好ましい防腐剤は、ベンジルアルコールまたはフェノールもしくはm-クレゾールなどのフェノール化合物である。これらの成分は、ペプチドとタンパク質の凝集を誘発し、製剤の溶解度及び安定性を低下させることが報告されている(Bis et al., Int. J. Pharm. 2014, 472, 356; Kamerzell, Adv. Drug Deliv. Rev.2011,63,1118を参照)。
投与ユニット、包装、(ペン)機器及び投与
本願の化合物は、適切な医薬組成物で使用するために調製することができる。適切な医薬組成物は、1つまたは複数の投与ユニットの形態であり得る。
組成物は、本出願の化合物と、1つまたは複数の追加の成分からなり得る担体とを接触させるステップを含む任意の適切な調剤方法によって調製することができる。
投与ユニットは、例えば、カプセル、錠剤、糖衣錠、顆粒サシェ、ドロップ、溶液、懸濁液、凍結乾燥物、及び粉末剤であり得、その各々は、本出願の化合物の定義された量を含む。
本願の化合物または本願の医薬組成物の前述の投与ユニット(投薬単位)の各々は、輸送及び保管が容易なパッケージで提供され得る。投与ユニットは、標準的な単回投与または複数回投与のパッケージに包装されており、その形態、材料、及び形状は、調製する単位の種類によって異なる。
いくつかの実施形態では、本出願は、式(I)の化合物、その任意の立体異性体形態、または生理学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物を、本明細書に記載の方法における化合物の使用に関する一連の説明書と一緒に含むキットを提供する。いくつかの実施形態では、当該キットは、1つまたは複数の不活性担体及び/または希釈剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、キットは、本明細書に記載のものなど、1つまたは複数の他の薬理学的に活性な化合物をさらに含む。
特定の実施形態では、投与ユニットは、適用装置、例えば注射器、注射ペン、または自動注射器と一緒に提供されてもよい。このような装置は、医薬組成物とは別に提供されてもよいし、医薬組成物があらかじめ充填されていてもよい。
単に「注射ペン」と呼ばれることが多い「ペン型注射装置」は、一般に、筆記に使用される万年筆に似た細長い形状を有する注射器具である。このようなペンは通常、管状の断面を持っているが、三角形、長方形、正方形などのさまざまな断面、またはこれらの形状を巡った任意のバリエーションを簡単に持つことができる。典型的には、ペン型注射装置は、3つの主要構成要素、すなわち、典型的にはハウジングまたはホルダー内に収容されたカートリッジを含むカートリッジ部分、カートリッジ部分の一端に取り付けられた針アセンブリ、及びカートリッジ部分の他端に取り付けられた定量投薬部分を含む。しばしば「アンプル」とも呼ばれるカートリッジは、典型的には、薬物で満たされたリザーバー、カートリッジリザーバーの一端にある移動可能なゴムタイプのシールまたはストッパー、及びカートリッジリザーバーの他端(通常はネック端)にある、ゴムシールを穿孔可能な上部を含む。ゴムシールは通常、圧着された環状金属バンドを使用して所定の位置に保持される。カートリッジハウジングは一般的にプラスチックで作られているが、カートリッジリザーバーは従来ガラスで作られてきた。
併用療法
式Iの化合物は、追加の治療上有効な薬剤を必要とせずにヒトの治療に適している。しかしながら、他の実施形態では、前記化合物は、「併用療法」に記載されているように、少なくとも1つの他の治療活性剤と共に使用され得る。
本出願の化合物であるGIP受容体のアゴニストは、他の薬理学的に活性な化合物、例えば、Rote Liste 2017に記載されているすべての薬剤と広く組み合わせることができ、例えば、Rote Liste 2016の第12章に記載されているすべての抗糖尿病薬、Rote Liste 2017の第6章に記載されているすべてのダイエット薬または食欲抑制剤、Rote Liste 2017の第58章に記載されているすべての脂質低下剤、Rote Liste 2017の第17章に記載されているすべての降圧薬及び腎保護剤、ならびにRote Liste 2017の第36章に記載されているすべての利尿剤の組み合わせが挙げられる。
活性成分の組み合わせは、作用の相乗的な改善に特に有用である。それらは、活性成分を単独で患者に投与することによって、または複数の活性成分が1つの医薬製剤中に存在する組み合わせ製品の形態で投与することができる。本願の化合物及び他の薬学的活性成分の量及び対応する投与のタイミングは、所望の併用治療効果を達成するように選択される。組み合わせの投与は、(1)すべての薬学的活性成分を含む単一の医薬組成物;または(2)それぞれが少なくとも1つの薬学的活性成分を含む別個の医薬組成物に付随して行われ得る。あるいは、この組み合わせは、ある治療薬を最初に投与し、続いて別の治療薬を投与する、またはその逆の順序で別々に投与してもよい。活性成分を別々の投与によって投与する場合、これは同時にまたは順次に行うことができる。
このような組み合わせでの使用に適した他の活性物質には、とりわけ、例えば、適応症の1つに対する1つまたは複数の活性物質の治療効果を高め、及び/または1つまたは複数の活性物質の用量の減少を可能にするものが含まれる。
下記の有効成分のほとんどは、USP Dictionary of USAN及びInternational Drug Names,US Pharmacopeia,Rockville 2014に記載されている。
組み合わせに適した治療薬は、例えば、以下のような抗糖尿病薬:
インスリン及びインスリン誘導体、例えば、インスリングラルギン(例えば、Lantus(登録商標))、100U/mlを超える濃縮インスリングラルギン、例えば、270~330U/mlインスリングラルギンまたは300U/mlインスリングラルギン(例えば、Toujeo(登録商標))、インスリングルリシン(例えば、Apidra(登録商標))、インスリンデテミル(例えば、Levemir(登録商標))、インスリンリスプロ(例えば、Humalog(登録商標)、Liprolog(登録商標))、インスリンデグルデク(例えば、DegludecPlus(登録商標)、IdegLira(NN9068))、インスリンアスパルト及びインスリンアスパラギン酸製剤(例えば、NovoLog(登録商標))、基礎インスリン及び類似体(例えば、LY2605541、LY2963016、NN1436)、ペグ化インスリンリスプロ(例えば、LY-275585)、持効型インスリン(例えば、NN1436、Insumera(PE0139)、AB-101、AB-102、Sensulin LLC)、中間作用型インスリン(例えば、Humulin(登録商標)N、Novolin(登録商標)N)、速効型及び短時間型インスリン(例えば、Humulin(登録商標)R、Novolin(登録商標)R、Linjeta(登録商標)(VIAject(登録商標))、PH20インスリン、NN1218、HinsBet(登録商標)、プレミックスインスリン、SuliXen(登録商標)、NN1045、インスリンプラスSymlin(登録商標)、PE-0139、ACP-002ハイドロゲルインスリン、及び経口、吸入、経皮、口腔または舌下インスリン(例えば、Exubera(登録商標)、Nasulin(登録商標)、Afrezza(登録商標)、インスリンTregopil、TPM-02インスリン、Capsulin(登録商標)、Oral-lyn(登録商標)、Cobalamin(登録商標)経口インスリン、ORMD-0801、Oshadi経口インスリン、NN1953、NN1954、NN1956、VIAtab(登録商標));二官能性リンカーを介してアルブミンまたは別のタンパク質に結合するインスリンの誘導体も適している;
GLP-1、GLP-1類似体及びGLP-1受容体アゴニスト、例えばリキシセナチド(lixisenatide)(例えばLyxumia(登録商標))、エクセナチド(exenatide)(例えばエキセンジン-4、組換えエキセンジン-4、Byetta(登録商標)、Bydureon(登録商標)、エクセナチドNexP)、リラグルチド(liraglutide)(例えばVictoza(登録商標))、セマグルチド(semaglutide)(例えば、Ozempic(登録商標))、タソールタスポグルチド(taspoglutide)、アルビグルチド(albiglutide)、デュラグルチド(dulaglutide)(例えば、Trulicity(登録商標))、ACP-003、CJC-1134-PC、GSK-2374697、PB-1023、TTP-054、エフペグレナチド(efpeglenatide)(HM-11260C)、CM-3、GLP-1 Eligen、AB-201、ORMD-0901、NN9924、NN9926、NN9927、ノデクセン(Nodexen)、Viador-GLP-1、CVX-096、ZYOG-1、ZYD-1、ZP-3022、CAM-2036、DA-3091、DA-15864、ARI-2651、ARI-2255、エクセナチド-XTEN(VRS-859)、エクセナチド-XTEN+グルカゴン-XTEN(VRS-859+AMX-808)及びポリマー結合GLP-1及びGLP-1類似体;
デュアルGLP-1/グルカゴン受容体アゴニスト、例えば、BHM-034、OAP-189(PF-05212389、TKS-1225)、ペガパモデュチド(pegapamodutide)(TT-401/402)、ZP2929、JNJ64565111(HM12525A、LAPS-HMOXM25)、MOD-6030、NN9277、LY-3305677、MEDI-0382、MK8521、BI456906、VPD-107、H&D-001A、PB-718、SAR425899またはWO2014/056872に開示されている化合物;
デュアルGLP-1/GIPアゴニスト、例えば、RG-7685(MAR-701)、RG-7697(MAR-709、NN9709)、BHM081、BHM089、BHM098、LBT-6030、ZP-I-70)、TAK-094、SAR438335、チルゼパチド(Tirzepatide)(LY3298176)、またはWO2014/096145、WO2014/096148、WO2014/096149、WO2014/096150及びWO2020/023386に開示されている化合物;
トリプルGLP-1/グルカゴン/GIP受容体アゴニスト(例えば、トリプルアゴニスト1706(NN9423)、HM15211);
デュアルGLP-1Rアゴニスト/プロタンパク質転換酵素サブチリシン/ケキシン(kexin)9型(例えば、MEDI-4166);
デュアルGLP-1/GLP-2受容体アゴニスト(例えば、ZP-GG-72);
デュアルGLP-1/ガストリンアゴニスト(例えば、ZP-3022)を含む。
その他の適切な組み合わせパートナーは次のとおりである。
その他の胃腸ペプチド、例えば、ペプチドYY3-36(PYY3-36)またはその類似体、及び膵臓ポリペプチド(PP)またはその類似体(例えば、PYY1562(NN9747/NN9748))。
カルシトニン及びカルシトニン類似体、アミリン及びアミリン類似体(プラムリンチド(pramlintide)、Symlin(登録商標)など)、デュアルカルシトニン及びアミリン受容体アゴニスト、例えば、サケカルシトニン(Miacalcic(登録商標)など)、ダバリンチド(davalintide)(AC2307)、ミミリン(mimylin)、AM833(NN9838)、KBP-042、KBP-088、及びKBP-089、ZP-4982/ZP-5461、エルカルシトニン。
グルカゴン様ペプチド2(GLP-2)、GLP-2類似体、及びGLP-2受容体アゴニスト、例えば、テドゥグルチド(teduglutide)(Gattex(登録商標)など)、エルシグルチド(elsiglutide)、グレパグルチド(glepaglutide)、FE-203799、HM15910。
グルカゴン受容体アゴニスト(例えば、G530S(NN9030)、ダシグルカゴン(dasiglucagon)、HM15136、SAR438544、DIO-901、AMX-808)またはアンタゴニスト、グルコース依存性インスリン分泌性ポリペプチド(GIP)受容体アゴニスト(例えば、ZP-I-98、AC163794)またはアンタゴニスト(例えば、GIP(3-30)NH)、グレリンアンタゴニストまたはインバースアゴニスト、キセニン(xenin)及びその類似体。
ヒト線維芽細胞増殖因子21(FGF21)及びその誘導体または類似体、例えばLY2405319及びNN9499またはFGF21の他のバリアント。
ジペプチジルペプチダーゼ-IV(DPP-4)阻害剤、例えば、アログリプチン(alogliptin)(例えば、Nesina(登録商標)、Kazano(登録商標))、リナグリプチン(linagliptin)(例えば、Ondero(登録商標)、Trajenta(登録商標)、Tradjenta(登録商標))、Trayenta(登録商標))、サクサグリプチン(saxagliptin)(例えば、Onglyza(登録商標)、Komboglyze XR(登録商標))、シタグリプチン(sitagliptin)(例えば、Januvia(登録商標)、Xelevia(登録商標)、Tesavel(登録商標)、Janumet(登録商標)、Velmetia(登録商標)、Juvisync(登録商標)、Janumet XR(登録商標))、アナグリプチン(anagliptin)、テネリグリプチン(teneligliptin)(例えば、Tenelia(登録商標))、トレラグリプチン(trelagliptin)、ビルダグリプチン(vildagliptin)(例えば、Galvus(登録商標)、Galvumet(登録商標))、ゲミグリプチン(gemigliptin)、オマリグリプチン(omarigliptin)、エボグリプチン(evogliptin)、デュトグリプチン(dutogliptin)、DA-1229、MK-3102、KM-223、KRP-104、PBL-1427、ピノフロキサシン塩酸塩、Ari-2243。
ナトリウム依存性グルコース輸送体2(SGLT-2)阻害剤、例えば、カナグリフロジン(Canagliflozin)(例えば、Invokana(登録商標))、ダパグリフロジン(Dapagliflozin)(例えば、Forxiga(登録商標))、レモグリフロジン(Remogliflozin)、セルグリフロジン(Sergliflozin)、エンパグリフロジン(Empagliflozin)(Jardiance(登録商標)など)、イプラグリフロジン(Ipragliflozin)、トホグリフロジン(Tofogliflozin)、ルセオグリフロジン(Luseogliflozin)、エルトゥグリフロジン(Ertugliflozin)/PF-04971729、RO-4998452、ベキサグリフロジン(Bexagliflozin)(EGT-0001442)、SBM-TFC-039、ヘナグリフロジン(Henagliflozin)(SHR3824)、ジャナグリフロジン(Janagliflozin)、カナグリフロジン(Tianagliflozin)、AST1935、JRP493、HEC-44616。
SGLT-1及びSGLT-2二重阻害剤(例えば、ソタグリフロジン(sotagliflozin)、LX-4211、LIK066)、SGLT-1阻害剤(例えば、LX-2761、ミザグリフロジン(Mizagliflozin)(KGA-3235))、またはSGLT-1阻害剤と抗肥満薬(例えば、回腸胆汁酸移動(IBAT)阻害剤(GSK-1614235及びGSK-2330672など))の併用。
ビグアニド(メトホルミン、ブホルミン、フェンホルミンなど)。
チアゾリジンジオン(例えば、ピオグリタゾン(Pioglitazone)、リボグリタゾン(Rivoglitazone)、ロシグリタゾン(Rosiglitazone)、トログリタゾン(Troglitazone)、グリタゾン類似体(例えば、ロベグリタゾン(lobeglitazone))。
ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体(PPAR-)(アルファ、ガンマまたはアルファ/ガンマ)アゴニストまたはモジュレーター(例えば、サログリタザール(saroglitazar)(例えば、Lipaglyn(登録商標))、GFT-505)またはPPARγ部分アゴニスト(例えば、Int-131)。
スルホニル尿素(例えば、トルブタミド(Tolbutamide)、グリベンクラミド(Glibenclamide)、グリメピリド(Glimepiride)(例えば、Amaryl(登録商標))、グリピジド(Glipizide))、メタニル酸(例えば、ナテグリニド(Nateglinide)、レパグリニド(Repaglinide)、ミチグリニド(Mitiglinide))。
α-グルコシダーゼ阻害剤(例えば、アカルボース、ミグリトール、ボグリボース)。
GPR119アゴニスト(例えば、GSK-1292263、PSN-821、MBX-2982、APD-597、ARRY-981、ZYG-19、DS-8500、HM-47000、YH-Chem1、YH18421、DA-1241)。
GPR40アゴニスト(例えば、TUG-424、P-1736、P-11187、JTT-851、GW9508、CNX-011-67、AM-1638、AM-5262)。
GPR120アゴニスト及びGPR142アゴニスト。
全身性または低吸収性のTGR5(GPBAR1=Gタンパク質共役胆汁酸受容体1)アゴニスト(例えば、INT-777、XL-475、SB756050)。
糖尿病免疫療法薬、例えば、経口C-Cケモカイン受容体2型(CCR-2)アンタゴニスト(CCX-140、JNJ-41443532など)、インターロイキン1ベータ(IL-1β)アンタゴニスト(AC-201など)または経口モノクローナル抗体(MoAs)(例えば、メタロザミド(methalozamide)、VVP808、PAZ-320、P-1736、PF-05175157、PF-04937319)。
メタボリックシンドローム及び糖尿病の治療のための抗炎症剤、例えば転写因子κB阻害剤(Triolex(登録商標)など)。
アデノシン一リン酸活性化プロテインキナーゼ(AMPK)刺激剤、例えば、Imeglimin(PXL-008)、Debio-0930(MT-63-78)、R-118。
11-β-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ1(11-β-HSD-1)の阻害剤(例えば、LY2523199、BMS770767、RG-4929、BMS816336、AZD-8329、HSD-016、BI-135585)。
グルコキナーゼ活性化剤(例えば、PF-04991532、TTP-399(GK1-399)、GKM-001(ADV-1002401)、ARRY-403(AMG-151)、TAK-329、TMG-123、ZYGK1)。
ジアシルグリセロールO-アシルトランスフェラーゼ(DGAT)阻害剤(プラジガスト(pradigastat)(LCQ-908)など)、プロテインチロシンホスファターゼ1阻害剤(トロドゥスクミン(trodusquemine)など)、グルコース-6-ホスファターゼ阻害剤、フルクトース-1,6-ビスホスファターゼ阻害剤、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤、ホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼ阻害剤、グリコーゲンシンターゼキナーゼ阻害剤、ピルビン酸デヒドロゲナーゼキナーゼ阻害剤。
グルコース輸送体4のモジュレーター、ソマトスタチン受容体3アゴニスト(MK-4256など)。
1つまたは複数の脂質低下剤も組み合わせパートナーとして適している。例えば、シンバスタチン(simvastatin)(Zocor(登録商標)、Inegy(登録商標)、Simcor(登録商標)など)、アトルバスタチン(atorvastatin)(例えば、Sortis(登録商標)、Caduet(登録商標))、ロスバスタチン(rosuvastatin)(例えば、Crestor(登録商標))、プラバスタチン(pravastatin)(例えば、Lipostat(登録商標)、Selipran(登録商標))、フルバスタチン(fluvastatin)(例えば、Lescol(登録商標))、ピタバスタチン(pitavastatin)(例えば、Livazo(登録商標)、Livalo(登録商標))、ロバスタチン(lovastatin)(例えば、Mevacor(登録商標)、Advicor(登録商標))、メバスタチン(mevastatin)(例えば、Compactin(登録商標))、リバスタチン(rivastatin)、セリバスタチン(cerivastatin)(例えば、Lipobay(登録商標))などの3-ヒドロキシ-3-メチルグルタリル-CoA-レダクターゼ(HMG-CoA-レダクターゼ)阻害剤;ベザフィブラート(bezafibrate)(例えば、Cedur(登録商標)阻害剤)、シプロフィブラート(ciprofibrate)(例えば、Hyperlipen(登録商標))、フェノフィブラート(fenofibrate)(例えば、Antara(登録商標)、Lipofen(登録商標)、Lipanthyl(登録商標))、ゲムフィブロジル(gemfibrozil)(例えば、Lopid(登録商標)、Gevilon(登録商標))、エトフィブラート(etofibrate)、シンフィブラート(simfibrate)、ロニフィブラート(ronifibrate)、クリノフィブラート(clinofibrate)、ペマフィブラート(pemafibrate)、クロフィブラート(clofibrate)などのフィブラート;クロフィブラート(clofibrate);クロフィブリド(clofibride)などのフィブラート系薬;ナイアシン及びその誘導体(例えば、ナイアシン、ナイアシンを含む持続放出製剤);ナイアシン受容体1アゴニスト(例えば、GSK-256073);PPAR-δアゴニスト;アセチル-CoA-アセチルトランスフェラーゼ(ACAT)阻害剤(例えば、アバシミブ(avasimibe));コレステロール吸収阻害剤(例えば、エゼチミブ(ezetimibe)、Ezetrol(登録商標)、Zetia(登録商標)、Liptruzet(登録商標)、Vytorin(登録商標)、S-556971);胆汁酸結合物質(例えば、コレスチラミン、コレセベラム(colesevelam);回腸胆汁酸輸送(IBAT)阻害剤(例えば、GSK-2330672、LUM-002);ミクロソームトリグリセリド転送タンパク質(MTP)阻害剤(例えば、ロミタピド(lomitapide)(AEGR-733)、SLx-4090、グラノタピド(granotapide));プロタンパク質転換酵素サブチリシン/ケキシン9型(PCSK9)モジュレーター(例えば、アリロクマブ(alirocumab)(例えば、Praluent(登録商標))、エボロクマブ(evolocumab)(例えば、Repatha(登録商標))、LGT-209、PF-04950615、MPSK3169A、LY3015014、ALD-306、ALN-PCS、BMS-962476、SPC5001、ISIS-394814、1B20、LGT-210、1D05、BMS-PCSK9Rx-2、SX-PCK9、RG7652);LDL受容体アップレギュレーター、例えば、肝臓選択的甲状腺ホルモン受容体βアゴニスト(例えば、エプロチローム(eprotirome)(KB-2115)、MB07811、ソベチローム(sobetirome)(QRX-431)、VIA-3196、ZYT1);HDL上昇化合物、例えば、コレステリルエステル転送タンパク質(CETP)阻害剤(例えば、アンセトラピブ(MK0859)、ダルセトラピブ(dalcetrapib)、エバセトラピブ(evacetrapib)、JTT-302、DRL-17822、TA-8995、R-1658、LY-2484595、DS-1442);またはCETP/PCSK9二重阻害剤(例えば、K-312);ATP結合カセット(ABC1)モジュレーター;脂質代謝モジュレーター(例えば、BMS-823778、TAP-301、DRL-21994、DRL-21995);ホスホリパーゼA2(PLA2)阻害剤(例えば、ダラプラディブ(darapladib)、Tyrisa(登録商標)、varespladib、rilapladib);ApoA-Iエンハンサー(例えば、RVX-208、CER-001、MDCO-216、CSL-112);コレステロール合成阻害剤(ETC-1002など);脂質代謝調節剤(BMS-823778、TAP-301、DRL-21994、DRL-21995など)、omega-3脂肪酸及びその誘導体(エチルエイコサペンタエン(AMR101)、Epanova(登録商標)、Lovaza(登録商標)、Vascepa(登録商標)、AKR-063、NKPL-66、PRC-4016、CAT-2003)。
HDL上昇化合物、例えば、CETP阻害剤(例えば、トルセトラピブ(Torcetrapib)、アナセトラピド(Anacetrapid)、ダルセトラピド、エバセトラピド(Evacetrapib)、JTT-302、DRL-17822、TA-8995)またはABC1調節剤。
他の適切な組み合わせパートナーは、肥満の治療のための1つまたは複数の活性物質であり、例えば、ブロモクリプチン(Bromocriptine)(例えば、Cyclose(登録商標)、Parlodel(登録商標))、フェンテルミン(phentermine)及びフェンテルミン製剤または組成物(例えば、Adipex-P、Ionamin、Qsymia(登録商標))、ベンズフェタミン(benzphetamine)(例えば、Didrex(登録商標))、ジエチルプロピオン(diethylpropion)(例えば、Tenuate(登録商標))、フェンジメトラジン)phendimetrazin)(例えば、Adipost(登録商標)、Bontril(登録商標))、ブプロピオン(bupropion)及び組成物(例えば、Zyban(登録商標)、Wellbutrin XL(登録商標)、Contrave(登録商標)、Empatic(登録商標))、シブトラミン(sibutramine)(例えば、Reductil(登録商標)、Meridia(登録商標))、トピラメート(topiramat)(例えば、Topamax(登録商標))、ゾニサミド(zonisamid)(例えば、Zonegran(登録商標))、テソフェンシン(tesofensine)、ナルトレキソン(naltrexone)などのオピオイド拮抗薬(例えば、Naltrexin(登録商標)、ナルトレキソン及びブプロピオン)、カンナビノイド受容体1(CB1)拮抗薬(例えば、TM-38837)、メラニン濃縮ホルモン(MCH-1)アンタゴニスト(例えば、BMS-830216、ALB-127158(a))、MC4受容体アゴニスト及び部分アゴニスト(例えば、AZD-2820、RM-493)、ニューロペプチドY5(NPY5)またはNPY2アンタゴニスト(例えば、ベルネペリット(velneperit)、S-234462)、NPY4アゴニスト(例えば、PP-1420)、β-3-アドレナリン受容体アゴニスト、レプチンまたはレプチン類似体、セロトニン2c(5HT2c)受容体アゴニスト(例えば、lorcaserin、Belviq(登録商標))、プラムリンチド(pramlintide)/メトレレプチン(metreleptin)、セチリスタット(cetilistat)などのリパーゼ阻害剤(Cametor(登録商標)など)、オルリスタット(orlistat)(Xenical(登録商標)、Calobalin(登録商標)など)、血管新生阻害剤(ALS-L1023など)、ベータヒスチジン(betahistidin)及びヒスタミンH3アンタゴニスト(HPP-404など)、AgRP(agouti-関連タンパク質)阻害剤(例えば、TTP-435)、フルオキセチン(例えば、Fluctine(登録商標))、デュロキセチン(duloxetine)(例えば、Cymbalta(登録商標))などのセロトニン再取り込み阻害剤、デュアルまたはトリプル モノアミン取り込み阻害剤(ドーパミン、ノルエピネフリン、及びセロトニン再取り込み)、例えば、セルトラリン(sertraline)(例えば、Zoloft(登録商標))、テソフェンシン、メチオニンアミノペプチダーゼ2(MetAP2)阻害剤(例えば、beloranib)及び線維芽細胞増殖因子受容体4(FGFR4)(例えば、ISIS-FGFR4Rx)またはスタチンターゲティングペプチド-1(例えば、Adipotide(登録商標))に対して生成されたアンチセンス オリゴヌクレオチドが挙げられる。
他の適切な組み合わせパートナーは、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)及び非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)を含む脂肪性肝疾患の治療のための1つまたは複数の活性物質であり、例えば、インスリン感作物質(例えば、ロシグリタゾン、ピオグリタゾン)、他のPPARモジュレーター(例えば、エラフィブラノール(elafibranor)、サログリタザール(saroglitazar)、IVA-337)、FXRアゴニスト(例えば、オベチコール(obethicolic)酸(INT-747)、GS-9674、LJN-452、EDP-305)、FGF19アナログ(例えば、NGM-282)、FGF21アナログ(PF-05231023)、GLP-1類似体(例えば、リラグルチド)、SCD1阻害剤(例えば、アラキジルアミドコール(aramchol))、抗炎症化合物(例えば、CCR2/CCR5拮抗薬セニクリビロック(cenicriviroc)、ペンタミジンVLX-103)、酸化ストレス低減化合物(例えば、ASK1阻害剤GS-4997、VAP-1阻害剤(PXS-4728A)、カスパーゼ阻害剤(例えば、エムリカサン(emricasan))、LOXL2阻害剤(例えば、シムツズマブ(simtuzumab))、ガレクチン-3タンパク質阻害剤(例えば、GR-MD-02)が挙げられる。
さらに、高血圧、慢性心不全、またはアテローム性動脈硬化症に影響を与える薬物、例えば、一酸化窒素供与体、AT1拮抗薬またはアンギオテンシンII(AT2)受容体拮抗薬(テルミサルタン(telmisartan)など)(例えば、Kinzal(登録商標)、Micardis(登録商標))、カンデサルタン(candesartan)(例えば、Atacand(登録商標)、Blopress(登録商標))、バルサルタン(valsartan)(例えば、Diovan(登録商標)、Co-Diovan(登録商標))、ロサルタン(losartan)(例えば、Cosaar(登録商標))、エプロサルタン(eprosartan)(例えば、Teveten(登録商標))、イルベサルタン)irbesartan)(例えば、Aprovel(登録商標)、CoAprovel(登録商標))、オルメサルタン(olmesartan)(例えば、Votum(登録商標))、Olmetec(登録商標))、タソサルタン(tasosartan)、アジルサルタン(azilsartan)(例えば、Edarbi(登録商標))、二重アンジオテンシン受容体遮断薬(二重ARB)、アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、ACE-2活性化剤、レニン阻害剤、プロレニン阻害剤、エンドセリン変換酵素(ECE)阻害剤、エンドセリン受容体(ET1/ETA)遮断薬、エンドセリン拮抗薬、利尿薬、アルドステロン拮抗薬、アルドステロン酵素阻害薬、α-受容体遮断薬、α-2アドレナリン受容体拮抗薬、β-遮断薬、混合α-/β-遮断薬、カルシウムアンタゴニスト、カルシウムチャネル遮断薬(CCB)、カルシウムチャネル遮断薬ジルチアゼム(CP-404など)の経鼻剤形、デュアルミネラルコルチコイド/CCB、中枢作用性降圧薬、中性エンドペプチダーゼ阻害剤、アミノペプチダーゼA阻害剤、アンジオペプチド阻害剤、エンケファリナーゼ-ACE阻害剤またはエンケファリナーゼ-ECE阻害剤などの二重バソペプチド阻害剤、二重作用型AT受容体-エンケファリナーゼ阻害剤、デュアルAT1/ETAアンタゴニスト、終末糖化産物(AGE)破壊剤、組換えネフリナーゼ、抗RAAS(レニン-アンギオテンシン-アルドステロン系)ワクチンなどの血圧ワクチン、AT1-またはAT2-ワクチン、高血圧の薬理ゲノミクスに基づく薬剤、例えば、降圧応答を伴う遺伝子多型のモジュレーター、血小板凝集阻害剤など、またはそれらの組み合わせなどが適している。
別の態様では、本出願は、本出願による化合物またはその生理学的に許容される塩を、組合せパートナーとして上記活性物質の少なくとも1つと組み合わせて、疾患または状態の治療または予防に適した薬剤を調製するための使用に関する。GIP受容体に結合し、その活性を調節することによって当該薬剤が影響を受ける可能性がある。好ましくはメタボリックシンドロームに関連する疾患、好ましくは上記の疾患または状態の1つ、より好ましくは糖尿病または肥満またはその合併症である。
本出願によれば、前記化合物またはそれらの生理学的に許容される塩は、同時に、別々に、または順次に、1つまたは複数の活性物質と組み合わせて使用する。
本出願によれば、前記化合物またはそれらの生理学的に許容される塩は、他の活性物質と組み合わせて、同時にまたは交互に使用できるが、好ましくは短時間内に使用される。それらを同時に投与する場合、2つの活性物質を一緒に患者に投与する。
したがって、別の態様では、本出願は、本出願による化合物またはそのような化合物の生理学的に許容される塩と、前述の活性物質の少なくとも1つとを組み合わせパートナーとして、場合により1つまたは複数の不活性な担体及び/または希釈剤と一緒に含む薬剤に関する。
本願による化合物またはそれらの生理学的に許容される塩もしくは溶媒和物は、それらと組み合わせた他の活性物質と一緒に、錠剤、カプセルまたは溶液などの1つの製剤で組み合わせてもよく、また、例えば、いわゆるキットオブパーツ(kit-of-parts)として2つの同じまたは異なる製剤に別々に存在してもよい。
本出願の別の主題は、式Iの化合物、ならびにその塩及び溶媒和物の調製方法であり、それによって前記化合物を得ることができ、以下に例示する。
図1は、配列番号9、C57BL/6マウスの腹腔内(i.p.)耐糖能試験(ipGTT)におけるグルコースの変動を示す図である。 図2は、配列番号9、図1に示されるt=0時間(腹腔内グルコース負荷の時点)からt=2時間(腹腔内グルコース負荷後)までの期間における血中グルコース変動データの曲線下面積(AUC)分析を示す図である。 図3は、配列番号9、C57BL/6マウスの腹腔内耐糖能試験(ipGTT)におけるデルタグルコースの変動(標準:腹腔内グルコース負荷の直前の時点でt=0時間に設定)を示す図である。 図4は、配列番号9、図3に示されるt=0時間(腹腔内グルコース負荷の時点)からt=2時間(腹腔内グルコース負荷後)までの期間におけるデルタグルコース変動データの曲線下の増分面積(AUCI)分析を示す図である。 図5は、配列番号9、オスカニクイザルへの0.1mg/kgの静脈内投与または0.1mg/kgの皮下投与後の血漿濃度の平均±SDを示す図である。 図6は、配列番号9、メスゲッチンゲン(Gottingen)ミニブタへの0.05mg/kgの静脈内投与または0.1mg/kgの皮下投与後の血漿濃度の平均±SDを示す図である。
方法
使用される略語は次のとおりです。
AA アミノ酸
AEEA (2-(2-アミノエトキシ)エトキシ)アセチル
ACN アセトニトリル
Aib α-アミノイソ酪酸、2-メチルアラニン
AUC 曲線下面積
cAMP 環状アデノシン一リン酸
Boc tert-ブトキシカルボニル
BOP (ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ)トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート((benzotriazol-1-yloxy)tris(dimethylamino)phosphonium hexafluorophosphate)
BSA ウシ血清アルブミン
BW 体重
tBu tert-ブチル
CV カラム容量
dAla d-Ala、D-Ala、D-アラニン
Dab (S)-2,4-ジアミノ酪酸
Dap (S)-2,3-ジアミノプロピオン酸
DCM ジクロロメタン
Dde 1-(4,4-ジメチル-2,6-ジオキソシクロヘキシル)-エチル
iVDde 1-(4,4-ジメチル-2,6-ジオキソシクロヘキシル)-3-メチル-ブチル
DIC N,N’-ジイソプロピルカルボジイミド
DIO 食事性肥満
DIPEA N,N-ジイソプロピルエチルアミン
dl デシリットル
DLS 動的光散乱
DMEM ダルベッコ改変イーグル培地(Dulbecco’s modified Eagle’s medium)
DMF ジメチルホルムアミド
DMS ジメチルスルフィド(dimethylsulfide)
DODT 3,6-ジオキサ-1,8-オクタンジチオール
DPBS ダルベッコリン酸緩衝液(Dulbecco’s phosphate-buffered saline)
EDT エタンジチオール
EDTA エチレンジアミン四酢酸
EGTA エチレングリコールビス(2-アミノエチルエーテル)-N,N,N’,N’-四酢酸
eq 当量
FA ギ酸
FBS ウシ胎児血清
FI 蛍光強度
Fmoc フルオレニルメトキシカルボニル
g グラム
GIP グルコース依存性インスリン分泌性ポリペプチド
GIPR GIP受容体
GLP-1 グルカゴン様ペプチド1
GLP-1R GLP-1受容体
gGlu γ-グルタミン酸(γE、γGlu)
h 時間
HATU o-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチル尿素ヘキサチオフルオロホスフェート
HBSS ハンクスの平衡塩溶液(Hanks’ Balanced Salt Solution)
HBTU 2-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチル尿素ヘキサフルオロホスフェート
HEPES 2-[4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル]エタンスルホン酸
HOAt 1-ヒドロキシ-7-アザベンゾトリアゾール
HOBt 1-ヒドロキシベンゾトリアゾール
HOSu N-ヒドロキシスクシンイミド
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
HSA ヒト血清アルブミン
HTRF 均一時間分解蛍光
IBMX 3-イソブチル-1-メチルキサンチン
i.p. 腹腔内
ipGTT 腹腔内グルコース負荷試験
i.v. 静脈内
kg キログラム
l リットル
LC/MS 液体クロマトグラフィー/質量分析
M モル/リットル
MBHA 4-メチルベンズヒドリルアミン(methylbenzhydrylamine)
min 分
ml ミリリットル
mm ミリメートル
μm マイクロメートル
mM ミリモル/リットル
mmol ミリモル
Mmt モノメトキシトリチル
n.a. 利用不能
n.d. 確定不能
nM ナノモル/リットル
nm ナノメートル
nmol ナノモル
μmol マイクロモル
NMP N-メチルピロリドン
Palm パームパルミトイル
Pbf 2,2,4,6,7-ペンタメチルジヒドロ-ベンゾフラン-5-スルホニル
PBS リン酸塩緩衝液
PEG ポリエチレングリコール
PK 薬物動態
pM ピコモル/リットル
RCF 相対遠心加速度
ストーク半径(Stoke radius)
RP-HPLC 逆相高速液体クロマトグラフィー
rpm 毎分回転数
s.c. 皮下
SD 標準偏差
sec 秒
SEM 平均の標準偏差
Stea ステアロイル
TFA トリフルオロ酢酸
TFE トリフルオロエタノール
ThT チオフラビンT
TIS/TIPS トリイソプロピルシラン
Trt トリチル(trityl/triphenymethyl)
TSTU N,N,N’,N’-テトラメチル-O-(N-スクシンイミド)テトラフルオロボレート尿素
UHPLC 超高速液体クロマトグラフィー/超高圧液体クロマトグラフィー
UV 紫外線
v 体積
ペプチド化合物の一般合成
材料
異なるRink-アミノ樹脂(例えば、4-(2’,4’-ジメトキシフェニル-Fmoc-アミノメチル)-フェノキシアセトアミド-ノルロイシルアミノメチル樹脂、Merck Company;4-[(2,4-ジメトキシフェニル)(Fmoc-アミノ)メチル]フェノキシアセトアミドメチル樹脂、Agilent Technologies)0.2~0.7mmol/g範囲のロード量でペプチドアミドを合成する。あるいは、異なるプリロードWang樹脂(例えば、((S)-(9H-フルオレン-9-イル)メチル(1-(tert-ブトキシ)-3-オキソプロパン-2-イル)ウレタン樹脂)、Fmoc-Ser(tBu)-Wang樹脂、Bachem社)を、0.2~0.7mmol/gのロード量のペプチド酸合成のために使用する。
Fmoc保護天然アミノ酸は、例えば、Protein Technologies Inc.、Senn Chemicals、Merck Biosciences、Novabiochem、Iris Biotech、Bachem、Chem-Impex InternationalまたはMatrix Innovationから購入される。以下の標準アミノ酸を合成全体で使用した:Fmoc-L-Ala-OH、Fmoc-Arg(Pbf)-OH、Fmoc-L-Asn(Trt)-OH、Fmoc-L-Asp(OtBu)-OH、Fmoc-L-Cys(Trt)-OH、Fmoc-L-Gln(Trt)-OH、Fmoc-L-Glu(OtBu)-OH、Fmoc-Gly-OH、Fmoc-L-His(Trt)-OH、Fmoc-L-Ile-OH、Fmoc-L-Leu-OH、Fmoc-L-Lys(Boc)-OH、Fmoc-L-Met-OH、Fmoc-L-Phe-OH、Fmoc-L-Pro-OH、Fmoc-L-Ser(tBu)-OH、Fmoc-L-Thr(tBu)-OH、Fmoc-L-Trp(Boc)-OH、Fmoc-L-Tyr(tBu)-OH、Fmoc-L-Val-OH。
さらに、次の特別なアミノ酸を、上記と同じサプライヤーから購入した:Fmoc-L-Lys(ivDde)-OH、Fmoc-L-Lys(Dde)-OH、Fmoc-L-Lys(Mmt)-OH、Fmoc-Aib-OH、Fmoc-N-Me-Gly-OH、Boc-N-Me-L-Tyr(tBu)-OH、およびBoc-L-Tyr(tBu)-OH。
さらに、ビルディングブロックN-а-(9-フルオレニルメトキシカルボニル)-N-ε-(N-α’-パルミトイル-L-グルタミン酸α’-tert-ブチルエステル)-L-リジン、(2S)-6-[[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-5-tert-ブトキシ-4-[(18-tert-ブトキシ-18-オキソ-オクタデカノイル)アミノ]-5-オキソペンタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]-2-(9H-フルオレン-9-イルメトキシカルボニル-アミノ)ヘキサン酸(Fmoc-L-Lys[{AEEA}2-gGlu(OtBu)-C18OtBu]-OH)、Fmoc-AEEA-OH([2-[2-(Fmoc-アミノ)エトキシ]エトキシ]酢酸、CAS-No.166108-71-0)、Fmoc-AEEA-AEEA-OH([2-(2-(Fmoc-アミノ)エトキシ)エトキシ]酢酸、CAS-No.560088-89-3)、Fmoc-L-Ile-Aib-OH、及びBoc-L-Tyr-Aib-OHはすべて使用できる。これらのビルディングブロックは商業的供給源から得られるか、または別々に合成され、例えば、CN104356224に記載されているように段階的に合成または固相合成される。
さらに、側鎖ビルディングブロックHO-{AEEA}2-gGlu(OtBu)-C18OtBu(2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-5-tert-ブトキシ-4-[(18-tert-ブトキシ-18-オキソ-オクタデカノイル)アミノ]-5-オキソ-ペンタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]酢酸;(S)-22-(tert-ブトキシカルボニル)-10,19,24-トリオキソ-3,6,12,15-テトラオキサ-9,18,23-トリアザテトラデカン-1,41-二酸;CAS No.1118767-16-0)、HO-{AEEA}2-gGlu(OtBu)-C20OtBu(2-[2-[2-[[2-[2 -[2-[[(4S)-5-tert-ブトキシ-4-[(20-tert-ブトキシ-20-オキソ-エイコサノイル)アミノ]-5-オキソ-ペンタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]酢酸;CAS-No.1188328-37-1)、HO-{AEEA}2-{gGlu(OtBu)}2-C18OtBu(2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-5-tert-ブトキシ-4-[[(4S)-5-tert-ブトキシ-4-[(18-tert-ブトキシ-18-オキソ-オクタデカノイル)アミノ]-5-オキソ-ペンタノイル]アミノ]-5-オキソ-ペンタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]酢酸)、HO-{AEEA}2-{gGlu(OtBu)}2-C20OtBu(2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-5-tert-ブトキシ-4-[[(4S)-5-tert-ブトキシ-4-[(20-tert-ブトキシ-20-オキソ-エイコサノイル)アミノ]-5-オキソ-ペンタノイル]アミノ]-5-オキソ-ペンタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]酢酸)、HO-{Gly}3-gGlu(OtBu)-C18OtBu(2-[[2-[[2-[[(4S)-5-tert-ブトキシ-4-[(18-tert-ブトキシ-18-オキソ-オクタデカノイル)アミノ]-5-オキソ-ペンタノイル]アミノ]アセチル]アミノ]アセチル]アミノ]酢酸)、及びHO-{N-MeGly}3-gGlu(OtBu)-C18OtBu(2-[[2-[[2-[[(4S)-5-tert-ブトキシ-4-[(18-tert-ブトキシ-18-オキソ-オクタデカノイル)アミノ]-5-オキソ置換-ペンタノイル]-メチル-アミノ]アセチル]-メチル-アミノ]アセチル]-メチル-アミノ]酢酸)が使用されている。これらのビルディングブロックは、商業的供給源(例えば成都普康)から得られるか、または別々に合成され、例えば、WO09022006、WO09115469またはWO15028966に同様に記載されているように、段階的に合成または固相合成される。
固相ペプチド合成は、標準Fmoc化学及びHBTU/DIPEAまたはHATU/DIPEA活性化を用いて、例えばPreludeペプチドシンセサイザー(Mesa Laboratories/Gyros Protein Technologies)または同様の自動合成機で行った。DMFを溶媒として使用した。
脱保護:20%ピペリジン/DMF2x2.5分。
洗浄:7xDMF。
カップリング:200mM AA:500mM HBTU:2M DIPEA=2:5:10 DMFで2x20分。
洗浄:5xDMF。
HBTU/DIPEA活性化は、すべての標準カップリングに使用された。
HATU/DIPEA活性化は、次のカップリングに使用された:Ile-Aib、Aib-Lys[{AEEA}2-gGlu(OtBu)-C18OtBu]、Lys[{AEEA}2-gGlu(OtBu)-C18OtBu]-Asp、Gln-Aib、Leu-Leu。HATUカップリングは、通常、2つの反応でそれぞれ40分間であり、2つの反応がそれぞれ1時間、場合によっては12時間にも及ぶ。
Lys側鎖が修飾された場合は、対応する位置にFmoc-L-Lys(ivDde)-OH、Fmoc-L-Lys(Dde)-OHまたはFmoc-L-Lys(Mmt)-OHを用いた。合成後、改変された文献手順に従って、DMF中の4%ヒドラジン水和物を使用してivDde基を除去した(S.R.Chhabra et al.,Tetrahedron Lett.,1998,39,1603)。室温で15分間、AcOH/TFE/DCM(1/2/7)で繰り返し処理することによりMmt基を除去し、続いてDCM、DCM中5%DIPEA及びDCM/DMF中5%DIPEAで樹脂を繰り返し洗浄した。以下のアシル化は、所望の酸のN-ヒドロキシスクシンイミドエステルで樹脂を処理するか、または遊離酸をHBTU/DIPEA、HATU/DIPEA、HATU/HOAt/DIPEAもしくはHOBt/DICなどのカップリング剤とともに使用することによって行われた。
ペプチドへのアシル側鎖、例えば{AEEA}2-gGlu-C18OHの段階的な付加:リジンのεアミノ基からのMmt基の脱保護は、3×30mlの酢酸とトリフルオロエタノールのジクロロメタン中混合物(1:2:7)を用いて、毎回15分間行った。樹脂をDCM(3×)、DCM中5%DIPEA(3×)、DCM(2×)及びDMF(2×)で洗浄した。次いで、樹脂を、HATU(3当量)、HOAt(3当量)及びDIPEA(4当量)で予め活性化したDMF中2-[2-[2-(9H-フルオレン-9-イルメトキシカルボニルアミノ)エトキシ]エトキシ]酢酸(2-[2-[2-(9H-fluoren-9-ylmethoxycarbonylamino)ethoxy]ethoxy]acetic acid)(1当量)溶液で24時間処理した。生成物をDMF、ジクロロメタン、ジエチルエーテルで洗浄し、乾燥させた。ピペリジン(DMF中20%)でFmoc保護基を切断した後、上記の手順を繰り返して、2-[2-[2-[[2-[2-[2-(9H-フルオレン-9-イルメトキシ(イルカルボニルアミノ))エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセトアミド誘導体を生成した。Fmoc保護基を切断し、樹脂を、HATU(3当量)、HOAt(3当量)、及びDIPEA(4当量)で予め活性化したDMF中の(4S)-5-tert-ブトキシ-4-(9H-フルオレン-9-イルメトキシカルボニルアミノ)-5-オキソ-ペンタン酸(1当量)の溶液で一晩処理した。樹脂を上記のように洗浄した。Fmoc保護基を切断し、HATU(3当量)、HOAt(3当量)及びDIPEA(4当量)で予め活性化されたDMF中の18-tert-ブトキシ-18-オキソ-オクタデカン酸(1当量)の溶液で生成物を処理した。樹脂を上記のように洗浄した。
82.5%TFA、5%フェノール、5%水、5%フェニレンスルフィド及び2.5%EDTからなるKing’s切断混合物、または82.5%TFA、5%フェノール、5%水、5%フェニレンスルフィド及び2.5%DODTからなる変性された切断混合物を使用し、自動合成機で合成されたペプチドを樹脂から切断した。次いで粗ペプチドをジエチルエーテルまたはジイソプロピルエーテル中で沈殿させ、遠心分離し、凍結乾燥した。ペプチドを分析用HPLCで分析し、ESI質量分析法でダブルチェックした。粗ペプチドは、従来の分取RP-HPLC精製ステップによって精製した。
あるいは、ペプチドは手動合成ステップによって合成された。
固相合成(手動合成ステップ)
0.3gのDesccated RinkアミドMBHA樹脂(0.5~0.8mmol/g)を、ポリプロピレンフィルターを備えたポリエチレン容器に入れた。樹脂をDCM(15ml)で1時間、DMF(15ml)で1時間膨潤させた。樹脂上のFmoc基は、20%(v/v)ピペリジン/DMF溶液でそれぞれ5分間及び15分間2回処理することにより脱保護した。樹脂をDMF/DCM/DMF(それぞれ6/6/6回)で洗浄した。固体支持体からのFmocの除去を確認するために、カイザー試験(定量的方法)を使用した。乾燥DMF中のC末端Fmoc-アミノ酸(5当量過剰の樹脂ロード量に相当)を脱保護樹脂に添加し、次のFmoc-アミノ酸のカップリングをDMF中の5当量過剰のDIC及びHOBTで開始した。反応混合物中の各反応物の濃度は約0.4Mであった。混合物を室温でローターで2時間回転させた。樹脂を濾過し、DMF/DCM/DMF(それぞれ6/6/6回)で洗浄した。カップリング後のペプチド樹脂アリコートのカイザー試験は陰性であった(樹脂に色はなかった)。最初のアミノ酸付加の後、樹脂中の未反応のアミノ基(存在する場合)を無水酢酸/ピリジン/DCM(1/8/8)で20分間キャップして、配列の欠失を回避した。キャッピング後、樹脂をDCM/DMF/DCM/DMF(各6/6/6/6回)で洗浄した。C末端アミノ酸ペプチジル樹脂に付着したFmoc基を、20%(v/v)ピペリジン/DMF溶液で2回、それぞれ5分間及び15分間処理することにより脱保護した。樹脂をDMF/DCM/DMF(それぞれ6/6/6回)で洗浄した。Fmoc脱保護が完了した後、ペプチド樹脂のアリコートのカイザー試験は陽性であった。
DMF中のロードされた樹脂に対応する5当量過剰を、Fmoc AA/DIC/HOBt法を使用してRinkアミドMBHA樹脂上の標的配列の残りのアミノ酸に順次カップリングした。反応混合物中の各反応物の濃度は約0.4Mであった。混合物を室温で2時間ローターで回転させた。樹脂を濾過し、DMF/DCM/DMF(それぞれ6/6/6回)で洗浄した。各カップリングステップ及びFmoc脱保護ステップの後、反応の完了を確認するためにカイザー試験を行った。
線形配列が完成した後、分岐点または修飾点として使用されるリジンのε-アミノ基(DDeで保護)を、DMF中の2.5%ヒドラジン水和物で15分間ずつ2回脱保護し、DMF/DCM/DMF(毎回6/6/6回)で洗浄した。DMFにおいて、グルタミン酸のγ-カルボキシ末端を、Fmoc-Glu(OH)-OtBuを使用して、DIC/HOBt法によってLysのε-アミノ基に付加した(ロードされた樹脂の量に対して5当量過剰)。混合物を室温で2時間ローターで回転させた。樹脂を濾過し、DMF/DCM/DMF(各6/6/6、各30ml)で洗浄した。グルタミン酸のFmoc基は、20%(v/v)ピペリジン/DMF溶液で2回、それぞれ5分間と15分間(各25mL)処理して脱保護した。樹脂をDMF/DCM/DMF(それぞれ6/6/6回)で洗浄した。Fmoc脱保護が完了した後、ペプチド樹脂のアリコートのカイザー試験は陽性であった。
側鎖分岐にも複数のγ-グルタミン酸が含まれる場合、2番目のFmoc-Glu(OH)-OtBuを使用して、DMF中でDIC/HOBt法によりγ-グルタミン酸の遊離アミノ基に付加させた(ロードされた樹脂の量に対して5等量過剰)。混合物を室温で2時間ローターで回転させた。樹脂を濾過し、DMF/DCM/DMF(各6/6/6、各30ml)で洗浄した。γ-グルタミン酸のFmoc基は、20%(v/v)ピペリジン/DMF溶液で2回、それぞれ5分間と15分間(25mL)処理して脱保護した。樹脂をDMF/DCM/DMF(それぞれ6/6/6回)で洗浄した。Fmoc脱保護が完了した後のペプチド樹脂アリコートに対するカイザー試験は陽性であった。
18-[[(1S)-1-カルボキシ-4-[2-[2-[2-[2-[2-(カルボキシメトキシ)エトキシ]エチルアミノ]-2-オキソ-エトキシ]エトキシ]エチルアミノ]-4-オキソ-ブチル]アミノ]-18-オキソ-ステアリン酸をペプチドに付加(段階的合成):3x30mlの酢酸:トリフルオロエタノール:ジクロロメタン=1:2:7の溶液でMmt-基をリジンのεアミノ基から脱保護した。次に樹脂を、TSTU(3当量)、DIPEA(3当量)及びN-ヒドロキシベンゾトリアゾール(3当量)で予め活性化されたDMF中の2-[2-[2-(9H-フルオレン-9-イルメトキシカルボニルアミノ)エトキシ]エトキシ]酢酸(1当量)の溶液で24時間処理した。生成物をDMF、ジクロロメタン、ジエチルエーテルで洗浄し、乾燥させた。ピペリジン(DMF中20%)でFmoc保護基を切断した後、上記の手順を繰り返して、2-[2-[2-[[2-[2-[2-(9H-フルオレン-9-イルメトキシカルボニルアミノ)エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセトアミド誘導体を生成した。Fmoc保護基を切断し、樹脂を、TSTU(3当量)、DIPEA(3当量)、及びN-ヒドロキシベンゾトリアゾール(3当量)で予め活性化されたDMF中の(4S)-5-tert-ブトキシ-4-(9H-フルオレン-9-イルメトキシカルボニルアミノ)-5-オキソ-ペンタン酸(1当量)の溶液で一晩処理した。樹脂を上記のように洗浄した。Fmoc保護基を切断し、生成物を、TSTU(3当量)、DIPEA(3当量)及びN-ヒドロキシ-ベンゾトリアゾール(3eq)で事前に活性化されたDMF中の18-tert-ブトキシ-18-オキソ-オクタデカン酸(1当量)で処理した。最終ペプチドを樹脂から切断すると、tert-ブチルエステルが切断された。
樹脂からのペプチドの最終切断(手動合成ステップ)
手動合成によって合成されたペプチジル樹脂を、DCM(6x10ml)、MeOH(6x10ml)、及びエチルエーテル(6x10ml)で洗浄し、真空デシケーターで一晩乾燥させた。固体支持体からのペプチドの切断は、ペプチド樹脂を試薬カクテル(92%TFA、2%フェニレンスルフィド、2%フェノール、2%水、及び2%TIPS)で室温で3~4時間処理することによって達成した。切断混合物を濾過により回収し、樹脂をTFA(2ml)及びDCM(2×5ml)で洗浄した。過剰のTFA及びDCMを窒素下で少量に濃縮し、少量のDCM(5~10ml)を残留物に加え、窒素下で蒸発させた。このプロセスを3~4回繰り返して、ほとんどの揮発性不純物を除去した。残留物を0℃に冷却し、無水エーテルを加えてペプチドを沈殿させた。沈殿したペプチドを遠心分離し、上澄みのエーテルを除去し、新しいエーテルをペプチドに加え、再び遠心分離した。粗試料を分取HPLCで精製し、凍結乾燥した。ペプチドの同一性は、LCMSによって確認された。
さらに、リジン側鎖を導入する別の経路を使用し、ペプチド合成のカップリングパートナーとして、側鎖がリジンに結合された、事前に官能化されたビルディングブロック(例えば、Fmoc-L-Lys[{AEEA}2-gGlu(OtBu)-C18OtBu]-OH)を使用した。アミノ基を有するペプチド樹脂0.67mmolをジメチルホルムアミド20mlで洗浄した。2.93gのFmoc-L-Lys[{AEEA}2-gGlu(OtBu)-C18OtBu]-OHを、310mgのヒドロキシベンゾトリアゾール水和物及び0.32mlのジイソプロピルカルボジイミドアミドと一緒に20mlのジメチルホルムアルデヒドに溶解した。5分間攪拌した後、溶液を樹脂に添加した。樹脂を20時間撹拌し、次いで毎回20mlのジメチルホルムアミドで3回洗浄した。少量の樹脂サンプルを採取し、カイザー試験とテトラクロロベンゾキノン試験を行った(E.Kaiser,R.L.Colescott,C.D.Bossinger,P.I.Cook,Anal.Biochem.1970,34,595-598;Chloranil-Test:T.Vojkovsky,Peptide Research 1995,8,236-237)。この手順により、選択的な脱保護ステップの必要性と、非常に高度な合成中間体への側鎖ビルディングブロックの選択的な結合が回避される。
分析用HPLC/UHPLC
方法A:214nmでの検出
カラム:Waters ACQUITY UPLC(登録商標) CSH(商標) C18 1.7μm(150x2.1mm)、50℃;
溶媒:HO+0.05%TFA:ACN+0.045%TFA(流速0.5ml/分);
勾配:80:20(0分)~80:20(3分)~25:75(23分)~5:95(23.5分)~5:95(26.5分)~80:20(27分)~80:20(33分);
必要に応じて質量分析器を使用:LCT Premier、エレクトロスプレーカチオンモード。
方法B:214nmでの検出
カラム:Waters ACQUITY UPLC(登録商標) CSH(商標) C18 1.7μm(150x2.1mm)、50℃;
溶媒:HO+0.05%TFA:ACN+0.035%TFA(流速0.5ml/分);
勾配:80:20(0分)~80:20(3分)~25:75(23分)~2:98(23.5分)~2:98(30.5分)~80:20(31分)~80:20(37分);
質量分析器: Agilent 6230 Accurate-Mass TOFまたはAgilent 6550 iFunnel Q-TOF;どちらもDual Agilent Jet Stream ESIイオン源を装備。
方法C:214nmでの検出
カラム:Waters ACQUITY UPLC(登録商標) CSH(商標) C18 1.7μm(150x2.1mm)、70℃;
溶媒:HO+0.05%TFA:ACN+0.035%TFA(流速0.5ml/分);
勾配63:37 (0分)~63:37(3分)~45:55(23分)~2:98(23.5分)~2:98(30.5分)~63:37(31分)~63:37(38分);
質量分析装置:Agilent 6230 Accurate-Mass TOF、Agilent Jet Stream ESI;
一般的な分取HPLC精製ステップ
粗ペプチドは、Akta精製システム、Jascoセミ分取HPLCシステム、Agilent 1100 HPLCシステムまたは同様のHPLCシステムで精製した。精製する粗ペプチドの量に応じて、異なるサイズと流速の分取RP-C18-HPLCカラムを使用した。例えば、次のカラムを使用した:Waters XSelect CSH C18 OBD Prep 5μm 30x250mm、Waters SunFire C18 OBD Prep 5μm 30x250mm、Waters SunFire C18 OBD Prep 5μm 50x150mm、Phenomenex Luna Prep C18 5μm 21.2x250mm。アセトニトリル(B)及び水+0.1%TFA(A)または水+0.1%FA(A)を溶離液として使用した。生成物を含む画分を集め、凍結乾燥して精製生成物を通常TFA塩として得た。
あるいは、ペプチドを水に溶解し、NaHCOで溶液をpH7.05に調整することにより、ペプチドを酢酸塩として単離することができる。次に、溶解した化合物をRP Kinetex 21.2x250mm(カラム容量CV 88ml、5μm、C18、100A、Akta avant 25)で精製した。カラムを溶媒A(3xCV)で平衡化し、化合物を注入し、続いて溶媒A(95%)及び溶媒B(5%)の混合物を3CVで洗浄した。次に、A:B(95:5)からA:B(20:80)への勾配溶媒を15CVで実行した。精製ペプチドを収集し、凍結乾燥した。
カラム:Kinetex AXIA 5μm C18 21.2x250mm;
溶媒:A(HO+0.5%酢酸):B(ACN+H2O+0.5%酢酸)(流速7ml/分);
勾配:95:5(0分)~95:5(37分)~20:80(180分)~0:100(6分)。
溶解性評価
溶解度測定の前に、ペプチドのバッチの純度をUHPLC/MSによって決定した。
溶解性試験の場合、目標濃度は10mg純粋な化合物/mlであった。したがって、前に決定された%純度に基づいて、固体サンプルからの溶液は、緩衝系で10mg/mlの化合物濃度で調製された。
溶解性緩衝系A)100mMリン酸緩衝液pH7.4;
溶解性緩衝系B)8mMリン酸緩衝液pH7.4、14mg/mlプロピレングリコール、5.5mg/mlフェノール;
溶解性緩衝系C)100mMリン酸緩衝液pH7.4、2.7mg/ml m-クレゾール。
2500RCF(相対遠心加速度)で15分間遠心分離した後、上清を取得し、5℃で一晩(24時間)保存した後、1時間穏やかに攪拌した後、UHPLC-UVにかけた。溶解度は、1:10希釈バッファーサンプルの2μl注入液のUVピーク面積を既知濃度の参照ペプチドの標準曲線と比較することによって決定した。サンプル及び参照ペプチドの異なるUV吸光係数は、異なるアミノ酸配列に基づいて計算され、濃度計算で考慮された。
使用した分析メソッドは、分析性UHPLC方法Aであった。
化学的安定性評価
ペプチドのバッチの純度は、化学的安定性を測定する前にUHPLC/MSによって決定した。目標濃度は300μmの純粋な化合物であった。固体サンプルからの溶液は、前に決定された%純度に基づいて、緩衝系で化合物濃度が約300μMで調製された。
化学的安定性緩衝系A)20mMリン酸緩衝液pH7.4;
化学的安定性緩衝系B)8mMリン酸緩衝液pH7.4、14mg/mlプロピレングリコール、5.5mg/mlフェノール。
化学的安定性緩衝系C)100mMリン酸緩衝液pH7.4、2.7mg/ml m-クレゾール。
調製した溶液を0.22μm孔径でろ過し、層流条件下で滅菌ガラス容器に充填した。
ガラス容器は、それぞれ5℃及び40℃で28日間保管された。その後、試料を2500RCFで15分間遠心分離した。次に、未希釈の上清1.5μLをUHPLC-UVで分析した。
化学的安定性は、次の式で計算された相対純度損失によって評価した。
[(5℃で28日後の純度)-(40℃で28日後の純度)]/(5℃で28日後の純度)]×100%
純度は次のように計算する:[(ペプチドピーク面積)/(総ピーク面積)]*100%
使用した分析メソッドは、分析性UHPLC方法BまたはCであった。
物理的安定性を評価するための動的光散乱(DLS)
単色コヒーレントビーム(レーザー)を使用して、液体サンプルを照射する。動的光散乱(DLS)は、ブラウン運動をする粒子(1nm≦半径≦1μm)から散乱される光を測定する。この運動は、粒子と溶媒分子の間の衝突によって引き起こされ、それら自体が熱エネルギーによって移動する。これらの粒子の拡散運動は、散乱光の時間変動を引き起こす(R.Pecora,Dynamic Light Scattering:Applications of Photon Correlation Spectroscopy,Plenum Press,1985)。
散乱光強度変動を記録し、自己相関関数に変換する。自己相関曲線を指数関数に当てはめることにより、溶液中の粒子の拡散係数Dを導き出すことができる。次に、拡散係数を使用して、球状粒子を仮定したStokes-Einstein方程式によって、流体力学的半径R(または見かけのStokes半径)を計算する。この計算は、ISO 13321及びISO 22412に定義されている(International Standard ISO13321 Methods for Determination of Particle Size Distribution Part 8: Photon Correlation Spectroscopy, International Organisation for Standardisation (ISO) 1996; International Standard ISO22412 Particle Size Analysis-Dynamic Light Scattering, International Organisation for Standardisation, 2008)。
多分散サンプルの場合、自己相関関数は各種(species)に対応する指数関数的減衰の合計である。次に、散乱光の時間変動を使用して、粒子の一部(fraction)またはファミリーのサイズ分布曲線を決定できる。一次結果は、粒子サイズの関数としての散乱光強度分布である。強度分布は、各粒子部分またはファミリーの散乱強度に従って自然に重み付けされる。生物材料またはポリマーの場合、粒子散乱強度は分子量の2乗に比例する。したがって、少量の凝集体/凝集塊またはより大きな粒子種の存在が、強度分布を支配することができる。ただし、この分布は、サンプル内の大きな物質の存在に対する高感度検出器として使用できる。
DLS技術は、固有のピークの広がりを伴う分布を生成できる。多分散性指数%PDは、粒子サイズ分布の幅の尺度であり、ISO13321及びISO22412に記載されている標準的な方法で計算する[International Standard ISO13321 Methods for Determination of Particle Size Distribution Part 8: Photon Correlation Spectroscopy, International Organisation for Standardisation (ISO) 1996; International Standard ISO22412 Particle Size Analysis-Dynamic Light Scattering, International Organisation for Standardisation (ISO) 2008]。
前に決定された%純度に基づいて、固体サンプルからの溶液は、緩衝系(以下を参照)で300μMの化合物目標濃度で調製された。
DLS緩衝系A)20mMリン酸緩衝液pH7.4;
DLS緩衝系B)8mMリン酸緩衝液pH7.4、14mg/mlプロピレングリコール、5.5mg/mlフェノール;
DLS緩衝系C)100mMリン酸緩衝液pH7.4、2.7mg/ml m-クレゾール。
溶液を0.22μm孔径で濾過し、層流条件下で滅菌ガラス容器に充填した。各ペプチド溶液について、見かけの流体力学的半径(R)、対応する散乱強度(I)、及び質量寄与(M)は、高質量測定散乱光強度分布からのみ取得した3~6回の反復の平均として決定された。これらのパラメーターの相対標準偏差(RSD)は、同じ数の反復から計算された。
DLS測定は、Dynapro Plate Reader II(Wyatt Technology,Santa Barbara,CA,US)で、次の黒色の少量の未処理プレートの1つを使用して実行した:底面が透明なポリスチレン384-アッセイプレート(Corning,NY,US)、または底面が透明なシクロオレフィンポリマー(COP)384-アッセイプレート(Aurora,MT,US)、または底面が透明なポリスチレン384-アッセイプレート(Greiner Bio-One,Germany)。データは、Wyatt Technologyが提供するダイナミクスソフトウェアを使用して処理した。粒子サイズ分布のパラメーターは、DynaLSアルゴリズムを使用した非負の制約付き最小二乗法(NNLS)を使用して決定した。測定は、830nmレーザー光源を158°の角度で使用して、25℃で実行した。
物理的安定性を評価するためのThT分析
ペプチド溶液の物理的安定性が低いと、アミロイド線維が形成される可能性がある。これは、サンプル内で整然とした線形高分子構造として観察され、最終的にゲル形成につながる可能性がある。チオフラビンT(ThT)は、誤って折り畳まれたタンパク質凝集体の存在を視覚化及び定量化するために広く使用されている[Biancalana et al.,Biochim.Biophys.Acta 2010,1804(7),1405]。アミロイド凝集体などのフィブリルに結合すると、色素は独自の蛍光標識を表示する[Naiki et al.,Anal.Biochem.1989,177,244;LeVine et al.,Methods.Enzymol.1999,309,274]。フィブリル形成の時間経過は、一般にシグモイド曲線の特徴的な形状に従い、遅滞期、急成長期、及びプラトー期の3つの領域に分けることができる。
典型的なフィブリル化プロセスは、部分的に折り畳まれたペプチドがフィブリルに変換される量が検出されるほど顕著ではない遅滞期から始まる。遅滞時間は、コアのクリティカルマスが構築される時間に相当する。その後、急激な伸長期が続き、フィブリル濃度が急速的に増加する。
この研究は、ストレス条件下でのフィブリル化の傾向を判断するために、37℃でFluoroskan Ascent FLまたはFluoroskan Ascentで振盪することによって実施された。
Fluoroskan Ascent (FL)でのテストでは、200μLのサンプルを96ウェルマイクロタイタープレートPS、平底、Greiner Fluotrac No.655076に入れた。プレートをQiagenテープで密封した。
37℃で960rpmで10秒間振盪し、50秒間静置する連続サイクルによってサンプルを加圧した。動態は、20分ごとに蛍光強度を測定することによって監視した。
ペプチドを緩衝系で最終濃度3mg/mlに希釈した。100μMの最終ThT濃度を得るために、10.1 mM ThTの水溶液20 μlをペプチド溶液2mlに加えた。各サンプルを8回繰り返してテストした。
ThT緩衝系A)100mMリン酸緩衝液pH7.4;
ThT緩衝系B)100mMリン酸緩衝液pH7.4、2.7mg/ml m-クレゾール。
GLP-1及びGIP受容体の有効性のインビトロ細胞解析(HEK-293細胞株過剰発現受容体)
ヒトGLP-1またはGIP受容体をそれぞれ発現する組換えPSC-HEK-293細胞株のcAMP応答を測定することにより、ヒトグルカゴン様ペプチド1(GLP-1)またはグルコース依存性インスリン分泌促進性ポリペプチド(GIP)受容体における化合物のアゴニズムを測定した。
細胞を、T-175フラスコ中の培地(DMEM/10%FBS)中37℃でほぼ飽和するまで増殖させ、10%DMSOを含む細胞培養培地を含む2mlバイアルに、細胞濃度1~5千万細胞/mlで回収した。各バイアルには1.8mlの細胞が含まれている。バイアルをイソプロパノールで-80°Cまでゆっくりと凍結し、液体窒素に移して保存した。
使用前に凍結細胞を37℃で急速に解凍し、20mlの細胞緩衝液(1xHBSS;20mM HEPES、実施例の条件で指定されている場合は0.1%HSAを添加)で洗浄(900rpmで5分間)した。細胞をアッセイ緩衝液(細胞緩衝液+2mM IBMX)に再懸濁し、細胞密度を100万細胞/mlに調整した。
cAMP産生を検出するために、5μLの細胞(最終5000細胞/ウェル)及び5μLの試験化合物を384ウェルプレートに添加し、室温で30分間インキュベートした。
産生されたcAMPは、Cisbio社のキットを使用して、HTRF(均質時間分解蛍光)に基づいて決定した。cAMPアッセイは、製造元(Cisbio)の指示に従って行った。
切断緩衝液(キットコンポーネント)で希釈したHTRF試薬を添加した後、プレートを1時間インキュベートし、蛍光比を665/620nmで測定した。アゴニストのインビトロ効力は、最大応答の50%活性化を誘発する濃度(EC50)を決定することによって定量化した。
GIP受容体の有効性に関するインビトロ細胞分析(脂肪細胞)
さらに、化合物のGIPRアゴニズムは、ヒトGIP受容体を内因的に発現するヒト脂肪細胞のcAMP応答を測定することによって決定した。
このために、T-75細胞培養皿で1バイアルのヒト前駆脂肪細胞(~10細胞;Lonza)を解凍した。細胞は、Promo Cell Supplement Mixを含む前駆脂肪細胞増殖培地で、37℃、5%CO、湿度95%で培養した。3日後、細胞をPBS及び1.5mlトリプシンで洗浄し、4分間インキュベートした後、培地に再懸濁し、室温で300rcfで10分間遠心分離し、再び再懸濁し、4つのT-75細胞培養皿に分配した。同様に、細胞は37℃、5%CO、湿度95%で培養した。5日後、細胞をPBSと1.5mlのトリプシンで洗浄し、4分間インキュベートした後、培地に再懸濁し、室温で300rcfで10分間遠心分離し、再度再懸濁し、15mLの分化細胞を含むT-75培養皿に分配した(皿あたり2.5x10細胞)。
分化培地の組成は次のとおりである:DMEM(Gibco)、Ham’s F10(Gibco)、15mM HEPES(Gibco)、3%FCS(PAA)、33μMビオチン(Sigma-Aldrich)、17μMパントテン酸(Sigma-Aldrich)、0.1μMヒトインスリン(Sigma-Aldrich)、1μMデキサメタゾン(Sigma-Aldrich)、0.1μM PPARγアゴニスト(#R2408、Sigma-Aldrich)、0.6xAnti-Anti(#15240、ThermoFisher)、200μM IBMX(AppliChem)及び0.01μM L-サイロキシン(Sigma-Aldrich)。
分化の6日後、96ウェルプレート(Sigma-AldrichからのCorning(登録商標)からの#CLS3694)のウェルあたり5000個の細胞を分注した。cAMP産生を検出するために、25μLの試験化合物を96ウェルプレートの各ウェルに添加し、続いて室温で30分間インキュベートした。
試験化合物による刺激で産生されたcAMPは、Cisbio社からのキットを使用して、HTRF(均質時間分解蛍光)に基づいて決定した。cAMP分析は、製造元(Cisbio)の指示に従って行った。
細胞のcAMP含量は、Cisbio社からのキットを使用して、HTRF(均質時間分解蛍光)に基づいて決定した。
切断緩衝液で希釈したHTRF試薬(キットコンポーネント)を添加した後、プレートを1時間インキュベートし、蛍光比を665/620nmで測定した。
アゴニストのインビトロ効力は、最大応答の50%活性化を誘発する濃度(EC50)を決定することによって定量化された。
ヒトGIP及びヒトGLP-1受容体への結合のインビトロアッセイ
(1)GIPRまたはGLP-1Rを過剰発現するHEK-293細胞からの膜の調製
GIPRまたはGLP-1Rを組換え的に過剰発現するHEK-293細胞を50%飽和まで増殖させ、温IXPB(Gibco)で洗浄し、HEPES/EDTA緩衝液(100mM HEPES pH7.5、5mM EDTA)中で分離した。細胞を4℃、3000×gでの遠心分離により回収し、細胞ペレットをさらに処理するまで-80℃で保存した。
氷上で解凍した後、細胞ペレットをHEPES/EDTA緩衝液に再懸濁し、Ultra-Turray T25を使用して氷上で1分間ホモジナイズした。その後の超音波処理の後、4℃、1000xgで遠心分離することにより細胞破片を除去した。次いで、上清を4℃、100,000×gで30分間真空にて超遠心分離した。細胞ペレットをHEPES/EDTA/NaCl緩衝液(20mM HEPES、1mM EDTA、150mM NaCl;10ml緩衝液に1つのComplete Mini Protease阻害剤カクテル(cocktail)を加えたもの)に再懸濁し、タンパク質含有量をBCAタンパク質によって分析して決定した。
(2)試験化合物のヒトGIPRまたはGLP-1Rに対する結合活性の測定
GIPRまたはGLP-1Rに対する結合活性を測定するために、[125I]GIPまたは[125I]GLP-1(PerkinElmer)の最終濃度をそれぞれ100pMとし、10濃度の試験化合物を、アッセイバッファー[50mM HEPES(pH7.4、WAKO)、5mM EGTA(WAKO)、5mM MgCl2(WAKO)、及び0.005%Tween 20(BioRad)]中でGLP-1RまたはGIPRを発現するHEK-293細胞膜(1μg/ウェルのタンパク質)でコーティングされたPVT-WGA SPAビーズと混合し、室温で2時間インキュベートした。特異的結合は、それぞれ1μM及び2μMの非標識コールドリファレンスリガンドの非存在下(総結合)及び存在下(非特異的結合)で結合した[125I]標識サーマルリガンド(GIP、GLP-1)の量の差として計算した。
マウス、ラット、サル、ブタにおけるエキセンジン-4誘導体の薬物動態評価
化合物は、剤量、種及び投与量に応じて、0.05、0.1、0.5または1mg/mLなどの濃度の、pH7.4のPBS緩衝液またはDPBSなどの適切な緩衝系で投与される。
マウス
メスのC57BL/6マウスに0.25mg/kg、0.5mg/kg、または1mg/kgを静脈内(i.v.)または皮下(s.c.)に投与した。マウスを殺処分し、静脈内投与の0.08、0.25、0.5、1、2、4、8、24、32、及び48時間後、及び皮下投与の0.25、0.5、1、2、4、8、24、32及び48時間後に血液サンプルを採取した。タンパク質沈殿後の血漿サンプルを液体クロマトグラフィー質量分析(LC/MS)で分析した。PKパラメーター及び半減期は、非コンパートメントモデル及び線形台形補間計算によるPhoenix-WinNonlin 8.1を使用して計算した。
ラット
オスSDラットに0.25mg/kg、0.5mg/kg、または1mg/kgを静脈内(i.v.)または皮下(s.c.)に投与した。静脈内投与の0.08、0.25、0.5、1、2、4、8、24、32、及び48時間後、及び0.25、0.5、1、2、4、8、24、32、及び48時間後にそれぞれ血液サンプルを採取した。タンパク質沈殿後の血漿サンプルを液体クロマトグラフィー質量分析(LC/MS)で分析した。PKパラメーター及び半減期は、非コンパートメントモデル及び線形台形補間計算によるPhoenix-WinNonlin 8.1を使用して計算した。
サル
オスのカニクイザルに0.1mg/kgを静脈内(i.v.)または皮下(s.c.)に投与した。静脈内投与の0.083、0.25、0.5、1、2、4、8、24、32、48、及び72時間後、及び皮下投与の0.5、1、2、4、8、24、48、72、及び96時間後、それぞれ血液サンプルを採取した。タンパク質沈殿後の血漿サンプルを液体クロマトグラフィー質量分析(LC/MS)で分析した。PKパラメーター及び半減期は、非コンパートメントモデル及び線形台形補間計算によるPhoenix-WinNonlin 8.1を使用して計算した。
ミニブタ
メスのゲッティンゲンミニブタに0.05mg/kgを静脈内(i.v.)または0.1mg/kgを皮下(s.c.)に投与した。0時間及び静脈内投与の0.083、0.25、0.5、1、2、4、8、24、32、48、56、72、80、及び96時間後、ならびに0時間後及び皮下投与の0.25、0.5、1、2、4、8、24、32、48、56、72、80、及び96時間後に血液サンプルを採取した。タンパク質沈殿後の血漿サンプルを液体クロマトグラフィー質量分析(LC/MS)で分析した。PKパラメーター及び半減期は、非コンパートメントモデル及び線形台形補間計算によるPhoenix-WinNonlin 8.1を使用して計算した。
健康なオスC57BL/6マウスにおける皮下投与後の腹腔内耐糖能試験(ipGTT)における血糖に対する急性効果
9~10週齢で体重が約24~26グラムの健康な正常血糖のオスC57Bl/6NCrlマウスを、Charles River Laboratories Deutschland GmbH,97633 Sulzfeld,Germanyから購入した。マウスを群分けで輸送し(ケージあたり4匹)、新しい環境に1週間順応させ、研究全体を通じて群分けで培養を維持した。マウスは、12時間の明暗サイクル(点灯時間06:00AM~06:00PM)、平均室温22±2℃、相対平均湿度55±10%を含む動物飼育環境条件下で飼育した。すべての動物は、研究の開始前に食物(Ssniff R/M-H食餌)と水を自由に摂取できた。研究開始時のマウスは10~11週齢であり、平均体重は24.7±0.13g(n=48)であった。
この研究の主な目的は、ipGTT環境でマウスの化合物誘発性の血糖変動の減少と耐糖能の改善を調査することであったため、主なパラメーターには血糖値、デルタ血糖値(標準:腹腔内グルコース負荷の直前の時点をt=0時間として標準化)、及びそれぞれの計算された曲線下面積(AUC)値が含まれた。この研究は、急性の単回投与研究として実施され、オス動物はランダムに6つの群に分けられ、各群で7~8匹のマウスとした。
GIPRアゴニストの用量依存的な薬力学的血糖降下効果は、腹腔内グルコース注射の6時間前に3~100nmol/kgの用量範囲で皮下注射し、溶媒群及び10nmol/kg用量のセマグルチド陽性対照と比較して分析した。
より詳細には、マウスに一晩餌を与え、翌朝、実験室に持ち込み、餌を取り除いたが、水は自由に与えた。t=0の時点で、腹腔内グルコースボーラス(1gグルコース/kg体重)により、ボーラスの前後-6.5、-0.5、0、0.17、0.5、1、1.5、2及び3時間に採血した(5μL)。t=0.17hの時点で、別のK-EDTA血漿サンプルを60~80μLの血液から採取し、血漿インスリン分析を行った。尻尾の先から採血した。t=0時間で5ml/kgの注入量でグルコースを負荷する(t=0時間)6時間前に、GIPRアゴニスト及びセマグルチドを、皮下注射により、2.3%グリセロール及び0.01%ポリソルベート20(溶媒)を含むpH7.4の10mMリン酸緩衝液に溶解して処理した。注射液は、実験前に無菌ろ過された溶媒を使用して新たに調製した。
血中グルコースは酵素的に決定された(Roche/Hitachi 912のGluco-quant(登録商標)Glucose/HKキット)。Meso Scale Discoveryのマウス/ラットインスリンサンドイッチイムノアッセイキットを使用して、血漿インスリンを測定した。
データ収集と統計分析
すべてのデータは、Microsoft Excelを使用して収集した。これらのデータはオンラインで収集されたものではなかった。結果は、平均±平均の標準偏差(SEM)として表される。主な研究パラメーターとして、血糖値、ベースライン(t=0h時点)を差し引いたデルタ血糖値、及びそれらのそれぞれの計算された曲線下面積(AUC)値を測定した。t=0hからt=2hまでの期間のそれぞれのAUCデータは、台形則を使用して計算した。
皮下化合物または溶媒処置後のipGTT血糖変動データに対する応答の統計分析は、生の血糖データについて計算されたAUC値及びベースラインを差し引いたデルタ血糖データのAUC値で実施された。第1のステップでは、群間の分散の均一性をLevene’s testで検定した。Levene’s testが有意な場合(P≦0.05)、ANOVA分析を実行する前に、計算されたAUCデータのランク変換を適用して分散を安定させた。Levene’s testが有意でない場合(p>0.05)、事前のランク変換なしでANOVA分析を実行した。第2のステップでは、一元配置ANOVA分析を因子処理で実行し、その後、統計的差異をテストするために、テスト群と溶媒群の間でDunnettの多重比較検定を行った。異なるレベルでの有意性は、*=p<0.05、**=p<0.001、***=p<0.0001と定義した。すべての分析は、EverSt@t V6.1インターフェイスソフトウェアを介して、Linux(登録商標)の下でSAS(バージョン9.4)を使用して実行した。
実施例
本願を次の実施例によってさらに説明する。
実施例1:配列番号8の合成
「方法」に記載の固相合成は、Novabiochem Rink-アミド樹脂(4-(2’,4’-ジメトキシフェニル-Fmoc-アミノメチル)-フェノキシアセトアミド-ノルロイシルアミノメチル樹脂)、100~200メッシュ、0.35mmol/gの負荷で実施した。アミノ酸配列に応じて、自動Fmoc合成ストラテジーがHBTU/DIPEA活性化またはHATU/DIPEA活性化のいずれかと一緒に適用された。14位でFmoc-Lys(Mmt)-OH及び1位でBoc-N-Me-L-Tyr(tBu)-OHを固相合成プロトコルにおいて使用した。「方法」に記載されているように、Mmt基を樹脂上のペプチドから切断した。その後、DIPEAを塩基とし、HATU/HOAtをカップリング剤として、HO-{AEEA}2-gGlu(OtBu)-C18OtBu(CAS-No.1118767-16-0)を放出されたアミノ基にカップリングした。King’sカクテルを用いて樹脂からペプチドを切断した(D.S.King,C.G.Fields,G.B.Fields,Int.J.Peptide Protein Res.1990,36,255-266)。粗生成物を、アセトニトリル/水勾配(0.1%TFA含有水)を使用したWatersカラム(Waters SunFire C18 OBD Prep 5μm 50×150mm)での分取HPLCによって精製した。精製ペプチドをLCMSによって分析した(方法B)。保持時間14.86分のピークの下で検出された質量シグナルのデコンボリューション(Deconvolution)により、ペプチド質量が4968.61であることが明らかになり、これは4968.60の期待値と一致している。
実施例2:配列番号9の合成
「方法」に記載の固相合成は、Novabiochem Rink-アミド樹脂(4-(2’,4’-ジメトキシフェニル-Fmoc-アミノメチル)-フェノキシアセトアミド-ノルロイシルアミノメチル樹脂)、100~200メッシュ、0.35mmol/gの負荷で実施した。アミノ酸配列に応じて、自動Fmoc合成ストラテジーがHBTU/DIPEA活性化またはHATU/DIPEA活性化のいずれかと一緒に適用された。14位でFmoc-Lys(Mmt)-OH及び1位でBoc-Tyr(tBu)-OHを固相合成プロトコルにおいて使用した。「方法」に記載されているように、Mmt基を樹脂上のペプチドから切断した。その後、DIPEAを塩基とし、HATU/HOAtをカップリング剤として、HO-{AEEA}2-gGlu(OtBu)-C18OtBu(CAS-No.1118767-16-0)を放出されたアミノ基にカップリングした。King’sカクテルを用いて樹脂からペプチドを切断した(D.S.King,C.G.Fields,G.B.Fields,Int.J.Peptide Protein Res.1990,36,255-266)。粗生成物を、アセトニトリル/水勾配(0.1%TFA含有水)を使用したWatersカラム(Waters SunFire C18 OBD Prep 5μm 50×150mm)での分取HPLCによって精製した。精製ペプチドを収集し、凍結乾燥した。その後、ペプチドを水に溶解し、NaHCOでpH7.05に調整し、アセトニトリル/水勾配(両方の緩衝液が0.5%酢酸を含有する)を使用して分取HPLC(Akta avant 25a,カラム:RP Kinetex21.2x250mm)によって3回目の精製をした。精製ペプチドを収集し、凍結乾燥した。精製ペプチドをLCMSによって分析した(方法B)。保持時間14.20分のピークの下で検出された質量シグナルのデコンボリューションにより、ペプチド質量が4998.60であることが明らかになり、これは4998.58の期待値と一致している。
実施例3:配列番号11の合成
「方法」に記載の固相合成は、Fmoc-Ser(tBu)-Wang樹脂((S)-(9H-フルオレン-9-イル)メチル(1-(tert-ブトキシ)-3-オキシプロパン-2-イル)カーバメート樹脂)、100~200メッシュ、0.42mmol/gの負荷で実施した。アミノ酸配列に応じて、自動Fmoc合成ストラテジーがHBTU/DIPEA活性化またはHATU/DIPEA活性化のいずれかと一緒に適用された。14位でFmoc-Lys(Mmt)-OH及び1位でBoc-Tyr(tBu)-OHを固相合成プロトコルにおいて使用した。「方法」に記載されているように、Mmt基を樹脂上のペプチドから切断した。その後、DIPEAを塩基とし、HATU/HOAtをカップリング剤として、HO-{AEEA}2-gGlu(OtBu)-C18OtBu(CAS-No.1118767-16-0)を放出されたアミノ基にカップリングした。King’sカクテルを用いて樹脂からペプチドを切断した(D.S.King,C.G.Fields,G.B.Fields,Int.J.Peptide Protein Res.1990,36,255-266)。粗生成物を、アセトニトリル/水勾配(0.1%TFA含有水)を使用したWatersカラム(Waters SunFire C18 OBD Prep 5μm 30×250mm)での分取HPLCによって精製した。精製ペプチドを収集し、凍結乾燥した。精製ペプチドをLCMSによって分析した(方法B)。保持時間14.21分のピークの下で検出された質量シグナルのデコンボリューションにより、ペプチド質量が4999.58であることが明らかになり、これは4999.56の期待値と一致している。
実施例4:配列番号12の合成
「方法」に記載の固相合成は、Novabiochem Rink-アミド樹脂(4-(2’,4’-ジメトキシフェニル-Fmoc-アミノメチル)-フェノキシアセトアミド-ノルロイシルアミノメチル樹脂)、100~200メッシュ、0.35mmol/gの負荷で実施した。アミノ酸配列に応じて、自動Fmoc合成ストラテジーがHBTU/DIPEA活性化またはHATU/DIPEA活性化のいずれかと一緒に適用された。14位でFmoc-Lys(Mmt)-OH及び1位でBoc-Tyr(tBu)-OHを固相合成プロトコルにおいて使用した。「方法」に記載されているように、Mmt基を樹脂上のペプチドから切断した。その後、DIPEAを塩基とし、HATU/HOAtをカップリング剤として、8-(9-フルオレニルメトキシカルボニル-アミノ)-3,6-ジオキソオクタン酸(CAS-No.166108-71-0)を放出されたアミノ基にカップリングした。King’sカクテルを用いて樹脂からペプチドを切断した(D.S.King,C.G.Fields,G.B.Fields,Int.J.Peptide Protein Res.1990,36,255-266)。粗生成物を、アセトニトリル/水勾配(0.1%TFA含有水)を使用したWatersカラム(Waters SunFire C18 OBD Prep 5μm 30×250mm)での分取HPLCによって精製した。精製ペプチドを収集し、凍結乾燥した。精製ペプチドをLCMS(方法B)によって分析した。保持時間12.24分のピークの下で検出された質量シグナルのデコンボリューションにより、ペプチド質量が5143.68であることが明らかになり、これは5143.65の期待値と一致している。
実施例5:配列番号13の合成
「方法」に記載の固相合成は、Novabiochem Rink-アミド樹脂(4-(2’,4’-ジメトキシフェニル-Fmoc-アミノメチル)-フェノキシアセトアミド-ノルロイシルアミノメチル樹脂)、100~200メッシュ、0.35mmol/gの負荷で実施した。アミノ酸配列に応じて、自動Fmoc合成ストラテジーがHBTU/DIPEA活性化またはHATU/DIPEA活性化のいずれかと一緒に適用された。14位でFmoc-L-Lys[{AEEA}2-gGlu(OtBu)-C18OtBu]及び1位でBoc-N-Me-L-Tyr(tBu)-OHを固相合成プロトコルで使用した。King’sカクテルを用いて樹脂からペプチドを切断した(D.S.King,C.G.Fields,G.B.Fields,Int.J.Peptide Protein Res.1990,36,255-266)。粗生成物を、アセトニトリル/水勾配(0.1%TFA含有水)を使用したWatersカラム(Waters SunFire C18 OBD Prep 5μm 50×150mm)での分取HPLCによって精製した後、アセトニトリル/水勾配(0.1%ギ酸含有水)を使用したWatersカラム(Waters Xselect CSH Prep C18 5μm 30x250mm)での分取HPLCによって精製した。精製ペプチドを収集し、凍結乾燥した。精製ペプチドをLCMSによって分析した(方法B)。保持時間12.30分のピークの下で検出された質量シグナルのデコンボリューションにより、ペプチド質量が5012.62であることが明らかになり、これは5012.60の期待値と一致している。
同様の方法で、表2に挙げた他のペプチドを合成し、キャラクタライズした。
Figure 2023519516000005
実施例6:化学的安定性
ペプチドサンプルを化学安定性緩衝系AまたはBで調製し、「方法」で説明したように安定性を評価した。結果を表3及び表4に示す。
Figure 2023519516000006
Figure 2023519516000007
実施例7:溶解度
ペプチドサンプルを溶解性緩衝系AまたはCで調製し、「方法」で説明したように溶解度を評価した。結果を表5及び表6に示す。
Figure 2023519516000008
Figure 2023519516000009
実施例8:ThTアッセイで評価された安定性
ペプチドサンプルのチオフラビンT(ThT)アッセイにおける遅延時間(h)は、「方法」に記載されているように、ThT緩衝系Aで決定した。結果を表7に示す。
Figure 2023519516000010
実施例9:DLSアッセイで評価された安定性
見かけの流体力学的半径(Rh)、散乱強度、及び質量寄与は、DLS緩衝系AまたはBの「方法」で説明されているように、製造後(0週間)及び40℃で4週間保存した後に決定した。結果を表8及び表9に示す。
Figure 2023519516000011
Figure 2023519516000012
実施例10:ヒトGLP-1及びGIP受容体(受容体を過剰発現するHEK-293細胞株)のインビトロデータ
ヒトGLP-1またはGIP受容体に対するペプチド化合物の効力は、ヒトGIP受容体(hGIPR)またはヒトGLP-1受容体(hGLP-1R)を発現する細胞を、濃度が増加した列挙された化合物に曝露し、「方法」に記載されているように、0.1%HAS存在下またはアルブミン非存在下(0%HSA)で産生されたcAMPを測定することによって確定した。
結果を表10に示す。
Figure 2023519516000013
実施例11:ヒトGIP受容体のインビトロデータ(ヒト脂肪細胞)
ヒトGIP受容体に対するペプチド化合物の効力は、ヒトGIP受容体を発現する細胞(ヒト脂肪細胞)を、濃度が増加した列挙された化合物に曝露し、「方法」に記載されているように産生されたcAMPを測定することによって確定した。
結果を表11に示す。
Figure 2023519516000014
実施例12:ヒトGLP-1及びGIP受容体のインビトロ親和性データ(結合アッセイ)
ヒトGIP受容体及びヒトGLP-1受容体に対するペプチド化合物の親和性は、「方法」に記載されているように決定された。
結果を表12に示す。
Figure 2023519516000015
実施例13:薬物動態試験
「方法」に記載されているように、薬物動態プロファイルを決定した。計算されたT1/2及びCma値を表13~16に示し、経時的な血漿レベルを図5及び図6に示す。
Figure 2023519516000016
Figure 2023519516000017
Figure 2023519516000018
Figure 2023519516000019
実施例14:C57Bl/6マウスのipGTT期間中に配列番号9での皮下処理による血中グルコース変動及び耐糖能への急性効果
オスC57Bl/6NCrlマウスに一晩餌を与え、翌朝、実験室に持ち込み、餌を取り除いたが、水は自由に与えた。6群のマウス(各群N=7~8匹)に溶媒を1回皮下注射したか、または用量を増加させたGIPRアゴニスト配列番号9(3、10、30、または100nmol/kg)を皮下注射し、または10nmol/kgセマグルチドを陽性対照として皮下注射した。個体ごとについて朝に測定された最新の体重記録に基づいて用量を調整した。投与は、午前6時30分から午前7時の間に開始して完了した。投与の6時間後、マウスにブドウ糖溶液を急速に腹腔内ボーラス投与し、溶媒群及びセマグルチド陽性対照と比較して、血糖値の低下及び耐糖能の改善に対するGIPRアゴニストの用量依存的な薬力学的有効性を分析した。
観察された元の血糖濃度のAUC分析データの減少(10nmol/kgの用量でp=0.0045、表17及び図1、2を参照)またはベースライン補正血糖濃度値の増分AUCi分析(3nmol/kg用量の場合、p=0.0058、表18、図3、4を参照)に示すように、溶媒群と比較して、C57Bl/6マウスの腹腔内グルコース負荷後に3~10nmol/kgの範囲の最小有効用量で処置した場合、GIPRアゴニスト配列番号9の単回投与処置は、腹腔内耐糖能の有意な用量依存的改善を誘発した。
Figure 2023519516000020
Figure 2023519516000021
本願はまた、下記項の特徴を有する。
項1.式Iの化合物:
-HN-Tyr-Aib-Glu-Gly-Thr-Phe-lle-Ser-Asp-Leu-Ser-lle-Aib-X14-Asp-Arg-lle-His-Gln-X20-Glu-Phe-lle-Glu-Trp-Leu-Leu-Ala-Gln-Gly-Pro-Ser-Ser-Gly-Ala-Pro-Pro-Pro-Ser-R
式中、
はHまたはC~Cアルキル基であり、
X14はLysを表し、ここで、-NH側鎖基は-Z1-Z2-C(O)-Rによって官能化されており、ここで、
-Z1-Z2は、すべての立体異性体形態のリンカーを表し、
は最大70個の炭素原子と、N及びOから選択されるヘテロ原子とを含む部分であり、
X20は、Glu及びAibから選ばれるアミノ酸残基を表し、
はNHまたはOHである、
前記化合物、またはその塩もしくは溶媒和物。
項2.ヒトGIP受容体を活性化することができる、項1に記載の化合物。
項3.ヒトGIP受容体のアゴニストである、項1~2に記載の化合物。
項4.ヒトGIP受容体を発現する全細胞のアッセイにおいて、ヒトGIP受容体を活性化することができる、項1~3に記載の化合物。
項5.ヒト血清アルブミンの非存在下での実施例10の方法により決定されたように、hGIP受容体に対するEC50が10pM以下である、項1~4に記載の化合物。
項6.ヒト血清アルブミンの非存在下での実施例10の方法により決定されたように、hGIP受容体に対するEC50が5pM以下である、項1~4に記載の化合物。
項7.ヒト血清アルブミンの非存在下での実施例10の方法により決定されたように、hGIP受容体に対するEC50が1pM以下である、項1~4に記載の化合物。
項8.ヒト血清アルブミンの非存在下での実施例10の方法により決定されたように、hGIP受容体に対するEC50が0.36pM以下である、項1~4に記載の化合物。
項9.hGIP受容体に対するEC50がヒトGLP-1受容体に対するEC50よりも低い、項1~8に記載の化合物。
項10.ヒト血清アルブミンの非存在下での実施例10の方法により決定されたように、hGLP受容体-1に対するEC50が100pM以上である、項1~9のいずれか一項に記載の化合物。
項11.ヒト血清アルブミンの非存在下での実施例10の方法により決定されたように、hGLP受容体-1に対するEC50が1000pM以上である、項1~9のいずれか一項に記載の化合物。
項12.ヒト血清アルブミンの非存在下での実施例10の方法により決定されたように、hGLP受容体-1に対するEC50が5000pM以上である、項1~9のいずれか一項に記載の化合物。
項13.ヒト血清アルブミンの非存在下での実施例10の方法により決定されたように、hGLP受容体-1に対するEC50が10000pM以上である、項1~9のいずれか一項に記載の化合物。
項14.実施例11の方法により決定されたように、hGLP受容体-1に対するEC50が10nM以下である、項1~13のいずれか一項に記載の化合物。
項15.実施例11の方法により決定されたように、hGIP受容体に対するEC50が8nM以下である、項1~13のいずれか一項に記載の化合物。
項16.実施例11の方法により決定されたように、hGIP受容体に対するEC50が4.6nM以下である、項1~13のいずれか一項に記載の化合物。
項17.実施例11の方法により決定されたように、hGIP受容体に対するEC50が2nM以下である、項1~13のいずれか一項に記載の化合物。
項18.実施例12の方法により決定されたように、hGIP受容体に結合するIC50が10nM以下である、項1~17のいずれか一項に記載の化合物。
項19.実施例12の方法により決定されたように、hGIP受容体に結合するIC50が8nM以下である、項1~17のいずれか一項に記載の化合物。
項20.実施例12の方法により決定されたように、hGIP受容体に結合するIC50が5nM以下である、項1~17のいずれか一項に記載の化合物。
項21.実施例12の方法により決定されたように、hGIP受容体に結合するIC50が3.13nM以下である、項1~17のいずれか一項に記載の化合物。
項22.実施例12の方法により決定されたように、hGIP受容体に結合するIC50が1nM以下である、項1~17のいずれか一項に記載の化合物。
項23.実施例12の方法により決定されたように、hGLP-1受容体に結合するIC50が10nM以上である、項1~22のいずれか一項に記載の化合物。
項24.実施例12の方法により決定されたように、hGLP-1受容体に結合するIC50が50nM以上である、項1~22のいずれか一項に記載の化合物。
項25.実施例12の方法により決定されたように、hGLP-1受容体に結合するIC50が100nM以上である、項1~22のいずれか一項に記載の化合物。
項26.生理的pHで高い溶解度を有する、項1~25のいずれか一項に記載の化合物。
項27.pH6~8で高い溶解度を有する、項1~25のいずれか一項に記載の化合物。
項28.25℃または40℃、pH6~8で溶解度が高い、項1~25のいずれか一項に記載の化合物。
項29.25℃または40℃、pH7.4で溶解度が高い、項1~25のいずれか一項に記載の化合物
項30.少なくとも1mg/mlの高い溶解度を有する、項1~25のいずれか一項に記載の化合物。
項31.少なくとも5mg/mlの高い溶解度を有する、項1~25のいずれか一項に記載の化合物。
項32.少なくとも10mg/mlの高い溶解度を有する、項1~25のいずれか一項に記載の化合物。
項33.少なくとも30mg/mlの高い溶解度を有する、項1~25のいずれか一項に記載の化合物。
項34.フェノール、m-クレゾールなどの抗菌防腐剤の存在下、生理的pHで高い溶解度を有する、項1~33のいずれか一項に記載の化合物。
項35.フェノール、m-クレゾールなどの抗菌防腐剤の存在下、pH7~8の酸性範囲の生理的pHで高い溶解度を有する、項1~33のいずれか一項に記載の化合物。
項36.フェノール、m-クレゾールなどの抗菌防腐剤の存在下、25℃または40℃、pH7.4、生理的pHで高い溶解度を有する、項1~33のいずれか一項に記載の化合物。
項37.フェノール、m-クレゾールなどの抗菌防腐剤存在下、生理的pHで少なくとも1mg/mlの高い溶解度を有する、項1~33のいずれか一項に記載の化合物。
項38.フェノール、m-クレゾールなどの抗菌防腐剤存在下、生理的pHで少なくとも5mg/mlの高い溶解度を有する、項1~33のいずれか一項に記載の化合物。
項39.フェノール、m-クレゾールなどの抗菌防腐剤存在下、生理的pHで少なくとも10mg/mlの高い溶解度を有する、項1~33のいずれか一項に記載の化合物。
項40.溶液中で保存した場合に高い化学的安定性を有する、項1~39のいずれか一項に記載の化合物。
項41.高い化学的安定性を有し、40℃、pH7.4の溶液中で28日後に相対純度の損失が20%以下である、項1~39のいずれか一項に記載の化合物。
項42.高い化学的安定性を有し、40℃、pH7.4の溶液中で28日後に相対純度の損失が15%以下である、項1~39のいずれか一項に記載の化合物。
項43.高い化学的安定性を有し、40℃、pH7.4の溶液中で28日後に相対純度の損失が12%以下である、項1~39のいずれか一項に記載の化合物。
項44.フェノール、m-クレゾールなどの抗菌防腐剤を含む溶液で保存した場合に高い化学的安定性を有する、項1~43のいずれか一項に記載の化合物。
項45.フェノール、m-クレゾールなどの抗菌防腐剤の存在下で高い化学的安定性を有し、40℃、pH7.4の溶液中で28日後に相対純度の損失が20%以下である、項1~43のいずれか一項に記載の化合物。
項46.フェノール、m-クレゾールなどの抗菌防腐剤の存在下で高い化学的安定性を有し、40℃、pH7.4の溶液中で28日後に相対純度の損失が15%以下である、項1~43のいずれか一項に記載の化合物。
項47.フェノール、m-クレゾールなどの抗菌防腐剤の存在下で高い化学的安定性を有し、40℃、pH7.4の溶液中で28日後に相対純度の損失が12%以下である、項1~43のいずれか一項に記載の化合物。
項48.物理的安定性が高い、項1~47のいずれか一項に記載の化合物。
項49.チオフラビンTを蛍光プローブとして濃度3mg/mlで蛍光強度の増加を示さない、項1~48のいずれか一項に記載の化合物。
項50.チオフラビンTを蛍光プローブとして濃度3mg/ml、pH6~8の範囲で蛍光強度の増加を示さない、項1~48のいずれか一項に記載の化合物。
項51.チオフラビンTを蛍光プローブとして37℃、pH7.4、濃度3mg/mlで5時間以内に蛍光強度の増加を示さない、項1~48のいずれか一項に記載の化合物。
項52.チオフラビンTを蛍光プローブとして37℃、pH7.4、濃度3mg/mlで10時間以内に蛍光強度の増加を示さない、項1~48のいずれか一項に記載の化合物。
項53.チオフラビンTを蛍光プローブとして37℃、pH7.4、濃度3mg/mlで30時間以内に蛍光強度の増加を示さない、項1~48のいずれか一項に記載の化合物。
項54.チオフラビンTを蛍光プローブとして37℃、pH7.4、濃度3mg/mlで45時間以内に蛍光強度の増加を示さない、項1~48のいずれか一項に記載の化合物。
項55.チオフラビンTを蛍光プローブとして濃度3mg/mlでフェノール、m-クレゾールなどの抗菌防腐剤存在下で蛍光強度の増加を示さない、項1~54のいずれか一項に記載の化合物。
項56.チオフラビンTを蛍光プローブとして濃度3mg/mlでpH6~8の酸性範囲、且つフェノール、m-クレゾールなどの抗菌防腐剤存在下で蛍光強度の増加を示さない、項1~54のいずれか一項に記載の化合物。
項57.チオフラビンTを蛍光プローブとして37℃、pH7.4、濃度3mg/ml、且つフェノール、m-クレゾールなどの抗菌防腐剤存在下で5時間以内に蛍光強度の増加を示さない、項1~54のいずれか一項に記載の化合物。
項58.チオフラビンTを蛍光プローブとして37℃、pH7.4、濃度3mg/ml、且つフェノール、m-クレゾールなどの抗菌防腐剤存在下で10時間以内に蛍光強度の増加を示さない、項1~54のいずれか一項に記載の化合物。
項59.チオフラビンTを蛍光プローブとして37℃、pH7.4、濃度3mg/ml、且つフェノール、m-クレゾールなどの抗菌防腐剤存在下で30時間以内に蛍光強度の増加を示さない、項1~54のいずれか一項に記載の化合物。
項60.チオフラビンTを蛍光プローブとして37℃、pH7.4、濃度3mg/ml、且つフェノール、m-クレゾールなどの抗菌防腐剤存在下で45時間以内に蛍光強度の増加を示さない、項1~54のいずれか一項に記載の化合物。
項61.改善された薬物動態特性を有する、項1~60のいずれか一項に記載の化合物。
項62.増加した生体内半減期を有する、項1~60のいずれか一項に記載の化合物。
項63.ミニブタで測定した場合に増加した半減期を有する、項1~60のいずれか一項に記載の化合物。
項64.カニクイザルで測定した場合に増加した半減期を有する、項1~60のいずれか一項に記載の化合物。
項65.本明細書の実施例14に記載のマウスでの急性試験によって決定されたように、生体内での耐糖能を改善する効果を有する、項1~64のいずれか一項に記載の化合物。
項66.RがHまたはメチルである、項1~65のいずれか一項に記載の化合物。
項67.RがHである、項1~65のいずれか一項に記載の化合物。
項68.Rがメチルである、項1~65のいずれか一項に記載の化合物。
項69.RがNHである、項1~65のいずれか一項に記載の化合物。
項70.RがOHである、項1~65のいずれか一項に記載の化合物。
項71.前記X14は、-NH側鎖基が-Z1-Z2-C(O)R基によって官能化されているLysを表し、ここで、
Z1は、AEEA、{AEEA}2、{AEEA}3、Gly、Gly-Gly、{Gly}3、N-MeGly、{N-MeGly}2、{N-MeGly}3から選ばれる基を表し、
Z2はgGluまたはgGlu-gGluから選択される基を表し、
前記Rは基-(CH2)x-COOHを表し、ここでxは15から22までの整数である、
項1~70のいずれか一項に記載の式Iの化合物。
項72.-Z-C(O)-R基の鏡像異性形態、S-またはR-鏡像異性体の鏡像異性形態である、項目1~71のいずれか一項に記載の式Iの化合物。
項73.前記X14は、-NH側鎖基が-Z1-Z2-C(O)R基によって官能化されているLysを表し、ここで、
Z1は、{AEEA}2、{AEEA}3、{Gly}3、{N-MeGly}3から選ばれる基を表し、
Z2はgGluまたはgGlu-gGluから選択される基を表し、
前記Rは基-(CH)x-COOHを表し、ここでxは15から22までの整数である、
項1~71のいずれか一項に記載の式Iの化合物。
項74.前記X14は、-NH側鎖基が-Z1-Z2-C(O)R基によって官能化されているLysを表し、ここで、
Z1は、AEEA、{AEEA}2、{AEEA}3、Gly、Gly-Gly、{Gly}3、N-MeGly、{N-MeGly}2、{N-MeGly}3から選ばれる基を表し、
Z2はgGluまたはgGlu-gGluから選択される基を表し、
前記Rは17-カルボキシ-1-オキソヘプタデシルまたは19-カルボキシ-1-オキソノナデシルを表す、
項1~71のいずれか一項に記載の式Iの化合物。
項75.前記X14は、-NH側鎖基が-Z1-Z2-C(O)R基によって官能化されているLysを表し、ここで、
Z1は、{AEEA}2、{AEEA}3、{Gly}3、{N-MeGly}3から選ばれる基を表し、
Z2はgGluまたはgGlu-gGluから選択される基を表し、
前記Rは17-カルボキシ-1-オキソヘプタデシルまたは19-カルボキシ-1-オキソノナデシルを表す、
項1~71のいずれか一項に記載の式Iの化合物。
項76.[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル-、
[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)ブチリル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル-、
[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル-、
[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリル]アミノ]ブチリル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル-、
[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)ブチリル]アミノ]ブチリル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル-、
[2-[[2-[[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリル]アミノ]アセチル]アミノ]アセチル]アミノ]アセチル]-、
[2-[メチル-[2-[メチル-[2-[メチル-[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリル]アミノ]アセチル]アミノ]アセチル]アミノ]アセチル]-
である、項1~71のいずれか一項に記載の式Iの化合物。
項77.前記X14は、-NH側鎖基が-Z1-Z2-C(O)R基によって官能化されているLysを表し、ここで、
Z1-Z2-は、AEEA-AEEA-gGluを表し、
前記Rは、ペンタデセノイル、ヘプタデセノイル、ノナデカイル、17-カルボキシ-1-オキソヘプタデシルまたは19-カルボキシ-1-オキソノナデシルから選択される基を表す、
項1~71のいずれか一項に記載の式Iの化合物。
項78.前記X14は、-NH側鎖基が-Z1-Z2-C(O)R基によって官能化されているLysを表し、ここで、
-Z1-Z2-は、AEEA-AEEA-gGluを表し、
前記Rは、17-カルボキシ-1-オキソヘプタデシルまたは19-カルボキシ-1-オキソノナデシルから選択される基を表す、
項1~71のいずれか一項に記載の式Iの化合物。
項79.前記X14は、-NH側鎖基が以下の基:
2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル-、または2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)ブチリル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル-によって官能化されているLysを表す、
項1~71のいずれか一項に記載の式Iの化合物。
項80.前記X14は、-NH側鎖基が2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル-によって官能化されているLysを表す、
項1~71のいずれか一項に記載の式Iの化合物。
項81.前記X14は、-NH側鎖基が-Z1-Z2-C(O)R基によって官能化されているLysを表し、ここで、
-Z1-Z2-は、AEEA-AEEA-AEEA-gGlu-を表し、
前記Rは、17-カルボキシ-1-オキソヘプタデシルまたは19-カルボキシ-1-オキソノナデシルから選択される基を表す、
項1~71のいずれか一項に記載の式Iの化合物。
項82.前記X14は、-NH側鎖基が-Z1-Z2-C(O)R基によって官能化されているLysを表し、ここで、
-Z1-Z2-は、AEEA-AEEA-gGlu-gGlu-を表し、
前記Rは、17-カルボキシ-1-オキソヘプタデシルまたは19-カルボキシ-1-オキソノナデシルから選択される基を表す、
項1~71のいずれか一項に記載の式Iの化合物。
項83.前記X14は、-NH側鎖基が以下の基:
[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル-、
[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)ブチリル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル-、
[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル-、
[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリル]アミノ]ブチリル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル-、
[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)ブチリル]アミノ]ブチリル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル-、
[2-[[2-[[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリル]アミノ]アセチル]アミノ]アセチル]アミノ]アセチル]-または
[2-[メチル-[2-[メチル-[2-[メチル-[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリル]アミノ]アセチル]アミノ]アセチル]アミノ]アセチル]-
から選択される基によって官能化されているLysを表し、
はNHを表す、
項1~71のいずれか一項に記載の式Iの化合物、またはその塩もしくは溶媒和物。
項84.前記X14は、-NH側鎖基が以下の基:
[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル-、
[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)ブチリル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル-、
[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル-、
[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリル]アミノ]ブチリル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル-、
[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)ブチリル]アミノ]ブチリル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル-、
[2-[[2-[[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリル]アミノ]アセチル]アミノ]アセチル]アミノ]アセチル]-または
[2-[メチル-[2-[メチル-[2-[メチル-[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリル]アミノ]アセチル]アミノ]アセチル]アミノ]アセチル]-
から選択される基によって官能化されているLysを表し、
はOHを表す、
項1~71のいずれか一項に記載の式Iの化合物、またはその塩もしくは溶媒和物。
項85.前記RがHまたはメチルから選択され、前記X20がGluであり、前記RがNHまたはOHである、項1~65及び項71~84のいずれか一項に記載の式Iの化合物、またはその塩もしくは溶媒和物。
項86.前記RがHであり、前記X20がGluであり、前記RがNHまたはOHである、項1~65及び項71~84のいずれか一項に記載の式Iの化合物、またはその塩もしくは溶媒和物。
項87.前記RがHであり、前記X20がGluであり、前記RがNHである、項1~65及び項71~84のいずれか一項に記載の式Iの化合物、またはその塩もしくは溶媒和物。
項88.前記RがHであり、前記X20がGluであり、前記RがOHである、項1~65及び項71~84のいずれか一項に記載の式Iの化合物、またはその塩もしくは溶媒和物。
項89.前記Rがメチルであり、前記X20がGluであり、前記RがNHまたはOHである、項1~65及び項71~84のいずれか一項に記載の式Iの化合物、またはその塩もしくは溶媒和物。
項90.前記Rがメチルであり、前記X20がGluであり、前記RがNHである、項1~65及び項71~84のいずれか一項に記載の式Iの化合物、またはその塩もしくは溶媒和物。
項91.前記Rがメチルであり、前記X20がGluであり、前記RがOHである、項1~65及び項71~84のいずれか一項に記載の式Iの化合物、またはその塩もしくは溶媒和物。
項92.前記RがHまたはメチルから選択され、前記X20がAibであり、前記RがNHまたはOHである、項1~65及び項71~84のいずれか一項に記載の式Iの化合物、またはその塩もしくは溶媒和物。
項93.前記RがHであり、前記X20がAibであり、前記RがNHまたはOHである、項1~65及び項71~84のいずれか一項に記載の式Iの化合物、またはその塩もしくは溶媒和物。
項94.前記RがHであり、前記X20がAibであり、前記RがNHである、項1~65及び項71~84のいずれか一項に記載の式Iの化合物、またはその塩もしくは溶媒和物。
項95.前記RがHであり、前記X20がAibであり、前記RがOHである、項1~65及び項71~84のいずれか一項に記載の式Iの化合物、またはその塩もしくは溶媒和物。
項96.前記Rがメチルであり、前記X20がAibであり、前記RがNHまたはOHである、項1~65及び項71~84のいずれか一項に記載の式Iの化合物、またはその塩もしくは溶媒和物。
項97.前記Rがメチルであり、前記X20がAibであり、前記RがNHである、項1~65及び項71~84のいずれか一項に記載の式Iの化合物、またはその塩もしくは溶媒和物。
項98.前記Rがメチルであり、前記X20がAibであり、前記RがOHである、項1~65及び項71~84のいずれか一項に記載の式Iの化合物、またはその塩もしくは溶媒和物。
項99.配列番号9~17の化合物、またはその塩もしくは溶媒和物。
項100.配列番号4~8及び18~20の化合物、またはその塩もしくは溶媒和物。
項101.配列番号11及び20の化合物、またはその塩もしくは溶媒和物。
項102.配列番号8及び13の化合物、またはその塩もしくは溶媒和物。
項103.配列番号4~10及び12~19の化合物、またはその塩もしくは溶媒和物。
項104.配列番号4~17の化合物、またはその塩もしくは溶媒和物。
項105.配列番号4~20の化合物、またはその塩もしくは溶媒和物。
項106.配列番号4の化合物、またはその塩もしくは溶媒和物。
項107.配列番号7の化合物、またはその塩もしくは溶媒和物。
項108.配列番号9の化合物、またはその塩もしくは溶媒和物。
項109.項1~108のいずれか一項に記載の式Iの化合物と担体との混合物を含む組成物。
項110.項1~108のいずれか一項に記載の式Iの化合物を担体と混合して含む組成物。
項111.項1~108のいずれか一項に記載の式Iの化合物と担体との混合物を含む組成物であって、前記組成物が薬学的に許容される組成物であり、前記担体が薬学的に許容される担体である、前記組成物。
項112.医療方法に使用するための、項1~111のいずれか一項に記載の組成物。
項113.ヒト医療の治療方法に使用するための、項1~112のいずれか一項に記載の組成物。
項目114.炭水化物及び/または脂質代謝障害によって引き起こされる、それに関連する、及び/または付随する疾患または障害の治療または予防に使用するための、項1~113のいずれか一項に記載の式Iの化合物。
項115.高血糖症、2型糖尿病、耐糖能障害、1型糖尿病、肥満及びメタボリックシンドロームの治療または予防に使用するための、項1~113のいずれか一項に記載の式Iの化合物。
項116.変性疾患の治療または予防に使用するための、項1~113のいずれか一項に記載の式Iの化合物。
項117.神経変性疾患の治療または予防に使用するための、項1~113のいずれか一項に記載の式Iの化合物。
項118.体重増加の防止または体重減少の促進に使用するための、項1~113のいずれか一項に記載の式Iの化合物。
項119.体重に対する観察可能な効果をもたらす食物摂取の減少に使用するための、項1~113のいずれか一項に記載の式Iの化合物。
項120.肥満、病的肥満、肥満関連炎症、肥満関連胆嚢疾患、または肥満誘発性睡眠時無呼吸の治療または予防に使用するための、項1~113のいずれか一項に記載の式Iの化合物。
項121.メタボリックシンドローム、糖尿病、高血圧、アテロームを引き起こす脂質異常症、アテローム性動脈硬化症、動脈硬化症、冠状動脈性心疾患または脳卒中の治療または予防に使用するための、項1~113のいずれか一項に記載の式Iの化合物。
項122.2型糖尿病の疾患進行の遅延または予防、メタボリックシンドロームの治療、肥満の治療または過体重の予防、食物摂取量の減少、体重の減少、耐糖能異常(IGT)から2型糖尿病への進行の遅延、2型糖尿病からインスリン依存性糖尿病及び脂肪肝への進行の遅延に使用するための、項1~113のいずれか一項に記載の式Iの化合物。
項123.耐糖能障害、インスリン抵抗性、糖尿病前症、空腹時血糖値の上昇(高血糖)、2型糖尿病、高血圧症、脂質異常症、動脈硬化症、冠動脈疾患、末梢動脈疾患、脳卒中またはこれらの個々の疾患要素の任意の組み合わせの治療に使用するための、項1~113のいずれか一項に記載の式Iの化合物。
項124.食欲制御、食物及びカロリー摂取、体重増加の防止、体重減少の促進、過剰体重の減少、及び病的肥満を含むすべての肥満の治療に使用するための、項1~113のいずれか一項に記載の式Iの化合物。
項125.糖尿病及び肥満の同時治療に使用するための、項1~113のいずれか一項に記載の式Iの化合物。
項126.肥満関連炎症、肥満関連胆嚢疾患、及び肥満誘発性睡眠時無呼吸の治療に使用するための、項1~113のいずれか一項に記載の式Iの化合物。
項127.アルツハイマー病またはパーキンソン病の治療に使用するための、項1~113のいずれか一項に記載の式Iの化合物。
項128.高血糖、2型糖尿病及び/または肥満の治療または予防に使用するための、項1~113のいずれか一項に記載の式Iの化合物。
項129.患者の血中グルコースレベル及び/またはHbA1cレベルを低下させるための、項1~113のいずれか一項に記載の式Iの化合物。
項130.患者の体重を減少させるための、項1~113のいずれか一項に記載の式Iの化合物。
項131.骨粗鬆症の治療または予防に使用するための、項1~113のいずれか一項に記載の式Iの化合物。
項132.非アルコール性肝疾患(NAFLD)及び非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)の治療または予防に使用するための、項1~113のいずれか一項に記載の式Iの化合物。
項133.吐き気及び/または嘔吐の治療または予防に使用するための、項1~113のいずれか一項に記載の式Iの化合物。
項134.任意の立体異性体形態の項1~133のいずれか一項に記載の式(I)の化合物、または生理学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物、及び本明細書に記載の方法における前記化合物の使用に関する一連の説明書を含む、キット。
項135.1つまたは複数の不活性担体及び/または希釈剤を含む、項134に記載のキット。
項136.1つまたは複数の不活性担体及び/または希釈剤を含み、1つまたは複数の他の薬理学的に活性な化合物をさらに含む、項134に記載のキット。
項137.使用のための装置を含む、項134~136のいずれか一項に記載のキット。
項138.注射器、注射ペン、または自動注射器を含む、項134~137のいずれか一項に記載のキット。
項139.前記装置は、医薬組成物とは別に提供するか、または前記医薬組成物があらかじめ充填されている、項134~138のいずれか一項に記載のキット。
項140.項1~133のいずれか一項に記載の式Iの化合物と抗糖尿病剤との組み合わせ。
項141.項1~133のいずれか一項に記載の式Iの化合物とインスリンと及びインスリン誘導体との組み合わせ。
項142.項1~133のいずれか一項に記載の式Iの化合物と、下記の群:インスリングラルギン(例えば、Lantus(登録商標))、100U/mlを超える濃縮インスリングラルギン、例えば、270~330U/mlインスリングラルギンまたは300U/mlインスリングラルギン(例えば、Toujeo(登録商標))、インスリングルリシン(例えば、Apidra(登録商標))、インスリンデテミル(例えば、Levemir(登録商標))、インスリンリスプロ(例えば、Humalog(登録商標)、Liprolog(登録商標))、インスリンデグルデク(例えば、DegludecPlus(登録商標)、IdegLira(NN9068))、インスリンアスパルト及びインスリンアスパラギン酸製剤(例えば、NovoLog(登録商標))、基礎インスリン及び類似体(例えば、LY2605541、LY2963016、NN1436)、ペグ化インスリンリスプロ(例えば、LY-275585)、持効型インスリン(例えば、NN1436、Insumera(PE0139)、AB-101、AB-102、Sensulin LLC)、中間作用型インスリン(例えば、Humulin(登録商標)N、Novolin(登録商標)N)、速効型及び短時間型インスリン(例えば、Humulin(登録商標)R、Novolin(登録商標)R、Linjeta(登録商標)(VIAject(登録商標))、PH20インスリン、NN1218、HinsBet(登録商標)、プレミックスインスリン、SuliXen(登録商標)、NN1045、インスリンプラスSymlin(登録商標)、PE-0139、ACP-002ハイドロゲルインスリン、及び経口、吸入、経皮、口腔または舌下インスリン(例えば、Exubera(登録商標)、Nasulin(登録商標)、Afrezza(登録商標)、インスリンTregopil、TPM-02インスリン、Capsulin(登録商標)、Oral-lyn(登録商標)、Cobalamin(登録商標)経口インスリン、ORMD-0801、Oshadi経口インスリン、NN1953、NN1954、NN1956、VIAtab(登録商標))から選択される化合物との組み合わせ。
項143.項1~133のいずれか一項に記載の式Iの化合物と、二官能性リンカーを介してアルブミンまたは別のタンパク質に結合するインスリン誘導体との組み合わせ。
項144.項1~133のいずれか一項に記載の式Iの化合物と、GLP-1、GLP-1類似体及びGLP-1受容体アゴニスト、例えばリキシセナチド(lixisenatide)(例えばLyxumia(登録商標))、エクセナチド(exenatide)(例えばエキセンジン-4、組換えエキセンジン-4、Byetta(登録商標)、Bydureon(登録商標)、エクセナチドNexP)、リラグルチド(liraglutide)(例えばVictoza(登録商標))、セマグルチド(semaglutide)(例えば、Ozempic(登録商標))、タソールタスポグルチド(taspoglutide)、アルビグルチド(albiglutide)、デュラグルチド(dulaglutide)(例えば、Trulicity(登録商標))、ACP-003、CJC-1134-PC、GSK-2374697、PB-1023、TTP-054、エフペグレナチド(efpeglenatide)(HM-11260C)、CM-3、GLP-1 Eligen、AB-201、ORMD-0901、NN9924、NN9926、NN9927、ノデクセン(Nodexen)、Viador-GLP-1、CVX-096、ZYOG-1、ZYD-1、ZP-3022、CAM-2036、DA-3091、DA-15864、ARI-2651、ARI-2255、エクセナチド-XTEN(VRS-859)、エクセナチド-XTEN+グルカゴン-XTEN(VRS-859+AMX-808)及びポリマー結合GLP-1及びGLP-1類似体との組み合わせ。
項145.項1~133のいずれか一項に記載の式Iの化合物と、デュアルGLP-1/グルカゴン受容体アゴニスト、例えば、BHM-034、OAP-189(PF-05212389、TKS-1225)、ペガパモデュチド(pegapamodutide)(TT-401/402)、ZP2929、JNJ64565111(HM12525A、LAPS-HMOXM25)、MOD-6030、NN9277、LY-3305677、MEDI-0382、MK8521、BI456906、VPD-107、H&D-001A、PB-718、SAR425899またはWO2014/056872に開示されている化合物からなる群より選ばれる化合物との組み合わせ。
項146.項1~133のいずれか一項に記載の式Iの化合物と、デュアルGLP-1/GIPアゴニスト、例えば、RG-7685(MAR-701)、RG-7697(MAR-709、NN9709)、BHM081、BHM089、BHM098、LBT-6030、ZP-I-70)、TAK-094、SAR438335、チルゼパチド(Tirzepatide)(LY3298176)、またはWO2014/096145、WO2014/096148、WO2014/096149、WO2014/096150及びWO2020/023386に開示されている化合物との組み合わせ。
項147.項1~133のいずれか一項に記載の式Iの化合物と、トリプルGLP-1/グルカゴン/GIP受容体アゴニスト(例えば、トリプルアゴニスト1706(NN9423)、HM15211)との組み合わせ。
項148.項1~133のいずれか一項に記載の式Iの化合物と、デュアルGLP-1Rアゴニスト/プロタンパク質転換酵素サブチリシン/ケキシン(kexin)9型(例えば、MEDI-4166)との組み合わせ。
項149.項1~133のいずれか一項に記載の式Iの化合物と、デュアルGLP-1/GLP-2受容体アゴニスト(例えば、ZP-GG-72)との組み合わせ。
項150.項1~133のいずれか一項に記載の式Iの化合物と、デュアルGLP-1/ガストリンアゴニスト(例えば、ZP-3022)との組み合わせ。
項151.項1~133のいずれか一項に記載の式Iの化合物と、ペプチドYY3-36(PYY3-36)またはその類似体、及び膵臓ポリペプチド(PP)またはその類似体(例えば、PYY1562(NN9747/NN9748))との組み合わせ。
項152.項1~133のいずれか一項に記載の式Iの化合物と、カルシトニン及びカルシトニン類似体、アミリン及びアミリン類似体(プラムリンチド(pramlintide)、Symlin(登録商標)など)、デュアルカルシトニン及びアミリン受容体アゴニスト、例えば、サケカルシトニン(Miacalcic(登録商標)など)、ダバリンチド(davalintide)(AC2307)、ミミリン(mimylin)、AM833(NN9838)、KBP-042、KBP-088、及びKBP-089、ZP-4982/ZP-5461、エルカルシトニンからなる群より選択される化合物との組み合わせ。
項153.項1~133のいずれか一項に記載の式Iの化合物と、グルカゴン様ペプチド2(GLP-2)、GLP-2類似体、及びGLP-2受容体アゴニスト、例えば、テドゥグルチド(teduglutide)(Gattex(登録商標)など)、エルシグルチド(elsiglutide)、グレパグルチド(glepaglutide)、FE-203799、HM15910との組合せ。
項154.項1~133のいずれか一項に記載の式Iの化合物と、グルカゴン受容体アゴニスト(例えば、G530S(NN9030)、ダシグルカゴン(dasiglucagon)、HM15136、SAR438544、DIO-901、AMX-808)またはアンタゴニスト、グルコース依存性インスリン分泌性ポリペプチド(GIP)受容体アゴニスト(例えば、ZP-I-98、AC163794)またはアンタゴニスト(例えば、GIP(3-30)NH)、グレリンアンタゴニストまたはインバースアゴニスト、キセニン(xenin)及びその類似体からなる群より選択される化合物との組合せ。
項155.項1~133のいずれか一項に記載の式Iの化合物と、ヒト線維芽細胞増殖因子21(FGF21)及びその誘導体または類似体、例えばLY2405319及びNN9499またはFGF21の他のバリアントとの組合せ。
項156.項1~133のいずれか一項に記載の式Iの化合物と、ジペプチジルペプチダーゼ-IV(DPP-4)阻害剤との組合せ。
項157.項1~133のいずれか一項に記載の式Iの化合物と、アログリプチン(alogliptin)(例えば、Nesina(登録商標)、Kazano(登録商標))、リナグリプチン(linagliptin)(例えば、Ondero(登録商標)、Trajenta(登録商標)、Tradjenta(登録商標))、Trayenta(登録商標))、サクサグリプチン(saxagliptin)(例えば、Onglyza(登録商標)、Komboglyze XR(登録商標))、シタグリプチン(sitagliptin)(例えば、Januvia(登録商標)、Xelevia(登録商標)、Tesavel(登録商標)、Janumet(登録商標)、Velmetia(登録商標)、Juvisync(登録商標)、Janumet XR(登録商標))、アナグリプチン(anagliptin)、テネリグリプチン(teneligliptin)(例えば、Tenelia(登録商標))、トレラグリプチン(trelagliptin)、ビルダグリプチン(vildagliptin)(例えば、Galvus(登録商標)、Galvumet(登録商標))、ゲミグリプチン(gemigliptin)、オマリグリプチン(omarigliptin)、エボグリプチン(evogliptin)、デュトグリプチン(dutogliptin)、DA-1229、MK-3102、KM-223、KRP-104、PBL-1427、ピノフロキサシン塩酸塩、Ari-2243からなる群より選択される化合物との組合せ。
項158.項1~133のいずれか一項に記載の式Iの化合物と、ナトリウム依存性グルコース輸送体2(SGLT-2)阻害剤との組合せ。
項159.項1~133のいずれか一項に記載の式Iの化合物と、カナグリフロジン(Canagliflozin)(例えば、Invokana(登録商標))、ダパグリフロジン(Dapagliflozin)(例えば、Forxiga(登録商標))、レモグリフロジン(Remogliflozin)、セルグリフロジン(Sergliflozin)、エンパグリフロジン(Empagliflozin)(Jardiance(登録商標)など)、イプラグリフロジン(Ipragliflozin)、トホグリフロジン(Tofogliflozin)、ルセオグリフロジン(Luseogliflozin)、エルトゥグリフロジン(Ertugliflozin)/PF-04971729、RO-4998452、ベキサグリフロジン(Bexagliflozin)(EGT-0001442)、SBM-TFC-039、ヘナグリフロジン(Henagliflozin)(SHR3824)、ジャナグリフロジン(Janagliflozin)、カナグリフロジン(Tianagliflozin)、AST1935、JRP493、HEC-44616からなる群より選択される化合物との組合せ。
項160.項1~133のいずれか一項に記載の式Iの化合物と、SGLT-1及びSGLT-2二重阻害剤(例えば、ソタグリフロジン(sotagliflozin)、LX-4211、LIK066)、SGLT-1阻害剤(例えば、LX-2761、ミザグリフロジン(Mizagliflozin)(KGA-3235))、またはSGLT-1阻害剤と抗肥満薬(例えば、回腸胆汁酸移動(IBAT)阻害剤(GSK-1614235及びGSK-2330672など))からなる群より選択される化合物との組合せ。
項161.項1~133のいずれか一項に記載の式Iの化合物とビグアニドとの組合せ。
項162.項1~133のいずれか一項に記載の式Iの化合物と、メトホルミン、ブホルミン、またはフェンホルミンとの組合せ。
項163.項1~133のいずれか一項に記載の式Iの化合物と、チアゾリジンジオンとの組合せ。
項164.項1~133のいずれか一項に記載の式Iの化合物と、ピオグリタゾン(Pioglitazone)、リボグリタゾン(Rivoglitazone)、ロシグリタゾン(Rosiglitazone)、トログリタゾン(Troglitazone)、グリタゾンからなる群より選択される化合物との組合せ。
項165.項1~133のいずれか一項に記載の式Iの化合物と、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体(PPAR-)(アルファ、ガンマまたはアルファ/ガンマ)アゴニストまたはモジュレーター(例えば、サログリタザール(saroglitazar)(例えば、Lipaglyn(登録商標))、GFT-505)またはPPARγ部分アゴニスト(例えば、Int-131)からなる群より選択される化合物との組合せ。
項166.項1~133のいずれか一項に記載の式Iの化合物と、スルホニル尿素(例えば、トルブタミド(Tolbutamide)、グリベンクラミド(Glibenclamide)、グリメピリド(Glimepiride)(例えば、Amaryl(登録商標))、グリピジド(Glipizide))、メタニル酸(例えば、ナテグリニド(Nateglinide)、レパグリニド(Repaglinide)、ミチグリニド(Mitiglinide))からなる群より選択される化合物との組合せ。
項167.項1~133のいずれか一項に記載の式Iの化合物と、α-グルコシダーゼ阻害剤(例えば、アカルボース、ミグリトール、ボグリボース)との組合せ。
項168.項1~133のいずれか一項に記載の式Iの化合物と、GPR119アゴニスト(例えば、GSK-1292263、PSN-821、MBX-2982、APD-597、ARRY-981、ZYG-19、DS-8500、HM-47000、YH-Chem1、YH18421、DA-1241)との組合せ。
項169.項1~133のいずれか一項に記載の式Iの化合物と、GPR40アゴニスト(例えば、TUG-424、P-1736、P-11187、JTT-851、GW9508、CNX-011-67、AM-1638、AM-5262)との組合せ。
項170.項1~133のいずれか一項に記載の式Iの化合物と、GPR120アゴニスト及びGPR142アゴニストとの組合せ。
項171.項1~133のいずれか一項に記載の式Iの化合物と、全身性または低吸収性のTGR5(GPBAR1=Gタンパク質共役胆汁酸受容体1)アゴニスト(例えば、INT-777、XL-475、SB756050)との組合せ。
項172.項1~133のいずれか一項に記載の式Iの化合物と、糖尿病免疫療法薬、例えば、経口C-Cケモカイン受容体2型(CCR-2)アンタゴニスト(CCX-140、JNJ-41443532など)、インターロイキン1ベータ(IL-1β)アンタゴニスト(AC-201など)または経口モノクローナル抗体(MoAs)(例えば、メタロザミド(methalozamide)、VVP808、PAZ-320、P-1736、PF-05175157、PF-04937319)からなる群より選択される化合物との組合せ。
項173.項1~133のいずれか一項に記載の式Iの化合物と、メタボリックシンドローム及び糖尿病の治療のための抗炎症剤(例えば転写因子κB阻害剤(Triolex(登録商標)など))との組合せ。
項174.項1~133のいずれか一項に記載の式Iの化合物と、アデノシン一リン酸活性化プロテインキナーゼ(AMPK)刺激剤(例えば、Imeglimin(PXL-008)、Debio-0930(MT-63-78)、R-118)との組合せ。
項175.項1~133のいずれか一項に記載の式Iの化合物と、11-β-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ1(11-β-HSD-1)の阻害剤(例えば、LY2523199、BMS770767、RG-4929、BMS816336、AZD-8329、HSD-016、BI-135585)との組合せ。
項176.項1~133のいずれか一項に記載の式Iの化合物と、グルコキナーゼ活性化剤(例えば、PF-04991532、TTP-399(GK1-399)、GKM-001(ADV-1002401)、ARRY-403(AMG-151)、TAK-329、TMG-123、ZYGK1)との組合せ。
項177.項1~133のいずれか一項に記載の式Iの化合物と、ジアシルグリセロールO-アシルトランスフェラーゼ(DGAT)阻害剤(プラジガスト(pradigastat)(LCQ-908)など)、プロテインチロシンホスファターゼ1阻害剤(トロドゥスクミン(trodusquemine)など)、グルコース-6-ホスファターゼ阻害剤、フルクトース-1,6-ビスホスファターゼ阻害剤、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤、ホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼ阻害剤、グリコーゲンシンターゼキナーゼ阻害剤、ピルビン酸デヒドロゲナーゼキナーゼ阻害剤からなる群より選択される化合物との組合せ。
項178.項1~133のいずれか一項に記載の式Iの化合物と、グルコース輸送体4のモジュレーター、ソマトスタチン受容体3アゴニスト(MK-4256など)との組合せ。
項179.項1~133のいずれか一項に記載の式Iの化合物と、1つまたは複数の脂質低下剤との組合せ。
項180.項1~133のいずれか一項に記載の式Iの化合物と、シンバスタチン(simvastatin)(Zocor(登録商標)、Inegy(登録商標)、Simcor(登録商標)など)、アトルバスタチン(atorvastatin)(例えば、Sortis(登録商標)、Caduet(登録商標))、ロスバスタチン(rosuvastatin)(例えば、Crestor(登録商標))、プラバスタチン(pravastatin)(例えば、Lipostat(登録商標)、Selipran(登録商標))、フルバスタチン(fluvastatin)(例えば、Lescol(登録商標))、ピタバスタチン(pitavastatin)(例えば、Livazo(登録商標)、Livalo(登録商標))、ロバスタチン(lovastatin)(例えば、Mevacor(登録商標)、Advicor(登録商標))、メバスタチン(mevastatin)(例えば、Compactin(登録商標))、リバスタチン(rivastatin)、セリバスタチン(cerivastatin)(例えば、Lipobay(登録商標))などの3-ヒドロキシ-3-メチルグルタリル-CoA-レダクターゼ(HMG-CoA-レダクターゼ)阻害剤;ベザフィブラート(bezafibrate)(例えば、Cedur(登録商標)阻害剤)、シプロフィブラート(ciprofibrate)(例えば、Hyperlipen(登録商標))、フェノフィブラート(fenofibrate)(例えば、Antara(登録商標)、Lipofen(登録商標)、Lipanthyl(登録商標))、ゲムフィブロジル(gemfibrozil)(例えば、Lopid(登録商標)、Gevilon(登録商標))、エトフィブラート(etofibrate)、シンフィブラート(simfibrate)、ロニフィブラート(ronifibrate)、クリノフィブラート(clinofibrate)、ペマフィブラート(pemafibrate)、クロフィブラート(clofibrate)などのフィブラート;クロフィブラート(clofibrate);クロフィブリド(clofibride);ナイアシン及びその誘導体(例えば、ナイアシン、ナイアシンを含む持続放出製剤);ナイアシン受容体1アゴニスト(例えば、GSK-256073);PPAR-δアゴニスト;アセチル-CoA-アセチルトランスフェラーゼ(ACAT)阻害剤(例えば、アバシミブ(avasimibe));コレステロール吸収阻害剤(例えば、エゼチミブ(ezetimibe)、Ezetrol(登録商標)、Zetia(登録商標)、Liptruzet(登録商標)、Vytorin(登録商標)、S-556971);胆汁酸結合物質(例えば、コレスチラミン、コレセベラム(colesevelam);回腸胆汁酸輸送(IBAT)阻害剤(例えば、GSK-2330672、LUM-002);ミクロソームトリグリセリド転送タンパク質(MTP)阻害剤(例えば、ロミタピド(lomitapide)(AEGR-733)、SLx-4090、グラノタピド(granotapide));プロタンパク質転換酵素サブチリシン/ケキシン9型(PCSK9)モジュレーター(例えば、アリロクマブ(alirocumab)(例えば、Praluent(登録商標))、エボロクマブ(evolocumab)(例えば、Repatha(登録商標))、LGT-209、PF-04950615、MPSK3169A、LY3015014、ALD-306、ALN-PCS、BMS-962476、SPC5001、ISIS-394814、1B20、LGT-210、1D05、BMS-PCSK9Rx-2、SX-PCK9、RG7652);LDL受容体アップレギュレーター、例えば、肝臓選択的甲状腺ホルモン受容体βアゴニスト(例えば、エプロチローム(eprotirome)(KB-2115)、MB07811、ソベチローム(sobetirome)(QRX-431)、VIA-3196、ZYT1);HDL上昇化合物、例えば、コレステリルエステル転送タンパク質(CETP)阻害剤(例えば、アンセトラピブ(MK0859)、ダルセトラピブ(dalcetrapib)、エバセトラピブ(evacetrapib)、JTT-302、DRL-17822、TA-8995、R-1658、LY-2484595、DS-1442);またはCETP/PCSK9二重阻害剤(例えば、K-312);ATP結合カセット(ABC1)モジュレーター;脂質代謝モジュレーター(例えば、BMS-823778、TAP-301、DRL-21994、DRL-21995);ホスホリパーゼA2(PLA2)阻害剤(例えば、ダラプラディブ(darapladib)、Tyrisa(登録商標)、varespladib、rilapladib);ApoA-Iエンハンサー(例えば、RVX-208、CER-001、MDCO-216、CSL-112);コレステロール合成阻害剤(ETC-1002など);脂質代謝調節剤(BMS-823778、TAP-301、DRL-21994、DRL-21995など)、omega-3脂肪酸及びその誘導体(エチルエイコサペンタエン(AMR101)、Epanova(登録商標)、Lovaza(登録商標)、Vascepa(登録商標)、AKR-063、NKPL-66、PRC-4016、CAT-2003)からなる群より選択される化合物との組合せ。
項181.項1~133のいずれか一項に記載の式Iの化合物と、HDL上昇化合物、例えば、CETP阻害剤(例えば、トルセトラピブ(Torcetrapib)、アナセトラピド(Anacetrapid)、ダルセトラピド、エバセトラピド(Evacetrapib)、JTT-302、DRL-17822、TA-8995)またはABC1調節剤)との組合せ。
項182.項1~133のいずれか一項に記載の式Iの化合物と、肥満の治療のための1つまたは複数の活性物質との組合せ。
項183.項1~133のいずれか一項に記載の式Iの化合物と、ブロモクリプチン(Bromocriptine)(例えば、Cyclose(登録商標)、Parlodel(登録商標))、フェンテルミン(phentermine)及びフェンテルミン製剤または組成物(例えば、Adipex-P、Ionamin、Qsymia(登録商標))、ベンズフェタミン(benzphetamine)(例えば、Didrex(登録商標))、ジエチルプロピオン(diethylpropion)(例えば、Tenuate(登録商標))、フェンジメトラジン)phendimetrazin)(例えば、Adipost(登録商標)、Bontril(登録商標))、ブプロピオン(bupropion)及び組成物(例えば、Zyban(登録商標)、Wellbutrin XL(登録商標)、Contrave(登録商標)、Empatic(登録商標))、シブトラミン(sibutramine)(例えば、Reductil(登録商標)、Meridia(登録商標))、トピラメート(topiramat)(例えば、Topamax(登録商標))、ゾニサミド(zonisamid)(例えば、Zonegran(登録商標))、テソフェンシン(tesofensine)、ナルトレキソン(naltrexone)などのオピオイド拮抗薬(例えば、Naltrexin(登録商標)、ナルトレキソン及びブプロピオン)、カンナビノイド受容体1(CB1)拮抗薬(例えば、TM-38837)、メラニン濃縮ホルモン(MCH-1)アンタゴニスト(例えば、BMS-830216、ALB-127158(a))、MC4受容体アゴニスト及び部分アゴニスト(例えば、AZD-2820、RM-493)、ニューロペプチドY5(NPY5)またはNPY2アンタゴニスト(例えば、ベルネペリット(velneperit)、S-234462)、NPY4アゴニスト(例えば、PP-1420)、β-3-アドレナリン受容体アゴニスト、レプチンまたはレプチン類似体、セロトニン2c(5HT2c)受容体アゴニスト(例えば、lorcaserin、Belviq(登録商標))、プラムリンチド(pramlintide)/メトレレプチン(metreleptin)、セチリスタット(cetilistat)などのリパーゼ阻害剤(Cametor(登録商標)など)、オルリスタット(orlistat)(Xenical(登録商標)、Calobalin(登録商標)など)、血管新生阻害剤(ALS-L1023など)、ベータヒスチジン(betahistidin)及びヒスタミンH3アンタゴニスト(HPP-404など)、AgRP(agouti-関連タンパク質)阻害剤(例えば、TTP-435)、フルオキセチン(例えば、Fluctine(登録商標))、デュロキセチン(duloxetine)(例えば、Cymbalta(登録商標))などのセロトニン再取り込み阻害剤、デュアルまたはトリプル モノアミン取り込み阻害剤(ドーパミン、ノルエピネフリン、及びセロトニン再取り込み)、例えば、セルトラリン(sertraline)(例えば、Zoloft(登録商標))、テソフェンシン、メチオニンアミノペプチダーゼ2(MetAP2)阻害剤(例えば、beloranib)及び線維芽細胞増殖因子受容体4(FGFR4)(例えば、ISIS-FGFR4Rx)またはスタチンターゲティングペプチド-1(例えば、Adipotide(登録商標))に対して生成されたアンチセンスオリゴヌクレオチドからなる群より選択される化合物との組合せ。
項184.項1~133のいずれか一項に記載の式Iの化合物と、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)及び非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)を含む脂肪性肝疾患の治療のための1つまたは複数の活性物質との組合せ。
項185.項1~133のいずれか一項に記載の式Iの化合物と、インスリン感作物質(例えば、ロシグリタゾン、ピオグリタゾン)、他のPPARモジュレーター(例えば、エラフィブラノール(elafibranor)、サログリタザール(saroglitazar)、IVA-337)、FXRアゴニスト(例えば、オベチコール(obethicolic)酸(INT-747)、GS-9674、LJN-452、EDP-305)、FGF19アナログ(例えば、NGM-282)、FGF21アナログ(PF-05231023)、GLP-1類似体(例えば、リラグルチド)、SCD1阻害剤(例えば、アラキジルアミドコール(aramchol))、抗炎症化合物(例えば、CCR2/CCR5拮抗薬セニクリビロック(cenicriviroc)、ペンタミジンVLX-103)、酸化ストレス低減化合物(例えば、ASK1阻害剤GS-4997、VAP-1阻害剤(PXS-4728A)、カスパーゼ阻害剤(例えば、エムリカサン(emricasan))、LOXL2阻害剤(例えば、シムツズマブ(simtuzumab))、ガレクチン-3タンパク質阻害剤(例えば、GR-MD-02)からなる群より選択される化合物との組合せ。
項186.項1~133のいずれか一項に記載の式Iの化合物と、高血圧、慢性心不全、またはアテローム性動脈硬化症に影響を与える薬物との組合せ。
項187.項1~133のいずれか一項に記載の式Iの化合物と、一酸化窒素供与体、AT1拮抗薬またはアンギオテンシンII(AT2)受容体拮抗薬(テルミサルタン(telmisartan)など)(例えば、Kinzal(登録商標)、Micardis(登録商標))、カンデサルタン(candesartan)(例えば、Atacand(登録商標)、Blopress(登録商標))、バルサルタン(valsartan)(例えば、Diovan(登録商標)、Co-Diovan(登録商標))、ロサルタン(losartan)(例えば、Cosaar(登録商標))、エプロサルタン(eprosartan)(例えば、Teveten(登録商標))、イルベサルタン)irbesartan)(例えば、Aprovel(登録商標)、CoAprovel(登録商標))、オルメサルタン(olmesartan)(例えば、Votum(登録商標))、Olmetec(登録商標))、タソサルタン(tasosartan)、アジルサルタン(azilsartan)(例えば、Edarbi(登録商標))、二重アンジオテンシン受容体遮断薬(二重ARB)、アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、ACE-2活性化剤、レニン阻害剤、プロレニン阻害剤、エンドセリン変換酵素(ECE)阻害剤、エンドセリン受容体(ET1/ETA)遮断薬、エンドセリン拮抗薬、利尿薬、アルドステロン拮抗薬、アルドステロン酵素阻害薬、α-受容体遮断薬、α-2アドレナリン受容体拮抗薬、β-遮断薬、混合α-/β-遮断薬、カルシウムアンタゴニスト、カルシウムチャネル遮断薬(CCBs)、カルシウムチャネル遮断薬ジルチアゼム(CP-404など)の経鼻剤形、デュアルミネラルコルチコイド/CCB、中枢作用性降圧薬、中性エンドペプチダーゼ阻害剤、アミノペプチダーゼA阻害剤、アンジオペプチド阻害剤、エンケファリナーゼ-ACE阻害剤またはエンケファリナーゼ-ECE阻害剤などの二重バソペプチド阻害剤、二重作用型AT受容体-エンケファリナーゼ阻害剤、デュアルAT1/ETAアンタゴニスト、終末糖化産物(AGE)破壊剤、組換えネフリナーゼ、抗RAAS(レニン-アンギオテンシン-アルドステロン系)ワクチンなどの血圧ワクチン、AT1-またはAT2-ワクチン、高血圧の薬理ゲノミクスに基づく薬剤、例えば、降圧応答を伴う遺伝子多型のモジュレーター、血小板凝集阻害剤からなる群より選択される化合物との組合せ。
項188.項1~133のいずれか一項に記載の式Iの化合物またはその生理学的に許容される塩を、同時に、別々に、または連続して、項140~187のいずれか一項に記載の1つまたは複数の活性物質と組合せた使用。
項189.項1~133のいずれか一項に記載の式Iの化合物またはその生理学的に許容される塩を、同時にまたは時間をずらして、項140~187のいずれか一項に記載の別の活性物質と組合せた使用。
Figure 2023519516000022
Figure 2023519516000023

Claims (21)

  1. 式Iの化合物:
    -HN-Tyr-Aib-Glu-Gly-Thr-Phe-lle-Ser-Asp-Leu-Ser-lle-Aib-X14-Asp-Arg-lle-His-Gln-X20-Glu-Phe-lle-Glu-Trp-Leu-Leu-Ala-Gln-Gly-Pro-Ser-Ser-Gly-Ala-Pro-Pro-Pro-Ser-R
    式中、
    はHまたはC~Cアルキル基であり、
    X14は-NH側鎖基が-Z1-Z2-C(O)-Rによって官能化されているLysを表し、ここで、
    -Z1-Z2は、γ-グルタミン酸(gGlu)、グリシン(Gly)、N-メチル-グリシン(N-MeGly)、及び8-アミノ-3,6-ジオキサオクタン酸(AEEA)から選択される1~5個のアミノ酸リンカー基を含むすべての立体異性体形態のリンカーを表し、
    は非環式直鎖状または分岐状(C~C30)飽和または不飽和炭化水素基であり、置換されていないか、ハロゲン、-OH及び/または-COHで置換されており、
    X20は、Glu及びAibから選ばれるアミノ酸残基を表し、
    はNHまたはOHである、
    前記化合物、またはその塩もしくは溶媒和物。
  2. 前記X14は、-NH側鎖基が-Z1-Z2-C(O)R基によって官能化されているLysを表し、ここで、
    Z1は{AEEA}2、{AEEA}3、{Gly}3、{N-MeGly}3から選ばれる基を表し、
    Z2はgGluまたはgGlu-gGluから選択される基を表し、
    前記Rは基-(CH2)x-COOHを表し、ここでxは15から22までの整数である、
    請求項1に記載の化合物。
  3. 前記-Z1-Z2-C(O)R基は、
    [2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル-、
    [2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)ブチリル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル-、
    [2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル-、
    [2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリル]アミノ]ブチリル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル-、
    [2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)ブチリル]アミノ]ブチリル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル-、
    [2-[[2-[[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリル]アミノ]アセチル]アミノ]アセチル]アミノ]アセチル]-または
    [2-[メチル-[2-[メチル-[2-[メチル-[(4S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリル]アミノ]アセチル]アミノ]アセチル]アミノ]アセチル]-
    から選択される、請求項1または2に記載の化合物。
  4. 前記RはHまたはメチルから選択され、前記X20はGluであり、前記RはNHまたはOHである、請求項1~3のいずれか一項に記載の式Iの化合物、またはその塩もしくは溶媒和物。
  5. 前記RはHまたはメチルから選択され、前記X20はAibであり、前記RはNHまたはOHである、請求項1~3のいずれか一項に記載の式Iの化合物、またはその塩もしくは溶媒和物。
  6. 前記RはHであり、前記X20はGluまたはAibであり、前記RはNHである、請求項1~3のいずれか一項に記載の式Iの化合物、またはその塩もしくは溶媒和物。
  7. 前記RはHであり、前記X20はGluであり、前記RはNHである、請求項1~3のいずれか一項に記載の式Iの化合物、またはその塩もしくは溶媒和物。
  8. 前記RはNHを表す、請求項1~7のいずれか一項に記載の式Iの化合物、またはその塩もしくは溶媒和物。
  9. 前記RはOHである、請求項1~5のいずれか一項に記載の式Iの化合物、またはその塩もしくは溶媒和物。
  10. 配列番号4~20の化合物、及びそれらの塩または溶媒和物から選択される、請求項1~9のいずれか一項に記載の式Iの化合物。
  11. 前記化合物が配列番号9で表される、請求項1に記載の化合物、またはその塩もしくは溶媒和物。
  12. ヒト医療に使用するための、請求項1~11のいずれか一項に記載の化合物。
  13. 少なくとも1つの薬学的に許容される担体と共に医薬組成物中に活性剤として存在する、請求項12に記載の使用のための化合物。
  14. 耐糖能障害、インスリン抵抗性、前糖尿病、空腹時血糖値の上昇、高血糖、2型糖尿病、高血圧、脂質異常症、動脈硬化、冠状動脈性心疾患、末梢動脈疾患、脳卒中、またはこれらの個々の疾患要素の任意の組み合わせの治療に使用される、請求項12または13に記載の使用のための化合物。
  15. 食欲の制御、摂食及びカロリー摂取の制御、体重増加の予防、減量の促進、過剰体重の減少、ならびに病的肥満を含むすべての肥満の治療に使用される、請求項12または13に記載の使用のための化合物。
  16. 骨粗鬆症の治療または予防のための、請求項12または13に記載の使用のための化合物。
  17. 悪心及び嘔吐の治療または予防の、請求項12または13に記載の使用のための化合物。
  18. 糖尿病及び肥満の同時治療のための、請求項12または13に記載の使用のための化合物。
  19. 患者の血中グルコースレベルを低下させる、及び/または患者のHbA1cレベルを低下させるための、請求項12または13に記載の使用のための化合物。
  20. 患者の体重を減少させるための、請求項12または13に記載の使用のための化合物。
  21. 請求項1~11のいずれか一項に記載の少なくとも1つの化合物またはそれらのいずれかの生理学的に許容される塩もしくは溶媒和物を含有する、薬剤として使用される医薬組成物。
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