JP2023518572A - 熱電素子 - Google Patents

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Abstract

本発明の一実施例に係る熱電素子は第1基板、前記第1基板上に配置された第1絶縁層、前記第1絶縁層上に配置された第1接合層、前記第1接合層上に配置された第2絶縁層、前記第2絶縁層上に配置された第1電極、前記第1電極上に配置されたP型熱電レッグおよびN型熱電レッグ、前記P型熱電レッグおよびN型熱電レッグ上に配置された第2電極、前記第2電極上に配置された第3絶縁層、そして前記第3絶縁層上に配置された第2基板を含み、前記第1絶縁層はシリコンとアルミニウムを含む複合体(composite)からなり、前記第2絶縁層はエポキシ樹脂およびシリコン樹脂のうち少なくとも一つと無機充填材を含む樹脂組成物からなる樹脂層であり、前記第1接合層はシランカップリング剤を含む。

Description

本発明は熱電素子に関し、より詳細には熱電素子の絶縁層に関する。
熱電現象は材料内部の電子(electron)と正孔(hole)の移動によって発生する現象で、熱と電気の間の直接的なエネルギー変換を意味する。
熱電素子は熱電現象を利用する素子を総称し、P型熱電材料とN型熱電材料を金属電極の間に接合させてPN接合対を形成する構造を有する。
熱電素子は電気抵抗の温度変化を利用する素子、温度差によって起電力が発生する現象であるゼーベック効果を利用する素子、電流による吸熱または発熱が発生する現象であるペルティエ効果を利用する素子などに区分され得る。熱電素子は家電製品、電子部品、通信用部品などに多様に適用されている。例えば、熱電素子は冷却用装置、温熱用装置、発電用装置などに適用され得る。これに伴い、熱電素子の熱電性能に対する要求はますます高まっている。
熱電素子は基板、電極および熱電レッグを含み、上部基板と下部基板の間に複数の熱電レッグがアレイの形態で配置され、複数の熱電レッグと上部基板の間に複数の上部電極が配置され、複数の熱電レッグとおよび下部基板の間に複数の下部電極が配置される。この時、上部基板と下部基板のうち一つは低温部となり、残りの一つは高温部となり得る。
一方、熱電素子の熱伝導性能を向上させるために、金属基板を使おうとする試みが増加している。
一般的に、熱電素子は予め設けられた金属基板上に電極および熱電レッグを順次積層する工程により製作され得る。金属基板が使われる場合、熱伝導の側面では有利な効果が得られるものの、耐電圧が低いため長期間の使用時に信頼性が低くなる問題がある。熱電素子の耐電圧を改善するために金属基板と電極の間に配置される絶縁層の組成または構造を変形しようとする試みがあるが、絶縁層の組成または構造によって熱電素子の熱伝導性能が低くなる問題が発生し得る。
本発明が達成しようとする技術的課題は熱伝導性能および耐電圧性能がすべて改善された熱電素子を提供することである。
本発明の一実施例に係る熱電素子は第1基板、前記第1基板上に配置された第1絶縁層、前記第1絶縁層上に配置された第1接合層、前記第1接合層上に配置された第2絶縁層、前記第2絶縁層上に配置された第1電極、前記第1電極上に配置されたP型熱電レッグおよびN型熱電レッグ、前記P型熱電レッグおよびN型熱電レッグ上に配置された第2電極、前記第2電極上に配置された第3絶縁層、そして前記第3絶縁層上に配置された第2基板を含み、前記第1絶縁層はシリコンとアルミニウムを含む複合体(composite)からなり、前記第2絶縁層はエポキシ樹脂およびシリコン樹脂のうち少なくとも一つと無機充填材を含む樹脂組成物からなる樹脂層であり、前記第1接合層はシランカップリング剤を含む。
前記シランカップリング剤はエポキシ基、アミノ基およびビニル基のうち少なくとも一つの作用基を含むことができる。
前記第1絶縁層と前記第1接合層は互いに化学的に結合し、前記第1接合層と前記第2絶縁層は互いに化学的に結合することができる。
前記第1接合層の厚さは1~5μmであり得る。
前記第2絶縁層の厚さは前記第1絶縁層の厚さより大きく、前記第1絶縁層の厚さは前記第1接合層の厚さより大きくてもよい。
前記第3絶縁層はエポキシ樹脂およびシリコン樹脂のうち少なくとも一つと無機充填材を含む樹脂組成物からなる樹脂層であり得る。
前記第3絶縁層と前記第2基板の間に配置され、シリコンとアルミニウムを含む複合体(composite)からなる第4絶縁層、そして前記第3絶縁層と前記第4絶縁層間に配置されてシランカップリング剤を含む第2接合層をさらに含むことができる。
前記第3絶縁層と前記第2基板の間に配置された酸化アルミニウム層をさらに含み、前記第2基板はアルミニウム基板であり得る。
前記酸化アルミニウム層は前記アルミニウム基板の表面全体に配置され得る。
前記第1基板または前記第2基板のうち少なくとも一つに配置されたヒートシンクをさらに含むことができる。
本発明の一実施例に係る発電装置は、第1流体が流動するように流路が形成された第1流体流動部、前記第1流体流動部と結合する熱電素子、そして前記熱電素子と結合し、前記第1流体より高温である第2流体が流動するように流路が形成された第2流体流動部を含み、前記熱電素子は、前記第1流体流動部と結合された第1基板、前記第1基板上に配置された第1絶縁層、前記第1絶縁層上に配置された第1接合層、前記第1接合層上に配置された第2絶縁層、前記第2絶縁層上に配置された第1電極、前記第1電極上に配置されたP型熱電レッグおよびN型熱電レッグ、前記P型熱電レッグおよびN型熱電レッグ上に配置された第2電極、前記第2電極上に配置された第3絶縁層、そして前記第3絶縁層上に配置され、前記第2流体流動部と結合された第2基板を含み、前記第1絶縁層はシリコンとアルミニウムを含む複合体(composite)からなり、前記第2絶縁層はエポキシ樹脂およびシリコン樹脂のうち少なくとも一つと無機充填材を含む樹脂組成物からなる樹脂層であり、前記第1接合層はシランカップリング剤を含む。
本発明の実施例によると、性能が優秀で、信頼性が高い熱電素子が得られる。特に、本発明の実施例によると、熱伝導性能だけでなく、耐電圧性能が改善された熱電素子が得られる。これに伴い、本発明の実施例に係る熱電素子が発電装置に適用される場合、高い発電性能が得られる。
本発明の実施例に係る熱電素子は、小型で具現されるアプリケーションだけでなく車両、船舶、製鉄所、焼却炉などのように大型で具現されるアプリケーションでも適用され得る。
熱電素子の断面図である。
熱電素子の斜視図である。
シーリング部材を含む熱電素子の斜視図である。
シーリング部材を含む熱電素子の分解斜視図である。
本発明の一実施例に係る熱電素子の断面図である。
本発明の他の実施例に係る熱電素子の断面図である。
本発明のさらに他の実施例に係る熱電素子の断面図である。
本発明のさらに他の実施例に係る熱電素子の断面図である。
第1基板上に第1絶縁層、第1接合層および第2絶縁層を配置する過程を説明する図面である。
本発明の一実施例に係る熱電素子の接合構造を示す。
以下、添付された図面を参照して本発明の好ましい実施例を詳細に説明する。
ただし、本発明の技術思想は説明される一部の実施例に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態で具現され得、本発明の技術思想範囲内であれば、実施例間にその構成要素のうち一つ以上を選択的に結合、置き換えて使うことができる。
また、本発明の実施例で使われる用語(技術および科学的用語を含む)は、明白に特に定義されて記述されない限り、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に一般的に理解され得る意味で解釈され得、辞書に定義された用語のように一般的に使われる用語は関連技術の文脈上の意味を考慮してその意味を解釈することができるであろう。
また、本発明の実施例で使われた用語は実施例を説明するためのものであり本発明を制限しようとするものではない。
本明細書で、単数型は文面で特に言及しない限り複数型も含むことができ、「Aおよび(と)B、Cのうち少なくとも一つ(または一つ以上)」と記載される場合、A、B、Cで組み合わせできるすべての組み合わせのうち一つ以上を含むことができる。
また、本発明の実施例の構成要素を説明するにおいて、第1、第2、A、B、(a)、(b)等の用語を使うことができる。
このような用語はその構成要素を他の構成要素と区別するためのものに過ぎず、その用語によって該当構成要素の本質や順番または順序などに限定されない。
そして、或る構成要素が他の構成要素に「連結」、「結合」または「接続」されると記載された場合、その構成要素はその他の構成要素に直接的に連結、結合または接続される場合だけでなく、その構成要素とその他の構成要素の間にあるさらに他の構成要素によって「連結」、「結合」または「接続」される場合も含むことができる。
また、各構成要素の「上(うえ)または下(した)」に形成または配置されるものと記載される場合、上(うえ)または下(した)は二つの構成要素が互いに直接接触する場合だけでなく一つ以上のさらに他の構成要素が二つの構成要素の間に形成または配置される場合も含む。また、「上(うえ)または下(した)」と表現される場合、一つの構成要素を基準として上側方向だけでなく下側方向の意味も含むことができる。
図1は熱電素子の断面図であり、図2は熱電素子の斜視図である。図3はシーリング部材を含む熱電素子の斜視図であり、図4はシーリング部材を含む熱電素子の分解斜視図である。
図1~2を参照すると、熱電素子100は下部基板110、下部電極120、P型熱電レッグ130、N型熱電レッグ140、上部電極150および上部基板160を含む。
下部電極120は下部基板110とP型熱電レッグ130およびN型熱電レッグ140の下部底面間に配置され、上部電極150は上部基板160とP型熱電レッグ130およびN型熱電レッグ140の上部底面間に配置される。これに伴い、複数のP型熱電レッグ130および複数のN型熱電レッグ140は下部電極120および上部電極150によって電気的に連結される。下部電極120と上部電極150の間に配置され、電気的に連結される一対のP型熱電レッグ130およびN型熱電レッグ140は単位セルを形成することができる。
例えば、口出し線181、182を通じて下部電極120および上部電極150に電圧を印加すると、ペルティエ効果によってP型熱電レッグ130からN型熱電レッグ140に電流が流れる基板は熱を吸収して冷却部として作用し、N型熱電レッグ140からP型熱電レッグ130に電流が流れる基板は加熱して発熱部として作用することができる。または下部電極120および上部電極150間に温度差を加えると、ゼーベック効果によってP型熱電レッグ130およびN型熱電レッグ140内の電荷が移動して電気が発生することもある。
図1~図4で口出し線181、182が下部基板110に配置されるものとして図示されているが、これで制限されるものではなく、口出し線181、182が上部基板160に配置されたり、口出し線181、182のうち一つが下部基板110に配置され、残りの一つが上部基板160に配置されてもよい。
ここで、P型熱電レッグ130およびN型熱電レッグ140はビズマス(Bi)およびテルル(Te)を主原料として含むビスマステルライド(Bi-Te)系熱電レッグであり得る。P型熱電レッグ130はアンチモン(Sb)、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Ag)、鉛(Pb)、ホウ素(B)、ガリウム(Ga)、テルル(Te)、ビズマス(Bi)およびインジウム(In)のうち少なくとも一つを含むビスマステルライド(Bi-Te)系熱電レッグであり得る。例えば、P型熱電レッグ130は全体重量100wt%に対して主原料物質であるBi-Sb-Teを99~99.999wt%で含み、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Ag)、鉛(Pb)、ホウ素(B)、ガリウム(Ga)およびインジウム(In)のうち少なくとも一つを0.001~1wt%で含むことができる。N型熱電レッグ140はセレニウム(Se)、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Ag)、鉛(Pb)、ホウ素(B)、ガリウム(Ga)、テルル(Te)、ビズマス(Bi)およびインジウム(In)のうち少なくとも一つを含むビスマステルライド(Bi-Te)系熱電レッグであり得る。例えば、N型熱電レッグ140は全体重量100wt%に対して主原料物質であるBi-Se-Teを99~99.999wt%で含み、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Ag)、鉛(Pb)、ホウ素(B)、ガリウム(Ga)およびインジウム(In)のうち少なくとも一つを0.001~1wt%で含むことができる。これに伴い、本明細書で熱電レッグは半導体構造物、半導体素子、半導体材料層、半導体物質層、半導体素材層、導電性半導体構造物、熱電構造物、熱電材料層、熱電物質層、熱電素材層などとも指称され得る。
P型熱電レッグ130およびN型熱電レッグ140はバルク型または積層型で形成され得る。一般的にバルク型P型熱電レッグ130またはバルク型N型熱電レッグ140は熱電素材を熱処理してインゴット(ingot)を製造し、インゴットを粉砕して篩い分けして熱電レッグ用粉末を獲得した後、これを焼結し、焼結体をカッティングする過程を通じて得られ得る。この時、P型熱電レッグ130およびN型熱電レッグ140は多結晶熱電レッグであり得る。多結晶熱電レッグのために熱電レッグ用粉末を焼結する時、100MPa~200MPaで圧縮することができる。例えば、P型熱電レッグ130の焼結時に熱電レッグ用粉末を100~150MPa、好ましくは110~140MPa、さらに好ましくは120~130MPaで焼結することができる。そして、N型熱電レッグ130の焼結時に熱電レッグ用粉末を150~200MPa、好ましくは160~195MPa、さらに好ましくは170~190MPaで焼結することができる。このように、P型熱電レッグ130およびN型熱電レッグ140は多結晶熱電レッグである場合、P型熱電レッグ130およびN型熱電レッグ140の強度が高くなり得る。積層型P型熱電レッグ130または積層型N型熱電レッグ140はシート状の基材上に熱電素材を含むペーストを塗布して単位部材を形成した後、単位部材を積層しカッティングする過程を通じて得られ得る。
この時、一対のP型熱電レッグ130およびN型熱電レッグ140は同一の形状および体積を有するか、互いに異なる形状および体積を有することができる。例えば、P型熱電レッグ130とN型熱電レッグ140の電気伝導特性が異なるため、N型熱電レッグ140の高さまたは断面積をP型熱電レッグ130の高さまたは断面積と異なるように形成してもよい。
この時、P型熱電レッグ130またはN型熱電レッグ140は円筒状、多角柱状、楕円形柱状などを有することができる。
またはP型熱電レッグ130またはN型熱電レッグ140は積層型の構造を有してもよい。例えば、P型熱電レッグまたはN型熱電レッグはシート状の基材に半導体物質が塗布された複数の構造物を積層した後、これを切断する方法で形成され得る。これに伴い、材料の損失を防止し、電気伝導特性を向上させることができる。各構造物は開口パターンを有する伝導性層をさらに含むことができ、これに伴い、構造物間の接着力を高め、熱伝導度を低くし、電気伝導度を高めることができる。
またはP型熱電レッグ130またはN型熱電レッグ140は一つの熱電レッグ内で断面積が異なるように形成されてもよい。例えば、一つの熱電レッグ内で電極を向くうように配置される両端部の断面積が両端部間の断面積より大きく形成されてもよい。これによると、両端部間の温度差を大きく形成できるため、熱電効率が高くなり得る。
本発明の一実施例に係る熱電素子の性能は熱電性能指数(figure of merit、ZT)で示すことができる。熱電性能指数(ZT)は数学式1のように示すことができる。
数学式1
Figure 2023518572000002
ここで、αはゼーベック係数[V/K]、σは電気伝導度[S/m]であり、ασはパワー因子(Power Factor、[W/mK])である。そして、Tは温度で、kは熱伝導度[W/mK]である。kはa・cp・ρで示すことができ、aは熱拡散度[cm/S]、cpは比熱[J/gK]であり、ρは密度[g/cm]である。
熱電素子の熱電性能指数を得るために、Zメーターを利用してZ値(V/K)を測定し、測定したZ値を利用して熱電性能指数(ZT)を計算することができる。
ここで、下部基板110とP型熱電レッグ130およびN型熱電レッグ140の間に配置される下部電極120、そして上部基板160とP型熱電レッグ130およびN型熱電レッグ140の間に配置される上部電極150は、銅(Cu)、銀(Ag)、アルミニウム(Al)およびニッケル(Ni)のうち少なくとも一つを含み、0.01mm~0.3mmの厚さを有することができる。下部電極120または上部電極150の厚さが0.01mm未満の場合、電極として機能が落ちることになって電気伝導性能が低くなり得、0.3mmを超過する場合、抵抗の増加によって伝導効率が低くなり得る。
そして、互いに対向する下部基板110と上部基板160は金属基板であり得、その厚さは0.1mm~1.5mmであり得る。金属基板の厚さが0.1mm未満であるか、1.5mmを超過する場合、放熱特性または熱伝導率が過度に高くなり得るため、熱電素子の信頼性が低下し得る。また、下部基板110と上部基板160が金属基板である場合、下部基板110と下部電極120の間および上部基板160と上部電極150の間にはそれぞれ絶縁層170がさらに形成され得る。絶縁層170は1~20W/mKの熱伝導度を有する素材を含むことができる。
この時、下部基板110と上部基板160の大きさは異なるように形成されてもよい。例えば、下部基板110と上部基板160のうち一つの体積、厚さまたは面積は他の一つの体積、厚さまたは面積より大きく形成され得る。これに伴い、熱電素子の吸熱性能または放熱性能を高めることができる。例えば、ゼーベック効果のために高温領域に配置されるか、ペルティエ効果のために発熱領域に適用されるかまたは熱電モジュールの外部環境から保護のためのシーリング部材が配置される基板の体積、厚さまたは面積のうち少なくとも一つが異なる基板の体積、厚さまたは面積のうち少なくとも一つよりさらに大きくてもよい。
また、下部基板110と上部基板160のうち少なくとも一つの表面には放熱パターン、例えば凹凸パターンが形成されてもよい。これに伴い、熱電素子の放熱性能を高めることができる。凹凸パターンがP型熱電レッグ130またはN型熱電レッグ140と接触する面に形成される場合、熱電レッグと基板間の接合特性も向上し得る。熱電素子100は下部基板110、下部電極120、P型熱電レッグ130、N型熱電レッグ140、上部電極150および上部基板160を含む。
図3~図4に図示された通り、下部基板110と上部基板160の間にはシーリング部材190がさらに配置されてもよい。シーリング部材190は下部基板110と上部基板160の間で下部電極120、P型熱電レッグ130、N型熱電レッグ140および上部電極150の側面に配置され得る。これに伴い、下部電極120、P型熱電レッグ130、N型熱電レッグ140および上部電極150は外部の湿気、熱、汚染などからシーリングされ得る。ここで、シーリング部材190は、複数の下部電極120の最外郭、複数のP型熱電レッグ130および複数のN型熱電レッグ140の最外郭および複数の上部電極150の最外郭の側面から所定距離離隔して配置されるシーリングケース192、シーリングケース192と下部基板110の間に配置されるシーリング材194およびシーリングケース192と上部基板160の間に配置されるシーリング材196を含むことができる。このように、シーリングケース192はシーリング材194、196を媒介として下部基板110および上部基板160と接触することができる。これに伴い、シーリングケース192が下部基板110および上部基板160と直接接触する場合、シーリングケース192を通じて熱伝導が起きることになり、その結果、下部基板110と上部基板160間の温度差が低くなる問題を防止することができる。ここで、シーリング材194、196はエポキシ樹脂およびシリコン樹脂のうち少なくとも一つを含むか、エポキシ樹脂およびシリコン樹脂のうち少なくとも一つが両面に塗布されたテープを含むことができる。シーリング材194、194はシーリングケース192と下部基板110の間およびシーリングケース192と上部基板160の間を気密する役割をし、下部電極120、P型熱電レッグ130、N型熱電レッグ140および上部電極150のシーリング効果を高めることができ、仕上げ材、仕上げ層、防水材、防水層などと混用され得る。ここで、シーリングケース192と下部基板110の間をシーリングするシーリング材194は下部基板110の上面に配置され、シーリングケース192と上部基板160の間をシーリングするシーリング材196は上部基板160の側面に配置され得る。一方、シーリングケース192には電極に連結された口出し線181、182を引き出すためのガイド溝Gが形成され得る。このために、シーリングケース192はプラスチックなどからなる射出成形物であり得、シーリングカバーと混用され得る。ただし、シーリング部材に関する以上の説明は例示に過ぎず、シーリング部材は多様な形態に変形され得る。図示されてはいないが、シーリング部材を囲むように断熱材がさらに含まれてもよい。またはシーリング部材は断熱成分を含んでもよい。
以上において、下部基板110、下部電極120、上部電極150および上部基板160という用語を使っているが、これは理解の容易および説明の便宜のために任意に上部および下部と指称したものに過ぎず、下部基板110および下部電極120が上部に配置され、上部電極150および上部基板160が下部に配置されるように位置が逆転してもよい。
一方、前述した通り、熱電素子の熱伝導性能を向上させるために、金属基板を使おうとする試みが増加している。ただし、熱電素子が金属基板を含む場合、熱伝導の側面では有利な効果が得られるものの、耐電圧が低くなる問題がある。特に、熱電素子が高電圧環境下で適用される場合、2.5kV以上の耐電圧性能が要求されている。熱電素子の耐電圧性能を改善するために金属基板と電極の間に組成が互いに異なる複数の絶縁層を配置することができる。ただし、複数の絶縁層間の低い界面接着力によってリフロー環境のような高温に露出時、複数の絶縁層間の熱膨張係数の差によるせん断応力が発生し得、これに伴い、複数の絶縁層間の界面の接合が破壊されてエアキャップ(air cap)が発生し得る。複数の絶縁層間の界面のエアキャップは基板の熱抵抗を上昇させ得、これに伴い、熱電素子の両端の温度差を減少させ、熱電素子が発電装置に適用される場合、発電装置の発電性能を減少させ得る。
本発明の実施例によると、複数の絶縁層間の界面の接合力を向上させて熱伝導性能および耐電圧性能がすべて改善された熱電素子を得ようとする。
図5は本発明の一実施例に係る熱電素子の断面図であり、図6は本発明の他の実施例に係る熱電素子の断面図であり、図7は本発明のさらに他の実施例に係る熱電素子の断面図であり、図8は本発明のさらに他の実施例に係る熱電素子の断面図である。図1~4で説明した内容と同一の内容については重複した説明を省略する。
図5~図8を参照すると、本発明の実施例に係る熱電素子300は第1基板310、第1基板310上に配置された第1絶縁層320、第1絶縁層320上に配置された第1接合層322、第1接合層322上に配置された第2絶縁層324、第2絶縁層324上に配置された複数の第1電極330、複数の第1電極330上に配置された複数のP型熱電レッグ340および複数のN型熱電レッグ350、複数のP型熱電レッグ340および複数のN型熱電レッグ350上に配置された複数の第2電極360、複数の第2電極360上に配置された第3絶縁層370および第3絶縁層370上に配置された第2基板380を含む。
図5~図8に図示されてはいないが、第1基板310または第2基板380にはヒートシンクがさらに配置され得、第1基板310と第2基板380の間にはシーリング部材がさらに配置されてもよい。
一般的に、電線は熱電素子300の低温部側に連結され得る。また、熱電素子300の高温部側には熱電素子300が適用されるアプリケーションの器材が搭載され得る。これに伴い、熱電素子300の低温部側および高温部側はいずれも耐電圧性能が要求され得る。
一方、熱電素子300の高温部側は熱電素子300の低温部側に比べてさらに高い熱伝導性能が要求され得る。銅基板はアルミニウム基板に比べて熱伝導度および電気伝導度が高い。これに伴い、第1基板310および第2基板380のうち、熱電素子300の低温部側に配置される基板はアルミニウム基板であり、熱電素子300の高温部側に配置される基板は銅基板であり得、低温部側の高い耐電圧性能および高温部側の高い放熱性能をすべて満足させることができる。
一方、本発明の実施例によると、第1基板310上に第1絶縁層320および第2絶縁層324が配置され、第2絶縁層324上に第1電極330が配置される。
この時、第1絶縁層320はシリコンとアルミニウムを含む複合体(composite)を含んでもよい。ここで、複合体はSi元素とAl元素を含む無機物とアルキル鎖で構成された有機/無機複合体であり得、シリコンとアルミニウムを含む酸化物、炭化物および窒化物のうち少なくとも一つであり得る。例えば、複合体はAl-Si結合、Al-O-Si結合、Si-O結合、Al-Si-O結合およびAl-O結合のうち少なくとも一つを含むことができる。このように、Al-Si結合、Al-O-Si結合、Si-O結合、Al-Si-O結合およびAl-O結合のうち少なくとも一つを含む複合体は絶縁性能が優秀であり、これに伴い高い耐電圧性能が得られる。または複合体はシリコンおよびアルミニウムと共にチタン、ジルコニウム、ホウ素、亜鉛などをさらに含む酸化物、炭化物、窒化物であってもよい。このために、複合体は無機バインダーおよび有機/無機混合バインダーのうち少なくとも一つとアルミニウムを混合した後に熱処理する過程を通じて得られ得る。無機バインダーは、例えばシリカ(SiO)、金属アルコキシド、酸化ホウ素(B)および酸化亜鉛(ZnO)のうち少なくとも一つを含むことができる。無機バインダーは無機粒子であるものの、水に触れるとゾルまたはケル化されてバインディングの役割をすることができる。この時、シリカ(SiO)、金属アルコキシドおよび酸化ホウ素(B)のうち少なくとも一つはアルミニウム間の密着力または第1基板310との密着力を高める役割をし、酸化亜鉛(ZnO)は第1絶縁層320の強度を高め、熱伝導率を高める役割をすることができる。
ここで、複合体は第1絶縁層320全体の80wt%以上、好ましくは85wt%以上、さらに好ましくは90wt%以上で含まれ得る。
この時、第1絶縁層320には0.1μm以上の表面粗さ(Ra)が形成されてもよい。表面粗さは複合体をなす粒子が第1絶縁層320の表面から突出して形成され得、表面粗さ測定機を利用して測定され得る。表面粗さ測定機は探針を利用して断面曲線を測定し、断面曲線の稜線、谷底線、平均線および基準長さを利用して表面粗さを算出することができる。本明細書で、表面粗さは中心線平均算出法による算術平均粗さ(Ra)を意味し得る。算術平均粗さ(Ra)は下記の数学式2を通じて得られ得る。
数学式2
Figure 2023518572000003
すなわち、表面粗さ測定機の探針を得た断面曲線を基準長さLだけ抜き取って平均線方向をx軸とし、高さ方向をy軸として関数(f(x))で表現した時、数学式2によって求められる値をμmで表すことができる。
このように、第1絶縁層320の表面粗さ(Ra)が0.1μm以上である場合、第2絶縁層330との接触面積が広くなることになり、これに伴い、第2絶縁層324との接合強度が高まり得る。特に、後述するように、第2絶縁層324が樹脂層からなる場合、第1絶縁層320の表面粗さによって形成された溝の間に第2絶縁層324の樹脂層が入り込みやすいので、第1絶縁層320と第2絶縁層324の間の接合強度がさらに高くなり得る。
この時、第1絶縁層320は湿式工程を通じて第1基板310上に形成され得る。ここで、湿式工程はスプレーコーティング工程、ディップコーティング工程、スクリーンプリンティング工程などであり得る。これによると、第1絶縁層320の厚さを制御し易く、多様な組成の複合体を適用することが可能である。
本発明の実施例によると、第1絶縁層320がシリコンおよびアルミニウムを含む複合体からなり、湿式工程で形成されるため、表面粗さが0.1μm以上に形成され得る。
一方、第2絶縁層324はエポキシ樹脂および無機充填材を含むエポキシ樹脂組成物およびPDMS(ポリジメチルシロキサン(polydimethylsiloxane))を含むシリコン樹脂組成物のうち少なくとも一つを含む樹脂層からなり得る。これに伴い、第2絶縁層324は第1絶縁層320と第1電極330間の絶縁性、接合力および熱伝導性能を向上させることができる。
ここで、無機充填材は樹脂層の60~80wt%で含まれ得る。無機充填材が60wt%未満で含まれると熱伝導効果が低い可能性があり、無機充填材が80wt%を超過して含まれると無機充填材が樹脂内に均一に分散され難く、樹脂層は容易に壊れ得る。
そして、エポキシ樹脂はエポキシ化合物および硬化剤を含むことができる。この時、エポキシ化合物10体積比に対して硬化剤1~10体積比で含まれ得る。ここで、エポキシ化合物は結晶性エポキシ化合物、非結晶性エポキシ化合物およびシリコンエポキシ化合物のうち少なくとも一つを含むことができる。無機充填材は酸化アルミニウムおよび窒化物のうち少なくとも一つを含むことができる。ここで、窒化物は、窒化ホウ素および窒化アルミニウムのうち少なくとも一つを含むことができる。
この時、窒化ホウ素凝集体の粒子の大きさD50は250~350μmであり、酸化アルミニウムの粒子の大きさD50は10~30μmであり得る。窒化ホウ素凝集体の粒子の大きさD50と酸化アルミニウムの粒子の大きさD50がこのような数値範囲を満足する場合、窒化ホウ素凝集体と酸化アルミニウムが樹脂層内に均一に分散され得、これに伴い樹脂層全体的に均一な熱伝導効果および接着性能を有することができる。
第2絶縁層324がPDMS(ポリジメチルシロキサン(polydimethylsiloxane))樹脂および酸化アルミニウムを含む樹脂組成物である場合、第1絶縁層320内のシリコンの含量(例えば、重量比)は第2絶縁層324内のシリコンの含量より高く含まれ、第2絶縁層324内のアルミニウムの含量は第1絶縁層320内のアルミニウムの含量より高く含まれ得る。これによると、第1絶縁層320内のシリコンが耐電圧性能の向上に主に寄与し、第2絶縁層324内の酸化アルミニウムが熱伝導性能の向上に主に寄与することができる。これに伴い、第1絶縁層320および第2絶縁層324がすべて絶縁性能および熱伝導性能を有するものの、第1絶縁層320の耐電圧性能は第2絶縁層324の耐電圧性能より高く、第2絶縁層324の熱伝導性能は第1絶縁層320の熱伝導性能より高くてもよい。
一方、第2絶縁層324は未硬化状態または半硬化状態の樹脂組成物を第1絶縁層320上に塗布した後、予め整列された複数の第1電極330を配置して加圧する方式で形成され得る。これによると、第1絶縁層320の表面粗さ(Ra)による溝内に第2絶縁層324をなす樹脂組成物が入り込むことになって第1絶縁層320と第2絶縁層324間の接合強度が高まり得る。また、複数の第1電極330の側面の一部は第2絶縁層324内に埋め立てられ得る。この時、第2絶縁層324内に埋め立てられた複数の第1電極330の側面の高さH1は複数の第1電極330の厚さHの0.1~1.0倍、好ましくは0.2~0.9倍、さらに好ましくは0.3~0.8倍であり得る。このように、複数の第1電極330の側面の一部が第2絶縁層324内に埋め立てられると、複数の第1電極330と第2絶縁層324間の接触面積が広くなることになり、これに伴い、複数の第1電極330と第2絶縁層324間の熱伝達性能および接合強度がさらに高くなり得る。第2絶縁層324内に埋め立てられた複数の第1電極330の側面の高さH1が複数の第1電極330の厚さHの0.1倍未満の場合、複数の第1電極330と第2絶縁層324間の熱伝達性能および接合強度を十分に得ることが困難であり得、第2絶縁層324内に埋め立てられた複数の第1電極330の側面の高さH1が複数の第1電極330の厚さHの1.0倍を超過する場合、第2絶縁層324が複数の第1電極330上に上がってくる可能性があり、これに伴い、電気的に短絡される可能性がある。
さらに詳しくは、複数の第1電極330の間で第2絶縁層324の厚さはそれぞれの電極の側面から中心領域に行くほど減少し、頂点が円満な「V」の形状を有し得る。したがって、複数の第1電極330の間の第2絶縁層324は厚さの偏差を有し、複数の第1電極330の側面と直接接触する領域での高さT2が最も高く、中心領域での高さT3は複数の第1電極330の側面と直接接触する領域での高さT2より低くてもよい。すなわち、複数の第1電極330の間の第2絶縁層324の中心領域の高さT3は複数の第1電極330の間の第2絶縁層324内で最も低くてもよい。また、複数の第1電極330の下の第2絶縁層324の高さT1は複数の第1電極330の間の第2絶縁層324の中心領域の高さT3より低くてもよい。
一方、第1絶縁層320および第2絶縁層324の組成により第1絶縁層320および第2絶縁層324の硬度、弾性係数、延伸率(elongation)およびヤング率(Young’s modulus)のうち少なくとも一つが変わり得、これに伴い、耐電圧性能、熱伝導性能、接合性能および熱衝撃緩和性能などを制御することが可能である。
例えば、第1絶縁層320全体に対する複合体の重量比は第2絶縁層324全体に対する無機充填材の重量比より高くてもよい。前述した通り、複合体はシリコンとアルミニウムを含む複合体(composite)、さらに具体的にはシリコンとアルミニウムを含む酸化物、炭化物および窒化物のうち少なくとも一つを含む複合体であり得る。例えば、第1絶縁層320全体に対する複合体の重量比は80wt%を超過し、第2絶縁層324全体に対する無機充填材の重量比は60~80wt%であり得る。このように、第1絶縁層320に含まれる複合体の含量が第2絶縁層324に含まれるセラミック粒子の含量より高い場合、第1絶縁層320の硬度が第2絶縁層324の硬度より高くてもよい。これに伴い、第1絶縁層320は高い耐電圧性能および高い熱伝導性能を同時に有することができ、第2絶縁層324は第1絶縁層320より高い弾性を有することができ、第2絶縁層324は第1絶縁層320と第1電極330の間の接着性能を高めることができ、熱電素子300の駆動時に熱衝撃を緩和することができる。この時、弾性は引張強度(tensile strength)で表すことができる。例えば、第2絶縁層324の引張強度は2~5MPa、好ましくは2.5~4.5MPa、さらに好ましくは3~4MPaであり得、第1絶縁層320の引張強度は10MPa~100Mpa、好ましくは15MPa~90MPa、さらに好ましくは20MPa~80MPaであり得る。
この時、第1絶縁層320の厚さは20~70μm、好ましくは30~60μm、さらに好ましくは40~50μmであり、第2絶縁層330の厚さは80~120μm、好ましくは90~110μm、さらに好ましくは95~105μmであり得る。この時、第2絶縁層324の厚さは第1絶縁層320の厚さの1.2倍~3.5倍、好ましくは1.2倍~3倍、さらに好ましくは1.2倍~2.5倍であり得る。
第1絶縁層320の厚さおよび第2絶縁層324の厚さがそれぞれこのような数値範囲を満足させる場合、耐電圧性能、熱伝導性能、接合性能および熱衝撃緩和性能を同時に得ることが可能である。特に、第1絶縁層320の厚さが20μm未満であると高い耐電圧性能を得ることが難しく、第2絶縁層324の熱膨張によって壊れやすく、70μmを超過すると熱伝導性能が低くなり得る。
一方、本発明の実施例によると、第1絶縁層320と第2絶縁層324の間には第1接合層322が配置され得、これに伴い、第1絶縁層320と第2絶縁層324は第1接合層322によって接合され得る。この時、第1接合層322はシランカップリング剤を含むことができる。
図9は、第1基板上に第1絶縁層、第1接合層および第2絶縁層を配置する過程を説明する図面である。
図9(a)を参照すると、第1基板310上に第1絶縁層320を配置した後、第1絶縁層320上にシランカップリング剤をコーティングする。ここで、第1基板310は銅基板であり得、第1絶縁層320は20~70μmの厚さでコーティングされ得る。そして、シランカップリング剤は第1絶縁層320上に1~5μmの厚さでコーティングされ得る。これによると、シランカップリング剤は第1絶縁層320の表面に水素結合で吸着され得る。
以後、図9(b)を参照すると、順次積層された第1基板310、第1絶縁層320およびシランカップリング剤は熱硬化され得る。これによると、第1絶縁層320とシランカップリング剤間には脱水縮合反応が起き、これと同時に第1絶縁層320の有機材料とシランカップリング剤の有機材料間の物理化学的結合が形成され得る。これに伴い、第1絶縁層320とシランカップリング剤は化学的に結合され、その結果、シランカップリング剤の作用基によって第1絶縁層320が表面改質され得る。
次に、図9(c)を参照すると、第2絶縁層324が80~120μmの厚さでスクリーンプリンティングされ、図9(d)を参照すると、電極(図示されず)を配置した後に圧着および熱硬化され得る。これによると、シランカップリング剤の作用基と第2絶縁層324の間には脱水縮合反応が起き、これと同時にシランカップリング剤の作用基と第2絶縁層324の有機材料間の物理化学的結合が形成され得る。これに伴い、シランカップリング剤と第2絶縁層324は化学的に結合され得る。
これによると、組成および弾性が異なる第1絶縁層320および第2絶縁層324は第1接合層322を媒介として化学的に結合され得るため、第1基板310と第1電極330の間の第1絶縁層320および第2絶縁層324が高温に露出されても第1絶縁層320および第2絶縁層324間の界面の接合力が維持され得る。
この時、本発明の実施例に係る第1接合層322に含まれるシランカップリング剤は、エポキシ基、アミノ基およびビニル基のうち少なくとも一つの官能基を含むことができる。エポキシ基を含むシランカップリング剤は、例えば3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(3-glycidoxypropyl trimethoxysilane)であり得る。アミノグループを含むシランカップリング剤は、例えば3-アミノプロピルトリメトキシシラン(3-aminopropyl trimethoxysilane)であり得る。ビニル基を含むシランカップリング剤は、例えばピニルトリクロロシラン(vinyltrichlorosilane)であり得る。
この時、第1接合層322の厚さは1~5μmであり得る。第1接合層322の厚さが1μm未満であると、第1絶縁層320および第2絶縁層324との化学的結合に参加する作用基が不足して、第1絶縁層320および第2絶縁層324間の界面の接合力が所望の水準に保障されないことがある。そして、第1接合層322の厚さが5μmを超過すると熱抵抗が増加して発電量が低下し得る。
一方、図示されてはいないが、第2絶縁層324の面積は第1絶縁層320の面積より小さくてもよい。すなわち、第2絶縁層324は第1絶縁層320の全面ではない一部上に配置され得る。例えば、第2絶縁層324は複数の第1電極330、複数のP型およびN型熱電レッグ340、350および複数の第2電極360と垂直に重なる領域に配置されるものの、第2絶縁層324の縁は第1絶縁層320の縁から所定距離離隔するように配置され得る。これによると、第1絶縁層320と第2絶縁層324間の熱膨張係数の差による第1基板310の反り現象を改善し、熱応力を緩和することができる。これに伴い、第1電極330または熱電レッグ340、350が脱落したり、電気的に開放される問題を防止することができ、熱伝達効果を改善することができ、最終的には熱電素子の発電量または冷却特性を改善できる。
この時、第1絶縁層324は複数の第1電極330、複数のP型およびN型熱電レッグ340、350および複数の第2電極360と垂直に重なる重なり領域および重なり領域の一面から突出した一対の突出領域を含み、一対の突出領域は互いに離隔するように配置され得る。この時、一対の突出領域にはそれぞれターミナル電極が配置され、ターミナル電極上には口出し線181、182を連結するためのコネクタが配置され得る。この時、突出領域も第1絶縁層324の縁から所定距離離隔するように配置され得る。これによると、第2絶縁層324の熱膨張係数が第1絶縁層320の熱膨張係数より大きい場合にも、第1基板310が反る問題を最小化することができる。
以下、比較例および実施例を利用して本発明の実施例に係る構造の耐電圧性能、接合性能および発電性能を説明しようとする。
比較例では厚さが0.3mmである銅基板上に45μm厚さの第1絶縁層320をスプレーコーティングし、第1絶縁層320上に100μm厚さの第2絶縁層324をスクリーンプリンティングした後、電極を圧着し熱硬化した。
実施例1では厚さが0.3mmである銅基板上に45μm厚さの第1絶縁層320をスプレーコーティングし、第1絶縁層320上にピニルトリクロロシランを2~5μm厚さでコーティングした後に熱硬化し、その上に100μm厚さの第2絶縁層324をスクリーンプリンティングした後、電極を圧着し熱硬化した。
実施例2では厚さが0.3mmである銅基板上に45μm厚さの第1絶縁層320をスプレーコーティングし、第1絶縁層320上に3-アミノプロピルトリメトキシシランを2~5μm厚さでコーティングした後に熱硬化し、その上に100μm厚さの第2絶縁層324をスクリーンプリンティングした後、電極を圧着し熱硬化した。
実施例3では厚さが0.3mmである銅基板上に45μm厚さの第1絶縁層320をスプレーコーティングし、第1絶縁層320上に3-グリシドキシプロピルトリメトキシシランを2~5μm厚さでコーティングした後に熱硬化し、その上に100μm厚さの第2絶縁層324をスクリーンプリンティングした後、電極を圧着し熱硬化した。
比較例および実施例1~3に対して、耐電圧、第1絶縁層と第2絶縁層間のせん断応力および発電量を測定した。ここで、耐電圧性能はAC2.5kVの電圧、10mAの電流、60Hzの条件下で1分の間絶縁破壊なしに維持される特性を意味し得る。耐電圧性能は基板上に絶縁層を配置した後基板にある端子を連結し、絶縁層の9個のポイントに対してそれぞれ他の端子を連結してAC2.5kVの電圧、10mAの電流、60Hzの条件下で1分の間絶縁破壊なしに維持されるかをテストする方法で測定した。そして、プッシュプルゲージを利用して3個の電極に対して電極および第2絶縁層肝の接合が損傷する力を利用してせん断応力を測定した。表1は比較例および実施例1~3による耐電圧、せん断応力および発電量を測定した結果を示す。
Figure 2023518572000004
表1を参照すると、比較例および実施例1~実施例3はいずれも耐電圧性能を有するが、比較例に比べて実施例1~実施例3で高いせん断応力および発電量を有することが分かる。すなわち、第1絶縁層320と第2絶縁層324が直接接合されることに比べて、第1絶縁層320と第2絶縁層324の間にシランカップリング剤が配置される場合にさらに高い接合強度で接合されることが分かり、その結果、発電量が高くなることが分かる。特に、実施例1~実施例3を比較する時、エポキシ基を有するシランカップリング剤を使った実施例3でせん断応力および発電量が最も高く、アミノ基を有するシランカップリング剤を使った実施例2およびビニル基を有するシランカップリング剤を使った実施例1で順次高いせん断応力および発電量が得られることが分かる。これはエポキシ基を有するシランカップリング剤の場合、エポキシ基の酸素が第2絶縁層324の樹脂層内のシロキサンと追加で水素結合をして強い接合力を維持するためであるものと予想される。一方、図5を参照すると、第1基板310と第1電極330の間には第1絶縁層320、第1接合層(322および第2絶縁層324が順次配置され、第2電極360と第2基板380の間には第3絶縁層370が配置される。この時、第3絶縁層370はエポキシ樹脂および無機充填材を含むエポキシ樹脂組成物およびPDMS(ポリジメチルシロキサン(polydimethylsiloxane))を含むシリコン樹脂組成物のうち少なくとも一つを含む樹脂層からなり得る。これに伴い、第3絶縁層370は第2電極360と第2基板380間の絶縁性、接合力および熱伝導性能を向上させることができる。この時、第3絶縁層370の組成、厚さ、硬度、弾性係数、延伸率(elongation)およびヤング率(Young’s modulus)のうち少なくとも一つは第2絶縁層324の組成、厚さ、硬度、弾性係数、延伸率(elongation)およびヤング率(Young’s modulus)のうち少なくとも一つと同一または異なり得る。例えば、熱電素子300の高温部および低温部の位置により、第3絶縁層370の組成、厚さ、硬度、弾性係数、延伸率(elongation)およびヤング率(Young’s modulus)のうち少なくとも一つは第2絶縁層324の組成、厚さ、硬度、弾性係数、延伸率(elongation)およびヤング率(Young’s modulus)のうち少なくとも一つと異なり得る。
例えば、第1基板310は熱電素子300の高温部に配置され、第2基板380は熱電素子300の低温部に配置され得る。これによると、第1基板310は頻繁な頻度で高温に露出されるため、第1基板310と第1電極330の間は熱膨張係数の差によって浮きが発生しやすい。本発明の実施例により、第1基板310と第1電極330の間に第1絶縁層320、第1接合層322および第2絶縁層324が配置されると、頻繁な頻度で高温に露出されても第1基板310と第1電極330の間は高い接合強度で維持され得る。
または図6を参照すると、第1基板310と第1電極330の間と第2基板380と第2電極360の間が対称となる構造を有してもよい。すなわち、第1基板310と第1電極330の間には第1絶縁層320、第1接合層(322および第2絶縁層324が順次配置され、第2電極360と第2基板380の間には第3絶縁層370、第2接合層372および第4絶縁層374が順次配置されてもよい。この時、第3絶縁層370はエポキシ樹脂および無機充填材を含むエポキシ樹脂組成物およびPDMS(polydimethylsiloxane)を含むシリコン樹脂組成物のうち少なくとも一つを含む樹脂層からなり得、第4絶縁層374は第1絶縁層320と同様にシリコンとアルミニウムを含む複合体(composite)を含んでもよく、第2接合層372はシランカップリング剤を含むことができる。
または図7~図8を参照すると、第1基板310と第1電極330の間には第1絶縁層320、第1接合層(322および第2絶縁層324が順次配置され、第2電極360と第2基板380の間には第3絶縁層370が配置され得る。この時、第3絶縁層370はエポキシ樹脂および無機充填材を含むエポキシ樹脂組成物およびPDMS(polydimethylsiloxane)を含むシリコン樹脂組成物のうち少なくとも一つを含む樹脂層からなり得る。
そして、第2基板380がアルミニウム基板であり、第3絶縁層370と第2基板380の間には酸化アルミニウム層376がさらに配置されてもよい。この時、酸化アルミニウム層376は第2基板380に別途に積層された酸化アルミニウム層であってもよく、アルミニウム基板である第2基板380を表面処理して酸化された酸化アルミニウム層であってもよい。例えば、酸化アルミニウム層はアルミニウム基板である第2基板380をアノダイジング(anodizing)して形成されるか、ディッピング(dipping)工程またはスプレー(spray)工程によって形成され得る。
この時、図7に図示された通り、酸化アルミニウム層376は第2基板380の両面のうち第3絶縁層370が配置された面だけでなく第3絶縁層370が配置された面の反対面にも配置され得る。
または図8に図示された通り、酸化アルミニウム層376は第2基板380の全表面に配置されてもよい。
これによると、酸化アルミニウム層376は第2基板380側の熱抵抗を高めないながらも耐電圧性能を高めることができ、第2基板380の表面の腐食を防止することができる。第1基板310が熱電素子300の高温部に配置され、第2基板380が熱電素子300の低温部に配置される場合、熱伝導性能および耐電圧性能を最適化するために、第1基板310は銅基板であり、第2基板380はアルミニウム基板であり得る。この時、図7~図8の実施例の通り、アルミニウム基板に酸化アルミニウム層がさらに配置された場合、アルミニウム基板の耐電圧を高めることができる。特に、酸化アルミニウム層はアルミニウム基板のアノダイジングによって容易に形成され得るため、製作工程が単純化され得る。
一方、前述した通り、本発明の実施例によると、第1基板310および第2基板380のうち少なくとも一つにはヒートシンクが接合され得る。
図10は、本発明の一実施例に係る熱電素子の接合構造を示す。
図10を参照すると、熱電素子300は複数の締結部材400によって締結され得る。例えば、第1基板310にヒートシンク390が配置された場合、複数の締結部材400はヒートシンク390と第1基板310を締結するか、ヒートシンク390、第1基板310と第2基板(図示されず)を締結するか、ヒートシンク390、第1基板310、第2基板(図示されず)と冷却部(図示されず)を締結するか、第1基板310、第2基板(図示されず)と冷却部(図示されず)を締結するか、第1基板310と第2基板(図示されず)を締結することができる。または第2基板(図示されず)と冷却部(図示されず)は第2基板(図示されず)上の有効領域の外側で他の締結部材を通じて連結されてもよい。
このために、ヒートシンク390、第1基板310、第2基板(図示されず)、冷却部(図示されず)には締結部材400が貫通する貫通ホールSが形成され得る。ここで、貫通ホールSと締結部材400の間には別途の絶縁挿入部材410がさらに配置され得る。別途の絶縁挿入部材410は締結部材400の外周面を囲む絶縁挿入部材または貫通ホールSの壁面を囲む絶縁挿入部材であり得る。これによると、熱電素子の絶縁距離を広げることが可能である。
一方、絶縁挿入部材410の形状は図10(a)および図10(b)に例示された通りであり得る。例えば、図10(a)に例示された通り、絶縁挿入部材410は第1基板310に形成された貫通ホールS領域に段差を形成して貫通ホールSの壁面の一部を囲むように配置され得る。または絶縁挿入部材410は第1基板310に形成された貫通ホールS領域に段差を形成して貫通ホールSの壁面に沿って第2電極(図示されず)が配置される第1面まで延びるように配置されてもよい。
図10(a)を参照すると、第1基板310の第1電極と接する第1面の貫通ホールSの直径d2’は第2基板の第2電極と接する第1面の貫通ホールの直径と同一であり得る。この時、絶縁挿入部材410の形状により、第1基板310の第1面に形成された貫通ホールSの直径d2’は第1面の反対面である第2面に形成された貫通ホールSの直径d2と異なり得る。図示されてはいないが、貫通ホールS領域に段差を形成せずに第1基板310の上面の一部にのみ絶縁挿入部材410が配置されるか、第1金属基板310の上面から貫通ホールSの壁面の一部又は全部まで絶縁挿入部材410が延びるように配置される場合、第1基板310の第1面に形成された貫通ホールSの直径d2’は第1面の反対面である第2面に形成された貫通ホールSの直径d2と同一であり得る。
図10(b)を参照すると、絶縁挿入部材410の形状によって、第1基板310の第1電極と接する第1面の貫通ホールSの直径d2’は第2基板の第2電極と接する第1面の貫通ホールの直径より大きくてもよい。この時、第1基板310の第1面の貫通ホールSの直径d2’は第2基板の第1面の貫通ホールの直径の1.1~2.0倍であり得る。第1基板310の第1面の貫通ホールSの直径d2’が第2基板の第1面の貫通ホールの直径の1.1倍未満であると、絶縁挿入部材410の絶縁効果が微小であり熱電素子の絶縁破壊が引き起こされ得、第1基板310の第1面の貫通ホールSの直径d2’が第2基板の第1面の貫通ホールの直径の2.0倍を超過すると貫通ホールSが占める領域の大きさが相対的に増加することになって第1基板310の有効面積が減少することになり、熱電素子の効率が低下し得る。
そして、絶縁挿入部材410の形状によって、第1基板310の第1面に形成された貫通ホールSの直径d2’は第1面の反対面である第2面に形成された貫通ホールSの直径d2と異なり得る。前述した通り、第1基板310の貫通ホールS領域に段差が形成されない場合、第1基板310の第1面に形成された貫通ホールSの直径d2’は第1面の反対面である第2面に形成された貫通ホールSの直径d2と同一であり得る。
図示されてはいないが、本発明の実施例に係る熱電素子がゼーベック効果を利用する発電装置に適用される場合、熱電素子は第1流体流動部および第2流体流動部と結合することができる。第1流体流動部は熱電素子の第1基板および第2基板のうち一つに配置され、第2流体流動部は熱電素子の第1基板および第2基板のうち他の一つに配置され得る。第1流体流動部および第2流体流動部のうち少なくとも一つには、第1流体および第2流体のうち少なくとも一つが流動するように流路が形成され得、場合により第1流体流動部および第2流体流動部のうち少なくとも一つが省略され、第1流体および第2流体のうち少なくとも一つが熱電素子の基板に直接的に流動してもよい。例えば、第1基板および第2基板のうち一つと隣接して第1流体が流動し、他の一つと隣接して第2流体が流動することができる。この時、第2流体の温度は第1流体の温度よりさらに高くてもよい。これに伴い、第1流体流動部は冷却部と指称されてもよい。他の実施例として、第1流体の温度は第2流体の温度よりさらに高くてもよい。これに伴い、第2流体流動部は冷却部と指称され得る。ヒートシンク390は第1流体流動部および第2流体流動部のうちさらに高い温度の流体が流れる側の基板に連結され得る。第1流体と第2流体間の温度差の絶対値は40℃以上、好ましくは70℃以上、さらに好ましくは95℃~185℃であり得る。
前記では本発明の好ましい実施例を参照して説明したが、該当技術分野の熟練した当業者は下記の特許請求の範囲に記載された本発明の思想および領域から逸脱しない範囲内で本発明を多様に修正および変更できることが理解できるであろう。

Claims (10)

  1. 第1基板、
    前記第1基板上に配置された第1絶縁層、
    前記第1絶縁層上に配置された第1接合層、
    前記第1接合層上に配置された第2絶縁層、
    前記第2絶縁層上に配置された第1電極、
    前記第1電極上に配置されたP型熱電レッグおよびN型熱電レッグ、
    前記P型熱電レッグおよびN型熱電レッグ上に配置された第2電極、
    前記第2電極上に配置された第3絶縁層、そして
    前記第3絶縁層上に配置された第2基板を含み、
    前記第1絶縁層はシリコンとアルミニウムを含む複合体(composite)からなり、
    前記第2絶縁層はエポキシ樹脂およびシリコン樹脂のうち少なくとも一つと無機充填材を含む樹脂組成物からなる樹脂層であり、
    前記第1接合層はシランカップリング剤を含む、熱電素子。
  2. 前記シランカップリング剤はエポキシ基、アミノ基およびビニル基のうち少なくとも一つの官能基を含む、請求項1に記載の熱電素子。
  3. 前記第1絶縁層と前記第1接合層は互いに化学的に結合し、前記第1接合層と前記第2絶縁層は互いに化学的に結合する、請求項1に記載の熱電素子。
  4. 前記第1接合層の厚さは1~5μmである、請求項1に記載の熱電素子。
  5. 前記第2絶縁層の厚さは前記第1絶縁層の厚さより大きく、前記第1絶縁層の厚さは前記第1接合層の厚さより大きい、請求項4に記載の熱電素子。
  6. 前記第3絶縁層はエポキシ樹脂およびシリコン樹脂のうち少なくとも一つと無機充填材を含む樹脂組成物からなる樹脂層である、請求項1に記載の熱電素子。
  7. 前記第3絶縁層と前記第2基板の間に配置され、シリコンとアルミニウムを含む複合体(composite)からなる第4絶縁層、そして
    前記第3絶縁層と前記第4絶縁層間に配置されてシランカップリング剤を含む第2接合層をさらに含む、請求項6に記載の熱電素子。
  8. 前記第3絶縁層と前記第2基板の間に配置された酸化アルミニウム層をさらに含み、前記第2基板はアルミニウム基板である、請求項6に記載の熱電素子。
  9. 前記第1基板または前記第2基板のうち少なくとも一つに配置されたヒートシンクをさらに含む、請求項1に記載の熱電素子。
  10. 第1流体が流動するように流路が形成された第1流体流動部、
    前記第1流体流動部と結合する熱電素子、そして
    前記熱電素子と結合し、前記第1流体より高温である第2流体が流動するように流路が形成された第2流体流動部を含み、
    前記熱電素子は、
    前記第1流体流動部と結合された第1基板、
    前記第1基板上に配置された第1絶縁層、
    前記第1絶縁層上に配置された第1接合層、
    前記第1接合層上に配置された第2絶縁層、
    前記第2絶縁層上に配置された第1電極、
    前記第1電極上に配置されたP型熱電レッグおよびN型熱電レッグ、
    前記P型熱電レッグおよびN型熱電レッグ上に配置された第2電極、
    前記第2電極上に配置された第3絶縁層、そして
    前記第3絶縁層上に配置され、前記第2流体流動部と結合された第2基板を含み、
    前記第1絶縁層はシリコンとアルミニウムを含む複合体(composite)からなり、
    前記第2絶縁層はエポキシ樹脂およびシリコン樹脂のうち少なくとも一つと無機充填材を含む樹脂組成物からなる樹脂層であり、
    前記第1接合層はシランカップリング剤を含む、発電装置。
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