JP2023516876A - チーズ様製品、その使用、およびその調製方法 - Google Patents

チーズ様製品、その使用、およびその調製方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品を調製するための方法、加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品、ならびに加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品の使用に関する。【選択図】図1

Description

本発明は、加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品を調製するための方法、加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品、ならびに加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品の使用に関する。
近年、肉食を減らすことおよび菜食主義の傾向の高まりが、特に、健康、環境、および/または動物に対する思いやりへの意識の向上により肉食を減らしたい若者の間で生じている。
ハルーミ(Halloumi)風チーズは、溶けることなくグリルするかまたは焼くことができ、したがって、例えば、グリルされたハルーミを肉の代わりにハンバーガーに使用することによって、肉の良好な代替物を構成するため、非常に人気がある。
ハルーミは、半硬質の熟成されていない塩漬けチーズである。伝統的に、ハルーミは、生乳を低温殺菌し、レンネットで凝固させてチーズカード(凝固物)を形成し、カードをブロックに切断し、ホエーが放出および排出され、ブロックを折り畳み、高温ホエー(94~96℃)中で約1時間加熱する、従来のチーズ製造プロセスによって調製される。
次いで、高温ホエーが、折り畳んだチーズブロックから排出され、次いで、折り畳んだチーズブロックを冷却し、加塩するかまたは塩漬けにする。ハルーミチーズは、焼くかまたはグリルすることができる。
フランス特許出願FR2556565は、乳中のより高いタンパク質および乾物含有量を得るために限外濾過された乳からの、ハルーミチーズの生成について記載している。次いで、乳は、(上記のような)従来の物質でハルーミチーズに加工される。
ハルーミ様チーズの生成は、典型的には、多くの生成ステップを含むため要求が厳しく、生成方法は、生成される製品に対する制限を暗示する。
本発明は、加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品を調製するための方法に関し、その方法は、
a)少なくとも34%w/wの乾物含有量、少なくとも12%w/wのタンパク質含有量、少なくとも8%w/wのミセルカゼイン含有量を有する液体組成物を提供するステップであって、液体組成物は、4.8~7.0の範囲のpHおよび12:88~0:100のホエータンパク質対ミセルカゼインの比率を有する、ステップと、
b)凝乳酵素を加え、液体組成物を凝固させることによる凝固ステップに液体組成物を供して、凝固組成物を得るステップと、
c)任意選択で、凝固組成物を切断するステップと、
d)ステップb)またはc)からの凝固組成物を加熱に供して、少なくとも70℃の凝固組成物の芯温を得るステップと、
e)加熱処理された凝固組成物を冷却するステップと
を含み、
加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品は、ステップd)またはe)で得られる凝固組成物である。
本発明はさらに、発明の方法により得ることができる、加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品に関する。
加えて、本発明は、少なくとも34%w/wの乾物含有量、少なくとも12%w/wのタンパク質含有量、少なくとも8%w/wのカゼイン含有量、4.8~7.0の範囲のpH、および12:88~0:100のホエータンパク質対カゼインの比率を有する、加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品に関する。
さらに、本発明は、食品における、加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品の使用に関する。
ブロックに切断した凝固組成物を示す。 トースターで焼いた後の、加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品を示す。 ハンバーガーの肉代用品として提供された、焼いた、コーティングされた焼くことに安定なチーズ様製品のスライスを示す。 フライパンで菜種油で焼いたプレーンのチーズとしての、加熱調理に安定なチーズ様製品を示す。 グリルパンで菜種油で焼き、肉なしのハンバーガーで提供された、プレーンの加熱調理に安定なチーズ様製品を示す。 バーベキューマリネ―ドの付いた、フライパンで菜種油で焼いた、プレーンの加熱調理に安定なチーズ様製品を示す。 Santa Mariaからのタコス香辛料ミックスおよび刻んだタマネギの小片とともにフライパンで焼いた、すりおろした肉なし製品を示す。 タコスに使用した、すりおろした肉なし製品を示す。肉なし製品は、タマネギおよびタコス香辛料ミックスとともにフライパンで焼かれ、野菜および生のコリアンダーとともにトルティーヤに乗せて提供される。 半製品として使用された肉なし製品を示す。 デンマークの「カルボナード(karbonade)」のように形成された肉なし製品を示す。 直径2~3cmの小さい肉団子に形成された肉なし製品を示す。
本発明は、加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品を作るための方法に関する。発明者らは、液体組成物のミセルカゼインおよび乾物の含有量を(天然乳に対して)増加させること、ならびにホエーとミセルカゼインとの間の比率をさらに制御することによって、高い食感および口当たりならびにクリーミーでミルキーな香りの良い味、すなわち、ハルーミチーズによって提供されるのと同じ特性を有する、加熱調理ならびに/または焼くことに安定なチーズ様製品を得ることができることを見出した。本発明の一実施形態では、発明の方法によって調製された加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品は、従来のハルーミプロセスによって調製されたハルーミより柔らかい。
本発明は、加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品を調製するための方法に関し、その方法は、
a)少なくとも34%w/wの乾物含有量、少なくとも12%w/wのタンパク質含有量、少なくとも8%w/wのミセルカゼイン含有量を有する液体組成物を提供するステップであって、液体組成物は、4.8~7.0の範囲のpHおよび12:88~0:100のホエータンパク質対ミセルカゼインの比率を有する、ステップと、
b)凝乳酵素を加え、液体組成物を凝固させることによる凝固ステップに液体組成物を供して、凝固組成物を得るステップと、
c)任意選択で、凝固組成物を切断するステップと、
d)ステップb)またはc)からの凝固組成物を加熱に供して、少なくとも70℃の凝固組成物の芯温を得るステップと、
e)加熱処理された凝固組成物を冷却するステップと
を含み、
加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品は、ステップd)またはe)で得られる凝固組成物である。
本発明に係る方法は、凝固組成物(チーズカード)をブロックまたは粒に切断し、続いて折り畳みまたは加圧を行う必要がないため、単純かつ柔軟な構成であり、ハルーミ様チーズを生成するための従来の方法より単純である。さらなる利点は、加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品の生成中に、ホエーが実質的に放出されず、凝固組成物から分離される必要がなく、凝固組成物がブロックまたは粒に切断された場合でも、凝固物からホエーが実質的に放出されないことである。これは、実質的にホエーの放出および排出なしで、液体組成物が凝固され得(ステップb)、任意選択で切断され得(ステップc)、続いて加熱され得る(ステップd)という利点を有する。発明の方法はまた、方法が、ステップa)で提供される液体組成物を販売用パッケージに直接充填し、販売用パッケージ中で液体組成物を凝固させ、その結果、凝固組成物が販売用パッケージ中で形成することを可能とするため、方法によって生成される加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品に影響を与える。凝固組成物は、次いで販売用パッケージ中で直接加熱処理され得る。さらなる利点は、ホエーが放出されないため、方法が100%の収率を与えることである。
本発明との関連で、「チーズ様製品」という用語は、チーズ製品、チーズ代用品、またはチーズ類似物に関する。チーズ代用品は、タンパク質が部分的にデンプンに置き換えられ、乳脂肪が任意選択で完全にまたは部分的に植物脂肪に置き換えられ得るチーズ製品である。チーズ類似物は、乳脂肪が完全にまたは部分的に植物脂肪に置き換えられているチーズ製品である。
本発明との関連で、「焼くことに安定(frying-stable)」という用語は、焼かれる製品が、焼いている間および焼いた後に、その元の形状を実質的に維持し、溶けず、粘度の変化を示さないことを意味する。
本発明との関連で、「加熱調理および/または焼くことに安定(cooking- and/or frying-stable)」という用語は、加熱調理される製品が、加熱調理の最中および後に、その元の形状を実質的に維持し、溶けず、粘度の変化を示さないことを意味する。
液体組成物の乾物含有量は、典型的には10~15%w/wの範囲の乾物含有量を有する従来のチーズ乳と比較して増加される。ステップa)で提供される液体組成物は、34~52%w/wの範囲の乾物含有量を有し得る。本発明の一実施形態では、液体組成物は、38~50%w/wの範囲、例えば、40~50%w/wの範囲または42~50%w/wの範囲の乾物含有量を有する。
乳は、典型的には3~4%w/wのタンパク質含有量を有する。ステップa)で提供される液体組成物のタンパク質含有量は、12~30%w/wの範囲であり得る。本発明の一実施形態では、タンパク質含有量は、12~25%w/wの範囲、15~22%w/wの範囲、または17~20%w/wの範囲である。
ミセルカゼインの量は重要であり、ステップa)で提供される液体組成物は、少なくとも8%w/wのミセルカゼイン含有量を有するべきである。ミセルカゼイン含有量は、8~30%w/wの範囲、例えば、10~30%w/wの範囲、13~22%w/wの範囲、または15~20%w/wの範囲であり得る。ミセルカゼイン含有量は、液体組成物中のタンパク質の総量に寄与する。
本発明との関連で、「ミセルカゼイン」および「カゼインミセル」という用語は、異なるカゼイン種ならびにカルシウムおよびリン酸塩などのミネラルを含むミセル様構造の形態のカゼインに関する。「天然ミセルカゼイン」という用語は、天然乳中に見られ、例えば超遠心分離または精密濾過によって、典型的には、カゼインミセルを保持するがホエータンパク質を通過させる細孔径を有する精密濾過膜を使用して、天然乳から単離される、カゼインミセルに関する。0.05~0.3ミクロンの細孔径を有する精密濾過膜が好ましい。ミセルカゼインの量は、典型的には、超遠心分離、好ましくは30℃で1時間の初期平衡化および100,000gで1時間同じ温度での遠心分離によるカゼインミセルの分離、ならびに好ましくはBobeら(Separation and Quantification of Bovine Milk Proteins by Reversed-Phase High-Performance Liquid Chromatography; Bobe et al; J. Agric. Food Chem. 1998, 46, 458-463)で概説されたような、HPLCによる、分離されたカゼインの量のその後の定量によって、決定される。
発明者らは、チーズ様製品の調製に使用される液体組成物中のホエータンパク質とミセルカゼインとの間の比率を制御することによって、所望の特性を有する加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品を得ることができることを見出した。
ステップa)で提供される液体組成物中のミセルカゼインの量は、12:88~0:100のホエータンパク質対ミセルカゼインの比率、例えば、11:89~0:100、10:90~0:100、9:91~0:100、8:92~0:100、7:93~0:100、6:94~0:100、5:95~0:100、4:96~0:100、3:97~0:100、2:98~0:100のホエータンパク質対ミセルカゼインの比率、または1:99~0:100のホエータンパク質対ミセルカゼインの比率を有し得る。本発明の一実施形態では、ホエータンパク質対ミセルカゼインの比率は、12:88~0:100、12:88~1:99、12:88~2:98、12:88~3:97、12:88~4:96であり、またはホエータンパク質対ミセルカゼインの比率は、12:88~5:95である。
本発明の一実施形態では、発明は、加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品を調製するための方法に関し、その方法は、
a)34~52%w/wの範囲の乾物含有量、12~30%w/wの範囲のタンパク質含有量、8~25%w/wの範囲のミセルカゼイン含有量を有する液体組成物を提供するステップであって、液体組成物は、4.8~7.0の範囲のpHおよび12:88~0:100のホエータンパク質対ミセルカゼインの比率を有する、ステップと、
b)凝乳酵素を加え、液体組成物を凝固させることによる凝固ステップに液体組成物を供して、凝固組成物を得るステップと、
c)任意選択で、凝固組成物を切断するステップと、
d)ステップb)またはc)からの凝固組成物を加熱に供して、少なくとも70℃の凝固組成物の芯温を得るステップと、
e)加熱処理された凝固組成物を冷却するステップと
を含み、
加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品は、ステップd)またはe)で得られる凝固組成物である。
本発明の好ましい実施形態では、発明は、加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品を調製するための方法に関し、その方法は、
a)34~50%w/wの範囲の乾物含有量、12~25%w/wの範囲のタンパク質含有量、10~25%w/wの範囲のミセルカゼイン含有量を有する液体組成物を提供するステップであって、液体組成物は、4.8~7.0の範囲のpHおよび10:90~0:100のホエータンパク質対ミセルカゼインの比率を有する、ステップと、
b)凝乳酵素を加え、液体組成物を凝固させることによる凝固ステップに液体組成物を供して、凝固組成物を得るステップと、
c)任意選択で、凝固組成物を切断するステップと、
d)ステップb)またはc)からの凝固組成物を加熱に供して、少なくとも70℃の凝固組成物の芯温を得るステップと、
e)加熱処理された凝固組成物を冷却するステップと
を含み、
加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品は、ステップd)またはe)で得られる凝固組成物である。
本発明のより好ましい実施形態では、発明は、加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品を調製するための方法に関し、その方法は、
a)40~50%w/wの範囲の乾物含有量、15~22%w/wの範囲のタンパク質含有量、13~22%w/wの範囲のミセルカゼイン含有量を有する液体組成物を提供するステップであって、液体組成物は、4.8~7.0の範囲のpHおよび8:92~0:100のホエータンパク質対ミセルカゼインの比率を有する、ステップと、
b)凝乳酵素を加え、液体組成物を凝固させることによる凝固ステップに液体組成物を供して、凝固組成物を得るステップと、
c)任意選択で、凝固組成物を切断するステップと、
d)ステップb)またはc)からの凝固組成物を加熱に供して、少なくとも70℃の凝固組成物の芯温を得るステップと、
e)加熱処理された凝固組成物を冷却するステップと
を含み、
加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品は、ステップd)またはe)で得られる凝固組成物である。
本発明のより好ましい実施形態では、発明は、加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品を調製するための方法に関し、その方法は、
a)42~50%w/wの範囲の乾物含有量、17~20%w/wの範囲のタンパク質含有量、15~20%w/wの範囲のミセルカゼイン含有量を有する液体組成物を提供するステップであって、液体組成物は、4.8~7.0の範囲のpHおよび6:94~0:100のホエータンパク質対ミセルカゼインの比率を有する、ステップと、
b)凝乳酵素を加え、液体組成物を凝固させることによる凝固ステップに液体組成物を供して、凝固組成物を得るステップと、
c)任意選択で、凝固組成物を切断するステップと、
d)ステップb)またはc)からの凝固組成物を加熱に供して、少なくとも70℃の凝固組成物の芯温を得るステップと、
e)加熱処理された凝固組成物を冷却するステップと
を含み、
加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品は、ステップd)またはe)で得られる凝固組成物である。
ステップa)の液体組成物を提供するために、天然乳と比較して増加したミセルカゼイン含有量を有するミセルカゼイン源から液体組成物を提供することが有利であり得る。「天然乳」という用語は、搾乳後に組成が補正されていない乳と理解される。好ましい実施形態では、液体組成物は、ミセルカゼインの単離物から、例えば、ミセルカゼインの単離物を水と混合することによって調製される。さらにより好ましい実施形態では、液体組成物は、ミセルカゼインの単離物および粉乳、例えば脱脂粉乳から調製される。
本発明との関連で、「ミセルカゼイン単離物」という用語は、異なるカゼイン種ならびにカルシウムおよびリン酸塩などのミネラルを含むミセル様構造の形態のカゼインに関し、これは、例えば超遠心分離または精密濾過によって、典型的には、カゼインミセルを保持するがホエータンパク質を通過させる細孔径を有する精密濾過膜を使用して、乳から単離される。
1つの利点は、発明の方法が、液体組成物に含まれるミセルカゼインに加えて、動物性および/または植物性の両方のタンパク質を加えることを可能とすることである。ミセルカゼインは乳に由来し得、液体組成物がミセルカゼインの形態の動物タンパク質を含むであろうことを意味する。しかしながら、液体組成物は、ミセルカゼインに加えて動物タンパク質、例えば、ミセルカゼイン以外の乳タンパク質を含んでよい。乳タンパク質は、牛乳、羊乳、山羊乳、ラクダ乳、馬乳、または食用に適した乳を生産する任意の他の動物からの乳などの、食用に適した乳から得ることができる。好ましくは、乳タンパク質は、牛乳から得られる。
ステップa)の液体組成物は、ある量の乾物、ミセルカゼイン、タンパク質、脂肪、および/またはラクトースを得るように、所望のとおりに乳を前処理することによって提供され得るか、または成分すなわち乾燥成分を液体と混合し、それによりステップa)の液体組成物を得ることによって提供され得る。液体組成物は、水、ホエー、乳、再構成乳、全脂肪(全)乳、クリーム、低脂肪乳、脱脂乳、バターミルク、初乳、低ラクトース乳、無ラクトース乳、ホエータンパク質欠乏乳、限外濾過乳、精密濾過乳、再構成(還元)粉乳、ホエー粉末、ホエータンパク質濃縮物(WPC)、ホエータンパク質分離物(WPI)、乳清タンパク質濃縮物(SPC)の群から選択される1つ以上の成分を混合することによって調製され得る。成分は、牛乳、羊乳、山羊乳、ラクダ乳、馬乳、またはそれらの組み合わせなどの、食用に適した乳から得ることができる。好ましくは、成分は、牛乳、羊乳、または山羊乳、または牛乳、羊乳、および山羊乳の組み合わせから調製される。
一実施形態では、液体組成物は、ステップa)の液体組成物中に含まれるミセルカゼインおよび/またはさらなる乳タンパク質と組み合わせて、植物タンパク質を含む。食用とすることができる任意の植物タンパク質が、液体組成物を提供するのに使用され得る。本発明のチーズ様製品を調製するのに適した植物タンパク質は、豆類、マメ科植物、青葉、野菜、大豆タンパク質、マメ科植物タンパク質、レンズマメ、キノコ類、細菌、真菌、およびそれらの組み合わせから選択される群に由来するタンパク質である。好ましい実施形態では、植物タンパク質は、大豆タンパク質、エンドウマメタンパク質、およびレンズマメタンパク質から選択される。
いくつかの実施形態では、ステップa)で提供される液体組成物は、5~30%w/wの範囲、例えば、10~30%w/wの範囲、15~25%w/wの範囲、または17~22%w/wの範囲の脂肪含有量を有する。
一実施形態では、ステップa)で提供される液体組成物は、動物脂肪および/または植物脂肪から選択される脂肪を含む。液体組成物は、1つ以上の動物脂肪を含んでよく、好ましいものは乳脂肪である。乳脂肪は、クリーム、酸性化クリーム、クリーム粉末、全脂粉乳、無水乳脂肪、および/またはバターに由来し得る。
液体組成物は、1つ以上の植物脂肪をさらに含んでよい。植物脂肪は、パーム脂肪、パーム核脂肪、オート麦油、ココナツ脂肪、トウモロコシ油、ゴマ油、大豆油(soya oil)、大豆油(soya bean oil)、亜麻仁油、ブドウ種子油、菜種油、オリーブ油、落花生油、ヒマワリ油、紅花油、およびそれらの組み合わせからなる群から選択され得る。本発明の一実施形態では、液体組成物は、植物脂肪のみを含む。
本発明の一実施形態では、液体組成物は、1つ以上の動物脂肪と1つ以上の植物脂肪との組み合わせを含んでよい。好ましい実施形態では、液体組成物は、乳脂肪と、パーム脂肪、パーム核脂肪およびココナツ脂肪の群から選択される植物脂肪との組み合わせを含む。
本発明の一実施形態では、発明は、加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品を調製するための方法に関し、その方法は、
a)34~52%w/wの範囲の乾物含有量、12~30%w/wの範囲のタンパク質含有量、8~25%w/wの範囲のミセルカゼイン含有量、5~30%w/wの範囲の脂肪含有量を有する液体組成物を提供するステップであって、液体組成物は、4.8~7.0の範囲のpHおよび12:88~0:100のホエータンパク質対ミセルカゼインの比率を有する、ステップと、
b)凝乳酵素を加え、液体組成物を凝固させることによる凝固ステップに液体組成物を供して、凝固組成物を得るステップと、
c)任意選択で、凝固組成物を切断するステップと、
d)ステップb)またはc)からの凝固組成物を加熱に供して、少なくとも70℃の凝固組成物の芯温を得るステップと、
e)加熱処理された凝固組成物を冷却するステップと
を含み、
加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品は、ステップd)またはe)で得られる凝固組成物である。
本発明の好ましい実施形態では、発明は、加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品を調製するための方法に関し、その方法は、
a)34~50%w/wの範囲の乾物含有量、12~25%w/wの範囲のタンパク質含有量、10~25%w/wの範囲のミセルカゼイン含有量、5~30%w/wの範囲の脂肪含有量を有する液体組成物を提供するステップであって、液体組成物は、4.8~7.0の範囲のpHおよび10:90~0:100のホエータンパク質対ミセルカゼインの比率を有する、ステップと、
b)凝乳酵素を加え、液体組成物を凝固させることによる凝固ステップに液体組成物を供して、凝固組成物を得るステップと、
c)任意選択で、凝固組成物を切断するステップと、
d)ステップb)またはc)からの凝固組成物を加熱に供して、少なくとも70℃の凝固組成物の芯温を得るステップと、
e)加熱処理された凝固組成物を冷却するステップと
を含み、
加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品は、ステップd)またはe)で得られる凝固組成物である。
本発明のより好ましい実施形態では、発明は、加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品を調製するための方法に関し、その方法は、
a)40~50%w/wの範囲の乾物含有量、15~22%w/wの範囲のタンパク質含有量、13~22%w/wの範囲のミセルカゼイン含有量、5~30%w/wの範囲の脂肪含有量を有する液体組成物を提供するステップであって、液体組成物は、4.8~7.0の範囲のpHおよび8:92~0:100のホエータンパク質対ミセルカゼインの比率を有する、ステップと、
b)凝乳酵素を加え、液体組成物を凝固させることによる凝固ステップに液体組成物を供して、凝固組成物を得るステップと、
c)任意選択で、凝固組成物を切断するステップと、
d)ステップb)またはc)からの凝固組成物を加熱に供して、少なくとも70℃の凝固組成物の芯温を得るステップと、
e)加熱処理された凝固組成物を冷却するステップと
を含み、
加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品は、ステップd)またはe)で得られる凝固組成物である。
本発明のより好ましい実施形態では、発明は、加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品を調製するための方法に関し、その方法は、
a)42~50%w/wの範囲の乾物含有量、17~20%w/wの範囲のタンパク質含有量、15~20%w/wの範囲のミセルカゼイン含有量、5~30%w/wの範囲の脂肪含有量を有する液体組成物を提供するステップであって、液体組成物は、4.8~7.0の範囲のpHおよび6:94~0:100のホエータンパク質対ミセルカゼインの比率を有する、ステップと、
b)凝乳酵素を加え、液体組成物を凝固させることによる凝固ステップに液体組成物を供して、凝固組成物を得るステップと、
c)任意選択で、凝固組成物を切断するステップと、
d)ステップb)またはc)からの凝固組成物を加熱に供して、少なくとも70℃の凝固組成物の芯温を得るステップと、
e)加熱処理された凝固組成物を冷却するステップと
を含み、
加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品は、ステップd)またはe)で得られる凝固組成物である。
加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品は、例えば、調味成分をステップa)で提供される液体組成物に直接加えることによって、味付けされてよい。そのような加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品は、液体組成物が、塩、糖、ハーブ、香辛料、またはそれらの組み合わせの1つ以上を含む、ステップa)での液体組成物を提供することによって得ることができる。あるいは、凝固組成物が、述べられた調味成分の1つ以上で味付けされ得る。
ステップa)の液体組成物は、均質化され得る。一実施形態では、液体組成物は、例えば高せん断ミキサーを使用することによって、混合されて均質な液体組成物を形成する。あるいは、液体組成物は、バッチ調理器を使用することによって均質化され得る。
ステップa)で提供される液体組成物は、液体組成物中の微生物の数を減少させるために加熱されてよい。一実施形態では、液体組成物は、少なくとも部分的な微生物の減少を得るのに十分な温度に加熱される。本発明の一実施形態では、混合物は、少なくとも部分的な微生物の減少を得るのに十分な時間、少なくとも70℃の温度に熱される。好ましくは、液体組成物は、少なくとも72℃の温度に少なくとも15秒間加熱される。
加熱後、液体組成物は、20~50℃の範囲の温度に冷却され得る。
ステップa)の液体組成物のpHは、4.8~7.0の範囲であるべきである。液体組成物のpHは、ステップa)の液体組成物の提供時に酸性化剤を加えること、またはスターター培養物を使用することによって提供され得る。4.8~7.0の範囲のpHを有する液体組成物を提供するのにスターター培養物を使用する場合、様々なスターター培養物およびスターター培養物の混合物が使用され得る。最も一般的なスターター培養物は、中温性培養物(ラクトコッカススターター)、ならびに味を発生させる原因である培養物(中温性および/または好熱性補助スターター)を含む。スターター培養物の選択は、加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品の所望の特性に依存する。
本発明の好ましい実施形態では、食品グレードの酸が、液体組成物のpHを調整するために使用される。食品グレードの酸は、柑橘類の果汁などの様々な果実からの果汁に含有され得るか、または化学的に生成された酸であり得る。好適な酸性化剤の例は、グルコノデルタラクトン(GDL)、クエン酸、リン酸、乳酸、レモン果汁、ライム果汁、およびそれらの混合物である。
本発明の一実施形態では、液体組成物のpHは、4.8~6.5の範囲、例えば4.8~6.0の範囲または4.8~5.7の範囲である。別の実施形態では、液体組成物のpHは、5.0~7.0の範囲、例えば5.5~7.0の範囲または6.0~7.0の範囲である。
スターターに加えられるスターター培養物の量およびスターターの量は、チーズのタイプおよび使用される条件に依存する。バルクスターターの量は、通常0.5~2%w/w、典型的には0.7~0.8%w/wであることが知られている。DVSスターター(DVS/DVI)の量は、通常0.001~0.2%w/w、典型的には0.01~0.05%w/wである。
本発明の一実施形態では、発明は、加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品を調製するための方法に関し、その方法は、
a)34~52%w/wの範囲の乾物含有量、12~30%w/wの範囲のタンパク質含有量、8~25%w/wの範囲のミセルカゼイン含有量、5~30%w/wの範囲の脂肪含有量を有する液体組成物を提供するステップであって、液体組成物は、4.8~7.0の範囲のpHおよび8:92~0:100のホエータンパク質対ミセルカゼインの比率を有する、ステップと、
b)凝乳酵素を加え、液体組成物を凝固させることによる凝固ステップに液体組成物を供して、凝固組成物を得るステップと、
c)任意選択で、凝固組成物を切断するステップと、
d)ステップb)またはc)からの凝固組成物を加熱に供して、少なくとも70℃の凝固組成物の芯温を得るステップと、
e)加熱処理された凝固組成物を冷却するステップと
を含み、
加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品は、ステップd)またはe)で得られる凝固組成物である。
本発明の好ましい実施形態では、発明は、加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品を調製するための方法に関し、その方法は、
a)34~50%w/wの範囲の乾物含有量、12~25%w/wの範囲のタンパク質含有量、10~25%w/wの範囲のミセルカゼイン含有量、5~30%w/wの範囲の脂肪含有量を有する液体組成物を提供するステップであって、液体組成物は、4.8~6.5の範囲のpHおよび10:90~0:100のホエータンパク質対ミセルカゼインの比率を有する、ステップと、
b)凝乳酵素を加え、液体組成物を凝固させることによる凝固ステップに液体組成物を供して、凝固組成物を得るステップと、
c)任意選択で、凝固組成物を切断するステップと、
d)ステップb)またはc)からの凝固組成物を加熱に供して、少なくとも70℃の凝固組成物の芯温を得るステップと、
e)加熱処理された凝固組成物を冷却するステップと
を含み、
加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品は、ステップd)またはe)で得られる凝固組成物である。
本発明のより好ましい実施形態では、発明は、加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品を調製するための方法に関し、その方法は、
a)40~50%w/wの範囲の乾物含有量、15~22%w/wの範囲のタンパク質含有量、13~22%w/wの範囲のミセルカゼイン含有量、5~30%w/wの範囲の脂肪含有量を有する液体組成物を提供するステップであって、液体組成物は、4.8~6.0の範囲のpHおよび8:96~0:100のホエータンパク質対ミセルカゼインの比率を有する、ステップと、
b)凝乳酵素を加え、液体組成物を凝固させることによる凝固ステップに液体組成物を供して、凝固組成物を得るステップと、
c)任意選択で、凝固組成物を切断するステップと、
d)ステップb)またはc)からの凝固組成物を加熱に供して、少なくとも70℃の凝固組成物の芯温を得るステップと、
e)加熱処理された凝固組成物を冷却するステップと
を含み、
加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品は、ステップd)またはe)で得られる凝固組成物である。
本発明のより好ましい実施形態では、発明は、加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品を調製するための方法に関し、その方法は、
a)42~50%w/wの範囲の乾物含有量、17~20%w/wの範囲のタンパク質含有量、15~20%w/wの範囲のミセルカゼイン含有量、5~30%w/wの範囲の脂肪含有量を有する液体組成物を提供するステップであって、液体組成物は、4.8~5.7の範囲のpHおよび6:94~0:100のホエータンパク質対ミセルカゼインの比率を有する、ステップと、
b)凝乳酵素を加え、液体組成物を凝固させることによる凝固ステップに液体組成物を供して、凝固組成物を得るステップと、
c)任意選択で、凝固組成物を切断するステップと、
d)ステップb)またはc)からの凝固組成物を加熱に供して、少なくとも70℃の凝固組成物の芯温を得るステップと、
e)加熱処理された凝固組成物を冷却するステップと
を含み、
加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品は、ステップd)またはe)で得られる凝固組成物である。
発明の方法のステップb)では、ステップa)で提供される液体組成物は、液体組成物に凝乳酵素を加え、液体組成物を凝固させて凝固組成物を得ることによる凝固ステップに供される。
ステップb)での液体組成物の温度は、20~50℃の範囲であり得る。好ましくは、液体組成物の温度は、35~45℃の範囲または38~42℃の範囲である。
凝乳酵素は、動物に由来し得るか、またはレンネット、キモシン、ペプシン、もしくは微生物Rhizomucor miehei(Hannilase)およびCryphonectria(Endothia) parasitica(Suparen)が産生する酵素からなる群から選択され得る。本発明のいくつかの実施形態では、凝乳酵素は、トランスグルタミナーゼとともに使用されてよい。
凝乳酵素を液体組成物に加え、組成物を少なくとも15分間凝固させる。本発明の一実施形態では、液体組成物を、約15~120分間、例えば約15~90分間または約20~40分間、凝固させる。
ステップb)での凝固は、容器、ベッセル、タブ、チーズバット中で、または販売用パッケージ、消費者向けパッケージ、小売パッケージ、もしくはカートン中で直接、行われてよい。
本発明との関連で、「販売用パッケージ」という用語は、本発明の加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品を含有し、小売、消費者、家庭、産業用キッチン(病院、食堂、レストラン)またはケータリングに販売する準備ができているパッケージを意味する。「販売用パッケージ」という用語は、消費者に販売する準備ができているパッケージ(消費者向けパッケージ)、小売に販売する準備ができているパッケージ(小売パッケージ)、ケータリングまたは産業用キッチン向けバルクパッケージを含むが、これらに限定されない。
販売用パッケージの容量は変動してよい。本発明の一実施形態では、販売用パッケージは、1人分の食事に必要な加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品の量、例えば100ml未満の量に対応した容量を有する。販売用パッケージは、任意の形態に成形されてよく、例えば、ハンバーガーまたはフィレのように成形されてよい。販売用パッケージは、コーティングされた加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品を含有してよく、例えば、加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品は、包装される前にコーティングされる。代替の実施形態では、販売用パッケージは、2人以上の食事の量、例えば100ml超の量に対応した容量を有する。加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品を、消費する前に、例えば焼くかまたはグリルする前に、パッケージから取り出し、スライスするかまたは細かく切断することができる。
販売用パッケージを凝固および/または加熱に使用する場合、販売用パッケージは、加熱調理温度、例えば100~110℃までの温度に耐えることができる材料で作られるべきである。販売用パッケージは、金属、プラスチック、ボール紙、ガラス、またはそれらの組み合わせから作られてよい。
一実施形態では、販売用パッケージは、アルミニウム、またはアルミニウム合金、または鋼などの金属から作られる。一実施形態では、販売用パッケージは、蓋付きの缶、例えば、丸缶、成形缶、またはボウル缶である。缶の内側は、加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品が金属と直接接触しないように、食品グレードのコーティングでコーティングされてよい。
一実施形態では、販売用パッケージは、120℃までの温度に耐えることができる、ポリプロピレン(PP)などのプラスチックから作られる。販売用パッケージは、硬質プラスチック、半硬質プラスチック、または軟質プラスチックから作られてよい。一実施形態では、販売用パッケージは、硬質または半硬質プラスチックと軟質プラスチックホイルまたはプラスチックフィルムとの組み合わせから作られる。硬質または半硬質パッケージは、任意の所望の形状に形成されてよく、本発明に係る液体組成物で充填されてよく、任意選択でプラスチックホイルまたはプラスチックフィルムで密封されてよい。次いで、液体組成物を、パッケージ中で凝固させ、続いて加熱してよく、それにより販売用パッケージの特定の形状に成形する。本発明の一実施形態では、販売用パッケージは、半硬質プラスチック、プラスチックホイル、またはプラスチックフィルムから作られた袋、例えばプラスチック袋であり、袋の両端を閉じることによってチューブまたはソーセージ形状を形成する。
本発明の一実施形態では、発明は、加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品を調製するための方法に関し、その方法は、
a)34~52%w/wの範囲の乾物含有量、12~30%w/wの範囲のタンパク質含有量、8~25%w/wの範囲のミセルカゼイン含有量、5~30%w/wの範囲の脂肪含有量を有する液体組成物を提供するステップであって、液体組成物は、4.8~7.0の範囲のpHおよび12:88~0:100のホエータンパク質対ミセルカゼインの比率を有する、ステップと、
b)液体組成物および凝乳酵素を販売用パッケージに充填し、任意選択で販売用パッケージを密封し、その後、液体組成物および凝乳酵素を凝固させることによる凝固ステップに液体組成物を供して、凝固組成物を得るステップと、
c)任意選択で、凝固組成物を切断するステップと、
d)ステップc)からの凝固組成物を加熱に供して、少なくとも70℃の凝固組成物の芯温を得るステップと、
e)加熱処理された凝固組成物を冷却するステップと
を含み、
加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品は、ステップd)またはe)で得られる凝固組成物である。
本発明の好ましい実施形態では、発明は、加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品を調製するための方法に関し、その方法は、
a)34~50%w/wの範囲の乾物含有量、12~25%w/wの範囲のタンパク質含有量、10~25%w/wの範囲のミセルカゼイン含有量、5~30%w/wの範囲の脂肪含有量を有する液体組成物を提供するステップであって、液体組成物は、4.8~6.5の範囲のpHおよび10:90~0:100のホエータンパク質対ミセルカゼインの比率を有する、ステップと、
b)液体組成物および凝乳酵素を販売用パッケージに充填し、任意選択で販売用パッケージを密封し、その後、液体組成物および凝乳酵素を凝固させることによる凝固ステップに液体組成物を供して、凝固組成物を得るステップと、
c)任意選択で、凝固組成物を切断するステップと、
d)ステップc)からの凝固組成物を加熱に供して、少なくとも70℃の凝固組成物の芯温を得るステップと、
e)加熱処理された凝固組成物を冷却するステップと
を含み、
加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品は、ステップd)またはe)で得られる凝固組成物である。
本発明のより好ましい実施形態では、発明は、加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品を調製するための方法に関し、その方法は、
a)40~50%w/wの範囲の乾物含有量、15~22%w/wの範囲のタンパク質含有量、13~22%w/wの範囲のミセルカゼイン含有量、5~30%w/wの範囲の脂肪含有量を有する液体組成物を提供するステップであって、液体組成物は、4.8~6.0の範囲のpHおよび8:92~0:100のホエータンパク質対ミセルカゼインの比率を有する、ステップと、
b)液体組成物および凝乳酵素を販売用パッケージに充填し、任意選択で販売用パッケージを密封し、その後、液体組成物および凝乳酵素を凝固させることによる凝固ステップに液体組成物を供して、凝固組成物を得るステップと、
c)任意選択で、凝固組成物を切断するステップと、
d)ステップc)からの凝固組成物を加熱に供して、少なくとも70℃の凝固組成物の芯温を得るステップと、
e)加熱処理された凝固組成物を冷却するステップと
を含み、
加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品は、ステップd)またはe)で得られる凝固組成物である。
本発明のより好ましい実施形態では、発明は、加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品を調製するための方法に関し、その方法は、
a)42~50%w/wの範囲の乾物含有量、17~20%w/wの範囲のタンパク質含有量、15~20%w/wの範囲のミセルカゼイン含有量、5~30%w/wの範囲の脂肪含有量を有する液体組成物を提供するステップであって、液体組成物は、4.8~5.7の範囲のpHおよび6:94~0:100のホエータンパク質対ミセルカゼインの比率を有する、ステップと、
b)液体組成物および凝乳酵素を販売用パッケージに充填し、任意選択で販売用パッケージを密封し、その後、液体組成物および凝乳酵素を凝固させることによる凝固ステップに液体組成物を供して、凝固組成物を得るステップと、
c)任意選択で、凝固組成物を切断するステップと、
d)ステップc)からの凝固組成物を加熱に供して、少なくとも70℃の凝固組成物の芯温を得るステップと、
e)加熱処理された凝固組成物を冷却するステップと
を含み、
加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品は、ステップd)またはe)で得られる凝固組成物である。
発明の方法のステップc)では、凝固組成物は、任意選択で切断に供される。凝固組成物が切断に供される場合、好ましくは、切断中および切断後に、凝固組成物から、ホエーが放出されないか、またはホエーが実質的に放出されない。凝固組成物は、ブロック、さいころ状(例えば、チーズの粒)、またはスライスに切断され得る。本発明の一実施形態では、凝固組成物は切断され、最大で5%w/wのホエーが、切断中および切断後に凝固組成物から放出される。好ましくは、切断中および切断後に放出されるホエーの量は、最大で4%w/w、最大で3%w/w、最大で2%w/w、または最大で1%w/wである。
本発明の一実施形態では、発明は、加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品を調製するための方法に関し、その方法は、
a)34~52%w/wの範囲の乾物含有量、12~30%w/wの範囲のタンパク質含有量、8~25%w/wの範囲のミセルカゼイン含有量、5~30%w/wの範囲の脂肪含有量を有する液体組成物を提供するステップであって、液体組成物は、4.8~7.0の範囲のpHおよび12:88~0:100のホエータンパク質対ミセルカゼインの比率を有する、ステップと、
b)凝乳酵素を加え、液体組成物を凝固させることによる凝固ステップに液体組成物を供して、凝固組成物を得るステップと、
c)凝固組成物を切断するステップであって、最大で5%w/wのホエーが放出される、ステップと、
d)ステップb)またはc)からの凝固組成物を加熱に供して、少なくとも70℃の凝固組成物の芯温を得るステップと、
e)加熱処理された凝固組成物を冷却するステップと
を含み、
加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品は、ステップd)またはe)で得られる凝固組成物である。
本発明の好ましい実施形態では、発明は、加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品を調製するための方法に関し、その方法は、
a)34~50%w/wの範囲の乾物含有量、12~25%w/wの範囲のタンパク質含有量、10~25%w/wの範囲のミセルカゼイン含有量、5~30%w/wの範囲の脂肪含有量を有する液体組成物を提供するステップであって、液体組成物は、4.8~6.5の範囲のpHおよび10:90~0:100のホエータンパク質対ミセルカゼインの比率を有する、ステップと、
b)凝乳酵素を加え、液体組成物を凝固させることによる凝固ステップに液体組成物を供して、凝固組成物を得るステップと、
c)凝固組成物を切断するステップであって、最大で4%w/wのホエーが放出される、ステップと、
d)ステップb)またはc)からの凝固組成物を加熱に供して、少なくとも70℃の凝固組成物の芯温を得るステップと、
e)加熱処理された凝固組成物を冷却するステップと
を含み、
加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品は、ステップd)またはe)で得られる凝固組成物である。
本発明のより好ましい実施形態では、発明は、加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品を調製するための方法に関し、その方法は、
a)40~50%w/wの範囲の乾物含有量、15~22%w/wの範囲のタンパク質含有量、13~22%w/wの範囲のミセルカゼイン含有量、5~30%w/wの範囲の脂肪含有量を有する液体組成物を提供するステップであって、液体組成物は、4.8~6.0の範囲のpHおよび8:92~0:100のホエータンパク質対ミセルカゼインの比率を有する、ステップと、
b)凝乳酵素を加え、液体組成物を凝固させることによる凝固ステップに液体組成物を供して、凝固組成物を得るステップと、
c)凝固組成物を切断するステップであって、最大で3%w/wのホエーが放出される、ステップと、
d)ステップb)またはc)からの凝固組成物を加熱に供して、少なくとも70℃の凝固組成物の芯温を得るステップと、
e)加熱処理された凝固組成物を冷却するステップと
を含み、
加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品は、ステップd)またはe)で得られる凝固組成物である。
本発明のより好ましい実施形態では、発明は、加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品を調製するための方法に関し、その方法は、
a)42~50%w/wの範囲の乾物含有量、17~20%w/wの範囲のタンパク質含有量、15~20%w/wの範囲のミセルカゼイン含有量、5~30%w/wの範囲の脂肪含有量を有する液体組成物を提供するステップであって、液体組成物は、4.8~5.7の範囲のpHおよび6:94~0:100のホエータンパク質対ミセルカゼインの比率を有する、ステップと、
b)凝乳酵素を加え、液体組成物を凝固させることによる凝固ステップに液体組成物を供して、凝固組成物を得るステップと、
c)凝固組成物を切断するステップであって、最大で2%w/wのホエーが放出される、ステップと、
d)ステップb)またはc)からの凝固組成物を加熱に供して、少なくとも70℃の凝固組成物の芯温を得るステップと、
e)加熱処理された凝固組成物を冷却するステップと
を含み、
加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品は、ステップd)またはe)で得られる凝固組成物である。
発明の方法のステップd)では、ステップb)またはc)からの凝固組成物は加熱されて、少なくとも70℃の凝固組成物の芯温を得る。凝固組成物の芯温は、70~100℃の範囲であるべきである。好ましくは、凝固組成物の芯温は、70~95℃の範囲、70~80℃の範囲、または80~95℃の範囲、または85~95℃の範囲である。
凝固組成物は、任意の種類の加熱手段を使用することによって、例えば、ステップb)またはc)からの凝固組成物を高温液体中に浸漬し、凝固組成物を加熱環境(例えば、加熱チャンバ)中に保持し、凝固組成物を(例えば、圧力下で)オートクレーブ処理するか、またはマイクロ波照射により加熱することによって、加熱され得る。本発明の好ましい実施形態では、凝固組成物は、ステップb)またはc)からの凝固組成物を、水、乳、塩水、またはホエーなどの高温液体中に、所望の芯温に達するまで浸漬することによって加熱され得る。
凝固組成物が加熱される場合、加熱は、組成物が凝固した容器中で行われ得るか、または凝固組成物を加熱するのに適した別の容器に移され得る。本発明の一実施形態では、凝固組成物は、それが凝固した容器、ベッセル、タブ、バット、販売用パッケージ、消費者向けパッケージ、カートン中で加熱される。別の実施形態では、凝固組成物は、加熱のために、別の容器、ベッセル、タブ、チーズバット、販売用パッケージ、消費者向けパッケージ、またはカートンに移される。凝固組成物は、細かく切断されて別の容器、ベッセル、タブ、またはチーズバットに移されてよく、次いで、好適な販売用パッケージに詰められる。
本発明の一実施形態では、液体組成物は、販売用パッケージ中で凝固し、また、凝固物が少なくとも70℃の芯温を達成するように販売用パッケージ中で加熱される。
本発明の一実施形態では、発明は、加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品を調製するための方法に関し、その方法は、
a)34~52%w/wの範囲の乾物含有量、12~30%w/wの範囲のタンパク質含有量、8~25%w/wの範囲のミセルカゼイン含有量、5~30%w/wの範囲の脂肪含有量を有する液体組成物を提供するステップであって、液体組成物は、4.8~7.0の範囲のpHおよび12:88~0:100のホエータンパク質対ミセルカゼインの比率を有する、ステップと、
b)凝乳酵素を加え、液体組成物を凝固させることによる凝固ステップに液体組成物を供して、凝固組成物を得るステップと、
c)凝固組成物を切断するステップであって、最大で5%w/wのホエーが放出される、ステップと、
d)ステップb)またはc)からの凝固組成物を加熱に供して、70~100℃の範囲、例えば、70~95℃の範囲、80~95℃の範囲、または85~95℃の範囲の凝固組成物の芯温を得るステップと、
e)加熱処理された凝固組成物を冷却するステップと
を含み、
加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品は、ステップd)またはe)で得られる凝固組成物である。
本発明の好ましい実施形態では、発明は、加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品を調製するための方法に関し、その方法は、
a)34~50%w/wの範囲の乾物含有量、12~25%w/wの範囲のタンパク質含有量、10~25%w/wの範囲のミセルカゼイン含有量、5~30%w/wの範囲の脂肪含有量を有する液体組成物を提供するステップであって、液体組成物は、4.8~6.5の範囲のpHおよび10:90のホエータンパク質対ミセルカゼインの比率を有する、ステップと、
b)凝乳酵素を加え、液体組成物を凝固させることによる凝固ステップに液体組成物を供して、凝固組成物を得るステップと、
c)凝固組成物を切断するステップであって、最大で4%w/wのホエーが放出される、ステップと、
d)ステップb)またはc)からの凝固組成物を加熱に供して、70~100℃の範囲、例えば、70~95℃の範囲、80~95℃の範囲、または85~95℃の範囲の凝固組成物の芯温を得るステップと、
e)加熱処理された凝固組成物を冷却するステップと
を含み、
加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品は、ステップd)またはe)で得られる凝固組成物である。
本発明のより好ましい実施形態では、発明は、加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品を調製するための方法に関し、その方法は、
a)40~50%w/wの範囲の乾物含有量、15~22%w/wの範囲のタンパク質含有量、13~22%w/wの範囲のミセルカゼイン含有量、5~30%w/wの範囲の脂肪含有量を有する液体組成物を提供するステップであって、液体組成物は、4.8~6.0の範囲のpHおよび8:92~0:100のホエータンパク質対ミセルカゼインの比率を有する、ステップと、
b)凝乳酵素を加え、液体組成物を凝固させることによる凝固ステップに液体組成物を供して、凝固組成物を得るステップと、
c)凝固組成物を切断するステップであって、最大で3%w/wのホエーが放出される、ステップと、
d)ステップb)またはc)からの凝固組成物を加熱に供して、70~100℃の範囲、例えば、70~95℃の範囲、80~95℃の範囲、または85~95℃の範囲の凝固組成物の芯温を得るステップと、
e)加熱処理された凝固組成物を冷却するステップと
を含み、
加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品は、ステップd)またはe)で得られる凝固組成物である。
本発明のより好ましい実施形態では、発明は、加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品を調製するための方法に関し、その方法は、
a)42~50%w/wの範囲の乾物含有量、17~20%w/wの範囲のタンパク質含有量、15~20%w/wの範囲のミセルカゼイン含有量、5~30%w/wの範囲の脂肪含有量を有する液体組成物を提供するステップであって、液体組成物は、4.8~5.7の範囲のpHおよび6:94~0:100のホエータンパク質対ミセルカゼインの比率を有する、ステップと、
b)凝乳酵素を加え、液体組成物を凝固させることによる凝固ステップに液体組成物を供して、凝固組成物を得るステップと、
c)凝固組成物を切断するステップであって、最大で2%w/wのホエーが放出される、ステップと、
d)ステップb)またはc)からの凝固組成物を加熱に供して、70~100℃の範囲、例えば、70~95℃の範囲、80~95℃の範囲、または85~95℃の範囲の凝固組成物の芯温を得るステップと、
e)加熱処理された凝固組成物を冷却するステップと
を含み、
加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品は、ステップd)またはe)で得られる凝固組成物である。
発明の方法のステップe)では、凝固組成物は、凝固組成物の芯温が、ステップd)で凝固物の中心部が加熱された温度未満になるように冷却される。冷却は、凝固組成物を低温液体中に浸漬することにより、冷却トンネルを使用することにより、空冷を使用することにより、または冷凍庫、例えばブラスト冷凍庫を使用することにより、行われてよい。
本発明の一実施形態では、凝固組成物は、凝固組成物を、水、乳、塩水、またはホエーなどの低温液体中に、凝固組成物が所望の温度になるまで浸漬することによって冷却される。本発明の一実施形態では、液体組成物は、販売用パッケージ中で凝固し、凝固物が少なくとも70℃の芯温を達成するように販売用パッケージ中で加熱され、また、販売用パッケージ中で3~8℃の範囲の温度に冷却される。
一実施形態では、凝固組成物は、3~20℃の範囲の温度、またはさらに低温に冷却される。好ましくは、凝固組成物は、3~10℃の範囲または3~8℃の範囲の温度に冷却される。
加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品は、ステップd)またはe)で得られる凝固組成物である。加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品は、3~10℃の範囲または3~8℃の範囲の温度で保持され得る。
一態様では、本発明は、少なくとも34%w/wの乾物含有量、少なくとも12%w/wのタンパク質含有量、少なくとも8%w/wのカゼイン含有量、4.8~7.0の範囲のpH、および12:88~0:100のホエータンパク質対カゼインの比率を有する、加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品に関する。
加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品の乾物含有量は、典型的には34~60%w/wの範囲である。本発明のいくつかの実施形態では、乾物含有量は、34~52%w/wまたは38~50%w/wの範囲、例えば40~50%w/wの範囲、好ましくは42~48%w/wの範囲である。本発明の他の実施形態では、乾物含有量は、34~50%w/wまたは34~56%w/wの範囲、例えば34~52%w/wの範囲、好ましくは34~40%w/wの範囲である。
加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品のタンパク質含有量は、典型的には12~30%w/wの範囲である。本発明の一実施形態では、タンパク質含有量は、12~25%w/wの範囲、または15~22%w/wの範囲、好ましくは17~22%w/wの範囲である。
加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品中のカゼインの量は、典型的には少なくとも8%w/wである。カゼイン含有量は、8~30%w/wの範囲、例えば10~30%w/wの範囲、または13~22%w/wの範囲、好ましくは15~20%w/wの範囲であり得る。
加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品中のホエータンパク質対カゼインの比率は、典型的には12:88~0:100の範囲、例えば、11:89~0:100、10:90~0:100、9:91~0:100、8:92~0:100、7:93~0:100、6:94~0:100、5:95~0:100、4:96~0:100、3:97~0:100、2:98~0:100のホエータンパク質対カゼインの比率、または1:99~0:100のホエータンパク質対カゼインの比率である。本発明の一実施形態では、ホエータンパク質対カゼインの比率は、12:88~0:100、12:88~1:99、12:88~2:98、12:88~3:97、12:88~4:96であり、またはホエータンパク質対カゼインの比率は、12:88~5:95である。
加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品中の脂肪の量は、典型的には少なくとも3%w/w、例えば少なくとも5%w/wである。脂肪含有量は、3~30%w/wもしくは5~30%w/wの範囲、例えば10~30%w/wの範囲、または15~25%w/wの範囲、好ましくは17~22%w/wの範囲であり得る。他の実施形態では、脂肪含有量は、5~20%w/wの範囲、または5~15%w/wの範囲、好ましくは8~12%w/wの範囲である。
加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品中の塩の量は、典型的には1~3.5%w/wの範囲、例えば1~3.0%w/wの範囲、または1~2.5%w/wの範囲、好ましくは1~2.0%w/wの範囲である。
一実施形態では、本発明は、34~52%w/wの範囲の乾物含有量、12~25%w/wの範囲のタンパク質含有量、8~25%w/wの範囲のカゼイン含有量、4.8~7.0の範囲のpH、および12:88~0:100のホエータンパク質対カゼインの比率を有する、加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品に関する。
一実施形態では、本発明は、38~50%w/wの範囲の乾物含有量、12~22%w/wの範囲のタンパク質含有量、10~25%w/wの範囲のカゼイン含有量、4.8~7.0の範囲のpH、および12:88~0:100のホエータンパク質対カゼインの比率を有する、加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品に関する。
一実施形態では、本発明は、40~50%w/wの範囲の乾物含有量、15~22%w/wの範囲のタンパク質含有量、13~22%w/wの範囲のカゼイン含有量、4.8~7.0の範囲のpH、および12:88~0:100のホエータンパク質対カゼインの比率を有する、加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品に関する。
一実施形態では、本発明は、42~50%w/wの範囲の乾物含有量、17~20%w/wの範囲のタンパク質含有量、15~20%w/wの範囲のカゼイン含有量、4.8~7.0の範囲のpH、および12:88~0:100のホエータンパク質対カゼインの比率を有する、加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品に関する。
一態様では、本発明は、少なくとも34%w/wの乾物含有量、少なくとも12%w/wのタンパク質含有量、少なくとも8%w/wのカゼイン含有量、少なくとも5%w/wの脂肪含有量、4.8~7.0の範囲のpH、および12:88~0:100のホエータンパク質対カゼインの比率を有する、加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品に関する。
一実施形態では、本発明は、34~52%w/wの範囲の乾物含有量、12~25%w/wの範囲のタンパク質含有量、8~25%w/wの範囲のカゼイン含有量、5~30%w/wの範囲の脂肪含有量、4.8~7.0の範囲のpH、および12:88~0:100のホエータンパク質対カゼインの比率を有する、加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品に関する。
一実施形態では、本発明は、38~50%w/wの範囲の乾物含有量、12~22%w/wの範囲のタンパク質含有量、10~25%w/wの範囲のカゼイン含有量、10~30%w/wの範囲の脂肪含有量、4.8~7.0の範囲のpH、および12:88~0:100のホエータンパク質対カゼインの比率を有する、加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品に関する。
一実施形態では、本発明は、40~50%w/wの範囲の乾物含有量、15~22%w/wの範囲のタンパク質含有量、13~22%w/wの範囲のカゼイン含有量、15~25%w/wの範囲の脂肪含有量、4.8~7.0の範囲のpH、および12:88~0:100のホエータンパク質対カゼインの比率を有する、加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品に関する。
一実施形態では、本発明は、42~50%w/wの範囲の乾物含有量、17~20%w/wの範囲のタンパク質含有量、15~20%w/wの範囲のカゼイン含有量、17~22%w/wの範囲の脂肪含有量、4.8~7.0の範囲のpH、および12:88~0:100のホエータンパク質対カゼインの比率を有する、加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品に関する。
本発明の一態様では、加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品は、本発明の方法により得ることができる。
加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品は、生で、または料理後に、消費され得る。加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品は、煮る、加熱調理する、焼く(baking)、グリルする、焼く(frying)、および/または揚げることによって料理され得る。加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品を、消費するために分割する必要はないが、消費する前に、加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品をスライスするかまたは細切りにするのが便利であり得る。
加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品は、任意の好適なコーティングでコーティングされてよい。本発明との関連で、「コーティングされた」または「コーティング」という用語は、加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品の表面が、1つ以上の食べられる食品成分で完全にまたは部分的に覆われていることを意味し、その成分は、加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品と異なる。加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品のコーティングは、浸漬、ディップ、またはドレッジング(dredging)によって行われてよい。
一実施形態では、加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品は、1つ以上の食品成分でコーティングされ、その成分は、乾燥状態、または液体形態、またはそれらの組み合わせである。
本発明の一実施形態では、加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品は、1つ以上の食品成分でコーティングされ、その成分は、それらのうちの1つが液体である少なくとも2つの成分の混合物である。本発明の好ましい実施形態では、加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品は、衣でコーティングされ、その衣は、液体食品成分、および乾燥食品成分、例えば小麦粉を含む。衣は、(例えば、香辛料、ハーブなどで)味付けされてよく、膨脹剤(例えば、重曹またはベーキングパウダー)をさらに含んでよい。
衣は、小麦粉、卵、乳、水、ベーキングパウダー、重曹、塩、コショウ、および/または香辛料のような典型的な衣成分から作られ得、乾燥成分は液体成分と混合されて、加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品をコーティングするための衣を形成する。加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品は、浸漬、ディップ、またはドレッジングによって衣でコーティングされ得る。コーティングされた加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品は、煮る、加熱調理する、焼く(baking)、グリルする、焼く(frying)、および/または揚げることによって料理されてよい。
一実施形態では、加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品は、1つ以上の乾燥食品成分でコーティングされ得る。乾燥成分は、小麦粉、パン粉、穀類、果実、種子類、ナッツ類、およびそれらの組み合わせからなる群から選択され得る。加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品は、乾燥成分または乾燥成分の混合物中に浸漬、ディップ、またはドレッジングされてよく、それにより、コーティングされた加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品を形成する。コーティングされた加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品は、煮る、加熱調理する、焼く(baking)、グリルする、焼く(frying)、および/または揚げることによって料理されてよい。
加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品は、例えば、一度に1つのコーティングを塗布することによって、いくつかの異なるコーティングでコーティングされ得る。一実施形態では、コーティングされた加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品は、第1のステップで少なくとも1つの乾燥成分でコーティングされ、続いて少なくとも1つの他の成分でコーティングされる。一実施形態では、加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品は、小麦粉を含む乾燥成分の混合物でコーティングされ、続いて卵または衣にディップされる。一実施形態では、加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品は、小麦粉を含む乾燥成分の混合物でコーティングされ、卵または衣にディップされ、第2の乾燥成分または成分の混合物、例えばパン粉および香辛料にさらにディップされる。本発明の一実施形態では、加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品は、衣または卵でコーティングされ、続いて1つ以上の乾燥成分でコーティングされてよい。コーティングされた加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品は、煮る、加熱調理する、焼く(baking)、グリルする、焼く(frying)、および/または揚げることによって料理されてよい。
本発明の一実施形態では、加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品は、食品に使用される。加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品は、スープ、ソース、シチュー、オムレツ、パイ、ハンバーガー、サンドイッチ、パニーニ、トースト、ホットポット、ラップ(ケバブ風)、乳豆腐風、またはホットポットチーズ、チーズスティック、例えば揚げたバーベキュースティックなどの、食品中の成分として使用されてよい。
実施例
実施例1.1:総タンパク質の決定
試料の総タンパク質含有量(純タンパク質)を、以下により決定する:
1)試料の全窒素を、ISO 8968-1/2|IDF 020-1/2-乳-窒素含有量の決定-パート1/2:ケルダール法を使用した窒素含有量の決定に従って決定する。
2)試料の非タンパク質窒素を、ISO 8968-4|IDF 020-4-乳-窒素含有量の決定-パート4:非タンパク質窒素含有量の決定に従って決定する。
3)タンパク質の総量を、(m全窒素-m非タンパク質窒素)×6.38として計算する。
実施例1.2:灰分量の決定
食品の灰分量を、NMKL 173:2005「食品中の灰分、重量測定」に従って決定する。NMKLは、「Nordisk Metodikkomite for Naeringsmidler」の略語である。
実施例1.3:乾物量の決定
溶液の総固形物を、NMKL 110 第2版、2005(総固形物(水)-乳および乳製品における重量測定)に従って決定することができる。NMKLは、「Nordisk Metodikkomite for Naeringsmidler」の略語である。
実施例1.4:ラクトースの総量の決定
ラクトースの総量を、ISO 5765-2:2002(IDF 79-2:2002)「粉乳、乾燥アイスミックス、およびプロセスチーズ-ラクトース含有量の決定-パート2:ラクトースのガラクトース部分を利用した酵素法」に従って決定する。
実施例1.5:脂肪の総量の決定
脂肪の量を、ISO 1211:2010(脂肪含有量の決定-Rose-Gottlieb重量法)に従って決定する。
実施例1.6:ミセルカゼインの総量の決定
ミセルカゼインの量を、超遠心分離、好ましくは30℃で1時間の初期平衡化および100,000gで1時間同じ温度での遠心分離によるカゼインミセルの分離、ならびに好ましくはBobeら(Separation and Quantification of Bovine Milk Proteins by Reversed-Phase High-Performance Liquid Chromatography; Bobe et al; J. Agric. Food Chem. 1998, 46, 458-463)で概説されたような、HPLCによる、分離されたカゼインの量のその後の定量によって、決定することができる。
実施例1.7:pHの決定
pH値は全て、pHガラス電極を使用して測定され、25℃に標準化される。pHガラス電極(温度補償を有する)を、使用前に注意深くすすぎ、較正する。
試料が液体形態である場合、pHを、25℃の液体溶液において直接測定する。試料が粉末である場合、10グラムの粉末を、90mlの脱塩水に室温で激しく撹拌しながら溶解させる。次いで、溶液のpHを、25℃で測定する。
実施例1.8:官能評価
この官能評価は、一群の配合を記述および比較する方法として使用される。結果は相対的なものである。官能パネルは、新鮮な乳製品を評価するように訓練を受けた技術者である。パネルは、通常3~5人である。
スケール上で0~10の間の硬度レベルを決定するための参照試料は存在せず、その結果、評価は経験に基づき、製品のタイプの平均グレードがわかる。例えば、最高相対硬度を有する試料は、グレード10ではなく、しばしばこのタイプの製品にとって標準的なものに従ってグレードを与えられる。
製品を、以下の特性によって評価およびランク付けした。
Figure 2023516876000002
2つ以上の試料を評価する場合、試料を、評価されるパラメータに従って比較およびランク付けする。試料は、評価における平等な点数化が可能となる。
実施例2:焼くことに安定なチーズ様製品の調製
本実施例は、本発明に係る焼くことに安定なチーズ様製品を調製する。
以下の成分を使用した:
Figure 2023516876000003
水および脂肪を、バッチ調理器(Sharp)中で、76℃への間接加熱下で混合した。混合物を、1000rpmで10間混合し、粉末混合物を加えた。混合物を40℃に冷却し、塩およびGDLを加えた。レンネットを4%w/wの水で希釈し、混合物に加えた。混合物を、型に充填し、液体組成物を凝固させるために40分間インキュベートした。凝固組成物を、型から取り出し、図1に示すように、およそ10×10×15cmのブロックに切断した。図1からわかるように、組成物をブロックに切断した時に、凝固組成物からホエーが放出されない。ブロックを、85℃の水中で60分間加熱調理した。凝固組成物を、水から取り出し、5℃の温度に冷却した。
得られた焼くことに安定なチーズ様製品を、実施例1.1、1.3、1.4、および1.5に従って分析した。焼くことに安定なチーズ様製品の栄養価は、以下に示すとおりであることが見出された。
Figure 2023516876000004
焼くことに安定なチーズ様製品をスライスし、両側の焼き面に油を塗ったトースターで焼いた。図2は、トースター中の、焼くことに安定なチーズ様製品を示す。写真から、焼いた製品が、焼く前の製品形状を維持したことがわかる。
図3は、ハンバーガーの肉代用品として提供された、焼いた、コーティングされた焼くことに安定なチーズ様製品のスライスを示す。
実施例3:販売用パッケージ中での焼くことに安定なチーズ様製品の調製
本実施例は、本発明に係る焼くことに安定なチーズ様製品を調製する。
実施例は、乳化させて最適な食感を構築するための最適かつ単純な生成についての完璧な選択として、ミセルカゼイン単離物を使用することによって、焼くことに安定なチーズ様製品を高収率で生成する。
以下の成分を使用した:
Figure 2023516876000005
水およびバターの混合物を、バッチ調理器中で、1000rpmで混合しながら95℃の温度に加熱することによって、焼くことに安定なチーズ様製品を生成した。ミセルカゼイン単離物および脱脂粉乳を加え、混合物をさらに10分間混合した。次いで、混合物を、40~45℃の温度に冷却した。塩、次いでレンネットを、冷却された混合物に加えた。次いで、液体混合物を、包装材に充填し、密封した。次いで、組成物を、30~45℃で約60分間インキュベートし、85℃の水浴中で、芯温が75℃に達するまで加熱調理し、次いで、最終的に5℃の温度に冷却した。チーズを冷蔵した。
得られた焼くことに安定なチーズ様製品の栄養価を、実施例1.1、1.3、1.4、および1.5に従って分析し、以下に示す。
Figure 2023516876000006
実施例は、発明の方法を使用することによって、ナトリウム含有量が柔軟であり、100%の収率(ホエーの放出がない)を得る、完全に焼くことに安定なチーズ様製品を生成することが可能であることを実証した。方法は、単純かつ柔軟である。
実施例4:焼くことに安定なチーズの官能評価
本発明に係る方法によって生成された焼くことに安定なチーズ様製品を、実施例1.8および以下に記載するような官能評価に供した。ミセルカゼインを含有しない、先行技術のキプロス由来のハルーミチーズも、官能評価に供した。両方のチーズを、フライパンで焼く、揚げる、およびスープ中で煮る前後に評価した。
製品の準備:
生-未調理:
4~7℃の温度で貯蔵された製品を、冷蔵庫から取り出した。15分以内に、製品を、厚さ1.5cm(±2mm)および直径10~15cmにスライスした。製品試料を、水平に隣同士に置いた。
フライパンで焼く/揚げる:
4~7℃の温度で貯蔵された製品を、冷蔵庫から取り出した。次いで、製品を、厚さ1.5cm(±2mm)および直径10~15cmにスライスした。次いで、製品試料を、1)オリーブ油で3~4分間、それぞれの側をフライパンで焼いたか、または2)170~180℃の植物油で2~3分間揚げた。焼いた後に、製品試料を、評価の前に5分間、皿に乗せた。
スープ中で煮る:
4~7℃の温度で貯蔵された製品を、冷蔵庫から取り出した。次いで、製品を、厚さ7mm(±2mm)および3.5cm×2cm(±2mm)の形状にスライスした。次いで、製品試料を、野菜セイボリースープ中で、85~95℃の温度で4~5分間煮た。加熱調理後、製品試料を、評価の前に1分間、皿に乗せた。
官能評価の結果:
官能評価の結果を、以下の表に示す:
Figure 2023516876000007
Figure 2023516876000008
官能結果は、本発明に係る焼くことに安定なチーズが、硬度スケール上で、先行技術のチーズより低いレベルを記録したことを示した。
生の-未調理の、本発明に係る焼くことに安定なチーズは、やや脆い食感とともに、歯応えがある食感を有するが、先行技術の、生の-未調理のチーズの食感は、乾燥した、ゴムのような食感があり、硬いことを示した。生の-未調理の、本発明に係る焼くことに安定なチーズの味は、まろやかで、ミルキーで、さわやかで、塩味が少ないが、先行技術の、生の-未調理のチーズの味は、塩辛く、わずかに酸味があり、苦味がある。
フライパンで焼いた/揚げた、本発明に係る焼くことに安定なチーズは、ジューシーな鶏の胸肉のような、噛むと歯応えがあるが硬くはない食感を有する。味は、加熱調理済みの風味およびフレッシュチーズの味を有し、まろやかである。先行技術の、フライパンで焼いた/揚げたチーズは、乾燥した「火を入れ過ぎた」鶏の胸肉のような、強い噛み応えがあり硬い食感を有する。味は、強い辛味がある塩辛い味である。
スープ中で煮た、本発明に係る焼くことに安定なチーズは、柔らかくふわふわした食感を有し、味は、非常にまろやかであり、スープから吸収された風味はない。先行技術の、スープ中で煮たチーズは、重く、ふわふわしていない食感とともに、硬い食感を有する。味は、強い辛味がある塩辛い味であり、スープからの風味の吸収はない。
上記の官能評価の結果から、本発明に係る焼くことに安定なチーズ様製品は、先行技術のチーズより硬度が低く、先行技術のチーズと比較して、食感および味に関して改善された特性を有することがわかる。
実施例5:加熱調理に安定な還元チーズの調製および評価
本実施例は、本発明に係る加熱調理に安定なチーズ様製品を生成し、これは、ハンバーガー、サラダおよびサンドイッチ、ホットポットチーズ、乳豆腐風、チーズのマリネ、ナゲット、フライなどに使用される、プレーンな加熱調理に安定なチーズとしての使用に適している。
以下の成分を使用した:
Figure 2023516876000009
水およびバターを、85℃のバッチ調理器(例えば、Stephan Cooker UM/SK)中で、およそ1000r.p.mの混合速度で混合した。MCI粉末および脱脂粉乳を、混合物に加え、混合物を10分間混合した。次いで、混合物を、38~40℃に冷却した。冷却された混合物のpHは、約6.6であった。塩および酸性化剤(GDL)を、混合しながら加え、その後、希釈レンネットを加え、混合物を10秒間混合した。次いで、チーズ塊を、およそ10×10×15cmの大きさを有する包装材に充填し、25~40℃でおよそ60分間インキュベートした。インキュベーション後のpHは、約6.0であった。次いで、インキュベートした混合物を、85℃の水浴中で、最低75℃の芯温に達するまで加熱調理した。次いで、加熱調理したチーズを、水浴から取り出し、5℃に冷却し、冷蔵した。
得られた加熱調理に安定なチーズ様製品の栄養価を、実施例1.1、1.3、1.4、および1.5に従って分析し、以下に示す。
Figure 2023516876000010
加熱調理挙動:
加熱調理に安定なチーズ様製品を、8cmの直径を有する高さ1cmのパティにスライスした。あるいは、加熱調理に安定なチーズを、1×5×8cm角に切断することができた。フライパンを、大さじ1杯の菜種油とともに中火(9のうち6の出力)で予熱した。次いで、加熱調理に安定なチーズを、ローストクラストが現れるまで、およそ4分間、両面を焼いた。焼いている間、フライパンを横方向に揺らし、チーズをフライパンの中で滑らせる。加熱調理に安定なチーズは、焼いている間、その形状を保ち、フライパンを容易に滑った。焼いている間、表面は、肉のようなローストクラストを得た。焼いた加熱調理に安定なチーズを、キッチンペーパーを敷いた皿に乗せて、官能評価の前に2~3分間休ませた。
製品特性および官能評価
最終製品は、焼いている間安定であり、くっつかない特性を有する、すなわち、焼いた製品がフライパンを容易に滑ると見なされる。ジューシーさは、最終製品において保たれ、良好なクラスト、すっきりしたミルキーな味、および小さくキュッキュッと鳴る音のする良好な歯応えを有する。
用途
調製されたチーズ様製品は、ハンバーガー、サラダおよびサンドイッチ、ホットポットチーズ、乳豆腐風、チーズのマリネ、ナゲット、フライなどに使用される、プレーンな加熱調理に安定なチーズとしての使用に特に適している。チーズ様製品は、パン粉をまぶしてもよく、マリネにしてもよく、栄養強化してもよく、または単にプレーンであってもよい。チーズ様製品は、フライパンで焼くことおよびグリルすることに安定であり、パン粉をまぶした変形も、揚げることができる。加熱調理に安定なチーズを、小さいさいころ状で、スープまたは同様のものに、提供する数分前に加えることもできる。
図4は、フライパンで菜種油で焼いたプレーンのチーズとしてのチーズ様製品を示す。チーズは、加熱調理中に安定であり、フライパンから容易に滑り落ち、すなわち、くっつかない特性があり、良好なローストクラストを得た。
図5に、グリルパンで菜種油で焼いた、プレーンのチーズ様製品を示す。チーズ様製品は、加熱調理中に安定であり、フライパンから容易に滑り落ち、すなわち、くっつかない特性があり、グリルパンに由来する良好なローストクラストを得た。図5では、チーズ様製品は、肉なしのハンバーガーに使用されている。
図6は、バーベキューマリネ―ドの付いた、フライパンで菜種油で焼いた、プレーンのチーズ様製品を示す。チーズ様製品は、加熱調理中に安定であり、フライパンから容易に滑り落ち、すなわち、くっつかない特性があり、グリルパンに由来する良好なローストクラストを得た。マリネ―ドを、単一の包装中に加えるか、または焼く直前に加えることができる。
実施例6:挽肉料理に使用される挽肉代替物の形態のチーズ様製品の調製および評価
本実施例は、酵母エキスおよび褐色色素と混合された、本発明に係る加熱調理に安定なチーズ様製品を生成し、これは、ラザニア、ボロネーズ、タコス、ラップなどの料理における肉なし調理での使用に適したものとなる。
以下の成分を使用した:
Figure 2023516876000011
水およびバターを、85℃のバッチ調理器(例えば、Stephan Cooker UM/SK)中で、およそ1000r.p.mの混合速度で混合した。MCI粉末、脱脂粉乳、および酵母エキスを、混合物に加え、混合物を10分間混合した。次いで、混合物を、38~40℃に冷却した。冷却された混合物のpHは、約6.6であった。液体形態の褐色色素を、混合しながら加え、次いで、塩および酸性化剤(GDL)を、混合しながら加え、その後、希釈レンネットを加え、混合物を10秒間混合した。次いで、チーズ塊を、およそ10×10×15cmの大きさを有する包装材に充填し、25~40℃でおよそ60分間インキュベートした。インキュベーション後のpHは、約6.0であった。次いで、インキュベートした混合物を、85℃の水浴中で、最低75℃の芯温に達するまで加熱調理した。次いで、加熱調理したチーズを、水浴から取り出し、5℃に冷却した。次いで、冷却した製品をすりおろし、再包装し、5℃で冷蔵するか、または-18℃で冷凍して貯蔵した。
代替の実施形態では、85℃の水浴中で加熱調理するステップを省くことができる。これは、より短い5℃での貯蔵時間をもたらし、したがって、冷蔵温度での貯蔵が推奨される。
得られた加熱調理に安定なチーズ様製品の栄養価を、実施例1.1、1.3、1.4、および1.5に従って分析し、以下に示す。
Figure 2023516876000012
メキシコタコス風の加熱調理挙動:
すりおろした肉代替物が-18℃で貯蔵されていた場合、これを、加熱調理前に一晩、調理台または冷蔵庫でゆっくりと解凍した。すりおろした肉代替物が5℃で貯蔵されていた場合、次いで、製品を、使用する直前に冷蔵庫から取り出した。フライパンを、中火(9のうち6の出力)で予熱した。次いで、すりおろした肉代替物を、香辛料(Santa Mariaからのプレミックスタコス香辛料)とともにフライパンに加え、チーズ様製品と香辛料とを混合するために、混合物を穏やかに撹拌した。混合物を、およそ12~15分間焼いたが、その間ずっとは撹拌しなかった。1分おきにのみ撹拌すると、ローストクラストが現れることになる。次いで、火を止め、挽肉代替物タコスミックスを、官能評価の前に2~3分間休ませた。これを、加熱したトルティーヤ、パンケーキ、サラダ、さいころ状のアボカド、クレームフレーシュ、および生のコリアンダーとともに提供した。
メキシコタコス風の製品特性および官能評価
最終製品は、解凍中に離漿または水分喪失がなく安定であると見なされる。最終製品はまた、焼いている間安定であり、くっつかない特性を有し、すなわち、焼いた製品がフライパンを容易に滑る。焼いた製品は、そのジューシーさを保ち、良好なクラストを有する。それは、鶏肉のように見え、旨味、および小さくキュッキュッと鳴る音のする良好な歯応えを有する。香辛料の組み込みは、効果的に行われる。
Figure 2023516876000013
スコアシステムの説明:
・加熱調理挙動:1=全く焼くことができない;2=焼くのが困難であり、多量の水が漏れる;3=焼くことができるが、依然として適してはいない;4=焼くことができ、焼いている間安定であり、ローストクラストを作る;5=焼くことに優れ、水漏れがなく、ローストクラストを作る。
・味:1=不味い/異味;2=不快な味;3=許容される、わずかな異味;4=許容される、異味なし;5=優れた味。
・噛み応えおよび口当たり:1=全く肉の食感ではない;2=ほんのわずかに肉の食感;3=許容されるが、依然として肉と異なる;4=許容される、肉の食感に非常に近い;5=典型的な肉の食感
・外観:1=全く肉の外観ではない;2=ごくわずかに肉の外観;3=ある程度の肉の外観;4=肉の外観に非常に近い;5=典型的な肉の外観
メキシコタコス風の用途:
酵母エキスおよび褐色色素を加えた、すりおろした加熱調理に安定なチーズ様製品は、ラザニア、ボロネーズ、タコス、ラップなどの肉なし料理での使用に特に適している。
図7は、Santa Mariaからのタコス香辛料ミックスおよび刻んだタマネギの小片とともにフライパンで焼いた、すりおろした肉なし製品を示す。チーズは、焼いている間安定であり、フライパンから容易に滑り落ち、良好なローストクラストを得、香辛料を効果的に組み込む。これは、-18℃で貯蔵され、使用する前に室温で解凍された。
図8に、タコスに使用した、すりおろした肉なし製品の最終結果を示す。肉なし製品は、タマネギおよびタコス香辛料ミックスとともにフライパンで焼かれる。これは、野菜および生のコリアンダーとともにトルティーヤに乗せて提供される。外観は、焼いた鶏挽肉によく似ている。
肉なし肉団子の加熱調理挙動:
この実施例で定義されるような加熱調理に安定なチーズ様製品はまた、肉団子、ソーセージなどに使用される半製品として有用である。半製品は、例えば、タマネギ粉末、香辛料、水、結合剤、および繊維と混合される。
すりおろした肉代替物が-18℃で貯蔵されていた場合、これを、加熱調理前に一晩、調理台または冷蔵庫でゆっくりと解凍した。すりおろした肉代替物が5℃で貯蔵されていた場合、製品を、使用する直前に冷蔵庫から取り出した。次いで、以下の成分を、手作業で(手袋を使用して)混合した。
7.2%のチーズ結合剤ミックス(デンマークのSolinaにより開発された)
60.7%の挽肉代替物(Arla Ingredientsからの半製品)
27.7%の水
4.4%の菜種油
肉なし肉団子塊を20分間休ませ、次いで、肉団子を、直径3cmに成形した。フライパンを、大さじ2杯の菜種油とともに中火(9のうち6の出力)で予熱した。肉団子を、熱したフライパンに加え、フライパンを、手作業で横方向に穏やかに撹拌した。肉団子を、およそ10分間焼いた。フライパンを1分おきにのみ撹拌すると、ローストクラストが現れた。次いで、火を止め、肉なし肉団子を、官能評価の前に2~3分間休ませた。肉団子を、トマトソースとともに提供した。
肉なし肉団子の製品特性および官能評価:
最終製品は、解凍中に離漿または水分喪失がなく安定であると見なされる。製品は、チーズ結合剤混合物により成形が容易である。最終製品はまた、焼いている間安定であり、くっつかない特性を有し、すなわち、焼いた製品がフライパンを容易に滑る。焼いた製品は、そのジューシーさを保ち、良好なクラストを有する。それは、鶏肉のように見え、旨味、および小さくキュッキュッと鳴る音のする良好な歯応えを有する。香辛料の組み込みは、効果的に行われる。
Figure 2023516876000014
スコアシステムは、上述のタコスの評価のものと同じである。
肉なし肉団子の用途:
この実施例で定義されるような加熱調理に安定なチーズ様製品はまた、肉団子、ソーセージなどに使用される半製品として有用である。半製品は、例えば、タマネギ粉末、香辛料、水、結合剤、および繊維と混合される。
図9に、半製品として使用された肉なし製品を示す。肉なし製品を、デンマークのSolinaからのチーズ結合剤ミックス、水、および油(ヒマワリ油または菜種油)と混合する。塊を、20分間休ませなければならない。
図10は、20分休ませた後の、形成が容易な、図9に示された肉なし製品を示す。図10では、肉なし製品は、デンマークの「カルボナード(karbonade)」のように形成されている。挙動は、肉団子に使用される挽肉によく似ている。肉なし肉団子は、フライパンで菜種油で焼かれる。ローストクラストは硬く、まるで本物の肉であるかのように見える。肉なし肉団子は、焼いている間安定であり、フライパンから容易に滑り落ちる。肉なし肉団子の内部の構造は、挽肉様である。
図11は、20分休ませた後の、形成が容易な、図9に示された肉なし製品を示す。図11では、肉なし製品は、直径2~3cmの小さい肉団子に形成されている。挙動は、肉団子に使用される挽肉によく似ている。肉なし肉団子は、フライパンで菜種油で焼かれる。ローストクラストは硬く、まるで本物の肉であるかのように見える。肉なし肉団子は、焼いている間安定であり、フライパンから容易に滑り落ちる。肉なし肉団子の内部の構造は、挽肉様である。図11では、肉団子は、パスタおよびトマトソースとともに提供されている。
実施例7:乳およびクリームに基づく加熱調理に安定なチーズの調製および評価
本実施例は、本発明に係る加熱調理に安定なチーズ様製品を生成し、これは、ハンバーガー、サラダおよびサンドイッチ、ホットポットチーズ、乳豆腐風、チーズのマリネ、ナゲット、フライなどに使用される、プレーンな加熱調理に安定なチーズとしての使用に特に適している。
以下の成分を使用した:
Figure 2023516876000015
脱脂乳およびクリームを、76℃のバッチ調理器(例えば、Stephan Cooker UM/SK)中で、およそ1000r.p.mの混合速度で混合した。タンパク質溶液を混合物に加え、混合物を10分間混合した。次いで、混合物を、38~40℃に冷却した。冷却された混合物のpHは、約6.6であった。塩および酸性化剤(GDL)を、混合しながら加え、その後、希釈レンネットを加え、混合物を10秒間混合した。次いで、チーズ塊を、およそ10×10×15cmの大きさを有する包装材に充填し、25~40℃でおよそ60分間インキュベートした。インキュベーション後のpHは、約6.0であった。次いで、インキュベートした混合物を、85℃の水浴中で、最低75℃の芯温に達するまで加熱調理した。次いで、加熱調理したチーズを、水浴から取り出し、5℃に冷却し、冷蔵した。
代替の実施形態では、85℃の水浴中で加熱調理するステップを省くことができる。これは、より短い5℃での貯蔵時間をもたらし、したがって、冷蔵温度での貯蔵が推奨される。
得られた加熱調理に安定なチーズ様製品の栄養価を、実施例1.1、1.3、1.4、および1.5に従って分析し、以下に示す。
Figure 2023516876000016
加熱調理挙動:
加熱調理に安定なチーズ様製品を、8cmの直径を有する高さ1cmのパティにスライスした。あるいは、加熱調理に安定なチーズを、1×5×8cm角に切断することができた。フライパンを、大さじ1杯の菜種油とともに中火(9のうち6の出力)で予熱した。次いで、加熱調理に安定なチーズを、ローストクラストが現れるまで、およそ4分間、両面を焼いた。加熱調理に安定なチーズは、焼いている間、その形状を保ち、フライパンを容易に滑った。焼いている間、表面は、肉のようなローストクラストを得た。焼いた加熱調理に安定なチーズを、キッチンペーパーを敷いた皿に乗せて、官能評価の前に2~3分間休ませた。
乳およびクリームに基づく加熱調理に安定なチーズの製品特性および官能評価
最終製品は、焼いている間安定であり、くっつかない特性を有する、すなわち、焼いた製品がフライパンを容易に滑ると見なされる。ジューシーさは、最終製品において保たれ、良好なクラスト、すっきりしたミルキーな味、および小さくキュッキュッと鳴る音のする良好な歯応えを有する。製品は、加熱調理に安定な還元チーズと比較して、より柔らかい食感を有する。この改善された食感は、プロセスによるものではなく、より高い脂肪含有量によるものであると考えられる。
乳およびクリームに基づく加熱調理に安定なチーズの用途
調製されたチーズ様製品は、ハンバーガー、サラダおよびサンドイッチ、ホットポットチーズ、乳豆腐風、チーズのマリネ、ナゲット、フライなどに使用される、プレーンな加熱調理に安定なチーズとしての使用に特に適している。チーズ様製品は、パン粉をまぶしてもよく、マリネにしてもよく、栄養強化してもよく、または単にプレーンであってもよい。チーズ様製品は、フライパンで焼くことおよびグリルすることに安定であり、パン粉をまぶした変形も、揚げることができる。加熱調理に安定なチーズを、小さいさいころ状で、スープまたは同様のものに、提供する数分前に加えることもできる。製品は、高い脂肪含有量および柔らかい食感を有する。

Claims (44)

  1. 加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品を調製するための方法であって、前記方法は、
    a)少なくとも34%w/wの乾物含有量、少なくとも12%w/wのタンパク質含有量、少なくとも8%w/wのミセルカゼイン含有量を有する液体組成物を提供するステップであって、前記液体組成物は、4.8~7.0の範囲のpHおよび12:88~0:100のホエータンパク質対ミセルカゼインの比率を有する、ステップと、
    b)凝乳酵素を加え、前記液体組成物を凝固させることによる凝固ステップに前記液体組成物を供して、凝固組成物を得るステップと、
    c)任意選択で、前記凝固組成物を切断するステップと、
    d)ステップb)またはc)からの前記凝固組成物を加熱に供して、少なくとも70℃の前記凝固組成物の芯温を得るステップと、
    e)前記加熱処理された凝固組成物を冷却するステップと
    を含み、
    前記加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品は、ステップd)またはe)で得られる前記凝固組成物である、
    方法。
  2. ステップa)の前記液体組成物は、34~52%w/wの範囲、例えば、38~50%w/wの範囲、40~50%w/wの範囲、または42~50%w/wの範囲の乾物含有量を有する、請求項1に記載の方法。
  3. ステップa)の前記液体組成物は、12~30%w/wの範囲、例えば、12~25%w/wの範囲、15~22%w/wの範囲、または17~20%w/wの範囲のタンパク質含有量を有する、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
  4. ステップa)の前記液体組成物は、8~25%w/wの範囲、例えば、10~25%w/wの範囲、13~22%w/wの範囲、または15~20%w/wの範囲のミセルカゼイン含有量を有する、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
  5. ステップa)での前記ミセルカゼインは、ミセルカゼイン単離物から提供される、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
  6. ステップa)の前記液体組成物は、前記ミセルカゼインに加えて、動物性および/または植物性タンパク質を含む、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
  7. ステップa)の前記液体組成物は、ホエー粉末、ホエータンパク質濃縮物(WPC)、ホエータンパク質分離物(WPI)、乳清タンパク質濃縮物(SPC)、粉乳、乳タンパク質分離物(MPI)、乳タンパク質濃縮物(MPC)、またはそれらの組み合わせの1つ以上を含む、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
  8. ステップa)の前記液体組成物は、ミセルカゼイン単離物および脱脂粉乳を含む、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
  9. ステップa)の前記液体組成物は、12:88~0:100のホエータンパク質対ミセルカゼインの比率、例えば、11:89~0:100、10:90~0:100、9:91~0:100、8:92~0:100、7:93~0:100、6:94~0:100、5:95~0:100、4:96~0:100、3:97~0:100、2:98~0:100のホエータンパク質対ミセルカゼインの比率、または1:99~0:100のホエータンパク質対ミセルカゼインの比率を有する、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
  10. ステップa)の前記液体組成物は、塩、糖、ハーブ、香辛料、またはそれらの組み合わせの1つ以上をさらに含む、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
  11. ステップa)での前記液体組成物は、水、ホエー、乳、再構成乳、全脂肪(全)乳、クリーム、低脂肪乳、脱脂乳、バターミルク、初乳、低ラクトース乳、無ラクトース乳、ホエータンパク質欠乏乳、限外濾過乳、精密濾過乳、再構成(還元)粉乳、またはそれらの組み合わせの1つ以上を含む、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
  12. 前記液体組成物は、植物脂肪および/または動物脂肪を含む、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
  13. ステップa)の前記液体組成物中の脂肪含有量は、5~30%w/wの範囲、例えば、10~30%w/wの範囲、15~25%w/wの範囲、または17~22%w/wの範囲である、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
  14. ステップa)の前記液体組成物は、混合されて均質な組成物を形成する、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
  15. ステップa)の提供される前記液体組成物は、少なくとも部分的な微生物の減少を得るのに十分な温度に加熱される、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
  16. 前記液体組成物は、少なくとも72℃の温度に少なくとも15秒間加熱される、請求項15に記載の方法。
  17. ステップa)の前記液体組成物は、4.8~6.5の範囲、例えば4.8~6.0の範囲もしくは4.8~5.7の範囲のpHを有するか、または前記pHは、5.0~7.0の範囲、例えば5.5~7.0の範囲もしくは6.0~7.0の範囲である、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
  18. ステップa)の前記液体組成物の前記pHは、酸性化剤を加えることまたはスターター培養物を使用することによって提供される、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
  19. ステップb)での前記液体組成物は、20~50℃の範囲、例えば35~45℃の範囲または38~42℃の範囲の温度を有する、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
  20. ステップb)の前記凝乳酵素は、レンネット、キモシン、ペプシン、または微生物Rhizomucor miehei(Hannilase)もしくはCryphonectria(Endothia) parasitica(Suparen)が産生する酵素からなる群から選択される、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
  21. ステップb)の前記液体組成物を、約15~120分間、例えば約15~90分間または約20~40分間、凝固させる、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
  22. ステップb)での凝固は、容器、ベッセル、タブ、チーズバット、販売用パッケージ、消費者向けパッケージ、またはカートン中で行われる、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
  23. ステップc)での前記凝固組成物は、ブロック、粒、さいころ状、またはスライスに切断される、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
  24. 前記チーズ様製品の調製中に、ホエーの発生が実質的に起こらない、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
  25. 最大で5%w/wのホエーが、切断中および切断後に前記凝固組成物から発生する、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
  26. 前記チーズ様製品の調製中に、ホエーの発生が起こらない、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
  27. ステップb)またはc)の前記凝固組成物は、ステップd)で加熱に供されて、70~95℃の範囲、70~80℃の範囲、または80~95℃の範囲、または85~95℃の範囲の前記凝固組成物の芯温を得る、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
  28. ステップd)の加熱は、ステップb)またはc)からの前記凝固組成物を、水、乳、塩水、またはホエーなどの高温液体中に、所望の芯温に達するまで浸漬することによって行われる、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
  29. ステップd)での加熱は、前記販売用パッケージ中で行われる、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
  30. ステップd)で得られる前記凝固組成物は、ステップe)で、3~20℃、例えば3~10℃または3~8℃の範囲の温度に冷却される、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
  31. ステップe)の冷却は、前記凝固組成物を、水、塩水、またはホエーなどの低温液体中に、所望の芯温に達するまで浸漬することによって行われる、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
  32. ステップe)での冷却は、前記販売用パッケージ中で行われる、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
  33. ステップd)またはe)からの前記凝固組成物は、任意の好適な容器またはパッケージに入れられる、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
  34. 少なくとも34%w/wの乾物含有量、少なくとも12%w/wのタンパク質含有量、少なくとも8%w/wのカゼイン含有量、4.8~7.0の範囲のpH、および12:88~0:100のホエータンパク質対カゼインの比率を有する、加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品。
  35. 請求項1~33のいずれか1項に記載の方法により得ることができる、加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品。
  36. 前記乾物含有量は、34~60%w/wの範囲、例えば34~52%w/wもしくは38~50%w/wの範囲、例えば40~50%w/wの範囲、好ましくは42~48%w/wの範囲であり、または前記乾物含有量は、34~50%w/wもしくは34~56%w/wの範囲、例えば34~52%w/wの範囲、好ましくは34~40%w/wの範囲である、請求項34~35のいずれか1項に記載の加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品。
  37. 前記タンパク質含有量は、12~30%w/wの範囲、例えば12~25%w/wの範囲、または15~22%w/wの範囲、好ましくは17~22%w/wの範囲である、請求項34~36のいずれか1項に記載の加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品。
  38. 前記カゼイン含有量は、少なくとも8%w/w、例えば10~30%w/wの範囲、または13~22%w/wの範囲、好ましくは15~20%w/wの範囲である、請求項34~37のいずれか1項に記載の加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品。
  39. ホエータンパク質対カゼインの前記比率は、12:88~0:100の範囲、例えば、11:89~0:100、10:90~0:100、9:91~0:100、8:92~0:100、7:93~0:100、6:94~0:100、5:95~0:100、4:96~0:100、3:97~0:100、2:98~0:100、もしくは1:99~0:100の範囲であり、またはホエータンパク質対カゼインの前記比率は、12:88~0:100の範囲、例えば、12:88~1:99、12:88~2:98、12:88~3:97、12:88~4:96、もしくは12:88~5:95の範囲である、請求項34~38のいずれか1項に記載の加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品。
  40. 脂肪含有量は、少なくとも3%w/wもしくは少なくとも5%w/w、例えば3~30%w/wもしくは5~30%w/wの範囲、例えば10~30%w/wの範囲、もしくは15~25%w/wの範囲、好ましくは17~22%w/wの範囲であり、または脂肪含有量は、5~20%w/wの範囲、もしくは5~15%w/wの範囲、好ましくは8~12%w/wの範囲である、請求項34~39のいずれか1項に記載の加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品。
  41. 前記チーズ様製品は、コーティングを有する、請求項34~40のいずれか1項に記載の加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品。
  42. 前記コーティングは、パン粉、小麦粉、穀類、果実および/またはナッツ類、ハーブ、香辛料、セイボリー、種子類、ならびにそれらの組み合わせの群から選択される食品成分である、請求項41に記載の加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品。
  43. 食品における、請求項34~42に記載の加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品の使用。
  44. 煮る、加熱調理する、焼く(baking)、グリルする、および/または焼く(frying)、揚げるための、請求項34~42に記載の加熱調理および/または焼くことに安定なチーズ様製品の使用。
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