[0023] これより、例示的な実施形態を詳細に参照し、その例を、添付の図面に示す。以下の説明は、添付の図面を参照し、別段の表示がない限り、異なる図面における同一の番号は、同一又は類似の要素を表す。例示的な実施形態の以下の説明に記載される実装形態は、本発明と一致するすべての実装形態を表すわけではない。代わりに、それらの実装形態は、添付の請求項において記述されるように、本発明に関連する態様と一致する装置及び方法の単なる例である。
[0024] デバイスの物理的サイズを減少させる、電子デバイスの計算能力の向上は、ICチップ上のトランジスタ、キャパシタ、ダイオードなどの回路コンポーネントの実装密度を大幅に増加させることによって達成することができる。これは、さらに小さい構造の作製を可能にする分解能の向上によって可能にされてきた。例えば、親指の爪の大きさであり、2019年以前に利用可能なスマートフォンのICチップは、20億を超えるトランジスタを含むことができ、各トランジスタのサイズは、人間の毛髪の1/1000未満である。したがって、半導体IC製造が、数百の個々のステップを有する、複雑で時間のかかるプロセスであることは驚くに値しない。たとえ1つのステップのエラーであっても、最終製品の機能に劇的に影響を与える可能性がある。たった1つの「キラー欠陥」が、デバイスの故障を生じさせ得る。製造プロセスの目標は、プロセスの全体的な歩留まりを向上させることである。例えば、50のステップを有するプロセス(ここでは、ステップが、ウェーハ上に形成される層の数を示し得る)に関して75%の歩留まりを得るためには、個々のステップは、99.4%を超える歩留まりを有していなければならない。個々のステップが95%の歩留まりを有する場合、全体的なプロセス歩留まりは、7%と低い。
[0025] ICチップ製造設備において、高いプロセス歩留まりが望ましい一方で、一時間当たりに処理される基板の数と定義される高い基板(すなわち、ウェーハ)スループットを維持することも必須である。高いプロセス歩留まり及び高い基板スループットは、欠陥の存在による影響を受け得る。これは、欠陥を調査するためにオペレータの介入が必要な場合に特に当てはまる。したがって、検査ツール(走査電子顕微鏡(「SEM」)など)によるマイクロスケール及びナノスケール欠陥の高スループット検出及び識別は、高い歩留まり及び低いコストを維持するために必須である。
[0026] SEMは、走査デバイス及び検出器装置を含む。走査デバイスは、一次電子を発生させるための電子源を含む照明システムと、一次電子の1つ又は複数の集束ビームで基板などのサンプルを走査するための投影システムと、を含む。一次電子は、サンプルと相互作用し、二次電子を発生させる。検出システムは、SEMがサンプルの走査エリアの画像を生成できるように、サンプルが走査されるときに、サンプルからの二次電子を捕捉する。高スループットの検査のために、検査装置の一部は、一次電子の複数の集束ビーム、すなわち、マルチビームを使用する。マルチビームの成分ビームは、サブビーム又はビームレットと呼ばれることがある。マルチビームは、サンプルの異なる部分を同時に走査することができる。したがって、マルチビーム検査装置は、単一ビーム検査装置よりもはるかに高速でサンプルを検査することができる。
[0027] 図は、概略図である。したがって、図面では、コンポーネントの相対寸法は、明瞭にするために拡大される。以下の図面の説明では、同じ又は同様の参照番号は、同じ又は同様のコンポーネント又はエンティティを指し、個々の実施形態に対する違いのみを説明する。説明及び図面は電子光学装置を対象とするが、実施形態は、本開示を特定の荷電粒子に限定するためには使用されないことが理解される。したがって、本文書全体を通して、電子への言及は、より一般的に、荷電粒子への言及であると見なすことができ、荷電粒子は、必ずしも電子ではない。
[0028] ここで図1を参照すると、図1は、荷電粒子ビーム検査装置100を示す概略図である。図1の荷電粒子ビーム検査装置100は、メインチャンバ10、装填ロックチャンバ20、荷電粒子ツール40、機器フロントエンドモジュール(EFEM)30、及びコントローラ50を含む。荷電粒子ツール40は、メインチャンバ10内に位置する。荷電粒子ツール40は、電子ビームツール40でもよい。荷電粒子ツール40は、単一ビームツール又はマルチビームツールでもよい。
[0029] EFEM30は、第1の装填ポート30a及び第2の装填ポート30bを含む。EFEM30は、追加の1つ又は複数の装填ポートを含んでもよい。第1の装填ポート30a及び第2の装填ポート30bは、例えば、検査予定の基板(例えば、半導体基板若しくは他の材料で作られた基板)又はサンプルを含む基板前面開口式一体型ポッド(FOUP(front opening unified pod))を受け取ることができる(以下では、基板、ウェーハ、及びサンプルは、まとめて「サンプル」と呼ばれる)。EFEM30の1つ又は複数のロボットアーム(図示せず)は、装填ロックチャンバ20にサンプルを運ぶ。
[0030] 装填ロックチャンバ20は、サンプルの周囲の気体を取り除くために使用される。これは、周囲環境の圧力より低い局所気体圧力である真空を生じさせる。装填ロックチャンバ20は、装填ロック真空ポンプシステム(図示せず)に接続されてもよく、装填ロック真空ポンプシステムは、装填ロックチャンバ20内の気体粒子を取り除く。装填ロック真空ポンプシステムの動作により、装填ロックチャンバが大気圧を下回る第1の圧力に達することが可能になる。第1の圧力に達した後、1つ又は複数のロボットアーム(図示せず)が、装填ロックチャンバ20からメインチャンバ10にサンプルを運ぶ。メインチャンバ10は、メインチャンバ真空ポンプシステム(図示せず)に接続される。メインチャンバ真空ポンプシステムは、サンプルの周囲の圧力が第1の圧力を下回る第2の圧力に達するように、メインチャンバ10内の気体粒子を取り除く。第2の圧力に達した後に、サンプルは、電子ビームツールに運ばれ、電子ビームツールによって、サンプルは、荷電粒子フラッディング及び/又は検査にかけられ得る。
[0031] コントローラ50は、荷電粒子ビームツール40に電子的に接続される。コントローラ50は、荷電粒子ビーム検査装置100を制御するように構成されたプロセッサ(コンピュータなど)でもよい。コントローラ50は、様々な信号及び画像処理機能を実行するように構成された処理回路も含み得る。図1では、コントローラ50は、メインチャンバ10、装填ロックチャンバ20、及びEFEM30を含む構造の外部のものとして示されているが、コントローラ50は、構造の一部でもよいことが理解される。コントローラ50は、荷電粒子ビーム検査装置100のコンポーネント要素の1つの内部に位置してもよく、又はコントローラ50は、コンポーネント要素の少なくとも2つに分散されてもよい。
[0032] ここで図2を参照すると、図2は、例示的な荷電粒子ツール40を示す概略図である。荷電粒子ツール40は、図1の荷電粒子ビーム検査装置100の一部を形成し得る。荷電粒子ツール40は、荷電粒子検査ツール200を含み得る。図1に示されるように、荷電粒子検査ツール200は、マルチビーム検査ツール200でもよい。代替的に、荷電粒子検査ツール200は、単一ビーム検査ツールでもよい。荷電粒子検査ツール200は、電子源201、ガンアパーチャプレート271、集光レンズ210、任意選択的にソース変換ユニット220、一次投影システム230、電動ステージ209、及びサンプルホルダ207を含む。電子源201、ガンアパーチャプレート271、集光レンズ210、及び任意選択的にソース変換ユニット220は、荷電粒子検査ツール200が含む照明システムのコンポーネントである。サンプルホルダ207は、例えば検査のため、又は荷電粒子フラッディングのために、サンプル208(例えば、基板又はマスク)を保持するため、及び任意選択的に位置決めするために、電動ステージ209によって支持される。荷電粒子検査ツール200は、二次投影システム250及び関連する電子検出デバイス240(これらは共に検出コラム又は検出システムを形成し得る)をさらに含んでもよい。電子検出デバイス240は、複数の検出要素241、242、及び243を含み得る。一次投影システム230は、対物レンズ231及び任意選択的にソース変換ユニット220(もし、ソース変換ユニット220が照明システムの一部でなければ)を含み得る。一次投影システム及び照明システムは、まとめて一次コラム又は一次電子光学システムと呼ばれることがある。ビームセパレータ233及び偏向走査ユニット232は、一次投影システム230内に位置決めされてもよい。
[0033] 一次ビームを発生させるために使用されるコンポーネントは、荷電粒子検査ツール200の一次電子光軸とアライメントされ得る。これらのコンポーネントは、電子源201、ガンアパーチャプレート271、集光レンズ210、ソース変換ユニット220、ビームセパレータ233、偏向走査ユニット232、及び一次投影装置230を含み得る。二次投影システム250及びそれに関連した電子検出デバイス240は、荷電粒子検査ツール200の二次電子光軸251とアライメントされ得る。
[0034] 一次電子光軸204は、照明システムである荷電粒子検査ツール200の部分の電子光軸によって構成される。二次電子光軸251は、検出システム(又は検出コラム)である荷電粒子検査ツール200の部分の電子光軸である。一次電子光軸204は、本明細書では、(参照しやすいように)主光軸、又は一次荷電粒子光軸とも呼ばれることがある。二次電子光軸251は、本明細書では、副光軸又は二次荷電粒子光軸とも呼ばれることがある。
[0035] 電子源201は、カソード(図示せず)、及び抽出器又はアノード(図示せず)を含み得る。動作中に、電子源201は、一次電子として電子をカソードから放出するように構成される。一次電子は、抽出器及び/又はアノードによって抽出又は加速されることによって、一次ビームクロスオーバー(虚像又は実像)203を形成する一次電子ビーム202を形成する。一次電子ビーム202は、一次ビームクロスオーバー203から放出されると視覚化することができる。
[0036] この配置では、一次電子ビームは、それがサンプルに到達する時までには、好ましくは、それが投影システムに到達する前には、マルチビームである。このようなマルチビームは、多くの異なるやり方で、一次電子ビームから発生させることができる。例えば、マルチビームは、クロスオーバーの前に位置するマルチビームアレイ、ソース変換ユニット220に位置するマルチビームアレイ、又はこれらの場所の間にある任意の地点に位置するマルチビームアレイによって発生させることができる。マルチビームアレイは、ビームパスにわたりアレイに配置された複数の電子ビーム操作要素を含み得る。各操作要素は、サブビームを発生させるように一次電子ビームに影響を与え得る。したがって、マルチビームアレイは、入射一次ビームパスと相互作用することによって、マルチビームアレイのダウンビームでマルチビームパスを生成する。
[0037] ガンアパーチャプレート271は、動作時に、クーロン効果を低減するために、一次電子ビーム202の周辺電子をブロックするように構成される。クーロン効果は、一次サブビーム211、212、213のプローブスポット221、222、及び223のそれぞれのサイズを拡大し、したがって、検査分解能を低下させ得る。ガンアパーチャプレート271は、クーロンアパーチャアレイとも呼ばれることがある。
[0038] 集光レンズ210は、一次電子ビーム202を集束させるように構成される。集光レンズ210は、平行ビームとなり、ソース変換ユニット220に垂直に入射するように一次電子ビーム202を集束させるように設計され得る。集光レンズ210は、第1の主平面の位置が可動であるように構成され得る可動集光レンズでもよい。可動集光レンズは、磁性を持つように構成されてもよい。集光レンズ210は、回転防止集光レンズでもよく、及び/又はそれは可動であってもよい。
[0039] ソース変換ユニット220は、像形成要素アレイ、収差補償器アレイ、ビーム制限アパーチャアレイ、及び事前屈曲マイクロ偏向器アレイを含み得る。事前屈曲マイクロ偏向器アレイは、ビーム制限アパーチャアレイ、像形成要素アレイ、及び収差補償器アレイに垂直に入るように、一次電子ビーム202の複数の一次サブビーム211、212、213を偏向させ得る。この配置では、像形成要素アレイは、マルチビームパスにおいて複数のサブビーム、すなわち一次サブビーム211、212、213を発生させるためのマルチビームアレイとして機能し得る。像形成アレイは、一次電子ビーム202の複数の一次サブビーム211、212、213に影響を与えるため、及び一次ビームクロスオーバー203の複数の平行像(虚像又は実像)を形成するために、マイクロ偏向器又はマイクロレンズ(又は両者の組み合わせ)などの複数の電子ビームマニピュレータを含み得る(一次サブビーム211、212、及び213のそれぞれに対して1つずつ)。収差補償器アレイは、像面湾曲補償器アレイ(図示せず)、及び非点収差補償器アレイ(図示せず)を含み得る。像面湾曲補償器アレイは、一次サブビーム211、212、及び213の像面湾曲収差を補償するための複数のマイクロレンズを含み得る。非点収差補償器アレイは、一次サブビーム211、212、及び213の非点収差を補償するための複数のマイクロ非点収差補正装置又は多極電極を含んでもよい。ビーム制限アパーチャアレイは、個々の一次サブビーム211、212、及び213の直径を制限するように構成され得る。図2は、一例として3つの一次サブビーム211、212、及び213を示すが、ソース変換ユニット220は、任意の数の一次サブビームを形成するように構成され得ることが理解されるものとする。コントローラ50は、ソース変換ユニット220、電子検出デバイス240、一次投影システム230、又は電動ステージ209などの図1の荷電粒子ビーム検査装置100の様々な部分に接続され得る。以下により詳細に説明するように、コントローラ50は、様々な画像及び信号処理機能を行い得る。コントローラ50は、荷電粒子マルチビーム装置を含む荷電粒子ビーム検査装置の動作を制御するための様々な制御信号を生成することもできる。
[0040] 集光レンズ210はさらに、集光レンズ210の集束力を異ならせることによって、ソース変換ユニット220のダウンビームで一次サブビーム211、212、213の電流を調整するように構成され得る。代替的又は追加的に、一次サブビーム211、212、213の電流は、個々の一次サブビームに対応するビーム制限アパーチャアレイ内のビーム制限アパーチャの半径方向サイズを変えることによって変更され得る。電流は、ビーム制限アパーチャの半径方向サイズ、及び集光レンズ210の集束力の両方を変えることによって変更され得る。集光レンズが可動であり、及び磁性を持つ場合、回転角度を有してソース変換ユニット220を照明するオフアクシスサブビーム212及び213が生じ得る。回転角度は、集束力又は可動集光レンズの第1の主平面の位置と共に変化する。回転防止集光レンズである集光レンズ210は、集光レンズ210の集束力が変化する間に、回転角度が不変のままであるように構成され得る。可動でもある、このような集光レンズ210は、集光レンズ210の集束力及びそれの第1の主平面の位置が変化するときに、回転角度を変化させないことが可能である。
[0041] 対物レンズ231は、検査のためにサンプル208上にサブビーム211、212、及び213を集束させるように構成することができ、サンプル208の表面に3つのプローブスポット221、222、及び223を形成することができる。
[0042] ビームセパレータ233は、例えば、静電双極子場及び磁気双極子場(図2では図示せず)を生成する静電偏向器を含むウィーンフィルタでもよい。動作時には、ビームセパレータ233は、静電双極子場によって、一次サブビーム211、212、及び213の個々の電子に対して静電力をかけるように構成され得る。この静電力は、ビームセパレータ233の磁気双極子場によって個々の電子にかかる磁力に対して、大きさは等しいが、方向は反対方向である。したがって、一次サブビーム211、212、及び213は、少なくとも実質的にゼロの偏向角度で、ビームセパレータ233を少なくとも実質的に真っすぐに通過し得る。
[0043] 偏向走査ユニット232は、動作時に、サンプル208の表面の一セクションの個々の走査エリアにわたってプローブスポット221、222、及び223を走査するために、一次サブビーム211、212、及び213を偏向させるように構成される。サンプル208上への一次サブビーム211、212、及び213又はプローブスポット221、222、及び223の入射に応答して、二次電子及び後方散乱電子を含む電子が、サンプル208から発生する。二次電子は、3つの二次電子ビーム261、262、及び263において伝搬する。二次電子ビーム261、262、及び263は、一般的に、(50eV以下の電子エネルギーを有する)二次電子を有し、(50eVと一次サブビーム211、212、及び213の着地エネルギーとの間の電子エネルギーを有する)後方散乱電子の少なくとも一部も有し得る。ビームセパレータ233は、二次電子ビーム261、262、及び263のパスを二次投影システム250に向けて偏向させるように配置される。続いて、二次投影システム250は、二次電子ビーム261、262、及び263のパスを電子検出デバイス240の複数の検出領域241、242、及び243上に集束させる。検出領域は、対応する二次電子ビーム261、262、及び263を検出するように配置された別個の検出要素241、242、及び243でもよい。検出領域は、対応する信号を生成し、これらの信号は、例えば、サンプル208の対応する走査エリアの画像を構築するために、コントローラ50又は信号処理システム(図示せず)に送られる。
[0044] 検出要素241、242、及び243は、対応する二次電子ビーム261、262、及び263を検出することができる。検出要素241、242、及び243への二次電子ビームの入射時に、要素は、対応する強度信号出力(図示せず)を生成し得る。出力は、画像処理システム(例えば、コントローラ50)に向けられ得る。各検出要素241、242、及び243は、1つ又は複数のピクセルを含み得る。検出要素の強度信号出力は、検出要素内のすべてのピクセルによって生成された信号の合計でもよい。
[0045] コントローラ50は、画像取得器(図示せず)及びストレージデバイス(図示せず)を含む画像処理システムを含み得る。例えば、コントローラは、プロセッサ、コンピュータ、サーバ、メインフレームホスト、端末、パーソナルコンピュータ、任意の種類のモバイルコンピューティングデバイスなど、又はそれらの組み合わせを含み得る。画像取得器は、コントローラの処理機能の少なくとも一部を含み得る。したがって、画像取得器は、少なくとも1つ又は複数のプロセッサを含み得る。画像取得器は、数ある中でも特に、導電体、光ファイバケーブル、ポータブル記憶媒体、IR、Bluetooth、インターネット、ワイヤレスネットワーク、ワイヤレス無線機、又はこれらの組み合わせなどの信号通信を可能にする装置40の電子検出デバイス240に通信可能に結合され得る。画像取得器は、電子検出デバイス240から信号を受信し、信号に含まれるデータを処理し、そこから画像を構築することができる。したがって、画像取得器は、サンプル208の画像を取得することができる。画像取得器は、輪郭の生成、及び取得画像へのインジケータの重畳などの様々な後処理機能を行うこともできる。画像取得器は、取得画像の明度及びコントラストなどの調整を行うように構成され得る。ストレージは、ハードディスク、フラッシュドライブ、クラウドストレージ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、他のタイプのコンピュータ可読メモリなどの記憶媒体でもよい。ストレージは、画像取得器と結合されてもよく、走査された生の画像データをオリジナルの画像として保存したり、後処理された画像を保存したりするために使用することができる。
[0046] 画像取得器は、電子検出デバイス240から受信された撮像信号に基づいてサンプルの1つ又は複数の画像を取得することができる。撮像信号は、荷電粒子撮像を実施するための走査動作に対応し得る。取得画像は、複数の撮像エリアを含む単一の画像であり得る。単一の画像は、ストレージに保存することができる。単一の画像は、複数の領域に分割され得るオリジナルの画像であり得る。各領域は、サンプル208の特徴を含む1つの撮像エリアを含み得る。取得画像は、ある期間にわたって複数回サンプリングされたサンプル208の単一の撮像エリアの複数の画像を含み得る。複数の画像は、ストレージに保存することができる。コントローラ50は、サンプル208の同じ場所の複数の画像を用いて画像処理ステップを行うように構成され得る。
[0047] コントローラ50は、検出された二次電子の分布を得るために、測定回路(例えば、アナログ-デジタル変換器)を含み得る。検出時間窓の間に収集された電子分布データは、サンプル表面に入射した一次サブビーム211、212、及び213の各々の対応する走査パスデータと組み合わせて、検査中のサンプル構造の画像を再構築するために使用することができる。再構築された画像は、サンプル208の内部又は外部の構造の様々なフィーチャを明らかにするために使用することができる。したがって、再構築された画像は、サンプルに存在し得るいかなる欠陥も明らかにするために使用することができる。
[0048] コントローラ50は、サンプル208の検査中にサンプル208を移動させるように電動ステージ209を制御することができる。コントローラ50は、電動ステージ209が、少なくともサンプルの検査中に、好ましくは継続的に、例えば、一定の速度で、ある方向にサンプル208を移動させることを可能にし得る。コントローラ50は、電動ステージ209が、様々なパラメータに依存するサンプル208の移動の速度を変えるように、電動ステージ209の移動を制御することができる。例えば、コントローラは、走査プロセスの検査ステップの特性に応じて、ステージ速度(その方向を含む)を制御することができる。
[0049] 図2は、荷電粒子検査ツール200が、3つの一次電子サブビームを使用することを示しているが、荷電粒子検査ツール200は、2つ又はより大きい数の一次電子サブビームを使用し得ることが理解される。本開示は、荷電粒子検査ツール200で使用される一次電子ビームの数を限定しない。荷電粒子検査ツール200は、単一の荷電粒子ビームを用いる単一ビーム検査ツール200であってもよい。
[0050] 図2に示されるように、荷電粒子ビームツール40は、フラッドコラム300をさらに含んでもよい。フラッドコラム300を使用して、サンプル208の表面を事前に帯電させ、及び帯電条件を設定することができる。例えば、フラッドコラムは、荷電粒子検査装置200による検査の前に、サンプル208の表面を事前に帯電させることができる。これは、荷電粒子検査装置200の欠陥検出感度及び/又はスループットを向上させるように、電圧コントラスト欠陥信号を強化することができる。フラッドコラム300を使用して、事前に規定されたエリアを帯電させるための比較的大量の荷電粒子を提供することができる。その後、荷電粒子検査装置200は、サンプル208の事前に帯電されたエリアを走査して、そのエリアの結像を達成することができる。電動ステージ209は、フラッドコラム300による荷電粒子フラッディングのための位置から、荷電粒子検査装置200による検査のための位置へとサンプル208を移動させることができる。言い換えると、電動ステージ209を使用して、サンプル208を荷電粒子フラッディングのための位置へと移動させることができ、次に、フラッドコラム300がサンプル208を荷電粒子で満たすことができ、次に、電動ステージ209を使用して、サンプル208を検査のための位置へと移動させることができ、次に、荷電粒子検査装置200を使用して、サンプル208を検査することができる。代替的に、サンプル208及び電動ステージ209が、荷電粒子フラッディングの後、及び検査の前に、実質的に適所にとどまるように、フラッドコラム300による荷電粒子フラッディングのための位置は、荷電粒子検査装置200による検査のための位置と一致してもよい。
[0051] フラッドコラム300は、ジェネレータシステム内に存在し得る荷電粒子源301、集光レンズ320、ブランカ電極330、対物レンズ340、及びアパーチャ本体400を含み得る。フラッドコラム300は、走査要素(図示せず)及びフィールドレンズ(図示せず)などの荷電粒子ビーム302の操作のためのさらなるコンポーネントも含み得る。フラッドコラム300のコンポーネントは、実質的に軸304に沿って配置されてもよい。軸304は、フラッドコラム300の電気光学軸でもよい。フラッドコラム300のコンポーネントは、コントローラ50によって制御されてもよい。代替的に、専用コントローラを使用して、フラッドコラム300のコンポーネントを制御してもよく、又はフラッドコラム300のコンポーネントは、複数のそれぞれのコントローラによって制御されてもよい。フラッドコラム300は、荷電粒子検査装置200、具体的には、フラッドコラム300と荷電粒子検査装置200の一次コラムとの間のインターフェイス350において、一次コラムに機械的に結合され得る。
[0052] 荷電粒子源301は、電子源でもよい。荷電粒子源301は、荷電粒子放出電極(例えば、カソード)及び加速電極(例えば、アノード)を含み得る。荷電粒子が、加速電極によって荷電粒子放出電極から抽出又は加速されることによって、荷電粒子ビーム302が形成される。荷電粒子ビーム302は、ビームパス302に沿って伝搬し得る。ビームパス302は、例えば荷電粒子ビーム302が軸304から離れるように偏向されない状況では、軸304を含み得る。
[0053] 集光レンズ320は、荷電粒子源301のダウンビームに位置決めされ、すなわち、集光レンズ320は、荷電粒子源301に対してダウンビーム方向に位置決めされる。集光レンズ320は、荷電粒子ビーム302を集束又はデフォーカスさせることができる。図2に示されるように、集光レンズ320を使用して、荷電粒子ビーム302をコリメートすることができる。しかしながら、集光レンズ320を使用して、発散ビーム又は収束ビームを生じさせるように荷電粒子ビーム302を制御することもできる。
[0054] アパーチャ本体400は、集光レンズ320のダウンビームに位置決めされ得る。アパーチャ本体400は、軸304に沿って伝搬する荷電粒子ビームの一部、すなわち、すべてではなく一部のみを通過させ得る。アパーチャ本体400は、図2に示されるように、荷電粒子ビーム302の側方範囲を制限し得る。アパーチャ本体400を使用して、荷電粒子ビーム302の何れの部分の通過も阻止するように、選択的に荷電粒子ビーム302をブランキングすることもできる。アパーチャ本体400は、開口を規定し得る。荷電粒子ビーム302の側方範囲(又は直径)が、開口の側方範囲(又は直径)よりも大きい場合、荷電粒子ビーム302の一部のみが開口を通過する。このようにして、アパーチャ本体400は、ビーム制限アパーチャとして機能するように、荷電粒子ビーム302の側方範囲を制限し得る。アパーチャ本体400のダウンビームのビームの断面は、アパーチャ本体400の開口の断面と幾何学的に類似してもよく(発散ビーム、若しくは収束ビームの場合)、又は幾何学的に同一でもよい(コリメートされたビームの場合)。
[0055] ブランキング電極330は、集光レンズ320のダウンビームであり、且つアパーチャ本体400のアップビームに位置決めされてもよい。ブランキング電極330は、荷電粒子ビーム302を選択的に偏向させることができ、例えば、軸304から離れるように荷電粒子ビーム302を偏向させることができる。ブランキング電極330は、荷電粒子ビーム302のどの部分もアパーチャ本体400によって規定される開口を通過させないように、アパーチャ本体400の開口から離れるように、例えば、開口を含まないアパーチャ本体400の部分上に、荷電粒子ビーム302を偏向させ得る。ブランキング電極330は、ビームがアパーチャ本体400の開口を通過しないように、ビームをブランキングし得る。しかしながら、ブランキング電極330及びアパーチャ本体400の組み合わせを使用して、荷電粒子ビーム302を選択的にブランキングすること、すなわち、アパーチャ本体400の開口を通る荷電粒子ビーム302の少なくとも一部の通過を選択的に阻止することもできる。つまり、ブランキング電極330及びアパーチャ本体400の組み合わせは、開口を通る荷電粒子ビーム302の割合を選択的に制御することができる。
[0056] 対物レンズ340は、アパーチャ本体400のダウンビームに位置決めされる。対物レンズ340は、荷電粒子ビーム302を集束又はデフォーカスさせることができる。図2に示されるように、対物レンズ320を使用して、発散ビームを生じさせ、それによって、サンプル208上のスポットサイズを拡大し、及び荷電粒子で満たされるサンプル208上の表面のエリアを拡大するように、荷電粒子ビーム302を制御することができる。しかしながら、状況によっては、対物レンズ340を使用して、収束ビームを生じさせ、それによって、荷電粒子ビーム302をサンプル208上に集束させるように、荷電粒子302を制御することができる。例えば対物レンズのダウンビームに位置決めされたフィールドレンズ(図示せず)を使用して、フィールドレンズとサンプル208との間の電界の強度を設定することができる。この電界は、荷電粒子がサンプル208に向けて移動するときに荷電粒子に作用し、それによって、荷電粒子フラッディング中のサンプル208の帯電速度及び帯電レベル(すなわち、荷電粒子フラッディング後の電気接地に対するサンプル208の最大電圧)に影響を与える。
[0057] 第1の実施形態では、アパーチャ本体400、例えば図3に示されるアパーチャ本体400が提供される。アパーチャ本体400は、荷電粒子ビーム302の一部、すなわち、すべてではなく一部のみを通過させるためのものである。したがって、アパーチャ本体400は、ビーム制限アパーチャ本体400でもよく、すなわち、荷電粒子ビーム302の側方範囲を制限し得る。また、アパーチャ本体400は、荷電粒子ビーム302を選択的にブランキングするためのものでもよい。アパーチャ本体400は、フラッドコラム300で使用されてもよい。代替的に、アパーチャ本体400は、荷電粒子検査ツール200において、又は荷電粒子ビームの一部又はある割合の荷電粒子ビームを通過させるためにアパーチャ本体を利用する任意の他の装置において使用されてもよい。
[0058] アパーチャ本体400は、アパーチャ部分410を含む。アパーチャ部分410は、開口412を規定し、すなわち、開口412は、アパーチャ部分410に設けられる。開口412は、軸304の周りに位置決めされる。開口412に隣接して、アパーチャ部分410は、アップビーム対向面414及びダウンビーム対向面416を含む。アップビーム対向面414は、アパーチャ部分410のアップビーム側に位置する。ダウンビーム対向面416は、アパーチャ部分416のダウンビーム側に位置する。アップビーム側は、ビームパスにおいて、ダウンビーム側の反対でもよい。
[0059] 図3に示されるように、アップビーム対向面414は、軸304に対して垂直な平面に対して角度を成す。アップビーム対向面414における開口412は、アップビーム対向面414のより半径方向外側の部分のアップビームにある。ダウンビーム方向とアップビーム対向面との間に形成される角度は、鋭角である。アップビーム対向面414に衝突又は入射する、ビームパス302に沿って(例えば、ダウンビーム方向にアップビーム対向面414上へと)移動する荷電粒子は、アップビーム対向面414から後方散乱され得る。後方散乱荷電粒子は、半径方向外側に(すなわち、軸304から離れるように)、具体的には、図3の後方散乱ビームパス例461によって示されるように、好ましくは半径方向に軸304から離れる軌道を有して偏向され得る。アップビーム対向面414が軸304と垂直な状況と比較して、このような後方散乱荷電粒子が他のコンポーネントに向けて(例えば、図2のフラッドコラム300を参照して、ブランキング電極330、集光レンズ320、荷電粒子源301、又はフラッドコラム300の他のアップビームコンポーネントに向けて)偏向されるリスクが減少する。これは、後方散乱荷電粒子による、このようなアップビームコンポーネントの熱負荷を減少させることができ、このようなコンポーネントの電子挙動に対する後方散乱荷電粒子の入射を考慮する必要性を回避又は低減することによって、このようなアップビームコンポーネントを制御する複雑さも減少させることができる。好ましくは半径方向に軸304から離れる軌道を有して後方散乱荷電粒子を偏向させることは、後方散乱荷電粒子及び荷電粒子ビーム302間のクーロン相互作用も低減し得る。
[0060] ダウンビーム対向面416も、軸304に対して垂直な平面に対して角度を成してもよい。ダウンビーム対向面416において規定される開口412は、ダウンビーム対向面416のより半径方向外側の部分のアップビームにある。ダウンビーム方向とダウンビーム対向面との間に形成される角度は、鋭角である。そのため、ダウンビーム対向面に向けて、ビームパス302に沿った荷電粒子の移動の方向に反して(例えば、ビームパス例462によって示されるように、ダウンビーム対向面416上へとアップビーム方向に)移動する荷電粒子は、ダウンビーム対向面416に入射し得る。ダウンビーム対向面416に入射する荷電粒子は、ダウンビーム対向面414から後方散乱され得る。このような後方散乱荷電粒子は、半径方向内側に(すなわち軸304に向けて)、具体的には、図3の後方散乱ビームパス例463によって示されるように、好ましくは半径方向に軸304に向かう軌道を有して偏向され得る。荷電粒子は、例えばサンプル208の表面からの後方散乱により、アップビーム方向に移動し得る。ダウンビーム対向面414が軸304と垂直な状況と比較して、ダウンビーム対向面414から後方散乱された荷電粒子が他のコンポーネントに向けて(例えば、図2のフラッドコラム300を参照して、対物レンズ340、又はフラッドコラム300の他のダウンビームコンポーネントに向けて)偏向されるリスクが減少する。これは、後方散乱荷電粒子による、このようなダウンビームコンポーネントの熱負荷を減少させることができる。
[0061] アップビーム対向面及び/又はダウンビーム対向面は、アパーチャ本体400の別の部分上への荷電粒子の偏向を可能にするように角度を成してもよい。例えば、図3に示されるように、後方散乱荷電粒子は、アップビーム対向面414からアパーチャ本体400のチャンバ部分420の表面上へと偏向され得る。後方散乱荷電粒子は、ダウンビーム対向面416からダウンビーム対向面416の別の部分上へと偏向され得る。その後、後方散乱荷電粒子は、アパーチャ本体400の他の部分によって吸収され得る。これは、アパーチャ本体400によって後方散乱された荷電粒子がアパーチャ本体400以外のコンポーネントによって吸収されるリスクを減少させることができ、それによって、このような他のコンポーネントにおける後方散乱荷電粒子による熱負荷が減少する。
[0062] 図3に示されるように、アパーチャ部分410は、円筒対称(例えば、ビームパス及び/又は軸304を中心に円筒対称)であってもよい。アパーチャ部分410は、ビームパス及び/又は軸304を中心に回転対称であってもよい。具体的には、アップビーム対向面414及び/又はダウンビーム対向面416及び/又は開口212が、回転対称又は円筒対称(例えば、ビームパス及び/又は軸304を中心に回転対称又は円筒対称)であってもよい。開口212は、例えば円形でもよい。アップビーム対向面414及び/又はダウンビーム対向面416は、例えば、円錐の一部として成形されてもよい。例えば、アップビーム対向面414は、円錐台の外側面として成形されてもよい。同様に、ダウンビーム対向面416は、円錐台の外側面として成形されてもよい。それぞれの円錐台に関連した各円錐の円錐断面は、実質的に共通でもよい。共通円錐断面は、開口412でもよい。アップビーム対向面414の円錐角は、ダウンビーム対向面416の円錐角よりも大きくてもよい。アップビーム対向面414の円錐角は、例えば、170度未満、又は135度未満でもよい。アップビーム対向面の円錐角は、90度を上回ってもよく、90~180度の範囲内でもよく、好ましくは、100~150度の範囲内でもよい。ダウンビーム対向面416の円錐角は、90~180度の範囲内、好ましくは105~155度の範囲内でもよい。アップビーム対向面414とダウンビーム対向面との間の角度差は、5~40度の範囲内、好ましくは20度の差でもよい。円錐角は、後方散乱荷電粒子をアパーチャ本体400の別の部分に向けて、例えばチャンバ部分420に向けて優先的に偏向させるように選ばれてもよい。
[0063] 代替的に、アップビーム対向面414及び/又はダウンビーム対向面416は、円錐形状から分岐してもよい。例えば、アップビーム対向面414及び/又はダウンビーム対向面416は、アップビーム対向面414及び/又はダウンビーム対向面416の半径方向内側部分から後方散乱された荷電粒子が、アップビーム対向面414及び/又はダウンビーム対向面416の半径方向外側部分から後方散乱された荷電粒子よりも多く偏向されるように、又はその逆であるように成形されてもよい。アップビーム対向面414及び/又はダウンビーム対向面416は、凸形状又は凹形状であってもよい。好ましくは、アパーチャ部分は、ビームパス/軸を中心に回転対称である。
[0064] アップビーム対向面414及びダウンビーム対向面416は、アパーチャ部分410のプレートの表面でもよい。具体的には、アップビーム対向面414及びダウンビーム対向面416は、ビームパスの方向に対して、アパーチャ部分410のプレートの対向面でもよい。プレートは、図3に示されるように、開口412に向けてテーパー状でもよい。アップビーム対向面414及びダウンビーム対向面416は、プレートが開口412において最も薄いように角度を成してもよい。したがって、アパーチャ部分410の半径方向内側部分(すなわち、開口412に対向する部分)は、寸法的に比較的小さい(例えば、薄い)場合がある。したがって、アパーチャ部分の半径方向内側部分の好ましくは最小化された寸法は、荷電粒子ビーム302に対するその部分のいずれかの影響を低下させ得る。アパーチャ部分410の半径方向外側部分は、ビームパスの方向に比較的大きな寸法を有し得る。アパーチャ部分410のより厚い外側部分は、アパーチャ部分410の構造的完全性を向上させることができ、アパーチャ部分410上への入射荷電粒子によって生じた熱を吸収及び伝導するためのより多くの材料を提供することもできる。
[0065] アップビーム対向面414及びダウンビーム対向面416は、開口412におけるアップビーム対向面414とダウンビーム対向面416との間の距離が実質的にゼロであるように、開口412に隣接して接し得る。代替的に、開口対向面418は、開口212を規定するアップビーム対向面414とダウンビーム対向面416との間に延在し得る。開口対向面418は、アップビーム対向面414及びダウンビーム対向面416を相互接続し得る。開口対向面418は、内側に向いてもよい。軸304と平行な方向における開口対向面418の範囲は、小さくてもよく、例えば、その厚さは、開口対向面418が荷電粒子ビーム302に対して及ぼし得る影響を最小限に抑えるために、望ましくは最小化される。薄い開口対向面418は、開口対向面418と相互作用する荷電粒子が後方散乱し、それによってビーム性能に影響を与える可能性を減少させることができる。例えば、軸304と平行な方向における開口対向面418の範囲は、2mm未満、1mm未満、500μm未満、好ましくは100μm未満、さらに好ましくは50μm未満、さらに電子光学性能のために最適化するためには10μm未満でもよい。
[0066] 開口412は、実質的に円形でもよい。開口412は、100μm~10mm、好ましくは200μm~5mm、さらに好ましくは500μm~2mmの範囲内の側方範囲(又は直径)を有してもよい。軸304に垂直な方向におけるアップビーム対向面414及び/又はダウンビーム対向面416の最小範囲は、開口の側方範囲の1.5倍を超えてもよい(例えば、2倍又は3倍を超えてもよい)。これは、荷電粒子ビーム302が、(例えばブランキング電極330によって)開口から離れるように偏向されたときに、アップビーム対向面414上に完全にとどまることができることを確実にし得る。軸304に垂直な方向におけるアップビーム対向面414及び/又はダウンビーム対向面416の最小範囲は、200μmを超えてもよく、好ましくは500μmを超えてもよく、さらに好ましくは1.5mmを超えてもよい。軸304に垂直な方向におけるアップビーム対向面414及び/又はダウンビーム対向面416の最大範囲は、10mm未満でもよく、好ましくは5mm未満でもよい。
[0067] 図3に示されるように、アパーチャ本体400は、チャンバ部分420を含んでもよい。チャンバ部分420は、アパーチャ部分410の周りに(例えば、アパーチャ部分410のアップビーム対向面414の周りに)位置決めされてもよい。アップビーム対向面414は、ビームパスからのより大きな割合の後方散乱荷電粒子がチャンバ部分420の表面上に偏向させられるように角度を成してもよい。チャンバ部分420は、アップビーム対向面に衝突し、及びアップビーム対向面414から後方散乱されたビームパスにおける荷電粒子が、チャンバ部分420の表面上に偏向され得るように構成されてもよい。これは、アップビーム対向面414から後方散乱された荷電粒子が、アパーチャ本体400以外のコンポーネントに向けて偏向されるリスクを減少させることができる。
[0068] チャンバ部分420は、チューブ状部分422を含んでもよい。チューブ状部分422は、アパーチャ部分410からアップビーム方向に延在してもよい。チューブ状部分422は、円筒対称(例えば、軸304を中心に円筒対称)でもよい。チューブ状部分422は、中空円筒を含み得る。チャンバ部分420は、アップビームプレート424をさらに含んでもよい。アップビームプレート424は、チューブ状部分422から(好ましくは、チューブ状部分422のアップビーム端部から)半径方向内側に延在してもよい。アップビームプレート422は、円筒対称(例えば、軸304を中心に円筒対称)でもよい。アップビームプレート422は、入口開口426を規定し得る。入口開口426は、荷電粒子ビーム302がアップビームプレート424の開口を完全に通過し、及びアパーチャ部分410の開口412を部分的にのみ通過し得るように、アパーチャ部分410の開口412よりも大きい直径を有する。さらに、入口開口426の直径は、アップビーム対向面414からの後方散乱電子がアップビーム方向に入口開口426を通過する可能性が減少するように、又は最小化されるように、(最適に)必要な大きさにされ得る。好ましくは、チャンバ部分420のチューブ状部分422に入射しない、アップビーム方向に移動する後方散乱電子は、アップビームプレート422の表面に入射する。したがって、このように構成されたチャンバ部分420は、アパーチャ部分410のアップビーム対向面414から後方散乱された荷電粒子を効果的に吸収することができる。
[0069] アパーチャ本体400は、熱コンディショニング部分430をさらに含んでもよい。チューブ状部分422が、熱コンディショニング部分430を含んでもよい。熱コンディショニング部分430は、アパーチャ本体400、具体的にはアパーチャ部分410及び/又はチャンバ部分420の熱コンディショニング(例えば、冷却)のためのものでもよい。アパーチャ本体400の表面への荷電粒子の入射は、熱を生じさせ得る。アパーチャ本体に対して熱コンディショニングを提供することにより、入射荷電粒子によって生じたアパーチャ本体への熱負荷が有益に対処され得る。アパーチャ本体400の一部として熱コンディショニング部分430を設けることにより、アパーチャ本体400の効率的な熱コンディショニング(例えば、冷却)を得ることができる。アパーチャ本体400における熱負荷は、アパーチャ本体400が含まれるシステム内の他のコンポーネントの熱負荷よりも高い場合がある。ある配置では、アパーチャ本体400は、ビーム全体が入射し得る、システム内の唯一の要素である。したがって、アパーチャ本体400の効率的な熱コンディショニングは、特に有益となり得る。このような向上した効率の熱コンディショニングは、後方散乱荷電粒子がアパーチャ本体400の他の部分に向けて、及びアパーチャ本体400以外のコンポーネントから離れるように誘導されることを可能にするように角度を成し得るアップビーム対向面414との組み合わせで特に有益となり得る。熱コンディショニング部分を有するアパーチャ本体400では、アパーチャ本体400以外のコンポーネントの熱コンディショニングの必要性が低減され得る。
[0070] 熱コンディショニング部分430は、図3に示されるように、熱コンディショニングチャネル432(例えば、単一の熱コンディショニングチャネル432)を含んでもよい。熱コンディショニングチャネルは、それの内部での熱コンディショニング流体の循環を目的として構成されてもよい。図3の数字i~viiiは、熱コンディショニング流体が熱コンディショニングチャネル432を流れ得る順序を図式的に示す。図3に示される各円形断面は、(アパーチャ部分410に複数回巻き付く)熱コンディショニングチャネル432の長さに沿った異なる位置における同じ熱コンディショニングチャネル432の断面でもよい。例えば、水などの冷却流体が、アパーチャ部分410及び/又はチャンバ部分420の周りを循環するように配置されてもよい。熱コンディショニングチャネルの少なくとも一部は、ビーム軸の周りで複数回(例えば、アパーチャ部分410及び/又はチャンバ部分420の周りで4回以上、又は8回以上)熱コンディショニング流体を循環させるように構成されてもよい。アパーチャ本体400において、軸の周りで複数の周回を有する熱コンディショニングチャネル432は、アパーチャ本体400の熱コンディショニングを向上させることができる。
[0071] 熱コンディショニングチャネル432の少なくとも一部は、渦巻線及び/又はつる巻線として成形されてもよい。図3に示されるように、熱コンディショニングチャネルの少なくとも一部は、2つ以上の同心つる巻線として成形されてもよい。熱コンディショニングチャネル432は、まず、熱コンディショニング流体が、2つ以上の同心つる巻線のうちの内側のつる巻線の周りに誘導され、次に、2つ以上の同心つる巻線のうちの外側のつる巻線の周りに誘導されるように成形されてもよい。代替的に、熱コンディショニングチャネル432は、複数の平行サブチャネル(図示せず)に分岐するように成形されてもよい。また、熱コンディショニングチャネル432は、熱コンディショニング流体がアパーチャ本体400を流れることを可能にする任意の他のジオメトリに成形されてもよい。
[0072] 熱コンディショニングチャネル432の断面は、図3に示されるように、円形でもよい。好ましくは、熱コンディショニングチャネル432の断面は、熱コンディショニングチャネル432の表面積を増加又は最大化させ、それによって、アパーチャ本体400及び熱コンディショニング流体間の熱交換を向上させるように成形される。例えば、熱コンディショニングチャネル432の断面は、正方形でもよく、又は角を有してもよく、それによって、熱コンディショニングチャネル432の断面が円形である状況と比較して、アパーチャ本体400の断面のより大きな割合が、熱コンディショニングチャネル432から形成されることが可能となる(その理由は、正方形又は角を有する断面が、円形断面よりも、より密に実装され得るからである)。熱コンディショニングチャネル432の断面は、(図3に示されるものとは異なり)熱コンディショニングチャネルの長さに沿って変化してもよく、その結果、角度のある断面を有する熱コンディショニングチャネル432が、比較的密に実装されたままで、2つ以上の同心つる巻線として成形されることが可能となる。軸304を含む平面内のアパーチャ本体400の断面に対する熱コンディショニングチャネル432の全断面(つまり、例えば図3の断面i~viiiの合計)の割合は、50%を超えてもよく、好ましくは60%を超えてもよく、さらに好ましくは70%を超えてもよい。冷却変化の断面積から成るアパーチャ本体の割合の最適範囲は、好ましくは70~80%の範囲内である。割合範囲の最大値では、アパーチャ本体内部から生じた熱を冷却チャネルの半径方向外側部分に伝導するためのアパーチャ本体の材料が不十分であるリスクがある。割合は、それ用に冷却チャネルが設計される、冷却流体に依存し得る。
[0073] アパーチャ本体400がフラッドコラム300に含まれる場合、熱コンディショニングチャネルは、フラッドコラム300と荷電粒子ツール40の一次コラムとの間のインターフェイス350にも熱コンディショニング流体を提供し得る。ある配置では、熱コンディショニングチャネルの一部は、インターフェイス350内に位置する。このインターフェイス350の熱コンディショニングは、一次コラムの動作に影響を与える、フラッドコラム300における熱負荷のリスクを減少させることができる。このリスクをさらに減少させるために、冷却チャネルは、熱コンディショニング流体をアパーチャ部分410及び/又はチャンバ部分420の周りに循環させる前に、冷却流体をインターフェイス350に提供してもよい。熱コンディショニングチャネルの上記一部は、熱コンディショニング流体のフローにおいて、アパーチャ本体400における熱コンディショニングチャネルの部分の上流に位置し得る。
[0074] アパーチャ本体400は、一体的に形成されてもよく、すなわち、アパーチャ部分410、チャンバ部分420、及び/又は熱コンディショニング部分430は、互いに一体的に(任意選択的に、モノリシック要素に)形成されてもよい。アパーチャ部分410、チャンバ部分420、及び/又は熱コンディショニング部分430は、単一の材料から形成されてもよい。これは、アパーチャ本体400内の熱伝導を向上させ、及び熱コンディショニング流体が熱コンディショニング部分430から漏れるリスクを減少させることができる。これは、アパーチャ本体400がフラッドコラム300の内部などの真空又は低圧環境で使用される場合に特に有益となり得る。このために、アパーチャ本体400は、3D印刷技術を用いて製作されてもよい。これは、アパーチャ本体400の要素及び/又はフィーチャ(例えば、アパーチャ本体の熱コンディショニング部分430)が比較的複雑な形状に形成されることも可能にし得る。
[0075] アパーチャ本体400は、伝導材料から作られてもよい。例えば、アパーチャ本体400は、チタン又はステンレス鋼などの金属から作られてもよい。
[0076] 第1の実施形態のある実装形態では、図4aに概略的に示されるように、ブランキング電極330及びアパーチャ本体400の組み合わせが提供される。ブランキング電極330は、アパーチャ本体400に対してアップビーム方向に位置決めされ、すなわち、ブランキング電極330は、アパーチャ本体400のアップビームに位置決めされる。ブランキング電極330は、荷電粒子ビーム302のどの部分も開口412を通過させないように、アパーチャ本体400のアップビーム対向面414上に荷電粒子ビーム302を選択的に偏向させることができる。これは、荷電粒子ビーム302がダウンビームサンプル208に達することを阻止することができ、それによって、(例えば、荷電粒子源301をオフにすることによって)荷電粒子ビーム302がオフにされる必要なしに、このようなダウンビームサンプル208の荷電粒子ビーム302に対する露光が効果的に阻止される。
[0077] ブランキング電極330は、アパーチャ本体400(具体的には、アパーチャ部分410のアップビーム対向面414)との荷電粒子ビーム302の入射点が継続的に移動するように、荷電粒子ビーム302を継続的に偏向させ得る。ブランキング電極330は、荷電粒子ビーム302を継続的に移動させるように、荷電粒子ビーム302を偏向させ得る。これは、ブランキング中のアパーチャ本体400の荷電粒子ビーム302に対する露光によって生じる、アパーチャ本体400のある1つのエリアに対する熱負荷を減少させる。アパーチャ本体400との荷電粒子ビーム302の入射点は、アップビーム対向面414上を(望ましくは、アパーチャ本体400のアパーチャ部分410によって規定される開口412の周りを)移動し得る。好ましくは、図4bに概略的に示されるように、アパーチャ本体400との荷電粒子ビーム302の入射点は、円形パスなどの好ましくは環状のパスで開口412の周りを移動する。図4bは、平面視で、アパーチャ本体400のアパーチャ部分410のアップビーム対向面414上の荷電粒子ビーム302の重心のパス306を示す。ブランキング中に、荷電粒子ビーム402の側方範囲は、開口412とアップビーム対向面414の半径方向外側端部との間のアップビーム対向面414の側方範囲と合致する又は実質的に等しくなるように、例えば集光レンズ320又は他のレンズ素子によって制御され得る。つまり、ブランキング中の荷電粒子ビーム302の側方範囲は、アップビーム対向面414上に完全にとどまりながら最大化されるように制御され得る。これは、荷電粒子ビーム302がより大きなエリアにわたり広がり得るため、熱負荷をさらに減少させることができる。
[0078] ある実施形態では、ビームパスに沿って荷電粒子ビーム302の一部を通過させるためのアパーチャ本体400が提供される。アパーチャ本体400は、アップビーム対向面414と、ダウンビーム対向面416と、アップビーム対向面414及びダウンビーム対向面416において、並びにアップビーム対向面414及びダウンビーム対向面416に共通して規定される、ビームパス周りの開口412と、を有するアパーチャ部分410を含む。アップビーム対向面414及びダウンビーム対向面416は、アップビーム対向面414とダウンビーム対向面416との間のアパーチャ部分410の寸法が、開口412において、ビームパスの方向に最小であるように、それぞれ角度を成す。
[0079] ある実施形態では、フラッドコラム300が提供される。フラッドコラムは、任意選択的にブランキング電極330と組み合わせて、アパーチャ本体400を含む。
[0080] ある実施形態では、フラッドコラム300が提供される。フラッドコラムは、アパーチャ本体400を含む。アパーチャ本体400は、荷電粒子ビーム302の少なくとも一部の通過のための開口412を規定するアパーチャ部分410を含む。フラッドコラム300は、フラッドコラム300を荷電粒子ツール40の一次コラムに物理的又は機械的に接続するためのインターフェイス350をさらに含む。熱コンディショニングチャネルは、アパーチャ本体400内に組み込まれ、熱コンディショニング流体をアパーチャ部分410の周りで循環させる前に、熱コンディショニング流体をインターフェイス350に提供してもよい。これは、インターフェイス350の熱コンディショニングを向上させ、それによって、フラッドコラム300における熱負荷が(フラッドコラム300に物理的に接続された)一次コラムの動作に影響を与えるリスクが減少する。
[0081] ある実施形態では、荷電粒子ツール40が提供される。荷電粒子ツール40は、フラッドコラム300を含む。荷電粒子ツール40は、荷電粒子検査ツール200をさらに含む。フラッドコラム300及び荷電粒子検査ツール200は、例えば別個のコラムに設けられた別個の要素でもよい。荷電粒子検査ツール200は、一次荷電粒子ビームをサンプルの表面上に誘導するための一次コラムを含む。荷電粒子検査ツール200は、一次荷電粒子ビームによりサンプルの表面から放出された荷電粒子を検出するための検出コラムをさらに含む。
[0082] ある実施形態では、ビームパスに沿って荷電粒子ビーム302の一部を通過させるためのアパーチャ本体400が提供される。アパーチャ本体400は、アップビーム対向面414と、ダウンビーム対向面416と、アップビーム対向面414及びダウンビーム対向面416において、アップビーム対向面414及びダウンビーム対向面416に共通して規定される、ビームパス周りの開口412と、を有するアパーチャ部分410を含む。アップビーム対向面414は、a)ビームパスに対して、アップビーム対向面414が、ビームパスに沿って移動する荷電粒子が半径方向外側に偏向されることを可能にするように、又はb)アップビーム対向面414における開口が、アップビーム対向面414のより半径方向外側の部分のアップビームにあるように、角度を成す。
[0083] ダウンビーム対向面416は、a)ビームパスに対して、ダウンビーム対向面416が、ビームパスに反して移動する荷電粒子が半径方向内側に偏向されることを可能にするように、又はb)ダウンビーム対向面416における開口412が、ダウンビーム対向面のより半径方向外側の部分のアップビームにあるように、角度を成してもよい。
[0084] 図5aは、第2の実施形態によるアパーチャ本体500を示す。
[0085] 第2の実施形態によるアパーチャ本体500は、アパーチャ本体500が荷電粒子ビーム302の一部、すなわち、すべてではなく一部のみを通過させるためのものである点で、第1の実施形態のアパーチャ本体に類似する。したがって、アパーチャ本体500は、ビーム制限アパーチャ本体500でもよく、すなわち、荷電粒子ビーム302の側方範囲を制限し得る。また、アパーチャ本体500は、荷電粒子ビーム302を選択的にブランキングするためのものでもよい。アパーチャ本体500は、フラッドコラム300で使用されてもよい。代替的に、アパーチャ本体500は、荷電粒子検査ツール200において、又は荷電粒子ビームの一部又はある割合の荷電粒子ビームを通過させるためにアパーチャ本体を利用する任意の他の装置において使用されてもよい。
[0086] アパーチャ本体500は、ダウンビームアパーチャ部分と呼ばれることがあるアパーチャ部分504を含む。アパーチャ部分504は、開口502を規定し、すなわち、開口502は、アパーチャ部分504に設けられる。開口504は、ダウンビーム開口504と呼ばれることがある。開口502は、軸304の周りに位置決めされる。開口502に隣接して(例えば、開口を取り囲んで)、アパーチャ部分504は、アップビーム対向面510を含む。アップビーム対向面510は、アパーチャ部分504のアップビーム側に位置する。開口502は、アップビーム対向面510において規定されると見なすことができる。
[0087] 図5aに示されるように、アップビーム対向面510は、軸304に対して実質的に垂直な平面内に実質的にある。これは、アップビーム面414が軸304に垂直な平面に対して角度を成す第1の実施形態との違いである。
[0088] 第2の実施形態のアパーチャ本体500では、アップビーム対向面510に衝突又は入射する、ビームパス302に沿って(例えば、ダウンビーム方向にアップビーム対向面510上へと)移動する荷電粒子は、アップビーム対向面501から後方散乱され得る。後方散乱荷電粒子507は、半径方向外側に(すなわち、軸304から離れるように)偏向され得る。後方散乱荷電粒子507は、統計的分布に従って、幾つかの異なる方向に偏向され得る。後方散乱荷電粒子507の最大強度は、(荷電粒子軸304と平行であり得た)オリジナルビーム302のビームパスに対して約45度のビームパスを有し得る。後方散乱荷電粒子507の最大強度は、統計的分布の最大値に相当し得る。
[0089] 第2の実施形態におけるアパーチャ部分504は、円筒対称(例えば、ビームパス及び/又は軸304を中心に円筒対称)であってもよい。アパーチャ部分504は、ビームパス及び/又は軸304を中心に回転対称であってもよい。具体的には、アップビーム対向面510及び/又は開口502は、回転対称又は円筒対称(例えば、ビームパス及び/又は軸304を中心に回転対称又は円筒対称)であってもよい。
[0090] 開口502は、実質的に円形でもよい。開口502は、100μm~10mm、好ましくは200μm~5mm、さらに好ましくは500μm~2mmの範囲内の側方範囲(又は直径)を有してもよい。軸304に垂直な方向におけるアップビーム対向面510の最小範囲は、開口の側方範囲の1.5倍を超えてもよい(例えば、2倍若しくは3倍を超えてもよく、又は5倍若しくは10倍を超えてもよい)。これは、荷電粒子ビーム302が、(例えばブランキング電極330によって)開口から離れるように偏向されたときに、アップビーム対向面510上に完全にとどまることができることを確実にし得る。軸304に垂直な方向におけるアップビーム対向面510の最小範囲は、200μmを超えてもよく、好ましくは500μmを超えてもよく、さらに好ましくは1.5mmを超えてもよい。軸304に垂直な方向におけるアップビーム対向面510の最大範囲は、10mm未満でもよく、好ましくは5mm未満でもよい。
[0091] 図5aに示されるように、アパーチャ本体500は、チャンバ部分503を含んでもよい。チャンバ部分503は、アパーチャ部分504の周りに(例えば、アパーチャ部分504のアップビーム対向面510の周りに)位置決めされてもよい。
[0092] 前述のように、アップビーム対向面への入射荷電粒子は、複数の異なる方向に後方散乱され得る。ビームパスからの後方散乱荷電粒子は、チャンバ部分503の表面上に偏向され得る。チャンバ部分503は、アップビーム対向面510に衝突し、及びアップビーム対向面510から後方散乱されたビームパスにおける荷電粒子のかなり大きな割合が、チャンバ部分503の表面上に偏向され得るように構成されてもよい。これは、アップビーム対向面510から後方散乱された荷電粒子のかなりの数が、アパーチャ本体500以外のコンポーネントに向けて偏向される(すなわち、後方散乱される状況で)リスクを減少させることができる。
[0093] チャンバ部分503は、チューブ状部分511を含んでもよい。チューブ状部分511は、アップビーム対向面510からアップビーム方向に延在してもよい。チューブ状部分511は、円筒対称(例えば、軸304を中心に円筒対称)でもよい。チューブ状部分511は、中空円筒を含み得る。チューブ状部分は、壁によって規定されてもよい。壁は、アパーチャ部分504と境を接してもよい。チャンバ部分503は、アップビームプレート509をさらに含んでもよい。アップビームプレート509は、チューブ状部分511から(好ましくは、チューブ状部分511のアップビーム端部から)半径方向内側に延在してもよい。アップビームプレート509は、円筒対称(例えば、軸304を中心に円筒対称)でもよい。アップビームプレート509は、材料プレートでもよい。プレートは、チューブ状部分の壁と境を接してもよい。
[0094] 入口開口501は、アップビームプレート509に規定されてもよい。具体的には、アップビームプレート509は、入口開口501を規定するアパーチャ部分を含んでもよい。アップビームプレート509におけるアパーチャ部分は、アップビームアパーチャ部分と呼ばれることがある。代替的に、入口開口501は、アップビームアパーチャ開口501と呼ばれることがある。入口開口501は、円筒対称でもよい。入口開口501は、アパーチャ部分504の開口502よりも大きな直径を有する。したがって、荷電粒子ビーム302は、アップビームプレート509の入口開口501を完全に通過し、及びアパーチャ部分504の開口502を部分的にのみ通過し得る。入口開口501の直径は、アップビーム対向面510からの後方散乱電子がアップビーム方向に入口開口501を通過する可能性が減少するように、又は最小化されるように、必要な大きさにされ得る。好ましくは、アップビーム方向に移動する後方散乱電子は、アップビームプレート509の表面に入射する。つまり、アップビーム方向に移動する後方散乱電子は、チャンバ部分503のチューブ状部分511に入射しない。したがって、このように構成されたチャンバ部分503は、アパーチャ部分504のアップビーム対向面510から後方散乱された荷電粒子を効果的に吸収することができる。
[0095] アパーチャ本体を通る荷電粒子のための通路505が存在してもよい。アパーチャ部分504における開口502は、通路505のアップビーム端部を規定し得る。図5aに示されるように、通路505の内壁508は、軸304と実質的に平行でもよい。通路502の長さに沿って、通路505の直径の1つ又は複数の段変化が存在してもよい。したがって、通路502は、それのダウンビーム端部よりも、それのアップビーム端部において狭い直径を有し得る。
[0096] 第2の実施形態の代替実装形態では、通路502は、その長さに沿ったすべての位置で実質的に同じ直径を有してもよい。つまり、通路502の直径は、それのアップビーム端部において、それのダウンビーム端部における直径と同じである。
[0097] 第2の実施形態の別の実装形態を図5bに示す。この実装形態において、通路502の内壁512の少なくとも一部は、円錐の一部として成形されてもよい。例えば、円錐内壁512は、円錐台の外側面として成形されてもよい。円錐角は、90~180度の範囲内、好ましくは105~155度の範囲内でもよい。アップビーム対向面510及び円錐内壁512は、開口502におけるアップビーム対向面510と円錐内壁508との間の距離が実質的にゼロであるように、開口502に隣接して接し得る。代替的に、開口対向面が、開口502を規定するアップビーム対向面510と円錐内壁512との間に延在してもよい。開口対向面は、実質的に、図3を参照して第1の実施形態に関して先述した通りでもよい。
[0098] 第2の実施形態の実装形態のすべては、熱コンディショニングチャネル506a、506bを含んでもよい。熱コンディショニングチャネル506a、506bは、アパーチャ本体500に対して冷却流体の供給を提供し、及びアパーチャ本体500からの流体のリターンフローを提供し得る。流体は、水でもよい。
[0099] 熱コンディショニングチャネル506a、506bは、その表面積が拡大されるように、つまり、例えばその断面積と比べて増大されるように成形されてもよい。例えば、チャネルの断面において、例えば断面におけるチャネルの周長の長さが、例えば断面の平面内のその断面積と比べて増大され得る。ある配置では、コンディショニングチャネル506a、506bは、2つの反射軸を有する断面形状を有してもよい。好ましくは、これらの軸は、同じでない長さを有し、例えば、断面において、熱コンディショニングチャネル506a、506bは、実質的に楕円形、卵形、又は矩形でもよい。好ましくはフローにおける誘発乱流が最小限に抑えられるように実装されるが、ある配置では、断面積は、その長さに沿って変化する(例えば、リブ状)。
[00100] 平面視で、熱コンディショニングチャネル506a、506bは、アパーチャ本体内でアパーチャを部分的にのみ取り囲むループでもよい。チャネルは、アパーチャ本体500内で実質的な蹄鉄形状を有するものと説明することができる。つまり、コンディショニングチャネルの少なくとも一部は、好ましくはアパーチャのビームパス対向面に対して等距離にある軸の少なくとも部分的な周囲に、半径方向に最も内側の面を有してもよい。したがって、熱コンディショニングチャネル506a、506bは、軸304を完全に取り囲まなくてもよい。熱コンディショニングチャネル506a、506bが軸304を完全に取り囲まない場合、熱コンディショニングチャネル506a、506bは、軸304に対して直角な平面内に存在し得る。別の実施形態では、熱コンディショニングチャネル506a、506bは、1回以上、軸を取り囲んでもよい。しかしながら、このような配置の場合、例えば、流体コンディショニングチャネルが流体のスムーズなフローのために十分な直径を有するため、及び/又は流体が流体コンディショニングチャネルを流れるために必要とされる圧力を制限するために、十分な体積が必要とされる。
[00101] 熱コンディショニングチャネルのループは、コンディショニング流体が導入され、及びアパーチャ本体から除去される開放端を有すると見なすことができる。蹄鉄形状の熱コンディショニングチャネル506a、506bの開放端では、供給及びリターン熱コンディショニングチャネル506a、506bは、互いに極めて近接して位置してもよい。例えば、供給及びリターン熱コンディショニングチャネル506a、506bは、例えば約2mmの厚さのアパーチャ本体500内の壁によって分離されてもよい。供給及びリターン熱コンディショニングチャネル506a、506bの極めて近接した状態により、アパーチャ本体500内の熱冷却は、軸304の周りで実質的に均一となり得る。
[00102] 熱コンディショニングチャネル506a、506bの断面積は、熱コンディショニングチャネル506a、506bの長さに沿って実質的に一定でもよい。熱コンディショニングチャネル506a、506bの断面形状は、断面積が実質的に一定に維持された状態で変化してもよい。(したがって、最短断面周長は、熱コンディショニングチャネル506a、506bに沿って変化し得る。)有利に、熱コンディショニングチャネル506a、506bの実質的に一定の断面積を維持することは、流体フローにおける乱流を減少させることに役立ち得る。第2の実施形態では、熱コンディショニングチャネル506a、506bの断面積は、第1の実施形態のものよりも大きくてもよい。これは、熱コンディショニングチャネル506a、506b内の圧力を有利に低下させることができる。
[00103] 熱コンディショニングチャネル506a、506bは、アパーチャ本体500のアップビーム対向面510の近く、及び実質的にアップビーム対向面510の下でもよい。高出力荷電粒子ビーム302が使用される場合、アップビーム対向面510上の荷電粒子ビーム302からの電力損失は、かなりのものとなり得る。第2の実施形態では、熱コンディショニングチャネル506a、506bは、アップビーム対向面510の近くに、したがって、アパーチャ本体500が加熱されている場所の近くに位置する。
[00104] 第2の実施形態によるアパーチャ本体500は、第1の実施形態のアパーチャ本体400に勝る幾つかの利点を有し得る。例えば、アパーチャ本体500の熱冷却は、熱コンディショニングチャネル506a、506bのより大きな断面、及びアップビーム対向面510に対して熱コンディショニングチャネル506a、506bが極めて近接することにより、より効果的となり得る。アパーチャ本体500内で捕捉される後方散乱荷電粒子の割合も、第2の実施形態の場合、より大きくなり得る。その理由は、第2の実施形態において、アップビーム対向面510が平坦でもよく、及び軸304に対して実質的に垂直でもよいからである。そのような表面から、荷電粒子の後方散乱偏向角度は、統計的分布に従う。統計的分布の最大値は、荷電粒子の主な、又は最も可能性の高い偏向方向を示し、すなわち、上記表面からの後方散乱荷電粒子の最大強度である。アップビーム対向面510のこの配置からの荷電粒子の主偏向方向は、軸304に対して45°の角度でもよい。第2の実施形態によるアパーチャ本体500の別の利点は、第1の実施形態のものよりも簡単に作ることができる点となり得る。具体的には、熱コンディショニングチャネル506a、506bの形状は、例えば、軸304を部分的に取り囲むループを有する点で、製造がより簡単となり得る。第2の実施形態によるアパーチャ本体は、3D印刷技術によって作ることができる。
[00105] 第2の実施形態によるアパーチャ本体500は、第1の実施形態によるアパーチャ本体400に関して既に説明したやり方と類似のやり方で、荷電粒子装置の他のフィーチャと共に使用することができる。
[00106] 具体的には、第2の実施形態によるアパーチャ本体500がフラッドコラム300に含まれる場合、熱コンディショニングチャネル506a、506bは、フラッドコラム300と荷電粒子ツール40の一次コラムとの間のインターフェイス350にも熱コンディショニング流体を提供し得る。ある配置では、熱コンディショニングチャネル506a、506bの一部は、インターフェイス350内に位置する。このインターフェイス350の熱コンディショニングは、一次コラムの動作に影響を与える、フラッドコラム300における熱負荷のリスクを減少させることができる。このリスクをさらに減少させるために、冷却チャネルは、熱コンディショニング流体をアパーチャ本体500の周りに循環させる前に、冷却流体をインターフェイス350に提供してもよい。熱コンディショニングチャネル506a、506bの上記一部は、熱コンディショニング流体のフローにおいて、アパーチャ本体400における熱コンディショニングチャネル506a、506bの部分の上流に位置し得る。
[00107] 第2の実施形態のアパーチャ本体500は、一体的に形成されてもよく、すなわち、アパーチャ部分504、チューブ状部分511、及びアップビームプレート509は、互いに一体的に(任意選択的に、モノリシック要素に)形成されてもよい。アパーチャ部分504、チューブ状部分511、及びアップビームプレート509は、単一の材料から形成されてもよい。これは、アパーチャ本体500内の熱伝導を向上させ、及び熱コンディショニング流体がアパーチャ本体500から漏れるリスクを減少させることができる。これは、アパーチャ本体500がフラッドコラム300の内部などの真空又は低圧環境で使用される場合に特に有益となり得る。
[00108] アパーチャ本体500は、伝導材料から作られてもよい。材料は、例えば熱流束における熱負荷の熱を放散させるために、熱伝導性でもよい。材料は、例えばビームパスから蓄積した荷電を放散させるために、導電性でもよい。例えば、アパーチャ本体500は、チタン又はステンレス鋼などの金属から作られてもよい。
[00109] 第1の実施形態及び第2の実施形態の両方で、アパーチャ本体400、500は、1つ又は複数の温度センサ及び他のコンポーネントを含んでもよい。これらは、アパーチャ本体400、500の冷却の制御及びモニタリングを支援し得る。
[00110] 第2の実施形態のある実装形態では、ブランキング電極330及びアパーチャ本体500の組み合わせが提供される。これは、アパーチャ本体400の第1の実施形態に関して図4aに概略的に示したやり方に対応したやり方でもよい。ブランキング電極330は、アパーチャ本体500に対してアップビーム方向に位置決めされ、すなわち、ブランキング電極330は、アパーチャ本体500のアップビームに位置決めされる。
[00111] 図6に示されるように、ブランキング電極330は、荷電粒子ビーム302のどの部分も開口502を通過させないように、アパーチャ本体500のアップビーム対向面510上に荷電粒子ビーム302を選択的に偏向させることができる。これは、荷電粒子ビーム302がダウンビームサンプル208に達することを阻止することができ、それによって、(例えば、荷電粒子源301をオフにすることによって)荷電粒子ビーム302がオフにされる必要なしに、このようなダウンビームサンプル208の荷電粒子ビーム302に対する露光が効果的に阻止される。
[00112] ブランキング電極330は、アパーチャ本体500(具体的には、アップビーム対向面510)との荷電粒子ビーム302の入射点が継続的に移動するように、荷電粒子ビーム302を継続的に偏向させ得る。ブランキング電極330は、荷電粒子ビーム302を継続的に移動させるように、荷電粒子ビーム302を偏向させ得る。これは、ブランキング中のアパーチャ本体500の荷電粒子ビーム302に対する露光によって生じる、アパーチャ本体500のある1つのエリアに対する、加えられた、又は導入された熱負荷の集中又は局所化を減少させる。アパーチャ本体500との荷電粒子ビーム302の入射点は、アップビーム対向面510上を(望ましくは、アパーチャ本体500のアパーチャ部分504によって規定される開口502の周りを)移動し得る。好ましくは、第1の実施形態に関して図4bに概略的に示したやり方に対応したやり方で、アパーチャ本体500との荷電粒子ビーム302の入射点は、円形パスなどの好ましくは環状のパスで開口502の周りを移動する。すなわち、アップビーム対向面510上の荷電粒子ビームの動きは、加えられた熱負荷を開口502の周りに広げる。したがって、アップ対向面にわたる熱流量密度(又は熱流束)は、実質的に均一である。ブランキング中に、荷電粒子ビーム302の側方範囲は、開口502とアップビーム対向面510の半径方向外側端部との間のアップビーム対向面510の側方範囲と合致する又は実質的に等しくなるように、例えば集光レンズ320又は他のレンズ素子によって制御され得る。つまり、ブランキング中の荷電粒子ビーム302の側方範囲は、アップビーム対向面510上に完全にとどまりながら最大化されるように制御され得る。これは、荷電粒子ビーム302がより大きなエリアにわたり広がり得るため、加えられた熱負荷の局所化をさらに減少させることができる。すなわち、熱負荷は、より大きなエリアにわたり広がり、熱流束は、開口の周りでさらにより分散される。
[00113] 実施形態は、アパーチャ本体400、500において、かなりの電力損失が存在し得る高エネルギーフラッディングビームを用いた動作に特に適する。実施形態は、例えば、20keVを超える、好ましくは30keV、40keV、又は50keVを超える高電圧で動作するフラッドコラムの電子源301を含む。電子源301からの電子は、例えばサンプルホルダ207上の例えばサンプル208に対する高着地エネルギーを有する。好ましくは、フラッドコラムの電子源301は、一次コラムの電子源201と同じ又は少なくとも実質的に同じ動作電圧で動作する。フラッドコラム300の電子源301からの電子は、望ましくは、検査ツール200の電子源201によって放出される電子と同じ又は少なくとも実質的に類似した着地エネルギーを有する。実質的に同じ動作電圧のフラッドコラム及び一次コラム両方のソース201、301を有することが望ましい。これは、サンプル208と、したがって、好ましくは基板サポートと、望ましくは可動ステージ209とが、検査及び/又は測定及びフラッディングのために同じ動作電圧に設定される。すなわち、それらは、検査中は一次コラムのソースに対して、及びフラッディング中はフラッドコラムのソースに対して偏奇させられ得る。一次ソースステージ間の相対電位が、高電圧に設定される。フラッドコラム(市販のものなど)は、検査ツール200の高電圧よりも実質的に低い動作電圧を有する。このようなステージは、フラッドコラムか又は一次コラムの動作ソースに対してステージが偏奇されるため、フラッディング中に高電圧に維持されることは不可能である。したがって、ステージの偏奇は、次に動作するソースに適合するように変化すべきである。市販のフラッドコラムの場合、ソースは、接地電位付近の電位に設定され得る。
[00114] ステージは、フラッディング位置と検査/測定位置との間で移動され得る。サンプルがフラッドコラムのビームパスに存在するときのフラッディング位置と、サンプルが一次コラムのビームパスに存在するときの検査位置との間で、可動ステージ209を移動させるには、時間がかかる。さらに、一般的な市販のフラッドコラム及び高電圧検査ツールに関する検査設定及びフラッディング設定間のステージ電位を調整するのにかかる時間は、フラッディング位置と検査位置との間の移動よりも長くかかり得る。電圧の変化は、数分もかかり得る。したがって、一次コラムのソースと少なくとも類似した動作電圧のソースを有するフラッドコラムを備える点で、大きなスループットの向上が存在し、これは、検査位置から離れた、それ自体のフラッディング位置を有する別個のフラッドコラムを備えた検査又は測定ツールにとっても同じである。別のメリットは、フラッディングと、検査及び/又は測定との間の時間を減少させることに関して、フラッディング効果が残り、検査/測定前にそれが消失するリスクが、防止されるとは言わないまでも減少する点である。
[00115] 本発明のある実施形態による評価ツールは、サンプルの定性的評価(例えば、合格/不合格)を行うツール、サンプルの定量的測定(例えば、フィーチャのサイズ)を行うツール、又はサンプルのマップの画像を生成するツールでもよい。評価ツールの例は、(例えば、欠陥を識別するための)検査ツール、(例えば、欠陥を分類するための)調査ツール、及びメトロロジツールである。
[00116] 様々な実施形態に関連して本発明を説明したが、ここに開示される本発明の明細書及び実施に鑑みて、本発明の他の実施形態が当業者には明らかとなるだろう。本明細書及び実施例は、単なる例示と見なされることが意図され、本発明の真の範囲及び精神は、以下の特許請求の範囲によって示される。本明細書全体を通して、検査への言及は、測定(すなわち、メトロロジ用途)への言及も意図される。
[00117] 上記の説明は、限定ではなく、理解を助けるものであることが意図される。したがって、以下に記載される請求項の範囲から逸脱することなく、説明されたように変更を加えることができることが当業者には明らかとなるだろう。
[00118] 実施形態は、以下の条項によって提供される。
[00119] 条項1:軸を含むビームパスに沿って伝搬する荷電粒子ビームの一部を通過させるアパーチャ本体であって、アパーチャ本体が、軸の周りで開口を規定するアパーチャ部分を含み、アパーチャ部分が、開口に隣接して、アップビーム対向面及びダウンビーム対向面を含み、アップビーム対向面が、アップビーム対向面における開口がアップビーム対向面のより半径方向外側の部分のアップビームにあるように、軸に対して垂直な平面に対して角度を成す、アパーチャ本体。
[00120] 条項2:ダウンビーム対向面が、ダウンビーム対向面における開口が、ダウンビーム対向面のより半径方向外側の部分のアップビームにあるように、軸に対して垂直な平面に対して角度を成す、条項1に記載のアパーチャ本体。
[00121] 条項3:アップビーム対向面及び/又はダウンビーム対向面が、アパーチャ本体の別の部分上への荷電粒子の偏向を可能にするように角度を成す、条項1又は2に記載のアパーチャ本体。
[00122] 条項4:アパーチャ部分が円筒対称である、先行する条項の何れか一項に記載のアパーチャ本体。
[00123] 条項5:アップビーム対向面及び/又はダウンビーム対向面が、円錐台の外側面として成形される、先行する条項の何れか一項に記載のアパーチャ本体。
[00124] 条項6:アップビーム対向面及びダウンビーム対向面が、アパーチャ部分のプレートの対向面である、先行する条項の何れか一項に記載のアパーチャ本体。
[00125] 条項7:プレートが開口に向けてテーパー状である、条項6に記載のアパーチャ本体。
[00126] 条項8:アパーチャ部分のアップビーム対向面の周りにチャンバ部分をさらに含み、アップビーム対向面が、チャンバ部分の表面上へのビームパスにおける荷電粒子の偏向を可能にするように角度を成す、先行する条項の何れか一項に記載のアパーチャ本体。
[00127] 条項9:チャンバ部分が、アパーチャ部分からアップビームに延在するチューブ状部分と、チューブ状部分のアップビーム端部から半径方向内側に延在するアップビームプレートであって、アパーチャ部分の開口よりも大きな直径の開口を規定するアップビームプレートと、を含む、条項8に記載のアパーチャ本体。
[00128] 条項10:アパーチャ本体の熱コンディショニングのための熱コンディショニング部分をさらに含む、先行する条項の何れか一項に記載のアパーチャ本体。
[00129] 条項11:熱コンディショニング部分が、熱コンディショニングチャネルを含み、熱コンディショニングチャネルの少なくとも一部が、アパーチャ部分の周りに熱コンディショニング流体を循環させるように構成される、条項10に記載のアパーチャ本体。
[00130] 条項12:熱コンディショニングチャネルの少なくとも一部が、アパーチャ部分の周りに熱コンディショニング流体を複数回循環させるように構成される、条項11に記載のアパーチャ本体。
[00131] 条項13:熱コンディショニングチャネルの少なくとも一部が、渦巻線又はつる巻線として成形される、条項11又は12に記載のアパーチャ本体。
[00132] 条項14:熱コンディショニングチャネルの少なくとも一部が、2つ以上の同心つる巻線として成形される、条項13に記載のアパーチャ本体。
[00133] 条項15:熱コンディショニングチャネルが、フラッドコラムと荷電粒子ツールの一次コラムとの間のインターフェイスに熱コンディショニング流体を提供するように構成される、条項11~14の何れか一項に記載のアパーチャ本体。
[00134] 条項16:冷却チャネルが、熱コンディショニング流体をアパーチャ部分の周りに循環させる前に、冷却流体をインターフェイスに提供するように構成される、条項15に記載のアパーチャ本体。
[00135] 条項17:アパーチャ本体が一体的に形成される、先行する条項の何れか一項に記載のアパーチャ本体。
[00136] 条項18:ブランキング電極及び先行する条項の何れか一項に記載のアパーチャ本体の組み合わせであって、ブランキング電極が、アパーチャ本体に対してアップビーム方向に位置決めされ、ブランキング電極が、荷電粒子ビームのどの部分も開口を通過させないように、アパーチャ本体のアップビーム対向面上に荷電粒子ビームを選択的に偏向させるように構成される、組み合わせ。
[00137] 条項19:ブランキング電極が、アパーチャ本体との荷電粒子ビームの入射点が継続的に移動するように、荷電粒子ビームを継続的に偏向させるように構成される、条項18に記載の組み合わせ。
[00138] 条項20:ブランキング電極が、アパーチャ本体との荷電粒子ビームの入射点が、好ましくは円を描いて開口の周りを移動するように、荷電粒子ビームを継続的に偏向させるように構成される、条項18又は19に記載の組み合わせ。
[00139] 条項21:サンプルの荷電粒子フラッディングのためのフラッドコラムであって、フラッドコラムが、条項1~17の何れか一項に記載のアパーチャ本体、又は条項18~20の何れか一項に記載の組み合わせを含む、フラッドコラム。
[00140] 条項22:サンプルの荷電粒子フラッディングのためのフラッドコラムであって、フラッドコラムが、荷電粒子ビームの少なくとも一部の通過のための開口を規定するアパーチャ部分を含むアパーチャ本体と、フラッドコラムを荷電粒子ツールの一次コラムに物理的に接続するためのインターフェイスと、アパーチャ本体に組み込まれた熱コンディショニングチャネルであって、熱コンディショニング流体をアパーチャ部分の周りで循環させる前に、熱コンディショニング流体をインターフェイスに提供するように構成された熱コンディショニングチャネルと、を含む、フラッドコラム。
[00141] 条項23:サンプルの荷電粒子フラッディングのための条項21又は22に記載のフラッドコラムと、一次荷電粒子ビームをサンプルの表面上に誘導するための一次コラム、及び一次荷電粒子ビームによりサンプルの表面から放出された荷電粒子を検出するための検出コラムを含む荷電粒子検査又は評価ツールと、を含む、荷電粒子ツール。
[00142] 条項24:ビームパスに沿って荷電粒子ビームの一部を通過させるためのアパーチャ本体であって、アパーチャ本体が、アップビーム対向面と、ダウンビーム対向面と、アップビーム対向面及びダウンビーム対向面において、アップビーム対向面及びダウンビーム対向面に共通して規定される、ビームパス周りの開口と、を有するアパーチャ部分を含み、ビームパスに対して、アップビーム対向面が、ビームパスに沿って移動する荷電粒子が半径方向外側に偏向されることを可能にするように、又はアップビーム対向面における開口が、アップビーム対向面のより半径方向外側の部分のアップビームにあるように、アップビーム対向面が角度を成す、アパーチャ本体。
[00143] 条項25:ビームパスに対して、ダウンビーム対向面が、ビームパスに反して移動する荷電粒子が半径方向内側に偏向されることを可能にするように、又はダウンビーム対向面における開口がダウンビーム対向面のより半径方向外側の部分のアップビームにあるように、ダウンビーム対向面が角度を成す、条項24に記載のアパーチャ本体。
[00144] 条項26:ビームパスに沿って荷電粒子ビームの一部を通過させるためのアパーチャ本体であって、アパーチャ本体が、アップビーム対向面と、ダウンビーム対向面と、アップビーム対向面及びダウンビーム対向面において、アップビーム対向面及びダウンビーム対向面に共通して規定される、ビームパス周りの開口と、を有するアパーチャ部分を含み、アップビーム対向面とダウンビーム対向面との間のアパーチャ部分の寸法が、開口において、ビームパスの方向に最小であるように、アップビーム対向面及びダウンビーム対向面がそれぞれ角度を成す、アパーチャ本体。
[00145] 実施形態は、以下のさらなる条項によっても提供される。
[00146] さらなる条項1:軸を含むビームパスに沿って伝搬する荷電粒子ビームの一部を通過させるアパーチャ本体であって、アパーチャ本体が、アップビーム対向面と、アップビーム端部、ダウンビーム端部、及びアップビームプレートを含むチャンバ部分であって、アップビームプレートが、アップビーム端部から半径方向内側に延在し、及びアップビームプレートが、ビームパスの周りに入口開口を規定するように構成される、チャンバ部分と、を含み、アップビーム対向面が、ダウンビーム端部から半径方向内側に延在し、アップビーム対向面が、ビームパスの周りに開口を規定するように構成されたアパーチャ部分を含み、及びアパーチャ部分によって規定された開口が、入口開口よりも小さい、アパーチャ本体。
[00147] さらなる条項2:入口開口が円筒対称である、さらなる条項1に記載のアパーチャ本体。
[00148] さらなる条項3:アパーチャ部分が円筒対称である、さらなる条項1又は2に記載のアパーチャ本体。
[00149] さらなる条項4:チャンバ部分がチューブ状部分である、さらなる条項3に記載のアパーチャ本体。
[00150] さらなる条項5:アパーチャ本体のビーム対向面(beamward facing surfaces)が軸を中心に回転対称である、先行するさらなる条項の何れか一項に記載のアパーチャ本体。
[00151] さらなる条項6:アパーチャ本体が円筒対称である、先行するさらなる条項の何れか一項に記載のアパーチャ本体。
[00152] さらなる条項7:アパーチャ本体の熱コンディショニングのための熱コンディショニング部分をさらに含む、先行するさらなる条項の何れか一項に記載のアパーチャ本体。
[00153] さらなる条項8:熱コンディショニング部分が、熱コンディショニングチャネルを含み、熱コンディショニングチャネルの少なくとも一部が、アパーチャ本体を通る熱コンディショニング流体のフローを支持するように構成される、さらなる条項7に記載のアパーチャ本体。
[00154] さらなる条項9:熱コンディショニングチャネルが、少なくとも部分的に軸を取り囲み、任意選択的に、熱コンディショニングチャネルが、軸に直角な平面内にあり、及び/又は、任意選択的に、コンディショニングチャネルの少なくとも一部が、アパーチャのビームパス対向面に対して等距離にある軸の少なくとも一部の周りに、半径方向に最も内側の面を有する、さらなる条項8に記載のアパーチャ本体。
[00155] さらなる条項10:熱コンディショニングチャネルの少なくとも一部が、ループとして成形される、さらなる条項8又は9に記載のアパーチャ本体。
[00156] さらなる条項11:熱コンディショニングチャネルの少なくとも一部が、実質的に蹄鉄形状に成形される、さらなる条項8又は9に記載のアパーチャ本体。
[00157] さらなる条項12:熱コンディショニングチャネルが、例えば実質的に楕円形、卵形、又は矩形である、2つの反射軸を有する断面形状を有し、好ましくは、これらの軸が、同じでない長さを有する、さらなる条項8~11の何れか一項に記載のアパーチャ本体。
[00158] さらなる条項13:熱コンディショニングチャネルが、その長さに沿って実質的に一定の断面積を有するように、必要な大きさにされる、さらなる条項8~12の何れか一項に記載のアパーチャ本体。
[00159] さらなる条項14:熱コンディショニングチャネルがアップビーム面の近くに位置する、さらなる条項8~13の何れか一項に記載のアパーチャ本体。
[00160] さらなる条項15:熱コンディショニングチャネルの少なくとも一部が、少なくとも部分的にアパーチャ部分の周りで熱コンディショニング流体を循環させるように構成される、さらなる条項8~14に記載のアパーチャ本体。
[00161] さらなる条項16:熱コンディショニングチャネルの少なくとも一部が、アパーチャ部分の周りに熱コンディショニング流体を複数回循環させるように構成される、さらなる条項8に記載のアパーチャ本体。
[00162] さらなる条項17:熱コンディショニングチャネルの少なくとも一部が、渦巻線又はつる巻線として成形され、任意選択的に、熱コンディショニングチャネルの少なくとも一部が、2つ以上の同心つる巻線として成形される、さらなる条項16に記載のアパーチャ本体。
[00163] さらなる条項18:アパーチャ部分が、ビームのための通路を規定し、通路が、その長さに沿って実質的に一定の直径/幅を有するか、或いは通路のアップビーム端部の開口が、通路のダウンビーム端部の開口よりも小さく、任意選択的に、通路の直径/幅が、その長さに沿って段変化を含むか、或いは通路が、円錐台の外側面として成形された内壁を含む、先行する請求項の何れか一項に記載のアパーチャ本体。
[00164] さらなる条項19:熱コンディショニングチャネルが、フラッドコラムと荷電粒子ツールの一次コラムとの間のインターフェイスに熱コンディショニング流体を提供するように構成される、さらなる条項8~18の何れか一項に記載のアパーチャ本体。
[00165] さらなる条項20:熱コンディショニングチャネルが、熱コンディショニング流体をアパーチャ本体の周りに循環させる前に、及び好ましくは熱コンディショニング流体をアパーチャ部分の周りに循環させる前に、熱コンディショニング流体をインターフェイスに提供するように構成される、さらなる条項19に記載のアパーチャ本体。
[00166] さらなる条項21:アップビーム対向面の少なくとも一部が、軸に垂直な平面内に実質的にあり、好ましくは、軸に直角なアップビーム対向面の少なくとも一部が、開口に隣接している、先行するさらなる条項の何れか一項に記載のアパーチャ本体。
[00167] さらなる条項22:アップビーム対向面が、ビームパスにおける荷電粒子をチャンバ部分の表面上に偏向させるように構成される、先行するさらなる条項の何れか一項に記載のアパーチャ本体。
[00168] さらなる条項23:軸を含むビームパスに沿って伝搬する荷電粒子ビームの一部を通過させるアパーチャ本体であって、アパーチャ本体が、軸の周りで開口を規定するアパーチャ部分であって、開口に隣接して、アップビーム対向面及び好ましくはダウンビーム対向面を含むアパーチャ部分と、アップビーム対向面の周りのチャンバ部分と、を含み、アップビーム対向面が、ビームパスにおける荷電粒子の少なくとも幾つかをチャンバ部分の表面上に偏向させるように構成され、及び好ましくはアップビーム面の少なくとも一部が軸に直角である、アパーチャ本体。
[00169] さらなる条項24:チャンバ部分が、アパーチャ部分からアップビームに延在するチューブ状部分と、チューブ状部分のアップビーム端部から半径方向内側に延在するアップビームプレートであって、アパーチャ部分の開口よりも大きな直径の開口を規定するアップビームプレートと、を含む、さらなる条項23に記載のアパーチャ本体。
[00170] さらなる条項25:ブランキング電極及び先行するさらなる条項の何れか一項に記載のアパーチャ本体の組み合わせであって、ブランキング電極が、アパーチャ本体に対してアップビーム方向に位置決めされ、ブランキング電極が、荷電粒子ビームのどの部分もダウンビーム開口を実質的に通過させないように、アパーチャ本体のアップビーム対向面上に荷電粒子ビームを選択的に偏向させるように構成される、組み合わせ。
[00171] さらなる条項26:ブランキング電極が、アパーチャ本体との荷電粒子ビームの入射点が継続的に移動するように、荷電粒子ビームを継続的に偏向させるように構成される、さらなる条項25に記載の組み合わせ。
[00172] さらなる条項27:ブランキング電極が、アパーチャ本体との荷電粒子ビームの入射点が、好ましくは円を描いてダウンビーム開口の周りを移動するように、荷電粒子ビームを継続的に偏向させるように構成される、さらなる条項25又は26に記載の組み合わせ。
[00173] さらなる条項28:サンプルの荷電粒子フラッディングのためのフラッドコラムであって、フラッドコラムが、さらなる条項1~24の何れか一項に記載のアパーチャ本体、又はさらなる条項25~27の何れか一項に記載の組み合わせを含む、フラッドコラム。
[00174] さらなる条項29:サンプルの荷電粒子フラッディングのためのフラッドコラムであって、フラッドコラムが、荷電粒子ビームの少なくとも一部の通過のための開口を規定するアパーチャ部分を含むアパーチャ本体と、フラッドコラムを荷電粒子ツールの一次コラムに物理的に接続するためのインターフェイスと、アパーチャ本体に組み込まれた熱コンディショニングチャネルであって、熱コンディショニング流体をアパーチャ部分の周りで循環させる前に、熱コンディショニング流体をインターフェイスに提供するように構成された熱コンディショニングチャネルと、を含む、フラッドコラム。
[00175] さらなる条項30:サンプルの荷電粒子フラッディングのためのさらなる条項28又は29に記載のフラッドコラムと、一次荷電粒子ビームをサンプルの表面上に誘導するための一次コラム、及び一次荷電粒子ビームによりサンプルの表面から放出された荷電粒子を検出するための検出コラム又は検出器を含む荷電粒子検査又は評価ツールと、を含む、荷電粒子ツール。
[00176] さらなる条項31:一次コラムが、フラッドコラムの荷電粒子ビームと類似の着地エネルギーを有する荷電粒子ビームを放出するように構成された一次荷電粒子源を含む、さらなる条項30に記載の荷電粒子ツール。
[00177] さらなる条項32:サンプルを支持するように構成されたサンプルサポートをさらに含み、サンプルサポートが、サンプルがフラッドコラムの荷電粒子源のビームパスに存在するように構成されるとき、及びサンプルが一次荷電粒子ビームのビームパスのパス内に存在するように構成されるときに同じ電圧に設定されるように構成される、さらなる条項31に記載の荷電粒子ツール。
[00178] さらなる条項33:サンプルがフラッドコラムの荷電粒子ビームのビームパスに存在するときのフラッディング位置と、サンプルが一次荷電粒子ビームのビームパスに存在するときの検査又は評価位置との間で、サンプルサポートを移動させるように構成された可動ステージをさらに含み、好ましくは、フラッディング位置及び検査位置が、間隔を空け、及び/又は好ましくは、一次荷電粒子ビームのビームパスが、フラッドコラムの荷電粒子ビームのビームパスから間隔を空ける、さらなる条項32に記載の荷電粒子ツール。
[00179] さらなる条項34:軸を有するビームパスに沿った荷電粒子ビームを用いて、検査又は評価を目的として、サンプルをフラッディングするためのフラッドコラムを動作させる方法であって、フラッドコラムが、アパーチャ本体と、アパーチャ本体に対してアップビーム方向に位置決めされたブランキング電極と、軸の周りで開口を規定するアパーチャ部分であって、開口に隣接して、アップビーム対向面を含むアパーチャ部分と、アップビーム対向面の周りのチャンバ部分と、を含み、方法が、荷電粒子ビームのどの部分もダウンビーム開口又はアップビーム対向面の開口を実質的に通過させないように、アパーチャ本体のアップビーム対向面上に荷電粒子ビームを選択的に偏向させることを含む、方法。
[00180] さらなる条項35:選択的に偏向させることが、アパーチャ本体との荷電粒子ビームの入射点が継続的に移動するように、荷電粒子ビームを継続的に偏向させることを含む、さらなる条項34に記載の方法。
[00181] さらなる条項36:アパーチャ本体との荷電粒子ビームの入射点が、好ましくは円を描いてアップビーム対向面の開口の周りを移動する、さらなる条項35に記載の方法。
[00182] さらなる条項37:アパーチャ本体のアップビーム対向面上に荷電粒子ビームを選択的に偏向させることが、ビームパスにおける荷電粒子をチャンバ部分の表面上に偏向させる、さらなる条項35又は36に記載の方法。
[00183] さらなる条項38:軸の周りで少なくとも部分的に輪になるチャネルに沿って熱コンディショニング流体を流すことをさらに含み、チャネルがアパーチャ本体に規定される、さらなる条項35~37の何れか一項に記載の方法。