JP2023513534A - 鎌状赤血球症に関連する血管閉塞性クリーゼを処置するための方法 - Google Patents

鎌状赤血球症に関連する血管閉塞性クリーゼを処置するための方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、治療的に有効な量の4-(ニトロオキシ)ブチル (2S)-2-(6-メトキシ-2-ナフチル)プロパノアートを投与することによる、鎌状赤血球症に関連する血管閉塞性クリーゼ(VOC)の処置に関する。

Description

発明の分野
本発明は、鎌状赤血球症血管閉塞性クリーゼ(VOC)の処置に使用するための4-(ニトロオキシ)ブチル (2S)-2-(6-メトキシ-2-ナフチル)プロパノアートに関する。
発明の背景
4-(ニトロオキシ)ブチル (2S)-2-(6-メトキシ-2-ナフチル)プロパノアートは、ナプロキセンの一酸化窒素(NO)放出性誘導体であり、ナプロキシノド(NAPROXCINOD)としても知られる。
Figure 2023513534000001
国際公開公報第98/09831号及び米国特許第6,700,011号は、4-(ニトロオキシ)ブチル (2S)-2-(6-メトキシ-2-ナフチル)プロパノアートの合成を開示している。
Schnitzer T.J. et al, Osteoarthritis and Cartilage 18 (2010) 629-639は、ナプロキシノドが、鎮痛及び抗炎症効果と、プラセボと類似するがナプロキセンとは異なる血圧効果を兼ね備えた、ナプロキセンのNO放出性誘導体であることを開示している。
膝の変形性関節症(OA)の患者を対象としたヒトの研究では、ナプロキシノドは、OAの徴候及び症状の管理において臨床的有効性及び安全性を示した。
White W. B. et al. (Am J Cardiol 2011;107:1338-1345)は、股又は膝の変形性関節症の患者2,734人を対象とした3つのピボタル試験における、ナプロキシノドの血圧に対する効果の大規模な分析を開示している。分析の結果は、ほとんどのNSAIDsにより誘発されるいくつかの高血圧負荷を、ナプロキシノドが減少させることができることを示した。
鎌状赤血球症(SCD)は、ヘモグロビンのβ-グロビンサブユニットの6番目のアミノ酸の変異に起因する、異常ヘモグロビン症の一群である。最も一般的な変異体であるβS-グロビンは、親水性であるグルタミン酸残基の疎水性であるバリンによる置き換えをもたらし、これが脱酸素時に重合しやすいヘモグロビンSの産生を引き起こす(Belanger AM, Keggi C, Kanias T, et al. Effects of nitric oxide and its congeners on sickle red blood cell deformability. Transfusion, 2015 (55) 2464-2472)。
低酸素条件下でのHbSの重合は、赤血球を特徴的な鎌状に変形させ、剛性及び脆弱性を高めて溶血を引き起こす。溶血は次いで、酸化ストレス及び血小板の活性化に寄与する(Helms CC, Marvel M, Zhao W, Stahle M, Vest R, Kato GJ, et al. Mechanisms of hemolysis-associated platelet activation. Journal of Thrombosis and Haemostasis. 2013; 11(12): 2148-2154; Villagra J, Shiva S, Hunter LA, Machado RF, Gladwin MI, Kato GJ. Platelet activation in patients with sickle disease, hemolysis-associated pulmonary hypertension, and nitric oxide scavenging by cell-free hemoglobin. Blood 2007; 110(6): 2166-2172)。前記酸化ストレス、鎌状になった細胞と内皮の物理的相互作用及びその他の要因は、内皮細胞及び白血球が活性化されて、内皮への白血球接着及び多細胞接着が生じる炎症状態をもたらし、次いでVOCに至る。虚血、臓器障害、疼痛及び潜在的には死亡はいずれも、VOCに続発するものである。(Parise LV, Telen MJ. Erythrocyte adhesion in sickle cell disease. Current Hematology Reports. 2003; 2(2): 102-108., 2003; Hoppe CC. Inflammatory mediators of endothelial injury in Sickle Cell Disease. Hematol Oncol Clin. North Am. 2014; 28(2): 265-86; Kutlar A, Embury SH. Cellular adhesion and the endothelium: P-Selectin. Hematol Oncol Clin. North Am. 2014; 28(2): 323-339; Zhang DC, Xu CL, Manwani D, Frenette PS. Neutrophils, platelets, and inflammatory pathways at the nexus of sickle cell disease pathophysiology. Blood. 2016; 127(7): 801-839; Kim-Shapiro DB, Gladwin MT. Nitric oxide pathology and therapeutics in sickle cell disease. Clinical Hemorheology and Microcirculation, 2018; 68: 223-237)。
血管閉塞性クリーゼ及びそれに伴う疼痛は、鎌状赤血球症の患者における救急科への来院及び入院の一般的な理由である。血管閉塞性クリーゼ及びそれに伴う疼痛は、四肢、胸部、及び背部において最も一般的に発生し、侵害受容性で、組織損傷に続発するものと考えられている。典型的な有痛性クリーゼの臨床的特徴は、背下部又は1つ以上の関節又は四肢の1つにおいて突然の疼痛の発症を有すると説明されている。前記疼痛は、局所的又は移動性であり得、また持続的且つ脈動的である。激しい疼痛のために、患者は唸り、うめき声を上げ、泣き、体をねじり、回転させ、また軽減を得ようとして異常な姿勢をとるが、失敗に終わる。重度のエピソードでは、経口麻酔薬及び/又は処方箋なしで購入できる(over the counter)NSAID薬の適応外使用により疼痛を制御しようとして失敗した後、非経口オピオイドを用いた医療センターでの処置が必要になる(Ballas SK, Gupta K, Adams-Graves P. Sickle cell pain: a critical reappraisal Blood, 2012; 120(18): 3647-3656)。
血管閉塞性有痛性クリーゼは、前駆、初期、定着、解決の4つの段階を経て進行する。それぞれの急性の有痛性エピソードは、再発性のエピソードを伴って悪化する炎症と関連しており、しばしば重篤な合併症、及び急性胸部症候群、多臓器不全などの臓器損傷に至る。前駆段階は、激しい疼痛の発症前の期間であって、1~2日続き、その後徐々に、又は突然に疼痛が増加し(初期段階)、3日後に疼痛がピークに達し、6日から7日目まで続く定着段階に入り、その後、疼痛が減少し始める(解決段階)。前記クリーゼの前駆段階は、3つの主要な病態生理学的イベント(血管閉塞、炎症及び侵害受容)によって特徴づけられる。したがって、組織の虚血及び炎症が初期段階にある前駆段階において、血管閉塞クリーゼを管理することにより、疼痛及び組織損傷を予防又は最小限に抑えることができる可能性がある(Ballas SK, Gupta K, Adams-Graves P. Sickle cell pain: a critical reappraisal Blood, 2012; 120(18): 3647-3656)。
現在、血管閉塞性クリーゼを管理する主な治療法には、急性の有痛性エピソードの処置、及び血管閉塞性クリーゼの発生を減少させることが含まれる。
鎌状赤血球症における血管閉塞性クリーゼの合併症の処置のために、Droxia(商標登録)(ヒドロキシウレア)、Endari(商標登録)(L-グルタミン)及びAdakveo(商標登録)(crizanlizumab-tmca)の3種類の薬物がFDAによって承認されている。すべての製品は、血管閉塞性クリーゼの頻度を減少させることが示されているが、これらの薬物がVOCに関連する疼痛を軽減させることは示されていない。
最近承認されたAdakveoは、承認された添付文書の中で、その製品に関連する関節痛の発生率が18%、背部痛の発生率が15%であることを列挙しており、引き続き疼痛の軽減が必要とされていることを示している。(ノバルティス、2019年)
残念なことに、ヒドロキシウレア(Droxia)は、VOCの発生率を減少させるものの、VOCをなくすことはなく、有痛性の血管閉塞性クリーゼが発生した場合、患者は、疼痛の減少を必要とするままである。さらに、Droxiaの添付文書は、骨髄抑制及び悪性腫瘍についての黒枠付きの警告文を含む。
現在、鎌状赤血球症の患者の血管閉塞性クリーゼに続発する疼痛の処置のための、FDAにより承認されている製品はないが、様々な鎮痛薬が適応外で一般的に使用されている。ガイドラインは、軽度から中等度の疼痛にはNSAIDの使用を推奨しているが、適切に制御された臨床試験で、VOCに続発する疼痛に対する効果を有していることが示されたNSAIDはない。
VOCが進行すると、成人の患者の90%以上が入院を必要とし、また、メペリジン、モルヒネ又はヒドロモルフォンからなる非経口のオピオイド処置を含む、疼痛のための処置を必要とする。(Ballas SK. Pain management of sickle cell disease. Hematol Oncol Clin North Am. 2005;19(5): 785-802))。
オピオイド処置が疼痛治療の中核(mainstay)であるにもかかわらず、オピオイド処置は、最適のものに準ずる手法のままである。これは、鎮静、めまい、吐き気、嘔吐、便秘、身体依存、耐性、呼吸抑制などの副作用だけでなく、鎌状赤血球症の患者におけるオピオイド耐性(オピオイドの用量の増加につながる)、免疫抑制、ホルモン変化、痛覚過敏及び急性胸部症候群の増加するリスク及びオピオイドの変化するクリアランスを含む、高用量又は長期使用後に発生する重篤な悪影響のためである。(Ballas SK. Current issues in sickle cell pain and its management. Hematology Am Soc Hematol Educ Program. 2007; 97-105)。
フリーラジカルのシグナル伝達分子である一酸化窒素(NO)が、血管を弛緩させること、血流を増加させること、血小板の活性化を減少させること、循環血液細胞の内皮への接着を減少させること、及び血栓症を減少させることを含む、広範な生物学的機能における役割を果たしていることは周知である。多くの様々な刺激に応答して、血管内皮細胞は、グアニル酸シクラーゼを活性化する一酸化窒素を産生し、環状GMP(cGMP)の増加した細胞内レベルをもたらす。広範な研究が、鎌状赤血球症においては一酸化窒素のレベルが枯渇し、VOCの間には更に枯渇することを示している(Goncalves R. P., Rev Bras Hematol Hemoter 2012;34(4):254-64)。
一酸化窒素(NO)を補充又は調節する治療戦略が、鎌状赤血球症及び/又はその症状の潜在的な処置法として開示された。
例えば、初期の試験は、吸入したNOの急性VOCに対するいくつかの肯定的な効果を示した。しかしながら、現在利用可能な結果は、鎌状赤血球症の人の有痛性(血管閉塞性)クリーゼを処置するために、吸入した一酸化窒素を使用する効果を判断するのに十分な証拠を提供していない。さらに、吸入したNOは、専門的な取り扱い及び投与を必要とする。
鎌状赤血球症の患者におけるNO産生を増加させる別の開示された戦略は、一酸化窒素前駆体の補充である。Summar M. L.ら(米国公開公報第2018/0289647号)は、アルギニン及び一酸化窒素(NO)の内因性産生の前駆体であるシトルリンを投与することを含む、鎌状赤血球症、及び血管閉塞性クリーゼを含むその合併症を処置するための方法を開示している。米国公開公報第2018/0289647号は、鎌状赤血球症の患者において静脈内投与したシトルリンの安全性及び薬物動態プロファイルを実証する研究を報告している。しかしながら、シトルリンの臨床効果は臨床研究においてさらに評価する必要がある。
したがって、鎌状赤血球症に罹患している患者における血管閉塞性クリーゼを処置するための有効且つ安全な治療は、決定的に満たされていないニーズである。
出願人は最近、前臨床研究を実施し、4-(ニトロオキシ)ブチル (2S)-2-(6-メトキシ-2-ナフチル)が、鎌状赤血球動物モデルにおいて、環状グアノシン一リン酸レベル(cGMPレベル)を増加させることができ、それゆえに、4-(ニトロオキシ)ブチル (2S)-2-(6-メトキシ-2-ナフチル)が、鎌状赤血球症の患者における一酸化窒素の枯渇を緩和し、次いで血管の恒常性(homeostasis)を改善する役割を果たし得ることを見出した。さらに、4-(ニトロオキシ)ブチル (2S)-2-(6-メトキシ-2-ナフチル)の抗炎症及び鎮痛活性は、血管閉塞性クリーゼに関連する炎症カスケード及び疼痛を減少し得る。
発明の概要
4-(ニトロオキシ)ブチル (2S)-2-(6-メトキシ-2-ナフチル)プロパノアートが、鎌状赤血球貧血の血管閉塞性クリーゼ(VOC)に関連する有痛性の症状及び合併症の発症及び軽減に有益に干渉できることが見いだされた。
本発明の1つの実施態様は、治療的に有効な量の4-(ニトロオキシ)ブチル (2S)-2-(6-メトキシ-2-ナフチル)プロパノアートを、それを必要とする患者に投与することを含む、鎌状赤血球症の患者における血管閉塞性クリーゼを処置する方法に関する。
本発明の別の実施態様は、治療的に有効な量の4-(ニトロオキシ)ブチル (2S)-2-(6-メトキシ-2-ナフチル)プロパノアートを、それを必要とする患者に投与することを含む、鎌状赤血球症の患者における血管閉塞性クリーゼを処置する方法に関し、ここで、4-(ニトロオキシ)ブチル (2S)-2-(6-メトキシ-2-ナフチル)プロパノアートは、患者が切迫したクリーゼを感じるとすぐに投与され、好ましくは、血管閉塞性クリーゼの初期の前駆徴候及び前駆症状の発生時に投与され;4-(ニトロオキシ)ブチル (2S)-2-(6-メトキシ-2-ナフチル)プロパノアートの投与は、血管閉塞性クリーゼの初期の前駆徴候及び前駆症状の発生時に開始し、少なくともクリーゼが管理されるまで続く。
本発明の方法は、下記のいくつかの利点を有する:
4-(ニトロオキシ)ブチル (2S)-2-(6-メトキシ-2-ナフチル)プロパノアートを、患者が切迫したクリーゼ(前駆段階)を感じるとすぐに、自宅で患者に投与し得る(自己投与);
血管閉塞性クリーゼの初期の段階での4-(ニトロオキシ)ブチル (2S)-2-(6-メトキシ-2-ナフチル)プロパノアートの投与は、血管閉塞性クリーゼに関連する血管閉塞、炎症及び疼痛などのイベントのカスケードを減少させるので、クリーゼの解決を促進し、且つ迅速化するのに役立ち得る。
血管閉塞及び炎症を最小限に抑えることは、(1)毛細血管を通る血流の遮断に起因する虚血により臓器及び組織が受ける損傷の量、(2)虚血の期間の後に血流が回復した臓器及び組織における、酸化性のフリーラジカルに起因する損傷の量、(3)損傷した細胞から放出される炎症性メディエーターを減少させることにより、鎌状赤血球症の患者における臓器及び組織の損傷を減少させ得る。
血管閉塞性クリーゼに関連する疼痛の強度の減少は、鎌状赤血球症の患者における虚血クリーゼに関連する急性の有痛性クリーゼに対処するためにオピオイドを使用する必要性を減少又は回避させ得、それゆえ、患者の入院を減少させ得る。
4-(ニトロオキシ)ブチル (2S)-2-(6-メトキシ-2-ナフチル)プロパノアートは、忍容性が高いため、前記化合物は、従来SCDを処置するために従来用いられる他の医学的処置と併用して、そのような他の処置法を妨げない方法で、投与され得る。
本発明の別の実施態様は、治療的に有効な量の4-(ニトロオキシ)ブチル (2S)-2-(6-メトキシ-2-ナフチル)プロパノアートを投与することを含む、鎌状赤血球症に罹患している被験体における血管閉塞イベントの重症度又は継続期間を減少させる方法に関する。
本発明の別の実施態様は、有効量の4-(ニトロオキシ)ブチル (2S)-2-(6-メトキシ-2-ナフチル)プロパノアートを、鎌状赤血球症を有する被験体に投与することを含む、血管閉塞イベントに起因する臓器及び組織の損傷を減少させる方法である。
本発明の1つの実施態様は、治療的に有効な量の4-(ニトロオキシ)ブチル (2S)-2-(6-メトキシ-2-ナフチル)プロパノアートを投与することにより、再発性虚血クリーゼの間に、鎌状赤血球貧血に罹患している患者における疼痛を処置するための方法を提供する。
本発明の別の実施態様は、鎌状赤血球貧血の患者における、鎌状赤血球症の血管閉塞性クリーゼ(VOC)に続発する疼痛を、そのような有痛性クリーゼの間に使用されるオピオイド治療と併せて、有効量の4-(ニトロオキシ)ブチル (2S)-2-(6-メトキシ-2-ナフチル)プロパノアートを投与することにより処置するための方法である。
1つの実施態様では、本発明は、1つ以上の薬学的に許容され得る担体をさらに含む医薬組成物中に、治療的に有効な量の4-(ニトロオキシ)ブチル (2S)-2-(6-メトキシ-2-ナフチル)プロパノアートが存在する、本発明の方法を含む。1つの実施態様では、前記医薬組成物は、経口、経鼻、局所、バッカル、舌下、直腸、膣又は非経口投与に好適である。
さらに、本発明は、上記の報告された処置の方法のいずれか1つに使用するための、4-(ニトロオキシ)ブチル (2S)-2-(6-メトキシ-2-ナフチル)プロパノアート、あるいは4-(ニトロオキシ)ブチル (2S)-2-(6-メトキシ-2-ナフチル)プロパノアート及び1つ以上の薬学的に許容され得る担体を含有する医薬組成物に関する。
本発明はまた、上記の報告された処置の方法のいずれか一つにおいて使用するための医薬の製造のための、4-(ニトロオキシ)ブチル (2S)-2-(6-メトキシ-2-ナフチル)プロパノアートの使用に関する。
ホモ接合型鎌状赤血球トランスジェニックマウスにおいて、4-(ニトロオキシ)ブチル (2S)-2-(6-メトキシ-2-ナフチル)プロパノアート(ナプロキシノド)又はナプロキセンを静脈内投与した後の、亜硝酸塩の血中濃度(濃度-時間)を示すグラフである。ナプロキシノドは、血漿中の亜硝酸塩濃度を増加させる。N=4~7;*P<0.01 ホモ接合型鎌状赤血球トランスジェニックマウスにおいて、4-(ニトロオキシ)ブチル (2S)-2-(6-メトキシ-2-ナフチル)プロパノアート(ナプロキシノド)又はナプロキセンを静脈内投与した後の、cGMP濃度(濃度-時間)を示すグラフである。ナプロキシノドは、血小板のcGMP産生を増加させる。N=4~7;*P<0.01
発明の詳細な説明
鎌状赤血球貧血の患者における急性疼痛クリーゼの処置のための一つの方法が提供される。前記方法は、治療的に有効な量の4-(ニトロオキシ)ブチル (2S)-2-(6-メトキシ-2-ナフチル)プロパノアート(ナプロキシノド)を投与することを含む。
以下の記載は、本発明の完全な理解を提供するために、具体的な詳細を提供する。しかしながら、当業者は、これらの具体的な詳細を用いることなく本発明が実施できることを理解するであろう。この明細書を理解する目的のために、次の定義が適用され、適切な場合には、単数形で使用される用語は複数形も含み、その逆も同様である。
本明細書で定義される「処置」は、血管閉塞イベントの重症度又は継続期間の任意の減少、クリーゼを中止させること、又は鎌状赤血球貧血に関連する疼痛の任意の減少を意味する。疼痛の減少は、疼痛の頻度、継続期間又は強度の減少を含むことができる。疼痛の強度は、標準的な手段、例えば、ドロリメーター、パルポメーター、10点の疼痛尺度などにより、測定することができる。
本明細書で定義される「血管閉塞性クリーゼの前駆徴候及び前駆症状」は、疲労感、めまい、脱力感、眼の黄変、蒼白、吐き気、嘔吐、食欲の変化などの消化器症状、及び手足の腫れ、圧痛、若しくは関節の硬直などの筋骨格症状に加えて、鼻水、咳、及び呼吸の変化などの呼吸器症状を含む。
本明細書で使用されるとき、用語、化合物の「治療的に有効な量」は、本明細書に記載される疾患、障害、及び/又は病態を処置又は予防するために必要又は十分な量である。前記有効量は、被験体の大きさ及び体重、病気のタイプ、又は本発明の具体的な化合物などの要因に依存して変化しうる。当業者であれば、本明細書に含まれる要因を研究し、そして過度の実験を行うことなく、本発明の化合物の有効量に関する決定を行うことができるであろう。
本発明の医薬組成物中の有効成分の実際の投与量のレベルは、患者に毒性を示すことなく、具体的な患者、組成物、及び投与のモードに対する所望の治療応答を達成するために有効な、有効成分の量を得るために、変化させることができる。
選択される投与量のレベルは、用いられる本発明の具体的な化合物の活性、用いられる具体的な化合物の投与の経路、投与の時間、排泄の速度、処置の継続期間、用いられる具体的な化合物と併用される他の薬物、化合物及び/又は材料、処置される患者の年齢、性別、体重、病態、全体的な健康状態及び以前の病歴を含む様々な要因、並びに医療分野で周知の同様な要因に依存する。
当技術分野における通常の技術を有する医師は、必要とされる医薬組成物の有効量を容易に決定し、処方することができる。例えば医師は、医薬組成物に用いられる本発明の化合物の投与量を、所望の治療効果を達成するために必要とされるレベルよりも低いレベルで開始し、所望の効果が達成されるまで徐々に投与量を増やすことができる。
一般に、本発明の化合物の適切な1日あたりの用量は、治療効果を生じるのに有効な最低用量である前記化合物の量であろう。そのような有効な用量は、一般的に上記の要因に依存する。
必要に応じて、前記活性化合物の1日あたりの有効用量は、2回、3回、4回、5回、6回又はそれ以上のサブ用量で、1日を通して、適切な間隔で別々に、任意選択的に単位剤形(unit dosage forms)で投与され得る。
本発明の化合物は、単独で投与することも可能であるが、医薬組成物として前記化合物を投与することが好ましい。
本処置における使用のために、4-(ニトロオキシ)ブチル (2S)-2-(6-メトキシ-2-ナフチル)プロパノアートは経口投与され、成人のための投与量は、100mg/日から3000mg/日又は100mg/日から2000mg/日、好ましくは375mg/日から1500mg/日、最も好ましくは750mg/日から1500mg/日であり、小児(2歳以上及び16歳未満)のための投与量は、15から22.5mg/Kg/日である。
正確な投与量及び投与のスケジュールは、それぞれの具体的な例において軽減を提供するために必要な量に依存して変化する。
本処置における使用のために、4-(ニトロオキシ)ブチル (2S)-2-(6-メトキシ-2-ナフチル)プロパノアートは、好ましくは、血管閉塞性クリーゼの初期の前駆徴候及び前駆症状の発生から、クリーゼが管理されるまで、患者に投与される。前記処置はまた、血管閉塞性クリーゼの管理後の維持治療のためにも使用できる。
投与のレジメンは、有効量を構成するものに影響を及ぼす可能性がある。いくつかの分割された投与量、並びに時間をずらしての投与量は、毎日又は順次投与することができるか、あるいは前記用量は、連続的に投与されるか、又はボーラス注射することができる。さらに、本発明の化合物の前記投与量は、治療又は予防の状況の緊急性によって示されるように、比例的に増加させるか又は減少させることができる。
本明細書で使用されるとき、用語「医薬組成物」は、哺乳類、例えばヒトへの投与に適した調製物を含む。本発明の化合物を、哺乳類、例えばヒトに、医薬品として投与する場合、それ自体を与えることもでき、例えば、薬学的に許容され得る担体と併用して、0.1から99.5%(より好ましくは0.5から90%)の有効成分を含む、医薬組成物として与えることもできる。
本明細書で使用されるとき、用語「薬学的に許容され得る担体」は、当技術分野で認識されており、本発明の化合物を哺乳類に投与するのに好適な、薬学的に許容され得る材料、組成物又はビヒクルを含む。前記媒体は、ある臓器、又は身体の一部から、別の臓器、又は身体の一部に、対象の薬剤を運搬又は輸送することに関与する、液体若しくは固体の充填剤、希釈剤、賦形剤、溶剤又はカプセル化材料を含む。それぞれの媒体は、製剤の他の成分と適合可能であり、且つ患者に有害でないという意味で「許容され得る」ものでなければならない。薬学的に許容され得る担体としての役割を果たすことができる物質の例としては、ラクトース、グルコース、ショ糖などの糖;トウモロコシデンプンやバレイショデンプンなどのデンプン;セルロース、及びその誘導体(カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース及び酢酸セルロースなど);粉末のトラガント;麦芽;ゼラチン;タルク;ココアバター及び座薬用ワックスなどの賦形剤;ピーナツ油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブ油、コーン油及び大豆油などの油類;プロピレングリコールなどのグリコール類;グリセリン、ソルビトール、マンニトール及びポリエチレングリコールなどのポリオール類;オレイン酸エチル及びラウリン酸エチルなどのエステル類;寒天;水酸化マグネシウム及び水酸化アルミニウムなどの緩衝剤;アルギン酸;パイロジェンフリーの水;等張食塩水;リンガー溶液;エチルアルコール;リン酸緩衝液;及び医薬製剤に用いられる他の毒性のない適合性のある物質が挙げられる。
ラウリル硫酸ナトリウム及びステアリン酸マグネシウムなどの湿潤剤、乳化剤、潤滑剤に加えて、着色剤、離型剤、コーティング剤、甘味料、香味料及び香料、保存剤及び酸化防止剤も、前記組成物中に存在しうる。
薬学的に許容され得る酸化防止剤の例としては、アスコルビン酸、塩酸システイン、硫酸水素ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウムなどの水溶性酸化防止剤;パルミチン酸アスコルビル、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、レシチン、没食子酸プロピル、α-トコフェロールなどの油溶性酸化防止剤;及びクエン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ソルビトール、酒石酸、リン酸などの金属キレート剤が挙げられる。
本発明の製剤は、経口、経鼻、局所、バッカル、舌下、直腸、膣及び/又は非経口投与に好適なそれらを含む。前記製剤は、単位剤形で好都合に提供され得、薬学の分野で周知の任意の方法により調製され得る。単一の投薬剤形を製造するために担体の材料と組み合わせることができる有効成分の量は、一般的に、治療効果を生み出す化合物の量である。一般的に、100%のうち、この量は有効成分約1%から約99%の範囲であり、好ましくは、約5%から約70%の範囲であり、最も好ましくは約10%から約30%の範囲である。
これらの製剤又は組成物を調製する方法は、本発明の化合物を、担体、及び任意選択的に1つ以上の付属成分と混合する(bringing into association)ステップを含む。一般的に、前記製剤は、本発明の化合物を、液体の担体、又は微粉化された固体の担体、又はその両方と、均一且つ均質に(uniformly and intimately)混合し、次いで、必要に応じて製品を成形することにより調製される。
経口投与に好適な本発明の製剤は、カプセル剤、カシェ剤、丸剤、錠剤、トローチ剤(lozenges)(香味基材、通常ショ糖及びアラビアゴム又はトラガントを使用する)、散剤、顆粒剤の形態であるか、又は水性又は非水性液体中の溶液又は懸濁液として、又は水中油型又は油中水型の液体エマルジョンとして、又はエリキシル剤又はシロップ剤として、又はトローチ剤(pastilles)(ゼラチン及びグリセリン、又はショ糖及びアラビアゴムなどの不活性基剤を使用する)として、及び/又は洗口剤などとして存在してよく、それぞれが、有効成分として所定量の本発明の化合物を含有する。本発明の化合物はまた、ボーラス、舐剤(electuary)又はペーストとして投与され得る。
選択される投与の経路にかかわらず、本発明の化合物及び/又は本発明の医薬組成物は、当業者に公知の通常の方法により、薬学的に許容され得る剤形に製剤化される。
実施例1
鎌状赤血球マウスモデルにおける一酸化窒素血中濃度及びcGMPレベルに対する4-(ニトロオキシ)ブチル (2S)-2-(6-メトキシ-2-ナフチル)プロパノアート(ナプロキシノド)の効果
この試験は、ホモ接合型タウンズ鎌状赤血球トランスジェニックマウスにおける、4-(ニトロオキシ)ブチル (2S)-2-(6-メトキシ-2-ナフチル)プロパノアート(ナプロキシノド)の亜硝酸塩(NOの前駆体)及びcGMPの増加に対する有効性を評価するために実施された。
実験デザイン
ホモ接合型鎌状赤血球トランスジェニックマウスを、4-(ニトロオキシ)ブチル (2S)-2-(6-メトキシ-2-ナフチル)プロパノアート(ナプロキシノド)(15mg/Kg)又はナプロキセン(対照として、15mg/Kg)又は生理食塩水(ビヒクルの対照として)のいずれかを静脈内注射することにより処置した。1時間後、マウスにトロンビン(1u/20g)を注射して血小板の活性化を誘導した。トロンビン投与の15分後、30分後、1時間後に採血した。一酸化窒素のバイオアベイラビリティのマーカーとして、血漿の亜硝酸塩のレベルを測定した。cGMPの分解を防ぐために、IBMX(3-イソブチル-1-メチルキサンチン)(100uM)の添加の後にcGMPレベルを測定した。血小板を単離し、P-セレクチンの表面発現により活性化を測定した。
結果
1時間後では、亜硝酸濃度は、トロンビン単独投与又はナプロキセン投与と比較して、ナプロキシノド投与の方が統計的に高かった(図1)。30分後及び60分後では、cGMPレベルは、ナプロキシノドにより、トロンビン単独投与又はナプロキセン投与と比較して有意に増加した(P<0.01)(図2)。
前記データは、鎌状赤血球貧血に罹患している患者における再発性虚血クリーゼを処置するにおいて、4-(ニトロオキシ)ブチル (2S)-2-(6-メトキシ-2-ナフチル)プロパノアート(ナプロキシノド)が有用且つ有益でありうるという主張を支持しており、実際、4-(ニトロオキシ)ブチル (2S)-2-(6-メトキシ-2-ナフチル)は、cGMPのレベルを増加させることができる。このことは、鎌状赤血球症における一酸化窒素の枯渇及びその後の脈管障害(これらは血管閉塞に寄与する因子である)を緩和する。加えて、前記化合物の抗炎症成分が炎症及び疼痛を減少させる。
このように、本発明の好ましい実施態様であると現在考えられているものが記述されているが、当業者は、本発明の主旨から逸脱することなく、これらに変更及び修正が加えられる可能性があることを実感するであろうし、本発明の真の範囲内に含まれる全ての変更及び修正をクレームすることを意図している。

Claims (14)

  1. 鎌状赤血球貧血の患者における血管閉塞性クリーゼの処置に使用するための4-(ニトロオキシ)ブチル (2S)-2-(6-メトキシ-2-ナフチル)プロパノアート。
  2. 4-(ニトロオキシ)ブチル (2S)-2-(6-メトキシ-2-ナフチル)プロパノアートの投与を、血管閉塞性クリーゼの前駆徴候及び前駆症状の発生時に開始する、請求項1記載の使用のための4-(ニトロオキシ)ブチル(2S)-2-(6-メトキシ-2-ナフチル)プロパノアート。
  3. 前記処置が、血管閉塞性クリーゼの重症度又は継続期間を減少させることを含む、請求項1又は2記載の使用のための4-(ニトロオキシ)ブチル(2S)-2-(6-メトキシ-2-ナフチル)プロパノアート。
  4. 前記処置が、血管閉塞性クリーゼに関連する疼痛を処置することを含む、請求項1又は2記載の使用のための4-(ニトロオキシ)ブチル (2S)-2-(6-メトキシ-2-ナフチル)プロパノアート。
  5. 前記処置が、血管閉塞性クリーゼに起因する、臓器及び組織の損傷を減少又は防止することを含む、請求項1又は2記載の使用のための4-(ニトロオキシ)ブチル(2S)-2-(6-メトキシ-2-ナフチル)プロパノアート。
  6. 4-(ニトロオキシ)ブチル (2S)-2-(6-メトキシ-2-ナフチル)プロパノアートが、1つ以上の薬学的に許容され得る担体をさらに含む医薬組成物として投与される、請求項1記載の使用のための4-(ニトロオキシ)ブチル(2S)-2-(6-メトキシ-2-ナフチル)プロパノアート。
  7. 前記医薬組成物が、経口、経鼻、局所、バッカル、舌下、直腸、膣又は非経口投与に好適である、請求項6記載の使用のための4-(ニトロオキシ)ブチル(2S)-2-(6-メトキシ-2-ナフチル)プロパノアート。
  8. 鎌状赤血球貧血の患者における血管閉塞性クリーゼの処置に使用するための医薬の製造のための4-(ニトロオキシ)ブチル (2S)-2-(6-メトキシ-2-ナフチル)プロパノアートの使用。
  9. 前記4-(ニトロオキシ)ブチル (2S)-2-(6-メトキシ-2-ナフチル)プロパノアートの投与を、血管閉塞性クリーゼの前駆徴候及び前駆症状の発生時に開始する、請求項8記載の4-(ニトロオキシ)ブチル (2S)-2-(6-メトキシ-2-ナフチル)プロパノアートの使用。
  10. 前記処置が、血管閉塞性クリーゼの重症度又は継続期間を減少させることを含む、請求項8又は9記載の4-(ニトロオキシ)ブチル(2S)-2-(6-メトキシ-2-ナフチル)プロパノアートの使用。
  11. 前記処置が、血管閉塞性クリーゼに関連する疼痛を処置することを含む、請求項8又は9記載の4-(ニトロオキシ)ブチル (2S)-2-(6-メトキシ-2-ナフチル)プロパノアートの使用。
  12. 前記処置が、血管閉塞性クリーゼに起因する、臓器及び組織の損傷を減少又は防止することを含む、請求項8又は9記載の4-(ニトロオキシ)ブチル(2S)-2-(6-メトキシ-2-ナフチル)プロパノアートの使用。
  13. 4-(ニトロオキシ)ブチル (2S)-2-(6-メトキシ-2-ナフチル)プロパノアートが、1つ以上の薬学的に許容され得る担体をさらに含む医薬組成物として投与される、請求項8記載の4-(ニトロオキシ)ブチル(2S)-2-(6-メトキシ-2-ナフチル)プロパノアートの使用。
  14. 前記医薬組成物が、経口、経鼻、局所、バッカル、舌下、直腸、膣又は非経口投与に好適である、請求項13記載の4-(ニトロオキシ)ブチル(2S)-2-(6-メトキシ-2-ナフチル)プロパノアートの使用。
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