JP2023512904A - 触媒 - Google Patents

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Abstract

本発明は、電極触媒粒子、担持材料、及びグラファイト状窒化炭素を含む触媒材料を作製する方法であって、方法が、グラファイト状窒化炭素を触媒材料前駆体に適用することを含む、方法を提供する。また、グラファイト状窒化炭素を含む触媒材料も提供される。【選択図】図2

Description

本発明は、新規触媒材料、及び材料を作製する方法を提供する。触媒材料は、電極触媒及びグラファイト状窒化炭素(graphitic carbon nitride)を含む。
燃料電池は、電解質によって分離された2つの電極を含む電気化学電池である。燃料、例えば水素、メタノール若しくはエタノールなどのアルコール、又はギ酸が、アノードに供給され、酸化剤(例えば酸素又は空気)がカソードに供給される。電気化学反応は電極で発生し、燃料及び酸化剤の化学エネルギーは、電気エネルギー及び熱に変換される。電極触媒は、アノードにおける燃料の電気化学的酸化、及びカソードにおける酸素の電気化学的還元を促進するために使用される。
燃料電池は、通常、用いられた電解質の性質に応じて分類される。多くの場合、電解質は固体高分子膜であり、この膜は電子的に絶縁性であるがイオン伝導性である。プロトン交換膜燃料電池(proton exchange membrane fuel cell、PEMFC)において、イオン伝導性膜は、プロトン伝導性であり、アノードで生成されたプロトンは、イオン伝導性膜を横切ってカソードに輸送され、ここでそれらは酸素と結合して水を形成する。
PEMFCの主な構成要素は、本質的に5つの層から構成される膜電極接合体(membrane electrode assembly、MEA)である。中心層は、ポリマーイオン伝導性膜である。イオン伝導性膜のいずれかの側には、特定の電解反応用に設計された電極触媒を含有する電極触媒層が存在する。最後に、各電極触媒層に隣接して、ガス拡散層が存在する。ガス拡散層は、反応物質が電極触媒層に到達できるようにする必要があり、電気化学反応によって生成される電流を伝導する必要がある。したがって、ガス拡散層は多孔質であり、電気伝導性である必要がある。
電極触媒層はまた、概して、プロトン伝導性ポリマーなどのプロトン伝導性材料を含んで、アノード電極触媒からイオン伝導性膜への、及び/又はイオン伝導性膜からカソード電極触媒へのプロトンの転写を補助する。
従来的に、膜電極接合体は、多くの方法によって構築することができる。典型的には、本方法は、電極触媒層の一方又は両方をイオン伝導性膜に適用して、触媒被覆イオン伝導性膜を形成することを伴う。その後、ガス拡散層を電極触媒層に適用する。代替的に、電極触媒層をガス拡散層に適用して、ガス拡散電極を形成し、次いで、イオン伝導性膜と組み合わせる。膜電極接合体は、これらの方法の組み合わせ、例えば、一方の電極触媒層をイオン伝導性膜に適用して、触媒被覆イオン伝導性膜を形成し、他方の電極触媒層をガス拡散電極として適用することによって作製することができる。
電極触媒層は、概して、層がアノード又はカソードのどちらにおいて使用されるかに応じて、燃料酸化又は酸素還元反応に好適な金属又は金属合金を含む電極触媒材料を含む。燃料酸化及び酸素還元のための電極触媒は、典型的には、白金又は1つ以上の他の金属と合金化された白金に基づく。白金又は白金合金電極触媒は、担持されていないナノメートルサイズの粒子(例えば、金属ブラック)の形態にあり得るか、又は個別のナノ粒子として担持材料(担持された電極触媒)上に堆積されて、非常に高い電極触媒の表面積にもたらすことができる。電極触媒はまた、担持材料上に堆積されたコーティング又は伸長フィルムの形態であってもよい。Pt二元合金、Pt単層電極触媒、Ptスキン電極触媒、及びナノ構造薄膜電極触媒などの広範囲の触媒概念が、過去十年間にわたって調査されてきた。報告された高活性触媒への別のアプローチは、脱合金化Pt-M概念のもの、すなわち、粒子からのより少ない貴金属の選択的浸出プロセスに供される、卑金属(M)リッチ粒子の合成によって得られた材料である。
改善された活性及び/又は安定性を有する電極触媒、特に酸素還元電極触媒が継続的に求められているため、高価な白金電極触媒がより効果的に利用される。このことにより、膜電極接合体の性能を向上させること、若しくは膜電極接合体に用いられた電極触媒の担持量(したがってコスト)を削減すること、又は両方の利点を組み合わせることが可能になる。
研究の1つの手段は、白金酸素還元反応電極触媒のための担持材料としてのグラファイト状窒化炭素(g-C)の使用を伴う。この分野では、J.Mater.Chem.2007,17,1656-1659にてM.Kim et al.が、g-Cに担持された直接メタノール燃料電池のアノードについてのPt-Ru電極触媒を報告している。また、Adv.Mater.2014,26 5160-5165にてH.Huang et al.が、メタノール酸化電極触媒として有用な、Pt修飾したグラフェン及びg-Cシートを報告している。加えて、Appl.Catal.B:Environ.2018,237,318-326にてI.Lee et al.が、カーボンブラック粒子が、g-Cのシートにより被覆されたコア-シェル構造を有し、少なくとも17重量%のg-Cを含む、担体上に分散された白金を含む酸素還元反応電極触媒を報告している。
したがって、第1の態様では、本発明は、電極触媒粒子、担持材料、及びグラファイト状窒化炭素を含む、好ましくはそれらから本質的になる、より好ましくはそれらからなる(又は、それらのみを含む)触媒材料を作製する方法であって、当該方法が、
(i)担持材料上に分散された電極触媒粒子を含む、好ましくはそれから本質的になる、より好ましくはそれからなる(又は、それのみを含む)触媒材料前駆体を提供するステップ、次に、
(ii)グラファイト状窒化炭素をステップ(i)で提供された触媒材料前駆体に適用するステップ、を含む、方法を提供する。
この意味での「触媒材料前駆体」という用語は、本発明のグラファイト状窒化炭素含有触媒材料が作製され得る材料を意味する。そのような触媒材料前駆体は、触媒活性自体を有し得、例えば、グラファイト状窒化炭素の非存在下で担持材料上に分散された電極触媒を含む従来の触媒材料であり得る。触媒材料前駆体は、グラファイト状窒化炭素を含まない。
第2の態様では、本発明は、本発明の第1の態様の方法によって入手可能な触媒材料を提供する。
第3の態様では、本発明は、電極触媒粒子、担持材料、及びグラファイト状窒化炭素を含む、好ましくはそれらから本質的になる、より好ましくはそれらからなる(又は、それらのみを含む)触媒材料であって、電極触媒粒子が、担持材料上に分散され、触媒材料が、グラファイト状窒化炭素及び担持材料の総重量に対して5重量%以下のグラファイト状窒化炭素を含む、触媒材料を提供する。
本発明の触媒材料、すなわち、第2若しくは第3の態様の触媒材料、又は第1の態様によって作製された触媒材料は、担持材料上に分散された電極触媒を含む従来の触媒材料に対して、改善された電気化学性能を示すことは驚くべきことである。特に、そのような従来の触媒材料の電気化学性能が、グラファイト状窒化炭素を触媒材料に適用することによって改善され得ることは驚くべきことである。
本発明はまた、本発明の触媒材料を含む電極触媒層を提供する。
本発明はまた、本発明の電極触媒層及びイオン伝導性膜を含む、触媒被覆イオン伝導性膜を提供する。
本発明はまた、本発明の電極触媒層及びガス拡散層を含む、ガス拡散電極を提供する。
本発明はまた、本発明の触媒層、本発明の触媒被覆イオン伝導性膜、又は本発明のガス拡散電極を含む、膜電極接合体を提供する。
本発明はまた、本発明の電極触媒層、本発明の触媒被覆イオン伝導性膜、本発明のガス拡散電極、又は本発明の膜電極接合体を含む、燃料電池を提供する。
本発明はまた、本発明の電極触媒層及びデカール転写基材を含む、触媒デカール転写基材を提供する。
実施例1の触媒材料のエネルギー分散型X線分光法(energy dispersive X-ray spectroscopy、EDS)の元素マッピング画像を示す。 比較例1の触媒材料(画像A)、及び実施例1の触媒材料(画像B)におけるC1sのデコンボリューションされたX線光電子分光法(X-ray photoelectron spectroscopy、XPS)曲線を示す。 比較例1の触媒材料(画像A)、及び実施例1の触媒材料(画像B)におけるPt4fのデコンボリューションされたXPS曲線を示す。 図4Aは、比較例1の触媒材料を含有するガス拡散電極、及び実施例1~実施例4の触媒材料を含有するガス拡散電極で実施された半電池試験からの電池電位vの電流密度のプロットを示す。図4Bは、比較例1の触媒材料を含有するガス拡散電極、及び実施例1~実施例4の触媒材料を含有するガス拡散電極で、純粋な酸素供給物を用いて実施された半電池試験からの電池電位vの質量活性のプロットを示す。 図5Aは、比較例1の触媒材料を含有するガス拡散電極、及び実施例1~実施例4の触媒材料を含有するガス拡散電極についての半電池試験から決定された質量活性を示す棒グラフである。図5Bは、比較例1の触媒材料を含有するガス拡散電極、及び実施例1~実施例4の触媒材料を含有するガス拡散電極についての半電池試験から決定された比活性を示す棒グラフである。 図6Aは、内部抵抗のために補正された、比較例1の触媒材料を含有する膜電極接合体、及び実施例1の触媒材料を含有する膜電極接合体で実施された単電池試験からの電池電位vの電流密度のプロットを示す。カソードに純粋な酸素を供給した。図6Bは、内部抵抗のために補正された、比較例1の触媒材料を含有する膜電極接合体、及び実施例1の触媒材料を含有する膜電極接合体で実施された単電池試験からの電位vの電流密度のプロットを示す。カソードに空気を供給した。
これより、本発明の好ましいかつ/又は任意選択的な特徴が、記載される。本発明のいずれの態様も、文脈による別途の要求がない限り、本発明のいずれの他の態様とも組み合わせることができる。任意の態様の好ましい又は任意選択的な特徴のいずれも、文脈による別途の要求がない限り、本発明の任意の態様とも、単一又は組み合わせで、組み合わせることができる。本発明の触媒材料への言及は、本発明の第1の態様の方法によって作製された触媒材料、並びに本発明の第2及び第3の態様の触媒材料を含む。
本発明の触媒材料は、電極触媒粒子、好ましくはナノ粒子を含む。使用される正確な電極触媒は、触媒することが意図される反応に依存するであろうし、その選択は当業者の能力の範囲内である。電極触媒は、好ましくは燃料電池、より好ましくはプロトン交換膜燃料電池のカソード又はアノード電極触媒であり得る。電極触媒は、好適には、
(i)白金族金属(白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、及びオスミウム)、
(ii)金若しくは銀、
(iii)卑金属、
あるいはこれらの金属又はそれらの酸化物のうちの1つ以上を含む合金又は混合物から選択される。卑金属は、スズ又は貴金属ではない遷移金属である。貴金属は、白金族金属(白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、イリジウム又はオスミウム)又は金である。好ましい卑金属は、銅、コバルト、ニッケル、亜鉛、鉄、チタン、モリブデン、バナジウム、マンガン、ニオブ、タンタル、クロム、及びスズである。
典型的には、電極触媒は、白金族金属、又は好ましくは卑金属(上記で定義される好ましい卑金属)との白金族金属の合金を含む、好ましくはそれらから本質的になる、より好ましくはそれらからなる(又は、それらのみを含む)。特に、電極触媒は、白金、又は卑金属(上記で定義される好ましい卑金属)、好ましくはニッケル若しくはコバルト、最も好ましくはニッケルとの白金の合金を含む、好ましくはそれらから本質的になる、より好ましくはそれらからなる(又は、それらのみを含む)。白金の合金化金属との原子比は、典型的には、3:1~1:3の範囲内にあり、これを含む。
電極触媒は、担持材料上に分散されている。したがって、それは担持された電極触媒であり、「担持された」という用語は、当業者によって容易に理解されるであろう。例えば、用語「担持された」は、物理的又は化学的結合によって担持材料に結合又は固定されている電極触媒を含むことが理解されるであろう。例えば、電極触媒は、イオン結合若しくは共有結合、又はファンデルワールス力などの非特異的相互作用によって担持材料に結合又は固定されてもよい。
好ましくは、電気伝導性炭素担持材料が、好ましくは粉末形態で使用される。炭素担持材料は、例えば、市販のカーボンブラック(例えば、Cabot Corp.(Vulcan(登録商標)XC72R)から)、又はAkzo Nobel(Ketjen(登録商標)ブラックシリーズ))、又はこれらのカーボンブラック又はアセチレンブラックなどの他の市販のカーボンブラック(例えば、Chevron Phillips(Shawinigan Black(登録商標))又はDenkaから入手可能なもの)のグラファイト化バージョンであり得る。担持材料はまた、国際公開第2013/045894号に記載されているものなど、燃料電池において使用するために、特別に設計されているものでもよい。
代替的に、担持材料は、金属酸化物又は混合酸化物、特に、ニオビアドープチタニア(niobia-doped titania)、リンドープスズ酸化物及び混合白金基金属酸化物又は混合金属酸化物(国際公開第2012/080726号に開示される)などの伝導性混合酸化物、炭化物(例えば、タングステンカーバイド、モリブデンカーバイド又はチタンカーバイド、好適にはタングステンカーバイド又はチタンカーバイド)、窒化物、特に伝導性窒化物(例えば、窒化チタン又は窒化チタンアルミニウム)であり得る。
触媒材料、及び触媒材料前駆体における電極触媒担持量は、電極触媒及び担持材料の総重量(すなわち、存在するグラファイト状窒化炭素を含む任意の他の材料を除く)に対して、重量パーセントの電極触媒中の活性金属、例えば、白金族金属という用語で表すことができ、これは、誘導結合プラズマ質量分析(inductively coupled plasma mass spectrometry、ICPMS)を使用して決定することができる。したがって、担持量は、好適には、少なくとも10重量%の活性金属、例えば、白金族金属であり得る。電極触媒の担持量は、電極触媒及び担持材料の総重量に対して、好適には、90重量%以下の活性金属、例えば白金族金属、典型的には60重量%以下の活性金属、例えば白金族金属、例えば、40重量%以下の活性金属、例えば白金族金属であり得る。
g-Cとも示される、グラファイト状窒化炭素は、層内の平面の三級アミノ基及び層間の弱いファンデルワールス力を介して接続された、規則的なトリ-s-トリアジン、又はヘプタジンサブユニットで構成される既知の十分に研究されたグラファイト様層状材料である。グラファイト状窒化炭素は、例えば、メラミン、ジシアンジアミド、シアナミド、尿素、チオ尿素、及びチオシアン酸アンモニウムを含む、超音波処理及び/又は加熱によって補助された、前駆体化合物の凝縮によって作製される。凝縮は、メロンと呼ばれるポリマーC構造を介して進行し、これは、基本構築ブロックとしてトリ-s-トリアジンユニットを有するグラファイト状窒化炭素に更に凝縮する。
本発明では、ステップ(ii)は、触媒材料前駆体をグラファイト状窒化炭素前駆体化合物、好ましくは化合物の溶液と接触させ、グラファイト状窒化炭素前駆体をグラファイト状窒化炭素に、変換、好ましくは凝縮(すなわち、凝縮反応によって変換)するのに十分な条件を適用することによって行われ得る。好適には、グラファイト状窒化炭素は、触媒材料前駆体を、好ましくはメラミン、ジシアンジアミド、又はシアナミド、より好ましくはシアナミドである所望のグラファイト状窒化炭素前駆体の溶液、例えば、水と混合することによって、触媒材料前駆体に適用される。好ましくは、混合物を超音波処理して、触媒材料前駆体がグラファイト状窒化炭素の溶液中に十分に分散することを確実にする。最も好ましくは、触媒材料前駆体を、水中のシアナミドの溶液と混合する。溶液中のグラファイト状窒化炭素前駆体の濃度は特に限定されず、例えば、25~75重量%の範囲及びそれらを含み、例えば50重量%であり得る。当業者は、グラファイト状窒化炭素前駆体を凝縮して、グラファイト状窒化炭素を形成するのに十分な条件を認識している。好適には、混合物を乾燥させ、次いで、好ましくは不活性雰囲気、例えばアルゴン雰囲気中で、好適には10時間以下、好ましくは5時間以下の必要な温度での時間において、250~750℃、好ましくは400~600℃の範囲及びそれらを含む温度に焼成する。混合物は、好適には、必要な温度で少なくとも1時間焼成する。乾燥ステップは、例えば、少なくとも12時間及び48時間以下、好適には36時間以下又は24時間以下の期間において、混合物を空気中に放置することによって行われ得る。しかしながら、当業者は、乾燥ステップを行う方法を認識しているであろう。本発明の触媒材料中のグラファイト状窒化炭素は、好ましくは共有結合によって担持材料に結合され、そのようなものとして、本発明の方法は、好ましくは、グラファイト状窒化炭素と担持材料との間の共有結合をもたらす。そのような共有結合は、例えば、図2に示され、実施例セクションで説明されるように、X線光電子分光法によって検出され得る。
グラファイト状窒化炭素の担持量は、グラファイト状窒化炭素及び担持材料の総重量(すなわち、存在する電極触媒を含む任意の他の材料を除く)に対して、好適には、5重量%以下、好ましくは3.5重量%以下、より好ましくは2重量%未満である。グラファイト状窒化炭素の担持量は、グラファイト状窒化炭素及び担持材料の総重量に対して、好適には、少なくとも0.5重量%である。当業者は、試料の元素構成を決定し、及びそのような触媒材料中のグラファイト状窒化炭素の量を決定するために使用することができる方法を認識している。例えば、担持量は、例えば、C対N=3:4のモル比に基づいて、CHNS/O分析器(例えば、Perkin-Elmer2400シリーズ)を使用して、試料を燃焼させ、生成物のガスを分析する(すなわち、燃焼分析)などの従来の技術によって決定することができる。このようにして、総N含有量を決定することができ、次いで、グラファイト状窒化炭素としての炭素の含有量を、C対N=3:4のモル比に基づいて計算することができ、次いで、グラファイト状窒化炭素の重量を決定することができる。担持量は、本発明の方法で使用されるグラファイト状窒化炭素前駆体の量を制御することによって、制御することができる。
好適には、グラファイト状窒化炭素は、触媒材料の表面上に、好ましくは均一に分散されている。グラファイト状窒化物は、好適には、担持材料の自由表面上、すなわち、電極触媒を含まない担持材料の表面上の少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%に分散されている。触媒材料上に均一に分散された窒素の存在は、図1に示されるように、透過型電子顕微鏡(transmission electron microscope、TEM)画像のエネルギー分散型X線分光法(EDS)の元素マッピングによって確認することができる。触媒材料上でのグラファイト状窒化炭素の形成は、例えば、図2に示されるように、X線分析によって検出され、実施例セクションで説明され得る。
本発明の電極触媒層は、好ましくは燃料電池、より好ましくはプロトン交換膜燃料電池のカソード又はアノードであり得る。電極触媒層の特性、例えば厚さ、電極触媒の担持量、多孔率、細孔径分布、平均細孔径、及び疎水性は、それがアノード又はカソードのどちらで使用されているかに依存する。特に、電極触媒層は、カソードで使用されるものである。アノードにおいて、電極触媒層の厚さは、好適には少なくとも1μm、典型的には少なくとも5μmである。アノードにおいて、電極触媒層の厚さは、好適には15μm以下、典型的には10μm以下である。カソードにおいて、電極触媒層の厚さは、好適には少なくとも2μm、典型的には少なくとも5μmである。カソードにおいて、電極触媒層の厚さは、好適には20μm以下、典型的には15μm以下である。
電極触媒層における電極触媒担持量はまた、意図された使用に依存するであろう。この文脈では、電極触媒担持量は、電極触媒層中の活性金属、例えば、白金族金属の量を意味する。したがって、電極触媒が白金の合金であるとき、電極触媒担持量は、mg/cmとして表される単位面積当たりの白金の量である。例えば、白金を含有する電極触媒を含有する燃料電池カソードにおいて、電極触媒担持量は、好適には少なくとも0.05mgPt/cm、例えば、0.5mgPt/cm以下、好ましくは0.3mgPt/cm以下である。燃料電池アノードにおいて、電極触媒担持量は、好適には少なくとも0.02mgPt/cm、例えば、0.2mg/Ptcm以下、好ましくは0.15mgPt/cm以下である。
本発明の電極触媒層は、好ましくは、層のイオン伝導性を改善するために、プロトン伝導性ポリマーなどのイオン伝導性ポリマーを含む。したがって、イオン伝導性材料は、アイオノマー、例えばパーフルオロスルホン酸材料(例えば、Nafion(登録商標)(Chemours Company)、Aciplex(登録商標)(Asahi Kasei)、Aquivion(登録商標)(Solvay Specialty Polymer)、Flemion(登録商標)(Asahi Glass Co.))、あるいはスルホン化又はホスホン化されたポリマーである部分的にフッ素化又は非フッ素化炭化水素に基づくアイオノマー、例えばFuMA-Tech GmbHからのfumapem(登録商標)P、E又はKシリーズの製品、JSR Corporation、Toyobo Corporationなどから入手可能なものなどを含み得る。好適には、アイオノマーは、パーフルオロスルホン酸、特にChemours社から入手可能なNafion(登録商標)シリーズ、特にNafion(登録商標)1100EW、及びSolvayから入手可能なAquivion(登録商標)シリーズ、特にSolvay(登録商標)830EWである。
本発明の電極触媒層は、追加の構成要素を含み得る。そのような構成要素には、酸素発生触媒、過酸化水素分解触媒、反応物及び水輸送特性を制御するための疎水性添加剤(例えば、表面処理を伴うか又は伴わない、ポリテトラフルオロエチレン(polytetrafluoroethylene、PTFE)又は無機固体などのポリマー)又は親水性添加剤(例えば、酸化物などのポリマー又は無機固体)が挙げられるが、これらに限定されない。追加の構成要素の選択は、電極触媒層がアノード又はカソードで使用されるかどうかに依存し、それは、どの追加の構成要素が適切であるかを決定するための当業者の能力の範囲内である。
電極触媒層を作製するには、本発明の触媒材料及び任意の追加の構成要素を、水性及び/又は有機溶媒中に分散させて、触媒インクを作製する。必要に応じて、高剪断混合、ミリング、ボールミリング、マイクロフルイダイザーなどの通過、又はこれらの組み合わせなど、当該技術分野において既知の方法によって、粒子の破壊を行い、好適な粒径分布を達成する。触媒インクの作製後、インクを基材(例えば、ガス拡散層、イオン伝導性膜、又はキャリア/転写基材)上に堆積させて、電極触媒層を形成する。グラビアコーティング、スロットダイ(スロット、押出)コーティング、スクリーンプリント、ロータリースクリーンプリント、インクジェットプリント、スプレー、塗装、バーコーティング、パッドコーティング、ナイフ又はドクターブレードオーバーロールなどのギャップコーティング技術、及び計量ロッドの適用を含むが、これらに限定されない、当該技術分野において既知の任意の好適な手法によって、インクを堆積させてもよい。
電極触媒層を、ガス拡散層上に堆積させて、本発明のガス拡散電極を形成してもよい。ガス拡散層は、ガス拡散基材、及び、好ましくは、微多孔質層を含む。微多孔質層が存在するとき、電極触媒層は、微多孔質層上に堆積される。典型的なガス拡散基材としては、炭素繊維のネットワーク及び熱硬化性樹脂結合剤を含む不織布紙若しくはウェブ(例えば、Toray Industries Inc.,Japanから入手可能な炭素繊維紙のTGP-Hシリーズ、若しくはFreudenberg FCCT KG,Germanyから入手可能なH2315シリーズ、若しくはSGL Technologies GmbH,Germanyから入手可能なSigracet(登録商標)シリーズ、若しくはBallard Power Systems Inc.からのAvCarb(登録商標)シリーズ)、又は炭素織布が挙げられる。カーボン紙、ウェブ、又は布は、電極の製造前に前処理を施し、それをより湿潤性(親水性)又はより耐湿潤性(疎水性)のいずれかにするために膜電極接合体に組み込まれ得る。任意の処理の性質は、燃料電池の種類及び使用される作動条件により異なる。基材は、液体懸濁液からの含浸による非晶質カーボンブラックなどの材料を組み込むことにより、湿潤性を高めることができる、又はPTFE若しくはポリフルオロエチレンプロピレン(polyfluoroethylenepropylene、FEP)などのポリマーのコロイド懸濁液で基材の細孔構造を含浸させ、続いてポリマーの融点を超えて乾燥及び加熱することによって、疎水性を高めることができる。典型的な微多孔質層は、カーボンブラックとポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などのポリマーとの混合物を含む。
本発明の触媒被覆イオン伝導性膜において、触媒インクを膜上に直接被覆するか、間接的にデカール転写基材から転写するかのいずれかによってイオン伝導性膜上に電極触媒層を堆積させて、触媒被覆イオン伝導性膜を形成する。本発明の触媒被覆イオン伝導性膜は、その反対面に第2の電極触媒層を含み得、これは本発明又は他の方法に従ってもよい。イオン伝導性膜は、好適には、プロトン交換膜燃料電池における使用に好適な任意の膜であってよく、例えば、膜は、Nafion(商標)(Chemours Company)、Aquivion(登録商標)(Solvay Specialty Polymers)、Flemion(登録商標)(Asahi Glass Group)、及びAciplex(商標)(Asahi Kasei Chemicals Corp.)などのペルフルオロ化スルホン酸材料をベースとしたものであってもよい。代替的に、膜は、FuMA-Tech GmbHからfumapem(登録商標)P、E又はKシリーズの製品として入手可能なもの、JSR Corporation、Toyobo Corporation、及び他の企業から入手可能なものなどの、スルホン化炭化水素膜をベースとしたものであってもよい。
イオン伝導性膜の厚さは特に限定されず、イオン伝導性膜の意図された用途に依存するであろう。例えば、典型的な燃料電池イオン伝導性膜は、少なくとも5μm、好適には少なくとも8μm、好ましくは少なくとも10μmの厚さを有する。典型的な燃料電池イオン伝導性膜は、50μm以下、好適には30μm以下、好ましくは20μm以下の厚さを有する。したがって、典型的な燃料電池イオン伝導性膜は、5~50μm、好適には8~30μm、好ましくは10~20μmの範囲の厚さを有する。
イオン伝導性膜は、過酸化物分解触媒及び/又はラジカル分解触媒、及び/又は再結合触媒などの追加の構成要素を含み得る。再結合触媒は、燃料電池のアノード及びカソードからそれぞれイオン伝導性膜に拡散して水を生成することができる未反応のH及びOの再結合を触媒する。イオン伝導性膜はまた、引き裂き抵抗の増加並びに水和及び脱水時の寸法変化の減少などのイオン伝導性膜強度の改善を提供し、したがって、膜電極接合体の耐久性及び本発明の触媒イオン伝導性膜を組み込んだ燃料電池の寿命を更に延ばすために、イオン伝導性膜の厚さ内に埋め込まれた平面多孔質材料(例えば、USRE37307に記載される発泡ポリテトラフルオロエチレン(expanded polytetrafluoroethylene、ePTFE))などの補強材料を含み得る。補強イオン伝導性膜を形成するための他のアプローチには、米国特許第7,807,063号及び米国特許第7,867,669号に開示されているものが含まれ、ここで、補強材は、ポリイミドなどの硬質ポリマーフィルムであり、その中に多数の細孔が形成され、その後、PFSAアイオノマーで満たされる。イオン伝導性ポリマー層中に分散されたグラフェン粒子もまた、補強材料として使用されてもよい。
存在する任意の補強材は、イオン伝導性膜の厚さ全体を横切って延在する場合もあれば、イオン伝導性膜の厚さの一部のみに延在する場合もある。イオン伝導性膜の厚さは、イオン伝導性膜の面に垂直に延在し、例えば、それは貫通面のz方向にあることが理解されよう。イオン伝導性膜の第1の表面及び第2の表面の周辺部をイオン伝導性膜の第1の表面及び第2の表面の中央面よりも大きい程度に補強することが更に有利であり得る。逆に、イオン伝導性膜の第1の表面又は第2の表面の中央をイオン伝導性膜の第1の表面又は第2の表面の周辺部よりも大きい程度に補強することが望ましい場合がある。
触媒インクをデカール転写基材上にコーティングすることによって、デカール転写基材上に電極触媒層を堆積させると、本発明の触媒デカール転写基材が形成される。デカール転写基材の除去の前に、追加の層が、電極触媒層の露出面上に堆積されてもよく、例えば、イオン伝導性アイオノマー層は、電極触媒層の堆積に関して上で説明したように既知の任意の好適な堆積技術を使用して、アイオノマーの分散液から適用されてもよい。例えば、PCT公開WO2015/145128号に記載されているように、必要に応じて更なる追加の層を追加することができる。デカール転写基材は、適切な時間に電極触媒層から除去される。デカール転写基材は、電極触媒層が損傷することなく除去され得る、任意の好適な材料から形成され得る。好適な材料の例としては、フルオロポリマー、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エチレンテトラフルオロエチレン(ethylene tetrafluoroethylene、ETFE)、ペルフルオロアルコキシポリマー(perfluoroalkoxy polymer、PFA)、フッ素化エチレンプロピレン(FEP-ヘキサフルオロプロピレンとテトラフルオロエチレンとのコポリマー)及びポリオレフィン、例えば二軸延伸ポリプロピレン(oriented polypropylene、BOPP)が挙げられる。
当業者であれば理解するように、本発明の膜電極接合体は、本発明の少なくとも1つの電極触媒層を含有する場合、多くの方法によって構築することができる。例えば、膜電極接合体は、2つの電極触媒層を含む本発明のイオン伝導性膜を含み得、それらのうちの少なくとも1つは、本発明の電極触媒層であり、ガス拡散層が各電極触媒層に適用される。代替的に、膜電極接合体は、2つのガス拡散電極の間に挟まれたイオン伝導性膜を含み得、少なくとも1つのガス拡散電極が、本発明のガス拡散電極である。膜電極接合体はまた、1つの電極触媒層を有する触媒被覆イオン伝導性膜と、イオン伝導性膜の反対面上にガス拡散電極とを含み得、電極触媒層及びガス拡散電極のいずれか又は両方が、本発明のものである。
本発明の燃料電池は、好ましくは、プロトン交換膜燃料電池である。
実施例
触媒材料の作製
実施例1:カーボンブラック担体(Vulcan(登録商標)XC72R)上の、白金電極触媒(20重量%)、g-C(0.75重量%)。
実施例2:カーボンブラック担体(Vulcan(登録商標)XC72R)上の、白金電極触媒(20重量%)、g-C(1.4重量%)。
実施例3:カーボンブラック担体(Vulcan(登録商標)XC72R)上の、白金電極触媒(20重量%)、g-C(1.9重量%)。
実施例4:カーボンブラック担体(Vulcan(登録商標)XC72R)上の、白金電極触媒(20重量%)、g-C(3.1重量%)。
比較例1:カーボンブラック担体(Vulcan(登録商標)XC72R)上の、白金電極触媒(20重量%)。
g-C=グラファイト状窒化炭素。
白金電極触媒の場合、示される重量%は、白金電極触媒及びカーボンブラック担体の総重量に対するものである。グラファイト状窒化炭素の場合、示される重量%は、グラファイト状窒化炭素及びカーボンブラック担体の総重量に対するものである。
実施例1~実施例4について、Pt(20重量%)NP/VCでのg-C(g-C=グラファイト状窒化炭素、NP=ナノ粒子、VC=Cabot CorporationからのVulcan(登録商標)XC72R炭素粉末)の試料を、触媒材料前駆体としてのPt(20重量%)NP/VC、及びグラファイト状窒化炭素前駆体としてのシアナミド(HO中50重量%、Sigma-Aldrich)を使用して合成した。実施例1について、100mgのPt(20重量%)NP/VCを、0.1mLのシアナミド溶液及び9.9mLのHOと混合し、20分間超音波処理した。周囲条件で一晩保管した後、混合物を乾燥させるために空気中に放置し、次いで、Ar中にて550℃で3時間加熱し、Pt(20重量%)NP/VCでのg-Cを生成した。実施例2、実施例3、及び実施例4の合成のために、0.2mL、0.3mL、及び0.5mLのシアナミド溶液をそれぞれ用いた。
比較例1は、実施例1~実施例4を作製するために使用される触媒材料前駆体と同じである、Pt(20重量%)NP/VCである。
Pt(20重量%)NP/VCは、Cabot CorporationからのVulcan(登録商標)XC72R炭素粉末を使用して、国際公開第2013/045894号に記載されている炭素担持触媒の作製の一般的な方法に類似する方法を使用して作製された、粒子状炭素担持ナノ粒子材料である。
材料特性評価
走査型電子顕微鏡(Scanning electron microscopy、SEM)画像は、FEI Helios NanoLab 650 FIB(集束イオンビーム)-SEMを用いて得られた。
エネルギー分散型X線分光法(EDS)の元素マッピング及び透過型電子顕微鏡(TEM)画像は、200kVで操作されたFEI Tecnai G2顕微鏡を用いて実施した。
C及びNの量は、CHNS/O分析器(Perkin-Elmer2400シリーズ)を使用して燃焼分析によって決定され、試料中のg-Cの含有量は、C対N=3:4のモル比に基づいて計算された。
X線光電子分光法(XPS)分析は、15kV及び20mAで操作されたMgKα源(1253.6eV)を使用して、Leybold MAX200分光計で実施した。すべての結合エネルギーを、285.0eVでの不定のC1sピークを参照することによって、試料荷電について補正した。
電気化学測定
半電池測定
ガス状酸素供給物によって作動する電気化学半電池を、触媒材料の電気触媒活性評価に使用した。この電池は、高い電流密度(約2A cm-2)における作動を可能にし、したがって、ユーザが実用的な燃料電池稼働環境を模倣することを可能にする。
半電池の構成要素及び設定は、B.Pinaud,et al.Key considerations for high current fuel cell catalyst testing in an electrochemical half-cell,J.Electrochem.Soc.,2017,164,F321-F327に記載されている。簡潔には、大きな白金ガーゼ(52メッシュ、99.9%、Alfa Aesar)及び白金ワイヤ(直径0.5mm、99.95%、Alfa Aesar)を利用して、高表面積を有するフラッグ対電極を製造した。Hg/HgSO(0.5M HSO溶液を用いて満たされた)電極を、参照電極として使用した。微多孔質層(Sigracet 29BC)を有する触媒被覆ガス拡散電極を作用電極として使用し、これは、1.91cmの露出した活性表面積を有する。作用電極における電極触媒担持量は、0.1mgPt cm-2として設定され、実際の電極触媒担持量は、ICP-OES分析によって決定された。電解質は、1M過塩素酸(HClO)から構成された。すべての半電池測定を、周囲温度(約20℃)で行って、熱いHClOに関連する安全性リスクを最小限にし、蒸発による電解質の損失を防止した。ガラスフリット(Ace分散管、多孔度D、Sigma-Aldrich)を使用して、電池電解質及びヘッドスペースにAr又はOのいずれかをパージした。すべてのガスは、1atm(101kPa(絶対))の圧力で送達され、99.99%以上の純度を有した。ポテンシオスタット(5Aボード、Bio-Logic VMP3)を、電位制御及びデータ取得のために使用した。参照電極は、各電解質濃度で可逆水素電極(reversible hydrogen electrode、RHE)に定期的に較正され、特に指定されない限り、すべての電位がRHEスケールに関して報告される。
図5Aに示される質量活性(mA/mgPt)データを、様々な電池電位(すなわち、0.80、0.85、0.90V)で図4Bから直接取った。質量活性を、図4Aに示される低電流密度領域(0~100mA/cm)のデータを使用することによって計算した。計算のために、半電池試験用の触媒被覆ガス拡散電極は、1.91cmの同じ露出した活性表面積を有すると見なした。加えて、触媒被覆ガス拡散電極中の実際のPt担持量を、ICP-OESによって決定した。これらのパラメータに基づいて、図4Aに示される電流密度(mA/cm)は、図4Bに示される質量活性(mA/mgPt)に容易に変換され得る。図5Bに示される比活性データ(mA/cm)データは、各触媒材料の電気化学的表面積(electrochemical surface area、ECSA、cm/mgPt)で割った、図5Aに示される質量活性(mA/mgPt)データから導出された。電気化学的表面積(ECSA)は、多結晶白金上の0.21mC cm-2の単層水素吸着電荷に基づいて、定常状態CV曲線の水素吸着領域における積算電荷(静電容量の寄与の減算後)から決定された。サイクリックボルタモグラム(cyclic voltammogram、CV)測定を、室温で、Arパージされた0.1M HClOにおいて20mV s-1で実施した。すべてのサイクリックボルタモグラム(CV)は、f=10kHzでの開回路における抵抗を測定することによって、100%IR補正した(その場補償95%及び後処理5%)。定電流分極曲線のIR補正手順の詳細は、B.Pinaud,et al.Key considerations for high current fuel cell catalyst testing in an electrochemical half-cell,J.Electrochem.Soc.,2017,164,F321-F327の参考文献に記載されている。
単電池測定
50cmの総面積及び14cmの活性面積の膜電極接合体は、パーフルオロスルホン酸(perfluorosulphonic acid、PFSA)補強膜のいずれかの面にカソードガス拡散電極及びアノードガス拡散電極を適用することによって作製した。非活性面積をマスキングした。カソードガス拡散電極は、Sigracet 29BCのガス拡散層上にてPFSAアイオノマーを有する触媒層中に0.16mg/cmの白金担持量で、実施例及び比較例の触媒材料を含んでいた。アノードガス拡散電極は、Sigracet 29BCのガス拡散層上にてPFSAアイオノマーを有する触媒層中に0.04mg/cmの担持量で、アノード電極触媒(炭素担体上に20重量%の公称白金担持量を有するHiSPEC(登録商標)3000)を含んでいた。
単電池測定のために、50cmのScreener Cellを、アノード及びカソードの両方で100%相対湿度で作動させて使用し、14cmより大きい領域をマスキングした。アノードに、H(化学量論1.5)を供給し、カソードに、O又は空気(化学量論2)を供給した。アノード及びカソードについて、電池温度は80℃であり、電池圧縮は80psiであり、電池ガス圧力は150kPaであった。
結果及び考察
図1は、EDS元素マッピングを使用して、グラファイト状窒化炭素の堆積後の実施例1の触媒材料における白金(画像D及び画像E)並びに窒素(画像C及び画像E)の位置を示す。データは、窒素、及びそのようなグラファイト状窒化炭素が、触媒材料上に均一に分散していることを示した。元のデータでは、窒素は緑色で表され、白金は赤色で表される。元のデータは、炭素担持材料上の緑色及び赤色の均一な分散を示す。
図2のデコンボリューションされたXPS曲線は、グラファイト状窒化炭素の適用後に、新しいC=O及びグラファイト状窒化炭素C-N-C結合が生成されたことを示す。図2Aは、比較例1の触媒材料からのデータであり、図2Bは、実施例1の触媒材料からのデータである。したがって、本発明の方法は、グラファイト状窒化炭素の存在をもたらし、グラファイト状窒化炭素が担持材料に共有結合していることは明らかである。
図3のデコンボリューションされたXPS曲線は、優勢な白金種が、比較例1の触媒材料(図3A)及び実施例1の触媒材料(図3B)の両方についてPt(0)であることを示す。具体的には、Pt(0)、Pt(II)及びPt(IV)のピークによって囲まれた領域に従って、試料中の各Pt種(すなわち、Pt(0)、Pt(II)及びPt(IV))のパーセンテージを計算することができる。優勢な白金種は、両方の試料についてPt(0)(Pt(II)でもなくPt(IV)でもない)であり、本発明の方法が白金電極触媒の性質を変化させないことを意味する。これは、例えば、優勢な白金種がPt(0)からPt(II)又はPt(IV)に変化した場合、電極触媒の電極触媒活性が顕著に減少し得るため、有利である。
図4A及び図4Bに示される半電池で決定された分極及び質量活性曲線はそれぞれ、比較例1の触媒材料よりも実施例1~実施例4の触媒材料の性能を良好にするために、最大のグラファイト状窒化炭素が存在することを示す。高い電流密度では、グラファイト状窒化炭素及びカーボンブラック担体の総重量に対して、2重量%未満の担持量(すなわち、実施例1及び実施例2)は、比較例1の触媒材料よりも電気化学性能をもたらす。図5A及び図5Bの質量活性及び比活性データは、同様の傾向を示す。
図6A及び図6Bに示される比較例1及び実施例1の触媒材料における単電池試験の分極曲線は、従来の触媒材料と比較した場合に、本発明の触媒材料の電気化学性能の驚くべき増加を示す。図6Aに示されるO下において見える性能の増加(反応が速度支配下にある)は、本発明の触媒材料のそれ自体の触媒活性の増加を示す。空気下である図6Bでは、この増加した触媒活性は、低電流密度で明らかであり、それによって速度支配は依然として優勢である。

Claims (12)

  1. 電極触媒粒子、担持材料、及びグラファイト状窒化炭素を含む、触媒材料を作製する方法であって、前記方法が、
    (i)担持材料上に分散された電極触媒粒子を含む触媒材料前駆体を提供するステップ、次に、
    (ii)グラファイト状窒化炭素をステップ(i)で提供された前記触媒材料前駆体に適用するステップ、を含む、方法。
  2. 前記触媒材料が、前記グラファイト状窒化炭素及び前記担持材料の総重量に対して、5重量%以下のグラファイト状窒化炭素を含む、請求項1に記載の方法。
  3. ステップ(ii)が、前記触媒材料前駆体をグラファイト状窒化炭素前駆体化合物と接触させ、前記グラファイト状窒化炭素前駆体をグラファイト状窒化炭素に変換するのに十分な条件を適用することによって行われる、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 請求項1~3のいずれか一項に記載の方法によって入手可能な、触媒材料。
  5. 電極触媒粒子、担持材料、及びグラファイト状窒化炭素を含む触媒材料であって、前記電極触媒粒子が、前記担持材料上に分散され、前記触媒材料が、前記グラファイト状窒化炭素及び前記担持材料の総重量に対して5重量%以下のグラファイト状窒化炭素を含む、触媒材料。
  6. 請求項4又は5に記載の触媒材料を含む、電極触媒層。
  7. 請求項6に記載の電極触媒層、及びイオン伝導性膜を含む、触媒被覆イオン伝導性膜。
  8. 請求項6に記載の電極触媒層、及びガス拡散層を含む、ガス拡散電極。
  9. 請求項6に記載の電極触媒層、請求項7に記載の触媒被覆イオン伝導性膜、又は請求項8に記載のガス拡散電極を含む、膜電極接合体。
  10. 請求項6に記載の電極触媒層、請求項7に記載の触媒被覆イオン伝導性膜、請求項8に記載のガス拡散電極、又は請求項9に記載の膜電極接合体を含む、燃料電池。
  11. 前記燃料電池が、プロトン交換膜燃料電池である、請求項10に記載の燃料電池。
  12. 請求項6に記載の電極触媒層、及びデカール転写基材を含む、触媒デカール転写基材。
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