JP2023512701A - 非アルコール性脂肪性肝炎(nash)のバイオマーカー及びその使用 - Google Patents

非アルコール性脂肪性肝炎(nash)のバイオマーカー及びその使用 Download PDF

Info

Publication number
JP2023512701A
JP2023512701A JP2022547788A JP2022547788A JP2023512701A JP 2023512701 A JP2023512701 A JP 2023512701A JP 2022547788 A JP2022547788 A JP 2022547788A JP 2022547788 A JP2022547788 A JP 2022547788A JP 2023512701 A JP2023512701 A JP 2023512701A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
subject
nash
biomarker
treatment
biomarker proteins
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022547788A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2021163034A5 (ja
Inventor
リー アレキサンダー
レイチェル オストロフ
スチュアート フィールド
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Somalogic Operating Co Inc
Original Assignee
Somalogic Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Somalogic Inc filed Critical Somalogic Inc
Publication of JP2023512701A publication Critical patent/JP2023512701A/ja
Publication of JPWO2021163034A5 publication Critical patent/JPWO2021163034A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/68Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing involving proteins, peptides or amino acids
    • G01N33/6893Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing involving proteins, peptides or amino acids related to diseases not provided for elsewhere
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N2800/00Detection or diagnosis of diseases
    • G01N2800/08Hepato-biliairy disorders other than hepatitis
    • G01N2800/085Liver diseases, e.g. portal hypertension, fibrosis, cirrhosis, bilirubin
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N2800/00Detection or diagnosis of diseases
    • G01N2800/52Predicting or monitoring the response to treatment, e.g. for selection of therapy based on assay results in personalised medicine; Prognosis
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N2800/00Detection or diagnosis of diseases
    • G01N2800/60Complex ways of combining multiple protein biomarkers for diagnosis

Landscapes

  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Urology & Nephrology (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Cell Biology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Food Science & Technology (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)

Abstract

対象での肝疾患、例えば、脂肪肝、肝炎、肝細胞バルーニング、及び/または肝線維症の有無を決定するための方法、組成物、及びキットを提供する。様々な実施形態では、当該対象の肝疾患は、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)を含む。【選択図】図1

Description

関連出願への相互参照
本出願は、2020年2月10日に出願した米国仮出願第62/972,418号の優先権の利益を主張するものであり、この出願を、あらゆる目的で、その全内容を、参照により、本明細書で援用する。
発明の分野
本出願は、一般的に、バイオマーカーの検出、及び肝疾患の特徴決定に関連しており、例えば、脂肪肝、肝炎、肝線維症、または肝細胞バルーニングを有する対象を特定する。様々な実施形態では、当該肝疾患は、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)を含む。様々な実施形態では、本発明は、個体の肝疾患の特徴決定を行うための1つ以上のバイオマーカー、方法、機器、試薬、システム、及びキットに関する。
背景
以下の説明は、情報の概要を提供するものであって、提供したあらゆる情報、または本明細書で参照したあらゆる刊行物が、本出願の先行技術であることを自認するものではない。
非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)とは、炎症及び線維症の有無に関係なく、アルコール歴が無くとも、脂肪肝が存在するものとして定義する。NAFLDは、非アルコール性脂肪肝(NAFL)と、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)に細分される。NAFLでは、脂肪肝は、顕著な炎症の証拠が無くとも存在するのに対して、NASHでは、脂肪肝は、組織学的にアルコール性脂肪性肝炎と区別し得ない肝炎と関連している。
NAFLDは、世界規模で認められており、また、肥満の有病率が急速に高まった結果、北米では、肝疾患の主要原因となっている。しかしながら、診断には組織病理学的証拠が必要であるので、それが一因となり、NAFL及びNASHの発生率に関する人口をベースとした正確なデータは僅かしかない。NAFLDの主なリスク因子として、中心性肥満、2型糖尿病、高レベルの血中トリグリセリド(脂肪)、及び高血圧がある。米国では、人口の20~40%がNAFLDに罹患しており、また、肥満人口の約25%がNASHに罹患している。NASH患者の10~29%が肝硬変を発症しており、また、4~27%が肝癌を発症している。
NASHを有する大抵の方々は無症状である。一部の方々は、右上腹部痛、肝腫大、または非特異的症状、例えば、腹部不快感、脱力感、疲労、もしくは倦怠感などを訴える。医師または看護師は、定期的な血液検査の結果からNASHの存在を疑い得る。NAFLDでは、肝酵素のアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)及びアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)が高くなることがよくある。
NASHを確認するための現在の絶対的基準は、肝生検の組織学的評価であるが、これは、高額であり、侵襲的である上に、痛み及び出血を引き起こし、さらには死亡に至る場合もある。
NASHなどの肝疾患の様々なステージを同定及び識別する(そして、それにより、肝生検の必要性を小さくする)簡便な血液検査が待望されている。
概要
一部の実施形態では、対象での肝疾患の有無を決定する方法を提供する。一部の実施形態では、脂肪肝、肝炎、肝線維症、または肝細胞バルーニングを有する対象を同定する方法を提供する。様々な実施形態では、当該肝疾患として、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)がある。
一部の実施形態では、対象での非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)の有無を決定する方法を提供する。一部の実施形態では、NASHを有する対象を同定する方法を提供する。一部の実施形態では、NASHを有する対象と、脂肪肝、肝炎、肝線維症、または肝細胞バルーニングを有する対象とを識別する方法を提供する。一部の実施形態では、NASHの重症度を決定する方法を提供する。
一部の実施形態では、本明細書の方法は、対象での脂肪肝の有無を決定するためのものであり、N個のバイオマーカータンパク質を有するバイオマーカーパネルを形成する、及び当該対象から得た試料でのN個のバイオマーカータンパク質のそれぞれのレベルを検出することを含む、また、Nは少なくとも1である、そして、N個のバイオマーカータンパク質の少なくとも1つを、PTGR1、INHBC、及びBPIB1から選択する。一部の実施形態では、Nは1~12である、またはNは2~12である、またはNは3~12である、またはNは4~12である、またはNは5~12である、またはNは1~5である、またはNは2~5である、またはNは3~5である、またはNは4~5である。一部の実施形態では、Nは1である、またはNは2である、またはNは3である、またはNは4である、またはNは5である、またはNは6である、またはNは7である、またはNは8である、またはNは9である、またはNは10である、またはNは11である、またはNは12である。一部の実施形態では、当該方法は、対象でのNASHの有無を決定することを含む。
一部の実施形態では、対象での脂肪肝の有無を決定する方法を提供しており、N個のバイオマーカータンパク質を有するバイオマーカーパネルを形成する、及び当該対象から得た試料でのN個のバイオマーカータンパク質のそれぞれのレベルを検出することを含む、また、Nは少なくとも1である、そして、N個のバイオマーカータンパク質の少なくとも1つを、PTGR1、INHBC、及びBPIB1から選択する。一部の実施形態では、N個のバイオマーカータンパク質の少なくとも1つを、PTGR1及びINHBCから選択する。一部の実施形態では、Nは少なくとも2である、そして、N個のバイオマーカータンパク質の少なくとも1つを、PTGR1、INHBC、及びBPIB1から選択する、そして、N個のバイオマーカータンパク質の少なくとも1つを、FBP12、RECQ1、BGLR、CNDP1、SOM2、及びGRID2から選択する。一部の実施形態では、Nは少なくとも2である、N個のバイオマーカータンパク質の少なくとも1つを、PTGR1、INHBC、及びBPIB1から選択する、そして、N個のバイオマーカータンパク質の少なくとも1つを、INSL5、HEXB、及びERN1から選択する。一部のそのような実施形態では、N個のバイオマーカータンパク質のそれぞれを、PTGR1、INHBC、BPIB1、FBP12、RECQ1、BGLR、CNDP1、SOM2、GRID2、INSL5、HEXB、及びERN1から選択する。
一部の実施形態では、Nは少なくとも2である、N個のバイオマーカータンパク質の少なくとも2つを、PTGR1、CNDP1、及びERN1;PTGR1、INSL5、及びHEXB;INHBC、HEXB、及びCNDP1;または、BPIB1、CNDP1、INSL5、HEXB、及びERN1から選択する。
一部の実施形態では、本明細書の方法は、対象での肝炎の有無を決定するためのものであり、N個のバイオマーカータンパク質を有するバイオマーカーパネルを形成する、及び当該対象から得た試料でのN個のバイオマーカータンパク質のそれぞれのレベルを検出することを含む、また、Nは少なくとも1である、そして、N個のバイオマーカータンパク質の少なくとも1つを、MAAI、SAA2、RPN1、及びPCOC2から選択する。一部の実施形態では、Nは少なくとも2である、そして、N個のバイオマーカータンパク質の少なくとも1つを、MAAI、SAA2、RPN1、PCOC2、CA198、CTCF、及びTACD2から選択する。一部の実施形態では、Nは1~14である、またはNは2~14である、またはNは3~14である、またはNは4~14である、またはNは5~14である、またはNは6~14である、またはNは7~14である、またはNは8~14である、またはNは1~8である、またはNは2~8である、またはNは3~8である、またはNは4~8である、またはNは5~8である。一部の実施形態では、Nは1である、またはNは2である、またはNは3である、またはNは4である、またはNは5である、またはNは6である、またはNは7である、またはNは8である、またはNは9である、またはNは10である、またはNは11である、またはNは12である、またはNは13である、またはNは14である。一部の実施形態では、当該方法は、対象でのNASHの有無を決定することを含む。
一部の実施形態では、対象での肝炎の有無を決定する方法を提供しており、N個のバイオマーカータンパク質を有するバイオマーカーパネルを形成する、及び当該対象から得た試料でのN個のバイオマーカータンパク質のそれぞれのレベルを検出することを含む、また、Nは少なくとも2である、そして、N個のバイオマーカータンパク質の少なくとも1つを、CA198、CTCF、及びTACD2;または、PPAC、ADIPO、PYY、FCG3B、TRXR1、ACY1、及びCCL23から選択する。一部のそのような実施形態では、N個のバイオマーカータンパク質のそれぞれを、MAAI、SAA2、RPN1、PCOC2、CA198、CTCF、TACD2、PPAC、ADIPO、PYY、FCG3B、TRXR1、ACY1、及びCCL23から選択する。
一部の実施形態では、Nは少なくとも2である、そしてN個のバイオマーカータンパク質の少なくとも2つを、PCOC2、PYY、及びTRXR1;TACD2、TRXR1、及びACY1;CA198及びTRXR1;CA198、FCG3B、及びACY1;RPN1、PYY、及びACY1;TACD2、PPAC、及びTRXR1;CTCF、ADIPO、及びTRXR1;またはSAA2、PPAC、及びACY1から選択する
一部の実施形態では、本明細書の方法は、対象での肝細胞バルーニングの有無を決定するためのものであり、N個のバイオマーカータンパク質を有するバイオマーカーパネルを形成する、及び当該対象から得た試料でのN個のバイオマーカータンパク質のそれぞれのレベルを検出することを含む、また、Nは少なくとも1である、そして、N個のバイオマーカータンパク質の少なくとも1つを、PTGR1、ATL2、及びCNN2から選択する。一部の実施形態では、Nは1~5である、またはNは2~5である、またはNは3~5である、またはNは4~5である、またはNは1~2である、またはNは1~3、またはNは1~4である。一部の実施形態では、Nは1である、またはNは2である、またはNは3である、またはNは4である、またはNは5である。一部の実施形態では、当該方法は、対象でのNASHの有無を決定することを含む。
一部の実施形態では、対象での肝細胞バルーニングの有無を決定する方法を提供しており、N個のバイオマーカータンパク質を有するバイオマーカーパネルを形成する、及び当該対象から得た試料でのN個のバイオマーカータンパク質のそれぞれのレベルを検出することを含む、また、Nは少なくとも2である、そして、N個のバイオマーカータンパク質の少なくとも1つを、AK1BA及びCTLA4から選択する。一部のそのような実施形態では、N個のバイオマーカータンパク質のそれぞれを、PTGR1、ATL2、CNN2、AK1BA、及びCTLA4から選択する。
一部の実施形態では、Nは少なくとも3である、そして、N個のバイオマーカータンパク質の少なくとも3つを、AK1BA、PTGR1、及びATL2から選択する。
一部の実施形態では、対象での肝線維症の有無を決定する方法を提供しており、N個のバイオマーカータンパク質を有するバイオマーカーパネルを形成する、及び当該対象から得た試料でのN個のバイオマーカータンパク質のそれぞれのレベルを検出することを含む、また、Nは少なくとも1である、そして、N個のバイオマーカータンパク質の少なくとも1つを、ATL2、NFASC、及びFCRL3から選択する。一部の実施形態では、Nは1~8である、またはNは2~8である、またはNは3~8である、またはNは4~8である、またはNは5~8である、またはNは6~8である、またはNは7~8である、またはNは1~2である、またはNは1~3である、またはNは1~4である、またはNは1~5である、またはNは1~6である、またはNは1~7である。一部の実施形態では、Nは1である、またはNは2である、またはNは3である、またはNは4である、またはNは5である、またはNは6である、またはNは7である、またはNは8である。一部の実施形態では、当該方法は、対象でのNASHの有無を決定することを含む。
一部の実施形態では、対象での肝線維症の有無を決定する方法を提供しており、N個のバイオマーカータンパク質を有するバイオマーカーパネルを形成する、及び当該対象から得た試料でのN個のバイオマーカータンパク質のそれぞれのレベルを検出することを含む、また、Nは少なくとも2である、そして、N個のバイオマーカータンパク質の少なくとも1つを、CO7、COL11、VGFR2、WNT5A、及びPLOD3から選択する。一部のそのような実施形態では、N個のバイオマーカータンパク質のそれぞれを、ATL2、NFASC、FCRL3、CO7、COL11、VGFR2、WNT5A、及びPLOD3から選択する。
一部の実施形態では、Nは少なくとも2である、そして、N個のバイオマーカータンパク質の少なくとも2つは、ATL2及びVGFR2である;または、ATL2、COL11、及びWNT5A;または、ATL2、CO7、及びWNT5Aから選択する。
本明細書に記載した実施形態のいずれでも、当該対象は、脂肪肝、肝炎、肝細胞バルーニング、及び/または肝線維症を発症するリスクがある。
本明細書に記載した実施形態のいずれでも、当該対象は、NASHを発症するリスクがあり得る。本明細書に記載した実施形態のいずれでも、当該対象は、肥満、腹部肥満、メタボリックシンドローム、心血管疾患、及び糖尿病から選択するNASH併存疾患を有し得る。本明細書に記載した実施形態のいずれでも、当該対象は、肥満であり得る。
本明細書に記載した実施形態のいずれでも、方法は、対象から得た試料のタンパク質バイオマーカーをバイオマーカー捕捉試薬のセットと接触させることを含み、当該バイオマーカー捕捉試薬のセットのそれぞれのバイオマーカー捕捉試薬は、検出する異なるバイオマーカーに対して特異的に結合する。一部の実施形態では、それぞれのバイオマーカー捕捉試薬は、抗体またはアプタマーである。一部の実施形態では、それぞれのバイオマーカー捕捉試薬は、アプタマーである。一部の実施形態では、少なくとも1つのアプタマーは、低速オフレートのアプタマーである。一部の実施形態では、低速オフレートを示す少なくとも1つのアプタマーでは、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、少なくとも8つ、少なくとも9つ、または、少なくとも10個のヌクレオチドが修飾を受けている。一部の実施形態では、低速オフレートを示すそれぞれのアプタマーが、≧30分、≧60分、≧90分、≧120分、≧150分、≧180分、≧210分、または≧240分のオフレート(t1/2)で、その標的タンパク質に結合する。
本明細書に記載した実施形態のいずれでも、当該試料を、血液試料とし得る。本明細書に記載した実施形態のいずれでも、当該試料を、血清試料及び血漿試料から選択し得る。
本明細書に記載した実施形態のいずれでも、当該対象が、脂肪肝、肝炎、肝細胞バルーニング、肝線維症、及び/またはNASHを有していれば、当該対象に対して、減量、血糖コントロール、アルコール回避、当該対象に糖尿病及び/または心血管疾患に関する試験を行う、当該対象に胃バイパス手術を実施する、及び当該対象に薬物を投与する、ことを推奨し得る。
一部の実施形態では、本明細書に記載した方法は、医療保険料または生命保険料を決定することを目的としている。一部の実施形態では、方法は、医療保険料または生命保険料を決定することをさらに含む。一部の実施形態では、本明細書に記載した方法は、当該方法から得た情報を使用して、医療資源の利用を予測及び/または管理することをさらに含む。
一部の実施形態では、キットを提供する。一部の実施形態では、キットは、表1、3、5または7から選択するN個のバイオマーカータンパク質に結合するN個のバイオマーカータンパク質捕捉試薬を含む、また、Nは、少なくとも1である。一部の実施形態では、N個のバイオマーカー捕捉試薬のそれぞれは、異なるバイオマーカータンパク質に対して特異的に結合する。一部の実施形態では、それぞれの捕捉試薬は、抗体またはアプタマーである。
本明細書に記載した実施形態のいずれでも、少なくとも1つのアプタマーを、低速オフレートのアプタマーとし得る。本明細書に記載した実施形態のいずれでも、それぞれのアプタマーを、低速オフレートのアプタマーとし得る。一部の実施形態では、少なくとも1つの低速オフレートアプタマーでは、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、少なくとも8つ、少なくとも9つ、または、少なくとも10個のヌクレオチドが疎水性修飾を受けている。
一部の実施形態では、それぞれの低速オフレートアプタマーは、低速オフレートを示すそれぞれのアプタマーが、≧30分、≧60分、≧90分、≧120分、≧150分、≧180分、≧210分、または≧240分のオフレート(t1/2)で、その標的タンパク質に結合する。
本明細書に記載した実施形態のいずれでも、当該方法は、対象から得た試料のタンパク質バイオマーカーをバイオマーカー捕捉試薬のセットと接触させることを含み得る、当該バイオマーカー捕捉試薬のセットのそれぞれのバイオマーカー捕捉試薬は、検出する異なるバイオマーカーに対して特異的に結合する。一部の実施形態では、当該バイオマーカー捕捉試薬のセットのそれぞれのバイオマーカー捕捉試薬は、検出する異なるバイオマーカーに対して特異的に結合する。本明細書に記載した実施形態のいずれでも、それぞれのバイオマーカー捕捉試薬を、抗体またはアプタマーとし得る。本明細書に記載した実施形態のいずれでも、それぞれのバイオマーカー捕捉試薬を、アプタマーとし得る。本明細書に記載した実施形態のいずれでも、少なくとも1つのアプタマーを、低速オフレートのアプタマーとし得る。本明細書に記載した実施形態のいずれでも、低速オフレートを示す少なくとも1つのアプタマーは、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、少なくとも8つ、少なくとも9つ、または、少なくとも10個のヌクレオチドが修飾を受け得る。一部の実施形態では、当該修飾は、疎水性修飾である。一部の実施形態では、当該修飾は、疎水性塩基修飾である。一部の実施形態では、当該修飾の1つ以上を、図1に示す修飾から選択し得る。一部の実施形態では、それぞれの低速オフレートアプタマーは、≧30分、≧60分、≧90分、≧120分、≧150分、≧180分、≧210分、または≧240分のオフレート(t1/2)で、その標的タンパク質に結合する。
本明細書に記載した実施形態のいずれでも、当該試料を、血液試料とし得る。一部の実施形態では、当該血液試料を、血清試料及び血漿試料から選択する。
アプタマーで使用することができる特定の核酸塩基修飾を示す。 本明細書に記載したコンピューターで実施する様々な方法での使用に供する例示的なコンピューターシステムを示しているが、これに限定されない。
詳細な説明
本発明を、代表的な特定の実施形態と併せて説明をするが、本発明は、特許請求の範囲によって定義されており、それらの実施形態に限定するものでない、ことを理解されたい。
当業者であれば、本明細書に記載したものと類似または同等の数多くの方法及び材料が、本発明を実施するにあたって使用し得ることを認識する。本発明は、本明細書に記載した方法及び材料に限定することは、決してない。
特記しない限り、本明細書で使用する技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者が、一般的に理解する意味を有する。本明細書に記載したものと類似または同等のあらゆる方法、装置、及び材料を、本発明を実施するにあたって使用することができるが、特定の方法、装置、及び材料を、本明細書に記載している。
本明細書で引用するすべての刊行物、公開特許公報、及び特許出願は、それぞれの個別の刊行物、公開特許公報、または特許出願を、参照により、あたかも具体的かつ個別に示したものと同然に、参照により、それらの内容を本明細書で援用する。
本明細書に添付した許請求の範囲を含めて、本出願で使用する単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈で明確にその他の事項を指していない限り、複数形を含む、また、「少なくとも1つ(at least one)」及び「1つ以上(one or more)」と互換可能に使用し得る。したがって、「アプタマー」とは、アプタマーの混合物を含み、「プローブ」とは、プローブの混合物などを含む。
本明細書で使用する用語「含む(comprises)」、「含む(comprising)」、「含む(includes)」、「含む(including)」、「含む(contains)」、「含む(containing)」、及び、それらのあらゆる変形は、プロセス、方法、プロダクト-バイ-プロセス、または、要素を含む(comprises)、含む(includes)、または含む(contains)組成物などを排他的に含むことは意図していない、そして、要素の一覧は、その一覧に明示されていないその他の要素を含み得る。
本出願は、対象での脂肪肝、肝炎、肝線維症、及び/または肝細胞バルーニングの有無を決定するためのバイオマーカー、方法、機器、試薬、システム、及びキットを含む。また、本出願は、対象でのNASHの有無を決定するためのバイオマーカー、方法、機器、試薬、システム、及びキットを含む。一部の実施形態では、脂肪肝、肝炎、肝線維症、及び/または肝細胞バルーニングに罹患した対象でのNASHの有無を決定するためのバイオマーカー、方法、機器、試薬、システム、及びキットを提供する。
一部の実施形態では、単独でまたは様々な組み合わせで使用する1つ以上のバイオマーカーを提供して、対象での脂肪肝、肝炎、肝線維症、肝細胞バルーニング、及び/またはNASHの有無を決定する。以下に詳述するように、例示的実施形態として、表1、3、5、または7に提供するバイオマーカーがある。
一部の実施形態では、単独でまたは様々な組み合わせで使用する1つ以上のバイオマーカーを提供して、対象での脂肪肝、肝炎、肝線維症、肝細胞バルーニング、及び/またはあらゆるステージのNASHの有無を決定する。一部の実施形態では、単独でまたは様々な組み合わせで使用する1つ以上のバイオマーカーを提供して、対象でのステージ2、3、または4のNASHの有無を決定する。一部の実施形態では、対象は、脂肪肝に罹患していることがすでに判明している。以下に詳述するように、例示的実施形態として、表1、3、5、または7に提供するバイオマーカーがあり、それらは、多重アプタマーをベースとしたアッセイを使用して同定した。一部の実施形態では、パネルでのバイオマーカーの個数及び同一性は、バイオマーカー値の特定の組み合わせに対する感受性と特異性に基づいて選択する。用語「感受性」及び「特異性」は、生物学的試料で検出した1つ以上のバイオマーカーレベルに基づいて、疾患を有する個体、または疾患を持たない個体を正しく見分ける能力に関して本明細書で使用する。一部の実施形態では、用語「感受性」及び「特異性」は、生物学的試料で検出した1つ以上のバイオマーカーレベルに基づいて、脂肪肝、肝炎、肝線維症、及び/または肝細胞バルーニングを有する個体、または脂肪肝、肝炎、肝線維症、及び/または肝細胞バルーニングを持たない個体を正しく見分ける能力に関して本明細書で使用する。そのような実施形態では、「感受性」は、これらの肝疾患の1つを有する個体を正しく見分けるバイオマーカー(複数可)の性能を示す。「特異性」は、これらの肝疾患の1つを持たない個体を正しく見分けるバイオマーカー(複数可)の性能を示す。例えば、バイオマーカーのパネルに対して、85%の特異性と90%の感受性を試験するために使用した、一連のコントロール試料(健康な個体、または肝疾患を持っていないことが明らかである対象から得た試料など)、及び試験試料(肝疾患を有する個体から得た試料など)は、コントロール試料の85%が、パネルではコントロール試料として正しく分類されており、かつ、試験試料の90%が、パネルでは試験試料として正しく分類されている。
一部の実施形態では、1つ以上のバイオマーカーのパネルの全体的な性能を、曲線下面積(AUC)値で表す。このAUC値は、本明細書で例示する受信者動作特性(ROC)曲線から導き出す。このROC曲線は、試験の偽陽性率(1-特異度)に対する試験の真正陽性率(感受性)のプロットである。用語「曲線下面積」または「AUC」は、受信者動作特性(ROC)曲線の曲線下面積のことを指しており、これらは、両方ともに、当該技術分野で周知である。AUCの測定は、完全なデータ範囲にわたって分類器の精度を比較する上で役立つ。AUCが大きい分類器は、2つの関心グループ(例えば、正常な個体と、肝疾患を有する個体)の間で未知数を正しく分類する能力を高める。ROC曲線は、2つの母集団を区別する際に、特定の機能(例えば、本明細書で説明するバイオマーカーのいずれか、及び/またはさらなる生物医学情報のあらゆる特徴)のパフォーマンスをプロットする上で役立つ。一般的には、母集団全体の機能データを、単一の機能の値に基づいて昇順で並べ替える。次に、その機能に関するそれぞれの数値に関して、データの真陽性率と偽陽性率を計算する。真陽性率は、その機能の数値を超える事例の数を計数して、事例の総数で割って決定する。偽陽性率は、その機能の数値を超えるコントロールの数を計数して、コントロールの総数で割って決定する。この定義は、コントロールと比較して機能が改善している状況を指しているが、この定義は、コントロールと比較して機能が改善していない状況にも使える(そのような状況では、その機能の数値を下回る試料を計数する)。ROC曲線は、単一の機能、及びその他の単一の出力に対して生成することができる、例えば、2つ以上の機能の組み合わせを数学的に(例えば、加算、減算、乗算などで)組み合わせて、単一の合計値を提供することができ、この単一の合計値は、ROC曲線にプロットすることができる。加えて、複数の機能のあらゆる組み合わせ、すなわち、単一の出力値を導出する組み合わせを、ROC曲線にプロットすることができる。
一部の実施形態では、方法は、当該対象から得た試料でのN個のバイオマーカータンパク質のそれぞれのレベルを検出することを含む、また、Nは少なくとも1である、そして、N個のバイオマーカータンパク質の少なくとも1つを、対象から得た試料でのPTGR1、INHBC、及びBPIB1;MAAI、SAA2、RPN1、及びPCOC2;PTGR1、ATL2、及びCNN2;または、ATL2、NFASC、及びFCRL3から選択する。一部の実施形態では、当該方法は、対象での脂肪肝、肝炎、肝細胞バルーニング、または肝線維症のそれぞれの有無を決定するためのものである。一部のそのような実施形態では、当該方法は、当該対象から得た試料または当該試料の一部を、少なくとも1つの捕捉試薬と接触させることを含む、また、それぞれの捕捉試薬は、N個のバイオマーカータンパク質の1つに対して、当該バイオマーカータンパク質の検出レベルで特異的に結合する。一部の実施形態では、当該方法は、当該対象から得た試料、または当該試料に由来するタンパク質を、少なくとも1つのアプタマーと接触させることを含む、また、それぞれのアプタマーは、N個のバイオマーカータンパク質の少なくとも1つに対して、当該バイオマーカータンパク質の検出レベルで特異的に結合する。一部の実施形態では、当該方法は、当該対象でのNASHの有無を決定することを含む。
本明細書で使用する「非アルコール性脂肪肝疾患」または「NAFLD」とは、過度のアルコール摂取が無く、炎症及び線維症の有無に関係なく、脂肪が肝臓に沈着する状態(脂肪肝)のことを指す。
本明細書で使用する「脂肪肝」とは、過度のアルコール摂取の非存在下での軽度、中等度、及び重度の脂肪肝を含む。
本明細書で使用する「非アルコール性脂肪性肝炎」または「NASH」とは、肝臓に炎症及び/または線維症があるNAFLDのことを指す。NASHは、4つのステージに分け得る。NASHのステージを決定する例示的方法は、例えば、Kleiner et al.,2005,Hepatology,41(6):1313-1321、及びBrunt et al.,2007,Modern Pathol.,20:S40-S48に記載されている。
本明細書で使用する対象に関する「肥満」とは、BMIが30以上の対象のことを指す。
「生物学的試料」、「試料」、及び「試験試料」は、本明細書では互換可能に使用しており、個体から得た、またはその他の方法で得たあらゆる材料、体液、組織、または細胞のことを指す。このものとして、血液(全血、白血球、末梢血単核細胞、バフィーコート、血漿、及び血清など)、喀痰、涙液、粘液、鼻洗浄液、鼻吸引液、尿、唾液、腹腔洗浄液、腹水、嚢胞液、腺液、リンパ液、気管支吸引物、滑液関節吸引物、臓器分泌物、細胞、細胞抽出物、及び脳脊髄液がある。これには、上記したすべての実験的に分離した画分も含む。例えば、血液試料は、血清、血漿、または、赤血球や白血球(white blood cells)(白血球(leukocytes))などの特定の種類の血液細胞を含む画分に分画することができる。一部の実施形態では、試料は、組織及び液体試料の組み合わせなど、個体由来の試料の組み合わせとし得る。また、用語「生物学的試料」は、例えば、糞便試料、組織試料、または組織生検など、均質化した固体材料を含む材料も含む。用語「生物学的試料」は、組織培養または細胞培養に由来する材料も含む。生物学的試料を得るためのあらゆる適切な方法を使用することができる;例示的な方法として、例えば、瀉血、綿棒拭い(例えば、口腔内綿棒拭い)、及び細針吸引生検方法がある。細針吸引の影響を受けやすい例示的な組織として、リンパ節、肺、甲状腺、乳房、膵臓、及び肝臓がある。試料は、例えば、顕微解剖(例えば、レーザーキャプチャーマイクロ解剖(LCM)、またはレーザーマイクロ解剖(LMD))、膀胱洗浄、塗抹標本(例えば、PAP塗抹標本)、または管洗浄で回収することもできる。個体から得た、または個体に由来する「生物学的試料」として、個体から得た後にあらゆる適切な方法で処理をした試料がある。
さらに、一部の実施形態では、生物学的試料は、数多くの個体から生物学的試料を採取する、それらをプールする、または、それぞれの個体から得た生物学的試料のアリコートをプールすることによって誘導し得る。プールしたこれらの試料は、単一の個体に由来する試料に関して本明細書で記載したようにして処理し得る、そして、例えば、プールした試料に予後不良が確立すれば、次に、それぞれの生物学的試料を改めて試験をして、いずれの個体(複数可)が、脂肪症及び/またはNASHを有しているのかを決定することができる。
「標的」、「標的分子」、及び「分析物」とは、本明細書では互換可能に使用しており、試料に存在し得るあらゆる関心分子のことを指す。「関心分子」とは、特定の分子の小さなあらゆる変化を含んでおり、例えば、タンパク質の事例では、アミノ酸配列のわずかな変化、ジスルフィド結合形成、グリコシル化、脂質化、アセチル化、リン酸化、またはその他のあらゆる操作または修飾、例えば、分子の同一性を実質的に変化させない標識成分とのコンジュケーションがある。「標的分子」、「標的」、または「分析物」とは、分子または多分子構造の1つのタイプまたは種のコピーのセットのことを指す。「標的分子」、「標的」、及び「分析物」とは、分子または多分子構造の2つ以上のタイプまたは種のことを指す。例示的な標的分子として、タンパク質、ポリペプチド、核酸、炭水化物、脂質、多糖類、糖タンパク質、ホルモン、受容体、抗原、抗体、アフィボディ、抗体模倣体、ウイルス、病原体、毒性物質、基質、代謝産物、遷移状態類似体、補因子、阻害剤、薬物、色素、栄養素、成長因子、細胞、組織、及び上記したいずれかのあらゆるフラグメントまたは部分がある。一部の実施形態では、標的分子は、タンパク質であり、この事例では、標的分子は「標的タンパク質」と称し得る。
本明細書で使用する「捕捉剤」または「捕捉試薬」とは、バイオマーカーに対して特異的に結合することができる分子のことを指す。「標的タンパク質捕捉試薬」とは、標的タンパク質に対して特異的に結合することができる分子のことを指す。捕捉試薬の例として、アプタマー、抗体、アドネクチン、アンキリン、その他の抗体模倣体、及びその他のタンパク質スキャホールド、自己抗体、キメラ、小分子、核酸、レクチン、リガンド結合受容体、インプリントポリマー、アビマー、ペプチド模倣体、ホルモン受容体、サイトカイン受容体、合成受容体、及び、上記した捕捉試薬のいずれかの修飾体またはフラグメントがあるが、これらに限定されない。一部の実施形態では、捕捉試薬は、アプタマー、及び抗体から選択する。
用語「抗体」は、あらゆる種の完全長抗体、及びそのような抗体のフラグメント、及び誘導体、例えば、Fabフラグメント、F(ab’)フラグメント、一本鎖抗体、Fvフラグメント、及び一本鎖Fvフラグメントのことを指す。また、用語「抗体」は、合成抗体のことも指しており、例えば、ファージディスプレイ由来の抗体、及びフラグメント、アフィボディ、及びナノボディがある。
本明細書で使用する「マーカー」及び「バイオマーカー」は互換可能に使用しており、個体での正常または異常なプロセスの徴候、または、個体での疾患またはその他の病態を示す標的分子のことを指す。より具体的には、「マーカー」または「バイオマーカー」は、正常または異常に関係なく、また異常であるならば、慢性または急性に関係なく、特定の生理学的状態またはプロセスの存在に関連する解剖学的、生理学的、生化学的、または分子的パラメーターである。バイオマーカーは、実験室アッセイ、及び医療イメージングを含めた様々な方法によって検出可能かつ測定可能である。一部の実施形態では、バイオマーカーは、標的タンパク質である。
本明細書で使用する「バイオマーカーレベル」及び「レベル」は、生物学的試料でのバイオマーカーを検出するあらゆる分析方法を使用して得た測定値のことを指しており、このものは、当該生物学的試料でのバイオマーカーに応じて、存在、不存在、絶対量または濃度、相対量または濃度、力価、レベル、発現レベル、測定したレベルの比率などを示す。「レベル」の正確な内容は、バイオマーカーを検出するために採用した特定の分析方法の特定のデザインと要素が関係している。
標的分子の「コントロールレベル」とは、疾患または病態が認められない個体、または疾患または病態を有する疑いのない個体から得た同じ試料タイプでの標的分子のレベルのことを指す。標的分子の「コントロールレベル」は、本発明の方法を行う度に決定する必要はなく、特定の試料のレベルが、通常のレベルより高い、または低いことを決定するためのリファレンスまたは閾値として使用する従前に決定したレベルとし得る。
本明細書で使用する「個体」及び「対象」は、試験対象または患者のことを指すために互換可能に使用する。個体は、哺乳動物または非哺乳動物とし得る。様々な実施形態では、個体は、哺乳動物である。哺乳動物の個体は、ヒトまたは非ヒトとし得る。様々な実施形態では、個体は、ヒトである。健康または正常な個体は、関心疾患または病態(NASHなど)が、従来の診断方法では検出できない個体のことである。
「診断する(Diagnose)」、「診断する(diagnosing)」、「診断(diagnosis)」、及びこれらの変形は、個体に関連する1つ以上の徴候、症状、データ、またはその他の情報に基づいて、その個体の健康状態または病態を検出、定量、または認識することを指す。個体の健康状態は、健康/正常(すなわち、疾患または病態が存在しないことの診断)、または病気/異常(すなわち、疾患または病態の存在の診断または特徴の評価)として診断することができる。「診断する(Diagnose)」、「診断する(diagnosing)」、「診断(diagnosis)」などの用語は、特定の疾患または病態に関して、疾患の初期検出、疾患の特徴決定または分類、疾患の進行、寛解、または再発の検出、及び個体に対して治療(treatment)または治療(therapy)を行った後の疾患応答の検出を含む。
「予後(Prognose)」、「予後(prognosing)」、「予後(prognosis)」、及びこれらの変形は、疾患または病態を有する個体での疾患または病態の将来の経過の予測(例えば、患者の生存予測)のことを指しており、そして、そのような用語は、個体に治療(treatment)または治療(therapy)を施した後の疾患反応の予測能のことを指す。
「評価する(Evaluate)」、「評価する(evaluating)」、「評価(evaluation)」、及びこれらの変形は、「診断」及び「予後」の両方を含み、また、疾患を有していない個体での疾患または病態の将来の経過についての判断または予測、ならびに、疾患が治癒したことが明白な個体において、疾患または病態が生じる尤度に関する判断及び予測を含む。また、用語「評価する(evaluate)」は、治療法に対する個体の応答を評価すること、例えば、個体が治療剤に対して好ましい応答を示し得る、または治療剤に対して応答し得ない(または、例えば、毒性またはその他の望ましくない副作用を被る)ことについて予測すること、個体に投与するための治療剤を選択すること、または、個体に対して行っている治療法に対する個体の応答をモニタリングまたは判定することも含む。したがって、NASHを「評価する(evaluating)」ことは、例えば:個体におけるNASHの将来の経過を予測すること;脂肪肝、肝炎、肝線維症、及び/または肝細胞バルーニングが、NASHにまで進行するか否かを予測すること;NASHの特定のステージが、NASHのさらに高いステージにまで進行するか否かを予測する、などのいずれかを含むことができる。
本明細書で使用するバイオマーカーレベルに関する「検出する」または「決定する」には、バイオマーカーレベルに対応するシグナルを検知及び記録するために使用する機器と、そのシグナルを生成するために必要な材料の両方の使用がある。様々な実施形態では、レベルは、蛍光、化学発光、表面プラズモン共鳴、表面音響波、質量分析、赤外線分光法、ラマン分光法、原子間力顕微鏡法、走査型トンネル顕微鏡法、電気化学検出法、核磁気共鳴検出、量子ドットなどのあらゆる適切な方法を使用して検出する。
本明細書で使用する「脂肪肝を有する対象」は、脂肪肝の診断を受けた対象のことを指す。一部の実施形態では、脂肪肝は、一般的に、NAFLDまたはNASHに関して上記した方法で診断をする。
本明細書で使用する「NASHを有する対象」は、NASHの診断を受けた対象のことを指す。一部の実施形態では、NASHは、一般的に、NAFLDに関して上記した方法で診断をする。一部の実施形態では、進行性肝線維症は、NAFLDに罹患した患者において診断する、例えば、Gambino R,et.al.Annals of Medicine 2011;43(8):617-49に従って診断を行う。
本明細書で使用する「脂肪肝を発症するリスクのある対象」とは、脂肪肝の診断を受けてはいないが、1つ以上のNASH併存疾患、例えば、肥満、腹部肥満、メタボリックシンドローム、心血管疾患、及び糖尿病などを有する対象のことを指す。
本明細書で使用する「NASHを発症するリスクのある対象」とは、脂肪肝を有する対象であって、1つ以上のNASH併存疾患、例えば、肥満、腹部肥満、メタボリックシンドローム、心血管疾患、及び糖尿病などが解消されていない対象のことを指す。
本明細書では、「固体支持体」は、分子が、共有結合または非共有結合のいずれかを介して直接的または間接的に付着し得る表面を有するあらゆる基板のことを指す。「固体支持体」は、様々な物理的形式、例えば、膜;チップ(例えば、タンパク質チップ);スライド(例えば、スライドガラス、またはカバーガラス);カラム;例えば、ビーズなどの中空、中実、半中実、細孔または空洞を含む粒子;ゲル;光ファイバー材料を含むファイバー;マトリックス;及び、試料レセプタクルを持つことができる。試料レセプタクルの例として、試料ウェル、チューブ、キャピラリー、バイアル、及び試料を保持することができるその他のあらゆる容器、溝、または、窪みがある。試料レセプタクルは、マイクロタイタープレート、スライド、マイクロフルイディクス機器などのマルチ試料プラットフォームに収容することができる。支持体は、天然または合成の材料、有機または無機の材料で構成することができる。捕捉試薬が付着する固体支持体の組成は、一般的には、付着の方法(例えば、共有結合)に依存する。その他のレセプタクルの例として、微小液滴、及びマイクロ流体制御、またはバルク油/水性エマルジョンがあり、その内部で、アッセイ及び関連する操作をし得る。適切な固体支持体として、例えば、プラスチック、樹脂、多糖類、シリカまたはシリカをベースとした材料、機能性ガラス、変性シリコン、炭素、金属、無機ガラス、膜、ナイロン、天然繊維(例えば、絹、羊毛、及び綿など)、ポリマーなどがある。固体支持体を構成する材料として、捕捉試薬の付着に使用する、例えば、カルボキシ、アミノ、またはヒドロキシル基などの反応性基を含むことができる。高分子固体支持体として、例えば、ポリスチレン、ポリエチレングリコールテトラフタレート、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリビニルピロリドン、ポリアクリロニトリル、ポリメチルメタクリレート、ポリテトラフルオロエチレン、ブチルゴム、スチレンブタジエンゴム、天然ゴム、ポリエチレン、ポリプロピレン、(ポリ)テトラフルオロエチレン、(ポリ)ビニリデンフルオリド、ポリカーボネート、及びポリメチルペンテンがある。使用可能な適切な固体支持体粒子として、例えば、Luminex(登録商標)タイプのコード化粒子、磁性粒子、及びガラス粒子などのコード化粒子がある。
バイオマーカーの例示的使用
様々な例示的実施形態では、対象での脂肪肝、肝炎、肝線維症、及び/または肝細胞バルーニングの有無を決定する方法を提供する、当該脂肪肝、肝炎、肝線維症、及び/または肝細胞バルーニングは、軽度、中等度、または重度のものとし得る。様々な実施形態では、対象での脂肪肝、肝炎、肝線維症、及び/または肝細胞バルーニングの有無を決定する方法を提供する、当該脂肪肝、肝炎、肝線維症、及び/または肝細胞バルーニングは、軽度、中等度、または重度のものとし得る、当該方法は、表1、3、5、または7に記載したバイオマーカータンパク質から得たN個のバイオマーカータンパク質を有するバイオマーカーパネルを形成する、及び、対象から得た試料での当該パネルのN個のバイオマーカータンパク質のそれぞれのレベルを検出することを含む、また、Nは、少なくとも1である。様々な実施形態では、対象での脂肪肝、肝炎、肝線維症、及び/または肝細胞バルーニングの有無を決定する方法を提供する、当該脂肪肝、肝炎、肝線維症、及び/または肝細胞バルーニングは、軽度、中等度、または重度のものとし得る、当該方法は、対象から得た試料での表1、3、5、または7に記載した少なくとも1つのバイオマーカーのレベルを検出して、対象でのNASHの有無を決定する。
様々な実施形態では、対象での脂肪肝、肝炎、肝線維症、及び/または肝細胞バルーニングの有無を決定する方法を提供する、当該脂肪肝、肝炎、肝線維症、及び/または肝細胞バルーニングは、軽度、中等度、または重度のものとし得る。様々な実施形態では、対象でのNASHの有無を決定する方法を提供する、当該NASHは、ステージ1、2、3、または4のNASHとし得る、またはステージ2、3、または4のNASHとし得る。一部の実施形態では、脂肪肝、肝炎、肝線維症、及び/または肝細胞バルーニングを有する対象でのNASHの有無を決定する方法を提供する、当該NASHは、ステージ1、2、3、または4のNASHとし得る、またはステージ2、3、または4のNASHとし得る。一部の実施形態では、NASHの組織学的ステージを特徴決定する方法を提供する。これらの方法は、血清または血漿などの個体の血液循環に存在する1つ以上のバイオマーカーに対応する1つ以上のバイオマーカーレベルを、幾つもの分析方法、例えば、本明細書に記載した分析方法のいずれかで検出することを含む。これらのバイオマーカーは、例えば、健康な個体(健康な個体を、肥満の個体とし得る)と比較して、肝炎、肝線維症、肝細胞バルーニング、及び/またはNASHを有する個体と異なるレベルで存在する。一部の実施形態では、バイオマーカーは、正常な個体(正常な個体を、肥満の個体とし得る)と比較して、NASHに罹患した個体(例えば、ステージ1、2、3、または4のNASH、またはステージ2、3、または4のNASH)と異なるレベルで存在する。一部の実施形態では、バイオマーカーは、脂肪肝、肝炎、肝線維症、及び/または肝細胞バルーニングに罹患した対象と比較して、NASHに罹患した個体(例えば、ステージ1、2、3、または4のNASH、またはステージ2、3、または4のNASH)と異なるレベルで存在する、当該脂肪肝、肝炎、肝線維症、及び/または肝細胞バルーニングは、軽度、中等度、または重度のものとし得る。
一部の実施形態では、バイオマーカーは、健康な個体(健康な個体を、肥満の個体とし得る)と比較して、脂肪肝を有する個体と異なるレベルで存在する。一部の実施形態では、バイオマーカーは、健康な個体(健康な個体を、肥満の個体とし得る)と比較して、肝炎を有する個体と異なるレベルで存在する。一部の実施形態では、バイオマーカーは、健康な個体(健康な個体を、肥満の個体とし得る)と比較して、肝細胞バルーニングを有する個体と異なるレベルで存在する。一部の実施形態では、バイオマーカーは、健康な個体(健康な個体を、肥満の個体とし得る)と比較して、肝繊維症を有する個体と異なるレベルで存在する。
個体でのバイオマーカーの異なるレベルの検出を使用することで、例えば、個体での脂肪肝、肝炎、肝線維症、肝細胞バルーニング、及び/またはNASHの有無、または脂肪肝、肝炎、肝線維症、肝細胞バルーニングに罹患した個体でのNASHの発症の有無の決定が可能になる。一部の実施形態では、本明細書に記載したバイオマーカーのいずれかを使用することで、脂肪肝、肝炎、肝線維症、肝細胞バルーニング、及び/またはNASHの発症に関する個体(肥満の個体など)のモニタリング、または肝炎、肝線維症、及び/または肝細胞バルーニングに罹患している個体でのNASHの発症に関するモニタリングを行い得る。
本明細書に記載したバイオマーカーのいずれかを使用して、対象での脂肪肝、肝炎、肝線維症、肝細胞バルーニング、及び/またはNASHの有無を決定する方法の例として、脂肪肝、肝炎、肝線維症、肝細胞バルーニング、及び/またはNASHの診断を受けていないが、脂肪肝、肝炎、肝線維症、肝細胞バルーニング、及び/またはNASH併存疾患の1つ以上を有する個体での1つ以上の説明をしたバイオマーカーのレベルは、肝生検などの侵襲的検査を使用して決定するよりも迅速に、脂肪肝、肝炎、肝線維症、肝細胞バルーニング、及び/またはNASHを個体が発症していることを示し得る。本方法は非侵襲的であるので、脂肪肝、肝炎、肝線維症、肝細胞バルーニング、及び/またはNASHを発症するリスクのある個体(例えば、肥満の個体など)をモニタリングするために使用し得る。脂肪肝、肝炎、肝線維症、肝細胞バルーニング、及び/またはNASHを早期に検出することで、医学的介入がより効果的になり得る。このような医学的介入として、減量、血糖コントロール、アルコール回避、当該対象に糖尿病及び/または心血管疾患に関する試験を行う、当該対象に胃バイパス手術を実施する、及び当該対象への薬物の投与などがある、しかしながら、これらに限定されない。一部のそのような実施形態では、当該薬物は、ピオグリタゾン、ビタミンE、及び/またはメトホルミンである。例えば、Sanyal et al.,2010,NEJM,362:1675-1685を参照されたい。一部の事例では、そのような早期介入は、肝不全になること、及び肝移植が必要になることを遅延させ得る、または、予防し得る。
同様に、本明細書に記載したバイオマーカーを使用して、脂肪症を有する対象でのNASHの発症の有無を決定することができる方法のさらなる例として、脂肪症を有する個体での1つ以上の説明をしたバイオマーカーのレベルは、当該個体がNASHを発症していることを示し得る。本方法は非侵襲的であるので、脂肪症のある個体は、NASHの発症をモニタリングし得る。NASHをより早期に検出することで、医学的介入がより効果的になり得る。このような医学的介入として、減量、血糖コントロール、アルコール回避、当該対象に糖尿病及び/または心血管疾患に関する試験を行う、当該対象に胃バイパス手術を実施する、及び当該対象への薬物の投与などがある、しかしながら、これらに限定されない。一部のそのような実施形態では、当該薬物は、ピオグリタゾン、ビタミンE、及び/またはメトホルミンである。例えば、Sanyal et al.,2010,NEJM,362:1675-1685を参照されたい。一部の事例では、そのような早期介入は、肝不全になること、及び肝移植が必要になることを遅延させ得る、または、予防し得る。
加えて、一部の実施形態では、個体での1つ以上のバイオマーカーの経時的な差次的発現レベルは、特定の治療レジメンに対する個体の応答を示し得る。一部の実施形態では、フォローアップモニタリングリングの間での1つ以上のバイオマーカーの発現の変化は、特定の治療が効果的であることを示す、または治療レジメンを何らかの方法で変更する、例えば、さらに積極的に血糖をコントロールする、もっと積極的に減量に取り組むべきである、ことを示唆し得る。一部の実施形態では、個体での1つ以上のバイオマーカーの経時的な一定の発現レベルは、個体の脂肪症が悪化していない、またはNASHを発症していない、ことを示し得る。
スタンドアロンの診断試験としてバイオマーカーレベルを試験することに加えて、バイオマーカーレベルを、疾患の感受性のリスクの高まりを示す一塩基多型(SNP)、または、その他の遺伝領域、または変動性と組み合わせて決定することもできる。(例えば、Amos et al.,Nature Genetics 40,616-622(2009)を参照されたい)。
スタンドアロンの診断試験としてバイオマーカーレベルを試験することに加えて、バイオマーカーレベルを、脂肪肝、肝炎、肝線維症、肝細胞バルーニング、及び/またはNASHのその他のスクリーニング法、例えば、肝腫大の検出、血液検査(例えば、ALT及び/またはASTなどの特定の肝酵素の上昇を検出する)、腹部超音波検査、及び肝生検と組み合わせることもできる。一部の事例では、本明細書に記載したバイオマーカーを使用する方法は、脂肪肝、肝炎、肝線維症、肝細胞バルーニング、及び/またはNASHに対して、さらに積極的な治療、さらに頻繁な追跡スクリーニングなどを実施することの医学的及び経済的妥当性を高め得る。脂肪肝、肝炎、肝線維症、肝細胞バルーニング、及び/またはNASHを発症するリスクがあるが、これらの肝疾患であるとの診断を受けていない個体に関して、これら個体が当該疾患を発症し得ることを診断試験が示している場合でも、これらのバイオマーカーを使用して治療を開始し得る。
その他のNAFLD診断法と組み合わせてバイオマーカーレベルを試験することに加えて、バイオマーカーに関する情報は、その他のタイプのデータ、特に、NAFLDの個体のリスクを示すデータと組み合わせて評価することもできる。これらの様々なデータは、コンピューター、またはその他の装置/機器で具体化することができるコンピュータープログラム/ソフトウェアなどの自動化した方法で評価することができる。
バイオマーカーとバイオマーカーレベルの検出及び決定
本明細書に記載したバイオマーカーのバイオマーカーレベルは、公知の様々な分析方法のいずれかを使用して検出することができる。ある実施形態では、バイオマーカーレベルは、捕捉試薬を使用して検出する。様々な実施形態では、捕捉試薬を、溶液でのバイオマーカーに触れさせる、または捕捉試薬が固体支持体に固定化している間にバイオマーカーに触れさせることができる。その他の実施形態では、捕捉試薬は、固体支持体の二次的特徴を受けて反応する性質を含む。これらの実施形態では、捕捉試薬は、溶液でのバイオマーカーに触れさせる、次いで、捕捉試薬の特徴を、固体支持体の二次的特徴と組み合わせて使用することで、固体支持体にバイオマーカーを固定化することができる。捕捉試薬は、実施する分析の種類に基づいて選択する。捕捉試薬として、アプタマー、抗体、アドネクチン、アンキリン、その他の抗体模倣体、及びその他のタンパク質スキャホールド、自己抗体、キメラ、小分子、F(ab’)フラグメント、一本鎖抗体フラグメント、Fvフラグメント、一本鎖Fvフラグメント、核酸、レクチン、リガンド結合受容体、抗体、ナノボディ、インプリントポリマー、アビマー、ペプチド模倣体、ホルモン受容体、サイトカイン受容体、合成受容体、及びこれらの修飾物とフラグメントがあるが、これらに限定しない。
一部の実施形態では、バイオマーカーレベルは、バイオマーカー/捕捉試薬複合体を使用して検出する。
一部の実施形態では、バイオマーカーレベルは、バイオマーカー/捕捉試薬複合体に由来しており、そして、例えば、バイオマーカー/捕捉試薬の相互作用の結果として間接的に検出されるが、バイオマーカー/捕捉試薬複合体の形成に依存している。
一部の実施形態では、バイオマーカーレベルは、生物学的試料でのバイオマーカーから直接に検出する。
一部の実施形態では、バイオマーカーは、生物学的試料での2つ以上のバイオマーカーの同時検出を可能にする多重化フォーマットを使用して検出する。多重化フォーマットの一部の実施形態では、捕捉試薬は、直接的または間接的に、共有結合または非共有結合で、固体支持体での別個の位置に固定化する。一部の実施形態では、多重化フォーマットは、個別の固体支持体を使用しており、それぞれの固体支持体は、例えば、量子ドットなど、その固体支持体に関連する固有の捕捉試薬を有する。一部の実施形態では、個々の機器は、生物学的試料において検出する複数のバイオマーカーのそれぞれの検出のために使用する。個々の機器は、生物学的試料のそれぞれのバイオマーカーを同時に処理するように構成することができる。例えば、マイクロタイタープレートを使用して、プレート内のそれぞれのウェルで、生物学的試料で検出する複数のバイオマーカーの1つ以上を分析することができる。
上記した実施形態の1つ以上では、蛍光タグを使用して、バイオマーカー/捕捉試薬複合体の成分を標識して、バイオマーカーレベルを検出することができる。様々な実施形態では、蛍光標識は、公知の技術を使用して、本明細書に記載したバイオマーカーのいずれかに特異的な捕捉試薬にコンジュゲートすることができる、次いで、蛍光標識を使用して、対応するバイオマーカーレベルを検出することができる。適切な蛍光標識として、希土類キレート、フルオレセイン及びその誘導体、ローダミン及びその誘導体、ダンシル、アロフィコシアニン、PBXL-3、Qdot 605、Lissamine、フィコエリトリン、Texas Red、及びその他のかような化合物がある。
一部の実施形態では、蛍光標識は、蛍光色素分子である。一部の実施形態では、蛍光色素分子は、少なくとも1つの置換したインドリウム環系を含み、インドリウム環の3つの炭素にある置換基は、化学的に反応性を示す基または共役物質を含む。一部の実施形態では、色素分子は、例えば、AlexaFluor 488、AlexaFluor 532、AlexaFluor 647、AlexaFluor 680、またはAlexaFluor 700などのAlexFluor分子を含む。一部の実施形態では、色素分子は、例えば、2つの異なるAlexaFluor分子など、第1のタイプ及び第2のタイプの色素分子を含む。一部の実施形態では、色素分子は、第1のタイプ及び第2のタイプの色素分子を含み、そして、2つの色素分子は、異なる発光スペクトルを有する。
蛍光は、様々なアッセイ形式と互換可能である様々な機器で測定することができる。例えば、分光蛍光光度計は、マイクロタイタープレート、顕微鏡スライド、プリントアレイ、キュベットなどを分析するようにデザインしている。Principles of Fluorescence Spectroscopy,by J.R.Lakowicz,Springer Science + Business Media,Inc.,2004を参照されたい。Bioluminescence & Chemiluminescence:Progress & Current Applications;Philip E.Stanley and Larry J.Kricka editors,World Scientific Publishing Company,January 2002を参照されたい。
1つ以上の実施形態では、化学発光タグを任意に使用して、バイオマーカー/捕捉複合体の成分を標識して、バイオマーカーレベルを検出することができる。適切な化学発光材料として、塩化オキサリル、ローダミン6G、Ru(bipy) 2+、TMAE(テトラキス(ジメチルアミノ)エチレン)、Pyrogallol(1,2,3-トリヒドロキシベンゼン)、Lucigenin、ペルオキシシュウ酸塩、シュウ酸アリール、アクリジニウムエステル、ジオキセタンなどがある。
一部の実施形態では、検出方法は、バイオマーカーレベルに対応する検出可能なシグナルを生成する酵素/基質の組み合わせを含む。一般的に、この酵素は、分光光度法、蛍光、化学発光などの様々な手法を使用して測定できる発色基質の化学的変化を触媒する。適切な酵素として、例えば、ルシフェラーゼ、ルシフェリン、リンゴ酸デヒドロゲナーゼ、尿素、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRPO)、アルカリホスファターゼ、ベータ-ガラクトシダーゼ、グルコアミラーゼ、リゾチーム、グルコースオキシダーゼ、ガラクトースオキシダーゼ、及びグルコース-6-リン酸デヒドロゲナーゼ、ウリカーゼ、キサンチンオキシダーゼ、ラクトペルオキシダーゼ、マイクロペルオキシダーゼなどがある。
一部の実施形態では、検出方法は、測定可能なシグナルを生成する蛍光、化学発光、放射性核種の組み合わせ、または酵素/基質の組み合わせとすることができる。一部の実施形態では、マルチモーダルシグナリングは、バイオマーカーアッセイフォーマットにおいて、独特で有利な特性を有する。
一部の実施形態では、本明細書に記載したバイオマーカーのバイオマーカーレベルは、後述するような、シングルプレックスアプタマーアッセイ、マルチプレックスアプタマーアッセイ、シングルプレックスまたはマルチプレックス免疫アッセイ、mRNA発現プロファイリング、miRNA発現プロファイリング、質量分光分析、組織学的/細胞学的方法などのあらゆる分析方法を使用して検出することができる。
アプタマーをベースとしたアッセイを使用したバイオマーカーレベルの決定
生物学的試料及びその他の試料での生理学的に重要な分子の検出及び定量に関するアッセイは、科学研究及びヘルスケア分野での重要なツールである。そのようなアッセイの1種は、固体支持体に固定化した1つ以上のアプタマーを含むマイクロアレイの使用を含む。アプタマーはそれぞれ、非常に特異的な方法で、かつ、非常に高い親和性で標的分子に結合することができる。例えば、米国特許第5,475,096号、「Nucleic Acid Ligands」を参照されたい;また、例えば、それぞれの発明の名称が、「Nucleic Acid Ligand Diagnostic Biochip」である米国特許第6,242,246号、米国特許第6,458,543号、及び米国特許第6,503,715号を参照されたい。マイクロアレイが試料と接触すると、アプタマーは、試料に存在するそれぞれの標的分子に結合する、それによって、バイオマーカーに対応するバイオマーカーレベルの決定が可能となる。
本明細書で使用する「アプタマー」は、標的分子、例えば、バイオマーカータンパク質に対して特異的な結合親和性を有する核酸のことを指す。親和性の相互作用は、程度の問題であると認識されているが、このことに関して、その標的に対するアプタマーの「特異的結合親和性」とは、そのアプタマーが、一般的には、試験試料でのその他の成分に結合するよりも遙かに高レベルの親和性で、その標的に対して結合することを意味する。「アプタマー」は、特定のヌクレオチド配列を有する核酸分子の1つのタイプまたは1種のコピーのセットである。アプタマーは、あらゆる個数の化学的に修飾したヌクレオチドを含んだ、あらゆる適切な個数のヌクレオチドを含むことができる。「アプタマー」は、そのような分子の複数のセットのことを指す。異なるアプタマーは、同数または異なる個数のヌクレオチドを持つことができる。アプタマーは、DNAまたはRNAまたは化学的に修飾した核酸とすることができる、また、一本鎖、二本鎖、または二本鎖領域を含むことができる、そして、さらに高次の構造を含むことができる。また、アプタマーが、光反応性または化学反応性官能基を含んだアプタマーであれば、対応する標的に共有結合する光アプタマーとすることができる。本明細書に開示したアプタマー方法のいずれでも、同じ標的分子に対して特異的に結合する2つ以上のアプタマーの使用を含むことができる。後述するように、アプタマーは、タグを含み得る。アプタマーがタグを含んでいると、アプタマーのすべてのコピーに、同じタグを付ける必要がない。さらに、異なるアプタマーが、それぞれタグを含んでいると、これらの異なるアプタマーは、同じタグまたは異なるタグのいずれかを持つことができる。
アプタマーは、SELEXプロセスを含むあらゆる公知の方法を使用して識別することができる。同定が行われると、アプタマーは、化学的合成法、及び酵素的合成法を含むあらゆる公知の方法に従って調製または合成することができる。
用語「SELEX」及び「SELEXプロセス」は、本明細書では互換可能に使用しており、一般的には、(1)所望の方法で標的分子と相互作用するアプタマーの選択、例えば、タンパク質に対する高度の親和性での結合と、(2)選択したそれらの核酸の増幅との組み合わせのことを指す。このSELEXプロセスは、特定の標的またはバイオマーカーに対して高度の親和性を有するアプタマーを同定するために使用することができる。
SELEXは、一般的には、核酸の候補混合物を調製すること、当該候補混合物と所望の標的分子とを結合させて親和性複合体を形成すること、当該親和性複合体を非結合候補核酸から分離すること、当該核酸を当該親和性複合体から分離及び単離すること、当該核酸を精製すること、及び、特異的アプタマー配列を同定すること、を含む。このプロセスは、選択したアプタマーの親和性をさらに改良するために複数回行い得る。このプロセスは、プロセスでの1回以上の時点において、増幅ステップを含み得る。例えば、発明の名称が「Nucleic Acid Ligands」である米国特許第5,475,096号を参照されたい。SELEXプロセスは、その標的と非共有結合するアプタマーに加えて、その標的と共有結合するアプタマーを生成するために使用することができる。例えば、発明の名称が「Systematic Evolution of Nucleic Acid Ligands by Exponential Enrichment:Chemi-SELEX」である米国特許第5,705,337号を参照されたい。
SELEXプロセスは、改善した特性、例えば、改善したインビボ安定性、または、改善した送達特性などをアプタマーに付与する修飾ヌクレオチドを含有する親和性の大きなアプタマーを同定するために使用することができる。このような修飾の例として、リボース位置、及び/またはリン酸位置、及び/または塩基位置での化学的置換がある。SELEXプロセスで同定する修飾ヌクレオチドを含有するアプタマーは、発明の名称が「High Affinity Nucleic Acid Ligands Containing Modified Nucleotides」である米国特許第5,660,985号に記載されており、そこでは、ピリミジンの5’位、及び、2’位で化学的に修飾したヌクレオチド誘導体を含有するオリゴヌクレオチドについて記載がされている。前出の米国特許第5,580,737号は、2’-アミノ(2’-NH2)、2’-フルオロ(2’-F)、及び/または、2’-O-メチル(2’-OMe)で修飾した1つ以上のヌクレオチドを含有する優れた特異性を有するアプタマーについて記載している。広範な物理的及び化学的特質を有する核酸ライブラリー、ならびに、SELEX、及び、photoSELEXでのそれらの使用について記載している、発明の名称が「SELEX and PHOTOSELEX」である米国特許出願公開第2009/0098549号も参照されたい。
また、SELEXは、所望の低速特性を有するアプタマーを同定するために使用することができる。発明の名称が「Method for Generating Aptamers with Improved Off-Rates」であり、標的分子に結合することができるアプタマーを生成する改善したSELEX方法を記載している米国特許出願公開第2009/0004667号を参照されたい。解離速度がさらに低速であり、それぞれの標的分子由来のアプタマー及び光アプタマーを製造するための方法を説明している。この方法は、候補混合物を標的分子と接触させ、核酸-標的複合体の形成を可能ならしめ、そして、低速オフレートの核酸-標的複合体に富んだプロセスを行う、そこでは、高速解離速度の核酸-標的複合体は解離してしまい、再形成することはなく、一方で、低速解離速度を示す複合体はそのまま残存する。加えて、この方法は、候補核酸混合物の生産において修飾ヌクレオチドを使用して、改善したオフレート性能を有するアプタマーを生成することを含む。例示的な修飾ヌクレオチドとして、例えば、図1に示す修飾ピリミジンがあるが、これらに限定されない。一部の実施形態では、アプタマーは、塩基修飾などの修飾を有する少なくとも1つのヌクレオチドを含む。一部の実施形態では、アプタマーは、標的タンパク質との疎水性接触を可能にする、疎水性塩基修飾などの疎水性修飾を有する少なくとも1つのヌクレオチドを含む。そのような疎水性接触は、一部の実施形態では、アプタマーよりも大きな親和性、及び/または低速のオフレートを示す結合に寄与する。疎水性修飾を有する例示的なヌクレオチドを図1に示すが、これらに限定されない。一部の実施形態では、アプタマーは、疎水性修飾を有する少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、少なくとも8つ、少なくとも9つ、または少なくとも10個のヌクレオチドを含んでおり、当該疎水性修飾は、その他のものと同じものとし得る、または、違うものとし得る。一部の実施形態では、アプタマーでの少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、少なくとも8つ、少なくとも9つ、または少なくとも10個の疎水性修飾を、図1に示す疎水性修飾から独立して選択する。
一部の実施形態では、低速オフレートを示すアプタマー(疎水性修飾を有する少なくとも1つのヌクレオチドを含むアプタマーを含む)は、≧30分、≧60分、≧90分、≧120分、≧150分、≧180分、≧210分、または≧240分のオフレート(t1/2)を有する。
一部の実施形態では、このアッセイは、アプタマーが、それらの標的分子と共有結合する、または、「光架橋する」ことを可能にする光反応性官能基を含むアプタマーを使用する。例えば、発明の名称が、「Nucleic Acid Ligand Diagnostic Biochip」である米国特許第6,544,776号を参照されたい。これらの光反応性アプタマーは、光アプタマーとも称する。例えば、発明の名称がいずれも「Systematic Evolution of Nucleic Acid Ligands by Exponential Enrichment:Photoselection of Nucleic Acid Ligands and Solution SELEX」である米国特許第5,763,177号、米国特許第6,001,577号、及び、米国特許第6,291,184号を参照されたい;また、例えば、発明の名称が「Photoselection of Nucleic Acid Ligands」である米国特許第6,458,539号も参照されたい。マイクロアレイを試料と接触させ、光アプタマーが、それらの標的分子と結合する機会を得た後に、光アプタマーを光活性化し、そして、固体支持体を洗浄してあらゆる非特異的結合分子を除去する。光アプタマーに結合する標的分子は、光アプタマーでの光活性化官能基(複数可)が作り出す共有結合であるため、通常は除去されないので、徹底した洗浄条件を使用し得る。このアッセイは、このようにして、試験試料でのバイオマーカーに対応するバイオマーカーレベルの検出を可能にする。
一部のアッセイ形式では、アプタマーを、試料と接触させる前に、固体支持体に固定化する。しかしながら、特定の状況下では、試料と接触させる前のアプタマーの固定は、最適なアッセイを提供し得ない。例えば、アプタマーを予め固定化すると、固体支持体表面でのアプタマーと標的分子との混合が非効率的になりかねず、おそらくは、このことが、反応時間の長期化を招き、それ故に、アプタマーと、それらの標的分子との効率的な結合を可能にするためのインキュベーション時間を長くする。さらに、光アプタマーを、アッセイにおいて、かつ、固体支持体として利用する材料に応じて使用する場合、固体支持体は、光アプタマーと、それらの標的分子との間に共有結合を形成するために使用する光を散乱させる、または、吸収する傾向を示し得る。さらに、使用する方法に応じて、標的分子を、それらのアプタマーに結合させて検出することは、固体支持体の表面が、使用するあらゆる標識薬剤にも曝露されて、これらの影響を受ける場合もあり得るので、対象を不正確なものにしかねない。最後に、固体支持体でのアプタマーの固定化は、一般的には、試料に対してアプタマーを曝露する前に、アプタマー調製ステップ(すなわち、固定化)を含んでおり、そして、この調製ステップは、アプタマーの活性または機能性に影響を及ぼし得る。
アプタマーが、溶液において、その標的を捕捉し、次いで、アプタマー-標的混合物の特定の成分を検出前に除去することが可能になるようにデザインした分離ステップを用いるアプタマーアッセイも記載されている(発明の名称が、「Multiplexed Analyses of Test Samples」である米国特許出願公開第2009/0042206号を参照されたい)。ここに記載されているアプタマーアッセイ方法は、核酸(すなわち、アプタマー)を検出及び定量することで、試験試料での非核酸標的(例えば、タンパク質標的)の検出及び定量を可能にする。ここに記載されている方法は、非核酸標的を検出及び定量する核酸代用物(すなわち、アプタマー)を作り出し、それにより、増幅を含む多種多様な核酸技術を、タンパク質標的など、より広範囲な所望の標的に適用することを可能にする。
アプタマーは、アプタマーバイオマーカー複合体(または、光アプタマーバイオマーカー共有結合複合体)由来のアッセイ成分の分離を容易にし、そして、検出及び/または定量のためのアプタマーの単離を許容するように構築することができる。ある実施形態では、このような構築物は、アプタマー配列に切断可能な要素、または放出可能な要素を含むことができる。その他の実施形態では、さらなる機能性をアプタマーに導入することができる、例えば、標識または検出可能成分、スペーサー成分、または特異的結合タグ、または固定化要素を導入することができる。例えば、アプタマーは、切断可能部分を介して、アプタマーに接続したタグ、標識、その標識を分離するスペーサー成分、及び切断可能部分を含むことができる。ある実施形態では、切断可能要素は、光切断可能リンカーである。光切断可能リンカーは、ビオチン部分、及びスペーサー部分に結合可能であり、アミンの誘導体化のためのNHS基を含むことが可能であり、ビオチン基をアプタマーに導入するために使用することができる、それにより、その後にアッセイ法でアプタマーの放出が可能になる。
均質アッセイは、溶液に含まれるすべてのアッセイ成分を使用して実施するが、シグナルの検出前に試料及び試薬の分離を必要としない。これらの方法は、迅速かつ容易に使用できる。これらの方法は、その特定の標的と反応する分子捕捉試薬または結合試薬に基づいてシグナルを生成する。本明細書に記載した方法の一部の実施形態では、分子捕捉試薬は、アプタマーまたは抗体などを含んでおり、当該特定の標的は、表1、3、5、及び/または7に示すバイオマーカーとし得る。
一部の実施形態では、シグナル生成のための方法は、フルオロフォア標識捕捉試薬と、その特異的バイオマーカー標的との相互作用による異方性シグナル変化を利用する。標識した捕捉物質がその標的と反応すると、分子量の増加によって、複合体に結合しているフルオロフォアの回転運動が生じて、異方性値の変化が非常に遅くなる。異方性変化をモニタリングすることで、結合事象を使用して、溶液でのバイオマーカーを定量的に測定することができる。その他の方法として、蛍光偏光アッセイ、分子ビーコン法、時間分解蛍光消光、化学発光、蛍光共鳴エネルギー移動などがある。
生物学的試料でのバイオマーカーレベルを検出するために使用し得る例示的な溶液をベースとしたアプタマーアッセイは:(a)生物学的試料を、第1のタグを含み、かつ、バイオマーカーに対して特異的親和性を有するアプタマーに接触させる、また、バイオマーカーが試料に存在する場合、アプタマー親和性複合体を形成する;(b)混合物を、第1の捕捉要素を含む第1の固体支持体に曝露し、そして、第1のタグを、第1の捕捉要素と関連付ける;(c)第1の固体支持体に関連しない混合物の成分を除去する;(d)アプタマー親和性複合体のバイオマーカー成分に、第2のタグを結合させる;(e)第1の固体支持体からアプタマー親和性複合体を放出させる;(f)放出したアプタマー親和性複合体を、第2の捕捉要素を含む第2の固体支持体に曝露する、そして、第2のタグを、第2の捕捉要素と会合させる;(g)複合体を形成していないアプタマーを、アプタマー親和性複合体から分配して、複合体を形成していないアプタマーを混合物から除去する;(h)固体支持体からアプタマーを溶出させる;及び、(i)アプタマー親和性複合体のアプタマー成分を検出して、分析物を検出すること、を含む。
アプタマーを使用して生物学的試料でのバイオマーカーを検出する例示的な方法を、実施例7に記載しているが、これに限定されない。Kraemer et al.,PLoS One 6(10):e26332も参照されたい。
イムノアッセイを使用するバイオマーカーレベルの定量
イムノアッセイ法は、対応する標的または分析物に対する抗体の反応に基づいており、そして、特定のアッセイ形式に応じて試料に含まれる分析物を検出することができる。特異的なエピトープ認識を備えているが故に、免疫反応性に基づいたアッセイ法の特異性及び感受性を改善するために、モノクローナル抗体、及びそのフラグメントを使用することが多い。ポリクローナル抗体も、モノクローナル抗体と比較して標的に対する親和性が高いので、様々なイムノアッセイで首尾よく使用されている。イムノアッセイは、広範囲の生物学的試料マトリックスと共に使用するようにデザインされている。イムノアッセイ形式は、定性的、半定量的、及び定量的な結果が得られるようにデザインされている。
定量的な結果は、公知の濃度の検出すべき特定の分析物で作り出した標準曲線を使用して得る。未知の試料からの応答またはシグナルを標準曲線にプロットし、そして、未知の試料での標的に対応する量またはレベルを確立させる。
数多くのイムノアッセイ形式がデザインされている。ELISAまたはEIAは、分析物の検出を定量的なものにし得る。この方法は、分析物または抗体のいずれかに対する標識の結合に依存しており、そして、標識成分は、直接的または間接的に酵素を含む。ELISA試験は、分析物の直接的、間接的、競合的、またはサンドイッチ検出のためにフォーマットを作成し得る。その他の方法は、例えば、放射性同位体(I125)または蛍光などの標識に依存している。さらなる技術として、例えば、凝集、比濁法、濁度法、ウェスタンブロット、免疫沈降、免疫細胞化学、免疫組織化学、フローサイトメトリー、Luminexアッセイなどがある(ImmunoAssay:A Practical Guide(Brian Law編、Taylor & Francis,Ltd.発行、2005年版)を参照されたい)。
例示的なアッセイ形式として、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、ラジオイムノアッセイ、蛍光、化学発光、及び蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)、または時間分解FRET(TR-FRET)イムノアッセイがある。バイオマーカーを検出するための手順の例として、バイオマーカー免疫沈降、それに続いて、サイズ及びペプチドレベルの識別を可能にする定量的方法(例えば、ゲル電気泳動、キャピラリー電気泳動、平面電気クロマトグラフィーなど)がある。
検出可能な標識またはシグナル生成材料を検出及び/または定量する方法は、標識の性質に依存している。適切な酵素が触媒した反応の産物(検出可能な標識が酵素である場合;上記を参照されたい)は、限定を意図するものではないが、蛍光性、発光性、または放射性のものとし得る、または、このような産物は、可視光または紫外光を吸収することができる。このような検出可能な標識を検出する上で好適な検出器の例として、X線フィルム、放射能カウンター、シンチレーションカウンター、分光光度計、比色計、蛍光光度計、照度計、及び濃度計があるが、これらに限定されない。
検出のための方法はいずれも、反応に向けたあらゆる好適な調製、処理、及び分析を可能にするあらゆる形式で実施することができる。この形式として、例えば、マルチウェルアッセイプレート(例えば、96ウェルまたは386ウェル)や、あらゆる好適なアレイまたはマイクロアレイを用いる形式もある。様々な作用物質の原液は、手動またはロボットで作り出すことができる、そして、それに続くピペッティング、希釈、混合、分配、洗浄、インキュベーション、試料読み出し、データ収集、及び分析のすべてを、検出可能な標識を検出できる市販の分析ソフトウェア、ロボット工学、及び検出計測器を使用して、ロボットが行い得る。
遺伝子発現プロファイリングを使用するバイオマーカーレベルの決定
生物学的試料でのmRNAの測定は、一部の実施形態では、当該生物学的試料での対応するタンパク質のレベルの検出のための代替物として使用し得る。したがって、一部の実施形態では、本明細書に記載したバイオマーカーまたはバイオマーカーパネルは、適切なRNAを検出することで検出し得る。
一部の実施形態では、mRNA発現レベルは、逆転写定量的ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCRと、それに続くqPCR)で測定する。RT-PCR法を使用して、mRNAからcDNAを作り出す。このcDNAを、qPCRアッセイに使用すると、DNA増幅プロセスが進行するにつれて蛍光を生成し得る。標準曲線と比較することで、qPCRは、絶対的測定値、例えば、mRNAのコピー数/細胞などを示し得る。ノーザンブロット、マイクロアレイ、インベーダーアッセイ、及びキャピラリー電気泳動と組み合わせたRT-PCRは、すべて、試料に含まれるmRNAの発現レベルを測定するために使用する。Gene Expression Profiling:Methods and Protocols,Richard A.Shimkets,editor,Humana Press,2004を参照されたい。
インビボ分子イメージング技術を使用するバイオマーカーの検出
一部の実施形態では、本明細書に記載したバイオマーカーは、分子イメージング試験で使用することができる。例えば、造影剤を、捕捉試薬にカップリングしたものを使用してインビボでバイオマーカーを検出することができる。
インビボでのイメージング技術は、個体の体内の特定の疾患の病態を決定する非侵襲的方法を提供する。例えば、身体の全部分、または全身をも三次元画像として見ることができ、これにより、体内の形態及び構造に関する有用な情報を提供し得る。このような技術は、本明細書に記載したバイオマーカーの検出と組み合わせて、インビボでのバイオマーカーに関する情報を提供し得る。
インビボでの分子イメージング技術は、様々な技術進歩を受けて発展しつつある。これらの進歩として、体内で強力なシグナルを発生させることができる放射標識、及び/または蛍光標識などの新しい造影剤または標識の開発;及び、身体の外部からこれらのシグナルを十分な感受性ならびに精度で検出して分析を行って、有用な情報を提供することができる強力で新規のイメージング技術の開発がある。造影剤は、適切なイメージングシステムで可視化することができる、それにより、体内の造影剤が存在する部分(複数可)の画像を得ることができる。造影剤は、例えば、アプタマーまたは抗体などの捕捉試薬、及び/またはペプチドもしくはタンパク質、またはオリゴヌクレオチド(例えば、遺伝子発現の検出のためのもの)、またはこれらのいずれかと1つ以上の巨大分子及び/またはその他の粒子型とを備えた複合体と結合または連結し得る。
また、造影剤は、イメージングにおいて有用な放射性原子を特徴とするものとし得る。適切な放射性原子として、シンチグラフ検査のためのテクネチウム-99mまたはヨウ素-123がある。その他の容易に検出可能な部分として、例えば、磁気共鳴像(MRI)用のスピン標識があり、例えば、ヨウ素-123の他に、ヨウ素-131、インジウム-111、フッ素-19、炭素-13、窒素-15、酸素-17、ガドリニウム、マンガン、または鉄がある。このような標識は、当該技術分野において周知であり、当業者であれば容易に選択することができる。
標準的なイメージング技術として、磁気共鳴撮像、コンピューター断層撮影スキャン、陽電子射出断層撮影法(PET)、単光子放射型コンピューター断層撮影法(SPECT)などがあるが、これらに限定されない。インビボでの診断イメージングについては、所定の造影剤、例えば、所定の放射性核種と、それを使用して標的化する具体的なバイオマーカー(タンパク質、mRNAなど)との選択に際して利用可能な検出機器のタイプが重要な要素となる。一般的に選択されている放射性核種は、所定のタイプの機器で検出できるある種の減衰を示す。また、インビボでの診断のために放射性核種を選択する場合、その半減期は、標的組織の取り込み時間が最長であるが、宿主に対する有害な放射線を最小化する上で十分な程度の短さにすべきである。
例示的なイメージング技術として、個体に対して放射性核種を合成的または局所的に照射するイメージング技術であるPET及びSPECTがあるが、これらに限定されない。その後の放射性トレーサーの取り込みを経時的に測定して、標的組織及びバイオマーカーに関する情報を得るために使用する。使用する特定の同位体からの高エネルギー(ガンマ線)放射と、それを検出するために使用する機器の感受性及び精巧さが故に、身体の外部から放射活性の二次元分布を推定し得る。
PETにおいて一般的に使用されている陽電子放出核種として、例えば、炭素-11、窒素-13、酸素-15、及びフッ素-18がある。SPECTでは、電子捕捉、及び/またはガンマ放射によって減衰する同位体を使用しており、例えば、ヨウ素-123、及びテクネチウム-99mがある。アミノ酸を、テクネチウム-99mで標識する例示的な方法では、キレート前駆体の存在下で過テクネチウム酸イオンを還元し、次いで、不安定なテクネチウム-99m前駆体複合体を形成し、続いて、このものを二官能性修飾下走化性ペプチドの金属結合基と反応させて、テクネチウム-99m-走化性ペプチドコンジュケートを形成する。
このようなインビボでのイメージング診断方法では、抗体が、頻繁に使用されている。インビボでの診断用抗体の調製及び使用は、当該技術分野において周知である。同様に、アプタマーは、このようなインビボイメージング診断法に使用し得る。例えば、本明細書に記載した特定のバイオマーカーを同定するために使用したアプタマーを、適切に標識し、個体に注射し、そして、インビボでバイオマーカーを検出し得る。使用する標識は、上記したようにして使用するイメージング様式に従って選択する。アプタマー特異的造影剤は、その他の造影剤と比べて、組織透過性、組織分布、速度論、除去、効力、及び選択性に関して、特有かつ有利な特性を有する。
また、そのような技術は、任意に、アンチセンスオリゴヌクレオチドを使用するイメージングで遺伝子発現を検出するために、例えば、標識したオリゴヌクレオチドも使用し得る。これらの方法は、例えば、標識として蛍光分子または放射性核種を使用するインサイチュハイブリダイゼーションで利用する。遺伝子発現の検出のためのその他の方法として、例えば、レポーター遺伝子活性の検出がある。
別の一般的なタイプのイメージング技術として、光学イメージングがあり、このものは、対象の身体内の蛍光シグナルを、対象の外部にある光学装置が検出する。これらのシグナルは、実際の蛍光、及び/または生物発光に起因し得る。光学検出装置の感受性を改善することで、インビボでの診断アッセイのための光学イメージングの有用性を改善し得る。
その他の技術の総論については、N.Blow、Nature Methods、6、465-469、2009を参照されたい。
組織学/細胞学的方法を使用するバイオマーカーの決定
一部の実施形態では、本明細書に記載したバイオマーカーは、組織学的または細胞学的方法を使用して、様々な組織試料において検出し得る。例えば、気管支内生検、及び経気管支生検、穿刺吸引生検、切断針、及びコア生検を組織学に使用することができる。気管支洗浄、及び擦過、胸膜吸引、及び喀痰は、細胞診に使用することができる。本明細書で同定したいずれのバイオマーカーも、疾患の兆候として、標本を染色するために使用することができる。
一部の実施形態では、対応するバイオマーカー(複数可)に特異的な1つ以上の捕捉試薬を、試料の細胞学的評価に使用する、そして:細胞試料の回収、細胞試料の固定、脱水、清浄、顕微鏡スライドでの細胞試料の固定化、細胞試料の透過処理、分析物の回収処理、染色、脱色、洗浄、ブロッキング、及び緩衝剤での1つ以上の捕捉試薬との反応の1つ以上を含み得る。別の実施形態では、細胞試料は、細胞ブロックから生成する。
一部の実施形態では、対応するバイオマーカーに特異的な1つ以上の捕捉試薬を、組織試料の組織学的評価に使用する、そして:組織標本の回収、組織試料の固定、脱水、清浄、組織試料の顕微鏡スライドへの固定化、組織試料の透過処理、分析物の回収、染色、脱色、洗浄、ブロッキング、再水和、及び緩衝剤での捕捉試薬(複数可)との反応の1つ以上を含み得る。別の実施形態では、固定化及び脱水を、凍結と置き換える。
別の実施形態では、対応するバイオマーカー(複数可)に特異的な1つ以上のアプタマー(複数可)は、組織学的または細胞学的試料と反応して、核酸増幅法において核酸標的として機能することができる。適切な核酸増幅法として、例えば、PCR、q-ベータレプリカーゼ、ローリングサークル増幅、鎖置換、ヘリカーゼ依存的増幅、ループ媒介等温増幅、リガーゼ連鎖反応、そして、制限及び環状化支援ローリングサークル増幅がある。
ある実施形態では、組織学的または細胞学的評価で使用するための対応するバイオマーカーに特異的な1つ以上の捕捉試薬を:ブロッキング物質、競合物質、界面活性剤、安定剤、担体核酸、ポリアニオン性材料などのいずれかを含むことができる緩衝剤溶液において混合する。
「細胞診プロトコール」は、一般的には、試料の回収、試料の固定、試料の固定化、及び染色を含む。「細胞調製」は、調製した細胞の染色のための1つ以上のアプタマーの使用を含んでいる、試料回収後の幾つかの処理ステップを含むことができる。
質量分析法を使用するバイオマーカーレベルの決定
様々な構成の質量分析計を使用して、バイオマーカーレベルを検出することができる。幾つかのタイプの質量分析計が利用可能であり、または様々な構成で製造することができる。一般的に、質量分析計は:試料注入口、イオン源、質量分析器、検出器、真空系、及び計測器制御系、及びデータ系という主要な構成要素を備えている。一般的に、試料注入口、イオン源、及び質量分析器での差異は、計測器のタイプと、その能力を表している。例えば、注入口は、キャピラリーカラム液体クロマトグラフィー源や、マトリックス支援レーザー脱離で使用するような、直接プローブまたはステージとすることができる。一般的なイオン源は、例えば、エレクトロスプレー、例えば、ナノスプレーやマイクロスプレーなど、またはマトリックス支援レーザー脱離である。一般的な質量分析器として、四重極質量フィルター、イオントラップ質量分析器、及び飛行時間型質量分析器がある。さらなる質量分析法は、当該技術分野で周知である(Burlingame et al.Anal.Chem.70:647 R-716R(1998);Kinter and Sherman,New York(2000)を参照されたい)。
タンパク質バイオマーカー、及びバイオマーカーレベルは:エレクトロスプレーイオン化質量分析(ESI-MS)、ESI-MS/MS、ESI-MS/(MS)n、マトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析(MALDI-TOF-MS)、表面増強レーザー脱離/イオン化飛行時間型質量分析(SELDI-TOF-MS)、シリコンでの脱離/イオン化(DIOS)、二次イオン質量分析(SIMS)、四重極飛行時間型(Q-TOF)、ultraflex III TOF/TOFと称するタンデム飛行時間型(TOF/TOF)技術、大気圧化学イオン化質量分析(APCI-MS)、APCI-MS/MS、APCI-(MS)、大気圧光イオン化質量分析(APPI-MS)、APPI-MS/MS及びAPPI-(MS)、四重極質量分析、フーリエ変換質量分析(FTMS)、定量的質量分析、及びイオントラップ質量分析のいずれかで、検出及び測定することができる。
試料調製戦略は、タンパク質バイオマーカーの質量分析による特徴決定と、バイオマーカーレベルの定量の前に、試料を標識及び濃縮するために使用する。標識方法として、相対的及び絶対的定量のための等圧性タグ(iTRAQ)、及び細胞培養物でのアミノ酸を含む安定同位体標識(SILAC)があるが、これらに限定されない。質量分析の前に候補バイオマーカータンパク質のための試料を選択的に濃縮するために使用する捕捉試薬として、アプタマー、抗体、核酸プローブ、キメラ、小分子、F(ab’)フラグメント、一本鎖抗体フラグメント、Fvフラグメント、一本鎖Fvフラグメント、核酸、レクチン、リガンド結合受容体、アフィボディ、ナノボディ、アンキリン、ドメイン抗体、代替的抗体スキャホールド(例えば、ダイアボディなど)インプリントポリマー、アビマー、ペプチド模倣体、ペプトイド、ペプチド核酸、トレオース核酸、ホルモン受容体、サイトカイン受容体、及び合成受容体、そして、これらの修飾物及びフラグメントがあるが、これらに限定されない。
上記したアッセイは、本明細書に記載した方法において有用なバイオマーカーレベルの検出を可能にしており、当該方法は、個体由来の生物学的試料において、表1、3、5、または7に記載したバイオマーカーから選択した少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、または少なくとも5つを検出することを含む。様々な実施形態では、当該方法は、本明細書に記載したバイオマーカーのグループのいずれかから選択する1つ以上のバイオマーカーのレベルを検出することを含む。したがって、説明をしたバイオマーカーの一部は、それ単独で、脂肪肝、肝炎、肝線維症、肝細胞バルーニング、及び/またはNASHを検出する上で有用であり得る一方で、複数のバイオマーカー、及び当該バイオマーカーの一部をグループ化して、2つ以上のバイオマーカーのパネルを形成する方法も本明細書に記載している。本明細書に記載した方法のいずれかに従って、バイオマーカーレベルを、個別に検出及び分類することができる、あるいは、例えば、マルチプレックスアッセイ形式など、それらを集合的に検出及び分類することができる。
バイオマーカーの分類、及び疾患スコアの計算
一部の実施形態では、所定の診断試験に関するバイオマーカーの「シグネチャー」は、一連のバイオマーカーを含んでおり、それぞれのバイオマーカーは、関心集団において特徴的なレベルを有する。特徴的なレベルとは、一部の実施形態では、特定のグループ内の個体に関するバイオマーカーの平均または平均値のことを指し得る。一部の実施形態では、本明細書に記載した診断方法を用いて、個体由来の未知の試料を、2つのグループの内の一方、例えば、脂肪肝または正常の内の一方に割り当てることができる。一部の実施形態では、本明細書に記載した診断方法を使用して、個体から得た未知の試料を、2つのグループ、例えば、脂肪肝または肝線維症のいずれかに割り当てることができる。一部の実施形態では、本明細書に記載した診断方法を使用して、個体から得た未知の試料を、3つのグループ、例えば、正常、NASHが認められない肺線維症、及びNASHのいずれか1つに割り当てることができる。
試料を2つ以上のグループの1つに割り当てることは、分類として知られており、また、この割り当てを達成するための手法は、分類器または分類方法として知られている。分類方法は、スコア付け法とも称し得る。バイオマーカーレベルのセットから診断分類器を構築するために使用することができる数多くの分類方法がある。一部の事例では、分類方法は、監視型ラーニング技術を使用して行われており、そこでは、区別しようとする2つ(または、多変量状態の場合では、それより多く)の別個のグループの個体から得た試料を使用してデータセットを回収する。それぞれの試料が属するクラス(グループまたは集団)が、それぞれの試料について予め分かっているので、分類方法をトレーニングして、望ましい分類応答を得ることができる。監視型ラーニング技術を使用しなくとも、診断分類器を作り出すことは可能である。
診断分類器を開発するための一般的な手法として、決定木;バギング+ブースティング+フォレスト;推論ルールに基づく学習;パルザン窓(Parzen Windows);線形モデル;記号論理学;ニューラルネットワーク法;非監視型クラスタリング;K平均法;階層上昇/下降;半管理学習法;プロトタイプ法;最近傍法;カーネル密度推定;サポーティブベクターマシーン;隠れマルコフ(Markov)モデル;ボルツマン(Boltzmann)学習があり、そして、分類器は、単純に組み合わせ得る、あるいは特定の目的関数を最小化する方法で組み合わせ得る。総論に関して、例えば、Pattern Classification、R.O.Duda,et al.、John Wiley & Sons、2nd edition、2001を参照されたい。また、The Elements of Statistical Learning-Data Mining,Inference,and Prediction、T.Hastie,et al.、Springer Science+Business Media,LLC、2nd edition、2009も参照されたい。
管理学習技術を使用して分類器を作るために、トレーニングデータと称する試料のセットを入手する。診断テストに関連して、トレーニングデータは、後から、未知試料が割り当てられる別個のグループ(クラス)に由来する試料を含むことになる。例えば、コントロール集団の個体から回収した試料と、特定の疾患を有する集団の個体から回収した試料とで、未知試料(または、より具体的には、試料を提供した個体)を、疾患の有無のいずれかに分類することができる分類器を開発するためのトレーニングデータを構成することができる。トレーニングデータに由来する分類器の開発は、分類器のトレーニングとして知られている。分類器のトレーニングに関する具体的な詳細は、管理学習技術の性質に依存している。単純ベイズ分類器は、このような管理学習技術の一例である(例えば、Pattern Classification、R.O.Duda,et al.、editors,John Wiley & Sons、2nd edition、2001を参照されたい;また、The Elements of Statistical Learning-Data Mining,Inference,and Prediction、T.Hastie,et al.、editors,Springer Science+Business Media,LLC、2nd edition、2009も参照されたい)。単純ベイズ分類器のトレーニングは、例えば、米国特許公開第2012/0101002号、及び同第2012/0077695号に記載されている。
一般的には、トレーニングセットの試料よりも数多くの潜在的なバイオマーカーレベルがあるので、過剰適合を回避する配慮が必要である。過剰適合は、統計モデルが、基礎的な関係性の代わりに、ランダムエラーまたはノイズを表現する場合に発生する。過剰適合は、様々な方法で回避することができ、そのような方法として、例えば、分類器開発に使用するバイオマーカーの数を制限すること、バイオマーカーの応答が互いに独立していると仮定すること、使用する基本とする統計モデルの複雑度を制限すること、そして、基本とする統計モデルを確実にデータに一致させる、ことがある。
バイオマーカーのセットを使用する診断試験の開発の具体的な例として、単純ベイズ分類器の利用、すなわち、バイオマーカーの厳密な独立した処理を行うベイズの定理に基づいた単純な確率的分類器の利用がある。それぞれのバイオマーカーは、それぞれのクラスでのRFU測定値または対数RFU(相対蛍光単位)測定値に関するクラス依存性確率密度関数(pdf)で説明される。1つのクラスでのバイオマーカーのセットに関する結合pdfは、それぞれのバイオマーカーに関する個々のクラス依存性pdfの積であると推定される。このことに関連して、単純ベイズ分類器をトレーニングすることは、クラス依存性pdfを特性化するために、パラメーターを割り当てること(「パラメーター化」)に等しい。クラス依存性pdfのために、あらゆる基本モデルを使用し得るが、このモデルは、一般的には、トレーニングセットで認められたデータと一致している必要がある。
単純ベイズ分類器の性能は、分類器を構築及びトレーニングするために使用するバイオマーカーの個数及び品質に依存している。単一のバイオマーカーは、KS-距離(コルモボロフ-スミルノフ(Kolmogorov-Smirnov)に従う。良好なKS距離(例えば、>0.3)を有するバイオマーカーを続けて加えると、続けて加えたバイオマーカーが第1のバイオマーカーから独立している場合には、一般的には、分類性能を高める。分類器スコアとして感受性に加えて特異性を使用して、高いスコアを付ける数多くの分類器を、グリーディアルゴリズムの変動を利用して作り出すことができる。(グリーディアルゴリズムとは、大域的最適解を見出すという目的で、それぞれの段階において局所的に最適な選択を行って、問題解決を図るメタヒューリスティック手法に従うあらゆるアルゴリズムのことである)。
分類器性能を説明する別の方法は、受信者動作特性(ROC)、または単純にROC曲線、もしくはROCプロットによる。ROCとは、2項分類器系の識別閾値の変化に応じた、その2項分類器系に関する、感受性、または真陽性率の偽陽性率に対する(1-特異性、または1-真陽性率)グラフィカルプロットである。また、このROCは、陽性の内の真陽性の割合(TPR=真陽性率)を、陰性の内の偽陽性の割合(FPR=偽陽性率)に対してプロットして同等に表すことができる。このことは、基準の変化が、2つの動作特性(TPR & FPR)の比較であるので、相対的動作特性曲線としても知られている。ROC曲線下面積(AUC)は、診断精度の集約尺度として一般的に使用されている。これは、0.0~1.0の値になり得る。AUCは、重要な統計的性質:すなわち、分類器のAUCが、分類器が無作為に選択した正事例を、無作為に選択した負事例よりも上にランク付けする確率と同等である(Fawcett T、2006.An introduction to ROC analysis.Pattern Recognition Letters.27:861-874)。このものは、ウィルコクソン順位検定(Wilcoxon test of ranks)に相当する(Hanley,J.A.、McNeil,B.J、1982.The meaning and use of the area under a receiver operating characteristic(ROC) curve.Radiology 143、29-36.)。
例示的な実施形態は、表1、3、5、または7に記載したあらゆる個数のバイオマーカーの様々な組み合わせを使用して、様々な実施形態では、脂肪肝、肝炎、肝線維症、肝細胞バルーニング、及び/またはNASHを有する個体を同定する診断試験を作り出す。表1、3、5、または7に記載したバイオマーカーを様々な方法で組み合わせて、分類器を作り出すことができる。一部の実施形態では、バイオマーカーのパネルは、選択した特定の診断性能基準に応じて、異なるセットのバイオマーカーから構成する。例えば、バイオマーカーの特定の組み合わせは、その他の組み合わせよりも感受性が高い(または、特異性が高い)試験を構成し得る。一部の実施形態では、脂肪肝を有する個体を同定するためのバイオマーカーのパネルは、表1のバイオマーカーから選択する。一部の実施形態では、肝炎を有する個体を同定するためのバイオマーカーのパネルは、表3のバイオマーカーから選択する。一部の実施形態では、肝細胞バルーニングを有する個体を同定するためのバイオマーカーのパネルは、表5のバイオマーカーから選択する。一部の実施形態では、肝線維症を有する個体を同定するためのバイオマーカーのパネルは、表7のバイオマーカーから選択する。
一部の実施形態では、1つ以上のさらなるバイオマーカーの有無に関係なく、表1、3、5、及び/または7から得た特定のバイオマーカーのセットを含むようにパネルを定義しており、また、分類器をトレーニングデータのセットから構築すると、診断試験パラメーターが完了する。一部の実施形態では、生物学的試料に対して1つ以上のアッセイを行って、分類のための関連する定量的バイオマーカーレベルを決める。測定したバイオマーカーレベルを、分類を決める分類方法の入力値として、また、クラス割り当ての信頼性を反映する試料の任意のスコアとして使用する。
一部の実施形態では、生物学的試料を、任意に希釈して、多重化アプタマーアッセイを行って、データを、次のように評価する。まず、アッセイから得たデータを、任意に、正規化及び標準化する、そして、得られたバイオマーカーレベルの結果を、ベイズ分類スキームの入力値として使用する。次に、測定した個別のバイオマーカーごとに対数尤度比を計算し、合計して最終的な分類スコア、別名、診断スコアを生成する。結果の割り当てと、全体的な分類スコアを報告することができる。一部の実施形態では、それぞれのバイオマーカーレベルについて計算した個々の対数尤度リスク因子も報告することができる。
キット
例えば、本明細書に開示した方法を実行するための使用において、適切なキットを利用して、本明細書に記載したバイオマーカーのあらゆる組み合わせを検出することができる。さらに、いずれのキットも、本明細書に記載したような1つ以上の検出可能な標識、例えば、蛍光部分などを含むことができる。
一部の実施形態では、キットは、(a)生体試料での1つ以上のバイオマーカーを検出するための1つ以上の捕捉試薬(例えば、少なくとも1つのアプタマーまたは抗体)、及び、任意に、(b)生体試料を提供した個体が、脂肪肝、肝炎、肝線維症、肝細胞バルーニング、及び/またはNASH(ステージ1、2、3、または4のNASH、またはステージ2、3、または4のNASHなど)を有するか否かを予測するための1つ以上のソフトウェアまたはコンピュータープログラム製品とを含む。あるいは、1つ以上のコンピュータープログラム製品よりもむしろ、上記した工程を、ヒトが手動で行うための1つ以上の説明書を提供し得る。
一部の実施形態では、キットは、固体支持体、捕捉試薬、及びシグナルを生成する材料を含む。また、キットは、機器と試薬の使用、試料の取り扱い、及びデータ解析に関する説明書を含むことができる。さらに、キットは、生体試料の分析結果を解析して報告するためのコンピューターシステムまたはソフトウェアと共に使用し得る。
さらに、キットは、生物学的試料を処理するための1つ以上の試薬(例えば、可溶化緩衝剤、洗浄剤、洗浄液、または緩衝剤)を含むことができる。本明細書に記載したいずれのキットも、例えば、緩衝剤、ブロッキング剤、質量分析用マトリックス材料、抗体捕捉剤、陽性コントロール試料、陰性コントロール試料、プロトコール、ガイダンス、及びリファレンスデータなどのソフトウェアならびに情報を含むことができる。
一部の実施形態では、キットを、脂肪肝、肝炎、肝線維症、肝細胞バルーニング、及び/またはNASHを分析するために提供する、そして、キットは、本明細書に記載したバイオマーカーに特異的な1つ以上のアプタマーのためのPCRプライマーを含む。一部の実施形態では、キットは、バイオマーカーの使用に関する説明書と、バイマーカーと、脂肪肝、肝炎、肝線維症、肝細胞バルーニング、及び/またはNASHの予後との相関に関する説明書をさらに含み得る。一部の実施形態では、キットは、試料DNAを増幅または単離するために、本明細書に記載した1つ以上のバイオマーカーの補体を含むDNAアレイ、試薬、及び/または酵素を含み得る。キットは、リアルタイムPCRのための試薬、例えば、TaqManプローブ、及び/またはプライマー、及び酵素を含み得る。
例えば、キットは、(a)試験試料での1つ以上のバイオマーカーのレベルを決定するための少なくとも1つの捕捉試薬を含む試薬、及び、任意に、(b)試験試料に関して定量したそれぞれのバイオマーカーの量を、1つ以上の所定のカットオフと比較する工程を行うための1つ以上のアルゴリズムまたはコンピュータープログラムとを含むことができる。一部の実施形態では、アルゴリズムまたはコンピュータープログラムは、当該比較に基づいて定量したそれぞれのバイオマーカーに関するスコアを割り当てる、一部の実施形態では、バイオマーカーごとに割り当てられたスコアを足し合わせて総スコアを得る。さらに、一部の実施形態では、アルゴリズムまたはコンピュータープログラムは、総スコアと所定のスコアとを比較して、この比較を利用して、個体での脂肪肝、肝炎、肝線維症、肝細胞バルーニング、及び/またはNASHの有無を決定する。あるいは、1つ以上のアルゴリズムまたはコンピュータープログラムよりはむしろ、上記した工程を、ヒトが手動で行うための1つ以上の説明書を提供することができる。
コンピューターによる方法、及びソフトウェア
バイオマーカーまたはバイオマーカーパネルを選択したら、個体での脂肪肝、肝炎、肝線維症、肝細胞バルーニング、及び/またはNASHの有無を決定する方法は:1)当該個体から生体試料を回収する、または得る;2)分析方法を行って、生体試料においてパネルでの1つ以上のバイオマーカーを検出して測定する;及び、3)バイオマーカーレベルの結果を報告する、ことを含み得る。一部の実施形態では、バイオマーカーレベルの結果を、例えば、下された診断(「脂肪肝」、「肝炎」、「肝線維症」、「肝細胞バルーニング」、「NASH」、「ステージ2、3、または4のNASH」など)として、または「陽性」及び「陰性」と定義される陽性/陰性として簡略して報告する。一部の実施形態では、個体での脂肪肝、肝炎、肝線維症、肝細胞バルーニング、及び/またはNASHの有無を決定する方法は:1)生体試料を回収する、または得る;2)分析方法を行って、生体試料のパネルでの1つ以上のバイオマーカーを検出して測定する;3)あらゆるデータの正規化または標準化を行う;4)それぞれのバイオマーカーレベルを決定する;及び、5)これらの結果を報告することを含み得る。一部の実施形態では、バイオマーカーレベルは、何らかの方法で組み合わせる、そして、組み合わせたバイオマーカーレベルに関する単一の値を報告する。この手法において、一部の実施形態では、報告を受ける数値を、疾患の有無を示す予め設定された閾値と比較する数である、すべてのバイオマーカーの計算値を合計して決定した単一の数とし得る。あるいは、診断スコアは、それぞれを、バイオマーカー値を示す一連の棒で示し、そして、応答パターンは、疾患の有無の決定について予め設定したパターンと比較し得る。
本明細書に記載した方法の少なくとも一部の実施態様は、コンピューターを使用して実施することができる。図2に、コンピューターシステム100の例を示す。図2を参照すると、システム100は、プロセッサ101、入力装置102、出力装置103、記憶装置104、コンピューターで読取り可能な記憶媒体リーダー105a、通信システム106、加速処理装置(例えば、DSP、または特殊用途のプロセッサ)107、及び記憶装置109を含む、バス108を介して電気的に接続したハードウェア要素から構成されている。コンピューターで読取り可能な記憶媒体リーダー105aは、コンピューターで読取り可能な記憶媒体105bにさらに接続しており、この組み合わせは、コンピューターで読取り可能な情報を、一時的な格納、及び/または長期間の格納、遠隔利用、ローカル接続、固定、及び/または取り外しが可能な記憶装置と記憶媒体、メモリなどを総合的に示しており、この組み合わせは、記憶装置104、記憶装置109、及び/または、そのようなその他のあらゆるアクセス可能なシステム100リソースを含む。また、システム100は、オペレーティングシステム192、及びその他のコード193、例えば、プログラム、データなどを含むソフトウェア要素(作業メモリ191内に配置したものとして示す)も含む。
図2を参照すると、システム100は、広範な適応性と構成可能性とを備えている。したがって、例えば、単一のアーキテクチャーを利用して1つ以上のサーバーを実施することが可能であり、このようなサーバーは、現在のところ、所望のプロトコール、プロトコール変更、拡張などにしたがって再構成することもできる。しかしながら、当業者であれば、ある特定のアプリケーション要求に従って実施形態を利用できることは自明の事項である。例えば、1つ以上のシステム要素が、システム100の構成要素(例えば、通信システム106)の下位要素として実施し得る。また、カスタマイズしたハードウェアを利用することもできる、及び/またはハードウェア、ソフトウェア、またはその両方において特定の要素を実施し得る。さらに、ネットワーク入力/出力装置(図示せず)などのその他の演算装置に接続し得るが、その他の演算装置への有線、無線、モデム、及び/またはその他の接続(複数可)も利用し得る、ことを理解されたい。
ある態様では、システムは、脂肪肝、肝炎、肝線維症、肝細胞バルーニング、及び/またはNASHに特徴的なバイオマーカーの特徴を含むデータベースを含むことができる。このバイオマーカーデータ(または、バイオマーカー情報)を、コンピューターに入力して、コンピューターに実装した方法の一部として使用することができる。バイオマーカーデータは、本明細書に記載したようなデータを含むことができる。
ある態様では、システムは、入力データを1つ以上のプロセッサに提供するための1つ以上の装置をさらに含む。
システムは、ランク付けしたデータ要素のデータセットを格納する記憶装置をさらに含む。
別の態様では、入力データを提供するための装置は、例えば、質量分析計または遺伝子チップリーダーなどのデータ要素の特徴を検出するための検出器を含む。
システムは、データベース管理システムをさらに含み得る。ユーザーの要求または質問は、質問を処理するトレーニングセットのデータベースから関連情報を抽出するデータベース管理システムが理解する適切な言語でフォーマットし得る。
システムは、ネットワークサーバーと1つ以上のクライエントとを接続するネットワークに接続可能とし得る。ネットワークは、当該技術分野で公知のように、ローカルエリアネットワーク(LAN)またはワイドエリアネットワーク(WAN)とし得る。好ましくは、サーバーは、コンピュータープログラム製品(例えば、ソフトウェア)を作動させてユーザーの要求を処理するためのデータベースのデータにアクセスする上で必要なハードウェアを含む。
システムは、データベース管理システムからの命令を実行するオペレーティングシステム(例えば、UNIX(登録商標)またはLinux)を含み得る。ある態様では、オペレーティングシステムは、インターネットなどのグローバル通信ネットワークで作動する、そして、そのようなネットワークに接続するために、グローバル通信ネットワークサーバーを利用することができる。
システムは、当該技術分野で公知のグラフィカルユーザーインターフェースで日常的に認められるボタン、プルダウンメニュー、スクロールバー、テキスト入力用フィールドなどのインターフェース要素を含むグラフィカルディスプレイインターフェースを含む1つ以上の装置を含み得る。ユーザーインターフェイスで入力される要求事項は、システム内のアプリケーションプログラムに送信して、1つ以上のシステムデータベースにおいて関連情報を検索するようにフォーマットすることができる。ユーザーが入力した要求または質問は、あらゆる適切なデータベース言語で構築することができる。
グラフィカルユーザーインターフェースは、オペレーティングシステムの一部としてグラフィカルユーザーインターフェースコードで作製し得る、そして、データを入力したり、及び/または入力したデータを表示したりするために利用することができる。処理したデータの結果は、インターフェースで表示する、システムと接続した印刷機で印刷する、記憶装置デバイスに保存する、及び/またはネットワークに送信し得る、あるいはコンピューターで読取り可能な媒体の形態で提供することができる。
システムは、システムにデータ要素に関するデータ(例えば、発現値)を提供する入力装置と接続することができる。ある態様では、この入力装置は、例えば、質量分析装置、遺伝子チップ、またはアレイリーダーなどの遺伝子発現プロファイリングシステムを含むことができる。
様々な実施態様に従ってバイオマーカー情報を解析する方法及び装置は、あらゆる適切な方式で、例えば、コンピューターシステムで作動するコンピュータープログラムを使用して実施することができる。リモートアクセス可能なアプリケーションサーバー、ネットワークサーバー、パーソナルコンピューター、またはワークステーションなどのプロセッサ、及びランダムアクセス記憶装置を含む従来のコンピューターシステムを利用し得る。さらなるコンピューターシステム要素は、例えば、大規模記憶システム、及びユーザーインターフェイス、例えば、従来型のモニター、キーボード、及びトラッキング装置などの記憶装置デバイスまたは情報保存システムを含み得る。コンピューターシステムは、スタンドアロンシステムとし得る、またはサーバーと1つ以上のデータベースとを含むコンピューターのネットワークの一部とし得る。
バイオマーカー解析システムは、データ収集、処理、解析、報告、及び/または診断などのデータ解析を完了するための機能及び操作を提供することができる。例えば、ある実施態様では、コンピューターシステムは、バイオマーカーに関する情報を受け取る、保存する、検索する、解析する、及び報告することができるコンピュータープログラムを実行することができる。コンピュータープログラムは、様々な機能または操作を実行する複数のモジュールを含み得る、例えば、生データを処理して補充データを生成するための処理モジュール、及び生データと補足データを解析して、疾患の病態及び/または診断を提供する解析モジュールなどがある。脂肪肝、肝炎、肝線維症、肝細胞バルーニング、及び/またはNASHを特定することは、疾患に関連する個体の病態に関するさらなる生物医学情報を含むあらゆるその他の情報を生成または回収すること、さらなる検査が望ましいか否かを決定すること、または、その他の方法で個体の健康状態を評価することを含み得る。
本明細書に記載した一部の実施形態は、コンピュータープログラム製品の形態で実施することができる。コンピュータープログラム製品は、アプリケーションプログラムを生成する媒体内にあり、コンピューターで読取り可能なプログラムコードを有しているコンピューターで読取り可能な媒体を含み、データベースを備えたコンピューターを作動させ得る。
本明細書で使用する「コンピュータープログラム製品」とは、あらゆるタイプの物理的媒体(例えば、文書、電子、磁気、光学、またはその他の様式)を含んでおり、また、コンピューターまたはその他の自動データ処理システムで使用することができる自然言語またはプログラミング言語ステートメントの形態で組織化した一連の指示のことを指している。このようなプログラミング言語ステートメントを、コンピューターまたはデータ処理システムで実行すると、コンピューターまたはデータ処理システムが、ステートメントの特定の内容に従って作動する。コンピュータープログラム製品として:ソース及びオブジェクトコードでのプログラム、及び/またはコンピューターで読取り可能な媒体に埋め込まれたテストライブラリーまたはデータライブラリーがあるが、これらに限定されない。さらに、コンピューターシステムまたはデータ処理装置を予め選択した方式で作動可能にしているコンピュータープログラム製品を、数多くの形態で提供することができる、例えば、オリジナルソースコード、アセンブリコード、オブジェクトコード、機械言語、上記コードの暗号化または圧縮したバージョン、そして、ありとあらゆる等価物があるが、これらに限定されない。
ある態様では、個体での脂肪肝、肝炎、肝線維症、肝細胞バルーニング、及び/またはNASH(ステージ1、2、3、または4のNASH、またはステージ2、3、または4のNASHなど)の有無を示すコンピュータープログラム製品を提供する。このコンピュータープログラム製品は、演算装置またはシステムのプロセッサが実行可能なプログラムコードを具体化するコンピューターで読取り可能な媒体を含んでおり、このプログラムコードは:個体由来の生体試料に起因するデータを検索するコードを含んでおり、このデータは、本明細書に記載した1つ以上のバイオマーカーに対応するバイオマーカーレベルと、これらのバイオマーカーレベルに応じて個体での脂肪肝、肝炎、肝線維症、肝細胞バルーニング、及び/またはNASH状態を示す分類方法を実行するコードを含む。
様々な実施態様を、方法または機器に関して説明をしてきたが、これらの実施形態は、コンピューターと接続したコード、例えば、コンピューターに内蔵した、またはコンピューターに接続可能なコードを介して実施することができる、ことを理解されたい。例えば、ソフトウェア及びデータベースを利用して、上記した本方法の数多くのことが実施可能である。したがって、ハードウェアが達成する実施態様に加えて、これらの実施態様は、コンピューターで読取り可能なプログラムコードを具体化させるコンピューターが使用可能な媒体で構成されている製造品を使用して、本明細書の説明で開示した機能が達成できる、ことも留意されたい。それ故に、それらのプログラムコード手段においても、これらの実施態様が、本特許によって同様に保護されたものとみなすことが望ましい。さらに、これらの実施形態は、実質的にあらゆる種類のコンピューターで読取り可能な記憶装置に保存したコードとして具体化することができ、当該記憶装置として、RAM、ROM、磁気媒体、光学媒体、または磁気光学媒体があるが、これらに限定されない。なおもさらに一般的には、このような実施形態は、ソフトウェア、またはハードウェア、あるいはそれらのあらゆる組み合わせにおいて実施することができ、例えば、汎用プロセッサで作動するソフトウェア、マイクロコード、プログラマブルロジックアレイ(PLA)、または特定用途向け集積回路(ASIC)などで実施可能であるが、これらに限定されない。
搬送波で具体化するコンピューターシグナル、及び伝送媒体を介して伝播するシグナル(例えば、電気、及び光学)で、実施形態が達成し得ることも想定される。したがって、上記した様々な種類の情報を、データ構造などの構造でフォーマットして、伝送媒体を介して電気シグナルとして伝送する、またはコンピューターで読取り可能な媒体に保存することができる。
治療の方法
一部の実施形態では、対象での脂肪肝、肝炎、肝線維症、肝細胞バルーニング、及び/またはNASHの有無の決定に続いて、当該対象は、疾患の悪化を遅延または予防するための治療レジメンを受ける。脂肪肝、肝炎、肝線維症、肝細胞バルーニング、及び/またはNASHの例示的治療レジメンとして、減量、血糖コントロール、アルコール回避、当該対象に糖尿病及び/または心血管疾患に関する試験を行う、当該対象に胃バイパス手術を実施する、及び当該対象への薬物の投与などがある、しかしながら、これらに限定されない。一部のそのような実施形態では、当該薬物は、ピオグリタゾン、ビタミンE、及び/またはメトホルミンである。例えば、Sanyal et al.,2010、NEJM、362:1675-1685を参照されたい。
一部の実施形態では、NAFLDをモニタリングする方法を提供する。一部の実施形態では、対象でのNAFLDの有無を決定する本発明の方法は、時間0で行う。一部の実施形態では、この方法は、対象のNAFLDの進行をモニタリングするために、時間1、そして、任意に時間2、及び、任意に時間3などで改めて行う。一部の実施形態では、個体の疾患の現在の状態に応じて、及び/または疾患が疑われる、または、進行すると考えられる際に予測される速度に応じて、異なる時点で、異なるバイオマーカーを使用する。
その他の方法
一部の実施形態では、本明細書に記載したバイオマーカー及び方法は、医療保険料及び/または生命保険料を決定するために使用する。一部の実施形態では、本明細書に記載した方法の結果は、医療保険料及び/または生命保険料を決定するために使用する。一部のそのような事例では、医療保険または生命保険を提供する組織は、医療保険または生命保険の申請に応じる、そうでなければ、対象のNASH状態に関する情報を得る、そして、その情報を使用して、当該対象に関する適切な医療保険料または生命保険料を決定する。一部の実施形態では、この審査は、医療保険または生命保険を提供する組織が要求し、そして、その審査経費は当該組織が負担する。
一部の実施形態では、本明細書に記載したバイオマーカー及び方法は、医療資源の利用を予測、及び/または管理するために使用する。一部のそのような実施形態では、本方法は、そのような予測目的のために行われることはないが、本方法から得た情報を、そのような医療資源の利用の予測及び/または管理のために使用する。例えば、検査施設または病院は、特定の施設、または特定の地理的領域での医療資源の利用を予測及び/または管理するために、数多くの対象に関する情報を、本方法で回収し得る。
以下の実施例は、例示目的で提供しており、添付した特許請求の範囲が定義している本出願の範囲の限定を意図するものではない。以下の実施例で説明する所定の分子生物学技術は、標準的な実験マニュアル、例えば、Sambrook et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,3rd.ed.,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.,(2001)に記載されているようにして行う。
実施例1.バイオマーカー同定のための多重化アプタマーアッセイ及び統計的手法
多重化アプタマーアッセイを使用して、試験試料とコントロール試料の分析を行って、脂肪肝、肝炎、肝細胞バルーニング、または肝線維症を予測するバイオマーカーを特定した。この多重分析では、少量の試料(約65μlの血清または血漿)から得た血液に含まれる約5,000個のタンパク質を検出するアプタマーを使用しており、検出限界は低く(1pMの中央値)、約7 logのダイナミックレンジ、そして、変動係数は、中央値で約5%であった。多重化アプタマーアッセイは、一般的には、例えば、Gold et al.(2010) Aptamer-Based Multiplexed Proteomic Technology for Biomarker Discovery.PLoS ONE 5(12):e15004;及び、米国公開:2012/0101002及び2012/0077695に記載されている。
脂肪肝分類器
安定性選択で選んだ表1に示す12個のバイオマーカーのパネルを、ランダムフォレストアルゴリズムに提供してモデルを生成した。エラスティックネットロジスティック回帰モデルを使用して、ROC曲線(AUC)下面積など、様々なモデルのパフォーマンスを決定した。表1に記載した1~5個のバイオマーカーからなるモデルに関する結果を、表2に示した。表2での「N/A」の記載は、そこに示したように、当該モデルが、1、2、3、または4個のバイオマーカーだけからなることを示している。
Figure 2023512701000002
Figure 2023512701000003
Figure 2023512701000004
Figure 2023512701000005
Figure 2023512701000006
肝炎分類器
安定性選択で選んだ表3に示す14個のバイオマーカーのパネルを、ランダムフォレストアルゴリズムに提供してモデルを生成した。エラスティックネットロジスティック回帰モデルを使用して、ROC曲線(AUC)下面積など、様々なモデルのパフォーマンスを決定した。表3に記載した1~8個のバイオマーカーからなるモデルに関する結果を、表4に示した。表4での空欄は、そこに示したように、当該モデルが、1、2、3、4、5、6、または7個のバイオマーカーだけからなることを示している。
Figure 2023512701000007
Figure 2023512701000008
Figure 2023512701000009
Figure 2023512701000010
Figure 2023512701000011
Figure 2023512701000012
Figure 2023512701000013
Figure 2023512701000014
Figure 2023512701000015
Figure 2023512701000016
Figure 2023512701000017
Figure 2023512701000018
Figure 2023512701000019
Figure 2023512701000020
Figure 2023512701000021
Figure 2023512701000022
Figure 2023512701000023
Figure 2023512701000024
Figure 2023512701000025
Figure 2023512701000026
Figure 2023512701000027
Figure 2023512701000028
Figure 2023512701000029
Figure 2023512701000030
Figure 2023512701000031
肝細胞バルーニング分類器
安定性選択で選んだ表5に示す5個のバイオマーカーのパネルを、ランダムフォレストアルゴリズムに提供してモデルを生成した。エラスティックネットロジスティック回帰モデルを使用して、ROC曲線(AUC)下面積など、様々なモデルのパフォーマンスを決定した。表5に記載した1~5個のバイオマーカーからなるモデルに関する結果を、表6に示した。表6での空欄は、そこに示したように、当該モデルが、1、2、3、または4個のバイオマーカーだけからなることを示している。
Figure 2023512701000032
Figure 2023512701000033
肝線維症分類器
安定性選択で選んだ表7に示す8個のバイオマーカーのパネルを、ランダムフォレストアルゴリズムに提供してモデルを生成した。エラスティックネットロジスティック回帰モデルを使用して、ROC曲線(AUC)下面積など、様々なモデルのパフォーマンスを決定した。表7に記載した1~4個のバイオマーカーからなるモデルに関する結果を、表8に示した。表8での空欄は、そこに示したように、当該モデルが、1、2、または3個のバイオマーカーだけからなることを示している。
Figure 2023512701000034
Figure 2023512701000035
Figure 2023512701000036
Figure 2023512701000037
Figure 2023512701000038
実施例2:アプタマーを使用する例示的なバイオマーカー検出
試料に含まれる1つ以上のバイオマーカーを検出する例示的な方法は、例えば、Kraemer et al.,PLoSOne6(10):e26332に記載されており、以下に記載する。3つの異なる定量方法:マイクロアレイをベースとしたハイブリダイゼーション、Luminexビーズをベースとした方法、及びqPCRが記載されている。
試薬
HEPES、NaCl、KCl、EDTA、EGTA、MgCl、及びTween-20は、例えば、Fisher Biosciencesから購入し得る。公称分子量8000のデキストラン硫酸ナトリウム塩(DxSO4)は、例えば、AICから購入し得る、そして、1回の交換で、少なくとも20時間、脱イオン水に対して透析する。KOD EX DNAポリメラーゼは、例えば、VWRから購入し得る。塩化テトラメチルアンモニウム、及びCAPSOは、例えば、Sigma-Aldrichから購入し得る、そして、ストレプトアビジン-フィコエリトリン(SAPE)は、例えば、Moss Incから購入し得る。4-(2-アミノエチル)-ベンゼンスルホニルフルオリド塩酸塩(AEBSF)は、例えば、Gold Biotechnologyから購入し得る。ストレプトアビジンでコーティングした96ウェルプレートは、例えば、Thermo Scientific(Pierce Streptavidin Coated Plates HBC、透明、96ウェル、製品番号15500または15501)から購入し得る。NHS-PEO4-ビオチンは、例えば、Thermo Scientific(EZ-Link NHS-PEO4-Biotin、製品番号21329)から購入して、無水DMSOに溶解し、そして、使い捨てのアリコートで凍結保存することができる。IL-8、MIP-4、リポカリン-2、RANTES、MMP-7、及びMMP-9は、例えば、R&D Systemsから購入し得る。レジスチン及びMCP-1は、例えば、PeproTechから購入し得る、また、tPAは、例えば、VWRから購入し得る。
核酸
従来のオリゴデオキシヌクレオチド(アミン及びビオチンで置換したものを含む)は、例えば、Integrated DNA Technologies(IDT)から購入し得る。Z-Blockとは、配列5’-(AC-BnBn)7-AC-3’の一本鎖オリゴデオキシヌクレオチドであり、式中、Bnは、ベンジル置換デオキシウリジン残基を示す。Z-ブロックは、従来のホスホルアミダイト化学を使用して合成し得る。アプタマー捕捉試薬も、従来のホスホルアミダイト化学で合成し得る、そして、例えば、timberline TL-600またはTL-150ヒーターと、重炭酸トリエチルアンモニウム(TEAB)/ACNの勾配を使用するWaters Autopurification 2767システム(または、Waters 600シリーズ半自動システム)で、80℃で作動する、21.5×75mm PRP-3カラムで精製して、生成物を溶出する。検出を260nmで行い、最良のフラクションをプールする前に、メインピーク全体についてフラクションを回収する。
緩衝剤
緩衝剤SB18は、40mM HEPES、101mM NaCl、5mM KCl、5mM MgCl、及びNaOHでpHを7.5に調整した0.05%(v/v)Tween20からなる。緩衝剤SB17は、SB18に、1mM 三ナトリウムEDTAを加えたものである。緩衝剤PB1は、10mM HEPES、101mM NaCl、5mM KCl、5mM MgCl、1mM 三ナトリウムEDTA、及びNaOHでpHを7.5に調整した0.05%(v/v)Tween-20からなる。CAPSO溶出緩衝剤は、100mM CAPSO pH10.0と、1M NaClとからなる。中和緩衝剤は、500mM HEPES、500mM HCl、及び0.05%(v/v)Tween-20を含む。Agilentハイブリダイゼーション緩衝剤は、キット(Oligo aCGH/ChIP-on-chipハイブリダイゼーションキット)の一部として提供する当社の製剤である。Agilent洗浄緩衝剤1は、当社の製剤である(Oligo aCGH/ChIP-on-chip洗浄緩衝剤1、Agilent)。Agilent洗浄緩衝剤2は、当社の製剤である(Oligo aCGH/ChIP-on-chip洗浄緩衝剤2、Agilent)。TMACハイブリダイゼーション溶液は、4.5M 塩化テトラメチルアンモニウム、6mM EDTA三ナトリウム、75mM Tris-HCl(pH8.0)、及び0.15%(v/v)サルコシルからなる。KOD緩衝剤(10倍濃縮)は、1200mM Tris-HCl、15mM MgSO、100mM KCl、60mM (NHSO、1%v/v Triton-X100、及び1mg/mL BSAからなる。
試料調製
血清(100μLのアリコートを-80℃で保存したもの)を、25℃の水浴で、10分間かけて解凍し、試料を希釈する前に、氷上で保存する。試料は、8秒間、穏やかにボルテックスして混合する。6%血清試料溶液を、0.6mM MgCl、1mM EGTA三ナトリウム、0.8mM AEBSF、及び2μM Z-Blockを加えた0.94×SB17に希釈して調製する。6%血清原液の一部を、SB17で10倍に希釈して、0.6%血清原液を調製する。一部の実施形態では、6%及び0.6%の原液を、それぞれ、存在量の多い分析物と、存在量の少ない分析物を検出するために使用する。
捕捉試薬(アプタマー)とストレプトアビジンプレートの調製
アプタマーは、関連する分析物(または、バイオマーカー)の相対的な存在量に応じて、2つの混合物に分ける。原液濃度は、それぞれのアプタマーについて4nMであり、それぞれのアプタマーの最終濃度は0.5nMである。アプタマー原体混合物を、SB17緩衝剤で4倍に希釈し、95℃で5分間加熱し、そして、使用前に、15分間で37℃にまで冷却する。この変性-再生サイクルは、アプタマーのコンフォーマー分布を正常化して、様々な履歴にもかかわらず、再現性のあるアプタマー活性を確保することを目的としている。ストレプトアビジンプレートは、使用前に、150μLの緩衝剤PB1で2回洗浄する。
インキュベーション及びプレート捕捉
熱冷却した2×アプタマーミックス(55μL)を、等量の6%または0.6%血清希釈液と合わせて、3%及び0.3%血清を含むインキュベーションミックスを作る。これらのプレートを、Silicone Sealing Mat(Axymat Siliconeシーリングマット、VWR)で密封し、37℃で、1.5時間インキュベーションした。次に、インキュベーションミックスを、洗浄した96ウェルストレプトアビジンプレートのウェルに移し、さらに、37℃に設定したEppendorf Thermomixerで、800rpmで、震盪しながら、2時間、インキュベーションする。
マニュアルアッセイ
特記しない限り、液体を流して除去し、続いて、層状のペーパータオルで、2回軽くたたく。洗浄量は150μLであり、すべての震盪インキュベーションを、25℃、800rpmに設定したEppendorf Thermomixerで行う。インキュベーションミックスを、ピペッティングして除去し、そして、プレートを、1mM デキストラン硫酸、及び500μM ビオチンを加えた緩衝剤PB1で、1分間、2回洗浄し、次に、緩衝剤PB1で、15秒間、4回洗浄する。新たに調製した1mM NHS-PEO4-ビオチンを含む緩衝剤PB1(150μL/ウェル)溶液を加え、そして、プレートを震盪しながら5分間インキュベーションする。NHS-ビオチン溶液を除去し、そして、プレートを、20mM グリシンを加えた緩衝剤PB1で3回、そして、緩衝剤PB1で3回洗浄する。次に、1mM DxSO4を加えた85μLの緩衝剤PB1を、それぞれのウェルに加え、そして、プレートを、BlackRay UVランプ(公称波長365nm)の下で、5cmの距離で、20分間、震盪しながら照射する。改めて洗浄したストレプトアビジンコーティングプレート、または公知の洗浄を終えたストレプトアビジンプレートの未使用ウェルに試料を移し、希釈度の高い試料と希釈度の低い試料の混合物を、単一のウェルに合わせる。試料を、室温で、10分間震盪しながらインキュベーションする。未吸着の物質を除去し、そして、プレートを、30%グリセロールを加えた緩衝剤PB1で、それぞれ、15秒間、8回洗浄する。次に、プレートを、緩衝剤PB1で1回洗浄する。アプタマーを、100μL CAPSO溶出緩衝剤を使用して、室温で、5分間溶出する。90μLの溶出液を、96ウェルHybAidプレートに移し、そして、10μLの中和緩衝剤を加える。
半自動アッセイ
吸着したインキュベーションミックスを含むストレプトアビジンプレートを、BioTek EL406プレート洗浄機のデッキに置く。BioTek EL406プレート洗浄機は:未吸着物質を吸引して除去する、そして、ウェルを、1mM デキストラン硫酸、及び500μM ビオチンを加えた300μLの緩衝剤PB1で、4回洗浄するステップを行うようにプログラムしている。次に、ウェルを、300μLの緩衝液PB1で、3回洗浄する。新たに調製した(100mM 原液を含むDMSO)150μLの溶液、すなわち、1mM NHS-PEO4-ビオチンを含む緩衝剤PB1を加える。プレートを震盪しながら、5分間、インキュベーションする。液体を吸引し、そして、ウェルを、10mM グリシンを加えた300μLの緩衝剤PB1で8回洗浄する。1mM デキストラン硫酸を加えた100μLの緩衝剤PB1を加える。これらの自動化したステップの後に、プレートを、プレート洗浄機から取り外し、そして、UV光源(BlackRay、公称波長365nm)の下に取り付けたサーモシェーカーに対して、5cmの距離をあけて、20分間置く。サーモシェーカーは、800rpm、25℃に設定している。20分間の照射後に、改めて洗浄をしたストレプトアビジンプレート(または、洗浄を終えた公知のプレートの未使用ウェル)へ、試料を手動で移す。この時点で、十分量(3%血清+3%アプタマーミックス)と、少量の反応ミックス(0.3%血清+0.3%アプタマーミックス)が、1つのウェルで合わさる。この「Catch-2」プレートを、BioTek EL406プレート洗浄機のデッキに配置する。このプレート洗浄機は:これらのプレートを、震盪しながら、10分間インキュベートするステップを行うようにプログラムしている。液体を吸引し、そして、ウェルを、30%グリセロールを加えた300μLの緩衝剤PB1で21回洗浄する。ウェルを、300μLの緩衝剤PB1で5回洗浄し、そして、最後の洗浄液を吸引する。100μLのCAPSO溶出緩衝剤を加え、そして、アプタマーを、震盪しながら、5分間溶出する。これらの自動化ステップに続いて、プレートを、プレート洗浄機のデッキから取り外し、試料の90μLアリコートを、10μL中和緩衝剤を含むHybAid 96ウェルプレートのウェルに手動で移す。
カスタムAgilent8×15kマイクロアレイに対するハイブリダイゼーション
中和した溶出液の24μLを、新たな96ウェルプレートに移し、そして、10Cy3アプタマーから構成されるハイブリダイゼーションコントロールのセットを含む、6μLの10×Agilent Block(Oligo aCGH/ChIP-on-chipハイブリダイゼーションキット、大量、Agilent 5188-5380)を、それぞれのウェルに加える。30μLの2×Agilent Hybridization緩衝剤を、それぞれの試料に加えて混合する。得られたハイブリダイゼーション溶液の40μLを、ハイブリダイゼーションガスケットスライド(Hybridization Gasket Slide、8個のマイクロアレイ/スライドフォーマット、Agilent)のそれぞれの「ウェル」に対して、手動で、ピペットで移す。20×dTリンカーを備えたそれぞれのアプタマーの40個のヌクレオチドランダム領域に相補的なアレイに対して10個のプローブを備えているカスタムAgilentマイクロアレイスライドを、メーカーのプロトコールに従って、ガスケットスライドに配置する。このアセンブリ(Hybridization Chamber Kit-SureHyb対応可能、Agilent)を固定して、20rpmで、回転させながら、60℃で、19時間、インキュベーションする。
ハイブリダイゼーション後の洗浄
約400mLのAgilent Wash Buffer 1を、2つの別々のガラス染色ディシュのそれぞれに入れる。スライド(一度に2つ以下)を、Wash Buffer 1に沈めた状態で分解及び分離させ、次いで、Wash Buffer 1を含む第2の染色ディシュのスライドラックに移す。スライドを、Wash Buffer 1で、さらに5分間撹拌しながらインキュベーションする。スライドを、37℃で、事前に平衡化したWash Buffer 2に移し、そして、撹拌しながら、5分間インキュベーションする。スライドを、アセトニトリルを含む第4の染色ディシュに移し、そして、撹拌しながら5分間インキュベーションする。
マイクロアレイイメージング
Agilent G2565CA Microarray Scanner Systemを、100%PMTに設定して、5μmの分解能で、Cy3チャネルを使用し、そして、0.05でXRDオプションを有効にして、マイクロアレイスライドを画像化する。得られるTIFF画像は、GE1_105_Dec08プロトコールを使用したAgilent特徴抽出ソフトウェア バージョン10.5.1.1を使用して処理する。
Luminexプローブのデザイン
ビーズに固定化したプローブは、標的アプタマーの40個のヌクレオチドランダム領域の3’末端に相補的な40ヌクレオチドを有する。このアプタマー相補領域は、5’アミノ末端を有するヘキサエチレングリコール(HEG)リンカーを介して、Luminex Microspheresに結合する。ビオチン化検出デオキシオリゴヌクレオチドは、標的アプタマーの5’プライマー領域に相補的な17-21デオキシヌクレオチドを含む。ビオチン部分を、検出オリゴの3’末端に加える。
Luminex Microspheresに対するプローブの結合
プローブは、基本的にメーカーの指示に従って、Luminex Microplex Microspheresに結合させるが、次の変更:アミノ末端オリゴヌクレオチドの量は、0.08nmol/2.5×106ミクロスフェアである、そして、2回目のEDC添加は、10mg/mLで5μLを添加する、ことが加えられている。カップリング反応は、25℃、600rpmに設定したEppendorf ThermoShakerで行う。
ミクロスフェアハイブリダイゼーション
ミクロスフェア原液(約40000ミクロスフェア/μL)を、ボルテックスし、そして、Health Sonics超音波洗浄機(Model:T1.9C)で、60秒間、超音波処理して、ミクロスフェアを懸濁する。懸濁したミクロスフェアを、1.5×TMACハイブリダイゼーション溶液で、反応の度に、2000個のミクロスフェアに希釈をし、そして、ボルテックスと超音波処理して混合する。ビーズ混合物の反応の度に、33μLを、96ウェルHybAidプレートに移す。15nM ビオチン化検出オリゴヌクレオチドストックを含む1×TE緩衝剤の7μLを、それぞれの反応に加えて、混合する。中和したアッセイ試料の10μLを加え、そして、プレートを、シリコンキャップマットシールで密封する。まず、プレートを、96℃で、5分間、インキュベーションする、そして、従来のハイブリダイゼーションオーブンで、50℃で、一晩、撹拌せずに、インキュベーションする。フィルタープレート(Dura pore、Millipore部品番号MSBVN1250、1.2μm孔径)を、0.5%(w/v)BSAを加えた75μL 1×TMACハイブリダイゼーション溶液で事前に湿らせておく。ハイブリダイゼーション反応で得た試料全量を、フィルタープレートに移す。ハイブリダイゼーションプレートを、0.5%BSAを含む75μL 1×TMACハイブリダイゼーション溶液で濯ぎ、そして、残余の物質を残らずフィルタープレートに移す。試料を、ゆっくりと真空下で濾過し、150μLの緩衝剤を、約8秒間、脱気する。フィルタープレートを、0.5%BSAを含む75μL 1×TMACハイブリダイゼーション溶液で1回洗浄し、そして、フィルタープレート内のミクロスフェアを、0.5%BSAを含む75μL 1×TMACハイブリダイゼーション溶液に再懸濁する。フィルタープレートを光から保護し、そして、Eppendorf Thermalmixer Rで、1000rpmで、5分間、インキュベーションする。次に、フィルタープレートを、0.5%BSAを含む75μL 1×TMACハイブリダイゼーション溶液で、1回洗浄する。75μLの10μg/mLストレプトアビジンフィコエリトリン(SAPE-100、MOSS,Inc.)を含む1×TMACハイブリダイゼーション溶液を、それぞれの反応に加え、そして、Eppendorf Thermalmixer Rで、25℃、1000rpmで、60分間インキュベーションする。このフィルタープレートを、0.5%BSAを含む75μLの1×TMACハイブリダイゼーション溶液で2回洗浄し、そして、フィルタープレート内のミクロスフェアを、0.5%BSAを含む75μL 1×TMACハイブリダイゼーション溶液に再懸濁する。次に、フィルタープレートを、Eppendorf Thermalmixer Rで、光から保護しながら、5分間、1000rpmで、インキュベーションする。次に、フィルタープレートを、0.5%BSAを含む75μLの1×TMACハイブリダイゼーション溶液で1回洗浄する。ミクロスフェアを、0.5%BSAを加えた75μL 1×TMACハイブリダイゼーション溶液に再懸濁し、そして、XPonent 3.0ソフトウェアで作動するLuminex 100機器で分析する。PMTキャリブレーションが大きくし、かつ、7500~18000のダブレット除去の設定下で、少なくとも100個/ビーズタイプのミクロスフェアを計数する。
QPCR読み出し
qPCRの標準曲線を、10倍希釈、及びテンプレートを持たないコントロールを使用して、108~102コピーの範囲で、水中で作成する。中和したアッセイ試料を、diH2Oで、40倍に希釈する。qPCRマスターミックスを、2×最終濃度で調製する(2×KOD緩衝剤、400μM dNTPミックス、400nMフォワード及びリバースプライマーミックス、2×SYBR Green I、及び0.5U KODEX)。10μLの2×qPCRマスターミックスを、10μLの希釈アッセイ試料に加える。qPCRを、BioRad MyIQ iCyclerで、96℃で、2分間行った後に、96℃で、5秒間、72℃で、30秒間のサイクルを、40回行う。
上記した実施形態及び実施例は、例示を意図するものでしかない。特定の実施形態、実施例、または特定の実施形態または実施例の要素は、特許請求の範囲のいずれかの重要な、必要とする、または必須の要素または特徴事項として解釈すべきではない。添付した特許請求の範囲が定義する本出願の範囲から逸脱せずに、開示した実施形態に対して様々な変更、修正、置換、及びその他の変形を行うことができる。図面及び実施例を含む明細書は、限定を意図するものではなく、例示的な方法であるとみなすべきであり、そのようなすべての修正及び置換を、出願の範囲に含めることを意図している。方法またはプロセスの請求項のいずれかに記載したステップは、実行可能なあらゆる順序で行うことができ、実施形態、実施例、または請求項のいずれかに示した順序に限定されない。さらに、上記した方法のいずれかにおいて、1つ以上の具体的に記載したバイオマーカーは、個々のバイオマーカー、またはあらゆるパネルに由来するバイオマーカーとして、具体的に除外することができる。
100・・・コンピューターシステム
101・・・プロセッサ
102・・・入力装置
103・・・出力装置
104、109・・・記憶装置
105a、105b・・・記憶媒体リーダー
106・・・通信システム
107・・・加速処理装置
108・・・バス
191・・・作業メモリ
192・・・オペレーティングシステム
193・・・コード

Claims (121)

  1. 対象での脂肪肝の有無を決定する方法であって、N個のバイオマーカータンパク質を有するバイオマーカーパネルを形成する、及び、前記対象から得た試料でのN個の前記バイオマーカータンパク質のそれぞれのレベルを検出することを含む、また、Nは、少なくとも1であり、かつ、N個の前記バイオマーカータンパク質の少なくとも1つを、PTGR1、INHBC、及びBPIB1から選択する、前記方法。
  2. 前記対象が、脂肪肝と共にNASHを有するか否かを決定することを含む、請求項1に記載の方法。
  3. Nが1~12である、またはNが2~12である、またはNが3~12である、またはNが4~12である、またはNが5~12である、またはNが1~5である、またはNが2~5である、またはNが3~5である、またはNが4~5である、請求項1または2に記載の方法。
  4. Nが1である、またはNが2である、またはNが3である、またはNが4である、またはNが5である、またはNが6である、またはNが7である、またはNが8である、またはNが9である、またはNが10である、またはNが11である、またはNが12である、先行請求項のいずれか1項に記載の方法。
  5. N個の前記バイオマーカータンパク質の少なくとも1つを、PTGR1及びINHBCから選択する、先行請求項のいずれか1項に記載の方法。
  6. Nは少なくとも2である、かつ、N個の前記バイオマーカータンパク質の少なくとも1つを、FBP12、RECQ1、BGLR、CNDP1、SOM2、及びGRID2から選択する、先行請求項のいずれか1項に記載の方法。
  7. Nは少なくとも2である、かつ、N個の前記バイオマーカータンパク質の少なくとも1つを、INSL5、HEXB、及びERN1から選択する、先行請求項のいずれか1項に記載の方法。
  8. N個の前記バイオマーカータンパク質のそれぞれを、PTGR1、INHBC、BPIB1、FBP12、RECQ1、BGLR、CNDP1、SOM2、GRID2、INSL5、HEXB、及びERN1から選択する、先行請求項のいずれか1項に記載の方法。
  9. Nは少なくとも2である、かつ、N個の前記バイオマーカータンパク質の少なくとも2つを、PTGR1、CNDP1、及びERN1から選択する、先行請求項のいずれか1項に記載の方法。
  10. Nは少なくとも2である、かつ、N個の前記バイオマーカータンパク質の少なくとも2つを、PTGR1、INSL5、及びHEXBから選択する、先行請求項のいずれか1項に記載の方法。
  11. Nは少なくとも2である、かつ、N個の前記バイオマーカータンパク質の少なくとも2つを、INHBC、HEXB、及びCNDP1から選択する、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
  12. Nは少なくとも2である、かつ、N個の前記バイオマーカータンパク質の少なくとも2つを、BPIB1、CNDP1、INSL5、HEXB、及びERN1から選択する、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
  13. 前記対象が、脂肪肝を有する、先行請求項のいずれか1項に記載の方法。
  14. 前記脂肪肝が、軽度、中等度、または重度の脂肪肝である、請求項13に記載の方法。
  15. 前記対象が、NASHを有する、請求項2~14のいずれか1項に記載の方法。
  16. 前記NASHが、ステージ1、2、3、または4のNASHである、請求項15に記載の方法。
  17. 対象での肝炎の有無を決定する方法であって、N個のバイオマーカータンパク質を有するバイオマーカーパネルを形成する、及び、前記対象から得た試料でのN個の前記バイオマーカータンパク質のそれぞれのレベルを検出することを含む、また、Nは、少なくとも1であり、かつ、N個の前記バイオマーカータンパク質の少なくとも1つを、MAAI、SAA2、RPN1、及びPCOC2から選択する、前記方法。
  18. 対象での肝炎の有無を決定する方法であって、N個のバイオマーカータンパク質を有するバイオマーカーパネルを形成する、及び、前記対象から得た試料でのN個の前記バイオマーカータンパク質のそれぞれのレベルを検出することを含む、また、Nは、少なくとも2であり、かつ、N個の前記バイオマーカータンパク質の少なくとも1つを、MAAI、SAA2、RPN1、PCOC2、CA198、CTCF、及びTACD2から選択する、前記方法。
  19. 前記対象が、肝炎と共にNASHを有するか否かを決定することを含む、請求項17または18に記載の方法。
  20. Nが1~14である、またはNが2~14である、またはNが3~14である、またはNが4~14である、またはNが5~14である、またはNが6~14である、またはNが7~14である、またはNが8~14である、またはNが1~8である、またはNが2~8である、またはNが3~8である、またはNが4~8である、またはNが5~8である、請求項17~19のいずれか1項に記載の方法。
  21. Nが1である、またはNが2である、またはNが3である、またはNが4である、またはNが5である、またはNが6である、またはNが7である、またはNが8である、またはNが9である、またはNが10である、またはNが11である、またはNが12である、またはNが13である、またはNが14である、請求項17~20のいずれか1項に記載の方法。
  22. Nは少なくとも2である、かつ、N個の前記バイオマーカータンパク質の少なくとも1つを、CA198、CTCF、及びTACD2から選択する、請求項17~21のいずれか1項に記載の方法。
  23. Nは少なくとも2である、かつ、N個の前記バイオマーカータンパク質の少なくとも1つを、PPAC、ADIPO、PYY、FCG3B、TRXR1、ACY1、及びCCL23から選択する、請求項17~22のいずれか1項に記載の方法。
  24. N個の前記バイオマーカータンパク質のそれぞれを、MAAI、SAA2、RPN1、PCOC2、CA198、CTCF、TACD2、PPAC、ADIPO、PYY、FCG3B、TRXR1、ACY1、及びCCL23から選択する、請求項17~23のいずれか1項に記載の方法。
  25. Nは少なくとも2である、かつ、N個の前記バイオマーカータンパク質の少なくとも2つを、PCOC2、PYY、及びTRXR1から選択する、請求項17~24のいずれか1項に記載の方法。
  26. Nは少なくとも2である、かつ、N個の前記バイオマーカータンパク質の少なくとも2つを、TACD2、TRXR1、及びACY1から選択する、請求項18~24のいずれか1項に記載の方法。
  27. Nは少なくとも2である、かつ、N個の前記バイオマーカータンパク質の少なくとも2つは、CA198及びTRXR1である、請求項18~24のいずれか1項に記載の方法。
  28. Nは少なくとも2である、かつ、N個の前記バイオマーカータンパク質の少なくとも2つを、CA198、FCG3B、及びACY1から選択する、請求項18~24のいずれか1項に記載の方法。
  29. Nは少なくとも2である、かつ、N個の前記バイオマーカータンパク質の少なくとも2つを、RPN1、PYY、及びACY1から選択する、請求項17~24のいずれか1項に記載の方法。
  30. Nは少なくとも2である、かつ、N個の前記バイオマーカータンパク質の少なくとも2つを、TACD2、PPAC、及びTRXR1から選択する、請求項18~24のいずれか1項に記載の方法。
  31. Nは少なくとも2である、かつ、N個の前記バイオマーカータンパク質の少なくとも2つを、CTCF、ADIPO、及びTRXR1から選択する、請求項18~24のいずれか1項に記載の方法。
  32. Nは少なくとも2である、かつ、N個の前記バイオマーカータンパク質の少なくとも2つを、SAA2、PPAC、及びACY1から選択する、請求項17~24のいずれか1項に記載の方法。
  33. 前記対象が、肝炎を有する、請求項17~32のいずれか1項に記載の方法。
  34. 前記肝炎が、軽度、中等度、または重度の肝炎である、請求項33に記載の方法。
  35. 前記対象が、NASHを有する、請求項19~34のいずれか1項に記載の方法。
  36. 前記NASHが、ステージ1、2、3、または4のNASHである、請求項35に記載の方法。
  37. 対象での肝細胞バルーニングの有無を決定する方法であって、N個のバイオマーカータンパク質を有するバイオマーカーパネルを形成する、及び、前記対象から得た試料でのN個の前記バイオマーカータンパク質のそれぞれのレベルを検出することを含む、また、Nは、少なくとも1であり、かつ、N個の前記バイオマーカータンパク質の少なくとも1つを、PTGR1、ATL2、及びCNN2から選択する、前記方法。
  38. 前記対象が、肝細胞バルーニングと共にNASHを有するか否かを決定することを含む、請求項37に記載の方法。
  39. Nが1~5である、またはNが2~5である、またはNが3~5である、またはNが4~5である、またはNが1~2である、またはNが1~3である、またはNは1~4である、請求項37または38に記載の方法。
  40. Nが1である、またはNが2である、またはNが3である、またはNが4である、またはNが5である、請求項37~39のいずれか1項に記載の方法。
  41. Nは少なくとも2である、かつ、N個の前記バイオマーカータンパク質の少なくとも1つを、AK1BA、及びCTLA4から選択する、請求項37~40のいずれか1項に記載の方法。
  42. N個の前記バイオマーカータンパク質のそれぞれを、PTGR1、ATL2、CNN2、AK1BA、及びCTLA4から選択する、請求項37~41のいずれか1項に記載の方法。
  43. Nは少なくとも3である、かつN個の前記バイオマーカータンパク質の少なくとも3つが、AK1BA、PTGR1、及びATL2である、請求項17~42のいずれか1項に記載の方法。
  44. 前記対象が、肝細胞バルーニングを有する、請求項37~43のいずれか1項に記載の方法。
  45. 前記肝細胞バルーニングが、軽度、中等度、または重度の肝細胞バルーニングである、請求項44に記載の方法。
  46. 前記対象が、NASHを有する、請求項38~45のいずれか1項に記載の方法。
  47. 前記NASHが、ステージ1、2、3、または4のNASHである、請求項46に記載の方法。
  48. 対象での肝線維症の有無を決定する方法であって、N個のバイオマーカータンパク質を有するバイオマーカーパネルを形成する、及び、前記対象から得た試料でのN個の前記バイオマーカータンパク質のそれぞれのレベルを検出することを含む、また、Nは、少なくとも1であり、かつ、N個の前記バイオマーカータンパク質の少なくとも1つを、ATL2、NFASC、及びFCRL3から選択する、前記方法。
  49. 前記対象が、肝線維症と共にNASHを有するか否かを決定することを含む、請求項48に記載の方法。
  50. Nが1~8である、またはNが2~8である、またはNが3~8である、またはNが4~8である、またはNが5~8である、またはNが6~8である、またはNが7~8である、またはNが1~2である、またはNが1~3である、またはNが1~4である、またはNが1~5である、またはNが1~6である、またはNが1~7である、請求項48または49に記載の方法。
  51. Nが1である、またはNが2である、またはNが3である、またはNが4である、またはNが5である、またはNが6である、またはNが7である、またはNが8である、請求項48~50のいずれか1項に記載の方法。
  52. Nは少なくとも2である、かつ、N個の前記バイオマーカータンパク質の少なくとも1つを、CO7、COL11、VGFR2、WNT5A、及びPLOD3から選択する、請求項48~51に記載の方法。
  53. N個の前記バイオマーカータンパク質のそれぞれを、ATL2、NFASC、FCRL3、CO7、COL11、VGFR2、WNT5A、及びPLOD3から選択する、請求項48~41のいずれか1項に記載の方法。
  54. Nは少なくとも2である、かつ、N個の前記バイオマーカータンパク質の少なくとも2つが、ATL2及びVGFR2である、請求項48~53のいずれか1項に記載の方法。
  55. Nは少なくとも2である、かつ、N個の前記バイオマーカータンパク質の少なくとも2つを、ATL2、COL11、及びWNT5Aから選択する、請求項48~53のいずれか1項に記載の方法。
  56. Nは少なくとも2である、かつ、N個の前記バイオマーカータンパク質の少なくとも2つを、ATL2、CO7、及びWNT5Aから選択する、請求項48~53のいずれか1項に記載の方法。
  57. 前記対象が、肝線維症を有する、請求項48~56のいずれか1項に記載の方法。
  58. 前記肝線維症が、軽度、中等度、または重度の肝線維症である、請求項57に記載の方法。
  59. 前記対象が、NASHを有する、請求項49~58のいずれか1項に記載の方法。
  60. 前記NASHが、ステージ1、2、3、または4のNASHである、請求項59に記載の方法。
  61. 前記試料が、血液試料、血漿試料、または血清試料である、先行請求項のいずれか1項に記載の方法。
  62. 前記対象が、肝疾患のリスクに曝されている、先行請求項のいずれか1項に記載の方法。
  63. 前記対象が、脂肪肝、肝炎、肝細胞バルーニング、及び/または肝線維症を発症する、または有するリスクがある、先行請求項のいずれか1項に記載の方法。
  64. 前記対象が、肥満である、先行請求項のいずれか1項に記載の方法。
  65. 1つ以上の前記試料のN個のバイオマーカータンパク質を、一組のN個のバイオマーカー捕捉試薬と接触させることを含み、また、一組の前記バイオマーカー捕捉試薬のそれぞれのバイオマーカー捕捉試薬が、検出した異なるバイオマーカータンパク質に対して特異的に結合する、先行請求項のいずれか1項に記載の方法。
  66. それぞれのバイオマーカー捕捉試薬が、抗体またはアプタマーである、請求項65に記載の方法。
  67. それぞれのバイオマーカー捕捉試薬が、アプタマーである、請求項66に記載の方法。
  68. 少なくとも1つのアプタマーが、低速オフレートを示すアプタマーである、請求項67に記載の方法。
  69. 低速オフレートを示す少なくとも1つのアプタマーでは、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、少なくとも8つ、少なくとも9つ、または、少なくとも10個のヌクレオチドが修飾を受けている、請求項68に記載の方法。
  70. 低速オフレートを示すそれぞれのアプタマーが、≧30分、≧60分、≧90分、≧120分、≧150分、≧180分、≧210分、または≧240分のオフレート(t1/2)で、その標的タンパク質に結合する、請求項68または請求項69に記載の方法。
  71. 前記対象が、脂肪肝、肝炎、肝細胞バルーニング、肝線維症、及び/またはNASHである、または、その可能性が高い、先行請求項のいずれか1項に記載の方法。
  72. 前記決定が、分類モデルまたはエラスティックネットロジスティック回帰モデルを使用して、N個の前記バイオマーカータンパク質レベルのレベルを解析することを含む、先行請求項のいずれか1項に記載の方法。
  73. 医療保険料、または、生命保険料を決定する目的で、前記対象が、脂肪肝、肝炎、肝細胞バルーニング、肝線維症、及び/またはNASHを有する、または、有する可能性が高いか否かを決定することを含む、先行請求項のいずれか1項に記載の方法。
  74. 前記方法が、医療保険料または生命保険料を決定することをさらに含む、先行請求項のいずれか1項に記載の方法。
  75. 前記方法が、前記方法から得た情報を使用して、医療資源の利用を予測及び/または管理することをさらに含む、先行請求項のいずれか1項に記載の方法。
  76. N個のバイオマーカータンパク質捕捉試薬を含むキットであって、N個の前記バイオマーカータンパク質捕捉試薬が、請求項1、3~12、17、19、20~32、37、39~43、48、及び50~56のいずれか1項に記載のN個の前記バイオマーカータンパク質に対して結合する、前記キット。
  77. N個の前記バイオマーカータンパク質捕捉試薬のそれぞれが、異なるバイオマーカータンパク質に対して特異的に結合する、請求項76に記載のキット。
  78. N個の前記バイオマーカータンパク質捕捉試薬のそれぞれが、抗体またはアプタマーである、請求項76または77に記載のキット。
  79. それぞれのバイオマーカー捕捉試薬が、アプタマーである、請求項78に記載のキット。
  80. 少なくとも1つのアプタマーが、低速オフレートを示すアプタマーである、請求項79に記載のキット。
  81. 低速オフレートを示す少なくとも1つのアプタマーでは、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、少なくとも8つ、少なくとも9つ、または少なくとも10個のヌクレオチドが修飾を受けている、請求項80に記載のキット。
  82. 低速オフレートを示すそれぞれのアプタマーが、≧30分、≧60分、≧90分、≧120分、≧150分、≧180分、≧210分、または≧240分のオフレート(t1/2)で、その標的タンパク質に結合する、請求項80または請求項81に記載のキット。
  83. 対象から得た試料でのN個の前記バイオマーカータンパク質の検出において使用する請求項76~82のいずれか1項に記載のキット。
  84. 前記対象が、脂肪肝、肝炎、肝細胞バルーニング、肝線維症、及び/またはNASHである、または、その可能性が高いか否かを決定するために使用する請求項83に記載のキット。
  85. 前記対象に対して、NASHの治療を実施するべきか否かを決定することを含み、前記治療は:前記対象に対して糖尿病及び/または心血管疾患に関する試験を実施する、前記対象に対して薬物を投与する、前記薬物は、脂肪肝及び/またはNASHの治療のためのものである、及び/または、前記対象に対して胃バイパス手術を実施することを含む、請求項1~16のいずれか1項に記載の方法。
  86. 前記方法が、NASHの治療に対して前記対象が応答するか否かを決定することを含み:
    a)前記対象から得た第1の試料でのN個の前記バイオマーカータンパク質のそれぞれのレベルを検出する、また、前記第1の試料は、前記対象がNASHの治療を受ける前に前記対象から得る、それにより、前記対象の治療前の状態を決定する;
    b)前記対象に対してNASHの治療を実施する、また、前記治療は:前記対象に対して糖尿病及び/または心血管疾患に関する試験を実施する、前記対象に対して薬物を投与する、前記薬物は、脂肪肝及び/またはNASHの治療のためのものである、及び/または、前記対象に対して胃バイパス手術を実施することを含む;
    c)前記対象から得た第2の試料でのパート(a)で検出したものと同じN個の前記バイオマーカータンパク質のそれぞれのレベルを検出する、また、前記第2の試料は、前記対象が前記NASHの治療を受けた後に前記対象から得る、それにより、前記対象の治療状態を決定する;及び
    d)前記治療前の状態と前記治療状態とを比較することを含み、また、前記比較が、同じ対象での前記治療前の状態と比較して、脂肪肝の重症度が低下したことを示していれば、前記対象は、前記NASH治療に応答している、請求項1~16のいずれか1項に記載の方法。
  87. 対象での肝生検の必要性の有無を決定することを含み、脂肪肝の存在は、前記対象が肝生検を必要としていることを示す、請求項1~16のいずれか1項に記載の方法。
  88. 前記対象での脂肪肝疾患の有無を決定することを含む、請求項1~16のいずれか1項に記載の方法。
  89. 前記対象に対して、NASHの治療を実施するべきか否かを決定することを含み、前記治療は:前記対象に対して糖尿病及び/または心血管疾患に関する試験を実施する、前記対象に対して薬物を投与する、前記薬物は、肝炎及び/またはNASHの治療のためのものである、及び/または、前記対象に対して胃バイパス手術を実施することを含む、請求項17~36のいずれか1項に記載の方法。
  90. 前記方法が、NASHの治療に対して前記対象が応答するか否かを決定することを含み:
    a)前記対象から得た第1の試料でのN個の前記バイオマーカータンパク質のそれぞれのレベルを検出する、また、前記第1の試料は、前記対象がNASHの治療を受ける前に前記対象から得る、それにより、前記対象の治療前の状態を決定する;
    b)前記対象に対してNASHの治療を実施する、また、前記治療は:前記対象に対して糖尿病及び/または心血管疾患に関する試験を実施する、前記対象に対して薬物を投与する、前記薬物は、肝炎及び/またはNASHの治療のためのものである、及び/または、前記対象に対して胃バイパス手術を実施することを含む;
    c)前記対象から得た第2の試料でのパート(a)で検出したものと同じN個の前記バイオマーカータンパク質のそれぞれのレベルを検出する、また、前記第2の試料は、前記対象が前記NASHの治療を受けた後に前記対象から得る、それにより、前記対象の治療状態を決定する;及び
    d)前記治療前の状態と前記治療状態とを比較することを含み、また、前記比較が、同じ対象での前記治療前の状態と比較して、肝炎の重症度が低下したことを示していれば、前記対象は、前記NASH治療に応答している、請求項17~36のいずれか1項に記載の方法。
  91. 対象での肝生検の必要性の有無を決定することを含み、肝炎の存在は、前記対象が肝生検を必要としていることを示す、請求項17~36のいずれか1項に記載の方法。
  92. 前記対象での脂肪肝疾患の有無を決定することを含む、請求項17~36のいずれか1項に記載の方法。
  93. 前記対象に対して、NASHの治療を実施するべきか否かを決定することを含み、前記治療は:前記対象に対して糖尿病及び/または心血管疾患に関する試験を実施する、前記対象に対して薬物を投与する、前記薬物は、肝細胞バルーニング及び/またはNASHの治療のためのものである、及び/または、前記対象に対して胃バイパス手術を実施することを含む、請求項37~47のいずれか1項に記載の方法。
  94. 前記方法が、NASHの治療に対して前記対象が応答するか否かを決定することを含み:
    a)前記対象から得た第1の試料でのN個の前記バイオマーカータンパク質のそれぞれのレベルを検出する、また、前記第1の試料は、前記対象がNASHの治療を受ける前に前記対象から得る、それにより、前記対象の治療前の状態を決定する;
    b)前記対象に対してNASHの治療を実施する、また、前記治療は:前記対象に対して糖尿病及び/または心血管疾患に関する試験を実施する、前記対象に対して薬物を投与する、前記薬物は、肝細胞バルーニング及び/またはNASHの治療のためのものである、及び/または、前記対象に対して胃バイパス手術を実施することを含む;
    c)前記対象から得た第2の試料でのパート(a)で検出したものと同じN個の前記バイオマーカータンパク質のそれぞれのレベルを検出する、また、前記第2の試料は、前記対象が前記NASHの治療を受けた後に前記対象から得る、それにより、前記対象の治療状態を決定する;及び
    d)前記治療前の状態と前記治療状態とを比較することを含み、また、前記比較が、同じ対象での前記治療前の状態と比較して、肝細胞バルーニングの重症度が低下したことを示していれば、前記対象は、前記NASH治療に応答している、請求項37~47のいずれか1項に記載の方法。
  95. 対象での肝生検の必要性の有無を決定することを含み、肝細胞バルーニングの存在は、前記対象が肝生検を必要としていることを示す、請求項37~47のいずれか1項に記載の方法。
  96. 前記対象での脂肪肝疾患の有無を決定することを含む、請求項37~47のいずれか1項に記載の方法。
  97. 前記対象に対して、NASHの治療を実施するべきか否かを決定することを含み、前記治療は:前記対象に対して糖尿病及び/または心血管疾患に関する試験を実施する、前記対象に対して薬物を投与する、前記薬物は、肝線維症及び/またはNASHの治療のためのものである、及び/または、前記対象に対して胃バイパス手術を実施することを含む、請求項48~60のいずれか1項に記載の方法。
  98. 前記方法が、NASHの治療に対して前記対象が応答するか否かを決定することを含み:
    a)前記対象から得た第1の試料でのN個の前記バイオマーカータンパク質のそれぞれのレベルを検出する、また、前記第1の試料は、前記対象がNASHの治療を受ける前に前記対象から得る、それにより、前記対象の治療前の状態を決定する;
    b)前記対象に対してNASHの治療を実施する、また、前記治療は:前記対象に対して糖尿病及び/または心血管疾患に関する試験を実施する、前記対象に対して薬物を投与する、前記薬物は、肝線維症及び/またはNASHの治療のためのものである、及び/または、前記対象に対して胃バイパス手術を実施することを含む;
    c)前記対象から得た第2の試料でのパート(a)で検出したものと同じN個の前記バイオマーカータンパク質のそれぞれのレベルを検出する、また、前記第2の試料は、前記対象が前記NASHの治療を受けた後に前記対象から得る、それにより、前記対象の治療状態を決定する;及び
    d)前記治療前の状態と前記治療状態とを比較することを含み、また、前記比較が、同じ対象での前記治療前の状態と比較して、肝線維症の重症度が低下したことを示していれば、前記対象は、前記NASH治療に応答している、請求項48~60のいずれか1項に記載の方法。
  99. 対象での肝生検の必要性の有無を決定することを含み、肝線維症の存在は、前記対象が肝生検を必要としていることを示す、請求項48~60のいずれか1項に記載の方法。
  100. 前記対象での脂肪肝疾患の有無を決定することを含む、請求項48~60のいずれか1項に記載の方法。
  101. 前記対象に対してNASHの治療を実施するべきか否かを決定することをさらに含む、請求項1~72のいずれか1項に記載の方法。
  102. 前記治療は:前記対象に対して糖尿病及び/または心血管疾患に関する試験を実施する;前記対象に対して薬物を投与する、また、前記薬物は、脂肪肝、肝炎、肝細胞バルーニング、及び肝線維症から選択する少なくとも1つの病態を治療する、及び/または、前記薬物は、NASHを治療する;及び/または、前記対象に対して胃バイパス手術を実施することを含む、請求項101に記載の方法。
  103. 前記方法が、NASHの治療に対して前記対象が応答するか否かを決定することを含み:
    a)前記対象から得た第1の試料でのN個の前記バイオマーカータンパク質のそれぞれのレベルを検出する、また、前記第1の試料は、前記対象がNASHの治療を受ける前に前記対象から得る、それにより、前記対象の治療前の状態を決定する;
    b)前記対象に対してNASHの治療を実施する、また、前記治療は:前記対象に対して糖尿病及び/または心血管疾患に関する試験を実施する;前記対象に対して薬物を投与する、前記薬物は、脂肪肝、肝炎、肝細胞バルーニング、及び肝線維症から選択する少なくとも1つの病態を治療する、及び/または、前記薬物は、NASHを治療する、及び/または、前記対象に対して胃バイパス手術を実施することを含む;
    c)前記対象から得た第2の試料でのパート(a)で検出したものと同じN個の前記バイオマーカータンパク質のそれぞれのレベルを検出する、また、前記第2の試料は、前記対象が前記NASHの治療を受けた後に前記対象から得る、それにより、前記対象の治療状態を決定する;及び
    d)前記治療前の状態と前記治療状態とを比較することを含み、また、前記比較が、同じ対象での前記治療前の状態と比較して、脂肪肝、肝炎、肝細胞バルーニング、及び肝線維症から選択する少なくとも1つの病態の重症度が低下したことを示していれば、前記対象は、前記NASH治療に応答している、請求項1~72のいずれか1項に記載の方法。
  104. 前記対象での肝生検の必要性の有無を決定することを含み、脂肪肝、肝炎、肝細胞バルーニング、及び肝線維症から選択する少なくとも1つの病態の存在は、前記対象が肝生検を必要としていることを示す、請求項1~72のいずれか1項に記載の方法。
  105. 前記対象での脂肪肝疾患の有無を決定することを含む、請求項101~104のいずれか1項に記載の方法。
  106. 前記試料が、血液試料、血漿試料、または血清試料である、請求項85、87~89、91~93、95~97、99~102、104、及び105のいずれか1項に記載の方法。
  107. 前記第1の試料、及び前記第2の試料が、血液試料、血漿試料、及び血清試料である、かつ、前記第1の試料、及び前記第2の試料が、同じタイプの試料である、請求項86、90、94、98、及び103のいずれか1項に記載の方法。
  108. 前記対象が、肝疾患のリスクに曝されている、請求項85~107のいずれか1項に記載の方法。
  109. 前記対象が、脂肪肝、肝炎、肝細胞バルーニング、及び/または肝線維症を発症するリスクがある、またはすでに罹患している、請求項85~108のいずれか1項に記載の方法。
  110. 前記対象が、肥満である、請求項85~109のいずれか1項に記載の方法。
  111. 1つ以上の前記試料のN個のバイオマーカータンパク質を、一組のN個のバイオマーカー捕捉試薬と接触させることを含み、また、一組の前記バイオマーカー捕捉試薬のそれぞれのバイオマーカー捕捉試薬が、検出した異なるバイオマーカータンパク質に対して特異的に結合する、請求項85~110のいずれか1項に記載の方法。
  112. それぞれのバイオマーカー捕捉試薬が、抗体またはアプタマーである、請求項111に記載の方法。
  113. それぞれのバイオマーカー捕捉試薬が、アプタマーである、請求項112に記載の方法。
  114. 少なくとも1つのアプタマーが、低速オフレートを示すアプタマーである、請求項113に記載の方法。
  115. 低速オフレートを示す少なくとも1つのアプタマーでは、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、少なくとも8つ、少なくとも9つ、または、少なくとも10個のヌクレオチドが修飾を受けている、請求項114に記載の方法。
  116. 低速オフレートを示すそれぞれのアプタマーが、≧30分、≧60分、≧90分、≧120分、≧150分、≧180分、≧210分、または≧240分のオフレート(t1/2)で、その標的タンパク質に結合する、請求項114または請求項115に記載の方法。
  117. 前記対象が、脂肪肝、肝炎、肝細胞バルーニング、肝線維症、及び/またはNASHである、または、その可能性が高い、請求項85~116のいずれか1項に記載の方法。
  118. 前記決定が、分類モデルまたはエラスティックネットロジスティック回帰モデルを使用して、N個の前記バイオマーカータンパク質レベルのレベルを解析することを含む、請求項85~117のいずれか1項に記載の方法。
  119. 医療保険料、または、生命保険料を決定する目的で、前記対象が、脂肪肝、肝炎、肝細胞バルーニング、肝線維症、及び/またはNASHである、または、その可能性が高いか否かを決定することを含む、請求項85~118のいずれか1項に記載の方法。
  120. 前記方法が、医療保険料または生命保険料を決定することをさらに含む、請求項85~119のいずれか1項に記載の方法。
  121. 前記方法が、前記方法から得た情報を使用して、医療資源の利用を予測及び/または管理することをさらに含む、請求項85~120のいずれか1項に記載の方法。
JP2022547788A 2020-02-10 2021-02-09 非アルコール性脂肪性肝炎(nash)のバイオマーカー及びその使用 Pending JP2023512701A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US202062972418P 2020-02-10 2020-02-10
US62/972,418 2020-02-10
PCT/US2021/017217 WO2021163034A1 (en) 2020-02-10 2021-02-09 Nonalcoholic steatohepatitis (nash) biomarkers and uses thereof

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2023512701A true JP2023512701A (ja) 2023-03-28
JPWO2021163034A5 JPWO2021163034A5 (ja) 2024-01-30

Family

ID=74858782

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022547788A Pending JP2023512701A (ja) 2020-02-10 2021-02-09 非アルコール性脂肪性肝炎(nash)のバイオマーカー及びその使用

Country Status (11)

Country Link
US (1) US20230071234A1 (ja)
EP (1) EP4103948A1 (ja)
JP (1) JP2023512701A (ja)
KR (1) KR20220140727A (ja)
CN (1) CN115066616A (ja)
AU (1) AU2021220787A1 (ja)
BR (1) BR112022015303A2 (ja)
CA (1) CA3166923A1 (ja)
IL (1) IL295064A (ja)
MX (1) MX2022009517A (ja)
WO (1) WO2021163034A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023238881A1 (ja) * 2022-06-07 2023-12-14 日東電工株式会社 非アルコール性脂肪性肝疾患(nafld)または非アルコール性脂肪肝炎(nash)を診断するためのマーカー

Family Cites Families (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6001577A (en) 1998-06-08 1999-12-14 Nexstar Pharmaceuticals, Inc. Systematic evolution of ligands by exponential enrichment: photoselection of nucleic acid ligands and solution selex
US5705337A (en) 1990-06-11 1998-01-06 Nexstar Pharmaceuticals, Inc. Systematic evolution of ligands by exponential enrichment: chemi-SELEX
US5763177A (en) 1990-06-11 1998-06-09 Nexstar Pharmaceuticals, Inc. Systematic evolution of ligands by exponential enrichment: photoselection of nucleic acid ligands and solution selex
US5580737A (en) 1990-06-11 1996-12-03 Nexstar Pharmaceuticals, Inc. High-affinity nucleic acid ligands that discriminate between theophylline and caffeine
US5660985A (en) 1990-06-11 1997-08-26 Nexstar Pharmaceuticals, Inc. High affinity nucleic acid ligands containing modified nucleotides
JP2763958B2 (ja) 1990-06-11 1998-06-11 ネクスター ファーマスーティカルズ,インコーポレイテッド 核酸リガンド
US6458539B1 (en) 1993-09-17 2002-10-01 Somalogic, Inc. Photoselection of nucleic acid ligands
US6242246B1 (en) 1997-12-15 2001-06-05 Somalogic, Inc. Nucleic acid ligand diagnostic Biochip
US7855054B2 (en) 2007-01-16 2010-12-21 Somalogic, Inc. Multiplexed analyses of test samples
US7947447B2 (en) 2007-01-16 2011-05-24 Somalogic, Inc. Method for generating aptamers with improved off-rates
US7824871B2 (en) * 2007-06-14 2010-11-02 George Mason Intellectual Properties Methods of diagnosing non-alcoholic steatohepatitis (NASH)
ES2647587T3 (es) 2007-07-17 2017-12-22 Somalogic, Inc. Aptámeros con uridinas y/o timidinas sustituidas en la posición 5 con un grupo bencilo
CA2801110C (en) 2010-07-09 2021-10-05 Somalogic, Inc. Lung cancer biomarkers and uses thereof
CA2809282C (en) 2010-09-27 2017-09-12 Somalogic, Inc. Mesothelioma biomarkers and uses thereof
EP3296747B1 (en) * 2013-03-15 2020-01-08 Somalogic, Inc. Nonalcoholic fatty liver disease (nafld) and nonalcoholic steatohepatitis (nash) biomarkers and uses thereof
WO2016196945A1 (en) * 2015-06-05 2016-12-08 Regulus Therapeutics Inc. Non-alcoholic fatty liver disease biomarkers
KR20180029046A (ko) * 2015-06-19 2018-03-19 세라 프로그노스틱스 인코포레이티드 조산 예측용 바이오마커 쌍
US9725769B1 (en) * 2016-10-07 2017-08-08 Oncology Venture ApS Methods for predicting drug responsiveness in cancer patients

Also Published As

Publication number Publication date
AU2021220787A1 (en) 2022-09-01
EP4103948A1 (en) 2022-12-21
CA3166923A1 (en) 2021-08-19
KR20220140727A (ko) 2022-10-18
BR112022015303A2 (pt) 2022-09-27
US20230071234A1 (en) 2023-03-09
IL295064A (en) 2022-09-01
MX2022009517A (es) 2022-09-02
CN115066616A (zh) 2022-09-16
WO2021163034A1 (en) 2021-08-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10359435B2 (en) Nonalcoholic fatty liver disease (NAFLD) and nonalcoholic steatohepatitis (NASH) biomarkers and uses thereof
US20240094222A1 (en) Nonalcoholic Fatty Liver Disease (NAFLD) and Nonalcoholic Steatohepatitis (NASH) Biomarkers and Uses Thereof
US9103837B2 (en) Chronic obstructive pulmonary disease (COPD) biomarkers and uses thereof
JP2023512701A (ja) 非アルコール性脂肪性肝炎(nash)のバイオマーカー及びその使用
WO2015153860A1 (en) Glomerular filtration rate biomarkers and uses thereof
US20230048910A1 (en) Methods of Determining Impaired Glucose Tolerance
JP2022546515A (ja) 心血管リスク/イベントの予測及びその使用
JP2023546563A (ja) 心血管イベントリスクの予測
WO2024015486A1 (en) Methods for sample quality assessment
WO2023211771A1 (en) Methods for sample quality assessment
WO2023141248A1 (en) Methods for sample quality assessment
WO2023211769A1 (en) Methods for sample quality assessment
BR112015021992B1 (pt) Método para determinar se um indivíduo tem esteato-hepatite não alcoólica (nash)

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20240122

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20240122