JP2023510572A - 肝細胞がんを診断するための方法 - Google Patents

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Abstract

患者における肝細胞がんを診断するための組成物、方法、およびキットが提供される。特に、メチル化無細胞DNAバイオマーカー、および患者が肝細胞がんを有するかどうかを決定するためにそれらを使用する方法が提供される。加えて、メチル化された無細胞DNAバイオマーカーは、肝硬変などの慢性肝疾患を有する肝細胞がんを有しない患者と、肝細胞がんを有する慢性肝疾患を有する患者とを区別するために使用され得る。特定されたバイオマーカーは、肝細胞がんの予後、診断、療法選択、または治療のモニタリングにおいて、単独で、または1つ以上の追加のバイオマーカーもしくは関連する臨床パラメータと組み合わせて使用され得る。【選択図】図1

Description

肝細胞がん(HCC)の90%は、肝硬変が基礎となり、これは多くの場合、ウイルス性肝炎または非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)からの肝線維症の増加に起因する(Zhang & Friedman Hepatology 56,769-775(2012))。高感度のルールアウト診断試験を用いた肝硬変患者の監視は、改善された転帰を伴う早期治療のためのHCCの診断に不可欠である。現在のケアの標準であるアルファ-フェトプロテイン(AFP)試験は、臨床的に確立された20ng/mLのカットオフで高い特異度(90%)を示すが、残念ながら、それらはまた低い感度(59%)を示す(Marrero et al.Gastroenterology 137,110-118(2009))。
Zhang & Friedman Hepatology 56,769-775(2012) Marrero et al.Gastroenterology 137,110-118(2009)
患者における肝細胞がん(HCC)を診断するための組成物、方法、およびキットが提供される。特に、メチル化無細胞DNAバイオマーカー、および患者が肝細胞がんを有するかどうかを判定するためにそれらを使用する方法が提供される。加えて、メチル化された無細胞DNAバイオマーカーは、肝硬変などの慢性肝疾患を有する肝細胞がんを有しない患者と、肝細胞がんを有する慢性肝疾患を有する患者とを区別するために使用され得る。特定されたバイオマーカーは、HCCの予後、診断、療法選択、または治療のモニタリングにおいて、単独で、または1つ以上の追加のバイオマーカーもしくは関連する臨床パラメータと組み合わせて使用され得る。
一態様では、患者における肝細胞がん(HCC)を診断および治療する方法が提供され、本方法は、a)患者から循環遊離DNA(cfDNA)試料を取得することと、b)cfDNAの1つ以上の遺伝子における1つ以上のCpG部位でのメチル化を検出することであって、1つ以上の遺伝子が、SPINT2、RUNX3、PRDM2、APC、GSTP1、WIF1、SEPT9、HOXA1、PFKP、およびAK055957からなる群から選択され、対照cfDNA試料における1つ以上のCpG部位でのメチル化の頻度の基準値範囲と比較して、患者由来のcfDNA試料におけるSPINT2、RUNX3、PRDM2、APC、GSTP1、WIF1、SEPT9、HOXA1、PFKP、およびAK055957からなる群から選択される1つ以上の遺伝子における1つ以上のCpG部位でのメチル化の頻度の増加が、患者がHCCについて陽性診断を有することを示す、検出することと、c)患者がCpG部位でのメチル化の頻度に基づいてHCCについて陽性診断を有する場合、HCCについて患者を治療することと、を含む。
ある特定の実施形態では、患者は、患者がよりHCCを発症しやすくなる状態または疾患を有する。いくつかの実施形態では、患者は、肝疾患を有する。例示的な肝疾患としては、肝硬変、脂肪肝疾患、アルコール性肝炎、非アルコール性脂肪性肝炎、自己免疫性肝炎、薬剤性肝炎、ウイルス性肝炎、A型肝炎ウイルス感染症、B型肝炎ウイルス感染症、C型肝炎ウイルス感染症、D型肝炎ウイルス感染症、E型肝炎ウイルス感染症、遺伝性ヘモクロマトーシス、ウィルソン病、原発性胆汁性肝硬変、およびα-1-抗トリプシン欠乏症が挙げられるが、これらに限定されない。
特定の実施形態では、1つ以上のCpG部位は、cg15607538、cg08572734、cg00577935、cg03667968、cg08571859、cg02659086、cg04673590、cg09420439、cg26744375、cg08465862、cg14250130、cg00922376、cg05346841、cg26421310、cg13629563、cg06848185、cg17300544、cg22522066、cg24166864、およびcg26397188、ならびにそれらの200ヌクレオチド内に位置するCpG部位から選択される(これらのCpG部位の位置は、Illumina HumanMethylation450K Manifestにおいて得られる)。いくつかの実施形態では、本方法は、cfDNAにおけるcg15607538、cg08572734、cg00577935、cg03667968、cg08571859、cg02659086、cg04673590、cg09420439、cg26744375、cg08465862、cg14250130、cg00922376、cg05346841、cg26421310、cg13629563、cg06848185、cg17300544、cg22522066、cg24166864、およびcg26397188 CpG部位でのメチル化の頻度を測定することを含む。
CpG部位のメチル化の頻度に基づいてHCCについて陽性診断を有する患者は、抗がん療法で治療され得る。HCCを治療するための例示的な方法としては、HCC腫瘍の外科的切除、HCC腫瘍の高周波アブレーション(RFA)、HCC腫瘍の凍結アブレーション、エタノールもしくは酢酸でのHCC腫瘍の経皮的注射、経カテーテル動脈化学塞栓術(TACE)、選択的内部放射線療法(SIRT)、肝臓移植、高強度焦点超音波、外部ビーム療法、門脈塞栓術、放射性核種療法(例えば、イットリウム-90、ロジン-131、レニウム-188、またはホルミウム-166)、化学療法(例えば、シスプラチン、ゲムシタビン、オキサリプラチン、ドキソルビシン、5-フルオロウラシル、カペシタビン、またはミトキサントロン)、標的療法(例えば、ソラフェニブ、レゴラフェニブ、レンバチニブ、カボザンチニブ、ラムシルマブ、ニボルマブ、またはペムブロリズマブ)、免疫療法、もしくは生物学的療法、またはそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
cfDNAにおけるCpG部位でのメチル化を検出するために、任意の好適な方法を使用し得る。例示的な技法としては、メチル化感受性任意プライミングポリメラーゼ連鎖反応(MS AP-PCR)、メチル化感受性単一ヌクレオチドプライマー伸長(Ms-SNuPE)、メチル化特異的PCR(MSP)、メチル化感受性DNA制限酵素分析、制限酵素ベースの配列決定、制限酵素ベースのマイクロアレイ分析、複合バイサルファイト制限分析(COBRA)、メチル化CpGアイランド増幅(MCA)、メチル化CpGアイランド増幅およびマイクロアレイ(MCAM)、ライゲーション媒介PCRによるHpaII極小フラグメント濃縮(HELP)、バイサルファイト配列決定、バイサルファイトマイクロアレイ分析、メチル化特異的パイロ配列決定、HELP配列決定(HELP-seq)、TET支援ピリジンボラン配列決定(TAPS)、Glal加水分解およびライゲーションアダプター依存PCR(GLAD-PCR)、メチル化DNA免疫沈降配列決定(MeDIP-Seq)、またはメチル化DNA免疫沈降マイクロアレイ分析(MeDIPチップ)、メチル感受性制限酵素でのサザンブロッティング、およびメチル化特異的巨大磁気抵抗センサーベースのマイクロアレイ分析が挙げられるが、これらに限定されない。
特定の実施形態では、本方法は、1つ以上のアルゴリズムを使用して、cfDNAのSPINT2、RUNX3、PRDM2、APC、GSTP1、WIF1、SEPT9、HOXA1、PFKP、およびAK055957遺伝子におけるCpG部位でのメチル化頻度に基づいてHCCリスクスコアを計算することをさらに含む。いくつかの実施形態では、本方法は、HCCの診断のために、SPINT2、RUNX3、PRDM2、APC、GSTP1、WIF1、SEPT9、HOXA1、PFKP、およびAK055957遺伝子についてcfDNAにおけるCpG部位のメチル化頻度の幾何平均スコアを計算すること、ならびに患者の幾何平均スコアを基準幾何平均スコア(メチル化バイオマーカーの層別分析(LAMB)-HCC遺伝子メチル化スコア)と比較することをさらに含む。
特定の実施形態では、本方法は、アルファ-フェトプロテイン(AFP)の血液レベルを測定することをさらに含み、対照対象についてのAFPの血液レベル、ならびにSPINT2、RUNX3、PRDM2、APC、GSTP1、WIF1、SEPT9、HOXA1、PFKP、およびAK055957からなる群から選択される1つ以上の遺伝子における1つ以上のCpG部位でのメチル化の頻度の基準値範囲と比較して、SPINT2、RUNX3、PRDM2、APC、GSTP1、WIF1、SEPT9、HOXA1、PFKP、およびAK055957からなる群から選択される1つ以上の遺伝子における1つ以上のCpG部位でのメチル化の頻度の増加と組み合わせて、AFPの血液レベルの増加の検出が、患者が、HCCについて陽性診断を有することを示す。
特定の実施形態では、cfDNA試料は、cfDNAを含む血液試料または血漿試料である。
別の態様では、患者における肝細胞がん(HCC)をモニタリングする方法が提供され、本方法は、a)第1の時点での患者由来の第1の血液試料、およびそれより後の第2の時点での患者由来の第2の血液試料を取得することと、b)第1の血液試料および第2の血液試料における循環遊離DNA(cfDNA)の1つ以上の遺伝子における1つ以上のCpG部位でのメチル化を検出することであって、1つ以上の遺伝子が、SPINT2、RUNX3、PRDM2、APC、GSTP1、WIF1、SEPT9、HOXA1、PFKP、およびAK055957からなる群から選択され、第1の血液試料のcfDNAと比較して、第2の血液試料のcfDNAにおけるSPINT2、RUNX3、PRDM2、APC、GSTP1、WIF1、SEPT9、HOXA1、PFKP、およびAK055957からなる群から選択される1つ以上の遺伝子におけるCpG部位のメチル化の頻度の増加の検出が、HCCが進行していることを示し、第1の血液試料のcfDNAと比較して、第2の血液試料のcfDNAにおけるSPINT2、RUNX3、PRDM2、APC、GSTP1、WIF1、SEPT9、HOXA1、PFKP、およびAK055957からなる群から選択される1つ以上の遺伝子におけるCpG部位のメチル化の頻度の減少の検出が、HCCが進行していないことを示す、検出することと、を含む。いくつかの実施形態では、本方法は、ステップa)およびb)を繰り返すことをさらに含む。
特定の実施形態では、HCCは、原発性腫瘍、転移、または再発である。
特定の実施形態では、第1の時点は、HCCについての患者の治療が開始される前であり、第2の時点は、治療中または治療後である。例えば、本方法は、HCC腫瘍の外科的切除、HCC腫瘍の高周波アブレーション(RFA)、HCC腫瘍の凍結アブレーション、エタノールもしくは酢酸でのHCC腫瘍の経皮的注射、経カテーテル動脈化学塞栓術(TACE)、選択的内部放射線療法(SIRT)、肝臓移植、高強度焦点超音波、外部ビーム療法、門脈塞栓術、放射性核種療法、化学療法、標的療法、免疫療法、もしくは生物学的療法、またはそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない、治療の有効性をモニタリングするために使用され得る。いくつかの実施形態では、本方法は、HCCが進行している場合に、HCCについての治療の投薬量もしくは頻度を増加させること、異なる治療に変更すること、または患者に対する緩和ケアを開始することをさらに含む。
特定の実施形態では、本方法は、アルファ-フェトプロテイン(AFP)の血液レベルを測定することをさらに含み、第1の血液試料と比較して、第2の血液試料におけるSPINT2、RUNX3、PRDM2、APC、GSTP1、WIF1、SEPT9、HOXA1、PFKP、およびAK055957からなる群から選択される1つ以上の遺伝子における1つ以上のCpG部位でのメチル化の頻度の増加と組み合わせて、AFPの血液レベルの増加の検出が、HCCが進行していることを示し、第1の血液試料と比較して、第2の血液試料におけるSPINT2、RUNX3、PRDM2、APC、GSTP1、WIF1、SEPT9、HOXA1、PFKP、およびAK055957からなる群から選択される1つ以上の遺伝子における1つ以上のCpG部位でのメチル化の頻度の減少と組み合わせて、AFPの血液レベルの減少が、HCCが進行していないことを示す。
別の態様では、患者における肝細胞がん(HCC)の再発についてモニタリングし、その再発について患者を治療する方法が提供され、本方法は、a)患者が画像化または他の診断様式からがんを有しないと特徴づけられる第1の時点で、HCCの以前の発生についての治療後に、患者から第1の循環遊離DNA(cfDNA)試料を取得することと、b)第1のcfDNA試料由来のcfDNAにおける1つ以上のバイオマーカー遺伝子のプロモーター領域における1つ以上のCpG部位でのメチル化のレベルを測定することであって、1つ以上のバイオマーカー遺伝子が、AK055957、APC、GSTP1、HOXA1、PFKP、PRDM2、RUNX3、SEPTIN9、SPINT2、およびWIF1から選択される、測定することと、c)再発のモニタリング期間中の第2の時点で患者から第2のcfDNA試料を取得することと、d)第2のcfDNA試料由来のcfDNAにおける1つ以上のバイオマーカー遺伝子のプロモーター領域における1つ以上のCpG部位でのメチル化のレベルを測定することであって、1つ以上のバイオマーカー遺伝子が、AK055957、APC、GSTP1、HOXA1、PFKP、PRDM2、RUNX3、SEPTIN9、SPINT2、およびWIF1から選択され、第1のcfDNA試料のcfDNAと比較して、第2のcfDNA試料のcfDNAにおけるAK055957、APC、GSTP1、HOXA1、PFKP、PRDM2、RUNX3、SEPTIN9、SPINT2、およびWIF1から選択される1つ以上のバイオマーカー遺伝子のプロモーター領域における1つ以上のCpG部位でのメチル化のレベルの増加が、HCCが再発したことを示す、測定することと、e)患者が1つ以上のCpG部位のメチル化のレベルに基づいてHCCの再発について陽性診断を受けた場合、HCCの再発について患者を治療することと、f)その後、再発についてのモニタリング期間中に、ステップc)~e)を繰り返すことと、を含む。
特定の実施形態では、患者は、HCC腫瘍の外科的切除、HCC腫瘍の高周波アブレーション(RFA)、HCC腫瘍の凍結アブレーション、エタノールもしくは酢酸でのHCC腫瘍の経皮的注射、経カテーテル動脈化学塞栓術(TACE)、選択的内部放射線療法(SIRT)、肝臓移植、高強度焦点超音波、外部ビーム療法、門脈塞栓術、放射性核種療法、化学療法、標的療法、免疫療法、もしくは生物学的療法、またはそれらの組み合わせによって、HCCの再発について治療される。
特定の実施形態では、本方法は、患者のアルファ-フェトプロテイン(AFP)の血液レベルを測定することをさらに含み、AFPの血液レベル、ならびにSPINT2、RUNX3、PRDM2、APC、GSTP1、WIF1、SEPT9、HOXA1、PFKP、およびAK055957からなる群から選択される1つ以上の遺伝子における1つ以上のCpG部位でのメチル化の頻度の基準値範囲と比較して、患者由来のcfDNAにおけるSPINT2、RUNX3、PRDM2、APC、GSTP1、WIF1、SEPT9、HOXA1、PFKP、およびAK055957からなる群から選択される1つ以上の遺伝子における1つ以上のCpG部位でのメチル化の頻度の増加と組み合わせて、AFPの血液レベルの増加が、患者が、HCCの再発について陽性診断を有することを示す。
別の態様では、cfDNAにおけるSPINT2、RUNX3、PRDM2、APC、GSTP1、WIF1、SEPT9、HOXA1、PFKP、およびAK055957遺伝子におけるCpG部位のメチル化を検出するための薬剤を含むキットが提供される。本キットは、本明細書に記載の方法に従って、患者における肝細胞がん(HCC)を診断するための説明書をさらに含み得る。特定の実施形態では、本キットは、メチル化感受性任意プライミングポリメラーゼ連鎖反応(MS AP-PCR)、メチル化感受性単一ヌクレオチドプライマー伸長(Ms-SNuPE)、メチル化特異的PCR(MSP)、メチル化感受性DNA制限酵素分析、制限酵素ベースの配列決定、制限酵素ベースのマイクロアレイ分析、複合バイサルファイト制限分析(COBRA)、メチル化CpGアイランド増幅(MCA)、メチル化CpGアイランド増幅およびマイクロアレイ(MCAM)、ライゲーション媒介PCRによるHpaII極小フラグメント濃縮(HELP)、バイサルファイト配列決定、バイサルファイトマイクロアレイ分析、メチル化特異的パイロ配列決定、HELP配列決定(HELP-seq)、TET支援ピリジンボラン配列決定(TAPS)、Glal加水分解およびライゲーションアダプター依存PCR(GLAD-PCR)、メチル化DNA免疫沈降配列決定(MeDIP-Seq)、もしくはメチル化DNA免疫沈降マイクロアレイ分析(MeDIPチップ)、メチル感受性制限酵素でのサザンブロッティング、またはメチル化特異的巨大磁気抵抗センサーベースのマイクロアレイ分析を実施するための薬剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、本キットは、バイサルファイト試薬、メチル化感受性制限酵素、CpGジヌクレオチドを含有するDNA領域を選択的に増幅するPCRプライマー、メチル化特異的プライマー、メチル化特異的プローブ、またはそれらの組み合わせを含む。
特定の実施形態では、本キットは、配列番号1~432からなる群から選択される配列を含む少なくとも1つのプローブを含む。
別の態様では、患者における肝細胞がん(HCC)を診断するインビトロ方法が提供され、本方法は、a)患者から循環遊離DNA(cfDNA)試料を取得することと、b)cfDNAの1つ以上の遺伝子における1つ以上のCpG部位でのメチル化を検出することであって、1つ以上の遺伝子が、SPINT2、RUNX3、PRDM2、APC、GSTP1、WIF1、SEPT9、HOXA1、PFKP、およびAK055957からなる群から選択され、対照cfDNA試料のcfDNAにおける1つ以上のCpG部位でのメチル化の頻度の基準値範囲と比較して、患者由来のcfDNA試料におけるSPINT2、RUNX3、PRDM2、APC、GSTP1、WIF1、SEPT9、HOXA1、PFKP、およびAK055957からなる群から選択される1つ以上の遺伝子における1つ以上のCpG部位でのメチル化の頻度の増加が、患者がHCCについて陽性診断を有することを示す、検出することと、を含む。
別の態様では、患者における肝細胞がん(HCC)の診断における使用のための、SPINT2、RUNX3、PRDM2、APC、GSTP1、WIF1、SEPT9、HOXA1、PFKP、およびAK055957からなる群から選択される少なくとも1つの遺伝子における1つ以上のメチル化CpG部位を含む単離されたcfDNAが提供される。
特定の実施形態では、患者における肝細胞がん(HCC)の診断のためのバイオマーカーとしての使用のための、cg15607538、cg08572734、cg00577935、cg03667968、cg08571859、cg02659086、cg04673590、cg09420439、cg26744375、cg08465862、cg14250130、cg00922376、cg05346841、cg26421310、cg13629563、cg06848185、cg17300544、cg22522066、cg24166864、およびcg26397188、ならびにそれらの200ヌクレオチド内に位置するCpG部位から選択される、1つ以上のCpG部位でメチル化された単離無細胞DNAが、提供される。
メチル化バイオマーカーの層別分析(LAMB)を示す。3099個の対になったHCCおよびANTのメタ分析を使用して、高メチル化遺伝子を同定した。候補遺伝子プロモーターを、153個の対になったHCCおよびANTのマイクロアレイにおいて、メチル化頻度(β)および受信者動作特性曲線下面積(AUC)-バイオマーカーの予測能力の測定基準によって差次的にメチル化されたCpGについてスクリーニングした。次いで、1722個の対照血液試料ならびに血液中で差次的にメチル化されたCpG(LAMB-HCC)についてAUCおよびβ値によって人口統計学的に一致した159個のHCCのマイクロアレイにおいて、部位をスクリーニングした。
外部cfDNA検証データセットにおけるLAMBの性能を示す。図2A、LAMBによってスクリーニングされたCpGのAUC(n=22の肝硬変、肝硬変を伴う22のHCC)。図2B、200bpのスパンにおける4つのSPINT2 CpGのメチル化頻度(β)分布。図2C、44個のcfDNA試料の遺伝子メチル化マッピング図および得られた遺伝子メチル化プロファイル。図2D、試験したパネルの幾何平均スコアリング式、受信者動作特性曲線、および性能統計。丸は、報告された感度および特異度を示す。LAMB-肝臓パネルには、結腸直腸、膵臓、および肺の腫瘍で低メチル化された6部位が含まれている(β<0.2)。 外部cfDNA検証データセットにおけるLAMBの性能を示す。図2A、LAMBによってスクリーニングされたCpGのAUC(n=22の肝硬変、肝硬変を伴う22のHCC)。図2B、200bpのスパンにおける4つのSPINT2 CpGのメチル化頻度(β)分布。図2C、44個のcfDNA試料の遺伝子メチル化マッピング図および得られた遺伝子メチル化プロファイル。図2D、試験したパネルの幾何平均スコアリング式、受信者動作特性曲線、および性能統計。丸は、報告された感度および特異度を示す。LAMB-肝臓パネルには、結腸直腸、膵臓、および肺の腫瘍で低メチル化された6部位が含まれている(β<0.2)。 外部cfDNA検証データセットにおけるLAMBの性能を示す。図2A、LAMBによってスクリーニングされたCpGのAUC(n=22の肝硬変、肝硬変を伴う22のHCC)。図2B、200bpのスパンにおける4つのSPINT2 CpGのメチル化頻度(β)分布。図2C、44個のcfDNA試料の遺伝子メチル化マッピング図および得られた遺伝子メチル化プロファイル。図2D、試験したパネルの幾何平均スコアリング式、受信者動作特性曲線、および性能統計。丸は、報告された感度および特異度を示す。LAMB-肝臓パネルには、結腸直腸、膵臓、および肺の腫瘍で低メチル化された6部位が含まれている(β<0.2)。 外部cfDNA検証データセットにおけるLAMBの性能を示す。図2A、LAMBによってスクリーニングされたCpGのAUC(n=22の肝硬変、肝硬変を伴う22のHCC)。図2B、200bpのスパンにおける4つのSPINT2 CpGのメチル化頻度(β)分布。図2C、44個のcfDNA試料の遺伝子メチル化マッピング図および得られた遺伝子メチル化プロファイル。図2D、試験したパネルの幾何平均スコアリング式、受信者動作特性曲線、および性能統計。丸は、報告された感度および特異度を示す。LAMB-肝臓パネルには、結腸直腸、膵臓、および肺の腫瘍で低メチル化された6部位が含まれている(β<0.2)。
LAMB-HCC標的バイサルファイト配列決定アッセイを示す。図3A、LAMB-HCC標的バイサルファイト配列決定アッセイは、バイサルファイト変換、バイサルファイト変換後アダプタータグ付け(PBAT)ライブラリ調製、試料特異的インデックス付け、LAMB CpGの隣接領域についてのプローブを伴うプールハイブリダイゼーション捕捉(合計:約6KB)、プールPCR増幅、およびディープ配列決定(100X+深さ)からなる。メチル化、非メチル化、および50:50メチル化/非メチル化せん断ゲノムDNAの試験により、配列決定バイアスが明らかになる。図3B、患者試料からの配列決定データを、図2bに示されるメチル化プロファイルおよび各リードにおけるすべてのCpGのメチル化頻度(β)からの新しい10遺伝子のメチル化プロファイルで分析する。図3C、インシリコサイズ選択(90~150bp)による腫瘍cfDNAの濃縮も試験する。 LAMB-HCC標的バイサルファイト配列決定アッセイを示す。図3A、LAMB-HCC標的バイサルファイト配列決定アッセイは、バイサルファイト変換、バイサルファイト変換後アダプタータグ付け(PBAT)ライブラリ調製、試料特異的インデックス付け、LAMB CpGの隣接領域についてのプローブを伴うプールハイブリダイゼーション捕捉(合計:約6KB)、プールPCR増幅、およびディープ配列決定(100X+深さ)からなる。メチル化、非メチル化、および50:50メチル化/非メチル化せん断ゲノムDNAの試験により、配列決定バイアスが明らかになる。図3B、患者試料からの配列決定データを、図2bに示されるメチル化プロファイルおよび各リードにおけるすべてのCpGのメチル化頻度(β)からの新しい10遺伝子のメチル化プロファイルで分析する。図3C、インシリコサイズ選択(90~150bp)による腫瘍cfDNAの濃縮も試験する。 LAMB-HCC標的バイサルファイト配列決定アッセイを示す。図3A、LAMB-HCC標的バイサルファイト配列決定アッセイは、バイサルファイト変換、バイサルファイト変換後アダプタータグ付け(PBAT)ライブラリ調製、試料特異的インデックス付け、LAMB CpGの隣接領域についてのプローブを伴うプールハイブリダイゼーション捕捉(合計:約6KB)、プールPCR増幅、およびディープ配列決定(100X+深さ)からなる。メチル化、非メチル化、および50:50メチル化/非メチル化せん断ゲノムDNAの試験により、配列決定バイアスが明らかになる。図3B、患者試料からの配列決定データを、図2bに示されるメチル化プロファイルおよび各リードにおけるすべてのCpGのメチル化頻度(β)からの新しい10遺伝子のメチル化プロファイルで分析する。図3C、インシリコサイズ選択(90~150bp)による腫瘍cfDNAの濃縮も試験する。
メタ分析のための組織研究を選択するためのフロー図を示す。
メタ分析によって同定された遺伝子のフォレストプロットおよびカウントデータを示す。 メタ分析によって同定された遺伝子のフォレストプロットおよびカウントデータを示す。 メタ分析によって同定された遺伝子のフォレストプロットおよびカウントデータを示す。 メタ分析によって同定された遺伝子のフォレストプロットおよびカウントデータを示す。 メタ分析によって同定された遺伝子のフォレストプロットおよびカウントデータを示す。 メタ分析によって同定された遺伝子のフォレストプロットおよびカウントデータを示す。 メタ分析によって同定された遺伝子のフォレストプロットおよびカウントデータを示す。 メタ分析によって同定された遺伝子のフォレストプロットおよびカウントデータを示す。 メタ分析によって同定された遺伝子のフォレストプロットおよびカウントデータを示す。 メタ分析によって同定された遺伝子のフォレストプロットおよびカウントデータを示す。 メタ分析によって同定された遺伝子のフォレストプロットおよびカウントデータを示す。 メタ分析によって同定された遺伝子のフォレストプロットおよびカウントデータを示す。 メタ分析によって同定された遺伝子のフォレストプロットおよびカウントデータを示す。 メタ分析によって同定された遺伝子のフォレストプロットおよびカウントデータを示す。 メタ分析によって同定された遺伝子のフォレストプロットおよびカウントデータを示す。
HCCおよび肝硬変cfDNAの遺伝子メチル化頻度を示す。 HCCおよび肝硬変cfDNAの遺伝子メチル化頻度を示す。
最適なカットオフを有する試験したパネルの幾何平均スコアを示す。
LAMB+AFPスクリーニングのワークフローを示す。
患者における肝細胞がんを診断するための組成物、方法、およびキットが提供される。特に、メチル化無細胞DNAバイオマーカー、および患者が肝細胞がんを有するかどうかを判定するためにそれらを使用する方法が提供される。
本発明の組成物、方法、およびキットを説明する前に、本発明は記載された特定の方法または組成物に限定されるものではなく、それ自体が勿論、変化し得ることを理解されたい。また、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるので、本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明するためのものにすぎず、限定することを意図するものではないことも理解されたい。
値の範囲が提供される場合、文脈上別段の指示のない限り、その範囲の上限と下限との間の各介在値も、下限のユニットの10分の1まで具体的に開示されていることを理解されたい。任意の記載値または記載された範囲内の間に介在する値と、任意の他の記載値またはその記載された範囲内の間に介在する値との間の、それぞれより小さい範囲が、本発明に包含される。これらの小さい範囲の上限および下限は、独立して範囲に含まれていても、除外されていてもよく、いずれか、どちらでもない、または両方の限定が小さい範囲に含まれている各範囲も、記載されている範囲の中で任意の具体的に除外されている限定に従うことを条件として、本発明に包含される。記載された範囲が限定の一方または両方を含む場合、それらの含まれる限定のいずれかまたは両方を除外する範囲も、同様に本発明に含まれる。
別途定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者に一般に理解される意味と同じ意味を有する。本明細書に記載される方法および材料と類似または同等の任意の方法および材料は、本発明の実施または試験に使用することができるが、ここでは、いくつかの潜在的かつ好ましい方法および材料を説明する。本明細書で言及されるすべての刊行物は、刊行物が引用されることに関連して方法および/または材料を開示および説明するために、参照により本明細書に組み込まれる。矛盾がある場合、本開示は、組み込まれた刊行物の任意の開示に優先されることを理解されたい。
本開示を読むと当業者には明らかであろうように、本明細書に記載および例証される個々の実施形態の各々は、本発明の範囲または趣旨から逸脱することなく、他の様々な実施形態のいずれかの特徴から容易に分離され得るか、またはこれらと組み合わされ得る別個のコンポーネントおよび特徴を有する。任意の列挙された方法は、列挙された事象の順序、または論理的に可能な任意の他の順序で実行され得る。
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈上明確に別段の指示のない限り、複数の指示対象を含むことに留意されたい。したがって、例えば、「バイオマーカー(a biomarker)」への言及は、複数のかかるバイオマーカーを含み、「cfDNA(the cfDNA)」への言及は、当業者に既知の1つ以上のcfDNAおよびその等価物などを含む。
本明細書で考察される刊行物は、本出願の出願日前に専らそれらの開示のために提供されている。本明細書におけるいかなる内容も、本発明が先行発明を理由に、そのような刊行物に先行する権利がないことを認めるものと解釈されるべきではない。さらに、提供される刊行物の日付は、独立して確認する必要があり得る実際の刊行日とは異なる場合がある。
定義
本明細書で使用される「試料」という用語は、典型的には、必ずしもそうではないが、1つ以上の目的の分析物を含有する液体形態の材料または材料の混合物に関する。
本明細書で使用される場合、「循環無細胞DNA」という用語は、患者の末梢血中を循環しているDNAを指す。無細胞DNAのけるDNA分子は、1kb未満(例えば、50bp~500bp、80bp~400bp、または100~1,000bpの範囲)の中央値サイズを有し得るが、この範囲外の中央値サイズを有する断片が存在してもよい。無細胞DNAは、循環腫瘍DNA(ctDNA)、すなわち、がん患者の血液中を自由に循環する腫瘍DNA、または循環胎児DNA(対象が妊婦である場合)を含有し得る。cfDNAは、高度に断片化され得、場合によっては、約165~250bpの平均断片サイズを有し得る(Newman et al Nat Med.2014 20:548-54)。cfDNAは、全血を遠心分離してすべての細胞を除去し、次いで、残りの血漿または血清からDNAを単離することによって取得され得る。かかる方法は周知である(例えば、Lo et al,Am J Hum Genet 1998;62:768-75を参照されたい)。循環無細胞DNAは二本鎖であるが、変性によって一本鎖にすることができる。
バイオマーカー。本明細書で使用される「バイオマーカー」という用語は、健常な対照対象(すなわち、がんを有しない対象)由来の生体試料と比較したがんを有する患者由来の生体試料(例えば、血液または組織試料)など、別の試料と比較して、一方の試料における異なる濃度、レベル、または頻度で差次的に発現されるか、または存在する、cfDNA、タンパク質、mRNA、代謝産物、または代謝副産物などの化合物を指す。バイオマーカーとしては、SPINT2、RUNX3、PRDM2、APC、GSTP1、WIF1、SEPT9、HOXA1、PFKP、およびAK055957から選択される1つ以上のバイオマーカー遺伝子における1つ以上のCpG部位でメチル化されたcfDNAを含む肝細胞がん(HCC)バイオマーカーが含まれるが、これらに限定されない。バイオマーカーには、cg15607538、cg08572734、cg00577935、cg03667968、cg08571859、cg02659086、cg04673590、cg09420439、cg26744375、cg08465862、cg14250130、cg00922376、cg05346841、cg26421310、cg13629563、cg06848185、cg17300544、cg22522066、cg24166864、およびcg26397188、ならびにそれらの200ヌクレオチド内に位置するCpG部位から選択される位置決めされた1つ以上のCpGでのメチル化の頻度またはレベルが増加したcfDNAが含まれる(各バイオマーカー遺伝子のメチル化CpG部位は表2に列挙されている)。
いくつかの実施形態では、バイオマーカーの濃度、頻度、またはレベルは、治療を患者に施す前および後に決定される。この治療は、患者がHCCと診断された場合、例えば、HCC腫瘍の外科的切除、HCC腫瘍の高周波アブレーション(RFA)、HCC腫瘍の凍結アブレーション、エタノールもしくは酢酸でのHCC腫瘍の経皮的注射、経カテーテル動脈化学塞栓術(TACE)、選択的内部放射線療法(SIRT)、肝臓移植、高強度焦点超音波、外部ビーム療法、門脈塞栓術、放射性核種療法(例えば、イットリウム-90、ロジン-131、レニウム-188、またはホルミウム-166)、化学療法(例えば、シスプラチン、ゲムシタビン、オキサリプラチン、ドキソルビシン、5-フルオロウラシル、カペシタビン、またはミトキサントロン)、標的療法(例えば、ソラフェニブ、レゴラフェニブ、レンバチニブ、カボザンチニブ、ラムシルマブ、ニボルマブ、またはペムブロリズマブ)、免疫療法、もしくは生物学的療法、またはそれらの組み合わせが含まれ得るが、これらに限定されない。バイオマーカーの濃度、頻度、またはレベルの変化の程度、またはそれらの欠如は、治療が所望の効果(例えば、抗腫瘍活性)を有するかどうかの指標として解釈される。換言すると、バイオマーカーの濃度またはレベルは、個体への治療を施す前および後に決定され、レベルにおける変化の程度、またはその欠如は、個体が治療に「応答性」であるかどうかの指標として解釈される。
バイオマーカーの「基準レベル」または「基準値」は、特定の疾患状態、表現型、または特定の疾患状態もしくは表現型を発症する素因、あるいはそれらの欠如、ならびに疾患状態、表現型、または特定の疾患状態もしくは表現型を発症する素因、またはそれらの欠如の組み合わせを示すバイオマーカーのレベルを意味する。バイオマーカーの「陽性」基準レベルは、特定の疾患状態または表現型を示すレベルを意味する。バイオマーカーの「陰性」基準レベルは、特定の疾患状態または表現型の欠如を示すレベルを意味する。バイオマーカーの「基準レベル」は、バイオマーカーの絶対的もしくは相対的な量もしくは濃度、バイオマーカーの存在もしくは非存在、バイオマーカーの量もしくは濃度の範囲、バイオマーカーの最小および/もしくは最大量もしくは濃度、バイオマーカーの平均量もしくは濃度、ならびに/またはバイオマーカーの中央値の量もしくは濃度であってもよく、加えて、バイオマーカーの組み合わせの「基準レベル」は、互いに対する2つ以上のバイオマーカーの絶対的または相対的な量または濃度の比であってもよい。特定の疾患状態、表現型、またはそれらの欠如に関するバイオマーカーの適切な陽性および陰性基準レベルは、1つ以上の適切な対象における所望のバイオマーカーのレベルを測定することによって決定され得、かかる基準レベルは、特定の対象の集団に合うように調整され得る(例えば、基準レベルは、特定の年齢または性別の対象からの試料におけるバイオマーカーレベルと、特定の年齢または性別群における特定の疾患状態、表現型、またはそれらの欠如に関する基準レベルとの間で比較が行われ得るように、年齢適合または性別適合であり得る)。かかる基準レベルはまた、試料中のバイオマーカーのレベルを測定するために使用される特定の技法(例えば、メチル化特異的ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、定量的メチル化特異的PCR、メチル化感受性DNA制限酵素分析、メチル化特異的パイロ配列決定、またはバイサルファイトゲノム配列決定)に合わせて調整され得、バイオマーカーのレベルは、使用される特定の技術に基づいて異なる場合がある。
類似値とは、比較される2つのものの間の類似性の程度を表す数値である。例えば、類似値は、特定の表現型関連バイオマーカーを使用した患者のバイオマーカープロファイルと、1つ以上の対照試料または基準プロファイル中のバイオマーカーの基準値範囲との間の全体的な類似性(例えば、「HCC」cfDNAメチル化プロファイルとの類似性)を示す数値であり得る。類似値は、相関係数などの類似性測定基準として表現されてもよく、または対照cfDNA試料または基準cfDNAメチル化プロファイルと比較して、患者試料におけるメチル化cfDNAバイオマーカーのcfDNAメチル化頻度またはレベル、または遺伝子メチル化頻度の幾何平均スコアの差として単純に表現されてもよい。
「量(quantity)」、「量(amount)」、および「レベル」という用語は、本明細書で互換的に使用され、試料中の分子もしくは分析物の絶対定量化、または試料中の分子もしくは分析物の相対定量化、すなわち、本明細書で教示される基準値に対するなどの別の値に対するか、またはバイオマーカーに対する値の範囲に対する相対定量化を指し得る。これらの値または範囲は、単一の患者または患者の群から取得し得る。
個体に関して「cfDNA試料」という用語は、個体から取得されたcfDNAを含む血液または血漿試料などの試料を包含する。cfDNA試料は、静脈穿刺などの任意の好適な方法により取得し得る。この定義はまた、試薬での処置、洗浄、遠心分離、または特定の種類の分子(メチル化cfDNAバイオマーカーなど)の濃縮など、調達後に任意の方法で操作された試料も含む。
試料の取得およびアッセイ。「アッセイする」という用語は、本明細書では、試料を操作して、試料に関連するデータを生成する物理ステップを含むように使用される。当業者によって容易に理解されるように、試料をアッセイする前に、試料を「取得」する必要がある。したがって、「アッセイする」という用語は、試料が取得されているという意味を含む。本明細書で使用される場合、「取得された」または「取得すること」という用語は、抽出または単離された試料を受け取る行為を包含する。例えば、試験施設は、試料をアッセイする前に、郵送で(または送達などを介して)試料を「取得する」ことができる。いくつかのかかる場合では、試料は、郵送(すなわち、送達、移送など)の前に、別の当事者によって個体から「抽出」または「単離」され、次いで、試料の到着時に、試験施設によって「取得」された。したがって、試験施設は、試料を取得し、次いで、試料をアッセイし、それによって、試料に関連するデータを生成することができる。
本明細書で使用される「取得された」または「取得すること」という用語は、対象からの試料の物理的抽出または単離を含むこともできる。したがって、試料は、試料を続いてアッセイする同じ人または同じ団体によって、対象から単離され(したがって、「取得され」)得る。試料が、第1の当事者または団体から「抽出」または「単離」され、次いで、第2の当事者に移送(例えば、配送、郵送など)されるとき、試料は、第1の当事者によって「取得」され(かつ第1の当事者によって「単離」され)、次いで、第2の当事者によって「取得」された(ただし、「単離」されなかった)。したがって、いくつかの実施形態では、取得するステップは、試料を単離するステップを含まない。
いくつかの実施形態では、取得するステップは、試料(例えば、処置前試料、処置後試料など)を単離するステップを含む。様々な試料(例えば、血液試料、血清試料、血漿試料、生検試料、吸引物など)を単離するための方法およびプロトコルは、当業者に既知であり、任意の好都合な方法が試料を単離するために使用され得る。
当業者であれば、場合によっては、試料をアッセイする前に、複数の試料(例えば、処置前試料および処置後試料)が取得されるまで待つことが好都合であることが理解されるであろう。したがって、場合によっては、単離された試料(例えば、処置前試料、処置後試料など)は、すべての適切な試料が取得されるまで保存される。当業者は、様々な異なる種類の試料を適切に保存する方法を理解し、特定の試料に適切な任意の好都合な保存方法(例えば、冷蔵)を使用し得る。いくつかの実施形態では、処置前試料は、処置後試料を取得する前にアッセイされる。場合によっては、処置前試料および処置後試料は、並行してアッセイされる。場合によっては、複数の異なる処置後試料および/または処置前試料が並行してアッセイされる。場合によっては、試料が取得された後、直ちに、または可能な限り速やかに処理される。
「決定する」、「測定する」、「評価する(evaluating)」、「評価する(assessing)」、「アッセイする」、および「分析する」という用語は、任意の形態の測定を指すために本明細書で互換的に使用され、要素が存在するか否かを決定することを含む。これらの用語は、定量的および/または定性的決定の両方を含む。アッセイすることは、相対的であっても絶対的であってもよい。例えば、「アッセイする」は、メチル化レベルまたは頻度が特定の閾値未満であるか、または「それ以上」であるかを決定することであり得る(閾値は、予め決定することができるか、または対照試料をアッセイすることによって決定することができる)。一方、「メチル化レベルを決定するためにアッセイすること」は、CpG部位でのメチル化レベルを表す定量値を(任意の好都合な測定基準を使用して)決定することを意味し得る。メチル化のレベルは、特定のアッセイと関連付けられた任意の単位(例えば、蛍光単位、例えば、平均蛍光強度(MFI))で表され得るか、または定義された単位(例えば、cfDNA遺伝子におけるメチル化CpG部位の数、cfDNAにおけるCpG部位でのメチル化の頻度など)で絶対値として表され得る。さらに、CpG部位でのメチル化のレベルを、1つ以上の追加のCpG部位のメチル化レベルと比較して、正規化されたメチル化レベルを表す正規化された値を導出することができる。選択された特定の測定基準(または単位)は、同じ個体からの複数の試料(例えば、同じ個体から異なる時点で採取された試料)を評価するとき、同じ単位が使用される(または同じ単位への変換が実施される)限り、重要ではない。これは、一方の試料から次の試料(例えば、同じ個体から異なる時点で得られた試料)へのメチル化レベルにおける倍率変化を計算する(すなわち、比率を決定する)場合、単位が、無効になるからである。
本明細書で使用される場合、「メチル化」とは、シトシンのC5位もしくはN4位でのシトシンメチル化、アデニンのN6位、または他の種類の核酸メチル化を指す。典型的なインビトロDNA増幅方法は、増幅鋳型のメチル化パターンを保持しないため、インビトロ増幅DNAは通常、非メチル化される。しかしながら、「非メチル化DNA」または「メチル化DNA」は、それぞれ、元の鋳型が非メチル化またはメチル化された増幅DNAを指すこともできる。
したがって、本明細書で使用される場合、「メチル化ヌクレオチド」または「メチル化ヌクレオチド塩基」とは、ヌクレオチド塩基上のメチル部分の存在を指し、メチル部分は、認識された典型的なヌクレオチド塩基には存在しない。例えば、シトシンは、そのピリミジン環上にメチル部分を含有しないが、5-メチルシトシンは、そのピリミジン環の5位にメチル部分を含有する。したがって、シトシンは、メチル化ヌクレオチドではなく、5-メチルシトシンは、メチル化ヌクレオチドである。別の例では、チミンは、そのピリミジン環の5位にメチル部分を含有するが、しかしながら、本明細書の目的の場合、チミンがDNAの典型的なヌクレオチド塩基であるため、DNAに存在する場合、チミンはメチル化ヌクレオチドとはみなされない。
本明細書で使用される場合、「メチル化核酸分子」は、1つ以上のメチル化ヌクレオチドを含有する核酸分子を指す。
本明細書で使用される場合、核酸分子の「メチル化状態」、「メチル化プロファイル」、および「メチル化状況」は、核酸分子において1つ以上のメチル化ヌクレオチド塩基の非存在の存在を指す。例えば、メチル化シトシンを含有する核酸分子は、メチル化とみなされる(例えば、核酸分子のメチル化状態は、メチル化である)。任意のメチル化ヌクレオチドを含有しない核酸分子は、非メチル化とみなされる。
特定の核酸配列(例えば、本明細書に記載の遺伝子マーカーまたはDNA領域)のメチル化状態は、配列におけるすべての塩基のメチル化状態を示し得るか、または配列内の塩基のサブセット(例えば、1つ以上のシトシンの)のメチル化状態を示し得るか、またはメチル化が生じる配列内の位置の正確な情報の提供を伴って、もしくは伴わず、配列内の領域メチル化密度に関する情報を示し得る。
核酸分子におけるヌクレオチド遺伝子座のメチル化状態は、核酸分子における特定の遺伝子座でのメチル化ヌクレオチドの存在または非存在を指す。例えば、核酸分子における7番目のヌクレオチドに存在するヌクレオチドが5-メチルシトシンである場合、核酸分子における7番目のヌクレオチドのシトシンのメチル化状態はメチル化されている。同様に、核酸分子における7番目のヌクレオチドに存在するヌクレオチドがシトシンである(5-メチルシトシンでない)場合、核酸分子における7番目のヌクレオチドのシトシンのメチル化状態は非メチル化である。
メチル化状況は、任意選択で、「メチル化値」(例えば、メチル化頻度、割合、比率、パーセントなどを表す)によって表されるか、または示されてもよい。メチル化値は、例えば、メチル化依存性制限酵素による制限消化後に存在する無傷の核酸の量を定量化することによって、またはバイサルファイト反応後の増幅プロファイルを比較することによって、またはバイサルファイト処置および未処置の核酸の配列を比較することによって生成され得る。したがって、値、例えば、メチル化値は、メチル化状況を表し、したがって、遺伝子座の複数のコピーにわたってメチル化状態の定量的指標として使用され得る。これは、試料における配列のメチル化状況を閾値または基準値と比較することが望ましい場合に特に有用である。
本明細書で使用される場合、「メチル化頻度」または「メチル化パーセント(%)」は、分子または遺伝子座がメチル化されていない場合の数に対する分子または遺伝子座がメチル化されている場合の数を指す。
このように、メチル化状態は、核酸(例えば、ゲノム配列)のメチル化の状態を説明する。加えて、メチル化状態は、メチル化に関連する特定の遺伝子座における核酸セグメントの特性を指す。かかる特性には、このDNA配列内のシトシン(C)残基のうちのいずれかがメチル化されているかどうか、メチル化C残基の位置、核酸の任意の特定の領域にわたるメチル化Cの頻度またはパーセンテージ、および、例えば対立遺伝子の起源の違いに起因するメチル化における対立遺伝子の違いが含まれるが、これらに限定されない。「メチル化状態」、「メチル化プロファイル」、および「メチル化状況」という用語は、生体試料における核酸の任意の特定の領域にわたる、メチル化Cまたは非メチル化Cの相対濃度、絶対濃度、またはパターンも指す。例えば、核酸配列内のシトシン(C)残基がメチル化されている場合、「高メチル化」または「メチル化の増加」と称され得、一方、DNA配列内のシトシン(C)残基がメチル化されていない場合、「低メチル化」または「メチル化の減少」と称され得る。同様に、核酸配列内のシトシン(C)残基が、別の核酸配列(例えば、異なる領域から、または別の個体からなど)と比較してメチル化されている場合、その配列は、他の核酸配列と比較して高メチル化、またはメチル化が増加しているとみなされる。あるいは、DNA配列内のシトシン(C)残基が、別の核酸配列(例えば、異なる領域から、または異なる個体などからの)と比較してメチル化されていない場合、その配列は、他の核酸配列と比較して低メチル化、またはメチル化が減少しているとみなされる。さらに、本明細書で使用される「メチル化パターン」という用語は、核酸の領域にわたるメチル化および非メチル化ヌクレオチドの集合部位を指す。メチル化および非メチル化ヌクレオチドの数が領域全体で同じか、または類似するが、メチル化および非メチル化ヌクレオチドの位置が異なる場合、2つの核酸は、同じまたは類似のメチル化頻度またはメチル化パーセントを有し得るが、異なるメチル化パターンを有する。配列は、メチル化の程度(例えば、一方が他方に対してメチル化が増加または減少している)、頻度、またはパターンが異なる場合、「差次的にメチル化されている」、または「メチル化の差異」を有する、または「異なるメチル化状態」を有すると言われる。「差次的メチル化」という用語は、がん陰性試料における核酸メチル化のレベルまたはパターンと比較した、がん陽性試料における核酸メチル化のレベルまたはパターンの差異を指す。それはまた、術後にがんが再発した患者と再発していない患者との間のレベルまたはパターンの差異を指す場合もある。差次的メチル化およびDNAメチル化の特定のレベルまたはパターンは、例えば、正しいカットオフ特性または予測特性が定義された場合、予後および予測バイオマーカーである。
メチル化状態頻度は、個体の集団または単一の個体由来の試料を説明するために使用され得る。例えば、50%のメチル化状態頻度を有するヌクレオチド遺伝子座は、50%の例ではメチル化され、50%の例では非メチル化される。かかる頻度は、例えば、個体の集団または核酸の集合において、ヌクレオチド遺伝子座または核酸領域がメチル化される程度を説明するために使用され得る。したがって、核酸分子の第1の集団またはプールにおけるメチル化が、核酸分子の第2の集団またはプールにおけるメチル化とは異なる場合、第1の集団またはプールのメチル化状態頻度は、第2の集団またはプールのメチル化状態頻度とは異なるであろう。かかる頻度は、例えば、単一の個体においてヌクレオチド遺伝子座または核酸領域がメチル化される程度を説明するためにも使用され得る。例えば、かかる頻度は、組織試料由来の細胞の群がヌクレオチド遺伝子座または核酸領域でメチル化または非メチル化される程度を説明するために使用され得る。
本明細書で使用される場合、「ヌクレオチド遺伝子座」は、核酸分子におけるヌクレオチドの位置を指す。メチル化ヌクレオチドのヌクレオチド遺伝子座は、核酸分子におけるメチル化ヌクレオチドの位置を指す。
典型的には、ヒトDNAのメチル化は、シトシンがグアニンの5’に位置する隣接グアニンおよびシトシンを含むジヌクレオチド配列上で生じる(CpGジヌクレオチド配列とも称される)。CpGジヌクレオチド内のほとんどのシトシンは、ヒトゲノムにおいてメチル化されるが、しかしながら、いくらかは、CpGアイランドとして知られる特定のCpGジヌクレオチドリッチゲノム領域において非メチル化のままである(例えば、Antequera et al.(1990)Cell 62:503-514を参照されたい)。
本明細書で使用される場合、「CpGアイランド」は、全ゲノムDNAに対して増加した数のCpGジヌクレオチドを含有するゲノムDNAのG:Cリッチ領域を指す。CpGアイランドは、少なくとも100、200、またはそれ以上の塩基対長であり得、領域のG:C含量は、少なくとも50%であり、予想頻度に対する観察されるCpG頻度の比率は、0.6であり、いくつかの例では、CpGアイランドは、少なくとも500の塩基対長であり得、領域のG:C含量は、少なくとも55%であり)、予想頻度に対する観察されるCpG頻度の比率は、0.65である。観察されたCpG頻度は、Gardiner-Garden et al(1987)J.Mol.Biol.196:261-281において提供される方法に従って計算することができる。例えば、予想頻度に対する観察されたCpG頻度は、式R=(A×B)/(C×D)に従って計算することができ、式中、Rは、予想頻度に対する観察されたCpG頻度の比率であり、Aは、分析された配列におけるCpGジヌクレオチドの数であり、Bは、分析された配列におけるヌクレオチドの総数であり、Cは、分析された配列におけるCヌクレオチドの総数であり、Dは、分析された配列におけるGヌクレオチドの総数である。メチル化状態は、典型的には、CpGアイランドにおいて、例えば、プロモーター領域において決定される。CpAおよびCpTなどのヒトゲノムにおける他の配列は、DNAメチル化となる傾向にあることは理解されよう(例えば、Ramsahoye(2000)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 97:5237-5242、Salmon and Kaye(1970)Biochim. Biophys. Acta.204:340-351、Grafstrom(1985)Nucleic Acids Res.13:2827-2842、Nyce(1986)Nucleic Acids Res.14:4353-4367、Woodcock(1987)Biochem.Biophys.Res.Commun.145:888-894を参照されたい)。
本明細書で使用される場合、核酸分子のメチル化状態の関数としての核酸分子のヌクレオチドを修飾する試薬、またはメチル化特異的試薬は、核酸分子のメチル化状態を反映する方法で核酸分子のヌクレオチド配列を変化させ得る化合物または組成物または他の薬剤を指す。核酸分子をかかる試薬で処置する方法は、必要に応じて、ヌクレオチド配列の所望の変化を達成するための追加のステップと連結して、核酸分子を試薬と接触させることを含み得る。核酸分子のヌクレオチド配列におけるかかる変化は、各メチル化ヌクレオチドが異なるヌクレオチドに修飾される核酸分子をもたらし得る。核酸ヌクレオチド配列におけるかかる変化は、各非メチル化ヌクレオチドが異なるヌクレオチドに修飾される核酸分子をもたらし得る。核酸ヌクレオチド配列におけるかかる変化は、非メチル化(例えば、各非メチル化シトシン)である選択されたヌクレオチドの各々が異なるヌクレオチドに修飾される核酸分子をもたらし得る。核酸ヌクレオチド配列を変更するかかる試薬の使用は、メチル化ヌクレオチドである各ヌクレオチド(例えば、各メチル化シトシン)が異なるヌクレオチドに修飾される核酸分子をもたらし得る。本明細書で使用される場合、選択されたヌクレオチドを修飾する試薬の使用は、試薬が他の3つのヌクレオチドを修飾することなく1つのヌクレオチドを修飾するように、核酸分子における典型的に生じる4つのヌクレオチド(DNAについてはC、G、T、およびA、RNAについてはC、G、U、およびA)のうちの1つのヌクレオチドを修飾する試薬を指す。一例示的な実施形態では、かかる試薬は、非メチル化の選択されたヌクレオチドを修飾して、異なるヌクレオチドを産生する。別の例示的な実施形態では、かかる試薬は、非メチル化シトシンヌクレオチドを脱アミノ化し得る。代表的な試薬は、バイサルファイトである。
本明細書で使用される場合、「バイサルファイト試薬」という用語は、いくつかの実施形態では、例えば、CpGジヌクレオチド配列において、メチル化シチジンおよび非メチル化シチジンを区別するためのバイサルファイト、ジスルファイト、ハイドロジェンスルファイトまたはそれらの組み合わせを含む試薬を指す。
「メチル化アッセイ」という用語は、核酸の配列内の1つ以上のCpGジヌクレオチド配列のメチル化状態を決定するための任意のアッセイまたは方法を指す。例示的なメチル化アッセイには、メチル化感受性任意プライミングポリメラーゼ連鎖反応(MS AP-PCR)、メチル化感受性単一ヌクレオチドプライマー伸長(Ms-SNuPE)、メチル化特異的PCR(MSP)、メチル化感受性DNA制限酵素分析、制限酵素ベースの配列決定、制限酵素ベースのマイクロアレイ分析、複合バイサルファイト制限分析(COBRA)、メチル化CpGアイランド増幅(MCA)、メチル化CpGアイランド増幅およびマイクロアレイ(MCAM)、ライゲーション媒介PCRによるHpaII極小フラグメント濃縮(HELP)、バイサルファイト配列決定、バイサルファイトマイクロアレイ分析、メチル化特異的パイロ配列決定、HELP配列決定(HELP-seq)、TET支援ピリジンボラン配列決定(TAPS)、Glal加水分解およびライゲーションアダプター依存PCR(GLAD-PCR)、メチル化DNA免疫沈降配列決定(MeDIP-Seq)、またはメチル化DNA免疫沈降マイクロアレイ分析(MeDIPチップ)、メチル感受性制限酵素でのサザンブロッティング、およびメチル化特異的巨大磁気抵抗センサーベースのマイクロアレイ分析が挙げられるが、これらに限定されない。
バイサルファイト配列決定は、配列決定の前にDNAのバイサルファイト処置を使用して、メチル化部位を検出する。DNAをバイサルファイトで処置すると、シトシン残基がウラシルに変換されるが、メチル化シトシン残基には影響しない。バイサルファイト処置後、DNAに残っているシトシンは、メチル化シトシンのみである。したがって、バイサルファイト処置後のDNAの配列決定は、単一ヌクレオチド分解能での個々のシトシン残基のメチル化状態を明らかにする。
MS AP-PCRアッセイは、DNAを消化するためのメチル化感受性制限酵素、およびCpGジヌクレオチドを含有する領域を選択的に増幅するCGリッチプライマーを用いたPCRを使用する(例えば、参照により本明細書に組み込まれる、Gonzalgo et al.(1997)Cancer Research 57:594-599を参照されたい)。
MethyLightアッセイは、DNAメチル化の検出のためのメチル化特異的プライミングおよびメチル化特異的蛍光プローブを用いたバイサルファイト依存性定量的蛍光ベースのリアルタイムPCRを使用する。Digital MethyLightは、MethyLightアッセイをデジタルPCRと組み合わせて、個々のメチル化分子の検出を可能にする(例えば、Eads et al.(1999)Cancer Res.59:2302-2306、Campan et al(2018)Methods Mol.Biol.1708:497-513を参照されたい)。
HeavyMethyアッセイは、増幅プライマー間、またはそれによりカバーされるCpG位置をカバーするメチル化特異的ブロッキングプローブ(本明細書ではブロッカーとも呼ばれる)を使用して、核酸試料のメチル化特異的選択的増幅を可能にする。
HeavyMethyl MethyLightアッセイは、MethyLight(商標)アッセイのバリエーションであり、MethyLight(商標)アッセイを、増幅プライマー間のCpG位置をカバーするメチル化特異的ブロッキングプローブと組み合わせる。
Ms-SNuPEアッセイは、CpG部位のすぐ上流にハイブリダイゼーションするように設計されたプライマーを使用するPCRと組み合わせたDNAのバイサルファイト処置、ならびに視覚化および定量のためのポリアクリルアミドゲルでの増幅産物の電気泳動を使用する。DNA(ゲノムまたはcfDNA)のファイサルファイトナトリウムでの処置により、非メチル化シトシンがウラシルに変換され、PCRステップ中に、ウラシルがチミンとして複製され、メチルシトシンが増幅中にシトシンとして複製される。元のCpG部位でのメチル化対非メチル化シトシン(C対T)の比率は、ゲル単離されたPCR産物、プライマー、およびTaqポリメラーゼを[32P]dCTPまたは[32P]TTPのいずれかとともにインキュベートし、続く変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動および蛍光体画像化分析によって決定され得る。Ms-SNuPEプライマーはまた、[32P]dATPまたは[32P]dGTPのいずれかを反対側の鎖に組み込んで、分析されるCpG部位に応じたメチル化状態を評価するように設計され得る(例えば、Gonzalgo & Jones(1997)Nucleic Acids Res.25:2529-2531、Gonzalgo et al.(2007)Nat.Protoc.2(8):1931-6を参照されたい)。
MSPアッセイは、非メチル化シトシンのウラシルへの変換のためのDNAのバイサルファイト処置、およびその後のメチル化対非メチル化DNAに特異的なプライマーを用いた増幅を使用する(例えば、Herman et al.(1996)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 93:9821-9826、および米国特許第5,786,146号を参照されたい)。
COBRAアッセイは、非メチル化シトシンのウラシルへの変換のためのDNAのバイサルファイト処置、バイサルファイト変換DNAの遺伝子座特異的PCR増幅、制限消化、ゲルでの制限パターンの電気泳動分析を使用する(例えば、Xiong & Laird(1997)Nucleic Acids Res.25:2532-2534、Bilichak et al.(2017)Methods Mol.Biol.1456:63-71を参照されたい)。
MCAアッセイは、DNAを消化するためのメチル化感受性制限酵素、続くアダプタのライゲーション、およびメチル化CpGリッチ配列を選択的に増幅するPCRを使用する(例えば、Toyota et al.(1999)Cancer Res.59:2307-12、およびWO00/26401A1を参照されたい)。
MCAMアッセイは、CpGアイランドマイクロアレイと組み合わせてMCAを使用して、ハイスループット方式でDNAメチル化を検出する(例えば、Estecio et al.(2007)Genome Res.17(10):1529-1536を参照されたい)。
HELPアッセイは、DNAを切断するためのメチル化感受性制限酵素であるHpaII、対照としてメチル化非感受性アイソシゾマーであるMspIを使用する。マイクロアレイ分析は、HpaII/MspI断片を検出するように設計されたプローブを含有するマイクロアレイで実施される。HELP-seqは、HELPアッセイをDNAメチル化部位の大規模並列配列決定と組み合わせる(例えば、Greally(2018)Methods Mol.Biol.1708:191-207、Suzuki et al.(2010)Methods 52(3):218-22を参照されたい)。
GLAD-PCRアッセイは、メチル化DNAのみを切断する部位特異的メチル指向性DNAエンドヌクレアーゼ、続くハイスループットPCRのためのユニバーサルアダプターへのDNA断片のライゲーションを使用する(例えば、Malyshev et al.(2020)Acta Naturae 12(3):124-133、Russian Patent RU 2525710を参照されたい)。
MeDIPアッセイは、5-メチルシトシンに対する抗体を使用して、メチル化DNA断片を免疫沈降させる。この技法は、マイクロアレイハイブリダイゼーション(MeDIP-chip)または次世代配列決定(MeDIP-seq)を使用するハイスループットDNA検出方法と組み合わせることができる。例えば、Weber et al.(2005)Nat.Genet.37(8):853-862、Palmke et al.(2011)Methods 53(2):175-184、Quackenbush et al.(2008)Cancer Res.68(6):1786-1796、Zhu et al.(2019)Analyst 144(6):1904-1915、Yang et al.(2014)Life Sci.113(1-2):45-54を参照されたい。
TET支援ピリジンボラン配列決定(TAPS)は、10-11転座(TET)酵素を使用して、5-メチルシトシンおよび5-ヒドロキシメチルシトシンの5-カルボキシルシトシンへの酸化、続くピリジンボラン還元を触媒して、ジヒドロウラシルを産生する。非修飾シトシンは影響を受けない。例えば、Liu et al.(2019)Nat Biotechnol.37:424-429を参照されたい。
メチル化特異的巨大磁気抵抗性センサーベースのマイクロアレイ分析は、巨大磁気抵抗性(GMR)バイオセンサー上でのメチル化特異的PCRおよびメルト曲線分析を組み合わせる。GMRバイオセンサーは、PCR増幅産物におけるメチル化または非メチル化CpG部位を標的とする合成DNAプローブを含む。PCR増幅産物のGMRバイオセンサーへのハイブリダイゼーション後、2種類のプローブ間の融解温度(Tm)の差を測定する。例えば、Rizzi et al.(2017)ACS Nano.11(9):8864-8870、Nesvet et al.(2019)Biosens Bioelectron 124-125:136-142を参照されたい。
サザンブロッティングを使用して、DNAメチル化を検出することもできる。まず、DNAをメチル化感受性制限酵素で消化し、そして制限断片をサザンブロットによって分析する。
本明細書で使用される場合、「選択されたヌクレオチド」は、核酸分子における典型的に生じる4つのヌクレオチド(DNAについてはC、G、T、およびA、ならびにRNAについてはC、G、U、およびA)のうちの1つのヌクレオチドを指し、典型的に生じるヌクレオチドのメチル化誘導体を含み得る(例えば、Cが選択されたヌクレオチドである場合、メチル化および非メチル化Cの両方が、選択されたヌクレオチドの意味内に含まれる)が、一方で、メチル化された選択されたヌクレオチドは、メチル化された典型的に生じるヌクレオチドを特異的に指し、非メチル化された選択されたヌクレオチドは、非メチル化の典型的に生じるヌクレオチドを特異的に指す。
「メチル化特異的制限酵素」または「メチル化感受性制限酵素」という用語は、その認識部位のメチル化状態に依存して核酸を選択的に消化する酵素を指す。認識部位がメチル化されていないか、またはヘミメチル化されている場合に特異的に切断する制限酵素の場合、認識部位がメチル化されている場合には切断は行われないか、または著しく低減した効率で行われる。認識部位がメチル化されている場合に特異的に切断する制限酵素の場合、認識部位がメチル化されていない場合には切断は行われないか、または著しく低減した効率で行われる。好ましくは、メチル化特異的制限酵素であり、その認識配列は、CGジヌクレオチド(例えば、CGCGまたはCCCGGGなどの認識配列)を含有する。いくつかの実施形態では、このジヌクレオチドにおけるシトシンが炭素原子C5でメチル化されている場合には切断しない制限酵素がさらに好ましい。
本明細書で使用される場合、「異なるヌクレオチド」は、選択されたヌクレオチドと化学的に異なるヌクレオチドを指し、典型的には、異なるヌクレオチドは、選択されたヌクレオチドとは異なるWatson-Crick塩基対合特性を有し、それにより、選択されたヌクレオチドに相補的な典型的に生じるヌクレオチドは、異なるヌクレオチドに相補的な典型的に生じるヌクレオチドとは同じではない。例えば、Cが選択されたヌクレオチドである場合、UまたはTが異なるヌクレオチドであり得、これは、CのGに対する相補性、およびUまたはTのAに対する相補性によって例示される。本明細書で使用される場合、選択されたヌクレオチドに相補的であるか、または異なるヌクレオチドに相補的であるヌクレオチドは、高いストリンジェンシー条件下で、選択されたヌクレオチドと塩基対合するヌクレオチド、または4つの典型的に生じるヌクレオチドのうちの3つとの相補的なヌクレオチドの塩基対合よりも高い親和性を有する異なるヌクレオチドを指す。相補性の例は、DNA(例えば、A-TおよびC-G)およびRNA(例えば、A-UおよびC-G)におけるWatson-Crick塩基対合である。したがって、例えば、高ストリンジェンシー条件下で、Gは、GがG、A、またはTへ塩基対合するよりも高い親和性で、Cへ塩基対合し、したがって、Cが選択されたヌクレオチドである場合、Gは、選択されたヌクレオチドに相補的なヌクレオチドである。
本明細書で使用される場合、所与のマーカーの「感度」は、新生物性試料および非新生物性試料を区別する閾値を上回るDNAメチル化値を報告する試料のパーセンテージを指す。いくつかの実施形態では、陽性は、閾値(例えば、疾患に関連する範囲)を上回るDNAメチル化値を報告する組織学的に確認された新生物として定義され、偽陰性は、閾値(例えば、疾患に関連しない範囲)を下回るDNAメチル化値を報告する組織学的に確認された新生物として定義される。したがって、感度の値は、既知の疾患試料から取得された所与のマーカーについてのDNAメチル化測定値が疾患関連測定値の範囲内にある可能性を反映する。本明細書で定義されるように、計算された感度値の臨床的関連性は、所与のマーカーが、その状態を有する対象に適用された場合に、臨床状態の存在を検出する可能性の推定を表す。
本明細書で使用される場合、所与のマーカーの「特異度」は、新生物性試料および非新生物性試料を区別する閾値を下回るDNAメチル化値を報告する非新生物性試料のパーセンテージを指す。いくつかの実施形態では、陰性は、閾値(例えば、疾患に関連する範囲)を下回るDNAメチル化値を報告する組織学的に確認された非新生物性試料として定義され、偽陽性は、閾値(例えば、疾患に関連する範囲)を上回るDNAメチル化値を報告する組織学的に確認された非新生物性試料として定義される。したがって、特異度の値は、既知の非新生物性試料から取得された所与のマーカーについてのDNAメチル化測定値が、疾患に関連しない測定値の範囲内にある可能性を反映する。本明細書で定義されるように、計算された特異度値の臨床的関連性は、所与のマーカーが、その状態を有しない患者に適用された場合に、臨床状態の非存在を検出する可能性の推定を表す。
本明細書で使用される場合、「AUC」という用語は、「曲線下面積」の略語である。特に、受信者動作特性(ROC)曲線下面積を指す。ROC曲線は、診断試験の種々の可能性のあるカットポイントの偽陽性率に対する真陽性率のプロットである。選択したカットポイントに応じて、感度と特異度との間のトレードオフを示す(任意の感度の増加には特異度の減少が伴う)。ROC曲線下面積(AUC)は、診断試験の精度の尺度である(面積が大きいほど良く、最適は1であり、ランダムな試験では、ROC曲線が対角線上にあり、その面積は0.5である。参考:J.P.Egan.(1975)Signal Detection Theory and ROC Analysis,Academic Press,New York)。
本明細書で使用される「診断」は、概して、対象が所与の疾患、障害、または機能障害に影響される可能性が高いかどうかについての決定を含む。当業者は、多くの場合、1つ以上の診断指標、すなわち、バイオマーカーに基づいて診断を行い、その存在、非存在、頻度または量が、疾患、障害、または機能障害の存在または非存在を示す。
本明細書で使用される「予後」は、概して、臨床状態または疾患の可能な経過および転帰の予測を指す。患者の予後は、通常、疾患の好ましいか、または好ましくない経過または転帰を示す、疾患の因子または症状を評価することによって行われる。「予後」という用語は、必ずしも、100%の精度で状態の経過または結果を予測する能力を指すものではないことを理解されたい。代わりに、当業者は、「予後」という用語が、特定の経過または転帰が生じる可能性の増加を指すこと、すなわち、経過または転帰が、所与の状態を示していない個体と比較して、所与の状態を示している患者で生じる可能性がより高いことを理解するであろう。
「治療」、「治療すること」、「治療する」などの用語は、概して、所望の薬理学的および/または生理学的効果を得ることを指すために本明細書で使用される。効果は、疾患もしくはその症状を完全にもしくは部分的に予防するという点では予防的であり得、かつ/または疾患および/もしくは疾患に起因する有害作用の部分的もしくは完全な安定化もしくは治癒という点では治療的であり得る。「治療」という用語は、哺乳動物、特にヒトにおける疾患の任意の治療を包含し、(a)疾患もしくは症状にかかりやすい可能性があるが、疾患を有するとまだ診断されていない対象において、疾患および/もしくは症状が発生するのを予防すること、(b)疾患および/もしくは症状を阻害すること、すなわち、それらの発症を阻止すること、または(c)疾患症状を緩和すること、すなわち、疾患および/もしくは症状の退行を引き起こすことを含む。治療を必要とする者には、既に罹患している者(例えば、HCCを有するもの)だけでなく予防が望まれる者(例えば、HCCの感受性が増加するまたは可能性が増加する肝硬変または肝炎などの慢性肝疾患を有する者、HCCを有することが疑われる者など)が挙げられる。
治療的処置は、対象が投与前に罹患している場合の処置あり、予防的処置は、対象が投与前に罹患している場合の処置である。いくつかの実施形態では、対象は、治療前に罹患する可能性が増加しているか、または罹患していることが疑われる。いくつかの実施形態では、対象は、罹患いている可能性が増加していると疑われる。
「約」という用語は、特に所与の量に関して、プラスまたはマイナス5パーセントの偏差を包含することを意味する。
「レシピエント」、「個体」、「対象」、「宿主」、および「患者」という用語は、本明細書で互換的に使用され、診断、治療、または療法が望まれる任意の哺乳動物対象、特にヒトを指す。「哺乳動物」は、治療の目的では、哺乳動物に分類される任意の動物を指し、これには、ヒト、家畜および農場動物、ならびにイヌ、ウマ、ネコ、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ブタなどの動物園、スポーツ、またはペット動物が含まれる。好ましくは、哺乳動物は、ヒトである。
「治療有効用量」または「治療用量」は、所望の臨床結果をもたらす(すなわち、治療有効性を達成する)ために十分な量である。治療有効用量は、1回以上の投与で投与することができる。
「単離された」とは、タンパク質、ポリペプチド、またはペプチドを指す場合、示される分子が、その分子が天然に見られる生物全体から分離され、離れているか、または同じ種類の他の生物学的マクロ分子の実質的な非存在下で存在することを意味する。ポリヌクレオチドに関して「単離された」という用語は、天然において通常それと会合する配列の全体もしくは一部を欠く核酸分子、または天然に存在するが、それと関連する異種配列を有する配列、または染色体から解離した分子である。
「分析の提供」は、本明細書では、口頭または書面による分析(すなわち、文書、報告書など)の送達を指すために使用される。書面による分析は、印刷された文書または電子文書であり得る。好適な分析(例えば、口頭または書面による報告)は、以下の情報のうちのいずれかまたはすべてを提供する。対象の情報(名前、年齢など)を特定すること、何の種類の試料が使用されたか、かつ/もしくはそれがどのように使用されたかの説明、試料をアッセイするために使用された技法、アッセイの結果(例えば、測定されたcfDNA CpGメチル化のレベルもしくは頻度および/または経時的もしくは処置前アッセイと比較した処置後アッセイにおけるcfDNAのレベルもしくは頻度の倍率変化)、個体がHCCもしくはHCCの再発を有すると決定されるかどうかに関する評価、治療のための推奨(例えば、特定の抗がん療法)、および/または療法を継続するか、もしくは変更するか、追加療法のための推奨戦略など。報告は、好適な媒体または基材(例えば、紙)上の印刷情報、または電子形式を含むが、これらに限定されない任意の形式であり得る。電子形式の場合、報告は、情報が記録された、コンピュータ可読媒体、例えば、ディスケット、コンパクトディスク(CD)、フラッシュドライブなどの中にあり得る。加えて、報告は、ウェブサイトアドレスとして存在し得、これをインターネットを介して使用して、リモートサイトで情報にアクセスすることができる。
本発明の趣旨または範囲から逸脱することなく、様々な変更および修正がなされ得ることは当業者には明らかであろう。
メチル化cfDNAバイオマーカーおよび診断方法
様々な遺伝子におけるプロモーターの調節領域および/または第1のエクソンにおけるCpGアイランドの高メチル化は、様々ながんに関連付けられる。メチル化バイオマーカーの層別分析(LAMB)を使用して、HCCと関連付けられたメチル化無細胞DNA(cfDNA)バイオマーカーを同定した(実施例を参照されたい)。同定されたHCCバイオマーカーには、遺伝子、SPINT2、RUNX3、PRDM2、APC、GSTP1、WIF1、SEPT9、HOXA1、PFKP、およびAK05595のプロモーター領域の1つ以上のCpG部位でメチル化されたcfDNAが含まれる。これらのバイオマーカー遺伝子におけるCpG部位でのメチル化の頻度またはレベルの増加は、一般に、HCC腫瘍に見出される。特に、cg15607538、cg08572734、cg00577935、cg03667968、cg08571859、cg02659086、cg04673590、cg09420439、cg26744375、cg08465862、cg14250130、cg00922376、cg05346841、cg26421310、cg13629563、cg06848185、cg17300544、cg22522066、cg24166864、cg26397188(これらのCpG部位の位置は、Illumina HumanMethylation450K Manifestにおいて得られる)およびそれらの200ヌクレオチド内に位置するCpG部位から選択される1つ以上のCpG部位でのメチル化の頻度またはレベルの増加は、HCCと関連付けられている。したがって、これらのCpG部位のメチル化の頻度またはレベルをモニタリングすることは、HCCの予後、診断、療法選択、および治療のモニタリングに有用である。
特定の実施形態では、HCCの診断における使用のためのメチル化cfDNAバイオマーカーのパネルが提供される。任意のサイズのバイオマーカーパネルが、主題の方法の実施において使用され得る。HCCを診断するためのバイオマーカーパネルは、典型的には、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20個のメチル化cfDNAバイオマーカーなどの間の任意の数のバイオマーカーを含む、少なくとも2つのメチル化cfDNAバイオマーカーおよび最大20個のメチル化cfDNAバイオマーカーを含む。特定の実施形態では、バイオマーカーパネルは、少なくとも2つ、または少なくとも3つ、または少なくとも4つ、または少なくとも5つ、または少なくとも6つ、または少なくとも7つ、または少なくとも8つ、または少なくとも9つ、または少なくとも10個、または少なくとも11個、または少なくとも12個、または少なくとも13個、または少なくとも14個、または少なくとも5個、または少なくとも16個、または少なくとも17個、または少なくとも18個、または少なくとも19個、または少なくとも20個以上のメチル化cfDNAバイオマーカーを含む。いくつかの実施形態では、バイオマーカーパネルは、cg15607538、cg08572734、cg00577935、cg03667968、cg08571859、cg02659086、cg04673590、cg09420439、cg26744375、cg08465862、cg14250130、cg00922376、cg05346841、cg26421310、cg13629563、cg06848185、cg17300544、cg22522066、cg24166864、およびcg26397188、ならびにそれらの200ヌクレオチド内に位置するCpG部位から選択される1つ以上のCpG部位でのメチル化を有するcfDNAバイオマーカーを含むか、またはそれらからなる。いくつかの実施形態では、バイオマーカーパネルは、CpG部位:cg15607538、cg08572734、cg00577935、cg03667968、cg08571859、cg02659086、cg04673590、cg09420439、cg26744375、cg08465862、cg14250130、cg00922376、cg05346841、cg26421310、cg13629563、cg06848185、cg17300544、cg22522066、cg24166864、およびcg26397188でのメチル化を有するcfDNAバイオマーカーを含むか、またはそれらからなる。より小さいバイオマーカーパネルは通常、より経済的であるが、より大きなバイオマーカーパネル(すなわち、20超のバイオマーカー)は、より詳細な情報を提供する利点を有し、主題の方法の実施においても使用され得る。
メチル化cfDNAを含む試料(すなわち、「cfDNA試料」)は、対象から取得される。試料は、典型的には、対象から採取されたcfDNAを含む血液または血漿試料である。「対照」試料は、本明細書で使用される場合、疾患ではない対象由来のcfDNA試料を指す。すなわち、対照試料は、正常または健常な対象(例えば、HCCを有しないことが既知の個体)から取得される。cfDNA試料は、従来の技法によって対象から取得され得る。例えば、血液試料は、当技術分野で周知の方法に従って静脈穿刺によって取得され得る。
対象由来のcfDNA試料におけるCpG部位でのメチル化の頻度またはレベルを分析する場合、比較のために使用される基準値範囲は、HCCを有しない1つ以上の対象(すなわち、正常または健常な対照)由来のcfDNA試料におけるCpG部位でのDNAメチル化の頻度またはレベルを表すことができる。あるいは、基準値は、HCCを有する1つ以上の対象由来のcfDNA試料におけるCpG部位でのメチル化の頻度またはレベルを表すことができ、基準値範囲との類似性は、対象がHCCを有することを示す。
場合によっては、メチル化cfDNAバイオマーカーの組み合わせが、主題の方法において使用される。いくつかのかかる場合では、診断が行われるために、すべての測定されたバイオマーカーのレベルが(上述のように)変化する必要がある。いくつかの実施形態では、いくつかのバイオマーカーのみが、本明細書に記載の方法において使用される。例えば、単一のバイオマーカー、2つのバイオマーカー、3つのバイオマーカー、4つのバイオマーカー、5つのバイオマーカー、6つのバイオマーカー、7つのバイオマーカー、8つのバイオマーカー、9つのバイオマーカー、10個のバイオマーカー、11個のバイオマーカー、12個のバイオマーカー、13個のバイオマーカー、14個のバイオマーカー、15個のバイオマーカー、16個のバイオマーカー、17個のバイオマーカー、18個のバイオマーカー、19個のバイオマーカー、または20個のバイオマーカーを任意の組み合わせで使用することができる。他の実施形態では、すべてのバイオマーカーが使用される。定量値は、個体のHCCの1つ以上のリスクスコアを計算するために、線形または非線形の方法で組み合わされ得る。いくつかの実施形態では、幾何平均スコアは、SPINT2、RUNX3、PRDM2、APC、GSTP1、WIF1、SEPT9、HOXA1、PFKP、およびAK05595遺伝子のうちの2、3、4、5、6、7、8、9、または10個すべての遺伝子メチル化頻度プロファイルから計算され、幾何平均スコアは、個体がHCCを有するか否かを示す。幾何平均スコアは、さらにHCCを有しない対象に対してHCCを有する対象を区別し得る。
本明細書に記載される方法を使用して、患者の適切な治療レジメンを、特に、患者がHCCについて治療される必要があるどうかを決定し得る。例えば、患者が本明細書に記載されるように、cfDNAメチル化プロファイルに基づいてHCCについて陽性診断を有する場合、患者は、HCCについての治療のために選択される。場合によっては、本明細書に記載の診断方法は、単独で使用されてもよく、または医学的画像化法と組み合わせて使用されて、診断を確認し、予後の決定および治療のための最適な戦略(例えば、手術、放射性核種療法、化学療法、標的療法、免疫療法、生物学的療法など)の評価において役立つがん性疾患の程度(がんがどの程度でどこに広がったか)をさらに評価してもよい。例示的な医用画像化技法としては、磁気共鳴画像化法(MRI)、陽電子放出断層撮影法(PET)、単一光子放出コンピュータ断層撮影法(SPECT)、コンピュータ断層撮影法(CT)、超音波画像化法(UI)、光学画像化法(OI)、光音響画像化法(PI)、蛍光透視法、および蛍光画像化法が挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、メチル化cfDNAバイオマーカーは、アルファ-フェトプロテイン(AFP)またはデス-ガンマカルボキシプロトロンビン(DCP)などのHCCを診断するための他のバイオマーカーと組み合わせて使用される。例えば、AFPもしくはDCP、またはそれらの組み合わせの血液レベルは、cfDNAバイオマーカーのメチル化に加えてモニタリングされ得る。対照cfDNA試料における1つ以上のCpG部位でのメチル化の頻度の基準値範囲と比較して、患者由来のcfDNA試料におけるSPINT2、RUNX3、PRDM2、APC、GSTP1、WIF1、SEPT9、HOXA1、PFKP、およびAK055957からなる群から選択される1つ以上の遺伝子における1つ以上のCpG部位でのメチル化の頻度の増加と組み合わせて、20ng/mlを超えるAFPの血液レベルは、患者がHCCについて陽性診断を有することを示す。AFPおよび/またはDCPのレベルの増加は、HCCが進行していることを示すが、AFPおよび/またはDCPのレベルの減少は、HCCが治療に応答していることを示す。
HCCの例示的な治療としては、腫瘍外科的切除、高周波アブレーション(RFA)、凍結アブレーション、経皮的エタノールまたは酢酸注射、経カテーテル動脈化学塞栓術(TACE)、選択的内部放射線療法(SIRT)、高強度焦点超音波、もしくは外部ビーム療法、肝臓移植、門脈塞栓術、または化学療法剤(例えば、シスプラチン、ゲムシタビン、オキサリプラチン、ドキソルビシン、5-フルオロウラシル、カペシタビン、またはミトキサントロン)、標的療法剤(例えば、ソラフェニブ、レゴラフェニブ、レンバチニブ、またはカボザンチニブ)、免疫療法剤(例えば、ラムシルマブ、ニボルマブ、またはペムブロリズマブ)、もしくは放射性同位体(例えば、イットリウム-90、ロジン-131、レニウム-188、またはホルミウム-166)などの抗がん治療剤の投与、またはそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
cfDNAバイオマーカーは、患者におけるHCCをモニタリングするために使用され得る。例えば、第1のcfDNA試料は、第1の時点で患者から取得され得、第2のcfDNA試料は、第2の時点で患者から取得され得る。いくつかの実施形態では、患者は、第1のcfDNA試料および第2のcfDNA試料におけるcfDNAの1つ以上の遺伝子における1つ以上のCpG部位でのメチル化を検出することによって、HCCについてモニタリングされ、1つ以上の遺伝子は、SPINT2、RUNX3、PRDM2、APC、GSTP1、WIF1、SEPT9、HOXA1、PFKP、およびAK055957からなる群から選択され、第1のcfDNA試料と比較して、第2のcfDNA試料におけるSPINT2、RUNX3、PRDM2、APC、GSTP1、WIF1、SEPT9、HOXA1、PFKP、およびAK055957からなる群から選択される1つ以上の遺伝子におけるCpG部位のメチル化の頻度の増加の検出は、HCCが進行していることを示し、第1のcfDNA試料と比較して、第2のcfDNA試料におけるSPINT2、RUNX3、PRDM2、APC、GSTP1、WIF1、SEPT9、HOXA1、PFKP、およびAK055957からなる群から選択される1つ以上の遺伝子におけるCpG部位のメチル化の頻度の減少の検出は、HCCが進行していないことを示す。いくつかの実施形態では、間隔をおいてcfDNA試料を繰り返し収集し、cfDNAを分析することによって、患者を一定期間にわたってモニタリングし、HCCが進行しているか否かを決定する。原発性腫瘍、転移、または再発を含む、任意の進行段階でのHCCがモニタリングされ得る。
主題の方法は、本明細書に記載されるように、患者がHCCを発症しやすい慢性肝疾患、肝臓炎症、または肝臓損傷などの基礎状態または疾患を患者が有する場合、患者の診断またはモニタリングに特に有用である。HCCに対する感受性を増加させる例示的な肝疾患としては、肝硬変、脂肪肝疾患、肝炎(例えば、アルコール性肝炎、非アルコール性脂肪性肝炎、自己免疫性肝炎、薬剤性肝炎、ウイルス性肝炎)、A型肝炎ウイルス感染症、B型肝炎ウイルス感染症、C型肝炎ウイルス感染症、D型肝炎ウイルス感染症、E型肝炎ウイルス感染症、遺伝性ヘモクロマトーシス、ウィルソン病、原発性胆汁性肝硬変、およびα-1-抗トリプシン欠乏症が挙げられるが、これらに限定されない。
主題の方法はまた、個体から取得された処置前および処置後のcfDNA試料をアッセイして、個体が処置に応答するか応答しないかを決定するために使用され得る。例えば、第1のcfDNA試料は、対象が療法を受ける前に対象から取得され得、第2のcfDNA試料は、対象が療法を受けた後に対象から取得され得る。一実施形態では、HCCに対する患者の処置の有効性は、第1のcfDNA試料および第2のcfDNA試料における、cg15607538、cg08572734、cg00577935、cg03667968、cg08571859、cg02659086、cg04673590、cg09420439、cg26744375、cg08465862、cg14250130、cg00922376、cg05346841、cg26421310、cg13629563、cg06848185、cg17300544、cg22522066、cg24166864、およびcg26397188ならびにそれらの200ヌクレオチド内に位置するCpG部位から選択される1つ以上のCpG部位でのメチル化の頻度またはレベルを測定すること、ならびに治療の有効性を評価することによって、モニタリングされ、第1のcfDNA試料と比較して、第2のcfDNA試料における、cg15607538、cg08572734、cg00577935、cg03667968、cg08571859、cg02659086、cg04673590、cg09420439、cg26744375、cg08465862、cg14250130、cg00922376、cg05346841、cg26421310、cg13629563、cg06848185、cg17300544、cg22522066、cg24166864、およびcg26397188ならびにそれらの200ヌクレオチド内に位置するCpG部位から選択される1つ以上のCpG部位でのメチル化の頻度およびレベルの増加の検出は、患者が悪化しているか、または処置に応答していないことを示し、ならびに第1のcfDNA試料と比較して、第2のcfDNA試料における、cg15607538、cg08572734、cg00577935、cg03667968、cg08571859、cg02659086、cg04673590、cg09420439、cg26744375、cg08465862、cg14250130、cg00922376、cg05346841、cg26421310、cg13629563、cg06848185、cg17300544、cg22522066、cg24166864、およびcg26397188ならびにそれらの200ヌクレオチド内に位置するCpG部位から選択される1つ以上のCpG部位でのメチル化の頻度およびレベルの減少の検出は、患者が改善していることを示す。
処置前試料におけるcfDNAバイオマーカー遺伝子のメチル化の頻度またはレベルは、第1の試料が、療法を施される前(すなわち、「処置前」)に個体から単離されるため、「処置前値」と称され得る。処置前試料におけるcfDNAバイオマーカー遺伝子のメチル化の頻度またはレベルは、この値が「処置後」値と比較される値であるため、「ベースライン値」とも称され得る。場合によっては、ベースライン値(すなわち、「処置前値」)は、複数の(すなわち、1つ超、例えば、2つ以上、3つ以上、またはより多い場合、5つ以上などの)処置前試料におけるcfDNAバイオマーカー遺伝子のメチル化の頻度またはレベルを決定することによって決定される。場合によっては、複数の処置前試料は、処置前のバイオマーカーレベルの自然変動を評価するために、異なる時点で個体から単離される。したがって、場合によっては、1つ以上(例えば、2つ以上、3つ以上、またはより多い場合、5つ以上など)の処置前試料が、個体から単離される。いくつかの実施形態では、処置前試料のすべては、同じ種類の試料(例えば、血液試料)である。場合によっては、2つ以上の処置前試料をプールして、試料におけるバイオマーカーのレベルを決定する。場合によっては、cfDNAバイオマーカー遺伝子のメチル化の頻度またはレベルは、2つ以上の処置前試料について別々に決定され、「処置前値」は、別々の測定値を平均化することによって計算される。
処置後試料は、療法が施された後に個体から単離される。したがって、処置後試料におけるcfDNAバイオマーカー遺伝子のメチル化の頻度またはレベルは、「処置後値」と称され得る。いくつかの実施形態では、cfDNAバイオマーカー遺伝子のメチル化の頻度またはレベルは、追加の処置後試料(例えば、第2、第3、第4、第5などの処置後試料)で測定される。追加の処置後試料は、処置が施された後に個体から単離されるため、追加の試料におけるバイオマーカーのレベルは、「処置後値」とも称され得る。
本明細書で使用される場合、「応答性」という用語は、治療が、抗腫瘍効果などの所望の効果を有することを意味する。例えば、陽性治療応答は、疾患における以下の改善のうちの1つ以上を指す。(1)腫瘍サイズの減少、(2)がん細胞数の減少、(3)腫瘍成長の阻害(すなわち、ある程度遅延させること、好ましくは停止)、(4)末梢臓器へのがん細胞浸潤の阻害(すなわち、ある程度遅延させること、好ましくは停止)、(5)腫瘍転移の阻害(すなわち、ある程度遅延させること、好ましくは停止)、および(6)がんに関連する1つ以上の症状のある程度の緩和。個体が治療に応答して改善しない場合、個体のために異なる療法または治療レジメンを求めることが望ましい場合がある。
個体がHCCを有するという決定は、1つ以上のcfDNAバイオマーカー遺伝子のメチル化の頻度またはレベルと疾患との間の相関の能動的な臨床応用である。例えば、「決定する」には、能動的なアッセイステップ中に産生されるデータを確認し、個体がHCCを有するか、もしくは有しないか、またはHCCの治療のための療法に応答するかもしくは応答しないかを解決する能動的なステップが必要である。加えて、場合によっては、現在の治療(すなわち、療法)を進めるか、または代わりに治療を変更する決定がなされる。場合によっては、主題の方法は、治療を継続するステップまたは治療を変更するステップを含む。
「治療を継続する」(すなわち、療法を継続する)という用語は、本明細書では、現在の治療経過(例えば、療法を継続して施す)が継続されることを意味するように使用される。現在の治療経過がHCCの治療において有効でない場合、治療は変更され得る。「療法を変更する」は、本明細書において、「療法を中止する」または「療法を変更する」(例えば、治療の種類を変更する、薬物の特定の用量および/または投与頻度を変更する、例えば、用量および/または投与頻度を増加させる)を意味するように使用される。場合によっては、個体が応答性であるとみなされるまで、療法は変更され得る。いくつかの実施形態では、療法を変更することは、施される治療の種類を変更すること、特定の治療を完全に中止することなどを意味する。
非限定的な例示的な例として、患者は、最初に化学療法剤で治療され得る。したがって、「治療を継続する」とは、この種類の治療を継続することであろう。現在の治療経過が効果的でない場合、治療を変更し得、例えば、HCCについての治療の投薬量もしくは頻度を増加させること、異なる治療に変更すること、または患者の緩和ケアを開始することである。治療の切り替えは、例えば、異なる化学療法剤を投与すること、または手術、放射線療法、免疫療法などの異なる種類の抗がん療法を施すことを含み得る。
換言すると、1つ以上のcfDNAバイオマーカー遺伝子のメチル化の頻度またはレベルは、いつ療法を継続するか、および/またはいつ療法を変更するかを決定するためにモニタリングされ得る。したがって、処置後cfDNA試料は、投与のうちのいずれかの後に単離され得、cfDNA試料は、1つ以上のcfDNAバイオマーカー遺伝子のメチル化の頻度またはレベルを決定するためにアッセイされ得る。したがって、主題の方法は、HCCについて治療されている個体が、治療に応答するか、または治療に対する応答性を維持しているかを決定するために使用され得る。
療法は、処置前cfDNA試料が個体から単離された後の任意の時間に、個体に施され得るが、処置前cfDNA試料が単離された後(または、複数の処置前cfDNA試料が単離される場合、最後の処置前cfDNA試料が単離された後)と同時に、またはできるだけ早く(例えば、約7日以下、約3日以下、例えば、2日以下、36時間以下、1日以下、20時間以下、18時間以下、12時間以下、9時間以下、6時間以下、3時間以下、2.5時間以下、2時間以下、1.5時間以下、1時間以下、45分以下、30分以下、20分以下、15分以下、10分以下、5分以下、2分以下、または1分以下)療法が施されることが好ましい。
場合によっては、1種類以上の療法が個体に施され得る。例えば、HCCを有する対象は、腫瘍の外科的切除に続いて化学療法剤または生物学的薬剤の投与を受け得る。全身療法は、がんが肝臓を超えて広がった場合、または転移を受けた場合に施され得る。
いくつかの実施形態では、メチル化cfDNAバイオマーカーは、患者における肝細胞がん(HCC)の再発のモニタリングのために使用される。例えば、第1のcfDNAは、患者が画像化または他の診断様式からがんを有しないと特徴づけられる第1の時点で、以前のHCCの発生についての治療後に患者から取得され得る。第1のcfDNA試料由来のcfDNAにおける1つ以上のバイオマーカー遺伝子のプロモーター領域における1つ以上のCpG部位でのメチル化のレベルまたは頻度が測定され得、1つ以上のバイオマーカー遺伝子は、AK055957、APC、GSTP1、HOXA1、PFKP、PRDM2、RUNX3、SEPTIN9、SPINT2、およびWIF1から選択される。第2のcfDNA試料は、再発についてのモニタリング期間中の第2の時点で患者から取得され得る。第2のcfDNA試料由来のcfDNAにおける1つ以上のバイオマーカー遺伝子のプロモーター領域における1つ以上のCpG部位でのメチル化のレベルまたは頻度が測定され得、1つ以上のバイオマーカー遺伝子は、AK055957、APC、GSTP1、HOXA1、PFKP、PRDM2、RUNX3、SEPTIN9、SPINT2、およびWIF1から選択され、第1のcfDNA試料のcfDNAと比較して、第2のcfDNA試料のcfDNAにおけるAK055957、APC、GSTP1、HOXA1、PFKP、PRDM2、RUNX3、SEPTIN9、SPINT2、およびWIF1から選択される1つ以上のバイオマーカー遺伝子のプロモーター領域における1つ以上のCpG部位でのメチル化のレベルまたは頻度の増加は、HCCが再発したことを示す。患者が1つ以上のCpG部位のメチル化のレベルまたは頻度に基づいてHCCの再発について陽性診断を有する場合、患者はHCCの再発について治療される必要がある。いくつかの実施形態では、間隔をおいてcfDNA試料を繰り返し収集し、cfDNAを分析することによって、患者を一定期間にわたって再発についてモニタリングし、患者がHCCの再発を有するか否かを決定する。いくつかの実施形態では、患者は、本明細書に記載の方法によって、1ヶ月、2ヶ月、4ヶ月、6ヶ月、8ヶ月、1年、2年、3年、4年、5年、またはそれ以上の期間にわたって繰り返し再発についてモニタリングされる。
いくつかの実施形態では、主題の方法は、個体がHCC、またはHCCの再発を有すると決定されるかどうかを示す分析を提供することを含む。分析は、個体が、治療に応答性であるか、もしくは応答性でないか、または個体が、HCCについての治療に対する応答性を維持しているか、もしくは応答性を維持していないと決定されるかどうかの分析をさらに提供し得る。上述のように、分析は、口頭または書面による報告(例えば、文書または電子文書)であり得る。分析は、対象、対象の医師、検査施設などに提供することができる。分析は、インターネットを介してウェブサイトのアドレスとしてアクセスすることもできる。いくつかのかかる場合では、分析は、複数の異なる実体(例えば、対象、対象の医師、試験施設など)によってアクセス可能であり得る。
cfDNAのメチル化の検出
当該技術分野で既知の任意の好適な方法を使用して、cfDNAにおけるCpG部位でのメチル化を検出し得る。メチル化を検出するための例示的な技法としては、メチル化感受性任意プライミングポリメラーゼ連鎖反応(MS AP-PCR)、メチル化感受性単一ヌクレオチドプライマー伸長(Ms-SNuPE)、メチル化特異的PCR(MSP)、メチル化感受性DNA制限酵素分析、制限酵素ベースの配列決定、制限酵素ベースのマイクロアレイ分析、複合バイサルファイト制限分析(COBRA)、メチル化CpGアイランド増幅(MCA)、メチル化CpGアイランド増幅およびマイクロアレイ(MCAM)、ライゲーション媒介PCRによるHpaII極小フラグメント濃縮(HELP)、バイサルファイト配列決定、バイサルファイトマイクロアレイ分析、メチル化特異的パイロ配列決定、HELP配列決定(HELP-seq)、TET支援ピリジンボラン配列決定(TAPS)、Glal加水分解およびライゲーションアダプター依存PCR(GLAD-PCR)、メチル化DNA免疫沈降配列決定(MeDIP-Seq)、またはメチル化DNA免疫沈降マイクロアレイ分析(MeDIPチップ)、メチル感受性制限酵素でのサザンブロッティング、およびメチル化特異的巨大磁気抵抗センサーベースのマイクロアレイ分析が挙げられるが、これらに限定されない。
バイサルファイト配列決定は、配列決定の前にDNAのバイサルファイト処置を使用して、メチル化部位を検出する。DNAをバイサルファイトで処置すると、シトシン残基がウラシルに変換されるが、メチル化シトシン残基には影響しない。バイサルファイト処置後、DNAに残っているシトシンは、メチル化シトシンのみである。したがって、バイサルファイト処置後のDNAの配列決定は、単一ヌクレオチド分解能での個々のシトシン残基のメチル化状態を明らかにする(Reinders et al.(2010)Epigenomics 2(2):209-20、Chatterjee et al.(2012)Nucleic Acids Research 40(10):e79、Wreczycka et al(2017)J.Biotechnol.261:105-115、Shafi et al.(2018)Brief Bioinform.19(5):737-753、参照により本明細書に組み込まれる)。
MS AP-PCRアッセイは、DNAを消化するためのメチル化感受性制限酵素、およびCpGジヌクレオチドを含有する領域を選択的に増幅するCGリッチプライマーを用いたPCRを使用する(例えば、参照により本明細書に組み込まれる、Gonzalgo et al.(1997)Cancer Research 57:594-599を参照されたい)。
MethyLightアッセイは、DNAメチル化の検出のためのメチル化特異的プライミングおよびメチル化特異的蛍光プローブを用いたバイサルファイト依存性定量的蛍光ベースのリアルタイムPCRを使用する。Digital MethyLightは、MethyLightアッセイをデジタルPCRと組み合わせて、個々のメチル化分子の検出を可能にする(例えば、Eads et al.(1999)Cancer Res.59:2302-2306、Campan et al(2018)Methods Mol.Biol.1708:497-513を参照されたく、参照により本明細書に組み込まれる)。
HeavyMethyアッセイは、増幅プライマー間、またはそれによりカバーされるCpG位置をカバーするメチル化特異的ブロッキングプローブ(本明細書ではブロッカーとも呼ばれる)を使用して、核酸試料のメチル化特異的選択的増幅を可能にする。
HeavyMethyl MethyLightアッセイは、MethyLight(商標)アッセイのバリエーションであり、MethyLight(商標)アッセイを、増幅プライマー間のCpG位置をカバーするメチル化特異的ブロッキングプローブと組み合わせる。
Ms-SNuPEアッセイは、CpG部位のすぐ上流にハイブリダイゼーションするように設計されたプライマーを使用するPCRと組み合わせたDNAのバイサルファイト処置、ならびに視覚化および定量のためのポリアクリルアミドゲルでの増幅産物の電気泳動を使用する。DNA(ゲノムまたはcfDNA)のファイサルファイトナトリウムでの処置により、非メチル化シトシンがウラシルに変換され、PCRステップ中に、ウラシルがチミンとして複製され、メチルシトシンが増幅中にシトシンとして複製される。元のCpG部位でのメチル化対非メチル化シトシン(C対T)の比率は、ゲル単離されたPCR産物、プライマー、およびTaqポリメラーゼを[32P]dCTPまたは[32P]TTPのいずれかとともにインキュベートし、続く変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動および蛍光体画像化分析によって決定され得る。Ms-SNuPEプライマーはまた、[32P]dATPまたは[32P]dGTPのいずれかを反対側の鎖に組み込んで、分析されるCpG部位に応じたメチル化状態を評価するように設計され得る(例えば、Gonzalgo & Jones(1997)Nucleic Acids Res.25:2529-2531、Gonzalgo et al.(2007)Nat.Protoc.2(8):1931-6を参照されたく、参照により本明細書に組み込まれる)。
MSPアッセイは、非メチル化シトシンのウラシルへの変換のためのDNAのバイサルファイト処置、およびその後のメチル化対非メチル化DNAに特異的なプライマーを用いた増幅を使用する(例えば、Herman et al.(1996)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 93:9821-9826、および米国特許第5,786,146号を参照されたく、参照により本明細書に組み込まれる)。
COBRAアッセイは、非メチル化シトシンのウラシルへの変換のためのDNAのバイサルファイト処置、バイサルファイト変換DNAの遺伝子座特異的PCR増幅、制限消化、ゲルでの制限パターンの電気泳動分析を使用する(例えば、Xiong & Laird(1997)Nucleic Acids Res.25:2532-2534、Bilichak et al.(2017)Methods Mol.Biol.1456:63-71を参照されたく、参照により本明細書に組み込まれる)。
MCAアッセイは、DNAを消化するためのメチル化感受性制限酵素、続くアダプタのライゲーション、およびメチル化CpGリッチ配列を選択的に増幅するPCRを使用する(例えば、Toyota et al.(1999)Cancer Res.59:2307-12、およびWO00/26401A1を参照されたく、参照により本明細書に組み込まれる)。
MCAMアッセイは、CpGアイランドマイクロアレイと組み合わせてMCAを使用して、ハイスループット方式でDNAメチル化を検出する(例えば、Estecio et al.(2007)Genome Res.17(10):1529-1536を参照されたく、参照により本明細書に組み込まれる)。
HELPアッセイは、DNAを切断するためのメチル化感受性制限酵素であるHpaII、対照としてメチル化非感受性アイソシゾマーであるMspIを使用する。マイクロアレイ分析は、HpaII/MspI断片を検出するように設計されたプローブを含有するマイクロアレイを用いて実施される。HELP-seqは、HELPアッセイをDNAメチル化部位の大規模並列配列決定と組み合わせる(例えば、Greally(2018)Methods Mol.Biol.1708:191-207、Suzuki et al.(2010)Methods 52(3):218-22を参照されたく、参照により本明細書に組み込まれる)。
GLAD-PCRアッセイは、メチル化DNAのみを切断する部位特異的メチル指向性DNAエンドヌクレアーゼ、続くハイスループットPCRのためのユニバーサルアダプターへのDNA断片のライゲーションを使用する(例えば、Malyshev et al.(2020)Acta Naturae 12(3):124-133、Russian Patent RU 2525710を参照されたく、参照により本明細書に組み込まれる)。
MeDIPアッセイは、5-メチルシトシンに対する抗体を使用して、メチル化DNA断片を免疫沈降させる。この技法は、マイクロアレイハイブリダイゼーション(MeDIP-chip)または次世代配列決定(MeDIP-seq)を使用するハイスループットDNA検出方法と組み合わせることができる。例えば、Weber et al.(2005)Nat.Genet.37(8):853-862、Palmke et al.(2011)Methods 53(2):175-184、Quackenbush et al.(2008)Cancer Res.68(6):1786-1796、Zhu et al.(2019)Analyst 144(6):1904-1915、Yang et al.(2014)Life Sci.113(1-2):45-54を参照されたく、参照により本明細書に組み込まれる。
TET支援ピリジンボラン配列決定(TAPS)は、10-11転座(TET)酵素を使用して、5-メチルシトシンおよび5-ヒドロキシメチルシトシンの5-カルボキシルシトシンへの酸化、続くピリジンボラン還元を触媒して、ジヒドロウラシルを産生する。非修飾シトシンは影響を受けない。例えば、Liu et al.(2019)Nat Biotechnol.37:424-429を参照されたく、参照により本明細書に組み込まれる。
メチル化特異的巨大磁気抵抗性センサーベースのマイクロアレイ分析は、巨大磁気抵抗性(GMR)バイオセンサー上でのメチル化特異的PCRおよびメルト曲線分析を組み合わせる。GMRバイオセンサーは、PCR増幅産物におけるメチル化または非メチル化CpG部位を標的とする合成DNAプローブを含む。PCR増幅産物のGMRバイオセンサーへのハイブリダイゼーション後、2種類のプローブ間の融解温度(Tm)の差を測定する。例えば、Rizzi et al.(2017)ACS Nano.11(9):8864-8870、Nesvet et al.(2019)Biosens Bioelectron 124-125:136-142を参照されたく、参照により本明細書に組み込まれる。
サザンブロッティングを使用して、DNAメチル化を検出することもできる。まず、DNAをメチル化感受性制限酵素で消化し、そして制限断片をサザンブロットによって分析する。
配列は、メチル化の程度(例えば、一方が他方に対してメチル化が増加または減少している)、頻度、またはパターンが異なる場合、「差次的にメチル化されている」、または「メチル化の差異」を有する、または「異なるメチル化状態」を有すると言われる。「差次的メチル化」という用語は、がん陰性試料における核酸メチル化のレベルまたはパターンと比較した、がん陽性試料における核酸メチル化のレベルまたはパターンの差異を指す。それはまた、術後にがんが再発した患者と再発していない患者との間のレベルまたはパターンの差異を指す場合もある。
メチル化状況は、任意選択で、「メチル化値」(例えば、メチル化頻度、割合、比率、パーセントなどを表す)によって表されるか、または示されてもよい。メチル化値は、例えば、メチル化依存性制限酵素による制限消化後に存在する無傷の核酸の量を定量化することによって、またはバイサルファイト反応後の増幅プロファイルを比較することによって、またはバイサルファイト処置および未処置の核酸の配列を比較することによって生成され得る。したがって、値、例えば、メチル化値は、メチル化状況を表し、したがって、遺伝子座の複数のコピーにわたってメチル化状態の定量的指標として使用され得る。これは、試料における配列のメチル化状況を閾値または基準値と比較することが望ましい場合に特に有用である。
メチル化状態は、特定の部位を含む試料におけるDNAの総集団に対して、特定の部位でメチル化されるDNAの個々の鎖の割合またはパーセンテージの観点で表され得る。本明細書で使用される場合、「メチル化頻度」または「メチル化パーセント(%)」は、分子または遺伝子座がメチル化されていない場合の数に対する分子または遺伝子座がメチル化されている場合の数を指す。
データ分析
いくつかの実施形態では、1つ以上のパターン認識方法を、cfDNAメチル化のためのデータの分析において使用することができる。定量値は、個体のHCCの1つ以上のリスクスコアを計算するために、線形または非線形の方法で組み合わされ得る。いくつかの実施形態では、メチル化cfDNAバイオマーカーまたはバイオマーカーの組み合わせの測定値は、線形もしくは非線形モデルまたはアルゴリズム(例えば、「バイオマーカー署名」)に定式化され、尤度スコアに変換される。この尤度スコアは、cfDNA試料が、疾患の証拠がない患者またはHCCを有する患者由来である可能性を示す。尤度スコアを使用して、がんの進行の種々の段階を区別することもできる。モデルおよび/またはアルゴリズムは、機械可読フォーマットで提供され得、それを使用して、cfDNAバイオマーカー遺伝子またはバイオマーカープロファイルにおけるCpG部位でのメチル化の頻度またはレベルを疾患状態と相関させ得る、かつ/または患者もしくは患者のクラスの治療様式を指定し得る。
複数のバイオマーカーのレベルを分析することには、アルゴリズムまたは分類子の使用を含み得る。いくつかの実施形態では、機械学習アルゴリズムを使用して、HCCを有するとして患者を分類する。機械学習アルゴリズムは、教師あり学習アルゴリズムを含み得る。教師あり学習アルゴリズムの例としては、平均1依存推定器(Average One-Dependence Estimator)(AODE)、人工ニューラルネットワーク(例えば、バックプロパゲーション)、ベイズ統計(例えば、ナイーブベイズ分類子、ベイズネットワーク、ベイズ知識ベース)、事例ベースの推論、決定木、帰納的論理プログラミング、ガウスプロセス回帰、データ処理のグループ法(GMDH)、学習オートマトン、学習ベクトル量子化、最小メッセージ長(決定木、決定グラフなど)、遅延学習(Lazy learning)、インスタンスベースの学習最近傍アルゴリズム、類推モデリング、確率的で近似的に正しい学習(PAC)学習、リップルダウンルール、知識獲得方法論、シンボリック機械学習アルゴリズム、サブシンボリック機械学習アルゴリズム、サポートベクトルマシン、ランダムフォレスト、分類子のアンサンブル、ブートストラップ集約(バッギング)、およびブースティングが挙げられ得る。教師あり学習は、回帰分析および情報ファジーネットワーク(IFN)などの順序分類を含み得る。あるいは、教師あり学習方法は、AODE、線形分類子(例えば、フィッシャーの線形判別子、ロジスティック回帰、ナイーブベイズ分類子、パーセプトロン、およびサポートベクトルマシン)、二次分類子、k近傍、ブースティング、決定木(例えば、C4.5、ランダムフォレスト)、ベイズネットワーク、および隠れマルコフモデルなどの統計的分類を含み得る。
機械学習アルゴリズムはまた、教師なし学習アルゴリズムを含み得る。教師なし学習アルゴリズムの例としては、人工ニューラルネットワーク、データクラスタリング、期待値最大化アルゴリズム、自己組織化マップ、動径基底関数ネットワーク、ベクトル量子化、生成地形図、情報ボトルネック法、およびIBSEADが挙げられ得る。教師なし学習は、Aprioriアルゴリズム、Eclatアルゴリズム、およびFP成長アルゴリズムなどの関連付けルール学習アルゴリズムも含み得る。単一結合クラスタリングやコンセプチュアル(Conceptual)クラスタリングなどの階層的クラスタリングも使用され得る。代替的に、教師なし学習は、K平均アルゴリズムおよびファジークラスタリングなどの部分的なクラスタリングを含み得る。
いくつかの例では、機械学習アルゴリズムは、強化学習アルゴリズムを含む。強化学習アルゴリズムの例としては、時間差学習、Q学習、および学習オートマトンが挙げられるが、これらに限定されない。代替的に、機械学習アルゴリズムは、データ前処理を含み得る。
好ましくは、機械学習アルゴリズムは、平均一依存推定器(AODE)、フィッシャーの線形判別子、ロジスティック回帰、パーセプトロン、多層パーセプトロン、人工ニューラルネットワーク、サポートベクトルマシン、二次分類子、ブースティング、決定木、C4.5、ベイズネットワーク、隠れマルコフモデル、高次元判別子分析、およびガウス混合モデルが含まれ得るが、これらに限定されない。機械学習アルゴリズムは、サポートベクトルマシン、ナイーブベイズ分類子、k最近傍、高次元判別分析、またはガウス混合モデルを含み得る。いくつかの例では、機械学習アルゴリズムは、ランダムフォレストを含む。
キット
本明細書に記載のメチル化cfDNAバイオマーカーを検出するために使用され得るキットも提供される。かかるキットは、HCCを有する対象を診断する、HCCの再発を検出する、療法選択、または治療に対する応答をモニタリングするために使用され得る。本キットは、メチル化cfDNAバイオマーカーの検出のための1つ以上の薬剤、HCCを有すると疑われるヒト対象から単離されたcfDNAを含む生体試料(例えば、血液または血漿)を保持するための容器、および薬剤を生体試料または生体試料の一部と反応させて、生体試料におけるcfDNAにおける1つ以上のCpG部位でのメチル化の頻度またはレベルを検出するための印刷された説明書を含み得る。薬剤は、別々の容器に包装されてもよい。本キットは、メチル化アッセイ(例えば、バイサルファイト配列決定、MS AP-PCR、MethyLight(商標)、Digital MethyLight(商標)、HeavyMethyl(商標)、HeavyMethyl(商標)MethyLight(商標)、Ms-SNuPE、MSP、COBRA、MCA、MCAM、HELP、HELP-seq、GLAD-PCR、MeDIP-Seq、MeDIP-chipなど)を実施するための1つ以上の対照基準試料および試薬をさらに含み得る。例えば、本発明のキットは、バイサルファイト試薬、メチル化感受性制限酵素、CpGジヌクレオチドを含有するDNA領域を選択的に増幅するPCRプライマー、メチル化特異的プライマー、メチル化特異的プローブ、またはそれらの組み合わせなどのメチル化の頻度またはレベルを決定するための薬剤を含み得る。
例えば、本キットは、本明細書に記載のバイオマーカーの1つ以上のメチル化を検出するために使用され得、それは、健常な対照対象またはがんを有しない対象と比較して、HCCを有する患者由来のcfDNA試料におけるメチル化の頻度の増加を示す。いくつかの実施形態では、本キットは、遺伝子:SPINT2、RUNX3、PRDM2、APC、GSTP1、WIF1、SEPT9、HOXA1、PFKP、およびAK05595のプロモーター領域における1つ以上のCpG部位でのメチル化の頻度またはレベルを決定するための薬剤を含む。いくつかの実施形態では、本キットは、cg15607538、cg08572734、cg00577935、cg03667968、cg08571859、cg02659086、cg04673590、cg09420439、cg26744375、cg08465862、cg14250130、cg00922376、cg05346841、cg26421310、cg13629563、cg06848185、cg17300544、cg22522066、cg24166864、およびcg26397188、ならびにそれらの200ヌクレオチド内に位置するCpG部位から選択される1つ以上のCpG部位でのメチル化の頻度またはレベルを決定するための薬剤を含む。いくつかの実施形態では、本キットは、CpG部位:cg15607538、cg08572734、cg00577935、cg03667968、cg08571859、cg02659086、cg04673590、cg09420439、cg26744375、cg08465862、cg14250130、cg00922376、cg05346841、cg26421310、cg13629563、cg06848185、cg17300544、cg22522066、cg24166864、およびcg26397188でのメチル化の頻度またはレベルを決定するための薬剤を含む。
本キットは、キットに含まれる組成物のための1つ以上の容器を含み得る。組成物は、液体形態であり得るか、または凍結乾燥させることができる。組成物に好適な容器としては、例えば、ボトル、バイアル、シリンジ、および試験管が挙げられる。容器は、ガラスまたはプラスチックを含む様々な材料から形成することができる。
上記の構成要素に加えて、主題のキットは、(特定の実施形態では)主題の方法を実施するための説明書をさらに含み得る。これらの説明書は、様々な形態で主題のキット内に存在し得、そのうちの1つ以上が、キット内に存在し得る。これらの説明書が存在し得る1つの形態は、例えば、情報が印刷される1枚または複数枚の紙などの好適な媒体または基板上、キットのパッケージ中、添付文書などの中の印刷情報としてである。これらの説明書のさらに別の形態は、情報が記録されたコンピュータ可読媒体、例えば、ディスケット、コンパクトディスク(CD)、DVD、フラッシュドライブなどである。存在し得る、これらの説明書のさらなる別の形態は、離れた場所で情報にアクセスするために、インターネットを介して使用され得るウェブサイトアドレスである。
本開示の非限定的な態様の例
上述の本主題の態様(実施形態を含む)は、単独で、または1つ以上の他の態様または実施形態と組み合わせて有益であり得る。先の説明を限定することなく、番号1~47の本開示の特定の非限定的な態様を以下に提供する。本開示を読むと当業者には明らかであろうように、個々に番号付けされた態様の各々は、前述の態様のいずれかまたは個々に番号付けされた態様に続く態様のいずれかと使用または組み合わせられ得る。これは、態様のすべてのかかる組み合わせのサポートを提供することを意図しており、以下に明示的に提供される態様の組み合わせに限定されない。
1. 患者における肝細胞がん(HCC)を診断および治療する方法であって、
a)患者から循環遊離DNA(cfDNA)試料を取得することと、
b)cfDNAの1つ以上の遺伝子における1つ以上のCpG部位でのメチル化を検出することであって、1つ以上の遺伝子が、SPINT2、RUNX3、PRDM2、APC、GSTP1、WIF1、SEPT9、HOXA1、PFKP、およびAK055957からなる群から選択され、対照cfDNA試料における1つ以上のCpG部位でのメチル化の頻度の基準値範囲と比較して、患者由来のcfDNA試料におけるSPINT2、RUNX3、PRDM2、APC、GSTP1、WIF1、SEPT9、HOXA1、PFKP、およびAK055957からなる群から選択される1つ以上の遺伝子における1つ以上のCpG部位でのメチル化の頻度の増加が、患者がHCCについて陽性診断を有することを示す、検出することと、
c)患者がCpG部位でのメチル化の頻度に基づいてHCCについて陽性診断を有する場合、HCCについて患者を治療することと、を含む、方法。
2. 1つ以上のCpG部位が、cg15607538、cg08572734、cg00577935、cg03667968、cg08571859、cg02659086、cg04673590、cg09420439、cg26744375、cg08465862、cg14250130、cg00922376、cg05346841、cg26421310、cg13629563、cg06848185、cg17300544、cg22522066、cg24166864、およびcg26397188、ならびにそれらの200ヌクレオチド内に位置するCpG部位から選択される、態様1に記載の方法。
3. メチル化を上記検出することが、cfDNAにおけるcg15607538、cg08572734、cg00577935、cg03667968、cg08571859、cg02659086、cg04673590、cg09420439、cg26744375、cg08465862、cg14250130、cg00922376、cg05346841、cg26421310、cg13629563、cg06848185、cg17300544、cg22522066、cg24166864、およびcg26397188 CpG部位でのメチル化の頻度を測定することを含む、態様2に記載の方法。
4. 1つ以上のCpG部位でのメチル化の頻度の基準値範囲が、HCCを有しない1つ以上の対照対象由来の1つ以上の血液試料由来のcfDNAから取得される、態様1~3のいずれか1つに記載の方法。
5. 1つ以上のアルゴリズムを使用して、cfDNAのSPINT2、RUNX3、PRDM2、APC、GSTP1、WIF1、SEPT9、HOXA1、PFKP、およびAK055957遺伝子におけるCpG部位でのメチル化頻度に基づいてHCCリスクスコアを計算することをさらに含む、態様1~4のいずれか1つに記載の方法。
6. HCCについて患者を上記治療することが、HCC腫瘍の外科的切除、HCC腫瘍の高周波アブレーション(RFA)、HCC腫瘍の凍結アブレーション、エタノールもしくは酢酸でのHCC腫瘍の経皮的注射、経カテーテル動脈化学塞栓術(TACE)、選択的内部放射線療法(SIRT)、肝臓移植、高強度焦点超音波、外部ビーム療法、門脈塞栓術、放射性核種療法、化学療法、標的療法、免疫療法、または生物学的療法を含む、態様1~5のいずれか1つに記載の方法。
7. 標的療法が、ソラフェニブ、レゴラフェニブ、レンバチニブ、カボザンチニブ、ラムシルマブ、ニボルマブ、もしくはペムブロリズマブ、またはそれらの組み合わせを投与することを含む、態様6に記載の方法。
8. 化学療法が、シスプラチン、ゲムシタビン、オキサリプラチン、ドキソルビシン、5-フルオロウラシル、カペシタビン、もしくはミトキサントロン、またはそれらの組み合わせを投与することを含む、態様6に記載の方法。
9. 放射性核種療法が、イットリウム-90、ロジン-131、レニウム-188、またはホルミウム-166を投与することを含む、態様6に記載の方法。
10. cfDNAにおけるCpG部位のメチル化を上記検出することが、メチル化感受性任意プライミングポリメラーゼ連鎖反応(MS AP-PCR)、メチル化感受性単一ヌクレオチドプライマー伸長(Ms-SNuPE)、メチル化特異的PCR(MSP)、メチル化感受性DNA制限酵素分析、制限酵素ベースの配列決定、制限酵素ベースのマイクロアレイ分析、複合バイサルファイト制限分析(COBRA)、メチル化CpGアイランド増幅(MCA)、メチル化CpGアイランド増幅およびマイクロアレイ(MCAM)、ライゲーション媒介PCRによるHpaII極小フラグメント濃縮(HELP)、バイサルファイト配列決定、バイサルファイトマイクロアレイ分析、メチル化特異的パイロ配列決定、HELP配列決定(HELP-seq)、TET支援ピリジンボラン配列決定(TAPS)、Glal加水分解およびライゲーションアダプター依存PCR(GLAD-PCR)、メチル化DNA免疫沈降配列決定(MeDIP-Seq)、もしくはメチル化DNA免疫沈降マイクロアレイ分析(MeDIPチップ)、メチル感受性制限酵素でのサザンブロッティング、またはメチル化特異的巨大磁気抵抗センサーベースのマイクロアレイ分析を実施することを含む、態様1~9のいずれか1つに記載の方法。
11. cfDNAにおけるCpG部位のメチル化を上記検出することが、配列番号1~432からなる群から選択される配列を含む少なくとも1つのプローブを使用することを含む、態様1~10のいずれか1つに記載の方法。
12. アルファ-フェトプロテイン(AFP)の血液レベルを測定することをさらに含み、対照対象についてのAFPの血液レベル、ならびにSPINT2、RUNX3、PRDM2、APC、GSTP1、WIF1、SEPT9、HOXA1、PFKP、およびAK055957からなる群から選択される1つ以上の遺伝子における1つ以上のCpG部位でのメチル化の頻度の基準値範囲と比較して、SPINT2、RUNX3、PRDM2、APC、GSTP1、WIF1、SEPT9、HOXA1、PFKP、およびAK055957からなる群から選択される1つ以上の遺伝子における1つ以上のCpG部位でのメチル化の頻度の増加と組み合わせて、AFPの血液レベルの増加の検出が、患者が、HCCについて陽性診断を有することを示す、態様1~11のいずれか1つに記載の方法。
13. cfDNA試料が、cfDNAを含む血液試料または血漿試料である、態様1~12のいずれか1つに記載の方法。
14. 患者が、肝疾患を有する、態様1~13のいずれか1つに記載の方法。
15. 肝疾患が、肝硬変、脂肪肝疾患、アルコール性肝炎、非アルコール性脂肪性肝炎、自己免疫性肝炎、薬剤性肝炎、ウイルス性肝炎、A型肝炎ウイルス感染症、B型肝炎ウイルス感染症、C型肝炎ウイルス感染症、D型肝炎ウイルス感染症、E型肝炎ウイルス感染症、遺伝性ヘモクロマトーシス、ウィルソン病、原発性胆汁性肝硬変、またはα-1-抗トリプシン欠乏症である、態様14に記載の方法。
16. 患者における肝細胞がん(HCC)をモニタリングする方法であって、
a)第1の時点での患者由来の第1の血液試料、およびそれより後の第2の時点での患者由来の第2の血液試料を取得することと、
b)第1の血液試料および第2の血液試料における循環遊離DNA(cfDNA)の1つ以上の遺伝子における1つ以上のCpG部位でのメチル化を検出することであって、1つ以上の遺伝子が、SPINT2、RUNX3、PRDM2、APC、GSTP1、WIF1、SEPT9、HOXA1、PFKP、およびAK055957からなる群から選択され、第1の血液試料のcfDNAと比較して、第2の血液試料のcfDNAにおけるSPINT2、RUNX3、PRDM2、APC、GSTP1、WIF1、SEPT9、HOXA1、PFKP、およびAK055957からなる群から選択される1つ以上の遺伝子におけるCpG部位のメチル化の頻度の増加の検出が、HCCが進行していることを示し、第1の血液試料のcfDNAと比較して、第2の血液試料のcfDNAにおけるSPINT2、RUNX3、PRDM2、APC、GSTP1、WIF1、SEPT9、HOXA1、PFKP、およびAK055957からなる群から選択される1つ以上の遺伝子におけるCpG部位のメチル化の頻度の減少の検出が、HCCが進行していないことを示す、検出することと、を含む、方法。
17. HCCが、原発性腫瘍、転移、または再発である、態様16に記載の方法。
18. 第1の時点が、HCCについての患者の治療が開始される前であり、第2の時点が、治療中または治療後である、態様16または17に記載の方法。
19. 治療が、HCC腫瘍の外科的切除、HCC腫瘍の高周波アブレーション(RFA)、HCC腫瘍の凍結アブレーション、エタノールもしくは酢酸でのHCC腫瘍の経皮的注射、経カテーテル動脈化学塞栓術(TACE)、選択的内部放射線療法(SIRT)、肝臓移植、高強度焦点超音波、外部ビーム療法、門脈塞栓術、放射性核種療法、化学療法、標的療法、免疫療法、または生物学的療法である、態様17に記載の方法。
20. ステップa)およびb)を繰り返すことをさらに含む、態様16~19のいずれか1つに記載の方法。
21. HCCが進行している場合に、HCCについての治療の投薬量もしくは頻度を増加させること、異なる治療に変更すること、または患者に対する緩和ケアを開始することをさらに含む、態様16~20のいずれか1つに記載の方法。
22. 1つ以上のCpG部位が、cg15607538、cg08572734、cg00577935、cg03667968、cg08571859、cg02659086、cg04673590、cg09420439、cg26744375、cg08465862、cg14250130、cg00922376、cg05346841、cg26421310、cg13629563、cg06848185、cg17300544、cg22522066、cg24166864、およびcg26397188、ならびにそれらの200ヌクレオチド内に位置するCpG部位から選択される、態様16~21のいずれか1つに記載の方法。
23. メチル化を上記検出することが、cfDNAにおけるcg15607538、cg08572734、cg00577935、cg03667968、cg08571859、cg02659086、cg04673590、cg09420439、cg26744375、cg08465862、cg14250130、cg00922376、cg05346841、cg26421310、cg13629563、cg06848185、cg17300544、cg22522066、cg24166864、およびcg26397188 CpG部位でのメチル化の頻度を測定することを含む、態様22に記載の方法。
24. アルファ-フェトプロテイン(AFP)の血液レベルを測定することをさらに含み、第1の血液試料と比較して、第2の血液試料におけるSPINT2、RUNX3、PRDM2、APC、GSTP1、WIF1、SEPT9、HOXA1、PFKP、およびAK055957からなる群から選択される1つ以上の遺伝子における1つ以上のCpG部位でのメチル化の頻度の増加と組み合わせて、AFPの血液レベルの増加の検出が、HCCが進行していることを示し、第1の血液試料と比較して、第2の血液試料におけるSPINT2、RUNX3、PRDM2、APC、GSTP1、WIF1、SEPT9、HOXA1、PFKP、およびAK055957からなる群から選択される1つ以上の遺伝子における1つ以上のCpG部位でのメチル化の頻度の減少と組み合わせて、AFPの血液レベルの減少が、HCCが進行していないことを示す、態様16~23のいずれか1つに記載の方法。
25. cfDNAにおけるCpG部位のメチル化を上記検出することが、メチル化感受性任意プライミングポリメラーゼ連鎖反応(MS AP-PCR)、メチル化感受性単一ヌクレオチドプライマー伸長(Ms-SNuPE)、メチル化特異的PCR(MSP)、メチル化感受性DNA制限酵素分析、制限酵素ベースの配列決定、制限酵素ベースのマイクロアレイ分析、複合バイサルファイト制限分析(COBRA)、メチル化CpGアイランド増幅(MCA)、メチル化CpGアイランド増幅およびマイクロアレイ(MCAM)、ライゲーション媒介PCRによるHpaII極小フラグメント濃縮(HELP)、バイサルファイト配列決定、バイサルファイトマイクロアレイ分析、メチル化特異的パイロ配列決定、HELP配列決定(HELP-seq)、TET支援ピリジンボラン配列決定(TAPS)、Glal加水分解およびライゲーションアダプター依存PCR(GLAD-PCR)、メチル化DNA免疫沈降配列決定(MeDIP-Seq)、もしくはメチル化DNA免疫沈降マイクロアレイ分析(MeDIPチップ)、メチル感受性制限酵素でのサザンブロッティング、またはメチル化特異的巨大磁気抵抗センサーベースのマイクロアレイ分析を実施することを含む、態様16~25のいずれか1つに記載の方法。
26. 患者における肝細胞がん(HCC)の再発についてモニタリングする方法であって、
a)患者が、画像化または他の診断様式からがんを有しないと特徴づけられる第1の時点で、HCCの以前の発生についての治療後に、患者から第1の循環遊離DNA(cfDNA)試料を取得することと、
b)第1のcfDNA試料由来のcfDNAにおける1つ以上のバイオマーカー遺伝子のプロモーター領域における1つ以上のCpG部位でのメチル化を検出することであって、1つ以上のバイオマーカー遺伝子が、AK055957、APC、GSTP1、HOXA1、PFKP、PRDM2、RUNX3、SEPTIN9、SPINT2、およびWIF1から選択される、検出することと、
c)再発についてのモニタリング期間中の第2の時点で患者から第2のcfDNA試料を取得することと、
d)第2のcfDNA試料由来のcfDNAにおける1つ以上のバイオマーカー遺伝子のプロモーター領域における1つ以上のCpG部位でのメチル化を検出することであって、1つ以上のバイオマーカー遺伝子が、AK055957、APC、GSTP1、HOXA1、PFKP、PRDM2、RUNX3、SEPTIN9、SPINT2、およびWIF1から選択され、第1のcfDNA試料のcfDNAと比較して、第2のcfDNA試料のcfDNAにおけるAK055957、APC、GSTP1、HOXA1、PFKP、PRDM2、RUNX3、SEPTIN9、SPINT2、およびWIF1から選択される1つ以上のバイオマーカー遺伝子のプロモーター領域における1つ以上のCpG部位でのメチル化の頻度の増加が、HCCが再発したことを示す、検出することと、
e)その後、再発についてのモニタリング期間中に、ステップc)~e)を繰り返すことと、を含む、方法。
27. 患者が1つ以上のCpG部位のメチル化のレベルに基づいてHCCの再発について陽性診断を有する場合、HCCの再発について患者を治療することをさらに含む、態様26に記載の方法。
28. HCCの再発について患者を上記治療することが、HCC腫瘍の外科的切除、HCC腫瘍の高周波アブレーション(RFA)、HCC腫瘍の凍結アブレーション、エタノールもしくは酢酸でのHCC腫瘍の経皮的注射、経カテーテル動脈化学塞栓術(TACE)、選択的内部放射線療法(SIRT)、肝臓移植、高強度焦点超音波、外部ビーム療法、門脈塞栓術、放射性核種療法、化学療法、標的療法、免疫療法、または生物学的療法を含む、態様26または27に記載の方法。
29. 1つ以上のCpG部位が、cg15607538、cg08572734、cg00577935、cg03667968、cg08571859、cg02659086、cg04673590、cg09420439、cg26744375、cg08465862、cg14250130、cg00922376、cg05346841、cg26421310、cg13629563、cg06848185、cg17300544、cg22522066、cg24166864、およびcg26397188、ならびにそれらの200ヌクレオチド内に位置するCpG部位から選択される、態様26~28のいずれか1つに記載の方法。
30. メチル化を上記検出することが、cfDNAにおけるcg15607538、cg08572734、cg00577935、cg03667968、cg08571859、cg02659086、cg04673590、cg09420439、cg26744375、cg08465862、cg14250130、cg00922376、cg05346841、cg26421310、cg13629563、cg06848185、cg17300544、cg22522066、cg24166864、およびcg26397188 CpG部位でのメチル化の頻度を測定することを含む、態様29に記載の方法。
31. 患者のアルファ-フェトプロテイン(AFP)の血液レベルを測定することをさらに含み、AFPの血液レベル、ならびにSPINT2、RUNX3、PRDM2、APC、GSTP1、WIF1、SEPT9、HOXA1、PFKP、およびAK055957からなる群から選択される1つ以上の遺伝子における1つ以上のCpG部位でのメチル化の頻度の基準値範囲と比較して、患者由来のcfDNAにおけるSPINT2、RUNX3、PRDM2、APC、GSTP1、WIF1、SEPT9、HOXA1、PFKP、およびAK055957からなる群から選択される1つ以上の遺伝子における1つ以上のCpG部位でのメチル化の頻度の増加と組み合わせて、AFPの血液レベルの増加が、患者が、HCCの再発について陽性診断を有することを示す、態様26~30のいずれか1つに記載の方法。
32. cfDNA試料が、cfDNAを含む血液試料または血漿試料である、態様26~31のいずれか1つに記載の方法。
33. cfDNAにおけるCpG部位のメチル化を上記検出することが、メチル化感受性任意プライミングポリメラーゼ連鎖反応(MS AP-PCR)、メチル化感受性単一ヌクレオチドプライマー伸長(Ms-SNuPE)、メチル化特異的PCR(MSP)、メチル化感受性DNA制限酵素分析、制限酵素ベースの配列決定、制限酵素ベースのマイクロアレイ分析、複合バイサルファイト制限分析(COBRA)、メチル化CpGアイランド増幅(MCA)、メチル化CpGアイランド増幅およびマイクロアレイ(MCAM)、ライゲーション媒介PCRによるHpaII極小フラグメント濃縮(HELP)、バイサルファイト配列決定、バイサルファイトマイクロアレイ分析、メチル化特異的パイロ配列決定、HELP配列決定(HELP-seq)、TET支援ピリジンボラン配列決定(TAPS)、Glal加水分解およびライゲーションアダプター依存PCR(GLAD-PCR)、メチル化DNA免疫沈降配列決定(MeDIP-Seq)、もしくはメチル化DNA免疫沈降マイクロアレイ分析(MeDIPチップ)、メチル感受性制限酵素でのサザンブロッティング、またはメチル化特異的巨大磁気抵抗センサーベースのマイクロアレイ分析を実施することを含む、態様26~32のいずれか1つに記載の方法。
34. cfDNAにおけるSPINT2、RUNX3、PRDM2、APC、GSTP1、WIF1、SEPT9、HOXA1、PFKP、およびAK055957遺伝子におけるCpG部位のメチル化を検出するための薬剤を含む、キット。
35. 上記CpG部位が、cg15607538、cg08572734、cg00577935、cg03667968、cg08571859、cg02659086、cg04673590、cg09420439、cg26744375、cg08465862、cg14250130、cg00922376、cg05346841、cg26421310、cg13629563、cg06848185、cg17300544、cg22522066、cg24166864、およびcg26397188、ならびにそれらの200ヌクレオチド内に位置するCpG部位から選択される1つ以上のCpG部位を含む、態様34に記載のキット。
36. 上記CpG部位が、cg15607538、cg08572734、cg00577935、cg03667968、cg08571859、cg02659086、cg04673590、cg09420439、cg26744375、cg08465862、cg14250130、cg00922376、cg05346841、cg26421310、cg13629563、cg06848185、cg17300544、cg22522066、cg24166864、およびcg26397188を含む、態様35に記載のキット。
37. メチル化感受性任意プライミングポリメラーゼ連鎖反応(MS AP-PCR)、メチル化感受性単一ヌクレオチドプライマー伸長(Ms-SNuPE)、メチル化特異的PCR(MSP)、メチル化感受性DNA制限酵素分析、制限酵素ベースの配列決定、制限酵素ベースのマイクロアレイ分析、複合バイサルファイト制限分析(COBRA)、メチル化CpGアイランド増幅(MCA)、メチル化CpGアイランド増幅およびマイクロアレイ(MCAM)、ライゲーション媒介PCRによるHpaII極小フラグメント濃縮(HELP)、バイサルファイト配列決定、バイサルファイトマイクロアレイ分析、メチル化特異的パイロ配列決定、HELP配列決定(HELP-seq)、TET支援ピリジンボラン配列決定(TAPS)、Glal加水分解およびライゲーションアダプター依存PCR(GLAD-PCR)、メチル化DNA免疫沈降配列決定(MeDIP-Seq)、もしくはメチル化DNA免疫沈降マイクロアレイ分析(MeDIPチップ)、メチル感受性制限酵素でのサザンブロッティング、またはメチル化特異的巨大磁気抵抗センサーベースのマイクロアレイ分析を実施するための薬剤をさらに含む、態様34~36のいずれか1つに記載のキット。
38. 上記薬剤が、バイサルファイト試薬、メチル化感受性制限酵素、CpGジヌクレオチドを含有するDNA領域を選択的に増幅するPCRプライマー、メチル化特異的プライマー、メチル化特異的プローブ、またはそれらの組み合わせを含む、態様34~37のいずれか1つに記載のキット。
39. 上記薬剤が、配列番号1~432からなる群から選択される配列を含む少なくとも1つのプローブを含む、態様34~38のいずれか1つに記載のキット。
40. AFPを測定するための試薬をさらに含む、態様34~39のいずれか1つに記載のキット。
41. 肝細胞がん(HCC)の診断、HCCの再発の検出、またはHCCの治療のモニタリングのためにキットを使用するための説明書をさらに含む、態様34~40のいずれか1つに記載のキット。
42. 患者における肝細胞がん(HCC)を診断するインビトロ方法であって、
a)患者から循環遊離DNA(cfDNA)試料を取得することと、
b)cfDNAの1つ以上の遺伝子における1つ以上のCpG部位でのメチル化を検出することであって、1つ以上の遺伝子が、SPINT2、RUNX3、PRDM2、APC、GSTP1、WIF1、SEPT9、HOXA1、PFKP、およびAK055957からなる群から選択され、対照cfDNA試料のcfDNAにおける1つ以上のCpG部位でのメチル化の頻度の基準値範囲と比較して、患者由来のcfDNA試料におけるSPINT2、RUNX3、PRDM2、APC、GSTP1、WIF1、SEPT9、HOXA1、PFKP、およびAK055957からなる群から選択される1つ以上の遺伝子における1つ以上のCpG部位でのメチル化の頻度の増加が、患者がHCCについて陽性診断を有することを示す、検出することと、を含む、方法。
43. CpG部位が、cg15607538、cg08572734、cg00577935、cg03667968、cg08571859、cg02659086、cg04673590、cg09420439、cg26744375、cg08465862、cg14250130、cg00922376、cg05346841、cg26421310、cg13629563、cg06848185、cg17300544、cg22522066、cg24166864、およびcg26397188、ならびにそれらの200ヌクレオチド内に位置するCpG部位から選択される、態様42に記載の方法。
44. メチル化のレベルを上記測定することが、cg15607538、cg08572734、cg00577935、cg03667968、cg08571859、cg02659086、cg04673590、cg09420439、cg26744375、cg08465862、cg14250130、cg00922376、cg05346841、cg26421310、cg13629563、cg06848185、cg17300544、cg22522066、cg24166864、およびcg26397188 CpG部位のメチル化のレベルを測定することを含む、態様43に記載の方法。
45. cfDNAにおけるCpG部位のメチル化を上記検出することが、メチル化感受性任意プライミングポリメラーゼ連鎖反応(MS AP-PCR)、メチル化感受性単一ヌクレオチドプライマー伸長(Ms-SNuPE)、メチル化特異的PCR(MSP)、メチル化感受性DNA制限酵素分析、制限酵素ベースの配列決定、制限酵素ベースのマイクロアレイ分析、複合バイサルファイト制限分析(COBRA)、メチル化CpGアイランド増幅(MCA)、メチル化CpGアイランド増幅およびマイクロアレイ(MCAM)、ライゲーション媒介PCRによるHpaII極小フラグメント濃縮(HELP)、バイサルファイト配列決定、バイサルファイトマイクロアレイ分析、メチル化特異的パイロ配列決定、HELP配列決定(HELP-seq)、TET支援ピリジンボラン配列決定(TAPS)、Glal加水分解およびライゲーションアダプター依存PCR(GLAD-PCR)、メチル化DNA免疫沈降配列決定(MeDIP-Seq)、もしくはメチル化DNA免疫沈降マイクロアレイ分析(MeDIPチップ)、メチル感受性制限酵素でのサザンブロッティング、またはメチル化特異的巨大磁気抵抗センサーベースのマイクロアレイ分析を実施することを含む、態様42~44のいずれか1つに記載の方法。
46. 患者における肝細胞がん(HCC)の診断、HCCの再発の検出、またはHCCの治療のモニタリングのためのバイオマーカーとして使用するための、cg15607538、cg08572734、cg00577935、cg03667968、cg08571859、cg02659086、cg04673590、cg09420439、cg26744375、cg08465862、cg14250130、cg00922376、cg05346841、cg26421310、cg13629563、cg06848185、cg17300544、cg22522066、cg24166864、およびcg26397188、ならびにそれらの200ヌクレオチド内に位置するCpG部位から選択される、1つ以上のCpG部位でメチル化された、無細胞DNA。
以下の実施例は、当業者に、本発明の作製および使用方法の完全な開示および説明を提供するために提示されるものであり、発明者が発明とみなす範囲を限定することを意図せず、また、以下の実験が行われるすべてまたは唯一の実験であることを表すことを意図するものではない。使用される数字(例えば、量、温度など)に関する正確性を確保する努力がなされているが、ある程度の実験誤差および偏差が考慮される必要がある。別段の指示のない限り、部は重量部であり、分子量は重量平均分子量であり、温度は摂氏度であり、圧力は大気圧または大気圧付近である。
本明細書において引用されたすべての刊行物および特許出願は、各個々の刊行物または特許出願が、参照により組み込まれることが具体的かつ個別に示されているかのように、参照により本明細書に組み込まれる。
本発明は、本発明の実施のための好ましいモードを含むように、本発明者によって見出されるか、または提供される特定の実施形態に関して説明されている。当業者は、本開示に照らして、本発明の意図される範囲から逸脱することなく、例示される特定の実施形態で多数の修正および変更を行うことができることを理解されたい。例えば、コドン冗長性によって、タンパク質配列に影響を与えることなく、基礎となるDNA配列の変更を行うことができる。生物学的機能的等価性を考慮することによって、種類または量において生物学的作用に影響を与えることなく、タンパク質構造の変更を行うことができる。かかる修正はすべて、添付の特許請求の範囲内にあることが意図される。
実施例1
大規模なメタ分析およびCpGマイクロアレイのデータを統合することにより、肝硬変患者における肝細胞がんの有望な無細胞DNAバイオマーカーが同定される
がんの発症は、腫瘍抑制遺伝子のプロモーター領域におけるCpGジヌクレオチドのメチル化を介して、腫瘍抑制遺伝子の機能的サイレンシングに関連している。肝硬変患者由来の無細胞DNA(cfDNA)におけるメチル化HCC DNAの検出は、有望な精度を示している4~6。これらの研究のバイオマーカーは、少数の患者の群(<50)由来の試料の統計分析(多重仮説検定、回帰分析など)によって発見された。統計的方法は、バイオマーカーの生物学的関連性を考慮していない。この制限は、発見の試料サイズが小さいことと組み合わさり、かかる方法が、他の患者コホートにおける低い予測力であるバイオマーカーを同定する原因となり得る。これらのリスクを軽減するために、生物学的に根源的なcfDNAバイオマーカーについて腫瘍抑制因子をスクリーニングするために、3411人のHCC患者および1722人の健常な対照からのメチル化データを組み込んだ、生理学的に触発されたバイオマーカー発見方法論であるメチル化バイオマーカーの層別分析(LAMB)を作成した。
LAMBは、メタ分析データを介して組織における高メチル化腫瘍抑制因子を同定し、マイクロアレイデータを介して腫瘍抑制因子のプロモーターにおける差次的にメチル化されたCpGを同定する。対になったHCCおよび隣接非がん性組織(ANT)の遺伝子高メチル化カウントデータを、117個の研究から収集した(図1A、図4)。各研究における遺伝子の診断オッズ比(DOR)を計算した。ランダム効果メタ分析は、3つ以上の研究における遺伝子について調整されたDORが計算された(図5)。メタ分析により、二元分類モデルにおいてHCCと肝硬変cfDNAとの間の高い予測力を示す(AUC>0.8)7つの腫瘍抑制因子と組み合わせた15つの腫瘍抑制因子が同定された5~6(図1A、表1)。
候補の腫瘍抑制プロモーターにおけるCpGについてIllumina HumanMethylation450(450K)マイクロアレイデータからのメチル化頻度(b)を、The Cancer Genome Atlas(TCGA)および他の2つの研究からの153人の患者の対になったHCCおよびANTから抽出した7~9。ANTにおける高メチル化を伴うか、または単変量ロジスティック回帰モデルにおけるHCCとANTとの間の低い予測力を伴う、HCCにおける平均メチル化がANTよりも低いCpGを除去した(図1A)。
健常対照において、cfDNAの大部分は造血細胞死に由来し、肝細胞はcfDNAの約1~10%を占める10~11。造血cfDNAから区別可能なメチル化CpGを選択するために、健常対照由来の1722個の溶解血液試料に対して部位をスクリーニングした(図1B)。5つの研究から450Kの血液データを組み合わせた12~16。159個のTCGA HCCを、年齢、性別、および人種によりに血液と一致させた。単変量ロジスティック回帰モデルにおいてHCC組織と対照血液との間の低い予測力を示すCpGを除去した。バックグラウンドのメチル化が低いバイオマーカーを同定するために、CpGを残りの1563個の血液試料におけるメチル化頻度によってフィルター処理した。
LAMBパイプラインは、10個の腫瘍抑制因子からの20個のCpGのcfDNAバイオマーカーパネル(LAMB-HCC)を同定した(表2)。 組織メタ分析によって6つの腫瘍抑制因子が同定され(SPINT2、RUNX3、PRDM2、APC、GSTP1、WIF1)、4つは、血漿研究から見出され(SEPT9、HOXA1、PFKP、AK055957)、両方の研究型からの遺伝子を組み込むことの価値を強調した。除外された遺伝子は、それらの研究において差次的なメチル化を示すが、450Kデータにおいてはこの効果は示されておらず、これらの遺伝子が肝硬変患者におけるHCCの集団全体の予測因子ではない可能性があることを示唆した。
次いで、LAMB-HCCパネルを、基礎として肝硬変を有する22人のHCC患者ならびに肝機能および線維症によって一致された22人の肝硬変患者からのcfDNAの独立した450K検証データセットで評価した。単変量ロジスティック回帰モデルにおけるCpG AUCは、組織および血液分析によって除外されたCpGからLAMB-HCC CpGへの予測力の増加を示し、LAMBの生理学的に触発されたスクリーニングの影響を強調した(図2A)。
肝硬変の肝臓による局所的なcfDNAの寄与の増加に起因して、cfDNAは肝硬変患者の血管系に均一に分布していないと仮定した。したがって、CpGのメチル化頻度は、同じ患者由来の血液試料間で変動する可能性がある。検証データセットでは、cfDNAのCpGメチル化頻度は、密接に位置付けられた部位(約50塩基)において同様の分布を示したが、同じ遺伝子における部位であっても、より長い距離で分布は逸脱した(図2B)。この変動を説明するために、LAMB-HCCパネルを、10個の遺伝子のメチル化プロファイルを捕捉した20個のCpGとしてみた。遺伝子のプロモーターにおけるLAMB-HCC CpGの最大メチル化頻度をその遺伝子にマッピングし、44人のcfDNA患者の10遺伝子のメチル化頻度プロファイルをもたらした(図6、図2C)。
検証データでLAMB-HCCパネルを偏りのない方法で試験するために、10遺伝子のメチル化頻度プロファイルを介して、各患者の幾何平均スコアを計算した(図2D)。頻度が出力スコアの重み付けを支配しないように、幾何平均式は、入力メチル化頻度を正規化する。LAMB-HCC遺伝子メチル化スコアは、HCCと肝硬変cfDNAとの間で高い予測力を実証した(AUC:0.85、図2D)。
肝炎およびNASH肝硬変患者は、結腸直腸がん、膵臓がん、および肺がんのリスクの増加を示す17~18。TCGA由来の411個の結腸直腸腫瘍、184個の膵臓腫瘍、および843個の肺腫瘍におけるLAMB-HCC CpGメチル化頻度を検査し、非肝臓がんにおいては高メチル化されていない(β平均<0.2)4つの遺伝子内の6つのCpGを同定した(表2)。このLAMB-肝臓パネルからの幾何平均スコアは、AUCのわずかな減少にもかかわらず、HCCと肝硬変cfDNAとの間で高い予測力を示し、LAMB方法ががん特異的バイオマーカーを同定することができることを示唆した(図2D、図7)。
次に、LAMBパネルがAFPスクリーニングと組み合わせてどのように機能するかを検査した。20ng/mLの臨床カットオフでは、13/22人のHCC患者が陽性(59%の感度)であり、一方でAFP検査値を有するすべての肝硬変患者が陰性(100%の特異度)であった。これらの値は、他の患者コホートにおいて観察される値と同様である(感度:59%、特異度:90%)。誤診されたHCC患者を同定するために、LAMB-HCCおよびLAMB-肝臓パネルを用いて、AFP値が20ng/mL未満の9人のHCC患者および全22人の肝硬変患者を試験した(図8)。LAMB-HCC+AFPおよびLAMB-肝臓+AFPは、優れた予測力(それぞれ、AUC:0.93および0.92、図2D)を示し、AFPスクリーニングを補完するパネルの能力を強調した(図7)。
2つの豊富なメチル化データ源、公開された研究および450Kデータをマイニングして、集団全体のメチル化cfDNAバイオマーカーを見出すことを目標に、LAMB方法を作成した。組織研究および血漿研究の両方を利用することにより、公開されたcfDNAバイオマーカーを補完する新しい腫瘍抑制遺伝子が同定される。この情報を生理学的に触発された方法で450Kデータに組み込むことにより、LAMB方法は、複数のデータ型、試料型、および患者集団にわたるバイオマーカーを試験し、腫瘍および人々のエピジェネティックな多様性を再現しようとする。対になった組織試料からメチル化カウントおよび頻度データを選択的に収集し、人口統計学的情報によって血液試料に腫瘍を一致させることにより、バイオマーカーをスクリーニングするための偏りのない測定基準としてDORおよびAUCを使用するために必要な症例および対照のバランスが提供される。その結果として、LAMBパイプラインは、外部検証データセットにおいて高い予測力を示した肝硬変患者におけるHCCについての10遺伝子のcfDNAパネルを同定した。最終的な臨床採用には、AFPおよびCpGメチル化検出技法を用いたパネルの追加の検証が必要である。それにもかかわらず、これらの検証結果と連結したLAMB方法は、他の疾患の集団全体の生物学的に根源的なバイオマーカーを同定するための、他の生理学的に触発されたデータマイニングアプローチの作成を促進し得る。
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18. Sorensen, H.T. et al.Hepatology.28,921-925(1998).
実施例2
方法
組織メチル化研究のメタ分析
「((((hepatocellular carcinoma)OR HCC)OR hepatoma)OR hepatocarcinoma)AND methylation」について、PubMed検索を実施し、2002個の要約(2019年10月1日現在)が得られた。要約をHCC組織メチル化との関連性についてスクリーニングし、612個の該当する組織メチル化論文を得た(図4)。これらの論文を、メチル化頻度データについてスクリーニングし、317個の研究が得られた。残りの論文を、まず、同じ患者由来のHCCおよびANTの試験についてスクリーニングし、次いで、メチル化特異的PCRの使用についてスクリーニングし、117個の論文に至った。117個の論文についてカウントデータを照合し、HCCおよびANTについての高メチル化プロモーターをそれぞれ真陽性および偽陽性として処理した。Rの「metafor」ライブラリを使用して、3つ以上の研究で試験した遺伝子に対して、Hartung-Knapp-Sidik-Jonkman法を利用したランダム効果メタ分析を実施し、95%信頼区間を有するDOR(診断オッズ比)の調整された自然対数がもたらされた(表1)。対数信頼区間が0未満の遺伝子を廃棄した。メタ分析によって同定された遺伝子についてフォレストプロットを生成した(図5)。R.P.、A.Y.、およびP.B.R.は、要約/論文のスクリーニングを独立して実施し、得られた論文からカウントデータを収集した。同定された論文およびカウントデータの違いが議論され、3人全員が最終決定に同意した。HCCおよび肝硬変患者の血漿メチル化研究は、この探査中に同定され、ロジスティック予測モデルを介して高い予測能力(AUC>0.8)を示す遺伝子を調査した。3人全員が、血漿研究に同意し、遺伝子5-6は、450K組織解析のために繰り越された。
HCCおよびANTにおけるプロモーターCpGメチル化分析
450Kメチル化頻度データを、the Cancer Genome Atlas(TCGA-LIHC)7からダウンロードした。再発腫瘍を除去し、対になった原発性HCCおよびANTを有する50人の患者のデータを使用した。対になった組織(GSE54503)を有する66人の患者および対になった組織(GSE89852)を有する37名の患者の450KデータをGEO8-9からダウンロードした。これらのデータセットは、公開された人口統計情報があるために選択され、これは、関連する研究において見出すことができる。3つのデータセットをすべて組み合わせて単一のデータセットとし、組織試料において欠損していた任意のCpGを除去し、153人の患者についての326,322個のCpGに至った。データを、ロジット変換し、Rにおける「ComBat」パッケージを利用して、データセット間のバッチ効果を補正し、データを、逆ロジット変換した。残りのCpGを、Illuminaの450Kアノテーションファイルを介して、遺伝子、特徴、および染色体位置に連結した。組織メタ分析および血漿研究分析由来の22遺伝子についてのTSS1500およびTSS200におけるCpGについてのメチル化頻度データを、全153人の患者、および61個の早期腫瘍を有する67人の患者のコホートについて抽出した。Rの「pROC」ライブラリを介して、HCCとANTとの間の平均HCCメチル化、平均ANTメチル化、および単変量CpG部位AUCを、153人の患者のすべておよび67人の患者コホートについて計算した(表2)。HCCにおける平均メチル化がANTよりも低いCpG、ANTにおいて相対的に高メチル化(0.2超のメチル化頻度)であるCpG、またはすべての患者の単変量ロジスティック回帰モデルにおけるAUCが0.8未満であるCpGは、450K血液分析から除外された。
全血におけるプロモーターCpGメチル化分析
450Kメチル化頻度データを、GEO(GSE84727、GSE80417、GSE40279、GSE72773、GSE111629、GSE53740)から305、127、622、272、236、および160人の健常対照についてダウンロードし、組み合わせ、ロジット変換した12~16。データセットは、溶解した全血を分析し、健常な対照が同定されやすいように構造化された。データは、Pythonにおける「ComBat」パッケージを介してバッチ効果について補正され、次いで逆ロジット変換された。450K HCC/ANT分析において同定されたCpGについてのメチル化頻度データを、組み合わせた血液データから抽出した。HCC組織の血液に対する差次的メチル化分析を行うために、163個の別個のTCGA HCCについての450Kデータをダウンロードした。これらの腫瘍のうちの159個を、患者の年齢、性別、および人種に基づいて全血試料と一致させた。それらの元のデータセットによる一致した血液試料の比率は、それらの元のデータセットによる全血液試料の比率を反映した。単変量ロジスティック回帰モデルから0.8未満のAUCを有するCpGを廃棄した(表2)。残りの1563個の血液試料における残りのCpGの平均メチル化頻度を計算した。メチル化頻度が0.1未満のCpGを、LAMB CpGとして同定した(表2)。
無細胞DNAにおけるLAMB-HCCパネル分析
基礎となる肝硬変を有する22人のHCC患者および22人の肝硬変患者について、450Kのメチル化頻度データをダウンロードした(GSE129374)4。2019年10月現在、GSE129374は、HCCおよび肝硬変患者由来の無細胞DNAについて利用可能な唯一のメチル化頻度データであり、これらの患者は、肝機能および線維症によって一致していた。ロジスティック回帰モデルを介した単変量AUCを、LAMBの450Kフィルターによって分析したすべてのCpGについて計算した。LAMB CpGのデータを抽出し、遺伝子プロモーターにおけるLAMB CpGの最大メチル化頻度をその遺伝子にマッピングして、全44人の患者についての10遺伝子のメチル化プロファイルを作製した(図2C、図6)。10遺伝子のメチル化プロファイルの各々の幾何平均を計算した(図2D)。Rにおける「pROC」パッケージを用いて、ROC曲線を作成し、幾何平均スコアからAUCを見出した。95%AUC信頼区間を、1000回の反復ブートストラッピングで計算した。
無細胞DNAにおけるLAMB-肝臓パネル分析
TCGA(TCGA-COAD、TCGA-READ、TCGA-PAAD、TCGA-LUSC、TCGA-LUAD)から、411個の結腸直腸、184個の膵臓、および843個の肺原発腫瘍についての450Kデータをダウンロードした。LAMB CpGについての平均メチル化頻度を、各がん型について抽出した。これらのがんにおいて平均メチル化頻度が0.2未満である6個のCpGを、LAMB-肝臓パネルのために選択した。遺伝子プロモーターにおけるLAMB-肝臓CpGの最大メチル化頻度をその遺伝子にマッピングして、すべての44個のcfDNA試料について4遺伝子のメチル化プロファイルを作成した。4遺伝子のメチル化プロファイルの各々の幾何平均を計算した(図2D)。Rにおける「pROC」パッケージにおいて、ROC曲線を作成し、幾何平均スコアからAUCを見出した。95%AUC信頼区間を、1000回の反復ブートストラッピングで計算した。
無細胞DNAにおけるLAMB-HCC+AFPおよびLAMB-肝臓+AFPパネル分析
AFP血清レベルは、論文の捕捉からの450K cfDNA検証データセットにおける患者について見出された。22人の肝硬変患者のうち3人のAFPレベルは利用できなかった。残りの患者については、22人のHCC患者のうち9人および19人の肝硬変患者すべてが20ng/mLの臨床的カットオフを下回るAFPレベルを有した。20ng/mLを上回るAFPレベルを有する13人のHCC患者を陽性として分類し、残りの9人のHCC患者および22人の肝硬変患者についてのLAMB-HCCおよびLAMB-肝臓の幾何平均スコアを試験した。Rにおける「pROC」パッケージにおいて、ROC曲線を作成し、幾何平均スコアからAUCを見出した。95%AUC信頼区間を、1000回の反復ブートストラッピングで計算した。
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Claims (46)

  1. 患者における肝細胞がん(HCC)を診断および治療する方法であって、
    a)前記患者から循環遊離DNA(cfDNA)試料を取得することと、
    b)前記cfDNAの1つ以上の遺伝子における1つ以上のCpG部位でのメチル化を検出することであって、前記1つ以上の遺伝子が、SPINT2、RUNX3、PRDM2、APC、GSTP1、WIF1、SEPT9、HOXA1、PFKP、およびAK055957からなる群から選択され、対照cfDNA試料における前記1つ以上のCpG部位でのメチル化の頻度の基準値範囲と比較して、前記患者由来の前記cfDNA試料におけるSPINT2、RUNX3、PRDM2、APC、GSTP1、WIF1、SEPT9、HOXA1、PFKP、およびAK055957からなる群から選択される前記1つ以上の遺伝子における前記1つ以上のCpG部位でのメチル化の頻度の増加が、前記患者が前記HCCについて陽性診断を有することを示す、検出することと、
    c)前記患者が前記CpG部位での前記メチル化の頻度に基づいて前記HCCについて前記陽性診断を有する場合、前記HCCについて前記患者を治療することと、を含む、方法。
  2. 前記1つ以上のCpG部位が、cg15607538、cg08572734、cg00577935、cg03667968、cg08571859、cg02659086、cg04673590、cg09420439、cg26744375、cg08465862、cg14250130、cg00922376、cg05346841、cg26421310、cg13629563、cg06848185、cg17300544、cg22522066、cg24166864、およびcg26397188、ならびにそれらの200ヌクレオチド内に位置するCpG部位から選択される、請求項1に記載の方法。
  3. メチル化を前記検出することが、前記cfDNAにおける前記cg15607538、cg08572734、cg00577935、cg03667968、cg08571859、cg02659086、cg04673590、cg09420439、cg26744375、cg08465862、cg14250130、cg00922376、cg05346841、cg26421310、cg13629563、cg06848185、cg17300544、cg22522066、cg24166864、およびcg26397188 CpG部位でのメチル化の頻度を測定することを含む、請求項2に記載の方法。
  4. 前記1つ以上のCpG部位でのメチル化の頻度の前記基準値範囲が、HCCを有しない1つ以上の対照対象由来の1つ以上の血液試料由来のcfDNAから取得される、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 1つ以上のアルゴリズムを使用して、前記cfDNAの前記SPINT2、RUNX3、PRDM2、APC、GSTP1、WIF1、SEPT9、HOXA1、PFKP、およびAK055957遺伝子における前記CpG部位での前記メチル化頻度に基づいてHCCリスクスコアを計算することをさらに含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記HCCについて前記患者を前記治療することが、HCC腫瘍の外科的切除、HCC腫瘍の高周波アブレーション(RFA)、HCC腫瘍の凍結アブレーション、エタノールもしくは酢酸でのHCC腫瘍の経皮的注射、経カテーテル動脈化学塞栓術(TACE)、選択的内部放射線療法(SIRT)、肝臓移植、高強度焦点超音波、外部ビーム療法、門脈塞栓術、放射性核種療法、化学療法、標的療法、免疫療法、または生物学的療法を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記標的療法が、ソラフェニブ、レゴラフェニブ、レンバチニブ、カボザンチニブ、ラムシルマブ、ニボルマブ、もしくはペムブロリズマブ、またはそれらの組み合わせを投与することを含む、請求項6に記載の方法。
  8. 前記化学療法が、シスプラチン、ゲムシタビン、オキサリプラチン、ドキソルビシン、5-フルオロウラシル、カペシタビン、もしくはミトキサントロン、またはそれらの組み合わせを投与することを含む、請求項6に記載の方法。
  9. 前記放射性核種療法が、イットリウム-90、ロジン-131、レニウム-188、またはホルミウム-166を投与することを含む、請求項6に記載の方法。
  10. 前記cfDNAにおけるCpG部位の前記メチル化を前記検出することが、メチル化感受性任意プライミングポリメラーゼ連鎖反応(MS AP-PCR)、メチル化感受性単一ヌクレオチドプライマー伸長(Ms-SNuPE)、メチル化特異的PCR(MSP)、メチル化感受性DNA制限酵素分析、制限酵素ベースの配列決定、制限酵素ベースのマイクロアレイ分析、複合バイサルファイト制限分析(COBRA)、メチル化CpGアイランド増幅(MCA)、メチル化CpGアイランド増幅およびマイクロアレイ(MCAM)、ライゲーション媒介PCRによるHpaII極小フラグメント濃縮(HELP)、バイサルファイト配列決定、バイサルファイトマイクロアレイ分析、メチル化特異的パイロ配列決定、HELP配列決定(HELP-seq)、TET支援ピリジンボラン配列決定(TAPS)、Glal加水分解およびライゲーションアダプター依存PCR(GLAD-PCR)、メチル化DNA免疫沈降配列決定(MeDIP-Seq)、もしくはメチル化DNA免疫沈降マイクロアレイ分析(MeDIPチップ)、メチル感受性制限酵素でのサザンブロッティング、またはメチル化特異的巨大磁気抵抗センサーベースのマイクロアレイ分析を実施することを含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記cfDNAにおけるCpG部位の前記メチル化を前記検出することが、配列番号1~432からなる群から選択される配列を含む少なくとも1つのプローブを使用することを含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
  12. アルファ-フェトプロテイン(AFP)の血液レベルを測定することをさらに含み、対照対象についてのAFPの血液レベル、ならびにSPINT2、RUNX3、PRDM2、APC、GSTP1、WIF1、SEPT9、HOXA1、PFKP、およびAK055957からなる群から選択される前記1つ以上の遺伝子における前記1つ以上のCpG部位でのメチル化の頻度の基準値範囲と比較して、SPINT2、RUNX3、PRDM2、APC、GSTP1、WIF1、SEPT9、HOXA1、PFKP、およびAK055957からなる群から選択される前記1つ以上の遺伝子における前記1つ以上のCpG部位でのメチル化の頻度の増加と組み合わせて、AFPの血液レベルの増加の検出が、前記患者が、前記HCCについて陽性診断を有することを示す、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記cfDNA試料が、cfDNAを含む血液試料または血漿試料である、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記患者が、肝疾患を有する、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記肝疾患が、肝硬変、脂肪肝疾患、アルコール性肝炎、非アルコール性脂肪性肝炎、自己免疫性肝炎、薬剤性肝炎、ウイルス性肝炎、A型肝炎ウイルス感染症、B型肝炎ウイルス感染症、C型肝炎ウイルス感染症、D型肝炎ウイルス感染症、E型肝炎ウイルス感染症、遺伝性ヘモクロマトーシス、ウィルソン病、原発性胆汁性肝硬変、またはα-1-抗トリプシン欠乏症である、請求項14に記載の方法。
  16. 患者における肝細胞がん(HCC)をモニタリングする方法であって、
    a)第1の時点での前記患者由来の第1の血液試料、およびそれより後の第2の時点での前記患者由来の第2の血液試料を取得することと、
    b)前記第1の血液試料および前記第2の血液試料における循環遊離DNA(cfDNA)の1つ以上の遺伝子における1つ以上のCpG部位でのメチル化を検出することであって、前記1つ以上の遺伝子が、SPINT2、RUNX3、PRDM2、APC、GSTP1、WIF1、SEPT9、HOXA1、PFKP、およびAK055957からなる群から選択され、前記第1の血液試料の前記cfDNAと比較して、前記第2の血液試料の前記cfDNAにおけるSPINT2、RUNX3、PRDM2、APC、GSTP1、WIF1、SEPT9、HOXA1、PFKP、およびAK055957からなる群から選択される前記1つ以上の遺伝子における前記CpG部位のメチル化の頻度の増加の検出が、前記HCCが進行していることを示し、前記第1の血液試料の前記cfDNAと比較して、前記第2の血液試料の前記cfDNAにおけるSPINT2、RUNX3、PRDM2、APC、GSTP1、WIF1、SEPT9、HOXA1、PFKP、およびAK055957からなる群から選択される前記1つ以上の遺伝子における前記CpG部位のメチル化の頻度の減少の検出が、前記HCCが進行していないことを示す、検出することと、を含む、方法。
  17. 前記HCCが、原発性腫瘍、転移、または再発である、請求項16に記載の方法。
  18. 前記第1の時点が、HCCについての前記患者の治療が開始される前であり、前記第2の時点が、前記治療中または治療後である、請求項16または17に記載の方法。
  19. 前記治療が、HCC腫瘍の外科的切除、HCC腫瘍の高周波アブレーション(RFA)、HCC腫瘍の凍結アブレーション、エタノールもしくは酢酸でのHCC腫瘍の経皮的注射、経カテーテル動脈化学塞栓術(TACE)、選択的内部放射線療法(SIRT)、肝臓移植、高強度焦点超音波、外部ビーム療法、門脈塞栓術、放射性核種療法、化学療法、標的療法、免疫療法、または生物学的療法である、請求項17に記載の方法。
  20. ステップa)およびb)を繰り返すことをさらに含む、請求項16~19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 前記HCCが進行している場合に、HCCについての治療の投薬量もしくは頻度を増加させること、異なる治療に変更すること、または前記患者に対する緩和ケアを開始することをさらに含む、請求項16~20のいずれか一項に記載の方法。
  22. 前記1つ以上のCpG部位が、cg15607538、cg08572734、cg00577935、cg03667968、cg08571859、cg02659086、cg04673590、cg09420439、cg26744375、cg08465862、cg14250130、cg00922376、cg05346841、cg26421310、cg13629563、cg06848185、cg17300544、cg22522066、cg24166864、およびcg26397188、ならびにそれらの200ヌクレオチド内に位置するCpG部位から選択される、請求項16~21のいずれか一項に記載の方法。
  23. メチル化を前記検出することが、前記cfDNAにおける前記cg15607538、cg08572734、cg00577935、cg03667968、cg08571859、cg02659086、cg04673590、cg09420439、cg26744375、cg08465862、cg14250130、cg00922376、cg05346841、cg26421310、cg13629563、cg06848185、cg17300544、cg22522066、cg24166864、およびcg26397188 CpG部位でのメチル化の頻度を測定することを含む、請求項22に記載の方法。
  24. アルファ-フェトプロテイン(AFP)の血液レベルを測定することをさらに含み、前記第1の血液試料と比較して、前記第2の血液試料におけるSPINT2、RUNX3、PRDM2、APC、GSTP1、WIF1、SEPT9、HOXA1、PFKP、およびAK055957からなる群から選択される前記1つ以上の遺伝子における前記1つ以上のCpG部位でのメチル化の頻度の増加と組み合わせて、AFPの血液レベルの増加の検出が、前記HCCが進行していることを示し、前記第1の血液試料と比較して、前記第2の血液試料におけるSPINT2、RUNX3、PRDM2、APC、GSTP1、WIF1、SEPT9、HOXA1、PFKP、およびAK055957からなる群から選択される前記1つ以上の遺伝子における前記1つ以上のCpG部位でのメチル化の頻度の減少と組み合わせて、AFPの血液レベルの減少が、前記HCCが進行していないことを示す、請求項16~23のいずれか一項に記載の方法。
  25. 前記cfDNAにおけるCpG部位の前記メチル化を前記検出することが、メチル化感受性任意プライミングポリメラーゼ連鎖反応(MS AP-PCR)、メチル化感受性単一ヌクレオチドプライマー伸長(Ms-SNuPE)、メチル化特異的PCR(MSP)、メチル化感受性DNA制限酵素分析、制限酵素ベースの配列決定、制限酵素ベースのマイクロアレイ分析、複合バイサルファイト制限分析(COBRA)、メチル化CpGアイランド増幅(MCA)、メチル化CpGアイランド増幅およびマイクロアレイ(MCAM)、ライゲーション媒介PCRによるHpaII極小フラグメント濃縮(HELP)、バイサルファイト配列決定、バイサルファイトマイクロアレイ分析、メチル化特異的パイロ配列決定、HELP配列決定(HELP-seq)、TET支援ピリジンボラン配列決定(TAPS)、Glal加水分解およびライゲーションアダプター依存PCR(GLAD-PCR)、メチル化DNA免疫沈降配列決定(MeDIP-Seq)、もしくはメチル化DNA免疫沈降マイクロアレイ分析(MeDIPチップ)、メチル感受性制限酵素でのサザンブロッティング、またはメチル化特異的巨大磁気抵抗センサーベースのマイクロアレイ分析を実施することを含む、請求項16~25のいずれか一項に記載の方法。
  26. 患者における肝細胞がん(HCC)の再発についてモニタリングする方法であって、
    a)前記患者が、画像化または他の診断様式からがんを有しないと特徴づけられる第1の時点で、HCCの以前の発生についての治療後に、前記患者から第1の循環遊離DNA(cfDNA)試料を取得することと、
    b)前記第1のcfDNA試料由来のcfDNAにおける1つ以上のバイオマーカー遺伝子のプロモーター領域における1つ以上のCpG部位でのメチル化を検出することであって、前記1つ以上のバイオマーカー遺伝子が、AK055957、APC、GSTP1、HOXA1、PFKP、PRDM2、RUNX3、SEPTIN9、SPINT2、およびWIF1から選択される、検出することと、
    c)前記再発についてのモニタリング期間中の第2の時点で前記患者から第2のcfDNA試料を取得することと、
    d)前記第2のcfDNA試料由来のcfDNAにおける前記1つ以上のバイオマーカー遺伝子の前記プロモーター領域における前記1つ以上のCpG部位でのメチル化を検出することであって、前記1つ以上のバイオマーカー遺伝子が、AK055957、APC、GSTP1、HOXA1、PFKP、PRDM2、RUNX3、SEPTIN9、SPINT2、およびWIF1から選択され、前記第1のcfDNA試料の前記cfDNAと比較して、前記第2のcfDNA試料の前記cfDNAにおけるAK055957、APC、GSTP1、HOXA1、PFKP、PRDM2、RUNX3、SEPTIN9、SPINT2、およびWIF1から選択される前記1つ以上のバイオマーカー遺伝子の前記プロモーター領域における前記1つ以上のCpG部位でのメチル化の頻度の増加が、前記HCCが再発したことを示す、検出することと、
    e)その後、前記再発についてのモニタリング期間中に、ステップc)~e)を繰り返すことと、を含む、方法。
  27. 前記患者が前記1つ以上のCpG部位のメチル化のレベルに基づいて前記HCCの前記再発について陽性診断を有する場合、前記HCCの前記再発について前記患者を治療することをさらに含む、請求項26に記載の方法。
  28. HCCの前記再発について患者を前記治療することが、HCC腫瘍の外科的切除、HCC腫瘍の高周波アブレーション(RFA)、HCC腫瘍の凍結アブレーション、エタノールもしくは酢酸でのHCC腫瘍の経皮的注射、経カテーテル動脈化学塞栓術(TACE)、選択的内部放射線療法(SIRT)、肝臓移植、高強度焦点超音波、外部ビーム療法、門脈塞栓術、放射性核種療法、化学療法、標的療法、免疫療法、または生物学的療法を含む、請求項26または27に記載の方法。
  29. 前記1つ以上のCpG部位が、cg15607538、cg08572734、cg00577935、cg03667968、cg08571859、cg02659086、cg04673590、cg09420439、cg26744375、cg08465862、cg14250130、cg00922376、cg05346841、cg26421310、cg13629563、cg06848185、cg17300544、cg22522066、cg24166864、およびcg26397188、ならびにそれらの200ヌクレオチド内に位置するCpG部位から選択される、請求項26~28のいずれか一項に記載の方法。
  30. メチル化を前記検出することが、前記cfDNAにおける前記cg15607538、cg08572734、cg00577935、cg03667968、cg08571859、cg02659086、cg04673590、cg09420439、cg26744375、cg08465862、cg14250130、cg00922376、cg05346841、cg26421310、cg13629563、cg06848185、cg17300544、cg22522066、cg24166864、およびcg26397188 CpG部位でのメチル化の頻度を測定することを含む、請求項29に記載の方法。
  31. 前記患者のアルファ-フェトプロテイン(AFP)の血液レベルを測定することをさらに含み、AFPの血液レベル、ならびにSPINT2、RUNX3、PRDM2、APC、GSTP1、WIF1、SEPT9、HOXA1、PFKP、およびAK055957からなる群から選択される前記1つ以上の遺伝子における前記1つ以上のCpG部位でのメチル化の頻度の基準値範囲と比較して、前記患者由来の前記cfDNAにおけるSPINT2、RUNX3、PRDM2、APC、GSTP1、WIF1、SEPT9、HOXA1、PFKP、およびAK055957からなる群から選択される前記1つ以上の遺伝子における前記1つ以上のCpG部位でのメチル化の頻度の増加と組み合わせて、AFPの血液レベルの増加が、前記患者が、前記HCCの再発について陽性診断を有することを示す、請求項26~30のいずれか一項に記載の方法。
  32. 前記cfDNA試料が、cfDNAを含む血液試料または血漿試料である、請求項26~31のいずれか一項に記載の方法。
  33. 前記cfDNAにおけるCpG部位の前記メチル化を前記検出することが、メチル化感受性任意プライミングポリメラーゼ連鎖反応(MS AP-PCR)、メチル化感受性単一ヌクレオチドプライマー伸長(Ms-SNuPE)、メチル化特異的PCR(MSP)、メチル化感受性DNA制限酵素分析、制限酵素ベースの配列決定、制限酵素ベースのマイクロアレイ分析、複合バイサルファイト制限分析(COBRA)、メチル化CpGアイランド増幅(MCA)、メチル化CpGアイランド増幅およびマイクロアレイ(MCAM)、ライゲーション媒介PCRによるHpaII極小フラグメント濃縮(HELP)、バイサルファイト配列決定、バイサルファイトマイクロアレイ分析、メチル化特異的パイロ配列決定、HELP配列決定(HELP-seq)、TET支援ピリジンボラン配列決定(TAPS)、Glal加水分解およびライゲーションアダプター依存PCR(GLAD-PCR)、メチル化DNA免疫沈降配列決定(MeDIP-Seq)、もしくはメチル化DNA免疫沈降マイクロアレイ分析(MeDIPチップ)、メチル感受性制限酵素でのサザンブロッティング、またはメチル化特異的巨大磁気抵抗センサーベースのマイクロアレイ分析を実施することを含む、請求項26~32のいずれか一項に記載の方法。
  34. cfDNAにおけるSPINT2、RUNX3、PRDM2、APC、GSTP1、WIF1、SEPT9、HOXA1、PFKP、およびAK055957遺伝子におけるCpG部位のメチル化を検出するための薬剤を含む、キット。
  35. 前記CpG部位が、cg15607538、cg08572734、cg00577935、cg03667968、cg08571859、cg02659086、cg04673590、cg09420439、cg26744375、cg08465862、cg14250130、cg00922376、cg05346841、cg26421310、cg13629563、cg06848185、cg17300544、cg22522066、cg24166864、およびcg26397188、ならびにそれらの200ヌクレオチド内に位置するCpG部位から選択される1つ以上のCpG部位を含む、請求項34に記載のキット。
  36. 前記CpG部位が、cg15607538、cg08572734、cg00577935、cg03667968、cg08571859、cg02659086、cg04673590、cg09420439、cg26744375、cg08465862、cg14250130、cg00922376、cg05346841、cg26421310、cg13629563、cg06848185、cg17300544、cg22522066、cg24166864、およびcg26397188を含む、請求項35に記載のキット。
  37. メチル化感受性任意プライミングポリメラーゼ連鎖反応(MS AP-PCR)、メチル化感受性単一ヌクレオチドプライマー伸長(Ms-SNuPE)、メチル化特異的PCR(MSP)、メチル化感受性DNA制限酵素分析、制限酵素ベースの配列決定、制限酵素ベースのマイクロアレイ分析、複合バイサルファイト制限分析(COBRA)、メチル化CpGアイランド増幅(MCA)、メチル化CpGアイランド増幅およびマイクロアレイ(MCAM)、ライゲーション媒介PCRによるHpaII極小フラグメント濃縮(HELP)、バイサルファイト配列決定、バイサルファイトマイクロアレイ分析、メチル化特異的パイロ配列決定、HELP配列決定(HELP-seq)、TET支援ピリジンボラン配列決定(TAPS)、Glal加水分解およびライゲーションアダプター依存PCR(GLAD-PCR)、メチル化DNA免疫沈降配列決定(MeDIP-Seq)、もしくはメチル化DNA免疫沈降マイクロアレイ分析(MeDIPチップ)、メチル感受性制限酵素でのサザンブロッティング、またはメチル化特異的巨大磁気抵抗センサーベースのマイクロアレイ分析を実施するための薬剤をさらに含む、請求項34~36のいずれか一項に記載のキット。
  38. 前記薬剤が、バイサルファイト試薬、メチル化感受性制限酵素、CpGジヌクレオチドを含有するDNA領域を選択的に増幅するPCRプライマー、メチル化特異的プライマー、メチル化特異的プローブ、またはそれらの組み合わせを含む、請求項34~37のいずれか一項に記載のキット。
  39. 前記薬剤が、配列番号1~432からなる群から選択される配列を含む少なくとも1つのプローブを含む、請求項34~38のいずれか一項に記載のキット。
  40. AFPを測定するための試薬をさらに含む、請求項34~39のいずれか一項に記載のキット。
  41. 肝細胞がん(HCC)の診断、HCCの再発の検出、またはHCCの治療のモニタリングのために前記キットを使用するための説明書をさらに含む、請求項34~40のいずれか一項に記載のキット。
  42. 患者における肝細胞がん(HCC)を診断するインビトロ方法であって、
    a)前記患者から循環遊離DNA(cfDNA)試料を取得することと、
    b)前記cfDNAの1つ以上の遺伝子における1つ以上のCpG部位でのメチル化を検出することであって、前記1つ以上の遺伝子が、SPINT2、RUNX3、PRDM2、APC、GSTP1、WIF1、SEPT9、HOXA1、PFKP、およびAK055957からなる群から選択され、対照cfDNA試料の前記cfDNAにおける前記1つ以上のCpG部位でのメチル化の頻度の基準値範囲と比較して、前記患者由来の前記cfDNA試料におけるSPINT2、RUNX3、PRDM2、APC、GSTP1、WIF1、SEPT9、HOXA1、PFKP、およびAK055957からなる群から選択される前記1つ以上の遺伝子における前記1つ以上のCpG部位でのメチル化の頻度の増加が、前記患者が前記HCCについて陽性診断を有することを示す、検出することと、を含む、方法。
  43. 前記CpG部位が、cg15607538、cg08572734、cg00577935、cg03667968、cg08571859、cg02659086、cg04673590、cg09420439、cg26744375、cg08465862、cg14250130、cg00922376、cg05346841、cg26421310、cg13629563、cg06848185、cg17300544、cg22522066、cg24166864、およびcg26397188、ならびにそれらの200ヌクレオチド内に位置するCpG部位から選択される、請求項42に記載の方法。
  44. メチル化のレベルを前記測定することが、前記cg15607538、cg08572734、cg00577935、cg03667968、cg08571859、cg02659086、cg04673590、cg09420439、cg26744375、cg08465862、cg14250130、cg00922376、cg05346841、cg26421310、cg13629563、cg06848185、cg17300544、cg22522066、cg24166864、およびcg26397188 CpG部位のメチル化のレベルを測定することを含む、請求項43に記載の方法。
  45. 前記cfDNAにおけるCpG部位の前記メチル化を前記検出することが、メチル化感受性任意プライミングポリメラーゼ連鎖反応(MS AP-PCR)、メチル化感受性単一ヌクレオチドプライマー伸長(Ms-SNuPE)、メチル化特異的PCR(MSP)、メチル化感受性DNA制限酵素分析、制限酵素ベースの配列決定、制限酵素ベースのマイクロアレイ分析、複合バイサルファイト制限分析(COBRA)、メチル化CpGアイランド増幅(MCA)、メチル化CpGアイランド増幅およびマイクロアレイ(MCAM)、ライゲーション媒介PCRによるHpaII極小フラグメント濃縮(HELP)、バイサルファイト配列決定、バイサルファイトマイクロアレイ分析、メチル化特異的パイロ配列決定、HELP配列決定(HELP-seq)、TET支援ピリジンボラン配列決定(TAPS)、Glal加水分解およびライゲーションアダプター依存PCR(GLAD-PCR)、メチル化DNA免疫沈降配列決定(MeDIP-Seq)、もしくはメチル化DNA免疫沈降マイクロアレイ分析(MeDIPチップ)、メチル感受性制限酵素でのサザンブロッティング、またはメチル化特異的巨大磁気抵抗センサーベースのマイクロアレイ分析を実施することを含む、請求項42~44のいずれか一項に記載の方法。
  46. 患者における肝細胞がん(HCC)の診断、HCCの再発の検出、またはHCCの治療のモニタリングのためのバイオマーカーとして使用するための、cg15607538、cg08572734、cg00577935、cg03667968、cg08571859、cg02659086、cg04673590、cg09420439、cg26744375、cg08465862、cg14250130、cg00922376、cg05346841、cg26421310、cg13629563、cg06848185、cg17300544、cg22522066、cg24166864、およびcg26397188、ならびにそれらの200ヌクレオチド内に位置するCpG部位から選択される、1つ以上のCpG部位でメチル化された、無細胞DNA。
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