JP2023509914A - トリシアノヘキサンを分離するためのプロセス - Google Patents

トリシアノヘキサンを分離するためのプロセス Download PDF

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Abstract

TCHストリームを生成するためのプロセスであって、第1の塔において、TCHおよび任意にアジポニトリルを含むアジポニトリルプロセスストリームを分離して、5wt.%超のアジポニトリルを含むアジポニトリルストリームと、TCHを含む第1のTCHストリームと、任意に高沸点成分および固体不純物を含む重質分ストリームとを形成するステップと;任意に1つまたは複数の塔によって、第1のTCHストリームを精製して、50wt.%超のTCHを含む精製されたTCHストリームを形成するステップとを含み;第1の塔が25mmHg未満の圧力低下で運転される、プロセス。【選択図】なし

Description

関連出願に対する参照
[0001]本願は、2019年12月30日に出願された米国仮出願第62/955,066号に対する優先権を主張し、これは、参照により本明細書に組み込まれる。
[0002]本開示は一般に、工業プロセスのプロセスストリームの精製によるトリシアノヘキサン(TCH)の製造に関する。より具体的には、本開示はアジポニトリル製造プロセスストリームから高純度のTCHを製造するためのプロセスに関する。
[0003]シアノカーボン、例えば、シアノ官能基を有する有機化合物が公知であり、様々な用途に広く使用されている。これらの化合物の多くは、アクリロニトリルおよびアジポニトリルを含め、様々なポリマー、例えばナイロン、ポリアクリロニトリル、またはアクリロニトリルブタジエンスチレンを調製するためのモノマーとして使用されている。特に、アジポニトリルは、ナイロン-6,6の製造のために水素化して1,6-ジアミノヘキサン(ヘキサメチレンジアミン(HMD))とすることができる。シアノカーボンを製造するいくつかの方法が当技術分野で公知である。例えば、アジポニトリルを製造する従来の方法は米国特許第3,844,911号に記載されるようにアクリロニトリルの電解水素化二量化である。この製造方法および他の製造方法は、多くの場合、少量の望ましい副産物を含むストリームを生じる。例えば、アジポニトリル製造プロセスの従来のストリームの中には、少量ではあるが、有意ではないとは言えない量のTCHを含有するものもあり得る。TCHはいくつかの工業製品の前駆体またはリチウムイオン電池用の添加物を始めとしていくつかの用途を有する。典型的には、これらのストリームの分離は非効率的であり、これらの量のTCHを効果的に捕捉することができなかった。結果として、ストリームは廃棄物ストリームとして処理され、例えば焼却される。したがって、貴重なTCHは、捕捉されることがない。
[0004]TCHの有用性は様々な参考文献に記載される。1つの例は米国特許第7,262,256号であり、これは80重量%以上の1,3,6-ヘキサントリカルボン酸を含むポリカルボン酸混合物を開示し、ここでポリカルボン酸混合物は98以上の明度指数L-値、-2.0~2.0の色質指数a-値および-2.0~3.0の色質指数b-値を有し、5,000重量ppm以下の窒素含有量を有する。特に、ポリカルボン酸混合物は主として1,3,6-トリシアノヘキサンを含むニトリル混合物を加水分解することにより得られる加水分解反応混合物から得られる。
[0005]別の例は米国特許出願公開第2013/0157119号であり、これはパッケージとして積層フィルムを使用する場合でも電解液の分解が抑制され、ガスの発生が低減される二次電池を開示する。そこに開示された二次電池は積重ねたラミネート型であり、正極および負極が互いに向き合うように配置された電極集合体、電解液ならびに電極集合体および前記電解液を収容するパッケージを含み、ここで負極は、リチウムと共に合金化されることができる金属(a)、リチウムイオンを吸蔵および放出することができる金属酸化物(b)ならびにリチウムイオンを吸蔵および放出することができる炭素材料(c)を含む負極活物質を、ポリイミドおよびポリアミドイミドから選択される少なくとも1種と共に負極集電体に結合することにより形成され、電解液は所定のニトリル化合物を含む。特に、1,3,6-ヘキサントリカルボニトリルを含有する電解液が開示される。
[0006]TCHに対するこれらのおよびその他の従来の用途に鑑みて、TCHを回収するためのコスト効率の良いプロセスに関する必要性が存在する。特に、より低い量のTCHを含むアジポニトリル製造プロセスストリームから高純度のTCHを効果的に回収し、したがって従来廃棄されていたTCHを捕捉するためのプロセスに対する必要性が存在する。
[0007]いくつかの実施形態において、本開示はTCHストリームを生成するためのプロセスであって、第1の塔において、TCHおよび任意にアジポニトリルを含むアジポニトリルプロセスストリームを分離して、5wt.%超のアジポニトリルを含むアジポニトリルストリームと、TCHを含む第1のTCHストリームと、任意に高沸点成分および固体不純物を含む重質分ストリームとを形成するステップと;任意に1つまたは複数の塔によって、第1のTCHストリームを精製して、50wt.%超のTCHおよび任意に1wt.%未満の不純物および/または1wt.%未満の高沸点成分の分解生成物、および/または1wt.%未満のアミンを含む精製されたTCHストリームを形成するステップとを含む、プロセスに関する。第1の塔および/または第2の塔は25mmHg未満の圧力低下で運転され得る。第1の塔および/または第2の塔は充填塔であってもよく、パッキングは任意に0.5mmHg/理論段未満の圧力低下を提供する高効率パッキングを含み得る。プロセスは、任意に25wt.%未満のTCHを含む粗アジポニトリルストリームをフラッシングして、アジポニトリルプロセスストリームと、高沸点成分および固体不純物を含む塔底ストリームを形成するステップをさらに含み得る。精製するステップは:第2の塔において、第1のTCHストリームを分離して、精製されたTCHストリームと、高沸点成分を含む重質分ストリームとを形成するステップを含み得る。滞留時間は8時間未満であり得る。TCHストリームは、TCH、0wt.%~0.05wt.%のアジポニトリル、0wt.%~0.1wt.%のジ(2-シアノエチル)アミン、0wt.%~0.05wt.%のシアノバレルアミド、および0wt.%~0.05wt.%のトリ(2-シアノエチル)アミンを含み得る。
[0008]本開示は、添付の図面を参照して以下に詳細に記載されるが、同様の数字は同様の部分を指定する。
[0009]図1は、中間アジポニトリルストリームを生成するためのプロセスの実施形態の図式的概観を図示する。 [0010]図2は、中間アジポニトリルストリームを生成するためのプロセスの別の実施形態の図式的概観を図示する。 [0011]図3は、中間アジポニトリルストリームを生成するためのプロセスの別の実施形態の図式的概観を図示する。 [0012]図4は、中間アジポニトリルストリームを生成するためのプロセスの別の実施形態の図式的概観を図示する。 [0013]図5は、中間アジポニトリルストリームを生成するためのプロセスの別の実施形態の図式的概観を図示する。
[0014]上記のように、いくつかの従来の製造プロセスストリーム、例えば、アジポニトリル製造プロセスストリームは、一定量の望ましい成分、例えば、トリシアノヘキサン(TCH)、例えば、1,3,6-ヘキサントリカルボニトリルおよび/または1,2,6-ヘキサントリカルボニトリルを含有する。典型的には、これらのストリームは廃棄物ストリームとして処理され、例えば、焼却される。しかし、発明者らは、これらのストリームの中に存在する成分を回収するためにこれらのストリームを効果的に分離し別の目的のために利用することが可能であることを見出した。特に、TCHは価値があるので、それを回収して(売り物になる)TCH製品を得るという願望がある。
[0015]しかし、発明者らは、アジポニトリル製造プロセスストリームからのTCHの分離が、場合によって、プロセスストリームの組成、例えば、アミン不純物および分解生成物の比較的高い含有量のために特に不安定であることを見出した(下記考察を参照)。そのような分離に関する文献はわずかである。ほとんどの分離文献はより高いTCH含有量のストリームの処理に関しており、比較的少量のTCHおよび様々な付随する不純物を含むプロセスストリームではない。
[0016]この度、ある特定の分離プロセスが多くの(アジポニトリル)プロセスストリームにおいてより少量のTCHの有効な回収を提供することが発見された。回収スキームの有効性のため、TCHは有利に捕捉され、どこかで使用され得るかまたは販売され得、結果として全体の生産効率の有意な改善が得られる。重要なことに、より少量のTCH含有量のストリームがより低い圧力低下(および場合によって短い滞留時間)で作動する分離装置を用いて処理されると、極めて効果的な分離が達成される。場合によっては、ストリームの特定の処理はTCHをかなり濃縮し、回収および/または再利用が実用的および実行可能になる。
[0017]理論に拘束されるものではないが、アミン不純物はTCHから分離するのが特に困難であると仮定される。例えば、TCHの沸点に近い沸点を有する成分、例えば、CVAの存在は従来のスキームで問題があることが判明した。多くの場合、アミン分離は高い塔圧力低下の作動に伴われ、結果として次に他の分離を困難にし、例えば、固体劣化を生じる。
[0018]さらに、いくつかのTCH含有ストリームはまた多くの低沸点および高沸点不純物も含有すると考えられる。異なる沸点に基づいて不純物を分離する従来の方法が公知であるが、発明者らはそのような方法がこれらのストリームからTCHを効果的に分離する際にうまくいかないことを見出した。特に、ある特定の高沸点不純物は従来の分離プロセスの間より低いまたはより高い沸点をもつものを始めとする他の不純物に分解する傾向があることが発見された。分解生成物はTCHの商業的に望ましい純度を満足する可能性を制限することが見出されるかもしれない。従来のTCH回収プロセスは、この分解を考慮しておらず、結果として追加の精製ステップを必要とし、効率の低下を招いている。特に、発明者らは、様々な精製操作における供給ストリームの滞留時間が分解に影響を及ぼすこと、および特定の精製操作において、任意に特定の圧力および/または温度で、滞留時間を、例えば、8時間未満に制限することにより、精製においてかなりの改善が達成されることを見出した。TCHの分離および/または精製の従来の方法はこれらの成分濃度、例えば、アミンおよび分解生成物濃度の最終のTCH収率に対する影響に関連する指針をほとんどまたは全く提供しない。
[0019]場合によっては、本開示は、例えば、典型的には廃棄物として処理されるより低い濃度のTCHを含むプロセスストリームから、TCHストリームを生成するプロセスに関する。プロセスは(第1の塔において)アジポニトリルプロセスストリームを分離して、アジポニトリルストリームと、第1のTCHストリームとを形成するステップを含む。いくつかの実施形態において、アジポニトリルプロセスストリームは、とりわけ、(より低い濃度の)TCHおよび任意にアジポニトリルを含む。第1のTCHストリームは、例えば、アジポニトリルプロセスストリーム中より高い濃度で存在するTCHを含む。アジポニトリルストリームはアジポニトリルを、例えば、10wt.%超のアジポニトリルを含む。場合によっては、分離ステップはまた、高沸点成分および固体不純物を含む重質分ストリームも形成する。分離は(第1の)塔、例えば、1つまたは複数の塔において起こる。そして、重要なことに、第1の塔は25mmHg未満の圧力低下で運転される。発明者らは、低い圧力低下の作動が、任意に本明細書で検討される他の分離パラメータと組み合わせて、かなりのプロセス効率、例えば、固体劣化の改善を提供する一方で、低いTCH含有量のアジポニトリルプロセスストリームを効果的に分離して、高純度の(第1の)TCHストリームを形成することを見出した。塔の圧力低下は周知の測定値であり、多くの化学工業(または化学)マニュアルで詳細に検討されている。上述のストリームの組成は以下でより詳細に検討される。上記のように、低い圧力低下の作動は、TCHの比較的低い含有量ならびにアミン不純物および分解生成物の比較的高い含有量に起因して、特定のアジポニトリルプロセスストリームで特にうまくいくと考えられる。
[0020]いくつかの実施形態において、(第1の)塔は25mmHg未満の圧力低下で運転され、例えば、22mmHg未満、20mmHg未満、17mmHg未満、15mmHg未満、13mmHg未満、11mmHg未満、10mmHg未満、8mmHg未満、7mmHg未満、5mmHg未満、または3mmHg未満で運転される。範囲の観点からは、(第1の)塔は0mmHg~25mmHgの範囲の圧力低下で運転されてもよく、例えば0.5mmHg~23mmHg、1mmHg~20mmHg、2mmHg~15mmHg、1mmHg~11mmHg、3mmHg~12mmHg、5mmHg~11mmHg、または5mmHg~7mmHgであってもよい。上限の観点からは、(第1の)塔は0mmHg超の圧力低下で運転されてもよく、例えば、0.1mmHg超、0.5mmHg超、1mmHg超、2mmHg超、3mmHg超、5mmHg超、または6mmHg超であってもよい。
[0021]場合によっては、第1の塔(および/またはそれに続く精製塔のいずれか)は充填塔であり、いくつかの実施形態において、パッキングは高効率パッキングを含む。高効率パッキングは有利なことに1.5mmHg/理論段未満の理論段当たりの圧力低下を提供してもよく、例えば、1.0mmHg未満、0.9mmHg未満、0.75mmHg未満、0.6mmHg未満、0.5mmHg未満、0.45未満、0.4未満、0.35未満、0.3未満、0.25未満、0.2未満、0.1未満、または0.05mmHg/理論段未満である。範囲の観点からは、高効率パッキングは0.01mmHg~1.5mmHgの範囲の理論段当たりの圧力低下を提供してもよく、例えば、0.01mmHg~1.0mmHg、0.05mmHg~1.0mmHg、0.1mmHg~1.0mmHg、0.2mmHg~0.9mmHg、0.3mmHg~0.6mmHg、0.01~0.45、0.05~0.4、0.1~0.35、0.15~0.35、または0.2~0.3であってもよい。上述の運転パラメータは他の塔にも適用可能である。
[0022]また、高効率パッキングは有利なことに所与の容積当たり高い理論段数を提供し得る。
[0023]場合によっては、第1の塔(および/またはそれに続く精製塔のいずれか)は短い滞留時間で作動し得る。プロセスの個々の分離および/または精製操作における供給ストリームの滞留時間は例えば、8時間未満に最小化され、例えば、7時間未満、6時間未満、5時間未満、または4時間未満とする。より短い滞留時間は(任意により低い圧力低下と組み合わせて)予想外に分離/精製効率に寄与する。
[0024]いくつかの実施形態において、プロセスは、第1のTCHストリームを1つまたは複数の(追加の)塔によって精製して、例えば50wt.%超のTCHを含む高純度のTCHストリームである精製されたTCHストリームを形成する任意選択のステップを含む。場合によっては、精製ステップはまた、第1の塔について開示された条件下、例えば、小さい圧力低下および短い滞留時間の下で作動する塔において行われる。一例として、第1および第2の塔は充填塔であり得、25mmHg未満の圧力低下で運転され得る。同様な利益がこれらの精製塔で見出されている。得られる精製されたTCHストリームは低い不純物含有量、例えば、低い分解生成物不純物含有量を有する。
[0025]いくつかの実施形態において、アジポニトリルプロセスストリームはフラッシュ操作の結果生じ得る。別の言い方をすれば、一般的な粗アジポニトリルストリーム(TCHおよびアジポニトリルを含む)は最初にフラッシングされてアジポニトリルプロセスストリームを形成した後に第1の塔に運搬され得る。場合によっては、プロセスは粗アジポニトリルストリームをフラッシングして、アジポニトリルプロセスストリームと、高沸点成分および固体不純物を含む塔底ストリームとを形成するステップを含む。
粗アジポニトリルストリーム
[0026]述べたように、粗アジポニトリルストリームおよびアジポニトリルプロセスストリームは、驚くべきことに開示されたプロセスを採用するとき効率的に分離することが判明した特定の組成を有する。特に、粗アジポニトリルストリームはTCH、アジポニトリル、高沸点成分、および低沸点成分を含み得る。従来の分離プロセスは、少量のTCHおよび/またはアジポニトリルを単離するのが困難であった。いくつかの実施形態において、粗アジポニトリルストリームは、別の工業化学製造プロセスの1つまたは複数のプロセスストリームであってもよい。例えば、供給ストリームは異なるプロセスまたはシステム、例えば、アジポニトリル、アクリロニトリル、シアン化アリル、ブチロニトリル、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、ポリアラミド、またはこれらの組み合わせの製造からの1つまたは複数のプロセスストリームを含み得る。特定の場合において、粗アジポニトリルストリームはアジポニトリルプロセスストリーム、例えば、アジポニトリル製造プロセスからの1つまたは複数のプロセスストリーム、パージストリーム、またはフラッシュ後留であり得る。場合によっては、複数のプロセスからのストリームを組み合わせてストリームを形成してもよい。従来のプロセスにおいて、そのようなTCH含有(および/またはアジポニトリル含有)ストリームは廃棄物ストリームとして処理され、例えば、排気または焼却されることが多く、貴重な成分が回収されない。本明細書に記載のように、これらのストリームからTCHおよび/またはアジポニトリルを回収することにより、TCHを回収して使用または販売し、したがって、効率および収益性を高めることができる。
[0027]いくつかの実施形態において、粗アジポニトリルプロセスストリームは70wt.%未満のTCHを含み、例えば、50wt.%未満、35wt.%未満、25wt%未満、20wt%未満、18wt%未満、15wt%未満、12wt%未満、10wt%未満、または5wt%未満である。範囲の観点からは、粗アジポニトリルプロセスストリームは0.1wt.%~70wt.%のTCHを含み、例えば、0.1wt.%~50wt.%、0.1wt.%~35wt.%、0.1wt%~25wt%、0.5wt%~23wt%、0.5wt%~20wt%、1wt%~15wt%、1.5wt%~12wt%、または2wt%~11wt%である。下限の観点からは、粗アジポニトリルプロセスストリームは、0.1wt%超のTCHを含んでもよく、例えば、0.3wt%超、0.5wt%超、0.7wt%超、1.0wt%超、1.5wt%超、2wt%超、または5wt%超であってもよい。
[0028]いくつかの実施形態において、粗アジポニトリルストリームはより多量のTCHを含む。一実施形態において、供給ストリームは供給ストリームの全重量を基準として0wt.%~90wt.%の範囲の量のTCHを含み、例えば、0wt.%~89wt.%、0wt.%~88wt.%、0wt.%~85wt.%、0wt.%~84wt.%、10wt.%~90wt.%、10wt.%~89wt.%、10wt.%~88wt.%、10wt.%~85wt.%、10wt.%~84wt.%、20wt.%~90wt.%、20wt.%~89wt.%、20wt.%~88wt.%、20wt.%~85wt.%、20wt.%~84wt.%、30wt.%~90wt.%、30wt.%~89wt.%、30wt.%~88wt.%、30wt.%~85wt.%、30wt.%~84wt.%、40wt.%~90wt.%、40wt.%~89wt.%、40wt.%~88wt.%、40wt.%~85wt.%、40wt.%~84wt.%、50wt.%~90wt.%、50wt.%~89wt.%、50wt.%~88wt.%、50wt.%~85wt.%、または50wt.%~84wt.%である。上限の観点からは、粗アジポニトリルストリームは90wt.%未満のTCHを含んでもよく、例えば、89wt.%、88wt.%未満、85wt.%未満、または84wt.%未満であってもよい。下限の観点からは、粗アクリロニトリルストリームは0wt.%超のTCHを含んでもよく、例えば、10wt.%超、20wt.%超、30wt.%超、40wt.%超、50wt%超、60wt%超、または70wt%超であってもよい。
[0029]粗アジポニトリルプロセスストリームは90wt%未満のアジポニトリルを含んでもよく、例えば、75wt.%未満、50wt.%未満、40wt%未満、35wt%未満、30wt%未満、20wt%未満、18wt%未満、15wt%未満、12wt%未満、10wt%未満、または5wt%未満であってもよい。範囲の観点からは、粗アジポニトリルプロセスストリームは0.1wt.%~90wt.%のアジポニトリルを含んでもよく、例えば、0.1wt.%~75wt.%、0.1wt%~40wt%のアジポニトリル、0.5wt%~30wt%、1wt%~20wt%、1wt%~18wt%、1wt%~10wt%、2wt%~15wt%、3wt%~15wt%、または5wt%~15wt%であってもよい。下限の観点からは、粗アジポニトリルプロセスストリームは0.1wt%超のアジポニトリルを含んでもよく、例えば、0.3wt%超、0.5wt%超、0.7wt%超、1.0wt%超、1.5wt%超、2wt%超、または5wt%超であってもよい。
[0030]場合によっては、粗アジポニトリルプロセスストリームはまた低沸点成分も含む。一般に、低沸点成分は、比較的低い沸点を有する不純物である。例えば、低沸点成分のそれぞれは、415℃未満の沸点を有してもよく、例えば、410℃未満、400℃未満、395℃未満、または390℃未満であってもよい。粗アジポニトリルプロセスストリーム中に存在し得る低沸点成分の例には、様々なシアノカーボン、例えば、アクリロニトリル、プロピオニトリル、ヒドロキシプロピオニトリル、モノシアノエチルプロピルアミン、スクシノニトリル、メチルグルタロニトリル、アジポニトリル、2-シアノシクロペンチリデンイミン、ビス-2-シアノエチルエーテル、ジ(2-シアノエチル)アミン、ジ-2-シアノエチルプロピルアミン、シアノバレルアミド、およびこれらの組み合わせが含まれる。場合によっては、「軽質分」という用語は、より低い沸点、例えばアジポニトリルより低い沸点またはTCHより低い沸点を有する成分を指す。
[0031]一実施形態において、粗アジポニトリルプロセスストリームは、0wt.%~70wt.%の範囲の量の低沸点成分を含み、例えば、0wt.%~65wt.%、0wt.%~60wt.%、0wt.%~55wt.%、0wt.%~50wt.%、5wt.%~70wt.%、5wt.%~65wt.%、5wt.%~60wt.%、5wt.%~55wt.%、5wt.%~50wt.%、10wt.%~70wt.%、10wt.%~65wt.%、10wt.%~60wt.%、10wt.%~55wt.%、10wt.%~50wt.%、12wt.%~70wt.%、12wt.%~65wt.%、12wt.%~60wt.%、12wt.%~55wt.%、1wt%~20wt%、2wt%~15wt%、3wt%~15wt%、1wt%~10wt%、12wt.%~50wt.%、15wt.%~70wt.%、15wt.%~65wt.%、15wt.%~60wt.%、15wt.%~55wt.%、または15wt.%~50wt.%である。上限の観点からは、粗アジポニトリルプロセスストリームは、70wt.%未満の低沸点成分を含んでもよく、例えば、65wt.%未満、60wt.%未満、55wt.%未満、50wt.%未満、20wt%未満、15wt%未満、または15wt%未満であってもよい。下限の観点からは、粗アジポニトリルプロセスストリームは、0wt.%超の低沸点成分を含んでもよく、例えば、1wt%超、2wt%超、3wt%超、5wt.%超、10wt.%超、12wt.%超、または15wt.%超であってもよい。
[0032]粗アジポニトリルストリームは、高沸点成分も含む。一般に、高沸点成分は、比較的高い沸点を有する不純物である。例えば、高沸点成分のそれぞれは、395℃超の沸点を有してもよく、例えば、400℃超、405℃超、408℃超、410℃超、または415℃超であってもよい。粗アジポニトリルストリーム中に存在し得る高沸点成分の例には、異性体トリシアノヘキサン、トリ(2-シアノエチル)アミン、およびこれらの組み合わせが含まれる。場合によっては、「重質分」という用語は、より高い沸点、例えば、アジポニトリルより高い沸点またはTCHより高い沸点を有する成分を指す。
[0033]一実施形態において、粗アジポニトリルプロセスストリームは、0wt.%~50wt.%の範囲の量の高沸点成分を含み、例えば、0wt.%~40wt.%、0wt.%~35wt.%、0wt.%~25wt.%、0wt.%~20wt.%、0.5wt.%~50wt.%、0.5wt.%~40wt.%、0.5wt.%~35wt.%、0.5wt.%~25wt.%、0.5wt.%~20wt.%、1wt.%~50wt.%、1wt.%~40wt.%、1wt.%~35wt.%、1wt.%~25wt.%、1wt.%~20wt.%、2wt.%~50wt.%、2wt.%~40wt.%、2wt.%~35wt.%、2wt.%~25wt.%、2wt.%~20wt.%、3wt.%~50wt.%、3wt.%~40wt.%、3wt.%~35wt.%、3wt.%~25wt.%、3wt.%~20wt.%、5wt%~15wt%、5wt.%~50wt.%、5wt.%~40wt.%、5wt.%~35wt.%、5wt.%~25wt.%、または5wt.%~20wt.%である。上限の観点からは、粗アジポニトリルプロセスストリームは、50wt.%未満の高沸点成分を含んでもよく、例えば、40wt.%未満、35wt.%未満、30wt.%未満、25wt.%未満、または20wt.%未満であってもよい。下限の観点からは、粗アジポニトリルプロセスストリームは、0wt.%超を含んでもよく、例えば、0.5wt.%超、1wt.%超、2wt.%超、3wt.%超、または5wt.%超であってもよい。
[0034]一実施形態において、粗アジポニトリルプロセスストリームは0wt.%~70wt.%の範囲の量の低沸点成分(軽質分)を含み、例えば、0wt.%~65wt.%、0wt.%~60wt.%、0wt.%~55wt.%、0wt.%~50wt.%、5wt.%~70wt.%、5wt.%~65wt.%、5wt.%~60wt.%、5wt.%~55wt.%、5wt.%~50wt.%、10wt.%~70wt.%、10wt.%~65wt.%、10wt.%~60wt.%、10wt.%~55wt.%、10wt.%~50wt.%、12wt.%~70wt.%、12wt.%~65wt.%、12wt.%~60wt.%、12wt.%~55wt.%、1wt%~20wt%、2wt%~15wt%、3wt%~15wt%、1wt%~10wt%、12wt.%~50wt.%、15wt.%~70wt.%、15wt.%~65wt.%、15wt.%~60wt.%、15wt.%~55wt.%、または15wt.%~50wt.%である。上限の観点からは、粗アジポニトリルプロセスストリームは70wt.%未満の低沸点成分を含んでもよく、例えば、65wt.%未満、60wt.%未満、55wt.%未満、50wt.%未満、20wt%未満、15wt%未満、または15wt%未満であってもよい。下限の観点からは、粗アジポニトリルプロセスストリームは0wt.%超の低沸点成分を含んでもよく、例えば、1wt%超、2wt%超、3wt%超、5wt.%超、10wt.%超、12wt.%超、または15wt.%超であってもよい。
[0035]一実施形態において、粗アジポニトリルストリームは0wt.%~20wt.%の範囲の量の重質分を含み、例えば、0wt.%~15wt.%、0wt.%~10wt.%、0wt.%~8wt.%、0wt.%~5wt.%、0.5wt.%~20wt.%、0.5wt.%~15wt.%、0.5wt.%~10wt.%、0.5wt.%~8wt.%、0.5wt.%~5wt.%、1wt.%~20wt.%、1wt.%~15wt.%、1wt.%~10wt.%、1wt.%~8wt.%、1wt.%~5wt.%、1.5wt.%~20wt.%、1.5wt.%~15wt.%、1.5wt.%~10wt.%、1.5wt.%~8wt.%、1.5wt.%~5wt.%、2wt.%~20wt.%、2wt.%~15wt.%、2wt.%~10wt.%、2wt.%~8wt.%、2wt.%~5wt.%、2.5wt.%~20wt.%、2.5wt.%~15wt.%、2.5wt.%~10wt.%、2.5wt.%~8wt.%、または2.5wt.%~5wt.%である。上限の観点からは、粗アジポニトリルストリームは20wt.%未満の重質分を含んでもよく、例えば、15wt.%未満、10wt.%未満、8wt.%未満、または5wt.%未満であってもよい。下限の観点からは、粗アジポニトリルストリームは0wt.%超の重質分を含んでもよく、例えば、0.5wt.%超、1wt.%超、1.5wt.%超、2wt.%超、または2.5wt.%超であってもよい。
[0036]いくつかの実施形態において、粗アジポニトリルストリームは固体不純物も含み得る。これらの不純物は、この温度および圧力条件下では固体である様々な有機不純物を含んでもよい。例えば、固体不純物は、固体シアノカーボン化合物を含んでもよい。一実施形態において、粗アジポニトリルストリームは、0wt.%~25wt.%の範囲の量の固体不純物を含み、例えば、0wt.%~20wt.%、0wt.%~15wt.%、または0wt.%~10wt.%である。上限の観点からは、粗アジポニトリルストリームは、25wt.%未満を含んでもよく、例えば、20wt.%未満、15wt.%未満、または10wt.%未満であってもよい。
[0037]いくつかの実施形態において、粗アジポニトリルプロセスストリームは、ニトリル(一般に、例えば、高沸点および/または低沸点ニトリル)を含む。一実施形態において、粗アジポニトリルプロセスストリームは、供給ストリームの全重量を基準として0wt.%~90wt.%の範囲の量のニトリルを含み、例えば、0wt.%~89wt.%、0wt.%~88wt.%、0wt.%~85wt.%、0wt.%~84wt.%、10wt.%~90wt.%、10wt.%~89wt.%、10wt.%~88wt.%、10wt.%~85wt.%、10wt.%~84wt.%、20wt.%~90wt.%、20wt.%~89wt.%、20wt.%~88wt.%、20wt.%~85wt.%、20wt.%~84wt.%、30wt.%~90wt.%、30wt.%~89wt.%、30wt.%~88wt.%、30wt.%~85wt.%、30wt.%~84wt.%、40wt.%~90wt.%、40wt.%~89wt.%、40wt.%~88wt.%、40wt.%~85wt.%、40wt.%~84wt.%、50wt.%~90wt.%、50wt.%~89wt.%、50wt.%~88wt.%、50wt.%~85wt.%、または50wt.%~84wt.%である。上限の観点からは、粗アジポニトリルプロセスストリームは、90wt.%未満のニトリルを含んでもよく、例えば、89wt.%、88wt.%未満、85wt.%未満、または84wt.%未満であってもよい。下限の観点からは、粗アジポニトリルプロセスストリームは、0wt.%超のニトリルを含んでもよく、例えば、10wt.%超、20wt.%超、30wt.%超、40wt.%超、または50超であってもよい。
フラッシングおよびアジポニトリルプロセスストリーム
[0038]上記のように、粗アジポニトリルストリームはフラッシングステップにおいて分離されて、アジポニトリルおよび低沸点成分(軽質分)ならびに(任意により少量の)高沸点成分(重質分)を含むアジポニトリルプロセスストリーム(塔頂ストリーム)と、高沸点成分および固体不純物を含む第1の塔底ストリームとを形成する。場合によっては、フラッシングステップは、粗アジポニトリルストリーム中に存在する重質分および/または固体不純物のかなりの部分(全てではないとしても)を除去する。発明者らは、さらなる加工の前に重質分を除去することは、高沸点成分の分解を有益に減少させ、それにより全精製プロセスの効率を向上させることを見出している。この最初の重質分の除去を行わないと、追加の非TCH成分が形成され、次いでこれを分離しなければならず、追加の操作と不確実性が生じる。さらに、発明者らは、重質分と固体不純物を早期に除去すると、塔の汚染が低減し、それが下流の効率を向上させ、それに続く分離操作の必要性を排除または低減することも見出している。フラッシングにおける供給ストリームの滞留時間は本明細書で検討されるように短い滞留時間であってもよい。
[0039]いくつかの実施形態において、第1の分離ステップは、フラッシャー、例えば、フラッシュ蒸発器における分離を含む。これらの実施形態において、粗アジポニトリルストリームは蒸発させられ、塔頂ストリーム、例えばアジポニトリルプロセスストリーム、および第1の塔底ストリームに分離される。様々なフラッシャーが当業者には公知であり、本明細書に記載の分離が達成される限り、任意適切なフラッシャーを採用してもよい。いくつかの実施形態において、フラッシャーにおける分離は、供給ストリームを加熱することなく、圧力を低下させることにより、例えば、断熱フラッシュにより引き起こされてもよい。他の実施形態において、フラッシャーにおける分離は、圧力を変化させることなく供給ストリームの温度を上昇させることにより引き起こされてもよい。さらに他の実施形態において、フラッシャーにおける分離は、供給ストリームを加熱しながら圧力を低下させることにより引き起こされてもよい。いくつかの実施形態において、第1の分離ステップはワイプ膜式蒸発器(WFE)によって達成される。
[0040]いくつかの実施形態において、フラッシングステップはフラッシュ蒸発器において減圧、例えば真空下で粗アジポニトリルストリームを分離するステップを含む。いくつかの実施形態において、フラッシュ蒸発器内の圧力は、3333.06Pa(25torr)未満に減圧され、例えば、2666.45Pa(20torr)未満、1333.22Pa(10torr)未満、666.612Pa(5torr)未満、または133.32Pa(1torr)未満とされる。いくつかの実施形態において、フラッシングステップのフラッシュ室は、一定の温度に保たれる。いくつかの実施形態において、フラッシュ室の温度は、175℃~235℃であってもよく、例えば、180℃~230℃、185℃~225℃、または190℃~220℃であってもよい。第1の塔底ストリームは、高沸点成分(重質分)を含む。第1の塔底ストリーム中に存在し得る重質分の例には、異性体トリシアノヘキサン、トリ(2-シアノエチル)アミン、およびこれらの組み合わせが含まれる。一実施形態において、第1の分離ステップはフラッシャーで行われ、第1の塔底ストリームは、異性体トリシアノヘキサンおよびトリ(2-シアノエチル)アミンを含む。第1の塔底ストリームは、固体不純物も含んでもよい。一実施形態において、フラッシングステップは、粗アジポニトリルストリームから固体不純物を全て(実質的に全て)除去する。別の言い方をすれば、本実施形態において、フラッシュ塔頂ストリームは、事実上0wt.%の固体不純物を含む。他の実施形態において、フラッシングステップは、100%未満の固体不純物を除去してもよく、例えば、99.9%未満、99%未満、または98%未満を除去してもよい。
[0041]いくつかの実施形態において、アジポニトリルプロセスストリームは99wt.%未満のTCHを含み、例えば、97wt%未満、90wt%未満、80wt%未満、70wt.%未満のTCH、例えば、50wt.%未満、35wt.%未満、25wt.%未満、20wt.%未満、18wt.%未満、15wt.%未満、12wt.%未満、10wt.%未満、または5wt.%未満である。範囲の観点からは、粗アジポニトリルストリームは0.1wt%~99wt%のTCHを含んでもよく、例えば、50wt%~99wt%、75wt%~98wt%、85wt%~98wt%、90wt%~97wt%、0.1wt.%~25wt.%、0.1wt.%~70wt.%、0.1wt.%~50wt.%、0.1wt.%~35wt.%、0.5wt.%~23wt.%、0.5wt.%~20wt.%、1wt.%~15wt.%、1.5wt.%~12wt.%、または2wt.%~11wt.%であってもよい。下限の観点からは、粗アジポニトリルストリームは0.1wt.%超のTCHを含んでもよく、例えば、0.3wt.%超、0.5wt.%超、0.7wt.%超、1.0wt.%超、1.5wt.%超、2wt.%超、5wt.%超、25wt%超、50wt%超、75wt%超、85wt%超、85wt%超、または90wt%超であってもよい。
[0042]アジポニトリルプロセスストリームは90wt%未満のアジポニトリルを含んでもよく、例えば、75wt%未満、50wt%未満、40wt%未満、35wt%未満、30wt%未満、20wt%未満、18wt%未満、15wt%未満、12wt%未満、10wt%未満、5wt%未満、4wt%未満、3wt%未満、または2wt%未満であってもよい。範囲の観点からは、アジポニトリルプロセスストリームは0.1wt%~90wt%のアジポニトリルを含んでもよく、例えば、0.1wt%~75wt%、0.1wt%~40wt%、0.1wt%~10wt%、0.1wt%~5wt%、0.5wt%~5wt%、0.5wt%~3wt%、0.5wt%~30wt%、1wt%~20wt%、2wt%~20wt%、5wt%~18wt%、または5wt%~15wt%であってもよい。下限の観点からは、アジポニトリルプロセスストリームは0.1wt%超のアジポニトリルを含んでもよく、例えば、0.3wt%超、0.5wt%超、0.7wt%超、1.0wt%超、1.5wt%超、2wt%超、または5wt.%超であってもよい。
[0043]一実施形態において、アジポニトリルプロセスストリームは0wt.%~70wt.%の範囲の量の軽質分を含み、例えば、0.1wt%~30wt%、0.1wt%~50wt%、0wt.%~25wt.%、0wt.%~20wt.%、0wt.%~15wt.%、0wt.%~10wt.%、1wt.%~30wt.%、1wt.%~25wt.%、1wt.%~20wt.%、1wt.%~15wt.%、1wt.%~10wt.%、2wt.%~30wt.%、2wt.%~25wt.%、2wt.%~20wt.%、2wt.%~15wt.%、2wt.%~10wt.%、3wt.%~30wt.%、3wt.%~25wt.%、3wt.%~20wt.%、0.1wt.%~10wt.%、0.1wt.%~5wt.%、0.3wt.%~3wt.%、0.5wt.%~2wt.%、1wt.%~3wt.%、3wt.%~15wt.%、3wt.%~10wt.%、4wt.%~30wt.%、4wt.%~25wt.%、4wt.%~20wt.%、4wt.%~15wt.%、4wt.%~10wt.%、5wt.%~30wt.%、5wt.%~25wt.%、5wt.%~20wt.%、5wt.%~15wt.%、または5wt.%~10wt.%である。上限の観点からは、アジポニトリルプロセスストリームは、70wt.%未満の軽質分を含んでもよく、例えば、50wt%未満、30wt%未満、25wt.%未満、20wt.%未満、15wt.%未満、10wt.%未満、5wt%未満、3wt%未満、または2wt%未満であってもよい。下限の観点からは、アジポニトリルプロセスストリームは、0wt.%超の軽質分を含んでもよく、例えば、0.1wt%超、0.3wt%超、0.5wt%超、1wt.%超、2wt.%超、3wt.%超、4wt.%超、または5wt.%超であってもよい。
[0044]一実施形態において、アジポニトリルプロセスストリームは、0wt.%~20wt.%の範囲の量の重質分を含み、例えば、0wt.%~15wt.%、0wt.%~10wt.%、0wt.%~8wt.%、0wt.%~5wt.%、0.5wt.%~20wt.%、0.5wt.%~15wt.%、0.5wt.%~10wt.%、0.5wt.%~8wt.%、0.5wt.%~5wt.%、1wt.%~20wt.%、1wt.%~15wt.%、1wt.%~10wt.%、1wt.%~8wt.%、1wt.%~5wt.%、1.5wt.%~20wt.%、1.5wt.%~15wt.%、1.5wt.%~10wt.%、1.5wt.%~8wt.%、1.5wt.%~5wt.%、2wt.%~20wt.%、2wt.%~15wt.%、2wt.%~10wt.%、2wt.%~8wt.%、2wt.%~5wt.%、2.5wt.%~20wt.%、2.5wt.%~15wt.%、2.5wt.%~10wt.%、2.5wt.%~8wt.%、または2.5wt.%~5wt.%である。上限の観点からは、アジポニトリルプロセスストリームは、20wt.%未満の重質分を含んでもよく、例えば、15wt.%未満、10wt.%未満、8wt.%未満、または5wt.%未満であってもよい。下限の観点からは、アジポニトリルプロセスストリームは、0wt.%超の重質分を含んでもよく、例えば、0.5wt.%超、1wt.%超、1.5wt.%超、2wt.%超、または2.5wt.%超であってもよい。
[0045]場合によっては、フラッシングステップは粗アジポニトリルストリームから重質分のかなりの部分を除去する。別の言い方をすれば、アジポニトリルプロセスストリームは含むとしても供給ストリーム中に最初に存在する重質分のうちの少量を含む。いくつかの実施形態において、アジポニトリルプロセスストリームは、供給ストリーム中に存在する重質分の70%未満を含み、例えば、65%未満、60%未満、55%未満、または50%未満である。
分離および第1のTCHストリーム
[0046]上記のように、アジポニトリルプロセスストリームは分離ステップにおいて分離されて、第1のTCHストリームと、アジポニトリルおよび軽質分(低沸点成分)を含むアジポニトリルストリームと、重質分(高沸点成分)を含む重質分ストリームとを形成する。分離ステップは、場合によっては、アジポニトリルプロセスストリーム中に存在する低沸点成分および高沸点成分のかなりの部分(全てではないとしても)を除去する。場合によっては、分離ステップは1つまたは複数の塔、例えば、2つの塔を含む。いくつかの実施形態において、分離ステップは、2つの塔を含み、第1の蒸留塔は塔頂ストリーム(アジポニトリルを含む)としての軽質分ストリームと、第2の塔底ストリームとを形成する。次いで、第2の塔底ストリームは第2の蒸留塔において分離されて、第3の塔底ストリームとしての重質分ストリームと、第3の塔頂ストリームとしてのTCHストリームを形成する。
[0047]本明細書で検討される様々な分離ステップは1つもしくは複数の蒸留塔および/または1つもしくは複数のフラッシュ蒸発器におけるアジポニトリルプロセスストリームの分離を含み得る。1つまたは複数の蒸留塔の構造は、非常に様々であってもよい。様々な蒸留塔が当業者に公知であり、本明細書に記載の分離が達成される限り、任意適切な塔を第2の分離ステップに採用してもよい。例えば、蒸留塔は、任意適切な分離デバイスまたは分離デバイスの組み合わせを含んでもよい。例えば、蒸留塔は1つの塔、例えば、標準蒸留塔、充填塔、抽出蒸留塔および/または共沸蒸留塔を含み得る。同様に、上記のように、様々なフラッシャーが当業者に公知であり、本明細書に記載の分離が達成される限り、任意適切なフラッシャーを第2の分離工程に採用してもよい。例えば、フラッシャーは、断熱フラッシュ蒸発器、加熱フラッシュ蒸発器、もしくはワイプ膜式蒸発器、またはこれらの組み合わせを含んでもよい。
[0048]分離ステップの実施形態は、前述のストリームが形成される限り、1つもしくは複数の蒸留塔および/または1つもしくは複数のフラッシャーの任意の組み合わせを含んでもよい。
[0049]例えば、一実施形態において、分離ステップは2つの連続する蒸留塔においてアジポニトリルプロセスストリームを分離するステップを含む。本実施形態において、第1の塔頂軽質分ストリームは、第1の蒸留塔において分離される。第2の塔頂軽質分ストリームが、第1の蒸留塔の塔頂(例えば、塔頂部および/または比較的高い位置の塔側抜出口(side draw))から収集され、第2の塔底(中間)重質分ストリームが、第1の蒸留塔の塔底(例えば、塔底部および/または比較的低い位置の塔側抜出口)から収集される。次いで、第2の塔底(中間)重質分ストリームの少なくとも一部が、第2の蒸留塔において分離される。第3の塔底重質分ストリームが、第2の蒸留塔の塔底(例えば、塔底部および/または比較的低い位置の塔側抜出口)から収集される。TCHストリームは、第2の蒸留塔の塔頂(例えば、塔頂部および/または比較的高い位置の塔側抜出口)から、例えば、第3の塔頂軽質分ストリームとして収集される。
[0050]別の実施形態において、分離ステップは3つの蒸留塔においてアジポニトリルプロセスストリームを分離するステップを含む。本実施形態において、このストリームは第1の蒸留塔において分離される。第2の塔頂軽質分ストリームは第1の蒸留塔の塔頂(例えば、塔頂部および/または比較的高い位置の塔側抜出口)から収集され、第2の塔底重質分ストリームは第1の蒸留塔の塔底(例えば、塔底部および/または比較的低い位置の塔側抜出口)から収集される。次いで第2の塔底重質分ストリームの少なくとも一部が第2の蒸留塔において分離される。第3の塔頂軽質分ストリームは第2の蒸留塔の塔頂(例えば、塔頂部および/または比較的高い位置の塔側抜出口)から収集され、第3の塔底重質分ストリームは第2の蒸留塔の塔底(例えば、塔底部および/または比較的低い位置の塔側抜出口)から収集される。次いで、第3の塔頂軽質分ストリームの少なくとも一部が、第3の蒸留塔において分離される。第4の塔底重質分ストリームが、第3の蒸留塔の塔底(例えば、塔底部および/または比較的低い位置の塔側抜出口)から収集され、TCHストリームは、第3の蒸留塔の頂部(例えば、塔頂部および/または比較的高い位置の塔側抜出口)から、例えば、第4の塔頂軽質分ストリームとして収集される。
[0051]別の実施形態において、分離ステップは、2つの蒸留塔および蒸発器(例えば、フラッシャー、WFE、または流下膜式蒸発器)においてアジポニトリルプロセスストリームを分離するステップを含む。本実施形態において、第1の塔頂軽質分ストリームは、第1の蒸留塔において分離される。第2の塔頂軽質分ストリームが、第1の蒸留塔の塔頂(例えば、塔頂部および/または比較的高い位置の塔側抜出口)から収集され、第2の塔底重質分ストリームが、第1の蒸留塔の塔底(例えば、塔底部および/または比較的低い位置の塔側抜出口)から収集される。次いで、第2の塔底重質分ストリームの少なくとも一部が第2の蒸留塔において分離される。第3の塔頂軽質分ストリームが、第2の蒸留塔の塔頂(例えば、塔頂部および/または比較的高い位置の塔側抜出口)から収集され、第3の塔底重質分ストリームが、第2の蒸留塔の塔底(例えば、塔底部および/または比較的低い位置の塔側抜出口)から収集される。次いで、第3の塔頂軽質分ストリームの少なくとも一部が、蒸発器において分離される。第4の塔頂軽質分ストリームが、蒸発器の頂部から収集され、TCHストリームは、蒸発器の塔底から、例えば、第4の塔底重質分ストリームとして収集される。
[0052]上記のように、低い圧力低下の塔作動は予想外に効果的であることが判明した。例えば、低い圧力低下の作動は、任意に本明細書で検討される他の分離パラメータと組み合わせて、かなりのプロセス効率、例えば、固体劣化の改善を提供する一方で、低いTCH含有量のアジポニトリルプロセスストリームを効果的に分離して、高純度の(第1の)TCHストリームを形成する。
TCHストリーム
[0053]開示された運転パラメータの結果として、いくつかの実施形態において、(第1の)TCHストリームは1wt%超のTCHを含んでもよく、例えば、5wt%超、10wt%超、20wt%超、25wt%超、30wt%超、35wt%超、50wt%超、75wt%超、85wt%超、90wt%超、93%超、または95wt%超であってもよい。範囲の観点からは、第1のTCHストリームは、1wt%~99.9wt%のTCHを含んでもよく、例えば、25wt%~99.9wt%、50wt%~99.9wt%、75wt%~99.9wt%、90wt%~99.9wt%、85wt%~99.5wt%、5wt%~99wt%、50wt%~99wt%、5wt%~95wt%、25wt%~90wt%、45wt%~90wt%、または50wt%~85wt%であってもよい。上限の観点からは、第1のTCHストリームは、99.9wt%未満のTCHを含み、例えば、99wt%未満、99.5wt%未満、95wt%未満、90wt%未満、85wt%未満、80wt%未満、75wt%未満、または65wt%未満である。
[0054]いくつかの実施形態において、(第1の)TCHストリームは、90wt.%~100wt.%の範囲のより多量のTCHを含み、例えば、90wt.%~99.9wt.%、90wt.%~99wt.%、90wt.%~98wt.%、92.5wt.%~100wt.%、92.5wt.%~99.9wt.%、92.5wt.%~99wt.%、92.5~98wt.%、95wt.%~100wt.%、95wt.%~99.9wt.%、95wt.%~99wt.%、95~98wt.%、97.5wt.%~100wt.%、97.5wt.%~99.9wt.%、97.5~99wt.%、または97.5~98wt.%である。上限の観点からは、TCHストリームは、100wt.%未満のTCHを含んでもよく、例えば、99.9wt.%未満、99wt.%未満、または98wt.%未満であってもよい。下限の観点からは、TCHストリームは、90wt.%超を含んでもよく、例えば、92.5wt.%超、95wt.%超、または97.5wt.%超であってもよい。従来のプロセスでは、このような高いTCH純度レベルを達成することはできなかった。
[0055]一実施形態において、TCHストリームは、0wt.%~10wt.%の範囲の量の不純物、例えば、重質分および/または軽質分を含み、例えば、0wt.%~7.5wt.%、0wt.%~5wt.%、0wt.%~2.5wt.%、0.1wt.%~10wt.%、0.1wt.%~7.5wt.%、0.1wt.%~5wt.%、0.1wt.%~2.5wt.%、0.1wt.%~1.5wt.%、0.2wt.%~1.2wt.%、0.3wt.%~1.5wt.%、0.5wt.%~1.0wt.%、1wt.%~10wt.%、1wt.%~7.5wt.%、1wt.%~5wt.%、1wt.%~2.5wt.%、2wt.%~10wt.%、2wt.%~7.5wt.%、2wt.%~5wt.%、または2wt.%~2.5wt.%である。上限の観点からは、TCHストリームは、10wt.%未満の不純物を含んでもよく、例えば、7.5wt.%未満、5wt.%未満、2.5wt.%未満、1.5wt.%未満、1.2wt.%、または1.0wt.%未満であってもよい。下限の観点からは、TCHストリームは、0wt.%超の不純物を含んでもよく、例えば、0.1wt.%超、1wt.%超、または2wt.%超であってもよい。TCHストリームは、これらの量のアミンおよび/またはニトリルを含んでもよい。場合によっては、分離においてより低い圧力を使用すると、驚くべきことに、TCHの沸点に近い沸点を有する成分、例えば、CVAの分離が改善される。これらの範囲および限界は、重質分および軽質分に個別に、または組み合わされて適用される。
[0056]一実施形態において、第1のTCHストリームは0wt.%~0.05wt.%のアジポニトリル、0wt.%~0.1wt.%のジ(2-シアノエチル)アミン、0wt.%~0.05wt.%のシアノバレルアミド、および0wt.%~0.05wt.%のトリ(2-シアノエチル)アミンを含む。
[0057](第1の)TCHストリームは、25wt.%未満のアジポニトリルを含んでもよく、例えば、23wt.%未満、20wt.%未満、18wt.%未満、15wt.%未満、12wt.%未満、10wt.%未満、8wt.%未満、5wt.%未満、3wt.%未満、1wt.%未満、0.05wt.%未満、または0.03wt.%未満であってもよい。範囲の観点からは、(第1の)TCHストリームは、0.001wt.%~25wt.%のアジポニトリルを含んでもよく、例えば、0.05wt.%~5wt.%、0.1wt.%~25wt.%、0.5wt.%~22wt.%、1wt.%~20wt.%、2wt.%~20wt.%、または5wt.%~18wt.%であってもよい。下限の観点からは、(第1の)TCHストリームは、0.001wt.%超のアジポニトリルを含んでもよく、例えば、0.01wt%超、0.01wt.%超、0.5wt.%超、1.0wt.%超、2.0wt.%超、5.0wt.%超、10wt.%、または15wt.%超であってもよい。
[0058]一実施形態において、TCHストリームは0wt.%~0.05wt.%のアジポニトリル、0wt.%~0.1wt.%のジ(2-シアノエチル)アミン、0wt.%~0.05wt.%のシアノバレルアミド、および0wt.%~0.05wt.%のトリ(2-シアノエチル)アミンを含む。
アジポニトリルストリーム
[0059]いくつかの実施形態において、アジポニトリルストリームは1wt%超のTCHを含んでもよく、例えば、5wt%超、10wt%超、20wt%超、25wt%超、30wt%超、35wt%超、50wt%超、60wt%超、または70wt%超であってもよい。範囲の観点からは、アジポニトリルストリームは1wt%~95wt%、5wt%~95wt%、20wt%~95wt%、30wt%~95wt%、45wt%~80wt%、50wt%~95wt%、60wt%~90wt%、70wt%~90wt%、25wt%~75wt%、30wt%~70wt%、または40wt%~60wt%のTCHを含んでもよい。下限の観点からは、アジポニトリルストリームは95wt%未満のTCHを含み、例えば、90wt%未満、85wt%未満、80wt%未満、75wt%未満、65wt%未満、または60wt.%未満である。
[0060]いくつかの実施形態において、アジポニトリルストリームは1wt%超のアジポニトリルを含んでもよく、例えば、5wt%超、6wt%超、10wt%超、20wt%超、25wt%超、30wt%超、35wt%超、または50wt%超であってもよい。範囲の観点からは、アジポニトリルストリームは1wt%~95wt%、5wt%~95wt%、7wt%~75wt%、5wt%~35wt%、6wt%~30wt%、25wt%~75wt%、30wt%~70wt%、または40wt%~60wt%のアジポニトリルを含んでもよい。下限の観点からは、アジポニトリルストリームは95wt%未満のTCHを含み、例えば、90wt%未満、85wt%未満、80wt%未満、75wt%未満、65wt%未満、60wt%未満、または30wt%未満である。
[0061]アジポニトリルストリームは70wt%未満の軽質分を含んでもよく、例えば、50wt%未満、35wt%未満、25wt%未満、20wt%未満、15wt%未満、12wt%未満、または10wt%未満であってもよい。範囲の観点からは、アジポニトリルストリームは0.1wt%~70wt%の軽質分を含んでもよく、例えば、0.1wt%~50wt%、0.1wt%~25wt%、0.5wt%~25wt%、10wt%~25wt%、1wt%~20wt%、2wt%~18wt%、2wt%~15wt%、または2wt%~10wt%であってもよい。下限の観点からは、アジポニトリルストリームは0.1wt%超の軽質分を含んでもよく、例えば、0.3wt%超、0.5wt%超、0.7wt%超、1.0wt%超、1.5wt%超、2wt%超、または5wt%超であってもよい。上記のように、場合によっては、「軽質分」という用語はより低い沸点、例えば、アジポニトリルより低い沸点またはTCHより低い沸点を有する成分を指す。
[0062]アジポニトリルストリームは高沸点成分(重質分)を含む。一実施形態において、アジポニトリルストリームは0.1wt%~50wt%の範囲の量の高沸点成分を含む、例えば、0.1wt.%~20wt.%、0.1wt.%~10wt.%、0.5wt.%~10wt.%、0.5wt.%~5wt.%、1wt.%~3wt.%、5wt.%~50wt.%、例えば、5wt.%~45wt.%、5wt.%~40wt.%、5wt.%~35wt.%、5wt.%~30wt.%、8wt.%~50wt.%、8wt.%~45wt.%、8wt.%~40wt.%、8wt.%~35wt.%、8wt.%~30wt.%、10wt.%~50wt.%、10wt.%~45wt.%、10wt.%~40wt.%、10wt.%~35wt.%、10wt.%~30wt.%、12wt.%~50wt.%、12wt.%~45wt.%、12wt.%~40wt.%、12wt.%~35wt.%、12wt.%~30wt.%、15wt.%~50wt.%、15wt.%~45wt.%、15wt.%~40wt.%、15wt.%~35wt.%、または15wt.%~30wt.%である。上限の観点からは、アジポニトリルストリームは50wt.%未満の高沸点成分を含んでもよく、例えば、45wt.%未満、40wt.%未満、35wt.%未満、30wt.%未満、20wt.%未満、10wt.%未満、5wt.%未満、または3wt.%未満であってもよい。下限の観点からは、アジポニトリルストリームは0.1wt.%超の高沸点成分を含んでもよく、例えば、0.5wt%超、1wt.%超、5wt.%超、8wt.%超、10wt.%超、12wt.%超、または15wt.%超であってもよい。
[0063]場合によっては、分離は2塔システムにおいて達成され得る。第1の塔はアジポニトリルストリームおよび中間塔底ストリームを生じ、後者は第2の塔に供給される。中間塔底ストリームは多量のTCHを含んでもよく、次いで、例えば、1つまたは複数の追加の塔においてさらに分離されてもよい。例えば、中間塔底ストリームは、いくつかの実施形態において、90wt.%~100wt.%の範囲の多量のTCHを含み、例えば、90wt.%~99.9wt.%、90wt.%~99wt.%、90wt.%~98wt.%、92.5wt.%~100wt.%、92.5wt.%~99.9wt.%、92.5wt.%~99wt.%、92.5~98wt.%、95wt.%~100wt.%、95wt.%~99.9wt.%、95wt.%~99wt.%、95~98wt.%、97.5wt.%~100wt.%、97.5wt.%~99.9wt.%、97.5~99wt.%、または97.5~98wt.%である。上限の観点からは、中間塔底ストリームは、100wt.%未満のTCHを含んでもよく、例えば、99.9wt.%未満、99wt.%未満、または98wt.%未満であってもよい。下限の観点からは、中間塔底ストリームは、90wt.%超を含んでもよく、例えば、92.5wt.%超、95wt.%超、または97.5wt.%超であってもよい。
[0064]中間塔底ストリームは少量のアジポニトリルおよび軽質分をさらに含み得る(TCHストリームについて本明細書で検討されたのと同様の量)。中間塔底ストリームは重質分をさらに含み得る((第2の)中間アジポニトリルストリームについて本明細書で検討されたのと同様の量)。
[0065]場合によっては、中間塔底ストリームはさらに分離されて、例えば、塔底重質分ストリームおよびTCHストリームを生じ得る。
重質分ストリーム
[0066]開示された運転パラメータの結果として、いくつかの実施形態において、場合によっては2塔システムの第2の塔からの塔底ストリームであってもよい重質分ストリームは多量のTCHならびに重質分を含み得る。
[0067]重質分ストリームは高沸点成分(重質分)を含む。一実施形態において、重質分ストリームは0.1wt%~50wt.%の範囲の量の高沸点成分を含み、例えば、0.1wt.%~20wt.%、0.1wt.%~10wt.%、0.5wt.%~10wt.%、0.5wt.%~5wt.%、1wt.%~3wt.%、5wt.%~50wt.%、例えば、5wt.%~45wt.%、5wt.%~40wt.%、5wt.%~35wt.%、5wt.%~30wt.%、8wt.%~50wt.%、8wt.%~45wt.%、8wt.%~40wt.%、8wt.%~35wt.%、8wt.%~30wt.%、10wt.%~50wt.%、10wt.%~45wt.%、10wt.%~40wt.%、10wt.%~35wt.%、10wt.%~30wt.%、12wt.%~50wt.%、12wt.%~45wt.%、12wt.%~40wt.%、12wt.%~35wt.%、12wt.%~30wt.%、15wt.%~50wt.%、15wt.%~45wt.%、15wt.%~40wt.%、15wt.%~35wt.%、または15wt.%~30wt.%である。上限の観点からは、重質分ストリームは50wt.%未満の高沸点成分を含んでもよく、例えば、45wt.%未満、40wt.%未満、35wt.%未満、30wt.%未満、20wt.%未満、10wt.%未満、5wt.%未満、または3wt.%未満であってもよい。下限の観点からは、第2の塔底重質分ストリームは、0.1wt.%超の高沸点成分を含んでもよく、例えば、0.5wt%超、1wt.%超、5wt.%超、8wt.%超、10wt.%超、12wt.%、または15wt.%超であってもよい。
[0068]場合によっては、重質分ストリームは90wt.%~100wt.%の範囲の量のTCHを含んでもよく、例えば、90wt.%~99.9wt.%、90wt.%~99wt.%、90wt.%~98wt.%、92.5wt.%~100wt.%、92.5wt.%~99.9wt.%、92.5wt.%~99wt.%、92.5~98wt.%、95wt.%~100wt.%、95wt.%~99.9wt.%、95wt.%~99wt.%、95~98wt.%、97.5wt.%~100wt.%、97.5wt.%~99.9wt.%、97.5~99wt.%、または97.5~98wt.%であってもよい。上限の観点からは、重質分ストリームは100wt.%未満のTCHを含んでもよく、例えば、99.9wt.%未満、99wt.%未満、または98wt.%未満であってもよい。下限の観点からは、重質分ストリームは90wt.%超を含んでもよく、例えば、92.5wt.%超、95wt.%超、または97.5wt.%超である。
[0069]いくつかの実施形態において、重質分ストリームは少量の軽質分および/またはアジポニトリルを含み得る。例えば、重質分ストリームは中間塔底ストリームまたはTCHストリームに関して上で検討されたのと同様の量の軽質分および/またはアジポニトリルを含み得る。重質分ストリームはアジポニトリルストリームについて本明細書で検討されたのと同様の量の重質分をさらに含み得る。
精製
[0070]場合によっては、第1のTCHストリームはさらに精製されて、精製されたTCHストリームを生じる。場合によっては、精製は1つまたは複数の塔における精製を含む。塔作動は第1の塔に関して開示された通り、例えば、低い圧力低下および/または高効率パッキング材料であり得る。顕著な利益がこれらの作動に伴う。
[0071]場合によっては、精製されたTCHストリームはTCHを含む。一実施形態において、精製されたTCHストリームは90wt.%~100wt.%の範囲の量のTCHを含み、例えば、90wt.%~99.9wt.%、90wt.%~99wt.%、90wt.%~98wt.%、92.5wt.%~100wt.%、92.5wt.%~99.9wt.%、92.5wt.%~99wt.%、92.5~98wt.%、95wt.%~100wt.%、95wt.%~99.9wt.%、95wt.%~99wt.%、95~98wt.%、97.5wt.%~100wt.%、97.5wt.%~99.9wt.%、97.5~99wt.%、または97.5~98wt.%である。上限の観点からは、精製されたTCHストリームは100wt.%未満のTCHを含んでもよく、例えば、99.9wt.%未満、99wt.%未満、または98wt.%未満であってもよい。下限の観点からは、精製されたTCHストリームは90wt.%超を含んでもよく、例えば、92.5wt.%超、95wt.%超、または97.5wt.%超であってもよい。従来のプロセスはそのような高いTCH純度レベルを達成することができなかった。
[0072]一実施形態において、精製されたTCHストリームは不純物、例えば、アジポニトリル、アミン、およびその他の不純物を、第1のTCHストリームに関して本明細書で検討された量で含む。
[0073]場合によっては、第1の塔頂ストリーム(第1の塔からの)は、任意に1つまたは複数の蒸留塔によって精製されて、50wt%超のアジポニトリルを含む精製されたアジポニトリルストリームを形成する。場合によっては、中間アジポニトリルストリームは、プロセス外の既存の精製設備を使用して、例えば、異なるプロセスのための分離トレインにおいて精製されてもよい。
[0074]いくつかの実施形態において、精製されたアジポニトリルストリームは、10wt%超のアジポニトリルを含み、例えば、25wt%超、50wt%超、75wt%超、90wt%超、92wt%超、95wt%超、または97wt%超である。範囲の観点からは、精製されたアジポニトリルストリームは、50wt%~100wt%のアジポニトリルを含んでもよく、例えば、50wt%~99.5wt%、65wt%~99wt%、75wt%~99wt%、90wt%~97wt%、または90wt%~95wt%であってもよい。
[0075]場合によっては、精製されたアジポニトリルストリームとTCHストリームの両方が存在する(本明細書に記載のように)。いくつかの実施形態において、精製されたアジポニトリルストリームは、95wt%超のアジポニトリルを含み、TCHストリームは、95wt%超のTCHを含む。
[0076]場合によっては、第1の塔頂ストリームの精製は、外部のシステム、例えばアジポニトリル製造プロセスにおける精製プロセスなどにおいて行われてもよい。
分解
[0077]上記のように、発明者らは現在、従来のTCH精製プロセスにおいては、ある特定の高沸点成分がより高い沸点および/またはより低い沸点の両方を有する不純物に分解されやすいことを見出している。発明者らはまた、従来のプロセスではTCHさえ高い圧力および/または温度で分解する可能性があることも見出した。特に、発明者らはこの度、塔内のような高い圧力および/または温度への長時間の曝露が高沸点成分の分解に寄与することを見出した。本明細書に開示された特定のプロセスパラメータを利用することにより、この分解が効果的に軽減されることができる。
[0078]従来のプロセスは、高沸点成分、例えば大気圧で約407℃のTCHの存在のため、典型的にはプロセスストリームを高温に曝露することを必要とする。したがって、当業者であれば理解できるように、TCHの精製は従来、プロセスストリームを高温、例えば、少なくとも350℃、少なくとも375℃、少なくとも400℃、または少なくとも410℃に曝露することを必要とする。しかし、これらの高温では、本発明者らは、高沸点成分、例えばTCHおよびアジポニトリルが急速に分解することを見出している。結果として、従来のプロセスは、非常に非効率的となる。しかし、本明細書に開示する特定のプロセスパラメータを利用することにより、この分解を効果的に軽減または排除することができる。
[0079]一態様において、精製プロセスは、例えば、分離操作においてプロセスストリームが高温に曝露される滞留時間を短縮することにより分解を抑制してもよい。一般に、プロセスストリームは、塔内で高温および/または高圧に曝露されることがある。長時間の曝露を減らすため、プロセスは、所与の塔におけるストリームの滞留時間を短縮してもよい。例えば、プロセスは、塔におけるアジポニトリルプロセスストリーム(もしくは別の精製ストリーム)の滞留時間を制御してもよい。一実施形態において、プロセスは、塔におけるアジポニトリルプロセスストリーム(もしくは別の精製ストリーム)の滞留時間を8時間未満に制限し、例えば、7時間未満、6時間未満、5時間未満、または4時間未満とする。
[0080]いくつかの態様において、精製プロセスは高い圧力および/または圧力低下に対するプロセスストリームの曝露を減らすことにより分解を抑制し得る。例えば、プロセスはアジポニトリルプロセスストリーム(または別の精製ストリーム)が例えば分離ステップにおいて曝露される圧力を制御し得る。一実施形態において、精製プロセスは分離ステップが行われる圧力を制限する。例えば、運転圧力は6666.12Pa(50torr)未満に制限されてもよく、例えば、5999.51Pa(45torr)未満、5332.89Pa(40torr)未満、4666.28Pa(35torr)未満、3999.67Pa(30torr)未満、または3333.06Pa(25torr)未満とされてもよい。高圧への長時間の曝露を減らすために、プロセスは所与の塔におけるストリームの滞留時間を短縮してもよい。例えば、プロセスは高圧塔(例えば、6666.12Pa(50torr)超の高い圧力の塔)におけるアジポニトリルプロセスストリームの滞留時間を制御し得る。
[0081]いくつかの態様において、精製プロセスは、第2の分離ステップにおいて1つまたは複数(例えば、全て)の蒸留塔を減圧で運転することにより分解を抑制してもよい。圧力が低いほど、高沸点成分の沸点が低下し、高温への曝露を用いたプロセスストリームの効果的な分離が可能となる。別の言い方をすれば、第2の分離の蒸留塔の少なくとも1つは、低圧蒸留塔である。一実施形態において、低圧蒸留塔は、100mmHg未満の塔頂部圧力で運転され、例えば、80mmHg未満、60mmHg未満、40mmHg未満、20mmHg未満、15mmHg未満、10mmHg未満、5mmHg未満、または3mmHg未満とされる。一実施形態において、低圧蒸留塔は、100mmHg未満の塔底部圧力で運転され、例えば、80mmHg未満、60mmHg未満、40mmHg未満、20mmHg未満、15mmHg未満、10mmHg未満、5mmHg未満、または3mmHg未満とされる。一実施形態において、低圧蒸留塔は、真空下で運転される。
[0082]一態様において、分離および/または精製ステップは、プロセスストリームの高温への曝露を低減することにより分解を抑制してもよい。例えば、プロセスは、例えば分離ステップにおいて、アジポニトリルプロセスストリーム(または別の精製ストリーム)が曝露される温度を制御してもよい。一実施形態において、精製プロセスは、分離ステップが行われる温度を制限する。例えば、運転温度は、350℃未満に制限されてもよく、例えば、325℃未満、300℃未満、275℃未満、または250℃未満とされてもよい。範囲の観点からは、運転温度は、225℃~350℃の範囲であってもよく、例えば、250℃~325℃もしくは275℃~300℃、または250℃~275℃であってもよい。
[0083]いくつかの態様において、プロセスは、ストリームが曝露される温度と、その温度に曝露される時間の両方を制御してもよい。例えば、プロセスは、塔におけるアジポニトリルプロセスストリーム(もしくは別の精製ストリーム)の滞留時間だけでなく、その蒸留塔の温度も制御してもよい。一実施形態において、230℃超の温度におけるストリームの滞留時間は8時間未満である。温度および滞留時間に関する前述の範囲および限界は、互いに組み合わされてもよい。
[0084]いくつかの態様において、プロセスは、ストリームが曝露される温度と曝露される圧力の両方を制御してもよい。一実施形態において、プロセスは、ストリームが300℃超の温度または4666.28Pa(35torr)超の圧力に曝露されないように制御されてもよい。
[0085]他の態様において、プロセスは、ある特定の物理的な特徴を備えた塔を利用することにより分解を抑制してもよい。特に、精製プロセスにおいて採用される蒸留塔は、ある特定の形状を有してもよい。いくつかの実施形態において、蒸留塔は、高温への曝露を最小限に抑えるため、比較的小さな液溜めを有する。これらの実施形態において、各塔の液溜めは、より小さい直径となるように先細りになっていてもよく、そうすると、より高い温度への曝露の低減が可能となる。
[0086]そのような高温で効果的に作動するように、再沸器は、特殊なシステムを必要としてもよい。いくつかの実施形態において、再沸器は、高温を支えるのに十分な熱油システムを利用する。当業者は、本明細書に記載のプロセスに従い熱油システムを利用する方法を理解する。
[0087]従来の精製プロセスに対するこれらの改変は、高沸点成分の分解を低減させる。いくつかの実施形態において、これらの改変は第1の塔頂ストリームにおける第2の分離ステップ中に分解する高沸点成分の量を低下する。一実施形態において、アジポニトリルプロセスストリーム(または別の精製ストリーム)中の分解する高沸点成分の量はストリーム中の高沸点成分の50wt.%未満、例えば、45wt.%未満、40wt.%未満、または30wt.%未満である。下限の観点からは、分解する高沸点成分の量は、ストリーム中の高沸点成分の0wt.%超であってもよく、例えば、5wt.%超、10wt.%超、または15wt.%超であってもよい。範囲の観点からは、分解する高沸点成分の量は、0wt.%~50wt.%であってもよく、例えば、0wt.%~45wt.%、0wt.%~40wt.%、0wt.%~30wt.%、5wt.%~50wt.%、5wt.%~45wt.%、5wt.%~40wt.%、5wt.%~30wt.%、10wt.%~50wt.%、10wt.%~45wt.%、10wt.%~40wt.%、10wt.%~30wt.%、15wt.%~50wt.%、15wt.%~45wt.%、15wt.%~40wt.%、または15wt.%~30wt.%であってもよい。
[0088]いくつかの実施形態において、様々なプロセスストリームは、個々に1wt.%未満の高沸点成分の分解生成物を含み、例えば、0.8wt.%未満、0.5wt.%未満、0.3wt.%未満、0.1wt.%未満、0.05wt.%、または0.01wt.%未満である。
[0089]上記のように、高沸点成分は、分解して他の高沸点不純物および/または低沸点不純物になり得る。場合によっては、高沸点成分は、分解して、そうでなければ系中に存在しない他の高沸点不純物になり得る。別の言い方をすれば、分解は、系中の高沸点不純物化合物の総数の増加を引き起こし得る。本明細書に記載のように、分解を抑制することにより、分解によって引き起こされる系中に存在する高沸点不純物化合物の総数の増加を低減できる。
[0090]場合によっては、塔は短い滞留時間で作動し得る。プロセスの個々の分離および/または精製操作における供給ストリームの滞留時間は、例えば8時間未満に最小化され、例えば、7時間未満、6時間未満、5時間未満、または4時間未満である。より短い滞留時間は(任意により低い圧力低下と組み合わせて)分離/精製効率に予想外に寄与する。
リサイクルステップ
[0091]いくつかの実施形態において、プロセスは、分離ステップ中に形成される(塔底)ストリームの少なくとも一部を、上流のある点(対象物)へとリサイクルするリサイクルステップを含む。例えば、リサイクルステップは、塔またはフラッシャーの1つの重質分ストリームの少なくとも一部を、プロセスにおける上流のある点にリサイクルするステップを含んでもよい。いくつかの実施形態において、リサイクルステップは、分離ステップの重質分ストリームの少なくとも一部を、フラッシングステップのフラッシャー塔頂ストリームへとリサイクルするステップを含む。いくつかの実施形態において、リサイクルステップは、精製ステップの塔底ストリームの少なくとも一部を、フラッシングステップのフラッシャー塔頂ストリーム、および/または分離ステップの塔底ストリームへとリサイクルするステップを含む。
[0092]一実施形態において、リサイクルされたストリームは重質分を含み、これらの重質分の濃度は、驚くべきことに、結果として得られるTCHストリームの純度に影響を与え、塔頂ストリーム中の高沸点成分の濃度を0wt.%~10wt.%に制御するのに役立つことがある。場合によっては、リサイクルストリーム中の高沸点成分の濃度が様々な塔頂ストリーム中の高沸点成分の量の低下に繋がり、それが結果的にアジポニトリルおよび/またはTCHの純度の上昇に繋がる。
[0093]場合によっては、リサイクルされたストリームは、0wt.%~40wt.%の範囲の量の重質分を含み、例えば、0wt.%~37.5wt.%、0wt.%~35wt.%、0wt.%~32.5wt.%、0wt.%~30wt.%、5wt.%~40wt.%、5wt.%~37.5wt.%、5wt.%~35wt.%、5wt.%~32.5wt.%、5wt.%~30wt.%、10wt.%~40wt.%、10wt.%~37.5wt.%、10wt.%~35wt.%、10wt.%~32.5wt.%、10wt.%~30wt.%、15wt.%~40wt.%、15wt.%~37.5wt.%、15wt.%~35wt.%、15wt.%~32.5wt.%、15wt.%~30wt.%、20wt.%~40wt.%、20wt.%~37.5wt.%、20wt.%~35wt.%、20wt.%~32.5wt.%、または20wt.%~30wt.%である。上限の観点からは、リサイクルされたストリームは、40wt.%未満の高沸点成分を含んでもよく、例えば、37.5wt.%未満、35wt.%未満、32.5wt.%未満、または30wt.%未満であってもよい。下限の観点からは、リサイクルされたストリームは、0wt.%超の高沸点成分を含んでもよく、例えば、5wt.%超、10wt.%超、15wt.%超、または20wt.%超であってもよい。
[0094]いくつかの態様において、リサイクルステップは、対象物中の重質分の濃度を制御する。例えば、リサイクルステップは、重質分を含有するストリームをフラッシャーストリームへとリサイクルすることにより、フラッシャー塔頂ストリーム中の重質分の濃度を制御してもよい。
[0095]一実施形態において、リサイクルすることで、リサイクルステップは対象物中の重質分の濃度を0wt.%~10wt.%となるように制御し、例えば、0wt.%~9wt.%、0wt.%~8wt.%、0wt.%~7wt.%、1wt.%~10wt.%、1wt.%~9wt.%、1wt.%~8wt.%、1wt.%~7wt.%、2wt.%~10wt.%、2wt.%~9wt.%、2wt.%~8wt.%、2wt.%~7wt.%、3wt.%~10wt.%、3wt.%~9wt.%、3wt.%~8wt.%、または3wt.%~7wt.%とする。上限の観点からは、リサイクルステップは、対象物中の重質分の濃度を10wt.%未満となるように制御してもよく、例えば、9wt.%未満、8wt.%未満、または7wt.%未満としてもよい。下限の観点からは、リサイクルステップは、対象物中の重質分の濃度を0wt.%超となるように制御してもよく、例えば、1wt.%超、2wt.%超、または3wt.%超としてもよい。
処理ステップ
[0096]上記のように、分離ステップにおいて生成される第1のTCHストリームは不純物を含み得る。これらの不純物はさらなる精製方法により除去され得る。いくつかの実施形態において、精製プロセスは第1のTCHストリームを処理して、精製されたTCHストリームを形成する処理ステップをさらに含む。
[0097]いくつかの実施形態において、処理ステップは窒素ストリッピングを含み得る。いくつかの実施形態において、処理ステップは1種または複数種のモレキュラーシーブで処理することを含み得る。いくつかの実施形態において、処理ステップは窒素ストリッピングによる処理とモレキュラーシーブによる処理との組み合わせを含み得る。
[0098]精製されたTCHストリームは第1のTCHストリームより低い濃度の不純物を含む。一実施形態において、精製されたTCHストリームは0.1wt.%未満の不純物を含み、例えば、0.09wt.%未満、0.05wt.%未満、または0.01wt.%未満である。例えば、精製されたTCHストリームは水を不純物として含み得る。一実施形態において、精製されたTCHストリームは20ppm未満の水を含み、例えば、15ppm未満、10ppm未満、または1ppm未満である。精製されたTCHストリームは金属を不純物として含み得る。一実施形態において、精製されたTCHストリームは5ppm未満の金属を含み、例えば、4ppm未満、3ppm未満、または2ppm未満である。
[0099]例示的な分離および/または精製スキームは、2019年5月24に出願された米国仮特許第62/852,604号に開示されており、その内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
構成
[0100]図1~5は、本明細書に開示されるTCH精製プロセスのいくつかの構成の図式的概観を示す。
[0101]図1は、アジポニトリル分離プロセスの一実施形態100を示す。本実施形態において、アジポニトリルプロセスストリーム101は、フラッシュ蒸発器102において分離されて、第1の塔頂ストリーム103と第1の塔底ストリーム104とを形成する。次いで、第1の塔頂ストリーム103は、第1の蒸留塔105において分離されて、第2の塔頂ストリーム106としての軽質分ストリームと、第2の塔底ストリーム107とを形成する。次いで、第2の塔底ストリームは、第2の蒸留塔108において分離されて、第3の塔底ストリーム109としての重質分ストリームと、第3の塔頂ストリーム110としてのTCHストリームとを形成する。本実施形態は、任意のリサイクルステップ111も備え、これにより第3の塔底ストリーム109の一部が第1の塔頂ストリーム103および/または第2の塔底ストリーム107へとリサイクルされる。
[0102]図2は、アジポニトリル分離プロセスの別の実施形態200を示す。本実施形態において、アジポニトリルプロセスストリーム201は、フラッシュ蒸発器202において分離されて、第1の塔頂ストリーム203と第1の塔底ストリーム204とを形成する。次いで、第1の塔頂ストリーム203は第1の蒸留塔205において分離されて、第2の塔頂ストリーム206としての軽質分ストリームと、第2の塔底ストリーム207と、塔側抜出液208とを形成する。次いで、塔側抜出液208はフラッシャー209において分離されて、第3の塔底ストリーム210としてのTCHストリームと、第3の塔頂ストリーム211とを形成する。
[0103]図3は、アジポニトリル分離プロセスの別の実施形態300を示す。本実施形態において、アジポニトリルプロセスストリーム301は、フラッシュ蒸発器302において分離されて、第1の塔頂ストリーム303と第1の塔底ストリーム304とを形成する。次いで、第1の塔頂ストリーム303は第1の蒸留塔305において分離されて、第2の塔頂ストリーム306としての軽質分ストリームと、第2の塔底ストリーム307とを形成する。次いで、第2の塔底ストリーム307は第2の蒸留塔308において分離されて、第3の塔底ストリーム309としての重質分ストリームと、第3の塔頂または蒸留物ストリーム310とを形成する。次いで第3の塔頂ストリーム310は第3の蒸留塔311において分離されて、第4の塔頂ストリーム312と、第4の塔底ストリーム313としてのTCHストリームとを形成する。
[0104]図4は、アジポニトリル分離プロセスの別の実施形態400を示す。本実施形態において、アジポニトリルプロセスストリーム401は、フラッシュ蒸発器402において分離されて、第1の塔頂ストリーム403と第1の塔底ストリーム404とを形成する。次いで、第1の塔頂ストリーム403は第1の蒸留塔405において分離されて、第2の塔頂ストリーム406としての軽質分ストリームと、第2の塔底ストリーム407とを形成する。次いで、第2の塔底ストリーム407は第2の蒸留塔408において分離されて、第3の塔底ストリーム409としての重質分ストリームと、第3の塔頂または蒸留物ストリーム410とを形成する。次いで、第3の塔頂ストリーム410はフラッシャー411において分離されて、第4の塔頂ストリーム412と、第4の塔底ストリーム413としてのTCHストリームとを形成する。
[0105]図5は、アジポニトリル分離プロセスの別の実施形態500を示す。本実施形態において、アジポニトリルプロセスストリーム501は、フラッシュ蒸発器502において分離されて、第1の塔頂ストリーム503と第1の塔底ストリーム504とを形成する。次いで、第1の塔頂ストリーム503は第1の蒸留塔505において分離されて、第2の塔頂ストリーム506としての軽質分ストリームと、第2の塔底ストリーム507とを形成する。次いで、第2の塔底ストリーム507は第2の蒸留塔508において分離されて、第3の塔底ストリーム509としての重質分ストリームと、第3の塔頂ストリーム510としてのTCHストリームとを形成する。本実施形態は、任意のリサイクルステップ511も備えており、これにより第3の塔底ストリーム509の一部が第1の塔頂ストリーム503および/または第2の塔底ストリーム507へとリサイクルされる。本実施形態は、処理ステップ512も備えており、これによりTCHストリーム510は、精製されたTCHストリーム513を得るためのさらなる処理に供される。
[0106]本開示は、下記の非限定例を参照することによりさらに理解される。
[0107]実施例1および2については、粗アジポニトリル製造および精製プロセスからアジポニトリルプロセスストリームを収集した。実施例1および2の粗アジポニトリルプロセスストリームは、本明細書に記載されるような分離プロセス、例えば、図1に記載にされるのと同様の分離に供給した。
[0108]アジポニトリルプロセスストリームは、ワイプ膜式蒸発器において複数回、例えば2回または4回分離した。ワイプ膜式蒸発器を複数回通過させることにより、塔頂(アジポニトリルプロセスストリーム)と、高沸点成分および固体不純物を含む第1の塔底重質分ストリームとを生成した。第1の塔底ストリームは、廃棄した。アジポニトリルプロセスストリームおよび第1の塔底ストリームの組成を、表1に示す。TCH含有量は、場合によっては、TCHおよびその異性体を含んでいた。
Figure 2023509914000001
[0109]実施例1および/または2のアジポニトリルプロセスストリームを、高効率パッキングを含む第1の塔において蒸留した。第1の蒸留塔は、塔底部温度約255℃、および1mmHgで運転し、第1の蒸留塔における第1の塔頂軽質分ストリームの滞留時間は4時間未満であった。塔の圧力低下は11mmHg未満、例えば、10mmHgまたは7mmHgであった。第1の塔はアジポニトリルストリームを生成し、これはアジポニトリルが有益に富化された。このストリームのサンプルを様々な時に収集し、分析した。これらのサンプルの組成を表2aに示す。様々な時に、塔の圧力低下は1mmHg~11mmHg、例えば、5mmHg~7mmHgの範囲であった。塔には高効率パッキングを充填した。そして様々な時の塔の理論段当たりの圧力低下は0.01mmHg~1.5mmHg、例えば、0.3mmHg~0.6mmHgの範囲であった。場合によっては、ワイプ膜式蒸発器におけるサイクル数が、結果として得られる塔頂の組成に影響を与えることが見出された。
Figure 2023509914000002
[0110]蒸留塔は、塔底ストリームも生成し、これは、高濃度のTCHと多少の重質分を含有していた。このストリームのサンプルを様々な時点で収集し、分析した。これらのサンプルの組成が、表2bに示されている。
Figure 2023509914000003
[0111]次いで、第2の塔底ストリームを第2の蒸留塔において蒸留した。第2の蒸留塔は、塔底部温度約263℃、運転圧力約1mmHgで運転し、第2の蒸留塔における第2の塔底ストリームの滞留時間は4時間未満であった。第2の蒸留塔は、第3の塔底ストリーム(重質分ストリーム)を生成した。重質分ストリームは、リサイクルおよび/または廃棄することができる。第2の蒸留塔は、第3の塔頂ストリーム(TCHストリーム)も生成した。塔は高効率パッキングを充填した。様々な時の第2の塔の圧力低下および様々な時の第2の塔の理論段当たりの圧力低下は第1の塔と同様であった(上記参照)。これらのストリームのサンプルを様々な時点で収集し、分析した。これらのサンプルの組成が、表3a~3dに示されている。
Figure 2023509914000004
Figure 2023509914000005
Figure 2023509914000006
Figure 2023509914000007
[0113]上記の表が示すように、実施例1および2において、低い塔の圧力低下、例えば、25mmHg未満もしくは11mmHg未満もしくは1mmHg~11mmHgおよび/または0.01mmHg~1.5mmHgの範囲の塔の理論段当たりの圧力低下で行われた精製プロセスは極めて純粋なTCHストリームを生成した。特に、精製プロセスは、97wt.%超のTCHを含むTCHストリームを生じ、例えば、ほとんどの場合、99wt.%超であり、測定可能なアジポニトリルまたは軽質分をほとんどまたは全く含まなかった。示されるように、第2の塔底ストリームおよび/または重質分ストリーム中の重質分の濃度は、本明細書に開示される範囲および限界内に維持された。
[0114]さらに、分離プロセスは(第1の塔頂部に)アジポニトリル濃度が供給物中の初期のアジポニトリル濃度と比べて改良されたアジポニトリルストリームを生成した。
[0115]示されるように、塔への供給物のアジポニトリル濃度が高いほど、塔の塔頂における濃度向上が驚くほど改善されることが予想外に見出された。同様の設備を使用したシミュレーションでは、塔供給物中のアジポニトリル濃度が10wt%を超えると塔頂でのアジポニトリル濃度が有利に高くなり、例えば、50%超となる。
実施形態
[0116]とりわけ以下の実施形態が開示される。
[0117]実施形態1:TCHストリームを生成するためのプロセスであって、第1の塔において、TCHおよび任意にアジポニトリルを含むアジポニトリルプロセスストリームを分離して、5wt.%超のアジポニトリルを含むアジポニトリルストリームと、TCHを含む第1のTCHストリームと、任意に高沸点成分および固体不純物を含む重質分ストリームとを形成するステップと;任意に1つまたは複数の塔によって、第1のTCHストリームを精製して、50wt.%超のTCHを含む精製されたTCHストリームとを形成するステップとを含み;第1の塔が25mmHg未満の圧力低下で運転される、プロセス。
[0118]実施形態2:第1の塔が充填塔であり、パッキングが高効率パッキングを含み、高効率パッキングが0.5mmHg/理論段未満の圧力低下を提供する、実施形態1の実施形態。
[0119]実施形態3:精製されたTCHストリームが1wt.%未満の不純物を含む、実施形態1または2の実施形態。
[0120]実施形態4:精製されたTCHストリームが1wt.%未満の高沸点成分の分解生成物を含む、実施形態1~3のいずれかの実施形態。
[0121]実施形態5:精製されたTCHストリームが1wt.%未満のアミンを含む、実施形態1~4のいずれかの実施形態。
[0122]実施形態6:粗アジポニトリルストリームをフラッシングして、アジポニトリルプロセスストリームと、高沸点成分および固体不純物を含む塔底ストリームとを形成するステップをさらに含む、実施形態1~5のいずれかの実施形態。
[0123]実施形態7:粗アジポニトリルストリームが25wt.%未満のTCHを含む、実施形態1~6のいずれかの実施形態。
[0124]実施形態8:精製するステップが、第2の塔において、第1のTCHストリームを分離して、精製されたTCHストリームと、高沸点成分を含む重質分ストリームとを形成するステップを含む、実施形態1~7のいずれかの実施形態。
[0125]実施形態9:滞留時間が8時間未満である、実施形態1~8のいずれかの実施形態。
[0126]実施形態10:第1および第2の塔が25mmHg未満の圧力低下で運転される、実施形態1~9のいずれかの実施形態。
[0127]実施形態11:第2の塔が充填塔であり、パッキングが高効率パッキングを含む、実施形態1~10のいずれかの実施形態。
[0128]実施形態12:TCHストリームが、TCH、0wt.%~0.05wt.%のアジポニトリル、0wt.%~0.1wt.%のジ(2-シアノエチル)アミン、0wt.%~0.05wt.%のシアノバレルアミド、および0wt.%~0.05wt.%のトリ(2-シアノエチル)アミンを含む、実施形態1~11のいずれかの実施形態。
[0129]本発明を詳細に説明したが、本発明の精神および範囲内の修正は、当業者には容易に明らかとなる。前述の検討、本技術分野における関連知識、ならびに背景技術および発明を実施するための形態に関連して先に検討した参考文献を考慮すると、その開示は、参照により全て本明細書に組み込まれる。加えて、理解すべきことであるが、本発明の態様と、以下に、および/または添付の特許請求の範囲に記載された様々な実施形態および様々な特徴の一部とは、全部または一部を組み合わせても入れ替えてもよい。様々な実施形態の前述の説明において、別の実施形態に言及する実施形態は、当業者には理解されるように、他の実施形態と適切に組み合わせることができる。さらに、当業者であれば、前述の説明は例示に過ぎず、限定を意図したものではないことを理解する。

Claims (12)

  1. TCHストリームを生成するためのプロセスであって、
    第1の塔において、TCHおよび任意にアジポニトリルを含むアジポニトリルプロセスストリームを分離して、5wt.%超のアジポニトリルを含むアジポニトリルストリームと、TCHを含む第1のTCHストリームと、任意に高沸点成分および固体不純物を含む重質分ストリームとを形成するステップと;
    任意に1つまたは複数の塔によって、第1のTCHストリームを精製して、50wt.%超のTCHを含む精製されたTCHストリームを形成するステップと
    を含み;
    第1の塔が25mmHg未満の圧力低下で運転される、プロセス。
  2. 第1の塔が充填塔であり、パッキングが高効率パッキングを含み、高効率パッキングが0.5mmHg/理論段未満の圧力低下を提供する、請求項1に記載のプロセス。
  3. 精製されたTCHストリームが1wt.%未満の不純物を含む、請求項1または2に記載のプロセス。
  4. 精製されたTCHストリームが1wt.%未満の高沸点成分の分解生成物を含む、請求項1から3のいずれかに記載のプロセス。
  5. 精製されたTCHストリームが1wt.%未満のアミンを含む、請求項1から4のいずれかに記載のプロセス。
  6. 粗アジポニトリルストリームをフラッシングして、アジポニトリルプロセスストリームと、高沸点成分および固体不純物を含む塔底ストリームとを形成するステップをさらに含む、請求項1から5のいずれかに記載のプロセス。
  7. 粗アジポニトリルストリームが25wt.%未満のTCHを含む、請求項1から6のいずれかに記載のプロセス。
  8. 精製するステップが、
    第2の塔において、第1のTCHストリームを分離して、精製されたTCHストリームと高沸点成分を含む重質分ストリームとを形成するステップを含む、請求項1から7のいずれかに記載のプロセス。
  9. 滞留時間が8時間未満である、請求項1から8のいずれかに記載のプロセス。
  10. 第1および第2の塔が25mmHg未満の圧力低下で運転される、請求項1から9のいずれかに記載のプロセス。
  11. 第2の塔が充填塔であり、パッキングが高効率パッキングを含む、請求項1から10のいずれかに記載のプロセス。
  12. TCHストリームが、
    TCH、
    0wt.%~0.05wt.%のアジポニトリル、
    0wt.%~0.1wt.%のジ(2-シアノエチル)アミン、
    0wt.%~0.05wt.%のシアノバレルアミド、および
    0wt.%~0.05wt.%のトリ(2-シアノエチル)アミン
    を含む、請求項1から11のいずれかに記載のプロセス。
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