JP2023509631A - 難燃性で、熱的に安定化されたポリエーテルイミド - Google Patents

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Abstract

ポリエーテルイミド組成物は、ポリエーテルイミドと、ポリエーテルイミド組成物の総重量に基づき、0.01ppm超から20ppm未満、好ましくは0.01ppm超から10ppm未満、より好ましくは0.01ppm超から4.8ppm未満のリンを提供するのに有効な量で存在する有機リン安定剤であって、有機リン安定剤は300から2,000ダルトンの分子量、および、1から15wt%のリン含量を有する、有機リン安定剤とを含み、ポリエーテルイミド組成物の成形サンプルは1.5mmの厚さでUL 94 V0等級を有する。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2019年12月31日に出願された欧州特許出願第19220229.9号(その全体が参照により本明細書に組み込まれる)の恩典を主張する。
ポリエーテルイミドは、180℃を超えるガラス転移温度(Tg)を有するアモルファス、透明高性能ポリマーである。これらのポリマーはさらに、高い強度、耐熱性、およびモジュラス、ならびに広範な耐化学性を有する。ポリエーテルイミドは、自動車、テレコミュニケーション、航空宇宙、電気/エレクトロニクス、輸送、および保健医療という多様な用途において広く使用される。それらの広範な使用のために、特に、電気および家庭用電化製品用途において、アンダーライターズ・ラボラトリー(Underwriter’s Laboratory)紀要94の1.5ミリメートル垂直燃焼試験「材料の可燃性についての試験(Tests for Flammability of Plastic Materials)、UL94」(これらの用途ではしばしば必要とされる)においてV-0の可燃性等級を満たすポリエーテルイミド組成物が継続して必要とされている。
国際公開第2000/12604号 欧州特許出願公開第0325719号明細書 米国特許出願公開第2006・281840号明細書
ポリエーテルイミドは本質的に難燃性である。しかしながら、ポリエーテルイミドの他の特性を調整するために使用されるある一定の添加物が影響を及ぼし、UL94燃焼試験において矛盾した結果を与える可能性がある。したがって、1.5mmサンプル厚さで確固たるUL94 V0-等級を有するポリエーテルイミド組成物が継続して求められている。
ポリエーテルイミド組成物は、ポリエーテルイミドと、ポリエーテルイミド組成物の総重量に基づき、0.01ppm超から20ppm未満、好ましくは0.01ppm超から10ppm未満、より好ましくは0.01ppm超から4.8ppm未満のリンを提供するのに有効な量で存在する有機リン安定剤であって、300から2,000ダルトンの分子量、および、1から15wt%のリン含量を有する、有機リン安定剤とを含み、ポリエーテルイミド組成物の成形サンプルは1.5mmの厚さでUL94 V0等級を有する。
上述のポリエーテルイミド組成物を含む熱可塑性組成物もまた、開示される。
例示的であり、制限することを意味しない図の説明が提供される。
様々なポリエーテルイミド組成物の貯蔵弾性率(Pa・s)を、温度T(℃)の関数として示すグラフである。
上記および他の特徴は下記詳細な説明および実施例により例示される。
詳細な説明
熱安定剤は、ポリエーテルイミドの溶融安定性および耐熱性を改善するためにポリエーテルイミドの生成中に添加することができる。熱安定剤はまた、第2の溶融加工操作、例えば射出成形、押出加工、など中の黄色度指数の変化を最小に抑えるのを助けることができる。しかしながら、この発明者らは、安定剤の量が高くなると、とりわけ低分子量ポリエーテルイミドにおいて使用される場合、UL燃焼試験中のポリエーテルイミドのドリッピングの可能性が増加し、矛盾した試験結果に至る可能性があることを見出した。発明者らは、ゼロを超えるが100ppm未満の量で使用されると、有機リン安定剤はポリエーテルイミドのUL-94 V0性能に悪影響を及ぼさないことをさらに発見した。よって、改善された溶融安定性および確固たるUL-94 V0性能を同時に有するポリエーテルイミド組成物が提供され得る。
本明細書では、有機リン安定剤は有機ホスファイト、有機ホスホナイト、有機ホスフィナイト、または前記の少なくとも1つを含む組み合わせとすることができる。有機リン安定剤は300から2,000グラム/モル(ダルトンまたはDa)または500から1,500Daの分子量、および、1から12wt%または3から10wt%のリン含量を有することができる。
特定の有機リン安定剤は式(1)、(2)、または(3)により表される:
Figure 2023509631000001
(1)、
有機ホスファイト
Figure 2023509631000002
(2)、または
有機ホスホナイト
Figure 2023509631000003
(3)
有機ホスフィナイト。
化学式(1)-(3)では、R、R、およびRの各々は独立して、置換もしくは非置換C1-40アルキル、または置換もしくは非置換C6-30アリールであり、ただし、任意で、R、R、およびRの少なくとも2つが一緒になり置換もしくは非置換縮合ヘテロ脂肪族環を形成することを条件とする。アルキル基のための置換基としては、N含有部分、ハロゲン、置換もしくは非置換アリール、エーテル部分、エステル部分、ホスファイト含有部分、ホスホナイト含有部分、または前記の少なくとも1つを含む組み合わせが挙げられる。アリール基のための置換基としては、C1-40アルキル、N含有部分、ハロゲン、ホスファイト含有部分、ホスホナイト含有部分、または前記の少なくとも1つを含む組み合わせが挙げられる。
有機リン安定剤が有機ホスファイトである場合、R、R、およびRの各々は、置換C10-30アリール、例えばC10-30アルキルアリーレンとすることができ、好ましくはR、R、およびRの各々はC12-30アルキルアリーレンである。
有機リン安定剤はまた、式(4)の有機ホスファイトとすることができ:
Figure 2023509631000004
(4)、
式中、Rは置換もしくは非置換C6-30アリール、好ましくは置換C10-30アリールである。
一態様では、有機リン安定剤は、トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト(IRGAFOS168)、トリス-(ノニルフェニル)ホスファイト(TNPP)、テトラキス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)[1,1’-ビフェニル]-4,4’-ジイルビス(ホスホナイト)(PEPQ)、ビス(2,4-ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト(DOVERPHOS S-9228)、ビス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ペントラエリスリトール(pentraerythritol)ジホスファイト(ULTRANOX626)、2,2’,2”-ニトリロ[トリエチル-トリス[3,3’,5,5’-テトラ-tert-ブチル-1,1’-ビフェニル-2,2’-ジイル]]ホスファイト(IRGAPHOS12)、または前記の少なくとも1つを含む組み合わせを含み、好ましくは、有機リン安定剤は、トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイトを含む。
特定の有機リン安定剤の構造は化学式(5)-(10)で示される:
Figure 2023509631000005
(5)、
Figure 2023509631000006
(6)、
Figure 2023509631000007
(7)、
Figure 2023509631000008
(8)、
Figure 2023509631000009
(9)、または
Figure 2023509631000010
(10)。
任意で、有機リン安定剤は、ヒンダードフェノール熱安定剤と一緒に使用することができる。ヒンダードフェノール熱安定剤は300Da超から2,000Da未満の分子量を有することができる。そのような実施形態では、ヒンダードフェノール熱安定剤の分子量は、高い処理温度、例えば、例として、200℃以上の温度で、ポリマー溶融物中のヒンダードフェノール部分を保持するのを助けることができる。ヒンダードフェノール熱安定剤中のヒドロキシル基の数は、ヒンダードフェノール1分子あたり2から6または2から4とすることができる。いくつかの実施形態では、ポリエーテルイミド組成物は、ヒンダードフェノール熱安定剤を含まなくてもよい。
ヒンダードフェノール熱安定剤の例としては(オキサリルビス(アザンジイル))ビス(エタン-2,1-ジイル)ビス(3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパノエート)(NAUGARDXL-1)、1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼン(IRGANOX1330)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート)(IRGANOXF174)、N,N’-1,6-ヘキサンジイルビス[3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシフェニルプロパンアミド](IRGANOX1098)、1,3,5-トリス(4-tert-ブチル-3-ヒドロキシ-2,6-ジメチルベンジル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6-(1H,3H,5H)-トリオン(CYANOX1790)、2’,3-ビス[[3-[3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル]プロピオニル]]プロポニオヒドラジン(IRGANOX MD1024)、p-クレゾールおよびジシクロペンタジエンのブチル化反応生成物(WINGSTAY L)、または前記の少なくとも1つを含む組み合わせが挙げられる。
特定のヒンダードフェノール熱安定剤の構造は式(11)-(17)により表される:
Figure 2023509631000011
(11)、
Figure 2023509631000012
(12)、
Figure 2023509631000013
(13)、
Figure 2023509631000014
(14)、
Figure 2023509631000015
(15)、
Figure 2023509631000016
(16)、または
Figure 2023509631000017
(17)。
本明細書では、ポリエーテルイミドまたはポリ(エーテルイミド)は、1を超える、例えば2から1000、または5から500、または10から100の式(18)の構造単位を含むホモポリマーまたはコポリマーを意味し
Figure 2023509631000018
(18)
式中、各Rは独立して同じかまたは異なり、置換もしくは非置換二価有機基、例えば置換もしくは非置換C6-20芳香族炭化水素基、置換もしくは非置換直鎖もしくは分枝鎖C4-20アルキレン基、置換もしくは非置換C3-8シクロアルキレン基、特に前記のいずれかのハロゲン化誘導体である。いくつかの実施形態ではRは、下記化学式(19)の1つ以上の二価基であり
Figure 2023509631000019
(19)
式中、Qは-O-、-S-、-C(O)-、-SO-、-SO-、-P(R)(=O)-(式中、RはC1-8アルキルまたはC6-12アリールである)、-C2y-(式中、yは1から5の整数である)もしくはそのハロゲン化誘導体(ペルフルオロアルキレン基を含む)、または-(C10-(式中、zは1から4の整数である)である。いくつかの実施形態ではRは、m-フェニレン、p-フェニレン、またはジアリーレンスルホン、特にビス(4,4’-フェニレン)スルホン、ビス(3,4’-フェニレン)スルホン、ビス(3,3’-フェニレン)スルホン、または前記の少なくとも1つを含む組み合わせである。いくつかの実施形態では、R基の少なくとも10モルパーセントまたは少なくとも50モルパーセントがスルホン基、例えば特にビス(4,4’-フェニレン)スルホン、ビス(3,4’-フェニレン)スルホン、ビス(3,3’-フェニレン)スルホンを含み、R基の残りは、存在すれば、m-フェニレンまたはp-フェニレンである。いくつかの実施形態では、R基のいずれもスルホン基を含まない。いくつかの実施形態では、Rはm-フェニレン、p-フェニレン、またはそれらの組み合わせである。
さらに、式(18)では、Tは-O-または式-O-Z-O-の基であり、ここで、-O-または-O-Z-O-基の二価結合は、イミド部分を有する芳香環の3,3’、3,4’、4,3’、または4,4’位にあり、Zは、任意で1から6個のC1-8アルキル基、1から8個のハロゲン原子、または前記の少なくとも1つを含む組み合わせで置換された芳香族C6-24単環もしくは多環部分であり、ただし、Zの価数を超えないことを条件とする。例示的なZ基は式(20)の基を含み
Figure 2023509631000020
(20)
式中、RおよびRは各々独立して同じかまたは異なり、例えばハロゲン原子、または一価C1-6アルキル基であり、pおよびqは各々独立して0から4の整数であり、cは0から4であり、ならびにXはヒドロキシ置換芳香族基を連結させる架橋基であり、ここで、架橋基および各Cアリーレン基のヒドロキシ置換基は、Cアリーレン基上で互いにオルト、メタ、またはパラ(特定的にはパラ)に配置される。架橋基Xは単結合、-O-、-S-、-S(O)-、-S(O)-、-C(O)-、またはC1-18有機架橋基とすることができる。C1-18有機架橋基は環状もしくは非環状、芳香族もしくは非芳香族とすることができ、ハロゲン、酸素、窒素、硫黄、ケイ素、またはリンなどのヘテロ原子をさらに含むことができる。C1-18有機基は、これに連結されたCアリーレン基が各々、C1-18有機架橋基の共通のアルキリデン炭素または異なる炭素に連結されるように配置することができる。Z基の具体例は式(20a)の二価基であり
Figure 2023509631000021
(20a)
式中、Qは-O-、-S-、-C(O)-、-SO-、-SO-、-P(R)(=O)-(式中、RはC1-8アルキルまたはC6-12アリールである)、または-C2y-(式中、yは1から5の整数である)もしくはそのハロゲン化誘導体(ペルフルオロアルキレン基を含む)である。特定の実施形態では、ZはビスフェノールAから誘導され、そのため、式(20a)中のQは2,2-イソプロピリデンである。
一実施形態では、式(18)では、Rはm-フェニレン、p-フェニレン、または前記の少なくとも1つを含む組み合わせであり、Tは-O-Z-O-であり、式中、Zは式(20a)の二価基である。あるいは、Rはm-フェニレン、p-フェニレン、または前記の少なくとも1つを含む組み合わせであり、Tは-O-Z-Oであり、式中、Zは式(20a)の二価基であり、Qは2,2-イソプロピリデンである。
別の実施形態では、ポリ(エーテルイミド)は、1を超える、例えば2から1000、または5から500、または10から100の式(18)の構造単位を有し、R基の少なくとも10モルパーセントまたは少なくとも50モルパーセントがスルホン基を含むポリ(エーテルイミド)スルホンである。一実施形態では、R基の少なくとも10モルパーセントまたは少なくとも50モルパーセントがスルホン基、特にビス(4,4’-フェニレン)スルホン、ビス(3,4’-フェニレン)スルホン、ビス(3,3’-フェニレン)スルホン、または前記の少なくとも1つを含む組み合わせを含み、R基の残りは、存在すれば、m-フェニレンまたはp-フェニレンである。Tは本明細書で規定される通りであり、好ましくはTは-O-Z-O-であり、式中、Zは式(20a)の二価基、例えば、2,2-(4-フェニレン)イソプロピリデン、すなわち、ビスフェノールA部分である。
ポリ(エーテルイミド)は当業者に知られている方法のいずれかにより調製することができ、式(21)の芳香族ビス(エーテル無水物)またはその化学的等価物の式(22)の有機ジアミンとの反応が挙げられ
Figure 2023509631000022
(21)
N-R-NH(22)
式中、TおよびRは以上で記載されるように規定される。ポリ(エーテルイミド)のコポリマーは、式(21)の芳香族ビス(エーテル無水物)およびビス(エーテル無水物)ではない追加のビス(無水物)、例えばピロメリット酸二無水物またはビス(3,4-ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物の組み合わせを使用して製造することができる。有機リン安定剤は、ポリ(エーテルイミド)を製造するプロセス中に添加することができる。
芳香族ビス(エーテル無水物)の例示的な例としては、2,2-ビス[4-(3,4-ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物(ビスフェノールA二無水物またはBPADAとしても知られている)、3,3-ビス[4-(3,4-ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物、4,4’-ビス(3,4-ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルエーテル二無水物、4,4’-ビス(3,4-ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物、4,4’-ビス(3,4-ジカルボキシフェノキシ)ベンゾフェノン二無水物、4,4’-ビス(3,4-ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物、4,4’-ビス(2,3-ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルエーテル二無水物、4,4’-ビス(2,3-ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物、4,4’-ビス(2,3-ジカルボキシフェノキシ)ベンゾフェノン二無水物、4,4’-ビス(2,3-ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物、4-(2,3-ジカルボキシフェノキシ)-4’-(3,4-ジカルボキシフェノキシ)ジフェニル-2,2-プロパン二無水物、4-(2,3-ジカルボキシフェノキシ)-4’-(3,4-ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルエーテル二無水物、4-(2,3-ジカルボキシフェノキシ)-4’-(3,4-ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物、4-(2,3-ジカルボキシフェノキシ)-4’-(3,4-ジカルボキシフェノキシ)ベンゾフェノン二無水物、4,4’-(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物、および4-(2,3-ジカルボキシフェノキシ)-4’-(3,4-ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物が挙げられる。異なる芳香族ビス(エーテル無水物)の組み合わせが使用され得る。
有機ジアミンの例としては、1,6-ヘキサンジアミン、1,7-ヘプタンジアミン、1,8-オクタンジアミン、1,9-ノナンジアミン、1,10-デカンジアミン、1,12-ドデカンジアミン、1,18-オクタデカンジアミン、3-メチルヘプタメチレンジアミン、4,4-ジメチルヘプタメチレンジアミン、4-メチルノナメチレンジアミン、5-メチルノナメチレンジアミン、2,5-ジメチルヘキサメチレンジアミン、2,5-ジメチルヘプタメチレンジアミン、2,2-ジメチルプロピレンジアミン、N-メチル-ビス(3-アミノプロピル)アミン、3-メトキシヘキサメチレンジアミン、1,2-ビス(3-アミノプロポキシ)エタン、ビス(3-アミノプロピル)スルフィド、1,4-シクロヘキサンジアミン、ビス-(4-アミノシクロヘキシル)メタン、m-フェニレンジアミン、p-フェニレンジアミン、2,4-ジアミノトルエン、2,6-ジアミノトルエン、m-キシリレンジアミン、p-キシリレンジアミン、2-メチル-4,6-ジエチル-1,3-フェニレン-ジアミン、5-メチル-4,6-ジエチル-1,3-フェニレン-ジアミン、ベンジジン、3,3’-ジメチルベンジジン、3,3’-ジメトキシベンジジン、1,5-ジアミノナフタレン、ビス(4-アミノフェニル)メタン、ビス(2-クロロ-4-アミノ-3,5-ジエチルフェニル)メタン、ビス(4-アミノフェニル)プロパン、2,4-ビス(p-アミノ-t-ブチル)トルエン、ビス(p-アミノ-t-ブチルフェニル)エーテル、ビス(p-メチル-o-アミノフェニル)ベンゼン、ビス(p-メチル-o-アミノペンチル)ベンゼン、1,3-ジアミノ-4-イソプロピルベンゼン、ビス(4-アミノフェニル)スルフィド、ビス-(4-アミノフェニル)スルホン(4,4’-ジアミノジフェニルスルホン(DDS)としても知られている)、およびビス(4-アミノフェニル)エーテルが挙げられる。前記化合物のいずれの位置異性体も使用することができる。前記のいずれかのC1-4アルキル化またはポリ(C1-4)アルキル化誘導体、例えばポリメチル化1,6-ヘキサンジアミンが使用され得る。これらの化合物の組み合わせもまた、使用することができる。いくつかの実施形態では、有機ジアミンはm-フェニレンジアミン、p-フェニレンジアミン、4,4’-ジアミノジフェニルスルホン、3,4’-ジアミノジフェニルスルホン、3,3’-ジアミノジフェニルスルホン、または前記の少なくとも1つを含む組み合わせである。
ポリ(エーテルイミド)は重量で、ポリ(エーテルイミド)の1,000ppm未満、500ppm未満、または100ppm未満のヒドロキシル末端基量を有することができる。
ポリ(エーテルイミド)は、米国材料試験協会(ASTM)D1238により337℃で、6.7キログラム(kg)重量を使用して測定すると、0.5から2.3グラム毎分(g/分)のメルトインデックスを有することができる。好ましくは、ポリ(エーテルイミド)は、ASTM D1238により337℃で、6.7kg重量を使用して測定すると、1.5から2.3g/分または1.7から2.1g/分、より好ましくは1.7から2.0g/分または1.8から2.0g/分のメルトインデックスを有する。
ポリ(エーテルイミド)は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GC)により、ポリスチレン標準を使用して測定すると、1,000から50,000グラム/モル(ダルトン)の重量平均分子量(Mw)を有する。好ましくは、ポリ(エーテルイミド)は、ゲル浸透クロマトグラフィーにより、ポリスチレン標準を使用して測定すると、10,000から50,000ダルトン、40,000から50,000ダルトン、または46,000から48,000ダルトンのMwを有する。ポリ(エーテルイミド)は無水フタル酸またはアニリンなどのエンドキャッピング剤でエンドキャップすることができる。
好ましくは、ポリ(エーテルイミド)は、示差走査熱量測定(DSC)により、ASTM D3418のとおりに20℃/分加熱速度を用いて決定すると、130から320℃、好ましくは210から320℃、より好ましくは215から312℃のガラス転移温度(Tg)を有する。そのようなガラス転移温度を有するポリ(エーテルイミド)の例としては、本明細書で記載されるポリ(エーテルイミド)スルホンが挙げられる。
有機リン安定剤は、ポリエーテルイミド組成物の総重量に基づき、0.01ppm超から20ppm未満、好ましくは0.01ppm超から10ppm未満、より好ましくは0.01ppm超から4.8ppm未満のリンを提供するのに有効な量で存在することができる。一態様では、有機リン安定剤は、ポリエーテルイミド組成物の総重量に基づき、0.04ppm超から20ppm未満、好ましくは0.04ppm超から10ppm未満、より好ましくは0.04ppm超から4.8ppm未満のリンを提供するのに有効な量で存在する。安定剤の量は、使用される特定の有機リン安定剤によって、ガスクロマトグラフィー(GC)または高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により決定される。安定剤がトリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイトである場合、ガスクロマトグラフィーが安定剤の量を決定するために使用される。安定剤は、ポリエーテルイミド組成物を製造するプロセス中に、分解され、蒸発し、または別様に消費され得るので、ポリエーテルイミド組成物を製造するために使用される有機リン化合物の初期量は100ppmより高く、例えば200から5000ppmとすることができる。
有機リン安定剤がトリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイトである場合、ポリエーテルイミド組成物は重量で、ポリエーテルイミド組成物の総重量に基づき、0.01ppm超から4.8ppm未満または0.04ppm超から4.8ppm未満のリン含量を有することができる。他の有機リン安定剤については、リン含量は、重量で、ポリエーテルイミド組成物の総重量に基づき、20ppm未満、10ppm未満、または4.8ppm未満であるが、0.01ppm超または0.04ppm超とすることができる。
ポリエーテルイミドは、ポリエーテルイミド組成物の総重量に基づき、98wt%超、好ましくは99wt%超の量で存在することができる。有機リン安定剤および任意的なヒンダードフェノール安定剤に加えて、ポリエーテルイミド組成物はまた、離型剤などの添加物を含むことができる。ポリエーテルイミド組成物は、他の熱可塑性ポリマーを含まなくてもよい。例えば、ポリエーテルイミド組成物は、ポリエステル、ポリカーボネートまたは両方などの熱可塑性ポリマーを含まなくてもよい。
ポリエーテルイミド組成物は、本質的に、ある一定の金属または金属イオンを含まないことができる。一実施形態では、ポリエーテルイミド組成物は、重量で20ppm未満または10ppm未満の、Na、Fe、Co、Ni、Mo、Ca、およびMgの金属またはイオンの各々を含む。ポリエーテルイミド組成物はまた、重量で20ppm未満または10ppm未満のCr、Mn、Ti、およびZnなどの遷移金属またはそのイオンを含むことができる。
ポリエーテルイミド組成物は良好な難燃性を有する。ポリエーテルイミド組成物の成形サンプルは1.5mmの厚さでUL94 V0等級を有する。加えて、組成物の成形サンプルは1.5mmの厚さで少なくとも0.9のUL94 V0試験の初回合格の確率を有することができ、好ましくは組成物の成形サンプルは、1.5mmの厚さで少なくとも0.95のUL94 V0試験の初回合格の確率を有する。
ポリエーテルイミド組成物は熱的に安定化され、また、熱分解に対して優れた抵抗性を有することができる。
ポリエーテルイミド組成物は、ASTM D1925にしたがい、3.2mm厚さの射出成形標本/部品を使用して測定すると、100未満、90未満、または80未満の黄色度指数を有することができる。
ポリエーテルイミド組成物は、ASTM D4440-15にしたがい、23℃で、ポリエーテルイミド組成物の押出ペレットについて決定すると、65Pa以上、例えば65から200Paの貯蔵弾性率を有する。
ポリエーテルイミド組成物はペレットまたは粉末(微粉)の形態で存在することができる。
ポリエーテルイミド組成物は、様々な添加物と共に配合することができ、熱可塑性組成物が提供され、ただし、添加物は、組成物の所望の特性に著しく悪影響を及ぼさないように選択されることを条件とする。例示的な添加物としては、触媒、衝撃改質剤、フィラー、抗酸化剤、光安定剤、紫外線(UV)吸収添加物、消光剤、可塑剤、潤滑剤、離型剤、帯電防止剤、視覚効果添加物、例えば染料、顔料、および照明効果添加物、難燃剤、防滴剤、および放射線安定剤が挙げられる。前記添加物(任意のフィラー以外)は一般に、熱可塑性組成物の総重量に基づき、0.005から20wt%、特定的には0.01から10wt%の量で存在する。
いくつかの実施形態では、熱可塑性組成物は少なくとも1つの追加のポリマーをさらに含むことができる。そのような追加のポリマーの例としては、PPSU(ポリフェニレンスルホン)、ポリエーテルイミド、PSU(ポリスルホン)、PPE(ポリフェニレンエーテル)、PFA(ペルフルオロアルコキシアルカン)、MFA(TFEテトラフルオロエチレンとPFVE全フッ素置換ビニルエーテルのコポリマー)、FEP(フッ素化エチレンプロピレンポリマー)、PPS(ポリ(フェニレンスルフィド)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PA(ポリアミド)、PBI(ポリベンズイミジゾール(polybenzimidizole))、PAI(ポリ(アミド-イミド))、ポリ(エーテルスルホン)、ポリ(アリールスルホン)、ポリフェニレン、ポリベンゾキサゾール、ポリベンズチアゾール、ならびにそれらのブレンドおよびコポリマーが挙げられるが、それらに限定されない。存在する場合、ポリマーは、0超から20wt%、特定的には0.1から15wt%、より特定的には0.5から10wt%(全て、ポリエーテルイミド組成物の総重量に基づく)の量で使用される。いくつかの実施形態では、本明細書で記載されるポリエーテルイミド以外のポリマーは熱可塑性組成物中に存在しない。いくつかの実施形態では、ポリエステルまたはポリカーボネートはポリエーテルイミド組成物中に存在しない。
ポリエーテルイミドおよび熱可塑性組成物は、いくつもの方法、例えば、造形、押出(異形押出を含む)、熱成形、ならびに成形、例えば射出成形、圧縮成形、ガスアシスト成形、構造発泡成形、およびブロー成形により物品に形成することができる。いくつかの実施形態では、物品を形成する方法は、ポリエーテルイミドまたは熱可塑性組成物を造形、押出、ブロー成形、または射出成形して、物品を形成させることを含む。ポリエーテルイミドおよび熱可塑性組成物はまた、熱可塑性プロセス、例えばフィルム押出、シート押出、溶融鋳造、インフレーションフィルム押出、およびカレンダ加工を使用して物品に形成することができる。共押出および積層プロセスが複合多層フィルムまたはシートを形成するために使用され得る。物品はシート、フィルム、多層シート、多層フィルム、成形部品、押出形材、コート部品、ペレット、粉末、フォーム、繊維、フィブリッド、フレーク状繊維、または前記の少なくとも1つを含む組み合わせである。
上記および他の特徴は、下記実施例により例示される。実施例では、他に特に規定がなければ、成分のパーセント(%)は組成物の総重量に基づく重量パーセントである。
材料
様々なバッチのポリエーテルイミドを、無水フタル酸またはアニリンをエンドキャッピング剤として使用して、2,2-ビス[4-(3,4-ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物とメタ-フェニレンジアミンを重合することにより製造した。有機リン安定剤、すなわち、トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイトをポリエーテルイミドの製造プロセス中に添加した。
サンプル試験
メルトインデックスをASTM D1238にしたがい、337℃で、6.7キログラム(kg)重量を使用して測定した。
黄色度指数(YI)を3.2mm厚さの射出成形標本/部品を使用してASTM D1925にしたがい測定した。
サンプル中の安定剤の量をガスクロマトグラフィーにより決定した。
貯蔵弾性率を、動的振動温度掃引法(溶融レオロジー)を使用して決定した。実験をARES歪制御レオメータを使用して実施した。温度掃引法を使用して、温度の関数として、材料の粘度またはモジュラスを決定した。温度を300から480℃まで10℃/分の加熱速度を用いて変化させた。
貯蔵弾性率を、ISO6721-10およびASTM D4440-01にしたがい決定した。動的機械分析(溶融レオロジー)をペレットまたは射出成形標本/部品について実施した。
ポリエーテルイミドの貯蔵弾性率は最初、温度の関数として減少し、転移温度(熱分解および架橋の開始温度)に到達すると、貯蔵弾性率は著しく増加する。貯蔵弾性率変化の開始温度、Tonsetをレオメータにおいて空気雰囲気下、10℃/分の温度掃引を実施することにより得た。
可燃性試験を、「装置および電化製品における部品についての可塑性材料の可燃性についての試験(Tests for Flammability of Plastic Materials for Parts in Devices and Appliances)」と題するアンダーライターズ・ラボラトリー紀要94(ISBN0-7629-0082-2)、第5版、1996年10月29日付け(2003年12月12日までの改訂を組み入れる)の手順にしたがい実施した。いくつかの等級が燃焼速度、消火時間、ドリッピングに抵抗する能力、およびドリップが観察される、または綿に点火するかどうかに基づき、適用可能である。この手順によれば、材料は一定のサンプル厚さでUL94HB、V0、V1、V2、5VA、または5VBとして分類することができる。試験片を23℃、50%RHで48時間エージングさせ、その後、試験した。
データを多くのサンプル(典型的には20のバー)から収集し、次いで平均消炎時間(FOT)、消炎時間の標準偏差、およびドリップの総数(#ドリップ)を計算することにより、ならびに、統計的方法を使用して、そのデータを、特定のサンプル配合物は5つのバーの従来のUL94 V0試験において「合格」等級を達成するという初回合格の確率、または「p(FTP)」の予測に変換することにより、分析した。P(FTP)はUL試験における最大難燃性能について、1に限りなく近く、例えば0.9超、より好ましくは0.95超である。初回合格の90%確率(すなわち、0.9のp(FTP))は許容される性能と考えられる。0.9より著しく低い値は許容できないと考えられる。
実施例1-15
本開示の例示的なポリエーテルイミド組成物(Ex1からEx11)を、対照または比較組成物(CEx12からCEx15)と共に、メルトフローインデックス、黄色度指数、安定剤含量、貯蔵弾性率、開始温度(架橋、同時にポリエーテルイミドポリマーのMw増加のためにモジュラスが増加する温度)、および難燃性について試験した。結果を表1に示す。組成物は表1で示される量のトリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト(安定剤)、および、GPCによりポリスチレン標準を使用して決定すると46,000から48,000ダルトンの重量平均分子量を有する無水フタル酸エンドキャップポリエーテルイミドを含む。
Figure 2023509631000023
データにより、ポリエーテルイミド組成物の難燃性能についての有機リン安定剤の量の効果が示される。有機リン安定剤の量が100ppm未満である場合、ポリエーテルイミド組成物(Ex1-Ex12)は全て、1.5mmのサンプル厚さで、少なくとも0.9のUL 94 V0試験の初回合格の確率を有する。対照的に、有機リン安定剤の量が100ppmを超えると、ポリエーテルイミド組成物(CEx13-CEx15)は0.6未満の初回合格の確率を有する。
UL-94 V0燃焼試験中、炎に曝露されると、炎は、バーを材料のガラス転移温度(Tg)を超えて加熱し、材料は溶融し、伸長し、最終的にドリッピングする可能性がある。理論に縛られることは望まないが、ポリエーテルイミドがゼロより高いせん断粘度もしくは溶融強度を有する場合、またはポリエーテルイミドが熱分解による架橋を受ける場合、ドリッピングの確率は低減されると考えられる。
より早い開始温度により、ポリエーテルイミドはより熱的に安定でなく、よって、より低い温度で架橋する可能性が高くなり、よって、ドリッピングする確率が低減されることが示される。表1に示されるように、>0.95のpFTPを有する組成物の開始温度は405℃以下であり、pFTP<0.9を有する組成物の開始温度は410℃以上である。
特定の温度、例えばガラス転移温度より150°上での動的振動温度掃引法により測定した貯蔵弾性率は、組成物の難燃性能と関連する。表1に示されるように、本開示の組成物の貯蔵弾性率は65Pa以上であり、一方、比較組成物の貯蔵弾性率は56Pa以下である。よって、開始温度および特定の温度、例えば425℃での貯蔵弾性率は、ポリエーテルイミド組成物の難燃性能を予測するためのスクリーニングツールとして使用することができる。
実施例16-19
温度掃引研究を、無水フタル酸またはアニリンでエンドキャップし、110から140ppmのトリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイトで安定化した、または安定化していないポリエーテルイミドについて実施した。温度掃引曲線を図に示す。図に示されるように、異なる末端基を有するポリエーテルイミドのレオロジー挙動/ドリッピング挙動には主な違いはない。
比較例20および21
ゲル浸透クロマトグラフィーにより、ポリスチレン標準を使用して測定すると、53,000から56,000ダルトンの重量平均分子量を有する様々なポリエーテルイミドを、無水フタル酸またはアニリンをエンドキャッピング剤として使用して、2,2-ビス[4-(3,4-ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物とメタ-フェニレンジアミンを重合することにより製造した。有機リン安定剤、すなわち、トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイトをポリエーテルイミドの製造プロセス中に添加した。1組の組成物は、0超から100ppm未満の量の安定剤を含み、別の組の組成物は、100ppm超だが200ppm未満の量の安定剤を含んだ。組成物の難燃性を評価した。結果により、どのくらい安定剤を使用したかに関係なく、組成物が確実に、1.5mmのサンプル厚さで、UL 94 V0等級に合格することが示される。言い換えれば、結果により、ポリエーテルイミドの重量平均分子量が、GPCにより、ポリスチレン標準を使用して測定すると、50,000ダルトンを超える場合、有機リン安定剤の量はもはやポリエーテルイミドの難燃性能に影響しないことが示唆される。
本開示の様々な態様が以下で明記される。
態様1.ポリエーテルイミド組成物であって、ポリエーテルイミドと、ポリエーテルイミド組成物の総重量に基づき、0.01ppm超から20ppm未満、好ましくは0.01ppm超から10ppm未満、より好ましくは0.01ppm超から4.8ppm未満のリンを提供するのに有効な量で存在する有機リン安定剤であって、有機リン安定剤は300から2,000ダルトンの分子量、および、1から15wt%のリン含量を有する、有機リン安定剤とを含み、ポリエーテルイミド組成物の成形サンプルは1.5mmの厚さでUL 94 V0等級を有する、ポリエーテルイミド組成物。
態様2.ポリエーテルイミド組成物の成形サンプルは、1.5mmの厚さで、少なくとも0.9のUL94 V0試験の初回合格の確率を有し、好ましくはポリエーテルイミド組成物の成形サンプルは、1.5mmの厚さで、少なくとも0.95のUL94 V0試験の初回合格の確率を有する、態様1のポリエーテルイミド組成物。
態様3.有機リン安定剤は、ポリエーテルイミド組成物の総重量に基づき、0.04ppm超から20ppm未満、好ましくは0.04ppm超から10ppm未満、より好ましくは0.04ppm超から4.8ppm未満のリンを提供するのに有効な量で存在する、態様1ないし2のいずれか1つ以上のポリエーテルイミド組成物。
態様4.有機リン安定剤は式
Figure 2023509631000024

Figure 2023509631000025
、または
Figure 2023509631000026

を有し、
式中、R、R、およびRの各々は独立して、置換もしくは非置換C1-40アルキル、または置換もしくは非置換C6-30アリールであり、ただし、任意で、R、R、およびRの少なくとも2つが一緒になり置換もしくは非置換縮合ヘテロ脂肪族環を形成することを条件とする、態様1ないし3のいずれか1つのポリエーテルイミド組成物。
態様5.有機リン安定剤は、トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト、トリス-(ノニルフェニル)ホスファイト、テトラキス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)[1,1’-ビフェニル]-4,4’-ジイルビス(ホスホナイト)、ビス(2,4-ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、ビス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ペントラエリスリトール(pentraerythritol)ジホスファイト、2,2’,2”-ニトリロ[トリエチル-トリス[3,3’,5,5’-テトラ-tert-ブチル-1,1’-ビフェニル-2,2’-ジイル]]ホスファイト、または前記の少なくとも1つを含む組み合わせを含み、好ましくは、有機リン安定剤は、トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)を含む、態様1ないし4のいずれか1つ以上のポリエーテルイミド組成物。
態様6.ポリエーテルイミドは、ゲル浸透クロマトグラフィーにより、ポリスチレン標準を使用して測定すると、1,000ダルトンから50,000ダルトン、好ましくは40,000ダルトンから50,000ダルトン、より好ましくは46,000ダルトンから48,000ダルトンの重量平均分子量を有する、態様1ないし5のいずれか1つ以上のポリエーテルイミド組成物。
態様7.ポリエーテルイミドは、ASTM D1238により337℃で、6.7キログラム重量を用いて測定すると、0.5から2.3グラム毎分、好ましくは1.5から2.3グラム毎分のメルトインデックスを有する、態様1ないし6のいずれか1つ以上のポリエーテルイミド組成物。
態様8.ポリ(エーテルイミド)は下記式の構造単位を含み:
Figure 2023509631000027
式中、各Rは独立して置換もしくは非置換二価有機基であり、ならびに、Tは-O-または式-O-Z-O-の基であり、ここで、-O-または-O-Z-O-基の二価結合は3,3’、3,4’、4,3’、または4,4’位にあり、ならびに、Zは、任意で1から6個のC1-8アルキル基、1から8個のハロゲン原子、または前記の少なくとも1つを含む組み合わせで置換された芳香族C6-24単環もしくは多環部分である、態様1ないし7のいずれか1つ以上のポリエーテルイミド組成物。
態様9.Rは下記化学式1つ以上の二価基であり
Figure 2023509631000028
式中、Qは-O-、-S-、-C(O)-、-SO-、-SO-、-P(R)(=O)-(式中、RはC1-8アルキルまたはC6-12アリールである)、-C2y-(式中、yは1から5の整数である)もしくはそのハロゲン化誘導体、または-(C10-(式中、zは1から4の整数である)、好ましくはm-フェニレン、p-フェニレン、またはジアリーレンスルホンであり、ならびに、Zは2,2-(4-フェニレン)イソプロピリデンである、態様1ないし8のいずれか1つ以上のポリエーテルイミド組成物。
態様10.ポリエーテルイミドは、1,000ppm未満、好ましくは500ppm未満、より好ましくは100ppm未満のヒドロキシル末端基量を有する、態様1ないし9のいずれか1つ以上のポリエーテルイミド組成物。
態様11.400から2,000ダルトンの分子量を有するヒンダードフェノール熱安定剤をさらに含む、態様1ないし10のいずれか1つ以上のポリエーテルイミド組成物。
態様12.ポリエーテルイミドは組成物の総重量に基づき、98wt%超または99wt%超の量で存在する、態様1ないし11のいずれか1つ以上のポリエーテルイミド組成物。
態様13.ポリエーテルイミドは、組成物の総重量に基づき98wt%超、好ましくは99wt%超の量で存在し、下記式の構造単位を含み:
Figure 2023509631000029

式中、Rはm-フェニレンであり、TはO-Z-O-基であり、Zは2,2-(4-フェニレン)イソプロピリデンであり、ポリエーテルイミドは無水フタル酸またはアニリンでエンドキャップされ、ゲル浸透クロマトグラフィーにより、ポリスチレン標準を使用して測定すると、40,000ダルトンから50,000ダルトンの重量平均分子量を有し、ならびに、有機リン安定剤は、トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト、テトラキス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)[1,1’-ビフェニル]-4,4’-ジイルビス(ホスホナイト)、ビス(2,4-ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、またはそれらの組み合わせを含み、好ましくは、有機リン安定剤は、トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイトを含み、ポリエーテルイミド組成物の総重量に基づき、0.04ppm超から4.8ppm未満のリンを提供するのに有効な量で存在する、態様1ないし12のいずれか1つ以上のポリエーテルイミド組成物。
態様14.ポリエステルまたはポリカーボネートはポリエーテルイミド組成物中に存在しない、態様1ないし13のいずれか1つ以上のポリエーテルイミド組成物。
態様15.組成物はヒンダードフェノール熱安定剤を含まない、態様1ないし14のいずれか1つ以上のポリエーテルイミド組成物。
態様16.態様1ないし15のいずれか1つ以上のポリエーテルイミド組成物を含む、熱可塑性組成物。
態様17.態様1ないし15のいずれか1つ以上のポリエーテルイミド組成物または態様16の熱可塑性組成物を含む物品。
化合物は、標準命名法を用いて記載される。例えば、任意の示された基により置換されていないいずれの位置も、示された結合、または水素原子により満たされたその原子価を有すると理解される。2つの文字または記号間にないダッシュ(「-」)は、置換基のための結合点を示すために使用される。例えば、-CHOはカルボニル基の炭素を介して結合される。
本明細書では、「ヒドロカルビル」および「炭化水素」という用語は、広く、炭素および水素を、任意で1から3つのヘテロ原子、例えば、酸素、窒素、ハロゲン、ケイ素、硫黄、またはそれらの組み合わせと共に含む置換基を示し、「アルキル」は直鎖もしくは分枝鎖、飽和一価炭化水素基を示し、「アルキレン」は直鎖もしくは分枝鎖、飽和、二価炭化水素基を示し、「アリール」は1つまたは複数の芳香環内に炭素のみを含む芳香族一価基を示し、「アリーレン」は1つまたは複数の芳香環内に炭素のみを含む芳香族二価基を示し、「アルキルアリーレン」は以上で規定されるアルキル基で置換されたアリール基を示し、4-メチルフェニルが例示的なアルキルアリーレン基であり、「アリールアルキレン」は以上で規定されるアリール基で置換されたアルキル基を示し、ベンジルは例示的なアリールアルキレン基である。
別記されない限り、前記基の各々は、非置換とすることができ、または置換することができ、ただし、置換は化合物の合成、安定性、または使用に著しく悪影響を及ぼさないということを条件とする。「置換された」という用語は本明細書では、指定された原子または基上の少なくとも1つの水素が、別の基で置き換えられたことを意味し、ただし、指定された原子の標準原子価を超えないことを条件とする。置換基がオキソ(すなわち、=O)である場合、その原子上の2つの水素が置き換えられる。置換基および/または変数の組み合わせが許容され、ただし、置換が化合物の合成または使用に著しく悪影響を及ぼさないことを条件とする。置換位置に存在することができる基としては、(-NO)、シアノ(-CN)、ハロゲン、チオシアノ(-SCN)、C2-6アルカノイル(例えば、アシル(HCC(=O)-)、カルボキサミド、C1-6もしくはC1-3アルキル、シクロアルキル、アルケニル、およびアルキニル、C1-6もしくはC1-3アルコキシ、C6-10アリールオキシ、例えばフェノキシ、C1-6アルキルチオ、C1-6もしくはC1-3アルキルスルフィニル、C1-6もしくはC1-3アルキルスルホニル、少なくとも1つの芳香環を有するC6-12アリール(例えば、フェニル、ビフェニル、ナフチル、など、各環は置換もしくは非置換芳香族である)、1から3つの別々の環または縮合環および6から18個の環炭素原子を有するC7-19アリールアルキレン、または1から3つの別々の環または縮合環および6から18個の環炭素原子を有するアリールアルコキシが挙げられる。炭素原子の表示数は任意の置換基を含む。
本明細書で引用される全ての参考文献は、全体として、参照により組み込まれる。典型的な実施形態について説明目的で明記してきたが、前記記載は、本明細書における範囲を制限するものと判断されるべきではない。したがって、様々な改変、適合、および代替について、本明細書における精神および範囲から逸脱せずに当業者は思い付くことができる。「含む」という単語の使用は、他の構成要素の包含を可能にするが、また、他の構成要素が存在しない、組成物が列挙された構成要素から本質的に構成される、または、これらから構成される状況も説明する。

Claims (17)

  1. ポリエーテルイミド組成物であって、
    ポリエーテルイミドと、
    前記ポリエーテルイミド組成物の総重量に基づき、0.01ppm超から20ppm未満、好ましくは0.01ppm超から10ppm未満、より好ましくは0.01ppm超から4.8ppm未満のリンを提供するのに有効な量で存在する有機リン安定剤であって、前記有機リン安定剤は300から2,000ダルトンの分子量、および、1から15wt%のリン含量を有する、有機リン安定剤と
    を含み、
    前記ポリエーテルイミド組成物の成形サンプルは1.5mmの厚さでUL 94 V0等級を有する、ポリエーテルイミド組成物。
  2. 前記ポリエーテルイミド組成物の成形サンプルは、1.5mmの厚さで、少なくとも0.9のUL94 V0試験の初回合格の確率を有する、好ましくは前記ポリエーテルイミド組成物の成形サンプルは、1.5mmの厚さで、少なくとも0.95のUL94 V0試験の初回合格の確率を有する、請求項1に記載のポリエーテルイミド組成物。
  3. 前記有機リン安定剤は、前記ポリエーテルイミド組成物の総重量に基づき、0.04ppm超から20ppm未満、好ましくは0.04ppm超から10ppm未満、より好ましくは0.04ppm超から4.8ppm未満のリンを提供するのに有効な量で存在する、請求項1ないし2のいずれか一項以上に記載のポリエーテルイミド組成物。
  4. 前記有機リン安定剤は式
    Figure 2023509631000030

    Figure 2023509631000031
    、または
    Figure 2023509631000032
    を有し、
    式中、R、R、およびRの各々は独立して、置換もしくは非置換C1-40アルキル、または置換もしくは非置換C6-30アリールであり、ただし、任意で、R、R、およびRの少なくとも2つが一緒になり置換もしくは非置換縮合ヘテロ脂肪族環を形成することを条件とする、請求項1ないし3のいずれか一項に記載のポリエーテルイミド組成物。
  5. 前記有機リン安定剤は、トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト、トリス-(ノニルフェニル)ホスファイト、テトラキス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)[1,1’-ビフェニル]-4,4’-ジイルビス(ホスホナイト)、ビス(2,4-ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、ビス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ペントラエリスリトール(pentraerythritol)ジホスファイト、2,2’,2”-ニトリロ[トリエチル-トリス[3,3’,5,5’-テトラ-tert-ブチル-1,1’-ビフェニル-2,2’-ジイル]]ホスファイト、または前記の少なくとも1つを含む組み合わせを含み、好ましくは、前記有機リン安定剤は、トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)を含む、請求項1ないし4のいずれか一項以上に記載のポリエーテルイミド組成物。
  6. 前記ポリエーテルイミドは、ゲル浸透クロマトグラフィーにより、ポリスチレン標準を使用して測定すると、1,000ダルトンから50,000ダルトン、好ましくは40,000ダルトンから50,000ダルトン、より好ましくは46,000ダルトンから48,000ダルトンの重量平均分子量を有する、請求項1ないし5のいずれか一項以上に記載のポリエーテルイミド組成物。
  7. 前記ポリエーテルイミドは、ASTM D1238により337℃で、6.7キログラム重量を用いて測定すると、0.5から2.3グラム毎分、好ましくは1.5から2.3グラム毎分のメルトインデックスを有する、請求項1ないし6のいずれか一項以上に記載のポリエーテルイミド組成物。
  8. 前記ポリ(エーテルイミド)は下記式の構造単位を含み:
    Figure 2023509631000033
    式中、
    各Rは独立して置換もしくは非置換二価有機基であり、ならびに
    Tは-O-または式-O-Z-O-の基であり、ここで、前記-O-または前記-O-Z-O-基の二価結合は3,3’、3,4’、4,3’、または4,4’位にあり、ならびにZは、任意で1から6個のC1-8アルキル基、1から8個のハロゲン原子、または前記の少なくとも1つを含む組み合わせで置換された芳香族C6-24単環もしくは多環部分である、請求項1ないし7のいずれか一項以上に記載のポリエーテルイミド組成物。
  9. Rは下記化学式1つ以上の二価基であり
    Figure 2023509631000034
    式中、
    は-O-、-S-、-C(O)-、-SO-、-SO-、-P(R)(=O)-(式中、RはC1-8アルキルまたはC6-12アリールである)、-C2y-(式中、yは1から5の整数である)もしくはそのハロゲン化誘導体、または-(C10-(式中、zは1から4の整数である)、好ましくはm-フェニレン、p-フェニレン、またはジアリーレンスルホンであり、ならびに
    Zは2,2-(4-フェニレン)イソプロピリデンである、請求項1ないし8のいずれか一項以上に記載のポリエーテルイミド組成物。
  10. 前記ポリエーテルイミドは、1,000ppm未満、好ましくは500ppm未満、より好ましくは100ppm未満のヒドロキシル末端基量を有する、請求項1ないし9のいずれか一項以上に記載のポリエーテルイミド組成物。
  11. 400から2,000ダルトンの分子量を有するヒンダードフェノール熱安定剤をさらに含む、請求項1ないし10のいずれか一項以上に記載のポリエーテルイミド組成物。
  12. 前記ポリエーテルイミドは前記組成物の総重量に基づき、98wt%超または99wt%超の量で存在する、請求項1ないし11のいずれか一項以上に記載のポリエーテルイミド組成物。
  13. 前記ポリエーテルイミドは、前記組成物の総重量に基づき、98wt%超、好ましくは99wt%超の量で存在し、下記式の構造単位を含み:
    Figure 2023509631000035

    式中、
    Rはm-フェニレンであり、TはO-Z-O-基であり、Zは2,2-(4-フェニレン)イソプロピリデンであり、
    前記ポリエーテルイミドは無水フタル酸またはアニリンでエンドキャップされ、ゲル浸透クロマトグラフィーにより、ポリスチレン標準を使用して測定すると、40,000ダルトンから50,000ダルトンの重量平均分子量を有し、ならびに
    前記有機リン安定剤は、トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト、テトラキス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)[1,1’-ビフェニル]-4,4’-ジイルビス(ホスホナイト)、ビス(2,4-ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、またはそれらの組み合わせを含み、好ましくは、前記有機リン安定剤は、トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイトを含み、前記ポリエーテルイミド組成物の総重量に基づき、0.04ppm超から4.8ppm未満のリンを提供するのに有効な量で存在する、請求項1ないし12のいずれか一項以上に記載のポリエーテルイミド組成物。
  14. ポリエステルまたはポリカーボネートは前記ポリエーテルイミド組成物中に存在しない、請求項1ないし13のいずれか一項以上に記載のポリエーテルイミド組成物。
  15. 前記組成物はヒンダードフェノール熱安定剤を含まない、請求項1ないし14のいずれか一項以上に記載のポリエーテルイミド組成物。
  16. 請求項1ないし15のいずれか一項以上に記載のポリエーテルイミド組成物を含む、熱可塑性組成物。
  17. 請求項1ないし15のいずれか一項以上に記載のポリエーテルイミド組成物または請求項16に記載の熱可塑性組成物を含む物品。
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