JP2023508846A - 乳児用フォーミュラ - Google Patents

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Abstract

乳児におけるアレルギー感作の発生の予防又は低減に使用するための乳児用フォーミュラであり、乳児用フォーミュラは、0.8~2.5g/Lの2’-フコシルラクトース(2’FL)及び/又は0.05~0.2g/Lのラクト-N-ネオテトラオース(LNnT)を含む。【選択図】 なし

Description

本発明は、乳児におけるアレルギー感作の発生の予防又は低減に使用するための乳児用フォーミュラに関する。具体的には、本発明は、2’-フコシルラクトース(2’FL)及び/又はラクト-N-ネオテトラオース(LNnT)を含む乳児用フォーミュラに関する。
アトピー性皮膚炎、食品アレルギー、及び喘息などのアレルギー疾患の罹患率は世界的に増加している。例えば、世界中で3億人が喘息を患っており、欧州連合では1100万人~2600万人が食品アレルギーを有する(Martins,T.B.et al.(2014)J Allergy Clin Immunol 133:589-91)。
乳児の腸内微生物組成が乳児宿主の免疫の分化経路及びアレルギー発症に関与するという証拠が増えてきている(Quante M.et al.(2012)BMC Public Health 12:1021)。その結果、食事、汚染、都市生活、清浄度、及び出産方法などの環境要因が、免疫系の発達及びアレルギー疾患の発症と関連付けられてきた(Seppo,A.E.et al.(2017)J Allergy Clin Immunol 139:708-11 e5;Azad,M.B.et al.(2018)J Nutr 148:1733-42)。
母乳は免疫学的に活性な分泌液であり、免疫系の発達を調節し、ひいてはアレルギー疾患の発症を調節し得る多くの成分を含有する。母乳中に3番目に豊富な成分であるヒトミルクオリゴ糖(HMO)がアレルギー疾患の発症に及ぼす影響は、特に関心を集めてきた。HMOは、短鎖及び長鎖オリゴ糖の両方を含む、構造的に多様なラクトース系複合体グリカンである。ヒト母乳中のHMOの数(200超のHMOが同定されている)及び構造の多様性は、他の哺乳動物乳では観察されていない。HMOの組成は、環境及び遺伝の両方の影響を受け、母体集団によって大きく異なる。乳腺で合成される母乳中のHMO量は、初乳の約20.9g/Lから成熟乳の12.9g/Lまで様々である。
HMOがアレルギー反応を調節し得ることを示唆するいくつかのin vitroでの証拠があり、特定のHMO(例えば、2’-フコシルラクトース、2’FL)は、食物アレルギーの動物モデルにおいてアレルギー反応を減少させることが示唆されている。更に、関連研究により、乳児のミルクアレルギー又は食物アレルギーと相関するいくつかの母乳中HMO濃度の特定がなされてきた。しかしながら、食品グレードの合成HMOは、最近まで利用不可能であり、介入研究において乳児に対してHMOの試験を行うことが不可能であった。
更に、アレルギーの調節に有益であり得る特定のHMOの同定、及び有益な効果を提供し得るHMO濃度に関しても不確実性が残っている。
生後数ヶ月の健康な乳児にとって、ヒトの母乳及び母乳栄養は栄養の最適な形態であると考えられている。しかしながら、母乳に追加して使用することができる栄養源が必要とされている。更に、乳児には必ずしも母乳栄養が可能なわけではなく、早産児などのより脆弱な乳児のニーズは母乳では達成できないため、母乳の代替品も必要とされている。乳児の栄養要件を満たす乳児用フォーミュラなどの栄養組成物は、ヒトの母乳を代替するもの又は補完するものとして使用することができる。しかしながら、乳児用フォーミュラの組成は、栄養要件を満たし、許容できる味を提供し、更に乳児の発達を助けるために、特にアレルギーの乳児又はアレルギーのリスクがある乳児を対象とする場合は、慎重に制御される必要がある。
したがって、乳児におけるアレルギーの発症を予防又は低減するために使用され得る乳児用フォーミュラなどの栄養組成物、特に乳児におけるアレルギー感作の予防又は低減に有効な乳児用フォーミュラに対する大きなニーズが依然として存在している。
[発明の概要]
本発明者らは、驚くべきことに、HMOである2’-フコシルラクトース(2’FL)及びラクト-N-ネオテトラオース(LNnT)は、中用量で、アレルギー感作の予防において最も効果的であることを見出した。本発明者らは、最適な中用量よりも低い又は高いレベルは、有益性が低い可能性があることを見出した。
本発明者らは、母親のコホートの母乳中のHMO濃度を分析し、2種類のHMOである2’FL及びLNnTが皮膚感作又は皮膚発疹に関連することを特定した。加えて、臨床的に診断された集団におけるHMO濃度の分布の解析から、本発明者らは、中用量の有益な効果を示唆する非線形分布を見出した。次いで、本発明者らは、動物モデル試験を実施し、HMOは、実際にアレルギー感作の予防において、低用量又は高用量と比較して中用量でより有益な効果を示すことが確認された。
したがって、一態様では、本発明は、乳児におけるアレルギー感作の発生の予防又は低減に使用するための乳児用フォーミュラを提供し、該乳児用フォーミュラは、0.8~2.5g/Lの2’-フコシルラクトース(2’FL)及び/又は0.05~0.2g/Lのラクト-N-ネオテトラオース(LNnT)を含む。
別の態様では、本発明は、乳児におけるアレルギー感作の発生を予防又は低減する方法を提供し、該方法は、乳児に乳児用フォーミュラを投与することを含み、該乳児用フォーミュラは、0.8~2.5g/Lの2’-フコシルラクトース(2’FL)及び/又は0.05~0.2g/Lのラクト-N-ネオテトラオース(LNnT)を含む。
いくつかの実施形態では、乳児用フォーミュラは、0.8~1.5g/L、0.8~1.4g/L、0.8~1.3g/L、0.8~1.2g/L、0.8~1.1g/L、0.9~1.1g/L、又は約1g/Lの2’FLを含む。いくつかの実施形態では、乳児用フォーミュラは、0.8~1.2g/Lの2’FLを含む。いくつかの実施形態では、乳児用フォーミュラは、0.9~1.1g/Lの2’FLを含む。
いくつかの実施形態では、乳児用フォーミュラは、1~1.5g/L、1~1.4g/L、1~1.3g/L、1~1.2g/L、1~1.1g/L、又は約1g/Lの2’FLを含む。いくつかの実施形態では、乳児用フォーミュラは、1~1.1g/Lの2’FLを含む。
好ましい実施形態では、乳児用フォーミュラは、約1g/Lの2’FLを含む。
いくつかの実施形態では、乳児用フォーミュラは、1.5~2.5g/L、1.5~2.4g/L、1.5~2.3g/L、1.5~2.2g/L、1.5~2.1g/L、1.5~2g/L、1.6~2g/L、1.7~1.9g/L、又は約1.8g/Lの2’FLを含む。いくつかの実施形態では、乳児用フォーミュラは、1.5~2g/Lの2’FLを含む。いくつかの実施形態では、乳児用フォーミュラは、1.7~1.9g/Lの2’FLを含む。
好ましい実施形態では、乳児用フォーミュラは、約1.8g/Lの2’FLを含む。
いくつかの実施形態では、乳児用フォーミュラは、0.05~0.15g/L、0.06~0.14g/L、0.07~0.13g/L、0.08~0.12g/L、0.09~0.11g/L、又は約0.1g/LのLNnTを含む。いくつかの実施形態では、乳児用フォーミュラは、0.08~0.12g/LのLNnTを含む。いくつかの実施形態では、乳児用フォーミュラは、0.09~0.11g/LのLNnTを含む。
好ましい実施形態では、乳児用フォーミュラは、約0.1g/LのLNnTを含む。
好ましい実施形態では、乳児用フォーミュラは、2’FL及びLNnTを含む。
いくつかの実施形態では、乳児用フォーミュラは、約1.5~2g/Lの2’FL及び約0.08~0.12g/LのLNnTを含む。いくつかの実施形態では、乳児用フォーミュラは、約1.7~1.9g/Lの2’FL及び約0.09~0.11g/LのLNnTを含む。いくつかの実施形態では、乳児用フォーミュラは、約1.8g/Lの2’FL及び約0.1g/LのLNnTを含む。
いくつかの実施形態では、乳児用フォーミュラは、高度加水分解された乳児用フォーミュラ(eHF)である。いくつかの実施形態では、乳児用フォーミュラは、アミノ酸ベースの乳児用フォーミュラ(AAF)である。
好ましい実施形態では、乳児用フォーミュラは、タンパク質、炭水化物、及び脂質を含む。
いくつかの実施形態では、乳児用フォーミュラは、
(a)100kcal当たり1.8~3.2gのタンパク質、
(b)100kcal当たり9~14gの炭水化物、及び/又は
(c)100kcal当たり4.0~6.0gの脂質
を含む。
いくつかの実施形態では、乳児用フォーミュラは、100kcal当たり約2.4g以下のタンパク質を含む。
いくつかの実施形態では、乳児用フォーミュラは、100kcal当たり1.8~2.4gのタンパク質、100kcal当たり2.1~2.3gのタンパク質、又は100kcal当たり2.15~2.25gのタンパク質を含む。好ましい実施形態では、乳児用フォーミュラは、100kcal当たり約2.2gのタンパク質を含む。
いくつかの実施形態では、脂質の約30重量%以下は、中鎖トリグリセリド(MCT)である。
いくつかの実施形態では、乳児用フォーミュラ中の脂質の約25重量%以下、20重量%以下、15重量%以下、10重量%以下、5重量%以下、又は1重量%以下が、中鎖トリグリセリド(MCT)である。
いくつかの実施形態では、乳児用フォーミュラは、添加されたMCTを含まない。
別の態様では、本発明は、0.05~0.2g/L、0.05~0.15g/L、0.05~0.1g/L、又は約0.1g/LのLNnTを含む乳児用フォーミュラを提供し、好ましくは、該乳児用フォーミュラは、約0.1g/LのLNnTを含む。
非アレルギー乳児(N=40)及び医学的に診断されたアレルギー/アトピー乳児(N=29)の母親の母乳中のヒトミルクオリゴ糖(HMO)濃度である。乳試料は3ヶ月目に採取した。箱ひげ図は、25パーセンタイル及び75パーセンタイルを示す箱内に中央値(水平線)を示し、ひげは10パーセンタイル及び90パーセンタイルを示し、丸は上下の10%を示している。非アレルギー群とアレルギー群の母乳のHMOの間に統計的な差異(Q又は補正p>0.05)は見られなかった(ノンパラメトリックのマン-ホイットニー-ウィルコクソン検定)。 ヒト母乳中の(A)2’-フコシルラクトース(2’FL)濃度(mg/L)及び(B)ラクト-N-ネオテトラオース(LNnT)濃度(μg/mL)の四分位分析で、集団のサブグループ間における分布に違いがあることを示す。緑色のパーセント値(楕円で強調表示)は統計的に有意な正の結果を示し、赤色のパーセント値(四角で強調表示)は負の結果を示している。 アレルギー感作の予防において2’FLとLNnT(HMO)の2:1混合物の最適な中用量が1%であることを、皮膚感作のマウスモデルで観察された特異的IgG濃度の減少によって示している。
本明細書で使用する場合、用語「含む(comprising)」、「含む(comprises)」、及び「を含む(comprised of)」は、「含む(including)」又は「含む(includes)」又は「含有する(containing)」又は「含有する(contains)」と同義であり、他を包含し得るもの、すなわちオープンエンドであり、かつ追加の、列挙されていない構成、要素、又は工程を除外しない。用語「含む(comprising)」、「含む(comprises)」、及び「を含む(comprised of)」はまた、用語「から成る(consisting of)」を含む。
乳児用フォーミュラ
「乳児用フォーミュラ」という用語は、生後1年の間の乳児の特定栄養用途食品であって、当該フォーミュラ単独で、このカテゴリーに該当するヒトの栄養要件(2015年9月25日の欧州委員会規則(EU)2016/127に定義される)を満たす、食品を指し得る。
いくつかの実施形態では、乳児用フォーミュラは、高度加水分解された乳児用フォーミュラ(eHF)である。
いくつかの実施形態では、乳児用フォーミュラは、100%ホエイベースの部分加水分解フォーミュラ(pHF)である。
いくつかの実施形態では、乳児用フォーミュラは、アミノ酸ベースの乳児用フォーミュラ(AAF)である。
いくつかの実施形態では、該フォーミュラは、例えば、HMOを含まない乳児用フォーミュラ又は食事に混合され得るサプリメントである。
「高度加水分解された乳児用フォーミュラ」又は「eHF」という用語は、高度加水分解されたタンパク質を含む乳児用フォーミュラを指し得る。eHFは、未処理の牛乳タンパク質(Cow’s milk protein、CMP)を消化することができない、又はCMPに対して不耐性若しくはアレルギーを有する乳児に対して完全栄養を提供する、低アレルギー性乳児用フォーミュラであり得る。
「アミノ酸ベースの乳児用フォーミュラ」又は「AAF」という用語は、タンパク質の供給源として遊離アミノ酸のみを含む乳児用フォーミュラを指し得る。AAFは、検出可能なペプチドを含有しない場合がある。AAFは、食物タンパク質アレルギー及び/又は食物タンパク質不耐性を有する乳児に対して完全栄養を提供する低アレルギー性乳児用フォーミュラであり得る。例えば、AAFは、未処理のCMPを消化することができない、又はCMPに対して不耐性若しくはアレルギーを有する、また複数の食品に対して極めて重篤な若しくは生命を脅かす症状及び/若しくは感作を有し得る乳児に対して完全栄養を提供する低アレルギー性乳児用フォーミュラであり得る。
「低アレルギー性」組成物は、アレルギー反応を引き起こす可能性が低い組成物である。好適には、本発明の乳児用フォーミュラは、牛乳タンパク質アレルギー(CMPA)を有する乳児の90%超に耐容性がある。これは、米国小児科学会が提供するガイダンスに沿ったものである(Committee on Nutrition(2000)Pediatrics 106(2):346-349)。好適には、本発明の乳児用フォーミュラは、CMP特異的IgE、例えばCMPAを有する対象のIgEによって認識されるペプチドを含有し得ない。
pHF組成物は、未処理の乳アレルゲンの曝露を低減するために加水分解されている組成物である。好適には、本発明の乳児用フォーミュラは、アレルギー疾患の予防のための一般的な乳児集団を対象とするものである。
乳児には乳児用フォーミュラのみを与えることができる、又は乳児用フォーミュラを、ヒト母乳を補完するものとして使用できる。
本発明の乳児用フォーミュラは、粉末又は液体の形態であり得る。
液体は、例えば、濃縮液体乳児用フォーミュラ又はレディ・トゥ・フィード乳児用フォーミュラであってもよい。乳児用フォーミュラは、再構成した乳児用フォーミュラ(すなわち、粉末形態から再構成した液体乳児用フォーミュラ)の形態であってもよい。濃縮液体乳児用フォーミュラは、好ましくは、例えば水を加えることによって、乳児に与えるのに好適な液体組成物に希釈することができる。
いくつかの実施形態では、乳児用フォーミュラは粉末形態である。粉末は、例えば水を加えることによって、乳児に与えるのに好適な液体組成物に再構成することができる。
乳児用フォーミュラは、指示通りに配合した場合、100mL当たり約60~72kcalのエネルギー密度を有し得る。好適には、乳児用フォーミュラは、指示通りに配合した場合、100mL当たり約60~70kcalのエネルギー密度を有し得る。
ヒトミルクオリゴ糖
本発明の乳児用フォーミュラは、ヒトミルクオリゴ糖(HMO)である2’-フコシルラクトース(2’FL)及び/又はラクト-N-ネオテトラオース(LNnT)のうちの少なくとも1つを含有する。
ヒト母乳には多くの種類のHMOが見出される。各個々のオリゴ糖は、グルコース、ガラクトース、シアル酸(N-アセチルノイラミン酸)、フコース、及び/又はN-アセチルグルコサミンの組み合わせをベースに、それらの間に多種多様な結合を有するため、ヒト母乳中には非常に多様なオリゴ糖が含まれることになる。ほとんど全てのHMOは、還元末端にラクトース部分を有し、非還元末端の末端位置は、シアル酸及び/又はフコース(存在する場合)が占める。HMOは、酸性(例えば、荷電シアル酸含有オリゴ糖)又は中性(例えば、フコシル化オリゴ糖)であり得る。
本発明の乳児用フォーミュラは、2’-フコシルラクトース(2’FL)及び/又はラクト-N-ネオテトラオース(LNnT)を含む。
いくつかの実施形態では、乳児用フォーミュラは、2’FLを含む。いくつかの実施形態では、2’FL以外の種類のフコシル化オリゴ糖は存在しない、すなわち、本発明の乳児用フォーミュラは、フコシル化オリゴ糖として2’FLのみを含む。
2’FLは、酵素ベースの発酵技術(組換え酵素又は天然酵素)又は微生物発酵技術のいずれかを用いた、特定のフコシルトランスフェラーゼ及び/又はフコシダーゼを使用するバイオテクノロジー手段によって生成され得る。後者の場合、微生物が、それらの天然酵素及び基質を発現し得る、又はそれぞれの基質及び酵素を生成するように操作され得る。あるいは、2’FLは、ラクトース及び遊離フコースからの化学合成によって生成され得る。
いくつかの実施形態では、乳児用フォーミュラは、LNnTを含む。いくつかの実施形態では、LNnT以外の種類のN-アセチル化オリゴ糖は存在しない、すなわち、本発明の乳児用フォーミュラは、N-アセチル化オリゴ糖としてLNnTのみを含む。
LNnTは、例えば米国特許第5,288,637号及び国際公開第1996/010086号に記載されているように、グリコシルトランスフェラーゼを使用して、ドナー部分からアクセプター部分への糖単位の酵素的な転移によって化学的に合成され得る。あるいは、LNnTは、Wrodnigg,T.M.及びStutz,A.E.(1999)Angew.Chem.Int.Ed.38:827-828に記載されているように、遊離ケトヘキソース、又はオリゴ糖(例えば、ラクツロース)に結合したケトヘキソース(例えば、フルクトース)をN-アセチルヘキソサミン又はN-アセチルヘキソサミン含有オリゴ糖に化学変換することにより調製され得る。このようにして生成されたN-アセチル-ラクトサミンは、次いでアクセプター部分としてラクトースに転移され得る。
いくつかの実施形態では、乳児用フォーミュラは、2’FL及び/又はLNnTを含むオリゴ糖混合物を含む。好ましい実施形態では、乳児用フォーミュラは、2’FL及びLNnTを含むオリゴ糖混合物を含む。本発明の乳児用フォーミュラは、例えば、フコシル化オリゴ糖として2’FLのみ及びN-アセチル化オリゴ糖としてLNnTのみを含み得る。
2’FLは、例えば、乳児用フォーミュラ中に、乳児用フォーミュラ1L当たり0.8~2.5gの合計量(指示通りに配合した場合)で存在し得る。
いくつかの実施形態では、乳児用フォーミュラは、0.8~1.5g/L、0.8~1.4g/L、0.8~1.3g/L、0.8~1.2g/L、0.8~1.1g/L、0.9~1.1g/L、又は約1g/Lの2’FLを含む(指示通りに配合した場合)。いくつかの実施形態では、乳児用フォーミュラは、0.8~1.2g/Lの2’FLを含む(指示通りに配合した場合)。いくつかの実施形態では、乳児用フォーミュラは、0.9~1.1g/Lの2’FLを含む(指示通りに配合した場合)。
いくつかの実施形態では、乳児用フォーミュラは、1~1.5g/L、1~1.4g/L、1~1.3g/L、1~1.2g/L、1~1.1g/L、又は約1g/Lの2’FLを含む(指示通りに配合した場合)。いくつかの実施形態では、乳児用フォーミュラは、1~1.1g/Lの2’FLを含む(指示通りに配合した場合)。
好ましい実施形態では、乳児用フォーミュラは、約1g/Lの2’FLを含む(指示通りに配合した場合)。
いくつかの実施形態では、乳児用フォーミュラは、1.5~2.5g/L、1.5~2.4g/L、1.5~2.3g/L、1.5~2.2g/L、1.5~2.1g/L、1.5~2g/L、1.6~2g/L、1.7~1.9g/L、又は約1.8g/Lの2’FLを含む(指示通りに配合した場合)。いくつかの実施形態では、乳児用フォーミュラは、1.5~2g/Lの2’FLを含む(指示通りに配合した場合)。いくつかの実施形態では、乳児用フォーミュラは、1.7~1.9g/Lの2’FLを含む(指示通りに配合した場合)。
好ましい実施形態では、乳児用フォーミュラは、約1.8g/Lの2’FLを含む(指示通りに配合した場合)。
LNnTは、例えば、乳児用フォーミュラ中に、乳児用フォーミュラ1L当たり0.05~0.2gの合計量(指示通りに配合した場合)で存在し得る。
いくつかの実施形態では、乳児用フォーミュラは、0.05~0.15g/L、0.06~0.14g/L、0.07~0.13g/L、0.08~0.12g/L、0.09~0.11g/L、又は約0.1g/LのLNnTを含む(指示通りに配合した場合)。いくつかの実施形態では、乳児用フォーミュラは、0.08~0.12g/LのLNnTを含む(指示通りに配合した場合)。いくつかの実施形態では、乳児用フォーミュラは、0.09~0.11g/LのLNnTを含む(指示通りに配合した場合)。
好ましい実施形態では、乳児用フォーミュラは、約0.1g/LのLNnTを含む(指示通りに配合した場合)。
好ましい実施形態では、乳児用フォーミュラは、2’FL及びLNnTを含む。
いくつかの実施形態では、乳児用フォーミュラは、約0.8~1.2g/Lの2’FL及び約0.08~0.12g/LのLNnTを含む(指示通りに配合した場合)。
いくつかの実施形態では、乳児用フォーミュラは、約0.9~1.1g/Lの2’FL及び約0.09~0.11g/LのLNnTを含む(指示通りに配合した場合)。
いくつかの実施形態では、乳児用フォーミュラ(指示通りに配合した場合)は、約1.8g/Lの2’FL及び約0.1g/LのLNnTを含む。
いくつかの実施形態では、乳児用フォーミュラは、約1.5~2g/Lの2’FL及び約0.08~0.12g/LのLNnTを含む(指示通りに配合した場合)。
いくつかの実施形態では、乳児用フォーミュラは、約1.7~1.9g/Lの2’FL及び約0.09~0.11g/LのLNnTを含む(指示通りに配合した場合)。
いくつかの実施形態では、本発明の乳児用フォーミュラ(指示通りに配合した場合)は、約1.8g/Lの2’FL及び約0.1g/LのLNnTを含む。
いくつかの実施形態では、乳児用フォーミュラは、0.12~0.225g/100kcal、0.12~0.21g/100kcal、0.12~0.195g/100kcal、0.12~0.18g/100kcal、0.12~0.165g/100kcal、0.135~0.165g/100kcal、又は約0.15g/100kcalの2’FLを含む(指示通りに配合した場合)。いくつかの実施形態では、乳児用フォーミュラは、0.12~0.18g/100kcalの2’FLを含む(指示通りに配合した場合)。いくつかの実施形態では、乳児用フォーミュラは、0.135~0.165g/100kcalの2’FLを含む(指示通りに配合した場合)。
いくつかの実施形態では、乳児用フォーミュラは、0.15~0.225g/100kcal、0.15~0.21g/100kcal、0.15~0.195g/100kcal、0.15~0.18g/100kcal、0.15~0.165g/100kcal、又は約0.15g/100kcalの2’FLを含む(指示通りに配合した場合)。いくつかの実施形態では、乳児用フォーミュラは、0.15~0.165g/100kcalの2’FLを含む(指示通りに配合した場合)。
好ましい実施形態では、乳児用フォーミュラは、約0.15g/100kcalの2’FLを含む(指示通りに配合した場合)。
いくつかの実施形態では、乳児用フォーミュラは、0.225~0.375g/100kcal、0.225~0.36g/100kcal、0.225~0.345g/100kcal、0.225~0.33g/100kcal、0.225~0.315g/100kcal、0.225~0.3g/100kcal、0.24~0.3g/100kcal、0.255~0.285g/100kcal、又は約0.27g/100kcalの2’FLを含む(指示通りに配合した場合)。いくつかの実施形態では、乳児用フォーミュラは、0.225~2g/100kcalの2’FLを含む(指示通りに配合した場合)。いくつかの実施形態では、乳児用フォーミュラは、0.255~0.285g/100kcalの2’FLを含む(指示通りに配合した場合)。
好ましい実施形態では、乳児用フォーミュラは、約0.27g/100kcalの2’FLを含む(指示通りに配合した場合)。
LNnTは、例えば、乳児用フォーミュラ中に、乳児用フォーミュラ100kcal当たり0.0075~0.03gの合計量(指示通りに配合した場合)で存在し得る。
いくつかの実施形態では、乳児用フォーミュラは、0.0075~0.0225g/100kcal、0.009~0.021g/100kcal、0.0105~0.0195g/100kcal、0.012~0.018g/100kcal、0.0135~0.0165g/100kcal、又は約0.015g/100kcalのLNnTを含む(指示通りに配合した場合)。いくつかの実施形態では、乳児用フォーミュラは、0.012~0.018g/100kcalのLNnTを含む(指示通りに配合した場合)。いくつかの実施形態では、乳児用フォーミュラは、0.0135~0.0165g/100kcalのLNnTを含む(指示通りに配合した場合)。
好ましい実施形態では、乳児用フォーミュラは、約0.015g/100kcalのLNnTを含む(指示通りに配合した場合)。
タンパク質
「タンパク質」という用語は、ペプチド及び遊離アミノ酸を含む。乳児用フォーミュラのタンパク質含有量は、当業者に既知の任意の方法によって計算され得る。好適には、タンパク質含有量は、窒素タンパク質換算法によって算出され得る。例えば、Maubois,J.L.and Lorient,D.(2016)Dairy Science&Technology 96(1):15-25に記載の通りである。好ましくは、タンパク質含有量は、2015年9月25日の欧州委員会規則(EU)2016/127に定義されるように、窒素含有量×6.25として計算される。窒素含有量は、当業者に既知の任意の方法によって特定され得る。例えば、窒素含有量は、ケルダール法によって測定され得る。
タンパク質濃度
乳児用フォーミュラのタンパク質含有量は、好ましくは、100kcal当たり1.8~3.2gの範囲のタンパク質である。いくつかの実施形態では、乳児用フォーミュラのタンパク質含有量は、100kcal当たり1.8~2.8gの範囲のタンパク質である。
eHFは、典型的には、100kcal当たり2.6~2.8gのタンパク質を含有し、AAFは、典型的には、100kcal当たり2.8~3.1gのタンパク質を含有するものであり、例えば、重度の吸収不良を含む胃腸病変のある乳児、又は高い代謝率を補うためにタンパク質及びカロリーをより多く必要とする乳児のニーズに対応する。
より低いタンパク質含有量を有するeHF又はAAFなどの乳児用フォーミュラは、アレルギー乳児の適切な発育及び発達をサポートすると共に、安全性及び耐容性があり得る。
したがって、いくつかの実施形態では、乳児用フォーミュラは、100kcal当たり約2.4g以下のタンパク質を含み得る。例えば、乳児用フォーミュラは、100kcal当たり約2.3g以下のタンパク質、100kcal当たり2.25g以下のタンパク質、又は100kcal当たり2.2g以下のタンパク質を含み得る。
好適には、乳児用フォーミュラは、100kcal当たり約1.8g以上のタンパク質を含む。例えば、乳児用フォーミュラは、100kcal当たり約1.86g以上のタンパク質、100kcal当たり1.9g以上のタンパク質、100kcal当たり2.0g以上のタンパク質、又は100kcal当たり2.1g以上のタンパク質を含み得る。好ましくは、乳児用フォーミュラは、現行EU規則(EFSA NDA Panel(2014)EFSA journal 12(7):3760)に沿って、100kcal当たり約1.86g以上のタンパク質を含む。
いくつかの実施形態では、乳児用フォーミュラは、100kcal当たり1.8~2.4gのタンパク質、100kcal当たり1.86~2.4gのタンパク質、100kcal当たり1.9~2.4gのタンパク質、100kcal当たり2.0~2.4gのタンパク質、100kcal当たり2.0~2.3gのタンパク質、100kcal当たり2.1~2.3gのタンパク質、又は100kcal当たり2.15~2.25gのタンパク質を含み得る。
好ましくは、乳児用フォーミュラは、100kcal当たり約2.2gのタンパク質を含む。
タンパク質の供給源
タンパク質の供給源は、乳児用フォーミュラにおける使用に好適な任意の供給源であり得る。好適には、タンパク質は牛乳タンパク質である。
いくつかの実施形態では、乳児用フォーミュラは、乳タンパク質を含まない。いくつかの実施形態では、乳児用フォーミュラは、牛乳タンパク質を含まない。したがって、いくつかの実施形態では、総タンパク質の100重量%は、非乳性タンパク質である。
いくつかの実施形態では、乳児用フォーミュラは、植物タンパク質を含む。本発明の乳児用フォーミュラにおいて任意に使用され得る植物タンパク質の例としては、ジャガイモ、エンドウ豆、米、キノア、オート麦、ヒマワリ、若しくはココナッツタンパク質、又はそれらの組み合わせが挙げられる。乳児用フォーミュラに使用するための更なる非乳性タンパク質の例としては、藻類タンパク質又は葉タンパク質が挙げられる。
高度加水分解/加水分解されたホエイベースのフォーミュラは、高度加水分解/加水分解されたカゼインベースのフォーミュラよりも嗜好性が高い場合があり、及び/又は対象はカゼインタンパク質にのみ感作される場合がある。したがって、好適には、タンパク質の約50%超、約60%超、約70%超、約80%超、約90%超、又は約100%がホエイタンパク質である。好ましくは、タンパク質の供給源はホエイタンパク質である。
ホエイタンパク質は、チーズの製造に由来するホエイであってよく、特に、レンネットによるカゼインの凝固により得られるものなどのスイートホエイ、酸によるカゼインの凝固又は発酵物の酸性化により得られる酸性ホエイ、あるいは更には酸による及びレンネットによる凝固により得られる混合ホエイであってよい。この原料は、イオン交換により、及び/又は電気透析により脱塩された、脱塩乳清タンパク質(DWP)として知られる乳清であり得る。
ホエイタンパク質の供給源は、カゼイノ-グリコマクロペプチド(CGMP)が完全に又は部分的に除去されたスイートホエイであり得る。このホエイは、変性スイートホエイ(MSW)と呼ばれる。スイートホエイからCGMPを除去すると、スレオニン及びトリプトファン含有量がヒト母乳により近いタンパク質材料が得られる。スイートホエイからのCGMPの除去プロセスは、欧州特許第880902号に記載されている。
ホエイタンパク質はDWP及びMSWの混合物であってよい。
いくつかの実施形態では、乳児用フォーミュラ中のカゼインの量は検出不可能であり、例えば、0.2mg/kg未満である。カゼインの量は、当業者に既知の任意の方法によって特定され得る。
加水分解度
eHFでは、タンパク質は「高度加水分解され」、その結果、eHFはCMPAを有する乳児の90%超に耐容性があり得る。
タンパク質加水分解物は、非タンパク質窒素を全窒素で除算した値×100を指すNPN/TN%で特徴付けられる加水分解の程度を有し得る。非タンパク質窒素は、トリニトロベンゼンスルホン酸(TNBS)などの試薬と自由に反応するアミノ窒素を指す。NPN/TN%は、当業者に既知の任意の方法によって特定され得る。例えば、NPN/TN%は、Adler-Nissen(Adler-Nissen,J.(1979)J.Agric.Food Chem.27:1256-1262)に記載の通りに測定され得る。好適には、タンパク質は、90%超、95%超、又は98%超のNPN/TN%を有し得る。
加水分解の程度はまた、加水分解度によって特定され得る。「加水分解度」(DH)は、タンパク質加水分解物中の切断されたペプチド結合の割合として定義され、当業者に既知の任意の方法によって特定され得る。好適には、加水分解度は、pHスタット、トリニトロベンゼンスルホン酸(TNBS)、o-フタルジアルデヒド(OPA)、トリクロロ酢酸可溶性窒素(SN-TCA)、又はホルモール滴定法によって特定される。(Rutherfurd,S.M.(2010)Journal of AOAC International 93(5):1515-1522)。タンパク質の加水分解度(DH)は、例えば、90超、95超、又は98超であり得る。
加水分解の程度はまた、ペプチド分子量分布によって特定され得る。ペプチド分子量分布は、高性能サイズ排除クロマトグラフィーによって、任意にUV検出器を用いて(HPSEC/UV)特定され得る(Johns,P.W.et al.(2011)Food chemistry 125(3):1041-1050)。例えば、ペプチド分子量分布は、205nm、214nm、又は220nmで特定されたHPSECピーク面積ベースの推定値であり得る。好適には、ペプチド分子量分布がHPSEC/UVによって特定される場合、ある特定の分子量を有する「ペプチドの重量パーセント」は、205nm、214nm、又は220nmで特定された、その分子量を有する「総ピーク面積の百分率としてのピーク面積の分率」によって推定され得る。好適には、加水分解の程度は、国際公開第2016/156077号に記載されている方法によって特定され得る。あるいは、ペプチド分子量分布は、当業者に既知の任意の方法、例えば、ドデシル硫酸ナトリウム-ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)によって特定され得る(Chauveau,A.et al.(2016)Pediatric Allergy and Immunology 27(5):541-543)。
理論的には、細胞膜結合型IgEと結合するためには、ペプチドは約1500Da(約15アミノ酸)を超えるサイズである必要があり、IgE分子を架橋して免疫反応を誘導するためには、約3000Da(約30アミノ酸)を超えるサイズである必要がある(Nutten(2018)EMJ Allergy Immunol 3(1):50-59)。
したがって、好適には、eHF中のペプチドの少なくとも約95重量%、少なくとも約98重量%、少なくとも約99重量%、又は約100重量%は、約3000Da未満の分子量を有する。例えば、eHF中には約3000Da以上のサイズの検出可能なペプチドは存在し得ない。
したがって、好適には、eHF中のペプチドの少なくとも約95重量%、少なくとも約98重量%、少なくとも約99重量%、又は約100重量%は、約1500Da未満の分子量を有する。好ましくは、ペプチドの少なくとも99重量%は、約1500Da未満の分子量を有する。例えば、eHF中には約1500Da以上のサイズの検出可能なペプチドは存在し得ない。
好ましくは、eHF中のペプチドの少なくとも約85重量%、少なくとも約90重量%、少なくとも約95重量%、少なくとも約98重量%、又は少なくとも約99重量%は、約1200Da未満の分子量を有する。より好ましくは、eHF中のペプチドの少なくとも95重量%又は98重量%は、約1200Da未満の分子量を有する。
好適には、eHF中のペプチドの少なくとも約80重量%、少なくとも約85重量%、少なくとも約90重量%、又は少なくとも約95重量%は、約1000Da未満の分子量を有する。好ましくは、eHF中のペプチドの少なくとも約95重量%は、約1000Da未満の分子量を有する。
好ましくは、eHFは、約3000Da以上のサイズの検出可能なペプチドを有しておらず、ペプチドの少なくとも約95重量%は、約1200Da未満の分子量を有する。
ジペプチド及びトリペプチドの割合が高いと、腸機能障害のある患者でも窒素(タンパク質)吸収が改善され得る。PEPT1は、低分子ペプチド(例えば、ジペプチド及びトリペプチド)の吸収を促進する専用の輸送経路である。生後数週間においては、腸のPEPT1は栄養摂取に重要であり、その後は離乳後の食移行に重要である。
したがって、eHF中のペプチドの少なくとも約30重量%、少なくとも約40重量%、又は少なくとも約50重量%は、ジペプチド及びトリペプチドであり得る。好ましくは、eHF中のペプチドの少なくとも約45重量%、少なくとも約50重量%、45~55重量%、又は50~54重量%は、ジペプチド及びトリペプチドである。より好ましくは、eHF中のペプチドの約51~53重量%、又はより好ましくは約52重量%は、ジペプチド及びトリペプチドである。
好適には、eHF中のペプチドの少なくとも約30重量%、少なくとも約40重量%、又は少なくとも約50重量%は、240~600Daの分子量を有する。好ましくは、eHF中のペプチドの少なくとも約45重量%、少なくとも約50重量%、45~55重量%、又は50~54重量%は、240~600Daの分子量を有する。より好ましくは、eHF中のペプチドの約51~53重量%、又は最も好ましくは、約52重量%は、240~600Daの分子量を有する。
eHF中のペプチドは、例えば、300Da~370Da、好ましくは320Da~360Daの分子量中央値を有し得る。
主要な牛乳アレルゲンとしては、α-ラクトアルブミン(aLA)、β-ラクトグロブリン(bLG)、及びウシ血清アルブミン(BSA)が認識されている。
したがって、好適には、eHFは、検出不可能なaLA含有量、例えば、約0.010mg/kg以下のaLAを有し得、eHFは、検出不可能なbLG含有量、例えば、約0.010mg/kg以下のbLGを有し得、及び/又はeHFは、検出不可能なBSA含有量、例えば、約0.010mg/kg以下のBSAを有し得る。好ましくは、eHFは、検出可能な量のaLA、bLG、及びBSAを含まない。aLA、bLG、及びBSAの含有量は、当業者に既知の任意の方法、例えばELISAによって特定され得る。
好ましい実施形態では、本発明のeHFは、約3000Da以上のサイズの検出可能なペプチドを有しておらず、ペプチドの少なくとも約95重量%は、約1200Da未満の分子量を有し;任意に、ペプチドの少なくとも約45重量%、少なくとも約50重量%、若しくは45~55重量%は、240~600Daの分子量を有し、及び/又はジペプチド若しくはトリペプチドであり;また、eHFは添加されたMCTを含まない。
加水分解方法
本発明の乳児用フォーミュラに使用するためのタンパク質は、当該技術分野において既知の任意の好適な方法によって加水分解され得る。例えば、タンパク質は、例えばプロテアーゼを使用して、酵素加水分解され得る。例えば、タンパク質は、アルカラーゼを使用して加水分解され得る(例えば、約1~15重量%の酵素:基質比で、約1~10時間の持続時間)。温度は、約40℃~60℃の範囲、例えば、約55℃であり得る。反応時間は、例えば、1~10時間であり得、加水分解を開始する前のpH値は、例えば、6~9、好ましくは6.5~8.5、より好ましくは7.0~8.0の範囲内にあり得る。
加水分解プロセスには、ブタ酵素、特にブタ膵臓酵素が使用され得る。例えば、国際公開第1993004593(A1)号は、トリプシン及びキモトリプシンを使用した加水分解プロセスについて開示している。このプロセスには2ステップの加水分解反応が含まれており、2ステップの間には、最終的な加水分解物を、未処理のアレルゲン性タンパク質を実質的に含まないものにすることを担保すべく、熱変性ステップが含まれている。これらの方法に使用されるトリプシン及びキモトリプシンは、ブタ膵臓抽出物により製造される調製物である。
国際公開第2016156077(A1)号は、乳ベースのタンパク性材料を、微生物由来アルカリセリンプロテアーゼと、ブロメライン、アスペルギルス属(Aspergillus)由来のプロテアーゼ、及びバシラス属(Bacillus)由来のプロテアーゼとの組み合わせにより加水分解することを含む、乳タンパク質加水分解物の調製プロセスについて開示している。
遊離アミノ酸
本発明の乳児用フォーミュラは、遊離アミノ酸を含み得る。
遊離アミノ酸の濃度は、乳児栄養に十分なアミノ酸プロファイル、特に栄養規則(例えば、欧州委員会指令2006/141/EC)を満たすアミノ酸プロファイルを提供するように選択され得る。
遊離アミノ酸は、ペプチドに含まれるアミノ酸を補充するために本発明のeHFに組み込まれ得る。
本発明の乳児用フォーミュラに使用するための遊離アミノ酸の例としては、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、システイン、フェニルアラニン、チロシン、スレオニン、トリプトファン、バリン、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、プロリン、セリン、カルニチン、タウリン、及びそれらの混合物が挙げられる。
遊離アミノ酸は、タンパク質と同等の供給源を提供する(すなわち、窒素含有量に寄与する)。上記のように、ジペプチド及びトリペプチドの割合が高いと、腸機能障害のある患者でも、窒素(タンパク質)吸収が改善され得る。したがって、遊離アミノ酸の割合が低いと、腸機能障害のある患者でも、窒素(タンパク質)吸収が改善され得る。
したがって、好適には、eHF中の遊離アミノ酸は、アミノ酸の総重量に基づいて、50重量%以下、40重量%以下、30重量%以下、又は25重量%以下の濃度で存在し得る。好ましくは、eHFは、アミノ酸の総重量に基づいて、25重量%以下の遊離アミノ酸を含む。より好ましくは、eHF中の遊離アミノ酸は、アミノ酸の総重量に基づいて、20~25重量%、21~23重量%、又は約22重量%の濃度で存在する。
遊離アミノ酸含有量は、当業者に既知の任意の方法によって特定され得る。好適には、遊離アミノ酸含有量は、イオン交換クロマトグラフィーによる水性サンプル抽出物中に存在する遊離アミノ基の分離及びニンヒドリン試薬によるポストカラム誘導体化後の光検出によって得られ得る。総アミノ酸含有量は、窒素下、6mol/LのHCl中での試験部分の加水分解によって、及び上記のようにイオン交換クロマトグラフィーによる個々のアミノ酸の分離によって得られ得る。
好ましい実施形態では、本発明のeHFは、約3000Da以上のサイズの検出可能なペプチドを有しておらず、ペプチドの少なくとも約95重量%は、約1200Da未満の分子量を有し;任意に、ペプチドの少なくとも約45重量%、少なくとも約50重量%、若しくは45~55重量%は、240~600Daの分子量を有し、及び/又はジペプチド若しくはトリペプチドであり、及び/又はアミノ酸の総重量に基づいて20~25重量%、21~23重量%、若しくは約22重量%であり;また、eHFは添加されたMCTを含まない。
炭水化物
本発明の乳児用フォーミュラの炭水化物含有量は、好ましくは、100kcal当たり9~14gの範囲の炭水化物である。
炭水化物は、乳児用フォーミュラにおける使用に好適な任意の炭水化物であり得る。
本発明の乳児用フォーミュラに使用するための炭水化物の例としては、ラクトース、サッカロース、マルトデキストリン、及びデンプンが挙げられる。炭水化物の混合物を使用してもよい。
いくつかの実施形態では、炭水化物含有量は、マルトデキストリンを含む。いくつかの実施形態では、総炭水化物含有量の少なくとも約20重量%、少なくとも約25重量%、少なくとも約30重量%、少なくとも約35重量%、少なくとも約40重量%、少なくとも約50重量%、少なくとも約60重量%、又は少なくとも約70重量%は、マルトデキストリンである。
いくつかの実施形態では、炭水化物含有量は、ラクトースを含む。いくつかの実施形態では、総炭水化物含有量の少なくとも約20重量%、少なくとも約25重量%、少なくとも約30重量%、少なくとも約35重量%、少なくとも約40重量%、少なくとも約50重量%、少なくとも約60重量%、又は少なくとも約70重量%は、ラクトースである。
いくつかの実施形態では、炭水化物は、ラクトース及びマルトデキストリンを含む。
脂質
本発明の乳児用フォーミュラの脂質含有量は、好ましくは、100kcal当たり4.0~6.0gの範囲の脂質である。
脂質は、乳児用フォーミュラにおける使用に好適な任意のリピッド又は脂質であり得る。
本発明の乳児用フォーミュラに使用するための脂質の例としては、ヒマワリ油、低エルカ酸菜種油、ベニバナ油、キャノーラ油、オリーブ油、ココナッツ油、パーム核油、大豆油、魚油、パームオレイン、高オレイン酸ヒマワリ油及び高オレイン酸ベニバナ油、並びに長鎖多価不飽和脂肪酸を含有する微生物発酵油(microbial fermentation oil)が挙げられる。
脂質はまた、パームオレイン、中鎖トリグリセリド(MCT)、及び脂肪酸(例えば、アラキドン酸、リノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ドコサヘキサエン酸、リノレン酸、オレイン酸、ラウリン酸、カプリン酸、カプリル酸、カプロン酸など)のエステルなどのこれらの油に由来する画分の形態であり得る。
更なる脂質の例としては、構造化脂質(すなわち、構造を変化させるための化学的又は酵素的な修飾を受けた脂質)が挙げられる。好ましくは、構造化脂質は、sn2構造化脂質であり、例えば、トリグリセリドのsn2位にパルミチン酸を有する割合が高められているトリグリセリドが含まれる。構造化脂質は、添加してもよく、又は含めなくてもよい。
あらかじめ形成されたアラキドン酸(ARA)及び/又はドコサヘキサエン酸(DHA)を多量に含有する魚油又は微生物油などの油を添加してもよい。
ジホモ-γ-リノレン酸、アラキドン酸(ARA)、エイコサペンタエン酸、及びドコサヘキサエン酸(DHA)などの長鎖多価不飽和脂肪酸を添加してもよい。
乳児用フォーミュラは、100kcal当たり2~20mgのARA、100kcal当たり5~15のARA、若しくは100kcal当たり約10mgのARA及び/又は100kcal当たり2~20mgのDHA、100kcal当たり5~15のDHA、若しくは100kcal当たり約10mgのDHAを含み得る。好ましくは、乳児用フォーミュラは、100kcal当たり約10mgのARA及び100kcal当たり約10mgのDHAを含む。
中鎖トリグリセリド(MCT)
高濃度のMCTは、早期の体重増加を損なう可能性がある。MCTは蓄積されず、脂肪の蓄積をサポートしない。例えば、Borschelらは、MCTを含まないフォーミュラを与えられた乳児は、MCT由来の脂質を50%含有するフォーミュラを与えられた乳児よりも、1~56日の間に有意により多い体重の増加を示したと報告している(Borschel,M.et al.(2018)Nutrients 10(3):289)。
したがって、本発明の乳児用フォーミュラにおいて、脂質の約30重量%以下は、例えば、中鎖トリグリセリド(MCT)であり得る。
いくつかの実施形態では、中鎖トリグリセリド(MCT)は、脂質の約25重量%以下、20重量%以下、15重量%以下、10重量%以下、5重量%以下、4重量%以下、3重量%以下、2重量%以下、1重量%以下、0.5重量%以下、又は0.1重量%以下である。
いくつかの実施形態では、中鎖トリグリセリド(MCT)は、脂質の0~30重量%、0~25重量%、0~20重量%、0~15重量%、0~10重量%、0~5重量%、0~4重量%、0~3重量%、0~2重量%、0~1重量%、0~0.5重量%、又は0~0.1重量%である。
好ましくは、乳児用フォーミュラは、添加されたMCTを含まない。好適には、MCTは、脂質の約0重量%であり、及び/又は乳児用フォーミュラは、検出可能なMCTを含まない。好適には、乳児用フォーミュラは、MCTを含まない。
好ましい実施形態では、本発明のeHFは、約3000Da以上のサイズの検出可能なペプチドを有しておらず、ペプチドの少なくとも約95重量%は、約1200Da未満の分子量を有し;ペプチドの45~55重量%は、240~600Daの分子量を有し;遊離アミノ酸は、アミノ酸の総重量に基づいて20~25重量%の濃度で存在し;eHFは、添加されたMCTを含まない。
更なる成分
本発明の乳児用フォーミュラはまた、好ましくは、毎日の食事に必須と考えられるあらゆるビタミン及びミネラルを、栄養に有意な量で含有する。特定のビタミン及びミネラルに関しては、最小必要量が確立されている。
本発明の乳児用フォーミュラに使用するためのビタミン、ミネラル、及びその他の栄養素の例としては、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンE、ビタミンK、ビタミンC、ビタミンD、葉酸、イノシトール、ナイアシン、ビオチン、パントテン酸、コリン、カルシウム、リン、ヨウ素、鉄、マグネシウム、銅、亜鉛、マンガン、塩素、カリウム、ナトリウム、セレン、クロム、モリブデン、タウリン、及びL-カルニチンが挙げられる。ミネラルは、通常、その塩形態で添加される。
本発明の乳児用フォーミュラは、1種以上のカロテノイドを含み得る。
本発明の乳児用フォーミュラはまた、少なくとも1種のプロバイオティクスを含み得る。「プロバイオティクス」という用語は、宿主の健康又はウェル・ビーイングに有益な効果を有する微生物細胞の調製物又は微生物細胞の成分を指す。具体的には、プロバイオティクスは、腸内バリア機能を改善することができる。
好ましいプロバイオティクスは、全体として安全で、L(+)乳酸産生培養物であり、最大24ヶ月間安定かつ有効なままであることが要求される製品に対して許容可能な保存期間を有するものである。
本発明の乳児用フォーミュラに使用するためのプロバイオティクス微生物の例としては、サッカロマイセス属(Saccharomyces)、デバロマイセス属(Debaromyces)、カンジダ属(Candida)、ピキア属(Pichia)、及びトルロプシス属(Torulopsis)などの酵母、並びにビフィドバクテリウム属(Bifidobacterium)、バクテロイデス属(Bacteroides)、クロストリジウム属(Clostridium)、フソバクテリウム属(Fusobacterium)、メリソコッカス属(Melissococcus)、プロピオニバクテリウム属(Propionibacterium)、ストレプトコッカス属(Streptococcus)、エンテロコッカス属(Enterococcus)、ラクトコッカス属(Lactococcus)、スタフィロコッカス属(Staphylococcus)、ペプトストレプトコッカス属(Peptostrepococcus)、バシラス属(Bacillus)、ペディオコッカス属(Pediococcus)、ミクロコッカス属(Micrococcus)、リューコノストック属(Leuconostoc)、ワイセラ属(Weissella)、アエロコッカス属(Aerococcus)、オエノコッカス属(Oenococcus)、及びラクトバシラス属(LactoBacillus)などの細菌が挙げられる。
好適なプロバイオティクス微生物の具体例は、サッカロマイセス・セレビシエ、バチルス・コアグランス、バチルス・リケニフォルミス、バチルス・スブチリス、ビフィドバクテリウム・ビフィダム、ビフィドバクテリウム・インファンティス、ビフィドバクテリウム・ロンガム、エンテロコッカス・フェシウム、エンテロコッカス・フェカリス、ラクトバチルス・アシドフィルス、ラクトバシラス・アリメンタリウス、ラクトバシラス・カゼイ亜種カゼイ、ラクトバチルス・カゼイ・シロタ、ラクトバチルス・カルバタス、ラクトバシラス・デルブリッキー亜種ラクティス、ラクトバチルス・ファルシミナス、ラクトバチルス・ガセリ、ラクトバチルス・ヘルベティカス、ラクトバチルス・ジョンソニ、ラクトバチルス・ラムノーサス(ラクトバチルスGG)、ラクトバチルス・サケ、ラクトバチルス・ラクティス、ミクロコッカス・バリアンス、ペディオコッカス・アシディラクティシ、ペディオコッカス・ペントサス、ペディオコッカス・アシディラクティシ、ペディオコッカス・ハロフィルス、ストレプトコッカス・フェカリス、ストレプトコッカス・サーモフィルス、スタフィロコッカス・カルノーシス及びスタフィロコッカス・キシローサスである。
本発明の乳児用フォーミュラはまた、プレバイオティクス、ラクトフェリン、食物繊維、ヌクレオチド、ヌクレオシド、短鎖脂肪酸、例えばブチレート、及び/又はポストバイオティクスなどのような有益な効果を有し得る他の物質を含有してもよい。
アレルギー感作の発生の低減及び予防
「アレルギー」という用語は、通常は耐容性がある物質(アレルゲン)に対する、免疫系の過敏症を指す。アレルギーは、医師によって診断されたアレルギーであり得る。アレルギー疾患の例としては、アトピー性皮膚炎、湿疹、食物アレルギー、喘息、及び鼻炎が挙げられる。
免疫とは、正常な免疫反応の一部であり、健康な個体において、免疫系が、ある物質を脅威として検知したときに生じる。その結果、例えば、B細胞が、その物質と結合する抗体を産生し得る。
「アレルギー感作」という用語は、通常は耐容性があり、アレルギー反応がなければ典型的には無害である物質(アレルゲンとして知られる、例えば食品又は花粉中の物質)に対する、免疫系の感作を指す。
理論に拘束されることを望むものではないが、アレルゲンが体内に入ると、抗原提示細胞によって捕捉され、免疫系の他の細胞、特にT細胞に提示され得る。T細胞とB細胞間の相互作用の後、B細胞は、アレルゲン特異的抗体(IgE)を産生し得る。その後、血液中に放出されると、IgE抗体は、肥満細胞、及び好塩基球などの他の免疫細胞と結合し得る。次いで、感作された個体は、アレルゲンへの再曝露時にアレルギー反応を発症し得る。
したがって、アレルギー感作とは、アレルゲンを認識するための免疫系のプライミングを指し得る。このようにして感作された個体は、アレルゲンへの再曝露時にアレルギー反応を発症し得る。
いくつかの実施形態では、乳児におけるアレルギー感作は、6ヶ月齢で35kU/L超、及び/又は12ヶ月齢で53kU/L超の総IgE濃度を特徴とし得る(Martins,T.B.et al.(2014)J Allergy Clin Immunol 133(2):589-91)。いくつかの実施形態では、成人におけるアレルギー感作は、127KU/L超の総IgE濃度を特徴とし得る。当業者は、例えば、実施例に開示されるImmunoCAP Phadia技術を使用して、対象からの試料中のIgE濃度を容易に特定することができる。
本発明の乳児用フォーミュラは、乳児におけるアレルギー感作の発生を低減するため、及び/又は乳児におけるアレルギー感作を予防するために使用され得る。
本明細書で使用される場合、アレルギー感作の「発生を低減する」とは、乳児用フォーミュラがアレルギー感作の可能性を低減させることを意味する。
本明細書で使用される場合、アレルギー感作を「予防する」とは、乳児がまだ感作されておらず、乳児用フォーミュラがアレルギー感作を予防することを意味する。
「乳児」という用語は、12ヶ月齢未満の小児を指し、例えば、生後0ヶ月~6ヶ月の小児を指す。
いくつかの実施形態では、乳児は、1つ以上のアレルギーを発症するリスクがある。例えば、乳児は、1つ以上のアレルギーの病歴を有する家族に属し得る。
一態様では、本発明は、乳児におけるアレルギー感作の発生を予防又は低減する方法であって、該乳児に本発明の乳児用フォーミュラを投与することを含む、方法を提供する。
製造方法
本発明の乳児用フォーミュラは、任意の好適な方法で調製することができる。
例えば、本乳児用フォーミュラは、タンパク質の供給源、炭水化物の供給源、及び脂質の供給源を、適切な割合で一緒にブレンドすることによって調製することができる。更に乳化剤を使用する場合、この時点で含めることができる。この時点でビタミン及びミネラルを添加してもよいが、通常、ビタミンは熱分解を避けるために後で添加する。任意の親油性ビタミン及び乳化剤などを、ブレンド前に脂質の供給源に溶解してもよい。次いで、水、好ましくは逆浸透処理した水を混合して、液体混合物を形成することができる。市販の液化装置を用いて液体混合物を形成することができる。次いで、液体混合物を均質化してもよい。
次いで、液体混合物を熱処理して、細菌含有量を低減することができる。この熱処理は、例えば、蒸気注入によって、又はオートクレーブ若しくは熱交換器、例えば、プレート熱交換器を使用して行うことができる。
次いで、液体混合物を冷却、及び/又は均質化してもよい。均質化した混合物のpH及び固形分含有量は、この時点で調整することができる。
次いで、均質化した混合物を、噴霧乾燥機又は凍結乾燥機などの好適な乾燥装置に移し、粉末に変換することができる。乳児用液体フォーミュラが好ましい場合、均質化された混合物を滅菌し、次いで適切な容器に無菌充填してもよく、又は最初に容器に充填し、次いでレトルト処理してもよい。
当業者は、開示される本発明の範囲から逸脱することなく、本明細書に開示される本発明の全ての特徴を組み合わせることができることを理解されたい。
本発明の好ましい特徴及び実施形態を、非限定的な例によってこれより記述する。
いくつかの研究では、個別に検討された母乳の特定の成分が、母又は小児の疾患の状態と関連することが単変量解析を用いて明らかとなっている。しかしながら、母乳HMO成分の関係性を単独で評価する近年の解析アプローチでは、アレルギーとの関連性は示されていない。実施例1では、アレルギー感作の保護に必要な2FL及びLNntの特定の用量を明らかにする。実施例2では、動物において、アレルギー感作を予防するための特定の用量の必要性を確認する。
実施例1
本試験では、ヒトミルクオリゴ糖(HMO)濃度とヒトにおけるアレルギー感作との間の関連性を理解することを目的とした。
本発明者らは、単変量解析を行った際に有意な関連性がないことを確認し、HMOの濃度とアレルギー感作のリスクとの間には線形の関連性がないことが示唆されたが、本発明者らは、HMOである2’-フコシルラクトース(2’FL)及びラクト-N-ネオテトラオース(LNnT)がアレルギー感作を予防すること、並びに中用量で最適な保護を示す一方で、より低い及びより高い用量では効果が低くなり得る、釣鐘型の効果が観察されることを見出した。
材料及び方法
母乳分析(ドイツ人のコホート)
Life Child試験の試料から156組の母親/乳児のコホートをサブ選択した(Seppo,A.E.et al.(2017)J Allergy Clin Immunol 139(2):708-11 e5)。試料の選択は、3ヶ月目の母乳試料の入手可能性と共に、試験中の任意の時点での母親によるアレルギー問診票の記入、及び/又は生後1年の間の乳児についてのアレルギー問診票の記入に基づいて行われた。
試験の目的のために、母親のアレルギー感作は、127KU/L超の総IgEレベルによって定義し(Martins,T.B.et al.(2014)J Allergy Clin Immunol 133(2):589-91)、アレルギーは、母親の自己申告による喘息、鼻炎、アトピー性皮膚炎、湿疹及び/又は特定の食物に対するアレルギー反応(嘔吐、吐き気、下痢、湿疹又は喘息症状の悪化を含む)として定義した。本試験の目的のために、乳児のアレルギー感作は、6ヶ月及び12ヶ月時点で、それぞれ35kU/L及び53kU/L超の総IgEとして定義し(Martins,T.B.et al.(2014)J Allergy Clin Immunol 133(2):589-91)、アレルギーリスクが、3ヶ月、6ヶ月、又は1年時点で、「自身の子どもが食物アレルギーであると医師に診断されたことがあるか」「自身の子どもが湿疹/アトピー性皮膚炎になったことがあるか」又は「自身の子どもが15日を超えて痒みを伴う発疹を繰り返したことがあるか」という質問に対する肯定的回答として定義した。ImmunoCAP Phadia技術を使用して、母親及び小児の総IgEを定量した。
このコホートでは、アレルギー及び社会経済的状況などの交絡因子を、様々な問診票によって得た。交絡因子は、アレルギー及び母乳成分に関連する利用可能な文献に基づいて特定し、利用可能なデータ(分娩形態(分娩)、小児の性別(性別)、出生時の小児の体重(体重)、3ヶ月時点で母乳栄養のみ(母乳栄養)、社会経済的状況(エコステータス)、及び兄弟姉妹数(兄弟姉妹))に基づいて選択した。このコホートを探索的コホートとして使用した。母乳は、産後3ヶ月目の授乳中の母親から搾乳、採取し、-80℃で保存した(Quante,M.et al.(2012)BMC Public Health 12:1021)。母乳成分濃度の欠測値が多すぎる(>50%)ため、1組の母親/小児を除外した。本試験は、ヘルシンキ宣言に基づき、ライプツィヒ大学倫理委員会(登録番号264-10-19042010)の監督下で計画された。LIFE Child試験は、ClinicalTrials.govに臨床試験番号NCT02550236で登録されている(Poulain,T.et al.(2017)European Journal of Epidemiology 32(2):145-58)。
成分濃度の評価
液体クロマトグラフィー分析を行い、そのために、試料を10,000×gで5分間遠心分離した。続いて、試料を、RF-200蛍光光度計及び2方向の10ポート高圧切り替えバルブを備えたUltimate 3000-RD UHPLCシステム(Thermo Fisher Scientific,Waltham,USA)を使用して分析した。試料は、Acquity BEH Glycan及びVanGuard BEHアミドカラム(Waters Corporation,Milford,USA)に、インジェクタと10ポートバルブとの間にガードカラムを用いてロードした。カラムの温度は55℃とし、流速は0.5mL/分とした。方法の信頼性は、対象とするオリゴ糖の標準及びマルトトリオース対照を用いて検量線が検証されているスパイク信頼性評価によって検証した。
合計で、21種類のHMO:2’-フコシルラクトース(2’FL)、3-フコシルラクトース(3’FL)、3’-シアリルラクトース(3’SL)、6’-シアリルラクトース(6’SL)、3’-ガラクトシルラクトース(3’GL)、6’-ガラクトシルラクトース(6’GL)、ラクト-N-テトロース(LNT)、ラクト-N-ネオテトラオース(LNnT)、ラクト-N-フコペンタオースI(LNFP I)、ラクト-N-フコペンタオースII(LNFP II)、ラクト-N-フコペンタオースIII(LNFP III)、ラクト-N-フコペンタオースV(LNFP V)、ラクト-N-ネオフコペンタオース(LNnFP)、ラクトジフコテトラオース(LDF)、ラクト-N-テトラオースb(LST b)、ラクト-N-テトラオース(LST c)、ジフコシルラクト-N-ヘキサオースa(DFLNHa)、ジシアリルラクト-N-テトラオース(DSLNT)、モノフコシルラクト-N-ヘキサオース(MFLNH III)、ラクト-N-ネオジフコヘキサオース(LNnDFH)、及びラクト-N-ジフコヘキサオース(LNDFH 1)の絶対濃度を測定した。
単変量解析
HMOとアレルギー感作又はアレルギーとの関連性を試験するために、個々のHMO濃度をアトピー性皮膚炎の発生率と比較するロジスティック回帰及びカイ二乗検定を実施した。21種類のHMOの合計も統計解析に含め、「合計HMO」として分類した。
統計解析のために、以下の交絡変数をモデルに含めた:性別、分娩形態、親のアレルギー、母乳のSe及びLe状態、並びに家庭内のペット。ノンパラメトリックのマン-ホイットニー-ウィルコクソン検定を用いて、アレルギー乳児と非アレルギー乳児との間の個々のHMOのレベルの差を比較した。
結果
ドイツ人コホートにおけるHMOとアレルギーとの間の関連性
ベースラインでの試験集団の人口統計データを表1に示す。
Figure 2023508846000001
Figure 2023508846000002
合計21種類のHMO濃度を測定し、図1に示す。医学的に診断された及び/又は感作された乳児のみを用いた場合、任意のHMO濃度と、医学的に診断されたアレルギー乳児と非アレルギー乳児との間に有意な関連性は認められなかった。Q値又は多重検定の補正p値は、全て0.05超であった。
HMO濃度とアレルギー感作及び皮膚発疹のリスクとの関連性
次いで、本発明者らは、HMOがアレルギー感作と関係し得る可能性を評価した。本発明者らのコホートでは感作について集団の30%未満を解析したため、本発明者らは解析を拡大し、感作陽性の乳児だけでなく、長期の皮膚発疹又は湿疹に基づいた感作のリスクが増加した乳児も含めるようにした。この拡大された集団における2’FL及びLNnTレベルの分布を見ると、非線形分布が見られ、特定用量の2FL、LNnTのみがアレルギー感作のリスク低下と関連し得(図2)、より高い用量では保護効果がないことが示唆された。
図2に示される集団の四分位分析では、アレルギー感作の低減と関連する母乳中の2’FL及びLNnTの濃度が識別された。母乳中の2’FL濃度は2.5mg/L未満、LNnT濃度は0.2g/L未満が、特に有益な効果と関連があると思われる。
実施例2
本実施例では、アレルギー予防におけるヒトミルクオリゴ糖(HMO)の予防効果の釣鐘型効果を、マウスにおいて確認することを目的とした。
前臨床アッセイ
動物試験プロトコルは、Service Veterinaire du Canton de Vaud,Switzerlandにより承認された。簡潔に述べると、5週齢の雌性BALB/cマウスに、2’FLとLNnT(2:1の重量比)のHMO混合物を0%、0.2%、1%、5%、又は10%(重量比)のいずれかで補充した食餌をプロトコルの0週目から摂取させた。マウスの背部を剃毛し、70%イソプロパノール溶液(VWR;Nyon,Switzerland)で洗浄し、経皮水分蒸散量(TEWL)を以下に記載されるように測定した。第3週目に、2mg/mLのアスペルギルス・フミガーツス(Aspergillus fumigatus)(Af)タンパク質抽出物(Greer Laboratories;Lenoir,NC,USA)100μL(感作群(S.))又は0.9%のNaCl溶液(非感作群(N.S.);Merck;Zoug,Switzerland)100μLを、滅菌ガーゼ(Hartmann;Dermaplast,Chatenois,France)の1×1cmパッチに適用し、バイオ密封透明ドレッシング材(bio-occlusive transparent dressing)(Systagenix;Bioclusive,San Antonio,Texas,USA,Switzerland)及びBand-Aid(Mefix;Wasquehal,France)を用いて皮膚に固定した。続いて、TEWLを再度測定した。2週間の安静期間の後、第2の同一のパッチを更に1週間適用し、続いてTEWLを再度測定した。その後、マウスを、0.9%のNaClで希釈したAfに鼻腔内曝露した。その後、イソフルランを使用してマウスを麻酔し、腹部大動脈から血液を採取した後、安楽死させた。
特異的IgG1の定量
96ウェルプレート(Nunc Maxisorp;VWR)に、炭酸塩緩衝液中50μg/mlのAfタンパク質抽出物(Greer Laboratories)を4℃で一晩コートした。その後、プレートをPBS-0.05%Tween(Biorad,Reinach,Switzerland)で洗浄し、PBS-1%BSA(Sigma)で37℃で1時間ブロッキングした。希釈した血清は37℃で2時間インキュベートした。洗浄後、プレートを、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)標識ヤギ抗マウスIgG1-(Southern Biotech,Bioconcept Allschwil,Switzerland)、次いでHRP基質テトラメチルベンジジン(TMB)(KPL、Socochim,Lausanne,Switzerland)と共に、37℃で2時間インキュベートした。反応を、1Nの塩酸(HCl、Merck)を使用して停止させた。吸光度を450nmで測定し、結果を光学濃度(OD)値として表した。
統計解析
統計解析は、JMP Pro 14(SAS Software,Cary,USA)を使用して行った。図は、GraphPad Prism 6(GraphPad Software,San Diego,USA)で描画した。全ての検定において、p値が>0.05であれば、関連性は有意であるとみなした。
動物実験については、正確なウィルコクソンのノンパラメトリック統計検定を使用して群を比較した。統計解析は、ソフトウェアR2.14.1を使用して行った。p値≦0.05の結果を有意であるとみなした。データは中央値±中央値の標準誤差(SE)で表した。
アレルギー感作に対するHMOの有益な効果
2’FL及びLnNTがアレルギー感作を予防することを確認するために、本発明者らは、動物モデルを用いて2’FL:LNnT混合物の有効性を試験した。皮膚感作マウスモデルにおける動物の感作は、アスペルギルス・フミガーツスを用いて皮膚上で実施した。
これらの試験から観察された特異的IgGのHMO濃度による変化は、2’FL及びLNnTが1%の用量でアレルギー感作を予防するのに特に有効であり(皮膚感作のマウスモデル、図3)、釣鐘型曲線で示されるように、より低い又は高い用量では有効性が低くなることが確認された。
考察
本発明者らは、2’FL及びLNnTがアレルギー感作を予防すること、並びに中用量において改善された保護を示す釣鐘型効果が観察されること、を示した。
上記明細書で言及した全ての刊行物は、参照により本明細書に援用される。本発明に開示する使用及び方法の様々な改変及び変更は、本発明の範囲及び主旨から逸脱することなく、当業者には明白であろう。本発明は、特定の好ましい実施形態に関連して開示されているが、特許請求される本発明は、このような特定の実施形態に過度に限定されるべきではないことを理解されたい。実際、本発明を実施するために開示された様式の種々の改変は、当業者には自明であり、以下の特許請求の範囲の範囲内であることを意図している。

Claims (15)

  1. 乳児におけるアレルギー感作の発生の予防又は低減に使用するための乳児用フォーミュラであって、前記乳児用フォーミュラが、0.8~2.5g/Lの2’-フコシルラクトース(2’FL)及び/又は0.05~0.2g/Lのラクト-N-ネオテトラオース(LNnT)を含む、乳児用フォーミュラ。
  2. 前記乳児用フォーミュラが、0.8~1.5g/L、1~1.5g/L、又は約1g/Lの2’FLを含み、好ましくは、前記乳児用フォーミュラが、約1g/Lの2’FLを含む、請求項1に記載の使用のための乳児用フォーミュラ。
  3. 前記乳児用フォーミュラが、1.5~2.5g/L、1.5~2g/L、1.6~2g/L、又は約1.8g/Lの2’FLを含み、好ましくは、前記乳児用フォーミュラが、約1.8g/Lの2’FLを含む、請求項1に記載の使用のための乳児用フォーミュラ。
  4. 前記乳児用フォーミュラが、0.05~0.15g/L又は約0.1g/LのLNnTを含み、好ましくは、前記乳児用フォーミュラが、約0.1g/LのLNnTを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の使用のための乳児用フォーミュラ。
  5. 前記乳児用フォーミュラが、2’FL及びLNnTを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の使用のための乳児用フォーミュラ。
  6. 前記乳児用フォーミュラが、約1.8g/Lの2’FL及び約0.1g/LのLNnTを含む、請求項5に記載の使用のための乳児用フォーミュラ。
  7. 前記乳児用フォーミュラが、高度加水分解された乳児用フォーミュラ(eHF)又はアミノ酸ベースの乳児用フォーミュラ(AAF)である、請求項1~6のいずれか一項に記載の使用のための乳児用フォーミュラ。
  8. 前記乳児用フォーミュラが、タンパク質、炭水化物、及び脂質を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の使用のための乳児用フォーミュラ。
  9. 前記乳児用フォーミュラが、
    (a)100kcal当たり1.8~3.2gのタンパク質、
    (b)100kcal当たり9~14gの炭水化物、及び/又は
    (c)100kcal当たり4.0~6.0gの脂質
    を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の使用のための乳児用フォーミュラ。
  10. 前記乳児用フォーミュラが、100kcal当たり約2.4g以下のタンパク質を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の使用のための乳児用フォーミュラ。
  11. 前記乳児用フォーミュラが、100kcal当たり1.8~2.4gのタンパク質、100kcal当たり2.1~2.3gのタンパク質、又は100kcal当たり2.15~2.25gのタンパク質を含み、好ましくは、前記乳児用フォーミュラが、100kcal当たり約2.2gのタンパク質を含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の使用のための乳児用フォーミュラ。
  12. 脂質の約30重量%以下が、中鎖トリグリセリド(MCT)である、請求項1~11のいずれか一項に記載の使用のための乳児用フォーミュラ。
  13. 前記乳児用フォーミュラ中の脂質の約25重量%以下、20重量%以下、15重量%以下、10重量%以下、5重量%以下、又は1重量%以下が、中鎖トリグリセリド(MCT)である、請求項1~12のいずれか一項に記載の使用のための乳児用フォーミュラ。
  14. 前記乳児用フォーミュラが、添加されたMCTを含まない、請求項1~13のいずれか一項に記載の使用のための乳児用フォーミュラ。
  15. 乳児におけるアレルギー感作の発生を予防又は低減する方法であって、前記方法が、前記乳児に、0.8~2.5g/Lの2’-フコシルラクトース(2’FL)及び/又は0.05~0.2g/Lのラクト-N-ネオテトラオース(LNnT)を含む乳児用フォーミュラを投与することを含む、方法。
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