JP2023508724A - 流体継手装置 - Google Patents

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Abstract

Figure 2023508724000001
本明細書に記載されるいくつかの流体継手装置は、ノンスピル流体継手装置として構成される。さらに、本明細書に記載されるいくつかの実施形態は、モジュール式に構成される流体継手装置、及び複数の異なるタイプの流体継手の構成に汎用的に組み込まれ得るモジュールに関する。さらに、流体処理構成要素継手部材が記載される。

Description

本文書は、流体システムのための流体継手装置及びその使用方法に関する。例えば、本明細書に記載されるいくつかの実施形態は、モジュール式に構成される流体継手装置、及び複数の異なるタイプの流体継手の構成に汎用的に組み込まれ得るモジュールに関する。
(関連出願の相互参照)
本特許出願は、本出願は、2019年12月31日に出願された米国特許仮出願第62/955,783号明細書の利益を主張する。先行出願の開示は、本出願の開示の一部とみなされる(及び参照により本明細書に組み込まれる)。
流体システムは一般に、チューブ、ポンプ、リザーバ、取付具、継手、熱交換器、センサ、フィルタ、弁、シールなどの構成要素を含む。このような構成要素は1つ以上の流体流路を規定するために、選択的に連結可能な流体継手装置を使用して、ネットワーク内で一緒に連結され得る。いくつかの流体システムは閉じたシステムであり、これは、流体が構成要素のネットワーク内で再循環することを意味する。他の流体システムは開放システムであり、これは、流体がネットワークを出る直前に、構成要素のネットワークを通過することを意味する。
流体継手組立体は典型的には雌継手及び雄継手を含み、これらは互いに解放可能に接続されて、そこを通る流体流路を形成する。このような継手組立体は生物医学的用途、飲料分配、器具接続、光化学的取扱い、液体冷却、インク取扱い、及びその他を含む様々な用途に使用することができる。
電子機器の液体冷却のための流体システムのようないくつかの流体システムの文脈では、雄・雌継手の接続及び切断中に流体のこぼれが最小又はゼロである非こぼれ継手を使用することが望ましい場合がある。このようなノンスピル継手は例えば、電子機器を損傷する可能性のある流体に対する電子機器の露出を制限する役割を果たそう。
本文書は、流体システムのための流体継手装置及びその使用方法を記載している。例えば、本明細書に記載されるいくつかの実施形態は、モジュール式に構成される流体継手装置、及び複数の異なるタイプの流体継手の構成に汎用的に組み込まれ得るモジュールに関する。本開示の文脈において、用語「流体」は、気体及び液体の両方を含む。本明細書に記載の流体継手装置は、本明細書では雄継手及び雌継手とも呼ばれ、「継手半体」及び/又は「コネクタ」とも呼ばれ、雄継手は本明細書では「インサート」とも呼ばれ、雌継手は「本体」とも呼ばれる。
本明細書に記載されるいくつかの実施形態では、本明細書に記載される流体継手装置がモジュール構造を有する。すなわち、継手半体の一方又は両方は、様々なタイプの流体継手外側本体に使用することができるコアモジュールを含むことができる。いくつかの実施形態では、コアモジュールが弁及び1つ以上の流体シールを含む。
特定の実施形態では、本明細書に記載される流体継手装置が装置を「ノンスピル」継手装置として構成するために、1つ以上の機械的構成要素を用いて特に設計される。継手装置の雄部分及び雌部分が互いに接続されている、及び/又は互いに接続されていないので、本明細書に記載される装置はノンスピル継手装置と呼ばれ、流体継手装置の設計は流体システムからの流体排出の可能性を低減する(例えば、排出経路などを遮断することによって)ことになり、流体継手装置内に流体が含まれることに関連する流出を防止することになる。
一態様では、本開示が流体継手ハウジング内に規定された継手内部空間に通じる第1の開口を規定する流体継手ハウジングを含む流体継手装置に関する。また、流体継手装置は、流体継手ハウジングから第1の開口の反対側にある流体継手ハウジングの先端上に延びる終端を含む。終端は、継手内部空間に通じる第2の開口を規定する。流体継手装置はまた、継手内部空間内に配置された流体継手モジュールを含む。流体継手モジュールは、モジュール内部空間を規定するモジュールハウジングを含む。流体継手モジュールはまた、モジュールハウジングに固着され、流体継手モジュールの長手方向軸に沿ってモジュール内部空間内に延在する弁棒を含む。流体継手モジュールは、弁棒とモジュールハウジングとの間に配置された弁スリーブを含む。弁スリーブは、(i)弁スリーブが第2の開口から第1の開口を封止する閉位置と、(ii)第1の開口がモジュール内部空間を介して第2の開口に流体接続される開位置との間で、モジュール内部空間内で弁棒に沿って移動可能である。
そのような流体継手装置は、任意選択で、以下の特徴のうちの1つ又は複数を含むことができる。流体継手はまた、モジュールハウジングと流体継手ハウジングとの間に配置されたエラストマーシールを含むことができる。流体継手装置はまた、(i)弁スリーブが閉位置にある間に弁棒と弁スリーブとの間に配置された第1のエラストマーシールと、(ii)弁スリーブが閉位置にある間に弁スリーブとモジュールハウジングとの間に配置された第2のエラストマーシールと、(iii)モジュール内部空間内に配置され、第2のエラストマーシールと第1の開口との間に配置された第3のエラストマーシールとを含むことができる。いくつかの実施形態では、第3のエラストマーシールの内径面の大部分は弁スリーブが閉位置にある間、弁スリーブから離間している。流体継手装置はまた、第2及び第3のエラストマーシールの間に配置された環状スペーサを含んでもよい。弁棒は、モジュールハウジングに固定された基部を含むことができる。基部は、第2の開口をモジュール内部空間に流体接続する開口を規定することができる。いくつかの実施形態において、開口は各々が4分の1円として成形された4つの開口を含む。弁棒はモジュールハウジングに固着された基部を含んでもよく、流体継手は弁スリーブを閉位置に向かって付勢する、基部と弁スリーブとの間に配置されたばねをも含んでもよい。また、流体継手装置は、第1の開口に隣接するラッチ機構を含んでもよい。ラッチ機構は、(i)ラッチ機構によって規定される開口の中心が第1の開口の中心に対して横方向にオフセットされるラッチ位置と、(ii)ラッチ機構によって規定される開口が第1の開口と同心であるラッチ解除位置との間で、流体継手ハウジングに対して横方向に移動可能であってもよい。また、流体継手装置は、ラッチ機構をラッチ位置に向かって付勢する、ラッチ機構と流体継手ハウジングとの間にばねを含んでもよい。
別の態様では、本開示が流体継手モジュールに関する。流体継手モジュールは、内部空間及び長手方向軸を規定するモジュールハウジングを含む。モジュールハウジングは、(i)内部空間に通じる第1の端部開口を規定する第1の端部と、(ii)内部空間に通じる第2の端部開口を規定する第2の端部とを含む。また、流体継手モジュールは、モジュールハウジングの第2の端部に固着された基部を有する弁棒を含む。弁棒は、長手方向軸に沿って基部から第1の端部に向かって延在する。流体はまた、弁棒とモジュールハウジングとの間に配置された弁スリーブを含む。弁スリーブは、(i)弁スリーブが第2の端部開口から第1の端部開口を封止する閉位置と、(ii)第1の端部開口が第2の端部開口に流体接続される開位置との間で、弁棒に沿って内部空間内で移動可能である。
そのような流体継手モジュールは、任意選択で、以下の特徴のうちの1つ又は複数を含むことができる。基部は、第2の端部開口を内部空間に流体接続する開口を規定することができる。いくつかの実施形態において、開口は各々が4分の1円として成形された4つの開口を含む。弁棒はまた、基部の反対側の弁棒の端部にヘッドを含むことができる。ヘッドは、エラストマーシールを受け入れるように構成された環状シール溝を規定することができる。流体継手モジュールはまた、(i)環状シール溝内に配置され、弁スリーブが閉位置にある間に弁スリーブの内径と接触する第1のエラストマーシールと、(ii)弁スリーブが閉位置にある間に弁スリーブの外径とモジュールハウジングとの間に配置される第2のエラストマーシールと、(iii)モジュール内部空間内に配置され、第2のエラストマーシールと第1の端部開口との間に配置される第3のエラストマーシールとを含むことができる。流体継手モジュールはまた、第2及び第3のエラストマーシールの間に配置された環状スペーサを含んでもよい。環状スペーサは、第2及び第3のエラストマーシールの各々と接触していてもよい。また、流体継手モジュールは、弁スリーブを閉位置に向かって付勢する、基部と弁スリーブとの間に配置されたばねを含んでもよい。
別の態様では、本開示が流体継手組立体を対象とする。流体継手組立体は、互いに解放可能に連結可能な雄継手及び雌継手を含む。雄継手は、内部空間及び長手方向軸を規定する雄ハウジングを含む。雄継手はまた、内部空間内に、雄ハウジングの長手方向軸に沿って雄ハウジングに対して摺動可能な雄継手弁部材を含み、(i)雄ハウジングの第1の先端が雄ハウジングの内部空間を介して雄ハウジングの第2の端部に流体接続される開位置と、(ii)雄継手弁部材が雄ハウジングの第1の先端が雄ハウジングの第2の端部に流体接続されるのを流体ブロックする閉位置との間にある。雌継手は、雌ハウジング内に規定された内部空間に通じる第1の開口を規定する雌ハウジングを含む。第1の開口は、雄ハウジングの先端を受け入れるように構成される。雌継手は、雌ハウジングから第1の開口と反対側の雌ハウジングの先端に延びる終先端も含む。終端部は、雌ハウジングの内部空間に通じる第2の開口を規定する。雌継手は、雌ハウジングの内部空間内に配置された流体継手モジュールも含む。流体継手モジュールは、モジュール内部空間を規定するモジュールハウジングを含む。流体継手モジュールはまた、モジュールハウジングに固着され、流体継手モジュールの長手方向軸に沿ってモジュール内部空間内に延在する弁棒を含む。流体継手モジュールはまた、弁棒とモジュールハウジングとの間に配置された弁スリーブを含む。弁スリーブは、(i)弁スリーブが第2の開口から第1の開口を封止する閉位置と、(ii)第1の開口がモジュール内部空間を介して第2の開口に流体接続される開位置との間で、モジュール内部空間内で弁棒に沿って移動可能である。
いくつかの実施形態では、雄継手及び雌継手が雄継手を雌継手と動作可能に連結する動作が(i)雄継手弁部材をその閉位置からその開位置に移動させ、(ii)弁スリーブをその閉位置からその開位置に移動させ、その結果、雄ハウジングの内部空間及びモジュール内部空間を介して流体継手組立体を通る開放流体流路が生成されるように構成される。
別の態様では、本開示が流体継手ハウジング内に規定された継手内部空間に通じる第1の開口と、継手内部空間に通じる第2の開口とを規定する流体継手ハウジングとを含む流体継手装置に関する。流体継手装置はまた、継手内部空間内に配置された流体継手モジュールを含む。流体継手モジュールは、モジュール内部空間を規定するモジュールハウジングを含む。流体継手モジュールはまた、モジュール内部空間内に配置された弁組立体を含む。弁組立体は、(i)第1の開口が第2の開口から封止される閉位置、又は(ii)第1の開口がモジュール内部空間を介して第2の開口に流体接続される開放位置にあるように構成される。
本明細書に記載される主題の特定の実施形態は、以下の利点のうちの1つ以上を実現するために実施され得る。第1に、流体継手装置のいくつかの実施形態は、いくつかの場合において流体のこぼれを有利に低減又は排除し得る、改善されたこぼれない接続及び切断能力を提供する。したがって、本明細書に記載される流体継手装置のこれらの実施形態は例えば、コンピュータなどの電子機器に液体冷却を提供する流体システムでの使用によく適している。本明細書に記載される流体継手のノンスピル設計からの別の利益は継手が互いに接続されるときに、流体システムへの空気の含有を最小限に抑えることである。
第2に、いくつかの実施形態では、流体継手が有利にはモジュール式に構成される。このようなモジュール構造は、製造の柔軟性及びユーザの柔軟性などの利点を提供することができる。例えば、単一のモジュールを、複数の異なるフォームファクタタイプの流体継手に使用するように設計することができる。したがって、モジュール構造は、関連する製造効率の利点及び在庫保管コストの削減を容易にすることができる。モジュール式流体継手の利用者はまた、より少ない及び/又はより安価な予備部品を携行する必要性のために、コストの低減から利益を得ることができる。
第3に、本明細書で提供される流体継手装置のいくつかの実施形態は、有利には堅牢なラッチングシステムを用いて設計される。すなわち、継手の2つの半体がそれを通る流体流路を提供するために、互いに動作可能に接続される場合、それらはまた、ともに機械的にロックされる。いくつかの実施形態では、ロックを解除するために、親指ラッチを最初に押し下げなければならない。このラッチシステムは、意図しない切断の可能性を減らすことができる。
第4に、いくつかの実施形態では、流体継手装置が流体継手装置の2つの部分を互いに物理的に切り離すために実行される動作に関して、利用者に可聴及び/又は触覚フィードバックを有利に提供することができる。そのような可聴及び/又は触覚フィードバックは、流体継手装置の適切な機能及び所望の構成の効率的かつ決定的な指示又は確認を利用者に提供することができる。
第5に、いくつかの実施形態では、流体継手装置が温度に応答する色変化材料(例えば、サーモクロミックポリマー)を含むことによって、継手の内側の流体の温度の表示を有利に提供することができる。
別段の定義がない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語及び科学用語は、本開示が関係する当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。さらに、本明細書に記載された実施形態の材料、方法、及び例は、例示にすぎず、限定を意図するものではない。
本発明の1つ又は複数の実施形態の詳細は、添付の図面及び本明細書の説明に記載される。本発明の他の特徴、対象、及び利点は、当該説明及び図面、ならびに請求から明らかであろう。
図1は、本明細書で提供されるいくつかの実施形態による、分離された構成で配置された例示的な雄流体継手装置及び例示的な雌継手装置を含む流体継手組立体の斜視図である。 図2は図1の雌流体継手装置の前面の端面図である。 図3は、図2の破断線3-3に沿った、図1の雌流体継手装置の長手方向断面図である。 図4は図1の雌流体継手装置内に閉じ込めるように設計された例示的な流体継手モジュールの斜視図である。 図5は図4の流体継手モジュールの別の斜視図である。 図6は図4の流体継手モジュールの端面図である。 図7は図6の破断線7-7に沿った図4の流体継手モジュールの長手方向断面図である。 図8は図4の流体継手モジュールの別の端面図である 図9は図4の流体継手モジュールを組み込むことができる別の例示的なタイプの流体継手装置の斜視図である。 図10は図9の流体継手装置の前面の端面図である。 図11は図10の破断線11-11に沿って切り取られた図9の流体継手装置の縦断面図である。 図12-14は図1の雌流体継手装置の弁スリーブ構成要素の斜視図、側面図、及び縦断面図を示す。 図15-17は、図1の雌流体継手装置の弁棒要素の斜視図、側面図、及び縦断面図を示す。 図18-20は、図1の雌流体継手装置のハウジング構成要素の斜視図、平面図、及び縦断面図を示す。 図21-23は、図1の雄流体継手装置の斜視図、側面図、及び縦断面図を示す。 図24-26は、そこを通る開放流体流路を規定する作動構成で一緒に係合された雄及び雌継手を有する、図1の継手組立体の斜視図、平面図、及び縦断面図を示す。 図27はいくつかの実施形態による例示的な流体処理構成要素カプラの斜視図を示す。 図28は、図27の流体処理構成要素カプラカラーを含む、例示的な雌流体継手装置の縦断面図である。 図29は、図27の流体処理構成要素カプラカラーを含む、一例の雄流体継手装置の縦断面図である。 同様の参照番号は、全体を通して対応する部分を表す。
図1を参照すると、流体継手組立体100のいくつかの例示的な実施形態は、互いに解放可能に連結可能な雌継手110及び雄継手180を含む。ここで、雌継手110及び雄継手180はそれらの連結されていない、又は連結されていない配置で描かれている。雌継手110と雄継手180とは連結されていないが(図示のように)、雌継手110又は雄継手180のいずれをも通る開放流体流路は存在しない。その代わりに、以下にさらに説明するように、雌継手110及び雄継手180の各々内の弁は、雌継手110又は雄継手180のいずれにも流体が流れることができないように閉じられている。
図1とは対照的に、図24-26(以下でさらに説明される)は、完全に連結された動作可能な配置での雌継手110及び雄継手180を示す。雌継手110と雄継手180とがそれらの完全に連結された配置である間、流体流路101(図26)が開かれ、雌継手110の終端部112と雄継手180の終端部182との間の流体継手組立体100を通って流体が流れることができる。すなわち、雌継手110と雄継手180とがそれらの連結配置にある間に、流体が雌継手110及び雄継手180のそれぞれを流れることができるように、流体流路101が開かれる。換言すれば、雌継手110の終端部112と雄継手180の終端部182とは、雌継手110と雄継手180とがそれらの連結配置にある間、流体的に接続される。
雌継手110の終端部112及び雄継手180の終端部182は竹の子状接続部として示されているが、継手半体の雌継手110及び雄継手180はねじ接続部、エルボ、ティー、衛生フィッティング、圧縮フィッティングなど、及びこれらの組み合わせなどの任意のタイプの接続部を有することができるが、これらに限定されないことを理解されたい。
流体継手組立体100の構成要素のうちの1つ以上が作製される材料としては、熱可塑性樹脂及び/又は熱硬化性樹脂が挙げられる。特定の実施形態では流体継手組立体100の構成要素が作製される材料がアセタール、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリスルフィド、ポリエステル樹脂、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリエチレン、ポリフェニルスルホン(PPSU;例えば、Radel(登録商標))、ポリエーテルイミド(PEI;例えば、Ultem(登録商標))、ポリプロピレン、ポリフェニレン、ポリアリールエーテルケトンなど、及びこれらの組み合わせなどの熱可塑性プラスチックであるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では流体継手組立体100の構成要素のうちの1つ又は複数が作製される材料がステンレス鋼、真鍮、アルミニウム、めっき鋼などの金属を含むが、これらに限定されない。特定の実施形態では、継手半体の雌継手110と雄継手180の一方又は両方が金属を含まない。いくつかの実施形態では、継手半体の雌継手110及び雄継手180の一方又は両方が1つ以上の金属ばね部材(例えば、ばね鋼、ステンレス鋼など)を含む。特定の実施形態では流体継手組立体100がシリコーン樹脂、フルオロエラストマー(FKM)、エチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)、熱可塑性エラストマー(TPE)、ブナ、ブナ-N、熱可塑性加硫物(TPV)などの材料で作られた1つ又は複数のガスケット又はシールを含むが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、継手又はその一部が温度に応答する色変化材料(例えば、サーモクロミックポリマー)から構築することができる。したがって、そのような継手の色は、継手の内側の流体の温度の指標を提供することができる。
流体継手組立体100の構成要素(例えば、雌継手110及び雄継手180)は、実質的に任意の所望のサイズにスケーラブルであることを理解されたい。従って、流体継手組立体100は非常に小さなチューブ(例えば、直径3mm以下)から非常に大きなチューブ(例えば、直径50mm以上)までの広範囲の異なるチューブサイズを接続するようにスケール調整することができる。
図2及び図3は、さらなる詳細を有する雌継手110を示す。大まかに説明されている雌継手110は、雌ハウジング120、雌ハウジング120から延びる終端部112、及び雌ハウジング120によって規定された内部空間内に配置された流体継手モジュール140を含んでいる。雌ハウジング120は、雄継手180(図1も参照)の端部184を受け入れるように構成された第1の開口122を規定している。終端部112は、第2の開口113を規定する。
雌継手110は、長手方向軸111を規定する。図示の実施形態では終端部112、流体継手モジュール140、及び第1の開口122は長手方向軸111の中心に位置している。
流体継手モジュール140(図4~図8に単独で示されている)は雌継手110内に配置された別個の内蔵式構成要素であり、分離していると見なすことができる。換言すれば、流体継手モジュール140はここでは雌継手110の一部として雌ハウジング120内に描かれているが、流体継手モジュール140は多種多様な異なるタイプの流体継手に普遍的に組み込むことができることを理解すべきである。1つの追加の非限定的な例では以下でさらに説明するように、流体継手モジュール140は二重雌流体継手装置200内に組み込むことができる(図9~図11に示すように)。場合によっては、流体継手モジュール140が独立型製品であってもよい。
図示のように、雌継手110は、任意のラッチ機構130とばね138も含む。ラッチ機構130は雌継手110と雄継手180とをそれらの完全に連結された配置で一緒に解放可能にロック又はラッチするように作動可能である(例えば、図24~図26に示されるように)。いくつかの実施形態では、ラッチ機構は含まれない。むしろ、雌継手110及び雄継手180は、雌継手110及び/又は雄継手180に加えられた他の外力によって一緒になっている。
ばね138は、ラッチ機構130の親指板132と雌ハウジング120との間に配置される。ラッチ機構130はラッチ位置(図示のように)と、親指板132(及びラッチ機構130全体)が長手方向軸111に向かって横方向に移動される(すなわち、図3の文脈において下方に移動する)非ラッチ位置との間で、長手方向軸111に対して横方向に移動可能である。ばね138は、ラッチ機構をラッチ位置に向かって付勢する。
ラッチ機構130は、開口134を規定する。ラッチ機構130が(図示のように)ラッチ位置にある間、開口134の中心は長手方向軸111から、及び第1の開口122の中心から横方向にオフセットされる。従って、ラッチ位置では、ラッチ機構130の三日月形の部分135が第1の開口122(図2参照)によって規定される領域内に位置決めされる。ラッチ機構130がアンラッチ位置にある間、開口134の中心は長手方向軸111と一致し、第1の開口122の中心と一致する。したがって、三日月形の部分135は、ラッチ機構130がアンラッチ位置にある間、第1の開口122によって規定される領域内にもはや存在しない。雌継手110と雄継手180との接続中、雄継手180の挿入からの力により、ラッチ機構130はその非ラッチ位置に移動し、次いで、雄継手180が雌継手110に完全に挿入されると、ラッチ機構130はそのラッチ位置に戻る。
図4~8は流体継手モジュール140を単離して示し、その構造をより詳細に説明することができる。流体継手モジュール140は様々な異なるハウジング又はフォームファクタ(例えば、雌継手110、図9~11に示される二重雌流体継手装置200、及び他のもの)で使用される有用性を有する、はっきりと分離した自給式構成要素である。流体継手モジュール140は、カートリッジ、コアなどと考えることもできる。
流体継手モジュール140は、モジュールハウジング142を含む。図示の実施形態ではモジュールハウジング142が略円筒形であるが、他の形状も可能である。モジュールハウジング142は、長手方向軸141と内部空間143とを規定する。
流体継手モジュール140は、内部空間143内に配置された弁棒144も含む。弁棒144は、弁棒144の第1の端部である基部145(図15~17にも示される)を含む。弁棒144の基部145は、モジュールハウジング142の内壁に固定されている。弁棒144は、流体継手モジュール140の長手方向軸141に沿って長手方向に延在する。したがって、弁棒144は、その基部145のモジュールハウジング142への取り付けから片持ち梁状になっている。
流体継手モジュール140は、内部空間143内に配置された弁スリーブ150も含む。弁スリーブ150(図12~14にも示されるように)は開いた中央領域154を規定し、それによって弁スリーブ150が弁棒144の周囲に配置される。従って、弁スリーブ150は、弁棒144とモジュールハウジング142との間に配置される。
弁スリーブ150は弁棒144に沿って、閉位置(図示)と開放位置(弁スリーブ150が図7の右側に移動したとき、図26に示す)との間で長手方向に移動可能である。弁スリーブ150が閉位置にある間(図示のように)、弁スリーブ150は、流体継手モジュール140を通る潜在的な流体流路が開放されないようにブロックする。対照的に、弁スリーブ150がその開位置(例えば、図26に示すように)に移動されると、弁スリーブ150が流体流路を完全に遮断していないため、流体流路が流体継手モジュール140を通って開いている。従って、弁スリーブ150は弁組立体として弁棒144及びモジュールハウジング142と共に機能し、モジュールハウジング142の内部空間143を介して流体継手モジュール140を通る流体流路を動作可能に開閉する。
流体継手モジュール140はまた、複数の環状エラストマーシール部材(又は単に「シール」)を含む。シールはシリコーン、フルオロエラストマー(FKM)、エチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)、熱可塑性エラストマー(TPE)、ブナ(buna)、ブナ-N、熱可塑性加硫物(TPV)、熱硬化性樹脂などの原料で作ることができるが、これらに限定されない。
例えば、流体継手モジュール140は、弁スリーブ150が(図示のように)閉位置にある間、弁棒144と弁スリーブ150の内径との間に配置された第1のエラストマーシール160を含む。第1のエラストマーシール160は、弁棒のヘッド146によって規定される環状シール溝147内に配置される(図15~17も参照)。弁スリーブ150がその開位置(図26参照)に向かって動くと、弁スリーブ150は第1のエラストマーシール160と接触しないように動く。
流体継手モジュール140はまた、弁スリーブ150の外径とモジュールハウジング142の内径との間に配置され、一方、弁スリーブ150が閉位置にある間(図示のように)、第2のエラストマーシール162を含む。第2のエラストマーシール162は弁スリーブ150がその開位置(図26参照)に向かって移動するように、モジュールハウジング142に対して固定位置に留まり、弁スリーブ150は第2のエラストマーシール162と接触しないように移動する。
流体継手モジュール140はまた、モジュール内部空間143内に配置された第3のエラストマーシール166を含む。第3のエラストマーシール166は、弁棒144の基部145が取り付けられるモジュールハウジング142の先端部とは反対側のモジュールハウジング142の先端部に隣接している。流体継手モジュール140が雌継手110に組み込まれると(例えば、図3参照)、第3のエラストマーシール166は、第2のエラストマーシール162と第1の開口122との間に配置される。第3のエラストマーシール166は雄継手180が雌継手110に連結されたときに、雄継手180(図1も参照)の端部184に対してシールするように構成されている。
流体継手モジュール140はまた、モジュールハウジング142の外端の周りに配置された第4のエラストマーシール168を含む。第4のエラストマーシール168は流体継手モジュール140が雌継手110に組み込まれると、雌ハウジング120の内径に当接するように配置される(例えば、図3参照)。第4のエラストマーシール168は雌ハウジング120に対して封止するために他の場所に配置することもできる(例えば、第4のエラストマーシール168は、雌ハウジング120に対して当接する面シールとすることができる)。
いくつかの実施形態では、環状スペーサ164が第2のエラストマーシール162と第3のエラストマーシール166との間に配置される。例えば、環状スペーサ164は、第2のエラストマーシール162及び第3のエラストマーシール166を受け入れるように構成されたモジュールハウジング142の部分の内径に圧入することができる。
いくつかの実施形態では、第3のエラストマーシール166の内径表面は弁スリーブ150が閉位置にある間、弁スリーブ150から離間され、その結果、第3のエラストマーシール166及び弁スリーブ150はいかなる場合にも、決して互いに接触しない。いくつかの実施形態では、第3のエラストマーシール166の内径面の大部分は弁スリーブ150が閉位置にある間、弁スリーブ150から離間している。
流体継手モジュール140はばね170も含む。ばね170は弁棒144の基部145と弁スリーブ150との間に配置される。したがって、ばね170は、弁スリーブ150をその閉位置に向かって付勢する。
図9~11の例に示すように、流体継手モジュール140は、異なる形状因子を有する様々なタイプの流体継手にモジュール式に組み込まれるように構成される。この例では二重雌流体継手装置200が流体継手モジュール140のうちの2つ(すなわち、第1の流体継手モジュール140a及び第2の流体継手モジュール140b)を含む。したがって、流体継手モジュール140の設計は多くの異なるタイプの流体継手と関連する構成要素としての流体継手モジュール140の普遍的な使用を容易にすることを理解されたい。
図12~図14はその構造をより詳細に見ることができるように、弁スリーブ150を単離して示す。弁スリーブ150は、弁棒144が配置される開いた中央領域154を規定する。
弁スリーブ150の外径は、より小さい外径部分151と、より大きい外径部分152とを含む。小さい方の外径部分151は、弁スリーブ150がその閉位置にある間、第2のエラストマーシール162に対してシールする(図3及び図7参照)。大きい方の外径部分152は、弁スリーブ150がその閉位置(図3及び7参照)とその開放位置(図26参照)との間を移動する時、モジュールハウジング142の内径に対して延びる。
小さい方の外径部分151と大きい方の外径部分152との間の遷移は、半径方向内方に延びるモジュールハウジング142の環状肩部に当接する(図3及び7参照)。遷移部分(より小さい外径部分151とより大きい外径部分152との間の)とモジュールハウジング142の環状肩部との間の機械的干渉は弁スリーブ150の閉位置を規定し、ばね170からの力に応じて弁スリーブ150が弁棒144の基部145から遠くに進むのを阻止する。
弁スリーブ150の内径は、より小さい内径部分155と、より大きい内径部分156とを含む。小さい方の内径部分155は、弁スリーブ150がその閉位置にある間、第1のエラストマーシール160に対してシールする(図3及び図7参照)。大きい方の内径部分156はばね170の先端部のためのポケットを規定し、ばね170の先端部コイルは、小さい方の内径部分155と大きい方の内径部分156との間の遷移に当接する。
図15~17は弁棒144を分離して示し、その構造をより詳細に見ることができる。弁棒144は弁棒144の端部に基部145を含み、弁棒144の反対側の端部にヘッド146を含む。弁棒144の溝付きシャフト148は基部145とヘッド146との間に延在し、相互接続する。
基部145はモジュールハウジング142の第2の端部1422(例えば、図7)において、モジュールハウジング142に取り付けられる。弁棒144は、モジュールハウジング142の長手方向軸141に沿って、モジュールハウジング142の第1の先端1421に向かって延びている。モジュールハウジング142の第1の端部142及びモジュールハウジング142の第2の端部1422は、モジュール内部空間143につながるモジュールハウジング142の両端の開放された端部である。
基部145は、モジュールハウジング142の第2の端部1422をモジュール内部空間143に流体的に接続する1つ以上の開口を定める。換言すれば、基部145は、モジュールハウジング142の外側の空間からモジュール内部空間143を完全に閉鎖しない。弁棒144の図示された実施形態では、基部145は各々が4分の1円として形成された4つの開口を規定する。4つの開口149a、149b、149c及び149dは、図5及び図8に最もよく示されている。
図18~20はその構造をより詳細に見ることができるように、分離状態の雌ハウジング120を示す。ここで、雌ハウジング120は、その終端部112なしで示されている。雌ハウジング120は、雌ハウジング120内に規定された継手内部空間123に通じる第1の開口122を規定する。雌継手110の実施形態では、流体継手モジュール140が継手内部空間123内に配置される(例えば、図3、図7、及び図26に示されるように)。
図示の実施形態では、雌ハウジング120が開口134を規定するラッチ機構130のプレート部分(例えば、図3参照)を移動可能に受け入れる横方向スロット125を規定する。
図示の実施形態では、雌ハウジング120がラッチ機構130の親指板132に乗るシュラウド124を含む(例えば、図3及び24に示すように)。図示の実施形態では、親指板132がラッチ機構130の不用意な窪み(雌継手110と雄継手180との意図しない連結をもたらす可能性がある)を防止するのに役立つように、シュラウド124の頂部の下にわずかに窪んでいる。シュラウド124は、任意の特徴である。
第1の開口122の内側部分の内径壁は(例えば、図3及び20に見られるように)一連の長手方向に延びるスロット126を規定する。
図21~23はその構造をより詳細に見ることができるように、雄継手180を分離して示す。雄継手180は、内部空間186及び長手方向軸181を規定する雄ハウジング185を含む。雄継手180は、内部空間186に通じる開口183を規定する終端部182を含む。雄継手180はまた、端部184(雄ハウジング185の一部である)を含む。
雄継手180は、雄ハウジング185の内部空間186内に移動可能に配置された雄継手弁部材187も含む。雄継手弁部材187は、内部空間186から端部184によって規定される開口を流体的に封止するシール188を含む。内部空間186内の雄継手弁部材187は、雄ハウジング185の長手方向軸181に沿って雄ハウジング185に対して、(i)端部184によって規定される雄ハウジング185の第1の開放端が雄ハウジング185の内部空間186を介して開口183に流体接続される開放位置と、(ii)雄継手弁部材187(及びそのシール188)が端部184によって規定される雄ハウジング185の第1の開放端が開口183に流体接続されるのを流体ブロックする閉位置(図23に示すよう)との間で摺動可能である。
雄継手180は内部空間186内に配置されたばね190も含み、このばねは雄継手弁部材187をその閉位置に向かって付勢するように配置されている。雄継手180を雌継手110と連結することにより、ばね190が圧縮され、雄継手弁部材187がその閉位置からその開放位置に移動する。
図24~図26は、連結された構成の流体継手組立体100を示す。すなわち、雌継手110と雄継手180とが互いに連結され、それぞれの弁が開いている。したがって、開放流体流路101は、流体継手組立体100全体を通して確立される。開放流体流路101は、(i)雌継手110の終端部112によって規定される開口113と、(ii)雄継手180の終端部182によって規定される開口183との間に延在する。開放流体流路101は雌継手110内の流体継手モジュール140によって規定された内部空間143を通過し、雄継手180の雄ハウジング185によって規定された内部空間186を通過する。
雌継手110及び雄継手180の各々の弁は、それらの開位置に移動される。例えば、雌継手110と雄継手180とが互いに連結されると、流体継手モジュール140の弁棒144のヘッド146の前面は、雄継手弁部材187をその開位置に変位させるように雄継手弁部材187の前面に当接する。さらに、雌継手110と雄継手180とが互いに連結されると、雄継手180の端部184の先行する環状面が流体継手モジュール140の弁スリーブ150の環状前面に当接し、弁スリーブ150をその開位置に変位させる。従って、雌継手110と雄継手180とを一緒に連結する物理的作用によって、それらの弁が開き、流体継手組立体100を通して開放流体流路101が形成される。
逆に、雌継手110と雄継手180とが互いに連結されていない場合、ばね170及び190は弁スリーブ150及び雄継手弁部材187を閉位置に押し戻し、その結果、両継手半体の雌継手110と雄継手180とは密閉され、雌継手110及び雄継手180から流体が漏出するのを防止する。さらに、図26では、流体封入のための容積空間を提供する流体継手半体の雌継手110と雄継手180との間に本質的に開口領域が存在しないことも分かる。従って、弁スリーブ150及び雄継手弁部材187がそれらの閉位置に戻り、流体継手半体の雌継手110と雄継手180とが互いに分離されるとき、ゼロ又は本質的にゼロのこぼれ又は漏れが存在することになる。したがって、流体継手半体の雌継手110と雄継手180が互いに分離されるとき、流体のこぼれは本質的にない。
図27を参照すると、2つの流体処理構成要素を互いに連結するために、流体処理構成要素カプラ300(又は、より簡単に後述する「カプラ300」)を使用することができる。いくつかの実施形態では、カプラ300が射出成形によって作製される単一の熱可塑性部材である。特定の実施形態では、カプラ300が機械加工、ダイカスト、又は金属射出成形によって作られる一体の金属部材である。いくつかの実施態様において、カプラ300は、複数の構成要素から組み立てられる。
以下でさらに説明するように、カプラ300は、本明細書で説明する雌継手及び雄継手の一部として使用することができる。しかしながら、より広義には、カプラ300が任意のタイプ、設計、又は機能の2つの流体処理構成要素を互いに連結するために使用することができる。例えば、流体処理組立体は、第1の流体処理構成要素と、第2の流体処理構成要素と、カプラ300とを含むことができる。カプラ300は、第1及び第2の流体処理構成要素を互いに取り付けるために使用することができる。場合によっては、カプラ300を使用して、終端構成要素(例えば、バーブ終端、ねじ付き終端、衛生フィッティング終端など)を、制限することなく、継手本体、管、ハウジングなどの第2の流体処理構成要素に取り付けることができる。カプラ300は、任意のタイプ、設計、及び/又は機能の2つの流体処理構成要素を互いに連結するために使用することができる。
カプラ300は、中心軸301を有する開口312を規定する周辺部材310を含む。図示の実施形態では、周辺部材310は円形の断面形状を有する開口円筒部材である。いくつかの実施形態では周辺部材310の断面形状が卵形、長方形、長円形、楕円形、正方形、三角形、多角形などの他の形状であってもよいが、これらに限定されない。
第1系列の拘束要素320a及び第2系列の拘束要素320bが、周辺部材310の内壁から半径方向内向きに延在又は突出している。例えば、図示の実施形態では、第1系列の拘束要素320aが周辺部材310の内周の周りで互いに等しく離間された4つの個々拘束要素320aを含む。同様に、第2系列の拘束要素320bは、周辺部材310の内周の内側で互いに等しく離間された4つの個々拘束要素320bを含む。
拘束要素は様々な構成を有することができるが、図示の実施形態では第1系列の拘束要素320a及び第2系列の320aの個々の拘束要素が弧状である傾斜部又はラチェット歯である。ランプ又はラチェット歯の先端(下端)は、周辺部材310の外縁(リム)に隣接している。「隣接する」とは、ランプ又はラチェット歯の前端が周辺部材310の外縁に正確にあるか、又は周辺部材310の外縁から短い距離だけ窪んでいることを意味する。
個々の拘束要素(ランプ)の高さは、拘束要素が隣接する周辺部材310の外縁から周辺部材310の反対側の外縁に向かう方向に沿って増加する。したがって、カプラ300は、カプラ300の各端部と係合してスナップ留めされるように流体処理構成要素を許容するように構成される。このようにして、カプラ300は、2つの流体処理構成要素を都合よく連結することができる。
図27では、第1系列の拘束要素320aの個々の拘束要素間に隙間があることが分かる。同様に、第2系列の拘束要素320bの個々の拘束要素間には隙間がある。第2系列の拘束要素320bの個々の拘束要素は第1系列の拘束要素320aの個々の拘束要素間のギャップと軸方向に(例えば、中心軸301に沿って見て)整列される。同様に、第1系列の拘束要素320aの個々の拘束要素は、第1系列の拘束要素320aの個々の拘束要素間のギャップと軸方向に整列される。したがって、第1系列の拘束要素320aの各拘束要素は第2系列の拘束要素320bの各拘束要素から半径方向にオフセットされており、第2系列の拘束要素320bの各拘束要素は、第1系列の拘束要素320aの各拘束要素から半径方向にオフセットされていると言うことができる。
図示の例示のカプラ300では、第1系列の拘束要素320a及び第2系列の拘束要素320bの各々の拘束要素が中心軸301の周りの弧に沿って約45°で延びている。加えて、第1系列の拘束要素320a及び第2系列の拘束要素320bの間のギャップのそれぞれは、中心軸301の周囲の弧に沿って約45°で延在する。同じ基本構造を維持しながら、他の構成も可能である。例えば、いくつかの実施形態では、第1系列の拘束要素320a及び第2系列の拘束要素320b及びギャップが中心軸301の周りの弧に沿って約60°、又は中心軸301の周りの弧に沿って約90°、又は中心軸301の周りの弧に沿って約36°、又は中心軸301の周りの弧に沿って約30°、又は中心軸301の周りの弧に沿って約20°で延びるが、これらに制限されない。
図28は、2つの流体処理構成要素を連結するためにカプラ300をどのように使用することができるかの一例を示す。この例では雌継手110のハウジング120(上述したように、例えば、図3参照)はカプラ300を使用するように変更されている。したがって、図28では、変更された雌継手を雌継手110’と呼び、ハウジングを(i)本体ハウジング120a及び(ii)終端ハウジング120bと呼ぶ。この例では、終端ハウジング120bが雌継手110のねじ付き終端部112’とは対照的に、ねじ付き終端部112’を含む。従って、この例は雌継手110の基部設計と関連して、異なるタイプの終端部の組み合わせを容易にするために、カプラ300をどのように容易に使用することができるかを示している。これにより、この能力は製造効率及び/又は利用者の利便性を提供することができる(例えば、利用者が所望のスタイルの終端部を選択することを可能にすることによって)。
図示の例では、本体ハウジング120aと終端ハウジング120bとはカプラ300によって連結(機械的に取り付け)されている。機械的アタッチメントを確実にするために、本体ハウジング120a及び終端ハウジング120bの各々は、第1系列の拘束要素320a及び第2系列の拘束要素320bを受容する1つ又は複数の凹部を規定する。いくつかの実施態様において、本体ハウジング120a及び終端ハウジング120bによって規定される1つ以上の凹部は、それぞれ、環状溝(連続して、完全に円周方向に延在する)である。雌継手110’の図は本体ハウジング120aによって規定された凹部に係合されたカプラ300の2つの拘束要素を示すが、終端ハウジング120bによって規定された凹部に係合されたカプラ300の拘束要素は示されていない。これは単に、この断面図が本体ハウジング120aによって規定される凹部に係合される拘束要素をたまたま切断するが、終端ハウジング120bによって規定される凹部に係合される拘束要素を切断しないためである。この図では見えないが、実際には終端ハウジング120bによって規定される凹部に係合される拘束要素がある。
図示の実施形態では、カプラ300が終端ハウジング120bに対する本体ハウジング120aの相対的な回転を可能にする。あるいは、いくつかの実施形態ではカプラ300(及び/又はハウジング120a~b)がこのような相対回転を防止又は制限するように構成され得る。例えば、いくつかの実施形態では、カプラ300が相対回転を防止又は制限するために、本体ハウジング120a及び/又は終端ハウジング120bの1つ又は複数の相補的構造要素と係合する1つ又は複数のキーイング要素を含むことができる。別の例では、カプラ300の1つ又は複数の拘束要素が同じカプラ300の他の拘束要素と構造的に異なることができ、そのような異なる拘束要素は相対回転を防止又は制限するために、本体ハウジング120a及び/又は終端ハウジング120bの1つ又は複数の相補的構造要素(例えば、より深いなどの異なるタイプの凹部)と嵌合するために使用することができる。
図29は、2つの流体処理構成要素を連結するためにカプラ300をどのように使用することができるかの別の例を示す。この例では雄継手180のハウジング185(上述したように、例えば、図23参照)はカプラ300を使用するように変更されている。したがって、図29では、変更された雄継手を雄継手180’と呼び、ハウジングを(i)本体ハウジング185a及び(ii)終端ハウジング185bと呼ぶ。この例では、終端ハウジング185bが雄継手180のねじ付き終端部182とは対照的に、ねじ付き終端部182’を含む。従って、この例は雄継手180の基部設計に関連して異なるタイプの終端部の組み合わせを容易にするために、カプラ300をどのように容易に使用することができるかを示している。これにより、この能力は製造効率及び/又は利用者の利便性を提供することができる(例えば、利用者が所望のスタイルの終端部を選択することを可能にすることによって)。さらに、いくつかの実施形態では、カプラ300は可逆的である。あるいは、いくつかの実施形態ではカプラは非可逆的である。
図示の例では、本体ハウジング185aと終端ハウジング185bとはカプラ300によって連結(機械的に取り付け)されている。機械的アタッチメントを確実にするために、本体ハウジング185a及び終端ハウジング185bの各々は、第1系列の拘束要素320a及び第2系列の拘束要素320bを受容する1つ又は複数の環状凹部を規定する。いくつかの実施態様において、本体ハウジング185a及び終端ハウジング185bによって規定される環状凹部はそれぞれ、環状溝(連続して延在し、完全に円周方向に延在する)である。雄継手180’の図は本体ハウジング185aによって規定された凹部に係合されたカプラ300の2つの拘束要素を示すが、終端ハウジング185bによって規定された凹部に係合されたカプラ300の拘束要素は示されていない。これは単に、この断面図が本体ハウジング185aによって規定される凹部に係合される拘束要素を切り開くが、終端ハウジング185bによって規定される凹部に係合される拘束要素を切り開かないためである。この図では見えないが、実際には終端ハウジング185bによって規定される凹部に係合される拘束要素がある。
図示の実施形態では、カプラ300が終端ハウジング185bに対する本体ハウジング185aの相対的な回転を可能にする。あるいは、いくつかの実施形態ではカプラ300(及び/又はハウジング185a~b)がこのような相対回転を防止又は制限するように構成され得る。例えば、いくつかの実施形態では、カプラ300が相対回転を防止又は制限するために、本体ハウジング185a及び/又は終端ハウジング185bの1つ又は複数の相補的構造要素と係合する1つ又は複数のキーイング要素を含むことができる。別の例では、カプラ300の1つ又は複数の拘束要素が他の拘束要素と構造的に異なることができ、異なる拘束要素を使用して、本体ハウジング185a及び/又は終端ハウジング185bの1つ又は複数の相補的な構造要素(例えば、より深いなどの異なるタイプの凹部)と嵌合させて、相対回転を防止又は制限することができる。
本明細書は多くの具体的な実施の詳細を含むが、これらは任意の発明の技術的範囲又は請求され得るもの制限として解釈されるべきではなく、むしろ、特定の発明の特定の実施形態に特有であり得る特徴の説明として解釈されるべきである。別個の実施形態の文脈で本明細書に記載される特定の特徴は、単一の実施形態において組み合わせて実施することもできる。逆に、単一の実施形態の文脈で説明される様々な特徴は複数の実施形態で別々に、又は任意の適切なサブコンビネーションで実施することもできる。さらに、特徴は本明細書では一定の組合せで動作するものとして説明されてもよく、そのようなものとして最初に特許請求されてもよいが、特許請求される組合せからの1つ又は複数の特徴は場合によってはその組合せから削除されてもよく、特許請求される組合せはサブコンビネーション又はサブコンビネーションの変形に向けられてもよい。
同様に、動作は特定の順序で図面に示されているが、これは望ましい結果を達成するために、そのような動作が示された特定の順序で、又は連続的な順序で実行されること、又は示されたすべての動作が実行されることを必要とするものとして理解されるべきではない。特定の状況では、マルチタスキング及び並列処理が有利であり得る。さらに、本明細書で説明される実施形態における様々なシステムモジュール及び構成要素の分離は、すべての実施形態においてそのような分離を必要とするものとして理解されるべきではなく、説明されるプログラム構成要素及びシステムは一般に、単一の製品に一緒に統合され得るか、又は複数の製品にパッケージングされ得ることを理解されたい。
主題の特定の実施形態を説明した。他の実施形態は、以下の特許請求の範囲内である。例えば、特許請求の範囲に記載された動作は異なる順序で実行することができ、依然として望ましい結果を達成することができる。一例として、添付の図面に示されるプロセスは、所望の結果を達成するために示される特定の順序を必ずしも必要としない。いくつかの実装形態では、マルチタスキング及び並列処理が有利であり得る。

Claims (20)

  1. 流体継手装置であって、
    流体継手ハウジングであって、該流体継手ハウジング内に規定された継手内部空間に通じる第1の開口を規定する流体継手ハウジングと、
    前記第1の開口の反対側にある前記流体継手ハウジングの端部において前記流体継手ハウジングから延びる終端部であって、該終端部は前記継手内部空間に通じる第2の開口を規定する、終端部と、
    前記継手内部空間内に配置された流体継手モジュールであって、
    モジュール内部空間を規定するモジュールハウジングと、
    該モジュールハウジングに固定され、前記流体継手モジュールの長手方向軸に沿って前記モジュール内部空間内に延在する弁棒と、
    該弁棒と前記モジュールハウジングとの間に配置された弁スリーブであって、(i)弁スリーブが前記第1の開口を前記第2の開口から封止する閉位置と、(ii)前記第1の開口が前記モジュール内部空間を介して前記第2の開口に流体接続される開位置との間で、前記モジュール内部空間内で前記弁棒に沿って移動可能である弁スリーブと、流体継手モジュールと、
    を備える流体継手装置。
  2. 前記モジュールハウジングと前記流体継手ハウジングとの間に配置されたエラストマーシールをさらに備える、請求項1に記載の流体継手装置。
  3. 前記弁スリーブが前記閉位置にある間、前記弁棒と前記弁スリーブとの間に配置された第1のエラストマーシールと、
    前記弁スリーブが閉位置にある間、前記弁スリーブと前記モジュールハウジングとの間に配置された第2のエラストマーシールと、
    前記モジュール内部空間内に配置され、前記第2のエラストマーシールと前記第1の開口との間に配置された第3のエラストマーシールと、
    を更に備える、請求項1又は2に記載の流体継手装置。
  4. 前記第3のエラストマーシールの内径面の大部分は、前記弁スリーブが前記閉位置にある間、前記弁スリーブから離間している、請求項3に記載の流体継手装置。
  5. 前記第2のエラストマーシールと前記第3のエラストマーシールとの間に配置された環状スペーサをさらに備える、請求項3に記載の流体継手装置。
  6. 前記弁棒は前記モジュールハウジングに固定される基部を含み、該基部は、前記第2の開口を前記モジュール内部空間に流体的に接続する1つ以上の開口を規定する、請求項1に記載の流体継手装置。
  7. 前記1つ以上の開口は、各々が4分の1円として形成された4つの開口を含む、請求項6に記載の流体継手装置。
  8. 前記弁棒は、前記モジュールハウジングに固着された基部を備え、該基部と前記弁スリーブとの間に配置され、該弁スリーブを前記閉位置に向かって付勢するばねをさらに備える、請求項1~7の何れか一項に記載の流体継手装置。
  9. 前記第1の開口に隣接するラッチ機構をさらに備え、該ラッチ機構は、(i)前記ラッチ機構によって規定される開口の中心が前記第1の開口の中心に対して横方向にオフセットされるラッチ位置と、(ii)前記ラッチ機構によって規定される開口が前記第1の開口と同心であるラッチ解除位置との間で、前記流体継手ハウジングに対して横方向に移動可能である、請求項1~8の何れか一項に記載の流体継手装置。
  10. 前記ラッチ機構と該ラッチ機構を前記ラッチ位置に向かって付勢する前記流体継手ハウジングとの間のばねをさらに備える、請求項9に記載の流体継手装置。
  11. 流体継手モジュールであって、
    内部空間及び長手方向軸を規定するモジュールハウジングであって、(i)前記内部空間に通じる第1の端部開口を規定する第1の端部と、(ii)前記内部空間に通じる第2の端部開口を規定する第2の端部と、を有するモジュールハウジングと、
    前記モジュールハウジングの前記第2の端部に固定され、前記長手方向軸に沿って基部から前記第1の端部に向かって延びる弁棒と、
    該弁棒と前記モジュールハウジングとの間に配置された弁スリーブであって、(i)前記弁スリーブが前記第1の端部開口を前記第2の端部開口から封止する閉位置と、(ii)前記第1の端部開口が前記第2の端部開口に流体的に接続する開位置との間の前記内部空間内で前記弁棒に沿って移動可能で弁スリーブと、
    を備える流体継手モジュール。
  12. 前記基部は、前記第2の端部開口を前記内部空間に流体的に接続する開口を規定する、請求項11に記載の流体継手モジュール。
  13. 前記開口は各々が4分の1円として形成された4つの開口を有する、請求項12に記載の流体継手モジュール。
  14. 前記弁棒は、前記基部の反対側の前記弁棒の端部にヘッドをさらに備え、該ヘッドはエラストマーシールを受け入れるように構成された環状シール溝を規定する、請求項11~13の何れか一項に記載の流体継手モジュール。
  15. 前記環状シール溝内に配置され、前記弁スリーブが閉位置にある間、該弁スリーブの内径部分と接触する第1のエラストマーシールと、
    前記弁スリーブが閉位置にある間、該弁スリーブの外径と前記モジュールハウジングとの間に配置される第2のエラストマーシールと、
    前記内部空間内に配置され、前記第2のエラストマーシールと前記第1の端部開口との間に配置される第3のエラストマーシールと、更に備える請求項14に記載の流体継手モジュール。
  16. 前記第2のエラストマーシールと前記第3のエラストマーシールとの間に配置され、前記第2のエラストマーシール及び第3のエラストマーシールのそれぞれと接触する環状スペーサをさらに備える、請求項15に記載の流体継手モジュール。
  17. 前記基部と前記弁スリーブとの間に配置され、前記弁スリーブを前記閉位置に向かって付勢するばねをさらに備える、請求項11~16の何れか一項に記載の流体継手モジュール。
  18. 流体継手ハウジングであって、該流体継手ハウジング内に規定された継手内部空間に至る第1の開口と、前記継手内部空間に至る第2の開口とを規定する流体継手ハウジングと、
    前記継手内部空間内に配置され流体継手モジュールであって、
    モジュール内部空間を規定するモジュールハウジングと、
    前記モジュール内部空間内に配置され、(i)前記第1の開口が前記第2の開口から封止される閉位置、又は(ii)前記第1の開口が前記モジュール内部空間を介して前記第2の開口に流体的に接続される開位置にあるように構成された弁組立体と、を有する流体継手モジュールと、
    を備える流体継手装置。
  19. 第1の流体処理構成要素と、
    第2の流体処理構成要素と、
    前記第1の流体処理構成要素と前記第2の流体処理構成要素とを互いに連結する流体処理構成要素カプラであって、
    中心軸に沿って延在する開口を規定する周辺部材であって、前記開口は、第1の流体処理構成要素と第2の流体処理構成要素のそれぞれの端部を受容するように構成される、周辺部材と、
    互いに半径方向に離間し、中心軸に向かって半径方向内側に突出する、第1系列の弧状拘束要素と、
    互いに半径方向に離間し、中心軸に向かって半径方向内側に突出する、第2系列の弧状拘束要素と、を有する流体処理構成要素カプラと、
    備える流体処理構成要素の組立体。
  20. 前記第1系列の弧状拘束要素の各々の弧状拘束要素は前記第2系列の弧状拘束要素の各々の弧状拘束要素から半径方向にオフセットされ、前記第2系列の弧状拘束要素の各々の弧状拘束要素は前記第1系列の弧状拘束要素の各々の弧状拘束要素から半径方向にオフセットされる、請求項19に記載の組立体。
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