JP2023504900A - 光学フィルタ及び光学システム - Google Patents
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Abstract
光学フィルタは、可視波長範囲(例えば、約420nm~約550nmの波長)において約50%超の平均光透過率を有し、かつ赤外線波長範囲(例えば、約650nm~約800nmの波長)において約1.5超の光学密度を有する。光学フィルタは、可視範囲と赤外線範囲との間にシャープなバンドエッジを有し得る。例えば、少なくとも約30%のパーセント透過率の変化は、幅約10nm以下の波長範囲にわたって発生し得る、かつ/又はバンドエッジの勾配は、約5%/nm超であり得る。光学システムは、発光ディスプレイと光学センサとの間に配置された光学フィルタを含む。
Description
光学フィルムは、交互のポリマー層を含むことができ、所望の波長範囲の光を透過又は反射するために使用され得る。
表示システムは、表示パネルの後ろに指紋センサを含むことができる。
本明細書は、光学フィルタ、及び光学フィルタを含む光学システムに関する。光学フィルタは、可視波長範囲(例えば、約420nm~約550nmの波長)において約50%超の平均光透過率を有することができ、かつ赤外線波長範囲(例えば、約650nm~約800nmの波長)において約1.5超の光学密度を有することができる。場合によっては、高い光学密度(例えば、約1.5超、又は約2超)が、低い合計平均厚さ(例えば、約60マイクロメートル以下)で達成される。光学フィルタは、可視範囲と赤外線範囲との間にシャープなバンドエッジを有することができる(例えば、少なくとも約30%のパーセント透過率(percent transmission)の変化が、幅約10nm以下の波長範囲にわたって発生し得る、かつ/又はバンドエッジの勾配は、約5%/nm超であり得る)。光学フィルタは、第2の光学フィルタ上に配置された第1の光学フィルタを含む光学積層体であり得る。例えば、第1の光学フィルタは、交互のポリマー層を含むことができ、一方、第2の光学フィルタは、染料及び/又は顔料を含んで、吸収率ピークを提供することができる。あるいは、又は加えて、染料及び/又は顔料を交互のポリマー層のうちの1つ以上に組み込んで、吸収率ピークを提供することができる。光学システムは、発光ディスプレイと光学センサとの間に配置された光学フィルタを含むことができる。例えば、光学システムは、有機発光ダイオード(OLED)表示システムであり得、光学センサは、光学指紋検出器であり得、光学フィルタは、近赤外線周囲光を遮断(例えば、少なくとも650nm~800nmの範囲で波長を実質的に遮断)しながら、指紋検出器に可視光を通過(例えば、少なくとも450nm~550nmの範囲で波長を実質的に透過)するように構成することができる。光学フィルタは、センサの信号対雑音比を有意に改善させることが見いだされた。これら及び他の態様は、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。しかしながら、いかなる場合でも、この簡潔な概要は、特許請求の範囲の主題を限定するものと解釈されるべきではない。
以下の説明では、本明細書の一部を形成し様々な実施形態が例示として示されている添付図面が参照される。図面は、必ずしも実際の縮尺ではない。他の実施形態が想到され、本明細書の範囲又は趣旨から逸脱することなく実施されてもよい点を理解されたい。したがって、以下の発明を実施するための形態は、限定的な意味では解釈されない。
本明細書のいくつかの実施形態による光学フィルタは、可視波長範囲(例えば、420nm又は450nm~550nm又は560nm)において高い透過率(例えば、少なくとも50%、又は少なくとも70%)、赤外線波長範囲(例えば、約650nm~約800nm)において、高い光学密度(例えば、約1.5超、若しくは約2超)又は低い光透過率(例えば、約5%未満、若しくは約1%未満、若しくは約0.6%未満)、並びに高い透過率範囲と低い透過率範囲との間にシャープな遷移(例えば、約10nm以下の範囲にわたる少なくとも30%のパーセント透過率の変化、及び/又は約5%/nm超の勾配)を有することができる。場合によっては、これらの光学的特性は、薄い光学フィルタ(例えば、厚さ約60マイクロメートル以下)で達成される。光学フィルタを使用して、例えば、発光ディスプレイの後ろに光学センサを含む光学システムにおける信号対雑音比を増大させることができる。
光学フィルタは、複数の交互のポリマー層を含む多層光学フィルムを含み得る。当該技術分野で知られているように、交互のポリマー層を含む多層光学フィルムを使用して、層厚の好適な選択による所望の反射帯域及び透過帯域を提供することができる。多層光学フィルム、及び多層光学フィルムを作製する方法は、例えば、米国特許第5,882,774号(Jonzaら)、同第6,179,948号(Merrillら)、同第6,783,349号(Neavinら)、同第6,967,778号(Wheatleyら)、及び同第9,162,406号(Neavinら)に記載されている。
図1は、複数の交互の第1のポリマー層10及び第2のポリマー層20を含む光学フィルタ100の概略断面図である。光学フィルタは、図1で概略的に示されているよりも多くの層を有してもよい。第1のポリマー層及び第2のポリマー層の数は、典型的には、合計で少なくとも50(例えば、合計で50~600層、又は合計で100~500層)である。第1のポリマー層及び第2のポリマー層の各々は、約500nm未満又は約400nm未満の平均厚さ(厚さの層にわたる平均値)を有し得る。光学フィルタ100は、より厚い(例えば、約1マイクロメートル超の)層15及び/又は17を更に含むことができ、これらは、交互のポリマー層のパケット又は積層体の間の保護境界層として、又は外側保護スキン層として含まれ得る。いくつかの実施形態では、光学フィルタ100は、第1の光学フィルタ110及び第2の光学フィルタ80を含む。第2の光学フィルタ80は、(例えば、接着層などの1つ以上の追加の層を介して直接的又は間接的に)第1の光学フィルタ110上に配置され得る。第2の光学フィルタ80は、任意選択的に省略することができる。第2の光学フィルタ80が含まれて、第1の光学フィルタ110上に配置される実施形態では、光学フィルタ100は、光学積層体と呼ばれ得る。いくつかのそのような場合では、図1は、例示を容易にするために、第2の光学フィルタ80が第1の光学フィルタ110から離れて配置されて示されている概略部分分解図として説明され得る。
光学フィルタ110は、主に光干渉によって光を反射及び透過することができ、一方、光学フィルタ80は、1つ以上の吸収帯域を含むことができる。例えば、光学フィルタ110は、左(より低い波長)及び右(より高い波長)のバンドエッジを有する反射帯域を有し得、光学フィルタ80は、左バンドエッジの近くに吸収帯域を含み、及び/又は右バンドエッジの近くに吸収帯域を含んで、斜め入射光のバンドエッジにおけるシフトを軽減することができる。光学フィルタ80は、例えば、ポリマーフィルム内又はコーティング内に分散された染料及び/又は顔料を含み得る。
1つ以上の吸収帯域を含むことが望ましい場合、吸収帯域は、第2の光学フィルタ80の代わりに、又はそれに加えて、又はそれを含む第1の光学フィルタ110の層を使用して提供され得る(例えば、第1の光学フィルタ110が第1の吸収帯域を提供することができ、第2の光学フィルタ80が異なる第2の吸収帯域を提供することができる)。例えば、いくつかの実施形態では、複数の交互の第1のポリマー層10及び第2のポリマー層20のうちの少なくとも1つの層は、(例えば、吸収帯域のピーク吸収波長において)吸収率ピークを有する。別の例として、いくつかの実施形態では、層15及び/又は17のうちの少なくとも1つは、吸収率ピークを有する。任意の好適な染料及び/又は顔料を使用して、吸収率ピークを提供することができる。例えば、米国特許出願公開第2015/0378077号(Haagら)、及び同第2018/0172888号(Johnsonら)に記載されている染料を使用することができる。
図2~図3は、いくつかの実施形態による、光学フィルタの透過スペクトルのプロットである。図2は、いくつかの実施形態による、光学フィルタに対する0度、45度、及び60度の入射角のパーセント透過率を示している。図3は、いくつかの実施形態による、別の光学フィルタに対する0度、45度、及び60度の入射角の透過率(割合として表される透過率)を示している。透過率は、例えば、約400nm又は約420nm又は約450nm~少なくとも約550nmであり得る、可視範囲(例えば、70又は170)に対して、例えば、約650nm~少なくとも約800nmであり得る(近)赤外線範囲(例えば、71)に対して、及び、遠赤外線範囲(73又は173など)に対して説明され得る。遠赤外線範囲は、少なくとも幅約100nmであり得、近赤外線波長範囲が可視波長範囲と遠赤外線波長範囲との間にあるように配置され得る。遠赤外線範囲は、例えば、約950nm~少なくとも約1050nmであり得る。本明細書で使用される場合、赤外線範囲という用語は、赤外線波長を含み、かつ任意選択的に約650nmまでの波長を含み得る波長範囲を指す。本明細書で使用される場合、近赤外線波長範囲及び遠赤外線波長範囲という用語は、それぞれ、相対的により低い波長及び相対的により高い波長の赤外線範囲を指す。遠赤外線波長範囲は、例えば、2000nm未満、又は1500nm未満に配置され得る。
いくつかの実施形態では、光学フィルタ100は、合計で少なくとも50を数える複数の交互の第1のポリマー層(10)及び第2のポリマー層(20)を含み、各ポリマー層は、約500nm未満の平均厚さを有し、それによって、実質的に垂直に入射する(例えば、垂直の30度、又は20度、又は10度以内で、又は名目上垂直に入射する)光30に対して、並びに約420nm~約550nmにわたる可視波長範囲70及び約650nm~約800nmにわたる赤外線波長範囲71に対して、並びに第1の直交偏光(例えば、x軸に沿った偏光)状態及び第2の直交偏光(例えば、y軸に沿って偏光)状態の各々に対して、第1のポリマー層10は、可視波長範囲70における少なくとも1つの可視波長に対して、第2のポリマー層20(例えば、屈折率n2)よりも大きい屈折率(例えば、屈折率n1)を有し、可視波長範囲70における光学フィルタ100の平均光透過率は、約50%超であり、光学フィルタ100は、赤外線波長範囲71において約1.5超の光学密度を有し、光学フィルタ100の透過率は、可視波長範囲(70)と赤外線波長範囲(71)との間に配置され、かつ幅約10nm以下である第1の波長範囲72にわたって少なくとも約30%だけ変化する。例えば、少なくとも30%だけの透過率の変化は、例えば、T1及びT2がパーセントとして表される2つの異なる波長における透過率である場合のT1-T2≧30%を意味し(例えば、図2を参照)、又はT1、T2が割合として表される2つの異なる波長における透過率である場合のT1-T2≧0.3を意味し得る(例えば、図3を参照)。いくつかの実施形態では、実質的に垂直に入射する光30に対して、可視波長範囲70における光学フィルタ100の平均光透過率は、約60%超、又は約70%超、又は約80%超である。いくつかの実施形態では、第1の波長範囲72は、幅約8nm以下である。第1の波長範囲72は、例えば、幅約1nm~約10nm、又は幅約2nm~約8nmであり得る。
偏光状態の屈折率は、偏光状態に関連する電場の方向に沿った屈折率である。例えば、x軸に沿って偏光した垂直に入射する光に対して、偏光状態の屈折率は、x軸に沿った屈折率である。いくつかの実施形態では、可視波長範囲70における少なくとも1つの可視波長に対して、第1のポリマー層10は、x軸に沿った屈折率n1x及びy軸に沿った屈折率n1yを有し、第2のポリマー層20は、x軸に沿った屈折率n2x及びy軸に沿った屈折率n2yを有する。いくつかの実施形態では、n1x-n2x>0.05、及びn1y-n2y>0.05である。いくつかの実施形態では、第1のポリマー層10は、複屈折性である。例えば、第1のポリマー層10は、n1x≒n1z>n1zであるように二軸配向することができ、ここでn1zは、少なくとも1つの可視波長の厚さ方向(z方向)における第1のポリマー層10の屈折率である。いくつかの実施形態では、1/2(n1x+n1y)-n1z>0.05である。いくつかの実施形態では、第2のポリマー層20は、n2x≒n2y≒n2zであるように実質的に等方性であり、ここでn2zは、少なくとも1つの可視波長の厚さ方向(z方向)における第2のポリマー層20の屈折率である。いくつかの実施形態では、第1のポリマー層10は複屈折性であり、第2のポリマー層20は実質的に等方性である。
光学密度は、光学フィルタ上に入射する光の強度の底10の対数を、透過光の強度で除算したものである。図4は、図2に示される垂直入射透過率に対応する光学密度のプロットである。いくつかの実施形態では、光学フィルタの光学密度は、波長範囲(例えば、近赤外線波長範囲71)において、約1.5超、又は約2超、又は約2.2超、又は約2.4超である。波長範囲は、例えば、約650nmから、約800nmまで、少なくとも約800nmまで、又は少なくとも約850nmまで(例えば、約850nmまで若しくは約900nmまで)にわたり得る。光学密度は、波長範囲全体にわたるこれらの範囲のいずれかであり得るか、又は波長範囲内の平均光学密度は、これらの範囲のいずれかであり得る。いくつかの実施形態では、光学フィルタは、約650nmから、少なくとも約800nmまで又は少なくとも約850nmまでにわたる波長範囲において、約5%未満、又は約2%未満、又は約1%未満、又は約0.6%未満の平均光透過率を有する。
いくつかの実施形態では、光学フィルタ100又は第1の光学フィルタ110は、約100、80、70、60、50、又は40マイクロメートル以下の平均厚さ(フィルタのエリアにわたるz方向に沿った厚さ平均値)を有する。例えば、平均厚さは、約60マイクロメートル以下、又は約20マイクロメートル~約60マイクロメートルであり得る。所望の光学密度(例えば、約1.5超)も有する相対的に薄い(例えば、厚さ約40マイクロメートル以下の)光学フィルタは、高屈折率層としてポリエチレンナフタレート(PEN)を使用して、及び低屈折率層としてポリメチルメタクリレート(PMMA)を使用して作製することができる。これにより、高屈折率層及び低屈折率層の屈折率間の相対的に高い差異を提供して、薄膜で高い光学密度を達成することができる。薄いディスプレイが所望され得るディスプレイ用途などのいくつかの用途では、薄い光学フィルタが求められている。
光学フィルタは、1つ以上の吸収率ピークを有し得る、又は吸収率ピークを実質的に有し得ない。いくつかの実施形態では、複数の交互の第1のポリマー層及び第2のポリマー層のうちの少なくとも1つの層は、約600nm~約900nm、又は約700nm~約900nmの波長範囲内に吸収率ピーク(例えば、82又は282)を有する。例えば、染料及び/又は顔料は、第1の層又は第2の層の一方又は両方に組み込まれて、吸収率ピークを提供することができる。いくつかの実施形態では、光学フィルタの透過率は、幅約100nm以下の第2の波長範囲(例えば、74又は174)にわたって少なくとも約30%だけ変化し、ここで、赤外線波長範囲は、第1の波長範囲と第2の波長範囲との間、又は可視波長範囲と第2の波長範囲との間に配置されている。いくつかの実施形態では、複数の交互の第1のポリマー層10及び第2のポリマー層20のうちの少なくとも1つの層は、第2の波長範囲74よりも第1の波長範囲72に近い波長において第1の吸収率ピーク182を有する(例えば、場合によっては、第1の吸収率ピーク182は、第1の波長範囲72内にあり得る)。いくつかの実施形態では、複数の交互の第1のポリマー層10及び第2のポリマー層20のうちの少なくとも1つの層は、第1の波長範囲72よりも第2の波長範囲74に近い波長において第2の吸収率ピーク82を有する(例えば、場合によっては、第2の吸収率ピーク82は、第2の波長範囲74内にあり得る)。
透過スペクトルが図2に示されている光学フィルタは、本明細書の他の箇所に記載された実施例1のものと同様に形成された。図3の透過スペクトルは、染料分散が交互のポリマー層の高屈折率層に含まれて吸収率ピーク282を提供する、従来の光学モデリング技術を使用して計算された。
いくつかの実施形態では、光学フィルタは、シャープな左バンドエッジを有する。いくつかの実施形態では、光学フィルタは、シャープな右バンドエッジを有する。バンドエッジは、交互のポリマー層の層厚プロファイルの好適な選択によってシャープにされ得る。シャープなバンドエッジを有する光学フィルムは、当該技術分野において知られており、例えば、米国特許第6,967,778号(WheAtleyら)に記載されている。図5は、第1のバンドエッジ60及び第2のバンドエッジ61がそれぞれ、その一方又は両方が約5%/nm超又は約7%超であり得るs1及びs2によって概略的に表される勾配を有する、いくつかの実施形態による光学フィルタの透過スペクトルである。本明細書で使用される勾配s1及びs2は、正の量である。いくつかの実施形態では、実質的に垂直に入射する光30に対して、光学フィルタ(例えば、100又は110)の光透過率は、可視波長範囲における光学フィルタの平均光透過率の約70%から、可視波長範囲における光学フィルタの平均光透過率の約20%まで、約5%/nm超又は約7%/nm超の勾配s1で減少する。勾配は、例えば、可視波長範囲における光学フィルタの平均光透過率の約70%から、可視波長範囲内における光学フィルタの平均光透過率の約20%までの範囲内の光透過率対波長に対する線形最小二乗適合から決定することができる。いくつかの実施形態では、実質的に垂直に入射する光30に対して、及び約950nm~少なくとも約1050nmにわたる遠赤外線波長範囲(例えば、73)に対して、光学フィルタは、近赤外線波長範囲と遠赤外線波長範囲との間に第2のバンドエッジ61を有し、それによって、光学フィルタの光透過率は、遠赤外線波長範囲における光学フィルタの平均光透過率の約20%から、遠赤外線波長範囲における光学フィルタ200の平均光透過率の約70%まで、約5%/nm超又は約7%/nm超の勾配s2で増大する。
いくつかの実施形態では、光学積層体100は、第1の光学フィルタ110及び第2の光学フィルタ80を含む。第1の光学フィルタ100は、合計で少なくとも50を数える複数の交互の第1のポリマー層(10)及び第2のポリマー層(20)を含み、第1のポリマー層及び第2のポリマー層の各々は、約500nm未満の平均厚さを有し得る。実質的に垂直に入射する光30に対して、並びに約420nm~約550nmにわたる可視波長範囲70及び約650nm~約800nmにわたる赤外線波長範囲71に対して、並びに少なくとも第1の偏光(例えば、x軸に沿った偏光及び/又はy軸に沿った偏光)状態に対して、第1の光学フィルタ110は、可視波長範囲70において約50%超の平均光透過率、赤外線波長範囲71において約90%超の平均光反射率、及び約650nm超の第1の波長(例えば、81又は181又は281)において約80%超の光反射率を有する。第2の光学フィルタ80は、第1の光学フィルタ110上に配置され、かつ第1の波長81又は281において第1のピーク吸収(例えば、82又は182又は282)を含む。いくつかの実施形態では、第1の波長は、約600nm~約900nm、又は約700nm~約900nmの範囲内にある。いくつかの実施形態では、第2の光学フィルタ80は、第1の波長(例えば、181)よりも少なくとも100nm大きい波長(例えば、81)において第2のピーク吸収(例えば、82)を更に含む。いくつかの実施形態では、実質的に垂直に入射する光30に対して、及び少なくとも第1の偏光状態に対して、平均光透過率は、可視波長範囲70において約60%超、又は約70%超、又は約80%超である。いくつかの実施形態では、実質的に垂直に入射する光30に対して、及び少なくとも第1の偏光状態に対して、平均光反射率は、赤外線波長範囲71において約95%超、又は約98%超である。いくつかの実施形態では、実質的に垂直に入射する光30に対して、及び少なくとも第1の偏光状態に対して、光反射率は、第1の波長において約90%超である。
いくつかの実施形態では、光学フィルタ110は、合計で少なくとも50を数える複数の交互の第1のポリマー層(10)及び第2のポリマー層(20)を含み、各ポリマー層は、約500nm未満の平均厚さを有し得、それによって、実質的に垂直に入射する光30に対して、並びに約420nm~約550nmにわたる可視波長範囲70、約650~約800nmにわたる近赤外線波長範囲71、及び約950nm~少なくとも約1050nmにわたる遠赤外線波長範囲73に対して、並びに少なくとも第1の偏光状態に対して、光学フィルタ110は、可視波長範囲(70)及び遠赤外線の波長範囲(73)の各々において約50%超の平均光透過率、近赤外線波長範囲71において約5%未満の平均光透過率、及び近赤外線波長範囲(71)と遠赤外線波長範囲(73)との間の第1の波長83において、遠赤外線波長範囲における光学フィルタの平均光透過率の約50%である光透過率383を有する。いくつかの実施形態では、複数の交互の第1のポリマー層10及び第2のポリマー層20のうちの少なくとも1つの層は、近赤外線波長範囲(71)と遠赤外線波長範囲(73)との間の第2の波長81において吸収率ピーク82を有する。いくつかの実施形態では、少なくとも約45度の入射角θ(垂直に対する角度)で光学フィルタ110に入射する光34に対して、第1の波長83は、第2の波長81よりも小さい第3の波長84にシフトする。言い換えれば、入射角θにおいて、光透過率が光透過率383に等しい波長は、図2における60度の入射角に対して矢印384によって概略的に表されるように波長84にシフトされる。入射角θは、例えば、約45度又は約60度であり得る。いくつかの実施形態では、実質的に垂直に入射する光30に対して、及び少なくとも第1の偏光状態に対して、平均光透過率は、可視波長範囲(70)及び遠赤外線波長範囲(73)の各々において、約60%超、又は約70%超、又は約80%超である。いくつかの実施形態では、実質的に垂直に入射する光30に対して、及び少なくとも第1の偏光状態に対して、平均光透過率は、近赤外線波長範囲71において、約2%未満、又は約1%未満、又は約0.6%未満である。
図2の実施形態では、可視波長範囲70における平均光透過率は、約82.5%であり、近赤外線範囲71における平均光透過率は、約0.2%であり、約950nm~1050nmの遠赤外線範囲における平均光透過率は、約80%であり、第1の波長83は、約900nmであり、第2の波長81は、約850nmであり、第3の波長84は、約60度の入射角に対して約755nmである。
いくつかの実施形態では、光学フィルタ110は、合計で少なくとも50を数える複数の交互の第1のポリマー層(10)及び第2のポリマー層(20)を含み、各ポリマー層は、約500nm未満の平均厚さを有し得、それによって、実質的に垂直に入射する光30に対して、並びに約450nm~約550nmにわたる可視波長範囲170、約650~約800nmにわたる近赤外線波長範囲71、近赤外線波長範囲71が可視波長範囲(170)と遠赤外線波長範囲(173)との間にあるように配置されかつ少なくとも幅約100nmである遠赤外線波長範囲173に対して、並びに少なくとも第1の偏光状態に対して、光学フィルタ110は、可視波長範囲及び遠赤外線波長範囲の各々において約75%超の平均光透過率、近赤外線波長範囲において約45%未満の平均光透過率、及び近赤外線波長範囲と遠赤外線波長範囲との間の第1の波長183において、可視波長範囲における光学フィルタの平均光透過率の約10%である光透過率を有する。いくつかの実施形態では、複数の交互の第1のポリマー層10及び第2のポリマー層20のうちの少なくとも1つの層は、約650nm~約900nmの範囲の第2の波長281において吸収率ピーク282を有する。いくつかの実施形態では、少なくとも約45度の入射角θで光学フィルタ110に入射する光34に対して、第1の波長は、第2の波長281よりも小さい第3の波長184にシフトする。言い換えれば、入射角θにおいて、光透過率が光透過率483に等しい波長は、45度の入射角に対して、図3に概略的に示されるように波長184にシフトされる。入射角θは、例えば、約45度又は約60度であり得る。いくつかの実施形態では、実質的に垂直に入射する光30に対して、及び少なくとも第1の偏光状態に対して、平均光透過率は、可視波長範囲170及び遠赤外線波長範囲173の各々において約80%超である。いくつかの実施形態では、実質的に垂直に入射する光30に対して、及び少なくとも第1の偏光状態に対して、平均光透過率は、近赤外線波長範囲71において約40%未満、又は約30%未満である。
図3の実施形態では、可視波長範囲170における平均光透過率は、約85%であり、近赤外線範囲71における平均光透過率は、約36.5%であり、1350nm~1450nmの遠赤外線範囲における平均光透過率は、約87%であり、第1の波長183は、約860nmであり、第2の波長281は、約800nmであり、第3の波長184は、約45度の入射角に対して約741nmである。
いくつかの実施形態では、遠赤外線波長範囲は、約2000nm以下、又は約1800nm以下、又は約1600nm以下、又は約1500nm以下にわたる。いくつかの実施形態では、実質的に垂直に入射する光に対して、及び少なくとも第1の偏光状態に対して、光学フィルタ110は、近赤外線波長範囲(71)と遠赤外線波長範囲(173)との間に配置されかつ少なくとも幅100nmである第2の近赤外線波長範囲175において、約5%未満、又は約2%未満、又は約1%未満、又は約0.6%未満の平均光透過率を有する。例えば、第2の近赤外線波長範囲は、約1000nm~約1200nmであり得る。図3の実施形態では、第2の近赤外線波長範囲175における平均光透過率は、約0.5%である。
光の透過、吸収、又は反射が少なくとも1つの偏光状態に対して説明される任意の実施形態では、光学積層体又は光学フィルタは、1つの偏光状態に対して、又は2つの直交偏光状態の各々に対して説明された条件を満たすことができる。例えば、光学フィルタによって提供される反射帯域は、1つの偏光状態(例えば、反射偏光子)又は2つの直交偏光状態(例えば、ミラー)に対するものであり得る。
いくつかの実施形態では、光学システムは、光学フィルタ100又は第1の光学フィルタ110を含む。光学システムは、発光ディスプレイ(例えば、OLEDディスプレイ)、光学センサ(例えば、指紋センサ)、及び発光ディスプレイと光学センサとの間に配置された光学フィルタを含む表示システムであり得る。
図6は、少なくとも約420nm~約550nmにわたり得る可視波長範囲(例えば、70)で可視画像31を発するように構成された発光ディスプレイ40と、発光ディスプレイ40を介して、可視波長範囲における第1の可視光32、及び少なくとも約650nm~約800nmにわたる赤外線波長範囲(例えば、71)における第2の赤外線光33を受光及び感知するように構成された光学センサ50と、を含む光学システム300の概略断面図である。光学フィルタ200は、発光ディスプレイ40と光学センサ50との間に配置され、実質的に垂直に入射する光30に対して、光学フィルタ200は、可視波長範囲70と赤外線波長範囲71との間に第1のバンドエッジ60を有し、光学フィルタの光透過率は、可視波長範囲70における光学フィルタ200の平均光透過率の約70%から、可視波長範囲70における光学フィルタの平均光透過率の約20%まで、約5%/nm超の勾配で減少する。光学フィルタ200は、例えば、光学フィルタ100又は光学フィルタ110に対応し得る。いくつかの実施形態では、勾配は約7%/nm超である。いくつかの実施形態では、光学フィルタ200の光透過率は、幅約10nm以下又は幅約8nm以下である第1の波長範囲(例えば、72)にわたって少なくとも約30%だけ変化し、ここで、第1の波長範囲は、可視波長範囲と赤外線波長範囲との間に配置されている。いくつかの実施形態では、光学システム300は、発光ディスプレイ40に入射する光を光学センサ50上に画像化するための少なくとも第1のレンズ91を含む画像化光学部品90を更に含む。画像化光学部品90は、例えば、米国特許出願公開第2009/0179142号(Duparreら)及び同第2018/0045860号(Kawanishiら)に記載されているような複数のマイクロレンズを含み得る。
いくつかの実施形態では、実質的に垂直に入射する光30に対して、及び約950nm~少なくとも約1050nmにわたる遠赤外線波長範囲(例えば、73)に対して、光学フィルタ200は、近赤外線波長範囲と遠赤外線波長範囲との間に第2のバンドエッジ61を有し、それによって、光学フィルタの光透過率が、遠赤外線波長範囲における光学フィルタ200の平均光透過率の約20%から、遠赤外線波長範囲における光学フィルタ200の平均光透過率の約70%まで、約5%/nm超又は約7%/nm超の勾配で増大する。
実施例
実施例1
交互の第1の層及び第2の層を含む多層光学フィルム光学フィルタを、以下の例外を除いて、米国特許出願公開第2001/0013668号(Neavinら)に記載されているような共押出及び二軸配向によって準備した。第1の層は、121~123℃のTgを有するポリエチレンナフタレート(PEN)ホモポリマー(100モル%のエチレングリコールを有する100モル%のナフタレンジカルボキシレート)から形成した。第2の層は、ポリ(メチルメタクリレート)又はPMMA(100℃のTgを有するPMMAは、例えば、Arkema(Pasadena,TX,USA)から入手可能である)から形成した。PEN層は、550nmにおいて約1.75~1.8の屈折率を有し、PMMA層は、550nmにおいて約1.5の屈折率を有した。スキン層に使用するためのポリマーは、第1の層に使用されるものと同じ材料から形成した。
実施例1
交互の第1の層及び第2の層を含む多層光学フィルム光学フィルタを、以下の例外を除いて、米国特許出願公開第2001/0013668号(Neavinら)に記載されているような共押出及び二軸配向によって準備した。第1の層は、121~123℃のTgを有するポリエチレンナフタレート(PEN)ホモポリマー(100モル%のエチレングリコールを有する100モル%のナフタレンジカルボキシレート)から形成した。第2の層は、ポリ(メチルメタクリレート)又はPMMA(100℃のTgを有するPMMAは、例えば、Arkema(Pasadena,TX,USA)から入手可能である)から形成した。PEN層は、550nmにおいて約1.75~1.8の屈折率を有し、PMMA層は、550nmにおいて約1.5の屈折率を有した。スキン層に使用するためのポリマーは、第1の層に使用されるものと同じ材料から形成した。
材料は、別々の押出成形機から、多層共押出フィードブロックへと供給され、そこで交互の層へと組み立てられた。スキン層を、その目的に特化したマニホールドにおいて構造体に追加し、227層を有する最終構造体を得た。次いで、多層溶融物は、ポリエステルフィルムに関する従来の方式で、フィルムダイを介してチルロール上にキャスティングされ、キャスティングされた際に、急冷させた。次いで、商業規模の二軸テンターにおいて、米国特許出願公開第2001/0013668号(Neavinら)に記載されているものと同様の温度及び延伸プロファイルで、キャスティングされたウェブを延伸した。層厚プロファイル(層厚対層番号)を、原子間力顕微鏡法によって測定し、その結果を図7に示す。垂直入射光に対する透過スペクトルを、図5に示す。フィルムの物理的な厚さは、Ono-Sokki DG-925 Micrometerを使用して測定したところ、静電容量計によっておよそ33マイクロメートルと測定された。
実施例2
多層光学フィルム光学フィルタを、ポリエチレンテレフタレート(PET)が高屈折率層(第1の層)に使用されたことを除いて、実施例1について概して説明されたように作製し、一方、PMMAは、低屈折率層(第2の層)に依然として使用し、フィルムは、図7に示される層プロファイルを有する425層を含んでいた。PET層は、550nmにおいて約1.65~1.7の屈折率を有した。垂直入射光に対する透過スペクトルを、図8に示す。このフィルムの厚さは、約60マイクロメートルであった。
多層光学フィルム光学フィルタを、ポリエチレンテレフタレート(PET)が高屈折率層(第1の層)に使用されたことを除いて、実施例1について概して説明されたように作製し、一方、PMMAは、低屈折率層(第2の層)に依然として使用し、フィルムは、図7に示される層プロファイルを有する425層を含んでいた。PET層は、550nmにおいて約1.65~1.7の屈折率を有した。垂直入射光に対する透過スペクトルを、図8に示す。このフィルムの厚さは、約60マイクロメートルであった。
「約(about)」などの用語は、これらが本明細書に使用及び記載されている文脈において、当業者によって理解されよう。特徴部のサイズ、量、及び物理的特性を表す量に適用される「約」の使用が、本明細書に使用及び記載されている文脈において、当業者にとって明らかではない場合、「約」とは、特定の値の10パーセント以内を意味すると理解されよう。約特定の値として与えられる量は、正確に特定の値であり得る。例えば、それが本明細書に使用及び記載されている文脈において、当業者にとって明らかではない場合、約1の値を有する量とは、その量が0.9~1.1の値を有することを意味し、その値が1であり得ることを意味する。
上記において参照された参照文献、特許、又は特許出願の全ては、それらの全体が参照により本明細書に一貫して組み込まれている。組み込まれた参照文献の部分と本出願との間に不一致又は矛盾がある場合、前述の記載における情報が優先される。
図中の要素についての説明は、別段の指示がない限り、他の図中の対応する要素に等しく適用されると理解されたい。特定の実施形態が本明細書において図示及び説明されているが、図示及び記載されている特定の実施形態は、本開示の範囲を逸脱することなく、様々な代替的実施態様及び/又は等価の実施態様によって置き換えられ得ることが、当業者には理解されよう。本出願は、本明細書で論じられた特定の実施形態のいずれの適応例又は変形例又は組み合わせも包含することが意図されている。したがって、本開示は、特許請求の範囲及びその均等物によってのみ限定されることが意図されている。
Claims (15)
- 合計で少なくとも50を数える複数の交互の第1のポリマー層及び第2のポリマー層を含む光学フィルタであって、各ポリマー層が、約500nm未満の平均厚さを有し、それによって、実質的に垂直に入射する光に対して、並びに約420nm~約550nmに及ぶ可視波長範囲及び約650nm~約800nmに及ぶ赤外線波長範囲に対して、並びに第1の直交偏光状態及び第2の直交偏光状態の各々に対して、
前記第1のポリマー層が、前記可視波長範囲における少なくとも1つの可視波長に対して、前記第2のポリマー層よりも大きい屈折率を有し、
前記可視波長範囲における前記光学フィルタの平均光透過率が、約50%超であり、
前記光学フィルタが、前記赤外線波長範囲において約1.5超の光学密度を有し、
前記光学フィルタの透過率が、前記可視波長範囲と前記赤外線波長範囲との間に配置されかつ幅約10nm以下である第1の波長範囲にわたって少なくとも約30%だけ変化する、光学フィルタ。 - 前記光学フィルタの前記光学密度が、約650nm~少なくとも約850nmにわたる波長範囲において約1.5超である、請求項1に記載の光学フィルタ。
- 前記光学フィルタの前記光学密度が、約650nm~少なくとも約850nmにわたる波長範囲内において約2超である、請求項1に記載の光学フィルタ。
- 約60マイクロメートル以下の平均厚さを有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の光学フィルタ。
- 前記第1の波長範囲が、幅約8nm以下である、請求項1~4のいずれか一項に記載の光学フィルタ。
- 前記複数の交互の第1のポリマー層及び第2のポリマー層のうちの少なくとも1つの層が、約600nm~約900nmの波長範囲において吸収率ピークを有する、請求項1~5のいずれか一項に記載の光学フィルタ。
- 前記光学フィルタの前記透過率が、幅約100nm以下の第2の波長範囲にわたって少なくとも約30%だけ変化し、前記赤外線波長範囲が、前記第1の波長範囲と前記第2の波長範囲との間に配置されている、請求項1~6のいずれか一項に記載の光学フィルタ。
- 前記複数の交互の第1のポリマー層及び第2のポリマー層のうちの少なくとも1つの層が、前記第2の波長範囲よりも前記第1の波長範囲に近い波長において第1の吸収率ピークを有する、請求項7に記載の光学フィルタ。
- 前記複数の交互の第1のポリマー層及び第2のポリマー層のうちの少なくとも1つの層が、前記第1の波長範囲よりも前記第2の波長範囲に近い波長において第2の吸収率ピークを有する、請求項7又は8に記載の光学フィルタ。
- 少なくとも約420nm~約550nmにわたる可視波長範囲で可視画像を発するように構成された発光ディスプレイと、
前記発光ディスプレイを介して、前記可視波長範囲における第1の可視光、及び少なくとも約650nm~約800nmにわたる赤外線波長範囲における第2の赤外線光を受光及び感知するように構成された光学センサと、
前記発光ディスプレイと前記光学センサとの間に配置され、実質的に垂直に入射する光に対して、前記可視波長範囲と前記赤外線波長範囲との間に第1のバンドエッジを有する、光学フィルタであって、前記光学フィルタの光透過率が、前記可視波長範囲における前記光学フィルタの平均光透過率の約70%から、前記可視波長範囲における前記光学フィルタの前記平均光透過率の約20%まで、約5%/nm超の勾配で減少する、光学フィルタと、
を備える、光学システム。 - 前記発光ディスプレイに入射する光を前記光学センサ上に画像化するための少なくとも第1のレンズを含む画像化光学部品を更に備える、請求項10に記載の光学システム。
- 合計で少なくとも50を数える複数の交互の第1のポリマー層及び第2のポリマー層を含む第1の光学フィルタであって、各ポリマー層が、約500nm未満の平均厚さを有し、それによって、実質的に垂直に入射する光に対して、並びに約420nm~約550nmにわたる可視波長範囲及び約650nm~約800nmにわたる赤外線波長範囲に対して、並びに少なくとも第1の直交偏光状態に対して、前記第1の光学フィルタが、前記可視波長範囲において約50%超の平均光透過率、前記赤外線波長範囲において約90%超の平均光反射率、及び約650nm超の第1の波長において約80%超の光反射率を有する、第1の光学フィルタと、
前記第1の光学フィルタ上に配置され、かつ前記第1の波長においてピーク吸収率を有する、第2の光学フィルタと、
を備える、光学積層体。 - 前記第1の波長が、約700nm~約900nmの範囲内にある、請求項12に記載の光学積層体。
- 合計で少なくとも50を数える複数の交互の第1のポリマー層及び第2のポリマー層を含む光学フィルタであって、各ポリマー層が、約500nm未満の平均厚さを有し、それによって、実質的に垂直に入射する光に対して、及び約420nm~約550nmにわたる可視波長範囲、約650~約800nmにわたる近赤外線波長範囲、約950nm~少なくとも約1050nmにわたる遠赤外線波長範囲に対して、及び少なくとも第1の偏光状態に対して、前記光学フィルタが、
前記可視波長範囲及び前記遠赤外線波長範囲の各々において約50%超の平均光透過率、
前記近赤外線波長範囲において約5%未満の平均光透過率、及び
前記近赤外線波長範囲と前記遠赤外線波長範囲との間の第1の波長において、前記遠赤外線波長範囲における前記光学フィルタの前記平均光透過率の約50%である光透過率、を有し、
前記複数の交互の第1のポリマー層及び第2のポリマー層のうちの少なくとも1つの層が、前記近赤外線波長範囲と前記遠赤外線波長範囲との間の第2の波長において吸収率ピークを有し、少なくとも約45度の入射角で前記光学フィルタに入射する光に対して、前記第1の波長が、前記第2の波長よりも小さい第3の波長にシフトする、光学フィルタ。 - 合計で少なくとも50を数える複数の交互の第1のポリマー層及び第2のポリマー層を含む光学フィルタであって、各ポリマー層が、約500nm未満の平均厚さを有し、それによって、実質的に垂直に入射する光に対して、及び約450nm~約550nmにわたる可視波長範囲、約650~約800nmにわたる近赤外線波長範囲、前記近赤外線波長範囲が前記可視波長範囲と遠赤外線波長範囲との間にあるように配置されかつ幅が少なくとも約100nmである遠赤外線波長範囲に対して、及び少なくとも第1の偏光状態に対して、前記光学フィルタが、
前記可視波長範囲及び前記遠赤外線波長範囲の各々において約75%超の平均光透過率、
前記近赤外線波長範囲において約45%未満の平均光透過率、及び
前記近赤外線波長範囲と前記遠赤外線波長範囲との間の第1の波長において、前記可視波長範囲における前記光学フィルタの前記平均光透過率の約10%である光透過率、を有し、
前記複数の交互の第1のポリマー層及び第2のポリマー層のうちの少なくとも1つの層が、約650nm~約900nmの範囲の第2の波長において吸収率ピークを有し、少なくとも約45度の入射角で前記光学フィルタに入射する光に対して、前記第1の波長が、前記第2の波長よりも小さい第3の波長にシフトする、光学フィルタ。
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