JP2023504541A - Masp-2阻害剤および使用方法 - Google Patents

Masp-2阻害剤および使用方法 Download PDF

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Abstract

本開示は、とりわけ、MASP-2阻害活性を有する化合物、そのような化合物の組成物、ならびにそのような化合物を製造および使用する方法を提供する。

Description

配列表に関する記載
本出願に関連する配列表はハードコピーに代わりテキスト形式で提供されており、これによって参照により本明細書に組み入れられる。配列表を含むテキストファイル名は700128_421WO_SEQUENCE_LISTING.txtである。テキストファイルは6.0KBであり、2020年12月3日に作成され、EFS-Webを介して電子的に提出されている。
技術分野
本開示は、概して、医療の分野で有用な組成物および方法を指向している。より具体的には、開示は、トロンビンと比べてマンナン結合レクチン関連セリンプロテアーゼ-2(MASP-2)を選択的に阻害する阻害剤を含むMASP-2の合成阻害剤、その組成物、ならびにその製造および使用のための方法を提供する。
背景
補体系は炎症反応に関与しており、組織の損傷または微生物感染により活性化される。侵入した微生物の選択的標的化を確実にしかつ自己損傷を回避するために、補体の活性化は厳密に調節されなければならない(Ricklin et al., Nat. Immunol. 11 :785-797, 2010(非特許文献1))。現在、補体系は古典経路、レクチン経路、および第二経路という3つの明確に異なる経路で活性化され得ることが広く認められている。古典経路は、通常、異物(すなわち、抗原)に結合した宿主抗体から構成される複合体によって引き起こされ、特異的な抗体応答の生成のために抗原への事前の曝露を通常は必要とする。古典経路の活性化は宿主による事前の適応免疫反応に依存するため、古典経路は獲得免疫系の一部である。対照的に、レクチンおよび第二経路はいずれも適応免疫から独立しており、自然免疫系の一部である。
マンナン結合レクチン関連セリンプロテアーゼ-2(MASP-2)は主要な補体活性化経路のうちの1つであるレクチン経路の機能に必要であることが示されている(Vorup-Jensen et al., J. Immunol 165:2093-2100, 2000(非特許文献2); Ambrus et al., J Immunol. 170: 1374-1382, 2003(非特許文献3); Schwaeble et al., PNAS 108:7523-7528, 2011(非特許文献4))。重要なことに、MASP-2の阻害は、感染に対する獲得免疫応答の重要な要素である抗体依存性の古典的補体活性化経路を妨害しないようである。参照により本明細書に組み入れられる米国特許第9,011,860号(特許文献1)(Omeros Corporationに譲渡)に記載されているように、ヒトMASP-2に高い親和性で結合し、レクチン経路補体活性を遮断する、ヒトMASP-2を標的とする完全ヒト化モノクローナル抗体が生成されており、したがって、様々なレクチン補体経路に関連する疾患および障害を処置するのに有用である。
MASP-2依存性補体活性化は多数の急性および慢性病態の病因に寄与するとされてきた。したがって、大分子生物学的阻害剤では適切にまたは効率的に処置されない疾患を含む、MASP-2補体経路関連疾患および障害を患う対象の投与/処置に適した化合物に対する必要性が存在する。
米国特許第9,011,860号
Ricklin et al., Nat. Immunol. 11 :785-797, 2010 Vorup-Jensen et al., J. Immunol 165:2093-2100, 2000 Ambrus et al., J Immunol. 170: 1374-1382, 2003 Schwaeble et al., PNAS 108:7523-7528, 2011
概要
1つの態様は、以下の構造(I)を有する化合物またはその立体異性体、互変異性体、もしくは薬学的に許容される塩を提供し、
Figure 2023504541000001
式中、R1、R2a、R2b、R2c、R2d、R3、R4、およびnは本明細書において定義されたとおりである。
別の態様は、以下の構造(II)を有する化合物またはその立体異性体、互変異性体、もしくは薬学的に許容される塩を提供し、
Figure 2023504541000002
式中、R1、R2a、R2b、R2c、R2d、R3、R4、およびnは本明細書において定義されたとおりである。
別の態様は、以下の構造(III)を有する化合物またはその立体異性体、互変異性体、もしくは薬学的に許容される塩を提供し、
Figure 2023504541000003
式中、R25、R26a、R26b、R27、R28、およびpは本明細書において定義されたとおりである。
本開示のさらなる態様は、構造(I)、(II)もしくは(III)の化合物またはその立体異性体、互変異性体もしくは薬学的に許容される塩と、少なくとも1つの薬学的に許容される担体または賦形剤とを含む、薬学的組成物を提供する。
構造(I)、(II)および(III)の化合物はMASP-2関連疾患および障害の処置において、ならびにMASP-2関連疾患および障害を処置するための薬の製造において有用である。したがって、開示の他の態様は、治療有効量の構造(I)、(II)もしくは(III)の化合物またはその立体異性体、互変異性体もしくは薬学的に許容される塩を患者に投与する工程を含む、MASP-2関連疾患および障害を処置する方法を提供する。
これらおよび他の局面、目的および態様は以下の詳細な説明および図面を読めばより明確になるであろう。
詳細な説明
I.定義
特に定義した場合を除いて、本明細書において用いられるすべての技術的および科学的用語は本開示が属する技術分野における当業者によって通常は解釈されるものと同じ意味を有する。本明細書において記載されるものと同様または均等な方法および材料を本開示の主題の実施または試験に用いることができるが、好適な方法および材料を下に記載する。さらに、材料、方法、および例は単なる例示であり、限定することを意図していない。
本明細書における特定の態様では、方法の工程を含む開示の特徴および局面に言及している。開示の態様内のそのような特徴および局面のすべての可能な組み合わせが、少なくともそのような組み合わせが矛盾しない範囲で含まれる。例えば、態様が局面A、B、およびCを示している場合、これは局面AとBの両方、局面BとCの両方、および局面AとCの両方を含む態様、ならびに局面A、B、およびCを有する態様も開示していると理解される。
「a」、「an」、または「the」という用語は、1つの要素を有する局面を含むだけでなく、複数の要素を有する局面も含む。例としては、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈上明らかにそうでない場合を除いて複数の指示対象を含む。よって、例えば、「細胞(a cell)」に対する言及は複数のそのような細胞を含み、「剤(the agent)」に対する言及は当業者に公知の1つまたは複数の剤に対する言及を含む。
「約」および「およそ」という用語は、測定の性質または精度を考慮して、測定された量ごとの許容可能な誤差の程度を指す。典型的で例示的な誤差の程度は所与の値または値の範囲の±20パーセント(%)以内;好ましくは±10%以内;より好ましくは±c5%以内である。「約X」に対するどのような言及も具体的には少なくとも値X、0.95X、0.96X、0.97X、0.98X、0.99X、1.01X、1.02X、1.03X、1.04X、および1.05Xを示している。よって、「約X」とは、例えば、「0.98X」という請求項の限定に対するサポートの記載を教示しかつ提供することを意図している。あるいは、生物系においては、「約」および「およそ」という用語は、所与の値の1桁以内、好ましくは5倍以内、より好ましくは2倍以内の値を意味することがある。本明細書において与えられる数量は、特に記載されていない限り、近似であり、これは、「約」または「およそ」という用語は、明示的に記載されていない場合は、推察できることを意味している。数値範囲の先頭に「約」が適用されている場合は、これは範囲の両端に当てはまる。よって、「約5~20%」は「約5%~約20%」と等価である。値の集合の最初の値に「約」が適用されている場合には、これはその集合のすべての値に適用される。よって、「約7、9、または11mg/kg」とは「約7、約9、または約11mg/kg」と等価である。
「MASP-2」という用語は、マンナン結合レクチン関連セリンプロテアーゼ-2を指す。UniProtアクセッションコードO00187(SEQ ID NO:1)を有するヒトMASP-2タンパク質である。セリンプロテアーゼドメイン('B鎖'=マンナン結合レクチンセリンプロテアーゼ2B鎖、UniProtKB - O00187(MASP-2_HUMAN)に基づく)は残基445~686を含む(または残基445~686からなる)。
「MASP-2依存性補体活性化」という用語は、レクチン経路のMASP-2依存性活性化を指し、これは、レクチン経路C3転換酵素C4b2aと、C3切断産物C3bの蓄積時に、続いてC5転換酵素C4b2a(C3b)nとの形成につながる生理学的条件下(すなわち、Ca++の存在下)で起こる。
「MASP-2依存性補体関連疾患または障害」という用語は、MASP-2依存性補体活性化に関連する疾患または障害を指す。
「MASP-2関連疾患または障害」という用語は、MASP-2依存性補体関連疾患または障害を含む、MASP-2の活性化またはその活性に関連する疾患または障害であって、MASP-2の阻害が治療上有益であるかまたは有益であると期待される疾患または障害を指す。
「レクチン経路」という用語は、マンナン結合レクチン(MBL)、CL-11およびフィコリン(H-フィコリン、M-フィコリン、またはL-フィコリン)を含む、血清および非血清炭水化物結合タンパク質の特異的結合を介して起こる補体活性化を指す。
「古典経路」という用語は、異物に結合した抗体によって引き起こされかつ認識分子Clqの結合を必要とする、補体活性化を指す。
アミノ酸残基は次のように省略される:アラニン(Ala;A)、アスパラギン(Asn;N)、アスパラギン酸(Asp;D)、アルギニン(Arg;R)、システイン(Cys;C)、グルタミン酸(Glu;E)、グルタミン(Gln;Q)、グリシン(Gly;G)、ヒスチジン(His;H)、イソロイシン(Ile)、ロイシン(Leu)、リジン(Lys;K)、メチオニン(Met;M)、フェニルアラニン(Phe;F)、プロリン(Pro;P)、セリン(Ser;S)、スレオニン(Thr;T)、トリプトファン(Trp;W)、チロシン(Tyr;Y)、およびバリン(Val;V)。
最も広い意味では、天然に存在するアミノ酸は個々のアミノ酸の側鎖の化学的特性に基づいてグループに分けることができる。「疎水性」アミノ酸によって、His、Leu、Met、Phe、Trp、Tyr、Val、Ala、CysまたはProのいずれかが意味される。「親水性」アミノ酸によって、Gly、Asn、Gln、Ser、Thr、Asp、Glu、Lys、ArgまたはHisのいずれかが意味される。このアミノ酸のグループ分けは次のようにさらに細かく分類できる:「無電荷親水性」アミノ酸によって、Ser、Thr、AsnまたはGlnのいずれかが意味される。「酸性」アミノ酸によって、GluまたはAspのいずれかが意味される。「塩基性」アミノ酸によって、Lys、ArgまたはHisのいずれかが意味される。
「保存的アミノ酸置換」という用語は、以下の各グループ内でのアミノ酸間の置換によって説明される:
(1)グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、およびイソロイシン;
(2)フェニルアラニン、チロシン、およびトリプトファン;
(3)セリンおよびスレオニン;
(4)アスパルテートおよびグルタメート;
(5)グルタミンおよびアスパラギン;ならびに
(6)リジン、アルギニンおよびヒスチジン。
「対象」という用語は、ヒト、非ヒト霊長類、イヌ、ネコ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ウシ、ウサギ、ブタ、およびげっ歯類を非限定的に含むすべての哺乳類を含む。
「哺乳類」は、ヒトと、実験動物および愛玩動物などの家畜(例えば、ネコ、イヌ、ブタ、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、ウサギ)ならびに野生動物などの非家畜の両方とを含む。
「小分子」および「小有機分子」という用語は、約2500ドルトン以下の分子量を有する小さな炭素含有分子を指す。いくつかの態様では、小分子は約2000ドルトン以下の分子量を有する。いくつかの態様では、小分子は約1500ドルトン以下の分子量を有する。いくつかの態様では、小分子は約1000ドルトン以下の分子量を有する。いくつかの態様では、小分子は約750ドルトン以下の分子量を有する。いくつかの態様では、小分子は約500ドルトン以下の分子量を有する。いくつかの態様では、小分子は約50ドルトン以上の分子量を有する。いくつかの態様では、小分子は約75ドルトン以上の分子量を有する。いくつかの態様では、小分子は約100ドルトン以上の分子量を有する。いくつかの態様では、小分子は約150ドルトン以上の分子量を有する。いくつかの態様では、小分子は約250ドルトン以上の分子量を有する。いくつかの態様では、小分子は約50ドルトン~約500ドルトン、約50ドルトン~約750ドルトン、約50ドルトン~約1000ドルトン、約50ドルトン~約1500ドルトン、約50ドルトン~約2000ドルトン、または約50ドルトン~約2500ドルトンの範囲の分子量を有してもよい。本明細書において「化合物」という用語が用いられる場合、該用語は本明細書において定義される小分子化合物(その態様のいずれも含む)を含むことを明示的に意図している。
本明細書において用いられるように、「疾患」および「状態」という用語は、互換的に用いられる場合があるか、または、特定の病弊もしくは状態が公知の原因物質を有さない可能性があり(そのため、病因がまだ解明されていない)したがってこれが未だに疾患として認識されていないものの望ましくない状態もしくは症候群(臨床医によって多かれ少なかれ具体的な一連の症状が特定されている)としてのみ認識されているという点で、異なる場合がある。いくつかの態様では、疾患は、識別可能な一群の症状によって特徴付けられる感染、遺伝的欠陥、または環境ストレスなどの様々な原因より生じる臓器、身体部分、またはシステムの病的状態である。
「治療有効量」、「有効量」、または「有効用量」は、哺乳類(例えば、ヒト)に投与された場合、哺乳類、好ましくはヒトにおける疾患または状態の以下に規定する処置を行うのに十分な開示の化合物の量を指す。「治療有効量」を構成する開示の化合物の量は化合物、状態およびその重症度、投与様式、ならびに処置される哺乳類の年齢によって異なるが、当業者によって自身の知識および本開示を考慮して慣習的に決定することができる。
「皮下投与」という用語は、対象の皮膚のすべての層より下への製剤の投与を指す。
「ヒスチジン」という用語は、特に明記しない限り、特にL-ヒスチジンを含む。
「等張性」という用語は、ヒトの血液と本質的に同じ浸透圧を有する製剤を指す。等張性製剤は概して約250~約350mOsmol/Lの浸透圧を有する。等張性は、例えば、蒸気圧または凝固点降下浸透圧計を用いて測定することができる。
「高張性」という用語は、浸透圧がヒトの浸透圧よりも高い(すなわち、350mOsm/L超)製剤を指す。
「水素結合」という用語は、窒素(N)または酸素(O)などのより電気陰性度の高い原子に結合した水素(H)と、孤立電子対を有する別の隣接する原子との間の部分的な静電引力である。例えば、窒素が「水素結合供与体」として作用すると記載されている場合、これは窒素(N)に結合した水素(H)が、酸素などの孤立電子対を有する隣接原子に静電的に引き寄せられるかまたは受け入れられるにつれて、該窒素によって供与されることを意味する。同様に、酸素が「水素結合受容体」として作用すると記載されている場合、これは窒素(N)などのより電気陰性な原子に結合した水素(H)が、孤立電子対を有する酸素などの隣接原子に静電的に引き寄せられるかまたは「受け入れられる」ことを意味する。中間の水素原子の起源および存在を明示的に記載せずに、水素結合した原子が記載されている場合がある。「水素結合」という用語は、LigPlot+ソフトウェアが、そのアルゴリズムと、水素結合の供与体および受容体間の最大距離に適用される3.35Åのパラメーターとを用いて水素結合相互作用を予測する場合に、用いられる。すべての水素結合が実際に同時に存在するわけではなく;これは、推定で4つの水素結合を形成することが示される原子であっても、所与の場合に3つの水素結合しか化学的には可能ではない原子があることから明らかである。概して、本明細書における共結晶構造情報などの結晶構造は水素結合を直接的に示すかまたは検出するものではないが、共結晶を説明するために用いられるソフトウェアがそのようなH結合が存在することを予測している。したがって、開示全体を通して、H結合が存在しかつ記載されている場合、これはソフトウェアによって存在すると「予測」されているということができる。
イオン結合という用語は、反対の電荷を有するイオン間の静電引力を伴う、イオン性化合物で発生する一次相互作用であるタイプの化学結合を含む。
「ファンデルワールス」相互作用という用語は、永続的または過渡的な電気双極子モーメントの相互作用から生じる、電荷を有さない分子間の弱く短距離の静電引力を含む。対応する結晶学的MASP-2化合物共構造から誘導されるモデルを採用したLigPlot+ソフトウェアによって決定されるように、そのような相互作用は、最大接触距離が3.90Åの相互作用について、疎水性接触から任意の接触の間の非結合接触パラメーターを用いて計算されるすべての接触を含む。
「π-π相互作用」または「π-πスタッキング」相互作用という用語は、芳香環はπ結合を含むため、互いにほぼ平行またはほぼ垂直に配向した芳香環間の誘引性非共有相互作用(「エッジ・フェース」相互作用など)を含む。
典型的には、MASP-2などのセリンプロテアーゼの活性部位は、ポリペプチド基質または阻害剤が結合する裂け目のような形をしている。SchechterおよびBergerはポリペプチド基質のNからC末端までのアミノ酸残基を次のように標識した:Pi、...、P3、P2、P1、P1'、P2'、P3'、...、Pj)およびそれらのそれぞれの結合サブサイトSi、...、S3、S2、S1、S1'、S2 '、S3'、...、Sj。切断はP1とP1'との間で触媒される(Schechter, I. & Berger, A. On the size of the active site in proteases. I. Papain. Biochem. Biophys. Res. Commun. 27 (1967))。
「結合部位」という用語は、MASP-2の表面上の領域など、小分子が相互作用できるタンパク質上の区域である。結合部位または領域は活性部位と重複しないかまたは部分的にしか重複しない場合があるが、それでも、MASP-2分子の活性をより低くするかまたは不活性にし得る。
「または」という用語は選択肢を指し、概して非排他的であると解釈されるべきである。例えば、「AまたはBを含む組成物」に対する言及は、典型的には、AおよびBの両方を含む組成物を有する局面を示すであろう。しかしながら、「または」は、矛盾なく組み合わせることができない示された局面を除外するように解釈されるべきである(例えば、9~10または7~8の組成物pH)。
基「AまたはB」は、「AおよびBからなる群より選択される」基と等価である。
「含む(comprising)」または「含む(comprise)」という繋ぎ語は排他的ではない。例えば、「Aを含む組成物」は少なくとも成分Aを含まなければならないが、1つまたは複数の他の成分(例えば、B;BおよびC;B、C、およびD;など)を含んでもよい。したがって、「含む」という用語は、概して、追加の成分を除外しないと解釈されるべきである。例えば、「Aを含む組成物」という主張はAおよびB;A、B、およびC;A、B、C、およびD;A、B、C、D、およびE;などを含む組成物を包含するであろう。
「高張性」という用語は、浸透圧がヒトの浸透圧よりも高い(すなわち、350mOsm/KglHhO超)製剤を指す。
「剤」という用語は、組成物に加えられると、組成物の特性に影響を与える傾向がある化合物または化合物の混合物を指す。例えば、増粘剤を含む組成物は、増粘剤を含まないこと以外は同じ比較組成物よりも粘性が高くなりやすい。
「合成」化合物とは、天然には存在せず、ヒトによって合成された化合物を意味する。本明細書における化合物への言及は、文脈上そうでないことが示される場合を除き、合成化合物への言及を含むと理解され得る。
本明細書において用いられる「周囲温度」および「室温」という表現は当技術分野では理解されており、概して、例えば、反応が行われる部屋の温度とほぼ同じ反応温度、例えば、約20℃~約30℃の温度を指す。
本明細書における様々な箇所では、化合物の特定の特徴がグループまたは範囲で開示されている。これは、そのような開示がそのようなグループおよび範囲のメンバーのあらゆる個々のサブコンビネーションを含むことを特に意図している。例えば、「C1~6アルキル」および「C1~C6アルキル」という用語は、メチル、エチル、C3アルキル、C4アルキル、C5アルキル、およびC6アルキルを独立して開示する(非限定的に)ことを特に意図している。
「置換された」という用語は、原子または原子団が、別の基に結合した「置換基」として水素と形式的に置き換わることを意味する。「置換された」という用語は、特に示されていない限り、そのような置換が許容される(例えば、安定した化合物をもたらす)場合の、任意のレベルの置換、例えば一置換、二置換、三置換、四置換、五置換、またはより高度な置換を指す。置換基は独立して選択され、置換は化学的にアクセス可能な任意の位置であってもよい。所与の原子での置換は原子価によって制限されると理解されたい。「置換されていてもよい」というフレーズは置換または非置換を意味する。「置換された」という用語は、少なくとも水素原子が置換基で置き換えられていることを意味する。単一の二価置換基、例えば、オキソは2つの水素原子と置き換わることができる。
nおよびmが整数である「Cn~m」および「Cn~Cm」という用語は、炭素原子をn~m個含有する基を示す。例はC1~4、C1~6などを含む。該用語は、範囲内のすべてのメンバー、すなわち、Cn、Cn+1、Cn+2 ... Cm-2、Cm-1、Cmを明示的に開示することを意図している。例えば、C1~6はC1、C2、C3、C4、C5、およびC6を開示することを意図している。本明細書で用いられるように、「Cn~m」は「Cn~Cm」と同じ意味である。
nが整数である「n員」(例えば、6員)という用語は、典型的には、環形成原子の数がnである部分における環形成原子の数を記載している。nおよびmが整数である「n~m員」(例えば、6~10員)という用語は、環形成原子の数がn~mである範囲を記載している。例えば、ピペリジニルは6員ヘテロシクリル環の例であり、ピラゾリルは5員ヘテロアリール環の例であり、ピリジルは6員ヘテロアリール環の例であり、1,2,3,4-テトラヒドロ-ナフタレンは10員シクロアルキル基の例である。
「アルキル」は、炭素および水素原子のみからなり、不飽和を含まず、炭素原子を1~12個、好ましくは炭素原子を1~8個、より好ましくは炭素原子を1~6個有し、単結合によって分子の残りの部分に結合した、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、1-メチルエチル(イソプロピル)、n-ブチル、n-ペンチル、1,1-ジメチルエチル(t-ブチル)、3-メチルヘキシル、2-メチルヘキシルなどの直鎖または分岐炭化水素鎖ラジカルを指す。特定の具体的な態様では、アルキル基は以下の基のうちの1つによって置換されていてもよい:アルキル、アルケニル、ハロ、ハロアルケニル、シアノ、ニトロ、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、オキソ、トリメチルシラニル、-OR100、-OC(O)R100、-N(R100)2、-C(O)R100、-C(O)OR100、-C(O)N(R100)2、-N(R20)C(O)OR102、-N(R100)C(O)R102、-N(R102)S(O)pR102(ここでpは1~2である)、-S(O)pOR102(ここでpは1~2である)、-S(O)tR102(ここでtは0~2である)、および-S(O)pN(R100)2(ここでpは1~2である)、ここで、各R100は独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルであり;各R102は、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、またはヘテロアリールアルキルである。いくつかの態様では、アルキルはC1~C12アルキル、C1~C8アルキル、C1~C6アルキル、またはC1~C4アルキルである。
「アルケニル」は、炭素および水素原子のみからなり、二重結合を少なくとも1つ含み、炭素原子を2~12個、好ましくは炭素原子を2~8個有し、単結合によって分子の残りの部分に結合した、例えば、エテニル、プロプ-1-エニル、ブテ-1-エニル、ペンテ-1-エニル、ペンタ-1,4-ジエニルなどの直鎖または分岐炭化水素鎖ラジカル基を指す。特定の態様では、アルキルまたはアルケニル基は以下の基のうちの1つによって置換されていてもよい:アルキル、アルケニル、ハロ、ハロアルケニル、シアノ、ニトロ、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、オキソ、トリメチルシラニル、-OR100、-OC(O)R100、-N(R100)2、-C(O)R100、-C(O)OR100、-C(O)N(R100)2、-N(R20)C(O)OR102、-N(R100)C(O)R102、-N(R102)S(O)pR102(ここでpは1~2である)、-S(O)pOR102(ここでpは1~2である)、-S(O)tR102(ここでtは0~2である)、および-S(O)pN(R100)2(ここでpは1~2である)、ここで、各R100は独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルであり;各R102は、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、またはヘテロアリールアルキルである。
「アルキニル」は、1つまたは複数の炭素-炭素三重結合を有する上記で定義されたアルキル基に対応する直鎖または分岐炭化水素基を指す。アルキニル基は、形式的には、1つのC-H結合が化合物の残りの部分へのアルキル基の結合点で置き換えられたアルキンに対応する。「Cn~mアルキニル」および「Cn~Cmアルキニル」という用語は、炭素をn~m個有するアルキニル基を指す。アルキニル基の例はエチニル、プロピン-1-イル、プロピン-2-イルなどを非限定的に含む。いくつかの態様では、アルキニル部分は炭素原子を2~6、2~4、または2~3個含有する。特に示されていない限り、アルキニル基は置換されていてもよい。
「アルキレン」または「アルキレン鎖」は、分子の残りの部分をラジカル基に結合させるかまたは分子のうちの2つの部分を結合させ、炭素および水素のみからなり、不飽和を含まず、炭素原子を1~12個有する、例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、n-ブチレンなどの直鎖または分岐二価炭化水素鎖を指す。アルキレン鎖は任意で1つまたは複数のヘテロ原子を含有してもよく、ここで、アルキレン鎖の炭素は酸素、窒素または硫黄より選択されるヘテロ原子で置き換えられる。アルキレン鎖は、単結合を通じて分子の残りの部分におよび単結合を通じてラジカル基に結合するか、または、各結合点で単結合を通じて分子の2つの部分に結合する。いくつかの態様では、アルキル基は以下の基のうちの1つによって置換されていてもよい:アルキル、アルケニル、ハロ、ハロアルケニル、シアノ、ニトロ、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、オキソ、トリメチルシラニル、-OR100、-OC(O)R100、-N(R100)2、-C(O)R100、-C(O)OR100、-C(O)N(R100)2、-N(R20)C(O)OR102、-N(R100)C(O)R102、-N(R102)S(O)pR102(ここでpは1~2である)、-S(O)pOR102(ここでpは1~2である)、-S(O)tR102(ここでtは0~2である)、および-S(O)pN(R100)2(ここでpは1~2である)、ここで、各R100は独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルであり;各R102は、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、またはヘテロアリールアルキルである。
「ヒドロキシアルキル」という用語は、1つまたは複数の水素原子がヒドロキシ基(すなわち、-OH)で置き換えられている、上記で定義されたアルキル基を指す。「Cn~mヒドロキシアルキル」という用語は、炭素原子をn~m個有しヒドロキシ基を少なくとも1個有する、Cn~mアルキル基を指す。いくつかの態様では、ヒドロキシアルキル基は1つのヒドロキシ基を含む。特定の局面では、ヒドロキシアルキル基は、それぞれが同一または異なる炭素原子上にある2個以上のヒドロキシ基を含む(例えば、「ジヒドロキシアルキル」)。特定の局面では、ヒドロキシアルキル基は1、2、3、4、5、6、またはそれ以上のヒドロキシ基を有する。例はヒドロキシメチル、2-ヒドロキシエチル、および1-ヒドロキシエチルを非限定的に含み得る。いくつかの態様では、ヒドロキシアルキルはC1~C12ヒドロキシアルキル、C1~C8ヒドロキシアルキル、C1~C6ヒドロキシアルキル、またはC1~C4ヒドロキシアルキルである。
「アミニルアルキル」は、1つまたは複数の水素原子がアミニル基(すなわち、-NR100R101、ここでR100およびR101はそれぞれ独立して、水素、本明細書において定義したアルキル、アルケニル、またはアルキニルである)で置き換えられている、上記で定義されたアルキル基を指す。いくつかの態様では、アミニルアルキルはアミニル基を1つ含む。いくつかの態様では、アミニル基は-NH2である。
「カルボキシアルキル」は、1つまたは複数の水素原子がカルボキシ基(すなわち、-C(O)OH)で置き換えられている、上記で定義されたアルキル基を指す。いくつかの態様では、カルボキシアルキルはカルボキシ基を1つ含む。いくつかの態様では、カルボキシアルキルはC1~C12カルボキシアルキル、C1~C8カルボキシアルキル、C1~C6カルボキシアルキル、またはC1~C4カルボキシアルキルである。
「アリール」は、水素、6~18個の炭素原子、および少なくとも1個の芳香環を含む、炭化水素環系ラジカルを指す。本開示の目的では、アリールラジカルは縮合または架橋環系を含んでもよい単環式、二環式、三環式または四環式環系であってもよい。アリールラジカルはアセアントリレン、アセナフチレン、アセフェナントリレン、アントラセン、アズレン、ベンゼン、クリセン、フルオランテン、フルオレン、as-インダセン、s-インダセン、インダン、インデン、ナフタレン、フェナレン、フェナントレン、プレイアデン、ピレン、およびトリフェニレンに由来するアリールラジカルを非限定的に含む。いくつかの態様では、アリール基は、アルキル、アルケニル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルケニル、シアノ、ニトロ、アリール、アリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、-R101-OR100、-R101OC(O)R100、-R101-N(R100)2、-R101-N(R100)-R103-OR100、-R101-C(O)R100、-R101-C(O)OR100、-R101-C(O)N(R100)2、-R101-N(R100)C(O)OR102、-R101-N(R100)C(O)R102、-R101-N(R100)S(O)pR102(ここでpは1~2である)、-R101-N=C(OR100)R100、-R101-S(O)pOR102(ここでpは1~2である)、-R101-S(O)tR102(ここでtは0~2である)、および-R101-S(O)pN(R100)2(ここでpは1~2である)からなる群より独立して選択される1つまたは複数の置換基によって置換されていてもよく;ここで、各R100は独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルであり;各R101は独立して、直接結合または直鎖もしくは分岐アルキレン鎖であり;各R102は、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルであり;各R103は、直接結合または直鎖もしくは分岐アルキレン鎖である。いくつかの態様では、アリール基は以下の構造を有する。
Figure 2023504541000004
「アリールアルキル」または「アラルキル」は、式-アルキレン-アリールの基を指し、ここで、アルキレン基およびアリール基はそれぞれ本明細書において定義した通りである。いくつかの態様では、アリールアルキルはC6~10アリール-C1~3アルキルである。いくつかの態様では、アリールアルキルはC6~10アリール-C1~4アルキルである。いくつかの態様では、アリールアルキルはC6~10アリール-C1~3アルキルである。いくつかの態様では、アリールアルキルはフェニル-C1~3アルキルである。例はベンジル、1-フェニルエチル、4-メチルベンジル、および1,1-ジメチル-1-フェニルメチルを非限定的に含む。いくつかの態様では、アリールアルキルは、置換されていてもよいベンジルである。
「アリールオキシ」は、式-O-アリールを有する基を指し、ここで、アリールは、上記で定義された基である。いくつかの態様では、アリールオキシ基は-O-C6~10アリールである。いくつかの態様では、アリールオキシは置換または非置換フェニルオキシ(すなわち、-O-C6アリール)である。
「アリールアルコキシ」は、式-アルコキシ-アリールを有する基を指し、ここで、アルコキシおよびアリールはそれぞれ、上記で定義された基である。いくつかの態様では、アリールアルコキシはC6~10アリール-C1~3アルコキシである。いくつかの態様では、アリールアルコキシはC6~10アリール-C1~4アルコキシである。いくつかの態様では、アリールアルコキシはC6~10アリール-C1~3アルコキシである。いくつかの態様では、アリールアルコキシはフェニル-C1~3アルコキシ(例えば、メトキシ)である。
「シクロアルキル」は、炭素および水素原子のみからなり、縮合または架橋環系を含み得、炭素原子を3~15個、好ましくは炭素原子を3~10個有し、飽和または不飽和であり、単結合によって分子の残りの部分に結合した、安定な非芳香族単環式または多環式炭化水素ラジカルを指す。単環式ラジカルは、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、およびシクロオクチルを含む。多環式ラジカルは、例えば、アダマンチル、ノルボルニル、デカリニルなどを含む。いくつかの態様では、シクロアルキル基は、アルキル、アルケニル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルケニル、シアノ、ニトロ、オキソ、アリール、アリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、-R101-OR100、-R101-OC(O)-R100、-R101-N(R100)-R103-OR100、-R101-N(R100)2、-R101-C(O)R100、-R101-C(O)OR100、-R101-C(O)N(R100)2、-R101-N(R100)C(O)OR102、-R101-N(R100)C(O)R102、-R101-N(R100)S(O)pR102(ここでpは1~2である)、-R101-N=C(OR100)R100、-R101-S(O)pOR102(ここでpは1~2である)、-R101-S(O)tR102(ここでtは0~2であり)、および-R101-S(O)pN(R100)2(ここでpは1~2である)からなる群より独立して選択される1つまたは複数の置換基によって置換されていてもよく、ここで、各R100は独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルであり;各R101は独立して、直接結合または直鎖もしくは分岐アルキレン鎖であり;各R102は、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルであり;各R103は、直接結合または直鎖もしくは分岐アルキレン鎖である。
「シクロアルキルアルキル」は、式-R100R101のラジカルを指し、ここで、R100は、上記で定義されたアルキレン鎖であり、R101は、上記で定義されたシクロアルキルラジカルである。明細書において具体的に記載される場合、アルキレン鎖および/またはシクロアルキルラジカルは、置換されていてもよいアルキレン鎖および置換されていてもよいシクロアルキルについて上記で定義されたように、置換されていてもよい。
「アルコキシ」は、以下の式「-O-アルキル」を有するラジカル基を指し、ここで、アルキル基は、本明細書において上記で定義された通りである。例示的なアルコキシ基はメトキシ、エトキシ、プロポキシ(例えば、n-プロポキシおよびイソプロポキシ)、t-ブトキシなどを含む。いくつかの態様では、アルキル基は炭素原子を1~6、1~4、または1~3個有する。特に示されていない限り、アルコキシ基は置換されていてもよい。
「アルコキシアルキル」は、以下の式「-アルキレン-O-アルキル」を有するラジカルを指し、ここで、アルキレンおよびアルキル基はそれぞれ、本明細書において上記で定義された通りである。いくつかの態様では、アルコキシアルキル基は-O-アルキル基を1つ含む。いくつかの態様では、アルコキシアルキル基はアルコキシ基を2個以上含む。例はメトキシメチル、エトキシメチル、3-エトキシエチル、および1-メトキシエチルを非限定的に含み得る。特に示されていない限り、アルコキシアルキル基は置換されていてもよい。
「オキソ」は、=O基を指す。例えば、炭素原子に結合したオキソはカルボニル基(すなわち、C=O)を形成する。あるいは、オキソ基がヘテロ原子に結合した場合、例えば、スルホキシド、スルホン基、N-オキシド基が形成される。
「スルフィド」は、=S基を指す。
「アミノ」は、-NH2基を指す。
「カルバミル」は、-C(O)NH2基を指す。
「カルボキシ」は、-C(O)OH基を指す。
「カルボニル」は、C(=O)基を指し、これはC(O)と記載される場合もある。
「シアノ」または「ニトリル」は、-C≡N基を指し、これは-CNと記載される場合もある。
「ニトロ」は、-NO2基を指す。
「ヒドロキシ」または「ヒドロキシル」は、-OH基を指す。
「ハロ」または「ハロゲン」は、ブロモ、クロロ、フルオロまたはヨードを指す。
「ハロアルキル」は、上記で定義された1つまたは複数のハロラジカルによって置換されている、上記で定義されたアルキルラジカル、例えば、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリクロロメチル、2,2,2-トリフルオロエチル、1-フルオロメチル-2-フルオロエチル、3-ブロモ-2-フルオロプロピル、1-ブロモメチル-2-ブロモエチルなどを指す。ハロアルキルラジカルのアルキル部分は、アルキル基に上記で定義されたように、置換されていてもよい。
単独でまたは他の用語と組み合わせて採用される「ハロアルコキシ」という用語は、式-O-ハロアルキルの基を指し、ここで、ハロアルキル基は上記で定義された通りである。例示的なハロアルコキシ基はトリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、ペンタフルオロエトキシなどを含む。
「ヘテロシクリル」は、2~12個の炭素原子と、窒素、酸素、および硫黄からなる群より選択される1~6個のヘテロ原子とからなる、安定した3~18員非芳香環ラジカルを指す。明細書において具体的に記載しない限り、ヘテロシクリルラジカルは、縮合、架橋、およびスピロ環系を含み得る単環式、二環式、三環式、または四環式環系であってもよく;ヘテロシクリルラジカルにおける窒素、炭素、または硫黄原子は酸化されていてもよく、窒素原子は四級化されていてもよく;ヘテロシクリルラジカルは部分的または完全に飽和していてもよい。そのようなヘテロシクリルラジカルの例は、アゼチジニル、3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-イル、1-アザスピロ[3.3]ヘプタン-1-イル、5-アザスピロ[2.3]ヘキサン-5-イル、2-オキサ-6-アザスピロ[3.3]ヘプタン-6-イル、1-オキサ-6-アザスピロ[3.4]オクタン-6-イル、1-オキサ-6-アザスピロ[3.3]ヘプタン-6-イル、6-オキサ-1-アザスピロ[3.3]ヘプタン-1-イル、6-アザスピロ[3.4]オクタン-6-イル、7-オキサ-2-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル、2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン-2-イル、ジオキソラニル、ジオキシニル、チエニル[1,3]ジチアニル、デカヒドロイソキノリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、イソチアゾリジニル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、オクタヒドロインドリル、オクタヒドロイソインドリル、2-オキソピペラジニル、2-オキソピペリジニル、2-オキソピロリジニル、オキサゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、4-ピペリドニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、キヌクリジニル、チアゾリジニル、1,2,4-チアジアゾール-5(4H)-イリデン、テトラヒドロフリル、トリオキサニル、トリチアニル、トリアジナニル、テトラヒドロピラニル、チオモルホリニル、チアモルホリニル、1-オキソ-チオモルホリニル、および1,1-ジオキソ-チオモルホリニルを非限定的に含む。特定の態様では、ヘテロシクリル基は、アルキル、アルケニル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルケニル、シアノ、オキソ、チオキソ、ニトロ、アリール、アリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、-R101-OR100、-R101-OC(O)-R100、-R101-N(R100)-R103-OR100、-R101-N(R100)2、-R101-C(O)R100、-R101-C(O)OR100、-R101-C(O)N(R100)2、-R101-N(R100)C(O)OR102、-R101-N(R100)C(O)R102、-R101-N(R100)S(O)pR102(ここでpは1~2である)、-R101-N=C(OR100)R102、-R101-S(O)pOR102(ここでpは1~2である)、-R101-S(O)tR102(ここでtは0~2である)、および-R101-S(O)pN(R100)2(ここでpは1~2である)からなる群より選択される1つまたは複数の置換基によって置換されていてもよく、ここで、各R100は独立して、水素、アルキル、アルケニル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルであり;各R101は独立して、直接結合または直鎖もしくは分岐アルキレン鎖であり;各R102は、アルキル、アルケニル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルであり、各R103は、直接結合または直鎖もしくは分岐アルキレン鎖である。
「ヘテロシクリルアルキル」は、式-R100R101のラジカルを指し、ここで、R100は上記で定義されたアルキレン鎖であり、R101は上記で定義されたヘテロシクリルラジカルであり、ヘテロシクリルが窒素含有ヘテロシクリルであれば、ヘテロシクリルは窒素原子にてアルキルラジカルに結合してもよい。いくつかの態様では、ヘテロシクリルアルキルラジカルのアルキレン鎖は、置換されていてもよいアルキレン鎖について上記で定義されたように、置換されていてもよい。いくつかの態様では、ヘテロシクリルアルキルラジカルのヘテロシクリル部分は、置換されていてもよいヘテロシクリル基について上記で定義されたように、置換されていてもよい。
「ヘテロアリール」は、水素原子と、1~13個の炭素原子と、窒素、酸素、および硫黄からなる群より選択される1~6個のヘテロ原子と、少なくとも1個の芳香環とを含む、4~14員環系ラジカルを指す。本開示の目的では、ヘテロアリールラジカルは、縮合または架橋環系を含み得る単環式、二環式、三環式、または四環式環系であってもよく;ヘテロアリールラジカルにおける窒素、炭素、または硫黄原子は酸化されていてもよく;窒素原子は四級化されていてもよい。例は、アゼピニル、アクリジニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンズインドリル、ベンゾジオキソリル、ベンゾフラニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾ[b][1,4]ジオキセピニル、1,4-ベンゾジオキサニル、ベンゾナフトフラニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾジオキソリル、ベンゾジオキシニル、ベンゾピラニル、ベンゾピラノニル、ベンゾフラニル、ベンゾフラノニル、ベンゾチエニル(ベンゾチオフェニル)、ベンゾトリアゾリル、ベンゾ[4,6]イミダゾ[1,2-a]ピリジニル、ベンゾオキサゾリノニル、ベンゾイミダゾールチオニル、カルバゾリル、シンノリニル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチオフェニル、フラニル、フラノニル、イソチアゾリル、イミダゾリル、インダゾリル、インドリル、インダゾリル、イソインドリル、インドリニル、イソインドリニル、イソキノリル、インドリジニル、イソオキサゾリル、ナフチリジニル、オキサジアゾリル、2-オキソアゼピニル、オキサゾリル、オキシラニル、1-オキシドピリジニル、1-オキシドピリミジニル、1-オキシドピラジニル、1-オキシドピリダジニル、1-フェニル-1H-ピロリル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、フタラジニル、プテリジニル、プテリジノニル、プリニル、ピロリル、ピラゾリル、ピリジニル、ピリジノニル、ピラジニル、ピリミジニル、プリリミジノニル、ピリダジニル、ピロリル、ピリド[2,3-d]ピリミジノニル、キナゾリニル、キナゾリノニル、キノキサリニル、キノキサリノニル、キノリニル、イソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、チアゾリル、チアジアゾリル、チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-オニル、チエノ[2,3-d]ピリミジン-4-オニル、トリアゾリル、テトラゾリル、トリアジニル、およびチオフェニル(すなわち、チエニル)を非限定的に含む。特定の態様では、ヘテロアリール基は、アルキル、アルケニル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルケニル、シアノ、オキソ、チオキソ、ニトロ、チオキソ、アリール、アリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、-R101-OR100、-R101-OC(O)-R100、-R101-N(R100)-R103-OR100、-R101-N(R100)2、-R101-C(O)R100、-R101-C(O)OR100、-R101-C(O)N(R100)2、-R101-N(R100)C(O)OR102、-R101-N(R100)C(O)R100)C(O)R102、-R101-N(R100)S(O)pR102(ここでpは1~2である)、-R101-N=C(OR100)R100、-R101-S(O)pOR102(ここでpは1~2である)、-R101-S(O)tR102(ここでtは0~2であり)、および-R101-S(O)pN(R100)2(ここでpは1~2である)からなる群より選択される1つまたは複数の置換基によって置換されていてもよく、ここで、各R100は独立して、水素、アルキル、アルケニル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルであり;各R101は独立して、直接結合または直鎖もしくは分岐アルキレン鎖であり;各R102は、アルキル、アルケニル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、またはヘテロアリールアルキルであり、各R103は、直接結合または直鎖もしくは分岐アルキレン鎖である。好ましくは、本明細書におけるR1のための置換されていてもよい二環式ヘテロアリール基上の任意である置換基はハロである。好ましくは、本明細書におけるR1のための置換されていてもよい単環式ヘテロアリール基上の任意である置換基はアルキルである。「ヘテロアリール」という用語は、例えば、以下の構造を含む。
Figure 2023504541000005
「N-ヘテロアリール」は、少なくとも1つの窒素を含有する上記で定義されたヘテロアリールラジカルを指す。分子の残りの部分へのN-ヘテロアリールの結合点はN-ヘテロアリールにおける窒素原子または炭素原子を通じたものであってもよい。本明細書において具体的に記載される場合、N-ヘテロアリールラジカルは、置換されていてもよいヘテロアリールラジカルについて上記で記載したように、置換されていてもよい。
「ヘテロアリールアルキル」は、式-R100R101のラジカルを指し、ここで、R100は上記で定義されたアルキレン鎖であり、R101は上記で定義されたヘテロアリールラジカルである。本明細書において具体的に記載される場合、ヘテロアリールアルキルラジカルのヘテロアリール部分は、置換されていてもよいヘテロアリール基について上記で定義されたように、置換されていてもよい。いくつかの具体的な態様では、ヘテロアリールアルキルラジカルのアルキレン鎖部分は、置換されていてもよいアルキレン鎖について上記で定義されたように、置換されていてもよい。
本開示の化合物および方法は、1つまたは複数の原子を異なる原子質量または質量番号を有する原子によって置き換えることによって同位体標識された、構造(I)、(II)および(III)のすべての薬学的に許容される化合物を包含することも意味する。
開示された化合物に組み込むことができる同位体の例は、それぞれ2H、3H、11C、13C、14C、13N、15N、15O、17O、18O、31P、32P、35S、18F、36Cl、123I、125Iなどの水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素、塩素、およびヨウ素の同位体を含む。これらの放射性標識化合物は、例えば、作用の部位もしくは機序または結合親和性を特性決定することによって、化合物の有効性を決定するかまたは測定するのに役立つ場合がある。構造(I)、(II)または(III)の特定の同位体標識化合物、例えば、放射性同位体を組み込んだ化合物は薬物および/または基質組織分布研究に有用である。放射性同位体トリチウム、すなわち3H、および炭素14、すなわち14Cは、それらの組み込みの容易さおよび検出手段の簡便さという観点からこの目的に特に有用である。
重水素、すなわち2Hなどのより重い同位体との置換はより高い代謝安定性、例えば、インビボ半減期の増加または必要な投与量の低減に起因する特定の治療上の利点をもたらす場合があり、したがって、状況によっては好ましい場合がある。1つの態様では、構造(I)、(II)または(III)の化合物は重水素が濃縮されている。そのような重水素化化合物は、プロトンを重水素と交換することなどの当業者に公知の方法によって、または濃縮された出発物質で分子を合成することによって達成することができる。
11C、18F、15O、および13Nなどの陽電子放出同位体による置換は、基質受容体占有率を調べるための陽電子放出断層撮影(PET)研究に有用な場合がある。構造(I)、(II)または(III)の同位体標識化合物は、概して、当業者に公知の従来の技術によって、または、これまでに採用されてきた非標識試薬の代わりに適切な同位体標識試薬を用いて、下に示す例および調製において記載されているものと類似のプロセスによって調製することができる。
本開示は開示された化合物のインビボ代謝産物を包含することも意味する。そのような産物は、例えば、主に酵素的プロセスによる、投与された化合物の酸化、還元、加水分解、アミド化、エステル化などに起因し得る。したがって、本開示は、本開示の化合物を、その代謝産物を生成するのに十分な期間、哺乳類と接触させる工程を含むプロセスによって生成される、化合物を含む。そのような産物は、典型的には、ラット、マウス、モルモット、サルなどの動物に、またはヒトに、検出可能な用量で放射性標識化合物を投与すること、代謝が起こるのに十分な時間をかけること、およびその変換産物を尿、血液、または他の生体試料から単離することによって同定される。
「安定な化合物」および「安定な構造」とは、反応混合物からの有用な純度までの単離、および有効な治療剤への製剤化に耐えるのに十分にロバストな化合物を示すことを意味している。
「任意の」または「任意で」とは、続いて記載される事象または状況が起きても起きなくてもよいこと、および該記載が該事象または状況が起きる場合または起きない場合を含むことを意味している。例えば、「置換されていてもよいアリール」とは、アリールラジカルが置換されていてもされていなくてもよいこと、および該記載が置換アリールラジカルおよび置換を有さない(「非置換」)アリールラジカルの両方を含むことを意味している。官能基が「置換されていてもよい」と記載され、翻って、官能基上の置換基も「置換されていてもよい」などと記載されている場合、本開示の目的では、そのような繰り返しは5回までに限定され、好ましくはそのような繰り返しは2回までに限定される。
「薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤」は、米国食品医薬品局によってヒトまたは家畜における使用が許容されるものとして承認された、任意のアジュバント、担体、賦形剤、流動促進剤、甘味剤、希釈剤、保存剤、色素/着色剤、風味増強剤、界面活性剤、湿潤剤、分散剤、懸濁剤、安定剤、等張剤、溶剤、または乳化剤を非限定的に含む。
「薬学的に許容される塩」は、酸および塩基付加塩の両方を含む。
「薬学的に許容される酸付加塩」とは、遊離塩基の生物学的有効性および特性を保持しており、生物学的または他の様式で所望されないものではなく、かつ、非限定的には塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸、および非限定的には酢酸、2,2-ジクロロ酢酸、アジピン酸、アルギン酸、アスコルビン酸、アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、4-アセトアミド安息香酸、ショウノウ酸、カンファー-10-スルホン酸、カプリン酸、カプロン酸、カプリル酸、炭酸、桂皮酸、クエン酸、シクラミン酸、ドデシル硫酸、エタン-1,2-ジスルホン酸、エタンスルホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、ガラクタル酸、ゲンチシン酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、グルクロン酸、グルタミン酸、グルタル酸、2-オキソ-グルタル酸、グリセロリン酸、グリコール酸、ヒプリン酸、イソ酪酸、乳酸、ラクトビオン酸、ラウリン酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、ナフタレン-1,5-ジスルホン酸、ナフタレン-2-スルホン酸、1-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸、ニコチン酸、オレイン酸、オロト酸、シュウ酸、パルミチン酸、パモ酸、プロピオン酸、ピログルタミン酸、ピルビン酸、サリチル酸、4-アミノサリチル酸、セバシン酸、ステアリン酸、コハク酸、酒石酸、チオシアン酸、p-トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、ウンデシレン酸などの有機酸によって形成される、塩を指す。
「薬学的に許容される塩基付加塩」とは、遊離酸の生物学的有効性および特性を保持しており、生物学的または他の様式で所望されないものではない、塩を指す。これらの塩は遊離酸への無機塩基または有機塩基の付加から調製される。無機塩基に由来する塩はナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン、アルミニウム塩などを非限定的に含む。好ましい無機塩はアンモニウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、およびマグネシウム塩である。有機塩基に由来する塩は第一級、第二級、および第三級アミン、天然に存在する置換アミンを含む置換アミン、環状アミンならびに塩基性イオン交換樹脂、例えば、アンモニア、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、ジエタノールアミン、エタノールアミン、デアノール、2-ジメチルアミノエタノール、2-ジエチルアミノエタノール、ジシクロヘキシルアミン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、カフェイン、プロカイン、ヒドラバミン、コリン、ベタイン、ベネタミン、ベンザチン、エチレンジアミン、グルコサミン、メチルグルカミン、テオブロミン、トリエタノールアミン、トロメタミン、プリン、ピペラジン、ピペリジン、N-エチルピペリジン、ポリアミン樹脂などの塩を非限定的に含む。特に好ましい有機塩基はイソプロピルアミン、ジエチルアミン、エタノールアミン、トリメチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、コリン、およびカフェインである。
結晶化は開示の化合物の溶媒和物(例えば、構造(I)、(II)または(III)の化合物)を生成することが多い。本明細書において用いられるように、「溶媒和物」という用語は、開示の化合物の1つまたは複数の分子と共に溶媒の1つまたは複数の分子を含む凝集体を指す。溶媒は水であってもよく、この場合、溶媒和物は水和物であってもよい。あるいは、溶媒は有機溶媒であってもよい。よって、本開示の化合物は一水和物、二水和物、半水和物、セスキ水和物、三水和物、四水和物などを含む水和物、ならびに対応する溶媒和形態として存在し得る。開示の化合物は真の溶媒和物であってもよいが、別の場合では、開示の化合物は単に偶発的な水を保持しているか、または水と何らかの偶発的な溶媒の混合物であってもよい。
「薬学的組成物」は、開示の化合物と、哺乳類、例えば、ヒトへの生物学的に活性な化合物の送達のために当技術分野で一般的に許容される媒体との製剤を指す。そのような媒体は、そのためのすべての薬学的に許容される担体、希釈剤、または賦形剤を含む。
本明細書において用いられる「処置する」または「処置」とは、目的の疾患または状態を有する哺乳類、好ましくはヒトにおける目的の疾患または状態の処置を包含し、かつ:
(a)哺乳類に疾患または状態が発生するのを、特に、そのような哺乳類が状態に罹患しやすくなっているがまだそれを有すると診断されてはいない場合に、予防すること;
(b)疾患または状態を阻害すること、すなわち、疾患または状態の進行を阻止すること;
(c)疾患または状態を緩和すること(または寛解させること)、すなわち、疾患または状態の退行を引き起こすこと;または
(d)例えば、基礎疾患または状態に対処することなく、疾患または状態に起因する症状を緩和する(または寛解させる)こと
を含む。
本明細書において用いられるように、「疾患」および「状態」という用語は、互換的に用いられる場合があるか、または、特定の病弊もしくは状態が公知の原因物質を有さない可能性があり(そのため、病因がまだ解明されていない)したがってこれが未だに疾患として認識されていないものの望ましくない状態または症候群(臨床医によって多かれ少なかれ具体的な一連の症状が特定されている)としてのみ認識されているという点で、異なる場合がある。
開示の化合物またはそれらの薬学的に許容される塩は1つまたは複数の立体中心を含有している場合があり、よって、絶対立体化学の観点から(R)-もしくは(S)-としてまたはアミノ酸については(D)-もしくは(L)-として規定され得るエナンチオマー、ジアステレオマー、および他の立体異性体の形態を生じる場合がある。本開示はすべてのそのような可能な異性体ならびにそれらのラセミおよび光学的に純粋な形態を含むことを意味している。光学活性な(+)および(-)、(R)-および(S)-、または(D)-および(L)-異性体はキラルシントンまたはキラル試薬を用いて調製してもよく、または従来の技術、例えば、クロマトグラフィーおよび分別結晶化を用いて分離してもよい。個々のエナンチオマーの調製/単離のための従来の技術は、好適な光学的に純粋な前駆体からのキラル合成または、例えば、キラル高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いたラセミ体(または塩もしくは誘導体のラセミ体)の分割を含む。本明細書において記載される化合物が幾何学的非対称性を生じさせるオレフィン二重結合または他の中心を含む場合、特に記載のない限り、化合物がEおよびZの両方の幾何異性体を含むことが意図されている。同様に、すべての互変異性形態が含まれることも意図されている。
「立体異性体」とは、同じ結合によって結合した同じ原子で構成されているが、互換性のない異なる三次元構造を有する化合物を指す。本開示は様々な立体異性体およびそれらの混合物を企図しており、分子が互いに重ね合わせることができない鏡像である2つの立体異性体を指すエナンチオマーを含む。エナンチオマーおよび立体異性体の構造および特性の詳細な説明については、例えば、Smith, M. B. and J. March, March's Advanced Organic Chemistry: Reactions, Mechanisms, and Structure, 6th edition (Wiley, 2007)を参照されたい。
「互変異性体」とは分子のうちのある原子から同じ分子のうちの別の原子へのプロトンシフトを指す。本開示は任意の前記化合物の互変異性体を含む。
置換基における丸括弧および角括弧の使用はスペースを節約するために本明細書において用いられる。したがって、置換基における丸括弧の使用は丸括弧で囲まれた基が丸括弧の前の原子に直接結合していることを示す。置換基における角括弧の使用は角括弧で囲まれた基も丸括弧の前の原子に直接結合していることを示す。
本明細書において用いられる化学命名プロトコルおよび構造図はChemBioDraw Ultra Version 14.0ソフトウェアプログラムを用いたI.U.P.A.C命名法の変形である。本明細書において採用される複雑な化学名には、置換基はそれが結合した基の前に名称が記載される。例えば、シクロプロピルエチルはシクロプロピル置換基を有するエチル骨格を含む。化学構造図では、原子価を満たすのに十分な水素原子に結合していると想定される一部の炭素原子を除いて、すべての結合が特定される。
特定の位置では、定義または態様は具体的な環(例えば、アゼチジン環、ピリジン環など)を指す場合がある。特に示されていない限り、これらの環は原子の原子価を超えない限り任意の環員に結合することができる。
任意の2つの基または同じ置換基の2つの事例が選択肢のリストから「独立して選択される」場合、基は同一または異なってもよい。例えば、RaおよびRbがアルキル、フルオロ、アミノ、およびヒドロキシアルキルからなる群より独立して選択される場合、2つのRa基および2つのRb基を有する分子はすべての基がアルキル基(例えば、4つの異なるアルキル基)となってもよい。あるいは、第1のRaがアルキルであってもよく、第2のRaがフルオロであってもよく、第1のRbがヒドロキシアルキルであってもよく、第2のRbがアミノ(または群より選ばれる任意の別の置換基)であってもよい。あるいは、Raおよび第1のRbの両方がフルオロであってもよい一方で、第2のRbはアルキルであってもよい(すなわち、置換基のいくつかのペアが同じであってもよく、別のペアは異なってもよい)。特に示されていない限り、同じ定義を有する2つ以上の基が存在するが、定義が選択肢を提供している場合、同じ基の各出現は、可能な選択肢から独立して選択されると理解されるべきである。例えば、化合物中に2つ以上のRa基が存在し、Raの定義はRaがA、B、またはCであってもよいとなっている場合、化合物中に存在する各Ra基はA、B、およびCより独立して選択されるため、化合物中に存在するRa基は同一または異なっていてもよいと理解されるべきである。
化合物および薬学的に許容される塩を含むその塩は、水および溶媒などの他の物質と共に見出すことができる(例えば、水和物および溶媒和物)か、または単離することができる。固体状態である場合、本明細書において記載される化合物およびその塩は様々な形態で存在していてもよく、例えば、水和物を含む溶媒和物の形態をとっていてもよい。化合物は多形または溶媒和物などの任意の固体形態であってもよいので、特に明示されない限り、化合物およびその塩に対する言及は化合物の任意の固体形態を包含すると理解されるべきである。
いくつかの態様では、本明細書において記載される化合物またはその塩は実質的に単離されている。「実質的に単離された」とは、化合物がそれが形成されたかまたは検出された環境から少なくとも部分的または実質的に分離されていることを意味する。部分的な分離は、例えば、本開示の化合物が濃縮された組成物を含み得る。実質的な分離は開示の化合物またはその塩を少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約97%、または少なくとも約99%含有する組成物を含み得る。
以下の略語が本明細書において用いられることがあり、特に記載のない場合、下に示す意味を有する:
ACNまたはMeCN(アセトニトリル);chrom.(クロマトグラフィー);CH2Cl2(ジクロロメタン);DIAD(アゾジカルボン酸ジイソプロピル);L(リットル);m-(メタ);Ms(メタンスルホニル);NCS(N-クロロスクシンイミド);NIS(N-ヨードスクシンイミド);Phth(フタルイミド);TPP(トリフェニルホスフィン);およびTr(トリチル)。他の略語も用いられることがあり、当業者によって理解される意味を有する。
II.化合物
特定の局面では、本開示は構造(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、もしくは薬学的に許容される塩を提供し、
Figure 2023504541000006
式中、
Xは、直接結合、-CR2eR2f-、または-CR2eR2f-CR2gR2h-であり;
Yは、直接結合または-CR2iR2j-であり;
R1は、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換シクロアルキル、または置換もしくは非置換ヘテロシクリルであり;
R2a、R2b、R2c、R2d、R2e、R2f、R2g、R2h、R2i、およびR2jは、それぞれ独立して、水素、ハロ、C(=O)OR5、OC(=O)R5、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、ハロアルコキシ、シアノ、アミニルアルキル、カルボキシアルキル、NR5R6、C(=O)NR5R6、N(R5)C(=O)R6、NR5C(=O)NR6、S(O)t、SR5、ニトロ、N(R5)C(O)OR6、C(=NR5)NR6R7、N(R5)C(=NR6)NR7R8、S(O)R5、S(O)NR5R6、S(O)2R5、N(R5)S(O)2R6、S(O)2NR5R6、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクロアルキル、およびオキソからなる群より選択されるが、但し、R2a、R2b、R2c、R2d、R2e、R2f、R2g、R2h、R2i、およびR2jのうちの少なくとも1つは、水素ではなく;
R3はNR3aR3bであり;
R3aおよびR3bはそれぞれ独立して、水素、アルキル、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル、アルコキシアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールアルキル、またはシクロアルキルであるか;あるいはR3aおよびR3bは、それらが結合する窒素と一緒になって、置換されていてもよい4~7員ヘテロアリールまたは置換されていてもよい4~7員ヘテロシクリルを形成するか;あるいはR3aおよびR4は、それらがそれぞれ結合する窒素および炭素と一緒になって、置換されていてもよい4~7員ヘテロシクリルを形成し、R3bは、水素、アルキル、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル、アルコキシアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキル、(CH2)nC(=O)OR6、または(CH2)nP(=O)(OR6)2であり;
R4は、nが2、3、4、5、または6である場合、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換シクロアルキル、または置換もしくは非置換ヘテロシクリルであるか;あるいはR4は、nが0または1である場合、置換もしくは非置換単環式ヘテロアリールまたは置換もしくは非置換ヘテロシクリルであるか;あるいはR4およびR3aは、それらがそれぞれ結合する炭素および窒素と一緒になって、置換されていてもよい4~7員ヘテロシクリルを形成し;
R5、R6、R7、およびR8は、各出現時には独立して、水素、アルキル、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル、アルコキシアルキル、カルボキシアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、またはシクロアルキルであり;
nは0~6の整数であり;かつ
tは1~3の整数である。
いくつかの態様では、R1は、置換または非置換アリールである。特定の態様では、R1は、置換または非置換C6~C10アリールである。いくつかのより具体的な態様では、R1は、置換または非置換フェニルである。特定の具体的な態様では、R1は、置換フェニルである。
いくつかの態様では、R1は、R1a、R1b、R1c、R1d、およびR1eのうちの1つまたは複数で置換されたフェニルであり、ここで、R1a、R1b、R1c、R1d、およびR1eはそれぞれ独立して、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、ハロ、C1~6ハロアルキル、アミニルアルキル、ヒドロキシアルキル、シアノ、ニトロ、OR9、SR9、C(O)R9、C(O)NR9R10、C(O)OR9、OC(O)R9、OC(O)OR9、OC(O)NR9R10、NR9R10、N(R9)C(O)R10、N(R9)C(O)NR10R11、N(R9)C(O)OR10、C(=NR9)NR10R11、C(=NOR9)NR10R11、C(=NOC(O)R9)NR10R11、C(=NR9)N(R10)C(O)OR11、N(R9)C(=NR10)NR11R12、S(O)R9、S(O)NR9R10、S(O)2R9、N(R9)S(O)2R10、S(O)2NR9R10、オキソ、置換または非置換C6~10アリール、置換または非置換C6~10アリールアルキル、置換または非置換C6~10アリールオキシ、置換または非置換C6~10アリールアルコキシ、置換または非置換5~10員ヘテロアリール、置換または非置換C3~10シクロアルキル、および置換または非置換4~10員ヘテロシクリルからなる群より選択され、ここで、R9、R10、R11、およびR12は、各出現時には独立して、水素、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、ヒドロキシル、C1~6アルコキシ、アリール、アリールアルキル、C1~6ハロアルキル、C1~6ハロアルコキシ、C1~6ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、およびヘテロアリールからなる群より選択される。
いくつかのより具体的な態様では、R1a、R1b、R1c、R1d、またはR1eが、置換C6~10アリール、置換C6~10アリールアルキル、置換C6~10アリールオキシ、置換C6~10アリールアルコキシ、置換5~10員ヘテロアリール、置換C3~10シクロアルキル、および置換4~10員ヘテロシクリルである場合、R1a、R1b、R1c、R1d、またはR1eは、ハロ、CN、OR13、SR13、C(O)R13、C(O)NR13R14、C(O)OR13、OC(O)R13、OC(O)NR13R14、NR13R14、NR13C(O)R14、NR13C(O)NR14R15、NR13C(O)OR14、C(=NR13)NR14R15、NR13C(=NR14)NR15R16、S(O)R13、S(O)NR13R14、S(O)2R13、NR13S(O)2R14、S(O)2NR13R14およびオキソからなる群より選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよく、ここで、R13、R14、R15、およびR16は、各出現時には独立して、水素、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、ヒドロキシル、C1~6アルコキシ、アリール、アリールアルキル、C1~6ハロアルキル、C1~6ハロアルコキシ、C1~6ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、およびヘテロアリールからなる群より選択される。
特定の態様では、R1は、OR9、C(=NR9)NR10R11、C(=NOR9)NR10R11、C(=NOC(O)R9)NR10R11、およびC(=NR9)NR10C(O)OR11からなる群より選択される少なくとも1つの置換基で置換されたフェニルである。特定のより具体的な態様では、R1は、C(=NR9)NR10R11、C(=NOR9)NR10R11、C(=NOC(O)R9)NR10R11、およびC(=NR9)NR10C(O)OR11からなる群より選択される少なくとも1つの置換基で置換されている。いくつかの態様では、R1は、少なくとも1つのC(=NR9)NR10R11で置換されている。いくつかの具体的な態様では、R1は、少なくとも1つの-C(=NH)NH2で置換されている。
特定のより具体的な態様では、R1は、以下の構造:
Figure 2023504541000007
のうちの1つを有する。
さらにより具体的な態様では、R1は、以下の構造:
Figure 2023504541000008
のうちの1つを有する。
いくつかの態様では、R1は、以下の構造:
Figure 2023504541000009
のうちの1つを有する。
前述の態様のいくつかにおいて、R9はC1~6アルキルまたはC1~6ハロアルキルである。特定のより具体的な態様では、R9はメチルである。いくつかの態様では、R9はトリフルオロメチルである。より多くの態様では、R1は非置換フェニルである。
特定の別の態様では、R1は、置換または非置換ヘテロアリールである。より具体的な態様では、R1は、置換または非置換5~10員ヘテロアリールである。いくつかのより具体的な態様では、R1は、置換もしくは非置換ピリジニル、ピロロピリジニル、またはベンゾイミダゾリルである。いくつかの態様では、R1は、置換もしくは非置換ピリジン-3-イル、1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-イル、1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-2-イル、または1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-イルである。より具体的な態様では、R1は、R1a、R1b、R1c、R1d、およびR1eのうちの1つまたは複数で置換されたピリジン-3-イル、1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-イル、1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-2-イル、または1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-イルであり、ここで、R1a、R1b、R1c、R1d、およびR1eはそれぞれ独立して、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、ハロ、C1~6ハロアルキル、アミニルアルキル、ヒドロキシアルキル、シアノ、ニトロ、OR9、SR9、C(O)R9、C(O)NR9R10、C(O)OR9、OC(O)R9、OC(O)OR9、OC(O)NR9R10、NR9R10、N(R9)C(O)R10、N(R9)C(O)NR10R11、N(R9)C(O)OR10、C(=NR9)NR10R11、C(=NOR9)NR10R11、C(=NOC(O)R9)NR10R11、C(=NR9)N(R10)C(O)OR11、N(R9)C(=NR10)NR11R12、S(O)R9、S(O)NR9R10、S(O)2R9、N(R9)S(O)2R10、S(O)2NR9R10、オキソ、置換または非置換C6~10アリール、置換または非置換C6~10アリールアルキル、置換または非置換C6~10アリールオキシ、置換または非置換C6~10アリールアルコキシ、置換または非置換5~10員ヘテロアリール、置換または非置換C3~10シクロアルキル、および置換または非置換4~10員ヘテロシクリルからなる群より選択され、ここで、R9、R10、R11、およびR12は、各出現時には独立して、水素、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、ヒドロキシル、C1~6アルコキシ、アリール、アリールアルキル、C1~6ハロアルキル、C1~6ハロアルコキシ、C1~6ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、およびヘテロアリールからなる群より選択される。
いくつかの態様では、R1a、R1b、R1c、R1d、またはR1eが、置換C6~10アリール、置換C6~10アリールアルキル、置換C6~10アリールオキシ、置換C6~10アリールアルコキシ、置換5~10員ヘテロアリール、置換C3~10シクロアルキル、および置換4~10員ヘテロシクリルである場合、R1a、R1b、R1c、R1d、またはR1eは、ハロ、CN、OR13、SR13、C(O)R13、C(O)NR13R14、C(O)OR13、OC(O)R13、OC(O)NR13R14、NR13R14、NR13C(O)R14、NR13C(O)NR14R15、NR13C(O)OR14、C(=NR13)NR14R15、NR13C(=NR14)NR15R16、S(O)R13、S(O)NR13R14、S(O)2R13、NR13S(O)2R14、S(O)2NR13R14およびオキソからなる群より選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよく、ここで、R13、R14、R15、およびR16は、各出現時には独立して、水素、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、ヒドロキシル、C1~6アルコキシ、アリール、アリールアルキル、C1~6ハロアルキル、C1~6ハロアルコキシ、C1~6ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、およびヘテロアリールからなる群より選択される。
特定の具体的な態様では、R1は、以下の構造:
Figure 2023504541000010
Figure 2023504541000011
Figure 2023504541000012
Figure 2023504541000013
のうちの1つを有する。
いくつかの具体的な態様では、R1aまたはR1bは独立して、C1~6アルキル、アミノ、C(O)R9、C(O)NR9R10、N(R9)C(O)NR10R11、N(R9)C(O)OR10、OC(O)NR9R10、またはハロである。いくつかの態様では、R1aまたはR1bは、メチルまたはエチルである。いくつかの具体的な態様では、R1aまたはR1bは、F、Cl、またはBrである。特定の態様では、窒素に結合したR1aまたはR1bそれぞれは、C1~6アルキル、C(O)R9、C(O)NR9R10、N(R9)C(O)NR10R11、N(R9)C(O)OR10、またはOC(O)NR9R10である。より具体的な態様では、R1aまたはR1bは、メチルまたはエチルである。
いくつかの態様では、R1は、以下の構造:
Figure 2023504541000014
のうちの1つを有する。
特定の態様では、R1は、以下の構造:
Figure 2023504541000015
Figure 2023504541000016
Figure 2023504541000017
のうちの1つを有する。
特定の態様では、R1は、以下の構造:
Figure 2023504541000018
のうちの1つを有する。
いくつかの態様では、R1は、置換または非置換シクロアルキルである。特定の態様では、R1は、置換または非置換C3~C6シクロアルキルである。いくつかのより具体的な態様では、R1は置換C3~C6シクロアルキルである。
いくつかの態様では、R1は、R1a、R1b、R1c、R1d、およびR1eのうちの1つまたは複数で置換されたC3~C6シクロアルキルであり、ここで、R1a、R1b、R1c、R1d、およびR1eは、それぞれ独立して、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C1~6ハロアルキル、アミニルアルキル、ヒドロキシアルキル、ニトロ、OR9、SR9、C(O)R9、C(O)NR9R10、C(O)OR9、OC(O)R9、OC(O)OR9、OC(O)NR9R10、NR9R10、N(R9)C(O)R10、N(R9)C(O)NR10R11、N(R9)C(O)OR10、C(=NR9)NR10R11、C(=NOR9)NR10R11、C(=NOC(O)R9)NR10R11、C(=NR9)N(R10)C(O)OR11、N(R9)C(=NR10)NR11R12、S(O)R9、S(O)NR9R10、S(O)2R9、N(R9)S(O)2R10、S(O)2NR9R10、オキソ、置換または非置換C6~10アリール、置換または非置換C6~10アリールアルキル、置換または非置換C6~10アリールオキシ、置換または非置換C6~10アリールアルコキシ、置換または非置換5~10員ヘテロアリール、置換または非置換C3~10シクロアルキル、および置換または非置換4~10員ヘテロシクリルからなる群より選択され、ここで、R9、R10、R11、およびR12は、各出現時には独立して、水素、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、ヒドロキシル、C1~6アルコキシ、アリール、アリールアルキル、C1~6ハロアルキル、C1~6ハロアルコキシ、C1~6ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、およびヘテロアリールからなる群より選択される。
前述のうちの特定の態様では、R1a、R1b、R1c、R1d、またはR1eが、置換C6~10アリール、置換C6~10アリールアルキル、置換C6~10アリールオキシ、置換C6~10アリールアルコキシ、置換5~10員ヘテロアリール、置換C3~10シクロアルキル、および置換4~10員ヘテロシクリルである場合、R1a、R1b、R1c、R1d、またはR1eは、OR13、SR13、C(O)R13、C(O)NR13R14、C(O)OR13、OC(O)R13、OC(O)NR13R14、NR13R14、NR13C(O)R14、NR13C(O)NR14R15、NR13C(O)OR14、C(=NR13)NR14R15、NR13C(=NR14)NR15R16、S(O)R13、S(O)NR13R14、S(O)2R13、NR13S(O)2R14、S(O)2NR13R14およびオキソからなる群より選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよく、ここで、R13、R14、R15、およびR16は、各出現時には独立して、水素、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、ヒドロキシル、C1~6アルコキシ、アリール、アリールアルキル、C1~6ハロアルキル、C1~6ハロアルコキシ、C1~6ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、およびヘテロアリールからなる群より選択される。
いくつかの態様では、R1は、非置換C3~C6シクロアルキルである。特定の態様では、R1は、置換または非置換ヘテロシクリルである。特定の具体的な態様では、R1は、置換または非置換4~10員ヘテロシクリルである。いくつかの態様では、R1は、置換4~10員ヘテロシクリルである。
いくつかの態様では、R1は、R1a、R1b、R1c、R1d、およびR1eのうちの1つまたは複数で置換された4~10員ヘテロシクリルであり、ここで、R1a、R1b、R1c、R1d、およびR1eはそれぞれ独立して、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、ハロ、C1~6ハロアルキル、アミニルアルキル、ヒドロキシアルキル、シアノ、ニトロ、OR9、SR9、C(O)R9、C(O)NR9R10、C(O)OR9、OC(O)R9、OC(O)OR9、OC(O)NR9R10、NR9R10、N(R9)C(O)R10、N(R9)C(O)NR10R11、N(R9)C(O)OR10、C(=NR9)NR10R11、C(=NOR9)NR10R11、C(=NOC(O)R9)NR10R11、C(=NR9)N(R10)C(O)OR11、N(R9)C(=NR10)NR11R12、S(O)R9、S(O)NR9R10、S(O)2R9、N(R9)S(O)2R10、S(O)2NR9R10、オキソ、置換または非置換C6~10アリール、置換または非置換C6~10アリールアルキル、置換または非置換C6~10アリールオキシ、置換または非置換C6~10アリールアルコキシ、置換または非置換5~10員ヘテロアリール、置換または非置換C3~10シクロアルキル、および置換または非置換4~10員ヘテロシクリルからなる群より選択され、ここで、R9、R10、R11、およびR12は、各出現時には独立して、水素、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、ヒドロキシル、C1~6アルコキシ、アリール、アリールアルキル、C1~6ハロアルキル、C1~6ハロアルコキシ、C1~6ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、およびヘテロアリールからなる群より選択される。
前述の態様のうちのいくつかでは、R1a、R1b、R1c、R1d、またはR1eが、置換C6~10アリール、置換C6~10アリールアルキル、置換C6~10アリールオキシ、置換C6~10アリールアルコキシ、置換5~10員ヘテロアリール、置換C3~10シクロアルキル、および置換4~10員ヘテロシクリルである場合、R1a、R1b、R1c、R1d、またはR1eは、ハロ、CN、OR13、SR13、C(O)R13、C(O)NR13R14、C(O)OR13、OC(O)R13、OC(O)NR13R14、NR13R14、NR13C(O)R14、NR13C(O)NR14R15、NR13C(O)OR14、C(=NR13)NR14R15、NR13C(=NR14)NR15R16、S(O)R13、S(O)NR13R14、S(O)2R13、NR13S(O)2R14、S(O)2NR13R14およびオキソからなる群より選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよく、ここで、R13、R14、R15、およびR16は、各出現時には独立して、水素、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、ヒドロキシル、C1~6アルコキシ、アリール、アリールアルキル、C1~6ハロアルキル、C1~6ハロアルコキシ、C1~6ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、およびヘテロアリールからなる群より選択される。
いくつかの態様では、R1は、非置換4~10員ヘテロシクリルである。
いくつかの態様では、化合物は、以下の構造:
Figure 2023504541000019
Figure 2023504541000020
のうちの1つを有する。
いくつかの態様では、R2a、R2b、R2c、またはR2dのうちの少なくとも1つの出現は、アルコキシ、アルコキシアルキル、シアノ、C(=O)OR5、OC(=O)R5、C(=O)NR5R6、N(R5)C(=O)R6、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、またはC(=O)N(R5)ヘテロシクリルであり、ここで、R5およびR6は、各出現時には独立して、水素またはC1~C6アルキルである。いくつかの態様では、R2aおよびR2bは、いずれもハロ(例えば、フルオロ)である。
いくつかのより具体的な態様では、XはCH2であり、Yは直接結合であり、R2cおよびR2dはいずれも水素であり、R2aおよびR2bはいずれもフルオロである。より具体的な態様では、R3bは水素であり、R3aおよびR4は、それぞれそれらが結合する窒素および炭素と一緒になって、置換されていてもよい4~7員ヘテロシクリル(例えば、ピペリジニルまたはピロリル)を形成する。いくつかのより具体的な態様では、構造(I)の化合物は、以下の構造を有し
Figure 2023504541000021
式中、
R33は、置換もしくは非置換アリール、または置換もしくは非置換ヘテロアリールである。いくつかの態様では、R33は、以下の構造:
Figure 2023504541000022
を有する。
特定の態様では、R2a、R2b、R2c、またはR2dのうちの少なくとも1つの出現は、メトキシである。いくつかの態様では、R2a、R2b、R2c、およびR2dのうちの少なくとも1つは、メトキシメチルである。特定の態様では、R2a、R2b、R2c、およびR2dのうちの少なくとも1つは、シアノである。いくつかのより具体的な態様では、R2a、R2b、R2c、およびR2dのうちの少なくとも1つは、-C(=O)OHである。特定のより具体的な態様では、R2a、R2b、R2c、およびR2dのうちの少なくとも1つは、-C(=O)OCH3または-OC(=O)CH3である。いくつかの態様では、R2a、R2b、R2c、およびR2dのうちの少なくとも1つは、-C(=O)N(R')2または-NR'(C=O)アルキルであり、ここで、R'は、各出現時には独立して、C1~C6アルキルである。より具体的な態様では、R'の各出現は、メチルである。いくつかの態様では、R2a、R2b、R2c、およびR2dのうちの少なくとも1つは、-C(=O)NR''ヘテロシクリルであり、ここで、R''は、水素またはC1~C6アルキル(例えば、メチル、エチル、またはイソプロピル)である。
いくつかの具体的な態様では、R2a、R2b、R2c、およびR2dのうちの少なくとも1つは、置換または非置換フェニルである。いくつかの態様では、R2a、R2b、R2c、およびR2dのうちの少なくとも1つは、置換または非置換ヘテロシクリルである。いくつかの態様では、R2a、R2b、R2c、およびR2dのうちの少なくとも1つは、置換または非置換ヘテロアリール(例えば、テトラゾリル、トリアゾリル、オキサジアゾリル、イミダゾリジニル、ピラゾリルなど)である。いくつかの態様では、R2aは、ヘテロアリールまたはヘテロシクリルである。いくつかのより具体的な態様では、R2cは、ヘテロアリールまたはヘテロシクリルである。いくつかの態様では、R2aはヘテロシクリルである。いくつかのより具体的な態様では、R2cはヘテロシクリルである。特定の具体的な態様では、R2aはヘテロアリールである。特定のより具体的な態様では、R2cはヘテロアリールである。
いくつかの態様では、R2a、R2b、R2c、およびR2dのうちの少なくとも1つは、以下の構造:
Figure 2023504541000023
のうちの1つを有する。
より具体的な態様では、R2a、R2b、R2c、およびR2dのうちの少なくとも1つは、以下の構造:
Figure 2023504541000024
のうちの1つを有する。
いくつかのより具体的な態様では、R3は、以下の構造:
Figure 2023504541000025
のうちの1つを有する。
特定の態様では、R3は-NH2である。
いくつかの態様では、nは0である。特定の態様では、nは1である。さらに別の態様では、nは2である。いくつかの態様では、nは3、4、5、または6である。
いくつかの態様では、nは2であり、R4は、置換または非置換アリールである。いくつかのより具体的な態様では、R4は置換アリールである。特定のより具体的な態様では、R4は、アルキル、ハロ(例えば、フルオロ、クロロ、ブロモ)、ハロアルキル、ヒドロキシル、アミノ、ニトロ、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される置換基で置換されている。いくつかの態様では、R4は非置換アリールである。特定の態様では、R4は、以下の構造:
Figure 2023504541000026
Figure 2023504541000027
Figure 2023504541000028
のうちの1つを有する。
いくつかのより具体的な態様では、R4は、以下の構造:
Figure 2023504541000029
のうちの1つを有する。
特定の具体的な態様では、nは2であり、R4は、置換または非置換ヘテロアリールである。いくつかのより具体的な態様では、R4は、以下の構造:
Figure 2023504541000030
Figure 2023504541000031
Figure 2023504541000032
のうちの1つを有する。
いくつかの態様では、R4は、以下の構造:
Figure 2023504541000033
Figure 2023504541000034
Figure 2023504541000035
のうちの1つを有する。
いくつかの態様では、R4は、以下の構造:
Figure 2023504541000036
のうちの1つを有する。
特定の関連する態様では、nは0であり、R4は、以下の構造:
Figure 2023504541000037
のうちの1つを有する。
いくつかの具体的な態様では、R4は、以下の構造:
Figure 2023504541000038
のうちの1つを有する。
1つの態様は、以下の構造(II)を有する化合物またはその立体異性体、互変異性体、もしくは薬学的に許容される塩を提供し、
Figure 2023504541000039
式中、
Xは、直接結合、-[C(R2e)R2f]-、または-[C(R2e)R2f]-[C(R2g)R2h]-;
Yは、直接結合または-[C(R2i)R2j]-であり;
R1は、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換シクロアルキル、または置換もしくは非置換ヘテロシクリルであり;
R2a、R2b、R2c、R2d、R2e、R2f、R2g、R2h、R2i、およびR2jはそれぞれ独立して、水素、ハロ、OR5、C(=O)OR5、OC(=O)R5、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、ハロアルコキシ、シアノ、アミニルアルキル、カルボキシアルキル、NR5R6、C(=O)NR5R6、N(R5)C(=O)R6、NR5C(=O)NR6、S(O)t、SR5、ニトロ、N(R5)C(O)OR6、C(=NR5)NR6R7、N(R5)C(=NR6)NR7R8、S(O)R5、S(O)NR5R6、S(O)2R5、N(R5)S(O)2R6、S(O)2NR5R6、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクロアルキル、およびオキソからなる群より選択されるが、但し、R2a、R2b、R2c、R2d、R2e、R2f、R2g、R2h、R2i、およびR2jのうちの少なくとも1つは水素ではなく;
R3はNR3aR3bであり;
R3aおよびR3bはそれぞれ独立して、水素、アルキル、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル、アルコキシアルキル、-CH2C(C=O)OH、-CH2C(=O)Oアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールアルキル、またはシクロアルキルであるか;あるいはR3aおよびR3bは、それらが結合する窒素と一緒になって、置換されていてもよい4~7員ヘテロアリールまたは置換されていてもよい4~7員ヘテロシクリルを形成するか;
R4は、nが2、3、4、5、または6の場合、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換シクロアルキル、または置換もしくは非置換ヘテロシクリルであるか;あるいは
R4は、nが0または1である場合、置換もしくは非置換単環式ヘテロアリールまたは置換もしくは非置換ヘテロシクリルであり;
R5、R6、R7、およびR8は、各出現時には独立して、水素、アルキル、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル、アルコキシアルキル、カルボキシアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、またはシクロアルキルであり;
nは0~6の整数であり;かつ
tは1~3の整数であるが、但し、
a) R2a、R2b、R2c、R2d、R2e、R2f、R2g、R2h、R2i、およびR2jのうちの1つがOHである場合、R1は、以下の構造:
Figure 2023504541000040
を有さず;
b) R2a、R2b、R2c、R2d、R2e、R2f、R2g、およびR2hのうちの1つが-OHである場合、nは2~6の整数であり;かつ
c) R2a、R2b、R2c、R2d、R2e、R2f、R2g、R2h、R2i、およびR2jのうちの1つが無置換フェニルである場合、R3aおよびR3bはいずれも以下の構造:
Figure 2023504541000041
を有さない。
いくつかの態様では、R2a、R2b、R2c、R2d、R2e、R2f、R2g、R2h、R2i、またはR2jのいずれもアルキルではない。いくつかのより多くの態様では、R2a、R2b、R2c、R2d、R2e、R2f、R2g、R2h、R2i、またはR2jのいずれもアルケニルではない。いくつかの態様では、R2a、R2b、R2c、R2d、R2e、R2f、R2g、R2h、R2i、またはR2jのいずれもアリールアルキルではない。特定の態様では、R2a、R2b、R2c、R2d、R2e、R2f、R2g、R2h、R2i、またはR2jのいずれもアリールアルコキシではない。いくつかの態様では、R2a、R2b、R2c、R2d、R2e、R2f、R2g、R2h、R2i、またはR2jのいずれもシクロアルキルアルコキシではない。いくつかの態様では、R2a、R2b、R2c、R2d、R2e、R2f、R2g、R2h、R2i、またはR2jのいずれもハロ(例えば、フルオロ)ではない。いくつかの態様では、R2a、R2b、R2c、R2d、R2e、R2f、R2g、R2h、R2i、またはR2jのいずれもヒドロキシルではない。いくつかの態様では、R2a、R2b、R2c、R2d、R2e、R2f、R2g、R2h、R2i、またはR2jのいずれもアルコキシではない。特定の具体的な態様では、R2a、R2b、R2c、R2d、R2e、R2f、R2g、R2h、R2i、またはR2jのいずれも以下の構造:
Figure 2023504541000042
を有さない。
さらに別の態様では、R3aおよびR3aのいずれもカルボキシアルキルではない。いくつかのより多くの態様では、R3aおよびR3aのいずれもアリールアルキルカルボニルではない。特定の態様では、R3aおよびR3aのいずれもアルコキシカルボニル(例えば、Boc)ではない。いくつかの態様では、R3aおよびR3aのいずれもヘテロアリールスルホでもアルキルスルホ(例えば、-S(O)2CH3)でもない。いくつかの態様では、R3aおよびR3aのいずれもアリールアルコキシカルボニル(例えば、Fmoc)ではない。
いくつかの態様では、R1は、置換または非置換アリールである。特定の態様では、R1は、置換または非置換C6~C10アリールである。いくつかの態様では、R1は、置換または非置換フェニルである。特定の態様では、R1は置換フェニルである。いくつかのより具体的な態様では、R1は、R1a、R1b、R1c、R1d、およびR1eのうちの1つまたは複数で置換されたフェニルであり、ここで、R1a、R1b、R1c、R1d、およびR1eはそれぞれ独立して、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、ハロ、C1~6ハロアルキル、アミニルアルキル、ヒドロキシアルキル、シアノ、ニトロ、OR9、SR9、C(O)R9、C(O)NR9R10、C(O)OR9、OC(O)R9、OC(O)OR9、OC(O)NR9R10、NR9R10、N(R9)C(O)R10、N(R9)C(O)NR10R11、N(R9)C(O)OR10、C(=NR9)NR10R11、C(=NOR9)NR10R11、C(=NOC(O)R9)NR10R11、C(=NR9)N(R10)C(O)OR11、N(R9)C(=NR10)NR11R12、S(O)R9、S(O)NR9R10、S(O)2R9、N(R9)S(O)2R10、S(O)2NR9R10、オキソ、置換または非置換C6~10アリール、置換または非置換C6~10アリールアルキル、置換または非置換C6~10アリールオキシ、置換または非置換C6~10アリールアルコキシ、置換または非置換5~10員ヘテロアリール、置換または非置換C3~10シクロアルキル、および置換または非置換4~10員ヘテロシクリルからなる群より選択され、ここで、R9、R10、R11、およびR12は、各出現時には独立して、水素、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、ヒドロキシル、C1~6アルコキシ、アリール、アリールアルキル、C1~6ハロアルキル、C1~6ハロアルコキシ、C1~6ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、およびヘテロアリールからなる群より選択される。
いくつかのより具体的な態様では、R1a、R1b、R1c、R1d、またはR1eが、置換C6~10アリール、置換C6~10アリールアルキル、置換C6~10アリールオキシ、置換C6~10アリールアルコキシ、置換5~10員ヘテロアリール、置換C3~10シクロアルキル、および置換4~10員ヘテロシクリルである場合、R1a、R1b、R1c、R1d、またはR1eは、ハロ、CN、OR13、SR13、C(O)R13、C(O)NR13R14、C(O)OR13、OC(O)R13、OC(O)NR13R14、NR13R14、NR13C(O)R14、NR13C(O)NR14R15、NR13C(O)OR14、C(=NR13)NR14R15、NR13C(=NR14)NR15R16、S(O)R13、S(O)NR13R14、S(O)2R13、NR13S(O)2R14、S(O)2NR13R14およびオキソからなる群より選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよく、ここで、R13、R14、R15、およびR16は、各出現時には独立して、水素、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、ヒドロキシル、C1~6アルコキシ、アリール、アリールアルキル、C1~6ハロアルキル、C1~6ハロアルコキシ、C1~6ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、およびヘテロアリールからなる群より選択される。
特定のより具体的な態様では、R1は、OR9、C(=NR9)NR10R11、C(=NOR9)NR10R11、C(=NOC(O)R9)NR10R11、およびC(=NR9)NR10C(O)OR11からなる群より選択される少なくとも1つの置換基で置換されたフェニルである。いくつかの態様では、R1は、C(=NR9)NR10R11、C(=NOR9)NR10R11、C(=NOC(O)R9)NR10R11、およびC(=NR9)NR10C(O)OR11からなる群より選択される少なくとも1つの置換基で置換されている。いくつかの態様では、R1は、少なくとも1つのC(=NR9)NR10R11で置換されている。より具体的な態様では、R1は、少なくとも1つの-C(=NH)NH2で置換されている。さらにより具体的な態様では、R1は、以下の構造:
Figure 2023504541000043
のうちの1つを有する。
いくつかの態様では、R1は、以下の構造:
Figure 2023504541000044
のうちの1つを有する。
特定の具体的な態様では、R1は、以下の構造:
Figure 2023504541000045
のうちの1つを有する。
前述の態様のいくつかにおいて、R9は、C1~6アルキルまたはC1~6ハロアルキルである。より具体的な態様では、R9はメチルである。特定の態様では、R9はトリフルオロメチルである。いくつかの態様では、R1は非置換フェニルである。
いくつかの態様では、R1は、置換または非置換ヘテロアリールである。特定の態様では、R1は、置換または非置換5~10員ヘテロアリールである。いくつかの態様では、R1は、置換または非置換ピリジニル、ピロロピリジニル、またはベンゾイミダゾリルである。いくつかのより具体的な態様では、R1は、置換もしくは非置換ピリジン-3-イル、1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-イル、1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-2-イル、または1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-イルである。
いくつかの態様では、R1は、R1a、R1b、R1c、R1d、およびR1eのうちの1つまたは複数で置換されたピリジン-3-イル、1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-イル、または1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-イルであり、ここで、R1a、R1b、R1c、R1d、およびR1eはそれぞれ独立して、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、ハロ、C1~6ハロアルキル、アミニルアルキル、ヒドロキシアルキル、シアノ、ニトロ、OR9、SR9、C(O)R9、C(O)NR9R10、C(O)OR9、OC(O)R9、OC(O)OR9、OC(O)NR9R10、NR9R10、N(R9)C(O)R10、N(R9)C(O)NR10R11、N(R9)C(O)OR10、C(=NR9)NR10R11、C(=NOR9)NR10R11、C(=NOC(O)R9)NR10R11、C(=NR9)N(R10)C(O)OR11、N(R9)C(=NR10)NR11R12、S(O)R9、S(O)NR9R10、S(O)2R9、N(R9)S(O)2R10、S(O)2NR9R10、オキソ、置換または非置換C6~10アリール、置換または非置換C6~10アリールアルキル、置換または非置換C6~10アリールオキシ、置換または非置換C6~10アリールアルコキシ、置換または非置換5~10員ヘテロアリール、置換または非置換C3~10シクロアルキル、および置換または非置換4~10員ヘテロシクリルからなる群より選択され、ここで、R9、R10、R11、およびR12は、各出現時には独立して、水素、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、ヒドロキシル、C1~6アルコキシ、アリール、アリールアルキル、C1~6ハロアルキル、C1~6ハロアルコキシ、C1~6ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、およびヘテロアリールからなる群より選択される。
より具体的な態様では、R1a、R1b、R1c、R1d、またはR1eが、置換C6~10アリール、置換C6~10アリールアルキル、置換C6~10アリールオキシ、置換C6~10アリールアルコキシ、置換5~10員ヘテロアリール、置換C3~10シクロアルキル、および置換4~10員ヘテロシクリルである場合、R1a、R1b、R1c、R1d、またはR1eは、ハロ、CN、OR13、SR13、C(O)R13、C(O)NR13R14、C(O)OR13、OC(O)R13、OC(O)NR13R14、NR13R14、NR13C(O)R14、NR13C(O)NR14R15、NR13C(O)OR14、C(=NR13)NR14R15、NR13C(=NR14)NR15R16、S(O)R13、S(O)NR13R14、S(O)2R13、NR13S(O)2R14、S(O)2NR13R14およびオキソからなる群より選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよく、ここで、R13、R14、R15、およびR16は、各出現時には独立して、水素、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、ヒドロキシル、C1~6アルコキシ、アリール、アリールアルキル、C1~6ハロアルキル、C1~6ハロアルコキシ、C1~6ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、およびヘテロアリールからなる群より選択される。
いくつかの具体的な態様では、R1は、以下の構造:
Figure 2023504541000046
Figure 2023504541000047
Figure 2023504541000048
Figure 2023504541000049
のうちの1つを有する。
いくつかの具体的な態様では、R1aまたはR1bは独立して、C1~6アルキル、アミノ、C(O)R9、C(O)NR9R10、N(R9)C(O)NR10R11、N(R9)C(O)OR10、またはOC(O)NR9R10、またはハロである。より具体的な態様では、R1aまたはR1bは、メチルまたはエチルである。別の具体的な態様では、R1aまたはR1bは、F、Cl、またはBrである。
いくつかの態様では、窒素に結合したR1aまたはR1bそれぞれは、C1~6アルキル、C(O)R9、C(O)NR9R10、N(R9)C(O)NR10R11、N(R9)C(O)OR10、またはOC(O)NR9R10である。特定の態様では、R1aまたはR1bは、メチルまたはエチルである。
いくつかの態様では、R1は、以下の構造:
Figure 2023504541000050
のうちの1つを有する。
いくつかの具体的な態様では、R1は、以下の構造:
Figure 2023504541000051
Figure 2023504541000052
Figure 2023504541000053
のうちの1つを有する。
いくつかの態様では、R1は、以下の構造:
Figure 2023504541000054
のうちの1つを有する。
いくつかの態様では、R1は、置換または非置換シクロアルキルである。特定の具体的な態様では、R1は、置換または非置換C3~C6シクロアルキルである。いくつかの態様では、R1は置換C3~C6シクロアルキルである。
いくつかのより具体的な態様では、R1は、R1a、R1b、R1c、R1d、およびR1eのうちの1つまたは複数で置換されたC3~C6シクロアルキルであり、ここで、R1a、R1b、R1c、R1d、およびR1eはそれぞれ独立して、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C1~6ハロアルキル、アミニルアルキル、ヒドロキシアルキル、ニトロ、OR9、SR9、C(O)R9、C(O)NR9R10、C(O)OR9、OC(O)R9、OC(O)OR9、OC(O)NR9R10、NR9R10、N(R9)C(O)R10、N(R9)C(O)NR10R11、N(R9)C(O)OR10、C(=NR9)NR10R11、C(=NOR9)NR10R11、C(=NOC(O)R9)NR10R11、C(=NR9)N(R10)C(O)OR11、N(R9)C(=NR10)NR11R12、S(O)R9、S(O)NR9R10、S(O)2R9、N(R9)S(O)2R10、S(O)2NR9R10、オキソ、置換または非置換C6~10アリール、置換または非置換C6~10アリールアルキル、置換または非置換C6~10アリールオキシ、置換または非置換C6~10アリールアルコキシ、置換または非置換5~10員ヘテロアリール、置換または非置換C3~10シクロアルキル、および置換または非置換4~10員ヘテロシクリルからなる群より選択され、ここで、R9、R10、R11、およびR12は、各出現時には独立して、水素、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、ヒドロキシル、C1~6アルコキシ、アリール、アリールアルキル、C1~6ハロアルキル、C1~6ハロアルコキシ、C1~6ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、およびヘテロアリールからなる群より選択される。
いくつかのより具体的な態様では、R1a、R1b、R1c、R1d、またはR1eが、置換C6~10アリール、置換C6~10アリールアルキル、置換C6~10アリールオキシ、置換C6~10アリールアルコキシ、置換5~10員ヘテロアリール、置換C3~10シクロアルキル、および置換4~10員ヘテロシクリルである場合、R1a、R1b、R1c、R1d、またはR1eは、OR13、SR13、C(O)R13、C(O)NR13R14、C(O)OR13、OC(O)R13、OC(O)NR13R14、NR13R14、NR13C(O)R14、NR13C(O)NR14R15、NR13C(O)OR14、C(=NR13)NR14R15、NR13C(=NR14)NR15R16、S(O)R13、S(O)NR13R14、S(O)2R13、NR13S(O)2R14、S(O)2NR13R14およびオキソからなる群より選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよく、ここで、R13、R14、R15、およびR16は、各出現時には独立して、水素、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、ヒドロキシル、C1~6アルコキシ、アリール、アリールアルキル、C1~6ハロアルキル、C1~6ハロアルコキシ、C1~6ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、およびヘテロアリールからなる群より選択される。
いくつかの態様では、R1は非置換C3~C6シクロアルキルである。
いくつかの態様では、R1は、置換または非置換ヘテロシクリルである。特定の態様では、R1は、置換または非置換4~10員ヘテロシクリルである。いくつかのより具体的な態様では、R1は置換4~10員ヘテロシクリルである。
いくつかの態様では、R1は、R1a、R1b、R1c、R1d、およびR1eのうちの1つまたは複数で置換された4~10員ヘテロシクリルであり、ここで、R1a、R1b、R1c、R1d、およびR1eはそれぞれ独立して、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、ハロ、C1~6ハロアルキル、アミニルアルキル、ヒドロキシアルキル、シアノ、ニトロ、OR9、SR9、C(O)R9、C(O)NR9R10、C(O)OR9、OC(O)R9、OC(O)OR9、OC(O)NR9R10、NR9R10、N(R9)C(O)R10、N(R9)C(O)NR10R11、N(R9)C(O)OR10、C(=NR9)NR10R11、C(=NOR9)NR10R11、C(=NOC(O)R9)NR10R11、C(=NR9)N(R10)C(O)OR11、N(R9)C(=NR10)NR11R12、S(O)R9、S(O)NR9R10、S(O)2R9、N(R9)S(O)2R10、S(O)2NR9R10、オキソ、置換または非置換C6~10アリール、置換または非置換C6~10アリールアルキル、置換または非置換C6~10アリールオキシ、置換または非置換C6~10アリールアルコキシ、置換または非置換5~10員ヘテロアリール、置換または非置換C3~10シクロアルキル、および置換または非置換4~10員ヘテロシクリルからなる群より選択され、ここで、R9、R10、R11、およびR12は、各出現時には独立して、水素、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、ヒドロキシル、C1~6アルコキシ、アリール、アリールアルキル、C1~6ハロアルキル、C1~6ハロアルコキシ、C1~6ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、およびヘテロアリールからなる群より選択される。
より具体的な態様では、R1a、R1b、R1c、R1d、またはR1eが、置換C6~10アリール、置換C6~10アリールアルキル、置換C6~10アリールオキシ、置換C6~10アリールアルコキシ、置換5~10員ヘテロアリール、置換C3~10シクロアルキル、および置換4~10員ヘテロシクリルである場合、R1a、R1b、R1c、R1d、またはR1eは、ハロ、CN、OR13、SR13、C(O)R13、C(O)NR13R14、C(O)OR13、OC(O)R13、OC(O)NR13R14、NR13R14、NR13C(O)R14、NR13C(O)NR14R15、NR13C(O)OR14、C(=NR13)NR14R15、NR13C(=NR14)NR15R16、S(O)R13、S(O)NR13R14、S(O)2R13、NR13S(O)2R14、S(O)2NR13R14およびオキソからなる群より選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよく、ここで、R13、R14、R15、およびR16は、各出現時には独立して、水素、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、ヒドロキシル、C1~6アルコキシ、アリール、アリールアルキル、C1~6ハロアルキル、C1~6ハロアルコキシ、C1~6ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、およびヘテロアリールからなる群より選択される。
いくつかの態様では、R1は非置換4~10員ヘテロシクリルである。
特定の態様では、化合物は、以下の構造:
Figure 2023504541000055
Figure 2023504541000056
のうちの1つを有する。
いくつかの態様では、R2a、R2b、R2c、またはR2dのうちの少なくとも1つの出現は、アルコキシ、アルコキシアルキル、シアノ、C(=O)OR5、OC(=O)R5、C(=O)NR5R6、N(R5)C(=O)R6、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、またはC(=O)N(R5)ヘテロシクリルであり、ここで、R5およびR6は、各出現時には独立して、水素またはC1~C6アルキルである。特定の態様では、R2a、R2b、R2c、またはR2dのうちの少なくとも1つの出現は、メトキシである。いくつかの態様では、R2a、R2b、R2c、またはR2dのうちの少なくとも1つの出現は、メトキシメチルである。特定の態様では、R2a、R2b、R2c、またはR2dのうちの少なくとも1つの出現は、シアノである。いくつかの態様では、R2a、R2b、R2c、またはR2dのうちの少なくとも1つの出現は、-C(=O)OHである。特定の態様では、R2a、R2b、R2c、またはR2dのうちの少なくとも1つの出現は、-C(=O)OCH3または-OC(=O)CH3である。いくつかのより具体的な態様では、R2a、R2b、R2c、またはR2dのうちの少なくとも1つの出現は、-C(=O)N(R')2または-NR'(C=O)アルキルであり、ここで、R'は、各出現時には独立して、C1~C6アルキル(例えば、メチル、エチル、またはイソプロピル)である。前述の態様のいくつかでは、R'の各出現は、メチルである。特定の態様では、R2a、R2b、R2c、またはR2dのうちの少なくとも1つは、-C(=O)NR''ヘテロシクリルであり、ここで、R''は、水素またはC1~C6アルキル(例えば、メチル、エチル、またはイソプロピル)である。
いくつかの態様では、R2a、R2b、R2c、またはR2dのうちの少なくとも1つの出現は、置換または非置換フェニルである。特定の態様では、R2a、R2b、R2c、またはR2dのうちの少なくとも1つの出現は、置換または非置換ヘテロシクリルである。いくつかの態様では、R2a、R2b、R2c、またはR2dのうちの少なくとも1つの出現は、置換または非置換ヘテロアリールである。
いくつかの態様では、R2a、R2b、R2c、またはR2dのうちの少なくとも1つの出現は、以下の構造:
Figure 2023504541000057
のうちの1つを有する。
いくつかの態様では、R2a、R2b、R2c、またはR2dのうちの少なくとも1つの出現は、以下の構造:
Figure 2023504541000058
のうちの1つを有する。
いくつかの態様では、R3は、以下の構造:
Figure 2023504541000059
のうちの1つを有する。
いくつかの態様では、R3は-NH2である。特定の態様では、nは0である。いくつかの別の態様では、nは1である。特定の別の態様では、nは2である。さらに別の態様では、nは、3、4、5、または6である。
いくつかのより具体的な態様では、nは2であり、R4は、置換または非置換アリールである。特定のより具体的な態様では、R4は、以下の構造:
Figure 2023504541000060
Figure 2023504541000061
のうちの1つを有する。
特定の態様では、R4は、以下の構造:
Figure 2023504541000062
のうちの1つを有する。
いくつかの態様では、nは2であり、R4は、置換または非置換ヘテロアリールである。いくつかのより具体的な態様では、R4は、以下の構造:
Figure 2023504541000063
Figure 2023504541000064
Figure 2023504541000065
のうちの1つを有する。
いくつかの態様では、R4は、以下の構造:
Figure 2023504541000066
Figure 2023504541000067
Figure 2023504541000068
のうちの1つを有する。
特定の具体的な態様では、R4は、以下の構造:
Figure 2023504541000069
のうちの1つを有する。
いくつかの態様では、nは0であり、R4は、以下の構造:
Figure 2023504541000070
のうちの1つを有する。
いくつかの具体的な態様では、R4は、以下の構造:
Figure 2023504541000071
のうちの1つを有する。
別の態様は、以下の構造(III)を有する化合物またはその立体異性体、互変異性体、もしくは薬学的に許容される塩を提供し、
Figure 2023504541000072
式中、
Xは、直接結合、-CR2eR2f-、または-CR2eR2f-CR2gR2h-であり;
Yは、直接結合または-CR2iR2j-であり;
Zは、OまたはSであり;
R17は、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換シクロアルキル、または置換もしくは非置換ヘテロシクリルであり;
R18a、R18b、R18c、R18d、R18e、R18f、R18g、R18h、R18i、およびR18jはそれぞれ独立して、水素、ハロ、-OR21、C(=O)OR21、OC(=O)R21、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、ハロアルコキシ、シアノ、アミニルアルキル、カルボキシアルキル、NR21R22、C(=O)NR21R22、N(R21)C(=O)R22、NR21C(=O)NR22、S(O)t、SR21、ニトロ、N(R21)C(O)OR22、C(=NR21)NR22R23、N(R21)C(=NR22)NR23R24、S(O)R21、S(O)NR21R22、S(O)2R21、N(R21)S(O)2R22、S(O)2NR21R22、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクロアルキル、およびオキソからなる群より選択されるが、但し、R18a、R18b、R18c、R18d、R18e、R18f、R18g、R18h、R18i、およびR18jのうちの少なくとも1つは水素ではなく;
R19はNR19aR19bであり;
R19aおよびR19bはそれぞれ独立して、水素、アルキル、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル、アルコキシアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキル、(CH2)nC(=O)OR5、または(CH2)nP(=O)(OR5)2であるか;あるいはR19aおよびR19bは、それらが結合する窒素と一緒になって、置換されていてもよい4~7員ヘテロアリールまたは置換されていてもよい4~7員ヘテロシクリルを形成し;
R20は、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換シクロアルキル、または置換もしくは非置換ヘテロシクリルであり;
R21、R22、R23、およびR24は、各出現時には独立して、水素、アルキル、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル、アルコキシアルキル、カルボキシアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、またはシクロアルキルであり;
mは0~6の整数であり;かつ
tは1~3の整数である。
いくつかの態様では、R17は、以下の構造:
Figure 2023504541000073
のうちの1つを有する。
いくつかの態様では、R17は、以下の構造:
Figure 2023504541000074
のうちの1つを有する。
特定の態様では、R17は非置換フェニルである。いくつかのより具体的な態様では、R17は、以下の構造:
Figure 2023504541000075
Figure 2023504541000076
Figure 2023504541000077
のうちの1つを有する。
いくつかのより具体的な態様では、R17は、以下の構造:
Figure 2023504541000078
のうちの1つを有する。
いくつかの態様では、R18aおよびR18bのうちの少なくとも1つは、アルコキシ、アルコキシアルキル、シアノ、C(=O)OR21、OC(=O)R21、C(=O)NR21R22、N(R21)C(=O)R22、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、またはC(=O)N(R21)ヘテロシクリルであり、ここで、R21およびR22は、各出現時には独立して、水素またはC1~C6アルキルである。特定のより具体的な態様では、R18aおよびR18bのうちの少なくとも1つは、以下の構造:
Figure 2023504541000079
のうちの1つを有する。
いくつかの態様では、R19は、以下の構造:
Figure 2023504541000080
のうちの1つを有する。
いくつかの態様では、R20は、以下の構造:
Figure 2023504541000081
Figure 2023504541000082
Figure 2023504541000083
のうちの1つを有する。
いくつかの態様では、R20は、以下の構造:
Figure 2023504541000084
Figure 2023504541000085
Figure 2023504541000086
のうちの1つを有する。
いくつかの態様では、R20は、以下の構造:
Figure 2023504541000087
Figure 2023504541000088
Figure 2023504541000089
Figure 2023504541000090
のうちの1つを有する。
別の態様は、以下の構造(III)を有する化合物またはその立体異性体、互変異性体、もしくは薬学的に許容される塩を提供し、
Figure 2023504541000091
式中、
Xは、直接結合または-CR26cR26d-であり;
R25は、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換シクロアルキル、または置換もしくは非置換ヘテロシクリルであり;
R26a、R26b、R26c、およびR26dはそれぞれ独立して、水素、ハロ、-OR29、C(=O)OR29、OC(=O)R29、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、ハロアルコキシ、シアノ、アミニルアルキル、カルボキシアルキル、NR29R30、C(=O)NR29R30、N(R29)C(=O)R30、NR29C(=O)NR30、S(O)t、SR29、ニトロ、N(R29)C(O)OR30、C(=NR29)NR30R31、N(R29)C(=NR30)NR31R32、S(O)R29、S(O)NR29R30、S(O)2R30、N(R29)S(O)2R30、S(O)2NR29R30、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクロアルキル、およびオキソからなる群より選択されるが、但し、R26a、R26b、R26c、およびR26dのうちの少なくとも1つは、水素ではなく;
R27は、NR27aR27bであり;
R27aおよびR27bはそれぞれ独立して、水素、アルキル、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル、アルコキシアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキル、(CH2)nC(=O)OR29、または(CH2)nP(=O)(OR29)2であるか;あるいはR27aおよびR27bは、それらが結合する窒素と一緒になって、置換されていてもよい4~7員ヘテロアリールまたは置換されていてもよい4~7員ヘテロシクリルを形成し;
R28は、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換シクロアルキル、または置換もしくは非置換ヘテロシクリルであり;
R29、R30、R31、およびR32は、各出現時には独立して、水素、アルキル、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル、アルコキシアルキル、カルボキシアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、またはシクロアルキルであり;
pは0~6の整数であり;かつ
tは1~3の整数である。
いくつかの態様では、R25は、以下の構造:
Figure 2023504541000092
のうちの1つを有する。
いくつかの態様では、R25は非置換フェニルである。
いくつかのより具体的な態様では、R25は、以下の構造:
Figure 2023504541000093
Figure 2023504541000094
のうちの1つを有する。
いくつかの態様では、R25は、以下の構造:
Figure 2023504541000095
のうちの1つを有する。
いくつかの態様では、R25は、以下の構造:
Figure 2023504541000096
のうちの1つを有する。
特定の態様では、R26aおよびR26bのうちの少なくとも1つは、アルコキシ、アルコキシアルキル、シアノ、C(=O)OR29、OC(=O)R29、C(=O)NR29R30、N(R29)C(=O)R30、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、またはC(=O)N(R29)ヘテロシクリルであり、ここで、R29およびR30は、各出現時には独立して、水素またはC1~C6アルキルである。より具体的な態様では、R26aまたはR26bのうちの少なくとも1つの出現は、以下の構造:
Figure 2023504541000097
のうちの1つを有する。
特定の態様では、R27は、以下の構造:
Figure 2023504541000098
のうちの1つを有する。
いくつかの態様では、R28は、以下の構造:
Figure 2023504541000099
Figure 2023504541000100
のうちの1つを有する。
いくつかの態様では、R28は、以下の構造:
Figure 2023504541000101
Figure 2023504541000102
のうちの1つを有する。
特定の態様では、R28は、以下の構造:
Figure 2023504541000103
Figure 2023504541000104
Figure 2023504541000105
Figure 2023504541000106
のうちの1つを有する。
いくつかの態様では、構造(I)、(II)または(III)の化合物およびそれらの態様は薬学的に許容される塩などの塩の形態であってもよい。
構造(I)、(II)または(III)の化合物およびその態様はMASP-2の阻害剤としておよび治療的使用のために有用である。構造(I)、(II)または(III)の化合物およびその態様はMASP-2関連疾患および障害の処置においてならびにMASP-2関連疾患および障害を処置するための薬の製造において有用である。本開示は、治療有効量の構造(I)、(II)もしくは(III)の化合物またはその態様を、任意で塩の形態で、患者に投与する工程を含む、MASP-2関連疾患および障害を処置する方法も提供する。
いくつかの態様では、構造(I)、(II)もしくは(III)の構造またはその態様は、化合物またはその塩、例えば、薬学的に許容される塩と、少なくとも1つの薬学的に許容される担体または賦形剤とを含む薬学的組成物の形態で提供される。
特定の局面では、化合物は表1に列挙した化合物を含む実施例に記載の構造(I)、(II)または(III)の化合物(例えば、トロンビンと比べてMASP-2に選択性を有する化合物)より選択される1つまたは複数である。特定の局面では、構造(I)、(II)または(III)の化合物を規定する変数のうちの1つまたは複数は、表1に列挙した化合物を含む実施例における構造(I)、(II)または(III)の化合物における対応する置換基、好ましくは、トロンビンと比べてMASP-2に選択性を有する化合物のものより選択される。
特定の局面では、開示は立体化学的に純粋なエナンチオマーまたはジアステレオマー(例えば、1つまたは複数の立体中心を有する光学活性化合物)を記載している。具体的に示されていない場合は、1つまたは複数の立体中心を有する任意の化合物は、(+)および(-)両方の純粋なエナンチオマー、任意の他のジアステレオマー、エナンチオマーまたはジアステレオマーが濃縮された混合物(たとえば、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、85、90%、または95%のエナンチオマーまたはジアステレオマー過剰率)、およびエナンチオマーまたはジアステレオマーのラセミ混合物を含みかつ記載することを意図している。
特定の態様は、示された化学構造の薬学的に許容される塩(例えば、塩酸塩または二塩酸塩などのハロゲン化水素)を提供する。薬学的に許容される塩の例は、例えば、Burge, S. M. et al., J. Pharm. Sci 1977, 66, 1-19に記載されている。それらは塩化物、臭化物、ヨウ化物、ギ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、安息香酸塩、フタル酸塩、スルホン酸塩、アリールスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、脂肪酸塩などを含む。塩は、共役酸または塩基による析出(例えば、HClガスまたはHCl溶液による処理)を含む当業者に公知の様々な方法によって調製することができる。
特定の態様では、プロドラッグを提供する。プロドラッグは、加水分解、酸化、または還元(例えば、エステルから酸形態、カルバメートからアミノまたはヒドロキシ基;ヒドロキシアミジンからアミジン)によることが多い、生理学的条件下で生物学的に活性な形態へと変換される化合物である。例示的なプロドラッグは、例えば、Tilley, J.W., "Prodrugs of Benzamide," Prodrugs 2007, 191-222; Peterlin-Masic et al. Curr. Pharma. Design 2006, 12, 73-91に記載されている。アミジン基のためのプロドラッグはアミドキシム、O-アルキルアミドキシム、アシルアミジン、カルバメート、1,2,4-オキサジアゾリン-4-オンなどを含む。
特定の局面では、化合物はトロンビンと比べてMASP-2を選択的に阻害するために有用であり、方法は本明細書において記載される化合物を投与する工程を含む。特定の局面では、MASP-2:トロンビンの選択比は少なくとも1.1:1、1.25:1、1.5:1、1.75:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1、17:1、18:1、19:1、20:1、21:1、22:1、23:1、24:1、25:1、または30:1である。
III.合成
その塩を含む本明細書において記載される化合物は公知の有機合成技術を用いて調製することができ、下の実施例に示されるものなどの多数の可能な合成経路のうちのいずれによっても合成することができる。
本明細書において記載される化合物を調製するための反応は有機合成分野における当業者によって容易に選択することができる好適な溶媒中で行うことができる。好適な溶媒は反応が行われる温度、例えば、溶媒の凍結温度から溶媒の沸騰温度までの範囲に及び得る温度で出発物質(反応物)、中間体または生成物と実質的に非反応性であり得る。所与の反応は1つの溶媒または1つを超える溶媒の混合物中で行うことができる。特定の反応工程に応じて、特定の反応工程のための好適な溶媒は当業者によって選択することができる。
開示の化合物の調製は様々な化学基の保護および脱保護を伴い得る。保護および脱保護の必要性ならびに適切な保護基の選択は当業者によって容易に決定することができる。保護基の化学的性質は、例えば、Kocienski, Protecting Groups, (Thieme, 2007); Robertson, Protecting Group Chemistry, (Oxford University Press, 2000); Smith et al., March's Advanced Organic Chemistry: Reactions, Mechanisms, and Structure, 6th Ed. (Wiley, 2007); Peturssion et al., "Protecting Groups in Carbohydrate Chemistry," J. Chem. Educ., 1997, 74(11), 1297;およびWuts et al., Protective Groups in Organic Synthesis, 4th Ed., (Wiley, 2006)に記載されている。
反応は当技術分野で公知の任意の好適な方法に従ってモニタリングすることができる。例えば、生成物の形成は核磁気共鳴分光法(例えば、1Hまたは13C)、赤外線分光法、分光光度法(例えば、UV-可視)、質量分析などの分光学的手段によって、または高速液体クロマトグラフィー(HPLC)もしくは薄層クロマトグラフィー(TLC)などのクロマトグラフィー法によってモニタリングすることができる。
実施例で用いられる特定の合成方法は開示の化合物を調製することに関連する一般的な指針を提供している。当業者であれば有機化学の一般的な知識を用いて調製法を修正するかまたは最適化して本開示の範囲内の様々な化合物を調製できることを理解するであろう。
本明細書において合成が記載されていない出発物質、試薬および中間体は市販されているかもしくは文献において公知であるかのいずれかであるか、または当業者に公知の方法によって調製され得る。
記載されたプロセスは開示の化合物が合成され得る唯一の手段ではないこと、および開示の化合物を合成する際に採用される可能性がある合成有機反応の広範なレパートリーが利用可能であることが当業者には認識されるであろう。当業者であれば適切な合成経路をどのように選択しかつ実施すればよいかを承知しているであろう。出発物質、中間体および生成物の好適な合成方法はAdvances in Heterocyclic Chemistry, Vols. 1-107 (Elsevier, 1963-2012); Journal of Heterocyclic Chemistry, Vols. 1-49 (Journal of Heterocyclic Chemistry, 1964-2012); Carreira, et al. (Ed.) Science of Synthesis, Vols. 1-48 (2001-2010) and Knowledge Updates KU2010/1-4; 2011/1-4; 2012/1-2 (Thieme, 2001-2012); Katritzky, et al. (Ed.) Comprehensive Organic Functional Group Transformations, (Pergamon Press, 1996); Katritzky et al. (Ed.); Comprehensive Organic Functional Group Transformations II (Elsevier, 2nd Edition, 2004); Katritzky et al. (Ed.), Comprehensive Heterocyclic Chemistry (Pergamon Press, 1984); Katritzky et al., Comprehensive Heterocyclic Chemistry II (Pergamon Press, 1996); Smith et al., March's Advanced Organic Chemistry: Reactions, Mechanisms, and Structure, 6th Ed. (Wiley, 2007); Trost et al. (Ed.), Comprehensive Organic Synthesis (Pergamon Press, 1991)などの参考資料を含む文献を参照することによって特定し得る。
IV.処置方法
別の局面では、本開示は、MASP-2の小分子阻害剤を投与する工程を含む、MASP-2依存性補体関連疾患または障害などのMASP-2関連疾患または障害を患うか、または発症するリスクのある患者を処置する方法を提供する。
化合物はMASP-2の任意の小分子阻害剤であってもよい。いくつかの態様では、化合物はMASP-2のセリンプロテアーゼドメインに結合するMASP-2の小分子阻害剤であってもよい。いくつかの態様では、化合物はMASP-2の合成小分子阻害剤などの小分子阻害剤であってもよい。いくつかの態様では、化合物はMASP-2の触媒的基質結合領域に結合するMASP-2の小分子阻害剤であってもよい。いくつかの態様では、化合物はトロンビンと比べてMASP-2を選択的に阻害する。例えば、いくつかの態様では、化合物は前述の態様のいずれかに記載の構造(I)、(II)または(III)の化合物である。
米国特許第7,919,094号;米国特許第8,840,893号;米国特許第8,652,477号;米国特許第8,951,522号、米国特許第9,011,860号、米国特許第9,475,885号、米国特許第9,644,035、米国特許出願公開第2013/0344073号、2013/0266560号、2015/0166675号、2017/0137537号、2017/0166660号、2017/0189525号、2017/0267781号、2017/0283508号、2017/0253667号、2018/0105604号、および国際公開番号第2018/045054号、2019/036460号および同時係属中の米国特許出願第62/688,611号(これらはそれぞれ本出願の譲受人であるOmeros Corporationに譲渡されており、これらはそれぞれ参照により本明細書に組み入れられる)に記載されているように、MASP-2依存性補体活性化は多数の急性および慢性病態の病因に寄与するとされてきた。例えば、米国特許第8,951,522に記載されているように、自然免疫系の一部である補体系の主な機能は感染性物質から宿主を保護することであるが、補体系の不適切または過剰な活性化は、内皮の損傷や微細血管におけるフィブリンおよび血小板に富んだ血栓が臓器の損傷につながる血栓性微小血管症(aHUS、TTPおよびHUSを含むTMA)などの重大な疾患につながることがある。レクチン経路は内皮細胞のストレスまたは損傷の状況下で補体を活性化しかつMASP-2の活性化を妨害するのに大きな役割を果たし、レクチン経路は膜侵襲複合体の形成、血小板活性化、および白血球動員につながる一連の酵素反応を停止させる。米国特許第8,652,477号に記載されているように、レクチン経路の開始に加えて、MASP-2はまた凝固系を活性化することができ、プロトロンビンをトロンビンへと切断することが可能である。
したがって、いくつかの態様では、方法は、MASP-2依存性補体関連疾患または障害を患っているかまたは発症するリスクのある患者に、ある量の開示の化合物を、哺乳類対象においてMASP-2依存性補体活性化を阻害するのに十分な量で投与し、それによって該疾患または障害を処置する工程を含む。いくつかの態様では、方法は、開示の化合物を患者に投与する前に、患者がレクチン補体関連疾患または障害に罹患していることを決定する工程をさらに含み得る。
いくつかの態様では、MASP-2依存性補体関連疾患または障害は、血栓性微小血管症(TMA)、腎疾患、組織または臓器移植に起因する炎症反応、虚血再灌流傷害、糖尿病に関連する合併症、心血管疾患または障害、炎症性胃腸障害、肺障害、眼疾患または障害、播種性血管内凝固、移植片対宿主病、静脈閉塞症、びまん性肺胞出血などやそれらの組み合わせからなる群より選択される。
いくつかの態様では、MASP-2依存性補体関連疾患または障害は、血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)、難治性TTP、アップショー・シュールマン症候群(USS)、溶血性尿毒症症候群(HUS)、非典型溶血性症候群(aHUS)、H因子非依存性非典型溶血性症候群、感染に続発するaHUS、血漿療法耐性aHUS、癌に続発するTMA、化学療法に続発するTMA、移植に続発するTMA、または造血幹細胞移植に関連するTMAを含む、血栓性微小血管症(TMA)である。
いくつかの態様では、方法は、急性GVHD、慢性GVHDまたはステロイド抵抗性GVHDを含む移植片対宿主病(GVHD)を患っているかまたは発症するリスクがある患者に、ある量の開示の化合物を、哺乳類対象においてMASP-2依存性補体活性化を阻害するのに十分な量で投与し、それによって該疾患または障害を処置する工程を含む。いくつかの態様では、GVHDを患っているかまたは発症するリスクのある対象は造血幹細胞移植を以前に受けたことがあるか、受けているか、または受けることになっている。
いくつかの態様では、方法は、びまん性肺胞出血(DAH)を患っているかまたは発症するリスクがある患者に、ある量の開示の化合物を、哺乳類対象においてMASP-2依存性補体活性化を阻害するのに十分な量で投与し、それによって該疾患または障害を処置する工程を含む。いくつかの態様では、DAHを患っているかまたは発症するリスクのある対象は造血幹細胞移植を以前に受けたことがあるか、受けているか、または受けることになっている。
いくつかの態様では、方法は、静脈閉塞症(VOD)を患っているかまたは発症するリスクがある患者に、ある量の開示の化合物を、哺乳類対象においてMASP-2依存性補体活性化を阻害するのに十分な量で投与し、それによって該疾患または障害を処置する工程を含む。いくつかの態様では、VODを患っているかまたは発症するリスクのある対象は造血幹細胞移植を以前に受けたことがあるか、受けているか、または受けることになっている。
いくつかの態様では、方法は、特発性肺炎症候群(IPS)を患っているかまたは発症するリスクのある患者に、ある量の開示の化合物を、哺乳類対象においてMASP-2依存性補体活性化を阻害するのに十分な量で投与し、それによって該疾患または障害を処置する工程を含む。いくつかの態様では、IPSを患っているかまたは発症するリスクのある対象は造血幹細胞移植を以前に受けたことがあるか、受けているか、または受けることになっている。
いくつかの態様では、方法は、毛細管漏出症候群(CLS)を患っているかまたは発症するリスクがある患者に、ある量の開示の化合物を、哺乳類対象においてMASP-2依存性補体活性化を阻害するのに十分な量で投与し、それによって該疾患または障害を処置する工程を含む。いくつかの態様では、CLSを患っているかまたは発症するリスクのある対象は造血幹細胞移植を以前に受けたことがあるか、受けているか、または受けることになっている。
いくつかの態様では、方法は、生着症候群(ES)を患っているかまたは発症するリスクのある患者に、ある量の開示の化合物を、哺乳類対象においてMASP-2依存性補体活性化を阻害するのに十分な量で投与し、それによって該疾患または障害を処置する工程を含む。いくつかの態様では、ESを患っているかまたは発症するリスクのある対象は造血幹細胞移植を以前に受けたことがあるか、受けているか、または受けることになっている。
いくつかの態様では、方法は、体液過剰(FO)を患っているかまたは発症するリスクのある患者に、ある量の開示の化合物を、哺乳類対象においてMASP-2依存性補体活性化を阻害するのに十分な量で投与し、それによって該疾患または障害を処置する工程を含む。いくつかの態様では、FOを患っているかまたは発症するリスクのある対象は造血幹細胞移植を以前に受けたことがあるか、受けているか、または受けることになっている。
いくつかの態様では、方法は、上で参照した疾患または状態のいずれかを患う患者に、その全体が本明細書に組み入れられる国際出願番号第PCT/US19/34225号に開示される、ある量の化合物を投与する工程を含む。
いくつかの態様では、MASP-2依存性補体関連疾患または障害は、メサンギウム増殖性糸球体腎炎、膜性糸球体腎炎、膜性増殖性糸球体腎炎(メサンギウム毛細管性糸球体腎炎)、急性感染後糸球体腎炎(連鎖球菌後糸球体腎炎)、C3糸球体症、クリオグロブリン血症性糸球体腎炎、微量免疫型壊死性半月体形成性糸球体腎炎、ループス腎炎、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病腎炎、IgA腎症などやそれらの組み合わせを含む、腎疾患である。
いくつかの態様では、MASP-2-依存性補体関連疾患または障害は、慢性腎疾患、慢性腎不全、糸球体疾患(例えば、巣状分節性糸球体硬化症)、免疫複合体障害(例えば、IgA腎症、膜性腎症)、ループス腎炎、ネフローゼ症候群、糖尿病性腎症、尿細管間質性損傷および糸球体腎炎(例えば、C3糸球体症)、あるいは、ネフローゼ症候群、子癇前症、子癇、中毒性腎病変、アミロイドーシス、膠原血管病(例えば、全身性エリテマトーデス)、脱水、糸球体疾患(例えば、膜性糸球体腎炎、巣状分節性糸球体腎炎、C3糸球体障害、微小変化型疾患、脂質性腎症)、激しい運動、ストレス、良性起立性(体位性)タンパク尿、巣状分節性糸球体硬化症、IgA腎症(すなわち、ベルジェ病)、IgM腎症、膜性増殖性糸球体腎炎、膜性腎症、微小変化型疾患、サルコイドーシス、アルポート症候群、糖尿病(糖尿病性腎症)、薬物誘発性毒性(例えば、NSAIDS、ニコチン、ペニシラミン、炭酸リチウム、金およびその他の重金属、ACE阻害薬、抗生物質(例えば、アドリアマイシン)、オピエート(例えば、ヘロイン)、または他の腎毒素);ファブリー病、感染症(例えば、HIV、梅毒、A型、B型またはC型肝炎、連鎖球菌感染後感染、尿住血吸虫症);アミノ酸尿症、ファンコニ症候群、高血圧性腎硬化症、間質性腎炎、鎌状赤血球症、ヘモグロビン尿症、多発性骨髄腫、ミオグロビン尿症、臓器拒絶反応(例えば、腎移植拒絶反応)、エボラ出血熱、爪膝蓋骨症候群、家族性地中海熱、HELLP症候群、全身性エリテマトーデス、ウェゲナー肉芽腫症、関節リウマチ、1型糖原病、グッドパスチャー症候群、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病、腎臓に広がった尿路感染症、シェーグレン症候群および感染後糸球体腎炎を非限定的に含む、タンパク尿に関連する疾患または状態を患っているかまたは発症するリスクがある対象における腎線維症(例えば、尿細管間質性線維症)および/またはタンパク尿である。
いくつかの態様では、MASP-2依存性補体関連疾患または障害は、臓器(例えば、腎臓、心臓、肝臓、膵臓、肺、角膜など)全体または組織移植(例えば、弁、腱、骨髄など)の同種移植または異種移植を含む、組織または固形臓器移植に起因する炎症反応である。
いくつかの態様では、MASP-2依存性補体関連障害は、心筋I/R、胃腸I/R、腎I/R、および大動脈瘤修復後のI/R、心肺バイパスに関連するI/R、脳I/R、脳卒中、臓器移植、または切断されたかもしくは外傷を受けた手足または指の再接合;移植片および/または再移植片への血行再建術、ならびにショック、外科的処置後の血行動態的蘇生などやそれらの組み合わせを含む、虚血再灌流傷害(I/R)である。
いくつかの態様では、MASP-2依存性補体関連疾患または障害は、糖尿病性血管障害、糖尿病性神経障害、糖尿病性網膜症、糖尿病性黄斑浮腫などやそれらの組み合わせを含む、非肥満糖尿病(1型糖尿病またはインスリン依存性糖尿病)に関連する合併症および/または1型もしくは2型(成人発症型)糖尿病に関連する合併症である。
いくつかの態様では、MASP-2依存性補体関連疾患または障害は、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病腎炎、全身性エリテマトーデス関連血管炎、関節リウマチに関連する血管炎(悪性関節リウマチとも呼ばれる)、免疫複合体血管炎、および高安病;拡張型心筋症;糖尿病性血管障害;川崎病(動脈炎);静脈ガス塞栓(VGE);ならびにステント留置、回転式粥腫切除術、経皮経管冠動脈形成術(PTCA)後の再狭窄の阻害などやそれらの組み合わせを含む、心血管疾患または障害である。
いくつかの態様では、MASP-2依存性補体関連疾患または障害は、クローン病、潰瘍性大腸炎、過敏性腸症候群、炎症性腸疾患(IBD)を含む、膵炎、憩室炎および腸障害などやそれらの組み合わせを含む、炎症性胃腸障害である。
いくつかの態様では、MASP-2依存性補体関連疾患または障害は、急性呼吸窮迫症候群、輸血関連急性肺損傷、虚血/再灌流急性肺損傷、慢性閉塞性肺疾患、喘息、ウェゲナー肉芽腫症、抗糸球体基底膜疾患(グッドパスチャー病)、胎便吸引症候群、誤嚥性肺炎、閉塞性細気管支炎症候群、特発性肺線維症、熱傷に続発する急性肺損傷、非心原性肺水腫、輸血関連呼吸抑制、肺気腫などやそれらの組み合わせを含む、肺障害である。
いくつかの態様では、MASP-2依存性補体関連疾患または障害は体外曝露によって引き起こされる炎症反応であり、方法は体外循環手技を受けている対象を処置する工程を含む。いくつかの態様では、体外循環手技は、血液透析、血漿交換、白血球フェレーシス、体外式膜型人工肺(ECMO)、ヘパリン起因性体外式膜型人工肺LDL沈殿(HELP)、心肺バイパス(CPB)などを含む。
いくつかの態様では、MASP-2依存性補体関連疾患または障害は、炎症性または非炎症性関節炎および他の筋骨格障害、例えば、変形性関節症、関節リウマチ、若年性関節リウマチ、痛風、神経障害性関節症、乾癬性関節炎、強直性脊椎炎または他の脊椎関節症および結晶性関節症、筋ジストロフィー、全身性エリテマトーデス(SLE)などやそれらの組み合わせより選択される。
いくつかの態様では、MASP-2依存性補体関連疾患または障害は、皮膚障害;例えば、乾癬、自己免疫性水疱性皮膚病、好酸球性海綿状態、水疱性類天疱瘡、後天性表皮水疱症、アトピー性皮膚炎、妊娠性疱疹、および他の皮膚障害である。いくつかの態様では、MASP-2依存性補体関連疾患または障害は、熱傷、化学熱傷、またはそれらの組み合わせであり、それらによって引き起こされる毛細血管漏出を含む。
いくつかの態様では、MASP-2依存性補体関連疾患または障害は、多発性硬化症(MS)、重症筋無力症(MG)、ハンチントン病(HD)、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、ギラン・バレー症候群、脳卒中後の再灌流、椎間板変性症、脳外傷、パーキンソン病(PD)、アルツハイマー病(AD)、ミラー・フィッシャー症候群、脳の外傷および/または出血、外傷性脳損傷、脱髄、髄膜炎などやそれらの組み合わせを含む、末梢神経系(PNS)および/または中枢神経系(CNS)障害または傷害である。
いくつかの態様では、MASP-2依存性補体関連疾患または障害は、重症敗血症、敗血症性ショック、敗血症に起因する急性呼吸窮迫症候群、溶血性貧血、全身性炎症反応症候群、出血性ショックなどやそれらの組み合わせを含む、敗血症または敗血症に起因する状態である。
いくつかの態様では、MASP-2依存性補体関連疾患または障害は、疼痛性膀胱疾患、感覚性膀胱疾患、慢性無菌性膀胱炎および間質性膀胱炎、男性および女性不妊症、胎盤機能不全および流産、子癇前症などやそれらの組み合わせを含む、泌尿生殖器障害である。
いくつかの態様では、MASP-2依存性補体関連疾患または障害は、癌性疾患の処置を含む、化学療法および/または放射線療法で処置されている対象における炎症反応である。
いくつかの態様では、MASP-2依存性補体関連疾患または障害は、固形腫瘍、血液媒介腫瘍、高リスクカルチノイド腫瘍、腫瘍転移などやそれらの組み合わせを含む、血管新生依存性癌である。
いくつかの態様では、MASP-2依存性補体関連疾患または障害は、血管腫、聴神経腫、神経線維腫、トラコーマ、カルチノイド腫瘍、化膿性肉芽腫などやそれらの組み合わせを含む、血管新生依存性良性腫瘍である。
いくつかの態様では、MASP-2依存性補体関連疾患または障害は、下垂体からのプロラクチン、成長またはインスリン様成長因子、副腎皮質刺激ホルモンの制御放出を伴う橋本甲状腺炎、ストレス、不安、他の潜在的ホルモン障害などやそれらの組み合わせを含む、内分泌障害である。
いくつかの態様では、MASP-2依存性補体関連疾患または障害は、加齢性黄斑変性症、緑内障、眼内炎などやそれらの組み合わせを含む、眼疾患または障害である。
いくつかの態様では、MASP-2依存性補体関連疾患または障害は、加齢性黄斑変性症、ブドウ膜炎、眼黒色腫、角膜血管新生、原発性翼状片、HSV間質性角膜炎、HSV-1誘発性角膜リンパ管新生、増殖性糖尿病性網膜症、糖尿病性黄斑浮腫、未熟児網膜症、網膜静脈閉塞症、角膜移植片拒絶反応、血管新生緑内障、増殖性糖尿病性網膜症に続発する硝子体出血、視神経脊髄炎、ルベオーシスなどやそれらの組み合わせを含む、眼の血管新生疾患または状態である。
いくつかの態様では、MASP-2依存性補体関連疾患または障害は播種性血管内凝固(DIC)または他の補体媒介性凝固障害であり、敗血症、神経学的外傷(例えば、急性頭部外傷;Kumura et al, Acta Neurochirurgica 55:23-28(1987)を参照されたい)を含む重度の外傷、感染症(例えば、細菌性、ウイルス性、真菌性、寄生虫性)、癌、分娩合併症、肝疾患、重度の中毒反応(例えば、ヘビ咬傷、虫刺され、輸血反応)、ショック、熱射病、移植拒絶反応、血管瘤、肝不全、化学もしくは放射線療法による癌処置、熱傷、または偶発的な放射線曝露に続発するDICを含む。
いくつかの態様では、MASP-2依存性補体関連疾患または障害は、急性放射線症候群、デンスデポジット病、デゴス病、劇症型抗リン脂質抗体症候群(CAPS)、ベーチェット病、クリオグロブリン血症、発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)、寒冷凝集素症、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される。
いくつかの態様では、MASP-2依存性補体関連疾患または障害は、aHUS、HSCT-TMA、IgAN、ループス腎炎(LN)、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される。
いくつかの態様では、方法は、補体系のフィブリン誘発性活性化ならびに凝固および/または接触系の関連活性化に関連する疾患、障害または状態を患っているかまたは発症するリスクがある患者に、ある量の上述の態様のうちのいずれか1つに係る化合物(例えば、構造(I)、(II)または(III)の化合物)を、哺乳類対象においてMASP-2依存性補体活性化を阻害するのに十分な量で投与し、それによって疾患または障害を処置する工程を含む。いくつかの態様では、対象は、フィブリンまたは活性化された血小板によって開始される補体関連炎症、過剰な凝固または接触系の活性化に関連する疾患、障害または状態を患っているかまたは発症するリスクがある。いくつかの態様では、対象は、動脈血栓症、静脈血栓症、深部静脈血栓症、術後血栓症、冠状動脈バイパス術および/または介入的心血管手技(例えば、血管形成術またはステント留置)後の再狭窄、アテローム性動脈硬化症、プラーク破裂、プラーク不安定性、再狭窄、低血圧、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、全身性炎症反応症候群(SIRS)、播種性血管内凝固(DIC)、静脈閉塞症(VOD)、血栓性微小血管症、ループス腎炎、表在性血栓性静脈炎、第V因子ライデン変異、虚血性/再灌流傷害、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染、ホルモン補充療法(HRT)を受けていること、アルツハイマー病からなる群より選択される疾患もしくは障害を患いかつ/または過凝固状態を患う。
いくつかの態様では、対象は、以下のうちの少なくとも1つまたは複数による、後天的過凝固状態を患っているかまたは発症するリスクがある:5-FU、GM-CSF、シスプラチン、ヘパリン、COX-2阻害剤、造影剤、コルチコステロイドおよび抗精神病薬からなる群より選択される薬剤による治療法を受けていること;静脈うっ血(拘束、手術など)、抗リン脂質抗体症候群、癌(前骨髄球性白血病、肺、乳房、前立腺、膵臓、胃および結腸の腫瘍)、外傷または手術による組織損傷、中心静脈におけるカテーテルの存在、血餅形成に関与するタンパク質(例えば、タンパク質C)の後天的欠乏、発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)、ホモシステインレベルの上昇、心不全、機械弁の存在、インサイチュ血栓症を伴う肺高血圧、心房細動、ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)、ヘパリン起因性血小板減少症および血栓症(HITT)、インサイチュ血栓を伴う川崎病、インサイチュ血栓を伴う高安動脈炎、転移性癌の血栓性素因、第VIII因子レベルの上昇、妊娠、炎症性腸疾患(IBD)、あるいは、プロトロンビン20210遺伝子変異、MTHFR変異、プロテインCの欠乏、プロテインSの欠乏、プロテインAの欠乏、プロテインZの欠乏、アンチトロンビン欠乏、および血栓性素因をもたらす遺伝性疾患からなる群より選択される遺伝的異常などの、過凝固状態を引き起こすかもしくは発症するリスクを増加させる遺伝的異常。
いくつかの態様では、対象はカリクレイン阻害剤による処置に適した疾患または障害を患っているかまたは発症するリスクがある。いくつかの態様では、対象は、遺伝性血管浮腫、糖尿病性黄斑浮腫、および心肺バイパス時の出血からなる群より選択される、カリクレイン阻害剤による処置に適した疾患または障害を患っているかまたは発症するリスクがある。いくつかの態様では、対象は、動脈血栓症、静脈血栓症、肺塞栓症、心房細動、ヘパリン起因性血小板減少症、ある抗凝固剤から別のものへの変換、または、HITの重症患者における持続的腎代替療法(CRRT)の体外回路開存性(維持)のための適応外使用などの、トロンビン阻害剤による処置に適した疾患または障害を患うか、または発症するリスクがある。
いくつかの態様では、対象は心房細動を以前に経験したことがあるか、現在患っているか、または発症するリスクがあり、MASP-2阻害化合物(例えば、構造(I)、(II)または(III)の化合物)は対象における脳卒中のリスクを低減するのに十分な量で投与される。いくつかの態様では、対象は、深部静脈血栓症(一次予防および長期治療の両方)、肺塞栓症、非弁膜症性心房細動、心房細動の有無にかかわらない対象における急性冠症候群後の再発性虚血の予防、末期腎疾患、脳虚血、狭心症、または医療機器(例えば、弁、小口径グラフトなど)および/もしくは体外回路に関連する凝固を低減または予防することなどの、第XII因子阻害剤による処置に適した疾患または障害を患っているかまたは発症するリスクがある。
いくつかの態様では、対象は、非弁膜症性心房細動を以前に経験したことがあるか、現在患っているかまたは発症するリスクがあり、MASP-2阻害化合物(例えば、構造(I)、(II)または(III)の化合物)は対象における脳卒中および/または塞栓のリスクを低減するのに十分な量で投与される。いくつかの態様では、対象は、アテローム性動脈硬化症、抗リン脂質抗体、癌(例えば、前骨髄球性白血病、肺、乳房、前立腺、膵臓、胃および結腸)、高ホモシステイン血症、感染症、組織損傷、静脈うっ血(手術、整形外科的または麻痺性の拘束、心不全、妊娠、または肥満によるものなど)、ならびにエストロゲンを含有する経口避妊薬を対象が服用することからなる群より選択される疾患または障害などの、血栓塞栓症の傾向を増加させる後天的疾患または障害を有する。
いくつかの態様では、対象は抗凝固療法を必要とし、MASP-2阻害化合物(例えば、構造(I)、(II)または(III)の化合物)は標準的な抗凝固療法(例えば、ワルファリン)の代用物として用いられる。いくつかの態様では、対象は、CNSアミロイド血管症などの、標準的な抗凝固療法が通常は禁じられる状態を有する。方法のいくつかの態様では、MASP-2阻害化合物は、標準的な抗凝固療法を受ける対象では、周術期にブリッジ剤(bridging agent)として投与される。いくつかの態様では、対象は、血小板の活性化を伴う血管閉塞性障害である鎌状赤血球症を有する。
非典型溶血性尿毒症症候群(aHUS)は「血栓性微小血管症」と呼ばれる一連の状態の一部である。HUSの非典型形態(aHUS)では、疾患は補体の制御異常と関連しており、孤発性または家族性のいずれかであり得る。aHUSの家族性症例は、補体H因子、I因子、B因子、CD46膜補因子や補体H因子関連タンパク質1(CFHR1)および補体H因子関連タンパク質3(CFHR3)を含む、補体活性化または補体制御タンパク質をコードする遺伝子における変異に関連している。(Zipfel, P.F., et al., PloS Genetics 3(3):e41 (2007))。aHUSに関連するこの多様な遺伝子変異の統一的な特徴は細胞または組織表面での補体活性化を亢進する素因である。対象は、aHUSを示す少なくとも1つまたは複数の症状(例えば、貧血、血小板減少症および/または腎不全の存在)の発生時および/または対象から得られた生検における血栓性微小血管症の存在時にaHUSを発症するリスクがある。対象がaHUSを発症するリスクがあるかどうかの決定には、
対象がaHUSを発症する遺伝的素因を有するかどうかを決定することであって、(例えば、対象の遺伝子型を含むデータベースから)遺伝情報を評価すること、または、ゲノム配列決定もしくは遺伝子特異的分析(例えば、PCR分析)のいずれかを介して、対象に対して少なくとも1つの遺伝子スクリーニング試験を実施してaHUSに関連する遺伝子マーカーの有無を決定すること(すなわち、補体H因子(CFH)、I因子(CFI)、B因子(CFB)、膜補体因子CD46、C3、補体H因子関連タンパク質1(CFHR1)、またはTHBD(抗凝固タンパク質トロンボモジュリンをコードする)または補体H因子関連タンパク質3(CFHR3)、または補体H因子関連タンパク質4(CFHR4)をコードする遺伝子におけるaHUSに関連する遺伝子変異の有無を決定すること)によって実施され得る、こと、および/または
対象がaHUSの家族歴を有するかどうかを決定すること
が含まれる。aHUSと関連する遺伝子の変異の有無について遺伝子スクリーニングする方法は十分に確立されており、例えば、Noris M et al. "Atypical Hemolytic-Uremic Syndrome," 2007 Nov 16 [Updated 2011 Mar 10]. In: Pagon RA, Bird TD, Dolan CR, et al., editors. GeneReviews(tm), Seattle (WA): University of Washington, Seattleを参照されたい。
造血幹細胞移植関連TMA(HSCT-TMA)は内皮損傷によって引き起こされる、生命を脅かす合併症である。腎臓は最もよく影響を受ける臓器であるが、HSCT-TMAは肺、腸、心臓、および脳も含む多系統の疾患であり得る。軽度のTMAの発生でさえ長期の腎機能障害を伴う。同種HSCT後関連TMAの発症は、様々な診断基準および条件ならびに移植片対宿主病の予防レジメンに基づいて頻度が異なり、カルシニューリン阻害剤が最も頻繁に関与する薬剤である(Ho VT et al., Biol Blood Marrow Transplant, l l(8):571-5, 2005)。
免疫グロブリンA腎症(IgAN)は腎内炎症および腎障害をもたらす自己免疫性腎疾患である。IgANは世界で最も一般的な原発性糸球体疾患である。米国では、年間発生率は10万人あたり約2.5人であり、1400人に1人がIgANを発症すると推定されている。40%ものIgAN患者が末期腎疾患(ESRD)を発症することになる。患者は、典型的には、軽度~中等度のタンパク尿を伴う顕微鏡レベルの血尿および様々なレベルの腎不全を呈する(Wyatt R.J., et al., NEnglJ Med 36S(25):2402-4, 2013)。腎機能障害、持続性高血圧、および重症タンパク尿(1日あたり1g超)などの臨床マーカーは予後不良と関連する(Goto M et al., Nephrol Dial Transplant 24(10):3068-74, 2009; Berthoux F. et al., J Am Soc Nephrol 22(4):752-61, 2011)。タンパク尿は複数の大規模な観察研究および前向き試験では他のリスク因子とは独立した最も強力な予後因子である(Coppo R. et al., J Nephrol 18(5):503-12, 2005; Reich H. N., et al., J Am Soc Nephrol 18(12):3177-83, 2007)。処置せずに放置すると患者の15~20%が発病から10年以内にESRDに達すると推定されている(D'Amico G., Am J Kidney Dis 36(2):227-37, 2000)。IgANの診断上の特徴は、糸球体間質においてIgA沈着物が単独で、またはIgG、IgM、もしくはその両方と共に優勢なことである。
全身性エリテマトーデス(SLE)の主な合併症は、糸球体腎炎の二次的形態として分類される、ループス腎炎としても公知の腎炎である。SLEを有する成人の最大で60%で疾患の過程の後半に何らかの形態の腎臓の関与があり(Koda-Kimble et al., Koda-Kimble and Young's Applied Therapeutics: the clinical use of drugs, 10th Ed, Lippincott Williams & Wilkins: pages 792-9, 2012)、米国では10万人あたり20~70人の有病率である。ループス腎炎は、患者において、倦怠感、発熱、発疹、関節炎、漿膜炎、または中枢神経系疾患を含む活動性SLEの他の症状と共に見られることが多い(Pisetsky D.S. et al., Med Clin North Am 81(1): 113-28, 1997)。一部の患者は無症候性ループス腎炎を有するが、しかしながら、定期的な経過観察時での血清クレアチニンレベルの上昇、アルブミンレベルの低下、または尿タンパクもしくは沈渣などの検査所見の異常は活動性ループス腎炎を示唆する。
V.組成物、投与量、および投与
本明細書において記載される化合物(例えば、構造(I)、(II)または(III)の化合物)は、剤形と適合性のある様式で、かつ処置に有効または好適な量で投与することができる。投与される量は、例えば、個体の年齢、体重、身体活動、および食事、ならびに所望の効果を含む様々な要因に応じて異なる。特定の態様では、用量の大きさは特定の個体における化合物の投与に伴う任意の有害な副作用の存在、性質、および程度によっても決定され得る。
しかしながら、任意の特定の患者のための具体的な用量レベルおよび投与頻度は医師によって異なる場合があり、採用される具体的な化合物の活性、その化合物の代謝安定性および作用の長さ、年齢、体重、遺伝的特徴、全身の健康状態、性別、食事、投与の様式および時期、排泄率、薬物の組み合わせ、特定の状態の重症度、および処置を受けている宿主を含む様々な要因に応じて異なると理解されるであろう。
特定の態様では、用量は固体、半固体、または液体の形態、好ましくは正確な用量の簡単な投与に適した単位剤形の形態であってもよい。
本明細書において用いられるように、「単位剤形」という用語は、ヒトおよび他の哺乳類のための単一の投与量として好適な物理的に別個の単位を指し、各単位は、好適な薬学的賦形剤(例えば、アンプル)と関連して、所望の作用発現、忍容性、および/または効果的な作用をもたらすように計算された所定量の活性剤を含有する。さらに、より濃縮された剤形を調製してもよく、これからはより希薄な単位剤形を生成してもよい。
本明細書において記載の化合物(例えば、構造(I)、(II)または(III)の化合物)は、経口投与によるかまたは注射によるかなどの、当技術分野で公知の方法を用いて、処置を必要とする対象に投与することができる。注射は、例えば、皮下、静脈内、腹腔内、または筋肉内であってもよい。本明細書において記載されるように、非経口製剤は投与の容易さおよび投与量の均一さのために投与単位形態で調製することができる。本明細書において用いられるように、「単位剤形」という用語は、処置される対象ごとの単一剤形として適した物理的に別個の単位を指し;各単位は所望の治療効果をもたらすように計算された所定量の活性化合物を含有する。
本出願の薬学的組成物は、1つまたは複数の薬学的に許容される担体または賦形剤と共に製剤化された治療有効量の本開示の化合物((例えば、構造(I)、(II)または(III)の化合物))を含む。本明細書で用いられる場合、「薬学的に許容される担体」という用語は、任意のタイプの非毒性で不活性な固体、半固体もしくは液体の充填剤、希釈剤、カプセル化材料または製剤化助剤を意味する。この用途の薬学的組成物は経口的、直腸的、非経口的、嚢内的、膣内的、腹腔内的、局所的(粉末、軟膏、または液滴による)、頬側的に、または経口もしくは点鼻スプレーとしてヒトおよび他の動物に投与することができる。
経口投与用の液体剤形は、薬学的に許容されるエマルジョン、マイクロエマルジョン、溶液、懸濁液、シロップおよびエリキシルを含む。活性化合物に加えて、液体剤形は、例えば、水または他の溶媒、可溶化剤および乳化剤、例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油(特に、綿実油、落花生油、コーン油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油、およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール、およびソルビタンの脂肪酸エステル、ならびにそれらの混合物などの当技術分野で一般的に用いられる不活性希釈剤を含有してもよい。経口組成物は、不活性希釈剤に加えて、湿潤剤、乳化および懸濁剤、甘味料、香味料、および香料などのアジュバントも含み得る。
注射用製剤は、例えば、好適な分散剤または湿潤剤と、懸濁剤とを用いて、公知の技術に従って製剤化された滅菌注射用水性または油性懸濁液を含む。滅菌注射用製剤はまた、非毒性の非経口的に許容される希釈剤または溶媒中の滅菌注射用溶液、懸濁液またはエマルジョンであってもよい。採用され得る許容されるビヒクルおよび溶媒のなかには、水、米国薬局方リンゲル液、および等張塩化ナトリウム溶液がある。さらに、滅菌不揮発性油が溶媒または懸濁媒体として従来から採用される。この目的のために、合成のモノまたはジグリセリドを含む任意の低刺激不揮発性油を採用することができる。さらに、オレイン酸などの脂肪酸は注射剤の調製に用いられる。
薬物の効果を延長させるために、皮下または筋肉内注射からの薬物の吸収を遅らせることが望ましいことが多い。これは水溶性の低い結晶性または非晶質材料の液体懸濁液を用いて達成し得る。そして薬物の吸収速度はその溶解速度に応じて異なり、翻って、これは結晶サイズおよび結晶形に応じて異なり得る。あるいは、非経口的に投与された剤形の遅延吸収は薬物を油性ビヒクルに溶解させるかまたは懸濁させることによって達成される。
類似のタイプの固体組成物も、ラクトースすなわち乳糖や高分子量ポリエチレングリコールなどの賦形剤を用いた軟質および硬質充填ゼラチンカプセルにおける充填剤として採用してもよい。
活性化合物は、上記の1つまたは複数の賦形剤を含むマイクロカプセル化形態であることもできる。錠剤、糖衣錠、カプセル、ピル、および顆粒の固形剤形は、腸溶コーティング、放出制御コーティング、および薬学的製剤化分野で周知の他のコーティングなどのコーティングおよびシェルを用いて調製することができる。そのような固体剤形では、活性化合物はスクロース、ラクトース、またはデンプンなどの少なくとも1つの不活性希釈剤と混合されていてもよい。そのような剤形はまた、通常の慣行どおりに、不活性希釈剤以外の追加の物質、例えば、錠剤化滑剤ならびにステアリン酸マグネシウムおよび微結晶性セルロースなどの他の錠剤化助剤を含んでもよい。カプセル、錠剤、およびピルの場合、剤形はまた緩衝剤を含んでもよい。
前述の態様に開示される化合物(例えば、構造(I)、(II)または(III)の化合物)の局所または経皮投与のための剤形は軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、粉末、溶液、スプレー、吸入剤、またはパッチを含む。例えば、活性成分は薬学的に許容される担体または賦形剤および、必要に応じて、任意の必要な防腐剤または緩衝剤と無菌条件下で混合されてもよい。
経皮パッチには身体への化合物の制御された送達をもたらすという追加の利点がある。そのような剤形は化合物を適切な媒体に溶解するかまたは分注することによって作製できる。皮膚への化合物の浸透(flux)を増加させるために吸収促進剤を用いることもできる。速度制御膜を設けることによって、または化合物をポリマーマトリクスもしくはゲルに分散させることによって速度を制御することができる。
本開示の処置方法によれば、障害は、前述の態様のうちのいずれか1つに係る治療有効量の化合物を、所望の結果を達成するために必要な量および時間で対象に投与することによって、ヒトまたは他の動物などの対象において処置されるかまたは予防される。医療分野ではよく理解されているように、治療有効量の化合物は任意の医療処置に適用可能な妥当なベネフィット/リスク比で存在するであろう。
概して、化合物(例えば、構造(I)、(II)または(III)の化合物)は、単独でまたは1つもしくは複数の他の治療剤と組み合わせて、当技術分野で公知の通常かつ許容可能な様式のいずれかを介して治療有効量で投与される。治療有効量は、疾患の重症度、対象の年齢および相対的健康状態、用いられる化合物の効力、および他の要因に応じて大きく異なり得る。
概して、満足のいく結果は約0.03~2.5mg/体重1kgの1日量で全身的に得られることが示されている。より大型の哺乳類、例えば、ヒトにおける提示される1日量は約0.5mg~約250mg、約5mg~約150mg、約5mg~約100mg、約10mg~約75mg、約10mg~約50mgの範囲、例えば、10、20、30、40、または約50mgで、例えば、1日に最大で4回までの分割用量または遅延形態で簡便に投与される。経口投与のために好適な単位剤形は約1~60mgの活性成分を含む。
特定の態様では、化合物(例えば、構造(I)、(II)または(III)の化合物)の治療量または用量は約0.1mg/kg~約500mg/kg、または約1mg/kg~約50mg/kgの範囲であってもよい。概して、本出願に係る処置レジメンは、そのような処置を必要とする患者への、単回または複数回用量での1日あたり約10mg~約1000mgの化合物の投与を含む。治療量または用量は投与経路や他の薬剤との併用可能性によっても異なるであろう。
対象の状態が改善したら、必要に応じて、維持量の本出願の化合物、組成物、または組み合わせを投与してもよい。その後、症状に応じて、投与量または投与頻度、またはその両方を、改善された状態が保持されるレベルまで低減してもよく、症状が望ましいレベルまで緩和された場合には処置は終了すべきである。しかしながら、疾患症状の再発時には対象は長期にわたり断続的処置を必要とする場合がある。
しかしながら、化合物(例えば、構造(I)、(II)または(III)の化合物)およびその組成物の1日の総使用量は健全な医学的判断の範囲内で主治医によって決定されると理解されるであろう。任意の特定の患者ごとの具体的な抑制量は、処置されている障害および障害の重症度;採用された具体的な化合物の活性;採用された具体的な組成物;患者の年齢、体重、全身的な健康状態、性別および食事;採用された具体的な化合物の投与時間、投与経路、および排泄率;処置期間;採用された具体的な化合物と組み合わせるかまたは同時に用いられる薬物;医療分野で周知の同様の要因を含む様々な要因に応じて異なるであろう。
本出願は、
a) 遊離形態または薬学的に許容される塩形態の、本明細書において開示される本出願の化合物である第1剤と、
b) 少なくとも1つの助剤と
を含む、薬学的組み合わせ、例えば、キットも提供する。キットはその投与のための説明書を含み得る。
そのような剤形を調製するための方法は当業者に公知である(例えば、REMINGTON'S PHARMACEUTICAL SCIENCES, 18th ED., Mack Publishing Co., Easton, PA (1990)を参照されたい)。剤形は典型的には従来の薬学的担体または賦形剤を含み、他の薬剤、担体、アジュバント、希釈剤、組織浸透促進剤、可溶化剤などをさらに含んでもよい。適切な賦形剤は、当技術分野で周知の方法によって、特定の剤形および投与経路向けに調整することができる(例えば、REMINGTON'S PHARMACEUTICAL SCIENCES, 18th ED., Mack Publishing Co., Easton, PA (1990)を参照されたい)。
基本的方法
以下の実施例は限定としてではなく例示としてのみ提供される。当業者であれば、変更するかまたは改変しても本質的に同様の結果が得られる様々な重要性の低いパラメーターを容易に認識するであろう。
特に記載しない限り、クロマトグラフィーとはシリカゲル上で行われるフラッシュクロマトグラフィーを指す。アミンカラムはRedisep Rf Gold高性能アミンカラム上で実施されるフラッシュクロマトグラフィーを指す。
HPLC精製は、UV/MS検出器(254nmおよび280nm)とXBridge Prep(19×50mm)C18 10μM OBDカラムとを組み合わせたWaters分取逆相HPLCシステム上で実施した。溶離液は水とアセトニトリルとの混合液(0.05%トリフルオロ酢酸を含む)であった。流量は典型的には50mL/分であり、アセトニトリル中の水が8分間で5~95%になる線形勾配であった。注入量は0.2~1mLで、1回の充填あたり最大20mgであった。
略称
μ マイクロ
℃ 摂氏度
Ac アセチル
anhyd 無水
aq 水性
atm 雰囲気
Bn ベンジル
Boc tert-ブトキシカルボニル
Bu ブチル
calcd 計算値
Cbz ベンジルオキシカルボニル
CPME シクロペンチルメチルエーテル
concd 濃縮
conc 濃度
DCC N,N'-ジシクロヘキシルカルボジイミド
DIEA N,N-ジイソプロピルエチルアミン
DMAP 4-(N,N-ジメチルアミノ)ピリジン
DMF ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
EDC N-(3-ジメチルアミノプロピル)-N'-エチルカルボジイミド塩酸塩
equiv 当量
ES エレクトロスプレー
Et エチル
Et2O ジエチルエーテル
g グラム
h 時間
HATU N-[(ジメチルアミノ)-1H-1,2,3-トリアゾロ-[4,5-b]ピリジン-1-イルメチレン]-N-メチルメタンアミニウムヘキサフルオロリン酸塩N-オキシド
HBTU O-(ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N',N'-テトラメチル-O-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)ウロニウムヘキサフルオロリン酸塩
HPLC 高速液体クロマトグラフィー/高速液体クロマトグラフィー
HOBt 1-ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物
iPrOH イソプロパノール
L リットル
LiOH 水酸化リチウム
m ミリ
M モル濃度
MeCN アセトニトリル
min 分
mL ミリリットル
mol モル;分子(mol wtなどの場合)
MS 質量分析
MW 分子量
NBS N-ブロモスクシンイミド
NHS N-ヒドロキシスクシンイミド
NMM 4-メチルモルホリン
NMR 核磁気共鳴
o オルト
obsd 測定値
p パラ
Ph フェニル
ppt 析出物
Pr プロピル
psi 1平方インチあたりのポンド
temp 温度
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
実施例1
(3R,5S)-1-((R)-2-アミノ-4-フェニルブタノイル)-5-((4-カルバムイミドイルベンジル)カルバモイル)ピロリジン-3-カルボン酸メチルジトリフルオロ酢酸塩(化合物I-1)の調製
Figure 2023504541000107
工程1:ジクロロメタン(3.8mL、0.1M)中の(2S,4R)-4-シアノピロリジン-1,2-ジカルボン酸1-(tert-ブチル)2-メチル(90mg、0.38mmol、1eq.)およびN-ヒドロキシスクシンアミド(48mg、0.42mmol、1.1eq.)にDCC(93mg、0.38mmol、1.1eq.)を加えた。1時間撹拌した後、飽和重炭酸ナトリウム(3.8mL、0.1M)に懸濁した((4-(アミノメチル)フェニル)(イミノ)メチル)カルバミン酸ベンジル塩酸塩(120mg、0.38mmol、1eq.)を溶液に加えた。混合物をさらに1時間撹拌し、その後、層を分割し、有機物を0.45ミクロンのフィルターに通して濃縮した。EtOAc/ヘプタンを用いて、得られた残渣をシリカカラムで精製して、(2S,4R)-2-((4-(N-((ベンジルオキシ)カルボニル)カルバムイミドイル)ベンジル)カルバモイル)-4-シアノピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(180mg、95%)をオフホワイト色のフィルムとして得た。
Figure 2023504541000108
工程2:メタノール(1.8mL、0.2M)中の(2S,4R)-2-((4-(N-((ベンジルオキシ)カルボニル)カルバムイミドイル)ベンジル)カルバモイル)-4-シアノピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(180mg、0.36mmol、1eq.)の溶液にジオキサン中のHCl(4M、1.8mL、0.2M)を加え、LCMSによってモニタリングしつつ反応が完了するまで反応混合物を撹拌した。次いで反応混合物を真空中で濃縮して、(3R,5S)-5-((4-(N-((ベンジルオキシ)カルボニル)カルバムイミドイル)ベンジル)カルバモイル)ピロリジン-3-カルボン酸メチル塩酸塩を透明なフィルムとして得、これをさらに精製することなく次に進めた。
Figure 2023504541000109
工程3:無水N,N-ジメチルホルムアミド(7.2mL、0.05M)中の(3R,5S)-5-((4-(N-((ベンジルオキシ)カルボニル)カルバムイミドイル)ベンジル)カルバモイル)ピロリジン-3-カルボン酸メチル塩酸塩(0.36mmol、1eq.)とD-ホモフェニルアラニン(121mg、0.43mmol、1.2eq.)との溶液にDIEA(250μL、1.2mmol、4eq.)に続いてヒドロキシベンゾトリアゾール(60mg、0.43mmol、1.2eq.)および1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(83mg、0.43mmol、1.2eq.)を加えた。一晩撹拌した後、反応混合物を酢酸エチルで希釈し、次いで飽和塩化アンモニウム、続いて飽和重炭酸ナトリウム、次いで水(2回)、次いでブラインで抽出した。次いでEtOAc/ヘプタンを用いて有機層をシリカカラムで濃縮しかつ精製して、(3R,5S)-5-((4-(N-((ベンジルオキシ)カルボニル)カルバムイミドイル)ベンジル)カルバモイル)-1-((R)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-フェニルブタノイル)ピロリジン-3-カルボン酸メチル(34mg、13%)を得た。
Figure 2023504541000110
工程4:ジクロロメタン(100μL、0.2M)中の(3R,5S)-5-((4-(N-((ベンジルオキシ)カルボニル)カルバムイミドイル)ベンジル)カルバモイル)-1-((R)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-フェニルブタノイル)ピロリジン-3-カルボン酸メチル(30mg、0.04mmol、1eq.)の溶液にトリフルオロ酢酸(40μL、0.45mmol、20eq.)を加えた。3時間撹拌した後、LCMSによってモニタリングしつつ反応が完了し、反応混合物を濃縮乾固させ、無水メタノール(200μL、0.1M)に溶解し、これに10%パラジウム炭素(5mg、15wt%)を加え、反応混合物にアルゴンを10分間、続いて水素を10分間散布した。LCMSでモニタリングされる反応の完了まで反応混合物を水素のバルーン下に約30分間放置した。次いで反応混合物にアルゴンを10分間散布し、セライトでろ過した。次いでろ液を真空中で濃縮して、(3R,5S)-1-((R)-2-アミノ-4-フェニルブタノイル)-5-((4-カルバムイミドイルベンジル)カルバモイル)ピロリジン-3-カルボン酸メチルジトリフルオロ酢酸塩(27.1mg、2工程で98%)を、凍結乾燥後に、固体の白い粉末として得た。
実施例2
(2S,4S)-1-((R)-2-アミノ-4-フェニルブタノイル)-N-(4-カルバムイミドイルベンジル)-4-(メトキシメチル)ピロリジン-2-カルボキサミド二塩酸塩(化合物I-2)の調製
Figure 2023504541000111
工程4で溶媒としての無水メタノール変性イソプロパノール中でHClによりBoc基を脱保護した以外は、(2S,4S)-1-((R)-2-アミノ-4-フェニルブタノイル)-N-(4-カルバムイミドイルベンジル)-4-(メトキシメチル)ピロリジン-2-カルボキサミド二塩酸塩を実施例1の手順に従って合成した。
実施例3
(2S,4R)-1-((R)-2-アミノ-4-フェニルブタノイル)-N-(4-カルバムイミドイルベンジル)-4-フェニルピロリジン-2-カルボキサミド二塩酸塩(化合物I-3)の調製
Figure 2023504541000112
(2S,4R)-1-((R)-2-アミノ-4-フェニルブタノイル)-N-(4-カルバムイミドイルベンジル)-4-フェニルピロリジン-2-カルボキサミド二塩酸塩を実施例2の手順に従って合成した。
実施例4
((R)-1-((2S,4R)-2-((4-カルバムイミドイルベンジル)カルバモイル)-4-フェニルピロリジン-1-イル)-1-オキソ-4-フェニルブタン-2-イル)グリシン(化合物I-4)の調製
Figure 2023504541000113
工程1:無水アセトニトリル(1.1mL、0.16M)中の((4-(((2S,4R)-1-((R)-2-アミノ-4-フェニルブタノイル)-4-フェニルピロリジン-2-カルボキサミド)メチル)フェニル)(イミノ)メチル)カルバミン酸ベンジル塩酸塩(114mg、0.17mmol、1eq.)の溶液にDIEA(120μL、1.5M)に続いてブロモ酢酸ベンジル(35μL、0.22mmol、1.3eq.)を加えた。反応混合物を16時間撹拌し、この時点で追加のブロモ酢酸ベンジル(35μL、0.22mmol、1.3eq.)を加え、反応をさらに24時間撹拌した。次いで反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水で4回、次いでブラインで1回洗浄した。EtOAc/ヘプタンを用いて有機層をアミンカラムで濃縮しかつ精製して、((R)-1-((2S,4R)-2-((4-(N-((ベンジルオキシ)カルボニル)カルバムイミドイル)ベンジル)カルバモイル)-4-フェニルピロリジン-1-イル)-1-オキソ-4-フェニルブタン-2-イル)グリシン酸ベンジル(43mg、32%)を得た。
Figure 2023504541000114
工程2:無水メタノール(560μL、0.1M)中の((R)-1-((2S,4R)-2-((4-(N-((ベンジルオキシ)カルボニル)カルバムイミドイル)ベンジル)カルバモイル)-4-フェニルピロリジン-1-イル)-1-オキソ-4-フェニルブタン-2-イル)グリシン酸ベンジル(43mg、0.056mmol、1eq.)の溶液に10%パラジウム炭素(20mg、50wt%)を加え、反応混合物にアルゴンを10分間、続いて水素を10分間散布した。LCMSでモニタリングされる反応の完了まで反応混合物を水素のバルーン下に約2時間放置した。次いで反応混合物にアルゴンを10分間散布し、セライトでろ過した。次いでろ液を真空中で濃縮して、((R)-1-((2S,4R)-2-((4-カルバムイミドイルベンジル)カルバモイル)-4-フェニルピロリジン-1-イル)-1-オキソ-4-フェニルブタン-2-イル)グリシン(22.4mg、74%)を、凍結乾燥後に、固体の白い粉末として得た。
実施例5
(2S,4S)-1-((R)-2-アミノ-4-フェニルブタノイル)-N-(4-カルバムイミドイルベンジル)-4-フェニルピロリジン-2-カルボキサミド二塩酸塩(化合物I-11)の調製
Figure 2023504541000115
(2S,4S)-1-((R)-2-アミノ-4-フェニルブタノイル)-N-(4-カルバムイミドイルベンジル)-4-フェニルピロリジン-2-カルボキサミド二塩酸塩を実施例2の手順に従って合成した。
実施例6
(2S)-1-((R)-2-アミノ-4-フェニルブタノイル)-N-(4-カルバムイミドイルベンジル)-4-フェニルピロリジン-2-カルボキサミド二塩酸塩(化合物I-26およびI-27)の調製
Figure 2023504541000116
工程1:ジクロロメタン(8mL、0.25M)中の(2S,4R)-4-ヒドロキシピロリジン-1,2-ジカルボン酸ジ-tert-ブチル(500mg、1.7mmol、1eq.)およびトリエチルアミン(840μL、6mmol、3eq.)にDMAP(24mg、0.2mmol、0.1eq.)に続いて塩化トシル(460mg、2.4mmol、1.2eq.)を加えた。16時間撹拌後、混合物をジクロロメタンでさらに希釈し、1N HClで2回、続いて1N NaOHで2回、次いでブラインで洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下で濃縮し、得られた残渣をEtOAc/ヘプタンを用いてシリカカラムで精製して、(2S,4R)-4-(トシルオキシ)ピロリジン-1,2-ジカルボン酸ジ-tert-ブチル(690mg、90%)を白色の固体として得た。
Figure 2023504541000117
工程2:N,N-ジメチルホルムアミド(1mL、0.2M)中の(2S,4R)-4-(トシルオキシ)ピロリジン-1,2-ジカルボン酸ジ-tert-ブチル(100mg、0.23mmol、1eq.)と、1H-ピラゾール(30mg、0.46mmol、2eq.)と、炭酸セシウム(98mg、0.3mmol、1.5eq.)とからなる混合物を密封し、60℃まで加熱した。16時間撹拌後、混合物を酢酸エチルと飽和塩化アンモニウムとに分割した。有機層を水に続いてブラインでさらに洗浄し、次いで硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。EtOAc/ヘプタンを用いて、得られた残渣をシリカカラムで精製して、(2S)-4-(1H-ピラゾール-1-イル)ピロリジン-1,2-ジカルボン酸ジ-tert-ブチル(41.1mg、53%)を白色の固体として得た。
Figure 2023504541000118
工程3:メタノール(2.4mL、0.05M)中の(2S)-4-(1H-ピラゾール-1-イル)ピロリジン-1,2-ジカルボン酸ジ-tert-ブチル(41mg、0.12mmol、1eq.)の溶液にジオキサン中の塩酸(4N溶液、300μL、0.4mmol、20eq.)を加えた。16時間撹拌後、反応は未完結であったので、追加のジオキサン中の塩酸(4N溶液、300μL、0.4mmol、20eq.)を加え、反応混合物を40℃まで加熱した。3日後、反応混合物を真空中で濃縮し、さらに精製することなく次の工程に進めた。
Figure 2023504541000119
工程4:無水N,N-ジメチルホルムアミド(1.2mL、0.05M)中の(2S)-4-(1H-ピラゾール-1-イル)ピロリジン-2-カルボン酸メチル塩酸塩(0.12mmol、1eq.)とD-ホモフェニルアラニン(40mg、0.14mmol、1.2eq.)との溶液にDIEA(84μL、0.48mmol、4eq.)に続いてヒドロキシベンゾトリアゾール(20mg、0.14mmol、1.2eq.)および1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(28mg、0.14mmol、1.2eq.)を加えた。一晩撹拌後、反応混合物を酢酸エチルで希釈した。得られた溶液を飽和塩化アンモニウム、続いて飽和重炭酸ナトリウム、水、次いでブラインで洗浄した。有機層を濃縮し、得られた残渣を、EtOAc/ヘプタンを用いたシリカカラムで精製して、(2S)-1-((R)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-フェニルブタノイル)-4-(1H-ピラゾール-1-イル)ピロリジン-2-カルボン酸メチル(34mg、58%)を得た。
Figure 2023504541000120
工程5:(2S)-1-((R)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-フェニルブタノイル)-4-(1H-ピラゾール-1-イル)ピロリジン-2-カルボン酸メチルはTHF、H2O、およびLiOHを用い室温で撹拌して鹸化し;反応混合物を濃縮してTHFを除去し、水溶液に10%KHSO4溶液を加えた。得られたpptを真空ろ過を介して収集し、ヘキサンで洗浄した。鹸化の生成物、(2S)-1-((R)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-フェニルブタノイル)-4-(1H-ピラゾール-1-イル)ピロリジン-2-カルボン酸(0.07mmol)、((4-(アミノメチル)フェニル)(イミノ)メチル)カルバミン酸ベンジル塩酸塩(29mg、0.09mmol)にDIEA(50μL、0.28mmol)およびDMF(540μL)を加えた。反応混合物を0℃まで冷却後、HBTU(35mg、0.12mmol)を一度に加え、完了するまで反応を室温で撹拌したままにした。混合物を、EtOAc/ヘプタンを用いたシリカカラムによって濃縮および精製して、2つの粗生成物を生成し、一方を酢酸エチルに溶解し、0.1N HClで洗浄して、((4-(((2S)-1-((R)-2-アミノ-4-フェニルブタノイル)-4-(1H-ピラゾール-1-イル)ピロリジン-2-カルボキサミド)メチル)フェニル)(イミノ)メチル)カルバミン酸ベンジルの異性体(8.5mg、13%)を得た。他方の粗物質はMeOH/ジクロロメタンを用いた第2のカラムで精製して、((4-(((2S)-1-((R)-2-アミノ-4-フェニルブタノイル)-4-(1H-ピラゾール-1-イル)ピロリジン-2-カルボキサミド)メチル)フェニル)(イミノ)メチル)カルバミン酸ベンジルの別の異性体(9.8mg、15%)を得た。
Figure 2023504541000121
工程6:溶媒としての無水メタノール変性イソプロパノール中でHClによりBoc基を脱保護した以外は、実施例1の工程4を用いて((4-(((2S)-1-((R)-2-アミノ-4-フェニルブタノイル)-4-(1H-ピラゾール-1-イル)ピロリジン-2-カルボキサミド)メチル)フェニル)(イミノ)メチル)カルバミン酸ベンジルの各異性体を脱保護して表題化合物を得た。
実施例7
(2S,4S)-N-((1H-ピロロ[3,2-C]ピリジン-2-イル)メチル)-1-((R)-2-アミノ-4-フェニルブタノイル)-4-(メトキシメチル)ピロリジン-2-カルボキサミドジトリフルオロ酢酸塩(化合物I-24)の調製
Figure 2023504541000122
工程1:(2S,4S)-2-(((1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-2-イル)メチル)カルバモイル)-4-(メトキシメチル)ピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチルは実施例6の工程5の条件を用いて調製した。
Figure 2023504541000123
工程2:TFA/ジクロロメタンを用いてBoc基を脱保護し、工程4では水素化を実施しなかった以外は、実施例1の工程2~4の条件を用いて(2S,4S)-N-((1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-2-イル)メチル)-1-((R)-2-アミノ-4-フェニルブタノイル)-4-(メトキシメチル)ピロリジン-2-カルボキサミドジトリフルオロ酢酸塩を調製した。
実施例8
(2S,4S)-N-((1H-ピロロ[3,2-C]ピリジン-2-イル)メチル)-1-((R)-2-アミノ-4-フェニルブタノイル)-4-シアノピロリジン-2-カルボキサミドジトリフルオロ酢酸塩(化合物I-25)の調製
Figure 2023504541000124
水素化脱保護は必要とされず、TFA/ジクロロメタンを用いてBoc基を脱保護した以外は、実施例1の手順に従って(2S,4S)-N-((1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-2-イル)メチル)-1-((R)-2-アミノ-4-フェニルブタノイル)-4-シアノピロリジン-2-カルボキサミドジトリフルオロ酢酸塩を合成した。
実施例9
(2S,4S)-1-((R)-2-アミノ-4-フェニルブタノイル)-N-(4-カルバムイミドイルベンジル)-4-シアノピロリジン-2-カルボキサミドジトリフルオロ酢酸塩(化合物I-6)の調製
Figure 2023504541000125
TFA/ジクロロメタンを用いてBoc基を脱保護した以外は、実施例1の手順に従って(2S,4S)-1-((R)-2-アミノ-4-フェニルブタノイル)-N-(4-カルバムイミドイルベンジル)-4-シアノピロリジン-2-カルボキサミドジトリフルオロ酢酸塩を合成した。
上に記載された実施例の化合物と、上の化合物について記載されたものと類似の方法および当業者に公知の他の方法に従って調製され得る追加の化合物とを表1に列挙する。いくつかの態様では、化合物は表1中の化合物である。
(表1)例示的化合物
Figure 2023504541000126
Figure 2023504541000127
Figure 2023504541000128
Figure 2023504541000129
Figure 2023504541000130
Figure 2023504541000131
Figure 2023504541000132
実施例10
MASP-2に関する酵素アッセイ
MASP-2アッセイは、その天然基質C2の切断部位に基づく蛍光発生基質を利用する。アッセイは、20mM HEPES、pH7.4、140mM NaClおよび0.1% Tween 20を含有するアッセイバッファー中にて室温で行われる。アッセイパラメーターは、アッセイが時間、酵素、および基質濃度に比例するように調整される。これらの最適化されたアッセイ条件下では、「タイトバインディング」阻害剤のいくつかの場合を除いて、IC50値はKi値と等価になる。「タイトバインディング」または可能な「スローバインディング」阻害剤の場合は、Copeland R.A. (2013) Evaluation of Enzyme Inhibitors in Drug Discovery. 2nd Ed., John Wiley and Sons, Inc., Chapters 5-7に記載の方法によって扱われる。
MASP-2アッセイプロトコルは以下のように行われる。試験化合物をDMSOで段階的に希釈し、各希釈液100nLをアッセイプレートに移す。アッセイバッファーを10μL加え、続いてアッセイバッファー中の酵素MASP-2(CCP1-CCP2-SP)を15μL加える。次いでアッセイバッファー中の基質を15μL加え、混合して反応を開始する。室温で20分後、停止溶液(0.1M酢酸)を15μL加え、混合し、プレートをSpectraMax i3xマイクロプレートリーダーで読み取り、Excelファイルとしてエクスポートする。各アッセイプレートは「阻害剤なし」(DMSOのみ)対照、「酵素なし」対照、および参照阻害剤対照を含んでいた。%活性値 = 100*(平均試験化合物蛍光-平均「酵素なし」蛍光)/(平均「DMSOのみ」蛍光-平均「酵素なし」蛍光)。IC50およびKi値は非常に再現性が高く、±2倍以内に十分に収まる。
表1に列挙した化合物についての生物学的アッセイの結果を下の表2に列挙する。
(表2)例示的化合物ごとのMASP-2阻害
Figure 2023504541000133
MASP-2阻害Ki値:
* 10μM超のKi
** 2.5~10μMのKi
*** 0.5~2.5μMのKi
**** 0.5μM未満のKi
-- 試験せず
本明細書において記載される例および態様は例示のみを目的としていること、ならびにそれらを考慮して様々な修正または変更が当業者に示唆され、かつ本出願の精神および範疇と添付の請求項の範囲とに含まれることが理解される。本出願において引用されたすべての特許、特許出願、および刊行物を非限定的に含む各参考文献はあらゆる目的のためにその全体において参照により本明細書に組み入れられる。
本出願は2019年12月4日に出願の米国仮特許出願第62/943,629号の優先権の恩典を主張し、該出願はその全体において参照により本明細書に組み入れられる。
[本発明1001]
以下の構造(I)を有する化合物またはその立体異性体、互変異性体、もしくは薬学的に許容される塩:
Figure 2023504541000235
式中、
R 1 は、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換シクロアルキル、または置換もしくは非置換ヘテロシクリルであり;
R 2a 、R 2b 、R 2c 、R 2d 、R 2e 、R 2f 、R 2g 、R 2h 、R 2i 、およびR 2j はそれぞれ独立して、水素、ハロ、C(=O)OR 5 、OC(=O)R 5 、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、ハロアルコキシ、シアノ、アミニルアルキル、カルボキシアルキル、NR 5 R 6 、C(=O)NR 5 R 6 、N(R 5 )C(=O)R 6 、NR 5 C(=O)NR 6 、S(O) t 、SR 5 、ニトロ、N(R 5 )C(O)OR 6 、C(=NR 5 )NR 6 R 7 、N(R 5 )C(=NR 6 )NR 7 R 8 、S(O)R 5 、S(O)NR 5 R 6 、S(O) 2 R 5 、N(R 5 )S(O) 2 R 6 、S(O) 2 NR 5 R 6 、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクロアルキル、およびオキソからなる群より選択されるが、但し、R 2a 、R 2b 、R 2c 、R 2d 、R 2e 、R 2f 、R 2g 、R 2h 、R 2i 、およびR 2j のうちの少なくとも1つは、水素ではなく;
R 3 はNR 3a R 3b であり;
R 3a およびR 3b はそれぞれ独立して、水素、アルキル、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル、アルコキシアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキル、(CH 2 ) n C(=O)OR 6 、または(CH 2 ) n P(=O)(OR 6 ) 2 であるか;あるいはR 3a およびR 3b は、それらが結合する窒素と一緒になって、置換されていてもよい4~7員ヘテロアリールまたは置換されていてもよい4~7員ヘテロシクリルを形成するか;あるいはR 3a およびR 4 は、それらがそれぞれ結合する窒素および炭素と一緒になって、置換されていてもよい4~7員ヘテロシクリルを形成し、R 3b は、水素、アルキル、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル、アルコキシアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキル、(CH 2 ) n C(=O)OR 6 、または(CH 2 ) n P(=O)(OR 6 ) 2 であり;
R 4 は、nが2、3、4、5、または6である場合、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換シクロアルキル、または置換もしくは非置換ヘテロシクリルであるか;あるいはR 4 は、nが0または1である場合、置換もしくは非置換単環式ヘテロアリールまたは置換もしくは非置換ヘテロシクリルであるか;あるいはR 4 およびR 3a は、それらがそれぞれ結合する炭素および窒素と一緒になって、置換されていてもよい4~7員ヘテロシクリルを形成し;
R 5 、R 6 、R 7 、およびR 8 は、各出現時には独立して、水素、アルキル、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル、アルコキシアルキル、カルボキシアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、またはシクロアルキルであり;
Xは、直接結合、-CR 2e R 2f -、または-CR 2e R 2f -CR 2g R 2h -であり;
Yは、直接結合または-CR 2i R 2j -であり;
nは0~6の整数であり;かつ
tは0~3の整数である。
[本発明1002]
R 1 が、置換または非置換アリールである、本発明1001の化合物。
[本発明1003]
R 1 が、置換または非置換C 6 ~C 10 アリールである、本発明1001または1002の化合物。
[本発明1004]
R 1 が、置換または非置換フェニルである、本発明1001~1003のいずれかの化合物。
[本発明1005]
R 1 が、置換フェニルである、本発明1001~1004のいずれかの化合物。
[本発明1006]
R 1 が、R 1a 、R 1b 、R 1c 、R 1d 、およびR 1e のうちの1つまたは複数で置換されたフェニルであり、ここで、R 1a 、R 1b 、R 1c 、R 1d 、およびR 1e はそれぞれ独立して、C 1~6 アルキル、C 2~6 アルケニル、C 2~6 アルキニル、ハロ、C 1~6 ハロアルキル、アミニルアルキル、ヒドロキシアルキル、シアノ、ニトロ、OR 9 、SR 9 、C(O)R 9 、C(O)NR 9 R 10 、C(O)OR 9 、OC(O)R 9 、OC(O)OR 9 、OC(O)NR 9 R 10 、NR 9 R 10 、N(R 9 )C(O)R 10 、N(R 9 )C(O)NR 10 R 11 、N(R 9 )C(O)OR 10 、C(=NR 9 )NR 10 R 11 、C(=NOR 9 )NR 10 R 11 、C(=NOC(O)R 9 )NR 10 R 11 、C(=NR 9 )N(R 10 )C(O)OR 11 、N(R 9 )C(=NR 10 )NR 11 R 12 、S(O)R 9 、S(O)NR 9 R 10 、S(O) 2 R 9 、N(R 9 )S(O) 2 R 10 、S(O) 2 NR 9 R 10 、オキソ、置換または非置換C 6~10 アリール、置換または非置換C 6~10 アリールアルキル、置換または非置換C 6~10 アリールオキシ、置換または非置換C 6~10 アリールアルコキシ、置換または非置換5~10員ヘテロアリール、置換または非置換C 3~10 シクロアルキル、および置換または非置換4~10員ヘテロシクリルからなる群より選択され、
ここで、R 9 、R 10 、R 11 、およびR 12 は、各出現時には独立して、水素、C 1~6 アルキル、C 2~6 アルケニル、C 2~6 アルキニル、ヒドロキシル、C 1~6 アルコキシ、アリール、アリールアルキル、C 1~6 ハロアルキル、C 1~6 ハロアルコキシ、C 1~6 ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、およびヘテロアリールからなる群より選択される、
本発明1001~1005のいずれかの化合物。
[本発明1007]
R 1a 、R 1b 、R 1c 、R 1d 、またはR 1e が、置換C 6~10 アリール、置換C 6~10 アリールアルキル、置換C 6~10 アリールオキシ、置換C 6~10 アリールアルコキシ、置換5~10員ヘテロアリール、置換C 3~10 シクロアルキル、および置換4~10員ヘテロシクリルである場合、R 1a 、R 1b 、R 1c 、R 1d 、またはR 1e は、ハロ、CN、OR 13 、SR 13 、C(O)R 13 、C(O)NR 13 R 14 、C(O)OR 13 、OC(O)R 13 、OC(O)NR 13 R 14 、NR 13 R 14 、NR 13 C(O)R 14 、NR 13 C(O)NR 14 R 15 、NR 13 C(O)OR 14 、C(=NR 13 )NR 14 R 15 、NR 13 C(=NR 14 )NR 15 R 16 、S(O)R 13 、S(O)NR 13 R 14 、S(O) 2 R 13 、NR 13 S(O) 2 R 14 、S(O) 2 NR 13 R 14 およびオキソからなる群より選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよく、
ここで、R 13 、R 14 、R 15 、およびR 16 は、各出現時には独立して、水素、C 1~6 アルキル、C 2~6 アルケニル、C 2~6 アルキニル、ヒドロキシル、C 1~6 アルコキシ、アリール、アリールアルキル、C 1~6 ハロアルキル、C 1~6 ハロアルコキシ、C 1~6 ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、およびヘテロアリールからなる群より選択される、
本発明1006の化合物。
[本発明1008]
R 1 が、OR 9 、C(=NR 9 )NR 10 R 11 、C(=NOR 9 )NR 10 R 11 、C(=NOC(O)R 9 )NR 10 R 11 、およびC(=NR 9 )NR 10 C(O)OR 11 からなる群より選択される少なくとも1つの置換基で置換されたフェニルである、本発明1001~1007のいずれかの化合物。
[本発明1009]
R 1 が、C(=NR 9 )NR 10 R 11 、C(=NOR 9 )NR 10 R 11 、C(=NOC(O)R 9 )NR 10 R 11 、およびC(=NR 9 )NR 10 C(O)OR 11 からなる群より選択される少なくとも1つの置換基で置換されている、本発明1001~1008のいずれかの化合物。
[本発明1010]
R 1 が、少なくとも1つのC(=NR 9 )NR 10 R 11 で置換されている、本発明1009の化合物。
[本発明1011]
R 1 が、少なくとも1つの-C(=NH)NH 2 で置換されている、本発明1009または1010の化合物。
[本発明1012]
R 1 が、以下の構造:
Figure 2023504541000236
のうちの1つを有する、本発明1007~1011のいずれかの化合物。
[本発明1013]
R 1 が、以下の構造:
Figure 2023504541000237
のうちの1つを有する、本発明1001~1012のいずれかの化合物。
[本発明1014]
R 1 が、以下の構造:
Figure 2023504541000238
のうちの1つを有する、本発明1007の化合物。
[本発明1015]
R 9 が、C 1~6 アルキルまたはC 1~6 ハロアルキルである、本発明1014の化合物。
[本発明1016]
R 9 が、メチルである、本発明1015の化合物。
[本発明1017]
R 9 が、トリフルオロメチルである、本発明1015の化合物。
[本発明1018]
R 1 が、非置換フェニルである、本発明1001~1004のいずれかの化合物。
[本発明1019]
R 1 が、置換または非置換ヘテロアリールである、本発明1001の化合物。
[本発明1020]
R 1 が、置換または非置換5~10員ヘテロアリールである、本発明1001または1019の化合物。
[本発明1021]
R 1 が、置換または非置換ピリジニル、ピロロピリジニル、またはベンゾイミダゾリルである、本発明1001または1019~1020の化合物。
[本発明1022]
R 1 が、置換もしくは非置換ピリジン-3-イル、1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-イル、1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-2-イル、または1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-イルである、本発明1001または1019~1021のいずれかの化合物。
[本発明1023]
R 1 が、R 1a 、R 1b 、R 1c 、R 1d 、およびR 1e のうちの1つまたは複数で置換されたピリジン-3-イル、1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-イル、または1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-イルであり、ここで、R 1a 、R 1b 、R 1c 、R 1d 、およびR 1e はそれぞれ独立して、C 1~6 アルキル、C 2~6 アルケニル、C 2~6 アルキニル、ハロ、C 1~6 ハロアルキル、アミニルアルキル、ヒドロキシアルキル、シアノ、ニトロ、OR 9 、SR 9 、C(O)R 9 、C(O)NR 9 R 10 、C(O)OR 9 、OC(O)R 9 、OC(O)OR 9 、OC(O)NR 9 R 10 、NR 9 R 10 、N(R 9 )C(O)R 10 、N(R 9 )C(O)NR 10 R 11 、N(R 9 )C(O)OR 10 、C(=NR 9 )NR 10 R 11 、C(=NOR 9 )NR 10 R 11 、C(=NOC(O)R 9 )NR 10 R 11 、C(=NR 9 )N(R 10 )C(O)OR 11 、N(R 9 )C(=NR 10 )NR 11 R 12 、S(O)R 9 、S(O)NR 9 R 10 、S(O) 2 R 9 、N(R 9 )S(O) 2 R 10 、S(O) 2 NR 9 R 10 、オキソ、置換または非置換C 6~10 アリール、置換または非置換C 6~10 アリールアルキル、置換または非置換C 6~10 アリールオキシ、置換または非置換C 6~10 アリールアルコキシ、置換または非置換5~10員ヘテロアリール、置換または非置換C 3~10 シクロアルキル、および置換または非置換4~10員ヘテロシクリルからなる群より選択され、
ここで、R 9 、R 10 、R 11 、およびR 12 は、各出現時には独立して、水素、C 1~6 アルキル、C 2~6 アルケニル、C 2~6 アルキニル、ヒドロキシル、C 1~6 アルコキシ、アリール、アリールアルキル、C 1~6 ハロアルキル、C 1~6 ハロアルコキシ、C 1~6 ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、およびヘテロアリールからなる群より選択される、
本発明1001または1019~1022のいずれかの化合物。
[本発明1024]
R 1a 、R 1b 、R 1c 、R 1d 、またはR 1e が、置換C 6~10 アリール、置換C 6~10 アリールアルキル、置換C 6~10 アリールオキシ、置換C 6~10 アリールアルコキシ、置換5~10員ヘテロアリール、置換C 3~10 シクロアルキル、および置換4~10員ヘテロシクリルである場合、R 1a 、R 1b 、R 1c 、R 1d 、またはR 1e は、ハロ、CN、OR 13 、SR 13 、C(O)R 13 、C(O)NR 13 R 14 、C(O)OR 13 、OC(O)R 13 、OC(O)NR 13 R 14 、NR 13 R 14 、NR 13 C(O)R 14 、NR 13 C(O)NR 14 R 15 、NR 13 C(O)OR 14 、C(=NR 13 )NR 14 R 15 、NR 13 C(=NR 14 )NR 15 R 16 、S(O)R 13 、S(O)NR 13 R 14 、S(O) 2 R 13 、NR 13 S(O) 2 R 14 、S(O) 2 NR 13 R 14 およびオキソからなる群より選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよく、
ここで、R 13 、R 14 、R 15 、およびR 16 は、各出現時には独立して、水素、C 1~6 アルキル、C 2~6 アルケニル、C 2~6 アルキニル、ヒドロキシル、C 1~6 アルコキシ、アリール、アリールアルキル、C 1~6 ハロアルキル、C 1~6 ハロアルコキシ、C 1~6 ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、およびヘテロアリールからなる群より選択される、
本発明1023の化合物。
[本発明1025]
R 1 が、以下の構造:
Figure 2023504541000239
Figure 2023504541000240
Figure 2023504541000241
Figure 2023504541000242
のうちの1つを有する、本発明1001または1019~1023のいずれかの化合物。
[本発明1026]
R 1a またはR 1b が独立してC 1~6 アルキル、アミノ、C(O)R 9 、C(O)NR 9 R 10 、N(R 9 )C(O)NR 10 R 11 、N(R 9 )C(O)OR 10 、OC(O)NR 9 R 10 、またはハロである、本発明1025の化合物。
[本発明1027]
R 1a またはR 1b が、メチルまたはエチルである、本発明1026の化合物。
[本発明1028]
R 1a またはR 1b が、F、Cl、またはBrである、本発明1026の化合物。
[本発明1029]
窒素に結合したR 1a またはR 1b それぞれが、C 1~6 アルキル、C(O)R 9 、C(O)NR 9 R 10 、N(R 9 )C(O)NR 10 R 11 、N(R 9 )C(O)OR 10 、またはOC(O)NR 9 R 10 である、本発明1025の化合物。
[本発明1030]
R 1a またはR 1b が、メチルまたはエチルである、本発明1029の化合物。
[本発明1031]
R 1 が、以下の構造:
Figure 2023504541000243
のうちの1つを有する、本発明1001または1019~1020のいずれかの化合物。
[本発明1032]
R 1 が、以下の構造:
Figure 2023504541000244
のうちの1つを有する、本発明1001または1019~1020のいずれかの化合物。
[本発明1033]
R 1 が、置換または非置換シクロアルキルである、本発明1001の化合物。
[本発明1034]
R 1 が、置換または非置換C 3 ~C 6 シクロアルキルである、本発明1001または1033の化合物。
[本発明1035]
R 1 が、置換C 3 ~C 6 シクロアルキルである、本発明1001または1033~1034のいずれかの化合物。
[本発明1036]
R 1 が、R 1a 、R 1b 、R 1c 、R 1d 、およびR 1e のうちの1つまたは複数で置換されたC 3 ~C 6 シクロアルキルであり、ここで、R 1a 、R 1b 、R 1c 、R 1d 、およびR 1e はそれぞれ独立して、C 1~6 アルキル、C 2~6 アルケニル、C 2~6 アルキニル、C 1~6 ハロアルキル、アミニルアルキル、ヒドロキシアルキル、ニトロ、OR 9 、SR 9 、C(O)R 9 、C(O)NR 9 R 10 、C(O)OR 9 、OC(O)R 9 、OC(O)OR 9 、OC(O)NR 9 R 10 、NR 9 R 10 、N(R 9 )C(O)R 10 、N(R 9 )C(O)NR 10 R 11 、N(R 9 )C(O)OR 10 、C(=NR 9 )NR 10 R 11 、C(=NOR 9 )NR 10 R 11 、C(=NOC(O)R 9 )NR 10 R 11 、C(=NR 9 )N(R 10 )C(O)OR 11 、N(R 9 )C(=NR 10 )NR 11 R 12 、S(O)R 9 、S(O)NR 9 R 10 、S(O) 2 R 9 、N(R 9 )S(O) 2 R 10 、S(O) 2 NR 9 R 10 、オキソ、置換または非置換C 6~10 アリール、置換または非置換C 6~10 アリールアルキル、置換または非置換C 6~10 アリールオキシ、置換または非置換C 6~10 アリールアルコキシ、置換または非置換5~10員ヘテロアリール、置換または非置換C 3~10 シクロアルキル、および置換または非置換4~10員ヘテロシクリルからなる群より選択され、
ここで、R 9 、R 10 、R 11 、およびR 12 は、各出現時には独立して、水素、C 1~6 アルキル、C 2~6 アルケニル、C 2~6 アルキニル、ヒドロキシル、C 1~6 アルコキシ、アリール、アリールアルキル、C 1~6 ハロアルキル、C 1~6 ハロアルコキシ、C 1~6 ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、およびヘテロアリールからなる群より選択される、
本発明1035の化合物。
[本発明1037]
R 1a 、R 1b 、R 1c 、R 1d 、またはR 1e が、置換C 6~10 アリール、置換C 6~10 アリールアルキル、置換C 6~10 アリールオキシ、置換C 6~10 アリールアルコキシ、置換5~10員ヘテロアリール、置換C 3~10 シクロアルキル、および置換4~10員ヘテロシクリルである場合、R 1a 、R 1b 、R 1c 、R 1d 、またはR 1e は、ハロ、CN、OR 13 、SR 13 、C(O)R 13 、C(O)NR 13 R 14 、C(O)OR 13 、OC(O)R 13 、OC(O)NR 13 R 14 、NR 13 R 14 、NR 13 C(O)R 14 、NR 13 C(O)NR 14 R 15 、NR 13 C(O)OR 14 、C(=NR 13 )NR 14 R 15 、NR 13 C(=NR 14 )NR 15 R 16 、S(O)R 13 、S(O)NR 13 R 14 、S(O) 2 R 13 、NR 13 S(O) 2 R 14 、S(O) 2 NR 13 R 14 およびオキソからなる群より選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよく、
ここで、R 13 、R 14 、R 15 、およびR 16 は、各出現時には独立して、水素、C 1~6 アルキル、C 2~6 アルケニル、C 2~6 アルキニル、ヒドロキシル、C 1~6 アルコキシ、アリール、アリールアルキル、C 1~6 ハロアルキル、C 1~6 ハロアルコキシ、C 1~6 ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、およびヘテロアリールからなる群より選択される、
本発明1036の化合物。
[本発明1038]
R 1 が、非置換C 3 ~C 6 シクロアルキルである、本発明1034の化合物。
[本発明1039]
R 1 が、置換または非置換ヘテロシクリルである、本発明1001の化合物。
[本発明1040]
R 1 が、置換または非置換4~10員ヘテロシクリルである、本発明1001または1039の化合物。
[本発明1041]
R 1 が、置換4~10員ヘテロシクリルである、本発明1001または1039~1040のいずれかの化合物。
[本発明1042]
R 1 が、R 1a 、R 1b 、R 1c 、R 1d 、およびR 1e のうちの1つまたは複数で置換された4~10員ヘテロシクリルであり、ここで、R 1a 、R 1b 、R 1c 、R 1d 、およびR 1e はそれぞれ独立して、C 1~6 アルキル、C 2~6 アルケニル、C 2~6 アルキニル、ハロ、C 1~6 ハロアルキル、アミニルアルキル、ヒドロキシアルキル、シアノ、ニトロ、OR 9 、SR 9 、C(O)R 9 、C(O)NR 9 R 10 、C(O)OR 9 、OC(O)R 9 、OC(O)OR 9 、OC(O)NR 9 R 10 、NR 9 R 10 、N(R 9 )C(O)R 10 、N(R 9 )C(O)NR 10 R 11 、N(R 9 )C(O)OR 10 、C(=NR 9 )NR 10 R 11 、C(=NOR 9 )NR 10 R 11 、C(=NOC(O)R 9 )NR 10 R 11 、C(=NR 9 )N(R 10 )C(O)OR 11 、N(R 9 )C(=NR 10 )NR 11 R 12 、S(O)R 9 、S(O)NR 9 R 10 、S(O) 2 R 9 、N(R 9 )S(O) 2 R 10 、S(O) 2 NR 9 R 10 、オキソ、置換または非置換C 6~10 アリール、置換または非置換C 6~10 アリールアルキル、置換または非置換C 6~10 アリールオキシ、置換または非置換C 6~10 アリールアルコキシ、置換または非置換5~10員ヘテロアリール、置換または非置換C 3~10 シクロアルキル、および置換または非置換4~10員ヘテロシクリルからなる群より選択され、
ここで、R 9 、R 10 、R 11 、およびR 12 は、各出現時には独立して、水素、C 1~6 アルキル、C 2~6 アルケニル、C 2~6 アルキニル、ヒドロキシル、C 1~6 アルコキシ、アリール、アリールアルキル、C 1~6 ハロアルキル、C 1~6 ハロアルコキシ、C 1~6 ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、およびヘテロアリールからなる群より選択される、
本発明1041の化合物。
[本発明1043]
R 1a 、R 1b 、R 1c 、R 1d 、またはR 1e が、置換C 6~10 アリール、置換C 6~10 アリールアルキル、置換C 6~10 アリールオキシ、置換C 6~10 アリールアルコキシ、置換5~10員ヘテロアリール、置換C 3~10 シクロアルキル、および置換4~10員ヘテロシクリルである場合、R 1a 、R 1b 、R 1c 、R 1d 、またはR 1e は、OR 13 、SR 13 、C(O)R 13 、C(O)NR 13 R 14 、C(O)OR 13 、OC(O)R 13 、OC(O)NR 13 R 14 、NR 13 R 14 、NR 13 C(O)R 14 、NR 13 C(O)NR 14 R 15 、NR 13 C(O)OR 14 、C(=NR 13 )NR 14 R 15 、NR 13 C(=NR 14 )NR 15 R 16 、S(O)R 13 、S(O)NR 13 R 14 、S(O) 2 R 13 、NR 13 S(O) 2 R 14 、S(O) 2 NR 13 R 14 およびオキソからなる群より選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよく、
ここで、R 13 、R 14 、R 15 、およびR 16 は、各出現時には独立して、水素、C 1~6 アルキル、C 2~6 アルケニル、C 2~6 アルキニル、ヒドロキシル、C 1~6 アルコキシ、アリール、アリールアルキル、C 1~6 ハロアルキル、C 1~6 ハロアルコキシ、C 1~6 ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、およびヘテロアリールからなる群より選択される、
本発明1042の化合物。
[本発明1044]
R 1 が、非置換4~10員ヘテロシクリルである、本発明1039の化合物。
[本発明1045]
以下の構造:
Figure 2023504541000245
Figure 2023504541000246
のうちの1つを有する、本発明1001~1044のいずれかの化合物。
[本発明1046]
R 2a 、R 2b 、R 2c 、およびR 2d のうちの少なくとも1つは、アルコキシ、アルコキシアルキル、シアノ、ハロ、C(=O)OR 5 、OC(=O)R 5 、C(=O)NR 5 R 6 、N(R 5 )C(=O)R 6 、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、またはC(=O)N(R 5 )ヘテロシクリルであり、ここで、R 5 およびR 6 は、各出現時には独立して、水素またはC 1 ~C 6 アルキルである、本発明1001~1045のいずれかの化合物。
[本発明1047]
R 2a 、R 2b 、R 2c 、およびR 2d のうちの少なくとも1つがメトキシである、本発明1001~1046のいずれかの化合物。
[本発明1048]
R 2a 、R 2b 、R 2c 、およびR 2d のうちの少なくとも1つがメトキシメチルである、本発明1001~1046のいずれかの化合物。
[本発明1049]
R 2a 、R 2b 、R 2c 、およびR 2d のうちの少なくとも1つがシアノである、本発明1001~1046のいずれかの化合物。
[本発明1050]
R 2a 、R 2b 、R 2c 、およびR 2d のうちの少なくとも1つが-C(=O)OHである、本発明1001~1046のいずれかの化合物。
[本発明1051]
R 2a 、R 2b 、R 2c 、およびR 2d のうちの少なくとも1つが、-C(=O)OCH 3 または-OC(=O)CH 3 である、本発明1001~1046のいずれかの化合物。
[本発明1052]
R 2a 、R 2b 、R 2c 、およびR 2d のうちの少なくとも1つが、-C(=O)N(R') 2 または-NR'(C=O)アルキルであり、ここで、R'は、各出現時には独立して、C 1 ~C 6 アルキルである、本発明1001~1046のいずれかの化合物。
[本発明1053]
R'の各出現がメチルである、本発明1052の化合物。
[本発明1054]
R 2a 、R 2b 、R 2c 、およびR 2d のうちの少なくとも1つが-C(=O)NR''ヘテロシクリルであり、ここで、R''は、水素またはC 1 ~C 6 アルキルである、本発明1001~1046のいずれかの化合物。
[本発明1055]
R 2a 、R 2b 、R 2c 、およびR 2d のうちの少なくとも1つが、置換または非置換フェニルである、本発明1001~1046のいずれかの化合物。
[本発明1056]
R 2a 、R 2b 、R 2c 、およびR 2d のうちの少なくとも1つが、置換または非置換ヘテロシクリルである、本発明1001~1046のいずれかの化合物。
[本発明1057]
R 2a 、R 2b 、R 2c 、およびR 2d のうちの少なくとも1つが、置換または非置換ヘテロアリールである、本発明1001~1046のいずれかの化合物。
[本発明1058]
R 2a 、R 2b 、R 2c 、およびR 2d のうちの少なくとも1つが、以下の構造:
Figure 2023504541000247
のうちの1つを有する、本発明1001~1057のいずれかの化合物。
[本発明1059]
R 2a 、R 2b 、R 2c 、およびR 2d のうちの少なくとも1つが、以下の構造:
Figure 2023504541000248
のうちの1つを有する、本発明1001~1057のいずれかの化合物。
[本発明1060]
R 3 が、以下の構造:
Figure 2023504541000249
のうちの1つを有する、本発明1001~1059のいずれかの化合物。
[本発明1061]
R 3 が-NH 2 である、本発明1001~1060のいずれかの化合物。
[本発明1062]
nが0である、本発明1001~1061のいずれかの化合物。
[本発明1063]
nが1である、本発明1001~1061のいずれかの化合物。
[本発明1064]
nが2である、本発明1001~1061のいずれかの化合物。
[本発明1065]
nが、3、4、5、または6である、本発明1001~1061のいずれかの化合物。
[本発明1066]
nが2であり、R 4 が置換または非置換アリールである、本発明1001~1061のいずれかの化合物。
[本発明1067]
R 4 が、以下の構造:
Figure 2023504541000250
Figure 2023504541000251
Figure 2023504541000252
のうちの1つを有する、本発明1066の化合物。
[本発明1068]
R 4 が、以下の構造:
Figure 2023504541000253
のうちの1つを有する、本発明1066の化合物。
[本発明1069]
nが2であり、R 4 が置換または非置換ヘテロアリールである、本発明1001~1061のいずれかの化合物。
[本発明1070]
R 4 が、以下の構造:
Figure 2023504541000254
Figure 2023504541000255
のうちの1つを有する、本発明1069の化合物。
[本発明1071]
R 4 が、以下の構造:
Figure 2023504541000256
Figure 2023504541000257
Figure 2023504541000258
のうちの1つを有する、本発明1069の化合物。
[本発明1072]
R 4 が、以下の構造:
Figure 2023504541000259
のうちの1つを有する、本発明1001の化合物。
[本発明1073]
nが0であり、R 4 が、以下の構造:
Figure 2023504541000260
のうちの1つを有する、本発明1001~1061のいずれかの化合物。
[本発明1074]
R 4 が、以下の構造:
Figure 2023504541000261
のうちの1つを有する、本発明1073の化合物。
[本発明1075]
以下の構造(II)を有する化合物またはその立体異性体、互変異性体、もしくは薬学的に許容される塩:
Figure 2023504541000262
式中、
Xは、直接結合、-[C(R 2e )R 2f ]-、または-[C(R 2e )R 2f ]-[C(R 2g )R 2h ]-であり;
Yは、直接結合または-[C(R 2i )R 2j ]-であり;
R 1 は、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換シクロアルキル、または置換もしくは非置換ヘテロシクリルであり;
R 2a 、R 2b 、R 2c 、R 2d 、R 2e 、R 2f 、R 2g 、R 2h 、R 2i 、およびR 2j はそれぞれ独立して、水素、ハロ、OR 5 、C(=O)OR 5 、OC(=O)R 5 、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、ハロアルコキシ、シアノ、アミニルアルキル、カルボキシアルキル、NR 5 R 6 、C(=O)NR 5 R 6 、N(R 5 )C(=O)R 6 、NR 5 C(=O)NR 6 、S(O) t 、SR 5 、ニトロ、N(R 5 )C(O)OR 6 、C(=NR 5 )NR 6 R 7 、N(R 5 )C(=NR 6 )NR 7 R 8 、S(O)R 5 、S(O)NR 5 R 6 、S(O) 2 R 5 、N(R 5 )S(O) 2 R 6 、S(O) 2 NR 5 R 6 、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクロアルキル、およびオキソからなる群より選択されるが、但し、R 2a 、R 2b 、R 2c 、R 2d 、R 2e 、R 2f 、R 2g 、R 2h 、R 2i 、またはR 2j のうちの少なくとも1つの出現は、水素ではなく;
R 3 はNR 3a R 3b であり;
R 3a およびR 3b はそれぞれ独立して、水素、アルキル、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル、アルコキシアルキル、-CH 2 C(C=O)OH、-CH 2 C(=O)Oアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールアルキル、またはシクロアルキルであるか;あるいはR 3a およびR 3b は、それらが結合する窒素と一緒になって、置換されていてもよい4~7員ヘテロアリールまたは置換されていてもよい4~7員ヘテロシクリルを形成し;
R 4 は、nが2、3、4、5、または6である場合、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換シクロアルキル、または置換もしくは非置換ヘテロシクリルであるか;あるいはR 4 は、nが0または1である場合、置換もしくは非置換単環式ヘテロアリールまたは置換もしくは非置換ヘテロシクリルであり;
R 5 、R 6 、R 7 、およびR 8 は、各出現時には独立して、水素、アルキル、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル、アルコキシアルキル、カルボキシアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、またはシクロアルキルであり;
nは0~6の整数であり;かつ
tは0~3の整数であるが、
但し、
a) R 2a 、R 2b 、R 2c 、R 2d 、R 2e 、R 2f 、R 2g 、R 2h 、R 2i 、およびR 2j のうちの1つがOHである場合、R 1 は、以下の構造:
Figure 2023504541000263
を有さず;
b) R 2a 、R 2b 、R 2c 、R 2d 、R 2e 、R 2f 、R 2g 、およびR 2h のうちの1つが-OHである場合、nは2~6の整数であり;かつ
c) R 2a 、R 2b 、R 2c 、R 2d 、R 2e 、R 2f 、R 2g 、R 2h 、R 2i 、およびR 2j のうちの1つが非置換フェニルである場合、R 3a もR 3b も以下の構造:
Figure 2023504541000264
を有さない。
[本発明1076]
R 1 が、置換または非置換アリールである、本発明1075の化合物。
[本発明1077]
R 1 が、置換または非置換C 6 ~C 10 アリールである、本発明1075または1076の化合物。
[本発明1078]
R 1 が、置換または非置換フェニルである、本発明1075~1077のいずれかの化合物。
[本発明1079]
R 1 が置換フェニルである、本発明1075~1078のいずれかの化合物。
[本発明1080]
R 1 が、R 1a 、R 1b 、R 1c 、R 1d 、およびR 1e のうちの1つまたは複数で置換されたフェニルであり、ここで、R 1a 、R 1b 、R 1c 、R 1d 、およびR 1e はそれぞれ独立して、C 1~6 アルキル、C 2~6 アルケニル、C 2~6 アルキニル、ハロ、C 1~6 ハロアルキル、アミニルアルキル、ヒドロキシアルキル、シアノ、ニトロ、OR 9 、SR 9 、C(O)R 9 、C(O)NR 9 R 10 、C(O)OR 9 、OC(O)R 9 、OC(O)OR 9 、OC(O)NR 9 R 10 、NR 9 R 10 、N(R 9 )C(O)R 10 、N(R 9 )C(O)NR 10 R 11 、N(R 9 )C(O)OR 10 、C(=NR 9 )NR 10 R 11 、C(=NOR 9 )NR 10 R 11 、C(=NOC(O)R 9 )NR 10 R 11 、C(=NR 9 )N(R 10 )C(O)OR 11 、N(R 9 )C(=NR 10 )NR 11 R 12 、S(O)R 9 、S(O)NR 9 R 10 、S(O) 2 R 9 、N(R 9 )S(O) 2 R 10 、S(O) 2 NR 9 R 10 、オキソ、置換または非置換C 6~10 アリール、置換または非置換C 6~10 アリールアルキル、置換または非置換C 6~10 アリールオキシ、置換または非置換C 6~10 アリールアルコキシ、置換または非置換5~10員ヘテロアリール、置換または非置換C 3~10 シクロアルキル、および置換または非置換4~10員ヘテロシクリルからなる群より選択され、
ここで、R 9 、R 10 、R 11 、およびR 12 は、各出現時には独立して、水素、C 1~6 アルキル、C 2~6 アルケニル、C 2~6 アルキニル、ヒドロキシル、C 1~6 アルコキシ、アリール、アリールアルキル、C 1~6 ハロアルキル、C 1~6 ハロアルコキシ、C 1~6 ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、およびヘテロアリールからなる群より選択される、
本発明1075~1079のいずれかの化合物。
[本発明1081]
R 1a 、R 1b 、R 1c 、R 1d 、またはR 1e が、置換C 6~10 アリール、置換C 6~10 アリールアルキル、置換C 6~10 アリールオキシ、置換C 6~10 アリールアルコキシ、置換5~10員ヘテロアリール、置換C 3~10 シクロアルキル、および置換4~10員ヘテロシクリルである場合、R 1a 、R 1b 、R 1c 、R 1d 、またはR 1e は、ハロ、CN、OR 13 、SR 13 、C(O)R 13 、C(O)NR 13 R 14 、C(O)OR 13 、OC(O)R 13 、OC(O)NR 13 R 14 、NR 13 R 14 、NR 13 C(O)R 14 、NR 13 C(O)NR 14 R 15 、NR 13 C(O)OR 14 、C(=NR 13 )NR 14 R 15 、NR 13 C(=NR 14 )NR 15 R 16 、S(O)R 13 、S(O)NR 13 R 14 、S(O) 2 R 13 、NR 13 S(O) 2 R 14 、S(O) 2 NR 13 R 14 およびオキソからなる群より選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよく、
ここで、R 13 、R 14 、R 15 、およびR 16 は、各出現時には独立して、水素、C 1~6 アルキル、C 2~6 アルケニル、C 2~6 アルキニル、ヒドロキシル、C 1~6 アルコキシ、アリール、アリールアルキル、C 1~6 ハロアルキル、C 1~6 ハロアルコキシ、C 1~6 ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、およびヘテロアリールからなる群より選択される、
本発明1080の化合物。
[本発明1082]
R 1 が、OR 9 、C(=NR 9 )NR 10 R 11 、C(=NOR 9 )NR 10 R 11 、C(=NOC(O)R 9 )NR 10 R 11 、およびC(=NR 9 )NR 10 C(O)OR 11 からなる群より選択される少なくとも1つの置換基で置換されたフェニルである、本発明1075~1081のいずれかの化合物。
[本発明1083]
R 1 が、C(=NR 9 )NR 10 R 11 、C(=NOR 9 )NR 10 R 11 、C(=NOC(O)R 9 )NR 10 R 11 、およびC(=NR 9 )NR 10 C(O)OR 11 からなる群より選択される少なくとも1つの置換基で置換された、本発明1075~1082のいずれかの化合物。
[本発明1084]
R 1 が、少なくとも1つのC(=NR 9 )NR 10 R 11 で置換されている、本発明1083の化合物。
[本発明1085]
R 1 が、少なくとも1つの-C(=NH)NH 2 で置換されている、本発明1083または1084の化合物。
[本発明1086]
R 1 が、以下の構造:
Figure 2023504541000265
のうちの1つを有する、本発明1081~1085のいずれかの化合物。
[本発明1087]
R 1 が、以下の構造:
Figure 2023504541000266
のうちの1つを有する、本発明1075~1086のいずれかの化合物。
[本発明1088]
R 1 が、以下の構造:
Figure 2023504541000267
のうちの1つを有する、本発明1081の化合物。
[本発明1089]
R 9 が、C 1~6 アルキルまたはC 1~6 ハロアルキルである、本発明1088の化合物。
[本発明1090]
R 9 が、メチルである、本発明1089の化合物。
[本発明1091]
R 9 が、トリフルオロメチルである、本発明1089の化合物。
[本発明1092]
R 1 が、非置換フェニルである、本発明1075~1078のいずれかの化合物。
[本発明1093]
R 1 が、置換または非置換ヘテロアリールである、本発明1075の化合物。
[本発明1094]
R 1 が、置換または非置換5~10員ヘテロアリールである、本発明1075または1093の化合物。
[本発明1095]
R 1 が、置換または非置換ピリジニル、ピロロピリジニル、またはベンゾイミダゾリルである、本発明1075または1093~1094のいずれかの化合物。
[本発明1096]
R 1 が、置換もしくは非置換ピリジン-3-イル、1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-イル、1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-2-イル、または1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-イルである、本発明1075または1093~1095のいずれかの化合物。
[本発明1097]
R 1 が、R 1a 、R 1b 、R 1c 、R 1d 、およびR 1e のうちの1つまたは複数で置換されたピリジン-3-イル、1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-イル、または1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-イルであり、ここで、R 1a 、R 1b 、R 1c 、R 1d 、およびR 1e はそれぞれ独立して、C 1~6 アルキル、C 2~6 アルケニル、C 2~6 アルキニル、ハロ、C 1~6 ハロアルキル、アミニルアルキル、ヒドロキシアルキル、シアノ、ニトロ、OR 9 、SR 9 、C(O)R 9 、C(O)NR 9 R 10 、C(O)OR 9 、OC(O)R 9 、OC(O)OR 9 、OC(O)NR 9 R 10 、NR 9 R 10 、N(R 9 )C(O)R 10 、N(R 9 )C(O)NR 10 R 11 、N(R 9 )C(O)OR 10 、C(=NR 9 )NR 10 R 11 、C(=NOR 9 )NR 10 R 11 、C(=NOC(O)R 9 )NR 10 R 11 、C(=NR 9 )N(R 10 )C(O)OR 11 、N(R 9 )C(=NR 10 )NR 11 R 12 、S(O)R 9 、S(O)NR 9 R 10 、S(O) 2 R 9 、N(R 9 )S(O) 2 R 10 、S(O) 2 NR 9 R 10 、オキソ、置換または非置換C 6~10 アリール、置換または非置換C 6~10 アリールアルキル、置換または非置換C 6~10 アリールオキシ、置換または非置換C 6~10 アリールアルコキシ、置換または非置換5~10員ヘテロアリール、置換または非置換C 3~10 シクロアルキル、および置換または非置換4~10員ヘテロシクリルからなる群より選択され、
ここで、R 9 、R 10 、R 11 、およびR 12 は、各出現時には独立して、水素、C 1~6 アルキル、C 2~6 アルケニル、C 2~6 アルキニル、ヒドロキシル、C 1~6 アルコキシ、アリール、アリールアルキル、C 1~6 ハロアルキル、C 1~6 ハロアルコキシ、C 1~6 ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、およびヘテロアリールからなる群より選択される、
本発明1075または1093~1096のいずれかの化合物。
[本発明1098]
R 1a 、R 1b 、R 1c 、R 1d 、またはR 1e が、置換C 6~10 アリール、置換C 6~10 アリールアルキル、置換C 6~10 アリールオキシ、置換C 6~10 アリールアルコキシ、置換5~10員ヘテロアリール、置換C 3~10 シクロアルキル、および置換4~10員ヘテロシクリルである場合、R 1a 、R 1b 、R 1c 、R 1d 、またはR 1e は、ハロ、CN、OR 13 、SR 13 、C(O)R 13 、C(O)NR 13 R 14 、C(O)OR 13 、OC(O)R 13 、OC(O)NR 13 R 14 、NR 13 R 14 、NR 13 C(O)R 14 、NR 13 C(O)NR 14 R 15 、NR 13 C(O)OR 14 、C(=NR 13 )NR 14 R 15 、NR 13 C(=NR 14 )NR 15 R 16 、S(O)R 13 、S(O)NR 13 R 14 、S(O) 2 R 13 、NR 13 S(O) 2 R 14 、S(O) 2 NR 13 R 14 およびオキソからなる群より選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよく、
ここで、R 13 、R 14 、R 15 、およびR 16 は、各出現時には独立して、水素、C 1~6 アルキル、C 2~6 アルケニル、C 2~6 アルキニル、ヒドロキシル、C 1~6 アルコキシ、アリール、アリールアルキル、C 1~6 ハロアルキル、C 1~6 ハロアルコキシ、C 1~6 ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、およびヘテロアリールからなる群より選択される、
本発明1097の化合物。
[本発明1099]
R 1 が、以下の構造:
Figure 2023504541000268
Figure 2023504541000269
Figure 2023504541000270
Figure 2023504541000271
のうちの1つを有する、本発明1075または1093~1097のいずれかの化合物。
[本発明1100]
R 1a またはR 1b が、独立してC 1~6 アルキル、アミノ、C(O)R 9 、C(O)NR 9 R 10 、N(R 9 )C(O)NR 10 R 11 、N(R 9 )C(O)OR 10 、またはOC(O)NR 9 R 10 、またはハロである、本発明1099の化合物。
[本発明1101]
R 1a またはR 1b が、メチルまたはエチルである、本発明1100の化合物。
[本発明1102]
R 1a またはR 1b が、F、Cl、またはBrである、本発明1100の化合物。
[本発明1103]
窒素に結合したR 1a またはR 1b それぞれが、C 1~6 アルキル、C(O)R 9 、C(O)NR 9 R 10 、N(R 9 )C(O)NR 10 R 11 、N(R 9 )C(O)OR 10 、またはOC(O)NR 9 R 10 である、本発明1099の化合物。
[本発明1104]
R 1a またはR 1b が、メチルまたはエチルである、本発明1103の化合物。
[本発明1105]
R 1 が、以下の構造:
Figure 2023504541000272
のうちの1つを有する、本発明1075または1093~1094のいずれかの化合物。
[本発明1106]
R 1 が、以下の構造:
Figure 2023504541000273
のうちの1つを有する、本発明1075または1093~1094のいずれかの化合物。
[本発明1107]
R 1 が、置換または非置換シクロアルキルである、本発明1075の化合物。
[本発明1108]
R 1 が、置換または非置換C 3 ~C 6 シクロアルキルである、本発明1075または1107の化合物。
[本発明1109]
R 1 が、置換C 3 ~C 6 シクロアルキルである、本発明1075または1107~1108のいずれかの化合物。
[本発明1110]
R 1 が、R 1a 、R 1b 、R 1c 、R 1d 、およびR 1e のうちの1つまたは複数で置換されたC 3 ~C 6 シクロアルキルであり、ここで、R 1a 、R 1b 、R 1c 、R 1d 、およびR 1e はそれぞれ独立して、C 1~6 アルキル、C 2~6 アルケニル、C 2~6 アルキニル、C 1~6 ハロアルキル、アミニルアルキル、ヒドロキシアルキル、ニトロ、OR 9 、SR 9 、C(O)R 9 、C(O)NR 9 R 10 、C(O)OR 9 、OC(O)R 9 、OC(O)OR 9 、OC(O)NR 9 R 10 、NR 9 R 10 、N(R 9 )C(O)R 10 、N(R 9 )C(O)NR 10 R 11 、N(R 9 )C(O)OR 10 、C(=NR 9 )NR 10 R 11 、C(=NOR 9 )NR 10 R 11 、C(=NOC(O)R 9 )NR 10 R 11 、C(=NR 9 )N(R 10 )C(O)OR 11 、N(R 9 )C(=NR 10 )NR 11 R 12 、S(O)R 9 、S(O)NR 9 R 10 、S(O) 2 R 9 、N(R 9 )S(O) 2 R 10 、S(O) 2 NR 9 R 10 、オキソ、置換または非置換C 6~10 アリール、置換または非置換C 6~10 アリールアルキル、置換または非置換C 6~10 アリールオキシ、置換または非置換C 6~10 アリールアルコキシ、置換または非置換5~10員ヘテロアリール、置換または非置換C 3~10 シクロアルキル、および置換または非置換4~10員ヘテロシクリルからなる群より選択され、
ここで、R 9 、R 10 、R 11 、およびR 12 は、各出現時には独立して、水素、C 1~6 アルキル、C 2~6 アルケニル、C 2~6 アルキニル、ヒドロキシル、C 1~6 アルコキシ、アリール、アリールアルキル、C 1~6 ハロアルキル、C 1~6 ハロアルコキシ、C 1~6 ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、およびヘテロアリールからなる群より選択される、
本発明1109の化合物。
[本発明1111]
R 1a 、R 1b 、R 1c 、R 1d 、またはR 1e が、置換C 6~10 アリール、置換C 6~10 アリールアルキル、置換C 6~10 アリールオキシ、置換C 6~10 アリールアルコキシ、置換5~10員ヘテロアリール、置換C 3~10 シクロアルキル、および置換4~10員ヘテロシクリルである場合、R 1a 、R 1b 、R 1c 、R 1d 、またはR 1e は、ハロ、CN、OR 13 、SR 13 、C(O)R 13 、C(O)NR 13 R 14 、C(O)OR 13 、OC(O)R 13 、OC(O)NR 13 R 14 、NR 13 R 14 、NR 13 C(O)R 14 、NR 13 C(O)NR 14 R 15 、NR 13 C(O)OR 14 、C(=NR 13 )NR 14 R 15 、NR 13 C(=NR 14 )NR 15 R 16 、S(O)R 13 、S(O)NR 13 R 14 、S(O) 2 R 13 、NR 13 S(O) 2 R 14 、S(O) 2 NR 13 R 14 およびオキソからなる群より選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよく、
ここで、R 13 、R 14 、R 15 、およびR 16 は、各出現時には独立して、水素、C 1~6 アルキル、C 2~6 アルケニル、C 2~6 アルキニル、ヒドロキシル、C 1~6 アルコキシ、アリール、アリールアルキル、C 1~6 ハロアルキル、C 1~6 ハロアルコキシ、C 1~6 ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、およびヘテロアリールからなる群より選択される、
本発明1110の化合物。
[本発明1112]
R 1 が、非置換C 3 ~C 6 シクロアルキルである、本発明1108の化合物。
[本発明1113]
R 1 が、置換または非置換ヘテロシクリルである、本発明1075の化合物。
[本発明1114]
R 1 が、置換または非置換4~10員ヘテロシクリルである、本発明1075または1113の化合物。
[本発明1115]
R 1 が、置換4~10員ヘテロシクリルである、本発明1075または1073~1084のいずれかの化合物。
[本発明1116]
R 1 が、R 1a 、R 1b 、R 1c 、R 1d 、およびR 1e のうちの1つまたは複数で置換された4~10員ヘテロシクリルであり、ここで、R 1a 、R 1b 、R 1c 、R 1d 、およびR 1e はそれぞれ独立して、C 1~6 アルキル、C 2~6 アルケニル、C 2~6 アルキニル、ハロ、C 1~6 ハロアルキル、アミニルアルキル、ヒドロキシアルキル、シアノ、ニトロ、OR 9 、SR 9 、C(O)R 9 、C(O)NR 9 R 10 、C(O)OR 9 、OC(O)R 9 、OC(O)OR 9 、OC(O)NR 9 R 10 、NR 9 R 10 、N(R 9 )C(O)R 10 、N(R 9 )C(O)NR 10 R 11 、N(R 9 )C(O)OR 10 、C(=NR 9 )NR 10 R 11 、C(=NOR 9 )NR 10 R 11 、C(=NOC(O)R 9 )NR 10 R 11 、C(=NR 9 )N(R 10 )C(O)OR 11 、N(R 9 )C(=NR 10 )NR 11 R 12 、S(O)R 9 、S(O)NR 9 R 10 、S(O) 2 R 9 、N(R 9 )S(O) 2 R 10 、S(O) 2 NR 9 R 10 、オキソ、置換または非置換C 6~10 アリール、置換または非置換C 6~10 アリールアルキル、置換または非置換C 6~10 アリールオキシ、置換または非置換C 6~10 アリールアルコキシ、置換または非置換5~10員ヘテロアリール、置換または非置換C 3~10 シクロアルキル、および置換または非置換4~10員ヘテロシクリルからなる群より選択され、
ここで、R 9 、R 10 、R 11 、およびR 12 は、各出現時には独立して、水素、C 1~6 アルキル、C 2~6 アルケニル、C 2~6 アルキニル、ヒドロキシル、C 1~6 アルコキシ、アリール、アリールアルキル、C 1~6 ハロアルキル、C 1~6 ハロアルコキシ、C 1~6 ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、およびヘテロアリールからなる群より選択される、
本発明1115の化合物。
[本発明1117]
R 1a 、R 1b 、R 1c 、R 1d 、またはR 1e が、置換C 6~10 アリール、置換C 6~10 アリールアルキル、置換C 6~10 アリールオキシ、置換C 6~10 アリールアルコキシ、置換5~10員ヘテロアリール、置換C 3~10 シクロアルキル、および置換4~10員ヘテロシクリルである場合、R 1a 、R 1b 、R 1c 、R 1d 、またはR 1e は、OR 13 、SR 13 、C(O)R 13 、C(O)NR 13 R 14 、C(O)OR 13 、OC(O)R 13 、OC(O)NR 13 R 14 、NR 13 R 14 、NR 13 C(O)R 14 、NR 13 C(O)NR 14 R 15 、NR 13 C(O)OR 14 、C(=NR 13 )NR 14 R 15 、NR 13 C(=NR 14 )NR 15 R 16 、S(O)R 13 、S(O)NR 13 R 14 、S(O) 2 R 13 、NR 13 S(O) 2 R 14 、S(O) 2 NR 13 R 14 およびオキソからなる群より選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよく、
ここで、R 13 、R 14 、R 15 、およびR 16 は、各出現時には独立して、水素、C 1~6 アルキル、C 2~6 アルケニル、C 2~6 アルキニル、ヒドロキシル、C 1~6 アルコキシ、アリール、アリールアルキル、C 1~6 ハロアルキル、C 1~6 ハロアルコキシ、C 1~6 ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、およびヘテロアリールからなる群より選択される、
本発明1116の化合物。
[本発明1118]
R 1 が、非置換4~10員ヘテロシクリルである、本発明1113の化合物。
[本発明1119]
以下の構造:
Figure 2023504541000274
Figure 2023504541000275
のうちの1つを有する、本発明1075~1118のいずれかの化合物。
[本発明1120]
R 2a 、R 2b 、R 2c 、およびR 2d のうちの少なくとも1つはアルコキシ、アルコキシアルキル、シアノ、C(=O)OR 5 、OC(=O)R 5 、C(=O)NR 5 R 6 、N(R 5 )C(=O)R 6 、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、またはC(=O)N(R 5 )ヘテロシクリルであり、ここで、R 5 およびR 6 は、各出現時には独立して、水素またはC 1 ~C 6 アルキルである、本発明1075~1119のいずれかの化合物。
[本発明1121]
R 2a 、R 2b 、R 2c 、およびR 2d のうちの少なくとも1つがメトキシである、本発明1075~1120のいずれかの化合物。
[本発明1122]
R 2a 、R 2b 、R 2c 、およびR 2d のうちの少なくとも1つがメトキシメチルである、本発明1075~1120のいずれかの化合物。
[本発明1123]
R 2a 、R 2b 、R 2c 、およびR 2d のうちの少なくとも1つがシアノである、本発明1075~1120のいずれかの化合物。
[本発明1124]
R 2a 、R 2b 、R 2c 、およびR 2d のうちの少なくとも1つが-C(=O)OHである、本発明1075~1120のいずれかの化合物。
[本発明1125]
R 2a 、R 2b 、R 2c 、およびR 2d のうちの少なくとも1つが、-C(=O)OCH 3 または-OC(=O)CH 3 である、本発明1075~1120のいずれかの化合物。
[本発明1126]
R 2a 、R 2b 、R 2c 、およびR 2d のうちの少なくとも1つが、-C(=O)N(R') 2 または-NR'(C=O)アルキルであり、ここで、R'は、各出現時には独立して、C 1 ~C 6 アルキルである、本発明1075~1120のいずれかの化合物。
[本発明1127]
R'の各出現がメチルである、本発明1126の化合物。
[本発明1128]
R 2a 、R 2b 、R 2c 、およびR 2d のうちの少なくとも1つは、-C(=O)NR''ヘテロシクリルであり、ここで、R''は、水素またはC 1 ~C 6 アルキルである、本発明1075~1120のいずれかの化合物。
[本発明1129]
R 2a 、R 2b 、R 2c 、およびR 2d のうちの少なくとも1つが、置換または非置換フェニルである、本発明1075~1120のいずれかの化合物。
[本発明1130]
R 2a 、R 2b 、R 2c 、およびR 2d のうちの少なくとも1つが、置換または非置換ヘテロシクリルである、本発明1075~1120のいずれかの化合物。
[本発明1131]
R 2a 、R 2b 、R 2c 、およびR 2d のうちの少なくとも1つが、置換または非置換ヘテロアリールである、本発明1075~1120のいずれかの化合物。
[本発明1132]
R 2a 、R 2b 、R 2c 、およびR 2d のうちの少なくとも1つが、以下の構造:
Figure 2023504541000276
のうちの1つを有する、本発明1075~1131のいずれかの化合物。
[本発明1133]
R 2a 、R 2b 、R 2c 、およびR 2d のうちの少なくとも1つが、以下の構造:
Figure 2023504541000277
のうちの1つを有する、本発明1075~1132のいずれかの化合物。
[本発明1134]
R 3 が、以下の構造:
Figure 2023504541000278
のうちの1つを有する、本発明1075~1133のいずれかの化合物。
[本発明1135]
R 3 が-NH 2 である、本発明1075~1134のいずれかの化合物。
[本発明1136]
nが0である、本発明1075~1135のいずれかの化合物。
[本発明1137]
nが1である、本発明1075~1135のいずれかの化合物。
[本発明1138]
nが2である、本発明1075~1135のいずれかの化合物。
[本発明1139]
nが、3、4、5、または6である、本発明1075~1135のいずれかの化合物。
[本発明1140]
nが2であり、R 4 が、置換または非置換アリールである、本発明1075~1135のいずれかの化合物。
[本発明1141]
R 4 が、以下の構造:
Figure 2023504541000279
Figure 2023504541000280
Figure 2023504541000281
のうちの1つを有する、本発明1140の化合物。
[本発明1142]
R 4 が、以下の構造:
Figure 2023504541000282
のうちの1つを有する、本発明1140の化合物。
[本発明1143]
nが2であり、R 4 が、置換または非置換ヘテロアリールである、本発明1075~1135のいずれかの化合物。
[本発明1144]
R 4 が、以下の構造:
Figure 2023504541000283
Figure 2023504541000284
のうちの1つを有する、本発明1143の化合物。
[本発明1145]
R 4 が、以下の構造:
Figure 2023504541000285
Figure 2023504541000286
Figure 2023504541000287
のうちの1つを有する、本発明1143の化合物。
[本発明1146]
R 4 が、以下の構造:
Figure 2023504541000288
のうちの1つを有する、本発明1139の化合物。
[本発明1147]
nが0であり、R 4 が、以下の構造:
Figure 2023504541000289
のうちの1つを有する、本発明1075~1135のいずれかの化合物。
[本発明1148]
R 4 が、以下の構造:
Figure 2023504541000290
のうちの1つを有する、本発明1147の化合物。
[本発明1149]
表1中の構造を有する化合物またはその立体異性体、互変異性体、もしくは薬学的に許容される塩。
[本発明1150]
以下の構造(III)を有する化合物またはその立体異性体、互変異性体、もしくは薬学的に許容される塩:
Figure 2023504541000291
式中、
Xは、直接結合、-CR 2e R 2f -、または-CR 2e R 2f -CR 2g R 2h -であり;
Yは、直接結合または-CR 2i R 2j -であり;
Zは、OまたはSであり;
R 17 は、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換シクロアルキル、または置換もしくは非置換ヘテロシクリルであり;
R 18a 、R 18b 、R 18c 、R 18d 、R 18e 、R 18f 、R 18g 、R 18h 、R 18i 、およびR 18j はそれぞれ独立して、水素、ハロ、-OR 21 、C(=O)OR 21 、OC(=O)R 21 、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、ハロアルコキシ、シアノ、アミニルアルキル、カルボキシアルキル、NR 21 R 22 、C(=O)NR 21 R 22 、N(R 21 )C(=O)R 22 、NR 21 C(=O)NR 22 、S(O) t 、SR 21 、ニトロ、N(R 21 )C(O)OR 22 、C(=NR 21 )NR 22 R 23 、N(R 21 )C(=NR 22 )NR 23 R 24 、S(O)R 21 、S(O)NR 21 R 22 、S(O) 2 R 21 、N(R 21 )S(O) 2 R 22 、S(O) 2 NR 21 R 22 、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクロアルキル、およびオキソからなる群より選択されるが、但し、R 18a 、R 18b 、R 18c 、R 18d 、R 18e 、R 18f 、R 18g 、R 18h 、R 18i 、およびR 18j のうちの少なくとも1つは水素ではなく;
R 19 はNR 19a R 19b であり;
R 19a およびR 19b はそれぞれ独立して、水素、アルキル、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル、アルコキシアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキル、(CH 2 ) n C(=O)OR 5 、または(CH 2 ) n P(=O)(OR 5 ) 2 であるか;あるいはR 19a およびR 19b は、それらが結合する窒素と一緒になって、置換されていてもよい4~7員ヘテロアリールまたは置換されていてもよい4~7員ヘテロシクリルを形成し;
R 20 は、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換シクロアルキル、または置換もしくは非置換ヘテロシクリルであり;
R 21 、R 22 、R 23 、およびR 24 は、各出現時には独立して、水素、アルキル、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル、アルコキシアルキル、カルボキシアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、またはシクロアルキルであり;
mは0~6の整数であり;かつ
tは0~3の整数である。
[本発明1151]
R 17 が、以下の構造:
Figure 2023504541000292
のうちの1つを有する、本発明1150の化合物。
[本発明1152]
R 17 が非置換フェニルである、本発明1150の化合物。
[本発明1153]
R 17 が、以下の構造:
Figure 2023504541000293
Figure 2023504541000294
Figure 2023504541000295
のうちの1つを有する、本発明1150の化合物。
[本発明1154]
R 17 が、以下の構造:
Figure 2023504541000296
のうちの1つを有する、本発明1150の化合物。
[本発明1155]
R 18a またはR 18b のうちの少なくとも1つが、アルコキシ、アルコキシアルキル、シアノ、C(=O)OR 21 、OC(=O)R 21 、C(=O)NR 21 R 22 、N(R 21 )C(=O)R 22 、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、またはC(=O)N(R 21 )ヘテロシクリルであり、ここで、R 21 およびR 22 は、各出現時には独立して、水素またはC 1 ~C 6 アルキルである、本発明1150~1154のいずれかの化合物。
[本発明1156]
R 18a またはR 18b のうちの少なくとも1つが、以下の構造:
Figure 2023504541000297
のうちの1つを有する、本発明1150~1154のいずれかの化合物。
[本発明1157]
R 19 が、以下の構造:
Figure 2023504541000298
のうちの1つを有する、本発明1150~1156のいずれかの化合物。
[本発明1158]
R 20 が、以下の構造:
Figure 2023504541000299
Figure 2023504541000300
のうちの1つを有する、本発明1150~1157のいずれかの化合物。
[本発明1159]
R 20 が、以下の構造:
Figure 2023504541000301
Figure 2023504541000302
のうちの1つを有する、本発明1150~1157のいずれかの化合物。
[本発明1160]
R 20 が、以下の構造:
Figure 2023504541000303
Figure 2023504541000304
Figure 2023504541000305
のうちの1つを有する、本発明1150~1157のいずれかの化合物。
[本発明1161]
以下の構造(III)を有する化合物またはその立体異性体、互変異性体、もしくは薬学的に許容される塩:
Figure 2023504541000306
式中、
Xは、直接結合または-CR 26c R 26d -であり;
R 25 は、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換シクロアルキル、または置換もしくは非置換ヘテロシクリルであり;
R 26a 、R 26b 、R 26c 、およびR 26d はそれぞれ独立して、水素、ハロ、-OR 29 、C(=O)OR 29 、OC(=O)R 29 、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、ハロアルコキシ、シアノ、アミニルアルキル、カルボキシアルキル、NR 29 R 30 、C(=O)NR 29 R 30 、N(R 29 )C(=O)R 30 、NR 29 C(=O)NR 30 、S(O) t 、SR 29 、ニトロ、N(R 29 )C(O)OR 30 、C(=NR 29 )NR 30 R 31 、N(R 29 )C(=NR 30 )NR 31 R 32 、S(O)R 29 、S(O)NR 29 R 30 、S(O) 2 R 30 、N(R 29 )S(O) 2 R 30 、S(O) 2 NR 29 R 30 、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクロアルキル、およびオキソからなる群より選択されるが、但し、R 26a 、R 26b 、R 26c 、およびR 26d のうちの少なくとも1つは水素ではなく;
R 27 はNR 27a R 27b であり;
R 27a およびR 27b はそれぞれ独立して、水素、アルキル、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル、アルコキシアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキル、(CH 2 ) n C(=O)OR 29 、または(CH 2 ) n P(=O)(OR 29 ) 2 であるか;あるいはR 27a およびR 27b は、それらが結合する窒素と一緒になって、置換されていてもよい4~7員ヘテロアリールまたは置換されていてもよい4~7員ヘテロシクリルを形成し;
R 28 は、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換シクロアルキル、または置換もしくは非置換ヘテロシクリルであり;
R 29 、R 30 、R 31 、およびR 32 は、各出現時には独立して、水素、アルキル、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル、アルコキシアルキル、カルボキシアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、またはシクロアルキルであり;
pは0~6の整数であり;かつ
tは0~3の整数である。
[本発明1162]
R 25 が、以下の構造:
Figure 2023504541000307
のうちの1つを有する、本発明1161の化合物。
[本発明1163]
R 25 が非置換フェニルである、本発明1161の化合物。
[本発明1164]
R 25 が、以下の構造:
Figure 2023504541000308
Figure 2023504541000309
Figure 2023504541000310
のうちの1つを有する、本発明1161の化合物。
[本発明1165]
R 25 が、以下の構造:
Figure 2023504541000311
のうちの1つを有する、本発明1161の化合物。
[本発明1166]
R 26a およびR 26b のうちの少なくとも1つが、アルコキシ、アルコキシアルキル、シアノ、C(=O)OR 29 、OC(=O)R 29 、C(=O)NR 29 R 30 、N(R 29 )C(=O)R 30 、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、またはC(=O)N(R 29 )ヘテロシクリルであり、ここで、R 29 およびR 30 は、各出現時には独立して、水素またはC 1 ~C 6 アルキルである、本発明1161~1165のいずれかの化合物。
[本発明1167]
R 26a およびR 26b のうちの少なくとも1つが、以下の構造:
Figure 2023504541000312
のうちの1つを有する、本発明1161~1165のいずれかの化合物。
[本発明1168]
R 27 が、以下の構造:
Figure 2023504541000313
のうちの1つを有する、本発明1161~1167のいずれかの化合物。
[本発明1169]
R 28 が、以下の構造:
Figure 2023504541000314
Figure 2023504541000315
Figure 2023504541000316
のうちの1つを有する、本発明1161~1168のいずれかの化合物。
[本発明1170]
R 28 が、以下の構造:
Figure 2023504541000317
Figure 2023504541000318
のうちの1つを有する、本発明1161~1168のいずれかの化合物。
[本発明1171]
R 28 が、以下の構造:
Figure 2023504541000319
Figure 2023504541000320
Figure 2023504541000321
のうちの1つを有する、本発明1161~1168のいずれかの化合物。
[本発明1172]
本発明1001~1171のいずれかの化合物またはその薬学的に許容される塩と薬学的に許容される担体または賦形剤とを含む、薬学的組成物。
[本発明1173]
その必要がある対象におけるMASP-2関連疾患または障害を処置するための方法であって、有効量の本発明1001~1171のいずれかの化合物または本発明1172の薬学的組成物を対象に投与する工程を含む、前記方法。
[本発明1174]
対象においてMASP-2依存性補体活性化を阻害するのに十分な量で前記化合物が投与される、本発明1173の方法。
[本発明1175]
対象が、レクチン補体関連疾患または障害のための処置が必要であると診断されている、本発明1173の方法。
[本発明1176]
疾患または障害が、血栓性微小血管症(TMA)、腎疾患、組織または臓器移植に起因する炎症反応、虚血再灌流傷害、糖尿病に関連する合併症、心血管疾患または障害、炎症性胃腸障害、肺障害、眼疾患または障害、播種性血管内凝固、移植片対宿主病、静脈閉塞症、びまん性肺胞出血、特発性肺炎症候群、毛細血管漏出症候群、生着症候群、体液過剰、またはそれらの組み合わせである、本発明1173の方法。
[本発明1177]
疾患または障害が、血栓性微小血管症(TMA)血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)、難治性TTP、アップショー・シュールマン症候群(USS)、溶血性尿毒症症候群(HUS)、非典型溶血性尿毒症症候群(aHUS)、H因子非依存性非典型溶血性尿毒症症候群、感染に続発するaHUS、血漿療法耐性aHUS、癌に続発するTMA、化学療法に続発するTMA、移植に続発するTMA、造血幹細胞移植に関連するTMA、またはそれらの組み合わせである、本発明1173の方法。
[本発明1178]
疾患または障害が、移植片対宿主病である、本発明1173の方法。
[本発明1179]
疾患または障害が、びまん性肺胞出血(DAH)である、本発明1173の方法。
[本発明1180]
疾患または障害が、静脈閉塞症(VOD)である、本発明1173の方法。
[本発明1181]
疾患または障害が、腎疾患である、本発明1173の方法。
[本発明1182]
腎疾患が、メサンギウム増殖性糸球体腎炎、膜性糸球体腎炎、膜性増殖性糸球体腎炎(メサンギウム毛細管性糸球体腎炎)、急性感染後糸球体腎炎(連鎖球菌感染後糸球体腎炎)、C3糸球体症、クリオグロブリン血症性糸球体腎炎、微量免疫型壊死性半月体形成性糸球体腎炎、ループス腎炎、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病腎炎、IgA腎症、またはそれらの組み合わせである、本発明1173の方法。
[本発明1183]
疾患または障害が、腎線維症、タンパク尿、またはそれらの組み合わせである、本発明1173の方法。
[本発明1184]
疾患または障害が、組織または固形臓器の移植に起因する炎症反応である、本発明1173の方法。
[本発明1185]
疾患または障害が、虚血再灌流傷害(I/R)である、本発明1173の方法。
[本発明1186]
疾患または障害が、非肥満糖尿病に関連する合併症、1型糖尿病、2型(成人発症型)糖尿病に関連する合併症、またはそれらの組み合わせである、本発明1173の方法。
[本発明1187]
疾患または障害が、心血管疾患または障害である、本発明1173の方法。
[本発明1188]
疾患または障害が、炎症性胃腸障害である、本発明1173の方法。
[本発明1189]
疾患または障害が、肺障害である、本発明1173の方法。
[本発明1190]
疾患または障害が、体外曝露誘発性炎症反応である、本発明1173の方法。
[本発明1191]
体外循環手技を受けている対象を処置する工程をさらに含む、本発明1190の方法。
[本発明1192]
疾患または障害が、炎症性関節炎、非炎症性関節炎、筋骨格障害、またはそれらの組み合わせである、本発明1173の方法。
[本発明1193]
疾患または障害が、皮膚障害である、本発明1173の方法。
[本発明1194]
疾患または障害が、末梢神経系(PNS)障害もしくは損傷、中枢神経系(CNS)障害もしくは損傷、またはそれらの組み合わせである、本発明1173の方法。
[本発明1195]
疾患または障害が、敗血症または敗血症に起因する状態である、本発明1173の方法。
[本発明1196]
疾患または障害が、泌尿生殖器障害である、本発明1173の方法。
[本発明1197]
疾患または障害が、化学療法剤、放射線療法、またはそれらの組み合わせで処置されている対象における炎症反応である、本発明1173の方法。
[本発明1198]
疾患または障害が、血管新生依存性の癌である、本発明1173の方法。
[本発明1199]
疾患または障害が、血管新生依存性の良性腫瘍である、本発明1173の方法。
[本発明1200]
疾患または障害が、内分泌障害である、本発明1173の方法。
[本発明1201]
疾患または障害が、眼疾患または障害である、本発明1173の方法。
[本発明1202]
疾患または障害が、眼の血管新生疾患または状態である、本発明1173の方法。
[本発明1203]
疾患または障害が、播種性血管内凝固(DIC)、補体仲介性凝固障害、またはそれらの組み合わせである、本発明1173の方法。
[本発明1204]
疾患または障害が、急性放射線症候群、デンスデポジット病、デゴス病、劇症型抗リン脂質抗体症候群(CAPS)、ベーチェット病、クリオグロブリン血症;発作性夜間ヘモグロビン尿症(「PNH」)、寒冷凝集素症、またはそれらの組み合わせである、本発明1173の方法。
[本発明1205]
疾患または障害が、非典型溶血性尿毒症症候群(aHUS)である、本発明1173の方法。
[本発明1206]
疾患または障害が、造血幹細胞移植関連TMAである、本発明1173の方法。
[本発明1207]
疾患または障害が、免疫グロブリンA腎症(IgAN)である、本発明1173の方法。
[本発明1208]
疾患または障害が、ループス腎炎(LN)である、本発明1173の方法。
これらおよび他の局面、目的および態様は以下の詳細な説明および図面を読めばより明確になるであろう。

Claims (208)

  1. 以下の構造(I)を有する化合物またはその立体異性体、互変異性体、もしくは薬学的に許容される塩:
    Figure 2023504541000134
    式中、
    R1は、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換シクロアルキル、または置換もしくは非置換ヘテロシクリルであり;
    R2a、R2b、R2c、R2d、R2e、R2f、R2g、R2h、R2i、およびR2jはそれぞれ独立して、水素、ハロ、C(=O)OR5、OC(=O)R5、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、ハロアルコキシ、シアノ、アミニルアルキル、カルボキシアルキル、NR5R6、C(=O)NR5R6、N(R5)C(=O)R6、NR5C(=O)NR6、S(O)t、SR5、ニトロ、N(R5)C(O)OR6、C(=NR5)NR6R7、N(R5)C(=NR6)NR7R8、S(O)R5、S(O)NR5R6、S(O)2R5、N(R5)S(O)2R6、S(O)2NR5R6、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクロアルキル、およびオキソからなる群より選択されるが、但し、R2a、R2b、R2c、R2d、R2e、R2f、R2g、R2h、R2i、およびR2jのうちの少なくとも1つは、水素ではなく;
    R3はNR3aR3bであり;
    R3aおよびR3bはそれぞれ独立して、水素、アルキル、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル、アルコキシアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキル、(CH2)nC(=O)OR6、または(CH2)nP(=O)(OR6)2であるか;あるいはR3aおよびR3bは、それらが結合する窒素と一緒になって、置換されていてもよい4~7員ヘテロアリールまたは置換されていてもよい4~7員ヘテロシクリルを形成するか;あるいはR3aおよびR4は、それらがそれぞれ結合する窒素および炭素と一緒になって、置換されていてもよい4~7員ヘテロシクリルを形成し、R3bは、水素、アルキル、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル、アルコキシアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキル、(CH2)nC(=O)OR6、または(CH2)nP(=O)(OR6)2であり;
    R4は、nが2、3、4、5、または6である場合、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換シクロアルキル、または置換もしくは非置換ヘテロシクリルであるか;あるいはR4は、nが0または1である場合、置換もしくは非置換単環式ヘテロアリールまたは置換もしくは非置換ヘテロシクリルであるか;あるいはR4およびR3aは、それらがそれぞれ結合する炭素および窒素と一緒になって、置換されていてもよい4~7員ヘテロシクリルを形成し;
    R5、R6、R7、およびR8は、各出現時には独立して、水素、アルキル、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル、アルコキシアルキル、カルボキシアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、またはシクロアルキルであり;
    Xは、直接結合、-CR2eR2f-、または-CR2eR2f-CR2gR2h-であり;
    Yは、直接結合または-CR2iR2j-であり;
    nは0~6の整数であり;かつ
    tは0~3の整数である。
  2. R1が、置換または非置換アリールである、請求項1記載の化合物。
  3. R1が、置換または非置換C6~C10アリールである、請求項1または2記載の化合物。
  4. R1が、置換または非置換フェニルである、請求項1~3のいずれか一項記載の化合物。
  5. R1が、置換フェニルである、請求項1~4のいずれか一項記載の化合物。
  6. R1が、R1a、R1b、R1c、R1d、およびR1eのうちの1つまたは複数で置換されたフェニルであり、ここで、R1a、R1b、R1c、R1d、およびR1eはそれぞれ独立して、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、ハロ、C1~6ハロアルキル、アミニルアルキル、ヒドロキシアルキル、シアノ、ニトロ、OR9、SR9、C(O)R9、C(O)NR9R10、C(O)OR9、OC(O)R9、OC(O)OR9、OC(O)NR9R10、NR9R10、N(R9)C(O)R10、N(R9)C(O)NR10R11、N(R9)C(O)OR10、C(=NR9)NR10R11、C(=NOR9)NR10R11、C(=NOC(O)R9)NR10R11、C(=NR9)N(R10)C(O)OR11、N(R9)C(=NR10)NR11R12、S(O)R9、S(O)NR9R10、S(O)2R9、N(R9)S(O)2R10、S(O)2NR9R10、オキソ、置換または非置換C6~10アリール、置換または非置換C6~10アリールアルキル、置換または非置換C6~10アリールオキシ、置換または非置換C6~10アリールアルコキシ、置換または非置換5~10員ヘテロアリール、置換または非置換C3~10シクロアルキル、および置換または非置換4~10員ヘテロシクリルからなる群より選択され、
    ここで、R9、R10、R11、およびR12は、各出現時には独立して、水素、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、ヒドロキシル、C1~6アルコキシ、アリール、アリールアルキル、C1~6ハロアルキル、C1~6ハロアルコキシ、C1~6ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、およびヘテロアリールからなる群より選択される、
    請求項1~5のいずれか一項記載の化合物。
  7. R1a、R1b、R1c、R1d、またはR1eが、置換C6~10アリール、置換C6~10アリールアルキル、置換C6~10アリールオキシ、置換C6~10アリールアルコキシ、置換5~10員ヘテロアリール、置換C3~10シクロアルキル、および置換4~10員ヘテロシクリルである場合、R1a、R1b、R1c、R1d、またはR1eは、ハロ、CN、OR13、SR13、C(O)R13、C(O)NR13R14、C(O)OR13、OC(O)R13、OC(O)NR13R14、NR13R14、NR13C(O)R14、NR13C(O)NR14R15、NR13C(O)OR14、C(=NR13)NR14R15、NR13C(=NR14)NR15R16、S(O)R13、S(O)NR13R14、S(O)2R13、NR13S(O)2R14、S(O)2NR13R14およびオキソからなる群より選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよく、
    ここで、R13、R14、R15、およびR16は、各出現時には独立して、水素、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、ヒドロキシル、C1~6アルコキシ、アリール、アリールアルキル、C1~6ハロアルキル、C1~6ハロアルコキシ、C1~6ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、およびヘテロアリールからなる群より選択される、
    請求項6記載の化合物。
  8. R1が、OR9、C(=NR9)NR10R11、C(=NOR9)NR10R11、C(=NOC(O)R9)NR10R11、およびC(=NR9)NR10C(O)OR11からなる群より選択される少なくとも1つの置換基で置換されたフェニルである、請求項1~7のいずれか一項記載の化合物。
  9. R1が、C(=NR9)NR10R11、C(=NOR9)NR10R11、C(=NOC(O)R9)NR10R11、およびC(=NR9)NR10C(O)OR11からなる群より選択される少なくとも1つの置換基で置換されている、請求項1~8のいずれか一項記載の化合物。
  10. R1が、少なくとも1つのC(=NR9)NR10R11で置換されている、請求項9記載の化合物。
  11. R1が、少なくとも1つの-C(=NH)NH2で置換されている、請求項9または10記載の化合物。
  12. R1が、以下の構造:
    Figure 2023504541000135
    のうちの1つを有する、請求項7~11のいずれか一項記載の化合物。
  13. R1が、以下の構造:
    Figure 2023504541000136
    のうちの1つを有する、請求項1~12のいずれか一項記載の化合物。
  14. R1が、以下の構造:
    Figure 2023504541000137
    のうちの1つを有する、請求項7記載の化合物。
  15. R9が、C1~6アルキルまたはC1~6ハロアルキルである、請求項14記載の化合物。
  16. R9が、メチルである、請求項15記載の化合物。
  17. R9が、トリフルオロメチルである、請求項15記載の化合物。
  18. R1が、非置換フェニルである、請求項1~4のいずれか一項記載の化合物。
  19. R1が、置換または非置換ヘテロアリールである、請求項1記載の化合物。
  20. R1が、置換または非置換5~10員ヘテロアリールである、請求項1または19記載の化合物。
  21. R1が、置換または非置換ピリジニル、ピロロピリジニル、またはベンゾイミダゾリルである、請求項1または19~20記載の化合物。
  22. R1が、置換もしくは非置換ピリジン-3-イル、1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-イル、1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-2-イル、または1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-イルである、請求項1または19~21のいずれか一項記載の化合物。
  23. R1が、R1a、R1b、R1c、R1d、およびR1eのうちの1つまたは複数で置換されたピリジン-3-イル、1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-イル、または1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-イルであり、ここで、R1a、R1b、R1c、R1d、およびR1eはそれぞれ独立して、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、ハロ、C1~6ハロアルキル、アミニルアルキル、ヒドロキシアルキル、シアノ、ニトロ、OR9、SR9、C(O)R9、C(O)NR9R10、C(O)OR9、OC(O)R9、OC(O)OR9、OC(O)NR9R10、NR9R10、N(R9)C(O)R10、N(R9)C(O)NR10R11、N(R9)C(O)OR10、C(=NR9)NR10R11、C(=NOR9)NR10R11、C(=NOC(O)R9)NR10R11、C(=NR9)N(R10)C(O)OR11、N(R9)C(=NR10)NR11R12、S(O)R9、S(O)NR9R10、S(O)2R9、N(R9)S(O)2R10、S(O)2NR9R10、オキソ、置換または非置換C6~10アリール、置換または非置換C6~10アリールアルキル、置換または非置換C6~10アリールオキシ、置換または非置換C6~10アリールアルコキシ、置換または非置換5~10員ヘテロアリール、置換または非置換C3~10シクロアルキル、および置換または非置換4~10員ヘテロシクリルからなる群より選択され、
    ここで、R9、R10、R11、およびR12は、各出現時には独立して、水素、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、ヒドロキシル、C1~6アルコキシ、アリール、アリールアルキル、C1~6ハロアルキル、C1~6ハロアルコキシ、C1~6ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、およびヘテロアリールからなる群より選択される、
    請求項1または19~22のいずれか一項記載の化合物。
  24. R1a、R1b、R1c、R1d、またはR1eが、置換C6~10アリール、置換C6~10アリールアルキル、置換C6~10アリールオキシ、置換C6~10アリールアルコキシ、置換5~10員ヘテロアリール、置換C3~10シクロアルキル、および置換4~10員ヘテロシクリルである場合、R1a、R1b、R1c、R1d、またはR1eは、ハロ、CN、OR13、SR13、C(O)R13、C(O)NR13R14、C(O)OR13、OC(O)R13、OC(O)NR13R14、NR13R14、NR13C(O)R14、NR13C(O)NR14R15、NR13C(O)OR14、C(=NR13)NR14R15、NR13C(=NR14)NR15R16、S(O)R13、S(O)NR13R14、S(O)2R13、NR13S(O)2R14、S(O)2NR13R14およびオキソからなる群より選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよく、
    ここで、R13、R14、R15、およびR16は、各出現時には独立して、水素、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、ヒドロキシル、C1~6アルコキシ、アリール、アリールアルキル、C1~6ハロアルキル、C1~6ハロアルコキシ、C1~6ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、およびヘテロアリールからなる群より選択される、
    請求項23記載の化合物。
  25. R1が、以下の構造:
    Figure 2023504541000138
    Figure 2023504541000139
    Figure 2023504541000140
    Figure 2023504541000141
    のうちの1つを有する、請求項1または19~23のいずれか一項記載の化合物。
  26. R1aまたはR1bが独立してC1~6アルキル、アミノ、C(O)R9、C(O)NR9R10、N(R9)C(O)NR10R11、N(R9)C(O)OR10、OC(O)NR9R10、またはハロである、請求項25記載の化合物。
  27. R1aまたはR1bが、メチルまたはエチルである、請求項26記載の化合物。
  28. R1aまたはR1bが、F、Cl、またはBrである、請求項26記載の化合物。
  29. 窒素に結合したR1aまたはR1bそれぞれが、C1~6アルキル、C(O)R9、C(O)NR9R10、N(R9)C(O)NR10R11、N(R9)C(O)OR10、またはOC(O)NR9R10である、請求項25記載の化合物。
  30. R1aまたはR1bが、メチルまたはエチルである、請求項29記載の化合物。
  31. R1が、以下の構造:
    Figure 2023504541000142
    のうちの1つを有する、請求項1または19~20のいずれか一項記載の化合物。
  32. R1が、以下の構造:
    Figure 2023504541000143
    のうちの1つを有する、請求項1または19~20のいずれか一項記載の化合物。
  33. R1が、置換または非置換シクロアルキルである、請求項1記載の化合物。
  34. R1が、置換または非置換C3~C6シクロアルキルである、請求項1または33記載の化合物。
  35. R1が、置換C3~C6シクロアルキルである、請求項1または33~34のいずれか一項記載の化合物。
  36. R1が、R1a、R1b、R1c、R1d、およびR1eのうちの1つまたは複数で置換されたC3~C6シクロアルキルであり、ここで、R1a、R1b、R1c、R1d、およびR1eはそれぞれ独立して、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C1~6ハロアルキル、アミニルアルキル、ヒドロキシアルキル、ニトロ、OR9、SR9、C(O)R9、C(O)NR9R10、C(O)OR9、OC(O)R9、OC(O)OR9、OC(O)NR9R10、NR9R10、N(R9)C(O)R10、N(R9)C(O)NR10R11、N(R9)C(O)OR10、C(=NR9)NR10R11、C(=NOR9)NR10R11、C(=NOC(O)R9)NR10R11、C(=NR9)N(R10)C(O)OR11、N(R9)C(=NR10)NR11R12、S(O)R9、S(O)NR9R10、S(O)2R9、N(R9)S(O)2R10、S(O)2NR9R10、オキソ、置換または非置換C6~10アリール、置換または非置換C6~10アリールアルキル、置換または非置換C6~10アリールオキシ、置換または非置換C6~10アリールアルコキシ、置換または非置換5~10員ヘテロアリール、置換または非置換C3~10シクロアルキル、および置換または非置換4~10員ヘテロシクリルからなる群より選択され、
    ここで、R9、R10、R11、およびR12は、各出現時には独立して、水素、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、ヒドロキシル、C1~6アルコキシ、アリール、アリールアルキル、C1~6ハロアルキル、C1~6ハロアルコキシ、C1~6ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、およびヘテロアリールからなる群より選択される、
    請求項35記載の化合物。
  37. R1a、R1b、R1c、R1d、またはR1eが、置換C6~10アリール、置換C6~10アリールアルキル、置換C6~10アリールオキシ、置換C6~10アリールアルコキシ、置換5~10員ヘテロアリール、置換C3~10シクロアルキル、および置換4~10員ヘテロシクリルである場合、R1a、R1b、R1c、R1d、またはR1eは、ハロ、CN、OR13、SR13、C(O)R13、C(O)NR13R14、C(O)OR13、OC(O)R13、OC(O)NR13R14、NR13R14、NR13C(O)R14、NR13C(O)NR14R15、NR13C(O)OR14、C(=NR13)NR14R15、NR13C(=NR14)NR15R16、S(O)R13、S(O)NR13R14、S(O)2R13、NR13S(O)2R14、S(O)2NR13R14およびオキソからなる群より選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよく、
    ここで、R13、R14、R15、およびR16は、各出現時には独立して、水素、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、ヒドロキシル、C1~6アルコキシ、アリール、アリールアルキル、C1~6ハロアルキル、C1~6ハロアルコキシ、C1~6ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、およびヘテロアリールからなる群より選択される、
    請求項36記載の化合物。
  38. R1が、非置換C3~C6シクロアルキルである、請求項34記載の化合物。
  39. R1が、置換または非置換ヘテロシクリルである、請求項1記載の化合物。
  40. R1が、置換または非置換4~10員ヘテロシクリルである、請求項1または39記載の化合物。
  41. R1が、置換4~10員ヘテロシクリルである、請求項1または39~40のいずれか一項記載の化合物。
  42. R1が、R1a、R1b、R1c、R1d、およびR1eのうちの1つまたは複数で置換された4~10員ヘテロシクリルであり、ここで、R1a、R1b、R1c、R1d、およびR1eはそれぞれ独立して、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、ハロ、C1~6ハロアルキル、アミニルアルキル、ヒドロキシアルキル、シアノ、ニトロ、OR9、SR9、C(O)R9、C(O)NR9R10、C(O)OR9、OC(O)R9、OC(O)OR9、OC(O)NR9R10、NR9R10、N(R9)C(O)R10、N(R9)C(O)NR10R11、N(R9)C(O)OR10、C(=NR9)NR10R11、C(=NOR9)NR10R11、C(=NOC(O)R9)NR10R11、C(=NR9)N(R10)C(O)OR11、N(R9)C(=NR10)NR11R12、S(O)R9、S(O)NR9R10、S(O)2R9、N(R9)S(O)2R10、S(O)2NR9R10、オキソ、置換または非置換C6~10アリール、置換または非置換C6~10アリールアルキル、置換または非置換C6~10アリールオキシ、置換または非置換C6~10アリールアルコキシ、置換または非置換5~10員ヘテロアリール、置換または非置換C3~10シクロアルキル、および置換または非置換4~10員ヘテロシクリルからなる群より選択され、
    ここで、R9、R10、R11、およびR12は、各出現時には独立して、水素、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、ヒドロキシル、C1~6アルコキシ、アリール、アリールアルキル、C1~6ハロアルキル、C1~6ハロアルコキシ、C1~6ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、およびヘテロアリールからなる群より選択される、
    請求項41記載の化合物。
  43. R1a、R1b、R1c、R1d、またはR1eが、置換C6~10アリール、置換C6~10アリールアルキル、置換C6~10アリールオキシ、置換C6~10アリールアルコキシ、置換5~10員ヘテロアリール、置換C3~10シクロアルキル、および置換4~10員ヘテロシクリルである場合、R1a、R1b、R1c、R1d、またはR1eは、OR13、SR13、C(O)R13、C(O)NR13R14、C(O)OR13、OC(O)R13、OC(O)NR13R14、NR13R14、NR13C(O)R14、NR13C(O)NR14R15、NR13C(O)OR14、C(=NR13)NR14R15、NR13C(=NR14)NR15R16、S(O)R13、S(O)NR13R14、S(O)2R13、NR13S(O)2R14、S(O)2NR13R14およびオキソからなる群より選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよく、
    ここで、R13、R14、R15、およびR16は、各出現時には独立して、水素、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、ヒドロキシル、C1~6アルコキシ、アリール、アリールアルキル、C1~6ハロアルキル、C1~6ハロアルコキシ、C1~6ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、およびヘテロアリールからなる群より選択される、
    請求項42記載の化合物。
  44. R1が、非置換4~10員ヘテロシクリルである、請求項39記載の化合物。
  45. 以下の構造:
    Figure 2023504541000144
    Figure 2023504541000145
    のうちの1つを有する、請求項1~44のいずれか一項記載の化合物。
  46. R2a、R2b、R2c、およびR2dのうちの少なくとも1つは、アルコキシ、アルコキシアルキル、シアノ、ハロ、C(=O)OR5、OC(=O)R5、C(=O)NR5R6、N(R5)C(=O)R6、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、またはC(=O)N(R5)ヘテロシクリルであり、ここで、R5およびR6は、各出現時には独立して、水素またはC1~C6アルキルである、請求項1~45のいずれか一項記載の化合物。
  47. R2a、R2b、R2c、およびR2dのうちの少なくとも1つがメトキシである、請求項1~46のいずれか一項記載の化合物。
  48. R2a、R2b、R2c、およびR2dのうちの少なくとも1つがメトキシメチルである、請求項1~46のいずれか一項記載の化合物。
  49. R2a、R2b、R2c、およびR2dのうちの少なくとも1つがシアノである、請求項1~46のいずれか一項記載の化合物。
  50. R2a、R2b、R2c、およびR2dのうちの少なくとも1つが-C(=O)OHである、請求項1~46のいずれか一項記載の化合物。
  51. R2a、R2b、R2c、およびR2dのうちの少なくとも1つが、-C(=O)OCH3または-OC(=O)CH3である、請求項1~46のいずれか一項記載の化合物。
  52. R2a、R2b、R2c、およびR2dのうちの少なくとも1つが、-C(=O)N(R')2または-NR'(C=O)アルキルであり、ここで、R'は、各出現時には独立して、C1~C6アルキルである、請求項1~46のいずれか一項記載の化合物。
  53. R'の各出現がメチルである、請求項52記載の化合物。
  54. R2a、R2b、R2c、およびR2dのうちの少なくとも1つが-C(=O)NR''ヘテロシクリルであり、ここで、R''は、水素またはC1~C6アルキルである、請求項1~46のいずれか一項記載の化合物。
  55. R2a、R2b、R2c、およびR2dのうちの少なくとも1つが、置換または非置換フェニルである、請求項1~46のいずれか一項記載の化合物。
  56. R2a、R2b、R2c、およびR2dのうちの少なくとも1つが、置換または非置換ヘテロシクリルである、請求項1~46のいずれか一項記載の化合物。
  57. R2a、R2b、R2c、およびR2dのうちの少なくとも1つが、置換または非置換ヘテロアリールである、請求項1~46のいずれか一項記載の化合物。
  58. R2a、R2b、R2c、およびR2dのうちの少なくとも1つが、以下の構造:
    Figure 2023504541000146
    のうちの1つを有する、請求項1~57のいずれか一項記載の化合物。
  59. R2a、R2b、R2c、およびR2dのうちの少なくとも1つが、以下の構造:
    Figure 2023504541000147
    のうちの1つを有する、請求項1~57のいずれか一項記載の化合物。
  60. R3が、以下の構造:
    Figure 2023504541000148
    のうちの1つを有する、請求項1~59のいずれか一項記載の化合物。
  61. R3が-NH2である、請求項1~60のいずれか一項記載の化合物。
  62. nが0である、請求項1~61のいずれか一項記載の化合物。
  63. nが1である、請求項1~61のいずれか一項記載の化合物。
  64. nが2である、請求項1~61のいずれか一項記載の化合物。
  65. nが、3、4、5、または6である、請求項1~61のいずれか一項記載の化合物。
  66. nが2であり、R4が置換または非置換アリールである、請求項1~61のいずれか一項記載の化合物。
  67. R4が、以下の構造:
    Figure 2023504541000149
    Figure 2023504541000150
    Figure 2023504541000151
    のうちの1つを有する、請求項66記載の化合物。
  68. R4が、以下の構造:
    Figure 2023504541000152
    のうちの1つを有する、請求項66記載の化合物。
  69. nが2であり、R4が置換または非置換ヘテロアリールである、請求項1~61のいずれか一項記載の化合物。
  70. R4が、以下の構造:
    Figure 2023504541000153
    Figure 2023504541000154
    のうちの1つを有する、請求項69記載の化合物。
  71. R4が、以下の構造:
    Figure 2023504541000155
    Figure 2023504541000156
    Figure 2023504541000157
    のうちの1つを有する、請求項69記載の化合物。
  72. R4が、以下の構造:
    Figure 2023504541000158
    のうちの1つを有する、請求項1記載の化合物。
  73. nが0であり、R4が、以下の構造:
    Figure 2023504541000159
    のうちの1つを有する、請求項1~61のいずれか一項記載の化合物。
  74. R4が、以下の構造:
    Figure 2023504541000160
    のうちの1つを有する、請求項73記載の化合物。
  75. 以下の構造(II)を有する化合物またはその立体異性体、互変異性体、もしくは薬学的に許容される塩:
    Figure 2023504541000161
    式中、
    Xは、直接結合、-[C(R2e)R2f]-、または-[C(R2e)R2f]-[C(R2g)R2h]-であり;
    Yは、直接結合または-[C(R2i)R2j]-であり;
    R1は、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換シクロアルキル、または置換もしくは非置換ヘテロシクリルであり;
    R2a、R2b、R2c、R2d、R2e、R2f、R2g、R2h、R2i、およびR2jはそれぞれ独立して、水素、ハロ、OR5、C(=O)OR5、OC(=O)R5、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、ハロアルコキシ、シアノ、アミニルアルキル、カルボキシアルキル、NR5R6、C(=O)NR5R6、N(R5)C(=O)R6、NR5C(=O)NR6、S(O)t、SR5、ニトロ、N(R5)C(O)OR6、C(=NR5)NR6R7、N(R5)C(=NR6)NR7R8、S(O)R5、S(O)NR5R6、S(O)2R5、N(R5)S(O)2R6、S(O)2NR5R6、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクロアルキル、およびオキソからなる群より選択されるが、但し、R2a、R2b、R2c、R2d、R2e、R2f、R2g、R2h、R2i、またはR2jのうちの少なくとも1つの出現は、水素ではなく;
    R3はNR3aR3bであり;
    R3aおよびR3bはそれぞれ独立して、水素、アルキル、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル、アルコキシアルキル、-CH2C(C=O)OH、-CH2C(=O)Oアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールアルキル、またはシクロアルキルであるか;あるいはR3aおよびR3bは、それらが結合する窒素と一緒になって、置換されていてもよい4~7員ヘテロアリールまたは置換されていてもよい4~7員ヘテロシクリルを形成し;
    R4は、nが2、3、4、5、または6である場合、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換シクロアルキル、または置換もしくは非置換ヘテロシクリルであるか;あるいはR4は、nが0または1である場合、置換もしくは非置換単環式ヘテロアリールまたは置換もしくは非置換ヘテロシクリルであり;
    R5、R6、R7、およびR8は、各出現時には独立して、水素、アルキル、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル、アルコキシアルキル、カルボキシアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、またはシクロアルキルであり;
    nは0~6の整数であり;かつ
    tは0~3の整数であるが、
    但し、
    a) R2a、R2b、R2c、R2d、R2e、R2f、R2g、R2h、R2i、およびR2jのうちの1つがOHである場合、R1は、以下の構造:
    Figure 2023504541000162
    を有さず;
    b) R2a、R2b、R2c、R2d、R2e、R2f、R2g、およびR2hのうちの1つが-OHである場合、nは2~6の整数であり;かつ
    c) R2a、R2b、R2c、R2d、R2e、R2f、R2g、R2h、R2i、およびR2jのうちの1つが非置換フェニルである場合、R3aもR3bも以下の構造:
    Figure 2023504541000163
    を有さない。
  76. R1が、置換または非置換アリールである、請求項75記載の化合物。
  77. R1が、置換または非置換C6~C10アリールである、請求項75または76記載の化合物。
  78. R1が、置換または非置換フェニルである、請求項75~77のいずれか一項記載の化合物。
  79. R1が置換フェニルである、請求項75~78のいずれか一項記載の化合物。
  80. R1が、R1a、R1b、R1c、R1d、およびR1eのうちの1つまたは複数で置換されたフェニルであり、ここで、R1a、R1b、R1c、R1d、およびR1eはそれぞれ独立して、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、ハロ、C1~6ハロアルキル、アミニルアルキル、ヒドロキシアルキル、シアノ、ニトロ、OR9、SR9、C(O)R9、C(O)NR9R10、C(O)OR9、OC(O)R9、OC(O)OR9、OC(O)NR9R10、NR9R10、N(R9)C(O)R10、N(R9)C(O)NR10R11、N(R9)C(O)OR10、C(=NR9)NR10R11、C(=NOR9)NR10R11、C(=NOC(O)R9)NR10R11、C(=NR9)N(R10)C(O)OR11、N(R9)C(=NR10)NR11R12、S(O)R9、S(O)NR9R10、S(O)2R9、N(R9)S(O)2R10、S(O)2NR9R10、オキソ、置換または非置換C6~10アリール、置換または非置換C6~10アリールアルキル、置換または非置換C6~10アリールオキシ、置換または非置換C6~10アリールアルコキシ、置換または非置換5~10員ヘテロアリール、置換または非置換C3~10シクロアルキル、および置換または非置換4~10員ヘテロシクリルからなる群より選択され、
    ここで、R9、R10、R11、およびR12は、各出現時には独立して、水素、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、ヒドロキシル、C1~6アルコキシ、アリール、アリールアルキル、C1~6ハロアルキル、C1~6ハロアルコキシ、C1~6ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、およびヘテロアリールからなる群より選択される、
    請求項75~79のいずれか一項記載の化合物。
  81. R1a、R1b、R1c、R1d、またはR1eが、置換C6~10アリール、置換C6~10アリールアルキル、置換C6~10アリールオキシ、置換C6~10アリールアルコキシ、置換5~10員ヘテロアリール、置換C3~10シクロアルキル、および置換4~10員ヘテロシクリルである場合、R1a、R1b、R1c、R1d、またはR1eは、ハロ、CN、OR13、SR13、C(O)R13、C(O)NR13R14、C(O)OR13、OC(O)R13、OC(O)NR13R14、NR13R14、NR13C(O)R14、NR13C(O)NR14R15、NR13C(O)OR14、C(=NR13)NR14R15、NR13C(=NR14)NR15R16、S(O)R13、S(O)NR13R14、S(O)2R13、NR13S(O)2R14、S(O)2NR13R14およびオキソからなる群より選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよく、
    ここで、R13、R14、R15、およびR16は、各出現時には独立して、水素、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、ヒドロキシル、C1~6アルコキシ、アリール、アリールアルキル、C1~6ハロアルキル、C1~6ハロアルコキシ、C1~6ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、およびヘテロアリールからなる群より選択される、
    請求項80記載の化合物。
  82. R1が、OR9、C(=NR9)NR10R11、C(=NOR9)NR10R11、C(=NOC(O)R9)NR10R11、およびC(=NR9)NR10C(O)OR11からなる群より選択される少なくとも1つの置換基で置換されたフェニルである、請求項75~81のいずれか一項記載の化合物。
  83. R1が、C(=NR9)NR10R11、C(=NOR9)NR10R11、C(=NOC(O)R9)NR10R11、およびC(=NR9)NR10C(O)OR11からなる群より選択される少なくとも1つの置換基で置換された、請求項75~82のいずれか一項記載の化合物。
  84. R1が、少なくとも1つのC(=NR9)NR10R11で置換されている、請求項83記載の化合物。
  85. R1が、少なくとも1つの-C(=NH)NH2で置換されている、請求項83または84記載の化合物。
  86. R1が、以下の構造:
    Figure 2023504541000164
    のうちの1つを有する、請求項81~85のいずれか一項記載の化合物。
  87. R1が、以下の構造:
    Figure 2023504541000165
    のうちの1つを有する、請求項75~86のいずれか一項記載の化合物。
  88. R1が、以下の構造:
    Figure 2023504541000166
    のうちの1つを有する、請求項81記載の化合物。
  89. R9が、C1~6アルキルまたはC1~6ハロアルキルである、請求項88記載の化合物。
  90. R9が、メチルである、請求項89記載の化合物。
  91. R9が、トリフルオロメチルである、請求項89記載の化合物。
  92. R1が、非置換フェニルである、請求項75~78のいずれか一項記載の化合物。
  93. R1が、置換または非置換ヘテロアリールである、請求項75記載の化合物。
  94. R1が、置換または非置換5~10員ヘテロアリールである、請求項75または93記載の化合物。
  95. R1が、置換または非置換ピリジニル、ピロロピリジニル、またはベンゾイミダゾリルである、請求項75または93~94のいずれか一項記載の化合物。
  96. R1が、置換もしくは非置換ピリジン-3-イル、1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-イル、1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-2-イル、または1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-イルである、請求項75または93~95のいずれか一項記載の化合物。
  97. R1が、R1a、R1b、R1c、R1d、およびR1eのうちの1つまたは複数で置換されたピリジン-3-イル、1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-イル、または1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-イルであり、ここで、R1a、R1b、R1c、R1d、およびR1eはそれぞれ独立して、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、ハロ、C1~6ハロアルキル、アミニルアルキル、ヒドロキシアルキル、シアノ、ニトロ、OR9、SR9、C(O)R9、C(O)NR9R10、C(O)OR9、OC(O)R9、OC(O)OR9、OC(O)NR9R10、NR9R10、N(R9)C(O)R10、N(R9)C(O)NR10R11、N(R9)C(O)OR10、C(=NR9)NR10R11、C(=NOR9)NR10R11、C(=NOC(O)R9)NR10R11、C(=NR9)N(R10)C(O)OR11、N(R9)C(=NR10)NR11R12、S(O)R9、S(O)NR9R10、S(O)2R9、N(R9)S(O)2R10、S(O)2NR9R10、オキソ、置換または非置換C6~10アリール、置換または非置換C6~10アリールアルキル、置換または非置換C6~10アリールオキシ、置換または非置換C6~10アリールアルコキシ、置換または非置換5~10員ヘテロアリール、置換または非置換C3~10シクロアルキル、および置換または非置換4~10員ヘテロシクリルからなる群より選択され、
    ここで、R9、R10、R11、およびR12は、各出現時には独立して、水素、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、ヒドロキシル、C1~6アルコキシ、アリール、アリールアルキル、C1~6ハロアルキル、C1~6ハロアルコキシ、C1~6ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、およびヘテロアリールからなる群より選択される、
    請求項75または93~96のいずれか一項記載の化合物。
  98. R1a、R1b、R1c、R1d、またはR1eが、置換C6~10アリール、置換C6~10アリールアルキル、置換C6~10アリールオキシ、置換C6~10アリールアルコキシ、置換5~10員ヘテロアリール、置換C3~10シクロアルキル、および置換4~10員ヘテロシクリルである場合、R1a、R1b、R1c、R1d、またはR1eは、ハロ、CN、OR13、SR13、C(O)R13、C(O)NR13R14、C(O)OR13、OC(O)R13、OC(O)NR13R14、NR13R14、NR13C(O)R14、NR13C(O)NR14R15、NR13C(O)OR14、C(=NR13)NR14R15、NR13C(=NR14)NR15R16、S(O)R13、S(O)NR13R14、S(O)2R13、NR13S(O)2R14、S(O)2NR13R14およびオキソからなる群より選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよく、
    ここで、R13、R14、R15、およびR16は、各出現時には独立して、水素、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、ヒドロキシル、C1~6アルコキシ、アリール、アリールアルキル、C1~6ハロアルキル、C1~6ハロアルコキシ、C1~6ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、およびヘテロアリールからなる群より選択される、
    請求項97記載の化合物。
  99. R1が、以下の構造:
    Figure 2023504541000167
    Figure 2023504541000168
    Figure 2023504541000169
    Figure 2023504541000170
    のうちの1つを有する、請求項75または93~97のいずれか一項記載の化合物。
  100. R1aまたはR1bが、独立してC1~6アルキル、アミノ、C(O)R9、C(O)NR9R10、N(R9)C(O)NR10R11、N(R9)C(O)OR10、またはOC(O)NR9R10、またはハロである、請求項99記載の化合物。
  101. R1aまたはR1bが、メチルまたはエチルである、請求項100記載の化合物。
  102. R1aまたはR1bが、F、Cl、またはBrである、請求項100記載の化合物。
  103. 窒素に結合したR1aまたはR1bそれぞれが、C1~6アルキル、C(O)R9、C(O)NR9R10、N(R9)C(O)NR10R11、N(R9)C(O)OR10、またはOC(O)NR9R10である、請求項99記載の化合物。
  104. R1aまたはR1bが、メチルまたはエチルである、請求項103記載の化合物。
  105. R1が、以下の構造:
    Figure 2023504541000171
    のうちの1つを有する、請求項75または93~94のいずれか一項記載の化合物。
  106. R1が、以下の構造:
    Figure 2023504541000172
    のうちの1つを有する、請求項75または93~94のいずれか一項記載の化合物。
  107. R1が、置換または非置換シクロアルキルである、請求項75記載の化合物。
  108. R1が、置換または非置換C3~C6シクロアルキルである、請求項75または107記載の化合物。
  109. R1が、置換C3~C6シクロアルキルである、請求項75または107~108のいずれか一項記載の化合物。
  110. R1が、R1a、R1b、R1c、R1d、およびR1eのうちの1つまたは複数で置換されたC3~C6シクロアルキルであり、ここで、R1a、R1b、R1c、R1d、およびR1eはそれぞれ独立して、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C1~6ハロアルキル、アミニルアルキル、ヒドロキシアルキル、ニトロ、OR9、SR9、C(O)R9、C(O)NR9R10、C(O)OR9、OC(O)R9、OC(O)OR9、OC(O)NR9R10、NR9R10、N(R9)C(O)R10、N(R9)C(O)NR10R11、N(R9)C(O)OR10、C(=NR9)NR10R11、C(=NOR9)NR10R11、C(=NOC(O)R9)NR10R11、C(=NR9)N(R10)C(O)OR11、N(R9)C(=NR10)NR11R12、S(O)R9、S(O)NR9R10、S(O)2R9、N(R9)S(O)2R10、S(O)2NR9R10、オキソ、置換または非置換C6~10アリール、置換または非置換C6~10アリールアルキル、置換または非置換C6~10アリールオキシ、置換または非置換C6~10アリールアルコキシ、置換または非置換5~10員ヘテロアリール、置換または非置換C3~10シクロアルキル、および置換または非置換4~10員ヘテロシクリルからなる群より選択され、
    ここで、R9、R10、R11、およびR12は、各出現時には独立して、水素、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、ヒドロキシル、C1~6アルコキシ、アリール、アリールアルキル、C1~6ハロアルキル、C1~6ハロアルコキシ、C1~6ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、およびヘテロアリールからなる群より選択される、
    請求項109記載の化合物。
  111. R1a、R1b、R1c、R1d、またはR1eが、置換C6~10アリール、置換C6~10アリールアルキル、置換C6~10アリールオキシ、置換C6~10アリールアルコキシ、置換5~10員ヘテロアリール、置換C3~10シクロアルキル、および置換4~10員ヘテロシクリルである場合、R1a、R1b、R1c、R1d、またはR1eは、ハロ、CN、OR13、SR13、C(O)R13、C(O)NR13R14、C(O)OR13、OC(O)R13、OC(O)NR13R14、NR13R14、NR13C(O)R14、NR13C(O)NR14R15、NR13C(O)OR14、C(=NR13)NR14R15、NR13C(=NR14)NR15R16、S(O)R13、S(O)NR13R14、S(O)2R13、NR13S(O)2R14、S(O)2NR13R14およびオキソからなる群より選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよく、
    ここで、R13、R14、R15、およびR16は、各出現時には独立して、水素、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、ヒドロキシル、C1~6アルコキシ、アリール、アリールアルキル、C1~6ハロアルキル、C1~6ハロアルコキシ、C1~6ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、およびヘテロアリールからなる群より選択される、
    請求項110記載の化合物。
  112. R1が、非置換C3~C6シクロアルキルである、請求項108記載の化合物。
  113. R1が、置換または非置換ヘテロシクリルである、請求項75記載の化合物。
  114. R1が、置換または非置換4~10員ヘテロシクリルである、請求項75または113記載の化合物。
  115. R1が、置換4~10員ヘテロシクリルである、請求項75または73~84のいずれか一項記載の化合物。
  116. R1が、R1a、R1b、R1c、R1d、およびR1eのうちの1つまたは複数で置換された4~10員ヘテロシクリルであり、ここで、R1a、R1b、R1c、R1d、およびR1eはそれぞれ独立して、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、ハロ、C1~6ハロアルキル、アミニルアルキル、ヒドロキシアルキル、シアノ、ニトロ、OR9、SR9、C(O)R9、C(O)NR9R10、C(O)OR9、OC(O)R9、OC(O)OR9、OC(O)NR9R10、NR9R10、N(R9)C(O)R10、N(R9)C(O)NR10R11、N(R9)C(O)OR10、C(=NR9)NR10R11、C(=NOR9)NR10R11、C(=NOC(O)R9)NR10R11、C(=NR9)N(R10)C(O)OR11、N(R9)C(=NR10)NR11R12、S(O)R9、S(O)NR9R10、S(O)2R9、N(R9)S(O)2R10、S(O)2NR9R10、オキソ、置換または非置換C6~10アリール、置換または非置換C6~10アリールアルキル、置換または非置換C6~10アリールオキシ、置換または非置換C6~10アリールアルコキシ、置換または非置換5~10員ヘテロアリール、置換または非置換C3~10シクロアルキル、および置換または非置換4~10員ヘテロシクリルからなる群より選択され、
    ここで、R9、R10、R11、およびR12は、各出現時には独立して、水素、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、ヒドロキシル、C1~6アルコキシ、アリール、アリールアルキル、C1~6ハロアルキル、C1~6ハロアルコキシ、C1~6ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、およびヘテロアリールからなる群より選択される、
    請求項115記載の化合物。
  117. R1a、R1b、R1c、R1d、またはR1eが、置換C6~10アリール、置換C6~10アリールアルキル、置換C6~10アリールオキシ、置換C6~10アリールアルコキシ、置換5~10員ヘテロアリール、置換C3~10シクロアルキル、および置換4~10員ヘテロシクリルである場合、R1a、R1b、R1c、R1d、またはR1eは、OR13、SR13、C(O)R13、C(O)NR13R14、C(O)OR13、OC(O)R13、OC(O)NR13R14、NR13R14、NR13C(O)R14、NR13C(O)NR14R15、NR13C(O)OR14、C(=NR13)NR14R15、NR13C(=NR14)NR15R16、S(O)R13、S(O)NR13R14、S(O)2R13、NR13S(O)2R14、S(O)2NR13R14およびオキソからなる群より選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよく、
    ここで、R13、R14、R15、およびR16は、各出現時には独立して、水素、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、ヒドロキシル、C1~6アルコキシ、アリール、アリールアルキル、C1~6ハロアルキル、C1~6ハロアルコキシ、C1~6ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、およびヘテロアリールからなる群より選択される、
    請求項116記載の化合物。
  118. R1が、非置換4~10員ヘテロシクリルである、請求項113記載の化合物。
  119. 以下の構造:
    Figure 2023504541000173
    Figure 2023504541000174
    のうちの1つを有する、請求項75~118のいずれか一項記載の化合物。
  120. R2a、R2b、R2c、およびR2dのうちの少なくとも1つはアルコキシ、アルコキシアルキル、シアノ、C(=O)OR5、OC(=O)R5、C(=O)NR5R6、N(R5)C(=O)R6、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、またはC(=O)N(R5)ヘテロシクリルであり、ここで、R5およびR6は、各出現時には独立して、水素またはC1~C6アルキルである、請求項75~119のいずれか一項記載の化合物。
  121. R2a、R2b、R2c、およびR2dのうちの少なくとも1つがメトキシである、請求項75~120のいずれか一項記載の化合物。
  122. R2a、R2b、R2c、およびR2dのうちの少なくとも1つがメトキシメチルである、請求項75~120のいずれか一項記載の化合物。
  123. R2a、R2b、R2c、およびR2dのうちの少なくとも1つがシアノである、請求項75~120のいずれか一項記載の化合物。
  124. R2a、R2b、R2c、およびR2dのうちの少なくとも1つが-C(=O)OHである、請求項75~120のいずれか一項記載の化合物。
  125. R2a、R2b、R2c、およびR2dのうちの少なくとも1つが、-C(=O)OCH3または-OC(=O)CH3である、請求項75~120のいずれか一項記載の化合物。
  126. R2a、R2b、R2c、およびR2dのうちの少なくとも1つが、-C(=O)N(R')2または-NR'(C=O)アルキルであり、ここで、R'は、各出現時には独立して、C1~C6アルキルである、請求項75~120のいずれか一項記載の化合物。
  127. R'の各出現がメチルである、請求項126記載の化合物。
  128. R2a、R2b、R2c、およびR2dのうちの少なくとも1つは、-C(=O)NR''ヘテロシクリルであり、ここで、R''は、水素またはC1~C6アルキルである、請求項75~120のいずれか一項記載の化合物。
  129. R2a、R2b、R2c、およびR2dのうちの少なくとも1つが、置換または非置換フェニルである、請求項75~120のいずれか一項記載の化合物。
  130. R2a、R2b、R2c、およびR2dのうちの少なくとも1つが、置換または非置換ヘテロシクリルである、請求項75~120のいずれか一項記載の化合物。
  131. R2a、R2b、R2c、およびR2dのうちの少なくとも1つが、置換または非置換ヘテロアリールである、請求項75~120のいずれか一項記載の化合物。
  132. R2a、R2b、R2c、およびR2dのうちの少なくとも1つが、以下の構造:
    Figure 2023504541000175
    のうちの1つを有する、請求項75~131のいずれか一項記載の化合物。
  133. R2a、R2b、R2c、およびR2dのうちの少なくとも1つが、以下の構造:
    Figure 2023504541000176
    のうちの1つを有する、請求項75~132のいずれか一項記載の化合物。
  134. R3が、以下の構造:
    Figure 2023504541000177
    のうちの1つを有する、請求項75~133のいずれか一項記載の化合物。
  135. R3が-NH2である、請求項75~134のいずれか一項記載の化合物。
  136. nが0である、請求項75~135のいずれか一項記載の化合物。
  137. nが1である、請求項75~135のいずれか一項記載の化合物。
  138. nが2である、請求項75~135のいずれか一項記載の化合物。
  139. nが、3、4、5、または6である、請求項75~135のいずれか一項記載の化合物。
  140. nが2であり、R4が、置換または非置換アリールである、請求項75~135のいずれか一項記載の化合物。
  141. R4が、以下の構造:
    Figure 2023504541000178
    Figure 2023504541000179
    Figure 2023504541000180
    のうちの1つを有する、請求項140記載の化合物。
  142. R4が、以下の構造:
    Figure 2023504541000181
    のうちの1つを有する、請求項140記載の化合物。
  143. nが2であり、R4が、置換または非置換ヘテロアリールである、請求項75~135のいずれか一項記載の化合物。
  144. R4が、以下の構造:
    Figure 2023504541000182
    Figure 2023504541000183
    のうちの1つを有する、請求項143記載の化合物。
  145. R4が、以下の構造:
    Figure 2023504541000184
    Figure 2023504541000185
    Figure 2023504541000186
    のうちの1つを有する、請求項143記載の化合物。
  146. R4が、以下の構造:
    Figure 2023504541000187
    のうちの1つを有する、請求項139記載の化合物。
  147. nが0であり、R4が、以下の構造:
    Figure 2023504541000188
    のうちの1つを有する、請求項75~135のいずれか一項記載の化合物。
  148. R4が、以下の構造:
    Figure 2023504541000189
    のうちの1つを有する、請求項147記載の化合物。
  149. 表1中の構造を有する化合物またはその立体異性体、互変異性体、もしくは薬学的に許容される塩。
  150. 以下の構造(III)を有する化合物またはその立体異性体、互変異性体、もしくは薬学的に許容される塩:
    Figure 2023504541000190
    式中、
    Xは、直接結合、-CR2eR2f-、または-CR2eR2f-CR2gR2h-であり;
    Yは、直接結合または-CR2iR2j-であり;
    Zは、OまたはSであり;
    R17は、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換シクロアルキル、または置換もしくは非置換ヘテロシクリルであり;
    R18a、R18b、R18c、R18d、R18e、R18f、R18g、R18h、R18i、およびR18jはそれぞれ独立して、水素、ハロ、-OR21、C(=O)OR21、OC(=O)R21、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、ハロアルコキシ、シアノ、アミニルアルキル、カルボキシアルキル、NR21R22、C(=O)NR21R22、N(R21)C(=O)R22、NR21C(=O)NR22、S(O)t、SR21、ニトロ、N(R21)C(O)OR22、C(=NR21)NR22R23、N(R21)C(=NR22)NR23R24、S(O)R21、S(O)NR21R22、S(O)2R21、N(R21)S(O)2R22、S(O)2NR21R22、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクロアルキル、およびオキソからなる群より選択されるが、但し、R18a、R18b、R18c、R18d、R18e、R18f、R18g、R18h、R18i、およびR18jのうちの少なくとも1つは水素ではなく;
    R19はNR19aR19bであり;
    R19aおよびR19bはそれぞれ独立して、水素、アルキル、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル、アルコキシアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキル、(CH2)nC(=O)OR5、または(CH2)nP(=O)(OR5)2であるか;あるいはR19aおよびR19bは、それらが結合する窒素と一緒になって、置換されていてもよい4~7員ヘテロアリールまたは置換されていてもよい4~7員ヘテロシクリルを形成し;
    R20は、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換シクロアルキル、または置換もしくは非置換ヘテロシクリルであり;
    R21、R22、R23、およびR24は、各出現時には独立して、水素、アルキル、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル、アルコキシアルキル、カルボキシアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、またはシクロアルキルであり;
    mは0~6の整数であり;かつ
    tは0~3の整数である。
  151. R17が、以下の構造:
    Figure 2023504541000191
    のうちの1つを有する、請求項150記載の化合物。
  152. R17が非置換フェニルである、請求項150記載の化合物。
  153. R17が、以下の構造:
    Figure 2023504541000192
    Figure 2023504541000193
    Figure 2023504541000194
    のうちの1つを有する、請求項150記載の化合物。
  154. R17が、以下の構造:
    Figure 2023504541000195
    のうちの1つを有する、請求項150記載の化合物。
  155. R18aまたはR18bのうちの少なくとも1つが、アルコキシ、アルコキシアルキル、シアノ、C(=O)OR21、OC(=O)R21、C(=O)NR21R22、N(R21)C(=O)R22、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、またはC(=O)N(R21)ヘテロシクリルであり、ここで、R21およびR22は、各出現時には独立して、水素またはC1~C6アルキルである、請求項150~154のいずれか一項記載の化合物。
  156. R18aまたはR18bのうちの少なくとも1つが、以下の構造:
    Figure 2023504541000196
    のうちの1つを有する、請求項150~154のいずれか一項記載の化合物。
  157. R19が、以下の構造:
    Figure 2023504541000197
    のうちの1つを有する、請求項150~156のいずれか一項記載の化合物。
  158. R20が、以下の構造:
    Figure 2023504541000198
    Figure 2023504541000199
    のうちの1つを有する、請求項150~157のいずれか一項記載の化合物。
  159. R20が、以下の構造:
    Figure 2023504541000200
    Figure 2023504541000201
    のうちの1つを有する、請求項150~157のいずれか一項記載の化合物。
  160. R20が、以下の構造:
    Figure 2023504541000202
    Figure 2023504541000203
    Figure 2023504541000204
    のうちの1つを有する、請求項150~157のいずれか一項記載の化合物。
  161. 以下の構造(III)を有する化合物またはその立体異性体、互変異性体、もしくは薬学的に許容される塩:
    Figure 2023504541000205
    式中、
    Xは、直接結合または-CR26cR26d-であり;
    R25は、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換シクロアルキル、または置換もしくは非置換ヘテロシクリルであり;
    R26a、R26b、R26c、およびR26dはそれぞれ独立して、水素、ハロ、-OR29、C(=O)OR29、OC(=O)R29、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、ハロアルコキシ、シアノ、アミニルアルキル、カルボキシアルキル、NR29R30、C(=O)NR29R30、N(R29)C(=O)R30、NR29C(=O)NR30、S(O)t、SR29、ニトロ、N(R29)C(O)OR30、C(=NR29)NR30R31、N(R29)C(=NR30)NR31R32、S(O)R29、S(O)NR29R30、S(O)2R30、N(R29)S(O)2R30、S(O)2NR29R30、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクロアルキル、およびオキソからなる群より選択されるが、但し、R26a、R26b、R26c、およびR26dのうちの少なくとも1つは水素ではなく;
    R27はNR27aR27bであり;
    R27aおよびR27bはそれぞれ独立して、水素、アルキル、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル、アルコキシアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキル、(CH2)nC(=O)OR29、または(CH2)nP(=O)(OR29)2であるか;あるいはR27aおよびR27bは、それらが結合する窒素と一緒になって、置換されていてもよい4~7員ヘテロアリールまたは置換されていてもよい4~7員ヘテロシクリルを形成し;
    R28は、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換シクロアルキル、または置換もしくは非置換ヘテロシクリルであり;
    R29、R30、R31、およびR32は、各出現時には独立して、水素、アルキル、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル、アルコキシアルキル、カルボキシアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、またはシクロアルキルであり;
    pは0~6の整数であり;かつ
    tは0~3の整数である。
  162. R25が、以下の構造:
    Figure 2023504541000206
    のうちの1つを有する、請求項161記載の化合物。
  163. R25が非置換フェニルである、請求項161記載の化合物。
  164. R25が、以下の構造:
    Figure 2023504541000207
    Figure 2023504541000208
    Figure 2023504541000209
    のうちの1つを有する、請求項161記載の化合物。
  165. R25が、以下の構造:
    Figure 2023504541000210
    のうちの1つを有する、請求項161記載の化合物。
  166. R26aおよびR26bのうちの少なくとも1つが、アルコキシ、アルコキシアルキル、シアノ、C(=O)OR29、OC(=O)R29、C(=O)NR29R30、N(R29)C(=O)R30、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、またはC(=O)N(R29)ヘテロシクリルであり、ここで、R29およびR30は、各出現時には独立して、水素またはC1~C6アルキルである、請求項161~165のいずれか一項記載の化合物。
  167. R26aおよびR26bのうちの少なくとも1つが、以下の構造:
    Figure 2023504541000211
    のうちの1つを有する、請求項161~165のいずれか一項記載の化合物。
  168. R27が、以下の構造:
    Figure 2023504541000212
    のうちの1つを有する、請求項161~167のいずれか一項記載の化合物。
  169. R28が、以下の構造:
    Figure 2023504541000213
    Figure 2023504541000214
    Figure 2023504541000215
    のうちの1つを有する、請求項161~168のいずれか一項記載の化合物。
  170. R28が、以下の構造:
    Figure 2023504541000216
    Figure 2023504541000217
    のうちの1つを有する、請求項161~168のいずれか一項記載の化合物。
  171. R28が、以下の構造:
    Figure 2023504541000218
    Figure 2023504541000219
    Figure 2023504541000220
    のうちの1つを有する、請求項161~168のいずれか一項記載の化合物。
  172. 請求項1~171のいずれか一項記載の化合物またはその薬学的に許容される塩と薬学的に許容される担体または賦形剤とを含む、薬学的組成物。
  173. その必要がある対象におけるMASP-2関連疾患または障害を処置するための方法であって、有効量の請求項1~171のいずれか一項記載の化合物または請求項172記載の薬学的組成物を対象に投与する工程を含む、前記方法。
  174. 対象においてMASP-2依存性補体活性化を阻害するのに十分な量で前記化合物が投与される、請求項173記載の方法。
  175. 対象が、レクチン補体関連疾患または障害のための処置が必要であると診断されている、請求項173記載の方法。
  176. 疾患または障害が、血栓性微小血管症(TMA)、腎疾患、組織または臓器移植に起因する炎症反応、虚血再灌流傷害、糖尿病に関連する合併症、心血管疾患または障害、炎症性胃腸障害、肺障害、眼疾患または障害、播種性血管内凝固、移植片対宿主病、静脈閉塞症、びまん性肺胞出血、特発性肺炎症候群、毛細血管漏出症候群、生着症候群、体液過剰、またはそれらの組み合わせである、請求項173記載の方法。
  177. 疾患または障害が、血栓性微小血管症(TMA)血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)、難治性TTP、アップショー・シュールマン症候群(USS)、溶血性尿毒症症候群(HUS)、非典型溶血性尿毒症症候群(aHUS)、H因子非依存性非典型溶血性尿毒症症候群、感染に続発するaHUS、血漿療法耐性aHUS、癌に続発するTMA、化学療法に続発するTMA、移植に続発するTMA、造血幹細胞移植に関連するTMA、またはそれらの組み合わせである、請求項173記載の方法。
  178. 疾患または障害が、移植片対宿主病である、請求項173記載の方法。
  179. 疾患または障害が、びまん性肺胞出血(DAH)である、請求項173記載の方法。
  180. 疾患または障害が、静脈閉塞症(VOD)である、請求項173記載の方法。
  181. 疾患または障害が、腎疾患である、請求項173記載の方法。
  182. 腎疾患が、メサンギウム増殖性糸球体腎炎、膜性糸球体腎炎、膜性増殖性糸球体腎炎(メサンギウム毛細管性糸球体腎炎)、急性感染後糸球体腎炎(連鎖球菌感染後糸球体腎炎)、C3糸球体症、クリオグロブリン血症性糸球体腎炎、微量免疫型壊死性半月体形成性糸球体腎炎、ループス腎炎、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病腎炎、IgA腎症、またはそれらの組み合わせである、請求項173記載の方法。
  183. 疾患または障害が、腎線維症、タンパク尿、またはそれらの組み合わせである、請求項173記載の方法。
  184. 疾患または障害が、組織または固形臓器の移植に起因する炎症反応である、請求項173記載の方法。
  185. 疾患または障害が、虚血再灌流傷害(I/R)である、請求項173記載の方法。
  186. 疾患または障害が、非肥満糖尿病に関連する合併症、1型糖尿病、2型(成人発症型)糖尿病に関連する合併症、またはそれらの組み合わせである、請求項173記載の方法。
  187. 疾患または障害が、心血管疾患または障害である、請求項173記載の方法。
  188. 疾患または障害が、炎症性胃腸障害である、請求項173記載の方法。
  189. 疾患または障害が、肺障害である、請求項173記載の方法。
  190. 疾患または障害が、体外曝露誘発性炎症反応である、請求項173記載の方法。
  191. 体外循環手技を受けている対象を処置する工程をさらに含む、請求項190記載の方法。
  192. 疾患または障害が、炎症性関節炎、非炎症性関節炎、筋骨格障害、またはそれらの組み合わせである、請求項173記載の方法。
  193. 疾患または障害が、皮膚障害である、請求項173記載の方法。
  194. 疾患または障害が、末梢神経系(PNS)障害もしくは損傷、中枢神経系(CNS)障害もしくは損傷、またはそれらの組み合わせである、請求項173記載の方法。
  195. 疾患または障害が、敗血症または敗血症に起因する状態である、請求項173記載の方法。
  196. 疾患または障害が、泌尿生殖器障害である、請求項173記載の方法。
  197. 疾患または障害が、化学療法剤、放射線療法、またはそれらの組み合わせで処置されている対象における炎症反応である、請求項173記載の方法。
  198. 疾患または障害が、血管新生依存性の癌である、請求項173記載の方法。
  199. 疾患または障害が、血管新生依存性の良性腫瘍である、請求項173記載の方法。
  200. 疾患または障害が、内分泌障害である、請求項173記載の方法。
  201. 疾患または障害が、眼疾患または障害である、請求項173記載の方法。
  202. 疾患または障害が、眼の血管新生疾患または状態である、請求項173記載の方法。
  203. 疾患または障害が、播種性血管内凝固(DIC)、補体仲介性凝固障害、またはそれらの組み合わせである、請求項173記載の方法。
  204. 疾患または障害が、急性放射線症候群、デンスデポジット病、デゴス病、劇症型抗リン脂質抗体症候群(CAPS)、ベーチェット病、クリオグロブリン血症;発作性夜間ヘモグロビン尿症(「PNH」)、寒冷凝集素症、またはそれらの組み合わせである、請求項173記載の方法。
  205. 疾患または障害が、非典型溶血性尿毒症症候群(aHUS)である、請求項173記載の方法。
  206. 疾患または障害が、造血幹細胞移植関連TMAである、請求項173記載の方法。
  207. 疾患または障害が、免疫グロブリンA腎症(IgAN)である、請求項173記載の方法。
  208. 疾患または障害が、ループス腎炎(LN)である、請求項173記載の方法。
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