JP2023504015A - 胆汁酸誘導体塩、その結晶形構造及びそれらの製造方法と使用 - Google Patents

胆汁酸誘導体塩、その結晶形構造及びそれらの製造方法と使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、胆汁酸誘導体の塩、その結晶形及びそれらの製造方法と使用を提供する。本発明で提供される胆汁酸誘導体の塩、その結晶形及びそれらの組成物は、胆汁うっ滞を改善し、門脈圧を低下させ、肝機能を改善することができ、慢性肝疾患、代謝性疾患又は門脈圧亢進症及びその関連疾患を治療又は緩和するための医薬品を製造するために使用することができる。

Description

相互参照
本願は、2020年04月08日に、中国特許庁に出願された出願番号が202010272501.0、発明名称が「胆汁酸誘導体塩、その結晶形構造及びそれらの製造方法と使用」である中国特許出願に基づく優先権を主張しており、その全内容は援用により本明細書に組み込まれる。
本発明は、医薬品化学の分野に関し、特に、胆汁酸誘導体の塩、その結晶形構造及びそれらの製造方法と使用に関する。
胆汁酸は、様々な生理学的機能を持ち、脂肪や脂溶性ビタミンの吸収、輸送及び分配に重要な役割を果たすだけでなく、信号分子として核受容体を活性化して胆汁酸とコレステロールの代謝を調節することができる。胆汁酸の腸肝循環は、胆汁酸合成の速度を調節するのに重要な調節メカニズムとなっている。胆汁酸は、肝臓で合成されて胆嚢に入り、小腸に分泌され、回腸で再吸収され、門脈循環を介して肝臓に戻される。
胆汁うっ滞症は、主に妊娠中期及び後期、肝線維症、肝硬変及び胆管閉塞などのある患者に発生し、黄疸(Choleplania)、血清アルカリホスファターゼ(ALP)の上昇などの臨床症状を示す。胆汁うっ滞に対する薬剤について、現在臨床で最もよく使われているのは、胆汁酸の類似体に属するテロイド化合物であるウルソデオキシコール酸(Ursodesoxycholic acid、UDCA)であり、利胆作用を持ち、コレステロール結石の治療、薬剤性結石形成の予防に用いられる。しかし、UDCAは、胆汁酸核受容体FXRに対するアゴニスト作用が弱いため、胆汁うっ滞の治療に限界があり、また、一部の胆汁うっ滞症のある患者はUDCAに敏感ではない。
研究によると、FXR受容体(ファルネソイドX受容体)は、ホルモン核受容体スーパーファミリーのメンバーである。FXRは、胆汁酸センサーであり、いくつかの研究グループの報告によると、生理学的状態で胆汁酸がFXR内因性リガンドになっており、また、胆汁酸がFXRに直接結合できるだけでなく、両者の相互作用がコアクチベーターとコリプレッサーの動員につながる可能性がある。これは、胆汁酸が内因性FXRリガンドであることを示しているため、FXRが胆汁酸受容体とも呼ばれる。FXRは、胆汁酸の受容体として、胆汁酸代謝に関与する遺伝子の発現を調節することにより、胆汁酸の内部環境の安定性を維持することができる。FXRは、コレステロール動的平衡、トリグリセリド合成及び脂肪生成の重要な調節因子となっている(Crawley,Expert Opinion Ther.Patents(2010),20(8):1047-1057)。FXR関連疾患には、肝臓疾患、糖尿病、ビタミンD-関連疾患の治療や薬剤による副作用及び肝炎が含まれる。
本出願人により2018年08月15日に出願された出願(CN201810930184.X)には、代謝性疾患の治療のための胆汁酸誘導体類化合物が開示されている。これらの化合物は、胆汁うっ滞を大幅に改善し、胆汁排泄を促進することができるため、胆汁排泄障害に関連する疾患に治療効果をもたらし、また、ALT、AST、ALPの値を相応に下げることができ、肝障害の修復にも一定の効果を持っている。これらの化合物は、門脈圧を下げ、門脈圧亢進症に治療効果をもたらすこともでき、また、明細書の記載からも分かるように、薬効活性においても優れている。しかし、これらの化合物は、融点が低く、熱や研磨に適しておらず、製剤研究が大きな困難になるおそれがあり、また、溶解性が悪く、貯蔵、秤量に不利で後期の開発に多くの不便をもたらすおそれもある。
従って、この化合物の薬効を保証するという条件下で、より良い製薬性のあるこの化合物の固体形態をどのように得るかは重要な意義がある。
上記事情に鑑みて、本発明が解決しようとする課題は、溶解性、安定性に優れるし、薬効にも優れる胆汁酸誘導体の塩、その結晶形構造及びそれらの製造方法と使用を提供することにある。
従来技術と比較して、本発明は、式(I)構造の化合物を酸と反応させることにより得られる胆汁酸誘導体塩、その結晶形構造及びそれらの製造方法と使用を提供する。実験により、本発明において式(I)構造の化合物を特定の酸と反応させることにより、得られる塩は、良好な溶解性及び安定性を有するとともに、FXR受容体アゴニスト活性も有するようになり、胆汁うっ滞を改善し、門脈圧を低下させ、肝機能を改善することができ、また、慢性肝疾患、代謝性疾患又は門脈圧亢進症及びその関連疾患を治療又は緩和する薬剤の作製に利用できること、が見出された。
図1は、実施例1で作製される化合物1の示差走査熱量測定(DSC)及び熱重量分析(TGA)曲線である。 図2は、実施例3で作製される化合物1の塩酸塩結晶形AのX線粉末回折(XRPD)パターンである。 図3は、実施例3で作製される化合物1の塩酸塩結晶形Aの示差走査熱量測定(DSC)曲線である。 図4は、実施例3で作製される化合物1の塩酸塩結晶形Aの熱重量分析(TGA)曲線である。 図5は、実施例9で作製される化合物1のメタンスルホン酸塩結晶形BのX線粉末回折(XRPD)パターンである。 図6は、実施例9で作製される化合物1のメタンスルホン酸塩結晶形Bの示差走査熱量測定(DSC)及び熱重量分析(TGA)曲線である。 図7は、実施例10で作製される化合物1のメタンスルホン酸塩結晶形CのX線粉末回折(XRPD)パターンである。 図8は、実施例9で作製される化合物1のメタンスルホン酸塩結晶形Cの示差走査熱量測定(DSC)及び熱重量分析(TGA)曲線である。 図9は、塩酸塩結晶形A及びその熱処理後のXRPDパターンの比較図である。 図10は、塩酸塩結晶形A及びその研磨後のXRPDパターンの比較図である。
本発明は、式(I)構造の化合物を酸と反応させることにより得られた胆汁酸誘導体の塩を提供する。
Figure 2023504015000001
式中、R1は、水素、置換若しくは非置換のC1~C12アルキル基、又はハロゲンであり、
各R2は、独立して置換若しくは非置換のC1~C12アルキル基、ハロゲン、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、スルホン酸基及びカルボキシ基からなる群より選択される任意の一つまたは複数のものであり、
mは、0、1、2、3又は4であり、
各R3は、独立して置換若しくは非置換のC1~C12アルキル基、ハロゲン、ヒドロキシ基、C6~C30アリール基からなる群より選択される一つまたは複数のものであり、
nは、0、1、2、3、4又は5である。
前記酸は、塩酸から選択される無機酸、又は有機酸である。
Figure 2023504015000002
前記有機酸は、メタンスルホン酸、シュウ酸、p-トルエンスルホン酸、L-酒石酸、フマル酸、マレイン酸からなる群より選択され、好ましくはメタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸である。
本発明のいくつかの実施形態において、前記R1は、水素、置換若しくは非置換のC2~C6アルキル基、又はハロゲンであり、水素、フッ素、塩素、臭素、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基、イソアミル基又はn-ヘキシル基であることが好ましい。
各R2は、独立して置換若しくは非置換のC2~C6アルキル基、ハロゲン、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、スルホン酸基及びカルボキシ基からなる群より選択される任意の一つまたは複数のものである。また、いくつかの実施形態において、各R2は、独立してフッ素、塩素、臭素、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基、イソアミル基、n-ヘキシル基、ヒドロキシ基、ニトロ基、スルホン酸基及びカルボキシ基からなる群より選択される。
各R3は、独立して置換若しくは非置換のC2~C6アルキル基、ハロゲン、ヒドロキシ基、C6~C18アリール基からなる群より選択される一つまたは複数のものである。また、いくつかの実施形態において、各R3は、独立してフッ素、塩素、臭素、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基、イソアミル基、n-ヘキシル基、ヒドロキシ基、フェニル基、ナフチル基、アントリル基又はフェナントリル基からなる群より選択される。
具体的には、式(I)で示される化合物は、式(F-1)、式(F-2)、式(F-3)、式(F-4)、式(F-5)、式(F-6)、式(F-7)、式(F-8)、(F-9)、式(F-10)、式(F-11)、式(F-12)、(F-13)、式(F-14)、式(F-15)、式(F-16)、(F-17)、式(F-18)、式(F-19)、式(F-20)、(F-21)、式(F-22)、式(F-23)、式(F-24)、(F-25)、式(F-26)、式(F-27)、式(F-28)、(F-29)、式(F-30)、式(F-31)又は式(F-32)の構造を有する。
Figure 2023504015000003
Figure 2023504015000004
Figure 2023504015000005
Figure 2023504015000006
Figure 2023504015000007
より具体的には、前記胆汁酸誘導体の塩は、式(F-1)、式(F-2)、式(F-3)、式(F-4)、式(F-5)、式(F-6)、式(F-7)、式(F-8)、(F-9)、式(F-10)、式(F-11)、式(F-12)、(F-13)、式(F-14)、式(F-15)、式(F-16)、(F-17)、式(F-18)、式(F-19)、式(F-20)、(F-21)、式(F-22)、式(F-23)、式(F-24)、(F-25)、式(F-26)、式(F-27)、式(F-28)、(F-29)、式(F-30)、式(F-31)又は式(F-32)の化合物の塩酸塩、メタンスルホン酸塩、シュウ酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、L-酒石酸塩、フマル酸塩又はマレイン酸塩である。
本発明においては、式(I)構造の化合物をイオン結合又は共有結合を介して適切な塩と連結ことにより、分子中の電荷分布が変化し、化合物の物理化学的特性を調整することが可能となる。実験により、本発明で提供される化合物の塩は、作製過程が簡単で、プロセスの拡大に有利であるだけでなく、物理的性状が遊離塩基状態より優れ、融点が向上し、溶解性が向上し、純度が高く、安定性が遊離塩基化合物より著しく向上することが分かった。
本発明は、式(I)で示される化合物、第一溶剤及び酸を混合して反応させて胆汁酸誘導体の塩を得る工程を含む胆汁酸誘導体の塩の製造方法をさらに提供する。
前記酸は、塩酸から選択される無機酸、又は有機酸である。
前記有機酸は、メタンスルホン酸、シュウ酸、p-トルエンスルホン酸、L-酒石酸、フマル酸、マレイン酸から選択され、好ましくは、メタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸である。
前記第一溶剤は、メタノール、エタノール、イソプロパノール、イソブタノール、2-ブタノン、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、アセトニトリル、メチルtert-ブチルエーテル、アセトン、酢酸エチル、ギ酸メチル、酢酸イソプロピル及びn-ヘキサンのうちの一種又は複数種である。
本発明によれば、式(I)で示される化合物、第一溶剤及び酸を混合して反応させて胆汁酸誘導体塩を得る。ここでは、前記式(I)で示される化合物と酸中の水素イオンとのモル比は、1:(0.9~1.5)であり、より好ましくは、1:(1.0~1.2)である。いくつかの実施形態において、前記第一溶剤は、メタノール、エタノール、イソプロパノール、イソブタノール及びジクロロメタンのうちの一種又は複数種である。本発明においては、反応をより良くするために、
(1)まず、式(I)で示される化合物を第一溶剤に溶解する工程と、
(2)次に、得られる溶液に酸を加えて十分に混合して反応させ、反応液を得る工程と、
(3)ステップ(2)で得られる反応液に第二溶剤を加え、攪拌後に固形物を析出するか、濃縮後に固形物を生成するか、または冷却後に固形物を析出する工程とを含む方法に従って製造することが好ましい。
ここで、前記第一溶剤は、メタノール、エタノール、イソプロパノール、イソブタノール及びジクロロメタンのうちの一種又は複数種であり、前記第二溶剤は、酢酸エチル、アセトニトリル、ジクロロメタン、メチルtert-ブチルエーテル、アセトン、ギ酸メチル、酢酸イソプロピル、テトラヒドロフランのうちの少なくとも一種又は複数種であり、前記第二溶剤は、第一溶剤と極性が異なり、前記第一溶剤と第二溶剤の体積比は1:(1~7)である。より具体的には、前記第一溶剤と第二溶剤の体積比の組み合わせは、メタノール:ジクロロメタン=1:(1~5)、メタノール:酢酸エチル=1:(2~6)、メタノール:アセトニトリル=1:(1~2)、メタノール:酢酸エチル:アセトニトリル=1:3:1、イソプロパノール:ジクロロメタン:酢酸エチル=1:1:6、イソプロパノール:酢酸エチル=1:(2~6)、メタノール:アセトニトリル:ギ酸メチル=1:1:4、エタノール:酢酸エチル=1:(2~6)、エタノール:ジクロロメタン:酢酸エチル=1:1:6、イソプロパノール:メチルtert-ブチルエーテル=1:(1~6)、又はメタノール:メチルtert-ブチルエーテル=1:(1~6)である。
より具体的には、前記第一溶剤と第二溶剤の体積比は、メタノール:ジクロロメタン=1:(3~4)、メタノール:酢酸エチル=1:(3~4)、メタノール:アセトニトリル=1:(1~2)、メタノール:酢酸エチル:アセトニトリル=1:3:1、イソプロパノール:ジクロロメタン:酢酸エチル=1:1:6、イソプロパノール:酢酸エチル=1:(2~4)、メタノール:アセトニトリル:ギ酸メチル=1:1:4、エタノール:酢酸エチル=1:(3~4)、エタノール:ジクロロメタン:酢酸エチル=1:1:6、イソプロパノール:メチルtert-ブチルエーテル=1:(2~4)、又はメタノール:メチルtert-ブチルエーテル=1:(2~6)である。
式(I)で示される化合物の酸付加塩の製造方法においては、前記工程(1)で式(I)で示される化合物を第一溶剤に溶解した溶液の濃度は、0.2g/mL~2g/mLである。
式(I)で示される化合物の第一溶剤への溶解を促進するためには、攪拌又は超音波で溶解を促進することができ、溶解温度は15℃~50℃である。いくつかのより具体的な実施形態において、工程(1)で式(I)で示される化合物を第一溶剤に溶解する際の温度は、15~20℃、又は20~45℃であってもよい。
本発明は、結晶形Aと命名される式(S-1)で示される胆汁酸誘導体塩の結晶形をさらに提供する。
Figure 2023504015000008
前記結晶形AのX線粉末回折パターンには、9.58°±0.2°、13.79°±0.2°、16.81°±0.2°、19.19°±0.2°の2θ角を有する回折ピークが含まれる。より具体的には、前記結晶形AのX線粉末回折パターンには、6.68°±0.2°、9.58°±0.2°、11.37°±0.2°、13.30°±0.2°、13.79°±0.2°、16.81°±0.2°及び19.19°±0.2°の2θ角を有する回折ピークが含まれる。より具体的には、前記結晶形AのX線粉末回折パターンには、6.68°±0.2°、9.58°±0.2°、10.08°±0.2°、10.41°±0.2°、11.37°±0.2°、11.72°±0.2°、13.30°±0.2°、13.79°±0.2°、14.78°±0.2°、15.71°±0.2°、15.96°±0.2°、16.81°±0.2°、17.89°±0.2°、19.19°±0.2°、20.02°±0.2°、20.71°±0.2°、21.75°±0.2°、23.66°±0.2°、24.61°±0.2°、25.65°±0.2°、26.38°±0.2°、26.59°±0.2°及び28.96°±0.2°の2θ角を有する回折ピークが含まれる。前記結晶形Aの示差走査熱量曲線には、176.5℃±3℃の吸熱ピークが含まれる。
より具体的には、前記結晶形Aは、(1)そのX線粉末回折パターンが図2と実質的に同じであり、及び/又は(2)その示差走査熱量曲線が図3と実質的に同じであることを特徴とする。本発明において、本発明の式(S-1)で示される胆汁酸誘導体の塩の結晶形は、前記の胆汁酸誘導体塩の製造方法に従って得ることができ、ここで、第一溶剤はメタノール又はイソプロパノールであり得、前記第二溶剤は酢酸エチル又はメチルtert-ブチルエーテルである。前記反応においては、第一溶剤がイソプロパノールであり、かつ、第二溶剤が酢酸エチルである場合、それらの体積比が1:(1~5)、又は1:(2~4)である。第一溶剤がメタノールであり、かつ、第二溶剤がメチルtert-ブチルエーテルである場合、それらの体積比が1:(1~4)、又は1:(2~3)である。
本発明は、結晶形Bと命名される式(S-9)で示される胆汁酸誘導体塩の結晶形をさらに提供する。
Figure 2023504015000009
前記結晶形BのX線粉末回折パターンには、4.52°±0.2°、5.20°±0.2°、13.34°±0.2°、13.58°±0.2°、14.88°±0.2の2θ角を有する回折ピークが含まれる。より具体的には、前記結晶形BのX線粉末回折パターンには、4.52°±0.2°、5.20°±0.2°、7.12°±0.2°、9.05°±0.2°、13.34°±0.2°、13.58°±0.2°、14.88°±0.2°、15.71°±0.2°、17.48°±0.2°及び18.15°±0.2°の2θ角を有する回折ピークが含まれる。より具体的には、結晶形BのX線粉末回折パターンには、4.52°±0.2°、5.20°±0.2°、7.12°±0.2°、9.05°±0.2°、10.15°±0.2°、10.72°±0.2°、13.34°±0.2°、13.58°±0.2°、14.26°±0.2°、14.88°±0.2°、15.15°±0.2°、15.71°±0.2°、17.48°±0.2°、18.15°±0.2°、19.72°±0.2°、20.19°±0.2°、20.35°±0.2°、21.22°±0.2°、22.74°±0.2°、23.44°±0.2°、23.99°±0.2°及び32.03°±0.2°の2θ角を有する回折ピークが含まれる。
より具体的には、前記結晶形Bは、(1)そのX線粉末回折パターンが図5と実質的に同じであり、及び/又は(2)その示差走査熱量曲線及び熱重量解析曲線が図6と実質的に同じであることを特徴とする。
本発明において、本発明の式(S-9)で示される胆汁酸誘導体塩の結晶形は、前記の胆汁酸誘導体塩の製造方法に従って得ることができ、ここで、第一溶剤はイソプロパノールであり得、イソプロパノールと第二溶剤の体積比は、1:(6~10)、又は1:(7~8)である。具体的には、前記第二溶剤が酢酸エチルである場合、反応中のイソプロパノールと酢酸エチルの体積比は、1:(6~10)、又は1:(7~8)である。
本発明は、結晶形Cと命名される式(S-9)で示される胆汁酸誘導体塩の結晶形をさらに提供する。
Figure 2023504015000010
前記結晶形CのX線粉末回折パターンには、6.47°±0.2°、12.04°±0.2°、12.53°±0.2°、13.15°±0.2°、14.76°±0.2°の2θ角を有する回折ピークが含まれる。より具体的には、前記結晶形CのX線粉末回折パターンには、6.47°±0.2°、9.19°±0.2°、11.15°±0.2°、11.39°±0.2°、12.04°±0.2°、12.53°±0.2°、13.15°±0.2°、14.76°±0.2°、15.67°±0.2°、18.48°±0.2°、18.74°±0.2°及び20.76°±0.2°の2θ角を有する回折ピークが含まれる。より具体的には、前記結晶形CのX線粉末回折パターンには、6.47°±0.2°、9.19°±0.2°、10.47°±0.2°、11.15°±0.2°、11.39°±0.2°、12.04°±0.2°、12.53°±0.2°、13.15°±0.2°、14.76°±0.2°、15.67°±0.2°、16.06°±0.2°、17.49°±0.2°、17.85°±0.2°、18.13°±0.2°、18.48°±0.2°、18.74°±0.2°、19.19°±0.2°、19.92°±0.2°、20.76°±0.2°、21.02°±0.2°、21.91°±0.2°、23.07°±0.2°、23.90°±0.2°及び24.88°±0.2°の2θ角を有する回折ピークが含まれる。
より具体的には、前記結晶形Cは、(1)そのX線粉末回折パターンが図7と実質的に同じであり、及び/又は(2)その示差走査熱量曲線及び熱重量解析曲線が図8と実質的に同じであることを特徴とする。
本発明において、本発明の式(S-9)で示される胆汁酸誘導体塩の結晶形は、前記の胆汁酸誘導体塩の製造方法に従って得ることができ、ここで、第一溶剤はエタノールであり得、エタノールと第二溶剤の体積比は、1:(2~5)、又は1:(3~4)であることが好ましく、また、前記第二溶剤が酢酸エチルである場合、反応中のエタノールと酢酸エチルの体積比は、1:(2~5)、又は1:(3~4)である。
本発明は、慢性肝疾患、代謝性疾患又は門脈圧亢進症から選択されるFXR関連疾患を治療又は軽減するための医薬品の製造における、本発明に係る胆汁酸誘導体塩若しくはその溶媒和物又は本発明に係る結晶形胆汁酸誘導体塩の使用をさらに提供する。前記慢性肝疾患には、原発性胆汁うっ滞性肝硬変、原発性硬変性胆管炎、肝線維症関連疾患、薬剤による胆汁うっ滞、進行性家族性肝内胆汁うっ滞、妊娠性胆汁うっ滞、アルコール性肝疾患及び非アルコール性脂肪性肝疾患の一つまたは複数が含まれる。前記門脈圧亢進症は、肝線維症、肝硬変、脾腫又は他の原因による門脈圧亢進症から選択される。前記代謝性疾患には、高コレステロール血症、血脂異常、コレステロール結石及び高トリグリセリド血症が含まれる。
本発明に係る薬剤は、上記の慢性肝疾患、代謝性疾患又は門脈圧亢進症などの疾患を治療又は軽減するのに用いられる場合、胆汁酸誘導体の塩のみを有効成分として含んでもよく、胆汁酸誘導体の塩と他の薬剤化合物とを同時に含んでもよい。本発明で提供される使用において、本発明の胆汁酸誘導体の塩は、単独の活性剤として投与されることができるし、同じ又は類似の治療活性を有し、かつこのような併用投与に対して安全かつ有効と判断される他の化合物を包含する他の治療剤と併用投与されることができる。本発明で提供される疾患又は病気の治療、予防又は改善のための使用には、本発明に開示される胆汁酸誘導体の塩と一つまたは複数の治療活性剤とを含む安全かつ有効な量の併用薬を投与することが含まれる。いくつかの実施形態において、併用薬は、一つ又は2つの他の治療剤を含む。
さらに別の態様においては、本発明は、必要とする個体又は対象に本発明に開示される胆汁酸誘導体塩を有効量で投与することを含む、FXR受容体を活性化するための方法を提供する。
さらに別の態様においては、本発明は、必要とする個体に本発明に開示される胆汁酸誘導体の塩、結晶形状態の胆汁酸誘導体の塩、又は本発明に開示される胆汁酸誘導体の塩を含む医薬組成物を治療有効量で投与することを含む、FXR関連疾患を予防、治療又は軽減するための方法を提供する。
(定義及び一般用語)
特に断りがない限り、本明細書及び特許請求の範囲における本発明に用いられる用語は、以下の定義を有する。
別段の説明がない限り、本発明で使用される全ての技術用語は、本発明が属する領域における当業者により一般に理解されるのと同じ意味を有する。本発明に言及される全ての特許及び公開出版物は、引用により全体に本発明に組み込まれる。「含有」、「含む」という用語は、開放型の表現であり、即ち、本発明で指定される内容が含まれるが、他の態様は除外されない。
「薬学的に許容される」という用語は、物質又は組成物が、製剤を含有する他の成分及び/又はそれで治療される哺乳動物と化学的及び/又は毒物学的に適合しなければならないことを意味する。
本発明で使用される「当量」という用語又はその略語「eq.」は、化学反応の当量関係に従って、各ステップで使用される基本原料を基準(1当量)とする場合、必要とされる他の原材料の当量用量である。
結晶形は、本発明において、グラフにより「描写」されるパターンデータによって特徴付けられると考えられる。これらのデータには、例えば、粉末X線回折パターン、ラマン分光、フーリエ変換-赤外分光、DSC曲線、TGA曲線及び固体NMR分光が含まれる。当業者であれば、このようなデータのパターン表示は僅かな変化(例えば、ピーク相対強度及びピーク位置)が生じた可能性があることは、理解されるだろう。当業者によく知られているように、その理由は、機器の応答の変化やサンプル濃度及び純度の変化などの要因にある。それでも、当業者であれば、本明細書の図のパターンデータと未知の結晶形から生成したパターンデータとを比較して、その2組のパターンデータが同じ結晶形を表しているかどうかを確認できる。
結晶多形体は、公知の手段により検出、同定、分類及び特性評価することができる。これらの技術は、例えば、示差走査熱量測定法(DSC)、熱重量分析法(TGA)、X線粉末回折法(XRPD)、単結晶X線回折法、振動分光法、溶液熱量測定法、固体核磁気共鳴法(SSNMR)、フーリエ変換赤外分光(FT-IRspectrum)法、ラマン分光(Ramanspectrum)法、ホットステージ光学顕微鏡法、走査型電子顕微鏡(SEM)、電子結晶学、及び定量分析、粒子サイズ分析(PSA)、表面積分析、溶解度及び溶出速度であるが、これらに限定されない。特に断りがない限り、スベクトル又はパターンとして現れるデータ(例えば、XRPD、赤外線、ラマン及びNMRスベクトル)について説明する場合、「ピーク」という用語は、当業者により認識可能な非バックグラウンドノイズによるピーク又は他の特殊な特徴を意味する。「有効ピーク」という用語は、スベクトル又はデータ中の他のピークの少なくとも中間サイズ(例えば、高さ)又はスベクトル又はデータ中の他のピークの少なくとも中間サイズの1.5、2又は2.5倍のピークを意味する。
X線粉末回折(XRPD)の分野でよく知られているように、X線粉末回折(XRPD)パターンを得る際に使用される装置、湿度、温度、粉末結晶の配向及び他のパラメータのいずれかは、指定されるいずれの結晶形において、回折パターンにおけるピークの外観、強度及び位置のいくつかの変異を引き起こす可能性がある。本試験で用いた機器の状況によっては、回折ピークには±0.2°の許容誤差がある。
本明細書で提供される図2又は図5又は図7と「実質的に同じ」X線粉末回折パターンとは、当業者が考えられる、図2又は図5又は図7のXRPDパターンの化合物と同じXRPDパターンであるか、又はそれと僅かに異なるものを指す。このようなXRPDパターンは、本明細書で提示される回折パターンのいずれかのピークを示す必要はなく、かつ/又はデータの取得に伴う条件の相違による前記ピークの外観、強度又は変位にあるわずかな変化を示してもよい。当業者は、それらのXRPDパターンを比較することにより、結晶化合物のサンプルが本明細書に開示される結晶形と同じ結晶形又は異なる結晶形を有するかどうかを決定することができる。同様に、当業者は、示されるXRPDパターンからの回折角(°2θとして表す)が本明細書に提示される値とほぼ同じ位置にあるかどうかを決定することができる。本発明の文脈において、X線粉末回折パターン中の2θ値は、いずれも度(°)を単位とする。
同様に、示差走査熱量測定(DSC)の分野でよく知られているように、DSC曲線の融解ピークの高さは、サンプル作製及び試験機器の条件などに関連する多くの要因に依存するが、それに対して、ピーク位置は実験の詳細に影響をあまりに受けない。従って、いくつかの実施形態において、本発明の結晶化合物は、特徴的なピーク位置のDSCパターンを有し、本発明の図面に提供されるDSCパターンと実質的に同じ特性を有することを特徴とする。本試験で用いた機器の状況及び/又はサンプルの作製状況によっては、融解ピークには±3℃、±4℃又は±5℃の許容誤差がある。いくつかの実施形態においては、本発明に係る塩酸塩結晶形Aは176.55℃に、熱エンタルピー値が56.32J/g、開始温度が170.20℃である吸熱ピークを有し、メタンスルホン酸塩結晶形Bは137.5℃に、熱エンタルピー値が34.223J/g、開始温度が125.5℃である吸熱ピークを有し、メタンスルホン酸塩結晶形Cは、186℃に、熱エンタルピー値が57.814J/g、開始温度が180.4℃である吸熱ピークを有する。
熱重量分析(TGA)の分野でよく知られているように、熱重量分析(TGA)は、プロセス制御温度において、物質の質量と温度の関係を測定する技術である。TGA曲線で示される質量変化及び温度範囲は、サンプル作製及び機器などの多くの要因に依存するので、異なる機器及び異なるサンプルの場合、TGAの質量変化が相違することがある。重量減少率には、±5%、±4%、±3%又は±2%の許容誤差がある場合があるため、前記のTGAにより測定された一定の温度範囲における重量減少率は絶対値とは見なされない。いくつかの特定の実施形態においては、本発明に係る塩酸塩結晶形Aは、170℃前の温度範囲で2.088%の重量減少を有し、メタンスルホン酸塩結晶形Bは、約130℃前で約0.66%の重量減少を有し、メタンスルホン酸塩結晶形Cは、約180℃の前で約0.53%の重量減少を有する。
X線粉末回折、DSC曲線図、TGA曲線図、ラマンスベクトル及びフーリエ変換-赤外スベクトルと「実質的に同じ」とは、X線粉末回折パターン、DSC曲線図、TGA曲線図、ラマンスベクトル及びフーリエ変換-赤外スベクトルにおけるピークの少なくとも50%、又は少なくとも60%、又は少なくとも70%、又は少なくとも80%、又は少なくとも90%、又は少なくとも95%、又は少なくとも99%が図中に表示されていることを意味する。
X線粉末回折パターンにおける回折ピークの「相対強度」とは、X線粉末回折パターン(XRPD)の全ての回折ピークにおける第1強いピークの強度が100%とされる場合、他のピークの強度と第1強いピークの強度との比を意味する。
本発明に係る式(I)で示される化合物の塩酸塩結晶形Aは、実質的に純粋な結晶形態で存在する。
「実質的に純粋な」という用語は、化学的純度及び結晶形純度を指す。より具体的には、1種の結晶形には、別の一種または複数種の結晶形が実質的に含まれず、即ち、結晶形の純度が、少なくとも80%、又は少なくとも85%、少なくとも90%、又は少なくとも93%、又は少なくとも95%、又は少なくとも98%、又は少なくとも99%、又は少なくとも99.5%、又は少なくとも99.6%、又は少なくとも99.7%、又は少なくとも99.8%、又は少なくとも99.9%であり、或いは結晶形には他の結晶形が含まれるけれども、結晶形の総体積又は総重量に対する前記の他の結晶形の割合が、20%未満、又は10%未満、又は5%未満、又は3%未満、又は1%未満、又は0.5%未満、又は0.1%未満、又は0.01%未満である。
本発明の結晶の純度は、例えば、X線粉末回折法、熱重量分析などの既知の方法により測定することができる。本発明の結晶又は混晶の純度は100%である必要はなく、80%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上、最も好ましくは98%以上であればよい。品質を確保するには、この範囲内の純度が好ましい。
本発明で使用される「約」及び「ほぼ」という用語は、通常、所定の値又は範囲の±10%以内、適切に±5%以内、特に1%以内の誤差のことを指す。或いは、当業者にとって、「約」及び「大約」という用語は、平均値の許容可能な標準誤差の範囲内にあることを意味する。
本発明においては、胆汁酸誘導体の塩、その結晶形構造及びそれらの製造方法と使用が提供される。本発明で提供される胆汁酸誘導体の塩は、式(I)構造の化合物を酸と反応させることにより得られる。結果により、本発明において式(I)構造の化合物を特定の酸と反応させることにより、得られた塩は、良好な溶解性及び安定性を有するとともに、FXR受容体アゴニスト活性も有するようになり、胆汁うっ滞を改善し、門脈圧を低下させ、肝機能を改善することができ、慢性肝疾患、代謝性疾患又は門脈圧亢進症及びその関連疾患を治療又は緩和するための医薬品の製造に使用できる、ことが示された。
以下、実施例の技術案を参照しながら本発明を明確かつ完全に説明する。説明された実施例は、本発明の一部の実施例にすぎず、全ての実施例ではないことが明らかである。本発明における実施例に基づいて、当業者が創造的な努力なしに得られた全ての他の実施例は、本発明の保護範囲に属する。
化合物の構造は、核磁気共鳴(1H-NMR)により確定された。1H-NMR変位(δ)は、百万分率(ppm)の単位で表された。1H-NMR分析に使用した機器は、B-ACS 120オートサンプリングシステムを備えたBruker Advance 400であった。測定溶剤は、重水素化クロロホルム(CDCl3)、重水素化メタノール(CD3OD)又は重水素化ジメチルスルホキシド(DMSO-d6)などの慣用される重水素化溶剤であった。LC-MSの測定には、Agilen-6120Quadrupole LC/MS質量分析計を使用した。
得られた塩の固体形態をX線粉末回折(XRPD)により分析した。実験により得られた固形産物は、D8 advance粉末X線回折分析装置(Bruker)及びD2 phaser粉末X線回折分析装置(Bruker)により分析した。この機器にはLynxEye検出器が備えられた。D8 advance粉末X線回折分析装置(Bruker)でサンプルを測定する際には、Cu Kα放射線を使用し、2θ走査角度を3°~40°とし、走査のステップサイズを0.02°とした。サンプル測定中の光電管電圧及び光電管電流は、それぞれ40KV及び40mAとされた。D2 phaser粉末X線回折分析装置(Bruker)でサンプルを測定する際には、Cu Kα放射線を使用し、サンプル測定時の光電管電圧及び光電管電流をそれぞれ30KV及び10mAとした。
得られた化合物又は塩の固体形態については、ECLIPSE LV100POL機器モデルの偏光顕微鏡(ニコン、日本)を使用して偏光顕微鏡分析(PLM)を行った。
得られた塩の固体形態については、TGA Q500又はDiscovery TGA 55(TA、米国)のモデルの熱重量分析計を使用して熱重量分析(TGA)を行った。サンプルは、平衡されたアルミニウム製オープンサンプルトレイに入れられ、質量がTGA加熱炉で自動的に秤量された。サンプルは10℃/minの速度で最終温度まで加熱された。
得られた塩の固体形態については、モデルがDSC Q200又はDiscovery DSC 250(TA、米国)である示差走査熱量測定分析機器を使用して、示差走査熱量測定分析(DSC)を行った。サンプルは正確に秤量された後にDSCパンクサンプルトレイに入れられ、サンプルの正確な質量が記録された。サンプルは10℃/minの昇温速度で最終温度まで加熱された。
得られた塩の固体形態に対しては、モデルがIGA Sorp(Hidentity Isochema)である動的水分吸脱着分析機器を使用して、動的水分吸脱着分析(DVS)を行った。サンプル測定には、グラジエントモードを用い、試験の湿度範囲を0%~90%とし、各グラジエントの湿度の増加量を10%とした。
実施例においては、特に断りのない限り、反応温度が室温であり、室温が20℃~30℃であった。
HPLCとは、高速液体クロマトグラフィーを指す。HPLCの測定には、Agilent 1200高圧液体クロマトグラフ(Zorbax Eclipse Plus C18 150×4.6mmクロマトカラム)を使用した。
結晶形は、例えば、適切な溶剤混合物からの結晶化又は再結晶化、昇華、別の相からの固体状態変換、超臨界流体からの液体結晶及び噴霧などを包含する様々な方法により作製することができるが、これらに限定されない。
冷却された結晶化混合物を真空下でろ過し、分離された固体生成物を適当な溶剤(例えば、冷たい再結晶化溶剤)で洗浄することができる。洗浄後、生成物を窒素パージ下で乾燥させて所望の結晶形を得ることができる。化合物の結晶形が形成されていることを確認するためには、生成物は、例えば、X線単結晶回折分析、X線粉末回折(XRPD)分析、示差走査熱量測定法(DSC)、熱重量分析(TGA)、フーリエ変換-赤外分光(FT-IR)分析及びラマン分光(Raman spectrum)分析などを包含する適切な分光法又は分析手段により分析することができるが、これらに限定されない。
以下の略語は、本発明全体で使用される:
ACN アセトニトリル
DCM ジクロロメタン
EtOH エタノール
EA、EtOH 酢酸エチル
g グラム
IPA イソプロパノール
MTBE メチルtert-ブチルエーテル
MeOH メタノール
M、mol/L モル毎リットル、即ち、1L溶液に含まれる溶質の物質の量
mL、ml ミリリットル
mmol ミリモル
v 体積
以下の実施例における溶剤の割合は、特に断りのない限り、いずれも体積比である。
(一)作製実施例
実施例1:化合物1の合成
特許CN201810930184.Xの実施例1に記載の方法により作製してオフホワイト固体化合物1を得た。
この固体は偏光顕微鏡(PLM)で分析され、複屈折は見られず、そのDSC-TGA曲線を図1に示すように、DSCの2つの吸熱ピークの開始温度がそれぞれ41.6℃及び72.6℃であった。TGAは、100℃の前に6.2%の重量減少を示した。DVSは、湿度10%~90%の条件下で、吸湿率が1.933%~7.0146%であることを示した。化合物1は融点が低く、吸湿性が高く、製剤に不利であった。XRPDは、この固形物がアモルファス状態であり、実施例1の化合物の融点が低く、製剤に不利であることを示した。
実施例2 化合物1の塩酸塩の作製
室温で、実施例1の化合物(1.0eq.)を40~60μLのMeOHに加えて攪拌して溶解させた。次に、それに1.5μLの塩酸(1.0eq.)を加えて攪拌し、固体が析出しなかった。その後、100μLのACNを加え、固体が析出しなかった。フラスコに蓋をした後に室温下でゆっくりと揮発させて固形物が得られ、得られた固形産物を検出した。XRPDによって、この固形物は明らかな回折ピークがなく、アモルファス形態であったこと、が示された。
UPLC-MS:(m/z):590.3610[M+H]+
1H-NMR(DMSO-d6,400MHz,ppm):8.98(d,J=6.8Hz,2H),8.03(d,J=6.8Hz,2H),6.02(t,J=2.8Hz,1H),4.59(m,1H),4.47(m,1H),4.16(m,2H),3.50(brs,1H),3.14(m,1H),2.42(m,1H),2.16(m,1H),1.91(m,1H),1.81(m,2H),1.77(m,1H),1.76(m,1H),1.72(m,1H),1.70(m,1H),1.53(m,1H),1.50(m,1H),1.47(m,1H),1.45(m,1H),1.42(m,2H),1.39(m,1H),1.32(m,1H),1.30(m,1H),1.27(m,1H),1.19(m,1H),1.18(m,1H),1.17(m,1H),1.16(m,1H),1.14(m,1H),1.10(m,1H),0.99(m,1H),0.94(d,3H),0.89(m,1H),0.82(m,6H),0.60(s,3H);
13C-NMR(DMSO-d6,400MHz,ppm):157.56、157.47、143.20、123.65、77.78、77.73、71.04、68.82、67.50、67.45、67.33、67.26、56.12、50.58、45.78、42.54、41.75、40.41、39.78、36.28、36.22、35.99、35.65、33.99、33.11、32.71、32.26、32.19、30.89、28.40、23.55、23.52、22.63、20.87、18.82、12.18、12.09;
P-NMR:(DMSO-d6,162MHz,ppm):-6.07。
1H-NMRの結果によると、ピリジン環上の4つの水素には、明らかな化学シフトが生じたことが分かった。ピリジン環に電子移動が発生し、塩酸塩が形成されたことが示唆されている。
DSCにより、この方法で作製された化合物1の塩酸塩のアモルファス固形粗生成物が約84.3、109.0、132.0℃に3つの初期吸熱ピークを有することが検出された。従って、塩形成後の固体の融点は、化合物1より著しく高かった。
TGAにより、この方法で作製された化合物1の塩酸塩のアモルファス固形粗生成物が約140℃で2.4%の重量減少を有することが検出された。
実施例3:化合物1の塩酸塩結晶形Aの作製
化合物1(1.0g)を2~3mLのイソプロパノールに加え、40~60℃条件下で攪拌し、溶解後に150μLの塩酸(1.05eq.)を加えた。次に、6~10mLのEtOAcをゆっくりと加えた。攪拌後に固形物が析出し、2~4h攪拌し続けた後にゆっくりと冷却し、室温まで冷却した後に1~2h攪拌し続け、ろ過し、得られた固形物を60~70℃で一晩乾燥させた。
(1)1H-NMRの検出結果は、実施例2とほぼ一致しており、ピリジン環上の4つの水素には明らかな化学シフトが生じ、塩酸塩の形成が確認された。上記方法で作製された化合物1の塩酸塩をさらに検出した。
(2)島津イオンクロマトグラフィーシステムPDM-IC-001で塩化物イオン含有量を測定したところ、サンプル中の塩化物イオン含有量が5.6%であり、また、理論的には、一塩酸塩中の塩化物イオン含有量が5.8%であることから、その結果は、本方法で実施例2の化合物1の塩酸塩が作製され、化合物1と塩酸との化学量論比が1:1であることを示した。
(3)X線粉末回折:得られた固形物をXRPDで検出したスベクトルを図2に示す。図2には明らかな回折ピークがあり、この固形物が結晶形状態であったことが示され、化合物1の塩酸塩結晶形Aとして識別された。その具体的なデータ結果を以下の表2に示す。ただし、回折ピーク位置には±0.2°の許容誤差が存在し得る。
Figure 2023504015000011
(4)DSCにより、実施例3で作製された化合物1の塩酸塩結晶形Aが検出され、得られたDSC曲線スベクトルを図3に示した。
結晶形Aは、約176.55℃で、熱エンタルピー値が56.32J/gで、開始温度(onset)が170.20℃である吸熱ピークを有した。化合物の融点が170℃であり、塩形成前の化合物1及び塩酸塩アモルファスにより著しく向上したと考えられる。
(5)TGAにより、実施例3で作製された化合物1の塩酸塩結晶形Aが検出され、得られたTGA曲線スベクトルを図4に示した。
このサンプルは約170℃の前に2.088%の重量減少があったことが示されており、サンプルに結晶水が含まれていないことが示されている。
なお、結晶方法のいくつかの等価条件を置換して得られた塩酸塩固体は、異なるXRPDパターンを示すことがあり、追加のピークを示す場もがあるが、TGA及びDSCでは類似の熱特性を示す。これらのXRPDでの違いは、結晶化度及び優先配向などの理由によるものである。結晶形の残留含有量が異なる場合、得られた塩酸塩結晶形Aの固形物は、TGA及びDSCで異なる熱特性を示すことがあるが、上記の表2における主な回折ピーク9.58°±0.2°、13.79°±0.2°、16.81°±0.2°、19.19°±0.2°が含まれるか、又は主な回折ピーク6.68°±0.2°、9.58°±0.2°、11.37°±0.2°、13.30°±0.2°、13.79°±0.2°、16.81°±0.2°及び19.19°±0.2°が含まれるか、又は主な回折ピーク6.68°±0.2°、9.58°±0.2°、11.37°±0.2°、11.72°±0.2°、13.30°±0.2°、13.79°±0.2°、14.78°±0.2°、15.96°±0.2°、16.81°±0.2°、17.89°±0.2°、19.19°±0.2°、20.02°±0.2°、20.71°±0.2°、21.75°±0.2°、24.61°±0.2°及び28.96°±0.2°が含まれる限り、塩酸塩結晶形Aが得られたと考えられる。
イオン結合又は共有結合を介して化合物を適切な酸と連結することで、分子中の電荷分布を変化させ、活性分子の物理化学的特性を調整することが可能となり、そして塩形成後に様々な固体形態を得るのに有利である。DSC曲線から、本実施例の製造方法により得られた塩酸塩結晶形Aは、実施例2で作製された塩酸塩アモルファスより融点がより著しく高かったことが分かった。
実施例4:シュウ酸塩の作製
室温で、10.9mgの実施例1の化合物を40~60μLのMeOHに加えて攪拌して溶解させた。次に、それに、1.665mgのシュウ酸を加え、固形物は析出しなかった。次に、120~150μLのEtOAcを加え、固形物は析出しなかった。溶剤を揮発した後に、得られた固形産物の特性を調べた。XRPDでは、この固形物は、明らかな回折ピークを1つしかなく、基本的にアモルファス形態であったことが示された。
イソプロパノール/酢酸エチル(v/v)=1:3、エタノール/酢酸エチル(v/v)=1:3に切り替えても、結晶形を含む生成物が得られなかった。
実施例5:L-酒石酸塩の作製
室温で、10.9mgの実施例1の化合物を120~150μLのIPA/DCM(v/v=2:1)溶液に加え、40~50℃で加熱しながら攪拌して溶解させた後、L-酒石酸(2.8mg、1.0eq.)を加え、固形物は析出しなかった。次に、300~400μLのEtOAcを加え、固形物は析出しなかった。XRPDでは、この固形物がアモルファス形態であったことが示された。
イソプロパノール/メチルtert-ブチルエーテル(v/v)=1:3、エタノール/酢酸エチル(v/v)=1:3、メタノール/酢酸イソプロピル(v/v)=1:4に切り替えても、結晶形を含む生成物が得られなかった。
実施例6:p-トルエンスルホン酸塩の作製
室温で、10.4mgの実施例1の化合物を50~60μLのイソプロパノールに加え、40~50℃で加熱しながら攪拌して溶解させた後、p-トルエンスルホン酸一水和物(3.4mg、1.0eq.)を加え、固形物は析出しなかった。次に、150~200μLのEtOAcを加え、粘稠な産物が現れるが、固形物は析出しなかった。溶剤を蒸発した後に得られた固形物を1H-NMR(DMSO-d6,400MHz)で検出したところ、p-トルエンスルホン酸のベンゼン環水素信号及び化合物1のピリジン環水素信号のシフトが見られ、塩の形成が示された。
実施例7:フマル酸塩の作製
室温で、10.8mgの実施例1の化合物を50~60μLのイソプロパノールに加え、40~50℃で加熱しながら攪拌して溶解させた後、p-フマル酸(2.0mg、1.0eq.)を加え、固形物は析出しなかった。次に、150~200μLのEtOAcを加え、粘稠な産物が現れるが、固形物は析出しなかった。XRPDでは、この固形物がアモルファス形態であったことが示された。
イソプロパノール/ジクロロメタン(v/v)=1:4、エタノール/アセトン(v/v)=1:6、メタノール/酢酸イソプロピル(v/v)=1:4に切り替えても、結晶形を含む生成物が得られなかった。
実施例8:マレイン酸塩作製
室温で、10.2mgの実施例1の化合物を50~60μLのイソプロパノールに加え、40~50℃で加熱しながら攪拌して溶解させた後に、p-マレイン酸(2.0mg、1.0eq.)を加え、固形物は析出しなかった。次に、120~150μLの2-ブタノンを加え、粘稠な産物が現れるが、固形物は析出しなかった。
実施例9:メタンスルホン酸塩の製造方法一
室温で、100.9mg(0.17mmol)の実施例1の化合物を100~120μLのイソプロパノールに加えて攪拌して溶解させた後、11μLのメタンスルホン酸(0.17mmol、1.0eq.)を加え、酢酸エチル700~800μLを加えた後、粘稠な産物が現れ、2~3日攪拌した後に固形物を得、40~50℃で100~150μLのエタノールを加えて溶液を清澄化し、2~4時間攪拌して固形物を得た。X線単結晶回折(XRPD)分析では、この固形物が結晶形形態であったことが示され、化合物1のメタンスルホン酸塩結晶形Bとして識別された。
(1)1H-NMR(DMSO-d6,400MHz,ppm):8.89(d,J=6Hz,2H),7.88(d,J=6Hz,2H),5.95(m,1H),4.52-4.62(m,1H),4.42-4.50(m,1H),4.13-4.18(m,2H),3.50(brs,1H),3.14(m,1H),2.38(m,1H),2.34(s,3H),2.16(m,1H),1.92(m,1H),1.81(m,2H),1.77(m,1H),1.76(m,1H),1.72(m,1H),1.71(m,1H),1.51(m,1H),1.50(m,1H),1.47(m,1H),1.45(m,1H),1.42(m,2H),1.39(m,1H),1.32(m,1H),1.30(m,1H),1.27(m,1H),1.19(m,1H),1.18(m,1H),1.17(m,1H),1.16(m,1H),1.14(m,1H),1.10(m,1H),0.99(m,1H),0.94(d,3H),0.90(m,1H),0.84(m,6H),0.61(s,3H)。
水素スベクトルにはメタンスルホン酸のメチル信号が含まれ、ピリジン環の4つの水素の明らかな化学シフトが観察され、メタンスルホン酸塩が形成された。
(2)化合物1メタンスルホン酸塩結晶形BのXRPDスベクトルを図5に示した。XRPDスベクトルには明らかな回折ピークがあるから、この固形物が結晶形状態であったことが示された。本実施例で作製されたメタンスルホン酸塩結晶形Bの具体的なデータ結果を以下の表3に示す。ただし、ピーク位置には±0.2°の許容誤差が存在し得る。
Figure 2023504015000012
(3)TGAにより、実施例9で作製されたメタンスルホン酸塩結晶形Bを検出したところ、約130℃の前に約0.66%の重量減少があり、サンプルに結晶水が含まれていないことが示された。
(4)DSCにより、実施例9で作製されたメタンスルホン酸塩結晶形Bを検出したところ、137.5℃に、熱エンタルピー値が34.223J/g、開始温度が125.5℃である吸熱ピークがあり、この結晶形の融点が約125.5℃であったと考えられた。TGAとDSCの複合曲線を図6に示した。
なお、結晶形残留含有量が異なると、得られたメタンスルホン酸塩固体はTGA及びDSCで異なる熱特性を示したり、異なるXRPDパターンを示したりする可能性があり、追加のピークを示す場合もあるが、上記の表3中の2θ角が4.52°±0.2°、5.20°±0.2°、13.34°±0.2°、13.58°±0.2°、14.88°±0.2の主な回折ピークが含まれるか、又は4.52°±0.2°、5.20°±0.2°、7.12°±0.2°、9.05°±0.2°、13.34°±0.2°、13.58°±0.2°、14.88°±0.2°、15.71°±0.2°、17.48°±0.2°及び18.15°±0.2°の主な回折ピークが含まれるか、又は2θ角が4.52°±0.2°、5.20°±0.2°、7.12°±0.2°、9.05°±0.2°、10.15°±0.2°、10.72°±0.2°、13.34°±0.2°、13.58°±0.2°、14.26°±0.2°、14.88°±0.2°、15.15°±0.2°、15.71°±0.2°、17.48°±0.2°、18.15°±0.2°、19.72°±0.2°、20.19°±0.2°、20.35°±0.2°、21.22°±0.2°、22.74°±0.2°、23.44°±0.2°、23.99°±0.2°及び32.03°±0.2°の主な回折ピークが含まれる限り、メタンスルホン酸塩結晶形Bが得られたと考えられる。
実施例10:メタンスルホン酸塩の製造方法二
室温で、30.5mg(0.0517mmol)の実施例1の化合物を100~120μLのエタノールに加えて攪拌して溶解させた後、3.35μLのメタンスルホン酸(0.0517mmol、1.0eq.)を加え、40~50℃で300~400μLの酢酸エチルを加えた後、粘稠な産物が現れ、30~60min攪拌した後に固形物が形成された。X線単結晶回折(XRPD)検出では、この固形物が結晶形形態であり、本実施例で作製された結晶形がメタンスルホン酸塩結晶形Cであったことが示された。
(1)1H-NMR(DMSO-d6,400MHz,ppm):実施例9と同じであった。
(2)実施例10で得られたメタンスルホン酸塩結晶形CのXRPDスベクトルを図7に示した。
XRPDスベクトルには明らかな回折ピークがあり、この固形物が結晶形状態であったことが示され、化合物1のメタンスルホン酸塩結晶形Cとして識別された。その具体的なデータ結果を以下の表4に示す。ただし、ピーク位置には±0.2°の許容誤差が存在し得る。
Figure 2023504015000013
Figure 2023504015000014
(3)TGAにより、実施例10で作製されたメタンスルホン酸塩結晶形Cを検出したところ、約180℃の前に約0.53%の重量減少があり、サンプルに結晶水が含まれていないことが示された。
(4)DSCにより、実施例10で作製されたメタンスルホン酸塩結晶形Cを検出したところ、186℃に、熱エンタルピー値が57.814J/g、開始温度が180.4℃である吸熱ピークがあり、この結晶形の融点が約180℃であったと考えられた。TGAとDSCの複合曲線を図8に示した。メタンスルホン酸塩結晶形のB結晶形及びC結晶形のTGA及びDSCデータによって、結晶形Cは結晶形Bよりも優れた熱安定性を有することが示された。
なお、結晶形残留含有量が異なると、得られたメタンスルホン酸塩固体はTGA及びDSCで異なる熱特性を示したり、異なるXRPDパターンを示したりする可能性があり、追加のピークを示す場合もあるが、上記の表4中2θ角が6.47°±0.2°、12.04°±0.2°、12.53°±0.2°、13.15°±0.2°、14.76°±0.2°の主な回折ピークが含まれるか、又は2θ角が6.47°±0.2°、9.19°±0.2°、11.15°±0.2°、11.39°±0.2°、12.04°±0.2°、12.53°±0.2°、13.15°±0.2°、14.76°±0.2°、15.67°±0.2°、18.48°±0.2°、18.74°±0.2°及び20.76°±0.2°の主な回折ピークが含まれるか、又は6.47°±0.2°、9.19°±0.2°、10.47°±0.2°、11.15°±0.2°、11.39°±0.2°、12.04°±0.2°、12.53°±0.2°、13.15°±0.2°、14.76°±0.2°、15.67°±0.2°、16.06°±0.2°、17.49°±0.2°、17.85°±0.2°、18.13°±0.2°、18.48°±0.2°、18.74°±0.2°、19.19°±0.2°、19.92°±0.2°、20.76°±0.2°、21.02°±0.2°、21.91°±0.2°、23.07°±0.2°、23.90°±0.2°及び24.88°±0.2°の主な回折ピークが含まれる限り、メタンスルホン酸塩結晶形Cが得られたと考えられる。
実施例11:化合物1の塩酸塩結晶形Aとメタンスルホン酸塩結晶形との安定性の比較
化合物1のDVSによって、この化合物は、湿度10~90%の条件下で、吸湿度が1.933%~7.0146%であり、吸湿性が高く、保存に不利であったことが示された。その後、得られた塩固体形態も動的水分吸脱着分析(DVS)で分析し、塩酸塩結晶形A及びメタンスルホン酸塩結晶形Cの吸湿性を比較し、結果を表5に示した。
Figure 2023504015000015
上記の表によると、(1)全体的な吸湿性は、塩酸塩結晶形Aのほうがメタンスルホン酸塩結晶形Cよりも低かったこと、(2)相対湿度が75%未満である場合、塩酸塩結晶形Aの吸湿性が小さかったこと、(3)吸湿後の塩酸塩結晶形Aは依然として結晶形状態を維持することができ、吸湿性は、塩酸塩結晶形Aの方がメタンスルホン酸塩結晶形Cより弱く、吸湿後の安定性は、塩酸塩結晶形Aの方がメタンスルホン酸塩結晶形Cより優れたこと、が分かった。
実施例12:熱処理及び研磨に対する化合物塩酸塩結晶形Aの安定性
結晶形AをDSCで100℃までプログラム昇温して加熱したか、又は80℃で24h保持したことで得られたサンプルのXRPD検出結果を図9に示した。XRPDパターンによって、得られたサンプルの主な回折ピークが変化しなかったことが示された。
一定量の塩酸塩結晶形Aを乳鉢に加えて室温で5分間研磨して得られたサンプルのXRPDの検出結果を図10に示した。XRPDパターンによって、得られたサンプルの主な回折ピークが変化しなかったことが示された。
実施例12及び13の研究結果をまとめると、塩酸塩結晶形Aは、化合物1よりも融点が著しく向上し、かつ、昇温及び研磨に対して安定な結晶形を保つことができる。塩酸塩結晶形Aは、メタンスルホン酸塩結晶形Cよりも吸湿性が弱く、また、吸湿後、メタンスルホン酸塩結晶形Cはアモルファスになるが、塩酸塩結晶形Aは結晶形状態を依然として維持することができる。従って、保存及び加工の点から、塩酸塩結晶形Aの固体形態は、さらなる開発により適している。
(二)効果実施例
効果実施例1:17α-エチニルエストラジオール(E2-17α)が誘発したラットの胆汁うっ滞に対する化合物1及び実施例3で作製された塩酸塩の効果
実験方法:E2-17αを首に皮下注射し、7日間モデル化しながら被験化合物を強制経口投与し、最後日の投与後、ラットを絶食させて水を与え、翌日に実験を行い、24h後処理した。20%のウレタン(7ml/kg)を腹腔注射してラットを麻酔した。麻酔後、マウスボードに固定し、上腹部の剣状突起部から下向きに正中腹部切開を行い、切り口が3~4cmで、総胆管を分離し、PE-10ポリエチレンカテーテル(内径0.28mm、外径0.61mm)で胆管挿管手術を行った。手術中では、低温時の胆汁流量の変化を防ぐために、加温ランプやエアコンで体温を37℃~38℃に保った。挿管が完了した後、腹腔内の水分の蒸発を防止するために皮膚を縫合し、胆管挿管のもう一方の端を引き出し、固定された0.2mLの採取管に流し込み、15minごとに1回収集して8回連続した。
実験前に胆汁採取管の重量を正確に秤量してB1として記録し、実験で胆汁を採取した後に胆汁と採取管の総重量を秤量してA2として記録し、減算して管内の胆汁の重量を算出し、1g/mLに従って体積に換算した。各群のラットの胆汁分泌量は、平均±標準差(Mean土S.D)で示された。
胆汁流量の計算(μL/kg/min)=(A2-B1)×1000000/体重
胆汁収集後、ラットの下大静脈から採血し、血液サンプルを室温で2h放置し、4000rpm×15minで遠心分離し、血清を普通に分離してALT、AST、ALPを検出し、残りの血清を分装して収集し、後の検出のために-20℃で冷凍保存した。
実験結果によって、化合物1の塩酸塩は胆汁排泄を促進する点で化合物1よりも優れ、また、化合物1及び化合物1の塩酸塩は、E2-17α群と比較して胆汁排泄を促進する作用強度が有意に増加したこと、が示された。化合物1及びその塩酸塩は、投与120分後もモデル群(E2-17(群)より胆汁排出量が高かった。従って、化合物1及びその塩酸塩は、胆汁排泄障害に関連する疾患に対して治療効果がある。
効果実施例2:AMLN食餌が誘発したob/obマウスのNASHに対する化合物1の塩酸塩の薬効
試験方法:(1)C57マウス及びob/obマウスを1週間飼育して適応させた。(i)C57マウスにLFD食(正常マウス群)を給餌し、(ii)ob/obマウスを2群に分けて、15匹にLFD食(ブランク対照群)を給餌し、残りにAMLN食(40kcal%脂肪、20kcal%フルクトース及び2%コレステロールを含む。)を給餌し、14週間飼育した。
(2)サンプリングして病理を検出するには、C57+LFD食餌群(n=3)、ob/ob+AMLN食餌群(n=3)で、NAFLD活動スコアに基づいて肝臓病変を評価し、モデル構築の程度を推定し、また、ob/ob+AMLN食餌群のマウスでは空腹時血糖(FBG)を検出し、また、眼窩血を採取し、血清を分離し、血清中のALT及びインスリン(INS)を検出した。
(3)HOMA-IR=INS((U/mL)×FBG(mM)/22.5に従ってインスリン抵抗性の程度(HOMA-IR)を算出した。
実験結果によって、化合物1の塩酸塩は、AMLN食餌誘発のLepob/LepobマウスNASHモデルのNASHの合計スコアを大幅に低下させ、AMLN食餌誘発のLepob/LepobマウスNASHモデルの小葉内炎症及び肝細胞風船様変性を低下させ、NASH疾患プロセスのさらなる進行を抑制することができ、NASHマウスの肝線維症を有意に低下することもできたこと、が示された。化合物1の塩酸塩は、マウスの血清中のALT、ASTのレベルを大幅に低下させることもでき、NASHマウスの肝障害に対する修復及び保護効果を示した。
上記の実施例の説明は、本発明の方法及びその要旨の理解を助けるために使用されるものにすぎない。なお、当業者にとって、本発明の原理を逸脱することなく、本発明をいくつかの改良及び修飾を行うこともでき、これらの改良及び修飾も本発明の特許請求の範囲に含まれることを留意されたい。

Claims (15)

  1. 下記の式(I)構造の化合物を酸と反応させることにより得られたものであって、
    Figure 2023504015000016
    (式中、R1は、水素、置換若しくは非置換のC1~C12アルキル基、又はハロゲンであり、
    各R2は、独立して置換若しくは非置換のC1~C12アルキル基、ハロゲン、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、スルホン酸基及びカルボキシ基からなる群より選択される任意の一つまたは複数のものであり、
    mは、0、1、2、3又は4であり、
    各R3は、独立して置換若しくは非置換のC1~C12アルキル基、ハロゲン、ヒドロキシ基、C6~C30アリール基からなる群より選択される一つまたは複数のものであり、
    nは、0、1、2、3、4又は5である。)
    前記酸が、塩酸から選択される無機酸、又はメタンスルホン酸、シュウ酸、p-トルエンスルホン酸、L-酒石酸、フマル酸又はマレイン酸塩から選択される有機酸である、胆汁酸誘導体の塩、又は胆汁酸誘導体の塩の溶媒和物。
  2. 前記R1は、水素、置換若しくは非置換のC2~C6アルキル基、又はハロゲンであり、
    或いは、R1は、水素、フッ素、塩素、臭素、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基、イソアミル基又はn-ヘキシル基である、ことを特徴とする請求項1に記載の胆汁酸誘導体の塩。
  3. 各R2は、独立して置換若しくは非置換のC2~C6アルキル基、ハロゲン、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、スルホン酸基及びカルボキシ基からなる群より選択される任意の一つまたは複数のものであり、
    或いは、各R2は、独立してフッ素、塩素、臭素、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基、イソアミル基、n-ヘキシル基、ヒドロキシ基、ニトロ基、スルホン酸基及びカルボキシ基である、ことを特徴とする請求項1に記載の胆汁酸誘導体の塩。
  4. 各R3は、独立して置換若しくは非置換のC2~C6アルキル基、ハロゲン、ヒドロキシ基、C6~C18アリール基からなる群より選択される一つまたは複数のものであり、
    或いは、各R3は、独立してフッ素、塩素、臭素、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基、イソアミル基、n-ヘキシル基、ヒドロキシ基、フェニル基、ナフチル基、アントリル基又はフェナントリル基である、ことを特徴とする請求項1に記載の胆汁酸誘導体の塩。
  5. 前記式(I)で示される化合物が、下記の式(F-1)、式(F-2)、式(F-3)、式(F-4)、式(F-5)、式(F-6)、式(F-7)、式(F-8)、(F-9)、式(F-10)、式(F-11)、式(F-12)、(F-13)、式(F-14)、式(F-15)、式(F-16)、(F-17)、式(F-18)、式(F-19)、式(F-20)、(F-21)、式(F-22)、式(F-23)、式(F-24)、(F-25)、式(F-26)、式(F-27)、式(F-28)、(F-29)、式(F-30)、式(F-31)又は式(F-32)である、ことを特徴とする請求項1に記載の胆汁酸誘導体の塩。
    Figure 2023504015000017
    Figure 2023504015000018
    Figure 2023504015000019
  6. 前記胆汁酸誘導体の塩が、上記の式(F-1)、式(F-2)、式(F-3)、式(F-4)、式(F-5)、式(F-6)、式(F-7)、式(F-8)、(F-9)、式(F-10)、式(F-11)、式(F-12)、(F-13)、式(F-14)、式(F-15)、式(F-16)、(F-17)、式(F-18)、式(F-19)、式(F-20)、(F-21)、式(F-22)、式(F-23)、式(F-24)、(F-25)、式(F-26)、式(F-27)、式(F-28)、(F-29)、式(F-30)、式(F-31)又は式(F-32)の塩酸塩、メタンスルホン酸塩、シュウ酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、L-酒石酸塩、フマル酸塩又はマレイン酸塩である、ことを特徴とする請求項1に記載の胆汁酸誘導体の塩。
  7. 下記の式(I)で示される化合物、第一溶剤及び酸を混合して反応させて胆汁酸誘導体の塩を得る工程を含む胆汁酸誘導体の塩の製造方法であって、
    Figure 2023504015000020
    (式中、R1は、水素、置換若しくは非置換のC1~C12アルキル基、又はハロゲンであり、
    各R2は、独立して置換若しくは非置換のC1~C12アルキル基、ハロゲン、ヒドロキシ基、ニトロ基、スルホン酸基及びカルボキシ基からなる群より選択される任意の一つまたは複数のものであり、
    mは、0、1、2、3又は4であり、
    各R3は、独立して置換若しくは非置換のC1~C12アルキル基、ハロゲン、ヒドロキシ基、C6~C30アリール基からなる群より選択される一つまたは複数のものであり、
    nは、0、1、2、3、4又は5である。)
    前記酸が、塩酸から選択される無機酸、又はメタンスルホン酸、シュウ酸、p-トルエンスルホン酸、L-酒石酸、フマル酸又はマレイン酸塩から選択される有機酸であり、
    前記第一溶剤が、メタノール、エタノール、イソプロパノール、イソブタノール、2-ブタノン、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、アセトニトリル、メチルtert-ブチルエーテル、アセトン、酢酸エチル、ギ酸メチル、酢酸イソプロピル又はn-ヘキサンのうちの一種又は複数種である、製造方法。
  8. 上記の式(I)で示される化合物、反応溶剤及び酸を混合して反応させ、反応が完了した後、第二溶剤を加えて胆汁酸誘導体の塩を得る工程を含み、
    前記第二溶剤が、酢酸エチル、アセトニトリル、ジクロロメタン、メチルtert-ブチルエーテル、アセトン、ギ酸メチル、酢酸イソプロピル又はテトラヒドロフランのうちの一種又は複数種であり、かつ、前記第二溶剤が、第一溶剤と異なる極性を有し、
    前記第一溶剤と第二溶剤の体積比が1:(1~7)である、ことを特徴とする請求項7に記載の製造方法。
  9. 結晶形Aと命名される下記の式(S-1)で示され、
    Figure 2023504015000021
    前記結晶形AのX線粉末回折パターンには、9.58°±0.2°、13.79°±0.2°、16.81°±0.2°、19.19°±0.2°の2θ角を有する回折ピークが含まれ、
    或いは、前記結晶形AのX線粉末回折パターンには、6.68°±0.2°、9.58°±0.2°、11.37°±0.2°、13.30°±0.2°、13.79°±0.2°、16.81°±0.2°及び19.19°±0.2°の2θ角を有する回折ピークが含まれ、
    或いは、前記結晶形Aの示差走査熱量曲線には、176.5℃±3℃の吸熱ピークが含まれ、
    或いは、前記結晶形AのX線粉末回折パターンが図2実質的に同じであり、
    或いは、前記結晶形Aの示差走査熱量曲線が図3と実質的に同じである、胆汁酸誘導体の塩の結晶形。
  10. 結晶形Bである式(S-9)で示され、
    Figure 2023504015000022
    前記結晶形BのX線粉末回折パターンには、4.52°±0.2°、5.20°±0.2°、13.34°±0.2°、13.58°±0.2°、14.88°±0.2の2θ角を有する回折ピークが含まれ、
    或いは、前記結晶形BのX線粉末回折パターンには、4.52°±0.2°、5.20°±0.2°、7.12°±0.2°、9.05°±0.2°、13.34°±0.2°、13.58°±0.2°、14.88°±0.2°、15.71°±0.2°、17.48°±0.2°及び18.15°±0.2°の2θ角を有する回折ピークが含まれ、
    或いは、前記結晶形BのX線粉末回折パターンが図5と実質的に同じであり、
    或いは、前記結晶形Bの示差走査熱量曲線及び熱重量解析曲線が図6と実質的に同じである、胆汁酸誘導体の塩の結晶形。
  11. 結晶形Cである式(S-9)で示され、
    Figure 2023504015000023
    前記結晶形CのX線粉末回折パターンには、6.47°±0.2°、12.04°±0.2°、12.53°±0.2°、13.15°±0.2°、14.76°±0.2°の2θ角を有する回折ピークが含まれ、
    或いは、前記結晶形CのX線粉末回折パターンには、6.47°±0.2°、9.19°±0.2°、11.15°±0.2°、11.39°±0.2°、12.04°±0.2°、12.53°±0.2°、13.15°±0.2°、14.76°±0.2°、15.67°±0.2°、18.48°±0.2°、18.74°±0.2°及び20.76°±0.2°の2θ角を有する回折ピークが含まれ、
    或いは、前記結晶形CのX線粉末回折パターンが図7と実質的に同じであり、
    或いは、前記結晶形Cの示差走査熱量曲線及び熱重量解析曲線が図8と実質的同じである、胆汁酸誘導体の塩の結晶形。
  12. 請求項1~6のいずれか1項に記載の胆汁酸誘導体の塩若しくはその溶媒和物、及び/又は請求項9~11のいずれか1項に記載の胆汁酸誘導体の塩の結晶形、並びに薬学的に許容される添加物を含む、医薬組成物。
  13. FXR関連疾患を予防、治療又は軽減するための医薬品の製造における、請求項1~6のいずれか1項に記載の胆汁酸誘導体の塩若しくはその溶媒和物、又は請求項9~11のいずれか1項に記載の胆汁酸誘導体の塩の結晶形の使用。
  14. 前記FXR関連疾患が、慢性肝疾患、代謝性疾患又は門脈圧亢進症から選択される、ことを特徴とする請求項13に記載の使用。
  15. 前記慢性肝疾患には、原発性胆汁うっ滞性肝硬変、原発性硬変性胆管炎、肝線維症関連疾患、薬剤による胆汁うっ滞、進行性家族性肝内胆汁うっ滞、妊娠性胆汁うっ滞、アルコール性肝疾患及び非アルコール性脂肪性肝疾患の一つまたは複数が含まれ、
    前記門脈圧亢進症が、肝線維症、肝硬変、脾腫又は他の原因による門脈圧亢進症から選択され、
    前記代謝性疾患には、高コレステロール血症、血脂異常、コレステロール結石及び高トリグリセリド血症が含まれる、ことを特徴とする請求項14に記載の使用。
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