JP2023503442A - 無標識n-グリカン定量化方法 - Google Patents

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Abstract

本開示は、蛍光標識などの標識を使用せずにN-グリカンおよびN-結合型グリコシル化プロファイルを検出および定量する新規な無標識N-グリカン分析方法を提供する。この方法は、サンプル調製およびクロマトグラフィー分離時間の短縮を可能にし、製品のバッチリリースに使用することができる。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2019年11月21日に出願された米国仮出願番号第62/938,803号明細書に対する優先権を主張するものであり、その内容全体を参照により本明細書に組み込むものとする。
EFS-WEB経由で電子的に提出された配列表の参照
電子的に提出されたASCIIテキストファイル(ファイル名:3338_190PC01_SL_ST25.txt;容量:14,351バイト;および作成日:2019年11月20日)の配列表の内容は、本出願と共に出願され、その内容全体を参照により本明細書に組み込むものとする。
グリコシル化は、しばしば、複合糖質(例えば、糖タンパク質)の生物学的機能において重要な役割を果たす。例えば、糖タンパク質のグリコシル化パターンは、その正しく折り畳まれる能力、その安定性(例えば、タンパク質分解および/または他の分解に対する耐性)、触媒活性、薬物動力学および/または薬物動態学的特性、および/またはその糖タンパク質が他の分子と適切に相互作用する能力に影響を与え得る。あるいはまたはさらに、糖タンパク質のグリコシル化パターンは、糖タンパク質の輸送および標的化に影響を与え、例えば、糖タンパク質が細胞内に留まるかどうか(例えば、適切な細胞内区画(複数可)への糖タンパク質の正確な標的化を含む)、糖タンパク質が膜に結合しているか、および/または糖タンパク質が細胞から分泌されるかどうかを決定し得る。
モノクローナル抗体および他のタンパク質は、癌や自己免疫疾患など様々な適応症の治療のために開発される複合糖タンパク質である。具体的には、モノクローナル抗体は、一般に、重鎖の保存されたアスパラギン残基においてグリコシル化されている。グリカンは、モノクローナル抗体治療薬の機能や有効性を支配する上で重要なものであり、したがって、一般に、ヒトに使用するためのリリース試験において重要な品質属性パネルの一部であることが要求される。「N-結合型グリカン」または「N-グリカン」は、末端の糖残基によって、複合型N-グリカン、高マンノース型N-グリカン、ハイブリッド型N-グリカンに分類される。
従来、N-結合型グリカンは、変性およびPNGase Fによる酵素消化の後に糖タンパク質から遊離され、その後、遊離されたグリカンの蛍光標識(例えば、2-アミノベンズアミドによる)が行われる。次いで、蛍光検出器を用いた親水性液体クロマトグラフィー(HILIC)により標識グリカンを分離し、抗体サンプル中に存在するグリカンのクロマトグラフィープロファイルを作成する。数十年にわたり使用されているにもかかわらず、このプロセスは、毒性のある試薬を使用し、サンプル調製に長時間を要するなど、依然として煩雑なものである。したがって、タンパク質のグリコシル化プロファイルを効率的に定量化することが求められている。
本開示は、組換えタンパク質のグリコシル化プロファイルを定量化する方法であって、1つまたは複数のN-結合型グリカンを標識なしで分析することを含み、N-結合型グリカンが分析前に酵素消化によって組換えタンパク質から遊離される、方法を対象にする。本開示はまた、組換えタンパク質のグリコシル化プロファイルを定量化する方法であって、1つまたは複数のN-結合型グリカンをフルオロフォアなしで分析することを含み、N-結合型グリカンが分析前に酵素消化によって組換えタンパク質から遊離される、方法を対象にする。一部の態様では、組換えタンパク質は、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または約100%の純度を有する。一部の態様では、分析は、カラムを含むクロマトグラフィー中に1つまたは複数のN-結合型グリカンを分離することを含む。一部の態様では、カラムは混合モードカラムである。一部の態様では、分離は、1つまたは複数の移動相を用いて行われる。一部の態様では、カラムは混合モード多孔性グラファイトカーボン(PGC)カラムである。一部の態様では、酵素はペプチドN-グリコシダーゼF(PNGase F)を含む。一部の態様では、酵素は組換えタンパク質とインキュベートされ、1つまたは複数のN-結合型グリカンは分離前に組換えタンパク質から遊離される。一部の態様では、酵素はバッファー中に希釈される。一部の態様では、分離される1つまたは複数のN-結合型グリカンは、質量分析計、ELSD、NQAD、または屈折率検出器によって測定される。一部の態様では、分離される1つまたは複数のN-結合型グリカンは、荷電化粒子検出器(CAD)によって測定される。
一部の態様では、クロマトグラフィーが、第1の移動相と第2の移動相とを含み、第1の移動相と第2の移動相とが異なる。一部の態様では、第1の移動相は水を含む。一部の態様では、第2の移動相はアセトニトリルを含む。一部の態様では、第1の移動相は、ギ酸(FA)、トリフルオロ酢酸(TFA)、トリエチルアミン(TEA)、またはそれらの任意の組合せを含む。一部の態様では、第1の移動相は、0.1%FAを含む。一部の態様では、第1の移動相は、0.1%TEAを含む。一部の態様では、第2の移動相は、ギ酸(FA)、トリフルオロ酢酸(TFA)、トリエチルアミン(TEA)、またはそれらの任意の組合せを含む。一部の態様では、第2の移動相は、0.1%FAを含む。一部の態様では、第2の移動相は、0.1%TEAを含む。一部の態様では、分離は70℃より低い温度で行われる。
一部の態様では、温度は、約50℃から約70℃の間、約50℃から約60℃の間、約60℃から約70℃の間、約55℃から約65℃の間、約55℃から約60℃の間、約60℃から約65℃の間、約65℃から約70℃の間、約50℃から約55℃の間である。一部の態様では、温度は約50℃、約51℃、約52℃、約53℃、約54℃、約55℃、約56℃、約57℃、約58℃、約59℃、約60℃、約61℃、約62℃、約63℃、約64℃、約65℃、約66℃、約67℃、約68℃、または約69℃である。
一部の態様では、分離は勾配に基づく。一部の態様では、勾配は約95%から約5%である。一部の態様では、勾配は、約95%から約50%、約95%から約55%、約95%から約60%、約95%から約65%、約95%から約70%、約95%から約75%、約95%から約80%、約95%から約85%、約90%から約50%、約90%から約55%、約90%から約60%、約90%から約65%、約90%から約70%、約90%から約75%、約87%から約50%、約87%から約55%、約87%から約60%、約87%から約65%、約87%から約70%、約87%から約75%、約85%から約50%、約85%から約55%、約85%から約60%、約85%から約65%、約85%から約70%または約85%から約75%である。一部の態様では、勾配は約87%から約75%である。
本開示は、目的のタンパク質のグリカンプロファイルを分析する方法も対象にする。一部の態様では、1つまたは複数のN-グリカンは、ガラクトース(Gal)、N-アセチルガラクトサミン(GalNAc)、ガラクトサミン(GalN)、グルコース(Glc)、N-アセチルグルコサミン(GlcNAc)、グルコサミン(GlcN)、マンノース(Man)、N-アセチルマンノサミン(ManNAc)、マンノサミン(ManN)、キシロース(Xyl)、N-アセチルノイラミン酸(Neu5Ac)、N-グリコリルノイラミン酸(Neu5Gc)、2-ケト-3-デオキシノノン酸(Kdn)、フコース(Fuc)、グルクロン酸(GlcA)、イデュロン酸(IdoA)、ガラクツロン酸(GalA)、マンヌロン酸(ManA)またはそれらの任意の組合せである。一部の態様では、1つまたは複数のN-グリカンは、1つまたは複数のバイアンテナ型グリカンを含む。一部の態様では、バイアンテナ型グリカンは、G0F、G0、G1F、G1、G2F、G2、S1G2F、S1G2、S2G2F、S2G2およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される。一部の態様では、グリコシル化プロファイルは、1つまたは複数の非シアリル化(asialylated)グリカン、モノシアリル化グリカン、ジシアリル化グリカン、ならびに/またはトリシアリル化およびテトラシアリル化グリカンを含む。一部の態様では、組換えタンパク質は抗体である。一部の態様では、抗体は、IgM、IgA、IgE、IgD、およびIgGから選択されるアイソタイプである。一部の態様では、抗体はアイソタイプIgGである。一部の態様では、IgG抗体は、IgG1、IgG2、IgG3、およびIgG4から選択される。一部の態様では、抗体は、GITRに対する抗体、CXCR4に対する抗体、CD73に対する抗体、TIGITに対する抗体、OX40に対する抗体、LAG3に対する抗体、CSF1Rに対する抗体、および/またはIL8に対する抗体である。一部の態様では、抗体は、単一のN-結合型グリコシル化部位を有する。一部の態様では、単一のN-結合型グリコシル化部位はアスパラギン297(N297)である。
一部の態様では、組換えタンパク質は、酵素、ホルモン、サイトカイン、細胞表面受容体、プロテアーゼ、サイトカイン受容体、またはそれらの任意の組合せを含む。一部の態様では、組換えタンパク質は融合タンパク質である。一部の態様では、融合タンパク質は、異種部分と融合する。一部の態様では、異種部分は半減期延長部分である。一部の態様では、半減期延長部分は、アルブミン、アルブミン結合ポリペプチド、脂肪酸、PAS、ヒト絨毛性ゴナドトロピンのC末端ペプチド(CTP)のβサブユニット、ポリエチレングリコール(PEG)、ヒドロキシエチルデンプン(HES)、XTEN、アルブミン結合低分子、Fcまたはそれらの組合せを含む。一部の態様では、半減期延長部分はFcである。一部の態様では、方法はバッチリリースである。
図1は、実施例1に示した分離分析から作成されたサンプルグリカンクロマトグラムを示す(移動相A:水中0.1%ギ酸;移動相B:アセトニトリル中0.1%ギ酸)。 図2は、実施例2に示した分離分析から作成されたサンプルグリカンクロマトグラムを示す[移動相A:水中0.1%トリエチルアミン(TEA);移動相B:アセトニトリル中0.1%トリエチルアミン(TEA)]。
本開示は、蛍光またはUV標識を使用せずにN-グリカンを検出および定量化する新規な無標識法を導入する。逆相多孔性グラファイトカーボンカラムおよび荷電化粒子検出を使用してグリカンプロファイルを生成することにより、サンプル調製とクロマトグラフィー分離時間が大幅に短縮され、コストが大幅に節約される。無標識法は、蛍光標識法と同様の定量結果をもたらし、本方法が製品リリースに使用できることを確認した。
I.定義
本明細書で使用される「および/または」という用語は、他のものを含むかまたは含まない2つの特定の特徴または成分のそれぞれの具体的な開示であると受け取られるものである。したがって、本明細書において「Aおよび/またはB」などのフレーズで使用される「および/または」という用語は、「AおよびB」、「AまたはB」、「A」(単独)、および「B」(単独)を含むことを意図している。同様に、「A、B、および/またはC」などのフレーズで使用される「および/または」という用語は、以下の態様の各々を包含することが意図される。A、B、およびC;A、B、またはC;AまたはC;AまたはB;BまたはC;AおよびC;AおよびB;BおよびC;A(単独);B(単独);およびC(単独)。
態様が本明細書で「含む(comprising)」という文言で記載される場合はどこでも、「からなる(consisting of)」および/または「から本質的になる(consisting essentially of)」の用語で記載される他の類似の態様もまた提供されることが理解される。
別に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本開示が関連する技術分野の当業者によって一般に理解されているものと同じ意味を有する。例えば、Concise Dictionary of Biomedicine and Molecular Biology, Juo, Pei-Show, 2nd ed., 2002, CRC Press; The Dictionary of Cell and Molecular Biology, 3rd ed., 1999, Academic Press、およびOxford Dictionary Of Biochemistry And Molecular Biology, Revised, 2000, Oxford University Pressは、当業者に対し、この開示において用いられる多くの用語を一般辞書として提供する。
単位、接頭辞、および記号は、これらの国際単位系(SI)で認められている形式で表記する。数値範囲は、その範囲を規定する数を含める。本明細書で用いた見出しは、本開示の様々な態様を制限するものではなく、それらは明細書全体を参照することによって行われる。したがって、以下に定義する用語は、その全体が、本明細書を参照することで十分定義される。
選択肢(例えば「または」)の使用は、選択肢の1つ、両方またはそれらの任意組合せを意味するものと理解すべきである。本明細書で使用される場合、不定冠詞「a」または「an」は、任意の引用または列挙された成分の「1つまたは複数」を意味すると理解されるべきである。
「約(about)」または「本質的に含む(comprising essentially of)」という用語は、当業者によって決定される特定の値または組成物の許容誤差範囲内にある値または組成物を指し、これは、値または組成物が測定または決定される方法、すなわち、測定システムの限界に部分的に依存するであろう。例えば、「約」または「本質的に含む」は、当技術分野の実施による1以内または1を超えた標準偏差にあることを意味し得る。あるいは、「約」または「本質的に含む」は、20%までの範囲を意味し得る。さらに、特に生物学的システムまたはプロセスに関して、この用語は、1桁までの値または5倍までの値を意味し得る。特定の値または組成物が本願および特許請求の範囲に提供される場合、別に記載されない限り、「約」または「本質的に含む」の意味は、その特定の値または組成物の許容誤差範囲内であると仮定されるものとする。
本明細書に記載されるように、任意の濃度範囲、パーセント範囲、比率範囲または整数範囲は、別に示されない限り、列挙された範囲内の任意の整数の値および適切な場合にはその端数(整数の10分の1および100分の1など)を含むと理解される。
本明細書で使用される場合、「目的のタンパク質」という用語は、精製が望まれる、混合物中に存在する任意のタンパク質(天然または組換えのいずれか)を含むために使用される。そのような目的のタンパク質は、限定されないが、酵素、ホルモン、成長因子、サイトカイン、免疫グロブリン(例えば、抗体)、および/または任意の融合タンパク質を含む。
本明細書で使用される場合、「バイオマーカー」は、タンパク質、ペプチド、プロテオグリカン、糖タンパク質、リポタンパク質、炭水化物、脂質、核酸(例えば、cDNAまたは増幅したDNAなどのDNA、またはmRNAなどのRNA)、有機または無機化学物質、天然または合成ポリマー、低分子(例えば、代謝物)、または生物学的サンプル中に存在するか、もしくは生物学的サンプルに由来する、前述のいずれかの識別分子もしくは識別断片、のようなほとんどすべての検出可能な化合物、または正常な生物学的プロセス、病原性プロセス、もしくは治療介入に対する薬学的反応の指標として客観的に測定され評価される任意の他の特性またはその徴候である。
本明細書で使用される場合、「分析物」という用語は、分析または定量が望まれる、混合物中に存在する任意の分子またはタンパク質(天然または組換えのいずれか)を含むために使用される。そのような分析物は、限定されないが、低分子、酵素、ホルモン、成長因子、サイトカイン、免疫グロブリン(例えば、抗体)、および/または任意の融合タンパク質を含む。
本明細書で互換的に使用される「精製」、「分離」、または「単離」という用語は、分子および1つまたは複数の不純物を含む組成物またはサンプルから、分子の純度の程度を高めることを指す。典型的には、分子の純度の程度は、組成物から少なくとも1つの不純物を(完全にまたは部分的に)除去することによって高められる。
本明細書で使用される場合、「質量分析」という用語は、その質量電荷比(m/z)に基づいて分子を検出、同定および定量化するために使用される高感度技術を指す。イオンが4つの極またはロッドを含む四重極のような、平行かつ等距離の極またはロッドの中心軸に沿って通過するとき、電場は、その質量電荷比(m/z)、電荷の整数(z)に対する質量の比に従ってイオンを分離するのに使用される。各ロッドには2つの電圧が印加されており、1つは固定の直流、もう1つは高周波を重畳して循環する交流である。印加する電場の大きさは、特定のm/z比を持つイオンのみが四重極を通過し、検出されるようにすることができる。それ以外のm/z値のイオンは、四重極のロッドに衝突して放電するか、質量分析計のフィールドから排出され、真空を経由して除去されるような軌道に偏向される。特定のm/zのイオンだけがどの時点においても四重極に安定に存在するため、四重極は、排他的検出器と呼ばれることがある。安定な軌道を持つイオンは、非衝突性軌道、共鳴軌道、安定軌道を有すると呼ばれることがある。
一般に、三連四重極質量分析計を用いた実験では、第1の四重極(Q1)は、サンプル中の予想される化学種の特定のm/zのイオン(前駆イオン)のみを通過させるように設定されている。第2の四重極(すなわちQ2また衝突セル)は、Q1を通過したイオンを断片化するために使用される。第3の四重極(Q3)は、予想される化学種の予想される断片化生成物に対応する特定のm/zのイオン(断片イオン)のみを検出器を通過させるように設定される。一部の態様では、サンプルは質量分析計内でイオン化され、1つまたは複数のプロトン化分子イオンまたは脱プロトン化分子イオンが生成される。一部の態様では、1つまたは複数のプロトン化または脱プロトン化された分子は、一価、二価、三価またはそれ以上の電荷を有する。一部の態様では、質量分析計は、三連四重極質量分析計である。一部の態様では、Q1およびQ3に使用される分離能は、単位分離能である。他の態様では、Q1およびQ3に使用される分離能は異なる。他の態様では、Q1に用いられる分離能は、Q3の単位分離能よりも高い。
本明細書で使用される場合、「荷電化粒子検出」または「CAD」という用語は、溶出液を窒素(または空気)キャリアガスで噴霧して液滴を形成し、次いで乾燥して移動相を除去して分析物粒子を生成することに基づく分析技術を指す。分析物粒子の一次ストリームは、高電圧の白金コロナワイヤーを通過することで正に帯電した二次ストリームと接触する。電荷は対向する分析物粒子の流れに拡散的に移動し、さらにコレクターに移動して高感度電位計で測定され、存在する分析物の量に比例したシグナルが生成される。
本明細書で使用される場合、「フルオロフォア」という用語は、光励起により光を再放出することができる蛍光化学化合物を指す。フルオロフォアは、典型的には、いくつかの結合した芳香族基、またはいくつかのπ結合を有する平面状もしくは環状分子を含む。二つの一般的に使用されるフルオロフォアは、2-AB(2-アミノベンズアミド)と2-AA(アントラニル酸または2-アミノ安息香酸)である。その他のフルオロフォアは、PA(2-アミノピリジン)、AMAC(2-アミノアクリドン)、ANDS(7-アミノ-1,3-ナフタレンジスルホン酸)、ANTS(8-アミノナフタレン-1,3,6-トリスルホン酸)、APTS(9-アミノピレン-1,4,6-トリスルホン酸)、および3-(アセチルアミノ)-6-アミノアクリジンなどが挙げられる。
本開示で使用される「グリカンプロファイル」は、別のサンプルまたはサンプル群から得られた参照値またはプロファイルとの比較に使用できる、グリカンに関する定量結果の任意の定義された値のセットであると理解されるべきである。例えば、タンパク質サンプルからのサンプルのグリカンプロファイルは、別のソースからのサンプルのグリカンプロファイルと著しく異なる場合がある。グリカンプロファイルは、プロファイルを参照プロファイルまたは標準プロファイルと比較することにより、タンパク質の薬物動力学的(PD)または薬物動態学的(PK)治療効果の予測または予想に役立つ可能性がある。参照およびサンプルのグリカンプロファイルは、荷電化粒子検出器(CAD)などのグリカンを検出できる任意の分析装置で生成され得る。
「クロマトグラフィー」という用語は、目的のタンパク質(例えば、抗体)を、混合物中に存在する他の分子(例えば、夾雑物)から分離するあらゆる種類の技術を指す。通常、目的のタンパク質は、移動相の影響下で混合物の個々の分子が固定媒体中を移動する速度、または結合および溶出プロセスの差の結果として他の分子(例えば、夾雑物)から分離される。「マトリックス」または「クロマトグラフィーマトリックス」という用語は、本明細書において互換的に用いられ、分離プロセスにおいて、目的のタンパク質(例えば、免疫グロブリンなどのFc領域含有タンパク質)を混合物中に存在する他の分子から分離するあらゆる種類の吸着剤、樹脂または固相を指す。非限定的な例としては、粒子状樹脂、一体型樹脂または繊維状樹脂、ならびにカラムまたはカートリッジに入れることができる膜が挙げられる。マトリックスを形成するための材料の例には、多糖類(アガロースおよびセルロースなど)ならびにシリカ(例えば制御された細孔ガラス)、ポリ(スチレンジビニル)ベンゼン、ポリアクリルアミド、セラミック粒子および上記のいずれかの誘導体などの他の機械的に安定なマトリックスが含まれる。本開示の方法に適した典型的なマトリックスタイプの例は、陽イオン交換樹脂、親和性樹脂、陰イオン交換樹脂、または混合モード樹脂である。「リガンド」は、クロマトグラフィーマトリックスに付着し、マトリックスの結合特性を決定する官能基である。「リガンド」の例としては、イオン交換基、疎水性相互作用基、親水性相互作用基、チオフィリック相互作用基、金属親和基、親和性基、生体親和性基、および混合モード基(前記の組合せ)などが挙げられるが、これらに限定されない。本明細書で使用可能な好ましいリガンドには、スルホプロピル、スルホン酸などの強陽イオン交換基;塩化トリメチルアンモニウムなどの強陰イオン交換基;カルボン酸などの弱陽イオン交換基;N5NジエチルアミノまたはDEAEなどの弱陰イオン交換基;フェニル、ブチル、プロピル、ヘキシルなどの疎水性相互作用基;プロテインA、プロテインGおよびプロテインLなどの親和性基などが挙げられるが、これらに限定されない。本開示がより容易に理解されるように、特定の用語が最初に定義される。本出願で使用される場合、本明細書中で別段の断りがない限り、次の各用語は、下記で定義する意味を有するものとする。追加の定義は、本出願を通じて定義される。
「親和性クロマトグラフィー」という用語は、目的のタンパク質(例えば、Fc領域を有する目的のタンパク質または抗体)が、目的のタンパク質に特異的なリガンドと特異的に結合するタンパク質分離技術を指す。このようなリガンドは、一般に、生物特異的リガンドと呼ばれる。一部の態様では、生物特異的リガンド(例えば、プロテインAまたはその機能的変異型)は、クロマトグラフィーマトリックス材料に共有結合的に付着しており、溶液がクロマトグラフィーマトリックスに接触すると、溶液中の目的のタンパク質にアクセス可能となる。目的のタンパク質は一般に、クロマトグラフィー工程の間、生物特異的リガンドに対する特異的結合親和性を保持し、一方、混合物中の他の溶質および/またはタンパク質はリガンドに有意にまたは特異的に結合しない。目的のタンパク質が固定化リガンドに結合することにより、目的のタンパク質が固相材料上の固定化リガンドに特異的に結合したまま、夾雑タンパク質またはタンパク質不純物がクロマトグラフィーマトリックスを通過することができる。次いで、特異的に結合した目的のタンパク質は、適切な条件下(例えば、低pH、高pH、高塩、競合リガンドなど)で固定化リガンドから活性型のまま除去され、溶出バッファーとともにクロマトグラフィーカラムを通過し、先にカラムを通過させた夾雑タンパク質またはタンパク質不純物を含まない状態で通過する。任意の成分を、そのそれぞれの特異的結合タンパク質、例えば、抗体を精製するためのリガンドとして使用することができる。しかし、本開示による様々な方法において、プロテインAは、Fc領域を有する目的のタンパク質に対するリガンドとして使用される。標的タンパク質(例えば、Fc領域を有するタンパク質)の生物特異的リガンド(例えば、プロテインA)からの溶出の条件は、当業者であれば容易に決定することができる。一部の態様では、プロテインGもしくはプロテインLまたはそれらの機能的変異型を、生物特異的リガンドとして使用することができる。一部の態様では、プロテインAのような生物特異的リガンドは、Fc領域を有するタンパク質に結合するために5~9のpH範囲で使用し、生物特異的リガンド/標的タンパク質複合体を洗浄または再平衡化し、続いて少なくとも一つの塩を含む4超または4未満のpH(pH above or below 4)を有するバッファーを用いて溶出させる。
本明細書で使用される「バッファー」という用語は、溶液中に存在することによって、pHの単位変化を引き起こすために加えなければならない酸またはアルカリの量を増加させる物質を指す。バッファー溶液は、その酸-塩基複合体成分の作用によりpHの変化に抵抗する。生物学的試薬に使用するバッファー溶液は、一般に、溶液のpHが生理的範囲内にあるように水素イオンの濃度を一定に保つことが可能である。従来のバッファー成分には、有機塩、無機塩、酸、塩基などがあるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される「伝導度」という用語は、2つの電極間で電流を流す水溶液の能力を指す。水溶液中では、電流はイオン輸送によって流れる。したがって、水溶液中に存在するイオンの量が増加すると、溶液はより高い伝導度を有することになる。伝導度の測定の単位はミリジーメンス/センチメートル(mS/cm)で、伝導度計を用いて測定することができる。
本明細書で使用される「移動相」という用語は、クロマトグラフィーシステムを流れる液体または気体を指し、分離される物質を固定相の上で異なる速度で移動させる。移動相は、極性または非極性であり得る。極性移動相は、一般的に非極性固定相と組み合わせて使用され、これらのクロマトグラフィー分離は逆相クロマトグラフィーとして知られている。逆に、非極性移動相は極性固定相と組み合わせて使用されることが多く、一般に順相クロマトグラフィーとして知られている。
本明細書で使用される「固定相」という用語は、分離すべき物質が選択的に吸着されるクロマトグラフィーシステムの固相または液相を指す。一般に、シリカが固定相として使用される。
本明細書で使用されるクロマトグラフィーに関連する「クロマトグラフィーカラム」または「カラム」という用語は、クロマトグラフィーマトリックスまたは樹脂で充填される、よくシリンダーまたは中空柱の形をした容器を指す。クロマトグラフィーマトリックスまたは樹脂は、精製に使用される物理的および/または化学的特性を提供する材料である。
「イオン交換」および「イオン交換クロマトグラフィー」という用語は、目的のイオン化可能な溶質(例えば、混合物中の目的のタンパク質)が、pHおよび伝導度の適切な条件下で固相イオン交換材料に(例えば、共有結合的付着によって)結合された反対に荷電したリガンドと相互作用し、目的の溶質が混合物中の溶質不純物または夾雑物よりも多くまたは少なく荷電化合物と非特異的に相互作用するクロマトグラフィー工程を指す。混合物中の夾雑溶質は、イオン交換材料のカラムから洗浄されることが可能であり、または樹脂に結合するもしくは樹脂から排除され、それは目的の溶質よりも速いかもしくは遅い。「イオン交換クロマトグラフィー」には、具体的には、陽イオン交換(CEX)、陰イオン交換(AEX)、および混合モードクロマトグラフィーが含まれる。
「陽イオン交換樹脂」または「陽イオン交換膜」とは、負に帯電した固相であって、固相上または中を通過した水溶液中の陽イオンと交換するための遊離陰イオンを有するものを指す。陽イオン交換樹脂を形成するのに適した固相に付着する負電荷のリガンドは、任意のものを用いることができ、例えば、後述するカルボキシレート、スルホネート等を挙げることができる。市販の陽イオン交換樹脂としては、例えば、スルホネート系の基(例えば、GE HealthcareのMonoS、MiniS、Source 15Sおよび30S、SP SEPHAROSE(登録商標)Fast Flow、SP SEPHAROSE(登録商標)High Performance、Capto S、Capto SP ImpRes、TosohのTOYOPEARL(登録商標)SP-650SおよびSP-650M、BioRadのMACRO-PREP(登録商標)High S、Pall TechnologiesのCeramic HyperD S、TRISACRYL(登録商標)MおよびLS SPおよびSpherodex LS SP);スルホエチル系の基(例えば、EMDのFRACTOGEL(登録商標)SE、Applied BiosystemsのPOROS(登録商標)S-10およびS-20);スルホプロピル系の基(例えば、TosohのTSK Gel SP 5PWおよびSP-5PW-HR、Life TechnologiesのPOROS(登録商標)HS-20、HS50、およびPOROS(登録商標)XS);スルホイソブチル系の基(例えば、EMDのFRACTOGEL(登録商標)EMDSO );スルホキシエチル系の基(例えば、WhatmanのSE52、SE53およびExpress-Ion S);カルボキシメチル系の基(例えば、GE HealthcareのCM SEPHAROSE(登録商標)Fast Flow、Biochrom Labs Inc.のHydrocell CM、BioRadのMACRO-PREP(登録商標)CM、Pall TechnologiesのCeramic HyperD CM、TRISACRYL(登録商標)M CM、TRISACRYL(登録商標)LS CM、MilliporeのMatrx CELLUFINE(登録商標)C500およびC200、WhatmanのCM52、CM32、CM23およびExpress-Ion C、TosohのTOYOPEARL(登録商標)CM-650S、CM-650MおよびCM-650C);スルホン酸系およびカルボン酸系の基(例えば、J.T.BakerのBAKERBOND(登録商標)Carboxy-Sulfon);カルボン酸系の基(例えば、J.T BakerのWP CBX、Dow Liquid SeparationsのDOWEX(登録商標)MAC-3、Sigma-AldrichのAMBERLITE(登録商標)Weak Cation Exchangers、DOWEX(登録商標)Weak Cation Exchanger、およびDIAION(登録商標)Weak Cation ExchangersならびにEMDのFRACTOGEL(登録商標)EMDCOO--);スルホン酸系の基(例えば、Biochrom Labs Inc.のHydrocell SP、Dow Liquid SeparationsのDOWEX(登録商標)Fine Mesh Strong Acid Cation Resin、J.T.BakerのUNOsphere S、WP Sulfonic、SartoriusのSARTOBIND(登録商標)S膜、Sigma-AldrichのAMBERLITE(登録商標)Strong Cation Exchangers、DOWEX(登録商標)Strong CationおよびDIAION(登録商標)Strong Cation Exchanger);またはオルトリン酸系の基(例えば、WhatmanのP11)、などを有するものが挙げられるが、これらに限定されない。他の陽イオン交換樹脂としては、カルボキシメチルセルロース、BAKERBOND ABXTM、Ceramic HyperD Z、Matrex Cellufine C500、Matrex Cellufine C200が挙げられる。
「陰イオン交換樹脂」または「陰イオン交換膜」は、正に帯電している固相を指し、したがって、それに付着している1つまたは複数の正に帯電したリガンドを有する。陰イオン交換樹脂を形成するのに適した固相に付着する正電荷のリガンドは、任意のものを用いることができ、例えば、第4級アミノ基が挙げられる。市販の陰イオン交換樹脂としては、Applied BiosystemsのDEAEセルロース、POROS(登録商標)PI 20、PI 50、HQ 10、HQ 20、HQ 50、D 50、SartoriusのSARTOBIND(登録商標)Q、MonoQ、MiniQ、Source 15Qおよび30Q、Q、DEAEおよびANX SEPHAROSE(登録商標)Fast Flow、Q SEPHAROSE(登録商標)High Performance、QAE SEPHADEX(登録商標)およびFAST Q SEPHAROSE(登録商標)(GE Healthcare)、J.T.BakerのWP PEI、WP DEAM、WP QUAT、Biochrom Labs Inc.のHydrocell DEAEおよびHydrocell QA、BioradのUNOsphere Q、MACRO-PREP(登録商標)DEAEおよびMACRO-PREP(登録商標)High Q、Pall TechnologiesのCeramic HyperD Q、Ceramic HyperD DEAE、TRISACRYL(登録商標)MおよびLS DEAE、Spherodex LS DEAE、QMA SPHEROSIL(登録商標)LS、QMA SPHEROSIL(登録商標)MおよびMUSTANG(登録商標)Q、Dow Liquid SeparationsのDOWEX(登録商標)Fine Mesh Strong Base Type IおよびType II Anion ResinsおよびDOWEX(登録商標)MONOSPHER E 77 weak base anion、MilliporeのINTERCEPT(登録商標)Q膜、Matrex CELLUFINE(登録商標)A200、A500、Q500、およびQ800、EMDのFRACTOGEL(登録商標)EMD TMAE、FRACTOGEL(登録商標)EMD DEAEおよびFRACTOGEL(登録商標)EMD DMAE、Sigma-AldrichのAMBERLITE(登録商標)weak strong anion exchangers type IおよびII、DOWEX(登録商標)weakおよびstrong anion exchangers type IおよびII、DIAION(登録商標)weakおよびstrong anion exchangers type IおよびII、DUOLITE(登録商標)、TosohのTSK gel QおよびDEAE 5PWおよび5PW-HR、TOYOPEARL(登録商標)SuperQ-650S、650Mおよび650C、QAE-550Cおよび650S、DEAE-650Mおよび650C、WhatmanのQA52、DE23、DE32、DE51、DE52、DE53、Express-Ion DまたはExpress-Ion Q、ならびにSARTOBIND(登録商標)Q(Sartorius Corporation、NewYork、USA)、などが挙げられる。他の陰イオン交換樹脂としては、POROS XQ、SARTOBIND(登録商標)Q、Q SEPHAROSE(商標)XL、Q SEPHAROSE(商標)big beads、DEAE Sephadex A-25、DEAE Sephadex A-50、QAE Sephadex A-25、QAE Sephadex A-50、Q SEPHAROSE(商標)high performance、Q SEPHAROSE(商標)XL、Resource Q、Capto Q、Capto DEAE、Toyopearl GigaCap Q、Fractogel EMD TMAE HiCap、Nuvia Q、またはPORGS PIが挙げられる。
「多孔性グラファイトカーボン(PGC)カラム」または「多孔性グラファイトカーボン(PGC)逆相カラム」は、固定相としてユニークな特性を示し、非常に極性の高い分析物の保持と構造的に関連する物質の分離を提供する。マイクロスケールで、PGCの表面は、非常に大きな多核芳香族分子のように、炭素原子が六角形に配列した平らなシートで構成されている。この表面は結晶性で再現性が高く、微細孔や化学結合相は存在しない。HPLCの固定相としてこのカラムの特性を利用することで、HPLCにおける、通常は問題ありとみなされ得るような分離を幅広く解決することができる。このカラムは、非常に極性の高い化合物のユニークな保持と分離を提供し、表面は幾何異性体やその他の近縁化合物を分離する能力を持つ立体選択的なものである。PGCは、未変性のグリカン種の保持を提供する。PGCでの分離は、分析(analysis)の疎水性に基づく逆相挙動と、グラファイトカーボン材料の高い分極率に基づくグラファイトの極性保持効果の組合せにより促進される。PGCは連結異性体だけでなく構造異性体にも感度があり、異性体のグリカンを分解することが可能である。多孔性グラファイトカーボンカラムの一例は、HYPERCARB(商標)[THERMO SCIENTIFIC(商標)]である。
本明細書で使用される「N-結合型グリカン」は、グリカンが窒素結合を介して複合糖質に結合しているタンパク質修飾を指す。グリカンのアクセプターは、それぞれペリプラスムまたはERの内腔に入ったポリペプチド鎖の選択されたアスパラギン残基である。N-グリコシル化経路の中心的酵素であるオリゴサッカリルトランスフェラーゼは、Xが任意のアミノ酸残基である共通配列N-X-S/T、によって指定されるアスパラギン残基の側鎖アミドへのオリゴ糖のN-グリコシド結合の形成を触媒する。すべての真核生物のN-グリカンはManα1-3(Manα1-6)Manβ1-4GlcNAcβ1-4GlcNAcβ1-Asn-X-Ser/Thrという共通のコア配列を持ち、(1)Man残基のみがコアを伸長するオリゴマンノース型、(2)GlcNAcによって開始した「アンテナ」がコアを伸長する複合型、(3)ManがコアのManα1-6アームを伸長し、1つまたは2つのGlcNAcがManα1-3アームを伸長するハイブリッド型、の3種類に分類される。
本明細書で使用される場合、「N-結合型グリコシル化」は、窒素原子、通常はアスパラギン残基のN4へのオリゴ糖の付着を指す。N-グリコシル化は、主に真核生物および古細菌において、分泌タンパク質または膜結合タンパク質上で起こり得る。
本明細書で使用される場合、「夾雑物」という用語は、混合物内のあらゆる望ましくない成分または化合物をカバーするために使用される。細胞培養物、細胞溶解物、または清澄化原体(例えば、清澄化細胞培養上清)において、夾雑物は、例えば、細胞培養液中に存在する宿主細胞核酸(例えば、DNA)および宿主細胞タンパク質を含む。宿主細胞夾雑タンパク質には、限定されないが、宿主細胞によって天然にまたは組換え的に産生されるタンパク質、ならびに目的のタンパク質に関連または由来するタンパク質(例えば、タンパク質分解断片)および他のプロセス関連夾雑物が含まれる。特定の態様では、夾雑物沈殿物は、遠心分離、無菌ろ過、深層ろ過、接線流ろ過などの別の手段を用いて、細胞培養物から分離される。
「抗体」という用語は、一部の態様では、ジスルフィド結合によって相互に連結された少なくとも2つの重(H)鎖および2つの軽(L)鎖を含むタンパク質を指す。各重鎖は、重鎖可変領域(本明細書においてVHと略される)および重鎖定常領域(本明細書においてCHと略される)から構成される。ある抗体、例えば、天然に存在するIgG抗体では、重鎖定常領域は、ヒンジと3つのドメイン、CH1、CH2、CH3から構成される。ある抗体、例えば、天然に存在するIgG抗体では、各軽鎖は、軽鎖可変領域(本明細書においてVLと略される)および軽鎖定常領域から構成される。軽鎖定常領域は、1つのドメイン(本明細書においてCLと略される)から構成される。VHおよびVL領域は、相補性決定領域(CDR)と呼ばれ、より保存されたフレームワーク領域(FR)と呼ばれる領域が散在する超可変性の領域にさらに細分できる。各VHおよびVLは、以下の順序:FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4でアミノ末端からカルボキシル末端に配列された3つのCDRおよび4つのFRから構成される。重鎖および軽鎖の可変領域は、抗原と相互作用する結合ドメインを含有する。重鎖は、C末端リジンを有することも、有さないことも可能である。「抗体」という用語は、二重特異性抗体または多重特異性抗体を含むことができる。
本明細書で使用される「IgG抗体」、例えば、ヒトIgG1、IgG2、IgG3およびIgG4抗体は、一部の態様では、天然に存在するIgG抗体の構造を有する、すなわち、同じサブクラスの天然に存在するIgG抗体と同じ数の重鎖および軽鎖ならびにジスルフィド結合を有している。例えば、IgG1、IgG2、IgG3またはIgG4抗体は、2つの重鎖(HC)および2つの軽鎖(LC)からなることができ、2つのHCおよびLCはそれぞれ、天然に存在するIgG1、IgG2、IgG3およびIgG4抗体に生じるのと同じ数および位置のジスルフィド架橋によって結合されている(抗体が突然変異してジスルフィド架橋が修飾されていない場合)。
免疫グロブリンは、IgA、分泌型IgA、IgGおよびIgMを含むがこれらに限定されない、一般に知られているアイソタイプのいずれかから得ることができる。IgGアイソタイプは、特定の種においてサブクラスに分けられる。ヒトではIgG1、IgG2、IgG3およびIgG4、マウスではIgG1、IgG2a、IgG2bおよびIgG3である。免疫グロブリン、例えば、IgG1は、いくつかのアロタイプが存在し、これらは、せいぜい数個のアミノ酸において互いに異なっている。「抗体」には、一例として、天然に存在する抗体と天然に存在しない抗体の両方、モノクローナル抗体とポリクローナル抗体、キメラ抗体とヒト化抗体、ヒト抗体と非ヒト抗体、および完全合成抗体などが含まれる。
本明細書で使用される抗体の「抗原結合部分」という用語は、抗原に特異的に結合する能力を保持する抗体の1つまたは複数の断片を指す。抗体の抗原結合機能は、完全長抗体の断片によって実行され得ることが示されている。抗体の「抗原結合部分」という用語に包含される結合断片の例としては、(i)Fab断片(パパイン切断による断片)またはVL、VH、LCおよびCH1ドメインからなる同様の一価断片、(ii)F(ab’)2断片(ペプシン切断による断片)またはヒンジ領域でジスルフィド架橋によって結合した2つのFab断片を含む類似の二価断片、(iii)VHおよびCH1ドメインからなるFd断片、(iv)抗体の単一アームのVLおよびVHドメインからなるFv断片、(v)VHドメインからなるdAb断片(Ward et al.,(1989) Nature 341:544-546)、(vi)単離された相補性決定領域(CDR)、(vii)合成リンカーによって適宜結合可能な2つ以上の単離されたCDRの組合せ、が挙げられる。さらに、Fv断片、VLおよびVHの2つのドメインは、別個の遺伝子によってコードされるが、それらは、VLおよびVH領域が対形成して一価分子(一本鎖Fv(scFv)として知られる)を形成する単一タンパク質鎖として作製されることを可能にする合成リンカーによって、組換え方法を使用して結合され得る。Bird et al. (1988) Science 242:423-426およびHuston et al. (1988) Proc. Natl. Acad Sci. USA 85:5879-5883を参照されたい。このような一本鎖抗体もまた、抗体の「抗原結合部分」という用語内に包含されることが意図される。これらの抗体断片は、当業者に公知の従来技術を使用して得られ、断片は、無傷の抗体と同一方法で有用性についてスクリーニングされる。抗原結合部分は、組換えDNA技術によって、または無傷の免疫グロブリンの酵素的もしくは化学的切断によって製造することができる。
本明細書で使用される「組換えヒト抗体」という用語は、(a)ヒト免疫グロブリン遺伝子についてトランスジェニックまたはトランスクロモソーマルである動物(例えば、マウス)またはそれから調製されたハイブリドーマから単離された抗体、(b)抗体を発現するように形質転換された宿主細胞、例えば、トランスフェクトーマから単離された抗体、(c)組換え、コンビナトリアルヒト抗体ライブラリーから単離された抗体、および(d)ヒト免疫グロブリン遺伝子配列の他のDNA配列へのスプライシングを含む他の手段によって調製、発現、作成または単離された抗体、のような組換え手段によって調製、発現、作成または単離されたすべてのヒト抗体を含む。
本明細書で使用される場合、「アイソタイプ」は、重鎖定常領域遺伝子によってコードされる抗体クラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgM、IgA1、IgA2、IgDおよびIgE抗体)を指す。
アミノ酸は、一般的に知られている3文字の記号、またはIUPAC-IUB生化学命名委員会が推奨する1文字の記号のいずれかによって、本明細書で言及される。ヌクレオチドも同様に、一般に受け入れられている1文字コードによって言及される。
本明細書で使用される場合、「ポリペプチド」という用語は、アミド結合(ペプチド結合としても知られている)により直鎖状に結合されたモノマー(アミノ酸)から構成される分子を指す。「ポリペプチド」という用語は、2個以上のアミノ酸からなる任意の鎖(複数可)を指し、特定の長さの生成物を指すものではない。本明細書で使用される場合、「タンパク質」という用語は、1つまたは複数のポリペプチドからなる分子を包含することを意図しており、場合によっては、アミド結合以外の結合によって会合させることができる。一方、タンパク質は、単一のポリペプチド鎖でもあり得る。この後者の例では、単一のポリペプチド鎖は、場合によっては、タンパク質を形成するために融合された2つ以上のポリペプチドサブユニットを含むことができる。「ポリペプチド」および「タンパク質」という用語はまた、限定されないがグリコシル化、アセチル化、リン酸化、アミド化、既知の保護/ブロック基による誘導体化、タンパク質分解切断、または非天然起源アミノ酸による修飾を含む発現後修飾の生成物を指す。ポリペプチドまたはタンパク質は、天然の生物学的供給源に由来するか、または組換え技術によって産生され得るが、必ずしも指定された核酸配列から翻訳される必要はない。化学合成を含む任意の方法で生成することができる。
本明細書で使用される場合(As hered herein)、「アバタセプト」という用語は、ヒト細胞傷害性Tリンパ球抗原-4(CTLA-4)の機能的結合ドメインと、IgG1クラスのヒトモノクローナル免疫グロブリンのFcドメインからなる遺伝子操作された融合タンパク質を指す。アバタセプトは、2つの約46kDaの相同なグリコシル化ポリペプチド鎖からなり、1つのジスルフィド結合を介して共有結合している。
本明細書で使用される場合、「ベラタセプト」という用語は、アバタセプトに対する2つの突然変異を含む突然変異型CTLA4-Fcポリペプチドを指し、29位のアミノ酸がチロシンに突然変異し、104位のアミノ酸がグルタミン酸に突然変異している。一部の実施形態では、例えば、ベータポリペプチドは、少なくともCTLA-4A29YL104E-Fcの細胞外ドメインのアミノ酸配列を含む。ベラタセプトの非限定的な例には、配列番号4が含まれる。例えば、ベラタセプトは、2009年10月8日に公開された米国仮出願番号第2009-0252749(A1)号明細書にさらに記載されており、その内容全体を参照により本明細書に組み込むものとする。
本明細書で使用される「ポリヌクレオチド」または「ヌクレオチド」という用語は、単数の核酸ならびに複数の核酸を包含することを意図しており、単離核酸分子またはコンストラクト、例えば、メッセンジャーRNA(mRNA)、相補DNA(cDNA)、またはプラスミドDNA(pDNA)を指す。特定の態様では、ポリヌクレオチドは、従来のホスホジエステル結合または非従来型結合(例えば、ペプチド核酸(PNA)に見られるようなアミド結合)を含む。
「核酸」という用語は、ポリヌクレオチドに存在する任意の1つまたは複数の核酸セグメント、例えば、DNA、cDNA、またはRNA断片を指す。核酸またはポリヌクレオチドに適用される場合、「単離された」という用語は、その元々の環境から除去された核酸分子、DNAまたはRNAを指し、例えば、ベクターに含まれる抗原結合タンパク質をコードする組換えポリヌクレオチドは、本開示の目的のために単離されたとみなされる。単離されたポリヌクレオチドのさらなる例には、異種宿主細胞で維持された組換えポリヌクレオチド、または溶液中の他のポリヌクレオチドから精製された(部分的または実質的に)組換えポリヌクレオチドが含まれる。単離されたRNA分子には、本開示のポリヌクレオチドのインビボ(in vivo)またはインビトロ(in vitro)RNA転写物が含まれる。本開示による単離されたポリヌクレオチドまたは核酸は、さらに、合成的に製造されたそのような分子を含む。さらに、ポリヌクレオチドまたは核酸は、プロモーター、エンハンサー、リボソーム結合部位、または転写終結シグナルなどの調節要素を含むことができる。
本開示の様々な態様は、以下の小項目においてさらに詳細に記載される。
II.グリカンの遊離と分離の方法
本開示は、タンパク質中のグリカン、例えば、N-結合型グリカンを分析する方法を対象にする。すべての真核生物のN-グリカンはManα1-3(Manα1-6)Manβ1-4GlcNAcβ1-4GlcNAcβ1-Asn-X-Ser/Thrという共通のコア配列を持ち、(1)Man残基のみがコアを伸長するオリゴマンノース型、(2)GlcNAcによって開始した「アンテナ」がコアを伸長する複合型、(3)ManがコアのManα1-6アームを伸長し、1つまたは2つのGlcNAcがManα1-3アームを伸長するハイブリッド型、の3種類に分類される。小胞体で初期プロセシングが行われた後、糖タンパク質はゴルジ体に輸送され、そこでさらにプロセシングが行われる。トリミングされたN-結合型オリゴ糖鎖は、いくつかのマンノース残基の付加によって修飾され、「高マンノース型オリゴ糖」が生じ得る。あるいはまたはさらに、N-アセチルグルコサミンの1つまたは複数の単糖ユニットがコアマンノースサブユニットに付加されて「複合型オリゴ糖」が形成され得る。N-アセチルグルコサミンサブユニットにガラクトースが付加され、ガラクトースサブユニットにシアル酸サブユニットが付加されて、シアル酸、ガラクトース、N-アセチルグルコサミン残基のいずれかで終端する鎖が生じ得る。フコース残基はコアオリゴ糖のN-アセチルグルコサミン残基に付加され得る。これらの付加はそれぞれ特異的なグリコシルトランスフェラーゼによって触媒される。
ハイブリッドグリカンは、高マンノース型グリカンと複合型グリカンの両方の特徴を含む。例えば、ハイブリッドグリカンの1つの枝は主にまたは専らマンノース残基を含み、別の枝はN-アセチルグルコサミン、シアル酸、ガラクトース、および/またはフコース糖を含むことができる。N-結合型グリカンは、様々な細胞内プロセスに関与している。例えば、N-結合型グリカンは、真核細胞においてタンパク質の適切なフォールディングに寄与している。小胞体のシャペロンタンパク質(例えば、カルネキシンおよびカルレティキュリン)は、N-結合型グリカンのコア上に存在する3つのグルコース残基と結合する。シャペロンタンパク質は、典型的には、グリカンが付着しているタンパク質のフォールディングを補助する。フォールディングが適切に行われると、3つのグルコース残基が除去され、N-結合型グリカンはさらなるプロセシング反応に進むことができる。タンパク質が適切にフォールディングされなかった場合は、3つのグルコース残基が再び付着し、タンパク質がシャペロンと再び会合できるようになる。このサイクルは、タンパク質が適切なコンフォメーションになるまで何度も繰り返される。タンパク質が何度も適切にフォールディングされない場合、通常、小胞体から排出され、細胞質プロテアーゼによって分解される。あるいはまたはさらに、N-結合型グリカンは、立体効果によってタンパク質のフォールディングに寄与する。例えば、ペプチド中のシステイン残基は、近くのグリカンの大きさによって、他のシステイン残基とのジスルフィド結合の形成が一時的に阻害され得る。したがって、N-結合型グリカンが存在すると、細胞はどのシステイン残基がジスルフィド結合を形成するかを制御することが可能になる。最初のオリゴ糖鎖は通常、小胞体中の特定のグリコシダーゼ酵素によって切り取られ、2つのN-アセチルグルコサミンと3つのマンノース残基から構成される短く分岐したコアオリゴ糖となる。
N-結合型グリカンは、細胞間相互作用に関与し得る。例えば、腫瘍細胞は頻繁に異常なN-グリカン構造を産生するが、これはナチュラルキラー細胞上のCD337レセプターによって、問題の細胞が癌であることを示すサインとして認識され得る。N-結合型グリカンは、分解性リソソーム酵素のリソソームへの標的化に関与している可能性がある。特に、N-結合型グリカンをマンノース-6-リン酸残基で修飾すると、このグリカンが付着しているタンパク質がリソソームに標的化されるべきというシグナルとして機能することができる。したがって、本開示は、N-結合型グリカン(例えば、糖タンパク質と複合体化しているN-結合型グリカン)のグリコシル化パターンを決定することが重要であるとの認識を包含する。本明細書に記載の方法は、任意のN-結合型グリカンの特性(例えば、組成および/または構造)を分析するために使用することができる。
糖タンパク質などの複合糖質のグリカン解析の最初の工程は、糖が付着している分子からの糖の遊離である。糖タンパク質上のN-結合型グリカンは、ペプチド-N-グリコシダーゼF(PNGase F)のようなアミダーゼによって遊離させることができる。
グリカンは、一般的にフルオロフォアのような標識で誘導体化され、分析性を高めている。従来、2-ABのような蛍光化合物で標識された遊離グリカンの分析には、質量分析または蛍光検出器の技術が用いられていた。質量分析(「MS」または「mass-spec」)は、質量電荷比イオンを測定するために用いられる分析技術である。これは、サンプルをイオン化して質量の異なるイオンを分離し、イオンフラックスの強度を測定して相対的な存在量を記録することで実現される。典型的な質量分析計は、イオン源、質量分析装置、検出器システムの3つの部分から構成されている。イオン源は、質量分析計の中で分析対象物質(分析物)をイオン化する部分である。次いで、イオンは磁場や電場によって質量分析装置に運ばれ、質量電荷比(m/z)にしたがってイオンを分離する。多くの質量分析計は、タンデム質量分析(MS/MS)のために2つ以上の質量分析装置を使用する。検出器は、イオンが表面を通過するとき、または表面に衝突したときに生じる電荷または電流を記録する。質量スペクトルは、質量分析装置でm/zイオンをスキャンしたときに検出器で生成されるシグナルを測定した結果である。しかし、一部の態様では、本開示は、標識を使用せず、質量分析計を使用せずにグリカンプロファイルを分析する方法を対象にする。荷電化粒子検出器(CAD)は、本質的に3工程のプロセスである。第1に、検出器は、カラムから溶出する分析物分子を乾燥粒子に変換する。粒子の数は分析物の量に比例して増加する。第2に、正に帯電したガス流が分析物の粒子に衝突する。次いで、電荷は粒子に移動し、粒子が大きいほど電荷は大きくなる。最後に粒子はコレクターに移動し、高感度な電位計で電荷が測定される。
本開示の方法は、誘導体化せずにN-結合型グリカンを遊離し分離するのに有用である。本開示は、組換えタンパク質のグリコシル化プロファイルを定量化する方法であって、1つまたは複数のN-結合型グリカンを標識なしで分析することを含み、N-結合型グリカンが分析前に酵素によって組換えタンパク質から遊離される、方法を対象にする。一部の態様では、本明細書に記載の方法は、その後の分析のために、複合糖質消化および/またはグリカン遊離、蛍光標識、およびグリカン精製のうちの1つまたは複数を提供することができる。生物学的供給源から化合物を分析する方法は、しばしば、クロマトグラフィー分離後の検出を容易にするフルオロフォアを導入するための誘導体化工程を含む。一態様では、分析前に遊離グリカンをタグ付けするために標識が使用される。反応混合物の様々な態様では、N-グリカンはN-グリカンの還元末端を介して標識に結合される。標識の1つのタイプはフルオロフォアであり、これは1つの波長の光を吸収して別の波長を放射する分子である。一部の態様では、標識はフルオロフォアである。
本開示の方法は、アスパラギン残基部位でタンパク質に結合しているN-グリカンを遊離させるのに有用である。一部の態様では、酵素はペプチドN-グリコシダーゼF(PNGase F)を含む。PNGase Fは、一般にエリザベトキンギア・ミリコーラ(Elizabethkingia miricola)細菌に由来する酵素であり、糖タンパク質からグリカン全体を切断し、グリコシル化アスパラギン部分がそのアミノ(R1)およびカルボキシル(R2)末端にポリペプチド鎖で置換されていることを要求する。PNGase Fタンパク質の配列はUniProt ID:P21163に見つけることができる。PNGase F酵素の天然変異型は、当技術分野で知られている。例えば、PNGase Fの天然変異型は、D100N、E158Q、E246Q、またはそれらの組合せから選択される1つまたは複数のアミノ酸置換を含むことができる。本開示の方法はまた、アスパラギン残基からN-グリカンを遊離するために、PNGase F酵素の機能的断片を使用して達成することができる。
本開示の方法は、アミノ酸からN-グリカンを遊離するための他の酵素の使用も企図する。一部の態様では、酵素は、エンドグリコシダーゼF1、エンドグリコシダーゼF2、エンドグリコシダーゼF3、エンドグリコシダーゼH、またはそれらの機能的断片であり得る。一部の態様では、酵素は、エンドグリコシダーゼF1である。一部の態様では、酵素は、エンドグリコシダーゼF2である。一部の態様では、酵素は、エンドグリコシダーゼF3である。一部の態様では、酵素は、エンドグリコシダーゼHである。他の態様では、2つ以上の酵素を使用してN-グリカンを切断することができる。
本開示の方法は、N-グリカンをタンパク質から、および互いからさらに分離するのに有用である。一部の態様では、分析は、カラムを含むクロマトグラフィー中に1つまたは複数のN-結合型グリカンを分離することを含む。一部の態様では、カラムは、親水性相互作用液体クロマトグラフィー(HILIC)-UPLCである。一部の態様では、カラムは逆相(RP)-UPLCカラムである。本開示の方法のカラムに適した典型的なマトリックスタイプの他の例は、陽イオン交換樹脂、親和性樹脂、陰イオン交換樹脂、または混合モード樹脂である。カラムの結合特性を変更するために、他の結合リガンドをクロマトグラフィー樹脂に付着させることができる。例としては、イオン交換基、疎水性相互作用基、親水性相互作用基、チオフィリック相互作用基、金属親和基、親和性基、生体親和性基、および混合モード基(前記の組合せ)などが挙げられるが、これらに限定されない。本開示の方法はまた、電気泳動を用いてN-グリカンを分離するために使用することができる。電気泳動は、混合物の分離および分析に使用されている。電気泳動は、移動度の差に基づく電場中での分子の移動および分離を含む。電気泳動には、フリーゾーン電気泳動、ゲル電気泳動、等電点電気泳動、キャピラリー電気泳動を含む、様々な方式が知られている。キャピラリー電気泳動(CE)は、遊離と結合標識との分離を対象とする。一般にCEでは、キャピラリーチューブにサンプルを導入することを含む。サンプル成分はそれぞれ固有の電気泳動移動度を持つため、移動度の大きな試料は移動度の遅い試料よりも速くキャピラリーチューブ内を移動する。したがって、サンプルの成分は、キャピラリーチューブ内を移動する間に、キャピラリーチューブ内で個別のゾーンに分解される。一部の態様では、電気泳動はキャピラリー電気泳動である。一部の態様では、電気泳動はゲル電気泳動である。
本開示の方法は、カラムを含むクロマトグラフィーを用いて分離した後のN-グリカンを分析するのに有用である。一部の態様では、方法は、混合モードクロマトグラフィーを使用することを含む。混合モードクロマトグラフィー(MMC)、または多様式クロマトグラフィーは、その分離を達成するために固定相と分析物との間の複数の形態の相互作用を利用するクロマトグラフィー方法を指し、これは、一つの重要な属性に基づいて成分を分離する従来の単一モードクロマトグラフィーとは区別される。一部の態様では、カラムは混合モードカラムである。一部の態様では、分離は、1つまたは複数の移動相を用いて行われる。一部の態様では、カラムは混合モード多孔性グラファイトカーボン(PGC)カラムである。一部の態様では、本開示は、(i)酵素、例えば、PNGase Fを用いて1つまたは複数のN-結合型グリカンを遊離すること、および(ii)混合モードクロマトグラフィーの移動相中でN-結合型グリカンを分離すること、を含む組換えタンパク質のグリコシル化プロファイルを測定する方法を提供する。一部の態様では、本開示は、(i)酵素、例えば、PNGase Fを用いて1つまたは複数のN-結合型グリカンを遊離すること、(ii)混合モードクロマトグラフィーの移動相中でN-結合型グリカンを分離すること、および(iii)検出器を用いて分離したN-結合型グリカンを測定すること、を含む組換えタンパク質のグリコシル化プロファイルを定量化する方法を提供する。一部の態様では、本開示は、(i)酵素、例えば、PNGase Fを用いて1つまたは複数のN-結合型グリカンを遊離すること、(ii)電気泳動によりN-結合型グリカンを分離すること、および(iii)検出器を用いて分離したN-結合型グリカンを測定すること、を含む組換えタンパク質のN-結合型グリカンを特徴づける方法を提供する。
一部の態様では、本開示は、(i)酵素、例えば、PNGase Fを用いて1つまたは複数のN-結合型グリカンを遊離すること、および(ii)電気泳動によりN-結合型グリカンを分離すること、を含む組換えタンパク質のグリコシル化プロファイルを測定する方法を提供する。一部の態様では、本開示は、(i)酵素、例えば、PNGase Fを用いて1つまたは複数のN-結合型グリカンを遊離すること、(ii)電気泳動によりN-結合型グリカンを分離すること、および(iii)検出器を用いて分離したN-結合型グリカンを測定すること、を含む組換えタンパク質のグリコシル化プロファイルを定量化する方法を提供する。一部の態様では、本開示は、(i)酵素、例えば、PNGase Fを用いて1つまたは複数のN-結合型グリカンを遊離すること、(ii)電気泳動によりN-結合型グリカンを分離すること、および(iii)検出器を用いて分離したN-結合型グリカンを測定すること、を含む組換えタンパク質のN-結合型グリカンを特徴づける方法を提供する。
一部の態様では、酵素は組換えタンパク質とインキュベートされ、1つまたは複数のN-結合型グリカンは分離前に組換えタンパク質から遊離される。一部の態様では、酵素はバッファーによって希釈される。一部の態様では、バッファーは、リン酸塩、クエン酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、およびトリス(ヒドロキシメチル)-アミノメタン(「トリス」)からなる群から選択される。一部の態様では、バッファーはリン酸塩である。一部の態様では、バッファーはクエン酸塩である。一部の態様では、バッファーはギ酸塩である。一部の態様では、バッファーは酢酸塩である。一部の態様では、バッファーはトリスである。
本開示の方法は、質量分析を介してN-結合型グリカンを分析するのに有用である。一般的な質量分析アプローチの1つは、質量分析/質量分析(MS/MS)として知られる、3つの質量分析計をタンデムに使用することである。例えば、三連四重極質量分析計での実験では、第1の四重極(Q1)は、サンプル中の予想される化学種の特定のm/zのイオン(前駆イオン)のみを通過させるように設定されている。第2の四重極(すなわちQ2または衝突セル)は、Q1を通過したイオンを断片化するために使用される。第3の四重極(Q3)は、予想される化学種の予想される断片化生成物に対応する特定のm/zのイオン(断片イオン)のみを検出器を通過させるように設定される。現在のプロセスで使用できる質量分析計の一例は、NQADであり、これは、上記のように検出器を通過する成分の質量/電荷比を監視するために使用される装置である。一部の態様では、分離される1つまたは複数のN-結合型グリカンは、質量分析計によって測定される。一部の態様では、分離される1つまたは複数のN-結合型グリカンは、質量分析計によって特徴づけられる。一部の態様では、分離される1つまたは複数のN-結合型グリカンは、質量分析計によって検出される。
本開示の方法は、蒸発光散乱検出器、またはELSDを介してN-結合型グリカンを分析するのにも有用である。蒸発光散乱検出器(ELSD)は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、超高速液体クロマトグラフィー(UHPLC)と連結して使用される検出器である。ELSDは、HPLCから溶出した後の溶媒を分析する。HPLCから溶出された溶媒は、不活性キャリアガスと混合され、ネブライザーを通過することで、液体が微小なエアロゾル化された液滴に分離される。次いで、この噴霧を加熱して移動相のみを蒸発させ、残った標的物質に光を当て、その散乱光を検出する。ELSD検出器は、成分が紫外線を吸収しないため、紫外線(UV)検出などの他の一般的な方法を介して識別することができないサンプルを識別するのに有用である。一部の態様では、分離される1つまたは複数のN-結合型グリカンは、蒸発光散乱検出器によって測定される。一部の態様では、分離される1つまたは複数のN-結合型グリカンは、蒸発光散乱検出器によって特徴づけられる。一部の態様では、分離される1つまたは複数のN-結合型グリカンは、蒸発光散乱検出器によって検出される。
本開示の方法は、屈折率検出器を用いてN-結合型グリカンを分析するのにも有用である。屈折率検出器は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、超高速液体クロマトグラフィー(UHPLC)と連結して使用される装置である。装置は、カラムを通過する溶出液の屈折率変化を測定することを含む検出原理で作動し、サンプルと移動相の屈折率の差を検出することができる。屈折率検出器には、サンプル用と参照溶媒用の2つの部分を持つフローセルがある。検出器は、両方の成分の屈折率を測定し、実質的に、サンプルシグナルから移動相のバックグラウンドシグナルを差し引く。一部の態様では、分離される1つまたは複数のN-結合型グリカンは、屈折率検出器によって測定される。一部の態様では、分離される1つまたは複数のN-結合型グリカンは、屈折率検出器によって特徴づけられる。一部の態様では、分離される1つまたは複数のN-結合型グリカンは、屈折率検出器によって検出される。
本開示の方法は、荷電化粒子検出器を用いてN-結合型グリカンを分析するのにも有用である。荷電化粒子検出器は、溶出液を窒素(または空気)キャリアガスで噴霧して液滴を形成し、次いで乾燥して移動相を除去して分析物粒子を生成することに基づく分析技術を指す。分析物粒子の一次ストリームは、高電圧の白金コロナワイヤーを通過することで正に帯電した二次ストリームと接触する。電荷は対向する分析物粒子の流れに拡散的に移動し、さらにコレクターに移動して高感度電位計で測定され、存在する分析物の量に比例したシグナルが生成される。一部の態様では、分離される1つまたは複数のN-結合型グリカンは、荷電化粒子検出器(CAD)によって測定される。他の態様では、分離される1つまたは複数のN-結合型グリカンは、質量分析計、ELSD、NQAD、または屈折率検出器によって測定される。
本開示の方法は、クロマトグラフィー、例えば液体クロマトグラフィー(LC)を介した遊離されたグリカンの分離を含む。LCは、その後の分析および/または同定のために流体混合物の成分を分離するための十分に確立された分析技術であり、カラム、マイクロ流体チップベースのチャネル、またはチューブに、典型的には数ミクロンの直径を有する小粒子のような微細に分割した固体またはゲルである固定相材料が充填される。粒径が小さいため、表面積が大きく、様々な化学物質で固定相を修飾することができる。液体溶出液は、液体クロマトグラフィーカラム(「LCカラム」)を通して、カラムの寸法と粒子径に基づく所望の流速で送液される。この液体溶出液は移動相と呼ばれることもある。分析対象のサンプルは、LCカラムの前にある移動相の流れに少容量ずつ導入(例えば、注入)される。サンプル中の分析物の移動速度は、カラムの長さをたどる際に、固定相との特異的な化学的および/または物理的相互作用によって影響を受ける。特定の分析物がカラムの末端から溶出または流出する時間は、保持時間または溶出時間と呼ばれ、所与の分析物の特徴を合理的に識別することができる。
一部の態様では、本方法のためのN-結合型グリカンを分離するクロマトグラフィーは、1つまたは複数の移動相を含む。一部の態様では、クロマトグラフィーは、少なくとも2つの移動相、少なくとも3つの移動相、少なくとも4つの移動相、または少なくとも5つの移動相を含む。他の態様では、クロマトグラフィーは、第1の移動相および第2の移動相を含む。他の態様では、クロマトグラフィーは、第1の移動相、第2の移動相および第3の移動相を含む。他の態様では、クロマトグラフィーは、第1の移動相、第2の移動相、第3の移動相、または第4の移動相を含む。他の態様では、クロマトグラフィーは、第1の移動相、第2の移動相、第3の移動相、第4の移動相、または第5の移動相を含む。一部の態様では、第1の移動相、第2の移動相、第3の移動相、第4の移動相、および/または第5の移動相は異なる。
一部の態様では、第1の移動相、第2の移動相、第3の移動相、第4の移動相、または第5の移動相は、ヘキサン、メタノール、水、アセトニトリル、酢酸エチル、ベンゼン、クロロホルム、ベンゼン、エーテル、またはそれらの混合物からなる群から選択される。一部の態様では、第1の移動相、第2の移動相、第3の移動相、第4の移動相、または第5の移動相は、水である。一部の態様では、第1の移動相、第2の移動相、第3の移動相、第4の移動相、または第5の移動相は、アセトニトリルである。一部の態様では、第1の移動相、第2の移動相、第3の移動相、第4の移動相、または第5の移動相は、酢酸エチルである。一部の態様では、第1の移動相、第2の移動相、第3の移動相、第4の移動相、または第5の移動相は、ベンゼンである。一部の態様では、第1の移動相、第2の移動相、第3の移動相、第4の移動相、または第5の移動相は、クロロホルムである。一部の態様では、第1の移動相、第2の移動相、第3の移動相、第4の移動相、または第5の移動相は、ベンゼンである。一部の態様では、第1の移動相、第2の移動相、第3の移動相、第4の移動相、または第5の移動相は、エーテルである。
一部の態様では、第1の移動相は水を含む。一部の態様では、第1の移動相は水を含み、第2の移動相はアセトニトリルを含む。一部の態様では、第1の移動相は水であり、さらにギ酸(FA)を含み、第2の移動相(second phase)はアセトニトリルである。一部の態様では、第1の移動相は水であり、第2の移動相はアセトニトリルであり、さらにギ酸(FA)を含む。一部の態様では、第1の移動相は水であり、さらにギ酸(FA)を含み、第2の移動相はアセトニトリルであり、さらにギ酸(FA)を含む。一部の態様では、第1の移動相は、水であり、さらに約0.01%から約1%のギ酸(FA)を含み、第2の移動相は、アセトニトリルである。一部の態様では、第1の移動相は水であり、第2の移動相はアセトニトリルであり、さらに約0.01%から約1%のギ酸(FA)を含む。一部の態様では、第1の移動相は水であり、さらに約0.01%から約1%のギ酸(FA)を含み、第2の移動相はアセトニトリルであり、さらに約0.01%から約1%のギ酸(FA)を含む。一部の態様では、第1の移動相および第2の移動相は、約0.01%のギ酸(FA)を含む。一部の態様では、第1の移動相および第2の移動相は、約0.02%のギ酸(FA)を含む。一部の態様では、第1の移動相および第2の移動相は、約0.03%のギ酸(FA)を含む。一部の態様では、第1の移動相および第2の移動相は、約0.04%のギ酸(FA)を含む。一部の態様では、第1の移動相および第2の移動相は、約0.05%のギ酸(FA)を含む。一部の態様では、第1の移動相および第2の移動相は、約0.06%のギ酸(FA)を含む。一部の態様では、第1の移動相および第2の移動相は、約0.07%(0.07)のギ酸(FA)を含む。一部の態様では、第1の移動相および第2の移動相は、約0.08%のギ酸(FA)を含む。一部の態様では、第1の移動相および第2の移動相は、約0.09%のギ酸(FA)を含む。一部の態様では、第1の移動相および第2の移動相は、約0.1%のギ酸(FA)を含む。
一部の態様では、第1の移動相は水を含む。一部の態様では、第1の移動相は水を含み、第2の移動相はアセトニトリルを含む。一部の態様では、第1の移動相は水であり、さらにトリフルオロ酢酸(TFA)を含み、第2の移動相はアセトニトリルである。一部の態様では、第1の移動相は水であり、第2の移動相はアセトニトリルであり、さらにトリフルオロ酢酸(TFA)を含む。一部の態様では、第1の移動相は水であり、さらにトリフルオロ酢酸(TFA)を含み、第2の移動相はアセトニトリルであり、さらにトリフルオロ酢酸(TFA)を含む。一部の態様では、第1の移動相は水であり、さらに約0.01%から約1%のトリフルオロ酢酸(TFA)を含み、第2の移動相はアセトニトリルである。一部の態様では、第1の移動相は水であり、第2の移動相はアセトニトリルであり、さらに約0.01%から約1%のトリフルオロ酢酸(TFA)を含む。一部の態様では、第1の移動相は水であり、さらに約0.01%から約1%のトリフルオロ酢酸(TFA)を含み、第2の移動相はアセトニトリルであり、さらに約0.01%から約1%のトリフルオロ酢酸(TFA)を含む。一部の態様では、第1の移動相および第2の移動相は、約0.01%のトリフルオロ酢酸(TFA)を含む。一部の態様では、第1の移動相および第2の移動相は、約0.02%のトリフルオロ酢酸(TFA)を含む。一部の態様では、第1の移動相および第2の移動相は、約0.03%のトリフルオロ酢酸(TFA)を含む。一部の態様では、第1の移動相および第2の移動相は、約0.04%のトリフルオロ酢酸(TFA)を含む。一部の態様では、第1の移動相および第2の移動相は、約0.05%のトリフルオロ酢酸(TFA)を含む。一部の態様では、第1の移動相および第2の移動相は、約0.06%のトリフルオロ酢酸(TFA)を含む。一部の態様では、第1の移動相および第2の移動相は、約0.07%(0.07)のトリフルオロ酢酸(TFA)を含む。一部の態様では、第1の移動相および第2の移動相は、約0.08%のトリフルオロ酢酸(TFA)を含む。一部の態様では、第1の移動相および第2の移動相は、約0.09%のトリフルオロ酢酸(TFA)を含む。一部の態様では、第1の移動相および第2の移動相は、約0.1%のトリフルオロ酢酸(TFA)を含む。
一部の態様では、第1の移動相は水を含む。一部の態様では、第1の移動相は水を含み、第2の移動相はアセトニトリルを含む。一部の態様では、第1の移動相は水であり、さらにトリエチルアミン(TEA)を含み、第2の移動相はアセトニトリルである。一部の態様では、第1の移動相は水であり、第2の移動相はアセトニトリルであり、さらにトリエチルアミン(TEA)を含む。一部の態様では、第1の移動相は水であり、さらにトリエチルアミン(TEA)を含み、第2の移動相はアセトニトリルであり、さらにトリエチルアミン(TEA)を含む。一部の態様では、第1の移動相は水であり、さらに約0.01%から約1%のトリエチルアミン(TEA)を含み、第2の移動相はアセトニトリルである。一部の態様では、第1の移動相は水であり、第2の移動相はアセトニトリルであり、さらに約0.01%から約1%のトリエチルアミン(TEA)を含む。一部の態様では、第1の移動相は水であり、さらに約0.01%から約1%のトリエチルアミン(TEA)を含み、第2の移動相はアセトニトリルであり、さらに約0.01%から約1%のトリエチルアミン(TEA)を含む。一部の態様では、第1の移動相および第2の移動相は、約0.01%のトリエチルアミン(TEA)を含む。一部の態様では、第1の移動相および第2の移動相は、約0.02%のトリエチルアミン(TEA)を含む。一部の態様では、第1の移動相および第2の移動相は、約0.03%のトリエチルアミン(TEA)を含む。一部の態様では、第1の移動相および第2の移動相は、約0.04%のトリエチルアミン(TEA)を含む。一部の態様では、第1の移動相および第2の移動相は、約0.05%のトリエチルアミン(TEA)を含む。一部の態様では、第1の移動相および第2の移動相は、約0.06%のトリエチルアミン(TEA)を含む。一部の態様では、第1の移動相および第2の移動相は、約0.07%のトリエチルアミン(TEA)を含む。一部の態様では、第1の移動相および第2の移動相は、約0.08%のトリエチルアミン(TEA)を含む。一部の態様では、第1の移動相および第2の移動相は、約0.09%のトリエチルアミン(TEA)を含む。一部の態様では、第1の移動相および第2の移動相は、約0.1%のトリエチルアミン(TEA)を含む。
一部の態様では、第1の移動相は水であり、さらにトリエチルアミン(TEA)を含み、第2の移動相はアセトニトリルである。一部の態様では、第1の移動相は水であり、さらにトリエチルアミン(TEA)を含み、第2の移動相はアセトニトリルであり、さらにトリエチルアミン(TEA)を含む。一部の態様では、第1の移動相は水であり、さらに約0.05%から約1.5%のトリエチルアミン(TEA)を含み、第2の移動相はアセトニトリルであり、グリカンS1G2、S2G2、S2G2Fは任意の組合せで、移動相Aおよび/または移動相B中の0.1%ギ酸と比較して、分離中のクロマトグラフィーカラムに対する親和性が増加している。一部の態様では、第1の移動相は水であり、さらにトリエチルアミン(TEA)を含み、第2の移動相はアセトニトリルであり、さらに約0.05%から約1.5%のトリエチルアミン(TEA)を含み、グリカンS1G2、S2G2、S2G2Fは任意の組合せで、移動相Aおよび/または移動相B中の0.1%ギ酸と比較して、分離中のクロマトグラフィーカラムに対する親和性が増加している。一部の態様では、第1の移動相は水であり、さらに約0.05%から約1.5%のトリエチルアミン(TEA)を含み、第2の移動相はアセトニトリルであり、さらに約0.05%から約1.5%のトリエチルアミン(TEA)を含み、グリカンS1G2、S2G2、S2G2Fは任意の組合せで、移動相Aおよび/または移動相B中の0.1%ギ酸と比較して、分離中のクロマトグラフィーカラムに対する親和性が増加している。一部の態様では、第1の移動相は、水中に約0.1%のトリメチルアミン(TEA)を含み、第2の移動相は、アセトニトリル中に約0.1%のトリエチルアミン(TEA)を含む。一部の態様では、第1の移動相は、約0.05%のトリエチルアミン(TEA)を含む。一部の態様では、第1の移動相は、約0.06%のトリエチルアミン(TEA)を含む。一部の態様では、第1の移動相は、約0.07%のトリエチルアミン(TEA)を含む。一部の態様では、第1の移動相は、約0.08%のトリエチルアミン(TEA)を含む。一部の態様では、第1の移動相は、約0.09%のトリエチルアミン(TEA)を含む。一部の態様では、第1の移動相は、約0.1%のトリエチルアミン(TEA)を含む。一部の態様では、第1の移動相は、約0.11%のトリエチルアミン(TEA)を含む。一部の態様では、第1の移動相は、約0.12%のトリエチルアミン(TEA)を含む。一部の態様では、第1の移動相は、約0.13%のトリエチルアミン(TEA)を含む。一部の態様では、第1の移動相は、約0.14%のトリエチルアミン(TEA)を含む。一部の態様では、第1の移動相は、約0.15%のトリエチルアミン(TEA)を含む。一部の態様では、第2の移動相は、約0.05%のトリエチルアミン(TEA)を含む。一部の態様では、第2の移動相は、約0.06%のトリエチルアミン(TEA)を含む。一部の態様では、第2の移動相は、約0.07%のトリエチルアミン(TEA)を含む。一部の態様では、第2の移動相は、約0.08%のトリエチルアミン(TEA)を含む。一部の態様では、第2の移動相は、約0.09%のトリエチルアミン(TEA)を含む。一部の態様では、第2の移動相は、約0.10%のトリエチルアミン(TEA)を含む。一部の態様では、第2の移動相は、約0.11%のトリエチルアミン(TEA)を含む。一部の態様では、第2の移動相は、約0.12%のトリエチルアミン(TEA)を含む。一部の態様では、第2の移動相は、約0.13%のトリエチルアミン(TEA)を含む。一部の態様では、第2の移動相は、約0.14%のトリエチルアミン(TEA)を含む。一部の態様では、第2の移動相は、約0.15%のトリエチルアミン(TEA)を含む。
一部の態様では、第1の移動相、第2の移動相、第3の移動相、第4の移動相、または第5の移動相は、ギ酸(FA)、トリフルオロ酢酸(TFA)、トリエチルアミン(TEA)、またはそれらの任意の組合せを含む。一部の態様では、第1の移動相、第2の移動相、第3の移動相、第4の移動相、または第5の移動相は、約0.01%から約2%のギ酸(FA)、トリフルオロ酢酸(TFA)、トリエチルアミン(TEA)、またはそれらの任意の組合せを含む。
一部の態様では、第1の移動相、第2の移動相、第3の移動相、第4の移動相、または第5の移動相は、約0.01%から約1%または約1%から約2%のギ酸(FA)、例えば、0.1%FAを含む。一部の態様では、第1の移動相、第2の移動相、第3の移動相、第4の移動相、または第5の移動相は、約0.01%から約1%または約1%から約2%のトリフルオロ酢酸(TFA)、例えば、0.1%TFAを含む。一部の態様では、第1の移動相、第2の移動相、第3の移動相、第4の移動相、または第5の移動相は、約0.01%から約1%または約1%から約2%のトリエチルアミン(TEA)、例えば、0.1%TEAを含み、グリカンS1G2、S2G2、および/またはS2G2Fは、移動相Aおよび/または移動相B中の0.1%ギ酸と比較して、分離中のクロマトグラフィーカラムに対する親和性が増加している。
一部の態様では、本開示の方法は、クロマトグラフィー分離中にピーク対称性を改善し、ピークテーリングを低減するために、還元的アミノ化のための1つまたは複数の薬剤を使用する。一部の態様では、1つまたは複数の薬剤は、2-ピコリンボラン(pic-BH)および/またはシアノ水素化ホウ素ナトリウム(NaBHCN)を含む。
本開示の方法はまた、クロマトグラフィーを用いてN-グリカンを分離するのに有用である。クロマトグラフィーの分離は、分離中のクロマトグラフィーカラムの温度を調整することによって改善することができる。一部の態様では、分離は70℃より低い温度で行われる。一部の態様では、分離は60℃より低い温度で行われる。一部の態様では、分離は50℃より低い温度で行われる。一部の態様では、分離は40℃より低い温度で行われる。
一部の態様では、温度は、約50℃から約70℃の間、約50℃から約60℃の間、約60℃から約70℃の間、約55℃から約65℃の間、約55℃から約60℃の間、約60℃から約65℃の間、約65℃から約70℃の間、約50℃から約55℃の間、約50℃から約60℃の間、約50℃から約59℃の間、約51℃から約59℃の間、約51℃から約58℃の間、約52℃から約58℃の間、約52℃から約57℃の間、約53℃から約57℃の間、約53℃から約56℃の間、および約54℃から約56℃の間である。
一部の態様では、温度は約50℃から約70℃の間である。一部の態様では、温度は約50℃から約60℃の間である。一部の態様では、温度は約60℃から約70℃の間である。一部の態様では、温度は約55℃から約65℃の間である。一部の態様では、温度は約55℃から約60℃の間である。一部の態様では、温度は約60℃から約65℃の間である。一部の態様では、温度は約65℃から約70℃の間である。一部の態様では、温度は約50℃から約55℃の間である。一部の態様では、温度は約50℃から約60℃の間である。一部の態様では、温度は約50℃から約59℃の間である。一部の態様では、温度は約51℃から約59℃の間である。一部の態様では、温度は約51℃から約58℃の間である。一部の態様では、温度は約52℃から約58℃の間である。一部の態様では、温度は約52℃から約57℃の間である。一部の態様では、温度は約53℃から約57℃の間である。一部の態様では、温度は約53℃から約56℃の間である。一部の態様では、温度は約54℃から約56℃の間である。
一部の態様では、温度は、約45℃から約55℃の間、約45℃から約54℃の間、約46℃から約54℃の間、約46℃から約53℃の間、約47℃から約53℃の間、約47℃から約52℃の間、約48℃から約52℃の間、約49℃から約52℃の間、または約49℃から約51℃の間である。一部の態様では、温度は、約55℃から約65℃の間、約55℃から約64℃の間、約56℃から約64℃の間、約56℃から約63℃の間、約57℃から約63℃の間、約57℃から約62℃の間、約58℃から約62℃の間、約59℃から約62℃の間、または約59℃から約61℃の間である。
一部の態様では、温度は約50℃、約51℃、約52℃、約53℃、約54℃、約55℃、約56℃、約57℃、約58℃、約59℃、約60℃、約61℃、約62℃、約63℃、約64℃、約65℃、約66℃、約67℃、約68℃、または約69℃である。
一部の態様では、温度は約45℃から約55℃の間である。一部の態様では、温度は約45℃から約54℃の間である。一部の態様では、温度は約46℃から約54℃の間である。一部の態様では、温度は約46℃から約53℃の間である。一部の態様では、温度は約47℃から約53℃の間である。一部の態様では、温度は約47℃から約52℃の間である。一部の態様では、温度は約48℃から約52℃の間である。一部の態様では、温度は約49℃から約52℃の間である。一部の態様では、温度は約49℃から約51℃の間である。一部の態様では、温度は約55℃から約65℃の間である。一部の態様では、温度は約55℃から約64℃の間である。一部の態様では、温度は約56℃から約64℃の間である。一部の態様では、温度は約56℃から約63℃の間である。一部の態様では、温度は約57℃から約63℃の間である。一部の態様では、温度は約57℃から約62℃の間である。一部の態様では、温度は約58℃から約62℃の間である。一部の態様では、温度は約59℃から約62℃の間である。一部の態様では、温度は約59℃から約61℃の間である。
本開示の方法はまた、クロマトグラフィーを用いてN-結合型グリカンを分離するのに有用である。逆相HPLCにおける勾配は通常、溶媒(移動相)のオンライン(動的)混合を含み、分離の過程で1つの溶媒の定常的な増加を達成し、これは溶出液の溶出強度を時間と共に変化させるのに役立つ。一部の態様では、分離は勾配に基づく(on a gradient)。一部の態様では、分離は、1つまたは複数の移動相の勾配に基づく(on a gradient)。一部の態様では、第1の移動相から第2の移動相への勾配である。一部の態様では、第1の移動相から第2の移動相、第3の移動相への勾配である。一部の態様では、第1の移動相から、第2の移動相、第3の移動相、第4の移動相への勾配である。一部の態様では、第1の移動相から、第2の移動相、第3の移動相、第4の移動相、第5の移動相への勾配である。一部の態様では、勾配は約95%から約5%である。一部の態様では、勾配は、約95%から約50%、約95%から約55%、約95%から約60%、約95%から約65%、約95%から約70%、約95%から約75%、約95%から約80%、約95%から約85%、約90%から約50%、約90%から約55%、約90%から約60%、約90%から約65%、約90%から約70%、約90%から約75%、約87%から約50%、約87%から約55%、約87%から約60%、約87%から約65%、約87%から約70%、約87%から約75%、約85%から約50%、約85%から約55%、約85%から約60%、約85%から約65%、約85%から約70%または約85%から約75%である。一部の態様では、勾配は約87%から約75%である。
一部の態様では、勾配は約95%から約50%である。一部の態様では、勾配は約95%から約51%である。一部の態様では、勾配は約95%から約52%である。一部の態様では、勾配は約95%から約53%である。一部の態様では、勾配は約95%から約54%である。一部の態様では、勾配は約95%から約55%である。一部の態様では、勾配は約95%から約56%である。一部の態様では、勾配は約95%から約57%である。一部の態様では、勾配は約95%から約58%である。一部の態様では、勾配は約95%から約59%である。一部の態様では、勾配は約95%から約60%である。一部の態様では、勾配は約90%から約74%である。一部の態様では、勾配は約90%から約75%である。一部の態様では、勾配は約90%から約76%である。一部の態様では、勾配は約90%から約77%である。一部の態様では、勾配は約90%から約78%である。一部の態様では、勾配は約90%から約79%である。一部の態様では、勾配は約90%から約80%である。一部の態様では、勾配は約90%から約81%である。一部の態様では、勾配は約90%から約82%である。一部の態様では、勾配は約90%から約83%である。一部の態様では、勾配は約90%から約84%である。一部の態様では、勾配は約90%から約85%である。一部の態様では、勾配は約87%から約50%である。一部の態様では、勾配は約87%から約51%である。一部の態様では、勾配は約87%から約52%である。一部の態様では、勾配は約87%から約53%である。一部の態様では、勾配は約87%から約54%である。一部の態様では、勾配は約87%から約55%である。一部の態様では、勾配は約87%から約56%である。一部の態様では、勾配は約87%から約57%である。一部の態様では、勾配は約87%から約58%である。一部の態様では、勾配は約87%から約59%である。一部の態様では、勾配は約87%から約60%である。一部の態様では、勾配は約87%から約61%である。一部の態様では、勾配は約87%から約62%である。一部の態様では、勾配は約87%から約63%である。一部の態様では、勾配は約87%から約64%である。一部の態様では、勾配は約87%から約65%である。一部の態様では、勾配は約87%から約66%である。一部の態様では、勾配は約87%から約67%である。一部の態様では、勾配は約87%から約68%である。一部の態様では、勾配は約87%から約69%である。一部の態様では、勾配は約87%から約70%である。一部の態様では、勾配は約87%から約71%である。一部の態様では、勾配は約87%から約72%である。一部の態様では、勾配は約87%から約73%である。一部の態様では、勾配は約87%から約74%である。一部の態様では、勾配は約87%から約75%である。
III.グリカン解析の方法
本開示の方法は、上記に示すように、遊離され分離されたN-結合型グリカンを分析するのに有用である。N-結合型グリコシル化は、N-グリコシル化と呼ばれるプロセスにおいて、窒素原子[タンパク質のアスパラギン(Asn)残基のアミド窒素]に、時にグリカンとも呼ばれるオリゴ糖が付着することである。本開示は、目的のタンパク質のN-結合型グリカンプロファイルを分析する方法も対象にする。一部の態様では、1つまたは複数のN-結合型グリカンは、ガラクトース(Gal)、N-アセチルガラクトサミン(GalNAc)、ガラクトサミン(GalN)、グルコース(Glc)、N-アセチルグルコサミン(GlcNAc)、グルコサミン(GlcN)、マンノース(Man)、N-アセチルマンノサミン(ManNAc)、マンノサミン(ManN)、キシロース(Xyl)、フコース(Fuc)、グルクロン酸(GlcA)、イデュロン酸(IdoA)、ガラクツロン酸(GalA)、マンヌロン酸(ManA)またはそれらの任意の組合せである。一部の態様では、N-グリカンはGalである。一部の態様では、N-グリカンはGalNacである。一部の態様では、N-グリカンはGalNである。一部の態様では、N-グリカンはGlcである。一部の態様では、N-グリカンはGlcNAcである。一部の態様では、N-グリカンはGlcNである。一部の態様では、N-グリカンはManである。一部の態様では、N-グリカンはManNAcである。一部の態様では、N-グリカンはManNである。一部の態様では、N-グリカンはXylである。一部の態様では、N-グリカンはFucである。一部の態様では、N-グリカンはGlcAである。一部の態様では、N-グリカンはIdoAである。一部の態様では、N-グリカンはGalAである。一部の態様では、N-グリカンはManAである。一部の態様では、1つまたは複数のN-グリカンは、1つまたは複数のバイアンテナ型グリカンを含む。一部の態様では、バイアンテナ型グリカンは、G0F、G0、G1F、G1、G2F、G2、S1G2F、S1G2、S2G2F、S2G2およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される。一部の態様では、バイアンテナ型グリカンは、G0FまたはG0である。一部の態様では、バイアンテナ型グリカンは、G1FまたはG1である。一部の態様では、バイアンテナ型グリカンは、G2FまたはG2である。一部の態様では、バイアンテナ型グリカンは、S1G2FまたはS1G2である。一部の態様では、バイアンテナ型グリカンは、S2G2FまたはS2G2である。
一部の態様では、1つまたは複数のN-結合型グリカンは、高マンノース型グリカンである。高マンノース型グリカンは、非置換の末端マンノース糖を含む。これらのグリカンは、典型的には、キトビオース(GlcNAc)コアに付着した5から9個のマンノース残基を含む。一部の態様では、1つまたは複数の高マンノース型N-結合型グリカンはマンノース-5である。一部の態様では、1つまたは複数の高マンノース型N-結合型グリカンはマンノース-6である。一部の態様では、1つまたは複数の高マンノース型N-結合型グリカンはマンノース-7である。一部の態様では、1つまたは複数の高マンノース型N-結合型グリカンはマンノース-8である。一部の態様では、1つまたは複数の高マンノース型N-結合型グリカンはマンノース-9である。
高マンノース型N-結合型グリカンはまた、リン酸化され得る。マンノース-6-リン酸(M6P)は、リソソーム酵素のリソソームへの輸送に重要なシグナルである。リソソーム酵素の多くは、高マンノース型グリカンと複合型グリカンを持つ糖タンパク質である。例えば、FABRAZYME(商標)は、リソソームタンパク質、α-ガラクトシダーゼAの一例であり、FABRAZYME(商標)が細胞に取り込まれ、続いてリソソームに運ばれる能力は、そのN-結合型グリカン上のマンノース6-リン酸(M6P)の存在によるものであり、FABRAZYME(商標)は、ほとんどの細胞型の細胞表面に存在するマンノース6-リン酸/IGF-II受容体に結合してリソソームに送達される。一部の態様では、高マンノース型N-結合型グリカンの1つまたは複数のマンノース残基がリン酸化されている。
本開示の方法はまた、シアリル化を含むグリカンを分離するのにも有用である。シアリル化は、シアル酸基が末端単糖としてオリゴ糖や炭水化物のような分子に導入されるプロセスである。哺乳動物のシアル酸は、N-アセチルノイラミン酸(Neu5AcまたはNANA)およびN-グリコリルノイラミン酸(Neu5GcまたはNGNA)の2種類が一般的である。一部の態様では、シアル酸は、Neu5Acである。一部の態様では、シアル酸は、Neu5Gcである。一部の態様では、シアル酸は、2-ケト-3-デオキシノノン酸(Kdn)である。一部の態様では、グリコシル化プロファイルは、1つまたは複数の非シアリル化グリカン、モノシアリル化グリカン、ジシアリル化グリカン、ならびに/またはトリシアリル化およびテトラシアリル化グリカンを含む。一部の態様では、グリコシル化プロファイルは、1つまたは複数の非シアリル化グリカンを含む。一部の態様では、グリコシル化プロファイルは、1つまたは複数のモノシアリル化グリカンを含む。一部の態様では、グリコシル化プロファイルは、1つまたは複数のジシアリル化グリカンを含む。一部の態様では、グリコシル化プロファイルは、1つまたは複数のトリシアリル化グリカンを含む。一部の態様では、グリコシル化プロファイルは、1つまたは複数のテトラシアリル化グリカンを含む。
本開示の方法は、タンパク質のグリコシル化プロファイルを特徴づけるのに有用である。一部の態様では、タンパク質は組換えタンパク質である。一部の態様では、組換えタンパク質は、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または約100%の純度を有する。
一部の態様では、組換えタンパク質は融合タンパク質である。一部の態様では、融合タンパク質は、抗ミオスタチン融合タンパク質である。一部の態様では、融合タンパク質はタルジテルセプトアルファである。他の態様では、融合タンパク質は、Fc融合タンパク質である。一部の態様では、融合タンパク質は、Fc融合タンパク質のホモ二量体である。一部の態様では、融合タンパク質は、CTLA-4細胞外融合タンパク質を含む。一部の態様では、CTLA-4Fc融合タンパク質はアバタセプトである。他の態様では、CTLA-4Fc融合タンパク質はベラタセプトである。CTLA4-Ig分子、その使用および方法は、米国特許第5,434,131号、第5,851,795号、第5,885,796号、第5,885,579号、および第7,094,874号にも記載されており、それらの内容全体を参照により本明細書に組み込むものとする。一部の態様では、CTLA-4-Fc融合タンパク質は、少なくとも1つのN-結合型グリカン、少なくとも2つのN-結合型グリカン、または少なくとも3つのN-結合型グリカン、例えば、T5、T7、およびT15を含む。本明細書で使用される場合、「T5」、「T7」、および「T15」は、アバタセプトまたはベラタセプト分子上に存在する特定のグリコシル化部位を指す。これらの標識は、それぞれアスパラギン76、アスパラギン108、およびアスパラギン207に対応し、配列番号3および配列番号5の残基に対応する(太字)。

配列番号1[CTLA4細胞外ドメイン配列]
MHVAQPAVVLASSRGIASFVCEYASPGKATEVRVTVLRQADSQVTEVCAATYMMGNELTFLDDSICTGTSSGNQVNLTIQGLRAMDTGLYICKVELMYPPPYYLGIGNGTQIYVIDPEPCPDSD

アバタセプト(配列番号3)[配列番号2のアミノ酸27~383]
MHVAQPAVVLASSRGIASFVCEYASPGKATEVRVTVLRQADSQVTEVCAATYMMGNELTFLDDSICTGTSSGNQVNLTIQGLRAMDTGLYICKVELMYPPPYYLGIGNGTQIYVIDPEPCPDSDQEPKSSDKTHTSPPSPAPELLGGSSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK

ベラタセプト(配列番号5)[配列番号4のアミノ酸27~383]
MHVAQPAVVLASSRGIASFVCEYASPGKYTEVRVTVLRQADSQVTEVCAATYMMGNELTFLDDSICTGTSSGNQVNLTIQGLRAMDTGLYICKVELMYPPPYYEGIGNGTQIYVIDPEPCPDSDQEPKSSDKTHTSPPSPAPELLGGSSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
一部の態様では、組換えタンパク質は抗体である。一部の態様では、抗体は、IgM、IgA、IgE、IgD、およびIgGから選択されるアイソタイプである。一部の態様では、抗体はアイソタイプIgMである。一部の態様では、抗体はアイソタイプIgAである。一部の態様では、抗体はアイソタイプIgEである。一部の態様では、抗体はアイソタイプIgDである。一部の態様では、抗体はアイソタイプIgGである。一部の態様では、IgG抗体は、IgG1、IgG2、IgG3、およびIgG4から選択される。一部の態様では、抗体は二重特異性である。一部の態様では、抗体は多重特異性である。
本開示の方法は、治療目的に有用な抗体を分析するのに有用である。一部の態様では、抗体は、抗GITR抗体、抗CXCR4抗体、抗CD73抗体、抗TIGIT抗体、抗OX40抗体、抗LAG3抗体、抗CSF1R抗体、または抗IL8抗体である。一部の態様では、抗体は、単一のN-結合型グリコシル化部位を有する。一部の態様では、単一のN-結合型グリコシル化部位はアスパラギン297(N297)である。一部の態様では、抗体は、少なくとも1つのN-結合型グリコシル化部位、少なくとも2つのN-結合型グリコシル化部位、少なくとも3つのN-結合型グリコシル化部位、少なくとも4つのN-結合型グリコシル化部位、または少なくとも5つのN-結合型グリコシル化部位を有する。
本開示の方法は、他の組換えタンパク質のN-結合型グリカンを分析するのにも有用である。一部の態様では、組換えタンパク質は、酵素、ホルモン、サイトカイン、細胞表面受容体、プロテアーゼ、サイトカイン受容体、またはそれらの任意の組合せを含む。一部の態様では、組換えタンパク質は融合タンパク質である。一部の態様では、融合タンパク質は、異種部分と融合する。一部の態様では、異種部分は半減期延長部分である。一部の態様では、半減期延長部分は、アルブミン、アルブミン結合ポリペプチド、脂肪酸、PAS、ヒト絨毛性ゴナドトロピンのC末端ペプチド(CTP)のβサブユニット、ポリエチレングリコール(PEG)、ヒドロキシエチルデンプン(HES)、XTEN、アルブミン結合低分子、Fcまたはそれらの組合せを含む。一部の態様では、半減期延長部分はFcである。
一部の態様では、本発明の方法は、融合タンパク質、例えば、抗PD-L1/TGFβR2二重特異性融合タンパク質のN-結合型グリカンを分析するのに有用である。Jochems et al., Oncotarget. 2017 Sep 26; 8(43): 75217-75231を参照されたい。
一部の態様では、本発明の方法は、BsAb-HAS(ヒト血清アルブミン)融合タンパク質を分析するのに有用である。種々のBsAbには、scFv-HSA-scFv、scDiabody-HSA、タンデムscFv-HSAなどのBsAb断片が含まれるが、これらに限定されない。
一部の態様では、本発明の方法は、BsAb-毒素融合タンパク質を分析するのに有用である。BsAb-毒素融合タンパク質は、細胞毒性部分として働くタンパク質毒素と抗体の部分とが融合した免疫毒素の拡張版である。その中でも、タンデムscFv-毒素が最も多く報告された型であり、二重特異性リガンド指向毒素(BLT)として知られている。通常、シュードモナス外毒素(PE)、ジフテリア毒素(DT)などの触媒毒素が細胞毒性部分として選択される。
本開示の方法は、バイオ製造分析およびバッチリリース分析にも有用である。バッチリリース試験は、一般に、医薬品の製造および品質管理に関する基準(GMP)により要求され、販売、供給または輸出のためのリリース前に高品質の医薬品およびバイオ医薬品を保証するために必要な要件である。一部の態様では、方法はバッチリリースアッセイである。
本開示は、以下の実施例によってさらに例示されるが、これは決してさらなる制限と解釈されてはならない。本出願を通じて引用されたすべての参考文献の内容は、参照により本明細書に明示的に組み込むものとする。
[実施例1]
試薬、カラムとシステム
Recombinant PNGase FおよびRapid PNGase Fは、New England Biolabs,Inc.(Ipswich、MA)から購入した。グリカン標準物質は、Prozyme(Hayward、CA)から購入した。移動相の水とアセトニトリルは、Fisher Scientific(Hampton、NH)経由でJ.T.Bakerから購入した。すべての移動相添加剤(ギ酸、トリフルオロ酢酸、トリエチルアミンなど)は、Sigma Aldrich(St.Louis、MO)から購入した。AdvanceBio N-Glycan Cleanup Cartridgesは、Agilent Technologies(Santa Clara、CA)から購入した。
様々なカラムが開発中にスクリーニングされ、これにはHILIC分離、逆相分離、多孔性グラファイトカーボン分離が含まれた。HILIC分離のために、XBridge Glycan BEH Amide(商標)130Å、2.5μm(2.1×150mm)およびAcquity UPLC Glycan BEH Amide(商標)130Å、1.7μm(2.1×150mm)カラムはWaters Corporation(Milford、MA)から購入した。さらに、PolyGLYCOPLEX(商標)A 3μm(2.1×100mm)カラムはPolyLC Inc.(Columbia、MD)から、TSKGel Amide-80 2μm(2.0×150mm)カラムはTosoh Biosciences LLC(Tokyo、Japan)から購入した。逆相の評価には、XBridge BEH C18 2.5μm(3.0×150mm)カラム、Acquity UPLC Peptide CSH C18 130Å、1.7μm(2.1×100mm)カラム、CORTECS UPLC C18+(商標)、1.6μm(2.1×100mm)カラムは、いずれもWaters Corporationから購入した。HYPERCARB(商標)3μm(2.1×100mm)カラムは、Thermo Scientific(商標)(Waltham、MA)から購入した。すべてのクロマトグラフィー分離は、グリカン検出のためにThermo Scientific(商標)のCORONA(商標)VEO(商標)荷電化粒子検出器システムに接続したAlliance 2695 HPLC(商標)システムまたはAcquity H-Class UPLC(商標)システムで実施した。
オリゴ糖の最適な遊離
オリゴ糖は、1mgのmAbを10μL Rapid PNGase Fバッファーと20mM Trisバッファー、pH7.5、最終容量180μLで希釈することによりmAbサンプルから遊離した。次いで、サンプルをボルテックスで短時間混合し、遠心分離を行い、上清を回収した。Rapid PNGase FをHPLC水で1:10に希釈し、この溶液20μLを各反応バイアルに加え、ボルテックスした後、遠心分離を行った。Rapid PNGase F溶液を50℃で60分間インキュベートした後、室温まで冷却した。タンパク質とバッファー成分を除去するために、Agilent AdvanceBio N-Glycan Deglycosylation Cleanup Cartridges(商標)を用いてオリゴ糖を抽出した。カートリッジは、まず500μLの水で2回、次いで500μLの85%アセトニトリルで2回平衡化し、真空を-0.05barに設定した。サンプルはアセトニトリルで1:5(80%ACNまで)に希釈し、事前に平衡化したカートリッジに負荷した。溶液をカートリッジに通して吸引し、カートリッジを600μLの1:9:90ギ酸:水:アセトニトリル溶液で2回洗浄した。次いで、新しい回収バイアルを使用して精製オリゴ糖を回収した。50μLの水で2回洗浄することにより、オリゴ糖をカートリッジから溶出させた。通過画分を真空濃縮機で凍結乾燥し、水中に0.1%ギ酸を含む5%アセトニトリル25μLでサンプルを復元し、LC分析に適したバイアルに移した。
無標識オリゴ糖の最適な分離
精製したオリゴ糖を、Waters Acquity UPLC(商標)システムに接続した多孔性グラファイトカーボンカラム[HYPERCARB(商標)2.1×100mm、3μm、THERMO SCIENTIFIC(商標)]を用いて分離した。移動相AおよびBは、それぞれ0.1%ギ酸および100%アセトニトリルから構成された。カラム温度は60℃に設定し、流速は0.3mL/分に維持した。サンプルは95%Aで注入し(5μL容量)、87%Aから78%Aへの勾配を10分かけて行い、平衡化も含めて合計30分のランタイムで分離した。荷電化粒子検出器の設定は、蒸発温度が50℃、パワー機能が1、データ収集レートが25Hz、フィルター定数が10秒であった。
脱グリコシル化の程度の評価
脱グリコシル化反応の程度を評価するために、異なるIgGサブクラスの3種類の異なるモノクローナル抗体、mAbA、mAbBおよびmAbCについて時間経過研究を行った。サンプルを最適化された手順で調製し、t=0分、5分、60分、240分、1440分の時点にポイントを取り、実施した。非迅速PNGase F処理については、非迅速PNGase Fについて37℃で1440分間反応を行った以外は、迅速対応と同じようにサンプルを調製した。次いで、これらのサンプルを、脱グリコシル化反応の程度を評価するための還元型CE-SDSと最適化クロマトグラフィー法を用いて評価し、これらの分子の脱グリコシル化反応に60分間が十分であることを確認した。
クロマトグラフィー最適化
歴史的に、グリカン分離は、グリカンが高有機濃度下で樹脂表面に存在するアミドに結合し、水性濃度を増加させて溶出することができる極性化合物であるため、親水性相互作用液体クロマトグラフィー(HILIC)を用いて行われてきた(Veillon et al., 2017)。典型的には、これらの分離は、結合や分離に影響を与える2-AAや2-ABなどの蛍光タグで標識された精製グリカンを用いて行われてきた。無標識グリカンとカラムの相互作用を理解するために、2種類のHILIC HPLCカラム(XBridge Glycan BEH AmideおよびPolyGLYCOPLEX A)を出発点として評価した。移動相Aは100%アセトニトリル、移動相Bは50mMギ酸アンモニウムpH4.4で、HILIC分離の典型的な移動相組成とした。Prozymeの非標識グリカン標準ライブラリーを用いて両カラムを評価した。標準に含まれる4つの主要なグリカン(G0F、G1F、G2F、およびMan5)は両カラムで観察されたが、分離能が低く、シグナルも弱いため、これらのカラムの開発の可能性は制限された。両カラムとも、個々の標準物質の注入時にショルダーが観察されたが、これはこれまで蛍光標識標準物質を使用して観察されなかった。
次の工程で、UPLCベースのHILICカラムを評価し、分離能やピーク形状が改善されるかどうかを確認した。UPLC HILICカラム(Acquity Glycan BEH AmideカラムとTSKgel Amideカラム)は、HPLC実験と同一の条件でスクリーニングした。UPLCシステムとBEHカラムでは、より高い分離能が得られるため、優れた分離が得られた。興味深いことに、個々のグリカン標準物質では依然としてショルダーが観察され、これは研究開始当初は予想外であった。HILIC固定相と極性グリカン分析物の相互作用について、さらに分析した。HILICを分析に使用する場合、遊離されたグリカンは、典型的には、遊離の還元末端に蛍光標識でタグ付けされる。しかし、タグを用いないこの場合、この還元末端は露出し、アノマー平衡が起こり得る(ref)。同じグリカンのこの2つの種は、それが閉じたコンフォメーションにあるか開いたコンフォメーションにあるかによって固定相との相互作用の仕方が異なるため、ショルダーの部分は同じグリカンのアノマー型であると結論づけることができる。利用可能な文献を評価した結果、移動相にトリエチルアミンを加えることで、溶液のpHを上昇させ、平衡を片方に寄せることができると判断した(ref)。しかし、HILICの移動相にTEAを用いた場合、pHの調整がHILICカラムの機能範囲外であったため、グリカンがカラムに結合しなかった。このため、TEAの存在下でグリカンが非極性になることから、代替手段として逆相を評価することになった。
4つのC18カラムを評価したが、成功しなかった(Peptide CSH、Acquity BEH、CORTECS C18+、Kinetex C18)。これは、グリカンはタンパク質またはペプチドほど効果的にC18固定相に結合することができず、これらのカラムはタンパク質ベースの適用のために販売されているという事実が原因であった。Thermoの新しいカラム、多孔性グラファイトカーボン(PGC)Hypercarb(商標)カラムを評価した。このカラムは典型的な逆相カラムとは異なり、固定相が平坦な六角形に配置された炭素原子で構成されており、平面的な化合物(グリカンなど)間の相互作用を促進することができる。PGCは、他のどの固定相と比較しても、グリカンの異性体分離に最も優れている(Song et. al., 2015)。製造業者の移動相についての推奨に従って、最初のスクリーニングを行ったところ、移動相A(水中0.1%TFA)と移動相B(アセトニトリル)の非常に広い勾配(95%から5%)でスクリーニングしたときに、グリカン標準ライブラリーがすべてのピークで良好な分離能とシグナル強度を示したため、有望な結果が得られた。勾配を絞ると分離が良くなり、ショルダーピークは観察されなかった。これらのグリカンピークにショルダーがないのは、相互作用の様式が異なり、糖の遊離還元末端がHILIC分離時のように固定相と意味のある相互作用をしないためと思われる。
次いで、移動相と分離条件の最適化を行った。具体的には、移動相中のイオンペア試薬の評価を行った。移動相のイオンペア試薬としては、当初、トリフルオロ酢酸(TFA)およびトリエチルアミン(TEA)を評価した。0.1%TFAまたは0.1%TEAを添加した移動相Aを用いて、同一の勾配で分離を行った。移動相に0.1%TFAを添加した場合、0.1%TEAと比較して高い分離能と良好なピーク形状が観察された。また、TFA添加時のクロマトグラムでは、TEA添加時と比較して、グリカンのピークが追加で観測された(移動相やアッセイのブランク注入時には観測されなかったピークと判断)。両移動相に0.1%TFAを添加しても移動相Aに添加した場合と比較して有意な分離の改善が見られなかったため、移動相の組成は移動相Aを水中0.1%TFA、移動相Bを100%アセトニトリルとした。カラム温度を60℃と70℃で評価し、この条件で70℃がより良い分離をもたらすと判断した。最後に、95%から75%に至るA、または95%から87%、次いで75%に至るAを比較すること(comparing 95% to 75% A or 95% to 87%, then to 75% A)によって勾配を最適化した。2番目に評価した勾配でマイナーピーク間の分離が良好であったため、これを最適な勾配とした。
MS互換性のための分離の再最適化
グリカンは非標識であるため、質量分析に適した方法を開発した。その後、移動相組成(MPAおよびMPB)、カラム温度、分離時間、およびサンプル調製と注入容量の5つのパラメータを最適化した。TFAはマススペクトルのシグナルを抑制することが知られており、TFAの代わりにギ酸をイオンペア試薬として評価することが望まれた。このことは、分離性能とスループットをさらに向上させるために、アッセイを再開発する機会を提供した。移動相A(0.1%TFAまたは0.1%FA)を予備的に比較したところ、同等の結果が得られたため、さらなる分離効率の向上を図ることにした。次に、移動相B(アセトニトリル)に0.1%FAを添加することを評価した。ベースラインドリフトが少ないことから判断して、より安定したベースラインが観察され、両移動相ともギ酸を添加した方がピーク分離が良好であった。これらの結果から、移動相A(水)と移動相B(アセトニトリル)の両方に0.1%のギ酸を添加することが望ましいと結論づけた。次の最適化パラメータはカラム温度で、50、60、70、80℃で分離を行った。その結果、70℃と80℃では、50℃や60℃に比べて分離が非常に悪くなることがわかった。高温では、多くのピークが分離されず、互いに重なり合う傾向がある。ベースライン付近のピークを調べた結果、60℃がクロマトグラム全体で最も高いピーク分離能を示すと判断され、最適なカラム温度として選択した。次のパラメータに、移動相Aの87%から78%への勾配のランタイムを、10分、20分、30分を選択して評価した。その結果、10分では、より長い勾配と比較して、分離がはるかに優れていることが強く示された。10分の勾配の時間では、より長いランタイムに比べて、より多くのピークが分離された(図1)。
最後に最適化したパラメータは、脱グリコシル化条件である。製造業者の推奨は、100μgのタンパク質を1μLのrapid PNGase Fで50℃、5分間脱グリコシル化することである。初期の評価では、これではCADを用いてシグナルを得るには不十分であることがわかった。予備的な最適化の後、1mgのタンパク質を20μLの1:10に希釈したRapid PNGase Fを用いて60分間消化した。脱グリコシル化の程度を評価するために、60分間の反応と、24時間の非迅速PNGase Fのコントロールを設定した。次いで、これらの反応を、CE-SDS(脱グリコシル化されていないサンプルコントロールで還元)および最適化されたグリカン法で分析した。CE-SDSのデータから、60分後には、非還元体のメインピークが消失し、還元体の重鎖ピークが消失し、それぞれの電気泳動図に非グリコシル化のメインピーク/重鎖が形成されることから判断して、98%超のタンパク質が脱グリコシル化されていることがわかる。グリカン法を用いた分離でも、60分後にシグナル強度がプラトーに達し、これらの知見が支持された。CE-SDS、クロマトグラフィーともに60分後に脱グリコシル化が完了することから、脱グリコシル化を最大限確実にするために60分を選択した。
[実施例2]
移動相条件を以下のように変更して、実施例1に従ってmAbサンプルからオリゴ糖を遊離し、分析した。移動相A:水中0.1%トリエチルアミン(TEA);および移動相B:アセトニトリル中0.1%トリエチルアミン(TEA)(図2)。その他の実験は、実施例1に示したように繰り返した。分離分析から生成されたサンプルグリカンクロマトグラムを図2に示す。
本出願の全体を通して、種々の刊行物がカッコ内の著者名および日付、または特許番号もしくは特許公開番号によって参照される。これらの刊行物の開示は、本明細書に記載され主張される本開示の日付の時点で当業者に知られる技術の状態をより詳細に説明するために、それらの内容全体を本出願への参照により本明細書に組み込むものとする。しかし、本明細書における参考文献の引用は、当該参考文献が本開示の先行技術であることの承認として解釈されるべきではない。

Claims (44)

  1. 組換えタンパク質のグリコシル化プロファイルを定量化する方法であって、1つまたは複数のN-結合型グリカンを標識なしで分析することを含み、N-結合型グリカンが分析前に酵素によって組換えタンパク質から遊離される、方法。
  2. 組換えタンパク質のグリコシル化プロファイルを定量化する方法であって、1つまたは複数のN-結合型グリカンをフルオロフォアなしで分析することを含み、N-結合型グリカンが分析前に酵素によって組換えタンパク質から遊離される、方法。
  3. 組換えタンパク質が少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または約100%の純度を有する、請求項1または2記載の方法。
  4. 分析が、カラムを含むクロマトグラフィー中に1つまたは複数のN-結合型グリカンを分離することを含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. カラムが混合モードカラムである、請求項4に記載の方法。
  6. 分離が、1つまたは複数の移動相を用いて行われる、請求項4または5に記載の方法。
  7. カラムが混合モード多孔性グラファイトカーボン(PGC)カラムである、請求項4から6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 酵素がペプチドN-グリコシダーゼF(PNGase F)を含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 酵素が組換えタンパク質とインキュベートされ、1つまたは複数のN-結合型グリカンが分離前に組換えタンパク質から遊離される、請求項8に記載の方法。
  10. 酵素がバッファー中に希釈される、請求項9に記載の方法。
  11. 分離される1つまたは複数のN-結合型グリカンが、質量分析計、ELSD、NQAD、または屈折率検出器によって測定される、請求項4から10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 分離される1つまたは複数のN-結合型グリカンが、荷電化粒子検出器(CAD)によって測定される、請求項11に記載の方法。
  13. クロマトグラフィーが、第1の移動相と第2の移動相とを含み、第1の移動相と第2の移動相とが異なる、請求項4から12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 第1の移動相が水を含む、請求項13に記載の方法。
  15. 第2の移動相がアセトニトリルを含む、請求項13または14に記載の方法。
  16. 第1の移動相が、ギ酸(FA)、トリフルオロ酢酸(TFA)、トリエチルアミン(TEA)、またはそれらの任意の組合せを含む、請求項13から15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 第1の移動相が0.1%FAを含む、請求項16に記載の方法。
  18. 第2の移動相が、ギ酸(FA)、トリフルオロ酢酸(TFA)、トリエチルアミン(TEA)、またはそれらの任意の組合せを含む、請求項13から17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 第2の移動相が0.1%FAを含む、請求項18に記載の方法。
  20. 分離が70℃より低い温度で行われる、請求項4から19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 温度が、約50℃から約70℃の間、約50℃から約60℃の間、約60℃から約70℃の間、約55℃から約65℃の間、約55℃から約60℃の間、約60℃から約65℃の間、約65℃から約70℃の間、約50℃から約55℃の間である、請求項20に記載の方法。
  22. 温度が約50℃、約51℃、約52℃、約53℃、約54℃、約55℃、約56℃、約57℃、約58℃、約59℃、約60℃、約61℃、約62℃、約63℃、約64℃、約65℃、約66℃、約67℃、約68℃、または約69℃である、請求項20に記載の方法。
  23. 分離が勾配に基づく(on a gradient)、請求項4から22のいずれか一項に記載の方法。
  24. 勾配が約95%から約5%である、請求項23に記載の方法。
  25. 勾配が、約95%から約50%、約95%から約55%、約95%から約60%、約95%から約65%、約95%から約70%、約95%から約75%、約95%から約80%、約95%から約85%、約90%から約50%、約90%から約55%、約90%から約60%、約90%から約65%、約90%から約70%、約90%から約75%、約87%から約50%、約87%から約55%、約87%から約60%、約87%から約65%、約87%から約70%、約87%から約75%、約85%から約50%、約85%から約55%、約85%から約60%、約85%から約65%、約85%から約70%または約85%から約75%である、請求項24に記載の方法。
  26. 勾配が約87%から約75%である、請求項25に記載の方法。
  27. 1つまたは複数のN-グリカンが、ガラクトース(Gal)、N-アセチルガラクトサミン(GalNAc)、ガラクトサミン(GalN)、グルコース(Glc)、N-アセチルグルコサミン(GlcNAc)、グルコサミン(GlcN)、マンノース(Man)、N-アセチルマンノサミン(ManNAc),マンノサミン(ManN)、キシロース(Xyl)、N-アセチルノイラミン酸(Neu5Ac)、N-グリコリルノイラミン酸(Neu5Gc)、2-ケト-3-デオキシノノン酸(Kdn)、フコース(Fuc)、グルクロン酸(GlcA)、イデュロン酸(IdoA)、ガラクツロン酸(GalA)、マンヌロン酸(ManA)またはそれらの任意の組合せである、請求項1から26のいずれか一項に記載の方法。
  28. 1つまたは複数のN-グリカンが1つまたは複数のバイアンテナ型グリカンを含む、請求項1から27のいずれか一項に記載の方法。
  29. バイアンテナ型グリカンが、G0F、G0、G1F、G1、G2F、G2、S1G2F、S1G2、S2G2F、S2G2およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される、請求項28に記載の方法。
  30. グリコシル化プロファイルが、1つまたは複数の非シアリル化グリカン、モノシアリル化グリカン、ジシアリル化グリカン、ならびに/またはトリシアリル化およびテトラシアリル化グリカンを含む、請求項1から29のいずれか一項に記載の方法。
  31. 組換えタンパク質が抗体である、請求項1から30のいずれか一項に記載の方法。
  32. 抗体が、IgM、IgA、IgE、IgD、およびIgGから選択されるアイソタイプである、請求項31に記載の方法。
  33. 抗体がアイソタイプIgGである、請求項32に記載の方法。
  34. IgG抗体が、IgG1、IgG2、IgG3、およびIgG4から選択される、請求項33に記載の方法。
  35. 抗体が、抗GITR抗体、抗CXCR4抗体、抗CD73抗体、抗TIGIT抗体、抗OX40抗体、抗LAG3抗体、抗CSF1R抗体、または抗IL8抗体である、請求項31から34のいずれか一項に記載の方法。
  36. 抗体が単一のN-結合型グリコシル化部位を有する、請求項31から35のいずれか一項に記載の方法。
  37. 単一のN-結合型グリコシル化部位がアスパラギン297(N297)である、請求項36に記載の方法。
  38. 組換えタンパク質が、酵素、ホルモン、サイトカイン、細胞表面受容体、プロテアーゼ、サイトカイン受容体、またはそれらの任意の組合せを含む、請求項1から37のいずれか一項に記載の方法。
  39. 組換えタンパク質が融合タンパク質である、請求項1から38のいずれか一項に記載の方法。
  40. 融合タンパク質が異種部分と融合する、請求項39に記載の方法。
  41. 異種部分が半減期延長部分である、請求項40に記載の方法。
  42. 半減期延長部分が、アルブミン、アルブミン結合ポリペプチド、脂肪酸、PAS、ヒト絨毛性ゴナドトロピンのC末端ペプチド(CTP)のβサブユニット、ポリエチレングリコール(PEG)、ヒドロキシエチルデンプン(HES)、XTEN、アルブミン結合低分子、Fcまたはそれらの組合せを含む、請求項41に記載の方法。
  43. 半減期延長部分がFcである、請求項42に記載の方法。
  44. バッチリリースアッセイである、請求項1から43のいずれか一項に記載の方法。
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