JP2023502475A - トリスシアノヘキサンを含む組成物 - Google Patents

トリスシアノヘキサンを含む組成物 Download PDF

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Abstract

本開示は、シアノカーボン組成物およびそれを製造するための方法に関する。シアノカーボン組成物は、トリシアノヘキサンおよびトリシアノヘキサン生成反応の1つまたは複数の副産物を含む。例示的な副産物としては、テトラシアノ化合物、シアノアルケン、シアノオキシム、シアノアミド、およびこれらの組み合わせを挙げることができる。【選択図】図1

Description

関連出願の相互参照
[0001]本出願は2019年11月22日に出願された米国仮出願特許第62/939,255号の優先権を主張するものであり、当該の米国仮特許出願は参照により本明細書に組み込まれる。
[0002]本開示は、一般に、シアノカーボン組成物に関する。特に、本開示は、トリシアノヘキサン(TCH)および特定の副産物を含むシアノカーボン組成物に関する。
[0003]シアノカーボン(例えば、シアノまたはニトリル官能基を有する有機化合物)は公知であり、様々な用途で広く使用されている。例えば、ナイロン、ポリアクリロニトリル、アクリロニトリルブタジエンゴム、またはアクリロニトリルブタジエンスチレンなどの様々なポリマーを調製するために、多くのシアノカーボンがモノマーとして使用されている。いくつかのシアノカーボンは、電解質溶液の添加剤としても、例えば、二次電池、例えば、再充電可能電池、蓄電池において使用される。特に、TCHなどのシアノカーボンは、高電圧での酸化に対して従来の電解質溶液を安定化させることが分かっている。その結果、シアノカーボン添加剤は、リチウムイオン電池などの新規な二次電池の開発に重要な役割を果たしてきた。
[0004]しかしながら、多くの典型的なシアノカーボン組成物の性能は、従来の用途には適しているが、より高度な用途、例えば、より高度なリチウムイオン電池構成では不十分である可能性がある。例えば、従来のシアノカーボン組成物は、水の存在および/または形成の傾向に悩まされる可能性がある。水は、シアノカーボン組成物の機能に悪影響を与えることが分かっており、例えば、フッ化水素などの腐食性化合物の形成を促進する可能性のあるリチウムイオン電池の電解質溶液に損傷を与える。従来のシアノカーボン組成物はまた、組成物の不安定性および/または危険性の一因となるガス状成分、例えば、水素ガスを形成する存在および/または傾向に悩まされる可能性がある。さらに、従来のシアノカーボン組成物は、不十分な化学物質識別子の問題に悩まされており、これは、シアノカーボン組成物がその後使用されるプロセス/用途における組成物の識別を妨げる可能性がある。
[0005]したがって、水の形成または蓄積を防止し、ガス状成分の形成または蓄積を防止し、容易に識別可能であるシアノカーボン組成物の必要性が存在する。
[0006]本開示は、(少なくとも92wt.%の)トリシアノヘキサン(TCH)および(1wppm~10wt.%の)特定のトリシアノヘキサン副産物、例えば、トリシアノヘキサンの異性体、テトラシアノ化合物、トリシアノアルケン、(シアノエチル)アミン、(トリス(シアノエチル)アミン)、もしくはアジポニトリル、またはこれらの組み合わせを含むシアノカーボン組成物に関する。一部の態様では、本開示は、トリシアノヘキサンと、トリシアノヘキサンの異性体とを含むシアノカーボン組成物を記載する。いくつかの場合には、この異性体に対するトリシアノヘキサンの重量比は、場合により少なくとも5:1である。一部の態様では、副産物は、化学式C2x-2(CN)(式中、xは5~10である)を有するテトラシアノ化合物を含む。一部の態様では、副産物は、以下の化学構造
Figure 2023502475000002
(式中、aは0~3であり、bは1~3であり、cは1~4である)
を有するシアノオキシムを含む。一部の態様では、副産物は、以下の化学構造
Figure 2023502475000003
(式中、aは1~3であり、bは1~4である)
を有するシアノ化合物を含む。一部の態様では、本開示は、少なくとも85wt.%のトリシアノヘキサンと、化学式C2x-2(CN)を有する第1のシアノ化合物と、化学式C11(CN)(CNOH)を有する第2のシアノ化合物と、化学式C2x-3(CN)(CNOH)(式中、xは独立して5~10である)を有する第3のシアノ化合物とを、含むシアノカーボン組成物であって、第2のシアノ化合物に対する第1のシアノ化合物の重量比が1未満であり、第2のシアノ化合物に対する第2のシアノ化合物の重量比が1を超える、シアノカーボン組成物を記載する。一部の態様では、本開示は、トリシアノヘキサンと、105amu~215amu、例えば、145~180amuの範囲の分子量を有するトリシアノヘキサン副産物とを含むシアノカーボン組成物を記載する。一部の態様では、本開示は、トリシアノヘキサンと、トリシアノヘキサンの異性体、シアノエチルアミン、トリシアノヘキサンのオキシム、トリシアノヘキサンのアミド、もしくはテトラシアノアルカン、またはこれらの組み合わせを含むその場で形成された副産物とを含むシアノカーボン組成物について記載する。いくつかの場合には、シアノカーボン組成物は、少なくとも92wt.%のトリシアノヘキサンと、0.1wt.%~10wt.%のトリシアノヘキサンの異性体であって、この異性体に対するトリシアノヘキサンの重量比が少なくとも5:1であるトリシアノヘキサンの異性体と、500ppm~1wt.%のアジポニトリルとを含む。いくつかの場合には、シアノカーボン組成物は、少なくとも92wt.%のトリシアノヘキサンと、0.5wt.%~7wt.%のトリシアノヘキサンの異性体と、0.05ppm~2wt.%のテトラシアノ化合物とを含む。一部の態様では、シアノカーボン組成物は、少なくとも92wt.%のトリシアノヘキサン、好ましくは少なくとも95wt.%のトリシアノヘキサンを含む。一部の態様では、トリシアノヘキサンの異性体は、1,2,3-トリシアノヘキサン、1,2,6-トリシアノヘキサン、1,3,4-トリシアノヘキサン、1,3,5-トリシアノヘキサン、1,3,6-トリシアノヘキサン、1,4,5-トリシアノヘキサン、もしくは2,3,5-トリシアノヘキサン、またはこれらの組み合わせを含む。一部の態様では、シアノエチルアミンは、トリス(シアノエチル)アミンを含む。一部の態様では、シアノカーボン組成物は、0.1wt.%未満のトリシアノヘキサンの異性体を含む。一部の態様では、シアノカーボン組成物は、0.1wt.%未満のテトラシアノアルカンを含む。一部の態様では、シアノカーボン組成物は、0.1wt.%未満のトリシアノアルケンを含む。一部の態様では、シアノカーボン組成物は、0.1wt.%未満のトリス(シアノエチル)アミンを含む。一部の態様では、シアノカーボン組成物は、0.1wt.%未満のシアノオキシムを含む。一部の態様では、シアノカーボン組成物は、145~180amuの範囲の分子量を有する0.1wt.%未満のトリシアノヘキサン副産物を含む。一部の態様では、シアノカーボン組成物は、0.1wt.%未満のその場で形成された副産物を含む。一部の実施形態では、組成は、105amu~215amuの範囲の分子量を有する0.1wt.%未満のトリシアノヘキサン副産物を含む。一部の実施形態では、組成は、少なくとも92wt.%のトリシアノヘキサンと、0.5wt.%~7wt.%のトリシアノヘキサンの異性体と、0.05ppm~2wt.%のテトラシアノ化合物とを含み、トリシアノヘキサンの異性体およびテトラシアノ化合物は、その場で形成される。
[0007]本開示は、添付の図面を参照して以下に詳細に説明され、同じ番号は同様の部分を示す。
[0008]TCHを精製する方法の実施形態の概略的な概要を示す図である。 [0009]TCHを精製する方法の別の実施形態の概略的な概要を示す図である。 [0010]TCHを精製する方法の別の実施形態の概略的な概要を示す図である。 [0011]TCHを精製する方法の別の実施形態の概略的な概要を示す図である。 [0012]TCHを精製する方法の別の実施形態の概略的な概要を示す図である。
序文
[0013]従来のシアノカーボン組成物は電解質溶液の添加剤として公知である。しかしながら、上記のように、多くのシアノカーボン組成物の性能は、より高度な用途、例えば、より高度なリチウムイオン電池では不十分である可能性がある。
[0014]本発明者らは、いくつかのシアノカーボン組成物、例えば、トリシアノヘキサン(TCH)、例えば、1,3,6-トリシアノヘキサン、および副産物の特定の組み合わせを含むものが、特定の副産物を含まない従来の組成物よりも改善された相乗的性能を示すことを見出した。例えば、開示されたシアノカーボン組成物は、水および/または様々なガス状成分の形成および/または蓄積を防止することにおいて有意な改善を示し、リチウム電池用途においてより良い安定性および安全性をもたらすことが見出された。
[0015]理論に拘束されることなく、開示された副産物のいくつかの組み合わせは、TCHとともに(および場合により特定の成分量で)、予想外の量の追加のニトリル官能基を提供し、これにより、予想外の性能改善が可能になると考えられる。TCHのニトリル部分および本明細書に記載の様々な副産物は、様々な不純物を除去するためのシアノカーボン組成物の機能を改善すると考えられる。例えば、(より多くの)シアノ官能基、例えば、ニトリル部分(いくつかの場合には副産物によって提供される)は、改善された吸湿性活性を示すと考えられている。例えば、TCH(開示された副産物と組み合わせて)は、特に吸湿性であり、シアノカーボン組成物を含む電解質溶液中に存在する水を除去するのに特に効率的であることが見出された。この吸湿性活性は、水の形成および/または蓄積を防止するのに役立つ。シアノ官能基または副産物の基は、TCHと相乗的に作用して、予期しない性能の改善を達成する可能性がある。例えば、電極(カソードおよび/またはアノード)が関与する一部のバッテリー関連の用途では、副産物とTCHの組み合わせが、形成工程中に相互作用して、堅牢なカソード電解質界面層を作成することが分かっている。このような層は、電極(カソード)および/または電解質を構成する化学物質の劣化を有利に低減させることができる。別の言い方をすれば、本明細書に開示された副産物の組み合わせは、電極に悪影響を与える、例えば、サイクル中の故障を生じる、カソードを攻撃するガスやHFのような有害な分子を生じさせる他の従来の化合物とは対照的に、優れたカソード電極の電解質性能を有益に提供することが見出された。また、この組み合わせは、予想外に水を除去する機能を提供することが分かったが、これは、バッテリー関連の用途を含む多くの用途で価値がある。従来のシアノカーボン組成物は、開示された副産物を含んでおらず、そのため、前述のシアノ官能基を(それほど多く)含んでない。したがって、これらのシアノカーボン組成物は、前述の性能改善を提供することができない。
[0016]さらに、本発明者らは、シアノカーボン組成物中の前述の副産物が、シアノカーボン組成物が製造された方法の組成指標として有利に機能し、したがって、シアノカーボン組成物が続いて使用される組成物および方法/用途の中で分析ツールとして使用できる化学的指紋を提供することを発見した。例えば、シアノカーボン組成物中の開示された副産物の存在により、商業グレードまたは特定の商業製品を示すことができ、これにより、生産者は、その得られた製品、例えば、その特定の電解質溶液をよりよく分析することができる。
[0017]本開示は、シアノカーボン組成物、特に、TCHと、特定のTCH反応およびそれに応じて設計された精製スキームからの1つまたは複数の副産物とを含むシアノカーボン組成物に関する。一例は、Tricyanohexane Purification Methodsという名称の米国特許出願第16/880,717号に開示されている反応および精製スキームであり、当該の米国特許出願は、参照により本明細書に組み込まれる。これらの方法は、本明細書で論じられる(開示された量の)副産物の独特で相乗的な組み合わせに寄与する。従来の方法は、同じ工程および/またはプロセス条件を採用しておらず、そのため、前述の相乗的なシアノカーボン組成物を生成せず、また生成することができない。シアノカーボン組成物のTCH副産物は、トリシアノヘキサンの異性体、トリシアノヘキサンと同様の分子量を有する化合物、テトラシアノ化合物、シアノアルケン、シアノアミン、および/またはシアノアミド、またはこれらの組み合わせを含んでもよい。
[0018]一部の実施形態では、本開示はさらに、本明細書に記載のシアノカーボン組成物を(反応を介して)生成し、かつ/または精製するための方法に関する。本明細書に記載の製造および精製方法は、高濃度のTCHならびに副産物の特定の組み合わせ(場合により開示された量で)を製造することが見出された。
シアノカーボン組成物
[0019]シアノカーボン組成物は、TCHおよび様々な副産物を含んでもよい。シアノカーボン組成物は、一般に、TCHを大量に含むことができ、例えば、組成物は、高純度のTCH組成物である。TCHは、いくつかの場合には、化学式C11(CN)を有する化合物である。一部の実施形態では、主成分TCHは、1,3,6-トリシアノヘキサンである。
[0020]上記のように、TCHはシアノカーボン組成物の主要な成分であってもよい。別の言い方をすれば、TCHはシアノカーボン組成物の主成分である。
[0021]一実施形態では、シアノカーボン組成物は少なくとも85wt.%、例えば、少なくとも88wt.%、少なくとも90wt.%、少なくとも92wt.%、または少なくとも95wt.%のTCHを含む。上限に関して、シアノカーボン組成物は、100wt.%未満、例えば、99.9wt.%未満、99wt.%未満、または98.5wt.%未満のTCHを含んでもよい。範囲に関して、シアノカーボン組成物は、85wt.%~100wt.%のTCH、85wt.%~99.9wt.%、85wt.%~99wt.%、85wt.%~98.5wt.%、88wt.%~100wt.%、88wt.%~99.9wt.%、88wt.%~99wt.%、88wt.%~98.5wt.%、90wt.%~99.9wt.%、90wt.%~99wt.%、90wt.%~98.5wt.%、92wt.%~100wt.%、92wt.%~99.9wt.%、92wt.%~99wt.%、92wt.%~98.5wt.%、95wt.%~100wt.%、95wt.%~99.9wt.%、95wt.%~99wt.%、または95wt.%~98.5wt.%のTCHを含んでもよい。
[0022]シアノカーボン組成物中に存在するトリシアノヘキサン副産物の含有量は、特に限定されず、大きく変動してもよい。一実施形態では、シアノカーボン組成物は、1wppb~10wt.%、例えば、1wppb~5wt.%、1wppb~3wt.%、1wppb~1wt.%、1wppb~0.5wt.%、1wppb~0.1wt.%、1wppb~0.05wt.%、1wppb~0.01wt.%、10wppb~1wt.%、10wppb~0.5wt.%、10wppb~0.1wt.%、10wppb~0.05wt.%、10wppb~0.01wt.%、100wppb~1wt.%、100wppb~0.5wt.%、100wppb~0.1wt.%、100wppb~0.05wt.%、100wppb~0.01wt.%、500wppb~1wt.%、500wppb~0.5wt.%、500wppb~0.1wt.%、500wppb~0.05wt.%、500wppb~0.01wt.%、1ppm~1wt.%、1ppm~0.5wt.%、1ppm~0.1wt.%、1ppm~0.05wt.%、1ppm~0.01wt.%、10ppm~1wt.%、10ppm~0.5wt.%、10ppm~0.1wt.%、10ppm~0.05wt.%、10ppm~0.01wt.%、50ppm~1wt.%、100ppm~0.5wt.%、200ppm~0.5wt.%、200ppm~0.3wt.%、500ppm~2wt.%、500ppm~1wt.%、0.1wt.%~1wt.%、1wppb~10wt.%、1wppm~7wt.%、10wppm~5wt.%、1wppb~1wt.%、0.15wt.%~0.9wt.%、0.1wt.%~0.7wt.%、0.1wt.%~0.5wt.%、0.25wt.%~1wt.%、0.25wt.%~75wt.%、50ppm~0.5wt.%、0.05wt.%~1wt.%、0.05wt.%~0.8wt.%、0.1wt.%~1wt.%、0.2wt.%~0.9wt.%、0.05wt.%~0.6wt.%、0.1wt.%~0.3wt.%、0.01wt.%~0.5wt.%、0.1wt.%~0.8wt.%、0.05wt.%~0.1wt.%、0.05wt.%~1wt.%、0.2wt.%~0.6wt.%、50ppm~0.1wt.%、50ppm~0.05wt.%、または50ppm~0.01wt.%のトリシアノヘキサン副産物を含む。下限に関して、シアノカーボン組成物は、1wppbを超える、例えば、10wppbを超える、100wppbを超える、500wppbを超える、1ppmを超える、10ppmを超える、50ppmを超える、100wppmを超える、または200wppmを超える、0.1wt.%を超える、0.2wt.%を超える、1wt.%を超える、0.05wt.%を超える、0.1wt.%を超える、または0.25wt.%を超えるトリシアノヘキサン副産物を含んでもよい。上限に関して、シアノカーボン組成物は、1wt.%未満、例えば、0.5wt.%未満、1wt.%未満、0.8wt.%未満、0.9wt.%未満、0.6wt.%未満、0.3wt.%未満、0.1wt.%未満、0.05wt.%未満、または0.01wt.%未満のトリシアノヘキサン副産物を含んでもよい。これらの範囲および限度は、本明細書に記載されている個々の副産物、ならびにこれらの副産物の組み合わせに適用可能である。
分子量
[0023]一部の実施形態では、シアノカーボン組成物は、トリシアノヘキサンと同様の分子量を有するトリシアノヘキサン副産物を含む。例えば、トリシアノヘキサン副産物は、特定のTCH製造および/または精製スキームから生じる可能性がある。本発明者らは、これらのトリシアノヘキサン副産物の存在が、シアノカーボン組成物によって、増大された安定化効果、例えば、増大されたもしくは改善された吸湿性活性および/または前述のカソード電解質層の利点を有利に提供できることを見出した。
[0024]一実施形態では、トリシアノヘキサン副産物は、100amu~220amu、例えば、105amu~215amu、145amu~180amu、145amu~178amu、145amu~175amu、145amu~172amu、145amu~170amu、148amu~180amu、148amu~178amu、148amu~175amu、148amu~172amu、148amu~170amu、150amu~180amu、150amu~178amu、150amu~175amu、150amu~172amu、150amu~170amu、152amu~180amu、152amu~178amu、152amu~175amu、152amu~172amu、152amu~170amu、155amu~180amu、155amu~178amu、155amu~175amu、155amu~172amu、または155amu~170amuの分子量を有する。下限に関して、トリシアノヘキサン副産物は、100amuを超える、例えば、105amuを超える、145amuを超える、148amuを超える、150amuを超える、152amuを超える、または155amuを超える分子量を有してもよい。上限に関して、トリシアノヘキサン副産物は、220amu未満、例えば、215amu未満、180amu未満、178amu未満、175amu未満、172amu未満、または170amu未満の分子量を有してもよい。
[0025]一実施形態では、トリシアノヘキサン副産物は、トリシアノヘキサンの分子量の85%~115%、例えば、85%~112%、85%~110%、85%~108%、85%~105%、88%~115%、88%~112%、88%~110%、88%~108%、88%~105%、90%~115%、90%~112%、90%~110%、90%~108%、90%~105%、92%~115%、92%~112%、92%~110%、92%~108%、92%~105%、95%~115%、95%~112%、95%~110%、95%~108%、または95%~105%の分子量を有する。トリシアノヘキサン副産物は、トリシアノヘキサンの分子量の115%未満、例えば、112%未満、110%未満、108%未満、または105%未満の分子量を有してもよい。トリシアノヘキサン副産物は、トリシアノヘキサンの分子量の85%を超える、例えば、88%を超える、90%を超える、92%を超える、または95%を超える分子量を有してもよい。
トリシアノヘキサンの異性体
[0026]一部の実施形態では、シアノカーボン組成物は、トリシアノヘキサンの異性体を含み、例えば、1,3,6-トリシアノヘキサンを含まない。トリシアノヘキサンの特定の異性体は、化学式C11を有することができ、別の配置、例えば、6個の炭素原子の鎖上の3個のシアノまたはニトリル基の構造異性体を有することができる。例えば、シアノカーボン組成物は、1,3,6-トリシアノヘキサン(主成分TCHとして)および異性体として1,3,5-トリシアノヘキサンを含んでもよい。
[0027]本発明者らは、1つまたは複数のトリシアノヘキサン異性体の存在が、高電圧での酸化に対して従来の電解質溶液のさらなる安定化を有利に提供することを見出した。理論に拘束されることなく、トリシアノヘキサン異性体上の3つのニトリル基の配置は、主成分TCHの安定化効果を相乗的に改善する可能性があると考えられる。例えば、3つのニトリル基は、増大されたもしくは改善された吸湿性活性および/または前述のカソード電解質層の利点に寄与する可能性がある。
[0028]一部の実施形態では、トリシアノヘキサン異性体は、1,2,3-トリシアノヘキサン、1,2,6-トリシアノヘキサン、1,3,4-トリシアノヘキサン、1,3,5-トリシアノヘキサン、1,3,6-トリシアノヘキサン、1,4,5-トリシアノヘキサン、もしくは2,3,5-トリシアノヘキサン、またはこれらの組み合わせを含む。一部の実施形態では、トリシアノヘキサンは1,3,5-トリシアノヘキサンを含む。
[0029]一部の実施形態では、異性体は、トリシアノヘキサンの構造異性体を含んでもよい。例えば、異性体は、シアノ官能基を備えたアミノ化合物を含んでもよい。
[0030]一部の実施形態では、異性体は、トリシアノヘキサンの立体異性体を含んでもよい。一部の実施形態では、例えば、シアノカーボン組成物のトリシアノヘキサンは、1つまたは複数のキラル中心を含んでもよく、トリシアノヘキサンの異性体はエナンチオマーであってもよい。例えば、1,3,6-トリシアノヘキサンには、1つのキラル中心があるので、1,3,6-トリシアノヘキサンは、2つのエナンチオマーを規定する。したがって、シアノカーボン組成物の一部の実施形態では、トリシアノヘキサンは、1,3,6-トリシアノヘキサンであり、トリシアノヘキサンの異性体は、そのエナンチオマーである。一部の実施形態では、トリシアノヘキサンは多数のキラル中心を含むことができ、トリシアノヘキサンの異性体は1つまたは複数の立体異性体、例えば、エナンチオマーおよび/またはジアステレオマーであってもよい。
[0031]シアノカーボン組成物中に存在するトリシアノヘキサンの異性体の含有量は、特に限定されず、大きく変動してもよい。異性体の含有量は、異性体に対するトリシアノヘキサンの重量比によって記述されてもよい。一実施形態では、例えば、シアノカーボン組成物は、トリシアノヘキサンおよびその異性体を含み、異性体に対するトリシアノヘキサンの重量比は、少なくとも5:1、例えば、少なくとも8:1、少なくとも10:1、少なくとも15:1、少なくとも20:1、または少なくとも25:1である。上限に関して、異性体に対するトリシアノヘキサンの重量比は、100:1未満、例えば、95:1未満、90:1未満、85:1未満、または80:1未満であってもよい。範囲に関して、異性体に対するトリシアノヘキサンの重量比は、5:1~100:1、例えば、5:1~95:1、5:1~90:1、5:1~85:1、5:1~80:1、8:1~100:1、8:1~95:1、8:1~90:1、8:1~85:1、8:1~80:1、10:1~100:1、10:1~95:1、10:1~90:1、10:1~85:1、10:1~80:1、15:1~100:1、15:1~95:1、15:1~90:1、15:1~85:1、15:1~80:1、20:1~100:1、20:1~95:1、20:1~90:1、20:1~85:1、20:1~80:1、25:1~100:1、25:1~95:1、25:1~90:1、25:1~85:1、または25:1~80:1であってもよい。
[0032]シアノカーボン組成物中に存在するトリシアノヘキサン異性体の含有量は、特に限定されず、大きく変動してもよい。一実施形態では、シアノカーボン組成物は、1wppb~10wt.%、例えば、1wppm~7wt.%、10wppm~5wt.%、1wppb~1wt.%、1wppb~0.5wt.%、1wppb~0.1wt.%、1wppb~0.05wt.%、1wppb~0.01wt.%、10wppb~1wt.%、10wppb~0.5wt.%、10wppb~0.1wt.%、10wppb~0.05wt.%、10wppb~0.01wt.%、100wppb~1wt.%、100wppb~0.5wt.%、100wppb~0.1wt.%、100wppb~0.05wt.%、100wppb~0.01wt.%、500wppb~1wt.%、500wppb~0.5wt.%、500wppb~0.1wt.%、500wppb~0.05wt.%、500wppb~0.01wt.%、1ppm~1wt.%、1ppm~0.5wt.%、1ppm~0.1wt.%、1ppm~0.05wt.%、1ppm~0.01wt.%、10ppm~1wt.%、10ppm~0.5wt.%、10ppm~0.1wt.%、10ppm~0.05wt.%、10ppm~0.01wt.%、50ppm~1wt.%、500ppm~2wt.%、500ppm~1wt.%、0.1wt.%~1wt.%、0.15wt.%~0.9wt.%、0.1wt.%~0.7wt.%、0.1wt.%~0.5wt.%、0.25wt.%~1wt.%、0.25wt.%~0.75wt.%、0.1wt.%~10wt.%、0.1wt.%~7wt.%、0.1wt.%~5wt.%、0.5wt.%~10wt.%、0.5wt.%~7wt.%、50ppm~0.5wt.%、50ppm~0.1wt.%、50ppm~0.05wt.%、または50ppm~0.01wt.%のトリシアノヘキサン異性体を含む。下限に関して、シアノカーボン組成物は、1wppbを超える、例えば、10wppbを超える、100wppbを超える、500wppbを超える、1ppmを超える、10ppmを超える、50ppmを超える、0.05wt.%を超える、0.1wt.%を超える、0.25wt.%を超える、0.5wt.%を超える、1wt.%を超える、または2wt.%を超えるトリシアノヘキサン異性体を含んでもよい。上限に関して、シアノカーボン組成物は10wt.%未満、例えば、7wt.%未満、5wt.%未満、4wt.%未満、3wt.%未満、0.5wt.%未満、0.1wt.%未満、0.05wt.%未満、または0.01wt.%未満のトリシアノヘキサン異性体を含んでもよい。
テトラシアノ化合物
[0033]一部の実施形態では、シアノカーボン組成物はテトラシアノ化合物を含む。テトラシアノ化合物は、4つのシアノまたはニトリル官能基を含む任意の有機化合物であってもよい。本発明者らは、これらのテトラシアノ化合物の存在が、シアノカーボン組成物によって増大された安定化効果、例えば、増大されたもしくは改善された吸湿性活性および/または前述のカソード電解質層の利点を有利に提供できることを見出した。例えば、テトラシアノ化合物の4つのシアノ官能基は、TCHと相乗的に作用して、水を除去し、かつ/または前述のカソード電解質層の利点を促進することができる。
[0034]一部の実施形態において、テトラシアノ化合物は、炭素原子の飽和鎖上に4つのシアノまたはニトリル基を有する有機化合物である。例えば、一部の実施形態では、テトラシアノ化合物は、テトラシアノアルカン、例えば、化学式C2x-2(CN)(式中、xは5~10である)を有する有機化合物である。例示的なテトラシアノ化合物は、テトラシアノペンタン、テトラシアノヘキサン、テトラシアノヘプタン、テトラシアノオクタン、テトラシアノノナン、およびテトラシアノデカン、ならびにこれらの組み合わせを含む。
[0035]一部の実施形態では、テトラシアノ化合物は、炭素原子の不飽和鎖上に4つのシアノまたはニトリル基を有する有機化合物である。例えば、一部の実施形態では、テトラシアノ化合物は、テトラシアノアルケン、例えば、化学式C2x-4(CN)(式中、xは5~10である)を有する有機化合物である。例示的なテトラシアノ化合物としては、テトラシアノペンテン、テトラシアノヘキセン、テトラシアノヘプテン、テトラシアノオクテン、テトラシアノノネン、およびテトラシアノデセン、ならびにこれらの組み合わせを挙げることができる。
[0036]化学構造の観点からいえば、テトラシアノ化合物は、以下の構造
Figure 2023502475000004
(式中、a、b、c、dおよびeは、独立して0~4であり、a、b、c、dおよびeの合計は、5~12である)
を有する。
[0037]シアノカーボン組成物中に存在するテトラシアノ化合物の含有量は、特に限定されず、大きく変動してもよい。一実施形態では、シアノカーボン組成物は、1wppb~5wt.%、例えば、1wppb~1wt.%、1wppb~0.1wt.%、1wppb~0.05wt.%、1wppb~0.01wt.%、10wppb~1wt.%、10wppb~0.5wt.%、10wppb~0.1wt.%、10wppb~0.05wt.%、10wppb~0.01wt.%、100wppb~1wt.%、100wppb~0.5wt.%、100wppb~0.1wt.%、100wppb~0.05wt.%、100wppb~0.01wt.%、500wppb~1wt.%、500wppb~0.5wt.%、500wppb~0.1wt.%、500wppb~0.05wt.%、500wppb~0.01wt.%、1ppm~1wt.%、1ppm~0.5wt.%、0.01wt.%~5wt.%、0.05ppm~3wt.%、0.05ppm~2wt.%、0.1ppm~1wt.%、0.1ppm~0.7wt.%、100ppm~0.5wt.%、0.1wt.%~1wt.%、0.1wt.%~0.8wt.%、0.05wt.%~1wt.%、0.2wt.%~0.6wt.%、200ppm~0.5wt.%、200ppm~0.3wt.%、1ppm~0.1wt.%、1ppm~0.05wt.%、1ppm~0.01wt.%、10ppm~1wt.%、10ppm~0.5wt.%、10ppm~0.1wt.%、10ppm~0.05wt.%、10ppm~0.01wt.%、50ppm~1wt.%、50ppm~0.5wt.%、50ppm~0.1wt.%、50ppm~0.05wt.%、または50ppm~0.01wt.%のテトラシアノ化合物を含む。下限に関して、シアノカーボン組成物は、1wppbを超える、例えば、10wppbを超える、100wppbを超える、wppbを超える、1ppmを超える、10ppmを超える、または50ppmを超える、100wppmを超える、または200wppmを超える、500wppmを超える、0.1wt.%を超える、テトラシアノ化合物を含んでもよい。上限に関して、シアノカーボン組成物は、5wt.%未満、例えば、3wt.%未満、2wt.%未満、0.5wt.%未満、0.1wt.%未満、0.05wt.%未満、または0.01wt.%未満のテトラシアノ化合物を含んでもよい。
シアノアルケン
[0038]一部の実施形態では、シアノカーボン組成物はシアノアルケンを含む。シアノアルケンは、シアノまたはニトリル官能基および少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を含む任意の有機化合物であってもよい。一部の実施形態では、シアノアルケンは、1つの炭素-炭素二重結合を有する。一部の実施形態では、シアノアルケンは、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合、例えば、少なくとも2つ、少なくとも3つ、あるいは少なくとも4つを有する。本発明者らは、これらのシアノアルケンの存在が、シアノカーボン組成物によって、増大された安定化効果、例えば、増大されたもしくは改善された吸湿性活性および/または前述のカソード電解質層の利点を有利に提供できることを見出した。例えば、シアノアルケンのシアノ官能基または基は、TCHと相乗的に作用して、水を除去し、かつ/または前述のカソード電解質層の利点を促進することができる。
[0039]一部の実施形態では、シアノアルケンは、ジシアノアルケン、例えば、炭素原子の不飽和鎖上に2つのシアノまたはニトリル基を有する有機化合物である。例えば、一部の実施形態では、シアノアルケンは、化学式C2x-2(CN)(式中、xは5~10である)を有する。例示的なジシアノアルケンとしては、ジシアノペンテン、ジシアノヘキセン、ジシアノヘプテン、ジシアノオクテン、ジシアノノネン、およびジシアノデセン、ならびにこれらの組み合わせを挙げることができる。
[0040]一部の実施形態では、シアノアルケンは、トリシアノアルケン、例えば、炭素原子の不飽和鎖上に3つのシアノまたはニトリル基を有する有機化合物である。例えば、一部の実施形態では、シアノアルケンは、化学式C2x-3(CN)(式中、xは5~10である)を有する。例示的なトリシアノアルケンとしては、トリシアノペンテン、トリシアノヘキセン、トリシアノヘプテン、トリシアノオクテン、トリシアノノネン、およびトリシアノデセン、ならびにこれらの組み合わせを挙げることができる。
[0041]シアノカーボン組成物中に存在するシアノアルケンの含有量は、特に限定されず、大きく変動してもよい。1つの実施形態では、シアノカーボン組成物は、1wppb~5wt.%、例えば、1wppb~3wt.%、1wppb~1wt.%、1wppb~0.5wt.%、1wppb~0.1wt.%、1wppb~0.05wt.%、1wppb~0.01wt.%、10wppb~1wt.%、10wppb~0.5wt.%、10wppb~0.1wt.%、10wppb~0.05wt.%、10wppb~0.01wt.%、100wppb~1wt.%、100wppb~0.5wt.%、100wppb~0.1wt.%、100wppb~0.05wt.%、100wppb~0.01wt.%、500wppb~1wt.%、500wppb~0.5wt.%、500wppb~0.1wt.%、500wppb~0.05wt.%、500wppb~0.01wt.%、1ppm~1wt.%、1ppm~0.5wt.%、1ppm~0.1wt.%、1ppm~0.05wt.%、1ppm~0.01wt.%、10ppm~1wt.%、10ppm~0.5wt.%、10ppm~0.1wt.%、10ppm~0.05wt.%、10ppm~0.01wt.%、50ppm~1wt.%、500ppm~2wt.%、500ppm~1wt.%、0.1wt.%~1wt.%、0.15wt.%~0.9wt.%、0.1wt.%~0.7wt.%、0.1wt.%~0.5wt.%、0.25wt.%~1wt.%、0.25wt.%~75wt.%、50ppm~0.5wt.%、50ppm~0.1wt.%、50ppm~0.05wt.%、または50ppm~0.01wt.%のシアノアルケンを含む。下限に関して、シアノカーボン組成物は、1wppbを超える、例えば、10wppbを超える、100wppbを超える、500wppbを超える、1ppmを超える、10ppmを超える、50ppmを超える、0.05wt.%を超える、0.1wt.%を超える、または0.25wt.%を超えるシアノアルケンを含んでもよい。上限に関して、シアノカーボン組成物は、5wt.%未満、例えば、3wt.%未満、1wt.%未満、0.5wt.%未満、0.1wt.%未満、0.05wt.%未満、または0.01wt.%未満のシアノアルケンを含んでもよい。
シアノアミン
[0042]一部の実施形態では、シアノカーボン組成物はシアノアミン、例えば、シアノアルキルアミンを含む。シアノアミンは、シアノアルキル官能基を含む第一級、第二級、または第三級アミンであってもよい。一部の実施形態では、シアノアミンは、1つのシアノアルキル官能基を有する。一部の実施形態では、シアノアミンは、少なくとも1つ、例えば、少なくとも2つ、または少なくとも3つのシアノアルキル官能基を有する。本発明者らは、これらのシアノアミンの存在が、シアノカーボン組成物によって、増大された安定化効果、例えば、増大されたもしくは改善された吸湿性活性および/または前述のカソード電解質層の利点を有利に提供できることを見出した。例えば、シアノアミンのシアノ官能基または基は、TCHと相乗的に作用して、水を除去し、かつ/または前述のカソード電解質層の利点を促進することができる。
[0043]一部の実施形態では、シアノアミンは、1つのシアノアルキル官能基を有する第一級アミンである。例えば、一部の実施形態では、シアノアミンは化学式NH(C2x)CN(式中、xは1~5である)を有する。例示的な第一級アミンとしては、(シアノメチル)アミン、(シアノエチル)アミン、(シアノプロピル)アミン、(シアノブチル)アミン、および(シアノペンチル)アミン、ならびにこれらの組み合わせを挙げることができる。1つの特定の非限定的な例は、トリス(2-シアノエチル)アミンである。
[0044]一部の実施形態では、シアノアミンは2つのシアノアルキル官能基を有する第二級アミンである。一部の実施形態では、2つのシアノアルキル官能基は、異なってもよい。一部の実施形態では、2つのシアノアルキル官能基は、同じであってもよい。例えば、一部の実施形態では、シアノアミンは、化学式NH((C2x)CN)(式中、xは1~5である)を有する。例示的な第二級アミンとしては、ビス(シアノメチル)アミン、ビス(シアノエチル)アミン、ビス(シアノプロピル)アミン、ビス(シアノブチル)アミン、ビス(シアノペンチル)アミン、およびこれらの組み合わせを挙げることができる。
[0045]一部の実施形態では、シアノアミンは3つのシアノアルキル官能基を有する第三級アミンである。一部の実施形態では、3つのシアノアルキル官能基は、異なってもよい。一部の実施形態では、3つのシアノアルキル官能基は、同じであってもよい。例えば、一部の実施形態では、シアノアミンは、化学式N((C2x)CN)(式中、xは1~5である)を有する。例示的な第三級アミンとしては、トリス(シアノメチル)アミン、トリス(シアノエチル)アミン、トリス(シアノプロピル)アミン、トリス(シアノブチル)アミン、トリス(シアノペンチル)アミン、およびこれらの組み合わせを挙げることができる。
[0046]化学構造の観点からいえば、シアノアミンは以下の化学構造
Figure 2023502475000005
(式中、Rは、-Hまたは1~5のxの-C2xCNであり、Rは-Hまたは1~5のyの-C2yCNであり、Rは-Hまたは1~5のzの-C2zCNであり、R、RおよびRの中の少なくとも1つは水素でない)
を有してもよい。
[0047]シアノカーボン組成物中に存在するシアノアミンの含有量は、特に限定されず、大きく変動してもよい。一実施形態では、シアノカーボン組成物は、1wppb~5wt.%、例えば、1wppb~1wt.%、1wppb~0.1wt.%、1wppb~0.05wt.%、1wppb~0.01wt.%、10wppb~1wt.%、10wppb~0.5wt.%、10wppb~0.1wt.%、10wppb~0.05wt.%、10wppb~0.01wt.%、100wppb~1wt.%、100wppb~0.5wt.%、100wppb~0.1wt.%、100wppb~0.05wt.%、100wppb~0.01wt.%、500wppb~1wt.%、500wppb~0.5wt.%、500wppb~0.1wt.%、500wppb~0.05wt.%、500wppb~0.01wt.%、1ppm~1wt.%、1ppm~0.5wt.%、0.01wt.% ppm~5wt.%、0.05ppm~3wt.%、0.05ppm~2wt.%、0.1ppm~1wt.%、0.05wt.%~0.8wt.%、0.05wt.%~0.6wt.%、0.1wt.%~0.3wt.%、0.01wt.%~0.5wt.%、0.1ppm~0.7wt.%、100ppm~0.5wt.%、200ppm~0.5wt.%、200ppm~0.3wt.%、1ppm~0.1wt.%、1ppm~0.05wt.%、1ppm~0.01wt.%、10ppm~1wt.%、10ppm~0.5wt.%、10ppm~0.1wt.%、10ppm~0.05wt.%、10ppm~0.01wt.%、50ppm~1wt.%、50ppm~0.5wt.%、50ppm~0.1wt.%、50ppm~0.05wt.%、または50ppm~0.01wt.%のシアノアミンを含む。下限に関して、シアノカーボン組成物は、1wppbを超える、例えば、10wppbを超える、100wppbを超える、wppbを超える、1ppmを超える、10ppmを超える、50ppmを超える、100wppmを超える、200wppmを超える、500wppmを超える、0.1wt.%を超える、シアノアミンを含んでもよい。上限に関して、シアノカーボン組成物は、5wt.%未満、例えば、3wt.%未満、2wt.%未満、0.5wt.%未満、0.1wt.%未満、0.05wt.%未満、または0.01wt.%未満のシアノアミンを含んでもよい。
シアノオキシム
[0048]一部の実施形態では、シアノカーボン組成物はシアノオキシムを含む。シアノオキシムは、少なくとも1つのシアノまたはニトリル官能基および少なくとも1つのオキシム官能基(-C=NOH)を含む任意の有機化合物であってもよい。一部の実施形態では、シアノオキシムは、1つのシアノ官能基を有する。一部の実施形態では、シアノオキシムは、少なくとも1つ、例えば、少なくとも2つ、または少なくとも3つのシアノ官能基を有する。本発明者らは、これらのシアノオキシムの存在が、シアノカーボン組成物によって、増大された安定化効果、例えば、増大されたもしくは改善された吸湿性活性および/または前述のカソード電解質層の利点を有利に提供できることを見出した。例えば、シアノオキシムのシアノ官能基または基は、TCHと相乗的に作用して、水を除去し、かつ/または前述のカソード電解質層の利点を促進することができる。
[0049]一部の実施形態では、オキシム官能基はアルドキシム基である。一部の実施形態では、オキシム官能基はケトキシムである。
[0050]理論に拘束されることなく、オキシム官能基はシアノ官能基の酸化反応によって形成されると考えられている。したがって、シアノカーボン組成物のオキシムは、本明細書に記載の任意の生成物または副産物の少なくとも1つのシアノ官能基をオキシム官能基に変換することによって形成することができる。別の言い方をすれば、シアノカーボン組成物のシアノオキシムは、本明細書に記載の任意の生成物または副産物のオキシムであってもよい。
[0051]一部の実施形態では、シアノオキシムはトリシアノヘキサンのオキシムである。一部の実施形態では、シアノオキシムはテトラシアノ化合物のオキシムである。一部の実施形態では、シアノオキシムはシアノアルケンのオキシムである。一部の実施形態では、シアノオキシムはシアノアミンのオキシムである。一部の実施形態では、シアノオキシムはこれらの組み合わせである。
[0052]化学構造の観点からいえば、一部の実施形態では、シアノオキシムは、以下の化学構造
Figure 2023502475000006
(式中、aは0~3であり、bは1~3であり、また、cは1~4である)
を有する。一部の実施形態では、シアノオキシムは以下の化学構造
Figure 2023502475000007
(式中、aは1~3であり、bは1~4である)
を有する。
[0053]シアノカーボン組成物中に存在するシアノオキシムの含有量は、特に限定されず、大きく変動してもよい。一実施形態では、シアノカーボン組成物は、1wppb~5wt.%、例えば、1wppb~1wt.%、1wppb~0.1wt.%、1wppb~0.05wt.%、1wppb~0.01wt.%、10wppb~1wt.%、10wppb~0.5wt.%、10wppb~0.1wt.%、10wppb~0.05wt.%、10wppb~0.01wt.%、100wppb~1wt.%、100wppb~0.5wt.%、100wppb~0.1wt.%、100wppb~0.05wt.%、100wppb~0.01wt.%、500wppb~1wt.%、500wppb~0.5wt.%、500wppb~0.1wt.%、500wppb~0.05wt.%、500wppb~0.01wt.%、1ppm~1wt.%、1ppm~0.5wt.%、0.01wt.% ppm~5wt.%、0.05ppm~3wt.%、0.05ppm~2wt.%、0.1ppm~1wt.%、0.1ppm~0.7wt.%、0.05wt.%~1wt.%、0.05wt.%~0.8wt.%、0.1wt.%~1wt.%、0.2wt.%~0.9wt.%、100ppm~0.5wt.%、200ppm~0.5wt.%、200ppm~0.3wt.%、1ppm~0.1wt.%、1ppm~0.05wt.%、1ppm~0.01wt.%、10ppm~1wt.%、10ppm~0.5wt.%、10ppm~0.1wt.%、10ppm~0.05wt.%、10ppm~0.01wt.%、50ppm~1wt.%、50ppm~0.5wt.%、50ppm~0.1wt.%、50ppm~0.05wt.%、または50ppm~0.01wt.%のシアノオキシムを含む。下限に関して、シアノカーボン組成物は、1wppbを超える、例えば、10wppbを超える、100wppbを超える、wppbを超える、1ppmを超える、10ppmを超える、50ppmを超える、100wppmを超える、200wppmを超える、500wppmを超える、0.1wt.%を超えるシアノオキシムを含んでもよい。上限に関して、シアノカーボン組成物は、5wt.%未満、例えば、3wt.%未満、2wt.%未満、0.5wt.%未満、0.1wt.%未満、0.05wt.%未満、または0.01wt.%未満のシアノオキシムを含んでもよい。
シアノアミド
[0054]一部の実施形態では、シアノカーボン組成物は、シアノアミド、例えば、シアノアルキルアミドを含む。アミドは、少なくとも1つのシアノまたはニトリル官能基および少なくとも1つのアミドまたはカルボキサミド官能基(-C=NR、(式中、Rは独立して水素またはアルキル基である))を含む任意の有機化合物であってもよい。一部の実施形態では、シアノアミドには1つのシアノ官能基がある。一部の実施形態では、シアノアルケンは、少なくとも1つのシアノ官能基、例えば、少なくとも2つまたは少なくとも3つを有する。アミド官能基は、第一級アミド、第二級アミドあるいは第三級アミドであってもよい。本発明者らは、これらのシアノアミドの存在が、シアノカーボン組成物によって、増大された安定化効果、例えば、増大されたもしくは改善された吸湿性活性および/または前述のカソード電解質層の利点を有利に提供できることを見出した。例えば、シアノアミドのシアノ官能基または基は、TCHと相乗的に作用して、水を除去し、かつ/または前述のカソード電解質層の利点を促進することができる。
[0055]理論に拘束されることなく、アミド官能基はシアノ官能基の加水分解反応によって形成されると考えられている。したがって、シアノカーボン組成物のシアノアミドは、本明細書に記載の任意の生成物または副産物の少なくとも1つのシアノ官能基をアミド官能基に変換することによって形成することができる。別の言い方をすれば、シアノカーボン組成物のシアノアミドは、本明細書に記載の任意の生成物または副産物のアミドであってもよい。
[0056]一部の実施形態では、シアノアミドは、トリシアノヘキサンのアミドである。一部の実施形態では、シアノアミドは、テトラシアノ化合物のアミドである。一部の実施形態では、シアノアミドは、シアノアルケンのアミドである。一部の実施形態では、シアノアミドは、シアノアミンのアミドである。一部の実施形態では、シアノアミドは、これらの組み合わせである。
[0057]化学構造の観点からいえば、一部の実施形態では、シアノアミドは以下の化学構造
Figure 2023502475000008
(式中、aは0~3であり、bは1~3であり、cは1~4である)
を有する。
[0058]シアノカーボン組成物中に存在するシアノアミドの含有量は、特に限定されず、大きく変動してもよい。一実施形態では、シアノカーボン組成物は、1wppb~5wt.%、例えば、1wppb~1wt.%、1wppb~0.1wt.%、1wppb~0.05wt.%、1wppb~0.01wt.%、10wppb~1wt.%、10wppb~0.5wt.%、10wppb~0.1wt.%、10wppb~0.05wt.%、10wppb~0.01wt.%、100wppb~1wt.%、100wppb~0.5wt.%、100wppb~0.1wt.%、100wppb~0.05wt.%、100wppb~0.01wt.%、500wppb~1wt.%、500wppb~0.5wt.%、500wppb~0.1wt.%、500wppb~0.05wt.%、500wppb~0.01wt.%、1ppm~1wt.%、1ppm~0.5wt.%、0.01wt.% ppm~5wt.%、0.05ppm~3wt.%、0.05ppm~2wt.%、0.1ppm~1wt.%、0.1ppm~0.7wt.%、0.1wt.%~0.8wt.%、0.05wt.%~1wt.%、0.2wt.%~0.6wt.%、100ppm~0.5wt.%、200ppm~0.5wt.%、200ppm~0.3wt.%、1ppm~0.1wt.%、1ppm~0.05wt.%、1ppm~0.01wt.%、10ppm~1wt.%、10ppm~0.5wt.%、10ppm~0.1wt.%、10ppm~0.05wt.%、10ppm~0.01wt.%、50ppm~1wt.%、50ppm~0.5wt.%、50ppm~0.1wt.%、50ppm~0.05wt.%、または50ppm~0.01wt.%のシアノアミドを含む。下限に関して、シアノカーボン組成物は、1wppbを超える、例えば、10wppbを超える、100wppbを超える、wppbを超える、1ppmを超える、10ppmを超える、50ppmを超える、100wppmを超える、200wppmを超える、500wppmを超える、0.1wt.%を超えるシアノアミドを含んでもよい。上限に関して、シアノカーボン組成物は5wt.%未満、例えば、3wt.%未満、2wt.%未満、0.5wt.%未満、0.1wt.%未満、0.05wt.%未満、または0.01wt.%未満のシアノアミドを含んでもよい。
ニトリル
[0059]一部の実施形態では、シアノカーボン組成物は、ニトリル、例えば、アジポニトリルを含む。本発明者らは、これらのニトリルの存在が、シアノカーボン組成物によって、増大された安定化効果、例えば、増大されたもしくは改善された吸湿性活性および/または前述のカソード電解質層の利点を有利に提供できることを見出した。
[0060]シアノカーボン組成物中に存在するニトリルの含有量は、特に限定されず、大きく変動してもよい。一実施形態では、シアノカーボン組成物は、1wppb~5wt.%、例えば、1wppb~3wt.%、1wppb~1wt.%、1wppb~0.5wt.%、1wppb~0.1wt.%、1wppb~0.05wt.%、1wppb~0.01wt.%、10wppb~1wt.%、10wppb~0.5wt.%、10wppb~0.1wt.%、10wppb~0.05wt.%、10wppb~0.01wt.%、100wppb~1wt.%、100wppb~0.5wt.%、100wppb~0.1wt.%、100wppb~0.05wt.%、100wppb~0.01wt.%、500wppb~1wt.%、500wppb~0.5wt.%、500wppb~0.1wt.%、500wppb~0.05wt.%、500wppb~0.01wt.%、1ppm~1wt.%、1ppm~0.5wt.%、1ppm~0.1wt.%、1ppm~0.05wt.%、1ppm~0.01wt.%、10ppm~1wt.%、10ppm~0.5wt.%、10ppm~0.1wt.%、10ppm~0.05wt.%、10ppm~0.01wt.%、50ppm~1wt.%、500ppm~2wt.%、500ppm~1wt.%、0.1wt.%~1wt.%、0.15wt.%~0.9wt.%、0.1wt.%~0.7wt.%、0.1wt.%~0.5wt.%、0.25wt.%~1wt.%、0.25wt.%~75wt.%、50ppm~0.5wt.%、50ppm~0.1wt.%、50ppm~0.05wt.%、または50ppm~0.01wt.%のニトリルを含む。下限に関して、シアノカーボン組成物は、1wppbを超える、例えば、10wppbを超える、100wppbを超える、500wppbを超える、1ppmを超える、10ppmを超える、50ppmを超える、0.05wt.%を超える、0.1wt.%を超える、0.25wt.%を超えるニトリルを含んでもよい。上限に関して、シアノカーボン組成物は1wt.%未満、例えば、0.5wt.%未満、0.1wt.%未満、0.05wt.%未満、または0.01wt.%未満のニトリルを含んでもよい。
組み合わせ
[0061]本明細書に記載されたシアノカーボン組成物は、トリシアノヘキサンおよび上記副産物のいかなる組み合わせも含んでもよい。例えば、シアノカーボン組成物は、トリシアノヘキサン、トリシアノヘキサンの異性体、テトラシアノ化合物、シアノアルケン、シアノアミン、シアノオキシム、もしくはシアノアミド、またはこれらの組み合わせを含んでもよい。様々な副産物について本明細書に開示された組成範囲および限度は、副産物の組み合わせに適用可能である。簡潔にするために、これらの範囲と限度は、ここでは繰り返さない。
[0062]一実施形態では、シアノカーボン組成物は、1,3,6-トリシアノヘキサンおよびトリシアノヘキサン異性体を含む。異性体は、本明細書に開示された量で存在することができ、特に、実施例において示されるように、異性体は、1ppm~0.5wt.%の範囲の量で存在することができる。
[0063]一実施形態では、シアノカーボン組成物は、1,3,6-トリシアノヘキサン、および化学式C2x-2(CN)(式中、xは5~10である)を有するテトラシアノ化合物を含む。テトラシアノ化合物は、本明細書に開示された量で存在することができ、特に、実施例において示されるように、テトラシアノ化合物は、1ppm~0.5wt.%の範囲の量で存在することができる。
[0064]一実施形態では、シアノカーボン組成物は、1,3,6-トリシアノヘキサンおよびトリシアノアルケンを含む。トリシアノアルケンは、本明細書に開示された量で存在することができ、特に、実施例において示されるように、トリシアノアルケンは、1ppm~0.5wt.%の範囲の量で存在することができる。
[0065]一実施形態では、シアノカーボン組成物は、1,3,6-トリシアノヘキサンおよび(シアノエチル)アミンを含む。(シアノエチル)アミンは、本明細書に開示された量で存在することができ、特に、実施例において示されるように、(シアノエチル)アミンは、1ppm~0.5wt.%の範囲の量で存在することができる。
[0066]一実施形態では、シアノカーボン組成物は、少なくとも92wt.%のトリシアノヘキサン、(0.1wt.%~10wt.%の)トリシアノヘキサンの異性体であって、この異性体に対するトリシアノヘキサンの重量比が少なくとも5:1であるトリシアノヘキサンの異性体と、(500ppm~1wt.%の)アジポニトリルを含む。
[0067]一実施形態では、シアノカーボン組成物は、少なくとも92wt.%のトリシアノヘキサン、(0.5wt.%~7wt.%の)トリシアノヘキサンの異性体、および(0.05ppm~2wt.%の)テトラシアノ化合物を含む。
[0068]一実施形態では、シアノカーボン組成物は、少なくとも92wt.%のトリシアノヘキサン、開示された量のトリシアノヘキサンの異性体、開示された量のテトラシアノ化合物、および開示された量の(シアノアルキル)アミン、および場合により開示された量のアジポニトリルを含む。
[0069]一実施形態では、シアノカーボン組成物は、少なくとも92wt.%のトリシアノヘキサン、開示された量のトリシアノヘキサンの異性体、開示された量のテトラシアノ化合物、および開示された量のシアノオキシム、および場合により開示された量のアジポニトリルを含む。
[0070]一実施形態では、シアノカーボン組成物は、1,3,6-トリシアノヘキサン、およびシアノオキシム、例えば、以下の化学構造
Figure 2023502475000009
(式中、aは0~3であり、bは1~3であり、cは1~4である)
を有するものを含む。シアノオキシムは、本明細書に開示された量で存在することができ、特に、実施例において示されるように、シアノオキシムは、1ppm~0.5wt.%の範囲の量で存在することができる。
[0071]一実施形態では、シアノカーボン組成物は、1,3,6-トリシアノヘキサンおよび以下の化学構造
Figure 2023502475000010
(式中、aは1~3であり、bは1~4である)
を有するシアノ化合物を含む。シアノ化合物は、本明細書に開示された量で存在することができ、特に、実施例において示されるように、シアノ化合物は、1ppm~0.5wt.%の範囲の量で存在することができる。
[0072]いくつかの場合には、副産物が、トリシアノヘキサン形成反応の間にその場で形成されてもよい。例えば、トリシアノヘキサンの副産物は、TCHの製造の間にその場で形成される化合物であってもよい。トリシアノヘキサンの副産物は、さらにトリシアノヘキサンの精製中にその場で形成される化合物であってもよい。いくつかの場合には、シアノカーボン組成物は、トリシアノヘキサン形成反応の間に形成された副産物と、トリシアノヘキサン精製中に形成された副産物と、の混合物を含む。
製造方法
[0073]上記のように、開示されたシアノカーボン組成物は、特定の方法によって製造され、これらの方法は、本明細書で論じられる(開示された量の)副産物の独特で相乗的な組み合わせに寄与する。特に、いくつかの電解水素二量化プロセス流、例えば、未精製流およびその誘導体を使用して、TCH含有流を生じさせ得ることが発見された。このようなTCH含有流は、次いで、特定の工程を介して分離されて、有益な量の副産物を含む開示されたシアノカーボン組成物をもたらすことができる供給流として機能することが可能である。
[0074]いくつかの場合には、TCH含有供給流は、ニトリル、例えば、アクリロニトリルおよび/またはアジポニトリル、好ましくはアクリロニトリルとの反応から生じる。これらの反応は、本明細書に記載されている分離スキームの上流で起こる。これらの化学物質、例えば、ニトリルは、本明細書で論じられる副産物、例えば、有意なニトリル末端封鎖を有するものの前駆体として役立つ可能性がある。これらの化学物質を利用しない従来の方法では、末端封鎖がほとんどまたは全くないなど、ニトリルのフットプリントが全く異なるシアノカーボン組成物が生成される。さらに、TCH含有供給流の従来の分離および/または精製の方法は、これらの副産物濃度が最終的なTCH収率またはTCH性能に及ぼす影響に関する指針をほとんどまたは全く提供しない。重要なことに、本発明者らは、これらの成分濃度を効果的に操作して、(前述のように)有意な効率改善を提供することができ、これによって驚くべき性能結果とともにより高純度のTCH製品をもたらすことを見出した。
[0075]この方法は、アジポニトリルプロセス流を分離して第1の塔頂物流および第1の塔底物流を形成する(第1の)分離工程を含む。第1の塔頂物流は、低沸点成分(軽質分)と高沸点成分(重質分)を含み、第1の塔底物流は高沸点成分を含む。この方法は、第1の塔頂物流を、場合により1つまたは複数の蒸留カラムで分離して、低沸点成分を含む軽質分流、高沸点成分を含む重質分流、TCHおよびより少ない量の副産物を含むTCH流を形成する(第2の)分離工程をさらに含む。重要なことには、方法の個々の操作における供給流の滞留時間は、例えば、8時間未満に最小化される。そうすることで、高沸点成分の分解が有利に低減または最小化され、これにより、上記の分離効率がもたらされる。
[0076]いくつかの場合には、副産物のうちのいくつかは軽質分と考えられ、副産物の他のものは重質分と考えられる。開示された方法を使用することにより、前述の量の副産物(いくつかの重質分および/またはいくつかの軽質分を含む)の相乗的な組み合わせが達成される。
[0077]本開示のシアノカーボン組成物を形成するために使用されるこの方法は、TCHおよび不純物を含む特定の供給流から開始することができる。特に、供給流は、TCH、高沸点成分、および低沸点成分を含んでもよい。例えば、供給流は、TCH、および本明細書で論じられる1つまたは複数の副産物を含んでもよい。一部の実施形態では、供給流は、別の工業用化学製品製造プロセスの1つまたは複数の副産物流であってもよい。
第1の分離工程
[0078]一部の実施形態では、供給流、例えば、アジポニトリルプロセス流は、第1の分離工程で分離されて、低沸点成分(軽質分)および(場合により少量の)高沸点成分(重質分)および、高沸点成分と固体不純物を含む第1の塔底物流を含む第1の塔頂物流を形成する。第1の分離工程は、いくつかの場合には、重質分の有意な部分(ただし、いくらか残る場合がある)および/または供給流に存在する固体不純物を除去する。本発明者らは、第2の分離工程で処理する前に重質分を除去することにより、高沸点成分の分解が有利に減少し、それにより全精製方法の効率を向上させることを見出した。この最初の重質分の除去がないと、分離が必要な余分の非TCH不純物が形成され、余分の操作と不確実性が生じる。さらに、本発明者らは、重質分および固体不純物を早期に除去することにより、蒸留カラムのファウリングが減少し、これによって下流の効率を向上させ、その後の分離操作が不要になるか、または減少することも発見した。第1の分離工程における供給流の滞留時間は、本明細書で論じられるように、短い滞留時間とすることができる。
[0079]一部の実施形態において、第1の分離工程は、フラッシャー、例えば、フラッシュ蒸発器における分離を含む。これらの実施形態では、供給流を蒸発させ、第1の塔頂物流と第1の塔底物流に分離させる。様々なフラッシャーが当業者に公知であり、本明細書に記載の分離が達成される限り、任意の適切なフラッシャーを使用することができる。一部の実施形態では、フラッシャー内の分離は、供給流を加熱することなく、圧力、例えば、断熱フラッシュを低減させることによって引き起こすことができる。他の実施形態では、フラッシャー内の分離は、圧力を変えることなく供給流の温度を上昇させることによって引き起こすことができる。さらに他の実施形態では、フラッシャー内の分離は、供給流を加熱しながら圧力を低減させることによって引き起こすことができる。一部の実施形態では、第1の分離工程は、拭き取り膜蒸発器(WFE)によって達成される。
[0080]一部の実施形態では、第1の分離工程は、減圧下、例えば、真空下で、フラッシュ蒸発器内の供給流を分離することを含む。一部の実施形態では、フラッシュ蒸発器内の圧力は、25トル未満、例えば、20トル未満、10トル未満、または5トル未満に低減される。
[0081]一部の実施形態では、第1の分離工程のフラッシュ容器は一定の温度に保たれる。一部の実施形態では、フラッシュ容器の温度は、175℃~235℃、例えば、180℃~230℃、185℃~225℃、または190℃~220℃であってもよい。
[0082]第1の塔底物流は、高沸点成分(重質分)を含む。第1の塔底物流に存在し得る重質分の例としては、トリシアノヘキサンの異性体、トリス(2-シアノエチル)アミン、他の副産物、およびこれらの組み合わせを挙げることができる。一実施形態では、第1の分離工程は、フラッシャーを含み、第1の塔底物流は、トリシアノヘキサンの異性体およびトリス(2-シアノエチル)アミンを含む。
[0083]第1の塔底物流は、また固体不純物を含む。一実施形態では、第1の分離工程は、供給流から固体不純物をすべて(すなわち100%)除去する。別の言い方をすれば、この実施形態では、第1の塔頂物流は、0wt.%の固体不純物を含む。他の実施形態では、第1の分離工程は、100%未満、例えば、99.9%未満、99%未満、98%未満の固体不純物を除去することができる。
[0084]第1の塔頂物流は、重質分と軽質分を含む。いくつかの場合には、副産物のうちの一部が軽質分であり、副産物のうちの他のものは重質分である。第1の塔頂物流はさらにTCHを含む。第1の分離工程は、いくつかの場合には、供給流から重質分のすべてを除去するとは限らない。また、ある重質分は第1の塔頂物流(いくつかの軽質分とともに)に残留する可能性がある。一部の実施形態では、第1の塔頂物流の副産物重質分は、得られるシアノカーボン組成物中の副産物重質分の存在の一因となる。別の言い方をすれば、シアノカーボン組成物中に(本明細書に記載の特定の量で)存在する副産物は、少なくとも部分的に、第1の塔頂物流中に存在する可能性がある。
[0085]一部の実施形態では、第1の塔頂物流は、供給流の濃度よりも高い濃度のTCHを含む。一実施形態では、第1の塔頂物流は、60wt.%~98wt.%、例えば、60wt.%~97wt.%、60wt.%~96wt.%、60wt.%~95wt.%、65wt.%~98wt.%、65wt.%~97wt.%、65wt.%~96wt.%、65wt.%~95wt.%、70wt.%~98wt.%、70wt.%~97wt.%、70wt.%~96wt.%、70wt.%~95wt.%、75wt.%~98wt.%、75wt.%~97wt.%、75wt.%~96wt.%、または75wt.%~95wt.%の範囲の量のTCHを含む。上限に関して、第1の塔頂物流は、98wt.%未満、例えば、97wt.%未満、96wt.%未満、または95wt.%未満のTCHを含んでもよい。下限に関して、第1の塔頂物流は、60wt.%を超える、例えば、65wt.%を超える、70wt.%を超える、または75wt.%を超えるTCHを含んでもよい。
[0086]一実施形態では、第1の塔頂物流は、0wt.%~30wt.%、例えば、0wt.%~25wt.%、0wt.%~20wt.%、0wt.%~15wt.%、0wt.%~10wt.%、1wt.%~30wt.%、1wt.%~25wt.%、1wt.%~20wt.%、1wt.%~15wt.%、1wt.%~10wt.%、2wt.%~30wt.%、2wt.%~25wt.%、2wt.%~20wt.%、2wt.%~15wt.%、2wt.%~10wt.%、3wt.%~30wt.%、3wt.%~25wt.%、3wt.%~20wt.%、3wt.%~15wt.%、3wt.%~10wt.%、4wt.%~30wt.%、4wt.%~25wt.%、4wt.%~20wt.%、4wt.%~15wt.%、4wt.%~10wt.%、5wt.%~30wt.%、5wt.%~25wt.%、5wt.%~20wt.%、5wt.%~15wt.%、または5wt.%~10wt.%の範囲の量の軽質分を含む。上限に関して、第1の塔頂物流は、30wt.%未満、例えば、25wt.%未満、20wt.%未満、15wt.%未満、または10wt.%未満の軽質分を含んでもよい。下限に関して、第1の塔頂物流は、0wt.%を超える、例えば、1wt.%を超える、2wt.%を超える、3wt.%を超える、4wt.%を超える、または5wt.%を超える軽質分を含んでもよい。
[0087]一実施形態では、第1の塔頂物流は、0wt.%~20wt.%、例えば、0wt.%~15wt.%、0wt.%~10wt.%、0wt.%~8wt.%、0wt.%~5wt.%、0.5wt.%~20wt.%、0.5wt.%~15wt.%、0.5wt.%~10wt.%、0.5wt.%~8wt.%、0.5wt.%~5wt.%、1wt.%~20wt.%、1wt.%~15wt.%、1wt.%~10wt.%、1wt.%~8wt.%、1wt.%~5wt.%、1.5wt.%~20wt.%、1.5wt.%~15wt.%、1.5wt.%~10wt.%、1.5wt.%~8wt.%、1.5wt.%~5wt.%、2wt.%~20wt.%、2wt.%~15wt.%、2wt.%~10wt.%、2wt.%~8wt.%、2wt.%~5wt.%、2.5wt.%~20wt.%、2.5wt.%~15wt.%、2.5wt.%~10wt.%、2.5wt.%~8wt.%、または2.5wt.%~5wt.%の範囲の量の重質分を含む。上限に関して、第1の塔頂物流は、20wt.%未満、例えば、15wt.%未満、10wt.%未満、8wt.%未満、または5wt.%未満の重質分を含んでもよい。下限に関して、第1の塔頂物流は、0wt.%を超える、例えば、0.5wt.%を超える、1wt.%を超える、1.5wt.%を超える、2wt.%を超える、または2.5wt.%を超える重質分を含んでもよい。
[0088]いくつかの場合には、第1の分離工程が、供給流から重質分の有意な部分を除去する。一部の実施形態では、第1の塔頂物流は、供給流に存在する70%未満、例えば、65%未満、60%未満、55%未満、または50%未満の重質分を含む。
第2の分離工程
[0089]上記のように、第1の塔頂物流は第2の分離工程でさらに精製される。特に、第1の塔頂物流は、第2の分離工程で分離されて、軽質分(低沸点成分)を含む軽質分流と、重質分(高沸点成分)を含む重質分流と、TCHを含むTCH流とを形成する。第1の分離工程では、いくつかの場合には、第1の塔頂物流に存在する低沸点成分と高沸点成分の有意な部分(すべてではないにしても)が除去される。第2の分離工程で供給流の滞留時間は、本明細書で論じられるように、短い滞留時間とすることができる。
[0090]軽質分流は、軽質分、例えば、比較的低い沸点を有する上記の不純物を含む。一実施形態では、軽質分流は、10wt.%~60wt.%、例えば、10wt.%~55wt.%、10wt.%~45wt.%、10wt.%~40wt.%、10wt.%~35wt.%、15wt.%~60wt.%、15wt.%~55wt.%、15wt.%~45wt.%、15wt.%~40wt.%、15wt.%~35wt.%、20wt.%~60wt.%、20wt.%~55wt.%、20wt.%~45wt.%、20wt.%~40wt.%、20wt.%~35wt.%、25wt.%~60wt.%、25wt.%~55wt.%、25wt.%~45wt.%、25wt.%~40wt.%、25wt.%~35wt.%、30wt.%~60wt.%、30wt.%~55wt.%、30wt.%~45wt.%、30wt.%~40wt.%、または30wt.%~35wt.%の範囲の量の低沸点成分を含む。一部の実施形態では、軽質分流は、10wt.%~30wt.%、例えば、10wt.%~25wt.%、10wt.%~20wt.%、または10wt.%~15wt.%の低沸点成分を含む。上限に関して、軽質分流は、60wt.%未満、例えば、55wt.%未満、45wt.%未満、40wt.%未満、または35wt.%未満の低沸点成分を含んでもよい。下限に関して、軽質分流は、10wt.%を超える、例えば、15wt.%を超える、20wt.%を超える、25wt.%を超える、または30wt.%を超える低沸点成分を含んでもよい。
[0091]重質分流は、高沸点成分(重質分)を含む。一実施形態では、重質分流は、5wt.%~50wt.%、例えば、5wt.%~45wt.%、5wt.%~40wt.%、5wt.%~35wt.%、5wt.%~30wt.%、8wt.%~50wt.%、8wt.%~45wt.%、8wt.%~40wt.%、8wt.%~35wt.%、8wt.%~30wt.%、10wt.%~50wt.%、10wt.%~45wt.%、10wt.%~40wt.%、10wt.%~35wt.%、10wt.%~30wt.%、12wt.%~50wt.%、12wt.%~45wt.%,12wt.%~40wt.%、12wt.%~35wt.%、12wt.%~30wt.%、15wt.%~50wt.%、15wt.%~45wt.%、15wt.%~40wt.%、15wt.%~35wt.%、または15wt.%~30wt.%の範囲の量の高沸点成分を含む。一部の実施形態では、重質分流は、5wt.%~30wt.%、例えば、5wt.%~25wt.%、5wt.%~20wt.%、または5wt.%~15wt.%の高沸点成分を含む。上限に関して、重質分流は、50wt.%未満、例えば、45wt.%未満、40wt.%未満、35wt.%未満、または30wt.%未満の高沸点成分を含んでもよい。下限に関して、重質分流は、5wt.%を超える、例えば、8wt.%を超える、10wt.%を超える、12wt.%を超える、または15wt.%を超える高沸点成分を含んでもよい。
[0092]TCH流は、TCHを含む。一実施形態では、TCH流は、90wt.%~100wt.%、例えば、90wt.%~99.9wt.%、90wt.%~99wt.%、90wt.%~98wt.%、92.5wt.%~100wt.%、92.5wt.%~99.9wt.%、92.5wt.%~99wt.%、92.5~98wt.%、95wt.%~100wt.%、95wt.%~99.9wt.%、95wt.%~99wt.%、95~98wt.%、97.5wt.%~100wt.%、97.5wt.%~99.9wt.%、97.5~99wt.%、または97.5~98wt.%の範囲の量のTCHを含む。上限に関して、TCH流は、100wt.%未満、例えば、99.9wt.%未満、99wt.%未満、または98wt.%未満のTCHを含んでもよい。下限に関して、TCH流は、90wt.%を超える、例えば、92.5wt.%を超える、95wt.%を超える、または97.5wt.%を超えるTCHを含んでもよい。従来の方法では、このような高いTCH純度レベルを達成することはできなかった
[0093]これらのTCH精製方法は、本明細書で論じられるように、高純度のTCH流、例えば、シアノカーボン組成物を生成する。それにもかかわらず、TCH流は、まだいくつかの副産物を含む可能性がある。一般に、これらの副産物は、比較的少量、例えば、本明細書に開示された量で存在する。前に論じたように、これらのTCH/副産物のシアノカーボン組成物は、本明細書で論じられる相乗的な性能の特徴を示している。
[0094]TCH流中に存在する副産物は、典型的には前述のニトリル化合物であり、場合によりアミドおよび/またはオキシム官能基をさらに有してもよい。TCH流中に存在し得る不純物の例としては、アジポニトリル、ジ(2-シアノエチル)アミン、ジ(2-シアノエチル)プロピルアミン、トリス(2-シアノエチル)アミン、シアノバレルアミド、本明細書に開示された他の副産物、またはこれらの組み合わせを挙げることができる。
[0095]TCH流はまた、少量の他の高沸点および/または低沸点不純物を含む可能性がある。低純度の従来のTCH製品に存在する他の様々な不純物とは異なり、これらの不純物は通常、ニトリル化合物である。したがって、これらは、TCH製品の最終的な性能を改善する可能性がある。さらに、TCH流中の不純物の存在は、開示された精製方法、例えば、本開示の実施形態によって形成されたTCH生成物を識別する手段のための指紋を提供することができる。
[0096]一実施形態では、TCH流は、0wt.%~10wt.%、例えば、0wt.%~7.5wt.%、0wt.%~5wt.%、0wt.%~2.5wt.%、0.1wt.%~10wt.%、0.1wt.%~7.5wt.%、0.1wt.%~5wt.%、0.1wt.%~2.5wt.%、1wt.%~10wt.%、1wt.%~7.5wt.%、1wt.%~5wt.%、1wt.%~2.5wt.%、2wt.%~10wt.%、2wt.%~7.5wt.%、2wt.%~5wt.%、または2wt.%~2.5wt.%の範囲の量の不純物を含む。一部の実施形態では、TCH流は、0wt.%~2.5wt.%、例えば、0wt.%~2wt.%、0wt.%~1.5wt.%、0wt.%~1wt.%、0.5wt.%~2.5wt.%、0.5wt.%~2wt.%、0wt.%~1.5wt.%、または0wt.%~1wt.%の不純物を含む。上限に関して、TCH流は、10wt.%未満、例えば、7.5wt.%未満、5wt.%未満、または2.5wt.%未満の不純物を含んでもよい。下限に関して、TCH流は、0wt.%を超える、例えば、0.1wt.%を超える、1wt.%を超える、または2wt.%を超える不純物を含んでもよい。
[0097]一実施形態では、TCH流は、0wt.%~0.05wt.%のアジポニトリル、0wt.%~0.1wt.%のジ(2-シアノエチル)アミン、0wt.%~0.05wt.%のシアノバレルアミド、および0wt.%~0.05wt.%のトリス(2-シアノエチル)アミンを含む。一実施形態では、TCH流は、0wt.%~0.01wt.%のアジポニトリル、0wt.%~0.01wt.%の低沸点成分、および0wt.%~1wt.%の高沸点成分を含む。
[0098]第2の分離工程は、1つもしくは複数の蒸留カラムおよび/または1つもしくは複数のフラッシュ蒸発器における第1の塔頂物流の分離を含んでもよい。1つまたは複数の蒸留カラムの構造は、大きく変動してもよい。様々な蒸留カラムが当業者に公知であり、本明細書に記載の分離が達成される限り、いかなる適切なカラムも第2の分離工程で使用することができる。例えば、蒸留カラムは、いかなる適切な分離装置または分離装置の組み合わせも含むことができる。例えば、蒸留カラムは、カラム、例えば、標準蒸留カラム、抽出蒸留カラムおよび/または共沸蒸留カラムを含んでもよい。同様に、上記のように、様々なフラッシャーが当業者に公知であり、本明細書に記載の分離が達成される限り、いかなる適切なフラッシャーも第2の分離工程で使用することができる。例えば、フラッシャーは断熱型フラッシュ蒸発器、加熱型フラッシュ蒸発器、もしくは拭き取り膜蒸発器、またはこれらの組み合わせを含んでもよい。
[0099]例えば、図1では、第2の工程はカラム105とカラム108の組み合わせによって達成される。流れ106は、軽質分(低沸点成分)を含む軽質分流を表わし、流れ109は、重質分(高沸点成分)を含む重質分流を表わし、また流れ110は、TCHおよび前述の副産物を含むTCH流を表わす。
[0100]第2の分離工程の実施形態は、1つもしくは複数の蒸留カラムおよび/または1つもしくは複数のフラッシャーのいかなる組み合わせも含むことができ、当業者であれば、軽質分流、重質分流、およびTCH流を形成する分離を達成するためのこれらの分離器をどのように組み合わせたらよいかを評価し、理解するはずである。
[0101]一部の実施形態では、第2の分離工程は、2つの蒸留カラムにおいて第1の塔頂物流の分離を含む。例えば、第1の塔頂物流は、第1の蒸留カラムで蒸留されて、第2の塔頂物流、第2の塔底物流、および/または側面引き抜きを形成することができる。次いで、第2の塔底物流および/または側面引き抜きを第2の蒸留カラムで蒸留して、TCH流を生成することができる。
[0102]一部の実施形態では、第2の分離工程は、3つの蒸留カラムにおける第1の塔頂物流の分離を含む。例えば、第1の塔頂物流は、第1の蒸留カラムで蒸留されて、第2の塔頂物流、第2の塔底物流、および/または側面引き抜きを形成することができる。次いで、第2の塔底物流および/または側面引き抜きを第2の蒸留カラムで蒸留して、第3の塔頂物流および第3の塔底物流を生成することができる。次いで、第3の塔頂物流を第3の蒸留カラムで蒸留して、TCH流を生成することができる。
構成
[0103]図1~5は、本明細書に開示されたTCH精製方法のいくつかの構成の概略的な概要を示す。
[0104]図1は、TCH精製方法100の一実施形態を示す。この実施形態では、アジポニトリルプロセス流101は、フラッシュ蒸発器102において分離されて、第1の塔頂物流103および第1の塔底物流104を形成する。次いで、第1の塔頂物流103は、第1の蒸留カラム105において分離されて、第2の塔頂物流106としての軽質分流と、第2の塔底物流107とを形成する。次いで、第2の塔底物流は、第2の蒸留カラム108において分離されて、第3の塔底物流109としての重質分流と、第3の塔頂物流110としてのTCH流とを形成する。この実施形態はまた、任意選択のリサイクル工程111を特徴とし、それにより、第3の塔底物流109の一部が、第1の塔頂物流103および/または第2の塔底物流107にリサイクルされる。
[0105]図2は、TCH精製方法200の別の実施形態を示す。この実施形態では、アジポニトリルプロセス流201は、フラッシュ蒸発器202において分離されて、第1の塔頂物流203および第1の塔底物流204を形成する。次いで、第1の塔頂物流203は、第1の蒸留カラム205において分離されて、第2の塔頂物流206としての軽質分流、第2の塔底物流207、および側面引き抜き208を形成する。次いで、側面引き抜き208は、フラッシャー209において分離されて、第3の塔底物流210および第3の塔頂物流211としてTCH流を形成する。
[0106]図3は、TCH精製方法300の別の実施形態を示す。この実施形態では、アジポニトリルプロセス流301は、フラッシュ蒸発器302において分離されて、第1の塔頂物流303および第1の塔底物流304を形成する。次いで、第1の塔頂物流303は、第1の蒸留カラム305において分離されて、第2の塔頂物流306としての軽質分流および第2の塔底物流307を形成する。次いで、第2の塔底物流307は、第2の蒸留カラム308において分離されて、第3の塔底物流309としての重質分流および第3の塔頂物の、または留出物の、流れ310を形成する。次いで、第3の塔頂物流310は、第3の蒸留カラム311において分離されて、第4の塔頂物流312と、第4の塔底物流313としてのTCH流とを形成する。
[0107]図4は、TCH精製方法400の別の実施形態を示す。この実施形態では、アジポニトリルプロセス流401は、フラッシュ蒸発器402において分離されて、第1の塔頂物流403および第1の塔底物流404を形成する。次いで、第1の塔頂物流403は、第1の蒸留カラム405において分離されて、第2の塔頂物流406としての軽質分流および第2の塔底物流407を形成する。次に、第2の塔底物流407は、第2の蒸留カラム408において分離されて、第3の塔底物流409としての重質分流および第3の塔頂物の、または留出物の、流れ410を形成する。次いで、第3の塔頂物流410は、フラッシャー411において分離されて、第4の塔頂物流412と、第4の塔底物流413としてのTCH流とを形成する。
[0108]図5は、TCH精製方法500の別の実施形態を示す。この実施形態では、アジポニトリルプロセス流501は、フラッシュ蒸発器502において分離されて、第1の塔頂物流503および第1の塔底物流504を形成する。次いで、第1の塔頂物流503は、第1の蒸留カラム505において分離されて、第2の塔頂物流506としての軽質分流および第2の塔底物流507を形成する。次いで、第2の塔底物流507は、第2の蒸留カラム508において分離されて、第3の塔底物流509としての重質分流と、第3の塔頂物流510としてのTCH流とを形成する。この実施形態はまた、任意選択のリサイクル工程511を特徴とし、それにより、第3の塔底物流509の一部が、第1の塔頂物流503および/または第2の塔底物流507にリサイクルされる。この実施形態はまた、処理工程512を特徴とし、それにより、TCH流510は、さらなる処理に供され精製されたTCH流513を生成する。
[0109]シアノカーボン組成物の例を、EHD反応プロセス流の派生物である供給流を分離することによって調製した。供給流を、図1に詳述したスキームで分離した(蒸発器102として拭き取り膜蒸発器を使用する)。
[0110]シアノカーボン組成物をガスクロマトグラフで分析し、クロマトグラムに基づいて成分の濃度範囲を推定した。結果を、表1Aおよび1Bに示す。
Figure 2023502475000011
Figure 2023502475000012
[0111]有益なことに、実施例1~8のシアノカーボン組成物は、バッテリーの製造に利用された。有利なことに、副産物とTCHの組み合わせは、形成工程中に電極(カソード)と相互作用して、堅牢なカソード電解質界面層を生じさせることが見出され、例えば、動作中の劣化が著しく減少した。さらに、実施例1~8は、前述の副産物を含まない従来のシアノカーボン組成物よりも吸湿性が高いことが分かった。さらに、実施例1~8は、組成インジケーターとして特に有用であることが分かった。これらは、生産用途、例えば、電解質溶液で使用された場合に、シアノカーボン組成物の分析を改善する分析ツール、例えば、化学的指紋として有効であった。
実施形態
[0112]以下で使用されるように、一連の実施形態への参照は、それらの実施形態のそれぞれを分離して参照するものとして理解されるべきである(例えば、「実施形態1~4」は、「実施形態1、2、3、または4」として理解されるべきである)。
[0113]実施形態1は、トリシアノヘキサンと、トリシアノヘキサンの異性体とを含むシアノカーボン組成物であって、異性体に対するトリシアノヘキサンの重量比が少なくとも5:1である、シアノカーボン組成である。
[0114]実施形態2は、少なくとも85wt.%のトリシアノヘキサンと、1wppb~1wt.%の、化学式CxH2x 2(CN)4(式中、xは5~10である)を有するテトラシアノ化合物とを含むシアノカーボン組成物である。
[0115]実施形態3は、少なくとも85wt.%のトリシアノヘキサンと、1wppb~1wt.%のトリシアノアルケンとを含むシアノカーボン組成物である。
[0116]実施形態4は、少なくとも85wt.%のトリシアノヘキサンと、1wppb~1wt.%の(シアノエチル)アミンとを含むシアノカーボン組成物である。
[0117]実施形態5は、少なくとも85wt.%のトリシアノヘキサンと、1wppb~1wt.%の以下の化学構造
Figure 2023502475000013
(式中、aは0~3であり、bは1~3であり、cは1~4である)
を有するシアノオキシムとを含むシアノカーボン組成物である。
[0118]実施形態6は、少なくとも85wt.%のトリシアノヘキサンと、1wppb~1wt.%の以下の化学構造
Figure 2023502475000014
(式中、aは1~3であり、bは1~4である)
を有するシアノ化合物とを含むシアノカーボン組成物である。
[0119]実施形態7は、少なくとも85wt.%のトリシアノヘキサンと、化学式CxH2x-2(CN)4を有する第1のシアノ化合物と、化学式C6H11(CN)2(CNOH)を有する第2のシアノ化合物と、化学式CxH2x-3(CN)2(CNOH)(式中、xは独立して5~10である)を有する第3のシアノ化合物とを含むシアノカーボン組成物であって、第2のシアノ化合物に対する第1のシアノ化合物の重量比が1未満であり、第2のシアノ化合物に対する第2のシアノ化合物の重量比が1を超える、シアノカーボン組成物である。
[0120]実施形態8は、トリシアノヘキサンと、145~180amuの範囲の分子量を有するトリシアノヘキサン副産物とを含むシアノカーボン組成物である。
[0121]実施形態9は、トリシアノヘキサンと、トリシアノヘキサンの異性体、シアノエチルアミン、トリシアノヘキサンのオキシム、トリシアノヘキサンのアミド、テトラシアノアルカン、またはこれらの組み合わせを含むその場で形成された副産物とを含むシアノカーボン組成物である。一部の態様では、シアノカーボン組成物は、少なくとも92wt.%のトリシアノヘキサン、好ましくは少なくとも95wt.%のトリシアノヘキサンを含む。
[0122]実施形態11は、トリシアノヘキサンの異性体が、1,2,3-トリシアノヘキサン、1,2,6-トリシアノヘキサン、1,3,4-トリシアノヘキサン、1,3,5-トリシアノヘキサン、1,3,6-トリシアノヘキサン、1,4,5-トリシアノヘキサン、もしくは2,3,5-トリシアノヘキサン、またはこれらの組み合わせを含む、上記の実施形態のいずれかの実施形態である。
[0123]実施形態12は、シアノエチルアミンが、トリス(シアノエチル)アミンを含む、上記の実施形態のいずれかの実施形態である。
[0124]実施形態13は、シアノカーボン組成物が0.1wt.%未満のトリシアノヘキサンの異性体を含む、上記の実施形態のいずれかの実施形態である。
[0125]実施形態14は、シアノカーボン組成物が0.1wt.%未満のテトラシアノアルカンを含む、上記の実施形態のいずれかの実施形態である。
[0126]実施形態15は、シアノカーボン組成物が0.1wt.%未満のトリシアノアルケンを含む、上記の実施形態のいずれかの実施形態である。
[0127]実施形態16は、シアノカーボン組成物が0.1wt.%未満のトリス(シアノエチル)アミンを含む、上記の実施形態のいずれかの実施形態である。
[0128]実施形態17は、シアノカーボン組成物が0.1wt.%未満のシアノオキシムを含む、上記の実施形態のいずれかの実施形態である。
[0129]実施形態18は、シアノカーボン組成物が145~180amuの範囲の分子量を有する0.1wt.%未満のトリシアノヘキサン副産物を含む、上記の実施形態のいずれかの実施形態である。
[0130]実施形態19は、シアノカーボン組成物が0.1wt.%未満のその場で形成された副産物を含む、上記の実施形態のいずれかの実施形態である。
[0131]実施形態20は、トリシアノヘキサンと、1wppb~10wt.%のトリシアノヘキサン副産物とを含むシアノカーボン組成物である。
[0132]実施形態21は、トリシアノヘキサン副産物がトリシアノヘキサンの異性体を含む、上記の実施形態のいずれかの実施形態である。
[0133]実施形態22は、異性体に対するトリシアノヘキサンの重量比が少なくとも5:1である、上記の実施形態のいずれかの実施形態である。
[0134]実施形態23は、トリシアノヘキサンの異性体が、1,2,3-トリシアノヘキサン、1,2,6-トリシアノヘキサン、1,3,4-トリシアノヘキサン、1,3,5-トリシアノヘキサン、1,3,6-トリシアノヘキサン、1,4,5-トリシアノヘキサン、もしくは2,3,5-トリシアノヘキサン、またはこれらの組み合わせを含む、上記の実施形態のいずれかの実施形態である。
[0135]実施形態24は、トリシアノヘキサン副産物が、化学式C2x-2(CN)(式中、xは5~10である)を有するテトラシアノ化合物を含む、上記の実施形態のいずれかの実施形態である。
[0136]実施形態25は、組成物が1wppm~10wt.%のトリシアノヘキサン副産物を含む、上記の実施形態のいずれかの実施形態である。
[0137]実施形態26は、トリシアノヘキサン副産物がトリシアノアルケンを含む、上記の実施形態のいずれかの実施形態である。
[0138]実施形態27は、トリシアノヘキサン副産物が(シアノエチル)アミンを含む、上記の実施形態のいずれかの実施形態である。
[0139]実施形態28は、シアノエチルアミンがトリス(シアノエチル)アミンを含む、上記の実施形態のいずれかの実施形態である。
[0140]実施形態29は、トリシアノヘキサン副産物がアジポニトリルを含む、上記の実施形態のいずれかの実施形態である。
[0141]実施形態30は、トリシアノヘキサン副産物が以下の化学構造
Figure 2023502475000015
(式中、aは0~3であり、bは1~3であり、cは1~4である)
を有するシアノオキシムを含む、上記の実施形態のいずれかの実施形態である。
[0142]実施形態31は、トリシアノヘキサン副産物が以下の化学構造
Figure 2023502475000016
(式中、aは1~3であり、bは1~4である)
を有するシアノ化合物を含む、上記の実施形態のいずれかの実施形態である。
[0143]実施形態32は、トリシアノヘキサン副産物が105amu~215amuの範囲の分子量を有する、上記の実施形態のいずれかの実施形態である。
[0144]実施形態33は、シアノカーボン組成物が少なくとも92wt.%のトリシアノヘキサンを含む、上記の実施形態のいずれかの実施形態である。
[0145]実施形態34は、シアノカーボン組成物が少なくとも92wt.%のトリシアノヘキサンと、0.1wt.%~10wt.%のトリシアノヘキサンの異性体であって、この異性体に対するトリシアノヘキサンの重量比が少なくとも5:1であるトリシアノヘキサンの異性体と、500ppm~1wt.%のアジポニトリルとを含む、上記の実施形態のいずれかの実施形態である。
[0146]実施形態35は、シアノカーボン組成物が少なくとも92wt.%のトリシアノヘキサンと、0.5wt.%~7wt.%のトリシアノヘキサンの異性体と、0.05ppm~2wt.%のテトラシアノ化合物とを含む、上記の実施形態のいずれかの実施形態である。
[0147]実施形態36は、
少なくとも85wt.%のトリシアノヘキサンと、
化学式C2x-2(CN)を有する第1のシアノ化合物と、
化学式C11(CN)(CNOH)を有する第2のシアノ化合物と、
化学式C2x-3(CN)(CNOH)(式中、xは独立して5~10である)を有する第3のシアノ化合物と
を含むシアノカーボン組成物であって、
第2のシアノ化合物に対する第1のシアノ化合物の重量比が1未満であり、
第2のシアノ化合物に対する第2のシアノ化合物の重量比が1を超える、
シアノカーボン組成物である。
[0148]実施形態37は、
トリシアノヘキサンと、
トリシアノヘキサンの異性体、シアノエチルアミン、トリシアノヘキサンのオキシム、トリシアノヘキサンのアミド、もしくはテトラシアノアルカン、またはこれらの組み合わせを含むその場で形成された副産物と
を含むシアノカーボン組成物である。
[0149]実施形態38は、組成物が105amu~215amuの範囲の分子量を有する0.1wt.%未満のトリシアノヘキサン副産物を含む、上記の実施形態のいずれかの実施形態である。
[0150]実施形態39は、組成物が少なくとも92wt.%のトリシアノヘキサンと、0.5wt.%~7wt.%のトリシアノヘキサンの異性体と、0.05ppm~2wt.%のテトラシアノ化合物とを含み、トリシアノヘキサンの異性体およびテトラシアノ化合物がその場で形成される、上記の実施形態のいずれかの実施形態である。

Claims (20)

  1. トリシアノヘキサンと、
    1wppb~10wt.%のトリシアノヘキサン副産物と
    を含む、シアノカーボン組成物。
  2. トリシアノヘキサン副産物がトリシアノヘキサンの異性体を含む、請求項1に記載のシアノカーボン組成物。
  3. 異性体に対するトリシアノヘキサンの重量比が少なくとも5:1である、請求項2に記載のシアノカーボン組成物。
  4. トリシアノヘキサンの異性体が、1,2,3-トリシアノヘキサン、1,2,6-トリシアノヘキサン、1,3,4-トリシアノヘキサン、1,3,5-トリシアノヘキサン、1,3,6-トリシアノヘキサン、1,4,5-トリシアノヘキサン、もしくは2,3,5-トリシアノヘキサン、またはこれらの組み合わせを含む、請求項2に記載のシアノカーボン組成物。
  5. トリシアノヘキサン副産物が化学式C2x-2(CN)(式中、xは5~10である)を有するテトラシアノ化合物を含む、請求項1に記載のシアノカーボン組成物。
  6. 組成物が1wppm~10wt.%のトリシアノヘキサン副産物を含む、請求項5に記載のシアノカーボン組成物。
  7. トリシアノヘキサン副産物がトリシアノアルケンを含む、請求項1に記載のシアノカーボン組成物。
  8. トリシアノヘキサン副産物が(シアノエチル)アミンを含む、請求項1に記載のシアノカーボン組成物。
  9. シアノエチルアミンがトリス(シアノエチル)アミンを含む、請求項8に記載のシアノカーボン組成物。
  10. トリシアノヘキサン副産物がアジポニトリルを含む、請求項1に記載のシアノカーボン組成物。
  11. トリシアノヘキサン副産物が以下の化学構造
    Figure 2023502475000017
    (式中、aは0~3であり、bは1~3であり、cは1~4である)
    を有するシアノオキシムを含む、請求項1に記載のシアノカーボン組成物。
  12. トリシアノヘキサン副産物が以下の化学構造
    Figure 2023502475000018
    (式中、aは1~3であり、bは1~4である)
    を有するシアノ化合物を含む、請求項1に記載のシアノカーボン組成物。
  13. トリシアノヘキサン副産物が105amu~215amuの範囲の分子量を有する、請求項1に記載のシアノカーボン組成物。
  14. シアノカーボン組成物が少なくとも92wt.%のトリシアノヘキサンを含む、請求項1に記載のシアノカーボン組成物。
  15. シアノカーボン組成物が少なくとも92wt.%のトリシアノヘキサンと、0.1wt.%~10wt.%のトリシアノヘキサンの異性体であって、この異性体に対するトリシアノヘキサンの重量比が少なくとも5:1であるトリシアノヘキサンの異性体と、500ppm~1wt.%のアジポニトリルとを含む、請求項1に記載のシアノカーボン組成物。
  16. シアノカーボン組成物が少なくとも92wt.%のトリシアノヘキサンと、0.5wt.%~7wt.%のトリシアノヘキサンの異性体と、0.05ppm~2wt.%のテトラシアノ化合物とを含む、請求項1に記載のシアノカーボン組成物。
  17. 少なくとも85wt.%のトリシアノヘキサンと、
    化学式C2x-2(CN)を有する第1のシアノ化合物と、
    化学式C11(CN)(CNOH)を有する第2のシアノ化合物と、
    化学式C2x-3(CN)(CNOH)(式中、xは独立して5~10である)を有する第3のシアノ化合物と
    を含むシアノカーボン組成物であって、
    第2のシアノ化合物に対する第1のシアノ化合物の重量比が1未満であり、
    第2のシアノ化合物に対する第2のシアノ化合物の重量比が1を超える、
    シアノカーボン組成物。
  18. トリシアノヘキサンと、
    トリシアノヘキサンの異性体、シアノエチルアミン、トリシアノヘキサンのオキシム、トリシアノヘキサンのアミド、もしくはテトラシアノアルカン、またはこれらの組み合わせを含むその場で形成された副産物と
    を含むシアノカーボン組成物。
  19. 組成物が105amu~215amuの範囲の分子量を有する0.1wt.%未満のトリシアノヘキサン副産物を含む、請求項18に記載のシアノカーボン組成物。
  20. 組成物が少なくとも92wt.%のトリシアノヘキサンと、0.5wt.%~7wt.%のトリシアノヘキサンの異性体と、0.05ppm~2wt.%のテトラシアノ化合物とを含み、トリシアノヘキサンの異性体およびテトラシアノ化合物がその場で形成される、請求項18に記載のシアノカーボン組成物。
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