JP2023500039A - 強化された表面を備えるフォースフィットアイカニューレ - Google Patents

強化された表面を備えるフォースフィットアイカニューレ Download PDF

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Abstract

物理的安全性を改良するための強化された摩擦面を備えたカニューレ。強化された表面は、列又はリブを備えた独特の形態のものであり得る。リブは、連続的又は個別の突起であり得る。それらは水平又はねじ状のものであり得る。ねじ状のリブの一実施形態では、カニューレの配置及び除去中の回転を使用することができる。

Description

優先権の主張
本出願は、発明者がNiels Alexander Abtである、2019年11月1日に出願された「FORCE FIT EYE CANNULA WITH AUGMENTED SURFACE」と題する米国仮特許出願第62/929,229号の優先権の利益を主張するものであり、その全体は参照により、本明細書に十分且つ完全に記載されているかのように組み込まれる。
長年にわたって、眼科手術の分野において多くの劇的な進歩が起こってきた。より一般的な眼科手術の処置の1つは、硝子体切除術である。硝子体切除術は、患者の眼から硝子体液の一部又は全部を除去することである。濁った硝子体液の除去に限定された手術の場合、場合によっては、硝子体切除術が処置の大半を占める可能性がある。しかし、硝子体切除術は、白内障手術、網膜修復手術、黄斑ひだ形成症又は多くの他の問題に対処する手術を伴う可能性がある。
詳細に関係なく、ほとんどの眼科手術では通常、いくつかの異なる切開が必要になる。例えば、手術を照らすための照明器具へのアクセスを提供するために、1つの切開を行う場合がある。硝子体切除プローブ又は他の外科用器具のために別の切開を行う場合がある。硝子体切除術の特定の場合において、更に別の対応する切開を使用して、注入液を供給し、硝子体切除プローブを介して引き抜かれた硝子体液に照らして眼内の適切なバランスを維持することができる。
これらの切開のそれぞれについて、カニューレ及びトロカールアセンブリを使用して切開を行い、その後、対応するツールをサポートすることができる。すなわち、アセンブリを使用して、適切な位置で眼を穿刺し、切開を形成することができる。次に、中央に配置された内部トロカールをアセンブリから除去して、患者の眼へのサポートポートとして機能する管状カニューレを残すことができる。
現代の眼科手術の場合、1つの追及される利点は、これらの切開が最終的に「縫合なし」になることである。すなわち、処置に続いて、カニューレを除去すると、残る傷が非常に小さいので縫合を必要とせずに治癒する可能性がある。実際問題として、これは、一般に外径が1ミリメートルよりも小さく、管腔又は内径が更に小さいカニューレをもたらした。最新の手術器具も同様に、処置用のカニューレに合わせてフィットするように設計されている。これらの方向に沿って、硝子体切除プローブの端が「針」と呼ばれるという事実に留意されたい。実際に、寸法の点では、それは皮下注射器に非常に似ている。
カニューレの傷が縫合なしのままである可能性を更に高めるために、追加の外科的技術が一般的に使用される。この技術は、カニューレとトロカールアセンブリを眼に垂直に真っ直ぐではなく斜めに挿入することを含む。手術後、この角度を付けたアプローチは、組織がある程度自己密封することを可能にする、より大きな治癒表面界面を残す。
角度を付けたカニューレが配置され、トロカールが除去されると、外科医はカニューレをより垂直な位置に再配置することができる。外科医が前述のようにカニューレを手動で再配置すると、カニューレが眼から外れる可能性が高くなる場合がある。これが発生した場合、外科医はカニューレを交換する必要があり、患者は手術のためにもう1つの傷を負う可能性がある。
カニューレが外れる可能性を減らすために、一部のカニューレはタブ又はこぶ機能を備えて製造されている。これは、外科医がアクセスできるカニューレのポート端の下の位置でカニューレの外面から現れる隆起のような突起である。理論的には、このこぶと拡大された外径のポート構造との間の目の構造は、いくらかくさびで固定されたままであり得る。しかしながら、改善された保持機能が必要である。
患者の体内の外科的処置をサポートするためのカニューレが提供される。カニューレは、体に対するカニューレのフォースフィットのための強化で構成された外面を備えたフォースフィットカニューレである。強化は、外面での摩擦係数を高めるために複数の円周方向のリブを含む。
図1は、強化された表面のフォースフィットカニューレの実施形態を備えたトロカール101の側面断面図である。 図2は、図1のフォースフィットカニューレが利用される硝子体切除術処置中の患者の眼の側面断面略図である。 図3Aは、図2の眼におけるカニューレの一実施形態の側面部分断面図である。 図3Bは、図2の眼におけるカニューレの別の実施形態の側面部分断面図である。 図4は、図3A及び3Bの4-4から取られたカニューレと眼組織との間の界面の拡大図である。 図5Aは、図1のフォースフィットカニューレの細い表面の図であり、そこにある個々の突起列を明らかにしている。 図5Bは、フォースフィットカニューレの細い表面の別の図であり、図5Aの列を形成する個々の突起を明らかにしている。 図6は、眼科手術をサポートするために表面が強化されたフォースフィットカニューレを利用する実施形態を要約したフローチャートである。
以下の説明において、本開示の理解を提供するために、多数の詳細を記載する。しかし、記述する実施形態が、これらの特定の詳細なしで実施され得ることは、当業者であれば理解するであろう。更に、具体的に記述する実施形態において依然として企図される多数の変形又は修正が採用されてもよい。
実施形態を、ある特定の種類の硝子体切除外科的処置を参照して説明する。例えば、異なる眼の状態に対処するために硝子体液を除去する処置を示す。そのような処置のために、強化された表面のフォースフィットカニューレの実施形態は、様々な場所で利用され得る。例えば、そのようなカニューレは、硝子体プローブの針、光源、又は注入器具の位置決めを容易にし得る。そのような処置は、網膜剥離、黄斑ひだ形成症、黄斑円孔、硝子体浮遊物、糖尿病性網膜症、又は様々な他の眼の状態に対処するために用いられてもよい。眼科手術のための介入ツールはそれぞれ、強化された表面のフォースフィットカニューレによってサポートされ得る。
ここで図1を参照すると、強化された表面のフォースフィットカニューレ110の実施形態を備えたトロカール101の側面断面図が示されている。具体的には、トロカール101は、眼組織などの組織を貫通するように構成されたトロカール150を含むアセンブリである。したがって、カニューレ110を含むアセンブリ101全体を、組織に挿入することができる。結果として、トロカールアセンブリ101の挿入に続くトロカール150の除去によって、フォースフィットカニューレ110が残って、組織への、又は組織を越えた誘導された外科的アクセスのための構造的ポートとして機能する(例えば、図2を参照されたい)。
図1を参照して続けると、トロカール150は、上記のように組織を貫通するためのブレード端部160を含む。この端部160の鋭さの程度は、用途に応じて変化し得る。トロカールの中央部分は、外科医が手動でアクセスできるヘッド155に通じている。したがって、アセンブリ101の位置決めに続いて、タブ157は、カニューレ110のヘッド105のキー凹部115から移動され得る。このようにして、トロカール150は、アセンブリ101の残りの部分から除去することができる。これは、図2に示されるように、記載される誘導された外科的アクセスを提供するために管状ポート175を後に残す。
続けて図1を見ながら、図2を更に参照すると、配置されたカニューレ110は、内部管規格が23、25、又は27で直径が1ミリメートル未満であり得る(例えば、約0.40mm~約0.65mmの間)(他の寸法も企図される)。繰り返しになるが、手術の開始時、及びその後の手術の過程で、カニューレ110は、それを通して手術器具を収容するために、旋回又は角度付けタイプの方法で動かされる可能性が高い。そのため、カニューレ110が外れるリスクが存在する。したがって、カニューレの外面は、そのような脱落に対してある程度の摩擦抵抗を導入するために、強化された表面領域100を含む。示される実施形態では、この領域100は、眼組織と整列するためにカニューレヘッド105のすぐ下に位置する(例えば、図3A、3B及び図4にも示されている強膜270を参照されたい)。もちろん、領域100は、カニューレヘッド105のすぐ下の位置を超えて延びることができる。一実施形態では、強化された表面領域100は、管状ポート175の外面の実質的に全体を覆う。或いは、領域100は、カニューレヘッド110の下の所定の距離に制限され得る。
ここで特に図2を参照すると、図1のフォースフィットカニューレ110が利用される硝子体切除処置中の患者の眼250の側面断面の概要が示されている。より具体的には、硝子体切除プローブ265及び光源225への誘導されたサポートを容易にするために配置された2つのそのようなカニューレ110が示されている。カニューレ110は、上記のように直径が小さいだけでなく、図1のトロカール101の残りの部分と一緒に長さが比較的短くてもよい。これは、視神経260、網膜275、及び眼250の後ろの他のより繊細な機能への損傷のリスクを回避するのに役立つ。更に、強化された表面領域100は、領域100と隣接する眼組織270との間の界面300での脱落に対する実質的な摩擦抵抗を提供する(図3A及び3Bを参照されたい)。
その表面に存在する領域100を用いて、各カニューレ110は、上記のように器具265、225を受け入れるために比較的垂直な位置に安全且つ確実に移動され得る。すなわち、以下に詳述するように、改良された摩擦界面は、偶発的なカニューレの除去の可能性を低減し得る。図示の例では、硝子体切除プローブ265の針290は、カニューレ110の1つを通して挿入され、硝子体液が除去される領域210に向けられる。具体的には、上述のように、吸引が適用され、ポート277は、硝子体液又はその他の物質の取り込みのために用いられる。例えば、図示する処置において、領域210内で出血が起こる可能性があり、血液は硝子体液と共にポート277に引き込まれる。
図示された手術はまた、別のカニューレ110を介して眼250に到達する照明器具225が含まれる。どちらの場合も、カニューレ110は、強膜270にオフセットして配置されている。このようにして、より繊細な角膜290及び水晶体280を回避することができる。
ここで図3A及び3Bを参照すると、カニューレ110の異なる実施形態の側面部分断面図が、図2の目に配置されて示されている。より具体的には、強化された表面領域100は、図3Aに示されるように水平のリブの列で構成され得るか、又は図3Bに示されるようなねじ式の構成で提供され得る。いずれかの実施形態を特に参照すると、管状ポート175の領域100から突出する図示の列のために、いずれかのカニューレ110の滑り又は引っ張りがどのように抵抗に直面するかは明らかである。すなわち、ポート175が強膜組織270によってしっかりと囲まれている場合、領域100の突起列は、そのような引っ張りに対する摩擦抵抗をもたらし、カニューレ110が所定の位置に留まるのに役立つ。
図3Bの実施形態では、損傷を最小限にするために、図1のトロカールアセンブリ101全体が、カニューレ110が所与の方向にある程度回転された状態で強膜270を貫通することができる。図示の実施形態を特に参照すると、これは、領域100でのねじ山の角度のために時計回りの方向である。このようにして、カニューレ110は、損傷を最小限に抑えるように、強膜270にある程度ねじ込むことができる。同様に、手術後、カニューレ110は、再び損傷を最小限に抑えるのを助けるために、除去中に反対方向に回転させることができる(例えば、図示の実施形態では反時計回りに)。配置又は除去の適切な時点でカニューレ110を一方向又は別の方向に戦略的に回転させると、配置又は除去に対する摩擦抵抗を低減し得ることに留意されたい。しかしながら、手術中は、脱落の可能性が懸念されるカニューレの動きは戦略的に回転しないようにする。したがって、脱落に対する摩擦抵抗を失うリスクは、そのような実施形態にとって実際的な懸念事項ではない。
ここで図4を参照すると、界面300の拡大図が、図3A及び3Bの4-4から取られて示されている。界面300は、ポート構造175の強化された表面領域100のカニューレ100と眼組織270との間にある。この特定の図では、ポート構造及び表面領域100が、界面300のところに断面で示されていることに留意されたい。したがって、表面領域100は、図3A又は3Bの実施形態のいずれかのものでもあり得る。すなわち、個々のリブ又は突起400は、本質的に水平又はねじ状のものであり得る。
実際、様々な追加の形態も可能である。例えば、突起400は、連続したリブであり得るか、又は隣接する組織270に摩擦グリッドを提供する個々のスケール又は歯のような構造の列から構成され得る。もう一度言えば、描写された突起400は、約25ミクロンの距離/高さでポート構造175から垂直又は水平に現れる(他の寸法も可能であり、例えば、距離/高さは、およそ5~10ミクロンの範囲であり得る)。しかしながら、これは必須ではなく、一実施形態では、突起400は、周囲の組織270に対して脱落するよりも挿入が更に有利になるように、上向きに角度を付けることができる。
ここで、図5A及び5Bを参照すると、走査型電子顕微鏡(SEM)を介して明らかであり得るような、強化された表面領域100の実施形態のより詳細な図が示されている。具体的には、図5Aは、図3A及び4に示されるような列になった突起400がどのように見えるかを示している。或いは、図5Bは、図4に示されるように、隣接する組織270に摩擦グリッド表面を提供し得る、上で言及された個々の歯のような突起500を示す。図5Bの実施形態では、これらの突起500は、約10x10~50x50ミクロンであり、約5~25ミクロンの深さである(突起の他の寸法もまた企図される(例えば、およそ5~10ミクロンの範囲内))。更に、個々の歯として示されているが、突起500は、図4のものと同様に列に整列していることに留意されたい。
ここで図6を参照すると、眼科手術をサポートする強化された表面を備えたフォースフィットカニューレを利用する実施形態を要約したフローチャートが示されている。具体的には、トロカールアセンブリは、615で示されるように患者の眼に挿入され、アセンブリの内側のトロカールは、630で示されるように除去される。したがって、独特に安全な、強化された表面のカニューレが挿入点に残される(645を参照されたい)。
660、675、及び690に示されているように、カニューレの角度を繰り返し変更し、そこを通して手術器具を配置し、その器具を使用して進行中の手術をサポートすることもできる。実際、これらのことはすべて、カニューレを配置した手術前を含め、手術全体を通して繰り返し、様々な順序で発生し得る。それにもかかわらず、フォースフィットカニューレは、隣接する組織と比較して摩擦能力を改良するために、強化された表面領域を用いて独特に構成されている。したがって、記載されているすべての動きにもかかわらず、カニューレが外れる可能性は低くなる。
上記の実施形態は、外科的処置のための配置中及び配置後の保持を改良するカニューレを含む。加えて、独特の形態は、損傷を増す可能性のあるストレッチ力の導入を配置により回避するようなものである。最終的に、より水密で安全な外科的サポートが提供される。
前述の説明は、本明細書で説明される実施形態を参照して提示されている。しかし、開示されているが上で詳述されていない他の実施形態及び/又は実施形態の特徴が採用されてもよい。更に、これらの実施形態が属する技術の当業者は、説明された構造及び動作方法における更に他の改変及び変更が、これらの実施形態の原理及び適用範囲から有意に逸脱することなく実施されてもよいことを正しく理解するであろう。加えて、前述の説明は、説明し、添付の図面に示す正確な構造にのみ属するものとして読み取るべきではなく、むしろ、それらの最大限且つ最も公平な適用範囲を有することになる以下の特許請求の範囲と一致し、それらをサポートするものとして読み取るべきである。

Claims (15)

  1. 患者の体における外科的処置をサポートするためのカニューレであって、前記体からの前記カニューレの脱落に対する摩擦抵抗を改良するための強化領域で構成された外面を含む、カニューレ。
  2. 前記カニューレがフォースフィットカニューレであり、前記外科的処置が眼科手術である、請求項1に記載のカニューレ。
  3. 前記強化領域が、前記外面に複数のリブの列を含む、請求項1に記載のカニューレ。
  4. 前記リブの列が、約5~10ミクロンの範囲の高さのプロファイルを有する、請求項3に記載のカニューレ。
  5. ヘッドと、
    前記ヘッドに結合された管状ポートであって、前記強化領域を収容し、前記処置中に前記患者の前記体を貫通するための、管状ポートと、
    を更に含む、請求項1に記載のカニューレ。
  6. 前記管状ポートが、約0.40ミリメートル(mm)~約0.65mmの間の管腔内径を含む、請求項5に記載のカニューレ。
  7. 前記強化領域が前記管状ポートの外面の実質的な全体を占めている、請求項5に記載のカニューレ。
  8. 患者の体を貫通するためのブレードを備えたトロカールと、
    トロカールの除去時に前記体を対象とする外科的処置をサポートするための前記トロカールの周りのカニューレであって、前記体からの前記カニューレの脱落に対する摩擦抵抗を改良するための強化領域で構成された外面を含む、カニューレと、
    を含む、トロカールアセンブリ。
  9. 前記カニューレが、その外面に前記強化領域を収容するための管状ポートを更に備える、請求項8に記載のトロカールアセンブリ。
  10. 前記強化領域が複数のリブの列を含む、請求項9に記載のトロカールアセンブリ。
  11. 前記リブの列が、水平のリブの列及びねじ式リブのうちの1つである形態のものである、請求項10に記載のトロカールアセンブリ。
  12. 前記リブの列が、連続するリブ及び個々の突起の列のうちの1つである形態のものである、請求項10に記載のトロカールアセンブリ。
  13. 前記個々の突起の列が、前記強化領域と前記患者の前記体との界面に摩擦グリッドを提供する、請求項12に記載のトロカールアセンブリ。
  14. 前記摩擦グリッドが、10ミクロン×10ミクロン~50ミクロン×50ミクロンで5~25ミクロンの突起のグリッドである、請求項13に記載のトロカールアセンブリ。
  15. カニューレを患者の目に配置することと、
    強化領域で構成されている前記カニューレの外面により、前記患者の眼からの前記カニューレの脱落に対する摩擦抵抗を改良することと、
    を含む方法。
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