JP2010516331A - トロカールカニューレシステム - Google Patents

Abstract

注入カニューレあるいはプラグを含むことができる、顕微外科処置用器具をトロカールカニューレ内での保持を改善するための３点屈曲ロック機構を組み込んだトロカールカニューレシステム。
【選択図】図１

Description

本発明は、一般的に、外科処置用器具に関し、より具体的には、しかし、限定ではないが、後区眼科外科手術に使用される外科処置用器具に関する。

多くの顕微外科処置過程では、様々な体細胞の正確な切断又は除去が必要とされる。例えば、硝子体網膜外科では、切断、除去、切開、層間剥離、凝固、又は、硝子体液、摩擦帯、膜組織、又は、網膜のような壊れやすい組織を操作することが必要とされる。硝子体液あるいは硝子体は、多くの場合網膜に付着している多くの微細な繊維から構成されている。したがって、切断、除去、又は、その他硝子体処置操作は、網膜上の摩擦、脈絡膜からの網膜の分離、網膜を引きちぎること、又は、最悪の場合として、網膜自身の切断及び剥離を避けるように非常な注意を払ってなされなければならない。

硝子体切除術用プローブ、光ファイバー照明器具、注入カニューレ、吸引プローブ、はさみ、ピンセット、及び、レーザーのような、外科処置用器具は、通常、硝子体網膜外科処置中に使用される。これらの器具は、一般に、扁平部近傍で強膜上に設けられた、１つあるいはそれ以上の外科的な切開口を通して挿入される。これは、強膜切開と呼ばれている。これらの器具を繰り返し挿入したり取り除いたりすることによって、硝子体あるいはその他流体は強膜切開を通して眼から漏れて、眼球が軟化する、出血する、網膜を擦る、あるいは、バクテリアが眼の中へ進入するポテンシャルを増大する。したがって、トロカール及びプラグは、多くの場合、潅注溶液を眼の中に注入して適当な眼球内圧力を維持するのに使用される。

トロカール及びプラグは、多くの場合、注入カニューレと接続して使用される。トロカールカニューレは、強膜を通して眼の後区へと入る入口を作る。注入カニューレは、眼に潅注溶液を供給するように、トロカールカニューレ内に配置される。トロカールプラグは、注入カニューレを取外すとき、漏洩を防止するように、トロカールカニューレ内に配置される。外科処置中に望まない圧力損失を防止するために、トロカールカニューレと注入カニューレあるいはトロカールプラグとの間の信頼性のある接続を確立することが重要である。通常、このような接続は、トロカールカニューレの内径と注入カニューレあるいはトロカールプラグの外径との間のインターフェイス‐フィットを介して実現される。しかしながら、インターフェイスは、トロカールカニューレと注入カニューレあるいはトロカールプラグの非弾性変形を引き起こし、トロカールカニューレと注入カニューレあるいはトロカールプラグの静的摩擦を発生させてしまう。このようなインターフェイスは、小さい寸法の器具では、従来の製造誤差を以って制御するのも困難である。さらに、このようなインターフェイスを形成する従来の方法は、注入カニューレを圧着するあるいはかしめることによるものである。しかしながら、このような圧着するあるいはかしめることによって、注入カニューレ内の流れを制限してしまい、これは、ある種の外科処置での高真空の設定中には、特に望ましくないものである。したがって、改良されたトロカールカニューレシステムの必要性は依然として残存している。

ひとつの態様として、本発明は、概ね、トロカールカニューレと外科処置用器具とを含むトロカールカニューレシステムである。トロカールカニューレは、ハブとハブに連結されたチューブを持っている。チューブは、突起をその上に配置された内面を持っている。外科処置用器具は、取外し可能で部分的にチューブ内に配置されている。外科処置用器具は、突起と噛み合う（あるいは、はめ合わせる）ための窪みをその上に配置された外面を持っている。突起と窪みを噛み合い（あるいは、はめ合わせ）によって、外科処置用器具は、３屈曲点で支えられてトロカールカニューレ内にしっかりと固定される。

本発明、本発明のさらなる目的と効果をより完全に理解するために、添付の図面と関連付けて以下の記載は参照される。
本発明にしたがった、トロカールカニューレシステムの概略側面断面図である。 図１の参照番号２の部分の詳細が示された、トロカールカニューレシステムの注入カニューレ部の拡大側面断面図である。

本発明の好適な実施態様及びその作用効果は、類似あるいは対応する部分には類似参照番号を使用している。図１−２を参照することで最もよく理解することができる。

図１は、概ね、トロカールカニューレ１２、及び、注入カニューレあるいはトロカールプラグ１４を含んでいる、トロカールカニューレシステム１０を示している。記載を簡単にするため、本発明は、トロカールプラグあるいは顕微外科処置用機器に全く同様に適用できるとして、以下、注入カニューレを参照して記載する。

トロカールカニューレ１２は、概ね、近端ハブ１６及びチューブ１８を含んでいる。ハブ１６は、注入カニューレ１４を受ける開口２０、注入カニューレ１４、強膜の内面と接触する環状面２２、強膜の外面と接触する環状面２４を含んでいる。チューブ１８は、中空ボア２５、内面２６、注入カニューレ１４を受ける開口２８、及び、注入カニューレ１４を眼の後区に通過させることができる開口３０を含む。チューブ１８は、ハブ１６内に配置されて第一内側直径を持つ第一部、及び、第一内側直径よりも小さい第二内側直径を持つ第二遠端部を持つ。内面２６は、好適には、ハブ１６内に配置される、凸状の突起３２を有する。トロカールカニューレ１２は、好適には、外科用ステンレス鋼から形成される。

注入カニューレ１４は、概ね、中空ボア３４、潅注流体が眼の後区に入れるようにする開口3３６、ハブ１６内に配置されて第一内側直径を持つ第一部、及び、第一内側直径よりも小さい第二内側直径を持つ第二遠端部を含む。図２に最もよく示されているように、注入カニューレ１４は、トロカールカニューレ１２の突起３２と噛み合うための凹状の窪みあるいはへこみ３６をその外面に有している。注入カニューレ１４は、好適には、外科用ステンレス鋼から形成される。

使用時、外科医は、強膜がハブ１６の面２２とハブ１６の面２４との間に配置され、開口３０が眼の後区内に、好適には、眼の硝子体腔内に配置され、そして、開口２０が強膜の外側に配置されるように、強膜切開部を形成してその中にトロカールカニューレ１２を挿入する。外科医は、開口３６が眼の後区内に、好適には、眼の硝子体腔内に配置されるように、注入カニューレ１４をチューブ１８に挿入する。トロカールカニューレ１２の突起３２は、注入カニューレ１４の窪み３６と噛み合う。突起３２と窪み３６の噛み合いによって、注入カニューレ１４は、弾性的に、３屈曲点に配置されて、合理的な保持力で注入カニューレ１４をトロカールカニューレ１２内に確実にしっかりと固定される。突起３２と窪み３６の噛み合いは、注入カニューレ１４のボア３４内の流れを制限する特性をまったく持たない。突起３２と窪み３６の噛み合いは、注入カニューレ１４を取外すことができる合理的な力で外すことができる。その後、トロカールプラグ１４、あるいは、その他顕微外科処置用器具を同じ強膜切開部に挿入することができる。

以上の記載より、本発明の作動と構成は明らかであると思われる。以上に示され記載された装置と方法は、好適な例として特徴付けられるものであり、以下の請求項で定義される本発明の範囲と思想を逸脱せずに、種々の変更あるいは変形態様が可能である。

Claims (8)

1. トロカールカニューレシステムであって、
   ハブと前記ハブに連結され、かつ、突起を持つ内面を有するチューブとを持った、トロカールカニューレと、
   取外し可能で部分的に前記チューブ内に配置され、かつ、前記突起と噛み合う窪みを持つ外面を有する、顕微外科用器具とを備え、
   前記突起と前記窪みとの前記噛み合いによって、前記トロカールカニューレ内に前記器具をしっかりと固定するように、前記器具を３点屈曲部にて固定する、トロカールカニューレシステム。
2. 前記突起は、凸形状を持つ、請求項１に記載のトロカールカニューレシステム。
3. 前記窪みは、凹形状を持つ、請求項１に記載のトロカールカニューレシステム。
4. 前記顕微外科処置用器具は、注入カニューレである、請求項１に記載のトロカールカニューレシステム。
5. 前記顕微外科処置用器具は、トロカールプラグである、請求項１に記載のトロカールカニューレシステム。
6. 顕微外科処置用器具をトロカールカニューレ内にしっかりと固定する方法であって、
   トロカールカニューレを眼の強膜内へ挿入する工程と、
   前記器具の遠端が眼の中に配置されるように、顕微外科処置用器具をチューブ内へ挿入する工程とを含み、
   前記チューブの内部形状と前記器具の外部形状とが、前記トロカールカニューレ内に前記器具をしっかりと固定するように、前記器具を３点屈曲部にて固定する、
   顕微外科処置用器具をトロカールカニューレ内にしっかりと固定する方法。
7. 前記顕微器具は、注入カニューレである、請求項６に記載した方法。
8. 前記顕微器具は、トロカールプラグである、請求項７に記載した方法。

Images